アナログハイエンド情報 Feed

2017年9月30日 (土)

ESOTERIC フォノイコライザー『 E-02 』でアナログ再生が変わる! MCカートリッジのバランス伝送を実現!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、MCカートリッジのバランス伝送を実現した ESOTERICのフォノイコライザー『 E-02 』をご紹介いたします! アナログ再生でLPレコードに入っている情報のすべてを引き出したい方におすすめです。日本橋1ばん館で試聴も行いましたので、そちらもご覧ください。


ESOTERIC「E-02」


MCカートリッジの出力はバランス信号!

アナログレコードファンの中でもご存知なのは、一部のマニアの方だけかも知れませんが、実はMCカートリッジの出力はバランス信号なのです。しかしこれまで、このことに注目したメーカーや製品はあまり存在していませんでした。(※最近ではフェーズメーションが対応機を発売しています。)

まず、そのあたりから説明して参りましょう。

MCカートリッジは、コイルが動くことによって発電しますが、この際コイルの両端にはプッシュプル(正相と逆相)の信号が発生します。このような微弱なバランス信号は、ノイズ回避の上からも、本来バランス信号のままで伝送するのが理想的なのです。

しかし、ほとんどのフォノイコライザーやトランス、アンプのフォノ入力はRCA端子によるアンバランス受けになっており、バランス伝送は不可能でした。また、バランス伝送に対応したフォノケーブルもこれまで、あまり一般的ではありませんでした。

元来フォノイコライザー回路は、MMカートリッジ用のゲイン(利得)で設計されており、低出力のMCカートリッジにはヘッドアンプや昇圧トランスでゲインを上げることで対応してきました。しかし、フォノイコライザーで直接、バランス入力でMCカートリッジの出力を受け取ることができれば、音質が飛躍的に改善できるのは自明の理です。

今回取り上げましたエソテリックの『 E-02 』はそれを実現した、MCカートリッジのための本格的フォノイコライザーなのです。『 E-02 』の説明に入る前に、前作のフォノイコライザー「E-03」の概要から確認しておきましょう。

前作のフォノイコライザー「E-03」とは

「E-03」は2009年の発売で8年を超えるロングセラーでした。エソテリック伝統のL/Rデュアル・モノ思想を徹底し、各チャンネルの電源はトランスを含めて完全に独立させていました。オーディオ回路は全てディスクリートで組み上げられ、増幅素子は十二分に吟味、厳選されたトランジスターが採用されていました。

信号経路の最短・最適化はもちろん、入力・負荷の切り換えにマイコンを使用せず、あえてメカニカルスイッチにするなど、微小信号を扱うフォノイコライザーならではの気配りをした製品でした。筐体もエソテリックならではのノイズ対策が万全の高剛性ボディコンストラクションを採用した存在感のあるものでした。

『 E-02 』に迫る!

それでは、そんな完成度の高かった前作を『 E-02 』がどう越えて世代交代を果たしたのかを見てまいりましょう。

その“肝”となるのが前述のMCカートリッジ出力の完全バランス伝送と増幅回路の実現です。回路構成は、MCヘッドアンプ、RIAAイコライザー、バッファーアンプで構成され、それらの全てがバランス回路になっています。

入力端子は、MC専用のXLRが1系統、RCAが2系統あり、RCA入力もバランス変換されます。カートリッジの負荷インピーダンスの切り換えは、MCが10Ω、50Ω、100Ω、200Ω、300Ω、500Ω、1kΩ、10kΩの8種類にも上っており、いかなるMCにも完璧に対応しています。MMは47kΩ(前作にあった負荷容量切換なし)です。明らかにMC重視の設計です。

RIAAイコライザーはNF-CR型のフルバランス設計で、±0.2dBという高精度の確保と全帯域にわたるNF量の低減を両立させています。(※NFB回路を利用した「NF型」とコンデンサーと抵抗器でカーブを作り出す「CR型」の良さを合わせ持つNF-CR折衷型のイコライザー)

出力段には、同社の最高峰のプリアンプ「Grandioso C1」の技術を投入した電流伝送強化型出力バッファー回路「ESOTERIC-HCLD」を搭載し、瞬間的な電流供給能力を最大限(スルーレートが2,000V/μsという驚異的なハイスピード)に高め、リアリティー豊かでダイナミックな再現が可能としています。

また、XLR出力にはESOTERIC 独自の電流伝送方式である「ES-LINK Analog」にも対応しています。(※独自伝送方式のため、対応する機器以外ではご使用になれません。)

機能的には、前作でも好評だった簡易消磁機能「DEMAG」を搭載しており、帯磁してしまった鉄芯入りのMCカートリッジ(DENONやOrtofonなど)や昇圧トランスを、スイッチONでレコードを約30秒再生するだけで消磁でき、本来の音質が簡単に回復できます。過去にはラックスマンが単体で販売して好評でした。

アナログ再生では必須のレコード盤の反りで発生する低周波をカットする「サブソニックフィルター(17Hz, -6dB/oct.)」やモノーラル盤の再生に便利な「MONOスイッチ」も装備しています。

前作に比べ筐体も更に強化され、扱う信号レベルの低いフォノイコライザー故、シャーシコンストラクションも特別に配慮し、振動のコントロールを徹底しています。

各基板を固定するスリット構造のボトムシャーシ、剛性の高い重量級肉厚アルミニウムシャーシ、独自のピンポイントフットなどにより外部からの振動の影響を徹底的に排除しています。このあたりはエソテリックの最も得意とするところです。

試聴しました!


さて、『 E-02 』のバランス伝送でのサウンドは・・・。9月某日、日本橋1ばん館で開催されたエソテリック主催「フルバランスフォノアンプ『 E-02 』徹底試聴会」前日の準備の際、カートリッジにはDENON「DL-103R」とvan den Hul(バンデンハル)「VDH-FROG」、バランス接続対応フォノケーブルにはバンデンハル「The D-501Hybyid」を使用し、試聴しました。

まず第一印象は、前作「E-03」が、フラット指向の優等生的なサウンドであったのに対し、『 E-02 』は押し出し感の強いエネルギッシュなたっぷり感のあるサウンドと感じました。これは同社のフラッグシップでもある“グランディオーソ”にも通じる豊かな音楽性に溢れたものとも言えます。

アナログとしては異例な程S/Nが良く、これは明らかにバランス伝送の効果だと感じました。とにかく音楽以外の部分にノイズ感がなく、広々とした自然な空間感、音像は立体的でミュージシャンが実在感を伴って定位するのです。

アナログ再生で時折感じるある種の歪み感も全くなく、サウンド自体の透明度が高く、鮮度感も抜群で、ライブ盤での生々しさは格別でした。

S/Nの良さは明らかにバランス伝送の結果ですし、しっかりした中低域と立ち上がりの良さは、電流伝送強化型出力バッファーが効いていると感じました。

こんなアナログ再生は久しぶりの経験です。よくよく思い出してみれば、5年以上も前になりますが、日本橋1ばん館のフェーズメーションの試聴会で聴いた管球式フォノイコライザー「EA-1000」以来だったのです。

最後に
この『 E-02 』よるアナログ再生は、LPレコードにノスタルジーを持ってお聴きになるためのフォノイコライザーではなく、LPレコードに入っている情報をすべて引き出したい、そんな方にこそお勧めします。

アナログ全盛期を含め、過去のどの時点でも聴けなかったアナログウンドが『 E-02 』で聴けるのです。まだまだアナログの可能性はあったのです。(あさやん)

2017年9月12日 (火)

「アナログレコードが若者の間で人気を集めている」!!

Ichinose_5ハイエンドオーディオ担当のichinoseです。

先日、日経新聞を読んでいると「アナログレコードが若者の間で人気を集めている!!」との記事が掲載されていました。当店でもアナログプレーヤーやアナログ関連のアクセサリーが人気でよく売れています!(一時のブーム的な人気は落ち着きましたが・・)

若者の間で人気となっているのは、人気アーティストの新譜が増えているからとの事!新譜は20代の若者が中心で、40から50代は中古レコードが中心となっているそうです! インターネット配信が主流のデジタル音源はメディアレスになっていて何か物足りないと感じている方も多いのではないでしょうか!アナログLPは価値のある物として、形を残そうと言う動きになって人気があると思われます!!

現在国内でLPレコードの製造(プレス)をしてるのは東洋化成一社だけですが、SONYもレコード生産再開をすると発表されて話題となっており、こちらは懐かしい名盤や名演奏の復刻版の発売が期待されていますね!良く売れて生産数が増えて価格が安くなること切に願います!!

