2020年10月25日 (日)

marantz ラグジュアリーデザインのグローバルモデル ネットワークSACDプレーヤー『 SACD 30n 』、プリメインアンプ『 MODEL 30 』デビュー!【 後編 】

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
先週の【 前編 】に続いて、マランツから新登場のプリメインアンプ『 MODEL 30 』をご紹介します。

従来の型番ならプリメインアンプの頭は「PM」ですが、今回「MODEL7」に因んで?『 MODEL 』となっていることからも、マランツのこの製品に対する意気込みが伺えます。



マランツと言えば、今年(2020年)の初めにプリメインアンプ「PM12 OSE」(35万円/税別)を出したばかりなのに、それらより8万円(税別)も安い『 MODEL 30 』を立て続けに発売していることに疑問を持ち、マランツの担当者に質問してみました。答えは「前者は日本専用モデルであり、後者は世界を相手にしたグローバルモデルであるから、開発の経緯は違うのだ」とのことでした。

それでは、【 後編 】としてプリメインアンプ『 MODEL 30 』を「SA12 OSE」との違いを含め、詳しく見てまいりましょう。

■ プリメインアンプ『 MODEL 30』

『 SACD 30n 』と同様、デザインは非常に印象的なものです。「MODEL7」から続くマランツ伝統の左右対称デザイン、「MODEL9」をイメージさせるポートホール(船の丸窓)のようなディスプレイなど、現代的な解釈により生み出されたデザインです。これは2004年発売の「PM-11S1」から16年続いてきたマランツの従来デザインから脱却した、実にエレガントで現代的なデザインです。


『 MODLL7 』

『 MODEL9 』

ネットワークSACDプレーヤー『 SACD 30n 』と同様、中心部のアルミパネルが浮き上がって見える斬新さ、外側のパネルがライトによって照らされることによって織りなす陰影のなんと美しいことか・・・。従来の国産のオーディオ機器には見られないデザインです。ヨーロッパのデザイナーのセンスの良さが顔に表れた、思わず使ってみたくなるような優れたデザインだと思います。


【 筐体 】


『 MODEL30 』内部

従来機からの大幅なデザイン変更に伴って筐体設計も根本的に見直されています。シャーシには12シリーズと同じ厚みの綱板を採用。サイドカバーにはアルミの最厚部が5.7mmの高剛性なアルミパネルを採用。こちらは12シリーズよりも強化されており、よりしっかりした筐体になっています。さらにインシュレーターやトランスの固定にも、特に太いネジを使い上位機に匹敵する堅牢さを実現しています。



【 プリアンプ部 】


『 MODEL30 』のプリ部(ボカシ部分)
(左:従来アンプ 右:MODEL30)

本機が通常のプリメインアンプと大きく違うのは、そのプリアンプ部分のシャーシ全体に占める専有スペースの大きさです。それが可能になったのは、本機がパワーアンプにスイッチングアンプを採用しているためです。

従来のアナログアンプでは、パワーアンプ回路やヒートシンクに大きなスペースを割かざるを得なかったのですが、本機はセパレートアンプ並のプリアンプ部が確保できたのです。その結果、余裕のあるレイアウトや大きなパーツの選定などが可能となり、音質を最優先した回路設計が可能になったようです。

回路的には、マランツ独自の高速アンプモジュール「HDAM-SA3」を用いた電流帰還型アンプに、JFET入力を採用し、DCサーボを用いることでカップリングコンデンサ-を排除し、解像度や透明度に貢献できたとしています。

また、従来の4倍の電流供給能力をもつプリアンプ専用の電源回路を持っており、パワーアンプの消費電力の変動の影響を受けない安定供給を可能としています。

その電源にはOFC巻線による大型トロイダルトランスを搭載。外周には珪素綱板とスチールケースによる2重シールドを施し、漏洩磁束が繊細なプリ部に影響を与えない対策も万全です。

整流回路には、超低リーク電流ショットキーバリアダイオード(損失が少なく高速スイッチングが可能)を採用。平滑コンデンサーにはエルナー製のカスタムコンデンサー(6800μF/35V)を採用して、ハイスピードな電源供給を可能にしています。

ボリューム回路には、同社初となるJRC製高性能電子ボリュームコントロールIC「MUSES 72323」を採用。機械式では避けられない左右chのクロストークや音量差を排除でき、空間表現力が向上したとのことです。加速度検出システムによって、ゆっくり回すと0.5dBステップ、早く回すと素早く音量調整ができます。従来機に比べフィーリングが明らかに改善されていました。


【 パワーアンプ部 】


『 MODEL30 』モジュール

前述のプリアンプのスペース確保に貢献したと言われるスイッチングアンプには、「PM-10」「PM-12」に使われているのと同じオランダ Hypex社製 CLASS-Dパワーアンプモジュール「NCoreNC500」を2基搭載。これにより電力効率が高く、薄型筐体にもかかわらずハイパワー 200W+200W(4Ω)を実現しています。スピーカーのインピーダンスにかかわらず周波数特性が変化しないという優れた性能のモジュールです。

パワーアンプ用には独立した専用スイッチング電源を搭載。また、リレーを用いない保護回路を採用しており、モジュールをリアパネルのスピーカーへの出力基板に直接取付けることで、信号経路が約10mmに短縮でき、接点数も半減したとしています。その結果、ダンピングファクター:500を実現し、スピーカー駆動力が大幅に向上しています。



【 フォノイコライザー部 】

MC型/MM型両方式のカートリッジに対応した本格的なフォノイコを搭載。構成は、20dBのゲインを持つMCヘッドアンプと40dBのゲインを持つ無帰還型フォノイコライザーによる2段構成で、1段当たりのゲインを抑えることで低歪みを実現しています。信号経路は全てディスクリート回路で構成し、微細なフォノ信号の純度を維持します。また、MCカートリッジのインピーダンスを3段階(33Ω/100Ω/390Ω)に切り替え可能で、オルトフォンタイプにも対応しています。



【 その他充実の仕様 】

  • 1.リスニングテストにより厳選されたコンデンサーや抵抗など高音質パーツを採用。
  • 2.熟練工が一つ一つ手作業で切削加工した純銅製スピーカーターミナルや、真鍮削り出し+金メッキのピンジャックを採用。
  • 3.中央の丸形ディスプレイには視認性に優れたフルドット式の有機ELを採用。

■ まとめ

『 MODEL 30 』は、そのラグジュアリーなデザインの中に、セパレートアンプ並のプリ部と上位機と同じHypex社の「NCoreNC500」を搭載し、薄型筐体とはアンマッチなハイパワー 200W+200W(4Ω)を叩き出します。

プリメインで最も大きく音質を左右するプリ部のスペース的な余裕や電流供給能力の高い専用電源は、間違いなく音質に好影響を与え、こぢんまりとした箱庭的なサウンドではなく、大らかで実物大のサウンドを再現してくれます。


『 MODEL 30 』+『 SACD 30n 』

『 SACD 30n 』とのサウンドは、最近の同社アンプで感じるS/Nの良さから来る静けさです。透明度が非常に高く見通しが良く、音場が広くスケールも大きく感じます。このあたりはプリ部の電源の余裕だと思います。

また、パワーの余裕や高ダンピングファクターは試聴で使用したB&W「805D3」から生き生きとしたサウンドを引き出し、ブックシェルとは思えない余裕を感じさせてくれました。

ボーカルは実に滑らかでヌケが良く伸びやかに歌いました。オーケストラではパワーを入れても全く破綻せず、低音は力強く、かつ深く沈み込み、歯切れの良さが魅力的でした。

『 MODEL 30 』は、高音質と余裕のパワーを兼ね備えた上で、価格的には「PM12 OSE」を下回る価格を実現しており、これこそグローバルモデルであることが可能にしたのです。しかも国内生産(白河工場製)という信頼性も抜群です。今年(2020年)後半、注目のハイC/Pの実力機です。
(あさやん)

2020年10月 4日 (日)

marantz ラグジュアリーデザインのグローバルモデル ~ ネットワークSACDプレーヤー『 SACD 30n 』、プリメインアンプ『 MODEL 30 』デビュー!【前編】

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

貴方は、marantz(マランツ)ブランドからどういう型番が浮かんできますか。ベテランのオーディオファイルの方は何と言っても銘機「Model7」「Model8B」でしょう。私は残念ながら現役時代の「Model7」とは遭遇していませんが、パワーアンプの「Model 500」やプリメインの「Model1250」、CDプレーヤーの「CD-34」など、鮮明に記憶に残っています。

そんなマランツから新登場のネットワークSACDプレーヤー『 SACD 30n 』と、プリメインアンプ『 MODEL 30 』をご紹介します。

従来の型番ならSACDプレーヤーの頭は「SA」、プリメインの頭は「PM」ですが、今回は『 SACD 』と『 MODEL 』となっていることからも、マランツのこれら製品に対する意気込みが伺えます。


上『 MODEL 30 』、下『 SACD 30n 』


マランツは、今年(2020年)の初めにSACDプレーヤー「SA12 OSE」とプリメインアンプ「PM12 OSE」、いずれも35万円(税別)を出したばかりです。

なのに、それらより8万円(税別)も安い『 SACD 30n 』と『 MODEL 30 』を立て続けに発売していることに疑問を持ち、マランツの担当者に質問した所、前者は日本専用モデルであり、後者は世界を相手にしたグローバルモデルであるから、開発の経緯は違うのだとのことでした。

それでは、今回は【前編】としてネットワークSACDプレーヤー『 SACD 30n 』から始めます。今年2月に発売されたばかりの、価格的には上位機に当たる国内限定モデル「SA12 OSE」との違いを含め、詳しく見てまいりましょう。


