2018年5月20日 (日)

【伝説が再び。。。】STAXのフラッグシップイヤースピーカー"SR-009S"のご案内です!


みな様、こんにちは!
夏本番!ともいえる気温が続き早くも夏バテの様子を見せているとうふです。

さて、それでは今回ご案内の製品はこちら!

スタックス
最高峰・イヤースピーカー
SR-009S


スタックス、といえば
"ヘッドホン"ではなく、イヤースピーカー。
こだわり抜いた素材と仕上げ、そして"スタックスでないと味わえない表現"で国内外に熱烈なファンを持つメーカーです。

今年で創業80年を迎え、限定モデルも発表(既に完売です)。
そしてさらに今回フラッグシップモデルSR-009に更に改良を施した新モデルが発表されたのです!
※なお、SR-009は今後も生産を続けるとの事です。

さて、前モデル"SR-009"といえば、2011年4月に発売
繊細で緻密1つ1つの音を丁寧に丁寧に表現してくれるスタックスのイヤースピーカーは
低域の耳あたりも非常に優しく、よく言えば"上品な低域"、わるく言えば不足感は否めないともいえました。
しかし、【SR-009】はそれまでの"スタックスの低域"と言うイメージを完全に覆し、
"スタックスならではの高反応な低域"にパンチの効いたエネルギッシュな表情が加わり、まさに死角なし!ともいえる完成度に至ったのです。
ハイエンドヘッドホンを楽しんでいたユーザーも【SR-009】の表現力に魅せられ、スタックスを導入される方も多数いらっしゃいました。

そして2018年。。。7年の時を経て改良モデルとしてこの【SR-009S】が登場

「超」微に入り、「超」細を穿って、「仕立て」の極上を目指した。

とカタログに記載しているように、メーカーのこだわりの極地に仕上げているようです。

今回機会があり、視聴する事ができましたので簡単な感想を。

非常に滑らかかつ広がりのある表現はスタックスならでは
包み込まれるようなスケール感のある表現と独特の空気感は、弦楽器の繊細で高反応な音を見事に再現します。
低域もあえてハードロックを鳴らしてみましたが、ズンッと響く低域と打楽器の高反応な低域を見事に両立。
【SR-009】の低域表現力が少し粗いように感じてしまう程の上質サウンド

全ての部材にこだわり、職人が一つ一つ仕上げる職人魂の集大成
スタックスのフラッグシップモデルに相応しい、最上のひと時を楽しめました

なお、ひと月の生産量が限られており、今ご注文いただくと9月上旬頃のお届けとなってしまいます
しかし、お待ち頂いても必ずご満足頂けるであろう、圧巻の表現力。

イヤースピーカーの極地ともいえる必聴のモデルとしてお薦めです。

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

2018年5月19日 (土)

懐かしい! あのモニタースピーカー『 LS3/5a 』をファルコン・アコースティックスが復元!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ファルコン・アコースティックス社が復元したモニタースピーカー『 LS3/5a 』を取り上げます! 単なる復刻版ではない、オリジナルの再生産とも言える本物の銘機の登場です。日本橋1ばん館での試聴内容もレポートいたします。





■ 放送用スピーチモニター『 LS3/5a 』

英国BBCモニターとして有名な『 LS3/5a 』は、放送用スピーチモニターとしてスペンサー・ヒューズ(スペンドール創業者)がBBC在籍中に基本設計したもので、1975年頃からロジャースをはじめスペンドール、チャートウェル、ハーベス、KEFなどがBBCとライセンス契約を交わして、同じ型番で各社から発売された珍しいスピーカーです。

BBCのモニタースピーカーの型番には必ず「LS」が付いています。これは「Loudspeaker」を意味し、BBCのモニタースピーカーの規格名です。「LS」の次の数字は用途、「/」(スラッシュ)の次の数字は開発順を表しています。ちなみに、LS3はスタジオ用小型モニターのことで、『 LS3/5a 』は小型で5番目に開発されたモニタースピーカーの規格ということになります。

『 LS3/5a 』は超小型の移動用モニタースピーカーで、ユニットには有名なKEFの「B110」と「T27」が使われていました。箱の規格とユニットは決められてはいるものの、内部のネットワークは各社で少しずつ違いがあり、実際音も少しずつ違っていました。

今回ご紹介します『 LS3/5a 』は、ファルコン・アコースティックス社のモデルで、オリジナルの『 LS3/5a 』を"忠実"に復元したものです。

■ ファルコン・アコースティックス社が復元! 本物の銘機『 LS3/5a 』

ファルコン・アコースティックス(Falcon Acoustics)社は、1972年、マルコム・ジョーンズ氏が「ファルコン・エレクトロニクス」として創業したと言いますから、結構歴史のあるメーカーです。元々はDIY用としてのコイルや、ドライバーユニットなどのオーディオパーツの製造・販売を行うとともに、メーカーへのOEM供給も行っていたと言います。


そのマルコム氏は、KEF社(1961年創立)の最初期のエンジニアで、KEFのドライバーユニットの殆どの設計や開発に関わっていたようです。 もちろん今回取り上げた『 LS3/5a 』のオリジナルモデルにも採用された138mm(ロジャースは10cmと表記)、ウーファー「B110」(業界初のベックストレン・コーンを使用)、ツイーター「T27」(メリネックス・ダイヤフラムを用いた19mmの半球ドーム型)もそうです。いずれも1967年に発表されています。

ファルコン・アコースティックスの『 LS3/5a 』は、本来の開発者であるマルコム氏の設計で、オリジナルと同じ「B110」「T27」を用い、いずれもオリジナル通りの15Ω仕様としています。またクロスオーバーネットワークもBBC仕様によるクロスオーバー3kHzの「FL6/23」で、これにもオリジナル仕様の特性を持つトランスを搭載しているとのことです。さらにエンクロージャーもBBC仕様のバーチ合板やビーチ材を使い、天然木による突板仕上げとしています。容量はオリジナル通りもちろん5.5リットルです。

このように、ファルコン・アコースティックスの『 LS3/5a 』は、単なる復刻版や複製品ではなく、オリジナルの再生産とも言える、まさに『 LS3/5a 』の"復元"なのです。過去に何度か復刻された『 LS3/5a 』とは全く違う、1970年に時空を超えてタイムスリップしたとも言える本物の銘機『 LS3/5a 』なのです。

■ 試聴しました
試聴は日本橋1ばん館で行いました。試聴にはSACD/CDプレーヤーDENON「DCD-SX1」、プリメインアンプAccuphase「E-650」を使用しました。


写真右がファルコン・アコースティックス『 LS3/5a 』、左がHARBETH「HL-COMPACT7ES-3」です。価格はほぼ同じではありますが、大きさにはかなり違いがあります。しかし、しかし『 LS3/5a 』を一度聴いてしまうと、その大きさからは想像できない、素晴らしい可能性を秘めていました。

試聴を始めてまず『 LS3/5a 』の説得力のあるサウンドに魅せられてしまいました。まさに数十年前聴き込んだ(筆者は一時期ロジャース製を所有)あの『 LS3/5a 』そのものでした。ただ当時と現時点との違いは、日本を代表する最新のオーディオ機器で『 LS3/5a 』をドライブしている点です。しかしそれだけではありません。このファルコン・アコースティックスの『 LS3/5a 』が、最新機器を使うことで新たなパフォーマンスを発揮できたのだと思います。

筆者のリファレンスCD「ink/Livingston Taylor」では、冒頭の口笛のヌケの良さには感服しました。大型システムでは絶対不可能な実物大の口がそこにありました。その後の男声ボーカルは落ち着きのある渋い声で、リラックスした安定感を感じました。

同じく「The Hunter/Jennifer Warnes」の女声ボーカルは艶やか、かつ自然なもので、等身大で生身の人間を感じました。バックの演奏の低音も十分で、アコースティック楽器は実にリアルな鳴り方をしました。

TBM(three Blind mice)のジャズは、時代を感じさせない新鮮さで、低域はスピーカーの大きさからは予想を裏切る程に沈み込み、中高域の歯切れも鮮やかで、想像以上のスケール感が出たのには驚きです。通常きつく感じる部分も、うるさくなる寸前で上手くまとめて聴かせてくれました。粒立ちの良いピアノ、ドラムのキレの良さもサイズを感じさせませんでした。

小編成のクラシックではサウンドステージの奥行きが深く感じられ、弦楽器には木質感や樹脂の艶っぽさ、ピアノはバランスが良くコロコロと小気味良く、まろやかで硬さはどこにも感じませんでした。人工的な強調感や詰まった息苦しさは皆無でした。いつまでも聴いていられるリラックスできるサウンドでした。

オーケストラもかなり音量を上げても崩れることはなく、腰のある粘り気を感じさせ、十分説得力のあるサウンドでした。合奏時の楽器の分離も明確で、ちゃんとそれぞれ分離されて出てきたのは驚きです。

試聴に際して、筆者は久々に時間の許す限り、次から次へと手持ちCDソフトを聴いてしまいました。最新のA級アンプでドライブする『 LS3/5a 』は、数十年前には実現不可能なパフォーマンスを発揮したのでした。


■ 最後に
懐かしさはもちろんですが、この『 LS3/5a 』の実力に、筆者の再び本機を"所有したい感"が沸々と沸き上がってくるのを感じました。

このファルコン・アコースティックスの『 LS3/5a 』こそ、単なる"復活"ではなく、まさに銘機の"復元"でした。(あさやん)


2018年5月12日 (土)

今やレジェンドとなった村田製作所のスーパーツイーターの再来か!?

