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2019年1月27日 (日)

フェーズメーションが画期的アイテム『EA-350』と『CM-2000』を投入!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回はフェーズメーションの新製品、フォノイコライザー『EA-350』、パッシブ型コントローラー『CM-2000』をご紹介! 技術者のトランスに対する、執念のようなものを感じました。




■ 「フェーズメーション」というメーカー

「フェーズメーション」は、協同電子エンジニアリング(株)のオーディオブランドで、かつて「フェーズテック」という名称で、第一号機のMCカートリッジ「P-1」は2002年に登場しました。
その後、MC昇圧トランス、CDトランスポートを発売。2006年以降は本格的真空管アンプにも進出。2011年にはD/Aコンバーターも発売し、ハイエンドブランドとしての地位を固めていったのです。

同社のハイエンドオーディオの歴史は、すでに30年近くに及んでいます。

「フェーズメーション」という名前は、位相のフェーズと情報のインフォメーションを合わせた造語だと言います。
ちなみに「アキュフェーズ」もAccurate(正確な)とPhase(位相)の造語で、いずれの命名も、近年特に注目を集めている「位相」に着目しており、これはハイエンドオーディオにとっては永遠のテーマであるともいえます。

同社は他社とは一線を画した製品開発でも異彩を放っています。
カートリッジはMC型のみ、高級機を中心にMCカートリッジの昇圧はトランスを使い、コントロールアンプのボリュームコントロールはアッテネーター式にこだわり、パワーアンプは真空管、しかも無帰還300Bシングル、モノラル構成にこだわりを見せています。

それでは、今回の主役であるフェーズメーションの最新アイテムを見てまいりましょう。


■ フォノイコライザー(フォノアンプ)『 EA-350 』

フェーズメーションは、MCカートリッジ「P-1」発売の半年後、MC昇圧トランス「T-1」を発売していますが、同社にとっての最初の半導体式フォノイコとなるのは2006年発売の「EA-3」で、その翌年、真空管式の高級モデル「EA-1 II」(オリジナル「EA-1」は2003年発売)を投入しています。「EA-1 II」は現行モデルの真空管式モノーラル構成フォノイコ「EA-1000」に発展しています。

その後、2015年「EA-1000」(フォノバランス・MCトランス、3筐体)の設計思想を受け継いだ半導体式フォノイコ「EA-500」を投入したのです。フォノバランス伝送(※)に対応し、MCには昇圧トランスで、さらにL/R独立の完全モノ2筐体とすることで、半導体式の最高峰を目指して開発されたのでした。
《 ※フォノバランス伝送とは:カートリッジの発電は元々がバランス動作で、従来のようなアンバランス接続では、バランス型のメリットを損ない、外部ノイズなどが音質に影響してしまっていました。バランス型フォノケーブルを使用することで伝送ロスを最小限に抑え、さらなる高音質が実現できます。 》

一方の「EA-3」は、2010年「EA-3 II」、2014年「EA-300」へ、そして今回ご紹介します『 EA-350 』へと進化したのです。同社の最高級MCトランス「T-2000」のノウハウを盛り込んだMC昇圧トランスを内蔵し、上級機同様フォノバランス伝送に対応した上でコストを抑えることに成功したのです。

昇圧トランス以降の増幅回路は、負帰還アンプの欠点(入力信号と出力信号を常に比較し、その差を増幅するため、時間遅れやTIM歪等を発生)を回避するため、オールディスクリートV-I/I-V変換による全段対称無帰還型で構成されています。

構成部品にも上級機並のこだわりを見せており、金属皮膜抵抗やマイカーコンデンサー等の定評のある高音質部品を使用。平滑コンデンサーにはニチコン社製の最高級オーディオグレード品、電源トランスには大容量Rコアトランスを2個使用し、左右独立電源としています。

機能としては、CR2段の無帰還型ローカットフィルターで反りのあるレコードに対応。EQ補正カーブは、ステレオ用RIAAに加え、2種類のモノラル専用を加え3種類備えています。

鉄心入りMCカートリッジの消磁回路(デガウス)も搭載。入力端子は3系統を装備しており、それぞれMM/MCの切り替えが可能です。そしてその内の入力:1、2はフォノバランス伝送にも対応しています。

デザインも同社の高級機並にエレガントで、フロントパネルは10mm厚スラントアルミパネル、1.6mm厚の銅メッキ鋼鈑シャーシなどで構成された強靭な筐体構造を採用し、剛性の確保と磁気歪の低減を実現したとしています。

サウンドは、アナログレコードの情報を余すことなく拾い出し、音楽の躍動感、ダイナミクス、陰影等の表現に優れており、優雅で圧倒的な臨場感、見通しの良い音場、高分解能、高 S/N で、プリメインアンプ内蔵のフォノイコとは次元の違う、本来のアナログサウンドの素晴らしさを存分に楽しめます。


■ パッシブプリアンプ(コントロールマイスター)『 CM-2000 』

2009年発売のトランス(オートトランス)と精密抵抗を組み合せた、特許技術のハイブリッド音量調整機構を搭載したパッシヴアッテネーター「CM-1」。
2011年にはトランスのコアサイズや積層コアの厚みなどを再設計した「CM-1000」にグレードアップ。そして今回、回路や構成パーツを大幅に変更するとともに、バランス入出力端子を装備して『 CM-2000 』として発売されました。

プリアンプの本来の役割は、入力切替とパワーアンプに信号を送り込むことですが、ラインレベルの入力は既に2ボルト前後の電圧があり、プリはパワーアンプがクリップしないように、信号を絞ることが目的になってしまっています。これでは増幅率がゼロでも良いことになってしまい、パッシブ式のアッテネーターをプリの代わりに使うケースもありました。

しかし、一般的なパッシブ式アッテネーターは、音の純度は高いものの音が痩せてしまい、微小レベルでの信号の欠落が発生して、どうしても情報量が少なくなる傾向がありました。この解決策としてフェーズメーションが考え出したのが、ハイブリッド型パッシブアッテネーターという訳です。

同社はトランスを使用しながら、小レベル時には抵抗分割型を併用するハイブリッド型に辿り着いたのでした。
具体的には0~-20dBまではトランスの中間タップから取ることで14ステップの出力を得、これを2個の抵抗で分割することで32通りの組合わせを作って出力し、合計46ステップの出力調整ができるのです。0~-34dBまでは1dBステップ刻みで調整でき、無限0の手前-80dBまでスムーズな音量調整を可能としています。

さらに『 CM-2000 』は、「CM-1000」の入出力がアンバランスのみであったのを、完全バランス対応へと発展させたのです。Hot側とCold側の2つのATT用巻線を一つのトランスに巻いた、新設計のバランス用のトランスを新たに開発。アンバランス入力時もコールド信号を生成することでバランス出力を可能としたのです。

さらにトランスのコア材は、従来の0.2mm厚パーマロイを極薄の0.1mmスーパーパーマロイに、巻線も従来のOFCからPC-TripleCのポリウレタン線という特注線材にグレードアップ。
シャーシも鋼板に銅メッキした2mm厚とし、トランス付近には磁気シールドを施すなど、徹底的に外部からのノイズや誘導ハム・磁気を遮断した構造としています。

入力はバランス・アンバランスともに3系統、出力はバランス・アンバランスともに2系統装備しており、同時出力も可能です。
端子にはFURUTECH製ロジウムメッキタイプ、インシュレーターにはTAOC製のハイカーボン鋳鉄を使用し万全を期しています。内部配線も同社の執念さえ感じる、ため息が出る程の素晴らしい仕上がりです。



アッテネーター式とは思えない厚みを伴った豊かなサウンドで、情報量は圧倒的に多く、空気感を伴った鮮明な解像度、音の粒立ちも見事なものでした。
どこまでも伸びる超広帯域再生、S/Nやセパレーションの良さは、さすが増幅回路を持たないアッテネーターならではと感じました。また透明度の高さやストレートなサウンドは信号経路のシンプルさから来るものと納得させられました。

とにかく従来の増幅回路を積んだプリアンプが、いかに本来のサウンドに色付けしていたか、改めて考えさせられました。『CM-2000』は超一流のプリアンプに匹敵、いやある意味それを超えた、新世代のプリアンプだと思います。


■ 最後に
今回ご紹介した、フォノアンプ『 EA-350 』も、コントロールマイスター『CM-2000』も、フェーズメーション技術者のトランスに対する執念のようなものを感じました。(あさやん)


2019年1月21日 (月)

【入門向けでも本格仕様!】城下工業の真空管アンプのご案内です


みな様、こんにちは!
寒い日が続き、外に出る頻度が減って正月太り"気味"のとうふです。
ながら運動ができる「バランスボーイ」を導入して音楽を聴きながら筋トレをせねば。。。とも思わなくもありません。
実際にスタッフが試した、試用レポート記事はこちらより

さて、新年代1回目のご案内商品はこちら!

