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2017年2月28日 (火)

パイオニアから20年ぶりのバーチカルツイン&10年ぶりのピュアモルトスピーカーが復活!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、パイオニアが発表したオリジナリティ溢れるスピーカー「S-PM30」「S-PM50」をご紹介!
外観は懐かしさを感じる樽材を使用しつつ、サウンドは最新のハイレゾを含む高音質ソフトを忠実に再現する“新時代のピュアモルトスピーカー”としての復活といえるでしょう。


パイオニアのお家芸であった“バーチカルツイン”と“ピュアモルト”

パイオニアが久々にオリジナリティ溢れるスピーカーを発売しました。そのコンセプトは、かつてパイオニアのお家芸であった“バーチカルツイン”と“ピュアモルト”です。

サントリーウイスキーの樽材を使用した“ピュアモルト スピーカー”は10年ぶり、トゥイーターを上下のウーファーで挟む“バーチカルツイン”の採用に至っては、なんと20年ぶりの新製品となります。

“バーチカルツイン”の採用は1987年発売の「S-55Twin」まで遡ります。当時のカタログには、「パイオニアのスタジオモニターが持つ特徴を生かして開発。トゥイーターを中心に上下にウーファーを配したインライン同軸配置ダブルウーファーを採用。」とあり、音像定位と音場感の優れたスピーカーとして、90年代後半まで、当時人気となりつつあったトールボーイ型スピーカーを中心に、超ハイエンド機に至るまで多くのラインナップを揃えていました。

この“バーチカルツイン”は、タンノイやアルテックのスピーカーで見られる大型ウーハーの中央にトゥイーターを配した同軸2ウェイユニットを、仮想的に再現できるとされ、「仮想同軸型」とも言われます。縦に複数のユニットを並べることで、大きな同軸ユニットを採用したスピーカーの特徴である「点音源と豊かな音場の表現」が可能と言います。

一方、“ピュアモルトスピーカー”は、1998年発売の「S-PM1000」が初代機となります。その後、2005年「S-A4SPT-PM」、2006年「S-A4SPT-VP」「S-PM300」があり、「S-A4SPT-PM」「S-A4SPT-VP」は10年以上もロングセラーが続きました。

従来機から型番に付いている「PM」はもちろん「ピュアモルト」の略で、サントリーがウイスキーの熟成に何十年にも亘って使用したホワイトオークの樽材をエンクロージャーの素材としているスピーカーの証です。

パイオニアが樽材にこだわる理由

パイオニアが樽材にこだわるのは、
①素材の響きがスピーカーに適している(早く立ち上がり早く減衰する)。
②澄んだ自然な響きで、余分な音を加えない。
③箱が鳴かず、振動板の動きをしっかり支える。
などの理由からです。コスト的には新しい木材を使う方が安いとのことです。

樽材として使用されるホワイトオークの木質は本来非常に硬く緻密で、通常スピーカーのエンクロージャーに使われるパーチクルボード(MDF:集成材)に比べ、その剛性は4倍、さらに2倍の内部損失を持っています。ただ非常に硬い素材のため、高い加工精度が必要な上、天然素材であるが故、伸び縮みを考慮した設計が必要で、パイオニアの20年のノウハウがここで生きてくるという訳です。

さらに、アルコールに長期間接するウイスキーの熟成前と(アルコールと樹液が交換される)後では特性が大きく変化し、当初叩いた際にどうしても残る余分な響きが、熟成後はなくなるとのことです。しかも使用される樽材は、熟成に50~70年使われた後、本来廃材とされるものであり、資源保護の面でもこれは一石二鳥と言えます。

「S-PM30」「S-PM50」の特徴

今回の“ピュアモルトスピーカー”で《肝》となるのが、中央に位置するトゥイーターです。特にハイレゾ音源を意識して高域は40kHzまで伸ばしています。5cm径のユニットですが、振動板にはグループ企業であるオンキヨーの注目の最新鋭機“Scepter(セプター)”「SC-3」のウーファー振動板にも採用されているバイオマス素材の“セルロースナノファイバー(CNF)”を混抄した振動板が使われています。CNFは鋼鉄の1/5の軽さと5倍の強度を持つとされており、トゥイーターには理想的な素材でもあります。

さらにCNFの採用によりトゥイーターの低域再生能力も高まり、一般的な2ウェイでのクロスオーバー周波数が2~3kHzなのに対し、なんと750Hzを実現できたのです。この結果、パイオニアとしてはこのユニットをトゥイーターではなく“ワイドレンジドライバー”と呼んでいます。

