オーディオノウハウ集 Feed

2018年12月 4日 (火)

オーディオネセサリーBEST 11~ 手放せなくなってしまったオーディオアクセサリー 《ベストイレブン》~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回ご紹介するオーディオアクセサリー達は、既に我が家に導入してかなりの日数が経過している製品ばかりです。いずれのアクセサリーも、今となっては使っているのを殆ど意識しなくなってしまっています。しかし、一旦外しますと「あれれ・・・。これ程効いていたの?」と感じてしまう、筆者にとってのまさにネセサリー(必需品)なのです。


■ オーディオネセサリーBEST 11

【1】ACOUSTIC REVIVE 超低周波発生装置『 RR-777 』

このコーナーで過去に何度も取り上げたナンバーワンネセサリーで、我が家では2001年発売のオリジナルモデルの「RR-7」以来、20年近く使い続けている、最も歴史あるネセサリーです。ある日、我が家のオーディオシステムが、いつになくザワついて、奥行きがなく平面的でヌケの悪い音に感じたのでした。ふと見上げると、天井近くに設置している『 RR-777 』のパイロットランプが消えています。よくよく調べてみますと、何かが当たったのかACアダプターがコンセントから外れてしまっていたのでした。

【2】Elesta 静電気除電アクセサリー『 Standard Carbon Vol.5 』

オーディオ機器は常に静電気の影響を受け続けていると言います。オーディオ機器は電気を動力にしているので、電流が流れると機器は必ず帯電してしまい、機器の性能は通電時間とともに劣化し、それは特にUSB-DACなどのデジタル機器で顕著だと言います。『 Standard Carbon Vol.5 』は筐体にドライカーボンを使っており、制振効果が加わった結果、音質改善度はさらに大きいのです。筆者はUSB-DACに載せていますが、外すと音が曇ってしまい、音場が狭くなり、つまらない音になってしまいます。

【3】Elesta 静電気除電アクセサリー『 Standard V(5)EX Vol.10 』

消費電力の大きいアンプは、他のオーディオ機器よりさらにトランスや回路基板、各種パーツが帯電しやすい環境に置かれています。我が家では『 Standard V/EX Vol.10 』をパワーアンプのトップパネルの電源トランスの真上に置いています。本製品からの大量のマイナスイオンにより、アンプ全体がイオン化され常時除電されると言います。明らかに中低域に安定感が出て、音楽の芯がしっかりしてきます。そしてサウンド、特に打楽器やブラスの立ち上がりのスピード感が増し、ダイナミックレンジが拡大したようにも感じます。

【4】AiTEC 絶縁インシュレーター『 Λ8.24 for Digital 』

こちらは、我が家のノートパソコンの下に常駐しています。今となっては『 Λ8.24 for Digital 』の無いPCオーディオは考えられなくなっています。確かにナイロン樹脂でできており、金属製の振動対策のインシュレーターと比較して全く高級感はありません。しかしその効果は抜群で、パソコンから外した瞬間、音楽全体がべとっとした感じになり、ボーカルにもまとわりつきが感じられ、声の抜けが悪くなってしまいます。そして演奏途中にパソコンに挟み込んだ途端、元のサウンドに戻ります。まさに縁(パソコン)の下の力持ちなのです。

【5】AiTEC 絶縁インシュレーター『 Λ8.24 The Professional 』

耐荷重が「for Digital」の1個当たり7kgから15kgと2倍以上に強化され、重量のあるアンプなどにも使えるようになりました。しかしそれだけではありません。同社のルームチューニングアクセサリー「Λ3.16」のノウハウを投入したことで、さらに魅力的な究極のインシュレーターとなっています。筆者は従来の「for Digital」に替えて『 Λ8.24 The Professional 』をUSB-DACに使っていますが、さらにサウンドの透明度が上がり見通しが良くなりました。音楽のベースは安定しており、そこにしなやかさや潤いが加わり、実に生き生きしたサウンドが展開します。PCオーディオでの必需品となりました。

