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2018年9月22日 (土)

SOULNOTEフラッグシップD/Aコンバーター『 D-2 』が今、大注目!!
~ ESS製DACチップES9038PRO×4とフェムト・クロックにより具現化した究極のデジタルとは ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
CSRがSOULNOTE(ソウルノート)ブランドを引き継いで丸2年。元気の無かった国内オーディオ市場に2016年には「A-1」「C-1」「A-0」、2017年には「E-1」「D-1」と、話題の製品を次々と投入し、少なからずミドルクラスのオーディオ市場を活性化してくれました。

2017年末にはアキュフェーズ、ラックス、エソテリックの御三家に対抗すべく、高級プリメインアンプ「A-2」とフォノイコライザー「E-2」を投入。ハイエンドオーディオ市場に参戦したのです。さらに今夏、フラッグシップD/Aコンバーター『 D-2 』がラインナップに加わりました。自宅での試聴を含めレポートしてまいります!


■ 『 D-2 』に迫る!

『 D-2 』の外観はSOULNOTEの一連の製品と同じく、オリジナリティのある立体的で重量感のあるアルミフロントパネルを採用し、筐体は「A-2」と同じ大きさで、重量は17kgにも達しています。プラチナム・シルバーとプラチナム・ブラックの2色が用意されています。

『 D-2 』の最大のトピックは何と言っても、業界で初めて"ESS製DACチップ「ES9038PRO」"を合計4個搭載し、それにSOULNOTEの得意技「完全対称無帰還ディスクリートアンプ」を組み合わせたことです。初代の「D-1」は「ES9038PRO」を左右独立で2個搭載していましたが、『 D-2 』ではチャンネルあたり2個を割り当てるという徹底ぶりです。



「ES9038PRO」は、IV回路(電流-電圧変換回路)も抵抗1本によるシンプルな回路とし、NFBを採用するアンプで生じるTIM歪(過渡相互変調歪)を排除できたのです。120mAの強力な電流出力を誇る「ES9038PRO」を片チャンネルあたりダブルで使用することで、"さらに自然で生命力に満ち溢れた音楽再生が可能になる"としています。なお、「ES9038PRO」は最高音質の得られるシンクロナスモードで動作させているとのことです。



そしてもう一つのトピックは、DDS(Direct Digital Synthesizer:マスタークロックの出力回路) に、超高精度のTI(テキサスインスツルメント)のPLLatinum™RFシンセサイザー「LMX2594」を採用していることです。

オーディオ機器では数10ps(ピコ秒)オーダーのジッター(クロック立ち上がり波形の揺れ幅)性能のDDS用ICが一般に採用されていますが、『 D-2 』では測定器やレーダー用に開発されたジッター45fs(フェムト秒:フェムトはピコの1/1000)という、世界最高レベルのスペックのオーディオ用DDSを同社として初めて採用したのです。さらに、SOULNOTEとして初めて10MHz外部基準クロック入力も装備しています。やはりデジタルの"肝"はクロックということなのです。

また、従来のFIR(デジタルフィルター)オーバーサンプリングモードに加え、デジタル領域における無帰還化とも言えるNOS(ノンオーバーサンプリング)モードを新たに採用。これにより、FIRオーバーサンプリングのインパルス応答では避けられないプリエコーやポストエコーが発生しないということです。

FIRオーバーサンプリングフィルター
でのインパルス出力波形
NOS モードでのインパルス出力波形
プリエコーやポストエコーはデータを補間するために前後のデータから演算で作り出した人工的な「音」であり、これにより正弦波などの波形は見た目滑らかになりますが、演算のアルゴリズムで音質が変わったり、時間軸的な曖昧さが付加されます。

これは極めて過渡応答性能に優れた無帰還ディスクリートアンプとのコンビネーションで初めて実現できる波形です。音楽波形は高さの違うインパルス波形の連続であるため、NOS モードにより時間軸情報の曖昧さが払拭され、時間軸に対して非常に敏感な人間の聴覚に、よりリアルで自然な音質、空気感をもたらします。(※なお DSD はNOS モードにはなりません。)

デジタル入力はUSB×1と同軸デジタル×2、AES/EBU×1で、USBでは768kHz/32bitまでのPCMと22.6MHzまでのDSDに対応しています。同軸デジタルとAES/EBUではPCMが192kHzまで、DSDは2.8MHzまでです。アナログ出力はXLR(5.6Vrms)とRCA(2.8Vrms)を各1系統を装備しています。




SOULNOTEのお家芸でもあるディスクリート完全対称無帰還差動アンプは、電源整流部も含めて左右チャンネル完全独立のツインモノコンストラクションを採用しています。音声信号や電源経路からコネクターケーブルを排除し、大電流を扱うトランスからの配線も最短化しています。また、各ステージの整流回路を独立させて、相互干渉を防止しています。

電源トランスには、ハイパワーアンプ並の400VAの2次側8巻き線の大型トロイダルトランスを本機のため新開発して搭載。あえてトランスを1個としているのは、振動源であるトランスによって生じる筐体の振動モードのシンプル化を図るためで、不要な振動はトランス直下のスパイク足から筐体外に排出するのだとしています。

動作モードは「STEREO」の他「MONO Lch」「MONO Rch」を選択可能。MONOモード時は反対チャンネル側のES9038PROを停止することで電源の余裕が倍増され、チャンネルセパレーションが事実上無限大にすることができます。

そしてもう一つトピックがあります。それは画期的なデータ転送方法である「Bulk Pet」を採用していることです。一般的にPC-AudioではIsochronous(アイソクロナス:定期的にPCとデバイスの間にデータが流れる通信)転送方式によってデータを転送しています。『 D-2 』ではインターフェイス社が新たに開発したバルク転送方式(※)とする事で、パソコンおよびD/A コンバーターの負荷の軽減が実現でき、再現する音質をさらなる次元へ導くとしています。Bulk Petを使用するには、専用ドライバーのインストールが必要です
※転送するデータの量と転送サイクルをコントロールする事で、転送するデータをできるだけ少なくして、連続的なデータ転送ができ、パソコンやD/A コンバーターの処理負荷を下げることができる。

なお、SOULNOTE製品は音質と安全性を最重視して回路電流を決めています。一般的にトランジスタの温度が高いほど性能が上がり、音質も良くなる傾向にあります。SOULNOTE製品は全て問題のない範囲で高めのトランジスタの温度設定としており、一般的な製品と比較して、セット温度は高めとなっています。

また、筐体、特にトップカバーやシャーシを防振し過ぎると、オーディオ再生のために必要な良い鳴きも止めてしまうとの考えから、音質を最重視して、あえてトップカバーやシャーシ等の防振は行っていません。叩くと素材の音がします。

これらは旧SOULNOTE時代から一貫しており、初めてお使いの方は、夏場の発熱量の多さやトップカバーを叩いた際に驚かれると思います。これらは全て音質のためなのです。


■ 試聴しました
『 D-2 』は自宅でも短時間ですが試聴を行いました。



梱包を開けた際の本体の大きさ、重さに圧倒されました。まさに物量投入型の最たるもで、ちょっとしたパワーアンプ並の筐体でした。D/Aコンバーターとしては異例な大きさで実に存在感のあるものです。

まずは、CDプレーヤーのデジタル出力を同軸ケーブルで接続しました。スケールの大きな安定感のあるサウンドで、アナログを彷彿とさせる立体的なサウンドで、生き生きとした自然で、吹っ切れ感のある、実に伸びやかなサウンドでした。

良い意味で国産屈指のハイエンドサウンドと言えるもので、圧倒的な情報量の多さ、細部の表現力、力強く伸びきった低音は、高精度クロック、強力な電源、そして何よりDACチップ「ES9038PRO」に負う所が大きいとも感じました。

ただ、ゆったり感や抱擁力と言うより、正確無比で、エネルギー感、スピード感、そしてデジタルの素晴らしさを、さらに追求したい方にお勧めします。これだけの説得力のあるD/Aコンバーターはかつて聴いたことがないと断言します。

USB入力でのPCオーディオでも同様の傾向のハイエンドサウンドで、「Bulk Pet」の効果も大きく、細部の表現、安定感、透明感には一日の長があり、PCオーディオのさらなる可能性を大いに感じさせてくれました。

国産最高峰のD/AコンバーターSOULNOTE『 D-2 』が、かつてない究極のデジタルサウンドを実現します。(あさやん)


2018年9月18日 (火)

MQA-CD特集 第5弾!! デジタルオーディオの最先端をひた走るカクテルオーディオ『 X45pro 』 ~ カクテルオーディオのミュージックサーバーがさらに大きく進化! ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、MQA-CD特集 第5弾!!と題しまして、"MQA-CD"にも早々と対応した最新鋭のミュージックサーバー カクテルオーディオ『 X45Pro 』に迫ります!




■ ミュージックサーバーとは!?

韓国NOVATRON社はユニークなマルチメディア・オーディオシステム(ミュージックサーバー)の開発・製造を目的に2003年に創設され、Cocktail Audio(カクテルオーディオ)は、そのハイファイオーディオ製品専用のブランドです。

ミュージックサーバーという単語は、様々な解釈の仕方があるため、日本ではあまり浸透していませんが、厳密に定義すれば、「音源の管理(サーバー)から再生機能(プレーヤー)までを備えるオーディオ機器」と言うことができます。すなわち「ストレージ(データを保管しておくための補助記憶装置)内蔵ネットワークオーディオプレーヤー」と言い換えることもできます。

このミュージックサーバーのメリットは、「1台でデジタルオーディオ再生に必要なことが全て賄える」ということにあります。

アナログレコードやCDがメインソースだった時代は、ごくシンプルだったオーディオシステムが、PCオーディオやネットワークオーディオの時代になって複雑になってしまいました。

PCオーディオならパソコンやUSB-DACが必要で、加えて複雑な設定も必要になりました。一方ネットワークオーディオでは、ネットワークプレーヤーに加えて、サーバーの働きをするNASや、CDをリッピングしたりメタデータを整理するためのパソコンも必要になりました。

オーディオ機器ではないパソコンや、NASを含めた複数の機器を、USBケーブルやLAN接続しなければ、音が再生できないという状況になってしまったのです。これでは従来からのオーディオファンがPCオーディオやネットワークオーディオを「難しい」と感じるのは当然のことだと思います。

そんな中、カクテルオーディオのミュージックサーバーは、こうした複雑さを排除して、1台でデジタルオーディオの魅力を存分に手軽に味わえる製品として登場したのです。

CDのリッピング、メタデータの管理、そしてファイル音源やネットワークでのストリーミング再生はもちろん、CDソフトの直接再生まで1台で行えます。本体大型ディスプレイと付属のリモコンで快適な操作が行えるように設計されているため、別途タブレットやスマホを用意する必要もありません。

そんなカクテルオーディオのミュージックサーバーの現行全機種がファームウェアのバージョンアップによって、今話題の"MQA-CD"のダイレクト再生が可能となったのです。もちろんリッピングしての再生も可能です。

そこで今回は、最新鋭の『cocktailAudio X45Pro(以下X45Pro)』を中心に、カクテルオーディオのミュージックサーバーの魅力に迫ります。


■ カクテルオーディオ『 X45Pro 』に迫る!

