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2018年5月19日 (土)

懐かしい! あのモニタースピーカー『 LS3/5a 』をファルコン・アコースティックスが復元!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ファルコン・アコースティックス社が復元したモニタースピーカー『 LS3/5a 』を取り上げます! 単なる復刻版ではない、オリジナルの再生産とも言える本物の銘機の登場です。日本橋1ばん館での試聴内容もレポートいたします。





■ 放送用スピーチモニター『 LS3/5a 』

英国BBCモニターとして有名な『 LS3/5a 』は、放送用スピーチモニターとしてスペンサー・ヒューズ(スペンドール創業者)がBBC在籍中に基本設計したもので、1975年頃からロジャースをはじめスペンドール、チャートウェル、ハーベス、KEFなどがBBCとライセンス契約を交わして、同じ型番で各社から発売された珍しいスピーカーです。

BBCのモニタースピーカーの型番には必ず「LS」が付いています。これは「Loudspeaker」を意味し、BBCのモニタースピーカーの規格名です。「LS」の次の数字は用途、「/」(スラッシュ)の次の数字は開発順を表しています。ちなみに、LS3はスタジオ用小型モニターのことで、『 LS3/5a 』は小型で5番目に開発されたモニタースピーカーの規格ということになります。

『 LS3/5a 』は超小型の移動用モニタースピーカーで、ユニットには有名なKEFの「B110」と「T27」が使われていました。箱の規格とユニットは決められてはいるものの、内部のネットワークは各社で少しずつ違いがあり、実際音も少しずつ違っていました。

今回ご紹介します『 LS3/5a 』は、ファルコン・アコースティックス社のモデルで、オリジナルの『 LS3/5a 』を"忠実"に復元したものです。

■ ファルコン・アコースティックス社が復元! 本物の銘機『 LS3/5a 』

ファルコン・アコースティックス(Falcon Acoustics)社は、1972年、マルコム・ジョーンズ氏が「ファルコン・エレクトロニクス」として創業したと言いますから、結構歴史のあるメーカーです。元々はDIY用としてのコイルや、ドライバーユニットなどのオーディオパーツの製造・販売を行うとともに、メーカーへのOEM供給も行っていたと言います。


そのマルコム氏は、KEF社(1961年創立)の最初期のエンジニアで、KEFのドライバーユニットの殆どの設計や開発に関わっていたようです。 もちろん今回取り上げた『 LS3/5a 』のオリジナルモデルにも採用された138mm(ロジャースは10cmと表記)、ウーファー「B110」(業界初のベックストレン・コーンを使用)、ツイーター「T27」(メリネックス・ダイヤフラムを用いた19mmの半球ドーム型)もそうです。いずれも1967年に発表されています。

ファルコン・アコースティックスの『 LS3/5a 』は、本来の開発者であるマルコム氏の設計で、オリジナルと同じ「B110」「T27」を用い、いずれもオリジナル通りの15Ω仕様としています。またクロスオーバーネットワークもBBC仕様によるクロスオーバー3kHzの「FL6/23」で、これにもオリジナル仕様の特性を持つトランスを搭載しているとのことです。さらにエンクロージャーもBBC仕様のバーチ合板やビーチ材を使い、天然木による突板仕上げとしています。容量はオリジナル通りもちろん5.5リットルです。

このように、ファルコン・アコースティックスの『 LS3/5a 』は、単なる復刻版や複製品ではなく、オリジナルの再生産とも言える、まさに『 LS3/5a 』の"復元"なのです。過去に何度か復刻された『 LS3/5a 』とは全く違う、1970年に時空を超えてタイムスリップしたとも言える本物の銘機『 LS3/5a 』なのです。

■ 試聴しました
試聴は日本橋1ばん館で行いました。試聴にはSACD/CDプレーヤーDENON「DCD-SX1」、プリメインアンプAccuphase「E-650」を使用しました。


写真右がファルコン・アコースティックス『 LS3/5a 』、左がHARBETH「HL-COMPACT7ES-3」です。価格はほぼ同じではありますが、大きさにはかなり違いがあります。しかし、しかし『 LS3/5a 』を一度聴いてしまうと、その大きさからは想像できない、素晴らしい可能性を秘めていました。

試聴を始めてまず『 LS3/5a 』の説得力のあるサウンドに魅せられてしまいました。まさに数十年前聴き込んだ(筆者は一時期ロジャース製を所有)あの『 LS3/5a 』そのものでした。ただ当時と現時点との違いは、日本を代表する最新のオーディオ機器で『 LS3/5a 』をドライブしている点です。しかしそれだけではありません。このファルコン・アコースティックスの『 LS3/5a 』が、最新機器を使うことで新たなパフォーマンスを発揮できたのだと思います。

筆者のリファレンスCD「ink/Livingston Taylor」では、冒頭の口笛のヌケの良さには感服しました。大型システムでは絶対不可能な実物大の口がそこにありました。その後の男声ボーカルは落ち着きのある渋い声で、リラックスした安定感を感じました。

同じく「The Hunter/Jennifer Warnes」の女声ボーカルは艶やか、かつ自然なもので、等身大で生身の人間を感じました。バックの演奏の低音も十分で、アコースティック楽器は実にリアルな鳴り方をしました。

TBM(three Blind mice)のジャズは、時代を感じさせない新鮮さで、低域はスピーカーの大きさからは予想を裏切る程に沈み込み、中高域の歯切れも鮮やかで、想像以上のスケール感が出たのには驚きです。通常きつく感じる部分も、うるさくなる寸前で上手くまとめて聴かせてくれました。粒立ちの良いピアノ、ドラムのキレの良さもサイズを感じさせませんでした。

小編成のクラシックではサウンドステージの奥行きが深く感じられ、弦楽器には木質感や樹脂の艶っぽさ、ピアノはバランスが良くコロコロと小気味良く、まろやかで硬さはどこにも感じませんでした。人工的な強調感や詰まった息苦しさは皆無でした。いつまでも聴いていられるリラックスできるサウンドでした。

オーケストラもかなり音量を上げても崩れることはなく、腰のある粘り気を感じさせ、十分説得力のあるサウンドでした。合奏時の楽器の分離も明確で、ちゃんとそれぞれ分離されて出てきたのは驚きです。

試聴に際して、筆者は久々に時間の許す限り、次から次へと手持ちCDソフトを聴いてしまいました。最新のA級アンプでドライブする『 LS3/5a 』は、数十年前には実現不可能なパフォーマンスを発揮したのでした。


■ 最後に
懐かしさはもちろんですが、この『 LS3/5a 』の実力に、筆者の再び本機を"所有したい感"が沸々と沸き上がってくるのを感じました。

このファルコン・アコースティックスの『 LS3/5a 』こそ、単なる"復活"ではなく、まさに銘機の"復元"でした。(あさやん)


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