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2019年10月14日 (月)

遂に発売日決定! YAMAHAレコードプレーヤー『 GT-5000 』予約受付開始!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
YAMAHAのフラッグシップである《5000シリーズ》のレコードプレーヤー『 GT-5000 』。発売が遅れに遅れて、発表(2017年9月)から実に丸2年。遂に発売日が決定し、予約の受け付けが始まりました。それでは『 GT-5000 』を詳しく見てまいりましょう。

■  "GT" を冠するプレーヤー

YAMAHAの "GT" を冠したプレーヤーは、1982年発売の「GT-2000」を皮切りに、83年の「GT-1000」、85年「GT-750」と限定生産の「GT-2000X」と続きました。因みに1982年はCDの登場年でもあり、当時はオーディオが最高に盛り上がった時代でした。

この "GT" シリーズは、マニア心を大いにくすぐる曖昧さのないリジッドな作り、大型ターンテーブル、本格的トーンアームなど信頼性の高いプレーヤーで、いずれも大ヒットしました。しかしCDが本格的に普及していく中で、1991年の限定生産品を最後に次第に店頭から姿を消していったのでした。

そして近年のアナログブームに呼応する形で、《5000シリーズ》に相応しい内容のプレーヤーの開発が始まったのです。しかしそこには予想以上に多くの困難を克服する必要があり、結局当初の発売予定から2年近くもかかってしまったのでした。それ程に構成部品の調達には困難を極め、本機のための新たな設計箇所が大幅に増えてしまったようです。


■ 『 GT-5000 』のデザイン・仕様

『 GT-5000 』の外観は、往時の「GT-2000」を彷彿とさせる、懐かしさと信頼性が同居した実に完成度の高いデザインです。サイズは「GT-2000」などとほぼ同じで、546W×223H×411Dmmで最近のプレーヤーとしては超大型です。寸法は勿論、重さ・素材(パーティクルボード)とも「GT-2000」とほぼ同じなのは、その寸法や重量配分、素材が音質的に最善であるとの考え方から、少しも変える必要がなかったからだとしています。

『 GT-5000 』が踏襲した《GT思想》は、音の本質をオーソドックスかつシンプルに、基本に忠実に追求する「GT-2000」で初めて提唱したYAMAHA伝統の設計コンセプトです。Gigantic&Tremendous(=途方もなく巨大な)の言葉が示す通り、音質的に必要な部分の巨大重量化と不必要な部分の大胆な省略を設計の基本に置いています。

「GT-2000」などのモデルが、いずれも当時主流だったダイレクトドライブ(DD)でしたが、本機では近年高級機や海外製品では常識でもある、滑らかな回転を狙ったベルトドライブを採用しています。モーターにはサーボを持たない24極2相ACシンクロナスモーターを搭載し、交流電源にはクォーツで生成された正確な正弦波を用いています。

ダイレクトドライブはスペックこそ優れていますが、ターンテーブル直下にモーターを置くため、どうしても振動を拾いやすく、正確な回転のためにはサーボ回路が不可欠なことから、コギング現象(僅かな回転ムラ)はどうしても避けられません。一方、ベルトドライブではモーターの回転をベルトを介して伝えるため、振動を吸収でき、コギングのない滑らかな回転が得られ、またサーボ電流による音質への影響も回避できます。

ターンテーブルは過去の製品と違い、ベルトドライブのため二重構造をとっており、ベルトを掛けるインナーターンテーブルは直径:143mmの真鍮製で2.0kg、メインのターンテーブルは直径:350mmアルミ製で5.2kgあります。異種金属の組み合わせで固有振動を回避しているようです。外縁部を肉厚にした結果、慣性モーメントは実に0.92t・cm²にも達しています。また、ターンテーブルシートはフェルトとシリコンゴムの2種類が付属しています。

そして『 GT-5000 』のコンセプトで、私が最も注目したのは以下の2点です。


■ 注目点その1:シンプル&ストレートを極めた《ピュアストレート・トーンアーム》

かつてオーディオ評論家の故 江川三郎氏が考案し、2016年FIDELIXが「0 SideForce」として蘇らせた、独自設計の「ピュアストレート・トーンアーム」を搭載しています。

オフセット角を持たさずカートリッジから支点まで一直線に配置されています。これはオフセット角によるトラッキングエラーの発生より、超ショートアームにすることでの優れた重量的・力学的バランスにより、インサイドフォースキャンセラーのないシンプルな構造にしたことのメリットの方を重視した結果といいます。ヘッドシェルは交換可能で汎用性が高まっています。

アームパイプはテーパーがかかった銅メッキアルミの表面を、銀メッキカーボンファイバーで覆った2重構造で、高剛性・低共振とノイズシールド効果を両立させています。微小信号を扱う内部配線には、定評のあるPC-Triple Cを使うことで情報量の多さを狙っています。


■ 注目点その2:特許機器「Wind Bell」社との共同開発《三次元バネ構造のインシュレーター》

Joshin webショップでも大好評のWind Bellの「スプリングコイル+特殊制振材+3次元特殊支持構造」によるフローティング方式のインシュレーターを採用しています。これにより低音域の有害振動はカットして、高音域の有益な振動をより効果的に活かすという、オーディオ機器、特にプレーヤーにとっての理想的なインシュレーターです。

また搭載質量には関係なく、低い水平方向の共振周波数(7Hz以下)を持ち、一定に保つことが可能だとしています。これにより、プレーヤーのモーターが水平方向の加振源となる振動によって、置き台や床面の振動が引き起こされることがなければ混変調歪が発生せず、有害振動の防止と音質向上に効果的だとしています。

その他の主な特長は、後部の音声出力端子に、通常のRCA音声端子に加えてフォノカートリッジ出力をバランス音声のまま取り出せるXLRバランス出力端子を装備しています。これにより同社のプリアンプ「C-5000」、パワーアンプ「M-5000」と組み合わせることで、カートリッジ ⇒ スピーカー出力間の完全バランス伝送が可能となります。

また、後部の専用端子に接続して使用するストロボライトとストロボスコープが付属しています。大径ターンテーブルに食い込む形で配置された円柱状の突起は、ディスクに針を下ろす際に掌がプラッター外周に触れることを防ぐフィンガーレストで、ここには±1.5%の範囲で回転数を微調整できるピッチコントロールノブもビルトインされています。

そしてキャビネットは、YAMAHA伝統の樺天然木黒色塗装仕上げを採用したブラック(B)と、YAMAHAならではのグランドピアノと同等の黒鏡面ピアノフィニッシュを採用したピアノブラック(BP)が用意されています。


■ 完全バランス伝送で試聴しました

音質は『 GT-5000 』→「C-5000」→「M-5000」→「NS-5000」の完全バランス伝送で確認しました。



クラシックではその圧倒的なリアル感、吹っ切れ感、そしてS/Nの良さから来るクリアネスと情報量の多さ、質感の豊かさに感動しました。ホールの隅々まで見通せる様な澄み切った空気感は、デジタル・アナログを問わず過去に経験のないレベルのものでした。

ジャズサウンドでは、録音スタジオに飛び込んだ様な生々しさ、ストレートに突き抜ける伸びやかさに感動しました。ミュージシャンの立ち位置が正確に表現され、グルーブ感もひしひしと伝わって来たのです。非常にフレッシュで音の立ち上がりがリアルでした。

そしてボーカルに至っては、中央にすっくと立ち、感情豊かに歌う様が目に見えるようでした。女声ボーカルは優しく滑らかに、男声ボーカルは厚みのある豊かな声が響きました。そのリアル感、吹っ切れ感、そして空気感に感動以上の、ある種恐ろしささえ感じました。

これは過去のアナログとは異質、ある意味、最上のデジタルを超越した《超アナログ》の世界です。回顧趣味とは別次元の《超アナログ》を『 GT-5000 』で実現できます。

(あさやん)


2019年8月13日 (火)

FIDELIXがまたまた「ユニークなアナログ製品」を投入!!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
アナログアクセサリーで有名なFIDELIXより、オリジナリティ溢れるアナログ関連機器が発表されました。とても「ユニークな製品」でしたので、ご紹介いたします。


■ FIDELIX (フィデリックス) とは
FIDELIXというメーカーをご存知でしょうか。オーディオ歴の長い方は勿論、アナログアクセサリーに関心をお持ちの方には特に注目されている国内メーカーです。

設立は1976年、主宰者は中川伸氏で、SONYやSTAXを経て27歳で独立。当時、マークレビンソンのローノイズヘッドアンプ「JC-1」が注目を集めていた頃で、同社のデビュー作はローノイズMCヘッドアンプ「LN-1」でした。

その後、プリアンプやパワーアンプも発売しています。かなりマニアックな製品が多く、当時はコアなユーザーからの支持に限られていました。

そして、広くマニアの間にFIDELIXの名を浸透させたのが、1994年発売のナチュラル・スペクトラム・ハーモネーター「SH-20K」でした。


    ▲ SH-20K


これは、CDプレーヤーとアンプの間に挿入することで、CD化の際に一度切り捨てられた20kHz以上の音を修復するというもので、大ヒットを記録したのでした。私が当時在籍していた河口無線での販売台数は、最終的に数百台にも達しました。

