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2011年8月

2011年8月31日 (水)

8月のメモワール (1995)

8月のメモワール ベトナム戦争から帰還してきたスティーヴン(ケヴィン・コスナー)だったが家は取り壊されて職はなく、貧困を極める。子供たちのリディア(レキシー・ランドール)とステュ(イライジャ・ウッド)はそれでも森の中にツリーハウスを作って楽しく過ごしているのだったが、友人たちとのトラブルが絶えずに…

 そのものズバリの「戦争」というタイトルながら、戦闘シーンはほとんどなし。しかし主人公の戦争後遺症は痛々しく、家族たちどころかその帰還した村にも陰鬱なものをもたらしている。

 ケヴィン・コスナー絶好調の時代だけに、彼の演じる父親像が秀逸で心に残る。ツリーハウスでのわんぱく戦争に端を発しての、水タンクでのクライマックスなどなど、地味なドラマに思えてかなり涙腺を直撃するこの造りは実に心憎い。イライジャ・ウッドも良かったけど、敵対するガキ大将とか、姉のレキシー・ランドールとか、少年少女が実にリアルで心に残る。今更ながらみ見たわけだが、隠れた名作ではないかと思われる。

THE WAR
ジョン・アヴネット監督。1995年アメリカ映画。

2011年8月29日 (月)

ミラーズ2 (2010)

ミラーズ2 マックス(ニック・スタール)は婚約者を交通事故で亡くす。心の傷が癒えないままに、父親(ウィリアム・カット)の勧めでメイフラワーというデパートの警備員を勤めるのだったが、そこでは鏡にからんだ職員の急死事件が立て続けに起こるのだったが…

 テーマ曲「アストゥリアス」が印象深いホラー映画「ミラーズ」の第2弾が登場。といっても劇場公開されていないオリジナルビデオ作品だそうだが、作品のクオリティはそんなに悪くはない。物語は行方不明になったエレノアという女性と、その姉を中心に起こるのだが、きっちりしたストーリーが敷かれているだけにおおまかなネタがわかった瞬間から主人公たちの安全が約束されたところがあり、緊迫感が一挙に吹き飛んで安心して見てしまった。

 それでも何か想定外のことが起こるのかな…と身構えていたにもかかわらず、予定調和の中で終わってしまった。ホラーとしてはちょっと不満かな。安心して見てはいられるけど。

 とはいっても、ゴアシーン・スプラッタシーンはなかなか強烈なので、苦手な方は構えて見た方がいいかも。

MIRRORS 2
ヴィクター・ガルシア監督。2010年アメリカ映画。

2011年8月28日 (日)

スパイアニマル Gフォース (2009)

スパイアニマル Gフォース 遺伝子工学で生み出され、スパイとして高度に仕込まれたモルモットたちのチーム「Gフォース」。そのメンバーのダーウィン(声:サム・ロックウェル)、ブラスター(トレーシー・モーガン)、フアレス(ペネロペ・クルス)、ハーレー(ジョン・ファヴロー)、スペックルズ(ニコラス・ケイジ)たちだったが、なぜか政府から予算が打ち切られてペットショップに売り飛ばされてしまう。ところが家電メーカーのセイバリングのCEO レナード・セイバー(ビル・ナイ)が企んだ陰謀をかぎつけ、これを阻止しようとペットショップを脱走する彼らだったが…

 ディズニー+ジェリー・ブラッカイマー製作のCGアニメ+実写の合成映画。まぁディズニーマークが出たとたんに結末は予想がつくものだが、とにかく派手なアクション満載で、単に子供向けのアニメというだけでは片付けられない作品である。内容は「ミッション・インポッシブル」と「トランスフォーマー」を足して割ったような感じで、それに主人公たちがモルモットだというのがご愛敬。

 日本では吹き替え版が中心に上映されたんだろうけど、ここはニコラス・ケイジとかペネロペ・クルスが声を当てている英語版で見ておきたいところ。スティーヴ・ブシェミも声優のクレジットに上がっているけど、どの声なんだろう。

G-FORCE
ホイト・H・イェットマン・Jr.監督。2009年アメリカ映画。

2011年8月23日 (火)