現在、カクテルオーディオのミュージックサーバーは4機種(それぞれブラック・シルバーの2色合計8機種)あり、100W+100Wの大出力アンプまで内蔵した、まさにオールインワンの「X35」、機能的にも価格的にも中心的な存在の「X45」、D/Aコンバーター非搭載で筐体を大幅に強化してトランスポートに徹した「X50D」、そして高性能D/Aコンバーターを搭載した同社のフラッグシップとも言える『 X45Pro 』です。

同社メイン機種「X45」の上位モデルという位置づけですが、その外観にはかなりの違いが見られ、大型ディスプレイを中央に置き、CDスロットがそのディスプレイの上に来て、左右対称のスッキリしたデザインになっています。

また、13mmの極厚のフロントパネルを含め、全ての筐体が厚手のアルミプレートに精密な切削加工と、綺麗なブラスト処理(艶消し加工)を施した総アルミ仕上げとなり、上面パネルにはブランド名まで刻印されています。まさにハイエンド仕様と言えます。

機能面は「X45」と同じで、本体背面にストレージ(HDD/SSDドライブ)用のスロットを装備しており、2.5インチHDDやSSDは2TBまで、3.5インチHDDは8TBまで対応しており、それらを使い分けることもできます。

名前が示す通り、ネットワークに接続することで、プレーヤー機能、サーバー機能、さらにインターネットラジオ、TIDAL、Deezerなどのストリーミングサービスにも対応しています。

デジタル入力は、RCA同軸、TOSLINK、AES/EB、USBの4系統、デジタル出力は、RCA同軸、TOSLINK、AES/EBU、USB、HDMIの5系統を装備しています。さらにEthernet、USBメモリや外付けHDD用のUSB3.0×2、USB2.0を装備し、多彩なインターフェースが可能です。

アナログでは、RCA入力とPHONO(MMフォノイコライザー)入力が1系統ずつ、出力はXLRバランスとRCAアンバランスが1系統ずつ装備されています。さらにFMチューナーまで内蔵されており録音も可能です。

電源回路も「X45」より強化されており、アナログ系とデジタル系を分離し、アナログ系には大型のトロイダルトランスを採用。デジタル系のスイッチング電源も大型化されたようです。さらにトロイダルトランスとデジタル系の電源部はそれぞれアルミのシールドケースで覆うという徹底ぶりで、ノイズ干渉を抑えることで高音質を目指しています。

さて本機の最大のトピックであるデジタル系の内部構成を見てみましょう。

DACチップには言わずと知れた最新&最上位のESSの32bitタイプの「ES9038Pro」を1個、ステレオモードで搭載し、140dBものダイナミックレンジと低歪み、低ノイズを実現しています。因みに「X45」は同じESSの「ES9018K2M」です。

「ES9038Pro」には放熱器が付けられ、100MHzというマスタークロックが注入されています。元々発熱量が多い「ES9038Pro」ですが、あえて高い周波数のクロック信号を注入することで、更に発熱は増えるのですが、確実にジッターの低減とDA変換特性の向上が図れるとのことです。

この結果、現時点での再生フォーマットはほぼ網羅しており、PCM:32bit/768kHz、DSD:512(22.4MHz)、DXD:24bit/352.8kHz、HD FLAC:24bit/192kHz、HD WAV:24bit/192kHz、そして"MQA"などハイレゾフォーマットを含む様々なフォーマットに対応できたのです。

その他、同社の他機種との共通点は、
1) 内蔵CDドライブによる簡単CDリッピング。CD情報はFreeDBやGracenoteなどのサイトから取り込み可能。
2) 取り込んだ音楽データは、カバーアート表示、文字表示、使い易い検索機能などが可能な独自のミュージックデータベースに蓄積・管理。
3) PHONO入力(X50は非搭載) からアナログレコードを24bit/192kHzのハイレゾで録音可能。
4) フロントパネルには見やすい7インチの大型ディスプレイを搭載。操作画面、ファイル情報、カバーアートなどが表示可能。
5) 専用のリモートコントロールアプリNOVATRON「MusicX」をiOS/Androidなどのスマホやタブレットにダウンロードすることで、ネットワーク経由で操作可能。

■ 最後に
このように『 X45Pro 』は従来通りの使い易さに加え、内部構成の充実や筐体の強化により、他社製品を圧倒するハイエンド機器としてのパフォーマンスを獲得したのです。

さらに"MQA-CD"にも早々と対応した『 X45Pro 』こそ、デジタルオーディオの最先端をひた走る進化したミュージックサーバーです。これ一台で、いとも簡単にデジタルオーディオを極めることができます。

PC&ネットワークオーディオなどデジタルオーディオのパフォーマンスは認めつつも、その煩雑さにグレードアップを躊躇されていたオーディオファンにこそ、『 X45Pro 』をお勧めします。

カクテルオーディオのミュージックサーバーは、"MQA-CD"の魅力が最も手軽に高音質で味わえる最先端オーディオ機器なのです。(あさやん)

※カクテルオーディオの"MQA-CD"への対応内容は以下の通りです。DACを内蔵したX35/X45/X45Proでは、MQA-CDをフルデコード再生して、最大352.8kHz/24bitの信号をD/A変換してアナログ出力します。デジタル出力時は、MQAの規定に準拠したデジタル信号を出力します。DAC非搭載のX50Dについては、デジタル出力から、MQA規定に準拠したデジタル信号が出力されます。(新ファームウェアのバージョンはR1298です。)

2018年8月11日 (土)

"MQA-CD"特集 第4弾 ~ "MQA-CD"の凄さ! 対応機が続々登場! ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
過去3回にわたって"MQA-CD"についてレポートしてまいりましたが、今回はリニアPCM、DSDに続く第3のオーディオコーデック(※)としての"MQA"の凄さを解き明かします。
※コーデックとは、データのエンコード(符号化)と、デコード(復号)を双方向にできるソフトウェアのこと


■ 全く新しいオーディオコーデック

"MQA"は2016年頃から音楽ファイルのダウンロードや、ストリーミング配信に使用され始め、ハイレゾ音源をCD並のコンパクトなサイズに限りなくロスレスで圧縮する「オーディオ折り紙」とも言われる技術を使った、全く新しいオーディオコーデックです。

これを開発したのは英国のメリディアン社で、創業者のボブ・スチュアート氏の「デジタルでもアナログのように柔らかく、広がりのある高音質を再現したい。」との思いから生み出されたのです。

スチュアート氏は「20世紀の英国におけるオーディオの巨人」とも評され、FLACの原型とも呼ばれるロスレスコーデック「MPL(Merideian Lossless Packing)」を1990年代に発表した、デジタルの最先端技術をもつエンジニアです。

氏は、「アナログ時代は凄くいい音を聞けていたのに、デジタルになって音が不自然で硬くなってしまった。」これを何とかしたいと考え、開発に着手、その集大成が"MQA"だとしています。


■ これまでの高音質CDとの違い

従来、音楽ファイルは帯域を拡張して情報量を増やすことで高音質を追求してきましたが、情報量が増えれば音は良くなるものの、必要な容量が大きくなってしまい、ダウンロードに時間が掛かったり、ストリーミング配信で聞ける環境が制限されたりしていました。

またスチュアート氏は、帯域を拡張することで《ありがたみカーブ》が寝てくることにも危惧していました。それはサンプリング周波数をCDの44.1kHzから96kHzにした場合、音の変化には非常に大きいものがあるものの、384kHz、768kHz当たりまで来ると音質の変化が少なく、《ありがたみカーブ》(=サンプリングを上げることによる御利益)が少なくなってしまうと言います。

そこで着目したのが「音の時間軸解像度」という考え方です。時間軸とは、どの位の短時間で音の変化を認識できるかの尺度で、人間は一説には50マイクロ秒(※)とも10マイクロ秒とも言われます。
※マイクロ秒=100万分の1秒、10マイクロ秒は10万分の1秒

それに対し、CDの時間軸解像度は4000マイクロ秒、ハイレゾ96kHz/24bitリニアPCMでさえ400マイクロ秒程度だそうで、これは人間より400倍も40倍も悪いことになります。その結果、音が硬く、不自然に感じるのだとの結論に至ったのです。

スチュアート氏は、既存のリニアPCM音源の時間軸解像度を細かく再設定できる特別なフィルターを開発し、これを使って音楽ファイルをエンコードすることで、高音質化を果たしたのが"MQA"で、解像度は何と10マイクロ秒を実現したと言います。

そもそも人間の耳は、周波数より時間軸解像度に対して5倍から50倍も敏感なのだそうです。特にハイレゾソースでは時間軸の精度を改善することで音質が向上するのですが、その悪化する一因はデジタル信号に含まれるリンギング(音のボケ)で、その対策として"MQA"ではリンギングを除去する処理をし、音のヌケ、透明度が向上するとのことです。

さらに"MQA"は、「オーディオ折り紙」効果により容量を抑えることができ、折りたたむことでCDと同等のデータ容量になり、通常のCDプレーヤーで音楽を聴くことができる上に、専用のデコーダーを通すことで「折り紙」が広がり、元の広帯域での再生できるのです。

しかし、氏は当初"MQA"はストリーミングに使うことが主眼で、CD化については全く考えていなかったのだそうです。日本のレコードレーベル:UNAMASの沢口氏とシンタックスジャパンの村井氏が"MQA"がCDと同等の容量になることに着目し"MQA-CD"を発想したのだそうです。実際に作ってみたら、通常CDプレーヤーで再生でき、MQAデコーダーを通すと、見事ハイレゾサウンドが再生できたのです。これは快挙という他ありません。

そして"MQA-CD"が日本から登場したのは、欧米ではすでにストリーミングがメインソース(ダウロードは減少に転じた)になる中、日本は未だにCD大国としてパッケージメディアが根強く人気を保っており、実際レコード各社はCDの高音質化を続け「SHM-CD」や「HQCD」などを投入して来ています。