当時はCD発売から10数年が経過していましたが、相変わらず「冷たい」「硬い」「きつい」などのイメージが払拭されず、CDサウンドへの不満や人気に陰りが見え始めた頃でした。そこに登場したのが「SH-20K」で、多くのオーディオマニアが飛びついたのでした。

その原理は、音楽に合わせて20kHzの疑似信号 (いわゆるノイズ) を付加するというもので、理論は分からなくてもその効果には誰もが驚いたものでした。

これがFIDELIXブランドが有名になったきっかけですが、その後も同社はユニークな製品を発表し続けてきました。

2006年にスーパー・ツイーターと前述のハーモネーターを一体化したアコースティック・ハーモネーター「AH-120K」を、2009年にはDCパワーアンプ「CERENATE」、2010年には大ヒットとなったDACプリ「CAPRICE」、2014年にはフォノイコ「LEGGIERO」と、ヒット作が続きました。

そして近年、設立時に回帰したように、アナログ系アクセサリーの発表が続き、いずれもヒット作となっています。

まずは、2015年からヘッドシェル「MITCHAKU」全7アイテムを次々発表、同じく2015年にレコードスタビライザー「CRYSTAL-STABILIZER」、2016年にピュアストレート・トーンアーム「0 SideForce」、LPレコード用アウタースタビライザー「PURE-FLAT」と続きました。

そして今回ご紹介致します2アイテムの発表と続きます。いずれも実にオリジナリティ溢れるアナログ関連機器です。

■ MCヘッドアンプ『 LIRICO (リーリコ) 』


前述のFIDELIXのデビュー作「LN-1」と同じMCヘッドアンプです。フォノイコライザーでも、昇圧トランスでもありません。本機には、同社の長い経験で得たノウハウが投入されており、デビュー作同様、ヘッドアンプとイコライザー間に電源ノイズが混入するのを防ぐべく、バッテリー式となっています。

「LN-1」では単2乾電池4個でしたが、本機ではニッケル水素の006P型充電池6個とし、充電器が付属しています。充電器は1個ですが、+側と-側の両切りスイッチを使うことで、動作時は電源ラインからのノイズを完全にシャットアウトしています。満充電で約20時間使用可能です。

『 LIRICO (リーリコ) 』は、現行製品で世界最高レベルの超ローノイズとなる-156dBV(RIAA+IHF-A by Average Response)を達成しており、これは低出力の空芯MC型から、非常にデリケートなニュアンスまで再現するためのものだといいます。ここまでノイズを下げないと元気不足になってしまうのだそうです。

使用素子はオールJFETで利得は約26dBです。デリケートな信号を速やかに増幅素子へ伝達するために、カップリングコンデンサーや抵抗を介在させていないということです。使用FETは性能的にも音質的にも定評のある、今や貴重な東芝製超ローノイズ品(廃品種)を使用しており、ノイズやゲイン、最低動作電圧の左右誤差を無くすため、使えるものは僅か10%、多くても50%というシビアな基準で厳密に選別しているということです。

入力インピーダンスは「LEGGIERO」で大好評だったギガオーム(GΩ)受けですが、装置との相性や好みによって一般的な330Ωも底のディップスイッチの1番と3番をONにすることで選択可能にしています。

『 LIRICO (リーリコ) 』は主要パーツを非磁性としているため、磁化による雑音が発生せず、繊細な表情まで再生すると同時に、広大な臨場感が得られるとしています。MCトランスは間接音を抑えてしまう傾向があり、それによって直接音に近づいたかのような、時として効果的な作用をすることもありますが、本機は忠実性を追求した結果、MCカートリッジの理想のステップアップを実現できたということです。

中川氏は、本来MCトランスは大音量再生には有効ですが、ヘッドアンプ『 LIRICO (リーリコ) 』は、小音量や遠くの音源に適しており、広い空間の再現、優しく微細なニュアンスの表現が抜群だとしています。また音質的には、同社のフォノイコライザー「LEGGIERO」のヘッドアンプ部より、理想の電源であるバッテリー駆動の『 LIRICO (リーリコ) 』の方が優位としています。

ちなみに『 LIRICO (リーリコ) 』は、イタリア語で「叙情的(じょじょうてき)」という意味です。パワフルで元気な表現は当然として、デリケートで深い心情までをも目指しての命名だそうです。

■ カートリッジ消磁器『 DEGAUSS (デガウス) 』(限定200台)


オーディオ歴の長い方ならご存知でしょうが、過去にもあったMCカートリッジ消磁器です。ラックスマンの「XA-1」や並木宝石の「DM-100」が有名です。『 DEGAUSS (デガウス) 』は006Pの電池を使った消磁器で、鉄芯入りMC型カートリッジ、MM型カートリッジ、MC用ステップアップトランスに効果があります。

使い方は、電源を入れてパイロットランプが点灯することを確認してから、ボリュームを絞ってRCA端子に対応物を接続します。そして、ボリュームを最大にしてから絞り切るというローテク方法です。それによって、ほぼ消磁が行えるというわけです。付属のクリップを使えばカートリッジ単体、あるいはヘッドシェルに取り付けた状態でも対応可能です。

なお、本製品は空芯MCに使っても意味がありません。針交換可能なMM型やMI型は必ず針を外してご使用下さい。針が外れない場合は使用しないでください。MCトランスは1次側へ接続し、2次側は完全なオープンで行ってください。電池は006P形状なら何でも使え、電源表示が暗くなれば電池交換です。通常はマンガンタイプで十分です。

鉄芯入りMCやMCトランスを使った方が力感があるということで好まれる方がいらっしゃいます。こういった製品の中にはとても高価なものもありますが、それらがもしも磁化されていることによって本領が発揮されていないとすれば、非常に勿体ないことだと中川氏は言っています。
  • 『 DEGAUSS (デガウス) 』で効果がある【鉄芯入りMC】カートリッジの代表例
    audio-technicaのMC(AT-ART7を除く)、DENONのMC(DL305を除く)、Phasemationの全MC、ZYXのMC(Ultimate-DYNAMICを除く)、ortofonのMC(一部のハイエンドを除く)などです。

  • 『 DEGAUSS (デガウス) 』では効果がない【空芯MC】の代表例
    FR「FR-1MK3」、SONY「XL-55」、YAMAHA「MC-1S」、Victor「MC-L1000」「MC-1」などです。

■ 最後に
またまたユニークな製品を投入してきたFIDELIX。中川氏の発想には、いつもながら感服させられます。

他のオーディオメーカーが思いもつかない、同社製品がオーディオを更に楽しくしてくれるのは間違いありません。これからもFIDELIX製品に注目です。
(あさやん)

 

2019年6月 4日 (火)

TEACの「とんがった」製品を一挙にご紹介♪

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は私が選ぶ、TEACの回転系オーディオ機器(アナログプレーヤーなど)の「とんがった」製品を一挙にご紹介いたします。


■ TEAC(ティアック)について
TEACは1953年(昭和28年)に、東京テレビ音響株式会社として設立。1964年に、ティアック株式会社として発足しました。

私が本格的にオーディオをやり始めた1970年代。まずは、カセットデッキの平型「A-350」、続いて「A-450」、さらにオープンリールデッキは2トラ38の「A-3300-2T」を購入。当時、AKAIと覇を競っていた録音機メーカーでしたが、私は迷わずTEAC製品を選んだのでした。

同社は創業当時から回転系にはめっぽう強く、1957年に開発されたオープンデッキの原器「TD-102」から、同社の歴史が始まっています。

1968年には国産初のカセットデッキ「A-20」、1973年にはマグネフロートのダイレクトドライブターンテーブル「TN-400」、1997年にはMDデッキ「MD-10」を発売。そして、CDプレーヤーについては、ESOTERICの「Grandioso P1X + D1X」を始め、TEAC/ESOTERICは、今や世界中の誰もが認めるトップブランドとなったのです。

その回転系に強いTEACは、同業他社が相次いで生産から撤退していく中にあって、我々オーディオファイルにとっては非常に有り難く、また心強いメーカーでもあります。そのTEACの回転系の「とんがった」アイテムで、今となっては「超希少」となりつつある製品群を、改めて一挙にご紹介します。

■ ダイレクトドライブ・アナログターンテーブル『 TN-4D 』

(カラー:ウォルナット)

型番からも前述の「TN-400」を意識しているのは明らかです。ベルトドライブが主流の現在において、本機のために薄型のダイレクトドライブモーターを新開発するという、並々ならぬ決意が感じられます。

しかも、従来のDD方式ターンテーブルでは望めなかった、高さ117mm(ダストカバーを閉めた状態)のスタイリッシュな薄型ボディも実現しています。

トーンアームにも大いにこだわりを見せており、高級トーンアームブランド SAEC(サエク)とコラボレーションして、SAECお得意の可動部にナイフエッジ機構を採用したスタティックバランス型S字トーンアームを搭載。一般的なベアリングによる可動方式に比べ、支点が明確で初動感度が高く、分解能の高いダイナミックなサウンドを目指したとしています。もちろんユニバーサルタイプで、お好みのヘッドシェルやカートリッジへの交換も容易です。

