« 2009年7月 | メイン | 2009年9月 »

2009年8月

2009年8月31日 (月)

ディボース・ショウ (2003)

ディボース・ショウ 離婚専門の敏腕弁護士マイルズ・マッシー(ジョージ・クルーニー)は大富豪レックスロス(エドワード・ハーマン)とマリリン(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)の離婚訴訟を引き受ける。絶体絶命の状況から勝利を勝ち取ったマイルズだったが、実はマリリンに一目惚れ。ところが金持ちと結婚して慰謝料をふんだくることに生き甲斐を感じるマリリンは、今度は石油王ハワード(ビリー・ボブ・ソーントン)と結婚するのだったが…

 コーエン兄弟によるブラック・ラブコメ・離婚劇。まぁ男がすんなりと騙されそうということでは天下一品のキャサリン・ゼタ・ジョーンズが中心なだけに、物語の説得力は十分。余裕たっぷりのジョージ・クルーニーの目線で、たっぷりと騙されたり煙に巻かれたりと楽しめた1時間半でした。

 難を言えば、終盤の殺し屋のくだりがあまりに現実離れしていて(全体的に現実離れはしているのだが)、素直にラストを喜べない…というのが辛いところかも。でもブラックな笑いはたっぷりと用意されていて、ケレン味たっぷりだけど後半崩れていくジョージ・クルーニーは正にはまり役といった感じでありました。

ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督。2003年アメリカ映画。

2009年8月25日 (火)

アメリカン・ホーンティング (2006)

アメリカン・ホーンティング テネシーに住む少女ジェーン(レイチェル・ハード・ウッド)は、ひどい悪夢にうなされる。そのきっかけは、屋根裏で見つけた古い書簡だった。その書簡には、かつてこの家に住んでいたジョン(ドナルド・サザーランド)とルーシー(シシー・スペイセク)、娘(レイチェルの二役)が、魔女と呼ばれる女性に金を貸して逆恨みされ呪われたという事件が書かれていた…

 魔女に呪い殺される殺人事件として有名な「ベル・ウィッチ事件」の映画化。といったもoga.も含めて日本人にはぴんとこないかもしれないが、あちらでは結構有名な話なのだそうだ。ひとつ賢くなりました。

 話はエクソシストとポルターガイストが合体したような感じで、じわじわと恐怖を盛り上げていく演出はホラーの常套手段といった感じ。しかし実話(?)の映画化だけにおさえるときはびしっとおさえてあり、描かれる怪奇現象のわりにはストーリーが意外と単調である。やっぱ背景を理解してないと、楽しめない映画なのかもしれません。

 現代からスタートするんだけど、描かれるのはほとんどが書簡に残された1818年の怪奇現象。徐々におかしくなっていくドナルド・サザーランドは熱演である。シシー・スペイセクは、キャリーをリアルタイムに知る世代としては、ホラーの大御所といった位置づけかも。

コートニー・ソロモン監督。2006年イギリス=カナダ=ルーマニア=アメリカ合作。

2009年8月24日 (月)

スターダスト (2007)

スターダスト 壁に囲まれたウォール村に父と二人で住むトリスタン(チャーリー・コックス)は、片思いの美女ヴィクトリア(シエナ・ミラー)のために外の世界へ行って流れ星を取ってくることを決意する。ところが星が落ちた場所にはイヴェイン(クレア・デインズ)が倒れていて、彼女が流れ星だと知ったトリスタンは村へ連れ帰ろうとするのだったが…

 ニール・ゲイマンの原作を映画化。ストーリーはさらに、ストームホールド王(ピーター・オトゥール)の後継者争いやら永遠の命を求める魔女ラミア(ミシェル・ファイファー)やら、空賊のキャプテン・シェイクスピア(ロバート・デ・ニーロ)やらがからんで混沌とした様相。それでもストーリーが単純なおかげか、ぼーっと見ていても迷子になることはない。

 実は全然期待せずに見たら、意外と楽しめたというのが正直な感想。トリスタンの出生の秘密からはじまって、壁に囲まれた村、落ちてきた流れ星、空飛ぶ船などなど、イマジネーションを刺激する仕掛けはたっぷり。王族の兄弟が殺されるたびにゴーストになっていくくだりや、ミシェル・ファイファーの怪演などなどおかずがいっぱいでもうごちそうさま状態であった。クレア・デインズが実はヒロインだったというのは、ストーリーの流れからしてもお約束ごとかな。

