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2011年10月

2011年10月31日 (月)

里見八犬伝 第四部 血盟八剣士 (1954)

里見八犬伝 第四部 血盟八剣士 5剣士(月形哲之介、東千代之介、中村錦之助、島田照夫、石井一雄)は石浜城を目指すのだったが、その石浜城には、どこか抜けた殿(大泉晃)がいて、女田楽(藤里まゆみ)の一座と浜路(田代百合子)が滞在していた。実は女田楽の且開野は、親の仇として城主の馬加大記(清川荘司)の命を狙っていたのだったが…

 滝沢馬琴の原作を映画化したシリーズ第四作。ここまで見て、これまでの映画はすべて1954年の1年間に作られていたことを知る。やはりプログラムピクチャー、恐るべしである。それなら4時間の映画1本にしてしまえばいいのにと思うんだけど、当時の映画はテレビの代わりなので、毎週映画館に観客を呼ぶためにこの「続く」が必要だったということでしょう。

 今回の舞台は石浜城というところで、女田楽の仇討ちがメインストーリー。しかし彼女の正体は…というのがキモであるけど、演じているのが女優さんなのでちょっと納得しがたかったぞ。ラストは例によって危機一髪パターンが用意されている。いよいよあと1本で最終回である。

河野寿一監督。1954年日本映画。

2011年10月29日 (土)

里見八犬伝 第三部 怪猫乱舞 (1954)

里見八犬伝 第三部 怪猫乱舞 処刑場での危機一髪を免れた犬塚信乃(東千代之介)、犬飼現八(中村錦之助)、犬川荘助(小金井修)、犬田小文吾(島田照夫)、犬山道節(月形哲之介)たちは、八剣士の残りのメンバーを探してまた別れて旅に出る。赤岩村というところへやって来た現八は、ここの山に妖怪が出るという噂をきいて、妖怪退治に繰り出すことになる。実はこの一体を牛耳る赤岩一角(薄田研二)はすでに殺されており、彼の正体は化け猫だということを耳にするのだったが…

 滝沢馬琴原作の里見八犬伝の第三作。今回は化け猫退治というわけで、当時のSFX満載(笑)の妖術編である。もちろん八剣士の玉も活躍するし、悪女船虫(赤木春恵)も登場する。あれ、そういえば八犬伝の悪役といえば玉梓の怨霊だけど、彼女は登場しないのかなと今更ながらに気がついた。

 ただし怪猫といっても、超なさけないメーキャップで登場するのでここらへんはカルト映画の風格もただよっていると思っても間違いないだろう。物語の幕切れはここまでと違って「危機一髪・つづく」ではなく、「石浜城へ」という謎の文字が壁に浮かび上がって、剣士たちが石浜城を目指すところで終わる。正直言って、3本見てなかなか進まないストーリーにだいぶ飽きてきたかも(笑)。 残るはあと2本、がんばろう。

河野寿一監督。1954年日本映画。

2011年10月28日 (金)

里見八犬伝 第二部 芳流閣の龍虎 (1954)

里見八犬伝 第二部 芳流閣の龍虎 前作でお堀に落ちた犬塚信乃(東千代之介)と犬飼現八(中村錦之助)だったが、運よく小舟の上に落ちて川を流されていく。彼らを救ったのは文吾兵衛という宿屋の主人だったが、信乃は高熱を出して寝込んでしまう。やがて町に信乃と現八の手配状が回ってきて、文吾兵衛は役人に捕らえられてしまったが…

 滝沢馬琴原作の里見八犬伝の第2部。予想どおり、お堀に落ちた二人は「そんなのあり?」といった展開で助かるのであったが、今回は信乃は寝込んでしまいあまり出番はない。前作のヒロインの浜路(田代百合子)も崖から落ちて行方不明である。その間に、文吾兵衛の息子の小文吾(島田照夫)やら妹の亭主の犬田荘八(加賀邦男)やらと一悶着がありと、八剣士が次々と集まっていくのがメインストーリー。

 うーん、今回は筋を追うのがやっとで、面白いというところまでいかないのが辛いところかな。れいによって、処刑場での危機一髪のシーンで「終」になるのはお約束か。次が見たいかというと、何となく予想がつく展開ではあります。(つづく?)

