アナログハイエンド情報 Feed

2017年8月10日 (木)

創業25周年記念の本格的アナログプレーヤー『 The Classic 』登場!!~プロジェクト・オーディオの輸入元がD&Mに!~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
プロジェクト・オーディオ(正式名Pro-Ject Audio System以下プロジェクト)製品は長らく、株式会社ナスペックが輸入業務をしておりましたが、この度、D&M(株式会社ディーアンドエムホールディングス)が業務を引き継ぐことになりました。

今回、その第一弾となるアナログプレーヤー『 The Classic 』を取り上げます。(※サージェント・ペパーズ・ドラム「ESSENTIAL-3SGT」が先に発表されていますので、実質的には第二弾ですが。)


“シンプル・イズ・ザ・ベスト”を基本にしたプロジェクト・オーディオ

プロジェクトは、創立者Heinz Lichtenegger(ハインツ・リヒテネガー)氏によって1991年に設立された音楽の都オーストリアのウイーンに拠点をおくオーディオメーカーです。同社の事業哲学はズバリ“シンプル・イズ・ザ・ベスト”が基本で「ハイレベルな音質」を"リーズナブル"に音楽ファンに提供することだと言います。

『 The Classic 』は、ハインツ・リヒテネガー氏がアナログプレーヤーにかかわり始めた約40年前の、氏のプレーヤー構想を具現化すべく開発した製品です。

1950年代から60年代にかけて著名なプレーヤーメーカーがこぞって採用した伝統的な箱形のフレームデザインを踏襲したモデルで、コンパクトでシンプルかつエレガントな少し懐かしさを覚えるデザインになっています。

同氏がかつて販売に携わっていた当時のベストセラー機であったトーレンスの「TD166MKII」。その「シンプルで洗練されたデザインのプレーヤーの再現」を目指したのだとの逸話も伝わっています。

その『 The Classic 』をプロジェクト社の創業25周年記念プレーヤーとして発売するタイミングで、ディストリビューターが変更になったことになり、まさに記念碑的製品とも言えます。

しかし『 The Classic 』は単にリバイバルや名器の復活を狙っただけではありません。各部に最新技術を投入して、それを見事に昇華して製品化しているのです。

本機は、究極の速度安定性を目指して、低ノイズのACモーターを利用したベルトドライブ方式を採用しています。そのため超高精度のDCドライブACジェネレーターを搭載しています。

さらにはでカップリング・インシュレーターや新設計のトーンアームを搭載するなど25周年記念に相応しい内容となっています。それでは『 The Classic 』の魅力を探って参りましょう。

『 The Classic 』に迫る!
【内部構造】
①シャーシ(内部)とサブシャーシ(上面)

プロジェクト社は、『 The Classic 』の開発を“低価格に抑えた上で使い易く”をコンセプトに進めていました。そして、さらにより高い静粛性を実現することで、美しい音をユーザーに届けたいとの思いも貫いたのでした。

そのため、最新の抑振材である“TPE”を使用することで、非常に効果的なサブ・シャーシ構造の設計に成功したのです。またこれによりプラッター(ターンテーブル)とトーンアームをモーターと本体の台座部から発生する共振から分離することもできたのです。

“TPE(Thermo Plastic Elastomer)”は、熱可塑性(※)エラストマーとも呼ばれる最新の抑振材群で、特定の周波数における共振を減衰調整することができます。本機では、素材と減衰させたい周波数範囲に合わせて特別に設計された様々な“TPE”を使用しているようです。※熱可塑性:加熱すると塑性(外力を取り去っても形状が元に戻らない性質)を示して変形するが、冷却すると再び固くなる性質。

②プラッター(ターンテーブル)
重いアルミニウム製のメイン・プラッター構造にも、共振挙動を最適化するために“TPE”が使用されています。これにより過去のプラッターにあった欠点を解決できたと言います。

プロジェクト社は、過去のプレーヤー設計の欠点はプラッターにあったとしています。鋳造プラッターは重量はある(これは定速性と低ワウフラッターには有効とされていた)ものの、その素材固有の共振により再生音に独特のカラーレーションを付加するケースが多く見られました。

『 The Classic 』で使われるプラッターは、“TPE”による減衰加工を施した特殊なアルミ合金を正確に機械加工しており、特別に強力な共振減衰機能を得たと言います。

③サブプラッター(メインプラッター内側にある駆動用プラッター)

サブプラッターのスピンドル下部のメイン・ベアリングは、同社の上位モデルに搭載されているものに類似した、硬質鋼/ブロンズ・ブッシュ/テフロン・プレート・ベアリングで構成されています。

その結果、軸受が滑らかに回転し、非常に静かで低ノイズを実現できたとしています。この軸受は同クラスの製品とは違い、許容誤差がなんと10分の1になったことで、精度が大きく向上したと言います。

特にサブ・プラッターは正確に機械加工された非常に精緻な部品としていることから、軸受ノイズとプラッター本体を確実に隔離できたのです。

④トップパネルとインシュレーター

過去(一部現在も)の木製箱形のフレームのアナログプレーヤーでは、トップパネルがスプリングによるサスペンション構造をとっていました。『 The Classic 』ではこれに替えて、同タイプの過去の製品では到底使うことの叶わなかった新素材でもある“TPE”材の6個のボールで支持するフローティング・シャーシ構造としています。

また、本機の脚まわりにはヨーロッパ製のプレーヤーとしては珍しく本格的なものを使用しており、制振構造をとったフェルトマット付きのインシュレーターを採用しています。回転させることで高さ調整も可能なものとしています。

⑤ニューカーボン/アルミニウム トーンアーム

『 The Classic 』には新設計となる9インチのトーンアームが採用されています。それはプロジェクト社の25年の機械構造の経験から生まれたものです。

パイプにはアルミチューブとカーボンファイバーのハイブリッド素材でできています。カーボンの剛性と速度性に、アルミニウムの優れた減衰性を兼ね備えた最新の素材を採用しています。

アーム上部と側面の可動部は、極小のジルコン・ベアリングを搭載したカルダンベアリング機構とすることで、超低摩擦を実現できたとしています。

同下部には高価な日本製のボールベアリング台座を採用することで、トーンアームの内部配線がし易くなり、アームをさらに自由に動かせるようになったのです。

また、様々なカートリッジが使用可能なように、アジマス調整とVTA(垂直トラッキング角)調整も装備されています。

もちろん、ダストカバーはヨーロッパ製に多い別売りではなく標準装備されており、RCA-RCAのアース付きフォノケーブルも標準装備です。あとはお好みのカートリッジ(自重7.0g~14.0g)を装着するだけで使用可能です。電源はACアダプター(同梱)を採用しています。

日本橋1ばん館で『 The Classic 』を実際に見て確認しました。


非常に信頼感のある作りで、特にトーンアームはこのクラスとしてはかなり高級感のあるものです。

外形寸法も幅46cm、奥行35cmとコンパクトで使い易い大きさで、存在感を余り主張することもありません。ヨーロッパ製でこの価格。まさに「プラグ&プレイ」で「痒いところに手が届く」、“本格的ヨーロッパ製アナログプレーヤー”の登場です。

音質につきましては、日本橋いちばん館で短時間ですが確認しました。

滑らかさの中に温もりを感じる、これぞまさにアナログです。

ぼけることのない腰のあるサウンドで、クラシックはもちろんカートリッジの選択次第でジャズ・ロック系のソフトにも十分なパフォーマンスを発揮できると思います。この値段でこのグレードを実現できていることには感動しました。

過去にアナログ経験をもつ“もう一度アナログ世代”には打ってつけのアナログプレーヤーです。国産プレーヤーにはない魅力が満載で、真のアナログサウンドが体感できます。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年8月 1日 (火)

【美しく、そして高音質】プロジェクトのレコードプレーヤー「The Classic」のご案内です!


みな様、こんにちは!

