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2009年7月

2009年7月31日 (金)

学校III (1998)

 大企業をリストラされた高野(小林稔侍)は、職業訓練校を紹介されビル管理を習う。学校になじめない高野だったが、障害のある子供(黒田勇樹)を育てる同級生の紗和子(大竹しのぶ)に心をひかれ…

 学校シリーズ第3弾は、西田敏行がどんな学校の先生になるんだろうか…と思ってたら設定はすべてリセット。主役は先生ではなく生徒の、ちょっといい大人のラブストーリーといった内容でした。どう見てもイヤな親父である小林稔侍がどう変わっていくかがポイントで、そのあたりは思ったとおりの展開。映画というよりもテレビドラマに近い内容で、後半の2転3転はよりドラマチックな展開でありました。

 最近見ない黒田勇樹がいい仕事しています。同窓の脇役陣(寺田農、ケーシー高峰、田中邦衛、笹野高史ほか)がひとくせもふたくせもあるのが、山田作品っぽくて良いです。 山田洋次監督。1998年日本映画。

2009年7月28日 (火)

学校II (1996)

学校II 青山竜平(西田敏行)は北海道の全寮制の養護学校の教師だが、妻とは離婚していてミュージシャン志望の娘(浜崎あゆみ)ともうまくいっていない。ある日彼が教える高志(吉岡秀隆)と佑矢(神戸浩)が行方不明になり、新人教師の小林(永瀬正敏)と探しに出るのだったが…

 タイトルからわかるとおり「学校」シリーズの第2作だが、主演が西田敏行だということを除いてまったくの別物というかパラレルワールド。前作では夜間学校だったが、今回は養護学校が舞台。つまりこのシリーズは、いろんな学校の人間模様という部分だけでくくられた連作といった感じである。それにしてもテーマのとらえどころが見事というか、全寮制の養護学校でいかにも起こっていそうな出来事を実にたんねんに描いてある。邦画らしく音楽(富田勲)も含めて少々ウェットな部分が気になるが、なかなか感動的な映画である。

 新任教師の永瀬正敏が、いかにもといった弱音をはくところがいい。吉岡秀隆が、より障害の重い神戸浩を雪の中に置いていこうとするシーンも、なぜだかわからないけどじーんときた。この二人を気球に乗せてしまう通りがかりのカップルって、ひょっとしてめちゃめちゃいい人?

山田洋次監督。1996年日本映画。

2009年7月26日 (日)

学校 (1993)

学校 黒ちゃんこと、黒井(西田敏行)は、東京の下町にある夜間中学の教師。卒業を間近にひかえて、いろいろな問題をかかえた生徒たち(裕木奈江、萩原聖人、中江有里、田中邦衛、神戸浩、新屋英子、翁華栄)の卒業文集に思いをめぐらすのだったが、ある日入院していた生徒の訃報が届き…

 夜間学校を舞台にした人情ドラマ。良くも悪くも典型的な日本映画で、富田勲のもの悲しいテーマ曲もあわさって涙腺を直撃しそうな雰囲気をかもし出している。夜間学校だけに中年の生徒も多く、田中邦衛の生徒が教師の竹下景子にラブレターを出す話とか、登校拒否の中江有里、不良少女の裕木奈江などなど、ひとりひとりのエピソードが丁寧に作られている。しかしあまりに内容が優等生的で、ちょっと斜めに構えて見てしまったのが正直なところ。

 山田洋次の世界だけに、渥美清や坂上二郎などゲスト出演者が豊富なのも楽しいところ。頑張れ夜間中学生という強烈なメッセージはしっかり伝わってきました。

山田洋次監督。1993年日本映画。

2009年7月25日 (土)

フライ・ダディ (2006)

フライ・ダディ 平凡なサラリーマンのチャン・ガビル(イ・ムンシク)は、一人娘ダミ(キム・ソウン)が深夜のカラオケボックスで、同じく高校生のテウク(イ・ジュ)に乱暴されたことを知る。謝りに来ながらも無粋な態度をとるテウクにきれたチャンは彼の高校へ包丁を持って乗り込むのだったが、別の高校生スンソク(イ・ジュンギ)にノックアウトされてしまう。かくしてスンソクの弟子になったチャンは、打倒テウクを目指して会社を休みトレーニングを始めるのだったが…

 タイトルからわかるとおり、金城一紀原作の日本映画「フライ、ダディ、フライ」の韓国版リメイクである(ん、ダディがひとつ足りない?)。まったくと言っていいほどのそのまんまリメイクであり、カラオケボックスのくだりから高校ボクシング・チャンピオンのテウクの無粋な態度、そして訓練に至るまでほぼ原作に忠実(?)である。

