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2011年4月

2011年4月29日 (金)

マルタのやさしい刺繍 (2006)

マルタのやさしい刺繍 スイスの小さな村に住むマルタ(シュテファニー・グラーザー)は、優しい夫に先立たれて寂しい日々をおくっている。ところが村の合唱団の旗の修理を依頼されたことをきっかけに、昔は刺繍が大好きだったことを思い出す。友人のリージ(ハイジ・マリア・グレスナー)やフリーダ(アンネマリー・デューリンガー)と共に夢だったランジェリーショップのオープンを画策するが、保守的な村に加えて牧師で息子のヴァルター(ハンスペーター・ミュラー・ドロサート)と激しく衝突して…

 パリにランジェリーショップを開くことが夢だったおばあちゃんの、夢を現実にと頑張る姿を描いた元気の出る映画。確かにおじいちゃんおばあちゃんには、けがをしないように回りに迷惑をかけないでと、必要以上に保守的に接してしまう傾向があってまわりの行動もわからなくもないんだけど、本人たちの元気とか生きる意欲とかを考えると、できる範囲で本人たちのやりたいことをやってもらいたいって気分になってきます。老いた親たちに自由に生きてもらうってのは、ある意味息子の甲斐性じゃないかと思います。難しいことだけど。

 本当に美しいスイスの村で、繰り広げられる生活や事件が普遍的で身近に感じられるのが心地よい。マルタ役のシュテファニー・グラーザーがとってもいいんだけど、冒頭に出てくるご主人の写真がこれまた優しそうで、彼女の落ち込みが伝わってくるところがいいです。そんなご主人から解き放たれて、胸に秘めていたランジェリーショップを開くというのがある意味深い。

ベティナ・オベルリ監督。2006年スイス映画。

2011年4月25日 (月)

ウルフマン (2010)

ウルフマン 19世紀のイギリス、舞台俳優のローレンス(ベニチオ・デル・トロ)は、兄ベンの訃報に故郷ブラックムーアのタルボット城へ帰る。そこには何者かに惨殺された兄と、久々に再開した父ジョン(アンソニー・ホプキンス)の姿があった。満月の夜に怪物が現れるという噂から、兄の敵討ちに向かうローレンスだったが…

 要するにホラー映画の古典「狼男」のリメイク。といっても狼男に関してはアメリカン(笑)とかハウリングとかウルフェンとか、亜流ばっかり見て育った世代だけに、どれがオリジナルなのかわからんぞ。どことなく無情を感じさせる暗いストーリーに、これはたぶんオリジナルに忠実に作られた、ジャクソンの「キング・コング」みたいな映画なんじゃないかと想像させられたんだけど、真偽はよくわかりません。

 ベニチオ・デル・トロはメイクしなくてもホラー映画してていいですね(笑)。ホプキンスもこうして見るとモンスター顔。兄の婚約者グエン(エミリー・ブラント)は正当派なのかもしれないけど思ったほど華がない。リック・ベイカーの特殊メイクは、失礼ながら今となっては過去のもの…という気がしなくもない。

THE WOLFMAN
ジョー・ジョンストン監督。2010年アメリカ映画。

2011年4月24日 (日)

トイラジコンのヘリ miniBeeを購入

Heli1 おもちゃのラジコンヘリ… 数千円でそこかしこで売られていて、もう珍しくもないのかもしれないけど、子供が誕生日プレゼントに欲しがったので我が家では初めて購入。このMini Beeというヘリコプター、世界最小級をうたっているだけあって、長さが約10cmぐらいしかない。こうやって写真で見ると立派に見えるけど、本当に小さくてこれで飛ぶのかと突っ込みたくなってしまう。

 また、初期のトイラジコンヘリのように発砲スチロールで作りました、といった感じではなく、ちゃんとプラスチック風のカウル(材質は不明ですが)が付いていて、いかにもヘリコプターといった雰囲気がただよっています。

Heli2 もうひとつ面白いギミックは、本体がすっぽりコントローラーの中に入ってしまうこと。これはアイディア商品としていいです。スキッドなんて細くて、小さいながらもいっちょまえにスタビライザーなんかもついていて、踏んづけたら壊れそうなんだけどこれなら遊んだあとにコントローラーの中に入れておけば安心です。