夏本番、毎日が暑くキツいですね。。。このままでは"とうふ"ならぬ"ゆどうふ"になりそうです。
と、毎年恒例のご挨拶をまずひとつ。

いやしかし年々気温が上昇しているのでは?と疑うほど日中が暑いですね。
室内と言えど油断されず、水分補給にお気をつけ下さいませ。

さて、今回ご案内の製品はこちら

プロジェクト
アナログレコードプレーヤー
The Classic

オーストリアはプロジェクト・オーディオ(以下、プロジェクト)のクラシックデザイン・アナログレコードプレーヤーです。

プロジェクトは今年から代理店が変更となり、B&WやDALIの代理店としても知られる、D&Mの取扱になりました。
その取扱第一弾はビートルズとコラボした「サージェント・ペパーズ・ドラム」モデルになり、今回ご案内の「The Classic」は第二弾となります。
※サージェント・ペパーズ・ドラムモデルが気になられる方はこちらより

~プロジェクト・オーディオとは~
プロジェクト・オーディオ(※1)は1990年(※2)、オーストリアのウィーンでハインツ・リヒテネガー氏が設立したオーディオブランドです。
『オーディオファイルが音楽を聴く最もコスト効率が高い再生方法はアナログ再生である』との考えから、基幹製品として様々なアナログプレーヤーをラインナップしています。
世界中約80カ国に輸出され、そのアナログプレーヤーの多くはハイエンドファンの支持を獲得し、オーディオ業界におけるほぼすべての賞を受賞しています。

またアナログだけではなく、デジタル方向への製品展開も貪欲で、早くからiPod専用ドックやUSB DACなど最新のデジタルオーディオ技術を採り入れていました。
それらはシンプル・スタイリッシュに音楽が楽しめるBOX・DESIGNシリーズ(※3)として海外で展開しています。

プロジェクトの社是でもある『リーズナブルで良質な音、そしてエレガントでシンプルである』という考えを常に目指し続け、
「ハイレベルな音質」を「リーズナブル」な価格で展開しているプロジェクト。

『シンプル・イズ・ベスト』の製品群もいずれ、楽しんでみたいですね!

※1…正確にはプロジェクト・オーディオシステムズ
※2…1991年と紹介するサイトもあります。
※3…BOX・DESIGNシリーズを含めたレコードプレーヤー以外の製品の取扱に関しては現代理店のD&Mはコメントしていません


それでは今回ご案内の「The classic」の詳細のご案内です。

「The Classic」はプロジェクトの創業25周年を記念したモデルで、"クラシック"の名の通り50~60年代によく見られたフレームデザインを採用したアナログプレーヤーです。

今回、取扱発表直後にJoshin日本橋1ばん館にて実機を確認してきましたのでその詳細をご案内です。

【外観】

非常にシンプルなデザイン、構成です。
昔ながらのフレームデザインに、見るからに"カーボン"な9インチ仕様のストレートアームが搭載されています。

【アーム周辺】

素材は実際にはカーボンとアルミの重ね合わせ素材で、カーボンの剛性とアルミの減衰性を併せ持つ理想的な構成に仕上げているとの事です。
なお、カートリッジは付属していませんので、お持ちのカートリッジと組み合わせてお楽しみくださいませ。

【メイン・フレーム周辺】

メイン・フレームとなる筐体は2層構造です。
トーンアームやプラッターを支えるトッププレート、それを支えるメイン・シャーシという構成です。
メイン・シャーシには6箇所の窪みを備えており、そこにボール状の熱可塑性エラストマー(TPE)材が衝撃干渉材として取り付けられています
指先で押すと適度な弾力をもっていて、この素材が不要な振動を吸収しプラッターとトーンアームを台座からの振動から分離、理想的な再生環境を実現するのでしょう。

【メイン・フレーム下部/インシュレーター周辺】

※写真がブレてしまっていますが。。。
脚部は3点支持。高さの調整も可能になっており、音質面と設置性の両立をかなえています。

【メイン・フレーム/プラッター周辺】

駆動方式はベルト・ドライブ方式を採用。
さらにプラッターも二層構造(?)を採用し、『サブプラッターにメインプラッターを被せる』構造の為、外観上からはベルトは見えないようになっています。
なお、回転数はプーリーのベルト引っ掛け位置を変更する事で33/45の2通りの回転数に対応します。

【メインプラッター】

メインプラッターには重量のある肉厚のアルミ削り出しを採用。
さらにここにも熱可塑性エラストマー材(TPE)をぐるりと配置することで、メインプラッターの共振を調整・最適化します。

【接続端子拡大】

接続端子はRCAとアース線です。
レコードプレーヤーなのですからシンプル・イズ・ベストで良いのです!

【付属品など】

付属品のご案内です。
高音質のフォノケーブル、シーソー式針圧計、アームの調整用六角レンチ、オーバーハングゲージ、そして写真には写っていませんがACアダプタです。

さて、肝心の音質。。。ですが先にご案内の通りこの「The Classic」はカートリッジが付属していません。
なので今回は「サージェント・ペパーズ・ドラム」と同じオルトフォンのOMB-10にて試聴を行いました。

一聴してまず感じたのがその反応の良さです。
スピード感と分離感に優れ、音楽に躍動感を感じます。この表現はトーンアームの素材・構成から現れているのでしょう。
なお「躍動感を感じる」といっても脚色されたような"無理をしている表現"は全くありません

さらに『樹脂によるフローティング構造+ベルトドライブ方式』の組合せは、空間表現も非常にゆとりがあり、音の世界に浸る"極上の音楽の雰囲気"を醸し出します。

今回はMMカートリッジの中でもエントリークラスのもので試聴しましたが。。。
気合を入れたカートリッジに変えるとどう化けるのか
非常に楽しみでもあり、価格からは驚きの破格の表現力に私は戦慄を覚えました

この「The Classic」はクラシカルなデザインの中に最新技術を詰め込んだ、まさに価格破壊ともいえるハイ・コストパフォーマンス・プレーヤーです。

昔にレコードを楽しんでいて、これからレコード環境を復活させようとお考えの方や
お洒落かつ高音質なレコードプレーヤーをお考えの方にこの「The Classic」はイチオシです!


とうふ的The Classicの5段階評価
お薦め度 :★★★★:美しい外観と機能性を兼ね備えたお薦め品です。『5点』!
表現力  :★★★★:カートリッジも肝ですがもちろん、本体も重要です。『5点』
見た目  :★★★★:クラシックかつ高級感漂うデザインです。『5点』
機能性  :★★★★:純粋なアナログプレーヤー。機能面もシンプル確実。『5点』!
総合評価 :★★★★:デザイン、素材、価格、全てにおいて満足度が高い!オール『5点』!

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

2017年6月15日 (木)

本物のアナログ・ブームよ来たれ!老舗プレーヤーブランド「トーレンス」と定番LPレコード「プロプリウス」の魅力に迫る!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、アナログに挑戦したいが、敷居が高いと感じていらっしゃるオーディオファンの方にもおすすめの製品をご紹介!134年の歴史を持つ、世界最古参メーカー「トーレンス」のプレーヤーと定番中の定番のLPレコード「プロプリウス」の魅力に迫ります。




THORENS「TD158」

アナログブーム終焉の理由

ここ数年、巷ではアナログブームと言われ、LPレコードの生産が久々に増加したとか、テクニクスがDD(ダイレクトドライブ)プレーヤーに再参入したとか、さらには新聞記事やテレビを始めとしたマスコミに取り上げられる機会が多くなり、一般の人々の間でも大きな話題となりました。

その結果、LPレコード自体を全くご存知ない若いデジタル世代を中心に、入門クラスのUSB出力付きのレコードプレーヤーが大ヒットしたことは記憶に新しい所です。

しかし、ここに来て急速にそのアナログブームの熱が冷め、一挙にブーム前の状況に戻ってしまった感があります。その原因として考えられるのは、入門機のオーディオ的な完成度の低さ、LPソフトタイトルの絶対数の不足です。

また、ご家庭でのリスニング環境やプレーヤー操作の難しさなど、本格的なアナログリスニングでの敷居の高さなどが影響して、その素晴らしさが、若い音楽ファンや、もう一度アナログ世代の中高年層に十分浸透しなかったのだと思います。

しかし、そんな中でも、オンキヨーやティアックなどの最近発売された製品を購入され、それら新世代のプレーヤーで本格的なアナログ再生に取り組まれた方もいらっしゃいます。

また過去に使われていたアナログプレーヤーを引っ張り出してカートリッジを新しくされたり、さらには過去に使われていたMMカートリッジの銘機を、JICOの交換針(オリジナルの交換針は製造中止のため)で復活させて、アナログを再度始められたオーディオファンの方もかなりの数にのぼると思います。

さらに、ラックスマンや海外製のアコースティックソリッドやドクトル・ファイキャルトなどのハイエンド機で超本格的なアナログに再チャレンジされているオーディオファンも確かにいらっしゃいます。しかし、これらはアナログファンの誰もが取り組める製品でないのも事実です。

そんな、予算もあることなのでハイエンド機にはちょっと手が届かないが、一度は海外製のベルトドライブのプレーヤーを使ってみたいと思われているオーディオファンにお勧めしたいのが、老舗プレーヤーブランド「トーレンス(THORENS)」の製品です。

世界最古参メーカー!トーレンス(THORENS)とは?