 ちょっとだけ納得できないのが、彼がふってしまうヴィクトリアの扱いかな。王位継承についても、あまりにも軽すぎるんだけど映画全体が軽いんだからこれはこれでいいんでしょう。続編はなさそうな雰囲気です。

マシュー・ヴォーン監督。2007年アメリカ=イギリス合作。

2009年8月23日 (日)

ストップ・ロス 戦火の逃亡者 (2008)

ストップ・ロス 戦火の逃亡者 イラクで戦ったブランドン(ライアン・フィリップ)は徴兵期間が終わって除隊する予定だったが、ストップ・ロスという徴兵期間延長の制度を適用されて再び戦場へ行くことを命じられる。抵抗して脱走兵となったブランドンは、友人の恋人ミシェル(アビー・コーニッシュ)と共にロスに住む知り合いの議員を訪ねようとするのだったが…

 冒頭のイラクでの戦闘シーンが強烈である。こじんまりとした市街戦であるにもかかわらず、待ち伏せされまさに血の雨が降るといったシーンに強烈なメッセージが感じられる。ここにかり出されているのは普通の若者であり、しかも子供たちを含んだ人殺しを強制される理不尽さ。そして生きて帰ってももう一度行けと書類1枚で指示される理不尽さなど、この映画で感じたことは非常に多い。

 映画の出来はというと、決して及第点とは言いかねる。おそらくいくつかのイラク戦争映画にまぎれて、10年後には忘れてしまうような映画のような気がする。でもこの映画の持つメッセージ性と「ストップ・ロス」という言葉は、意外と長く脳裏に刻まれるのではないだろうか。

キンバリー・ピアース監督。2008年アメリカ映画。

2009年8月22日 (土)

タイタンズを忘れない (2000)

タイタンズを忘れない 70年代のバージニア州。人種差別撤廃により高校が統合し、白人と黒人混合のフットボールチーム、新生タイタンズが結成される。それまでコーチを務めていたビル(ウィル・パットン)は新任の黒人コーチのハーマン(デンゼル・ワシントン)にコーチの地位を明け渡す。しかしハーマンの方針でキャンプで打ち解けたタイタンズのメンバー(ウッド・ハリス、ライアン・ハースト、キップ・バルデュー他)は、州大会で快進撃を繰り広げるのだったが。

 正に「タイタンズを忘れない」を忘れない、ってなことになりそうな映画。ものすごくストレートなスポ根もので、絵に描いたようなスポーツを通じた世界平和物語なんだけど、理屈抜きに熱くなれることうけあい。強烈なリーダーシップとカリスマ性を持ったデンゼル・ワシントンがいい。ウィル・パットンの、頑張ってる姿もいい。ジュリアスとゲーリーの母親の抱き合うシーンの、なんと暖かいことか。

 うーん、ブラッカイマーもこんな映画を作るんだなぁとちょっと感心。タッチストーンでなくディズニーブランドで出しているのも納得。ひねりはなく、ハッピーエンドなのでとっても安心して見ていられる。これが実話だってのが希望を感じさせられていいですね。

ボアズ・イェーキン監督。2000年アメリカ映画。

2009年8月21日 (金)

ランド・オブ・ウーマン 優しい雨の降る街で (2007)

ランド・オブ・ウーマン ロスに住むポルノライターのカーター(アダム・ブロディ)は仕事に行き詰まり、恋人にもふられて、ほとんど会ったことのない祖母フィリス(オリンピア・デュカキス)を泊まり込みで世話するためにミシガンへ引っ越す。ところが隣に住む主婦サラ(メグ・ライアン)とその娘ルーシー(クリステン・スチュワート)と仲良くなり…

 人生の転機をテーマにした人間ドラマ。傷心のポルノライターと、母に反抗する高校生の娘、乳がんを宣告されるその母、そして半分ぼけかけながらも、たまにどきっとすることを口走る祖母などなど、舞台のお膳立てというか設定は非常にドラマチック。でもストーリーは映画にするにはあまりにも日常的すぎて、ある意味肩すかしをくらわされたかのような映画である。

