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2011年11月

2011年11月30日 (水)

緋牡丹博徒 鉄火場列伝 (1969)

緋牡丹博徒 鉄火場列伝 服役していた子分を連れ戻しに行った、九州の侠客の緋牡丹のお竜(藤純子)。ところが旅の途中の徳島で子分は絶命してしまい、世話になった小作人たちが地元の親分に苦しめられていることを知る。元侠客の江口(待田京介)、子連れの旅人仏壇三次(鶴田浩二)らと共に事態を見守るお竜だったが…

 人気プログラムピクチャーの第5作。たぶんこのシリーズって初めて見るような気がするのだが、ストーリーはあまり複雑ではないので途中からでもすんなりと見ることができた。昨今の社会情勢からしても、こういう映画は結構肩身が狭いんじゃないかと想像するけどとにかく重厚に作られた娯楽編で、見せ場もいっぱいあってなかなか楽しませてもらった。

 全盛期の冨純子が美しくまたかっこいいのが印象的。いかにもといった勧善懲悪(勧悪懲悪?)のストーリーで、筋を通すという部分に関しては深い。脇をかためる、鶴田浩二、若山富三郎、丹波哲郎もいい。女性が主人公というのも、今風である。ひとつだけ残念なのは、冨純子が緋牡丹の入墨を見せて担架をきるのかと思ってたらそれがなかったこと。これはひょっとして初期の作品だけのお約束だったのかな?

山下耕作監督。1969年日本映画。

2011年11月27日 (日)

LED電球をついに購入した

Led1 どうも自分は、耐久性マニア(?)の傾向があるような気がする今日このごろ。というのも、新製品を買うのも大好きなんですが、その製品を何年も使ってどのようにヘタっていくか、そしてどうやって手入れや修理をして新品同様にリストアをして使い続けていくかを考えるのが結構好きなんですよね。

 というわけで、今回初めて購入したのがLED電球。洗面所の電球型蛍光灯が切れたので、今度こそはと思いLED電球に買い換えました。40,000時間の長寿命ってことなので、ある意味一生ものなのかもしれない。これはとっても興味がひかれます。電球をねじこみながら、この位置の電球を再度ねじこむことは一生ないかもしれない…と思ったりして。

Led2  初期のLED電球を試してみたことはあったのですが、意外と暗かったり真下にしか光が行かなかったり、問題があったのですがさすがに最新モデルだと普通の電球や電球型蛍光灯と比べても遜色がない。さらに、電球型蛍光灯だとすぐに故障してしまいそうなトイレ(スイッチのオンオフが多く、点灯時間が短い)にもLEDだと使えるのがいいですね。今後は、電球が切れたら全部LEDに交換していこうかと考えている次第。

 なおLEDの寿命ってのは、素子自体の寿命ではなくて、LEDをおおう樹脂部分が劣化・白濁して光を通さなくなっていくことに起因するらしい。ということは、樹脂部分が改良されて変色しなくなったらさらに何万時間か上乗せされるのかも。いずれにせよ、この電球の10年後20年後が楽しみです(笑)。

LED電球の販売ページはこちら

2011年11月26日 (土)

桜田門外ノ変 (2010)

桜田門外ノ変 幕末のペリーが黒船で来航した頃の日本。開国を迫る諸外国の圧力に、朝廷の命も受けずに開国を進めた井伊直弼(伊武雅刀)。彼らの弾圧を受ける水戸藩の関鉄之介(大沢たかお)をはじめとする有志たちは、井伊の暗殺を企てるのだったが…

 有名な桜田門外の変を、オールスターキャストで映画化した東映大型時代劇。原作は筆者が学生の頃に傾倒した吉村昭。吉村作品であるというだけで、この関という人物像とか、家内(長谷川京子)や妾(中村ゆり)とのドラマとか、暗殺隊のメンバー(柄本明、生瀬勝久他)のドラマなど、本当にそうだったんじゃないかという気分にさせられる。何せ、史実を徹底的に調べ上げる吉村作品である。