トーレンスは、1883年スイスのジュラ山中サント・クロアに誕生したと言いますから、すでに1世紀以上、134年の歴史を持つ、世界中のオーディオメーカーの中での最古参メーカーです。

因みにラックスマンが1925年、タンノイが1926年創業ですから、さらに40年も遡ることになります。現在は、スイスのバーゼルに本社があり、製品はドイツで製造されています。

創始者のヘルマン・トーレンスの最初の作品はオルゴールでした。それは厳冬のスイスならではの屋内で可能な家内制手工業が始まりで、時計などと同様、スイス特有の土地柄が起源となっているのです。

特にオルゴールは、その精密さと熟練した音階調整が再生を大きく左右する、高精度が要求される製品です。その「精密さ」や「音階の正確さ」こそ1世紀以上にも亘り受け継がれてきたレコードプレーヤー製造の長い歴史を支えてきたのです。

そしてオルゴール製造で培われたもう一つの技術こそ、トーレンスのプレーヤー再生で感じるあの「響きの良さ」なのだと思います。

トーレンスは意外にも、1929年にダイレクトドライブ方式の特許を取得したのですが、それ以降も現在に至るまで、ベルトドライブシステムの改良を重ねてきています。

以下にご紹介します現行のプレーヤーも、伝統のベルトドライブとフローティング技術を継承し、これらを最大限生かすことで、高音質かつ安定した製品を供給し続けています。

1957年発売のアイドラー型ターンテーブル「TD124」の高評価でその地位を固め、65年発売の二重構造のターンテーブルとフローティングサスペンションを搭載したベルトドライブプレーヤー「TD150」が大人気を博したのでした。

その後、日本でもノアが本格的に輸入を開始し、「TD125」「TD320」「TD520」などがヒットし、マニア垂涎の的となった1980年発売の「Reference」、1983年発売の「Prestige」に至るのです。

「Reference」や「Prestige」は、ご存知の通り物量投入型の超弩級プレーヤーでしたが、トーレンス本来の考え方は、正確なレコード回転と音溝からの忠実な信号の読み取りを、いかにシンプルかつスマートなプレーヤーで実現するかというものだったのです。

それらは、現行のトーレンス製品のラインナップでも踏襲されており、極端な大型や重量級の製品は存在しません。あくまでもレコードを聴くことだけを目標にしており、余計な機能や奇をてらったデザインは採用されていません。シンプル・イズ・ベストなのです。

また筆者が使っている1980年代製の「TD126」もそうですが、かつてのトーレンス製品にはターンテーブル全体を筐体からフローティングする機構が採用されていましたが、現行製品では一部でプラッター部分を僅かにフローティングさせている程度で、リジッドベースの製品が大半となっており、インシュレーターや筐体構造で同程度の効果を得ているようです。

トーレンスのレコードプレーヤーのラインナップには、8万円台の「TD158」、10万円台の「TD-190-2」「TD-240-2」、20万円台の「TD295MK4」「TD206」「TD209」と輸入品としては比較的リーズナブルです。それ以上の機種としては「TD309」「TD350」「TD550(非掲載)」があります。

確かにトーレンスの低価格のプレーヤーは、国産の同価格帯のプレーヤーに比べ、見た目が貧弱で華奢に見えるかも知れません。

しかし、実際に出てくる音は、前述のオルゴール製造で培われた「音階の正確さ」や「響きの良さ」など熟練の技が生きており、国産プレーヤー、ましてやデジタルでは遙か遠く及ばない「音楽性の豊かさ」「音楽の楽しさ」「生きたサウンド」を感じさせてくれるのです。

そこにはスペックではない、「人間の感性」「音楽への造詣の深さ」を感じざるを得ません。今からアナログに取り組もうとされている方はもちろん、もう一度アナログへの再チャレンジをお考えの方にも、迷うことなくトーレンスのプレーヤーをお勧めします。

取り扱い開始!プロプリウス アナログLPレコード
さらに今回、新規に取り扱いを開始しましたスウェーデンのProprius(プロプリウス)レーベルのアナログLPレコードもご紹介いたします。

プロプリウスと言えば『カンターテ・ドミノ』がすぐ頭に浮かんでくるオーディオファンが多いと思います。各オーディオショーや試聴会で必ずかかる定番中の定番のレコードです。

今回数多くあるタイトルの中から、オーディオルートで発売されることになった6タイトルをJoshin-webのハイエンドオーディオ部門で取り扱いいたします。

プロプリウスは1969年に創設されました。「小規模のレコード会社には、質の悪いディスクを作る余裕はない」という創業者の言葉通り、良質の演奏と自然な音質の録音には定評があります。

スウェーデン各地の教会の由緒あるオルガンを弾いた録音では楽器と空間の響きがうまくとらえられ、豊かな臨場感が味わえます。

カンターテ・ドミノ(Cantate Domino)』-世界のクリスマス音楽-
1976年にストックホルムの教会で収録されたヨーロピアン・クリスマスの名盤です。

かつてオーディオ評論家の故 長岡鉄男氏に絶賛され、オーディオ・マニア必携のLPとして、オーディオ・チェックやオーディオ・セミナーのデモ用として盛んに使われてきた音源です。究極のアナログ録音としてマニアに重宝がられ、40年近くを経た今も第一級の高音質です。

アンティフォン・ブルース(Antiphone Blues)』 - アルネ・ドムネラス-
教会オルガンとサックスのユニークなコラボ演奏です。内容はクラシックの名曲からスピリチュアルミュージックまでと興味深い内容です。マイクはオフ気味にセッティングされており、壮大なパイプオルガンの響きとサックスの鳴きが絶妙のバランスで収録された名盤です。

アナログはデジタルには絶対に超えられない魅力があります。「本物のアナログ・ブームよ来たれ!」と心から願います。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年6月 9日 (金)

満を持してご紹介! トライオード『Luminous84』『TRX-P88S』

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、発売が半年遅れましたトライオードの新製品 真空管プリメインアンプ『Luminous84』と真空管パワーアンプ『TRX-P88S』を満を持してご紹介します!


ついに登場!

