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2019年5月10日 (金)

トップウイング(ENZO)扱いの「M2TECH」「XI AUDIO」より、大注目のデジタル機器登場!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。今回は、トップウイングが扱う「M2TECH」と「XI AUDIO」の画期的なデジタル機器2機種を取り上げます。


■ トップウイングが扱うオーディオ機器
最近、トップウイングの扱う海外ブランド製品が、次々ヒットを飛ばしています。

これは、同社代表 佐々木原氏の「目の付け所」が素晴らしいからで、いつも感心させられます。そして同社は、欧米製品に殊更こだわるわけではなく、「良いモノは良い」との考え方のもと、グローバルにアンテナを張って、話題の製品を発掘してきているのだと思います。

トップウイングの扱うピュアオーディオファンに人気のブランドは、「iFI-Audio」「M2TECH」、最近では「TELOS」、そして今回新たに「XI AUDIO(イレブンオーディオ)」が加わりました。その中から「M2TECH」と「XI AUDIO」の画期的なデジタル機器2機種をご紹介してまいります。

■ M2TECH フォノイコライザー機能搭載A/Dコンバーター『 JOPLIN MkIII 』


ハイレゾ登場以降、さまざまなフォーマットや伝送方式が次々提案されてきましたが、そんな中にあってヨーロッパ、それもイタリアに本拠地を置くM2TECHの製品は特に注目に値します。

開発者であるマルコ・マヌンタ氏は、世界的にもデジタルオーディオ界での重要人物で、そのユニークなアイデアとそれを具現化する高い技術力、そしてオーディオスタイルへの先見性には目を見張るモノがあります。

同社は、PCオーディオ黎明期、192kHz/24bit対応モデルが世の中にまだ少ない中にあって、USBメモリーサイズのUSB-DDC「HIFACE」を発売し、一躍脚光を浴びました。またマルコ・マヌンタ氏は、他のハイエンドブランドにデジタルモジュールを供給するなど、業界でその名を轟かせています。

M2TECHの考え方の基本にあるのは、ホーム・エンターテインメントのための革新的な製品を設計、製造し、販売することだそうです。

M2TECHの製品群の中でも、近年特に注目を集めているのが「Rockstarsシリーズ」で、D/Aコンバーター+プリアンプの「YOUNG MkIII」、ステレオパワーアンプの「CROSBY」、ヘッドホンアンプの「MARLEY」、フォノイコライザーの「NASH」、そして今回ご紹介しますフォノイコライザー機能搭載A/Dコンバーターの『 JOPLIN MkIII 』があり、いずれもロックスターの名が付けられ、人気製品になっています。

最新の『 JOPLIN MkIII 』は、2015年発売でフォノイコライザー・カーブの扱いに革新をもたらした「JOPLIN MkII」の後継機で、基本性能は継承しつつ、今回もあくまでA/D機能のみに特化して開発されています。その理由は、「D/Aコンバーターの選択肢を広げるため」だそうで、本機は世の中に数あるハイエンドD/Aコンバーターの実力を生かすためのソフト(アナログソースのデジタル化)を供給するための機器だという訳です。

前作ではS/PDIFやAESの仕様の制約から、USB出力はPC経由のみでしか192kHz/24bit以上のA/D変換ができませんでしたが、『 JOPLIN MkIII 』ではHDMIケーブルを用いたI2S(アイスケアエス)の採用により、PCM384KHz・768KHz、DSD256といった「超ハイレゾ」まで対応することができるようになったのです。

I2S入力を採用したD/Aコンバーターは、今の所まだ市場には多くはありませんが、M2TECHでは「Evo DAC Two Plus」、そして今回ご紹介しますXIAudio『 SagraDAC 』が同じI2S方式に対応しています。今後、USBやS/PDIFに代わってデジタル伝送の主流になる可能性も十分にあります。

そして、『 JOPLIN MkIII 』のメイン機能でもあるフォノイコライザーには、前作のLPレコード用16のカーブ、SPレコード用7つのカーブに、米国のクラシックレーベル「Bartok Records」専用カーブを加え、さらに充実(※)させたのです。
※この結果、1925年から1954年にレコードを製造していたほとんどのレーベルがカバーできました。

マルコ・マヌンタ氏は、オリジナル盤や初期盤の真の実力を正確に引き出すには、アナログ方式のカーブ補正には限界があり、100%正確な値を引き出せないと考えたのです。その結果A/Dコンバーター自体に、FPGA回路(設計者が構成を設定できる集積回路)で32Bit精度によるカーブ補正を行うフォノイコライザー機能を加えて製品化したのです。

前作からは、
  1. 入力インピーダンス設定を無段階のポテンションメーター(可変抵抗器)に
  2. より多機能なリモコンに
  3. 丸みを帯びた外装に
  4. 表示をレベルメーターつきOLEDディスプレイに
とそれぞれ変更し、グレードアップを果たしたのです。

さらに、通常のDC電源アダプターに加え、よりお買い得なオーディオ用高品位電源アダプター「iFi iPower Plus(15v)」とのセット製品『 JOPLIN MkIII & iPower Plus 』も同時に発売されました。

『 JOPLIN MkIII 』は、比較的低価格に抑えながら、曖昧さを残さない徹底したフォノカーブへの対応により、あらためてアナログレコードの真の再生のあり方を示した製品といっても過言ではありません。

レコード以外にも、カセットテープなどの豊富なテープライブラリーをデジタルアーカイブすることで、お持ちのD/Aコンバーターをさらに有効に生かせそうです。

■ XI AUDIO D/Aコンバーター《R-2Rラダー抵抗変換方式》『 SagraDAC 』【受注生産品】


XI AUDIOは、2017年にマイケル・シャオ氏によって設立されました。彼は長年、放送機器をはじめとした業務機のマネジメントを手掛け、かのナグラ・プロフェッショナルの責任者という経歴を持つ技術者です。

彼が手掛ける製品は、業務機としての質実剛健さに加え、音楽を楽しむためのエッセンスが組み込まれており、「真実の音」を表現するのが最大の目標だとしています。

XI AUDIOのアンプ(「Formula P1000」など)のボリュームは、全て11時(XI)の位置からスタートします。

これは、普通のアンプはボリューム位置がおおよそ11時よりも上で使うことを想定して設計されているのに対して、XI Audioは絞り切りでさえ、それらの性能を超えているという自信の表れだといいます。

また今回ご紹介します『 SagraDAC 』は、「サグラダック」と発音し、その名前は、マイケル・シャオ氏が感動したスペイン・バルセロナの《サグラダ・ファミリア》に由来しているそうです。

『 SagraDAC 』の最大の特徴は、前面パネルに書かれている「R-2R DAC」ということです。

「R」はRegister(抵抗)で、抵抗をラダー型に組み合わせたD/A変換部を持っていることを意味していますが、一般的には「マルチビットDAC」といわれているものです。その上で、一般的に使われるDACチップではなく、一部のハイエンド機で見られるディスクリートで組まれたDACを採用しているのです。

そのディスクリートのマルチビットDACは、デンマークのスークリス社製のもので、本機のために特注したものだそうで、0.012%精度の抵抗を216個も使用した高精度なもので、非常にコストの掛かる構成となっています。

本機に採用されたのはサイン・マグニチュード方式といわれるもので、抵抗値「R」と「2R」の抵抗を使い、1bitあたり2個の「R+2R」とするもので、結果大規模なものになってしまったのです。この価格に抑えられたのは驚異的でもあります。

PCオーディオには欠かせないUSB端子からのインプットに関しては、一般的に使われるXMOSではなく、イタリアのアマネロ社製のUSBコントローラーを採用しており、PCM384kHz/24bit、DSD11.2MHzに対応しています。なお、DSDは352.8kHz/24bitのPCM信号へ変換したのち、D/A変換されます。

デジタル入力はUSB(Type-B)以外に、BNC、AES/EBU、I2S(HDMI端子)が各1系統ずつ。S/PDIFが3系統(RCA同軸×2、光TOS×1)用意されています。アナログ出力は、RCAとXLRを各1系統装備されています。

電源もD/Aコンバーターとしては異例の規模で、大型のRコア・トランスを使用し、各セクションに対して9つの独立した高品位なアナログ電源を構成しています。

内部のアナログ回路はあえてシングルエンド構成としており、本機のXLR出力は最終段でバランス化され出力されています。これはバランス回路の場合、前述の「R-2R DAC」基板がもう1枚必要となり、電源構成も複雑化して音質面への影響が避けられないとの考え方からです。

この価格でマルチビットをディスクリートで組んだという、画期的なD/Aコンバーターの登場です。私自身、久々に食指を動かされました。そのサウンドはアナログライクなもので、本来の音源を脚色することなく、高解像度で模写するとしています。ハイエンドの風格もあるとのことです。大いに期待したいと思います。
(あさやん)

2019年4月29日 (月)

ヘーゲル 最新鋭プリメインアンプ『 H90 』『 H190 』の魅力とは?

