2017年7月25日 (火)

SPEC『 RSA-888DT 』をレポート~電解コンデンサー「響一」が効いたプリメインが面白い!! ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、SPEC(スペック)の話題のプリメインアンプ『 RSA-888DT 』をレポートします。

スペックは"Dクラス"アンプの特徴を生かし、実績ある前作「RSA-888」に電解コンデンサー「響一」を搭載することで新次元の "リアル・サウンド "を実現しました!


SPEC「RSA-888DT」
SPECが最大限引き出した"Dクラス"アンプのメリット

スペック株式会社は、2010年に元パイオニアマンが独立して創業した高級オーディオ専門メーカーです。同社が目指すのは「心を震わす、リアリズム」です。そのスペックの話題のプリメインアンプ『 RSA-888DT 』をレポートします。

アンプが入力信号通りにスピーカーユニットの振動板を正確に動かすことは、非常に難しいことです。振動板を信号の微妙な強弱に合わせて俊敏に前後させる必要がありますが、その際どうしても逆起電力が発生してしまいます。その逆起電力がスピーカーの振動板を動き出しにくく、また止まりにくくしてしまっているのです。

スピーカーのボイスコイルから発生する逆起電力は、スピーカーからアンプにフィードバックされ、アンプ内部で位相遅れを発生させます。そのためインピーダンス変動や位相遅れが発生し、その影響によりどうしても音楽信号の時間軸上で元信号との差異が生じてしまいます。

結果的には、躍動感に乏しい音楽、平面な音場、薄めの音色となってしまうのです。すなわちリアルで自然な、そして心地よい音楽再生とは程遠いものとなってしまっていたのです。

その逆起電力に強いスピーカーの駆動方式として"Dクラス"アンプが、一般的なアナログ半導体アンプに比べて原理的に優れているとされています。"Dクラス"アンプの技術自体は、別段新しいものではなく、かなり以前からあったのですが、開発当初から、"Dクラス"は音が悪いとマニアの間では定説になってしまったのでした。

それは当時オーディオ的に入念に設計された良質なデバイスが無かったからに他なりません。そこでスペックは創業時から、"Dクラス"アンプのデバイス(マザーボード)にPWM方式のインフィニオン社(元 米国IR社)製を採用しています。その採用を決定したのは、あくまでも"音"であったと同社の石見社長は述べられています。

これにより大電流を理想的な波形でスイッチングすることができ、"Dクラス"アンプのメリットを最大限に引き出すことができたのです。

スペックが採用しているPWM※方式(Dクラスには0か1のΣΔ方式もある)の"Dクラス"アンプは、パワー段はスイッチングしているものの、それは1秒間に何十万回という高速で、そのONの時間の間はアナログ的に動作しており、音声情報を量子化することはありません。よって同社のアンプはアナログ的に動作しているアナログアンプとも言えるのです。(※ONとOFFの繰り返しスイッチングを行い、出力される電力を制御します。一定電圧の入力からパルス列のオンとオフの一定周期を作り、ONの時間幅を変化(パルスの幅だけを狭くしたり広くしたり)させる電力制御方式です。)

"Dクラス"アンプは、スイッチングによって電力をコントロールしますので、原理的には熱を発生しません。パワーアンプでありながら、大きな放熱機構を必要としませんし、熱を出さないので、筐体を密閉構造にすることができ、内部に埃が入ることもありません。

また、このデバイスは小型でしかも電源効率が非常に高いのが特長です。従ってアンプ部本体の容積を最小にできるだけではなく、周辺の回路やリード線も最短にでき、前述のように放熱対策も不要になることで、ノイズ発生を極限にまで抑えることができたと言います。

一方、スペックが音質を大きく左右する重要なポイントと考えているのが、製品内部に使われている各種部品です。音質効果を最大限考慮した結果。最適なコンデンサー、抵抗、コイルなどのパーツを時間と労力をかけて探し出し、それらを絶妙に組合せることで、音楽的なサウンドを実現できたとしています。そのこだわり様には脱帽です。

『 RSA-888DT 』に搭載された電解コンデンサー「響一(ひびきいち)」とは?

今回の『 RSA-888DT 』の電源部の電解コンデンサーには、新開発ニチコン製ケミカルコンデンサー「響一」が搭載されています。同社はこれにより更に動特性に優れ、心地よく音楽性あふれる "響き "を生み出したとしています。

電子部品の開発は日々行われており、オーディオ機器に使用される部品もその例外ではありません。スペックは、毎年発表される新しい部品の中から、オーディオ製品に最適なものを選択し、さらに作り込む研究もしているのです。

今回『 RSA-888DT 』に採用された「響一」は、2016年に発表されたニチコン製の電解コンデンサーで、スペックのエンジニアがその開発段階から音質評価に参加したとのことです。

「響一」はオーディオ用にレスポンスの速さを求めて、新たに低密度電解紙を開発。さらに素子止めテープにも、ニチコンの「MUSE」コンデンサーから着想を得て新規に開発したテープを採用し、コンデンサーケースも構造を見直し、鳴きを抑えることができたのだと言います。

『 RSA-888DT 』は、2013年に発売され高評価を得、数々の受賞実績のあるプリメインアンプ「RSA-888」に、このニチコン製「響一」を搭載し、チューンアップした最新の"リアルサンドアンプ"と言う訳です。

これにより前作の特徴でもあった、スピード感のある低域、ハイレゾ音源のもつ透明度の高い中高域の表現力を更に進化させたのです。

それは、動特性に優れ、歯切れよく、心地よい音楽性のあふれる "響き "であり、これにより新次元の "リアル・サウンド "を実現できたと言います。

また、前作「RSA-888」から採用されているスイッチング電源※は、"Dクラス"アンプとの相性が良いことは知られていましたが、従来あまり高い評価はされていませんでした。(※小型・軽量の電源として電子機器では広く使われていますが、アンプ用では従来型のアナログ電源が主流でした。本機に採用されているスイッチング・コントロールICは、アナログ電源に比肩しうる自然な豊かさ、かつ明快なダンピングと量感あふれる低域を併せ持つ理想的な電源です。)

スペックのエンジニアは、音の良い高品質スイッチング電源システムを開発したのです。この高品質な電源部が、どんな音楽でも余裕を持って鳴らしきる明快で量感あふれる低域、ノイズから解放された透明感の高い中高域を実現したのです。

本機は、ヴァイオリン等の楽器に使われるスプルースの単板で、ピアノの鍵盤に使用されるイタヤカエデ材をサンドイッチ状に挟み込んだハイブリッド構造の木製サイドパネル・インシュレーター(特許取得済み)を採用しています。

底面後方中央にある同じ材質の木製インシュレーターによる3点設置するというユニークな構造となっており、内部振動の減衰と外部振動の制御に貢献しているのです。さらに内部配線系もグレードアップしているとのことです。

最後に
このように"Dクラス"アンプの特徴を生かすことで横幅35cmとコンパクトな筐体を実現。さらに筐体に音の良い木が使えたことによる効果について、前述の石見社長は、音楽性たっぷりで、豊かな響きをもつ、温かなサウンドが実現できたと自信たっぷりでした。

『 RSA-888DT 』は、前作の切れ味がよくスピード感のある低域、透明度の高い充実した中高域をもつサウンドに、豊かな包容力が加わったリッチなサウンドと感じました。それが「響一」の効果かは定かではありませんが、明らかに前作より情報量が増え、充実したサウンドは、ハイエンド的な大幅なグレードアップを実感できました。

特にボーカルが出色で、生に近いリアルな温かさを感じさせ、オーディオ機器の存在を忘れさせるダイレクト感も感じました。これこそ良質な"Dクラス"アンプとスイッチング電源、そして巧みに木を使った筐体の成せる業と思います。

人気のプリメインアンプがどうしても高級化・高額化する傾向の中にあって、30万円台でこの性能を実現していることに、スペックのエンジニアの「心を震わす、リアリズム」と言う理想を実現するための底力を感じました。

蛇足ですが、長時間通電しても天板がほんのり温かくなる程度と、発熱が非常に少ないと言うことが、真夏のオーディオリスニングには打ってつけとも感じました。

(あさやん)

2017年7月16日 (日)

USB-DACの歴史を大きく塗り替える! OPPO Digital『 Sonica DAC 』の先進性とは?