ゾンビランド (2009)

ゾンビランド 引きこもり青年のコロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)はゾンビに占領された世界で、独自の32のルールを作って生き延びている。そんな彼がヒッチハイクした相手が、ゾンビ狩りを生き甲斐とするタラハシー(ウディ・ハレルソン)。やがて彼らの車にウイチタ(エマ・ストーン)とリトルロック(アビゲイル・ブレスリン)という美人姉妹が乗り込み、ゾンビがいないとされる「ゾンビランド」を目指して旅をはじめるのだったが…

 タイトルからわかるとおりのゾンビ映画なんだけど、かなりコメディにふった作りと、4人のキャラクターの面白さ、おかずがたっぷり詰まっているのに約90分といった短さから、ジェットコースターのように面白い快作であった。ゾンビものなので、もちろんゴア描写もあって嫌いな人は要注意だけど、それにしてもゾンビでこれだけ笑える映画は初めて見た。

 ゾンビ映画といえば、放射性廃棄物の恐怖にもつながる「バタリアン」が最高傑作だと思うんだけど、この「ゾンビランド」はテーマが違うので単純比較はできないけど私の中ではそれに続くベスト2に思う。オタク少年と無頼漢という主人公コンビの取り合わせがいいし、それに詐欺姉妹がからんで笑いのツボの刺激は十分である。ゲストスターとしてビル・マーレイが実名で登場して、自虐パロディをいっぱいやらかすのもいい。でもゾンビのかっこをして飛び出して行ったら…普通は撃たれるよな。

 注目子役のアビゲイル・ブレスリンが出てるけど、今回は姉役のエマ・ストーンに目が奪われた。この姉妹なら、だまされても無理もないかもしれない。ウディ・ハレルソンは今回は無頼漢だけど、彼の芸域が広いのもすごい。

ZOMBIELAND
ルーベン・フライシャー監督。2009年アメリカ映画。

2011年8月22日 (月)

火宅の人 (1986)

火宅の人 作家の桂一雄(緒形拳)は、後妻のヨリ子(いしだあゆみ)と共に5人の子供を育てている。ところが次男が日本脳炎を発症したのをきっかけに、新劇女優の恵子(原田美枝子)と共に家を飛び出し、同棲生活をはじめる。そんな生活も長続きせず、今度は町で知り合った葉子(松坂慶子)と九州を旅するのだったが…

 最後の無頼派と言われた作家の壇一雄の自伝小説を映画化。緒形拳といえば、いかれぽんち男を演じれば絶品というイメージだったんだけど、この映画も例にもれず世間の常識から外れた男を熱演。しかし、今までいかれぽんちで切り捨ててしまっていたこの手のキャラクターに、筆者は近頃一目置くようなものを感じるようになってきたのはなぜだろう。世間を騒がせるベストセラー作家だけに、そのむちゃくちゃな生き方のパワーに圧倒されたというところだろうか。

 ストーリーは愛人の原田美枝子と、微妙な立ち位置にいる松坂慶子のお色気対決といった様相なんだけど、最後にすべてを牛耳った感じのあるいしだあゆみが絶品である。色恋沙汰は子供のすることで、母はやっぱり強し、といったところなんだろうか。

深作欣二監督。1986年日本映画。

2011年8月21日 (日)

グリーン・ゾーン (2010)

グリーン・ゾーン イラン-イラク戦争直後のイラク・バグダッド。アメリカ陸軍のミラー隊長(マット・デイモン)とその部隊は、大量破壊兵器を発見するミッションを遂行中だったが、捜索はいつも空振りばかり。情報の出所と攻防総省のパウンドストーン(グレッグ・キニア)に疑問を抱いたミラーは、CIAのブラウン(ブレンダン・グリーソン)、ウォール・ストリート・ジャーナルの記者ローリー(エイミー・ライアン)と手を組んで捜査に乗り出すのだったが…

 大量破壊兵器をめぐるミステリーを描いた、異色の戦争アクション映画。そういえばアメリカ参戦の口実となった大量破壊兵器ってどうなったんだろうってもやもやっとした部分を思い出したけど、この映画に描かれるストーリーがあたらざれど遠からずといったところではないかと、納得させられる内容。明確な結論が出ているわけではないと思うので、見終わったあとももやもやが晴れるわけではありませんが。

