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2008年2月

2008年2月26日 (火)

インビジブル2 (2006)

インビジブル2 とある殺人事件の捜査に当たるはずだったターナー刑事(ピーター・ファシネリ)だったが、現場から閉め出されてある女性科学者(ローラ・レーガン)の警護を命じられる。実は彼女はライズナー研究所で、透明人間の抑止薬の開発にかかわった人物だった…

 あのポール・ヴァーホーベンの透明人間映画「インビジブル」のずいぶん久々に登場した続編。とはいってもスケールダウンした「何じゃこりゃ」続編の1本で、ずいぶんと退屈な内容なので覚悟して見た方がいいかもしれない。

 軍がからんで透明人間の争奪戦になるといったあたりや、最後の透明人間同士の戦いとか面白くなりそうな要素を含みながら、見事に大コケ。しかも透明人間の正体はクリスチャン・スレーターだってのがこれまた泣かせてくれる。ほとんど出番がないので、ゲスト出演にはぴったりってところかも。

 こうして見ると、透明人間をスプラッティ映画に仕上げちゃったバーホーヴェンの功績ってのは意外と大きかったんじゃないかと思ってしまいます。

クラウディオ・ファエ監督。2006年アメリカ映画。

2008年2月25日 (月)

東京タワー (2004)

東京タワー 41歳の人妻詩史(黒木瞳)はCMプランナーを夫(岸谷五朗)に持ち、自身もショップ経営を行い不自由ない暮らしをしているが、学生の透(岡田准一)と恋愛中。一方、透の友人耕二(松本潤)も、人妻喜美子(寺島しのぶ)と危ない恋に落ちるのだったが…

 江國香織の原作を映画化。ダブル不倫を描いた物語で、雰囲気は一時期のトレンディドラマを思わせるんだけど内容はどろどろ、こってりと強烈である。黒木瞳はまぁイメージぴったりだなって思わされる内容なんだけど、凄いのはノーマークだった寺島しのぶ。フラストレーションためまくりの家庭の主婦がとってもリアルで、場面によってはぞくぞくさせられた。

 とはいっても、男目線ではどういうふうにこの映画を見たらいいのか困ってしまうのも正直なところ。岸谷五朗のCMプランナーは浮世離れしていてどうでもいいとしても、寺島しのぶの方は何か一歩間違えば…みたいな危うさを感じさせてくれる。

 ところで狂言回しみたいに使われる東京タワーって一体? ラストシーンはパリでエッフェル塔になっちゃうところは、どういう意味なんだろう。

源孝志監督。2004年日本映画。

2008年2月23日 (土)

マレーナ (2000)

マレーナ 第2次対戦初期のイタリア・シチリアの小さな村。少年レナート(ジョゼッペ・スルファーロ)は村中の男が憧れている人妻マレーナ(モニカ・ベルッチ)を見て一目惚れする。戦地へ行った夫を待つマレーナに、レナートは仲間たちと共につきまどうのだが…

 ジュゼッペ・トルナトーレ監督、エンニオ・モリコーネ音楽というシネパラのコンビ作なので、期待して…というよりはあれ以上のものではないだろうと斜めに構えて見たのが良かったのか、結構面白かった。イタリア版「おもいでの夏」かな、と思える冒頭だったけど、話は思わぬ方向へ転がっていって目が離せない1時間半。オブラートにくるんだかのようなシネパラ2時間版が好きなoga.としては、やっぱ本当のトルナトーレの世界ってのは妙な生々しさを伴ったシネパラ3時間版なんだと確信した。それはそれでいいんだけどね。

 それにしても…モニカ・ベルッチって凄い。イタリアの宝石なんて呼ばれてるそうだけど、綺麗なんて言葉が陳腐に思えるほど。加えてトルナトーレ監督はやっぱり女性を撮るのがうまい。根っからの女性好きなんじゃないかと思えてしまいます。

ジュゼッペ・トルナトーレ監督。2000年イタリア=アメリカ合作。

2008年2月21日 (木)

殯(もがり)の森 (2007)

殯(もがり)の森 奈良の老人ホームに住む、妻を亡くした老人しげき(うだしげき)。新任の介護士の真千子(尾野真千子)も息子を亡くした過去をかかえながらここに勤めているのだが、ある日しげきを妻の墓参りに連れて行った途中で車が脱輪。しげきの姿を見失ってしまう…

 カンヌ映画祭審査員特別グランプリを受賞した河瀬直美監督の話題作。この人の映画って、本当に時間がゆったりと流れていく感じで、難しいテーマを扱っているのにかかわらずあまり肩に力を入れずに見られるところがいい。というか、ゆったりとこの世界に身をゆだねるという鑑賞方法ができるのが好きだ。特に後半に登場する、もがりの森の風景には、内容は激しいドラマにもかかわらず気持ちが癒されるものがある。

 主演の二人(うだ、尾野)はほとんど演技経験がないらしいんだけど、まったく素人くさくなくこの世界の住人になりきっていることが凄い。妻を失った老人と、息子を失った母の気持ちが段々かぶっていくところが見事。