■ ネットワークSACDプレーヤー『 SACD 30n 』



まず印象的なのはそのデザインです。マランツ伝統の左右対称デザインを受け継ぎつつ、従来製品のデザインから完全に脱却し、エレガントで実に現代的なデザインです。

中心部のアルミパネルが浮き上がって見える斬新さ、外側のパネルがライトによって照らされることによって織りなす陰影のなんと美しいことか…。従来の国産オーディオ機器にはない斬新さです。

その辺りをマランツの担当者にお聞きした所、このデザインはヨーロッパのデザイナーによるもので、ヨーロッパサイドの思い入れが非常に強く、日本側が押し切られたのだそうです。

私個人としては、型にはまった従来デザインに比べ、欧州人のセンスの良さが顔に表れた、思わず使ってみたくなるような優れたデザインだと思います。

【ディスクリートDAC】

本機が回路的に最も注目されるのが、殆どのデジタルプレーヤーで使われている汎用のESSやAKMのDACチップではなく、マランツの完全オリジナルのディスクリート D/Aコンバーター《 marantz Musical Mastering(MMM) 》が、同社のフラッグシップ「SA-10」と同一の回路構成のまま搭載されていることです。


MMM-Stream


MMM-Conversion

『 MMM 』は「MMM-Stream」と「MMM-Conversion」で構成されており、「MMM-Stream」は独自のアルゴリズムによってPCM信号を1bit DSD信号に変換し、「MMM-Conversion」に送ります。「MMM-Conversion」は入力された1bit DSD信号をアナログFIRフィルター(ローパスフィルター)によってダイレクトにD/A変換するという極めてシンプルな回路です。この結果、原音に忠実なアナログ信号が得られるとしています。

DACをディスクリート化するメリットは、DACチップではデジタル回路とアナログ回路が同居せざるを得ないのですが、「MMM-Stream」をデジタル基板、「MMM-Conversion」をアナログ基板に分割でき、その間にデジタル・アイソレーション回路を挿入することで、デジ/アナ各ステージの完全分離が図れ、高周波ノイズによる音質への影響も排除できるとしています。

【超低位相雑音クロック+ジッタークリーナー】

「SA12 OSE」同様、44.1kHz系と48kHz系の「超低位相雑音クリスタル・クロック」を採用。2系統のクロックを再生ソースのサンプリング周波数に応じて切り替えて使用することで、最適なクロック信号が供給できます。

さらに、ネットワーク再生では避けられない、長距離伝送で劣化してしまうクロックの品質を向上するため、高性能の「ジッタークリーナー」を採用。劣化したクロック信号に含まれる揺らぎやノイズを取り除き、高品位なクロック信号を供給することで、明瞭な定位と見通しの良い空間表現に貢献できるとしています。

マランツの担当者曰く、ジッタークリーナーの採用によるコストアップは大きかったが、ネットワーク再生時の音質が、ついにCDと同等になったのだと胸を張っておられました。

【オリジナル・メカエンジン】

本機専用設計のオリジナルメカ「SACDM-3L」を搭載。光学系と制御系は「SA12 OSE」用のメカ「SACDM-3」と同一回路やパーツとしつつ、ディスクローダー(トレイ)など機構系のパーツのコストを抑え、その分シャーシへの固定を強化して振動対策を強化しています。


オリジナル・メカエンジン

入念な振動対策により読み取り精度は十分確保できたとしており、この辺りの自由度こそ自社(D&Mオリジナル)メカならではです。さらに従来機では浅かったトレイのCDソフトを載せる溝(切り込み)も若干深くするなど、使い勝手も確実に向上しています。
※コラム中の「D&M」は、ディーアンドエムホールディングスのことでデノンとマランツの親会社のことです


トレイ部

【ネットワーク機能 & USB-DAC機能】

D&M独自のワイヤレスオーディオシステム「HEOS」のネットワーク機能により、音楽ストリーミングやインターネットラジオをはじめ、家庭LAN上のNASやPCなどの音楽、USBメモリやHDDに保存した音楽、スマホやタブレット、Bluetooth機器などの音源再生も可能です。(※DSDファイルは5.6MHz、PCM系ファイルは192kHz/24bitまで)

さらに、DSD:11.2MHz、PCM:384kHz/32bitに対応する最新スペックのUSB-DAC機能も搭載。DSD再生ではネイティブとDoPの両方式に対応。クロックはPC側のクロックを使うではなく、本機の「超低位相雑音クロック」によるマスタークロックで制御するアシンクロナスモードにも対応しています。

【充実のアナログ回路 & 電源回路】

アナログ回路にも手抜きはなく、マランツ独自の高速アンプモジュール(HDAM及びHDAM-SA3)を用いたフルディスクリート回路を採用。ハイスピードで情報量豊かなサウンドを実現したとしています。マランツのサウンドマスターとエンジニアが、音質対策パーツや新開発のカスタムパーツを使った試作・試聴を繰り返し、本機に最適なものを厳選し、とことんサウンドチューニングを行ったとのことです。


SACD 30n 内部

また、電源回路には漏洩磁束を抑えるため2重シールドを施した大容量トロイダルトランス、エルナーとの共同開発による大容量3,900μFのカスタム・ブロックコンデンサを採用することで、電源供給に余裕を持たせることで安定した音楽再生を実現しているのです。

【充実の機能】

  • 1.3段階ゲイン切り替えのフルディスクリート・ヘッドホンアンプ。ヘッドホンを接続していない時にネットワーク機能 & USB-DAC機能の電源は自動的にオフになり、他の回路への干渉を抑制します。
  • 2.音声出力に影響を与える可能性のある周辺回路からのノイズを抑えるため、ネットワーク機能やデジタル出力などをオフにする機能、ディスプレイやライティングのオフ機能を装備し、周辺回路から流入するノイズを徹底的にシャットアウトしています。
  • 3.アナログ出力は固定と可変を装備、4段階に明るさが変えられる有機ELディスプレイや、高級感のある重量級リモコンを装備。
  • 4.CD-R & CD-RW再生に対応、「Amazon Alexa」「AirPlay2」にも対応。



■ まとめ

『 SACD 30n 』は、そのラグジュアリーなデザインだけではなく、最新・最高峰のネットワーク & PCオーディオ機能と、「SA12 OSE」に匹敵するSACD/CD再生能力を身につけた最新鋭デジタルプレーヤーであり、先進の万能マシーンとも言えます。

音質を左右する重要な部分(ディスクリートDAC、ジッタークリーナー、アナログ回路、電源回路)には徹底的にコストをかけ、音声信号に少しでも影響を与える可能性のあるノイズ対策、コストを抑えつつ要所要所に徹底した振動対策を行うなど、ひたすら良い音のためにやり尽くした感があります。

それら高性能・高音質を確保した上で、ネットワーク機能 、USB-DAC機能、フルディスクリート・ヘッドホンアンプ、そして話題のAlexa、AirPlay2、Bluetoothにまで対応し、しかもそれらの音声出力への影響を徹底的に抑えています。

『 SACD 30n 』は高音質・多機能を兼ね備えた上で、価格的には「SA12 OSE」を下回る価格を実現。それこそ欧州をはじめとした世界をターゲットにしたグローバルモデルであることで可能としたのです。しかも国内生産(白河工場製)という信頼感も抜群です。今年(2020年)後半の大ヒットモデル?の予感がします。
(あさやん)

2020年9月21日 (月)

ハーベスのブックシェルフ『 新・XDシリーズ 』のコンセプトとは?

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ブリティッシュ・サウンドの代表的ブランド「ハーベス」より、さらなる高みを目指したブックシェルフ型スピーカー『 新・XDシリーズ 』2機種をご紹介します。



■ 英国 Harbeth(ハーベス)とは?

英国 Harbeth(ハーベス)は、1977年に元BBC研究所のエンジニア:ダッドリー・ハーウッド氏によって設立されました。ハーウッド氏は、かの有名な「LS3/5a」を設計した人物で、BBCモニターに採用されたベクストレーンやポリプロピレンといった新素材を、それまでのコーン紙に代えて実用化した人物でもあります。

ハーウッド氏は、同年「Monitor HL」(日本発売は1978年)を発表。その後「Monitor HL-MkII」「Monitor HL-MkIII」と改良を加え、そして1986年「Monitor HL-MkIV」を発売したのです。ハーベスは次第に人気を高め、スペンドールやロジャース、KEFと並ぶブリティッシュサウンドの代表的ブランドとなったのでした。

しかし1987年、愛弟子アラン・ショー氏にハーベスの未来を託し引退。翌(1988)年、その後同社のメイン機種となる「HL-Compact」の初代機を発売。同年、BBC規格の「LS3/5a」、翌1989年より大型の「HL5」、そして1990年「LS3/5a」のコンシューマーモデル「HL-P3」の初代機と矢継ぎ早に発売したのです。

これらによって今日に続く”HLファミリー”を作り上げ、今回ご紹介します、最新ラインナップ『 HL-P3ESR XD 』『 HL-Compact7ES-3 XD 』、そして『 Super HL5 plus XD(2020年秋発売予定) 』へと改良を重ねて来たのです。

その間の2017年には、同社創立40周年を記念する”アニバーサリー・モデル”を発表。それまでのスピーカーづくりのノウハウとテクノロジーの粋を結集した「Super HL5 plus-A」を国内40ペア限定で発売しました。

”アニバーサリー・モデル”の開発中に、特に力を入れたのは、スピーカーのパフォーマンスをより厳密に分析するため、試聴と測定を繰り返すことでした。同社が理想とする水準との差異を詳細に検討し直すことで、新たな解を見いだすことができたのでした。

それこそがクロスオーバーネットワークに使われている抵抗やコイル、キャパシターなどのパーツをカスタムメイドとすることで、同社が理想とするクオリティーに対する妥協をなくすことができたと言います。

その結果、フラットな周波数特性をはじめとする理想的な特性を獲得し、低域から中域、高域に至る一体感を大幅に向上させることができ、さらに一段高い、新たなパフォーマンスの水準を実現できたとしています。