2016年秋に発表され、当初年末に発売される予定でした真空管プリメインアンプ『Luminous84』と真空管パワーアンプ『TRX-P88S』ですが、半年遅れでついに発売にこぎ着けました。

年末の発売が、なんとか1月末には、そして4月には、さらには大型連休までには・・・と、再三にわたって延期されて来ました。

当初、年末に予定していました両機種の製品レポートですが、今回満を持してのご紹介です。その前に、両機種の発売が大幅に遅れた原因をトライオードからお聞しておりますので、まずそれをお伝えしてからレポートを進めたいと思います。

生産遅れについて

ご存知のようにトライオード製品は中国で生産されています。従来から主要となるパーツは日本国内から供給しており、厳格な品質管理を行って、高品質の製品を供給してきております。

ただ今回、新製品の両機を製造する予定であった工場の塗装工程などに、環境問題の見直しから中国政府の大規模な査察指導が入ったとのことです。その新しい環境基準をクリアするための製造工程の改善が必要となり、大幅な生産の遅延が発生したとのことです。

ご予約頂いたお客様には、大変ご迷惑とご心配をお掛け致しましたことに、この場をお借りして、心より深くお詫び申し上げます。

真空管プリメインアンプ『Luminous84』

トライオードには従来から、“オーディオは男だけのものでは無い!”というコンセプトから生まれた小型でオシャレなデザインのプリメインアンプ「Ruby」があります。

現代の癒やしの新しい音楽スタイルとして、女性のオーディオファンや音楽ファンにも受け入れられ、ロングセラーが続いています。

「Ruby」は、小型で非常にコストパーフォーマンスに優れた製品で純A級3W+3Wを出力でき、ヘッドフォン回路ももちろんICではなく6BQ5真空管から出力されます。

そのおしゃれでキュートな「Ruby」を、一回り大きくした本格的でスタイリッシュな真空管プリメインアンプとして登場したのが『Luminous84』です。出力は、「Ruby」と同じMTタイプの5極管6BQ5(EL84)4本をUL(ウルトラリニア)接続してAB級プッシュプル使いで11W+11W(8Ω)の出力を確保しています。

出力管のバイアス管理は、無調整で安定性に優れた自己バイアス方式としています。真空管ボンネットも標準装備されています。

また「Ruby」には無かったフォノイコライザー回路(半導体式MM型対応)も搭載しており、アナログレコードプレーヤーも接続してお楽しみいただけます。その他3系統のLINE入力を装備しています。

出力にはスピーカーが1系統とヘッドホン出力があり、ヘッドホンでも真空管アンプの魅力が十分楽しめます。本機の出力管にはミニチュア管が採用されており、300Bや2A3などの伝統的な三極管やKT-88・6CA7などのビーム管や大型五極管を使った代表的な真空管アンプに比べると、デザイン的に少し迫力に欠けるのは否めません。

しかし一方で、ミニチュア管ならではの小気味の良い軽やかなサウンドを評価する声もあり、何より大袈裟にならないコンパクトさとレトロな雰囲気を併せ持つデザインの良さに惹かれる音楽ファンも多いのではないかと思います。

出力の11W+11Wは何とも貧弱に思われるかも知れませんが、そこは真空管。スピーカーが余程の超低能率でない限り、十分な音圧は得られると思います。

さらに、出力トランスを介してスピーカーをドライブすることで、スピーカーを確実に制動できるため、しっかりした安定感の伴った低音も実現しています。音場感こそハイエンドクラスのアンプには及ばないものの、濃密でエネルギーに溢れたホットなサウンドが、このクラスのアンプで得られることには正直驚かされます。

とにかく音楽を楽しく聴かせることに関しては、同価格帯のトランジスタアンプを大きく超えていると思います。

期待通り、特に楽しいのはボーカルでした。眼前に生身のボーカリストを感じる程、温かく湿り気を伴ったボーカルは出色で、ダイナミックレンジを狙った大出力アンプではない、小出力の真空管アンプならではと感じました。

さらに、アナログレコードでも真空管ならではのたっぷり感のある豊潤なサウンドを楽しめることから、初心者や女性の音楽ファンはもちろん、酸いも甘いも知り尽くしたオーディオファンのサブシステムとしてもお勧めしたいと思います。

『Luminous84』は、世の中の嫌なことを忘れ、ただゆったり、ひたすら好きな音楽に浸っていたい・・・。そんな気分にさせてくれます。

真空管パワーアンプ『TRX-P88S』

本機は出力管として人気のある大型管KT-88をA級シングルで動作させるステレオパワーアンプです。出力は10W+10W(8Ω)で、通常の音楽鑑賞には十分な出力です。使用真空管はいずれもスロバキアのJJ製です。

固定バイアス方式を採用しており、確認用のアナログメーターと調整用ボリュームが天板にあり、バイアス調整が正確に行え、真空管の交換も容易に行えます。真空管ボンネットも標準装備されています。

本機は基本的にはRCA入力が1系統のパワーアンプですが、リアパネルのスイッチのON/OFF切替で、前面にあるボリュームを使ったシンプルなプリメインとしての使用も可能です。

ソース機器とダイレクト接続することで、シンプルなシステムが実現します。また、パワーアンプとしても0dBから-12dBまで3dBずつ4段階のゲイン切り替えが装備されており万全です。

デザイン的にはKT-88を左右に配したオーソドックスなもので、安定感があり、これぞまさしく真空管アンプと言う姿です。ヒーターが点灯する様やあくまでも良い音のための発熱は、真空管アンプの醍醐味であり高い趣味性を感じさせるものです。

サウンドは、KT-88の持つ力強い持ち味が存分に活かされたもので、最新のアンプのようなデジタルサウンドを意識した解像度や分解能を追求したタイプではなく、厚みや密度感、安定感を伴った真空管ならではの、ある面では大らかなサウンドとも言えます。

低域は骨格がしっかりした太めで安定したもので、鳴りっぷりの良さが魅力です。中域は充実感があり、生音の適度な艶っぽさも表現し、耳なじみが良くリラックスできるサウンドです。高域はこれ見よがしな派手さはなく、適度な肉付きがあり心地よさを感じさせます。

最後に。
元鉄道マンの山崎順一社長が1994年に設立したトライオード。20年以上にわたる同社のノウハウを注入して、前述のように難産の末、ついに発売にこぎ着けた真空管アンプ『Luminous84』『TRX-P88S』。

いつかは真空管!一度は真空管!とお考えのオーディオファン、音楽ファンに自信を持ってお勧めできる本格派の真空管アンプです。

真空管。ちょっと夏には暑いのが“玉にきず”ではありますが・・・。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年5月14日 (日)

SOULNOTE & PMC 掲載復活!~プリメインアンプ『A-0』フォノイコライザー『E-1』レビュー~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、SOULNOTEの伝説ともなっている製品をリニューアルした、プリメインアンプ『A-0』とフォノイコライザー『E-1』を満を持してレポートします!


SOULNOTE「A-0 S」

SOULNOTE「E-1 S」

SOULNOTEの歩み

株式会社CSRは2004年に設立された音響機器、カラオケ機器、業務用無線機などを中心に企画開発から生産、販売までを一貫して行っているメーカーです。本社は神奈川県相模原市にあります。2006年に“SOULNOTE(ソウルノート)”ブランドを立ち上げ、2016年4月、ブランド10周年記念としての第1弾となるプリメインアンプ「A-1」、CDプレーヤー「C-1」を発売し、好評を博しています。

そして、その第2弾が今回ご紹介する『A-0』と『E-1』です。SOULNOTEの過去の人気製品であり、伝説ともなっている製品のリニューアル版でもあります。

ここで少しSOULNOTEの過去10年の歩みを簡単に述べておきます。“SOULNOTE=魂を震わす音”ブランドは前述の様に2006年に誕生しました。当時の代表者兼エンジニアは鈴木 哲氏で、株式会社CSRの元で「SOULNOTE」ブランド立ち上げ、2010年そのCSRから独立して「株式会社SOULNOTE」を起ち上げたのでした。その後、鈴木氏は新たに“Fundamental”ブランドを立ち上げ現在に至っています。

SOULNOTE伝説の製品をリニューアル!

