2019年7月18日 (木)

MQA-CD特集『 MQA対応機器の可及的速やかな発売を! 』

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

2018年9月以来、久々のMQA-CD特集です。その間、我が家ではMQA-CDを約30タイトル揃え、存分に楽しんで参りましたが、遅々としてハードの普及が進まないことに、歯がゆさを感じておりました。

そんな折も折、音元出版のオーディオアクセサリー誌173号(2019 Summer)に、MQAを聴き比べるための「サンプラーCD」が付録として、付いてきました。そのCDを自宅のMytek「Brooklyn DAC+」で聴いたところ、その歴然とした差に驚くとともに、ぜひこのパフォーマンスを、一人でも多くのオーディオファイルに体験いただきたいと、心から願うようになったのでした。


■ サンプラーCDに収録のMQAについて
この「MQAサンプラーCD」の内容は、福岡出身のジャズボーカリスト 山口葵さんが歌う「祈りの伝統楽曲集」というタイトルで、4曲がそれぞれ3パターンの音源で合計12トラック収録されています。

MQAとは、従来CDと同じデータ容量の中に、ハイレゾ音源情報を折り畳んで入れ込む(エンコード)手法のことですが、これをCDにしたのがMQA-CDで、MQA対応機器で再生することで、折り畳まれたデータを正確に展開し、元のハイレゾデータとして再生することができるというものです。MQA対応機器を持っていなくても、通常の44.1kHz/16bitのデータとして再生は可能です。

さらにMQAの素晴らしいところは、通常の44.1kHz/16bitのCDデータでもMQA化することで、時間軸が正確に再現できることです。単にデータの容量を小さく詰め込むだけではなく、音源データそのものを本来あるべき音にする効果もあるのです。

その時間軸とは、どの位の短時間で音の変化を認識できるかの尺度のことですが、人間は一説には50マイクロ秒(2万分の1秒)とも10マイクロ秒(10万分の1秒)の変化を認識できるとも言われます。それに対し、CDの時間軸解像度は4000マイクロ秒、ハイレゾ96kHz/24bitリニアPCMでさえ400マイクロ秒程度だそうで、これは人間より400倍も40倍も悪いことになります。そのため、CDは音が硬く、平板で奥行きがなく、不自然なのだと言われています。

MQAでは、既存のリニアPCM音源の時間軸解像度をより細かく再設定できる特別なフィルター(De-Blur:デブラー)を開発し、音源をエンコードすることで高音質化を果たしたのです。その解像度は何と10マイクロ秒を実現したと言います。そもそも人間の耳は、周波数より時間軸解像度に対して、5倍から50倍も敏感なのだそうで、時間軸の精度を改善することで音質が向上するのです。

この時間軸解像度の改善を体感できるのが、今回のCDのトラック02、05、08、11の「44.1kHz/16bit MQA」の音源です。このトラックは従来のMQA非対応のCDプレーヤーで、その効果を確認することができるという画期的な、おそらく史上初の試みだと思います。ぜひ一度ご体験いただきければと思います。

■ 聴いてみました
今回の試聴は、我が家のCDプレーヤーの同軸デジタルアウトをMytek Digital「Brooklyn DAC+」のS/PDIF1に入力し行いました。


「Brooklyn DAC+」にはMQAのインジケーターがあり、「44.1kHz/16bit PCM」は点灯せず、「44.1kHz/16bit MQA」はグリーンに、「88.2kHz/24bit MQA Studio」はブルーに点灯するため確実に確認できます。


▲ 44.1kHz/16bit PCM


▲ 44.1kHz/16bit MQA


▲ 88.2kHz/24bit MQA Studio

以下は3パターンのサウンドの第一印象のメモです。

◆ゴンドラの唄 ~ 1915年に発表された歌謡曲。黒澤明監督映画『生きる』の劇中歌。
・トラック01:44.1kHz/16bit PCM
44.1kHz/PCMでよく感じるように、ピアノの音が滲んでしまう。ボーカルの口が大きく膨らんでしまう。ヌケが悪く声を張り上げた時にきつく感じる。

・トラック02:44.1kHz/16bit MQA
ピアノがスッキリし、滲みがなくなる。ボーカルの口が見えてくる。ただ、声を張り上げた場合、まだ少しきつさが残る。

・トラック03:88.2kHz/24bit MQA Studio
ピアノがコロコロと小気味良くなり、滲みが全く感じられない。ボーカルの顔や姿が見える程にリアルになる。張り上げてもヒステリックにならず、声が落ち着いて自然になる。全体的にはダイナミックレンジが広くなったように感じる。


◆鳥の歌 ~ 作曲者不詳のスペイン・カタルーニャ民謡
・トラック04:44.1kHz/16bit PCM
弦がギコギコして不自然。ボーカルの位置が不明瞭で、詰まった感じに聞こえる。音場が平面的で、奥行き感に欠ける。

・トラック05:44.1kHz/16bit MQA
弦の振動が自然に感じる。ボーカルは立体的になるが、奥行きは余り出ない。

・トラック06:88.2kHz/24bit MQA Studio
弦が繊細でしなやかになる。声に響きが加わり立体感が出る。音場も奥行き方向に深くなる。


◆The Last Rose Of Summmer(録り下ろし) ~「庭の千草」として知られる名曲
・トラック07:44.1kHz/16bit PCM
ボーカルのサシスセソのヌケが悪い。弦がややきつく感じる。サウンドが左右スピーカーの間のみで、前後が出て来ない。

・トラック08:44.1kHz/16bit MQA
弦が滑らかでスッキリする。低音弦は深く沈む。ボーカルの顔は実物大になる。音場も奥に拡がり立体的になる。

・トラック09:88.2kHz/24bit MQA Studio
弦がまろやかで気持ちよく響く。ボーカルは生々しくなり、伸びやかで弾んでくる。中央少し後ろにボーカルの姿まで見えてくる。


◆The Water Is Wide(録り下ろし) ~ 山口葵さん作詞、作曲者不詳のスコットランド民謡
・トラック10:44.1kHz/16bit PCM
ピアノの抜けが悪く滲む。ボーカルがかなり膨らむ。シンバルは詰まって感じる。

・トラック11:44.1kHz/16bit MQA
ピアノがクリアで軽快にはずむ。声が自然でボーカルは中央に立体的に見える。シンバルがスッキリ分離する。ベースが沈み込み音程もしっかりしている。

・トラック12:88.2kHz/24bit MQA Studio ※本CDの最優秀録音トラック
ピアノが非常に生々しくなり、低音の響きが豊かになり沈む込む。ボーカルが中央に小さく実物大になる。それぞれの楽器が一つ一つ見えるように定位する。ベースは堂々として、シンバルはクリアに散りばめられる。

■ 最後に
この「MQAサンプラーCD」を聴いての印象は、44.1kHz/16bit MQAでの改善度合いが予想以上に大きいことで、さらに88.2kHz/24bit MQA Studioでここまで再現されるとは想像を絶するものがあります。この3パターンの差は目をつむっていても十分判別できました。

私自身、これまでユニバーサルのMQA-CDのサンプリング周波数が352.8kHzだからMQA-CDが素晴らしいのだと思っていました。しかし88.2kHzでここまで改善されるなら、これで十分とも感じました。CD制作時、88.2kHzのマスター録音が多いことから、もっともっと新録音のMQA-CDソフトの供給を望みたいと思います。

そして、現状(2019年6月)ではMQA-CDを聴けるハードが非常に少なく、多くのオーディオファイルにお聴きいただけないのが実に残念でなりません。可及的速やかな対応ハードの発売を望みたいと思います。

最新情報では、パイオニアが「PD-50AE」(発売未定)をはじめ、トライオード、マークレビンソンがMQA-CD再生機を発売予定とのアナウンスがされています。ソフトもワーナージャパンが参入予定です。ゆっくりですが、MQA-CDファミリーが増えてきています。期待しましょう!。
(あさやん)

2019年7月15日 (月)

XI AUDIO『 SagraDAC 』はCDの真の実力を引き出す!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
以前このコーナーでご紹介しました XI AUDIO『 SagraDAC 』を、実際に自宅試聴しましたので、詳しくレポートさせていただきます。


その前に“XI AUDIO”の説明から、“XI AUDIO”(イレブン・オーディオと読みます)は2017年にマイケル・シャオ氏によって設立されました。彼は長年、放送機器をはじめとした業務機のマネジメントを手掛け、かのナグラ・プロフェッショナルの責任者という経歴を持つ技術者です。彼が手掛ける製品は、業務機としての質実剛健さに加え、音楽を楽しむためのエッセンスが組み込まれており、“真実の音”を表現するのが最大の目標だとしています。

“XI AUDIO”という名前は、同社のアンプのボリュームが全て11時(XI)の位置からスタートすることに由来しています。通常、アンプはボリューム位置が大体11時よりも上で使うことを想定して設計されていますが、“XI AUDIO”は絞り切ってもその性能を超えているという自信からのネーミングだと言います。


■ XI AUDIO『 SagraDAC 』
この変わった名前『 SagraDAC 』は“サグラダック”と発音し、その名は、マイケル・シャオ氏が実際に見てその姿に感銘したという、スペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)から来ているそうです。その『 SagraDAC 』には、人々が驚く程の存在感があり、かつ感動する程の細部も備わっていなければならないという意味が含まれているそうです。

『 SagraDAC 』の最大の特長は、前面パネルにも書かれている「R-2R DAC」です。「R」はRegister(抵抗)のことで、抵抗をラダー型に組み合わせたD/A変換部を持っていることを意味していますが、一般的には「マルチビットDAC」と言われているものです。しかも一部のハイエンド機でしか見られないディスクリートで組まれたDACを採用しているのです。

