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2017年1月20日 (金)

オーディオテクニカがVM型カートリッジのラインナップを一新! 一挙12機種登場!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、オーディオテクニカが発表したVM型カートリッジの新製品12機種(カートリッジ9機種、シェル付きモデル3機種)の中から、『オーディオ銘機賞2017』の銅賞受賞モデル“VM700シリーズ”を取り上げます。

また、“VM700シリーズ”の中間に位置する「VM750SH」を試聴することができましたのでレポートして参ります。


VM型カートリッジを一新した2つの理由

今回、オーディオテクニカがVM型カートリッジを一新したのには2つの理由があるようです。

その一つは同社のHPにもあるように、「近年、アナログレコードの人気が世界的に高まり、国際レコード産業連盟発表のデータによれば2014年のアナログレコードの売上は世界で3億4680万ドル(前年比50%増)にまで達しました。日本市場におきましてもアナログレコード売上はアメリカ・ドイツ・イギリスに次ぐ4位と、大きな市場へと成長しつつあります。」ということ。もう一つの理由は、従来同社がカートリッジ・コイルに線材として使用していた「PCOCC」の生産が中止されたことにあるようです。

そして今回の音質上の狙いは、従来機にも増して高い解像度を保ちながらも、中低域のボリューム感をアップさせることを目指したとのことです。

VM型カートリッジはとは


VM型カートリッジは、オーディオテクニカが特許をもつカートリッジ構造で、発電方式は大きな意味でMM(ムービング・マグネット)型に属するのですが、MM型がマグネットが1個なのに対して、VM型では左右チャンネルごとに独立した2本のマグネット振動子をV字状に配置(デュアルマグネット)することで振動系の性能を高め、レコードに音溝を刻み込む際のカッターヘッドと相似の理想的な動作を実現できたのです。また、左右の発電系をセンター・シールドプレートでセパレートにして、電気的なクロストークも(40dB以下に)減らすことができました。

この独自の構造にすることで、シュアー(米)とエラック(旧西独)が持つMM型の特許から逃れられました。その結果、世界中でオーディオテクニカはカートリッジを販売でき、世界最大のカートリッジ・メーカーと言われるまで事業が拡大できたのです。

オーディオテクニカの歴史

それでは、ここでオーディオテクニカの歴史について少し触れてみたいと思います。

株式会社オーディオテクニカの創立は1962年(昭和37年)で、MM型カートリッジAT-1,AT-3を発売、同時に国内音響メーカーへのステレオカートリッジのOEM供給も開始しました。

翌年には高級MM型カートリッジAT-5や軽針圧トーンアームAT-1001を発売し、さらにNHKなどに業務用MC型カートリッジやトーンアームの納品も始めました。1967年には独自の特許VM型カートリッジ AT-35Xを発売し、1969年には有名な「AT-VM3」、翌年「AT-VM35」を発売し、VM型カートリッジとしてスイスに続きカナダ、英国及び米国、そして1974年には西独でも特許が成立したのです。

そして、1975年から76年にかけては、国内のカートリッジ市場を席巻したマグネシウム合金シェル付きカートリッジ AT-15Sa/G、AT-15E/G、AT-14Sa/G、AT14E/G、さらにAT-15Ea/G、AT-14Ea/G、AT-13E/G、AT12E/Gを発売したのでした。

当時、私は日本橋1ばん館のカートリッジ担当をしており、MM型では前述のシュアー、エラック、そしてエンパイア等の外国勢を抑えて、オーディオテクニカ製のVM型カートリッジを数多く販売したのをはっきり記憶しています。

その後、このVM型シリーズは、1979年には3桁ナンバーの“AT-100シリーズ”となり、以後CDがメインソフトとなってからも生産が続けられたのです。

VM型シリーズ新製品が続々登場!