 というわけで、雪の襲撃シーンも、記録ではこんなふうに雪が降り積もっていたんじゃないかと想像させられる。意外と冗長な籠の襲撃と串刺しのシーンも、こんな感じにだらだらと戦ったんじゃないかと思わされる。裏付けがあるというのは不思議なもんで、結構偏った目線で映画を見てしまうもんだと自分ながらに思う。

 それにしても、悲惨な顛末がその後はえんえんと語られる。暗殺が世の中を変えるというのは、理由はともあれやっぱり正しくないのである。

佐藤純彌監督。2010年日本映画。

2011年11月22日 (火)

アーサーと魔王マルタザールの逆襲 (2009)

アーサーと魔王マルタザールの逆襲 前作から10回目の満月がやって来て、アーサー(フレディ・ハイモア)は再度ミニモイの国を訪れるのを楽しみにしているのだが、両親(ロバート・スタントン、ベニー・バルフォー)はその前日に町へ帰ろうと言い出す。失意の中でおばあちゃん(ミア・ファロー)の家を後にしたアーサーだったが、蜘蛛が届けた「HELP」というメッセージが気になって無理矢理おばあちゃんの家へ戻ったのだったが…

 アーサーとミニモイのセレニア姫(声:セレナ・ゴメス)のアドベンチャーを描いたファンタジー映画第2弾。今回はアーサーがミニモイの国を訪れるまでのエピソードが妙に長くて、こりゃ物語はちゃんと終わるんかと心配になってきた。そしたら、ミニモイの国に入ってからも、セレニア姫の登場までどれだけ引っ張るんだと思ってたら…そうなのか、これは3部作の第2作だったってのを、エンドクレジットが出て初めて気がついた。

 なんか、単独で語るには苦しい第2作だぞ、これ。完全に話は途中でほったらかしのまま。お話のバランスも、第3作とくっついてちょうどよくなるという感じで、我慢を強いられただけで終わってしまったってところ。ところで、資金不足やら何やらで、政策中止になるなんてことはないでしょうね。

ARTHUR AND THE REVENGE OF MALTAZARD
リュック・ベッソン監督。2009年フランス映画。

2011年11月21日 (月)

アーサーのミニモイの不思議な国 (2006)

アーサーとミニモイの不思議な国 コネチカットに祖母(ミア・ファロー)と一緒に住む少年アーサー(フレディ・ハイモア)。両親(ダグ・ランド、ベニー・バルフォー)とは離ればなれで、大好きな祖父も行方不明な上に、祖母の家は借金の抵当になり追い出されかけている。かくしてアーサーは、祖父が隠したルビーを探して身長2mmのミニモイの国を旅する決意をするのだったが…

 リュック・ベッソン監督によるファンタジー映画の第1作。前半は実写だが、アーサーが小人の国へ行ってからは画面はCGアニメとなる。以降はまるでミクロキッズのような世界で、アーサーは女王セレニア(声:マドンナ)と共に魔王マルタザール(デヴィッド・ボウイ)と戦うことになる。

 3部作の第1作ということだけど、このパート1は話も独立しておりこれだけで楽しむことができる。声優陣も豪華で、ロバート・デ・ニーロやハーヴェイ・カイテル、エミリオ・エステヴェスも出ているらしい。誰かわからなかったけど(笑)。登場人物としては、ミア・ファローのおばあちゃんがなかなか魅力的。どうしておばあちゃん?って感じだったんだけど、実年齢からしたら確かにアーサーのおばあちゃんであってもおかしくない。

 キャラクターはセレニア姫をはじめとして魅力的だったんだけど、惜しいのはストーリーの平板さ。原住民みたいなのが出てきたり、顕微鏡をくぐってあっちの世界へ行ったりと絵本の中の物語みたいに魅力的なんだけど、映画と言うにはストーリーでもうひとひねりしてほしかったところ。アーサー王伝説が根底にあるんだろうけど、剣(エクスカリバー?)を引き抜く以降には何もひねりがないぞ。まぁそのあたりは、10の満月を待って続編に期待することにいたしましょう。

ARTHUR ET LES MINIMOYS
リュック・ベッソン監督。2006年フランス映画。

2011年11月20日 (日)

