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2018年8月 7日 (火)

マランツ『PM-12』『SA-12』はどこまで上位機に迫ったか

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、マランツから新たに登場した、プリメインアンプ『PM-12』とSACD/CDプレーヤー『SA-12』をご紹介! どちらも、これまでの上位機に迫る製品となっています。日本橋1ばん館での試聴内容と合わせてレポートいたします。

マランツ プリメインアンプ『PM-12』と、SACD/CDプレーヤー『SA-12』


■ マランツ製品の歩み

マランツのプリメインアンプには、「PM5005」「PM6006」「PM7005」そして「PM8006」に至るエントリーからミドルクラスまでの数字4桁のシリーズと、「PM-14S1(生産完了)」から「PM10」に繋がる数字2桁のプレミアムシリーズの2つのシリーズがあります。

またSACD/CDプレーヤーはさらに少なく、エントリークラスはCDプレーヤーの「CD5005」と「CD6006」、ハイエンドクラスも「SA-14S1(生産完了)」と「SA-10」に、さらに絞られていました。それは「ND8006」というネットワーク機能付きのCDプレーヤーという新しいコンセプトのプレーヤーが出現した結果でもあります。

そこに新たに登場したのが、今回ご紹介させていただきます、プリメインアンプ『PM-12』とSACD/CDプレーヤー『SA-12』です。


■ マランツ プリメインアンプ『PM-12』

D&M(マランツ)が輸入元となっているB&Wの製品を筆頭に、最近の人気スピーカーは、圧倒的なワイドレンジ、高分解能、高S/N、そして広大なサウンドステージと豊かなエネルギー感を実現したものになっています。

それら最新鋭スピーカーをドライブするために、アンプに求められる条件として、マランツが目標としたのが、【1】広帯域にわたり、音量の上下に対してフラットで音の質感が変わらないこと。【2】強力なドライバビリティがあり、最新のスピーカー特有の強力なキックバックに耐えられることでした。

また同社は、アナログアンプにはどうしてもサイズの壁が存在し、プリメインアンプという制限があることが、性能向上の大きなネックとなってしまっており、これを解決する手段として上級機「PM-10」で採用した、スイッチングアンプを『PM-12』でも導入したとしています。

この結果、電源が小型化され、しかもプリアンプとパワーアンプの電源が完全にセパレート化され、アナログプリアンプに使われるスペースが大幅に拡大されたことで、従来のプリメインアンプでは、到底不可能なグレードのプリアンプを搭載できたのです。


左:「PM-14S1」 右:「PM-12」


サイズの成約から解放された大型のプリアンプには、理想的な回路でもある新開発のDCサーボ搭載の電流帰還型を採用し、レイアウトも余裕があり、使用パーツ(JRC製高性能ボリューム素子やHDMA-SA3など)も高品質なものが使われています。

さらには、プリアンプ用としては異例な大型トロイダルトランスや6800μF/35V×2の平滑コンデンサなど、繊細なプリアンプステージを支えるべく高品位な専用パワーサプライを構成しています。この『PM-12』のプリアンプは、従来のプリメインアンプのプリ部とは大きく異なり、音質向上に優位に働くのは確実です。

一方、パワーアンプにはフラッグシップである「PM-10」と同型のスイッチングパワーモジュールHypex社製NC500を採用し、大出力200W/4Ω、100W/8Ωを実現しています。またスピーカーリレーを無くすことで出力経路が短縮化でき、スピーカーのドライブ力に影響するダンピングファクターを「PM-10」の2倍以上にすることができたと言います。そしてパワーアンプの電源部にも「PM-10」と同じHypex社製の「SMPS600」を採用し、入念な放熱対策と強固に固定することで振動対策も万全です。

『PM-12』に採用されているHypexのスイッチングパワーアンプは、いわゆるD級アンプですが、一般的なD級アンプに比べ、インピーダンス変動による周波数特性の変動が少なく、スピーカーによってアンプのキャラクターが左右されないのです。この結果、大出力と正確な再現性を併せ持つパワーアンプとなったのです。

その他、フォノイコライザーも新しく開発され、無帰還アンプ(ゲイン40dB)+MC用ヘッドアンプ(ゲイン20dB)の構成とし、2重シールドケースに封入するなど万全です。スピーカー端子やCD入力/ファノ入力端子を純銅削り出しとし、フロントパネルのディスプレイもフルドット有機ELを採用するなど視認性や操作性も向上しています。


■ マランツ SACD/CDプレーヤー『SA-12』

そのコンセプトはズバリ、全ステージをマランツのオリジナル技術で構成することです。一般的にデジタルプレーヤーやD/Aコンバーターなどでは、メカニズムやDACチップ、デジタルフィルターなどに何が使われているかに注目が集まりがちです。