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。今回は、ノルウェー発のハイエンドオーディオブランド「ヘーゲル (HEGEL)」の最新鋭プリメインアンプ『 H90 』と『 H190 』の魅力に迫ります。


■ ヘーゲル社とは
ヘーゲル(HEGEL)社は、Bent Holterによって、1997年にノルウェー・オスロで設立されました。社名の由来は、著名なドイツの哲学者ヘーゲルからきているといいます。

その理念は、アコースティック楽器を最も自然な音で再生することで、透明感や微細なディテール表現、抑揚感、臨場感あふれる描写力を追求しているといいます。そのため、半導体物理学の豊富な経験から、実際の音楽信号再生におけるトランジスタの動作を最適化させ、オリジナル音楽の忠実な再生を追い求めているとしています。

ヘーゲル製品は、自然なスタイルで音楽ソース(特に、アコースティック楽器やボーカル)をオリジナル同様に正確に再現することを目指し、人工的に手を加えられることも欠けることもないといいます。ヘーゲルシステムで奏でられる音楽は、生のスタジオセッションに非常に近いもので、音楽愛好家に最も自然な音、及び、可能な限り魅力的な音を提供し、自然で魅力的な音楽再生を実現するとしています。

また、ヘーゲル製品は創業当時から、そのドライブ力や音質が高く評価されており、JAZZファンにはお馴染みの音楽レーベル「ECM」のスタジオのリファレンスアンプとして採用されているとのことです。これこそ、信頼性を極度に要求されるスタジオで使用される程に、ヘーゲルの技術力が高いことを証明しています。

ヘーゲル製品の第一の特徴は、高度な研究結果に基づいた最新のオーディオ・シグナルプロセシング技術を活用していることです。最も特徴的なのは、独自の「Sound Engine(サウンドエンジン)」技術で、それは多くの異なるタイプの静的・動的歪みを取り除く特許取得のフィード・フォワード技術です。さらに、動的なクロスオーバー歪みを取り除くことにも成功しています。これらは、ヘーゲルの全ての機器に採用されています。

この「Sound Engine」こそヘーゲル設立の要因ともなったオリジナル技術なのです。

今回、ヘーゲルのプリメインを紹介されていただく理由は、国産プリメインと遜色ない価格設定を実現した上で、国産にはない魅力的なサウンドを聴かせてくれるためです。それでは、最新鋭プリメインアンプ『 H90 』『 H190 』の特徴を順に見てまいりましょう。

■ ヘーゲル DAC内蔵プリメインアンプ『 H90 』

まず、前作「H80」より価格が4万円も下がっていることに驚きました。前作同様にD/Aコンバーターを内蔵していますが、バランス入力がなくなり、パワーも75W+75Wから60W+60Wに抑えられています。そこには、前作以降の技術的進化を取り入れるとともに、機能を取捨選択することでコストダウンを図り、広くヘーゲルサウンドをアピールしたいという意気込みを感じます。

上級機「H360」で採用された独自の「DualAmp Technology(デュアルアンプ テクノロジー)」を採用しており、一般的なアンプでは、電圧利得段と電流利得段は同一のアンプモジュールとして設計されますが、「DualAmp Technology」では、これら2つの電圧と電流の利得段(ステージ)を、完全に独立した異なるものとして専用設計されています。

本来、電流利得段はスピーカーへの大電流を供給する役割を担っていますが、この2つのステージを分離させることにより、スピーカー駆動の大電流に起因する影響が、感度の高い電圧利得段のパーツへ及ぶのを防いでいるのです。これは、プリメインアンプの形式を取りつつ、セパレート化したともいえ、更なる低歪み率と高ダイナミックレンジ特性を実現したのです。

また電源部でも、電源トランスの巻線を別にすることで同様の構成(デュアルパワー電源)をとって、電流増幅の影響を回避しているとしています。高品位でハイスピードな電源も、同社の従来からの特徴でもあります。

出力段はバイポーラ・トランジスタによるシングル・プッシュプル(PP)動作で、前述の「Sound Engine」という一般的なNFB(ネガティブ・フィードバック:負帰還)ではなく、フィードフォワード(出力に影響するような歪みを予測し、前もって打ち消してしまう制御方式)での補正回路を採用しています。

このフィードフォワード補正回路の動作原理は、PP動作を構成するNPN型とPNP型の非対称の特性をもつトランジスタでは、どうしても避けられないクロスオーバー歪みや混変調歪みを解消するための技術です。一般的に使われるバイアス電流の調整では、実際の音楽信号自体が非対称であるため、効果がないとの考えから開発されたといいます。

本機ではこれまでの製品より、これをさらに進化させており、さらなる低歪率を実現し、ダンピングファクターも前作「H80」の1000から2倍の2000にまで向上させています。

ボリュームには、高周波測定器レベルのテクノロジーに基づいた高精度で低ノイズレベルの電子ボリューム(※)が採用されています。スピーカーターミナルは1系統ですが、このクラスとしては贅沢なWBT製が使われています。※2013年のノーベル賞のヒックス粒子検出に採用された技術を応用

入力系では、バランス入力をなくした分、Ethernet(LAN)入力が採用されたのですが、本機は前作同様にD/Aコンバーターが搭載されており、従来の光(TOS×3系統)/同軸/USBにEthernetが加わることで、ネットワーク再生にも対応することになったのです。

光/同軸は、192kHz/24bitに対応。USB入力はドライバーなしで再生可能な96kHz/24bitまでにとし、あえて高スペックを目指すのではなく、コンピューター上のプレイリストでの再生では、プレイ/スキップ/ポーズを付属リモコンで操作できるという親切設計です。

フロントパネルには上位機種と同じ、有機ELディスプレイやヘッドフォン出力端子を装備しており、入力ソース切替およびボリュームコントロールは、コンパクトな付属リモコンで可能です。フロントパネルは複合素材による緩やかな美しい「ヘーゲル曲線」ともいわれる曲線を描いたシンプルなもので、優雅で北欧らしさを感じさせます。

■ ヘーゲル DAC内蔵プリメインアンプ『 H190 』

「H160」の後継機であり『 H90 』の上位機です。『 H90 』同様、「DualAmp Technology」と「Sound Engine」、そしてデュアルパワー電源を採用しています。出力段は、パワーバイポーラ・トランジスタのパラレル・プッシュプルとなっており、出力は 150W+150W(前作同様、4Ω負荷時250W+250W)です。

大型トロイダル電源トランスと6本の高品位フィルターコンデンサーを備えた強力でハイスピードな電源部を搭載しており、ダンピングファクターは驚異の4000以上を実現しています。

入力は、『 H90 』にXLRバランス1系統とRCAシアターパススルー入力1系統が加わり、もちろん本機もEthernet入力を備えておりAirPlay/DLNA/Spotifyなどのネットワーク再生、ストリーミング再生にも対応しています。

■ 日本橋1ばん館リファレンスルームで『 H90 』を試聴しました。

写真下段:HEGEL『 H90 』(上段:Mytek「Brooklyn DAC+」)



そのサウンドの第一印象はビロードのように滑らかで、静かで透明感が素晴らしく音場は澄みわたっていました。重苦しさは皆無で、音楽にどんどん引き込まれてしまいそうな、表現力の高さを実感しました。

低域は無理に下まで欲張ったり、グイグイ押しの強いタイプではないのですが、決して痩せることはなく、ブーミー感のない締まりあるもので、弾み感、スピード感も十分です。

中高域は暖かく穏やかで、耳に優しく感じました。特に印象的だったのは、ボーカルとアコースティック楽器で、ボーカルの生々しさは格別で人肌の温もり感、伸びやかさは生で聴いているようでした。ベースやアコ-スティックギターの木質感は抜群で、とにかく鮮度感が高くリアルでした。

ヘーゲルの一見地味なデザインは、日本人には好みの分かれる所ですが、しっかりした作りの落ち着いたデザインは、何年経っても飽きさせないものがあります。

『 H90 』は、20万円台の国産プリメインでは絶対味わうことのできないサウンドを提供してくれます。こういう音楽性たっぷりの本物のプリメインが、日本でもっと受け入れらるようになれば、いよいよ国内オーディオ市場も真の成熟期に入ったといえると思うのですが・・・。
(あさやん)

2019年3月27日 (水)

SOULNOTEのD/Aコンバーターが「D-1N」に進化!! 上位機のノウハウを惜しみなく注入!!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。今回は、上位機「D-2」のノウハウを惜しみなく注入したSOULNOTEのD/Aコンバーター『 D-1N 』を取り上げます。




■ 業界に衝撃を与えたD/Aコンバーター
2018年夏、オーディオ業界に衝撃を与えたSOULNOTEのD/Aコンバーター「D-2」。

とにかくその圧倒的な物量投入、そして何といっても当時最高級DACチップとしてその名を欲しいままにしていた(それは今も続いていますが)、ESS製DACチップ「ES9038PRO」を合計4個も搭載。国産最高峰のD/Aコンバーターの地位を築いたのでした。そして、この価格帯としては異例のヒットを記録しています。


同機のもう一つのトピックは、デジタル領域における無帰還化とも言える「NOS(ノンオーバーサンプリング)モード」を採用したことでした。通常使われるFIR(デジタルフィルター)オーバーサンプリングのインパルス応答では避けられない、プリエコーやポストエコー(デジタル特有の滲みや抜けの悪さの原因)が発生しないのです。


図1:FIRオーバーサンプリングフィルターでのインパルス出力波形


図2:NOSモードでのインパルス出力波形

通常のD/Aコンバーターでは、D/A変換時に生じるノイズを回避するために、オーバーサンプリングして高周波領域でアナログ変換するのですが、この際どうしても時間軸での正確さを損なって(図1)しまいます。そこでSOULNOTEが選択したのが、オーバーサンプリングをしない「NOSモード」(PCM時のみ)なのです。

これは、極めて過渡応答性能に優れた同社オリジナルの「無帰還ディスクリートアンプ」とのコンビネーションで初めて実現できるのです。音楽波形は高さの違うインパルス波形の連続であるため、「NOSモード」により時間軸(※)情報の曖昧さが払拭され、時間軸に対して非常に敏感な人間の聴覚に、よりリアルで自然な音質や空気感をもたらすとしています。
※ 時間軸のブレは、PCM:24bit/192kHzであってもパルス波の前と後ろで各250μ秒、トータルで500μ秒もあるのですが、人間の耳はわずか3μ秒を認識できるといいます。いかに「NOSモード」が効果的であるかがこれで分かります。CDなどのデジタルサウンドが、平面的で奥行きのない音と感じるのはそのためだったのです。

私は以前、「NOSモード」を初めて採用した「D-2」を自宅で聴く機会(スタッフブログでご覧ください)があったのですが、その時の衝撃を「スケールの大きな安定感、アナログを彷彿とさせる立体感、生き生きとした自然な吹っ切れ感、圧倒的な情報量の多さ、力強く伸びきった低音、正確無比なエネルギー感、スピード感、これだけ説得力のあるD/Aコンバーターをかつて聴いたことがないと断言します。」と記しています。