SONYのヘッドマウントディスプレイを試す(3) 大作映画つまみ見6連発

Hmd_rear

 各方面で話題沸騰のソニーのヘッドマウントディスプレイ・HMZ-T1。連載最終回の今回は、筆者がバーチャル大画面で、これぞと思った大作映画・名作映画をつまみ見したレポートを書いてみようと思う。映画は映画館でと言うけれど、リバイバルも含めてすべての映画を映画館で見るのは難しいこと。せめて旧作をブルーレイで見る時も、なるべく映画館に近い雰囲気と臨場感で楽しみたいものです。

風と共に去りぬ風と共に去りぬ 1939年アメリカ映画
 クラシック映画の大作といえば、まず思い浮かぶのがこれ。ずいぶん久しぶりに見直してみたけど、画面が4/3のスタンダードだったというのには驚いた。仰々しく現れるタイトル文字に、あいまいな記憶ではこれはシネスコの横長画面とすり込まれていたんだけど(笑)。テクニカラーの映像は有機ELパネルとの相性はばっちりで、びっくりするほど鮮やかな画面を楽しむことができる。あとは4時間近い上映時間、おでこが耐えられるかってことかも…

西部開拓史西部開拓史 1962年アメリカ映画
 シネラマの代表作といえばこちら。なんせ3台のカメラで撮影して、横につなぎあわせたというアメリカ物量時代の産物である。面白いのは、真ん中がドラマパート、両サイドが風景といったふうに、画面の切れ目が鑑賞の邪魔にならないような構成になっているところ。
 HMDで見ると、上下に黒帯が入っているんだけど画面のSN比が高いせいか黒帯が見えず、画面が暗闇に浮き上がって見えるというところがすごい。やや横に細長い画面でもうちょっと大きなサイズで見たいと思うわけだけど、5分も見てたら画面に没入して何も気にならなくなってしまった。だだっ広い荒野のシーンとか機関車のシーンなど、テレビでは味わえない臨場感あり。

2001年宇宙の旅2001年宇宙の旅 1968年アメリカ映画
 こちらも大画面と言ったら外せない1本。パンフォーカスのレンズで撮った宇宙ステーションのシーンはあまりにも有名だが、これをHMDで見ると背中にぞんぞが走るぐらい美しいし、宇宙にぽっかり浮かんだスターチャイルドの浮遊感もひとりで見てるとちょっと気持ち悪くなったほど臨場感がすごい。

ニュー・シネマ・パラダイスニュー・シネマ・パラダイス 1989年イタリア・フランス合作
 元来はミニシアター系の映画なんだけど、それだけに劇場で見逃して「しまった」と思っている方は多いのではないだろうか。自宅でも映画館気分を味わえるHMDやプロジェクター向けの映画じゃないかと、筆者は勝手に思ってたりします。HMDだと石畳などの村の風景が美しく、シチリアの寒村にいる気分を満喫させてくれます。

タイタニックタイタニック 1997年アメリカ映画
 HMDで見ると、船の大きさや重量感がしっかりと感じられるのが素晴らしい。鑑賞に唯一問題があるとすれば、これも4時間近くある上映時間かも。もう14年も前の映画だってのに、ちょっと愕然(笑)。

20122012 2009年アメリカ映画
 最近のディザスター映画からは、2012年をチョイス。こういう作品は、HMDの疑似大画面とは相性ばっちりで、天変地異の中を逃げ回る主人公たちに感情移入できることうけあい。ハイ・コントラストの有機ELパネルだと、画面の細部の描き込みまでばっちり確認できる。

2011年11月17日 (木)

火天の城 (2010)

火天の城 宮大工の岡部又右衛門(西田敏行)は、織田信長(椎名桔平)の気まぐれからか安土城の築城を依頼される。その構想は、当時最大の7層の天守閣と中央に吹き抜けがあるという壮大なものだった。岡部は妻の田鶴(大竹しのぶ)と娘の凜(福田沙紀)に支えられて建築の準備を進めるのだったが…

 山本兼一の原作を映画化。幻の城である安土城の誕生秘話を描いた物語。当時の匠であったろう岡部と、風雲児信長がいい感じでからんで大変面白いストーリー展開となっている。彼を支える妻(大竹しのぶが好演)とか、宮大工たちの人間模様が良い。木曽に屋台骨となる杉の木をもらいに行くエピソードも見応えがある。蛇石が暴れるエピソードは、後半の見せ場だったんだろうけど思ったよりも唐突で軽く感じた。