それを具現化したのが、今回取り上げる『 新・XDシリーズ 』で、「XD」の名は「eXtended Definition」に由来しており、文字通り、分解能・解像度をこれまで以上に拡充させたシリーズであることを意味しています。


■ ハーベス『 HL-P3ESR XD 』

「HL-P3」は、前述のように1990年「LS3/5a」のコンシューマーモデルとしてスタート。1995年改良を加えた「HL-P3ES」、2003年「HL-P3ES-2」、2010年「HL-P3ESR」へと、ユニット構成は110mmウーファー+19mmドームツィーターのまま、エンクロージャーやネットワークに手を加え進化させて来ました。

今回の『 HL-P3ESR XD 』では、前作「HL-P3ESR」で初めてそれまでのポリプロピレン・コーンに替えて採用した「RADIAL 2」コーンの持つポテンシャルを、最大限引き出すことができたとしています。その結果、透明・精度の高い低域、全帯域におけるダイナミズムの獲得に繋がったのです。

「RADIAL」コンポジット・コーンとは、ポリプロピレンのメリットを生かしながら、アルミニウムの配合量を最適化し、さらにダイアフラムの中心から周辺にかけてブレンド量を変えていくことにより、中低域、中高域それぞれの帯域でコーン表面に発生する諸問題を低減するハーベスの独自技術です。

そして「RADIAL 2」では、ポリプロピレンの素材であるポリマーには無数の選択肢の中から、ナチュラルなサウンドを生み出す3種類を厳選しているそうです。それらを可聴帯域全体にわたって最適な機械的・音響的な特性が得られるよう最適な割合で調合しているのだそうです。

ツィーターには19mm口径のアルミニウム・ハードドーム型を搭載。こちらも独自開発の磁性オイルの塗布によって、高温時にも安定した再生能力を保持できるフェロフルード・クーリング処理を施すことで、より正確な再現性を得ています。さらに、Open Weave(目の粗い)グリルを装着することで、高域のエネルギー感や広がり感を向上させています。

当初、既存のクロスオーバーに適合する新しいウーファーを製作するつもりだったそうです。しかし、数週間にわたって試行錯誤した結果、その方向を変更して、クロスオーバーをまったくゼロから再設計することにしたのです。

アラン・ショー氏は言います。『 HL-P3ESR XD 』は、レコーディング時のミュージシャン達と一緒に呼吸し、同じ空間にいるかのような、あの至上の時間を味わうことができるミニモニターだと・・・。

■ ハーベス『 HL-Compact7ES-3 XD 』

Hlcompact7es3xd 

前述のように「HL-Compact」は、「HL-Compact7(1994年)」「HL-Compact7ES-2(2003年)」「HL-Compact7ES-3(2006年)」と、その歴史は30年以上にも及びます。

「HL-Compact」は発売当初から大ヒットとなり、当時ラックスマンのA級プリメインアンプとの組合せはオーディオ各誌で絶賛され、クラシックファンの定番の組合せとして爆発的な売上を記録したのでした。それは今でも業界の語りぐさとなっています。

その後30年以上にわたって「HL-Compact」が人気を保てているのは、その独自のハーベスサウンドもありますが、他メーカーのように頻繁に改良を繰り返すのではなく、非常に長いスパン(10年以上も)でのバージョンアップを続けながらも、創業当時からぶれることのない、伝統の「ブリティッシュ・サウンド」を守りつつ、進化し続けているからだと思います。

『 HL-Compact7ES-3 XD 』は、2ウェイ・スピーカーの表現力を極限まで追求し、『 HL-P3ESR XD 』同様、カスタムメイドのパーツを採用することや、進化した「RADIAL 2」コーンテクノロジーによって、従来にも増してほとんど乱れることのないフラットな周波数特性を実現し、全帯域にわたっての理想的な一体感を獲得できたのです。

今回の”XDシリーズ”では、その「RADIAL 2」コーンをベストな状態で動作させるため、アラン・ショー氏はひたすらテストを繰り返し、理想的なリニアリティを得られる 従来より柔らかく収縮性に富んだエッジ(サラウンド)を開発したのです。これにより大パワー入力時のリニアリティも改善されています。

そしてアラン・ショー氏が特に重要だとしている鍵は、目には見えない点、すなわちエンクロージャー内のクロスオーバーです。クロスオーバーの要素を一つ一つ改善することで、各ドライバーユニットは緊密に一体化され、水平・垂直いずれにも広大な音場を創成し、再現の難しい楽音も存在感豊かに、透明に再現することが可能になったのです。

多くのオーディオファイルに感動をもたらし、数々の賞に輝いた「HL-Compact7ES-3」もまた「XD」のコンセプトによって生まれ変わり、空気が呼吸するかのような、その濃密なリアリティーと立体感豊かな音場が、新たな次元を獲得したのです。

■ 「XDシリーズ」に対するアラン・ショー氏の思い

アラン・ショー氏は、自身が理想とする水準とのズレを、膨大な作業量、忍耐力、時間により改善することで、外見はほとんど変わっていないにもかかわらず、そのサウンドは大きく変わったのだと言います。これが”XDシリーズ”に共通した最大の特徴であり”Key Technology”だとしています。

ショー氏は、他社のような「全面的な改善」や「○%音質を改善」といった、かつてのモデルを全否定するような大袈裟な主張はしたくないと言います。ハーベスのスピーカーは大金持ちのためのものではなく、ごく普通のサラリーマンのためのスピーカーであり、そうした購入者の想いを裏切りたくないとも言っています。

そして、音楽というのは癒しや安らぎをもたらすものであり、無用の不安を持つことなく、お好きな音楽をゆったりと楽しんでいただきたいとの想いで”XDシリーズ”を誕生させたのです。

(あさやん)

2020年9月19日 (土)

カートリッジの針交換をお考えなら、新たなカートリッジはいかがでしょうか?

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、自宅にいる機会が増え、久しぶりにアナログレコードを聴いてみようとお考えの方に、針交換程度の価格で買える『 カートリッジ 』をご提案します。



■ まずは、カートリッジの確認から。
いざレコードを聴こうと思っても、あまりにも長期間聴いていなかったため、お持ちのカートリッジの過去の使用時間や摩耗の程度が分からなくなってしまって、そのコンディション状態が心配で、「この際交換しよう」ということになってしまっているのではないでしょうか。

でもその前に、ちょっとお待ち下さい。
以下は、カートリッジのコンディション確認項目です。


(1)カートリッジの保存状態はどうでしたか。
レコードプレーヤーに付けたままだったでしょうか。カートリッジキーパーなどに収納されていたのでしょうか。それとも、引き出しなどに入れたままになっていたのでしょうか。針先カバーをして乾燥した場所に置いていたなら、恐らく問題はないと思います。

保存状態が良ければカートリッジは意外に長持ちするものです。一番の強敵は湿気です。オーディオ再生の中で最も微小な信号を扱っているカートリッジ。ちょっとした目に見えない錆(酸化被膜)でも音を歪ませてしまいます。内部は勿論、4ピン端子やリード線、ヘッドシェルとアームの接点など、いずれも錆は大敵です。

(2)使用時間はのべ何時間位ですか。
カートリッジの使用時間はダイヤモンド針でおよそ500時間と言われます。しかしこれはかなり控えめな数字で、私の経験では、使用状態によってはその数倍は十分使えると思います。中々漠然と何時間と言われても、毎日○時間で年間○○時間という計算は、ジャズ喫茶などの業務用として使った場合にしか当てはまらないのではないでしょうか。

実際私は、今は市場に存在しないオルトフォンの昇圧トランス内蔵MCカートリッジ「SPU-GTE (※)」をかれこれ20年以上使っています(勿論、他のカートリッジもいろいろ使っていますが)。正直針交換は一度もしたことがありませんし、現在ではしたくてもできません。でも、時々使う程度なら歪むことなく現役で十分使えています。


「SPU-GTE」

※私は「SPU-GTE」の音に惚れ込んで、ここぞという時には今でもこれを使っています。ある時、オルトフォンの担当者の方に、昇圧トランス内蔵のSPUを再発売して欲しいと懇願した所、残念ながらトランスを巻ける人が本国にはいないから無理ですと、ハッキリ断られてしまいました。大事に使わなければ・・・。MCトランス内蔵のため、最短距離で昇圧できる所が最大のメリットと考えます。

過去にはカートリッジの使用時間を計測するアクセサリーなどもありました。しかし、使用時間が分かったからと言って即針交換をするのは実にもったいないことですし、その時点では問題のないケースの方が圧倒的に多いと思います。なお私の経験では、針先より先にダンパーに使われているゴムの方が硬化してダメになるのではないかと思っています。

(3)針先のクリーニングはされていますか。
針先は意外と汚れているものです。ルーペや顕微鏡で針先チップを見てみると、本来透明であるはずの針先が黒ずんでいたり、針先が見えない程ゴミがこびり付いていたりしている場合が多いのです。

黒ずみは、レコード盤自体が針によってトレースされる(擦られる)ことで摩耗して、レコード素材の塩化ビニールがタール状になってこびり付いているのです。レコードスプレー等の液体レコードクリーナーを多用されて来た場合は、特に酷いと思います。そして綿埃などがこびり付いた場合は白っぽく見えます。

さらに、過去にスタイラスクリーナー液をタップリ使われた方は、最悪の場合、カンチレバーからボディ内部に毛細管現象で染み込んでしまい、ダンパーなどをダメにしてしまっていることも考えられます。その場合は、残念ですが再起不能です。

針先クリーナーは市販の安価なものでも結構ですが、液体タイプなら刷毛についたクリーナー液を指で絞ってからお使い下さい。無ければ無水アルコールでも結構ですが、綿棒に付けて力を入れず軽く撫でるように拭きます。これで恐らく綺麗に透明に見えるはずです。