【6】ORTHO SPECTRUM デジタルアキュライザー『 DACU-500 』

CDプレーヤーからの同軸出力とD/Aコンバーター(USB-DAC)のデジタル入力の間に『 DACU-500 』を挟みます。10cm弱の長さがあるためラック収納では苦労しそうですが、我が家のUSB-DACはラックの上に置いているため問題はありません。ただ不安定なため何か支えがある方がベストです。その効果は抜群で、それまでのCDプレーヤーのアナログ出力とはもちろんのこと、本機なしのUSB-DACでのサウンドともかなり大きな差で、解像度が明らかに向上し、音楽が生々しく感じられ、CDソフトのダイレクト再生の音がこんなに素晴らしかったのかと、改めて見直す切っ掛けになったのでした。

【7】ORTHO SPECTRUMUSB アキュライザー『 UACU-700 』

PCオーディオで使っているパソコンからのUBSケーブルとUSB-DACの間に『 UACU-700 』を挟みました。途端に今まで何かざわついていた音楽がクリアになり、PCオーディオでは、どうしても不満になることの多かった低域にも力強さが出て来たのです。これはかつてクロックの精度を上げた時に感じた改善と似ているとも感じました。USB規格自体、音楽の録音再生が全く考慮されておらず、ノイズに無防備だったのが実感できます。本機によってPCのノイズ環境を制することで、PCオーディオでもアナログに迫るサウンドが実現できるのだと確信したのです。

【8】ACOUSTIC REVIVE マグネットフローティングインシュレーター『 RMF-1 』

CDプレーヤーはそれ自体回転体を内蔵した振動体であり、ピックアップも常時細かく動いています。これに外部からの振動が加わるのですから、ディスクに刻まれた信号を読みとるのは至難の技であろうことは想像に難くありません。『 RMF-1 』でCDプレーヤーを3点支持することで、その反発力で完全に浮揚させ、航空レベルのアルミ合金や複数のマテリアルを組み合わせたことで、インシュレーターの癖の発生を抑えたとのことです。結果、CDプレーヤー本来のサウンドが引き出され、CDの魅力を再発見してとうとう外せなくなってしまったのです。

【9】KRYNA ケーブルインシュレーター『 Helca1 』

螺旋状の樹脂製のチューブにダンピング用として特殊溶液を封入して、ケーブルの周囲を360度囲む(合体させる)という、かつてなかった方法を編み出した『 Helca1 』です。電源ケーブルに使えば低域の安定感が増し、スケール感もアップします。ラインケーブルでは透明度が上がり、ダイナミックレンジも上がったように感じました。圧巻はUSBケーブルに使った時で、S/Nが明らかに向上し、硬さがほぐれ、低音楽器の輪郭がはっきりし、深く沈み込む感じが出て来たのです。PCオーディオの弱点の低域再現力が改善されます。

【10】iFi-Audio AC電源用アクティブ・ノイズクリーナー 『 iPurifier AC 』

我が家の電源タップの一角を占有している『 iPurifier AC 』です。上面のアースのLEDがどうしてもグリーンにならず当初苦労しましたが、庭にアース棒を打ち込み解決できました。サウンドは輪郭がはっきりし、音離れが良くクッキリし、音像がコリッとして明らかに分離が良くなります。立体感や奥行き感もたっぷりで、響きが豊かになります。電源ラインを伝わるノイズが取り除かれ、S/Nが向上した結果だと思います。

【11】中村製作所(NS)ノイズ吸収リングコア『 NS-285 』

我が家では径の違うアモルメット・コアを数カ所に使っています。何処に使っても効果は大きいのですが、何より副作用が全くないのが最大のメリットです。ただ必ずケーブルを通す必要がありますし、プラグの大きさには十分注意が必要です。平面的で少し硬いと感じていたサウンドが一変。立体感が出て来たのと同時に低域の厚みが増し、明らかに下に伸びます。いやなまとわりつきも払拭され、メリハリが出てきてエネルギー感が確実にアップします。明らかにS/Nが良くなり、音場空間の見通しが良くなり、遠近感がしっかり感じられます。



■ 最後に
これらはいずれも、我が家のオーディオシステムにとって最早無くてはならない存在となった『 オーディオネセサリー 』ばかりですが、それぞれの相乗効果が大きく、今となってはどれを外しても違和感を感じてしまうくらいです。