デジタル機器の登場からしばらくの間は「マルチビットDAC」が主流でした。それは今に至るまでほとんど全てのデジタル録音が、PCMを使用して行われており、アナログ信号が一定の解像度とレートでサンプリング(※)されます。(※最新録音では384,000Hz、24ビットというものまであります。)

これをアナログに戻す最適な方法は、「R-2R DAC」を使用して直接アナログに変換することですが、優良なR-2Rチップを作るには技術的な困難を伴い、製造コストがかかるため、現在では1ビットのデルタシグマDACが一般的となっています。これは低コストでチップとして大量生産できるためで、マルチビットDACチップ(※)で必要な、高コストのトリミング(抵抗の微調整)工程が必要ないからです。(※代表的なマルチビットDACチップとして、バー・ブラウンの「PCM1704」がありましたが、現在それに代わるマルチビットDACは存在しません。)

そのディスクリートのマルチビットDACには、デンマークのスークリス社製のものを、本機のために特注したそうです。《0.0012%精度》の抵抗を216個(写真)も使用した高精度なもので、非常にコストの掛かる構成です。本機に採用されたのはサイン・マグニチュード方式と言われるもので、抵抗値「R」と「2R」の抵抗を使い、1bitあたり2個の「R+2R」とするもので、結果大規模なものになってしまったのです。『 SagraDAC 』がこの価格に抑えられたのは驚異的でさえあります。



PCオーディオには欠かせないUSB端子からのインプットに関しては一般的に使われるXMOSではなく、イタリアのAmanero社製のUSBコントローラーを採用しており、PCM384kHz/24bit、DSD11.2MHzに対応しています。なおDSDは352.8kHz/24bitのPCM信号へ変換したのち、D/A変換されます。

デジタル入力は、USB(B-Type)以外にはBNC、AES/EBU、I2S(HDMI端子)が各1系統ずつ。S/PDIFが3系統(RCA同軸×2、光TOS×1)用意されています。アナログ出力は、RCAとXLR(シングルエンド構成のため、バッファー回路を通してバランス化)を各1系統装備されています。

そして『 SagraDAC 』のもう一つの大きな特長は、「S-PDIF Blade機能」の搭載です。これは入力のS/PDIFの「RCA2」と「BNC」のみで機能し、S/PDIFデジタル信号の0か1かを判断する閾値(いきち:条件分岐の境目、ギリギリの値)を変えることで、ロックの安定性を上げ、音質を向上させる効果があるとしています。


S/PDIFの転送データは、クロック信号とデータを合成するバイフェース符号という簡単な方法で送られています。しかし端子やケーブルの影響で、パルスが正確な矩形波(くけいは:規則的かつ瞬間的に変化する波形)とはならず、台形になったり波形が乱れたりしてしまい、正しいクロックが復元できず、転送は不安定(最悪時はロックできない)になったり、ジッターが発生してD/A変換の精度が落ちてしまいます。
それを回避するため 、ある電圧(図の横点線)でこの矩形波を捉え、正確なクロックで復元しようとするのがブレイド(片刃の剣で横一文字に切ることからのネーミング)の考え方です。実際には電圧の低い[1]から一番高い「9」までの9段階を耳で聞きながら手動で決定します。これはCDプレーヤーの製造年代やメーカーで、この矩形波に違いがあるのを補正する機能とも言えます。



『 SagraDAC 』の自宅試聴に際しては、同社のフルバランスディスクリートプリアンプ『 Formula P1000 』も同時にお借りして、こちらでも試聴しました。

『 Formula P1000 』は、非常にシンプルでフロントパネルにはボリュームしかなく、電源スイッチはもちろん、XLR統の入力切り替えもリアパネルにあるという、究極のシンプルさです。しかもディスクリート方式にこだわる余り、XLRの4つの出力(L/R、Hot/Cold)をそれぞれ別電源とすることで、フルバランス仕様を実現しています。

入力はXLR×2、出力はXLR×1で、ゲインは最近の高出力のデジタル機器に合わせて、やや控えめな6dBと15dBの切替のみとしています。回路には駆動力に優れたプッシュプル回路を採用し、バイアス電流を通常必要量の10倍とすることで、滑らかなA級動作(極深度A級動作)が得られるのです。パワーアンプと違い、発熱に問題のないプリだから成し得たことだとしています。

『 Formula P1000 』は、マイケル・シャオ氏が過去に自作した真空管プリの経験を生かして製作したもので、真空管では不可能なスペックを実現した、自身最高傑作のトランジスタ・プリアンプだとしています。もちろんボリュームは11時から始まります。


▲「SagraDAC」
試聴は、最初に筆者のリファレンス機器に『 SagraDAC 』のみを接続し、ほとんどCDプレーヤーの同軸デジタル出力で行いました。

まずはその厚い中低域に感動しました。かつてCDでこんな密度の高い、ドッシリした音を聴いたことがありません。とにかく音が全体に太く、超低域は深く沈み込み、低域は張りがあって弾けます。中域にも力があり、充実感、安定感は抜群です。高域は素直かつ伸びやかで、存在感のある力強いものです。

音像がすっくと立ち上がり、どんどん聴き手に迫って来ます。この感じはかつて聴いた2トラ・38のオープンデッキのサウンドを彷彿とさせるものです。特にTBM鈴木勲トリオの「ブローアップ」は圧巻でした。実に生々しく、まさに目の前で演奏しているかのような臨場感。緊張感たっぷりのまさにアナログレコードの世界でした。

余りの存在感のある音に、思わず試聴メモを取るのも忘れ、次々CDソフトを取っ替え引っ替え聴いてしまっていました。バスドラやエレキベースの迫力、中域のしっかりした生々しいボーカル、ピアノや打楽器の立ち上がりの良さ、ギターの弦を擦る生々しさ、フュージョンサウンドの分厚い張り出し感・・・。

そして「Blade機能」を手動で設定してのベストな状態でのサウンドは、音像が鮮明になりフォーカスがピッタリ合ったのです。実在感がさらに高まって感じました。

過去に聴いたことのない、しかしどこか懐かしくもある(マルチビット)サウンドに、感動しっぱなしの試聴でした。

次に、プリアンプに『 Formula P1000 』を使い、パワーアンプに直接バランスケーブルで接続して試聴しました。


▲ 左「SagraDAC」 右「Formula P1000」


上の写真を見ていただくと分かりますが、同一メーカーでありながら大きさ、形、インジケーターの色など一貫性、関連性は全くありません。良い音のためには関係ないとの考えからなのでしょう。

結果は、前述の『 SagraDAC 』のサウンドをさらにバージョンアップしたような、ゴリゴリと迫ってくる骨太サウンド。吹っ切れ感を伴ったストレートで、ある種業務用っぽい、プロ機らしいサウンドでした。特に、ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビイ」は圧巻で、力強い迫真の演奏、バックの聴衆が見えるようなライブ感、1961年録音とは思えない生々しさには感動しました。

しかし一方で、ストレートなサウンドが倍加されたことで、しっとり感や滑らかさは多少後退し、左右への拡がりに比べ奥行き感が浅く、若干超高域の情報量も少なく感じました。ボーカルやクラシックなどは、『 SagraDAC 』単独の方がベターとも感じました。

『 SagraDAC 』は、この価格でマルチビットをディスクリートで組んだという画期的なD/Aコンバーターです。CDソフトから本当の実力を引き出したい方、今主流の1ビットDACの音にご不満(音が綺麗すぎる、音の芯がない等)をお持ちのオーディオファイルにこそお勧めしたい、『 マルチビットDAC搭載D/Aコンバーター 』です。
(あさやん)

2019年7月13日 (土)

伝統と革新の融合! McIntosh "70周年記念" 真空管セパレートアンプ誕生!!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、McIntosh 70周年記念の真空管プリアンプ『 C70 』と、真空管パワーアンプ『 MC2152 』をピックアップいたします。


■ 始めに
McIntosh(マッキントッシュ)は、今から70年前の1949年、Frank H.McIntoshによって、米国ワシントンで創立されました。その後、ニューヨーク州に本拠を移し、現在に至っています。同社の製品には、恒久的な信頼性と安定性を、そのデザインには完全性と永続性を求めたのでした。

今回同社から、創業70周年を記念して、真空管プリアンプ『 C70 』と真空管パワーアンプ『 MC2152 』が発表されました。『 C70 』は伝統のデザインを踏襲し、あえてデジタル非対応とした完全なアナログアンプ構成です。一方の『 MC2152 』は、斬新なデザインと最新テクノロジーに果敢に挑戦した、マッキンファン待望の真空管パワーアンプです。

■ 真空管プリアンプ『 C70 』


往年のMcIntoshプリアンプのデザインを踏襲した、漆黒のフルグラスのフロントパネル、フロント両サイドのアルミのエンドキャップ、そしてグリーンに光るレタリング。見ているだけでうっとりさせられる、オリジナルティ溢れるデザインです。しかも、McIntoshのロゴの下には《 70th Anniversary 1949-2019 》の文字があしらわれています。

天板のガラス窓からは、ミニチュア管の12AT7×1本と12AX7A×5本のほのかな明かりが見え、操作はフロントパネルのシルバーの縁取りがされた、お馴染みのロータリーノブと5つのロッカースイッチで行います。過去の同社製品とは違い、LEDのインジケーターとなったことで、入力切り替えや音量レベルが非常に分かり易くなっています。

左上の大型ノブは入力切り替えで、バランス入力×2、アンバランス入力×3、そして、本格的なMM/MCの各入力が装備され、出力はバランス×2、アンバランス×2と充実しています。右上は、バランス調整も兼ねたボリュームノブです。

左下のノブは、BASS/TREBLEを2dBずつ調整可能なトーンコントロール、右下のノブはフォノ入力のインピーダンスとキャパシタンスの調整用です。そして、右端にはヘッドホンユーザーのために標準プラグのヘッドホン端子も用意されています。