レコードの魅力はいろいろとありますが、ジャケットのデザインはアーティストの世界観を良く表している言われています。昔から「ジャケ買い」と言われる言葉があるように、ジャケットの大きな写真はアートとも言えるもので、何とも魅力的な世界ですよね。私も昔は良く「ジャケ買い」をしていましたし、レコードの演奏中はジャケットをスタンドに飾りながらその世界観を共有しながら聴いていました!もちろんそのレコードやレコードプレーヤーは現役で活躍しています!!

今更アナログなんてと思われる方の多くは「手入れが大変」「保管が大変」「ノイズが多い」「扱いが繊細」「演奏時間が短い」などなど数え上げれば、枚挙に暇が無いほど出てくると思いますが、それがまた魅力?「手間がかかるので愛着が湧く」「レコードのメンテナンスが楽しい」「針をレコードに置く瞬間が好き」「ゆっくりと音楽を楽しむ気分になる」「暖かくやさしい音楽に癒される」などなど、やはり拘りの世界かもしれませんが、オーディオを楽しむ、音楽を楽しむことが出来るレコードの世界は何とも魅力的なんです!

Sx8000_5MICRO SX-8000 +SPU-SYNERGY

一説ではCDの連続80分再生は長すぎ?との意見もあります(私は必ずしもそうとも思いませんが・・・。)LPは片面30分ぐらいで人間が音楽に集中できるちょうど良い時間との事、裏返してクリーニング作業をすることによって頭をリセットできてちょうど良い!!ん~!確かに言われてみれば、私も音楽をちゃんと聴きたいときはレコードを、ながらで聴きながら楽しみたいときはデジタル音源と・・・使い分けているような気がします・・・!!

大手のレコードショップではアナログレコード専門店をオープンしたり、アナログ専用コーナーの拡大も実施されています!中古のレコード専門ショップも見かけます!これからアナログを始める方や、一旦アナログを止めてしまった方でも、レコードを入手し易い環境は結構整っているので、是非アナログの魅力に触れてみてください!!

Jazz_8当店のレコード売り場でも少しではありますが、LPを販売していますのでご紹介します→こちら  このページのLPをクリックしていただくと現在当店で販売してるLPが検索できます。最近の人気アーティストの新譜から、ビートルズ、ピンクフロイド、山下達郎、桑田佳祐、吉田拓郎といった懐かしいアーティストも販売されていますので是非ご確認下さい。

 


最後に新製品で注目のプレーヤーをご紹介しておきます!

Pro-Ject Audio“The Classic”

4951035062906 デザインはシンプルで懐かしさすら感じさせるものですが、中身はなかなかの実力を聴かせてくれる優れモノなんです!!低ノイズのACモーターを利用したベルトドライブ方式を採用し、トーンアームには何と9インチカーボン・トーンアームが採用されている贅沢な設計です!トーンアームがストレート一体型のため、組み合わせるカートリッジには針交換が簡単なMM型の高音質モデルがお勧めです!

GRADO “Prestige Gold 1”

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グラドは癖が無く、爽やかでアコースティックな音色を聴かせてくれるカートリッジです、このモデル1個で、どんなジャンルでもカバーできる実力を持っているのでストレートアームに最適でお勧めです!!インピーダンス:47KΩ、出力電圧:5mVと使いやすいスペックも魅力です。


アナログに関する質問はお気軽にJoshinWEBにお問合せ下さい!!(ichinose)

2017年9月 2日 (土)

本格的アナログプレーヤー最新事情!!~もう一度オーディオ世代(リターナー)の皆様!今こそ“本気でアナログ”を! ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、あっという間に過ぎ去った"アナログブーム"とは何だったのかを検証したうえで“リターナー”の方はもちろん、今から“本気でアナログ”をとお考えの方におすすめのレコードプレーヤーをご紹介いたします。
比較的リーズナブルでアナログの魅力が存分に味わえる4機種です。


アナログブームを検証!

ここしばらく続いたアナログブームがあっという間に、まさに潮が引くがごとく過ぎ去り、何もなかったかのような今日この頃です。まずは、このブームが何だったのか、この際検証しておきましょう。

そもそもブームの切っ掛けは、アナログレコードのデジタルファイル化・アーカイブ化でした。PCオーディオやハイレゾが盛り上がって来て、オーディオビギナー層やポータブルユーザーに広がる過程において、レコードが新しいソフトとして注目されたのでした。

その理由として考えられますことを列記してみますと、
・お家の押し入れで眠っていたレコードを久々に聴いてみたい。
・一度もレコードを聴いたことがなく一度は聴いてみたい。
・CDでは味わえない30cm角の大きなジャケットに大いに魅力を感じた。
・LP化されている最近のミュージシャンのアルバムを一度聴いてみたい。
・ブラックディスクの人間味に一度は触れてみたい。
などなど人それぞれだったと思います。

そこに、1万円そこそこの廉価でチープなUSB端子付きのアナログプレーヤーが登場し、簡単にデジタルファイル化ができ、それらの取り扱い店がオーディオショップのみならず、レコードショップやレンタルショップにまであっという間に広がった結果、爆発的なアナログブームが巻き起こされたのでした。

しかし、このブームに飛びついた大多数の音楽ファンは、例の“熱しやすく冷めやすい”日本人特有のパターン通りに交換針を買い求める迄もなく、ほとんどそのプレーヤーはお蔵入りの状態になっていると思います。本格的にアナログをやりたかった訳ではなかったのですからそれは当然です。しかも、アナログレコードはCDの様に雑には扱えない上、メンテナンスも必要で、最良の状態を維持するにはある程度の経験が必要なため、やはりデジタルの様にはいかないと身に染みていらっしゃるのではないでしょうか。

ただ一部のオーディオファンは、とりあえずアナログブームと言うことで巷で話題になっているレコード再生にチャレンジはしてみたものの、前述の安価なプレーヤーでは全く満足出来なかったことでしょう。また、過去に使っていたプレーヤーを引っ張り出して来たものの劣化が激しく、使い物にならなかったリターナーもいらっしゃると思います。

そんな中でもアナログレコードの音が、今まで聴いてきたデジタルとは少しでも違うと感じたり、そのサウンドに何かしらの魅力を感じられた方も多いのではないでしょうか。今回は、比較的リーズナブルでアナログの魅力が存分に味わえるレコードプレーヤーを4機種をご紹介します。

10万円未満のカートリッジ付きモデル

DENON「DP-500M」



定番中の定番プレーヤー、2003年の発売から早15年。クォーツサーボ方式ダイレクトドライブのベストセラー機。大型(径331mm)の肉厚アルミダイキャスト製ターンテーブルは信頼感抜群。

さらに裏面はシリコンラバーにより鳴きを防止。0.3秒以内の素早い起動時間も有り難い。S字型トーンアームも本格的でカートリッジやヘッドシェルの交換も簡単です。アナログ全盛期の製品と比較しても、この存在感、使い易さ、もちろん本物のアナログサウンドがこの価格で入手出来るのですから、これはもう間違いなくお買い得です。

②TEAC「TN-550」



人気の同社「TN-570」から、純粋なアナログ再生には“百害あって一利なし”とも言えるデジタル出力を取り除いた純粋なアナログプレーヤー。このスマートな薄型デザインが実現できたのは、ダイレクトドライブ方式に引けを取らない、高い回転精度(PRS3回転数自動調整機構)のベルトドライブ方式採用のお陰です。

ベルトの架け替えではなく電子制御式のスピード切替機構を採用。厚さ16mm、重さ約1.4kgのクリアアクリル樹脂製のプラッターは新時代のプレーヤーです。音はレンジが広く伸びやかでにじみのないもので、ベルトドライブ特有のほのかな温かみのあるサウンド。限定生産品、当社在庫残り僅かです。

10万円台カートリッジ別売モデル

③Pro-Ject Audio「The Classic」



この箱形デザイン、どこか懐かしさを覚えますよね。かつてのアナログ全盛期の欧州製プレーヤーそのものです。もちろん駆動方式こそ伝統的なベルトドライブですが、過去の同種のプレーヤーとは違い数々の新技術が使われています。

究極の速度安定性を求めて低ノイズのACモーターを採用。先端技術を用いた新設計のカーボン/アルミニウム・トーンアーム。最新の抑振材TPE(熱可塑性エラストマー)を使用してキャビネットやターンテーブルの制振をするなど、中味は新技術満載です。現時点だからこそ実現できた画期的なプレーヤーと言えます。ぼけることのない腰のあるサウンドで、カートリッジの選択次第であらゆるジャンルに十分対応できるパフォーマンスを発揮します。(ヘッドシェルの交換はできません)