河野寿一監督。1954年日本映画。

2011年10月25日 (火)

里見八犬伝 第一部 妖刀村雨丸 (1954)

里見八犬伝 第一部 妖刀村雨丸 絶命した伏姫から諸国に散った8つの玉。その一つを持つ犬塚信乃(東千代之介)は、預かった天下の名刀村雨丸を御所へ献上して仕官しようと考えているが、許嫁の浜路(田代百合子)が義父母によって悪代官に嫁入りさせられそうになっているのを知る…

 おなじみ滝沢馬琴原作の「南総里見八犬伝」の5部作での映画化の第一作。モノクロの上に録音が悪く、さらに1部につき50分という中編ではあるが、それだけにストーリーもわかりやすく作ってありストレスなく見ることができた。物語はまだ動き出したところなんだけど、信乃と浜路のすれ違いとか、横恋慕する左母二郎(小柴幹治)とか、同じ八犬士同士の城の屋根の上での決闘とか(なんと相手は中村錦之助)見せ場はいっぱい。しかも最後は、二人そろってお堀へどぼーんと落ちたと思ったら「第一部 終」!

 げげっ、これってプログラムピクチャーというか、続きものの王道じゃんってうならされてしまった。CGはおろかSFXすらろくになかった時代なのに、これだけの冒険活劇を作ってしまう東映ってすごい。お城の屋根の上の一騎打ちは結構名場面なんじゃないかな。

河野寿一監督。1954年日本映画。

2011年10月24日 (月)

山猫は眠らない (1992)

山猫は眠らない パナマのジャングルに精通した、米軍のスナイパー・トーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)。彼は、麻薬組織のオチョア(カルロス・アルバレス)をバックに政権を狙うアルバレス(フレデリック・ミラグロッタ)の暗殺の任務を受けるのだが、そのパートナーは現場を知らないエリート軍人のリチャード・ミラー(ビリー・ゼイン)だった…

 スナイパー(狙撃兵)が主人公のアクション映画。単なるどんぱちではなく、たとえば潜水艦映画とかにも通じるものがあるかのような頭脳戦と機動戦をかけ合わせたかのようなストーリー。ばりばりのスペシャリストと、その上官でありながら若くて現場を知らない元オリンピック射撃代表という、面白くなりそうな要素をぎゅっと詰め込んでしかも期待に応えてくれるという良作である。なぜ、この映画を今まで見逃してたんだろ?

 スナイパーって一番安全な地上戦闘員というイメージがあるけど(敵から一番遠い)、同時に敵のスナイパーに狙われる運命にあるわけね。「スターリングラード」なんかと見比べてみたら面白い映画かも。ところで「山猫」って単語は、どこで出てきたんだろう?

ルイス・ロッサ監督。1992年アメリカ映画。

2011年10月23日 (日)

茶々 天涯の貴妃 (2007)

茶々 天涯の貴妃 浅井長政と信長の妹、お市の方(原田美枝子)との間に生まれた茶々(和央ようか)。妹の小督(寺島しのぶ)、はつ(富田靖子)と共に暮らしていたが、父が織田信長(松方弘樹)との戦いで殺され、織田に引き取られる。その後母が嫁いだ柴田勝家も敗れてお市の方は娘たちに「生き抜け」と言い残して自害。激しい憎悪を胸に豊臣秀吉(渡部篤郎)に嫁いだ茶々だったが…

 大河ドラマで壕姫がブームだが、こちらはその姉の茶々こと淀君にスポットを当てた東映時代劇。井上靖の原作を映画化。主演の和央ようかは知らなかったので誰?って思ったけど、なるほど宝塚のトップスターでしかも男役。確かに茶々の人生を思うととんでもない憎悪を胸に生きていただろうってのは想像できるので、それをあの宝塚の台詞回しで熱演。賛否両論あるみたいだけど、私はこの映画、結構楽しんで見ることができました。

 妙にやさ男の渡部太閤とか、ケレン味たっぷりの中村獅童の家康とか、年齢順を無視したかのような浅井三姉妹とか(笑)キャラクターの面白さはたっぷり。シリアスな話のくせに、味付けがちょっとコミカル過ぎるかなという恨みはあるけど、中盤以降はどどどどっと大阪城炎上のスペクタクルシーンまで一気になだれ込んで見せてくれます。

橋本一監督。2007年日本映画。

2011年10月21日 (金)

同じ月を見ている (2005)

同じ月を見ている 幼なじみの鉄矢(窪塚洋介)、エミ(黒木メイサ)、ドン(エディソン・チャン)の3人。鉄矢はエミの心臓病を治したいがゆえに、インターンになっている上に、二人は婚約中。ところがドンは放火事件から刑務所に入っており、しかも脱走したという一報が入る。それぞれの思いを抱いたまま再開した3人だったが…

