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2011年9月

2011年9月30日 (金)

ヒート (1995)

ヒート ニール(ロバート・デ・ニーロ)、クルス(ヴァル・キルマー)、チェリト(トム・サイズモア)は鮮やかな手口の銀行強盗のプロ。裏切り者は容赦なく始末する冷酷な男でもあるが、本屋に勤めるイーディ(エイミー・ブレネマン)と愛し合い引退を決意する。ロス市警の敏腕刑事ヴィンセント・ハナ(アル・パチーノ)はニールを逮捕することにやっきになるが、妻や娘(ナタリー・ポートマン)とはしっくりいかず…

 ゴッドファーザーを除けば2大スターの初共演とされる本作。どうにも煮え切らなかった「ボーダー」を見た直後だっただけにめちゃ面白かった。純粋に2大スター激突というわけで、敵味方に分かれてドンパチやるというストレートなストーリーが良かったのかもしれない。

 マイケル・マンが監督だけにどんぱちが派手なのも見物で、クライマックスかと思ったドンパチが実はストーリー中盤だったのにはあっけにとられた。あれだけやりあったら死んでるだろと思っても、さらに別のクライマックスが用意されている贅沢さ。ブレイク寸前のナタリー・ポートマンが見られるのもいいですね。

HEAT
マイケル・マン監督。1995年アメリカ映画。

2011年9月27日 (火)

ファーゴ (1996)

ファーゴ 自動車のセールスマンのジェリー(ウィリアム・H・メイシー)は、金に困って妻の偽装誘拐を行い義父から身代金をせしめることを思い立つ。誘拐犯としてカール(スティーヴ・ブシェミ)とグリムスラッド(ピーター・ストーメア)の2人組を雇うのだったが、よりによって誘拐の途中で警官と目撃者を射殺してしまう。事件をかぎつけた村の警察官マージ(フランシス・マクドーマンド)は妊娠中にもかかわらず二人組を追うことになるのだったが…

 何だこりゃ、このすっとぼけた面白さは、とよくよく見ればコーエン兄弟の映画ではないか。そりゃ面白いはずだ。「実話です」と断っているにもかかわらず、かなりの部分が創作だという人を喰った部分(あとで知ったが)をはじめ、ブシェミとストーメアの二人組のすっとぼけた個性。見ていていらいらしてくることしきりの、根っからの悪人じゃないんだろうけど悪い方へばかり転がっていくウィリアム・H・メイシー、そして背中に夫、おなかに子供をしょって立つ婦人警官フランシス・マクドーマンド(なんとこれでアカデミー主演女優賞)の生活感ばりばりの面白さ。

 ヘンな映画といえばものすごくヘンな映画なんだけど、ツボにはまれば徹底的に楽しめる、それはそれはおもちゃ箱のような映画に思われます。マージ、妊娠中なのに無理すんなよとか、ブシェミって本当にヘンな顔とか、この映画に対する思いはつきません。

FARGO
ジョエル・コーエン監督。1996年アメリカ映画。

2011年9月24日 (土)

クリムゾン・リバー (2000)

クリムゾン・リバー アルプスのゲルノンで、両手首を切り落とされ、目玉をくりぬかれた変死体が発見される。猟奇事件の専門家ということで、パリからニーマンス刑事(ジャン・レノ)が派遣される。同じ頃、少女の墓荒らしの捜査をしていた刑事マックス(ヴァンサン・カッセル)は、猟奇殺人事件と関係があることをかぎ取るのだったが…。

 閉鎖的な山間の大学を舞台にした猟奇ミステリー。いきなり、死体をなめるようなタイトルバックにスプラッタ映画にも通じるような趣味の悪さを感じたが、映画の中身は至ってまとも。ただただ不気味な大学にスポットが当たるあたりから、ぐいぐいと物語に引き込まれた。

 キーマンとなる女性(ナディア・ファレス)はなかなか個性的でとっつきが悪かったんだけど、洞窟へ入っていくあたりのくだりからはぐいぐいその魅力に引き込まれた。母親役にドミニク・サンダと、往年の名女優を使っているあたりに何かあるんかなと思ってたら…やっぱりひとひねりありました。ラストのオチも見事で面白かった。

 続編も未見だけど、やっぱりこの大学が舞台なんかな?