『 オーディオネセサリー 』は、デジタル信号も最終的にはアナログ信号にしてスピーカーを駆動する現在のオーディオシステムにとって、有害な「電磁波」「静電気」「振動」「高周波」「アース」を対策すれば、必ず音質が向上することを証明しているとも言えます。

『 オーディオネセサリー 』の1アイテムからでも結構です。ご自身のオーディオシステムに加えていただければ、間違いなくサウンドが改善され、オーディオシステムのグレードがアップします。ぜひお試しいただきたいと思います。オーディオがもっともっと愉しくなってきます。

2017年1月14日 (土)

PCオーディオに再チャレンジ!!『音質改善アイテム』で見違える様なサウンドに!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、英国iFIオーディオ製品の『PCオーディオ音質改善アイテム』を中心にご紹介し、“PCオーディオ”への再チャレンジをご提案させていただきます。また、以前取り上げた製品で筆者がすでに手放せなくなっている『音質改善アイテム』も同時にご紹介します。


初心に返って、“PCオーディオ”に!

最近のオーディオの話題は、何と言っても“ブラックディスク”いわゆるアナログレコード再生であり、デジタル音源再生、特に“PCオーディオ”が、話題に上りにくくなっている気がするのは筆者だけではないと思います。

確かにアナログの音は素晴らしいのですが、本当に良い音を出すには、プレーヤーのグレードはもちろん、プレーヤー操作に関するノウハウや経験が必要なのも事実です。

また、プレーヤーなら何でもいいかと言うと決してそんなことはありませんし、現時点で一からアナログ環境を構築するのは、費用の面でも、メンテナンス用のアクセサリー類を含め、選択する製品数の面からも、昔に比べかなりハードルが高いと言わざるを得ません。

一方、CDプレーヤーも次第に選択肢が狭まってきており、ハイエンド・クラスのSACD/CDプレーヤーか、ローコストなCD再生のみの入門機に完全に二極分化してしまっています。

それが証拠にパイオニアは10万円を切ったSACD/CDプレーヤーの生産をついに止めてしまい、ティアックも2万円前後のビギナー層に人気であったCDプレーヤーの生産を中止してしまいました。

さらに、鳴り物入りで今年(2016年)に入って続々と新製品が発売された「ネットワークプレーヤー」も、一部のマニアックには受け入れられているとはいえ、なかなか市場の流れを変える程には至っていません。

それはやはりNASの導入やWiFi環境の構築が必要で、アナログで育ってきた純粋なオーディオファンには、ちょっと荷が重いのではないかとも思います。

筆者を含め、「オーディオを純粋に楽しみたいだけなのに、何で・・・」と言う疑問がついつい湧いてきてしまうのでしょう。

そこでもう一度初心に返って、“PCオーディオ”に再チャレンジしてみてはいかがでしょうか。すでにUSB-DACをお持ちなら、僅かな出費、あるいはそれ相応の出費で、見違える様なサウンドを手にすることができます。

恐らく今まで何を聴いていたのか?と疑問になることと思います。今回は、そんな“PCオーディオ”に絞った『音質改善アイテム』をご紹介して参ります。

もちろん“PCオーディオ”の黎明期に購入され、スペック的には決して最先端とは言えないUSB-DACをお持ちでも十分に効果が発揮できます。ご安心下さい。

それは初期の製品ほど、デジタルノイズを盛大に出しっ放しであったり、ノイズ対策がほとんど行われたなかったり、そもそもオーディオ経験の乏しいパソコン関連メーカーの製品などは、デジタルノイズという認識(※)さえ持っていなかったと思います。(※パソコンの世界では、‘できる/できない’、‘早い/遅い’だけが問題で、‘良い音で’という認識は当時ほとんど存在しなかったのではないかと、筆者には思えてなりません。)

そんな今なら笑い話にもなりそうな“PCオーディオ”の世界ですが、スペック競争が一段落した最近になって、デジタルノイズ対策に関するノウハウを注入したオーディオアクセサリーが、『音質改善アイテム』として次々登場してきています。

今回は、英国iFIオーディオの製品を中心に、“PCオーディオ”への再チャレンジをご提案させていただきます。

“PCオーディオ”『音質改善アイテム』をご紹介!