 土田世紀のコミックを深作健太監督で映画化。中盤から場をさらってくれるのが、ドンと深くからんでいくやくざの金子(山本太郎)。八方破れの彼が、ドンの心をぐわっとわしづかみにしていくのが何とも感動的に描かれる。逆に主人公カップルである窪塚と黒木には、何か人間の冷たさを感じて感情移入できなかったのが辛いところ。

 そのあたりが引きずって、ピュアに思われるドンにも同情は感じても何でそこまでってのがわからなくて戸惑った。ところで深作監督ってのは、何を撮ってもバイオレンスから離れることはできないんかなぁ。

深作健太監督。2005年日本映画。

2011年10月20日 (木)

必死剣 鳥刺し(2010)

必死剣 鳥刺し 海坂藩に仕える兼見三左エ門(豊川悦司)は、主君右京太夫(村上淳)の側室連子(関めぐみ)を突然宮中で刺し殺す。打ち首になるかと思われた兼見だったが、意外に軽い1年間の幽閉の刑となり、その後に上司の津田(岸部一徳)のはからいにより、再び宮中に仕える身となる。ところがそこには、敵対する帯屋隼人正(吉川晃司)がからんだ陰謀が隠されていた…

 藤沢周平原作の隠し剣シリーズからの映画化。このシリーズは、個人的にはどれを見ても外れなしの面白い時代劇なので期待して見たのだが、期待を外さぬ傑作であった。元気だったころの日本映画、元気だったころの時代劇を思い出させてくれる。決して大作とは言えないが、この時代の下級武士の生き様がじっくりと描き込まれていてうならされる。

 剣の使い手ながらも、はめられる豊川悦司がいいオーラを放っている。敵役の吉川晃司もかっこいい。ある意味、吉川の方に感情移入して見てしまいそうになった。二人とも農民を助ける立場のはずなんだけどね。関めぐみは、意地悪そうな顔つきがいい。村上淳のバカ殿もいい。本当の悪役の岸部一徳は、これはもう言うまでもないでしょう。

 そうそう、主人公の姪を演じた池脇千鶴の普通っぽさも意外と良かったです。たぶん原作にはないキャラクターのような気がするけど、彼女でラストをぐっと引き締めています。

平山秀幸監督。2010年日本映画。

2011年10月11日 (火)

日本の首領 (1977)

日本の首領 女遊びが元でゆすられた紡績会社の社長が、専務を通じて関西が拠点の中島組に仲介を申し出る。ところが仲介がもとで血の雨が降り、関東進出を目指す中島組の野望に巻き込まれていくのだったが…

 組長の佐倉に佐分利信、その子分たちに鶴田浩二、松方弘樹、渡瀬恒彦、千葉真一、娘婿に高橋悦史、敵対する石見組長に菅原文太と、蒼々たるメンバーで送る東映オールキャストの現代劇任侠映画。家庭に入って普通のおっちゃんに見える佐分利信ってところがミソだと思うんだけど、主役はあくまでも鶴田浩二ってことでやっぱり任侠映画である。

 飯干晃一の原作だけど、登場人物が「山口組三代目」と違って実名でないところもミソかな。それだけに実録ものか娯楽作なのかどっちつかずになっていて、意外とすっきりしない終わり方にちょっといらいらっとした。もっとも3部作の第1部だということは後で知ったが。

 やんちゃな千葉真一が見られるのが拾いもの。菅原文太の関東やくざは、マスコミ対応とかを迫られたりして、ミスマッチなところが面白い。堅気のはずだった高橋悦史が、どっぷり染まってしまうラストは意味深ですね。

中島貞夫監督。1977年日本映画。

2011年10月 9日 (日)

ウルトラ I LOVE YOU! (2009)

ウルトラ I LOVE YOU! 両親がセットしたお見合いで、クロスワード作家のメアリー(サンドラ・ブロック)とテレビカメラマンのスティーヴ(ブラッドリー・クーパー)がデートしようとするのだが、彼の仕事でドタキャン。ところが彼が忘れられないのと、自分に気があると勘違いしたメアリーは、持ち前の行動力で半ばストーカーのように彼のロケ先を追いかけ回すことに。さらに、道中ひょんなことから一緒になったハートマン(トーマス・ヘイデン・チャーチ)は、彼女をサポートすることになったのだが…

 サンドラ・ブロックが勘違い女を熱演するラブコメディ。しかしラブコメと呼ぶにはまったくロマンティックでなく、ひたすらシリアスなひきつり笑いが待っているという珍作である。デートムービーに選んじゃったら絶対公開する映画。日本では劇場未公開ではありますが。

 しかしこれをラブコメディと思って見た私は、後半の穴にまつわるギャグを笑いとばしながら、これをどうやってハッピーエンドにおさめるんだろうかと頭の中でぐるぐると画策。しかしどうおさまっても、これは見終わったあとしっくりいかないぞと思っていたら、いい感じで着地。ハッピーエンドを望まないロマコメなんて、やっぱり何かヘンではある。

 サンドラ・ブロックって、個性的な美女であるがゆえにこういった役柄にぴたっとはまるんでしょうね。スティーヴ役のブラッドリー・クーパーのひきつった笑いが、印象に残ります。メアリーの個性をちゃんと受け入れてしまうアメリカってのは、やっぱ懐が深いのか?

