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2018年9月 7日 (金)

遅れてやって来たアナログプレーヤーの雄! "プロジェクト社"のラインナップがさらに充実! ~ 本格的にアナログをやってみようとお考えの方にこそおすすめ! ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、本物のアナログの世界を味わいたい方におすすめの"プロジェクト社"のプレーヤーをご紹介! その前に、ここ数年来の「アナログブーム」とは何だったのかを今一度、振り返ってみたいと思います。




■ アナログブームとは!?

アナログがここ数年ブームと騒がれ、一般のマスコミで次々取り上げられました。それにアナログ未経験世代が飛びつき、数千円から2~3万円台の普及クラスのプレーヤーが一時期爆発的に売れました。しかしこの1年ほどは、そのブームが嘘のように静かなアナログオーディオ市場となっています。完全にブーム以前の状態に戻ってしまった感さえあります。

この今回のアナログブーム(※)は何だったのでしょう?筆者なりに考えてみました。※アナログブームは2000年前後にも一度ありました。

ブームの始まりは2014年、オーディオファンがPCオーディオやネットワークオーディオ、一般の方はDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やスマートフォンによるヘッドホンリスニングが最普及期を迎えた丁度その頃でした。当時一部のオーディオマニアを除いては、誰もがそれらのデジタルサウンドで十分満足していたのでした。

そんな折り、アナログレコードを始めて聴かれた方がそのサウンドの魅力に驚き、SNSなど様々な媒体で、その噂が拡散された結果、マスコミが取り上げ、さらにブームに拍車が掛かったのだと考えられます。そして、中国製を中心にした廉価なプレーヤーが大量に出回り、ネット販売市場は言うに及ばず、街の最新グッズのお店やレンタル店など、あらゆるルートで販売されたのでした。

しかし、ブームとは"熱しやすく冷め易い"のが常で、昨年(2017)あたりから急速にそのブームは下火になってしまったのでした。

確かにアナログレコードは、デジタルに慣れた耳には温かく血の通った音に聞こえたのでしょう。でもそれは果たして、レコードが本来持っているはずのポテンシャルの何%出せていたのでしょうか。ペラペラのターンテーブル(プラッター)、非力なモーター、軽量で華奢なキャビネット、お粗末なカートリッジやアームだったのですから・・・。しかもレコードクリーナーなどのメンテナンス用品も往年の種類の比ではなく、しかもビギナーには高価過ぎたのでした。


■ プロジェクト社のポリシーは「ハイレベルな音質」を" リーズナブル "に!

そんなピークを過ぎようとしていた、昨年(2017)6月、プロジェクト(正式名Pro-Ject Audio Systems)製品の輸入元が、ナスペックからD&M(株式会社ディーアンドエムホールディングス)に引き継がれました。それは丁度プロジェクト社の創業25周年のタイミングと重なってのディストリビューターの変更だったのでした。

プロジェクト社は、創立者Heinz Lichtenegger(ハインツ・リヒテネガー)氏によって1991年にウィーンに設立されたオーディオメーカーで、同社のポリシーは"シンプル・イズ・ザ・ベスト"が基本で「ハイレベルな音質」を"リーズナブル"に音楽ファンに提供することだと言います。

また同社は、自社製品だけではなく世界各国のアナログメーカーに、プレーヤーやトーンアームを供給してきており、他社に比較してコストパフォーマンスに優れた製品が提案できるのです。もちろんプーリーや駆動ベルトなどのパーツ類も全部自社生産です。

再登場の第一弾は、ビートルズの伝説的名盤の誕生から50年を記念して作られた特別仕様の「ESSENTIAL-3SGT」で、それに続いて発売された『 The Classic 』が国内で大ヒットとなり、プロジェクトのプレーヤーがマニアの間で急速に注目を集めるようになったのです。※ブログ:「創業25周年記念の本格的アナログプレーヤー『 The Classic 』登場!!~プロジェクト・オーディオの輸入元がD&Mに!~」

『 The Classic 』は、懐かしい伝統的な箱形のフレームデザインを踏襲したモデルです。コンパクトでシンプルかつエレガントな少し懐かしさを覚えるようなデザインで、かつてのベストセラー機であったトーレンスの「TD166MKII」の「シンプルで洗練されたデザインのプレーヤーの再現」を目指したのだともされています。創業25周年記念のプレーヤーでもありました。

しかし『 The Classic 』は単にリバイバルや名器の復活を狙っただけではなく、各部に最新技術を投入して、それらを見事に昇華して製品化されていました。さらに究極の速度安定性を目指して、低ノイズのACモーターを利用したベルトドライブ方式を採用し、カップリング・インシュレーターや新設計のトーンアームを搭載するなど魅力的な製品となっています。

続いて、第一弾の「ESSENTIAL-3SGT」の原型モデルでもある「ESSENTIAL-3」(ブラックとレッドの2色)、ビートルズの伝説的ツアーのオリジナル・チケットとパンフレットのコピーをモチーフとしたデザインの特別仕様の「1964」を発売しました。

そして今年(2018)になって3月にThe Rolling Stonesとのコラボレーションモデル「ROLLINGSTONES」、続いて5月に『2XPERIENCE(正式名:2Xperience SB S-shape)』、6月に『1XPRESSION(1Xpression Classic S-Shape)』、さらに7月『XTENSION9(Xtension 9 S-shape)』と弟機『XTENSION9EVO(Xtension 9 Evolution)』と立て続けに発表したのです。