しかし"MQA-CD"がこれまでの高音質CDと違うのは、従来の改良はCDの材料や製造方法であったのに対し、"MQA-CD"は信号処理方法にメスを入れたと言うことです。さらにMQAデコーダーを使わず通常のCDプレーヤーで再生した場合でも、MQAでエンコードされることで、CD帯域でも時間軸解像度が細かくなっていることで高音質化が図れるのです。これによって今後すべてのCDが"MQA-CD"になる可能性も出て来ました。

さらに朗報として、これまで取り上げてきた対応機種以外に、新たにトライオードが輸入元となっているオーディオブランド「cocktailAudio(カクテルオーディオ)」のマルチメディアプレーヤーが、ファームウェアのバージョンアップ(R1298)を行い、アップデートすることで"MQA-CD"に対応できるようになったとのことです。

X45prococktail Audio X45Pro

カクテルオーディオのアナログ出力を装備した「X35」「X45」「X45Pro」については、"MQA-CD"に記録された信号を352.8kHz/24bitなどのハイレゾ仕様にデコードし、アナログ出力ができます。これらにはフロントローディングのCDドライブが装備されているため"MQA-CD"のダイレクト再生が可能です。自己完結できる優れものです。また「X35」「X45」「X45Pro」及び「X50D」のデジタル出力からは、MQAの規定に準拠したデジタル信号が出力され、MQA対応の外部D/Aコンバーターでもハイレゾ再生できます。今後こういう形での製品化が増えてくる可能性が高くなって来ました。


■ 最後に


最後に、筆者が一部入手したユニバーサル・ミュージックの『 ハイレゾCD名盤シリーズ(生産限定版) 』の"MQA-CD"のサウンドについて少し触れておきたいと思います。いずれも「Brooklyn DAC+」を使用し352.8kHz/24bitで再生しています。

【1】カーペンターズ「シングルス1969~1973」
筆者自身学生時代、カーペンターズを聴きまくった人間で、LPはほとんど所有していますが、CDになって前述のスチュアート氏同様「音が違う」と感じ、その印象はSACD盤でもそれ程変わりませんでした。カレンの声が冷たく、リチャードのピアノが硬かったのです。しかし、"MQA-CD"では何と瑞々しいボーカルでしょう。滲みのピアノでしょう。アナログ時代のサウンドが蘇って来ました。

【2】オスカー・ピーターソン・トリオ「プリーズ・リクエスト」
お馴染みのJAZZのスタンダードで、アナログ時代はリファレンスにしていました。しかしCDになってからは薄っぺらく軽いサウンドになり、ピアノも甲高く、やはり1964年の録音はこの程度のものだと感じていました。しかし"MQA-CD"では魂を吹き込まれたようにホットで、臨場感たっぷりのサウンドに変身したのです。

【3】キャノンボール・アダレイ&マイルス・デイビス「サムシン・エルス」
音楽史上に輝く不滅の一枚。マイルスのトランペットの生々しさ、キャノンボールのアルトの伸びやかさ。これが1957年の録音とはにわかには信じられないリアルさです。ステレオ初期の単純な定位ながら立体感が素晴らしく、あの時代にこの録音ができたのは、現在の様にいじくり回さない単純な録音方式の賜だと改めて感じました。

【4】アントニオ・カルロス・ジョビン「イパネマの娘」
筆者が好きなボサノバナンバー。ジョビンのピアノが滲まずクリアに、ギターも小気味良く軽く流れ、心地よいサウンドです。CDジャケットには、米国でオリジナル・アナログ・テープから2004年に44.1kHz/24bitにリマスターされたものをDSD化し、さらにMQAエンコードしたとありますが、これは紛れもないハイレゾです。やはり時間軸解像度が効いているとしか考えられません。

これら"MQA-CD"のサウンドは、いずれも通常CDとは全く違う世界です。SACDの線の細さもありません。低音の音程がしっかりし、安定感があり、風圧さえも感じさせてくれます。中高域の張り出し感、突き抜け感は、アナログ時代を思い起こさせてくれます。

この凄い"MQA-CD"の世界を、一刻も早く多くのオーディオファンの皆様に体感していただきたいのです。(あさやん)

2018年8月 7日 (火)

マランツ『PM-12』『SA-12』はどこまで上位機に迫ったか

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、マランツから新たに登場した、プリメインアンプ『PM-12』とSACD/CDプレーヤー『SA-12』をご紹介! どちらも、これまでの上位機に迫る製品となっています。日本橋1ばん館での試聴内容と合わせてレポートいたします。

マランツ プリメインアンプ『PM-12』と、SACD/CDプレーヤー『SA-12』


■ マランツ製品の歩み

マランツのプリメインアンプには、「PM5005」「PM6006」「PM7005」そして「PM8006」に至るエントリーからミドルクラスまでの数字4桁のシリーズと、「PM-14S1(生産完了)」から「PM10」に繋がる数字2桁のプレミアムシリーズの2つのシリーズがあります。

またSACD/CDプレーヤーはさらに少なく、エントリークラスはCDプレーヤーの「CD5005」と「CD6006」、ハイエンドクラスも「SA-14S1(生産完了)」と「SA-10」に、さらに絞られていました。それは「ND8006」というネットワーク機能付きのCDプレーヤーという新しいコンセプトのプレーヤーが出現した結果でもあります。

そこに新たに登場したのが、今回ご紹介させていただきます、プリメインアンプ『PM-12』とSACD/CDプレーヤー『SA-12』です。


■ マランツ プリメインアンプ『PM-12』

D&M(マランツ)が輸入元となっているB&Wの製品を筆頭に、最近の人気スピーカーは、圧倒的なワイドレンジ、高分解能、高S/N、そして広大なサウンドステージと豊かなエネルギー感を実現したものになっています。

それら最新鋭スピーカーをドライブするために、アンプに求められる条件として、マランツが目標としたのが、【1】広帯域にわたり、音量の上下に対してフラットで音の質感が変わらないこと。【2】強力なドライバビリティがあり、最新のスピーカー特有の強力なキックバックに耐えられることでした。

また同社は、アナログアンプにはどうしてもサイズの壁が存在し、プリメインアンプという制限があることが、性能向上の大きなネックとなってしまっており、これを解決する手段として上級機「PM-10」で採用した、スイッチングアンプを『PM-12』でも導入したとしています。

この結果、電源が小型化され、しかもプリアンプとパワーアンプの電源が完全にセパレート化され、アナログプリアンプに使われるスペースが大幅に拡大されたことで、従来のプリメインアンプでは、到底不可能なグレードのプリアンプを搭載できたのです。


左:「PM-14S1」 右:「PM-12」


サイズの成約から解放された大型のプリアンプには、理想的な回路でもある新開発のDCサーボ搭載の電流帰還型を採用し、レイアウトも余裕があり、使用パーツ(JRC製高性能ボリューム素子やHDMA-SA3など)も高品質なものが使われています。

さらには、プリアンプ用としては異例な大型トロイダルトランスや6800μF/35V×2の平滑コンデンサなど、繊細なプリアンプステージを支えるべく高品位な専用パワーサプライを構成しています。この『PM-12』のプリアンプは、従来のプリメインアンプのプリ部とは大きく異なり、音質向上に優位に働くのは確実です。

一方、パワーアンプにはフラッグシップである「PM-10」と同型のスイッチングパワーモジュールHypex社製NC500を採用し、大出力200W/4Ω、100W/8Ωを実現しています。またスピーカーリレーを無くすことで出力経路が短縮化でき、スピーカーのドライブ力に影響するダンピングファクターを「PM-10」の2倍以上にすることができたと言います。そしてパワーアンプの電源部にも「PM-10」と同じHypex社製の「SMPS600」を採用し、入念な放熱対策と強固に固定することで振動対策も万全です。

『PM-12』に採用されているHypexのスイッチングパワーアンプは、いわゆるD級アンプですが、一般的なD級アンプに比べ、インピーダンス変動による周波数特性の変動が少なく、スピーカーによってアンプのキャラクターが左右されないのです。この結果、大出力と正確な再現性を併せ持つパワーアンプとなったのです。

その他、フォノイコライザーも新しく開発され、無帰還アンプ(ゲイン40dB)+MC用ヘッドアンプ(ゲイン20dB)の構成とし、2重シールドケースに封入するなど万全です。スピーカー端子やCD入力/ファノ入力端子を純銅削り出しとし、フロントパネルのディスプレイもフルドット有機ELを採用するなど視認性や操作性も向上しています。


■ マランツ SACD/CDプレーヤー『SA-12』

そのコンセプトはズバリ、全ステージをマランツのオリジナル技術で構成することです。一般的にデジタルプレーヤーやD/Aコンバーターなどでは、メカニズムやDACチップ、デジタルフィルターなどに何が使われているかに注目が集まりがちです。

『SA-12』のドライブメカには、上級機「SA-10」と同じマランツ7世代目にあたる最新の自社開発メカエンジン「SACDM-3」が採用されています。 高剛性スチールシャーシ、アルミダイキャストトレー、アルミ押し出しトレーカバー、そして2mm厚の高剛性スチールベース(「SA-10」は10mm厚でここは上級機には及ばず。)など、これこそ、さすがに今となっては数少ない自社メカを作れるメーカーの強みです。

このメカはCDやSACD以外に、DVD-ROMの再生が可能で、FLAC(32-192kHz/24bit)やDSD(2.8-5.6MHz)などのハイレゾフォーマットにも対応しています。(筆者的には、ここにMQA-CDがあれば完璧なのですが・・・。)

『SA-12』の最大の"売り"は、オリジナルのディスクリートで組んだD/Aコンバーターです。いわゆる、バーブラウンやESSなどのDACチップを使うのではなく、マランツのポリシーを具現化できるオリジナルのアルゴリズムを採用でき、高品位なパーツが自由に使え、DAC内部でデジタル段とアナログ段をアイソレートできるなど、他社との圧倒的な差別化が図れます。

さらに「SA-10」同様、全てのPCMデータを一旦1bitのDSDデータにΔΣ変換(11.2MHzまたは12.3MHz)し、DSDデータと全く同じD/A変換プロセスでCD等が再生できるため、後段はアナログフィルターのみというシンプルな構成を取れるのです。(DSDデーターの時はそのままで信号処理はしません。)

リアパネルには、一般的な同軸と光入出力の他に、B-Type(DSD:11.2MHz、PCM/DXD:384kHz/32bit)1系統、A-Type(DSD:5.6MHz、PCM:192kHz/24bit)1系統のUSB入力を装備しており、USB-DACやUSBメモリからの音楽ファイル再生としても十分な性能を持っています。

