キッズモデルのケイジ(塩顕治)はブランドモデルの大きなオーディションを受けている。1,000人の中から選ばれるのはたった一人。躍起になるステージママの美由紀(西田尚美)だったが、二人の心はすれ違い気味。そんなある日、美由紀が新しい父親になる人を連れてきた…
なかなか強烈なステージ・ママの物語なんだけど、追い込まれている彼女の心情もわかるなぁってのがこの映画のポイント。加えて一人息子のケイジの置かれている環境も尋常ではない。母親が危ういバランスに生きているのと同様に、彼もかなり難しい立場に置かれている。オーディションというおよそ子供っぽくない世界に加えて、先輩モデルからのいじめ(これがかなり執拗で見ていていらいらしてくる)、母親の恋人、本当の父親との関係、そして軽い自殺願望などなど… 「愛してよ」というタイトルは、この二人共通のものであることがうかがえます。
ビルの遠景に雪山があったりして見ているうちはどこの町の物語かわからなかったのですが、エンドクレジットによると新潟のようです。子供たちの様子からしててっきり東京の話かと思っていたら「新しいお父さんと東京へ行く」という展開があったりして疑問だったんですが、こういう親子関係の悩みは地方の大都市でも共通ってことなんでしょうか。同じ年頃の子供を持つ身としてはかなり気が重くなってくる映画です。
「人生はくじびきと同じ、当たりもあれば外れもある」「スケジュールに空きがあると、そこから幸せが逃げていく気がする」。名言というよりも、迷言ですね。
福岡芳穂監督。2005年日本映画。