映画

2012年5月25日 (金)

赤と黒 (1954)

赤と黒 木こりの息子ジュリヤン・ソレル(ジェラール・フィリップ)は、上流階級のレナール夫人(ダニエル・ダリュー)の住み込みの家庭教師となる。ところが彼は野心の持ち主であり、レナール夫人とは不倫の関係となる。元々神学校へ行く予定だったジュリヤンは、神父の持つ権力に憧れて入学を決意するのだったが…

 スタンダールの古典を映画化した、こちらも古典映画。舞台のセットのような画面だけど、雰囲気だけはなかなか重厚。しかし意外とストーリーが薄っぺらく感じてしまうのはなぜだろう。色男ジェラール・フィリップと熟女ダニエル・ダリューの雰囲気は抜群なだけに惜しまれるところ。

 主人公の独白がところどころ入るんだけど、何でそんな考えになるかってのが共感できないあたりが敗因かもしれません。原作を読んでから取りかからないといけないのかな。

LE ROUGE ET LE NOIR
クロード・オータン・ララ監督。1954年フランス映画。

2012年5月24日 (木)

オカンの嫁入り (2010)

Dszs07130 大阪で母陽子(大竹しのぶ)と二人暮らしをする娘の月子(宮崎あおい)だったが、ある夜母が酒にへべれけに酔って男を連れて帰る。玄関で寝ていたリーゼントの男研二(桐谷健太)と結婚すると言い出した母に、月子は思わず家を飛び出して向かいの大家サク(絵沢萠子)の家へ転がり込む。実は陽子には人に言えない秘密があったのだが…

 咲乃月音の原作を映画化。どうも京阪沿線でロケを行った、宮崎あおいと大竹しのぶが親子を演じる大阪が舞台のドラマ。二人とも関西の人じゃないはずなんだけど、果敢に関西弁に挑戦しているのはさすがで、個人的にはそれほど違和感なく見ることができた。というか、ほぼ同じ敷地内に大家が住んでいるこの建物とか、駅前の新興住宅地の雰囲気とか、何やらじゃりん子チエを思わせるかのような雰囲気があり楽しむことができた。

 湿っぽい話のはずなんだけど、この3人のキャラクターのおかげでからっと明るい泣き笑い物語になっております。

呉美保監督。2010年日本映画。

2012年5月22日 (火)

しあわせの雨傘 (2010)

しあわせの雨傘 70年代のフランスの地方都市。雨傘工場を経営するロベール(ファブリス・ルキーニ)が心臓病で入院し、妻のスザンヌ(カトリーヌ・ドヌーブ) は経営をまかされることになる。「飾り壺」と呼ばれ家庭におさまっていた彼女は、労働争議中の工場に乗り出していきこれを丸くおさめてしまう。そして残された問題を解決するために、かつての恋人であり今は市長のババン(ジェラール・ドパルデュー)に会いに行くのだったが…

 フランスのかつての美人女優カトリーヌ・ドヌーブの久々の主演作。彼女が恰幅のいいおばちゃんになっちゃって、ジャージ着てランニングするオープニングはかつてのファンにとっては衝撃なんかな、なんて想像はするけどよくわからない。しかし彼女の貫禄はなかなかのもので、労働争議を丸くおさめるだけでは終わらず、夫の浮気問題とか、あるいは自身の子供の父親問題とかいかにもフランス的な恋愛劇がぐるぐると行われて、それでもおさまるべきところへおさまってしまうあたりが新鮮といえば新鮮である。

 フランソワ・オゾン監督作らしく、時々舞台劇を思わせるような雰囲気は好き嫌いあるかもしれないけど、ツボにはまるとなかなか楽しめることうけあい。雨傘工場というのは、言わずとしれた「シェルブールの雨傘」へのオマージュか。おしゃれな雨傘を作れば業績が立ち直るというのは、あまりに当たり前過ぎてここだけ減点かも。

 それにしてもドパルデューも恐ろしく恰幅がよくなったもんで、彼とドヌーブが並ぶとその暑苦しさ(失礼!)は強烈です。ドヌーブは横顔に、かつての美人女優だった頃の面影がありますね。

POTIHE
フランソワ・オゾン監督。2010年フランス映画。

2012年5月18日 (金)

旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ (2009)

旭山動物園物語 日本最北端の動物園である旭山動物園は、入場者の激減に苦しんでいた。動物係として就職してきた吉田強(中村靖日)は人とのつきあいが苦手。園長の滝沢寛治(西田敏行)をはじめ、職員の面々(長門裕之、六平直政、岸部一徳、柄本明、塩見三省、他)は彼を暖かく迎え入れる。やがて市長の親戚である小川真琴(前田愛)も入職するが、園内で寄生虫のエキノコックスが発生する…

 今でこそ有名な「旭山動物園」の冬の時代を描いた物語。前半の落ちぶれた動物園のシーンがなんとも秀逸で、オンボロ庁舎に限りなく暑苦しいメンバー(最北端ですが)がいい雰囲気を出しています。これがどうやって回復していくんだろうかという、ある意味わくわくさせられるような展開です。

 しかし、起死回生のきっかけが何だったかというと、これが映画でははっきりわからんのです。「行動展示」によるものだろうけど、そこらへんの描き方はあいまい。どちらかというと、市長の交代(萬田久子)とそこから投入された資金ってことで片付けてもいいのかな。やっぱりカネか、いやカネを持ってくるのもドラマだというわけなのか。ほんわかとした動物シーンが続くわりには、この展開といい、ゾウのエピソードといい妙に辛口です。これはマキノ雅彦監督(津川雅彦さんです)の持ち味なんかな。

 良くも悪くも、西田敏行の泣き笑い映画になっていることも確か。なお当たり前ですが、ペンギンは本当には空を飛びません(笑)。

マキノ雅彦監督。2009年日本映画。

2012年5月17日 (木)

ヒア アフター (2010)

ヒア アフター キャスターのマリー(セシル・ドゥ・フランス)はリゾート先で津波に巻き込まれ、九死に一生を得る。パリに戻りその臨死体験をレポートしようとするのだが、番組は下ろされ回りの人間はどんどん離れていく。同じ頃、ロンドンに住む双子のジェイソン(フランキー・マクラーレン)とマーカス(ジョージ・マクラーレン)だったが、兄のジェイソンは交通事故で死んでしまう。そしてアメリカの霊能者ジョージ(マット・デイモン)はその能力を隠して工場勤務をしていたのだったが…

 このところ「死」をテーマにした内容が多い、というよりもそればっかりのクリント・イーストウッド監督最新作。「バベル」みたいに複数のストーリーが同時進行していくスタイルをとっているんだけど、この作品はちゃんと話が1つにまとまっていく、非常にストーリーの調和が取れたと感じる作品。しかし重要人物に思えたマリーの恋人とかジョージの料理教室の彼女とかは途中でフェードアウトしてしまうし、双子の片方は突然亡くなるしで、予備知識なく見たらかなり振り回されるストーリーで最後まで飽きることなく見ることができました。

 基本的には、超能力を持ってしまった人間の悲劇みたいなものを前面に出したストーリーなんだけど、死んでいった人たちとの会話も重要な位置を占めていて単純な人間賛歌のようにも思える。主人公の3人には、幸せになってほしいと思わずにはいられません。

 冒頭の津波のシーンは異様にリアル。見ながらちょっと涙が出てきた。

HEREAFTER
クリント・イーストウッド監督。2010年アメリカ映画。

2012年5月15日 (火)

ハリウッド式 恋のから騒ぎ (2008)

ハリウッド式 恋のから騒ぎ 自殺未遂まで起こした落ち目の映画プロデューサーのチャーリー(ウィリアム・H・メイシー)は、起死回生を狙ってプロデューサーのディドラ(メグ・ライアン)と組む。2転3転する脚本、どうしようもない俳優たいちと事態は悪くなる一方だったが、ついに主演俳優がロケ先でテロリストに誘拐されてしまい…

 映画界の舞台裏をテーマにした、8 1/2みたいなストーリーの映画。いきなり自殺願望のウィリアム・H・メイシーが出てきて煮え切らない展開がぐだらぐだらと繰り返されるあたりは、こりゃめちゃめちゃ退屈な映画やん、見るの苦痛だなと思ったりしたんだけど、映画制作がスタートしてからはがぜん面白くなってエンジンがかかってくる。

 特にくせものの主演男優(LL・クール・J)が誘拐されて、プラハに舞台を移してからの突貫工事がいい。こういう環境で作った映画の方が、実はいいものができるってのはわかる、わかるって感じでニンマリさせられました。

 メグ・ライアンはこのところ見ないなと思っていたので、久々の登場。やっぱ可愛い女優は歳をとっても可愛いです。相手がウィリアム・H・メイシーってのがちょっと微妙なラインかな。彼もダメ男を演じたら右に出る者なし、の個性派俳優だとは思いますが。しかしこの二人の関係に関しては、完全に添え物になっていたかのような感じでした。懐かしのエリオット・グールドもちょい役ですが出てます。

THE DEAL
スティーヴン・シャクター監督。2008年アメリカ映画。

2012年5月14日 (月)

ガリバー旅行記 (2010)

ガリバー旅行記 新聞社のメール係のガリバー(ジャック・ブラック)は、いつかは編集者にという夢を持っているが、新任のメール係にも馬鹿にされている始末。そんな彼があこがれている編集者のダーシー(アマンダ・ピート)から旅行記事を書いてみないかと誘われて、バミューダーへの旅に出たのだったが、彼が行き着いたのはセオドア王(ビリー・コノリー)が治めるこびとの国だった…

 有名なジョナサン・スイフトの同名作の映画化。というか、これが映画化されたのを筆者は知らない。調べてみるとそれっぽい小品は存在しているけど、本格的な映画化ってのは初めてなんじゃないだろうか。

 内容は原作に忠実なわけではなく、ジャック・ブラックを主演に現代版にアレンジ。4話あるうちのこびとの国と一部巨人の国のエピソードを盛り込んで、ファミリー向けコメディに仕上げたという感じ。ジャック・ブラックのダンスやワルノリもそれなりに満開(ただし毒は少ない)で、ライト感覚で楽しめるといった仕上がりである。こびとの国で仲良くなったホレイショ(ジェイソン・シーゲル)やメアリー王女(エミリー・ブラント)とのエピソードはほのぼのとしたいい味を出している。

 アメリカ映画が大好きなサクセスストーリーなんだけど、ほんのちょっとした勇気が物事を好転させるってのが、お手軽アドベンチャーにもかかわらず嫌いではない点である。ところでダーシーはなんでこんなガリバーが気になっていたんだろう?

 ひとつだけ気に入らなかったのは、こびとの国にかかわらず、ガリバーの立てる水しぶきが巨人のそれであったこと。ミニチュア特撮のような、ちゃぷちゃぷの方がかえってリアルだったんじゃないか? 大砲のメタボ反撃は、強烈にグロくて暑苦しかったぞ。

GULLIVER'S TRAVELS
ロブ・レターマン監督。2010年アメリカ映画。

2012年5月 9日 (水)

ウォール・ストリート (2010)

ウォール・ストリート 投資銀行に勤めるジェイコブ(シャイア・ラブーフ)は次世代エネルギーへの投資事業に携わり、私生活ではジャーナリストのウィニー(キャリー・マリガン)と結婚寸前。ところが勤務先の銀行が破綻し、その原因がライバル会社の金融王ブレトン(ジョシュ・ブローリン)であると知る。ジェイコブはウィニーの絶縁状態の父である、かつての金融王ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)の門をたたくのだったが…

 「ウォール街」の実に23年ぶりの続編。前作と同じくオリヴァー・ストーンのメガホンで、あのゴードン・ゲッコーの再来に加えて、チャーリー・シーンもちょこっと登場して濃い後日談を吐いていくなど、まさしく正統派の続編である。しかし金融マンの神通力はゲッコーの持っていた巨大な携帯電話と同じくさび付いてしまったのか、何ともキレの悪い展開に終始してしまった感じがする。勢いのあるウェブサイトが世界を動かすというのは真実であるとは思うが、この映画の後半のヤマ場に持ってくるにしてはちょっと意外性に欠けた感じがする。

 ただしこの映画の好きなところは、ジェイコブが次世代エネルギーにとことんこだわるあたり。エネルギーの詳細に関しては触れられてなかったけど、さしづめ自然エネルギーってことだったら、世界を良くするためにこれにこだわるってのはわかる、わかるって感じで共感してしまった。投資に理想を持ち込むと読み誤るなんてセリフもあり、それも真実だと思うんだけど、やっぱ完全に理想を失っては寂しいんじゃないかと思ってしまった次第。

WALL STREET: MONEY NEVER SLEEPS
オリヴァー・ストーン監督。2010年アメリカ映画。

2012年5月 8日 (火)

大殺陣 (1964)

大殺陣 4代将軍家綱の時代、神保平四郎(里見浩太朗)は新婚の妻加代(三島ゆり子)と静かに暮らしていたが、謀反に加わった友人の中島を家に入れたがために騒ぎに巻き込まれ、妻の加代は斬り殺されてしまう。錯乱する神保をとめたのはみや(宗方奈美)という女で、下っ端に復讐を果たすよりも、山鹿素行(安部徹)の率いる次期将軍綱重(可知靖之)の暗殺計画に加わることを持ちかける。かくして山鹿の指揮のもと、刺客たちは着々と準備を進めるのだったが…

 「集団構想時代劇」と呼ばれる、新しいジャンルを切り開いたとされる時代劇。なるほど、そのモノクロ画面は何やら実録やくざ映画みたいな硬派な作りで、たんたんと語られるストーリーにはぐいぐいと引き込まれてしまった。基本的には世直しのための暗殺劇に荷担する人間模様を描いたドラマなんだけど、ラストの綱重暗殺に関する一部始終はニュースを見ているかのように面白い。

 しかしこの映画のもう一つのテーマといえば、命の重さでしょう。出陣前に、妻子を斬り殺す父親(大坂志郎)のエピソードはあまりに強烈過ぎてトラウマになりそう。人を呪えば穴二つと言われるけど、次期将軍を討つという大仕事と引き替えにはあまりに大きな犠牲である。またラストには神保をかくまった旗本の浅利又之進(平幹二朗)のエピソードは爽快感があるんだけど、ひたすらむなしさを感じさせる。荒削りだけどひたすら骨太な、全盛期の時代劇大作の1本である。なおタイトルは「おおたて」ではなく「だいさつじん」と読むらしい。

工藤栄一監督。1964年日本映画。

2012年5月 7日 (月)

キス&キル (2010)

キス&キル 失恋の痛手を忘れるために両親(トム・セレック、キャサリン・オハラ)と南仏ニースへ旅行に来ていたジェン(キャサリン・ハイグル)は、人の良さそうなイケメンのスペンサー(アシュトン・カッチャー)に惹かれて恋をする。実は彼は引退を考えるヒットマンのスパイなのだったが、そのことを隠してジェンと結婚して3年が経過する。ところがスペンサーの首に2000万ドルの賞金がかかり、賞金稼ぎたちがわさわさと襲いかかってくることになり…

 「実はスパイだった」という巻き込まれ型ラブコメディ。近作ではタイトルも似た「ナイト&デイ」が思い起こされるが、「一見、普通の人だけど実は人殺し」という点で「Mr.&Mrsスミス」の方が頭にちらついた。しかし、結婚して3年後に実は殺し屋だってことがわかるなんて迷惑もいいところ。こりゃ子供をつくれば孫子の代まで呪われそうでっせ。

 アシュトン・カッチャーは「抱きたいカンケイ」と立て続けに見たので、元々つかみどころがないだけに、両方のキャラクターイメージが混じって困った。キャサリン・ハイグルはびっくりした顔が印象的なコメディ向けの女優さん。コミカルでいい味を出しているんだけど、このポジションってアン・ハサウェイとかアマンダ・セイフライドとかエイミーアダムスとかいろいろひしめきあってるんだけど生き残っていけるのかな? 父親役のトム・セレックはずいぶん久しぶりの登場で、この濃いさは相変わらず。ラストはにんまりさせてくれました。

KILLERS
ロバート・ルケティック監督。2010年アメリカ映画。

2012年5月 4日 (金)

恋空 (2007)

恋空 高校生の美嘉(新垣結衣)のもとへ、見知らぬ誰かから電話がかかってくるようになり、やがて彼に心を開く。決心の末、実際に会ったヒロ(三浦春馬)は髪を染めたヤンキー風の少年。彼にぐいぐい振り回される美嘉に、やがて次々と事件が襲いかかり…

 美嘉原作の人気ケータイ小説を映画化。というか、見ながらとっても重い展開にもかかわらず非常に軽いタッチに違和感を覚えまくり、これってたぶんケータイ小説かライトノベルか、あるいは少女漫画のどれかだろうって思ったら一番最初のんが当たりだった。美嘉がいかにも普通の女子高生であるだけに、このジェットコースターのような展開って一体!?

 れいによって少女の親目線で見てしまった筆者は、死別を除いてその考えられる限りのすべての不幸が娘の身にふりかかってくる展開にのけぞってしまったぞ。美嘉の父(高橋ジョージ)の「俺の気持ちがわかるか!!」という叫びに、思わず「わかるぞ、わかるぞ」と頷いてしまった(笑)。中高生に大人気の映画なのだそうだけど、これが一般的な中高生の感覚だとしたらちょっとコワイかもしれない。

今井夏木監督。2007年日本映画。

2012年5月 2日 (水)

抱きたいカンケイ (2011)

抱きたいカンケイ ハイスクールの頃から微妙なカンケイにあったエマ(ナタリー・ポートマン)とアダム(アシュトン・カッチャー)だったが、ひさびさの再会で盛り上がり、ついに一線を越えてしまう。ところが駆け出しの医者で恋愛するヒマもないエマは、アダムに体だけの関係を持ちかけ、すんなりと合意する。父のアルヴィン(ケヴィン・クライン)が自分の元カノを寝取っていたことから逆上したアダムだったが、やがてエマとの関係も微妙なずれが生じて…

 アイヴァン・ライトマン監督によるラブコメディ。テーマはいわゆるセフレに関するものなんだけど、ナタリー・ポートマンとアシュトン・カッチャーという何やらこの役柄にするには見た目に違和感ありありの二人が演じるあたりが妙に意味深で味がある。しかし、いくらそっちの関係が先走ったとしても、あとから情が移ってくるのは当然じゃないかな、なんて思いながら見たので、別にどうこう言う映画じゃないんじゃないかなってのが正直な感想である。

 しかし、笑いを取ってくれたのはケヴィン・クライン演じるアダムの父親。ラストで、想像していたとおりのオチを作ってくれたのは、わかっていながらもニンマリさせてくれました。アイヴァン・ライトマン監督自身もダンスの振り付け部分でちょっとだけ登場しています。この人、コメディだけの人かと思ってたのでこんな映画も撮れるってことに驚いてしまったぞ。

NO STRINGS ATTACHED
アイヴァン・ライトマン監督。2011年アメリカ映画。

2012年5月 1日 (火)

アジャストメント (2011)

アジャストメント スラム出身の議員デヴィッド・ノリス(マット・デイモン)は上院議員選に立候補するが、その選挙戦の途中でエリース(エミリー・ブラント)と名乗る女性と出会い恋に落ちる。ところがデヴィッドは突然謎の男たちに拉致され、彼女を忘れることを指示される。選挙に落ちたデヴィッドは彼女のことが忘れられず、3年間同じバスに乗り続けてついに彼女に再会することができたのだったが…

 フィリップ・K・ディックのSF「調整班」が原作のSFアクション・ラブストーリー。アジャストメント・ビューロー、いわゆる調整班と呼ばれる謎の男たちに、決められた運命から外れようとするデヴィッドが矯正されていくというのがメインストーリーなんだけど、運命は自分で切り開くというのが永遠のテーマであるハリウッド映画にしては、これを容認するはずがない。かくして主人公は決められた運命をぶっつぶすために奔走するのである。まるでディズニー映画のように、最後が読めてしまうあたりはご愛敬である。

 しかし奴らは神か宇宙人かよくわからんのだけど、ちまちまと運命を調整していくあたりに何の意図があるんだろうと最後まで疑問は解けなかった。調整局から運命を告げられるあたりは、往年の名作「デッド・ゾーン」の雰囲気を感じたりもしたが、あちらほどの感動はないのが痛いところ。そもそも、けんかっ早い彼がアメリカを救えるのか? 調整局ってのはアメリカを救う善意団体なのか? どんどん開いていく「どこでもドア」は爽快感たっぷりだったけど。

THE ADJUSTMENT BUREAU
ジョージ・ノルフィ監督。2011年アメリカ映画。

2012年4月30日 (月)

余命1ヶ月の花嫁 (2009)

余命1ヶ月の花嫁 ビジネスマンの太郎(瑛太)とイベントコンパニオンの千恵(榮倉奈々)がイベント会場で知り合い、つきあうようになる。やがて一緒に暮らし出す二人だったが、実は彼女は乳がんを患っており一方的に別れてしまう。あきらめきれない彼は千恵の父貞士(柄本明)の元に通い詰めるのだったが…

 話題になったノンフィクション「余命1ヶ月の花嫁」の映画版。難病ものの映画としては非常にストレートな作りで、映画としては正直言って何か物足りなさを感じた。かつての名作「愛と死を見つめて」を再見しているような気分。テレビのルポタージュ版はとっても評判が良いらしいので、残念である。

 主演の榮倉奈々さんは健康的で魅力的な女優さんだけに、彼女がずっと寝ている姿というのは痛々しいのは確か。しかし前半の普通の恋愛パートが、妙にこっぱずかしい感じがしたのが難点で、そのこっぱずかしいまま最後まで突っ走ってしまったというのが正直な感想。何が足りないんだろう…

 父親役の柄本明の存在感って凄い。瑛太の母親役の手塚理美もいい歳のとり方をしていると思う。鉄則かもしれないけど、こういう映画には名バイプレイヤーは必須ですね。

廣木隆一監督。2009年日本映画。

2012年4月27日 (金)

イキガミ (2008)

イキガミ 「国家繁栄維持法」が施行され、1000人に1人の若者が25歳までに、意図的に抹殺される世界。公務員の藤本(松田翔太)は、この死亡予告通知である通称「イキガミ」の配達人に指名される。彼の最初の仕事は、ストリートミュージシャンの田辺翼(金井勇太)にイキガミを届けること。受け取った母(リリィ)は泣き崩れ、デビュー寸前の翼はある行動に出るのだったが…

 他に、息子の直樹(佐野和真)にイキガミが届いた政治家の和子(風吹ジュン)と、目の見えない妹さくら(鳴海璃子)のために、イキガミが来た自分の角膜を提供しようとする兄さとし(山田孝之)のエピソードを描く。間瀬元朗のコミックの映画化で、エピソードの積み重ねはどちらかというとテレビドラマに向いているかのような内容。しかし冒頭にスピーディーにイキガミのシステムを見せつけるあたりから物語にぐぐっと引き込まれる。映画のアイディアは確かである。

 狂言回し役の松田翔太は、いわゆる「シニガミ」役なんだろうけど、無機質で不気味な男に見えて実は情が深いという設定は良いです。ちょっとお涙的な話ではあるけど、3話が一番ぐっときたかな。松田翔太の上司とのやり取りを聞いていると、みんなこのひどい時代をなんとか無事に生き延びようと裏で努力している様子が見て取れます。

瀧本智行監督。2008年日本映画。

2012年4月26日 (木)

80デイズ (2004)

80デイズ ロンドンの美術館で、警官に追われた中国人パスパルトゥー(ジャッキー・チェン)は発明家のフォッグ(スティーヴ・クーガン)の家へ転がり込む。泥棒と間違われるのを避けて彼の助手になったパスパルトゥーだったが、王立科学アカデミーとの賭で彼らは80日間で世界一周することを宣言する。途中、パリで画家の卵モニク(セシル・ドゥ・フランス)を加えて3人となった一行だったが…

 あの名作「80日間世界一周」のリメイクのようだが、有名なテーマ曲もなく助手は中国人にアレンジされ、しかもジャッキー出演だけにカンフー映画の味付けがされてまったく別物の映画になっちゃった印象。もっとも私はオリジナルの「80日間世界一周」も、気球で世界一周する物語だと思い込んでいたので列車や船を乗り継いで、というストーリーに少なからず違和感を覚えたクチなので、この映画に対しても似たような感想といったところなのかもしれない。

 もっともオリジナルを引き継いでいるのは有名スターのカメオ出演というところもあり、アーノルド・シュワルツェネッガー、サモ・ハン・キン・ポー、キャシー・ベイツ、オーウェン・ウィルソンといった蒼々たるメンバーがちょこちょこっと出ているところは楽しい。しかし、ストーリーもギャグもどうにも三流四流の域を出ていない感じで、何かできの悪いバラエティ番組を見ているような気分で終わってしまった。世界一周の割にスケール感に乏しく、インドと中国ってそんなに狭いの?太平洋ってそんなに小さいの?って感じでとっても残念。最後に登場する飛行機なんて、どう見ても飛ぶように見えないぞ!?

AROUND THE WORLD IN 80 DAYS
フランク・コラチ監督。2004年アメリカ映画。

2012年4月25日 (水)

トゥルー・グリッド (2010)

トゥルー・グリッド 開拓時代の西部。少女マティ・ロス(ヘイリー・スタインフェルド)は、雇い人トム・チェイニー(ジョシュ・ブローリン)に殺された父の遺体を引き取りに町に来ていた。トムがインディアン保護区に逃げ込んだときいたマティは、これを捕らえるために腕利きの保安官ルースター・コグバーン(ジェフ・ブリッジス)を雇うことにする。しかしルースターはとんでもない飲んだくれで、なかなかマティの願いをききいれてくれないのだったが…

 西部劇の古典「勇気ある追跡」のリメイク。調べてみると、ルースター・コグバーンというのはジョン・ウェインのあの片眼の保安官の役名。えらいもんをリメイクしたもんだと思うんだけど、最近いい仕事をしているジェフ・ブリッジスはなかなかのはまり役で本作でも頑張っていると思う。彼をサポートするレンジャーにマット・デイモン。そしてちゃきちゃきと荒くれ男たちを仕切るやり手の少女にヘイリー・スタインフェルド。西部劇には時々、全盛期を思い起こさせてくれる良作が登場するんだけど、これもそんな作品の1本。西部劇ってのは、映画ジャンルの中では忘れちゃいけないもののひとつなのかもしれません。

 前作は大昔に見たはずなんだけど、ストーリーはすっかり忘れてしまってました。この映画のできが良かったから、前作も見たくなったぞ。ストーリーは復讐もののスタイルをとってるんだけど、人を呪えばなんとやらでラストのエピソードが妙に深い。このチャキチャキ少女、どんな大人になるんだろうかと思ったら、本当に納得できそうなラストが用意してあるのがなんともです。

TRUE GRIT
ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督。2010年アメリカ映画。

2012年4月23日 (月)

ナルニア国物語 第3章 アスラン王と魔法の島 (2010)

ナルニア国物語 第3章 アスラン王と魔法の島 ルーシー(ジョージー・ヘンリー)とエドマンド(スキャンダー・ケインズ)兄妹は、いとこのユースチス(ウィル・ポールター)の家に預けられている。ところが部屋の海の絵が動き出し、ユースチスもろともまたもやナルニア国に呼び込まれる。彼らを乗せた帆船・朝びらき丸には、カスピアン王(ベン・バーンズ)やねずみのリーピチープ(声:サイモン・ペッグ)が乗っていた。実は彼らは、悪の魔法を封じるために、7本の魔法の剣を探す旅に出ていたのだったが…

 C・J・ルイス原作の「ナルニア国物語」の映画化第3弾。今回は舞台は海で、帆船に乗っていくつもの島を旅して、魔法の剣を探し求めるというストーリー。もちろん島にはいろんな敵がいてトラップが仕掛けられていて、というのはアドベンチャー映画のお約束。原作に取り立てて思い入れがあるわけではないが、今回は兄妹の上の二人が冒険に参加しないのと、何やら性格の悪そうないとこが巻き込まれて同行するってのがミソ。このいとこのユースチスと、ねずみに感情移入して見ると結構楽しむことができました。

 しかし、訓練も何もしていない普通の子供が冒険して殺し合ってしまうっていうインスタント・アドベンチャーなのは変更なし。児童文学が原作なんだからこんなところを突っ込んでもしょうがないのかもしれないけどね。なお劇場版は3Dで、ラストのウミヘビ(サーペンタイン?)との戦いは小さな画面で見てもなかなかの迫力がありました。

THE CHRONICLES OF NARNIA THE VOYAGE OF THE DAWN TREADER
マイケル・アプテッド監督。2010年イギリス映画。

2012年4月20日 (金)

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ (2009)

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ イギリスはリバプールで、叔母のミミ(クリスティン・スコット・トーマス)夫婦の元で育てられたジョン・レノン(アーロン・ジョンソン)だったが、その叔父が急死してしまう。葬儀の日に実の母ジュリア(アンヌ・マリー・ダフ)に偶然出会ったレノンは、その自由奔放な生き方にひかれた上に、ロックンロールの手ほどきまで受けてしまう。やがて、二人の母の葛藤に巻き込まれていくレノンだったが…

 ジュリア・ベアードの原作で、ビートルズ結成前のジョン・レノンのエピソードを綴った伝記映画。まったく対照的な二人の母の間を行ったり来たりするレノンが描かれるが、厳格な叔母(育ての母)と奔放な実母のどちらが欠けても、後のレノンはいなかったんだろうなと思いながら見ると感慨深い。この微妙な関係がちょっとでも違っていたら、世界の音楽史は変わっていたかもしれないってところか。

 ドラマティックなエピソード中心に描かれるけど、映画としては地味な部類。ビートルズが好きだったら後につながる面白いエピソード満載なのかもしれないけど。余談だけど、トーマス・ブローディー・サングスター演じるポール・マッカートニーはあんまり似てない。

NOWHERE BOY
サム・テイラー・ウッド監督。2009年イギリス=カナダ合作。

2012年4月19日 (木)

バーレスク (2010)

バーレスク 田舎町のウェイトレスをやめて、単身ロサンゼルスへ成功を夢見てやって来たアリ(クリスティーナ・アギレラ)。バックダンサーを目指しながらもろくな就職口がなく、たまたま流れ着いたのがテス(シェール)がオーナーを務める「バーレスク」というクラブ。バーテンダーのジャック(カム・ジカンディ)に取り入ってウェイトレスとして雇ってもらった彼女だったが、メンバーの欠員をきっかけに舞台に上がるチャンスをつかみ…

 人気シンガーのクリスティーナ・アギレラの映画デビュー作。しかしシェール姉さんと並んだパッケージを見た印象は、これってぜったいに魔女の映画だって先入観が(笑)。しかし中身は正統派のミュージカル・サクセス・ストーリーで、私くらいの年齢だと「フラッシュダンス」が想像させられる内容。

 ストーリーは、彼女がシンガー&ダンサーとして認められるところに加えて、店の存続問題(買収を持ちかけるマーカスことエリック・デイン、共同経営者のショーンことスタンリー・トゥッチがからむ)、アリ自身の恋愛問題などなど、バラエティーに色づけされているんだけど、やっぱ彼女のサクセスストーリー以外は完全に添え物状態。

 まぁ、この映画はクリスティーナとシェール姉さんの圧倒的なパフォーマンスを楽しむってのが正しい見方でしょう。普段着(すっぴん)と舞台でのアギレラの落差は凄いぞ。

BURLESQUE
スティーヴン・アンティン監督。2010年アメリカ映画。

2012年4月18日 (水)

シカゴ (2002)

シカゴ 1920年代のシカゴ。ショービズにあこがれる主婦のロキシー・ハート(レニー・ゼルウィガー)は、裏切った愛人を逆上して射殺してしまう。刑務所に送り込まれた彼女は、そこで憧れの歌手ヴェルマ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)に出会う。敏腕弁護士のビリー・フリン(リチャード・ギア)を雇ったロキシーは、無罪の主張どころか殺人を踏み台に売れっ子にのし上がって行くのだったが…

 ボブ・フォッシーのミュージカルを映画化。アカデミー作品賞までとった話題作を、今更ながら初見。なるほど、歌い踊るレニー・キャサリン・ギアの3人はこの上もなく贅沢で楽しくて面白いんだけど、何かがしっくりこない。何なんだろう。そう、殺人さえもネタにしてしまうショービズ界と、それをよいしょしてしまう民衆、そしてこの映画がそのまんまアカデミー作品賞まで取ってしまうという点かなぁ。たとえばアクション映画なんかで人が死ぬシーンはある意味お約束としてスルーしてしまうもんだけど、この映画に関しては妙にその部分がリアルなのだ。

 ただしその部分を置いておけば、3人の歌と踊りはなかなかゴージャスで見応えがあるし、3人に加えて熱演する看守役のクイーン・ラティファの役柄でのうさん臭さと、これまた圧倒的なパフォーマンスを見せてくれるミュージカルシーンも見所ではある。

 微妙になさけない、ロキシーの夫役のジョン・C・ライリーもいい。ルーシー・リューがちょい役で出てるんだけど、この頃は無名だったんだろうか?

CHICAGO
ロブ・マーシャル監督。2002年アメリカ映画。

2012年4月16日 (月)

トロン レガシー (2010)

トロン レガシー 前作の主人公、ケヴィン・フリン(ジェフ・ブリッジス)が突然姿を消してから20年。残された息子のサム(ギャレット・ヘドランド)はポケベル経由で父からのメッセージを受け取る。父が残したゲームセンターの廃墟へ入ると、そのまま物質転移光線をあびてコンピューターの世界へ迷い込んでしまう。電子バイクのサバイバルゲームに巻き込まれた彼を救ったのは、謎の女性クオラ(オリビア・ワイルド)だったが…

 あの82年の伝説のCG映画「トロン」の、なんと28年ぶりの続編である。ちょうどパソコンがはやりだした頃で、「トロン」はレーザーディスクを購入してすり切れるほど見た(実際はすり切れませんが)のを思い出します。というわけで、ストーリーはきちんとつながっていて、前作の主人公ケヴィンはいい歳のおっさんになっていて、主人公はその息子である。悪の帝王に支配された仮想コンピューター世界を救おうというストーリーはそのまんま。

 技術はもちろん比べものにならないほど進んでいて、光電子バイクの中で何かが回転している様子がとっても美しいのが印象的。光子帆船とか当時の映像を連想させる乗り物とかがいっぱい出てきて、いずれも美しく描き込まれているのは一見の価値がある。ヒロイン役のオリビア・ワイルドがぴたっとはまっていてこれまた美しい。彼女の素顔を見てみたい気がする。

 ストーリーはとりたててどうこう言う内容ではないんだけど、父と子の関係はなかなか入念に描き込まれているように思えました。オリビア・ワイルドがバイクの背で太陽をながめるシーンは、なかなか感動的です。

TRON LEGACY
ジョセフ・コシンスキー監督。2010年アメリカ映画。

2012年4月15日 (日)

オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式 (2010)

オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式 同棲中の恋人に出て行かれたアダム(ジョン・キューザック)は、甥のジェイコブ(クラーク・デューク)、友人のルー(ロブ・コードリー)、ニック(クレイグ・ロビンソン)の4人で憂さ晴らしにいつものリゾートホテルへと出発する。馬鹿騒ぎで泥酔して部屋のジェットバスに入ったところ、突如4人は80年代にタイムスリップする。そこで彼らは、自身の過去の秘密に遭遇するのだったが…

 タイムマシンものなんだけど、SFとかSFXなんかとはほとんど無関係のシチュエーション・コメディ。当時の音楽と下ネタ満載で、現代へ戻ることよりもこんがらがった事態の収拾をつけるほうがストーリーのメインになっているのが面白い。しかし、消えかかった甥っ子ジェイコブのくだりなんて、別の意味での彼らの愛を感じるなあ。とんでもないバカ映画なんだけど、このあたりのほのぼの感は捨てがたい。

 片腕の管理人チェヴィー・チェイスがいい感じで笑いをさらってます。かなりブラックな笑いなんだけど。そういえば邦画でも似たようなタイトルのんがあったはずだけど(未見)、どっちが先なんだろう? 劇場未公開。

HOT TUB TIME MACHINE
スティーヴ・ピンク監督。2010年アメリカ映画。

2012年4月13日 (金)

恋とニュースのはじめ方 (2010)

恋とニュースのつくり方 テレビ局を失業したベッキー(レイチェル・マクアダムス)は、ローカルテレビ局の朝番組「デイブレイク」を立て直すという条件でプロデューサーとして雇われる。しかしこの番組は局のお荷物で、アナウンサーのコリーン(ダイアン・キートン)をはじめとする古参のスタッフが巣くっている上に、短期間でプロデューサーが何人も変わっているというシロモノ。かくしてベッキーは、伝説のキャスターであるマイク・ポロメイ(ハリソン・フォード)をかつぎ出すのであったが…

 タイトルからわかるようにテレビ局を舞台にしたラブコメものなんだけど、珍しく恋よりも仕事の方に重点がおかれた作りで、恋に関してはベッキーのボーイフレンドであるアダム(パトリック・ウィルソン)を私が上のあらすじに書くのを忘れたほどの扱い。しかしこれ、すっごく共感できたというか、視聴率を上げていくくだりが本当にベッキーを応援したくなるし、仏頂面で足ばっかり引っ張っていたハリソン・フォードが決めるところは決める部分などは、思わず感動してしまった。予定調和なんだけどいい映画である。

 キャスターが体当たりで何かするってのが視聴率を上げるってあたりは、西東かかわらず普遍のことなんかな。ジェフ・ゴールドブラムが、珍しくベッキーの上司役で登場。彼、久しぶりに見た。ダイアン・キートンは思ったほどは見せ場がなくて残念。キュートなレイチェル・マクアダムスはちょっぴり注目株。

MORNING GLORY
ロジャー・ミッシェル監督。2010年アメリカ映画。

2012年4月12日 (木)

ザ・ライト エクソシストの真実 (2011)

ザ・ライト 家業の葬儀屋を継ぐか牧師になるかを父イシュトヴァン(ルトガー・ハウアー)に勧められたマイケル(コリン・オドナヒュー)は神学校へ進むが、納得できない日々を過ごす。そんな彼はローマのエクソシスト養成教室へ入ることを勧められ、その道の第一人者であるルーカス神父を紹介される。やがて彼の悪魔払いの儀式に立ち会わされるマイケルだったが…

 実在するエクソシストの養成教室を描いた、かなり硬派はオカルト映画。しかしどうしても納得できないのが、クリスチャンを中心に描かれているだけに、たとえば仏教徒に悪魔が乗り移ったらどうなるの?とか考え出すと止まらなくなって、気がつくと映画は終わっていた。

 アンソニー・ホプキンスはやっぱりこういううさん臭い(失礼)役柄がぴったりで、その顔写真だけでブルーレイのジャケットが成り立ってしまうのもさすがだと思う(笑)。ルトガー・ハウアーは久しぶりに見たけど、歳とってもやはり同様のオーラがある。

THE RITE
ミカエル・ハフストローム監督。2011年アメリカ映画。

2012年4月11日 (水)

エンジェル ウォーズ (2011)

エンジェル ウォーズ 母が死に、妹は義理の父により惨殺され、自身は矯正施設へと入れられてしまった少女ベイビードール(エミリー・ブラウニング)。ロボトミーの手術を受けさせられそうになった彼女だったが、仲間のスイートビー(アビー・コーニッシュ)、ロケット(ジェナ・マローン)、ブロンディ(ヴァネッサ・ハジェンズ)たちと脱走を企てる。そんな彼女の武器は、誰でもが魅了されてしまうダンスだったが…

 萌え系の衣装をまとった少女たちが戦うというその筋の映画のようだが、ストーリーは精神病院が実はミュージカルの舞台であって娼館であって、しかも主人公のベイビードールのダンスがいろんな世界でのヴィデオゲームのような戦闘とつながっていて…という、まるで「インセプション」のような一筋縄ではいかない構成を持った映画である。これって、マニア向けのこむつかしいアニメ(あんまり見たことないんだけど)に近い内容なのかな。

 キャラクターとしては、主人公のベイビードールよりも脇役であるはずのアビー・コーニッシュやジェナ・マローンの方がはるかに魅力的に感じる。いいところは、ベイビードールの妄想の中に現れるスコット・グレンが全部かっさらっていってる感じ。ひたすら暗いエンディングだけど、妙に心に残るのは確かである。

SUCKER PUNCH
ザック・スナイダー監督。2011年アメリカ=カナダ合作。

2012年4月 9日 (月)

ぼくのエリ 200歳の少女 (2008)

ぼくのエリ 200歳の少女 オスカー(カーレ・ヘーデブラント)は12歳の少年だが、学校では旧友にいじめられ、いつか復讐をと考える屈折した日々をおくっている。そんな彼女のアパートの隣の部屋に、エリ(リーナ・レアンデション)という同級生の少女が引っ越してくる。同じ頃、近所では猟奇殺人事件が立て続けに起こり、住民は不安な夜を送るのだったが…

 スウェーデンの作家ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの「モールス」を映画化。確かに、主人公のオスカーとエリが壁をたたいたりしてモールス符号で会話することが物語の重要なキーになっている。

 邦題からわかるように、ヴァンパイアを好きになってしまった男の子の物語だけど、彼の屈折具合以上にもつれこんだストーリーはなかなか味がある。単純な初恋物語ではなくて、オスカーが落ち込んでいく恋愛地獄のような世界は文字通り痛々しい。

 エリが色気がなくて素朴な女の子だというのも、不思議な魅力があって引き込まれるものがある。映画自体はいかにもヨーロッパ風で、荒削りな感じまでしたけど、ひょっとして10年後までしっかり記憶に残してしまう作品ではないかと思ってしまうのである。なおハリウッド版リメイクとして「モールス」という映画もあるらしい。

LAT DEN RATTE KOMMA IN
トーマス・アルフレッドソン監督。2008年スウェーデン映画。

2012年4月 7日 (土)

トプカピ (1964)

トプカピ 女泥棒のエリザベス(メリナ・メルクーリ)は、友人ウォルター(マクシミリアン・シェル)と共にトルコの神殿から、巨大な宝石が埋め込まれた宝剣の強奪計画を立てる。トルコに泥棒の道具を持ち込むために、イギリス人でよろず屋のシンプソン(ピーター・ユスチノフ)を運び屋に使うのだが、税関でトルコ警察に目を付けられる。これを逆手に取っての計画に出た一味だったが…

 最近で言うと「オーシャンズ11」、当時だと「黄金の7人」などのクライム映画の1本。こってりとしたオープニングには、フェリーニの独白映画を見せられるのかと勘違いしたけど、物語が走り出すと非常にライト感覚。そういえば子供の頃、こういった犯罪映画を深夜放送でよく見たなぁと懐かしく思わされた。

 おばちゃん声でまくしたてる、メリナ・メルクーリが何とも強烈なキャラである。「プレイガール」の沢たまきは、彼女をぱくったキャラクターか? ひょうひょうと巻き込まれていく高所恐怖症のピーター・ユスチノフも憎めないキャラ。当時としてはハイテクで守られていた秘宝を、アナログ手法で突破していく様子はなかなか楽しめます。「ミッション・インポッシブル」の見せ場だったワイヤー吊りの原点は、人間が手で汗水たらしてぶらさげていたんだ!?

TOPKAPI
ジュールス・ダッシン監督。1964年アメリカ映画。

2012年4月 6日 (金)

ソウ ザ・ファイナル (2010)

ソウ ザ・ファイナル ジグソウ(トビン・ベル)による殺人ゲームを生き残ったボビー・デイゲン(ショーン・パトリック・フラナリー)は一躍時の人になる。しかし、同じく生き残ったホフマン刑事(コスタス・マンディロア)の罠にはまり、再び死のゲームの元に。そしてジグソウの妻ジル(ベッツィ・ラッセル)も危険なゲームにからんでいくのだったが…

 やっとファイナル、ということでもう見る気ゼロの「ソウ」を鑑賞。途中からこのシリーズ、ただただ痛いだけで、人が苦しむのを見るのがそんなに楽しいのかとげんなりとした気分にさせられたんだけど、本作はなぜか不思議な爽快感があってまだ見ることができたかなって感じ。

 しかし、今回の主役級であるボビーのお間抜けさ加減はなかなかのものである。結局、誰も救えなかったじゃん… おっと、これはネタバレかな。本来の主役であるジグソウが死んでもずっと続いたシリーズだけに、これでファイナルとは思わないのが身のためかも。原題にはファイナルなんて書いてないし。ちなみに、3Dで公開されたそうだが鑑賞は2Dでした。

SAW 3D
ケヴィン・グルタート監督。2010年アメリカ映画。

2012年4月 5日 (木)

ツーリスト (2010)

ツーリスト 謎の美女エリーズ(アンジェリーナ・ジョリー)は警察から密かに尾行されている。そんな彼女が、ヴィネチアへ向かう列車の中で数学教師のフランク(ジョニー・デップ)に声をかける。果たして彼女の目的は...

 とまぁ、謎が謎を呼ぶ展開を見せるロマンティック・アクション・サスペンス映画。かなりの厚化粧が目立つようになったアンジー主演。あんな厚化粧が近づいてきたら、きっと振り向いてしまうであろう(笑)。ジョニー・デップはタイトルからわかるように、巻き込まれる旅行者の役。しかし事態は2転、3転して…と書いたらネタバレしてしまいそうなのでやめとこう。

 ベネチアって本当に絵になる場所です。ジョニー・デップを思いっきり普通にしようとした努力の跡があるけど、それは無理です。

THE TOURIST
フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督。2010年アメリカ=フランス合作。

2012年4月 2日 (月)

幸せの始まりは (2010)

幸せの始まりは オリンピック出場経験もある、ソフトボールチームのリーダーのリサ(リース・ウィザースプーン)だったが、突然戦力外通知を受けてしまう。ソフトボール一筋に突っ走っていた彼女は、その喪失感を埋めるために同僚でトッププレイヤーのマティ(オーウェン・ウィルソン)と同棲をはじめる。そんな中でひょんな事で知り合った実業家のジョージ(ポール・ラッド)と食事をするのだったが、彼は父親チャールズ(ジャック・ニコルソン)の収賄容疑で重大な岐路に立たされているのだった…

 最近よく見る、どっちに転ぶか系の大人のラブストーリー。トップ・アスリートとしてひた走っていた彼女が突然すべてを失っちゃったらどうなるか、という重いテーマをからめているんだけど、どうもこの手のラブストーリーが苦手な私にとってはのらり・くらりとした展開に次第にイライラモードに突入。たぶん、このオーウェン・ウィルソン演じるところのチャラ男にいらっときているのに、彼女がしつこくくっついてるのがダメなんだろうね。

 でも、ポール・ラッドの方に肩入れできるかというと、これも微妙なところ。リース・ウィザースプーンが可愛くて魅力的なだけに、他にもっといい男いるだろって思ってしまいます。余談だけど、華奢な彼女はトップ・アスリートには見えません。

HOW DO YOU KNOW
ジェームズ・L・ブルックス監督。2010年アメリカ映画。

2012年4月 1日 (日)

RED レッド (2010)

レッド 引退したCIAのエージェントのフランク(ブルース・ウィリス)は、会ったこともない年金係の女性サラ(メアリー・ルイーズ・パーカー)と電話で話すことを楽しみに生きているような生活を送っていたが、突然何者かに襲われ命を狙われる。かつての上司のジョー(モーガン・フリーマン)を訪ね、実はかつてグァテマラで特殊任務を遂行したメンバーが襲われていることを突き止める。事件を解決するために、旧友でMI6のスナイパー・ヴィクトリア(ヘレン・ミレン)、その元恋人でロシアのスパイのイヴァン(ブライアン・コックス)、マーヴィン(ジョン・マルコビッチ)たちと手を組むのだったが…

 ウォーレン・エリス、カリー・ハムナー原作のDCコミックを映画化。現役なのか引退した爺さんなのか、微妙な年齢にあるブルース・ウィリスが本領発揮とばかりに大暴れするアクション巨編。メアリー・ルイーズ・パーカーとのマターリとしたオープニングがいい雰囲気を出してます。

 しかしストーリーはありきたりで、派手なくせに高揚感もないんだけど、登場するキャラクターだけは妙に豪華。ヘレン・ミレンのスナイパー婆さんが、半分ぐらい見せ場をかっさらってしまったという感じです。武器商人の役でリチャード・ドレイファス、そして資料室の管理人でアーネスト・ボーグナインも出てます。二人ともあまりに久しぶりなので、あやうく見逃すとこだったぞ。

RED
ロベルト・シュヴェンケ監督。2010年アメリカ映画。

2012年3月31日 (土)

グリーン・ホーネット (2010)

グリーン・ホーネット ブリット・リード(セス・ローゲン)は幼い頃に母を失い、新聞社の社長であり厳格な父(トム・ウィルキンソン)に育てられる。放蕩息子に育ったブリットは、父の死後に社長の座につくが、運転手のカトー(ジェイ・チョウ)から父と作ったハイテクマシンの数々を見せられ、グリーンのスーツを着たヒーローになることを決意するのだったが…

 あの、ブルース・リーが出演していたということだけで日本では有名なテレビシリーズ「グリーン・ホーネット」の劇場版リメイク。もちろんテレビ版は見たことがなかったので、こんな話だったんだぁって目からウロコ。主人公のブリットはとんでもないおちゃらけ野郎で、まともな神経をしていたら自然と相棒のカトー(正確にはケイトウ)に肩入れして見てしまうってもんじゃないかな。特にアジア人としては。

 強くもないのにヒーローになってしまう、インスタントヒーローものだってのは「キック・アス」と同じ。今回はニコラス・ケイジみたいな名バイプレイヤーはいないけど、かわりに悪役のチュドノフスキー(クリストフ・ヴァルツ)がなかなかの熱演で、すごみを見せれば見せるほどバカに見えるってのがいいです。ヒロイン役はキャメロン・ディアスなんだけど、思ったほど主役二人とからみません。というか、相手にもしてない様子なのが…何だかなぁ。

 ただしカトーが作る秘密兵器や、登場する車の数々はなかなかかっこいいです。車とメカを見ているだけで、半分くらいは楽しめてしまう映画って書いたら、ちょっとかわいそうかな。

THE GREEN HORNET
ミシェル・ゴンドリー監督。2010年アメリカ映画。

2012年3月30日 (金)

から騒ぎ (1993)

から騒ぎ シシリーの村で、凱旋兵のドン・ペドロ(デンゼル・ワシントン)、クローディオ(ロバート・ショーン・レナード)、ドン・ジョン(キアヌ・リーヴス)たちの一行を歓喜と共に迎える。その中でドン・ペドロはクローディオとヒーロー(ケイト・ベッキンセール)の仲を取り持ち二人を婚礼へと導く。そして仲が悪いと見えたベネディック(ケネス・ブラナー)とベアトリス(エマ・トンプソン)の二人だったが…

 「から騒ぎ」というより「ばか騒ぎ」に思えた、戯曲の映画化。くっついたり離れたりではなく、ただくっつくだけの話をからっとした雰囲気の中で描くのはシェークスピア独特の世界なのかな。とっつきですごく違和感を感じたんだけど、これがシェークスピアの世界なんだと言われたら納得させられてしまうものがあるなぁ。

 最近は、とんと見なくなったエマ・トンプソンがとっても魅力的に描かれているのが印象的。悪役のキアヌ、ケレン味たっぷりのケネス・ブラナーもいいね。

MUCH ADO ABOUT NOTHING
ケネス・ブラナー監督。1993年アメリカ映画。

2012年3月26日 (月)

シチリア!シチリア! (2009)

シチリア!シチリア! シチリア島のバーリアに生まれたベッピーノ(フランチェスコ・シャンナ)は、貧しいながらも充実した少年時代をおくる。大きくなったベッピーノは、マンニーナ(マルガレット・マデ)という女性と恋に落ちるが、彼女の両親は大反対。駆け落ち同然で一緒になり、やがて政治活動に没頭していくのだったが…

 政治家の男の半生を雰囲気たっぷりに描いた、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の作品。トルナトーレといえばシチリアを描かせたら天下一品、イタリアの片田舎の人情ぷんぷんの心地よい世界がぐわっと広がるんだけど、本作ではストーリーが意外と平板で盛り上がりに欠ける。強いて言えば上級者向け「ニュー・シネマ・パラダイス」なのかとも中盤で思ったんだけど、まったく何も残らないまま終盤まで転がり落ちてしまった。あの独楽の中のハエで感動せよってのが、ちょっと無理な話って気がして仕方ないんだけど…

 アンヘラ・モリーナとか、モニカ・ベルッチとか、脇に実力派を散りばめたキャストはちょっと魅力的。シチリア島と共産党の関係とか、背景がわかってたらもっと楽しめたのかな。

BAARIA
ジュゼッペ・トルナトーレ監督。2009年イタリア=フランス合作。

2012年3月24日 (土)

ハモンハモン (1992)

ハモンハモン シルヴィア(ペネロペ・クルス)と下着会社の社長の息子ホセ・ルイス(ジョルディ・モリャ)は恋人同士。ところがシルヴィアの妊娠が発覚し、二人は結婚を考える。ところがこれを快く思わないホセ・ルイスの母のコンチータ(ステファニア・サンドレッリ)は、下着モデルでマッチョなラウル(ハビエル・バルデム)にシルヴィアを誘惑させることを考える。ところがコンチータ自身がラウルの魅力でメロメロになってしまい…

 タイトルからもなんとなく想像できるような、ラテンの香りぷんぷんの艶笑メロドラマ。いわゆるポルノ映画のストーリーにでもなりそうなネタを、カラっと仕上げた部分はイタリア・スペイン映画では定番かもしれません。キャラクターがどいつもこいつも馬鹿ばかりで、しかもどうしようもないラストになだれこんで行くあたりは、一体この映画は何なんだという気分にさせられるけど、あまり深く考えてはいけない映画なのかもしれません。

 ペネロペ・クルスはスペイン時代にはこんな映画に出ていたんだと、見る人によっては驚くでしょう。シルヴィアの母カルメン(アンナ・ガリエナ)はどこかで見た顔だと思ったら、なんと「髪結いの亭主」の彼女だった。

JAMON JAMON
ビガス・ルナ監督。1992年スペイン映画。

2012年3月23日 (金)

天然コケッコー (2007)

天然コケッコー 島根の片田舎の木村町、小中学校合わせて6人の学校に、中3の転校生の大沢広海(岡田将生)がやって来る。初めての同級生に加えて、イケメンの登場に心ときめくそよ(夏帆)だったが、東京からやってきた彼はどこかドライで田舎の空気になじめない。やがて彼らは、誘い合って海水浴に行くことになったのだったが…

 くらもちふさこのコミックの映画化。自分のことを「わし」と呼ぶ女の子たち、ひさびさに見る過疎の村の物語。ただしストーリーは意外と平板で、どちらかというと空気や雰囲気を楽しむかのような映画である。

 軸になるのは、主人公そよの初恋物語なんだけど、こいつとは絶対に恋愛は進まないだろうって思わせておいて、ジャケットひとつでキスしてしまう感覚がある意味恐ろしく感じてしまった。なんか、これって援交の感覚に近いぞって言ったら考えすぎ?

 面白かったのは、彼らの東京への修学旅行。先生同伴とはいえ、なんか新婚旅行のようでこれまた不思議な感覚である。夏帆って、ひょっとして宮崎あおいの後をたどるんじゃないかって思える気にかかる女優さんである。

山下敦弘監督。2007年日本映画。

2012年3月22日 (木)

恋するトマト (2005)

恋するトマト 正男(大地康雄)は両親と共に農業を営む中年男性。しかしお嫁さんがいない。今日も婚活で(富田靖子)と見合いをするのだが、寸前のところで断られる。ところがフィリピンバブの女性(ルビー・モレノ)と結婚の約束をして、結婚の申し込みのためにマニラへ飛ぶのだったが…

 小檜山博の原作「スコール」を映画化。可愛らしいタイトルとはうらはらに、強烈なメッセージを込めたストーリーである。3部作になっていて、最初は霞ヶ浦での正男の婚活編。友達の藤岡弘が共に濃いくて、こりゃ婚活は不可能だと笑わせてくれる(失礼!)。ところが第2部にあたるフィリピン編が辛辣である。ルビー・モレノにだまされた彼は、おかしなビジネスに手を染めてしまう。そして第3部は…

 予定調和のラストが待っているんだけど、ロードムービーでもないのにすっごい旅をした気分にさせられる。近年では結構おすすめの邦画です。

南部英夫監督。2005年日本映画。

2012年3月21日 (水)

リミット (2010)

リミット ポール・コンロイ(ライアン・レイノルズ)は、真っ暗な棺の中で目を覚ます。手元にあるのは、オイルライター1個と、持ち主不明の携帯電話のみ。実は彼はイラクで働くアメリカ人トラックドライバーで、テロリストに拉致されて生きたまま地中へ埋められたのだった。助けを求めて、911やFBIなどに次々と電話をかけるコンロイだったが…

 古くはポーの小説で、最近だと「ソウ」や「CUBE」でおなじみの、いわゆるワン・シチュエーション・スリラーである。埋められた男が生きるためにもがき、苦しむ様子を描いた映画なのだが、高揚感も何もなく、あるのはひたすら続く絶望感のオンパレード。これを見て楽しめる人間がいるのだろうかと、正直疑問に思えてしょうがなくなった。

 しかしイラクから911かけたらアメリカ本土につながったり、コンロイが雇われている会社から解雇されたりと、埋められて命が危険なのにもかかわらずこの日常生活とのつながり方は何なんだろう。ITの発達が、余計に絶望感を増幅しているという部分には、注目すべきではないかと思えてしまうのである。

BURIED
ロドリゴ・コルテス監督。2010年スペイン映画。

2012年3月19日 (月)

ソーシャル・ネットワーク (2010)

ソーシャル・ネットワーク ハーバード大学の若きプログラマーであるマーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、恋人にふられたはらいせに学内の女子学生投票サイトを作ってしまう。これが大人気となるが、当然のことながら女子学生には総スカンを喰う。やがて彼は、親友のエドゥアルド(アンドリュー・ガーフィールド)と共にハーバードの学内コミュニケーションサイトを立ち上げることとなるのだったが…

 あの「フェイスブック」を創設したマーク・ザッカーバーグを描いた伝記映画。この映画のキモは、まさしく中心人物のザッカーバーグのキモさにある。突き放したかのような彼の性格が、この映画に率直に入り込めない原因だろうけど、さすがにフィンチャーの映画だけに一筋縄ではいかない。この見ていての居心地の悪さこそがフィンチャーなんだろうと思う。

 映画ではあまり描かれてないけど、SNSにはまるという感覚が見ていて何となくわかったのは面白い。IT企業のハーレム状態馬鹿騒ぎ状態も、なるほどと納得させられてしまいます。 ああいう環境があるからこそ、人気サイトは作られて行くのです。

THE SOCIAL NETWORK
デヴィッド・フィンチャー監督。2010年アメリカ映画。

2012年3月16日 (金)

イエロー・ハンカチーフ (2008)

イエロー・ハンカチーフ 刑務所から出所したばかりのブレット(ウィリアム・ハート)は、ドライブ中の若者ゴーディ(エディ・レッドメイン)とマーティーン(クリステン・スチュワート)と仲良くなり共に旅をすることとなる。実は彼にはニューオーリンズに残してきた妻メイ(マリア・ベロ)がいたのだったが…

 タイトルからわかるとおり、山田洋次の70年代の名作「幸福の黄色いハンカチ」のハリウッド版リメイク。有名なラストなんだけど、再びアメリカを舞台にしたリメイクでも楽しめてしまうのは、もうスタンダードになってしまった物語んだんだろうって思います。高倉健の役をウィリアム・ハートってのは、タイプは違うけど落ち着いていてありじゃないかと思いました。

 武田鉄矢と桃井かおりのカップルを、エディ・レッドメインとクリステン・スチュワート。エディは知らなかったんだけど(フィルモグラフィを見ると、何本かは見ているはずだが)なかなかの個性派。クリステン・スチュワートはちょっとお気に入りの女優さんなので、楽しんで見ました。かつてのジュリエット・ルイスあたりの立ち位置かな。桃井かおりがゲスト出演しているのもいいね。

 しかし今見ると素直に喜べないのは、ブレットが犯してしまった罪かな。物語ではあまり触れられてなかったけど、殺した男に子供がいたってのが重い。それが心に引っかかっていて、残念ながらラストで素直に感動できなかった。

YELLOW HANDKERCHIEF
ウダヤン・ブラサッド監督。2008年アメリカ映画。

2012年3月15日 (木)

魔法使いの弟子 (2010)

魔法使いの弟子 デイヴ(ジェイ・バルシェル)はテスラコイルの研究に没頭するオタクな大学生。ところがひょんなことで、かつて子供の頃に出会った魔法使いのバルサザール(ニコラス・ケイジ)に再会。過去の事件が夢でなかったことを知るのに加えて、自分が世界を救う魔法使いの後継者であることを知る…

 タイトルからしてディズニーのアニメ「ファンタジア」を連想させるんだけど、内容はまったく別物のファンタジー・アドベンチャー。しかも弟子の修行シーンがメインではなく、いとも簡単に魔力を発揮して大活躍してしまうという、インスタント活劇(?)である。まぁほうきに掃除をさせるという、ファンタジアを思わせるシーンは登場することはするのだが…

 主役のジェイ・バルシェルがぱっとしないところがこの映画のキモでしょう。でもベッキー(テリーサ・パーマー)という幼なじみの可愛い彼女ができてしまうあたりはお約束。エンパイアステートの絵や(どうやって位置を合わせたんだ?)、ラブレターの返事から魔法使いの争いに巻き込まれていくあたりは面白い。

 ニコラス・ケイジは、こういう荒唐無稽なファンタジーってのははまり役です。おやじ靴のくだりとかは、結構笑わせてくれました。テスラコイルってのはまだ謎の部分もあるらしくて、トンデモ映画ではよく登場しますね。

THE SORCERER'S APPRENTICE
ジョン・タートルトーブ監督。2010年アメリカ映画。

2012年3月13日 (火)

アンストッパブル (2010)

アンストッパブル ペンシルベニアの鉄道でコンビを組むことになったベテラン機関士のフランク(デンゼル・ワシントン)と新米車掌のウィル(クリス・パイン)。ところが近くの操車場から、運転士を失った貨物列車が大量のディーゼル燃料と化学物質を積んで暴走をはじめる。運航士のコニー(ロザリオ・ドーソン)は鉄道管制室で事態を収拾しようとするが、鉄道の被害額を最小限にとどめようとする会社と折り合いがつかない。列車は絶対通行不可能と思われる、市街地の通称「大曲り」を目指してひた走るのだったが…

 実話がベースになっているそうだが、先日見た「暴走機関車」ともかぶる鉄道パニック映画。忘れた頃に必ず登場する、ひねりのないすっごくストレートなパニック映画で、ストーリーは暴走する鉄道とそれを止めようとする人間に集約される。主人公のフランクとウィルの家族間のごたごたとかが華をそえるのだが、あくまでもそれは付け足しの物語であって、ひたすら突っ走る機関車に焦点が合わされているあたりが潔い。

 まぁ無人の暴走機関車なんて爆破すればすむことなんだろうけど、それができないのが危険物を積んでいるがゆえの周辺の被害というそろばん勘定的なところなんでしょう。電車だったら、電気を切ったらおしまいなのにとか、遠隔操作で止めるシステムはないのかとか、命を張る人たちを前にいろんなことを考えてしまいました。登場人物としては、かつてのハル・ベリーみたいな立ち位置にいるロザリオ・ドーソンが魅力的で良かったです。

UNSTOPPABLE
トニー・スコット監督。2010年アメリカ映画。

2012年3月12日 (月)

キック・アス (2010)

キック・アス さえない高校生のデイヴ(アーロン・ジョンソン)は、ネットで手に入れたヒーローのコスチュームをまとって自らを「キック・アス」と名乗り、悪人退治に乗り出す。ところがチンピラにボコボコにされ、その様子をネットに動画配信されたことから人気に火がつく。同じ頃、別のヒーロー・ヒロインであるビッグダディ(ニコラス・ケイジ)とその娘ヒットガール(クロエ・グレース・モレッツ)も悪人退治を行い、彼らに目をつけたのはマフィアのダミコ親子(クリストファー・ミンツ・プラッセ、マーク・ストロング)だったが…

 何だこりゃ? カルト映画のにおいがぷんぷんする、超オバカ映画。途中はニコラス・ケイジよ出演作を選べよ、なんて当たり前のことを考えていたんだけど、後半になるにつれて盛り上がるヒットガールのおばかパワーに、ただただ圧倒されるばかり。タランティーノやロドリゲスの世界とはまた異なるおバカパワー炸裂といった感じです、これは。

 中盤は映画から完全に取り残されてしまう主人公が意味深です。最後にもったいぶって出てくるクールな秘密兵器がアレだってってのは、もうひとひねり欲しかったかも。ヒットガールは、これからどんな女の子に育つんだろうか。

KICK ASS
マシュー・ヴォーン監督。2010年イギリス=アメリカ合作。

2012年3月 9日 (金)

特攻野郎Aチーム THE MOVIE (2010)

特攻野郎Aチーム バグダッドで消えた偽札の原盤の奪還に成功した、Aチームことハンニバル(リーアム・ニーソン)、フェイス(ブラッドリー・クーパー)、B.A.(クイントン・ランペイジ・ジャクソン)、マードック(シャールト・コプリー)の4人組。ところがそれは罠であって、4人は軍法会議にかけられて刑務所送りにされてしまう。半年後、脱獄した4人は身の潔白を晴らすために新たな戦いに挑むのだったが…

 80年代の人気テレビシリーズの映画化。キャストも一新し、なぜ今更Aチーム?なんて思ったんだけど、映画を見て納得。とにかく特攻野郎たちのアクションが荒唐無稽で楽しく、上空から落ちる戦車やら高層ビルの壁を走りながらの銃撃戦やら、マッチ箱のように崩れる貨物船のコンテナやら…絶対死なない男たちのアクションは、思い出してもにんまりできるぐらい爽快で楽しめます。

 テレビ版は…見ていたはずなんだけど、B.A.がいっつも飛行機を怖がってて仲間に気絶させられて乗らされる部分ぐらいしか覚えてないぞ!?

THE A-TEAM
ジョー・カーナハン監督。2010年アメリカ映画。

2012年3月 2日 (金)

0(ゼロ)からの風 (2007)

ゼロからの風 早稲田大学に合格したばかりの零(杉浦太陽)と圭子(田中好子)は仲の良い母子だったが、よりにもよって零は飲酒運転の車にはねられて他界してしまう。犯人は最長禁固5年と、あまりに軽い罪にやりきれなさを感じた圭子は、法律を変えるための運動をはじめるのだったが…

 実話を元にしたフィクション。最近、道路交通法が改正されたが、なるほどこういう事件が背景にあったのかと納得させられた。しかし交通事故は加害者になるのも被害者になるのも紙一重。被害者側の立場に立った映画なんだけど、素直にのめりこめないなと思ったのは自分もドライバーだからだろう。スピードを落とせば安全と単純な話ではないけど、運転の時には注意しようと再認識させられたことは確か。

 ところで、圭子さんの息子を失ってからの鬼気迫る行動が凄い。あれだけの運動を起こしたり、息子と同じ大学に入ったりと、客観的に見たら常軌を逸したように思えるけど同じシチュエーションに自分が陥ることを考えると、犯人を傷つけたり自暴自棄になったりと負の行動を取ってしまいそう。それをプラスに転じているあたりは、立派だと思う。

 なお田中好子はこれが最後の主演作品になるそうです。

塩屋俊監督。2007年日本映画。

2012年3月 1日 (木)

暴走機関車 (1985)

暴走機関車 囚人マニー(ジョン・ヴォイト)とバック(エリック・ロバーツ)はアラスカの刑務所から脱走に成功する。そのまま発車まぎわの機関車に飛び乗ったのまではよかったが、実はこの機関車は運転手が心臓麻痺で飛び降りた暴走機関車だった。職員のサラ(レベッカ・デモーネイ)が乗っていることに途中で気づくのだったが、運転席に近づけない状況では何もできない。やがて彼らの逮捕に執念を燃やす刑務所長のランケン(ジョン・P・ライアン)がヘリで追ってくる。

 黒澤明の原案を、ロシア出身のアンドレイ・コンチャロフスキー監督で映画化。年代的にパニック映画の1本として見ればいいんだろうけど、乗客は囚人2名と職員の女性だけなので緊迫感は薄い。となると囚人と所長の意地のぶつかり合いがテーマかもしれないけど、これも肩入れして見られるほど描き込まれてはいない印象。総じてどっちつかずな感じである。

 とはいっても、ジョン・ヴォイトはこういったアクション映画の小悪人にはぴったりで、主役の二人はいい雰囲気をかもし出している。レベッカ・デモーネイは「卒業白書」のおかげか美人女優というのが私の頭にはすりこまれているのだが、こういった汚れ役もできるんだってのが新鮮でありました。黒澤が撮ったらもっと面白くなったのかな?

