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2015年7月18日 (土)

SAEC「PC-Triple C」導体採用スピーカーケーブルの魅力に迫る!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、「PC-Triple C」導体を使いつつも、比較的ローコストでお試ししやすく、扱いも簡単なSAECのスピーカーケーブル3種を取り上げます。試聴結果もあわせてご覧ください!


衝撃的だった、古河電工「PCOCC」製造・販売終了の発表

2013年3月に古河電工が、それまでオーディオケーブルの人気素材であった「PCOCC」の製造・販売を終了すると急遽発表。オーディオ業界に衝撃が走ったのを記憶されているオーディオファンも多いと思います。

その「PCOCC」は一方向結晶無酸素銅ともいわれ、信号の流れを妨げる長手方向の結晶粒界を皆無にした単結晶素材で、オーディオケーブルとして絶大な人気を博し、国産のオーディオケーブルメーカーのほとんどが高級ケーブルに採用していました。

しかし、オーディオ用ケーブル導体は市場規模が小さく、非効率な素材でもあり、「PCOCC」のように、大手電線会社が突然生産を中止することは致し方ないことでもあります。


各社が新素材探索に奔走

ケーブル各社は、次世代のケーブル素材の探索に奔走することになります。

ゾノトーンやナノテックは、日立金属が開発した「HiFC」(高機能純銅線)を、オヤイデは三洲電線と協力して「102SSC」を自社開発したのでした。これらはいずれも、市場で高評価を受けております。

一方、SAECやアコースティックリバイブは、古河電工の子会社であるFCMが開発した素材「PC-Triple C」を採用したのでした。


PC-Triple Cとは

Pure Copper-Contininuos Crystal Construction(連結結晶高純度無酸素銅)を略した名称で、古河電工が製造している高純度無酸素銅(OFC)をFCM独自の鍛造方法(金属をハンマー等で叩いて圧力を加え、金属内部の空隙をつぶし、結晶を微細化し、結晶の方向を整えて強度を高める製造技法)で製造することによって、長手方向に連続した結晶構造を実現できたのです。

通常のOFCは「PCOCC」のような単結晶素材ではなく、導通特性では「PCOCC」には及びません。

そのOFCから、マイクロメーター単位の異物を除去した古河電工の高純度銅素材を用い、小さな圧力で数万回も連続鍛造する「定角連続移送鍛造法」と、適切な焼なまし処理(※)を行うことで、縦方向に存在した結晶や粒界がなくなり、長手方向に連結された結晶構造に変化するのだそうです。
※銅を適当な温度に加熱し、温度を一定時間保持した後に徐々に冷やしていく処理で、内部応力の除去、硬さの低下、加工性の向上などの効果があります。

この結果、電流が流れやすくなり、信号を妨げるものがなくなり、信号がスムーズに流れ、導通特性や音響特性が高くなるとのことです。


いち早く「PC-Triple C」を採用したSAEC

音響特性が高くなるということを具体的に申し上げると、「S/N感の向上(ザワツキがなくなる)」「音場感の向上(音場が横方向に広く、奥行き方向に深くなる)」であるとのことです。

従来のオーディオケーブル開発において、各社が独自にこだわってきた、ケーブルの構造や複数線材の組み合わせ、絶縁素材や被覆素材へのこだわりなどを駆使する必要がなくなるほど、極々簡単に良い音が出せるようになったいうことです。結果、「PC-Triple C」をどこよりも早く採用し、製品化したと、SAECは主張しています。


SAEC「PC-Triple C」3機種を試してみました

各社が「PC-Triple C」を採用して製品化したケーブルは、ラインケーブルやデジタルケーブルを始め、電源ケーブルなど多種多様に亘っています。

今回は、比較的ローコストでお試ししやすく、扱いも簡単なSAECのスピーカーケーブル3種(片ch 1.5mで使用)を自宅で比較試聴(体験)できました。

3機種とも2芯ツイスト構造は同じで、見た目は導体面積と外径の違いだけですが、下位2機種が絶縁体にポリプロピレン、シースに軟質PVCを採用しているのに対し、上位機種「SPC-850」は、絶縁体にもシースにも制振材入りのポリエチレンを採用しています。

※導体面積の単位「sq」は、スクエアのことで平方ミリメートルのことを指します。


■ SPC-350  (導体面積 0.75sq、外径 φ5.0mm)

外径が5mmと細く、柔らかく取り回しが楽な、見た目何の変哲もないケーブルです。

自宅のスピーカーから音を出した瞬間、その爽やかでまろやかなサウンドにビックリしました。決して低域や高域がそれまで使用していたケーブルよりも伸びた訳ではないのですが、明らかに細かな情報が増えており、従来聴き取れなかった微細な部分も聞こえてきたのです。それこそ、このケーブルのS/Nの良さや歪み感のなさだと想像できます。

ボーカルのしなやかさや実物大の音像は出色で、筆者は好きな女性ボーカルに、すっかりはまってしまいました。



■ SPC-650  (導体面積 1.4sq、外径 φ7.5mm)

外径は7.5mmとわずかに太くはなりますが、こちらも扱い易いケーブルです。

先ほどの「SPC-350」に比べ、サウンド全体に厚みが増し、アタック感や伸びやかさは明らかに向上しています。

音像は多少大きめですが、音場空間の密度感は明らかに上回っています。また楽器がさらに生々しくなり、透明感や実在感もさらに感じられるようになりました。ジャズやポップスの伸びやかな高域とスピード感のある低域が魅力です。



■ SPC-850  (導体面積 3.4sq、外径 φ10mm)

上記2機種より太くなっていますが、シース自体はそれほど硬質ではないため、取り回しには苦労はありませんでした。

さすがに、絶縁体とシースに混ぜて使用されている制振材のお陰からか、さらにS/Nが向上し、細かい音まで再現されてきました。

また、導体の太さが、低域の充実感につながり、エネルギー感は下位2機種を大きく上回りました。クラシックの情報量の多さは圧巻ですし、ジャズやライブ音源の生々しさもさすがでした。




最後に

現在、国内・海外製品にかかわらずハイエンドのスピーカーケーブルをお使いのオーディオファンにこそ、ぜひ一度「PC-Triple C」をお試しになることをお勧めします。

その際には、最もリーズナブルな「SPC-350」で十分ですし、これで「PC-Triple C」の素晴らしさはご納得いただけると確信します。私自身のオーディオ装置では、この「SPC-350」が最もバランスがとれた結果、リファレンス・ケーブルになってしまったことも加えさせていただきます。

いずれにしてもこの価格で、このサウンドを実現できたことは驚異です。

かつてのスピーカーケーブルの開発では、それまでの音作りの主な手法であった「暴れ」や「気に入らない部分」を取り除いていく「引き算」的な手法が主流でした。

しかし「PC-Triple C」では、素材の良さだけを引き出す「足し算」的手法で開発されたことが、「PC-Triple C」が持つポテンシャルを最大限に引き出せると、今回の試聴で感じました。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

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