“PCオーディオ”で使われるパソコンから出るノイズは、我々の常識を遙かに超えるレベルであり、それがUSBケーブルを経由してUSB-DACに入力されますが、そのUSB-DACもほとんどがバスパワーであったり、ACアダプターを電源としています。

特にACアダプターには効率優先のスイッチング電源が採用され、そこから出てくるデジタルノイズに常に曝されているのが実情です。今回の『音質改善アイテム』は、これらデジタルノイズの対策アイテムのご紹介です。

まずはUSBケーブル対策です。前述のようにパソコンが発する盛大なノイズがUSBケーブルを通じてUSB-DACに流れ込んでしまうのですが、この問題にiFIオーディオは早くから着目し、数々の対策アイテムを開発しています。

iFIオーディオの基本的な考え方は、ノイズ信号と同一の信号を正反対の位相で発生させることで、あらゆるノイズを積極的に打ち消す「アクティブ・ノイズ・キャンセレーション」、USB信号の再クロック(REclock)と再生成(REgenerate)、そしてDCオフセット(周囲の影響で直流成分が加わり、電気的な中心が0Vからずれてしまう現象)の除去による再バランス化(REbalance)を行うと言うもので、同社の全製品に共通で採用されています。

①iFIオーディオ『iPurifier2TYPEB 』『iPurifier2TYPEA 』(Purifier=清浄装置)
USB-DACの入力に直接接続し、PCから流れ込むノイズを除去する製品で、一般的な入力はB Typeですが、A Typeも用意されています。USB-DACとUSBケーブルの間に使うことで、非常に効果は大きく、デジタル特有のザワザワ感が払拭され、広々とした空間感が再現されます。

②iFIオーディオ『nano iUSB 3.0 』『micro iUSB 3.0
USB経由のノイズ除去に加え、バスパワー(USBから電源供給)方式のUSB-DACに有効な電源の改善も目指した製品で、音声信号とバスパワーのデュアル出力が可能です。上級機の『micro iUSB 3.0』は、2系統のデュアル出力ポートをもち、USB-DAC以外にも音源を保存している外部ハードディスクなどにも使用できます。ノイズの混入が大幅に改善されます。デュアル出力ポートを生かすには同社のUSBケーブル『GEMINI』やアコースティックリバイブの『USB-1.0SP-TripleC』などの信号ラインと電源ラインを分離したUSBケーブルと組み合わせることで、さらなる高品位伝送が可能です。

③iFIオーディオ 『iPurifier DC 』『iPower
多くのUSB-DACに使われているACアダプターは、そのほとんどにスイッチング電源が使われていますが、それらは元来オーディオ機器に使用されることを前提としていないため、ノイズ対策は全く行われていません。『iPurifier DC』は、スイッチング電源が使われているACアダプターに接続することで劇的にノイズを減らします。さらに5V/9V/12V/15Vの4種類のDC電圧にそれぞれ対応する4つのバリーエーションがあるACアダプター『iPower』もあります。これらは、「アクティブ・ノイズ・キャンセレーション」を採用することで、同社比で従来のACアダプターより10倍静かになったと言います。各種の端子交換アダプターを同梱し、径の違う端子にも対応しています。

これらiFIオーディオのアクセサリー群は、どれもがその技術に対する裏づけが明確で、確実に音質向上が可能です。しかも比較的リーズナブルで、手軽に導入できるアイテムです。そして、最後に筆者二押しの“PCオーディオ”『音質改善アイテム』2アイテムもご紹介します。試聴した結果、手放せなくなってしまい購入に至ったアイテムです。

④アコースティックリバイブ/ファインメット・マルチノイズサプレッサー『 FNS-RCA』『 FNS-XLR

機器とケーブル間に挿入して高周波のノイズを除去する信号浄化器です。
オス・メス同士をPC-TripleCの楕円単線のジャンパー線で連結し、そのジャンパー線が信号浄化器であるハイテク磁性材料の「ファインメット」内を通過する構造になっています。USB-DACの出力とラインケーブル(RCA or XLR)の間に挿入します。従来のオーディオアクセサリーの概念を打ち破るような、インパクトのある音質改善を実現します。
参照ブログ: http://blog.joshinweb.jp/hiend/2015/05/post-7ec4.html