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、デジタル音源再生の万能機! OPPO Digital USB-DAC『 Sonica DAC 』をご紹介!近頃、デジタル・リスニングに対するストレスを感じる方が多い中で、オーディオファンの不満を解消しうる製品です。
デジタル・リスニングに対するストレス

近頃、USB-DACを使ってのPCオーディオやファイルオーディオに一時期のような熱いモノを感じないのは筆者だけではないのではないでしょうか。どうしても自宅でのデジタル・リスニングの際に、アナログ・リスニングではなかったある種のストレスを感じてしまうからかも知れません。

その原因を筆者なりに考えてみますと、
1.またぞろオーディオ界にサンプリング周波数などの「数字競争」がはびこってきた。
2.USBやネットワーク、ストリーミングなどの再生方法が混在してしまっている。
3.ハイレゾ音源にPCMとDSDがある上に多くのファイル形式が存在する。
4.アナログオーディオのスキルだけではどうしてもデジタルを完全に使いこなせない。などなどです。

特に4.に関してはアナログを知り尽くした人間程、デジタルの不条理さに投げ出したくなった経験が、一度や二度ではないのではないでしょうか。そこにはアナログにあった優しさや、ある種の寛容性に乏しいからなのではないでしょうか。

そんな中にあって、最近のUSB-DACのヒット作はと言いますと、このコーナーでも以前に取り上げています米国マイテックデジタルの「BROOKLYN DAC」と国産ソウルノートの「D-1」です。いずれも異例のヒットとなっています。



そこに、発売前から大変な評判となり、爆発的なヒット(発売以来品薄状態が続きました)となって加わってきたのが、今回ご紹介します米国OPPO Digital(オッポ・デジタル)社の『 Sonica DAC 』です。早速その先進性を見て参りましょう。

OPPO Digital社とは

OPPO Digital社は、米カリフォルニア州のIT最先端のシリコンバレーに2004年に創業したエレクトロニクスメーカーです。同社は、主にアメリカ、ヨーロッパ、日本、オーストラリアの各地域で、ユニバーサルプレーヤーや、パーソナルオーディオ製品を含む高級AV機器の製造開発および販売をしています。同社の製品はアメリカのR&D(研究開発)チームにより設計・開発されています。

同社は創業以来コストパフォーマンスの高い製品を提供し続けており、ユニバーサルプレーヤーは最も優れた製品として人気を博し、過去には「BDP-105」や「BDP-103」、最新の「UDP-203」「UDP-205」が今現在大ヒットとなっています。

また、2014年から参入した、高級ヘッドホン「PM-1」やDAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ「HA-2」も人気モデルとなっており、欧州で最も権威のある賞である“EISAアワード”を受賞したと言います。

OPPO Digital初のUSB-DAC『 Sonica DAC 』

話は戻りますが、前述の2.に関しては、パソコンを使って内蔵または外付けHDDにためた音源を再生するにはUSB-DACが必要であり、NASに保存した音源の再生にはネットワークプレーヤが必要となるなど、音源の保存場所によって別の機器が必要になるため、コストはもちろん手間も半端ではありませんでした。これがPCオーディオが登場して10年になろうかと言う今の現状でもあります。

そんなPCオーディオやネットワークオーディオに対するオーディオファンの不満を解消してくれるのがOPPO Digital初のUSB-DAC『 Sonica DAC 』という訳です。それは、同社が放つハイエンドオーディオ製品の第一弾でもあるのです。

まずは『 Sonica DAC 』のフィーチャーから。

DACチップには、アキュフェーズのフラッグシップ「DC-950」をはじめとした最新のハイエンドD/Aコンバーターなどに競うように使われているESS Technology社の新世代DACチップ「ES9038PRO」が採用されています。この価格の製品としては全く異例なことです。これこそ恐らくグローバル企業の大量発注の成せる業でしょう。

さらにXMOS(エックスモス)社製のUSBインターフェース回路を採用したことで、USB入力では最大32bit/768kHzのPCM音源のほか、最大22.6MHz(DSD512)のDSD音源の再生にも対応できたのだと言います。

それにしても私には、どうしてもオーバースペックとしか思えないのですが・・・。これこそが将来を見据えた最高スペックのハイレゾ音源の再生に対応していることになるのだそうです。ただ、ファイル形式やサンプリング周波数を気にする必要がなくなったことは大歓迎です。

USB-DACとしてはMacでも11.2MHz(DSD256)まで再生でき、1系統を装備したLAN端子でのネットワークオーディオプレーヤーとしても最大24bit/192kHzまでのPCM音源および2.8MHzまでのDSD音源の再生に対応しています。USBによるPCオーディオとネットワークオーディオの境界線を完全に取っ払ったとも言える内容です。

さらに本機で再生可能なメディアとしては、Bluetooth、AirPlay、SponifyとTIDALのストリーミングサービス(標準サポート)、USBメモリ、インターネットラジオとまさにてんこ盛り状態です。

そしてそれらの操作は、専用アプリ「SonicaApp」を駆使することで可能としています。これは本機が単なるDACではなく、ネットワーク接続を前提として設計されていることで実現できたのです。リスニングルームの音場補正まで可能とのことです。

その他、USB-A端子を2系統、同軸デジタル入力1系統、光デジタル入力1系統を装備し、さらにRCAアナログ入力1系統まで装備しているのです。また、本機はこれ1台でDACプリとも言えるのですが、これは「ES9038PRO」内蔵のデジタルボリュームとフルバランスのアナログ回路を持つことから可能になったのです。ヘッドホンアンプはDACとしての音質を追求した結果、あえて搭載を控えたのだと言います。

従来機になかったコンセプトの製品『 Sonica DAC 』

『 Sonica DAC 』は、既存のオーディオシステムに追加するのも良し、アクティブスピーカーと組み合わせて極めてシンプルなシステムを構築するのも良しの従来機になかったコンセプトの製品でもあります。

横幅254mmとコンパクト設計ですが、肉厚のあるアルミ筐体や金属製のツマミは価格以上の高級感を漂わせています。そして、高性能なDACチップだけで音が良くなる訳ではないことはOPPOは十分承知で、「ES9038PRO」の性能を十分引き出すため、トロイダルトランスを採用した直流安定化電源やフルバランス設計のアナログ回路まで採用しています。アナログ出力にはRCAの他にXLRバランス出力まで用意するというこだわりようです。

ここまでで『 Sonica DAC 』の異常な程の多機能ぶりは十分お分かり頂いたと思います。そう、あとは音質です。以下は当社の“耳自慢”のUSB入力でのサウンドの印象です。

気になるサウンドは?

抜群の分解能を感じさせるサウンドで、非常に解像度が高く、鮮度感、立ち上がりの速さも素晴らしものがあったと言います。また、ハイファイ指向の機器で感じることのある色付けのない無機的な冷たさは一切なく、適度な温かみを持つ耳なじみの良い、潤いを感じさせるナチュラルさだと言います。

情報量の多さ、透明度の高い見通しの良い音場は、さすがESSのDACチップの高性能さを感じさせますが、従来のESS DACに感じていたある種のキレやスピード感に加え、『 Sonica DAC 』では、従来以上に密度感や温度感を出すことができたとも言えます。これはDAC以降の回路を追求することで実現できたのではないかと思います。

なお、『 Sonica DAC 』には100時間以上のエージングが推奨されており、当初の音質から大きく変化するとのアナウンスもあります。また出力電圧が高いため、許容入力の低い普及クラスのアンプではボリュームを若干絞ってお使いになることが提案されています。

最後に。
『 Sonica DAC 』は、通常のD/AコンバーターやUSB-DACとしてはもちろん、ネットワーク再生やストリーミングサービスへの対応など、全てこの一台でこなせる、まさにデジタル音源再生の万能機とも言える画期的な製品です。

さらにアナログ入力を装備したプリアンプでもあることから、「痒い所に手の届く」とも言える完成度をこの価格で実現したのですから・・・脱帽です。ヒットは当然です。

『 Sonica DAC 』の先進性は、オーディオ界の今後を占う“ターニングポイント”となる予感がします。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年7月15日 (土)

ラックスマンのベストセラー機「L-507uX」から、大きく進化&深化して『 L-507uX II 』として登場!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ラックスマン プリメインアンプ『 L-507uX II 』をご紹介!ラックスマン技術者への電話取材でお答えいただいた音質評価も、交えてレポートしてまいります。


LUXMAN「L-507uXⅡ」
“507”の歴史

LUXMANの“507"と聞いて、私がまず思い出すのは「SQ-507」です。1969年(昭和44年)発売で「SQ-505」とともに当時一世を風靡したプリメインアンプです。

私はそのデザインに憧れ、欲しくてたまらなかったものの、高校生には手が届かなかったのを今も鮮明に記憶しています。これが現在の“500シリーズ”の原形となったのです。


写真は「SQ-505」
※スタッフブログ「ラックスマン(LUXMAN)製品を語るVol.1」より


さて、“507”は1973年「L-507」として、「SQ-507」のデザインを踏襲して発売されましたが、紆余曲折があって、その“507”の復活は1996年発売の「L-507s」まで待たねばなりませんでした。

その後、1999年「L-507sII」、2001年「L-507f」、2009年「L-507u」、そして2012年「L-507uX」と続き、今回5年ぶりに“507”『 L-507uX II 』として登場したのです。

前作の「L-507uX」は、高次元のクリアネスと解像度を実現し、SN感や空間表現力の素晴らしいプリメインアンプでした。そこにAB級アンプの持ち味であるキレと力強さを伴った、ジャンルを選ばないオーディオ性能が高い評価を受け、ロングセラーを続けて来たのでした。