それでは『2XPERIENCE』『1XPRESSION』『XTENSION9』を順にレポートします。


■ 『2XPERIENCE』


ターンテーブルの設計に25年の経験を注ぎ込んだと言う「2Xperience」は、 ベルトドライブの概念に基づいて電子速度制御による精密モータの追加と、ハイエンド 9inch S字型トーン・アームを採用。創業者自身一押しのプレーヤーです。

筐体は密度が高く重量のある2種類のMDFを接着。プラッターのメイン素材もMDFで、サブ的にビニールを使っていると言います。理由はレコード自体と同じ素材で、これに勝るモノは無いとのことです。それはサンドイッチ構造をとっており、下の2層がMDF、その上に4mm厚のビニールを使っているのです。

そのビニールは、レコードプレスの会社から購入したリサイクルのビニールを溶解して、MDFの基礎部分と一体化(ターンテーブルマットとして機能)させた上で、MDFを肉抜きしてダイナミックバランスを取っているとのことです。これにより上位機のアルミに肉薄したプラッターになったとしています。

トーンアームには、日本人好みのスタティックタイプの 9インチ S字型アームを採用(ヨーロッパでは9割がストレートアームだそうです)し、素材のアルミパイプ特有の8~12Hzの低周波共振を避けるため、カウンターウェイトの取り付け方にも配慮したとしています。ターンテーブルはハイグロスブラック仕様で、アクリルダストカバーが付属しています。


■ 『1XPRESSION』


筐体がMDF製でハイグロスブラック仕上げでカートリッジレスです。同社としては初代「Pro-Ject1(1991年発売)」から数えて6代目にあたるプレーヤーです。ベルトドライブ方式で、低ノイズACモーターに効率的なモーターデカップリング、高精度DC駆動型ACジェネレータ(ACを一旦DCに変換し更にACにする)を採用し「最高の定速性」を得るとともに、AC電源のノイズの影響も排除しています。

トーンアームは8.6インチS字(寸法218.5mm)を搭載し、もちろんヘッドシェルは着脱可能で、3~9gのMM/MCカートリッジが装着可能です。新たに導入したジンバル設計ではカウンターウェイトが共振を減衰し、カートリッジの種類を問わず最適なパフォーマンスを実現します。

複雑なメイン・プラッター構造は、この価格レンジにはないもので、共振挙動を最適化するため、プラッターは300mm径のアルミニウム製で、アルミニウム合金のサンドイッチ構造には、最先端の熱可塑性エラストマー(TPE)を用いた低共振設計としています。

本体台座部のMDFとTPE採用のインシュレータで共振を減衰させており、インシュレータは高さ調整も可能です。ワウ・フラッターは0.14%と安定した回転を実現、もちろんダストカバー付きです。


■ 『XTENSION9』


もちろんいずれもベルトドライブで、筐体には金属顆粒を充填したMDFシャーシを採用して、高質量と非共振を実現しています。インシュレーターにはメインボディを台座から分離する磁気フットを採用、重量級16kgのプレーヤー本体とを組み合わせる事で、"重量負荷"と"浮遊するターンテーブル"の原理を兼ね備えたとしています。

プラッターは単一金属ではなく、熱可塑性エラストマー(TPE)で制振した合金を新たに採用し、リサイクルのビニールを上面に接着することで、マットの役割を果たし、サンドイッチ構成にした上で精密にバランスをとっています。重さは5.4kgにも達しています。

プラッターは、重量を軽減(6割程度)する目的で、マグネティック・フローティング方式(ネオジウムの反発を利用)をとっており、反転セラミック玉軸受(スピンドルの下にベアリングボールが付いている)を使って無音とも言えるほどの静粛さを確保しています。

さらに、800gの重量級のスタビライザーが付属しており万全です。回転数は33/45を電子制御でスピード可変が可能で、ワウ・フラッターは±0.01%と立派な数字です。もちろんダストカバー付きです。

『XTENSION9』は日本向けとも言えるアルミニウム製S字型トーンアームを搭載で、ヘッドシェルは着脱可能で、カートリッジ(自重:4.0~14g)の交換も可能です。キャビネットはこれも日本人好みの、ツヤ無しのウォールナット仕上げです。

一方の『XTENSION9EVO』は、内容的には『XTENSION9』と全く同様ですが、トーンアームは9インチのカーボンファイバー製(230mm)で4種の重量別カウンターウェイトが同梱されています。キャビネットはツヤのあるメープル仕上げになっています。


■ 最後に
この様にプロジェクトのアナログプレーヤーは、海外製としては価格設定がリーズナブル(ヨーロッパでの値札に近いとのこと)で、しかも日本のマニアが好む、海外製としては希有なS字型アーム(『XTENSION9EVO』以外)を搭載しており、カートリッジの使い分けができるプレーヤーです。

普及クラスのアナログプレーヤーからアナログの素晴らしさを実感され、これから本格的にアナログをやってみようとお考えの方にこそプロジェクトのプレーヤがおすすめです。

もちろんベテランのオーディオファンには、お持ちのカートリッジが使え、過去のDD(ダイレクトドライブ)では味わえなかった本物のアナログの世界がプロジェクトのプレーヤーで実現することでしょう。(あさやん)

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