中央下の5つのスイッチは、左からトーンコントロールのON/OFF、モノラル/ステレオ切替、ヘッドホンで前方定位を実現する独自の「HXD(クロスフィールドディレクタ)」のON/OFF、そして、出力1と2のそれぞれのON/OFF機能と万全です。

信号の流れは、セレクターで選択された入力信号は、電子制御された高精度アナログボリュームとトーンコントロール回路(OFFでバイパス)、そして1本の双三極管(12AX7A)の初段、そして1本の双三極管(12AT7)による出力アンプという、完全な真空管アナログアンプ構成です。ここまでで、真空管6本中2本が使われています。

ここからが本機のこだわりの部分で、MC/MMのフォノイコは各々独立しており、MCとMMにそれぞれ12AX7を2本ずつ計4本使われています。S/NはMM/MCとも75dBを確保しています。これは、最近の同社製品に見られる最短距離伝送、各回路のセパレート構造など、S/N重視の設計の賜と考えられます。

■ 真空管パワーアンプ『 MC2152 』


こちらはプリアンプと違い、同じKT88を搭載した往年の銘機「MC275」(現在はMC275VI)のシルバー鏡面ステンレスシャーシではなく、ボディは美しいビードブラスト・ブラックアルマイト・アルミニウム仕上げ。サイドパネルは艶消し仕上げのカーボンファイバー製と、高級感ある従来にない斬新なデザインに仕上がっています。

前面のスラントしたパネルには、レーザーカット加工されたMcIntoshのロゴがバックライトで浮かび上がるという凝ったもので、真空管は黒色のパウダーコート仕上げのステンレス・ワイヤーケージでカバーされています。

左右の2つのノブはクラシカルで、右側がパワースイッチ、左側が最前列のスモール真空管を下部から照らすLED照明の切り替え(ブルー、グリーン、消灯/真空管本来の琥珀色)のためのものです。プリアンプのイルミネーションとの相乗効果で、さらに雰囲気を高めることができます。この辺りの遊び心が実に嬉しいのです。

デザインは従来のMcIntoshとは違うものの、その中味は70年間に同社が蓄積してきた独自のノウハウや発明技術が遺憾なく注入されています。

創立と同じ1949年に発明された「ユニティー・カップルド・アウトプット・トランス技術(特許取得済み)」によって、スピーカーのインピーダンスが2、4、8Ωのいずれであっても、150Wのフルパワーをスピーカーに出力できます。

その「ユニティー・カップルド・アウトプット・トランス技術」は、シャーシ後部の3つのトランスの内の左右2台で、中央が電源トランスです。これらのトランスは押出成形ケースに収納されており、上面のガラストップには各トランスの結線図が描かれ、《 70th Anniversary Edition 》の文字がさり気なくレーザー刻印されています。

真空管構成は、入力段用のミニチュア管「12AX7A」が4本、ドライブ段用の「12AT7」が4本、傍熱出力管「KT88」が8本となっています。「KT88」は1ch当たり4本使用し、後部のアウトプット・トランスの1次側のホットとコールドに2本ずつ使ってトランスを駆動しています。

そして「Sentry Monitor™技術」により、常時出力電流を監視し、異常を検知した場合はLEDが即座に赤色になり、パワー・オフしてくれ、安心です。背面の入力はバランスとアンバランスの各1組、出力はスピーカーケーブルを確実に接続できる「Solid Cinch(特許取得済み)」スピーカー出力端子(バインディングポスト)を装備しています。

本機もプリアンプ同様、最近の同社製品に見られる入力から出力まで最短距離で増幅し、高いS/Nと低い歪み率を実現しています。再生音源の音質を重視した上で、真空管の音色をフルに発揮するためのMcIntoshならではの設計なのです。

■ 最後に
McIntosh "70周年記念" 真空管プリアンプ『 C70 』と真空管パワーアンプ『 MC2152 』には、オーディオ愛好家、特に私のようなオールドマニアにとっては、大いに購買意欲をそそられます。

両機での再生音は、伝統のMcIntoshサウンドをベースに、最新テクノロジーによる高品位サウンドも加味した新時代のサウンドとなっています。しかし、ストレスを全く感じさせない豊潤でしなやかなサウンドは、やはり真空管サウンドです。

プリアンプ『 C70 』の漆黒のガラスに浮かぶ夜景のようなイルミネーション、パワーアンプ『 MC2152 』の真空管の自然でほのかな明かりと、新機軸のミニチュア管へのLED照明。

こんなオーディオがあっていいと思うのは、私一人だけではないと思います。
(あさやん)

2019年7月11日 (木)

ミニコンポを超えたミニコンポ!! marantz『 M-CR612 』ヒットの理由とは?!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

今回、このコラムでは初めてピックアップするCDレシーバー、しかもミニコンポサイズのmarantz『 M-CR612 』をレポートします。その理由はズバリ、予想以上の人気に驚いたからで、これほどのヒットになるとは2019年3月末の製品発表時点では予想できなかったためです。急遽、ジョーシン日本橋1ばん館にて試聴しました。


■ marantzのミニコンポサイズCDレシーバー
marantzのミニコンポサイズCDレシーバーは、2009年発売の「M-CR502」、2010年の「M-CR603」、2013年の「M-CR610」、2015年の「M-CR611」と続き、今回の『 M-CR612 』で5世代目となります。


▲ 初代機「M-CR502」

初代機「M-CR502」も今と同じ横幅28cmで、その製品コンセプトは、小型スピーカーと組み合わせるミニコンポ用のCD/FMチューナー内蔵アンプというものでした。

そして初代機から、ラウンドフォルムのユーロモダンデザイン、1台でバイアンプ可能な4chデジタルパワーアンプ、2系統のスピーカーターミナル装備、単品CDプレーヤーと同一のメカ搭載、USB入力端子搭載 、そして定格出力50W+50Wというスペックでした。さらに「M-CR603」からはネットワークやBluetoothにも対応したのでした。

しかし、我々オーディオファン、特に単品コンポユーザーにとっては、ミニコンポは歩んできた通過点であり、「今さら何故ここで取り上げるの?」と疑問を持たれるのは当然だと思います。しかも、ミニコンポと聞くだけで、どうしてもドンシャリの若者向けの派手なサウンドやペラペラの薄べったいサウンドをイメージしてしまいます。

ただ、初代機の企画段階では、marantzは元々他のオーディオメーカーと違い、ミニコンポにはあまり強くなく、ミニコンポサイズの製品を商品化するにあたっては、同社が持つ単品コンポのノウハウを生かして、真面目にひたすら音の作り込みを行うしかなかったのでした。勿論当時は、さほど売れるとも考えてなかったようですが・・・。

それがステレオコンポなのに、4chデジタルアンプを搭載したバイアンプ駆動(※)という仕様というレシーバーでした。発売後徐々にではありますが、ミニコンポ売場にちょっとまともな音のするレシーバーがあると、音の分かる一部のユーザーには目を付けられていたようです。
※バイアンプ駆動:2ウェイスピーカーのウーファーとツイーターを別々のアンプでドライブすること

しかも思いも寄らないことが海外で起きたのです。ヨーロッパではmarantzブランド製品は、販売ルートの関係で、家電店ではなくオーディオ専門店で展開されており、「M-CR502」もそうだったようです。そこで、耳の肥えた販売員がその音質の良さに目を付け、そこから快進撃が始まったそうです。その噂が日本にも聞こえて来るにつれ、人気が高まっていったのです。

そして『 M-CR612 』の前作に当たる「M-CR611」は、発売当初からこのクラスとしては異例のヒットを続け、惜しまれつつも今春生産終了を迎えてしまったのでした。その大ヒット作である「M-CR611」のどこをどのようにブラッシュアップしたのでしょう。しかも、値上げなしにです。そのあたりを見てまいりましょう。

■ CDレシーバー『 M-CR612 』とは
デザインは初代機から、銘機「MODEL7」を思わせるmarantz伝統の左右シンメトリーにこだわっていましたが、代を重ねるごとに高級感が増し、『 M-CR612 』ではラウンドのかかった3ピースのフロントパネル、ハードコートのアクリルトップパネル、そしてイルミネーションなど、marantzの単品コンポーネントを彷彿とさせる、高級感あるデザインに仕上がっています。

本機の「肝」は、何といってもパワーアンプです。前述のように、初代機から続く4chアンプというのは同じで、そのデバイスにはTI(テキサス・インスツルメンツ)製を使用しています。ただ、この素子は実際には8ch仕様となっており、これを2chずつまとめて4ch使いとしているそうで、ノーマル状態ですでにBTL接続になっているらしいのです。

スピーカー出力は2組あり、「バイアンプ接続」では対応スピーカーの低域/高域それぞれを独立したアンプで駆動することで、ウーファーからの逆起電力など相互干渉を排除します。また、「マルチドライブ接続」では2組同時または切替えて聴くことができ、別の部屋のスピーカーの音量もリモコンで別々に調整できます。ここまでは従来機と同じです。

ここに、あるデータがあります。前作「M-CR611」の利用者を調査した所、バイアンプで使用している人の割合が、日本:18%、ヨーロッパ:8%、アメリカ:10%と、バイワイヤリング対応のスピーカーの多いヨーロッパですら10%未満という状況だったのです。

結果、ほとんどのユーザーは、シングルワイヤ接続でしか「M-CR611」を使っておらず、A,Bあるスピーカー端子のAにスピーカーを繋ぐということは、Bすなわちあとの2ch分は使われないままで、「宝の持ち腐れ」状態だったということです。そこで、本機『 M-CR612 』の新機能の登場と相成るのです。

今回新たに搭載された「パラレルBTLドライブ」は、接続はシングルワイヤのまま、4組のアンプ全てを用いてスピーカーを駆動することを可能にしたのです。その結果、アンプのスピーカー駆動力を示すダンピングファクターは、通常(BTLドライブ)に比べ約2倍になり、中低域の量感と締まりを両立した低音再生を実現できたとしています。