 この映画は、歴史は切り口を変えて見ると面白いという好例だったと思う。築城3年で焼失したとされる安土城だけど、史実をぐちゃっと曲げることで有名な東映大型時代劇だけに、もっと奇想天外なラストを期待してしまったかな。

田中光敏監督。2010年日本映画。

2011年11月16日 (水)

英国王のスピーチ (2010)

英国王のスピーチ 第2次世界大戦前のイギリス。英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)の次男ジョージ6世(コリン・ファース)は、吃音に悩み人前でスピーチができない。何人もの医者に相談したがよくならず、夫人エリザベス(ヘレナ・ボナム・カーター)が見つけてきたライオネル(ジェフリー・ラッシュ)という男に身分を隠して治療を頼もうとするのだが…

 最も内気な英国王と言われたジョージ6世が、吃音を克服する様子を描いた物語で、アカデミー作品賞・主演男優賞・監督賞・脚本賞の受賞作品。タイトルからしてミニシアター系の映画を想像したんだけど、ストーリーが面白く、キャラクターが素晴らしく、あっという間の2時間であった。

 それにしても、英国王室のフレンドリーさはなかなかのもので、国民との距離がぐっと近いのが感じられる。吃音に悩んで、それを密かに克服しようとするジョージ6世、彼を毅然とした態度で人間として支えようとしたライオネルが時にかっこよく、時に等身大に描かれていて、見ていて本当に元気の出る映画である。

 エリザベス役のヘレナ・ボナム・カーターも久しぶりに正統派の役柄でほっとした。ティム・バートンにいじられまくった彼女も大好きなのだが、やっぱ本来は正統派の女優さんなんだと再認識させられた。

 スピーチの克服というすごく地味なテーマが、やがて国全体を勇気づけていくというあたりが説得力たっぷりに描かれる。優れた映画のネタなんて、どこに転がっているかわからないと感じさせられた。歴史もまだまだ切り口を変えて見たら、面白い物語が作れるものですね。

THE KING'S SPEECH
トム・フーパー監督。2010年イギリス=オーストラリア合作。

2011年11月14日 (月)

阪急電車 片道15分の奇跡 (2011)

阪急電車 阪急今津線に乗る人々を描いたオムニバスドラマ。婚約中の恋人を寝取られた翔子(中谷美紀)は当てつけにその結婚式に純白のドレスで挑む。同じ頃、彼氏(小柳友)の暴力に悩むミサ(戸田恵梨香)や、マナーの欠如したオバタリアン軍団の中で気をもむ主婦康江(南果歩)、地方から出てきて大学になじめない美帆(谷村美月)と圭一(勝地涼)、そして孫の亜美(芦田愛菜)を連れた時江(宮本信子)らが車内にいた…

 かつて阪急神戸線で通勤・通学をしていたことがあったので、大変懐かしい気分で見ることができた。神戸線だともっとツボにはまったのかもしれないけど、こちらは特急や急行が幅をきかせている路線だけに、普通電車が中心の今津線が選ばれたのだろう。住んでる方にとっては、かなりうれしい映画だろうと思う。

 ストーリーはいわゆる群像ドラマで、オープニングで10人ぐらい登場人物を紹介するあたりで記憶力の悪い私は「だめだ」と思ったけど、みんな再登場する時にいろいろと身辺の説明をしてくれるのでそれほど混乱することはなかった。扱っているのは男女の別れだったり、大学になじめない学生だったり、いじめられている小学生だったりと深刻なものなんだけど、それぞれにほのぼのとした結末が用意された癒やし系の映画である。路線に合わせて「往路」「復路」でストーリーが進んでいく内容も面白い。

 こういうのは青年誌のコミックが原作ってのが多いんだけど、有川浩の小説が原作。疲れた時に見ると、きっとほっとさせられると思う。

三宅喜重監督。2011年日本映画。

2011年11月13日 (日)

