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2014年10月23日 (木)

ヘッドホンアンプとして人気のPIONEER「U-05」、USB-DACとしての実力を探る!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

今回は、発表直後から大ブレークし、予約が殺到したPIONEERのUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ「U-05」を取り上げます。人気の理由は、ヘッドホンファンにとっては、最高のスペックであったことにあります。しかも、実売10万円切る価格なのですから当然といえば当然かも知れません。

 ◎PIONEER「U-05」がブレークした、主な理由
  1:バランスヘッドホン端子を2系統(XLR3/XLR4タイプ両方)装備
  2:ハイエンド製品に使われるESS製DACチップ「ES9016」を2基搭載
  3:DSD5.6MHzネイティブ、ハイレゾPCM384kHz/32bit再生に対応

また、ヘッドホンアンプとしての実力もさることながら、我々オーディオファイル(AudioPhile)としては、USB-DACとしての実力も気になるところです。そこで、自宅のリファレンス機器で、操作性や音質を徹底チェックしましたので、あわせてご覧ください。

高級ヘッドホンアンプとして人気が爆発

ヘッドホンアンプとして見た印象は、かなり大型でズシリと重く(6.3kg)、堂々としたアルミの外観で、凝縮感のある小型アンプ(横幅296mm)といったデザインです。造りの良さは、ハイエンドオーディオ機器としても違和感のない仕上がりです。

ヘッドホンアンプとしての音質も、異常なまでのこだわりを見せ、デジ・アナ分離の余裕のある電源部をはじめ、D/A変換からヘッドホン出力に至るまでフルバランス回路を搭載して、外乱ノイズを極限まで抑えています。しかも、ノイトリック製の端子を採用するなど、リケーブル対応型のヘッドホンを最大限生かせる充実の内容で高音質を追求しています。

「U-05」で何が出来るのか

DACチップとして採用されているES9016は「SABRE DAC」とも呼ばれ、1チップで8chに対応しており「U-05」では2基搭載しています。本来なら1チップで十分なのですが、そこを敢えてモノラル動作で使用し、8chパラレル駆動させることでS/Nを向上させる目的です。従来、ハイエンド機にのみ使われてきた手法ですが、この価格帯のDACで実現できたのは、実に画期的なことであります。

本機専用のASIOドライバーをダウンロードすることで、話題のDSDネイティブ再生に対応しているのも魅力です。まだまだDSD音源はPCMに比べ圧倒的に少ないのが現状ですが、PCにインストールして使用するプレイヤーソフトの中には、PCMファイルをリアルタイムでDSD型式に変換して再生可能なもの(KORG AudioGate3など)も増えてきており、好みによって選べるというメリットもあります。

また「U-05」では、PCM再生・DSD再生のそれぞれに、3つのデジタルフィルターが用意されています。入力信号がPCMの場合は「SHARP」「SLOW」に加えて、PIONEER独自のパラメーターによる「SHORT」を選択できます。入力信号がDSDの際は「MODE1」「MODE2」「MODE3」の順に、可聴帯域外の高域の減衰量を変更でき、これらのデジタルフィルターを切り換えることで音の違いを楽しむことが出来ます。

機能・ポジション別では、Hi-Bit32機能によるビット拡張、Up Sampling機能による最大352.8/384kHzまでのアップサンプリング(LOW/HIGHの2段階)が可能です。もちろん、本来の本機のDSPを経由しない『DIRECT』設定にもボタン一つで戻せます。

入力は、USB(B Type)の他にCOAXIAL(2系統)、OPTICAL(2系統)、AES/EBU(1系統)と非常に豊富で、複数のデジタル機器をお持ちならセレクターとしてもプリアンプとしても使える多機能ぶりです。ヘッドホンの場合は、より細かく音量調整が可能な「FINE ADJUST」があるのも便利で、痒い所に手の届く設計と言えるのではないでしょうか。

