アバター (2009)
22世紀の未来、海兵隊員ながらも負傷で下半身不随となったジェイク(サム・ワーシントン)は、衛星パンドラで行われるアバター計画にスカウトされる。それは、鉱物資源の確保のために、先住民ナヴィと人間をかけあわせた「アバター」と精神をリンクさせて情報を集めようというものだった。グレース博士(シガニー・ウィーヴァー)の協力のもと、アバターとしてパンドラに降り立ったジェイクは、ナヴィの女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と知り合う…
2009年度の米アカデミー作品賞を「ハート・ロッカー」と最後まで争った話題作。映画のために惑星をひとつ作ってしまったというわけで、そのドラマから背景・ビジュアルの作り込みはなかなかのもので3時間近くもある長尺のくせにあんこがぎっしり詰まっているのはさすがである。この時間が短く感じるのではなく、長いけどぎっしりを感じさせてくれるのだ。
鉱物資源を求めてやって来た人類と、原住民ナヴィの戦いがメインストーリーなんだけど、かつてのアメリカ映画のように先住民を「蛮族」として描いていない点がやっぱり評価できる。巨大な木の存在や、ガイア理論を思わせる衛星パンドラの存在、部族が自分の体ひとつで自分と仲間たちを守っていく感覚など、最近忘れてしまった感覚がここにはぎっしり詰まっている。
しかし…である。どうしてもしっくりこなかったのは、アバターが遠隔操作される別物であり、どこかにヴィデオゲームをやっているような、自分は安全な場所にいるという感覚が残ってしまうのが難である。これを映画を通して見ているわけだから、パンドラの世界と我々の間には2重の壁があるわけだ。感情移入しやすい物語だけに、このあたりの設定がどうにも残念である。
ジェームズ・キャメロン監督。2009年アメリカ映画。

