女優 ジェニファー・ジョーンズさんのこと
ジェニファー・ジョーンズさんが昨年暮れに亡くなった。老衰だったそうだ。享年90才。
ジェニファー・ジョーンズといえば、「慕情」「終着駅」「武器よさらば」あたりが有名だが、oga.の世代だと最後の映画出演作となったあのパニック映画の傑作「タワーリング・インフェルノ」でのリゾレット役が強烈に印象に残る。真っ黒い髪に、真っ白いドレス。劇中でのフレッド・アステアとの淡いロマンス。飼い猫をめぐる、O.J.シンプソンとのからみ。そしてエレベーターの爆発事故で宙に舞う白いドレス。ラストのアステアの悲しい表情。と、ここまで一気に書けるほど、シーンが脳裏に残っている。子供好きで猫好きで、そして人柄の良さがスクリーンの中で強烈なオーラを放っていた。実は「タワーリング・インフェルノ」は私が中学生の時に初めて劇場で見た字幕の洋画であり、以降映画に傾倒するきっかけとなった作品でもある。 彼女に次に再会したのが「武器よさらば」。テレビの名画劇場での鑑賞だったと思う。その名のとおりの反戦映画で、原作はもちろんヘミングウェイ。兵士と従軍看護婦の逃避行を描いた物語だが、この非条理な結末はストレートでシンプルなメッセージを放っており、清楚な看護婦のイメージのジェニファー・ジョーンズは完全に私の脳にすり込まれた。
ジェニファーといえば白のドレス、というイメージも、これとタワーリングが重なってできたものなんだろうね。大プロデューサーデヴィッド・O・セルズニックの製作で、監督はチャールズ・ビダー。相手役はロック・ハドソンで、あの「ひまわり」の監督ヴィットリオ・デ・シーカが俳優として出ています。こちらも再見を希望したい名作。 次に印象的だったのが「終着駅」。こちらはNHK-BSにて観賞。ローマのテルミニ駅の中だけで完結するラブストーリーというのが斬新だった。スピルバーグの「ターミナル」の元ねたかも。ヴィットリオ・デ・シーカ監督。
実は彼女の代表作となる「慕情」は私はテーマ曲以外はあまり印象に残っていない。香港が舞台のエキゾチックな物語だったが当時中学生か高校生だった私には理解しがたい大人のラブストーリーだったのだと思う。現在のところ再見する機会もないが、こちらもぜひハイビジョンで再開したい映画である。
いずれの作品も、すでに古典と呼べるもの。映画館で見たくてもおいそれとは見られないのだが、「タワーリング・インフェルノ」はブルーレイ化されているし、「武器よさらば」「慕情」もDVDで見ることができる。ホームシアターでいずれは見たい映画である。