GREEN ZONE
ポール・グリーングラス監督。2010年フランス=アメリカ=スペイン=イギリス合作。

2011年8月20日 (土)

ドラゴン危機一発 (1971)

ドラゴン危機一発 田舎から出てきて製氷工場に就職することになった青年(ブルース・リー)。けんかをするなと母からもらったペンダントをつけていたが、実は製氷工場は表向きで氷の中に麻薬を隠して販売することで社長はボロもうけ。事実を知った社員たちは次々と殺されていたのだったが…

 ブルース・リーの初主演作。かなりトホホな映画だった記憶があり、構えて見たんだけどC級映画だと構えて見たら非常に面白かった。リーがペンダントを見て反撃をためらうシーンではチャイムのようなメロディが流れ、また乱闘シーンで壁に人型の穴があくのはコレだったですね。あと、かき氷屋の屋台でノラ・ミャオが出てたり、敵の社長が岸谷五朗にそっくりだったりいろいろと発見があった。

 アクションシーンは、今見るとちょっとショボい。香港映画でも、パンチやキックが当たってないのが見えるぞ。リーのキックする写真をコラージュしたタイトルバックは、ヘタウマが大爆発していて笑えた。全体として、カルトな魅力がいっぱいの1本である。

唐山大兄
ロー・ウェイ監督。1971年香港映画。

2011年8月16日 (火)

クレイジー・ハート (2009)

クレイジー・ハート かつては一世を風靡したカントリー・シンガーのバッド・ブレイク(ジェフ・ブリッジス)だったが、今は場末の酒場でどさ回りを続ける日々。ところが地元紙の記者ジーン(マギー・ギレンフォール)と意気投合、シングルマザーの彼女に心を寄せる。かつての弟子で今は売れっ子のトミー・スウィート(コリン・ファレル)から前座を申し込まれ、旧友のウェイン(ロバート・デュバル)からは新曲を書くことを勧められるが、バッドは交通事故を起こしてしまい…

 トーマス・コッブの原作を映画化。どっかで見たことがあるストーリーだと思ったら、シチュエーションがミッキー・ロークの「レスラー」にものすごく似てるぞ。くたびれた独り身のおっさんの純情。酒におぼれながらの生き様。とっても熱いドラマ。なぜこんなにこの映画が心地よいのかというと、バッドを取り巻く人間模様がとっても暖かいからでしょう。

 離婚して傷つきながらも子育てと仕事で忙殺されるジーンが、強烈に女を感じさせて生々しくて良い。マギー・ギレンフォールってすごくいい女優さんだ。また、かつての弟子であるトミー・スウィートが師匠を気遣って立てるシーンがなんともかっこいい。もちろんコリン・ファレルのカントリー歌手ぶりははまっている。

 決してハッピーエンドではないんだけど、何なんだろう、この見終わったあとのすがすがしさは。小品でいつまで覚えているかわからない映画のような気もするが、あの「レスラー」のようにまた機会があるごとに思い出すような映画だと思う。

CRAZY HEART
スコット・クーパー監督。2009年アメリカ映画。

2011年8月15日 (月)

プレデターズ (2010)

プレデターズ 見知らぬジャングルに落下してきた、特殊部隊の傭兵ロイス(エイドリアン・ブロディ)をはじめとする兵士たち(ダニー・トレホ、トファー・グレイス、アリシー・ブラガ)や死刑囚、医者やヤクザ(ルーイ・オザワ・チャンチェン)たち。実は彼らは最強の獲物として、プレデターたちが世界中からかきあつめて来た者たちだった。かくしてジャングルでの命がけの死闘がスタートするのだったが…

 あの「プレデター」の最新作を、ロバート・ロドリゲスがプロデュースした話題作。最強の兵士たちがいきなり究極の状況に追い込まれるという「ソウ」や「キューブ」を思わせるソリッドステート・ホラーしているところは面白い。さらに、この状況を生き延びてきたというノーランド(ローレンス・フィッシュバーン)が途中参加してきたり、日本のヤクザがからんだりと見せ場もたっぷり。