新製品のプリメインアンプ『A-0』は、2007年の発売以来ベストセラーを続けた「sa1.0(B)」の基本コンセプトはそのままに、新生SOULNOTEのニューデザインのシャーシを採用し、音質や機能をバージョンアップさせたと言います。

「sa1.0(B)」は、10W+10W(8Ω)の小出力にあえて特化した設計により、従来のアンプでは成し得なかった繊細かつダイナミックな表現力、どこまでも拡がる鮮やかな音場と言う、かつて無い高音質を手に入れる事ができたNon-NFBアナログアンプだったのです。またヘッドホンアンプやプリアンプとしても使用可能で、バーサタイルな人気のモニターアンプでした。

そして、フォノイコライザー『E-1』は、今や伝説ともなっているMC専用フォノイコライザー「ph1.0」(受注生産品) の基本回路の構成を踏襲しながらニューデザインとして復活させたと言います。

「ph1.0」のカートリッッジの負荷インピーダンズ対応は(3 / 6 / 15 / 27 / 40 / 50 / 100Ω)と完璧でフルバランス構成のフォノイコライザーでNon-NFBのCR型、バランス出力、プリメインアンプ並の大型電源と、当時のフォノイコライザーとしては異例ずくめの内容であったのを記憶しています。

SOULNOTEが目指す“魂を揺さぶる音”

もちろん2016年に誕生した新生“SOULNOTE”も、当初からの“魂を震わす音”を目指して「設計者自身が音を聴きながら製品開発できる」体制をとっています。

目指すは、“生きている音”であり、音楽の楽しさやワクワク感、感動が直接伝わって来る音なのだと言います。すなわち、それが“魂を揺さぶる音”そして“ダイレクトに心のヒダに浸透してくる音”だという訳です。

それを水の流れで例えると、SOUNOTEが目指すのは「どこにも堰き止められず全開で流す」ことで、「何かで一度堰き止められた流れは、後でどう頑張っても元には戻せない」という考え方から来ているのです。

フィードバックをはじめとした回路技法や振動を止めるための筐体設計など、歪みやS/Nなどの測定値を良くする(音にはあまり関係ないことは十分ご承知だと思います)ための手法が、「流れを堰き止め、魂を失わせ、音を殺している」のだとしています。

それらを踏まえ、銘機をどういう手法でリニューアルしたのでしょうか。探っていきたいと思います。

新世代のプリメインアンプ『A-0』

プリメインアンプ『A-0』は、「sa1.0(B)」が寸足らずの奥行き243mmに対して418mmと、ほぼ通常のアンプサイズとなっています。リアパネルにあったL/Hのゲイン切り替えスイッチがフロントに移動しています。

回路的には「sa1.0(B)」の無帰還(Non-NFB)ディスクリートアンプ回路を徹底的に見直し再構築した結果、全帯域でのドライブ力をアップさせつつワイドレンジ化を図ったと言います。最大出力は一般家庭での使用には十分と考え、「sa1.0(B)」同様敢えて10Wに抑えています。

周波数特性や直線性に優れたトランジスタをシングルプッシュプル使いとし、透明で躍動感のある音を実現できたのです。これこそプリアンプのクオリティのままでスピーカーをドライブする「パワーアンプレス」とでも言える方式です。

その他、ヒートシンクの熱容量を2倍にすることで躍動感や懐の深さを向上させ、回路の最短化やグランドのスター配線化による聴感上のS/Nや音のリアリティの向上を実現しています。入力はバランスが2系統に強化され、RCAが2系統装備されています。

信号経路の無接点化やゲイン切り替えにより音質変化の抑制や音量の微調整、トランス直下にスパイクピンを設ける3点支持、ヘッドホンをスピーカー出力と同じ無帰還ディスクリートパワーアンプでドライブするなど「sa1.0(B)」を踏襲しています。

このように『A-0』は、超強力なヘッドホンアンプでもあり、RCAのプリアウトを2系統備えていることや、プリメインアンプとしての強力な電源をもつことから、ある意味で電源に余裕のあるプリアンプであるとも言えます。色々な発展性や自由な使い方が可能な新世代のプリメインアンプなのです。

試聴しました。

『A-0』は日本橋1ばん館で試聴しました。「sa1.0(B)」を彷彿とさせる活き活きしたサウンドは間違いなく直系です。鮮度が高く、抑えられた所を感じさせない、吹っ切れ感のある元気のよい“生きたサウンド”でした。

とにかく音が飛んできて、ウキウキしてくるのです。リズムを取って前のめりで聴いてしまう、そんな楽しい音でした。さすがに大音量向きではありませんが、トールボーイタイプのスピーカーでも、通常の音量程度では全く破綻することはありませんでした。

これらは、間違いなく信号経路の最短化やNon-NFBによるところが大きいと思います。あまり神経質には聴かず、大らかに音楽を楽しめるアンプです。また、私個人としては、プリアンプとしても『A-0』に大きな魅力を感じました。

復活したフォノイコライザー『E-1』

一方、『E-1』は、無帰還アンプの最大のメリットである高域方向に無制限に伸ばせるという優れたリニアリティを生かし、デジタルのような帯域制限(サンプリング周波数で決定してしまう)の無い、アナログソースでこそ、その真価を発揮すべく企画されたフォノイコライザーです。

回路的には伝説の「ph1.0」を、部品を含め踏襲しながら細部をブラッシュアップしたと言います。高域のダイナミックレンジが問題のCR型や、帯域でNFの量が変化するNF型の欠点から逃れるため、ゲインそのものがRIAA特性になる独自回路を採用しているとのことです。この結果、100kHz以上までも均一なクオリティを獲得できたのです。

「ph1.0」には無かったMCカートリッジ使用時のバランス入力にも対応しており、2芯シールドのXLRケーブルで入力すれば、入力から出力まで完全バランス無帰還フォノイコライザーとなるのです。

「ph1.0」のMC専用に対してMM入力を装備し、MCの負荷インピーダンスも若干違う(3 / 10 / 30 / 100 / 300 / 1kΩの)6段階としています。

電源には同社のプリメインアンプ「A-1」と同仕様の260VAのトロイダルトランス、1000μFのフィルターコンデンサーを10個並列接続した無帰還電源を採用しています。振動対策も過度な防振対策を施さない、SOULNOTEの思想を守っています。

残念ながら今回試聴は叶いませんでしたが、いずれ試聴レポートを書いてみたいと思います。メーカーの話では、鮮烈な生々しさで、音溝に刻まれた微細な音をありのまま出せるのだとのことです。 「ph1.0」の当時の税別価格50万円からすると大変お買い得感があります。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年4月20日 (木)

ペアー・オーディオ『 Robin Hood SE / Cornet1 』 ~マニアック御用達のアナログプレーヤー登場~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ベテランの オーディオファイル(マニアック)にお勧めするアナログプレーヤー pear audio『 Robin Hood SE / Cornet1 』をご紹介します! 熟練度や慎重な作業が必要ですが、振動を徹底的に排除し、「完全な静けさ」を実現でき る、本当の意味でのアナログなプレーヤーです。



pear audio「Robin Hood SE / Cornet 1」

pear audio analogue(ペアー・オーディオ)社の歩み

pear audio analogue社は、イタリアの東隣に位置するスロベニアの首都リュブリャーナにあ ります。このブランドは、熱心なオーディオファイルであり、40年以上もオーディオ界に身を置いている人物 で、アナログオーディオの音質向上に邁進してきたというPeter Mezek(ピーター・メゼック)氏によって設立さ れました。

氏は1985年、革新的なリニアトラッキング方式のプレーヤーをJiri Janda(ジリ・ジャンダ )氏と共同で開発し、大きな注目を集めたのです。

その後、ノッティンガム・アナログ・スタジオを創 立した故・Tom Fletcher(トム・フレッチャー)氏と知り合い、アナログ・ターンテーブルの設計思想と技術的 なアプローチに関して多大な影響を受け、他のいかなるアナログプレーヤーでも再現できなかった素晴らしい 音楽性とリアリズムに感銘を受けたのでした。

2005年、トム・フレッチャー氏はノッティンガム社を 退いた後、従来からの自身の設計思想を発展させた「KIDシリーズ」を設計し、ペアー・オーディオで製造され るようになったのです。ここでピーター・メゼック氏とトム・フレッチャー氏は、さらなる探求を続け、アナ ログ・ターンテーブルの基本原理に立ち戻って、究極のアナログサウンドを実現したのだと言います。

トム・フレッチャー氏は、2010年に亡くなられましたが、その後をピーター・メゼック氏が引き継ぎ 、アナログ再生のさらなる高みを目指して、ペアー・オーディオ社で新しい製品を提案し続けているのです。