城下工業"サウンドウォーリア"
真空管プリメインアンプ
SW-T20

サウンドウォーリアブランドを擁する城下工業の真空管アンプです!

以前大人気だった城下工業のコンパクト・真空管プリメインアンプが数量限定生産にて復活です!
昨今のアナログ・レコードブームにも柔軟に対応するフォノ入力を搭載してパワーアップ!
フロント面にヘッドホン端子を搭載し、手軽な真空管ヘッドホンアンプとしても使用可能

シンプルに、真空管の持つ旨みを楽しめるお手軽入門アンプです。
しかも長野県にある自社工場で作られたメイド・イン・ジャパン

完全数量限定!
是非この機会をお見逃しなく!

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

2019年1月 7日 (月)

ラックスマンが放つ第二世代のアナログプレーヤー『 PD-151 』

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ラックスマン 第二世代のアナログプレーヤー『 PD-151 』をご紹介! アナログならではの素晴らしさを十分体現させた上で、様々な手法でコストダウンを成し遂げています。



■ ラックスマン アナログプレーヤーの歩み

ラックスマンから2011年、実に28年ぶりに発売された「PD-171(アーム付)」。2年後の2013年、この「PD-171」をベースに、モーターや駆動回路、軸受け部など、さらに正確で安定したレコード再生を実現するために、数多くの箇所の改良を図ったアームレスタイプの「PD-171AL」。そして翌2014年、トーンアームの交換が可能なアームベース構造を採用した、「PD-171」のブラッシュアップモデル「PD-171A(アーム付)」と続きました。

そしてアナログブームにも乗って、比較的高単価にもかかわらず、いずれも異例のヒットとなり、ラックスマンがアナログに強いメーカーであることを強烈に印象付けました。

しかし経験豊かなオーディオファンにとって、かつてCDが登場するずっと以前、1975年発売の「PD121」(写真)や「PD131」、そして1977年「PD441」「PD444」(いずれもダイレクトドライブ)、その後1980年バキューム式の「PD300」、同じく1983年発売の「PD350」(いずれもベルトドライブ)を最後に、CD発売(1982)以降、同社は完全に軸足をCDプレーヤーに移したのでした。


「PD121」

かつてのラックスマンのアナログプレーヤーは、そのほとんどがアームレスであり、当時人気のSMEのトーンアーム「3009シリーズ」を装着した姿はとても優美で、今でも語りぐさになっている程素晴らしいデザインでした。筆者も大いに憧れたものです。

またバキューム式ディスクスタビライザーを搭載したプレーヤーは、ターンテーブルとレコードを一体化するため、その安定感や信頼感は抜群で、アナログ末期の当時、一世を風靡しました。

半世紀以上ぶりに順調な再スタートを遂げたラックスマンのアナログプレーヤーではありますが、如何せんアーム付きの「PD-171A」は50万円(税別)近くになってしまい、一般ユーザーはもちろん“もう一度オーディオ世代(リターナー)”にとっても、おいそれとは手が出せない価格になってしまっていました。

そんな中、「何とか性能を落とさずにコストダウンできないか」との思いから開発されたのが、今回ご紹介します『 PD-151 』という訳です。


■ 『 PD-151 』に迫る

同社にとっては第二世代とも言える「PD-171A」の下位クラスのプレーヤーを出すことは至難の技であったと推測されます。それは完成度の高い「PD-171A」の性能を犠牲にすることなく、如何にコストダウンを図るかだったのです。アナログ全盛期とは違い汎用部品が少なく、部品の調達難度が高いため開発には困難を極め、結局構想から5年の歳月がかかったとのことです。それではその成果をじっくり見てまいりましょう。

【トーンアーム】ある意味アナログプレーヤーの要とも言えるトーンアームは、「PD-171A」と同じJELCO(市川宝石)製シルバー仕上げ特注品(※)を採用。このクラスに搭載するアームとしては異例の高級アームです。やはりヘッドシェル交換のできる本格的ユニバーサルタイプにこだわったことから、ここは譲れなかったのでしょう。(※ トーンアームJELCO「SA-250」は現在市販されていませんが、単品販売されていた当時の価格は9万円前後でした。)

LUXMANロゴ入りマグネシウム合金ヘッドシェルが付属しており、ほとんどのカートリッジ(別売)がお使いいただけます。さらに別売のヘビーウエイト「OPPD-HW1(部品扱い)」をご購入いただけばオルトフォンのSPUタイプもお使いになれます。

【ターンテーブル】一般的なアルミダイカスト(鋳物)製ではなく、「PD-171A」同様アルミ削り出しを採用。さすがに重量は5kgから4kgに軽量化はされていますが、バランスの崩れることのない削り出しにし、さらに外周に肉厚をとることで慣性モーメントも確保しています。

【モーター】トルクの大きいブラシレスDCモーターを新規に開発。軸受けのボールベアリング(低振動・低ノイズ)も音響用を採用した本機専用です。モーター制御はホール素子(磁気センサー)で常時監視して基準クロックと比較して加減速を行います。軸受け(形状を除く)とスピンドルの素材・構造は「PD-171A」と同一です。

【筐体構造】10mm(「PD-171A」は15mm)のアルミ一枚板のトップパネル(天板)に、すべての内蔵部品を吊り下げる形をとっており、これは従来の上級機でのアンダースラング構造を踏襲したものです。内部の振動にも、外部からの振動にも強いことから採用されたのです。

さらに振動源のモーターやトランスのフローティングに、新たに「ハイダンピングラバー」という振動吸収材を採用することで、内部で発生する振動の悪影響を回避でき、ノイズフロアが下がり音場がクリアになったとのことです。

【キャビネット】
「PD-171A」のウッドキャビネット(内部に板金を入れて強化する必要があった)ではなく、構造が簡単で、剛性が高い板厚1.6mmの板金シャーシとしています。これによりハウリングマージンも十分確保でき、コストダウンにも繋がったようです。

【インシュレーター】
新規に金型を起こしたインシュレーターは、さすがに「PD-171A」のように天板直結ではなく、強固な2mm底板に取り付けられています。このためインシュレーター内部には、振動を熱エネギーに変換する、制振効果の優れたゴムを新たに採用し、再生時のS/Nも十分確保できたとしています。

【機能】
天板は非常にシンプルで、アーム、ターンテーブル、モータープーリーだけのマニア好みの機能美を発揮。操作部は同社では前述のバキューム式の「PD300」以来となる、前面配置されています。33、45、78の回転数切替と各回転数独立の回転数調整機能を装備。

背面は電源ケーブル(JPA-10000付属)が交換可能で、フォノケーブルも一般的な「DIN→RCA」とすることでいずれも将来的にグレードアップが可能です。ただ惜しむらくはダストカバー「OPPD-DSC151(部品扱い)」が別売(5万円/税別)で高価なことですが、現物を見ると4mm厚の丈夫なアクリル製で高級感は十分あります。


■ 最後に

日本橋1ばん館で短時間ですが、カートリッジにDENON「DL-103R」を取り付け試聴しました。

試聴会等で以前聴いた「PD-171A」の印象は、いかにもアナログチックな艶やかさがあり、濃密感・量感豊かなサウンドで、音場が広く・深く、音楽に没入できる本格的なレコード再生が楽しめるサウンドでした。

一方今回の『 PD-151 』は、全体的に若々しさが加わり、明るく、吹っ切れたサウンドは、アナログの魅力や凄さをダイレクトに伝えてくれました。音楽から一切の曇りを取り去り、演奏の生々しさを伝えてくれました。

勿論価格差が無いとは言えませんが、よくぞここまで価格を抑えられたと感心します。『 PD-151 』はハイエンドクラスのCD/SACDプレーヤーでも絶対に味わえない、音楽の奥深さや生々しさによって、アナログならではの素晴らしさを十分体現させてくれました。

保守的で完成度の高い「PD-171A」。思い切ったデザインと様々な手法でコストダウンを成し遂げた『 PD-151 』。この20万円の差をどう見るか悩む所です。

『 PD-151 』こそ、アナログを知り尽くした“オールドマニア”や“オーディオリターナー”にとっては、待ちに待ったプレーヤーの登場です。(あさやん)

【別売品(部品扱い)】~部品にて取り寄せ可能です。会員ページ『連絡帳』にてお問い合わせ下さい。
*ダストカバー「OPPD-DSC151」 ¥50,000(税抜)
     PD-151専用、4mm厚アクリル製、カムサポート式ヒンジ装備

*ヘビーウエイト「OPPD-HW1」 ¥9,000(税抜)
    カートリッジ自重9~19gまで対応

2019年1月 4日 (金)

アキュフェーズ セパレートのニューモデル『 C-2150 』&『 P-4500 』

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、アキュフェーズ プリアンプ『 C-2150 』と、パワーアンプ『 P-4500 』をご紹介! 上級機のノウハウを移植し、進化&深化したセパレートのニューモデルです。




■ アキュフェーズから、セパレートアンプのニューモデルが登場!