◇「The Classic」におすすめのカートリッジ
オルトフォン「2MRED」MM型・・・ 安定感のあるサウンドが魅力のエントリーモデル。
オルトフォン「MC-Q5」MC型・・・包容力のあるオルトフォンサウンドが十分味わえる。

④DENON「DP-1300MK2」



美しい天然木仕上げのキャビネットはいかにも高級感があります。使い勝手の良いダイレクトドライブ方式は、ベルトドライブ方式の様にスタート/ストップ時にイライラさせられることもありません。まさに直感的にレコードを扱うことが出来ます。もう一つの本機の魅力は、本格的な6mmの高さ調節が可能な大型アルミダイカストベースに載せられたユニバーサル・トーンアームの搭載です。

カートリッジを気軽に取り替えて聴き比べられることこそ、アナログ再生の醍醐味です。本機の基本的なサウンドは、デジタルとは対極にあり、LP全盛期のそれに近似していると感じました。

◇「DP-1300MK2」におすすめのカートリッジ
デノン「DL-103R」・・・標準機DL-103の6Nモデル。ワイドレンジで透明度アップ。
オルトフォン「SPU#1E」・・・太く、力強いサウンドの現代版SPU。これぞアナログの醍醐味。
※「SPU-#1E」を「DP-1300MK2」に装着するためには重量級カートリッジ用ウェイト「ACD-45-N」が別途必要です。合わせてお買い求め下さい。

最後に
アナログプレーヤーの方式による大まかなサウンド傾向は、ベルトドライブ方式プレーヤーは、外力によって回転するため、安定感と静寂感が支配的であり、厚みのある温かいものです。一方、ダイレクトドライブ方式プレーヤーはターンテーブルをモーターがダイレクトに回転させるため、音にスピード感があり、ダイナミックで力感があります。

筆者の数々の経験から、デジタルやハイレゾは極めれば確かに素晴らしいのですが、それには大変なコストとノウハウが必要だと言うことが分かりました。そしてデジタルの目指しているのは、結局は最高峰のアナログサウンドあるとの結論に至ったのです。結果、アナログが最もコストパフォーマンスが高いと言うのが最終的な結論です。

筆者としては、“リターナー”の方はもちろん、今から“本気でアナログ”をとお考えの方に、今回ご紹介した4機種は、いずれも存分に本格的なアナログ再生を楽しんでいただけると確信しています。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年8月10日 (木)

創業25周年記念の本格的アナログプレーヤー『 The Classic 』登場!!~プロジェクト・オーディオの輸入元がD&Mに!~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
プロジェクト・オーディオ(正式名Pro-Ject Audio System以下プロジェクト)製品は長らく、株式会社ナスペックが輸入業務をしておりましたが、この度、D&M(株式会社ディーアンドエムホールディングス)が業務を引き継ぐことになりました。

今回、その第一弾となるアナログプレーヤー『 The Classic 』を取り上げます。(※サージェント・ペパーズ・ドラム「ESSENTIAL-3SGT」が先に発表されていますので、実質的には第二弾ですが。)


“シンプル・イズ・ザ・ベスト”を基本にしたプロジェクト・オーディオ

プロジェクトは、創立者Heinz Lichtenegger(ハインツ・リヒテネガー)氏によって1991年に設立された音楽の都オーストリアのウイーンに拠点をおくオーディオメーカーです。同社の事業哲学はズバリ“シンプル・イズ・ザ・ベスト”が基本で「ハイレベルな音質」を"リーズナブル"に音楽ファンに提供することだと言います。

『 The Classic 』は、ハインツ・リヒテネガー氏がアナログプレーヤーにかかわり始めた約40年前の、氏のプレーヤー構想を具現化すべく開発した製品です。

1950年代から60年代にかけて著名なプレーヤーメーカーがこぞって採用した伝統的な箱形のフレームデザインを踏襲したモデルで、コンパクトでシンプルかつエレガントな少し懐かしさを覚えるデザインになっています。

同氏がかつて販売に携わっていた当時のベストセラー機であったトーレンスの「TD166MKII」。その「シンプルで洗練されたデザインのプレーヤーの再現」を目指したのだとの逸話も伝わっています。

その『 The Classic 』をプロジェクト社の創業25周年記念プレーヤーとして発売するタイミングで、ディストリビューターが変更になったことになり、まさに記念碑的製品とも言えます。

しかし『 The Classic 』は単にリバイバルや名器の復活を狙っただけではありません。各部に最新技術を投入して、それを見事に昇華して製品化しているのです。

本機は、究極の速度安定性を目指して、低ノイズのACモーターを利用したベルトドライブ方式を採用しています。そのため超高精度のDCドライブACジェネレーターを搭載しています。

さらにはでカップリング・インシュレーターや新設計のトーンアームを搭載するなど25周年記念に相応しい内容となっています。それでは『 The Classic 』の魅力を探って参りましょう。

『 The Classic 』に迫る!
【内部構造】
①シャーシ(内部)とサブシャーシ(上面)

プロジェクト社は、『 The Classic 』の開発を“低価格に抑えた上で使い易く”をコンセプトに進めていました。そして、さらにより高い静粛性を実現することで、美しい音をユーザーに届けたいとの思いも貫いたのでした。

そのため、最新の抑振材である“TPE”を使用することで、非常に効果的なサブ・シャーシ構造の設計に成功したのです。またこれによりプラッター(ターンテーブル)とトーンアームをモーターと本体の台座部から発生する共振から分離することもできたのです。

“TPE(Thermo Plastic Elastomer)”は、熱可塑性(※)エラストマーとも呼ばれる最新の抑振材群で、特定の周波数における共振を減衰調整することができます。本機では、素材と減衰させたい周波数範囲に合わせて特別に設計された様々な“TPE”を使用しているようです。※熱可塑性:加熱すると塑性(外力を取り去っても形状が元に戻らない性質)を示して変形するが、冷却すると再び固くなる性質。

②プラッター(ターンテーブル)
重いアルミニウム製のメイン・プラッター構造にも、共振挙動を最適化するために“TPE”が使用されています。これにより過去のプラッターにあった欠点を解決できたと言います。

プロジェクト社は、過去のプレーヤー設計の欠点はプラッターにあったとしています。鋳造プラッターは重量はある(これは定速性と低ワウフラッターには有効とされていた)ものの、その素材固有の共振により再生音に独特のカラーレーションを付加するケースが多く見られました。

『 The Classic 』で使われるプラッターは、“TPE”による減衰加工を施した特殊なアルミ合金を正確に機械加工しており、特別に強力な共振減衰機能を得たと言います。

③サブプラッター(メインプラッター内側にある駆動用プラッター)

サブプラッターのスピンドル下部のメイン・ベアリングは、同社の上位モデルに搭載されているものに類似した、硬質鋼/ブロンズ・ブッシュ/テフロン・プレート・ベアリングで構成されています。

その結果、軸受が滑らかに回転し、非常に静かで低ノイズを実現できたとしています。この軸受は同クラスの製品とは違い、許容誤差がなんと10分の1になったことで、精度が大きく向上したと言います。

特にサブ・プラッターは正確に機械加工された非常に精緻な部品としていることから、軸受ノイズとプラッター本体を確実に隔離できたのです。

④トップパネルとインシュレーター

過去(一部現在も)の木製箱形のフレームのアナログプレーヤーでは、トップパネルがスプリングによるサスペンション構造をとっていました。『 The Classic 』ではこれに替えて、同タイプの過去の製品では到底使うことの叶わなかった新素材でもある“TPE”材の6個のボールで支持するフローティング・シャーシ構造としています。

また、本機の脚まわりにはヨーロッパ製のプレーヤーとしては珍しく本格的なものを使用しており、制振構造をとったフェルトマット付きのインシュレーターを採用しています。回転させることで高さ調整も可能なものとしています。

⑤ニューカーボン/アルミニウム トーンアーム

『 The Classic 』には新設計となる9インチのトーンアームが採用されています。それはプロジェクト社の25年の機械構造の経験から生まれたものです。

パイプにはアルミチューブとカーボンファイバーのハイブリッド素材でできています。カーボンの剛性と速度性に、アルミニウムの優れた減衰性を兼ね備えた最新の素材を採用しています。

アーム上部と側面の可動部は、極小のジルコン・ベアリングを搭載したカルダンベアリング機構とすることで、超低摩擦を実現できたとしています。

同下部には高価な日本製のボールベアリング台座を採用することで、トーンアームの内部配線がし易くなり、アームをさらに自由に動かせるようになったのです。

また、様々なカートリッジが使用可能なように、アジマス調整とVTA(垂直トラッキング角)調整も装備されています。

もちろん、ダストカバーはヨーロッパ製に多い別売りではなく標準装備されており、RCA-RCAのアース付きフォノケーブルも標準装備です。あとはお好みのカートリッジ(自重7.0g~14.0g)を装着するだけで使用可能です。電源はACアダプター(同梱)を採用しています。