RUNAWAY TRAIN
アンドレイ・コンチャロフスキー監督。1985年アメリカ映画。

2012年2月28日 (火)

アメリア 永遠の翼 (2009)

アメリア 永遠の翼 空への憧れからパイロットになったアメリア・イヤハート(ヒラリー・スワンク)は、ディレクターとしてだが女性初の大西洋横断飛行という偉業を成し遂げる。ところが自ら操縦桿を握ることにこだわる彼女は、スポンサーのジョージ・パットナム(リチャード・ギア)の言われるがままにCMに出て資金集めをして、しかも彼とも結婚することになる。やがて、1937年に彼女の世界一周のフライトがスタートするのだったが…

 女性飛行士として有名なアメリア・イヤハートの半生を描いた伝記映画。彼女のコスチュームとかが、どこかで見たビジュアルだなと思い調べてみたら…そうでした、「ナイト・ミュージアム2」に準主役で出ていた彼女のことでした。

 しかし内容は伝記映画として、彼女のスポンサー集めや恋愛、そして不倫(相手はなんとユアン・マクレガー)に目が向けられて、意外とフライトシーンに高揚感やこだわりが感じられないのは飛行機好きとしてはちょっと寂しい部分ではありました。まぁ彼女のフライトってのは、史実のとおりに描いても単調なものなのかもしれませんが。

 日本では知名度の低いアメリアですが、アメリカでは結構名前の知られた偉人だということです。飛行シーンでは、子供の頃に初めて飛行機に乗ったときの、乗客の命がパイロットにゆだねられているというちょっとした孤独感というか、文明から切り離されたという感覚を思い出したりいたしました。

AMELIA
ミーラー・ナーイル監督。2009年アメリカ=カナダ合作。

2012年2月27日 (月)

GAMER (2009)

GAMER 近未来、人々は「スレイヤーズ」というネットワークゲームに熱中する。その内容は、脳を改造された集塵たちを操って殺し合いを行うという究極のバイオレンスを競うもの。その世界のヒーローとなったケーブル(ジェラルド・バトラー)は、あと2ステージで全クリアで無罪放免というところまでやって来る。彼を操るのはサイモン(ローガン・ラーマン)という天才プレーヤーだったが…

 これもサイバーパンク映画の1本なんだろうけど、個人的には爽快感なんてみじんもなくて、ただただ嫌悪感だけが残った困った映画。太ったプレーヤーの描写とか、そこは狙った部分なのかもしれないけど。バーチャルな世界がやたら汚くてエロいのも困りもの。やっぱ性悪説で作られた映画なんかなと思えてしまう。

 何にしても、延髄にケーブル差したり、脳の改造を許すようになったらオシマイだなと思いました。同じ暴力的で不道徳でエロくても、タランティーノ作品に爽快感があるのはどう違うんだろうと考えさせられます。

GAMER
ネヴェルダイン、テイラー監督。2009年アメリカ映画。

2012年2月25日 (土)

エル・スール (1982)

エル・スール エストレリャ(イシアル・ボリャン)は、スペイン北部に父アグスティン(オメロ・アントヌッティ)と母フリア(ロラ・カルドナ)と住む普通の少女。父はペンドラムと呼ばれる振り子を使って小さな奇跡を起こし、水脈を発見したりしている。そんな彼女の聖体拝受の日、南から叔母のドナ(ジュルメーヌ・モンテロ)と乳母のミラグロス(ラファエラ・アバリシオ)がやって来る。次第に温暖な南の土地に思いをはせるエストレリャだったが…

 あの名作「ミツバチのささやき」のビクトル・エリセ監督による80年代の作品。何しろ10年に1本しか撮らない監督の作品だけに見たい見たいと思っていて、ついに出会うことができた。内容的には、エストレリャという少女を通して、謎めいた父を描いた作品なのだが、父の謎が謎のまま終わってしまったのが…なんとも不思議な余韻が残る映画。

 彼女といっしょに、南の土地に思いをはせるのがきっと正しい鑑賞法なんだろうなと思う。突き放したかのようなラストは、時にものすごい効果的だったりする。

EL SUR
ビクトル・エリセ監督。1982年スペイン=フランス合作。

2012年2月24日 (金)

マチェーテ (2010)

マチェーテ マチェーテ(ダニー・トレホ)はメキシコの保安官だったが、麻薬王トーレス(スティーヴン・セガール)に陥れられて家族を殺され、今は不法移民としてテキサスにいる。そんな彼は腕を見込まれ、議員マクラフリン(ロバート・デ・ニーロ)の暗殺をたのまれるのだったが…

 あのタランティーノ製作の超B級映画「グラインドハウス」の嘘っこ予告編…というか、本編よりも面白かったパロディ版予告編「マチェーテ」を、よりによって映画化。こういうのは絶対だれるはずなんだけど、あの予告編のパワーそのまんまにB級ならではの下品さとグロさとバイオレンスとエロを散りばめて、そこらのB級映画じゃかなわないような超C級映画に仕立て上げたという感じである。

 往年のチャールズ・ブロンソンを100倍ぐらいブ男にしたかのようなダニー・トレホがいいね。それがジェシカ・アルバやミシェル・ロドリゲスといった美女を手玉に取りながら大暴れする、本当に爽快な映画。そうそう、あのかつてのアイドルであったリンジー・ローハンも、逝くところまで逝った姿で登場するのがご愛敬。スティーヴン・セガールもブダペストが舞台のB級映画に主役するよりも、よっぽど生き生きと悪のボスを演じているところが気持ちいい。

 見る人はかなり選ぶ映画だと思うし、嫌悪感を感じる人も多いとは思うけど、私はこの映画、好きだな。

MACHETE
イーサン・マニキス、ロバート・ロドリゲス監督。2010年アメリカ映画。

2012年2月23日 (木)

ロビン・フッド (2010)

ロビン・フッド イングランドのリチャード1世(ダニー・ヒューストン)に仕えて十字軍遠征に参戦したロビン・ロングストライド(ラッセル・クロウ)、後のロビン・フッドだったが、リチャードの死に加えて、その王冠をイングランドに持ち帰ろうとしたロバート・ロクスリーが暴漢に襲われて絶命する現場に出くわす。彼にかわって王冠をイングランドに届けたあと、ロクスリーの故郷ノッキンガムに住むロクスリーの父ウォルター(マックス・フォン・シドー)に形見の剣を届けるのだったが…

 ロビン・フッドの何度目の映画化だろうか。個人的に記憶に残ってるのは、ケヴィン・コスナー版「ロビン・フッド」と、ショーン・コネリーとオードリー・ヘプバーンが主演した「ロビンとマリアン」による後日談だけど、頭の中でストーリーが全然からまない。そう、これはロビン・フッドがシャーウッドの森に入るまでを描いた壮大なプロローグだったわけである。

 「グラディエーター」とまではいかないけど、なかなか壮大なスペクタクルで、特に後半に進むほど物語が走り出してスケール感がアップする。ケイト・ブランシェット演じるマリアンってのも、大人の魅力たっぷりでいいです。悪役ゴドフリー(マーク・ストロング)の憎々しさに加えて、二枚舌ジョン王のラストなんて、完全に「続編が見たい」なんて気分にさせられますね。狙っているかどうかはわかりませんが。

 エンド・クレジットのさりげないグロさから、リドリー・スコットを感じてしまうのは何なんだろう。

ROBIN HOOD
リドリー・スコット監督。2010年アメリカ=イギリス合作。

2012年2月21日 (火)

グーグーだって猫である (2008)

グーグーだって猫である 吉祥寺に住む麻子(小泉今日子)は独身の人気漫画家。今日もアシスタントのナオミ(上野樹里)、加奈子(大島美幸)、咲江(村上知子)、美智子(黒沢かずこ)と徹夜で作品を作品を仕上げるのだったが、その間に飼い猫のサバが死んでしまう。悲しみに沈む麻子の前に、横柄な青年・青自(加瀬亮)が現れ、そして新しい猫グーグーを飼い始めるのだったが…

 大島弓子の自伝的コミックを映画化。猫を主役にした癒やし系映画かと想像したんだけど、小泉今日子はいい歳をとっていて彼女の存在だけでも十分に癒やし系である。元気いっぱいの上野樹里もいい味を出していて、森三中も含めて結構この映画ってキャラクター祭りなんじゃないかと思った。

 しかし物語が進むに連れて、この展開はどうなんだって思わされること数回。まぁ事実なんだから、しょうがないのかも。小泉今日子って、「毎日かあさん」の実写映画化もやってるけど、漫画家が気に入ったんかな。

犬童一心監督。2008年日本映画。

2012年2月20日 (月)

ミックマック (2009)

ミックマック 地雷の撤去作業中に爆死した男の息子バジル(ダニー・ブーン)が大きくなり、レンタルビデオ店で働いている。ところが彼は抗争事件の流れ弾に当たり、一命を取り留めるが頭には銃弾が残る。回復後、全てを失ったバジルはゴミ置き場で共同生活をするレミントン(オマール・シー)、フラカス(ドミクニ・ビノン)、ラ・モーム・カウチュ(ジュリー・フェリエ)、タンブイユ(ヨランド・モロー)たちに拾われたのだったが、偶然自分の頭に残る銃弾のメーカーと父を殺した地雷のメーカーのビルが向かい合わせに建っているのを発見して、復讐を決意する…

 「デリカテッセン」「アメリ」のジュネ監督最新作。あの変な世界は健在で、今回はフリークスばりにひとくせもふたくせもある登場人物たちオンパレードで描かれるゆるい復讐劇である。途中、テンポが悪くダレるところは多々あったのだが、キャラクターたちのヘンさ加減でぐいぐい最後まで押し切られたような印象である。ラストのどんでん返しも、なかなか凝っているしね。

 登場人物もさることながら、ゴミの山から作られたメカの数々にちょっぴり心をひかれました。ロボットの踊りとかは名演だと思います。軟体女は、忍び込む時にわざわざそんなかっこしなくてもいいのにと、突っ込みたくてしかたなかったぞ。可愛いから許すが。ところで「ミックマック」って、どういう意味だ?

MICMACS
ジャン・ピエール・ジュネ監督。2009年フランス映画。

2012年2月17日 (金)

モンスターVSエイリアン (2009)

モンスターVSエイリアン 結婚をひかえていたスーザン(声:リース・ウXザースプーン)だったが、教会へ空から隕石が落ちてきてその直撃を受けてしまう。すると彼女の体は巨大化して、かけつけた軍隊に捕獲されてしまう。謎の施設で目覚めたスーザンは、そこがボブ(セス・ローゲン)やコックローチ博士(ヒュー・ローリー)などモンスターたちの飼育場所であることを知る。同じ頃、宇宙の果てから地球侵略を狙ってエイリアンが飛来するのだったが…

 ドリームワークス制作のCGアニメーション。女性の巨大化といえば、ダリル・ハンナの「ジャイアントウーマン」を連想したんだけど、本来は50~60年代のB級SF映画のパロディのてんこ盛りということらしい。「ブロブ」とか「半漁人」とかはわかるけど、残念ながら面白いと言えるところまでこの分野はあんまり詳しくないのが辛いところ。

 ジャイノミカと呼ばれる、巨大ウーマンは目玉が大きくてなかなか魅力的。ただしモンスターのキャラクターが何だか子供の落書きみたいなところがあってイマイチ乗り切れなかったかな。ドリームワークスのアニメは、ぱっと見とはうらはらに意外とハードルが高い気がする。2Dで見たけど、3Dはなかなか楽しいらしい。

MONSTERS VS.ALIENS
ロブ・レターマン、コンラッド・ヴァーノン監督。2009年アメリカ映画。

2012年2月14日 (火)

スライディング・ドア (1997)

スライディング・ドア 広告代理店に勤めるヘレン(グウィネス・パルトロー)は作家の卵のジェリー(ジョン・ハナー)と同棲中。ところが地下鉄に乗ろうとした時に、一方は乗れて、一方は乗り遅れてしまい…

 というわけで、もしも地下鉄に乗れたら、乗れなかったらの2つのストーリーを交互に描いた不思議なラブストーリー。どちらのジェリーも浮気中で、それがばれるかばれないかだけの差なんだけど、事態はどんどんおかしな方向へ進んでいく。話がこんがらがらないように、一方のヘレンにはおでこにバンソウコウを貼ったり、途中からはショートカットにしたりと工夫が見られて、これは良かったです。

 しかし最大の欠点は、あんな男になんで…という不倫どろどろものに共通のテーマだったりします。彼女に言い寄ってくる別の男性も、結構個性派でこれまた第一印象はうさんくさいのがクセモノです。たぶんアカデミー賞をとる前のグウィネスだと思うんだけど、彼女は本当に綺麗な女優さんですね。ストーリーは思ったよりもいまいちだったんだけど、彼女見てるだけで2時間終わってしまったってのが本音かな。

SLIDING DOORS
ピーター・ハウイット監督。1997年アメリカ映画。

2012年2月13日 (月)

デュー・デート 出産まであと5日! 史上最悪のアメリカ横断 (2010)

デュー・デート 妻サラ(ミシェル・モナハン)の出産を5日後に迎えた建築家のピーター(ロバート・ダウニー・Jr.)はアトランタから自宅のロサンゼルスへ帰るために飛行機に乗り込む。ところが同乗のイーサン(ザック・ガリフィナーキス)のおかげでテロリスト扱いされた上に飛行機に乗ることを禁じられ、あげくに財布やカードも盗まれる。無一文になったピーターは、泣く泣くイーサンと共にレンタカーで大陸横断する羽目になるのだったが…

 ロバート・ダウニー・Jr.が、なんともなさけない建築家を演じるロードムービー。対するザック・ガリフィナーキスの熊男ぶりは生理的にだめな人は徹底的にだめかもしれない。それでも最後には彼のことを好きになったり、ほろりとさせられたりするのかと思ったけど、最後までやっぱりだめでした(笑)。あの空気の読み違え方を根本的になおさない限り、私は好きになれない…

 となると、この映画の見所っていったい何なんだろう。不条理な笑いはいっぱい盛り込まれているけど、何だかなぁ。ロバート・ダウニーもビックになってもこんな役ができるのは凄いって思うけど、それ以上に感じるものがないぞ。ジュリエット・ルイスが久しぶりにクレジットされていたので妻役かと思ったら、旅の途中にちょっとだけ出てくるチョイ役だった。ちょっともったいない。

DUE DATE
トッド・フィリップス監督。2010年アメリカ映画。

2012年2月10日 (金)

ヤギと男と男と壁と (2009)

ヤギと男と男と壁と 三流ジャーナリストのボブ(ユアン・マクレガー)は、起死回生を狙ってイラクの戦場取材へと向かう。そこで彼が出会ったのが、自らを超能力者と名乗るリン・キャシディ(ジョージ・クルーニー)。実は彼がかつて所属していたという「新地球軍」は、超能力を使って戦争を終わらせることを研究していたというのだが…

 ジョン・ロンスンの、嘘ともホントとも取れるトンデモ本を原作にした、超能力系ブラックコメディ。しかしオープニングのテロップでは「実話かもしれない」なんて文字が躍る。超能力の有無はともかく、こういった部隊が実際に存在していたと言われたら、アメリカのことだけにそうなのかもしれないという気分にさせられてしまいます。

 くたびれた超能力者を演じるジョージ・クルーニー、ジェフ・ブリッジス、ケヴィン・スペーシーといったくせ者俳優が、怪しさ大爆発で好演。しかし物語が面白いかといえば、思ったほどは盛り上がりに欠け、何やら「マッシュ」の出来損ないみたいに終わってしまったのが残念。最も「マッシュ」も個人的にはあんまし面白かったと言えないので、この手のブラック映画には私が相性が悪いだけなのかもしれないけど。

THE MEN WHO STARE AT GOATS
グラント・ヘスロヴ監督。2009年アメリカ映画。

2012年2月 9日 (木)

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 1 (2010)

ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1 ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)亡きあと、闇の帝王ヴォルデモート(レイフ・ファインズ)を倒すために分霊箱のありかを求めてさまようハリー(ダニエル・ラドクリフ)、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)、ロン(ルパート・グリント)の3人だったが、死喰い人たちの追跡に誰の助けもなく3人で旅をすることとなり…

 J・K・ローリング原作のハリー・ポッターシリーズの最終章の2部作のパート1。学校(ホグワーツ)はもはや登場せず、成長した登場人物たちを中心に描いたダーク・ファンタジー。主人公たちの成長に合わせて、もう完全にターゲットは大人、しかもダークな内容について行けないとどうしようもないような内容である。

 2部作の1部なのでぷつんと終わるのはお約束なのかもしれないけど、すべての謎がそのまんまなので何と評していいのかわかりません。ハリー、ハーマイオニー、ロンの三角関係は、このストーリーを見る限りまだまだどう転ぶかはわからないです。

HARRY POTTER AND THE DEATHLY HALLOWS PART 1
デヴィッド・イェーツ監督。2010年イギリス=アメリカ合作。

2012年2月 7日 (火)

梟の城 (1999)

梟の城 戦国時代末期、織田信長は伊賀忍者の里を攻めてそのほとんどを根絶やしにする。10年後、生き残った葛籠重蔵(中井貴一)は、豊臣秀吉(マコ)暗殺の密命を受ける。信長亡きあと、その家臣の秀吉に対する仇討ちなど興味がなかった重蔵だったが…

 司馬遼太郎原作の時代小説を、篠田正浩監督がふんだんなCGとSFXを駆使して映画化。公開当時は、なるほど流行のCGはロケの難しい時代劇と相性がいいんだろうなと漠然と思ったのだが、今見ると技術も合成もかなり荒く過渡期の産物だったかなと思わされる出来である。

 ただし役者は鶴田真由、葉月里緒奈、根津甚八、火野正平、中尾敏、岩下志麻などなどそうそうたるメンバーがそろっており、大河ドラマとして見ればなかなか見応えがある大作となっている。ラスト近く、秀吉と重蔵が天下に関して語り合うシーンは、個人的にはかなり印象に残るシーンでありました。

 ところで梟の城ってどの城のことだったんだろう?

篠田正浩監督。1999年日本映画。

2012年2月 6日 (月)

マーティ (1955)

マーティ 肉屋に勤めるマーティ(アーネスト・ボーグナイン)は34歳の独身男。まわりは結婚結婚の大合唱でうるさく、週末は友人とバーでビールを飲むが、女の子を誘おうやめとこうで何とも歯切れが悪い。しかし意を決して行ったダンスホールで、地味な女の子のクララ(ベッツイ・ブレア)と意気投合して家へ誘ったのだったが…

 1955年のアカデミー作品賞、主演男優賞などを受賞。バディ・チャイエフスキー原作のテレビドラマの劇場版らしい。モノクロ・スタンダードのとにかく地味な映画なのだが、アーネスト・ボーグナインの等身大のキャラクターと、彼が好きになるベッツイ・ブレアの雰囲気が最高に良い。

 評判からして癒やし系の映画かなと思って見たんだけど、内容は実はかなり辛辣。一人息子をかかえる母親(エスター・ミンチオッティ)の苦悩とか、嫁姑の問題とか、老人問題とか、おまけに大卒で学校の先生の彼女との格差婚の問題とか、何やかやといろんな問題がこれでもかと詰め込まれていて、なるほどなと途中からは妙に納得させられた。

 それでも主人公の二人を応援したくなるのが、映画のマジックかも。ちなみにボーグナインは醜男と言われているようだが、かなり味のあるいい顔だと思う。ベッツイ・ブレアは単に色気がないだけで、これもとっても魅力的な女性に思えるのだが…

MARTY
デルバート・マン監督。1955年アメリカ映画。

2012年2月 4日 (土)

タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 (2011)

タンタンの冒険 ジャーナリストの少年タンタン(ジェイミー・ベル)は、市場で美しい帆船模型を手に入れる。実はこれは宝の地図が隠されたアイテムだったのだが、そうとは知らないタンタンは正体不明の悪者サッカリン(ダニエル・クレイグ)に拉致されてしまう。愛犬スノーウィに助けられ、帆船ユニコーン号の船長の末裔だというハドック(アンディ・サーキス)に出会ったタンタンは、謎解きの旅に出るのだったが。

 エルジェのコミック「タンタンの冒険」を、スピルバーグ監督で3Dのモーションキャプチャー・アニメとして映画化。筆者の長男がこの原作にはまっていた時期があるらしく、一緒に鑑賞するとかなり作品に関して熱く語ってくれた。原作を知っている者でもなかなか好印象な作りになっているそうだ。

 物語はといえば、同じくスピルバーグのインディ・ジョーンズシリーズの主人公を少年に変えたような感じで、世界を股にかけて跳んだりはねたりの活劇はひさびさにスピルバーグ健在と思わされる内容。原作コミックの接点からかモーションピクチャー・アニメとなっているけど、この内容だったら実写版で作ってくれた方が良かったかな、というのが正直な感想。原作のタンタンのイラストと映画の顔ともずいぶんと違うんだから、これは実写でもOKでは。

 さらっと流れて後に残らない映画だけど、笑えるツボは結構多くて満足感も高い。見るなら3Dがおすすめかな。

THE ADVENTURES OF TINTIN : THE SECRET OF THE UNICORN
スティーヴン・スピルバーグ監督。2011年アメリカ映画。

2012年2月 3日 (金)

ハリウッド的殺人事件 (2003)

ハリウッド的殺人事件 ロサンゼルス市警殺人課の刑事ギャヴィランン(ハリソン・フォード)は副業で不動産売買を行っているが資金繰りに困っている。コンビのコールデン(ジョシュ・ハートネット)は副業にヨガのインストラクターをやりながら、ハリウッドの俳優でひと山当てることをもくろんでいる。そんな彼らの前に、ライブハウスでの乱射事件が発生してラッパーが射殺される。事件の捜査をはじめる二人だったが…

 「~殺人事件」というタイトルから、名探偵ものを想像したらこれは大外れ。いきなりクラブでサブマシンガンを乱射してというのが、どうやらハリウッド的殺人事件というわけのようだ。ストーリーはあってないがごとくで、ひたすら主人公二人の生き方やら交友関係やら女性関係やら人生観やらいろんなものがごちゃまぜに語られる。これがまたタルい(笑)。

 さすがにハリソン・フォードでアクション映画となると、しんどいものがあるのかもしれない。占い師のレナ・オリンとか、映画プロデューサーのマーティン・ランドーとか、まわりをかためる連中はなかなか癖があって面白かっただけに惜しい。ロバート・ワグナーも出てたらしいんだけど、どこに出てたんだろ…?

HOLLYWOOD HOMICIDE
ロン・シェルトン監督。2003年アメリカ映画。

2012年1月28日 (土)

アデル ファラオと復活の秘薬 (2010)

アデル ファラオと復活の秘薬 20世紀初頭のフランス、女性ジャーナリストで冒険家のアデル(ルイーズ・ブルゴワン)は復活の秘薬を求めてエジプトへ。同じ頃、パリでは博物館から翼竜プテロダクティルスが復活して大空を飛び回っていた。実はアデルは瀕死の妹アガット(ロール・ドゥ・クレルモン・トネール)を救うためにファラオの医者のミイラを復活させようとしていたのだったが…

 タルディのコミックの、リュック・ベッソンによる映画化。雰囲気は、最近見たスピルバーグの映画「タンタンの冒険」にそっくり。いずれもヨーロッパのコミックが原作のせいか、笑いの質が似ているんだろうね。面白いかといえば非常に微妙なところで、あまり笑えないんだけどヒロインの冒険譚と物語全体にただよう馬鹿騒ぎはジャンキーなタイプのフランス映画っぽくて悪くないなってところ。

 しかし…ベッソンもスピルバーグもそうなんだけど、かつてのパワーはなくなったんじゃないかな。

LES AVENTURES EXTRAORDINARIES D'ADELE BLANC-SEC
リュック・ベッソン監督。2010年フランス映画。

2012年1月27日 (金)

ザ・エッグ ロマノフの秘宝を狙え (2009)

ザ・エッグ 銀行強盗のガブリエル(アントニオ・バンデラス)は伝説の大泥棒リプリー(モーガン・フリーマン)に相棒になるように持ちかけられる。狙った獲物は、ロマノフ王朝の秘宝「ザ・エッグ」。ところが秘宝は難攻不落のハイテク要塞の金庫の中にあり…

 モーガン・フリーマンとアントニオ・バンデラスという、超濃い二人がコンビを組んだクライムサスペンス。いきなりリプリーの暗殺シーンからはじまり、おおっと思ったら物語は2転、3転という泥棒ものにお約束の展開。あ、あまり書いたら鑑賞のじゃまになるからやめときましょう、といった感じの映画です。お色気パートを受け持つラダ・ミッチェルの、微妙なふけ具合がとってもセクシーだと思います(笑)。

 やっぱ予備知識なしで見たのが正解だったかな。金庫のからくりを、ひとつひとつ破っていくあたりは爽快感あり。イースターエッグといえば、以前007でも扱われてたのが印象に残ってます。

THE CODE
ミミ・レダー監督。2009年アメリカ=ドイツ合作。

2012年1月26日 (木)

天国の大罪 (1992)

天国の大罪 女性検事の遼子(吉永小百合)と刑事の田辺(松方弘樹)は不倫の関係。かたやチャイニーズマフィアの葵(オマー・シャリフ)のからむ殺人事件にかかわっていたのだが、妊娠していながら堕胎を強いられた遼子は、田辺と別れて暮らしていくことを選び検事もやめる。2年後、子供を救ってくれた葵と遼子は同棲生活をおくっていのたのだったが…

 冒頭いきなりの吉永と松方のベッドシーンに、これは絶対やくざと情婦の関係だと思ったら、実は検事と刑事の不倫だったというオチ(笑)に唖然。そこはおいといても、いきなり登場の名優オマー・シャリフがこの吉永小百合と家族になっちゃって日本家屋で家族を営むという展開にもびっくり。あの「アラビアのロレンス」や「ドクトル・ジバゴ」のオマー・シャリフがですぞ。さすがバブル期に作られた映画だけあって、凄いとしか言いようがない。

 しかしストーリーといい雰囲気といい、映画の内容は東映三角マークのアクション以上でも以下でもない。これはある意味語り継がれるべきトンデモ映画だったのではないかと思えてしまった。

舛田利雄監督。1992年日本映画。

2012年1月24日 (火)

食べて、祈って、恋をして (2010)

食べて、祈って、恋をして バリ島で出会ったおじさんの予言どおり、夫(ビリー・クラダップ)と急に離婚して自分探しの旅に出かけることにしたジャーナリストのリズ(ジュリア・ロバーツ)。イタリアへ渡りひたすら美味しいものを食べまくる生活をしたり、インドでひたすら瞑想する生活に興じたりするのだが…

 エリザベス・ギルバートの同名ベストセラー小説を映画化。バリ男(笑)の進言に、いきなり離婚を決意してしまう主人公に「えっ」って感じだったんだけど、配偶者があるところからのスタートと、その配偶者がそんなに悪い人でない(あとでちょっと馬脚を現すシーンはあるが)ってのがなんか煮え切らずにくすぶりながら見てしまう。

 深く悩んでいるはずなんだけど、生活の心配はなく他人の心配もせず、ただただ自分の納得を追い求めていくあたりがある意味アメリカを象徴しているのかなぁなんて考えながら鑑賞。本質的な悩みを置いておけば、イタリアでうまいものを食べてインドで瞑想しまくって、ちょっぴりうらやましい生活に見えるってのは確か。

 いやいや、妥協せずに上を求める女性ってのはこういうものかと思ったり、こういう女性には本音としてはかかわりたくないと思ったりといろいろぐるぐる考えているうちに映画は終わってしまいました。彼女がバリ島で得た結論ってのは、本当に最後の結論だったのかな?

EAT PRAY LOVE
ライアン・マーフィ監督。2010年アメリカ映画。

2012年1月23日 (月)

オーケストラ! (2009)

オーケストラ! かつてはロシアのボリショイ交響楽団の天才指揮者だったアンドレイ・フィリポフ(アレクセイ・グシュホフ)だったが、ユダヤ人排除の折に国家に逆らったがために、今は雑用係に。ところがパリから届いた公演依頼のファクスを不法に手に入れたアンドレイは、かつての仲間を集めて公演依頼をジャックし、勝手にボリショイを名乗ってパリへ乗り込むことを画策する。人気ソリストのアンヌ・マリー・ジャケ(メラニー・ロラン)との共演を要求し、パリではエージェントに好き放題を持ちかけるアンドレイだったが…

 没落オーケストラの再生を描いた、なかなか感動的な物語。そこにソリストのアンヌとのドラマを持ち込んだり(これが後半の見せ場)、好き勝手な楽団員をユーモラスに描いたり、パリを旅行中にボリショフが乗っ取られたことを知りあたふたと駆け回るオーナーとか時にコミカルに、時にシリアスにと緩急自在に愉しませてくれる。そして最後の演奏会は…

 本番即練習というぶっつけでありながら、尻上がりに調子を取り戻していくあたりがああいうふうにドラマとからんでくるなんて、本当に驚かされました。

 マリー・ジャケを演じるメラニー・ロランは本当に綺麗な女優さんですね。懐かしいミュウ・ミュウも出ています。

LE CONCERT
ラデュ・ミヘイレアニュ監督。2009年フランス映画。

2012年1月19日 (木)

パンドラム (2009)

パンドラム 2174年、爆発的な人口増加で人類は絶滅の危機に。そこで、移住先の新惑星タニスへ向かって、人類や動植物を大量に積み込んだ巨大宇宙船が出航する。その宇宙船で冷凍睡眠から目覚めたペイトン(デニス・クエイド)とバウアー(ベン・フォスター)は状況が一変しているのを知る。宇宙船の動力が失われ、しかも船内は野獣のような生き物が大量発生している。原子炉を再起動するために、バウアーは船の中心部を目指すのだったが…

 ポール・W・S・アンダーソンの製作によるSFサバイバル・アクション。壮大なストーリーであるはずなんだけど、最初にちらっと宇宙船の外観が見られただけで、あとは闇の中。そのせいかずいぶんとこじんまりとしたスケール感の乏しさが感じられるのは悲しいところである。

 パンドラムとは何かとか、宇宙船はタニスへ向かっているのか、それとも「○の惑星」みたいに宇宙船は地球に戻っちゃってるんじゃないかとかいろんなことを考えさせられたんだけど、比較的正攻法な結末に、納得はさせられました。

 結局、ナンだかんだとお膳立てはあるんだけど、物語のほとんどは閉鎖空間で進むダンジョンバトルだというのが、乗り切れなかった敗因かも。ラストが悪くないだけに、とっても惜しいです。紅一点の、アンチュ・トラウェとか、癖のあるカン・リーとか、途中で登場する人物はキャラが立っていて印象に残りました。

PANDORUM
クリスティアン・アルヴァルト監督。2009年アメリカ=ドイツ合作。

2012年1月15日 (日)

怪盗グルーの月泥棒 (2010)

怪盗グルーの月泥棒 自称大泥棒のグルー(声:スティーヴ・カレル)だが、ライバルのベクター(ジェイソン・シーゲル)がギザのピラミッドを盗んだことがニュースになり、それよりも大きな物を盗むぞとグルーが目をつけたのが夜空に浮かぶ月。これを盗むためには何でも小さくする光線銃が必要なのだが、これまたベクターに奪われてしまう。奪還作戦を考えるグルーの目に飛び込んできたのは、養護施設に住む3姉妹のマーゴ(ミランダ・コスグローヴ)、イディス(ダナ・ガイアー)、アグネス(エルシー・フィッシャー)だったのだが…

 「月を盗む」という絵本の世界のような物語を、3DのCGアニメでアトラクション的に映像化した作品。本来はお子様向けの内容のはずなんだけど、泥棒合戦がテーマなだけに親の目線からしたら、子供に見せるのはどうかなぁと思いはする。考えすぎなのかもしれないけど。

 冷酷非情なはずのグルーが、養女にした3姉妹にほだされて…という「ペーパームーン」みたいなストーリーは新味はないんだけど、細かい部分のキャラクターが妙に立っていて最後まで飽きさせずに見せてくれます。グルーのまわりにたむろするミニオンという生き物(バナナで作られたらしい)が出色。トイ・ストーリーにもこんな宇宙人が出てたけど、こちらも負けず劣らず可愛い。仇役のベクターの憎々しさもなかなかのものだし、グルーの乗り物やメカがなんともすっとぼけているのもご愛敬である。

DESPICABLE ME
クリス・ルノー、ピアー・コフィン監督。2010年アメリカ映画。

2012年1月 4日 (水)

おっぱいバレー (2008)

Vpxt71079 70年代の北九州の中学校に、新任教師の寺嶋美香子(綾瀬はるか)がやって来る。彼女がまかされたのは、まったく練習する気がない男子バレーボール部。ところがそのダメ部員と、ひょんなことから大会で1勝でもしたらおっぱいを見せるという約束をしてしまう美香子だったのだが…

 タイトルがすべてを物語る性春スポコンドラマ。しかし綾瀬はるか主演というだけありさわやか系にまとめてあり、映画はエッチな笑いと70年代のヒット曲にまみれていてとっても健全である。オープニングの時速80キロで走るエピソードなんて、限りないバカでこの先どうなるんだろうかと心配させられたけど、そこは軌道修正がしっかりされていて、特に美香子先生と恩師のエピソードにはほろりとさせられ、仲村トオルはいいところをさらっていき、さわやかなラストになだれこみ…非常にまとまりのいい映画である。

 しかし…何か居心地の悪さを感じるのは何でだろう。たぶん、自分たちの中学時代とあまりに違うからかも。こんな爽やかな青春時代を過ごしてなかったんだろな。違和感なのか、うらやましさなのかはわかりませんが。

羽住英一郎監督。2008年日本映画。

2011年12月23日 (金)

プラクティカル・マジック (1998)

プラクティカル・マジック サリー(サンドラ・ブロック)とジリアン(ニコール・キッドマン)はタイプは違うが美しい姉妹。ところが彼女の一族と結婚した男性は早死にしてしまうというジンクスを持つ、魔女の一族だった。サリーの夫は早死にし、そしてジリアンは恋人のジミー(ゴーラン・ビスンジック)と飛び出して行ったのだが彼はとんでもない暴力男だった…

 魔女をテーマにしたラブコメもの。どうしようもないほど似てないサンドラとニコールが姉妹というのがポイントだが、この取り合わせで巻き込まれる騒動ってのがなぜか二人のキャラにぴったりで、特にジミーがああなってからは引き込まれるかのように最後まで見てしまった。10年以上前の映画なのでコメントするのもナンだが、この頃のニコールはお人形さんのように美しく、サンドラも健康的でいい。

 彼女たちの叔母のダイアン・ウィーストとストッカード・チャニングが、いかにも魔女って雰囲気を醸し出していているのもいい。刑事ゲーリー(アイダン・クイン)との化かし合いも味があるけど、ラストはちょっと強引だったかも。

PRACTICAL MAGIC グリフィン・ダン監督。1998年アメリカ映画。

2011年12月20日 (火)

メッセンジャー (1999)

メッセンジャー イタリアブランドの代理店でプレスを勤める清水尚実(飯島直子)は、衣食住すべて会社支給のブランド品で過ごすバブリーなOL。ところがイタリアのブランド会社が倒産して、マンションから車・持ち物まで差し押さえられ無一文でほうり出させる。あげくに自転車便の若者横田(矢部浩之)を車でぶつけたことから、彼のかわりに仲間の鈴木(草なぎ剛)、由美子(京野ことみ)、警察を退職した島野(加山雄三)らと自転車便をはじめることになるのだが…

 すべてがぽんぽんとテンポ良く進んでいく、ホイチョイ・ムービー第4弾。こういったトレンディドラマ風映画は当たり外れが激しいのだが、これは軽いラブコメのスタイルを取りながら不思議な爽快感があり安心して見ていられる。今時珍しいタカビー女が改心するストーリーなんてどうなんだろうって思うし、飯島直子もメッセンジャー姿が似合っているとも思えず微妙なところだけど、がんばってるなっていう気合いが感じられる。

 脇をかためている加山雄三がいい味を出している。さらにいいところをさらって行くのが、監査部に勤めるという太田こと小木茂光。ひょっとしてすべての事件は彼の手のひらの中でころころって転がされてたんじゃないか、なんて気がしてきます。

馬場康夫監督。1999年日本映画。

2011年12月18日 (日)

漂流死体 (1959)

漂流死体 横浜の新聞記者の永瀬(三國連太郎)は、アメリカ兵のロバーツが行方不明になったという情報を得る。神奈川県警では刑事の佐々木(河野秋武)、上村(須藤健)、原(菅沼正) たちが捜査に当たるが、やがて佐々木刑事は殺害され、ロバーツの漂流死体も発見される。大がかりな密輸組織がからんでいるとふんだ永瀬は、事件に関与したとみられる女性エミ(小宮光江)をマークするのだったが…

 今となっては猟奇的なタイトルに思えるが、密輸組織との対決をハードボイルドタッチで描いた推理ドラマ。モノクロの上に、戦後を色濃く感じさせる時代設定、横浜というロケーションなどなど、新鮮な感覚で楽しむことができる。若き日の三國連太郎は現在の佐藤浩市にそっくり。エミをめぐるエピソードも救いようのない話ではあるが、かなり余韻が残る。

 ビデオ化、DVD化はされていないようだが、スカパーの東映チャンネルにて鑑賞。こういった埋もれた映画で見応えあるものって結構あるんだろうね。

関川秀雄監督。1959年日本映画。

2011年12月15日 (木)

カティンの森 (2007)

カティンの森 第2次大戦直前のポーランド。ドイツとソ連の両国に侵略されたワルシャワで15000人のポーランド人将校が行方不明になる。アンナ(マヤ・オスタシェフスカ)は消息がわからない夫のアンジェイ(アルトゥル・ジミイェフスキ)を必死になって探すのだったが…

 ソ連にポーランド将校が虐殺された「カティンの森事件」を、社会派のアンジェイ・ワイダ監督によって映画化。長らくタブーとされてきた事件であり、我々日本人にはなじみのない出来事だけにいろいろと考えをめぐらせながらストーリーを追ったが、残念ながら淡々とした語り口は抑揚がなく後半はかなり退屈だったのも事実。こういう映画に娯楽性を求めても仕方ないのかもしれませんが。

 何も知らない日本人は、虐殺=ナチスと考えてしまいがち。この映画にあるような真実にも、目を向けないといけませんね。

アンジェイ・ワイダ監督。2007年ポーランド映画。

2011年12月11日 (日)

緋牡丹博徒 お命戴きます (1971)

緋牡丹博徒 お命戴きます
 上州は伊香保を旅するお竜(藤純子)は、いかさま賭博に巻き込まれる。実はこの土地では軍の精錬所が汚水をたれ流し、地元の百姓たちは農作物ができずに地獄の苦しみを味わっていた。ひと肌脱いだ地元の親分の菊太郎(鶴田浩二)に共感するお竜さんだったが…

 シリーズ第7作。公害問題・環境破壊を扱った今でも十分通用しそうなテーマ。設定をちょっと変えれば社会派の映画でも作れそうだが、そこに若山富三郎とか内田朝雄とかひとくせもふたくせもありそうな俳優を大挙投入して娯楽大作に仕上げてしまうのがやっぱり東映流なのであろう。お竜さんは相変わらず綺麗で、戦うヒロインの先駆けとも言えるだろう。

加藤泰監督。1971年日本映画。

2011年12月 6日 (火)

カーズ2 (2011)

カーズ2 イタリア車の挑発に乗り、ワールド・グランプリに出場することになったマックィーン(声:オーウェン・ウィルソン)。友人のメーター(ラリー・ザ・ケイブル・ガイ)、サリー(ボニー・ハント)を連れグランプリ第1戦の東京に乗り込んだマックィーンだったが、彼らはアメリカのスパイと誤解されて陰謀に巻き込まれることになり…

 擬人化された車たちが主人公のディズニー(ピクサー)アニメ「カーズ」の続編。比較的単純なレース映画だった前作とは打って変わり、東京・イタリア・イギリスと点線するF1GPみたいな内容に、さらに欲張ってスパイアクションを盛り込んだという内容。3D効果も加わって、世界旅行の臨場感抜群なんだけど、ストーリーがとっちらかってまとまりがなくなって、感情移入しにくかったのが痛いところ。思えば単純なスポ根ものだった前作は、スケール感も手頃で良かったです。

 ただし、いきなり始まった東京のシーンはなかなか面白かった。車の相撲取りには爆笑。Perfumeの曲は日本版だけでなく、ワールドワイドで使用されたというのはさすが。CG映画の日本語版は、文字部分はすべて日本語に差し替えられてるのは最近の風潮かな。個人的には、かなりの違和感があるんですが… 声優として、他にマイケル・ケイン、ジョン・タートゥーロ、フランコ・ネロ、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ブルース・キャンベルが出てます。

CARS 2
ジョン・ラセター、ブラッド・ルイス監督。2011年アメリカ映画。

2011年12月 5日 (月)

ウッドストック 愛と平和と音楽の三日間 (1970)

ウッドストック 1969年にウッドストックの農場で行われたロック(フォーク?)の祭典を記録した音楽ドキュメンタリー。出演者はザ・フー、ジョーン・バエズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリン、テン・イヤーズ・アフター、そしてサンタナといったそうそうたる面々。

 40万人が集まったと言われる農場は「被災地」と呼ばれ、すべての機能が麻痺してみんな野宿をして炊き出しが行われたというが、その様子をつぶさにドキュメント。ベトナムの泥沼を背景に、当時のヒッピーたちが集まり、愛と平和を唱えて、数回の雷雨に泥まみれになりながら…とカメラは容赦なく舞台裏を記録。もちろんその前で繰り広げられるライブの様子も見応えたっぷり。映画らしいマルチスクリーンの多用で、この歴史的イベントを最初から最後まで見せてくれる。

 初見なんだけど、これって音楽好きな方にとっては定番のフィルムなんだろうね。監督やカメラマンたちも、泥まみれになりながら撮影を続けたんだろうか。編集にマーチン・スコシージの名前があります。

マイケル・ウォドレー監督。1970年アメリカ映画。

2011年11月30日 (水)

緋牡丹博徒 鉄火場列伝 (1969)

緋牡丹博徒 鉄火場列伝 服役していた子分を連れ戻しに行った、九州の侠客の緋牡丹のお竜(藤純子)。ところが旅の途中の徳島で子分は絶命してしまい、世話になった小作人たちが地元の親分に苦しめられていることを知る。元侠客の江口(待田京介)、子連れの旅人仏壇三次(鶴田浩二)らと共に事態を見守るお竜だったが…

 人気プログラムピクチャーの第5作。たぶんこのシリーズって初めて見るような気がするのだが、ストーリーはあまり複雑ではないので途中からでもすんなりと見ることができた。昨今の社会情勢からしても、こういう映画は結構肩身が狭いんじゃないかと想像するけどとにかく重厚に作られた娯楽編で、見せ場もいっぱいあってなかなか楽しませてもらった。

 全盛期の冨純子が美しくまたかっこいいのが印象的。いかにもといった勧善懲悪(勧悪懲悪?)のストーリーで、筋を通すという部分に関しては深い。脇をかためる、鶴田浩二、若山富三郎、丹波哲郎もいい。女性が主人公というのも、今風である。ひとつだけ残念なのは、冨純子が緋牡丹の入墨を見せて担架をきるのかと思ってたらそれがなかったこと。これはひょっとして初期の作品だけのお約束だったのかな?

山下耕作監督。1969年日本映画。

2011年11月26日 (土)

桜田門外ノ変 (2010)

桜田門外ノ変 幕末のペリーが黒船で来航した頃の日本。開国を迫る諸外国の圧力に、朝廷の命も受けずに開国を進めた井伊直弼(伊武雅刀)。彼らの弾圧を受ける水戸藩の関鉄之介(大沢たかお)をはじめとする有志たちは、井伊の暗殺を企てるのだったが…

 有名な桜田門外の変を、オールスターキャストで映画化した東映大型時代劇。原作は筆者が学生の頃に傾倒した吉村昭。吉村作品であるというだけで、この関という人物像とか、家内(長谷川京子)や妾(中村ゆり)とのドラマとか、暗殺隊のメンバー(柄本明、生瀬勝久他)のドラマなど、本当にそうだったんじゃないかという気分にさせられる。何せ、史実を徹底的に調べ上げる吉村作品である。

 というわけで、雪の襲撃シーンも、記録ではこんなふうに雪が降り積もっていたんじゃないかと想像させられる。意外と冗長な籠の襲撃と串刺しのシーンも、こんな感じにだらだらと戦ったんじゃないかと思わされる。裏付けがあるというのは不思議なもんで、結構偏った目線で映画を見てしまうもんだと自分ながらに思う。

 それにしても、悲惨な顛末がその後はえんえんと語られる。暗殺が世の中を変えるというのは、理由はともあれやっぱり正しくないのである。

佐藤純彌監督。2010年日本映画。

2011年11月22日 (火)

アーサーと魔王マルタザールの逆襲 (2009)

アーサーと魔王マルタザールの逆襲 前作から10回目の満月がやって来て、アーサー(フレディ・ハイモア)は再度ミニモイの国を訪れるのを楽しみにしているのだが、両親(ロバート・スタントン、ベニー・バルフォー)はその前日に町へ帰ろうと言い出す。失意の中でおばあちゃん(ミア・ファロー)の家を後にしたアーサーだったが、蜘蛛が届けた「HELP」というメッセージが気になって無理矢理おばあちゃんの家へ戻ったのだったが…

 アーサーとミニモイのセレニア姫(声:セレナ・ゴメス)のアドベンチャーを描いたファンタジー映画第2弾。今回はアーサーがミニモイの国を訪れるまでのエピソードが妙に長くて、こりゃ物語はちゃんと終わるんかと心配になってきた。そしたら、ミニモイの国に入ってからも、セレニア姫の登場までどれだけ引っ張るんだと思ってたら…そうなのか、これは3部作の第2作だったってのを、エンドクレジットが出て初めて気がついた。

 なんか、単独で語るには苦しい第2作だぞ、これ。完全に話は途中でほったらかしのまま。お話のバランスも、第3作とくっついてちょうどよくなるという感じで、我慢を強いられただけで終わってしまったってところ。ところで、資金不足やら何やらで、政策中止になるなんてことはないでしょうね。

ARTHUR AND THE REVENGE OF MALTAZARD
リュック・ベッソン監督。2009年フランス映画。

2011年11月21日 (月)

アーサーのミニモイの不思議な国 (2006)

アーサーとミニモイの不思議な国 コネチカットに祖母(ミア・ファロー)と一緒に住む少年アーサー(フレディ・ハイモア)。両親(ダグ・ランド、ベニー・バルフォー)とは離ればなれで、大好きな祖父も行方不明な上に、祖母の家は借金の抵当になり追い出されかけている。かくしてアーサーは、祖父が隠したルビーを探して身長2mmのミニモイの国を旅する決意をするのだったが…

 リュック・ベッソン監督によるファンタジー映画の第1作。前半は実写だが、アーサーが小人の国へ行ってからは画面はCGアニメとなる。以降はまるでミクロキッズのような世界で、アーサーは女王セレニア(声:マドンナ)と共に魔王マルタザール(デヴィッド・ボウイ)と戦うことになる。

 3部作の第1作ということだけど、このパート1は話も独立しておりこれだけで楽しむことができる。声優陣も豪華で、ロバート・デ・ニーロやハーヴェイ・カイテル、エミリオ・エステヴェスも出ているらしい。誰かわからなかったけど(笑)。登場人物としては、ミア・ファローのおばあちゃんがなかなか魅力的。どうしておばあちゃん?って感じだったんだけど、実年齢からしたら確かにアーサーのおばあちゃんであってもおかしくない。

 キャラクターはセレニア姫をはじめとして魅力的だったんだけど、惜しいのはストーリーの平板さ。原住民みたいなのが出てきたり、顕微鏡をくぐってあっちの世界へ行ったりと絵本の中の物語みたいに魅力的なんだけど、映画と言うにはストーリーでもうひとひねりしてほしかったところ。アーサー王伝説が根底にあるんだろうけど、剣(エクスカリバー?)を引き抜く以降には何もひねりがないぞ。まぁそのあたりは、10の満月を待って続編に期待することにいたしましょう。

ARTHUR ET LES MINIMOYS
リュック・ベッソン監督。2006年フランス映画。

2011年11月17日 (木)

火天の城 (2010)

火天の城 宮大工の岡部又右衛門(西田敏行)は、織田信長(椎名桔平)の気まぐれからか安土城の築城を依頼される。その構想は、当時最大の7層の天守閣と中央に吹き抜けがあるという壮大なものだった。岡部は妻の田鶴(大竹しのぶ)と娘の凜(福田沙紀)に支えられて建築の準備を進めるのだったが…

 山本兼一の原作を映画化。幻の城である安土城の誕生秘話を描いた物語。当時の匠であったろう岡部と、風雲児信長がいい感じでからんで大変面白いストーリー展開となっている。彼を支える妻(大竹しのぶが好演)とか、宮大工たちの人間模様が良い。木曽に屋台骨となる杉の木をもらいに行くエピソードも見応えがある。蛇石が暴れるエピソードは、後半の見せ場だったんだろうけど思ったよりも唐突で軽く感じた。

 この映画は、歴史は切り口を変えて見ると面白いという好例だったと思う。築城3年で焼失したとされる安土城だけど、史実をぐちゃっと曲げることで有名な東映大型時代劇だけに、もっと奇想天外なラストを期待してしまったかな。

田中光敏監督。2010年日本映画。

2011年11月16日 (水)

英国王のスピーチ (2010)

英国王のスピーチ 第2次世界大戦前のイギリス。英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)の次男ジョージ6世(コリン・ファース)は、吃音に悩み人前でスピーチができない。何人もの医者に相談したがよくならず、夫人エリザベス(ヘレナ・ボナム・カーター)が見つけてきたライオネル(ジェフリー・ラッシュ)という男に身分を隠して治療を頼もうとするのだが…

 最も内気な英国王と言われたジョージ6世が、吃音を克服する様子を描いた物語で、アカデミー作品賞・主演男優賞・監督賞・脚本賞の受賞作品。タイトルからしてミニシアター系の映画を想像したんだけど、ストーリーが面白く、キャラクターが素晴らしく、あっという間の2時間であった。

 それにしても、英国王室のフレンドリーさはなかなかのもので、国民との距離がぐっと近いのが感じられる。吃音に悩んで、それを密かに克服しようとするジョージ6世、彼を毅然とした態度で人間として支えようとしたライオネルが時にかっこよく、時に等身大に描かれていて、見ていて本当に元気の出る映画である。

 エリザベス役のヘレナ・ボナム・カーターも久しぶりに正統派の役柄でほっとした。ティム・バートンにいじられまくった彼女も大好きなのだが、やっぱ本来は正統派の女優さんなんだと再認識させられた。

 スピーチの克服というすごく地味なテーマが、やがて国全体を勇気づけていくというあたりが説得力たっぷりに描かれる。優れた映画のネタなんて、どこに転がっているかわからないと感じさせられた。歴史もまだまだ切り口を変えて見たら、面白い物語が作れるものですね。

THE KING'S SPEECH
トム・フーパー監督。2010年イギリス=オーストラリア合作。

2011年11月14日 (月)

阪急電車 片道15分の奇跡 (2011)

阪急電車 阪急今津線に乗る人々を描いたオムニバスドラマ。婚約中の恋人を寝取られた翔子(中谷美紀)は当てつけにその結婚式に純白のドレスで挑む。同じ頃、彼氏(小柳友)の暴力に悩むミサ(戸田恵梨香)や、マナーの欠如したオバタリアン軍団の中で気をもむ主婦康江(南果歩)、地方から出てきて大学になじめない美帆(谷村美月)と圭一(勝地涼)、そして孫の亜美(芦田愛菜)を連れた時江(宮本信子)らが車内にいた…

 かつて阪急神戸線で通勤・通学をしていたことがあったので、大変懐かしい気分で見ることができた。神戸線だともっとツボにはまったのかもしれないけど、こちらは特急や急行が幅をきかせている路線だけに、普通電車が中心の今津線が選ばれたのだろう。住んでる方にとっては、かなりうれしい映画だろうと思う。

 ストーリーはいわゆる群像ドラマで、オープニングで10人ぐらい登場人物を紹介するあたりで記憶力の悪い私は「だめだ」と思ったけど、みんな再登場する時にいろいろと身辺の説明をしてくれるのでそれほど混乱することはなかった。扱っているのは男女の別れだったり、大学になじめない学生だったり、いじめられている小学生だったりと深刻なものなんだけど、それぞれにほのぼのとした結末が用意された癒やし系の映画である。路線に合わせて「往路」「復路」でストーリーが進んでいく内容も面白い。

 こういうのは青年誌のコミックが原作ってのが多いんだけど、有川浩の小説が原作。疲れた時に見ると、きっとほっとさせられると思う。

三宅喜重監督。2011年日本映画。

2011年11月 7日 (月)

ダブル・ミッション (2010)

ダブル・ミッション 中国から出向中のCIAエージェントのボブ(ジャッキー・チェン)は隣家の美女ジリアン(アンバー・ヴァレッタ)と恋愛中。ところがその結婚を阻むのは、彼女の連れ子の3人(マデリン・キャロル、ウィル・シャドリー、アリーナ・フォーリー)だった。子供たちと打ち解けようとするボブだったが、子供の一人がボブのパソコンからロシアの極秘ファイルをダウンロードしてしまい…

 ジャッキー・チェン主演のキッズコメディ。アクション映画のスターがたどる道にキッズコメディというのがあるけど(そのほとんどが成功していない)、ジャッキーの場合はこれを60に近くなってやってしまったという感じ。しかも、ダサくしたジャッキーは本当にダサい親父でしかなく、それで突然秘めていたアクションの立ち回りを演じても、やっぱりダサさが払拭できなかったという感じ。うーん、企画に無理があったのかな。

 オープニングでジャッキーが若い頃のアクションシーンのダイジェストがあったり、ラストにお約束のNGシーンが用意されてたりと、ファンにとってはツボを押さえた演出ではありました。同じような役柄でありながら、成功していた「ベスト・キッド」とは対照的かな。

THE SPY NEXT DOOR
ブライアン・レヴァント監督。2010年アメリカ映画。

2011年11月 5日 (土)

アイ・スパイ (2002)

アイ・スパイ アメリカのステルス戦闘機が強奪され、ハンガリーのブダペストで犯罪組織のガンダース(マルコム・マクダウェル)によって競売にかけられるという情報が入る。シークレット・エージェントのアレックス(オーウェン・ウィルソン)は顔が売れてないからという理由で、民間人でボクシング・チャンピオンのケリー(エディ・マーフィ)と共にこの奪還作戦にブダペスト入りしたのだったが…

 エディ・マーフィとオーウェン・ウィルソンが凸凹コンビとして主演するコメディーアクション。原作はテレビシリーズらしい。しかし舞台がハンガリーのブダペストに移ると聞いたとたん、一抹の不安が… その不安は的中して、ぐだぐだとした盛り上がらない展開とギャグ、軽すぎるノリに始終しているうちに映画は終わってしまった。ブダペストが舞台のアクション映画はB級になってしまうのはなぜだ? ロケ費が安い?

 ヒロインとして出ているファムケ・ヤンセンが、適度に色っぽくていい役どころだったかな。マルコム・マクダウェルが出てるのに、後半の雰囲気が締まらないのはなぜ? ステルス戦闘機は、ボロ過ぎ。あんなの売りつけられる方がサギだ。

I SPY
ベティ・トーマス監督。2002年アメリカ映画。

2011年11月 1日 (火)

里見八犬伝 完結篇 暁の勝鬨 (1954)

里見八犬伝 完結篇 暁の勝鬨 いよいよ勢揃いした八剣士(東千代之介、中村錦之介、他)だったが、彼らの前に立ちはだかった最後の敵は800年生きた魔女の夕顔(朝雲照代)と、彼女にそそのかされた網乾左母二郎(小柴幹治)だった…

 ついに最終回を迎えた、滝沢馬琴原作の里見八犬伝。とはいっても、1本50分の5作品なので、全部通して見ても4時間強。つまり普通の映画だと2本分ぐらいか。意外と駆け足に感じる里見八犬伝なのであります。

 ところで、最後の最後に登場した夕顔って魔女が玉梓の怨霊なんだろうか。くねくねと踊りながら魔術を使ったりして不気味な女ではあるが、最後の敵にしては線が細すぎるぞ。かくして八剣士勢揃いと言われても、できることならもっともっと活躍してほしかった。正直言って食い足りない。なかなかの役者がそろっているのに、惜しい。

河野寿一監督。1954年日本映画。

2011年10月31日 (月)

里見八犬伝 第四部 血盟八剣士 (1954)

里見八犬伝 第四部 血盟八剣士 5剣士(月形哲之介、東千代之介、中村錦之助、島田照夫、石井一雄)は石浜城を目指すのだったが、その石浜城には、どこか抜けた殿(大泉晃)がいて、女田楽(藤里まゆみ)の一座と浜路(田代百合子)が滞在していた。実は女田楽の且開野は、親の仇として城主の馬加大記(清川荘司)の命を狙っていたのだったが…

 滝沢馬琴の原作を映画化したシリーズ第四作。ここまで見て、これまでの映画はすべて1954年の1年間に作られていたことを知る。やはりプログラムピクチャー、恐るべしである。それなら4時間の映画1本にしてしまえばいいのにと思うんだけど、当時の映画はテレビの代わりなので、毎週映画館に観客を呼ぶためにこの「続く」が必要だったということでしょう。

 今回の舞台は石浜城というところで、女田楽の仇討ちがメインストーリー。しかし彼女の正体は…というのがキモであるけど、演じているのが女優さんなのでちょっと納得しがたかったぞ。ラストは例によって危機一髪パターンが用意されている。いよいよあと1本で最終回である。

河野寿一監督。1954年日本映画。

2011年10月29日 (土)

里見八犬伝 第三部 怪猫乱舞 (1954)

里見八犬伝 第三部 怪猫乱舞 処刑場での危機一髪を免れた犬塚信乃(東千代之介)、犬飼現八(中村錦之助)、犬川荘助(小金井修)、犬田小文吾(島田照夫)、犬山道節(月形哲之介)たちは、八剣士の残りのメンバーを探してまた別れて旅に出る。赤岩村というところへやって来た現八は、ここの山に妖怪が出るという噂をきいて、妖怪退治に繰り出すことになる。実はこの一体を牛耳る赤岩一角(薄田研二)はすでに殺されており、彼の正体は化け猫だということを耳にするのだったが…

 滝沢馬琴原作の里見八犬伝の第三作。今回は化け猫退治というわけで、当時のSFX満載(笑)の妖術編である。もちろん八剣士の玉も活躍するし、悪女船虫(赤木春恵)も登場する。あれ、そういえば八犬伝の悪役といえば玉梓の怨霊だけど、彼女は登場しないのかなと今更ながらに気がついた。

 ただし怪猫といっても、超なさけないメーキャップで登場するのでここらへんはカルト映画の風格もただよっていると思っても間違いないだろう。物語の幕切れはここまでと違って「危機一髪・つづく」ではなく、「石浜城へ」という謎の文字が壁に浮かび上がって、剣士たちが石浜城を目指すところで終わる。正直言って、3本見てなかなか進まないストーリーにだいぶ飽きてきたかも(笑)。 残るはあと2本、がんばろう。

河野寿一監督。1954年日本映画。

2011年10月28日 (金)

里見八犬伝 第二部 芳流閣の龍虎 (1954)

里見八犬伝 第二部 芳流閣の龍虎 前作でお堀に落ちた犬塚信乃(東千代之介)と犬飼現八(中村錦之助)だったが、運よく小舟の上に落ちて川を流されていく。彼らを救ったのは文吾兵衛という宿屋の主人だったが、信乃は高熱を出して寝込んでしまう。やがて町に信乃と現八の手配状が回ってきて、文吾兵衛は役人に捕らえられてしまったが…

 滝沢馬琴原作の里見八犬伝の第2部。予想どおり、お堀に落ちた二人は「そんなのあり?」といった展開で助かるのであったが、今回は信乃は寝込んでしまいあまり出番はない。前作のヒロインの浜路(田代百合子)も崖から落ちて行方不明である。その間に、文吾兵衛の息子の小文吾(島田照夫)やら妹の亭主の犬田荘八(加賀邦男)やらと一悶着がありと、八剣士が次々と集まっていくのがメインストーリー。

 うーん、今回は筋を追うのがやっとで、面白いというところまでいかないのが辛いところかな。れいによって、処刑場での危機一髪のシーンで「終」になるのはお約束か。次が見たいかというと、何となく予想がつく展開ではあります。(つづく?)

河野寿一監督。1954年日本映画。

2011年10月25日 (火)

里見八犬伝 第一部 妖刀村雨丸 (1954)

里見八犬伝 第一部 妖刀村雨丸 絶命した伏姫から諸国に散った8つの玉。その一つを持つ犬塚信乃(東千代之介)は、預かった天下の名刀村雨丸を御所へ献上して仕官しようと考えているが、許嫁の浜路(田代百合子)が義父母によって悪代官に嫁入りさせられそうになっているのを知る…

 おなじみ滝沢馬琴原作の「南総里見八犬伝」の5部作での映画化の第一作。モノクロの上に録音が悪く、さらに1部につき50分という中編ではあるが、それだけにストーリーもわかりやすく作ってありストレスなく見ることができた。物語はまだ動き出したところなんだけど、信乃と浜路のすれ違いとか、横恋慕する左母二郎(小柴幹治)とか、同じ八犬士同士の城の屋根の上での決闘とか(なんと相手は中村錦之助)見せ場はいっぱい。しかも最後は、二人そろってお堀へどぼーんと落ちたと思ったら「第一部 終」!

 げげっ、これってプログラムピクチャーというか、続きものの王道じゃんってうならされてしまった。CGはおろかSFXすらろくになかった時代なのに、これだけの冒険活劇を作ってしまう東映ってすごい。お城の屋根の上の一騎打ちは結構名場面なんじゃないかな。

河野寿一監督。1954年日本映画。

2011年10月24日 (月)

山猫は眠らない (1992)

山猫は眠らない パナマのジャングルに精通した、米軍のスナイパー・トーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)。彼は、麻薬組織のオチョア(カルロス・アルバレス)をバックに政権を狙うアルバレス(フレデリック・ミラグロッタ)の暗殺の任務を受けるのだが、そのパートナーは現場を知らないエリート軍人のリチャード・ミラー(ビリー・ゼイン)だった…

 スナイパー(狙撃兵)が主人公のアクション映画。単なるどんぱちではなく、たとえば潜水艦映画とかにも通じるものがあるかのような頭脳戦と機動戦をかけ合わせたかのようなストーリー。ばりばりのスペシャリストと、その上官でありながら若くて現場を知らない元オリンピック射撃代表という、面白くなりそうな要素をぎゅっと詰め込んでしかも期待に応えてくれるという良作である。なぜ、この映画を今まで見逃してたんだろ?

 スナイパーって一番安全な地上戦闘員というイメージがあるけど(敵から一番遠い)、同時に敵のスナイパーに狙われる運命にあるわけね。「スターリングラード」なんかと見比べてみたら面白い映画かも。ところで「山猫」って単語は、どこで出てきたんだろう?

ルイス・ロッサ監督。1992年アメリカ映画。

2011年10月23日 (日)

茶々 天涯の貴妃 (2007)

茶々 天涯の貴妃 浅井長政と信長の妹、お市の方(原田美枝子)との間に生まれた茶々(和央ようか)。妹の小督(寺島しのぶ)、はつ(富田靖子)と共に暮らしていたが、父が織田信長(松方弘樹)との戦いで殺され、織田に引き取られる。その後母が嫁いだ柴田勝家も敗れてお市の方は娘たちに「生き抜け」と言い残して自害。激しい憎悪を胸に豊臣秀吉(渡部篤郎)に嫁いだ茶々だったが…

 大河ドラマで壕姫がブームだが、こちらはその姉の茶々こと淀君にスポットを当てた東映時代劇。井上靖の原作を映画化。主演の和央ようかは知らなかったので誰?って思ったけど、なるほど宝塚のトップスターでしかも男役。確かに茶々の人生を思うととんでもない憎悪を胸に生きていただろうってのは想像できるので、それをあの宝塚の台詞回しで熱演。賛否両論あるみたいだけど、私はこの映画、結構楽しんで見ることができました。

 妙にやさ男の渡部太閤とか、ケレン味たっぷりの中村獅童の家康とか、年齢順を無視したかのような浅井三姉妹とか(笑)キャラクターの面白さはたっぷり。シリアスな話のくせに、味付けがちょっとコミカル過ぎるかなという恨みはあるけど、中盤以降はどどどどっと大阪城炎上のスペクタクルシーンまで一気になだれ込んで見せてくれます。

橋本一監督。2007年日本映画。

2011年10月21日 (金)

同じ月を見ている (2005)

同じ月を見ている 幼なじみの鉄矢(窪塚洋介)、エミ(黒木メイサ)、ドン(エディソン・チャン)の3人。鉄矢はエミの心臓病を治したいがゆえに、インターンになっている上に、二人は婚約中。ところがドンは放火事件から刑務所に入っており、しかも脱走したという一報が入る。それぞれの思いを抱いたまま再開した3人だったが…

 土田世紀のコミックを深作健太監督で映画化。中盤から場をさらってくれるのが、ドンと深くからんでいくやくざの金子(山本太郎)。八方破れの彼が、ドンの心をぐわっとわしづかみにしていくのが何とも感動的に描かれる。逆に主人公カップルである窪塚と黒木には、何か人間の冷たさを感じて感情移入できなかったのが辛いところ。

 そのあたりが引きずって、ピュアに思われるドンにも同情は感じても何でそこまでってのがわからなくて戸惑った。ところで深作監督ってのは、何を撮ってもバイオレンスから離れることはできないんかなぁ。

深作健太監督。2005年日本映画。

2011年10月20日 (木)

必死剣 鳥刺し(2010)

必死剣 鳥刺し 海坂藩に仕える兼見三左エ門(豊川悦司)は、主君右京太夫(村上淳)の側室連子(関めぐみ)を突然宮中で刺し殺す。打ち首になるかと思われた兼見だったが、意外に軽い1年間の幽閉の刑となり、その後に上司の津田(岸部一徳)のはからいにより、再び宮中に仕える身となる。ところがそこには、敵対する帯屋隼人正(吉川晃司)がからんだ陰謀が隠されていた…

 藤沢周平原作の隠し剣シリーズからの映画化。このシリーズは、個人的にはどれを見ても外れなしの面白い時代劇なので期待して見たのだが、期待を外さぬ傑作であった。元気だったころの日本映画、元気だったころの時代劇を思い出させてくれる。決して大作とは言えないが、この時代の下級武士の生き様がじっくりと描き込まれていてうならされる。

 剣の使い手ながらも、はめられる豊川悦司がいいオーラを放っている。敵役の吉川晃司もかっこいい。ある意味、吉川の方に感情移入して見てしまいそうになった。二人とも農民を助ける立場のはずなんだけどね。関めぐみは、意地悪そうな顔つきがいい。村上淳のバカ殿もいい。本当の悪役の岸部一徳は、これはもう言うまでもないでしょう。

 そうそう、主人公の姪を演じた池脇千鶴の普通っぽさも意外と良かったです。たぶん原作にはないキャラクターのような気がするけど、彼女でラストをぐっと引き締めています。

平山秀幸監督。2010年日本映画。

2011年10月11日 (火)

日本の首領 (1977)

日本の首領 女遊びが元でゆすられた紡績会社の社長が、専務を通じて関西が拠点の中島組に仲介を申し出る。ところが仲介がもとで血の雨が降り、関東進出を目指す中島組の野望に巻き込まれていくのだったが…

 組長の佐倉に佐分利信、その子分たちに鶴田浩二、松方弘樹、渡瀬恒彦、千葉真一、娘婿に高橋悦史、敵対する石見組長に菅原文太と、蒼々たるメンバーで送る東映オールキャストの現代劇任侠映画。家庭に入って普通のおっちゃんに見える佐分利信ってところがミソだと思うんだけど、主役はあくまでも鶴田浩二ってことでやっぱり任侠映画である。

 飯干晃一の原作だけど、登場人物が「山口組三代目」と違って実名でないところもミソかな。それだけに実録ものか娯楽作なのかどっちつかずになっていて、意外とすっきりしない終わり方にちょっといらいらっとした。もっとも3部作の第1部だということは後で知ったが。

 やんちゃな千葉真一が見られるのが拾いもの。菅原文太の関東やくざは、マスコミ対応とかを迫られたりして、ミスマッチなところが面白い。堅気のはずだった高橋悦史が、どっぷり染まってしまうラストは意味深ですね。

中島貞夫監督。1977年日本映画。

2011年10月 9日 (日)

ウルトラ I LOVE YOU! (2009)

ウルトラ I LOVE YOU! 両親がセットしたお見合いで、クロスワード作家のメアリー(サンドラ・ブロック)とテレビカメラマンのスティーヴ(ブラッドリー・クーパー)がデートしようとするのだが、彼の仕事でドタキャン。ところが彼が忘れられないのと、自分に気があると勘違いしたメアリーは、持ち前の行動力で半ばストーカーのように彼のロケ先を追いかけ回すことに。さらに、道中ひょんなことから一緒になったハートマン(トーマス・ヘイデン・チャーチ)は、彼女をサポートすることになったのだが…

 サンドラ・ブロックが勘違い女を熱演するラブコメディ。しかしラブコメと呼ぶにはまったくロマンティックでなく、ひたすらシリアスなひきつり笑いが待っているという珍作である。デートムービーに選んじゃったら絶対公開する映画。日本では劇場未公開ではありますが。

 しかしこれをラブコメディと思って見た私は、後半の穴にまつわるギャグを笑いとばしながら、これをどうやってハッピーエンドにおさめるんだろうかと頭の中でぐるぐると画策。しかしどうおさまっても、これは見終わったあとしっくりいかないぞと思っていたら、いい感じで着地。ハッピーエンドを望まないロマコメなんて、やっぱり何かヘンではある。

 サンドラ・ブロックって、個性的な美女であるがゆえにこういった役柄にぴたっとはまるんでしょうね。スティーヴ役のブラッドリー・クーパーのひきつった笑いが、印象に残ります。メアリーの個性をちゃんと受け入れてしまうアメリカってのは、やっぱ懐が深いのか?