 充電は、一般的なこの手のトイヘリコプターと同じくコントローラーに機体をつないで行います。約30分の充電で、5分間のフライトが可能。機体が小さいせいか、単三電池4本で動くのでエコです(トイラジコンのヘリは単三が6~8本必要なものが多い)。Honey Beeシリーズのコントローラーは、スロットルが左スティックに付いたモード2仕様なので、個人的にはとっても操縦しやすいです。

Heli3 実際に飛ばしてみたのが、左の写真。当然のごとく最初は機体がくるくる回るので、トリムの調整だけを最初にしてやればあとは子供でも問題なく飛行可能。スロットルをやんわりと操作することと、急ハンドルを切らない(こちらはあんまり舵はききませんが)さえ注意すれば、すぐに慣れてばんばん飛ばしていました。

 Honey Beeよりは安定性は劣る気がしますが、それにしてもBeeシリーズは機体バランスの良さは超一流なので、ジャイロもセンサーもないのに非常に安定性良く飛んでくれます。軽いので、少々荒っぽい墜落をしてもまず壊れないのもいいです。

・トイラジコン ヘリコプター・飛行機の販売ページはこちら

2011年4月22日 (金)

ハート・ロッカー (2008)

Pcxe50045 2004年のイラク。爆弾処理班のブラボー中隊のリーダーが作業中に爆死したために、新たにジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)が赴任してくる。彼らを補佐するのはサンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)、エルドリッジ技術兵(ブライアン・ジェラティ)といった癖のある面々。おまけにサンボーンは、いざ爆弾を目の前にすると遠隔操作のロボットに頼らずに自らの命を盾に処理に歩いて行くのだったが…

 「戦争の高揚感は、麻薬のように中毒になる」といった意味のナレーションからはじまるように、2時間妙な緊迫感に包まれた映画。確かに爆弾って怖い。戦場に繰り出していくのとは、また別の意味の怖さがあると思っていたら、その爆弾処理の周囲は敵とも味方ともわからない通行人や野次馬たち。そして時には銃撃戦もおっぱじまる。イラン・イラク戦争をすごくミクロの視線で見た映画なんだけど、それだけにものすごい臨場感で迫ってくる。

 除隊まであと何日…というテロップも印象的なんだけど、終盤その日数が終わったジェームズが自宅へ帰り、嫁さんに「シリアル選んで」とかこき使われて(笑)一般人なら幸せとも呼べる日常をおくって、それでも戦場へ戻っていくというくだりも印象的。高揚感? 戦争中毒? 日本人には理解しにくいけど、これがアカデミー作品賞を取ってしまうんだから現代アメリカを象徴している内容なんだろうかと思ってしまう。

THE HURT LOCKER
キャスリン・ビグロー監督。2008年アメリカ映画。

2011年4月20日 (水)

ジェット!! (2008)

ジェット!! 殺し屋の抗争に巻き込まれて幼い頃に両親を殺されたチャンス(リック・ユーン)は、自称ミュージシャンの殺し屋マックス(キース・デイヴィッド)に助けられて、義兄のマイルズ(ボキーム・ウッドパイン)と共に育てられる。やがて一流の殺し屋に育ったチャンスは、暗殺依頼を受けた歌手エンジェル(ダニア・ラミレス)のボディガードに離ればなれになっていたマイルズがいることに気がつくのだったが…

 バンコクを舞台にしたアクション映画。かつては香港あたりで量産されていたクンフー映画の雰囲気で、ジャズの味付けがされていたり宇崎竜童に似た殺し屋が出てきて殺戮の限りを尽くしたりと、やりたい放題のある意味バカ映画。でもそのチープさがいい味になっている。こういう映画、好きだな。

 だいたい登場するスター歌手の名前が「エンジェル」ってのが安直すぎるぞ。拾った子供を殺し屋として育てるか? バンコクって、めちゃめちゃいかがわしくて猥雑な街として描かれているけど、実際はどうなのよ? 住んでる人は迷惑してないか? お掃除といいながらバンコクまでやってきたパパは、そこまでやる必要があったのか? とまぁ、突っ込みどころがいっぱいあるところがこれまたいいです。劇場未公開ってところも、いいです。

