96時間 (2008)
今は引退して、別れた娘キム(マギー・グレイス)との誕生日での再会を楽しみに暮らす、元工作員のブライアン(リーアム・ニーソン)。元妻のレノーア(ファムケ・ヤンセン)から、娘のパリへの海外旅行を相談されるブライアンだったが、そんな危険な場所へは行くなと一蹴する。それでもいくつかの条件をつけて旅行を許したブライアンだったが、キムはロシア系の人身売買組織に誘拐されてしまう。
リュック・ベッソン製作・脚本によるアクション映画で、見事なまでのダーティな主人公と古典的なフラストレーション発散型の映画。リーアム・ニーソンが若い者には負けられないとばかりに、さらわれた娘を追いかけて破壊の限りを尽くす。これがまた何とも心地よいのが罪作りである。ノリとしては「ランボー2」的であり、ストーリーはシュワルツェネッガーのヒット作「コマンドー」を思わせる。娘に手を出すヤツは、徹底的に叩きつぶすのである。
単なる過保護親父なのか、本物のコマンドーなのかは冒頭ではわからないんだけど、携帯電話で娘の危機を知ってからの動きは実に無駄がなくスリリングである。かかわった人間はことごとく血祭りだし、拷問の後には必ずとどめをさしてるし、あげくに旧友の奥さんまで撃っちゃうのは容赦ない。唯一後味が悪いのはこの部分だけなのだが、それでも主人公のパワーに押し切られたという感じ。
見ていて一番許せない仇役は「私にも子供がいる、これはビジネスなんだ。」と言い訳する人身オークションのメンバー。ところで父親に助けられるのはいいけど、目の前で父親が犯人を射殺ってのはどんなものだろう。こういう映画でメンタル・ケアとか心配してもしゃぁないのかもしれないけど。タイトルの「96時間」ってのは、誘拐からこれ以上経つとまず見つからないってリミットらしい。ただし、なぜわざわざ邦題はこれにしたか不明。最終的に、何時間で助けられたかもわからないわけだし。
ピエール・モレル監督。2008年フランス映画。