 監督はあのローレンス・カスダンの息子のジョナサン・カスダン。主演のアダム・ブロディは何ともぱっとしない上に、ポルノライターに見えないのが難。悩める彼が母娘にふらふらするあたりが、心情的に納得できなくていらいらしてしまったのが敗因かも。逆にクリステン・スチュワートはあまり出演作を見ているわけではないのだが印象に残る。メグ・ライアンはお久しぶりなんだけど、やっぱり綺麗だなと再発見。なおタイトルにある「優しい雨」は、劇中1回しか降っておりません。

ジョナサン・カスダン監督。2007年アメリカ映画。

2009年8月20日 (木)

失踪 (1993)

失踪 恋人ダイアン(サンドラ・ブロック)と旅行中のジェフ(キーファー・サザーランド)だったが、あるパーキングで目を離した隙に彼女は失踪してしまう。3年間執念で探し続け、その間に新しい恋人リタ(ナンシー・トラヴィス)もできるのだったが、彼の前に犯人だと名乗る男(ジェフ・ブリッジス)が現れ…

 いかにもありそうな、アメリカを旅行中の失踪事件をテーマにしたスリラー。なさけない犯人(ジェフ・ブリッジス)は最初から登場してエーテルか何かをかがせる練習とかをしているのだが、こいつが本当に犯罪なんて起こせるのかと思ってたらとんでもないサイコ野郎に変貌していくあたりが強引なんだけど、妙にぐいぐいと引き込まれる説得力を持っているのがさすがである。

 サンドラ・ブロックは「スピード」でブレイクする前年なのでチョイ役ってことでしょうか。ものすごくもったいなく感じる。逆にラスト近くはナンシー・トラヴィスの独断場というか出ずっぱりで頑張ってくれます。そういやポーの小説に生きたまま墓に埋められるってのがなかったっけ。そのあたりをヒントにしてるのかもしれないけど、確かに生き埋めってのは想像しただけで怖いです。

ジョルジュ・シュルイツァー監督。1993年アメリカ映画。

2009年8月17日 (月)

アース (2007)

アース 北極点をスタートに、えさを求めて旅をするホッキョクグマの親子、ツンドラ地帯、ゴクラクチョウ、水を求めてさまようゾウの群れ、オキアミを求めて赤道から南極まで親子で泳ぐザトウクジラなど、様々な動物のエピソードを追ったドキュメンタリー映画。ナレーションはあのスタトレのピカード艦長ことパトリック・スチュワート。

 BBCのドキュメンタリー「プラネット・アース」の再編集版、ということで、動物の行動にストーリーを持たせたあたりはディズニーの「自然の驚異」シリーズを思わせる。しかし撮影技術が進んだせいか、時々挿入される宇宙からの映像や、四季の移り変わりを合成画像で見せるあたりなどはうならされる。しかも大画面で見ると効果満点で、プロジェクターなどを購入された方はまずはコレを見ることをおすすめしたい。昨今のアクション映画のように無駄にカメラを振り回すこともしていないので、ただただ映像の美しさを堪能することができると思います。

 弱肉強食を描いたシーンもありますがディズニー映画と同じく残酷シーンの手前で止めてあります。しかし、生きていくためとはいえ、狙われるのはいつも弱い子供というのは考えさせられます。ある意味、ラストで語られる地球温暖化よりも哲学的に重いテーマなんじゃないかと思ってしまいました。

アラステア・フォザーギル、マーク・リンフィールド監督。2007年ドイツ=イギリス合作。

2009年8月16日 (日)

ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 (2008)

ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 中国統一を成し遂げた皇帝(ジェット・リー)は不老不死を求めて呪術師ツィ・ユアン(ミシェル・ヨー)に依頼するが、騙された彼女は皇帝とその兵士たちに呪いをかけて兵馬俑に変えてしまう。それから2000年後の1946年、不老不死と関係があるブルー・ダイヤを中国に返還すべくリック・オコーネル(ブレンダン・フレイザー)と妻エヴリン(マリア・ベロ)は中国へ行くのだが、そこで息子のアレックス(ルーク・フォード)と彼が発掘した皇帝のミイラに出会うのだった…