さらに、カートリッジもこだわっており、アメリカで40年の歴史を持つカートリッジブランド SUMIKO のMMカートリッジ「Oyster」(単体で1万円超)を付属しています。

そして、当然賛否は分かれるところですが、現状フォノイコ非搭載のアンプが多いことや、アナログレコードのデジタルファイル化が盛んな中にあって、今風のフィーチャーも避けて通れなかったのでしょう。それは、ON/OFF可能なMMカートリッジ対応フォノイコライザーアンプと、USBのデジタル出力(最大16bit/48kHz)を装備していることです。

キャビネットは高密度MDFをコア材に用い、衝撃吸収性能に優れたインシュレーターを直に固定しています。外装仕上げは多層塗りピアノブラックと天然ウォルナット突き板仕上げの2バージョンが用意されています。

出力は直出しではなく、付属のRCAケーブルを使用するタイプで、将来のケーブルのグレードアップも可能です。

サウンドは「Oyster」のパワフルな中低域に、SAECらしい反応の良い高域が乗った本格的なもので、当面これで十分レコード再生が楽しめると思います。ただ、内蔵フォノイコの限界を感じる可能性もあることから、将来的にはアンプ内蔵のフォノイコなどをお使いになることをお勧めしておきます。

■ ハイレゾ・マスターレコーダー『 SD-500HR 』


アナログレコードやカセットテープなどの貴重なアナログ資産をハイレゾデジタルファイルとしてアーカイブ化できる、最大DSD:5.6MHz、PCM:192kHz/24bit対応のハイレゾ・マスターレコーダー。

音源保管に記憶容量あたりの価格が手ごろなSDHC/SDXCカードや、接点不良の少ないCFカードに直接録音が可能で、カセットテープ感覚でメディアの交換が可能です。

SDカードなどに保存されたデジタル音楽ファイルは、そのままパソコンに取り込むことはもちろん、無料のハイレゾ音源波形編集ソフト「TEAC Hi-Res Editor」(Windows/Mac版)を使って、必要に応じて曲ごとの分割やファイルフォーマット変換などの処理が可能です。

様々な録音レベル状態にあるレコードやカセットテープから適切なレベルでデジタル録音できるよう、24ドットLEDレベルメーターを確認しながら、0.5dBステップの細かい録音レベルの設定が可能で、スマホやカーオーディオなどのソフト作りも可能です。

左右各チャンネルの信号を完全に分離して処理するデュアル・モノーラル回路設計により、左右チャンネル間の干渉やノイズを抑えたピュアな信号処理を実現する高音質設計を採用。さらに、デジタル処理の要となる内部クロックには高精度なTCXOを採用しており、高精度な外部クロックからの信号を入力できるワード入力も装備しています。

アナログ入出力はXLRとRCA各1系統、デジタル入出力は同軸とAES/EBU各1系統に加え、BNCまで装備しており、ハイエンド機器はもちろん、プロオーディオ機器との接続も可能な本格仕様となっています。

手軽な録音機が欲しいオーディオファイルはまだまだ多いはずです。カセットデッキに替わる新しい形のハイレゾレコーダーです。パソコンが不要なのが、最大のメリットです。

■ CDプレーヤー/MDデッキ『 MD-70CD 』


現在国内で入手できるMD(ミニディスク)の録再機器は、おそらく本機だけだと思います。もはやMDは過去のフォーマットであり、元々SONY(1992年発売)を中心に、ほぼ日本国内だけで流通しており、2011年には一部のミニコンポを除いて、市場から撤退してしまいました。

本機は、独立駆動するCDプレーヤー部とMDデッキ部とのコンビネーションデッキで、独立してCDの出力とMDの入出力が可能で、連続再生やCDからMDへのダビングなども可能です。(CDレコーダーではないためCD-R等への録音はできません)

MDレコーダー部は、LP2、LP4のロングプレーモードもサポートしています。

アナログ入出力および同軸、光デジタル入出力を装備しており、様々なシステムと柔軟に組み合わせて使用できます。

過去に録りためたMDをもう一度聴いてみたい方やMDのアーカイブとしては、おそらく最後のMD対応機だと思います。非常に貴重な製品です。

■ ダブルカセットデッキ『 W-1200 』


こちらも、現存する唯一のダブルカセットデッキです。

ワンウェイ(片道走行)カセットメカを録音・再生が可能な2基搭載したダブルデッキ(ダビング、同時録音可能)に、マイクミキシング機能やUSBデジタル出力を備えた多機能なカセットデッキです。

レコードとともにアナログ音源の温もりや柔らかさが見直されているカセットテープ。本機は、デジタル時代にマッチしたインターフェースも備えており、カセットテープ・ライブラリーの忠実な再生だけでなく、カラオケ用途や会議の音声議事録のデータ化などにも対応するなど、幅広く活用できます。

さらに、リアパネルのUSB端子からパソコンにオーディオ信号を出力し、パソコン側でデジタル録音が可能なデジタル音声出力(最大PCM:48kHz/16bit)での録音が可能で、貴重なカセットテープの音源をデジタルアーカイブとして保存も可能です。

■ カセットデッキ/CDプレーヤー『 AD-850 』


カラオケにも使えるエコー機能付きマイク入力端子を装備。USBメモリーによる録音・再生が可能なカセットデッキとCDプレーヤーの複合機です。

もちろん、それぞれのメディア間でのダビングが可能です。(CDレコーダーではないためCD-R等への録音はできません)

■ CDレコーダー『 CD-RW890MK2 』


シンプルで使いやすい、シンクロ録音や多彩なオートトラック機能を搭載したCDレコーダー。レコード (フォノイコが必要) やカセットテープ、CD、MDなどを音楽用CD-R/RW(データ用は使用不可)に録音することができるCDレコーダーです。

■ 最後に
このようにTEACは、同社ならではの「回転系のとんがったオーディオ機器」の数々を、我々オーディオファイルに供給し続けてくれている、今となっては大変貴重なメーカーです。

なお、いずれの製品も生産台数が限られており、在庫切れを起こしてしまうケースが多いのが「玉にきず」ではありますが、私としては少々お待ちいただいてでも、ご購入されることをお勧めします。
(あさやん)

2019年1月27日 (日)

フェーズメーションが画期的アイテム『EA-350』と『CM-2000』を投入!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回はフェーズメーションの新製品、フォノイコライザー『EA-350』、パッシブ型コントローラー『CM-2000』をご紹介! 技術者のトランスに対する、執念のようなものを感じました。




■ 「フェーズメーション」というメーカー

「フェーズメーション」は、協同電子エンジニアリング(株)のオーディオブランドで、かつて「フェーズテック」という名称で、第一号機のMCカートリッジ「P-1」は2002年に登場しました。
その後、MC昇圧トランス、CDトランスポートを発売。2006年以降は本格的真空管アンプにも進出。2011年にはD/Aコンバーターも発売し、ハイエンドブランドとしての地位を固めていったのです。

同社のハイエンドオーディオの歴史は、すでに30年近くに及んでいます。

「フェーズメーション」という名前は、位相のフェーズと情報のインフォメーションを合わせた造語だと言います。
ちなみに「アキュフェーズ」もAccurate(正確な)とPhase(位相)の造語で、いずれの命名も、近年特に注目を集めている「位相」に着目しており、これはハイエンドオーディオにとっては永遠のテーマであるともいえます。

同社は他社とは一線を画した製品開発でも異彩を放っています。
カートリッジはMC型のみ、高級機を中心にMCカートリッジの昇圧はトランスを使い、コントロールアンプのボリュームコントロールはアッテネーター式にこだわり、パワーアンプは真空管、しかも無帰還300Bシングル、モノラル構成にこだわりを見せています。

それでは、今回の主役であるフェーズメーションの最新アイテムを見てまいりましょう。


■ フォノイコライザー(フォノアンプ)『 EA-350 』

フェーズメーションは、MCカートリッジ「P-1」発売の半年後、MC昇圧トランス「T-1」を発売していますが、同社にとっての最初の半導体式フォノイコとなるのは2006年発売の「EA-3」で、その翌年、真空管式の高級モデル「EA-1 II」(オリジナル「EA-1」は2003年発売)を投入しています。「EA-1 II」は現行モデルの真空管式モノーラル構成フォノイコ「EA-1000」に発展しています。

その後、2015年「EA-1000」(フォノバランス・MCトランス、3筐体)の設計思想を受け継いだ半導体式フォノイコ「EA-500」を投入したのです。フォノバランス伝送(※)に対応し、MCには昇圧トランスで、さらにL/R独立の完全モノ2筐体とすることで、半導体式の最高峰を目指して開発されたのでした。
《 ※フォノバランス伝送とは:カートリッジの発電は元々がバランス動作で、従来のようなアンバランス接続では、バランス型のメリットを損ない、外部ノイズなどが音質に影響してしまっていました。バランス型フォノケーブルを使用することで伝送ロスを最小限に抑え、さらなる高音質が実現できます。 》