ALL ABOUT STEVE
フィル・トレイル監督。2009年アメリカ映画。

2011年10月 4日 (火)

影の軍団 服部半蔵 (1980)

影の軍団 服部半蔵 三代将軍の家光の死により混乱する江戸城下。かつて活躍した伊賀忍者は今や追われる身となり、上下に分家した服部家で、下の半蔵(渡瀬恒彦)は義賊となり奪った金品を貧乏人に配り、上の半蔵は名前を変えてひっそり暮らしている。ある時、世継ぎの幼い家綱が甲賀忍者の四郎兵衛(緒形拳)に誘拐される事件が起こり、服部家はその解決を依頼されるのだったが…

 テレビシリーズにもなったはずの(未見だが)「影の軍団」の劇場版。忍者ものだが、太平の世の中というわけで登場人物が必ずしも忍者の衣装を着てないのがミソ。語りぐさとなった、忍者がアメフトのフォーメーションで突進しるシーンも楽しめる。これがよく見ると、ヘルメットにフェイスガードみたいなのが見てとれるのも笑える。こういう一芸は好きである。ラストには、城の櫓の崩壊シーンという見せ場も用意されている。

 存在感抜群の緒形拳や、成田三樹彦は一見の価値あり。それに反して、主役の二人の影が薄いのは忍者であり「影の軍団」というタイトルからして仕方ないのかな?

工藤栄一監督。1890年日本映画。

2011年10月 3日 (月)

エクスクロス 魔境伝説 (2007)

エクスクロス 魔境伝説 秘境・阿鹿里村の温泉地を訪ねた、仲良しのしより(松下奈緒)と愛子(鈴木亜美)だったが、彼氏の浮気をめぐって仲違えしてしまう。ところがしよりが拾った携帯からは「今すぐ村から逃げろ、足を切り落とされるぞ」という警告が聞こえてきて…

 上甲宣之の原作を、深作健太監督が映画化した、ハイスピード・ハイテンションスリラー(?)。確かにハイテンションではあるが、これを恐ろしいと見るか笑い飛ばしてしまうかは観客次第かも。

 カルト村の雰囲気は及第点。わさわさと襲ってくる村人の動きののろさはゾンビ以下かも(足を切られている?)。ハサミを振り回す小沢真珠は一見の価値があるかも。中川翔子もしかるべき役で出てます。パワーだけはいっぱいある映画なので、C級カルト映画が好きな方は一見の価値があるかも。

深作健太監督。2007年日本映画。

2011年10月 2日 (日)

釜ヶ崎極道 (1973)

釜ヶ崎 釜ヶ崎に事務所を構える暴力団組長の島村(若山富三郎)だったが、警察署長の勧めで、ライバルの八ッ藤組の解散・企業化を習って組を解散することになる。気質になろうと旅回りの劇団・市川梅太夫一座と契約して興業を行うがうまくいかず、さらに付近の土地の買い占め・地上げをはかる八ッ藤組のあくどいやり口と衝突して…

 「極道」シリーズの第8作。悪をもって悪を制するという、元祖ヴィン・ディーゼルといった感じのストーリーである。悪といっても親分の島村はちょっと頭の悪そうな憎めないキャラクターで、この親分さんがどうやって財界ともつるんだ巨悪をやっつけられるんだろうかと思ったら…なるほど、ポカリとやっつけてしまうという非常にシンプルなお話でありました。

 しかもポカリどころか、ザクッ・バーンと2段構えにやっつけたあとは、警官隊に囲まれてどうするんだと思ったところであっさりとエンディング。たぶんシリーズの次回作では、窮地を逃れた島村組はってあたりから始まるんだろうな。東映恐るべし。

 登場人物も賑やかで、島村の妻に清川虹子、組の若い衆に山城新伍、思いを寄せる劇団の娘に東美千、謎の金持ちの女に加賀まりこなどなど。昨今の社会情勢では、ほとんどの俳優さんたちが出演に躊躇する映画なんじゃないかと思わされます。

山下耕作監督。1973年日本映画。

2011年9月30日 (金)

ヒート (1995)

ヒート ニール(ロバート・デ・ニーロ)、クルス(ヴァル・キルマー)、チェリト(トム・サイズモア)は鮮やかな手口の銀行強盗のプロ。裏切り者は容赦なく始末する冷酷な男でもあるが、本屋に勤めるイーディ(エイミー・ブレネマン)と愛し合い引退を決意する。ロス市警の敏腕刑事ヴィンセント・ハナ(アル・パチーノ)はニールを逮捕することにやっきになるが、妻や娘(ナタリー・ポートマン)とはしっくりいかず…

 ゴッドファーザーを除けば2大スターの初共演とされる本作。どうにも煮え切らなかった「ボーダー」を見た直後だっただけにめちゃ面白かった。純粋に2大スター激突というわけで、敵味方に分かれてドンパチやるというストレートなストーリーが良かったのかもしれない。

 マイケル・マンが監督だけにどんぱちが派手なのも見物で、クライマックスかと思ったドンパチが実はストーリー中盤だったのにはあっけにとられた。あれだけやりあったら死んでるだろと思っても、さらに別のクライマックスが用意されている贅沢さ。ブレイク寸前のナタリー・ポートマンが見られるのもいいですね。

HEAT
マイケル・マン監督。1995年アメリカ映画。

2011年9月27日 (火)

ファーゴ (1996)

ファーゴ 自動車のセールスマンのジェリー(ウィリアム・H・メイシー)は、金に困って妻の偽装誘拐を行い義父から身代金をせしめることを思い立つ。誘拐犯としてカール(スティーヴ・ブシェミ)とグリムスラッド(ピーター・ストーメア)の2人組を雇うのだったが、よりによって誘拐の途中で警官と目撃者を射殺してしまう。事件をかぎつけた村の警察官マージ(フランシス・マクドーマンド)は妊娠中にもかかわらず二人組を追うことになるのだったが…

 何だこりゃ、このすっとぼけた面白さは、とよくよく見ればコーエン兄弟の映画ではないか。そりゃ面白いはずだ。「実話です」と断っているにもかかわらず、かなりの部分が創作だという人を喰った部分(あとで知ったが)をはじめ、ブシェミとストーメアの二人組のすっとぼけた個性。見ていていらいらしてくることしきりの、根っからの悪人じゃないんだろうけど悪い方へばかり転がっていくウィリアム・H・メイシー、そして背中に夫、おなかに子供をしょって立つ婦人警官フランシス・マクドーマンド(なんとこれでアカデミー主演女優賞)の生活感ばりばりの面白さ。

 ヘンな映画といえばものすごくヘンな映画なんだけど、ツボにはまれば徹底的に楽しめる、それはそれはおもちゃ箱のような映画に思われます。マージ、妊娠中なのに無理すんなよとか、ブシェミって本当にヘンな顔とか、この映画に対する思いはつきません。

FARGO
ジョエル・コーエン監督。1996年アメリカ映画。

2011年9月24日 (土)

クリムゾン・リバー (2000)

クリムゾン・リバー アルプスのゲルノンで、両手首を切り落とされ、目玉をくりぬかれた変死体が発見される。猟奇事件の専門家ということで、パリからニーマンス刑事(ジャン・レノ)が派遣される。同じ頃、少女の墓荒らしの捜査をしていた刑事マックス(ヴァンサン・カッセル)は、猟奇殺人事件と関係があることをかぎ取るのだったが…。

 閉鎖的な山間の大学を舞台にした猟奇ミステリー。いきなり、死体をなめるようなタイトルバックにスプラッタ映画にも通じるような趣味の悪さを感じたが、映画の中身は至ってまとも。ただただ不気味な大学にスポットが当たるあたりから、ぐいぐいと物語に引き込まれた。

 キーマンとなる女性(ナディア・ファレス)はなかなか個性的でとっつきが悪かったんだけど、洞窟へ入っていくあたりのくだりからはぐいぐいその魅力に引き込まれた。母親役にドミニク・サンダと、往年の名女優を使っているあたりに何かあるんかなと思ってたら…やっぱりひとひねりありました。ラストのオチも見事で面白かった。

 続編も未見だけど、やっぱりこの大学が舞台なんかな?

LES RIVIERES POURPRES
マチュー・カソヴィッツ監督。2000年フランス映画。

2011年9月23日 (金)

悪魔を憐れむ歌 (1997)

悪魔を憐れむ歌 刑事ホブス(デンゼル・ワシントン)の手によって死刑台に送り込まれた凶悪犯リース(エリアス・コーティアス)。ところが彼は死ぬ前に、よみがえって復讐することをホブスに誓う。やがてリースを模倣したと思われる凶悪犯罪がホブスの回りに起こり、その手口からホブスは殉職した刑事の娘グレタ(エンベス・デイヴィディッツ)に協力を求めるのだったが…

 サスペンスか人間ドラマかと思わせた冒頭だったけど、中身はれっきとしたオカルト映画。しかも善人の刑事と悪魔との直接対決ものだというのには面食らった。とはいっても、事件の犯人を悪魔に結びつけていく展開がとっても自然で、悪魔の正体AZAZELとその弱点がわかってからはなかなかサスペンスフルで面白かった。

 弟と甥っ子がからむストーリーに、ラストの説得力を感じる。しかし悪魔が思ったよりもちま~んとしているのが唯一の難点で、あの程度の力で世界を滅ぼすなんて何万年もかかるんじゃないかな、なんて思わされてしまう。乗り移りシーンは不気味なんだけどなぁ。主人公の上司役でドナルド・サザーランド、同僚役でジョン・グッドマンも出ています。

FALLEN
グレゴリー・ホブリット監督。1997年アメリカ映画。

2011年9月22日 (木)

ボーダー (2008)

ボーダー ニューヨーク市警の刑事ターク(ロバート・デ・ニーロ)とルースター(アル・パチーノ)は長年のコンビ。ところが、凶悪犯ばかりを狙った連続殺人事件が発生。タークはその容疑者となるのだったが…

 デ・ニーロとパチーノの豪華共演による刑事アクション。しかしこの二人、どう見てももう定年を過ぎたかと思える老人である(笑)。重厚な役ならともかく、第一線に残る刑事というにはあまりにも痛々しいものを感じるぞ。

 とはいっても、タクシー・ドライバーへのオマージュっぽいシーンがあったり、ゴッドファーザーを思わせるシーンがあったりと映画ファンがにやりとさせられるシーンは用意されているんだけど、残念ながら笑えない、楽しめない。そんなことを考えてるうちに、あまりにひねりのない結末と共に映画は終わってしまった。うーん。二人のファンで特別に思い入れでもない限りおすすめできない映画かも。

RIGHTEOUS KILL
ジョン・アヴネット監督。2008年アメリカ映画。

2011年9月20日 (火)

ザ・ウォーカー (2010)

ザ・ウォーカー 文明が滅びた近未来のアメリカ。イーライ(デンゼル・ワシントン)は1冊の本を運んで、西を目指す旅を続けていた。ところが立ち寄った町のボスであるカーネギー(ゲイリー・オールドマン)は、彼の持つ本を狙って仕掛けてくるのだったが…

 何だか見終わったあとの余韻がすごく心地いい近未来荒廃アクション映画。聖書にそこまで人間を浄化したり支配したりする力があるのかと突っ込みたくなる部分はあるんだけど、少なくとも何かを守って一生をささげるって部分が何ともかっこよくて、聖書の件は置いといていい映画であった。主人公のイーライ、かっこよすぎ。

 カーネギーに幽閉されているミラ・クニスとジェニファー・ビールス(懐かしい、「フラッシュダンス」だ)の母娘も物語に華を添えて良いです。ゲイリー・オールドマンは、「レオン」の悪役再来といったねちっこさ。すべてがオススメ。

THE BOOK OF ELI
アレン・ヒューズ、アルバート・ヒューズ監督。2010年アメリカ映画。

2011年9月19日 (月)

Disney's クリスマス・キャロル (2009)

Disney''s クリスマス・キャロル 19世紀のロンドン。高利貸しの老人スクルージ(ジム・キャリー)のところに、死んだ共同経営者のマーレイ(ゲイリー・オールドマン)の亡霊が現れる。実は彼の運命を変えるがために、3人のゴーストが訪れると言い残して去って行くのだったが…

 古典文学のディケンズの「クリスマス・キャロル」を、ゼメキス監督がお得意のパフォーマンス・キャプチャー技術を使って映画化。つまりキャプチャーされた俳優のCGを使ったアニメーション映画というわけで、劇場公開時は3Dだったようだ。実際にソフトも3D版が発売されているが、今回はBSで放映された2Dの字幕版を鑑賞。

 やっぱこれって、3Dで見てこそなんぼのアトラクション映画なんじゃないかなあという感想。特にスクルージ老人がゴーストに連れられての浮遊シーンは2Dで見ていてもなかなかの迫力で、これってディズニーランドのアトラクションなんかになったら楽しいだろうなぁと思わされた。

 ストーリーは完全に陳腐化している感じで、決定的なのはラストに感動がない。スクルージが更正するあたりに説得力がないので、見終わっても妙な説教臭さだけが残る。かなり昔にゼメキスが言っていた「CGが発達すれば俳優はいらなくなる」というのは絶対嘘だと確信した。この映画に出てくるキャラクターに感情移入して見るのはかなり苦しい。「素晴らしき哉、人生」ほどとは言わないにしても、もうちょっと感動させてほしかったぞ。

A CHRISTMAS CAROL
ロバート・ゼメキス監督。2009年アメリカ映画。

2011年9月18日 (日)

THE WAVE ウェイヴ (2008)

THE WAVE ウェイヴ ドイツの高校で、教師のライナー(ユルゲン・フォーゲル)は独裁制を教える特別ゼミを担当する。集まった生徒たちで、実際に「ウェイヴ」という名前の組織を作り制服やマークなどを用意して団結をシミュレートしようとするのだが、一部の生徒が過剰な反応を起こして、やがてグループが町中でトラブルを起こし…

 モートン・ルーの原作を映画化。実話を元にしているらしく、グループが次第に暴走していく背景を、リアルなタッチで淡々と描く。映画の話としては単調なんだけど、実話というのが重たく、全体主義がいかにして起こるのかを順を追って説得力と共に見ることができる。こういうのって、家族でも宗教でも会社でも、グループと名がつくものだったらどこでも起こりそうな気がいたします。

 ドイツの高校って、こういった「独裁主義」「資本主義」といった社会制度別のゼミが行われているんだってのがひとつの驚き。インターネットが途中からからんでくるのも今風です。ネットが恐ろしいのは、こういった暴走中の組織ともカンタンにコンタクトがとれることではないでしょうか。

DIE WELLE
デニス・ガンゼル監督。2008年ドイツ映画。

2011年9月16日 (金)

君を忘れない (1995)

君を忘れない 第2次大戦末期の航空基地。望月隊長(唐沢寿明)の元に特攻隊として集まった上田(木村拓哉)、高松(松村邦洋)、早川(袴田吉彦)、三浦(反町隆史)たちパイロット。厳しい訓練に明け暮れる毎日ではあったが…

 現代版「雲流るる果てに」…というわけで、現代のイケメンたちが特攻隊に扮するドラマ。既成概念からしたらかっこ良すぎる特攻隊たちなんだけど、こういうのもありかなと思わされる不思議なリアリティを感じた。

 特に印象に残ったのは、太った松村でも長髪の木村拓哉でもなく、出撃前に食べるエビフライ弁当。ふだん何気なく食べているエビフライがこんなに大事なものに見えるとは… エビフライを忘れない…

渡邊孝好監督。1995年日本映画。

2011年9月12日 (月)

ベスト・キッド (2010)

ベスト・キッド 父親が亡くなり、母親シェリー(タラジ・P・ヘンソン)の転勤で北京へ引っ越してきた少年ドレ(ジェイデン・スミス)。少女メイ(ハン・ウェンウェン)とも仲良くなったドレだったが、クラスの悪ガキどもにいじめられているところをマンションの管理人ハン(ジャッキー・チェン)に助けられる。いじめっ子との決着をつけるために、カンフー大会に出ることになったドレをハンがサポートするのだったが…

 あの80年代のヒットシリーズ「ベスト・キッド」を、舞台を中国へ移してリメイク。仙人のようだったノリユキ・パット・モリタの「ミヤギ」を、ジャッキー・チェンがくたびれた親父としてバトンタッチ。主人公をウィル・スミスの息子にしたり(最初は女の子かと思った)、キャラクターと舞台はがらっと変えたのにストーリーはほとんどそのまんま。しかしジャッキーがカラテ(クンフー?)を教えてくれるってだけでわくわくしてしまうのは、彼のオーラがなせる技かも。

 途中にハンの過去を挟み込んだり、いじめっ子少年が最後だけさわやかだったり、見終わった後味が非常に良いのも特筆もの。安心して子供に見せられる映画。

ハラルド・ズワルト監督。2010年アメリカ=中国合作。

2011年9月11日 (日)

映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ 天使たち (2011)

映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ 天使たち ロボットのプラモデルを作って悦に入っていたのび太(声:大原めぐみ)だったが、スネ夫(関智一)の作ったロボットにやっつけられてぐうの音も出ない。ドラえもん(水田わさび)にいつものように助けを求めるのび太だったが、彼の庭に巨大ロボットの部品が降ってくる。かき集めて組み立て、ドラえもんの道具で作られた鏡の世界で試運転をするのび太だったが…

 おなじみ藤子・F・不二雄の人気漫画を映画化。旧作「のび太と鉄人兵団」のリメイクらしい。旧作は未見なのだが、何とも感動的な内容に仕上がっていて感心した。特にロボット世界からやってきたリルル(沢城みゆき)としずかちゃん(かかずゆみ)、そして主要メンバーたちの友情が心に残る。これは個人的には、「のび太と恐竜」を抜いて、泣けるドラえもんの第1位ではないかと思う。

 ストーリーは、惑星メカトピアが攻撃ロボットザンダクルスを送り込んでくるというきな臭い話がメインになっているんだけど、ほんわかとした登場人物たちがうまく話を包み込んで、お子様でも安心して見ていられるソフトな映画になっている。少女リルルが改心していくあたりが甘いといえば甘いのかもしれないけど、その甘さがまたいいのかもしれません。

寺本幸代監督。2011年日本映画。

2011年9月 9日 (金)

トラ・トラ・トラ! (1970)

トラ・トラ・トラ! 日米開戦までの水面下のやりとりと情報戦。そして山本五十六(山村聡)の指揮する日本軍がハワイのパールハーバーを攻撃するまでを描いた戦争スペクタクル映画。

 中学生の頃にテレビで見て以来の再会である。今見てもなかなかの迫力で、海戦シーンなどはミニチュアと思われるんだけどそれもかなりのサイズのミニチュアのようである。もちろん航空機は本物(違う飛行機を改装して撮影したようだが)。ドラマは思ったよりも淡泊な感じだが、東郷外相(野々村潔)をめぐるやりとりと、日本軍の戦闘の練習シーンが印象に残る。

 日本側とアメリカ側のドラマは均等だったと記憶していたんだけど、意外と日本側の視線が多く描かれている気がして感心した。東野英治朗の南雲中将が何ともかっこいい。山本五十六が、アメリカの怖さがわかっている点も、史実どおりなのかどうかは不明だが深いぞ。

TORA! TORA! TORA!
リチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二監督。1970年アメリカ=日本合作。

2011年9月 4日 (日)

午後の遺言状 (1995)

午後の遺言状 軽井沢の別荘に、女優の森本蓉子(杉村春子)がやって来る。管理人の豊子(乙羽信子)とその娘あけみ(瀬尾智美)が彼女を迎えるのだったが、そこへ蓉子の旧友で今は認知症を患う登美江(朝霧鏡子)と夫の籐八郎(観世栄夫)がやって来る…

 乙羽信子の遺作として話題になった作品だが、日本アカデミー賞の作品賞や、キネマ旬報の邦画1位をとっていたというのは知らなかった。内容はタイトルと出演者の年齢からもわかるように、老いと死をテーマにしたものだけど、いろんなエピソードを突発的に積み上げていくような構成で、ちょっととっ散らかってるかなって印象はあるけど最後まで楽しめた。

 観世・朝霧の老夫婦のエピソードは、まさかが本当になってしまうある種の驚きがあり、脱獄囚の話はあまりにも非現実的で浮きまくりな印象。お達者ムービーにならないようにか、若い瀬尾智美のエピソードが差し込まれているけど、この足入れ式の儀式がなんとも爆笑もの。ありゃちょっと、恥ずかしすぎます(笑)。

 本流のエピソードは蓉子と豊子の後半のやり取りにあるんだろうけど、ぷっつんきちゃった豊子の言動が何とも爽快で面白い。対する蓉子も、修羅場をくぐってきた女優だけに負けていない。カンカンののしりあいながらも、不思議な信頼感でつながっている二人は、やっぱり年の功ってところなんかな。これ、20代の頃に見てたら絶対理解できない映画だったんじゃないかと思います。

新藤兼人監督。1995年日本映画。
※リンク先はサントラ盤です

2011年9月 2日 (金)

裸の島 (1960)

裸の島 瀬戸内海の小島で農業を営む夫婦(殿山泰司、乙羽信子)。本土から桶で水を運び、作物を作りながら二人の息子(田中伸二、堀本正紀)を育てる毎日。時には子供たちが鯛を釣り上げ、本土(尾道)で買い物を楽しんだりもしていたのだが…

 天まで耕す小島が舞台。家族の営みを、これでもかとモノクロの画面でなめるように描いていくのは圧巻。日本映画にはたまにものすごいものが転がっていたりするんだけど、これもそんな中の1本。台詞はほとんどなく、挨拶をしない家族にいらいらもさせられたけど、これはこれで様式美ってなもんでしょうか。

 押さえた前半だけに、事件が起こる後半は特に、二人の男の子を持つ父親の目で見ると他人事ではないようで身にしみました。乙羽信子の嗚咽と、刀のおもちゃの余韻がいつまでもいつまでも残りました。

 新藤兼人監督ってのは、私にとっては「北斎漫画」のイメージなので、ものすごく若々しい感じがするんだけど、実はもう99歳のおじいちゃん。そのギャップが、またたまらなく良いです。

新藤兼人監督。1960年日本映画。

2011年9月 1日 (木)

市川崑物語 (2006)

市川崑物語 アニメーション監督からはじまって、脚本家であり夫人の和田夏十と出会って監督として大成した市川崑監督の一生を、若手監督の岩井俊二が写真や字幕、一部の映画のフィルムを使って構成したドキュメンタリー。

 ほとんどが写真と字幕の繰り返しで、映画として考えると半分ぐらいが字幕で何だか損した気がしなくもないが、語りのリズムが面白くて思わず引き込まれてしまった。特に戦時中の「脊椎カリエス」のくだりとか、和田夏十さんとのエピソードのあたりは実際に映像を見ているかのような気分にさせられて楽しめた。本(活字)に没頭しているといったイメージかな。

 しかし、市川崑さんって今更ながら多作な監督さんなんだなぁと思わされる。見ているのは「犬神家の一族」以降で、それ以前には聞いたこともない映画がいっぱい。こういう映画を見ると、見たい映画が増えて困ってしまうんだよな。

岩井俊二監督。2006年日本映画。

2011年8月31日 (水)

8月のメモワール (1995)

8月のメモワール ベトナム戦争から帰還してきたスティーヴン(ケヴィン・コスナー)だったが家は取り壊されて職はなく、貧困を極める。子供たちのリディア(レキシー・ランドール)とステュ(イライジャ・ウッド)はそれでも森の中にツリーハウスを作って楽しく過ごしているのだったが、友人たちとのトラブルが絶えずに…

 そのものズバリの「戦争」というタイトルながら、戦闘シーンはほとんどなし。しかし主人公の戦争後遺症は痛々しく、家族たちどころかその帰還した村にも陰鬱なものをもたらしている。

 ケヴィン・コスナー絶好調の時代だけに、彼の演じる父親像が秀逸で心に残る。ツリーハウスでのわんぱく戦争に端を発しての、水タンクでのクライマックスなどなど、地味なドラマに思えてかなり涙腺を直撃するこの造りは実に心憎い。イライジャ・ウッドも良かったけど、敵対するガキ大将とか、姉のレキシー・ランドールとか、少年少女が実にリアルで心に残る。今更ながらみ見たわけだが、隠れた名作ではないかと思われる。

THE WAR
ジョン・アヴネット監督。1995年アメリカ映画。

2011年8月29日 (月)

ミラーズ2 (2010)

ミラーズ2 マックス(ニック・スタール)は婚約者を交通事故で亡くす。心の傷が癒えないままに、父親(ウィリアム・カット)の勧めでメイフラワーというデパートの警備員を勤めるのだったが、そこでは鏡にからんだ職員の急死事件が立て続けに起こるのだったが…

 テーマ曲「アストゥリアス」が印象深いホラー映画「ミラーズ」の第2弾が登場。といっても劇場公開されていないオリジナルビデオ作品だそうだが、作品のクオリティはそんなに悪くはない。物語は行方不明になったエレノアという女性と、その姉を中心に起こるのだが、きっちりしたストーリーが敷かれているだけにおおまかなネタがわかった瞬間から主人公たちの安全が約束されたところがあり、緊迫感が一挙に吹き飛んで安心して見てしまった。

 それでも何か想定外のことが起こるのかな…と身構えていたにもかかわらず、予定調和の中で終わってしまった。ホラーとしてはちょっと不満かな。安心して見てはいられるけど。

 とはいっても、ゴアシーン・スプラッタシーンはなかなか強烈なので、苦手な方は構えて見た方がいいかも。

MIRRORS 2
ヴィクター・ガルシア監督。2010年アメリカ映画。

2011年8月28日 (日)

スパイアニマル Gフォース (2009)

スパイアニマル Gフォース 遺伝子工学で生み出され、スパイとして高度に仕込まれたモルモットたちのチーム「Gフォース」。そのメンバーのダーウィン(声:サム・ロックウェル)、ブラスター(トレーシー・モーガン)、フアレス(ペネロペ・クルス)、ハーレー(ジョン・ファヴロー)、スペックルズ(ニコラス・ケイジ)たちだったが、なぜか政府から予算が打ち切られてペットショップに売り飛ばされてしまう。ところが家電メーカーのセイバリングのCEO レナード・セイバー(ビル・ナイ)が企んだ陰謀をかぎつけ、これを阻止しようとペットショップを脱走する彼らだったが…

 ディズニー+ジェリー・ブラッカイマー製作のCGアニメ+実写の合成映画。まぁディズニーマークが出たとたんに結末は予想がつくものだが、とにかく派手なアクション満載で、単に子供向けのアニメというだけでは片付けられない作品である。内容は「ミッション・インポッシブル」と「トランスフォーマー」を足して割ったような感じで、それに主人公たちがモルモットだというのがご愛敬。

 日本では吹き替え版が中心に上映されたんだろうけど、ここはニコラス・ケイジとかペネロペ・クルスが声を当てている英語版で見ておきたいところ。スティーヴ・ブシェミも声優のクレジットに上がっているけど、どの声なんだろう。

G-FORCE
ホイト・H・イェットマン・Jr.監督。2009年アメリカ映画。

2011年8月23日 (火)

ゾンビランド (2009)

ゾンビランド 引きこもり青年のコロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)はゾンビに占領された世界で、独自の32のルールを作って生き延びている。そんな彼がヒッチハイクした相手が、ゾンビ狩りを生き甲斐とするタラハシー(ウディ・ハレルソン)。やがて彼らの車にウイチタ(エマ・ストーン)とリトルロック(アビゲイル・ブレスリン)という美人姉妹が乗り込み、ゾンビがいないとされる「ゾンビランド」を目指して旅をはじめるのだったが…

 タイトルからわかるとおりのゾンビ映画なんだけど、かなりコメディにふった作りと、4人のキャラクターの面白さ、おかずがたっぷり詰まっているのに約90分といった短さから、ジェットコースターのように面白い快作であった。ゾンビものなので、もちろんゴア描写もあって嫌いな人は要注意だけど、それにしてもゾンビでこれだけ笑える映画は初めて見た。

 ゾンビ映画といえば、放射性廃棄物の恐怖にもつながる「バタリアン」が最高傑作だと思うんだけど、この「ゾンビランド」はテーマが違うので単純比較はできないけど私の中ではそれに続くベスト2に思う。オタク少年と無頼漢という主人公コンビの取り合わせがいいし、それに詐欺姉妹がからんで笑いのツボの刺激は十分である。ゲストスターとしてビル・マーレイが実名で登場して、自虐パロディをいっぱいやらかすのもいい。でもゾンビのかっこをして飛び出して行ったら…普通は撃たれるよな。

 注目子役のアビゲイル・ブレスリンが出てるけど、今回は姉役のエマ・ストーンに目が奪われた。この姉妹なら、だまされても無理もないかもしれない。ウディ・ハレルソンは今回は無頼漢だけど、彼の芸域が広いのもすごい。

ZOMBIELAND
ルーベン・フライシャー監督。2009年アメリカ映画。

2011年8月22日 (月)

火宅の人 (1986)

火宅の人 作家の桂一雄(緒形拳)は、後妻のヨリ子(いしだあゆみ)と共に5人の子供を育てている。ところが次男が日本脳炎を発症したのをきっかけに、新劇女優の恵子(原田美枝子)と共に家を飛び出し、同棲生活をはじめる。そんな生活も長続きせず、今度は町で知り合った葉子(松坂慶子)と九州を旅するのだったが…

 最後の無頼派と言われた作家の壇一雄の自伝小説を映画化。緒形拳といえば、いかれぽんち男を演じれば絶品というイメージだったんだけど、この映画も例にもれず世間の常識から外れた男を熱演。しかし、今までいかれぽんちで切り捨ててしまっていたこの手のキャラクターに、筆者は近頃一目置くようなものを感じるようになってきたのはなぜだろう。世間を騒がせるベストセラー作家だけに、そのむちゃくちゃな生き方のパワーに圧倒されたというところだろうか。

 ストーリーは愛人の原田美枝子と、微妙な立ち位置にいる松坂慶子のお色気対決といった様相なんだけど、最後にすべてを牛耳った感じのあるいしだあゆみが絶品である。色恋沙汰は子供のすることで、母はやっぱり強し、といったところなんだろうか。

深作欣二監督。1986年日本映画。

2011年8月21日 (日)

グリーン・ゾーン (2010)

グリーン・ゾーン イラン-イラク戦争直後のイラク・バグダッド。アメリカ陸軍のミラー隊長(マット・デイモン)とその部隊は、大量破壊兵器を発見するミッションを遂行中だったが、捜索はいつも空振りばかり。情報の出所と攻防総省のパウンドストーン(グレッグ・キニア)に疑問を抱いたミラーは、CIAのブラウン(ブレンダン・グリーソン)、ウォール・ストリート・ジャーナルの記者ローリー(エイミー・ライアン)と手を組んで捜査に乗り出すのだったが…

 大量破壊兵器をめぐるミステリーを描いた、異色の戦争アクション映画。そういえばアメリカ参戦の口実となった大量破壊兵器ってどうなったんだろうってもやもやっとした部分を思い出したけど、この映画に描かれるストーリーがあたらざれど遠からずといったところではないかと、納得させられる内容。明確な結論が出ているわけではないと思うので、見終わったあとももやもやが晴れるわけではありませんが。

GREEN ZONE
ポール・グリーングラス監督。2010年フランス=アメリカ=スペイン=イギリス合作。

2011年8月20日 (土)

ドラゴン危機一発 (1971)

ドラゴン危機一発 田舎から出てきて製氷工場に就職することになった青年(ブルース・リー)。けんかをするなと母からもらったペンダントをつけていたが、実は製氷工場は表向きで氷の中に麻薬を隠して販売することで社長はボロもうけ。事実を知った社員たちは次々と殺されていたのだったが…

 ブルース・リーの初主演作。かなりトホホな映画だった記憶があり、構えて見たんだけどC級映画だと構えて見たら非常に面白かった。リーがペンダントを見て反撃をためらうシーンではチャイムのようなメロディが流れ、また乱闘シーンで壁に人型の穴があくのはコレだったですね。あと、かき氷屋の屋台でノラ・ミャオが出てたり、敵の社長が岸谷五朗にそっくりだったりいろいろと発見があった。

 アクションシーンは、今見るとちょっとショボい。香港映画でも、パンチやキックが当たってないのが見えるぞ。リーのキックする写真をコラージュしたタイトルバックは、ヘタウマが大爆発していて笑えた。全体として、カルトな魅力がいっぱいの1本である。

唐山大兄
ロー・ウェイ監督。1971年香港映画。

2011年8月16日 (火)

クレイジー・ハート (2009)

クレイジー・ハート かつては一世を風靡したカントリー・シンガーのバッド・ブレイク(ジェフ・ブリッジス)だったが、今は場末の酒場でどさ回りを続ける日々。ところが地元紙の記者ジーン(マギー・ギレンフォール)と意気投合、シングルマザーの彼女に心を寄せる。かつての弟子で今は売れっ子のトミー・スウィート(コリン・ファレル)から前座を申し込まれ、旧友のウェイン(ロバート・デュバル)からは新曲を書くことを勧められるが、バッドは交通事故を起こしてしまい…

 トーマス・コッブの原作を映画化。どっかで見たことがあるストーリーだと思ったら、シチュエーションがミッキー・ロークの「レスラー」にものすごく似てるぞ。くたびれた独り身のおっさんの純情。酒におぼれながらの生き様。とっても熱いドラマ。なぜこんなにこの映画が心地よいのかというと、バッドを取り巻く人間模様がとっても暖かいからでしょう。

 離婚して傷つきながらも子育てと仕事で忙殺されるジーンが、強烈に女を感じさせて生々しくて良い。マギー・ギレンフォールってすごくいい女優さんだ。また、かつての弟子であるトミー・スウィートが師匠を気遣って立てるシーンがなんともかっこいい。もちろんコリン・ファレルのカントリー歌手ぶりははまっている。

 決してハッピーエンドではないんだけど、何なんだろう、この見終わったあとのすがすがしさは。小品でいつまで覚えているかわからない映画のような気もするが、あの「レスラー」のようにまた機会があるごとに思い出すような映画だと思う。

CRAZY HEART
スコット・クーパー監督。2009年アメリカ映画。

2011年8月15日 (月)

プレデターズ (2010)

プレデターズ 見知らぬジャングルに落下してきた、特殊部隊の傭兵ロイス(エイドリアン・ブロディ)をはじめとする兵士たち(ダニー・トレホ、トファー・グレイス、アリシー・ブラガ)や死刑囚、医者やヤクザ(ルーイ・オザワ・チャンチェン)たち。実は彼らは最強の獲物として、プレデターたちが世界中からかきあつめて来た者たちだった。かくしてジャングルでの命がけの死闘がスタートするのだったが…

 あの「プレデター」の最新作を、ロバート・ロドリゲスがプロデュースした話題作。最強の兵士たちがいきなり究極の状況に追い込まれるという「ソウ」や「キューブ」を思わせるソリッドステート・ホラーしているところは面白い。さらに、この状況を生き延びてきたというノーランド(ローレンス・フィッシュバーン)が途中参加してきたり、日本のヤクザがからんだりと見せ場もたっぷり。

 面白かったのはヤクザとプレデターの、刀でのタイマン勝負。こういった見せ場と観客の喜ばせ方はロバート・ロドリゲスならではだなあと思ってしまいます。もっともヤクザのコワいところはドスをきかせて凄むところで、プレデター相手にそういったシーンはさすがにありませんでした。微妙に線が細いエイドリアン・ブロディも、筋肉を見せながらがんばってた。アリシー・ブラガも、こういったキャラははまり役です。

PREDATORS
ニムロッド・アーントル監督。2010年アメリカ映画。

2011年8月14日 (日)

プロヴァンス物語 マルセルのお城 (1990)

プロヴァンス物語 マルセルのお城 前作で田舎の別荘で美しい夏を過ごした少年マルセル(ジュリアン・シアマーカ)、父ジョゼフ(フィリップ・コーベール)、母オーギュスティーヌ(ナタリー・ルーセル)、弟ポール(ビクトリアン・デラメア)だったが、町に帰ってからもあの丘のことが忘れられず、クリスマスに別荘へ行き親友リリ(ジュリ・モリナス)とも再会する。母の機転で、別荘の近くに仕事を得た父のために週末だけの別荘通いがはじまったのだが、それには私有地である3つの城を超えなければならなかったのだったが…

 「マルセルの夏」の続編。といってもほとんど同時に撮影されたのか、キャストはもちろんロケ地も雰囲気もそのまんまで、続けて見てもまったく違和感なく楽しむことができた。さらに前作よりもエピソードが増えていて、タカビーな美少女というよりも女王様といった感じのイザベル(ジュリー・ティメールマン)とマルセルの初恋とか、他人の私有地(これがタイトルにもなっているお城)をくぐり抜けるエピソードとかいろいろてんこ盛りで楽しめる。

 しかしこの映画、ふわふわとした居心地の良さにもかかわらず、エピローグに至ってはちょっと奈落の底に落とされるかのような感覚に見舞われました。思い出が美しいほどに、悲しみも深いってことなんでしょうね。

LE CHATEAU DE MA MERE
イヴ・ロベール監督。1990年フランス映画。

2011年8月13日 (土)

バウンティ・ハンター (2010)

バウンティ・ハンター 元警官ながら、今は借金まみれでおちぶれた賞金稼ぎになっちゃったマイロ(ジェラルド・バトラー)。ところが新しく飛び込んできた仕事は、新聞記者で元妻のニコール(ジェニファー・アニストン)を捕まえること。ところが彼女が追っているヤマに、とある殺人事件がからんでいたことから二人まとめて命を狙われることになり…

 いわゆる元サヤもののアクション・ラブコメディ。オープニングの雰囲気といい、90年代にこういった軽いアクション映画って量産されてたなぁって懐かしい気分にさせられた。ボディコン衣装でキュートにがんばってたジェニファー・アニストンと、脂っこさ全開のジェラルド・バトラーのかけあいが何とも笑えるというか、結婚生活が長い者にとってはもうひきつり笑いしかできないようなギャグ満載なのがおもしろい。トイレに歯ブラシを落として喜んでるなんて、セコすぎる!?

 ただしストーリーはお決まりの結末へ一直線なので、ひねりを期待する向きにはあまりおすすめできないかな。スティーヴ・マックィーンの「ハンター」とは対局にある映画かも。

THE BOUNTY HUNTER
アンディ・テナント監督。2010年アメリカ映画。

2011年8月 8日 (月)

月に囚われた男 (2009)

月に囚われた男 エネルギー資源が枯渇した人類は、月にヘリウム3という新たな燃料を発見し、月面に採掘基地を作って地球に資源を送り続けている。そのルナ産業の月面作業員はサム・ベル(サム・ロックウェル)1名とロボットのガーティ(声:ケヴィン・スペイシー)だけで、任期は3年と長い。その任期もあと2週間となり、妻テス(ドミニク・マケリゴット)と娘イヴ(カヤ・スコデラーリオ)との再会を楽しみにするサムだったが、採掘中に事故を起こしてしまう…

 デヴィッド・ボウイの息子ダンカン・ジョーンズの初監督作品。イギリス製のSFなんだけど、ジェットコースターではなく練り込んだストーリーと雰囲気は結構心に響く秀作である。見終わったあとの感想は、あのSFの名作「サイレント・ランニング」をも彷彿とさせる。

 月でひとり勤務するサムの正体が物語のひとつの山場なんだけど、このあたりは映画の中盤で明かされる。SF好きな人だったら、もっと早くネタが読めてしまうだろう。しかし、そこから先のストーリー展開がこの映画の真骨頂で、サムとロボットのガーティの関係は、なかなか心を熱くさせてくれる。こういう映画って、テレビの深夜放送なんかで偶然見てしまうと何十年もずっと心に残るんだろうなって思わされます。

MOON
ダンカン・ジョーンズ監督。2009年イギリス映画。

2011年8月 7日 (日)

エアベンダー (2010)

エアベンダー 「気」「水」「土」「火」の4つの国に分かれた世界が舞台。水の国に住む兄弟カタラ(ニコラ・ベルツ)とサカ(ジャクソン・ラスボーン)は氷の中から不思議な少年アン(ノア・リンガー)を助け出す。実は彼は4つの世界の均衡を保つ存在である「アバター」だったのだが、同じ頃火の国の王子ズーコ(デヴ・パテル)が軍艦に乗って水の国へ攻め込んでくる…

 アメリカの人気アニメを、M・ナイト・シャマラン監督が映画化。シャマランといえばお約束のどんでん返し。このストーリーに何のハプニングが起こるんだろうかとわくわくしながらラストを待ったんだけど… 何だったんだろう。まぁ、シャマランもごくごく普通の一般商業映画に手を出すようになったってことなんかな。

 平和と秩序と言いながら、何とも物騒な世界を想像したもんだと思います。登場人物たちは、クンフーを思わせる技でひたすら戦い、地は砕け水柱が上がりと神話の世界さながら。待てよ、続編もできそうな流れだったから、これは続編で大変などんでん返しをシャマラン監督は用意しているのだと、勝手に期待してしまうのであった。

 登場人物では火の国の王子がどっかで見た顔だと思ったら、「スラムドッグ$ミリオネア」の主人公の少年だった。彼は演技がどうのこうの言うよりも、独特の存在感が一目見たら忘れられないかも。次回作が楽しみです。

THE LAST AIRBENDER
M・ナイト・シャマラン監督。2010年アメリカ映画。

2011年8月 6日 (土)

プロヴァンス物語 マルセルの夏 (1990)

プロヴァンス物語 マルセルの夏 小学校教師の父ジョゼフ(フィリップ・コーベール)と母オーギュスティーヌ(ナタリー・ルーセル)の間にマルセル(ジュリアン・シアマーカ)は生まれる。やがて弟ポール(ヴィクトリアン・デラメア)や妹が生まれ、さらに同居していたローズおばさん(テレーズ・リオタール)は公園で知り合ったジュール(ディディエ・パン)と結婚して、ある夏にふた家族で田舎の別荘で過ごすことになったのだったが…

 マルセル・バニョルの自伝的小説を、イヴ・ロベール監督で映画化。ほのぼのとした雰囲気の中にもぴりりとした風刺がきいていて、家族について考えさせられるシーンも多く、とっつきやすいが意外に深いフランス映画である。

 少年の目から見た父親像は、こうも立派じゃないといけないのかというのがぐさぐさっときました。それでも、最後は写真のフレームにおさまって、神父とうちとける父親ってのが人間味があっていいです。決めるところは決めて、折れるところは折れてってことかな。

LA GLOIRE DE MON PERE
イヴ・ロベール監督。1990年フランス映画。

2011年8月 5日 (金)

バイオハザードIV アフターライフ (2010)

バイオハザード4 アフターライフ 東京の地下に作られたアンブレラ社の要塞。ここを襲撃したアリス(ミラ・ジョボビッチ)とそのクローンたちだったが、結局アンブレラの黒幕には逃げられてしまう。軽飛行機に乗ったアリスは今度はアラスカにある生存者が集うとされるアルカディアを目指すのだったが、そこでは記憶喪失となった旧友クレア(アリ・ラーター)と出会う。

 3D公開となったシリーズ第4作。もはやゾンビは完全に脇役というか背景の一部となってしまい、物語は極悪アンブレラ社とレジスタンスの戦いに。もっともこの傾向は、第2作あたりから徐々に強まったわけなんだけど。東京が舞台になるのかと思いきや(ゾンビが中島美嘉だとは!?)アラスカへ移り、次は「ドーン・オブ・ザ・デッド」みたいにビルの中(今回はデパートではなく刑務所なのだが)になるのは笑った。さらに本当のラストの舞台は、「ウォーターワールド」みたいですな。

 しかしストップモーション多用というよりも、画面を止めてしまうのはどういうものなんだろうか? 刑務所の上を飛び立った軽飛行機が、ゾンビの上をかすめて飛ぶシーンだけは「おえっ」ですね(笑)。

RESIDENT EVIL : AFTER LIFE
ポール・W・S・アンダーソン監督。2010年アメリカ映画。

2011年8月 4日 (木)

NINE (2009)

NINE イタリア・チネチッタの映画監督のグイド(ダニエル・デイ・ルイス)は新作「イタリア」を準備中。しかし脚本はできあがらず、逃げ込んだホテルへは妻ルイザ(マリオン・コティヤール)と愛人のカルラ(ペネロペ・クルス)がやって来る。さらに彼の妄想は広がり、母親(ソフィア・ローレン)との思い出や幼い日にあこがれた女性サラギーナ(ファーギー)、主演女優のクラウディア(ニコール・キッドマン)、ヴォーグの記者ステファニー(ケイト・ハドソン)、衣装デザイナーのリリー(ジュディ・デンチ)たちへの想いがぐるぐると回るのだったが…

 フェリーニの作品から「8 1/2」「アマルコルド」「女たちの都」あたりをごった煮にしてリメイクしたような映画…と思いながら見たんだけど、ミュージカル版の「8 1/2」をさらに映画化した作品らしい。なるほどなるほど。しかし最初に8 1/2を見た時のような、わけわからないけどカリスマが感じられるような雰囲気は皆無。わけわかんない部分だけがリメイクされちまった感じ。

 さらに言うと、スランプに陥った映画監督に映画としてのおもしろみがまったく感じられないのだ。この映画をどう見たらいいのだろうか。豪華な女優陣の歌と踊り? それでは何とも空っぽだ。

 妖艶なペネロペ・クルスやファーギー、清楚なマリオン・コティヤールと女優陣には見るべきものが多い。しかしラストからすると、ジュディ・デンチが最後に勝利というのは、なかなか深いぞ。

NINE
ロブ・マーシャル監督。2009年アメリカ映画。

2011年8月 2日 (火)

花咲ける騎士道 (2003)

花咲ける騎士道 18世紀のフランス、プレイボーイのファンファン(ヴァンサン・ペレーズ)は女たちを追いかけ回していたが、知り合ったジプシーのアドリーヌ(ペネロペ・クルス)に王女と結婚する運命にあることを告げられる。お調子者の彼は軍隊に志願して、時の国王ルイ15世(ディディエ・ブルドン)に近づこうとするのだったが…

 リュック・ベッソンの製作・脚本による名作映画のリメイク。というわけで、ものすごく軽いフランス映画で、特に軍隊入り乱れる戦闘を皮肉るオープニングシーンはかなりの苦笑もの。当時の戦争って、あんなに軽くみんな命を張っていたのだろうかとびっくりするやらあきれるやら。まぁ、そこがこの映画の持ち味なんだろうけど。

 というわけで、プレイボーイのファンファンはとにかく強くて軽妙で茶目っ気もあって、それが真実の愛に気づくってストーリーなんだからもう見ていて恥ずかしいことこの上ない。やっぱ、ベッソンは「レオン」で燃え尽きちゃったんだろうかと思わざるを得ないです。

FANFAN LA TULIPE
ジェラール・クラヴジック監督。2003年フランス映画。

2011年7月30日 (土)

キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争 (2010)

キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争 脱毛クリームの中に落ちてとんでもないご面相となったキティ・ガロア(声:ベット・ミドラー)は、人間たちとそのペットの犬たちに復讐しようと、犬を狂わせる電波の発信を企てる。これを阻止しようと立ち上がったのが、元警察犬のディッグス(ジェームス・マースデン)、猫のキャサリン(クリスティナ・アップルゲイト)、ハトのシェイマス(カット・ウィリアムズ)だったが…

 犬と猫が裏で超ハイテク文明を持っているという、あのおバカ映画「キャッツ&ドッグス」の10年ぶりの続編。さすがに10年も経過するとストーリーなんて何にも覚えてないんだよなぁ。でも何の問題もなく見られたのは、これがおばか映画たる所以かも。

 初期の007を思わせるタイトルクレジットはにんまりさせられたんだけど、以降の犬と猫のかけあいはどうにも的を外して見るのがしんどくなってくることうけあい。それでもいろんな映画のパロディが詰め込んであるのは、映画好きにはお楽しみかな。別に地球がどっちの肉球に落ちようと知ったことじゃないけど、まぁワンワン・コミュニケーションをたぐればこの映画と似たり寄ったりのことを話し合ってるのかもしれないという気がしてきました。

CATS & DOGS: THE REVENGE OF KITTY GALORE
ブラッド・ペイトン監督。2010年アメリカ映画。

2011年7月29日 (金)

運命のボタン (2009)

運命のボタン アーサー(ジェームズ・マースデン)とノーマ(キャメロン・ディアス)夫婦宅の玄関に、謎の箱が届けられる。中には小さなボックスとひとつのボタンが付いていた。その日の夕方にやって来たスチュワード(フランク・ランジェラ)という男は、ボタンを押すと100万ドルが手に入るが、どこかでひとりの人間が死ぬという。悩んだ末にノーマはボタンを押すのだったが…

 キャメロン・ディアス主演だけにラブコメが入った人間ドラマかと思いきや、なかなかシリアスな展開で面食らってしまった。しかも運命のボタンは背景がどんどん広がっていって、気がついたら宇宙人がらみのSFになっていたり、ストーリーが連鎖していたり、カルトな味付けが何ともいえない余韻を残す。

 ボタンを押してお金が手に入るって単純な物語ではないところがミソ。夫婦の息子がああいう境遇に陥るってのはどう説明したらいいんだろうかとか、どうしてもすっきりしない部分が残ります。スチュワードは単なる従業員であって、あくまでも天使でもないところがミソかな。

THE BOX
リチャード・ケリー監督。2009年アメリカ映画。

2011年7月28日 (木)

ソルト (2010)

ソルト 北朝鮮にスパイとして捕らえられて拷問され、人質交換で上司ウィンター(リーヴ・シュレイバー)に引き取られたソルト(アンジェリーナ・ジョリー)。しかし彼女はロシアのスパイだという嫌疑がかけられ、逃亡したソルトはロシア大統領の命を狙うのだったが…

 話がころころ、ころころと転がっていく2重3重スパイ映画。何でロシア大統領を、何でアメリカ大統領をって風に流れがどんどん変わっていくのがミソ。そこは一本調子な007では見られない、かつて量産された2重スパイ映画の醍醐味であり、さらに「ニキータ」を思わせる恋愛的スパイスを加えたのが良かったのだろう。個人的には最後の最後まで楽しめた秀作である。

 まぁこれ以上書くと、ネタばらしをしそうなのでやめときます。頭を真っ白にして、予備知識なしで見た方が楽しめる映画。

SALT
フィリップ・ノイス監督。2010年アメリカ映画。

2011年7月26日 (火)

カサンドラ・クロス (1976)

カサンドラ・クロス ジュネーブの国際保健機関が襲撃され、危険な細菌をあびたテロリストが大陸横断列車に逃げ込む。事件を重く見たアメリカのマッケンジー大佐(バート・ランカスター)は、列車ごとポーランドの隔離施設へ運び入れようと画策する。列車の乗客であるチェンバレン医師(リチャード・ハリス)をはじめ、別れた妻のジェニファー(ソフィア・ローレン)や、その他の乗客たち(エヴァ・ガードナー、マーティン・シーン、O・J・シンプソン、アン・ターケル、レイモンド・ラブロック他)は異常に気がつき脱出を試みるのだったが…

 「タワーリング・インフェルノ」と同じ頃に公開されたパニック映画だけど、こちらはヨーロッパ製だけにひと味違うのが見どころあり。何たってひとりで悪役を引き受ける(笑)バート・ランカスターの白塗りっぽい顔が不気味で雰囲気満点である。当時のオールスターキャストで固めていて、ソフィア・ローレンがヨーロッパの雰囲気をかもし出しているのもいいね。

 リチャード・ハリスがアクションがんばってるのが拾いもの。これって、先頭車両(1等?)は結局切り捨てちゃってるんですね。「タイタニック」と逆のパターンなんだなと、今更ながらに気がついた。

THE CASSANDRA CROSSING
ジョージ・P・コスマトス監督。1976年イタリア=イギリス合作。

2011年7月25日 (月)

セックス・アンド・ザ・シティ2 (2010)

セックス・アンド・ザ・シティ2 2回目の結婚記念日を迎えたミスター・ビッグ(クリス・ノース)とキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)だったがプレゼントを交わすも気持ちはすれ違い気味。友人のシャーロット(クリスティン・デイヴィス)は子育てに疲れ、ミランダ(シンシア・ニクソン)は家庭と仕事の両立に悩んでいた。そんなとき、唯一独身で元気なサマンサ(キム・キャトラル)が映画プロデューサーのコネで4人でのアブダビ旅行を持ちかけるのだったが…

 テレビシリーズの映画化第2弾。たぶんテレビでは全員独身だったんだろうけど、今や独身はサマンサだけ。というわけで、海外へいってはじけようというストーリーになっているけど、本当にそれっだけのお話。結婚して何年かして疲れた人たちの共感を呼ぶストーリーにしたかったんだろうけど、2時間半はかなり退屈な時間でありました。

 まぁ見るべきものはゴージャスな雰囲気ぐらいかな。ライザ・ミネリが実名で出て歌い踊ったり、なぜかペネロペ・クルスが登場したりとはっと思わせることも多かったけど、肝心のゴージャスなホテルとか彼女たちのファッションとかはおもしろいなと思いつつも気持ちは空回りするばかり。ニューヨーカーの本音なんかもしれないけど、彼女たちの言動・行動がどうにもしっくりこないってのが正直な気持ちかもしれません。

SEX AND THE CITY 2
マイケル・パトリック・キング監督。2010年アメリカ映画。

2011年7月24日 (日)

続・荒野の七人 (1966)

続・荒野の七人 前作で村の娘と結ばれて農民に戻ったチコ(ジュリアン・マテオス)だったが、村は無法者のロルカ(エミリオ・フェルナンデス)の一味に襲撃され、チコは村の男たちと誘拐されてしまう。知らせを受けたクリス(ユル・ブリンナー)とヴィン(ロバート・フラー)は、救出のために再び7人のガンマン(ウォーレン・オーツ、クロード・エイキンス他)を集めて救出に向かうのだったが…

 有名な「荒野の七人」の続編。これを見るために、実は前作もおさらいしたんだけど、主人公たちは絶体絶命の状態から悪人のおなさけで釈放され、それでも再び戻っていって悪人をやっつけちゃったストーリーがとっても違和感を感じる。悪人も、村人の食いぶちを残してやったり冬は山中で厳しい生活をおくったりと憎みきれない。

 同じ事は、本作のロルカにもいえるようで、息子との葛藤がお話のベースにあるあたりにどうにも憎みきれないというのが困ったところ。なおキャストはユル・ブリンナー以外は一新されていて、ヴィン(前作ではスティーヴ・マックィーン)やチコは別の俳優さんが演じているというあたりが違和感ばりばり。

 シリーズはあと2本あるらしいけど、これまたメンバー入れ替えでかなりのB級作品だという噂を聞く。機会があれば見てみたいものだけど… シリーズを通してテーマ音楽が同じだというのが、せめてもの救いかな。

RETURN OF THE SEVEN
バート・ケネディ監督。1966年アメリカ映画。

2011年7月22日 (金)

プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂 (2010)

P1_g5582728w 古代ペルシャの王は、市場で勇敢な少年ダスタン(ジェイク・ギレンホール)を第3子として養子にとる。若い勇者に成長したダスタンは、兄たちと共に聖なる都アラムートを征服して王女タミーナ(ジェマ・アータートン)を人質とするのだが、叔父のニザム(ベン・キングスレー)の陰謀に陥れられて…

 ジェリー・ブラッカイマー製作のディズニー・アドベンチャーといえば「パイレーツ・オブ・カリビアン」が有名だが、こちらも負けず劣らずのスケールの大きなアドベンチャー大作。しかしそのスケールの大きさの割に意外と盛り上がらなかったのは何でだろう。時間を戻す砂と短剣、といったギミックもおもしろいんだけど、やっぱりキャラクターの魅力がカリビアンよりは一段下だったってところかなぁ。

 それにしても、カリビアンと同じくみんな目の周り真っ黒のメイクは笑えます。「バグダッドの盗賊」(もちろんダグラス・フェアバンクス版ね)を思わせる、城壁を飛んだりはねたりのアクションは結構好きです。

PRINCE OF PERSIA: THE SANDS OF TIME
マイク・ニューウェル監督。2010年アメリカ映画。

2011年7月21日 (木)

オーシャンズ (2009)

オーシャンズ 嵐の大海原からはじまって、海中を舞う魚たちやアザラシ、ホッキョクグマ、鯨やイルカなどの生態をえんえんと綴ったドキュメンタリー。監督・ナレーションはジャック・ペランで、スクリーンにも彼自身が登場する。

 いかにもフランス流ドキュメンタリーって感じで、何ヶ月も何年もかけて撮ったかのような映像が説明もなしにぽんぽんと登場する。何も知らなければ「きれい」「すごい」とかいったひととおりの感想だけで終わってしまいそう。たまたま、ある日本のバラエティ番組でこの映画の追っかけみたいな撮影をやっていて、その映像を撮るのがどれだけすごいかが語られたんだけど、知らなければ知らないでツーと過ぎてしまいそうなもったいなさ、ある意味贅沢さである。

 ジャック・ペランがスクリーンに登場するのもおもしろかった。男の子と一緒なんだけど、あれは彼の子供か孫なんだろうか。そして後半に執拗に繰り返される、クジラやイルカやサメの漁。この部分は作り物(ロボットなどを使用)であることが明記されてはいるんだけど、前半の労作のドキュメンタリーにこんなシーンを加えたら作品全体の質はがくんと落ちるってもの。人間は食べるために殺さなければいけないという永遠のテーマに踏み込んだというのだったら納得もできるけど、どう見ても興味本位に事実を描いているとしか思えない展開である。もう少し、考えてほしかったかな。

OCEANS
ジャック・ペラン、ジャック・クルーゾー監督。2009年フランス映画。

2011年7月19日 (火)

噂のモーガン夫妻 (2009)

噂のモーガン夫妻 不動産屋のメリル・モーガン(サラ・ジェシカ・パーカー)と、弁護士のポール・モーガン(ヒュー・グラント)は離婚寸前のカップル。何とか復縁したいポールはメリルを食事に誘うのだったが、その帰りに殺人事件の目撃者になってしまう。証人保護プログラムでマンハッタンを後にした二人は、ワイオミングの片田舎でクレイ(サム・エリオット)とエマ(メアリー・スティーンバージェン)の世話になることになったのだが…

 夫の浮気が原因で離婚寸前の夫婦が主人公なんだけど、その浮気の原因が不妊治療という、笑うに笑えない何ともありがちで微妙なシチュエーションがナイスである。で、夫婦の再生がテーマかと思いきや、舞台は思いっきりど田舎に移ってカルチャーギャップものになるところがまた楽しい。都会育ちの人って、ワイルドな田舎へ放り込まれるほど、生命力(?)が弱くて何ともなさけない状況になっちゃうわけですよね。これも見る人によっては笑えないかも。

 ひきつり笑いを繰り返しながらも、サム・エリオットが最後にびしっと決めてくれるところがかっこいい。田舎好きな筆者にとっては、たまらなくいい映画だったってことを付け加えておこう。

DID YOU HEAR ABOUT THE MORGANS?
マーク・ローレンス監督。2009年アメリカ映画。

2011年7月18日 (月)

ユニバーサル・ソルジャー リジェネレーション (2009)

ユニバーサル・ソルジャー リジェネレーション ロシア首相の子供たちが過激派のトポフ(ザハリーバハロフ)に誘拐される事件が発生。犯人はNGUと呼ばれる新型のユニバーサル・ソルジャー(ユニソル)を操っていた。これに対抗するために、かつてのユニソルであったリュック(ジャン・クロード・ヴァン・ダム)たちがアメリカから呼び出されたのだったが、その前にかつてのライバルのアンドリュー(ドルフ・ラングレン)が立ちふさがる。

 過激派が首相の子供を盾にチェルノブイリ原発に立てこもるという、とんでもないストーリーである。事故や自然災害に加えて、原発は運転するならテロリストにも備えておかなくちゃいけないという、この映画は海外では当たり前とも思える警鐘なのかも。

 もっとも映画のできは散々で、唯一見られるのはヴァン・ダムとドルフ・ラングレンの何年かぶりの共演って部分でしょう。しかも双方、かなり老けてしまっていて、時間の流れというものを切々と感じさせるところが憎い。なお監督のジョン・ハイアムズはあのピーター・ハイアムズの息子らしく、お父さんも撮影監督として参加してます。

UNIVERSAL SOLDIER : REGENERATION
ジョン・ハイアムズ監督。2009年アメリカ映画。

2011年7月14日 (木)

ユニバーサル・ソルジャー ザ・リターン (1999)

Blu29201 前作から7年。リュック(ジャン・クロード・ヴァン・ダム)は娘を得たが妻を失い、新型ユニバーサル・ソルジャー(通称ユニソル)の開発に携わっていた。ところがメインコンピューターのセスが反乱を起こし、自らを新型ユニソル(マイケル・ジェイ・ホワイト)の頭脳に埋め込んで人類に宣戦布告する…

 娘を育てるリュック、なぜか失った愛妻(肺がんかも?)と涙腺を刺激しそうな設定をいろいろ用意しながら、それが全然生かされていないストーリーは何なんだろう。またコンピューターの反乱という今となっては古典的なメインストーリーが用意されているけど、残念ながらこのセスってキャラはちまちまとした戦いを繰り広げるだけで妙に頭が悪い。これじゃ世界征服なんかできないんじゃない(その気もないかもしれないが)?

 ともかく「ユニソル」なんてかわいらしい愛称が付いたところでアウトだったのかも。続編として、ジャン・クロード・ヴァン・ダムが降りなかったところがせめてもの救いかな。

UNIVERSAL SOLDIER : THE RETURN
ミック・ロジャース監督。1999年アメリカ映画。

2011年7月13日 (水)

ユニバーサル・ソルジャー (1992)

ユニバーサル・ソルジャー ベトナム戦争で錯乱して虐殺をはじめた米兵スコット(ドルフ・ラングレン)を止めようとしたリュック(ジャン・クロード・ヴァン・ダム)だったが、同士討ちになる。それから25年後、ある極秘実験で肉体を強化された上で蘇生させられた二人だったが、失われたはずの記憶が戻り、リュックはテレビレポーターのヴェロニカ(アリー・ウォーカー)と共に逃走することになるのだったが…

 封切り時に見て、最低最悪の映画だと話題になった作品。カロルコがターミネーターでもうけた金を全部突っ込んでコケたとか、オライオン倒産の原因になった映画だとかいろいろ言われていたような気がするけど本当かな(未確認情報)。どっちにしてもおかしな映画だというのは確かで、久しぶりに再見してみたけど(続編が見たかったから、本編を思い出したかった)、ターミネーターを期待して見ちゃだめだけど、ヴァン・ダムやラングレン主演のB級アクション映画だと思って見たら及第点。

 肉体的に強靱だという意外に、ソルジャーたちに秘密兵器も得意技もないあたりが決定打。まぁ二人の空手チャンピオンの対決が拝めるのだから、良しとしようかって感じ。大作ずっこけ映画を得意とするローランド・エメリッヒの長編デビュー作らしい。ヒロインのアリー・ウォーカーは嫌いではないんだけど煙草ばっかり吸っているところがうっとうしい。

UNIVERSAL SOLDIER
ローランド・エメリッヒ監督。1992年アメリカ映画。

2011年7月11日 (月)

ジョン・レノンの僕の戦争 (1967)

ジョン・レノンの僕の戦争 第2次大戦のヨーロッパ戦線に出兵した兵士たち(マイケル・クロフォード、ジョン・レノン、ロイ・キニア)。戦場にクリケット場を作れだの、理不尽な命令に翻弄されながらも、いかにして戦ったかをコメディタッチで描いた映画。

 タイトルにジョン・レノンが入っているけど、彼は完全な脇役どころか牛乳を盗んで追いかけ回されるようなすっとぼけたキャラクターとして登場。主人公のマイケル・クロフォードもどこか足りないキャラクターで、笑えないギャグを連発する。こりゃ、何なんだろう。

 ビートルズ映画でおなじみのリチャード・レスター監督作なんだけど、ビートルズ映画もひょっとして音楽部分を全部抜いてしまったらこういう映画になっちゃうんじゃないかと思ってしまいました。シュールなんだけど笑えない。ジョン・レノンも後に「イマジン」を作る人とは思えない。それだけに一見の価値がある映画なのかもしれないが。劇場未公開。

HOW I WON THE WAR
リチャード・レスター監督。1967年イギリス映画。

2011年7月10日 (日)

インセプション (2010)

インセプション 他人の夢に忍び込んで情報を盗み出すスペシャリストのコブ(レオナルド・ディカプリオ)。ある事件から妻モル(マリオン・コティヤール)を亡くし、自身も指名手配されているコブは、すべてを精算するために新しい仕事を世界的エネルギー企業の責任者サイトウ(渡辺謙)から引き受ける。それは、エネルギーで世界制覇を狙うライバル企業の次期社長ロバート(キリアン・マーフィー)の夢に忍び込み、ある考えを植え付けるインセプションと呼ばれる危険な仕事だった…

 プロのチームで他人の夢に忍び込みコトを働くという、とんでもないアイディアをぐわっとふくらませた映画。いわゆる「世界観」ものであり、その世界観をどれだけの観客にわからせるかで半分ぐらい勝負は決まりそうな映画なんだけど、これってうまく処理されてるけどやっぱり半分ぐらいの観客は置いてけぼりにされそうな気がするぞ。

 というわけで、自分が理解しているのか置いてけぼりにされたのかさえもわからずに感想を書いているわけだが、少なくとも夢を設計するという部分と、4階層になった夢(夢の中の夢の中の夢の中の夢、ですな)とそれぞれの時間の流れる早さが違うという設定はおもしろかった。それをサスペンスフルにまとめてしまうあたりは、監督の力量を感じます。

 マリオン・コティヤールはさすがフランスのトップ女優だけに、どんどんいい女にグレードアップしていくような気がします。渡辺謙もこんな映画にこんな役で出るようになるなんて、本当にがんばってますね。しかも独特のオーラを出しまくりだし。調合士ユスフことディリープ・ラオ(インド系?「スペル」に出てた)や、相棒のジョセフ・ゴードン・レヴィットなんかも味があって印象に残ります。もうひとりのヒロインであるエレン・ページが「ジュノ」の主演女優だということは、だいぶ後で気がつきました(笑)。

INCEPTION
クリストファー・ノーラン監督。2010年アメリカ映画。

2011年7月 7日 (木)

ジェニファーズ・ボディ (2009)

ジェニファーズ・ボディ 美人で派手好きなジェニファー(ミーガン・フォックス)と地味なアニータ(アマンダ・セイフライド)は仲良しの女子高生。アニータにはチップ(ジョニー・シモンズ)というボーイフレンドがいる。ある日町のダンスパーティにローショルダーというバンドがやって来るが、彼らは実は悪魔信仰があり、ジェニファーは儀式のいけにえとなってしまう。戻ってきたジェニファーには悪魔がとりつき、回りの人間を食い殺していくのだったが…

 学園ホラー映画だけど、半端じゃないスプラッタ表現はなかなかのもの。タイトルがジェニファーの体とあるように、セクシー表現もちりばめられているんだけどそこはVシネマレベルである。トランスフォーマーシリーズで人気が出たミーガン・フォックス目当てに見るのであれば、まぁまぁ妥当な映画でしょう。

 個人的にはめがねで丸顔のアマンダ・セイフライドの方が好みかも。どこかで見た顔かと思ったら、「マンマ・ミーア」の彼女だった。「マンマ・ミーア」では思ったほど華がないなぁなんて思ったんだけど、彼女はこういった地味目な役柄の方が似合っているのかも。

 しかし、オープニングの刑務所のシーンとか、ラストの襲撃シーンとかは彼女のただものでなさを感じさせてくれます。あ、何かアマンダ・セイフライドの事ばっかり書いてしまった。

JENNIFER'S BODY
カリン・クサマ監督。2009年アメリカ映画。

2011年7月 6日 (水)

アイアンマン2 (2010)

アイアンマン2 自らアイアンマンであることを明かしたトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)だったが、リアクターの副作用によって体が蝕まれて、自暴自棄な日々を送る。同じ頃、トニーの父に恨みを持つウィップラッシュ(ミッキー・ローク)は公道レース開催中のモナコでパワードスーツを着て暴れてトニーに宣戦布告。トニーは新しい秘書(スカーレット・ヨハンソン)を雇い、社長をポッツ(グウィネス・パルトロゥ)に譲るのだったが…

 コミックが原作のシリーズ第2作。いろいろとおかずを積み上げたけどぐちゃぐちゃの寄せ鍋状態になっちゃったって感じで、肝心の美女2人もかなりもったいない扱いである。もっともラスト近くのスカーレット・ヨハンソンの暴れっぷりは一見の価値があるけど、本筋に食い込んでいるのかといえば微妙な感じである。

 うらぶれた親父役で本領を発揮するミッキー・ロークが本作では拾いものではあったが、彼もどう見ても逆恨み親父である上に同情の余地が少ないのがつらいところ。同情といえば、この武器産業を全面的に肯定する映画の雰囲気が苦手…というのが最大の敗因かなぁ。武器の新製品を見て歓声を上げる観客というのが、どうにも理解できないです。

IRON MAN 2
ジョン・ファヴロー監督。2010年アメリカ映画。

2011年7月 4日 (月)

あの日、欲望の大地で (2008)

あの日、欲望の大地で レストランに勤めるシルヴィア(シャーリーズ・セロン)は、同僚のコックと不倫中。そこへやってきた謎の男性と少女マリア(テッサ・イア)に心を動かされる。一方、トレーラーハウスで密会する主婦ジーナ(キム・ベイシンガー)とニック(ヨアキム・デ・アルメイダ)は不意に上がった火の手で命を落とす。残された2家族は激しく憎み合うのだったが…

 ほぼ3つのストーリーが徐々に1本にまとまっていく、パズルみたいな映画。最後のピースがパチンとはまった時が快感ですね。これだけややこしそうな話を時間軸までずらして構成しているのに、ごちゃごちゃにならないのは構成のうまさだと思う。ネタバレになるのであまり多くは書けないけど、シルヴィアの生きてきた歴史、そしてサンティアゴの生きてきた歴史が心に響きます。いい映画だと思う。

 どこかしら「21グラム」や「バベル」に作風が似てるな、と思ったら、同作品の脚本家の初監督作品らしい。なるほど、なるほど。ただし唯一難点を言えば、現在と幼少時代を別の俳優が演じているので、そのイメージが違うのが、パズルがぱちんとはまる邪魔をしたってことかな。

THE BURNING PLAIN
ギジェルモ・アリアガ監督。2008年アメリカ映画。

2011年7月 3日 (日)

山猫 (1963)

山猫 1860年代のイタリアはシチリア。島を統治していた貴族サリーナ公爵(バート・ランカスター)だったが、統一運動の革命の波に揺れる。ところが彼の甥のタンクレディ(アラン・ドロン)は革命軍に身を投じた上に、従兄弟のアンジェリカ(クラウディア・カルディナーレ)に言い寄る。彼のように流れにまかせた生き方ができないサリーナ公爵は苦悩するのだったが…

 ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランベドゥーサの原作による重厚なる貴族映画。よく監督のルキノ・ヴィスコンティが貴族出身であることが取り上げられる、雰囲気勝負みたいな貴族映画なのだが、貴族に興味のない身にとってはストーリーはかなり退屈である。強いて言えば好みのクラウディア・カルディナーレを楽しもうかとも思ったんだけど、美しいけど近づけないという高嶺の花を見事に演じたといった感じ。これが貴族が貴族たる所以なのか?