そして、新たに日本に登場したのが今回ご紹介します『 Robin Hood SE / Cornet1 』です。

「完全な静けさ」を実現する『 Robin Hood SE / Cornet1 』

そのコンセプトは、同社 の基本理念でもある「最先端技術とは真逆の、原点への回帰」と「物量投入でなく、最適素材の選定とそのシ ンプルな組み合わせで最高のパフォーマンスを得る事」を継承しており、『 Robin Hood SE 』は、それらに沿 って製品化されたペアー・オーディオ・ブランドのエントリーモデルという位置づけです。

具体的に は、レコードの音溝に刻まれた情報の全てを再現するために必要なものを、「静粛性(静けさ)」と考え、『 余 分な振動を与えないためには、必要最小限なトルクかつローノイズなモーター 』が必要と考えたのです。

すなわち、アナログプレーヤーでの最大の振動源である駆動モーターに『 必要最小限のトルク=振動 が極小 』なモーターを採用することで、振動を根本から無くして静粛性(静けさ)を追求しているのです。

これは、ターンテーブル(プラッター)が回転する時に、どうしても発生してしまう極僅かな振動が 、レコードの音溝に刻まれた情報をスポイルしてしまうため、とにかく振動を徹底的に排除しようとする考え 方からです。

この考え方は、前述のノッティンガムのプレーヤーと全く同様で、間違いなく直系です 。

その結果、起動時のトルクを持たせていないため、作動開始には手回しによる回転のサポートが必 要です。さらにモーターを別筐体として本体左手前にビルトインし、プレーヤ本体と接触させないことで、周 到にアイソレートして「完全な静けさ」を実現できたと言います。

本機のターンテーブル(プラッタ ー)は、29mm厚あり、質量は6kgにも及ぶ高剛性アルミニウム合金製の削り出しで、ドライブベルトにはシリコ ン製の丸型(平たくない丸い)ベルトが使われています。

ターンテーブルのベルト接触部にガイド溝 を備えることで、プーリー位置を設定し易い構造とし、長時間の使用でも安定した滑らかな回転が実現できま す。

また、33/45回転の速度切替えはプーリーの上下にかけ替えることで行う構造としています。 50/60Hzの電源周波数切替えはプーリー交換での対応となります。

本体の仕上げは、光沢のある非常に 美しい「ポルシェ・バーガンディ」色のラッカー仕上げが施されています。材質は不要な振動を極力抑えるた めに、天然のバルトバーチ材を使用し、12層に積層された18mm厚ボードを2段に重ねた構造としています。

その2枚のボードの間は制振性の高い特殊シリコン樹脂で共振を抑えることで、天然木による優れた音 響特性を実現しています。さらに本体は内部損失の高いPOM(ポリオキシメチレン)材の支柱3本により3点支持 されています。

トーンアーム「Cornet 1」も、故 トム・フレッチャー氏によって基本設計された 『Space Arm』を進化発展させたアームの集大成としています。

特殊加工のカーボンファイバー素材に より、アームの安定性・共振制御を高め、これまでのトーンアームにはなかった高い剛性を実現できたと言い ます。

アーム部のジョイントにはシリコン素材を充填していますが、一般的なシリコン素材は流動性 が高く馴染むまで若干時間が必要で、再生中に音が変化することもあるそうですが、「Cornet 1」に採用した シリコン素材は、流動性を抑え時間をかけずに音が馴染むバランスに優れた特殊なものとしているとのことで す。

カウンターウェイトには多くのユニピボット・トーンアームと同じく偏心カウンターウェイトを 使用し、適切なレコードトレース能力を確保し、位相の誤差を限りなくゼロに近づけているとのことです。ま た、指かけを無くしたのは、指かけによりトーンアームのバランスが崩れ、制御の効かない微細な共振がヘッ ドシェルに拡散するのを防ぐためだそうです。

サイズは、トーンアーム「Cornet 1」を搭載した状態 でも、幅425×奥行355×高さ255mmとコンパクトで、質量が11kgと非常にコンパクトで設置の場所も取らず扱い やすい大きさです。

試聴しました

弊社日本橋1ばん館で、実際にトーンアーム「Cornet 1」付きの 『Robin Hood SE / Cornet1』を操作し、そのサウンドも確認しました。




光沢のある非常に美しく流麗なデザインは、アナログの温か みを感じさせ、所有欲を大いに刺激されました。6kgにも及ぶターンテーブルの重量感は半端ではありません。

ターンテーブルの起動には、1回転させる程のかなり手伝いが必要です。規定の回転数になるまで回さ ないと止まってしまう低トルクさにはビックリしました。

別筐体になっている駆動モーター部に、穴 の空いた本体をかぶせるようにはめ込みます。本体とは接触しない構造です。

トーンアーム「Cornet 1」はシンプル過ぎる位シンプルです。指かけはもちろんカウンターウエイトやインサイドフォースなどの目盛 も一切ありません。これらが全て音のためには余計なものとの考えからでしょう。

このため、カート リッジの取り付けは、アームから直出しされているリード線に慎重に付ける必要がありますし、針圧調整には 別途針圧計が必要ですし、アンチスケーティング(インサイドフォース・キャンセラー)の調整も目盛がない ためテクニックが必要です。

このように『 Robin Hood SE / Cornet1 』は決して操作感抜群とはいか ないプレーヤーですが、ここまでの徹底度には正直脱帽です。そのためユーザーには余計な作業を強いります し、熟練度や慎重な作業も要求する、本当の意味のアナログなプレーヤーです。

最後に
店頭でカートリッジに「マイソニックラボ/ Signature Gold 」(プレーヤーの倍近い価格と、 ちょっと反則ぎみですが)を使用して試聴しました。

やはり、期待した通りの抜群の“静けさ”に感動 しました。物量投入型の高級プレーヤーに感じるある種の重苦しさは全くなく、軽快なサウンドでありながら も安定感を備えた、実に音楽性豊かなものでした。

またカートリッジの持つ能力をスポイルすること なく、全て引き出していると感じさせるトーンアームも魅力的でした。聴き疲れしない優しいサウンドには、 音楽にどっぷりと浸れ、どんどん引き込まれて行きそうなアナログならではの深さを感じました。

こ のように『 Robin Hood SE / Cornet1 』は、ハイエンドクラスの高剛性プレーヤーとは、真逆のアナログサウ ンドの世界を実現する高級プレーヤーとして、ベテランのオーディオファイル(マニアック)のお勧めするア ナログプレーヤーです。

お好みのトーンアームが使えるアームレスの『 Robin Hood SE 』も用意され ています。

2017年3月19日 (日)

【簡単操作で高音質!】トーレンスのレコードプレーヤー「TD190-2」のご案内です


みなさま、こんにちは。

今年の花粉の勢いに負けそうなとうふです。
鼻が詰まると耳が聴こえにくくなり、せっかくの音楽を楽しむ気分が害されるので、お部屋に一台空気清浄機があればなぁ。。。と思う毎日です。
そんな空気清浄機が豊富でお買い得なJoshin Webの空気清浄機コーナーはこちらより

さて、今回ご案内の製品はこちら

トーレンス
フルオートレコードプレーヤー
TD190-2

コストパフォーマンスの高いレコードプレーヤーで著名な"トーレンス"製品です。

"トーレンス"というと古くはオルゴール、または蓄音機等でも有名な老舗メーカーです。
その歴史は古く、なんと創業1883年
ウィキペディアを見ると、オイルライターやハーモニカなども作っていた精密機器メーカーだったようですね。
しかし、オーディオ好きの視点でみるとCD全盛の時代でも頑なにアナログレコードプレーヤーを作り続けてきた、アナログ一筋の超・老舗です。
※なお創業はスイスですが現在は買収されており、ドイツの音響機器メーカーとして存在します。

簡単操作のフルオートプレーヤーから、歴史に名を残す超弩級プレーヤー【Reference】【Prestige】まで、全てのアナログレコード愛好家の期待に応えてきたメーカーといえるでしょう。
特に今回ご案内のTD190-2は手軽なフルオートプレーヤーの代表格としてその音質の高さからも人気のモデルです。

とうふが考えるTD190-2の大きな特徴は大まかに4つ。
・スイッチ一つで自動的に再生、さらに演奏が終わると自動でアームが待機位置に戻る「フルオートプレーヤー」
・33-1/3、45、78の回転数に対応。
・樹脂ボディを採用し、本体価格を抑える。
・本体の振動をアーム、ターンテーブルに伝えないフローティング構造。
特に最後のフローティング構造の存在は音質への影響が大きく、振動の影響を受けないため濁りの少ない表現を楽しめます。

CDとは一味違うレコードならではの深みと広がりのある表情が心地良く、つい寝入ってしまってもこのTD190-2なら大丈夫。
そう、フルオートプレーヤーなので演奏が終わると自動でアームが上がり、待機位置に戻るのですから!