一方の「EA-3」は、2010年「EA-3 II」、2014年「EA-300」へ、そして今回ご紹介します『 EA-350 』へと進化したのです。同社の最高級MCトランス「T-2000」のノウハウを盛り込んだMC昇圧トランスを内蔵し、上級機同様フォノバランス伝送に対応した上でコストを抑えることに成功したのです。

昇圧トランス以降の増幅回路は、負帰還アンプの欠点(入力信号と出力信号を常に比較し、その差を増幅するため、時間遅れやTIM歪等を発生)を回避するため、オールディスクリートV-I/I-V変換による全段対称無帰還型で構成されています。

構成部品にも上級機並のこだわりを見せており、金属皮膜抵抗やマイカーコンデンサー等の定評のある高音質部品を使用。平滑コンデンサーにはニチコン社製の最高級オーディオグレード品、電源トランスには大容量Rコアトランスを2個使用し、左右独立電源としています。

機能としては、CR2段の無帰還型ローカットフィルターで反りのあるレコードに対応。EQ補正カーブは、ステレオ用RIAAに加え、2種類のモノラル専用を加え3種類備えています。

鉄心入りMCカートリッジの消磁回路(デガウス)も搭載。入力端子は3系統を装備しており、それぞれMM/MCの切り替えが可能です。そしてその内の入力:1、2はフォノバランス伝送にも対応しています。

デザインも同社の高級機並にエレガントで、フロントパネルは10mm厚スラントアルミパネル、1.6mm厚の銅メッキ鋼鈑シャーシなどで構成された強靭な筐体構造を採用し、剛性の確保と磁気歪の低減を実現したとしています。

サウンドは、アナログレコードの情報を余すことなく拾い出し、音楽の躍動感、ダイナミクス、陰影等の表現に優れており、優雅で圧倒的な臨場感、見通しの良い音場、高分解能、高 S/N で、プリメインアンプ内蔵のフォノイコとは次元の違う、本来のアナログサウンドの素晴らしさを存分に楽しめます。


■ パッシブプリアンプ(コントロールマイスター)『 CM-2000 』

2009年発売のトランス(オートトランス)と精密抵抗を組み合せた、特許技術のハイブリッド音量調整機構を搭載したパッシヴアッテネーター「CM-1」。
2011年にはトランスのコアサイズや積層コアの厚みなどを再設計した「CM-1000」にグレードアップ。そして今回、回路や構成パーツを大幅に変更するとともに、バランス入出力端子を装備して『 CM-2000 』として発売されました。

プリアンプの本来の役割は、入力切替とパワーアンプに信号を送り込むことですが、ラインレベルの入力は既に2ボルト前後の電圧があり、プリはパワーアンプがクリップしないように、信号を絞ることが目的になってしまっています。これでは増幅率がゼロでも良いことになってしまい、パッシブ式のアッテネーターをプリの代わりに使うケースもありました。

しかし、一般的なパッシブ式アッテネーターは、音の純度は高いものの音が痩せてしまい、微小レベルでの信号の欠落が発生して、どうしても情報量が少なくなる傾向がありました。この解決策としてフェーズメーションが考え出したのが、ハイブリッド型パッシブアッテネーターという訳です。

同社はトランスを使用しながら、小レベル時には抵抗分割型を併用するハイブリッド型に辿り着いたのでした。
具体的には0~-20dBまではトランスの中間タップから取ることで14ステップの出力を得、これを2個の抵抗で分割することで32通りの組合わせを作って出力し、合計46ステップの出力調整ができるのです。0~-34dBまでは1dBステップ刻みで調整でき、無限0の手前-80dBまでスムーズな音量調整を可能としています。

さらに『 CM-2000 』は、「CM-1000」の入出力がアンバランスのみであったのを、完全バランス対応へと発展させたのです。Hot側とCold側の2つのATT用巻線を一つのトランスに巻いた、新設計のバランス用のトランスを新たに開発。アンバランス入力時もコールド信号を生成することでバランス出力を可能としたのです。

さらにトランスのコア材は、従来の0.2mm厚パーマロイを極薄の0.1mmスーパーパーマロイに、巻線も従来のOFCからPC-TripleCのポリウレタン線という特注線材にグレードアップ。
シャーシも鋼板に銅メッキした2mm厚とし、トランス付近には磁気シールドを施すなど、徹底的に外部からのノイズや誘導ハム・磁気を遮断した構造としています。

入力はバランス・アンバランスともに3系統、出力はバランス・アンバランスともに2系統装備しており、同時出力も可能です。
端子にはFURUTECH製ロジウムメッキタイプ、インシュレーターにはTAOC製のハイカーボン鋳鉄を使用し万全を期しています。内部配線も同社の執念さえ感じる、ため息が出る程の素晴らしい仕上がりです。



アッテネーター式とは思えない厚みを伴った豊かなサウンドで、情報量は圧倒的に多く、空気感を伴った鮮明な解像度、音の粒立ちも見事なものでした。
どこまでも伸びる超広帯域再生、S/Nやセパレーションの良さは、さすが増幅回路を持たないアッテネーターならではと感じました。また透明度の高さやストレートなサウンドは信号経路のシンプルさから来るものと納得させられました。

とにかく従来の増幅回路を積んだプリアンプが、いかに本来のサウンドに色付けしていたか、改めて考えさせられました。『CM-2000』は超一流のプリアンプに匹敵、いやある意味それを超えた、新世代のプリアンプだと思います。


■ 最後に
今回ご紹介した、フォノアンプ『 EA-350 』も、コントロールマイスター『CM-2000』も、フェーズメーション技術者のトランスに対する執念のようなものを感じました。(あさやん)


2019年1月 7日 (月)

ラックスマンが放つ第二世代のアナログプレーヤー『 PD-151 』

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ラックスマン 第二世代のアナログプレーヤー『 PD-151 』をご紹介! アナログならではの素晴らしさを十分体現させた上で、様々な手法でコストダウンを成し遂げています。



■ ラックスマン アナログプレーヤーの歩み

ラックスマンから2011年、実に28年ぶりに発売された「PD-171(アーム付)」。2年後の2013年、この「PD-171」をベースに、モーターや駆動回路、軸受け部など、さらに正確で安定したレコード再生を実現するために、数多くの箇所の改良を図ったアームレスタイプの「PD-171AL」。そして翌2014年、トーンアームの交換が可能なアームベース構造を採用した、「PD-171」のブラッシュアップモデル「PD-171A(アーム付)」と続きました。

そしてアナログブームにも乗って、比較的高単価にもかかわらず、いずれも異例のヒットとなり、ラックスマンがアナログに強いメーカーであることを強烈に印象付けました。

しかし経験豊かなオーディオファンにとって、かつてCDが登場するずっと以前、1975年発売の「PD121」(写真)や「PD131」、そして1977年「PD441」「PD444」(いずれもダイレクトドライブ)、その後1980年バキューム式の「PD300」、同じく1983年発売の「PD350」(いずれもベルトドライブ)を最後に、CD発売(1982)以降、同社は完全に軸足をCDプレーヤーに移したのでした。


「PD121」

かつてのラックスマンのアナログプレーヤーは、そのほとんどがアームレスであり、当時人気のSMEのトーンアーム「3009シリーズ」を装着した姿はとても優美で、今でも語りぐさになっている程素晴らしいデザインでした。筆者も大いに憧れたものです。

またバキューム式ディスクスタビライザーを搭載したプレーヤーは、ターンテーブルとレコードを一体化するため、その安定感や信頼感は抜群で、アナログ末期の当時、一世を風靡しました。

半世紀以上ぶりに順調な再スタートを遂げたラックスマンのアナログプレーヤーではありますが、如何せんアーム付きの「PD-171A」は50万円(税別)近くになってしまい、一般ユーザーはもちろん“もう一度オーディオ世代(リターナー)”にとっても、おいそれとは手が出せない価格になってしまっていました。

そんな中、「何とか性能を落とさずにコストダウンできないか」との思いから開発されたのが、今回ご紹介します『 PD-151 』という訳です。


■ 『 PD-151 』に迫る

同社にとっては第二世代とも言える「PD-171A」の下位クラスのプレーヤーを出すことは至難の技であったと推測されます。それは完成度の高い「PD-171A」の性能を犠牲にすることなく、如何にコストダウンを図るかだったのです。アナログ全盛期とは違い汎用部品が少なく、部品の調達難度が高いため開発には困難を極め、結局構想から5年の歳月がかかったとのことです。それではその成果をじっくり見てまいりましょう。

【トーンアーム】ある意味アナログプレーヤーの要とも言えるトーンアームは、「PD-171A」と同じJELCO(市川宝石)製シルバー仕上げ特注品(※)を採用。このクラスに搭載するアームとしては異例の高級アームです。やはりヘッドシェル交換のできる本格的ユニバーサルタイプにこだわったことから、ここは譲れなかったのでしょう。(※ トーンアームJELCO「SA-250」は現在市販されていませんが、単品販売されていた当時の価格は9万円前後でした。)