デジタル機器の要でもあるクロックには、最新世代の超低位相雑音クリスタルを採用し、後出しジャンケンのメリットでもあり、位相雑音が「SA-10」採用品より15dBも改善されているとのことです。(クロックの強化は確実に音に表れます。)

アナログ回路も電流帰還型差動アンプやパーツを見直すなどで高音質化を実現できたとしています。特に電源部はデジタルプレーヤーとしては異例な規模で、「SA-10」と同一の110VAの大型トロイダルトランス(SA-10は銅メッキシールドケースに封入)やカスタム仕様のブロックコンデンサなど徹底した高音質指向としています。

ヘッドホン回路にまでフルディスクリート電流帰還型アンプを採用するなど、高音質にこだわっています。また、ヘッドホン回路のオン・オフ機能を装備するなど徹底しています。


■ 試聴しました


マランツ『PM-12』と『SA-12』の試聴は、日本橋1ばん館のリファレンスルームで、同社シニアサウンドマネージャー:澤田氏の製品説明に続き行いました。澤田氏はここだけの話として、製品資料にはないことも色々お話いただけました。(一部をご披露)

『PM-12』はスイッチングアンプのシングルエンド構成のプリメインアンプに徹したことで、あらゆる面で余裕が生まれ、音にも表れていると言います。それは張り出し感や、吹っ切れ感といった伸びやかなリアルなサウンドでもあります。

「PM-10」には、ゆったりした音調で、どちらかというと、クラシックを優しく繊細に奏でるという大人のイメージがあったのですが、『PM-12』はあらゆるジャンルの音楽に適し、厚くホットなサウンドは、ジャズやポップスも楽しく聴かせてくれました。

さらに、ダンピングファクターが実質1000を超え、当日使用したスピーカーB&W「802D3」をも難なくドライブし、低音の伸びや厚みを伴った充実感は圧巻でした。とてもプリメインの音とは思えないもので、さすがアンプの設計がB&Wを中心に行われていることから、この難しいスピーカーをこれ程簡単に鳴らせるのだと納得させられました。他社のスピーカーは、もちろんさらに軽々と鳴らしきりました。

『SA-12』はアンバランス出力のみとした結果、アナログアンプは半分の規模になったにも関わらず、トランスが「SA-10」と同様と言うことで、余裕のサウンドを実現できたと言います。さらにマスタークロックの精度が「SA-10」を上回っていることも、音質的にもクラス超えたものになったと言えるかも知れません。

滲みや、まとわりつきの無いクリアなサウンド、中低域の厚みや余韻の長さ、S/Nの良さはCDの可能性を十分に引き出してくれました。さらにSACDも聴けるのですから、この価格でこのサウンドは絶対買いだと思います。


■ 最後に

『筆者は、この『PM-12』『SA-12』がいずれも約30万円(税込)というのは、かなり戦略的な価格だと思います。フラッグシップの良い所は残しつつ、ある部分は音質に悪影響がでない範囲で簡略化し、そしてそこに最新のノウハウをつぎ込んで完成した、実にお買い得なプリメインアンプとSACD/CDプレーヤーです。(あさやん)


2018年8月 3日 (金)

MQA-CD特集 第3弾!! ~ユニバーサルミュージックの"MQA-CD"! そのサウンドに感動!!~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ユニバーサルミュージックより、『 ハイレゾCD名盤シリーズ 』が発売されましたので、"MQA-CD"の特長と試聴結果をレポートいたします。

今回発売された、ユニバーサルミュージック(以下、ユニバーサル)の"MQA-CD"は通常のCD盤ではなく「UHQCD」仕様です。さらに「グリーン・レーベルコート」が施され、現時点では最高峰の高音質CD仕様となっています。
(※なお、音元出版・オーディオアクセサリー誌169号付録の"MQA-CD"は「UHQCD」ではなく通常CD仕様です。)

"MQA-CD"の説明に入る前に「UHQCD」仕様と「グリーン・レーベルコート」について少し触れておきます。


■ "UHQCD"の原理やメリットとは?



「UHQCD」はメモリーテックが開発した、既存のCD製法を根本から見直したCD規格に準拠した高音質のディスクメディアです。通常CDとは違い、スタンパーとポリカーボネートの間(上図参照)に、ピットの奥まで届く液体状のフォトポリマー(紫外線硬化樹脂)を注入することで、転写性能が飛躍的に向上(ピットのエッジが丸まらない)したのです。

一方、「グリーン・レーベルコート」とは、レーベル面にCDプレーヤー内で乱反射する不要なピックアップからの光を吸収する、緑色のレーベルコート(緑色は赤色のレーザー光とは補色の関係)で、過去にはCDエッジに塗る緑色のペイントや、緑色のターンテーブルシートが販売されていたことをご記憶の方もいらっしゃると思います。それらと同じ考え方です。

そして本題の"MQA-CD"ですが、過去このコーナーでもその原理やメリットについて縷々述べてきましたが、今回はユニバーサルの『 ハイレゾCD名盤シリーズ 』を中心にそのこだわりを探ってまいります。


■ ハイレゾデータを折り畳んでCDに収納する"MQA"

MQAはハイレゾのクオリティを維持しながらファイルサイズを小さく折りたたむ手法で、ハイレゾ配信サイトを中心に現時点で入手できる音源は、すでに約3,000タイトルに達しており、世界中で50社以上が音源とハードウェアを提供していると言います。

一方"MQA-CD"は、昨年(2017年)登場したものの、マイナーレーベルやバイノーラル仕様のCDなど約30タイトルしかなかったのですが、今回ユニバーサルから発売された100タイトルでかなり選択肢は増えたと言えます。

とは言うものの、今回の"MQA-CD"は過去のアナログマスターの音源を、一旦DSDに変換した後、352.8kHz/24bitのPCMにしているため、ほとんどが1970年代以前のアナログ音源です。実際の作業は、DSDマスターを英国のMQA社に送り、そこでMQAへのエンコード処理と44.1kHz/16bitへの変換処理を行った上で、CD規格の音源をユニバーサルが受け取るのだそうです。

過去の貴重なアナログマスターのテープの劣化がどんどん進んでいることから、早急なデジタル化が必要ですが、ユニバーサルは以前からSACD用にDSD化をしてきており、今回の"MQA-CD"には、新たにDSD化したものも含め、すべてDSDマスターを使用しています。

また、デジタル(PCM)黎明期からCD初期にかけて録音された、48kHzや44.1kHzのPCM録音のマスターでは、こういった作業(DSD化)があまり意味をなさないことから、やはり今回の"MQA-CD"は、1950年代~70年代のアナログ全盛期の高音質アナログマスターのMQA化が中心となっており、これは我々にとって非常に魅力的です。

筆者としては、かつてのアナログ時代に高音質音源として持て囃され、今や伝説となっている「シェフィールド」や「TBM(スリー・ブラインド・マイス)」、「オーディオラボ」などが"MQA-CD"で復活して欲しいと思っています。


■ "ハイレゾCD名盤シリーズ"はここが違う!

今回の『 ハイレゾCD名盤シリーズ 』は、その企画段階では、DSDマスターを176.4kHz/24bitに変換して収録する予定だったそうですが、製作段階において、より音質面でのアドバンテージが認められた、352.8kHz/24bitでの収録に変更されたのだそうです。確かにディスクの外装の帯には176.4kHz/24bitと表記されており、急遽決定したものと思われます。

前述のように今回の『 ハイレゾCD名盤シリーズ 』は、"MQA-CD"と「UHQCD」という2つの仕様を併せ持っており、従来のCDプレーヤーでも通常CDとして再生が可能です。そしてMQAデコードに対応したD/Aコンバーターにデジタル出力を繋ぐと、352.8kHz/24bitのハイレゾ再生が出来るという画期的なCDソフトとなったのです。

さらに通常のCDプレーヤーでの再生時にも、「UHQCD」としての長所はもちろん、MQAエンコードの際の時間軸解像度(音像のにじみ)の改善効果がそれに加わるため、既存のCDよりも高音質での再生が可能だとされています。

このあたりはSACDや過去にあったDVDオーディオとも違う"MQA-CD"の大きなメリットと言えます。そして何より価格が各3,000円、2枚組4,000円(いずれも税別)という所も見逃せないメリットです。

さらにユニバーサルが日本国内で一気に100タイトルもの"MQA-CD"を発売した訳は、ハイレゾとCDが両立する"MQA-CD"という形が、日本市場に適しているという判断からだと考えられます。

筆者を含めベテランのオーディオファンほど、ハイレゾには興味はあるものの、ファイル再生やストリーミング再生はハードルが高いし面倒と考える方が多いのではないかと思います。また、同じ音源を配信で入手できる場合でも、出来ればディスクの形で持っていたいという方も多いと思います。

そして、お好きなソフトをSACDでお持ちの方は別として、昨今対応プレーヤーが少なくなりつつあり、しかも高級機のみとなってきている現状では、どうしてもSACDの導入に二の足を踏んでしまいがちです。さらにポップスやロック、邦楽などがSACD化されるケースも少なく、恐らく今後も期待できないのではないかと思います。

その点、"MQA-CD"は馴染みのあるCDでハイレゾ音質が実現でき、手元にMQAの対応機器がなくても、とりあえず高音質CDとして楽しめるというメリットは非常に大きいと思います。またD/AコンバーターなどがアップデートでMQA対応化されれば、ハイレゾ再生が可能になることも十分に考えられます。

さらには、配信されているハイレゾ音源とほぼ同等の価格で、"MQA-CD"ディスクとそれをリッピングしたファイルの両方の形でハイレゾ音源が入手できるというのも、今後大きなメリットになるとも考えられます。欧米ではすでに音楽配信が頭打ちとなっており、無料のストリーミングでの聴取がメインとなりつつあるようです。

このように "MQA-CD"は、現時点では想像出来ない程の大きなメリットや可能性を秘めており、日本のハイエンドオーディオに大きな地殻変動が起こるかも知れません!