LES RIVIERES POURPRES
マチュー・カソヴィッツ監督。2000年フランス映画。

2011年9月23日 (金)

悪魔を憐れむ歌 (1997)

悪魔を憐れむ歌 刑事ホブス(デンゼル・ワシントン)の手によって死刑台に送り込まれた凶悪犯リース(エリアス・コーティアス)。ところが彼は死ぬ前に、よみがえって復讐することをホブスに誓う。やがてリースを模倣したと思われる凶悪犯罪がホブスの回りに起こり、その手口からホブスは殉職した刑事の娘グレタ(エンベス・デイヴィディッツ)に協力を求めるのだったが…

 サスペンスか人間ドラマかと思わせた冒頭だったけど、中身はれっきとしたオカルト映画。しかも善人の刑事と悪魔との直接対決ものだというのには面食らった。とはいっても、事件の犯人を悪魔に結びつけていく展開がとっても自然で、悪魔の正体AZAZELとその弱点がわかってからはなかなかサスペンスフルで面白かった。

 弟と甥っ子がからむストーリーに、ラストの説得力を感じる。しかし悪魔が思ったよりもちま~んとしているのが唯一の難点で、あの程度の力で世界を滅ぼすなんて何万年もかかるんじゃないかな、なんて思わされてしまう。乗り移りシーンは不気味なんだけどなぁ。主人公の上司役でドナルド・サザーランド、同僚役でジョン・グッドマンも出ています。

FALLEN
グレゴリー・ホブリット監督。1997年アメリカ映画。

2011年9月22日 (木)

ボーダー (2008)

ボーダー ニューヨーク市警の刑事ターク(ロバート・デ・ニーロ)とルースター(アル・パチーノ)は長年のコンビ。ところが、凶悪犯ばかりを狙った連続殺人事件が発生。タークはその容疑者となるのだったが…

 デ・ニーロとパチーノの豪華共演による刑事アクション。しかしこの二人、どう見てももう定年を過ぎたかと思える老人である(笑)。重厚な役ならともかく、第一線に残る刑事というにはあまりにも痛々しいものを感じるぞ。

 とはいっても、タクシー・ドライバーへのオマージュっぽいシーンがあったり、ゴッドファーザーを思わせるシーンがあったりと映画ファンがにやりとさせられるシーンは用意されているんだけど、残念ながら笑えない、楽しめない。そんなことを考えてるうちに、あまりにひねりのない結末と共に映画は終わってしまった。うーん。二人のファンで特別に思い入れでもない限りおすすめできない映画かも。

RIGHTEOUS KILL
ジョン・アヴネット監督。2008年アメリカ映画。

2011年9月20日 (火)

ザ・ウォーカー (2010)

ザ・ウォーカー 文明が滅びた近未来のアメリカ。イーライ(デンゼル・ワシントン)は1冊の本を運んで、西を目指す旅を続けていた。ところが立ち寄った町のボスであるカーネギー(ゲイリー・オールドマン)は、彼の持つ本を狙って仕掛けてくるのだったが…

 何だか見終わったあとの余韻がすごく心地いい近未来荒廃アクション映画。聖書にそこまで人間を浄化したり支配したりする力があるのかと突っ込みたくなる部分はあるんだけど、少なくとも何かを守って一生をささげるって部分が何ともかっこよくて、聖書の件は置いといていい映画であった。主人公のイーライ、かっこよすぎ。

 カーネギーに幽閉されているミラ・クニスとジェニファー・ビールス(懐かしい、「フラッシュダンス」だ)の母娘も物語に華を添えて良いです。ゲイリー・オールドマンは、「レオン」の悪役再来といったねちっこさ。すべてがオススメ。