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、KIT-HITから登場したスーパーツイーターの『 HIT-STF 』の実力と、従来機との差について迫っていきたいと思います。
筆者の最大の関心事は、ダイヤフラムを従来機の円筒形から半円筒形にしてコストダウンが図れたと言うが、果たしてそのパフォーマンスは落ちていないか?という点でした。




■ 株式会社KIT-HITとは

株式会社KIT-HITは、2005年6月設立の九州工業大学発のベンチャー企業で、オリジナル技術に基づくスーパーツイーターを開発してきています。

九州工業大学と共同開発した発音素子は、厚さが数ミクロンという極めて薄い電気活性高分子のダイヤフラム(振動板)で構成され、周波数特性は1MHzまでと広帯域なので、声楽や楽器などの高域における倍音成分の再生に優れているとしています。

電気活性高分子のダイヤフラム両側には、特殊金属電極を構成し、これに音楽信号に合わせて昇圧した高電圧変化を加えることによって、ダイヤフラム全体を同時に振動させます。そのためダイナミック型のような不規則、不均一な分割振動をしないので、超高速応答が可能です。同様な素材には「圧電セラミックス」が存在しますが、「圧電セラミックス」より約20倍にも及ぶダイナミックレンジを実現したと言います。

その「圧電セラミックス」を使ったスーパーツイーターこそ、今やオーディオ界で伝説となった、村田製作所のスーパーツイーター「ES103(A/B)」「ES105」でした。発振体にはセラミックの圧電現象を利用した球形セラミック振動子を使い、固有共振周波数(fo)を100kHz以上として周波数特性も15kHz~100kHzを誇っていました。

この2000年発売の村田製作所のスーパーツイーターは、その前年のSACDの登場もあり、本格的なハイレゾ(当時こんな言葉は存在しませんでいたが)再生の必然性もあり登場したのでした。しかし結果的には、村田製作所のスーパーツイーターを使うことで、CD再生はもちろん、アナログディスク再生においても音質の改善度合いが顕著で、抜群のプレゼンス感やリアル感が得られることから人気を博し、大ヒットを記録したのでした。しかし惜しまれつつ2010年製造が中止されてしまいました。

ここで話をKIT-HITに戻します。


HIT-ST1

KIT-HITの初代機は「HIT-ST1(現在 生産中止)」で宇宙を意味する"宙(Sola)"と名付けられました。当時、新開発の合成高分子素材フィルムを使用し、世界で類を見ない速い音の立ち上がりと、1000KHzまで追随できる性能を有していました。フィルムを円筒状に構成しているため、全方位に平面波を発生させることができ、広がりのある豊かな音を、場所を選ばず、しかも離れた所でも効果を発揮しました。

続いて「HIT-ST1」の廉価版として同一振動板(ダイヤフラム)を使った「HIT-ST10(生産中止)」が発売されベストセラーとなりました。さらに「HIT-ST1」を二階建てにして、上下の指向性を改善した「HIT-ST1W(生産中止)」を完成させ、圧倒的な音場再現力を発揮しました。


 HIT-ST10

そして、ダイヤフラムの電極部に使用する金属素材を見直した「HIT-ST2」が登場。従来モデルにあった周波数特性上に存在したディップを改善することに成功し、より素直な周波数特性を実現したのです。また、ダイヤフラムの厚みを変更することで聴感上の音圧も改善できたのです。

さらに、その新しいダイヤフラムを採用し、「HIT-ST10」の考え方を継承しコストダウンを図った「HIT-ST20」を登場させました。これにより多くのオーディオファン・音楽ファンにクリアで瑞々しく、音場感溢れるサウンドを提供できるようになったのでした。

HIT-KITが採用する円筒構造のダイヤフラムは、ドーム型などの一般的なスーパーツイーターの様な球面波(距離の二乗で減衰)ではなく、平面波(距離に比例して減衰)を発生させることから、数字上出力音圧レベルの遙かに高い高能率のスピーカーと組み合わせても、まったく問題なく効果を発揮すると言います。

ただ平面波であることから、トールボーイスピーカーなどの上部に置くことで、ダイヤフラムの高さがリスナーの頭上を越えてしまわないことが条件で、スーパーツイーターがほぼ耳の高さになるようにセッティングすることが必要となります。

■ 『 HIT-STF 』

今回レポートした『 HIT-STF 』は、上位モデルと共通の発音体フィルム素材を使用した半円筒形ダイアフラムを搭載し、シリーズ中、最もコンパクトなエントリーモデルとして誕生しました。そのパフォーマンスを探ります。メーカーパンフレットには・・・

「スーパーツイーターHIT-STシリーズに新たなエントリーモデルが誕生」

1.ダイヤフラムに上位モデルと共通の素材を採用
ダイヤフラムは上位モデル「HIT-ST20」「HIT-ST2」と共通の合成分子素材フィルムを使用。形状を半円筒形にすることで、前方エリアの音色、空気感の高い再現能力を実現しつつコストダウンに成功。

2.優れたリニアリティとハイトランジェントを両立
応答特性に優れる合成高分子素材フィルムを使用することで、素早い音の立ち上がりを実現し、音を忠実に再現。


3.メインスピーカーの再生能力を最大限発揮
お手持ちのスピーカーに『 HIT-STF 』を追加することで、高域を補正するだけでなく、楽器の低音成分の再現性が向上し、ハイレゾ音源のみならず、CD、アナログレコードにおいても、メインスピーカーの再現能力を最大限に発揮。

とあります。

『 HIT-STF 』の試聴前、あまりに価格がリーズナブルなため、筆者には2つの懸念がありました。音圧レベルは従来機同様86dB/w/mと同じだが効果はどうか。今ひとつはダイヤフラムが従来の円筒から真っ二つに縦に割った様な半円筒になったことで、パフォーマンスが落ちていないかでした。

■ 試聴しました
さて、筆者自宅で実際に『 HIT-STF 』を試聴しました。

スピーカーに載せるだけダイヤフラムが円筒の前半分

まず、『 HIT-STF 』をアドオン(追加)してのサウンド変化で最も印象的なのは、低域の充実です。これは以前上級機「HIT-ST20」の試聴の際にも感じた印象と全く同じでした。

本来スーパーツイーターは、超高域の補正のために使用すると言うのが常識です。確かに普通のスーパーツイーターの使用目的はそうでしょう。ただ筆者が使っている自宅のスピーカーはリボンツイーターが搭載されており、一応データ上は100kHzまでカバーしており、普段特に高域不足を感じることはありません。

低域の充実は、前述の村田製作所の「ES-103」等とも同じでした。低域が深く沈み、音程もはっきりするのです。従来から低音感は十分あったのですが、そこに解像度が加わり、リアルな低域になったのです。これは恐らく周波数特性が100kHzまで伸びたことで、高域はもちろん、低域においても急峻な立ち上がりが正確に再現された結果だと思います。

この早い立ち上がりにより音を忠実に再現することができることや、各楽器の高域の倍音まで再生することが可能なため、より自然な音でしかも一つ一つの楽器の音がメリハリと力強さを合わせ持ち、音場感溢れる音楽を楽しむことができるようになったのです。

さらに具体的には、中低域の厚みが増し安定感が加わりました。ボーカルは口が小さくなり、女声ボーカルには包み込まれるような温かさが加わり、高い声も自然に伸びきり、とても心地よく感じました。目の前に歌手がすくっと立ち、まさにマイクを通していない生の声で、一瞬ドキッとさせられました。

また、口笛(ink/Livingston Taylor)も伸びやかでヌケが良く、唇の厚みさえも感じられました。試しに『 HIT-STF 』を外すと、元のように薄いベールを一枚かぶってしまい、ヌケも悪くなったのです。この効果こそトランジェント(過渡応答)の良さでしょう。

楽器でも、ピアノは従来若干感じていた硬さが完全に取れ、ベースは厚みを伴って沈み込み、弦楽器はしなやかで透明感が向上し、プレゼンスが豊かになりました。それぞれの楽器が分離し、リアルに浮かび上がって来たのです。

アナログ再生機器との相性も抜群で、低域が締まり、曖昧な感じが消え去り、コリッとした小気味良いものになりました。そしてボーカルは一瞬ライブかと感じる程、艶のある歌声を聴かせてくれました。

『 HIT-STF 』は従来からの一般的なスーパーツイーターとは違った音質変化と、生演奏を聴いているような迫力や、臨場感を肌で感じさせてくれます。一度お使いになると、他のあらゆるグレードアップ法より確実で、きっと手放せなくなることでしょう。


■ 最後に
最後に、「ダイヤフラムを従来機の円筒形から半円筒形にしてコストダウンが図れた」と言うことですが、一般家庭(10畳位までのお部屋)のリスニングルームでは、背面の壁材等の影響を受けることなく、『 HIT-STF 』の効果を十分ご享受いただけることを確認したことをお伝えしておきます。 (あさやん)


2018年5月 9日 (水)

フランスの新しい風! FOCALの最新鋭スピーカー『 KANTA No2 』

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、開発から生産までを全て自社工場で行っている、仏のオーディオメーカーFOCALの最新鋭スピーカー『 KANTA No2 』をご紹介!FOCALが創業以来、情熱を注ぎ込んできた低歪化と高精度化への進化をさらに極めた新開発のドライブユニットを採用しています。



■ FOCAL社とは

仏・FOCAL(フォーカル)製品は、2017年7月、輸入元(※1)が従来のロッキー・インターナショナルからラックスマンに代わりました。(※1オーディオ歴の長い方はご存知でしょうが、もっと以前は、"JMラボ"のブランドで株式会社ノアが輸入元でした)

FOCAL社は、1979年に野心的かつ天才的なエンジニアであるジャック・マユール氏によって、フランス・サン=テティエンヌで創立されたオーディオメーカーです。創業者の信念である高性能ドライブユニットの設計・製造メーカーとして、急速に世界各国で高く評価されたのでした。これが現在に至るまで FOCALがドライブユニット・メーカーとして、他社と大きく差別化できる大きなメリットとなっています。