『 L-507uXII 』への進化とは

今回、この直近の5年間にラックスマンが得た数々のノウハウを惜しげもなく投入して完成させたのが『 L-507uXII』です。先にモデルチェンジを果たしている純A級プリメインアンプ「L-590AXII」や「L-550AXII」で得られた最新技術を使うことで、大きく性能を向上させることが出来たのだと言います。

その最新技術とは、ラックスマン独自の高音質帰還回路ODNFの最新バージョン4.0に加え、88ステップとなり、微小音量域で細かな音量調節が可能となった電子制御アッテネーター“新LECUA1000”を搭載したことが大きな進化につながったのだと言います。

特に『 L-507uXII』は、そのプリアンプ部の充実が目立ちます。今回電話ではありますがラックスマンの技術者に直接お話を伺うことができました。

その話の中で最も強調されておられたのは、プリ部の基板の面積が従来機に比べ25%も大きくなったことで、そこにカスタムパーツを多用するとともに、パーツの極性管理を徹底的に行ったのだそうです。これにより音の濁りが格段に少なくなったとのことです。

ラックスマン独自の高音質負帰還回路ODNFでは、誤差検出部を従来機の2パラレルから3パラレルとしたことでより精度がアップし、歪性能を大幅に改善できたと言います。さらに2段目のアンプを2パラレルからダーリントン接続とした最新バージョン4.0としたのです。これにより躍動感が大きく増したのだと言います。

ボリュームコントロールでの音質劣化を最小限に抑え、小音量時のきめ細かな音量調整が可能な“新LECUA1000”を新たに採用することで、広帯域での伸びやかさとエネルギー感溢れる躍動感あるサウンドを実現できたのです。

さらに、プリアンプ回路の出力段には、セパレートアンプの最上位機「C-900u」と同等のディスクリートバッファー回路を追加し、スケール感と音の立ち上がりを際立たせました。そして、これも「C-900u」にも採用されたセパレーションとクロストーク性能を高める高音質セレクター・スイッチICも備えています。

フロントパネルには電子制御のバス/トレブル式トーンコントロールとLECUAによって制御されたLRバランス調節機能も装備されています。プリ/パワーのセパレート入出力も各1系統備え、パワーアンプを追加したバイアンプ構成やAVシステムとの共存も可能です。※プリアウト (PRE OUT) 端子からは、セパレート・スイッチのオン/オフにかかわらず常時出力されます。

さらにプリメインアンプとしては驚異的な負荷対応力を誇るファイナル段3パラレル・プッシュプル構成の220W + 220W (4Ω) 定格出力をひねり出し、あらゆるスピーカーを力強くドライブできます。

高レギュレーションの電源トランスと大容量コンデンサー (10,000μF×4本) を組み合わせた、ハイイナーシャ (高慣性) 電源を採用しています。また高いドライブ能力を実現する低 抵抗値の大型スピーカーリレーをパラレル構成で搭載しています。

そして、電源基板 の接続方式の見直しも図り、ダンピングファクターを従来機の205から260に大幅に向上させたのです。その結果、従来の優れたスピーカー駆動力にさらに磨きがかかったのです。

入力された音声信号をスピーカー出力まで最適・最短ルートで伝送する「ビーラインコンストラクション」を採用。これはミツバチの収蜜・帰巣の最適最短ルートになぞられて開発されたものだとい言います。

内部配線にもこだわりを見せ、各芯(2芯シールドの各々の芯線)スパイラルラップ・シールドと芯線の非メッキ処理を施すことで自然な信号伝送を実現した、独自のOFCワイヤーを採用。さらにデリケートな音楽信号の流れに配慮し、スムーズな電流伝送を実現するためのラウンドパターンを採用した基板配線としています。

もちろん、専用のフォノイコライザーアンプを買い足すことなく、ハイグレードなアナログレコード再生を楽しめるMM/MC対応のフォノイコライザーアンプ回路も内蔵しています。

筐体は、シャーシ電流によるアース・インピーダンスの上昇を回避するため、独立コンストラクションのループレスシャーシ構造とし、新たにグラデーション鋳鉄製レッグを採用することで不要な外部からの振動を強力に遮断しています。これが結構効いていると前述の技術者も述べています。

新デザインのメーターパネルを採用したブラスターホワイトのフロントパネル、LED照明付きメーター、精緻なアルミ・ヘアライン仕上げのトップパネルは高級感を醸し出しています。

また、上位機種と同一で、同社の対応CDプレーヤーの操作も可能なアルミ製リモコンと、ノンツイスト構造のラックスマンの電源ケーブル「JPA-10000」を同梱しています。ACインレットまで金メッキ仕上げとしており、他メーカーの高級電源ケーブルとの交換も意識しています。

すべてのRCA入出力端子は、大型のプラグを装着した高級ケーブルにも対応する18mmピッチとしています。RCAライン入力×4、Phono(MM/MC)×1、XLRバランス×2、録音入出力×1、セパレート入出力×1を装備しており、ヘッドフォン出力も備えています。

最後に
残念ながら、レポート時点では『 L-507uX II 』の試聴はできていませんが、レポートの際、電話での取材に答えていただいたラックスマンの技術者の音質評価は以下の通りでした。

前作「L-507uX」とのサウンド全体の“解像度”の差は(所有者の方には申し訳ないのですが)一聴歴然だと言います。

とにかく音場感が素晴らしく、奥行き感、立体感、そして空気感が格段に向上していると言います。特に中央の定位がしっかりしており、ハイファイ調のアンプによく見られるような中央の薄さがなく、ボーカルや楽器が眼前に見えるようだと言います。

また、広帯域にわたり伸びやかで、エネルギーがみなぎる躍動感のある音色が存分に楽しめ、そのスケール感と音の立ち上がりも際立っているとのことです。ピアノのタッチの正確さ、響きの豊かさはまさに特筆モノだと自身満々でした。

完成度をさらに高めた『L-507uXII』が、その豊かな表現力と描写力で、セパレートアンプを脅かす存在となったことで、プリメインアンプとしての新しい可能性をも感じさせてくれます。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年7月 5日 (水)

米国ハイエンドの雄“PASS(パス)”そのエントリークラスのパワーアンプ『XA25』が凄い!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、音質を最優先される本格派のオーディオファンにピッタリのPASS パワーアンプ『XA25』をご紹介!



米国ハイエンドの雄“PASS(パス)”

パス・ラボラトリーズは1984年Nelson Pass(ネルソン・パス)によって米国カリフォルニアで創立されました。PASSの製品は、ネルソン・パスやそのスタッフ達が、欲しい製品を自らが開発すると言うのがその基本スタンスです。

開発スタッフはいずれも熱心な音楽愛好家で、ネルソン・パスの下、彼らの理想の音楽再生に必要な機器を実現すべく鋭意努力していると言います。その設計哲学は、“簡素で自然な特性を持たせること”で、そのために全てのパワーアンプの増幅素子にMOS-FETを採用するのだとしています。

今回ご紹介します『XA25』は、PASSの数あるパワーアンプの中でも、いわゆるエントリー・クラスと言える製品です。出力は小さめの25W+25W(8Ω)で、ネルソン・パスのハンドメイドブランドであるFirst Watt(ファーストワット)とパス・ラボとの橋渡し的製品とも言えます。

『XA25』に迫る!!

まずはPASS『XA25』に投入された数々の技術的な面から探って参ります。

従来のPASS製品は、その殆どが多数のパワーMOS-FETを出力段に使用して、大きな筐体で、巨大なヒートシンクや大規模な電源回路を採用していました。

しかし『XA25』は、パワーアンプとしては比較的小さめの筐体で、シングルエンドの回路構成と信号経路の部品数を削減し、最大出力を抑えたステレオA級アンプとしています。

『XA25』では出力段に新たに工業用パワーMOS-FET(SOT227B)を採用し、NチャンネルとPチャンネルのコンプリメンタリーによるシングルプッシュプル構成というシンプルなものとしています。

これにより“カレントホギング(多数のトランジスタの中の1つに電流が集中する現象)”から開放され、新しい定電流バイアス回路の採用によって、温度ドリフト(温度変化のために起こる信号動作点の変動)からも解消されたと言います。

さらに歪みの最小化と高ダンピングファクターを得るため、出力素子のソース抵抗を排除して、直接スピーカー端子に接続されています。

ネルソン・パス氏は安定性能を得るためにこの回路設計に数年を要したとのことです。それは、見かけ上の特性を良くするための回路テクニックは一切使わず、あくまで音質最優先で、再生帯域の制限やDCサーボなどもない極めてシンプルな純A級動作のアンプを完成させるためだったのです。

電源回路にもネルソン・パス氏のこだわりを見せており、大型のトロイダルトランスと平滑コンデンサーを18個も配したハイスピード電源としています。この結果出力インピーダンスが低く、ダンピングファクター500を実現できたのです。本格的に作り込まれた余裕たっぷりの電源となっています。