※究極の針先再生術は、何と言っても針先クリーナーのレイカ「ドクター・スタイラス」をお使いになることでしょう。高価ではありますが、実際に真っ黒になった針先をクリーニングしてみると、何と針先チップが見えない位に綺麗になってしまいます。これこそダイヤモンドの屈折率の高さ故の現象なのです。


上記(1)(2)(3)からも分かる様に、カートリッジは条件さえ良ければ、案外長持ちするものなのです。

■ そこで、ご提案です。
今お使いのMCカートリッジがお気に入りで「これしかない」とお考えの方で、保存状態や使用時間が心配な方は、針交換(本体交換)をお勧めします。なお、MMカートリッジは保存状態が良くなければボディ内部が劣化している可能性もありますので、交換針のご購入は、クリーニング等をされた上で、ご自身でのご判断をお願いします。

しかし前述のように、お持ちのカートリッジがまだまだ使えそうだと判断された方には、新たなカートリッジのご購入をお勧めします。勿論それは針交換の価格と同程度の出費という想定です。その理由は、カートリッジ交換の楽しさ・その魅力を多くの方に知っていただきたいと思うからです。今お持ちのカートリッジでは出ないサウンドが、新しいカートリッジから得られるかも知れません。

ぜひ、カートリッジによるサウンドの違いを楽しむという、オーディオという趣味にとって最も手軽で、魅力的で、心ときめく変化が楽しめる体験をもっと多くの方にしていただきたいのです。音の出口(電気→振動※)であるスピーカーと同程度の音の変化が楽しめる音の入口(振動→電気※)がカートリッジです。
※エネルギー(物理量)を変換する「トランスジューサー」は音質を大きく左右します。

以下、サウンドの違いをお楽しみいただくためのお勧めカートリッジを、サウンドとともに6機種ご紹介します。

★針交換価格程度で買えるカートリッジの中から

【おすすめMMカートリッジBEST3】

①オーディオテクニカ「VM530EN
シリーズ共通のアルミボディに無垢楕円針。粒立ちの良い若々しいサウンドが魅力。

②オルトフォン「2M BLUE
シリーズ下から2番目。中域の充実した明るく滑らかなサウンドはボーカルが抜群。

③グラド「Prestige Gold3
シリーズの最上位モデル。エネルギッシュで晴れやか。音楽の楽しさが味わえる。


【おすすめMCカートリッジBEST3】

①オーディオテクニカ「AT-OC9XEN
シリーズの下から2番目。解像度が高く繊細な表現も。自然でリアルなサウンドが魅力。

②デノン「DL-103
言わずと知れた超ロングセラーの日本の標準機。オーソドックスで音楽を選ばない。

③オルトフォン「MC Q10
シリーズの中核。コイルに銀線を採用し、パワフルかつ高解像度という贅沢さを実現。



(あさやん)

2020年9月17日 (木)

インフラノイズ・アキュライザー第4弾!
待望のバランス・アナログアキュライザー『 BACU-2000 』遂に完成!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
私を含め、多くのオーディオファイルが待ち望んでいた、バランスケーブル対応のアナログアキュライザーがインフラノイズから発売されましたので、レポートしてまいります。




■ インフラノイズのアキュライザーについて
インフラノイズのアキュライザー第一弾は、2018年1月発売のデジタルアキュライザー(デジタル整合器)『 DACU-500 』です。同軸デジタルの途中に挿入して、デジタル信号のタイミングを内蔵のディレイ用コイルで揃えることで、デジタル信号に混入したノイズによって生じる時間軸と位相のズレを《 ディレイライン整音 》し、音質を向上させるオーディオアクセサリーでした。

D/Aコンバーターのデジタル入力の直前に挿入することで、解像度が明らかに向上し、生々しくなりました。私自身、CDがこんなに素晴らしかったのだと、改めて見直すきっかけになりました。まさに、デジタル伝送における救世主的な製品でした。

第二弾は、同年10月発売のUSBアキュライザー(USB信号整合器)『 UACU-700 』です。D/AコンバーターのUSB入力端子に差し込み、USBケーブルとD/Aコンバーターの間に入れるだけで、それまでの平面的で無機質な音楽が、ドラマチックな音楽に激変。PCオーディオがアナログオーディオのような生き生きとしたサウンドに生まれ変われたのでした。

そして第三弾は、2019年12月発売のアキュライザーのアナログ版、アナログアキュライザー(アナログ整合器)『 AACU-1000 』です。本来アキュライザーとは、デジタル信号のタイミングを内蔵のディレイ用コイルで揃えるものです。しかし「例え完全なアナログラインでも、量は少なくても必ずデジタルノイズが混入しており、それが音を悪くしているはずだ…」と、インフラノイズの秋葉社長は考えたのです。

特に、電源経路からラインにまで侵入してくるデジタルノイズは、アナログ機器にとっては無視できないレベルであり、このノイズ成分がアナログ信号の高次倍音を変化させてしまい、元の音源には存在しない倍音が付け加えられてしまうと考えたのでした。端子は一般的なRCAのオス→メスで、既存の機器とRCAケーブルの間に挿入するタイプです。

しかし、アナログアキュライザーの製作にあたって大きな難問が立ちはだかりました。それはデジタル環境と比べて、部品、線材、絶縁材による音質劣化が大きく、個々の部品の形や重量までもが倍音の忠実度に関係し、何と0.1mm単位の精度の部材でも音が違ったのです。結局、部材の組合せの相性を耳で確かめながら一台ずつ仕上げるという、気の遠くなるような、まさに楽器作りのような作業が必要になったのだといいます。

『 AACU-1000 』をD/Aコンバーターの出力に繋いだ結果は、音場感、空間感、立体感、奥行き感、全てが明らかに繋ぐ前を大きく上回ったのです。音色的には全く変化はないものの、滑らかさ、生々しさが加わり、音の強弱がハッキリしてきて、声が空間に浮遊するようになり、明らかに情報量が増えたのでした。

ただ、私のオーディオシステムでは、DACプリとパワーアンプの間をバランス接続しているため、残念ながら『 AACU-1000 』を使うには、アンバランス接続に戻すか、アダプターを介してバランス接続(ゲインが落ちる)するしかなく、『 AACU-1000 』が本領を発揮するには至りませんでした。そのため私は、バランス接続用のアナログアキュライザーの発売を待ち望んでいたという訳です。

そのバランスラインで使用するためのアナログアキュライザー『 BACU-2000 』が完成したのですから、喜びはひとしおです。早速『 BACU-2000 』を自宅オーディオシステムで試用しました。その最新レポートです。

■ 新製品『 BACU-2000 』とは
バランス接続は、元々、理論上外部ノイズの影響が少ないということで、業務用途で使われたり、比較的長く伸ばしたりできます。

そこでインフラノイズの秋葉社長は、「同じ部品、同じケーブル、同じ長さで仕上げたアンバランスとバランスケーブルを音質比較すると、バランスの方が良い結果が得られるのだから…」と考え、バランスタイプを開発したのだといいます。

『 BACU-2000 』は「AACU-1000」と同様、アナログ信号に混入したノイズの時間軸と位相のズレを補正整合させるディレイラインです。極僅かな遅延なので、周波数特性の劣化や位相の変化は起こらないといいます。従来のようにLCやトランスで高域をカットする方法ではないため、周波数特性を劣化させる要素がなく、アナログ信号への色付けや変形を加えることもなく、混じり込んだノイズ成分だけを無害化するのです。

アナログ信号に混入したノイズ成分は、高次の倍音を変化させてしまい、元の演奏にはない倍音を付け加えてしまっていたのです。その対策として、従来は高価なヴィンテージ品のトランスなどを使うことで、高域の減衰を目立たなくしてきたのですが、どうしても高域が劣化してしまい狭帯域感は否めませんでした。

と、私はこの程度の説明しかできませんが、アナログアキュライザーのノウハウは秋葉社長の頭の中ということでご勘弁いただきたいと思います。勿論、一台一台手作りであり、ヒアリングしながら調整するのだとおっしゃっています。その結果、生産台数がどうしても限られてしまい、納品までお待たせするケースが発生してしまいます。

■ 『 BACU-2000 』の使用法
  • 『 BACU-2000 』は基本的に、入力側と出力側の指定はありません。XLRプラグのオス、メスは接続の都合でお選び下さい。
  • アナログステレオの右chと左chの選択は、通常本体の横にあるマーキング(PASSシール)のある方を右chにお使い下さい。
  • 設置方法は板や台の上に置くことも、ぶら下がった状態でも問題ありません。本機は外部振動の影響を十分考慮しているため、インシュレーターの上に置くことは推奨していません。
  • デジタル再生の場合、D/Aコンバーターの出力などデジタル信号をアナログ信号に変換した直後に使用します。
  • アナログ再生の場合、信号の上流に使うか下流に使うかの指定はありません。あくまでヒアリングでの決定となります。
※このように、使用場所はかなりユーザー側の判断に任されています。ご自分の耳を信じて慎重なヒアリングでお決め下さい。

■ 『 BACU-2000 』の使用上の注意
  • バランス・アナログラインの全てで使用可能ですが、低レベルのMCカートリッジの出力に使用される場合は、ループに注意しなければハムが発生する可能性があります。
  • 通常レベルのアナログラインでは、信号レベルの変化やS/Nの劣化は起こりません。
  • オーディオ用のノイズフィルターやアイソレーター、トランスなどの音質改善アクセサリーとの併用はできるだけお避け下さい。

■ 『 BACU-2000 』使用記

自宅では、DACプリの出力側に『 BACU-2000 』を使い、バランスケーブルを介してパワーアンプに接続しました。

まずは低音の圧倒的実在感に驚かされました。まるでハイエンドのスーパーウーファーが加わったような、量ではなく本来あるべき低音が再現されたのです。ここまで低域に効果があるとは想像以上でした。