日本橋1ばん館で『 The Classic 』を実際に見て確認しました。


非常に信頼感のある作りで、特にトーンアームはこのクラスとしてはかなり高級感のあるものです。

外形寸法も幅46cm、奥行35cmとコンパクトで使い易い大きさで、存在感を余り主張することもありません。ヨーロッパ製でこの価格。まさに「プラグ&プレイ」で「痒いところに手が届く」、“本格的ヨーロッパ製アナログプレーヤー”の登場です。

音質につきましては、日本橋いちばん館で短時間ですが確認しました。

滑らかさの中に温もりを感じる、これぞまさにアナログです。

ぼけることのない腰のあるサウンドで、クラシックはもちろんカートリッジの選択次第でジャズ・ロック系のソフトにも十分なパフォーマンスを発揮できると思います。この値段でこのグレードを実現できていることには感動しました。

過去にアナログ経験をもつ“もう一度アナログ世代”には打ってつけのアナログプレーヤーです。国産プレーヤーにはない魅力が満載で、真のアナログサウンドが体感できます。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年8月 1日 (火)

【美しく、そして高音質】プロジェクトのレコードプレーヤー「The Classic」のご案内です!


みな様、こんにちは!

夏本番、毎日が暑くキツいですね。。。このままでは"とうふ"ならぬ"ゆどうふ"になりそうです。
と、毎年恒例のご挨拶をまずひとつ。

いやしかし年々気温が上昇しているのでは?と疑うほど日中が暑いですね。
室内と言えど油断されず、水分補給にお気をつけ下さいませ。

さて、今回ご案内の製品はこちら

プロジェクト
アナログレコードプレーヤー
The Classic

オーストリアはプロジェクト・オーディオ(以下、プロジェクト)のクラシックデザイン・アナログレコードプレーヤーです。

プロジェクトは今年から代理店が変更となり、B&WやDALIの代理店としても知られる、D&Mの取扱になりました。
その取扱第一弾はビートルズとコラボした「サージェント・ペパーズ・ドラム」モデルになり、今回ご案内の「The Classic」は第二弾となります。
※サージェント・ペパーズ・ドラムモデルが気になられる方はこちらより

~プロジェクト・オーディオとは~
プロジェクト・オーディオ(※1)は1990年(※2)、オーストリアのウィーンでハインツ・リヒテネガー氏が設立したオーディオブランドです。
『オーディオファイルが音楽を聴く最もコスト効率が高い再生方法はアナログ再生である』との考えから、基幹製品として様々なアナログプレーヤーをラインナップしています。
世界中約80カ国に輸出され、そのアナログプレーヤーの多くはハイエンドファンの支持を獲得し、オーディオ業界におけるほぼすべての賞を受賞しています。

またアナログだけではなく、デジタル方向への製品展開も貪欲で、早くからiPod専用ドックやUSB DACなど最新のデジタルオーディオ技術を採り入れていました。
それらはシンプル・スタイリッシュに音楽が楽しめるBOX・DESIGNシリーズ(※3)として海外で展開しています。

プロジェクトの社是でもある『リーズナブルで良質な音、そしてエレガントでシンプルである』という考えを常に目指し続け、
「ハイレベルな音質」を「リーズナブル」な価格で展開しているプロジェクト。

『シンプル・イズ・ベスト』の製品群もいずれ、楽しんでみたいですね!

※1…正確にはプロジェクト・オーディオシステムズ
※2…1991年と紹介するサイトもあります。
※3…BOX・DESIGNシリーズを含めたレコードプレーヤー以外の製品の取扱に関しては現代理店のD&Mはコメントしていません


それでは今回ご案内の「The classic」の詳細のご案内です。

「The Classic」はプロジェクトの創業25周年を記念したモデルで、"クラシック"の名の通り50~60年代によく見られたフレームデザインを採用したアナログプレーヤーです。

今回、取扱発表直後にJoshin日本橋1ばん館にて実機を確認してきましたのでその詳細をご案内です。

【外観】

非常にシンプルなデザイン、構成です。
昔ながらのフレームデザインに、見るからに"カーボン"な9インチ仕様のストレートアームが搭載されています。

【アーム周辺】

素材は実際にはカーボンとアルミの重ね合わせ素材で、カーボンの剛性とアルミの減衰性を併せ持つ理想的な構成に仕上げているとの事です。
なお、カートリッジは付属していませんので、お持ちのカートリッジと組み合わせてお楽しみくださいませ。

【メイン・フレーム周辺】

メイン・フレームとなる筐体は2層構造です。
トーンアームやプラッターを支えるトッププレート、それを支えるメイン・シャーシという構成です。
メイン・シャーシには6箇所の窪みを備えており、そこにボール状の熱可塑性エラストマー(TPE)材が衝撃干渉材として取り付けられています
指先で押すと適度な弾力をもっていて、この素材が不要な振動を吸収しプラッターとトーンアームを台座からの振動から分離、理想的な再生環境を実現するのでしょう。

【メイン・フレーム下部/インシュレーター周辺】

※写真がブレてしまっていますが。。。
脚部は3点支持。高さの調整も可能になっており、音質面と設置性の両立をかなえています。

【メイン・フレーム/プラッター周辺】

駆動方式はベルト・ドライブ方式を採用。
さらにプラッターも二層構造(?)を採用し、『サブプラッターにメインプラッターを被せる』構造の為、外観上からはベルトは見えないようになっています。
なお、回転数はプーリーのベルト引っ掛け位置を変更する事で33/45の2通りの回転数に対応します。

【メインプラッター】

メインプラッターには重量のある肉厚のアルミ削り出しを採用。
さらにここにも熱可塑性エラストマー材(TPE)をぐるりと配置することで、メインプラッターの共振を調整・最適化します。

【接続端子拡大】

接続端子はRCAとアース線です。
レコードプレーヤーなのですからシンプル・イズ・ベストで良いのです!

【付属品など】

付属品のご案内です。
高音質のフォノケーブル、シーソー式針圧計、アームの調整用六角レンチ、オーバーハングゲージ、そして写真には写っていませんがACアダプタです。

さて、肝心の音質。。。ですが先にご案内の通りこの「The Classic」はカートリッジが付属していません。
なので今回は「サージェント・ペパーズ・ドラム」と同じオルトフォンのOMB-10にて試聴を行いました。

一聴してまず感じたのがその反応の良さです。
スピード感と分離感に優れ、音楽に躍動感を感じます。この表現はトーンアームの素材・構成から現れているのでしょう。
なお「躍動感を感じる」といっても脚色されたような"無理をしている表現"は全くありません

さらに『樹脂によるフローティング構造+ベルトドライブ方式』の組合せは、空間表現も非常にゆとりがあり、音の世界に浸る"極上の音楽の雰囲気"を醸し出します。

今回はMMカートリッジの中でもエントリークラスのもので試聴しましたが。。。
気合を入れたカートリッジに変えるとどう化けるのか
非常に楽しみでもあり、価格からは驚きの破格の表現力に私は戦慄を覚えました

この「The Classic」はクラシカルなデザインの中に最新技術を詰め込んだ、まさに価格破壊ともいえるハイ・コストパフォーマンス・プレーヤーです。

昔にレコードを楽しんでいて、これからレコード環境を復活させようとお考えの方や
お洒落かつ高音質なレコードプレーヤーをお考えの方にこの「The Classic」はイチオシです!


とうふ的The Classicの5段階評価
お薦め度 :★★★★:美しい外観と機能性を兼ね備えたお薦め品です。『5点』!
表現力  :★★★★:カートリッジも肝ですがもちろん、本体も重要です。『5点』
見た目  :★★★★:クラシックかつ高級感漂うデザインです。『5点』
機能性  :★★★★:純粋なアナログプレーヤー。機能面もシンプル確実。『5点』!
総合評価 :★★★★:デザイン、素材、価格、全てにおいて満足度が高い!オール『5点』!

