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2015年12月27日 (日)

こんなスピーカーが欲しかった! AIR TIGHT『 AL-05 』

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、オーディオファイルのサブシステムとしてピッタリ(いやメインとしても使えるかも…)、10cmフルレンジユニットを使用したコンパクトなスピーカー、AIR TIGHT(エアー・タイト)の『 AL-05 』(愛称:BONSAI[盆栽])を取り上げます。


AIR TIGHTとは

AIR TIGHTは、ラックスから独立した三浦篤氏と、設計の石黒正美氏が1986年に設立したブランドです。社名は「A&M(エイ・アンド・エム)」です。これは、篤の「 A 」と正美の「 M 」の頭文字から命名されています。

プリント基盤を一切使用せず、高品位パーツの手配線にこだわった真空管アンプの製品群は、日本国内よりも先に海外のマニアの間で評判となり、アメリカを中心に海外のハイエンドオーディオ市場で火が点きました。

その後、国内でも徐々に認められ、現在では、世界に通用する数少ない「国産真空管アンプの老舗メーカー」となっています。

AIR TIGHTが何故、デジタル全盛の時代に、真空管を使用した「こだわりのオーディオ機器」を開発するのでしょうか?

時流はすでに約半世紀前より真空管からトランジスターへと移行していたのですが、それは真空管の性能が劣っているからという理由からではなく、大量生産・コスト低減など、単に近代工業生産のシステムに合わなかったからと考えたからです。

その結果、「エイ・アンド・エム社は本当に音楽を楽しみ使い込むことに、より喜びを感じられるような製品創りを目指して始まりました」と同社のホームページにはあります。

また、同社アンプ群の洗練されたデザインや安心感のある回路は、現代のオーディオファイルの感性を満足させる事を目標に定めた姿勢で、不変のものです。

夢のあるオーディオ製品の開発をAIR TIGHTというブランドに託し、今では日本国内のみならず、アメリカをはじめ、ドイツ、フランス、イギリス、スペイン、香港など、30ケ国の有名オーディオショップにAIR TIGHT製品が展示されているとのことです。

そのAIR TIGHTが、数年かけてこだわり抜いたスピーカーを発売しました。以前から、各オーディオショーには試作機が出展され、一部は製品化もされましたが、この度『 AL-05 (BONSAI) 』として、本格的デビューを果たしました。試聴もできましたので、レポートしてみたいと思います。

AL-05誕生までの道のり

この『 AL-05 』に対するAIR TIGHTのコンセプトは「一本のフルレンジユニットで何処まで音楽の感動が再現できるのか?」です。

同社がフルレンジにこだわる理由は、ネットワーク回路による帯域分割の存在しない理想の形態であることにあるのですが、その一方で、一つのユニットに全てを委ねるという過酷な方式でもあります。

過去、多くのメーカーが挑戦してきましたが、一部のニアフィールドモニターや簡易用途のスピーカーに限られ、残念ながら現在に至っても、オーディオシーンにおいて市民権は得られておりません。

しかし、そのシンプルさに魅せられたスピーカーエンジニアの大村孝則氏が試行錯誤の結果、辿り着いたのが『 AL-05 』でした。大村氏は「音の響き、情感、そして音楽のダイナミクス、そしてその先にあるエキサイティングな音楽の感動」を求めたのです。

また大村氏は、微細な信号のリニアリティやダイナミックスの表現は当然であり、それ以上に「豊かで美しい響きが伴わなければ感動は生まれない」との信念のもと、新たに開発したのが、4インチ(10cm)のフルレンジユニット「VOCAL DRIVE 5.1」です。

特徴は、固有のカラーレーションの少ない美しい響きを持つ振動板「M-クロスポリマー」の採用です。紙の固有の響きに限界を感じていた大村氏は、長い年月の地道な研究の結果、繊維系の素材と特殊コーティング技術のコンビネーションに辿り着いたのです。

その軽くてしなやかな振動板を軽量のサスペンションで支えるとともに、磁気回路に高価なアルニコマグネットを採用することで、響きにこだわり、極力無駄を排除したシンプルなスピーカーユニットとしたのです。

その結果、低域から高域まで素直に表現する、4インチフルレンジユニットが完成。その響きを活かすべく、美しく仕上げられたピアノフィニッシュのエンクロージャーを採用しました。さらに、不要な雑音を避けるため、スリットのようなバスレフポートをリアの下部に設けています。

試聴しました。


試聴は、ファイルオーディオとアナログディスクで行いました。

まずは、私のリファレンスソフトである、ビル・エヴァンス「Waltz for Debby (FLAC/96/24)」から始めました。音出しの瞬間、そのライブ感にハッとさせられました。聴衆の気配がスピーカーの外側までリアルに感じるのです。

続いて、ソニー・ロリンズ「Saxophone Colossus (FLAC/96/24)」では、フルレンジだけとは思えない等身大のサックス、しかもハリのある音色は1950年代の録音とは思えないリアルなものでした。

ジョージ・ベンソン「Breezin' (FLAC/96/24)」もギターが籠もらずハリがあり、響きも非常に素直なものでした。

クラシックでは、さすがにフルオーケストラでは若干箱庭的にはなりましたが、かなりの大音量再生でも解像度は維持されており、ストリングスもギスギスせず、生き生きとしなやかに再現されました。小編成では小型フルレンジの良さが存分に発揮され、実に心地よく聴けました。

ファイルオーディオの最後に、私が『 AL-05 』に最も期待するボーカル曲を聴きました。リヴィングストン・テイラーの「Ink」から、1曲目の口笛はやや擦れ気味で、少し不満が残りました。しかしボーカルになった途端、口が実物大に小さくスピーカーの間にピッシと定位し、温度感・湿度感の伴ったナチュラルなもので、フルレンジのメリットを十分感じました。

女性ボーカルのニッキ・パロットでは、渋く枯れた声で耳元で囁かれるようにリアルでした。山下達郎では、情報量自体は広帯域スピーカーには及ばないものの、美味しい所を上手く表現しており、達郎節を伸び伸びと歌い上げました。

次に、アナログディスクで試聴。ケニー・バレル「Out Of This World 」のギターは絶品で、引き込まれる様に聴いてしまいました。聴き慣れたオスカー・ピーターソン「We Get Requests」も、時代を感じさせない自然な音色に聴き入ってしまいました。

最後に、竹内まりやの最新LP「TRAD」では、彼女のキレの良いボーカルが前面にしっかり定位し、安定感のある非常に聴きやすいものでした。デジタルとは違うアナログサウンドの魅力が十分味わえました。

最後に。

AIR TIGHT『 AL-05 』の魅力は、何と言っても「素直な中域とアルニコならではの音離れの良さ」と見ました。聴き疲れもなく、正直「もうこれで十分」と感じさせるほど。

大型スピーカーで聴くのはちょっと「しんどく」感じている方、たまには緊張感なく音楽に浸ってみたいオーディオファンのサブシステムに最高と思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

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