音楽自体が立体的になり、人や楽器の位置や形までハッキリつかめるのです。前後感も奥の奥まで見通せるようになり、スタジオの空気まで感じられるようになりました。

明らかに従来よりエネルギー量が増え力強くなりました。それでも音量を上げていっても全くうるささを感じないため、ついつい音量が上がってしまっていました。

一方、高域は明らかに上の方に伸び、解像度がアップし、細かな部分が沢山見えてきました。透明度が抜群で、シンバルが澄みわたって鳴るのには正直驚きました。

そして、ボブ・ジェームスのMQA-CD「Espresso」は圧巻でした。とにかく凄いの一語です。迫力、スケール、グルーブ感は抜群で、自宅システムでは従来絶対聴けなかったサウンドでした。

■ 最後に
こんな素晴らしい製品を作れるインフラノイズという会社は、日本のオーディオにとっての誇りでしょう。

世界中の誰も考えつかなかったアナログラインにのってくる微少なデジタルノイズが、こんなにもオーディオ再生に害を与えていたとは…。

(あさやん)

2020年9月15日 (火)

トライオード『 TRV-CD6SE 』は高信頼の”純国産”CDプレーヤー

~ シリーズ:メインソースとしての「CDプレーヤー」をもう一度見直しませんか。その2 ~


こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
前回のLUXMAN「D-03X」に続き、人気の中堅CDプレーヤー・トライオード『 TRV-CD6SE 』にスポットを当てます。本機は過去に一度レポートしていますが、音質を含め詳しくレポートしてまいります。




■ いまCDプレーヤーに再度注目する訳とは?
その前に、前回に続いて私が、いまCDプレーヤーに再度注目する訳をお話しておきたいと思います。

それは、私自身が今、過去に買い集めたCDライブラリーの聴き直しにハマってしまっているからです。私は最近でこそ月に数枚程度しかCDソフトを購入していませんが、1982年のCD黎明期から蒐集したCDソフトはかなりの数に上り、その置き場所にも困っているのが現状です。困ったあげく物置行きになったCDソフトも結構あります。

CDプレーヤーが発売された当初、CDソフトは1枚3,500~3,800円もしました。今の貨幣価値なら恐らく2倍位でしょう。それでも給料をもらう度に、待ってましたとばかりに購入したものです。しかし、当時のCDプレーヤーで聴くそのCDの音は、細身で甲高く、耳にきつく感じるものばかりでした。

結局、思っていた音と違うため、お蔵入りになってしまったソフトが何と多かったことか・・・。その後アナログディスクとCDソフトが共存する時代が90年頃まで続き、どうしてもアナログを聴くことが多くなってしまったのでした。今思えば、それはソフトだけの問題ではなく、ハードすなわちCDプレーヤーの技術的問題の方が大きかったのです。

さすがに今聞き直しても、CD発売当初のCDはデジタル録音技術がまだ未熟で、ソフトの完成度も今一で、ギスギスした冷たい乾いた音のソフトが多く存在します。しかし80年代も後半になると、録音が明らかに良くなり、技術が進歩し、不自然さが少なくなって来ています。でもまだCDプレーヤー自体、その辺りを十分出し切れていなかったのです。

その結果、CDは音が今一、「今からはもっと上のフォーマットであるSACDでなければならない」との風潮が支配的になってしまい、「当初のCDソフトをもう一度見直そう」などの流れが起きることなく、PCオーディオやネットワークオーディオ、果てはデジタルを捨て、再度アナログレコードを見直すアナログブームにまで至ったのでした。

ここで私からのご提案です。
「貴方のCDライブラリーをもう一度聴き直してみませんか。」
きっと、きっと、”新しいサウンド”の発見があり、”新しい感動”が生まれることでしょう。

その理由は、最新CDプレーヤーは、当時のCDプレーヤーと比べ「DACの高性能化」「デジタルノイズ対策の進歩」「クロックの高精度化」など大きく進み、デジタル回路はもちろん、アナログ回路にも新しいノウハウが活かされて、完成度が格段に高まったためです。

前述の80年代後半から90年代のCDソフトには、実は当時からかなりの情報量が収録されていました。でもその情報量は、当時の民生機器レベルでは出し切れなかっただけなのです。その結果、最新CDプレーヤーでは、想像以上にいい音で聴けるCDソフトがかなりあるのです。(※もちろん全てではありません。それを探すのが面白いのです。)

貴方が音が悪いからとCDライブラリーの隅に追いやっているソフトの中に、「実は意外といい音のCDが有ったりして・・・」。私自身、その再発見のワクワク感にはまってしまっている今日この頃です。

という訳で、お勧めの最新CDプレーヤーの第2弾として、トライオード『 TRV-CD6SE 』を取り上げます。

■ 『 TRV-CD6SE 』の特徴をチェック
『 TRV-CD6SE 』は、日本を代表する真空管アンプメーカー・トライオードが、2019年創業25周年を迎え”同社CDプレーヤーの集大成”として発売したモデルで、発売前から注目を集め、今もベストセラーが続いています。

『 TRV-CD6SE 』の最大の特徴は、何と言っても同社ならではの真空管出力と半導体出力の両方の音色が楽しめることでしょう。そしてアップサンプリング機能、MQA-CDのフルデコード対応。その上で”純国産”であると言うのが、中国製や東南アジア製のオーディオ機器が一般的となった今では大きなメリットでもあります。

本機は横幅345mmのミドルサイズです。このあたりは異存のある方もお有りでしょうが、最近の安価なCDプレーヤーによく見られるような筐体内の無駄な空間が無く、ギッシリ詰まって凝縮感があります。筐体の色は落ち着いた赤で、同社TRVシリーズの真空管アンプと共通です。

次に本機の先進性にも触れておきたいと思います。それは外部クロック入力(ワードクロックと10MHzクロックの2系統)を装備していることと、HDMIによるデジタル出力「I2S」までも装備していることです。将来の発展性やCDトランスポートとしての活用も十分可能です。一方、本機はあえてUSB入力を持たないことでCD再生に特化しています。このあたりは実に潔いとも感じました。

(1)出力段の素子に真空管と半導体を採用し、真空管出力と半導体出力を装備
真空管には”6922(6DJ8/E88CC)”が2本搭載されており、出力はRCAシングル1系統です。一方、半導体出力はRCAシングルとXLRバランスの2系統を装備しており、CDプレーヤー側で真空管/半導体出力を切替えるのではなく、アンプの入力側で切替える方式です。

(2)SRC(サンプリング・レート・コンバーター)によるアップサンプリング機能
音楽信号を内部でPCM:352.8kHz/32bit(DXD=業務用フォーマット)またはDSD:5.6MHzにアップコンバート処理してからD/A変換を行う再生モードを搭載。過去にも同種の機能を持った製品はありましたが、後述の最新DACチップ採用の効果もあって、そのサウンドの緻密さやサウンドステージの再現性には素晴らしいものがあります。

(3)MQA-CD対応
MQA-CDに対応(USB入力がなくMQAファイルには非対応)しており、勿論フルデコード対応で、MQA-CDによって「スタジオ」(MQA自身の手によってMQA化)と「オーセンティック」(ソフト側によってMQA化)のソフトの表示もされます。
※「スタジオ」時はディスプレイに「MQA.」、「オーセンティック」時は「MQA」とだけ表示されます。MQA-CDのパフォーマンスが手軽にかつ最大限発揮されます。後はMQA-CDソフトの充実を望むばかりです。

(4)最新の32bit型DACチップ/SABRE「ES9038Q2M」搭載
ESSテクノロジー社の最上位の「ES9038pro」の技術を踏襲し、「ES9038pro」の8chに対して2ch出力で、ダイナミックレンジ:129dB、全高調波歪率:-120dBと、ほぼ同等の高性能DACです。

(5)2系統(ワードと10MHz)のクロック入力を装備
これら2系統とも装備しているのはこのクラスでは珍しく、かなり設計者のこだわりを感じます。ワードクロックは44.1kHz/11.2MHz/22.6MHz/45.2MHzに対応、もう1系統は高精度10MHzクロック・ジェネレーター専用で、いずれもBNC端子です。クロックの強化により更に分解能が上がり、サウンドの密度感、中低域の厚みは格段に向上します。

■ 聴いてみました

最初はSRCオフでの半導体出力です。解像度が高く良い意味でデジタルらしい、脚色のないストレートで切れ味が良く、伸びやかな爽やかサウンドです。これでも価格相応の本格的な音質です。

SRCをPCM:352.8kにすると、更に細かな部分まで見通せるようになり、高域が伸びやかで余韻感、音場感がアップしました。DSD:5.6Mでは、更にきめが細かくしなやかで、繊細なSACDっぽい鳴り方になります。

真空管出力でのサウンドは、デジタルであることを忘れてしまいそうな程、湿度感や粘りけがあり、音の粒子の繋がった感のある、アナログっぽい滑らかさが魅力です。

真空管出力+SRC/PCM:352.8kでは中低域が厚くなり安定感が更に増します。DSD:5.6Mでは真空管の温かさとDSDの透明感が絶妙のバランスで、もっともアナログライクなサウンドです。

最後にMQA-CDでは、CDの限界を全く感じさせない、伸びやかでストレートなサウンドです。真空管出力では、更に安定感を増し、かつての良質なテープサウンドを思い起こさせる安定感のある音です。

サウンドはSRCやMQAによって明白な違いがありますが、それぞれが魅力的であり、その日の気分やソフトとのベストマッチングで選択するという、新たな楽しみが加わることでしょう。

とにかく『 TRV-CD6SE 』の先進性、拡張性には驚かされます。MQA-CD対応のみならず、DXDやDSD5.6MHzへのアップサンプリング機能、ワードと10MHzの外部クロック対応、同軸/光出力はもちろんHDMIデジタル出力によるCDトランスポートとしての活用、そして本機の最もトライオードらしい真空管と半導体出力の切替え機能と豊富です。