LUXMANロゴ入りマグネシウム合金ヘッドシェルが付属しており、ほとんどのカートリッジ(別売)がお使いいただけます。さらに別売のヘビーウエイト「OPPD-HW1(部品扱い)」をご購入いただけばオルトフォンのSPUタイプもお使いになれます。

【ターンテーブル】一般的なアルミダイカスト(鋳物)製ではなく、「PD-171A」同様アルミ削り出しを採用。さすがに重量は5kgから4kgに軽量化はされていますが、バランスの崩れることのない削り出しにし、さらに外周に肉厚をとることで慣性モーメントも確保しています。

【モーター】トルクの大きいブラシレスDCモーターを新規に開発。軸受けのボールベアリング(低振動・低ノイズ)も音響用を採用した本機専用です。モーター制御はホール素子(磁気センサー)で常時監視して基準クロックと比較して加減速を行います。軸受け(形状を除く)とスピンドルの素材・構造は「PD-171A」と同一です。

【筐体構造】10mm(「PD-171A」は15mm)のアルミ一枚板のトップパネル(天板)に、すべての内蔵部品を吊り下げる形をとっており、これは従来の上級機でのアンダースラング構造を踏襲したものです。内部の振動にも、外部からの振動にも強いことから採用されたのです。

さらに振動源のモーターやトランスのフローティングに、新たに「ハイダンピングラバー」という振動吸収材を採用することで、内部で発生する振動の悪影響を回避でき、ノイズフロアが下がり音場がクリアになったとのことです。

【キャビネット】
「PD-171A」のウッドキャビネット(内部に板金を入れて強化する必要があった)ではなく、構造が簡単で、剛性が高い板厚1.6mmの板金シャーシとしています。これによりハウリングマージンも十分確保でき、コストダウンにも繋がったようです。

【インシュレーター】
新規に金型を起こしたインシュレーターは、さすがに「PD-171A」のように天板直結ではなく、強固な2mm底板に取り付けられています。このためインシュレーター内部には、振動を熱エネギーに変換する、制振効果の優れたゴムを新たに採用し、再生時のS/Nも十分確保できたとしています。

【機能】
天板は非常にシンプルで、アーム、ターンテーブル、モータープーリーだけのマニア好みの機能美を発揮。操作部は同社では前述のバキューム式の「PD300」以来となる、前面配置されています。33、45、78の回転数切替と各回転数独立の回転数調整機能を装備。

背面は電源ケーブル(JPA-10000付属)が交換可能で、フォノケーブルも一般的な「DIN→RCA」とすることでいずれも将来的にグレードアップが可能です。ただ惜しむらくはダストカバー「OPPD-DSC151(部品扱い)」が別売(5万円/税別)で高価なことですが、現物を見ると4mm厚の丈夫なアクリル製で高級感は十分あります。


■ 最後に

日本橋1ばん館で短時間ですが、カートリッジにDENON「DL-103R」を取り付け試聴しました。

試聴会等で以前聴いた「PD-171A」の印象は、いかにもアナログチックな艶やかさがあり、濃密感・量感豊かなサウンドで、音場が広く・深く、音楽に没入できる本格的なレコード再生が楽しめるサウンドでした。

一方今回の『 PD-151 』は、全体的に若々しさが加わり、明るく、吹っ切れたサウンドは、アナログの魅力や凄さをダイレクトに伝えてくれました。音楽から一切の曇りを取り去り、演奏の生々しさを伝えてくれました。

勿論価格差が無いとは言えませんが、よくぞここまで価格を抑えられたと感心します。『 PD-151 』はハイエンドクラスのCD/SACDプレーヤーでも絶対に味わえない、音楽の奥深さや生々しさによって、アナログならではの素晴らしさを十分体現させてくれました。

保守的で完成度の高い「PD-171A」。思い切ったデザインと様々な手法でコストダウンを成し遂げた『 PD-151 』。この20万円の差をどう見るか悩む所です。

『 PD-151 』こそ、アナログを知り尽くした“オールドマニア”や“オーディオリターナー”にとっては、待ちに待ったプレーヤーの登場です。(あさやん)

【別売品(部品扱い)】~部品にて取り寄せ可能です。会員ページ『連絡帳』にてお問い合わせ下さい。
*ダストカバー「OPPD-DSC151」 ¥50,000(税抜)
     PD-151専用、4mm厚アクリル製、カムサポート式ヒンジ装備

*ヘビーウエイト「OPPD-HW1」 ¥9,000(税抜)
    カートリッジ自重9~19gまで対応

2018年9月 7日 (金)

遅れてやって来たアナログプレーヤーの雄! "プロジェクト社"のラインナップがさらに充実! ~ 本格的にアナログをやってみようとお考えの方にこそおすすめ! ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、本物のアナログの世界を味わいたい方におすすめの"プロジェクト社"のプレーヤーをご紹介! その前に、ここ数年来の「アナログブーム」とは何だったのかを今一度、振り返ってみたいと思います。




■ アナログブームとは!?

アナログがここ数年ブームと騒がれ、一般のマスコミで次々取り上げられました。それにアナログ未経験世代が飛びつき、数千円から2~3万円台の普及クラスのプレーヤーが一時期爆発的に売れました。しかしこの1年ほどは、そのブームが嘘のように静かなアナログオーディオ市場となっています。完全にブーム以前の状態に戻ってしまった感さえあります。

この今回のアナログブーム(※)は何だったのでしょう?筆者なりに考えてみました。※アナログブームは2000年前後にも一度ありました。

ブームの始まりは2014年、オーディオファンがPCオーディオやネットワークオーディオ、一般の方はDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やスマートフォンによるヘッドホンリスニングが最普及期を迎えた丁度その頃でした。当時一部のオーディオマニアを除いては、誰もがそれらのデジタルサウンドで十分満足していたのでした。

そんな折り、アナログレコードを始めて聴かれた方がそのサウンドの魅力に驚き、SNSなど様々な媒体で、その噂が拡散された結果、マスコミが取り上げ、さらにブームに拍車が掛かったのだと考えられます。そして、中国製を中心にした廉価なプレーヤーが大量に出回り、ネット販売市場は言うに及ばず、街の最新グッズのお店やレンタル店など、あらゆるルートで販売されたのでした。

しかし、ブームとは"熱しやすく冷め易い"のが常で、昨年(2017)あたりから急速にそのブームは下火になってしまったのでした。

確かにアナログレコードは、デジタルに慣れた耳には温かく血の通った音に聞こえたのでしょう。でもそれは果たして、レコードが本来持っているはずのポテンシャルの何%出せていたのでしょうか。ペラペラのターンテーブル(プラッター)、非力なモーター、軽量で華奢なキャビネット、お粗末なカートリッジやアームだったのですから・・・。しかもレコードクリーナーなどのメンテナンス用品も往年の種類の比ではなく、しかもビギナーには高価過ぎたのでした。


■ プロジェクト社のポリシーは「ハイレベルな音質」を" リーズナブル "に!

そんなピークを過ぎようとしていた、昨年(2017)6月、プロジェクト(正式名Pro-Ject Audio Systems)製品の輸入元が、ナスペックからD&M(株式会社ディーアンドエムホールディングス)に引き継がれました。それは丁度プロジェクト社の創業25周年のタイミングと重なってのディストリビューターの変更だったのでした。

プロジェクト社は、創立者Heinz Lichtenegger(ハインツ・リヒテネガー)氏によって1991年にウィーンに設立されたオーディオメーカーで、同社のポリシーは"シンプル・イズ・ザ・ベスト"が基本で「ハイレベルな音質」を"リーズナブル"に音楽ファンに提供することだと言います。

また同社は、自社製品だけではなく世界各国のアナログメーカーに、プレーヤーやトーンアームを供給してきており、他社に比較してコストパフォーマンスに優れた製品が提案できるのです。もちろんプーリーや駆動ベルトなどのパーツ類も全部自社生産です。

再登場の第一弾は、ビートルズの伝説的名盤の誕生から50年を記念して作られた特別仕様の「ESSENTIAL-3SGT」で、それに続いて発売された『 The Classic 』が国内で大ヒットとなり、プロジェクトのプレーヤーがマニアの間で急速に注目を集めるようになったのです。※ブログ:「創業25周年記念の本格的アナログプレーヤー『 The Classic 』登場!!~プロジェクト・オーディオの輸入元がD&Mに!~」

『 The Classic 』は、懐かしい伝統的な箱形のフレームデザインを踏襲したモデルです。コンパクトでシンプルかつエレガントな少し懐かしさを覚えるようなデザインで、かつてのベストセラー機であったトーレンスの「TD166MKII」の「シンプルで洗練されたデザインのプレーヤーの再現」を目指したのだともされています。創業25周年記念のプレーヤーでもありました。

しかし『 The Classic 』は単にリバイバルや名器の復活を狙っただけではなく、各部に最新技術を投入して、それらを見事に昇華して製品化されていました。さらに究極の速度安定性を目指して、低ノイズのACモーターを利用したベルトドライブ方式を採用し、カップリング・インシュレーターや新設計のトーンアームを搭載するなど魅力的な製品となっています。