シングルワイヤ接続時でも、内蔵している8chアンプをフル活用できるパラレル(並列)化した駆動方法なので「パラレルBTLドライブ」と名付けられています。これこそ、ミニコンポとは明らかに違う、ハイエンドオーディオ的発想といえます。


▲ 金メッキスピーカー端子


▲ 通常のシングル接続


▲ パラレルBTLドライブ接続


■ 多機能な『 M-CR612 』
さらに、『 M-CR612 』の多機能さには目を見張るものがあります。以下に列記します。
  1. 豊富なネットワークオーディオ機能
    ワイヤレス・オーディオシステム「HEOS」テクノロジー、Amazon Alexaでの音声コントロール、Bluetooth、ストリーミングサービス、インターネットラジオ、AirPlay 2に対応
  2. ハイレゾ音源の再生に対応
    ローカルネットワーク上のミュージックサーバーやUSBメモリーに保存したDSDファイル(5.6MHzまで)、PCM系ファイル(192kHz/24bitまで)が再生可能
  3. その他 主な機能と特長
    • 入力信号を検知して、電源を自動でオン可能な2系統の光デジタル入力を装備
      ※テレビと繋ぐことで、本機がさらに生かせる便利機能
    • データディスク(MP3 / MWA)の再生にも対応したCDプレーヤー搭載
    • 95MHzまでの「ワイドFM」に対応したFM / AMチューナー搭載
    • 低域の周波数特性を5種類切替可能 + 高/低±10dBのトーンコントロール機能
    • 3段階ゲイン切り替え機能付き本格的ヘッドホンアンプ搭載
    • 3行表示で読みやすい日本語対応有機ELディスプレイ
    • ホワイト、ブルー、グリーン、オレンジの4色のイルミネーション
    • クロック&アラーム再生機能、スリープタイマーなどの便利機能
    このように、まさに「てんこ盛り」状態です。やはりこれらは、ミニコンポとしては必要不可欠な機能なのでしょう。でも私のようなオーディオファンがサブシステムとして本機を使うには、少々多機能すぎる感がなきにしもあらずです。もっと機能を絞った、音質だけに特化したミニコンポがあってもいいと思うのは私だけではないでしょう。

    ■ 試聴しました

    『 M-CR612 』のサウンドは、日本橋1ばん館でB&W「607/MW」を使って確認しました。

    B&W「607/MW」は本来バイワイヤ仕様ですが、ジャンパーでシングル接続にして、リモコンで切り替えて「シングル」と「パラレルBTLドライブ」を比較しました。

    「シングル」でも十分「607/MW」を鳴らしきっており、低音が力強く、パワフルな安定感のあるサウンドで、私の過去の経験からくるミニコンポの音とは明らかに違うものでした。ミニコンポのドンシャリ音ではない、ハイファイを意識させるドッシリした正統派のサウンドでした。

    次に「パラレルBTLドライブ」に切り替えた途端、その変わりようにビックリです。低音がとてもこの大きさのシステムのそれではなく、生々しくスケール感たっぷりで、立体感を伴った本格的なサウンドが聴けたのです。とにかくハイスピードになり、情報量も多く「これで十分なのでは」と納得させられるほどでした。

    「ミニコンポでもここまで出せるのだ」が私の正直な感想です。ヒットも当然です。パラレルBTLによるミニコンポを超えたミニコンポ『 M-CR612 』の誕生です。
    (あさやん)

    2019年7月 8日 (月)

    LUXMAN史上最高峰のフラッグシップ真空管セパレートが完成しました!!

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

    LUXMANより、管球式コントロールアンプ『 CL-1000 』がついに発売! 2015年10月に発売された、真空管ステレオパワーアンプ『 MQ-300 』とのペアにより【 LUXMAN史上最高峰のフラッグシップ真空管セパレート 】が完成しました。


    ■ 憧れのデザイン
    これまでに幾度か述べていますが、LUXMAN(一般的には「ラックス」の方が通りが良いと思いますが)は、1925年ラジオ放送の開始とともに創業し、有名な「 SQ-5B (1962)」、「 SQ38FD/II (1974)」など、現在まで紆余曲折はあったものの、今でも国内屈指の真空管アンプメーカーであることには疑う余地はありません。

    LUXMAN創業90周年を記念して、2015年10月に発売された、300Bシングル・真空管ステレオパワーアンプ『 MQ-300 』のペアとなる真空管コントロールアンプの発売が待たれていました。『 MQ-300 』発売から3年、昨年の東京インターナショナル・オーディオショウでその姿が披露され(当時はまだ本番前の試作品でした)、今春ついに『 CL-1000 』として発売されました。

    東京インターナショナル・オーディオショウで見た『 CL-1000 』のデザインに私の目は釘付けとなり、思わずニヤリとして「やった!!」と叫んでいました。それは、何と懐かしい顔なのでしょう。

    C-1000(1975)
    オーディオ全盛期、私が本格的にオーディオを始めた1970年代半ば、それまでのLUXMANのイメージを一新して登場したトランジスタ式コントロールアンプ「 C-1000 」「 C-1010 」、さらには当時、同社の最上位に位置したトランジスタ式プリメインアンプ「 L-100 」のフロントパネルそのものだったからです。

    私は、「 C-1010 」とパワーアンプ「 M-4000 」を組み合わせたデザインに心底憧れたのですが、予算オーバーで購入は叶わず、結局オーディオ評論家の故 斉藤宏嗣氏推奨の真空管プリアンプ「 CL-32 」と、ソリッドステートのパワーアンプ「 5M21 」という、変則的な組み合わせに落ち着いたのでした。そんな憧れのデザインが目の前にあったのですから、興奮するのは当たり前です。

    それではその最新作『 CL-1000 』の特長を順に見てまいりましょう。

    ■ まずは『 CL-1000 』の内部

    右端に、《 LECUTA 》34タップのファインメット・コア・トランスと34個のリレー
    中央と左奥に、JJ製のE88CCが合計6本
    中央奥に、L/R独立のバランス入力と、L/R独立の出力用の計4基のスーパーパーマロイ・コア・トランス

    ■ LECUTA (Luxman Electric Controlled Ultimate Transfomer Attenuator) 搭載
    本機の最大のトピックは何と言っても、《 LECUTA(レキュタ) 》と名付けられた新開発ファインメット・コア採用の大型トランス式アッテネーターを採用した音量調節機構でしょう。通常のボリュームのように、抵抗器によって信号を減衰するのではなく、巻線比により低損失で音量調整を行う手法です。

    従来、同社のコントロールアンプやプリメインアンプには独自の固定抵抗切替型アッテネーター《 LECUA(レキュア) 》が使われてきました。その最新バージョンである《 LECUA1000 》は、アンプ回路と一体化した電子制御式アッテネーターで、その接点数は88もあり、キメ細かく精密なボリューム調節が可能です。勿論、それには抵抗が使われています。

    しかし、LUXMANはさらにその上を目指したのです。《 LECUTA 》の大型トランスは34タップで、しかも左右独立しており、そのトランスと対を成す34個のリレーを、音楽信号を通さないフロントパネルの位置情報検出用(リレー制御のためだけの)ボリュームノブで切り替えることで、小音量時も音痩せすることのない音量調節機構を新しく開発したのです。ボリュームノブの手応えは、高級機に相応しいものとなっています。

    《 LECUTA 》のアッテネーター用トランスのコアに使用されているファインメットは、独自のナノ結晶構造により、飽和磁束密度と比透磁率が高く、コアロスが少ない磁性材料です。また、トランスの弱点でもある帯磁による性能劣化対策としては、電源投入時に常に動作するアーティキュレーター(消磁機能/マニュアル作動も可能)を装備しており、万全を期しています。
    ※ファインメット:日立金属のナノ結晶軟磁性材料

    ■ スロバキアJJ製のE88CC (ECC88/6DJ8の高信頼管) 採用
    本機の真空管には、LUXMANが自社製品に初めて採用した、スロバキアJJ製のE88CCを合計6本搭載しています。2段増幅P-K NF型(プレート~カソード負帰還回路)で動作させています。回路間を接続するカップリングコンデンサーには、同社のオリジナル開発(『 MQ-300 』の開発過程で開発)によるオイルコンデンサーを採用し、厚みのある音質を実現できたとしています。

    アンバランス入力 (バランス入力にはL/R独立の高い透磁率を誇るスーパーパーマロイコアを採用したトランスで、アンバランス信号に変換) は、最初にE88CC×2のアッテネーター駆動アンプで6dBのゲインを稼ぎ、次の《 LECUTA 》に送られ、音量調整された後、E88CC×2の回路で増幅されます。

    トーンコントロール回路にもE88CC×2を使用し、BASS/TREBLE独立3段階周波数切替えLUX式トーンコントロールの搭載により、きめ細やかな音質調整が可能です。勿論バイパスも可能です。さらに、ラインストレートをONにすることで、信号系統に抵抗が直列に入らないため、純度の高いエネルギー感溢れる音質が実現できたとしています。

    ラインレベルの出力は、L/R独立のスーパーパーマロイコア (バランス入力時に使用されたトランスと同等) を採用したトランスを経由しており、出力はアンバランス2系統、バランス2系統の合計4系統あるものの、アンバランス出力かバランス出力かはフロントパネルでの切替式としています。出力の位相切替えまで装備しています。

    ■ レトロモダンな外装
    外装は3枚の肉厚アルミパネルを組合せ立体的で、前述の往年のデザインを彷彿させるフロントパネルに、確実な操作感と精密な加工が施された各種ノブ類のバランスが実に秀逸です。我々中高年には懐かしくもあり、新鮮さもある高品質なレトロモダンを具現化したデザインになっています。