ジェシー・V・ジョンソン監督。2008年アメリカ映画。

2011年4月19日 (火)

幸せのポートレート (2005)

幸せのポートレート ニューヨークで働くメレディス(サラ・ジェシカ・パーカー)はクリスマスに恋人エヴァレット(ダーモット・マローニー)の実家へ招かれる。ところが一家は母のシビル(ダイアン・キートン)、父のケリー(クレイグ・T・ネルソン)、弟のベン(ルーク・ウィルソン)、エイミー(レイチェル・マクアダムス)、ゲイのサッド(タイロン・ジョルダーノ)といった面々で自由奔放な家風でメレディスは完全に浮いた状態。助けを求めたメレディスは妹のジュリー(クレア・デーンズ)を呼び寄せるのだったが…

 ラブコメ、ファミコメに見せかけて、かなり辛口のクリスマスホームドラマ。恋人の家族に会いに田舎へ行ったニューヨークのOLが、自分とのソリの合わない家族にぐちゃぐちゃにされるってのがメインのストーリーなんだけど、癖の強いサラ・ジェシカ・パーカーが主演だけにこれはぴったりはまり役。特に中盤の食事のシーン、ゲイをめぐるやり取りのあたりははた目に「メレディス、そこまで言うか」って感じだけど、いっぱいいっぱいの彼女にとってはついつい飛び出した本音ってところか。でもこういう女性って、いるんだよなぁ。

 結局はカップルの組み替えっていう、この手のラブコメでは常套手段の展開が待っているんだけど、これは節操ないって見るよりも結婚する前に理想のパートナーがわかって良かったねって感じ。ベンの前で自分らしくなれるメレディスってのはすっごく説得力ありました。

 ラストは…父クレイグ・T・ネルソンのまなざしが心に残る。これは、母が願った家族の幸せってものなんかな。

THE FAMILY STONE
トーマス・ベズーチャ監督。2005年アメリカ映画。

2011年4月18日 (月)

シシー ある皇后の運命の歳月 (1957)

シシー ある皇后の運命の歳月 オーストリアとハンガリーの皇后であるシシー(ロミー・シュナイダー)は、大好きなハンガリーに居着いてしまい皇帝フランツ(カール・ハインツ・ベーム)とはやや疎遠に。ところがシシーは急に病に倒れて、ギリシャに転地療養することになってしまうのだったが…

 シシーシリーズ(パッケージタイトルでは「エリザベート」シリーズ)の3作目にして完結編。シシーの独特なスマイル外交(?)を前面に出し、それに観光地巡りといったスパイスを加えたライト感覚のストーリー。しかし画面の作りはかなり重厚で、今回もオーストリアはもちろん、ギリシャやベネチアなどにかなりの数のエキストラ(しかも衣装も凄い)を繰り出して、観光スペクタクル映画大爆発といった雰囲気。つくづくこの時代は、映画が庶民の海外旅行を代用していたのだと思わせてくれます。

 途中のジプシー占いの言葉から、不吉な展開を心配させられたのですが…強引にこういう結末に持って行くのは、ある種の夢物語として妥当だってところかも。可憐なロミー・シュナイダーはこの映画のあとはプライベートで茨の道を歩むそうですが、スクリーンの中では幸せそう。映画の余韻よりも、そっちの思いの方が心に残りました。劇場未公開。

SISSI - SCHICKSALSJAHRE EINER KAISERIN
エルンスト・マリシュカ監督。1957年オーストリア映画。

2011年4月16日 (土)

ソーラー電波腕時計を購入した

ソーラー電波腕時計 Overland 手持ちの腕時計がばたばたと壊れていったので、結局腕時計を買うことにした。実はoga.は10年以上、カシオのBABY-Gをベルトを替えて愛用していたのだが(G-SHOCKでないところがご愛敬)、去年の電池交換でついに息をふきかえさずにご臨終。以前に使っていたリキエル・オム(ソニア・リキエルの男性版ですね)の腕時計の電池と革バンドを交換するも2ヶ月ぐらいでこれまたダウン。学生の時に使っていたSCHOOL TIMEを引っ張り出してきたけど、こちらはぜんまいが切れてしまった。