続いて、第一弾の「ESSENTIAL-3SGT」の原型モデルでもある「ESSENTIAL-3」(ブラックとレッドの2色)、ビートルズの伝説的ツアーのオリジナル・チケットとパンフレットのコピーをモチーフとしたデザインの特別仕様の「1964」を発売しました。

そして今年(2018)になって3月にThe Rolling Stonesとのコラボレーションモデル「ROLLINGSTONES」、続いて5月に『2XPERIENCE(正式名:2Xperience SB S-shape)』、6月に『1XPRESSION(1Xpression Classic S-Shape)』、さらに7月『XTENSION9(Xtension 9 S-shape)』と弟機『XTENSION9EVO(Xtension 9 Evolution)』と立て続けに発表したのです。

それでは『2XPERIENCE』『1XPRESSION』『XTENSION9』を順にレポートします。


■ 『2XPERIENCE』


ターンテーブルの設計に25年の経験を注ぎ込んだと言う「2Xperience」は、 ベルトドライブの概念に基づいて電子速度制御による精密モータの追加と、ハイエンド 9inch S字型トーン・アームを採用。創業者自身一押しのプレーヤーです。

筐体は密度が高く重量のある2種類のMDFを接着。プラッターのメイン素材もMDFで、サブ的にビニールを使っていると言います。理由はレコード自体と同じ素材で、これに勝るモノは無いとのことです。それはサンドイッチ構造をとっており、下の2層がMDF、その上に4mm厚のビニールを使っているのです。

そのビニールは、レコードプレスの会社から購入したリサイクルのビニールを溶解して、MDFの基礎部分と一体化(ターンテーブルマットとして機能)させた上で、MDFを肉抜きしてダイナミックバランスを取っているとのことです。これにより上位機のアルミに肉薄したプラッターになったとしています。

トーンアームには、日本人好みのスタティックタイプの 9インチ S字型アームを採用(ヨーロッパでは9割がストレートアームだそうです)し、素材のアルミパイプ特有の8~12Hzの低周波共振を避けるため、カウンターウェイトの取り付け方にも配慮したとしています。ターンテーブルはハイグロスブラック仕様で、アクリルダストカバーが付属しています。


■ 『1XPRESSION』


筐体がMDF製でハイグロスブラック仕上げでカートリッジレスです。同社としては初代「Pro-Ject1(1991年発売)」から数えて6代目にあたるプレーヤーです。ベルトドライブ方式で、低ノイズACモーターに効率的なモーターデカップリング、高精度DC駆動型ACジェネレータ(ACを一旦DCに変換し更にACにする)を採用し「最高の定速性」を得るとともに、AC電源のノイズの影響も排除しています。

トーンアームは8.6インチS字(寸法218.5mm)を搭載し、もちろんヘッドシェルは着脱可能で、3~9gのMM/MCカートリッジが装着可能です。新たに導入したジンバル設計ではカウンターウェイトが共振を減衰し、カートリッジの種類を問わず最適なパフォーマンスを実現します。

複雑なメイン・プラッター構造は、この価格レンジにはないもので、共振挙動を最適化するため、プラッターは300mm径のアルミニウム製で、アルミニウム合金のサンドイッチ構造には、最先端の熱可塑性エラストマー(TPE)を用いた低共振設計としています。

本体台座部のMDFとTPE採用のインシュレータで共振を減衰させており、インシュレータは高さ調整も可能です。ワウ・フラッターは0.14%と安定した回転を実現、もちろんダストカバー付きです。


■ 『XTENSION9』


もちろんいずれもベルトドライブで、筐体には金属顆粒を充填したMDFシャーシを採用して、高質量と非共振を実現しています。インシュレーターにはメインボディを台座から分離する磁気フットを採用、重量級16kgのプレーヤー本体とを組み合わせる事で、"重量負荷"と"浮遊するターンテーブル"の原理を兼ね備えたとしています。

プラッターは単一金属ではなく、熱可塑性エラストマー(TPE)で制振した合金を新たに採用し、リサイクルのビニールを上面に接着することで、マットの役割を果たし、サンドイッチ構成にした上で精密にバランスをとっています。重さは5.4kgにも達しています。

プラッターは、重量を軽減(6割程度)する目的で、マグネティック・フローティング方式(ネオジウムの反発を利用)をとっており、反転セラミック玉軸受(スピンドルの下にベアリングボールが付いている)を使って無音とも言えるほどの静粛さを確保しています。

さらに、800gの重量級のスタビライザーが付属しており万全です。回転数は33/45を電子制御でスピード可変が可能で、ワウ・フラッターは±0.01%と立派な数字です。もちろんダストカバー付きです。

『XTENSION9』は日本向けとも言えるアルミニウム製S字型トーンアームを搭載で、ヘッドシェルは着脱可能で、カートリッジ(自重:4.0~14g)の交換も可能です。キャビネットはこれも日本人好みの、ツヤ無しのウォールナット仕上げです。

一方の『XTENSION9EVO』は、内容的には『XTENSION9』と全く同様ですが、トーンアームは9インチのカーボンファイバー製(230mm)で4種の重量別カウンターウェイトが同梱されています。キャビネットはツヤのあるメープル仕上げになっています。


■ 最後に
この様にプロジェクトのアナログプレーヤーは、海外製としては価格設定がリーズナブル(ヨーロッパでの値札に近いとのこと)で、しかも日本のマニアが好む、海外製としては希有なS字型アーム(『XTENSION9EVO』以外)を搭載しており、カートリッジの使い分けができるプレーヤーです。

普及クラスのアナログプレーヤーからアナログの素晴らしさを実感され、これから本格的にアナログをやってみようとお考えの方にこそプロジェクトのプレーヤがおすすめです。

もちろんベテランのオーディオファンには、お持ちのカートリッジが使え、過去のDD(ダイレクトドライブ)では味わえなかった本物のアナログの世界がプロジェクトのプレーヤーで実現することでしょう。(あさやん)

2018年3月11日 (日)

【限定生産モデル】ローリングストーンズとコラボした珍しいレコードプレーヤーです!


みな様、こんにちは!
3月に入ったと言うのに、急な冷え込みになったり暖かくなったり、と体調管理に難しい日が続きますね。
温度差で体調を崩される方も非常に多いようですので、皆様お気をつけ下さいませ。

さて、それでは今回ご案内の製品はこちら!

プロジェクト
ベルトドライブ式レコードプレーヤー
The Rolling Stones

コストパフォーマンスの高いレコードプレーヤー作りで有名なプロジェクト・オーディオイギリスを代表する伝説的ロックバンド"ローリング・ストーンズ"とがコラボしたモデルです!

タン(舌)ロゴ、俗称"ロック舌"とも呼ばれる特徴的なローリング・ストーンズのロゴを大胆に本体にプリント。
ミック・ジャガーの発案で、ヒンドゥー教のカーリー神の舌をモチーフにしたそうです。
しかし、カーリー神といえば殺戮と破壊の女神です。
そんな怖い神様をイメージにロゴを作るとは。。。これがロックの魂なんでしょうか!?

と、この"The Rolling Stones"モデルは誰が見ても「ローリング・ストーンズだ!」と解るデザインに仕上げています。
デザインはロックですが、その製造はプロジェクト・オーディオが担当。
さらに搭載カートリッジはオルトフォンのOM-10です。
明瞭さと細かさを両立し、見た目とは違いジャンルを問わずお楽しみいただけるでしょう

数量限定での生産とされており、(国内入荷量はまだ明確には決まっていないそうです)現在は一先ずご予約受付中となっております。

プロジェクト・オーディオの音作りに特徴的なタンロゴを配したデザイン。
音質とデザイン性を両立した、コレクターズ・アイテムだけには勿体無い、実用的オーディオアイテムとしてお薦めです!

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

2017年9月30日 (土)

ESOTERIC フォノイコライザー『 E-02 』でアナログ再生が変わる! MCカートリッジのバランス伝送を実現!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、MCカートリッジのバランス伝送を実現した ESOTERICのフォノイコライザー『 E-02 』をご紹介いたします! アナログ再生でLPレコードに入っている情報のすべてを引き出したい方におすすめです。日本橋1ばん館で試聴も行いましたので、そちらもご覧ください。


ESOTERIC「E-02」


MCカートリッジの出力はバランス信号!