 ところでバート・ランカスターってアメリカの俳優さんですよね。なぜにこの頃は、ヨーロッパ映画にシチリア貴族の役で出てたんだろう? 彼自身がイタリア系なのかな。

IL GATTOPARDO
ルキノ・ヴィスコンティ監督。1963年イタリア=フランス合作。

2011年6月27日 (月)

レポゼッション・メン (2010)

レポゼッション・メン アメリカが経済崩壊した近未来が舞台。ユニオン社の人工臓器で人々は延命することができるようになったものの、高額な故にひとたびローンがこげつくと回収人ことレポ・メンが臓器を取り返しにやって来る。そのレポマンのレミー(ジュード・ロウ)とジェイク(フォレスト・ウィテカー)はいつもどおりに回収業務を行っていたが、家族の反対で仕事を営業に変えるように上司のフランク(リーヴ・シュレイバー)にたのみに行くのだったが…

 エリック・ガルシアの原作を映画化したスプラッター未来SF。いわゆるローン地獄を描いたストーリーなんだけど、借金のカタに持って行かれるのが自分の臓器で、しかも否応なく生きたまま切り刻んで持って行かれてしまうんだからこれはたまったもんではありません。以前に保険調査官の非道を描いた映画がありましたが、これも似たようなテーマで、もうけるためなら何でもありという資本主義の歪みを描いた作品です。といっても、このアクション&スプラッタ描写はそういう高尚なことを考える余地がありません。

 出演の3人(ジュード・ロウ、フォレスト・ウィテカー、リーヴ・シュレイバー)がそれぞれくせ者でいいですね。アリシー・ブラガのラテンの魅力も結構好きかも。しかしラスト近くの切り刻みながら臓器回収シーンは痛かったぞ。いつもいい人のフォレスト・ウィテカーだけど、今回だけは微妙。できれば夢のまま終わらせてあげたかったところ。まぁ改心したとはいえ、レポマンが主人公では無理かな。

REPO MEN
ミゲル・サボチニク監督。2010年アメリカ映画。

2011年6月26日 (日)

戦慄迷宮 (2009)

戦慄迷宮 10年前、閉鎖したお化け屋敷に肝試しで入った仲良しの少年少女(柳楽優弥、蓮佛美沙子、前田愛、他)だったが、そのうちのひとりのユキが螺旋階段から転落する。それから10年、再びお化け屋敷での事故が起こり…

 富士急ハイランドの人気アトラクションのお化け屋敷を、清水崇監督で映画化。劇場では3D公開だったそうだが、今回は2Dで鑑賞。そのせいか、怖さは10分の1ぐらい縮小されてるんじゃないかなぁなんて想像される内容である。見るならやっぱり、大画面+3Dでないと正当な評価は難しいかも。

 内容はホラーというよりもファンタジーに近く、いわゆる「ファンタズム」みたいな不条理なワールドをえんえんと繰り返してみせられるといった感じ。それはそれでカルト好きにはおもしろいんだけど、呪怨ほど怖くはなく、カルトとしても煮え切らずどっちつかずに終わってしまった。

 あの柳楽優弥がホラー初挑戦ってことだったんだけど、彼ってもっと演技うまかったんじゃなかったかってこれまた首をひねることしきり。向いてないのかな。終わってみて印象に残ったのは、赤い螺旋階段だけってのも寂しいぞ。

清水崇監督。2009年日本映画。

2011年6月22日 (水)

恍惚の人 (1973)

恍惚の人 立花茂造(森繁久彌)は妻を失ってからボケが進み、ついには息子信利(田村高廣)の嫁の昭子(高峯秀子)しかわからなくなる。突然奇声を発して飛び出して行ったり、夜寝ずに暴れたりと、介護する昭子の疲労は極限に達するのだったが…

 有吉佐和子のベストセラー小説を、豊田四郎監督がモノクロで映画化。筆者の母がこの小説も映画も見ていて、排泄物を畳になすりつけるという描写を聞かされていて結構頭の中に残っていたんだけど、ついに映像を見ることができたといった感じ。もっともこういった認知症に取り組んだ映画としてはパイオニア的存在であり、後の「花いちもんめ」や「ふるさと」などを見ている身としてはあまりにも話がストレートでひねりがなく、正直物足りなかった部分はある。

 しかし正攻法で描いているだけに、肝心なところで微妙に逃げている息子の信利とか、意外に健闘している孫の敏(市川泉)とか、今時の若者(当時)でありながら意外と常識人でおじいちゃんに優しいカップル(伊藤高、篠ヒロコ)とか、いろんな人物がしっかりと見えてきたのは良かったと思う。おせっかいおばさんの乙羽信子も、印象的なキャラ。

 悪戦苦闘の末に、鳥かごを前に呆然と涙を流す高峰秀子って心に残る。

豊田四郎監督。1973年日本映画。

2011年6月21日 (火)

裸で御免なさい (1956)

裸で御免なさい 匿名でベストセラー作家になったアグネス(ブリジット・バルドー)は実はお堅い将軍の娘。しかしこの件で父と仲違えをしたアグネスは、バルザック博物館で働く兄ユベール(ダリー・コール)を頼って家出する。道中の列車内で、新聞記者でプレイボーイのダニエル(ダニエル・ジェラン)と知り合いになったアグネスだったが…

 ブリジット・バルドーの初期のライトコメディで、ロジェ・ヴァディムが脚本。というよりも、刺激的なタイトルで私が子供の頃にはよくテレビの深夜放送で流れていたモノクロ映画である。なぜ裸かというと、金に困ったアグネスがストリップのコンテストに出場するシチュエーションから来ているのだけど、残念ながらブリジット・バルドーの露出はほとんどなし。そういう目的で見るなら、昨今のVシネマでも見ていた方がよっぽどましであろう(笑)。

 吹き替えで見たほうが楽しめそうなレトロ感たっぷりのコメディなんだけど、この頃のブリジット・バルドーってのは本当に可愛くて目の保養といった感じ。何であんなプレイボーイとくっついてしまってハッピーエンドなのかと、理解に苦しむストーリーではあるが。

EN EFFEUILLANT LA MARGUERITE
マルク・アレグレ監督。1956年フランス映画。

2011年6月20日 (月)

セイント (1997)

セイント 幼少時の孤児院での事故がトラウマとなっているサイモン(ヴァル・キルマー)は、今は名前を隠して強奪のプロとして名を上げている。ところがロシアのエネルギー危機を救うという低温核融合の技術を、(エリザベス・シュー)から盗む仕事を引き受けたまではよかったのだったが…

 トマス・モアなどいくつもの聖人の偽名を持つ怪盗セイントの活躍を描いた、テレビシリーズ(ロジャー・ムーアが主演してたらしい)の映画化。ヴァル・キルマーの変装が見物で、くたびれた親父から掃除のおばちゃんまで楽しそうに演じている。とはいっても、設定では彼は幼少時の事故から心に傷を負っているはずなんだけど、そんなことは映画を見ているうちに忘れてしまった。

 しかしヴァル・キルマーって今見直すと、かなり濃い顔立ちで何に変装しても実はばれてしまってるんじゃないかって思ってしまいます。恋する乙女を演じるエリザベス・シューも博士っぽくなくてミスマッチで可愛くていい。最近あまり見なくなったのが気になる女優さんです。ところで、悪人はロシアの石油を全部自宅の地下に隠していたってどういうこと? 彼は秘密の地下石油コンビナートの上に住んでいたのか?

THE SAINT
フィリップ・ノイス監督。1997年アメリカ映画。

2011年6月18日 (土)

エルム街の悪夢 (2010)

エルム街の悪夢 エルム街の高校生ディーン(ケラン・ラッツ)は夢に出てくるかぎ爪を持った男フレディ(ジャッキー・アール・ヘイリー)に悩まされる。そして、ついに夢の中で襲われるのと同時に自分の首をかっ切って死んでしまう。同じ夢に悩まされるナンシー(ルーニー・マーラー)、クリス(ケイティ・キャシディ)、クエンティン(カイル・ガルナー)、ジェシー(トーマス・デッカー)たち同級生は、眠るとフレディに襲われるということを悟るのだったが…

 ウェス・クレイヴン監督の有名なホラーシリーズをマイケル・ベイがリメイク映画化。「13日の金曜日」もそうだったけど、何で今更再映画化なんて気がするのは正直なところ。あの頃から比べたら技術も進歩しているんだけど、前作が記憶の彼方に行っちゃってるだけに何が違うのかがさっぱりわからない。もっともフレディという男の生い立ちがしっかり描写されているので、13日の金曜日よりはストーリーの完成度は高いような気がしたが。

A NIGHTMARE ON ELM STREET
サミュエル・ベイヤー監督。2010年アメリカ映画。

2011年6月15日 (水)

ショコラ (2000)

ショコラ フランスのある村に流れ着いて来たヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)と娘のアヌーク(ヴィクトワール・テヴィソル)はチョコレートショップをオープンする。彼女のチョコの不思議な魅力に取り付かれたアルマンド(ジュディ・デンチ)やジョゼフィーヌ(レナ・オリン)らは店で憩うようになるのだが、保守的な村の上に宗教上の断食の時期だっただけに村長のレノ伯爵(アルフレッド・モリーナ)はおもしろくない。やがて、ルー(ジョニー・デップ)をはじめとする船に乗ったジプシーの一団がこの村に流れ着く…

 フランスの美しい村を舞台にした物語。封建的な村で、因習と戦うという図式は、最近見た「マルタのやさしい刺繍」と同じテーマですね。ただしこちらは流れ者が主人公というのが違うのですが、すっかり魅力的なおばさんになったジュリエット・ビノシュの存在感が抜群で、非常に心地よく見ていられる癒やし系の映画となっています。

 そういえば、途中でああなってしまう重鎮?ジュディ・デンチも「マルタ~」で同じ役回りの女性がおりました。中年と子供ばっかり出てくるってのも同じ。ジョニー・デップは中盤から登場だけど、完全にスパイス扱いでいい場面だけさらっていった感じ。

 映画自体は因習とどう付き合って生きるか、なんてのがテーマなのかもしれないけど、この村みたいに忍耐することが目的になっちゃダメですね。ところでクレジットに懐かしのレスリー・キャロンが出てくるんだけどどこに登場したんだろう?

CHOCOLAT
ラッセ・ハルストレム監督。2000年アメリカ映画。

2011年6月14日 (火)

ポリス・ストーリー3 (1992)

ポリス・ストーリー3 香港警察のチェン(ジャッキー・チェン)は、麻薬王チャイバ(ケン・ツァン)を捕らえるための危険な潜入捜査に志願する。中国の杭州へ渡り、労働刑務所から、チャイバの弟分のパンサー(ユン・ワー)を脱獄させて、中国警察のヤン(ミシェル・ヨー)と一味にもぐりこんだのまでは良かったのだったが…

 ジャッキー・チェンの代表するスーパーアクションシリーズの第3作。今回は中国本土へ渡り、カーチェイスや市街戦、そしてヘリコプターによるアクションを交えて本来のスケールに戻ったのが売り。さらに出演者も後にボンドガールとなったミシェル・ヨーを加え、恋人役のマギー・チャンもストーリーの重要な部分にからむなど見応えたっぷりに作られている。

 元気のよかったころの香港映画ってやっぱりすごかったんだなぁって再確認。ジャッキーもミシェル・ヨーも文字通り体を張ってがんばってます。

POLICE STORY III : SUPER COP
スタンリー・トン監督。1992年香港映画。

2011年6月13日 (月)

ポリス・ストーリー2 九龍の眼 (1988)

ポリス・ストーリー2 香港でショッピングセンターの爆破事件が発生。犯人グループは、大企業相手に身代金の支払いを要求してくる。凄腕だが器物損壊でお騒がせのチェン刑事(ジャッキー・チェン)は交通課に配属になっていたが、この犯人グループを捕まえるために、恋人のメイ(マギー・チャン)と休暇を取ろうとしていたところを呼び戻されるのだったが…

 実はこのシリーズは「1」だけしか見てなかったことを思い出し、改めて2以降を鑑賞。なら1もおさらいしとけよなって言われそうだけど、あの村を破壊するシーンが冒頭でフラッシュバックされて「ああ、あれか」と思い出したらそれ以上の知識は不要でした。シンプルな筋立てなので、迷うところはありません。

 しかし、爆弾犯を相手にしながらも肝心のアクションはかなりトーンダウンといったところ。特にラストを廃工場に持って行ったところが、「西部警察」なんかを思い出してちょっとしらけてしまった。敵もイマイチ強いのがいない(あばあばギャグをかましているのはいたが)のも残念。ジャッキーとマギーのかけあいは面白いのに、かなり惜しいです。

THE POLICE STORY II
ジャッキー・チェン監督。1988年香港映画。

2011年6月12日 (日)

ジャージの二人 (2008)

ジャージの二人 32歳、無職の息子(堺雅人)と52歳のカメラマンの父(鮎川誠)が避暑に山荘へやって来る。古着のジャージを着て気ままに過ごす二人だったが、息子は妻(水野美紀)とうまくいってなかった。1年後、再び山荘を訪ねた二人だったが、今度は娘の花子(田中あさみ)もやって来て…

 シーナ&ロケッツの鮎川誠主演のゆるゆるドラマ。別荘生活というと聞こえがいいけど、昭和に取り残されたかのような山荘のスローライフをひたすらゆるゆると描く。個人的にはこういう父子関係がなかっただけに、ちょっぴりうらやましいんだけど鬱陶しくないんだろうかといろんな思いが頭によぎる。しかし、すねに傷持つ親子ってのはこういうシンパシーがつながってるんかなとも思う。なんせ、親はロッカー(笑)じゃなくて、カメラマンだもんな。

 携帯電話のアンテナのエピソードとか、ジャージに書いてある小学校の名前とか(親戚に先生でもいたのか?)、面白いエピソードがゆるゆるとつながっているので飽きずに最後まで見ることができた。花ちゃんは登場時には何者かと思ったんだけど、これがまた家族に見えないところが成功なのか失敗なのかわかんないな。涼しい以外に何にも取りえがない別送ってのは、うちの田舎といっしょ。もっともこういう良質の人間関係があるってのは、山荘のメリットとして箇条書きにできないもんだけどね。

中村義洋監督。2008年日本映画。

2011年6月10日 (金)

アリス・イン・ワンダーランド (2010)

アリス・イン・ワンダーランド 19歳になったアリス(ミア・ワシコウスカ)は、貴族の男性からプロポーズされる。返事に困ってその場を去ったアリスは穴に落ち、かつて夢に見たワンダーランドへ。マッドハッター(ジョニー・デップ)と白の女王(アン・ハサウェイ)は、彼女こそが赤の女王(ヘレナ・ボナム・カーター)と怪物ジャバウォッキー(クリストファー・リー)と対決しうる救世主だと歓迎するのだったが…

 「Dr.パルナサスの鏡」と続けてみたんだけど、やっぱりティム・バートンとテリー・ギリアムの世界はあきらかに違う。ティムの方が万人受けというか気軽に見られる雰囲気なんだけど、ある種の軽さがただよう。これがハリウッド的なんかな。  アリスの話自体が荒唐無稽なもんで、どれだけ原作に忠実かわからないんだけど、とりとめもなくて思ったほど感情移入できなかったのが残念なところ。ヘレナ・ボナム・カーターを顔の具以外は原型を残さずいじっちゃった赤の女王とか、なんとも不気味な双子とか、病的に白いアン・ハサウェイとかキャラクターの立て方は秀逸で印象に残るんだけど、ストーリーの方が頭に残らないってのは致命的かな。

 そういや、主演のアリス(新人)も微妙な感じで、個人的好みでは子役の方のアリスの方が可愛かったかな。主人公が意外と苦労していて、インスタント・ファンタジー(最近私が作った造語)みたいになってないのは良かったと思うぞ。

ALICE IN WONDERLAND
ティム・バートン監督。2010年アメリカ映画。

2011年6月 7日 (火)

Dr.パルナサスの鏡 (2009)

Dr.パルナサスの鏡 パルナサス博士(クリストファー・プラマー)は娘のヴァレンティナ(リリー・コール)やこびとのパーシー(ヴァーン・トロイヤー)を引き連れて、心の中が見える不思議な鏡の見世物を行う旅芸人。旅の途中で、橋に吊されているトニー(ヒース・レジャー)を助けて仲間に引き入れる。実は博士は悪魔のニック(トム・ウェイツ)と取引をしていて、永遠の若さとひきかえに娘の16歳の誕生日に、彼女を悪魔に引き渡すことになっていたのだが…

 撮影中にヒース・レジャーが亡くなって、鏡の中のトニーをジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが演じて完成させたといういわくつきの作品。実はそういう事情は知らずに見たものだから、あれ、何でジョニー・デップ? う、今度はジュード・ロウじゃんって大混乱してしまった。やっぱ映画を見る前には最低限の予備知識はあった方がいいかも。

 映画自体も、ティム・バートンの映画かと思って途中まで見てしまったんだけど(ジョニー・デップも出てるし)何かが違う。作風変わったなと思いつつ最後のクレジットでテリー・ギリアムだとわかって疑問が氷解した私は大馬鹿者です。でもこういう悪夢のぐちゃぐちゃワールドはテリー・ギリアムの方が本家だという認識があります。最近彼の映画をとんと見てなかったもんで、すっかり忘れ去ってしまってましたが。

 ストーリーも映像にぴったりの悪魔と取引ものですが、不思議少女のリリー・コールの魅力によるところが大きい映画です。彼女が可愛いと思えるかどうか、あるいは守ろうという気になるかどうかが評価の分かれ目かな。私は結構、リリー・コールという名前が頭にすりこまれてしまいましたが。

THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS
テリー・ギリアム監督。2009年イギリス=カナダ合作。

2011年6月 6日 (月)

新・平家物語 (1955)

新・平家物語 平安時代末期、西海の海賊征伐から帰った平忠盛(大矢市次郎)とその息子清盛(市川雷蔵)だったが、貴族や公家の対応は冷たく馬を売って祝宴を開く始末。その後清盛は、自分たちをかばってくれた藤原時信(石黒達也)を訪ね、その娘の時子(久我美子)にひかれる。そして、市場で商人の伴卜(進藤英太郎)から自分の出生の秘密をきいて愕然とするのだったが…

 市川雷蔵の出世作、そして溝口健二の末期の作にあたる「新、平家物語」を初見。新・平家物語といえば、子供の時に見た大河ドラマの印象がものすごく強いんだけど、記憶に残っているのは平家が落ち武者になって西へ西へと逃げていくエピソードと、清盛が亡くなるシーンがメイン。この初期の平家の物語ってのは、まったく別物という気がいたしました。

 評価の高い「ミゾグチ」は芸術映画という先入観が強いんだけど、これを見る限り「クロサワ」と同じく娯楽大作といった趣。特にモブシーンなんかはなかなかスペクタクルしていて、大作映画だったんだなぁと思わせてくれます。合戦のシーンがないのもミソで、清盛が弓を射るだけで比叡山の僧兵たちが逃げていくシーンなんかは、意外と史実に忠実なんじゃないだろうかと思わせてくれます。

 しかし、これだけで終わってしまうのはさすがにもったいない。清盛が「暗いのぉ」と言いながら没するシーンまで見せてもらいたいもんです。

溝口健二監督。1955年日本映画。

2011年6月 3日 (金)

パーフェクト・ゲッタウェイ (2009)

Tbr20221d 新婚旅行でハワイにやってきたクリフ(スティーヴ・ザーン)とシドニー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、トレッキングをしながら人里離れたビーチを目指す。ところが、カップルを狙った猟奇殺人が起こったというニュースが入り、二人はケイル(クリス・ヘムズワース)とクレオ(マーリー・シェルトン)というカップルと行動を共にするのだったが…

 犯人捜し型のサスペンス。ハワイといえども密林の中では結構密室に近く、はらはら・どきどき感はなかなかのもの。3組のカップルの中から誰が犯人だ…というのがストーリーの全てなんだけど、昔から言うこういう犯人捜しものの定番という結末にちょっとだけがっかり。まぁ、6人しかいないわけだからその中で犯人なんて、意外性を持たせるのは難しいとは思うんだけど。

 主人公のザーンの見せ方が秀逸で良かった。こいつ大丈夫かと思わせるたよりなさが、ひっくり返る瞬間が秀逸。ミラ・ジョヴォヴィッチに至っては、美女にかかわらずラスト近くの表情がこれまた彼女の醍醐味ですね。ハワイといっても結局はアメリカなんだから、あんまり人のいないところには足を踏み入れるべきではない、なんて思わされてしまいました。

 そうそう、「パーフェクト・ワールド」と「ゲッタウェイ」を足したようなタイトルは、B級っぽくてかなり損していると思うぞ。

A PERFECT GETAWAY
デヴィッド・トゥーヒー監督。2009年アメリカ映画。

2011年6月 2日 (木)

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 (2010)

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 高校生のパーシー・ジャクソン(ローガン・ラーマン)は、母親のサリー(キャサリン・キーナー)とさえない義理の父との3人暮らし。ところがある日友人のグローバー(ブランドン・T・ジャクソン)やブルナー先生(ピアース・ブロスナン)はクリーチャーで、自らもギリシャ神話の神ポセイドン(ケヴィン・マクキッド)の息子だと知る。さらにポセイドンとゼウス(ショーン・ビーン)やハデス(スティーヴ・クーガン)の兄弟喧嘩に巻き込まれ、ゼウスの稲妻を奪った疑いをかけられるのだったが…

 ギリシャ神話を現代に持ってきたファンタジーで、かなりのライト感覚で作られた映画。よって主人公の巻き込まれ方も非常に軽く、突然すごい能力を発揮してしまう高校生パーシー。訓練学校なんてものは存在してるんだけど、これも突然剣を渡されてチャン・チャン・バラ・バラ。うーむ。

 すべてがゲーム感覚でとんとんと進んでいくのがどうにも納得できなかったんだけど、それが今風のファンタジーだといえばそれまでなのか。クリス・コロンバス監督だけに、初期のハリポタシリーズが連想させられるけど、こちらの方が数段軽いです。

 ただし出てくる俳優は妙に豪華で、ピアース・ボロスナンのケイロンとか、ユマ・サーマンのメデゥーサなんて凄いキャスティングだと思うぞ。特にユマ・サーマンの首はインパクト大で、これは「学校の階段」の岸田今日子のろくろ首(どんなたとえや!)に匹敵する恐ろしさだと思うのであった。

PERCY JACKSON AND THE OLYMPIANS: THE LIGHTNING THIEF
クリス・コロンバス監督。2010年アメリカ映画。

2011年5月31日 (火)

レギオン (2010)

レギオン 地上に墜ちてきた天使ミカエル(ポール・ベタニー)は自らの首輪をはぎとり、パトカーを奪って逃走する。同じ頃、モハベ砂漠のダイナーではテレビが見えなくなり、電話も途切れる。外で何が起こっているかわからない中、取り残された人たち(ルーカス・ブラック、タイリース・ギブソン他)はクリーチャーと化した謎の老婆に襲われるのだったが…

 ノアの方舟と同じく、人類を見切った神が人間を一掃しようと天使軍団(レギオン)を使わすというお話。それを救うのが堕天使ミカエルというわけで、さらに人類を救う子供の存在とかいろいろあって… あれ、この設定って、「ターミネーター」と同じじゃんと途中で気がついた。ターミネーターが好きな誰かさんがターミネーターの設定をそのままぱくってまったく別の映画を作ってしまったというところか。

 ばあさんがクリーチャーになるくだりとか、アイスクリーム屋とかはスティーブン・キングが大好きな設定ですな。それに天使のワイヤーアクションをくっつけて、ジェットコースタームービーに仕上げたという感じ。寄せ集めというか集大成というか、何とも言えないんだけど最後まで楽しんでしまったというのが正直な感想。

 で、生まれてきた子供は本当に人類を救えるの? なぜそう決まってるの? このあたりがまったく説明されていないのは、続編の準備と言うよりも詰めの甘さを感じてしまうのだが。

LEGION
スコット・スチュワート監督。2010年アメリカ映画。

2011年5月30日 (月)

シャッター・アイランド (2009)

Pbw114536 連邦保安官のテディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)は、行方不明になった女性患者レイチェル(エミリー・モーティマー)を探すために、相棒のチャック(マーク・ラファロ)と共に精神病棟がある孤島「シャッター・アイランド」へやって来る。所長のジョン(ベン・キングズレー)やジェレマイアー医師(マックス・フォン・シドー)の協力により捜査を進めるが、実はテディの本当の目的は死んだ妻ドロレスを殺した放火魔のアンドルー・レディスをつかまえることだった…

 精神病棟が舞台のサスペンス・スリラー。こういうテーマってかなり難しい問題を含んでいるんだと思うけど、そこをサスペンスの舞台と割り切ってずんずんと話を進めていったという感じ。いちおう、はっとさせられるようなクライマックスは用意されているんだけど、このスタッフとキャストだったらもう1回ぐらいどんでん返しが用意されているだろうと思って見ていたらそこは肩すかしを食わされてしまいました。

 マーティン・スコセッシ監督のホラーサスペンスというわけで、雰囲気が近いのは「ケープ・フィアー」。それに壮大なオチをくっつけた感じ。「自分が信じられなくなる」という感覚を味わいたかったらおすすめ。レオナルド・ディカプリオは童顔だったのに凄く貫禄がでてきた感じ。存在自体が怪しさをにじませる、マックス・フォン・シドーも注目。

SHUTTER ISLAND
マーティン・スコセッシ監督。2009年アメリカ映画。

2011年5月27日 (金)

Q&A (1990)

Q&A 刑事から新任検事になったアル・ライリー(ティモシー・ハットン)の初仕事は、刑事マイク・ブレナン(ニック・ノルティ)が麻薬売人を射殺した事件の調書(Q&A)の作成。しかしマイクの正当防衛の主張は、麻薬ディーラーのボビー(アーマンド・アサンテ)の証言とは食い違う。調査が進むに連れて、ロスの警官の乱れた現実が浮かび上がってくるのだったが。

 正義感に燃える新任検事と、汚れたベテラン警官との対立を描いた社会派のポリスドラマ。シドニー・ルメットの骨太な演出に加えて、暴れまくりのダーティ刑事ニック・ノルティがなかなかの存在感である。といっても悪人相手に非道の限りを尽くすだけなので、庶民の目から見てもそれほどとんでもないやつに思えないのがミソかも。

 それにしても、こんな世界で正常な正義感を保っていくってのは本当に難しいだろうと思う。力がないとできないことだろうなぁ。ところでニック・ノルティは、結局おかまちゃんには手を出していたんだろうか(笑)。

Q&A
シドニー・ルメット監督。1990年アメリカ映画。

2011年5月26日 (木)

ザ・ダイバー (2000)

ザ・ダイバー 南部の農村で育った黒人カール・ブラシア(キューバ・グッディング・Jr.)は、小作人の父親の「俺のようになるな」という言葉を受けて、故郷をあとに海軍へ入る。コックとして働いていた彼は、水泳の腕を上官のビリー・サンデー(ロバート・デ・ニーロ)に認められてダイバーを目指す。ところが当時は黒人はダイバーの養成学校へは入れないという現実があった…

 黒人初のマイスター・ダイバーになったカール・ブラシアの実話を映画化。アクアラングなんてなかった時代の話なので、パイプのついた重い潜水服を着たダイバーが主役。物語はよくあるサクセスストーリーで、主人公の努力がすべてといった作り。

 それでも感動できてしまうのは何でだろうと思うと、ひとつは「俺のようになるな」と言った父親の存在。出番も台詞もあんまりないんだけど、すっごく心に残るキャラ。そしてもうひとつは、罵倒親父のロバート・デ・ニーロでしょう。この親父、最初から最後まで、生傷いっぱい作って罵倒しっぱなしなんだけど、うざかった罵倒がラスト近くの潜水服で歩くテストのシーンでは確かに愛情に昇華しているあたりはひたすら感動的です。

 ちょっと気に入らなかったのは、訓練シーンばかりで意外と実戦シーンがなかったこと。実際に活躍しているカール・ブラシアをもっと見たかったかな。

MEN OF HONOR
ジョージ・ティルマン・Jr.監督。2000年アメリカ映画。

2011年5月24日 (火)

ソウ6 (2009)

ソウ6 前作で惨殺されたFBI捜査官ストラム。一連の連続殺人は彼が犯人とされ、事件は終息したかに思えた。ところが殺人鬼ジグソウ(トビン・ベル)の後継者ホフマン刑事(コスタス・マンディロア)は、ジグソウの前妻ジル(ベッツィ・ラッセル)とジグソウの遺品を確かめる。そして、新たな殺人ゲームが開始されるのだったが…

 ソリッド・ステート・ホラー「ソウ」の第6作。痛い、暗い、陰惨、もう見たくないってのが正直な気持ちなんだけど、シリーズが続く限りは見届けてしまおうというのが映画ファンの悲しい性である。殺人鬼ジグソウは死んだのに、後継者だの遺品の箱だのでこれだけストーリーを引っ張っていくのはお見事。

 というわけで、今回の標的となるのは生前のジグソウを見捨ててしまった保険調査員である。本来なら逆恨みとなるところだろうけど、この調査員って結構悪徳で、いざ病気になった被保険者のあら探しをして会社のカネを守ろうというくわせもの。さらに彼の6人の同僚で2人だけ生き残れるゲームとか(当然彼らは激しくののしり合う)、保険会社にいじめられたことがある人ならいい気味と思う内容なのかも知れない。アメリカの保険会社ってこんな一面を持っているんかな? 日本の保険のおばちゃんはふだんはいろんな商品をすすめてくるけど、いざとなったら親身になって相談にのってくれるぞ。

 前作で謎だったジグソウの遺品は、そんなにびっくりするような内容ではありませんでした。それよりか、エンドロールの後に入っていたワンショットの意味がよくわからんぞ。続編が予定されているということだけはわかったが。

SAW VI
ケヴィン・グルタート監督。2009年アメリカ映画。

2011年5月23日 (月)

ハゲタカ (2009)

ハゲタカ 日本の代表的な自動車会社「アカマ」を、外資系ファンドのブルー・ウォール・パートナーズが公開株買い付けに動いた。ブルー・ウォールの代表は、自称中国残留孤児3世の劉一華(玉山鉄二)。買収防衛のために、アカマ自動車の柴野(柴田恭兵)は、今は引退した鷲津ファンド代表の鷲津政彦(大森南朋)に対抗処置を依頼する。

 真山仁原作の同名シリーズから「レッドゾーン」を映画化。NHKドラマで人気を得たシリーズらしく、主要なキャストはそのまま。そのせいか、栗山千明、松田龍平、中尾彬、嶋田久作といったそうそうたるメンバーが出ているにもかかわらず、人物紹介が中途半端に感じられる部分が多いのはテレビを見てることを前提にはしょっているってことなんでしょう。

 それにしても…個人的な好みもあるのかもしれないけど、このストーリーは面白い。まともに戦って勝ち目がない資金力を持つ相手に、どうやって対抗するかがポイントなんだけど…なるほどねぇ。まぁうまく罠にひっかかって来なかったらって疑問は残るけど、緊迫感が続く画面とストーリー、企業で働く人の思いとか、中国側の思いとかも盛り込んで、どどどどどっとストーリーがばく進するさまは見応えたっぷり。

 難を言えば、劉一華のエピローグにものすごく違和感を感じたんだけど… この結末じゃ、劉は完全な張り子の虎状態。あれだけの風呂敷が広げられる人物なら、もうちょっと頑張ってほしかったってところ。

 久々に、映画を見てテレビシリーズの方が気になった作品。映画の続編も見てみたい気がする。

大友啓史監督。2009年日本映画。

2011年5月22日 (日)

アウト・オブ・サイト (1998)

アウト・オブ・サイト 銀行強盗のジャック(ジョージ・クルーニー)は、車のエンジンがかからなかったがゆえに何回目かの刑務所送りになる。ところが仲間の脱走計画に便乗して逃走しようとしたところ、ひょんなことから連邦保安官のカレン(ジェニファー・ロペス)を人質に逃げる羽目になる。逃げおおせたジャックは、刑務所で得た情報からリプリー(アルバート・ブルックス)の自宅に隠されたダイヤの原石の強奪計画を立てるのだったが…

 エルモア・レナードの犯罪小説を映画化。全然盛り上がらないストーリーだけど、魅力的な登場人物を配して雰囲気勝負の、いかにもソダーバーグ監督といった映画。おそらくいろんなパロディが詰め込まれているんだろうけど、わかんないとさっぱりダメですね。正直言って、中盤はかなりだれました。

 この映画のポイントは、ジェニファー・ロペスに魅力を感じるかどうかなんだろうけど、個人的にはちょっとダメだったみたい。ジョージ・クルーニーの台詞から、彼もかっこよく散って終わるのかと思ったらそういうわけでもなかった。太く短く生きているように見せかけて、実はかなりの細かいジャックなんかもしれませんね。

OUT OF SIGHT
スティーヴン・ソダーバーグ監督。1998年アメリカ映画。

2011年5月20日 (金)

ヒトラーの贋札 (2007)

ヒトラーの贋札 贋札偽造の名人サリー(カール・マルコヴィクス)は、逮捕されたあとユダヤ人であるがためにナチの強制収容所へ送られる。そこでは印刷技師のアドルフ・ブルガー(アウグスト・ディール)をはじめとする印刷や金融関係の大物が集められ、ドイツが外貨を獲得すると共に連合国を金銭的に翻弄するための贋札作りを強要される。その見返りは、収容所での破格の待遇と生きていられることだった…

 生き残った印刷工アドルフ・ブルガーの原作を元にしたナチ収容所の物語。ナチ収容所に関しては、まだまだ目を変えたストーリーが登場するようで、こちらも生き残ったサリーことサロモン・ソロヴィッチが登場する冒頭のシーンから雰囲気たっぷりで、その後の収容所のシーンとの落差から一気に物語に引き込まれた。

 生きるために自分の持てる才能のすべてを突っ込んだサリーと、あくまでも自分の主義を貫いた原作者のブルガーが好対照。しかし生き残れたから良かったようなものの、ブルガーが原作者というのも何かすっきりしない、もやもやっとしたものが残る。ヒトラーの贋札と呼ばれながらも、ヒトラーが画面に一度も登場しないところもミソかな。

DIE FALSCHER
ステファン・ルツォヴィツキー監督。2007年ドイツ・オーストリア映画。

2011年5月18日 (水)

セブンティーン・アゲイン (2009)

セブンティーン・アゲイン 高校生のマイク・オドネル(ザック・エフロン)はバスケットボールの花形選手で、綺麗な恋人スカーレット(レスリー・マン)がいて、大学のスカウトもほぼ決まっていて、順風満帆な人生が広がっているかのように思えた…のだが、スカーレットの「子供ができた」の告白に人生の転機を迎える。そして20年後、マイク(マシュー・ベリー)はスカーレットとは離婚寸前、子供にはバカにされる、仕事ではうだつが上がらないととんでもない転落人生を送っていた。ところが…不思議な出来事が起こりマイクは17歳の外見に逆戻りしてしまう。人生をやり直すために、友人ネッド(トーマス・レイン)の助けを借りて高校へ再入学するのだったが…

 タイトルからストーリーの半分以上が想像できてしまう、ハイスクール・コメディ。冒頭のザック・エフロンがかっこつけまくり、踊りまくるシーンが生理的にまったく受け付けず、たまらなく嫌なやつに思えた。この人の映画を1時間半も見なきゃいけないのかとげっそりしていると、場面は変わって37歳のマイクこと、マシュー・ベリーの登場。ここでほっとしてしまった自分って一体?(ザックのファンの方、ごめんなさい)

 しかし若返ってからのマイクは落ち着きもあっていい奴でとっても親近感を持って見ることができた。やっぱり歳月が人間をオトナにするのか、そのあたりがきっちり描かれているということなんかな。あとは、息子アレックス(スターリング・ナイト)を助けるエピソードとか、娘マギー(ミシェル・トラクテン)が淫乱(これって悲しいよな)になってるエピソードとか、友人ネッドと校長ジェーン(メロラ・ハーディン)がオタクで盛り上がるエピソードとか、いろいろてんこ盛りで最後まで楽しめた。ありえない設定ながらも、各エピソードは「ありえる」って思わせてくれたのが勝因かな。

17 AGAIN
バー・スティアーズ監督。2009年アメリカ映画。

2011年5月16日 (月)

ハンナ・モンタナ ザ・ムービー (2009)

ハンナ・モンタナ ザ・ムービー マイリー・スチュワート(マイリー・サイラス)は普通の女子高生だが、実はウィッグを付けてステージに上がれば、スーパーアイドルのハンナ・モンタナに変身。そのことを知るのは父親のロビー・レイ(ビリー・レイ・サイラス)と彼女のまわりの一部の人間だけ。そんな彼女が、故郷のテネシーの祖母に会いにいくことになったのだが…

 「ザ・ムービー」とつくことから想像できるように、人気テレビシリーズの劇場版。日本で言うところのいわゆる変身もので、普通の女の子がスーパーアイドルに変身するという、日米共通の感覚でつくられた物語である。よって、変身してもコスチューム(ウィッグ?)以外は何も変わってないのに、誰も気がつかないというのは言ってはいけないお約束だと思う。ただただ、女の子の気持ちになってスーパースターと普通の女子高生の二重生活を楽しめばいいのである。

 しかし、故郷のボランティア活動に巻き込まれて、実はハンナ・モンタナだったということがばれちゃっても、村人たちの目は温かくて…というくだりは、「スパイダーマン2」の電車の中の名場面のようでなんだかいい気分にさせられた。主演のマイリー・サイラスはこのテレビシリーズで人気が出たそうだけど、うまいこと等身大の女子高生と、パワフルなアイドルを演じ分けていて好感が持てる。今後が楽しみな女優さんです。

HANNAH MONTANA: THE MOVIE
ピーター・チェルソム監督。2009年アメリカ映画。

2011年5月12日 (木)

幸せのきずな (2008)

幸せのきずな 大学教授のボブ・カーンズ(グレッグ・キニア)は、雨中のドライブ時の突然のひらめきから、間欠ワイパーを完成させる。友人とこの発明をフォード社へ売り込みへ行き、製造は自分がするということで契約にこぎつけようとするが、ある日一方的にフォード側から交渉を却下される。そしてフォードは、間欠ワイパー付きの新車を発明するのだったが…

 「実話の映画化」というテロップから始まる嘘のような物語。確かに間欠ワイパーなんてエポックメイキングな発明は、かなり慎重に運ばないととんでもない目にあうのは素人でも容易に想像できるけど、その中を自分の信念を曲げずに突き進んでいった物語。しかし家族を守るという立場から考えると、成功と失敗が入り交じったほろ苦いラストが用意されています。

 カネが正義だとばかりに、訴訟社会が発達したアメリカならではの映画。ジュリア・ロバーツの「エリン・ブロコビッチ」ほどの爽快感がないのが、ある意味現実的かも。信念と家族をてんびんにかけたら…自分の信念に家族が付いてくると賭けるのも、ある種の信念かもしれません。

FLASH OF GENIUS
マーク・エイブラハム監督。2008年アメリカ映画。

2011年5月10日 (火)

縞模様のパジャマの少年 (2008)

縞模様のパジャマの少年 父親(デヴィッド・シューリス)の出世に伴って、母親(ヴェラ・ファーミガ)、姉のグレーテル(アンバー・ビーティ)と共に郊外へ引っ越した少年ブルーノ(エイサ・バターフィールド)。ところが住居の裏庭は立ち入り禁止で、パジャマのような服を着た使用人パヴェル(デヴィッド・ヘイマン)が出入りし、時に何かを焼くものすごい臭いが立ちこめる。やがてブルーノは、裏庭の金網の中に住むパジャマを着た少年シュムエル(ジャック・スキャンロン)と仲良くなるのだったが…

 ジョン・ボインの原作をイギリスで映画化。何の予備知識もなく見たら、無垢な少年がだんだんはまりこんでいく蟻地獄が追体験できることうけあいである。

 以下はねたばれありなのだが、それにしても父親が強制収容所の所長で、裏庭にあるのはそのものずばりの強制収容所。そして日々大量虐殺が行われている。しかも父親は家族には優しく、真実を知った母親は精神を病んでいく。姉は徐々に洗脳されていき、物語は予想される最悪の結末にずんずんと突き進んでいくのは見ていて辛いものがありました。実際の結末は、想像していたものよりもかなり強烈ではありましたが。

 これは…変な言い方かも知れないけど、子供に見せたい映画。特に分別がつきはじめた10代以降の子供に見せたいです(実際にPG12だったと思う)。

THE BOY IN THE STRIPED PYJAMAS
マーク・ハーマン監督。2008年イギリス=アメリカ合作。

2011年5月 9日 (月)

ザ・ロイヤル・テネンバウムス (2001)

ザ・ロイヤル・テネンバウムス テネンバウム家の3兄弟、チェス(ベン・スティーラー)、マーゴ(グウィネス・パルトロウ)、リッチー(ルーク・ウィルソン)はいずれも若い頃に才能を発揮して、それぞれ実業家、劇作家、テニスプレイヤーの世界で頭角を現すのだったが、父ロイヤル(ジーン・ハックマン)と母エセル(アンジェリカ・ヒューストン)の不仲と裏切りにより失速。それぞれが堕落の道を歩む。ところが父の策略により、20年ぶりに家族が再会するのだったが…

 上記以外にもオーウェン・ウィルソン、ダニー・グローヴァー、ビル・マーレイといったオールスターキャストによるファミリーコメディ。いきなりの凝った画づくりに、「これは…」と思ったんだけど、物語はどんどん失速。画面に情報量が多く、何かが詰まっているように見えるんだけど理解できないのはこちらの理解力不足なのか、それとも本当につまらないのか理解に苦しむ。アカデミー脚本賞ノミネートってのがミソかな。

 ジャージを着たベン・スティーラーの一家とか、自堕落な生活を繰り返すぶっとんだグウィネス・パルトロウとか、とんでもないキャラだと感心させられるんだけど、面白いのはそこまで。さらに両親がくせ者のジーン・ハックマンとアンジェリカ・ヒューストンなんだもん。もうちょっと料理の仕様もあったんじゃないかと思ってしまう。

THE ROYAL TENENBAUMS
ウェス・アンダーソン監督。2001年アメリカ映画。

2011年5月 8日 (日)

マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと (2008)

マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと 新聞記者のジョン(オーウェン・ウィルソン)は、同じくジャーナリストのジェニー(ジェニファー・アニストン)と結婚してリゾート地のフロリダへ引越し、子犬のマーリーを飼うことにする。ところがこのマーリーがとんでもない馬鹿犬で、言うことをきかないのはもちろん部屋中を暴れ回り言うことをまったくきかない。あげくに訓練学校の先生(キャスリーン・ターナー)からは見放されたが、そんなときジェニーが妊娠した…

 ジョン・グローガンの同名小説を映画化。セールで買ったわんこがどうしようもないバカ犬で振り回されるお話なんだけど、犬が主役に見えて話の軸足はジョンとジェニーの夫婦関係、増えていく家族、夫婦の歴史である。もちろんそこにマーニーの一生がからんでくるのは他の犬映画と同じではあるが、ジェニーの流産や育児ノイローゼとかがからんで、単純に笑ってだけじゃ見ていられない辛口ムービーとなっている。

 育児なんてただでさえ大変なのに、加えてこんなバカ犬がいたらと考えるとぞっとする。でもこのラストシーン、犬を飼ったものじゃないと絶対にわからないんだろうなと想像だけはできる。

 クレジットにアラン・アーキンとキャスリーン・ターナーが出ていたので気にはしていたのだが、キャスリーン・ターナーの出番だけが最後までわからなかった。でも調べたら、あのドッグ・トレイナーの太ったおばちゃんだったとは…ちょっと驚いた。なかなかいい味を出してましたが。

MARLEY & ME
デヴィッド・フランケル監督。2008年アメリカ映画。

2011年5月 7日 (土)

続・菩提樹 (1958)

続・菩提樹 前作でナチスから逃れてアメリカへ亡命したトラップファミリー(ハンス・ホルト、ルート・ロイヴェリーク他)。ところが観光ビザにもかかわらず正直に「仕事」と言ったがために、税関で足止めを喰ってしまう。歌を披露して何とか難を逃れた一家だったが、今度はコンサートを開いても思ったようにお客さんが入らない。どうも、賛美歌にこだわる神父(ヨセフ・マインラート)に原因がありそうなのだが…

 「サウンド・オブ・ミュージック」では描かれていないトラップ一家の後日談。物語はハッピー・エヴァー・アフターというわけにはいかず、やっぱ歌だけではなかなか喰っていけない厳しさが切々と綴られる。しかしショウビズの国アメリカらしく、才能があって努力する者は報われるというわけでたっぷりたまったフラストレーションも後半にはすっきり解消されるという、安心して見ていられる映画です。

 ドイツ映画にもかかわらず、全編アメリカロケってのが面白い。アメリカで受けるには、やっぱキーワードはポピュラー音楽。それに故国の音楽で味付けってのが王道なんかな。マリアってのは、異国でも家族をぐいぐい引っ張っていく肝っ玉母さんだってのが実感できる。田舎に家を買うあたりのエピソードは、ちょっぴり移民の悲しさが感じられてほろりときた。ところでトラップの子供たちは学校に行ってたの?

DIE TRAPP-FAMILIE IN AMERIKA
ヴォルフガング・リーベンアイナー監督。1958年西ドイツ映画。

2011年5月 6日 (金)

菩提樹 (1956)

菩提樹 オーストリアのザルツブルグ。尼僧のマリア(ルート・ロイヴェリック)はおてんばで周囲をかき回してばかり。見かねた院長は、妻を失ったトラップ男爵(ハンス・ホルト)の7人の子供たちの家庭教師に彼女を派遣する。歌が大好きなマリアは子供たちに合唱を教え、さらに神父のバスナー(ヨーゼフ・マインラット)の指導のもとに一家はめきめきと実力をつけていくのだったが…

 ストーリーからわかるとおり、あの「サウンド・オブ・ミュージック」の原作を映画化した作品。ただしこちらの方が古いので、「サウンド~」の方がリメイクとなるわけだけど、エンタテイメント色が強いハリウッド版に対して、このドイツ映画はいかにも質実剛健なクラシカルな作り。それだけに地味な味が詰まっていて、楽しめる作品になっている。

 もちろん「ドレミの歌」も「エーデルワイス」もないけれど、こちらの方がトラップ合唱団が実際に歌っていた曲だろうと想像させられる。トラップ家の家庭教師がどうしてみんなつとまらなかったのか不明だけど、やっぱ音楽に関しての共通項があったのだろうと思われる。難関を合唱のうまさで次々と乗り越えていくあたりは、爽快感あり。元潜水艦乗りなのに、何か癒やし系の香りがするトラップ男爵と、快活なマリアはいいコンビ。

DIE TRAPP-FAMILIE
ヴォルフガング・リーベンアイナー監督。1956年西ドイツ映画。

2011年5月 2日 (月)

重力ピエロ (2009)

重力ピエロ 仙台に住む泉水(加瀬亮)と春(岡田将生)は、なぜか似てない兄弟。実は春は母親の梨江子(鈴木京香)が連続暴行犯にレイプされた時にできた子供で、父の正志(小日向文世)は悩んだ末に二人を兄弟として育てている。ある日仙台に連続放火事件が起こり、近くにはグラフィックアート(落書き)があることに二人は気がつく。落書き消しのバイトをしていた春は、兄弟で犯人捜しをしようと考えるのだったが…

 伊坂幸太郎の原作を映画化。いろいろと詰め込んでいてかなりぎくしゃくとした展開なんだけど、不思議と心に残る部分が多い佳作である。例えばレイプされ妊娠した妻を前に、神様にお伺いをかける父親正志なんて、小日向の癒やし系のキャラクターが相まってかとっても印象に残る。そして自分の癌の告白に加えて、春は実の子ではないけど俺たちは最強の家族だと告げるシーン。うすうす感づいていても、肉親の口から出る言葉には強烈な衝撃がある。

 しかし… 実の父親(渡部篤郎)に関する顛末と、父親にそれを見抜かれるシーン。最強の家族が本当に望んでいたのは、これじゃあないと思うんだけど。これじゃあ父親は死んでも死にきれません。一見ハッピーエンドに見えてこの重苦しさは何なんだろう。2階から飛び降りることはできても、結局は重力をコントロールするのは無理だったってことなのか。

森淳一監督。2009年日本映画。

2011年5月 1日 (日)

エルダー兄弟 (1965)

エルダー兄弟 母親エルダー・ケイティの訃報を受けて、その息子たちジョン(ジョン・ウェイン)、トム(ディーン・マーティン)、マット(アール・ホリマン)、バド(マイケル・アンダーソン・Jr.)が久しぶりにテキサスの片田舎に集まった。ところがかつての牧場はヘイスティングスという男に奪われ、さらにヘイスティングスに雇われた殺し屋(ジョージ・ケネディ)までが町にやって来ていた…

 タルボット・ジェニングスの原作を映画化。時代がかったタイトルに、エルマー・バーンスタインの音楽。これぞ正当派の西部劇というわけで、子供の頃にいっぱいテレビで見た思い出がじわ~とよみがえる。

 男の子の4兄弟というわけで、当然けんかのシーンもあれば、無鉄砲な掛け合いのシーンもあってにんまりさせられる。自由人として生きてきたジョンに、ギャンブラーのトム、勉学家で家族の期待を背負う末っ子のバドと兄弟キャラクターの描き分けも良い。イタリア製みたいに不必要に残酷でもなく、安心して見ていられる。いい気分にさせられる。やっぱ西部劇は、アメリカの時代劇です。

 最後のクレジットでデニス・ホッパーを見つけたんだけど、どこに出ていたんだろう。気がつかなかったなぁ。

THE SONS OF KATIE ELDER
ヘンリー・ハサウェイ監督。1965年アメリカ映画。

2011年4月29日 (金)

マルタのやさしい刺繍 (2006)

マルタのやさしい刺繍 スイスの小さな村に住むマルタ(シュテファニー・グラーザー)は、優しい夫に先立たれて寂しい日々をおくっている。ところが村の合唱団の旗の修理を依頼されたことをきっかけに、昔は刺繍が大好きだったことを思い出す。友人のリージ(ハイジ・マリア・グレスナー)やフリーダ(アンネマリー・デューリンガー)と共に夢だったランジェリーショップのオープンを画策するが、保守的な村に加えて牧師で息子のヴァルター(ハンスペーター・ミュラー・ドロサート)と激しく衝突して…

 パリにランジェリーショップを開くことが夢だったおばあちゃんの、夢を現実にと頑張る姿を描いた元気の出る映画。確かにおじいちゃんおばあちゃんには、けがをしないように回りに迷惑をかけないでと、必要以上に保守的に接してしまう傾向があってまわりの行動もわからなくもないんだけど、本人たちの元気とか生きる意欲とかを考えると、できる範囲で本人たちのやりたいことをやってもらいたいって気分になってきます。老いた親たちに自由に生きてもらうってのは、ある意味息子の甲斐性じゃないかと思います。難しいことだけど。

 本当に美しいスイスの村で、繰り広げられる生活や事件が普遍的で身近に感じられるのが心地よい。マルタ役のシュテファニー・グラーザーがとってもいいんだけど、冒頭に出てくるご主人の写真がこれまた優しそうで、彼女の落ち込みが伝わってくるところがいいです。そんなご主人から解き放たれて、胸に秘めていたランジェリーショップを開くというのがある意味深い。

ベティナ・オベルリ監督。2006年スイス映画。

2011年4月25日 (月)

ウルフマン (2010)

ウルフマン 19世紀のイギリス、舞台俳優のローレンス(ベニチオ・デル・トロ)は、兄ベンの訃報に故郷ブラックムーアのタルボット城へ帰る。そこには何者かに惨殺された兄と、久々に再開した父ジョン(アンソニー・ホプキンス)の姿があった。満月の夜に怪物が現れるという噂から、兄の敵討ちに向かうローレンスだったが…

 要するにホラー映画の古典「狼男」のリメイク。といっても狼男に関してはアメリカン(笑)とかハウリングとかウルフェンとか、亜流ばっかり見て育った世代だけに、どれがオリジナルなのかわからんぞ。どことなく無情を感じさせる暗いストーリーに、これはたぶんオリジナルに忠実に作られた、ジャクソンの「キング・コング」みたいな映画なんじゃないかと想像させられたんだけど、真偽はよくわかりません。

 ベニチオ・デル・トロはメイクしなくてもホラー映画してていいですね(笑)。ホプキンスもこうして見るとモンスター顔。兄の婚約者グエン(エミリー・ブラント)は正当派なのかもしれないけど思ったほど華がない。リック・ベイカーの特殊メイクは、失礼ながら今となっては過去のもの…という気がしなくもない。

THE WOLFMAN
ジョー・ジョンストン監督。2010年アメリカ映画。

2011年4月22日 (金)

ハート・ロッカー (2008)

Pcxe50045 2004年のイラク。爆弾処理班のブラボー中隊のリーダーが作業中に爆死したために、新たにジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)が赴任してくる。彼らを補佐するのはサンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)、エルドリッジ技術兵(ブライアン・ジェラティ)といった癖のある面々。おまけにサンボーンは、いざ爆弾を目の前にすると遠隔操作のロボットに頼らずに自らの命を盾に処理に歩いて行くのだったが…

 「戦争の高揚感は、麻薬のように中毒になる」といった意味のナレーションからはじまるように、2時間妙な緊迫感に包まれた映画。確かに爆弾って怖い。戦場に繰り出していくのとは、また別の意味の怖さがあると思っていたら、その爆弾処理の周囲は敵とも味方ともわからない通行人や野次馬たち。そして時には銃撃戦もおっぱじまる。イラン・イラク戦争をすごくミクロの視線で見た映画なんだけど、それだけにものすごい臨場感で迫ってくる。

 除隊まであと何日…というテロップも印象的なんだけど、終盤その日数が終わったジェームズが自宅へ帰り、嫁さんに「シリアル選んで」とかこき使われて(笑)一般人なら幸せとも呼べる日常をおくって、それでも戦場へ戻っていくというくだりも印象的。高揚感? 戦争中毒? 日本人には理解しにくいけど、これがアカデミー作品賞を取ってしまうんだから現代アメリカを象徴している内容なんだろうかと思ってしまう。

THE HURT LOCKER
キャスリン・ビグロー監督。2008年アメリカ映画。

2011年4月20日 (水)

ジェット!! (2008)

ジェット!! 殺し屋の抗争に巻き込まれて幼い頃に両親を殺されたチャンス(リック・ユーン)は、自称ミュージシャンの殺し屋マックス(キース・デイヴィッド)に助けられて、義兄のマイルズ(ボキーム・ウッドパイン)と共に育てられる。やがて一流の殺し屋に育ったチャンスは、暗殺依頼を受けた歌手エンジェル(ダニア・ラミレス)のボディガードに離ればなれになっていたマイルズがいることに気がつくのだったが…

 バンコクを舞台にしたアクション映画。かつては香港あたりで量産されていたクンフー映画の雰囲気で、ジャズの味付けがされていたり宇崎竜童に似た殺し屋が出てきて殺戮の限りを尽くしたりと、やりたい放題のある意味バカ映画。でもそのチープさがいい味になっている。こういう映画、好きだな。

 だいたい登場するスター歌手の名前が「エンジェル」ってのが安直すぎるぞ。拾った子供を殺し屋として育てるか? バンコクって、めちゃめちゃいかがわしくて猥雑な街として描かれているけど、実際はどうなのよ? 住んでる人は迷惑してないか? お掃除といいながらバンコクまでやってきたパパは、そこまでやる必要があったのか? とまぁ、突っ込みどころがいっぱいあるところがこれまたいいです。劇場未公開ってところも、いいです。

ジェシー・V・ジョンソン監督。2008年アメリカ映画。

2011年4月19日 (火)

幸せのポートレート (2005)

幸せのポートレート ニューヨークで働くメレディス(サラ・ジェシカ・パーカー)はクリスマスに恋人エヴァレット(ダーモット・マローニー)の実家へ招かれる。ところが一家は母のシビル(ダイアン・キートン)、父のケリー(クレイグ・T・ネルソン)、弟のベン(ルーク・ウィルソン)、エイミー(レイチェル・マクアダムス)、ゲイのサッド(タイロン・ジョルダーノ)といった面々で自由奔放な家風でメレディスは完全に浮いた状態。助けを求めたメレディスは妹のジュリー(クレア・デーンズ)を呼び寄せるのだったが…

 ラブコメ、ファミコメに見せかけて、かなり辛口のクリスマスホームドラマ。恋人の家族に会いに田舎へ行ったニューヨークのOLが、自分とのソリの合わない家族にぐちゃぐちゃにされるってのがメインのストーリーなんだけど、癖の強いサラ・ジェシカ・パーカーが主演だけにこれはぴったりはまり役。特に中盤の食事のシーン、ゲイをめぐるやり取りのあたりははた目に「メレディス、そこまで言うか」って感じだけど、いっぱいいっぱいの彼女にとってはついつい飛び出した本音ってところか。でもこういう女性って、いるんだよなぁ。

 結局はカップルの組み替えっていう、この手のラブコメでは常套手段の展開が待っているんだけど、これは節操ないって見るよりも結婚する前に理想のパートナーがわかって良かったねって感じ。ベンの前で自分らしくなれるメレディスってのはすっごく説得力ありました。

 ラストは…父クレイグ・T・ネルソンのまなざしが心に残る。これは、母が願った家族の幸せってものなんかな。

THE FAMILY STONE
トーマス・ベズーチャ監督。2005年アメリカ映画。

2011年4月18日 (月)

シシー ある皇后の運命の歳月 (1957)

シシー ある皇后の運命の歳月 オーストリアとハンガリーの皇后であるシシー(ロミー・シュナイダー)は、大好きなハンガリーに居着いてしまい皇帝フランツ(カール・ハインツ・ベーム)とはやや疎遠に。ところがシシーは急に病に倒れて、ギリシャに転地療養することになってしまうのだったが…

 シシーシリーズ(パッケージタイトルでは「エリザベート」シリーズ)の3作目にして完結編。シシーの独特なスマイル外交(?)を前面に出し、それに観光地巡りといったスパイスを加えたライト感覚のストーリー。しかし画面の作りはかなり重厚で、今回もオーストリアはもちろん、ギリシャやベネチアなどにかなりの数のエキストラ(しかも衣装も凄い)を繰り出して、観光スペクタクル映画大爆発といった雰囲気。つくづくこの時代は、映画が庶民の海外旅行を代用していたのだと思わせてくれます。

 途中のジプシー占いの言葉から、不吉な展開を心配させられたのですが…強引にこういう結末に持って行くのは、ある種の夢物語として妥当だってところかも。可憐なロミー・シュナイダーはこの映画のあとはプライベートで茨の道を歩むそうですが、スクリーンの中では幸せそう。映画の余韻よりも、そっちの思いの方が心に残りました。劇場未公開。

SISSI - SCHICKSALSJAHRE EINER KAISERIN
エルンスト・マリシュカ監督。1957年オーストリア映画。

2011年4月15日 (金)

若き皇后シシー (1956)

若き皇后シシー フランツ(カール・ハインツ・ベーム)と結婚して皇后となったシシー(ロミー・シュナイダー)。つかの間の乗馬を楽しんだりするが、夫婦ともども公務に謀殺される。そんなある日、シシーは懐妊して女の子ソフィーが生まれる。ところが大公妃は赤ちゃんの教育は自分が行うと取り上げてしまい、怒ったシシーは実家へ馬車を走らせるのだったが。

 「プリンセス・シシー」の続編で、物語は二人が結婚した直後からはじまる。ストーリーとしては嫁姑の争いという普遍的なテーマであり、それに夫の立場とかがからんで等身大の目線で映画を楽しむこともできる。しかし舞台はオーストリアの皇室である。いろんなしきたりやしがらみに囲まれて、君主って本当に大変だなと思わされる。途中でシシーを迎えに来たフランツが、国内を観光して山小屋に泊まったりするシーンもあるが、公務って数日抜けても大丈夫なのってちょっと拍子抜けしながらも、新婚旅行にも行ってない二人はこのくらいの息抜きは必要だよなって気分にさせられた。

 後半でちょっとわかりにくかったのが、シシーがいきなりハンガリーの皇后になってしまったこと。後から調べて、当時はハンガリーはオーストリアの一部であったことを知って納得。天真爛漫なシシーではあるけど、前作ほどはその良さが生かされてなくて、皇室では単なるわがままなお嬢様程度にしか思えなかったのが残念。もっとも実在のエリザベートは自由気ままでものすごい浪費家だったそうですが。

SISSI - DIE JUNGE KAISERIN
エルンスト・マリシュカ監督。1956年オーストリア映画。

2011年4月14日 (木)

プリンセス・シシー (1955)

プリンセス・シシー バイエルンで侯爵の娘として育ったシシー(ロミー・シュナイダー)は、皇帝フランツ(カール・ハインツ・ベーム)のお后候補となった姉ネネ(ウッタ・フランツ)の付き添いで都へ行く。ところが、活発なシシーを見たフランツはお互い一目惚れしてしまい…

 タイトルからもわかるように、シシーが皇帝の花嫁になるまでを描いたシンデレラ・ストーリー。オーストリアという歴史ある舞台に加えて、ほとんどのシーンが宮廷がらみなので豪華絢爛たる別世界は一件の価値がある。その中でも、活発で自由奔放に生きるシシーがうまく皇帝の目にとまるあたりが今時のアレンジである。

 物語としては定番のシンデレラストーリーでそれほど見るべきものはないけど、若き日のロミー・シュナイダーのきらきらした美しさをスクリーンにとどめているのは素晴らしいと思う。結果はわかっているんだけど、ついついシシーを応援したくなってしまうそういう映画。ラストの結婚式のシーンがあまりに長いのでちょっと面食らってしまったけど、オーストリアの王族の結婚式なんてそうそうお目にかかれるものではないのでこれはこれで映画として正解なのでしょう。

SISSI
エルンスト・マリシュカ監督。1955年オーストリア=西ドイツ合作。

2011年4月12日 (火)

フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白 (2003)

フォッグ・オブ・ウォー 第2次大戦、戦争終結のためには大量殺戮もやむなし、というルメイ大佐のもとで参戦したマクナマラ。その後はフォードの社長を経て、キューバ危機・ベトナム戦争時には国防長官となったマクナマラの独白を綴ったドキュメンタリー。

 戦犯とか戦争犯罪人という言葉があるけど、一歩間違えばそうなっていたであろうマクナマラ元国防長官の半生を描いたドキュメント。教訓めいた章を連ねて、大量殺戮の時代を生きた彼の言葉を重く取るべきなのか、それともただの殺戮者と見るべきなのかは難しいところ。ただし、あたり前のように日本での空襲による大量殺人、ベトナムでの枯れ葉剤作戦などを語り、法律が禁じていたらやらなかった、なんて問題じゃないだろうって突っ込みどころ満載である。

 映画を見ながらふと思い出したのが「ひとりを殺せば殺人者、戦争でたくさん殺せば英雄」という「殺人狂時代」でのチャップリンの言葉。その言葉をまさしく地でいったかのような映画である。

THE FOG OF WAR: ELEVEN LESSONS FROM THE LIFE OF ROBERTS. MCNAMARA
エロール・モリス監督。2003年アメリカ映画。

2011年4月11日 (月)

パララックス・ビュー (1974)

パララックス・ビュー 大統領候補ともなっている上院議員が暗殺され、新聞記者のフレディ(ウォーレン・ベイティ)は暗殺現場であるタワーに居合わせる。追い詰められた犯人はタワーから転落死し、公聴会は単独犯であると結論を出す。しかしタワーにいた人間はひとり、またひとりと謎の死を遂げ、調査を始めたフレディは謎のパララックス社の存在を突き止めるのだったが…

 ローレン・シンガーの原作を映画化。70年代の香りがぷんぷんする硬質のサスペンス映画。殺人請負業のパララックス社なんてちょっと考えたら荒唐無稽な話ながら、心理テストやらひところ流行った洗脳を思わせる映像やら、だんだんこういう組織があってもおかしくないなという気分にさせられてくる。

 で、潜入調査をしているはずのフレディが陥った罠はあっけないながらも妙にぽっかりと開いた様子がこれまたリアル。ラスト近く、イスが並ぶパーティ会場を縫うように走る担架はかなり印象的な名場面だと思う。ベイティくんは、何回も殺されかけているのにもうちょっと用心しろよと言いたくなるぞ。

THE PARALLAX VIEW
アラン・J・パクラ監督。1974年アメリカ映画。

2011年4月10日 (日)

市民ケーン (1941)

市民ケーン 億万長者で、新聞王のケーン(オーソン・ウェルズ)が亡くなった… ザナドゥと呼ばれる山の上の豪邸に、膨大な数の美術品と「バラのつぼみ」という謎の言葉を残して。そのニュースフィルムを作っていた編集者は、フィルムにさらに深みを加えるためにばらのつぼみの謎を追ってケーンの旧友のリーランド(ジョセフ・コットン)や過去に妻であったオペラ歌手スーザン(ドロシー・カミンゴア)にインタビューを行うのだったが…

 映画史上に残る傑作と言われる「市民ケーン」を実は初鑑賞。ただし古い映画だけにかなりのプリントの乱れというか、視聴環境の悪さゆえにそのすべてを見たとは言えない状況なのが苦しいところ。問題の「バラのつぼみ」の正体がわかるまでにラストの暖炉のシーンを何回かビデオを巻き戻してしまった。こんな見方って、映画にしちゃ反則だろうと思うけど。しかし初期のSFXしかない時代に、かなりの手をかけて撮影されたフィルムだということはよくわかる。アイディアと熱意がほとばしるといったところだろうか。

 物語は非常にアメリカ的で、アメリカン・ドリームを手にしながらも本当に欲しいものは何一つ手に入らなかった男の物語。いや、金で手に入るものには限度があるという、60年代あたりによく流行った社会的メッセージをそのまま焼き直したかのようにも思える。そう考えると先見性のあった映画と言えるかもしれん。

 しかしこの時代の名作の例外にもれず、あとで思いっきり手本にされ模倣にされているがゆえに、現代の鑑賞では半分ぐらいは風化しているかのように思える。凄い映画ではあるとは思うのだが、新たに見るとどこが凄いかわからないってのも正直なところである。

CITIZEN KANE
オーソン・ウェルズ監督。1941年アメリカ映画。

2011年4月 8日 (金)

欲望という名の電車 (1951)

欲望という名の電車 破産して家も失ったブランチ(ビビアン・リー)は妹のステラ(キム・ハンター)を頼ってやって来る。ステラには粗暴な夫(マーロン・ブランド)がいて、彼女の持ってきた衣服を物色する始末。しかし彼の戦友ミッチ(カール・マルデン)はブランチに好意を寄せるのだったが…

 テネシー・ウィリアムズの有名な戯曲の映画化。大好きな「ガラスの動物園」みたいなストーリーを想像したんだけど、冒頭から登場人物たちががなり合うかなり辛口の作品。それでもブランチの素性が明かされていないうちは普通のホームドラマとして見ていたんだけど、こんな救いようのない方向へと物語が転がっていくとは知らなんだ。テネシー・ウィリアムズ恐るべし。