■ 最後に
今回"MQA-CD"の試聴は、筆者宅でリファレンスD/Aコンバーター MYTEK『 Brooklyn DAC+ 』と、輸入元:エミライよりお借りした『 Liberty DAC 』で行いました。

【 筆者宅で試聴 】



MYTEK『 Brooklyn DAC+ 』と『 Liberty DAC 』で聴いた「MQA-CD」のサウンドはほぼ共通したもので、深く厚みのある低域、エネルギーに満ち溢れた中域、高域の圧倒的な情報量、厚みのある豊潤なサウンド、生音のような立ち上がりや響きを再現し、非常に説得力のあるハイエンド・サウンドでした。

『 Liberty DAC 』は、表示こそLEDを多用し色分けすることで、かなり簡略化されてはいますが、バランス(TRS:要アダプター)出力やヘッドホン出力、AES/EBUやボリュームコントロール、さらにAC電源が直接使えるなど一切手抜きはありません。

『 Liberty DAC 』こそ、そろそろ限界を感じておられる国産USB-DACユーザーには打ってつけの製品であり、"MQA-CD"再生だけではなく、高性能な“新世代のUSB-DAC”としてお勧めします。

Libertydac 
■ 予告
『 Liberty DAC 』についての詳細とユニバーサルミュージック「MQA-CD」の試聴記は後日レポートいたします。

※音楽ソフトは、2,500円以上のご購入で《 送料無料 》。また、他の商品とは別精算となります。


2018年7月30日 (月)

MQA-CD特集 第2弾!! ~デジタルオーディオの最先端を突っ走るマイテック・デジタル~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、デジタルオーディオの最先端を突っ走るマイテックのMQA対応D/Aコンバーター3機種をご紹介! 今話題の"MQA-CD"をダイレクト(S/PDIFのデジタル入力)で再生できる、ほぼ唯一(2018年6月時点)の製品です。


■ MQA-CD特集 第2弾!

この度マイテック・デジタル製品の輸入代理店が、従来の今井商事(株)から、(株)エミライに替わり、D/Aコンバーターのエントリー機『 LIBERTY DAC 』が新たにラインナップに加わりました。

前回このコーナーでMQAの原理、そしてその音質の素晴らしさを述べさせていただきましたが、いよいよ待望のユニバーサルミュージックの"MQA-CD"を入手しましたので、マイテックの新製品『 LIBERTY DAC 』を含め、『 Brooklyn DAC+ 』『 Manhattan II 』の先進性を、音質を含めレポートしたいと思います。


■ 最先端を突っ走るマイテック

米国マイテック・デジタル社は、マンハッタンの2大レコーディング・スタジオである「ザ・ヒットファクトリー」と、「スカイライン・レコーディング・スタジオ」でエンジニアだったミハル・ユーレビッチ氏によって、1992年にニューヨークに設立されました。因みに今回ご紹介しますD/Aコンバーターの名前はいずれもニューヨークの地名です。

当初は、プロユースのマスタリング用A/Dコンバーターや、D/Aコンバーターの開発から始め、その後同社は、DSDのフォーマットを確立する際の、マスターレコーダーのプロトタイプを開発し、DSDの誕生に大いに貢献したのです。そして2012年同社初の民生機「Stereo 192 DSD」を投入。DSDに関する豊富なノウハウに裏打ちされた、高い技術力や完成度が認められ、当時大いに人気を博したのでした。

そして2014年に日本国内で発売された、ハイエンド機の「Manhattan DAC」が、さらに同社の評価を高め、2015年、小型化を果たした「Brooklyn DAC」、そして昨年発売された後継機『 Manhattan II 』『 Brooklyn DAC+ 』は、デジタルオーディオの最先端を走るD/Aコンバーターとして、オーディオ評論家やオーディオファイルに高い評価を受けたのです。今回そこにエントリー機『 LIBERTY DAC 』が加わりました。

これらマイテックのD/Aコンバーター3機種には、MQAフルデコーダーが搭載されており、本家のメリディアンのハイエンド機以外では、今話題の"MQA-CD"をダイレクト(S/PDIFのデジタル入力)で再生できる、ほぼ唯一(2018年6月時点)の製品であり、デジタルオーディオの最先端を突っ走る製品群なのです。

なお、MQAフルデコーダー以外のMQA対応機としては、CDを一旦リッピングしてデータ化すれば再生できるD/Aコンバーターや、特殊なプレイソフト(Audirvana Plus3等)を使用すればMQAソフトが聴けるMQAレンダラー機能を持つ機器などが存在します。

MQAが初めて英国メリディアンから提唱されたのが2015年ですから、同年発売の「Brooklyn DAC」がすでにMQAを採用していたことによる、マイテックの先見性には驚きを隠せません。現時点でもMQA採用に二の足を踏んでいる国内メーカーの数年先を行っている感じです。

筆者は昨年自宅に『 Brooklyn DAC+ 』を導入し、すぐに"MQA-CD"の可能性を確信しました。配信によりダウンロードしたハイレゾ音源やストリーミング音源とは違う安定感のあるサウンド、SACDとは違う切れ味、厚み、そして存在感を伴ったサウンドに魅了されたのでした。そして何より、筆者を含め日本のオーディオファンは、形のあるソフトを好むことからも"MQA-CD"が大いに期待できるとの確信に至ったのです。

さらに業界には、MQAの音質上のメリットについて、「折りたたみ」そして「データ展開」こそが、LP再生のイコライジング「RIAAカーブ」にも通じることから、"MQA-CD"の特に低音の魅力がアナログ的と感じるのでは・・・との意見もあるくらいで、筆者もそう感じました。

それではマイテックのD/Aコンバーター3機種について順に見てまいります。


■ マイテックのD/Aコンバーター3機種に迫る!

【1】 『 LIBERTY DAC 』 (Blackのみ)

Libertydac_4 1/3ラックサイズの横幅140mmのコンパクトな筐体ですが、上位機と同様PCM:32bit/384kHz、DSD:11.2MHz(DSD256)に対応したUSB-DACです。DACチップにはESS Technology社の「ES9018K2M」を採用しています。複数のデジタル入力(USB2.0 Class2、AES / EBU、S / PDIF、Toslink)をもち、上位機同様のデジタル音量コントロール機能、RCAアンバランス音声出力と、TRSバランス出力(TRS→XLR変換プラグが必要、TRSはステレオ標準プラグと同型)を搭載。

ヘッドホンアンプにも、出力インピーダンスが低く強力な駆動力を持つ、3W/300mAの大出力アンプが驕られており、ヘッドホンユーザーをも十分満足させる仕様となっています。さらには前述のMQAフルデコーダーには認証済みのハードウエアを搭載しています。そしてこれもプロ機で鍛えられたマイテックならではの、低ノイズタイプの10psマスタークロック回路を搭載し、エントリー機と言えども手抜きは一切ありません。

【2】 『 Brooklyn DAC+ 』 (Black・Silver)

Brooklyndac 本機は、元々スタジオでのリファレンスとしての音質を備えたUSB-DACとして開発されました。そして同時に、ライン入力とフォノ入力を装備したアナログプリアンプとして、さらにリファレンス・ヘッドホンアンプとしても高い性能を追求したとしています。

DACチップには、ESS のハイエンドグレード「ES9028PRO」を採用。もちろん32bit/384kHzまでのPCMデータ、11.2MHzまでのDSDデータのネイティブ再生に対応しています。そして前述の通り認証取得済みのMQAフルデコーダーを内蔵しています。

クロックには、内部ジッター0.82psを誇る「マイテック フェムトクロック・ジェネレーター」を搭載しています。さらに、外部クロック用のワードクロック入出力まで装備する徹底ぶりです。しかし、余程高性能な外部クロックでないと必要ないレベルです。筆者も従来使っていた外部クロックを使っていません。クロック出力は本機複数台でのスタック用で、マルチチャンネル用とのことです。まさにプロの世界です。

入力は、USB2.0/USB Audio Class2、AES / EBU、S/PDIF同軸デジタル入力2系統、TOS光デジタル入力、さらに SDIF-3入力(DSD最高DSD256、S/PDIF1,2入力兼用)まで装備しており完璧です。そこにアナログRCA入力を1系統を装備しており、ラインレベル入力とフォノ入力(MM/MC対応)をリレーで切り換えできます。フォノ入力も手抜きはなく、高性能アナログ・イコライザー回路を搭載しており、十分なレベルの音質です。

そして本機のもう一つのメリットであるプリアンプ機能です。ボリューム回路はヘッドホン出力にも対応しており、アナログ式とデジタル式(32ビット)の2通りの1dB刻みのアッテネータの切り換えが可能です。もちろんアッテネーターの影響を受けないバイパスモードもあります。

出力はRCA出力1系統とXLRバランス出力1系統を装備しており、同時出力も可能です。筆者はアナログボリュームを使い、パワーアンプにバランスケーブルでダイレクトに繋いでいます。2系統のヘッドホンジャック(500mA, 6W、出力Imp.:0.5Ω)は、高い駆動力を必要とするバランス駆動のヘッドホン用に設計されています。

そのサウンドは、深く厚みのある低域、エネルギーに満ち溢れた中域、高域の圧倒的な情報量、厚みのある豊潤なサウンド、生音のような立ち上がりや響きを再現し、非常に説得力のあるものです。その高性能・多機能さは「新世代のUSB-DAC」だと思います。

【3】 『 Manhattan II 』 (Black・Silver・Gold)

Manhattandac マイテックのコンシューマー用としては最上位のD/Aコンバーターです。DACチップにはESSのフラッグシップDAC「ES9038PRO」が搭載。これに「マイテック フェムトクロック・ジェネレーター」と独自のジッター低減回路「C777クロッキングアーキテクチャ」を組み合わせることで、DACチップの真価を引き出したとしています。

また、筐体を大きくしたことから、アナログ段・デジタル段で電源トランスから独立した電源回路とすることで、ノイズとクロストークを徹底的に低減できたのです。アナログ入力は、RCAライン入力2系統、XLRバランス・ライン入力1系統と強化されています。もちろんMQAフルデコーダー、内蔵アッテネーターもアナログ式と32ビットデジタル式を搭載、MM/MC対応のフォノ入力も装備しています。

さらに、オプションカード(別売)の取り付けによるグレードアップが可能です。高性能フォノプリアンプにグレードアップできるMM/MC対応の、カスタム仕様ニッケルコア昇圧トランスを搭載した、高精度フォノアナログプリアンプカード。"ROON READY"ネットワークカードを加えることで、最大スループット24bit / 192kHzまでのPCMデータと2.8MHzまでのDSDデータのネイティブ再生に対応するネットワークプレーヤーにも変身させることができます。


■ 最後に
マイテックのD/Aコンバーター3機種こそ、プロの世界で鍛えられた多機能と高音質、そしてMQA対応をはじめとした先進性をも兼ね備えた、世界のデジタルオーディオの最先端を突っ走っているといえます。(あさやん)

※お詫び:自宅リファレンスのため、どうしても『 Brooklyn DAC+ 』の説明が長くなってしまいました。

2018年7月14日 (土)