レコードを簡単、高音質に、そして安全に再生できるプレーヤーとして「TD190-2」はお薦めします!


とうふ的TD190-2の5段階評価
お薦め度 :★★★★:簡単・高音質。お薦めです。『5点』
表現力  :★★★★:地味に付属カートリッジも高性能。『5点』
見た目  :★★★ :安価ですが安っぽくはありません。『4点』
導入レベル:★★★ :操作も簡単。設定もそう難しくありません。『4点』
総合評価 :★★★★:価格・機能・音質さらに使いやすさまで。お薦めです。『5点』!

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

2017年2月13日 (月)

【国内限定100台】TEACのレコードプレーヤー「TN-550」をご案内します。


みなさま、こんにちは!

暖かくなったり急激に寒くなったり、体調管理が大変な今日この頃。
『梅が咲き始めたら写真を撮り行くんだ。。。』と我慢しているとうふです。

と、いうわけで今回ご案内の製品はこちら!

ティアック
アナログレコードプレーヤー
TN-550【国内限定100台】

以前、ハイエンドオーディオブログで"あさやん"がほめていたTEACのTN-570の機能をシンプルにしたレコード再生純化モデルです。
あさやんのハイエンドオーディオブログ該当記事はこちら

この「TN-550」は
・回転数調整機構のPRS3
・アクリル製プラッター
・ベルトドライブ方式
・高密度MDFと人口大理石を張り合わせた2層構造キャビネット
・高さ調節が可能な高機能トーンアーム
・和紙製ターンテーブルシート(TA-TS30UN-BW)付属
等々基本的な構成は「TN-570」と全く同じです。

が、最大の違いはこちら

そう、デジタルアウト/USB接続端子が無いのです。
最大の特徴とも言えるデジタルアウト/USB接続端子を排除したことにより、より純粋な"アナログプレーヤー"となったのです。

ベースモデルとなったTN-570は基礎がしっかりしているため、非常に完成度が高く、
・フォノイコライザー内蔵で買ってすぐアンプに接続して再生が出来る
・カートリッジの交換が容易なユニバーサルアームを搭載。
・アームは高さ調節機能を持つことで、カートリッジの対応幅にも広がりを持ちました。
・キャビネットも剛性が高く、しっかり重量のあるボディ。
・RCAプラグを搭載することでケーブル交換にも対応。
・USB端子でPCへ簡単取込
等、入門者から中~上級者までも魅了するプレーヤーに仕上がっています。

しかし中には(せっかくこのクラスなのだから)『フォノ回路は不要では』『デジタル回路は不要では』...というご意見が試聴会などのイベントであったとの事で今回、この「TN-550」は
・デジタル出力
・PC接続機能
・フォノ回路
を排除した上で【日本限定100台】純粋なレコードプレーヤーとして生産される事となったのです。
※なお、JoshinWebでは100台限定生産のうち10台を確保しております。

ベースモデルゆずりのしっかりとした作りで、機能特化。
さらに限定生産。
カートリッジの交換等でも"遊べる"国内メーカー製のレコードプレーヤーとして「TN-550」は非常に面白みのある製品として自信を持ってお薦めします。


とうふ的TN-550の5段階評価
お薦め度 :★★★★:シンプルisベスト。当然『5点』!
高級感   :★★★ :外観はTN-570と一緒。高級感は高いです『4点』
レアリティ :★★★★:日本でたったの100台。珍しいですよ。『5点』
コスパ   :★★★ :色々遊べるのに安っぽくない。グッドです。『5点』!
総合評価 :★★★★:入門から玄人まで。全てにお薦めできます。『5点』!

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

2017年1月20日 (金)

オーディオテクニカがVM型カートリッジのラインナップを一新! 一挙12機種登場!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、オーディオテクニカが発表したVM型カートリッジの新製品12機種(カートリッジ9機種、シェル付きモデル3機種)の中から、『オーディオ銘機賞2017』の銅賞受賞モデル“VM700シリーズ”を取り上げます。

また、“VM700シリーズ”の中間に位置する「VM750SH」を試聴することができましたのでレポートして参ります。


VM型カートリッジを一新した2つの理由

今回、オーディオテクニカがVM型カートリッジを一新したのには2つの理由があるようです。

その一つは同社のHPにもあるように、「近年、アナログレコードの人気が世界的に高まり、国際レコード産業連盟発表のデータによれば2014年のアナログレコードの売上は世界で3億4680万ドル(前年比50%増)にまで達しました。日本市場におきましてもアナログレコード売上はアメリカ・ドイツ・イギリスに次ぐ4位と、大きな市場へと成長しつつあります。」ということ。もう一つの理由は、従来同社がカートリッジ・コイルに線材として使用していた「PCOCC」の生産が中止されたことにあるようです。

そして今回の音質上の狙いは、従来機にも増して高い解像度を保ちながらも、中低域のボリューム感をアップさせることを目指したとのことです。

VM型カートリッジはとは


VM型カートリッジは、オーディオテクニカが特許をもつカートリッジ構造で、発電方式は大きな意味でMM(ムービング・マグネット)型に属するのですが、MM型がマグネットが1個なのに対して、VM型では左右チャンネルごとに独立した2本のマグネット振動子をV字状に配置(デュアルマグネット)することで振動系の性能を高め、レコードに音溝を刻み込む際のカッターヘッドと相似の理想的な動作を実現できたのです。また、左右の発電系をセンター・シールドプレートでセパレートにして、電気的なクロストークも(40dB以下に)減らすことができました。

この独自の構造にすることで、シュアー(米)とエラック(旧西独)が持つMM型の特許から逃れられました。その結果、世界中でオーディオテクニカはカートリッジを販売でき、世界最大のカートリッジ・メーカーと言われるまで事業が拡大できたのです。

オーディオテクニカの歴史

それでは、ここでオーディオテクニカの歴史について少し触れてみたいと思います。

株式会社オーディオテクニカの創立は1962年(昭和37年)で、MM型カートリッジAT-1,AT-3を発売、同時に国内音響メーカーへのステレオカートリッジのOEM供給も開始しました。

翌年には高級MM型カートリッジAT-5や軽針圧トーンアームAT-1001を発売し、さらにNHKなどに業務用MC型カートリッジやトーンアームの納品も始めました。1967年には独自の特許VM型カートリッジ AT-35Xを発売し、1969年には有名な「AT-VM3」、翌年「AT-VM35」を発売し、VM型カートリッジとしてスイスに続きカナダ、英国及び米国、そして1974年には西独でも特許が成立したのです。

そして、1975年から76年にかけては、国内のカートリッジ市場を席巻したマグネシウム合金シェル付きカートリッジ AT-15Sa/G、AT-15E/G、AT-14Sa/G、AT14E/G、さらにAT-15Ea/G、AT-14Ea/G、AT-13E/G、AT12E/Gを発売したのでした。

当時、私は日本橋1ばん館のカートリッジ担当をしており、MM型では前述のシュアー、エラック、そしてエンパイア等の外国勢を抑えて、オーディオテクニカ製のVM型カートリッジを数多く販売したのをはっきり記憶しています。

その後、このVM型シリーズは、1979年には3桁ナンバーの“AT-100シリーズ”となり、以後CDがメインソフトとなってからも生産が続けられたのです。

VM型シリーズ新製品が続々登場!

