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2014年3月21日 (金)

デジタル・ヴォイシング・イコライザーの最新鋭機、Accuphase「DG-58」に大注目!

 こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
発売前にご紹介したことのある、デジタル・ヴォイシング・イコライザーの最新鋭機、Accuphase「DG-58」。先日、実機を触る機会ができましたので、どれほどの実力なのかを探るべく、操作してきました。本日は「DG-58」の魅力を追求するとともに、試聴結果を披露いたします。
グライコから、ヴォイシング・イコライザーへ

今から10年位前まで、各社から「グラフィック・イコライザー(グライコ)」と呼ばれる、周波数調整機器(トーンコントロールの発展型)が発売されていました。自由に周波数調整ができ、自分の好みの音が作れるという触れ込みの製品でした。しかし、オーディオファイル(=AudioPhile)の間では、グライコを通すことによるデメリット(S/Nの悪化や位相のズレ、音の鮮度ダウンなど)の方が、メリットを遙かに超えるため、敬遠されていました。また一時期、測定器とのセットや、レコードやCDのテスト盤とマイクを使用して、リスニングルームの周波数特性をフラットにするという名のもとに、高額な製品の提案もありましたが、一般化するには至りませんでした。

そうして、グライコが市場から次第に消えつつあった1997年に突如、Accuphaseが「デジタル・ヴォイシング・イコライザー」という商品名で「DG-28」を発売したのです。それまでのグライコのように、周波数特性を単にいじるのではなく、リスニングルームの音場を付属マイクで測定し、自動で音場補正するというものでした。それも、アナログ信号のままではなく、すべてデジタル信号領域にした上で信号処理をするという、実に画期的な製品でした。

私とデジタル・ヴォイシング・イコライザー

「DG-28」の発売当時、非常に印象に残っている出来事があります。それは、某メーカー主催の試聴会でのことです。講師にオーディオ評論家の菅野沖彦氏をお招きしたのですが、菅野氏はぜひ、Accuphaseの「DG-28」を試聴会のリファレンス機器に加えたいとおっしゃったのです。その時、私は正直「なんで、グライコなの…」と疑問に思いました。菅野氏は、試聴室の音場特性を「DG-28」で測定し、一旦フラットな状態にした上で、試聴室内を手を叩きながら回られ、「DG-28」の周波数カーブをいじるという行動を数回繰り返されたのです。するとどうでしょう。音場の透明度が上がり、見通しが良くなり、生々しいサウンドになってきたではありませんか。これこそ、菅野氏の録音エンジニアとしての経験に基づいたプロの技で、私にはとても真似はできないとつくづく感じたものでした。後日、菅野氏が自室でも「DG-28」をお使いだったと知りました。

第四世代機「DG-58」とは

「DG-28」以降、第二世代「DG-38」、第三世代「DG-48」と性能的に大きな進化を遂げ、2013年末に「DG-58」が第四世代機として発売になりました。従来から定評のある、Accuphase独自の高度なデジタル信号処理技術を駆使しており、理想的な音場補正能力をさらに高め、より使い易くなり、ビギナーの方でも簡単に操作が可能な「デジタル・ヴォイシング・イコライザー」が完成したのです。また従来機より、ディスプレイも大きくなり、視認しやすくなりました。もちろん、オーディオファイルがより深く音場補正を追求することも可能で、お持ちのオーディオシステムを理想の状態で、パフォーマンスを最大限発揮させることも十分可能です。

ほとんどの方は、オーディオ再生で最も重要なのは「オーディオシステムそのもの」とお考えだと思います。しかし、よく考えてみて下さい。スピーカーから出た音は、お部屋という大きなエンクロージャーに、本来のスピーカーボックスの中とは逆相の音を放出しているのです。その中で我々は聴いているのですから、そのお部屋の音響特性に大きく影響されているということはお解りになると思います。その影響から逃れるために、カーテンやカーペット、あるいは吸音材や反射板などを駆使して、理想的なお部屋を目指したものです。また、中にはグライコを使って、高・中・低域を調整して、理想的な周波数特性を目指す方もいらっしゃいました。一方、「DG-58」をはじめとするAccuphaseの「デジタル・ヴォイシング・イコライザー」は、単に周波数特性を変えるのではなく、リスニングルームの音場を理想的なものに自動で補正するというのが主目的の機械です。

ほかにもまだまだある「DG-58」の機能や詳細なスペックにつきましては、Joshin webの商品ページメーカーページもあわせてご覧ください。

早速「DG-58」を触ってきました!

先日、日本橋1ばん館のリファレンスルーム(試聴室)にて、見て・触れて・聴いてきました。
まずは、従来と同じように、付属の測定用マイク(カメラ用三脚が必要)をリスニングポジションに設置し、簡単操作のシンプルヴォイシング機能で、お部屋の音響特性を「FLAT」にします。これによって、お部屋の周波数特性のデコボコをフラットな状態にします。従来機はここまででしたが、最新の「DG-58」では、お部屋とスピーカーの特性を生かしつつ補正するという「SMOOTH」という機能が新たに追加されたのです。

従来の「FLAT」では、その再生音には大きな変化が認められるのですが、スピーカーの本来の良さも多少犠牲にしてしまう傾向がありました。例えば、多少サウンドの元気さが失われるとか、音の鮮度が落ちるというデメリットでした。そしてユーザーの音の好みによって、イコライザー機能を使い、前述の菅野氏のようにディスプレイを付属のスタイラスペンで触れることで、周波数特性を変化させるということが一般的な使い方でした。しかしこれには、豊富な経験と、周波数特性と再生音との因果関係という勘(カン)が必要でもありました。
しかし、今回新たに搭載された「SMOOTH」機能は、お使いのスピーカーの本来の周波数特性を敢えてフラットにしようとはしないのです。JBLならJBL、タンノイならタンノイと、スピーカーの特性はそのままに、大きく変えることなく、お部屋の特性だけをできるだけフラットにしようとするのです。そのため、ちょっと聴きではあまり変化したようには感じないかも知れませんが、よくよく聴いていくと、音像定位が改善され、音場も深く広くなっているのです。いわゆる、解像度の高い、より高品位なサウンドへと変化しているのです。そして特筆すべきは、従来機ではどうしてもほんの少し不満が残ったザワザワ感が大きく改善されたことです。本当にS/N比が高く、とにかく静かなのです。そのため透明度がさらに高くなり、音場の見通しが良くなっています。

試聴した「DG-58」の実力は?

今回の試聴では、スピーカーにB&W「802Series Diamond」やJBL「S4700」などの大型スピーカー、またADAM「COMPACT MK3」やATC「newSCM-7」などの小型ブックシェルフスピーカーで実際に「SMOOTH」機能を使って試聴しました。

大型スピーカーでは、本来部屋(ここでは試聴室)の影響をモロに受けるため、どうしてもボーカルの定位が甘くなり、口が巨大になってしまうのですが、そういうことはほとんど感じられず、スピーカーの間に実在感を伴って定位しました。またJBLはその元気さや生々しさを活かしつつ、音像がぼやけることなく再現されたのには関心しました。

小型ブックシェルフでは、それぞれの音の個性を活かしつつ、低域が決して無理をしているのではなく、自然な感じで充実していました。それは部屋(ここでは試聴室)の定在波や他のスピーカーによる吸音の影響が補正されることで少なくなり、本来スピーカーが持っている豊かな低域が復活したものと思われます。

このように、使いやすさとともに完成度がさらに高まった、Accuphase「DG-58」をぜひお使いいただき、ご自宅のリスニングルームを理想の音場にしていただきたいと思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

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