    LUXMANアンプでは定番のコの字のウッドケースは、ウォールナットの突板に色鮮やかなローズウッドの配色を施したピアノ塗装で、ペアとなる『 MQ-300 』の木枠と同一仕上げとしています。脚部にもグラデーション鋳鉄製レッグを装着し、微小レベルのデリケートな音楽信号を不要な振動から守っています。

    RCA入力端子には、銅の導電率と真鍮の硬度を併せ持った新素材カッパーアロイ製を、ACインレットには非磁性ニッケル処理と金メッキが施され、電源ケーブルにもノンツイスト構造の3.5mm2 高純度OFC線と金メッキ仕上げのプラグを採用したJPA-15000(極性マーク付き)を付属し、万全を期しています。

    ■ 最後に
    LUXMANの開発者によりますと『 CL-1000 』と『 MQ-300 』の組み合わせでのサウンドは、従来の真空管アンプのサウンドイメージである「帯域が狭い」「柔らかい」「温かい」とは別次元の真の意味でのハイエンドサウンドを目指したのだと言います。

    そのため、LUXMANの永い歴史と伝統により培われた技術とノウハウを余すところなく注ぎ込み、こだわり抜いた回路やパーツをはじめとする内部構成と、磨き込まれた魅力的な外装を身にまとう、フラグシップの名に相応しい造り込みが施されたのです。

    音の狙いとしては、トランス式アッテネーターの最大のメリットである音痩せのないエネルギー感たっぷりのサウンドと、真空管ならではの充実した中域、伸びやかで繊細な高域の魅力だとしています。さらに、ボーカルの透明感と人肌を思わせる温かさ、オーケストラの実物大のスケール感と立体的で深々とした音場感を実現できたと言います。

    有機的で浸透力のある濃密なサウンドは、トランジスターアンプでは絶対味わうことのできない世界です。これこそ、『 ハイエンド真空管アンプ 』です。

    満を持して登場した『 CL-1000 』の純度の高い魅力あふれる真空管の音色は、『 MQ-300 』はもちろんのこと、他社のパワーアンプとの組み合わせでも、最高のパフォーマンスを発揮できると思います。
    (あさやん)

    2019年7月 7日 (日)

    【ポータブル?もはや据置型DAC/プレーヤー!】アステルアンドケルンのKANN-CUBEのご案内です。


    みな様、こんにちは!
    永らくご無沙汰しておりました"とうふ"です。
    更新履歴を辿っても、ハイエンドブログではなんと2月以降登場しておりませんでした。。。
    もう少し頻度を上げて色々な機器をご紹介できるように精進しますので、今後とも何とぞよろしくお願いいたします。

    さて、今回ご案内させていただくのはポータブルプレーヤーでございます。

    アステルアンドケルン
    デジタルオーディオプレイヤー 128GBメモリ内蔵+外部メモリ対応(ウルフグレイ)
    KANN CUBE


    ハイエンドブログをご覧頂いているオーディオ諸兄の皆様には
    何だよ、ポータブルプレーヤーかよ。。。(がっかり)』とされる方もいらっしゃるかも知れませんがそこは一寸お待ちください。
    この【KANN-CUBE】、ハイエンドブログでも"推したい"魅力が一杯なのです!

    なおメーカー様より試聴機をお借りして、一通りの使用感などは試用レポートでもご案内しております。
    もし宜しければそちらもご覧いただけましたなら幸いでございます。


    ①【KANN-CUBE】は凄い!
    何が凄いかと言うと、据置機器向けのDACチップ、ESSの"ES9038PRO"をデュアル構成で搭載している事です。
    この構成は一世を風靡した人気DAC、oppoの【SONICA】と同じ構成です。
    SONICAは既に生産完了ですがあさやんの書いたハイエンドブログ記事はこちらより。

    もちろんDACチップだけで音が決定するわけではありません。
    DAC以降の回路や電源周り等重要なポイントは多数ありますが、その辺りはメーカーは充分承知。
    なぜなら、【SE100】というモデルで既に採用しているからです。
    ※SE100では8chチップをシングル構成。つまり4ch/4chで使用しています。

    【KANN-CUBE】では既にもっているノウハウを更に昇華させ、大型ボディを採用した事で余裕のある回路設計と大容量バッテリーを搭載した事で問題点を解決しているのです。

    ②【KANN-CUBE】は大きい!
    これは見たままですね。
    私も仕様発表を見た当初、「サイズといい、仕様といいポータブルとは言い難いな。。。」と思い、軽く「ポータブルプレーヤーの定義って何だ?」と自問しました。

    しかし、実機をお借りしてみると思った以上に違和感はありません。
    試用レポートでもレビューしましたが、持ちやすさやボタン配置等が絶妙だったからです。

    大きいけど不思議と手への収まりが良く、使い勝手が良い。
    不思議なプレーヤーです。

    ③【KANN-CUBE】は楽しい!
    これは前モデル【KANN】同様ですね。
    KANNとはドイツ語です。意味は英語のCAN、つまり「可能」。
    ポータブルでの楽しみ方、据置プレーヤーとしての楽しみ方。ユーザー毎の「可能」があります。
    さらに【KANN-CUBE】ではMQA音源への対応光デジタルアウト「Open APP Service」対応による機能拡張等、機能面でも進化しており、
    "外ではポータブルプレーヤー"、"自宅ではUSB-DACや各種ストリーミングサービスの据置デジタルプレーヤー”等、更に「可能」の幅が広がっています。

    高出力なヘッドホン出力を搭載、そして独立したラインアウトも搭載。
    ポータブル機でありながら、据置プレーヤーのような使い方も楽しめる。
    ユーザー毎に「可能」がある、オーディオプレーヤー/DACとして【KANN-CUBE】、音質と使い手の良さ、両面でお薦めです!

    それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

    2019年7月 5日 (金)

    2019上半期『 オーディオアクセサリー ベスト3 』発表!!

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

    今回は、Joshin webショップで人気を集めた『 2019上半期オーディオアクセサリー 最新ベスト3 』を発表させていただきます。


    ■ まずはじめに
    これまで、【 オーディオアクセサリーとは、ピュアオーディオ機器の性能を最大限発揮させるために欠かせない「ネセサリー(必需品)」 】であると、私は言い続けてまいりました。

    そして、国内外の多くメーカーから次々と新しいオーディオアクセサリーが紹介され、オーディオ機器に勝るとも劣らない、一大市場を形成するに至ったのです。

    そのオーディオアクセサリーですが、オーディオ黎明期から1970年代頃までは、あまり感心を持たれることはありませんでした。スピーカーケーブルは赤白の50芯で十分であり、インシュレーターという考え方は特になく、ゴム脚やフローティングが一般的で、交流は元々正弦波であり、+も-もないと、誰もが疑いを持っていなかったのです。

    私が記憶しているところでは、オーディオアクセサリーに最初にこだわりをみせたのは、今は亡きオーディオ評論家の江川三郎氏でした。

    それは、今から40年以上も前の1970年代半ばのことで、江川氏が「ケーブルで音が違う」と初めて提唱されたのです。その後、インシュレーターの必要性や交流電源の極性などについての独自の視点から、それまでのオーディオ界の常識が次第に崩れていったのでした。

    それから徐々にではありますが、オーディオアクセサリーの必要性がオーディオマニアに浸透していき、2000年前後にスピーカーケーブルやラインケーブルを中心に、6N,7N,8Nなどの「純度」という新たなキーワードで、一大ブームを巻き起こしたのでした。それが、第1次ブームであったと思います。

    さらに、2010年前後になって、オーディオ評論家の福田雅光氏が火付け役となり、電源関連アクセサリーへの関心が急速に高まり、ACケーブルの自作や壁コンセントの交換、果ては「マイ電柱」に至るまで、異常な程の電源ブームが巻き起こりました。これが、第2次ブームだったと思います。

    そして、昨年(2018年)あたりから、昨今のデジタル機器の急速な普及に伴う、高周波ノイズがオーディオ機器に及ぼす影響を回避するため、電磁波対策やアース対策が重要との考えが急速に広まったのです。

    その結果、各種電磁波対策アクセサリーやアース関連アクセサリーが提案され、その効果の大きさが認識されてきたのです。さらに、新たな振動対策アイテムも加わって、第3次ブームともいえる新たな動きが顕在化してきたのです。

    今回は、最新アクセサリーから選りすぐって、2019年上半期にJoshin webショップで人気を集めたオーディオアクセサリーを「最新ベスト3」として取り上げます。

    ■ FURUTECH コネクター・ケーブルホルダー『 NCF Booster Signal-L 』

    ▲ NCF Booster Signal-L


    2017年発売のオリジナル「NCF Booster」では対応できなかった、オーディオ機器のリアパネルの低い位置に接続するACインレットプラグやラインケーブル、さらにオーディオラックの狭い場所に収納した機器にも使用できるよう、高さを抑えた設計の新しいタイプの「NCF Booster」です。

    また、従来ユーザーから多くの声が寄せられた「もう少し安ければいいのに」「もっと使いたいのに価格が」という意見も反映され、1万円台半ばという非常にリーズナブルな価格設定となり、ケーブルインシュレーターとしても複数個使用することも十分可能な価格となったのです。結果、待ってましたとばかり、爆発的に需要が盛り上がったのです。

    本機は見た目、台座部分が従来機より華奢に見えますが、どうしてどうしてズッシリした重量があり、十分に大型コネクタも受け止めることができます。また、クレイドルフラット(支え)を最も下げた状態では地面からの高さが22mmとなり、かなり低い位置にあるコネクタにも十分対応できます。

    実際、我が家でもD/Aコンバーターのインレットプラグの下に置き、高さ調整することでピタッとはまり、付属のゴムリングを使わなくても非常に強固に支えることが出来ました。装着した途端、その効果には唖然とさせられました。透明度、空間感が大幅に向上し、ボーカルの実在感やヌケの良さが抜群になり、後戻り出来なくなってしまったのです。