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

2017年6月15日 (木)

本物のアナログ・ブームよ来たれ!老舗プレーヤーブランド「トーレンス」と定番LPレコード「プロプリウス」の魅力に迫る!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、アナログに挑戦したいが、敷居が高いと感じていらっしゃるオーディオファンの方にもおすすめの製品をご紹介!134年の歴史を持つ、世界最古参メーカー「トーレンス」のプレーヤーと定番中の定番のLPレコード「プロプリウス」の魅力に迫ります。




THORENS「TD158」

アナログブーム終焉の理由

ここ数年、巷ではアナログブームと言われ、LPレコードの生産が久々に増加したとか、テクニクスがDD(ダイレクトドライブ)プレーヤーに再参入したとか、さらには新聞記事やテレビを始めとしたマスコミに取り上げられる機会が多くなり、一般の人々の間でも大きな話題となりました。

その結果、LPレコード自体を全くご存知ない若いデジタル世代を中心に、入門クラスのUSB出力付きのレコードプレーヤーが大ヒットしたことは記憶に新しい所です。

しかし、ここに来て急速にそのアナログブームの熱が冷め、一挙にブーム前の状況に戻ってしまった感があります。その原因として考えられるのは、入門機のオーディオ的な完成度の低さ、LPソフトタイトルの絶対数の不足です。

また、ご家庭でのリスニング環境やプレーヤー操作の難しさなど、本格的なアナログリスニングでの敷居の高さなどが影響して、その素晴らしさが、若い音楽ファンや、もう一度アナログ世代の中高年層に十分浸透しなかったのだと思います。

しかし、そんな中でも、オンキヨーやティアックなどの最近発売された製品を購入され、それら新世代のプレーヤーで本格的なアナログ再生に取り組まれた方もいらっしゃいます。

また過去に使われていたアナログプレーヤーを引っ張り出してカートリッジを新しくされたり、さらには過去に使われていたMMカートリッジの銘機を、JICOの交換針(オリジナルの交換針は製造中止のため)で復活させて、アナログを再度始められたオーディオファンの方もかなりの数にのぼると思います。

さらに、ラックスマンや海外製のアコースティックソリッドやドクトル・ファイキャルトなどのハイエンド機で超本格的なアナログに再チャレンジされているオーディオファンも確かにいらっしゃいます。しかし、これらはアナログファンの誰もが取り組める製品でないのも事実です。

そんな、予算もあることなのでハイエンド機にはちょっと手が届かないが、一度は海外製のベルトドライブのプレーヤーを使ってみたいと思われているオーディオファンにお勧めしたいのが、老舗プレーヤーブランド「トーレンス(THORENS)」の製品です。

世界最古参メーカー!トーレンス(THORENS)とは?

トーレンスは、1883年スイスのジュラ山中サント・クロアに誕生したと言いますから、すでに1世紀以上、134年の歴史を持つ、世界中のオーディオメーカーの中での最古参メーカーです。

因みにラックスマンが1925年、タンノイが1926年創業ですから、さらに40年も遡ることになります。現在は、スイスのバーゼルに本社があり、製品はドイツで製造されています。

創始者のヘルマン・トーレンスの最初の作品はオルゴールでした。それは厳冬のスイスならではの屋内で可能な家内制手工業が始まりで、時計などと同様、スイス特有の土地柄が起源となっているのです。

特にオルゴールは、その精密さと熟練した音階調整が再生を大きく左右する、高精度が要求される製品です。その「精密さ」や「音階の正確さ」こそ1世紀以上にも亘り受け継がれてきたレコードプレーヤー製造の長い歴史を支えてきたのです。

そしてオルゴール製造で培われたもう一つの技術こそ、トーレンスのプレーヤー再生で感じるあの「響きの良さ」なのだと思います。

トーレンスは意外にも、1929年にダイレクトドライブ方式の特許を取得したのですが、それ以降も現在に至るまで、ベルトドライブシステムの改良を重ねてきています。

以下にご紹介します現行のプレーヤーも、伝統のベルトドライブとフローティング技術を継承し、これらを最大限生かすことで、高音質かつ安定した製品を供給し続けています。

1957年発売のアイドラー型ターンテーブル「TD124」の高評価でその地位を固め、65年発売の二重構造のターンテーブルとフローティングサスペンションを搭載したベルトドライブプレーヤー「TD150」が大人気を博したのでした。

その後、日本でもノアが本格的に輸入を開始し、「TD125」「TD320」「TD520」などがヒットし、マニア垂涎の的となった1980年発売の「Reference」、1983年発売の「Prestige」に至るのです。

「Reference」や「Prestige」は、ご存知の通り物量投入型の超弩級プレーヤーでしたが、トーレンス本来の考え方は、正確なレコード回転と音溝からの忠実な信号の読み取りを、いかにシンプルかつスマートなプレーヤーで実現するかというものだったのです。

それらは、現行のトーレンス製品のラインナップでも踏襲されており、極端な大型や重量級の製品は存在しません。あくまでもレコードを聴くことだけを目標にしており、余計な機能や奇をてらったデザインは採用されていません。シンプル・イズ・ベストなのです。

また筆者が使っている1980年代製の「TD126」もそうですが、かつてのトーレンス製品にはターンテーブル全体を筐体からフローティングする機構が採用されていましたが、現行製品では一部でプラッター部分を僅かにフローティングさせている程度で、リジッドベースの製品が大半となっており、インシュレーターや筐体構造で同程度の効果を得ているようです。

トーレンスのレコードプレーヤーのラインナップには、8万円台の「TD158」、10万円台の「TD-190-2」「TD-240-2」、20万円台の「TD295MK4」「TD206」「TD209」と輸入品としては比較的リーズナブルです。それ以上の機種としては「TD309」「TD350」「TD550(非掲載)」があります。

確かにトーレンスの低価格のプレーヤーは、国産の同価格帯のプレーヤーに比べ、見た目が貧弱で華奢に見えるかも知れません。

しかし、実際に出てくる音は、前述のオルゴール製造で培われた「音階の正確さ」や「響きの良さ」など熟練の技が生きており、国産プレーヤー、ましてやデジタルでは遙か遠く及ばない「音楽性の豊かさ」「音楽の楽しさ」「生きたサウンド」を感じさせてくれるのです。

そこにはスペックではない、「人間の感性」「音楽への造詣の深さ」を感じざるを得ません。今からアナログに取り組もうとされている方はもちろん、もう一度アナログへの再チャレンジをお考えの方にも、迷うことなくトーレンスのプレーヤーをお勧めします。

取り扱い開始!プロプリウス アナログLPレコード
さらに今回、新規に取り扱いを開始しましたスウェーデンのProprius(プロプリウス)レーベルのアナログLPレコードもご紹介いたします。

プロプリウスと言えば『カンターテ・ドミノ』がすぐ頭に浮かんでくるオーディオファンが多いと思います。各オーディオショーや試聴会で必ずかかる定番中の定番のレコードです。

今回数多くあるタイトルの中から、オーディオルートで発売されることになった6タイトルをJoshin-webのハイエンドオーディオ部門で取り扱いいたします。

プロプリウスは1969年に創設されました。「小規模のレコード会社には、質の悪いディスクを作る余裕はない」という創業者の言葉通り、良質の演奏と自然な音質の録音には定評があります。

スウェーデン各地の教会の由緒あるオルガンを弾いた録音では楽器と空間の響きがうまくとらえられ、豊かな臨場感が味わえます。

カンターテ・ドミノ(Cantate Domino)』-世界のクリスマス音楽-
1976年にストックホルムの教会で収録されたヨーロピアン・クリスマスの名盤です。

かつてオーディオ評論家の故 長岡鉄男氏に絶賛され、オーディオ・マニア必携のLPとして、オーディオ・チェックやオーディオ・セミナーのデモ用として盛んに使われてきた音源です。究極のアナログ録音としてマニアに重宝がられ、40年近くを経た今も第一級の高音質です。

アンティフォン・ブルース(Antiphone Blues)』 - アルネ・ドムネラス-
教会オルガンとサックスのユニークなコラボ演奏です。内容はクラシックの名曲からスピリチュアルミュージックまでと興味深い内容です。マイクはオフ気味にセッティングされており、壮大なパイプオルガンの響きとサックスの鳴きが絶妙のバランスで収録された名盤です。

アナログはデジタルには絶対に超えられない魅力があります。「本物のアナログ・ブームよ来たれ!」と心から願います。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年6月 9日 (金)

満を持してご紹介! トライオード『Luminous84』『TRX-P88S』

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、発売が半年遅れましたトライオードの新製品 真空管プリメインアンプ『Luminous84』と真空管パワーアンプ『TRX-P88S』を満を持してご紹介します!


ついに登場!

