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2020年3月31日 (火)

Pro-Ject「The Classic」を大幅にグレードアップした『 The Classic EVO 』誕生!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、Pro-Jectの創業25周年記念モデル「The Classic」を大幅にグレードアップした、アナログレコードプレーヤー『 The Classic EVO 』を取り上げます。



ジョーシン日本橋1ばん館で『 The Classic EVO 』の構造及び、改良点をD&Mの担当者に詳しくお聞きし、試聴も行いましたので、早速レポートしてまいります。

■ Pro-Ject(プロジェクト)の歩み
オーストリア・Pro-Ject(プロジェクト)の輸入代理店が、それまでのナスペックからD&M(ディーアンドエム)ホールディングスに替わったのが、約3年前の2017年6月でした。

その第一弾が、ビートルズの『 サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 』50周年記念盤とコラボレーションした特別仕様のプレーヤーで、「Essential-3」をベースモデルにした特別仕様の「ESSENTIAL-3SGT」でした。しかし残念ながらヒットには至りませんでした。

続いて同月中頃、本命と言われた同社創業25周年を記念したモデル「The Classic」が発表され、一気に注目を集めました。名前の通り、1960~70年代に多く見られた、伝統的なフレームデザインを採用しており、10万円台前半という衝撃的な価格ということや当時のアナログブームにも乗って大ヒットし、同社のスタンダード・モデルとなりました。

この度、その「The Classic」が、大きく進化(Evolution)して『 The Classic EVO 』として登場しました。定評のあるオリジナルのサブシャーシー構造と往年のクラシカルな外観はそのままに、プレーヤーの要であるトーンアームやサブプラッター等に大きな改良が施されています。

さらには、前作では別売であったカートリッジをプリマウント(取付済みと)するなど、オーディオファイルのみならず、音楽ファンにも使いやすいプレーヤーとなって登場したのです。


■ プラッター(通称:ターンテーブル)
過去のアナログ・プレーヤーの最大の欠点はプラッターにありました。主にアルミの押し出し成形によって作られたプラッターは、重量さえあれば安定した回転やワウフラッターを数字上抑えることは可能でした。しかし一方で共振が発生(叩くと金属音がする)し、振動にはとても脆弱でした。

今回の『 EVO 』としての進化で最も大きいのは、そのプラッターの内側にあるサブプラッターです。これにモーターからベルトを介してトルクを伝えることで、上に乗る形のプラッター本体を回転させるのです。このため、ベルトは外からは見えない構造となっています。トーレンスやリン/LP-12などの高級機に採用されている方式です。直接モーターの振動がプラッター本体に伝わらないのがメリットです。


そのサブプラッターを『 EVO 』では、前作のABS樹脂(精度は高いが軽い)からアルミ削り出しで精密に成型された重量級のモノに大きく進化したのです。この超精密加工されたサブプラッターにより、ベアリングノイズとランブル(ゴロ音)を大幅に低減できたとしています。この変更が本機のサウンドクオリティの向上に最も大きく貢献したのです。

また、プラッター本体は、前作同様、大きなダンピング効果のあるTPE(サーモ・プラスティック・エラストマー)をプラッター裏側の溝に埋め込む処理が施されています。特殊なアルミニウム合金を正確に機械加工して製造されたプラッターは、安定性を維持しながら、共振にも強くなっているのです。

※サーモ・プラスティック・エラストマー:熱可塑性エラストマー、ゴムのように柔らかいプラスチック

■ シャーシ(筐体)構造

メインシャーシ-は前作同様、天然木の突板仕上げのMDFのウッドフレーム(ウォルナット色から濃いユーカリ色のマット仕上げに変更)で、上面には6個のTPEダンピングボールが埋め込まれ、駆動モーターはここにマウントされています。

そして、メインシャーシーの上にダンピングボールを介して載せられるサブシャーシーは、前作から更に固く重量のある素材に変更されています。アームベースとセンタースピンドルの軸受けは、このサブシャーシーにマウントされており、メインシャーシとは完全に分離されています。

この結果、外部からの振動やモーターからの余計な振動で生じるプラッターやアームの共振を防止しています。過去のプレーヤーで見られたバネによるフローティング構造のようなフラツキが無いにも関わらず、TPEを使うことで振動に強い構造となったのです。