 壊れたビビアン・リーの熱演は一見の価値あり。元々が綺麗な人だけに、余計に痛々しく感じられるんだろうなあ。彼女を単純に悪役やサイコととらえずに、その生い立ちや境遇に思いをはせることができるのがこの映画の素晴らしいところ。粗暴なマーロン・ブランドに、離れられないキム・ハンターなども妙にリアル。そしてカール・マルデンの受けた衝撃は、予備知識なくこの映画を見た自分としては同時に体験してしまった気分である。

A STREETCAR NAMED DESIRE
エリア・カザン監督。1951年アメリカ映画。

2011年4月 7日 (木)

トコリの橋 (1954)

トコリの橋 朝鮮戦争で横須賀基地へやって来た、元弁護士のパイロットであるハリー(ウィリアム・ホールデン)。彼を追って、妻のナンシー(グレース・ケリー)が娘を連れてやって来る。つかの間の休日、戦友のマイク(ミッキー・ルーニー)とケイコ(淡路恵子)のごたごたを助けたりと奔走するハリーだったが、やがて朝鮮にあるトコリの橋を爆撃するという危険な任務を引き受ける…

 ジェームズ・A・ミッチェナーの原作を映画化。日本を舞台にした戦争映画で、アメリカ海軍が全面協力したらしく登場する航空母艦から爆撃機までほとんどが本物と思われる。トコリの橋のセットのみが、ややちゃちに思えるがそれも見えるのはパイロットの視点からであるのでほんの瞬間。かえってリアルに思えてくる、見事なカメラワークである。大規模な爆撃のわりに死傷者3名、しかしもの悲しいラストは余韻が残る。

 日本でもロケが行われたらしいが、古い洋画の例にもれずかなり変な日本である。混浴のシーンなんかは絶句ものであったけど、考えたらアメリカ人が家族風呂に入るなんて経験は珍しいんじゃないだろうか。そう考えると味のあるシーンに思える。グレース・ケリーって相変わらず美しいし、緑の帽子をかぶったミッキー・ルーニーもかっこいいというか、なぜ彼を見るとほっとするのかが映画のラスト近くになってわかりました。

THE BRIDGES AT TOKO-RI
マーク・ロブソン監督。1954年アメリカ映画。

2011年4月 6日 (水)

タイタンの戦い (2010)

タイタンの戦い 漁師に拾われて育てられた、実は大神ゼウス(リーアム・ニーソン)の子であるペルセウス(サム・ワーシントン)。ところが人間と神の争いに巻き込まれて、育ててくれた家族を皆失ってしまう。神々に復讐を誓ったペルセウスは、冥界の王ハデス(レイフ・ファインズ)と無敵の怪物クラーケンを倒すために、メデゥーサの首を手に入れる旅に出るのだったが…

 ギリシャ神話の映画化…というよりは、81年制作のハリーハウゼンのコマ撮り特撮映画のリメイク。「タイタンの戦い」ってのは「アルゴ探検隊の大冒険」とかシンドバッドシリーズと並ぶ特撮クラシックかと思ってたんだけど、実は「スターウォーズ」などからもずっと後に制作されていたと知ってちょっとびっくり。あの時代にハリーハウゼンでは、当時の邦画特撮と同じくけちょんけちょんの評価だったんじゃないかと心配になってきます。

 というわけで、3Dで製作された本作だけど…CG全盛の時代だけに、迫力はあるんだけどストーリーの弱さも含めて10年も経ったら記憶の彼方に忘れ去られてしまうんじゃないかと心配になってくるような映画です。ギリシャ神話の神々って、日本の古代神たちと同じく人間くさいというか、どうしようもないキャラとして描かれているのが面白い。こんな神を崇めろと言われてもねぇ…

 クラーケンは大きいだけですっごくあっけない怪物だったけど、メデゥーサはなかなか怖い。大サソりは昔からハリウッドの怪獣映画には定番ですね。ちょっと「スターシップ・トゥルーパーズ」とかぶるものがありましたが。

CLASH OF THE TITANS
ルイ・ルテリエ監督。2010年アメリカ映画。

2011年4月 4日 (月)

ハンナとその姉妹 (1986)

ハンナとその姉妹 マンハッタンに住む3姉妹の長女ハンナ(ミア・ファロー)は落ち着いた性格だが、夫のエリオット(マイケル・ケイン)は3女のリー(バーバラ・ハーシー)が気になってしょうがない。そのリーは、年の離れた画家のソーホー(マックス・フォン・シドー)と同棲中だがしっくりいっていない。一方、次女のホリー(ダイアン・ウィースト)は友人(キャリー・フィッシャー)と仕出し屋をしながら俳優を目指すのだが、長続きしない性格で次は作家になろうと言い出すのだったが…

 ウディ・アレンの群像もので、最高傑作とする人も多い作品。しかしシェークスピアもジャズもあまり理解しない私にとっては、アレン映画はやっぱり否定的に見てしまうのであった。アレン自身も病気に対して神経質になっている男として出演しているんだけど、彼にどうにも感情移入できないってところが敗因だと思う。

 とはいっても、ミハ・ファローを筆頭とする3姉妹は何とも魅力的。この中の二人の間で揺れ動くマイケル・ケインの存在は、わからんでもないけど…やっぱり見ていて理性の方が勝ってしまうのか、煮えきらなさにいらいらとさせられてしまいました。

HANNAH AND HER SISTERS
ウディ・アレン監督。1986年アメリカ映画。

2011年4月 3日 (日)

エビータ (1996)

エビータ アルゼンチンで不遇な少女時代からタンゴ歌手の愛人となったエバ(マドンナ)。やがて陸軍大佐のペロン(ジョナサン・プライス)と知り合って結婚。ペロンが大統領になると共に、民衆の心をがっちりととらえたエバ・ペロンだったが…

 アルゼンチンの聖母と呼ばれるエビータ・ペロンをミュージカルで描いた話題作。作詞作曲はティム・ライス、アンドリュー・ロイド・ウェーバーというゴールデンコンビで、最初から最後までマドンナに加えて狂言回しのチェ(ゲバラ?)役のアントニオ・バンデラスが歌いまくるという映画。

 しかし…これはこれで良いのかもしれないけど、筆者としてはエビータ・ペロンものでは20代の時に見たフェイ・ダナウェイ主演の同名テレビ映画の印象が強烈で(劇場作品だと思っていて、テレビ映画だというのは最近知った)、この映画だけでは物語があまりに表面をなぞっただけで、エバがどうして民衆にあんなに支持されたのかがよくわからない、というのが正直なところである。

 まぁマドンナのミュージック・クリップだと思って見たらそれなりに見るべきものはあるとは思うのだが。それにも増して、アントニオ・バンデラスがあんなに熱く歌い踊るとは想像できなかった(ラテンの男だから当然なのかもしれないが)。

EVITA
アラン・パーカー監督。1996年アメリカ映画。

2011年4月 1日 (金)

ココ・アヴァン・シャネル (2009)

ココ・アヴァン・シャネル 母親を早く亡くし、父親に捨てられた少女ココ(オドレィ・トトゥ)は姉と共に孤児院で育てられる。キャバレーで歌手として働くうちにやがて人気が出てきて、富豪エティエンヌ(ブノア・ボールヴォード)の愛人となり本格的な歌手デビューを目指すのだったが、そこにイギリスの実業家ボーイ(アレッサンドロ・ニヴォラ)が現れて…

 エドモンド・シャルル・ルー原作、あの「シャネル」の創始者ココ・アヴァン・シャネルの半生を描いた伝記映画。といってもそこはフランス映画だけあって、成功して富も名声も手に入れた後半の人生はほとんど無視。ひたすら不遇な境遇に耐えながらも愛人生活を送るココにスポットを当てた映画である。

 しかしこの映画、見ながらかなりのデジャヴー感覚に見舞われたんだけど、何でシャネルの半生にそんなものを感じるのかがわからない。愛人になりながら成功のチャンスをうかがうという物語が、結構普遍的なテーマなんかな。フリフリの衣装が当たり前の上流階級で、機能的なスーツを取り入れたのが新しかった、というわけなんだけど、確かにこの時代においてはかなりの異端児だったんでしょうね。何事も、人のしないことをするってのは大変だけど成功すれば実も大きいものです。

 「アメリ」や「ダヴィンチ・コード」でおなじみのオドレイ・トトゥはやっぱ不思議な魅力を持った女優さんで、本作ではシャネルスーツが似合っていて若い頃のシャーロット・ランプリングを思い起こさせる。待てよ、ランプリング自身がシャネラーだったってわけかな。

COCO AVANT CHANEL
アンヌ・フォンテーヌ監督。2009年フランス映画。

2011年3月31日 (木)

バイキング (1957)

バイキング 8世紀のイングランド。北方民族のバイキングが攻めてきて、その族長のラグナー(アーネスト・ボーグナイン)はイングランド王を殺して妃を襲う。それから数十年、妃が産んだバイキングの子エリック(トニー・カーティス)はバイキングの捕虜となり、バイキングの子エイナー(カーク・ダグラス)の虐待を受けていた。ところが略奪した英国妃モーガナ(ジャネット・リー)とラグナーをさらったエリックは船で英国へ向け脱出するのだったが…

 8世紀のイングランドとバイキングの争いを描いた冒険活劇超大作。2時間弱と尺は短いながらも、海戦シーンをふんだんに盛り込み、ラストの城の攻略をめぐる戦いまで一気に見せてくれる。バイキング役のカーク・ダグラスとその父アーネスト・ボーグナインなどまさにはまり役で、蛮族ながらもどこか憎めなく魅力的な役柄を思いっきり見せつけてくれる。

 見所はやっぱり城壁での戦いかな。この斧をのぼるシチュエーションとか、城壁の上でのちゃんばらとかは後の映画にかなりの影響を与えてるのではないかと想像されます。

THE VIKINGS
リチャード・フライシャー監督。1957年日本映画。

2011年3月26日 (土)

TEKKEN 鉄拳 (2009)

Tekken 鉄拳 近未来の世界は国家が崩壊し、アメリカは巨大財閥「三島」が支配していた。その本拠地TEKKENシティのスラムで生きる仁(ジョン・フー)は、武術を教わった母・準(タムリン・トミタ)を目の前で鉄拳衆と呼ばれる部隊に襲われ爆死させられる。復讐を誓った仁は、三島財閥を牛耳る親子の三島平八(ケイリー・ヒロユキ・タガワ)と三島一八(イアン・アンソニー・デイル)が主催する格闘技トーナメントに参加するのだったが…

 日本製ビデオゲームを原作とする格闘アクション映画。ベタな展開かと思いきや、三島財閥の壮大な親子げんかがからんできたあたりからがなかなか面白かった。何よりも、サリーちゃんのパパかと突っ込みたくなるような三島平八に、濃いさ大爆発の一八親子は存在自体が漫画かと突っ込みたくなることうけあい。まぁトンデモ映画の1本だと思って、思いっきり楽しむのがこの映画の正しい鑑賞法でしょう。

 ちょっとうれしかったのは、「ベスト・キッド2」のタムリン・トミタがひさびさに見られたこと。すっかりおばちゃんになりながらも、きりっとした強さ、美しさを保っているのはさすがです。

TEKKEN
ドワイト・リトル監督。2009年アメリカ映画。

2011年3月25日 (金)

ゲーム (1997)

ゲーム ニコラス(マイケル・ダグラス)は48歳の誕生日に、弟のコンラッド(ショーン・ペン)からCRSという謎の会員制クラブの招待券を贈られる。不振に思いながらも、クラブのオフィスに出向くニコラス。その日は心理テストなどが行われるが、クラブの正体は不明。やがてニコラスの身辺にありえない事件が起こり始めて…

 デヴィッド・フィンチャーが「セブン」の次に撮った映画。しかしこの映画が公開されていた記憶が個人的にまったくないのは、あまり話題にならなかった作品のせいなのか、それともありきたりなタイトルで損をしているせいなのか…

■以下はネタばれあり、見てない方は読まないで…
 これって一言で言うと、壮大などっきりテレビ。しかも2時間ずっとどっきりが持続していて、フィンチャーならではの異様な緊迫感が続いていくのが何とも言えない。その間、観客はどっきりとは知らないわけだから謎が謎を呼ぶフラストレーションにふり回されるわけだ。何なんだ、何が起こっているんだ!?

 で、ひととおりどっきりが終結して感じるのは「そんあのありか?」 この結末にたどり付くまでの一本道が異様に細い。例えば、車ごと海に落ちて脱出できなかったらダイバーに助けられるそうだが、それでゲームオーバーだったのかとか、ニコラスが銃を片手にああいうふうに暴れなかったらどうなっていたのかとか、ビルから飛び降りて落ちる場所がちょっとでもずれてたらどうなっていたのかとか…

 そのたどってきた道があまりに細いだけに、綱渡りの末のラストはどう考えても納得できない。

 そして… あそこまでコケにされたあげくに、みんなを許して弟と抱き合って、なんて絶対にありえない。ビルから飛び降りるまで追い詰められたんだぞ。だいたい、マイケル・ダグラスがそんなに聖人に見えるか? こりゃある意味ミスキャストかも。

 とまぁ、「セブン」や「エイリアン3」をはじめて見た時に友人と同じようにいろいろぐちゃぐちゃと話し合ったのを思い出した。当時のデヴィッド・フィンチャー恐るべし。最近はずいぶんと丸くなったような気がするんだけどね。

THE GAME
デヴィッド・フィンチャー監督。1997年アメリカ映画。

2011年3月24日 (木)

第9地区 (2009)

第9地区 南アフリカに巨大宇宙船が漂着し、乗っていた大量の宇宙人が住み着いてスラムと化す。第9地区と呼ばれたその居住区を別の場所に強制移住させるために、MNUという組織に責任者として任命されたヴィカス(シャールト・コプリー)は住民に立ち退きのサインをさせる任務を負うが、彼らの持つ謎の液体を体にあびてしまい…

 あのピーター・ジャクソンがプロデュース。ドキュメンタリー・タッチで描いた不思議な味を持ったSF映画。「エイリアン・ネイション」の焼き直しみたいな内容なんだけど、巨大宇宙船がアドバルーンのようにぽっかりと浮かんだ空が何とも雰囲気を盛り上げてくれる。見所はやっぱりスラムと化した宇宙人居住区で、汚さやにおいまで流れてきそうな画面の作り込みはなかなかのもの。冒頭の10分ぐらいで、かなりの拒絶反応を示す方も多いのではないかと想像する。

 とはいっても、物語は中盤から人情ものの様相を呈してくる。主人公のエイリアンの父子に思うのだが、私はこういった父子ものに弱いのである。ラスト近くの宇宙船の発進シーンには、はからずにもほろりときてしまったぞ。で、何十年か後には宇宙船は帰ってくるのだろうかとか、あの親子の行く末とか、ヴィカスの本当の運命はとか、不思議な余韻があとをひく、これは隠れた名作ではないかと思うのであった。

DISTRICT 9
ニール・ブロンカンプ監督。2009年アメリカ=ニュージーランド合作。

2011年3月23日 (水)

アンボーン (2008)

アンボーン 女子大生のケイシー(オデット・ユーストマン)は不思議な幻覚を見るようになり、やがてベビーシッターをしている子供のマティ(アッティカス・シェイファー)が「ジャンピーは生まれたい」と謎の言葉を言って暴れる事件が起こる。実は彼女には生まれなかった双子の兄弟がいることがわかり、悪魔払いに詳しいセンダック(ゲイリー・オールドマン)に相談するのだったが…

 悪魔払いをテーマにしたどろどろのホラー。マイケル・ベイがプロデュースしているだけあって、暗い映画ながらもストーリーはアクション寄りで、後半の悪魔払いのシーンなどはそれなりのスペクタクルに仕上がっている。お面をかぶった犬とか、頭が反対についた人間とか、ジャパニーズ・ホラーでよく使われそうな小道具(?)が光る。そんなに怖いわけではないが。劇場未公開。

THE UNBORN
デヴィッド・S・ゴイヤー監督。2008年アメリカ映画。

2011年3月22日 (火)

バレンタインデー (2010)

バレンタインデー ロサンゼルスのバレンタインの一日。花屋のリード(アシュトン・カッチャー)は恋人のモーリー(ジェシカ・アルバ)にプロポーズしてOKをもらい上機嫌。その友人のジュリア(ジェニファー・ガーナー)は恋人の医者ハリソン(パトリック・デンプシー)がバレンタインにサンフランシスコ出張になり、彼をこっそり追いかけることを決める。同じ頃、ロスへ向かう飛行機で乗り合わせたホールデン(ブラッドリー・クーパー)と軍人ケイト(ジュリア・ロバーツ)はいい雰囲気になり、老夫婦エドガー(ヘクター・エリゾンド)とエステル(シャーリー・マクレーン)は重大な夫婦の危機を迎えるのだったが…

 ロスのとあるバレンタインの日の文字どおり一日の馬鹿騒ぎをこれでもかと具だくさんにオールスターで綴った群像映画。ロバート・アルトマンが作った…と言われたら信じてしまいそうな内容。これって、10本ぐらいの映画をぎゅっと詰め込んだような状態で、顔の知れたスターのオンパレードなのでストーリーは追いやすいのだが…やっぱ見終わったあとには何が何だかわからなくなっていることうけあいである。

 ちなみに、上記のプロットに書いた以外にも出ているのが、ジェシカ・ビール、ジェイミー・フォックス、アン・ハサウェイ、クィーン・ラティファ、エマ・ロバーツ、エリック・デイン、などなど。それぞれの恋の結末は…というと、実はよくわかんない人も数名。なんか、すごいもったいないね。ジェシカ・アルバも出番はものすごく少なかったし。

VALENTINE'S DAY
ゲイリー・マーシャル監督。2010年アメリカ映画。

2011年3月19日 (土)

しあわせの隠れ場所 (2009)

しあわせの隠れ場所 南部で4人家族の母のリー・アン(サンドラ・ブロック)は、雨の中を薄着で歩く黒人少年マイケル(クィントン・アーロン)を車に乗せる。夫のショーン(ティム・マッグロウ)、長女のコリンズ(リリー・コリンズ)、長男のSJ(ジェイ・ヘッド)の心配をよそに、彼を家族の一員として迎え入れようとするのだったが、マイケルは無口な上に学校の授業にもさっぱりついて行けない。ところが彼のずばぬけた身体能力に気がついたリー・アンは…

 マイケル・ルイス原作、実在のアメフト選手マイケル・オアーの実話に基づいた物語。これが完全な創作であれば、かなり斜めに見てしまっちゃうような物語なんだけど、事実というだけに感心して見るしかないってところか。何よりも、サンドラ・ブロック演じる肝っ玉母さんの、マイケル・オアーを見いだした才能というか直感というか偶然には驚かずにいられない。これが天性の才能だというのであれば、彼女はスポーツのエージェントやマネージャーをすれば大成するんじゃないかと思われる。

 いや、純粋な人間を見る目が、マイケルという少年を見いだしたと取るべきか。アメフトの才能は後からついてきたってとこなのかな。希薄な存在に見えて、しっかり彼女をバックアップしている夫のショーンもいいキャラだぞ。彼を自然に受け止めてしまう長女のコリンズとか、完全に仲良しのSJとか、世の中こういう家族ばっかりだったらとってもいいと思う。

THE BLIND SIDE
ジョン・リー・ハンコック監督。2009年アメリカ映画。

2011年3月18日 (金)

男と女の不都合な真実 (2009)

男と女の不都合な真実 ニュースバラエティ番組のプロデューサーのアビー(キャサリン・ハイグル)は、理想の恋愛相手を探すもことごとく失敗。ところが隣にイケメンの上にマッチョな医師コリン(エリック・ウィンター)が引っ越してきて、この人こそはと思う。視聴率アップのために番組にやって来た、下ネタ満載のパーソナリティーのマイク(ジェラルド・バトラー)のアドバイスに従って、彼とのデートに成功する。マイクを軽蔑するアビーは、ことごとく衝突するのだったが…

 てきぱき美人のキャサリン・ハイグルと、野趣あふれるジェラルド・バトラーが共演のロマコメ。乙女の夢ががらがらとくずれて現実の良さに気がつくというあたりに、男としてはこの映画に爽快感を覚えるのかもしれません。まぁジェラルド・バトラーは野趣たっぷりでかっこいいので、当然と言えば当然の流れではありますが、中盤で甥っ子との関係とか自身の恋への臆病さ(ここはもっと突っ込んでほしかったが)を見せるところがこの映画の落としどころだとは思いますが。

THE UGLY TRUTH
ルバート・ルケティック監督。2009年アメリカ映画。

2011年3月17日 (木)

インクハート 魔法の声 (2008)

インクハート 魔法の声 古い本の修復を仕事とするモー(ブレンダン・フレイザー)は娘のメギーと二人暮らし。実はモーには魔法舌という本のキャラクターを現実に呼び出すという特殊な才能があり、その妻は「インクハート」という本の世界へ連れ去られたのだという。とある町でその「インクハート」を見つけたモーだったが、本の世界から抜け出した魔王カプリコーンから逃れるために叔母エレノア(ヘレン・ミレン)の屋敷へとたどりつき…

 コルネーリア・フンケの原作を映画化。本のファンタジーの世界と行き来する特殊能力を持った男が主人公のアドベンチャー映画。しかし魔法舌って訳してしまうと、私は頭の中に牛タンが浮かんで(笑)すんなりと物語の世界に入り込んで行けなかったぞ。相変わらず目玉ぐりぐりのブレンダン・フレイザーは等身大の父親ではまり役。大叔母のヘレン・ミレンも貫禄たっぷりでいい雰囲気。

 しかしストーリーがなんだかなぁ。書いた世界まで、読めば現実になるというのであれば…世界は意のままってことか。まぁ強力な魔法なんて手に入れてしまえばそんなものかもしれないけど、魔法に制約が少ないだけに乗り切れない後半とクライマックスでありました。劇場未公開。

INKHEART
イアン・ソフトリー監督。2008年アメリカ映画。

2011年3月 8日 (火)

セントアンナの奇跡 (2008)

セントアンナの奇跡 1983年のニューヨークのとある郵便局、局員のヘクター(ラズ・アロンソ)が客を射殺するという事件が発生する。しかもヘクターの家からは、行方不明になっていたイタリアの美術品・大理石の頭部が発見される。時は遡って第2次大戦末期のイタリアトスカーナ地方。黒人部隊として組織されたバッファロー・ソルジャーにヘクターの姿があった。他のメンバーはスタンプス軍曹(デレク・ルーク)、ビショップ軍曹(マイケル・イーリー)、トレイン上等兵(オマー・ベンソン・ミラー)など。ところが、黒人を良く思わない上長のせいで彼らは孤立してしまい、トレインはアンジェロという少年(ルイジ・ロ・カーショ)を救ってとある村へ転がり込むのだったが…

 サスペンスに見せかけて、なんと戦争映画。しかしスパイク・リー監督だけに一筋縄ではいかず、差別されながらもお国のために戦うことを余技なくされた黒人たちの物語である。大理石像が何を意味するかは最後まで明かされないままだったけど、それを狂言回しに感動のラストまでどどどどどっとストーリーは進む。ちょっぴり苦手なスパイク・リー作品にしては、すんなりと入り込めた不思議な作品である。

 群像劇のように見えて、ストーリーが黒人兵トレインとアンジェロ少年との関係にいい具合に絞り込まれていたところが勝因かな。大虐殺のシーンを見せつけられたあとで冒頭のニューヨークの殺人へと戻るのは納得の展開なのかもしれないけど、やっぱり虐殺→復讐ときて後の感動シーンでは、手放しで喜べないってのが正直な感想。「これが僕らの少年時代だ」という台詞があったけど、こういうのを見てると戦中派と戦後生まれは決定的に違うってのがわかるような気がする。

MIRACLE AT ST.ANNA
スパイク・リー監督。2008年アメリカ=イタリア合作。

2011年3月 6日 (日)

ザ・パッケージ 暴かれた陰謀 (1989)

ザ・パッケージ 暴かれた陰謀 冷戦時代の西ドイツベルリン。囚人兵トーマス(トミー・リー・ジョーンズ)のワシントンへの護送を命じられたたたき上げの軍曹ギャラガー(ジーン・ハックマン)だったが、寸前のところで逃げられてしまう。折しもワシントンでは、核兵器廃絶の条約が米ソ首脳のもとで結ばれようとしていた。陰謀を感じ取ったギャラガーは元妻で軍人のアイリーン(ジョアンナ・キャシディ)に協力を求めるのだったが…

 B級になる一歩手前で踏みとどまっているかのような、ポリティカル・サスペンス映画。邦題でかなり損している部分もあるとは思うのだが。ハックマン演じるギャラガー軍曹は、冒頭でも偽警察にだまされる失態、囚人護送でもはめられておいおい逃げられると、いいところなし。頭よりも体で解決するタイプだと、すりこまれて見てしまったのでラスト近くの大活躍はちょっと嘘っぽく感じてしまった。

 「ジャッカルの日」でも思ったんだけど、要人狙撃は狙撃手の後方をきちんとかためておけば、成功率が上がるってわけではないんかな?

THE PACKAGE
アンドリュー・デイヴィス監督。1989年アメリカ映画。

2011年3月 5日 (土)

リリィ、はちみつ色の秘密 (2008)

リリィ、はちみつ色の秘密 幼い頃に銃の暴発で母親を失ってしまったリリィ(ダコタ・ファニング)。桃園で父親Tレイ(ポール・ベタニー)と共に暮らしているが、家政婦で友人のロザリン(ジェニファー・ハドソン)が白人に乱暴されたのをきっかけに、二人で家出をする。行き先は、母の持ち物の中に書いてあったティブロンという地名。たどりついたティブロンのドラッグストアで見かけた蜂蜜をきっかけに、3姉妹メイ(ソフィー・オコネドー)、ジューン(アリシア・キーズ)、オーガスト(クィーン・ラティファ)が営む養蜂家で世話になることになったのだが…

 ずいぶんと大きくなったダコタ・ファニング(14歳?)の主演作。母親を撃ち殺してしまった少女という難しい役。さらに黒人の参政権問題とかややこしい背景を持っているにもかかわらず、この映画を爽やかにしているのは超いやし系のクィーン・ラティファのなせる技かも。ああいう女性は、どーんと存在しているだけでいいんです、と見ていてそういう気になってきます。

 おまえたち、本当に姉妹かと突っ込みたくなるような、メイ・ジューン・オーガストの3姉妹がまったくタイプが違うってのも面白い。オーガスト以外でも凛としたジューン、繊細なメイとみんな印象に残ります。メイ役ソフィー・オコネドーの仕草って、どこか深津絵里に似てるぞ。

 ひょっとしてこれ、原作のスー・モンク・キッドの私小説ではないかと思って調べてみたけど、わからなかった。彼女は弁護士になったザック(トリスタン・ワイルズ)に再会できたんかなぁ?

THE SECRET LIFE OF BEES
ジーナ・プリンス・バイスウッド監督。2008年アメリカ映画。

2011年3月 3日 (木)

ユージュアル・サスペクツ (1995)

ユージュアル・サスペクツ カリフォルニアで船の爆発事件が起こり、27人が死んで、生き残ったのは二人。原因はコカインをめぐる争いで、生き残りの一人ロジャー(ケヴィン・スペイシー)は尋問中だった。事件の6週間前、銃器強奪の容疑で5人の男(ガブリエル・バーン、スティーヴン・ボールドウィン、ベニチオ・デル・トロ、ケヴィン・ポラック、K・スペイシー)が常連容疑者(ユージュアル・サスペクツ)として逮捕されていた。釈放された5人は意気投合して、汚職警官が禁制品を運ぶパトカーの強奪を企てるのだったが…

 かなりこみ入ったストーリーの犯罪推理映画。最初から人物と名前をしっかり覚えていかないと、ストーリーに取り残されてしまうことうけあい。oga.はリモコン片手に時々巻き戻しながら見てしまったけど、劇場ではそんなことできないので要注意。しかしそのわりに、オチは凡庸だった気がしないでもない。でももうひとひねりされると、さらにストーリーから置いて行かれるかも。

 雰囲気で言うと、デ・パルマの「スネーク・アイズ」あたりが好きな人ならぴったりかも。ふてぶてしい連中のだまし合い映画なんだけど、軽快感と爽快感に乏しくて個人的には肌に合わなかったってところ。伝説の人物「カイザー・ソゼ」の盛り上げ方はいいんだけどなぁ…惜しい。ミステリーファンがあんまり期待せずに見たら面白いかもしれないけど、普通の人が予備知識なしに見たら…確実に取り残されるかも(笑)。

ブライアン・シンガー監督。1995年アメリカ映画。

2011年2月28日 (月)

イーグル・アイ (2008)

Eagle_eye コピーショップの店員のジェリー(シャイア・ラブーフ)は兄の急死の知らせを受ける。ところが彼の口座に突然大金が振り込まれた上に、武器や戦闘機のマニュアルが送りつけられ、さらに逃げよと言う女の声の電話を無視していると当局に逮捕されてしまう。同じ頃、シングルマザーのレイチェル(ミシェル・モナハン)は息子の命を助けたければ命令に従えという電話がかかってきて…

 謎の女の声の電話に翻弄される男女を描いた、サスペンス・ノンストップ・アクション映画。スピルバーグ印だけに派手な映画で、彼らを追う捜査官にロザリオ・ドーソン、ビリー・ボブ・ソーントンなど、配役も豪華な映画である。

 いわゆる監視ものの映画で、「エネミー・オブ・アメリカ」のパワーアップ版といったところ。しかも今回は、インプットされた情報に関する判断が非常に早くて人間たちを手玉に取るあたりが現実離れしていて「こんなのありか」などと思ってたら、なるほどそういうオチでしたか。コワイ怖い未来です。

 「デモン・シード」とか「ウォー・ゲーム」とか…こういう映画は絶えることなく作られていくんでしょうね。コンピューターによるオンライン社会が発展していく限り。

D・J・カルーソー監督。2008年アメリカ映画。

2011年2月26日 (土)

サロゲート (2009)

サロゲート 実に人類の9割が「サロゲート」という遠隔操作ロボットを使うようになり、自身は自宅に引きこもってしまった未来。このロボット「サロゲート」の開発者の息子のサロゲートが惨殺され、同時に操縦していた持ち主キャンター(ジェームズ・フランシス・ギンティ)までもが怪死する事件が起こる。FBI捜査官のトム・グリアー(ブルース・ウィリス)とジェニファー(ラダ・ミッチェル)は事件を追うのだが、そこにはサロゲートの開発者キャンター博士(ジェームズ・クロムウェル)と謎の予言者(ヴィング・レイムス)の影がちらつくのだったが…

 「マトリックス」を裏返しにしたような、究極の引きこもり映画。自宅からまったく出ることがなくなった未来の物語。こんなことしてたら、人類総運動不足になるんじゃないの。いやいや、体力ばかりでなく生殖能力も落ちて人類滅亡の危機に陥るんじゃないかと、いらん心配が頭によぎってしまった。

 まあつるんとした顔で髪があるブルース・ウィリスよりも、毛のないウィリスの方が数段魅力的というのは正直な感想。もうひとつ、ウィリスの妻役のロザムンド・パイクも老けた顔の方がかわいく感じられたのも、映画の意図に沿ってたのかな。突っ込みどころは満載だけど、スピーディーなアクションとB級テイストたっぷりで、ひさびさに楽しめるSFアクション映画でした。

ジョナサン・モストウ監督。2009年アメリカ映画。

2011年2月24日 (木)

恋するベーカリー (2009)

恋するベーカリー 夫ジェイク(アレック・ボールドウィン)と別れてベーカリーを経営するジェーン(メリル・ストリープ)は女手一つで3人の子供たちを育て上げる。ところが息子の卒業式でジェイクと鉢合わせになったジェーンは、夫と一晩だけよりを戻すのだったが…

 年下の女に走って妻と家族を捨てた男とのどろどろ不倫物語…になるはずなんだけど、妙にからっとさらっと仕上がっているのはメリル・ストリープとアレック・ボールドウィンという大人のカップルの成せる技? しかも本能のままに生きるジェイクのコメディ・パートが妙におかしくて、この優柔不断男を意外と暖かい目で見てしまうんだよな。そう考えると、三角関係の相手役となるスティーヴ・マーティンはちょっと分が悪い。彼のお得意とするコメディ・パートもすっかり封じ込められてしまっているし。

 とはいっても、キャスティングではスティーヴの方が上なのがちょっと注目点なのかも。子供たちにとっては、この三角関係はどう転んでほしいかは複雑なところでしょうね。なお、映画タイトルがベーカリーにもかかわらず、意外とベーカリーが本編にからんでないのが不満といえば不満でありました。

ナンシー・マイヤーズ監督。2009年アメリカ映画。

2011年2月22日 (火)

スパイ・ゲーム (2001)

スパイ・ゲーム CIA工作員のビショップ(ブラッド・ピット)は中国でスパイ容疑で逮捕される。その知らせを受けた彼の上司であり、今は引退しているミュアー(ロバート・レッドフォード)はCIA本部に呼び出しを受ける。彼はかつてのビショップの活躍に関して語り、彼の救出計画を模索するのだったが…

 トニー・スコット監督ならではのなんとも渋くスタイリッシュなスパイ映画。中国で逮捕された工作員をめぐり、過去と現在が入り乱れた構成はなかなかのスケール感で、まどろっこしいようで実はしかるべき手順を踏んでいるというところがなんともいい。しわくちゃに老けてしまったロバート・レッドフォードが、ほとんどCIA本部から出ることがないくせに世界を飛び回っている過去を語りまくるあたりが、饒舌さを感じさせる。

 雰囲気でいったら、ゴルゴ13あたりの劇画がそのまま動き出したといったところかな。「ワールド・オブ・ライズ」も思わせるけど、ストーリーの面白さはこちらの方が数段上。チョイ役だけど、シャーロット・ランプリングも出ていて画面を引き締めてます。

トニー・スコット監督。2001年アメリカ映画。

2011年2月18日 (金)

アニー・ホール (1977)

アニー・ホール コメディアンのアルビー(ウディ・アレン)は歌手の卵アニー(ダイアン・キートン)と意気投合して同棲生活をはじめる。ところがうまくいっていたのは最初のうちだけで、やがて2人の間にはどうしようもない溝ができはじめる。ニューヨークにこだわるアルビーと、開放的なカリフォルニアでの生活を夢見るアニーはやがて別離への道をたどるのだったが…

 ウディ・アレンの最高傑作という声もある作品で、アカデミー作品賞・主演女優賞・監督賞などを取った作品。しかし今見てみると…どうにもよく理解できないってのが正直な感想。男と女のすれ違いを描いてはいるのだが、普遍的な内容すぎてどうにもおもしろみを感じることができない。特に主人公のアルビーってのがどうしようもないヤツで、神経質そうなところが昔の封じ込めてしまった自分を見ているようでとても嫌な気分にさせられる。それが決定的にこの映画が好きになれない部分かも。

 突然、独白をはじめたり、人間が分裂してみたりと、面白いシーンはいろいろあるんだけど。アレンの映画は、好きな作品とダメな作品が私的にははっきり分かれるようです。

ウディ・アレン監督。1977年アメリカ映画。

2011年2月17日 (木)

黄金の7人 1+6 エロチカ大作戦 (1971)

黄金の七人 1+6 エロチカ大作戦 シシリーで問題を起こしてベルガモの街へやって来た若者(ランド・ブッツァンカ)が、上流階級の婦人ココ(ロッサナ・ポデスタ)に執事として雇われる。ところが彼は睾丸が3つある絶倫男で、メイドたちをはじめ次々とまわりの奥様たちに手を出していくのだったが…

 黄金の7人の番外編…というよりは、マルコ・ヴィカリオ監督と夫人のロッサナ・ポデスタ主演というだけであとはまったく黄金の7人とは関係がない別物の映画。かつてはこういう作品を続編扱いして観客を騙す(笑)ことが多かったんだけど、今考えるとそれも楽しい思い出というか、古き良き時代の笑い話って気がいたします。

 ストーリーはまったく単純なもので、シチリアからやってきた絶倫男が上流階級の婦人たちを次々とものにしていくも、ある事件が起こってしまい年貢をおさめてしまうというもの。エロティックな内容なはずなんだけど、現代のレベルからしたらまったくエロティックでないのが面白い。ロッサナ・ボデスタもシルヴァ・コシナも露出はすっごくひかえ目。まぁ主役というか、肝心の3つ玉が見られないんじゃどうしょうもない(見たくもないけど)。

マルコ・ヴィカリオ監督。1971年イタリア映画。

2011年2月15日 (火)

ふたりの男とひとりの女 (2000)

ふたりの男とひとりの女 チャーリー(ジム・キャリー)は善良な白バイ警官だったが、ある日最愛の妻にいけ好かない黒人の男と逃げられてしまう。残されたのは、3人の黒人の息子たち。彼らを大きく育てたチャーリーだったが、ある日任務でアイリーン(レニー・ゼルウィガー)を他州に届ける任務につく。ところが彼は、日頃の鬱憤からか2重人格の病気が前に出て来て…

 ファレリー兄弟監督、ジム・キャリー初期のコメディで、競演はこれまた初期のレニー・ゼルウィガーという今見ると結構豪華な映画。かなり毒々しい内容なんだけど、女房が置いていった黒人の3つ子を大事に育てるあたりがなんとも泣かせる。さらにこの3人が口は汚いながらもいい子に育ってるんだよなぁ。こういうの見てると、世の中って何がどう転んで幸福になるのかわからなくなってしまいます。

 それにしても、この4人を残して悪びれもせずに出て行ってしまう鬼嫁って一体… 連れ出す男も男なんだけど、このあたりは映画のストーリー的にはおとがめなしってのはちょっと腑に落ちないぞ。ジム・キャリーは二重人格の男を、持ち前の顔芸で楽しそうに演じておりました。

ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー監督。2000年アメリカ映画。

2011年2月14日 (月)

マックス・ペイン (2008)

マックス・ペイン 強盗に妻子を殺されたニューヨークの刑事マックス・ペイン(マーク・ウォールバーグ)は、迷宮入り事件の書類係に身を置きながら、復讐の機会を狙っている。ところがドラッグの取引現場で知り合ったナターシャ(オルガ・キュリレンコ)が殺されたことから、事件の裏に製薬会社の陰謀があることを知り…

 タイトルからしてホラー系の映画かと思いきや(痛さ最大?)、パソコンゲームを原作としたハードボイルド・アクションであった。主人公の名前が「マックス・ペイン」。途中に羽根の生えた悪魔が降りてくるシーンがありやっぱりホラー映画かと思わせるが、ドラッグによる幻覚のようである。予備知識なく見ると、途中まで映画のジャンルさえ読めなかった。面白い演出である。このダークなハードボイルドの元がパソコンゲームなんて、一体どんな内容なんだろうか?

 ヒロインのオルガ・キュリレンコは007のボンドガールですね。出番が少なくてとってももったいなかった。途中からその姉のモナ(ミラ・クニス)が登場するんだけど、思ったほど華がないのがちょっと難点。マーク・ウォールバーグはこのところちょくちょく見るけど、作品が小粒なせいか彼自身の存在感も薄くなっていってるような気がいたします。そうそう、すっかりおっちゃんになっちゃったボー・ブリッジスも出てます。

ジョン・ムーア監督。2008年アメリカ映画。

2011年2月12日 (土)

ダレン・シャン (2009)

ダレン・シャン 蜘蛛が大好きな高校生のダレン・シャン(クリス・マッソグリア)は友人のスティーヴ(ジョシュ・ハッチャーソン)と共に「シルク・ド・フリーク」という見せ物小屋を見に行く。ところがダレンは、中年吸血鬼のラーテン(ジョン・C・ライリー)が飼う蜘蛛マダム・オクタが気に入って盗んできてしまい、よりにもよって友人のスティーヴはその蜘蛛に噛まれて瀕死の重傷を負う。友人を救う交換条件としてハーフ・ヴァンパイアになったダレンは、ミスター・トール(渡辺謙)を団長とするシルク・ド・フリークに仲間入りして少女レベッカ(ジェシカ・カールソン)とも仲良くなるのだったが…

 イギリスの作家ダレン・シャンの原作を映画化。子供が買った小説版とコミック版が家にあった(私は未読だが)のと、渡辺謙が出演しているということで日本のファンタジー小説かコミックだと思っていたんだけど、原作はイギリスでした。しかも作者名と主人公の名前が同じってのはちょっと混乱するかも。

 内容は、武闘派のヴァンパニーと穏健派のヴァンパイアの戦いに2人の少年が巻き込まれていくというもの。友人のスティーヴの方が悪役に回ってしまうんだけど、元々は主人公のダレンが蜘蛛を盗んだことがすべての発端というのが複雑なところである。個人的には、どっちもどっちに思えてどちらにも感情移入できなかった。

 序盤の見せ場はシルク・ド・フリーク奇怪なサーカスなんだけど、トッド・ブラウニングの映画「フリークス」再来を狙ったのかビジュアル的にはかなり強烈。しかしフリークスたちがみんないい人ってのは今も昔も変わらず、このサーカスに安らぎを感じるのはわからなくもない。

 渡辺謙の団長は、特殊メイクも似合っていてなかなかケレン味たっぷりでかっこいい。ダレンを助けるラーテンが一見さえない中年男なのと、ヒロインがあかぬけてないあたりが新鮮かな。チョイ役だけどウィレム・デフォーやサルマ・ハエックも出てます。

ポール・ワイツ監督。2009年アメリカ映画。

2011年2月10日 (木)

スペル (2009)

スペル 銀行員のクリスティン(アリソン・ローマン)は、ローンの返済を待ってくれとたのんできた老婆(ローナ・レーヴァー)を、ルール通りに断る。その日の帰りがけに老婆に襲われたクリスティンは、不気味な呪文をかけられてしまう。やがて、彼女のまわりに怪奇現象が起こり始め、クリスティンは恋人のクレイ(ジャスティン・ロング)と共に霊媒師に助けを求めるのだったが…

 本来はホラー映画の巨匠だったサム・ライミ監督ひさびさのスプラッタ系ホラー映画。この盛りだくさんの内容を見てると、サム・ライミってホラーが撮りたくて結構たまってたんじゃないかって気にさせられます。おかず満載で、最後まで楽しませてくれます。気持ち悪いけど。

 内容は至って正統派で、スティーブン・キングの原作かと思ったら違いました。老婆の扱い方がキングっぽいし、呪いのかけ方もキングっぽいです。単にスプラッティーなシーンが用意されているのではなくて、どっちかというと食欲をなくしそうなシーンが満載なので要注意です。

 アリソン・ローマンって、あの「マッチスティック・メン」でニコラス・ケイジを翻弄した少女ですね。今回はすごく等身大な主人公を演じてて、特に最後の呪い返しのシーンなんかは完全に感情移入して見てしまいました。逆恨みの老婆はただただコワイ。金の貸し借りは、銀行といえどもつくづく恐ろしいものです。

サム・ライミ監督。2009年アメリカ映画。

2011年2月 8日 (火)

シャーロック・ホームズ (2009)

シャーロック・ホームズ 19世紀のロンドンで、若い女性が被害者の連続殺人事件が起こる。事件を調べるシャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr.)は友人の医師ワトソン(ジュード・ロウ)と共に犯人のブラックウッド卿(マーク・ストロング)をつかまえる。絞首刑になったブラックウッドだったが、彼が墓から抜け出したという噂が広まり…

 言わずと知れたコナン・ドイル原作の推理小説を映画化。ホームズは武道の心得があるというところをかなりふくらませた、跳んだりはねたりのアクション編のホームズ物語となっている。オカルトな味付けと見せ場の連続は、スピルバーグが製作した「ヤング・シャーロック」を思わせるものがあるけど、加えてロンドン名物の鉛色の空と、作りかけのロンドン橋(3丁目の夕陽の影響か?)とケレン味たっぷり。

 ホームズとワトソンの、凸凹コンビぶりも面白い。こりゃイギリスというよりも、アメリカの警官コンビって感じだな。ホームズの小説はひととおり読んだけど、こんなのもありだろうなってことで私は違和感はなかったぞ。

ガイ・リッチー監督。2009年アメリカ映画。

2011年2月 7日 (月)

ブライダル・ウォーズ (2009)

ブライダル・ウォーズ 子供の頃からプラザホテルでのジューンブライドを夢見てきた弁護士のリヴ(ケイト・ハドソン)と教師のエマ(アン・ハサウェイ)。偶然彼氏からプロポーズされる時期が重なった2人だったけど、ウェディング・プランナー(キャンディス・バーゲン)の手違いでなんと2人の結婚式の日取りが重なってしまう。お互い一歩も譲れずに、同じ日の結婚式を決める2人だったが、その関係はこじれにこじれて…

 女の子の夢…結婚式にまつわる騒動を描いたコメディ。これって笑えるか笑えないかは、人によってかなり微妙じゃないかと想像いたします。個人的には「勝手にやってろよ」という気分になってくるんだけど、一生に一度の結婚式はやっぱり女性が主役で男性は添え物です。命をかけてる彼女たちを単純に笑いとばしてしまうことはできません(笑)。

 ケイト・ハドソンって、どうしても母親のゴールディ・ホーンと比べちゃって悪いんだけど、芸風はとっても似てるながらも思ったよりも華がないのが難点。最初に登場した時に、彼女が主役だと気づかなかったぞ。食べ続ける女って役柄は似合ってるけど。アン・ハサウェイは典型的なミス・ユニヴァース顔というか、顔の具が大きいです。頑張ってコメディしてますって雰囲気をちょっとだけ感じました。

 対する男性陣の存在感のなさは、結婚式というものの本質を如実に物語っておりました。2人の花婿は、ぼーっと見てたらどっちがどっちかわからなくなりそうだった。あんな彼女たちを冷静に見ているあたりは、将来良い夫になるんだろうなとは思うが。

ゲイリー・ウィニック監督。2009年アメリカ映画。

2011年2月 5日 (土)

私の中のあなた (2009)

私の中のあなた アナ(アビゲイル・ブレスリン)は白血病の姉ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)のドナーとなるべく遺伝子操作で生まれてきた女の子。姉思いのアナではあったが、ある日弁護士のキャンベル(アレック・ボールドウィン)を雇い腎臓移植のドナーになることを拒否すべく両親(キャメロン・ディアス、ジェイソン・パトリック)を訴える。

 ジョディ・ビコーの原作を映画化。ドナーとなるべく生まれた女の子…というものすごい設定の主人公のドラマである。自己責任の国アメリカではこういうのもありなのかと想像するが、責任のとれる母親はともかく、生まれてきたアナの運命はどう考えたらいいんだろう。かといって母親が全面的に悪者ってわけではなく、子供を救うためのぎりぎりの選択というあたりはかなりの共感を持って見てしまった。この立場、自分がドナーになれないっていう悔しさは想像できないほど大きい。

 この映画で特筆すべきは、姉ケイトの初恋物語。娘(息子)の余命わずかとなると、何をしてあげたいかというときっと恋愛させてあげたいと思うかもしれない、なんて思って見ていると、画面の中では同じような展開が。坊主頭のテイラー(トーマス・デッカー)がかっこいいです。まったく唐突に挿入されかたのようなエピソードだけど、この部分が物語をぴりりと引き締めて印象的にしています。

 アビゲイル・ブレスリンは「幸せの1ページ」の女の子ですね。相変わらず芸達者なんだけど、今回は坊主頭での熱演が光るソフィア・ヴァジリーヴァの方に目が釘付けになりました。キャメロン・ディアスはやっぱコメディの人なので、こういったシリアスものはイメージが付いていかないかも。

ニック・カサヴェテス監督。2009年アメリカ映画。

2011年2月 4日 (金)

続・黄金の7人 レインボー作戦 (1966)

7_oro_2 懲りずに金塊を狙って銀行を目指してトンネルを掘る6人(ガストーネ・モスキン、ガブリエル・ティンティ、ホセ・スアレス他)と教授(フィリップ・ルロワ)、愛人ジョルジュ(ロッサナ・ボデスタ)だったが、作業途中にアメリカの秘密機関に拉致されてしまう。実は教授とアメリカの裏取引で、南米の某反米国家の活動資金である金塊を彼らが狙うことになったのだが…

 「黄金の7人」の正当な続編で、メンバーはそのまま。音楽も一部そのまま。しかも銀行強盗の手口もそのままと思わせて、気がついたら中米の某国へ舞台が移る展開は見事。一体なにが目的なのかはしばらく明かされないんだけど、タイトルからもわかるように目的はやっぱり金塊。かくして南米某国と黄金の7人との化かし合いがスタートするのだったが。

 今回のポイントは、某国の将軍とジョルジュの化かし合い…というかジョルジュのお色気攻撃に完全に蛇の生殺し状態で撃沈される将軍が面白おかしいコメディパートとなっている。そのぶん、メンバーの裏切り裏切られの化かし合いはトーンダウンしている。

 ここまで黄金にこだわる彼らの問題点は…あんだけかさばるブツを、どうやって奪うというか持ち去ってしまうかに尽きるんじゃないかな。結局、あるべき黄金は最後まであるべき場所におさまっていて、その場所を移動させるだけのために7人+1人は右往左往しているわけなのだ。

マルコ・ヴィカリオ監督。1966年イタリア映画。

2011年2月 3日 (木)

黄金の七人 (1965)

黄金の七人 ジュネーブにあるスイス銀行の前に、道路工事の車がやって来る。乗っているのは大泥棒の6人(ガストーネ・モスキン、ガブリエル・ティンティ、ホセ・スアレス他)。彼らを無線で指揮するのは、教授と呼ばれる男(フィリップ・ルロワ)とその愛人ジョルジュ(ロッサナ・ボデスタ)。トンネルを掘って7トンの金塊の持ち出しに成功した彼らだったが、実は教授はジョルジュと2人で金塊を持ち逃げすることを考えており…

 懐かしい…ってのはアルマンド・トロヴァヨーリのテーマ音楽で、実は中身には初めてお目にかかった65年製作のイタリア製コメディ。さすがイタリアだけあって、原色ばりばりの凄い色遣いの画面に、子供向けアニメを思わせる秘密兵器の数々。物語の半分くらいは金塊強奪の話なんだけど、後半は裏切り裏切られてぐちゃぐちゃ。そこに紅一点のロッサナ・ボデスタのお色気攻撃と、とにかく1回見たら脳細胞に強烈にすり込まれるアクの強い映画である。

 しかし、あれだけ裏切り裏切られてぐちゃぐちゃになりながらも、またまたチームを組んでしまう脳天気さってのは一体何なんだろう。彼らは正真正銘の仲良しなんかもね。

マルコ・ヴィカリオ監督。1965年イタリア映画。

2011年1月31日 (月)

ティーン・ウルフ (1985)

ティーン・ウルフ 高校生のスコット(マイケル・J・フォックス)はバスケットボールの選手ながらもぱっとせず、片思いのパメラ(ロリー・グリフィン)にも相手にされない。ところがある日自分の身体が狼に変身することを知ったスコットは父親のハロルド(ジェームズ・ハンプトン)に相談すると、実は父も狼男だったことを知る。そしてバスケットの試合で興奮したスコットは狼男に変身するが、その大活躍で人気者になってしまい…

 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でマイケルが大人気だった頃に公開された学園コメディ。冒頭の「じんましんだろうか」と悩むマイケルのメイク(?)が妙にリアルで見ていてかゆくなってきた。逆に狼男に変身してからは、逆にリアリティがなくてちょっぴり興ざめ。しかし怖さはないのでホラーが苦手な方でも安心して楽しめる内容。

 幼なじみのブーフ(スーザン・アーシティ)とパメラとの三角関係は、もう完全に結末ばればれ状態なんだけど、ブーフのキャラクターの良さで完全にカバーされている感じ。スコットの父ハロルドとブーフがバスケットで遊ぶださださのシーンは、ある意味名場面ではないかと思う。野心家の友人スタイルズ(ジェリー・レヴィン)もいいキャラです。ただし細かいところはいいんだけど、狼を封印して頑張るラスト・シーンはあれで勝ててしまえるなら、ちょっとお手軽過ぎる感じかな。

ロッド・ダニエル監督。1985年アメリカ映画。

2011年1月30日 (日)

シテール島への船出 (1983)

シテール島への船出 映画監督のアレクサンドロス(ジュリオ・ブロージ)はオーディションを行っているが難航する。偶然であった花売りの老人に(マノス・カトラキス)にインスピレーションを感じたアレクサンドロスだったが… 場面は変わって、ロシアに亡命した父スピロを待つアレクサンドロス。母カテリーナ(ドーラ・ヴァラナキ)と共に父を迎えるが、歓迎する家族とうまくいかなかったスピロは再び家を出て行く…

 ギリシャのアンゲロプロス監督の映画の中でも評価の高いものなので、心して見たのであったが… 芸術映画特有の語り口の舌足らずなところに足をすくわれてしまった。冒頭の映画のオーディションから、劇中劇と思われる父を待つシーンへ移る部分がよくわからなかったので、置いて行かれたってところかな。

 ロシアへ亡命した父やら、それを迎える村人たちとのやり取り。実は父はロシアにも家族があってという部分などは心情的には不変なものはあるのかもしれないけど、やはり社会的背景とかを知らないと完全に置いてけぼりにされるんじゃないかと思います。

 それにしても、法律上のことかもしれないけど、入国も出国もできない老人を筏みたいなものにつなぎとめておくってのはいかがなもんか。それがギリシャかロシアか知らないけど、当時の社会情勢を反映してるってことなんかな。

テオ・アンゲロプロス監督。1983年ギリシャ=イタリア合作。

2011年1月28日 (金)

あゝ結婚 (1964)

あゝ結婚 戦時中のイタリア、実業家のドメニコ(マルチェロ・マストロヤンニ)は、売春婦のフィルメーナ(ソフィア・ローレン)と意気投合する。戦争が終わって再会した2人だったが、結婚には結びつかずドメニコはフィルメーナを愛人のように囲う。20年の月日が過ぎ、元来がプレイボーイのドメニコだけにぶつかり合いながらも関係を続ける2人だったが、フィルメーナには3人の隠し子がいることが発覚して…

 「魂のジュリエッタ」に続く、何じゃこれはの夫婦とは摩訶不思議ものの映画。ローレン=マストロヤンニという定番の組み合わせなんだけど「ひまわり」とはまた変わったコミカルでとりとめのない内容。しかしラストでめちゃめちゃいがみ合って争っていた2人が、突然火が付いたようにああなってしまうラストって… この心情が理解できるほど、私は成熟してないのかも(笑)。

 彼らって結局、似たものカップルなわけなんですよね。こういったどろどろの争いになった時には、男の方がちょっとだけ分が悪いってのは万国共通なんかな。

ヴィットリオ・デ・シーカ監督。1964年イタリア映画。

2011年1月27日 (木)

魂のジュリエッタ (1964)

魂のジュリエッタ セレブな主婦ジュリエッタ(ジュリエッタ・マシーナ)は、夫(シルヴァ・パスー)といい関係を築いていたはずだったが、結婚記念日の夜に夫が寝言で他の女性の名前を口にしたことから、浮気を疑い始める。私立探偵に浮気調査を依頼するが、友人のスージー(サンドラ・ミーロ)は彼女に浮気をすすめて若い男を紹介するのだったが…

 「道」のジェリソミーナ役の印象が強烈なジュリエッタ・マシーナの主演作。フェリーニ監督の妻だけに、私小説映画みたいなのを想像したんだけどやっぱりフェリーニだけに一筋縄ではいかなかったってところ。途中から登場する、霊媒師とか占い師とかコックリさんとか天使とか、気がつけばもうぐちゃぐちゃのフェリーニワールドで何が何だか…

 ところが、平然として(平然とした顔に見える)その中に立ち尽くすジュリエッタ・マシーナが実に絵になっているのが凄い。女優のオーラってやつかもしれん。必死で平然を装っているとも見てとれる。

 このフェリーニとジュリエッタという夫婦、結局は最後まで添い遂げるんですよね。夫婦の関係ってのは、こういったぐちゃぐちゃを超越したところにあるんかな。

フェデリコ・フェリーニ監督。1964年イタリア=フランス合作。

2011年1月24日 (月)

若者のすべて (1960)

若者のすべて ミラノで働く長男のヴィンチェを頼って、パロンディ家の母ロザリア(カティーナ・バクシー)と4人の兄弟シモーネ(レナート・サルヴァトーリ)、ロッコ(アラン・ドロン)がやって来た。ところがヴィンチェはジネッタ(クラウディア・カルディナーレ)という女性と婚約パーティの最中で、彼女の家族と仲たがえをしたパロンディ家の面々は、翌日から職探しに奔走する。プロボクサーを目指すシモーネはナディア(アニー・ジラルド)という女性とつきあうのだがうまくいかず、やがてロッコも加えた三角関係がもつれて…

 貧困のため田舎から出てきた5人兄弟を描いた大河ドラマ。3時間という長尺にぐぐっとドラマが詰め込んであって、特にドロン、サルヴァトーリ、アニー・ジラルドのどろどろとした三角関係はぐいぐいと見せてくれる。ネオ・リアリスモというよりは、ハリウッド・クラシックに近いタッチで、ヴィスコンティ監督だけにこむつかしいものを見せられると身構えていた身にはちょっと肩すかしをくってしまった感じである。

 ドロンはこの頃は主役というよりも5人兄弟の真ん中ということで、この5人は均等に扱われている。兄弟でいえばサルヴァトーリの壊れかたが強烈で印象に残り、ドロンは受けに回っているような印象である。魔性の女アニー・ジラルドは、わからなくもないけど魔性の女と呼ぶのはどうなんだろう。母親ロザリオとの対決は見物であったが。

 一番もったいなかったのが、クラウディア・カルディナーレ。彼女の気の強そうな存在感はなかなかのもので、できればストーリーにもっと深くからんでほしかったところ。

ルキノ・ヴィスコンティ監督。1960年イタリア=フランス合作。

2011年1月21日 (金)

パニック・ルーム (2002)

パニック・ルーム 富豪の夫スティーヴン・アルトマン(パトリック・ボーショー)と離婚して娘のサラ(クリステン・スチュワート)と巨大なテラスハウスに引っ越してきたメグ(ジョディ・フォスター)。ところが引っ越しの夜に3人の押し込み強盗(フォレスト・ウィテカー、ジャレッド・レトー、ドワイト・ヨーカム)が入ってきた。とっさに、避難用の小部屋の通称パニックルームへ逃れた2人だったが、実は強盗の目的はこの部屋に隠された金庫にあった…

 デヴィッド・フィンチャー監督のサスペンス。舞台はこのでっかいテラスハウスのみ。登場人物も上記の5人でほとんど最後まで引っ張る密室劇なのだが、成功しているかというとかなり苦しい。中盤の2人が部屋のドアを開けるシーンはかなりはらはらさせられたが、それ以外はパニックというにはほど遠いのんべんだらりんとしたお話が展開する。

 何が敗因かというと、犯人役のフォレスト・ウィテカー、通称「ハリウッドの釣瓶」。彼は私の中ではいい人でしかありえない。そんな先入観で見ていたもんだから、とんとんと転がるストーリーから置いてけぼりにされることはなかったんだけど、ひねりの少なさには首をひねった。そう考えると、ラスト近くの警官たちとのやり取りもなんだかなぁ。

 この映画の収穫と言えば、2002年制作と中途半端に古いがために、子役時代のクリステン・スチュワートが見られることかな。ジョディ・フォスター相手に堂々と母娘を演じております。

デヴィッド・フィンチャー監督。2002年アメリカ映画。

2011年1月19日 (水)

マッチスティック・メン (2003)

マッチスティック・メン 詐欺師のロイ(ニコラス・ケイジ)は潔癖症で、自宅を常に綺麗にしておかないと気が済まない。主治医の夜逃げから、かかりつけの精神科医を変えるが彼の勧めで前妻の元に残した娘アンジェラ(アリソン・ローマン)に出会う。母親とうまくいっていないアンジェラはロイの元へ転がり込んできて、しかもロイとその相棒のフランク(サム・ロックウェル)の仕事に首を突っ込んできて…

 エリック・ガルシアの原作をリドリー・スコットが映画化。この映画は、まったく予備知識を持たずに楽しんだ方がいいと思います。久々にニコラス・ケイジははまり役だし、その娘を演じるアリソン・ローマンも雰囲気満点。突然登場した娘にでれでれっとなる父親の心情がすごくよく出てます。自動車に置いた犬の灰皿なんて、後で見たらうるうるきそうです。でもそこが落とし穴なんだよなぁ…なんて書いたらダメですね。

 マッチスティック・メンとは詐欺師のことだと、初めて知った。終わり良ければ、すべて良しかな。

リドリー・スコット監督。2003年アメリカ映画。

2011年1月18日 (火)

ニードフル・シングス (1993)

ニードフル・シングス 片田舎のキャッスルロックの町に「ニードフル・シングス」という古道具屋がオープンする。主人は初老の男リーランド・ガーント(マックス・フォン・シドー)で、来店する人たち(J・T・ウォルシュ、シェーン・メイヤー、アマンダ・プラマー、ヴァルリ・プロムフィールド他)に過去を見せたり、本当に欲しいものを提案したりしていく。不振に思う保安官(エド・ハリス)だったが、やがて住民たちの間の人間関係の歪みがふくれ上がって…

 スティーヴン・キングの原作を映画化。ただし残念ながら映画としては失敗している部類だろう。人々の深層心理にあるどろどろしたものを増幅する、ガーントという男がキャッスルロックの町へやってきて、いろいろとひっかき回す話なんだけど、ヴィジュアルで見せるにはどうにも無理がある話である。キングのねっとりと描き込まれた原作が想像される。

 とはいっても、悪魔(?)を演じるマックス・フォン・シドーの存在感はなかなかのもので、ちまちまと住民をいたぶる様子はスリラーの古典「恐怖の沼」のような雰囲気をかもし出している。基本的に「いい人」の役が多いエド・ハリスは、完全に脇をかためているといった感じ。  しかし、悪魔の目的ってのは一体何なんだろうね。「帝都物語」の加藤なんかを見ても思うんだけど、単純に大量殺戮とかでないところが恐ろしいところなのかも。なお監督は、チャールトン・ヘストンのご子息らしい。

フレイザー・C・ヘストン監督。1993年アメリカ映画。

2011年1月14日 (金)

96時間 (2008)

96時間 今は引退して、別れた娘キム(マギー・グレイス)との誕生日での再会を楽しみに暮らす、元工作員のブライアン(リーアム・ニーソン)。元妻のレノーア(ファムケ・ヤンセン)から、娘のパリへの海外旅行を相談されるブライアンだったが、そんな危険な場所へは行くなと一蹴する。それでもいくつかの条件をつけて旅行を許したブライアンだったが、キムはロシア系の人身売買組織に誘拐されてしまう。

 リュック・ベッソン製作・脚本によるアクション映画で、見事なまでのダーティな主人公と古典的なフラストレーション発散型の映画。リーアム・ニーソンが若い者には負けられないとばかりに、さらわれた娘を追いかけて破壊の限りを尽くす。これがまた何とも心地よいのが罪作りである。ノリとしては「ランボー2」的であり、ストーリーはシュワルツェネッガーのヒット作「コマンドー」を思わせる。娘に手を出すヤツは、徹底的に叩きつぶすのである。

 単なる過保護親父なのか、本物のコマンドーなのかは冒頭ではわからないんだけど、携帯電話で娘の危機を知ってからの動きは実に無駄がなくスリリングである。かかわった人間はことごとく血祭りだし、拷問の後には必ずとどめをさしてるし、あげくに旧友の奥さんまで撃っちゃうのは容赦ない。唯一後味が悪いのはこの部分だけなのだが、それでも主人公のパワーに押し切られたという感じ。

 見ていて一番許せない仇役は「私にも子供がいる、これはビジネスなんだ。」と言い訳する人身オークションのメンバー。ところで父親に助けられるのはいいけど、目の前で父親が犯人を射殺ってのはどんなものだろう。こういう映画でメンタル・ケアとか心配してもしゃぁないのかもしれないけど。タイトルの「96時間」ってのは、誘拐からこれ以上経つとまず見つからないってリミットらしい。ただし、なぜわざわざ邦題はこれにしたか不明。最終的に、何時間で助けられたかもわからないわけだし。

ピエール・モレル監督。2008年フランス映画。

2011年1月13日 (木)

カンフー・パンダ (2007)

カンフー・パンダ カンフーに憧れるパンダのポー(声:ジャック・ブラック)は、ラーメン屋の息子。食べることしか能がない彼が、ひょんな事からシーフー老師(ダスティン・ホフマン)に弟子入りする。実はシーフーとその弟子たち(アンジェリーナ・ジョリー、ジャッキー・チェン、ルーシー・リュウ、セス・ローゲン、デヴィッド・クロス)の宿敵であるタイ・ラン(イアン・マクシェーン)が脱獄して村を襲おうとしているのだったが…

 パンダにカンフーをさせるというゆる~い企画に、ジャック・ブラックをはじめとするハリウッドスターが声優として集結、というドリーム・ワークス・アニメーション作品。内容ももっとゆるいものを想像したんだけど、結構ツボをおさえた演出は往年の香港映画の面白さを思い出させてくれました。マスター・モンキー役で声優出演しているジャッキー・チェンや、同じくマスター・ヘビのルーシー・リュウ(なんか、もったいない!!)がかなり仕事しているんだろうね。

 ストーリー的には、尺がコンパクトなだけにポーの修行シーンからラストの対決までが一気なのがちょっと物足りなかったけど、それを差し置いても笑えるシーン満載なのは楽しめた。ハシで肉まんを奪い合うシーンがイチオシかな。

マーク・オズボーン、ジョン・スティーヴンソン監督。2007年アメリカ映画。

2011年1月11日 (火)

ドラえもん のび太の恐竜 (1980)

ドラえもん のび太の恐竜 スネ夫(声:肝付兼太)の持つ恐竜の化石の自慢に対抗して、自分も恐竜を発掘してやると宣言してしまったのび太(小原乃梨子)。ドラえもん(大山のぶ代)に泣きつくも相手にされず、やみくもに地面を掘っていたら本当に恐竜の卵の化石を掘り当ててしまう。タイムふろしきで卵を元の姿に戻したのび太は昼夜暖めた甲斐があって、中から首長竜のピー助が生まれたのだったが…

 映画版ドラえもんの記念すべき第1作。名作の評判が高いだけにちょっと期待して見たんだけど、ドラえもんの映画シリーズの中では標準的な内容。恐竜の卵をかえして育てて、そして古代へタイムマシンで返しに行くという物語は今見るとものすごく平板。

 とはいっても、その後のドラえもん映画のエキスがぎゅっと詰め込まれているという部分では記念碑的作品でしょう。悲しい別れをしたといっても、ドラえもんのタイムマシンがあるんだからいつでも会いに行けるんじゃない、なんて考えてしまうのはダメなんかな。

福富博監督。1980年日本映画。

2011年1月10日 (月)

インビクタス 負けざる者たち (2009)

インビクタス 負けざる者たち ネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)政権下の南アフリカ。ラグビーのワールドカップ開催をひかえて、マンデラ大統領は弱体化していた代表チームの立て直しが国民がひとつになれる方策だと考え、キャプテンのフランソワ(マット・デイモン)を呼び拍車をかけるのだったが…

 あの95年のラグビーワールドカップ南アフリカ大会で、南アフリカチームが競合オール・ブラックスを破って優勝したという実話の映画化。というか、タイトル自体がねたばれ状態で、勝つとわかっている試合を描きながらも重厚なドラマの積み重ねで熱くさせてくれるのはスポーツ映画の醍醐味である。

 本来、政治とスポーツは別物…のはずなんだけど、みんながハッピーになれるんだったらそれでいいんじゃないかという気持ちにさせてくれる。何よりネルソン・マンデラを演じるモーガン・フリーマンが雰囲気そっくりさんで、温厚な感じがするところもまたいい。マット・デイモンが主将フランソワに似ているかどうかは不明ではあるが。

 クリント・イーストウッドが監督だってのは後で知った。彼の変幻自在でカメレオンなところは、やっぱり凄い。そういえば冒頭の新聞配達車がサスペンスタッチで登場するあたりは、彼のお遊びなのか?