アキュフェーズ創業(1972年6月)の翌年、衝撃的なデビューを果たしたプリアンプ「C-200」と、パワーアンプ「P-300」の直系に当たる由緒あるセパレートアンプのニューモデルの登場です。

「C-200」は、その後バリエーションを増やし、2004年にセパレートの入門機として「C-2000」となり、その後2008年の「C-2110」、2013年の「C-2120」と続き、今回『 C-2150 』となりました。一方の「P-300」もバリエーションの増加・統合を経て、2004年に「P-3000」、2008年に「P-4100」、2013年の「P-4200」、そして今回『 P-4500 』としてニューモデルが発売されました。

それでは、前作発売から5年を経ての進化&深化の程を見てまいりましょう。


■ プリアンプ『 C-2150 』に迫る。

アキュフェーズとしては、エントリークラスに当たるプリアンプが『 C-2150 』です。今回のリファインのコンセプトはズバリ"S/Nの改善"です。

近年のアキュフェーズのニューモデルは、筆者には「そこまでやるの?」「まだやることがあったの?」と感じさせられるグレードアップ内容が多いと感じています。いずれもスペックの数字の差は微々たるものなのですが、実際音を聴いてみると、その想像以上の差にいつも驚かされてきました。

■進化した独自の「AAVA」
『 C-2150 』も上級機同様、最近のアキュフェーズのお家芸でもある「AAVA」方式のボリュームコントロール回路の更なる改善がなされています。上級機に倣い、V/I(電圧⇒電流)変換回路の最上位を4回路並列化(「C-2120」は2回路並列)することで、総出力電流を「C-2120」の2倍、S/Nを1dB(C-2120:107dB→C-2150:108dB)改善できたとしています。

改善理由としては、「AAVA」はV/I変換回路の最上位部から2のn乗ずつ電流が小さくなっていくということから、最上位部だけで全体の半分の電流を扱うことになり、この部分を改善することで全体に効果を発揮するのだと言います。

■新開発の「ANCC」
また、信号を電圧に戻すI/V(電流⇒電圧)変換部では新開発の「ANCC(※)」を採用。これは一種の帰還回路とも言え、低雑音のアンプを採用したANCC副アンプから、歪およびノイズを打ち消す電流を流し込むことで相殺し、更なる低歪率、低雑音化を達成したのです。このANCCは、バランス出力アンプ、ヘッドホンアンプにも採用されています。
 (※ANCC:Accuphase Noise and distortion Cancelling Circuit 特許技術)

■詳細
・入力信号を受けるバランス入力アンプをインスツルメンテーション構成とし、前作より増幅度を高め、後段において信号とともにノイズも絞ることになり、ここでも低雑音化を図っています。

・電源部で採用されている大容量のアルミ電解コンデンサーは、本機のために開発されたカスタムコンデンサーを搭載(C-2120は一般品の小型コンデンサー)。上級機のエッセンスを取り入れた音質チューニングをしているとのことです。電源トランスは筐体左側に左右独立で2基搭載。左右チャンネル回路も独立させ、電気的干渉を抑制しています。

・機能的にも充実しており、低域の量感を増やす「コンペンセーター」、加算型アクティブ・フィルター方式の「トーンコントロール」、高音質ヘッドホン専用アンプ、ゲインおよび位相切替、バランスコントロールなどまさに至れり尽くせりです。

・入力は5系統のRCAと2系統のXLR、レコーダー用の入出力、外部プリアンプ/AVアンプ接続用のEXT PRE機能も装備されています。

・オプション用のスロット2系統を装備しており、デジタル入力ボード「DAC-50」搭載時にはDSDにも対応して、ディスプレイにMzのサンプリング周波数も表示されます。アナログ・ディスク入力ボード「AD-50」搭載時は、フロントパネルでMCとMMのゲイン切替が可能です。もちろんライン入力ボード「LINE-10」での入力増設も可能です。


■ パワーアンプ『 P-4500 』

同じくアキュフェーズとしてはエントリークラスのパワーアンプが『 P-4500 』です。本機で採用したAB級アンプは、スケールとエネルギー感に溢れ、同社の初代機「P-300」以来40機種を超えており、出力インピーダンスの低減や低電圧駆動など"スピーカーのポテンシャルを引き出す"ことを目的に開発してきたのです。

■低雑音化 S/N:121dB
本機は、上級機同様インスツルメンテーション・アンプ方式を採用しており、バランス回路で構成されているため、伝送系で発生する雑音の除去能力に優れています。その上で、信号の入力部を従来機「P-4200」のオペアンプIC構成に替えて、上級機「A-75」と同等の低雑音ディスクリート・アンプで構成することで、雑音を低減(「P-4200」の120dBから1dB向上)できたのです。

さらに、信号入力部と電力増幅部のゲイン配分を上級機と同じ、信号入力部:22dB、電力増幅部:6dB(「P-4200」では12dB、16dB)し、低雑音の信号入力部のゲインを大きくとったことで、雑音除去性能が向上したとしています。

■スピーカーの駆動力向上
数字上の定格出力は前作と同じ(90W/8Ω、180W/4Ω、360W/2Ω、500W/1Ω)ですが、電力増幅段は上級機「P-7300」と同等の回路構成を採用しており、低インピーダンス負荷の際でも安定したスピーカー駆動を可能としています。

構成部品もグレードアップが図られており、新設計の高効率大型トロイダルトランス、大容量フィルターコンデンサー(前作:47000μF→50000μF)、出力段のバイポーラトランジスタを4パラレルプッシュプル(前作:3パラレル)とし、トランジスタ配置を分散化することで放熱を最適化、さらに内部配線を最短化したとしています。いずれも確実にスピーカーの駆動力アップに繋がるグレードアップ手段です。

■高ダンピングファクター化
スピーカーの制動力に関わるダンピングファクター:700(前作の500から200も向上)を達成。スピーカーターミナルを前作のケーブル配線ではなく基板直付けにしたり、保護回路のオン抵抗値が上級機と同様2.0mΩの低オン抵抗MOS-FET出力リレーを使用したり、NFBをスピーカー端子の直近でかけるなど、上級機開発で得たノウハウが遺憾なく発揮されています。

■詳細
・前作では、異常検出は直流検出と過剰温度検出のみでしたが、『P-4500』では過電流検出機能が追加され、出力の過電流を検出して出力リレーを切断して本体を保護します。

・スピーカー端子間をショートさせた場合も出力リレーを切断してアンプを保護するともに、メーターランプを点滅させて知らせてくれます。スピーカーを正しく接続し、再度電源を入れ直すことで正常復帰します。

・フロンパネルの高感度針式パワーメーターが、従来の最大指標:-40dBから-50dBに拡大され、-60dBを下回るレベルでも反応するようになりました。

・機能的には、バランス入力端子の極性切替スイッチ、AB切替可能な2系統の大型スピーカー端子、位相乱れや不安定さを伴わない4種類のゲイン・コントロール、バイワイヤリングやブリッジ接続対応など十分な装備となっています。


■ 音質評価
『 C-2150 』
高解像度で微細な表現が「C-2120」を上回り、楽器の位置やボーカルの顔の向きまでわかってしまうほどです。ダイナミックレンジも拡大して聞こえ、電源が強化されたためと感じました。ピアノも立ち上がりの良さはそのままに、十分なしなやかさが加わりました。

『 P-4500 』
明らかに駆動力が向上し、「P-4200」で感じた少し薄めの高域、もう少し下に伸びきって欲しかった低域が大幅に改善し、密度感のある高域、沈み込むような低域が表現されるようになりました。吹っ切れ感やスケール感は明らかに前作を上回り、ドライブ力の向上は顕著でした。

トータルではやはり数字以上の、実感としてのS/Nの向上が、音場感や響きを豊かにし、演奏の生々しさやリアル感の大幅な向上に寄与したと感じました。

アキュフェーズのエントリークラスのセパレートがここまで"進化&深化"したことに改めて驚異さえ感じました。プリメインアンプ卒業生、本格的マニアック入門者にお勧めします。(あさやん)


2018年12月31日 (月)

11年ぶりに復活! LUXMAN「Neo Classico II」 ~ 真空管プリメインアンプ『 SQ-N150 』/CDプレーヤー『 D-N150 』登場! ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ラックスマン 真空管プリメインアンプ『 SQ-N150 』と、CDプレーヤー『 D-N150 』をご紹介。初代のお洒落なA4サイズというコンセプトはそのままに、さらに上級機という位置づけで開発された製品です。




■ 「Neo Classico」が11年ぶりの復活

2007年にラックスマンが発売した、お洒落なA4サイズのコンパクトな真空管プリメイン「SQ-N100」と、CDプレーヤー「D-N100」をご記憶の方は多いと思います。当時は2ウェイ・ブックシェルフスピーカー「S-N100」との組み合わせが提案され、それらを総称して「Neo Classico(ネオクラシコ)」を命名されました。