SONYのヘッドマウントディスプレイを試す(2) 3D映像はとっても自然

SONY HMZ-T1 前回はソニーの新ヘッドマウントディスプレイで見える映像の仮想サイズや、装着するめがね部分の重さなどについて書いたが、今回は唯一積み残していた3D映像に関するインプレッションを書いてみよう。

 ご存じのように、ヘッドマウントディスプレイ(以下 HMD)と3D映像というのは非常に相性が良い。以前から販売している、VuzixブランドのHMDもほとんどが3D対応となっているが、これは左右に完全独立した映像パネルを備えているというHMDの構造によるところが大きい。1枚の映像パネルで3D化しようというテレビやプロジェクターと違い、元々左右の独立した映像パネルを備えているからである。

Sony_hmd2  というわけで3D対応のブルーレイプレイヤーを用意できたので、さっそくHMZ-T1につないで鑑賞してみることとする。前回Panasonic Digaにつないだ時と同じく、接続はHDMIケーブル1本なので非常に簡単。何のトラブルもなく出画することができた。ソニーさんに用意していただいたサンプル映像は、アクション映画(スパイダーマン)、ミュージックビデオ、ゲームソフト(某有名レースゲーム)の3本。これを順番に鑑賞してみることにする。

 まずは映画である。3Dに切り替わっているはずであるが、元々映画の画面というのは2Dでも奥行き感があるので今見ている画面が2Dか3Dかわからないという感覚である。しかし画面が進むにつれて、強調された3Dが感じられるシーンと恐ろしく自然に見えるシーンが繰り返し見られる。「自然」という言葉がぴったり。これは我々がふだん世の中を見ている時に、これは3Dであるという意識をせずに見ているのと同じである。なぜだろう。

 いろいろ考えて思いついたのは、ソニーのHMDの3D映像は、点滅とか偏光レンズとか生身の目にとって不自然さを感じさせる要素がまったくないということ。たとえば映画館では左右で異なった方向の光をカットする偏光レンズをかけているわけだし、液晶のシャッターめがねだと不自然な点滅をもって今は3Dを見てるんだという気分になってしまってるわけだが、HMDだとそれがまったくない。偏光も点滅もなく、右目と左目の映像が別々に用意されたものを見ているだけなのだ。同時にこの映像だと、長時間見続けても疲れは少ないのではないかと思わされた。

 ミュージックビデオやゲーム映像になると、映像自身に非現実感が強いせいか3D感は映画よりも強調されている。特にレースゲームに出てくるスーパーカーの車の質感というのは素晴らしく、ゲーム好きというよりも車好きな方は一見の価値があるんじゃないかと思う。デモを見る限りは、PS3との相性は上々なのではないかという気がする。

 次回は最終回として、HMZ-T1で大作映画の数々を見たインプレッションを書いてみることにしよう(つづく)。

前回の記事はこちら
SONY ヘッドマウントディスプレイ HMZ-T1の販売ページはこちら

2011年11月11日 (金)

SONYのヘッドマウントディスプレイを試す(1) 750インチの大画面は本当?

Hmd1 大人気で発表と共に、予約が殺到したソニーのヘッドマウントディスプレイ HMZ-T1の試作機がついに入荷したので、さっそく試してみた。20m先に750インチ相当の画面が出現するという、衝撃のスペックは果たして本当なのかを検証してみたい。

 実際に手にした HMZ-T1は、筆者が過去に手にしたヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)のどれよりも大きい.一時期はやった、バーチャルリアリティのヘッドセットを思わせる。さらに別にプロセッサが必要なのと(写真の右側の黒い箱)、100V電源が必要なので出先での持ち歩いての利用は難しそうだ。車の中だと、インバーター電源を使えばかろうじて利用できるかもしれないが。

Hmd2  HMD-T1の入力は、HDMIのみという割り切りよう。ピン端子などのアナログ入力は一切ついていないので、ポータブルDVDなどをつなぐことはできない。今回は手持ちのブルーレイプレイヤー(Panasonic Diga)をつないで試してみることにした。

 レコーダーとソフトが3D対応であれば、3D画像も楽しむことができるのだが、今回はその環境はないので涙をのんだ。このあたりはいずれ追加でレポートしたいと思う。

Hmd3  ヘッドマウントユニットの重さは、約420g。手にしてみると、意外と重量がある。動作時には中央に青色のLEDが点灯するのが、サイバーな印象である。さすがに目立つデザインなので、これを電車の中など公衆の面前でかける勇気はない。