より高音質にこだわりたい人のために

この「U-05」の最もマニア心をくすぐる所をご紹介いたします。

それは、同じジッターのクロック入力でもロックレンジ幅を狭めることで、付帯音を少なくして音質を向上させる「LOCK RANGE ADJUST」機能と名付けられたもので、より音質にこだわりたい方向けの機能です。

ただ、ロックレンジを狭めることで、音質は良くなりますが、その分マージン(余裕)がなくなるため、ノイズが出たり、場合によっては音が出なくなってしまうというリスクもあります。逆にいえば、ロックレンジを広げると、どのような機器を繋いでも安定した動作をするのです。

一般のデジタル機器は、どんな環境でも安定して動作するといった仕様にせざるを得ず、マージンを広くとることで、ある程度妥協された設計となっています。しかし、「U-05」はその調整をユーザーにゆだねた所が高度なマニアック仕様という理由(わけ)です。

実際に試聴してみました

さて、自宅での試聴結果をご報告いたします。

いつものように、自宅の通常使用しているUSB-DACを外して「U-05」に繋ぎ替え、PIONEERのホームページから専用ドライバーを手順に従ってインストールして準備完了。

まずは、DIRECTポジションでPCMのハイレゾ音源を聴きました。 ※この時点でデジタルフィルターは、PCMのデフォルト「SHARP」が適用されます。

PCM再生時のディスプレイ表示

いかにもPCM、といった力強い低音で輪郭のハッキリしたオーディオ的なサウンドです。これはこれで聴き慣れたサウンドではありますが、ある意味、価格相応といった所でした。

PCMの次はDSD音源です。従来、DSDのもつ繊細で自然なサウンドイメージとは少し違い、先ほどのPCMと大きな差は感じずPCMに似たイメージのサウンドでした。そこで、本機のリモコン機能にある、デジタルフィルター切り換え(DIGI FILTERボタン)をそれまでの「MODE1」から「MODE2」にしてみます。すると、透明感・滑らかさが加わりスッキリした従来のDSDが持つイメージのサウンドになりました。 ※DSD再生でのデジタルフィルターは「MODE 1~3」となります。

入力信号がDSDの場合はこのように表示されます

「MODE3」も試してみると、奥行き感のある優しいサウンドになり、ピアノはさらに滑らかになって、これぞDSDと言える、実にキメの細かいナチュラルサウンドとなったのでした。

PCMハイレゾ音源でも、デジタルフィルター切り換え機能で、音質がどう変わるのか確認してみました。デフォルトの「SHARP」は前述の通りですが、「SLOW」を選択しますと、柔らかで温かいサウンドに変化し、ボーカルが前に出てきて歌い始めました。「SHORT」では、立ち上がりの早いガッツのあるサウンドとなり、特にギターの立ち上がりが出色でした。

個人的には「SLOW」が好みですが、試しに電源ケーブルをAcoustic Revive POWER SENSUALに交換し、デフォルトの「SHARP」状態でプレイしますと、それまで左右のスピーカーの間に並んでいた音像がググッと奥行きを増し、それまでの若干ドンシャリ気味だったサウンドが厚みと安定感のあるものになったのです。

さらに、本機独自の機能である「LOCK RANGE ADJUST」機能を操作してみました。上級者向けの7段階の調整をして、ロックが外れる一つ前の段階が最も透明度が高く、響きが豊かで、奥行きが深くなったのでした。 ※ソフトによっても異なります。

また、ビット拡張であるHi-Bit32機能や、最大352.8/384kHzまでのUp Sampling機能も試しました。確かに、音質は滑らかで立体感もアップしましたが、一部に不自然さを感じる場合もありました。

私個人の結論として

良質な電源ケーブル、良質なUSBケーブルが前提となりますが、個人的には、ハイレゾ音源の再生ならばDIRECTポジションで、「LOCK RANGE ADJUST」を音声がとぎれる直前のポジションで聴くのが最高、との結論に達しました。

ヘッドホンアンプとしても超一級品。超多機能で、一粒で5度美味しい PIONEER「U-05」は、マニアックなオーディオファイルに強くお勧めさせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

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