アナログレコードファンの中でもご存知なのは、一部のマニアの方だけかも知れませんが、実はMCカートリッジの出力はバランス信号なのです。しかしこれまで、このことに注目したメーカーや製品はあまり存在していませんでした。(※最近ではフェーズメーションが対応機を発売しています。)

まず、そのあたりから説明して参りましょう。

MCカートリッジは、コイルが動くことによって発電しますが、この際コイルの両端にはプッシュプル(正相と逆相)の信号が発生します。このような微弱なバランス信号は、ノイズ回避の上からも、本来バランス信号のままで伝送するのが理想的なのです。

しかし、ほとんどのフォノイコライザーやトランス、アンプのフォノ入力はRCA端子によるアンバランス受けになっており、バランス伝送は不可能でした。また、バランス伝送に対応したフォノケーブルもこれまで、あまり一般的ではありませんでした。

元来フォノイコライザー回路は、MMカートリッジ用のゲイン(利得)で設計されており、低出力のMCカートリッジにはヘッドアンプや昇圧トランスでゲインを上げることで対応してきました。しかし、フォノイコライザーで直接、バランス入力でMCカートリッジの出力を受け取ることができれば、音質が飛躍的に改善できるのは自明の理です。

今回取り上げましたエソテリックの『 E-02 』はそれを実現した、MCカートリッジのための本格的フォノイコライザーなのです。『 E-02 』の説明に入る前に、前作のフォノイコライザー「E-03」の概要から確認しておきましょう。

前作のフォノイコライザー「E-03」とは

「E-03」は2009年の発売で8年を超えるロングセラーでした。エソテリック伝統のL/Rデュアル・モノ思想を徹底し、各チャンネルの電源はトランスを含めて完全に独立させていました。オーディオ回路は全てディスクリートで組み上げられ、増幅素子は十二分に吟味、厳選されたトランジスターが採用されていました。

信号経路の最短・最適化はもちろん、入力・負荷の切り換えにマイコンを使用せず、あえてメカニカルスイッチにするなど、微小信号を扱うフォノイコライザーならではの気配りをした製品でした。筐体もエソテリックならではのノイズ対策が万全の高剛性ボディコンストラクションを採用した存在感のあるものでした。

『 E-02 』に迫る!

それでは、そんな完成度の高かった前作を『 E-02 』がどう越えて世代交代を果たしたのかを見てまいりましょう。

その“肝”となるのが前述のMCカートリッジ出力の完全バランス伝送と増幅回路の実現です。回路構成は、MCヘッドアンプ、RIAAイコライザー、バッファーアンプで構成され、それらの全てがバランス回路になっています。

入力端子は、MC専用のXLRが1系統、RCAが2系統あり、RCA入力もバランス変換されます。カートリッジの負荷インピーダンスの切り換えは、MCが10Ω、50Ω、100Ω、200Ω、300Ω、500Ω、1kΩ、10kΩの8種類にも上っており、いかなるMCにも完璧に対応しています。MMは47kΩ(前作にあった負荷容量切換なし)です。明らかにMC重視の設計です。

RIAAイコライザーはNF-CR型のフルバランス設計で、±0.2dBという高精度の確保と全帯域にわたるNF量の低減を両立させています。(※NFB回路を利用した「NF型」とコンデンサーと抵抗器でカーブを作り出す「CR型」の良さを合わせ持つNF-CR折衷型のイコライザー)

出力段には、同社の最高峰のプリアンプ「Grandioso C1」の技術を投入した電流伝送強化型出力バッファー回路「ESOTERIC-HCLD」を搭載し、瞬間的な電流供給能力を最大限(スルーレートが2,000V/μsという驚異的なハイスピード)に高め、リアリティー豊かでダイナミックな再現が可能としています。

また、XLR出力にはESOTERIC 独自の電流伝送方式である「ES-LINK Analog」にも対応しています。(※独自伝送方式のため、対応する機器以外ではご使用になれません。)

機能的には、前作でも好評だった簡易消磁機能「DEMAG」を搭載しており、帯磁してしまった鉄芯入りのMCカートリッジ(DENONやOrtofonなど)や昇圧トランスを、スイッチONでレコードを約30秒再生するだけで消磁でき、本来の音質が簡単に回復できます。過去にはラックスマンが単体で販売して好評でした。

アナログ再生では必須のレコード盤の反りで発生する低周波をカットする「サブソニックフィルター(17Hz, -6dB/oct.)」やモノーラル盤の再生に便利な「MONOスイッチ」も装備しています。

前作に比べ筐体も更に強化され、扱う信号レベルの低いフォノイコライザー故、シャーシコンストラクションも特別に配慮し、振動のコントロールを徹底しています。

各基板を固定するスリット構造のボトムシャーシ、剛性の高い重量級肉厚アルミニウムシャーシ、独自のピンポイントフットなどにより外部からの振動の影響を徹底的に排除しています。このあたりはエソテリックの最も得意とするところです。

試聴しました!


さて、『 E-02 』のバランス伝送でのサウンドは・・・。9月某日、日本橋1ばん館で開催されたエソテリック主催「フルバランスフォノアンプ『 E-02 』徹底試聴会」前日の準備の際、カートリッジにはDENON「DL-103R」とvan den Hul(バンデンハル)「VDH-FROG」、バランス接続対応フォノケーブルにはバンデンハル「The D-501Hybyid」を使用し、試聴しました。

まず第一印象は、前作「E-03」が、フラット指向の優等生的なサウンドであったのに対し、『 E-02 』は押し出し感の強いエネルギッシュなたっぷり感のあるサウンドと感じました。これは同社のフラッグシップでもある“グランディオーソ”にも通じる豊かな音楽性に溢れたものとも言えます。

アナログとしては異例な程S/Nが良く、これは明らかにバランス伝送の効果だと感じました。とにかく音楽以外の部分にノイズ感がなく、広々とした自然な空間感、音像は立体的でミュージシャンが実在感を伴って定位するのです。

アナログ再生で時折感じるある種の歪み感も全くなく、サウンド自体の透明度が高く、鮮度感も抜群で、ライブ盤での生々しさは格別でした。

S/Nの良さは明らかにバランス伝送の結果ですし、しっかりした中低域と立ち上がりの良さは、電流伝送強化型出力バッファーが効いていると感じました。

こんなアナログ再生は久しぶりの経験です。よくよく思い出してみれば、5年以上も前になりますが、日本橋1ばん館のフェーズメーションの試聴会で聴いた管球式フォノイコライザー「EA-1000」以来だったのです。

最後に
この『 E-02 』よるアナログ再生は、LPレコードにノスタルジーを持ってお聴きになるためのフォノイコライザーではなく、LPレコードに入っている情報をすべて引き出したい、そんな方にこそお勧めします。

アナログ全盛期を含め、過去のどの時点でも聴けなかったアナログウンドが『 E-02 』で聴けるのです。まだまだアナログの可能性はあったのです。(あさやん)

2017年9月12日 (火)

「アナログレコードが若者の間で人気を集めている」!!

Ichinose_5ハイエンドオーディオ担当のichinoseです。

先日、日経新聞を読んでいると「アナログレコードが若者の間で人気を集めている!!」との記事が掲載されていました。当店でもアナログプレーヤーやアナログ関連のアクセサリーが人気でよく売れています!(一時のブーム的な人気は落ち着きましたが・・)

若者の間で人気となっているのは、人気アーティストの新譜が増えているからとの事!新譜は20代の若者が中心で、40から50代は中古レコードが中心となっているそうです! インターネット配信が主流のデジタル音源はメディアレスになっていて何か物足りないと感じている方も多いのではないでしょうか!アナログLPは価値のある物として、形を残そうと言う動きになって人気があると思われます!!

現在国内でLPレコードの製造(プレス)をしてるのは東洋化成一社だけですが、SONYもレコード生産再開をすると発表されて話題となっており、こちらは懐かしい名盤や名演奏の復刻版の発売が期待されていますね!良く売れて生産数が増えて価格が安くなること切に願います!!

レコードの魅力はいろいろとありますが、ジャケットのデザインはアーティストの世界観を良く表している言われています。昔から「ジャケ買い」と言われる言葉があるように、ジャケットの大きな写真はアートとも言えるもので、何とも魅力的な世界ですよね。私も昔は良く「ジャケ買い」をしていましたし、レコードの演奏中はジャケットをスタンドに飾りながらその世界観を共有しながら聴いていました!もちろんそのレコードやレコードプレーヤーは現役で活躍しています!!

今更アナログなんてと思われる方の多くは「手入れが大変」「保管が大変」「ノイズが多い」「扱いが繊細」「演奏時間が短い」などなど数え上げれば、枚挙に暇が無いほど出てくると思いますが、それがまた魅力?「手間がかかるので愛着が湧く」「レコードのメンテナンスが楽しい」「針をレコードに置く瞬間が好き」「ゆっくりと音楽を楽しむ気分になる」「暖かくやさしい音楽に癒される」などなど、やはり拘りの世界かもしれませんが、オーディオを楽しむ、音楽を楽しむことが出来るレコードの世界は何とも魅力的なんです!

Sx8000_5MICRO SX-8000 +SPU-SYNERGY

一説ではCDの連続80分再生は長すぎ?との意見もあります(私は必ずしもそうとも思いませんが・・・。)LPは片面30分ぐらいで人間が音楽に集中できるちょうど良い時間との事、裏返してクリーニング作業をすることによって頭をリセットできてちょうど良い!!ん~!確かに言われてみれば、私も音楽をちゃんと聴きたいときはレコードを、ながらで聴きながら楽しみたいときはデジタル音源と・・・使い分けているような気がします・・・!!