 こうなるとなぜ韓国版が必要?と思わなくもないが、少なくとも娘のために加害者に鉄拳制裁するというテーマは韓国が舞台の方が何だか信憑性というか説得力があるような気がする。比較的二枚目だった日本版の父親役の堤真一に対して、韓国版のイ・ムンシクが完全なださださ親父だったのも勝因かもしれません。

チェ・ジョンテ監督。2006年韓国映画。

2009年7月24日 (金)

ダーウィンの悪夢 (2004)

ダーウィンの悪夢 アフリカのビクトリア湖に放たれた肉食魚「ナイルバーチ」は、生態系を壊してものすごい繁殖を見せている。これを捕って白身魚に加工、ヨーロッパやロシア、日本に輸出するという産業が芽生えたのだが… アフリカの現状を見せつけてくれるドキュメンタリー映画。

 唐突に始まるドキュメンタリーに、何がテーマなのかしばらく迷走状態になってしまった。異常繁殖した肉食魚、それを捕って加工する工場。外国へ輸出…普通やん、何が問題なのってのが正直な感想。同時に魚を加工したあとのアラ(うじがたかっている!!)を食べる貧しい人たちとか、ストリートチルドレンとか、彼らが魚の梱包材を燃やしてラリっている姿(げっ、ダイオキシン!)とかが描かれるんだけど、それと魚の産業との責任関係が希薄なので何を訴えたいのかわからなかったってところである。

 実はこのビクトリア湖、ダーウィンの箱庭とも呼ばれた生物の宝庫だったってことは映画が終わってから知った。ナイルバーチが誰によって放たれたかってのは結局不明らしい。日本のブラックバスみたいなものかな。映画が自然破壊を訴えているものなのか、資本主義の功罪を訴えているか、あるいは貧困がテーマなのがはっきりしないのが敗因かな。

フーベルト・ザウバー監督。2004年オーストリア、ベルギー、フランス合作。

2009年7月23日 (木)

ブラック・スネーク・モーン (2006)

Black_snake_moan  レイ(クリスティナ・リッチ)とロニー(ジャスティン・ティンバーレイク)は恋人だが、彼が兵役に出たあとはレイは男をとっかえひっかえの自堕落な生活を送り、やがて暴力を受けて道に捨てられる。それを拾ったのは元ミュージシャンのラザラス(サミュエル・L・ジャクソン)で、自らも離婚の傷を負ったことからレイを鎖で縛って更正をさせようとするのだったが…

 これぞ正に意外な拾い物。というか、映画を半分ぐらい見てからでないと拾い物であることがわからないという憎き作りである。レイのあばずれぶりが、生い立ちからくるものだとわかってくるあたりから心の琴線にぐいぐい響いてくるし、何よりも受けて立つサミュエル・L・ジャクソンがかっこ良すぎるぞ!! しかも彼が歌えるのはまったく知らなかったので、新鮮な驚きがありました。

 ずんずん自分の世界を作って突き進んでいくクリスティーナ・リッチ。彼女の居場所はハリウッドに完全に確保した、といった感じなんだけど、ヘンな方向に進んで行かないかちょっとだけ心配です。この映画や「モンスター」のように、作品はしっかり選んでほしいなあと思ってしまいます。

2009年7月20日 (月)

アメリカン・スウィートハート (2001)

アメリカン・スウィートハート エディ(ジョン・キューザック)とグウェン(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)は公私ともどもアメリカを代表するカップル。ところが9本のヒット映画を残して、グウェンの浮気でコンビは崩壊してしまう。起死回生を狙う広告マンのリー(ビリー・クリスタル)は、二人の復活をかけて大物監督ハル・ワイドマン(クリストファー・ウォーケン)に次回作を依頼。ところがグウェンの付き人で妹のキキ(ジュリア・ロバーツ)は…

 ストーリーを書いててわかるように、この映画ってジュリア・ロバーツが実は主役。でも予備知識なく見てたらそれが途中まで(最後まで?)わかんないのがこの映画の最大の問題かもしれない。これだけの大物俳優を集めながら、誰一人にも共感できないってのはある意味職人技かも。唯一面白かったのは、新作映画の発表会場をひとりでかっさらっていったワイドマンことクリストファー・ウォーケンかも。

 そうそう、どう見ても普通の男であるジョン・キューザックを、こんな美人姉妹いるのかって叫びたくなるようなグウェンとキキが三角関係になってしまうあたりがどうにも納得できない。世の中ってそんなものだろうとは思うのだが。