その後、同社の技術力を背景にジャック・マユール氏が仕上げたスピーカーシステムは、"JMラボ(ジャック・マユール氏の頭文字)"のブランドで、精巧な作りのエンクロージャーに先進的な自社のドライバーユニットを組み込んで、ハイエンドスピーカーでの確固たる地位を築き上げたのです。現在はスピーカーシステムのブランド名も"FOCAL"に統一されています。

FOCALのこだわりの姿勢は、同社のDNAとして連綿と受け継がれているとともに、数多くの画期的な発明と独自の哲学に貫かれた製品は、多くのオーディオファイルを魅了し続けてきました。

またFOCAL社は、世界有数の生産規模であるにもかかわらず、開発・工場すべてがフランス国内の同一施設内(エンクロージャーはフランス国内別工場)にあり、近接即応体制でスピーカーのユニットからエンクロージャーまで、高いクオリティで一貫生産することを可能としている世界でも数少ないスピーカーメーカーでもあります。その理由こそが、FOCALの自信の表れでもある「製造者責任を自らに課す」ためだとしています。

■ 新開発のドライブユニット採用の「KANTAシリーズ」

FOCALのスピーカーラインナップは実に充実しており、ペア1000万円を超える「Grande Utopia」などの超々ハイエンドクラスのUTOPIA IIIシリーズ、それに続くハイエンドクラスのUTOPIA III Evoシリーズや、SOPRAシリーズがあります。※いずれも非掲載。

また、ミドルクラスのARIA 900シリーズ、普及クラスのCHORUS 700シリーズと豊富です。今回その中心価格帯にさらにKANTAシリーズが加わり、その中核モデル(今後3ラインナップ構成の予定)が『 KANTA No2 』なのです。

「KANTAシリーズ」で採用されるすべてのユニットは、FOCALが創業以来、情熱を注ぎ込んできた低歪化と高精度化への進化をさらに極めた新開発のドライブユニットです。これまで高い評価を得てきた信頼のある素材を使いながら、上位シリーズで開発された最新技術を惜しみなく投入しています。スタイルも一新されFOCAL社の今後の方向性を示すモデルとなっています。

もちろん『 KANTA No2 』に搭載されているドライブユニットも100%自社製です。

ツイーターには、UTOPIA シリーズをはじめ、同社の上級機に採用されている、世界最強の振動板と言われるベリリウム・ツイーターを搭載。逆ドームが特徴の進化した第3世代の27mm「IAL3」ピュアベリリウム・インバーテッド・ドーム・ツィーターを採用しています。特にユニット内部の背圧を最適化し、歪みを大幅に低減させています。

ミッドレンジとウーファーのドライブユニットには、同社 ARIA シリーズで開発されたコア材のフランス製のFlax(亜麻/あま※2)をグラスファイバーでサンドイッチし、それぞれの質量をユニットに合わせて適正化して、軽量で剛性が高く、ダンピング特性の良いFOCALの代名詞ともなっている「Flaxコーン」を使用しています。リニアリティ溢れるダイナミックなサウンドを実現できるのです。(※2 Flax:あま:麻の一種で柔らかさがありウールの3倍の強度をもつ繊維)

ミッドレンジには、16.5cm Flaxサンドイッチコーンに「NIC(※3)」と「TMD(※4)」というFOCALの最新低歪化技術を組み合わせ、ウーファーには、「NIC」を装備した2基の16.5cm Flaxウーファー採用。これらにより一層正確さを増し、精度の高い中低域を実現しています。(※3 NIC:Neutral Inductance Circuitの略で、マグネットのベースに同心円状のファラデーリングを追加し、磁界を安定させ音の再現性を高める技術)(※4 TMD:Tuned Mass Damperの略で、コーンとユニットを接合するエッジ内に2本の円形リブを設けることでサスペンション効果を高める技術)  

さらに『 KANTA No2 』はエンクロージャーにもFOCALのこだわりを見せています。バスレフポートが前面と後面に配置され、ポート内の空気の流れを理想的にコントロールする「POWER FLOWテクノロジー」を搭載。伸びやかで量感豊かな低域を再現します。

特徴的なフロントバッフルには、新開発の高密度ポリマー(HDP)を採用。同じ厚さのMDFより、剛性で15%、密度で70%、ダンピングが25%優れており、高強度と耐振性を確保しながら薄く軽いフロントバッフルを実現したのです。そのHDPの採用により高精度な加工が可能となり、ツイーターとの一体成型や前面ポートの滑らかな精密仕上げも可能となったのです。

特徴的な円弧状にスラントしたフロントデザインは、FOCAL独自の「フォーカスタイム理論」に基づくもので、同社の上級機の流れをくんでおり、ユニット間のタイムアライメントが最適化され、理想的なリスニングポジションが得られるとしています。

より正確なセッティングが可能なアルミダイキャスト製レッグを採用。スピーカー端子はシングルワイヤリング方式です。

■ フランスの新しい風

『 KANTA No2 』は、全8色(※5)にも及ぶ美しいカラーを纏うデザインセンスあふれる外観と精度の高い豊かな音楽性を両立しており、FOCALの技術とデザイン性が、高次元で融合されたまさに"フランスの新しい風"とも言えるスピーカーの完成です。(※5 サイドパネルは「ハイグロス・ブラックラッカー」と「ウォールナット」仕上げの2種類、フロントバッフルはそれぞれに発色の美しい洗練された4色が用意されています。)



音質とインテリア性の両立を志向するオーディオファンを魅了し、音楽性豊かな音色でリスニングルームを鮮やかに彩ることでしょう。

FOCAL社にはスピーカー開発の統括エンジニアとして、唯一の日本人スタッフである細井氏が在籍しており、『 KANTA No2 』の最終的な音決めにもかかわっておられるとのことです。嬉しい限りです。


■ 『 KANTA No2 』の期待のサウンドはいかに!?
非常にスケールが大きく、広いサウンドステージを臨場感豊かに描き上げました。非常に安定感があり、ブリティッシュ・サウンドともドイツやイタリア製スピーカーとも違う、スムーズな小気味良さ、堅苦しさを感じさせない心地よさは"フランスの風"を感じました。

パワーを上げていってもリニアに反応し、臨場感たっぷりにスケール感と音圧を感じさせてくれました。一方で、歪み感の少ないナチュラルなサウンドが、ボーカルやアコースティック楽器を引き立たせ、演奏を大いに楽しませてくれました。特にボーカルはバッフル形状のメリットもあり、中央にビシッと実物大で定位しました。

低域のリニアリティは抜群で締まりが良く、ダイナミックレンジの広さと切れ味の良さを実感させられました。中域の躍動感もしっかり引き出し、特にベリリウム・ツイーターによる高域の倍音は非常に豊かで、音場感・空間感には魅せられました。

また『 KANTA No2 』は低域が膨らみ過ぎず扱いやすいため、LUXMANの「L-507uXII」や「L-509X」などの中高級プリメインアンプでも十分能力を発揮してくれそうです。

『 KANTA No2 』には、音楽を知り尽くした気鋭のエンジニア達が、自社工場で100%管理して生産できる恵まれた環境で作り上げられた、完成度の高さを実感しました。 (あさやん)


2018年4月25日 (水)

驚異の電源ノイズフィルター iFi-Audio『 iPurifier AC 』その効果を体感!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、電源電流に起因するノイズを減少させる、iFi-Audioの電源ノイズフィルター『 iPurifier AC 』をご紹介! 実際に使用してみた結果もレポートいたします。

■ 電源の質こそが、オーディオ機器の音質を左右!

オーディオ機器に幾らお金をかけても、それらを駆動するには電気が必要です。その電気はオーディオにとっては単なるエネルギー以上の存在なのですが、AC電源はもちろんDC電源でも様々なノイズに悩まされている昨今です。その電源の質こそが、オーディオ機器の音質を左右すると言っても過言ではありません。

特にデジタル機器の普及、特に携帯電話やインバーター、最近ではLED照明など、リスニング環境はありとあらゆるノイズに曝されています。中でもAC電源では、家中の電気製品から屋内配線を通じて流れ込んで来るノイズに加え、空中を飛び交っている高周波のデジタルノイズが屋内配線や、電源ケーブルに飛び込んで来るケースが、日に日に増加傾向にあるのはご承知の通りです。

従来はオーディオ回路にノイズが飛び込まないようにシールドを強化したり、デジタル部とアナログ部を分離させたりと、色々な方法で対策が取られてきましたが、大概は不完全であり、さらに同一筐体内にノイズ発生源がある場合は、シグナル・グラウンドを介してノイズがオーディオ回路に入り込んでしまいました。

さらに日本の一般のご家庭の電源環境では、コンセントにはアースが来ておらず(接地されていません)、例え壁コンセントにアース端子があっても、それは洗濯機や電子レンジなどでの感電防止のための簡易アースで、本来のアースである【0V】ではありません。

■ アクティブ電源ノイズキャンセラー『 iPurifier AC 』の効果を徹底検証!