『 TRV-CD6SE 』は、オーディオ好きにとっては実に”いじり甲斐のあるCDプレーヤー”です。しかも純国産という信頼感も見逃せません。かつてのCDソフトが新たなサウンドで蘇ることでしょう。

(あさやん)

2020年8月21日 (金)

LUXMAN『 D-03X 』は”CDソフト愛好家”の救世主!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、数あるCDプレーヤーの中から、LUXMAN MQA-CD対応プレーヤー『 D-03X 』を取り上げます。本機は、発売当初に一度レポートしていますが、改めて音質を含め詳しくレポートしてまいります。




■ 今CDプレーヤーでの音楽再生をお勧めする理由
オーディオ市場でのCDプレーヤーの動きがあまり芳しくありません。理由として色々考えられますが、とにかくCDプレーヤーについての話題が少ないのが最大の原因だと思います。ESOTERICやAccuphaseなどのハイエンド機には底堅い需要はあるものの、20万円台~30万円台のいわゆる中級機に話題の製品が少ないのです。

アナログブームが去り、PCオーディオにも最近目立った動きがなく、話題の中心はもっぱらネット配信やストリーミングばかりで、音楽がファイルという目に見えないものになるにつれ、音楽からの距離も離れていっているのではないかと危惧しています。そして音楽自体の価値まで下がってしまっているのではと感じてしまいます。

しかもファイル音源を聞くためのハードにしても、デジタルオーディオプレーヤー(DAP)+ヘッドフォンやスマートスピーカーなどが一般的になってしまい、日常的にはこれで十分との認識になってしまい、どうしても安易な方向に流れがちです。

音楽ソフトが有形なものから無形になったのと同時に、CDプレーヤーやカセットデッキに象徴される複雑なメカニズムが不要になったことで、音楽再生へのこだわり、特に再生機器へのこだわりが急速に薄れ、CDプレーヤーの需要減退に陥ったのだと思います。

一方で、PCオーディオやネットワークオーディオには、オーディオの知識以外に、グレードを追求すればする程、パソコンに関連するスキルが必要になってしまいます。結果、本来の音楽を楽しむと言う方向とは全く違う、未知のパソコン用語に追いつめられ、断念してしまったオーディオファンも多いのではないでしょうか。

確かにPCオーディオやネットワークオーディオの利便性は私も認めます。でもその便利さ故の感動は恐らく最初の一瞬だけだと思います。やはりいい音で聴いた時の感動の方が遙かに勝ります。自分の好きな音楽を、こだわり抜いたオーディオシステムで聴くのが一番だと考えるのは、私一人ではないと思います。

私が、今CDプレーヤーでの音楽再生を改めてお勧めする理由は・・・
(1)内蔵のD/Aコンバーターが、素子の進歩により従来製品に比べ格段に良くなっている。
(2)CDプレーヤーの設計に、デジタルノイズ対策の新しいノウハウが活かされている。
(3)過去のCDライブラリーを改めて聴き直すと、その音質の良さにビックリすることがある。
(4)MQA-CDの登場で、CDプレーヤーでもハイレゾ再生が可能になった。
(5)アクセサリーやケーブル等で音質を向上させる対策を施すことができる。
(6)何よりジャケットやケースを含めた形のあるソフトである。

■ 『 D-03X 』の充実度&完成度
前作に当たる「D-05u」がSACD対応メカを搭載していたのに対し、『 D-03X 』はCDのみに特化した新型高信頼性のCD専用メカを搭載しています。後述しますが、内蔵DACは、SACDを遙かに超えるDSD:11.2MHzに対応しているのにもかかわらすです。

LUXMANとしては、SACDソフトの現状を鑑み、CD再生に特化し、その上でMQA-CDを含むMQAデータの再生を可能とすることで、ディスクとデータ両方でのハイレゾソフトに対応することにしたのだと思います。この決断の結果、コストを大幅に抑えることができたのです。(個人的には、この英断に拍手を送りたいと思います。)


そのCD専用メカは、一般的なCDプレーヤーで見られる中央配置ではなく、向かって左側に有り、あえてシンメトリー構造を避けています。これは筐体内のデジタル信号やアナログ信号の理想的な流れから来ているそうで、ケーブルの余計な引き回しが無く最短で結ばれ、同時にノイズからも逃れられます。さらに振動の経路や重力バランスまでも考慮しているそうです。

CDメカは、定評のある8mm厚の無垢アルミ製のメカベースと、ループレス構造のシールド付きボックスシャーシで構成されており、上部には新しくスチール製のトッププレートを加えた最新仕様となっています。これらの対策の結果、安定した信号の読み取り精度と、動作音を下げることで静音性を実現できたのです。シャーシ全体もアースループやデジタルノイズを回避するため複合構造を採用しています。

ドライブメカの奥には電源トランスがあり、中央部では、デジタル/アナログ/コントロールそれぞれの回路に、大容量のブロックコンデンサーによる余裕のある電源供給を行っています。

DACチップには、同社では使い慣れた32bit対応のTI社製「PCM1795」を各チャンネルあたり2基使用し、モノラルモードで動作させています。高性能なDACを余裕を持たせて動作させることで、デジタル信号に刻まれた情報を高精度かつ高精細にD/A変換することで、音楽のもつ魅力を引き出せるのだとしています。

本機はCDプレーヤーであり、本格的なUSB-DACでもあります。USB入力では最大PCM:348kHz/32bit、DSD:11.2MHzにまで対応。さらに話題のMQAにも対応しており、MQAはファイル音源だけではなく、MQA-CDにも対応しています。また、USB入力は一般的なアイソクロナス転送方式以外に、PCに対する処理負荷を低減するBulk Pet転送モードにも対応しており万全です。

D/Aコンバーターに続くアナログ回路は、モノラルモードで動作させたDACの差動出力を、完全バランス構成のI/V変換回路へ入力しローインピーダンス化することで、終段のロー・パス・フィルターアンプを強力にドライブしています。

フロントパネルには、デジタル入力切替や出力の位相切替を装備。ディスプレイ内のMQAインジケーターは、MQA-CDとMQAファイル再生時に、青(スタジオ)、緑(オーセンティック)、赤紫(レンダラー)の3色で表示されます。

アナログ出力は、18mmピッチの金メッキRCA端子とノイトリック社製XLR端子を装備。デジタル入力は、DSD/PCM信号に対応したUSB、COAX/OPT各1系統(PCM:192kHz/24bitまで対応)を装備しており、デジタル出力はCOAX/OPT各1系統です。

付属リモコンは、フロントパネルの精緻なブラスターホワイトと同様の仕上げのズッシリと重いアルミ製で、リモコンを使うことで、ディスプレイの文字のズームアップやディマー機能なども行えます。

■ 試聴(日本橋1ばん館CDプレーヤーコーナーで実施)

試聴での第一印象は鮮度感と躍動感です。それに加え、LUXMANならではの品の良さや安定感のあるサウンドです。決して腰高ではなく、低域はレンジが広く解像度を落とすことなく深く沈み込みます。

S/Nは水準以上でとにかく静かで見通しがよく、音場は奥行き方向に拡がり空間表現が抜群です。楽器の倍音も十分に再現され、特に弦楽器がリアルに響きます。

ボーカルは温かく滑らかで、人肌を感じさせてくれます。突っ張り感やきつさの感じない穏やかな女声ボーカルが印象的です。特に、井筒香奈江のボーカルは自然でいつまでも聴いていたくなるほどでした。

MQA-CDではさすがにレンジが拡がり、サウンドに厚みも加わって中高域の伸びやかさは圧倒的です。CDとは違う高解像度サウンドが魅力的です。南佳孝のMQA-CD「Dear My Generation」の声と雨音の自然さは抜群でした。

■ 最後に…
LUXMAN『 D-03X 』は、あえてSACDに対応せず、DACも使い慣れたものにすることで、アンプ回路の強化やサウンドの熟成に注力できたことで、価格を超えたCDプレーヤーとなったのです。更に、MQAデコード回路にもコストをかけ、CDソフトのみならず、ファイル音源によるハイレゾ再生も強化できたのです。

CDはもちろん、USB-DAC、MQAファイル再生など、いずれも高度な使いこなしが可能な中級機であり、CDプレーヤーやUSB-DACとしての完成度はハイエンド機に迫るものがあります。CDを含むデジタルオーディオが存分に楽しめる”デジタル・メディアプレーヤー”とも言えるCDプレーヤー『 D-03X 』です。

(あさやん)

2020年8月18日 (火)

マッキントッシュ 真空管ハイブリッド・プリメイン『 MA352 』の魅力を探る

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、リーズナブルな価格とマッキントッシュ初のハイブリッド・プリメインということで、世界的なヒットを記録した「MA252」の上位モデル『 MA352 』をピックアップ。


予定よりかなり遅れましたが、遂に輸入が開始されました。早速その魅力を詳しくレポートしてまいります。

■ 「MA252」と比較しながら、新作『 MA352 』をチェック
『 MA352 』は「MA252」と同じく、管球式のプリ部とソリッドステートのパワー部で構成されていますが、横幅:305mm → 445mm、高さ:194mm → 251mm、奥行:419mm → 443mm、重量:12.7kg → 29.9kgとかなり大型・重量化されています。そしてパワーも100W+100W(8Ω)から200W+200W(8Ω)と2倍になっています。

2017年に発売された「MA252」は、どことなく銘機「MC275」を彷彿とさせる独特のデザインであり、しかもマッキントッシュの真空管搭載のプリメインアンプが50万円(税別)を切る価格ということで人気を集めたのでした。

新作『 MA352 』の外観は、横幅が他のオーディオコンポーネントとほぼ同じフルサイズ(19インチ)となり、しかも本体後部のケース部分には、マッキントッシュのトレードマークとも言えるブルーの大型パワーメーターが装備されています。