 面白かったのはヤクザとプレデターの、刀でのタイマン勝負。こういった見せ場と観客の喜ばせ方はロバート・ロドリゲスならではだなあと思ってしまいます。もっともヤクザのコワいところはドスをきかせて凄むところで、プレデター相手にそういったシーンはさすがにありませんでした。微妙に線が細いエイドリアン・ブロディも、筋肉を見せながらがんばってた。アリシー・ブラガも、こういったキャラははまり役です。

PREDATORS
ニムロッド・アーントル監督。2010年アメリカ映画。

2011年8月14日 (日)

プロヴァンス物語 マルセルのお城 (1990)

プロヴァンス物語 マルセルのお城 前作で田舎の別荘で美しい夏を過ごした少年マルセル(ジュリアン・シアマーカ)、父ジョゼフ(フィリップ・コーベール)、母オーギュスティーヌ(ナタリー・ルーセル)、弟ポール(ビクトリアン・デラメア)だったが、町に帰ってからもあの丘のことが忘れられず、クリスマスに別荘へ行き親友リリ(ジュリ・モリナス)とも再会する。母の機転で、別荘の近くに仕事を得た父のために週末だけの別荘通いがはじまったのだが、それには私有地である3つの城を超えなければならなかったのだったが…

 「マルセルの夏」の続編。といってもほとんど同時に撮影されたのか、キャストはもちろんロケ地も雰囲気もそのまんまで、続けて見てもまったく違和感なく楽しむことができた。さらに前作よりもエピソードが増えていて、タカビーな美少女というよりも女王様といった感じのイザベル(ジュリー・ティメールマン)とマルセルの初恋とか、他人の私有地(これがタイトルにもなっているお城)をくぐり抜けるエピソードとかいろいろてんこ盛りで楽しめる。

 しかしこの映画、ふわふわとした居心地の良さにもかかわらず、エピローグに至ってはちょっと奈落の底に落とされるかのような感覚に見舞われました。思い出が美しいほどに、悲しみも深いってことなんでしょうね。

LE CHATEAU DE MA MERE
イヴ・ロベール監督。1990年フランス映画。

2011年8月13日 (土)

バウンティ・ハンター (2010)

バウンティ・ハンター 元警官ながら、今は借金まみれでおちぶれた賞金稼ぎになっちゃったマイロ(ジェラルド・バトラー)。ところが新しく飛び込んできた仕事は、新聞記者で元妻のニコール(ジェニファー・アニストン)を捕まえること。ところが彼女が追っているヤマに、とある殺人事件がからんでいたことから二人まとめて命を狙われることになり…

 いわゆる元サヤもののアクション・ラブコメディ。オープニングの雰囲気といい、90年代にこういった軽いアクション映画って量産されてたなぁって懐かしい気分にさせられた。ボディコン衣装でキュートにがんばってたジェニファー・アニストンと、脂っこさ全開のジェラルド・バトラーのかけあいが何とも笑えるというか、結婚生活が長い者にとってはもうひきつり笑いしかできないようなギャグ満載なのがおもしろい。トイレに歯ブラシを落として喜んでるなんて、セコすぎる!?

 ただしストーリーはお決まりの結末へ一直線なので、ひねりを期待する向きにはあまりおすすめできないかな。スティーヴ・マックィーンの「ハンター」とは対局にある映画かも。

THE BOUNTY HUNTER
アンディ・テナント監督。2010年アメリカ映画。

2011年8月 8日 (月)

月に囚われた男 (2009)

月に囚われた男 エネルギー資源が枯渇した人類は、月にヘリウム3という新たな燃料を発見し、月面に採掘基地を作って地球に資源を送り続けている。そのルナ産業の月面作業員はサム・ベル(サム・ロックウェル)1名とロボットのガーティ(声:ケヴィン・スペイシー)だけで、任期は3年と長い。その任期もあと2週間となり、妻テス(ドミニク・マケリゴット)と娘イヴ(カヤ・スコデラーリオ)との再会を楽しみにするサムだったが、採掘中に事故を起こしてしまう…