今回、以前このコーナーでTELOSのアクティブアース発生器「GNR mini3.1」をご紹介した際にも少し触れました、iFi-Audio(アイファイオーディオ)のアクティブ電源ノイズキャンセラー『 iPurifier AC 』の効果を筆者宅で徹底検証しましたので、ご報告します。

『 iPurifier AC 』はAC電源の壁コンセントや電源タップの空いた3Pタイプのコンセントに挿して使う並列型の電源ノイズフィルターで、その機能は以下の4つあります。

【1】アクティブノイズキャンセレーション(軍事技術:特許技術)等のテクノロジーを応用して、電源タップに差し込むだけで電源電流に起因するノイズを100分の1以下に減少させる。
【2】コンセントの極性をLEDで判別※(通常は検電ドライバーが必要)できる。
 ※極性判別にはアースが取れている(=アースLEDが緑色)必要があります。
【3】壁コンセントなどのアース端子が実際にアースされているかLEDで確認できる。
【4】並列タイプでは珍しいのですが、家庭内の上流の機器で何らかの電源トラブルが起きた場合、最大で25000A(8/50μ秒)の「サージプロテクション(Overvoltage Surge Protection)」効果がある。

そしてiFi-Audio曰く、『 iPurifier AC 』はさらに以下の様な効果を発揮するとしています。

【1】電源プラグの2本のピンに同相で存在する「コモンモード・ノイズ」(電源の+側、-側で同方向に流れるノイズ電流)の除去~これには大地アースが基準電位になることが必要。
→『 iPurifier AC 』のEarth(アース)表示のステータスLEDが緑に点灯すれば「コモンモード・ノイズ」が除去できる。赤では動作しません。

【2】電源プラグの2本のピンの間にのみ存在する「ディファレンシャル(ノーマル)・ノイズ」(電源電流と同一経路で流れるノイズ電流で行きと戻りの向きが逆)が除去できる。
→『 iPurifier AC 』のEarth(アース/右LED)表示のステータスLEDが赤のままでも「ディファレンシャル(ノーマル)・ノイズ」は除去できます。


『 iPurifier AC 』は一般的なノイズフィルターの様なパッシブ型(MHz以上の高周波ノイズにのみ有効)ではなく「アクティブ型」であるため、広い周波数帯域に亘ってノイズを40dB低減させるとしています。

コモン・モード・ノイズは、一般にはあらゆるスイッチング電源によってさまざまな程度のノイズが生み出され、これが最大の問題となります。『 iPurifier AC 』の上部にあるアース・ポート(バナナプラグのメス)から、最大のノイズ源となっている機器(通常は電力消費量のいちばん大きい機器)のケースにアース線を加えることによって、相当なノイズ・リダクションを実現することは可能です。この場合、機器の電位が十分に低く『 iPurifier AC 』がアースとして認識できる必要があります。

アース線を加えることによって『 iPurifier AC 』が、アースとして認識すれば相当なノイズ・リダクションを実現することが可能ですが、基本的には本格的アース工事(最低でも10万円以上かかる)が必要になります。ご検討下さい。なお、TELOSの「GNR mini3.1」「GNR(Grounding Noise Reducer)」でも可能なことは自宅で確認済みです。


また、Polarity(ポラリティー:極性/左LED)表示のステータスは、ピン配列が間違っている場合には、赤になり自動的にそれを知らせてくれます。「極性不明(undefined polarity)」として検知し、その結果LEDが赤色になるのです。しかしこうなっても、家庭内で配線ミスがあるということではありません。※日本の集合住宅やマンション・雑居ビルでアースLEDが緑色で、かつ極性を挿し換えても赤色になる場合も、ほとんどが「バランス型トランス」を介した電源を設置してあるケースだと考えられます。

このようにアースと極性のすべてが問題ない場合は、緑のLEDが2個とも点灯します。なお、「サージプロテクション」は、LEDが2つとも赤であっても正常に動作するとのことです。

■ 使ってみました
自宅で実際に『 iPurifier AC 』を使ってみました。まずはその時の状況から・・・

【1】最初、空いた壁コンセントに 『 iPurifier AC 』を差し込みました。
-LEDは、Polarity(左)、Earth(右)とも赤が点灯(写真左)。
-サウンドは、しなやかで柔らかく透明感が向上しました。全体的に静かになりました。

【2】次に『 iPurifier AC 』のアース・ポートにバナナプラグ付きのスピーカーケーブルで、前述のTELOSのアクティブアース発生器「GNR mini3.1」(写真中央)に繋ぎました。
-LEDは、Polarity、Earthとも緑が点灯(写真右)。
-サウンドは、立体的になり、滑らかでヌケが良くなり、質感はナチュラルになりました。


【3】電源タップの空きコンセントに「GNR mini3.1」からアースを取った『 iPurifier AC 』を差し込みました。
-LEDは、Polarityは赤、Earthは緑に点灯。
※タップの右上の2Pプラグが左右逆と言うことが判明。差し替えると両方とも緑が点灯。
-サウンドは、輪郭がはっきりし音離れが良くクッキリしました。


【4】アースを取った『 iPurifier AC 』を壁コンセントに、もう1個『 iPurifier AC 』を追加してタップに差し込みました。
-LEDは、Polarity、Earthともすべて緑が点灯。
-サウンドは、さらに立体的になり、奥行き感もたっぷりで、音像がコリッとして分離良く、響きも非常に豊かになりました。明らかにS/Nが向上しました。



■ 最後に
最後に『 iPurifier AC 』をすべて外した時のサウンドは、明らかに分解能が悪くなり、音像は中央に集まり、音場はのっぺりとして平面的になってしまいました。

結果、筆者は迷わず1個『 iPurifier AC 』を購入したのでした。今後複数個を導入予定です。

お願い:本文中のTELOS「GNR mini3.1」や、上級機「Grounding Noise Reducer」では確実にアースは取れますが、他にもアースを取る方法はございます。接地アース工事はもちろんですが、音質を確認しながら壁コンのアース端子に繋いでみる(ノイズを拾って反って音質が悪化する場合もあります)。また、これはあくまでも自己責任でお願いしたいのですが、鉄の水道管や庭の鉄杭などからアースを取って見て下さい。筆者も自宅の庭に1mのアース棒を打ち込んでアースが取れました。しかし、アースの接地抵抗を下げるには本格的なアース工事(10万円以上)が必要になります。 (あさやん)


2018年4月21日 (土)

独QUADRALのAURUM 9シリーズ『 SEDAN9 』『 GALAN9 』の実力を探る!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ドイツブランド QUADRAL の新しい「AURUM 9シリーズ」から、ブックシェルフ型スピーカー『 SEDAN9 』『 GALAN9 』をご紹介!
どちらも「生演奏に近いサウンド」「アーティストのありのまま」を実現しています。試聴内容もレポートいたします。



■ QUADRALの歩み

1972年創業のQUADRAL(クアドラル)は、ドイツ商工業の中心 ハノーバーにあります。創業者であるハンス・ディッター・ホフマン氏はベルリンに生まれ、大学卒業後、楽器や音響機器関連の仕事を経て、1972年に現在のQUADRALを設立。音楽や楽器に造詣の深い彼は、自ら音響機器を創造する熱い情熱を抑えきれず、その分野のスペシャリストを募り、少人数のチームでスピーカーシステムの開発をスタートさせました。

同社は1978年シャーパーというエンジニアを迎えた後、飛躍的に進化し、81年に「TITAN」の初代モデルとそのシリーズを発表。その圧倒的な低域のドライブ能力と、600Wという高いピークマージンが成し遂げた迫力ある再生音は絶賛され、このモデルの誕生によってQUADRALはドイツ・ハイエンドスピーカーブランドとしての礎を築きました。

その初代「TITAN」は、ドイツの音楽家であるバッハ、ベートーヴェンなどの雄大なフルオーケストラの再生のため、周波数特性がフラットで、十分に伸びた高域・低域を実現したモデルでした。「TITAN」は、ドイツの権威あるオーディオ誌で高い評価を受け、リファレンススピーカーとして認められました。そしてドイツ国内のスピーカーの基準ブランドの位置を確立し、ドイツのトップブランドとなったのです。

その後チーフエンジニアは、シュターク氏、そしてラケルト氏と代わりはしましたが、QUADRALのスピーカーの音色傾向や音調は一貫して変化はなく、常に進化を続けて来たのです。これこそドイツの国民性であり、それ程に音楽文化が深く浸透しているためと思われます。

前述のラケルト氏は、「ドイツの音楽ファンは生演奏を大切にし、同時代を生きるアーティストの個性を、演奏会場と同じように家庭でもリアルでストレートに体験したいと考えている。したがって、生演奏に近いサウンドを出すQUADRALのスピーカーが支持される。」のだと、その理由を述べています。

QUADRALの新シリーズ「AURUM(オーラム)9シリーズ」のラインナップは、「TITAN 9(3,500,000円)」、「VULKAN 9(2,500,000円)」、「MONTAN 9(1,600,000円)」、「RODAN 9(1,000,000円)」、そして今回ご紹介するブックシェルフタイプの『 SEDAN 9(570,000円) 』『 GALAN 9(460,000円) 』の6機種です。※価格はいずれも、税別・ペア。

新しい「AURUM 9シリーズ」の最大の特徴は、【 quSENSE 】と呼ばれるリボン型のツイーターと、低域ユニット【 ALTIMA 】の全面刷新だとしています。

■ 新開発の心臓部【 quSENSE 】


近年のリボン型で使われる例の多いボイスコイルを蒸着したプリンテッド振動板ではなく、正統派リボンとも言えるコルゲーションタイプのピュア・リボン振動板による、本格的なアルミリボンツイーターです。

そのリボン振動板は超軽量で、「同社の従来ユニットよりも、垂直方向を短く、水平方向の幅を拡げた」と言います。この音質効果は絶大で、ハイレゾのみならず、あらゆるコンテンツの楽器や声を魅惑的で質感高く再生するとともに、奥行きのある空間再現力を実現できたとしています。

また、振動板の表面積が広がったことで、再生周波数の下限を伸ばすことに成功し、低域ユニットとのクロスオーバーが理想的なものになったのです。さらにはリボン型ユニットの課題とされてきた機械的な強度も飛躍的に向上させることに成功しました。

■ 大幅ブラッシュアップされた【ALTIMA】


新開発されたリボンツイーター【 quSENSE 】の音楽再現力と音響特性に合わせて、これを支える低域ユニット【 ALTIMA 】も全面刷新したのです。

コーンには、名称の由来でもあるアルミニウム(95%)/チタン(0.5%)/マグネシウム(4.5%)を最適化した合金の振動板を採用。リボンツイーターとの応答速度のマッチングを図りました。