THE BOOK OF ELI
アレン・ヒューズ、アルバート・ヒューズ監督。2010年アメリカ映画。

2011年9月19日 (月)

Disney's クリスマス・キャロル (2009)

Disney''s クリスマス・キャロル 19世紀のロンドン。高利貸しの老人スクルージ(ジム・キャリー)のところに、死んだ共同経営者のマーレイ(ゲイリー・オールドマン)の亡霊が現れる。実は彼の運命を変えるがために、3人のゴーストが訪れると言い残して去って行くのだったが…

 古典文学のディケンズの「クリスマス・キャロル」を、ゼメキス監督がお得意のパフォーマンス・キャプチャー技術を使って映画化。つまりキャプチャーされた俳優のCGを使ったアニメーション映画というわけで、劇場公開時は3Dだったようだ。実際にソフトも3D版が発売されているが、今回はBSで放映された2Dの字幕版を鑑賞。

 やっぱこれって、3Dで見てこそなんぼのアトラクション映画なんじゃないかなあという感想。特にスクルージ老人がゴーストに連れられての浮遊シーンは2Dで見ていてもなかなかの迫力で、これってディズニーランドのアトラクションなんかになったら楽しいだろうなぁと思わされた。

 ストーリーは完全に陳腐化している感じで、決定的なのはラストに感動がない。スクルージが更正するあたりに説得力がないので、見終わっても妙な説教臭さだけが残る。かなり昔にゼメキスが言っていた「CGが発達すれば俳優はいらなくなる」というのは絶対嘘だと確信した。この映画に出てくるキャラクターに感情移入して見るのはかなり苦しい。「素晴らしき哉、人生」ほどとは言わないにしても、もうちょっと感動させてほしかったぞ。

A CHRISTMAS CAROL
ロバート・ゼメキス監督。2009年アメリカ映画。

2011年9月18日 (日)

THE WAVE ウェイヴ (2008)

THE WAVE ウェイヴ ドイツの高校で、教師のライナー(ユルゲン・フォーゲル)は独裁制を教える特別ゼミを担当する。集まった生徒たちで、実際に「ウェイヴ」という名前の組織を作り制服やマークなどを用意して団結をシミュレートしようとするのだが、一部の生徒が過剰な反応を起こして、やがてグループが町中でトラブルを起こし…

 モートン・ルーの原作を映画化。実話を元にしているらしく、グループが次第に暴走していく背景を、リアルなタッチで淡々と描く。映画の話としては単調なんだけど、実話というのが重たく、全体主義がいかにして起こるのかを順を追って説得力と共に見ることができる。こういうのって、家族でも宗教でも会社でも、グループと名がつくものだったらどこでも起こりそうな気がいたします。

 ドイツの高校って、こういった「独裁主義」「資本主義」といった社会制度別のゼミが行われているんだってのがひとつの驚き。インターネットが途中からからんでくるのも今風です。ネットが恐ろしいのは、こういった暴走中の組織ともカンタンにコンタクトがとれることではないでしょうか。

DIE WELLE
デニス・ガンゼル監督。2008年ドイツ映画。

2011年9月16日 (金)

君を忘れない (1995)

君を忘れない 第2次大戦末期の航空基地。望月隊長(唐沢寿明)の元に特攻隊として集まった上田(木村拓哉)、高松(松村邦洋)、早川(袴田吉彦)、三浦(反町隆史)たちパイロット。厳しい訓練に明け暮れる毎日ではあったが…

 現代版「雲流るる果てに」…というわけで、現代のイケメンたちが特攻隊に扮するドラマ。既成概念からしたらかっこ良すぎる特攻隊たちなんだけど、こういうのもありかなと思わされる不思議なリアリティを感じた。

 特に印象に残ったのは、太った松村でも長髪の木村拓哉でもなく、出撃前に食べるエビフライ弁当。ふだん何気なく食べているエビフライがこんなに大事なものに見えるとは… エビフライを忘れない…

渡邊孝好監督。1995年日本映画。

2011年9月12日 (月)