この「D-2」の開発で得られたノウハウを注入して、大きなアップグレードを果たしたのが『 D-1N 』です。

■ SOULNOTE D/Aコンバーター『 D-1N 』
SOULNOTE『 D-1N 』の前作「D-1」は、SOULNOTE 10周年記念モデルとして2017年に発売され、約30万円という価格ながら大ヒットとなりました。「D-1」はUSB-DACとしては勿論、デジタル入力は同軸2系統、AES/EBUを装備し、お持ちのCDプレーヤーと最新D/Aコンバーターとの組み合わせによる、大幅なCDプレーヤーのグレードアップにも貢献したのです。

何といっても、このクラスD/Aコンバーターとしては異例な「ES9038PRO」をモノラル使用で2基、SOULNOTEオリジナルの「無帰還ディスクリートアンプ」、パワーアンプかと思わせるような260VAの「大型トロイダルトランス」の搭載などが、繊細な空間表現と骨太でエネルギー感に満ち溢れた再生音の両立を実現できたのです。オリジナルの「D-1」は「D-2」の下位モデルなどではなく、その元となったモデルだったのです。


『 D-1N 』の内部(中央下が「大型トロイダルトランス」)

左右の小さな円型に見えるコンデンサ群により、SOULNOTE伝統の、大型の電解コンデンサを使用せず小容量のコンデンサを多数パラレル接続することで高周波特性と総合容量をコントロールし、ハイスピード電源を実現しています。

「D-1」同様『 D-1N 』は、120mAにも及ぶ強力なDAC電流出力を、MHz領域まで伸びる「ディスクリート無帰還アンプ」で受け取り、これを強力に増幅し出力します。「ES9038PRO」と「無帰還ディスクリートアンプ」のコンビネーションにより、オペアンプ(集積)回路では得ることができない、エネルギーに満ち溢れた生々しい音楽再生を実現したのだとしています。

そして何より、デジタル機器としては最重視すべきクロックには、超低ジッタークリスタルを採用しています。位相ジッター:1ピコ(10-12)秒以下の超低ジッタークリスタルをDAC チップに極限まで近接させる回路基板のパターンレイアウトにより、理想的なクロック波形を得ているのです。

電源には同社オリジナル高速ディスクリートレギュレターを採用した8種類の、それぞれの回路専用の電源を搭載しており、特に大電流を必要とする「ES9038PRO」の実力を限界まで引き出すことができたとしています。

さらに「D-1」は発売1年後、新機能として画期的な転送方法「Bulk Pet」が追加されました。本機にももちろん採用されています。USB-DACでは一般的にアイソクロナス転送方式によってデータを転送していますが、インターフェイス社が開発したBulk(バルク)転送方式とすることで、パソコンおよびD/Aコンバーターの負荷の軽減が実現でき、再生音質が大きく向上したのです。

その「D-1」が、前述の上位機「D-2」に搭載され評価の高い「NOSモード」を採用し、価格上昇をわずか3万円(税別)に抑えて、『 D-1N 』として大きくアップグレードを果たしたのです。「NOSモード」以外は「D-1」との違いが全くなく、「D-1」を既にお持ちの方でも、その差額分+送料で『 D-1N 』へCSRにてアップグレード作業(※)が可能です。何と親切なメーカーでしょう、ますます信頼感が持てます。進歩の早いデジタル機器はこうでなくてはならないと思います。
※『 D-1N 』へのアップグレードは修理扱いでの受付けとなります: 料金30,000円(税別・送料別)。 詳しくは、SOULNOTEのホームページをご覧いただくか、Joshin webショップの《 連絡帳 》にてお問い合わせ下さい。

■ 試聴は日本橋1ばん館の店頭で行いました

日本橋1ばん館の展示品はブラックタイプ

「NOSモード」オフ時はオリジナルの「D-1」と同じということから、その音質(SOULNOTE伝統の吹っ切れ感と音楽性の両立)の確認は短時間で済ませ、早速「NOSモード」オンでの試聴を始めました。

吹っ切れ感、生々しさはオリジナルを明らかに上回り、音楽の隅々まで描ききり、個々の楽器がはっきり分離し、鮮度が大きく向上していました。低域はオリジナルとの差はほとんど感じませんでしたが、中高域の切れ味や解像度の高さは「NOSモード」が貢献していることを十分納得させる音質でした。これは3万円どころの差ではないとも確信しました。

国産最高峰の上位機「D-2」のノウハウを惜しみなく注入して誕生した『 D-1N 』の進化こそ、新たなPCオーディオの始まりともいえます。
(あさやん)

2019年3月11日 (月)

ますます面白くなる『 PC&ハイレゾオーディオ 』に新たな「うねり」が!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
ますます面白くなる『 PC&ハイレゾオーディオ 』に、いま新たな「うねり」が始まりました。今回は、過去の反省を踏まえ、今後のオーディオの流れを私なりに読み解いてまいります。


■ 新たな「うねり」とは?
2008年頃に注目され始めた『 PC&ハイレゾオーディオ 』。私がこのコラムを担当し始めたのが2013年で、これまで何度も当時の状況やその後について私見を述べて来ました。

その中には、「USB-DACが雨後の竹の子のごとく登場」(2013)、「USB-DAC台頭、最後のディスクプレーヤーか?」(2013)、「ハイレゾの数字競争に警鐘」(2014)、「PCオーディオに再チャレンジ」(2017)、「OPPOが大ヒット!PCオーディオに再注目」(2018)と、続きました。

その間、オーディオメーカー製USB-DACの音質的優位性や、ディスクプレーヤーの終息宣言とも受け取れる内容を述べていますが、その後国内では一部のハイエンドメーカーを除いてデジタル関連機器の開発力が急速に落ち、新規にチャレンジするメーカーが減ってしまいました。

また、SACDには大きな動きはなかったものの、数年前に異常な盛り上がりを見せたアナログブームを経て、メインソースとしてのCDが再度見直され、そこにMQA-CDの話題が加わったことで、CDプレーヤーの買い替えが始まったのでした。

その後、ハイレゾの数字競争もPCM 384kHz、DSD 11.2MHzが上限でほぼ落ち着き、それ以上のスペックによる音質改善効果には疑問の声も上がりはじめ、オーバースペックによる弊害さえ囁かれはじめました。

また2017年には、PCオーディオの救世主として彗星のごとく登場したOPPO「Sonica DAC」が一次爆発的な売れ行きを示したものの、2018年の年初になっていきなり生産中止となってしまい、我々販売側としては梯子を外された格好で、同時に急速にPCオーディオ市場の熱も冷めてしまったのでした。

そして今年(2019年)、昨年末からハイエンドDACに「うねり」とも言える新たな動きが始まったのです。それはかつて、PCオーディオの黎明期に購入されたUSB-DACの買い替えによる最新鋭機へのグレードアップ。そして、CDソフトの魅力再発見から始まった、最新D/AコンバーターによるCDサウンドの見直し機運の高まりだと思います。さらには、話題のMQA-CDという新たなソースを一度聴いてみたいという新たな動機も見逃せません。

そこで今注目を集め、実際人気となっているミドルクラスからハイエンドグレードのD/Aコンバーターを8機種、その優位点、人気の秘密を探りながら取り上げてまいります。

■ 人気のD/Aコンバーター 8機種をピックアップ

■ Mytek Digital 『 Manhattan DAC II 』
 Silver/Black/Goldの3色

Mytekのコンシューマー用としては最上位のD/Aコンバーター。DACチップにはESSのフラッグシップDAC「ES9038PRO」を搭載。これに、フェムトクロックと独自のジッター低減回路を組み合わせて、DACチップの真価を引き出すとともに、デジ・アナを独立電源とすることでノイズとクロストークを徹底的に低減しています。

話題のMQAのフルデコーダー、アナログ式と32ビットデジタル式の内蔵アッテネーターやMM/MC対応のフォノ入力も装備。振動対策や電源ケーブルをグレードアップすることで、更に音質を追い込めます。さらに、オプションカード(高精度フォノ・アナログプリアンプカード、ネットワークカード)によるグレードアップも可能です。

サウンドはプロの世界で鍛え上げられたMytekならではの芯のしっかりした安定度の高いもので、電源の強化がダイナミックスや瞬発力をさらに高め、音楽的な説得力は超一流です。100万円を切るD/Aコンバーターの中ではダントツの完成度の高さです。




■ Mytek Digital 『 Brooklyn DAC+ 』
 Silver/Blackの2色

元々、スタジオでのリファレンスとしての音質を備えたUSB-DACとして開発されました。DACチップにはESS「ES9028PRO」を採用。超高精度のフェムトクロックを搭載。アナ/デジの2通りのアッテネータを装備、フォノ入力も持ち、DACプリとしても機能します。勿論MQAにもフル対応です。

サウンドは深く厚みのある低域、エネルギーに満ち溢れた中域、高域の圧倒的な情報量、厚みのある豊潤なサウンド、生音のような立ち上がりや響きを再現します。ハイエンドの王道を行く安定感のあるサウンドです。コストパフォーマンス抜群で大ヒット中です。




■ SOULNOTE 『 D-2 』
 Silver/Blackの2色

業界で初めてESS「ES9038PRO」を4個搭載し、それにSOULNOTEの得意技「完全対称無帰還ディスクリートアンプ」を組み合わせています。マスタークロックには超高精度のTI「LMX2594」を採用。これは測定器やレーダー用に開発されたジッター45fsという世界最高レベルのものです。

また、従来のオーバーサンプリングモードのデジタルフィルターに加え、デジタル領域における無帰還化とも言える「NOS」モードを採用。オーバーサンプリングのインパルス応答では避けられないプリエコーやポストエコーが発生しません。リアルで自然な音質、空気感をもたらします。画期的なデータ転送方法である「Bulk Pet」も採用。

サウンドはスケールの大きな安定感のあるもので、アナログを彷彿とさせる立体的で、生き生きとした、吹っ切れ感のあるものです。圧倒的な情報量の多さ、細部の表現力、力強く伸びきった低音は正確無比で、説得力のある国産屈指のハイエンドサウンドを実現。