 その後腕時計のない生活を半年ばかり送っていたのだが、やはり時計がないと非常に時間にルーズになってしまい、気がついたら夕方になっていた、気がついたら夜中だったというだらりん生活を乱発。やっぱ携帯を時計代わりにするってのは無理があると気づいた(ポケットから出してボタンを押さないと時間がわからないのでは、そりゃ知らない間に時間は過ぎていく)。というわけで、流行のソーラー電波時計を物色して結局買ったのが、写真のカシオ・オーヴァーランド。

 時間あわせの必要がないというのが、とってもいいです。携帯の時計ってのも、ホストから時間を取得するおかげか狂いませんが、電波時計も同様に時間合わせフリー。以前のBABY-Gは微妙に進んでいく時計だったので(遅れるよりはましだが)気がついたら2分ぐらい時計が先へ行ってることもありました。時報か何かに合わせよう合わせようと思いつつも、さらに半年ぐらいほったらかしおくこともざら。今後はこの時計が基準になると思うと、かなり心強いです。

 ソーラーの方は、買って数日しか経っていないので恩恵は不明ですが、普通に光に当てて使っていれば止まらずに動いてくれそうな予感。フル充電で半年ぐらい動くそうなので、調子が悪くなったら日なたに半日ぐらい置いておけばOKってことでしょうか。本来、直射日光に当てて長時間放置するなと言われている腕時計ですが… ソーラーは別なんかな。

 さて、箱から出してひとつだけ困ったことが。通販の宿命かもしれないけど、バンド合わせは近くの時計屋さんで、ということ。金属バンドの時計を買うのは久しぶり。こんなん自分で調整できるのかな、と思ったけど、いざやってみると意外と簡単にできたので報告いたしましょう。ただし、バンドの種類によってはやり方はいろいろあるようですし、何よりも作業中に傷を付けたりピンを折ったりする可能性もあるわけで、あくまでも自己責任でってことでお願いします。特に高級な時計に関しては、近くの時計屋さんに依頼…をおすすめいたします。

Ol1  時計のバンド調整をインターネットで調べると… やっぱり専用工具が本当は必要らしい。バンド交換(割りピン式のバンド)の場合は、小さな万力みたいな工具と、ピンを抜くための針が必要だとか。何か代用できないかと探して出てきたのが、すだれを窓枠にとめるためのプラスチックの留め具(笑)。でも内側にフェルトみたいなのが貼ってあって、ベルトに傷がつかずに作業中に固定するには具合がいいぞ。

 ピンに関しては、ドリルの反対側とか細釘とかいろいろあったんだけど、ベルトに傷をつけにくいという店からクリップを広げたものを試してみたらこれがぴったり。

Ol2  軽く押すと、反対側から難なくピンが抜けました。ちなみにバンドの裏側には矢印の刻印があるので、その方向へと押してピンを抜きます。反対に押すと抜けません。矢印の刻印がない部分も、抜けないらしいです。試してませんが。

Ol3  ベルトの不要部分は基本的に、時計の6時側から外すと具合良く仕上がるそうです。筆者は手首が細いので、6時側から外すだけでは足りずに結局12時側も1個分のパーツを外しました。

Ol4  不要な部分を抜き終わったら、元のようにピンを差し込んで完成です。差し込む時は、抜くときとはまったく逆に矢印の反対側から差し込みます。ピンの方向も間違わないようにしないと、あとで困ったことになってしまいます。割れてない方から差し込むのが正解です。

 今回は手持ちの道具(?)を使いましたが、ホームセンターなどへ行くと時計の調整用の工具が売られているそうなので、そちらを使うことをおすすめします。お客様ご自身による調整作業に関しては、Joshin webでは責任を負えませんのでご了承願います。自己責任ということでお願いいたします。


・電波腕時計の販売ページはこちらです

2011年4月15日 (金)

若き皇后シシー (1956)

若き皇后シシー フランツ(カール・ハインツ・ベーム)と結婚して皇后となったシシー(ロミー・シュナイダー)。つかの間の乗馬を楽しんだりするが、夫婦ともども公務に謀殺される。そんなある日、シシーは懐妊して女の子ソフィーが生まれる。ところが大公妃は赤ちゃんの教育は自分が行うと取り上げてしまい、怒ったシシーは実家へ馬車を走らせるのだったが。