⑤ アイテック『 Λ(ラムダ)8.24 for Digital
オーディオリスニングにとって最も重要な“静電気や磁界”からの「絶縁対策」を目指した製品で、熟練工が一個一個削り出して製品化しています。ノートパソコンの下が最も効果的で、パソコン内で発生しサウンドを汚していた静電気や電磁波が取り除かれることによってS/Nが良くなり、劇的に静かになり、透明度が向上し、従来ノイズに埋もれていた余韻が再現されます。装着した瞬間、透明度が格段にアップし、低音は弾み出しグッと超低音が伸びます。混濁感が全くなく分解能は大幅にアップして再現されます。
参照ブログ: http://blog.joshinweb.jp/hiend/2016/09/aitec824-for-di-a29d.html

最後に
ご紹介しました“PCオーディオ”『音質改善アイテム』は、いずれか1アイテムでも必ず効果を発揮しますが、さらにアイテム加えて行くことで確実に音質は改善していきます。

これらの“PCオーディオ”『音質改善アイテム』を導入して、PCオーディオのさらなる可能性を目指し、“PCオーディオ”に再チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

※ご注意:ご紹介したオーディオアクセサリーをお使いになることで、音質が悪化することはありませんが、改善度合いには、ご使用機器や環境、お聴きになる方の感覚や要求度によって差がありますので、予めご了承下さい。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2015年10月24日 (土)

明日から使いたくなるオーディオ用語 3語!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
ウォーミングアップ、エージング、バーンインなど、ハイエンドオーディオ系の雑誌やオーディオファンの間でごく普通に使われている専門用語。これらは、オーディオ機器の使いこなしや、メンテナンスとしては基本中の基本ではありますが、解っているようで解らないのが現実ではないでしょうか。

そこで本日は、よく使われている専門用語について、私の40数年に及ぶオーディオ歴から得られたノウハウとともに解説いたします。

ウォーミングアップ

まずは、最も基本的な「ウォーミングアップ」から。

これは、新車の慣らし運転や日々の暖機運転と同じ考え方です。いきなりエンジンを高速回転にするのではなく、ある程度の距離までほどよく走ってやることで、新車時や始動直後のギクシャクした動きが解消され、加速や吹き上がりが向上します。

新品のオーディオ機器も同様で、別段難しい作業が必要な訳ではなく、ご自分のお好きな音楽ソフト(CD・デジタルファイルなど)を再生してやればいいだけです。

しかし、出来れば静かな曲だけではなく、ダイナミックレンジの広いメリハリのあるソフトの方が、機器に時折負荷がかかるため、効果的とも言えます。

このような慣らし運転をすることで、例えばスピーカーではコーンの動きがスムーズになったり、エンクロージャーに使われている木材が馴染んで、振動が滑らかになるなどの効果もあります。

アンプやCDプレーヤー、アナログプレーヤーにも同様に、ある程度(普通に使用して数ヶ月)のウォーミングアップを行うことで、本来それらが持っているパフォーマンス(性能)が発揮できるのです。

私は通常、音楽を聴く場合も極力ウォーミングアップしてから聴くようにしています。基本的には時間とともに天板が暖まる機器では、再生を開始する30分前には電源を入れておきます。これにより、聴いている間の音質変化はかなり抑えられます。

エージング

続いて「エージング」について、ご説明いたします。

エージングとは、経年変化のことです。先ほどのウォーミングアップと混同される場合が多いのですが、もう少し長期にわたっての鳴らし込みのことです。

前述のスピーカーでは、コーンやドームのエッジ部分やダンパーなどの駆動部分は、新品のうちは硬いのですが、ある程度鳴らし込むことで、設計上の本来の性能が発揮できるようになるのです。

以前、ある中級スピーカーをご購入いただいたお客様から「高音がキツくて耳が痛い」との連絡が入りました。

そのスピーカーのツイーターは金属ドームで、それまで長期にわたってお使いの小型スピーカーがソフトドームだとのことで、私は「さもありなん」と思いました。

それは、中級スピーカーといえども、鳴らし込んでから出荷しているわけではなく、どうしても使用者側で、ある程度の鳴らし込みが必要だからです。

その製品を弊社にお送りいただいて試聴しましたが、その結果は全く問題のないものでした。お客様には「エージング不足は感じますが、全く異常はありません。通常音量で結構ですので、ご自分のお好きなジャンルの曲を、リピート再生してください。音量が気になる場合は、スピーカーに布団などを掛けてみてはいかがでしょうか。」とのお伝えさせていただきました。