ボイスコイルは従来の銅線から、銅コーティングのアルミ線に変更され、線径も1.5倍となって効率と強靱さを兼ね備えることができたのです。さらに磁石とダンパー(スパイダー)を大口径化することで、余裕のある表現力も実現したのです。

また、ユニットから送り出される音を遮ってしまうセンターキャップを無くすことで繊細でダイナミックな音の再現力も大幅に向上させたとしています。ウーファーユニットにはアルミダイキャスト製のフレームを新たに開発して剛性を大幅に向上させました。

さらにドライバーのポールコアに銅キャップをかぶせることで、高調波歪と混変調歪を大幅に軽減させ、ツイーターとの一体感が高い優れた音響特性を実現できたのです。

■ その他の特徴

スピーカー端子はバイワイヤリング対応で、端子プレートの上部には3段階のトグルスイッチがあり、これによりツイーターのレベルが-2dB/0/+2dBの3ポジションから選択できます。お部屋の特性や好みによって高域を調整できます。これは最近では珍しい機能です。

ネットワークには、独インターテクニック製の高音質キャパシター、内部配線には仏リアルケーブルが使われているとのことです。

■ 試聴しました
試聴は日本橋1ばん館で行いました。


AURUM『 SEDAN 9 』

『 SEDAN 9 』は、高さ390mm×幅230mmの一般的なサイズのいわゆるブックシェルフ型。ウーファーは180mmの【 ALTIMA 】、ツイーターは【 quSENSE 】のリボン、クロスオーバーは2.8kHzと、リボンにかなり下の帯域まで受け持たせています。リボンは上級機の「MONTAN 9」のものとほぼ同等(『 GALAN 9 』のリボンより縦に長い)の様です。インピーダンスも8Ω、能率85dBと使い易く、中級以上のプリメインアンプなら十分ドライブできると思います。

今回セパレートアンプ※でも試しましたが、さらなるパフォーマンスを発揮し、本機の可能性を感じました。(※試聴ではプリメインアンプ以外にアキュフェーズ「C-2850」「A70」も使用しました。)

サウンドは、高域は澄んで伸びきり、非常にヌケが良く、低域はブックシェルフとは思えないスケール感あり、フルオーケストラの濃密感、重量感、迫力は素晴らしいものでした。また、包み込まれるような抱擁力があり、滑らかでしなやか、かつ余計な音がまとわりつかないスッキリ感が心地よく、自然に耳に入ってきました。音場も広く深く立体的なものでした。

ボーカルは実にグラマラスで、女声は艶やかで温かみがあり、男声は体型を感じさせる程リアルで、太く迫力があるものでした。さらに口笛(Livingston Taylor/Ink)の伸びやかさは絶品でした。ギターは厚みに適度な柔らかさと潤いが加わり、立ち上がりもしっかりし指で弾く感じが実にリアルでした。ピアノは厚みを感じさせつつもヌケは良く、低域の伸びがピアノの大きさを実感させました。

AURUM『 GALAN 9 』

一方、シリーズ最コンパクトの『 GALAN 9 』は、『 SEDAN 9 』に比べ高さで60mm、幅で20mm小さくなっていますが、パッと見あまり差は感じられません。能率は同じ85dBですがインピーダンスは4Ω、クロスオーバーも2900Hzと若干差があります。これはリボンツイーターの差であり、本機のリボンは上級機「RODAN 9」と同等の様です。

サウンドは正直この大きさのブックシェルからは想像できないスケール感で、最初に聴いたフルオーケストラの迫力に圧倒されました。全域で厚みがあり、特に重低音は深く膨らみを感じさせるものでした。ギターの木質感もキッチリ再現されつつ、スピード感も十分でした。とにかく音数が多く、ジャズライブでの骨太のリアル感は出色でした。


■ 最後に
『 SEDAN 9 』『 GALAN 9 』のサウンドは比べてみると、かなりの差といいますか、狙いが違うように感じました。いずれも大きさからは想像出来ないスケール感や、リアル感を再現でき、特にQUADRALが狙っている「雄大なフルオーケストラ」や「生演奏に近いサウンド」がこのクラスのスピーカーで出てきたことには正直感動しました。

『 SEDAN 9 』は音楽性を重視したクラシックを音の良い会場で聴くようなゆったり感があります。『 GALAN 9 』は写実性を重視し、実にリアルなゴリゴリとした押し出し感は、ジャズやポップスの生々しさの再現には打ってつけと見ました。両機は違う意味での「生演奏に近いサウンド」「アーティストのありのまま」を実現しています。

QUADRALは『 SEDAN 9 』『 GALAN 9 』でも、ドイツ・ブランドならではの重圧感、濃密感、そしてリアル感をブックシェルフで実現したのです。これぞ"Made in Germany"の面目躍如と言えます。 (あさやん)


2018年4月17日 (火)

これぞオーディオ装置のアース対策の決定版!?

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
アース問題に大きな一石を投じた、台湾メーカーTELOS(テロス)のアクティブアース発生器『 Grounding Noise Reducer 』。今回は、それを小型化した『 GNR Mini 3.1 』をご紹介! 試用した結果もレポートいたします!



■ 難しいアース対策

オーディオ装置のアース対策。それはオーディオ歴の長いオーディオファイル程、その難しさを痛感されていることと思います。洗濯機やエアコンなどに付いているアースは、あくまでも感電防止用の物であり、一般家庭の壁にあるアース端子にオーディオ機器を繋ぐと、かえってノイズが増えたり音質を損ねたりする弊害の方が多いのです。

かく言う筆者自身も、田舎在住故、都市部にお住まいの方やマンション住まいの方よりは、かなり条件的には恵まれていると思います。それでも一時チャレンジしようと試みた、庭に穴を掘って1m程度の銅棒を埋める等の「大地アース※」の設置は今もって実現できていません。※接地抵抗10Ω以下の本格的なアース工事を行うには通常10万円以上必要。

また、これまでにもオーディオアクセサリーとして各社から、「仮想アース」「バーチャルアース」、商品名では「グランドボックス」「グランディング・コンディショナー」などとして市販されてはいますが、これらは銅板や鉱物粉を使用したパッシブタイプがほとんどで、構造的にはシンプルでコストも抑えられるのですが、実際には「電圧変化を軽減※」する程度にとどまっていたのです。※もちろん音質改善効果はあります。

アースにノイズが流れ込むためには、十分に基準電圧が低く、インピーダンスが極めて低くなければならず、パッシブタイプではそれを実現できないのだそうです。それはパッシブタイプでは筐体サイズが限定されるため、接続したオーディオ機器の電圧変動に影響されて、安定化することができないためとしています。

因みに、今から10数年前にアコースティックリバイブが「RE-9」「RE-9MK2」という、商品名「スーパーアースリンク※」として発売していたことをご記憶の方もいらっしゃると思います。筆者自身もその効果を大いに認めていたのですが、残念ながら接続した一部のメーカー製品でトラブルが発生するなど事故が相次ぎ、惜しまれつつ生産中止に追い込まれた経緯があります。※機器の電位を電気的に下げるアクティブタイプ。

また大地を基準としたアースも、前述のような本格的なものでない限り、容量的には問題ないものの、配線などの都合でオーディオ機器以外の一般的な電気製品からのノイズが干渉してしまうケースが多いと言います。特にインバーターエアコンやパソコンのスイッチング電源などからのノイズがアースラインから回り込み、かえって汚染してしまうそうです。

■ アース問題に大きな一石を投じたTELOS(テロス)

こんな経験はありませんか? あるオーディオ機器があるお店では非常にいい音だったのに、別のお店や自宅で聴くと大したことがなかったと・・・。これは繋がれるオーディオ機器やセッティング方法、もちろんリスニングルームにも大きく影響を受けてはいるのですが、その機器の置かれているアース環境も密に関係している場合もあるらしいのです。

昨年(2017年)夏大きな話題となった台湾のメーカーTELOS(テロス)の『 Grounding Noise Reducer(GNR) 』が、このアース問題に大きな一石を投じたのでした。筐体内部のCPUを使用して、アースの基準値となる高精度な電圧を計算により生成し、極めて短時間に接続された機器の電圧変動に対応して、それぞれの機器に一貫した基準電圧を与えるのです。

さらに基準電圧の伝送は極めて低いインピーダンスで行われるため、本格的な大地アースと同じ効果を得ることができると言います。もちろん「GNR」で生み出されたアース電位は、オーディオ機器だけに使われるため、他の電化製品やパソコンのノイズからは完全に隔絶された、ノイズのない純粋なアースが実現出来るのです。

このアイデアを製品化したテロスを主宰するジェフ・リン氏は、元は台北でオーディオ専門店を営んでいたそうです。氏は「どんなに機器が素晴らしくても、設置環境によってその実力が引き出せない」という、オーディオ機器の宿命に対してあえてチャレンジされたのです。

今回ご紹介します『 Grounding Noise Reducer Mini 3.1(GNR Mini 3.1※) 』は、世界初のアクティブアース「Grounding Noise Reducer(GNR)」を小型化し、よりお求めやすい価格で登場したのです。「GNR」には、さらに後述の「QNR3.1※」が2基搭載されています。※Version3.1を冠した製品はパーツの選別基準を従来品の約16倍厳密に行なった製品です。

■ アクティブアース発生器『 Grounding Noise Reducer Mini 3.1(GNR Mini 3.1) 』



トップが半透明で内部パーツが見えます。

『 GNR Mini 3.1 』はパッシブタイプの「仮想アース」と同様、オーディオ機器のシャーシアースに1本の付属ケーブル(Yラグ⇔Yラグ)で接続します。これによりオーディオシステムのアース電位はほぼ0V(ゼロボルト)になると言います。従来の「仮想アース」では、音質の変化はあるもののアース電位の変化は殆どないことから、これだけでもテロスの凄さに驚かされます。