回路的には、プリアンプ部は「MA252」と同様、双3極管の12AX7aと12AT7を各2本使用しており、ボリューム、セレクター、グライコで構成されています。

「MA252」ではBass/Trebleのみのトーンコントロールでしたが、『 MA352 』ではマッキントッシュのハイエンド機同様、本格的な5バンドのグライコまで装備されています。5バンドは(30Hz, 125Hz, 500Hz, 2kHz、10kHz)で、各周波数は±12dBの範囲で増減可能です。また各入力でグライコのON/OFFを設定できます。
入力端子はRCAが3系統(「MA252」は2系統)、バランスが2系統(同1系統)、RCAプリ出力が1系統、そしてMMカートリッジ対応のフォノ入力まで装備しています。

フォノイコライザーには、誤差の少ない抵抗やコンデンサーが採用されており、極めてフラットな周波数レスポンスを達成し、ノイズや歪みも最小限に抑えられたのです。

パワーアンプ部の出力段は、ダイレクトカップルド構成のソリッドステート設計としており、出力素子には5ピンのバイポーラー・トランジスターであるオン・セミコンダクター社の「ThermalTrak」出力トランジスターを採用しています。

このトランジスターは、温度検出用ダイオードを内蔵しており、5ピンの内2本のピンはダイオードの出力として機能し、温度変化によって電流量が変化するトランジスターの特性を、リアルタイムに検知し、バイアス値を補正するというものです。なお、一般的な3ピンのトランジスターでは、ヒートシンクに外付けの温度補正デバイスが別途必要になります。

これによりトランジスターのバイアス電流の安定性が高まり、マッキントシュ伝統の出力トランス(オートフォーマー)に匹敵する安定性を確保できたのです。

さらに、大型の電源トランスと60ジュール(W・秒)ものエネルギーを蓄えられるフィルターコンデンサ―による大電流供給能力とレギュレーテッド(安定化)電源回路により、ACラインの電圧変動やノイズからも解放され、安定性が向上しています。

出力は前述のように200W×2(8Ω)を確保。マッキントッシュ独自のテクノロジーとプロテクション機能(パワーガード、セントリーモニター、パワーコントロール)を搭載。安全性は抜群です。
外装は、マッキントッシュ伝統の鏡面仕上げのステンレス・スティール・シャーシを採用。両サイドにあるアルミダイキャスト製の”McIntosh352”のバッジは、「MA252」同様、銘機「MC275」をイメージさせます。


”Mc”ロゴをあしらった新しいデザインのマッキントッシュ・モノグラム・ヒートシンク(McIntosh Monogrammed Heatsinks)を採用しており、放熱効率を大きく高めています。また、高電流出力トランジスタをこのヒートシンクに搭載することで、ウォームアップ時間を最小限に抑えています。

そしてマッキントッシュ・アンプの象徴でもあるフロントパネルのイルミネーションには、照明を均一にするため、広角LEDを使用しています。従来の同社製品では、ファイバー光拡散器(数十本の細い光ファイバーケーブルで分散)とLEDを使用していました。もっと以前は小型の電球(麦球)が使われており、切れると大変だったことが思い出されます。

スピーカー端子は1系統ですが、特許取得済みの金メッキ出力端子が採用されており、大電流にも信号ロスを限りなく抑え、純度の高い信号伝送を実現しています。

少々の事ではビクともしない定評のある保護回路を備え、5バンドグライコを使ってのスピーカーやお部屋とのベストマッチングも可能な、安心・安全、そして多機能を具現化。その上でマッキントッシュ伝統のデザインを絶妙にアレンジした素晴らしい外観の『 MA352 』です。

■ サウンドは?
サウンドはズバリ「マッキントッシュ・サウンド」そのものです。出力トランス(オートフォーマー)非搭載にもかかわらず、マッキントッシュ伝統の、全域にわたって線が太く、ドッシリして落ち着きと余裕を感じさせる低音、彩りが豊かでリッチな中高音は、明らかに「陰」ではなく「陽」です。こんな開放的なサウンドを待ち望まれていた方も多いのではないでしょうか。

ここ最近、余りにもS/Nや歪率ばかりにこだわってきたハイエンドオーディオ・シーンに、「こんな方向性の音のオーディオがあっても…」と、新たな指針を示す様ような、そんな大らかで息苦しさや湿っぽさを微塵も感じさせないサウンド「マッキントッシュ・サウンド」は、多くの音楽ファンを魅了することでしょう。

マッキントッシュファン待望のハイブリッド・プリメインアンプ『MA352 』です。

(あさやん)

2020年8月15日 (土)

フィンランド発 "Amphion(アンフィオン)" 「Argonシリーズ」のブックシェルフにフォーカス!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、アンフィオン社の『 Argonシリーズ 』をご紹介します。同シリーズ中でも、アンフィオンらしさを凝縮した感のあるブックシェルフタイプの下位2機種を取り上げます。日本橋1ばん館での試聴も含めてリポートします。


■ 『 Amphion(アンフィオン) 』とは?
北欧フィンランドは、スウェーデン、ノルウェー、ロシアと国境を接する北欧の国で、首都はヘルシンキです。バルト海の半島と周辺の島々からなっています。オーディオでは同じ北欧のデンマークやスウェーデンに比べ、余り馴染みのない国です。唯一私が知っているのが、スタジオモニターで有名な「GENELEC(ジェネレック)」くらいです。

今回ご紹介しますアンフィオン社は、1998年創業の比較的若いスピーカーメーカーです。フィンランド中部のクオピオに本拠地を構え、全製品を自国内で生産しているそうです。当初コンシューマー用からスタートし、2013年からはプロ用モニタースピーカーにも参入しています。

同社は、女性を大事にするお国柄もあって、生活の中で音楽を楽しむためにはどうすれば良いかという視点でスピーカー作りを行っているのだと言います。そのためスピーカーと向かい合って聴くだけではなく、リビングやキッチンでも良質の音楽が楽しめることを前提に開発しているそうです。

アンフィオンの「Argonシリーズ」には、ブックシェルフ3機種、トールボーイ2機種、センタースピーカー1機種があり、それぞれカラーはブラックとホワイトがあります。ウォールナット仕上げのある機種もありますが、価格は若干上がります。さらに本国にはサランネットも白いフルホワイトがありますが、日本では特注扱いとなっています。

■ まずは「Argon0」を試聴
横幅132mm/高さ259mm/奥行220mmの小型ブックシェルフです。ツイーターはチタンのダイヤフラムで1インチ(25mm)サイズで、フロントバッフルから奥まっており、前面が独自の形状のウェーブガイドでホーン効果を狙い、能率と指向性をコントロールしています。ウーファーとの位相を整合させるため、磁気回路の位置を揃えるリニアフェーズとしています。

一方ウーファーは、4.5インチ(120mm)でコーンはアルミ振動板です。リアバスレフで低音を補強しています。クロスオーバー周波数はこのタイプとしてはかなり低めの1.6kHzとしており、人間の耳で最も感度の良い2~4kHzをあえて外しているのだそうです。

このことについてアンフィオン社は例えで「椅子の座る面には縫い目を持ってこず、横や裏の目立たない所にあるのと同じで、人間の聴覚が最も鋭い所に縫い目(クロスオーバー)を設定することはあり得ない」と言っています。

これらふたつのユニットは振動板の素材は勿論、音の拡散の仕方が違う上、形状も違うのですが、クロスでの繋がりがスムーズであることに最も神経を使ったそうで、この当たりが生活に溶け込むサウンドを目指すのには不可欠な要素なのです。


大きさは想像していた以上に小振りで、DALIの「OPTICON1(写真左)」や「MENUET(同右)」とほぼ同じです。

サウンドは、ウーファーとツイーターの繋がりが実に自然で、振動板の素材の差を全く感じさせません。特にヴォーカルが秀逸で、まるでフルレンジのようです。ボーカルは口が小さく定位もしっかりしています。

低域はさすがに限界を感じますが、詰まりや鈍さのない鳴りっぷりの良いもので、必要にして十分と感じました。高域も嫌な強調感やきつさが無く、十分高いクオリティを維持しています。

ギターはよく弾み、実に伸びやかで抑えられた感じは全くありません。サウンドが小さく収まるのではなく、スピーカーの大きさを意識させない大らかさがあります。非常に鳴らしやすいスピーカーです。

■ 一回り大きな「Argon1
横幅160mm/高さ316mm/奥行265mmと「Argon0」より一回り大きくなっており、ツイーターは「Argon0」と同じでウェーブガイド付きです。ウーファーは5.25インチ(150mm)となっています。クロスオーバーも同じ1.6kHzです。

大きさは「Argon0」より一回り大きくなっていますが、前から見ている限りかなり小型です。ただ奥行きはこのクラスとしては結構あり、容積的には十分確保できていると思います。

 

サウンドは「Argon0」に比べ低域が伸びやかで、力もあり余裕を感じさせます。ヴォーカルは自然で温かさが増し、楽器はヌケが良く自然で、小型ブックシェルフとは思えない表現力です。

オーケストラもスケールが明らかに大きく感じられ、臨場感も十分楽しめます。ことさら解像度や音数の多さを強調せず、音楽そのものを楽しませてくれるスピーカーです。

■ 番外編「Argon3LS
横幅191mm/高さ968mm/奥行305mmの堂々としたトールボーイタイプで、ツイーターは「Argon0/1」と同じ1インチのチタン振動板でウェーブガイド付き。ウーファーはアルミ振動板の6.5インチ(180mm)と大きくなっており、クロスオーバーは同じ1.6kHzで、2つのユニットのボイスコイルの位置は同じく揃えられています。