 「プリンセス・シシー」の続編で、物語は二人が結婚した直後からはじまる。ストーリーとしては嫁姑の争いという普遍的なテーマであり、それに夫の立場とかがからんで等身大の目線で映画を楽しむこともできる。しかし舞台はオーストリアの皇室である。いろんなしきたりやしがらみに囲まれて、君主って本当に大変だなと思わされる。途中でシシーを迎えに来たフランツが、国内を観光して山小屋に泊まったりするシーンもあるが、公務って数日抜けても大丈夫なのってちょっと拍子抜けしながらも、新婚旅行にも行ってない二人はこのくらいの息抜きは必要だよなって気分にさせられた。

 後半でちょっとわかりにくかったのが、シシーがいきなりハンガリーの皇后になってしまったこと。後から調べて、当時はハンガリーはオーストリアの一部であったことを知って納得。天真爛漫なシシーではあるけど、前作ほどはその良さが生かされてなくて、皇室では単なるわがままなお嬢様程度にしか思えなかったのが残念。もっとも実在のエリザベートは自由気ままでものすごい浪費家だったそうですが。

SISSI - DIE JUNGE KAISERIN
エルンスト・マリシュカ監督。1956年オーストリア映画。

2011年4月14日 (木)

プリンセス・シシー (1955)

プリンセス・シシー バイエルンで侯爵の娘として育ったシシー(ロミー・シュナイダー)は、皇帝フランツ(カール・ハインツ・ベーム)のお后候補となった姉ネネ(ウッタ・フランツ)の付き添いで都へ行く。ところが、活発なシシーを見たフランツはお互い一目惚れしてしまい…

 タイトルからもわかるように、シシーが皇帝の花嫁になるまでを描いたシンデレラ・ストーリー。オーストリアという歴史ある舞台に加えて、ほとんどのシーンが宮廷がらみなので豪華絢爛たる別世界は一件の価値がある。その中でも、活発で自由奔放に生きるシシーがうまく皇帝の目にとまるあたりが今時のアレンジである。

 物語としては定番のシンデレラストーリーでそれほど見るべきものはないけど、若き日のロミー・シュナイダーのきらきらした美しさをスクリーンにとどめているのは素晴らしいと思う。結果はわかっているんだけど、ついついシシーを応援したくなってしまうそういう映画。ラストの結婚式のシーンがあまりに長いのでちょっと面食らってしまったけど、オーストリアの王族の結婚式なんてそうそうお目にかかれるものではないのでこれはこれで映画として正解なのでしょう。

SISSI
エルンスト・マリシュカ監督。1955年オーストリア=西ドイツ合作。

2011年4月12日 (火)

フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白 (2003)

フォッグ・オブ・ウォー 第2次大戦、戦争終結のためには大量殺戮もやむなし、というルメイ大佐のもとで参戦したマクナマラ。その後はフォードの社長を経て、キューバ危機・ベトナム戦争時には国防長官となったマクナマラの独白を綴ったドキュメンタリー。

 戦犯とか戦争犯罪人という言葉があるけど、一歩間違えばそうなっていたであろうマクナマラ元国防長官の半生を描いたドキュメント。教訓めいた章を連ねて、大量殺戮の時代を生きた彼の言葉を重く取るべきなのか、それともただの殺戮者と見るべきなのかは難しいところ。ただし、あたり前のように日本での空襲による大量殺人、ベトナムでの枯れ葉剤作戦などを語り、法律が禁じていたらやらなかった、なんて問題じゃないだろうって突っ込みどころ満載である。

 映画を見ながらふと思い出したのが「ひとりを殺せば殺人者、戦争でたくさん殺せば英雄」という「殺人狂時代」でのチャップリンの言葉。その言葉をまさしく地でいったかのような映画である。

THE FOG OF WAR: ELEVEN LESSONS FROM THE LIFE OF ROBERTS. MCNAMARA
エロール・モリス監督。2003年アメリカ映画。

2011年4月11日 (月)

パララックス・ビュー (1974)

