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2008年7月

2008年7月31日 (木)

HERO (2007)

HERO 東京地検の検事久利生公平(木村拓哉)は事務官の雨宮舞子(松たか子)と共に、ある傷害致死事件を担当する。ところが単純に思えた事件も突然容疑者が容疑を否認。その陰には、ある大物政治家(森田一義)の収賄事件のアリバイがからんでいた…

 人気テレビシリーズの映画化。この手の映画の中ではものすごく良くできている作品で、テレビをまったく見たことがなくても最後まで楽しむことができた。中盤、中井貴一がからむエピソードとかは意味不明であったが、それ以外はテレビを見ていればさらに楽しめる、といったレベルにとどめてあるのだろう。

 すっきりとまとまった勧善懲悪のドラマで、普通の青年っぽく見える木村拓哉にストーリーが進むに連れて感じるのはやっぱり映画的な華がある。特に後半の裁判所のシーンは秀逸で、なかなか感動させられた。ひねりの少ない、安心して見ていられる映画である。

鈴木雅之監督。2007年日本映画。

2008年7月30日 (水)

サンキュー・スモーキング (2005)

サンキュー・スモーキング タバコ研究団体の広報マンであるニック・ネイラー(アーロン・エッカート)はタバコの箱にどくろマークを義務づけようという議員のフィニスター(ウィリアム・H・メイシー)と交戦中。さらに煙草の地位を上げようと、映画でスターに煙草を吸わせようと息子のジョーイ(キャメロン・ブライト)を連れてハリウッドに乗り込むのだったが…

 クリストファー・バックリーの「ニコチンウォーズ」を映画化。物事には両面がある…というわけで、タバコの広報マンを主人公にしたドラマ。これを見ると、ビジネスチャンスなんて本当にいろんなところに転がっているわけで、みんな生きていってローンを返すために必死なんだとある意味共感まで覚えてしまいます。そんな父親に、ヒーロー像を見るってのもアメリカらしい。日本にも悪役、ヒール、嫌われ者の大物はいっぱいいるけど、その本質に迫ると妙に魅力的だったりするんですよね。この映画の主人公のニックも、そんなヒールの一人でしょう。

 話は違うけど、古い映画をデジタル処理して喫煙シーンを消去するなんて本当にやってるんだろうか。最近は映画の言葉狩りはなくなってきたけど(テロップ付きで放映したりする)、新手の歴史の改ざんとして、映画ファンとしては気になるぞ。

ジェイソン・ライトマン監督。2006年アメリカ映画。

2008年7月27日 (日)

パンを焼こう (7) 定番のレーズンパンをおいしく焼く

レーズンパン1

 何かが入った食パンと言われて、まず連想するのはぶどうパン(あるいはレーズンパン)。マーガリンをうっすらと塗って焼いただけで、ほんのり甘くてぶどうの香りがしておいしいですよね。もちろんホームベーカリーで作るのもとっても簡単で、いつもの調合で具を入れるアラームが鳴ったらレーズンを入れるだけでできてしまいます。タイマーが使えないのが難点ですが(自動投入装置付きのベーカリーなら可能)、入れる量さえ間違えなければ初めてでも失敗なく作ることができます。

レーズンパン2

 しかしここはひと工夫して、さらにおいしいレーズンパンを作ってみましょう。ケーキ材料などとして売っている小粒のレーズンを買ってきてたっぷり入れれば、レーズンがまんべんなくパンに混ざって全体的に甘いとってもおいしいレーズンパンができあがります。見た目はゴマをまぶしたみたいで凄いですが、食べてみるときっと満足。レーズンがちょっと割高にはなりますが、我が家ではすっかり人気メニューになってます。

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2008年7月26日 (土)

少年時代 (1990)

少年時代 戦時中の富山に、東京から親戚を頼って疎開してきた小学5年生の風間進二(藤田哲也)。級長の大原武(堀岡裕二)と仲良くなり、たちまち副級長に指名されるのだったが、彼のことを良く思わない太(山崎勝久)たちとの争いに巻き込まれ…

 柏原兵三の原作を藤子不二雄Aが漫画化し、それを篠田正浩がメガホンをとって映画化、というよりは今となっては井上陽水の同盟主題歌のほうが有名になってしまった感じがある作品。芦田伸介の校長先生が妙に時代がかっていたり、担任の先生がけんかをした生徒を「おまえらの体はお国に仕えるためにある」とたしなめたり、戦時中の空気をうまく描いていると関心させられる。逆に大橋巨泉の写真屋が妙に気取った自由人しているのも本人とオーバーラップして面白い。