■ SOULNOTE 『 D-1N 』
 Silver/Blackの2色

ESS「ES9038PRO」2基を「モノラルモード」で使用。「ES9038PRO」と「無帰還ディスクリートアンプ」のコンビネーションにより、オペアンプ(IC)では得ることができない、エネルギーに満ち溢れた生々しい音楽再生を実現。1ps以下という、超低ジッタークリスタルを採用。新たに上級機同様、「NOS」モード採用して、バージョンアップを果たしました。

サウンドは非常に透明度が高く鮮烈で抜けの良いものです。ストレートで立ち上がりが良く、音程はしっかりして、安定感があります。音楽を実に楽しく聴かせてくれます。ミドルクラスの国産D/Aコンバーターでは屈指の実力機です。




■ cocktail Audio 『 X45Pro 』
 Silver/Blackの2色

本機はデジタルオーディオの魅力を存分に手軽に味わえる超多機能な製品で、CDのリッピング、メタデータの管理、ファイル音源やネットワークでのストリーミング再生はもちろん、CDソフトの直接再生まで1台で行えます。もちろん、MQA-CDの再生も可能です。

13mmの極厚のフロントパネル、筐体は厚手のアルミプレートに精密な切削加工した総アルミ仕上げです。背面にはストレージ用のスロットを装備。アナログRCAとPHONO入力が1系統ずつ、出力はXLRとRCAが1系統ずつ装備。さらにFMチューナーまで内蔵。

サウンドは筐体の確かさやS/Nの良さから、制動力のあるしっかりしたスケール感のある低域に、厚みのある中域、ヌケの良いハリのある高域が加わり、情報量も圧倒的です。機能満載でこの音質を実現したことで、cocktail Audioの実力を再認識させられました。




■ cocktail Audio 『 X45 』
 Silver/Blackの2色

最先端のデジタルフォーマットに対応し、音質に磨きをかけたマルチメディアプレーヤー。デュアルDAC搭載、DSD 11.2MHzにも対応したミュージックサーバー。CDを簡単に様々なフォーマットでリッピングでき、もちろんCD再生も可能です。

本体背面には記録媒体用のスロットを装備。MQA-CDも再生可能な新時代のCDプレーヤーでもあります。




■ iFi-Audio 『 Pro iDSD 』


PCオーディオの最先端を走り続けて来たiFiオーディオ。その集大成ともいえる製品です。他の追随を許さないPCM 768kHz、DSD 24.6MHzの圧倒的なハイレゾ再生に対応。A級・真空管バッファ、フェムト秒精度のマスタークロック、すべての入力にガルバニック・アイソレーションが施されています。

同社初のネットワークプレーヤー機能まで搭載。MQAにも対応予定です。サウンドは鮮度が高くキレの良い鳴りっぷりの良さが魅力です。




■ M2TECH 『 Young III 』


海外製としては異例な程のリーズナブルなD/Aコンバーター(USB-DAC)+プリアンプ。DACチップはTI「PCM1795」で、PCM/DSD(11.2MHz)ともにネイティブで対応。電子ボリュームにはCirrus Logic「CS3318」を採用し、プリアンプとしても十分な実力を備えています。

サウンドは、実にハリのある若々しいもので、脚色を一切感じさせない生々しさが魅力。中低域には弾力感、高域には爽やか感があります。

■ 最後に
今回はいま注目を集め、実際に市場で人気のある製品ばかりをご紹介しました。いずれもスペック的には、PCオーディオ黎明期とは雲泥の差があり、サウンドにおいてもいわゆるデジタル臭さを全く感じさせない、ハイエンドオーディオ特にレコード再生ともほぼ遜色ないレベルにまで達しているのは間違いありません。

そしてお手持ちのCDライブラリーを生かすためにも、今こそ最新・高性能のUSB-DAC搭載D/Aコンバーターを導入されてみてはいかがでしょうか。

MQA-CDを含め『 PC&ハイレゾオーディオ 』が、ますます面白くなってきました。(あさやん)

2019年2月21日 (木)

cocktailAudioのデジタルミュージックサーバー&トランスポート『 X50Pro 』 ~お使いのD/Aコンバーターが最大限生かせます。

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、お使いのD/Aコンバーターを最大限活かせる、超々多機能なトランスポート型ミュージックサーバーのcocktailAudio『 X50Pro 』を取り上げます。




■ cocktailAudioの製品について
いま、cocktailAudio(カクテルオーディオ)製品が大人気です。
cocktailAudioは、韓国NOVATRON社のハイファイオーディオ製品専用のブランドです。NOVATRON社は2003年に、従来なかったユニークなマルチメディアオーディオシステムを開発、製造するために創設されたのです。常に最先端のデジタルフォーマットに対応し、便利で使いやすく、オーディオの楽しみを広げる革新的な製品をずっと供給し続けています。

日本国内で最初に登場した同社製品は、2015年12月発売の「CA-X40」でした。超多機能で注目はされましたが、当時まだブランド自体が浸透しておらず、正直なところ、ヒットにまでは至りませんでした。そして2017年10月、アンプを内蔵し、スピーカーを接続するだけで簡単に、最新のハイレゾサウンドが楽しめるマルチメディアプレーヤー「X35」が登場。続いて同年11月、あえてD/Aコンバーターを非搭載とし、デジタル機能に特化したハイパフォーマンスマシン「X50D」と続きました。

人気に火が点いたのが、2018年4月に発売された「X45」でした。高性能D/Aコンバーター(ES9018K2M)を内蔵し、アンプを内蔵していないマルチメディアプレーヤーで、最先端のデジタルフォーマットに対応し、音質にも磨きがかけられた製品でした。続いて同年6月発売の「X45Pro」は、最先端の高性能D/Aコンバーター(ES9038PRO)を搭載し、電源や筐体を大幅に強化し、同社ラインアップの最高級モデルとして、性能、音質の頂点を目指して投入してきたのでした。

そして、2018年の年末ギリギリに発表されたのが、今回ご紹介いたします『 X50Pro』です。本機は「X50D」の上級機という位置付けの製品で、「X50D」同様にD/Aコンバーター非搭載のトランスポート型ミュージックサーバーで、本機をお使いになるには別途D/Aコンバーターが必要になってきます。

それでは『 X50Pro 』の先進性&発展性を見てまいりましょう。とにかくその機能の豊富さに、筆者は圧倒されっぱなしでした。

■ cocktailAudio『 X50Pro 』とは
cocktailAudio『 X50Pro 』は最上級機「X45Pro」の開発で得られたノウハウを注入して開発されています。CPUは「X50D」では「Dual Core ARM Cortex A9(1.0GHz)」であったのに対し、本機はその倍に当たるA9のクアッドコア仕様の「Quad Core ARM Cortex A9(1.0GHz)」にグレードアップされており、高い処理能力と快適な操作性を実現したとしています。

また、音質を大きく左右するクロック発振器には、高性能、低ノイズのCrystek「CCHD-575」を搭載。電源部全体をアルミシールドケースでカバーすることでシールドを強化し、トランスからの放射ノイズを遮断。さらに「X45Pro」同様、13mm極厚フロントパネルをはじめ、本体を含むすべての筐体を、厚手のアルミプレートに精密な切削加工と美しいブラスト処理を施した総アルミ仕上げとしています。これらにより、高音質を目指したのです。

本体背面には、記録媒体用のスロットを2基装備しており、それぞれに6TBまでのSATA3.5インチ/2.5インチのHDDドライブ、または、2.5インチのSSDが装着可能です。これにより、最大12TBにも及ぶストレージを実現できるのです。着脱も可能なため、ソースのジャンルなどにより複数のドライブの使い分けもできるのです。(ストレージは別売)

フロントのディスプレイには視認性の高い日本語対応の7インチ大型カラー液晶を採用。操作画面や音楽ファイル情報、カバーアートなどが表示され、快適な操作が可能です。さらに本機のHDMI出力を、お持ちの大型ディスプレイやプロジェクターに接続すれば大画面に映し出すこともできます。

デジタル出力は、RCA同軸、TOS光、AES/EBU、USB2.0、I2S(RJ45×1、HDMI×2)、ワードクロック出力(最大192kHz)を装備。デジタル入力は、RCA同軸、TOS光を各1系統を装備しています。

ただ、「X50D」に2系統あった同軸出力が1系統になったのはI2S(※)のHDMI出力を2系統としたためで、I2S規格の対応幅を広げています。
※I2S:アイスケアエスと読みます。市販品ではM2TECH「Evo DAC Two Plus」などに採用され始めており、今後対応機が増えることが予想されます。

USBホスト(本機から制御可能)端子は、前面に1系統(USB2.0)と背面に2系統(USB3.0)を装備しており、USBメモリや外部ストレージも接続可能です。

本機にはフロントローディングのCDプレーヤーが内蔵されており、CDトランスポートとしては勿論、PC不要で簡単にリッピングもできてしまいます。WAV以外にもFLAC、ALAC、MP3など様々なフォーマットでリッピングが可能です。

CDのメタデータやカバーアートはGracenoteやFreeDBのサービスを利用してインターネット経由でタグ付けできます。取り込んだ音楽データは、カバーアート表示、文字表示、使い易い検索機能など本機独自のミュージックデータベースに蓄積され、管理できます。

本機の対応ハイレゾフォーマットは、DSD(11.2MHz)、DXD(24bit / 352.8kHz)、HD FLAC(24bit / 192kHz)、HD WAV(24bit / 192kHz)などほぼ網羅しており、他社に先駆けて対応しているMQAにも対応しています。MQA-CDもD/Aコンバーターが対応していれば、勿論再生可能です。

さらに、家庭内のネットワークに接続することで、ネットワークプレーヤーまたはミュージックサーバーとしても機能します。TIDAL、Spotify、DEEZERなどのストリーミングサービスも利用できます。TIDAL、DEEZERではMQA音源もお聴きいただけます。

