
Joshinのテレビショッピングの歴史は古い。テレビショッピングのスタートは昭和49年11月で業界初。筆者が入社した時もテレビショッピングが有名で、近所にJoshinの店がなかったこともあり友人たちからは「テレビショッピングの会社に入ったのか」と言われたものだ。ところがテレビから撤退してからかなりの年月が経つので、今ではこれといったノウハウも持っていない。番組作りもいろんなパターンを試行錯誤しているといった状態なのだ。
これまでは町中に飛び出したり実際の店頭で焼き肉を焼いてみたり、あるいは大阪のこてこてのおばちゃんを近所の公園に集めて撮影したりと斬新な演出を心がけて番組を作っていたのだが、今回はスタジオ録画でオーソドックスな作りを試してみることになった。視聴者代表でサービスを要求するオリジナルキャラの「だったら?くん」はしばしお休みとなり、パーソナリティーの橋本志穂さん、ジョーシンの会社代表役の必響(ひひびき)さん、そして解説者としてメーカーから営業さんに登場願うというスタイルをとることになった。要するにふだんお店にセールスに来ているメーカーの担当者さんにテレビに出てもらおうというわけだ。

ところがテレビに出るというのは、慣れてない者にとっては思いの他ハードルが高いものである。マイクを向けられて自分の考えがすらすら言える者がどれほどいるのだろうか。思ったことの半分も言えないのが普通であろう。それをまぁいっぱいいっぱい練習してきてくれたメーカーの方々には、リハーサルを見ながら本当に頭がさがる思いがした。
ここで橋本志穂さんの大活躍である。レベルもまちまちで、途中でどうしても詰まってしまう出演者の方を相手に「ああしたら」「こうしたら」「ここは私が言うから」「一気には無理だから、一度切りましょう」と天使のように手をさしのべて、迷える出演者を優しいお姉さんになって導いている。すごい気配り、すごい優しさになんかプロのすごさを見た気分になってきた。
前回も書いたが、今日は10アイテムの一気撮りである。このドライリハーサルもいつ終わるとも知れずに黙々と続いていく。最初のうちは1アイテム1時間ぐらいかかっていたペースが、徐々に上がっていく。それでも…
「全部が終わるのは、早くて深夜3時くらいかな。」
恐ろしい言葉が、背後でささやかれた。(つづく)