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2018年8月 3日 (金)

MQA-CD特集 第3弾!! ~ユニバーサルミュージックの"MQA-CD"! そのサウンドに感動!!~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ユニバーサルミュージックより、『 ハイレゾCD名盤シリーズ 』が発売されましたので、"MQA-CD"の特長と試聴結果をレポートいたします。

今回発売された、ユニバーサルミュージック(以下、ユニバーサル)の"MQA-CD"は通常のCD盤ではなく「UHQCD」仕様です。さらに「グリーン・レーベルコート」が施され、現時点では最高峰の高音質CD仕様となっています。
(※なお、音元出版・オーディオアクセサリー誌169号付録の"MQA-CD"は「UHQCD」ではなく通常CD仕様です。)

"MQA-CD"の説明に入る前に「UHQCD」仕様と「グリーン・レーベルコート」について少し触れておきます。


■ "UHQCD"の原理やメリットとは?



「UHQCD」はメモリーテックが開発した、既存のCD製法を根本から見直したCD規格に準拠した高音質のディスクメディアです。通常CDとは違い、スタンパーとポリカーボネートの間(上図参照)に、ピットの奥まで届く液体状のフォトポリマー(紫外線硬化樹脂)を注入することで、転写性能が飛躍的に向上(ピットのエッジが丸まらない)したのです。

一方、「グリーン・レーベルコート」とは、レーベル面にCDプレーヤー内で乱反射する不要なピックアップからの光を吸収する、緑色のレーベルコート(緑色は赤色のレーザー光とは補色の関係)で、過去にはCDエッジに塗る緑色のペイントや、緑色のターンテーブルシートが販売されていたことをご記憶の方もいらっしゃると思います。それらと同じ考え方です。

そして本題の"MQA-CD"ですが、過去このコーナーでもその原理やメリットについて縷々述べてきましたが、今回はユニバーサルの『 ハイレゾCD名盤シリーズ 』を中心にそのこだわりを探ってまいります。


■ ハイレゾデータを折り畳んでCDに収納する"MQA"

MQAはハイレゾのクオリティを維持しながらファイルサイズを小さく折りたたむ手法で、ハイレゾ配信サイトを中心に現時点で入手できる音源は、すでに約3,000タイトルに達しており、世界中で50社以上が音源とハードウェアを提供していると言います。

一方"MQA-CD"は、昨年(2017年)登場したものの、マイナーレーベルやバイノーラル仕様のCDなど約30タイトルしかなかったのですが、今回ユニバーサルから発売された100タイトルでかなり選択肢は増えたと言えます。

とは言うものの、今回の"MQA-CD"は過去のアナログマスターの音源を、一旦DSDに変換した後、352.8kHz/24bitのPCMにしているため、ほとんどが1970年代以前のアナログ音源です。実際の作業は、DSDマスターを英国のMQA社に送り、そこでMQAへのエンコード処理と44.1kHz/16bitへの変換処理を行った上で、CD規格の音源をユニバーサルが受け取るのだそうです。

過去の貴重なアナログマスターのテープの劣化がどんどん進んでいることから、早急なデジタル化が必要ですが、ユニバーサルは以前からSACD用にDSD化をしてきており、今回の"MQA-CD"には、新たにDSD化したものも含め、すべてDSDマスターを使用しています。

また、デジタル(PCM)黎明期からCD初期にかけて録音された、48kHzや44.1kHzのPCM録音のマスターでは、こういった作業(DSD化)があまり意味をなさないことから、やはり今回の"MQA-CD"は、1950年代~70年代のアナログ全盛期の高音質アナログマスターのMQA化が中心となっており、これは我々にとって非常に魅力的です。

筆者としては、かつてのアナログ時代に高音質音源として持て囃され、今や伝説となっている「シェフィールド」や「TBM(スリー・ブラインド・マイス)」、「オーディオラボ」などが"MQA-CD"で復活して欲しいと思っています。


■ "ハイレゾCD名盤シリーズ"はここが違う!