2016年秋に発表され、当初年末に発売される予定でした真空管プリメインアンプ『Luminous84』と真空管パワーアンプ『TRX-P88S』ですが、半年遅れでついに発売にこぎ着けました。

年末の発売が、なんとか1月末には、そして4月には、さらには大型連休までには・・・と、再三にわたって延期されて来ました。

当初、年末に予定していました両機種の製品レポートですが、今回満を持してのご紹介です。その前に、両機種の発売が大幅に遅れた原因をトライオードからお聞しておりますので、まずそれをお伝えしてからレポートを進めたいと思います。

生産遅れについて

ご存知のようにトライオード製品は中国で生産されています。従来から主要となるパーツは日本国内から供給しており、厳格な品質管理を行って、高品質の製品を供給してきております。

ただ今回、新製品の両機を製造する予定であった工場の塗装工程などに、環境問題の見直しから中国政府の大規模な査察指導が入ったとのことです。その新しい環境基準をクリアするための製造工程の改善が必要となり、大幅な生産の遅延が発生したとのことです。

ご予約頂いたお客様には、大変ご迷惑とご心配をお掛け致しましたことに、この場をお借りして、心より深くお詫び申し上げます。

真空管プリメインアンプ『Luminous84』

トライオードには従来から、“オーディオは男だけのものでは無い!”というコンセプトから生まれた小型でオシャレなデザインのプリメインアンプ「Ruby」があります。

現代の癒やしの新しい音楽スタイルとして、女性のオーディオファンや音楽ファンにも受け入れられ、ロングセラーが続いています。

「Ruby」は、小型で非常にコストパーフォーマンスに優れた製品で純A級3W+3Wを出力でき、ヘッドフォン回路ももちろんICではなく6BQ5真空管から出力されます。

そのおしゃれでキュートな「Ruby」を、一回り大きくした本格的でスタイリッシュな真空管プリメインアンプとして登場したのが『Luminous84』です。出力は、「Ruby」と同じMTタイプの5極管6BQ5(EL84)4本をUL(ウルトラリニア)接続してAB級プッシュプル使いで11W+11W(8Ω)の出力を確保しています。

出力管のバイアス管理は、無調整で安定性に優れた自己バイアス方式としています。真空管ボンネットも標準装備されています。

また「Ruby」には無かったフォノイコライザー回路(半導体式MM型対応)も搭載しており、アナログレコードプレーヤーも接続してお楽しみいただけます。その他3系統のLINE入力を装備しています。

出力にはスピーカーが1系統とヘッドホン出力があり、ヘッドホンでも真空管アンプの魅力が十分楽しめます。本機の出力管にはミニチュア管が採用されており、300Bや2A3などの伝統的な三極管やKT-88・6CA7などのビーム管や大型五極管を使った代表的な真空管アンプに比べると、デザイン的に少し迫力に欠けるのは否めません。

しかし一方で、ミニチュア管ならではの小気味の良い軽やかなサウンドを評価する声もあり、何より大袈裟にならないコンパクトさとレトロな雰囲気を併せ持つデザインの良さに惹かれる音楽ファンも多いのではないかと思います。

出力の11W+11Wは何とも貧弱に思われるかも知れませんが、そこは真空管。スピーカーが余程の超低能率でない限り、十分な音圧は得られると思います。

さらに、出力トランスを介してスピーカーをドライブすることで、スピーカーを確実に制動できるため、しっかりした安定感の伴った低音も実現しています。音場感こそハイエンドクラスのアンプには及ばないものの、濃密でエネルギーに溢れたホットなサウンドが、このクラスのアンプで得られることには正直驚かされます。

とにかく音楽を楽しく聴かせることに関しては、同価格帯のトランジスタアンプを大きく超えていると思います。

期待通り、特に楽しいのはボーカルでした。眼前に生身のボーカリストを感じる程、温かく湿り気を伴ったボーカルは出色で、ダイナミックレンジを狙った大出力アンプではない、小出力の真空管アンプならではと感じました。

さらに、アナログレコードでも真空管ならではのたっぷり感のある豊潤なサウンドを楽しめることから、初心者や女性の音楽ファンはもちろん、酸いも甘いも知り尽くしたオーディオファンのサブシステムとしてもお勧めしたいと思います。

『Luminous84』は、世の中の嫌なことを忘れ、ただゆったり、ひたすら好きな音楽に浸っていたい・・・。そんな気分にさせてくれます。

真空管パワーアンプ『TRX-P88S』

本機は出力管として人気のある大型管KT-88をA級シングルで動作させるステレオパワーアンプです。出力は10W+10W(8Ω)で、通常の音楽鑑賞には十分な出力です。使用真空管はいずれもスロバキアのJJ製です。

固定バイアス方式を採用しており、確認用のアナログメーターと調整用ボリュームが天板にあり、バイアス調整が正確に行え、真空管の交換も容易に行えます。真空管ボンネットも標準装備されています。

本機は基本的にはRCA入力が1系統のパワーアンプですが、リアパネルのスイッチのON/OFF切替で、前面にあるボリュームを使ったシンプルなプリメインとしての使用も可能です。

ソース機器とダイレクト接続することで、シンプルなシステムが実現します。また、パワーアンプとしても0dBから-12dBまで3dBずつ4段階のゲイン切り替えが装備されており万全です。

デザイン的にはKT-88を左右に配したオーソドックスなもので、安定感があり、これぞまさしく真空管アンプと言う姿です。ヒーターが点灯する様やあくまでも良い音のための発熱は、真空管アンプの醍醐味であり高い趣味性を感じさせるものです。

サウンドは、KT-88の持つ力強い持ち味が存分に活かされたもので、最新のアンプのようなデジタルサウンドを意識した解像度や分解能を追求したタイプではなく、厚みや密度感、安定感を伴った真空管ならではの、ある面では大らかなサウンドとも言えます。

低域は骨格がしっかりした太めで安定したもので、鳴りっぷりの良さが魅力です。中域は充実感があり、生音の適度な艶っぽさも表現し、耳なじみが良くリラックスできるサウンドです。高域はこれ見よがしな派手さはなく、適度な肉付きがあり心地よさを感じさせます。

最後に。
元鉄道マンの山崎順一社長が1994年に設立したトライオード。20年以上にわたる同社のノウハウを注入して、前述のように難産の末、ついに発売にこぎ着けた真空管アンプ『Luminous84』『TRX-P88S』。

いつかは真空管!一度は真空管!とお考えのオーディオファン、音楽ファンに自信を持ってお勧めできる本格派の真空管アンプです。

真空管。ちょっと夏には暑いのが“玉にきず”ではありますが・・・。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年5月14日 (日)

SOULNOTE & PMC 掲載復活!~プリメインアンプ『A-0』フォノイコライザー『E-1』レビュー~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、SOULNOTEの伝説ともなっている製品をリニューアルした、プリメインアンプ『A-0』とフォノイコライザー『E-1』を満を持してレポートします!


SOULNOTE「A-0 S」

SOULNOTE「E-1 S」

SOULNOTEの歩み

株式会社CSRは2004年に設立された音響機器、カラオケ機器、業務用無線機などを中心に企画開発から生産、販売までを一貫して行っているメーカーです。本社は神奈川県相模原市にあります。2006年に“SOULNOTE(ソウルノート)”ブランドを立ち上げ、2016年4月、ブランド10周年記念としての第1弾となるプリメインアンプ「A-1」、CDプレーヤー「C-1」を発売し、好評を博しています。

そして、その第2弾が今回ご紹介する『A-0』と『E-1』です。SOULNOTEの過去の人気製品であり、伝説ともなっている製品のリニューアル版でもあります。

ここで少しSOULNOTEの過去10年の歩みを簡単に述べておきます。“SOULNOTE=魂を震わす音”ブランドは前述の様に2006年に誕生しました。当時の代表者兼エンジニアは鈴木 哲氏で、株式会社CSRの元で「SOULNOTE」ブランド立ち上げ、2010年そのCSRから独立して「株式会社SOULNOTE」を起ち上げたのでした。その後、鈴木氏は新たに“Fundamental”ブランドを立ち上げ現在に至っています。

SOULNOTE伝説の製品をリニューアル!