オーディオ機器の増幅回路は、基準電圧(0V)を前提に設計されています。しかし機器を電源に接続するだけで、機器自体がそれぞれ違う電位を持ってしまいます。さらにこれらをラインケーブルで接続すると、平均化されて共通したある電位となってしまい、結局基準電位とは違う電位で動作することになります。これまでは、この問題の解決策は前述の「大地アース」の設置しかなかったのです。

『 GNR Mini 3.1 』の背面にはアース接続端子が2個あり、これらとご使用機器のアース端子と付属のアースケーブルで接続します。本機2台をデジタル機器用とアナログ機器用に分けて使うことも出来ます。

電源タップには、アース端子がある場合はアース端子に、ない場合は2P-3P変換アダプターのアース端子に、そしてさらに完璧を期すには、今大人気のiFi-AudioのAC電源用アクティブノイズクリーナー「iPurifier AC」を介して接続することをお勧めします。これにより「iPurifier AC」のコモンモード・ノイズ・リダクション回路も活用出来ます。

機器にアース端子がない場合には、筐体のネジを少し弛めYラグをネジ止めすることも可能です。この場合、対象機器の保証外になる可能性もございますので、あくまでも自己責任にて接続して下さい。また接続方法によってはアースループができてしまい、音質が損なわれる可能性もあります。最適な接続方法はシステムによって異なりますので、ケースバイケースでの調整が必要になります。

■ 電源ノイズ低減機『 Quantum Noise Resonator 3.1(QNR3.1) 』



QNR3.1

『 QNR3.1 』は『 GNR Mini 3.1 』と同じ半透明トップの筐体で、電源ノイズ成分を同調回路に送り込み、それを光に変換するという画期的な回路設計です。内蔵の量子モジュールは8つの同調回路とCPUで構成され、これらによって電源波形のタイプを検出し、ノイズに同期した位相歪み補正を瞬時に行い、波形を整えるとしています。接続はオーディオ機器を接続している電源タップに、本機の電源ケーブルを挿しこむだけです。

本機では、検出された電源ノイズとサージはエネルギー変換回路を用いて、1kHz以上のノイズを光エネルギーに変換します。このまったく新しいオーディオ処理技術=QNRが音の明瞭度を向上させ、背後の音が無になることで、音楽が一層魅力的で滑らかに聞こえるようになるとのことです。

また本機は並列回路設計を採用しており、従来からある直列接続による電源ノイズフィルターで問題になる供給電力の制限がありません。結果、高電力を供給することができるためダイナミック・レンジが低下したり、細部の情報が低減したり、音がドライになったり、音場が狭くなったりする(こういったことは電力不足が原因)ことがないとしています。


■ 『 GNR Mini 3.1 』を試用しました。



自宅リスニングルームで、アクティブアース発生器『 GNR Mini 3.1 』を試用しました。以下はその音質変化についての感想です。DACプリMytek Digital「Brooklyn DAC+」のアース端子に接続しました。

当初、住宅環境が良いと勝手に思い込んでいる筆者宅で、果たして『 GNR Mini 3.1 』の効果がどれ程あるのか疑問を抱きつつ、CDの音を出した瞬間「何これ!?」でした。

よく聴いているTBMの「ブルー・シティ」のベースが晴れやかに眼前に浮かんだのです。空間が澄みわたり、楽器の前後感がはっきりし、楽器が実在するかのようなリアル感でした。ベースの吹き出し感に圧倒され、分解能の良い低域がググッと下まで伸びきったのです。ボーカルと楽器の掛け合いでは、さらにボーカルが前に出て来て楽器はその後ろにと、はっきり確認出来る程でした。

今話題のCD情家みえ「ETRENNE」では、従来は楽器と重なって多少邪魔されてぎみだったボーカルが、すっきり前に出て来たのです。楽器の立ち上がりが良くなり、ベースが出しゃばることなくクッキリ分離し、低音がズシンと響くのです。スピード感のある楽しいサウンドになりました。やっぱり録音が良かったのだと見直した次第です。

PC(再生ソフト:TuneBrowser)で聴いた女性ボーカル(森川七月)は圧巻でした。元々録音が良いから選択したのではないソフトなのに、ボーカルがいつになく生々しく、口元もコリッと小さく、声の抜けが抜群で空間に浮かぶのでした。背後のドラムスティックの隠れていたごく小さな音まで再現され、低音楽器の情報量の多さ、中高域の伸びやかさは従来とまったく違っていました。


■ 最後に
このように『 GNR Mini 3.1 』の効果は予想を遙かに超えるものでした。TEROSからアナウンスはありませんが、機器のシャーシ電位が下がることで、信号電圧とアース電位の差が大きくなり、エネルギーロスがなくなることが、大きく貢献しているのではないかと考えられます。今さらながら、こんな所にも信号ロスがあったのかと思い知らされました。 (あさやん)


2018年4月 1日 (日)

スタジオモニターの確かな血統! PMCの新旧テクノロジーを融合して完成した「twenty5シリーズ」

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、スタジオモニターとして世界中で信頼されているPMC社のスピーカーを特集します。PMC社の新旧テクノロジーが融合され完成した「twenty5シリーズ」から、ブックシェルフ型の『 twenty5.22 』と、トールボーイ型の『 twenty5.23 』をご紹介!



■ PMC社の完璧な品質管理

PMC社はBBCに在籍していたエンジニアが独立して、1991年に英国で創立したスピーカー専業メーカーで、同社スピーカーはスタジオモニターとして世界中で信頼されています。そして世界有数の独Teldexスタジオや、英DECCAなどのクラシックの録音現場はもちろん、TVや映画、音楽界で有名なBBC、Dolby、DTSなど、放送、映画制作、音楽制作からマスタリングに至るまで、スタジオでのモニタリングの中核を担っています。

PMC社の創業以来のポリシーは「音を正確に表現する」であり、「いい音は、いかなる場面においてもいい音である」との考え方からきていると言います。そのため、良質な製品を提供するとともに、長期にわたって愛用していただくために、スピーカーを1本1本丹念に、イギリス国内にて手作業で製造されているのです。

ドライバーユニットやキャビネット、ネットワークボードの徹底した品質管理、各コンポーネンツの入念な計測および選別を経て、銀入り半田と無酸素銅ケーブルを用いてのアッセンブリー作業が行なわれています。完成品は、クロスオーバーマッチングやペアマッチングなど、全部で14 項目にわたる厳密な品質チェックとリスニングテストを通過した後、ユーザーの元に出荷されると言います。プロ仕様の完璧な品質管理でとても安心です。

■ PMCの新旧テクノロジーが融合された『 twenty5.22 』『 twenty5.23 』をご紹介

今回ご紹介しますのが、PMC twenty5シリーズの中堅に当たります、ブックシェルフ型の『 twenty5.22 』と、トールボーイ型の『 twenty5.23 』です。

まずは、新旧テクノロジーの"旧"の方から見てまいります。

【1】ATL(Advanced Transmission Line アドバンスド・トランスミッションライン)

これこそPMCの代名詞とも言えるエンクロージャー構造技術です。キャビネット構成や高性能ドライブユニット、そしてクロスオーバーコンポーネントを使用したスピーカー設計技術です。

一見バックロード方式の様に見えますが、ロードをかけるのではなく、ウーファーを長いATLの端に配置することにより、その経路と吸音材によってウーファーの背面から放出される高音域成分を減衰させています。低音域成分はATLを通り、ウーファーの正面の位相と同じになるように開口部から出力され、第二のウーファーとして働かせています。

この方法の大きな利点は、ウーファーを駆動している時、キャビネットの内圧が維持されることです。これは広い周波数帯でドライバーの制御を可能にし、低周波歪を減衰させることができると言います。これによって中音域と高音域のディティールは高調波歪の影響を受けることなく、透明感のある中高域とハイスピードで豊かな低域を両立させているのです。

次に前作、twentyシリーズをベースにしながら、今回の同社設立25周年記念の「twenty5シリーズ」に"新たに採用"された技術を見てまいります。

【2】Laminair(ラミンエアー/層流:流体要素が揃って運動して作り出す流れ)


前述のATLの効率をさらに向上させる新技術で、スピーカー背面からの高い音圧を、エアーフロー(背圧の通り道)の最終孔(最下部)に付けた縦型のフィンが通気孔を分割(通気孔で生成される渦エネルギーを浪費)するのです。これにより全体の通気量を小さくすることなく、効率的かつ滑らかな空気の層を噴出することができ、乱流損失を低減させ、ATLの効率を高め、解像度や安定度をさらに高められたとしています。

また、PMCは「スピーカーはドライブに始まり、ドライブに行き着く」と言います。ATLの性能を最大限に生かすためには、キャビネットに合わせた、分解能が高く、超低歪のドライブユニットが必要です。結果、ドライブユニットは全て自社製とし、信頼性が高く、ナチュラルで脚色のない純粋なサウンドを実現しているのです。

【3】ウーファー(g-weave bass drivers)
ウーファーには新開発の鋳造合金シャーシ+グラスファイバー織りコーンを採用。コーン中心のダストキャップを反転された(凹んだ)ガラス繊維製とすることで、円錐の形状に沿って非常に滑らかなストロークを実現しています。

【4】ツイーター
コンピューター解析により、最適な拡散のための新グリルを採用。SONOLEXの27mm fabric domeによる滑らかな軸外特性が、高音の広帯域特性を実現しています。さらに磁性流体による冷却方式を採用することで、大音量時でもリニアな再現性を発揮するとしています。これこそプロで鍛えられたプロ仕様です。