"MQA-CD"特集 第一弾 ~画期的なフォーマットがハイエンドオーディオの世界を変える!? ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、画期的なハイレゾ音源"MQA-CD"を取り上げます。"MQA"というフォーマットとは何かという解説と、既存のSACDやBD/DVDとは違う、"MQA-CD"最大のメリットを試聴結果とともにご紹介いたします。



■ 最初に

"MQA"とは《Master Quality Authenticated(マスター品質認証済み)》の略です。筆者がこの単語を初めて目にしたのは、今から約2年前の2016年の秋口のことで、クリプトンが小型高級アクティブ・スピーカー『 KS-9Multi 』を発表した際でした。その謳い文句には「今一部のオーディオメディアや、最先端を自認するオーディオファイルが注目する、最新配信フォーマット"MQA"に対応した世界初のスピーカーシステム」とありました。

しかし当時、筆者には"MQA"の理論的な話(折り紙理論など)をお聞きしても、全くちんぷんかんぷんであり、しかも当初は、配信フォーマットのみということもあって、正直あまり興味が湧かなかったというのが本音です。まずは、"MQA"とは何ぞや?から話を始めたいと思います。

■ "MQA"とは

ハイレゾという言葉が一般化してかなりの年月が経過しますが、ハイレゾ音源の品質を高めようとすればするほど、その音楽ファイル1件当たりのデータ量が、ギガビット単位で膨らんでしまいます。結果、オーディオ機器のストレージ領域やネットワーク再生時の通信容量・速度が問題になってきており、それらを節約する技術が求められていました。

そんな中、2014年に英国メリディアン社が"MQA"を発表したのでした。"MQA"はスタジオの感動をマスター品質のまま、リスナーの耳に届けるべく開発された「アナログ・トゥ・アナログ」の音楽再生プロセスです。そのベースになっているのは「カプセル化」と呼ばれる独自のエンコーディング技術です。

従来のアナログ音声のPCM化の際の問題点は、音楽信号波形の直前と直後に、必然的にリンギング(ノイズ)が発生してしまい、時間軸の「音ボケ」(過渡的な音に滲み)が生じることです。結果、一つ一つの音がどこから来ているのか、厳密には聞き取れなくなってしまいます。録音された音楽がライブと比べて、平坦に聞こえるのはこのためだと言います。

■ 「オーディオ折り紙」が「音ボケ」問題を解決
その「音ボケ」の解決のために"MQA"は、大容量の高解像度ファイルを扱いやすいサイズに、ロスレスで折りたたみます。これを折り紙に例えて「オーディオ折り紙」とも言われます。これによって、既存のプレイヤーでもCD以上の音質で再生でき、さらに"MQA"デコーダーや専用アプリがあれば、「オーディオ折り紙」を展開させて、臨場感に溢れるマスター・クオリティのサウンドを再現できるのです。これはあくまで「圧縮」ではなく「折り畳み」です。

具体的には、音楽を「0~24kHzまでの音楽信号」と「それよりも高周波な音楽信号」に分け、高周波な信号をまるで折り紙を折りたたむように、「0~24kHzまでの音楽信号」の中に、ある耳に聞こえないレベルのノイズ信号の中に移動させる、というイメージだそうです。これにより、192kHzのPCMデータが、48kHzのPCMデータ程度のサイズにカプセル化され、データレートは1Mbpsを少し超える程度になります。再生時には、ノイズの中から高周波を元に戻して再生するカタチだと言うことです。
※さらに詳しくはメリディアンHP( https://www.hires-music.jp/mqa/ )をご参照下さい。

■ "MQA-CD"の最大のメリット
"MQA"は、扱えるデータ量に限りがある環境下で、ハイレゾの高音質を維持しながら、ファイルサイズをWAVデータの数分の1程度に抑えられます。その"MQA"の保存や伝送が手軽という能力を存分に発揮するメリットを、既存のメディアで実用化したのが"MQA-CD"です。さらに"MQA"に対応していないCDプレーヤーやネットワークプレーヤーでデータを再生した場合もCD相当の音質ではありますが、そのまま再生が可能であるという互換性にも優れています。

すなわち、従来のCD製造時のプレス行程や、プレーヤーのドライブメカなどの基本的な部分を大きく変更することなく、あくまで通常CDとほとんど同じプロセスで、ハイレゾ音源を手にすることができるのです。これは実に画期的なことで、SACDやBD/DVDとは違う、"MQA-CD"の最大のメリットといえます。

■ ハイレゾ配信の"MQA"ソフトはすでに3000タイトル!
今回"MQA"の特集を組ませていただいたのには2つの理由があります。その1つが"MQA-CD"がユニバーサルミュージックから大量にリリースされたため。もう1つは、筆者のリファレンスD/Aコンバーターである『 Brooklyn DAC+ 』を含む、MQA完全対応のMytek Digital製品の輸入元が、従来の今井商事からエミライに変更になり、『 Brooklyn DAC+ 』と『 Manhattan DAC II 』に、よりリーズナブルな新製品『 Liberty DAC 』が加わったためです。

さらには、筆者が常用している『 Brooklyn DAC+ 』による"MQA-CD"のサウンドがあまりに素晴らしく、是非ともオーディオファイルの皆様に"MQA"の素晴らしさを知っていただきたく思ったからに他なりません。

そして、"MQA-CD"をそのままデジタル入力で楽しんでいただける"MQAデコーダー"を搭載した、Mytek Digital製品の他に、一旦"MQA-CD"をリッピングする必要はありますが、M2TECH『 Young III 』やCocktail Audio『 X45 』、ネットワーク経由で再生可能な機器ではLUMIN『 D2 』やTEAC『 NT-505 』、ESOTERIC『 N-01 』などがあります。

また、"MQAレンダラー"という"MQA"の直接デコードは出来ませんが、前段階の展開に対応した再生ソフトウエア(Audirvana Plus3以降やAmarra Luxe※なお6/1時点ではMacのみ対応)が必要ですが、iFi audioやaudioquestなどの製品があります。これら以外にも対応機が今後増えることは確実です。

現時点で、ハイレゾ配信の"MQA"ソフトはすでに3,000タイトルを数え、6月20日に大手レコード会社ユニバーサルミュージックから100タイトルの"MQA-CD"ソフトが発売されます。ジャンルはクラシック、ジャズ、ロック、ポピュラーと多岐に亘っています。

その「 ハイレゾCD 名盤シリーズ 」は"MQA-CD"と"UHQCD"という2つの仕様を併せ持ち、CDプレーヤーでは通常CDとして、"MQA"デコードに対応したDACにデジタル出力を繋ぐと24bit/352.8kHzのハイレゾ再生ができます。さらにCDプレーヤーの再生時にもUHQCDの長所だけでなく、"MQA"エンコードにより前述の通り、時間軸の「音ボケ」改善効果が得られるため、従来CDよりも高音質で楽しめるとしています。

その"MQA-CD"のサンプラー(音元出版オーディオアクセサリー誌169号付録)を筆者宅『 Brooklyn DAC+ 』と貸出機『 Young III 』で再生しました。

■ 試聴しました

CDプレーヤーのデジタル同軸出力を両機に繋ぎますと、『 Brooklyn DAC+ 』では24bit/352.8kHz、『 Young III 』では352.8kと表示されました。

サウンドは通常CDを大きく上回っており、試聴メモには、実にリアル、低域が深く沈む、音数が非常に多い、響きが豊か、ミュジシャンの気配さえを感じる、音像が立体的、楽器の一つ一つに実在感がある、Dレンジが広い、スケールが大きい、ホールの空調まで感じると、素晴らしいコメントが残っています。

一方『 Brooklyn DAC+ 』では"MQA"デコードをOFF出来るため、試してみると、OFFで再生しますとサウンドが全体に軽くなってしまい、左右のスピーカー間だけに集まり、奥行きは浅く、キメも粗くなった様に感じました。やはり44.1kHzの通常CDのサウンドとなってしまいました。


■ 最後に
このように"MQA"は、実感としてPCMの厚み・立体感とDSDの滑らかさ・音場感の"いいとこ取り"をしているとも感じました。

"MQA-CD"の素晴らしい可能性と簡便性を実感し、ハイエンドオーディオ界に新しいハイレゾ音源"MQA-CD"が普及することを大いに期待したいと思います。(あさやん)

2018年7月12日 (木)

ハイエンドオーディオに新たな息吹! M2TECH『 YOUNG MKIII 』 ~ イタリア発の革新的な超多機能USB-DAC&プリアンプ誕生 ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、常に先を見据えた製品開発を続けるイタリア発のオーディオメーカーM2TECHより、超多機能USB-DAC&プリアンプ『 YOUNG MKIII 』をご紹介!





■ DDコンバーターで一躍有名に! イタリア発のオーディオメーカーM2TECH

M2TECH(エムツーテック)はPCオーディオ聡明期の2009年に、「HI-FACE」というDDコンバーターを発表して注目されるようになった、デジタルに特化したイタリア発のオーディオメーカーです。「HI-FACE」はPCのUSBスロットにそのまま挿せるUSBメモリサイズのDDコンバーターで当時大ヒットとなりました。

その後、2010年に据置型のUSB DAC「YOUNG」を発売、2014年に「YOUNG DSD」に進化したのでした。そして2017年末、今回取り上げます『 YOUNG MKIII 』となって登場したのです。前作「YOUNG DSD」の基礎設計を踏襲しつつ、DACチップには定評のあるTI「PCM1795」や、電子ボリュームなど、最新かつM2TECH独自のアイデアが多数盛り込まれて製品化されました。

■ 常に先を見据えた製品開発を続けるM2TECH

M2TECHは自社の使命を、「音楽再生方法におけるテクノロジーの内容と変化を考慮に入れながら、家庭での娯楽用の装置とソフトウェア・パッケージの形態で、新しい方法論で心地よく、簡単にオーディオ・コンテンツにアクセスできるようにすること、そして高品質な音楽探究の体験を保証する事」としています。

また同社は、重厚長大かつ高価格のハイエンド製品には一切手を染めず、ひたすらサイズ的にも価格的にも、海外製としては異例な程のリーズナブルで小型の製品を供給し続けており、前述の自社の使命に対する誇りを貫き通しているように見えます。

その結果、M2TECHは常に先を見据えた意欲的な製品開発を続けて来たのです。M2TECHの製品開発者のマルコ・マヌンタ氏は、これまで数多くのハイエンドブランドのデジタルモジュールの開発を手掛けて来ており、デジタルオーディオ界では大いに名を馳せた最重要人物だと言います。