    正直、これまであらゆる対策を我がオーディオ機器に施してきて、一応満足していたのですが、今回のこの激変ぶりには、思わず「これまで何をしてきたのだろうか?」と空しささえ感じました。プラグを下からガッチリと支えることによる制振以上に、クレイドルの構造や使用されているNCFの効果が非常に大きいことを改めて実感させられました。

    勿論、電源プラグやインレットプラグ用のオリジナルの「NCF Booster」や、RCAやXLRプラグ、HDMI端子、USB端子やケーブルインシュレーターとしても使用可能な「NCF Booster-Signal」も相変わらず好調を保っています。それぞれを適材適所に導入することで、さらなるグレードアップが図れると思います。これにより、「NCF Boosterファミリー」の完成です。

    ■ Wind Bell インシュレーター『 AVC-25 』

    ▲ AVC-25


    2013年発売のWind Bell「WB-30」は、その発売当初から「Wind Bellは欲しいが値段が高くて手が出ない」などの意見が多かったのですが、高い性能を維持しつつ、大幅なコストダウンを図ったのが、今回ご紹介する「AVCシリーズ」と、さらに低価格を実現した「OSシリーズ」です。いずれも、発売当初から堰を切ったように絶好調が続いています。

    両シリーズとも、低音域における振動遮断にフローティング式を採用することで、優れた振動遮断性能を維持したまま、大幅なコストダウンが図れたのです。スパイク式と比べて、実に振動を(400Hz近辺で)約-60dBも遮断することができ、オーディオ機器からの振動の跳ね返りによって生じる「混変調歪」の発生を回避できたのです。

    さらに「AVCシリーズ」は、業界初となる低剛性の特殊非線形バネを使った3次元特殊支持構造を採用することで、高音域での減衰を抑制した最適なダンピング特性が得られたことで、音楽に含まれる高音域の有益な振動をより効果的に活かすことができたのです。また、回転系のオーディオ機器の有害振動の発生も防止することができたとしています。

    我が家で使用しての効果は非常に大きく、CDプレーヤーでは中低域のヌケが格段に良くなり、サウンド全体が立体的になって、前後感が出て音場も広がりました。アナログプレーヤーでは、音場の見通しが良くなり、楽器の音像が浮き上がってきました。立ち上がりは明らかに良くなり、ダイナミックレンジまで拡大しました。

    また、「OSシリーズ」はスピーカーに使用することで、低域のボンつきが改善し、ヌケが良くなりました。サウンドが弾んで、響きが綺麗に豊かになりました。音場も、左右にスピーカーの外にまで拡がり、奥行きも出てきました。

    回転機器には「AVCシリーズ」、スピーカーを含めた非回転機器には「OSシリーズ」、そして可能ならば直接ねじで締結することをお勧めします。メーカーの特許機器(株)曰く、効果は絶大とのことです。

    ■ FIDELIX LPレコード用アウタースタビライザー『 PURE-FLAT 』

    ▲ FIDELIX PURE-FLAT


    本来、かなりニッチでマニアックなアクセサリーですが、発売以来、予想に反して、異常な程の需要が続いているため、今回ご紹介させていただきます。

    本製品は、LPレコードの外周に乗せることで、反りを修正するアウタースタビライザーです。

    レコード再生に執念を燃やし続けているFIDELIXの中川氏が、ヘッドシェル「MITCHAKU」シリーズ、ピュアストレートタイプのトーンアーム「0 SideForce」に続いて発売したオーディオアクセサリーです。

    レコードに被せれば、レコード自身がガイドとなって、ほぼセンターが出る構造で、過去にあった同種のスタビライザー(KENWOODの前身のTRIO製)より使い易くなっており、さらに「0 SideForce」で使われ、音響特性に優れたSU304ステンレス材を使用しています。非磁性のため、カートリッジに悪影響も及ぼさず、高音質を実現できたとしています。

    どうしても反りが避けられないLPレコードですが、その反りを無くことでカートリッジの動作が安定して、本来の能力を発揮できるのと同時に、スピーカーの揺れをも抑えることができ、逆起電力や混変調歪も回避できることで、透明なサウンドが得られるのです。

    さらに、ターンテーブルの外周に質量が加わることで慣性モーメントが増大し、フォノモーターの回転性能も向上させることができます。

    我が家でトーレンスのプレーヤーに装着して、聴き慣れたレコードでの説得力のある低域は圧巻でした。この安定感とクリアネスは、デジタルでは足下にも及ばないと確信しました。

    ■ 最後に
    今回ご紹介したオーディオアクセサリーは、いずれも導入して失敗しないアクセサリーばかりです。また、全てのアクセサリーは複数個使用することで、さらに効果が高まることを私は自宅で体験済みです。安心してご使用いただけます。

    これらのオーディオアクセサリーによって、あなたのオーディオライフはさらに豊かなものになることでしょう。
    (あさやん)

    2019年7月 1日 (月)

    『 JERN 12WP 』 凄い《達磨 スピーカー》が登場!

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

    凄い 《達磨スピーカー》 が登場! 今回は、デンマーク発の鋳鉄製「オンリーワン」スピーカー『 JERN 12WP 』を取り上げます。


    ■ JERNとは
    JERNは「ヤーン」と読み、デンマークの歴史ある鋳造メーカーです。ちなみに、JERNとはデンマーク語で「鉄」(英語のアイアン)の意味だそうです。

    同社は、高度な鋳造技術を生かしたスピーカーエンクロージャーを開発。その素材は「特殊ネズミ鋳鉄(Vibrakill)」で、アルミニウムやMDFに比べて遙かに振動減衰率が高く、しかも比重が高いことが大きな特徴です。

    ※鋳鉄:2%以上の炭素を含む鉄合金で、一般的にいう鋳物(いもの)のこと。通常より多い、4%近くまで炭素量を増やしたものをハイカーボン鋳鉄といい、炭素量が多いと黒鉛(グラファイト)の結晶が固化するため黒色をしており、その断面の色からネズミ鋳鉄とも呼ばれます。

    ■ 鋳鉄製スピーカー『 JERN 12WP 』


    この後ろ姿、どう見ても夜店に並んでいた、あの赤い達磨そのものです。これが、JERNの鋳鉄製スピーカー『 JERN 12WP 』です。でも、このデザインは決して奇を衒(てら)ったのではなく、必然から生まれた姿・形なのです。

    鋳鉄製、しかも密閉型と聞いて、おそらく過去に鉄製スピーカーやガラスの球形スピーカーを一度でもお聴きになったオーディオマニアの皆様は、伸びやかさのない「ふん詰まり」で、乾いた「無機的なサウンド」を想像されるに違いありません。

    かく言う私自身も、実際に現物を聴くまではそう思っていました。(過去にそういうスピーカーが存在したのも事実なのですから…)

    JERNは、自由に形が作れる鋳造技術によって以下のメリットが得られるとしています。

    1. エンクロージャー全体を曲面で構成できるため、対向面を持たず、内側に定在を抑える凹凸加工を施すことで、特定の周波数で「共振しない」理想の形状です。

    2. エンクロージャー内部の角などで音波の波面が乱れ、はね返って周波数特性の劣化を招く「回析効果」が抑えられる。

    3. ウーファーとツイーターからの音波の到達時間を、形状によって調整できる「タイムアライメント」が図れます。いわゆる「リニアフェーズ」です。

    4. 鉄を使うことで、その剛性と重さを利用して、振動板以外のユニットの不要な振動を抑えつけ、箱鳴りを完全に回避できます。

    しかし、従来の同種のスピーカーは角形のエンクロージャーが殆どで、これらのメリットが享受できず、どうしても前述のようなヌケの悪い重苦しいイメージが付きまといました。

    『 JERN 12WP 』のユニット構成は、146mmウーファーと19mmツイーターの2ウェイで、低域にはWavecor(デンマーク由来で中国生産)製グラスファイバーコーンウーファー、高域にはSEAS(ノルウェー)製ソフトドームツイーターを採用しています。

    ネットワークは位相特性と音質を重視して、高品位Mundorf(ドイツ)製ポリプロピレンコンデンサーと、空芯コイルによるシンプルな6dB/octとしています。このネットワークとリニアフェイズにより、2ウェイでありながら、あたかもフルレンジの様な一体感を狙ったのです。




    また、付属のゴム製リングによる台座を使用することで、左右はもちろん、仰角の調整も可能で、ご使用シーンでの自由な設置が可能です。

    エンクロージャーのカラーは赤(デンマークレッド)の他に、黒(ノルディック・ブラック)、灰(キャスティング・グレー)、白(ポーラー・ホワイト)の4色あり、お部屋に合わせてお選びいただけます。なお、スピーカー端子は、定評のあるWBT(ドイツ)です。

    JERNの本国HPによりますと、『 JERN 12WP 』の開発意図は、「小さなお部屋の壁の近くに置いて、サブウーファーなしで聴くためのスピーカー」とあります。

    また、JERNは量産メーカーではなく、スピーカー一台一台を数十年の経験を持つ熟練工によって手作りされているとのことです。

    さらに、JERNはスピーカーは家具やアートと同様、私達の家の一部であり、美しくスタイリッシュなことも非常に重要だと考えています。鋳鉄を使うため、他のハイエンドスピーカーとは違い四角い箱にこだわる必要がなく、素材や形状を自由に選ぶことができ、音質を犠牲にすることなく、新しいスタイルのスピーカー作りにチャレンジできたのです。

    ■ 『 JERN 12WP 』の白色をお借りして、日本橋1ばん館で試聴しました。

    ▲ 正面から


    ▲ ネット付


    ▲ 後ろから


    ▲ 真上から


    写真のように、白は雪だるまそのものです。

    メーカー名の通りの鉄(JERN)製で、その大きさからは想像できない重さです。私自身、思わず落としそうになりました。

    重さ約12kgですが、見た目がかわいいだけに余計に重く感じるのでしょう。ゴムのリングの上に乗っていますので滑ることはないのですが、持ち上げたり移動する際は十分な注意が必要です。