音楽の主要な周波数帯域をこのトゥイーターが受け持つことになり、仮想同軸型としてはより進化したものになったのです。CNFをトゥイーター振動板とすることで、大音量やパルシブな音が入力されても破綻することがなく、中高域が低域の悪影響を受けることもなくなり、情報量の豊かなヌケの良い高域が実現できたのです。

また、エンクロージャー内の“ワイドレンジドライバー”背面にも、樽材を使用したオリジナル形状(特許出願中)のバックチャンバーを装着し、エンクロージャー内の定在波の低減を図っています。ただ特殊な形状としているため加工が難しく、ほぼハンドメイドで製作されているとのことです。

一方、上下2本のウーファーは「S-PM30」は10cm、「S-PM50」は13cm径で、いずれも新開発されたユニットで、振動板にはアラミド繊維が採用され、入力に対して正確な低域再生が可能となっています。フレームを強度の高いアルミダイカストとすることで、不要な共振を抑えたと言います。

内部のネットワーク回路も新開発され、高域用と低域用の回路を基板ごと独立させ、互いの影響を受けない設計としています。使用パーツには高音質部品を採用しており、特に仮想同軸には欠かせない、指向性と位相特性に優れたシンプルな構成にこだわっています。

さらに背面ダクトも積層したピュアモルト材から削り出されており、不要な振動を抑え、より正確な低音再生を目指したとのことです。スピーカーターミナルはリアバッフルから直出しされた金メッキタイプで、「S-PM30」はシングルワイヤリング対応、「S-PM50」はバイワイヤリング対応となっています。

試聴しました。

試聴は、日本橋1ばん館で行いました。なお今回は「S-PM30」のみの試聴となりました。試聴には、プリメインアンプは人気のDENON「PMA-1600NE」、SACD/CDプレーヤーにも同じく「DCD-1600NE」を使用しました。

まずは、いつものリファレンス・ディスクであるLivingston Taylor「ink」から始めました。冒頭の口笛は非常に透明でヌケがよく自然なものでした。続くボーカルの定位がピタッと中央に決まり、声質も低域がしっかりして、ハリのあるものでした。

女性ボーカルの、Asa festoon「Sharing」は、前奏のピアノの立ち上がりが素晴らしくクリアで、奥行き感も十分再現されました。ボーカルは実に滑らかで、立体感の伴った実物大の人間を感じさせました。

Jennifer Warnes「The Hunter」の低音楽器のスケール感はさすがに限界は感じますが、サウンド全体のバランスは抜群で、音楽に包み込まれる気持ち良さがありました。超高域も伸びきっており、引っ掛かりは全く感じさせませんでした。

ジャズでは、鈴木勲の「黒いオルフェ」の生ベースの弦が非常に艶っぽくヌケの良いリアルなサウンドでした。低域がぶ厚くとても10cm径のウーファーとは思えませんでした。また歪み感が全くなく疲れを感じさせないことから、ライブでの生音のようにも感じました。

クラシックのE.エルガー「愛の挨拶」での弦は温かで木質感がたっぷりでした。高域は非常に伸びやかで艶やかさがあり、生楽器を眼前で聴いているような気持ち良さでした。

最後に
正直、メーカーのプレスリリースを読んだ限りでは、これ程出来の良いスピーカーとは思っていませんでした。やはりパイオニアが“ピュアモルトスピーカー”を止めなかった理由が分かったような気がしました。

同社曰く、「昔から紡いでいる技術をしっかり見直し、進化させ、パイオニアブランドの新たな製品としてキッチリ発表していくのも重要」としています。

「S-PM30」「S-PM50」は外観的には懐かしさを感じさせますが、そのサウンドは最新のハイレゾを含む高音質ソフトの忠実な再現や、アナログレコード再生での新しいサウンドの発見もあると思います。

今回試聴はしていませんが、上級機の「S-PM50」では、中低域にかけてさらにパワフルになり、押し出しの強いお腹に響く低音が実現するとのことです。やはり大きなお部屋では「S-PM50」の方がたっぷり感を味わえそうです。

樽材ならではの響きの芳醇さ、中低域に備わった独特の“濃さ”が魅力の「S-PM30」「S-PM50」。“新時代のピュアモルトスピーカー”の復活に拍手を送りたいと思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

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