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2020年9月21日 (月)

ハーベスのブックシェルフ『 新・XDシリーズ 』のコンセプトとは?

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ブリティッシュ・サウンドの代表的ブランド「ハーベス」より、さらなる高みを目指したブックシェルフ型スピーカー『 新・XDシリーズ 』2機種をご紹介します。



■ 英国 Harbeth(ハーベス)とは?

英国 Harbeth(ハーベス)は、1977年に元BBC研究所のエンジニア:ダッドリー・ハーウッド氏によって設立されました。ハーウッド氏は、かの有名な「LS3/5a」を設計した人物で、BBCモニターに採用されたベクストレーンやポリプロピレンといった新素材を、それまでのコーン紙に代えて実用化した人物でもあります。

ハーウッド氏は、同年「Monitor HL」(日本発売は1978年)を発表。その後「Monitor HL-MkII」「Monitor HL-MkIII」と改良を加え、そして1986年「Monitor HL-MkIV」を発売したのです。ハーベスは次第に人気を高め、スペンドールやロジャース、KEFと並ぶブリティッシュサウンドの代表的ブランドとなったのでした。

しかし1987年、愛弟子アラン・ショー氏にハーベスの未来を託し引退。翌(1988)年、その後同社のメイン機種となる「HL-Compact」の初代機を発売。同年、BBC規格の「LS3/5a」、翌1989年より大型の「HL5」、そして1990年「LS3/5a」のコンシューマーモデル「HL-P3」の初代機と矢継ぎ早に発売したのです。

これらによって今日に続く”HLファミリー”を作り上げ、今回ご紹介します、最新ラインナップ『 HL-P3ESR XD 』『 HL-Compact7ES-3 XD 』、そして『 Super HL5 plus XD(2020年秋発売予定) 』へと改良を重ねて来たのです。

その間の2017年には、同社創立40周年を記念する”アニバーサリー・モデル”を発表。それまでのスピーカーづくりのノウハウとテクノロジーの粋を結集した「Super HL5 plus-A」を国内40ペア限定で発売しました。

”アニバーサリー・モデル”の開発中に、特に力を入れたのは、スピーカーのパフォーマンスをより厳密に分析するため、試聴と測定を繰り返すことでした。同社が理想とする水準との差異を詳細に検討し直すことで、新たな解を見いだすことができたのでした。

それこそがクロスオーバーネットワークに使われている抵抗やコイル、キャパシターなどのパーツをカスタムメイドとすることで、同社が理想とするクオリティーに対する妥協をなくすことができたと言います。

その結果、フラットな周波数特性をはじめとする理想的な特性を獲得し、低域から中域、高域に至る一体感を大幅に向上させることができ、さらに一段高い、新たなパフォーマンスの水準を実現できたとしています。

それを具現化したのが、今回取り上げる『 新・XDシリーズ 』で、「XD」の名は「eXtended Definition」に由来しており、文字通り、分解能・解像度をこれまで以上に拡充させたシリーズであることを意味しています。


■ ハーベス『 HL-P3ESR XD 』

「HL-P3」は、前述のように1990年「LS3/5a」のコンシューマーモデルとしてスタート。1995年改良を加えた「HL-P3ES」、2003年「HL-P3ES-2」、2010年「HL-P3ESR」へと、ユニット構成は110mmウーファー+19mmドームツィーターのまま、エンクロージャーやネットワークに手を加え進化させて来ました。

今回の『 HL-P3ESR XD 』では、前作「HL-P3ESR」で初めてそれまでのポリプロピレン・コーンに替えて採用した「RADIAL 2」コーンの持つポテンシャルを、最大限引き出すことができたとしています。その結果、透明・精度の高い低域、全帯域におけるダイナミズムの獲得に繋がったのです。

「RADIAL」コンポジット・コーンとは、ポリプロピレンのメリットを生かしながら、アルミニウムの配合量を最適化し、さらにダイアフラムの中心から周辺にかけてブレンド量を変えていくことにより、中低域、中高域それぞれの帯域でコーン表面に発生する諸問題を低減するハーベスの独自技術です。

そして「RADIAL 2」では、ポリプロピレンの素材であるポリマーには無数の選択肢の中から、ナチュラルなサウンドを生み出す3種類を厳選しているそうです。それらを可聴帯域全体にわたって最適な機械的・音響的な特性が得られるよう最適な割合で調合しているのだそうです。

ツィーターには19mm口径のアルミニウム・ハードドーム型を搭載。こちらも独自開発の磁性オイルの塗布によって、高温時にも安定した再生能力を保持できるフェロフルード・クーリング処理を施すことで、より正確な再現性を得ています。さらに、Open Weave(目の粗い)グリルを装着することで、高域のエネルギー感や広がり感を向上させています。

当初、既存のクロスオーバーに適合する新しいウーファーを製作するつもりだったそうです。しかし、数週間にわたって試行錯誤した結果、その方向を変更して、クロスオーバーをまったくゼロから再設計することにしたのです。

アラン・ショー氏は言います。『 HL-P3ESR XD 』は、レコーディング時のミュージシャン達と一緒に呼吸し、同じ空間にいるかのような、あの至上の時間を味わうことができるミニモニターだと・・・。

■ ハーベス『 HL-Compact7ES-3 XD 』

Hlcompact7es3xd 

前述のように「HL-Compact」は、「HL-Compact7(1994年)」「HL-Compact7ES-2(2003年)」「HL-Compact7ES-3(2006年)」と、その歴史は30年以上にも及びます。

「HL-Compact」は発売当初から大ヒットとなり、当時ラックスマンのA級プリメインアンプとの組合せはオーディオ各誌で絶賛され、クラシックファンの定番の組合せとして爆発的な売上を記録したのでした。それは今でも業界の語りぐさとなっています。

その後30年以上にわたって「HL-Compact」が人気を保てているのは、その独自のハーベスサウンドもありますが、他メーカーのように頻繁に改良を繰り返すのではなく、非常に長いスパン(10年以上も)でのバージョンアップを続けながらも、創業当時からぶれることのない、伝統の「ブリティッシュ・サウンド」を守りつつ、進化し続けているからだと思います。

『 HL-Compact7ES-3 XD 』は、2ウェイ・スピーカーの表現力を極限まで追求し、『 HL-P3ESR XD 』同様、カスタムメイドのパーツを採用することや、進化した「RADIAL 2」コーンテクノロジーによって、従来にも増してほとんど乱れることのないフラットな周波数特性を実現し、全帯域にわたっての理想的な一体感を獲得できたのです。

今回の”XDシリーズ”では、その「RADIAL 2」コーンをベストな状態で動作させるため、アラン・ショー氏はひたすらテストを繰り返し、理想的なリニアリティを得られる 従来より柔らかく収縮性に富んだエッジ(サラウンド)を開発したのです。これにより大パワー入力時のリニアリティも改善されています。

そしてアラン・ショー氏が特に重要だとしている鍵は、目には見えない点、すなわちエンクロージャー内のクロスオーバーです。クロスオーバーの要素を一つ一つ改善することで、各ドライバーユニットは緊密に一体化され、水平・垂直いずれにも広大な音場を創成し、再現の難しい楽音も存在感豊かに、透明に再現することが可能になったのです。

多くのオーディオファイルに感動をもたらし、数々の賞に輝いた「HL-Compact7ES-3」もまた「XD」のコンセプトによって生まれ変わり、空気が呼吸するかのような、その濃密なリアリティーと立体感豊かな音場が、新たな次元を獲得したのです。

■ 「XDシリーズ」に対するアラン・ショー氏の思い

アラン・ショー氏は、自身が理想とする水準とのズレを、膨大な作業量、忍耐力、時間により改善することで、外見はほとんど変わっていないにもかかわらず、そのサウンドは大きく変わったのだと言います。これが”XDシリーズ”に共通した最大の特徴であり”Key Technology”だとしています。

ショー氏は、他社のような「全面的な改善」や「○%音質を改善」といった、かつてのモデルを全否定するような大袈裟な主張はしたくないと言います。ハーベスのスピーカーは大金持ちのためのものではなく、ごく普通のサラリーマンのためのスピーカーであり、そうした購入者の想いを裏切りたくないとも言っています。

そして、音楽というのは癒しや安らぎをもたらすものであり、無用の不安を持つことなく、お好きな音楽をゆったりと楽しんでいただきたいとの想いで”XDシリーズ”を誕生させたのです。

(あさやん)

2020年9月15日 (火)

トライオード『 TRV-CD6SE 』は高信頼の”純国産”CDプレーヤー

~ シリーズ:メインソースとしての「CDプレーヤー」をもう一度見直しませんか。その2 ~


こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
前回のLUXMAN「D-03X」に続き、人気の中堅CDプレーヤー・トライオード『 TRV-CD6SE 』にスポットを当てます。本機は過去に一度レポートしていますが、音質を含め詳しくレポートしてまいります。




■ いまCDプレーヤーに再度注目する訳とは?
その前に、前回に続いて私が、いまCDプレーヤーに再度注目する訳をお話しておきたいと思います。

それは、私自身が今、過去に買い集めたCDライブラリーの聴き直しにハマってしまっているからです。私は最近でこそ月に数枚程度しかCDソフトを購入していませんが、1982年のCD黎明期から蒐集したCDソフトはかなりの数に上り、その置き場所にも困っているのが現状です。困ったあげく物置行きになったCDソフトも結構あります。

CDプレーヤーが発売された当初、CDソフトは1枚3,500~3,800円もしました。今の貨幣価値なら恐らく2倍位でしょう。それでも給料をもらう度に、待ってましたとばかりに購入したものです。しかし、当時のCDプレーヤーで聴くそのCDの音は、細身で甲高く、耳にきつく感じるものばかりでした。