パララックス・ビュー 大統領候補ともなっている上院議員が暗殺され、新聞記者のフレディ(ウォーレン・ベイティ)は暗殺現場であるタワーに居合わせる。追い詰められた犯人はタワーから転落死し、公聴会は単独犯であると結論を出す。しかしタワーにいた人間はひとり、またひとりと謎の死を遂げ、調査を始めたフレディは謎のパララックス社の存在を突き止めるのだったが…

 ローレン・シンガーの原作を映画化。70年代の香りがぷんぷんする硬質のサスペンス映画。殺人請負業のパララックス社なんてちょっと考えたら荒唐無稽な話ながら、心理テストやらひところ流行った洗脳を思わせる映像やら、だんだんこういう組織があってもおかしくないなという気分にさせられてくる。

 で、潜入調査をしているはずのフレディが陥った罠はあっけないながらも妙にぽっかりと開いた様子がこれまたリアル。ラスト近く、イスが並ぶパーティ会場を縫うように走る担架はかなり印象的な名場面だと思う。ベイティくんは、何回も殺されかけているのにもうちょっと用心しろよと言いたくなるぞ。

THE PARALLAX VIEW
アラン・J・パクラ監督。1974年アメリカ映画。

2011年4月10日 (日)

市民ケーン (1941)

市民ケーン 億万長者で、新聞王のケーン(オーソン・ウェルズ)が亡くなった… ザナドゥと呼ばれる山の上の豪邸に、膨大な数の美術品と「バラのつぼみ」という謎の言葉を残して。そのニュースフィルムを作っていた編集者は、フィルムにさらに深みを加えるためにばらのつぼみの謎を追ってケーンの旧友のリーランド(ジョセフ・コットン)や過去に妻であったオペラ歌手スーザン(ドロシー・カミンゴア)にインタビューを行うのだったが…

 映画史上に残る傑作と言われる「市民ケーン」を実は初鑑賞。ただし古い映画だけにかなりのプリントの乱れというか、視聴環境の悪さゆえにそのすべてを見たとは言えない状況なのが苦しいところ。問題の「バラのつぼみ」の正体がわかるまでにラストの暖炉のシーンを何回かビデオを巻き戻してしまった。こんな見方って、映画にしちゃ反則だろうと思うけど。しかし初期のSFXしかない時代に、かなりの手をかけて撮影されたフィルムだということはよくわかる。アイディアと熱意がほとばしるといったところだろうか。

 物語は非常にアメリカ的で、アメリカン・ドリームを手にしながらも本当に欲しいものは何一つ手に入らなかった男の物語。いや、金で手に入るものには限度があるという、60年代あたりによく流行った社会的メッセージをそのまま焼き直したかのようにも思える。そう考えると先見性のあった映画と言えるかもしれん。

 しかしこの時代の名作の例外にもれず、あとで思いっきり手本にされ模倣にされているがゆえに、現代の鑑賞では半分ぐらいは風化しているかのように思える。凄い映画ではあるとは思うのだが、新たに見るとどこが凄いかわからないってのも正直なところである。

CITIZEN KANE
オーソン・ウェルズ監督。1941年アメリカ映画。

2011年4月 8日 (金)

欲望という名の電車 (1951)

欲望という名の電車 破産して家も失ったブランチ(ビビアン・リー)は妹のステラ(キム・ハンター)を頼ってやって来る。ステラには粗暴な夫(マーロン・ブランド)がいて、彼女の持ってきた衣服を物色する始末。しかし彼の戦友ミッチ(カール・マルデン)はブランチに好意を寄せるのだったが…

 テネシー・ウィリアムズの有名な戯曲の映画化。大好きな「ガラスの動物園」みたいなストーリーを想像したんだけど、冒頭から登場人物たちががなり合うかなり辛口の作品。それでもブランチの素性が明かされていないうちは普通のホームドラマとして見ていたんだけど、こんな救いようのない方向へと物語が転がっていくとは知らなんだ。テネシー・ウィリアムズ恐るべし。

 壊れたビビアン・リーの熱演は一見の価値あり。元々が綺麗な人だけに、余計に痛々しく感じられるんだろうなあ。彼女を単純に悪役やサイコととらえずに、その生い立ちや境遇に思いをはせることができるのがこの映画の素晴らしいところ。粗暴なマーロン・ブランドに、離れられないキム・ハンターなども妙にリアル。そしてカール・マルデンの受けた衝撃は、予備知識なくこの映画を見た自分としては同時に体験してしまった気分である。