ジョー・ロス監督。2001年アメリカ映画。

2009年7月17日 (金)

バイオハザードIII (2007)

バイオハザードIII 前作から数年後、地上はゾンビだらけになり、難を逃れたアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は仲間を案じて一人で旅をしている。事件の原因となったアンブレラ社のアイザックス博士(イアン・グレン)は、ゾンビを飼い慣らすべくアリスのクローンを多数作って、その抗体を研究するがうまくいかない。そしてアリスは仲間のカルロス(オデッド・フェール)たちと再会するのだったが…

 人気ヴィデオゲームの映画化、というよりもすっかりシリーズとして独り立ちした第3作。密室でのゾンビ映画というよりも、マッドマックスを思わせる砂漠に舞台は広がり、ゾンビの恐怖というよりもアンブレラ社と抗体を持つアリスとの頭脳戦といった内容に変化してきている。一企業の陰謀が地球規模のデザスターに発展するってのは、「エイリアン」何かと同じ展開ですね。

 それにしてもアリス、理不尽に強すぎって感じ。ミラ・ジョヴォヴィッチは相変わらず魅力的な女優さんなんだけど、スーパーマンにしてしまうのはどうだかなって気がしなくもない。ゾンビはもう恐怖の対象からすっかりはずれてしまって、可愛そうな存在である。このストーリーでいくとさらに続編がありそうだけど、今度の舞台は日本なのかな? 監督はあの「レーザーバック」が強烈な印象だったラッセル・マルケイ。

ラッセル・マルケイ監督。2007年アメリカ映画。

2009年7月16日 (木)

紀元前1万年 (2008)

紀元前1万年

 年に1度、1頭のマンモスを捕って暮らす狩猟民族のデレー(スティーヴン・ストレイト)は、最後の刈りでマンモスを仕留めて青い目の少女エヴァレット(カミーラ・ベル)と結婚することになる。伝説では彼らが種族を救うはずだったが、マンモスを仕留めたのは偶然だというのが納得できないデレーに加えて、襲ってきた異民族にエヴァレットをはじめ多くの村人がさらわれてしまう。彼らの後を追うデレーたち戦士だったが…

 マンモス、サーベルタイガーの登場とくれば「アイス・エイジ」なんだけど、この妙なデジャーヴー感覚は何だ…としばし考えて、こりゃ「アポカリプト」とそっくりな物語だということに気がついた。しかしあちらはアメリカ大陸発見の頃の話で、ピラミッドの主はマヤ文明だということがはっきりしてたんだけど、こちらは紀元前1万年だぞ。あのピラミッドと帆船の文明は何なんだ…とまじめに考える必要もないか。何せ場所不定の紀元前1万年なんだから。

 それにしても、予言や巫女を中心に話がとんとんと進んでいって、ラストの強引な予定調和にはのけぞってしまったぞ。見るべきものは、ストーリーよりも、広大な砂漠や帆船、マンモスの群れ、サーベルタイガーや恐竜みたいな鳥との戦い、そしてピラミッドのモブシーンです。大風呂敷を広げたらこの上ない、エメリッヒらしい映画です。

ローランド・エメリッヒ監督。2008年アメリカ=ニュージーランド合作。

2009年7月15日 (水)

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー (2007)

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー アメリカの下院議員のチャーリー・ウィルソン(トム・ハンクス)は、いつものように美女をはべらしている時にテレビでソ連軍と戦うアフガンゲリラの現状を知る。これは一大事と、CIAのガスト(フィリップ・シーモア・ホフマン)、富豪のジョアン(ジュリア・ロバーツ)らと組んでアフガンを視察、政府をあげてのゲリラ支援に動き出すのだったが…

 タイトルは戦争なんだけど、戦闘シーンはほとんど出てこない戦争映画。何たって美女をはべらしてジャグジーしてる時に流れてたテレビでアフガン問題にかかわるようになった議員…ってわけで、お馬鹿議員に見えて実はうつけ者をよそおっていた信長タイプの議員だったのかな、なんて思ってしまった。

 ただしとっかかりとか、役者はなかなか面白いんだけど、物語自体は意外と平板で中だるみしたのが残念。ジュリア・ロバーツはケバい化粧がなかなかマッチしていてうさん臭さ抜群。フィリップ・シーモア・ホフマンやエイミー・アダムスもうまい。確かに弱きを助けるアメリカなのかもしれないけど、武器の供与なんてのは一歩間違えば火に油を注ぐ行為。ハッピーエンドに思えて、素直に安堵できる映画ではありません。

 美人秘書をはべらして、彼女らを「チャーリーズ・エンジェル」と呼んでたのには笑った。

マイク・ニコルズ監督。2007年アメリカ映画。

2009年7月14日 (火)