クリント・イーストウッド監督。2009年アメリカ映画。

2011年1月 9日 (日)

パブリック・エネミーズ (2009)

パブリック・エネミーズ 1930年代のアメリカ。有名な銀行強盗のジョン・デリンジャー(ジョニー・デップ)は犯行を繰り返すが、庶民には手を出さないことからカリスマ的な存在に。デリンジャーを追う捜査チームのフーバー長官(ビリー・フラダップ)は、凄腕の捜査官メルヴィン・パーヴィス(クリスチャン・ベイル)にデリンジャーの逮捕を命じる。彼らが目をつけたのが、デリンジャーの恋人のビリー・フレシェット(マリオン・コティヤール)だったが…

 伝説のギャングであるジョン・デリンジャーの半生を、愛人であったビリー・フレシェットを軸にして描いた実録映画。あのタクシーシリーズのコティヤールってことで期待して見たんだけど、思ったほど彼女の魅力は生かし切れてない印象なのが惜しい。特にあのようなギャングの恋人になるのはどういった心情かってのは非常に興味のあるところなんだけど、単に日々が退屈だっただけってのがどうにも理解できんのだよなぁ。確かにああいう男にくっついていると、ジェットコースターのような人生が送れるだろうけど。

 ジョニー・デップとクリスチャン・ベイルの対決は、期待してなかっただけにクリスチャン・ベイルの勝ち。あの能面のような顔で相手を射殺するところは不気味さ大爆発で良い。そのくせ、最後を決めることができないってあたりが、映画の文法を無視していてこれまた魅力的に感じました。デップはじわじわ追い詰められていく様子がばんばん伝わってくるあたりがうまい。映画館を舞台にしたラストは、最近見た「イングロリアス・バスターズ」がかぶった。映画館が炎上するわけじゃないけど。

マイケル・マン監督。2009年アメリカ映画。

2011年1月 6日 (木)

病院で死ぬということ (1993)

病院で死ぬということ 40代で働き盛りの野口(塩野谷正幸)は手術の末に退院するが、主治医の山岡(岸部一徳)は、ガンを取り切れなかったことを伝えることができなかった。ほどなく山岡は再入院し、妻の容子(石井育代)と闘病生活に入る。同じ頃、年老いた川村健二(山内明)と秀子(橋本妙)夫婦は病室に枕を並べるが、それぞれ大腸ガンと肺ガンだったために別の病院へと別れ別れになってしまう…

 山岡医師の目を通して、4組の末期ガン患者を描いた人間ドラマ。当たり外れの非常に激しい市川準監督作品だけに非常に警戒して見たんだけど、これは当たりの部類に入る作品ではないだろうか。定点カメラによる画像は盗撮のようでもあり、登場人物がいくら芝居をしてもアップがないというのは最初は違和感を感じたが、慣れると物語にぐいぐいと引き込まれた。それよりも、4話のオムニバスが交互に描かれるあたりの「もっと続きが見たいのに」というフラストレーションの方が大きかったかな。

 実録風映像が成功しているのは、自分があたかも登場人物の身内になったかのような気分が味わえるところ。可愛そうとか気の毒だといった客観的感想でなく、看病大変だ、どうしようとか、亡くなったあとは子供たちをどうしようかとか本当にリアルな視線で映画を見てしまった。死んでも死にきれない…ってのはこういう感覚なんかな。

 挿入される日常風景も、うまく切り取られていて市川準らしさを感じさせてくれます。

市川準監督。1993年日本映画。

2011年1月 5日 (水)

ジュリー&ジュリア (2009)

ジュリー&ジュリア 1949年、外交官の夫ポール(スタンリー・トゥッチ)と共にフランスにやって来たジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)は食べることが大好き。やがてフランス料理に目覚め、アメリカにフランス料理を紹介するために料理本を書くことを決心するのだったが。そして現代のニューヨーク。作家志望ながらもやりたくない電話受付の仕事をしているジュリー・パウエル(エイミー・アダムス)は、自己表現のためにジュリア・チャイルドの料理本に掲載されている524のレシピを、1年間で作ってブログに掲載すると宣言するのだったが…

 ジュリー・パウエルの原作を映画化。実話というよりも、その書き綴ったブログがそのまんま映画になったという感じで、このネットに連載するという感覚は同じブログやホームページを書く身としてはものすごく共感できる部分が多数あった。まぁ、これをきっかけに本が出せるというのはブロガーとしては夢の部分でしょう。

 唯一気になったのが、365日で524のレシピという縛りを作った部分。自分だったら、1日1本で524日かけるか、あるいは無期限でだらだらと作り続けるだろう。でも緊張感ってのはある程度は必要なわけで、それが作品としてどう転ぶかは難しい部分ですね。映画では少々締め切りが夫婦のいらいらへと飛び火した部分もあったりして、もっと楽しんでやった方がいいものができるんじゃない、なんて思ったりしました。

 エイミー・アダムスってあの「魔法にかけられて」の女優さんだと後で気づいた。「ナイト・ミュージアム2」でも同じ感想を持ったんだけど、変幻自在な女優さんです。本作でもなかなかの可愛さでありました。メリル・ストリープはすっごく不自然な感じがしたんだけど、あれは実在のジュリア・チャイルドの真似だったから?

ノーラ・エフロン監督。2009年アメリカ映画。

2011年1月 4日 (火)

ハチ公物語 (1987)

ハチ公物語 犬好きの大学教授の上野(仲代達矢)は、秋田で働く教え子に秋田犬の子犬をもらう。ハチと名付けられた犬は教授の愛情を一身に受けて育ち、渋谷駅へ主人を出迎えに行くようになるのだったが…

 有名な忠犬ハチ公の物語を映画化。しかしかなりの短編を2時間近い映画にしたために、かなり無理してストーリーを引っ張ったような気がしなくもない。また、洋画リメイクの「HACHI 約束の犬」を先に見てしまったがゆえに、あちらはうまくアメリカにストーリーを持って行ったもんだと見ながら逆に感心してしまった。

 主人公のハチや仲代達矢はもちろんだが、脇役がなんともくせ者ぞろいで良かった。八千草薫の奥さんとか、書生とお手伝いさんで出ている尾美としのりと片桐はいり、おでん屋の長門裕之なんかもいい。古い邦画のいいところをぎゅっと凝縮したかのような一面も持っている。ハチを野良にしてしまう春川ますみなんて、ぱっと見にいい人に見えるのになかなか強烈な人物である。

 余談だけど、主人が亡くなったらあんな立派な家でも代替わりしてしまい、奥さんは和歌山の実家へ帰ってしまうというあたりがもの悲しく感じてしまったのは、トシのせいなんかな。

神山征二郎監督。1987年日本映画。

2011年1月 1日 (土)

レイチェルの結婚 (2008)

レイチェルの結婚 薬物中毒で施設から出たばかりのキム(アン・ハサウェイ)は姉のレイチェル(ローズマリー・デウィット)とミュージシャンのシドニー(ドゥンデ・アデビンベ)の結婚式のために実家に帰ってきた。ところが自らが起こした交通事故で弟のイーサンを死なせた過去があるキムだけに、まわりの彼女を見る目は険しい。結婚式を飛び出た彼女は、今は離婚して別に住む実母のアビー(デブラ・ウィンガー)を訪ねるのだったが…

 始終手持ちカメラで撮った、ある意味臨場感いっぱいの作品(正直、かんべんしてよ~とは思ったが)。しかし内容は濃厚で、家族の間ではやっかい者のキムがまたしても空気が読めずに爆走していくが、実はその影には…というわけで、見ているとだんだんしゅんとしてくる問題作。

 えんえんと続く結婚式に、テンション高いなぁと思いつつも、さすがにこれだけ続くとパワーが尽きるのかなぁ。最後は本音のぶつかり合いになり… これ、いい家族だと思います。明るく見せてるだけかと思ったら、やっぱり不幸を吹き飛ばすパワーが感じられる。ところで皿洗い機の皿並べが、あんな競技になるとは思わんかったぞ。ちょっと辛口のオチが用意されておりましたが。

ジョナサン・デミ監督。2008年アメリカ映画。

2010年12月31日 (金)

バタフライはフリー (1972)

バタフライはフリー サンフランシスコのアパートに住む、女優志望のジル(ゴールディ・ホーン)。続き部屋に住む青年ドン(エドワード・アルバート)が窓からこちらを見ているのに気づき、部屋へ招き入れる。青年が盲目なのを知り、ショッピングに連れ出して服を選んだりして仲良くなる2人だったが、彼の母親ベイカー(アイリーン・ヘッカート)が息子の様子を見に部屋にやって来て…

 ブロードウェイの舞台劇の映画化…というか、場面がほとんど続き部屋のアパートだけなので舞台劇を思わせる独特の雰囲気があったのだが、正にその通りだった。70年代の風俗を思わせるファッションに加えて、だらしないジル、マザコン気味の青年ドン、そしておせっかいやきの母親ベイカーと主要人物の3人が非常に密度の高い芝居を見せてくれる。

 このふらふらとした、正にバタフライのような女性ジルは、ゴールディ・ホーンのイメージにぴったりかも。嫌みたっぷりの母親のベイカーと、息子のドンが失恋をきっかけに立場が逆転するあたりがひとつの見物かな。そしてまさかのラストだったけど、意外とこういうカップルって長続きするんじゃなかろうかって気にさせられる。

ミルトン・カトセラス監督。1972年アメリカ映画。

2010年12月28日 (火)

エスター (2009)

エスター 3人目の赤ちゃんを流産したケイト(ヴァラ・ファミーガ)は、心の穴を埋めるためにエスター(イザベル・ファーマン)という女の子を養子にする。夫のジョン(ピーター・サースガード)、息子のダニエル(ジミー・ベネット)、娘のマックス(アリアーナ・エンジニア)らは彼女を家族に迎え入れるが、やがておかしな事件が起こり始める。やがて、エスターを世話したシスター・アビゲイル(C・C・H・パウンダー)が死体で見つかって…

 子供を主人公にしたサイコホラー。これ、すっごいおもしろコワい。少なくとも「ミザリー」を見て楽しめた方は、同じ種類のドキドキが感じられておすすめである。冒頭からスプラッタ系のホラーかと思ったら、実はイタい系、サイコ系のホラーであとは主役のエスターことイザベル・ファーマンちゃんのキャラクターでぐいぐい押し切られた感じ。

 それにしても… 妻を信じられなくなった夫への、観客を巻き込んだいらいらは相当なもので、こんな風にはなりたくないなぁとつくづく感じた。目の前であんな事件を見せられたマックスなんて、一体どんな娘に育つんだろうか。そちらを想像するとさらに恐怖がふくれ上がってきます。

ジャウマ・コレット・セラ監督。2009年アメリカ映画。

2010年12月27日 (月)

イマジン ジョン・レノン (1988)

イマジン ジョン・レノン ビートルズのジョン・レノンの半生を、膨大なフィルムやインタビュー・テープの再構成によって綴ったドキュメンタリー。前妻のシンシア、そして後妻のオノ・ヨーコのインタビューに加え、2人の息子のショーン・レノンとジュリアン・レノンもインタビューに登場して語り、人間としての、父親としてのジョン・レノンが浮き彫りになっていく印象である。

 個人的にはビートルズの活躍していた時代からは完全に外れていて、かろうじてソロになったジョン・レノン、そしてオノ・ヨーコの活動を知っている程度の世代なんだけど、かなり人間くさいジョン・レノンが見られて貴重なフィルムだという感想を持った。歌って活動するぐらいでは平和は訪れない、というのはわかっているんだけど、それでも引き込まれてしまう「イマジン」という曲にはやはりオーラが漂っている。

 しかもこの映画では、ジョン・レノンのかなり怪しい一面が垣間見られて面白い。オノ・ヨーコとのベッドインのインタビューってこうことだったんかと、何となく納得させられた。

アンドリュー・ソルト監督。1988年アメリカ映画。

2010年12月24日 (金)

火垂るの墓 (2008)

火垂るの墓 1945年の終戦間近の神戸。空襲で焼け出された清太(吉武怜朗)と節子(畠山彩奈)は、遠縁の親戚(松坂慶子)をたよって西宮へ。ところが彼女は、清太たちが持つ食料を目当てに彼らを引き受けることにする。やがて彼女とぶつかった清太たちは、兄妹2人で生きることを決意して家を出るのだったが…

 野坂昭如の原作を映画化、というよりは、有名な高畑勲監督のアニメ版を実写化したという印象の方が強いだろう。節子のおかっぱ頭や、もんぺ姿などは嫌でもアニメ版がかぶってしまう。しかし回想場面を一切廃して、時間軸に沿った構成になっているので、また違った「火垂るの墓」という印象を持った。

 節子役の女の子がいい。演技がうまいわけでもないんだけど、その雰囲気がいいし、栄養不良でやせた、という部分もぐいぐい伝わってくる。逆に清太は、家を出てかなりたつのにどうしてこぎれいに坊主に散髪できているんだろうかとか、つまんない部分が気になった。

 蛍の墓を作るプロットは、「禁じられた遊び」を思わせる。いつも戦争の一番の被害者は子供たちってことか。本作では、その横に節子ちゃんの墓が並ぶのが何とも痛々しい。アニメ版のように後生には残らないかもしれないけど、一見の価値がある秀作。母親役で松田聖子も出てます。

日向寺太郎監督。2008年日本映画。

2010年12月22日 (水)

レスラー (2008)

レスラー 往年のプロレスラー「ザ・ラム」ことランディ・ロビンソン(ミッキー・ローク)は年老いた今もプロレス興行を続ける毎日。家賃が払えずアパートを追い出されたり、なじみのストリッパーのキャシディ(マリサ・トメイ)を口説いたりの毎日だったが、試合後に心臓発作で倒れてしまう。命の危険を感じたランディは、キャシディのすすめで離れて暮らす娘のステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)に会いに行くのだったが…

 ひさびさのミッキー・ロークである。しかしあの2枚目のミッキー・ロークが、きったないおっさんになり… という出だしではあったが、むむむ、この人、いい人やん。しかも物語が進むに連れて、同僚のプロレスラーたちとの友情も熱く、彼のプロレスでしか生きられないという思いも熱く、気がつくとこっちまで熱くなってしまうなかなかハートウォーミングな映画である。久々に「拾い物」という言葉を使いたくなったぞ。

 時々キレるダメ親父でありながらも、ラムが子供好きのとってもいい人なのが心に残る。実の娘とはうまくいかないけど…というエピソードは、不変のテーマなんかなぁ。何十年も前に見た金子正次の「竜二」という映画を思い出した。そんなに共通点はないと思うんだけど、根っこの部分がつながってんのかな?

ダーレン・アロノフスキー監督。2008年アメリカ映画。

2010年12月21日 (火)

イントゥ・ザ・ブルー2 (2008)

イントゥ・ザ・ブルー2 ハワイでプロのダイバーをして暮らすセバスチャン(クリス・カーマック)とその恋人のダニー(ローラ・ヴァンダーヴォート)は沈没船の財宝を引き揚げるのが夢。ところが彼らはカールトン(デヴィッド・アンダース)とアズラ(マーシャ・トマソン)という怪しげなカップルに、海底に沈んだコンテナの引き揚げを依頼される。そのコンテナの中身とは…

 あのジェシカ・アルバ、ポール・ウォーカー主演の大ヒット映画の続編…らしいけど、本当に続編か? 主演の2人が変わってしまったのが、何だかなぁ。ヒロインのローラは確かにジェシカ・アルバ似で魅力的なので、ブレイクしてほしいと思うけど難しいかな。

 ストーリーは完全な腰くだけ状態で、意外とのんびりした展開が命取りな感じ。水中撮影だけは相変わらず美しく、一見の価値はあると思う。それにしても、後半の展開は生き残ったメンバーも完全にトラウマだろうって突っ込みたくてしょうがなくなった。あれで船買って人生も捨てたもんじゃないってのは、あまりにも乱暴で彼女が浮かばれない?

スティーヴン・ヘレク監督。2008年アメリカ映画。

2010年12月19日 (日)

ビバリーヒルズ・チワワ (2008)

ビバリーヒルズ・チワワ チワワのクロエ(声:ドリュー・バリモア)は、ビバリーヒルズの金持ちのヴィヴ(ジェイミー・リー・カーティス)に飼われるセレブ犬。ヴィヴの留守に、姪のレイチェル(パイパー・ペラーボ)がクロエを預かるのだったが、奔放なレイチェルはメキシコにクロエを連れて羽根を伸ばしに行く。ところがクロエは闘犬家に誘拐されてしまい…

 セレブ生活を送るお犬様が誘拐され、メキシコで大冒険を繰り広げる話。動物映画が得意なディズニー映画だけあって、安心して見ていられるのはいつものとおり。冒頭の犬のセレブ生活には何とも居心地の悪いものを見せられてる感じがしたけど、彼らがメキシコへ飛ばされてからは冒険また冒険で最後まで楽しむことができます。ふやけたお犬様が、ワイルドな犬になって帰ってくるというステレオタイプなお話ではありますが。

 「ベイブ」なんかと同じく、べらべら口を動かせてしゃべりまくる犬たちが見物。声優も豪華で(ドリュー・バリモア、アンディ・ガルシア、ジョージ・ロペス、プラシド・ドミンゴ他)、途中から登場するイグアナとねずみのコンビなどは絶妙である。途中に登場するチワワの国のエピソードも笑えたなぁ。

ラージャ・ゴスネル監督。2008年アメリカ映画。

2010年12月17日 (金)

あなたは私の婿になる (2009)

あなたは私の婿になる 編集長のマーガレット(サンドラ・ブロック)はその猛仕事ぶりで部下たちからは煙たがられる存在。ところがカナダ人の彼女はワーキングビザが切れていることが発覚して、国外退去を命じられる。それを防ぐために彼女が思いついた奇策とは、アシスタントのアンドリュー(ライアン・レイノルズ)と結婚すること。究極のパワハラを受けながらも、編集者になる夢を捨てきれない彼はしぶしぶ受け入れて彼女を故郷のアラスカに連れて行く羽目に。そこには彼の両親(クレイグ・T・ネルソン、メアリー・スティーンバージェン)と祖母のアニー(ベティ・ホワイト)、そして元カノのガートルード(マリン・アッカーマン)が待っていた…

 久々に見るサンドラ・ブロックのラブコメである。しかもパワハラ上司にぴったりのきつい感じで最初はとばしまくるのだが、徐々に本性がばれて…というラブコメおきまりのパターン。十分予測できるストーリーながらも、心地よさを感じるのはやっぱり中盤から舞台になるアラスカの田舎町の心地よさと、そこに住む人たちの人情に流れていくあたりでしょう。

 年の差カップルものということで、最近見た「理想の彼氏」にもかぶるので、見比べてみるのも面白いかも。相手がサンドラ・ブロックやキャサリン・ゼタ・ジョーンズだったら、少々年上でも行っちゃうかもなぁ(笑)。

アン・フレッチャー監督。2009年アメリカ映画。

2010年12月16日 (木)

ブラッド・ワーク (2002)

P1_g1436153w FBI分析官のマッケイレブ(クリント・イーストウッド)は連続殺人犯の通称「コードキラー」の追跡中に心臓発作で倒れる。それから2年後、心臓移植で助かった彼のもとへ、グラシエラ(ワンダ・デ・ヘスース)という女性がやって来る。実は移植された心臓は強盗に殺された妹のもので、事件を解決してほしいという依頼だった。主治医フォックス(アンジェリカ・ヒューストン)の反対を押しきって、元同僚のバディ(ジェフ・ダニエルズ)と私的に調査に乗り出すマッケイレブだったが、そこにはコードキラーの影が…

 マイクル・コナリーの原作をイーストウッドの監督・主演で映画化。イーストウッドはやり手の心理捜査官で、心臓移植なんてテーマを扱っているにかかわらず、路上でショットガンはぶっぱなすわ、グラシエラとはできちゃったりわの往年のダーティ・ハリー様を思わせる部分があってファンとしては多少にんまりとさせられる内容となっている。イーストウッド爺さん、最後にはじけたぞってところかも。

 ところで、アメリカでは心臓移植ってこんなに一般的になってるんだなぁってちょっと意外でありました。そりゃ、提供者から捜査を依頼されたら断れんわ。意外なはずな犯人だけど、なぜか私は「ホワイトアウト」(もちろんベッキンセールの方ね)を思い出しました。

クリント・イーストウッド監督。2002年アメリカ映画。

2010年12月14日 (火)

理想の彼氏 (2009)

理想の彼氏 夫の浮気が原因で離婚したサンディ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)は、2人の子供を連れて離婚、憧れのニューヨークで就職する。アパートの1階にあるカフェに勤めるフリーターのアラム(ジャスティン・パーサ)と意気投合してベビーシッターを任せるのだったが…

 「理想の彼氏」だったはずの夫と別れて、どう考えても「理想の彼氏」に思えない人とつきあうことになった。でもそうは見えなくても結局は「理想の彼氏」だったという映画。と言えば、ストーリーを最後まで言い切ってしまってるようにも思えるが、終盤のあれよあれよという時間経過の見せ方はうまくなかなか印象的なラストシーンになっている。一見の価値有り。

 40歳のサンディと24歳のフリーターのアラムという年の差カップルなんだけど、意気投合するって感覚はこういうもんだろうなって納得させられます。それにしても、ショーン・コネリーを相手役にしたこともあるキャサリンって何て年齢差に対する懐の深い女なんだ(笑)。

バート・フレインドリッチ監督。2009年アメリカ映画。

2010年12月13日 (月)

マスカレード 甘い罠 (1987)

マスカレード 甘い罠 ヨットレースの船長ティム(ロブ・ロウ)は、その甘いマスクから雇い主の夫人ブルック(キム・キャトラル)と不倫関係にある。やがて、その娘オリヴィア(メグ・ティリー)が膨大な遺産の相続人だと知ったティムは、彼女にプロポーズして結婚までしてしまうのだったが…

 2時間ドラマ系の軽いサスペンス映画。ロブ・ロウが人気絶頂だったころに作られた映画なんだろうけど、今見たらどうだかなぁといった感想。それよりも一見地味なメグ・ティリーがストーリーが進むに連れて結構魅力的で印象に残った。90年代以降はあまりぱっとしなかったようだが。

 とっても気になったのが、ヨットレースのくだり。2艇で戦うシーンが冒頭にあるんだけど、結局彼らは何の大会に出ているんだろう。船長以下、かなりの人数のクルーを雇っているようだが。

ボブ・スウェイム監督。1987年アメリカ映画。

2010年12月11日 (土)

スラムドッグ$ミリオネア (2008)

スラムドッグ$ミリオネア インドのムンバイのスラム街で育った少年ジャマール(アーユッシュ・マーヘシュ・ケーデカール/デヴ・パテル)は幼い頃に暴動で母を亡くし、兄のサリーム(アズルディン・モハメド・イスマイル/マドゥル・ミッタル)と幼なじみのラティカ(ルビーナ・アリ/フリーダ・ピント)とストリートチルドレンとして育つ。成長して、テレホンセンターの仕事からクイズ番組「ミリオネア」に出たジャマールは順調に勝ち進む。ところが警察は、彼が不正を働いたと思い取調室に呼び出すのだったが…

 アカデミー作品賞をはじめ、主要な映画賞を総なめした話題作。ヴィカス・スワラップの原作を映画化、というか、原作があることは知らなかった。インドを舞台に、出演者すべてインド人という作品なのでなぜ米アカデミー賞って気がしなくもないが、ストーリーの流れや盛り上げ方は明らかにハリウッド映画を感じさせる。

 アメリカのフィルターを通しているのかもしれないけど、インドのスラムという現実がひしひしと感じられる佳作。特に冒頭、母親が暴動で亡くなってからのジャマールたちの人生が痛々しい。しかし大河ドラマのように、離れては近づいてを繰り返す幼なじみラティカとのストーリーと彼の一途さが胸に残る。ラティカは原作にはない部分なんだそうだけど、ツボを得た脚色だと思う。

 インドの現実が暴力なら、アメリカの現実は施しなのか? どっちも的を得ていないってのが、作者のメッセージかも。

ダニー・ボイル監督。2008年イギリス=アメリカ合作。

2010年12月10日 (金)

華麗なる週末 (1969)

華麗なる週末 20世紀初頭のアメリカ南部の小さな町。ボスと呼ばれる祖父(ウィル・ギア)は町で初めての自動車を購入する。これにはまってしまった使用人のブーン(スティーヴ・マックィーン)は、祖父の留守をいいことに自動車を持ち出して孫の少年ルシアス(ミッチー・ボーゲル)と使用人ネッド(ルパート・クロス)と共に、メンフィスに住む娼婦コリー(シャロン・ファレル)のところへドライブへ行く。ところがネッドの賭けで自動車は人手に渡ってしまい…

 ウィリアム・フォークナーの小説「自動車泥棒」を映画化。西部劇の時代の終わり頃の、古き良き南部を描いた佳作。出てくる人間がいかにもといったステレオタイプの西部の人たちなんだけど、ユーモアと人情味にあふれていて見ていて本当にいい気分にさせてくれる。

 わずか4日間の自動車旅行なんだけど、少年にとっては大人への階段をのぼるエピソードがてんこ盛りで、こりゃ忘れられない旅になるだろうなって思わされます。マックィーンとクロスの凸凹コンビは、冒頭の喧嘩のシーンからそれはもう最後まですっとばして楽しませてくれる。美しい娼婦とのやりとりや、後半の競馬のエピソードと盛り上げ方はさすが。癒されるクラシカルな一遍といった作品です。

マーク・ライデル監督。1969年アメリカ映画。

2010年12月 9日 (木)

かいじゅうたちのいるところ (2009)

かいじゅうたちのいるところ 母(キャサリン・キーナー)と姉と暮らすマックス(マックス・レコーズ)の悩みは、友達ができずまわりが誰もかまってくれないこと。今日もオオカミの着ぐるみでいたずらを繰り返し、回りを激怒させて居場所を失ったマックスは、ボートに乗り見知らぬ島へ流れ着いてしまう。そこは等身大のかいじゅうたち(声:ローレン・アンブローズ、クリス・クーパー、ジェームズ・ガンドルフィーニ、キャサリン・オハラ、フォレスト・ウィテカー、ポール・ダノ)が住む世界だった。成り行きでかいじゅうたちの王になったマックスだったが…

 モーリス・センダックの絵本の映画化。そういえばこのかいじゅうたちの絵柄をどこかで見たことがあるような気がしないでもない… 3匹のやぎとガラガラドンみたいなロシア民話の世界かと思ったら、アメリカの絵本作家の作品だった。映画としては、着ぐるみとのやりとりがNHK「おかあさんといっしょ」の劇のように思えた。

 とはいっても内容はそれなりに辛口で、こっちの世界で悩みをかかえるマックスは、あっちの世界では他人(かいじゅう)の悩みの相談に乗る役柄である。かといってそれでマックスが成長するのかと思うと、何やらあっけない幕切れで肩すかしをくったような感じ。ストーリーの流れからして、かいじゅうの住む島はやっぱりマックスの頭の中の妄想であり、しかもオチのない妄想であったというものだろうか。

 まぁ監督が「マルコビッチの穴」のスパイク・ジョーンズだということで、一筋縄ではいかないのは当然ってところかも。製作にはトム・ハンクスも名前を連ねているところを見ると、彼もこの絵本がお気に入りなのかな。

スパイク・ジョーンズ監督。2009年アメリカ映画。

2010年12月 7日 (火)

アカルイミライ (2002)

アカルイミライ おしぼり工場で働く仁村雄二(オダギリジョー)は寡黙な青年。同僚の守(浅野忠信)には唯一心を許しているのだが、守は殺人容疑で逮捕されてしまう。残された雄二は守の育てていた猛毒のあるクラゲの世話に夢中になる。そして、守の父の真一郎(藤竜也)と知り合って…

 タイトルとは正反対の、真っ暗な未来しか見えない若者たちを主人公にしたドラマ。実の親子よりも他人の方が気が合うこともあるってことなのか、後半の真一郎と雄二の親子にしか見えないやりとりが胸をうつ。ちょっと前に見た「グラン・トリノ」を思い出して、これって不変のテーマかなって思った。

 川をびっしりと埋め尽くす猛毒クラゲ… 考えたら迷惑な話ではあるのだが。

黒沢清監督。2002年日本映画。

2010年12月 6日 (月)

イングロリアス・バスターズ (2009)

イングロリアス・バスターズ 第2次大戦中のフランス。ユダヤ人狩りを行うナチのハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)により家族を皆殺しにされた少女ショシャナ(メラニー・ロラン)は、名前を変えてドイツ占領下のパリの映画館の館主におさまっている。ところがその映画館で、「国民の誇り」という戦意高揚映画のプレミアム試写会が行われ、ヒトラー(マルティン・ヴトケ)をはじめとするナチの要人が集まってくることに。このチャンスに、ナチを惨殺することを使命とする連合軍の秘密部隊「バスターズ」のアルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)が乗り込んでくるが…

 ひさびさのタランティーノのアクション大作で、舞台は占領下のフランス。ナチの将校ばかりを狙い、頭の皮をはぎとるユダヤ系部隊といういかにもタランティーノらしいシチュエーション&バイオレンス映画で、テーマの取り方としては絶妙である。しかし単なるバイオレンス&復讐劇におさまるわけもなく、何章にも分かれた本編はショシャナという女性を中心にじっくり描きこまれており、見応え十分である。

 ユダヤ・ハンターのクリストフ・ヴァルツが一見いい人に見えるのが絶妙。妖艶なダイアン・クルーガー、憎々しいマルティン・ヴトケ、最後まで冷静沈着なブラッド・ピットなど、キャスティングもいい。 ハーケン・クロイツ彫りは、見るからにイタそうだ。

クエンティン・タランティーノ監督。2009年アメリカ映画。

2010年12月 4日 (土)

シャンプー (1975)

シャンプー ビバリーヒルズの売れっ子美容師のジョージ(ウォーレン・ベイティ)は、独立して自分の店を持つことを考えている。彼の客で愛人のひとりフェリシア(リー・グラント)は、夫のレスター(ジャック・ウォーデン)に彼への出資をかけあう。ところがレスターの愛人はジョージの元カノジャッキー(ジュリー・クリスティ)であり、それにジョージの恋人のジル(ゴールディ・ホーン)がからんで事態はあらぬ方向へ…

 ビバリーヒルズの上流階級の人々を描いた、ちょっとエロティックなラブコメディ。ウォーレン・ベイティの演じるプレイボーイというのがこれまた筋金入りで、彼の70年代ファッションも含めて懐かしいというよりは「うざったい」という気分にさせられるのは私だけか?

 公開当時は私は中学生だっただけに、結構どきどきもののストーリーだったように思うけど、今見たらどうってことないですね。印象に残るのはラストのあっけなさ(自業自得?)と、まだ20代だったゴールディ・ホーンの可愛さかな。彼女こそ元祖ラブコメの女王です。無名時代のキャリー・フィッシャーも、後のスターウォーズではお姫様とは思えないような役で出てます。

ハル・アシュビー監督。1975年アメリカ映画。

2010年12月 3日 (金)

シンシナティ・キッド (1965)

シンシナティ・キッド ニューオリンズのポーカー賭博師キッド(スティーヴ・マックィーン)は腕をあげ、もう近くではかなう相手がいない。そこへザ・マンと呼ばれる名人位を持つ初老のランシー(エドワード・G・ロビンソン)が現れ、キッドは勝負を挑むこととなる。とことんシブいギャンブル映画の決定版。

 最初に中学生の時に見たときはただただ映画の持つ雰囲気のシブさに圧倒された作品。でもそれ以上のものはあまり感じなかった。今回見直してみて、キッドの挫折にすごく感情移入したと同時に彼なら立ち直ってまた大勝負をやらかしてくれるという確信みたいなものを感じた次第。見方によっては元気の出る映画。

 恋人メルバ(アン・マーグレット)のかわいらしさや、同じくギャンブラーのシューター(カール・マルデン)との葛藤、その妻クリスチャン(チューズデイ・ウェルド)の妖艶さなどなど、脇をかためるのも芸達者ぞろい。さらに、舞台がニューオリンズだけあって、雰囲気を盛り上げるジャズ(ラロ・シフリン、レイ・チャールズによる)も見逃せない。映画の面白さを、ぎゅっと詰め込んだ名品である。

ノーマン・ジュイソン監督。1965年アメリカ映画。

2010年12月 2日 (木)

突撃隊 (1961)

突撃隊 第2次大戦中のドイツ戦線。連合軍の前線にリース(スティーヴ・マックィーン)が送り込まれて来る。前線にはコービー(ボビー・ダーリン)、パイク軍曹(フェス・パーカー)、ヘンショー(ジェームズ・コバーン)などひとくせもふたくせもある連中が集まっているが、一個小隊を残して味方が作戦のため撤退してしまう。残された彼らは、一個小隊しかいないことを敵に隠しながら、ひたすら味方の復帰を待つのだったが…

 無口で無骨な兵士を演じるマックィーンはキャラが立っていて恐ろしく印象的。独軍の隠しマイクのエピソードからはじまって、敵のトーチカの攻略、地雷原の突破、そして爆破と後半はハードな見せ場のつるべ落としで、たいしたスペクタクルシーンがあるわけでもないのに手に汗握られるのは、映画は単に金をかければいいだけではないというのを思い知らせてくれる。それにしても…トーチカひとつを攻略するのに、どれだけの男が死ななければならなかったのか。この損失は、ただものではありません。

 余談だけど、黎明期のビデオデッキの広告にこの映画が載っていたのが思い出されます(ベータマックスだったか、マックロードだったかは不明ですが)。当時はこんな映画が手軽にコレクションできるなんて、夢のまた夢だったような気がします。

ドン・シーゲル監督。1961年アメリカ映画。

2010年12月 1日 (水)

HACHI 約束の犬 (2008)

HACHI 約束の犬 大学教授のパーカー(リチャード・ギア)は、駅で迷子になっていた犬を拾う。日系の友人ケン(ケイリー・ヒロユキ・タガワ)が、首輪に付いたタグから「ハチ」という名前だということを教え、教授は犬を飼うことにする。ハチはいつの間にか、駅で教授の帰りを待つのが日課となったのだったが…

 あの「ハチ公物語」をハリウッドでリメイク。親日家のリチャード・ギア主演というだけあって、冒頭のエピソードからしてもいい意味で神秘的に描かれる日本にしても、いい気分にさせられる。とっても単純なストーリーだけに、1時間半の映画にしちゃうには無理がないわけではないが、そこはリチャード・ギアに加えてジョーン・アレン、サラ・ローマーといった面々がいい雰囲気を作り上げて気がつくとかなり感動させられていた、というところ。

 孫息子を語り部として使う、というアイディアも良かったです。駅でホットドッグを売ってたおっちゃんも、印象にのこったな。

ラッセ・ハルストレム監督。2008年アメリカ映画。

2010年11月30日 (火)

お買いもの中毒な私! (2009)

お買いもの中毒な私 園芸雑誌の編集者のレベッカ(アイラ・フィッシャー)は、ファッション雑誌への就職を夢見るのだがうまくいかない。そんな彼女のストレスの発散方法はブランド商品のお買い物だったが、ある日雑誌が休刊になって失業してしまう。こうなると、カードの支払いがこげつき、仕方なく金融雑誌への転職を試みるのだったが…

 ソフィー・キンセラの原作をジェリ・ブラッカイマーのプロデュースで映画化。ブランド大好き娘が、その特技を生かしたサクセスストーリーということで、「キューティー・ブロンド」なんかに近いストーリーなんだけど、主役のアイラ・フィッシャーがリース・ウィザースプーンほどは華がなくてちょっと減点かな。しかしこの映画、よく見ると買い物依存症という、人によっては笑えないテーマを扱っているところがある意味重いのが、ライトコメディとして見るには苦しいところ。主人公の相手役(ヒュー・ダンシー)とか、債権取り立て男とかももうちょっと活躍してほしかったかな。

 ジョン・グッドマンやジョン・リスゴーといった大物俳優が、気をつけて見てないと見逃すようなチョイ役で出ています。

P・J・ホーガン監督。2009年アメリカ映画。

2010年11月28日 (日)

傷だらけの栄光 (1956)

傷だらけの栄光 ニューヨークのダウンタウンでボクサーの息子に生まれたロッキー・グラジアーノ(ポール・ニューマン)は、幼い頃から盗みを繰り返すどうしようもないワルに育つ。少年院から軍隊へ入るのだが、金に困ってボクシングジムの扉をたたく。そこで強烈な右と闘争本能を見いだされるのだったが…

 あの「ロッキー」の原案ともなった実在のボクサー、ロッキー・グラジアーノの半生を描いた伝記映画。日本人だとロッキーに加えて「あしたのジョー」もかぶりそうな、典型的なボクシング物語。不良&少年院から成り上がる、というのはボクサーのスタンダード、というわけではないんだろうけど、そのあたりの要素をぎゅっと凝縮したような映画。

 ロッキーの女房役のピア・アンジェリもどことなくエイドリアンを思わせていい感じである。もっとも彼女がどうしてロッキーとくっついたのかがミステリアスな感じだけど、彼女には彼の魅力を見抜く先見の明があったというところなんかな。

 無名時代のスティーヴ・マックィーンがちんぴら役で出ているほか、クレジットにはアンジェラ・カートライトの名前も。当時4歳ということで画面では発見できなかったけど、ひょっとしてロッキーの娘役?

ロバート・ワイズ監督。1956年アメリカ映画。

2010年11月26日 (金)

愛を読むひと (2008)

愛を読むひと 50年代のドイツ、体調を崩した少年マイケル(デヴィット・クロス/レイフ・ファインズ)は、年上の女性ハンナ(ケイト・ウィンスレット)に助けられる。彼女の部屋で結ばれた2人は、つかの間の情事を重ねるのだがやがて疎遠になる。数年後、大学の法学部に通うマイケルがロール教授(ブルーノ・カンツ)に連れられて行った裁判所で出会ったのは、あのハンナだった…

 ベルンハルト・シュリンクのベストセラー小説を映画化。レイフ・ファインズの回想として語られる物語。「おもいでの夏」や「個人教授」を思わせる初体験物語かと思いきや、舞台がドイツということもあってか話はナチス・ドイツの軍事裁判へと進んでいき、一気に水をぶっかけられたかのような展開へと突き進んでいく。

 ケイト・ウィンスレットっていい女優さんなんだけど、もうそんな年齢だったんかなぁという気がした。思えば「タイタニック」も10数年前の映画だもんな。こんな大人の役ができるようになってるのは、感慨深い。

スティーヴン・ダルドリー監督。2008年アメリカ=ドイツ合作。

2010年11月25日 (木)

アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン (2009)

アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン かつて猟奇殺人犯をつかまえたことから、心に傷を負って警察をやめたクライン(ジョシュ・ハートネット)は今は私立探偵をやっている。ところが、大富豪の息子でボランティア活動から失踪したシタオ(木村拓哉)を見つける仕事を引き受けてフィリピンへ飛んだのだったが、他人の傷みを受け入れるシタオを追ううちにやがてとんでもない心の迷宮へと迷いこんでいく。

 ひさびさに見た、わけわからない系の猟奇映画。一時期は、デヴィッド・クローネンバーグあたりが好んで撮っていたテーマではないかと思うのだが、映画に本当に意味があるのかどうかも不明なのが始末が悪い。キリストの受難あたりもテーマにからんで、痛さは倍増していくのは、メル・ギブソンの作風も彷彿とさせるけど…何だかなぁ。

 キムタクは寡黙な役なので存在感とオーラのみ…のはずなんだけど、イ・ビョンホンに完全に喰われていた感じ。ジョシュ・ハートネットは線の細い雰囲気がいいです。

トラン・アン・ユン監督。2009年フランス映画。

2010年11月23日 (火)

ウルヴァリン X-MEN ZERO (2009)

ウルヴァリン X-MEN ZERO 戦闘的な超能力を持った少年ローガン(ヒュー・ジャックマン)は、兄のビクター(リーヴ・シュレイバー)と共にその持てる力を生かして戦場を転々とする。そんな2人を、チームXのリーダーのストライカー(ダニー・ヒューストン)はスカウトするのだが、その非人道的なやり方に嫌気が指したローガンはチームXを飛び出し、恋人ケイラ(リン・コリンズ)と静かな日々を送るのだったが…

 サイキック部隊を描いた人気シリーズ X-MENのビギニング編、というより、人気キャラクターのウルヴァリン誕生秘話を描いた作品。なるほど、記憶喪失で謎めいたウルヴァリンの過去がきっちりと明かされるし、恋人ケイラの存在などかなり余韻の残る作り込みである。前作を見ていても見てなくても、X-MENシリーズをもう一度見直したくなるように作られている。

 ウルヴァリンが、前作よりも歳をとって見えるのは愛嬌かな。逆に、つるつるの顔で登場するパトリック・スチュアートはかえって不気味だったぞ。世間を騒がせたスリーマイル島の原発事故には、ああいう隠されたドラマがあったのか(笑)。

ギャヴィン・フッド監督。2009年アメリカ映画。

2010年11月22日 (月)

THE 4TH KIND フォース・カインド (2009)

フォース・カインド アラスカ州の町ノーム。心理学者のアビゲイル・タイラー博士(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は不眠症に悩む住民たちに催眠療法を行っていた。ところが、彼らが思い出したのは衝撃の事実だった… 実際の映像(とされるもの)とミラ・ジョヴォヴィッチによる再現映像を織りなして見せるセミ・ドキュメントスタイルのトンデモ映画。

 予備知識なく見ると、途中までは結構楽しめる。しかし事態が宇宙人によるもの、という部分への持って行き方がかなり強引で、こりゃ「ブレア・ウィッチ」と同じドキュメントスタイルを借りたトンデモ映画だというのに気がつくまでさほど時間はかからなかった。ミラ・ジョヴォヴィッチ主演で作品にハクをつけているのがポイントかな。どちらかというと、「クローヴァーフィールド」あたりを見る心構えで楽しむ映画かも。

 それにしても、実際のアビゲイル・タイラーを演じる女優さん(もちろんノンクレジット)の、彼女自身が宇宙人かと思われるような雰囲気はなかなかのもの。ひょっとして、彼女をカメラテストしてこの企画が持ち上がったのではないだろうか。実際の映像と再現映像を画面分割で見せられるってのは新鮮なのだが、ミラ・ジョヴォヴィッチが綺麗すぎて、両方の画面がイメージの中で一致しないのが難点でしたが。

オラントゥンデ・オスサンミ監督。2009年アメリカ映画。

2010年11月21日 (日)

チョコレート・ファイター (2008)

チョコレート・ファイター ヤクザのマサシ(阿部寛)はタイのマフィアのボスのナンバー8(ポンパット・ワチラバンジョン)の彼女であるジン(アマラー・シリボン)と恋に落ちる。マサシの帰国後、ジンはゼン(ジージャー・ヤーニン)という娘を産む。脳に障害のあるジンだったが、格闘技に驚異的な才能があり、幼なじみのムン(タポン・ポップワンディー)と共に母を助けるために借金の取り立てを行おうとするのだったが…

 「マッハ!!!!!!!!」のプラッチャヤー・ピンゲーオ監督作。という予備知識なしに見たんだけど、とめどもないカンフーシーンの嵐はブルース・リーの時代をそのまま引き継いだかのような内容である。映画の最後に挿入されるメイキングでもわかるけど、このジージャー・ヤーニンという女の子のアクションは本物らしく、とにかく一見の価値はあるものすごさ。ラスト近くのビルの外壁での戦いなんて、落ちるところまでワンショットで入っているけどあれはCGじゃないんだろうなと思ったらぞっとする。

 日本人として阿部寛が頑張っているし、冒頭いきなりの日本語に「あれ、吹き替えか?」と思わされたけど… このアクション撮影の中にほうりこまれた阿部寛って結構大変だったんじゃないかと同情いたします。タイって、借金の取り立てに行ったらいきなり乱闘がはじまる恐ろしい国…じゃないよね。なお「チョコレート・ファイター」というタイトルは、主人公のゼンが常にチョコレートを食べてることに由来する。

プラッチャヤー・ピンゲーオ監督。2008年タイ映画。

2010年11月19日 (金)

斬撃 ZANGEKI (2009)

斬激 ZANGEKI ウィルスの蔓延で、人々がほとんどゾンビ化した町が舞台。ゾンビから逃れた一握りの人々(タノアイ・リード、ジェナ・ハリソン)はとあるビルに逃げ込むのだが、そこは汚染が一番進んだ地域のど真ん中だった。同じビルに、一掃作戦のために乗り込んだ自警のゾンビハンターのタオ(スティーヴン・セガール)たち一団だったが、軍隊は同地域を空爆しようとカウントダウンしていた…

 セガール主演のゾンビ映画。いきなり内臓をむしゃむしゃ喰らうシーンにあっけに取られたが、印象に残るのは内臓シーンと刀を持ってゾンビ相手に暴れ回るセガールのシーンばかり。それはそれで、近年のセガール映画に比べれば面白くはあったのだが、他に何にも印象に残ってないってのが何だかなぁ。

 ちなみに、ゾンビの血をかぶっても感染はしないようです。焼肉とかホルモンとか生レバーとか食べながら見たら、たいへんおいしくいただけるかもしれないです。

リチャード・クルード監督。2009年アメリカ映画。

2010年11月18日 (木)

ホワイトアウト (2009)

ホワイトアウト 南極に謎の輸送機が不時着してから数十年。アムンゼン・スコット基地では、唯一の連邦保安官としてキャリー・ステッコ(ケイト・ベッキンセール)は勤務していた。ところが、雪中で他殺と思われる死体が発見される。もうすぐ冬期で閉鎖される基地は、最終便が発つ日が迫ってきて…

 グレッグ・ルッカのグラフィックノベルを映画化。同名の邦画とはまったく関係がないので念のため。こちらは、南極を舞台にしたサスペンスで、アドベンチャーというよりも密室劇にしてしまったあたりが潔くて良かった。ただしストーリーは墜落事故を交えている割りにはスケールが広がらず、全体のストーリーで印象に残っているのはケイト・ベッキンセールの指だってのが何だかなあ…

 犯人に関しても、途中から「こいつやん!」と思った人間で大当たり。出演者は他に、ガブリエル・マクト、コロンバス・ショート、トム・スケリット他…

ドミニク・セナ監督。2009年アメリカ映画。

2010年11月16日 (火)

ガンシャイ (2000)

ガンシャイ 麻薬取締局のおとり捜査官チャーリー(リーアム・ニーソン)は潜入捜査中に正体がばれて殺されかけてから、心に痛手を負う。集団セラピーへ通ったりいろいろと治療を試みたのだが、腹痛で入った病院で浣腸された看護婦ジュディ(サンドラ・ブロック)にやがて心を開くこととなり…

 アクションをからめたラブコメディなんだけど、そこに「スティング」風のどんでん返しの妙を加えた作品。主人公が意気投合してしまうオリバー・プラットがいい味をだしていてマルです。最近見なくなったサンドラ・ブロックですが、浣腸されることによって芽生える恋ってのが何だか間が抜けていてゆる~くて(笑)いいです。集団セラピーまでもが伏線だとは思わなかった。しかし、全体としてはゆる過ぎのアホ映画です。

エリック・ブレイクニー監督。2000年アメリカ映画。

2010年11月15日 (月)

ザ・スピリット (2008)

ザ・スピリット 一度は死にながらも、奇跡的な復活を遂げた刑事デニー(ガブリエル・マクト)は「ザ・スピリット」としてセントラル・シティの治安を守っている。彼のライバルであるオクトパス(サミュエル・L・ジャクソン)とは壮絶な乱闘を繰り広げるが、その部下のシルケン(スカーレット・ヨハンソン)が水中で手に入れた宝箱の片方を持ち去っていく。もう1個の宝箱を持つのは、デニーのかつての恋人サンド・サレフ(エヴァ・メンデス)だと知るのだったが…

 ウィル・アイズナーのアメコミをあのフランク・ミラーが映画化。「シン・シティ」をそのままパワーアップしたかのような内容だったけど、ストーリーに関しては面白いかというとかなり疑問。サミュエル・L・ジャクソンはかなり楽しそうにオクトパスを演じていたけど、スカーレット・ヨハンソンに関しては完全に消化不良…というより、もったいない扱い。エヴァ・メンデスだけがかなりツボにはまった役どころのように思えたけど。

フランク・ミラー監督。2008年アメリカ映画。

2010年11月13日 (土)

2012 (2009)

2012 地質学者のエイドリアンは、太陽の放出するニュートリノが原因で大規模な地殻変動が起こっていることに気がつく。その予測によると、2012年には世界が大災害に見舞われるらしい。各国首脳は、選ばれた人々と文化遺産を残すために動き始める。同じ頃、作家のジャクソン(ジョン・キューザック)は別れた妻から子供たちを引き取ってキャンプに向かっていた。そこで出会った怪しいDJのチャーリー(ウディ・ハレルソン)から、世界の滅亡を聞かされるのだったが…

 ディザスタームービー3本立て…というつもりではなかったんだけど、「バビロンA.D.」「ノウイング」、そしてこの「2012」と3本立て続けに見た。そして、ごちそうさまになった(笑)。映画の中とはいえ、こうたびたび世界も滅亡させられては、迷惑なことではないだろうか。

 それはともかく、スケール的にビジュアル的に一番見応えがあったのはこの「2012」であった。いかにもエメリッヒといった大風呂敷の広げ方で、かつての「日本沈没」の地球版と言ってもいいような内容である。ただしストーリー的に凝っているのは「ノウイング」であり、個人的に面白かったと思えるのは「バビロンA.D.」であったような気がする。単なる好みの問題かもしれないが。

 それにしても…方舟だったわけね。それならもっといっぱい作れたんじゃないかなぁ、と突っ込みたい。「ディープ・インパクト」で山の上へ逃げたら助かった…というのと同じノリかな。ジョン・キューザック一家の、車にせよ飛行機にせよどんどこどんどこ逃げる様子は正に映画ならではの危機一髪の連続なんだけど、普通だったら死んでるだろってこれまた突っ込みたくて仕方なくなったぞ。

 タイトルが「2012」で制作年が「2009」なので、この映画の賞味期限は3年かな?

ローランド・エメリッヒ監督。2009年アメリカ映画。

2010年11月12日 (金)

ノウイング (2009)

ノウイング 1950年代のアメリカの小学校。タイムカプセルに入れる紙に絵を描く授業で、数字の羅列をびっしり書いた少女がいた。50年後、掘り起こされた紙は少年ケイレブ(チャンドラー・カンタベリー)の手に渡る。その父で宇宙物理学者のジョン(ニコラス・ケイジ)は、描かれた数字が世界の大災害の起こった日と被害者の人数と一致していることを知って驚愕する。しかし紙には、まだ起こっていない未来の日付も記されていた…

 最近の出演作の「バンコック・デンジャラス」や「ゴーストライダー」あたりでは、ちょっとB級路線に落ち込んでいるんじゃないかと心配したニコラス・ケイジだけど、ひさびさにハリウッドらしい大作+謎解きの面白い映画に出演していてほっとさせられた作品。基本的にディザスタームービーなんだろうけど、いい具合に謎解きがからんでいて、ラストは父子の思いにほろりとさせられて、いろいろと贅沢に詰め込まれていて見応えたっぷりの映画である。

 あんな数字の羅列、どうやって解読するんだろうかって思ってたら、単に日付の羅列だったというのはすごく単純だけど面白い。しかも犠牲者の人数と、GPSの座標というおまけつき。つまりこれらの数字を理解するってことは、人間の言葉を理解するのと同義ってわけですね。すごくご都合主義な気がしたんだけど、考えてみたら宇宙人が人間の言葉を理解してたってことだって納得です。

 話があそこまで広がって行くってのも、まったく予測がつかずにあっけにとられたぞ。飛行機事故や地下鉄事故で助かった人もいたけど… 何かむなしいな。

アレックス・プロヤス監督。2009年アメリカ映画。

2010年11月11日 (木)

バビロンA.D. (2008)

バビロンA.D. 戦争で世界が荒廃した近未来。傭兵のトーロップ(ヴィン・ディーゼル)はマフィアのボスのゴルスキー(ジュラール・ドパルデュー)から、謎の少女オーロラ(メラニー・ティエリー)と侍女のシスター・レベッカ(ミシェル・ヨー)をモンゴルからアメリカまで届ける仕事を引き受ける。アメリカから追放されていたトーロップは、祖国に戻ってやり直すチャンスと引き受けるのだったが…

 ストーリーから言うと「トランスポーター」のヴィン・ディーゼル版といったところで、積荷は少女だというあたりも「トランスポーター3」を思わせる。しかし、単なるアクションかと思えば、少女の特殊能力に加えて、カルト教団がからんできたあたりからぐちゃぐちゃとした展開になり、教祖様としてシャーロット・ランプリングが出てきたあたりにはぶっとんだ。彼女って、確かにカルトのオーラがある!! 逆にジェラール・ドパルデューは最後のクレジットを見るまで彼だとわからなかったぞ。

 と思ってたら話は一気にワープして、謎のラストへともつれこんでいくのである。謎が謎として残されてしまう最近のアメリカ映画としては珍しいパターンである。かつてのオカルト映画のように、キリスト教とかの知識がある程度ないと、感覚的に理解しにくい内容なのかもしれません。

 それにしても、オーロラの予知能力って一体何だったんだろう。彼女の生死と、トーロップの生死に関する部分はやっぱりわからない。アクション巨編ではあるんだけど、ひさびさに謎が謎を呼ぶ映画でありました。

マチュー・カソヴィッツ監督。2008年アメリカ=フランス=イギリス合作。

2010年11月 9日 (火)

ブレイド3 (2004)

ブレイド3 ヴァンパイア・ハンターのブレイド(ウェズリー・スナイプス)はいつものように襲い来る吸血鬼を始末していたが、そのうちのひとりが人間だったことからFBIに逮捕される羽目になる。相棒のウィスラー(クリス・クリストファーソン)と娘のアビゲイル(ジェシカ・ビール)、そして仲間のハンニバル・キング(ライアン・レイノルズ)の活躍により窮地を脱したブレイドだったが、かつてドラキュラと呼ばれたヴァンパイアの始祖ドレイク(ドミニク・パーセル)が復活したことを知る。

 シリーズ最終作。前作のリーパーズってのもなかなか気色わるくて強敵だったんだけど、この手のシリーズのお約束としてさらに強い敵を用意しなければならなくなり、登場したのがあのドラキュラ伯爵である。マッチョな傭兵風ドラキュラというわけだが、リーパーズよりも強かったかといったらちょっと微妙な感じ。

 ブレイドが逮捕されたり、魅力的なジェシカ・ビールを起用したりとシリーズ最終作としての見せ場はいろいろ用意されていたように思うが、どうしても薄味って部分は払拭できなかった感じ。それから、3本通してみたらきっとどれがどれかわからなくなるような気もする。

デヴィッド・S・ゴイヤー監督。2004年アメリカ映画。

2010年11月 8日 (月)

ブレイド2 (2002)

ブレイド2 前作から1年、混血のヴァンパイア・ハンターのブレイド(ウェズリー・スナイプス)のところに、宿敵のヴァンパイアのダマスキノス(トーマス・クレッチマン)の娘のニッサ(レオノア・バレラ)がやって来る。実はヴァンパイアさえ殺す最強の敵リーパーズの登場により、共同で戦おうと持ちかけてきたのだったが…

 1を見てからずいぶんと間が空いてからの2の観賞となったけど、ブレイドの相棒のウィスラー(クリス・クリストファーソン)救出のくだりだけがよくわからなかっただけで、あとはそれほど深いストーリーのつながりがなかったので抵抗なく見ることができた。最強の敵の登場というわけで、新型ウィルスに犯されたリーパーズ族ってのはなかなか印象的なクリーチャー。特に口がぱかっと割れるあたりは、かなりスプラッティーなビジュアルでダメな人はとことんダメかもしれない。

 ウェズリー・スナイプスは、ちょっとかっこつけ過ぎが鼻につく。クリス・クリストファーソンは70年代に活躍していた人だけど、最近よく見るね。なかなか渋いじいさんになったと思う。レオノア・バレラは凶暴だけど魅力的。ヴァンパイヤの解剖とか血のプールとか結構エグいシーンも多いんだけど、全体的に画面が暗いので印象が薄められてるってところ。

ギレルモ・デル・トロ監督。2002年アメリカ映画。

2010年11月 6日 (土)

サブウェイ123 激突 (2009)

サブウェイ123 激突 ニューヨークのペラム駅1時23分発の地下鉄が武装集団にハイジャックされる。地下鉄運行司令官のガーバー(デンゼル・ワシントン)は異常停止した地下鉄と連絡をとるが、ライダー(ジョン・トラヴォルタ)と名乗る犯人は市長(ジェームズ・ガンドルフィーニ)に1千万ドルの身代金を要求する。

 ジョン・ゴーディの原作をトニー・スコット監督で映画化、というよりは、70年代からの映画ファンだったら「サブウェイ・パニック」のリメイクだと言った方がわかりやすいだろう。あのウォルター・マッソーとロバート・ショウの行き詰まる対決を、デンゼル・ワシントンとジョン・トラヴォルタという2大俳優に置き換えた作品。おおまかなストーリーは同じだが、細かい味付けはまったくの別物となっている。地下鉄のジャックってのは当時は面白かったんだけど、今見るとかなり使い古されたストーリーかな、なんて思わなくもないが。

 前作でめちゃめちゃ印象に残っているのは、何と言ってもウォルター・マッソーがにゅっと出てくるラスト。同じ事をデンゼル・ワシントンがどう演じるのかなとちょっぴり期待したんだけど、ラストは全然違ってました。とはいっても、ミルクを買って帰るラストシーンは思わずしーんときた。名場面だと思う。

トニー・スコット監督。2009年アメリカ映画。

2010年11月 5日 (金)

アイス・エイジ3 ティラノのおとしもの (2009)

アイス・エイジ3 ティラノのおとしもの 氷河期に生きるナマケモノのシド(声:ジョン・レグイザモ)は大きな卵を3つ発見する。中から生まれたティラノの子供に、親と間違われて慕われるのだったが、本物のティラノの親が現れて3匹とシドを連れ去ってしまう。仲間のマンモスのマニー(レイ・ロマノ)とエリー(クイーン・ラティファ)夫婦はマタニティのまっただ中だったが、同じく仲間のサーベルタイガーのディエゴ(デニス・リアリー)と共にシドを救出する旅に出かける…

 人気CGアニメシリーズの第3弾。今回は地下に恐竜の生き残った世界があったということで、そこへの旅をスリリングに描く。映画館によっては3D上映もされていたということで、中盤以降の追いかけっこはかなりアトラクション的な要素が満載。まぁ元々このシリーズは、大迫力のカット割りが壮大なアトラクションを思わせてくれるような映画なわけですが。

 キャラクターに特に思い入れはないんだけど、マンモスの子供はなかなか可愛いしいいストーリーになってます。

カルロス・サルダーニャ監督。2009年アメリカ映画。

2010年11月 4日 (木)

嫌われ松子の一生 (2006)

嫌われ松子の一生 東京に住む若者の川尻笙(瑛太)は、父(香川照之)に会ったことのないはずの叔母の松子(奥ノ矢佳奈・中谷美紀)が死んだので彼女のアパートを整理するようにたのまれる。ゴミだめのような部屋を整理しながら、彼は遺品から松子の一生を追いかける。それは学校の先生をしながらも、不良の洋一(伊勢谷友介)への対処が悪くて退職、おかしな男とつきあってソープ嬢になり、ついには殺人まで犯してしまう転落人生だった…

 山田宗樹の人気小説を中島哲也がポップなミュージカルとして映画化。豪華なゲスト出演者(木村カエラ、柴咲コウ、片平なぎさ、濱田マリ、土屋アンナ、他)を交えての、おもしろおかしい大作へと仕上げた作品である。ただし歌い踊るシーンと画面の色使いが独特であり、ギャグも異様な部分が多いので見る人によっては強烈な拒絶反応を示すのではないかと心配する。

 一言で言うと、中谷美紀のような美人でも生き方によっては幸せになれないという非常に深い内容(笑)である。彼女はとにかく雰囲気が読めない人の代表格であり、特に学校のシーンで顕著なんだけど判断が非常にまずくて裏目裏目に出る人である。それでここまで人生を踏み外してしまうってのは、やっぱ家族や友達といったまわりの人間がイマイチだったんだと思う。あまりにも極端なんで共感なんて全然できなかったんだけど、気がつくと松子という架空の女性をふと偲んでしまう。そんな映画となっている。

中島哲也監督。2006年日本映画。

2010年11月 2日 (火)

そんな彼なら捨てちゃえば? (2009)

そんな彼なら捨てちゃえば 恋愛に前向きなジジ(ジェニファー・グッドウィン)は、デートしたコナー(ケヴィン・コナリー)の電話を待つ日々。その友達のベス(ジェニファー・アニストン)は、同棲中の恋人ニール(ベン・アフレック)との関係に決着をつけようとしている。ジジのもうひとりの友達ジャニーン(ジェニファー・コネリー)は、夫ベン(ブラッドリー・クーパー)が浮気を白状して…

 数々の恋愛模様を、架空のインタビューなどを交えながら描く群像型ラブコメディ。この手の作品はウディ・アレンが元祖だと思うんだけど、最近ではセックス・アンド・ザ・シティの成功あんかもあって増えているなぁ…なんて思ってたら、脚本家が同じでありました。納得。

 共感する…というよりは、こんなカップル、いるかもしれない…と興味本位でストーリーを追っかけてしまいました。とにかくキャストが豪華で、スカーレット・ヨハンソンやドリュー・バリモア、男性陣ではクリス・クリストファーソンやジャスティン・ロングも出てます。デートムービーとして見るには、ちょっと上級者向け(笑)かな。

ケン・クワビス監督。2009年アメリカ映画。

2010年11月 1日 (月)

トランスポーター3 アンリミテッド (2008)

トランスポーター3 アンリミテッド 凄腕の運び屋フランク(ジェイソン・ステイサム)は、かつては断った仕事を無理矢理請け負わされてしまう。その内容は謎の女性ヴァレンティーナ(ナタリア・ルダコーワ)を指定場所へ連れて行くことなのだが、フランクと彼女の腕には車から20m以上離れると爆発するブレスレットがはめられてしまう。

 リュック・ベッソン製作・脚本の人気シリーズ第3作にして、今度は車から離れられなくなる仕掛け付き。それをあれよあれよと利用したラストのアクションシーンはなかなか練られていて面白いです。アイディアは「バトルランナー」や、ルトガー・ハウアーの出演作に似たようなものがあったような気がするけど、料理の仕方がよくできてます。面白い。

 もうひとつのポイントは、ヒロインのナタリア・ルダコーワをどう評価するかというあたりでしょうか。うなじに入った「安」というタトゥーだけで、何だか日本人的感覚では軽い女というレッテルを貼ってしまうような気がしなくもありません。彼女の女学生姿(写真のみ)は魅力的に思えるんだけどなぁ。

オリヴィエ・メガトン監督。2008年フランス映画。

2010年10月31日 (日)

ナイト・ミュージアム2 (2009)

ナイトミュージアム 前作から数年後、博物館の夜警から小さな発明会社の社長になったラリー(ベン・スティーラー)だったが、古巣の自然史博物館の展示物たちが改装のためスミソニアン博物館の地下倉庫へ運ばれることを知る。ところが魔法の石版まで一緒に運ばれたために、スミソニアンの展示物たちも蘇る羽目になり…

 パワーアップした第2作…というわけで、舞台をより大きなスミソニアン博物館に移しての2。石版によって蘇った悪の帝王カームンラー(ハンク・アザリア)と、それを阻止するラリーと冒険家のヒロインアメリア(エイミー・アダムス)というのがメインのストリーなんだけど、要はストーリーそっちのけで登場人物たちのドタバタ騒ぎを楽しむコメディ映画となっている。

 雰囲気で言うと、まとまりのない「グレムリン2」を私は思い出したな。個々のギャグを楽しもうってのであればいいんかもしれないけど。余談だけど、ヒロインのエイミー・アダムスは物語が進むに連れて魅力的に見えてくる不思議な女優さんです。

ショーン・レヴィ監督。2009年アメリカ映画。

2010年10月30日 (土)

スターリングラード (2000)

スターリングラード ロシアの羊飼いの子供だったヴァシリ(ジュード・ロウ)が、第2次大戦の激戦地スターリングラードへ徴兵されて行く。ロシア軍に襲われ陥落寸前にもかかわらず、銃も与えられず弾だけを持って現地入りするヴァシリだったが、新聞記者ダニロフ(ジョセフ・ファインズ)の銃を借りたヴァシリは驚異的な狙撃能力で敵を倒す。一躍ロシア軍の広告塔となったヴァシリだったが、ドイツから凄腕のスナイパーのケーニッヒ少佐(エド・ハリス)がやって来て…

 実在したという伝説のスナイパーを描いた戦争映画。もちろんロマンス(相手役はレイチェル・ワイズ)もあり、ケーニッヒとの対決シーンは手に汗握りとエンタテイメント巨編となっている。悲惨なスターリングラードの状況も前半ではかなり描写されてはいるも、結局はヴァシリに続けとばかりのプロバガンダ的な映画になっているのが気にはなったが。

ジャン・ジャック・アノー監督。2000年アメリカ=ドイツ=イギリス=アイルランド合作。

2010年10月29日 (金)

G.I.ジョー (2009)

Gijoe 近未来、悪の組織「コブラ」に、あらゆる金属を腐食する物質「ナノマイト」が強奪される。これを奪還するために、デューク(チャニング・テイタム)をはじめとする秘密組織 G.I.ジョーが出動するのだったが…

 G.I.ジョーっていうと、あの兵隊フィギュア…というか男の子のリカちゃん人形だったアレのこと…と漠然と思い出しながら映画を見たのだが、内容はまったく違っていてハイテク兵器満載の部隊が悪の組織とアクロバティックに戦うという映画であった。「トランスフォーマ-」などと同じくかなり好戦的な内容で、はっきり言って子供には見せたくない感じ。

 もうひとつ問題なのは、実は見て数日しかたってないんだけど、この映画に関してはナノマイトがエッフェル塔を腐食するシーンとハイテクスーツを着た兵隊がアクロバティックに戦うシーンしか記憶にないのである。困ったもんだ。

スティーヴン・ソマーズ監督。2009年アメリカ映画。

2010年10月26日 (火)

真空地帯 (1952)

真空地帯 昭和19年の大阪の駐屯地。刑務所を出所した木谷(木村功)が軍隊に復帰する。そこでは、大住軍曹(西村晃)をたち古参兵が、大卒の初年兵たちをしごいていた。刑務所のことを隠す木谷は、花枝(利根はる恵)という娼婦と所帯を持つことを夢見ているのだったが、やがて戦局も悪化してきて…

 野間宏の原作を映画化。軍隊の内幕ものだが戦闘シーンとかはなく、ひたすら内地勤務の兵隊たちの腐敗ぶりや理不尽ないじめなどが描かれ、かなりリアリティを感じることができる作品。いわゆる日本版「MASH」なのだろうけど、ねっとりとした人間模様は日本独特なものを感じることができる。

 これに娯楽性や爽快モードを付け加えると「兵隊やくざ」になるんだろうね。キレた木村功は、爽快と言えなくもないが…

山本薩夫監督。1952年日本映画。

2010年10月25日 (月)

ドラえもん のび太の宇宙開拓史 (1981)

ドラえもん のび太の宇宙開拓史 いつも草野球をする空き地を中学生に奪われ、ジャイアン(声:たてかべ和也)はのび太(小原乃梨子)にみんなで野球が出来る場所を探せと迫る。のび太はドラえもん(大山のぶ代)に泣きつくのだったが、同じ頃コーヤコーヤ星の宇宙船が作った時空の歪みがのび太の部屋の畳へとつながり、のび太は宇宙人のロップル(菅谷政子)たちと知り合う。

 劇場版ドラえもんの第2作。「宇宙開拓史」という壮大なタイトルではあるが、中身はこじんまりとした宇宙の開拓村の物語。しかし引き出しのタイムマシンに続いて畳が宇宙につながるというアイディアは絶妙で、かなり夢のある物語になっている。

 藤子・F・不二雄原作・脚本らしく、全体のタッチは小学生向けの軽めのもので、殺し屋のギラーミン(柴田秀勝)すら可愛らしく見えてくるのが愛嬌である。子供たちには大変安心して見せられるのは言うまでもない。 ラストの別れのシーンは、ちょっぴりほろりとさせられます。

西牧秀夫監督。1981年日本映画。

2010年10月23日 (土)

ワイルド・スピード MAX (2009)

ワイルド・スピード MAX ドミニカ共和国へ逃亡して、ガソリンを積んだトレーラーの襲撃で生計を立てていたドミニク(ヴィン・ディーゼル)。ところが恋人のレティ(ミシェル・ロドリゲス)が殺されたことをきっかけに、復讐のためにロサンゼルスへ戻る。同じ組織を追うFBIのブライアン(ポール・ウォーカー)と再会し、組織に運び屋として潜入するためにまたもやストリートレースへ参加することになるのだが…

 傑作だった第1作の主人公コンビが復活したシリーズ第4作。続編がしぼんでいく要因としてある、登場人物のパワーダウンだけど、このシリーズでは第4作に至ってヴィン・ディーゼルとポール・ウォーカーのコンビを復活。これは正しい判断と言えそうで、かくしてあの面白かった「ワイルド・スピード」が帰ってきたという気分を十分楽しませていただきました。

 ありえないカーアクションは、好き嫌いが分かれるところかもしれないけど(トンネルのシーンなんて、何やってるかわからない)、主役の2人のかけあいがすべてを許させてしまうといった感じ。ヴィン・ディーゼルは相変わらず悪人で、勧善懲悪なんてどこ吹く風。それだけに、一筋縄では終わらないこのラストシーンには思いっきり納得させられたし、軽い爽快感まで味わえてしまいました。

 日本車は…確かにニトロどっかんのアメリカの大味なレースでは勝てないだろうな。

ジャスティン・リン監督。2009年アメリカ映画。

2010年10月22日 (金)

シシリアン (1969)

シシリアン マフィアのボスのヴィットリオ(ジャン・ギャバン)は、用意周到な計画で護送車を襲撃して殺し屋のサルテ(アラン・ドロン)を脱走させる。実は彼らには大量の宝石を強奪する計画があり、サルテが必要なのだった。ところが事件をフランス警察のゴフ警部(リノ・ヴァンチュラ)がかぎつけて…