Hmd4  操作ボタンは、めがね部分の右下の位置に並んで配置されている。下から順番に電源ボタン、2つ横に並んでいるのはボリュームボタン、そしてGUIにあたるカーソルと決定ボタン。最初は戸惑ったが、ボタンはこれだけしかないので慣れると手探りですぐに操作できるようになる。

 ちなみに鼻当ての両側に並ぶスライドスイッチは、レンズの左右の幅を調整するもの。まずはこれをスライドさせて、スクリーンが正面に見えるように調整する。

Hmd5  鼻当てらしきものはいちおう存在するが、ここにはほとんど重量はかからない。ほとんどの重さは、おでこの位置にくるパッドが受け持つ。このパッドの位置はかなり重要で、これがぴたっとおでこに当たらないと、映像をクリアな状態で見ることができない。逆にいうと、フィッティングがぴったり決まるとものすごく美しい映像が眼前に広がる。

 なお、本機には視力の矯正機能はない。めがねをご利用の場合は、めがねをかけたままHMZ-T1を装着することとなる。レンズと目の間はそれなりに余裕があるので、無理に圧迫されるというような心配はなかった。

Hmd6  ヘッドホンも内蔵されている。こちらはサラウンドに対応するようだが、ヘッドホン自体は普通の耳掛け式のタイプを流用したかのように思える。前後と上下に位置調整が可能なので、本体をバンドで固定したあとに耳の位置に持ってくる。

 装着に関しては、後ろで止めるバンドが2本あり最初は戸惑ったが、一度装着が決まるとあとは手探りでカンタンに頭に脱着できるようになった。装着したままでもレンズの下から手元が見えるので、ちょっとしたリモコン操作ぐらいは可能。逆にこれが必要ない場合は、レンズの下にゴムのパーツを取り付けて視線を遮ることもできるようになっている。

Hmd7  それではさっそく、映像を見てみることにしよう。スイッチを入れると初期設定を求められ、ボタンを押すとトラブルなくレコーダーの映像を出画した。なるほど、今まで見たHMDの中では、画面サイズが一番大きい。750インチの画像に見えるのかといえば若干「?」の部分は残るが、少なくとも大きなリビングで80インチぐらいのプロジェクターを見ているかのような臨場感はある。しかも720pのフルハイではない映像にもかかわらず、有機ELパネルのおかげか恐ろしくコントラストが高くて美しい。

Hmd8  画像をチェックするために、片っ端から手持ちのハイビジョンの映画をつまみ見する。写真は某シネラマの大作映画だが、臨場感はなかなかのもので上下に黒帯が入っているにもかかわらず満足感がある。シネラマの映画館(もうないけど)の後ろの方の席に座ってみているかのような印象だ。映画好き・大画面好きの筆者としては、映画館の気分で楽しめるかどうかが一番の関心事だったのだが、大作映画を見ても遜色なく楽しむことができる。価格も手ごろだし、かなり気になる商品である。

 それでは最後に、HMZ-T1でよく言われる疑問について答えてみよう。

1.本当に20m離れた750インチの映像に見えるの?
   これは個人差があると思う。筆者の第一印象としては、数メートル離れた80インチぐらいのプロジェクター画面に近いように思えた。ただし映画館だと思えば、真ん中かちょっと後ろぐらいの席に座ってスクリーンを見たように感じることもできる。筆者は大画面好きなので、映画館ではかなり前の席(一番好きなのは最前列)に座る点から感じるギャップだろう。ただしHMDの画面は首を振ったら画面も付いてくるので、本当に画角の広い大画面だと左右の映像は視線移動だけで追うしかなく、気持ち悪くなるのかもしれない。

2.重たくない?
   それなりの重さはある。ただし、重さはほとんどおでこのパッドに当たるような重量バランスとなっているので、フィッティングさえしっかり行っておけば普通の姿勢をしている限りはあまり苦痛ではなかった。個人的には、2時間くらいの映画視聴に関しては大丈夫だった。確かに寝っ転がって見たら、さらに楽かもしれない。