結局、思っていた音と違うため、お蔵入りになってしまったソフトが何と多かったことか・・・。その後アナログディスクとCDソフトが共存する時代が90年頃まで続き、どうしてもアナログを聴くことが多くなってしまったのでした。今思えば、それはソフトだけの問題ではなく、ハードすなわちCDプレーヤーの技術的問題の方が大きかったのです。

さすがに今聞き直しても、CD発売当初のCDはデジタル録音技術がまだ未熟で、ソフトの完成度も今一で、ギスギスした冷たい乾いた音のソフトが多く存在します。しかし80年代も後半になると、録音が明らかに良くなり、技術が進歩し、不自然さが少なくなって来ています。でもまだCDプレーヤー自体、その辺りを十分出し切れていなかったのです。

その結果、CDは音が今一、「今からはもっと上のフォーマットであるSACDでなければならない」との風潮が支配的になってしまい、「当初のCDソフトをもう一度見直そう」などの流れが起きることなく、PCオーディオやネットワークオーディオ、果てはデジタルを捨て、再度アナログレコードを見直すアナログブームにまで至ったのでした。

ここで私からのご提案です。
「貴方のCDライブラリーをもう一度聴き直してみませんか。」
きっと、きっと、”新しいサウンド”の発見があり、”新しい感動”が生まれることでしょう。

その理由は、最新CDプレーヤーは、当時のCDプレーヤーと比べ「DACの高性能化」「デジタルノイズ対策の進歩」「クロックの高精度化」など大きく進み、デジタル回路はもちろん、アナログ回路にも新しいノウハウが活かされて、完成度が格段に高まったためです。

前述の80年代後半から90年代のCDソフトには、実は当時からかなりの情報量が収録されていました。でもその情報量は、当時の民生機器レベルでは出し切れなかっただけなのです。その結果、最新CDプレーヤーでは、想像以上にいい音で聴けるCDソフトがかなりあるのです。(※もちろん全てではありません。それを探すのが面白いのです。)

貴方が音が悪いからとCDライブラリーの隅に追いやっているソフトの中に、「実は意外といい音のCDが有ったりして・・・」。私自身、その再発見のワクワク感にはまってしまっている今日この頃です。

という訳で、お勧めの最新CDプレーヤーの第2弾として、トライオード『 TRV-CD6SE 』を取り上げます。

■ 『 TRV-CD6SE 』の特徴をチェック
『 TRV-CD6SE 』は、日本を代表する真空管アンプメーカー・トライオードが、2019年創業25周年を迎え”同社CDプレーヤーの集大成”として発売したモデルで、発売前から注目を集め、今もベストセラーが続いています。

『 TRV-CD6SE 』の最大の特徴は、何と言っても同社ならではの真空管出力と半導体出力の両方の音色が楽しめることでしょう。そしてアップサンプリング機能、MQA-CDのフルデコード対応。その上で”純国産”であると言うのが、中国製や東南アジア製のオーディオ機器が一般的となった今では大きなメリットでもあります。

本機は横幅345mmのミドルサイズです。このあたりは異存のある方もお有りでしょうが、最近の安価なCDプレーヤーによく見られるような筐体内の無駄な空間が無く、ギッシリ詰まって凝縮感があります。筐体の色は落ち着いた赤で、同社TRVシリーズの真空管アンプと共通です。

次に本機の先進性にも触れておきたいと思います。それは外部クロック入力(ワードクロックと10MHzクロックの2系統)を装備していることと、HDMIによるデジタル出力「I2S」までも装備していることです。将来の発展性やCDトランスポートとしての活用も十分可能です。一方、本機はあえてUSB入力を持たないことでCD再生に特化しています。このあたりは実に潔いとも感じました。

(1)出力段の素子に真空管と半導体を採用し、真空管出力と半導体出力を装備
真空管には”6922(6DJ8/E88CC)”が2本搭載されており、出力はRCAシングル1系統です。一方、半導体出力はRCAシングルとXLRバランスの2系統を装備しており、CDプレーヤー側で真空管/半導体出力を切替えるのではなく、アンプの入力側で切替える方式です。

(2)SRC(サンプリング・レート・コンバーター)によるアップサンプリング機能
音楽信号を内部でPCM:352.8kHz/32bit(DXD=業務用フォーマット)またはDSD:5.6MHzにアップコンバート処理してからD/A変換を行う再生モードを搭載。過去にも同種の機能を持った製品はありましたが、後述の最新DACチップ採用の効果もあって、そのサウンドの緻密さやサウンドステージの再現性には素晴らしいものがあります。

(3)MQA-CD対応
MQA-CDに対応(USB入力がなくMQAファイルには非対応)しており、勿論フルデコード対応で、MQA-CDによって「スタジオ」(MQA自身の手によってMQA化)と「オーセンティック」(ソフト側によってMQA化)のソフトの表示もされます。
※「スタジオ」時はディスプレイに「MQA.」、「オーセンティック」時は「MQA」とだけ表示されます。MQA-CDのパフォーマンスが手軽にかつ最大限発揮されます。後はMQA-CDソフトの充実を望むばかりです。

(4)最新の32bit型DACチップ/SABRE「ES9038Q2M」搭載
ESSテクノロジー社の最上位の「ES9038pro」の技術を踏襲し、「ES9038pro」の8chに対して2ch出力で、ダイナミックレンジ:129dB、全高調波歪率:-120dBと、ほぼ同等の高性能DACです。

(5)2系統(ワードと10MHz)のクロック入力を装備
これら2系統とも装備しているのはこのクラスでは珍しく、かなり設計者のこだわりを感じます。ワードクロックは44.1kHz/11.2MHz/22.6MHz/45.2MHzに対応、もう1系統は高精度10MHzクロック・ジェネレーター専用で、いずれもBNC端子です。クロックの強化により更に分解能が上がり、サウンドの密度感、中低域の厚みは格段に向上します。

■ 聴いてみました

最初はSRCオフでの半導体出力です。解像度が高く良い意味でデジタルらしい、脚色のないストレートで切れ味が良く、伸びやかな爽やかサウンドです。これでも価格相応の本格的な音質です。

SRCをPCM:352.8kにすると、更に細かな部分まで見通せるようになり、高域が伸びやかで余韻感、音場感がアップしました。DSD:5.6Mでは、更にきめが細かくしなやかで、繊細なSACDっぽい鳴り方になります。

真空管出力でのサウンドは、デジタルであることを忘れてしまいそうな程、湿度感や粘りけがあり、音の粒子の繋がった感のある、アナログっぽい滑らかさが魅力です。

真空管出力+SRC/PCM:352.8kでは中低域が厚くなり安定感が更に増します。DSD:5.6Mでは真空管の温かさとDSDの透明感が絶妙のバランスで、もっともアナログライクなサウンドです。

最後にMQA-CDでは、CDの限界を全く感じさせない、伸びやかでストレートなサウンドです。真空管出力では、更に安定感を増し、かつての良質なテープサウンドを思い起こさせる安定感のある音です。

サウンドはSRCやMQAによって明白な違いがありますが、それぞれが魅力的であり、その日の気分やソフトとのベストマッチングで選択するという、新たな楽しみが加わることでしょう。

とにかく『 TRV-CD6SE 』の先進性、拡張性には驚かされます。MQA-CD対応のみならず、DXDやDSD5.6MHzへのアップサンプリング機能、ワードと10MHzの外部クロック対応、同軸/光出力はもちろんHDMIデジタル出力によるCDトランスポートとしての活用、そして本機の最もトライオードらしい真空管と半導体出力の切替え機能と豊富です。

『 TRV-CD6SE 』は、オーディオ好きにとっては実に”いじり甲斐のあるCDプレーヤー”です。しかも純国産という信頼感も見逃せません。かつてのCDソフトが新たなサウンドで蘇ることでしょう。

(あさやん)

2020年8月21日 (金)

LUXMAN『 D-03X 』は”CDソフト愛好家”の救世主!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、数あるCDプレーヤーの中から、LUXMAN MQA-CD対応プレーヤー『 D-03X 』を取り上げます。本機は、発売当初に一度レポートしていますが、改めて音質を含め詳しくレポートしてまいります。




■ 今CDプレーヤーでの音楽再生をお勧めする理由
オーディオ市場でのCDプレーヤーの動きがあまり芳しくありません。理由として色々考えられますが、とにかくCDプレーヤーについての話題が少ないのが最大の原因だと思います。ESOTERICやAccuphaseなどのハイエンド機には底堅い需要はあるものの、20万円台~30万円台のいわゆる中級機に話題の製品が少ないのです。

アナログブームが去り、PCオーディオにも最近目立った動きがなく、話題の中心はもっぱらネット配信やストリーミングばかりで、音楽がファイルという目に見えないものになるにつれ、音楽からの距離も離れていっているのではないかと危惧しています。そして音楽自体の価値まで下がってしまっているのではと感じてしまいます。

しかもファイル音源を聞くためのハードにしても、デジタルオーディオプレーヤー(DAP)+ヘッドフォンやスマートスピーカーなどが一般的になってしまい、日常的にはこれで十分との認識になってしまい、どうしても安易な方向に流れがちです。

音楽ソフトが有形なものから無形になったのと同時に、CDプレーヤーやカセットデッキに象徴される複雑なメカニズムが不要になったことで、音楽再生へのこだわり、特に再生機器へのこだわりが急速に薄れ、CDプレーヤーの需要減退に陥ったのだと思います。