スピーカー以外のオーディオ機器のエージング効果を疑われている方もいらっしゃいますが、私の経験では、アンプでも「馴染む」というイメージは感じますし、真空管アンプでは特に顕著です。電気が流れることで、回路部品や基板、増幅素子などが馴染んで行くのは、ある意味当然なのではないでしょうか。

また、原子・分子レベルで考えれば、ケーブルにおいても十分エージング効果が考えられますし、実際に次第に音が良くなっていくのを経験しています。

また、エージングとは老化という意味もあります。ある程度エージングが進んでいれば、お聴きになる前の「ウォーミングアップ」で十分かと思います。

バーンイン

最後は「バーンイン(burn-in)」です。本来の意味は、半導体チップなどの電子素子の品質試験の一つで、温度と電圧の負荷をかけることで、初期不良を検出することだそうです。

エージングとバーンインも良く混同されますが、エージングは、状況さえ良ければ経年によって良くなり続ける意味に使われますが、バーンインは「本来設計した状態に近づける」ことの意味のことのようです。

ということで、バーンインにはエージング効果以外に、磁化してしまった使用機器の消磁(デマグネタイジング=電気機器は電気を流すことで帯びる磁気を取り除くこと)も含まれるようです。

バーンイン信号を用いることにより、より少ない時間でバーンインな状態になることを助けるのです。

超ハイスピードでの周波数のスイープ信号(連続的に周波数を変化させた信号)と、高いエネルギーのランダムノイズにより、スピーカーのドライバーに、ダメージを与えることなく、最適の動作状態に導くといいます。

特に、この分野では先駆的なPAD(Purist Audio Design)の『システム・エンハンサー』は、今年新製品として改良版のバーンインCD『 ルミニスト・システム・エンハンサー 』を発表しました。

スーパーコンピュータで演算した結果に基づくPAD社の革新的コンピューター・アルゴリズム信号によって、プレーヤーからスピーカーまでのオーディオシステム全体を音質改善(エージングを促進)するCDです。

動作原理を説明されても、私が理解するのにかなりの時間を要しますが、CDに収録されている電気信号により、配線に使用されている導体の原子が再配列されるというものです。

その動作原理はさておき、効果は抜群で、実際に試用しましたが、サウンドの透明度が上がり、見通しが抜群に良くなります。

ノイズフロアが下がり、音のにじみがなくなることで、音像定位がしっかりしてきて、奥行き感も向上します。

特に、低域の解像度がアップし、その立ち上がりが改善されたことで、中高域とのスピードが一致し、サウンドが活き活きとしたものとなります。一度使用すると、その効果に手放せなくなってしまいます。

このソフトの内容は、演奏すると「単なる雑音」に聞こえますが、オーディオシステムにとっては非常に有効なトレーニングプログラムになります。

様々な周波数、振幅信号は電気回路の個々のパーツを活性化し、スピーカーの駆動状況を改善するとのことです。

上記以外にも、個人的には従来から、ノードスト/システムチューニング&セットアップ用ディスク「 TD1 」や、XLO/テスト&バーンインCD「 RX-1000 」は常備し使用しており、最低1ヶ月に一度はエージング&バーンインを行っていますことを付け加えておきます。

今回取り上げた専門用語は、ハイエンドオーディオでなくても使える単語です。「最近購入したヘッドホンの実力を発揮するために、今エージングしてるんだ」など、明日から使ってみてはいかがでしょうか。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

2014年9月19日 (金)

ハイレゾ音源(PCM・DSD)を楽しむための基礎知識


こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
ついにここまで来たか!と思わせる、モンスター級のスペックを持つヘッドホンアンプが登場しました。それは、英国アイファイオーディオの「micro iDSD」です。USB入力での最大サンプリング周波数は、PCMで768kHz/32bit、DSDは22.4MHz/1bitというとんでもない数値で、度肝を抜かれました。