 さらに映画ソフトを見ての感想を、次回の機会にご紹介しよう(つづく)。

SONY ヘッドマウントディスプレイ HMZ-T1の販売ページはこちら

2011年11月 7日 (月)

ダブル・ミッション (2010)

ダブル・ミッション 中国から出向中のCIAエージェントのボブ(ジャッキー・チェン)は隣家の美女ジリアン(アンバー・ヴァレッタ)と恋愛中。ところがその結婚を阻むのは、彼女の連れ子の3人(マデリン・キャロル、ウィル・シャドリー、アリーナ・フォーリー)だった。子供たちと打ち解けようとするボブだったが、子供の一人がボブのパソコンからロシアの極秘ファイルをダウンロードしてしまい…

 ジャッキー・チェン主演のキッズコメディ。アクション映画のスターがたどる道にキッズコメディというのがあるけど(そのほとんどが成功していない)、ジャッキーの場合はこれを60に近くなってやってしまったという感じ。しかも、ダサくしたジャッキーは本当にダサい親父でしかなく、それで突然秘めていたアクションの立ち回りを演じても、やっぱりダサさが払拭できなかったという感じ。うーん、企画に無理があったのかな。

 オープニングでジャッキーが若い頃のアクションシーンのダイジェストがあったり、ラストにお約束のNGシーンが用意されてたりと、ファンにとってはツボを押さえた演出ではありました。同じような役柄でありながら、成功していた「ベスト・キッド」とは対照的かな。

THE SPY NEXT DOOR
ブライアン・レヴァント監督。2010年アメリカ映画。

2011年11月 5日 (土)

アイ・スパイ (2002)

アイ・スパイ アメリカのステルス戦闘機が強奪され、ハンガリーのブダペストで犯罪組織のガンダース(マルコム・マクダウェル)によって競売にかけられるという情報が入る。シークレット・エージェントのアレックス(オーウェン・ウィルソン)は顔が売れてないからという理由で、民間人でボクシング・チャンピオンのケリー(エディ・マーフィ)と共にこの奪還作戦にブダペスト入りしたのだったが…

 エディ・マーフィとオーウェン・ウィルソンが凸凹コンビとして主演するコメディーアクション。原作はテレビシリーズらしい。しかし舞台がハンガリーのブダペストに移ると聞いたとたん、一抹の不安が… その不安は的中して、ぐだぐだとした盛り上がらない展開とギャグ、軽すぎるノリに始終しているうちに映画は終わってしまった。ブダペストが舞台のアクション映画はB級になってしまうのはなぜだ? ロケ費が安い?

 ヒロインとして出ているファムケ・ヤンセンが、適度に色っぽくていい役どころだったかな。マルコム・マクダウェルが出てるのに、後半の雰囲気が締まらないのはなぜ? ステルス戦闘機は、ボロ過ぎ。あんなの売りつけられる方がサギだ。

I SPY
ベティ・トーマス監督。2002年アメリカ映画。

2011年11月 1日 (火)

里見八犬伝 完結篇 暁の勝鬨 (1954)

里見八犬伝 完結篇 暁の勝鬨 いよいよ勢揃いした八剣士(東千代之介、中村錦之介、他)だったが、彼らの前に立ちはだかった最後の敵は800年生きた魔女の夕顔(朝雲照代)と、彼女にそそのかされた網乾左母二郎(小柴幹治)だった…

 ついに最終回を迎えた、滝沢馬琴原作の里見八犬伝。とはいっても、1本50分の5作品なので、全部通して見ても4時間強。つまり普通の映画だと2本分ぐらいか。意外と駆け足に感じる里見八犬伝なのであります。

 ところで、最後の最後に登場した夕顔って魔女が玉梓の怨霊なんだろうか。くねくねと踊りながら魔術を使ったりして不気味な女ではあるが、最後の敵にしては線が細すぎるぞ。かくして八剣士勢揃いと言われても、できることならもっともっと活躍してほしかった。正直言って食い足りない。なかなかの役者がそろっているのに、惜しい。

河野寿一監督。1954年日本映画。

2012年5月

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