一方で、PCオーディオやネットワークオーディオには、オーディオの知識以外に、グレードを追求すればする程、パソコンに関連するスキルが必要になってしまいます。結果、本来の音楽を楽しむと言う方向とは全く違う、未知のパソコン用語に追いつめられ、断念してしまったオーディオファンも多いのではないでしょうか。

確かにPCオーディオやネットワークオーディオの利便性は私も認めます。でもその便利さ故の感動は恐らく最初の一瞬だけだと思います。やはりいい音で聴いた時の感動の方が遙かに勝ります。自分の好きな音楽を、こだわり抜いたオーディオシステムで聴くのが一番だと考えるのは、私一人ではないと思います。

私が、今CDプレーヤーでの音楽再生を改めてお勧めする理由は・・・
(1)内蔵のD/Aコンバーターが、素子の進歩により従来製品に比べ格段に良くなっている。
(2)CDプレーヤーの設計に、デジタルノイズ対策の新しいノウハウが活かされている。
(3)過去のCDライブラリーを改めて聴き直すと、その音質の良さにビックリすることがある。
(4)MQA-CDの登場で、CDプレーヤーでもハイレゾ再生が可能になった。
(5)アクセサリーやケーブル等で音質を向上させる対策を施すことができる。
(6)何よりジャケットやケースを含めた形のあるソフトである。

■ 『 D-03X 』の充実度&完成度
前作に当たる「D-05u」がSACD対応メカを搭載していたのに対し、『 D-03X 』はCDのみに特化した新型高信頼性のCD専用メカを搭載しています。後述しますが、内蔵DACは、SACDを遙かに超えるDSD:11.2MHzに対応しているのにもかかわらすです。

LUXMANとしては、SACDソフトの現状を鑑み、CD再生に特化し、その上でMQA-CDを含むMQAデータの再生を可能とすることで、ディスクとデータ両方でのハイレゾソフトに対応することにしたのだと思います。この決断の結果、コストを大幅に抑えることができたのです。(個人的には、この英断に拍手を送りたいと思います。)


そのCD専用メカは、一般的なCDプレーヤーで見られる中央配置ではなく、向かって左側に有り、あえてシンメトリー構造を避けています。これは筐体内のデジタル信号やアナログ信号の理想的な流れから来ているそうで、ケーブルの余計な引き回しが無く最短で結ばれ、同時にノイズからも逃れられます。さらに振動の経路や重力バランスまでも考慮しているそうです。

CDメカは、定評のある8mm厚の無垢アルミ製のメカベースと、ループレス構造のシールド付きボックスシャーシで構成されており、上部には新しくスチール製のトッププレートを加えた最新仕様となっています。これらの対策の結果、安定した信号の読み取り精度と、動作音を下げることで静音性を実現できたのです。シャーシ全体もアースループやデジタルノイズを回避するため複合構造を採用しています。

ドライブメカの奥には電源トランスがあり、中央部では、デジタル/アナログ/コントロールそれぞれの回路に、大容量のブロックコンデンサーによる余裕のある電源供給を行っています。

DACチップには、同社では使い慣れた32bit対応のTI社製「PCM1795」を各チャンネルあたり2基使用し、モノラルモードで動作させています。高性能なDACを余裕を持たせて動作させることで、デジタル信号に刻まれた情報を高精度かつ高精細にD/A変換することで、音楽のもつ魅力を引き出せるのだとしています。

本機はCDプレーヤーであり、本格的なUSB-DACでもあります。USB入力では最大PCM:348kHz/32bit、DSD:11.2MHzにまで対応。さらに話題のMQAにも対応しており、MQAはファイル音源だけではなく、MQA-CDにも対応しています。また、USB入力は一般的なアイソクロナス転送方式以外に、PCに対する処理負荷を低減するBulk Pet転送モードにも対応しており万全です。

D/Aコンバーターに続くアナログ回路は、モノラルモードで動作させたDACの差動出力を、完全バランス構成のI/V変換回路へ入力しローインピーダンス化することで、終段のロー・パス・フィルターアンプを強力にドライブしています。

フロントパネルには、デジタル入力切替や出力の位相切替を装備。ディスプレイ内のMQAインジケーターは、MQA-CDとMQAファイル再生時に、青(スタジオ)、緑(オーセンティック)、赤紫(レンダラー)の3色で表示されます。

アナログ出力は、18mmピッチの金メッキRCA端子とノイトリック社製XLR端子を装備。デジタル入力は、DSD/PCM信号に対応したUSB、COAX/OPT各1系統(PCM:192kHz/24bitまで対応)を装備しており、デジタル出力はCOAX/OPT各1系統です。

付属リモコンは、フロントパネルの精緻なブラスターホワイトと同様の仕上げのズッシリと重いアルミ製で、リモコンを使うことで、ディスプレイの文字のズームアップやディマー機能なども行えます。

■ 試聴(日本橋1ばん館CDプレーヤーコーナーで実施)

試聴での第一印象は鮮度感と躍動感です。それに加え、LUXMANならではの品の良さや安定感のあるサウンドです。決して腰高ではなく、低域はレンジが広く解像度を落とすことなく深く沈み込みます。

S/Nは水準以上でとにかく静かで見通しがよく、音場は奥行き方向に拡がり空間表現が抜群です。楽器の倍音も十分に再現され、特に弦楽器がリアルに響きます。

ボーカルは温かく滑らかで、人肌を感じさせてくれます。突っ張り感やきつさの感じない穏やかな女声ボーカルが印象的です。特に、井筒香奈江のボーカルは自然でいつまでも聴いていたくなるほどでした。

MQA-CDではさすがにレンジが拡がり、サウンドに厚みも加わって中高域の伸びやかさは圧倒的です。CDとは違う高解像度サウンドが魅力的です。南佳孝のMQA-CD「Dear My Generation」の声と雨音の自然さは抜群でした。

■ 最後に…
LUXMAN『 D-03X 』は、あえてSACDに対応せず、DACも使い慣れたものにすることで、アンプ回路の強化やサウンドの熟成に注力できたことで、価格を超えたCDプレーヤーとなったのです。更に、MQAデコード回路にもコストをかけ、CDソフトのみならず、ファイル音源によるハイレゾ再生も強化できたのです。

CDはもちろん、USB-DAC、MQAファイル再生など、いずれも高度な使いこなしが可能な中級機であり、CDプレーヤーやUSB-DACとしての完成度はハイエンド機に迫るものがあります。CDを含むデジタルオーディオが存分に楽しめる”デジタル・メディアプレーヤー”とも言えるCDプレーヤー『 D-03X 』です。

(あさやん)

2020年8月18日 (火)

マッキントッシュ 真空管ハイブリッド・プリメイン『 MA352 』の魅力を探る

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、リーズナブルな価格とマッキントッシュ初のハイブリッド・プリメインということで、世界的なヒットを記録した「MA252」の上位モデル『 MA352 』をピックアップ。


予定よりかなり遅れましたが、遂に輸入が開始されました。早速その魅力を詳しくレポートしてまいります。

■ 「MA252」と比較しながら、新作『 MA352 』をチェック
『 MA352 』は「MA252」と同じく、管球式のプリ部とソリッドステートのパワー部で構成されていますが、横幅:305mm → 445mm、高さ:194mm → 251mm、奥行:419mm → 443mm、重量:12.7kg → 29.9kgとかなり大型・重量化されています。そしてパワーも100W+100W(8Ω)から200W+200W(8Ω)と2倍になっています。

2017年に発売された「MA252」は、どことなく銘機「MC275」を彷彿とさせる独特のデザインであり、しかもマッキントッシュの真空管搭載のプリメインアンプが50万円(税別)を切る価格ということで人気を集めたのでした。

新作『 MA352 』の外観は、横幅が他のオーディオコンポーネントとほぼ同じフルサイズ(19インチ)となり、しかも本体後部のケース部分には、マッキントッシュのトレードマークとも言えるブルーの大型パワーメーターが装備されています。

回路的には、プリアンプ部は「MA252」と同様、双3極管の12AX7aと12AT7を各2本使用しており、ボリューム、セレクター、グライコで構成されています。

「MA252」ではBass/Trebleのみのトーンコントロールでしたが、『 MA352 』ではマッキントッシュのハイエンド機同様、本格的な5バンドのグライコまで装備されています。5バンドは(30Hz, 125Hz, 500Hz, 2kHz、10kHz)で、各周波数は±12dBの範囲で増減可能です。また各入力でグライコのON/OFFを設定できます。
入力端子はRCAが3系統(「MA252」は2系統)、バランスが2系統(同1系統)、RCAプリ出力が1系統、そしてMMカートリッジ対応のフォノ入力まで装備しています。

フォノイコライザーには、誤差の少ない抵抗やコンデンサーが採用されており、極めてフラットな周波数レスポンスを達成し、ノイズや歪みも最小限に抑えられたのです。

パワーアンプ部の出力段は、ダイレクトカップルド構成のソリッドステート設計としており、出力素子には5ピンのバイポーラー・トランジスターであるオン・セミコンダクター社の「ThermalTrak」出力トランジスターを採用しています。

このトランジスターは、温度検出用ダイオードを内蔵しており、5ピンの内2本のピンはダイオードの出力として機能し、温度変化によって電流量が変化するトランジスターの特性を、リアルタイムに検知し、バイアス値を補正するというものです。なお、一般的な3ピンのトランジスターでは、ヒートシンクに外付けの温度補正デバイスが別途必要になります。