フロントパネルは、PASS伝統の細かなシルバーヘアライン仕上げで厚みがあり、シャーシも頑強な構造で高級感を漂わせています。左右のヒートシンクもA級アンプの熱対策のための巧みな形状をしており、ハイエンドアンプとしても魅力的なデザインとなっています。

『XA25』の出力は、純A級動作のため通常のB級アンプと違い25W/8Ω(50W/4Ω)と小さいのですが、スピーカーの出力音圧レベルが90dBもあれば十分に余裕を持ってドライブでき、コンパクトで使い易いステレオパワーアンプといえます。

試聴しました。

『XA25』の音質は、日本橋1ばん館のハイエンド試聴会の準備の際に確認しました。スピーカーはハーベス「SuperR HL5 Plus」を使用しました。


※最下段が『XA25』

まずサウンドの第一印象は、これは”只者ではない“でした。従来からシングルプッシュプル純A級アンプで感じる、ある種のひ弱さが全くないのです。日本橋1ばん館の広い試聴室でも、決して高能率とは言えないハーベスを危うさを全く伴うことなく鳴らしたのです。

『XA25』は、純A級アンプならではの倍音の綺麗さを備えつつ、透明度の高いサウンドで抜けが良く、空間表現も抜群でした。さらにA級アンプでよく感じる甘ったるさはなく、25Wとは思えないダイナミックレンジの広さ、そして強力な電源の採用もあってか、そのサウンドの立ち上がりも非常に俊敏でした。

また、音楽の細部まで丁寧に表現する繊細感と、瑞々しく色彩感豊かなサウンドは、音楽を自然に楽しませてくれます。緊張感を全く感じさせない素直なサウンドには、リラックスさせられました。

また、以前聴いた前述のFirst Wattの「F-7※」のまさしくPASS版とも感じました。しかしFirst Wattと違い筐体内部はぎっしり詰まっており、このためもあってか、多少あっさり系のサウンドであるFirst Wattとの違いを感じました。
(※ブログ参照: A級アンプの美学がここに!『 Firstwatt F7 』が持つ魅力とは?

『XA25』のシンプルな回路構成にしたことで実現したスピード感や安定性は、高バイアス電流を出力素子にかけて動作させる本格的A級動作により実現できたサウンドなのです。

最後に。
『XA25』は、そのスペックも素晴らしいのですが、よくスペック一辺倒のアンプで感じる、無機的な面白みのないアンプとは対極に位置する、音楽性たっぷりのアンプでもあります。

大音量を求めるのではなく、音質を最優先される本格派のオーディオファンにこそピッタリのパワーアンプと思います。この価格でもC/Pが抜群であると断言します。

ネルソン・パスが求めたサウンドをこの価格で実現できたことは何より素晴らしいことで、『XA25』は、私自身にとって久々に購入意欲をかき立てられたパワーアンプとなりました。

近日『XA25』とペアとなるプリアンプも発表される予定です。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年7月 2日 (日)

最先端USB対応D/Aコンバーター ソウルノート『D-1』登場!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
SOULNOTE(ソウルノート)が、2016年5月発売のプリメインアンプ「A-1」、CDプレーヤー「C-1」を皮切りに、11月プリメインアンプ「A-0」、12月フォノイコライザー「E-1」と立て続けに登場させた”SOULNOTE 10周年記念モデル”。その最後を飾るのが、今回ご紹介しますUSB対応D/Aコンバーター『D-1』です。日本橋1ばん館での試聴を交えてレポートしてまいります。


SOULNOTE「D-1」
試聴しました

まずはCDプレーヤー「DCD-1600NE」のデジタルアウトを『D-1』に同軸接続して試聴を開始しました。


その第一印象は、非常に透明度が高く鮮烈で、全くわだかまりのない、実に抜けの良いサウンドということでした。従来からの“SOULNOTEサウンド”を十分継承しており、非常にストレートで立ち上がりが良く、音程のしっかりした安定感のあるもので、音楽を楽しく聴かせてくれるサウンドでした。

また、音楽の細部を引き出す能力にも長けており、同じCDソフトで従来聴き取れなかった細かな部分が出てきたことには正直驚かされました。ここまで出すのか・・・?と。

今回USB入力では、CDからの44.1kHzのリッピングソフトしか聴いておりませんが、傾向はほとんど同じで、空間感や立体感はCDダイレクトを上回るものを感じました。

さらにPCMのサンプリング周波数を上げることやDSDを再生することで、より実力を発揮できる能力があると確信しました。

スペックは最新のもので、2011年発売のSOULNOTEのD/Aコンバーターの前作「sd2.0B」では、USBは、PCM入力のみでサンプリング周波数は192kHzまでの対応でしたが、『D-1』では32bit/768kHz のPCM 音源に加え、22.6MHz(DSD512)のDSD 音源にも対応。DoP v1.1とASIOの両方に対応しており、ネイティブ再生も可能です。

また同軸とAES/EBU入力は192kHz/24bitまでの対応となっています。

『D-1』とは!?

それでは、独立モノラルモード採用の完全バランスディスクリート無帰還D/A コンバーター『D-1』の中味を見ていきましょう。



注目は上写真のDACチップです。

言わずと知れたESS社のフラッグシップ32bitDAC“ES9038PRO SABRE DAC”2基を、世界最高レベルのスペック(ダイナミックレンジ140dB)を実現するため左右独立の「モノラルモード」で使用しています。これは非常に贅沢な使い方と言えます。

また、120mA に及ぶ強力なDAC 電流出力を、MHz 領域まで伸びる同社オリジナルのディスクリート無帰還アンプ(Non-NFB:フィードバックなし)で受け取り、これを強力に増幅し出力するのです。

この“ES9038PRO”と「無帰還ディスクリートアンプ」のコンビネーションにより、オペアンプ(アナログ信号を増幅するための基本のIC)では得ることができない、エネルギーに満ち溢れた生々しい音楽再生を実現できたと言います。

さらにデジタルの要でもある「クロック」にも注力しており、位相ジッター1ps(ピコセコンド) 以下と言う超低ジッタークリスタルを採用し、さらにこれをDAC チップに極限まで近接させる基板上のパターンレイアウトにより、理想的なクロック波形を実現していると言います。

因みに、位相ジッターは、クロックの性能でよく使われる周波数安定度(ppm)とは違い、クロックのタイミングの「ゆらぎ」を表す数値です。

上の内部写真で一際目立つように、本機はD/Aコンバーターにもかかわらず、パワーアンプかと思わせるような260VAの大型トロイダル電源トランスが搭載されています。

無帰還ディスクリートアンプ用電源は異例とも言える± 43V の高電圧設定※として、繊細な空間表現と骨太でエネルギー感に満ち溢れた再生音を両立させたと言います。(※一般的にトランジスタの温度が高いほど性能が上がり、音質も良くなる傾向にあるため、本機は問題のない範囲で高めのトランジスタの温度設定となっております。 そのため一般的な製品と比較して、セット温度は高めですが異常ではありません。)

そして、これもSOULNOTEのアンプでお馴染みの高耐圧・小容量フィルターコンデンサの多数のパラ接続による低インピーダンス化が図られており、電源ラインのスピードアップを果たした結果、S/N 感・スピード感を大きく高めているのです。

DAC周辺回路用の電源には、各ブロック毎に合計8系統の電源を擁し、音質重視で磨き上げた同社オリジナルの高速ディスクリートレギュレターを採用することで、大電流を要求する“ES9038PRO”の実力を限界まで引き出したとのことです。

筐体の剛性は高いものの、あえてトップカバーやシャーシ等の防振は行なわれていません。これはSOULNOTE製品が音質を最重視した結果採用しているものです。

また同社の他の製品同様、付属スパイクによる3点支持を採用しています。フロントパネルにはプラチナム・シルバーとブラックの2色が用意されています。

入力はUSB(Type-B/USB Audio Class 2.0に対応)の他にRCA同軸とAES/EBUの2系統あり(光入力は非搭載)、アナログ出力はXLRとRCAが各1系統装備されておりハイエンド仕様となっています。なお、Windows PCではドライバーのインストール(同社HPより)が必要です。

その他の機能として、入力機器それぞれのクロック精度に合わせた「ロックレンジ」が4段階選択できるようになっており、あらゆるデジタル機器に対応しています。音質的には(音飛びや歪みの発生のない範囲で)「ロックレンジ」が狭い方が有利です。

最後に
前作「sd2.0B」より価格が抑えられており、それだけでもかなりお買い得感はあります。その上でこれだけのハイスペックを実現させたことは天晴れです。

そして何より、ハイエンドブランドAyreの「QX-5 Twenty」やOPPO「Sonica DAC」「UDP-205」に採用され、今大注目のDACチップ“ES9038PRO”を搭載しているのですから・・・。

もちろんDACチップだけで音質が決まる訳ではないのは重々承知しています。しかし、この「D-1」が国産D/Aコンバーターとしてトップクラスの実力を実現できたことの大きな要因が、そこにあることだけは疑いのないことです。