【5】クロスオーバー
1.8kHz/24dBオクターブの新クロスオーバーネットワークを搭載しています。低歪率で接続されるドライバーのタイムアライメントを高次元で達成しています。

【6】ターミナル
入力ターミナルも新しくデザインされたPMCオリジナルです。前作はバイワイヤリング仕様でしたが「twenty5シリーズ」ではシングルワイヤ仕様となり、削り出し純銅&マットロジウムメッキのターミナルとすることで、非常に高い伝導率を誇り、極めて低い抵抗値を実現しています。またクロスオーバーに直接的に結合する最短接続とし、Yラグ/バナナプラグ/先バラケーブルのいずれにも対応しています。

前面バッフルは前作のデザインを継承してやや上向きにスラントしていますが、突き板の質感は向上しており高級感が加わったことを付け加えておきます。


■ 試聴しました
『 twenty5.22 』と『 twenty5.23 』を日本橋1ばん館で試聴しました。アンプにはアキュフェーズ「E-370」を使用しました。

写真中央が『 twenty5.22 』写真左側が『 twenty5.23 』

『 twenty5.22 』は、ブックシェルフとは思えない程スケールが大きく、ダイナミックで量感豊かに音楽を再現してくれました。ベースの低域がググッと深々と伸びきり、分厚い中低域はある種プロに通じるサウンドと感じました。一方で中高域は抜けが良く、滑らかで爽やかさを感じさせてくれました。

とにかく音数が多く、精細な表現も十分なのですが、しかし、そこはただ忠実なだけのサウンドではなく、音楽を心底楽しませてくれる要素がたっぷりで、従来のPMCサウンドにさらに一層の透明度が加わった素晴らしいスピーカーの完成です。

『 twenty5.23 』はスペースファクターを抑えたスマートなトールボーイで、『 twenty5.22 』に比べ若干全体的に音圧は下がりますが、その分エンクロージャーの大きさもあって、低域方向には明らかに伸びと余裕を感じさせました。中低域の厚みや中高域の伸び、さらには超高域の抜けの良さはそのままでした。低域の余裕が、全体的なスケールをさらに大きくした結果、躍動感も高まったと感じました。

両機とも切れ味の良さは抜群で、密度の高い躍動感に溢れたサウンドはさすがPMCです。思わず店頭で大音量を出してしまいましたが、全く動じない安定感もさすがでした。

これらには、筆者が以前からプロ機に感じる"プロの世界で鍛えられた製品だけが持つ"ある種の《プロっぽさ》があり、コンシューマ向けのtwenty5シリーズにもPMC製品に流れる"スタジオモニターの確かな血統"を感じました。(あさやん)

※『twenty5・22』『twenty5・23』を含め「twenty5シリーズ」は、いずれもエンクロージャー仕上げは「ウォールナット」の他に「ダイヤモンドブラック」「オーク」「アマローネ」からお選びいただけます。


2018年3月27日 (火)

英国トラディショナルブランド「スペンドール 」「 クリーク」が実現するしなやかサウンドは!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、英国トラディショナルブランドである、スペンドールのスピーカーと、クリークのアンプについて特集いたします! 両ブランドの製品を組合せることで、デジタルサウンド独特のあの緊張感から解放してくれる"しなやかサウンド"が実現できます!



■ スピーカーブランド「スペンドール」

スペンドール(SPENDOR)は1969年創業のスピーカーブランド。半世紀を超える歴史を誇り、流行に左右されず現在までスペンドールトーンを貫き通しています。スペンドールの礎となる会社は、1960年初頭にスペンサー・ヒューズとドロシー・ヒューズ夫妻(二人の名前を組み合わせてスペンドール)によって設立され、以後英国BBCの音響技術局の経験とノウハウを基に製品開発を続けています。

因みに、BBCモニターとして有名な「LS3/5a」は、放送用スピーチモニターとしてスペンサー・ヒューズがBBC在籍中に基本設計したもので、スペンドールをはじめチャートウェル、ロジャース、ハーベス、KEFなどがBBCとライセンス契約を交わして同じ型番で生産された珍しいスピーカーです。

実際にスペンドールのオリジナル製品である「BC-1」(1969年)は、スタジオ用モニターシステムとして採用され、その後改良され一般市場向けに発売されました。そして今でも伝説の銘機とされる「BC-II」(1973年)はスペンドールの名を不動のものにしました。「BC-II」に採用されたベクストレーン振動板とともに、世界中にスペンドールの名を知らしめたのでした。

スペンドール社が目標としたのは、「スペンドールマジックにより、バランスが良く、美しいナチュラルなサウンドをリスナーにお届けする」でした。 最高級の天然材を使用し手作りに徹したキャビネットは、共振や振動変化を防ぐためだけに作られたものではなく、あくまでユニットの性能を補完するために設計され、内部補強材から格子織りフロントグリルに至るまでこだわりと高級感に満ち溢れています。

■ アンプ、CDプレーヤーの専業ブランド「クリーク」

一方のクリーク(CREEK)社は、創業1981年と言いますから、すでに40年近い歴史のあるアンプとCDプレーヤーの専業ブランドです。創業者のマイク・クリークの自社製品に対する位置付けは、ずばり"ローコスト・ハイパフォーマンス"で、それは現在の製品に至るまでずっと引き継がれています。それが証拠に、世界中のオーディオ機器が高額化する流れの中にあっても、同社製品はリーズナブルな価格に徹しており、100万円を超える様な製品はありません。

クリークの創業当時はスピーカーの小型化が一気に進み、アンプは大出力化・大型化に突き進んでいた時代でした。しかしクリークは一貫して常識的な価格内での高性能機を世界に供給してきたのです。筐体は薄型でシンプルな扱い易いもので、これこそ英国人気質でもある「家庭で音楽を聴くのに大袈裟なオーディオはいらない」という考え方から来ているのだと思います。

その結果、国産アンプの設計スタンスでもある"特性やパワー重視のアンプ"とは対極にあると言える、"音楽を聴き疲れなく、聴いていて楽しいナチュラルなサウンドを奏でるアンプ"を目指して供給し続けているのです。

■ スペンドール『 Classic3/5 』『 Classic3/1 』をご紹介!

新開発のスピーカーユニット、新クロスオーバーネットワーク、キャビネット構造の見直しなど、伝統のスペンドールサウンドに最新の技術を投入して完成させた「新Classicシリーズ」から小型ブックシェルフ型2機種をご紹介します。

『 Classic 3/5 』は前作「S3/5R2」の後継に位置付けられ、ユニット、ネットワーク、新構造キャビネットや、マグネットキャッチグリルの採用など構造を一新しています。銘機「LS3/5a(括弧内はLS3/5aのデータ)」同様の2ウェイ2スピーカーの密閉型で、高域に22mm広帯域ソフトドーム(20mmソフトドーム)、低域に150mm 中央部にフェイズプラグが装着されたEP77ポリマーコーン(110mmのベクストレン製コーン)というオーソドックスな構成です。

周波数特性は75Hz~25kHz(90Hz~20kHz)、出力音圧レベルは84dB(82.5dB)で、クロスオーバー周波数は4.2kHz(3.5kHz)、最大入力は100W(40W)です。外形寸法は165W×305H×188Dmm(185×300×160)、質量は5kg(5.3kg)とほぼ「LS3/5a」を継承したコンパクトな、まさに本当の意味でのブックシェルフ型です。

このように銘機を彷彿とさせるデザインながら、最新のソースにもしなやかに対応すべくワイドレンジ化されています。しかしそこは伝統に裏打ちされたブリティッシュサウンド独特の、あの艶やかさやふくよかさを備えたサウンドとなっているのです。懐かしさとともに、音楽を楽しく聴くなら、これで十分ではと考えてしまいます。それ程にリラックスできるサウンドなのです。

一方の『 Classic 3/1 』は「SP3/1R2」の後継にあたるモデルで、『 Classic 3/5 』同様、新開発のEP77ポリマーコーンや、クロスオーバーネットワークを搭載し、キャビネットも新構造になっています。ユニット構成は22mmソフトドームと、180mmに大型化されたウーファーの2ウェイで、こちらはバスレフ型です。周波数特性は40Hz~25kHzと低域が拡大され、、出力音圧レベルは89dB、最大入力は150Wと強化されています。

やはりウーファーの大きさと密閉・バスレフの違いが低域に反映され、スケールは大きくなり、音場も拡大されます。しかし『 Classic 3/5 』同様、中高域の繊細で微妙な表現は、特に弦との相性が抜群で、ボーカルでは顔の表情まで浮かんで来そうな程人間の温度感さえ感じさせてくれます。このスペンドールの"新「Classic」シリーズ"には、英国伝統の渋さに通じる"ブリティッシュサウンド"が今なお生き続けています。

■ クリーク『 EVOLUTION 50A 』『 EVOLUTION 100A 』をご紹介!