A STREETCAR NAMED DESIRE
エリア・カザン監督。1951年アメリカ映画。

2011年4月 7日 (木)

トコリの橋 (1954)

トコリの橋 朝鮮戦争で横須賀基地へやって来た、元弁護士のパイロットであるハリー(ウィリアム・ホールデン)。彼を追って、妻のナンシー(グレース・ケリー)が娘を連れてやって来る。つかの間の休日、戦友のマイク(ミッキー・ルーニー)とケイコ(淡路恵子)のごたごたを助けたりと奔走するハリーだったが、やがて朝鮮にあるトコリの橋を爆撃するという危険な任務を引き受ける…

 ジェームズ・A・ミッチェナーの原作を映画化。日本を舞台にした戦争映画で、アメリカ海軍が全面協力したらしく登場する航空母艦から爆撃機までほとんどが本物と思われる。トコリの橋のセットのみが、ややちゃちに思えるがそれも見えるのはパイロットの視点からであるのでほんの瞬間。かえってリアルに思えてくる、見事なカメラワークである。大規模な爆撃のわりに死傷者3名、しかしもの悲しいラストは余韻が残る。

 日本でもロケが行われたらしいが、古い洋画の例にもれずかなり変な日本である。混浴のシーンなんかは絶句ものであったけど、考えたらアメリカ人が家族風呂に入るなんて経験は珍しいんじゃないだろうか。そう考えると味のあるシーンに思える。グレース・ケリーって相変わらず美しいし、緑の帽子をかぶったミッキー・ルーニーもかっこいいというか、なぜ彼を見るとほっとするのかが映画のラスト近くになってわかりました。

THE BRIDGES AT TOKO-RI
マーク・ロブソン監督。1954年アメリカ映画。

2011年4月 6日 (水)

タイタンの戦い (2010)

タイタンの戦い 漁師に拾われて育てられた、実は大神ゼウス(リーアム・ニーソン)の子であるペルセウス(サム・ワーシントン)。ところが人間と神の争いに巻き込まれて、育ててくれた家族を皆失ってしまう。神々に復讐を誓ったペルセウスは、冥界の王ハデス(レイフ・ファインズ)と無敵の怪物クラーケンを倒すために、メデゥーサの首を手に入れる旅に出るのだったが…

 ギリシャ神話の映画化…というよりは、81年制作のハリーハウゼンのコマ撮り特撮映画のリメイク。「タイタンの戦い」ってのは「アルゴ探検隊の大冒険」とかシンドバッドシリーズと並ぶ特撮クラシックかと思ってたんだけど、実は「スターウォーズ」などからもずっと後に制作されていたと知ってちょっとびっくり。あの時代にハリーハウゼンでは、当時の邦画特撮と同じくけちょんけちょんの評価だったんじゃないかと心配になってきます。

 というわけで、3Dで製作された本作だけど…CG全盛の時代だけに、迫力はあるんだけどストーリーの弱さも含めて10年も経ったら記憶の彼方に忘れ去られてしまうんじゃないかと心配になってくるような映画です。ギリシャ神話の神々って、日本の古代神たちと同じく人間くさいというか、どうしようもないキャラとして描かれているのが面白い。こんな神を崇めろと言われてもねぇ…

 クラーケンは大きいだけですっごくあっけない怪物だったけど、メデゥーサはなかなか怖い。大サソりは昔からハリウッドの怪獣映画には定番ですね。ちょっと「スターシップ・トゥルーパーズ」とかぶるものがありましたが。

CLASH OF THE TITANS
ルイ・ルテリエ監督。2010年アメリカ映画。

2011年4月 4日 (月)

ハンナとその姉妹 (1986)

ハンナとその姉妹 マンハッタンに住む3姉妹の長女ハンナ(ミア・ファロー)は落ち着いた性格だが、夫のエリオット(マイケル・ケイン)は3女のリー(バーバラ・ハーシー)が気になってしょうがない。そのリーは、年の離れた画家のソーホー(マックス・フォン・シドー)と同棲中だがしっくりいっていない。一方、次女のホリー(ダイアン・ウィースト)は友人(キャリー・フィッシャー)と仕出し屋をしながら俳優を目指すのだが、長続きしない性格で次は作家になろうと言い出すのだったが…