さらにそこにSOULNOTE伝統の吹っ切れ感と音楽性が加味されているのですから、もうこれは“鬼に金棒”と言えます。

最新ハイスペックUSB-DACとしてはもちろん、お持ちのCDプレーヤーを大幅にグレードアップするためのD/Aコンバーターとしてもお考えいただける大変な実力機の登場です。ミドルクラスの国産D/Aコンバーターがここまでの実力を手にしたことは“感動モノ”です。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年6月28日 (水)

重厚長大アンプの呪縛から開放!“ICE power”使用で高音質&小型化を実現!TEAC『AI-503』

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、「アンプは重厚長大であるべし」という既成概念を変えるべく登場したTEAC『AI-503』をご紹介!“ICE power”を使うことで小型サイズながら、本格的なサウンドを実現しています!
時代の変化

オーディオ機器、中でもプリメインアンプは、《大きくて重い方が良い》と信じて疑わないオーディオファンの方は多いはずです。かく言う私も以前から、経験則としてそう信じていました。

しかし、デジタル化が進み、小型化が進んだ結果、果たして従来の考え方で良いのか、との疑問が最近頭をもたげてきているのもまた事実です。

一般的にオーディオコンポーネントの横幅は43cm前後と相場が決まっており、それをこの国のオーディオファン達はもちろん、業界人も「標準サイズ」と言ってきました。日本の住宅事情やスペースファクターを考えれば、果たして本当にこのサイズが必要なのでしょうか。

ニュースでもよく見掛けるように、最近のライフスタイルの傾向は“必要最小限のモノしか持たない”そして、“シンプル&スマートな生活”こそが現代流と評価される時代です。

必要なモノ以外は買わない、他人とシェアする、さらに全てのモノが携帯電話サイズが基準になってきていると思いませんか?

そんな折、小型USB-DACのヒット作を立て続けに発売してきたティアックが、人気の小型コンポーネンツ“Reference 503シリーズ”としてUSB-DAC搭載のプリメインアンプを新たに発売しました。同シリーズの中で、DAC以外で初めて(失礼)そのパフォーマンスで脚光を浴びつつある 『AI-503』をレポートします。

『AI-503』とは?

TEAC“503シリーズ”は、設置スペースはほぼA4サイズで、横幅29cmに収まります。このサイズの中に、同社の高級ブランドのESOTERICや業務用ブランドとして信頼性の高いTASCAMに使われた最新技術や高音質技術のノウハウをぎっしり詰め込んだと言います。

今回ご紹介します『AI-503』に搭載されているUSB対応DACは、DSDのネイティブ再生に対応しており、USB入力で最大DSD:11.2MHz、PCM:384kHz/32bitに対応、光及び同軸デジタル入力も192kHz/24bitに対応しており万全※です。(※私自身これ以上の数字競争は無意味と考えています。)

そして、同社のプレーヤーソフト「TEAC HR Audio Player」(無償)をお使いになれば、WindowsでもMacでもDSD:11.2Mzの音源再生が可能です。パソコン側で難しい設定を行うことがなく、パソコンが苦手な方にも簡単に使いこなしていただけます。

また、これも無償で提供されている波形編集ソフト「TEAC Hi-Res Editor」をお使いになれば、PCM音源をDSD:11.2Mzにファイル変換したり、長時間のライブ音源を複数トラックに分割するといったファイル編集も可能になる親切設計です。

本機のDAC部には、最近何かと話題に上ることの多い旭化成エレクトロニクスのDAC IC「VERITA AK4490(ESOTERICのSACD/CDプレーヤー「K-05X」にも使われています。)」が採用されています。しかもこのDACチップを本機ではL/Rにそれぞれ1基ずつモノラル使いするという贅沢なものです。

回路構成は、DAC以降もプリアンプ部までデュアルモノラル構成を貫いており、ボリュームコントロールを含めてフルバランス伝送方式としています。特にボリューム部には、独自回路「TEAC-QVCS」(バランスの正負及びL/R合計4回路の可変ゲインアンプ型ボリューム)が採用され、高い連動精度が達成できたと言います。これらはS/N感、音場感に大いに貢献しているとのことです。

そして、ESOTERICブランドを含めた同社のデジタルでのこだわりでもあるクロックについても、44.1kHzと48kHzの2系統の高精度クロックを内蔵し、あらゆるデジタル音源に万全を期しています。

パワーアンプには定評のある「ICE Power」社製のDクラスアンプが採用されています。「ICE Power」社はデンマークのB&O(バング&オルフセン)とのベンチャーで1999年に創業され、現在はB&Oの100%子会社とのことです。

同社のDクラスアンプはジェフ・ロゥランドなどのハイエンドアンプを始め、パイオニアのAVアンプなどにも幅広く使われ、すでに長年にわたり実績のあるアンプモジュールです。

「ICE Power」は、ローレベルでの再現性に優れ、高効率で電力利用効率が高い(発熱が少ない)アンプ性能と、アンプの特性を最大限に引き出すためのスイッチングアンプ技術により、従来のAB級アンプを凌ぐオーディオ性能を有するとも評価されています。電源部には大型トロイダルトランスを採用し、強力なドライブ力と安定性に貢献しています。

本機の筐体は制振性と高級感を両立させた本格仕様のフルメタル構造を採用し、高剛性はもちろん、電磁波ノイズ対策も万全です。またフロントパネルにはマニア好みのアナログメーターを2基装備し、メカニックなアイキャッチャーともなっており、高級感のあるデザインです。

デジタル入力には、USB、光/同軸以外に、ワイヤレス伝送のハイレゾ音源でもあるBluetoothレシーバー機能を搭載。アナログにはRCAとステレオミニ(3.5mm光・アナログ兼用)の2系統が装備されています。出力は、外部パワーアンプやアクティブサブウーファーとも接続可能なプリアウトも装備しており、マニアックな使いこなしも可能です。

そして、最近注目のヘッドホン用として独自のディスクリート構成の専用アンプ(プッシュプル回路とオペアンプはAB級動作だが、通常はほぼA級動作する)を搭載し、グラウンド分離型の3.5mm/4極プラグにも対応しており、高いチャンネルセパレーションを獲得できたといいます。

試聴しました。

サウンドは自宅リスニングルームのスピーカーで確認しました。過去、同社のUSB-DAC「UD-503」等の試聴の際すでにプレーヤーソフト「TEAC HR Audio Player」をインストールしていましたので、すぐに試聴可能でした。CDからのリッピング音源とFLACやDSDなどのデジタル音源で主にUSB入力で試聴しました。

まず第一印象は、非常に鮮度が高く、粒立ちの良い解像度の高いサウンドということです。情報量も非常に多く、左右はもちろん奥行き方向や高さ方向もリアルに再現し、音像定位もしっかりしていました。どちらかと言うとこれは、マニア好みのする少々温度感の低い辛口のサウンドとも言えます。

ただ「ICE Power」のお陰もあって、安っぽい硬さや面白味のない無機的なサウンドではまったくありません。そこは、「ICE Power」の特徴でもあるダイナミックレンジの余裕はもちろんS/Nが良く、余韻が綺麗で、左右のスピーカーの外側まで広がる音場や艶のある響きによる空間表現は秀逸でした。

また本機にはPCM用に4種類のデジタルフィルターの切替え機能(OFFもある)と、DSD再生用でも2種類のフィルターのの切替えも可能で、ソフトの種類やサウンドの好みによって選択できます。

ただこれらは、トーンコントロールの代替えという考え方がある一方、どれがベストのフィルター※なのかとの迷いにも通じてしまいます。(※私自身、前述したサウンドが最も顕著に再現される「FIR Sharp Roll-off」のポジションがお勧めです。)

最後に。
このように『AI-503』は、その大きさからは想像できないくらい本格的なサウンドを実現しており、リスニングスペースに制限のある方や、マニアのサブシステムとしての使用にも最適だと思います。

そろそろ「アンプは重厚長大であるべし」との呪縛と決別しませんか。「ICE Power」が高音質と小型化を同時に実現した『AI-503』をお勧めします。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年6月16日 (金)

【今だからこそCD?】シンプル・高音質なCDプレーヤーはいかがでしょうか。


みなさま、こんにちは!

日中の湿度も徐々に上昇の気配を見せ、休みの日は何をやるにも億劫になりつつあるとうふです。
そんな時は何も考えず、トレイに入れてスイッチ操作だけで楽しめるCDプレーヤーを重宝しますよね。
実は私とうふは、普段家では専らCD再生なのです。
まぁ流行もありますので、PCオーディオやネットワークオーディオ等も少々嗜んでおりますがやはりメインはCD。
トレイにCDを載せて、あとはリピート再生でゆったりくつろぐ。
暑くて何もする気が無い時に、「簡単」「すばやく」「高音質」に楽しめるCDプレーヤーはこれからの季節、非常に嬉しい存在と言えるでしょう!