これによりトランジスターのバイアス電流の安定性が高まり、マッキントシュ伝統の出力トランス(オートフォーマー)に匹敵する安定性を確保できたのです。

さらに、大型の電源トランスと60ジュール(W・秒)ものエネルギーを蓄えられるフィルターコンデンサ―による大電流供給能力とレギュレーテッド(安定化)電源回路により、ACラインの電圧変動やノイズからも解放され、安定性が向上しています。

出力は前述のように200W×2(8Ω)を確保。マッキントッシュ独自のテクノロジーとプロテクション機能(パワーガード、セントリーモニター、パワーコントロール)を搭載。安全性は抜群です。
外装は、マッキントッシュ伝統の鏡面仕上げのステンレス・スティール・シャーシを採用。両サイドにあるアルミダイキャスト製の”McIntosh352”のバッジは、「MA252」同様、銘機「MC275」をイメージさせます。


”Mc”ロゴをあしらった新しいデザインのマッキントッシュ・モノグラム・ヒートシンク(McIntosh Monogrammed Heatsinks)を採用しており、放熱効率を大きく高めています。また、高電流出力トランジスタをこのヒートシンクに搭載することで、ウォームアップ時間を最小限に抑えています。

そしてマッキントッシュ・アンプの象徴でもあるフロントパネルのイルミネーションには、照明を均一にするため、広角LEDを使用しています。従来の同社製品では、ファイバー光拡散器(数十本の細い光ファイバーケーブルで分散)とLEDを使用していました。もっと以前は小型の電球(麦球)が使われており、切れると大変だったことが思い出されます。

スピーカー端子は1系統ですが、特許取得済みの金メッキ出力端子が採用されており、大電流にも信号ロスを限りなく抑え、純度の高い信号伝送を実現しています。

少々の事ではビクともしない定評のある保護回路を備え、5バンドグライコを使ってのスピーカーやお部屋とのベストマッチングも可能な、安心・安全、そして多機能を具現化。その上でマッキントッシュ伝統のデザインを絶妙にアレンジした素晴らしい外観の『 MA352 』です。

■ サウンドは?
サウンドはズバリ「マッキントッシュ・サウンド」そのものです。出力トランス(オートフォーマー)非搭載にもかかわらず、マッキントッシュ伝統の、全域にわたって線が太く、ドッシリして落ち着きと余裕を感じさせる低音、彩りが豊かでリッチな中高音は、明らかに「陰」ではなく「陽」です。こんな開放的なサウンドを待ち望まれていた方も多いのではないでしょうか。

ここ最近、余りにもS/Nや歪率ばかりにこだわってきたハイエンドオーディオ・シーンに、「こんな方向性の音のオーディオがあっても…」と、新たな指針を示す様ような、そんな大らかで息苦しさや湿っぽさを微塵も感じさせないサウンド「マッキントッシュ・サウンド」は、多くの音楽ファンを魅了することでしょう。

マッキントッシュファン待望のハイブリッド・プリメインアンプ『MA352 』です。

(あさやん)

2020年8月15日 (土)

フィンランド発 "Amphion(アンフィオン)" 「Argonシリーズ」のブックシェルフにフォーカス!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、アンフィオン社の『 Argonシリーズ 』をご紹介します。同シリーズ中でも、アンフィオンらしさを凝縮した感のあるブックシェルフタイプの下位2機種を取り上げます。日本橋1ばん館での試聴も含めてリポートします。


■ 『 Amphion(アンフィオン) 』とは?
北欧フィンランドは、スウェーデン、ノルウェー、ロシアと国境を接する北欧の国で、首都はヘルシンキです。バルト海の半島と周辺の島々からなっています。オーディオでは同じ北欧のデンマークやスウェーデンに比べ、余り馴染みのない国です。唯一私が知っているのが、スタジオモニターで有名な「GENELEC(ジェネレック)」くらいです。

今回ご紹介しますアンフィオン社は、1998年創業の比較的若いスピーカーメーカーです。フィンランド中部のクオピオに本拠地を構え、全製品を自国内で生産しているそうです。当初コンシューマー用からスタートし、2013年からはプロ用モニタースピーカーにも参入しています。

同社は、女性を大事にするお国柄もあって、生活の中で音楽を楽しむためにはどうすれば良いかという視点でスピーカー作りを行っているのだと言います。そのためスピーカーと向かい合って聴くだけではなく、リビングやキッチンでも良質の音楽が楽しめることを前提に開発しているそうです。

アンフィオンの「Argonシリーズ」には、ブックシェルフ3機種、トールボーイ2機種、センタースピーカー1機種があり、それぞれカラーはブラックとホワイトがあります。ウォールナット仕上げのある機種もありますが、価格は若干上がります。さらに本国にはサランネットも白いフルホワイトがありますが、日本では特注扱いとなっています。

■ まずは「Argon0」を試聴
横幅132mm/高さ259mm/奥行220mmの小型ブックシェルフです。ツイーターはチタンのダイヤフラムで1インチ(25mm)サイズで、フロントバッフルから奥まっており、前面が独自の形状のウェーブガイドでホーン効果を狙い、能率と指向性をコントロールしています。ウーファーとの位相を整合させるため、磁気回路の位置を揃えるリニアフェーズとしています。

一方ウーファーは、4.5インチ(120mm)でコーンはアルミ振動板です。リアバスレフで低音を補強しています。クロスオーバー周波数はこのタイプとしてはかなり低めの1.6kHzとしており、人間の耳で最も感度の良い2~4kHzをあえて外しているのだそうです。

このことについてアンフィオン社は例えで「椅子の座る面には縫い目を持ってこず、横や裏の目立たない所にあるのと同じで、人間の聴覚が最も鋭い所に縫い目(クロスオーバー)を設定することはあり得ない」と言っています。

これらふたつのユニットは振動板の素材は勿論、音の拡散の仕方が違う上、形状も違うのですが、クロスでの繋がりがスムーズであることに最も神経を使ったそうで、この当たりが生活に溶け込むサウンドを目指すのには不可欠な要素なのです。


大きさは想像していた以上に小振りで、DALIの「OPTICON1(写真左)」や「MENUET(同右)」とほぼ同じです。

サウンドは、ウーファーとツイーターの繋がりが実に自然で、振動板の素材の差を全く感じさせません。特にヴォーカルが秀逸で、まるでフルレンジのようです。ボーカルは口が小さく定位もしっかりしています。

低域はさすがに限界を感じますが、詰まりや鈍さのない鳴りっぷりの良いもので、必要にして十分と感じました。高域も嫌な強調感やきつさが無く、十分高いクオリティを維持しています。

ギターはよく弾み、実に伸びやかで抑えられた感じは全くありません。サウンドが小さく収まるのではなく、スピーカーの大きさを意識させない大らかさがあります。非常に鳴らしやすいスピーカーです。

■ 一回り大きな「Argon1
横幅160mm/高さ316mm/奥行265mmと「Argon0」より一回り大きくなっており、ツイーターは「Argon0」と同じでウェーブガイド付きです。ウーファーは5.25インチ(150mm)となっています。クロスオーバーも同じ1.6kHzです。

大きさは「Argon0」より一回り大きくなっていますが、前から見ている限りかなり小型です。ただ奥行きはこのクラスとしては結構あり、容積的には十分確保できていると思います。

 

サウンドは「Argon0」に比べ低域が伸びやかで、力もあり余裕を感じさせます。ヴォーカルは自然で温かさが増し、楽器はヌケが良く自然で、小型ブックシェルフとは思えない表現力です。

オーケストラもスケールが明らかに大きく感じられ、臨場感も十分楽しめます。ことさら解像度や音数の多さを強調せず、音楽そのものを楽しませてくれるスピーカーです。

■ 番外編「Argon3LS
横幅191mm/高さ968mm/奥行305mmの堂々としたトールボーイタイプで、ツイーターは「Argon0/1」と同じ1インチのチタン振動板でウェーブガイド付き。ウーファーはアルミ振動板の6.5インチ(180mm)と大きくなっており、クロスオーバーは同じ1.6kHzで、2つのユニットのボイスコイルの位置は同じく揃えられています。

ユニット構成での違いは、リアにパッシブラジエーターを搭載しており、低域のスケールアップを狙っています。更にスピーカー端子(アルジェント・オーディオ製)のすぐ上に、高域(トレブル)を1dBブーストするスイッチが装備されており、設置場所での微調整が考えられています。


高さこそ約1mありますが、ユニット構成、横幅、奥行きは「Argon0/1」の上位機「ALGON3S」と全く同じで、容量が3倍近く確保されています。サウンドは、実に伸びやかで大らか、詰まった所を全く感じさせず、ヌケの良い爽やか系です。これこそクロスオーバーを耳にとって敏感な部分を外したことによる効果だと感じました。

全体に粒立ちが良く、小気味良さは格別です。一方で、左右の拡がりや奥行きといった空間情報も欠落することなく自然で、立体的な音場が再現されます。

スピーカー固有の癖を全く感じさせず自然体で、ヴォーカルがまろやかで温かく人肌を感じさせてくれます。さすがにスケールも下位機に比べ大きく、ことにパッシブラジエーターによる量感の再現は見事です。

■ 最後に…
アンフィオン「Argonシリーズ」のブックシェルフ型スピーカーは、決してオーディオを極める方向のサウンドではなく、音楽を楽しませてくれる方向のもので、スピーカーの存在を感じさせない自然体のサウンドが魅力的です。

ボリュームを上げてもきつくなったり歪みっぽくなることは一切なく、小型ながら余裕さえ感じさせます。逆にボリュームを絞った場合は、大型スピーカーのように極端に痩せることはなく、バランスを維持したまま自然と耳に入って来ます。