「YOUNG」は2010年の発売時、当時一般的にはまだ24bit/96kHz対応が主流であった時期に、すでに32bit/384kHzに対応させており、市場では大きな驚きをもって迎えられました。これは8年経った今でもハイレゾ・オーディオとしてはトップクラスの仕様です。

当時のカタログには、「32/384のスペックを実現する録音機材はまだないが、24/192の楽曲を再生する際に、スペックが24/192のDACで再生するよりも、32/384のDACで再生した方が音が良いのは当然で、日進月歩で進化する今、32/384対応のADCが登場し、32/384で収録された楽曲が登場した時、24/192のDACでは音の良し悪し以前に再生することさえできなくなります。」としています。この同社の先見性には驚きです。

その8年前の予言通り、デジタル音源の移り変わりは非常に早く、様々なフォーマットや伝送方式が登場し、ユーザーにとってはもちろんメーカーにとっても混乱気味の昨今です。そんな中、M2TECHのもつ最先端のノウハウをつぎ込んで完成した『 YOUNG MKIII 』は、今後のハイレゾ・オーディオの指針ともなる製品と言えます。

■ 『 YOUNG MKIII 』のスペックとは
『 YOUNG MKIII 』のフロントのデザインは、前作「YOUNG DSD」に比べ筐体や表示機能が洗練され、かなり高級感を与えられています。スペックもDSDが5.6MHzから11.2MHz(DoPは5.6MHz)対応にグレードアップし、新たに同社としては初めてMQAにも対応しています。さらに伝送方式に高音質なapt-Xコーディングに対応したBluetooth機能まで装備しています。



もちろん、PCMは32bit/384kHzに対応しており、MQA-CDをリッピングしたソフト(※)の再生では、352.8kHz(44.1kHzの8倍)にデコードされ、実際に写真の様な表示となりました。DACチップはTI(バーブラウン)製の「PCM1795」でPCM/DSDともにネイティブで対応、電子ボリュームにはCirrus Logic「CS3318」を採用し、プリアンプとしても十分な実力を得ています。 (※CDプレーヤーからのデジタル接続でのMQA-CDの再生は出来ません。一旦リッピングしてのデータ化が必要です。)



USB以外のデジタル入力は、AES/EBU、RCA同軸(前作はBNCもあった)、TOS光を装備、RCAアナログ入力が1系統あります。アナログ出力はXLRバランスを1系統持っており、シングルエンド接続をするためのRCA変換アダプターも付属しています。また、出力電圧の上限を2つの数値に設定することが可能で、真空管(10Vrms設定を推奨)を含むいかなるパワーアンプでも最高出力を得られる設計となっています。もちろん同社のパワーアンプ「CROSBY」ともデザインを含めベストマッチングとなります。



少々難しくなりますが、回路的には前作の基礎設計を踏襲しており、入力信号のコントロール部にはXilinx FPGA(設計者が構成を設定できる集積回路)を使用。バッファー回路には、パッシブ・アンチエイリアスフィルター、I/V変換に伴うオフセット除去回路を採用するなどして、圧倒的に低いノイズフロアを実現できたとしています。


■ 試聴しました
『 YOUNG MKIII 』のサウンドと操作性は、筆者自宅で確認しました。バランス出力を直接パワーアンプに入れ、本機のボリュームを使って試聴しました。

横幅200mmとコンパクトですが、筐体がしっかりしているため見た目以上の重量感があります。デザインも奇をてらったものではなく、シンプルで好感が持てます。付属のリモコンは中型の多機能なもので、プリアンプ機能もリモコンで全て操作出来ます。特に本体のボリュームツマミが小さいためリモコンの方が操作は確実です。またプレイソフト「foobar2000」の選曲もこのリモコンで可能なことには驚きました。

サウンドは実にハリのある若々しいもので、脚色を一切感じさせない生々しさが一番の魅力です。中低域には弾力感があり、高域には爽やか感があります。音楽を十分に楽しませてくれる、明るさたっぷりのサウンドでした。

ボーカルはしっかり前に張り出し実在感があり、声の肉質感をしっかり再現してくれました。低音の伸びは標準的ですが、ここでもダンピングの効いた実在感を伴ったものでした。ギターやブラス楽器のキレが良くカラッと明瞭に再現してくれました。

そしてMQAソフトの再生は圧巻で、通常CDフォーマットとの差は歴然でした。伸びやかさ、密度感、低域の伸び、中域の滑らかさなどなど、全ての面で大きく上回っており、ハイレゾの素晴らしさを実感しました。DSDの滑らかな質感にPCMのしっかりしたサウンドが加わったレベルの非常に高いハイエンドの世界が展開されました。

さらに『 YOUNG MKIII 』は、スマートフォンやタブレットから高品質な音楽を直接ストリーミングすることができるBluetooth(※)レシーバーをも内蔵しており、従来からのワイヤード環境一辺倒のハイエンドオーディオの世界を、より柔軟にしていきたいと言うM2TECHの考え方が垣間見えるような気がします。 (※BluetoothもMQAも信号のやりとりは、M2TECHが得意とするPCMフォーマットで行うため、信号処理能力に対する信頼性は極めて高い。)

『 YOUNG MKIII 』は、最新かつM2TECH独自のアイデアがたっぷり盛り込まれた超多機能USB-DAC&プリアンプです。イタリアからの"ハイエンドオーディオの新たな息吹"を感じます。(あさやん)

2018年7月 1日 (日)

ブライトーンの輸入品にはユニークなハイエンド製品が目白押し! ~ ブライトーン取り扱いブランド製品の掲載を再開しました

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
諸般の理由で長らく掲載を中止しておりました「Bright Tone(ブライトーン)」扱いの製品の掲載を復活致しましたので、新製品を中心にご紹介いたします。ブライトーンはネットオーディオからヘッドフォン、アクセサリー類まで幅広く輸入販売を行っています。
ブライトーンは実に多くのユニークなブランド製品を取り扱っていますが、今回はその第一弾として、最先端を走るネットワークプレーヤー関連『 LUMIN(ルーミン) 』『 SOtM(ソム) 』とオーディオアクセサリー関連の『 High Fidelity Cables(ハイフィディリティ・ケーブル) 』 の3ブランドを取り上げます。


■ LUMIN

香港に拠点を置くルーミンは、世界のネットワーク再生をリードしてきたブランドです。2014年の登場以来、ファームウェアのアップデートを重ね、様々な新機能を追加してきています。同社のネットワークプレーヤーはOpenHome※を経由せずに、「Lumin App」とダイレクトに通信できるため、超高速のレスポンス、安定した操作性、PCレスで即時反映できる環境設定機能を実現しています。(※UPnPをベースに構築されたネットワークオーディオのプラットフォームでDLNAの後継)


■ ルーミン ネットワークプレーヤー(シルバー) LUMIN D2-SILVER



■ ルーミン ネットワークプレーヤー(シルバー) LUMIN D2-BLACK



⇒ 同社の「D1」の後継機で、電源を内蔵(従来機は外部電源仕様)して基板レイアウトを見直し、筐体の幅が240mmから300mmに大きくなっています。DACチップは「D1」同様Wolfson「8741」をデュアルで使用しています。サウンドは厚く、熱く、前に張り出してくるエネルギー感の高いもので、濃密で分解能が高く音楽を十分楽しませてくれます。




■ ルーミン DSD256/MQA対応ネットワークトランスポート LUMIN U1-SILVER



■ ルーミン DSD256/MQA対応ネットワークトランスポート(ブラック)【受注発注品】 LUMIN U1-BLACK


⇒ デジタル出力に特化したネットワークトランスポートで、MQAとDSD256 11.2MHzに新たに対応しました。2つのUSB出力を含めた5種類のデジタル出力、ギガビットネットワークとUSBによる入力を装備し、高音質ストリーミングサービスのTidal、Qobuzにも ネイティブ対応したハイエンドオーディオ用ネットワークトランスポートです。



■ ルーミン ネットワークサーバー(NAS)【内部ストレージ:5TB HDD】 LUMIN L1-HDD5TB



■ ルーミン ネットワークサーバー(NAS)【内部ストレージ:960GB SSD】 LUMIN L1-SSD960GB


⇒ 従来、音楽データ保管にはPCまたはNASを必要としていました。本機があれば、シンプルにPCと接続してドラッグ&ドロップで曲を保存し、すぐにネットワークへ接続して、高音質な音楽を堪能できます。もちろん定評のある「Lumin App」との相性も十分考慮されています。対応フォーマットは、DSDは「DSF、DIFF、DoP」、PCMは「FLAC、Apple Lossless(ALAC)、WAV、AIFF」、LOSSYは「MP3、AAC(in M4A container)」です。

■ SOtM

ソムは、最先端のオーディオ技術を用いてSoul Of the Music(音楽の魂)を提供する気鋭のブランドです。音響PCパーツから最先端のデジタルオーディオまで取り扱っている韓国のメーカーです。従来からいち早くRoon対応機を出すなど、世界的にも最先端スペックのデジタル機器、先鋭的なUSB DACやDDCなどを送り出してきています。

■ ソム USBリジェネレーター《9Vスタンダード》SOtM tX-USBultra(9V)


⇒ デジタル再生において、クリティカルなUSB信号の生成と同期に着目し、定評のあるスーパークロック「sCLK-EX」でUSB信号をリジェネレート(再生成)します。入力はUSB-Bを1系統、出力はUSB-Aを2系統装備。トランスポートとなるパソコンやミュージックサーバーとUSB-DACの間に本機を割り込ませることで、クロックを打ち直し、ノイズキャンセルした後USBで出力されます。USB給電を切る機能もあり、USB伝送の根本的問題も解消します。S/Nが格段に向上しスピード感も圧倒的で改善効果は想像以上です。

※12V仕様や10MHzの外部マスタークロック対応モデル「tX-USB ultra + Clock」もオプションで用意されています。



■ ソム マスタークロック“sCLK-OCX10”SOtM SCLK-OCX10


⇒ 4系統に出力可能な10MHzマスタークロックジェネレーター。一般的な矩形のデジタル信号でのクロック信号ではなく、10MHzによるアナログ正弦波を生成することでノイズを抑制。全帯域で解像度やリアリティが向上し、機器のもつクォリティを確実に引き出すとともに、高音質でアナログライクなサウンドを実現します。