当時、オーディオ機器は重厚長大でなければならないとの風潮がオーディオ界で支配的でしたが、一部のユーザーからの"重厚長大は嫌だけれど音質には妥協したくない"との要望に応えた形で、ラックスマンが提案したのが「ネオクラシコ」だったのです。

「SQ-N100」は、真空管アンプとしては非常にコンパクトで、精緻感あふれる上質なデザインと真空管ならではの高品位で魅惑的な音質。そしてコンパクトでデザイン上の統一感もある「D-N100」とのセットが、音にこだわる音楽ファンやオーディオマニアのサブシステムとして支持され人気を集めました。しかし惜しまれつつ生産終了となってしまったのでした。

今回「Neo Classico」が11年ぶりの復活となった"Neo Classico II"。単なるマークIIではなく、上級機という位置づけで開発されたと言います。11年の進化と新しいサウンド傾向についてレポートしてまいります。


■ 「Neo Classico」とは

1925年(大正14年)創業のラックスマンは、それまでの真空管アンプや、トランジスタアンプのラインナップに加え、1972年(昭和47年)オーディオライフの新たなスタイルを提案すべく「L&G」ブランドを設立したのでした。オレンジ色と白色を基調とした華やかなデザインは、高感度なユーザーの支持を集めました。筆者としては"Neo Classico"はその流れの延長線上にあると感じます。


前述の初代「Neo Classico」は真空管をフィーチャーしたコンパクトなA4サイズのコンポーネントということで、大いに注目を集めました。真空管はラックスマンブランドの代名詞的増幅素子であり、この真空管をお洒落なA4に凝縮したのが意義深かったと思います。今回の"Neo Classico II"ももちろん前作同様A4サイズでの製品化です。


■ 真空管プリメインアンプ『 SQ-N150 』



パワーアンプ部の出力管には、前作「SQ-N100」同様[EL84(6BQ5)]を4本でプッシュプル動作させて、10W+10W(6Ω)の出力を得ています。ただ同じ[EL84]ではありますが、今回はより信頼性の高いスロバキアJJ製の真空管が使われています。

前作は6Ω時の出力が12W+12Wでしたが、今回増幅回路をムラード型(差動型位相反転回路)から[EL84]と相性の良いP-K分割型位相反転回路にしたことで、プレート電圧に余裕を持たせ、高い信頼性と長期の安定性を狙った設計のようです。位相反転段には同じくJJ製の[ECC83(12AX7)]を使用しています。


因みに、1962年発売で一世を風靡したラックスマン(当時はラックス)の本格的管球式プリメインアンプ「SQ5B」に使われていたのも同じく[6BQ5]でした。

本機は、プリアンプ部がソリッドステートのハイブリッド構成をとっています。前作はMMカートリッジのみの対応でしたが、今回はMCカートリッジにも対応すべく本格的なヘッドアンプまで内蔵しており、ハイレベルなアナログレコード演奏が楽しめそうです。

フロントパネルにはボリューム・コントロールとラインストレート・スイッチに加え、今回新たにLR2個のLED照明付き出力メーターが装備され、同社の高級アンプ同様、音楽をメーターの動きで楽しませてくれそうです。さらにシャーシの上面には入力切換、トーン・コントロールと新規にバランス調整ボリュームが設けられています。

入出力は、ライン3系統、フォノ1系統(MM/MC切替)の合計4系統の入力とスピーカー1系統とヘッドフォン1系統の出力を装備。電源ケーブルにも手抜きはなく、OFC極太線ノンツイスト構造のラックスマンの標準電源ケーブルJPA-10000が驕られています。

『 SQ-N150 』 の開発にあたっては、同社「LX-32u」や「LX-380」の開発で得られたノウハウを注入し、ドライブ力よりも豊潤な真空管サウンドを末永く楽しんでいただくことを目指したということです。


■ CDプレーヤー『 D-N150 』



アンプ同様A4サイズのコンパクト設計ながら、大型の上級機「D-380」に導入されている、正確で安定した読み取りが定評の高信頼性CD専用ドライブメカを搭載。再生能力を大幅にアップさせています。回路は前作同様ソリッドステートです。

DACチップにも192kHz/32bit対応プロセッシングと高品位なバッファーアンプを内蔵し、ここも「D-380」と同じTI社製のPCM5102Aにアップグレードされています。スペックでは、ダイナミックレンジとS/N比がともに6dBも改善されています。

結果32bit音源にも対応し、同社製品としては初めてBulk(バルク)転送方式に対応したUSB入力を搭載したことで、パソコンおよびD/Aコンバーターの負荷の軽減が実現でき、再生音質が大きく向上しています。

入力は、デジタルがCOAX、OPT、USBの3系統で、COAX/OPTは192kHz/24bitまでに対応、USBは192kHz/32bitのサンプリング周波数のPCファイル再生に対応しており、ハイレベルなPCオーディオも楽しめます。

出力は、アナログ1系統とデジタル(OPT)1系統です。電源ケーブルはJPA-10000、付属のリモコン(RD-27)は「SQ-N150」はもちろん、現行ラックスマン プリメインでのボリュームのUP/DOWNも可能です。


■ Neo Classico II『 SQ-N150 』+『 D-N150 』でのサウンドは



大きさから来る当初の不安をものともせず、小型ブックシェルフのみならず、大型スピーカーでも余裕のサウンドを聴かせてくれました。真空管アンプならではのふくよかで弾力のあるボーカルには、「もうこれで十分」と感じさせられる程でした。「本当にこれが10Wの音」と言うのが正直な感想です。この温度感&湿度感は真空管ならではのものとも感じました。

一方、フロントパネルのライン・ストレート(トーン・コントロール回路をバイパス)のONでは、透明度が上がりスッキリとしたやや現代的な、立ち上がりの良い生き生きした明るめのサウンドになり、ソフトのジャンルや好みによって選択できます。またトーン・コントロールを使うことで好みのサウンドも楽しめます。

アナログプレーヤーを接続してのレコードの音は、CD以上に滑らかで優しくなり、十分にリラックスして楽しめるアナログサウンドとなりました。



■ 最後に
この"Neo Classico II"の、ネジ類を表面に露出させず、エッジを活かしたシャープなデザインのブラスターホワイトの筐体は、同社のハイエンド機器に通じる高級感を備えています。さらには、持つ喜びをも十分味わわせてくれ、そのお洒落なデザインが小型ながらも所有欲を十分満たしてくれることでしょう。

決して音質だけを追い求めるのではなく、あくまで音楽を楽しくゆったり聴きたい音楽ファンに、そしてオーディオマニアがリラックスして聴くためのサブシステムとして、お使いいただきたいコンパクトなオーディオシステムです。(あさやん)


2018年12月29日 (土)

話題の新世代真空管「Nutube」搭載! ~ USB-DAC/ADC内蔵プリアンプ『 Nu 1 』 ついに、KORGより登場! ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、新世代真空管「Nutube」を2基搭載した、KORG USB-DAC/ADC内蔵プリアンプ『 Nu 1 』をご紹介!
KORGとノリタケ伊勢電子(株)が共同開発した「Nutube」は、より多くのユーザーに真空管の音を楽しんでいただくために、現在の技術を駆使し、高品質で電池動作も可能とした、省電力で扱いやすい真空管です。




■ KORG『 Nu 1 』のコンセプト

KORG(コルグ)は、本来シンセサイザーやデジタルピアノなどの電子楽器、業務用レコーディング機器を製造、販売しているメーカーです。しかし、我々オーディオユーザー、特にPCオーディオファンにとっては、PCオーディオの入門機としてのUSB-DAC「DS-DAC-10」を2012年に、「DS-DAC-100」「DS-DAC-100M」を2013年に発売し、いずれも大ヒットとなりました。そして、2015年の発売以来、今もロングセラーを続けている「DS-DAC-10R」がKORGの代表的オーディオ機器といえます。

そのKORGが満を持して発売に漕ぎ着けたのが、今回ご紹介します新世代真空管「Nutube」搭載のUSB-DAC/ADC内蔵プリアンプ『 Nu 1 』です。この『 Nu 1 』は、楽器メーカー KORGならではの『 良い音を作り出す 』というコンセプトの基、開発されたのだといいます。

そのコンセプトを追求する手段は2つ。一つは、ノリタケ伊勢電子(株)との共同開発である、全く新しい考え方で開発された直熱双三極管「Nutube」を搭載すること。そしてもう一つは、独自技術である「S.O.N.I.C.リマスタリング・テクノロジー」の搭載です。

それでは、この2つのコンセプトを中心に『 Nu 1 』の魅力を探ってまいります。


■ 新世代真空管「Nutube」とは



従来の真空管では難しかった長寿命(連続期待寿命:3万時間)、省電力を実現した高品質な日本製真空管です。直熱管としてリニアリティに優れた特性を持ち、真空管特有の豊かな倍音が楽しめるとしています。