 子供たちの抗争と友情を描いた小さな村での物語なんだけど、こういったストーリーって誰でも心の中にいくつか持っているものじゃないだろうか。小学生の時の友人って、もう会うこともないし、おそらく今後もずっと会うことはないだろうなって思うとちょっと寂しい気分にさせられた。

篠田正浩監督。1990年日本映画。

2008年7月25日 (金)

メリーに首ったけ (1998)

メリーに首ったけ ハイスクールでみんなの憧れの女性メリー(キャメロン・ディアス)とプロムに行く約束をしながら、寸前でトイレで挟んでしまって(笑)大騒動になりいけなかったテッド(ベン・スティーラー)。それから13年後、彼女を忘れられないテッドはメリーがフロリダに住むことを知り、私立探偵のヒーリー(マット・ディロン)に彼女の消息を調べさせるのだが…

 これは…面白い!! みんなの憧れメリーをとりまく男たちと、さえないけど性格のいいテッドを軸に描いた下ネタ満載のコメディ。かなりきわどいネタを散りばめながらも、カラっとした映画に仕上がっているのはキャメロン・ディアスとベン・スティーラーのキャラが立っているおかげでしょう。逆に男前キャラのはずのマット・ディロンが話が進むとどんどんキモくなっていくのも面白い。

 結局、みんなメリーが好きだったってオチが最高。狂言回しのミュージシャン(ジョナサン・リッチマン)はちょっとかわいそうかな。

ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー共同監督、1998年アメリカ映画。

2008年7月24日 (木)

スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ (2007)

スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ 平家の埋蔵金が隠されていると噂の村に流れ着いた謎のガンマン(伊藤英明)。すでに村は平清盛(佐藤浩市)と源義経(伊勢谷友介)に仕切られ、激しい抗争を繰り返していたのだが…

 タイトルからわかるとおり、マカロニウェスタンの古典「皆殺しのジャンゴ」をはじめとする、西部劇のパロディ映画である。冒頭からクエンティン・タランティーノが血まみれの卵を割ってスキヤキを食すあたりからぶっとんでいたのだが(スキヤキの卵を割って血が混ざってたら結構気になりますよね)、テンション落ちないままに全編英語で黒澤の「用心棒」そっくりの舞台で繰り広げられる血みどろの物語には最初から最後までお口あんぐり。前述のメンバーに加えて、妖艶な木村佳乃、ひょうひょうとした石橋貴明、他にも桃井かおり、香川照之、安藤政信、石橋蓮司などなど癖のある俳優たちがスキヤキの具のごとく登場する。

 イタリア製西部劇が世界を席巻した(らしい)んだから、日本製西部劇(それをスキヤキ・ウエスタンと呼ぶってことだろう)があってもいいんかな…なんてそんな気分にさせられる。このストーリーが「皆殺しのジャンゴ」へつながっていくラスト(笑)、そして北島三郎のテーマ曲へつながるセンスの凄まじさには開いた口がふさがらなかった。意外と「キル・ビル」よりも凄い映画なのかもしれない。

三池崇史監督。2007年日本映画。

2008年7月22日 (火)

宇宙人の解剖 (2006)

宇宙人の解剖 ロンドンで海賊ビデオ屋を営むレイ(デクラン・ドネリー)は友人のゲイリー(アント・マクパートリン)と共に、プレスリーの未公開ビデオを買い付けてひともうけしようとする。ところが手に入ったのはロズウェル事件を撮影したという、宇宙人の解剖フィルム。さっそく上映しようとしたが劣化が激しく、借金を返すために同様のフィルムをねつ造しようとするのだが…

 タイトルからしてトンデモ映画かおバカ映画とふんでかかったんだけど、これが「実話を元に」宇宙人解剖フィルムをでっち上げて大もうけをしたコンビの物語。セミ・ドキュメントスタイルをとりながらも、アパートの一室での撮影シーンが妙に馬鹿馬鹿しくてたっぷり笑えるのがご愛敬。さらにフィルムは世界中で大騒ぎになり、マフィアを巻き込んだ騒動へと発展していく。

 一時期は空飛ぶ円盤とか幽霊とかネッシーとかの特番がゴールデンタイムに放映されて子供の頃にはどきどきして見ていたけど、その正体がこれだったんかなと、今更ながらサンタさんの正体を聞いたような気分にさせられました。

