ワンダフルライフ (1999)
月曜日に天国の入り口にある古びた建物に、所長の中村(谷啓)をはじめ、望月(ARATA)、川嶋(寺島進)、杉江(内藤剛志)、しおり(小田エリカ)が集まってきた。彼らの仕事は、22人の死者(伊勢谷友介、吉野紗香、由利徹、白川和子、他)から聞き取りを行い、人生で一番の思い出のビデオを作ること。年寄りから若者まで、死んだ者の思い出は千差万別なのだったが…
1週間の間に、一生の思い出をひとつだけ選びなさいというある意味究極の人生の精算をテーマにしたドラマ。恐ろしくレトロな建物を前に、映画セットを使ってアナログなセット撮影で思い出をひとつだけ残すというのが何とも面白い設定なんだけど、これを見て懐かしさを感じる人間は限られるんじゃないか、なんていらないことを考えることもしきり。
結構印象に残ったのは、セスナでの飛行を選んだ男のエピソード。いわゆる大昔の特殊撮影シーンの再現といったところなのだが、綿や煙を雲に見立てたりあれよこれよの撮影が、古き良き時代の映画撮影を思わせて撮影スタッフたちもいい気分だったのではないかと想像される。で、自分が持って行く最良の思い出ってのは何なんだろう。この答えは本音と建て前では、きっと違うだろうなって思わされる映画でありました。
是枝裕和監督。1999年日本映画。