『SA-12』のドライブメカには、上級機「SA-10」と同じマランツ7世代目にあたる最新の自社開発メカエンジン「SACDM-3」が採用されています。 高剛性スチールシャーシ、アルミダイキャストトレー、アルミ押し出しトレーカバー、そして2mm厚の高剛性スチールベース(「SA-10」は10mm厚でここは上級機には及ばず。)など、これこそ、さすがに今となっては数少ない自社メカを作れるメーカーの強みです。

このメカはCDやSACD以外に、DVD-ROMの再生が可能で、FLAC(32-192kHz/24bit)やDSD(2.8-5.6MHz)などのハイレゾフォーマットにも対応しています。(筆者的には、ここにMQA-CDがあれば完璧なのですが・・・。)

『SA-12』の最大の"売り"は、オリジナルのディスクリートで組んだD/Aコンバーターです。いわゆる、バーブラウンやESSなどのDACチップを使うのではなく、マランツのポリシーを具現化できるオリジナルのアルゴリズムを採用でき、高品位なパーツが自由に使え、DAC内部でデジタル段とアナログ段をアイソレートできるなど、他社との圧倒的な差別化が図れます。

さらに「SA-10」同様、全てのPCMデータを一旦1bitのDSDデータにΔΣ変換(11.2MHzまたは12.3MHz)し、DSDデータと全く同じD/A変換プロセスでCD等が再生できるため、後段はアナログフィルターのみというシンプルな構成を取れるのです。(DSDデーターの時はそのままで信号処理はしません。)

リアパネルには、一般的な同軸と光入出力の他に、B-Type(DSD:11.2MHz、PCM/DXD:384kHz/32bit)1系統、A-Type(DSD:5.6MHz、PCM:192kHz/24bit)1系統のUSB入力を装備しており、USB-DACやUSBメモリからの音楽ファイル再生としても十分な性能を持っています。

デジタル機器の要でもあるクロックには、最新世代の超低位相雑音クリスタルを採用し、後出しジャンケンのメリットでもあり、位相雑音が「SA-10」採用品より15dBも改善されているとのことです。(クロックの強化は確実に音に表れます。)

アナログ回路も電流帰還型差動アンプやパーツを見直すなどで高音質化を実現できたとしています。特に電源部はデジタルプレーヤーとしては異例な規模で、「SA-10」と同一の110VAの大型トロイダルトランス(SA-10は銅メッキシールドケースに封入)やカスタム仕様のブロックコンデンサなど徹底した高音質指向としています。

ヘッドホン回路にまでフルディスクリート電流帰還型アンプを採用するなど、高音質にこだわっています。また、ヘッドホン回路のオン・オフ機能を装備するなど徹底しています。


■ 試聴しました


マランツ『PM-12』と『SA-12』の試聴は、日本橋1ばん館のリファレンスルームで、同社シニアサウンドマネージャー:澤田氏の製品説明に続き行いました。澤田氏はここだけの話として、製品資料にはないことも色々お話いただけました。(一部をご披露)

『PM-12』はスイッチングアンプのシングルエンド構成のプリメインアンプに徹したことで、あらゆる面で余裕が生まれ、音にも表れていると言います。それは張り出し感や、吹っ切れ感といった伸びやかなリアルなサウンドでもあります。

「PM-10」には、ゆったりした音調で、どちらかというと、クラシックを優しく繊細に奏でるという大人のイメージがあったのですが、『PM-12』はあらゆるジャンルの音楽に適し、厚くホットなサウンドは、ジャズやポップスも楽しく聴かせてくれました。

さらに、ダンピングファクターが実質1000を超え、当日使用したスピーカーB&W「802D3」をも難なくドライブし、低音の伸びや厚みを伴った充実感は圧巻でした。とてもプリメインの音とは思えないもので、さすがアンプの設計がB&Wを中心に行われていることから、この難しいスピーカーをこれ程簡単に鳴らせるのだと納得させられました。他社のスピーカーは、もちろんさらに軽々と鳴らしきりました。

『SA-12』はアンバランス出力のみとした結果、アナログアンプは半分の規模になったにも関わらず、トランスが「SA-10」と同様と言うことで、余裕のサウンドを実現できたと言います。さらにマスタークロックの精度が「SA-10」を上回っていることも、音質的にもクラス超えたものになったと言えるかも知れません。

滲みや、まとわりつきの無いクリアなサウンド、中低域の厚みや余韻の長さ、S/Nの良さはCDの可能性を十分に引き出してくれました。さらにSACDも聴けるのですから、この価格でこのサウンドは絶対買いだと思います。


■ 最後に

『筆者は、この『PM-12』『SA-12』がいずれも約30万円(税込)というのは、かなり戦略的な価格だと思います。フラッグシップの良い所は残しつつ、ある部分は音質に悪影響がでない範囲で簡略化し、そしてそこに最新のノウハウをつぎ込んで完成した、実にお買い得なプリメインアンプとSACD/CDプレーヤーです。(あさやん)


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