大手のレコードショップではアナログレコード専門店をオープンしたり、アナログ専用コーナーの拡大も実施されています!中古のレコード専門ショップも見かけます!これからアナログを始める方や、一旦アナログを止めてしまった方でも、レコードを入手し易い環境は結構整っているので、是非アナログの魅力に触れてみてください!!

Jazz_8当店のレコード売り場でも少しではありますが、LPを販売していますのでご紹介します→こちら  このページのLPをクリックしていただくと現在当店で販売してるLPが検索できます。最近の人気アーティストの新譜から、ビートルズ、ピンクフロイド、山下達郎、桑田佳祐、吉田拓郎といった懐かしいアーティストも販売されていますので是非ご確認下さい。

 


最後に新製品で注目のプレーヤーをご紹介しておきます!

Pro-Ject Audio“The Classic”

4951035062906 デザインはシンプルで懐かしさすら感じさせるものですが、中身はなかなかの実力を聴かせてくれる優れモノなんです!!低ノイズのACモーターを利用したベルトドライブ方式を採用し、トーンアームには何と9インチカーボン・トーンアームが採用されている贅沢な設計です!トーンアームがストレート一体型のため、組み合わせるカートリッジには針交換が簡単なMM型の高音質モデルがお勧めです!

GRADO “Prestige Gold 1”

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グラドは癖が無く、爽やかでアコースティックな音色を聴かせてくれるカートリッジです、このモデル1個で、どんなジャンルでもカバーできる実力を持っているのでストレートアームに最適でお勧めです!!インピーダンス:47KΩ、出力電圧:5mVと使いやすいスペックも魅力です。


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2017年9月 2日 (土)

本格的アナログプレーヤー最新事情!!~もう一度オーディオ世代(リターナー)の皆様!今こそ“本気でアナログ”を! ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、あっという間に過ぎ去った"アナログブーム"とは何だったのかを検証したうえで“リターナー”の方はもちろん、今から“本気でアナログ”をとお考えの方におすすめのレコードプレーヤーをご紹介いたします。
比較的リーズナブルでアナログの魅力が存分に味わえる4機種です。


アナログブームを検証!

ここしばらく続いたアナログブームがあっという間に、まさに潮が引くがごとく過ぎ去り、何もなかったかのような今日この頃です。まずは、このブームが何だったのか、この際検証しておきましょう。

そもそもブームの切っ掛けは、アナログレコードのデジタルファイル化・アーカイブ化でした。PCオーディオやハイレゾが盛り上がって来て、オーディオビギナー層やポータブルユーザーに広がる過程において、レコードが新しいソフトとして注目されたのでした。

その理由として考えられますことを列記してみますと、
・お家の押し入れで眠っていたレコードを久々に聴いてみたい。
・一度もレコードを聴いたことがなく一度は聴いてみたい。
・CDでは味わえない30cm角の大きなジャケットに大いに魅力を感じた。
・LP化されている最近のミュージシャンのアルバムを一度聴いてみたい。
・ブラックディスクの人間味に一度は触れてみたい。
などなど人それぞれだったと思います。

そこに、1万円そこそこの廉価でチープなUSB端子付きのアナログプレーヤーが登場し、簡単にデジタルファイル化ができ、それらの取り扱い店がオーディオショップのみならず、レコードショップやレンタルショップにまであっという間に広がった結果、爆発的なアナログブームが巻き起こされたのでした。

しかし、このブームに飛びついた大多数の音楽ファンは、例の“熱しやすく冷めやすい”日本人特有のパターン通りに交換針を買い求める迄もなく、ほとんどそのプレーヤーはお蔵入りの状態になっていると思います。本格的にアナログをやりたかった訳ではなかったのですからそれは当然です。しかも、アナログレコードはCDの様に雑には扱えない上、メンテナンスも必要で、最良の状態を維持するにはある程度の経験が必要なため、やはりデジタルの様にはいかないと身に染みていらっしゃるのではないでしょうか。

ただ一部のオーディオファンは、とりあえずアナログブームと言うことで巷で話題になっているレコード再生にチャレンジはしてみたものの、前述の安価なプレーヤーでは全く満足出来なかったことでしょう。また、過去に使っていたプレーヤーを引っ張り出して来たものの劣化が激しく、使い物にならなかったリターナーもいらっしゃると思います。

そんな中でもアナログレコードの音が、今まで聴いてきたデジタルとは少しでも違うと感じたり、そのサウンドに何かしらの魅力を感じられた方も多いのではないでしょうか。今回は、比較的リーズナブルでアナログの魅力が存分に味わえるレコードプレーヤーを4機種をご紹介します。

10万円未満のカートリッジ付きモデル

DENON「DP-500M」



定番中の定番プレーヤー、2003年の発売から早15年。クォーツサーボ方式ダイレクトドライブのベストセラー機。大型(径331mm)の肉厚アルミダイキャスト製ターンテーブルは信頼感抜群。

さらに裏面はシリコンラバーにより鳴きを防止。0.3秒以内の素早い起動時間も有り難い。S字型トーンアームも本格的でカートリッジやヘッドシェルの交換も簡単です。アナログ全盛期の製品と比較しても、この存在感、使い易さ、もちろん本物のアナログサウンドがこの価格で入手出来るのですから、これはもう間違いなくお買い得です。

②TEAC「TN-550」



人気の同社「TN-570」から、純粋なアナログ再生には“百害あって一利なし”とも言えるデジタル出力を取り除いた純粋なアナログプレーヤー。このスマートな薄型デザインが実現できたのは、ダイレクトドライブ方式に引けを取らない、高い回転精度(PRS3回転数自動調整機構)のベルトドライブ方式採用のお陰です。

ベルトの架け替えではなく電子制御式のスピード切替機構を採用。厚さ16mm、重さ約1.4kgのクリアアクリル樹脂製のプラッターは新時代のプレーヤーです。音はレンジが広く伸びやかでにじみのないもので、ベルトドライブ特有のほのかな温かみのあるサウンド。限定生産品、当社在庫残り僅かです。

10万円台カートリッジ別売モデル

③Pro-Ject Audio「The Classic」



この箱形デザイン、どこか懐かしさを覚えますよね。かつてのアナログ全盛期の欧州製プレーヤーそのものです。もちろん駆動方式こそ伝統的なベルトドライブですが、過去の同種のプレーヤーとは違い数々の新技術が使われています。

究極の速度安定性を求めて低ノイズのACモーターを採用。先端技術を用いた新設計のカーボン/アルミニウム・トーンアーム。最新の抑振材TPE(熱可塑性エラストマー)を使用してキャビネットやターンテーブルの制振をするなど、中味は新技術満載です。現時点だからこそ実現できた画期的なプレーヤーと言えます。ぼけることのない腰のあるサウンドで、カートリッジの選択次第であらゆるジャンルに十分対応できるパフォーマンスを発揮します。(ヘッドシェルの交換はできません)

◇「The Classic」におすすめのカートリッジ
オルトフォン「2MRED」MM型・・・ 安定感のあるサウンドが魅力のエントリーモデル。
オルトフォン「MC-Q5」MC型・・・包容力のあるオルトフォンサウンドが十分味わえる。

④DENON「DP-1300MK2」



美しい天然木仕上げのキャビネットはいかにも高級感があります。使い勝手の良いダイレクトドライブ方式は、ベルトドライブ方式の様にスタート/ストップ時にイライラさせられることもありません。まさに直感的にレコードを扱うことが出来ます。もう一つの本機の魅力は、本格的な6mmの高さ調節が可能な大型アルミダイカストベースに載せられたユニバーサル・トーンアームの搭載です。

カートリッジを気軽に取り替えて聴き比べられることこそ、アナログ再生の醍醐味です。本機の基本的なサウンドは、デジタルとは対極にあり、LP全盛期のそれに近似していると感じました。

◇「DP-1300MK2」におすすめのカートリッジ
デノン「DL-103R」・・・標準機DL-103の6Nモデル。ワイドレンジで透明度アップ。
オルトフォン「SPU#1E」・・・太く、力強いサウンドの現代版SPU。これぞアナログの醍醐味。
※「SPU-#1E」を「DP-1300MK2」に装着するためには重量級カートリッジ用ウェイト「ACD-45-N」が別途必要です。合わせてお買い求め下さい。

最後に
アナログプレーヤーの方式による大まかなサウンド傾向は、ベルトドライブ方式プレーヤーは、外力によって回転するため、安定感と静寂感が支配的であり、厚みのある温かいものです。一方、ダイレクトドライブ方式プレーヤーはターンテーブルをモーターがダイレクトに回転させるため、音にスピード感があり、ダイナミックで力感があります。

筆者の数々の経験から、デジタルやハイレゾは極めれば確かに素晴らしいのですが、それには大変なコストとノウハウが必要だと言うことが分かりました。そしてデジタルの目指しているのは、結局は最高峰のアナログサウンドあるとの結論に至ったのです。結果、アナログが最もコストパフォーマンスが高いと言うのが最終的な結論です。

筆者としては、“リターナー”の方はもちろん、今から“本気でアナログ”をとお考えの方に、今回ご紹介した4機種は、いずれも存分に本格的なアナログ再生を楽しんでいただけると確信しています。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

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