ジョニー・キャンベル監督。2006年ドイツ=イギリス合作。

2008年7月21日 (月)

はなれ瞽女おりん (1977)

はなれ瞽女おりん 大正時代、盲目に生まれたおりん(岩下志麻)は芸を覚え、瞽女(ごぜ)として旅をする。やがて瞽女の掟を破ってしまったおりんは仲間から見放され、はなれ瞽女となる。ところが下駄職人の平太郎(原田芳雄)がおりんと旅をすることとなり…

 水上勉の原作を篠田正浩監督で映画化。瞽女という今はない職業を叙情豊かに描いて印象に残る。劇中、最初から最後まで一度も目を開けることのない岩下志麻に何とも言えない存在感があるのが凄い。むさくるしい風貌の原田芳雄が妙にすがすがしく見えるのも面白い。

 一言で言うと、不幸な境遇で歯車の合わない男女が、つかの間の幸せを教授するってお話。湿っぽいストーリーながらも、見終わってそんなに落ち込んだ気分にならないのは二人の精一杯が伝わってくるからでしょう。

篠田正浩監督。1977年日本映画。

2008年7月20日 (日)

パンを焼こう (6) 卵ミルクパンは微妙な味わい

卵ミルクパン

 続けてご紹介するのは、卵ミルクパン。名前のとおり、水のかわりにミルクと生卵を入れて焼いた、栄養たっぷり(と思われる)パンである。用意するのも、通常のパンの材料(小麦粉やバター、イーストなど)に加えて牛乳と生卵だけなのでとってもお手軽。うちでもちょくちょく焼いているパンである。ただしこのパンの欠点は、生卵がいたみやすいこと。タイマーは使わずに、材料をセットしたらすぐにスイッチを入れる必要がある。

卵ミルクパン

 作るときのコツとしては、さらにバター(マーガリン)を多めに入れた方がこってりとした味わいのあるパンに仕上がる。というわけで、焼き上がったのが上の右の写真。パンが黄色みをおびて、おいしそうな色に見えるのが特長である。

卵ミルクパン

 でも実を言うとこの卵ミルクパン、普通に焼いたトーストと比べて味の変化がわかりにくいというのが正直なところである。軽くマーガリンを塗って食べればおいしいのではあるが、ジャムを塗ったりするともう普通のパンとの味の違いがわからなくなってしまう。かなり繊細で微妙な味付けパンであると言えるだろう。

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2008年7月18日 (金)

TAXi4 (2007)

TAXi(4) タクシー運転手のダニエル(サミー・ナセリ)と刑事のエミリアン(フレデリック・ディファンタール)はお互いの息子も成長して平和な日々をおくっていた。ところが凶悪犯護送という任務が舞い込んでから、ジベール署長(ベルナール・ファルシー)をはじめとする一同の雲行きが怪しくなってくる…

 人気シリーズの第4作。相変わらずコンパクトにまとまったコメディ編なんだけど、今回の最大の不満はカーチェイスがほとんどない!!! タクシーシリーズっちゅうたらカーチェイスに尽きると思うんだけど、それが割愛されちゃったら見るものは7割ぐらいなくなっちゃう。まぁ前作みたいにキャタピラ付けてスピード感なく雪山走るなんてのも見せつけられても困っちゃうわけなんだけど。

 もうひとつ、何か抜けてると思ったら奥さん役のマリオン・コティヤールがいない!! スケジュールか何かの都合だろうけど、こういう風にレギュラーが抜けちゃうのもいかにもプログラムピクチャーって感じで、その安っぽさがかえって新鮮かもしれません。

 署長のギャグはすべりまくるし、凶悪犯は登場が強烈だったくせに尻すぼみだし、あらをさがせばきりがない。あ、久々にTAXiの第1作が見たくなっちゃいました。

ジェラール・クラヴジック監督。2007年フランス映画。

2008年7月17日 (木)

夕陽のギャングたち (1971)

夕陽のギャングたち 家族を連れ、鮮やかな手口で馬車を襲う山賊のミランダ(ロッド・スタイガー)。ところが通りかかった爆弾男、実は革命の戦士のマロリー(ジェームズ・コバーン)と一戦交えたおかげで一緒に旅をすることになり…

 マカロニウェスタンの、たぶん隠れた傑作。実はこの映画のタイトルを覚えていたのは「ションション」という印象的なテーマ曲のおかげだったんだけど、それがエンニオ・モリコーネによるものであり、また作品はセルジオ・レオーネ印だったことも初めて知る。