今回の『 ハイレゾCD名盤シリーズ 』は、その企画段階では、DSDマスターを176.4kHz/24bitに変換して収録する予定だったそうですが、製作段階において、より音質面でのアドバンテージが認められた、352.8kHz/24bitでの収録に変更されたのだそうです。確かにディスクの外装の帯には176.4kHz/24bitと表記されており、急遽決定したものと思われます。

前述のように今回の『 ハイレゾCD名盤シリーズ 』は、"MQA-CD"と「UHQCD」という2つの仕様を併せ持っており、従来のCDプレーヤーでも通常CDとして再生が可能です。そしてMQAデコードに対応したD/Aコンバーターにデジタル出力を繋ぐと、352.8kHz/24bitのハイレゾ再生が出来るという画期的なCDソフトとなったのです。

さらに通常のCDプレーヤーでの再生時にも、「UHQCD」としての長所はもちろん、MQAエンコードの際の時間軸解像度(音像のにじみ)の改善効果がそれに加わるため、既存のCDよりも高音質での再生が可能だとされています。

このあたりはSACDや過去にあったDVDオーディオとも違う"MQA-CD"の大きなメリットと言えます。そして何より価格が各3,000円、2枚組4,000円(いずれも税別)という所も見逃せないメリットです。

さらにユニバーサルが日本国内で一気に100タイトルもの"MQA-CD"を発売した訳は、ハイレゾとCDが両立する"MQA-CD"という形が、日本市場に適しているという判断からだと考えられます。

筆者を含めベテランのオーディオファンほど、ハイレゾには興味はあるものの、ファイル再生やストリーミング再生はハードルが高いし面倒と考える方が多いのではないかと思います。また、同じ音源を配信で入手できる場合でも、出来ればディスクの形で持っていたいという方も多いと思います。

そして、お好きなソフトをSACDでお持ちの方は別として、昨今対応プレーヤーが少なくなりつつあり、しかも高級機のみとなってきている現状では、どうしてもSACDの導入に二の足を踏んでしまいがちです。さらにポップスやロック、邦楽などがSACD化されるケースも少なく、恐らく今後も期待できないのではないかと思います。

その点、"MQA-CD"は馴染みのあるCDでハイレゾ音質が実現でき、手元にMQAの対応機器がなくても、とりあえず高音質CDとして楽しめるというメリットは非常に大きいと思います。またD/AコンバーターなどがアップデートでMQA対応化されれば、ハイレゾ再生が可能になることも十分に考えられます。

さらには、配信されているハイレゾ音源とほぼ同等の価格で、"MQA-CD"ディスクとそれをリッピングしたファイルの両方の形でハイレゾ音源が入手できるというのも、今後大きなメリットになるとも考えられます。欧米ではすでに音楽配信が頭打ちとなっており、無料のストリーミングでの聴取がメインとなりつつあるようです。

このように "MQA-CD"は、現時点では想像出来ない程の大きなメリットや可能性を秘めており、日本のハイエンドオーディオに大きな地殻変動が起こるかも知れません!


■ 最後に
今回"MQA-CD"の試聴は、筆者宅でリファレンスD/Aコンバーター MYTEK『 Brooklyn DAC+ 』と、輸入元:エミライよりお借りした『 Liberty DAC 』で行いました。

【 筆者宅で試聴 】



MYTEK『 Brooklyn DAC+ 』と『 Liberty DAC 』で聴いた「MQA-CD」のサウンドはほぼ共通したもので、深く厚みのある低域、エネルギーに満ち溢れた中域、高域の圧倒的な情報量、厚みのある豊潤なサウンド、生音のような立ち上がりや響きを再現し、非常に説得力のあるハイエンド・サウンドでした。

『 Liberty DAC 』は、表示こそLEDを多用し色分けすることで、かなり簡略化されてはいますが、バランス(TRS:要アダプター)出力やヘッドホン出力、AES/EBUやボリュームコントロール、さらにAC電源が直接使えるなど一切手抜きはありません。

『 Liberty DAC 』こそ、そろそろ限界を感じておられる国産USB-DACユーザーには打ってつけの製品であり、"MQA-CD"再生だけではなく、高性能な“新世代のUSB-DAC”としてお勧めします。

Libertydac 
■ 予告
『 Liberty DAC 』についての詳細とユニバーサルミュージック「MQA-CD」の試聴記は後日レポートいたします。

※音楽ソフトは、2,500円以上のご購入で《 送料無料 》。また、他の商品とは別精算となります。


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