なお、ユニット前面のネットは取り外しできませんが、設計段階からネットを付けた状態で試聴を重ねており、アンフィオンとしては付けたまま聴くことを標準としています。

アンフィオンの「Argonシリーズ」は、長時間聴いても聴き疲れなく、ながらリスニングにも最適な、ご家族みんなで楽しめる北欧フィンランドならではのスピーカーです。

(あさやん)

2020年8月11日 (火)

フィル・ジョーンズ氏が率いる エアパルス『 A80 』の新境地を探る!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、スピーカーエンジニアのフィル・ジョーンズ氏が開発したハイレゾ対応アクティブ・スピーカー『 A80 』をご紹介します。



『 A80 』は、リーズナブルな価格ながら、リボン型ツイーターと11.5cm口径のメタルコーン・ウーファーによる2ウェイ構成で、D/Aコンバーター機能、ウーファー部に40W+40W、ツイーター部に10W+10Wのパワーアンプを内蔵、デジタル入力(光、USB-B)、アナログ入力(RCA2系統)を装備、さらにBluetoothにまで対応しています。

それでは順に見てまいりましょう。

■ 『 フィル・ジョーンズ氏 』とは?
スピーカーエンジニアのフィル・ジョーンズ氏の名前を、一度でもお聞きになった事のあるオーディオファイルは多いと思います。氏は1954年にロンドンで生まれ、1980年コーナー・ホーン「CN-191」で有名な英国ヴァイタボックスにエンジニアとして参加しました。その後1987年にアコースティック・エナジー:Acoustic Energy(AE)を設立し、伝説の名スピーカー「AE-1」を開発。ツインウーファーの「AE-2」とともに一世を風靡したのでした。

その「AE-1」は、ロンドンのアビーロード・スタジオにもニアフィールド・モニターとして導入され、国内でも1990年前後に大ヒットを記録しました。9cmアルミ合金製の小型ウーハーに2.5cmアルミドームツイーターの2ウェイバスレフ型ブックシェルフで、コンパクトなサイズながら1本8kgとかなり重いスピーカーでした。

「AE-1」は人気が高い一方で、非常にアンプ食い(高性能なアンプを要求)の鳴らし難いスピーカーでした。しかしハイエンド大出力アンプでドライブした時のその超リアルなサウンドは圧巻でした。今でもその衝撃は忘れることができません。「AE1」は、それまでの小型スピーカーシステムの概念を変えてしまう程、業界にインパクトを与えた傑作スピーカーでした。

「AE-1」で一躍有名になったフィル・ジョーンズ氏でしたが、AEとの契約の関係でイギリスでのスピーカー設計が不可能になった彼は、1990年アメリカに渡り、ボストンアコースティック(Boston Acoustics)のサウンドデザイナーに就任し、リンフィールド・シリーズと言うスピーカーを発表しました。

その代表作である、ブックシェルフ型の「Lynnfield 300L」は、「AE1」のコンセプトを発展させ、AE時代に比べウーハー径は13cmと大きくはなりましたが、それでもアメリカのスピーカーとしては異例な程小さいウーハーを搭載していました。「Lynnfield 300L」は、一時期日本でも注目されました。

そして、1994年メーカーから離れ、自身のブランドであるプラチナム・オーディオ(PLATINUM AUDIO)を起ち上げ、氏のそれまでの主張を具現化した「SOLO」を開発。ウーハーに口径9cmのメタル製振動板を採用し、同心円状に3本のリブを加えて剛性を向上させ、小口径ながら26mmのストロークを確保し、サイズを超えた低域を実現していました。ツィーターも25mmのメタル製でした。

一方で、氏は奇才ぶりを発揮。それまで蓄積してきたスピーカー設計のノウハウを結集することで、1997年当時業界最高価格(2000万円)の、高さ180cm以上もある超弩級の巨大なオールホーン型スピーカー「Air Pulse 3.1」を発表。プロオーディオの経験を生かした高能率コンプレッションドライバーを搭載するなど、多くの点で画期的なスピーカーシステムでした。日本国内でも数セット販売したとか・・・。

その後、AAD(アメリカン・アコースティック・デヴェロップメント)のブランドでスピーカー開発しながら、自らもベーシストとして活躍する氏は、2002年にフィル・ジョーンズ・ベース(PJB)を設立し、ベースプレーヤー用のハイファイ・アンプを開発するなど精力的な活動を経て、2004年プラチナム・オーディオ・システム・カンパニーに参加し、エンジニアとしてエアパルス・ブランドを牽引しているのです。

■ 『 A80 』のユニット構成

本機の最大の特徴はホーンロードをかけたリボンツイーターの採用です。かつてのPIONEER「PT-R7」に似た形状で、強力なネオジウム・マグネットの磁気回路でアルミニウム・リボン・ダイヤフラムをドライブし、綿密に計算された独自形状のホーンによって均質で広い指向性が得られたとしています。


ウーファーは、フィル・ジョーンズ氏のアイデンティティでもある11.5cmの小口径ウーファーを採用。硬質アルマイト処理されたアルミ合金振動板と、軽量化されたアルミ製ボイスコイル、高剛性鍛造マグネシウム合金フレームに取り付けられた強力なネオジウム磁気回路によって駆動されています。

■ 『 A80 』のフルデジタルアンプ
本機の心臓部であるパワーアンプにはテキサス・インスツルメント「TAS5754 Class-Dアンプ」2個で構成されており、ウーハーとツイーター専用にブリッジモードで接続され、ウーファー用が40W、ツイーター用が10Wの出力を確保しています。

このデバイスは、最大192kHzの入力をサポートし、高出力PWMキャリア周波数を組み合わせた数少ないD級アンプで、高いS/Nと低歪みが特徴です。従来のClass-Dアンプの2倍にあたる768kHz出力PMWキャリア周波数というスペックは、高感度リボンツイーターの駆動にも適しています。

■ まとめ
さてサウンドは某店の店頭で短時間ですが聴きました・・・。

さすがリボンツイーターです。音のヌケが抜群で、ホーンロードのお陰でスピード感があり、適度な切れ込み感が小気味良いものです。メタルコーンとの音色的な繋がりもスムーズで一体感を感じました。特にリボンツイーターが40kHzまで伸びていることから、ハイレゾ再生では余韻や音場感まで十分出せそうです。

さすがベーシストのフィル・ジョーンズだけあってベースは実在感があり、ニアフィールドでは価格を感じさせないワイドレンジ感です。明るめのハイスピードなサウンドは、部屋の影響を受けにくいことから、スピーカーから離れた通常リスニングにはない、抜群のリアル感は本機ならではと感じました。

本機は、パソコンとの組合せが最も簡単ですが、USB接続が可能な機器やRCA接続が可能なポータブル機器での使用をお勧めします。オーディオファイルのサブシステムとしても十分な性能を有していると断言できます。

(あさやん)

2020年7月13日 (月)

最高峰の性能と音質を誇る、アキュフェーズのプレシジョン・プリアンプ『 C-3900 』

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、アキュフェーズ《 創立50周年記念モデル 》第二弾! プレシジョン・ステレオ・プリアンプ『 C-3900 』をピックアップ。



同社がこれまでに培ったプリアンプのノウハウを集大成。機構・回路両面に最新技術を導入し、部品類全ての見直しと試聴の繰り返しを行い、妥協のない技と感性で、”最高峰”の性能と音質を誇るフラグシップ・モデルを完成させました。

それでは『 C-3900 』が”最高峰”たる所以を具体的に見てまいりましょう。

■ アキュフェーズのフラッグシップ・プリアンプの歴史
アキュフェーズのフラッグシップ・プリアンプの歴史は、日本の、いや世界のプリアンプの歴史と言っても過言ではありません。以下の表をご覧下さい。

型番 発売年月 税別価格(円) ボリュームの種類
C-280 1982.12 680,000  
C-280L 1987.02 640,000 精密4連ボリューム
C-280V 1990.12 800,000 CP素子4連ボリューム
C-290 1993.11 880,000 CP素子4連ボリューム
DC-300 1996.11 980,000 デジタルボリューム
C-290V 1998.12 980,000 CP素子4連ボリューム
DC-330 1999.11 880,000 デジタルボリューム
C-2800 2002.07 1,100,000 AAVA方式ボリューム
C-2810 2006.06 1,150,000 AAVA方式ボリューム
C-3800 2010.07 1,700,000 Balanced AAVA方式ボリューム
C-3850 2015.06 1,800,000 Balanced AAVA方式ボリューム

最初の「C-280」はフォノイコライザーを搭載し、レコード再生を重視した純粋なアナログ・プリアンプでした。その後「C-290」になって、フォノイコがリアパネルに増設するオプション方式(アナログオプションボード)とした、アナログライン専用プリアンプとなりました。

その後併売で「DC-300」「DC-330」というデジタル・プリアンプが投入されていますが、主力とはならず、2002年の「C-2800」以降「C-2810」までは専用フォノイコ・ユニットはオプションで、完全なアナログ・ライン専用プリアンプでした。

しかし「C-3800」からは、そのオプション方式を止め、完全なライン専用プリアンプとなり、レコード再生には別売のフォノイコライザーが必要になりました。

アキュフェーズとしては、オーディオの主流がデジタルになったのは勿論ですが、フォノイコはプリには同居させず、レコード再生を極めるには専用フォノイコで、とことん追求して欲しいとの明確な意思を示したとも言えます。

この流れから、今回取り上げる最新の『 C-3900 』も完全なアナログ・ライン専用プリアンプとなっています。

■ 進化した《 Dual Balanced AAVA 》を搭載した『 C-3900 』
本機の最大のトピックは、フル・バランス構成〈Balanced AAVA〉を2回路並列駆動する《 Dual Balanced AAVA 》を新たに開発し、前作「C-3850」に比べ、ノイズ・レベルを約30%減少させたことです。