 それにしても、何でこの映画を見逃していたのだろうかと不思議。マカロニウェスタンというよりも、アメリカン・ニューシネマの影響を強く受けているかのようでもあり、主演の二人の友情が不思議な音楽と共に歌い上げられる。こざっぱりとした男が本流となる中で、やっぱり男臭い=汗臭いなんだと感じさせる脂ぎったマカロニ風どアップの連続にかなりテンションを上げさせられました。

 ラストシーンは、どこか「真夜中のカーボーイ」を思わせますね。

セルジオ・レオーネ監督。1971年イタリア映画。

2008年7月15日 (火)

ハンニバル・ライジング (2007)

ハンニバル・ライジング 1944年戦禍のリトアニア。両親と妹ミーシャ(ヘレナ・リア・タゴウシュカ)を失い、さらに記憶までなくして孤児院に入ったハンニバル・レクター(ギャスパー・ウリエル)。パリの叔父を訪ねたハンニバルは、美しい未亡人レディ・ムラサキ(コン・リー)に出会うのだったが…

 「羊たちの沈黙」で大ブレイクしたレクター博士の若き日を描いたシリーズ第4作。あの強烈なキャラクターの誕生秘話というのに加えて、原作のトマス・ハリスが脚本にまで加わっているせいか説得力抜群の内容。恐ろしいことだが、すっかり殺人鬼レクター博士に感情移入して映画を見てしまった。

 簡単に言えば、猟奇趣味がはいった復讐ものなんだけど、レディ・ムラサキの登場(相変わらず不思議なジャポネスクの登場ではあるが)やゴシック・ホラー的演出で全編に重厚な雰囲気がただようのが良い。主演のギャスパー・ウリエルは一見優男なんだけど、目がコワいのがいいです。

ピーター・ウェーバー監督。2007年アメリカ=イギリス=フランス合作。

2008年7月14日 (月)

パッチ・アダムス (1998)

パッチ・アダムス 自殺癖により、精神科へ自主入院したハンター・アダムス(ロビン・ウィリアムズ)。入院先で自分のユーモアが人々を救うことを知ったアダムスは、自らパッチ・アダムスと名乗り退院後に医学の道を志す。ところが我が道をゆくアダムスを、医学部のメンバーは良く思わない…

 一言で言うと、もうちょっと患者の気持ちになって診てあげましょうという映画。確かにユーモアあるお医者さんがいれば場がなごむし、通常より早く治るんだろうとは思う。でもその事をテーマに1本の映画ができてしまうってのは、アメリカの医学界って病んでいるのかなぁなんて気分にさせられた。

 個人的にはロビン・ウィリアムズのギャグがいまいち笑えなかったのと(感動的だったラストを除く)、恋人カレン(モニカ・ポッター)のエピソードがひっかかってイマイチ映画にのりきれなかったなぁというところ。パスタのプールってのも、相変わらず食べ物を粗末にするなぁなんてちょっぴり気分が悪かった。

 でもやっぱり、自分が大病にかかった時はパッチみたいな医者を選ぶだろうと思う。診られる側もちょっと疲れるかもしれないが。

トム・シャドヤック監督。1998年アメリカ映画。

2008年7月12日 (土)

パンを焼こう (5) ほんのり甘いオレンジパン

オレンジパン1

 今回はちょっと変わり種パンを作ってみることにしましょう。水のかわりにオレンジジュースを入れて作った「オレンジパン」です。材料は100%のオレンジジュース(やっぱり一番ブランドの「ポンジュース」かな)に加えて、ケーキの材料として売られている「オレンジピール」、牛乳などが必要です。

 まずは水のかわりにオレンジジュースと牛乳をケースの中に入れます。あとは小麦粉(強力粉)、砂糖、塩、バター(マーガリンでも可)、ドライイーストを順番に入れるのは普通のパンと同じ。牛乳を入れたので、スキムミルクは使いません。

オレンジパン2

 オレンジピールは、袋から出したらナイフで細かく切り刻みます。ケーキの中にぷつぷつと入っている大きさですね。パンのスイッチを入れたら、30分ぐらいでブザーが鳴り始めるので蓋を開けてオレンジピールをゆっくりとまんべんなく入れていきます。途中でオレンジピールを入れないといけないので、タイマーは使えません。あとは焼き上がるまで、数時間ほったらかしておきましょう。