このシリーズには「AT-150EG」系とAT-140,120,100などの「AT-140EG」系があり、これらはカートリッジ本体(交換針以外のボディ部分)が、ダイキャスト・アルミ合金か樹脂製かに大別されていました。

今回発売された12機種の内、「AT-150EG」系が“VM700シリーズ”、「AT-140EG」系が“VM500シリーズ”に当たります。形状はオリジナルと同じですが、今回はモノラル専用(発電部分もモノ専用構造)の“VM600シリーズ”として、「VM610MONO」「VM670SP」も追加されています。

この新製品の中から、今回は『オーディオ銘機賞2017』の銅賞受賞モデル“VM700シリーズ”を取り上げます。

“VM700シリーズ”には、スタイラスにラインコンタクト針を採用した最上級機「VM760SLC」、シバタ針を採用した「VM750SH」、そしてマイクロリニア針採用の「VM740ML」があり、ボディ部分は同一で、交換針にも互換性があります。カンチレバーはいずれも軽量化を図ったアルミニウムテーパーパイプを採用。コイルには6N-OFCが使われています。

「VM750SH」を試聴しました

今回は“VM700シリーズ”の中間に位置する「VM750SH」を聴く機会を得ましたのでレポートして参ります。正直、私は普段DENONやオルトフォンのMCを中心にアナログ・レコードを楽しんでおり、久々のMM(VM)型カートリッジの試聴となりました。

アナログ全盛時代には私も、シュアー「V15Type3」「同Type5」をはじめ、テクニクス「EPC-205C II」「同100C」やエラック「STS-455E」「同555E」そして今回の“VM700シリーズ”のオリジナルでもある「AT-15Ea/G」「AT-150Ea/G」など針交換が可能なことからMM型を中心に使用していました。

当時のMC型、特にオルトフォンタイプの低出力MCをS/Nを確保して鳴らすのは、かなりハードルが高く、どうしてもMM型を選択せざるを得なかったのも事実です。

MM型カートリッジでも、その音質は、それぞれメーカーによる違いは大きかったのですが、MC型の中低域の厚みと温かさに比べ、MM型は少々低域の量感は後退するものの、立ち上がりが良く、クリアな音で、当時主に聴いていたジャズやポップス系では十分再現できていたのですが、正直、密度感やボーカルの滑らかさなどはMC型に一日の長がありました。

そのイメージで「VM750SH」をSME3009トーンアーム付きのトーレンスのプレーヤーに装着し試聴を開始しました。

明らかに過去のMM型とは違う厚みが、低域はもちろん高域にも感じました。情報量も豊かで、細かなニュアンスまで再現できたことには少々驚かされました。

もちろんMM型の特徴でもある立ち上がりが良く、高解像度でキレの良いサウンドは十分維持した上でのことです。さらに本機には従来MM型にしばしば感じた硬質感もなく、大音量でも分解能が低下することはありませんでした。力強くダイナミックなサウンドで、明るく楽しく聴け、アナログの良さである“突き抜ける感じ”を十分味わうことができました。

特筆したいのは左右のセパレーションの良さで、立体感、実在感は従来のアナログの域を超えており、これはVM型のメリットだと思います。この安定したサウンドは、本機が従来機の推奨針圧1.4gに対して、2.0gと設定していることも貢献しているのではないでしょうか。

ひたすら軽針圧を有り難がったアナログ全盛期の反省に立ったものかも知れません。やはりレコードの音溝にグイッと針を食い込ませることで、情報を拾い切れるのではないかと思います。

そして何より、MC型と違って針交換のできるメリットを忘れてはなりません。今回の新製品では、7種類の針と3種類のボディを用意することで、グレードアップやお好みのコンビネーションのカスタマイズが可能となったのです。

最後に

ヘッドホンユーザーが音楽のジャンルやシチュエーションによって製品を使い分けるように、カートリッジユーザーの方にもお好みに合わせて音質の違いを楽しんでいただきたいというカートリッジメーカー、オーディオテクニカならではの想いがあるのでしょう。

ぜひ、もう一度アナログにチャレンジしようとお考えのリターナーの方、久々にMC型とは違うMM型の良さを味わいたいベテランのオーディオファンの方に、ご予算やお好みに応じて9機種のカートリッジの中からご自身のニーズにマッチしたVM型カートリッジをお選び下さい。使い易さやそのパフォーマンス、そしてC/Pの面でも自信を持ってお勧めします。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2016年12月31日 (土)

パス・ラボラトリーの本格派据置ヘッドホンアンプ「HPA-1」をご案内します。


みな様、こんにちは。

今年は『年賀状は11月末に作ったから余裕だぜ!』と言いつつ出し忘れていたとうふです。
郵便局の人が困るので、皆様年賀状はお早めにお出し下さいませ。。。

さぁもういくつ寝るとお正月、2017年の近づく足音が聞こえてくるようです。
年末年始の休暇の間に見る、映像ソフトのご用意は大丈夫でしょうか?
※映像ソフトもいつでも安いJoshin Webの特設ページはこちらより

さて、今回ご案内の製品はこちら

パス
A級動作ヘッドホンアンプ
HPA-1

米国のハイエンドオーディオメーカー「パス・ラボラトリー」から現在のヘッドホン環境に対する回答とも言える、ヘッドホンアンプです。

昨今は音源がPC、またはデジタルオーディオプレーヤーからのデジタル接続等の環境が多く、アナログ接続よりもデジタル接続が良く見受けられます。
(時代の流れとも言えるのでしょう。)
しかしこのHPA-1、まるで「デジタル入力は邪魔だ」とも言わんばかりのアナログ入力(×2)という実に男らしい仕様。
更にリモコンすらありません。
まぁヘッドホンアンプなわけですから、「手元で操作出来れば良いだろう」という思考なのかもしれません。
端子もノイトリック社の業務用端子(ロック機構付き)
アンプ回路はフルディスクリート回路で構成のA級のシングルエンドアンプ。
※ちなみに試聴前に暖気のためしばらく通電しましたがそれほど熱くはなりませんでした。

と、言うわけで今回、早速試聴機をお借りすることが出来たのでとうふ視点でのレビューを行います。
なお貸出期間が非常に短かったため今回はプリアンプ機能のチェックまでには至りませんでした。。。

試聴環境は下記の通り
○プレーヤー
Astell&Kern社のデジタルオーディオプレーヤー【AK70】
※ラインアウトにて使用

○ヘッドホン
Sennheiserのヘッドホン【HD-25】

~感想~

楽曲はQueenのWe Will Rock You(グレイテスト・ヒッツより)をチョイス。
冒頭の床を踏み鳴らす音が団子にならず、細やかに力強くズンズン耳に届きます。
未だかつてこの低域をここまでパワフルに、躍動感高く表現してきたヘッドホンアンプは無かったのではないでしょうか。

ヴォーカルも伸びと張りがあり、生々しく迫る表現。
汗臭さを感じさせるような絶妙な距離感が耳にして楽しいです。
パスらしいパワー感と、音キレが良く滑らかに繋がる音で、スピーカーで聴くのとはまた異なる表情を楽しめました。

ヘッドホンアンプとしてはかなり高額な部類となりますが、このHPA-1は
・ヘッドホンユーザーで既存のアンプではもう満足のいかない方
・ヘッドホンを敬遠している据置オーディオマニアの方
にも是非一度は聴いてもらいたい、とうふイチオシのお薦め据置ヘッドホンアンプです。

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

Joshin web

  • Joshin web インターネットショッピング 家電・PC・ホビーの大型専門店

ジョーシン店舗
高級オーディオ情報!

  • 下記店舗では、ハイレゾからアナログまで、Accuphase・B&Wなどのハイエンド オーディオ製品やオーディオアクセサリーが充実。試聴室完備で比較試聴も できます。

    日本橋1ばん館 4F
    (大阪 日本橋)

    三宮1ばん館 B1F
    (神戸 三宮)