 デヴィッド・ボウイの息子ダンカン・ジョーンズの初監督作品。イギリス製のSFなんだけど、ジェットコースターではなく練り込んだストーリーと雰囲気は結構心に響く秀作である。見終わったあとの感想は、あのSFの名作「サイレント・ランニング」をも彷彿とさせる。

 月でひとり勤務するサムの正体が物語のひとつの山場なんだけど、このあたりは映画の中盤で明かされる。SF好きな人だったら、もっと早くネタが読めてしまうだろう。しかし、そこから先のストーリー展開がこの映画の真骨頂で、サムとロボットのガーティの関係は、なかなか心を熱くさせてくれる。こういう映画って、テレビの深夜放送なんかで偶然見てしまうと何十年もずっと心に残るんだろうなって思わされます。

MOON
ダンカン・ジョーンズ監督。2009年イギリス映画。

2011年8月 7日 (日)

エアベンダー (2010)

エアベンダー 「気」「水」「土」「火」の4つの国に分かれた世界が舞台。水の国に住む兄弟カタラ(ニコラ・ベルツ)とサカ(ジャクソン・ラスボーン)は氷の中から不思議な少年アン(ノア・リンガー)を助け出す。実は彼は4つの世界の均衡を保つ存在である「アバター」だったのだが、同じ頃火の国の王子ズーコ(デヴ・パテル)が軍艦に乗って水の国へ攻め込んでくる…

 アメリカの人気アニメを、M・ナイト・シャマラン監督が映画化。シャマランといえばお約束のどんでん返し。このストーリーに何のハプニングが起こるんだろうかとわくわくしながらラストを待ったんだけど… 何だったんだろう。まぁ、シャマランもごくごく普通の一般商業映画に手を出すようになったってことなんかな。

 平和と秩序と言いながら、何とも物騒な世界を想像したもんだと思います。登場人物たちは、クンフーを思わせる技でひたすら戦い、地は砕け水柱が上がりと神話の世界さながら。待てよ、続編もできそうな流れだったから、これは続編で大変などんでん返しをシャマラン監督は用意しているのだと、勝手に期待してしまうのであった。

 登場人物では火の国の王子がどっかで見た顔だと思ったら、「スラムドッグ$ミリオネア」の主人公の少年だった。彼は演技がどうのこうの言うよりも、独特の存在感が一目見たら忘れられないかも。次回作が楽しみです。

THE LAST AIRBENDER
M・ナイト・シャマラン監督。2010年アメリカ映画。

2011年8月 6日 (土)

プロヴァンス物語 マルセルの夏 (1990)

プロヴァンス物語 マルセルの夏 小学校教師の父ジョゼフ(フィリップ・コーベール)と母オーギュスティーヌ(ナタリー・ルーセル)の間にマルセル(ジュリアン・シアマーカ)は生まれる。やがて弟ポール(ヴィクトリアン・デラメア)や妹が生まれ、さらに同居していたローズおばさん(テレーズ・リオタール)は公園で知り合ったジュール(ディディエ・パン)と結婚して、ある夏にふた家族で田舎の別荘で過ごすことになったのだったが…

 マルセル・バニョルの自伝的小説を、イヴ・ロベール監督で映画化。ほのぼのとした雰囲気の中にもぴりりとした風刺がきいていて、家族について考えさせられるシーンも多く、とっつきやすいが意外に深いフランス映画である。

 少年の目から見た父親像は、こうも立派じゃないといけないのかというのがぐさぐさっときました。それでも、最後は写真のフレームにおさまって、神父とうちとける父親ってのが人間味があっていいです。決めるところは決めて、折れるところは折れてってことかな。

LA GLOIRE DE MON PERE
イヴ・ロベール監督。1990年フランス映画。

2011年8月 5日 (金)

バイオハザードIV アフターライフ (2010)

バイオハザード4 アフターライフ 東京の地下に作られたアンブレラ社の要塞。ここを襲撃したアリス(ミラ・ジョボビッチ)とそのクローンたちだったが、結局アンブレラの黒幕には逃げられてしまう。軽飛行機に乗ったアリスは今度はアラスカにある生存者が集うとされるアルカディアを目指すのだったが、そこでは記憶喪失となった旧友クレア(アリ・ラーター)と出会う。