オレンジパン3

 いつもなら香ばしいパンの焼けるにおいが部屋中にたちこめるんですが、今回は甘酸っぱいオレンジの香りが広がります。焼き上がったパンは思ったほどはオレンジ色にはなりませんが、ほんのりと甘くて上品な味に仕上がります。マーマレードを塗ってもいいのですが、ここはうすくマーガリンを塗って食べるのがおいしいでしょう。

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俺は、君のためにこそ死ににいく (2007)

俺は、君のためにこそ死ににいく 太平洋戦争末期、特効命令を受けて鹿児島の知閲から飛び立っていった若者たち(徳重聡、窪塚洋介、筒井道隆)と、それを見送った富屋食堂のおばちゃん鳥濱トメ(岸惠子)の目を通して描いた作品。

 内容的には、戦後に繰り返し作られた特攻映画焼き直しといった感じなんだけど、こういった映画が繰り返し忘れずに作られるというところに意味があるんだろうと思う。制作総指揮・脚本が石原慎太郎ってことで斜めに構えて見てしまったのも事実ではあるが。

 それにしても、一番手に特攻していった腕利きパイロットが、命令を受けて困惑する様子が頭に残った。生きていればかなりの戦果をあげるであろう彼を、1回の作戦で殺してしまうのは大きな損失だろうけど、最初の作戦が成功しないと後に続く者がいなくなってしまうという。しばらく考えて「わかりました」と彼が答えるあたり、息を飲んで見てしまった。

 さすがに最近の日本映画だけに、ラストの特攻シーンは迫力があります。

新城卓監督。2007年日本映画。

2008年7月11日 (金)

ソウ3 (2006)

ソウ3 外科医のリン(バハー・スーメク)が目を覚ますと、殺人鬼ジグソウ(トビン・ベル)と助手のアマンダ(ショウニー・スミス)に囚われていて瀕死のジグソウの脳手術を強要される。一方、事故で息子を失ったエリック(ドニー・ウォールバーグ)も気がつくと密室の囚われの身に。ゲームに参加すると、息子を事故で死なせた犯人に復讐させてやるというのだが…

 ソリッド・シチュエーション・スリラーでヒットした「ソウ」シリーズの第3作。背景説明はほとんどなく、密室と絶望的な状況しかなかった「ソウ」はなかなかのおもしろさだったんだけど、回を重ねるごとにずいぶんと厚化粧されてしまって肝心の謎解きのおもしろさはスポイルされてしまった感じである。

 その代わりに出てきたのが、一時のスプラッタブームの頃にあったような痛さの表現。この映画、だめな人はまったくだめだろうし、見る人をずいぶん選ぶと思う。これを楽しめというのは…ちょっと酷かなぁ。

 見るべきものといえば、第1作の終わりから登場した殺人鬼「ジグソウ」の扱いが出色。死にかけた殺人鬼というのが斬新で、しかも首斬られたりしてるんだけど「ソウ4」ではどんな姿で出てくるんだろう、という変な期待をさせられる。

ダーレン・リン・バウズマン監督。2006年アメリカ映画。

2008年7月10日 (木)

大日本人 (2007)

大日本人 大佐藤(松本人志)は、有事の時には電流を受けて巨大化する通称「大日本人」だった。映画のクルーたちは、そんな大佐藤に密着取材を試みるのだが…

 コメディアンの松本人志の初監督・主演によるナンセンスコメディ。ドキュメントスタイルをとっていることから「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」みたいなのを冒頭で期待したんだけど、ストーリーはあらぬ方向へころころと転がっていき気がついたら怪獣バトル映画になっていた。怪獣(正しくは「獣」というらしいの造形が相当にキモいところとか、挿入されるニュース映像が結構笑える点を除いてはどう笑っていいのかわからないシーンが多数あるのは辛い。さらにおもしろくなってきたなと思ったら、ラストのウルトラ家族のギャグには完全にずっこけてしまった。

 笑いってのはつくづく作り手と観客の「波長」なんだなと、実感させられる映画。私の場合は、微妙に波長がずれているのが何とも惜しい作品である。

松本人志監督。2007年日本映画。

2008年7月 7日 (月)

不都合な真実 (2006)