また、専用のリモコンアプリのNOVATRON「MusicX」をiOS / Androidのスマホやタブレットにダウンロードすることで、ネットワーク経由で本機の操作が可能となり、操作画面やカバーアート、ファイル情報を手元で見ながら操作できてしまいます。

cocktailAudio『 X50Pro 』の多機能さは、まさに「てんこ盛り」状態と言えるでしょう。

■ 試聴しました
私が所有する使い慣れたD/Aコンバーター Mytek Digital「Brooklyn DAC+」に本機を繋いで、短時間ですが試聴しました。

まずは、個人的に最も興味のある「MQA-CD」の直接再生から始めました。難なく「Brooklyn DAC+」に352.8kHz/24bitの表示(ユニバーサルミュジックのMQA-CD)が出て、通常CDとは全く違う奥行き感や立体感が再現されました。パソコンのハイレゾ音源からのUSB入力では、MQA-CDのリッピングソフトやダウンロードしたMQA音源も問題なく再生し、MQAの素晴らしさを改めて実感させられました。

通常のハイレゾPCM音源は勿論、44.1kHzのCDからのリッピングソフトも、本機の筐体の確かさやS/Nの良さから、制動力のあるしっかりした低域に、深く沈む重低域が加わったスケール感の豊かな余裕のある低音でした。一方中高域は、厚みのある中域にヌケの良さ、ハリのある高域が加わり、情報量も圧倒的で、PCM音源ならではのピラミッド型のハイエンドサウンドを聴かせてくれました。

一方DSD音源では爽やかさや瑞々しさが加わり、アナログっぽさも感じさせました。PCM、DSDそしてMQAと、それぞれの個性をそのままの形で引き出し、『 何も足さない、何も引かない 』オリジナル音源の良さを大事に、そして素直に引き出してくれました。

cocktailAudio『 X50Pro 』は、お使いのD/Aコンバーターを最大限活かせる超々多機能なトランスポート型ミュージックサーバーです。(あさやん)

2019年2月 5日 (火)

ソニーの超弩級DAP『 DMP-Z1 』を徹底解説!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ソニーの超弩級デジタルオーディオプレーヤー『 DMP-Z1 』を取り上げます。この小ささの中にハイエンドオーディオのノウハウを詰め込んだ【 とんがったモデル 】でした。




■ 私とデジタルオーディオプレーヤー
私はここでデジタルオーディオプレーヤー(以下、DAP)を取り上げることに、正直とても躊躇していました。と言いますのも、私には「オーディオとはスピーカーの音を空間を介して(部屋の空気を動かして)聴くもの」と言う信念があります。演奏会場やスタジオはそれ自体が空間=音場であり、その音場も含めて録音されているのですから、空間を介する(空気を動かす)必要があると考えるためです。

そのDAPなどでのヘッドホンリスニングは、録音された音や楽器のチェック、演奏の善し悪しの判断は十分可能だと思います。しかし、耳の直近や耳の中に振動板が存在するヘッドホンには、音場(=空間)の表現ができない(※バイノーラル録音ではある程度音場の再現は可能です)と考えます。それは、スピーカーリスニングとは別次元の再生システムなのです。ただ、私も通勤電車内ではヘッドホンにお世話になっており、ヘッドホンリスニング自体を否定するつもりは毛頭ありません。

少し講釈が長くなってしまいましたが、だったら何故『 DMP-Z1 』なら良かったのかを、ハイエンドオーディオの視点で見てまいることにいたしましょう。

■ DMP-Z1とは
ソニー『 DMP-Z1 』は、日本での発表の前、2018年8月の香港、9月のベルリンのオーディオショーで先行発表され、当地で話題騒然となり、日本でも異常なほど注目を集めました。そして遅ればせながら、10月に国内発表、12月に発売とのアナウンスがあったのでした。

ソニー『 DMP-Z1 』は、Joshin webショップの「試用レポート」や「特設ページ」に詳しくご覧いただけますので、今回私は「ハイエンドオーディオの担当者」の立場から、本機をレポートします。

まず気になったのは、その大きさ・重さです。ソニーとしては「ウォークマン」ではなく、「ハイレゾプレーヤー内蔵アンプ」と呼び、「ポータブル」ではなく「キャリアブル」という言い方をしています。要するに、今までにない新しいコンセプトのDAP(ソニーでは、DMP=デジタルミュージックプレーヤー)だとしています。

■ DMP-Z1のハイエンド機器としてのこだわり
重さは約2.5kgありますが、「キャリアブル」と呼ぶ所以はバッテリーを搭載していて、4時間のフル充電で、9~10時間程度の再生が可能だというためです。

オーディオ歴の長いマニアの方はお分かりだと思いますが、オーディオ機器の理想はバッテリー駆動であり、AC電源のデメリットを如何に克服するかが、オーディオの大きな目標であり続けています。バッテリー駆動は究極のクリーン電源なのです。

そのバッテリー駆動の電源は合計5セル(単電池)のバッテリーパックで供給しており、デジタル回路には角形を1セル、アナログ回路はプラス/マイナス用に円筒型の2セルをそれぞれ使っています。これによりデジタルとアナログは勿論、左右チャンネルも完全に独立させ干渉を回避した、徹底的にこだわったバッテリー電源です。しかもバランス駆動なのです。


▲ バッテリー電源

そして本機では、「NW-WM1Z」をはじめ、現行のウォークマンで採用されているフルデジタルアンプ「S-Master HX」ではなく、あえてアナログアンプを搭載したことで、この巨大なプレーヤーになってしまったのです。デジタルの覇者 ソニーの技術陣が如何に音質のためとはいえ、本機にアナログアンプを選択したことには敬意を表するとともに、並々ならぬ意気込みさえ感じます。

ただ、我々オーディオマニアにとっては、どうしても「S-Master PRO」を搭載した、2003年発売のSONY最後の高級プリメイン「TA-DR1」を思い出してしまいます。やはり「S-Master」はSONYのオーディオ技術のメインストリームのはずなのですが・・・。如何に高出力のためとはいえ、従来からの主張との矛盾はちょっと気になるところではあります。

そのアナログアンプには、TI(テキサスインスツルメンツ)のステレオHi-FiヘッドホンアンプIC「TPA6120A2」を2基搭載。ロータリーボリュームは、世界最高性能を誇り、高級プリアンプで使われることの多いALPS(アルプス電気)製50型金属軸高音質タイプボリューム「RK501」を、本機のためにカスタマイズ(重厚な真鍮ケースを接触抵抗の少ない銅でコーティングした上に更に金メッキ)して搭載。ノブもアルミの削り出しという贅沢の極みです。


▲ TPA6120A2


▲ RK501


▲ ロータリーボリュームのノブ

そしてそして、DACには何と、AKM(旭化成エレクトロニクス)の最高峰DACチップ「AK4497EQ」をチャンネルセパレーションを有利にするため、左右独立で2基搭載しています。この「AK4497EQ」こそ、エソテリックなどのハイエンド機器の多くに採用され、その実力の程は既に実証済みです。DAPではあり得ない快挙ともいえます。これにより、「DSD:11.2MHz」や「PCM:384kHz/32bit」のネイティブ再生、さらにはMQAも再生可能です。


▲ AK4497EQ

さらに極めつけは筐体構造です。軽量かつ高剛性という難題をH型アルミ押し出し材を切削加工して、側面とシャーシを一体化。アンプ基板とデジタル基板を上下分離し、デジタル基板の下には金メッキした無酸素銅プレートを挟み込むなどして、GND(アース)を強化し、ノイズの影響を抑えるという、ここにもハイエンド機器の手法を投入しています。ゴム脚は内部にソルボセインを使用した3層構造にするなど振動対策も万全を期しています。


▲ H型アルミ押し出し材を切削加工

また、瞬間的な大電力にも対処するため、「電気二重層コンデンサ」を合計5個搭載。内部配線にも手抜きはなく、定評のある米国KIMBER KABLEが使われています。更に基板の配線も一般的な角張ったモノではなく、ハイエンド機器で見られる曲線で描かれ、信号が自然に流れるパターンを採用。ハンダに至るまで、新開発の金入り「高音質ハンダ」を使うなど、そのこだわりは半端ではありません。


▲ KIMBER KABLE


■ DMP-Z1のこだわりの機能
新開発の「バイナルプロセッサー」が注目されます。これはアナログレコードの再生時に生じる「サーフェイスノイズ(針が盤面を滑ることによって生じるサーというノイズ)」が音の立ち上がり(初動感度)を良くするという考え方。

そしてもう一つは、スピーカーの音圧がレコード盤やそれを支えるプレーヤーに伝わること(空間フィードバック)で針先に影響を与え、豊かな響きが得られるという考え方です。これらがアナログの音が良く感じられる理由だとしています。

この理論に基づいてDSP処理を加えることで豊かな音の再生を可能にしたのです。しかし、これは私の考え方とは少し違う点もあり、諸手を挙げて賛成とはいきません。私の考えるアナログの良さとは

 ①デジタルのように入れ物に制限が無く、歪みながらも伸び切る良さ
 ②物理的に針を溝に引っかけることによる立ち上がりの良さ
 ③何より音の連続性による自然さ

だと考えます。ノイズや振動の影響とは考えにくく、ここは個人の意見の分かれる所です。

そしてこだわりの(削減)機能の極致は、アナログ出力がヘッドホン出力(4.4mmバランス、3.5mmアンバランス、いずれも高出力)のみで、外部機器への入出力はデジタル(USBまたはBluetooth)のみのシンプルさです。これは、ラインアウトや切り換えスイッチを付けることで、ヘッドホンリスニングに多少なりとも影響が出ると考えた結果だといいます。ただ、やはりアナログアウトが欲しいと思うのは、私だけではないと思います。

トップパネルには800×480ピクセルの3.1型タッチパネル液晶、音楽再生画面を中心に上下左右にスライドすることでスムーズな操作が可能です。256GBの内蔵メモリーに加え、microSDカード用スロットを2つ搭載。

さらに、外出先に本機を持ち出すための専用キャリングケースも付属しています。背面のUSB Type-C端子により、パソコンから本機へ楽曲を転送したり、接続したパソコンの音楽を本機を通して(USB-DACとして)ヘッドホンで聴くことも可能です。