ユニット構成での違いは、リアにパッシブラジエーターを搭載しており、低域のスケールアップを狙っています。更にスピーカー端子(アルジェント・オーディオ製)のすぐ上に、高域(トレブル)を1dBブーストするスイッチが装備されており、設置場所での微調整が考えられています。


高さこそ約1mありますが、ユニット構成、横幅、奥行きは「Argon0/1」の上位機「ALGON3S」と全く同じで、容量が3倍近く確保されています。サウンドは、実に伸びやかで大らか、詰まった所を全く感じさせず、ヌケの良い爽やか系です。これこそクロスオーバーを耳にとって敏感な部分を外したことによる効果だと感じました。

全体に粒立ちが良く、小気味良さは格別です。一方で、左右の拡がりや奥行きといった空間情報も欠落することなく自然で、立体的な音場が再現されます。

スピーカー固有の癖を全く感じさせず自然体で、ヴォーカルがまろやかで温かく人肌を感じさせてくれます。さすがにスケールも下位機に比べ大きく、ことにパッシブラジエーターによる量感の再現は見事です。

■ 最後に…
アンフィオン「Argonシリーズ」のブックシェルフ型スピーカーは、決してオーディオを極める方向のサウンドではなく、音楽を楽しませてくれる方向のもので、スピーカーの存在を感じさせない自然体のサウンドが魅力的です。

ボリュームを上げてもきつくなったり歪みっぽくなることは一切なく、小型ながら余裕さえ感じさせます。逆にボリュームを絞った場合は、大型スピーカーのように極端に痩せることはなく、バランスを維持したまま自然と耳に入って来ます。

なお、ユニット前面のネットは取り外しできませんが、設計段階からネットを付けた状態で試聴を重ねており、アンフィオンとしては付けたまま聴くことを標準としています。

アンフィオンの「Argonシリーズ」は、長時間聴いても聴き疲れなく、ながらリスニングにも最適な、ご家族みんなで楽しめる北欧フィンランドならではのスピーカーです。

(あさやん)

2020年8月13日 (木)

2020年上半期『 最新オーディオアクセサリー 』を厳選!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、2020年の上半期に私が試用体験した結果、もう手放せなくなって購入に至ってしまった『 最新オーディオアクセサリー 』5アイテムを厳選しました。実際に自宅で試聴した際の写真と共に、その効果の程を詳しくレポートします。


■ コード・カンパニー『 GROUND-ARAY-RCA 』

画像中央にあるシルバーの円筒が『 GROUND-ARAY-RCA 』

今回ご紹介するアクセサリーの中で最も高価なアイテムです。アルミでできた直径2cm、長さ9cmの筒が10万円近くするのですから、素人目にはとんでもない製品です。ちょっとしたアンプなど買えそうな値段です。

D/Aコンバーターの空き端子(同軸デジタルIN)に差し込みました。何と音出しの瞬間鳥肌が立ったのです。音楽の背景のザワつきが消えて静かになり、全ての帯域にわたって明らかに雑味のない別次元の音の世界が眼前に広がったのです。

低域の解像度は圧倒的に改善され、深く沈み込むようになりました。全くボケのないクリアな低音です。高域は伸び伸びとして弾け、キツさは完全に取れ、音量を上げていってもうるささを全く感じなくなりました。

また、情報量・音数が非常に増えた結果、今まで感じられなかった微妙なニュアンスが出てきたのには正直驚きました。床の響きやバックの演奏者の動きまで感じる程リアルになったのです。

筆者自身、試用前これ程の効果があるとは予想もしていませんでした。オーディオ装置のグレードが、1ランクではなく明らかに2ランク以上、上がってしまったのです。えらいことです。手放せなくなってしまいました。

■ アイファイ・オーディオ『 iSilencer+AA 』

こちらはグーンと安くなって1万円を切るアイテムで、長さ50mm×幅20mm×高さ9mmで、僅か7gの小型スティックタイプです。そしてUSBオーディオ(PCオーディオ)をやっている人だけのとっておきアイテムでもあります。

PCとDACの間はもちろん、本機を複数個空いたUSBポートに差し込んむことでノイズの低減能力も増加していきます。外付けHDDとミュージック・サーバーやUSBハブとの間にも本機を使うことができます。

PCのUSB-A端子(メス)とUSBケーブル(オス)の間に挿入しました。まず低音の変貌に驚きました。実にしっかり、ドッシリして太く厚みも増したのです。こんな場合、往々にして膨らみ気味でぼけてしまい勝ちですが、透明度を維持したまま団子にならず、ヌケの良いしっかりした低域なのです。

高域のチャラチャラ感も全くなく、声を張り上げた時のきつさも感じなくなりました。シンバルやハンドベルの超高域の透明度、リアル感は抜群で、エッジの効いた歯切れの良さは格別でした。

全体的に情報量が明らかに多くなり、音場が広く、空間表現力が高まり、エコー感も強調されず自然に感じるようになりました。そしてダイナミックレンジが拡大し、音楽が生き生きとして弾んできたのです。

こんな小さいスティックをPCとUSBケーブルの間に挿入するだけで、低域の質感がこれ程変わるとは驚きです。PCオーディオで感じていた低域の力感不足が解消し、吹き出し感が再現されたのです。手放せなくなってしまいました。

■ ティグロン『 TR-PAD-EX 』

D/Aコンバーターの下にある楕円形状のものが『 TR-PAD-EX 』

ティグロンが、レゾナンス・チップでお馴染みのレクストとコラボした制振アイテムです。皮製の楕円形状(8cmx12cm、厚さ3mm)のベースの片面に、陶器(制振性能を持つ特殊な焼き物)の小さなチップ(12mmx24mm、厚さ3mm、)が3枚埋め込まれて、一部が露出しています。

しかも普通なら制振ということで機器の上に載せて使うものと思いきや、機器の下に滑り込ませるという、凡人には思いもつかない発想のアイテムなのです。機器の底板と置き台との間で生じる定在波を低減するらしいのです。

使い方は、チップが露出している側を下にし、「TiGLON」のロゴが正しく読める向きで、機器の中心より約1cm手前に敷くのがベストだとのことなので、筆者はD/Aコンバーターの下に滑り込ませました。

瞬間、明らかにS/Nが上がったと感じました。僅かに掛かっていた極薄いベールが晴れ、中高域がクッキリ、スッキリしたのです。特に高域の倍音が綺麗で、臨場感も確実にアップしました。

音楽のリアル感やエネルギー感が引き出され、想像を絶する効果がありました。理論的には筆者には全く理解はできませんが、最早手放せなくなってしまいました。

■ サンシャイン『 SPIRAL-EXCITER 』

マグネシウムを採用したオーディオボードやインシュレーターでお馴染みのサンシャインの製品です。お使いのケーブルに世界特許技術のマグネシウムシールドを装着できる、スパイラル状のケーブル対策アクセサリーです。

構造は、幅3mm、厚さ0.1mm、長さ5mのマグネシウム合金箔(AZ31)を、塩ビ系の熱可塑性エラストマーで覆った幅8mm、厚さ4mmの線材を、内径12mmでカールさせ全長約65cmとしたものです。スパイラルの両端には約5cmの直線部分があり、スパイラル部をケーブルに巻き付けた後、ここを付属のマジックテープでケーブルに固定します。

ケーブルに装着することで、音質劣化の大きな要因として注目される、ケーブルが屈曲することによって生じる「横振動」だけでなく、長さ方向に伸縮する「縦振動」も制振し、さらにマグネシウム箔による電磁シールドで、磁気ノイズまでも低減するという画期的な音質改善アイテムです。

CDプレーヤーの電源ケーブルに巻き付けました。音を出した瞬間、音楽が迫って来ました。低域は制動が効いているのに量感と厚みが増し、安定感が出て来ました。ボーカルも輪郭がクリアになり曖昧さが消えました。この吹っ切れ感、躍動感は想像以上でした。

ケーブルの振動が抑えられることで、鈍重な傾向が出るのではとの当初の心配は無用でした。高級ケーブルに買い替える前に、ぜひ一度お試しいただきたいと思います。

■ フルテック『 106D-NCF 』

フルテックの特殊素材NCF関連ラインナップの一つで、2口コンセント用のコンセントカバーです。電流も流れないカバーでどれ程音が変わるのか、実際に行ったことのない方には俄には信じ難いことだと思います。しかも1万円以上するのですから。

裏表合わせて7層のマルチマテリアルハイブリッド構造を採用し、NCFを調合することで、強力な制振効果だけでなく静電効果も高め、ノイズの発生を抑えたのだとしています。特にUL規格の2口コンセントは、中心部でカバーを固定するため、特に敏感に作用するらしいのです。

6口電源タップを接続しているメインのコンセントのカバーを換えました。低域が明らかに締まり、輪郭がハッキリしてきました。全体に解像度が上がり、高域がシャープで切れ味が良くなりました。元のコンセントカバーに戻すと少し鈍さが出て来てしまい、もう元には戻せなくなってしまいました。

■ まとめ
以上の5アイテムのオーディオアクセサリーは、いずれも一度体験してしまうと絶対手放せなくなってしまうアイテムばかりです。また何より、いずれのアイテムも現状のシステムのサウンドに、プラス面こそあれ、マイナスの要素を全く感じさせない、安心のアクセサリーばかりです。自信を持ってお勧めします。

これらを使った結果、筆者のオーディオシステムのサウンドが、現在かつてないレベルに達していることを付け加えておきます。

(あさやん)

Joshin webショップ

  • Joshin webショップ 家電・PC・ホビーの大型専門店

ジョーシン店舗
高級オーディオ情報!

  • 下記店舗では、ハイレゾからアナログまで、Accuphase・B&Wなどのハイエンド オーディオ製品やオーディオアクセサリーが充実。試聴室完備で比較試聴も できます。

    日本橋1ばん館 4F
    (大阪 日本橋)

    三宮1ばん館 B1F
    (神戸 三宮)