 シリーズ第3作。エジプトのミイラ・イミホテップとは決着がついたというわけで、今回の舞台は中国である。あれ、中国の皇帝はミイラだったっけとか、兵馬俑がよみがえるといった苦しい設定ではあるけれども内容は盛りだくさんでサービス精神満点の娯楽大作である。ただし昨日見た新生007とはまったく作りが違い、主な登場人物は無敵であり、とんでもない危険の中へ命知らずに飛び込んでいくファミリーはいかにも現実離れした感じがする。

 中国が舞台だけに、ジェット・リー(リー・リン・チェイ)にミシェル・ヨー、それに香港の宇津井健ことアンソニー・ウォンとアジアン・スターがいっぱい出ているのが楽しめる。さらにイェティ(雪男)や3つ首のドラゴンなどなど、ケレン味たっぷりの怪獣キャラも多数出演。次回作はペルーが舞台というオチまでついておりました。インディ・ジョーンズが好きなら文句なく楽しめる映画でしょう。

ロブ・コーエン監督。2008年アメリカ映画。

2009年8月15日 (土)

007 慰めの報酬 (2008)

007 慰めの報酬 前作「カジノ・ロワイヤル」で愛した女ヴェスパーを失ったジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は捕らえたミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)を護送中に激しい襲撃にあう。しかも上司のM(ジュディ・デンチ)の目前で彼を取り逃したボンドは、背後に広がる組織の手がかりを追ってボリビアへ飛ぶ。そこではクーデターを画策するメラドーナ将軍(ホアキン・コシオ)と謎の男ドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)が暗躍し、密かに彼らの命を狙うカミーユ(オルガ・キュリレンコ)をボンドは助けるのだったが…

 今まで一話完結だったせいでどこから見ても大丈夫だった007シリーズだけど、本作は完全に「カジノ・ロワイヤル」の続編。しかもストーリーは複雑にからみ合っているので、前作をおさらいしてからかからないとちょっと手こずりそうな内容です。リアルな方向にふった演出は本作でも新鮮で、何よりも生傷だらけになりながら戦うボンドの姿が強烈。秘密兵器も、メインに使われるのが多機能携帯電話というのが面白い。

 とはいいながらも、ボートチェイスやビル伝いの追跡、飛行機での空中戦からラストのホテル爆破まで、えんえんと続くアクションの数々はリアルで興奮度も高い。誇大妄想狂の敵は姿をひそめ、クーデターを狙う将軍、水の利権で一儲けしようという実業家などなど、出てくる敵が妙にリアルなのも気に入ってしまった。あとは敵に体育会系の傭兵みたいな無敵キャラが登場してくれたら完璧かな。

マーク・フォースター監督。2008年イギリス=アメリカ合作。

2009年8月14日 (金)

GSワンダーランド (2008)

GSワンダーランド 60年代のグループサウンズブームが吹き荒れる日本。レコード会社に勤める佐々木(杉本哲太)は、社長松田(岸部一徳)の命令でGSに参入することに。そのバンド探しの網にひっかかったのが、三人組で日劇を夢見るマサオ(石田卓也)、シュン(水嶋ヒロ)、ケンタ(浅利陽介)で、試行錯誤の末に彼らに歌手志望の娘ミク(栗山千明)を男に仕立てて加えて「ザ・タイツメン」という名前で売り出したら大ヒットし…

 グループサウンズブームを背景にしたミュージカル・コメディ。CGをこういった時代ものに使うというのはなかなか効果的で、60年代のまさしくワンダーランドがスクリーンに広がるのが印象的。さらに社長の横暴で、音楽的方向を無視して翻弄されるメンバー、恥ずかしい「タイツメン」が大ヒットしてしまう成り行きなどなど、つくづく世の中ってわからないもんだなという気分にさせてくれる。

 しかしこの主題歌の「海岸線のホテル」、劇中で何回歌われているのか知らないけど不思議と耳に残る。栗山千明が意外と歌がうまいのもびっくりした。

本田隆一監督。2008年日本映画。

2009年8月 9日 (日)

スコーピオン・キング2 (2008)