■ トーンアーム「Classic EVO 9inch」
前作「The Classic」に搭載されていたトーンアーム(当時は新設計だった)は大きく改良が加えられました。Pro-Jectには25年以上のトーンアーム製造のノウハウがあり、同社のハイエンドモデルで開発された技術が注入されています。

トーンアームのチューブ(パイプ部分)は、前作同様カーボンとアルニミウムの2重構造で、カーボンはアームの剛性とハイスピードなサウンドに、アルミはカーボンの弱点であるダンピング(振動の減衰)特性の改善に貢献しています。


そして、今回の最大の改善点は、メイン・ベアリングを大型のジンバルハウジングに収めた、上位機種に採用されているトーンアーム「9cc Evolution」と同じタイプにグレードアップされたことです。これにより垂直・水平方向の摩擦が極めて少ない動きが可能となり、レコードを正確かつスムーズにトレースできるのです。

アームのカウンターウェイトにも前述のTPEが組み込まれており、トーンアームやカートリッジの共振を50%も低減できたとしています。

また、様々なカートリッジを使用できるよう、アジマス(カートリッジの盤面に対する水平度)の調整や高さ調整(VTA=Vertical Tracking Angle:カンチレバーの盤面に対する角度調整)も可能です。

■ カートリッジ「Ortofon Quintet RED」

前作「The Classic」では別売であったカートリッジが本機には付属しており、しかも工場出荷時に完全に取付けやオーバーハング調整などが完了しています。

しかも、そのカートリッジが定評のあるオルトフォン製のMCカートリッジというのですから、調整等が苦手な方には間違いなく朗報です。

この付属のカートリッジは、日本国内では流通していませんが、国内型番「MC-Q5」(税込33,000円)相当の人気カートリッジです。また、トーンアームが元々中質量のカートリッジに最適なこともあり、抜群のマッチングと言うことで選ばれたのです。もちろん、他のお気に入りのカートリッジとの交換も可能です。

ただし、ヘッドジェルは外れませんので、多少技術は必要です。


■ 試聴しました
試聴は、『 The Classic EVO 』→「DENON/PMA-SX1LTD」→「B&W/805D3」で行いました。「PMA-SX1LTD」のMCフォノ入力のインピーダンスは50Ω(Low)に設定しました。

音出し直後、まず「PMA-SX1LTD」のレコード再生能力の高さに驚きました。アナログレコードは比較的録音の新しい「ジェニファー・ウォーンズ/ハンター」など数枚で行いました。ハンターは私のリファレンスCDでもあり、聴き慣れているのですが、やはり密度の濃さや伸びやかさ、ゆったり感はデジタルには到底表現できないレベルでした。

こと情報量だけとれば、やはりCD/SACDなどのデジタルに一日の長は感じますが、この血の通ったホットなサウンドはアナログでしか味わえないものです。

また、ローコストのアナログプレーヤーでは絶対に不可能な上質で品位のあるサウンドは、オルトフォンMCとのコラボが大きく貢献していると感じました。

■ Pro-Ject『 The Classic EVO 』は以下のような方々にお勧めします
1)アナログブームに乗って10万円以下のプレーヤーを購入はしてみたものの、デジタルとの音の違いこそ分かるが、納得レベルには達しなかった方。

2)過去に使っていたアナログプレーヤー、特にダイレクトドライブのプレーヤーを引っ張り出して来て、レコードを聴いてはみたが、満足できるレベルには達しなかった方。

3)デジタルを極めようとすると大きなコストが掛かることが分かったオーディオファイル。

4)過去のレコードコレクションをじっくり楽しみたい音楽ファン。

本物のアナログの素晴らしさを今こそ手に入れたい方に『 The Classic EVO 』を自信を持ってお勧めします。

なお、前作に比べ定価が大幅にUP(税込み13万円台→21万円台)していますが、これはMCカートリッジが標準装備されたことに加え、サブプラッターやトーンアームなどが大幅にグレードUPされていることに起因しています。

C/Pは前作を遙かに凌ぐ製品になっています。もちろん、それらはサウンドに大きく貢献していました。


(あさやん)

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