プリアンプの音量調整機能は、オーディオ機器の中でも特に高度なアナログ回路の設計技術が必要であり、音質を左右する最も重要な回路です。

アキュフェーズでは、2002年発売の「C-2800」(上表参照)で、従来の概念を覆し、可変抵抗を使わずにボリュームをコントロールする〈AAVA:Accuphase Analog Vari-gain Amplifier〉(図1)を開発しています。

〈AAVA〉は可変抵抗体(抵抗が雑音の元)を音楽信号が通らないため、インピーダンスの変化による影響を受けることがなく、高いSN比と低い歪率を維持したまま音量を変えることができます。また、可変抵抗体の接触面の劣化に影響されないため、初期性能を長期に渡って維持できる高い信頼性を兼ね備えています。

初期の〈AAVA〉は(図1)に示すように、バランス入力⇒アンバランス出力で構成されていました。〈AAVA〉の誕生から8年後の2010年、平衡型の〈AAVA〉である〈Balanced AAVA〉(図2)を開発し「C-3800」に搭載しています。〈AAVA〉を2回路平衡駆動することで、バランス入力⇒バランス出力の「フルバランス構成」としたボリューム・コントロールです。

そして〈Balanced AAVA〉の誕生からさらに10年となる2020年、並列型の〈Balanced AAVA〉である《 Dual Balanced AAVA 》(図3)を新たに開発し『 C-3900 』に搭載したのです。

《 Dual Balanced AAVA 》は〈Balanced AAVA〉を2回路並列駆動することで、ノイズ成分を1/√2つまり約70%に減少させる技術で『 C-3900 』では理論通り約30%の大幅なノイズ削減に成功したとしています。

なお、〈AAVA〉が電圧信号を16種類のゲインの異なるV-I(電圧‐電流)変換回路で16種類の電流信号に変換した後、16個の電流スイッチで電流信号を(2の16乗、つまり65,536通りの中から)選択、I-V(電流‐電圧)変換アンプで電圧信号に戻されます。これらから、デジタル処理をしているのではないかとの誤解を招くことがあるのですが、〈AAVA〉はいかなる抵抗体も使わない”純粋なアナログボリューム”です。

一般的な音量調整は、入力信号を抵抗体で減衰させて、アンプで増幅するため、通常使用するボリューム位置ではインピーダンスが増加してしまい、どうしてもノイズが増えてしまいます。

一方〈AAVA〉は、音量を絞るのではなく必要なV-I変換回路を切り替えて、ダイレクトに音量(アンプのゲイン)を変える方式ですから、インピーダンスの変化やノイズなどの影響を受けません。

このため、ノイズの増加がほとんどなく、最も重要である実用音量レベルでの高SN比を維持することができ、周波数特性も変わらないため音質変化も起こらないのです。通常のボリューム調整では問題となる左右の連動誤差やクロストークも殆どありません。

この結果、限りなく静寂な空間に音楽のみが広がる、音楽再生における”プリアンプの理想像”を実現したのです。

■ 『 C-3900 』の主な先進仕様
①入力ポジションに対応した位相設定が可能
バランス接続の場合問題となる、入・出力の接続コネクターの極性を全ての入力ポジションで簡単に設定することができ、入力端子毎に位相の設定およびメモリーが可能です。

②プリアンプのゲインを選択可能
アキュフェーズのパワーアンプとの組合せでは標準利得の18dBでいいのですが、海外製のパワーとの組合せではゲインの過不足が問題となる場合があります。本機は全体の利得を12dB/18dB/24dBの3種類から選択することができます。

③プリント基板に、低誘電率・低損失の『 ガラス布フッ素樹脂基材 』を採用
信号伝送回路には、非常に高価で、非常に低い誘電率(絶縁体の誘電率が低いほど伝搬速度が早い)と誘電正接(小さいほど伝送損失が小さくなる)をもつ『 ガラス布フッ素樹脂基材 』を採用しています。本機ではさらに銅箔面に金プレートを施し、信頼性や音質の向上を図っています。

④ユニット・アンプ化した回路は左右独立構成、8mm厚硬質アルミの強靭な構造部に固定


本機の主なアンプ回路は、入力バッファー、AAVA、バランス出力、ヘッドフォーン・アンプなどの左右合計16ユニット・アンプ群で構成されています。これらのユニット・アンプは、相互干渉しないように8mm厚の硬質アルミによるフレーム構造により強固に保持され、電気的干渉、物理的振動を抑制しています。

⑤左右独立の高効率トロイダル・トランスによる、モノ・コンストラクション構成の理想電源


電源トランスに放熱フィン付き鋳造アルミケース入りの高効率トロイダル・トランスを2個採用。フィルター用アルミ電解コンデンサーには、新規開発による10,000μFの大容量・高音質タイプを12個搭載、これを2ブロックにして左右を独立させ、電源トランスとともにモノフォニック仕様の余裕ある電源部を構成しています。

アナログプリの最高峰として、高精度のボリューム・コントロールをベースに、全素材・パーツを極限まで吟味し、電気的特性の更なる向上と徹底した高音質を追求し、これまでにない音楽性の実現を目指したのです。

■ 『 C-3900 』の試聴記

6月某日、日本橋1ばん館にて『 C-3900 』の試聴を次のシステムで実施しました。

■Accuphase「DP-750」⇒『 C-3900 』⇒「A-75」⇒B&W「802D3」
※前作「C-3850」との比較試聴も行いました。

音出しの瞬間、その透明感に圧倒されました。音場が深く、どこまでも見通せる感じは、過去にオーディオシステムでは経験のないレベルでした。とにかく音数が多く、情報量の多さは圧倒的で、従来感じなかった録音スタジオのライブ感まで再現されたのには驚きました。

高域は実に伸びやかで艶やか、滲み感など全くなく、突き抜け感、弾け感は生楽器そのものでした。一方低域は張りがあって躍動的で、迫力や厚みは一際凄いのですが、まとわりつきや、もたつき感の全くない堂々としたものでした。

このように『 C-3900 』でのサウンドは素晴らしいの一語に尽きるのですが、聴いている内に音の細部の印象など、もうどうでも良くなって行くのでした。音そのものが楽しく、音楽がそこにあるのです。気が付くと、ソフトを取っ替え引っ替え聴いている自分がいました。

『 C-3900 』のサウンドのこの吹っ切れ感、生々しさは、国産の”雄”アキュフェーズが「オーディオでの音楽再生」において、ついに「音楽のエッセンスを引き出す《 何か 》を掴んだ」のではないかとさえ感じてしまう程でした。

『 C-3900 』こそ、アキュフェーズがこれまでに培ったプリアンプのノウハウの集大成であり、飽くなき挑戦を続けた渾身の自信作と言えるでしょう。
(あさやん)

2020年7月11日 (土)

アキュフェーズのヴォイシング・イコライザー『 DG-68 』の進化度を探る!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、理想的な音場環境を実現する、アキュフェーズのデジタル・ヴォイシング・イコライザー『 DG-68 』をご紹介します。


この《 ヴォイシング・イコライザー 》があれば、使い手次第で新たなオーディオ体験&音楽体験が可能です。それでは最新の『 DG-68 』に至るまでの《 デジタル・ヴォイシング・イコライザー 》の進化の程を見てまいりましょう。

■ 『 ヴォイシング・イコライザー 』とは?
アキュフェーズがいう《 ヴォイシング・イコライザー 》とは、一般的な「グラフィック・イコライザー(グライコ)」機能に加え、「自動音場補正機能」を内蔵しており、これこそ他のグライコとの決定的な違いです。一般的なグライコは測定機能は持っておらず、各周波数ポイントのレベルを手動で増減して調整します。

これに対し《 ヴォイシング・イコライザー 》は、ユーザーが希望する特性に自動で調整できます。これを使うことでリスニングルームの音場特性を自動測定し、ユーザーの思うままに補正する画期的な製品です。

ヴォイシング・イコライザーはアキュフェーズの造語で、その語源の「ヴォイス=Voice」は「声・歌声」であり、オーディオそのものを表しているそうです。また「声楽曲の声部、調律する」などの意味もあるそうです。
《 デジタル・ヴォイシング・イコライザー 》の第1世代機は1997年発売の「DG-28」で、それまでのグライコの概念を大きく変えたエポックメイキングな製品でした。それまでマニア層を中心に「ピュア信仰」「音質調整(トーンコントロール・グライコ)不要論」が蔓延していた当時、それは日本のオーディオ界に衝撃を与えたのでした。

1997年当時私が在籍したいた河口無線で、単一アイテムとしては全てのオーディオコンポーネンツの中で、年間で最も販売数・金額とも大きかったのがその「DG-28」だったのです。一般的なグライコしか存在しなかった当時、オーディオマニアが「DG-28」に飛びついたのでした。「DG-28」はそれ程インパクトのある製品で、当時のデジタル技術やデバイスのレベルでは本当に画期的だったのです。

今でも非常に印象に残っている出来事がありました。それは河口無線でのあるメーカー主催(アキュフェーズ以外)の試聴会でのことです。当日講師としてお招きした、故 菅野沖彦氏が突然店頭の「DG-28」を貸して欲しいと言われたのです。そして当日使用するプリとパワーの間にその「DG-28」を繋がれ、スーッと液晶画面をなぞられて「こんなのもですかね」と、ご自分がベストだと感じた試聴室の音場特性を示されたのです。
氏は勿論自宅でも「DG-28」を使っておられ、部屋の特性はそれぞれ違うのだから、「レコード制作者が意図してるサウンドを出すためには絶対にこれが必要なのだ。」と力説しておられました。当日の某主催メーカーはそっちのけで・・・。やはりそれはご自分がミキサーでもあり、レコード演奏家でもある菅野氏ならではの考え方で、その言葉の説得力は半端ではありませんでした。(それが前述の年間ベストセラーに通じたのだと思います。)