スコーピオン・キング2 若きマサイアス(マイケル・コポン)は父のような戦士になるために精鋭部隊のブラック・スコーピオンに入隊して主席で卒業する。ところが国へ戻ってみると国王はサルゴン(ランディ・クートゥア)に謀殺され、自身も兄弟を殺せと命令される。復讐を誓ったマサイアスは、サルゴンを倒すために魔力を持った剣を求めて黄泉の国への旅に出るのだったが…

 あのスコーピオン・キングの続編と言うことで、いよいよマサイアスがダークな世界へ落ちていく映画…かと思いきや、時代は戻って彼の誕生秘話だった。いわゆる「バットマン・ビギンズ」と同じです。仇役にマッチョなプロレスラーを配して、復讐ものからダンジョンの魔物退治、そして最後はモンスター対決へとファンタジーものの王道を歩むかのような作りでなかなか楽しませてくれます。ヒロインのカレン・デヴィッドも見せてくれます。

 難点はというと、ハムナプトラはともかく、前作の「スコーピオン・キング」ともつながりが弱いといったところでしょうか。完全に別物として楽しむか、あるいは1と2の間にもうひとつぐらいエピソードがあると見た方が良いかもしれません。

ラッセル・マルケイ監督。2008年アメリカ映画。

2009年8月 8日 (土)

クローズZERO (2007)

クローズ ZERO 不良少年の巣窟である鈴蘭男子高校。この高校を制覇するために、やくざの息子である滝谷源治(小栗旬)は転入してくる。ところが高校は最大派閥である芹沢(山田孝之)を中心に群雄割拠の状態。源治は鈴校OBでやくざの片桐(やべきょうすけ)に出会い、鈴校制覇の夢を託されるのだったが…  

高橋ヒロシのコミックを映画化。コミック原作ならではの「ありえね~」世界で、間違いなく入学したくない高校(笑)のビジュアルが凄い。やっぱ中途半端はいかんってことで、荒廃した学舎はペンキの落書きでニューヨークの地下鉄のよう。そこにウォーリアーズを思わせる不良少年たちが凶暴な生物のようにたむろし、抗争を繰り広げる世界は凄い。

 しかし物語を見ていくと、これが単純なバイオレンス映画じゃないことがわかってくるあたりが面白い。結局、荒っぽい中に人間味のあふれるシーンとかが挿入されてたりして、いい効果を上げてるんですね。殴り合って血をだらだら流しながら、実は仲良しみたいな。これはラストのやくざの決着シーンに引き継がれているのが面白い。

 ヒロインとして黒木メイサが出てるんだけど、どうしてこの不良たちの中に飛び込んでいくのかが不思議。小栗旬にせよ山田孝之にせよ、キレまくりの演技は一見の価値あり。余談だけど、「鈴高」と呼ばれる高校に通っていた筆者としては、この映画の存在はちょっと微妙だぞ。

三池崇史監督。2007年日本映画。

2009年8月 7日 (金)

ウォーター・ホース (2007)

ウォーター・ホース 第2次大戦中のスコットランド。父親は出征し、母(エミリー・ワトソン)と姉(プリヤンカ・クシ)と三人で暮らす少年アンガス(アレックス・エテル)は湖で不思議な卵を拾う。そこから生まれた恐竜の子供に「クルーソー」と名前をつけて大切に育てるのだったが…

 ディック・キング・スミスの原作を映画化。いわゆるネス湖の恐竜映画なのだが、背景に戦争を置いて動物と少年の友情物語を感動的にそつなく作り上げたという感じ。雰囲気でいえば「フリー・ウィリー」の第一作目に似てるかも。こちらの少年はそれほど屈折しているわけではありませんが、父親が出征してたり、村にやってきた軍隊との微妙な関係があったりと、背景はかなり複雑です。

 それにしても、軍の隊長はいい人になっちゃうし、母親は最後は協力的だし、みんなでウィリー…じゃなかった、クルーソーの大ジャンプを喜んで大円陣。何だか気持ちがいいというか、ファミリー向けに安心して見られる映画になってますね。クルーソーがアンガスを連れて水中を泳ぎ回るシーンも、息もつんかいなと心配ながらもとっても楽しいです。

ジェイ・ラッセル監督。2007年アメリカ映画。

2009年8月 4日 (火)

Jの悲劇 (2004)