■ ソム ネットワークトランスポート(9V仕様)SOtM“sMS-200ultra” SMS-200ULTRA-9V


⇒ 従来機のUPnP、OpenHome、Roonと幅広い再生対応に加え、クロック(sCLK-EX)を強化し、Deezer HiFi、DSD 22.4MHz/PCM 768KHz 32bitにも対応したNAS機能付きオールインワン・ネットワークトランスポートのハイエンドカスタムモデルです。従来の小型ソース機器のサウンドの限界を超えた本格的ハイエンドサウンドを実現します。

■ High Fidelity Cables

米テキサスにあるハイエンド・アクセサリーブランドで、ケーブルの信号伝送に磁気伝導技術を採用する画期的な製品を提案しています。磁気を使うことで信号の品質を高めるというユニークな理論で、磁気フィールドを生成することで伝送ケーブルに流れる電子の流れを中心部に凝縮させ、歪みや干渉、損失を低減させると言います。

■ ハイフィディリティケーブル マグネチックアダプター(Magnetic Adapters)アナログ(RCA)信号の信号側(ソース側取付)用 (L+R)2個1組



■ ハイフィディリティケーブル マグネチックアダプター(Magnetic Adapters)アナログ(RCA)信号の出力側(アンプ側取付)用 (L+R)2個1組



■ ハイフィディリティケーブル マグネチックアダプター(Magnetic Adapters)デジタル信号の信号側(ソース側取付)用



■ ハイフィディリティケーブル マグネチックアダプター(Magnetic Adapters)デジタル信号の出力側(アンプ側取付)用


⇒ ケーブル伝送路には信号の電気フィールドと磁気フィールドが誘導された構造となっており、この磁気信号を磁性体でコントロールする仕組みが「磁気伝導」です。手持ちのケーブルに本機を指定の方向に取りつけるだけで磁気伝導技術の効果が得られると言う画期的製品で、お気に入りのケーブルに使用することで、高解像度で写実的な魅力が加わります。



■ ハイフィディリティケーブル マグネチックウェイブガイド【1個】


⇒ 本機を空いたコンセントに差し込むことで、音楽信号が劇的にクリーンかつクリアになり、 優れたダイナミクス、綿密な描写、音楽性を実現するとしています。一般のパワーコンディショナーと併用すればさらに効果的です。
なお本機は、効果を発揮するまでにしばらく時間を要します。通常のエージングと異なり、磁気フィールドが形成されて効果が出てきます。壁コンセントよりもなるべくシステムに近いところに複数挿した方が効果的です。50時間から効果が得られ1000時間までパフォーマンスが徐々に上がって行くとしています。 



■ ハイフィディリティケーブルズ ヘッドホンアクセサリー “トリニティ ゴー”


⇒ ヘッドフォン(イヤホン)とリスニングデバイスの間に取り付けるだけ(電源不要)で、磁気伝導技術の効果を得ることができます。本機には新しいコンパクトなウェイブガイドモジュールが組み込まれており、発生する磁気により音声信号の電子を導体の中心に引き寄せ信号をロスさせることなく伝達するとしています。軽く、持ち運びに便利なクリップも付属しており、DAPやスマホで音楽を最大限に楽しんでいただけます。


■ 最後に

以上のように、ブライトーンの輸入品にはオリジナリティ溢れたハイエンド製品が目白押しです。世界中からブライトーンが探してきたユニークな製品群は、他とは"目の付け所が違う"と感じました。今後の展開も大いに期待したいと思います。 (あさやん)

2018年3月18日 (日)

先進的なD/Aコンバーターオーディオデザイン『 DCDAC-200 』~「PCオーディオに再チャレンジしてみませんか」第3弾

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
2018年の年初から「PCオーディオに再チャレンジしてみませんか?」と提案してまいりましたが、今回は、複数のDACが楽しめる実にユニークなD/Aコンバーターとして、オーディオデザインの『 DCDAC200 』をご紹介いたします。



■ DACチップの陳腐化が心配なオーディオファンに!!

PCオーディオや、ネットワークオーディオを楽しまれているオーディオ&音楽ファンの最たる心配事は、内蔵DACチップの陳腐化ではないでしょうか。現時点では最先端であっても、数年先にはどうか?と考えるだけで、挙げた手を思わず引っ込めてしまいそうです。

次々と新製品に買い換えができる方は別として、私を含め、ほとんどの方は失礼ながらそうはいかないのが現実です。DACチップが最新鋭のESS Technologyや旭化成エレクトロニクス製などに注目が集まっている昨今ですが、それ以外のDACで最先端でなくてもオーディオ的に優れたパフォーマンスのDACや、今となっては貴重なDACもまだまだ世の中には存在します。

今回ご紹介しますAUDIO DESIGN(オーディオデザイン)社の『 DCDAC-200 』は、そんなオーディオ&音楽ファンにこそ打ってつけの実にユニークなD/Aコンバーターです。

■ 独特なオーディオデザイン社の設計コンセプト!

オーディオデザイン社は、自社で設計・開発・製造を行っている純国産のハイエンドオーディオメーカーです。2004年創業ですから14年目の会社になります。当初ハイエンド機器向けのセレクターからスタートし、プリアンプ、パワーアンプ、ヘッドホンアンプ等のオリジナリティーあふれた製品を開発・製造・販売しています。

会社は責任者(大藤 武氏)とプラス1名だけと、非常に小規模な個人企業のため、商品はどれも個性的で、筐体はお世辞にも高級感があるとは言えません。シャーシにも市販の汎用品を使うなど、どうしても自作のように見えてしまいます。ただその分中味には十分コストをかけていると言えます。

そのオーディオデザイン社の設計コンセプトは独特で、従来型の感性や定説による設計手法も、電気特性を重視した設計手法もとらず、オーディオアンプの設計にとって最も重要な事は、どんな要因が音質に影響を与えているかをまず探ることだとしています。

これは簡単なようで非常に難しいことです。現在のオーディオ装置は、ノイズや歪率といった単純な基本特性の点では必要な条件をすでに満たしているかに見えます。しかしながら、実際に音楽を再生してみると音質は機器により様々で、音質に起因する要因はまだまだすべてが解明されていないのが実情です。オーディオデザイン社は音質に影響を与えている要因を探るため、常に挑戦と探究を続けることにより、より良い音質を目指しています。

結果、業界の流行り廃りに流されること無く、独自に音の良いアンプを追求し続け、非常にリアルな情報量の多い音であり、上手く使いこなした際の再生音から得られる圧倒的な感動を目指しているとしています。「日本のオーディオ業界の一角に、こういう会社・製品もありますよ」という存在価値が示せればと同社は考えているのです。

■ DACボードの交換を前提とした設計の『 DCDAC-200 』

今回ご紹介します『 DCDAC-200 』も前述のコンセプトの基に企画された製品です。本機は将来にわたってDACボードの交換を前提として設計されており、その都度音質の向上や音色の違いを楽しめるという実に先進的な機能を持った、USB及びSPDIF入力を装備したD/Aコンバーターです。本来3種類のDACを搭載できる仕様ですが、標準仕様の『 DCDAC-200std 』では、マルチビット型ラダーDACチップの「PCM1704」と、ΔΣ型の「ES9018S」が組み込まれています。

巷ではどうしてもDACチップが音質を支配しているような印象を持たれがちですが、DACチップは電源やその周辺回路、使われる個数、使い方、実装技術などトータルで動作するものです。実際のところオーディオデザイン社としては、設計する立場からは、その依存度は3~4割程度と考えているようです。

マルチビット型の「PCM1704」は今や貴重なバーブラウン(2000年にTexas Instrumentsが買収)製で、マルチビットの代表的なサウンドで一世を風靡(エソテリックやデノン、海外ハイエンドCDプレーヤーに搭載)した名DACです。一方のΔΣ型の「ES9018S」は米ESS Technology社製で最新鋭のDACチップとして、近年多くの機器に採用され持て囃されています。

「PCM1704」は4基(モノDACチップ4個でバランス回路を組んでいる)搭載しており、ラダー回路に工夫を凝らした定電流源で駆動することで768kHz/24bitの精度を確保しています。古いDACではありますが最新式の実装技術と組み合わせて更に音質を向上させているのです。

「ES9018S」は内部でオーバーサンプリングを行うことで、可聴帯域の低歪化を計ったDACチップです。このDACチップはデジタル的な工夫が存分に施されているものの、アナログ的には性能が出にくい設計のため、オーディオデザイン社は、その音質は基板設計などの実装技術に大きく左右されるとしています。そのため基板はそのポテンシャルを最大限に活かす設計としていると言います。

USB端子からは、PCM:192kHz/24bit加え、「ES9018S」用ボードではDSD:5.6MHzまでの入力が可能です。またサンプリングレートコンバーター機能も搭載されており、PCMは768kHzまでのアップサンプリング(「ES9018S」では384kHzまで)が可能です。

電源部にもオーディオデザイン社のこだわりを見せており、デジタル用に3系統の独立した安定化電源に加え、アナログ用にもDCアダプターなどで定評のあるリニア式高速低インピーダンス安定化電源を2系統搭載しています。ノイズ対策やサウンドに留意した贅沢な高音質設計としています。

『 DCDAC-200 』のDACチップによるサウンドの違いは、私が従来から持っていたイメージ通りのものでした。それはUSBでも、CDからのSPDIF入力でもほぼ同じ傾向でした。

「PCM1704」では、音が重厚で太く、温かくコクがあり、中低域にコッテリ感や密度感を感じさせました。左右や奥行き方向への広がり感は少なめながら、音像は輪郭をはっきりさせる実に押し出し感のあるリアルなものでした。768kHzへアップサンプリングすることで、さらにリアル感が増し、高S/Nでクリーンな抜けの良いサウンドになりました。ジャズの生々しい音源の再生には打ってつけのDACと見ました。

一方の「ES9018S」では、繊細さが加わり、しなやかで滑らかなサウンドとなり、音場の見通しがよく、リアル感よりも質感や空気感を感じさせるサウンドとなりました。またDSD音源ではさらに瑞々しさや、まろやかさが加わり、クラシックやボーカルにはやはりこちらを選んでしまいます。


■ 最後に
このようにオーディオデザイン『 DCDAC-200 』は、2種類のDACによるサウンドの違いが楽しめるユニークなD/Aコンバーターです。将来的なアップデートや新たなDACボードの供給も想定されており、将来にわたっての陳腐化が回避された、先進的なD/Aコンバーターと言えます。

「PCオーディオ再チャレンジ」への画期的なアイテムの登場です! (あさやん)

※当面の間『 DCDAC-200std 』のみの販売となります(DACの個別組み合わせでの販売はいたしません)。内部DACボードは今後順次追加される予定です。ボードの交換はオーディオデザイン社でのみ行います(お客様での交換は出来ません)。


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