    試聴には、ESOTERIC「P-05X」→「D05X」→「F-03A」を使用しました。

    一聴して、想像とは違うその高品位なサウンドに度肝を抜かれました。音を出した瞬間、思わずスピーカーセレクターを間違えたのかと思いました。いつも試聴室に置いてある後ろのB&Wが鳴っているのではないのかと、思わず耳を近づけたほどです。それほどにスケールが大きく、奥行き感があり、音離れが良いため、スピーカーから音がしなかったのです。

    過去に聴いた鉄箱やガラススピーカーとは真逆の、実にヌケの良い伸びやかなサウンドで、詰まった感じは微塵も感じませんでした。密閉方式ならではの反応の素早さが素材によってさらに生かされ、聴き手に迫って来るものを感じました。

    高域は滑らかで透明感があり、中域にはハリがあり、低域は締まり、まとわりつく感じもありません。超低域こそ大型システムのそれとは違いますが、中低域のキレが良く、解像度も高く、ダブついたりこもることは皆無でした。

    『 JERN 12WP 』の形状が最も生きているのが空間表現力です。スピーカーから完全に音が離れ、立ち上がりも素早く、立体的で、前後感も正確に表現されました。特に、ボーカルは口が非常に小さく、女声は艶めかしささえ感じました。

    そして音が消えた瞬間の静けさこそ、JERN(鉄)の本領発揮と言ったところで、とにかく静かで抜群のS/N感でした。また、刺激音がなく、長時間リスニングには持って来いではないかとも思いました。

    いつもの試聴ソフトであるLivingston Taylor「ink」の冒頭の口笛や、井筒香奈江「Laidback2018」のボーカルのリアルさは秀逸でした。ソフトはもちろん、オーディオ機器やアクセサリーの違いまでもダイレクトに出してくる、繊細なスピーカーでもあります。

    ■ 最後に
    確かに、解像度や迫力、スケールや大音量を狙うなら、ほかに幾らでも選択肢はあると思いますが、このJERNにしかない表現力、そして何よりこのユニークなフォルムこそ『 JERN 12WP 』が、新時代のオーディオへの一つの指針になるかも知れません。

    まさに、『 オンリーワン 』スピーカーです。
    (あさやん)

    2019年6月11日 (火)

    オーディオラックの新しい時代を告げる『 TAOCオーディオラック 』

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

    TAOCラック史上、最大のフルモデルチェンジ! 今回は、オーディオラックの新しい時代を告げる、ベーシックな『 CL series 』とハイエンドな『 XL series 』を取り上げます。

    ハイエンドオーディオ情報で、オーディオラックを取り上げるのは初めてとなりますが、それほどに画期的であり、オーディオファイルが待ち望んでいたオーディオラックの登場です。


    ■ TAOC(タオック)について
    TAOC(タオック)は、トヨタ系のアイシン高丘(株)のハイグレードオーディオのブランドです。

    1983年からインシュレーターなどのオーディオアクセサリー、1999年にはスピーカーシステム「FC7000」を発売。続いて、2002年にはブックシェルフ型の「FC3000」が発売され、ヒットしました。

    その型番の「FC」こそ、TAOCの全ての製品に共通する《 鋳鉄 》を意味しています。

    ※鋳鉄:2パーセント以上の炭素を含む鉄合金で、一般的にいう鋳物(いもの)のこと。 通常より多い、4%近くまで炭素量を増やしたものを「ハイカーボン鋳鉄」といい、炭素量が多いと黒鉛(グラファイト)の結晶が固化するため黒色をしており、その断面の色から「ねずみ鋳鉄」とも呼ばれます。



    スピーカーの開発を通じて、TAOCが得た結論はズバリ「響きとの共生」です。

    鋳鉄に含まれる黒鉛の振動減衰効果によって、音の濁りの原因となる不要な振動を抑える「制振」と、自然で美しい響きを積極的に活かすための「整振」、これがTAOC製品のコンセプトとなっています。

    そして、この「整振」テクノロジーを使ったTAOCのオーディオラックは、これまでのオーディオラックに比べ、低音域での立ち上がり、立ち下りを改善し、音の分離と情報量を向上させ、解像度の良い美しいサウンドを実現したのです。

    従来、TAOCのオーディオラックには5つのシリーズがありました。

    最もベーシックな「MSR series」、支柱に特殊制振材を挿入した「BSR series」、曲線を強調したデザインで脚部に鋳鉄製の大型スパイクを標準装備した「MSMKII series」、その上にはアルミと鋳鉄によるハイブリッド構造で精悍なデザインの「ASRII series」、そして「制振&整振」技術を集大成させた最高峰の「CSR series」です。

    その中の「MSR series」が『 CL series 』に、「MSMKII series」が『 XL series 』に大幅にモデルチェンジされました。

    ■ CL seriesの「CL」とは、Comfortable Life(快適な生活)のこと

    画像はCLシリーズ「CL-3S-DB」


    1. 新制振機能「FCセパレートシステム」を採用

      同社のハイエンド「CSR series」での開発ノウハウを生かし、棚板を形状も素材も違う、上部(新開発のスーパーハイカーボン鋳鉄)と下部(グラデーション鋳鉄)のスペーサーでサンドウィッチをすることで、棚板同士の分離感を向上できたのだとしています。

      ハイカーボン鋳鉄は普通の鋳鉄より黒鉛の形状が大きい鋳鉄で、グラデーション鋳鉄は黒鉛の形状が外側が細かく内部ほど大きくなる鋳鉄のことで、実際叩くと違う音がしました。上下で挟むことで棚板にとって最も良い制振バランスを実現できたとしています。

    2. 高さ調整機能付き鋳鉄製の脚部を採用

      TAOCの中級モデル以上に搭載されている「鋳鉄ローレットナット(周囲に縦目や綾目の溝があるナット)」を採用したことで、制振性能を維持したまま、床面との間でガタツキがある場合の高さ微調整が可能です。

      さらに、後述の上位機『 XL series 』に標準装備されている鋳鉄スパイク&プレート「SP-510」(別売)に交換することでグレードアップも可能です。

    3. 棚板が前作「MSR series」の2色から3色展開に

      従来の側面が垂直な棚板から、下部に向けて斜めに少し絞った(シェイプした)側面を採用し、デザイン的にスマートでナチュラルなものに改良されています。

      また、旧「MSR series」の棚板の色であるダークグレーメタリック(DG)とダークブラウンメタリック(DB)に加え、新色のライトパープル(明るい藤色)が追加され、お部屋に合わせて選択の幅が広がりました。

      そして縦型S Type(横幅60mm)が1段~5段までの5種類、横2列の横型L Type(横幅1140mm)が1段と2段、さらに横3列のW Type(横幅1680mm)も1段と2段が、標準タイプとして各色、計27タイプ(9タイプ×3色)用意されています。

      さらに、基本セット(1段)に長さの違う支柱(100~350mmの6種類)と棚板をセットした追加ユニット、18種類 各3色 計54ユニットの中から選択することで、お持ちのオーディオ機器に合わせてカスタマイズできます。

      S Typeの棚板とW Typeの棚板など、異なるサイズの追加ユニットを組み合わせて、使用状況に合わせたラックが組めたり、後日機器のサイズが変わった際の支柱の交換や移動しやすいキャスターも用意されており、万全の体制が組まれていて将来的にも安心です。

    ここには、心憎いまでのメーカーとしての良心を感じます。TAOCは「売っておしまい」ではないのです。

    ■ XL seriesの「XL」とは、Excellent Life(卓越した生活)のこと

    画像はXLシリーズ「XL-2S-WD」


    1. 棚板内部に「制振シート」を挟んだ新構造を採用

      棚板の内部に制振シートを内包させることで、効果的な制振が実現したとしています。振動エネルギーを熱に変換することで、TAOCの最上位クラスのラックの制振性に迫ったということです。

      棚板の下面中央付近に、ほんの僅か膨らみが感じられます。実際、棚板を叩くと鈍い音がしました。

      棚板のデザインは木目を基調に、曲線を生かしたエレガントなフォルムで、高級感を醸し出しています。

    2. 新制振機能「FCセパレートシステム」を採用

      前述の『 CL series 』同様、上部のスーパーハイカーボン鋳鉄と下部のグラデーション鋳鉄のスペーサーで棚板をサンドウィッチをすることで、棚板間の分離感を向上させ、制振性も高めています。

    3. 新設計の鋳鉄製のスパイク&プレートを採用

      この新設計の脚によって、本格的オーディオリスニングに最も重要な中低域の解像度や分解能を高め、ハイレゾなどの最新ソースで、益々重要度が増している高域のS/Nも大きく改善できたのです。

      スパイクは安定性と制振性を追求した鋳鉄の削り出しとし、プレートはグランドピアノのインシュレーターを思わせるデザインで、横移動の際のスパイクのプレートからのズレ落ちを防止するために、深受けの形状をとっており、ラックの移動も可能です。

    4. スタンダードとして2色あり、それぞれ7機種用意

      棚板カラーはダークウッド(WD)とライトウッド(WL)の2色で、サイズは1段から5段までの縦型「Sタイプ」5機種と、1段と2段の横型「Lタイプ」(2列/W)タイプが2機種用意されており、お持ちのオーディオシステムに応じてお選びいただけます。

      さらに、カスタマイズとして、基本セット(XL-1S、XL-1L)に追加ユニット(支柱高:100mm~350mmの6種類、SタイプとLタイプ各2色、合計24機種用意)を足していくことで、ユーザーオリジナルのカスタムラックを作ることができます。