Jの悲劇 ピクニックを楽しんでいた大学教授のジョー(ダニエル・クレイグ)と恋人のクレア(サマンサ・モートン)のところへ真っ赤な気球が舞いおりてくる。かごに乗っている少年を助けようと、数人の大人がぶらさがるのだが突風で気球は再び舞い上がり、手を放し損ねた老人が墜落死する。事件で心に傷をおったジョーに、ジェッド(リス・エヴァンス)という男がしつこく付きまとってくるのだったが…

 イアン・マキューアンの「愛の続き」を映画化。ピクニック中の野原に熱気球が舞いおりてくるという、一見楽しそうなハプニングが恐怖の入り口になるという発想にはうならされた。安全そうな気球といえども航空機である。当然、転落の危険もつきまどう。そしてどきっとさせられる落下シーン。心の傷。壊れていく恋人との関係。謎の男の登場などなど、地味ながらもサスペンスとしては一級品である。

 007でおなじみになったダニエル・クレイグは本作ではさえないおっさんである。これが演技だというのであれば、器用な役者さんだ。サマンサ・モートンは妙にぽっちゃりしたせいかこちらも普通のおばさんになっちゃった感じ。でもその普通さが、このサスペンスの鍵だろうし、リス・エヴァンスの不気味さを引き立てる結果になっているのがいい。難点があるとすれば、ラストのオチがこれまたこじんまりとまとまってしまったことぐらいだろうか。怖いのは怖いんだけどね。

ロジャー・ミッシェル監督。2004年イギリス映画。

2009年8月 2日 (日)

クローバーフィールド HAKAISHA (2008)

クローバーフィールド HAKAISHA ニューヨークのアパートの一室で、日本へ栄転するロブ(マイケル・スタール・デヴィッド)のサプライズパーティが行われていた。ところが突然の地響きと共に事態は一転。何者かの襲撃と、爆発炎上するビルに路上へ飛び出した彼らだったが…

 家庭用ムービーで撮影されたという設定の、怪獣映画。アイディアとしては、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」に近いものがあるが、視点が登場人物に絞られていて事件の全体像が見えていない、というリアルな部分にはナイト・シャマラン監督の「サイン」にも通じるものがあるなと感じた。とにかくめまぐるしくぐるぐる動く、素人風ホームビデオの映像は大画面で見たら気分が悪くなることこの上ない。

 しかし、リアルさという点ではなかなかの効果を上げていたのも事実。普通の映画のように神の視点から事件を見ているのならともかく、現実に事件に巻き込まれた当事者からすればこんな風に感じるのは当然でしょう。交通事故で亡くなった方が、何が起こったかわからずに…ってのはこういう感覚ではなかったかと思わせてくれます。プロデューサーは最近は「ロスト」「MI:III」「スタートレック」などで気を吐くJ・J・エイブラムス。

マット・リーヴス監督。2008年アメリカ映画。

2009年8月 1日 (土)

十五才 学校IV (2000)

十五才 学校IV 不登校の中学三年生・川島大介(金井勇太)は、屋久島の縄文杉を見るためにふらりと家出してヒッチハイクを繰り返す。長距離トラックのドライバーの佐々木(赤井英和)、すみれ(麻実れい)らに助けられて、順調に鹿児島までやって来た大介だったが…

 シリーズ四作目にして現在のところ最終作。夜間中学、養護学校、職業訓練校ときて次は何が出るのかと思ったら普通の中学校。しかも不登校をテーマにしたがためにタイトルは学校なのに学校のシーンはほとんどなし。この外し方が何とも心地よい。家出少年の大介を助ける大人たちが、一癖二癖ありながらもいい人ばっかりなのが気になりつつも何とも心地よい。いわゆる人情劇なのに加えて、日本映画には珍しい本格的ロードムービーとして成功している。

 赤井英和、麻実れいをはじめ、高田聖子、丹波哲郎とどのエピソードも天下一品。侍のエピソードも良かった。こりゃ山で遭難しようとも、あのジグソーパズルは手放せないわな。特に丹波哲郎の息子役の前田吟に向かって大介がたんかをきるシーンでは、はからずもじーんときてしまった。

山田洋次監督。2000年日本映画。

2012年5月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

リンク

  • Joshin ネットショッピング
    Joshin
    ネットショッピング