河瀬直美監督。2007年日本=フランス合作。

2008年2月18日 (月)

父親たちの星条旗 (2006)

父親たちの星条旗 太平洋戦争末期の硫黄島の戦いで、上陸した米兵6名(ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ他)が鉢伏山の頂上に星条旗を立てる。このニュース写真が米国本土でブームとなり、生き残って帰国した3名は熱狂的に受け入れられるのだが…

 写真に写る兵士のひとりの息子ジェームズ・ブラッドリーの原作を映画化。硫黄島2部作の第1作で、アメリカ側の視点から硫黄島の戦いを見た作品。とはいっても日本編の「硫黄島からの手紙」と違うのは、テーマが戦闘だけではなく帰国した彼らがヒーローとして祭り上げられ戦時国債を集めるためのキャンペーンにかり出されるところを描いているパートが半分以上を占めているところ。いい意味で予想を外されはしたのだが、このあたりのストーリーは意外と地味で思ったよりも退屈してしまった。イーストウッドの映画には最近こういう傾向が強いような気がする。

 とはいっても、あの物量の国アメリカでも戦争を継続する金に困ってこういうキャンペーンをやってた、なんてのは知らなかったし驚いた。ハリボテの鉢伏山を前に「これぞショービズだよ」なんていう台詞が飛ぶのは奇異ではあるが、やはりアメリカって凄いなんて感想を持たざるをえない。なお製作はスティーヴン・スピルバーグ。

クリント・イーストウッド監督。2006年アメリカ映画。

2008年2月16日 (土)

英雄の条件 (2000)

英雄の条件 中東のイエメンで大使館がデモ隊に包囲される事件が起こり、海兵隊のチルダース大佐(サミュエル・L・ジャクソン)は部下を率いてムーラン大使(ベン・キングズレー)の救助に向かう。ところが狙撃兵からの執拗なる射撃についに応戦、83人の市民が亡くなり、チルダースは軍事裁判の弁護士を旧友のホッジス大佐(トミー・リー・ジョーンズ)にたのむのだったが…

 一般市民を戦闘に巻き込み83人の犠牲者(米軍は3人)の責任を問う軍事裁判を描いたシリアスな戦争ドラマ。戦争の英雄と虐殺者は紙一重…というのがテーマのようで、発砲は正当だったのか?実際はどうだったのか?が繰り返し問われるストーリー。でもやっぱり戦争は戦争、人が人を殺す行為に変わりないというわけで、映画の上では事件の白黒はいちおう付けられてるんだけど、なんともすっきりしない幕切れはいろいろと尾を引きそうな内容となっている。原作はジェームズ・ウェッブの小説で、「エクソシスト」のウィリアム・フリードキン監督。

 映画はベトナム戦争からはじまり、問題の戦争シーンが冒頭に描かれるんだけど見ていて「なぜ狙撃兵をまず攻撃しなかったのか」というのは頭にずっとつきまどった。もうひとつ、狙撃兵があれだけばんばん撃ってきても意外と人には当たらなく、海兵隊が落ち着いて行動しているのも印象に残る。あの状況だったら威嚇射撃とかいろんな手段が残されてたはずだけど…映画のこちら側から見てても何かヘンである。深読みすべき映画なのかよくわからないけど、これって軍をよいしょしながらも暗に反戦映画なんじゃないかな、なんて思ってしまった。

ウィリアム・フリードキン監督。2000年アメリカ映画。

2008年2月 9日 (土)

クレオパトラ (1963)

クレオパトラ 紀元前48年、ローマの将軍シーザー(レックス・ハリソン)は、国交交渉のためにやってきたエジプトで王妃クレオパトラ(エリザベス・テーラー)を一目見て恋に落ちる。やがてローマへ凱旋帰国したシーザーとクレオパトラだったが…

 クレオパトラの半生を絢爛豪華に映画化した、ハリウッド全盛期の1本。しかし…「ベン・ハー」みたいな波瀾万丈な物語を期待してしまったがために、スカーンと肩すかしをくってしまった。これはあくまでも、荘厳な台詞回しをこれまた絢爛豪華なセットととんでもない数のエキストラで描いた、舞台劇みたいなものだと痛感した。肝心のセットも、豪華なんだけどいかにも作りましたといった雰囲気をただよわせていて(地面が真っ平らで書き割りが多用されているせいでしょうね)気になってしょうがなかった。

 映画を見ている限りは、前半はシーザーとの、後半はアントニー(リチャード・バートン)との恋物語が中心で生涯に2回結婚した人だったんだ…って思ったんだけど、調べてみると結婚相手は別にいて二人とも愛人だったらしい。映画ではそのあたりがばっさりと削られていて、2つの恋に揺れ動く女王というのがまことしやかに描かれている。確かにそうしないと、何時間かけてもこの物語は描き尽くせないだろうなと思われます。