      スタンダードとカスタマイズラックでは、同じ段数の場合は同じ価格となります。

      また、Sサイズ・Wサイズの異なるサイズでの組み合わせも可能です。このあたりの価格設定や柔軟さからも、TAOCへの信頼性がさら高まります。

    ■ 最後に
    TAOC『 CL series 』『 XL series 』は、新設計の高さ調整機能付きのハイカーボン鋳鉄製脚部、棚板と支柱の接合部に形状・素材の違う上下のスペーサーでサンドウィッチをすることで、棚板間の分離感を向上させ、飛躍的に音質、機能性をグレードアップさせたのです。

    そして、オーディオルームに映える洗練されたデザインを纏い、サウンドとフォルムの両立という、オーディオラックの新しい時代を告げる、TAOCラック史上最大のフルモデルチェンジといえるでしょう。
    (あさやん)
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    2019年6月 4日 (火)

    TEACの「とんがった」製品を一挙にご紹介♪

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
    今回は私が選ぶ、TEACの回転系オーディオ機器(アナログプレーヤーなど)の「とんがった」製品を一挙にご紹介いたします。


    ■ TEAC(ティアック)について
    TEACは1953年(昭和28年)に、東京テレビ音響株式会社として設立。1964年に、ティアック株式会社として発足しました。

    私が本格的にオーディオをやり始めた1970年代。まずは、カセットデッキの平型「A-350」、続いて「A-450」、さらにオープンリールデッキは2トラ38の「A-3300-2T」を購入。当時、AKAIと覇を競っていた録音機メーカーでしたが、私は迷わずTEAC製品を選んだのでした。

    同社は創業当時から回転系にはめっぽう強く、1957年に開発されたオープンデッキの原器「TD-102」から、同社の歴史が始まっています。

    1968年には国産初のカセットデッキ「A-20」、1973年にはマグネフロートのダイレクトドライブターンテーブル「TN-400」、1997年にはMDデッキ「MD-10」を発売。そして、CDプレーヤーについては、ESOTERICの「Grandioso P1X + D1X」を始め、TEAC/ESOTERICは、今や世界中の誰もが認めるトップブランドとなったのです。

    その回転系に強いTEACは、同業他社が相次いで生産から撤退していく中にあって、我々オーディオファイルにとっては非常に有り難く、また心強いメーカーでもあります。そのTEACの回転系の「とんがった」アイテムで、今となっては「超希少」となりつつある製品群を、改めて一挙にご紹介します。

    ■ ダイレクトドライブ・アナログターンテーブル『 TN-4D 』

    (カラー:ウォルナット)

    型番からも前述の「TN-400」を意識しているのは明らかです。ベルトドライブが主流の現在において、本機のために薄型のダイレクトドライブモーターを新開発するという、並々ならぬ決意が感じられます。

    しかも、従来のDD方式ターンテーブルでは望めなかった、高さ117mm(ダストカバーを閉めた状態)のスタイリッシュな薄型ボディも実現しています。

    トーンアームにも大いにこだわりを見せており、高級トーンアームブランド SAEC(サエク)とコラボレーションして、SAECお得意の可動部にナイフエッジ機構を採用したスタティックバランス型S字トーンアームを搭載。一般的なベアリングによる可動方式に比べ、支点が明確で初動感度が高く、分解能の高いダイナミックなサウンドを目指したとしています。もちろんユニバーサルタイプで、お好みのヘッドシェルやカートリッジへの交換も容易です。

    さらに、カートリッジもこだわっており、アメリカで40年の歴史を持つカートリッジブランド SUMIKO のMMカートリッジ「Oyster」(単体で1万円超)を付属しています。

    そして、当然賛否は分かれるところですが、現状フォノイコ非搭載のアンプが多いことや、アナログレコードのデジタルファイル化が盛んな中にあって、今風のフィーチャーも避けて通れなかったのでしょう。それは、ON/OFF可能なMMカートリッジ対応フォノイコライザーアンプと、USBのデジタル出力(最大16bit/48kHz)を装備していることです。

    キャビネットは高密度MDFをコア材に用い、衝撃吸収性能に優れたインシュレーターを直に固定しています。外装仕上げは多層塗りピアノブラックと天然ウォルナット突き板仕上げの2バージョンが用意されています。

    出力は直出しではなく、付属のRCAケーブルを使用するタイプで、将来のケーブルのグレードアップも可能です。

    サウンドは「Oyster」のパワフルな中低域に、SAECらしい反応の良い高域が乗った本格的なもので、当面これで十分レコード再生が楽しめると思います。ただ、内蔵フォノイコの限界を感じる可能性もあることから、将来的にはアンプ内蔵のフォノイコなどをお使いになることをお勧めしておきます。

    ■ ハイレゾ・マスターレコーダー『 SD-500HR 』


    アナログレコードやカセットテープなどの貴重なアナログ資産をハイレゾデジタルファイルとしてアーカイブ化できる、最大DSD:5.6MHz、PCM:192kHz/24bit対応のハイレゾ・マスターレコーダー。

    音源保管に記憶容量あたりの価格が手ごろなSDHC/SDXCカードや、接点不良の少ないCFカードに直接録音が可能で、カセットテープ感覚でメディアの交換が可能です。

    SDカードなどに保存されたデジタル音楽ファイルは、そのままパソコンに取り込むことはもちろん、無料のハイレゾ音源波形編集ソフト「TEAC Hi-Res Editor」(Windows/Mac版)を使って、必要に応じて曲ごとの分割やファイルフォーマット変換などの処理が可能です。

    様々な録音レベル状態にあるレコードやカセットテープから適切なレベルでデジタル録音できるよう、24ドットLEDレベルメーターを確認しながら、0.5dBステップの細かい録音レベルの設定が可能で、スマホやカーオーディオなどのソフト作りも可能です。

    左右各チャンネルの信号を完全に分離して処理するデュアル・モノーラル回路設計により、左右チャンネル間の干渉やノイズを抑えたピュアな信号処理を実現する高音質設計を採用。さらに、デジタル処理の要となる内部クロックには高精度なTCXOを採用しており、高精度な外部クロックからの信号を入力できるワード入力も装備しています。

    アナログ入出力はXLRとRCA各1系統、デジタル入出力は同軸とAES/EBU各1系統に加え、BNCまで装備しており、ハイエンド機器はもちろん、プロオーディオ機器との接続も可能な本格仕様となっています。

    手軽な録音機が欲しいオーディオファイルはまだまだ多いはずです。カセットデッキに替わる新しい形のハイレゾレコーダーです。パソコンが不要なのが、最大のメリットです。

    ■ CDプレーヤー/MDデッキ『 MD-70CD 』


    現在国内で入手できるMD(ミニディスク)の録再機器は、おそらく本機だけだと思います。もはやMDは過去のフォーマットであり、元々SONY(1992年発売)を中心に、ほぼ日本国内だけで流通しており、2011年には一部のミニコンポを除いて、市場から撤退してしまいました。

    本機は、独立駆動するCDプレーヤー部とMDデッキ部とのコンビネーションデッキで、独立してCDの出力とMDの入出力が可能で、連続再生やCDからMDへのダビングなども可能です。(CDレコーダーではないためCD-R等への録音はできません)

    MDレコーダー部は、LP2、LP4のロングプレーモードもサポートしています。

    アナログ入出力および同軸、光デジタル入出力を装備しており、様々なシステムと柔軟に組み合わせて使用できます。

    過去に録りためたMDをもう一度聴いてみたい方やMDのアーカイブとしては、おそらく最後のMD対応機だと思います。非常に貴重な製品です。

    ■ ダブルカセットデッキ『 W-1200 』


    こちらも、現存する唯一のダブルカセットデッキです。

    ワンウェイ(片道走行)カセットメカを録音・再生が可能な2基搭載したダブルデッキ(ダビング、同時録音可能)に、マイクミキシング機能やUSBデジタル出力を備えた多機能なカセットデッキです。

    レコードとともにアナログ音源の温もりや柔らかさが見直されているカセットテープ。本機は、デジタル時代にマッチしたインターフェースも備えており、カセットテープ・ライブラリーの忠実な再生だけでなく、カラオケ用途や会議の音声議事録のデータ化などにも対応するなど、幅広く活用できます。

    さらに、リアパネルのUSB端子からパソコンにオーディオ信号を出力し、パソコン側でデジタル録音が可能なデジタル音声出力(最大PCM:48kHz/16bit)での録音が可能で、貴重なカセットテープの音源をデジタルアーカイブとして保存も可能です。

    ■ カセットデッキ/CDプレーヤー『 AD-850 』


    カラオケにも使えるエコー機能付きマイク入力端子を装備。USBメモリーによる録音・再生が可能なカセットデッキとCDプレーヤーの複合機です。

    もちろん、それぞれのメディア間でのダビングが可能です。(CDレコーダーではないためCD-R等への録音はできません)

    ■ CDレコーダー『 CD-RW890MK2 』


    シンプルで使いやすい、シンクロ録音や多彩なオートトラック機能を搭載したCDレコーダー。レコード (フォノイコが必要) やカセットテープ、CD、MDなどを音楽用CD-R/RW(データ用は使用不可)に録音することができるCDレコーダーです。

    ■ 最後に
    このようにTEACは、同社ならではの「回転系のとんがったオーディオ機器」の数々を、我々オーディオファイルに供給し続けてくれている、今となっては大変貴重なメーカーです。

    なお、いずれの製品も生産台数が限られており、在庫切れを起こしてしまうケースが多いのが「玉にきず」ではありますが、私としては少々お待ちいただいてでも、ご購入されることをお勧めします。
    (あさやん)

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    • 下記店舗では、ハイレゾからアナログまで、Accuphase・B&Wなどのハイエンド オーディオ製品やオーディオアクセサリーが充実。試聴室完備で比較試聴も できます。

      日本橋1ばん館 4F
      (大阪 日本橋)

      三宮1ばん館 B1F
      (神戸 三宮)