本機の細部の仕上げにこだわった質感は抜群で、ハイエンド機器ならではのシンプルな外観となっています。私の所有欲を大いにかき立てる優れたデザインです。

■ 最後に
ヘッドホンリスニングでの音質に一切妥協しない【 とんがった挑戦的なモデル 】それが『 DMP-Z1 』です。「ソニーらしさ」「It's a sony.」の復活を確信しました。

その再生音については、ヘッドホン個々での印象の違いがあり、ここでは多くは述べませんが、私のようなスピーカーリスニング派にとってもそれは衝撃のサウンドでした。

第一印象は低域から高域にわたる全帯域でのスピードが揃っていることです。これはスピーカーでは至難の技です。また細部のディテイルがさすがにスピーカーでは無理なレベルまで再現され、その情報量の多さには圧倒されました。音の鮮度、凝縮感、伸びやかさはヘッドホンリスニングならではと感じました。

今回『 DMP-Z1 』を聴いて、スピーカーリスニングとヘッドホンリスニングには、それぞれ別次元の異なる楽しさがあるのだと、改めて感じました。(あさやん)

2018年12月29日 (土)

話題の新世代真空管「Nutube」搭載! ~ USB-DAC/ADC内蔵プリアンプ『 Nu 1 』 ついに、KORGより登場! ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、新世代真空管「Nutube」を2基搭載した、KORG USB-DAC/ADC内蔵プリアンプ『 Nu 1 』をご紹介!
KORGとノリタケ伊勢電子(株)が共同開発した「Nutube」は、より多くのユーザーに真空管の音を楽しんでいただくために、現在の技術を駆使し、高品質で電池動作も可能とした、省電力で扱いやすい真空管です。




■ KORG『 Nu 1 』のコンセプト

KORG(コルグ)は、本来シンセサイザーやデジタルピアノなどの電子楽器、業務用レコーディング機器を製造、販売しているメーカーです。しかし、我々オーディオユーザー、特にPCオーディオファンにとっては、PCオーディオの入門機としてのUSB-DAC「DS-DAC-10」を2012年に、「DS-DAC-100」「DS-DAC-100M」を2013年に発売し、いずれも大ヒットとなりました。そして、2015年の発売以来、今もロングセラーを続けている「DS-DAC-10R」がKORGの代表的オーディオ機器といえます。

そのKORGが満を持して発売に漕ぎ着けたのが、今回ご紹介します新世代真空管「Nutube」搭載のUSB-DAC/ADC内蔵プリアンプ『 Nu 1 』です。この『 Nu 1 』は、楽器メーカー KORGならではの『 良い音を作り出す 』というコンセプトの基、開発されたのだといいます。

そのコンセプトを追求する手段は2つ。一つは、ノリタケ伊勢電子(株)との共同開発である、全く新しい考え方で開発された直熱双三極管「Nutube」を搭載すること。そしてもう一つは、独自技術である「S.O.N.I.C.リマスタリング・テクノロジー」の搭載です。

それでは、この2つのコンセプトを中心に『 Nu 1 』の魅力を探ってまいります。


■ 新世代真空管「Nutube」とは



従来の真空管では難しかった長寿命(連続期待寿命:3万時間)、省電力を実現した高品質な日本製真空管です。直熱管としてリニアリティに優れた特性を持ち、真空管特有の豊かな倍音が楽しめるとしています。

ノリタケ伊勢電子(株)の蛍光表示管の技術を応用しているため、通常は丸い真空管を上記写真のような形にできたのです。結果、従来の真空管に比べて、高品質、長寿命を実現できたのです。しかも発熱がないため、マイクロフォニック(振動)対策も通常の真空管に比べて、容易になったのです。

そして開発理由を、現在生産されている真空管はその製造装置も50年前のものを修理して使っており、製品の不良やばらつきが多く、なおかつ大きな電力が必要になるためとしています。より多くのユーザーに真空管の音を楽しんでいただくために、現在の技術を駆使し、高品質で電池動作も可能とした、省電力で扱いやすい真空管「Nutube」を開発したのだといいます。

『 Nu 1 』では「Nutube」を2基搭載しており、新開発の「Nutube HDFC(倍音抽出帰還回路)」によって、倍音の量の調整を3段階で行っています。その変化は、当社の日本橋1ばん館で体験させていただきました。

オフの状態ではストレートで切れ味を重視した現代的なサウンドでしたが、Nutubeボタンをオン(前面パネル左側にある横長のインジケーターで表示)にすると、HDFCセレクターが有効となり、「I」「II」「III」と3段階選択可能となります。数字が大きい程倍音の付加される量が増やされ、真空管ならではの滑らかで温かみのあるサウンドが強調されていきました。

筆者は通常は「I」で、ボーカルやクラシックでは「II」がベストと感じました。いずれにせよ従来機器にはなかった「自分の欲しい音」にアクセスできるという画期的な機能です。


■ S.O.N.I.C.(Seigen Ono Natural Ideal Conversion)リマスタリング・テクノロジー

DSDマスタリングの第一人者であるオノ セイゲン氏(本名:小野誠彦氏はレコーディング・エンジニア、マスタリング・エンジニアであり、音楽家[ミュージシャン、作曲家、音響コンサルタント、音楽プロデューサー]でもあります)がプロデュースした「DSDで遊べる」本機専用のオーディオ・ドライバ「S.O.N.I.C.リマスタリング・テクノロジー」が付属しています。

PCを使って再生する古いデジタル音源やMP3音源、YouTubeやVimeo等の動画、iTunesやradikoなどのデジタルサウンドや、もちろん通常CDをすべてリアルタイム変換によって、DSDクオリティにリマスタリングして『 Nu 1 』でDSD11.2MHzにコンバートして再生するというものです。しかもこれは一般的なアップサンプリングではなく、オノ セイゲン氏の豊富なノウハウを注ぎ込んだ「マジック」だとしています。


日本橋1ばん館では、YouTubeの音源や古い美空ひばりのボーカルを聴かせていただきましたが、非常に自然で帯域も十分広く、ライブ録音も臨場感が加わり、十分にハイエンドのオーディオシステムでも楽しめるグレードと感じました。これによって、YouTubeも新たな音源に加えることができそうです。


■ 『 Nu 1 』のUSB-DAC/ADC内蔵プリアンプとしての魅力


[1] DACチップは旭化成エレクトロニクスの「AK4490」を採用
USB-DACとしての対応フォーマットは、従来のDS-DACシリーズを大きく超える、DSD:2.8224MHz / 5.6448MHz / 11.2896MHz 1bit、PCM:44.1kHz / 48kHz / 88.2kHz / 96kHz / 176.4kHz / 192kHz / 352.8kHz/384kHz 16bit / 24bit、「S.O.N.I.C.リマスタリング・テクノロジー」使用時のみ DSD:3.072MHz / 6.144MHz / 12.288 MHz 1bitを実現しており、現時点では最高クラスのスペックを達成しています。

[2] ADCにはDACと同じ旭化成の「AK5574」を採用
本機のA/Dコンバーター機能は、DS-DACシリーズで実現したDSDによる高音質録音機能をさらに強化しており、付属ソフトウェア「AudioGate Ver.4.5(最新版)」との組み合わせで、DSD11.2MHz(従来はDSD5.6MHz)による録音/再生を実現しています。従来高価なプロの録音現場で使われるDSDレコーダーでのみ採用され、我々には手の届かなかったDSD録音が可能になったのです。 これによりライン入力に接続した貴重なオープンリールデッキや、カセットデッキの音源のデジタルアーカーブも可能です。

[3] MM/MCカートリッジ対応のフォノアンプ搭載
レコードプレーヤーの出力を直接接続しての再生(PCを使う必要のないANALOGモード搭載)はもちろん、アナログレコードを高音質にデジタル録音できます。さらに「DSDフォノ・イコライザー機能」を「AudioGate」に内蔵しており、一般的なRIAAカーブ以外にもLP用の5種類のカーブにも対応。「AudioGate Ver.4.5」ではSPレコード用の3種類のカーブが追加され、これはかなりマニアックな機能です。そして録音時に掛け録りするだけではなく、イコライザーを掛けず録音した音源に対して後掛けすることも可能です。

[4] DSD音源を手軽に持ち出し可能に
レコードなどお手持ちのソースをDSD録音して、ミュージック・プレーヤーとしての機能が充実した付属ソフト「AudioGate Ver.4.5」で曲順を入れ替えたり、シャッフルしたりしながら気軽に再生して楽しむことができます。「AudioGate」はほとんどのオーディオ・フォーマットに対応しており、DSDで録音したソースをmp3やFLACなどに変換してポータブル・デジタルオーディオプレーヤーで持ち運ぶことも簡単です。

[5] 充実のアナログ回路
DACチップ「AK4490」を2基搭載しており、左右独立で構成された出力回路、Nutube回路(バイパスも可能)を経由し、XLRバランス出力されます。アナログ信号は入力から出力まで、基板上でのノイズの影響を打ち消す差動増幅回路構成となっています。そしてオーディオ機器の音質を決める最重要部分の電源には、磁束漏れが少なく効率が良いことで高級オーディオ・アンプに使われているトロイダル・トランスを採用しています。

[6] 充実の入出力端子

入力は、XLRバランス×1系統、RCAアンバランス×1、フォノ×1、USB-B×1を装備。出力は、XLRバランス×1、RCAアンバランス×1に加え、「USB-DAC DIRECT OUT」としてXLR×1、RCA×1を装備しています。ヘッドホン出力は、標準ヘッドホン×1、XLRバランスヘッドホン×1まで搭載しており、万全を期しています。



■ 最後に
このようにKORG『 Nu 1 』は、DSDを主軸にデジタル音源の高度な再生はもちろん、プロの世界で鍛え上げられたKORGだからこそ可能な、DSD11.2MHzでのアナログレコードを含むダイレクト録音機能は、他メーカーでは恐らく将来的にもノウハウの面でかなり難しいのではないでしょうか。

そこに、新世代真空管「Nutube」によって、あえて『 良い音を作り出す 』ことまで楽しめる、KORGだけができる別次元のプリアンプ『 Nu 1 』の完成です。(あさやん)


2018年11月30日 (金)

【誰でも簡単にネットワークオーディオを!】アイ・オーデータのオーディオサーバーSoundgenicがお薦めです!