 オーギュスト・ル・ブルトンの原作をアンリ・ヴェルヌイユ監督が映画化。私にとっては、テレビの洋画劇場で見たっきりのちょっと思い入れのある映画である。当時ではイリナ・デミックとアラン・ドロンのラブシーン(ラストのオチにもつながるのだが)とハイウェイに着陸する旅客機のスペクタクルが強烈に印象に残っていたのだが、今見るとこれがまた「熱血」とは対局にあるかのような典型的にクールなフランス映画。

 しかしタイトルは「シシリアン」である。シシリー島に土地を買うことに執着するヴィットリオが、その執着をあっさりと捨てるあたりのクールさに男の美学を感じる…ってところなんかな。当時はかっこよく感じたんだけど、今見ると理解できんなあって気がしなくもない。

 もうひとつ印象に残るのが、エンニオ・モリコーネのマカロニ・ウェスタンを思わせる音楽。こりゃ耳に残ります。このストーリーにこの音楽をかぶせるあたりが、これまたセンスの良さとクールさを感じてしまうんですね。

アンリ・ヴェルヌイユ監督。1969年フランス映画。

2010年10月21日 (木)

シャッター (2008)

P1_g1521915w 新婚のカメラマンのベン(ジョシュア・ジャクソン)と新妻ジェーン(レイチェル・テイラー)は仕事で日本を訪れる。ところが富士のドライブで見知らぬ女性をはねたように思えた時から、写真に不気味な影が写るなど彼らのまわりに怪現象が起こり始める。

 日本を舞台にした、日本人監督による、アメリカ人が主人公のホラー。しかし彼らにつきまどう女性を奥菜恵がねっとりと怪演。このねっとり具合がこの映画のミソで、元々清純派だった彼女がここまでやれるってところがひとつの発見ではありました。

 まぁ何と言っても、オチが秀逸でコワイとは思わないけどなかなか気持ち悪いものではありました。肩こりや首のこりがひどい時は、一度疑ってみたほうがいいかも(笑)。

落合正幸監督。2008年アメリカ映画。

2010年10月20日 (水)

トランスフォーマー リベンジ (2009)

トランスフォーマー リベンジ 前作から2年。サム(シャイア・ラブーフ)は大学生になり、またアメリカ軍はロボット軍団のオートボットと組んでNESTという軍隊を作り、地球征服を企むディセプコンの一掃作戦を進めていた。ある日サムは、あらゆる情報が詰め込まれたキューブのかけらを見つけ、自分の脳裏にも不思議な文字が浮かぶようになってしまう…

 マイケル・ベイとスピルバーグが組んだロボット変形もの実写映画の第2弾。地球征服を狙う悪の軍団と、地球防衛軍の戦いというヒーローものの古典のようなストーリーに大学生のヒーローとヒロイン(ミーガン・フォックス)をからめて、これでもかという迫力のSFXをからめてパワーでどんどん押しまくったような映画。2時間半という長尺なんだけど…やっぱり長く感じた(笑)。

 実は、前作の後半では時々記憶が飛んでしまっているoga.としては、ディセプコンって何だ?キューブって?と本当に「?」の連続で、今回は意識がクリアだったのにとっても難解に感じてしまったのでありました。後半では世界遺産のエジプトのピラミッドをぐちゃぐちゃにして戦ったり、ビジュアル的には面白かったんだけどなぁ。目にもとまらない変形シーンはやっぱりスローモーションで見せてほしかったぞ。

マイケル・ベイ監督。2009年アメリカ映画。

2010年10月19日 (火)

ラストサマー (1997)

ラストサマー ある村の祭りの夜、パーティ帰りの若者たち(ジェニファー・ラヴ・ヒューイット、サラ・ミシェル・ゲラー、ライアン・フィリップ、フレディ・プリンゼ・Jr)が乗った車が人をはねる。誰も見ていないからと海へ遺棄して帰った彼らだった。やがて1年後、同じ祭りがやって来て大学へ進んだ彼らは故郷へ帰ってきたのだったが…

 ロイス・ダンカン原作、スクリームのケヴィン・ウィリアムソン脚本のホラー。しかし主人公たちが死体遺棄をやらかした若者ってことで、どんなオチがつこうとも彼らに全然感情移入できずに終わってしまったというのがミソかも。コワい映画として結構有名だったのでちょっと期待して見たんだけど、どきどき感は「13日の金曜日」や「エルム街の悪夢」と同レベルだったような気がする。青春映画を思わせるタイトルがナイスなんだけどなぁ。

ジム・ギレスビー監督。1997年アメリカ映画。

2010年10月15日 (金)

犬と私の10の約束 (2008)

犬と私の10の約束 函館に住むあかり(福田麻由子/田中麗奈)は外科医の父祐市(豊川悦司)と母芙美子(高島礼子)の3人暮らし。ある日母の入院をきっかけに、迷い込んできたのら犬にソックスと名前をつけて飼うことになる。そんなあかりに母は犬を飼う時の十戒を教えるのだったが…

 飼い犬をテーマにしたホームドラマ。物語はこれに、ギタリストを目指すボーイフレンド(加瀬亮)がからんだ15年間が描かれる。ただしドラマと脚本はあんまりこなれてなくて、いいストーリーだと思うんだけどちょっとのめりこめなかったのが残念なところ。犬の十戒というのも、作者不詳で愛犬家には有名なものだそうなのだが、母の口から語られるのはあまりに唐突過ぎて物語とあんまりくっついてなかったような印象が残る。

 しかし…である。そうこう言いながらも時間の流れってのがものすごく良く表現されていて、これは古き良き邦画を彷彿とさせる部分であった。特に好きなのは、お父さん役の豊悦がラスト近く海岸でビールを飲むシーン。年月が経って、家族がばらばらになりながらもいろんな思いがごっちゃになってるのが伝わってきて、このシーンはさすがにじーんときた。田中麗奈の少女時代を演じた福田麻由子も、爽やかで良かったです。

本木克英監督。2008年日本映画。

2010年10月12日 (火)

西の魔女が死んだ (2008)

西の魔女が死んだ 登校拒否になった女子中学生のまい(高橋真悠)は、田舎でひとり暮らしをするイギリス人のおばあちゃん(サチ・パーカー)の元で暮らすことになる。自給自足の不思議な暮らしにやがて打ち解けていくまいに、おばあちゃんは実は私は魔女だと打ち明けて…

 タイトルからしてファンタジーかと思ったら、すごく真面目に登校拒否の少女とおばあちゃんのふれあいを描いた、別の意味でのファンタジー。梨木香歩の児童小説の映画化ってことで、少年ドラマシリーズなんかで取り上げられそうな内容である。別におばあちゃんが本当に魔女だったとオチがあるわけではなく、奇抜な展開もまったくない。癒し系の映画なんだけど、映画として見るとちょっと平板過ぎるかなという印象を持った。

 おばあちゃん役のサチ・パーカーはなんとシャーリー・マクレーンの娘らしい。てことは、シャーリー・マクレーンって一体何歳なんだろう? まいとおばあちゃんのふれあいよりも、どうしていいかわからなくておろおろする両親(りょう、大森南朋)の方が妙な親近感を覚えたぞ。

長崎俊一監督。2008年日本映画。

2010年10月11日 (月)

ラスト・ブラッド (2008)

ラスト・ブラッド 70年代の日本、人間に姿を変えたオニたちを、ヴァンパイヤと人間の混血の少女サヤ(チョン・ジヒョン)が組織に言われるまま孤独に退治していた。オニの大将であるオニゲン(小雪)との対決のために、オニがはびこる東京のアメリカ軍基地に潜入したサヤは、オニに襲われた少女アリス(アリソン・ミラー)を助けたのだったが…

 日本のProduction I.G.による短編アニメを実写映画化。ストーリーからわかるように、「ブレイド」と「アンダーワールド」を足して、「キル・ビル」風味にしたようなアクションホラー映画。もっとも原作は上記の作品よりも古いらしく、「キル・ビル」のアニメパートは Production I.G.制作のものであるが。

 主役の少女は誰かと思ったら、あのチョン・ジヒョンだったのはエンドクレジットを見て初めて知った。新人かと思った。セーラー服着て暴れるあたりは、なかなかマニアックである。水玉のように血が飛び散る描写も、どこか浮世離れしていて生々しくなく安心して見ていられる。コミック風とも言える表現だからか。

 主役こそチョン・ジヒョンだが、日本人もなかなか活躍していて目が離せない。存在感だけで勝負する小雪(笑)に加えて、久しぶりに見た倉田保昭が身体を張って頑張っているのが後半の見せ場である。

クリス・ナオン監督。2008年香港=フランス合作。

2010年10月 9日 (土)

金環蝕 (1975)

Kinkanshoku 1964年の民政党総裁選で寺田(久米明)と酒井(神田隆)が双方約20億の実弾を使い次期首相を目指して争ったが、寺田が勝利する。同じ頃、星野官房長官(仲代達矢)の秘書官西尾(山本学)が高利貸しの石原(宇野重吉)に金策を申し入れるが断られる。ただならぬものを感じた石原は、西尾の身辺を私立探偵に洗わせるが、そこには九州の福竜川ダム入札をめぐる陰謀がからんでいた…

 石川達三の原作を映画化。前述の「華麗なる一族」と同じくモデルとなる人物や企業・事件がある物語だが、「華麗なる~」と違うのは登場人物に本当にろくな人物というか、まともな道徳観念を持っている人間がいないというところ。もっともこれだけの修羅場で生きていこうと思えば、そんな道徳とか生半可なことを考えている余裕はないのであろうけど…

 それにしても、この頃の山本薩夫監督の社会派どろどろドラマってのは脂がのりきっていて、見応えがあります。昭和のレトロな雰囲気が、今見るといいスパイスになっているような気もする。宇野重吉の金貸しの爺さんが特に印象的。高橋悦史の、業界紙編集長もいい。いずれもお知り合いになりたいとは思わないが(笑)。

山本薩夫監督。1975年日本映画。

2010年10月 7日 (木)

華麗なる一族 (1974)

華麗なる一族 60年代の神戸。阪神銀行の頭取万俵大介(佐分利信)は、銀行再編の時代を前にして、自行よりも預金規模の大きな大同銀行の吸収合併を模索する。彼の長男鉄平(仲代達矢)は阪神特殊鋼の専務であり、高炉建設の夢を実現しようとしていたのだったが…

 数年前にテレビドラマ化されて話題になった山崎豊子原作の70年代の映画化。公開時は結構話題になったので、おぼろげながらも記憶に残っているが、こんな日本版ゴッドファーザーとも呼べる(笑)ストーリーだったとは。しかも銀行頭取は家庭教師兼妾(京マチ子)をかかえこんでいるし、頭取と大蔵大臣(小沢栄太郎)のつるみ方はなんとも不敵であるし、ファミリーの面々は一筋縄でいきそうもなく、その中で比較的いい人の鉄平と三雲頭取(二谷英明)の運命が何とも可愛そう。  しかし、さらなる合併を思わせるラストは皮肉たっぷりでまさしく現代を予見していると言えるだろう。

 2007年版のテレビドラマはどんな感じだったのか、気になってきた。

山本薩夫監督。1974年日本映画。

2010年10月 6日 (水)

ブーリン家の姉妹 (2008)

ブーリン家の姉妹 16世紀のイングランド。トーマス・ブーリン卿(マーク・ライランス)には2人の娘アン(ナタリー・ポートマン)とメアリー(スカーレット・ヨハンソン)がいた。自分の勢力を広げるために、アンを子供のいないイングランド王のヘンリー8世(エリック・バナ)の愛人に仕立てて子供を産ませようと考えるのだったが、王が見初めたのは、新婚のメアリーの方だった…

 イングランド王朝の史劇を、ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンという2大女優を使って映画化。文芸大作というよりも、スキャンダルにまみれたストーリーはドロドロとした内容で、面白いと言っちゃえば失礼になるんかな。

 それにしても、ナタリーとスカーレットって本当に絶妙なキャスティングである。こうやって2人を並べると、ナタリーはぎすぎすした感じでそばにいてちょっとしんどい雰囲気が伝わってくる。決して悪い人ではないんだけど、いろんな意味で損をしている。最後まで裏目裏目に出る人生。

 かといって、気の利いたメアリーにせよ暗躍するブーリン家の面々にせよ、はたまたヘンリー国王にしたって誰もかれも散々のとんでもない人生をたどる物語である。面白いけど気が滅入る。ちょっと困った映画である。

 今、クレジットを調べていて気がついたんだけど、「ミツバチのささやき」のアナ・トレントが出演されているのには気がつかなかった。イギリス王妃役だったらしい。こりゃ、彼女の今が見られるなら見直してみる価値があるかな。

ジャスティン・チャドウィック監督。2008年イギリス=アメリカ合作。

2010年10月 5日 (火)

それでも恋するバルセロナ (2008)

それでも恋するバルセロナ 恋愛に慎重なヴィッキー(レベッカ・ホール)と、自由奔放なクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)は親友同士。2人はバカンスでバルセロナを訪れるのだが、そこで見るからに色男の画家アントニオ(ハビエル・バルデム)に2人まとめてあからさまに口説かれる。拒むヴィッキーを尻目に、ひょうひょうと付いていくクリスティーナだったが、さらにアントニオの元妻のマリア・エレーナ(ペネロペ・クルス)がからんで事態はあらぬ方向へ…

 タイトルどおりのスペインはバルセロナを舞台にした、ウディ・アレン監督のラブコメディ。バカンスの海外、特にバルセロナって土地柄は人を狂わせるなにかがある…って内容で、ありえない色男とその元妻にふりまわされる2人がなんともシュールに描かれる。

 ウディ・アレンってのは、本人が登場しない映画の方が楽しめるってのを再確認。とにかく女優の選び方がうまいんだけど、ペネロペ・クルスの毒気に翻弄される3人という図式が正しいんじゃないかと思えるほど、彼女が出てからは映画は彼女の独断場。最近注目していたスカーレット・ヨハンソンが、彼女の前では単なる小娘に過ぎないことを思い知らされてしまった(笑)。

ウディ・アレン監督。2008年スペイン=アメリカ合作。

2010年10月 4日 (月)

ドラえもん のび太の大魔境 (1982)

P1_g5595733w 魔境探検に憧れるジャイアン(声:たてかべ和也)はのび太(小原乃梨子)とドラえもん(大山のぶ代)をけしかけてアフリカ探検に行こうとするのだが、ドラえもんの出してきた道具による無数の衛星写真を前に途方に暮れる。ところが彼らの前に不思議な子犬ペコ(清水マリ)が現れて…

 藤子不二雄原作・脚本、劇場版ドラえもんの第3作。この頃は頑張るのび太というのはいなくて、映画全体もすごく素朴な作りである種の懐かしさを感じた。いつもの仲間のしずかちゃん(野村道子)、スネ夫(肝付兼太)も健在だが、今回大活躍するのはなんとジャイアン。前半はどこでもドアに守られたなさけないアフリカ探検なんだけど、彼らが窮地に陥ってからはジャイアンが結構見せてくれる。

 小粒な魔境探検に思えて、意外とスケールの広がりを見せてくれるのは見事である。見どころは、木の上の食事かな。

西牧秀夫監督。1982年日本映画。

2010年10月 1日 (金)

私がクマにキレた理由 (2007)

私がクマにキレた理由 大学を卒業するも就職しそこねたアニー(スカーレット・ヨハンソン)は、車にひかれそうになった少年グレイヤー(ニコラス・リース・アート)を助けたことから、彼の子守(ナニー)として雇われる。ナニーをしながら自分の道を探そうとしたアニーだったが。

 自分探しの若い女性を描いた女性映画。エマ・マクローリンの原作を映画化。クマにキレるってどういうことだろうって思ったら、なるほどそういうわけだったのね。納得。

 子供嫌いのアニーが子育てに目覚めていくというとってもまっとうな映画なんだけど、イケメンのカレシ(クリス・エヴァンス)とか彼女の母親(ローラ・リニー)とか芸達者な脇役にかためられて雰囲気は抜群。邦画の「バカヤロー」みたいなお約束な展開なんだけど、見終わった感想はとっても爽やかです。スカーレット・ヨハンソンってほんと、いい女優さんです。

シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・ブルチーニ監督。2007年アメリカ映画。

2010年9月27日 (月)

スター・ウォーズ クローン・ウォーズ (2008)

スター・ウォーズ クローン・ウォーズ はるか彼方の宇宙、分離主義者と共和国は果てしない「クローン戦争」を繰り広げている。共和国のジェダイの騎士であるオビワン・ケノービ(声:ジェームズ・アーノルド・テーラー)、アナキン・スカイウォーカー(マット・ランター)、ヨーダ(トム・ケイン)らは前線に身を置いていたが、アナキンとそのパドワン(弟子)のアソーカ(アシュリー・エクスタイン)は、誘拐されたジャバの子供の救出を依頼される…

 エピソード2と3の間にあったという「クローン戦争」を描いたCGアニメーション。アニメとは言いながらも、おなじみの登場人物がずらっとそれっぽい顔で登場。後半にはアミダラ姫まで登場して、何じゃこれはという状態である。頭のスイッチをちゃんと切り替えて見られる人向けといったところか。

 それにしても、今回は何だか最初から最後まで登場人物は戦争ばっかりしているような印象が強く、やっぱタイトルに「ウォーズ」が2回も付いているだけあってこのシリーズは好戦映画だったんかなぁと複雑な気分にさせられた。フォースを持ったジェダイの騎士たちは、ライトセーバーでどんな攻撃もカンカンとかわせるし、これってハイテク兵器を身にまとった米兵と同義なんかなぁとうがった見方をしてしまった。

 細かいエピソードはテレビシリーズになっているらしいけど、そこまでチェックする気分には残念ながらなりませんでした。実写版(こちらもCGがいっぱいですが)とは何かが違う!?

デイヴ・フィローニ監督。2008年アメリカ映画。

2010年9月26日 (日)

がんばっていきまっしょい (1998)

がんばっていきまっしょい 80年代の四国松山。ボート競技に憧れて高校へ入学した悦子(田中麗奈)は、ボート部に女子部がないことを知ってがっかり。しかしあきらめきれずにひとりで入部して、やがて4人のメンバー(清水真実、葵若菜、真野きりな、久積絵夢)を集めてくるのだったが、日々の練習で自分は腰を痛めてしまう…

 このごろ良く制作される松山が舞台の青春映画。愛媛のおっとりした風土ってのが、青春映画とぴったりはまるんじゃないかと思う。福岡出身の田中麗奈の初期の主演作品だけど、伊予弁を使って熱演。というか、秘めたる情熱ってのがひしひしと感じられる好演と言えるだろう。

 ストーリーはべたべたの部活映画で、ボード部がない、なら作ってしまえ、一勝もできずに挫折、怪我でドクターストップ、強力な訳ありコーチ(中嶋朋子)の登場、そして… というもの。でもこの定番パターンは、日本映画として作り続けられなければいけないんだろうなって思ってしまうのであった。敷村良子原作。後にテレビドラマ化もされているらしい。

磯村一路監督。1998年日本映画。

2010年9月23日 (木)

ホワイトアウト (2000)

ホワイトアウト 日本最大の貯水量を誇る奥遠和ダムがテロリスト(佐藤浩市、他)に占拠される。吹雪のせいでダムは孤立し、ダム人質たち以外にダム作業員の富樫(織田裕二)が取り残される。かつての事故で同僚の吉岡(石黒賢)を失った富樫は、人質となっている吉岡の婚約者の千晶(松嶋菜々子)の救出を誓うのだったが…

 真保裕一のアクション小説の映画化。日本では珍しい本格的アクション映画ということで期待して見たのだが… うーむ、日本のアクションってのは西部警察の時代からあまり進歩していないんじゃないか、というのを実感させられました。

 ストーリーとしては、「ダイ・ハード」の雪山版といったところなんだけど、巨大なダムが本当に吹雪ぐらいで陸の孤島になりうるのかというのが大きな疑問。それに密室での攻防がメインで、思ったよりもスケール感が感じられなかったというのが敗因かも。後半はヘリを使ったり雪崩が起こったりといろいろと雪山アクションのお約束が散りばめられてはいるのだが。

 登場人物たちがまったく銃の扱いを知らなくていらいらさせられるところが、邦画アクションのミソでしょう。当時絶頂の織田裕二と松嶋菜々子が主演。2人の設定上の微妙な関係は、いい味を出してました。

若松節朗監督。2000年日本映画。

2010年9月20日 (月)

ビー・ムービー (2007)

ビームービー 新卒の働き蜂のバリー(声:ジェリー・サインフェルド)は就職を前にして、型にはめられた蜂の職業に疑問を持つ。巣の外に飛び出したバリーは、危機一髪のところを花屋の女性ヴァネッサ(レネー・ゼルウィガー)に救われる。人語をしゃべるバリーはたちまちヴァネッサと打ち解けるが、スーパーで蜂蜜が売られていることを知り蜂が人間に搾取されていることを訴訟することになったのだが…

 絵柄からして「みつばちハッチ」のドリームワークス版かと思いきや、風刺がいっぱい毒が散りばめられたCGアニメ。とはいっても小さなお子様が見てもわからないようなパロディねたが満載…という感じで、お子様連れでも心配することはなさそうだが。

 人間に搾取されていることに怒った主人公が、人間の裁判に訴える。ここまでは予測がつく内容。しかしいざ勝訴してみると、蜂は働かなくなり花は実を結ばなくなり、食物連鎖が崩れて生物絶滅の危機に…とエコロジーな内容になっているのが今風である。結局、生物は協力しなければというメッセージが心地よい。

 スティングとレイ・リオッタのギャグはなかなか笑えたぞ。しかもその吹き替えをちゃんと本人がやってるなんて、なんて懐が深いんだと感心してしまった。他にもマシュー・ブロデリック、クリス・ロック、ジョン・グッドマン、キャシー・ベイツ、バリー・レヴィンソンといった蒼々とした面々が声の出演をされてます。毎度のことながら、予備知識がないと声だけでは誰かわかりませんが。

スティーヴ・ヒックナー、サイモン・J・スミス監督。2007年アメリカ映画。

2010年9月18日 (土)

マンマ・ミーア! (2008)

マンマ・ミーア! ギリシャのリゾート地の小さなホテル。恋人スカイ(ドミニク・クーパー)との結婚式をひかえたソフィ(アマンダ・セイフライト)は、とんでもない計画を実行する。母ドナ(メリル・ストリープ)のかつての恋人で、この中に自分の実の父親がいると思われる3人の男性サム(ピアース・ブロスナン)、ハリー(コリン・ファース)、ビル(ステラン・スカルスガルド)を結婚式に招いたのだ。もちろん母親のドナはそんな事を知るすべもなく…

 ギリシャのリゾート地を舞台に、アバの代表曲を散りばめたラブ・ミュージカル。こういうのは、歌と画面と登場するスターで半分ぐらいは決まってしまって、あとはノリで押し切られていい気分にさせられておしまい、というリゾート的な映画だと言えるのではないだろうか。だから父親探しみたいな重いテーマはそっちのけに、ものすごいノリで歌い踊る熟女3人組(メリル、ジュリー・ウォルターズ、クリスティーン・バランスキー)に拍手をおくりたい気分になった。

 それにしても、「アバ・ザ・ムービー」もそうだったけど、40年近く前のアバの楽曲が現代も通用するなんて、当時はまったく想像もできなかったような気がいたします。メリル・ストリープはともかく、ピアース・ブロスナンが歌えるってことにも新鮮な驚きがありました。

フィリダ・ロイド監督。2008年イギリス=アメリカ合作。

2010年9月17日 (金)

イベント・ホライゾン (1997)

イベント・ホライゾン 2047年の近未来、消息を絶った調査船「イベント・ホライゾン号」が海王星で発見され、ミラー(ローレンス・フィッシュバーン)を船長とするルイス&クラーク号が救助と原因解明に飛び立つ。船にはホライゾン号の開発者であるウェアー博士(サム・ニール)も乗っていたが、やがてホライゾン号とドッキングしたルイス&クラーク号は原因不明の事態に襲われる。

 宇宙船を舞台にしたSFサスペンスホラー。しかし「エイリアン」というよりも「惑星ソラリス」と「禁断の惑星」と「スフィア」を足して割った上にスプラッタのスパイスをきかせた感じで、おまけにくら~い雰囲気はかなり見る人を選びそうな映画。

 「マトリックス」でブレイクする前のローレンス・フィッシュバーンが若くて線が細くて、別人のようなのが見物。後半はサバイバル・ゲームになるんだけど、何となく盛り上がりに欠けるのが残念。

ポール・アンダーソン監督。1997年アメリカ映画。

2010年9月 7日 (火)

ハリー・ポッターと謎のプリンス (2008)

ハリー・ポッターと謎のプリンス 放浪の生活をおくるハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)のもとに、ホグワーツ魔法学校のダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)がやってきて復学を進める。実は宿敵ヴォルデモードの影響で学校も安全じゃないという噂が立っている。旧友のロン(ルパート・グリント)、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)と再開したハリーだったが、校長に連れられて若き日のヴォルデモードであるトム・リドル(ヒーロー・ファインズ・ティフィン、フランク・ディレイン)の記憶を見せられる…

 シリーズ第6作にして、どんどんダークな世界になっていくファンタジー映画。ハリーたちはどんどんとっちゃん坊やに成長していくし、画面はどんどん暗くなっていくし、ストーリーもどんどん暗く沈んでいくので取り残されないように覚悟が必要かも。第1作の観客も、この登場人物のように成長しているんだろうしねぇ。しかしヴォルデモートの過去に迫る本作はストーリーがなかなか面白く、最後まで手に汗握って見てしまった。

 最大のポイントはタイトルにもなっている「謎のプリンス」なんだけど… 最後の最後で「そりゃないんじゃない」って思ってしまった。もっとも次回作はシリーズ最終話なので(前後編に分かれるようですが)、このオチがどうつながっていくのだろうかというのは楽しみではありますが。

デヴィッド・イェーツ監督。2008年イギリス=アメリカ合作。

2010年9月 6日 (月)

世界の果てへの旅 (1975)

Voyage_to_the_end_of_world ジャック・イヴ・クストーの海洋映画の第3作で、事実上の最終作。今回の舞台は南極大陸で、おなじみのカリプソ号は最新装備を積み込んで南下。氷山との衝突や海の氷結、そして吹雪と降雪による沈没の危機などを乗り越えながら、アザラシやペンギンなど南極の動物たちに遭遇。さらに世界初という氷の下への潜水も試みる。

 制作年は1975年ということで、潜水に関するかなり技術も進んだと思われるのだが、さらに困難な南極の海への挑戦である。本来は砕氷船の仕事であろう航路を、おなじみのカリプソ号で乗り切るというのが無鉄砲に感じながらもしっかりと感情移入して見てしまった。

 それにしても、クストーは3本の海洋ドキュメントを作りつつもすべての映画の切り口が違うってのが素晴らしいです。

ジャック・イヴ・クストー監督。1975年フランス映画。

2010年9月 4日 (土)

映画ドラえもん のび太の人魚大海戦 (2010)

映画ドラえもん のび太の人魚大海戦 ドラえもんの秘密の道具「架空水」で町を架空の水の中に沈めて楽しんでいたドラえもん(声:水田わさび)、のび太(大原めぐみ)たちだったが、町中を泳ぐ魚にまぎれて人魚族の王女ソフィア(田中理恵)が泳いでいるのに出会う。ソフィアと仲良くなるドラえもんたちだったが、やがて人魚族の秘密の剣を狙う怪魚族との争いに巻き込まれていく。

 新生ドラえもんシリーズの第5作。今回は子供を連れて劇場にて鑑賞したんだけど、意外とストーリーが込み入っていてこれって子供たちはちゃんと理解しているんだろうかって思ったのは、「のび太と緑の巨人伝」と同じである。もっとも子供たちは人魚スーツを着てビルの谷間をすいすい泳ぐというビジュアルをとっても楽しんでいたようであるが。

 今回は人魚と見せて宇宙人との交流を描いた内容であるが、どんどん広がって行くドラえもんの仲間たちは考えてみると凄い種類で一大サーガを築いている気がする。人魚の戦争に荷担するという内容では、「アンパンマン」にも似たような内容の映画があったなぁ。

楠葉宏三監督。2010年日本映画。

2010年8月30日 (月)

太陽のとどかぬ世界 (1964)

太陽のとどかぬ世界 紅海の海底10メートルに建設された海底基地。ジャック・イヴ・クストーをリーダーとするチームはこの基地に長期滞在し、さらに深い海底26メートルでの生活実験を行う。さらに基地内にドックを設置した深海艇に乗り込み、水深300mの世界に住む生物を撮影する。当時の深海探査をつぶさに記録したドキュメンタリー映画。

 前作「沈黙の世界」をパワーアップした感じで、海面下10mの海底基地と潜行艇をメインとした深海記録映画。シナリオが秀逸というか、まずは10mの海底に住むという危険(当時の)などを描いた上で、さらに深い26メートルの基地への滞在へと進む盛り上げ方が良い。わずか26mと思うかもしれないけど、当時の技術では十分危険でこの深度からでも一気に浮上すれば生命の危険があるという実感が画面から伝わってくる。

 そういった順序をふんだ上での300メートル潜水だからこそ、画面を見ながら「そんなにもぐって大丈夫なの?」という緊張感をひしひしと感じることができた。実に心憎い演出である。確かに世界に「冒険」があった頃の映画である。

ジャック・イヴ・クストー監督。1964年フランス=イタリア合作。

2010年8月29日 (日)

沈黙の世界 (1956)

Munde_du_silence ジャック・イヴ・クストーをリーダーとして、調査船カリプソ号で海洋調査の旅に出たフランスのクルー。海底の難破船、鯨の大群、鮫の群れ、ウミガメの産卵などなど、海の神秘な姿を次々と集めた海洋ドキュメンタリー映画の古典。

 最近では「アトランティス」「皇帝ペンギン」「オーシャンズ」などなど、海洋ドキュメントといえばフランスとも言えるルーツとなるのがこの作品だろう。おそらく当時の最先端と思われる装備を詰め込んだカリプソ号の冒険物語なのだが、海底で息が詰まれば死は免れないわけでそのあたりの緊迫感も随所随所に感じられるリアリティに富んだ映画である。

 手持ちの水中カメラも、何やら映画用のフィルムカメラを小型の缶に詰め込んだような構造で、よくぞあのカメラでここまでの映像を撮ったなぁと感心させられる。子クジラがスクリューに巻き込まれたり、ダイナマイトの爆破で魚の個体調査をしたりと、いい気持ちにさせられるだけではない部分があるのもフランス映画らしい。

 なお、監督は無名時代のルイ・マルが協力している。沈黙の世界だのに、オープニングからコポコポと泡の音に包まれているのがご愛敬。

ジャック・イヴ・クストー、ルイ・マル監督。1956年フランス映画。

2010年8月27日 (金)

ターミネーター4 (2009)

ターミネーター4 2018年の最終戦争後の世界。生き残った人間はスカイネットの機械軍に反してレジスタンスを結成している。自分が何者かも知らない流れ者のマーカス・ライト(サム・ワーシントン)は、ゴーストタウンで出会った少年カイル・リース(アントン・イェルチン)と意気投合して旅をする。一方でカイルの行方を追うレジスタンスのジョン・コナー(クリスチャン・ベイル)だったが…

 シリーズもついに終末戦争後の世界というわけで、少年カイル・リース(実は父)とジョン・コナー(実は子)の物語へと突入する。通して見ている者にはこのあたりのストーリーは「1」「2」を通しておぼろげに知っている部分なので、かなり感情移入して見ることができた。さながら、スケールダウンしているくせに面白い「猿の惑星」シリーズの後半部分を見ているような気分である。

 今回のキーマンは、歳が逆転した親子でもターミネーターでもなく、新登場のサイボーグ・マーカス・ライトだってところ。まぁターミネーターの屈強ぶりをがんがんパワーアップして見せるよりも、このひねった展開の部分が成功しているところだと思う。その出生の秘密にからむヘレナ・ボナム・カーターも、相変わらず怪しさ大爆発でいい味を出してます。

 次回作は、ついにカイル・リースがタイムマシンに乗る物語か?

マックG監督。2009年アメリカ映画。

2010年8月26日 (木)

アナコンダ3 (2008)

アナコンダ3 蘭のエキスから不老不死の薬を研究するアマンダ(クリスタル・アレン)は研究所で実験動物として巨大なアナコンダを飼育している。ところが急激な薬の投与で凶暴化したアナコンダは檻を破って脱走。研究の秘密流出を恐れたウェクセル・ホール社は、フリーのハンター(デヴィッド・ハッセルホフ)を雇ってアナコンダを捕獲しようとするのだが…

 シリーズ第3作にしてビデオムービー…とくれば、まったくの別作品をこじつけたものかと思いきや、ちゃんとストーリーはつながっていた。パート2からはじまった不老不死の蘭の花にまつわるエピソードとなっているのだが、ストーリーよりも何よりもアナコンダたちがぐじゃぐちゃと人間を食べまくるスプラッティー描写の方が目につくホラー作品となっている。

 ただしB級が好きな方にはおすすめで、あの「ナイトライダー」のデヴィッド・ハッセルホフが出ていたり、主役のクリスタル・アレンはなかなかの美形だったりと出演者もB級ながらもツボを得た配役となっている。気になるのは、アナコンダの顔の造形が何ともコミックっぽいあたり(黄色い目がウィークポイントかも)かな。

ドン・E・ファンルロイ監督。2008年アメリカ映画。

2010年8月21日 (土)

HANA-BI (1997)

HANA-BI 西(ビートたけし)は刑事だったが、同僚が身代わりになって撃たれたのをきっかけに今は仕事をやめている。彼には不治の病の妻(岸本加世子)がいて、さらに借金取りに追われる毎日。決心のもと銀行強盗を働く西だったが…

 ずいぶん久しぶりに見たたけし映画。ベネチア国際映画祭でグランプリを取りながら見逃していた1本だけど、いざ目にしてみるとその第1作「その男、凶暴につき」とそっくりな主人公。まわりをばしばしとまくし立てる展開。ちょっとクセのあるギャグと、これはどう評価したらいいんだろうと悩んでしまったのが正直なところ。

 ただしひとつだけ心に残ったのは、彼と妻(岸本加世子)の関係。この頃見かけなくなってしまった岸本だけど、この映画を見るといい女優さんだったなぁと思います。それだけにあのラストはどうも納得いかない。花火のように潔いのかもしれないけど、やっぱこういった生き方も主人公のキャラも私は苦手だわ…

北野武監督。1997年日本映画。

2010年8月20日 (金)

メメント (2000)

メメント 記憶が数分間しか持たないレナード(ガイ・ピアース)。実は彼の妻(ジョージャ・フォックス)は何者かによって殺害されてしまい、その時からレナードは記憶障害を起こしていた。しかも独自に犯人を捜す彼のまわりには、担当刑事のテディ(ジョー・パントリアーノ)、ナタリー(キャリー・アン・モス)、バート(マーク・ブーン・Jr)といった怪しい面々がうごめいている…

 記憶が持たない男の犯人捜しを描いたサスペンス。記憶がどんどん変わっていく意外性を観客にも体験させるために、時間を経過をひっくり返すという荒技に出ているのだが、これが意外と成功していて見ていてあれあれという気分にさせられる。でも、全体の流れを追うのはとっても大変で、頭をフル回転させなければいけない上に、このストーリーが面白いかといえば「???」って感じである。

 記憶を身体にきざむってわけで、全身入れ墨になったレナードは確かに映画的にも絵になる。カルトの風格をもった映画ではあると思うが、もう1回見て真相を確かめたいかといえばこれまた「???」である。

クリストファー・ノーラン監督。2000年アメリカ映画。

2010年8月19日 (木)

ワンダフルライフ (1999)

Wonderfullife 月曜日に天国の入り口にある古びた建物に、所長の中村(谷啓)をはじめ、望月(ARATA)、川嶋(寺島進)、杉江(内藤剛志)、しおり(小田エリカ)が集まってきた。彼らの仕事は、22人の死者(伊勢谷友介、吉野紗香、由利徹、白川和子、他)から聞き取りを行い、人生で一番の思い出のビデオを作ること。年寄りから若者まで、死んだ者の思い出は千差万別なのだったが…

 1週間の間に、一生の思い出をひとつだけ選びなさいというある意味究極の人生の精算をテーマにしたドラマ。恐ろしくレトロな建物を前に、映画セットを使ってアナログなセット撮影で思い出をひとつだけ残すというのが何とも面白い設定なんだけど、これを見て懐かしさを感じる人間は限られるんじゃないか、なんていらないことを考えることもしきり。

 結構印象に残ったのは、セスナでの飛行を選んだ男のエピソード。いわゆる大昔の特殊撮影シーンの再現といったところなのだが、綿や煙を雲に見立てたりあれよこれよの撮影が、古き良き時代の映画撮影を思わせて撮影スタッフたちもいい気分だったのではないかと想像される。で、自分が持って行く最良の思い出ってのは何なんだろう。この答えは本音と建て前では、きっと違うだろうなって思わされる映画でありました。

是枝裕和監督。1999年日本映画。

2010年8月18日 (水)

バンコック・デンジャラス (2008)

バンコック・デンジャラス バンコックにやって来た凄腕の殺し屋ジョー(ニコラス・ケイジ)は引退を意識して、今回の4回の殺しを最後の仕事にしようと決意する。ところがアシスタントに雇ったチンピラのコン(シャクリット・ヤムナーム)には正体を見破られ弟子にすると約束し、薬局で知り合ったフォン(チャーリー・ヤン)という女性に心をひかれたことから運命が狂い始める…

 ザ・パン・ブラザーズのタイ時代の映画「レイン」のセルフリメイク作品。しかし雰囲気は、何やらスティーヴン・セガールが東欧で撮った作品のように荒削りで何とも寒々しい雰囲気。4つの掟を持つストイックな殺し屋…のはずなのに、女に惚れるわ運びやに同情するわで素人目で見てもしくじるな…と思ったら案の定。しかも過去にひどいことを繰り返してきた主人公だけに、感情移入するにもちょっとね…と感じで何の余韻もなく映画は終わってしまった。

 聡明そうに見えるヤンという女性なんだけど、なんでこんな男に惚れてしまったんだろうか。それがニコラス・ケイジのご面相だったからといっても、ちょっと説得力に欠けるぞ。制作にも名を連ねるニコラス・ケイジだけど、セガールと同じ道を歩まぬように願う(笑)。

オキサイド・パン、ダニー・パン監督。2008年アメリカ映画。

2010年8月11日 (水)

天使と悪魔 (2009)

天使と悪魔 欧州原子核研究機構(セルン)から、生成された反物質が強奪される事件が発生する。宗教象徴学者のロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)は、殺害された科学者の胸にアンビグラムの紋章が焼き印されていたことから、事件の捜査に協力を求められる。一報、ローマ法王死去のためバチカンでは新法王を決めるコンクラーベが行われていたが、候補者の4人が拉致される。秘密結社イルミナティの仕業としたラングドンは、研究所のヴィットリア(アイェレット・ゾラー)と共に事件を追うのだったが。

 ダン・ブラウン原作で、ヒット作「ダヴィンチ・コード」の続編(原作では前編らしい)とのことだが、ヴァチカンを中心にしたアクション編で頑張ってるにもかかわらず何やらスケール感はダヴィンチには至らない。たぶん、謎の部分が我々になじみのない部分だからなんだと思う。イルミナティやコンクラーベと言われても、ストーリーは破綻なくすすんで行くにもかかわらず何か乗り切れない感じ。

 だいたい反物質という設定からして、神がかりである。それを磁石でビンの中に浮かしておくなんて、核兵器が電磁石で浮いているのと同じようなめちゃめちゃ恐ろしい状態なのではないだろうか。

ロン・ハワード監督。2009年アメリカ映画。

2010年8月10日 (火)

グラン・トリノ (2008)

グラン・トリノ デトロイトで隠居暮らしをするコワルスキー(クリント・イーストウッド)は妻に先立たれ、その頑固な性格ゆえに息子たちともうまくいっていない。ところが隣に住むのアジア系の少年タオ(ビー・ヴァン)と姉スー(アーニー・ハー)を不良たちから救ったことから、家に招かれる。迷惑がりながらもタオを気にかけるコワルスキーだったのだが…

 私の中で常に賛否両論が渦巻くイーストウッドの近作。俳優業はこれでおしまいを宣言しているそうだが、なるほど人生の締めくくりを感じさせる作品。イーストウッドじいさんの命の扱いには、例えば「ミリオンダラー・ベイビー」では激しい拒否反応を感じてしまったのだが、この作品はどうだろう。否定しながらも感動している自分がいるのが空恐ろしい怪作である。

 この作品で胸を打つのは、やはり人生に対する悔いでしょう。朝鮮戦争での行いをずっと悔いつづけて、いこじな老人になってしまったコワルスキー。やっと見つけた心を開くことができる相手ってのが自分の子供たちではなく隣の男の子だったってのもありがちな話。しかし彼は男の子のために自分の人生の決着まで付けちゃうわけですね。

 感動はするし、復讐の負の連鎖も終わりそうだけど考えたらこのタオって男の子はどう育つんだろう。グラン・トリノって名車は重い十字架としてずっと乗っていくんじゃないか…そんな気分にさせられるラストシーンではありました。

クリント・イーストウッド監督。2008年アメリカ映画。

2010年8月 7日 (土)

オーストラリア (2008)

オーストラリア 1940年代、夫を訪ねてイギリスからオーストラリアの牧場にやってきたサラ・アシュレイ(ニコール・キッドマン)だったが、粗野な使用人ドローヴァー(ヒュー・ジャックマン)にいいようにあしらわれた上に、夫の突然の死を知る。屋敷の権利を守るために、ドローヴァーに加えアボリジニの少年ナラ(ブランドン・ウォルターズ)たちと牛追いの旅に出ることになったのだったが…

 戦前・戦中のオーストラリアを舞台にした大河ドラマ。牛追いのエピソードだけで1本の映画が作れそうなところだが、その後に悪徳商人たちとの食肉の競売やら、日本軍が攻めて来たりとか、いろんなエピソードがこれでもかと積み重ねられる。散漫といえば散漫なのかもしれないんだけど、実は個人的にこういうごった煮たたみかけ映画って映画を見たって気分になって好きなんですね。満足満足。

 粗野なオーストラリアにほうりこまれたニコール・キッドマンがなかなかコミカルで面白いです。彼女、トム・クルーズと別れた頃は綺麗になったと思ったものだけど、この映画では完全な汚れ役でお世辞にも綺麗ではない。でもそこが味があっていいんでしょう。競演のヒュー・ジャックマンもオーストラリア出身だとは、この映画を見て調べて初めて知りました。

 オーストラリアといえば観光地、リゾート地というイメージが強いんだけど、本当のオーストラリアを見た気分にさせられる映画。アボリジニの男の子の目線で語られるんだけど、彼が可愛かったな。

バズ・ラーマン監督。2008年オーストラリア映画。

2010年8月 6日 (金)

ザ・セル2 (2008)

ザ・セル2 猟奇殺人犯に監禁されながらも奇跡の生還を遂げたマヤ(テッシー・サンティアゴ)。それから彼女は、人の意識の中に入り込む能力を得て、ハリス捜査官(フランク・ホエーリー)と共に事件の犯人を追うのだったが…

 あの「ザ・セル」の続編。「ザ・セル」は牛の輪切りしか記憶がない(笑)んだけど、どうもこれはタイトルだけいただいたまったくの別ストーリーのようだ。主人公マヤの特殊能力は自然についたもののようだし、今回は科学的な背景がまったくない。サイコ犯を特殊能力を使って追い詰めていく、という部分にスポットを当てた物語となっている。「Xファイル」の映画版にも似たようなストーリーがあったなぁ。

 冷酷なシーンは、映画がスケールダウンしながらも相変わらず。ただし薄型モニターの部屋(?)は何とも意味不明で、意識化における記憶ってのはあんなふうに格納されてるっていう裏付けでもあるのかな?

ティム・イアコファーノ監督。2008年アメリカ映画。

2010年8月 5日 (木)

ウォッチメン (2009)

ウォッチメン 80年代のアメリカ、「コメディアン」と呼ばれたヒーローのエドワード・ブレイク(ジェフリー・ディーン・モーガン)が何者かに殺される。事件をかぎつけたロールシャッハ(ジャッキー・アール・ヘイリー)は、かつて「ウォッチメン」と呼ばれた引退したヒーローたち(マリン・アッカーマン、ビリー・クラダップ、マシュー・グード他)を呼び集めるのだったが…

 デイヴ・ギボンズのグラフィックノベルを映画化。かなりダークな内容は完全な大人向けで、しかも果てしなく暗い。それもそのはず、背景にはニクソン政権と日ソ冷戦である。

 やっぱ強烈にキャラが立ったドクター・マンハッタンがひとりで突っ走ってしまったという感じ。火星に別荘を持つあたりまではかろうじて許せるとしても、外宇宙にぶっとんでいってしまうってのは何なんだろう。もはやコワイものなし?

ザック・スナイダー監督。2009年アメリカ映画。

2010年8月 3日 (火)

路上のソリスト (2009)

路上のソリスト LAタイムズの記者のスティーヴ・ロペス(ロバート・ダウニー・Jr.)は、浮浪者が見事にバイオリンをかなでるのを目撃する。彼の名前はナサニエル・エアーズ(ジェイミー・フォックス)といい、かつてはジュリアード音楽院へ通っていたという。好奇心がむくむくとわき上がったロペスは、彼のコラムを連載するようになるのだったが…

 実話の映画化、というわけで、ロペスもエアーズも実在するということだ。エアーズは天才音楽家と言われているのだが統合失調症を患っており、普通の生活ができない。そんな彼の殻を、ロペスが徐々に解きほぐしていく様子が淡々と語られる映画である。

 しかし…殻が固すぎるのか個人的には共感も理解も、あるいは感動も得られないうちに映画は終わってしまった。彼を理解する手がかりがないまま、映画はするすると終わってしまったという感じである。波長が合わなかったというところか。せめて、演奏シーンをもっともっとたくさん用意してほしかったかな、とも思う。

 ナサニエルが注目されたのは天才音楽家だったからだけど、彼が普通の人だったら…普通の浮浪者ってことで、誰も注目しなかったんだろうな。

ジョー・ライト監督。2009年アメリカ映画。

2010年8月 1日 (日)

ベッドタイム・ストーリー (2008)

Vwbs1073 小さなホテルに育ちながら、大会社に乗っ取られて今はそのホテルの清掃係になっているスキーター(アダム・サンドラー)。ある日、小学校の校長で潔癖症の姉ウェンディ(コートニー・コックス)の子供たちパトリック(ジョナサン・モーガン・ハイト)とボビー(ローラ・アン・ケスリング)を預かることになる。なかなか寝ようとしない2人に、奇想天外な作り話(ベッドタイム・ストーリー)を聞かせるスキーターだったが、なんと話は翌日には現実になっていて…

 作り話が本当になってしまうという、嘘みたいな話。でも主人公も子供たちも無邪気で欲がなく、話はホテルの経営権に関するプレゼンと、ホテルを相続予定のケンドル(ガイ・ピアース)との一騎打ちに流れていく。何とも釈然としない展開なんだけど、話は観客(私だけ?)を置き去りにしてとんとことんとこ進んでいってしまったという感じ。

 アダム・サンドラーのコメディで、製作はディズニー。当然、絵に描いたようなハッピーエンドに終わるのはお約束だけど、久々に意味不明なコメディを見た感じ。新ホテルのプレゼンがサプライズもなく、どっちもどっちだったのが最大の敗因かも。

アダム・シャンクマン監督。2008年アメリカ映画。

2010年7月31日 (土)

海外特派員 (1940)

海外特派員 1940年、世界大戦の行方を決めるヨーロッパの動向の取材のために、クビになりかけの記者ジョーンズ(ジョエル・マクリー)が抜擢され派遣された。ところが交渉の鍵をにぎるオランダの要人ヴァン・メア(アルバート・バッサーマン)がジョーンズの目前で暗殺されてしまう。キャロル(ラレイン・デイ)と共に犯人を追うジョーンズだったが…

 階段での暗殺シーン、風車での追跡シーン、飛行機の墜落などなど、当時としてはかなりのジェットコースタームービーではなかったかと想像されるヒッチコックの古典映画。カメラで撮影しようとして暗殺するシーンは、カメラに銃が仕込んであるのかと思ったら単にカメラの横に銃を構えているだけだった。でもカメラの仕込み銃だったような印象だけが残るのが不思議。このシーンに至るまでは実にゆったりとした展開なのだが、ここから物語はころころと転がりはじめる。

 また、シチュエーションからして主人公が犯人と疑われ、警察に追われながら犯人を追うという「逃亡者」タイプの展開かと思ったらそれも違った。逃げながら追うというのもヒッチコックの定番かと思ってたのだが、それもすっかり外されたのが逆に面白かった。

 第2次大戦前の微妙な時期に作られた映画だけど、ぴりぴりとした時代背景を見事にフィルムに写し取った傑作だと思う。個人的には同年に撮られた「レベッカ」の方が好みなんだけど、こちらの方がヒッチコックらしい映画だと言えるでしょう。

アルフレッド・ヒッチコック監督。1940年アメリカ映画。

2010年7月29日 (木)

子猫物語 (1986)

子猫物語 子猫のチャトランは川に流されて、母猫と離ればなれになってしまう。友人の犬のプー助と共に旅を続け熊と戦ったりいろいろあったのだったが、やがて一匹の白猫と仲良くなって…

 結構ブームになったと記憶する、ムツゴロウ先生監督の動物映画。まったくノーマークで無視していた映画なんだけど、今回眼にして、ノーマークでも別に問題なかったと確認(笑)。まぁ猫が好きな人ならありかな、と思える内容だし、ぼーっと見ているだけには緑もたっぷりで癒し系でいい。小泉今日子の詩の朗読が入っているのもいい。坂本龍一が音楽を、市川崑が協力監督を務めているのが、ソツなくまとまっている勝因かな。

畑正憲監督。1986年日本映画。

2010年7月26日 (月)

アンナと王様 (1999)

アンナと王様 イギリスからシャムのモンクット王(チョウ・ユンファ)の子供の家庭教師として雇われて来たアンナ(ジョディ・フォスター)。一夫多妻制からその妻と子供の数に驚き、また東洋文化になじめないアンナは、持ち前の気の強さで自分の主張を押し通すのだったが…

 アンナ・レオノーウェンズの原作を映画化。というよりも、「王様と私」の再映画化といった方が往年の映画ファンだったらぴんとくるかも。前作のようにミュージカル仕立てではなく、ちょっと軽めの実録ものといった感じで、後半はクーデターがからんだアクションシーンへと展開していく。テレビムービーのような軽さが鼻につかなくもないが、さすがに2大スターで固めてあるだけに見るべきところは多い。

 言うならば異文化の衝突を描いた映画なんだけど、チョウ・ユンファがアジアを代表して一歩も引いてないところがかっこいい。お互いに、譲るべきところは譲る、というのがこれまたいいんだな。一夫多妻制がハードルになって、この2人を無理矢理くっつけることができなかった部分がちょっと不完全燃焼って感じがしなくもありませんが。

アンディ・テナント監督。1999年アメリカ映画。

2010年7月25日 (日)

ワルキューレ (2008)

ワルキューレ 第2次世界大戦のアフリカ戦線で、瀕死の重傷を負ったドイツ軍大佐のシュタウフェンベルク(トム・クルーズ)。ヒトラーに反感を持ちレジスタンスに誘われた彼は、クーデター鎮圧のための「ワルキューレ作戦」を逆手にとったヒトラー暗殺計画を思いつく。やがて、「狼の巣」と呼ばれる作戦司令室に爆弾の入ったカバンを持ち込むことに成功したシュタウフェンベルクだったが…

 最後のヒトラー暗殺計画を描いた実録戦記サスペンス。史実に基づくというわけで、当然結末はわかっているわけだけどこれは面白い。特に爆弾が爆発してから、ヒトラーの生死が確認できず右往左往するレジスタンス側の描き方は、彼らと同じくフラストレーションを感じる作りがさすがである。

 ナチス占領下のドイツにおいて、いろんな立場の人間がうごめいている描写も素晴らしい。これって、日本の戦時中を描いた邦画を見ているのと同じ感覚だと思うのだがどうだろう。ヒトラーが妙に生々しく描かれているのも、この映画の特長だろう。

ブライアン・シンガー監督。2008年アメリカ=ドイツ合作。

2010年7月23日 (金)

相棒 劇場版 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン (2008)

相棒 劇場版 警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)、亀山薫(寺脇康文)は、連続猟奇殺人事件の捜査を行う。事件の現場にはペンキで記号が書かれており、それはチェスに関係すると右京は割り出す。同じ頃、議員の片山(木村佳乃)の主導による東京シティマラソンが開催されようとしていた…

 人気テレビシリーズの映画化第1弾。こういう映画の例にもれず、テレビ版はまったく知らずに観賞したのだがこれが結構面白かった。かつてのよくできた邦画といった雰囲気で、国会議員やテロや、治安の悪い国の国外退去問題や何やらうじゃ~っとまとめて、映画は終わるのかなと思ったらまた次のネタが、そのまた次のネタがどんどん出てきてしっぽまであんこがぎっしりという感じである。邦画はやっぱりこうでなくっちゃ、という感じである。

 主人公2人のタイプの違いがいい感じに物語を盛り上げている。こりゃ確かにテレビドラマ向けの設定なんだけど、うまく映画にスケールアップしていると感心した。続編も見てみたいかな。

和泉聖治監督。2008年日本映画。

2010年7月19日 (月)

ドラゴンボール EVOLUTION (2009)

ドラゴンボール EVOLUTION ハイスクールに通う悟空(ジャスティン・チャットウィン)は密かに祖父にカンフーの修行を受けているが、その祖父が復活した悪の大王ピッコロ(ジェームズ・マスターズ)に殺される。祖父の最後の言葉で、世界に散らばる7つのドラゴンボールを探す悟空は、祖父の師匠である亀仙人(チョウ・ユンファ)、山賊のヤムチャ(パク・ジュンヒョン)、科学者のブルマ(エミー・ロッサム)と出会い旅をはじめるのだったが…

 言わずと知れた鳥山明の人気コミックのハリウッド実写映画化。この手の企画で成功した試しはないのだが、本作も恐らく長大であろう原作をぎゅっと1時間半に凝縮して消化不良を起こしたであろうと思われる内容である。まぁ幸か不幸か原作もアニメもまったく見たことがないので先入観はゼロで見ることができたんだけど、ノリとしてはスーパーマリオやハワード・ザ・ダックの実写映画化と限りなく近いものがありました。  いっそのこと、チャウ・シンチーあたりの監督で徹底的におちゃらけに作られた方が面白かったかも、と無責任に考えてしまうのであったが、よく見たら彼は製作に別名(スティーヴン・チョウ)で名前を連ねているぞ。

 チョウ・ユンファって久しぶりに見たけど、コメディが似合っていた。チチ役のジェイミー・チャンが魅力的。田村英里子はもうちょっと出番があっても良かったかも。 もったいない。

ジェームズ・ウォン監督。2009年アメリカ映画。

2010年7月17日 (土)

地球が静止する日 (2008)

地球の静止する日 約50年前のインドに謎の球体が登場し、ひとりの男が行方不明になる。そして現代、またしても謎の球体が地球に飛来して、セントラルパークに落下。中から宇宙人クラトウ(キアヌ・リーヴス)が登場し、地球の代表たちに合いたいという。それは無理だと告げる国防長官(キャシー・ベイツ)だったが、クラトウは対策チームのひとりのヘレン(ジェニファー・コネリー)とその子ジェイコブ(ジェイディン・スミス)と姿を消してしまう…

 あのロバート・ワイズ監督のSFの古典「地球が静止する日」のリメイクである。というと、空飛ぶ円盤とひとつ目のロボットが思い浮かぶんだけど、そのあたりは忠実に再現。ただし円盤は「スフィア」を思わせる球体に、背景にあった冷戦は、エコロジーへと置き換えられている。当然、地軸を90度傾けるという制裁(人類以外も死んでしまう)のではなく、何やら虫の大群が襲ってきて人間だけが死んでしまうような設定になっている。

 とまあ、いろいろいじられているのは良いとしても…説明不足に唐突に終わってしまうラストにはどうにも納得できないものがあった。上映時間は1時間40分ぐらいだったと思うのだが、これって後ろの30分ぐらいがカットされてんのじゃないの?

 キアヌ様とジェニファー・コネリーのコンビはいい雰囲気なんだけど、もう1人気を吐いていたのが国防長官のキャシー・ベイツ。国連を目指して宇宙人はやって来たのに、何で各国代表を集めることができないんだろう。大統領に従うと言いながら、大統領が全然画面に出てこないのも何だかなあ…

スコット・デリクソン監督。2008年アメリカ映画。

2010年7月16日 (金)

ボーン・コレクター (1999)

ボーン・コレクター 捜査中に地下で鉄骨の直撃を受けて、全身麻痺になってしまった捜査官のライム(デンゼル・ワシントン)。しかし今はその才能を生かして、サイコ犯の捜査のアドバイザーを担当をしている。婦人警官のアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)は、犯行現場の初動捜査の手際の良さから、このライムに見いだされる。ところが挑んだ連続殺人犯は、とんでもない相手であった…

 デンゼル・ワシントンがブレインで、アンジェリーナ・ジョリーが手足になって動くという、いわゆる二人三脚の推理サイコサスペンスである。新人警官+アドバイザー+猟期殺人犯という図式では「羊たちの沈黙」と非常に似ているが、2人の個性が際だっているのと、ストーリーの面白さから映画はまったくの別物になっている。

 しかしあのヒントから犯行現場まで割り出してしまうなんて…プロファイルの技術って凄いと見るべきか、ありえないと切り捨ててしまっちゃっていいのか迷うところ。とどのつまり、面白かったから良しとしようって感じになっちゃったけど。犯人は意外なところにいたけど、その伏線のあたりがまったくわからなかった。これは当方の注意力散漫か頭が悪いせいだろうけど。もう1回見れば気がつくかな。

 デンゼルの世話をするクイーン・ラティファが何か凄く魅力的だった。現在も印象的なバイプレイヤーというポジションにいるけど、彼女はもっとブレイクしてもいいんじゃないかな。

フィリップ・ノイス監督。1999年アメリカ映画。

2010年7月15日 (木)

スモーキング・ハイ (2008)

スモーキング・ハイ 裁判所の召喚状配達の仕事をするデール(セス・ローゲン)はマリファナ中毒。友人で売人のソール(ジェームズ・フランコ)から、「パイナップル・エクスプレス」なる麻薬のサンプルを手に入れて上機嫌だったが、召喚状の配達先である麻薬王テッド(ゲイリー・コール)が婦人警官と共に殺人を犯すところを目撃してしまう…

 マリファナ中毒の2人が主人公で、ラリりながら(?)殺人事件に巻き込まれて、麻薬王を相手に珍道中を繰り広げるという、日本人的な発想で見ると何とも反社会的な作品である。たぶんマリファナに関する感覚が違うんだろうね。さすがにセス・ローゲンとジェームズ・フランコの掛け合いは面白く、所々くすりとさせられたけど、そのマリファナにまつわる部分がしっくりこなくて、一歩引きながら見てしまったという感じである。

 ところで、途中から登場しなくなってしまった高校生の彼女、結局どうなっちゃったんだろう?  この映画で彼女が唯一まともだった気がするのだが。

デヴィッド・ゴードン・グリーン監督。2008年アメリカ映画。

2010年7月13日 (火)

13日の金曜日 (2009)

13日の金曜日 あの惨劇のキャンプ場クリスタル・レイクで若者たちが行方不明になる事件が起こる。妹ホイットニー(アマンダ・リゲッティ)を探してクレイ(ジャレット・バダレッキ)はクリスタルレイクへやって来るのだが、ジェナ(ダニエル・パナベイカー)をはじめとする大学生グループと合流する。そして再び、惨劇がはじまるのだったが…

 マイケル・ベイ制作による有名ホラー映画のリメイクである。なぜ今更ジェイソンを…って気がしなくもないんだけど、今までのシリーズのエッセンスをぎゅっと詰め込んだような内容を新作として見せられたら悪い気はしない。ちょっとデジャ・ヴーを感じるかのような内容ではあるが、13日の金曜日のエッセンスをうまい具合に凝縮した映画となっている。

 しかし、今見るとやっぱりこのシリーズって猥雑なのが何とも言えないです。学生たちが別荘で青春を謳歌しているように見えて、黒人やアジア系の人たちの扱いにちょっと人種差別っぽいものを感じたのは考えすぎかな。結局は十把ひとからげで、ジェイソンくんにばっさばっさとやられてしまうわけなんですが…

マーカス・ニスベル監督。2009年アメリカ映画。

2010年7月12日 (月)

パニッシャー ウォー・ゾーン (2008)

パニッシャー ウォー・ゾーン 家族を殺された過去のために、極悪人を処刑するパニッシャーになったフランク(レイ・スティーヴンソン)。ところが犯罪組織の重要人物ルソッティ(ドミニク・ウェスト)と戦った時に、誤ってFBIの潜入捜査官を殺してしまう。さらに顔を切り刻まれたルソッティは、ジグソウと名前を変えてパニッシャーへの復讐に燃えるのだったが…

 人気(?)アメコミ「パニッシャー」の映画化の続編。バイオレンス描写が半端ではなく、まるでスプラッタ映画を見ているかのような描写の連続である。根っこは必殺シリーズや香港クンフー映画と同じ、復讐&処刑ものであり、難しいことは考えずにぽかりとやってしまうようなストーリーである。頭をすっからかんにして、理屈なしで楽しむというのが正しい鑑賞法(?)だろう。

 防弾チョッキ(だよな?)に身を包んだ無敵のヒーローって設定なんだけど、誤射で善人を殺してしまったというのはこういう復讐ヒーローものでは絶対に論じられそうなテーマであり、正攻法だと思う。しかし、そこにオチをつけてまとめ上げるのは並大抵のことではありません。かくして、消化不良のまま終わってしまった感じなのだが、こういった理屈をこねるのはこの映画ではやっぱり正しい鑑賞法ではないのかもしれません。

レクシー・アレクサンダー監督。2008年アメリカ映画。

2010年7月10日 (土)

コラテラル・ダメージ (2001)

コラテラル・ダメージ 命知らずの活躍をする消防隊長のゴーディ(アーノルド・シュワルツェネッガー)だったが、目の前でテロリストに妻子を爆殺される。国家間の事情により何もできない政府を尻目に、ゴーディは犯人のウルフ(クリフ・カーティス)が潜むコロンビアに単身乗り込んでいく…

 あの9/11事件と重なって公開が延期されたといういわく付きの映画。しかし、敵がテロリストだという以外はいつものシュワルツェネッガー・アクションで特に政治的にメッセージが、とかいうたぐいの作品ではない。ただし軽いノリの映画だけに、妻子を奪われた民間人の復讐劇ってあたりが引っかかる。テロに復讐という解決法は、やっぱり無限の連鎖は断ち切れない。

 見るべきものがあるとすれば、敵役のウルフも妻子を殺された…というエピソードがちょこっと語られるあたりだけど、ストーリーにうまく生かされないまま終わってしまったのが残念である。主人公が消防士という設定も、斧を持って戦ったり、火に強かったりと生かされていたけど、さすがにゲリラに素手で立ち向かうのは苦しいのでは。このあたりはシュワちゃん主演の映画だから許されるマジックかな。

 余談だけど、ジョン・レグイザモとジョン・タトゥーロがちょこっとだけ出てきます。すぐに死んじゃって、すごいもったいない状態だけど。

アンドリュー・デイヴィス監督。2001年アメリカ映画。

2010年7月 8日 (木)

チェ 39歳 別れの手紙 (2008)

チェ 39歳 別れの手紙 キューバ革命を果たし、重要な地位についたチェ・ゲバラ(ベニチオ・デル・トロ)。しかしカストロ首相(デミアン・ビチル)に別れの手紙を残し、新たな紛争地帯であるボリビアへと渡っていく。独裁政権のバリエントス大統領(ヨアキム・デ・アルメイダ)を相手に再びゲリラ戦に挑むゲバラだったが…

 チェ・ゲバラ2部作の後編で、ボリビア編。ただしゲリラ戦の様子や淡々とした語り口は前作を引き継ぐかのようで、たぶん部分部分を見せられたらどちらがどちらかわからなくなるような気がする。BGMのないエンドロールをながめながら、結局ゲバラって何だったんだろうってしばし余韻にひたる。たぶん「ランボー」みたいに、戦場じゃないと生きられない人。いや、彼はランボーみたいなスーパーマンではない。

 やっぱ革命が一段落したキューバに自分の居場所を見つけられず、新たな紛争地帯に乗り込んでいく自分への厳しさがゲバラのゲバラたる所以か。映画だけでは、うまく伝わって来なかった部分ではありますが。

スティーヴン・ソダーバーグ監督。2008年フランス=スペイン合作。

2010年7月 6日 (火)

チェ 28歳の革命 (2008)

チェ 28歳の革命 1950年代の南米。貧しい人々の解放のために、ボートでキューバに上陸するチェ・ゲバラ(ベニチオ・デル・トロ)。カストロ首相(デミアン・ビチル)に肩入れをし、ゲリラを組織してバティスタ政権と様子をたんたんと描いた伝記映画。

 ゲバラの青年時代を描いた「モーターサイクル・ダイアリーズ」が面白かっただけに期待して見たんだけど、これはいただけません。淡々とゲリラ戦のエピソードを積み重ねていく構成で、ゲバラに関する予備知識がないと何が起こっているのかさっぱりわかりません。裕福な生まれの青年が命をかけて何かを成し遂げようとするわけですから、そのあたりの説得力はスクリーンの中からも伝えてほしかったところ。

 前後編に別れているのだけど、こちらはキューバ編、後半はボリビア編ということらしい。というわけで、ボリビア編に期待することとしよう(笑)。

スティーヴン・ソダーバーグ監督。2008年アメリカ=フランス=スペイン合作。

2010年7月 5日 (月)

デュプリシティ スパイはスパイに嘘をつく (2009)

デュプリシティ 元CIA、今は産業スパイのレイ・コヴァル(クライヴ・オーウェン)は、雇われ先のエクイクロム社で過去につきあいのあった元MI6のクレア(ジュリア・ロバーツ)に再会する。実はエクイクロム社はライバルのB&R社の画期的な新製品の情報を盗もうとしており、2人はこの情報をさらにリークしようと企むのだったが…

 とあらすじを書いていても混乱してきそうな、どうにも大変なストーリーの2重スパイ・3重スパイ物語。この手の話はどっちがどっちについているという概念が希薄なので、感情移入しにくい上にああ、あっちの味方だったんかとか、いろいろとからくりを見せられても感心させられることは薄い。たぶん自分の理解能力の弱さ…だけじゃないと思うんだが。

 それにしても、ジュリア・ロバーツはかつての輝きを失ったような気がするのは何でだ? クライヴ・オーウェンは007ばりにかっこをつけているんだけど、どう見てもから回りしている感じである。だいたい日本語タイトルの「スパイはスパイに嘘をつく」だけど、嘘をつかないスパイなんて成立しないだろうって突っ込みたくなってしまった。

トニー・ギルロイ監督。2009年アメリカ映画。

2010年7月 3日 (土)

ワン・ミス・コール (2008)

ワン・ミス・コール 女子大生のシェリー(ミーガン・グッド)の携帯におかしな電話がかかってきて、その未来の着信時間に彼女は溺死する。不可解に思った彼女の友人のベス(シャニン・ソサモン)だったが、彼女の別の友人レアン(アズーラ・スカイ)にも同様の電話がかかってきて…

 未来の着信時間で自分の断末魔の悲鳴が携帯にかかってきて、その時間に死ぬ…という秋元康原作のホラー「着信あり」のハリウッド版リメイク。日本版は確か続編も含めて3本作られたが、本作はそのエッセンスをぎゅっと1本にまとめた感じで、クリーチャーなんかも登場してよりエンタテイメント性を高めようとしたように思える。しかし、着信=死というホラーな部分が薄まってしまい、正直言ってあまり面白くなかった。

 日本版ではぼやかされてしまった、赤いキャンディの謎が明かされているくらいで(大した謎ではなかったが)、あとはどうだかなって感じ。これはガラパゴス的な進化を遂げた日本の携帯が登場してこそ、楽しめる内容のネタだったんかな。

エリック・ヴァレット監督。2008年アメリカ映画。

2010年7月 1日 (木)

ミラーズ (2008)

ミラーズ 元警官のベン(キーファー・サザーランド)は同僚を誤射したせいで妻エイミー(ポーラ・パットン)や娘とも別居して落ちぶれた生活をしている。再起をかけて、デパートの焼け跡を管理する夜警の仕事を得るのだったが、このデパートでは鏡にまつわる怪現象が起こっていた…

 クラシックギターの名曲、アルベニス作曲のアストゥリアス(オーケストラバージョン)をテーマ曲にはじまるホラー映画…というわけで、個人的にはこのテーマ曲が頭に引っかかって冒頭ストーリーに入り込むまでに気が散ってしまった(笑)。でストーリーなんだけど、鏡の中になにかいるってわけで、のろいがふりかからないように鏡を割ったり塗りつぶしたりの展開。主人公の家って、あまりにも鏡が多すぎだって突っ込みを入れたくなった。こんだけ鏡が多い家だったら、怪奇現象が起こらなくても夜中に子供がコワがるんじゃないかい?