ALL ABOUT STEVE
フィル・トレイル監督。2009年アメリカ映画。

2011年10月 4日 (火)

影の軍団 服部半蔵 (1980)

影の軍団 服部半蔵 三代将軍の家光の死により混乱する江戸城下。かつて活躍した伊賀忍者は今や追われる身となり、上下に分家した服部家で、下の半蔵(渡瀬恒彦)は義賊となり奪った金品を貧乏人に配り、上の半蔵は名前を変えてひっそり暮らしている。ある時、世継ぎの幼い家綱が甲賀忍者の四郎兵衛(緒形拳)に誘拐される事件が起こり、服部家はその解決を依頼されるのだったが…

 テレビシリーズにもなったはずの(未見だが)「影の軍団」の劇場版。忍者ものだが、太平の世の中というわけで登場人物が必ずしも忍者の衣装を着てないのがミソ。語りぐさとなった、忍者がアメフトのフォーメーションで突進しるシーンも楽しめる。これがよく見ると、ヘルメットにフェイスガードみたいなのが見てとれるのも笑える。こういう一芸は好きである。ラストには、城の櫓の崩壊シーンという見せ場も用意されている。

 存在感抜群の緒形拳や、成田三樹彦は一見の価値あり。それに反して、主役の二人の影が薄いのは忍者であり「影の軍団」というタイトルからして仕方ないのかな?

工藤栄一監督。1890年日本映画。

2011年10月 3日 (月)

エクスクロス 魔境伝説 (2007)

エクスクロス 魔境伝説 秘境・阿鹿里村の温泉地を訪ねた、仲良しのしより(松下奈緒)と愛子(鈴木亜美)だったが、彼氏の浮気をめぐって仲違えしてしまう。ところがしよりが拾った携帯からは「今すぐ村から逃げろ、足を切り落とされるぞ」という警告が聞こえてきて…

 上甲宣之の原作を、深作健太監督が映画化した、ハイスピード・ハイテンションスリラー(?)。確かにハイテンションではあるが、これを恐ろしいと見るか笑い飛ばしてしまうかは観客次第かも。

 カルト村の雰囲気は及第点。わさわさと襲ってくる村人の動きののろさはゾンビ以下かも(足を切られている?)。ハサミを振り回す小沢真珠は一見の価値があるかも。中川翔子もしかるべき役で出てます。パワーだけはいっぱいある映画なので、C級カルト映画が好きな方は一見の価値があるかも。

深作健太監督。2007年日本映画。

2011年10月 2日 (日)

釜ヶ崎極道 (1973)

釜ヶ崎 釜ヶ崎に事務所を構える暴力団組長の島村(若山富三郎)だったが、警察署長の勧めで、ライバルの八ッ藤組の解散・企業化を習って組を解散することになる。気質になろうと旅回りの劇団・市川梅太夫一座と契約して興業を行うがうまくいかず、さらに付近の土地の買い占め・地上げをはかる八ッ藤組のあくどいやり口と衝突して…

 「極道」シリーズの第8作。悪をもって悪を制するという、元祖ヴィン・ディーゼルといった感じのストーリーである。悪といっても親分の島村はちょっと頭の悪そうな憎めないキャラクターで、この親分さんがどうやって財界ともつるんだ巨悪をやっつけられるんだろうかと思ったら…なるほど、ポカリとやっつけてしまうという非常にシンプルなお話でありました。

 しかもポカリどころか、ザクッ・バーンと2段構えにやっつけたあとは、警官隊に囲まれてどうするんだと思ったところであっさりとエンディング。たぶんシリーズの次回作では、窮地を逃れた島村組はってあたりから始まるんだろうな。東映恐るべし。

 登場人物も賑やかで、島村の妻に清川虹子、組の若い衆に山城新伍、思いを寄せる劇団の娘に東美千、謎の金持ちの女に加賀まりこなどなど。昨今の社会情勢では、ほとんどの俳優さんたちが出演に躊躇する映画なんじゃないかと思わされます。

山下耕作監督。1973年日本映画。

2012年5月

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