 それにしても…4時間は長かった。6時間版ってのが本来の監督の意図したバージョンなんだそうですが。舞台劇風かと思いきや、アクティウムの海戦シーンはベン・ハー風のスペクタクルが楽しめます。

ジョゼフ・L・マンキウィッツ監督。1963年アメリカ映画。

2008年2月 5日 (火)

蒼き狼 地果て海尽きるまで (2006)

蒼き狼 地果て海尽きるまで 12世紀のモンゴル。隣国からさらってきたホエルン(若村麻由美)から生まれたテムジン(反町隆史)は、父が死んだ時に部下の裏切りにあう。やがて成人したテムジンは、婚約者ボルテ(菊川怜)を妻にむかえるのだったが…

 モンゴルを建国したジンギスカンを描いた森村誠一の原作を映画化。まさしく角川映画の再来といったところで、壮大なモンゴルの原野を舞台に大河ドラマが繰り広げられる。その雰囲気はNHKの大河ドラマにも似ているのはどうしてだろう。

 モンゴルの物語なのに、日本人俳優が演じてしかも全編日本語というのがどうにもなじめなくて、最後までひっかかった。ストーリーは敵国の母との間に生まれた主人公が、父を失い苦労をしながら徐々に頭角を現し、妻をめとって子供が生まれるのだが…と戦いを交えながらも刻一刻と状況がかわっていくのは主人公と共に人生を生きている気分になってくる。もうちょっとストーリーに深みがあったら、いい映画になったのになあと惜しまれる。

 モンゴルって本当に広いけど、大草原と人と馬とテントしかないってのが凄いぞ。

澤井信一郎監督。2006年日本=モンゴル合作。

2008年2月 4日 (月)

母の眠り (1998)

母の眠り ジャーナリストのエレン(レニー・ゼルウィガー)は、母ケイト(メリル・ストリープ)が余命いくばくもないことを知り介護のために長期帰省を決意する。ところが大学教授の父(ウィリアム・ハート)は自身は介護には乗り気でなく…

 ピューリッツァ賞作家アナ・クィンドレンの原作を映画化。主人公がジャーナリストということで、自伝とも言える内容なのでしょう。映画としては非常に地味な内容なんだけど、メリル・ストリープとレニー・ゼルウィガーが母娘を演じるというのはやっぱ半端なことではなく、中盤からは画面にぐいぐい引き込まれてしまいました。

 娘の回想という形式をとるんだけど…個人的には父親ウィリアム・ハートの態度がなんとも微妙。仕事に逃げてる、という姿勢があからさまに見てとれるんだけど、他人事じゃないよなぁと妙に感情移入してしまった。

 娘の視点ってのは、やっぱり鋭いなぁ。すべてを卓見している感じがする。

カール・フランクリン監督。1998年アメリカ映画。

2008年2月 2日 (土)

大奥 (2006)

大奥 若くして大奥総取締役となった絵島(仲間由紀恵)。彼女の後ろ盾は現在5歳の将軍家継の母月光院(井川遥)だった。ところがこれを良く思わない前将軍の正室天英院(高島礼子)は、歌舞伎役者の生島(西島秀俊)を使って彼女をスキャンダルに陥れようとする。

 大ヒットテレビドラマの映画化ということだが、有名(らしい)な絵島生島事件を背景にしているので特に予備知識なく楽しむことができた。要するに大奥の派閥争いで、色男の生島を利用してはめられた絵島の物語なんだけどどろどろとした背景があるだけに単に歌舞伎役者と恋に落ちただけでスキャンダルなの?と正直なところ拍子抜けした。

 こってりとした大奥の背景や、江戸をスクリーンに再現しているのはなかなかのもの。ストーリーも整理されていてわかりやすく、迷子になることはなかった。ラスト近くの高島礼子には、すごみを感じます。逆に倖田來未の主題歌は今風だけど映画の内容にしては軽すぎる感じがした。

林徹監督。2006年日本映画。

2008年2月 1日 (金)

着信アリ Final (2006)

着信アリ Final いじめから高校の修学旅行を欠席した明日香(堀北真希)。その一方でえみり(黒木メイサ)たち一行は船に乗り、韓国への修学旅行へ出かけるのだが、死の携帯電話の惨劇が再び広がる…

 第1作のメイキングで原作者の秋元康がパート50ぐらいまで作ると豪語していた着信アリシリーズだけど、あえなく第3作でファイナルとなったのが本作。もっともストーリーは趣向が凝らされており、いじめられっ子の復讐劇に加えて韓国ロケが盛り込まれている。しかし…話の展開が妙に軽く、あれだけ人が死んでるのに生徒たちは相変わらず韓国をうろうろしているのは何だかなぁ…

 究極は、ネットのメールを利用した悪霊退治。あれって一歩間違えばチェーンメールによるサイバー攻撃と変わらない。踊らされてメールを送りつけた人たちの方が何だかなぁと思ってしまった。

 ラストのもう一ひねり、ふたひねりある展開は悪くない。第1作の時のような、原作を読めなんて強引なものもなかったし。

麻生学監督。2006年日本映画。

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