これはこれで素晴らしいスペックですが、果たしてそこまでの数値が本当に必要なのでしょうか?本日は、ハイレゾ音源(PCM・DSD)について、お話していきます。

現在のハイレゾブームについて

サンプリング周波数が96kHz/24bit以上のPCM音源とDSD音源が、ハイレゾ(ハイレゾリューション)音源であると日本オーディオ協会によって定義されたのは、今年6月のことです。製品開発の方が先に進んでしまったため、後追いのような格好での決定と見えてしまったのは否めません。

ところで、ハイレゾがここまで急速に盛り上がったのは何故なのでしょう。当初はパソコンとの親和性から、パソコン関連や楽器関連のメーカーの製品が登場しました。その後、長らく不況にあえいでいたオーディオ業界が海外製品を含め、ここぞとばかり次々と新製品を投入した結果、一大ブームとなったのです。

しかし、それだけではここまで盛り上がることはなかったと思います。やはり、ハイレゾ音源の素晴らしさが大きいのではないかと考えます。

高いサンプリング周波数によって、アナログレコードや生の音に近い豊かな倍音(高調波)成分が再現されるからに他なりません。特に、高域が多く含まれた楽器の再現性は、CDでは味わうことのできなかった高密度の生々しいサウンドで、いわゆる録音現場の音に限りなく近いものに感じられるからだと思います。

PCM・DSDフォーマットの特徴

ハイレゾブームのはるか前から、デジタルで音を扱うということは、ほぼ全てPCMを意味していました。CDから始まって、MD、DAT、MP3やAACなどの圧縮音源、携帯電話、デジタルテレビの音声など…、デジタル=PCMだったのです。

PCMはサンプリング周波数で扱える上限の周波数が決まり、そのビット数で音の大小、ダイナミックレンジが決まります。それに対し、今注目のDSDは考え方が全く違うのです。

サンプリング周波数が2.8MHzと、そもそも単位(PCMのkHzと、DSDのMHz)が違う上に、PCMのようにある時点での音量を捉えるのではなく、音の波動があるかないかを0と1で表現し、1bitの枠の中での音量の変化を濃淡で記録するのです。

例えば、理論的にPCM 192kHzでの再生周波数限界は、サンプリング周波数の半分である96,000Hz(96kHz)、ダイナミックレンジは量子化ビット数が24bitなら144dBになります。

一方のDSDでは、再生周波数は100kHz(理論的には1.4MHz)を超え、ダイナミックレンジも20Hz~20kHzの間ではPCMを上回る150dB以上となります。明かに、DSDの方がワイドレンジで倍音の再現性が高いことは数字が表しています。しかし、これと音が良いとは全く別の話であるということを後で説明いたします。

ただ、フォーマットの違いによる音質の違いは厳然と存在しており、一般的には以下のようになります。
  • PCMは、明瞭で鮮やかな音、音像の輪郭がクリア、音が前に張り出してくる感じ、低音が充実、躍動感あるサウンドといった特徴があり、音楽ジャンルはジャズやポップス系がピッタリ。
  • DSDは、透明度が高く繊細、音場には奥行き感や立体感があり、アナログレコードに近い柔らかく滑らかなサウンドが特徴。ジャンルではクラシックやボーカルが得意といわれています。
PCMはCDの延長線上にあり、CDと同質で情報量が大幅に増え、弱音部の再現性も高いことから、PCMの方が優位とも思えますが、最近急速に普及してきたDSDは、そのサウンドが生音やアナログに近いということから多くの音楽ファンに受け入れられているのです。

しかし、これらはあくまで個人の好みの問題ともいえます。また、比較的完成度の高いPCMに対して、DSDはまだまだ発展途上であることも事実で、今後まだまだ音質的には良くなる可能性を秘めているのです。

USB-DACにおける、PCM・DSDフォーマット

最近のDSD対応USB-DACに採用されているDACチップは、現在主流となっている1bitΔΣ変調を使った構成(マルチビットDACチップが高価なためハイエンド機にしか使用できない)となっているため、その再生はDSDの方が有利だともいわれています。

その理由はPCM再生時にもΔΣ変調をして一旦1bit化した後、データを補間をする形をとっているためで、1bitのDACチップにDSDフォーマット信号を入力した場合、余計な変換がない分DSDの方が純度が高いといわれています。