新製品のプリメインアンプ『A-0』は、2007年の発売以来ベストセラーを続けた「sa1.0(B)」の基本コンセプトはそのままに、新生SOULNOTEのニューデザインのシャーシを採用し、音質や機能をバージョンアップさせたと言います。

「sa1.0(B)」は、10W+10W(8Ω)の小出力にあえて特化した設計により、従来のアンプでは成し得なかった繊細かつダイナミックな表現力、どこまでも拡がる鮮やかな音場と言う、かつて無い高音質を手に入れる事ができたNon-NFBアナログアンプだったのです。またヘッドホンアンプやプリアンプとしても使用可能で、バーサタイルな人気のモニターアンプでした。

そして、フォノイコライザー『E-1』は、今や伝説ともなっているMC専用フォノイコライザー「ph1.0」(受注生産品) の基本回路の構成を踏襲しながらニューデザインとして復活させたと言います。

「ph1.0」のカートリッッジの負荷インピーダンズ対応は(3 / 6 / 15 / 27 / 40 / 50 / 100Ω)と完璧でフルバランス構成のフォノイコライザーでNon-NFBのCR型、バランス出力、プリメインアンプ並の大型電源と、当時のフォノイコライザーとしては異例ずくめの内容であったのを記憶しています。

SOULNOTEが目指す“魂を揺さぶる音”

もちろん2016年に誕生した新生“SOULNOTE”も、当初からの“魂を震わす音”を目指して「設計者自身が音を聴きながら製品開発できる」体制をとっています。

目指すは、“生きている音”であり、音楽の楽しさやワクワク感、感動が直接伝わって来る音なのだと言います。すなわち、それが“魂を揺さぶる音”そして“ダイレクトに心のヒダに浸透してくる音”だという訳です。

それを水の流れで例えると、SOUNOTEが目指すのは「どこにも堰き止められず全開で流す」ことで、「何かで一度堰き止められた流れは、後でどう頑張っても元には戻せない」という考え方から来ているのです。

フィードバックをはじめとした回路技法や振動を止めるための筐体設計など、歪みやS/Nなどの測定値を良くする(音にはあまり関係ないことは十分ご承知だと思います)ための手法が、「流れを堰き止め、魂を失わせ、音を殺している」のだとしています。

それらを踏まえ、銘機をどういう手法でリニューアルしたのでしょうか。探っていきたいと思います。

新世代のプリメインアンプ『A-0』

プリメインアンプ『A-0』は、「sa1.0(B)」が寸足らずの奥行き243mmに対して418mmと、ほぼ通常のアンプサイズとなっています。リアパネルにあったL/Hのゲイン切り替えスイッチがフロントに移動しています。

回路的には「sa1.0(B)」の無帰還(Non-NFB)ディスクリートアンプ回路を徹底的に見直し再構築した結果、全帯域でのドライブ力をアップさせつつワイドレンジ化を図ったと言います。最大出力は一般家庭での使用には十分と考え、「sa1.0(B)」同様敢えて10Wに抑えています。

周波数特性や直線性に優れたトランジスタをシングルプッシュプル使いとし、透明で躍動感のある音を実現できたのです。これこそプリアンプのクオリティのままでスピーカーをドライブする「パワーアンプレス」とでも言える方式です。

その他、ヒートシンクの熱容量を2倍にすることで躍動感や懐の深さを向上させ、回路の最短化やグランドのスター配線化による聴感上のS/Nや音のリアリティの向上を実現しています。入力はバランスが2系統に強化され、RCAが2系統装備されています。

信号経路の無接点化やゲイン切り替えにより音質変化の抑制や音量の微調整、トランス直下にスパイクピンを設ける3点支持、ヘッドホンをスピーカー出力と同じ無帰還ディスクリートパワーアンプでドライブするなど「sa1.0(B)」を踏襲しています。

このように『A-0』は、超強力なヘッドホンアンプでもあり、RCAのプリアウトを2系統備えていることや、プリメインアンプとしての強力な電源をもつことから、ある意味で電源に余裕のあるプリアンプであるとも言えます。色々な発展性や自由な使い方が可能な新世代のプリメインアンプなのです。

試聴しました。

『A-0』は日本橋1ばん館で試聴しました。「sa1.0(B)」を彷彿とさせる活き活きしたサウンドは間違いなく直系です。鮮度が高く、抑えられた所を感じさせない、吹っ切れ感のある元気のよい“生きたサウンド”でした。

とにかく音が飛んできて、ウキウキしてくるのです。リズムを取って前のめりで聴いてしまう、そんな楽しい音でした。さすがに大音量向きではありませんが、トールボーイタイプのスピーカーでも、通常の音量程度では全く破綻することはありませんでした。

これらは、間違いなく信号経路の最短化やNon-NFBによるところが大きいと思います。あまり神経質には聴かず、大らかに音楽を楽しめるアンプです。また、私個人としては、プリアンプとしても『A-0』に大きな魅力を感じました。

復活したフォノイコライザー『E-1』

一方、『E-1』は、無帰還アンプの最大のメリットである高域方向に無制限に伸ばせるという優れたリニアリティを生かし、デジタルのような帯域制限(サンプリング周波数で決定してしまう)の無い、アナログソースでこそ、その真価を発揮すべく企画されたフォノイコライザーです。

回路的には伝説の「ph1.0」を、部品を含め踏襲しながら細部をブラッシュアップしたと言います。高域のダイナミックレンジが問題のCR型や、帯域でNFの量が変化するNF型の欠点から逃れるため、ゲインそのものがRIAA特性になる独自回路を採用しているとのことです。この結果、100kHz以上までも均一なクオリティを獲得できたのです。

「ph1.0」には無かったMCカートリッジ使用時のバランス入力にも対応しており、2芯シールドのXLRケーブルで入力すれば、入力から出力まで完全バランス無帰還フォノイコライザーとなるのです。

「ph1.0」のMC専用に対してMM入力を装備し、MCの負荷インピーダンスも若干違う(3 / 10 / 30 / 100 / 300 / 1kΩの)6段階としています。

電源には同社のプリメインアンプ「A-1」と同仕様の260VAのトロイダルトランス、1000μFのフィルターコンデンサーを10個並列接続した無帰還電源を採用しています。振動対策も過度な防振対策を施さない、SOULNOTEの思想を守っています。

残念ながら今回試聴は叶いませんでしたが、いずれ試聴レポートを書いてみたいと思います。メーカーの話では、鮮烈な生々しさで、音溝に刻まれた微細な音をありのまま出せるのだとのことです。 「ph1.0」の当時の税別価格50万円からすると大変お買い得感があります。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2017年4月20日 (木)

ペアー・オーディオ『 Robin Hood SE / Cornet1 』 ~マニアック御用達のアナログプレーヤー登場~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ベテランの オーディオファイル(マニアック)にお勧めするアナログプレーヤー pear audio『 Robin Hood SE / Cornet1 』をご紹介します! 熟練度や慎重な作業が必要ですが、振動を徹底的に排除し、「完全な静けさ」を実現でき る、本当の意味でのアナログなプレーヤーです。



pear audio「Robin Hood SE / Cornet 1」

pear audio analogue(ペアー・オーディオ)社の歩み

pear audio analogue社は、イタリアの東隣に位置するスロベニアの首都リュブリャーナにあ ります。このブランドは、熱心なオーディオファイルであり、40年以上もオーディオ界に身を置いている人物 で、アナログオーディオの音質向上に邁進してきたというPeter Mezek(ピーター・メゼック)氏によって設立さ れました。

氏は1985年、革新的なリニアトラッキング方式のプレーヤーをJiri Janda(ジリ・ジャンダ )氏と共同で開発し、大きな注目を集めたのです。

その後、ノッティンガム・アナログ・スタジオを創 立した故・Tom Fletcher(トム・フレッチャー)氏と知り合い、アナログ・ターンテーブルの設計思想と技術的 なアプローチに関して多大な影響を受け、他のいかなるアナログプレーヤーでも再現できなかった素晴らしい 音楽性とリアリズムに感銘を受けたのでした。

2005年、トム・フレッチャー氏はノッティンガム社を 退いた後、従来からの自身の設計思想を発展させた「KIDシリーズ」を設計し、ペアー・オーディオで製造され るようになったのです。ここでピーター・メゼック氏とトム・フレッチャー氏は、さらなる探求を続け、アナ ログ・ターンテーブルの基本原理に立ち戻って、究極のアナログサウンドを実現したのだと言います。

トム・フレッチャー氏は、2010年に亡くなられましたが、その後をピーター・メゼック氏が引き継ぎ 、アナログ再生のさらなる高みを目指して、ペアー・オーディオ社で新しい製品を提案し続けているのです。

そして、新たに日本に登場したのが今回ご紹介します『 Robin Hood SE / Cornet1 』です。

「完全な静けさ」を実現する『 Robin Hood SE / Cornet1 』

そのコンセプトは、同社 の基本理念でもある「最先端技術とは真逆の、原点への回帰」と「物量投入でなく、最適素材の選定とそのシ ンプルな組み合わせで最高のパフォーマンスを得る事」を継承しており、『 Robin Hood SE 』は、それらに沿 って製品化されたペアー・オーディオ・ブランドのエントリーモデルという位置づけです。

具体的に は、レコードの音溝に刻まれた情報の全てを再現するために必要なものを、「静粛性(静けさ)」と考え、『 余 分な振動を与えないためには、必要最小限なトルクかつローノイズなモーター 』が必要と考えたのです。