ノリタケ伊勢電子(株)の蛍光表示管の技術を応用しているため、通常は丸い真空管を上記写真のような形にできたのです。結果、従来の真空管に比べて、高品質、長寿命を実現できたのです。しかも発熱がないため、マイクロフォニック(振動)対策も通常の真空管に比べて、容易になったのです。

そして開発理由を、現在生産されている真空管はその製造装置も50年前のものを修理して使っており、製品の不良やばらつきが多く、なおかつ大きな電力が必要になるためとしています。より多くのユーザーに真空管の音を楽しんでいただくために、現在の技術を駆使し、高品質で電池動作も可能とした、省電力で扱いやすい真空管「Nutube」を開発したのだといいます。

『 Nu 1 』では「Nutube」を2基搭載しており、新開発の「Nutube HDFC(倍音抽出帰還回路)」によって、倍音の量の調整を3段階で行っています。その変化は、当社の日本橋1ばん館で体験させていただきました。

オフの状態ではストレートで切れ味を重視した現代的なサウンドでしたが、Nutubeボタンをオン(前面パネル左側にある横長のインジケーターで表示)にすると、HDFCセレクターが有効となり、「I」「II」「III」と3段階選択可能となります。数字が大きい程倍音の付加される量が増やされ、真空管ならではの滑らかで温かみのあるサウンドが強調されていきました。

筆者は通常は「I」で、ボーカルやクラシックでは「II」がベストと感じました。いずれにせよ従来機器にはなかった「自分の欲しい音」にアクセスできるという画期的な機能です。


■ S.O.N.I.C.(Seigen Ono Natural Ideal Conversion)リマスタリング・テクノロジー

DSDマスタリングの第一人者であるオノ セイゲン氏(本名:小野誠彦氏はレコーディング・エンジニア、マスタリング・エンジニアであり、音楽家[ミュージシャン、作曲家、音響コンサルタント、音楽プロデューサー]でもあります)がプロデュースした「DSDで遊べる」本機専用のオーディオ・ドライバ「S.O.N.I.C.リマスタリング・テクノロジー」が付属しています。

PCを使って再生する古いデジタル音源やMP3音源、YouTubeやVimeo等の動画、iTunesやradikoなどのデジタルサウンドや、もちろん通常CDをすべてリアルタイム変換によって、DSDクオリティにリマスタリングして『 Nu 1 』でDSD11.2MHzにコンバートして再生するというものです。しかもこれは一般的なアップサンプリングではなく、オノ セイゲン氏の豊富なノウハウを注ぎ込んだ「マジック」だとしています。


日本橋1ばん館では、YouTubeの音源や古い美空ひばりのボーカルを聴かせていただきましたが、非常に自然で帯域も十分広く、ライブ録音も臨場感が加わり、十分にハイエンドのオーディオシステムでも楽しめるグレードと感じました。これによって、YouTubeも新たな音源に加えることができそうです。


■ 『 Nu 1 』のUSB-DAC/ADC内蔵プリアンプとしての魅力


[1] DACチップは旭化成エレクトロニクスの「AK4490」を採用
USB-DACとしての対応フォーマットは、従来のDS-DACシリーズを大きく超える、DSD:2.8224MHz / 5.6448MHz / 11.2896MHz 1bit、PCM:44.1kHz / 48kHz / 88.2kHz / 96kHz / 176.4kHz / 192kHz / 352.8kHz/384kHz 16bit / 24bit、「S.O.N.I.C.リマスタリング・テクノロジー」使用時のみ DSD:3.072MHz / 6.144MHz / 12.288 MHz 1bitを実現しており、現時点では最高クラスのスペックを達成しています。

[2] ADCにはDACと同じ旭化成の「AK5574」を採用
本機のA/Dコンバーター機能は、DS-DACシリーズで実現したDSDによる高音質録音機能をさらに強化しており、付属ソフトウェア「AudioGate Ver.4.5(最新版)」との組み合わせで、DSD11.2MHz(従来はDSD5.6MHz)による録音/再生を実現しています。従来高価なプロの録音現場で使われるDSDレコーダーでのみ採用され、我々には手の届かなかったDSD録音が可能になったのです。 これによりライン入力に接続した貴重なオープンリールデッキや、カセットデッキの音源のデジタルアーカーブも可能です。

[3] MM/MCカートリッジ対応のフォノアンプ搭載
レコードプレーヤーの出力を直接接続しての再生(PCを使う必要のないANALOGモード搭載)はもちろん、アナログレコードを高音質にデジタル録音できます。さらに「DSDフォノ・イコライザー機能」を「AudioGate」に内蔵しており、一般的なRIAAカーブ以外にもLP用の5種類のカーブにも対応。「AudioGate Ver.4.5」ではSPレコード用の3種類のカーブが追加され、これはかなりマニアックな機能です。そして録音時に掛け録りするだけではなく、イコライザーを掛けず録音した音源に対して後掛けすることも可能です。

[4] DSD音源を手軽に持ち出し可能に
レコードなどお手持ちのソースをDSD録音して、ミュージック・プレーヤーとしての機能が充実した付属ソフト「AudioGate Ver.4.5」で曲順を入れ替えたり、シャッフルしたりしながら気軽に再生して楽しむことができます。「AudioGate」はほとんどのオーディオ・フォーマットに対応しており、DSDで録音したソースをmp3やFLACなどに変換してポータブル・デジタルオーディオプレーヤーで持ち運ぶことも簡単です。

[5] 充実のアナログ回路
DACチップ「AK4490」を2基搭載しており、左右独立で構成された出力回路、Nutube回路(バイパスも可能)を経由し、XLRバランス出力されます。アナログ信号は入力から出力まで、基板上でのノイズの影響を打ち消す差動増幅回路構成となっています。そしてオーディオ機器の音質を決める最重要部分の電源には、磁束漏れが少なく効率が良いことで高級オーディオ・アンプに使われているトロイダル・トランスを採用しています。

[6] 充実の入出力端子

入力は、XLRバランス×1系統、RCAアンバランス×1、フォノ×1、USB-B×1を装備。出力は、XLRバランス×1、RCAアンバランス×1に加え、「USB-DAC DIRECT OUT」としてXLR×1、RCA×1を装備しています。ヘッドホン出力は、標準ヘッドホン×1、XLRバランスヘッドホン×1まで搭載しており、万全を期しています。



■ 最後に
このようにKORG『 Nu 1 』は、DSDを主軸にデジタル音源の高度な再生はもちろん、プロの世界で鍛え上げられたKORGだからこそ可能な、DSD11.2MHzでのアナログレコードを含むダイレクト録音機能は、他メーカーでは恐らく将来的にもノウハウの面でかなり難しいのではないでしょうか。

そこに、新世代真空管「Nutube」によって、あえて『 良い音を作り出す 』ことまで楽しめる、KORGだけができる別次元のプリアンプ『 Nu 1 』の完成です。(あさやん)


2018年12月 2日 (日)

【この機会に是非オーディオ入門を!】デノンの新世代エントリー「800シリーズ」のご案内です!


みな様、こんにちは!
冬と言えば"室内でオーディオを楽しむ"派のとうふです!

暦は師走。本年も残すところあと1ヶ月ですね!
毎度の事ですが年賀状の準備はお早めに頂かないと。。。いざと言う時に「インクが無い!」と言う事態になりますので。。。
そんな交換インクが豊富なジョーシンWebのページはこちらより!

さて、オーディオ界隈の話題と言えばそう!『オーディオ銘機賞』が先日発表されました!
受賞モデルの中には以前にハイエンドブログでもご紹介したDALIの"OBERON"や、B&Wの"新600シリーズ"も挙がっています。
上位モデルの技術を贅沢に採用しながらも、価格を抑えたニュー・エントリーたち!
受賞もむしろ「当然でしょう!」と思わなくもありません。

ハイエンド製品はどんどん高額化していく中、エントリーモデルでも油断できない表現力を持つ顔ぶれが増え、私的には非常に嬉しい限りです!
・OBERONのご紹介ハイエンドブログ記事はこちら
・新600シリーズのご紹介ハイエンドブログ記事はこちら

そんな『手に入れやすい価格帯、だけど表現力は素晴らしい』スピーカーに組み合わせるのにいつも悩むのがアンプやプレーヤーの選択肢なのですが。。。
今年はプレーヤーやアンプにも『手に入れやすい価格帯、だけど表現力は素晴らしい』製品が受賞しているのです!!

