太陽のとどかぬ世界 (1964)
紅海の海底10メートルに建設された海底基地。ジャック・イヴ・クストーをリーダーとするチームはこの基地に長期滞在し、さらに深い海底26メートルでの生活実験を行う。さらに基地内にドックを設置した深海艇に乗り込み、水深300mの世界に住む生物を撮影する。当時の深海探査をつぶさに記録したドキュメンタリー映画。
前作「沈黙の世界」をパワーアップした感じで、海面下10mの海底基地と潜行艇をメインとした深海記録映画。シナリオが秀逸というか、まずは10mの海底に住むという危険(当時の)などを描いた上で、さらに深い26メートルの基地への滞在へと進む盛り上げ方が良い。わずか26mと思うかもしれないけど、当時の技術では十分危険でこの深度からでも一気に浮上すれば生命の危険があるという実感が画面から伝わってくる。
そういった順序をふんだ上での300メートル潜水だからこそ、画面を見ながら「そんなにもぐって大丈夫なの?」という緊張感をひしひしと感じることができた。実に心憎い演出である。確かに世界に「冒険」があった頃の映画である。
ジャック・イヴ・クストー監督。1964年フランス=イタリア合作。