みな様、こんにちは!
前回から少し間が空いてしまいましたが。。。ハイエンドオーディオ担当のとうふです。
11月に入って徐々に気温が下がり、朝には息が白くなる日も増えてきましたね。

さて、11月と言えば各種オーディオイベントが各地で行われるのですが。。。
昨今は『音楽をCDで聴く』という方が減少の傾向にあり、
主な再生媒体がPCやDAP(デジタルオーディオプレーヤー)と言う方が多いようですね。。。
CDの売れ行きも同様に減少傾向にあるそうですが、それに反応してか昨今はCDプレーヤーの新作もめっきり減ったように感じます。

しかしそんな状況でも音楽機器業界にとっては決してマイナス要因では無く、
オーディオ再生のスタイルが変化しているだけで、
一家に一台(場合によっては1人一台)はお持ちのPCを再生機とした"PCオーディオ"
スマートホンやDAP(デジタルオーディオプレーヤー)等からのワイヤレスイヤホン/ヘッドホン再生で、音楽に触れるシーンはよりずっと身近になっているようです。

さて、今回ご紹介の製品"Soundgenic"はPCオーディオの一種、
ネットワークオーディオで使用される音源を保存する『オーディオサーバー』にあたります。

I/Oデータ
オーディオ用ネットワークサーバー
Soundgenic


本機は発表時にもハイエンドブログでもご紹介させて頂きましたが、やはり待ち望んでいた方が多かったのか。。。 しばらくは入荷完売入荷また完売、としばらく品薄の状況が続きました。


その後、容量が強化された兄弟機【HDL-RA3HG 】が初夏に発売。
品薄状態も解消されてきました。

さらに8月に新ファームウェアが公開され機能面が拡張、と利便性が更に向上!
特に私が大きな点と感じるのが
○DAP(デジタルオーディオプレーヤー)などのUSBマスストレージ機器に転送

ポータブルオーディオユーザーには非常に嬉しい機能です!
Soundgenicはオーディオサーバーという製品ですが、外付けCDドライブを取り付けることで
CDの取り込み機能CDトランスポーター機能を持ちます。
※対応ドライブにご注意ください。
CDを取り込んで、後はお気に入りのDAPに転送!という工程がPC要らずで行えるのです

○「DirectDSD」を新たにサポートし、最大DSD22.5MHzに対応

Soundgenicは先にも書きましたが本来はオーディオサーバーです。
しかし搭載のUSB端子に機器を接続する事でさまざまな事が行えます
なかでもUSB-DACを接続する事で、単体プレーヤーとしても楽しむ事が出来、今回のアップデートで更にオーディオプレーヤーとしての機能に磨きがかかりました!

その他の詳細なアップデート情報はメーカー該当ページをご確認くださいませ。
※動作の安定や機能拡張などが行われる為、ファームウェアは最新の状態に維持してください。

ファームウェアの更新で更に完成度を高めたSoundgenic。
ネットワークオーディオを検討中の方にはもちろん、秋のオーディオライフを楽しむツールとしてお薦めの製品ですっ!

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

2018年11月29日 (木)

待ちに待った iFiのフラッグシップUSB-DAC『 Pro iDSD 』がついに登場!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、PCオーディオマニアにおすすめの「一粒で五度も十度も美味しい」究極のデジタル機器 iFiオーディオのUSB-DAC『 Pro iDSD 』を取り上げます。
コンパクトなボディに最新技術やトレンドを詰め込み、PCオーディオの最先端を走り続けて来たiFiオーディオの集大成ともいえる製品です。




■ 『 Pro iDSD 』がついに発売

iFiオーディオより、注目の新製品USB-DAC/ネットワークプレーヤー『 Pro iDSD 』が発表されたのが今年(2018)6月のことでした。その衝撃的で圧倒的なフィーチャーに筆者を含め、多くのPC&ネットワークオーディオファンが驚かされ、その発売が待たれていました。

「nano iDSD」でDSD:11.2MHzを実現し、PCオーディオのその後の流れを大きく変えたiFiオーディオが、更なる高みを目指して、最新トレンドを追求しつつ、お家芸のデジタルはもちろんのこと、アナログ部分においても同社独自の魅力を追求し、ついに発売に漕ぎ着けたのです。その『 Pro iDSD 』の数々の最新性能と魅力に迫ってまいります。


■ iFiオーディオ

iFiオーディオは、イギリスの伝統あるハイエンドオーディオメーカー「AMR(Abbingdon Music Research)」を母体とするPCオーディオメーカーです。同社の理念は、「コンピューターやモバイルに親和性を持つ新しい世代に向けて、従来のオーディオの枠組みにとらわれない発想により、ハイエンド製品の技術を満載した製品をリーズナブルな価格で提供すること。」としています。

その理念の通り、iFiオーディオの製品群は、そのグレードと価格帯によって「nanoシリーズ」「microシリーズ」「Proシリーズ」に分けられており、 『 Pro iDSD 』はトップグレードの製品です。同社製品はいずれもこれまで、コンパクトなボディに最新技術やトレンドを詰め込み、PCオーディオの最先端を走り続けて来たのでした。その集大成となるのが本機 『 Pro iDSD 』です。

『 Pro iDSD 』は単なるUSB-DACではなく、バランス駆動に対応したヘッドホンアンプであり、アナログの可変出力を選択すれば高性能プリアンプにもなり、さらに同社初のネットワークプレーヤーでもあります。

DNLAやAirPlayにワイヤレスで対応し、ストリーミングによる音楽再生、micro SDカードやUSBメモリーでのファイル音源再生も可能で、機能はまさにてんこ盛り状態です。それでは、『 Pro iDSD 』のハイエンドオーディオ機器としての魅力を順に探っていきます。


■ 『 Pro iDSD 』の魅力とは!

★PCM:768kHz、DSD:24.6MHz(DSD1024)への対応
他の追随を許さない圧倒的なハイレゾ再生に対応していますが、それだけではありません。『 Pro iDSD 』のデジタル部は、4基のバーブラウン製DACチップをスタックすることで、最大8組の差動信号を引き出す構成を取っており、入力信号を内部のFPGA(設計者が構成を設定できる集積回路)を用いた独自のアルゴリズムにより、最大DSD45.2MHz(DSD1024、つまりCDの1024倍)にアップサンプリングした上で、D/A変換する「DSD1024マスタリング機能」を搭載しています。

しかもこのアップサンプリング機能は、後述のネットワーク入力時にも適用できるため、あらゆる音源をDSD1024にアップサンプリングして聴けるという、史上初の機能を搭載しているのです。

★GE製5670×2本を用いたA級・真空管バッファ搭載
『 Pro iDSD 』のユニークな機能として、アナログ出力モードが3種類用意されていることです。一般的なJ-FETを用いた半導体回路を動作させる「ソリッドステート」モード、GE製5670を採用した回路のみを動作させる「真空管」モード、そして前者のNFBを最小限に抑えて動作させる「真空管+」モードの選択が前面パネルで可能です。

高解像度でストレートな「ソリッドステート」モードから、多少丸みを帯び低域が豊かな「真空管+」モードまで、デジタルとアナログ両面の魅力が味わえ、お好みのサウンドで楽しめます。

★フェムト(1000兆分の1)秒精度のグローバル・マスター・タイミング(Global Master Timing)クロック装備
すべての入力データはメモリー・バッファーに送られ、ここでジッターが除去され、ソースに含まれていたジッターがDAC出力に伝送されないように取り除かれます。メモリー・バッファーからのデータは、続いて低ジッターのグローバル・マスター・タイミングクロックを用いて再クロックされます。

さらに同社としては初の外部クロックの入出力も装備しており、10MHzのマスタークロック入力も可能です。デジタルの要であるクロック部にも万全を期しています。

★すべての入力(USBを含む)にガルバニック・アイソレーションが施されています
「ガルバニック現象」とは、異種金属が接触した際、それぞれの金属のイオン化傾向の違いによって電流が流れるのですが、この電流が「ガルバニック電流」と言われるものです。金属製のスプーンや銀紙を噛むとピリッとすることがありますが、これが「ガルバニック電流」の仕業だそうです。

本機のガルバニック・アイソレーションは、信号ラインだけではなく、電力やアースラインを含めて完全な絶縁を行っており、USBでの高速伝送時のノイズの混入を防止し、アースループも遮断できたとしています。これにより正確でノイズのない高速伝送が実現できたのです。

★構成パーツには信頼性で多くの日本製を使用
ALPS(アルプス)製の第一級のモーター駆動式ロータリー・ボリュームを搭載しており、これを使うことで 『 Pro iDSD 』はフル・バランス仕様となっています。またコンデンサーにも、低音のダイナミック・パフォーマンスを最大限に引き出すために日本のELNA(エルナー)製の音響用アルミニウム電解コンデンサ「ELNA Silmic(シルミック)キャパシター」を使用。

さらにデジタル部の電源には、超低インピーダンス環境によって高速な電流供給を実現するため「ELNA Dynacap DZ」スーパー・キャパシターが使われており、これらはすべて最高の音質を達成するための「必須部品」としての選択だとしています。

★豊富な入出力端子を装備
入力端子は、USB3.0(Bタイプ)×1、AES/EBU×1、S/PDIF(RCA同軸/丸形光TOSコンボ)×1、BNC(S/PDIFまたはSync入力)×1。

出力端子は、XLR×1系統、RCA×1系統、ヘッドホン出力には、6.3mmと3.5mm(左右GND分離のS-バランス対応)、さらに2.5mmバランス駆動と万全です。筐体は小さい(213×220×63.3mm、1.98kg)のですが、あらゆる入出力に対応しています。