ベスト・キッド (2010)

ベスト・キッド 父親が亡くなり、母親シェリー(タラジ・P・ヘンソン)の転勤で北京へ引っ越してきた少年ドレ(ジェイデン・スミス)。少女メイ(ハン・ウェンウェン)とも仲良くなったドレだったが、クラスの悪ガキどもにいじめられているところをマンションの管理人ハン(ジャッキー・チェン)に助けられる。いじめっ子との決着をつけるために、カンフー大会に出ることになったドレをハンがサポートするのだったが…

 あの80年代のヒットシリーズ「ベスト・キッド」を、舞台を中国へ移してリメイク。仙人のようだったノリユキ・パット・モリタの「ミヤギ」を、ジャッキー・チェンがくたびれた親父としてバトンタッチ。主人公をウィル・スミスの息子にしたり(最初は女の子かと思った)、キャラクターと舞台はがらっと変えたのにストーリーはほとんどそのまんま。しかしジャッキーがカラテ(クンフー?)を教えてくれるってだけでわくわくしてしまうのは、彼のオーラがなせる技かも。

 途中にハンの過去を挟み込んだり、いじめっ子少年が最後だけさわやかだったり、見終わった後味が非常に良いのも特筆もの。安心して子供に見せられる映画。

ハラルド・ズワルト監督。2010年アメリカ=中国合作。

2011年9月11日 (日)

映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ 天使たち (2011)

映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ 天使たち ロボットのプラモデルを作って悦に入っていたのび太(声:大原めぐみ)だったが、スネ夫(関智一)の作ったロボットにやっつけられてぐうの音も出ない。ドラえもん(水田わさび)にいつものように助けを求めるのび太だったが、彼の庭に巨大ロボットの部品が降ってくる。かき集めて組み立て、ドラえもんの道具で作られた鏡の世界で試運転をするのび太だったが…

 おなじみ藤子・F・不二雄の人気漫画を映画化。旧作「のび太と鉄人兵団」のリメイクらしい。旧作は未見なのだが、何とも感動的な内容に仕上がっていて感心した。特にロボット世界からやってきたリルル(沢城みゆき)としずかちゃん(かかずゆみ)、そして主要メンバーたちの友情が心に残る。これは個人的には、「のび太と恐竜」を抜いて、泣けるドラえもんの第1位ではないかと思う。

 ストーリーは、惑星メカトピアが攻撃ロボットザンダクルスを送り込んでくるというきな臭い話がメインになっているんだけど、ほんわかとした登場人物たちがうまく話を包み込んで、お子様でも安心して見ていられるソフトな映画になっている。少女リルルが改心していくあたりが甘いといえば甘いのかもしれないけど、その甘さがまたいいのかもしれません。

寺本幸代監督。2011年日本映画。

2011年9月 9日 (金)

トラ・トラ・トラ! (1970)

トラ・トラ・トラ! 日米開戦までの水面下のやりとりと情報戦。そして山本五十六(山村聡)の指揮する日本軍がハワイのパールハーバーを攻撃するまでを描いた戦争スペクタクル映画。

 中学生の頃にテレビで見て以来の再会である。今見てもなかなかの迫力で、海戦シーンなどはミニチュアと思われるんだけどそれもかなりのサイズのミニチュアのようである。もちろん航空機は本物(違う飛行機を改装して撮影したようだが)。ドラマは思ったよりも淡泊な感じだが、東郷外相(野々村潔)をめぐるやりとりと、日本軍の戦闘の練習シーンが印象に残る。

 日本側とアメリカ側のドラマは均等だったと記憶していたんだけど、意外と日本側の視線が多く描かれている気がして感心した。東野英治朗の南雲中将が何ともかっこいい。山本五十六が、アメリカの怖さがわかっている点も、史実どおりなのかどうかは不明だが深いぞ。

TORA! TORA! TORA!
リチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二監督。1970年アメリカ=日本合作。

2011年9月 4日 (日)

午後の遺言状 (1995)