しかし、DSD対応のUSB-DACなどにも、メーカーによってはPCM系のハイレゾサウンドを重視し、DSDのメリットである空間表現が少し後退しているケースもあるとのことで、これらはメーカーによる違いというより、開発エンジニアの好みにも大いに左右されているようです。1bitDACチップを使う限り、PCMとDSDの両方を均等に高音質化するのは至難の業でもあるようです。

また、KORGのAudio Gateなどの再生ソフトではPCM信号をDSDに変換したり、逆にDSD信号をPCMに変換して、それぞれの音質の差を楽しむことはできるのですが、この変換には可逆性がないということも知っておいていただきたいと思います。

具体的には、192kHz/24bitのデータを2.8MHzのDSDに変換した後に、元の192kHz/24bitに変換しても同じデータにはならず音が変わってしまうのです。また、PCMをDSDに変換してもDSDらしい繊細さや滑らかさは楽しめても、それは音が良くなったとは決していえません。期待しすぎは禁物です。

録音現場では、まだまだPCMが優位に!

録音側でもまだまだ問題は山積しています。
PCM方式はCDで用いられていることからもデジタルオーディオの世界標準であり、30年以上の歴史の中で、編集をはじめとした多くのノウハウが蓄積されており、PCMの優位さは揺るぎないものです。ほとんどのスタジオがPCMベースの環境下にあり、別のスタジオに変わったとしても、そこで編集などの作業が十分可能なのです。

一方DSDは、編集作業やマルチチャンネル録音が事実上不可能であり、PCMのような編集をするには一旦アナログやPCMに変換して処理するしか、現時点では無理なようです。

DSDのレコーダーも基本的にはステレオレコーダーで、それらを同期運転してマルチ録音する研究もされているとのことです。従って、DSDのメリットを最高に生かすソースは、超一流ミュージシャンの演奏の一発録りしかないことに現状ではなります。

PCMにおいても問題がないわけではありません。
よくある質問に、WAVとFLACではどちらが高音質かということがありますが、これはいくら可逆圧縮とはいえ、やはり音の純度ではWAVが有利といわざるを得ません。

しかし、WAVは曲名やアーティスト名などのタグ情報を結びつけるには限界があります。また、FLACで行われるデコード処理が負荷となって音質に影響しているとはいわれつつも、配信サイトでは標準となっていることや、192kHz/24bitのハイレゾ音源の再生はPCやDACへの負担が大きく、不安定化や保存のために容量が必要になることから、実用上は96kHz/24bitで十分との話も専門家の間ではあります。

ハイレゾ音源(PCM・DSD)を存分に楽しむには?

このようにDSDはPCMと比較して、まだまだ発展途上のフォーマットであり、今後は大いに期待できますが、それを待っていてはPCオーディオやネットワークオーディオの素晴らしさを享受できないのです。とにかく、デジタルは最先端の機器をお選びになるのが大原則ですが、前述のようにいろいろな問題点のあることは一応ご承知おき下さい。

そして、ハイレゾを存分に楽しんでいただくためには、今お使いのアンプのグレードアップをぜひご提案いたします。

それは、今から15~30年位前(具体的には1980年代~90年代)に発売されていたアンプは、CDのスペックの上限である20,000Hz以上の高周波再生を想定していなかったためで、高域のフィルターが不完全でシュワシュワやジュルジュルという感じのノイズが発生して、スピーカーを危険にさらす可能性があります。これは当時、高域特性が素晴らしいと謳っていたハイエンド機の方が起こりやすい現象ともいわれています。

ぜひ、最新のデジタル機器を入手された方は、最新のプリメインアンプへのグレードアップも一度お考えいただければと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

Joshin webショップ

  • Joshin webショップ 家電・PC・ホビーの大型専門店

ジョーシン店舗
高級オーディオ情報!

  • 下記店舗では、ハイレゾからアナログまで、Accuphase・B&Wなどのハイエンド オーディオ製品やオーディオアクセサリーが充実。試聴室完備で比較試聴も できます。

    日本橋1ばん館 4F
    (大阪 日本橋)

    三宮1ばん館 B1F
    (神戸 三宮)