 3D公開となったシリーズ第4作。もはやゾンビは完全に脇役というか背景の一部となってしまい、物語は極悪アンブレラ社とレジスタンスの戦いに。もっともこの傾向は、第2作あたりから徐々に強まったわけなんだけど。東京が舞台になるのかと思いきや(ゾンビが中島美嘉だとは!?)アラスカへ移り、次は「ドーン・オブ・ザ・デッド」みたいにビルの中(今回はデパートではなく刑務所なのだが)になるのは笑った。さらに本当のラストの舞台は、「ウォーターワールド」みたいですな。

 しかしストップモーション多用というよりも、画面を止めてしまうのはどういうものなんだろうか? 刑務所の上を飛び立った軽飛行機が、ゾンビの上をかすめて飛ぶシーンだけは「おえっ」ですね(笑)。

RESIDENT EVIL : AFTER LIFE
ポール・W・S・アンダーソン監督。2010年アメリカ映画。

2011年8月 4日 (木)

NINE (2009)

NINE イタリア・チネチッタの映画監督のグイド(ダニエル・デイ・ルイス)は新作「イタリア」を準備中。しかし脚本はできあがらず、逃げ込んだホテルへは妻ルイザ(マリオン・コティヤール)と愛人のカルラ(ペネロペ・クルス)がやって来る。さらに彼の妄想は広がり、母親(ソフィア・ローレン)との思い出や幼い日にあこがれた女性サラギーナ(ファーギー)、主演女優のクラウディア(ニコール・キッドマン)、ヴォーグの記者ステファニー(ケイト・ハドソン)、衣装デザイナーのリリー(ジュディ・デンチ)たちへの想いがぐるぐると回るのだったが…

 フェリーニの作品から「8 1/2」「アマルコルド」「女たちの都」あたりをごった煮にしてリメイクしたような映画…と思いながら見たんだけど、ミュージカル版の「8 1/2」をさらに映画化した作品らしい。なるほどなるほど。しかし最初に8 1/2を見た時のような、わけわからないけどカリスマが感じられるような雰囲気は皆無。わけわかんない部分だけがリメイクされちまった感じ。

 さらに言うと、スランプに陥った映画監督に映画としてのおもしろみがまったく感じられないのだ。この映画をどう見たらいいのだろうか。豪華な女優陣の歌と踊り? それでは何とも空っぽだ。

 妖艶なペネロペ・クルスやファーギー、清楚なマリオン・コティヤールと女優陣には見るべきものが多い。しかしラストからすると、ジュディ・デンチが最後に勝利というのは、なかなか深いぞ。

NINE
ロブ・マーシャル監督。2009年アメリカ映画。

2011年8月 2日 (火)

花咲ける騎士道 (2003)

花咲ける騎士道 18世紀のフランス、プレイボーイのファンファン(ヴァンサン・ペレーズ)は女たちを追いかけ回していたが、知り合ったジプシーのアドリーヌ(ペネロペ・クルス)に王女と結婚する運命にあることを告げられる。お調子者の彼は軍隊に志願して、時の国王ルイ15世(ディディエ・ブルドン)に近づこうとするのだったが…

 リュック・ベッソンの製作・脚本による名作映画のリメイク。というわけで、ものすごく軽いフランス映画で、特に軍隊入り乱れる戦闘を皮肉るオープニングシーンはかなりの苦笑もの。当時の戦争って、あんなに軽くみんな命を張っていたのだろうかとびっくりするやらあきれるやら。まぁ、そこがこの映画の持ち味なんだろうけど。

 というわけで、プレイボーイのファンファンはとにかく強くて軽妙で茶目っ気もあって、それが真実の愛に気づくってストーリーなんだからもう見ていて恥ずかしいことこの上ない。やっぱ、ベッソンは「レオン」で燃え尽きちゃったんだろうかと思わざるを得ないです。

FANFAN LA TULIPE
ジェラール・クラヴジック監督。2003年フランス映画。

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