さて、先日は我らが"あさやん"が国産CDプレーヤーをご紹介しましたので、今回とうふが最近聴いた海外メーカーの中から厳選した1台をご案内です。

ミリヤード
CD専用プレーヤー
Z210

英国はミリヤードのZ210です

こちらも以前あさやんがブログにも書いている通り、一言で表すならば『優しく、包み込まれるような音色』です。
今回メーカー代理店からも期間を長めにお借りしたのですが、そのふくよかで心地よい音色は昨今の高解像度・情報量の多さを前面におしだすハイレゾ再生とは逆ベクトルのアプローチとして非常に新鮮に感じました。
 あまりの心地よさに、勤務中にも関わらずリラックスしてオーディオを楽しんでしまいました。。。

デザインも機能も非常にシンプルです。デザインはシンプルすぎて素っ気無い印象ですが、その表現力は有機的で耳に心地よく届く「ずっと聴いていたい」と思わせられるプレーヤー。
ミドルレンジクラスの価格帯となりますが、そのポテンシャルの高さは決してハイエンドクラスのプレーヤーに引けをとりません。

シンプルに『トレイに載せて、再生ボタンを押す』。たったそれだけの手軽さで高音質に楽しめる、CDプレーヤーって良いですよね。


とうふ的Z210の5段階評価
お薦め度 :★★★ :シンプルさが逆に仇となる場合も?『4点』
表現力  :★★★★:CD再生に特化。心地よい表現は必聴です『5点』!
見た目  :★★  :CD専用機ならではのシンプルさ。『3点』
機能性  :★★  :アナログRCA1系統と同軸出力という潔さ。『3点』
総合評価 :★★★ :CDの隠れた魅力をシンプルに引き出します『4点』

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

2017年6月15日 (木)

本物のアナログ・ブームよ来たれ!老舗プレーヤーブランド「トーレンス」と定番LPレコード「プロプリウス」の魅力に迫る!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、アナログに挑戦したいが、敷居が高いと感じていらっしゃるオーディオファンの方にもおすすめの製品をご紹介!134年の歴史を持つ、世界最古参メーカー「トーレンス」のプレーヤーと定番中の定番のLPレコード「プロプリウス」の魅力に迫ります。




THORENS「TD158」

アナログブーム終焉の理由

ここ数年、巷ではアナログブームと言われ、LPレコードの生産が久々に増加したとか、テクニクスがDD(ダイレクトドライブ)プレーヤーに再参入したとか、さらには新聞記事やテレビを始めとしたマスコミに取り上げられる機会が多くなり、一般の人々の間でも大きな話題となりました。

その結果、LPレコード自体を全くご存知ない若いデジタル世代を中心に、入門クラスのUSB出力付きのレコードプレーヤーが大ヒットしたことは記憶に新しい所です。

しかし、ここに来て急速にそのアナログブームの熱が冷め、一挙にブーム前の状況に戻ってしまった感があります。その原因として考えられるのは、入門機のオーディオ的な完成度の低さ、LPソフトタイトルの絶対数の不足です。

また、ご家庭でのリスニング環境やプレーヤー操作の難しさなど、本格的なアナログリスニングでの敷居の高さなどが影響して、その素晴らしさが、若い音楽ファンや、もう一度アナログ世代の中高年層に十分浸透しなかったのだと思います。

しかし、そんな中でも、オンキヨーやティアックなどの最近発売された製品を購入され、それら新世代のプレーヤーで本格的なアナログ再生に取り組まれた方もいらっしゃいます。

また過去に使われていたアナログプレーヤーを引っ張り出してカートリッジを新しくされたり、さらには過去に使われていたMMカートリッジの銘機を、JICOの交換針(オリジナルの交換針は製造中止のため)で復活させて、アナログを再度始められたオーディオファンの方もかなりの数にのぼると思います。

さらに、ラックスマンや海外製のアコースティックソリッドやドクトル・ファイキャルトなどのハイエンド機で超本格的なアナログに再チャレンジされているオーディオファンも確かにいらっしゃいます。しかし、これらはアナログファンの誰もが取り組める製品でないのも事実です。

そんな、予算もあることなのでハイエンド機にはちょっと手が届かないが、一度は海外製のベルトドライブのプレーヤーを使ってみたいと思われているオーディオファンにお勧めしたいのが、老舗プレーヤーブランド「トーレンス(THORENS)」の製品です。

世界最古参メーカー!トーレンス(THORENS)とは?

トーレンスは、1883年スイスのジュラ山中サント・クロアに誕生したと言いますから、すでに1世紀以上、134年の歴史を持つ、世界中のオーディオメーカーの中での最古参メーカーです。

因みにラックスマンが1925年、タンノイが1926年創業ですから、さらに40年も遡ることになります。現在は、スイスのバーゼルに本社があり、製品はドイツで製造されています。

創始者のヘルマン・トーレンスの最初の作品はオルゴールでした。それは厳冬のスイスならではの屋内で可能な家内制手工業が始まりで、時計などと同様、スイス特有の土地柄が起源となっているのです。

特にオルゴールは、その精密さと熟練した音階調整が再生を大きく左右する、高精度が要求される製品です。その「精密さ」や「音階の正確さ」こそ1世紀以上にも亘り受け継がれてきたレコードプレーヤー製造の長い歴史を支えてきたのです。

そしてオルゴール製造で培われたもう一つの技術こそ、トーレンスのプレーヤー再生で感じるあの「響きの良さ」なのだと思います。

トーレンスは意外にも、1929年にダイレクトドライブ方式の特許を取得したのですが、それ以降も現在に至るまで、ベルトドライブシステムの改良を重ねてきています。

以下にご紹介します現行のプレーヤーも、伝統のベルトドライブとフローティング技術を継承し、これらを最大限生かすことで、高音質かつ安定した製品を供給し続けています。

1957年発売のアイドラー型ターンテーブル「TD124」の高評価でその地位を固め、65年発売の二重構造のターンテーブルとフローティングサスペンションを搭載したベルトドライブプレーヤー「TD150」が大人気を博したのでした。

その後、日本でもノアが本格的に輸入を開始し、「TD125」「TD320」「TD520」などがヒットし、マニア垂涎の的となった1980年発売の「Reference」、1983年発売の「Prestige」に至るのです。

「Reference」や「Prestige」は、ご存知の通り物量投入型の超弩級プレーヤーでしたが、トーレンス本来の考え方は、正確なレコード回転と音溝からの忠実な信号の読み取りを、いかにシンプルかつスマートなプレーヤーで実現するかというものだったのです。

それらは、現行のトーレンス製品のラインナップでも踏襲されており、極端な大型や重量級の製品は存在しません。あくまでもレコードを聴くことだけを目標にしており、余計な機能や奇をてらったデザインは採用されていません。シンプル・イズ・ベストなのです。

また筆者が使っている1980年代製の「TD126」もそうですが、かつてのトーレンス製品にはターンテーブル全体を筐体からフローティングする機構が採用されていましたが、現行製品では一部でプラッター部分を僅かにフローティングさせている程度で、リジッドベースの製品が大半となっており、インシュレーターや筐体構造で同程度の効果を得ているようです。

トーレンスのレコードプレーヤーのラインナップには、8万円台の「TD158」、10万円台の「TD-190-2」「TD-240-2」、20万円台の「TD295MK4」「TD206」「TD209」と輸入品としては比較的リーズナブルです。それ以上の機種としては「TD309」「TD350」「TD550(非掲載)」があります。

確かにトーレンスの低価格のプレーヤーは、国産の同価格帯のプレーヤーに比べ、見た目が貧弱で華奢に見えるかも知れません。

しかし、実際に出てくる音は、前述のオルゴール製造で培われた「音階の正確さ」や「響きの良さ」など熟練の技が生きており、国産プレーヤー、ましてやデジタルでは遙か遠く及ばない「音楽性の豊かさ」「音楽の楽しさ」「生きたサウンド」を感じさせてくれるのです。

そこにはスペックではない、「人間の感性」「音楽への造詣の深さ」を感じざるを得ません。今からアナログに取り組もうとされている方はもちろん、もう一度アナログへの再チャレンジをお考えの方にも、迷うことなくトーレンスのプレーヤーをお勧めします。

取り扱い開始!プロプリウス アナログLPレコード
さらに今回、新規に取り扱いを開始しましたスウェーデンのProprius(プロプリウス)レーベルのアナログLPレコードもご紹介いたします。

プロプリウスと言えば『カンターテ・ドミノ』がすぐ頭に浮かんでくるオーディオファンが多いと思います。各オーディオショーや試聴会で必ずかかる定番中の定番のレコードです。

今回数多くあるタイトルの中から、オーディオルートで発売されることになった6タイトルをJoshin-webのハイエンドオーディオ部門で取り扱いいたします。

プロプリウスは1969年に創設されました。「小規模のレコード会社には、質の悪いディスクを作る余裕はない」という創業者の言葉通り、良質の演奏と自然な音質の録音には定評があります。

スウェーデン各地の教会の由緒あるオルガンを弾いた録音では楽器と空間の響きがうまくとらえられ、豊かな臨場感が味わえます。

カンターテ・ドミノ(Cantate Domino)』-世界のクリスマス音楽-
1976年にストックホルムの教会で収録されたヨーロピアン・クリスマスの名盤です。

かつてオーディオ評論家の故 長岡鉄男氏に絶賛され、オーディオ・マニア必携のLPとして、オーディオ・チェックやオーディオ・セミナーのデモ用として盛んに使われてきた音源です。究極のアナログ録音としてマニアに重宝がられ、40年近くを経た今も第一級の高音質です。

アンティフォン・ブルース(Antiphone Blues)』 - アルネ・ドムネラス-
教会オルガンとサックスのユニークなコラボ演奏です。内容はクラシックの名曲からスピリチュアルミュージックまでと興味深い内容です。マイクはオフ気味にセッティングされており、壮大なパイプオルガンの響きとサックスの鳴きが絶妙のバランスで収録された名盤です。

アナログはデジタルには絶対に超えられない魅力があります。「本物のアナログ・ブームよ来たれ!」と心から願います。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年6月 9日 (金)

満を持してご紹介! トライオード『Luminous84』『TRX-P88S』

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、発売が半年遅れましたトライオードの新製品 真空管プリメインアンプ『Luminous84』と真空管パワーアンプ『TRX-P88S』を満を持してご紹介します!