 ウディ・アレンの群像もので、最高傑作とする人も多い作品。しかしシェークスピアもジャズもあまり理解しない私にとっては、アレン映画はやっぱり否定的に見てしまうのであった。アレン自身も病気に対して神経質になっている男として出演しているんだけど、彼にどうにも感情移入できないってところが敗因だと思う。

 とはいっても、ミハ・ファローを筆頭とする3姉妹は何とも魅力的。この中の二人の間で揺れ動くマイケル・ケインの存在は、わからんでもないけど…やっぱり見ていて理性の方が勝ってしまうのか、煮えきらなさにいらいらとさせられてしまいました。

HANNAH AND HER SISTERS
ウディ・アレン監督。1986年アメリカ映画。

2011年4月 3日 (日)

エビータ (1996)

エビータ アルゼンチンで不遇な少女時代からタンゴ歌手の愛人となったエバ(マドンナ)。やがて陸軍大佐のペロン(ジョナサン・プライス)と知り合って結婚。ペロンが大統領になると共に、民衆の心をがっちりととらえたエバ・ペロンだったが…

 アルゼンチンの聖母と呼ばれるエビータ・ペロンをミュージカルで描いた話題作。作詞作曲はティム・ライス、アンドリュー・ロイド・ウェーバーというゴールデンコンビで、最初から最後までマドンナに加えて狂言回しのチェ(ゲバラ?)役のアントニオ・バンデラスが歌いまくるという映画。

 しかし…これはこれで良いのかもしれないけど、筆者としてはエビータ・ペロンものでは20代の時に見たフェイ・ダナウェイ主演の同名テレビ映画の印象が強烈で(劇場作品だと思っていて、テレビ映画だというのは最近知った)、この映画だけでは物語があまりに表面をなぞっただけで、エバがどうして民衆にあんなに支持されたのかがよくわからない、というのが正直なところである。

 まぁマドンナのミュージック・クリップだと思って見たらそれなりに見るべきものはあるとは思うのだが。それにも増して、アントニオ・バンデラスがあんなに熱く歌い踊るとは想像できなかった(ラテンの男だから当然なのかもしれないが)。

EVITA
アラン・パーカー監督。1996年アメリカ映画。

2011年4月 1日 (金)

ココ・アヴァン・シャネル (2009)

ココ・アヴァン・シャネル 母親を早く亡くし、父親に捨てられた少女ココ(オドレィ・トトゥ)は姉と共に孤児院で育てられる。キャバレーで歌手として働くうちにやがて人気が出てきて、富豪エティエンヌ(ブノア・ボールヴォード)の愛人となり本格的な歌手デビューを目指すのだったが、そこにイギリスの実業家ボーイ(アレッサンドロ・ニヴォラ)が現れて…

 エドモンド・シャルル・ルー原作、あの「シャネル」の創始者ココ・アヴァン・シャネルの半生を描いた伝記映画。といってもそこはフランス映画だけあって、成功して富も名声も手に入れた後半の人生はほとんど無視。ひたすら不遇な境遇に耐えながらも愛人生活を送るココにスポットを当てた映画である。

 しかしこの映画、見ながらかなりのデジャヴー感覚に見舞われたんだけど、何でシャネルの半生にそんなものを感じるのかがわからない。愛人になりながら成功のチャンスをうかがうという物語が、結構普遍的なテーマなんかな。フリフリの衣装が当たり前の上流階級で、機能的なスーツを取り入れたのが新しかった、というわけなんだけど、確かにこの時代においてはかなりの異端児だったんでしょうね。何事も、人のしないことをするってのは大変だけど成功すれば実も大きいものです。

 「アメリ」や「ダヴィンチ・コード」でおなじみのオドレイ・トトゥはやっぱ不思議な魅力を持った女優さんで、本作ではシャネルスーツが似合っていて若い頃のシャーロット・ランプリングを思い起こさせる。待てよ、ランプリング自身がシャネラーだったってわけかな。

COCO AVANT CHANEL
アンヌ・フォンテーヌ監督。2009年フランス映画。

2012年5月

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