すなわち、アナログプレーヤーでの最大の振動源である駆動モーターに『 必要最小限のトルク=振動 が極小 』なモーターを採用することで、振動を根本から無くして静粛性(静けさ)を追求しているのです。

これは、ターンテーブル(プラッター)が回転する時に、どうしても発生してしまう極僅かな振動が 、レコードの音溝に刻まれた情報をスポイルしてしまうため、とにかく振動を徹底的に排除しようとする考え 方からです。

この考え方は、前述のノッティンガムのプレーヤーと全く同様で、間違いなく直系です 。

その結果、起動時のトルクを持たせていないため、作動開始には手回しによる回転のサポートが必 要です。さらにモーターを別筐体として本体左手前にビルトインし、プレーヤ本体と接触させないことで、周 到にアイソレートして「完全な静けさ」を実現できたと言います。

本機のターンテーブル(プラッタ ー)は、29mm厚あり、質量は6kgにも及ぶ高剛性アルミニウム合金製の削り出しで、ドライブベルトにはシリコ ン製の丸型(平たくない丸い)ベルトが使われています。

ターンテーブルのベルト接触部にガイド溝 を備えることで、プーリー位置を設定し易い構造とし、長時間の使用でも安定した滑らかな回転が実現できま す。

また、33/45回転の速度切替えはプーリーの上下にかけ替えることで行う構造としています。 50/60Hzの電源周波数切替えはプーリー交換での対応となります。

本体の仕上げは、光沢のある非常に 美しい「ポルシェ・バーガンディ」色のラッカー仕上げが施されています。材質は不要な振動を極力抑えるた めに、天然のバルトバーチ材を使用し、12層に積層された18mm厚ボードを2段に重ねた構造としています。

その2枚のボードの間は制振性の高い特殊シリコン樹脂で共振を抑えることで、天然木による優れた音 響特性を実現しています。さらに本体は内部損失の高いPOM(ポリオキシメチレン)材の支柱3本により3点支持 されています。

トーンアーム「Cornet 1」も、故 トム・フレッチャー氏によって基本設計された 『Space Arm』を進化発展させたアームの集大成としています。

特殊加工のカーボンファイバー素材に より、アームの安定性・共振制御を高め、これまでのトーンアームにはなかった高い剛性を実現できたと言い ます。

アーム部のジョイントにはシリコン素材を充填していますが、一般的なシリコン素材は流動性 が高く馴染むまで若干時間が必要で、再生中に音が変化することもあるそうですが、「Cornet 1」に採用した シリコン素材は、流動性を抑え時間をかけずに音が馴染むバランスに優れた特殊なものとしているとのことで す。

カウンターウェイトには多くのユニピボット・トーンアームと同じく偏心カウンターウェイトを 使用し、適切なレコードトレース能力を確保し、位相の誤差を限りなくゼロに近づけているとのことです。ま た、指かけを無くしたのは、指かけによりトーンアームのバランスが崩れ、制御の効かない微細な共振がヘッ ドシェルに拡散するのを防ぐためだそうです。

サイズは、トーンアーム「Cornet 1」を搭載した状態 でも、幅425×奥行355×高さ255mmとコンパクトで、質量が11kgと非常にコンパクトで設置の場所も取らず扱い やすい大きさです。

試聴しました

弊社日本橋1ばん館で、実際にトーンアーム「Cornet 1」付きの 『Robin Hood SE / Cornet1』を操作し、そのサウンドも確認しました。




光沢のある非常に美しく流麗なデザインは、アナログの温か みを感じさせ、所有欲を大いに刺激されました。6kgにも及ぶターンテーブルの重量感は半端ではありません。

ターンテーブルの起動には、1回転させる程のかなり手伝いが必要です。規定の回転数になるまで回さ ないと止まってしまう低トルクさにはビックリしました。

別筐体になっている駆動モーター部に、穴 の空いた本体をかぶせるようにはめ込みます。本体とは接触しない構造です。

トーンアーム「Cornet 1」はシンプル過ぎる位シンプルです。指かけはもちろんカウンターウエイトやインサイドフォースなどの目盛 も一切ありません。これらが全て音のためには余計なものとの考えからでしょう。

このため、カート リッジの取り付けは、アームから直出しされているリード線に慎重に付ける必要がありますし、針圧調整には 別途針圧計が必要ですし、アンチスケーティング(インサイドフォース・キャンセラー)の調整も目盛がない ためテクニックが必要です。

このように『 Robin Hood SE / Cornet1 』は決して操作感抜群とはいか ないプレーヤーですが、ここまでの徹底度には正直脱帽です。そのためユーザーには余計な作業を強いります し、熟練度や慎重な作業も要求する、本当の意味のアナログなプレーヤーです。

最後に
店頭でカートリッジに「マイソニックラボ/ Signature Gold 」(プレーヤーの倍近い価格と、 ちょっと反則ぎみですが)を使用して試聴しました。

やはり、期待した通りの抜群の“静けさ”に感動 しました。物量投入型の高級プレーヤーに感じるある種の重苦しさは全くなく、軽快なサウンドでありながら も安定感を備えた、実に音楽性豊かなものでした。

またカートリッジの持つ能力をスポイルすること なく、全て引き出していると感じさせるトーンアームも魅力的でした。聴き疲れしない優しいサウンドには、 音楽にどっぷりと浸れ、どんどん引き込まれて行きそうなアナログならではの深さを感じました。

こ のように『 Robin Hood SE / Cornet1 』は、ハイエンドクラスの高剛性プレーヤーとは、真逆のアナログサウ ンドの世界を実現する高級プレーヤーとして、ベテランのオーディオファイル(マニアック)のお勧めするア ナログプレーヤーです。

お好みのトーンアームが使えるアームレスの『 Robin Hood SE 』も用意され ています。

2017年3月19日 (日)

【簡単操作で高音質!】トーレンスのレコードプレーヤー「TD190-2」のご案内です


みなさま、こんにちは。

今年の花粉の勢いに負けそうなとうふです。
鼻が詰まると耳が聴こえにくくなり、せっかくの音楽を楽しむ気分が害されるので、お部屋に一台空気清浄機があればなぁ。。。と思う毎日です。
そんな空気清浄機が豊富でお買い得なJoshin Webの空気清浄機コーナーはこちらより

さて、今回ご案内の製品はこちら

トーレンス
フルオートレコードプレーヤー
TD190-2

コストパフォーマンスの高いレコードプレーヤーで著名な"トーレンス"製品です。

"トーレンス"というと古くはオルゴール、または蓄音機等でも有名な老舗メーカーです。
その歴史は古く、なんと創業1883年
ウィキペディアを見ると、オイルライターやハーモニカなども作っていた精密機器メーカーだったようですね。
しかし、オーディオ好きの視点でみるとCD全盛の時代でも頑なにアナログレコードプレーヤーを作り続けてきた、アナログ一筋の超・老舗です。
※なお創業はスイスですが現在は買収されており、ドイツの音響機器メーカーとして存在します。

簡単操作のフルオートプレーヤーから、歴史に名を残す超弩級プレーヤー【Reference】【Prestige】まで、全てのアナログレコード愛好家の期待に応えてきたメーカーといえるでしょう。
特に今回ご案内のTD190-2は手軽なフルオートプレーヤーの代表格としてその音質の高さからも人気のモデルです。

とうふが考えるTD190-2の大きな特徴は大まかに4つ。
・スイッチ一つで自動的に再生、さらに演奏が終わると自動でアームが待機位置に戻る「フルオートプレーヤー」
・33-1/3、45、78の回転数に対応。
・樹脂ボディを採用し、本体価格を抑える。
・本体の振動をアーム、ターンテーブルに伝えないフローティング構造。
特に最後のフローティング構造の存在は音質への影響が大きく、振動の影響を受けないため濁りの少ない表現を楽しめます。

CDとは一味違うレコードならではの深みと広がりのある表情が心地良く、つい寝入ってしまってもこのTD190-2なら大丈夫。
そう、フルオートプレーヤーなので演奏が終わると自動でアームが上がり、待機位置に戻るのですから!

レコードを簡単、高音質に、そして安全に再生できるプレーヤーとして「TD190-2」はお薦めします!


とうふ的TD190-2の5段階評価
お薦め度 :★★★★:簡単・高音質。お薦めです。『5点』
表現力  :★★★★:地味に付属カートリッジも高性能。『5点』
見た目  :★★★ :安価ですが安っぽくはありません。『4点』
導入レベル:★★★ :操作も簡単。設定もそう難しくありません。『4点』
総合評価 :★★★★:価格・機能・音質さらに使いやすさまで。お薦めです。『5点』!

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

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