いずれもコストパフォーマンスが抜群で、同一デザインのハイエンドDAC内蔵のCDプレーヤーやパワーアンプもラインナップされており、パワーアンプはプリメインアンプを使ってのバイアンプシステムやCDプレーヤー(ボリューム機能付きのアナログ出力を使うことで)とのダイレクト接続も可能です。発展性や将来性も考えられた「EVOLUTIONシリーズ」の一員です。

『 EVOLUTION 50A 』は出力55W×2(8Ω)のプリメインで、薄型の外観から想像するよりズッシリ感(7.5kg)があり、筐体には手抜きは全く感じられません。プリアンプ部のボリュームは電子式で、付属のリモコンでも調整できます。パワー部へはClassAで信号を供給することで低歪みに抑えています。

パワー部には200VAのトロイダルトランスを搭載。最近多くなっている低インピーダンスのスピーカーも十分にドライブできる、高い電流供給能力を備えたバイポーラトランジスタによる2段ダーリントン回路×2で構成されています。バイアスは一般的なAB級です。

一方、上位モデルの『 EVOLUTION 100A 』は出力110W×2で筐体は全く同じ大きさですが、重量は9kgとなっています。2段ダーリントン回路は倍の4回路、バイアスは通常のAB級とは異なるG級という珍しい方式を採用しています。電源トランスも『 50A 』より一回り大きくものが搭載されています。

このG級方式は、電源電圧を2段階に自動切り替えすることで、小信号時に不要な電圧をカットし、その代わりアイドリング電流を増やすことで歪みを抑えられると言います。AB級よりは効率が良く発熱は少なくなっています。元はバッテリー給電機器の省電力化から生まれた方式とのことです。

いずれも入力はRCA5系統のアナログ入力を備えており、INPUT4はRCAとXLR(2番HOT)の兼用となっています。スピーカー出力は『 50A 』は1系統、『 100A 』は2系統でバイワイヤリングにも対応しています。

また『 EVOLUTION 50A 』『 EVOLUTION 100A 』のパワーアンプ部を単体化したパワーアンプ『 EVOLUTION 50P 』と『 EVOLUTION 100P 』があり、いずれもゲインがプリメインと同じ33.3dBに統一されており、バイアンプにも適しています。

このようにクリーク『 EVOLUTION 50A 』『 EVOLUTION 100A 』は、いかにも英国伝統の"何でもかんでも詰め込まない、シンプル・イズ・ベスト"の思想が貫かれています。

いずれのアンプも、すべてをさらけ出すような国産アンプの音とは一線を画す、落ち着きのある音の出方です。ハーモニーが実に美しく、潤いに満ちたナチュラルで魅力的なサウンドです。ボーカルは生身の人間が発する声そのもので、アコースティック楽器の艶やかさや潤いのある表現も特筆ものです。国産アンプが往々にして苦手としている音楽の微細なディテールがいとも簡単に得られるのです。それは音楽を知り尽くしているからでしょう。


■ 最後に
スペンドールのスピーカーと、クリークのアンプとを組合せることで、さらにその相乗効果が発揮され、渋い落ち着いた雰囲気を醸し出します。この典雅な"ブリティッシュサウンド"こそ、デジタルサウンド独特のあの緊張感から解放してくれる"しなやかサウンド"と言えます。きっと、聴き疲れが全くなく、音楽をもっともっと聴いていたくなります。 (あさやん)

2018年3月18日 (日)

先進的なD/Aコンバーターオーディオデザイン『 DCDAC-200 』~「PCオーディオに再チャレンジしてみませんか」第3弾

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
2018年の年初から「PCオーディオに再チャレンジしてみませんか?」と提案してまいりましたが、今回は、複数のDACが楽しめる実にユニークなD/Aコンバーターとして、オーディオデザインの『 DCDAC200 』をご紹介いたします。



■ DACチップの陳腐化が心配なオーディオファンに!!

PCオーディオや、ネットワークオーディオを楽しまれているオーディオ&音楽ファンの最たる心配事は、内蔵DACチップの陳腐化ではないでしょうか。現時点では最先端であっても、数年先にはどうか?と考えるだけで、挙げた手を思わず引っ込めてしまいそうです。

次々と新製品に買い換えができる方は別として、私を含め、ほとんどの方は失礼ながらそうはいかないのが現実です。DACチップが最新鋭のESS Technologyや旭化成エレクトロニクス製などに注目が集まっている昨今ですが、それ以外のDACで最先端でなくてもオーディオ的に優れたパフォーマンスのDACや、今となっては貴重なDACもまだまだ世の中には存在します。

今回ご紹介しますAUDIO DESIGN(オーディオデザイン)社の『 DCDAC-200 』は、そんなオーディオ&音楽ファンにこそ打ってつけの実にユニークなD/Aコンバーターです。

■ 独特なオーディオデザイン社の設計コンセプト!

オーディオデザイン社は、自社で設計・開発・製造を行っている純国産のハイエンドオーディオメーカーです。2004年創業ですから14年目の会社になります。当初ハイエンド機器向けのセレクターからスタートし、プリアンプ、パワーアンプ、ヘッドホンアンプ等のオリジナリティーあふれた製品を開発・製造・販売しています。

会社は責任者(大藤 武氏)とプラス1名だけと、非常に小規模な個人企業のため、商品はどれも個性的で、筐体はお世辞にも高級感があるとは言えません。シャーシにも市販の汎用品を使うなど、どうしても自作のように見えてしまいます。ただその分中味には十分コストをかけていると言えます。

そのオーディオデザイン社の設計コンセプトは独特で、従来型の感性や定説による設計手法も、電気特性を重視した設計手法もとらず、オーディオアンプの設計にとって最も重要な事は、どんな要因が音質に影響を与えているかをまず探ることだとしています。

これは簡単なようで非常に難しいことです。現在のオーディオ装置は、ノイズや歪率といった単純な基本特性の点では必要な条件をすでに満たしているかに見えます。しかしながら、実際に音楽を再生してみると音質は機器により様々で、音質に起因する要因はまだまだすべてが解明されていないのが実情です。オーディオデザイン社は音質に影響を与えている要因を探るため、常に挑戦と探究を続けることにより、より良い音質を目指しています。

結果、業界の流行り廃りに流されること無く、独自に音の良いアンプを追求し続け、非常にリアルな情報量の多い音であり、上手く使いこなした際の再生音から得られる圧倒的な感動を目指しているとしています。「日本のオーディオ業界の一角に、こういう会社・製品もありますよ」という存在価値が示せればと同社は考えているのです。

■ DACボードの交換を前提とした設計の『 DCDAC-200 』

今回ご紹介します『 DCDAC-200 』も前述のコンセプトの基に企画された製品です。本機は将来にわたってDACボードの交換を前提として設計されており、その都度音質の向上や音色の違いを楽しめるという実に先進的な機能を持った、USB及びSPDIF入力を装備したD/Aコンバーターです。本来3種類のDACを搭載できる仕様ですが、標準仕様の『 DCDAC-200std 』では、マルチビット型ラダーDACチップの「PCM1704」と、ΔΣ型の「ES9018S」が組み込まれています。

巷ではどうしてもDACチップが音質を支配しているような印象を持たれがちですが、DACチップは電源やその周辺回路、使われる個数、使い方、実装技術などトータルで動作するものです。実際のところオーディオデザイン社としては、設計する立場からは、その依存度は3~4割程度と考えているようです。

マルチビット型の「PCM1704」は今や貴重なバーブラウン(2000年にTexas Instrumentsが買収)製で、マルチビットの代表的なサウンドで一世を風靡(エソテリックやデノン、海外ハイエンドCDプレーヤーに搭載)した名DACです。一方のΔΣ型の「ES9018S」は米ESS Technology社製で最新鋭のDACチップとして、近年多くの機器に採用され持て囃されています。

「PCM1704」は4基(モノDACチップ4個でバランス回路を組んでいる)搭載しており、ラダー回路に工夫を凝らした定電流源で駆動することで768kHz/24bitの精度を確保しています。古いDACではありますが最新式の実装技術と組み合わせて更に音質を向上させているのです。

「ES9018S」は内部でオーバーサンプリングを行うことで、可聴帯域の低歪化を計ったDACチップです。このDACチップはデジタル的な工夫が存分に施されているものの、アナログ的には性能が出にくい設計のため、オーディオデザイン社は、その音質は基板設計などの実装技術に大きく左右されるとしています。そのため基板はそのポテンシャルを最大限に活かす設計としていると言います。

USB端子からは、PCM:192kHz/24bit加え、「ES9018S」用ボードではDSD:5.6MHzまでの入力が可能です。またサンプリングレートコンバーター機能も搭載されており、PCMは768kHzまでのアップサンプリング(「ES9018S」では384kHzまで)が可能です。

電源部にもオーディオデザイン社のこだわりを見せており、デジタル用に3系統の独立した安定化電源に加え、アナログ用にもDCアダプターなどで定評のあるリニア式高速低インピーダンス安定化電源を2系統搭載しています。ノイズ対策やサウンドに留意した贅沢な高音質設計としています。

『 DCDAC-200 』のDACチップによるサウンドの違いは、私が従来から持っていたイメージ通りのものでした。それはUSBでも、CDからのSPDIF入力でもほぼ同じ傾向でした。

「PCM1704」では、音が重厚で太く、温かくコクがあり、中低域にコッテリ感や密度感を感じさせました。左右や奥行き方向への広がり感は少なめながら、音像は輪郭をはっきりさせる実に押し出し感のあるリアルなものでした。768kHzへアップサンプリングすることで、さらにリアル感が増し、高S/Nでクリーンな抜けの良いサウンドになりました。ジャズの生々しい音源の再生には打ってつけのDACと見ました。

一方の「ES9018S」では、繊細さが加わり、しなやかで滑らかなサウンドとなり、音場の見通しがよく、リアル感よりも質感や空気感を感じさせるサウンドとなりました。またDSD音源ではさらに瑞々しさや、まろやかさが加わり、クラシックやボーカルにはやはりこちらを選んでしまいます。


■ 最後に
このようにオーディオデザイン『 DCDAC-200 』は、2種類のDACによるサウンドの違いが楽しめるユニークなD/Aコンバーターです。将来的なアップデートや新たなDACボードの供給も想定されており、将来にわたっての陳腐化が回避された、先進的なD/Aコンバーターと言えます。

「PCオーディオ再チャレンジ」への画期的なアイテムの登場です! (あさやん)

※当面の間『 DCDAC-200std 』のみの販売となります(DACの個別組み合わせでの販売はいたしません)。内部DACボードは今後順次追加される予定です。ボードの交換はオーディオデザイン社でのみ行います(お客様での交換は出来ません)。


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