ついに登場!

2016年秋に発表され、当初年末に発売される予定でした真空管プリメインアンプ『Luminous84』と真空管パワーアンプ『TRX-P88S』ですが、半年遅れでついに発売にこぎ着けました。

年末の発売が、なんとか1月末には、そして4月には、さらには大型連休までには・・・と、再三にわたって延期されて来ました。

当初、年末に予定していました両機種の製品レポートですが、今回満を持してのご紹介です。その前に、両機種の発売が大幅に遅れた原因をトライオードからお聞しておりますので、まずそれをお伝えしてからレポートを進めたいと思います。

生産遅れについて

ご存知のようにトライオード製品は中国で生産されています。従来から主要となるパーツは日本国内から供給しており、厳格な品質管理を行って、高品質の製品を供給してきております。

ただ今回、新製品の両機を製造する予定であった工場の塗装工程などに、環境問題の見直しから中国政府の大規模な査察指導が入ったとのことです。その新しい環境基準をクリアするための製造工程の改善が必要となり、大幅な生産の遅延が発生したとのことです。

ご予約頂いたお客様には、大変ご迷惑とご心配をお掛け致しましたことに、この場をお借りして、心より深くお詫び申し上げます。

真空管プリメインアンプ『Luminous84』

トライオードには従来から、“オーディオは男だけのものでは無い!”というコンセプトから生まれた小型でオシャレなデザインのプリメインアンプ「Ruby」があります。

現代の癒やしの新しい音楽スタイルとして、女性のオーディオファンや音楽ファンにも受け入れられ、ロングセラーが続いています。

「Ruby」は、小型で非常にコストパーフォーマンスに優れた製品で純A級3W+3Wを出力でき、ヘッドフォン回路ももちろんICではなく6BQ5真空管から出力されます。

そのおしゃれでキュートな「Ruby」を、一回り大きくした本格的でスタイリッシュな真空管プリメインアンプとして登場したのが『Luminous84』です。出力は、「Ruby」と同じMTタイプの5極管6BQ5(EL84)4本をUL(ウルトラリニア)接続してAB級プッシュプル使いで11W+11W(8Ω)の出力を確保しています。

出力管のバイアス管理は、無調整で安定性に優れた自己バイアス方式としています。真空管ボンネットも標準装備されています。

また「Ruby」には無かったフォノイコライザー回路(半導体式MM型対応)も搭載しており、アナログレコードプレーヤーも接続してお楽しみいただけます。その他3系統のLINE入力を装備しています。

出力にはスピーカーが1系統とヘッドホン出力があり、ヘッドホンでも真空管アンプの魅力が十分楽しめます。本機の出力管にはミニチュア管が採用されており、300Bや2A3などの伝統的な三極管やKT-88・6CA7などのビーム管や大型五極管を使った代表的な真空管アンプに比べると、デザイン的に少し迫力に欠けるのは否めません。

しかし一方で、ミニチュア管ならではの小気味の良い軽やかなサウンドを評価する声もあり、何より大袈裟にならないコンパクトさとレトロな雰囲気を併せ持つデザインの良さに惹かれる音楽ファンも多いのではないかと思います。

出力の11W+11Wは何とも貧弱に思われるかも知れませんが、そこは真空管。スピーカーが余程の超低能率でない限り、十分な音圧は得られると思います。

さらに、出力トランスを介してスピーカーをドライブすることで、スピーカーを確実に制動できるため、しっかりした安定感の伴った低音も実現しています。音場感こそハイエンドクラスのアンプには及ばないものの、濃密でエネルギーに溢れたホットなサウンドが、このクラスのアンプで得られることには正直驚かされます。

とにかく音楽を楽しく聴かせることに関しては、同価格帯のトランジスタアンプを大きく超えていると思います。

期待通り、特に楽しいのはボーカルでした。眼前に生身のボーカリストを感じる程、温かく湿り気を伴ったボーカルは出色で、ダイナミックレンジを狙った大出力アンプではない、小出力の真空管アンプならではと感じました。

さらに、アナログレコードでも真空管ならではのたっぷり感のある豊潤なサウンドを楽しめることから、初心者や女性の音楽ファンはもちろん、酸いも甘いも知り尽くしたオーディオファンのサブシステムとしてもお勧めしたいと思います。

『Luminous84』は、世の中の嫌なことを忘れ、ただゆったり、ひたすら好きな音楽に浸っていたい・・・。そんな気分にさせてくれます。

真空管パワーアンプ『TRX-P88S』

本機は出力管として人気のある大型管KT-88をA級シングルで動作させるステレオパワーアンプです。出力は10W+10W(8Ω)で、通常の音楽鑑賞には十分な出力です。使用真空管はいずれもスロバキアのJJ製です。

固定バイアス方式を採用しており、確認用のアナログメーターと調整用ボリュームが天板にあり、バイアス調整が正確に行え、真空管の交換も容易に行えます。真空管ボンネットも標準装備されています。

本機は基本的にはRCA入力が1系統のパワーアンプですが、リアパネルのスイッチのON/OFF切替で、前面にあるボリュームを使ったシンプルなプリメインとしての使用も可能です。

ソース機器とダイレクト接続することで、シンプルなシステムが実現します。また、パワーアンプとしても0dBから-12dBまで3dBずつ4段階のゲイン切り替えが装備されており万全です。

デザイン的にはKT-88を左右に配したオーソドックスなもので、安定感があり、これぞまさしく真空管アンプと言う姿です。ヒーターが点灯する様やあくまでも良い音のための発熱は、真空管アンプの醍醐味であり高い趣味性を感じさせるものです。

サウンドは、KT-88の持つ力強い持ち味が存分に活かされたもので、最新のアンプのようなデジタルサウンドを意識した解像度や分解能を追求したタイプではなく、厚みや密度感、安定感を伴った真空管ならではの、ある面では大らかなサウンドとも言えます。

低域は骨格がしっかりした太めで安定したもので、鳴りっぷりの良さが魅力です。中域は充実感があり、生音の適度な艶っぽさも表現し、耳なじみが良くリラックスできるサウンドです。高域はこれ見よがしな派手さはなく、適度な肉付きがあり心地よさを感じさせます。

最後に。
元鉄道マンの山崎順一社長が1994年に設立したトライオード。20年以上にわたる同社のノウハウを注入して、前述のように難産の末、ついに発売にこぎ着けた真空管アンプ『Luminous84』『TRX-P88S』。

いつかは真空管!一度は真空管!とお考えのオーディオファン、音楽ファンに自信を持ってお勧めできる本格派の真空管アンプです。

真空管。ちょっと夏には暑いのが“玉にきず”ではありますが・・・。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年6月 6日 (火)

手放せないオーディオアクセサリー BEST5!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
かつて、このコーナーで取り上げたオーディオアクセサリーの中から、比較的リーズナブルで、かつ、その効果ゆえ、今となっては筆者のリスニングルームには欠かせない存在となっているアクセサリー5アイテムを再度ご紹介します。



どのアイテムも導入以来ずっと使用し続けており、導入当初その効果は素晴らしいと感じたものの、今となってはそれが当たり前になってしまっているアイテムばかりです。今回1アイテムずつ、その効果の程を再確認してみました。


① アコースティックリバイブ『RR-777』


まずは、2013年6月に取り上げたアコリバの『RR-777』です。ルーツは2001年2月発売の「RR-7」から始まります。その後「RR-77」を経て、2012年『RR-777』と2回バージョンアップされてきた製品です。発売から5年が経過しているのもかかわらず、今も人気が続きロングセラーとなっている、オーディオアクセサリーとしては非常に珍しい製品です。


自宅では写真のように、リスニングルームの天井近くに置いたままで、電源も入れたままです。普段はその存在すら全く意識していませんでした。今回、何年ぶりかでACアダプターをコンセントから抜いてみたのです。