★同社初のネットワークプレーヤー機能
『 Pro iDSD 』はルーターにダイレクトにリンクして、オンライン・ミュージックを再生することができます。従来iFiオーディオはネットワークプレーヤーも、その関連アクセサリーも一切出さず、USB関連機器に集中してきた感がありますが、今回フラッグシップ機にネットワーク機能を初めて搭載してきたのです。今後の展開が楽しみです。

★MQAデコードにも対応予定
今後ファームウェアのアップデートでMQAデコードにも対応する予定(※)とのことです。(※ 現時点ではレンダラー対応かフルデコードタイプになるか内容は不明です。)



■ 最後に
さて『 Pro iDSD 』の音質の狙いは、(~輸入元にお聞きしました。)"Pro"の名が示す通り、モニターライクで鮮度感のあるストレートなサウンドを基本としつつ、真空管ならではの余韻感のある、ふくよかなサウンドも再現可能な懐の深さを持っています。

さらに「DSD1024マスタリング機能」では、しなやかでナチュラルなサウンドが実現し、リアルな音場再現力には他の追従を許さないものがあるとしています。

一粒で二度美味しいどころか、五度も十度も美味しい究極のデジタル機器と言えます。まさに「これでもか!」と思わせる機能てんこ盛り状態のiFiのフラッグシップ 『 Pro iDSD 』。

これだけのフィーチャーを詰め込んで、この価格は決して高くはないと思います。是非最先端のPC&ネットワークオーディオを使いこなす喜びを知っているPCオーディオマニアにお勧めします。

2018年9月22日 (土)

SOULNOTEフラッグシップD/Aコンバーター『 D-2 』が今、大注目!!
~ ESS製DACチップES9038PRO×4とフェムト・クロックにより具現化した究極のデジタルとは ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
CSRがSOULNOTE(ソウルノート)ブランドを引き継いで丸2年。元気の無かった国内オーディオ市場に2016年には「A-1」「C-1」「A-0」、2017年には「E-1」「D-1」と、話題の製品を次々と投入し、少なからずミドルクラスのオーディオ市場を活性化してくれました。

2017年末にはアキュフェーズ、ラックス、エソテリックの御三家に対抗すべく、高級プリメインアンプ「A-2」とフォノイコライザー「E-2」を投入。ハイエンドオーディオ市場に参戦したのです。さらに今夏、フラッグシップD/Aコンバーター『 D-2 』がラインナップに加わりました。自宅での試聴を含めレポートしてまいります!


■ 『 D-2 』に迫る!

『 D-2 』の外観はSOULNOTEの一連の製品と同じく、オリジナリティのある立体的で重量感のあるアルミフロントパネルを採用し、筐体は「A-2」と同じ大きさで、重量は17kgにも達しています。プラチナム・シルバーとプラチナム・ブラックの2色が用意されています。

『 D-2 』の最大のトピックは何と言っても、業界で初めて"ESS製DACチップ「ES9038PRO」"を合計4個搭載し、それにSOULNOTEの得意技「完全対称無帰還ディスクリートアンプ」を組み合わせたことです。初代の「D-1」は「ES9038PRO」を左右独立で2個搭載していましたが、『 D-2 』ではチャンネルあたり2個を割り当てるという徹底ぶりです。



「ES9038PRO」は、IV回路(電流-電圧変換回路)も抵抗1本によるシンプルな回路とし、NFBを採用するアンプで生じるTIM歪(過渡相互変調歪)を排除できたのです。120mAの強力な電流出力を誇る「ES9038PRO」を片チャンネルあたりダブルで使用することで、"さらに自然で生命力に満ち溢れた音楽再生が可能になる"としています。なお、「ES9038PRO」は最高音質の得られるシンクロナスモードで動作させているとのことです。



そしてもう一つのトピックは、DDS(Direct Digital Synthesizer:マスタークロックの出力回路) に、超高精度のTI(テキサスインスツルメント)のPLLatinum™RFシンセサイザー「LMX2594」を採用していることです。

オーディオ機器では数10ps(ピコ秒)オーダーのジッター(クロック立ち上がり波形の揺れ幅)性能のDDS用ICが一般に採用されていますが、『 D-2 』では測定器やレーダー用に開発されたジッター45fs(フェムト秒:フェムトはピコの1/1000)という、世界最高レベルのスペックのオーディオ用DDSを同社として初めて採用したのです。さらに、SOULNOTEとして初めて10MHz外部基準クロック入力も装備しています。やはりデジタルの"肝"はクロックということなのです。

また、従来のFIR(デジタルフィルター)オーバーサンプリングモードに加え、デジタル領域における無帰還化とも言えるNOS(ノンオーバーサンプリング)モードを新たに採用。これにより、FIRオーバーサンプリングのインパルス応答では避けられないプリエコーやポストエコーが発生しないということです。

FIRオーバーサンプリングフィルター
でのインパルス出力波形
NOS モードでのインパルス出力波形
プリエコーやポストエコーはデータを補間するために前後のデータから演算で作り出した人工的な「音」であり、これにより正弦波などの波形は見た目滑らかになりますが、演算のアルゴリズムで音質が変わったり、時間軸的な曖昧さが付加されます。

これは極めて過渡応答性能に優れた無帰還ディスクリートアンプとのコンビネーションで初めて実現できる波形です。音楽波形は高さの違うインパルス波形の連続であるため、NOS モードにより時間軸情報の曖昧さが払拭され、時間軸に対して非常に敏感な人間の聴覚に、よりリアルで自然な音質、空気感をもたらします。(※なお DSD はNOS モードにはなりません。)

デジタル入力はUSB×1と同軸デジタル×2、AES/EBU×1で、USBでは768kHz/32bitまでのPCMと22.6MHzまでのDSDに対応しています。同軸デジタルとAES/EBUではPCMが192kHzまで、DSDは2.8MHzまでです。アナログ出力はXLR(5.6Vrms)とRCA(2.8Vrms)を各1系統を装備しています。




SOULNOTEのお家芸でもあるディスクリート完全対称無帰還差動アンプは、電源整流部も含めて左右チャンネル完全独立のツインモノコンストラクションを採用しています。音声信号や電源経路からコネクターケーブルを排除し、大電流を扱うトランスからの配線も最短化しています。また、各ステージの整流回路を独立させて、相互干渉を防止しています。

電源トランスには、ハイパワーアンプ並の400VAの2次側8巻き線の大型トロイダルトランスを本機のため新開発して搭載。あえてトランスを1個としているのは、振動源であるトランスによって生じる筐体の振動モードのシンプル化を図るためで、不要な振動はトランス直下のスパイク足から筐体外に排出するのだとしています。

動作モードは「STEREO」の他「MONO Lch」「MONO Rch」を選択可能。MONOモード時は反対チャンネル側のES9038PROを停止することで電源の余裕が倍増され、チャンネルセパレーションが事実上無限大にすることができます。

そしてもう一つトピックがあります。それは画期的なデータ転送方法である「Bulk Pet」を採用していることです。一般的にPC-AudioではIsochronous(アイソクロナス:定期的にPCとデバイスの間にデータが流れる通信)転送方式によってデータを転送しています。『 D-2 』ではインターフェイス社が新たに開発したバルク転送方式(※)とする事で、パソコンおよびD/A コンバーターの負荷の軽減が実現でき、再現する音質をさらなる次元へ導くとしています。Bulk Petを使用するには、専用ドライバーのインストールが必要です
※転送するデータの量と転送サイクルをコントロールする事で、転送するデータをできるだけ少なくして、連続的なデータ転送ができ、パソコンやD/A コンバーターの処理負荷を下げることができる。

なお、SOULNOTE製品は音質と安全性を最重視して回路電流を決めています。一般的にトランジスタの温度が高いほど性能が上がり、音質も良くなる傾向にあります。SOULNOTE製品は全て問題のない範囲で高めのトランジスタの温度設定としており、一般的な製品と比較して、セット温度は高めとなっています。

また、筐体、特にトップカバーやシャーシを防振し過ぎると、オーディオ再生のために必要な良い鳴きも止めてしまうとの考えから、音質を最重視して、あえてトップカバーやシャーシ等の防振は行っていません。叩くと素材の音がします。

これらは旧SOULNOTE時代から一貫しており、初めてお使いの方は、夏場の発熱量の多さやトップカバーを叩いた際に驚かれると思います。これらは全て音質のためなのです。


■ 試聴しました
『 D-2 』は自宅でも短時間ですが試聴を行いました。



梱包を開けた際の本体の大きさ、重さに圧倒されました。まさに物量投入型の最たるもで、ちょっとしたパワーアンプ並の筐体でした。D/Aコンバーターとしては異例な大きさで実に存在感のあるものです。

まずは、CDプレーヤーのデジタル出力を同軸ケーブルで接続しました。スケールの大きな安定感のあるサウンドで、アナログを彷彿とさせる立体的なサウンドで、生き生きとした自然で、吹っ切れ感のある、実に伸びやかなサウンドでした。

良い意味で国産屈指のハイエンドサウンドと言えるもので、圧倒的な情報量の多さ、細部の表現力、力強く伸びきった低音は、高精度クロック、強力な電源、そして何よりDACチップ「ES9038PRO」に負う所が大きいとも感じました。

ただ、ゆったり感や抱擁力と言うより、正確無比で、エネルギー感、スピード感、そしてデジタルの素晴らしさを、さらに追求したい方にお勧めします。これだけの説得力のあるD/Aコンバーターはかつて聴いたことがないと断言します。

USB入力でのPCオーディオでも同様の傾向のハイエンドサウンドで、「Bulk Pet」の効果も大きく、細部の表現、安定感、透明感には一日の長があり、PCオーディオのさらなる可能性を大いに感じさせてくれました。

国産最高峰のD/AコンバーターSOULNOTE『 D-2 』が、かつてない究極のデジタルサウンドを実現します。(あさやん)


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  • 下記店舗では、ハイレゾからアナログまで、Accuphase・B&Wなどのハイエンド オーディオ製品やオーディオアクセサリーが充実。試聴室完備で比較試聴も できます。

    日本橋1ばん館 4F
    (大阪 日本橋)

    三宮1ばん館 B1F
    (神戸 三宮)