それがCDプレーヤーの

デノン
CDプレーヤー
DCD-800NE



次にネットワークプレーヤーの

デノン
ネットワークプレーヤー
DNP-800NE



そして最後にプリメインアンプの

デノン
プリメインアンプ
PMA-800NE

 
新世代コンポーネント「800シリーズ」です!
構成をシンプルにする事で価格を抑え、しかし2500NEや1600NE等上位モデルの技術をふんだんに採用

末尾のNEとはNew Era(新世代)。
その名に相応しい、新世代のニューエントリーとして価格以上のパフォーマンスを発揮します。

上位モデルの譲りの技術、表現力を引き継ぎつつも価格を抑えた意欲作。

「これから据置オーディオ導入を検討しているんだけど。。。」
という入門の方や、
「以前据置オーディオを楽しんでいて、久々に据置オーディオを再開したい」
「セカンドシステムにそれほど予算はかけたくないが、もちろん表現力には妥協したくない」
という方にもきっとご満足いただけるでしょう!

もちろん!DALIの"OBERON"や、B&Wの"新600シリーズ"との相性も抜群!
価格以上に"オーディオの楽しさ"を体感頂けるセットとして強くお薦めします!

この冬、据置オーディオを導入をお考えの際は是非ご検討くださいませ!

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

2018年12月 1日 (土)

YAMAHAオーディオ技術の集大成! プリアンプ『 C-5000 』パワーアンプ『 M-5000 』登場! ~フラッグシップ「5000シリーズ」にセパレートアンプを追加 ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
ヤマハが "真に豊かな音楽体験と深い感動の実現" をテーマに開発したフラッグシップ「5000シリーズ」に、プリアンプ『 C-5000 』と、パワーアンプ『 M-5000 』が登場します。 ヤマハ東京事業所の試聴室での試聴を踏まえ、レポートしてまいります。




■ 総合音楽メーカー ヤマハ

ヤマハは本来、楽器製造メーカーであり、今ではコンサートホールの設計を行うなど、様々な分野で音と音楽に深く関わっています。筆者の記憶では同社が初めてオーディオコンポーネントを発売したのは1970年代初頭で、プリメインアンプ「CA-700」や、耳たぶ形のNS型ウーファーを搭載した後面開放の大型フロア型スピーカーだったと記憶しています。しかし正直それらには食指が動きませんでした。


CA-1000

筆者が本格的にオーディオに取り組み始めた学生時代(1973年頃)、まず最初に購入したのが、実はヤマハのプリメインアンプ「CA-1000」でした。それは同社が本格的にオーディオに参入した記念碑的な製品で、当時まだオーディオ知識の乏しかった筆者の選択理由は、ズバリそのデザインに惚れ込んだからでした。使い始めて、そのA級動作(パワー段のA級/B級の切換可)での音質の素晴らしさや機能の豊富さがわかったというのが正直な所です。

余談ですが、筆者が「CA-1000」を購入したのが、実は、上新電機の日本橋南店(当時オーディオ専門店)でした。今となっては何か縁を感じてしまいます。

さらに、その数年後アンプをグレードアップすべく購入したのが、同じくヤマハのハイエンド・プリアンプ「C-1」に次ぐ第2弾で、大ヒットし一世を風靡した薄型プリアンプ「C-2」でした(その後C-2a、C-2Xと続きました)。「C-2」に決めたのは、音質の良さでの判断はもちろんでしたが、こちらも黒のシンプルで精悍なデザインに惚れ込んでのチョイスでした。

さらに余談ですが、筆者はまずはデザインから入り、結局の所、両機が奏でる当時"ヤマハビューティ"と呼ばれたナチュラルで爽やかなサウンドに惚れ込んだのでした。

さて、話を戻します。そんな総合音楽メーカーのヤマハが、"真に豊かな音楽体験と深い感動の実現" をテーマに開発したフラッグシップが"5000シリーズ"『 C-5000 』『 M-5000 』です。筆者は某日、ヤマハ東京事業所の試聴室で両機の開発意図の説明を受け、「NS-5000」を使用して試聴してまいりました。以下はそのレポートです。


■ プリアンプ『 C-5000 』

まずは注目のデザインですが、2色あるフロントパネルの内、シルバーの『 C-5000 』は、前述の「CA-1000」を彷彿とさせ思わず触れてみたくなる、オーディオ心を大いにくすぐる、繊細かつ優美なデザインです。一方のブラックは、上半分に「C-2」の雰囲気を残しつつ、重量感かつ存在感のあるデザインに仕上がっています。


まず説明を受けたのは、【ブックマッチ・コンストラクション】で、写真ではリアパネルの端子群を鏡に映したのかと錯覚しそうですが、これは左右の端子を上下完全に対称としているためです。さらに内部のオーディオ回路や、各ステージへの給電部を組んだ左右各1枚の基板を、背中合わせに重ねて配置。これをブックマッチ・コンストラクションというのだそうです。

基板は左右対称に組み上げ、プリントパターンが向き合うように二つ折りにすることで、信号の流れが同一方向になるとともに、信号や電源経路の最短化を図り、チャンネル間の音質差や相互干渉を限りなくゼロにできたと言います。この画期的なアイデアこそ、ヤマハの本機に掛ける心意気、本気度を感じます。

これはまるで本を閉じるような構造である事から名付けられたのですが、バイオリンやギターなど、楽器の構造からもヒントを得て生み出した機構だということです。ここがヤマハならではの目の付け所です。

その経路の左右独立化、左右等長化は電源回路にも及び、特性を揃えた【銅メッキケース封入大容量トロイダル電源トランス】を左右独立で搭載。トランスの間に上下二層(上段:Lch、下段:Rch)の整流回路を置くことで、理想的な最短・等長の給電を行っています。さらに給電ラインには3.5スケの太径ワイヤーと、通常使われるハンダ付けではなく、真鍮製ネジによるネジ止め仕様とすることで電源系のローインピーダンス化を図るという徹底ぶりです。

そして【全段バランス増幅】、ここにも徹底ぶりが伺えます。3系統あるバランス入力の内1系統はフォノ入力用でこれを使用し、MCヘッドアンプやフォノイコライザーまでバランス増幅化することで、フォノ入力からプリ出力まで、さらにはパワーアンプ『 M-5000 』とバランス接続すれば、スピーカー出力までの完全なバランス伝送が完成するのです。

さらにフォノイコライザー、入力アンプ、出力バッファーアンプにもプリアンプ回路としては初めて、同社の提唱する【フローティング&バランス方式】(※)を採用しており、グラウンドに起因するノイズの影響を回避し、純度の高い増幅を実現できたのです。
(※ヤマハの特許技術:全回路をグラウンドから完全に独立させることで、微細な電圧変動や外来ノイズの影響を徹底的に排除。フルバランス伝送との組合せにより完璧な増幅精度が実現します。)

フロントパネルはゴージャスな9mm厚のアルミ無垢、ピアノフィニッシュのサイドウッドを組み合わせています。ポインター(指標)を一体化した、手に馴染む高級感抜群のアルミ削り出しボリュームノブ。レバースイッチは「CA-1000」のスイッチと似てはいますが、「入社2年目の若手技術者が考案した」という操作フィーリングにもこだわった新規構造を導入したものだとのことです。

このように『 C-5000 』は、フラッグシップに相応しい風格と操作感を実現したプリアンプです。


■ パワーアンプ『 M-5000 』

ブラックパネルのデザインは往年の「B-2」をイメージさせるもので、クリスタルガラスをはめた、いかにも精度の高そうなメーターを中央に配した外観デザインは、シルバー、ブラックともに力強く存在感を感じさせる、こちらもゴージャスなものです。

出力段の左右チャンネル/+側-側の計4組の電力増幅回路をグラウンドに対して電気的にフローティングし、プッシュプル動作の完全対称化を実現した【フローティング&バランス方式】を採用し、全回路をグラウンドから完全に分離。電圧変動や外来ノイズの影響を排除できたのです。出力段にはパラレルMOS-FETを装備して、スピーカー駆動力を向上させたとしています。


中央に電源部を、左右にパワーアンプブロックを配置して、音声信号経路と給電経路の両方を最短化しています。シャーシ中央には1200VAもの大容量のトロイダルトランスと大型ケミコンを配置。それら振動を伴う大型重量パーツの質量を機構的に接地させる【メカニカルグラウンド・コンセプト】に基づいて、シャーシ構造と各パーツの固定方法を徹底的に検討したのだそうです。


そして本機(C-5000にも)に採用された新構造のレッグにも注目です。ピンポイント支持とプロテクトを両立した真鍮削り出しの脚を装備。これは「Wind Bell(ウインドベル)」でお馴染みの特許機器との共同開発で、現在特許申請中とのことです。これによりサウンド全体が安定し、実在感ある空間表現力と豊かな低音が実現できたとしています。

定格出力100W×2ch(8Ω)、200W×2ch(4Ω)のパワーアンプ。ブリッジ接続にも対応しており、モノラルで400W(8Ω)をひねり出します。入力は、RCA、XLRバランス各1系統です。

『 M-5000 』は、ヤマハが持つ特許技術やノウハウを惜しみなく投入し、完成したフラッグシップの名に恥じない完成度を実現しています。


さて、『 C-5000 』→『 M-5000 』→「NS-5000」での音質は・・・クラシック音楽では、まずその静けさに驚きました。ホールの隅々まで見通せる様な澄み切った空気感は、試聴室が立派(抜群のS/N)な所為もあるのですが、過去に経験のないレベルでした。