将軍の娘 エリザベス・キャンベル (1999)

Generals_daughter ジョージアの陸軍基地でCID(軍犯罪捜査部)の捜査官をするブレナー(ジョン・トラボルタ)は、魅力的な大尉エリザベス(レスリー・ステファンソン)にパンク修理をしてもらう。彼女は実は引退間近なキャンベル将軍(ジェームズ・クロムウェル)の娘で、翌日に全裸絞殺死体となって見つかる。ブレナーはサラ(マデリーン・ストー)と組んで捜査をはじめるのだったが…

 ネルソン・デミルのベストセラー小説の映画化。軍隊にどんどん女性が進出し、その中で起こったレイプ事件をテーマにした物語。まったく予備知識なく見たがゆえに、絞殺死体のくだりには驚かされたし、逆に意外と平静なキャンベル将軍に「まさかね」なんて思ってたら、まったくその「まさかね」に話が転がっていってしまった。う~む。

 本来はタイトルにもなっていて、主役とも言えるエリザベスがなかなか魅力的。というか、もったいない感じ。ジェームズ・クロムウェルといえばベイブの飼い主が頭にすり込まれているんだけど、将軍役もできるのかとちょっと驚き。マデリーン・ストーは完全に添え物状態でこれまたもったいない。そうそう、ジェームズ・ウッズも出てます。こちらもさえない役でしたが。

 結末を一言で言えば、「仕事と家族とどっちを取る」と言われて、家族を見殺しにして仕事を取っちまった男の悲劇とでもいいましょうか。最後に映し出される、娘の生い立ちの写真をとっても感情移入して見てしまいました。

サイモン・ウェスト監督。1999年アメリカ映画。

2009年7月10日 (金)

ミスト (2007)

ミスト デヴィッド(トーマス・ジェーン)は息子のビリー(ネイサン・ギャンブル)と共にスーパーに買い物に出かける。ところが店は激しい霧におおわれ、しかも外には触手を持つ怪物がいることで、身動きが取れなくなる。やがて狂信者のミセス・カーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)に人々は扇動されはじめる。脱出を考えるデヴィッドとその一団だったのだが…

 スティーヴン・キングの原作をフランク・ダラボン監督が映画化。といえば「ショーシャンク?」や「グリーンマイル」が思い出されるが、この作品はもっとぐっと小粒にまとまった正統派ホラー、いやパニック映画といったところで、いかにもキングといった触手の怪物やら巨大昆虫やら、はたまた狂信者などが人々をけむにまいていくあたりは懐かしさににんまりさせられた。(キングをよく読んでたのは、20年近く前だったもんで)

 しかも無駄に積み上げられていくエピソード、そして救いのないラストなどなど、さすがダラボンはキングのことがよくわかっている…と思ったんだえけど、この映画のラストは原作とは違うらしい。「え…」と思うと同時に、これってひょっとして原作以上にキングらしいラストじゃないの、と思うことしきり。

 しかしこの強烈にあと味の悪いラスト、しばらく糸をひきそうだ。怪物が出てきてびっくりさせるだけがホラーじゃない、というのを実感させてくれます。

フランク・ダラボン監督。2007年アメリカ映画。

2009年7月 8日 (水)

ザ・シーカー 光の六つのしるし (2007)

ザ・シーカー 光の六つのしるし イングランドへ引っ越してきたウィル・スタントン(アレクサンダー・ルドウィグ)は14歳の誕生日をむかえた少年。ところが彼は世界を救うために、6つのしるしを見つけなければいけない「ザ・シーカー」だということを告げられる…

 シーカーということで、ハリポタを想像したらまったく違う内容だった。類似点はイギリスが舞台のファンタジーだということだけ。スーザン・クーパーのファンタジー小説「闇の戦い1 光の六つのしるし」を映画化。ごく普通の少年少女がとつぜん世界を救う戦いに巻き込まれるというストーリーは児童文学の定番で、最近でも「ナルニア国物語」や「ライラの冒険」を思い出してしばしデジャヴ感覚にあってしまった。

 しかもこの映画、お手軽に感じるのは6つのしるしを見つける戦いが非常に短くて、短編というかゲームのステージを見ているかのようである。おまけに最後のしるしは「俺の魂だ」ってしめくくるあたりはのけぞってしまったぞ。

 とはいっても、ウィルを演じるアレクサンダー・ルドウィグはとんがった感じで、しかも英国が舞台だけあって雰囲気だけは満点である。原作がシリーズだけに、続編もあるのかな? 双子の兄とかは、今後どうからんでいくのだろうかとか、お楽しみも残してあるのがいいですね。