するとどうでしょう。サウンドが急にベタッと平面的になり、奥行きの狭い、何か押し込められたような説得力に欠けるサウンドになってしまったのでした。

再び電源を入れると、明らかに透明度がアップし、ヌケが良く滑らかな元のサウンドが復活したのです。情報量は増加し、S/Nが良くなり僅かに感じたザワザワ感も全く無くなりました。

そして、私がオーディオリスニングで最も重視しているスピーカーを意識させない状態、すなわちスピーカーから音が離れ、開放感たっぷりに鳴るようになったのでした。

■『RR-777』の原理

ここで、『RR-777』の原理をちょっとおさらいしてみたいと思います。『RR-777』はシューマン共鳴波の電波を人工的に発生させる装置なのですが、そのシューマン共鳴波を簡単に説明しておきます。

シューマン共鳴波とは、地球が地表と電離層との間に発生させている 7.83Hz の共鳴波のことで、1954年、ドイツの物理学者 W.O.シューマン博士により発見されました。この現象は地球が誕生したころから続いている、いわば「地球の呼吸」とも呼べる現象です。

地球創世以来、地球上の生物はシューマン共鳴波に守られて生活してきましたが、現代社会では、飛び交う電波や電磁波などによって、これらがかき乱されたり、消されたりして、さまざまな悪影響が起こっていると言われています。

このシューマン共鳴波の 7.83Hz の電波を人工的に発生させる装置が「RR-777」なのです。

最初は誰もが「こんなもので音が変わるはずがない」と思われるはずです。かくいう私も、初代の「RR-7」を導入する前には、そう思いました。

しかし、一度お使いになれば、すぐにその効果は確認していただけます。さらに、現行の『RR-777』は、初代の「RR-7」、二代目の「RR-77」とは比較にならない程効果があるのです。

私自身、「RR-777」の導入当時、そのあまりの変わりように唖然として、我が耳を疑いました。ただ、まれにではありますが、効果が判らないとおっしゃるユーザーの方もいらっしゃいます。その方々の多くはオーディオ経験が浅かったり、お聴きになるコツをご存知ない方が多いのです。また、ごくごくまれにではありますが、かなりの田舎にお住まいで、リスニング環境が(電波や電磁波的に)すこぶる良好で、効果が今一判り辛い場合もあるかも知れません。

しかし私自身の住環境も非常に良好であると自負していることから、それは余程でないと・・・とは思います。


② エレスタ『Standard Carbon Vol.5』


エレスタ製品は、「オーディオ機器が静電気の影響を一切受けないと仮定すると、お使いの機器は驚くほどのパフォーマンスを発揮するはず」との考えから開発された製品です。

オーディオ機器は電気を動力にしていますので、電流が流れると、機器は必ず帯電してしまい、機器の性能は通電時間とともに劣化していくとしています。これを自然科学を応用した理論で改善しようと考え出されたのが、エレスタの製品群なのです。

エレスタ製品は、エネルギーレベルが非常に高い天然鉱石を組み合わせることで、常温で機器に作用するレベルのマイナスイオンを発生させます。このマイナスイオンにより、オーディオ機器やディスクに帯電した静電気を取り除き、再生音をクリアにします。


『Standard Carbon Vol.5 』は、筐体にドライカーボンを採用しており、ドライカーボンの制振効果が加わった結果、絶大な効果を発揮します。私はUSB-DACや外付けハードディスクに載せていますが、S/N感、透明感、滑らか感が大幅に向上します。

このようにエレスタ製品は『機器の本来持つパフォーマンスを最高の状態にキープできる。』という理論から考え出されたもので、それもただオーディオ機器の上に置くだけで・・・です。


③ アコースティックリバイブ『FNS-RCA』


「ファインメット」は、日立金属の開発した「ボロン・鉄・シリコン合金」による軟磁性ノイズ除去素材で、フェライトコアのような音質的副作用のないハイテク磁性材料です。

この「ファインメット」を、両側をRCAのオスとメスにしたアダプターのような円筒の金属ボディに収納したのがファインメット・マルチノイズサプレッサー『FNS-RCA』です。


左側2本が「FNS-RCA」

『FNS-RCA』は、機器とケーブル間に挿入して、高周波のコモンモードノイズとノーマルノイズを除去する信号浄化器です。ピンプラグとピンジャックのホット同士とアース同士をPC-TripleCの楕円単線のジャンパー線で連結し、そのジャンパー線が「ファインメット」内を通過する構造になっています。

その効果は、低音が立体的になり、高域は伸びやかで鮮やかになります。奥行き感が抜群で空間が奥の奥まで見通せる程に表現されます。

殊に、PCによるファイルオーディオがストレス無く楽しく気持ちよく聴けるようになります。それは、いつまでも聴いていたいそんなサウンドでもあります。

『FNS-RCA』は、従来のオーディオアクセサリーの概念を打ち破るような、インパクトのある音質改善を実現します。ご自身が使われていたケーブルやオーディオ機器が素晴らしいポテンシャルを持っていたことに改めて驚かされると思います。きっと・・・。


④ アイテック『Λ(ラムダ)8.24 for Digital』


『Λ8.24 for Digital』は、Digital機器・ハイレゾ音源のための新時代のインシュレーターです。本機は「振動対策」の製品ではなく、“インシュレーター”の本来の意味でもある“絶縁”特に“静電気や磁界”からの「絶縁対策」を目指した製品です。

『Λ8.24 for Digital』は、見た目とはうらはらに、ナイロン系の樹脂を熟練工が一個一個削り出して作られたこだわりの製品です。底の部分に使われているベークライトも樹脂部分を底から3分の1程くり抜き、接着剤を使わずベークライトを圧入しているとのことです。これは2種類の素材の特性を最大限生かすためだそうです。


筆者はノートパソコンの下に3点支持で使っていますが、スピーカーから音が離れ開放的になります。使用した瞬間、透明度が格段にアップし、低音は弾み出し、ググッと超低音が伸びて来ます。混濁感が全くなくなり分解能は大幅にアップしたサウンドになります。

パソコン以外にもUSB-DACや電源タップにも使ってみましたが、やはりパソコンでの効果が最も高いと思います。パソコンは高周波雑音の塊とも言え、それは当然かと・・・。


⑤ 中村製作所(NS)『Amormet(アモルメット・コア)』


従来からあったフェライトコアを使ったクランプ式のフィルタは、あくまで電気的特性とコストを重視したものであり、オーディオ用としての音質は全く考慮されいませんでした。

また、コアにコイルを巻いたチョークコイルとコンデンサを使用した製品では、除去したいノイズに合わせた電気的特性と優れた音響特性を併せ持つパーツが必要なため、コストが掛かり、どうしても重くなってしまうという欠点がありました。そんな中、オーディオ用の音の良いコアとして登場したのが“Amormet(アモルメット)”です。このコアを使用してオーディオ用ノイズフィルタとして開発されたのが『アモルメットコア』です。


中央が「Amormet(アモルメット・コア)」

“Amormet”は、特殊合金アモルファスの厚さ0.2mmのテープ状のものを必要な径に巻いて溶接で固定した上で、カバーを付けて仕上げたものです。

オーディオケーブルを真ん中の穴に通すことで、音声信号には一切影響を与えず、高周波のノイズにのみに大きな抵抗として働いてノイズを防止するのです。

音質向上に効果的な箇所は、CDプレーヤーやD/Aコンバーターなどデジタル機器の出力ラインケーブルやスイッチング電源を使ったACアダプターのDC出力などが特に有効です。従来のUSB-DACの出力以外に今回、USB-DACの入力(USBケーブルのB端子※)や外付けハードディスクの入力にも『アモルメットコア』を使ってみました。
 ※ご注意:USB端子の材質や形状によっては最大の「NS-285」穴径:14mmでも入らない場合もあります。

ノイズフロアが下がり、音楽全体が静かになり、中高域は伸びやかで、透明感もアップし、もたつきを全く感じさせないスムーズで自然なサウンドとなりました。

サウンドに立体感が出て、低域がさらに厚みを増し、明らかに下に伸びた感じがして、いやなまとわりつきもなくなり、メリハリが出てきた結果、エネルギッシュなサウンドになったのです。

従来のノイズフィルタで感じた「音楽のエネルギーまで削がれ、痩せた面白くない音になってしまう」という常識を払拭した『アモルメットコア』。高周波ノイズが、これ程までに再生音に“悪さ”をしていたとは・・・。


最後に。

これら私が手放せなくなってしまった5アイテムのオーディオアクセサリー達。いずれも高周波ノイズや静電気対策のオーディオアクセサリーばかりです。私自身どれが1番とは申し上げられません。ご予算に応じてお選びいただければと思います。

最後に一つだけ保険としてお断りがございます。これらのオーディオアクセサリー達は、いずれも現状より音を悪くすることはありません。最悪でも現状は維持します。

この当たりが他の一般的なオーディオアクセサリーとの大きな違いかも知れません。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

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