その後、2002年「DG-38」、2007年「DG-48」と改良を重ね、音場の自動測定と自動補正を進化させて来ました。2013年には「DG-58」を発売し、オーディオアクセサリーの範疇でありながら、一部のマニア層には必需品として、その存在価値を高めて来たのです。そして今回ご紹介します『 DG-68 』が、第5世代機として登場しました。

■ 『 DG-68 』
前作と大きく変わったのがユーザーインターフェースで、操作性が大幅に向上しました。これは高度な自動測定・補正機能を誰でも使いこなせるように見直した結果で、ディスプレイのメインメニューがシンプルになり、メモリーやキーボードの文字も大きく分かりやすくなり、見やすく使いやすいモデルとなっています。

ヴォイシング(音場補正)の時間が、補正の正確さを期すため前作より長くなっています。特にオーディオシステムにおける、低域での再生限界周波数を自動認識して、無理な補正を掛けずにスピーカーの空振りを抑制でき、安心して使用できるようになりました。さらに測定精度も向上させており、ヴォイシングの精度を上げています。

勿論、最新のデバイスを投入し、A/Dコンバーターは前作の176.4kHz/24bitのもの(未発表)から、旭化成(AKM)の「AK5578EN」で352.8kHz/32bitをサポート。このA/Dコンバーターの持つ8チャンネル差動入力を左右4回路(4パラ)ずつ並列駆動とすることで、更なる低雑音と低歪率を達成したのです。

一方、D/Aコンバーターについても前作のESS「ES9018」から「ES9028PRO」とグレードアップし、これを8回路並列駆動(8パラ)させています。これは同社のSACD/CDプレーヤー「DP-750」相当のグレードです。これらの最新デバイスのお陰で、プリ/パワー間にも安心して使える性能を実現できたのです。

その他、前作との違いは、サブソニック・フィルター(20Hz,-18dB/oct.)が付き、ウーハーに悪影響を及ぼす可能性のある超低域をカットし、低域の無理な補正を回避しています。マイクロフォン用のA/DにもAKMの「AK5357」を使用したことで、全高調波歪率+雑音(THD+N)を「DG-58」の0.001%→0.0007%(保証値)まで向上させています。

ヴォイシングの操作は、信号発生器からワーブルトーンを発生させ、音場空間を通過した信号を付属マイク(AM-68)で計測。人間の話し声や騒音などを自動で排除しながら計測するため、高精度な補正が可能です。自動で測定・補正を行うオート・ヴォイシング・コースと、補正後の特性修正を手動で行えるマニュアル・ヴォイシング・コースが用意されています。
また、オート・ヴォイシング・コースでは、フラット特性になるよう調整する「FLAT」と、スピーカーと部屋の特性を活かした調整を行う「SMOOTH」から選択可能です。スムーズ・ヴォイシングでは、音にならない低域の過度な補正をなくしスピーカーへの負担を減らすことで、歪み感のないエネルギッシュな低音再生が可能になったのです。

さらにA/Dコンバーター、D/Aコンバーターには、新たにノイズ対策として同社プリアンプなどで用いられている「ANCC回路(一種の帰還回路で更なる低歪率、低雑音化を実現)」を搭載。またアナログデバイセス製DSP「SHARC ADSP・21489」を採用することで、384kHzまでの入力信号をダウンサンプリングすることなくネイティブ処理が可能になりました。

入出力端子は、アナログは入出力ともRCAとXLRを各1系統、デジタル入出力はRCA同軸、TOS光、そして同社独自のHS-LINK(SACD/CDどちらも伝送可能)を各1系統装備と充実しています。また従来機同様、「目標特性、補正前・後の周波数特性、イコライザーカーブ」などを一つにまとめて、30個のメモリにデータ保存できます。USBメモリによる画面キャプチャーやデータの保存も可能で、他の「DG-68」へ設定を移すこともできます。

斜めからでも見える広視野角IPS液晶の7インチワイドカラーディスプレイを採用。操作は従来機を踏襲しており、イコライザーはカーソルキーでカーブを入力、または付属のスタイラスペンで直接なぞることで設定可能です。ヴォイシング後の周波数特性や、1/3オクターブ/35バンド・リアルタイム方式のスペクトラム・アナライザーと同時表示も可能で、特性を把握しつつ適切なイコライジングができます。

■ まとめ
『 DG-68 』の最大の進化は、A/Dコンバーター、D/Aコンバーターがそれぞれ最新のデバイスになっており、プリ/パワー間に接続しても、今まで以上に音質劣化が無いことです。また、アルゴリズムも見直しが入っており、よりスムーズでナチュラルな補正が可能となっています。

特に低域の補正については、スピーカーの特性や再生限界を把握した上で、無理な補正をあえて加えることなく、ユニットを保護し安全安心で使用できるようになったのは大きいと感じました。

お部屋の限界に直面しているベテランのオーディオマニアの方にこそ、デジタル・ヴォイシング・イコライザー『 DG-68 』をぜひお使いいただきたいと思います。

(あさやん)

2020年7月10日 (金)

JBLから、ヒット作「L100 Classic」を小型化した『 L82 Classic 』誕生!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、往年のJBLサウンドとデザインを継承するコンパクト・スピーカー『 L82 Classic 』をピックアップ。


「L100 Classic」の意匠を受け継ぎながら低価格に抑え、ブックシェルフとして扱いやすい大きさにダウンサイジング。小型化により設置性の自由度を向上させています。

■ JBL「L100 Classic」と比較
2018年の年末に発売された人気の「L100 Classic」直系のモデルとして登場したのが、今回取り上げます『 L82 Classic 』です。30cmウーファー・3ウェイ・約27kg(1台)の「L100 Classic」が、人気の一方で大きくて重たいという意見があったことを受けて、今回 20cmウーファーを搭載した2ウェイスピーカーとして小型化を実現したのです。

「L100 Classic」は、1970年代を代表する銘機「L100 Century」の流れを汲むモデルです。その「L100 Century」は、1971年、当時JBLの最小の業務用モデルであった「4310」をベースに、信頼性・高音質をイメージしやすいプロ機のエッセンスを取り入れて開発されたスピーカーでした。

同社では初のプロ用と民生用の区分をまたいだ製品で、その後のスタジオモニター”43シリーズ”の大ブームにも繋がった伝説のスピーカーです。「L100 Classic」は、「L100 Century」を半世紀ぶりに復活させた製品です。

その時代「JBL」は、業務用と並んで民生用でも次々とヒット作を生み出しており、「L88 NOVA」「L88 Plus」「L64A」や、大型の「L200」「L300」などが斬新なデザインで人気を博した一方で、小型ブックシェルフ・2ウェイの「L16」「L26 Decade」や「L40(A)」などが大ヒットし、当時のオーディオブームもあって、ビギナー層や音楽ファンから圧倒的な支持を得て、いずれも大ベストセラーとなりました。



左『 L82 Classic 』右「L100 Classic」

『 L82 Classic 』は前述の「L16」と同じ20cmコーンで、JBL伝統のホワイトカラーのピュアパルプコーンを採用。「L100 Classic」に搭載した「JW300PW-8」を小型化させたという8インチの「JW200PW-6」を採用しています。

コーン紙にはホワイトカラーのピュアパルプコーンを使用し、フレームを高剛性のアルミダイキャストとすることで低音再生時の不要な振幅を抑制しています。JBL伝統のロングボイルコイル設計により、迫力のある低音の再生を目指しています。

一方、ツイーターは「L16」で採用されていたコーンではなく、「L100 Classic」のツイーターと同口径の25mmピュアチタン・ドームツイーターを最新バージョンとして搭載しています。

同社がプロ機で培ってきたショートホーンタイプの大型フェイスプレートとフェイズプラグを採用しており、現代のワイドレンジな高解像音源のポテンシャルを引き出すことが可能だといいます。指向性をコントロールすることでウーファーとの繋がりがスムーズになっています。


ドームツイーター

ネットワークには高品位な回路を採用し、フロントバッフルには今となっては珍しいJBL伝統のアッテネーターが配備され、高音域の連続可変が可能です。リスニングの環境やお好みに応じて高域特性の微調整が行えます。これは積極的に使って欲しい機能です。

キャビネットは上位モデル譲りの堅牢なものとなっています。前面のバスレフポートの開口部には、内外ともフレアを設けたスリップストリーム・ポートを採用して、ポートノイズ(風切り音)の抑制や低域の強調感に配慮し、設置環境による影響を受けにくいフロントバスレフとしています。

アルミダイキャストフレームのウーファーと、大型の前面バスレフポートが相まって、大出力時にも余裕を持って深い低音域を再現できたのです。

ヴィンテージデザインの『 L82 Classic 』は、美しいウォールナット突板仕上げのキャビネットと、立体的なキューブデザインが特徴的です。3色(オレンジ、ブルー、ブラック)のカラーリングから選択可能な、新設計の耐候性を高めたQuadrexフォームグリルを採用しており、ここも「L100 Classic」の個性的なエクステリアを継承しています。


3色のカラーリングを用意

また、専用のスチール製スタンド「JS-80」を使用して仰角をつけることで、ツイーターの指向性をリスニング・ポジションに向ける設計となっています。

サウンドも「L100 Classic」を継承しており、低域の量感こそ若干劣るものの、比較的小さめのお部屋なら『 L82 Classic 』の方が遙かに鳴らしやすいのではと感じました。