午後の遺言状 軽井沢の別荘に、女優の森本蓉子(杉村春子)がやって来る。管理人の豊子(乙羽信子)とその娘あけみ(瀬尾智美)が彼女を迎えるのだったが、そこへ蓉子の旧友で今は認知症を患う登美江(朝霧鏡子)と夫の籐八郎(観世栄夫)がやって来る…

 乙羽信子の遺作として話題になった作品だが、日本アカデミー賞の作品賞や、キネマ旬報の邦画1位をとっていたというのは知らなかった。内容はタイトルと出演者の年齢からもわかるように、老いと死をテーマにしたものだけど、いろんなエピソードを突発的に積み上げていくような構成で、ちょっととっ散らかってるかなって印象はあるけど最後まで楽しめた。

 観世・朝霧の老夫婦のエピソードは、まさかが本当になってしまうある種の驚きがあり、脱獄囚の話はあまりにも非現実的で浮きまくりな印象。お達者ムービーにならないようにか、若い瀬尾智美のエピソードが差し込まれているけど、この足入れ式の儀式がなんとも爆笑もの。ありゃちょっと、恥ずかしすぎます(笑)。

 本流のエピソードは蓉子と豊子の後半のやり取りにあるんだろうけど、ぷっつんきちゃった豊子の言動が何とも爽快で面白い。対する蓉子も、修羅場をくぐってきた女優だけに負けていない。カンカンののしりあいながらも、不思議な信頼感でつながっている二人は、やっぱり年の功ってところなんかな。これ、20代の頃に見てたら絶対理解できない映画だったんじゃないかと思います。

新藤兼人監督。1995年日本映画。
※リンク先はサントラ盤です

2011年9月 2日 (金)

裸の島 (1960)

裸の島 瀬戸内海の小島で農業を営む夫婦(殿山泰司、乙羽信子)。本土から桶で水を運び、作物を作りながら二人の息子(田中伸二、堀本正紀)を育てる毎日。時には子供たちが鯛を釣り上げ、本土(尾道)で買い物を楽しんだりもしていたのだが…

 天まで耕す小島が舞台。家族の営みを、これでもかとモノクロの画面でなめるように描いていくのは圧巻。日本映画にはたまにものすごいものが転がっていたりするんだけど、これもそんな中の1本。台詞はほとんどなく、挨拶をしない家族にいらいらもさせられたけど、これはこれで様式美ってなもんでしょうか。

 押さえた前半だけに、事件が起こる後半は特に、二人の男の子を持つ父親の目で見ると他人事ではないようで身にしみました。乙羽信子の嗚咽と、刀のおもちゃの余韻がいつまでもいつまでも残りました。

 新藤兼人監督ってのは、私にとっては「北斎漫画」のイメージなので、ものすごく若々しい感じがするんだけど、実はもう99歳のおじいちゃん。そのギャップが、またたまらなく良いです。

新藤兼人監督。1960年日本映画。

2011年9月 1日 (木)

市川崑物語 (2006)

市川崑物語 アニメーション監督からはじまって、脚本家であり夫人の和田夏十と出会って監督として大成した市川崑監督の一生を、若手監督の岩井俊二が写真や字幕、一部の映画のフィルムを使って構成したドキュメンタリー。

 ほとんどが写真と字幕の繰り返しで、映画として考えると半分ぐらいが字幕で何だか損した気がしなくもないが、語りのリズムが面白くて思わず引き込まれてしまった。特に戦時中の「脊椎カリエス」のくだりとか、和田夏十さんとのエピソードのあたりは実際に映像を見ているかのような気分にさせられて楽しめた。本(活字)に没頭しているといったイメージかな。

 しかし、市川崑さんって今更ながら多作な監督さんなんだなぁと思わされる。見ているのは「犬神家の一族」以降で、それ以前には聞いたこともない映画がいっぱい。こういう映画を見ると、見たい映画が増えて困ってしまうんだよな。

岩井俊二監督。2006年日本映画。

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