不都合な真実 前アメリカ副大統領アル・ゴア氏の講演をベースに、地球温暖化の仕組みと功罪、その阻止を訴えたドキュメンタリー。

 非常にわかりやすい、というのはいいんだけど、映画を見終わって新たに知ったという事柄がほとんどなかったというのも事実。世界最大のCO2産出国であるというアメリカ合衆国だけど、この程度の映画で衝撃が与えられるってのは意外とその温暖化に対する知識レベルは低いんじゃないかと思った。逆に言えば、このくらいの啓蒙映画でもかなりの効果があるってことだろうか。

 ただしドキュメントとしてはいい感じにまとまっていて、特にゴアという人のカリスマ性とかは精力的な講演活動と共にびしびしと伝わってくる。姉とたばこ農家に関するエピソードでは、見ながら思わずほろりときてしまった。

 地球温暖化を防ぐ方法について知りたかったら、エンディングというかラストのクレジット部分を見るだけで十分です。それでも我々が現在知っている以上の知識が用意されているかといえば疑問ですが。

2008年7月 4日 (金)

300 (2007)

300 紀元前480年のギリシャ。大国ペルシャの大王クセルクセス(ロドリゴ・サントロ)は、戦士の国スパルタに服従を要求。ところがスパルタの王レオニダス(ジェラルド・バトラー)は300人の精鋭と共にペルシャの大群と戦うことを決意するのだったが…

 フランク・ミラーのグラフィックノベルを映画化。史劇かと思って構えて見ると完全に外されるので注意。全編コミック調で、「シン・シティ」をイメージすれば雰囲気はかなり近いでしょう。

 100万人対300人の戦いを、アメコミ調の色を抜いた画面で再現。映像によってはヴィデオゲームのようにも見えるけど、スパルタの男たちがかなり熱くて男臭いので意外と感情移入して見ることができました。親子の愛情みたいなのが軸になっているのが勝因かな。

 かなり血なまぐさい映画にもかかわらず、画像処理で生々しさが抜かれているあたりもテレビゲーム風。これを見て戦いにあこがれる人って、少なからずいるんじゃないだろうか。面白いんだけど、好戦的な気分を植え付けてくれるのは怖い映画かもしれません。

ザック・スナイダー監督。2007年アメリカ映画。

2008年7月 3日 (木)

ラブソングができるまで (2007)

ラブソングができるまで 80年代の人気バンド「ポップ」のボーカルだったアレックス(ヒュー・グラント)は、今では忘れられた中年男。そんな彼が人気絶頂の歌姫コーラ(ヘイリー・ベネット)から作曲を依頼される。スランプだった彼にフレーズを提供したのは、鉢植えに水やりにやってきていたソフィー(ドリュー・バリモア)だったが…

 ものすごく定番のラブストーリーなんだけど、元アイドルの悲哀みたいなのが随所に散りばめられていて結構楽しんで見ることができました。何と言っても80年代をからめたギャグが秀逸で、その時代を生きたものはにやりとされられることうけあい。

 ラブコメといえばヒュー・グラントとドリュー・バリモアは手慣れたもので、安心して楽しむことができるんだけど、今回は怪しさ爆発のヘイリー・ベネットの歌姫も見物。さらに美人で可愛いとくるんだから今後が楽しみです。

マーク・ローレンス監督。2007年アメリカ映画。

2008年7月 2日 (水)

RENT レント (2005)

レント イースト・ビレッジのおんぼろアパートに家賃(レント)を滞納しながら住むルームメイトのロジャー(アダム・パスカル)とマーク(アンソニー・ラップ)。ロジャーの夢はミュージシャン、そしてマークは映像作家だったが、恋人の自殺などで心の傷をかかえて生きている。ある日ロジャーはダンサーのミミ(ロザリオ・ドーソン)にひかれ、マークはエンジェル(ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア)と恋に落ちるのだが、突然彼らはアパートから閉め出され…

 ブロードウェイ・ミュージカルの映画化ってことで、登場人物はとにかくよく歌いよく踊る。楽曲の良さが印象的で、テーマ曲の「52万5600分」をはじめ心に残るナンバーも多い。ただし多くの舞台版ミュージカルがそうであるように、ストーリーはシンプルであまりひねりはない。淡々とニューヨークの安アパートの人間模様を見せられるといった印象だ。

 若者たちの猥雑な雰囲気はよく出ており、ドラッグやエイズや同性愛といった世界がぐちゃぐちゃになって描かれているのは一見の価値がある。こんな雑多な世界であっても、確かに愛があります(笑)。

クリス・コロンバス監督。2005年アメリカ映画。

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