ジャズサウンドでは、録音スタジオに飛び込んだ様な生々しさ、突き抜ける様な伸びやかさに感動させられました。ミュージシャンの立ち位置が正確に表現され、グルーブ感もひしひしと伝わって来たのです。

そしてボーカルに至っては、中央にすくっと立ち感情豊かに歌う様が目に見えるようでした。女声ボーカルは優しく滑らかに、男声ボーカルは厚みのある豊かな声が響きました。

そして最後に、来春(2019年)発売予定の"5000シリーズ"のアナログプレーヤー『GT-5000』をソース源として、カートリッジ(原理的にバランス)からの完全バランス伝送によるサウンドには強い衝撃を受けました。そのリアル感、吹っ切れ感、そして空気感に感動以上の、ある意味恐ろしささえ覚えました。



■ 最後に
"5000シリーズ"こそ、音楽を知り尽くしたヤマハのオーディオ技術の集大成と言えるコンポーネンツです。アキュフェーズ、ラックスマン、エソテリックに続く、本格的国産セパレートアンプの登場です。(あさやん)

※『GT-5000』については予約開始後このコーナーで取り上げる予定です。

2018年11月29日 (木)

待ちに待った iFiのフラッグシップUSB-DAC『 Pro iDSD 』がついに登場!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、PCオーディオマニアにおすすめの「一粒で五度も十度も美味しい」究極のデジタル機器 iFiオーディオのUSB-DAC『 Pro iDSD 』を取り上げます。
コンパクトなボディに最新技術やトレンドを詰め込み、PCオーディオの最先端を走り続けて来たiFiオーディオの集大成ともいえる製品です。




■ 『 Pro iDSD 』がついに発売

iFiオーディオより、注目の新製品USB-DAC/ネットワークプレーヤー『 Pro iDSD 』が発表されたのが今年(2018)6月のことでした。その衝撃的で圧倒的なフィーチャーに筆者を含め、多くのPC&ネットワークオーディオファンが驚かされ、その発売が待たれていました。

「nano iDSD」でDSD:11.2MHzを実現し、PCオーディオのその後の流れを大きく変えたiFiオーディオが、更なる高みを目指して、最新トレンドを追求しつつ、お家芸のデジタルはもちろんのこと、アナログ部分においても同社独自の魅力を追求し、ついに発売に漕ぎ着けたのです。その『 Pro iDSD 』の数々の最新性能と魅力に迫ってまいります。


■ iFiオーディオ

iFiオーディオは、イギリスの伝統あるハイエンドオーディオメーカー「AMR(Abbingdon Music Research)」を母体とするPCオーディオメーカーです。同社の理念は、「コンピューターやモバイルに親和性を持つ新しい世代に向けて、従来のオーディオの枠組みにとらわれない発想により、ハイエンド製品の技術を満載した製品をリーズナブルな価格で提供すること。」としています。

その理念の通り、iFiオーディオの製品群は、そのグレードと価格帯によって「nanoシリーズ」「microシリーズ」「Proシリーズ」に分けられており、 『 Pro iDSD 』はトップグレードの製品です。同社製品はいずれもこれまで、コンパクトなボディに最新技術やトレンドを詰め込み、PCオーディオの最先端を走り続けて来たのでした。その集大成となるのが本機 『 Pro iDSD 』です。

『 Pro iDSD 』は単なるUSB-DACではなく、バランス駆動に対応したヘッドホンアンプであり、アナログの可変出力を選択すれば高性能プリアンプにもなり、さらに同社初のネットワークプレーヤーでもあります。

DNLAやAirPlayにワイヤレスで対応し、ストリーミングによる音楽再生、micro SDカードやUSBメモリーでのファイル音源再生も可能で、機能はまさにてんこ盛り状態です。それでは、『 Pro iDSD 』のハイエンドオーディオ機器としての魅力を順に探っていきます。


■ 『 Pro iDSD 』の魅力とは!

★PCM:768kHz、DSD:24.6MHz(DSD1024)への対応
他の追随を許さない圧倒的なハイレゾ再生に対応していますが、それだけではありません。『 Pro iDSD 』のデジタル部は、4基のバーブラウン製DACチップをスタックすることで、最大8組の差動信号を引き出す構成を取っており、入力信号を内部のFPGA(設計者が構成を設定できる集積回路)を用いた独自のアルゴリズムにより、最大DSD45.2MHz(DSD1024、つまりCDの1024倍)にアップサンプリングした上で、D/A変換する「DSD1024マスタリング機能」を搭載しています。

しかもこのアップサンプリング機能は、後述のネットワーク入力時にも適用できるため、あらゆる音源をDSD1024にアップサンプリングして聴けるという、史上初の機能を搭載しているのです。

★GE製5670×2本を用いたA級・真空管バッファ搭載
『 Pro iDSD 』のユニークな機能として、アナログ出力モードが3種類用意されていることです。一般的なJ-FETを用いた半導体回路を動作させる「ソリッドステート」モード、GE製5670を採用した回路のみを動作させる「真空管」モード、そして前者のNFBを最小限に抑えて動作させる「真空管+」モードの選択が前面パネルで可能です。

高解像度でストレートな「ソリッドステート」モードから、多少丸みを帯び低域が豊かな「真空管+」モードまで、デジタルとアナログ両面の魅力が味わえ、お好みのサウンドで楽しめます。

★フェムト(1000兆分の1)秒精度のグローバル・マスター・タイミング(Global Master Timing)クロック装備
すべての入力データはメモリー・バッファーに送られ、ここでジッターが除去され、ソースに含まれていたジッターがDAC出力に伝送されないように取り除かれます。メモリー・バッファーからのデータは、続いて低ジッターのグローバル・マスター・タイミングクロックを用いて再クロックされます。

さらに同社としては初の外部クロックの入出力も装備しており、10MHzのマスタークロック入力も可能です。デジタルの要であるクロック部にも万全を期しています。

★すべての入力(USBを含む)にガルバニック・アイソレーションが施されています
「ガルバニック現象」とは、異種金属が接触した際、それぞれの金属のイオン化傾向の違いによって電流が流れるのですが、この電流が「ガルバニック電流」と言われるものです。金属製のスプーンや銀紙を噛むとピリッとすることがありますが、これが「ガルバニック電流」の仕業だそうです。

本機のガルバニック・アイソレーションは、信号ラインだけではなく、電力やアースラインを含めて完全な絶縁を行っており、USBでの高速伝送時のノイズの混入を防止し、アースループも遮断できたとしています。これにより正確でノイズのない高速伝送が実現できたのです。

★構成パーツには信頼性で多くの日本製を使用
ALPS(アルプス)製の第一級のモーター駆動式ロータリー・ボリュームを搭載しており、これを使うことで 『 Pro iDSD 』はフル・バランス仕様となっています。またコンデンサーにも、低音のダイナミック・パフォーマンスを最大限に引き出すために日本のELNA(エルナー)製の音響用アルミニウム電解コンデンサ「ELNA Silmic(シルミック)キャパシター」を使用。

さらにデジタル部の電源には、超低インピーダンス環境によって高速な電流供給を実現するため「ELNA Dynacap DZ」スーパー・キャパシターが使われており、これらはすべて最高の音質を達成するための「必須部品」としての選択だとしています。

★豊富な入出力端子を装備
入力端子は、USB3.0(Bタイプ)×1、AES/EBU×1、S/PDIF(RCA同軸/丸形光TOSコンボ)×1、BNC(S/PDIFまたはSync入力)×1。

出力端子は、XLR×1系統、RCA×1系統、ヘッドホン出力には、6.3mmと3.5mm(左右GND分離のS-バランス対応)、さらに2.5mmバランス駆動と万全です。筐体は小さい(213×220×63.3mm、1.98kg)のですが、あらゆる入出力に対応しています。

★同社初のネットワークプレーヤー機能
『 Pro iDSD 』はルーターにダイレクトにリンクして、オンライン・ミュージックを再生することができます。従来iFiオーディオはネットワークプレーヤーも、その関連アクセサリーも一切出さず、USB関連機器に集中してきた感がありますが、今回フラッグシップ機にネットワーク機能を初めて搭載してきたのです。今後の展開が楽しみです。

★MQAデコードにも対応予定
今後ファームウェアのアップデートでMQAデコードにも対応する予定(※)とのことです。(※ 現時点ではレンダラー対応かフルデコードタイプになるか内容は不明です。)



■ 最後に
さて『 Pro iDSD 』の音質の狙いは、(~輸入元にお聞きしました。)"Pro"の名が示す通り、モニターライクで鮮度感のあるストレートなサウンドを基本としつつ、真空管ならではの余韻感のある、ふくよかなサウンドも再現可能な懐の深さを持っています。