また『 L82 Classic 』は、決してクラシック音楽を品良く穏やかに楽しむためのスピーカーではなく、ジャズをダイナミックに実体感を伴って、かぶりつき感を持って、十分な大音量で楽しみたいジャズファンにこそお勧めしたいと思います。

一方で、時代の要求もあってやはり過去の荒々しいだけのサウンドではなく、高域再生においては艶やかで高精細な面も併せ持ちつつ、8インチウーファーから『 L82 Classic 』のコンパクトなサイズからは想像もできないクラスを超えたダイナミックかつ生き生きとしたライブサウンドを部屋中に満たしてくれます。

まさに“これぞJBLサウンド”です。サイズを超えた音圧感とレンジ感でジャズの旨み・楽しさを再現してくれます。スタイルこそノスタルジックですが、オリジナルにはなかった最新ソフトに対応するための情報量を確保しつつ、JBLサウンドの伝統的な音楽の持つエッセンスやリアル感を兼ね備えているのです。

高域から低域まで幅広いダイナミックレンジを持ったJBL伝統のハツラツとしたサウンドはもちろん、最新のアコースティックパーツによって、バランスが良く、自然な音質を再現することにも努め、現在に通じるサウンドを目指しています。

“憧れのJBLサウンド”が、1970年代の“憧れのデザイン”を纏って復活したのです。
(あさやん)

2020年7月 7日 (火)

TELOS(テロス)のアクティブアース「GNR(Grounding Noise Reducer)」がバージョンアップ!!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、創立15周年の記念としてバージョンアップして登場した、テロスのアクティブアース『 Version 5.1シリーズ 』をご紹介します。


テロスのアクティブアースといえば、筆者が、かつて試聴して最も感動したアイテムの一つです。前モデルとの違いを確認しながら、早速レポートしたいと思います。

■ 『 TELOS(テロス) 』とは?
TELOS(テロス)とは、正式名:Telos Audio Designで、2006年に台北にて設立されました。創業者のJeff Lin氏は「機器の性能は良くても、設置する環境によっては十分に実力を発揮できないという~オーディオの宿命~」を、何とかして打ち崩せないかと考え同社を立ち上げたといいます。

設置するシステムによって機器の音が変わる原因のひとつが~システムのアース状況によって引き起こされるものだ~と、氏は突き止めたのです。

一般的なアースの考え方は、単なる感電の危険防止などの安全対策で、日本では「中性(ニュートラル)線とアース線を一緒に接続している」か、「アース線は何処にも接続されていない」のが実情です。結果、オーディオ以外の家庭の電気機器からのノイズが「中性線」を汚染し、オーディオ機器に干渉してしまっているのです。

特に、インバーターエアコンやパソコンなどのスイッチング電源は盛大なノイズを発生し、オーディオ機器に容赦なく侵入して来ます。このノイズは大地アースを取ることで防止できるのですが、オーディオシステムのためだけのアースは、集合住宅は勿論のこと、一戸建てにお住まいの方でも、オーディオ用途の要求を満たす本格的なアースを設置するのは殆ど不可能と言えます。

オーディオ機器のセットアップにおいては、アース設備の効果の良し悪しがそのままバックグラウンドノイズに影響を与えます。電気の基準点となる場所がノイズで汚染されてしまうと、その汚染は信号経路に入り込み、それがノイズとして聞こえます。このノイズは、デジタル回路に入り込んでビットエラーを引き起こす可能性も持っています。

その訳は、一般的にオーディオ機器の増幅回路は、基準電圧「0V(ゼロボルト)」を前提に設計されており、機器に電源を接続するだけで、すでに機器自体がそれぞれ違う「数V」程度のシャーシ電位を持ってしまっているのです。さらに各機器をラインケーブル等で接続してしまうと、平均化されたある電位となり、機器が要求する基準電位とは違う電位で動作してしまっていることになるのです。

しかし、最近多くのメーカーから発売されている「パッシブタイプの仮想アース」では、銅板や鉱物粉を使用して電位を下げようとはしているものの、オーディオ機器のアース電位の変化(電圧変動)を軽減はできても、決して機器が要求する「0V」にはなってはいません。すなわちパッシブタイプの筐体サイズでは、接続した機器の電圧変動に影響され、安定化することができないのです。

これを解決する手段として、Jeff Lin氏が考え出したのが「アクティブタイプの仮想アース」です。オーディオシステムが「0V」となる高精度な電圧を、CPUを使って計算して生成しているのです。これによって接続したオーディオ機器の電圧変動に極短時間で対応し、システム全体に一貫した基準信号を与えることができます。

この基準信号の伝送は、極めて低いインピーダンス下で行われるため、オーディオ機器のためだけの大地アースと同じ効果が得られ、他の家電製品から発生するノイズからも完全に隔絶できるのです。その結果、どのような家庭でもオーディオ機器が真の性能を発揮できるようになるという訳です。

■ 『 GNR5.1 』『 GNR Mini5.1 』は《 QMT 》を搭載
今回取り上げた《 Version 5.1シリーズ 》の『 GNR5.1 』『 GNR Mini5.1 』は、2017年の初代「GNR」、2018年の「GNR3.1」「GNR Mini3.1」に続く第3世代機で、メイン基板の上部に超広帯域の消磁信号発生基板《 QMT 》を搭載しています。

これは、使用するにつれて徐々に内部パーツが帯磁してしまうという電子機器にとっての宿命ともいえる問題の解決を図るもので、機器本来の性能が長期間にわたって維持されるのです。


『 GNR5.1 』


『 GNRmini5.1 』

前作『 GNRmini3.1 』

さらに、電源ノイズ低減器「QNR(Quantum Noise Resonator)」にも基板上部に《 QMT 》が搭載され『 QNR5.1 』にバージョンアップされています。「QNR」は電源ノイズを同調回路に送り込んで光に変換。内蔵の8つの同調回路とCPUで構成されたモジュールによって、電源波形のタイプを検出。精確に同調することで電源ノイズを検出し、位相歪みを低減し波形を整えます。電源ノイズとサージ(過電流)はエネルギー変換回路により、1kHz以上のノイズを光エネルギーに変換するのです。

これら《 Version 5.1シリーズ 》に搭載された消磁機能は、『 QMT(Quantum Magnetic Tuning) 』として単体製品化されています。新しい消磁器である《 QMT 》は、どのような有害な磁場をも容易に消磁することができます。特別に設計されたアンテナから0-100kHzの超ワイドレンジ消磁信号を放出することで、その可能性はほぼ無限大だとしています。QMTを使用すれば、音楽メディア、ヘッドフォン、イヤフォン、ケーブル、そしてスピーカーまでも簡単に消磁することができるのです。

「GNR」の上位機である『 GNR5.1 』は、2つの「QNR」と1つのアース発生器によって構成されています。背面の左側に3個、右側に3個のアース接続端子があり、アナログ機器とデジタル機器を別々に接続可能です。「QNR」ユニットによる電源ノイズの低減は、アース基準電位の生成においても重要であり、『 GNR5.1 』は外来の電源ノイズに関わらず真なるアース基準信号を接続された機器に供給することができるのです。
一方、コストを抑えた『 GNR Mini5.1 』は、1つの「QNR」と1つのアース発生器によって構成され、背面には2つのアース端子があります。

『 GNR5.1 』『 GNR Mini5.1 』を通り、十分に電位が低く、インピーダンスが極めて低いアースターミナルに流入してきたノイズは、内部のアース発生器内蔵のノイズ除去システムによって取り除かれます。また、各ターミナル間はチョークコイルによってアイソレーションされているため、相互にノイズが干渉することはありません。

勿論、前作「GNR3.1」「GNR Mini3.1」同様、使用パーツの厳密な選別も引き続き行われ、許容差が狭い高価なパーツからテロスの要求を満たすよう選別を行い、おおよそ16個に1個しか製品に採用することができません。言い換えれば、1万個以上のパーツを購入しても、製品基準をクリアするものは数百個程度しかないとしています。

《 QMT 》機能の追加とパーツの選別により、テロスの革新的なアイデアの製品は、パーツ精度から発生していた設計段階と量産時の差がなくなり、更には長期間使用に伴う帯磁の影響もなくなり、テロスが理想とした効果を長期間にわたり発揮するのです。

輸入元の担当者曰く、消磁機能『 QMT 』の追加以外、アクティブアース機器としての基本構成は前作との差は無いとのことですが、構成パーツの選別はさらに強化されており、必ずしも性能が同じとは言えないとのことです。特にアースの落とし方にこだわりをお持ちのハイエンドオーディオ機器のユーザーにこそ、お使いいただきたいとのことでした。

また、「GNR(初代機)」「GNR3.1」「GNR Mini3.1」さらに「QNR(初代機)」をお使いのユーザーは、所定のアップデート費用にて《 Version 5.1シリーズ 》へアップデートすることが可能です。ご希望の場合には【 修理扱い 】にて承ります。詳しくは「バージョンアップ受付」ページをご覧下さい。

■ 最後に・・・
『 GNR5.1 』『 GNR Mini5.1 』は、どのようにオーディオシステムのコンポーネントを入れ替えても、満足できないハイエンド・オーディオユーザーにお使いいただきたい、筆者一押しのアイテムだと自信を持って申し上げられます。アーティストや楽器の実在感、サウンド全体の音楽性の表現力は、いかなるコンポーネントのグレードアップとも違う《 別次元 》のサウンドをご享受いただけると確信します。

(あさやん)

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