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2019年7月18日 (木)

MQA-CD特集『 MQA対応機器の可及的速やかな発売を! 』

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

2018年9月以来、久々のMQA-CD特集です。その間、我が家ではMQA-CDを約30タイトル揃え、存分に楽しんで参りましたが、遅々としてハードの普及が進まないことに、歯がゆさを感じておりました。

そんな折も折、音元出版のオーディオアクセサリー誌173号(2019 Summer)に、MQAを聴き比べるための「サンプラーCD」が付録として、付いてきました。そのCDを自宅のMytek「Brooklyn DAC+」で聴いたところ、その歴然とした差に驚くとともに、ぜひこのパフォーマンスを、一人でも多くのオーディオファイルに体験いただきたいと、心から願うようになったのでした。


■ サンプラーCDに収録のMQAについて
この「MQAサンプラーCD」の内容は、福岡出身のジャズボーカリスト 山口葵さんが歌う「祈りの伝統楽曲集」というタイトルで、4曲がそれぞれ3パターンの音源で合計12トラック収録されています。

MQAとは、従来CDと同じデータ容量の中に、ハイレゾ音源情報を折り畳んで入れ込む(エンコード)手法のことですが、これをCDにしたのがMQA-CDで、MQA対応機器で再生することで、折り畳まれたデータを正確に展開し、元のハイレゾデータとして再生することができるというものです。MQA対応機器を持っていなくても、通常の44.1kHz/16bitのデータとして再生は可能です。

さらにMQAの素晴らしいところは、通常の44.1kHz/16bitのCDデータでもMQA化することで、時間軸が正確に再現できることです。単にデータの容量を小さく詰め込むだけではなく、音源データそのものを本来あるべき音にする効果もあるのです。

その時間軸とは、どの位の短時間で音の変化を認識できるかの尺度のことですが、人間は一説には50マイクロ秒(2万分の1秒)とも10マイクロ秒(10万分の1秒)の変化を認識できるとも言われます。それに対し、CDの時間軸解像度は4000マイクロ秒、ハイレゾ96kHz/24bitリニアPCMでさえ400マイクロ秒程度だそうで、これは人間より400倍も40倍も悪いことになります。そのため、CDは音が硬く、平板で奥行きがなく、不自然なのだと言われています。

MQAでは、既存のリニアPCM音源の時間軸解像度をより細かく再設定できる特別なフィルター(De-Blur:デブラー)を開発し、音源をエンコードすることで高音質化を果たしたのです。その解像度は何と10マイクロ秒を実現したと言います。そもそも人間の耳は、周波数より時間軸解像度に対して、5倍から50倍も敏感なのだそうで、時間軸の精度を改善することで音質が向上するのです。

この時間軸解像度の改善を体感できるのが、今回のCDのトラック02、05、08、11の「44.1kHz/16bit MQA」の音源です。このトラックは従来のMQA非対応のCDプレーヤーで、その効果を確認することができるという画期的な、おそらく史上初の試みだと思います。ぜひ一度ご体験いただければと思います。

■ 聴いてみました
今回の試聴は、我が家のCDプレーヤーの同軸デジタルアウトをMytek Digital「Brooklyn DAC+」のS/PDIF1に入力し行いました。


「Brooklyn DAC+」にはMQAのインジケーターがあり、「44.1kHz/16bit PCM」は点灯せず、「44.1kHz/16bit MQA」はグリーンに、「88.2kHz/24bit MQA Studio」はブルーに点灯するため確実に確認できます。


▲ 44.1kHz/16bit PCM


▲ 44.1kHz/16bit MQA


▲ 88.2kHz/24bit MQA Studio

以下は3パターンのサウンドの第一印象のメモです。

◆ゴンドラの唄 ~ 1915年に発表された歌謡曲。黒澤明監督映画『生きる』の劇中歌。
・トラック01:44.1kHz/16bit PCM
44.1kHz/PCMでよく感じるように、ピアノの音が滲んでしまう。ボーカルの口が大きく膨らんでしまう。ヌケが悪く声を張り上げた時にきつく感じる。