さらに「DSD1024マスタリング機能」では、しなやかでナチュラルなサウンドが実現し、リアルな音場再現力には他の追従を許さないものがあるとしています。

一粒で二度美味しいどころか、五度も十度も美味しい究極のデジタル機器と言えます。まさに「これでもか!」と思わせる機能てんこ盛り状態のiFiのフラッグシップ 『 Pro iDSD 』。

これだけのフィーチャーを詰め込んで、この価格は決して高くはないと思います。是非最先端のPC&ネットワークオーディオを使いこなす喜びを知っているPCオーディオマニアにお勧めします。

2018年11月27日 (火)

ESOTERICのデジタルプレーヤー『 K-05Xs 』『 K-07Xs 』は"CD回帰派"におすすめ!~ アナログブームの陰で、CDが再度見直されてきています。~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、"CD回帰派"のオーディオファンにおすすめのESOTERIC(エソテリック) CD/SACDプレーヤー『 K-05Xs 』『 K-07Xs 』をご紹介! 情報量は圧倒的で、CDプレーヤーの進歩を改めて思い知らされました。




■ CD回帰派のオーディオファンに

21世紀に入って、ハイエンドオーディオの新しいソフトとして、SACD、PCオーディオ、ネットワークオーディオ、そしてアナログレコード(リバイバルですが)と次々変遷してきました。

しかし、日本のオーディオファンは、ソフトの物・形としての価値感を重視するため、どうしてもPC&ネットワークオーディオのようなデータ化されたソフトでは、十分な満足は得られなかったのでした。その究極の姿が30cmで紙ジャケのアナログレコードだったのです。

結果、一部のマニア層(今回のアナログブームはアナログ未経験者が中心でしたが)は、本格的なレコード再生に再度取り組まれたものの、音質では十分満足しつつも、ソフトやパーツ類の供給不足、そして高額化で、アナログ全盛期のようにはどうしてもいかなかったのです。さすがにメインソフトの座を奪うことはできませんでした。

過去からの豊富なアナログディスクを所有されている、恵まれたアナログマニアの方は別として、ほとんどのオーディオファンにとっては、結局のところ物・形としての価値感のあるCDやSACDがメインソフトに落ち着くケースが、筆者も含めて多いのではなかったかと思います。

そんな"CD回帰派"のオーディオファンに向けて、ESOTERICが自信をもって発売した、ハイエンド・スタンダードモデル『 K-05Xs 』、ハイエンド・エントリーモデル『 K-07Xs 』をご紹介したいと思います。


■ ESOTERICの強み

ESOTERICのCD/SACDプレーヤー"Kシリーズ"としては、フラッグシップ「Grandioso K1」を頂点に、「K-01Xs」「K-03Xs」、そして今回ご紹介する『 K-05Xs 』『 K-07Xs 』と、実に5機種のハイエンド・デジタルプレーヤーをラインナップしており、これはもちろん世界一の品揃えです。

ESOTERICが他メーカーに比べ、最も恵まれ競争力のある理由は、何と言っても自社でメカが作れることです。そして最上位機「Grandioso K1」のエッセンスである、DACやオリジナルの電流伝送などの最新技術を、惜しみなく下位モデルに注げることです。これは一から同じ価格帯のプレーヤーを設計するより遙かに有利なのは、明らかです。これこそ技術の「トリクルダウン」とも言えるでしょう。


■ 『 K-05Xs 』

まずは、ESOTERICの最新スタンダードモデル『 K-05Xs 』です。初代の「K-05」は2011年に登場し、2015年には「K-05X」に進化し、今回は第3世代に当たります。


"Kシリーズ"の最大の"売り"は何と言ってもターンテーブル方式のローディングメカ「VRDS」です。本機は同方式のメカを搭載した製品では最も低価格の製品です。そのメカの正式名は「VRDS-NEOスーパーオーディオCDトランスポートメカニズム」といい、世界の名だたるハイエンドブランドのプレーヤーにも採用される信頼のメカです。

本機のメカは前作を踏襲してVRDS-NEO「VMK-5」を搭載。回転の慣性モーメントの小さい高精度のアルミ+ポリカーボネイト素材によるハイブリッド・ターンテーブルを採用しています。ブリッジ部は、内部損失の大きいBMC素材とスチールによるハイブリッド構造をとることで、回転振動を大幅に低減しています。

今回の世代交代の"肝"はD/Aコンバーターの一新です。DACチップはAK4490から、同じ旭化成エレクトロニクス社の新型AK4493に変更されています。この結果、USB-B入力では、768kHz/32bitのPCMと22.5MHzのDSD信号まで対応するようになったのです。またUSB接続時は今話題の「バルクペット伝送(※)」にも対応しています。
(※参考:「Bulk Pet」は、転送するデータ量とタイミングをコントロールし、連続的に転送にすることで、送信するPC、受信するD/Aコンバーターとも処理負荷が低減され、音質が改善される。)

上位機同様、34bit DACチップAK4493を複数個組み合わせ、34bit(24bitの1,024倍)「ハイビットD/Aプロセッシング」(※)を採用することで、驚異的な高解像度と際立つ表現力を実現できたとしています。
(※「K-1Xs」はAK4497を使用し35bit、「K-3Xs」はAK4497を使用し34bit)

そしてこちらも上位機から継承し、広大なダイナミックレンジを実現すべく、独自の電流伝送強化型出力バッファー回路「ESOTERIC-HCLD」を採用。スルーレート2,000V/μsという驚異的なハイスピードや瞬間的な電流供給能力を高め、リアリティー豊かな音楽のダイナミズムを再現できたとしています。

さらに『 K-05Xs 』では、PCM信号の最大16倍のアップコンバートや22.5MHzDSDへのフォーマットの変換が可能なD/Dコンバート機能、新たにESOTERICのプリメインアンプ"Fシリーズ"などの対応機種との独自規格のアナログ電流伝送方式「ES-LINK Analog」機能にも対応し、同社ファンには欠かせない機能を搭載したプレーヤーとなったのです。

もちろん同社製品では要である内蔵クロックにも手抜きはなく、本機専用のカスタムVCXO(電圧制御型水晶発信器)を搭載し、ハイエンド機器に相応しい中心精度(±0.5ppm)を誇っています。さらなる高みを狙える外部クロック入力も装備しています。

音質を大きく左右する電源部にも手抜かりはなく、デジタルプレーヤーとしては異例な大型トロイダルトランスと新設計のカスタムコンデンサー330,000μF(0.33F)という驚異的な大容量のスーパーキャパシターEDLCを組み合わせたハイスピードで強力な電源を搭載しています。

アナログ出力は、XLRとRCAを各1系統と前述の「ES-LINK Analog」を装備。デジタルは同軸と光の入出力が各1系統とUSB-B入力が装備されています。独自のスチール削り出しインシュレーターで3点支持、ディスプレイには美しい有機ELを採用。筐体の仕上げはほぼ前作と同じ上品でキメ細かな梨地仕上げとしています。


■ 『 K-07Xs 』

この秋(2018)登場の最新鋭ハイエンド・エントリーモデル『 K-07Xs 』です。こちらも2012年の「K-07」、2015年の「K-07X」に続く第3世代機です。


さすがに本機では上級機に搭載されている「VRDS」メカではなく「VOSP」メカとなっていますが、上位モデルと同一の軸摺動型ピックアップを搭載し、高精度な信号読み取りを実現しています。

メカニズムのハウジング部には8ミリ厚のスチール製大口径スタビライザーを装着し、メカニズムの剛性を高め、ディスクの高速回転による振動を排除することで、安定したデータの読み出しを可能としています。

"肝"のD/AコンバーターのDACチップは上位の『 K-05Xs 』と同様、前作のAK4490から、AK4493に変更されています。USB-B入力で768kHz/32bitのPCMと22.5MHzDSD信号まで対応し「バルクペット伝送」も可能です。

その他、「34bit D/Aプロセッシング」「ESOTERIC-HCLD 」「ES-LINK Analog」強力な電源部もほぼ『 K-05Xs 』と共通の仕様を実現し、ある意味お買い得感があります。



■ 最後に
『 K-05Xs 』『 K-07Xs 』のサウンドには非常に共通した部分が多く、この面からも『 K-07Xs 』の方がお買い得とも言えます。その共通したサウンドとは、全帯域にわたってしっかりした解像度の高いもので、プレーヤー以降のオーディオ機器で如何様にも料理できる癖のないものです。

確かに最上級機に比べると、超が付く低域の切れ味や剛性には若干及びませんが、低域の実在感、中域のクッキリ感、高域の透明感には共通な部分を感じます。さすがに情報量は圧倒的で、CDプレーヤーの進歩を改めて思い知らされました。

USB音源再生やD/Dコンバート機能が更に楽しみ方を広げてくれそうです。ファイルオーディオ、そしてアナログと、酸いも甘いも知り尽くした"CD回帰派"のオーディオファイルにおすすめします。(あさやん)

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