このシリーズには「AT-150EG」系とAT-140,120,100などの「AT-140EG」系があり、これらはカートリッジ本体(交換針以外のボディ部分)が、ダイキャスト・アルミ合金か樹脂製かに大別されていました。

今回発売された12機種の内、「AT-150EG」系が“VM700シリーズ”、「AT-140EG」系が“VM500シリーズ”に当たります。形状はオリジナルと同じですが、今回はモノラル専用(発電部分もモノ専用構造)の“VM600シリーズ”として、「VM610MONO」「VM670SP」も追加されています。

この新製品の中から、今回は『オーディオ銘機賞2017』の銅賞受賞モデル“VM700シリーズ”を取り上げます。

“VM700シリーズ”には、スタイラスにラインコンタクト針を採用した最上級機「VM760SLC」、シバタ針を採用した「VM750SH」、そしてマイクロリニア針採用の「VM740ML」があり、ボディ部分は同一で、交換針にも互換性があります。カンチレバーはいずれも軽量化を図ったアルミニウムテーパーパイプを採用。コイルには6N-OFCが使われています。

「VM750SH」を試聴しました

今回は“VM700シリーズ”の中間に位置する「VM750SH」を聴く機会を得ましたのでレポートして参ります。正直、私は普段DENONやオルトフォンのMCを中心にアナログ・レコードを楽しんでおり、久々のMM(VM)型カートリッジの試聴となりました。

アナログ全盛時代には私も、シュアー「V15Type3」「同Type5」をはじめ、テクニクス「EPC-205C II」「同100C」やエラック「STS-455E」「同555E」そして今回の“VM700シリーズ”のオリジナルでもある「AT-15Ea/G」「AT-150Ea/G」など針交換が可能なことからMM型を中心に使用していました。

当時のMC型、特にオルトフォンタイプの低出力MCをS/Nを確保して鳴らすのは、かなりハードルが高く、どうしてもMM型を選択せざるを得なかったのも事実です。

MM型カートリッジでも、その音質は、それぞれメーカーによる違いは大きかったのですが、MC型の中低域の厚みと温かさに比べ、MM型は少々低域の量感は後退するものの、立ち上がりが良く、クリアな音で、当時主に聴いていたジャズやポップス系では十分再現できていたのですが、正直、密度感やボーカルの滑らかさなどはMC型に一日の長がありました。

そのイメージで「VM750SH」をSME3009トーンアーム付きのトーレンスのプレーヤーに装着し試聴を開始しました。

明らかに過去のMM型とは違う厚みが、低域はもちろん高域にも感じました。情報量も豊かで、細かなニュアンスまで再現できたことには少々驚かされました。

もちろんMM型の特徴でもある立ち上がりが良く、高解像度でキレの良いサウンドは十分維持した上でのことです。さらに本機には従来MM型にしばしば感じた硬質感もなく、大音量でも分解能が低下することはありませんでした。力強くダイナミックなサウンドで、明るく楽しく聴け、アナログの良さである“突き抜ける感じ”を十分味わうことができました。

特筆したいのは左右のセパレーションの良さで、立体感、実在感は従来のアナログの域を超えており、これはVM型のメリットだと思います。この安定したサウンドは、本機が従来機の推奨針圧1.4gに対して、2.0gと設定していることも貢献しているのではないでしょうか。

ひたすら軽針圧を有り難がったアナログ全盛期の反省に立ったものかも知れません。やはりレコードの音溝にグイッと針を食い込ませることで、情報を拾い切れるのではないかと思います。

そして何より、MC型と違って針交換のできるメリットを忘れてはなりません。今回の新製品では、7種類の針と3種類のボディを用意することで、グレードアップやお好みのコンビネーションのカスタマイズが可能となったのです。

最後に

ヘッドホンユーザーが音楽のジャンルやシチュエーションによって製品を使い分けるように、カートリッジユーザーの方にもお好みに合わせて音質の違いを楽しんでいただきたいというカートリッジメーカー、オーディオテクニカならではの想いがあるのでしょう。

ぜひ、もう一度アナログにチャレンジしようとお考えのリターナーの方、久々にMC型とは違うMM型の良さを味わいたいベテランのオーディオファンの方に、ご予算やお好みに応じて9機種のカートリッジの中からご自身のニーズにマッチしたVM型カートリッジをお選び下さい。使い易さやそのパフォーマンス、そしてC/Pの面でも自信を持ってお勧めします。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

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