・トラック02:44.1kHz/16bit MQA
ピアノがスッキリし、滲みがなくなる。ボーカルの口が見えてくる。ただ、声を張り上げた場合、まだ少しきつさが残る。

・トラック03:88.2kHz/24bit MQA Studio
ピアノがコロコロと小気味良くなり、滲みが全く感じられない。ボーカルの顔や姿が見える程にリアルになる。張り上げてもヒステリックにならず、声が落ち着いて自然になる。全体的にはダイナミックレンジが広くなったように感じる。


◆鳥の歌 ~ 作曲者不詳のスペイン・カタルーニャ民謡
・トラック04:44.1kHz/16bit PCM
弦がギコギコして不自然。ボーカルの位置が不明瞭で、詰まった感じに聞こえる。音場が平面的で、奥行き感に欠ける。

・トラック05:44.1kHz/16bit MQA
弦の振動が自然に感じる。ボーカルは立体的になるが、奥行きは余り出ない。

・トラック06:88.2kHz/24bit MQA Studio
弦が繊細でしなやかになる。声に響きが加わり立体感が出る。音場も奥行き方向に深くなる。


◆The Last Rose Of Summmer(録り下ろし) ~「庭の千草」として知られる名曲
・トラック07:44.1kHz/16bit PCM
ボーカルのサシスセソのヌケが悪い。弦がややきつく感じる。サウンドが左右スピーカーの間のみで、前後が出て来ない。

・トラック08:44.1kHz/16bit MQA
弦が滑らかでスッキリする。低音弦は深く沈む。ボーカルの顔は実物大になる。音場も奥に拡がり立体的になる。

・トラック09:88.2kHz/24bit MQA Studio
弦がまろやかで気持ちよく響く。ボーカルは生々しくなり、伸びやかで弾んでくる。中央少し後ろにボーカルの姿まで見えてくる。


◆The Water Is Wide(録り下ろし) ~ 山口葵さん作詞、作曲者不詳のスコットランド民謡
・トラック10:44.1kHz/16bit PCM
ピアノの抜けが悪く滲む。ボーカルがかなり膨らむ。シンバルは詰まって感じる。

・トラック11:44.1kHz/16bit MQA
ピアノがクリアで軽快にはずむ。声が自然でボーカルは中央に立体的に見える。シンバルがスッキリ分離する。ベースが沈み込み音程もしっかりしている。

・トラック12:88.2kHz/24bit MQA Studio ※本CDの最優秀録音トラック
ピアノが非常に生々しくなり、低音の響きが豊かになり沈む込む。ボーカルが中央に小さく実物大になる。それぞれの楽器が一つ一つ見えるように定位する。ベースは堂々として、シンバルはクリアに散りばめられる。

■ 最後に
この「MQAサンプラーCD」を聴いての印象は、44.1kHz/16bit MQAでの改善度合いが予想以上に大きいことで、さらに88.2kHz/24bit MQA Studioでここまで再現されるとは想像を絶するものがあります。この3パターンの差は目をつむっていても十分判別できました。

私自身、これまでユニバーサルのMQA-CDのサンプリング周波数が352.8kHzだからMQA-CDが素晴らしいのだと思っていました。しかし88.2kHzでここまで改善されるなら、これで十分とも感じました。CD制作時、88.2kHzのマスター録音が多いことから、もっともっと新録音のMQA-CDソフトの供給を望みたいと思います。

そして、現状(2019年6月)ではMQA-CDを聴けるハードが非常に少なく、多くのオーディオファイルにお聴きいただけないのが実に残念でなりません。可及的速やかな対応ハードの発売を望みたいと思います。

最新情報では、パイオニアが「PD-50AE」(発売未定)をはじめ、トライオード、マークレビンソンがMQA-CD再生機を発売予定とのアナウンスがされています。ソフトもワーナージャパンが参入予定です。ゆっくりですが、MQA-CDファミリーが増えてきています。期待しましょう!。
(あさやん)

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