デヴィッド・L・カニンガム監督。2007年アメリカ映画。

2009年7月 6日 (月)

キサラギ (2007)

キサラギ アイドル如月ミキの一周忌に、ファンサイトのメンバーが出会って思い出を語り合うことになる。初対面の家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雅)、いちご娘(香川照之)だったが、やがて自殺と思われていたミキの死因の謎がひとつひとつ明かされていき…

 あの「12人の優しい日本人」を思い出させる、密室で繰り広げられる事件もの。パソコン通信世代のoga.としては、ハンドル名で呼び合うオフ会なんて懐かしいなあなんて思って見てたんだけど、事態はどんどんあらぬ方向に転んでいき、転がった先は…

 少々強引な展開(マネージャーの件や、ミキの父親のことなどなど)は鼻につくのだが、全体として密室とアイドルオタクたちの知識によって事件の糸がだんだんとほぐれていくのは面白い。アイディア賞ものの展開だと思う。

 しかしこれだけ彼らをひきつける如月ミキなる人物、どんなにいい女なのだろうかと思わせておいて…まぁ女性の好みは人それぞれなのかもしれないけど、こりゃ凄すぎます。あの如月ミキさんを演じていた女優さん(酒井香奈子)、地でやってるのかな???

佐藤祐市監督。2007年日本映画。

2009年7月 3日 (金)

ジャンパー (2008)

ジャンパー 高校生のデヴィッド(ヘイデン・クリステンセン)は凍った池に転落したことから自身のテレポート(瞬間移動)能力に気づく。折り合いの悪い父の家を出て、テレポート能力を使って銀行の金を盗み、かつてのガールフレンドのミリー(レイチェル・ビルソン)とのローマでのデートを楽しんだりするのだったが、謎の男ローランド(サミュエル・L・ジャクソン)とグリフィン(ジェイミー・ベル)につけ狙われる。

 スティーヴン・グールドのSF小説「ジャンパー 跳ぶ少年」の映画化。瞬間移動能力を手にした少年の、いかにもといった堕落(笑)が何とも微笑ましい。私だったらどうするだろう…衣装を作ってスーパーマンにでもなるかな、と思っていたらジャンパーをつけ狙う敵というか、組織が登場。どうやって世界の果てまで瞬間移動できる連中を生身の人間が追うのかと思いきや、ハイテク機器の登場。なるほどとは思ったけど、所詮道具ではジャンパーに勝てないという思ったとおりの展開に…

 しかし瞬間移動するっていっても、服とかも一緒に移動するってのがちょっと納得できないなとか、世界のどこでもジャンプできるようだけど地表に飛べなかったら転落死したり、地中に埋まってしまったりするんじゃない、なんて考え出したら映画に集中できなかった。困ったもんだ。

 ただしジャンプシーンというか、瞬間移動シーンは技術が進んでいるおかげかなかなかの迫力で一見の価値があります。主人公の母親役でダイアン・レインも出てます。

ダグ・リーマン監督。2008年アメリカ映画。

2009年7月 2日 (木)

つぐない (2007)

つぐない 1935年のイギリス。裕福な家庭の少女ブライオニー(シアーシャ・ローナン)は作家志望。ところが初恋の人ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)と姉セシーリア(キーラ・ナイトレイ)の大人の関係を見てしまったがために、後に起こるレイプ事件の犯人はロビーだと偽証してしまう…

 イアン・マキューアンの「贖罪」を映画化。一言で言えば少女の嫉妬の話なんだけど、なんせ時代が1935年なだけに後の世界大戦へとつながっていくあたりが悲惨である。かといってテーマはあくまでも少女の贖罪であり、反戦映画ではないわけで背景として大戦(ダンケルクの戦い?)が使われるあたりがうまいといえばうまいし、話がぶれるといえばぶれる。

 しかしブライオニー役のシアーシャ・ローナンの持つ雰囲気がいかにもイギリス娘って感じでいいです。一生かけても成せないつぐない、を語る晩年のブライオニーをバネッサ・レッドグレープが演じるあたりも見せ場。ただし彼女にはあまりにも貫禄がありすぎて、この人は結局どんな一生や恋をおくってきたんだろうかというのがよくわからないってのが難点ではありました。

 再会したロビーとセシーリアが彼女の想像の産物だったってのは、ちょっとびっくりさせられました。ふたりの身分の違いというのも、この時代背景にしては見逃せないポイントですね。キーラ・ナイトレイは相変わらず綺麗です。

ジョー・ライト監督。2007年イギリス映画。

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