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2019年8月 8日 (木)

英国の老舗 2ブランド「Wharfedale」と「MUSICAL FIDELITY」の新製品を試聴!!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
英国の老舗 2ブランド「Wharfedale」と「MUSICAL FIDELITY」の新製品を試聴しましたので、詳しくレポートさせていただきます。

Wharfedale(ワーフェデール)は、1932年ギルバート・A・ブリックスによって英国ヨークシャー州で設立された、セレッションやグッドマン、タンノイなどと並ぶ英国の老舗スピーカーメーカーです。「Wharfedale」という名前は、ブリックスの生家があった地区の名前だそうです。

同社は、1945年に高音質を目指した2ウェイスピーカーを製作し、1948年ブリックスは「Loudspeakers: The Why and How of Good Reproduction」という、スピーカーの設計理論書を出版しています。

そして有名な話である1950年、ロンドンのフェスティバルホールで、ブリックスによって世界で始めて、試聴者の目の前でオーケストラと自社スピーカーの聴き比べのデモンストレーションを行ったのです。

ブリックスは、「スピーカーは楽器になり得る《「スピーカー」=「楽器」》、そして最高の技術を知る音楽家集団が、世界で最も楽器に近いスピーカーを生み出す」、すなわち《「技術者」=「演奏家」》との考えを持っていたのだと言います。彼はスタインウェイ使いの名ピアニストでもあり、現在の同社のデザイナーもエレキギターの名手だと言います。

同社は、1950年超有名な往年の名機「エアデール」を発売。そして50~60年代にかけて次々と新しい技術を開発したのでした。その技術開発に貢献したひとりに、後にKEFを創業するレイモンド・クックがいました。その後紆余曲折があり、1967年には「Denton」(初代)を、1981年には現在に続く「Diamond」を発売したのでした。

一方のMUSICAL FIDELITY(ミュージカルフィデリティー)も、英国を代表するHi-Fiブランドの一つで、30年以上にわたり実績を積み上げ(残念ながら日本国内には輸入されない時代もありました)、最高の製造品質と最新技術とを融合して、卓越したパフォーマンスを持つパワフルなHi-Fiコンポーネントを造り続けて来ました。

私のようなオールドファンには、MUSICAL FIDELITYと言えば何と言っても1984年発売の「A1」が頭に浮かびます。全段純Aクラス動作の小出力ながら、多くのユーザーに支持されロングランとなったプリメインアンプです。デザインも非常に魅力的で、当時ロジャースやスペンドールとの組み合わせが人気でした。

「A1」はA級動作のためか、真空管アンプのようなキャラクターのサウンドだったのですが、その発熱は半端ではなく、当時ヒートシンクを兼ねた天板で「卵焼きができる?」と噂されたものでした。薄型アンプでは異例な大型トロイダルトランスと40,000μFの電解コンデンサーを搭載していました。

その「A1」から最新のデジタルモデルまで、巧妙に設計された同社の製品群は世界中で称賛され、そのブランド名が示す通りの「音楽性に忠実なサウンド」を追求しているとしています。


日本橋1ばん館で試聴

これら2ブランドの最新機種を日本橋1ばん館で試聴することができました。その試聴レポートです。

■ Wharfedale『 LINTON HERITAGE


『 LINTON HERITAGE 』は、最近少なくなった中型ブックシェルフ型で、ロジャースやスペンドール、そしてハーベスなどの英国製スピーカーの典型的なデザインのスピーカーです。名前の「ヘリテージ」は継承・遺産の意味で、1965年発売の「LINTON」、1972年の「LINTON 2」に由来しています。



本機は、20cmウーファーと13.5cmミッドレンジ、2.5cmツイーターを、余裕のある比較的大きなバスレフ・エンクロージャーに収納しています。ウーファーとミッドレンジのコーンには、同社の最近の製品に使われているのと同じケブラー素材が使われています。ツイーターはオーソドックスな布製ソフトドームを採用しています。

バスレフポートは背面に2つ開いており、プレッシャーを感じさせない低域のふくよかさに繋がっています。ツイーターはエンクロージャー中心から僅かにずらしてオフセットしており、左右チャンネル対称配置(左右指定)となっています。 ネットワークは独自に開発したソフトで、ユニット間の位相整合を徹底的に追求したとしています。

入力端子はシングルワイヤー専用で、スピーカーのデザインや色の揃った純正スタンドが用意されています。エンクロージャーの仕上げはウォールナットとマホガニーの2色で、それぞれ純正スタンド付きと本体のみ(既存のスタンドを使用される場合のため)の計4パターンからお選びいただけます。

純正スタンドを使って、後述のミュージカルフィデリティーのプリメインアンプ「M2-Si」とCDプレーヤー「M2-SCD」で試聴しました。

そのサウンドはスケールが大きく余裕を感じさせ、良き時代のヨーロピアンサウンドに限りなく近いものでした。低域はグラマラスでゆったりと鳴り、中域は厚くふくよかで、特に女声ボーカルの甘さは格別でした。

高域はソフトドームの穏やかで聴き疲れのないものですが、シンバルのスティックが柔らかく感じられ、切れ込みや立ち上がり、華やかさとは対極にある高域と感じました。迫力やきらびやかさを求めると欲求不満が出て来そうですが、ここはワーフェデールの世界ですから・・・。

試しにアキュフェーズ「C3850」+「A75」でもドライブしてみましたが、更にスケール感がアップし、明らかに解像度が上がってスッキリして、高域も滑らかに伸び切ったのには少々驚きました。やはりドライブ力の差は大きく、『 LINTON HERITAGE 』の可能性の高さを垣間見た気がしました。決してデザインからイメージするアンティークな音ではありませんでした。

■ MUSICAL FIDELITY『 M2 Si Integrated Amplifier 』『 M2scd CD Player


『 M2 Si Integrated Amplifier 』は、横幅44cmの標準サイズで、高さ10cmの薄型プリメインです。シルバーとブラックの2色あります。特にクリーミーなオフホワイト仕上げのシルバーは英国流の落ち着きを感じさせます。入力は懐かしいTAPEを含む6系統のRCA、出力もTAPE OUTとプリアウトの2系統装備されています。ボリュームは電子ボリュームで、フォノイコライザーは搭載されていません。

本機は、前述のようなA級ではなくトロイダルトランスを積んだオーソドックスなリニア電源回路を採用したAB級アンプで出力は60W+60Wです。とにかく動作の安定性を最重視し、多様なスピーカーを容易にドライブすることを目指したとしています。

『 M2scd CD Player 』は、スロットローディングタイプのCDプレーヤーで、RCAアナログ出力に加え、RAC同軸とTOSLINK光の2系統のデジタル出力を装備しています。CD再生に徹したオーソドックスなプレーヤーで、高性能なCD読み取り精度と低ジッター(135ps以下)を獲得したといます。

このプリメインアンプとCDプレーヤーでのサウンドは、実に優雅で包容力のあるもので、その音の方向性は、決して解像度を狙うのではなく、音楽の本質、エッセンスを描き出し、アーティストの人間としての温もりを感じさせてくれる実に大らかなものでした。

■ 最後に
英国の老舗2ブランド「Wharfedale」と「MUSICAL FIDELITY」は、いずれも日本をはじめとした世界の潮流である、高解像度指向やデジタル化とは無縁の、独自の路線を今も歩み続けてくれています。内心期待していたとは言え、ある面ほっとしたと言うのが本音です。

これら両ブランドは、本格的“ブリティッシュサウンド”の最後の砦とも言えそうです。往年の渋いデザインとサウンドを継承しつつ、最新機種にはない穏やかさとまったり感で音楽を心から楽しませてくれます。

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