 加えて基本的にスプラッタ・ホラーなので、描写はかなりグロい。嫌いな方は要注意です。一番えげつなかったのは、主人公の妹(エイミー・スマート)がかかわった部分かな。ラストのオチは、結構ひねってて面白かったです。救いようないけど…  なお原作は韓国映画というわけで、またまたアジアンホラーであります。最近あんまり韓国映画見てないんだけど、韓国ホラーは容赦ないってことを思い出した。

アレクサンドル・アジャ監督。2008年アメリカ映画。

2010年6月29日 (火)

ザ・ムーン (2007)

ザ・ムーン アポロ計画の開始から、1969年のアポロ11号の月面着陸、そして最後の月着陸となった17号までの記録映像に当時の飛行士たちの証言を交えて構成したドキュメンタリー。

 人類でわずか12名しかいない、月着陸を経験した飛行士たち。未だに月着陸は再開されていないし、今後もその予定がないってのは、映画「アポロ13号」でもわかるように、その冒険が本当に危険なことだからだろう。そんな中で命がけで月に挑んだ飛行士たちの生の声が聞ける貴重なドキュメンタリーである。

 個人的にもアポロの月着陸ってのは、かろうじて子供時代にテレビで見た世代なのでなんとも懐かしいし、大好きなテーマである。あの時代の映像に再会できるのはとっても嬉しかったし、すっかりおじいちゃんになってしまった飛行士たちにはある種の感慨を感じずにはいられない。映画の枠を越えて、これは貴重な作品だと思う。

 オルドリン飛行士やジム・ラヴェル、エドガー・ミッチェル、ジョン・ヤングなど懐かしい名前と顔がいっぱい。できれば現在のニール・アームストロング船長も見てみたかったかな。

デヴィッド・シントン監督。2007年イギリス映画。

2010年6月27日 (日)

モンタナの風に抱かれて (1998)

モンタナの風に抱かれて 乗馬の事故で足と友人を失った少女グレース(スカーレット・ヨハンソン)と、同じく身体も心も傷ついた愛馬ピルグリム。雑誌編集者の母アニー(クリスティン・スコット・トーマス)と父ロバート(サム・ニール)は、馬と娘をモンタナの伝説のカウボーイのトム・ブッカー(ロバート・レッドフォード)のところへ連れて行く計画をする。電話では断られたアニーだったが、持ち前の強引な性格で、娘と馬をトレーラーに詰め込んでモンタナを目指したのだったが…

 ほのぼのとした癒し系の映画に思えなくもないが、友人と足を失った少女と大けがをして心にも傷を負った愛馬というかなり重たいテーマの映画である。さらに、ちゃきちゃきと仕切るキャリアウーマンのアニーが、モンタナで田舎生活をするうちにトムへのどうしようもない思いをかかえこんでしまうというおまけ付き。この彼女の、寸前のところで思いとどまっている感覚が妙にリアルで時々はっとさせられます。実は私はこういう映画を見ると、彼女の夫(サム・ニール)のような立ち位置の男に思いっきり感情移入してしまうわけなんですが。

 子役時代のスカーレット・ヨハンソンが見られるのが一番の収穫。彼女ってこの歳から、大物俳優を相手に一歩も引かずに頑張ってたんだなあと親目線で見てしまいました。母アニーのカリカリした部分も何だかものすごく身近な感じがして良かったです。子供たちの物語に見せかけて、主役の2人の関係がうまく織り込まれているのが憎い。ロバート・レッドフォードの風貌が若く見えるのがミソかな。

ロバート・レッドフォード監督。1998年アメリカ映画。

2010年6月25日 (金)

ブルグ劇場 (1936)

ブルグ劇場 ウィーンのブルグ劇場。ここの舞台に立つことを夢見る新進俳優のヨゼフ・ライナー(ヴィリー・アイヒベルガー)は、恋人レニ(ホルテンセ・ラキイ)のはからいで社交界に影響力を持つゼーバッハ男爵夫人(オルガ・チェホーワ)のパーティに参加して役を得ることができる。実はレニは有名俳優ミッテラー(ヴェルナー・クラウス)に密かに恋心を抱かれているのだったが…

 戦前のブルグ劇場を舞台にしたメロドラマ。単純な三角関係ものとも言えるんだけど、人情劇の要素を持っている上にストーリーも語り口もわかりやすく、古い映画に抵抗がある方でも安心して見られる映画ではないかと思う。

 年甲斐もなく…なんて言葉もあるけど、孫ほどの歳の若い娘に恋をしてしまうミッテラーが何とも可愛く思えてくるのがポイント。しかも恋に狂うのではなく、ちゃんと引きどころを知っているあたりが見ていてじーんときます。レニを演じるホルテンセ・ラキイは絵画のように綺麗なんだけど、相手役のヴィリー・アイヒベルガーはサイレント時代の俳優によくいたお目々ぱっちりタイプで、ちょっと苦手かも(笑)。何にせよ、オーストリアへ行く機会があったら、ブルグ劇場へ足を運んでみたくなりました。

ヴィリ・フォルスト監督。1937年オーストリア映画。

2010年6月22日 (火)

スター・トレック ネメシス (2002)

スター・トレック ネメシス ライカー副長(ジョナサン・フレイクス)とトロイ(マリナ・サーティス)の結婚のためにベタゾイド星へ向かったエンタープライズ号だったが、途中で緊急信号を受信して調査した惑星でデータ(ブレント・スピナー)そっくりのアンドロイドを回収する。やがてロミュラン帝国で反乱が起こり、一番近くにいたエンタープライズは急行するように指令を受けるのだったが…

 劇場版スタートレック・ジェネレーションズの最終話なのだそうだ。政変ものってのは、このシリーズの中でも意外と退屈なものなので半分あくびをしながら見ていたのだが、中盤からは空中戦を交えた派手なやりとりとなり、ラストまでは一気に楽しませてもらった。エンタープライズ捨て身の攻撃が強烈だったけど、なるほど、最終話を意識していたというのは後から知った。結局は修理されちゃったわけですが。

 意外と思い入れの少ない第2シリーズなんだけど、やっぱトレックは独特の雰囲気というかDNAを持っているようで、かつて見ていた者が違和感なく楽しめるのが凄いと思う。

スチュアート・ベアード監督。2002年アメリカ映画。

2010年6月21日 (月)

ファム・ファタール (2002)

ファム・ファタール カンヌ映画祭の会場に、女優ヴェロニカ(リエ・ラスムッセン)は宝石を散りばめた蛇の衣装でやって来る。ところがトイレで彼女に迫ってきたロール(レベッカ・ローミン・ステイモス)は見事な手腕で宝石を奪った上に、仲間を裏切って会場から姿を消す。それから7年、大使(グレッグ・ヘンリー)の妻となり、名前もリリーに変えたロールはフランスに戻ってきたが、パパラッチ(アントニオ・バンデラス)に写真を撮られてしまい…

 運命の女の顛末を描いた、デ・パルマ作品。こういう雰囲気はやっぱりデ・パルマの真骨頂で、「スネーク・アイズ」なんかと同じくやっぱりもう1回最初から見なければ凡人の頭では埋め込まれた謎は解けないかも、なんて思っていたら映画のストーリー自体が最初に巻き戻されてしまった。完全に手のひらの上でころころっと転がされた気分である。

 それにしても…冒頭のレベッカ・ローミン・ステイモスと、リエ・ラスムッセンのシーンなんて、何ともため息ものである。坂本龍一のボレロみたいな音楽も印象に残ります。

ブライアン・デ・パルマ監督。2002年フランス=アメリカ合作。

2010年6月19日 (土)

ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト (2008)

ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト 2006年にニューヨークのビーコンシアターで行われたローリング・ストーンズ(ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツ、ロン・ウッド)のライブを、あのマーティン・スコセッシ監督がフィルムにおさめたライブドキュメンタリー。冒頭からスコセッシが画面に出まくって、演目を出し渋るミック・ジャガーとのかけあいを執拗に追いかけるのが何とも面白いし、レアな映像ではないかと思う。

 ライブがはじまると、あとはノリにまかせて往年の名曲がえんえんと演奏され、時折古いインタビュー映像などがはさみこまれる構成。ストーンズとは若干時代がずれていて特にファンというわけでもないんだけど、ほとんどの曲に聞き覚えがあるってはやっぱ凄いと思う。しかも還暦を迎えてこのパワーである。

 カメラに関するスコセッシのこだわりか、とにかく画面があっちこっちと切り替わるのは圧巻である。見たい、と思う方向に視線がぴょこぴょこ切り替わるのである。さながら神の視線かも。これはライブではなく録画した映像で見る、ということへの最大のメリットを生かしたと言える世界だと感じた。

マーティン・スコセッシ監督。2008年アメリカ映画。

2010年6月17日 (木)

アイアンマン (2008)

P1_g1517484w_2 軍事企業スターク・インダストリーズの2代目オーナーのトニー(ロバート・ダウニー・Jr)はアフガニスタンでゲリラに拉致され、自らの開発したパワードスーツで命からがら脱出する。これを機会に武器の製造をやめ、自らのパワードスーツでアイアンマンへと変身するのだったが…

 マーベル・コミックの実写映画化。主演にロバート・ダウニー・Jr、秘書でヒロインにグウィネス・パルトロー、他にもジェフ・ブリッジスやテレンス・ハワード、ノークレジットのサミュエル・L・ジャクソンと豪華な面々をそろえたヒーローものなんだけど、いかんせん底の浅さは強烈で派手な飛行シーンを除いてはあまり見るものがないような出来でありました。

 武器産業からの脱却はいいんだけど、それで結局作っているのが「アイアンマン」という武器だというのが何だかなぁ。ロケット万のマスクが何やらなさけないのもご愛敬かも。

ジョン・ファヴロー監督。2008年アメリカ映画。

2010年6月15日 (火)

センター・オブ・ジ・アース (2008)

センター・オブ・ジ・アース 地質学者のトレバー(ブレンダン・フレイザー)は行方不明になった兄のあとを追い、甥のショーン(ジョシュ・ハッチャーソン)と共にアイスランドへ。山岳ガイドのハンナ(アニタ・ブリエム)を雇い、兄のメモに従って地球の中心へつながるという洞窟へ入るのだったが…

 ジュール・ベルヌの「地底探検」を3D映画化。どちらかというと3Dが前面に出たアトラクションのような映画で、地底探検をベースにしながらもあってないようなストーリー。しかしアトラクションだと割り切って見たら楽しめるって内容で、トロッコのジェットコースターはあるわ恐竜は出てくるわ地底湖で巨大な魚類に襲われるわ海底火山は噴火するわでもうはちゃめちゃである。トンデモ科学の設定がもうてんこ盛りだ。

 劇場ではまともな3Dだったんだろうけど、パッケージソフトやスターチャンネルでの放映ではなんと赤青めがねを使った3Dである。さすがにこれを120インチプロジェクターで見ると迫力満点…のはずだったけど、途中で気分が悪くなって数日調子が悪かった(笑)。どうも画面の巨大さよりも、赤青めがねが個人的に合わなかったような気がする。要注意であると共に、まともな3Dでの発売を期待したい。

エリック・ブレヴィグ監督。2008年アメリカ映画。

2010年6月14日 (月)

バガー・ヴァンスの伝説 (2000)

バガー・ヴァンスの伝説 1930年代のジョージア州サヴァンナ。傾いたゴルフ場の再起をかけて、経営者のアデール(シャーリーズ・セロン)は大きな試合を呼び込むことを計画する。ところが地元のプレイヤー代表としてゴルフ場に出入りする少年ハーディが呼んだのは、少年の憧れのヒーローでありアデールのかつての恋人で、戦役から帰ってからはすさんだ生活をしていたジュナ(マット・デイモン)。嫌がる彼を説得したのはキャディの少年と、そして謎の男バガー・ヴァンス(ウィル・スミス)だった…

 スティーヴン・ブレスフィールドの原作をロバート・レッドフォードが映画化。舞台は大恐慌時代のアメリカ、しかも邦題に伝説とつくとくれば、こりゃ否が応でもノスタルジックな世界が繰り広げられるのはお約束です。伝説のゴルフマッチを題材にして、やさぐれたゴルフプレーヤーとか、謎のキャディとか、伝説の生き証人となってしまった少年(今は老人)とかがからみ合って、何ともファンタジックな映画に仕上がっております。

 マット・デイモンが今見ると若いので最初に誰かわからなかった。ウィル・スミスはこういう正体不明の役柄はぴったり。そしてシャーリーズ・セロンは綺麗な女性だなぁとどの映画を見てもため息が出ます。ダイナミックなゴルフマッチの伝説と、それを回想する老人ってストーリーだけで、何やら酔える映画です。

ロバート・レッドフォード監督。2000年アメリカ映画。

2010年6月13日 (日)

チェンジリング (2008)

チェンジリング 1920年代のロサンゼルス。電話会社に勤めるシングルマザーのクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)が家に残した息子が行方不明になる。5ヶ月後、イリノイ州で見つかったという息子と再会するのだったが、彼は見たこともない別人。警察に訴えるもとりあってくれず、彼に手をさしのべてくれたのはブリーグレブ牧師(ジョン・マルコヴィッチ)だけだった…

 実在の失踪事件を、クリント・イーストウッド監督で映画化した話題作。「チェンジリング」といえば70年代のホラー映画が思い出されるんだけど、これはまったく別物。ミステリーだということで輪廻転生の物語かもと思わされたんだけど、それもまったく見当違いで正統派のミステリーでありました。

 日本人の感覚で言うとあり得ない「ロス市警」の怠慢に対する告発がストーリーの軸になっているところがポイントでしょう。安心して住めない町。今更80年以上前に起こった事件を取り上げても、なんて気もしなくはないけど、世界は広いんだからこういった腐敗した警察が今でも残っていないとも限らない、という事を考えると空恐ろしくなってきます。

 ばりばりのキャリアウーマンってことで、アンジェリーナ・ジョリーのキャラクターはぴったり。彼に協力するジョン・マルコビッチも頼れる感じが貫禄たっぷり。それにしても、警察にたてつくと精神病院へ強制入院、退院の条件は警察の責任を一切問わないという書類にサインってのは先進国とは思えない、恐怖をひしひしと感じさせてくれます。

クリント・イーストウッド監督。2008年アメリカ映画。

2010年6月11日 (金)

人生に乾杯! (2007)

人生に乾杯 ハンガリーの老夫婦エミル(エミル・ケレシュ)とへディ(テリ・フェルディ)は年金生活中だが家賃も払えない生活苦。ついに妻の大事なイヤリングを借金のカタに取られたのをきっかけに、エミルは古い拳銃を手に郵便局で強盗を働く。夫婦で強盗となった2人は、夫の愛車チャイカに乗ってあてどもない旅に出るのだったが…

 ひさびさに見る元共産主義国の映画で、ミニシアター系の雰囲気ぷんぷん。それもそのはず、公開はシネスイッチ銀座だったそうだ。しかし老夫婦と警官カップルの行動に絞り込まれたストーリーはテンポ良く進み、なかなか楽しめる一遍に仕上がっている。

 老夫婦の銀行強盗だってことだけど、年金で暮らせないという切実な社会背景もあってなりたくてなったんじゃないという2人の気持ちが切実。強盗しながらも人が良く、しかも死んだ息子のエピソードやら持ち出されたら彼らに感情移入しないわけにはいきません。大金を手にしながらもそれをがっさり使うわけでもなく、海が見たかったと言うだけというのも泣かされます。

 物語は「ボニーとクライド」かと思いきや「テルマ・アンド・ルイーズ」「バニシング・ポイント」の様相を呈してきて…と思ってたら、本当に乾杯したくなるような思わせぶりなラストが待っているのは何とも心憎いです。エミルとテリが何ともいい歳の取り方をしているのもまた憎いです。

ガーボル・ロホニ監督。2007年ハンガリー映画。

2010年6月 8日 (火)

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 (2002)

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 しんちゃん(声:矢島晶子)ちの庭から箱に入った手紙が掘り出される。そこには、戦国時代にいるしんちゃんから両親(ならはしみき、藤原啓治)に迎えに来てほしいという内容が。じつはしんちゃんは、戦国時代にタイムスリップして夢にでたお姫様の廉(小林愛)と、城に使える侍の井尻又兵衛(屋良有作)に仕えていたのだったが…

 最近公開されて話題の「BALLAD 名もなき恋のうた」の原作がこちら。大人も号泣したなんて話題になった作品なんだけど、こりゃ予備知識なしで見た方がよかったなとちょっぴり後悔である。BALLADを先に見たんだけど、驚くほど忠実にリメイクされていることにびっくりした。各エピソードもそのまんまである。それだけに、ストーリーを知った上での観賞はかなり残念としか言いようがない感じである。

 タイトルのクレーアニメとか、エンディングなんかはいかにもテレビアニメって雰囲気なんだけど、中身が意外と大人が見るに耐える内容に作ってあるギャップってのがしっくりこなかったのも残念なところ。リメイクしたってのはそこらあたりの不満を解消しようとしたんだろうね。残念ながら泣けなかったけど、意外とシリアスなクレヨンしんちゃんってことで楽しませていただきました。

原恵一監督。2002年日本映画。

2010年6月 7日 (月)

インスタント沼 (2009)

インスタント沼 編集長をしている雑誌が廃刊になり、家族とも恋人ともうまくいかないOLの沈丁花ハナメ(麻生久美子)は、ふとしたことから自分の母親翠(松坂慶子)の手紙を発見。自分の父親が骨董屋をしている電球(風間杜夫)であることを知る。ダメ男に思えた電球だったが、店に入り浸るガス(加瀬亮)のアドバイスもあり自分も骨董品店を開くことになったのだったが…

 何ともゆる~い感じのコメディで、元気いっぱいの麻生久美子はいい感じなんだけどストーリーは軽いしギャグはすべりまくるしで散々な感じ。どこかで見た雰囲気だと考えてたら、「亀は意外と速く泳ぐ」を思い出した。調べると監督は同じ三木聡である。なるほどなるほど。

 あちらの上野樹里もそうだったけど、この監督って意外と女優さんを使うのがうまいのかもって思わされた。しかも1本ねじがはずれた状態の女性を描かせると絶品である。インスタント沼なんていうからホラー映画か何かかと思ったら全然違った。その外し具合は絶妙なんだけど、やっぱギャグが肌に合わないってのが今回はとっても痛かった。

 龍はともかく、飼ってみたくなったぞ、あの河童。

三木聡監督。2009年日本映画。

2010年6月 5日 (土)

理想の恋人.com (2005)

理想の恋人.com 最近離婚して落ち込み気味のサラ(ダイアン・レイン)だったが、姉のキャロル(エリザベス・パーキンス)と妹のクリスティン(アリ・ヒリス)は勝手に出会い系サイトにサラを登録する。「犬好きの男性」という希望に何人かの申し出があったがどれも一長一短。そんな時にボート職人のジェイク(ジョン・キューザック)が彼女の前に現れる…

 クレア・クックの原作を映画化。最近増えてきた、出会い系サイトを舞台にしたラブコメ。というか主人公の男性が職人さんであるというシチュエーションも似たような映画があったなぁと気になってストーリーを追えなくなった。と思ったら、父親(クリストファー・プラマー)がかなり重要な役割を果たすって映画もどっかで見たぞ。もう頭の中でぐっちゃぐちゃだ。

 それにしても、離婚率の高さを逆手にとってこういう中高年のラブコメってのが最近のハリウッド映画の主流になっているのが面白い。若い人の恋愛って、かえってひねりがきかなくて絵にならないのかな。ダイアン・レインって本当にいろんなスターを相手にラブコメしまくってますね。

ゲイリー・デヴィッド・ゴールドバーグ監督。2005年アメリカ映画。

2010年6月 4日 (金)

ブロウ (2001)

ブロウ 父親の会社が倒産し、貧乏な中で育ったジョージ・ユング(ジョニー・デップ)はマリファナの売買に手を染める。中米からマリファナを仕入れてスチュワーデスのバーバラ(フランカ・ポテンテ)にたのんで密輸、大もうけをするのだったが、摘発されて禁固刑を喰らう。服役中にバーバラが病死するが、懲りないジョージは再び密輸をはじめて…

 実在の麻薬王ジョージ・ユングの半生を描いたドラマ。マリファナの売買という、非社会的な行為を描いているにもかかわらず、ジョージの日常は至って普通なのが印象的。もちろん彼の両親とは疎遠になったりというドラマは描かれるのだが、普通にやさぐれた息子に手を焼いている、といった風情なのである。

 それもこれも、マリファナや薬物(ブロウ)で廃人になったり死んだりといった生々しい部分が映画ではまったく描かれていない部分に起因するのかも。後半に彼の妻としてペネロペ・クルスも登場するんだけど、ジョージの金回りが悪くなったポイ、といったあたりは絵で描いたような冷たい女の象徴である。

 こんな親を持ってしまったら…やっぱ娘が一番かわいそうだよな。

テッド・デミ監督。2001年アメリカ映画。

2010年6月 3日 (木)

アンダーワールド ビギンズ (2009)

アンダーワールド ビギンズ 太古の昔、ビクター(ビル・ナイ)を長老とするヴァンパイア族は狼男族を奴隷として使っていた。ところが狼男族に生まれたルシアン(マイケル・シーン)は知力・体力とも優れていた上に、長老の娘ソーニャ(ローナ・ミトラ)と密かに愛し合ってしまう。

 アンダーワールドシリーズの第3作にして誕生編。すべてのはじまりというわけで、予備知識なく楽しめるかと思ったんだけど、やっぱり後のストーリーにどうつながっていくかは押さえた上で見た方がより楽しめるかもしれない。

 いわゆるゴシック・ホラーのスタイルをとっているだけに、画面が何とも暗いのに若干のストレスを感じてしまった。狼男とヴァンパイヤがいかにしていがみ合ったかというのがテーマなんだけど、そこに悲恋物語をからめるってのはある意味王道なのかもしれませぬ。ケイト・ベッキンセールはラストにちょこっとだけ出てきます。

パトリック・タトポロス監督。2009年アメリカ映画。

2010年6月 1日 (火)

ブラインドネス (2008)

ブラインドネス 車を運転していた日本人男性(伊勢谷友介)が突然視力を失う。医師(マーク・ラファロ)は原因不明だとしたが、失明は伝染し医師や日本人男性の妻(木村佳乃)へとどんどん伝染していき、街はパニックに陥る。なぜか失明しなかった医師の妻(ジュリアン・ムーア)も共に隔離施設へ入れられるのだったが…

 ジョゼ・サラマーゴの小説「白の闇」をフェルナンド・メイレレス監督で映画化。いきなりの失明がどんどん広がって行く様子は最近見た「ハプニング」と同じような展開でショッキングである。確かに人類がすべて失明してしまえば、滅亡するかもしれない。身体の能力が一様に奪われると、確かに種の保存に関しては壊滅的なダメージとなるだろう。

 とスケールの大きな話ではあるのだが、この映画は舞台が小さな収容所というのが何ともリアルで良い。「サイン」などの感想でも書いたが、一個人が見るパニックってのはこういう狭い視点であるってのがリアルである。目が見えなくなっても、欲望にとりつかれた一群がまともな者に危害を加えるというのも、社会の縮図なのかもしれない。その中で唯一目が見える医師の妻の背負った重荷を考えると、すごく説得力を感じてしまうのである。

フェルナンド・メイレレス監督。2008年日本=ブラジル=カナダ合作。

2010年5月28日 (金)

バイオハザード ディジェネレーション (2008)

バイオハザード ディジェネレーション あのラクーンシティーの事故から7年、NGOのクレア・レッドフィールド(声:アンソン・コート)は空港でゾンビが乗客に襲いかかる場面に遭遇。たちまち空港はパニックとなり封鎖される。駆けつけたエージェントのレオン(ポール・メルシエ)は事態の収拾に当たるのだったが…

 バイオハザードの番外編をCGアニメ化。洋画っぽいスタイルをとっているけどれっきとした日本映画で、日本のスタッフが名を連ねる。そう考えると、この「ファイナルファンタジー」を思わせる画面は、洋画が作りたかった日本人がCGという道具を得てせっせと洋画への思いを作り込んでいった日本映画、なんて雰囲気を感じてしまう。まぁ「バイオハザード」ってのは元々が国産のゲームなわけですが。

 ストーリーは結構ややこしい、というか前作とかヴィデオゲームからのつながりがあるのか、よくわからない部分があって大変でした。何やら強い新型ウィルスが登場するんだけど、感染するのが1人だけってのがちょっと納得できないぞ。

神谷誠監督。2008年日本映画。

2010年5月27日 (木)

デイブは宇宙船 (2008)

デイブは宇宙船 ニューヨークに隕石が落下して、少年ジョシュ(オースティン・マイヤーズ)がそれを手に入れる。ところがその後を追って、人間のカタチをした宇宙船(エディ・マーフィ)が自由の女神の麓に墜落する。実は隕石は故郷の惑星を救うために地球の海水を吸い上げる装置だった。装置を追った宇宙船は、やがてジョシュとその母(エリザベス・バンクス)の家を発見するのだったが…

 人間型宇宙船の中に極小宇宙人が住んでいて、なくした隕石を探すという何やら「メン・イン・ブラック」を瞬間芸にしたかのようなアイディア先行型の映画なんだけど…これって意外と笑える。最近ぱっとしないエディ・マーフィ作品の中で、光るものを感じたぞ。そう、ひところの、ジョン・ヒューズとかが量産していたキッズ・コメディっぽいんだけど、笑いが微妙に大人にふってあったりするあたりも良い。

 ストーリーは、侵略にやって来た宇宙人が人間の情にほだされて…というべたべたのものなんだけど、こういう映画はたまに見るとほっとするもんです。母親役のエリザベス・バンクスがとっても魅力的だったのが印象に残る。日本では劇場未公開なのは、わからんでもないけどちょっと納得いかないかも。

ブライアン・ロビンス監督。2008年アメリカ映画。

2010年5月25日 (火)

叫びとささやき (1972)

叫びとささやき 病床に苦しむアングネス(ハリエット・アンデション)には姉カーリン(イングリッド・チューリン)と妹マリア(リヴ・ウルマン)がいる三姉妹の真ん中。古城に住む彼女のところに、姉妹が訪ねてくる。久しぶりにそろった三姉妹だったが…

 ベルイマン監督の、人生を鋭くえぐるかごとくの人間ドラマ。末期ガンの女性を主人公に、姉妹を前にして人生を振り返る内容なんだけど、赤と白で構成された画面の派手さとはうらはらになんともどろどろとした内容と結末にはうならされる。姉妹の出会いを喜びながらも、姉も妹も幸福ではないという部分がじわじわとしみ出てくるストーリー。その暗さ重さに押しつぶされそうになるのは、ベルイマンの映画ならではといったところか。

 それにしても、ベルイマンの映画ってのはどうしてこんなに家族にたいして懐疑的なんだろう。よっぽど家族に恵まれない人だったんだろうかって斜めに見てしまいます。唯一、アングネスの侍女だった健康的なアンナ(カリ・シルバン)の存在にはほっとさせられますが。

イングマール・ベルイマン監督。1972年スウェーデン映画。

2010年5月24日 (月)

フロスト×ニクソン (2008)

フロスト×ニクソン イギリスのバラエティ司会者フロスト(マイケル・シーン)は、自身の起死回生のためにウォーターゲート事件で辞任したニクソン元大統領(フランク・ランジェラ)の単独インタビューをプロデュースする。実在の人物たちを登場人物に、伝説のテレビインタビューの裏側を再現した社会派ドラマ。

 ニクソンってあのニクソン? フロストって誰?ってな具合で見始めたんだけど、なかなか骨太なドラマにぐいぐいと引き込まれて最後まで一気に見てしまった。これは面白い。フロストってのが実在の人物かどうかは後から知ったとして、マイケル・シーンが演じているだけにこの前に見た「クィーン」のブレア首相とかぶって困った。しかしマイケル・シーンって本当に味があるというか、このうさん臭いテレビ司会者が格上のニクソンにまくしたてられてくしゅんとなる様子は相当にリアルである。

 そんな彼が、どうしてこのテレビインタビューを大成功におさめたのか… 映画を見ているだけでは推測の域を出ないって感じなんだけど、ニクソンってシラを切り通すことに疲れてたんだろうな、そんな考えがふと頭によぎりました。政治の世界に戻りたいと言ってはいましたが…

ロン・ハワード監督。2008年アメリカ映画。

2010年5月23日 (日)

Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼 (2007)

Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼 カップルの惨殺死体が発見され、刑事トレーシー(デミ・ムーア)は宿敵「指紋殺人鬼」の復活に捜査をはじめる。実は犯人は精神分裂を起こした真面目な実業家ブルックス(ケヴィン・コスナー、ウィリアム・ハート)であり、家庭では家族思いの良き父親だったのだが…

 ケヴィン・コスナーが精神分裂を起こしたサイコキラーを演じるサスペンス。彼の後ろに、分裂したウィリアム・ハートが常にぶらさがっているという設定はなかなか秀逸で気色悪い。これがナイト・シャマランあたりだと、実は分裂した主人公でした…なんて最後に明かすオチなのかもしれないけど、そこまでヒネた内容ではありません。

 とはいっても、善良な家族がどうなっていくんだろうって思ってたらブルックスくんのDNAがあんなカタチで引き継がれていたなんて…というあたりもこれまたショッキングではあります。2大スター(3大スター?)競演でありながらこじんまりとまとまった小品ですが、予備知識なしで見たら意外と面白いです。

 もったいないのはデミ・ムーアの扱いか。なかなか強そうな女刑事のキャラなのに、思ったよりブルックスの真相に迫らなかったはちょっと拍子抜け。これってやっぱり続編を意識してるのかな?

ブルース・A・エヴァンス監督。2007年アメリカ映画。

2010年5月21日 (金)

BALLAD 名もなき恋のうた (2009)

Gnxd1006 小学生の真一(武井証)は、連日のお姫様の夢を不思議に思う。いじめっ子に立ち向かえずに逃げ帰ったり、普通の暮らしをしている真一だったが、ある日戦国時代にタイムスリップして夢の廉姫(新垣結衣)に出会ってしまう。侍大将の井尻又兵衛(草なぎ剛)に気に入られた真一だったが、やがて国は戦に巻き込まれ…

 名作と言われる「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」の実写映画化…らしい。原作を見てないが、しんちゃんが小学生になった他はかなり原作に忠実らしく、特に真一の両親(筒井道隆、夏川結衣)は妙にアニメに出てるキャラに似てて笑ってしまった。

 しかし映画としてはかなり厳しい出来で、中盤までのストーリーはとにかく、ラストがあまりに唐突でちぐはぐなのが気になった。戦国時代にランクルを持って行くあたりは戦国自衛隊みたいで面白いんだけど、乗ってる家族が命の危険があるはずなのに緊迫感ゼロなのは何なんだろう? このあたりが、この映画にのめりこめない一番の原因だろう。

 とはいっても、草ナギのキャラでずいぶんいい雰囲気になっているし、その主人の中村敦夫や、敵対する大沢たかおも存在感抜群である。デジタル合成で、城や合戦シーンが手軽に再現できてるのもいい。

山崎貴監督。2009年日本映画。

2010年5月19日 (水)

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない (2009)

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない ニートで引きこもりのマ男こと大根田真男(小池徹平)は、母の死をきっかけにソフト会社にプログラマーとして就職する。ところがここは、サービス残業は当たり前、横柄なリーダー(品川祐)が仕切るブラック会社だった。奴隷のように働きながら、最初の仕事をクリアしたがゆえに2週間で社長(森本レオ)からリーダーに抜擢されたマ男だったが…

 大手掲示板から生まれたストーリーってことで、「電車男」を思わせる雰囲気の映画。しかしこんだけ掲示板にいろんなことを書き連ねて、同僚に発見されなかったのはかえって不思議だと思ってしまった。

 それにしても、リアルというか大変なストーリーです。ブラック会社ときいて、ひところの「肝臓を売れ」とか言い出したり、悪徳商法がらみの会社かと思いきや、やってることは至ってまともなシステム開発。ただただリーダーの資質のなさがゆえに、ブラック会社に成り下がっているという感じ。まあシステムの下請けといえばかなりきつい仕事だというのは変わらないにしても、この映画の場合はリーダーさえ改心してしまえば何とななるっていうあたりに救いを感じます。

 派遣で途中から入ってくる亜矢子(マイコ)とか、いい人キャラの藤田(田辺誠一)とか、ブラック企業でうごめく社員たちの人間模様は面白い。藤田を前に、地獄に仏でほっとするマ男に「わかる、わかる。」ってところです。景気が悪い時だけに、他人ごととして笑い飛ばして見ることができないのが辛い映画です。

佐藤祐市監督。2009年日本映画。

2010年5月15日 (土)

野いちご (1957)

野いちご 医学博士のイサク(ヴィクトル・シェストレム)は名誉博士の受賞式典のためにルンドへ行くことになるが、持ち前のワンマンさで自動車を運転していくことを主張する。途中で立ち寄った旧宅で、かつての婚約者サラ(ビビ・アンデショーン)の夢を見る。さらに旅を続けると、ヒッチハイクの3人組を拾うのだが、そのひとりサラは婚約者とそっくりだった…

 久しぶりに見たベルイマン作品で、最高傑作との評判も高い映画。本作はベルイマンっぽいカンカンした本音のぶつかり合いではなく、老人がまどろみながら自分の人生をふり返るというある意味枯れた映画である。別れてしまった恋人を思い出し、あのときこうだったらと思い巡らすってのは普遍的なテーマかもしれませんが、視点が老人になると、世俗から離れて冷静な目でいろんなことが考えられるのかと想像させられます。

 とまあこの映画の哲学的な部分を理解するのは私には年齢が足りない(笑)…と思ったりしたわけですけど、ヒッチハイクの3人組の明るさ天真爛漫さ、そしてイサクとの交流はなかなか心地よく描かれていて、見ながらまどろみたくなりました。世俗を離れて好きなことを…ってのは、ある意味不幸なことなのかもと思わされます。

イングマール・ベルイマン監督。1957年スウェーデン映画。

2010年5月 2日 (日)

アイガー・サンクション (1975)

アイガー・サンクション 大学で美術を教えるジョナサン・ヘムロックは、実は政府に雇われた元殺し屋。そんな彼のところに、元上司のドラゴン(セイヤー・デイヴィッド)より呼び出しが入り、敵のエージェントを2名抹殺してほしいという。1名は難なく成功するのだが、もう1名は正体不明でしかもアイガー北壁を登る国際登山隊のメンバーだという。かくして、元同僚のベン(ジョージ・ケネディ)の指導のもと、アイガー登山の準備を整えるジョナサンだったが…

 トレヴェニアンの原作を、イーストウッド自身がメガホンをとって映画化。公開されたのは私が映画を見始めたころと重なるので印象深いのだが、実際に見たのは数年後のテレビ放映の時だった。覚えているのは異様な登山の緊張感と、クライマックスの意外な犯人とザイルにぶらんとぶらさがったイーストウッドのみ。今回改めて見直してみたんだけど、当時のアクション映画の雰囲気をぴりぴりと伝えてくれる、なかなか渋い一遍であります。

 ベルモンドの「恐怖に襲われた街」なんかも同時代だったと思いますが、アクションスターが身体をはって…というのがかっこいいです。ロッククライミングのシーンをこれでもかと見せつけられたあとで、あのあっけない幕切れ。犯人との折り合いの付け方。渋い、渋すぎます。

 ジェマイマことヴォネッタ・マギーとのからみとか、冒頭の女子大生とのエピソードとか、適度にエッチなエピソードを織り交ぜながらってのもスパイスがきいていて面白かったです。上司のドラゴンというキャラクターも結構キテますね。テレビ放映では、こういったあたりはカットされてたんかな?

クリント・イーストウッド監督。1975年アメリカ映画。

2010年5月 1日 (土)

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (2008)

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 1918年のニューオーリンズに、老人の風貌をした赤ん坊が生まれる。母親は出産と共に亡くなり、父は養護施設に赤ん坊を捨てるのだが、ベンジャミンと名付けられた赤ん坊(ブラッド・ピット)はクイニー(タラジ・P・ヘンソン)に育てられるが、成長と共に若返っていく。やがて彼は施設入居者の孫娘デイジー(ケイト・ブランシェット)に出会い心を奪われるのだったが…

 F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説をデヴィッド・フィンチャー監督で映画化。老人として生まれ、成長と共に若返っていくベンジャミン・バトンのまさしく数奇な人生を描いたドラマ。面白そうなストーリーながらも、フィンチャー監督ってことで一抹の不安があったんだけど、普通の大河ドラマとして楽しめる作りとなっている。しかし欲を言えば、ウディ・アレンあたりが得意とするケレン味たっぷりの、さもありなんといった演出だった方がより好みかなってところ。

 逆行していく人生を、「なぜ」と医者にかけこんだり、科学の力で阻止しようとしないあたりはこの時代にしてはある意味不自然なんだけど、映画のテーマから考えるとこれはこれでいいんでしょう。それにしてもベンジャミンの人生が、なんとも恵まれているのにはちょっぴりうらやましかった。母がわりのクイニーとの出会いからはじまって、タグボートの船長(ジャレッド・ハリス)とか、彼を捨てたけど結局帰ってくる父(ジェイソン・フレミング)。そして思わずぞくぞくしたのはデイジーとの出会い。この幼少期デイジー(エル・ファニング)が、ケイト・ブランシェットのパートよりも輝いて見えるのは何だろう。彼女には「シベールの日曜日」のパトリシア・ゴッジを見た時の衝撃を思い出してしまったぞ。というわけで調べてみたら、エル・ファニングはダコタ・ファニングの妹なのだそうだ。なるほど。

 ケイト・ブランシェットは好きな女優さんなんだけど、本作では思ったほどは輝いてなかったのが残念である。ブラピは半分ぐらいはブラピの風貌をしてなかったのがもったいない。いずれにせよ、まわりの人と一緒に歳をとっていけるってことは幸せなことだってのがわかった。当たり前だけど。

デヴィッド・フィンチャー監督。2008年アメリカ映画。

2010年4月27日 (火)

7つの贈り物 (2008)

7つの贈り物 税務署の職員であるベン・トーマス(ウィル・スミス)は、税金滞納者の調査としてエミリー(ロザリオ・ドーソン)、エズラ(ウディ・ハレルソン)をはじめとする7人に近づく。実は彼は家族を亡くした過去を引きずっているようだったが…

 ウィル・スミス、ガブリエレ・ムッチーノという「幸せのちから」コンビによるヒューマンドラマ。予備知識なく見ると、本当にどっちへ転んでいくかわからないストーリーが楽しめるのだが、ほとんど前2/3ぐらいまで謎が謎なのでちょっとしたフラストレーションがたまるかも。ひょっとしてこの主人公、死神かもしれないなと個人的には思ったんだけど、それはしっかり外れ。まったくもって意外な結末が待っておりました。

 実は正直言って、あまり好きなタイプのストーリーではないかも。この対象になった7人に自分が入ってたら…素直に喜べないんじゃないか、あるいは何かを引きずったまま、余生を過ごさなければいけないんじゃない、なんて思ってしまった。まさかクラゲが最後にあんなふうに使われるとは思わなかったぞ。

ガブリエレ・ムッチーノ監督。2008年アメリカ映画。

2010年4月26日 (月)

マジェスティック (1974)

マジェスティック スイカ農場を経営するマジェスティック(チャールズ・ブロンソン)は、メキシコ移民を雇っての収穫の時期に入る。ところが地元のゴロツキのコパス(ボール・コスロ)に収穫を邪魔され刑務所に入れられた上に、殺し屋のレンダ(アル・レッティエリ)とは険悪な仲になる…

 70年代のアクション映画の1本で、今で言うところのセガールやヴァン・ダム主演で量産されているものに近いんだろうけど…映画の出来が数段上に感じるのは、やっぱりブロンソンの魔力とフライシャー監督の手腕だろう。何せ、主人公はスイカ命の偏執狂(?)で、しかもコワイもの知らずの凄腕とくる。

 実はこの映画、高校生ぐらいの頃にテレビの夕方の放映で見て結構印象に残っていたもの。なにが印象かというと、ラグビーボールのようなスイカの山と、マジェスティックことブロンソンのショットガンを手にしたきびきびとした動き。今見直してみると、なるほどスイカにこだわる主人公の行動を偏執狂と見るかかっこいいと見るかが評価の分かれ目なんだろうけど、私はかっこいいととってしまったぞ(笑)。ただしショットガン片手に屋敷のまわりでくるくると身を隠すブロンソンのシーンは思ったよりもひかえ目でした。

 それにしても、レンダ役のアル・レッティエリってあまりにも濃いいです。ブロンソンは画面では脂っこくなく、さらっとした感じに見えるのが面白い。

リチャード・フライシャー監督。1974年アメリカ映画。

2010年4月24日 (土)

スフィア (1998)

スフィア 太平洋の深海に墜落した宇宙船が発見される。心理学者のノーマン(ダスティン・ホフマン)、化学者のベス(シャロン・ストーン)、数学者のハリー(サミュエル・L・ジャクソン)らはこの謎を解くために招集され、潜行艇で海底に設営された基地へ向かう。宇宙船の中で謎の球体(スフィア)を発見した彼らだったが、ハリケーンのために海底に足止めをくうこととなり…

 マイクル・クライトンの原作をバリー・レヴィンソン監督で映画化。クライトン映画には「コンゴ」などどう評価していいか微妙なものも結構含まれるのだが、この「スフィア」もかなり怪しい映画といったところである。海底を舞台にしているので「アビス」や「ザ・デプス」に似ているけど、スフィアの存在感というか効果は「惑星ソラリス」や「禁断の惑星」っぽく、じゃあ哲学的映画かと思えば最後は密室スリラーとなるというかなり欲張りな内容である。

 それで成功しているかというと難しいところ。密室ものだけに、心理的なスケールの広がりを期待したいところだけど、やっぱり密室に終わってしまったというところ。できれば登場人物も観客もみんな、ラストですっぽ~んと宇宙まで飛んでいくことを期待したんだけどな。

 ダスティン・ホフマンのヘルメット姿は、「アウトブレイク」とすごくかぶった。シャロン・ストーンは、そこにいるだけでも綺麗です。チョイ役でクィーン・ラティファも出てます。

バリー・レヴィンソン監督。1998年アメリカ映画。

2010年4月21日 (水)

インクレディブル・ハルク (2008)

インクレディブル・ハルク 放射線を浴びて、怒りを感じると緑色の巨人「ハルク」に変身する能力を持ったブルース・バナー(エドワード・ノートン)は今は軍の追跡を逃れてブラジルに身を隠している。ところが、ネットの利用からその居場所がばれてしまい、ロス将軍(ウィルアム・ハート)の追跡をかわしてアメリカへ戻る。そこにはかつての恋人のベティ(リヴ・タイラー)が待っていた。

 「超人ハルク」の実写映画化第2弾。しかし登場人物ががらっと入れ替わってしまっているのに何となくストーリーはつながっているという不思議な状態で、こりゃ続けて見たら違和感ばりばりなんじゃないかと心配することしきり。エドワード・ノートンとエリック・バナじゃあまりにもタイプが違いすぎる。実を言うと前作を予習せずに見たおかげで、何でハルクに変身するようになったのかとか、なぜ南米へ逃れているのかとかがわからずにいきなり置いてけぼりを喰ってしまったような印象。ストーリー自体は単純なので、それでも楽しめてしまうのはご愛敬ですが。

 アクションシーンはいろいろ用意してあって楽しめますが、ハイライトはやっぱり中盤のヘリコプターと戦うあたりでしょう。前作と同じく、勧善懲悪というには軍人さんが恋人のパパだったりとひねりをきかせた設定だけに、一筋縄にはいかないのが面白いところです。第2のハルクになろうとする軍人さんだけが、あんまり変な感情移入されないようにさらっと描いてありましたが。

ルイ・レテリエ監督。2008年アメリカ映画。

2010年4月17日 (土)

単騎、千里を走る (2005)

単騎、千里を走る。 息子との確執を持つ高田剛一(高倉健)は、息子の嫁である理恵(寺島しのぶ)から息子が重体である知らせを受ける。会うことを拒否された剛一だったが、理恵から彼が中国の仮面劇「単騎、千里を走る」をビデオにおさめることに執念を持っていたことを知る。誰にも相談せず、単身中国へ乗り込んだ剛一だったが…

 チャン・イーモウ監督が高倉健を主演に迎えて撮った日中合作映画。しかし東映レーベルが付いているだけに、雰囲気は東映風ロードムービーになってしまっているのはどうなんだろう。ヴェンダース風といえばそうなんだけど、行き当たりばったりに撮ったといえなくもない世界はかなりの違和感を感じてしまった。  中国の人たちは暖かくていい感じに撮れている。まさしく「初恋のきた道」そのままの世界である。しかしこの世界にほうりこまれた高倉健はどうなんだろう。これまた個人的には、寡黙で扱いにくい親父そのものである。おかげで現地ガイドの2人は最後までふりまわされっぱなし。それでもぐいぐい押していって最後はまとめ上げてしまうあたりが、一種のカリスマなんだろうなって思う。

 まったくの素人だというヤンヤン(ヤン・ジェンボー)がいいです。スクリーンの前でうんこまでしてしまう根性には脱帽。息子が中井貴一だというのは最後に知ったんだけど、彼って顔を出してたっけ?

チャン・イーモウ、降旗康男監督。2005年中国=日本合作。

2010年4月16日 (金)

ヘアスプレー (2007)

ヘアスプレー 60年代のボルチモア。太めの女子高生トレーシー(ニッキー・ブロンスキー)はダンス番組のコーニー・コリンズ・ショーに夢中。巨体の母エドナ(ジョン・トラヴォルタ)は娘が人前に出ることを反対するのだが、ひょんなことから番組のレギュラーになってしまう。バラエティショップを営む父ウィルバー(クリストファー・ウォーケン)は彼女の味方になってくれるのだが、彼女の人気が面白くない番組の制作部長のベルマ(ミシェル・ファイファー)とその娘アンバー(ブリタニー・スノウ)はことごとく彼女の邪魔をしてくる…

 実はあの「ジョン・ウォーターズ」監督版かと思って見たら、リメイク版だった。リメイクがあった事を知らなかったぞ。しかし内容は豪華絢爛なミュージカルで、超巨漢美女(?)に女装したジョン・トラヴォルタをはじめ、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、クイーン・ラティファ、アマンダ・バインズといった面々がゴキゲン・ノリノリで歌います、踊ります。特にトラボルタの女装姿なんて言われないとぜったいわからないキモカワ状態だし、ファイファーが歌い踊るのも「ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」以来見るのは20年ぶりかな。

 ところでこの映画なんだけど、キモカワ少女がブレイクするというストーリーにものすごいデジャーヴ感覚を覚えているんだけど、それが何だったのかまったく思い出せなくて気持ち悪い思いをしている。オリジナルが70年代なだけに、定番化しているストーリーなんかな?

 オリジナル映画をミュージカル化してその映画化というややこしい経路をたどって来ただけに、ウォーターズっぽい不敵な下品さは薄れてしまっているけど、マイノリティに対する愛とか良い部分だけが昇華されて、マイルドながらも元気が出る映画になっているような気がいたしました。

アダム・シャンクマン監督。2007年アメリカ映画。

2010年4月14日 (水)

メゾン・ド・ヒミコ (2005)

メゾン・ド・ヒミコ 塗装会社で働く沙織(柴崎コウ)のところへ、晴彦(オダギリジョー)という男が訪ねてくる。沙織が子供の頃に家を飛び出していったゲイの父・照雄(田中泯)が病気で余命いくばくもないので、その運営するゲイ専門の老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」に週末だけ働きにきてほしいというのだ。家族を捨てた父が許せない沙織だったが、金に困っているためしぶしぶホームを訪ねるのだったが…

 年老いたゲイやオカマのための老人ホームというテーマのとりかたが斬新。小説ならともかく、これを映像にするとなかなかシュールである。中学生のやんちゃたちがいたずらしにやって来るのもわかる。しかし、彼らの扱いが実にすがすがしい。話せばわかる、いや知り合えばわかる、というところだろうか。

 ホームに集うオカマちゃんたちや、美少年オダギリに目が行ってしまいそうだけど、個人的には常に不機嫌そうなしかめっつらをしていた柴崎コウが妙に可愛く思えて仕方がなかった。彼女の魅力がやっと理解できた感じ。何とか借金を返そうとして、自分を捨てた父親と対峙して、ぎりぎりのところで生きている感じが伝わってくる。これを受ける田中泯も強烈な存在感が印象に残る。

 自分の好きなこと、やりたことをやることへの憧れ、というテーマには共感できます。特に他の人から見たら、理解できないことであるほどその思いは強いですね。

犬童一心監督。2005年日本映画。

2010年4月13日 (火)

バウンティ 愛と反乱の航海 (1984)

バウンティ 愛と反乱の航海 18世紀後半、イギリスの軍艦バウンティ号はブライ船長(アンソニー・ホプキンス)、一等航海士のクリスチャン(メル・ギブソン)、そして乗組員たち(ローレンス・オリヴィエ、エドワード・フォックス、ダニエル・デイ・ルイス、リーアム・ニーソン他)たちを乗せてタヒチを目指す航海に出る。その任務は、奴隷たちに食べさせるパンノキの苗木を持ち帰ること。危険なホーン岬に挑み、あきらめながらも目的地のタヒチに到達するのだったが…

 「船艦バウンティ号の反乱」の3度目の映画化。つい最近、第1作のクラーク・ゲーブル版を見たのだが、ストレートにブライ船長を悪人、クリスチャンを被害者として描いていた第1作に比べてこちらはそれぞれの事情を丹念に描いているあたりが説得力がある。しかしお話に共感できるかとか面白いかとか言われればそこは難しいところで、娯楽映画としえt楽しむにはちょっと盛り上がりに欠ける映画になっちゃってるのは確かである。

 この映画で見る限り、ブライ船長は軍人として当たり前のことをしただけというスタンス。逆にクリスチャンは自身の欲するものに忠実に生きたという感じなのだが、恋人を連れて船に乗るくだりは単に無責任としかとれないのが辛いところ。どちらかというと、王である父の涙の方に同情してしまいました。

 スターチャンネル・クラシックにて観賞。DVD化、ブルーレイ化はされてないようです。

ロジャー・ドナルドソン監督。1984年アメリカ映画。

2010年4月11日 (日)

20世紀少年 (2008)

20世紀少年 第1章 終わりの始まり アポロ宇宙船が月に着陸し、大阪万博が開催された1970年ごろ、小学生のケンヂ(唐沢寿明)、オッチョ(豊川悦司)、ユキジ(常盤貴子)、ヨシツネ(香川照之)、マルオ(石塚英彦)、モンチャン(宇梶剛士)、ケロヨン(宮迫博之)たちは草っぱらに秘密基地を作って遊んでいた。当時ケンヂは「予言の書」というノートを描いており、そこには世界征服をたくらむ謎の組織が記されていた。それから30年、ロック歌手になることをあきらめ、コンビニを経営しているケンヂだったが、よげんの書に描いたのと同じ事件が勃発する。同窓会で再会し仲間のドンキー(吉井克斗)の死を知った彼らは、団結して組織に立ち向かうことを誓ったのだったが…

 浦沢直樹の人気コミックの実写映画化第1弾。ものすごくとりとめのないストーリーなんだけど、話がそれなりに面白くて結構熱中して見てしまった2時間半だった。大阪万博やアポロ宇宙船の月着陸の頃に小学生時代を過ごしたという、まったく同世代である部分がツボを刺激したんだろうね。

 それにしても… 羽田空港爆破ぐらいまでは許せるとしても、よげんの書の最後の方に出てくる巨大ロボットをどう処理するのかと思いきや、本当に巨大ロボットが登場してしまったのには驚いた。シリアスなのかギャグなのかわからんぞと叫びたくなったけど、こういう荒唐無稽なストーリーを大まじめに映画化するってのが流行したのも70年代が走りだったんじゃないかと気がついた。

 謎が謎を呼ぶ展開なんだけど、結局この第1部で片付いたのは彼らのマークがデザインされた理由だけ。しかしちゃんと白黒つけてくれるところを見ると、3部作を全部見たらすべての謎が解けるのかなって気にさせられます。

堤幸彦監督。2008年日本映画。

2010年4月10日 (土)

レッドクリフ Part II 未来への最終決戦 (2009)

レッドクリフ PartII 未来への最終決戦 曹操(チャン・フォンイー)との戦いで処理した劉備(ユウ・ヨン)と孫権(チャン・チェン)の連合軍だったが、依然として水上には2000隻の曹操の水軍が赤壁を狙っていた。ところが疫病の蔓延により、孫権軍は赤壁を去り、孔明(金城武)だけがその場に残る。残った孔明は不足した10万本の矢の調達を、周瑜(トニー・レオン)は水軍を率いる武将の始末を約束するのだったが…

 1年ぶりに観賞の、三国志を映画化した「レッドクリフ」の続編。いきなりぼんぼんとばしたPart Iと違い、こちらは最終決戦まで至るドラマ重視とばかりに、前半3/4ぐらいはドラマをじっくり見せるというスタイル。しかし、圧倒的多数の水軍を相手にどうやって戦うかというタクティカルな要素とか準備作業、さらに周瑜の妻や、敵地に潜入する孫権の妹(コードネームはデブ助?)などドラマがぎしっと詰まっていて長さを感じさせない。

 そんなこんなしているうちに、ついに水軍との戦いがはじまり… 結末は史実のとおりなのだが、曹操の最後の扱いだけがちょっと違和感があったというか、違うんじゃないかと思えたのが難点。しかし全体的には見応えたっぷりで、見終わったあとはかつての邦画大作を見たような充実感がありました。三国志らしくキャラクターが多いにもかかわらずそれぞれがちゃんと生きていて、登場人物がごちゃごちゃにならないあたりは見事。これを機会に、ちょっぴり三国志に興味を持ったかな。

ジョン・ウー監督。2009年アメリカ=中国=日本=台湾=韓国合作。

2010年4月 9日 (金)

集団左遷 (1994)

集団左遷 バブル崩壊により経営が傾いた太陽不動産の社長横山(津川雅彦)は、経営アドバイザーの高杉(江波杏子)の計画に基づき一大人員リストラ計画を持ち上げる。それによると、営業の余剰人員を新規事業部に集めて、とうてい無理なノルマを課すというのだ。かくして、この事業部の営業部長となった篠田(中村敦夫)とその部下たち(柴田恭兵、小坂一也、高島礼子、他)の戦いがはじまった…

 江波戸哲夫の原作を東映が映画化。ちょうどバブルがはじけて日本が不況にあえぎ始めた頃の映画で、その不況は現在もデフレスパイラルになって続いているというわけで…

 16年経った今見ても笑えない、ある意味コワイ映画。  こういう映画を東映が作ると、どうしても任侠もののイメージがつきまどって正当な会社組織に見えないってのが難点かな。実際、社長を演じる津川なんてめちゃ品がないのがご愛敬。こんな会社は絶対勤めたくないって思ってしまうんだけど、生活を守るために勤めなきゃならないって悲哀も感じさせてくれます。

梶間俊一監督。1994年日本映画。

2010年4月 6日 (火)

ボルト (2008)

 サイボーグ犬のボルト(声:ジョン・トラボルタ)と少女ペニー(マイリー・サイラス)は迫り来る敵をばっさばっさとやっつけるスーパーエージェント。ところがそれはテレビドラマの中での話しだが、ボルトはすっかり自分はスーパードッグだと信じ込んでいる。ある日、荷物にまぎれてハリウッドから遠く離れたニューヨークの町中にほうり出されてしまったボルト。前回の撮影のおかげで、ペニーが誘拐されていると信じ込んでいるため、猫のミトンズ(スージー・エスマン)とハムスターのライノ(マーク・ウォルトン)を連れた大陸横断の旅がはじまった…

 ディズニーご本尊(ピクサーではない)によるCGアニメ。毎度ながら声の出演がトラヴォルタをはじめ豪華…なんだけど、吹き替えで見たらわからないか。デジタル作品だけに各国のカスタマイズがされていて、タイトルをはじめ看板やら手紙やら随所に日本語が登場する。それはそれでいいんだけど、海外作品を見ているって雰囲気が楽しめないので個人的にはベケかな。

 ディズニーの動物ものってことで、心温まる可愛い映画を連想していると冒頭5分で裏切られます。そうですね、ハンコックの動物版って感じで車はぶっこわすはヘリはミサイルを発射するは犬は車をぶっとばすわで、圧倒されます。でもそれはテレビの中のお話… これが全部長回しのワンテイクなんて、撮影現場を知ってる人ほどばりばり違和感を感じるでしょうけど、まぁ野暮をいうのはやめましょう。まるで「グレート・スタントマン」のクライマックスのようですが。

 中盤は、ニューヨークにほうり出されたボルトが、猫とハムスターを連れ立って西海岸を目指すというまるで「三匹荒野を行く」みたいな内容。ディズニーならではのわかりきった内容、わかりきったストーリーなんだけど、やっぱツボを押さえたギャグと感動シーンは、ちょっといい気分にしてくれます。

バイロン・ハワード、クリス・ウィリアムズ監督。2008年アメリカ映画。

2010年4月 5日 (月)

かあちゃん (2001)

 天保の飢饉で不景気に苦しむ江戸長屋。ここの泥棒に入っても何もないことにがっかりの勇吉(原田龍二)だったが、酒屋でくだをまく4人組(中村梅雀、春風亭柳昇、コロッケ、江戸家小猫)の無駄話で、おかつ(岸恵子)の家は5人の子供(うじきつよし、飯泉征貴、山崎裕太、紺野紘矢、勝野雅奈恵)が働いていて小金をためていると聞く。というわけでおかつの家に忍び込んだ勇吉だったのだが…

 山本周五郎の原作を市川崑+和田夏十(製作時にすでに故人だが)コンビで映画化。これぞ時代劇…と感じさせてくれる、ものすごーく古いタイプの江戸人情ものなんだけど、これがとっても新鮮に感じて引き込まれるから不思議である。映画の90%を担うのが岸恵子の凛としたキャラクターなんだろうけど、まわりを固める役者さんがどれもこれも職人芸を思わせるすごさ。長屋の4人組が持ち芸を披露しているだけではありません。小沢昭一の大家やら、石倉三郎の泥棒に入られる熊五郎、同心役の宇崎竜童なんて音楽も勤めている。なんか、キャラクターを見ているだけで凄い。

 ほとんど長屋だけが舞台の映画なんだけど、えんえんと続くでっかい屋根の瓦など、案外CGなんじゃないかと思わされてしまう。こういったさりげないところにこだわった感じに、映画のこだわりを感じる。タイトルバックの和田誠のイラスト(DVDのパッケージにもなっている)もいいね。

市川崑監督。2001年日本映画。

2010年4月 3日 (土)

ネゴシエーター (1997)

ネゴシエーター 刑事スコット(エディ・マーフィ)は優秀な交渉人(ネゴシエーター)だが、恋人のロニー(カルメン・イジョゴ)とはうまくいかず、鼻持ちならない元スワットの新人マコール(マイケル・ラバポート)の教育までまかされる。ところがある日、凶悪犯コーダ(マイケル・ウィンコット)に同僚が殺される事件が発生して…

 最近邦画でも話題になっている交渉人をエディ・マーフィが演じるアクション映画。ここではコメディ色はぐっと抑えられているんだけど、ノンストップアクションとして見れば王道を行くなかなか楽しめる内容。期待どおりのエディのマシンガントークに加えて、新人ネゴシエーターのマコールとのかけあい、残忍な凶悪犯コーダとのやり取り、そして恋人ロニーとのからみなどかなり欲張った作りになっている。

 クライマックスの、サンフランシスコの路面電車をめぐるアクションは迫力あります。以前同じことを千葉真一がハリウッド映画に出てやったことがありましたが、スピード感という点では雲泥の差があったような気がするぞ。

トーマス・カーター監督。1997年アメリカ映画。

2010年4月 2日 (金)

クィーン (2006)

クィーン ダイアナ妃の訃報が流れた直後のイギリス。エリザベス女王(ヘレン・ミレン)は対応を憂慮し、ブレア首相(マイケル・シーン)の進言に耳を傾ける。ところが夫のフィリップ殿下(ジェームズ・クロムウェル)は領地での鹿狩りで気分を晴らすだけで、国民はやがて王室へ厳しい目を向け始める…

 あのダイアナ妃の事故から葬儀までの王室内部を描いた内幕ものドラマ。登場する人物がものすごく人間くさくてリアル。日本では絶対に作れない映画だと思うし、まだ記憶も生々しいのにこういった描き方ができてしまうところに、逆にイギリスの懐の深さを感じてしまう。

 それにしても、この映画が真実だと仮定するとエリザベス女王って凄い人ですね。ひとりですべてのしわ寄せを受け止めて対処しちゃったあたりに、すげー共感いたしました。ダイアナ側につく大衆が妙に白々しく見えるのもミソ。この映画では暗にダイアナ批判をしているようにもとれるのですが、この描き方だとダイアナ側にも言い分はある、と深読みをしないと、自分も安易な大衆と同じだって気分になってしまいます。

 ヘレン・ミレンはこの作品でアカデミー主演女優賞をとっちゃったようですが、さすがの貫禄を感じます。ブレアー首相の等身大な感じもいいです。

スティーヴン・フリアーズ監督。2006年イギリス=フランス=イタリア合作。

2010年4月 1日 (木)

弾突 DANTOTSU (2008)

弾突 DANTOTSU 妻子を失い、酒とギャンブルと借金にまみれた元刑事のマット(スティーヴン・セガール)。借金の肩代わりをするからと謎の老人(ランス・ヘンリクセン)にマフィアの暗殺を頼まれるのだったが…

 「弾突」なんて単語あったっけ?と不思議なタイトルがついたセガール印のアクション映画。落ちぶれた元刑事という役で新味を出そうとしてるんだろうけど、セガール様はセガール様でやっぱり同じキャラに見える。しかしストーリーは一連のシリーズの中では面白い展開で、最後まで楽しんで寝ずに見ることができた。

 それにしても…である。借金のカタとはいえ、暗殺の仕事を軽く引き受けてしまうセガール。追い詰められた敵に「まさか本当に殺さないだろうな」「そんなことないよ」ズドンとやってしまって違和感を感じないのはさすがセガール様である。そのくせ後半では「この仕事はつじつまが合ってない」「逃げるのはや~めた」と正義に目覚めて、また何もなかったかのようにバキバキ・ズドンと暴れてしまうあたりは「やっぱりセガール様はどの映画でも変わってないやん」と突っ込みまくってしまった。

 そんなこんな書きながらも、またセガール映画がやって来たら、反射的に見てしまうんだろうな。

ロエル・レイネ監督。2008年アメリカ映画。

2010年3月31日 (水)

空軍大戦略 (1969)

空軍大戦略 1940年のヨーロッパ、フランスを占領した独軍は対岸のイギリスの空爆計画をたてる。これを迎え撃つのは、当時最新設備であったレーダーを備えたイギリス空軍。かくしてスピットファイヤーとメッサーシュミットの空中戦が幕を開けた…

 60年代に作られた戦争映画大作の1本。見所は、かなりリアルに展開する空中戦の数々で、飛行機好きであれば楽しめる内容。しかしメッサーやスピットがぼんぼん爆発するシーンはどうやって撮ったんだろう? 特撮にしてもかなりリアルだし、地上に置いてあるのが爆発するシーンは実物大モデルのように思えるぞ。

 といった空戦シーンのリアルさはともかく、ドラマ部分は意外と平板なのは難点。気がついたらドイツ軍がどんどん飛んできて、どんぱち空中戦を繰り広げるけど妙にイギリス軍機の強さが目立って、気がついたら映画が終わってしまった。そこに画期的な作戦があったわけでもなさそうだし、手動のアナクロな戦略会議室(?)の描写も面白いけど戦略決定に生きていたんだろうかって疑問を持ってしまった。

 そうそう、サー・ローレンス・オリヴィエをはじめ、名脇役のマイケル・ケイン、戦争映画には欠かせないロバート・ショウ、そしてクルト・ユルゲンス、紅一点スザンナ・ヨーク(懐かしい!)がドラマを繰り広げるのですが、こちらも全体的に希薄な感じがするのはガイ・ハミルトン監督の交通整理ができていないせいか?

ガイ・ハミルトン監督。1969年イギリス映画。

2010年3月29日 (月)

アバ・ザ・ムービー (1977)

アバ・ザ・ムービー オーストラリアでジャズ専門のDJであるアシュレイ(ロバート・ヒューズ)は、コンサートツアーでやって来る人絶頂のスウェーデンのポップグループ「ABBA」のインタビューを命じられる。テレコ片手にいそいそと出かけたアシュレイだったが、記者証を忘れた上にコンサート会場へ入るコネもない。やがてコンサートは次々に消化されていくのだったが…

 アバの最盛期に作られたセミドキュメンタリー映画。当時は空気のように流れていた音楽だけに、なんとも懐かしい。しかもライブ映像などを見ていると、当時は「カーペンターズ」なんかと同列の存在だと思っていたアバが、結構セクシーできわどい一面を持ってたりと新たな発見がありました。ラスト近くのエレベーターのシーンなんて、なかなか妖しいぞ。

 ストーリーはあってないようなもの…というよりも、DJのアシュレイくんの段取りの悪さにはいらいらさせられることしきり。これで取材が成功したってのなら、まさに奇跡以外の何者でもないでしょう。この映画の監督が、あの「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」や「ギルバート・グレイプ」で後に大化けするラッセ・ハルストレムだったのは驚きです。

ラッセ・ハルストレム監督。1977年アメリカ=スウェーデン=オーストラリア合作。

2010年3月28日 (日)

アバター (2009)

アバター 22世紀の未来、海兵隊員ながらも負傷で下半身不随となったジェイク(サム・ワーシントン)は、衛星パンドラで行われるアバター計画にスカウトされる。それは、鉱物資源の確保のために、先住民ナヴィと人間をかけあわせた「アバター」と精神をリンクさせて情報を集めようというものだった。グレース博士(シガニー・ウィーヴァー)の協力のもと、アバターとしてパンドラに降り立ったジェイクは、ナヴィの女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と知り合う…

 2009年度の米アカデミー作品賞を「ハート・ロッカー」と最後まで争った話題作。映画のために惑星をひとつ作ってしまったというわけで、そのドラマから背景・ビジュアルの作り込みはなかなかのもので3時間近くもある長尺のくせにあんこがぎっしり詰まっているのはさすがである。この時間が短く感じるのではなく、長いけどぎっしりを感じさせてくれるのだ。

 鉱物資源を求めてやって来た人類と、原住民ナヴィの戦いがメインストーリーなんだけど、かつてのアメリカ映画のように先住民を「蛮族」として描いていない点がやっぱり評価できる。巨大な木の存在や、ガイア理論を思わせる衛星パンドラの存在、部族が自分の体ひとつで自分と仲間たちを守っていく感覚など、最近忘れてしまった感覚がここにはぎっしり詰まっている。

 しかし…である。どうしてもしっくりこなかったのは、アバターが遠隔操作される別物であり、どこかにヴィデオゲームをやっているような、自分は安全な場所にいるという感覚が残ってしまうのが難である。これを映画を通して見ているわけだから、パンドラの世界と我々の間には2重の壁があるわけだ。感情移入しやすい物語だけに、このあたりの設定がどうにも残念である。

ジェームズ・キャメロン監督。2009年アメリカ映画。

2010年3月24日 (水)

愛に迷った時 (1995)

愛に迷った時 主婦グレイス(ジュリア・ロバーツ)は娘とドライブ中に夫のエディ(デニス・クエイド)がオフィスの女性とキスしているのを見かける。浮気を認めようとしない夫に怒りが爆発。家を飛び出して姉エマ(キーラ・セジウィック)の家に転がり込むのだったが…

 ジュリア・ロバーツのラブコメ…といった軽い感覚で見始めたのだが、内容は夫の浮気でてんてこ舞いさせられるという笑うに笑えないもの。しかも浮気が発覚してからの彼女のはじけぶりはなかなかのもので、わかるけどもうちょっと抑えたら…とたしなめたくなってしまった。とはいっても彼女の我慢していた獣医になる夢とか、好きだった乗馬にうちこむシーンなんかがたっぷり織り込まれていて、結果としてはいい雰囲気の映画になっているんだけどね。

 姉のエマを演じるキーラ・セジウィックってすごい存在感がある上に、どこかで見た…と30分ぐらいして思い出したのは「フェノミナン」のヒロイン!! あれは好きな役だっただけに、とっても懐かしい思いをさせられました。最近はあんまり映画に出られてないみたいです。ジュリア・ロバーツの両親役が、ロバート・デュバルとジーナ・ローランズだったのも豪華でいいです。特にデュバルのパパとしての存在感も抜群。こんな家族に囲まれてたら、夫は分が悪いです(笑)。

ラッセ・ハルストレム監督。1995年アメリカ映画。

2010年3月23日 (火)

めがね (2007)

めがね 南の島の宿「ハマダ」に、自由な時間を求めてやって来たタエコ(小林聡美)。しかし考えていた自由とはどこかが違う。宿の主のユージ(光石研)に食事をみんなで一緒に食べることをすすめられるし、朝はみんなで不思議なメルシー体操、同宿のサクラ(もたいまさこ)、ハルナ(市川実日子)もタエコのプライベートにずけずけと入り込んで来る。宿を変えることを決意したタエコだったのだが…

 「かもめ食堂」「バーバー吉野」の荻上直子監督最新作。作風はあんまり変わらずに、今回は南の島が舞台である。しかし海がとんでもなく綺麗な以外は、南の島といった雰囲気は希薄である。我々が一般的なイメージで持つリゾートとも違う。そこが作者の狙いなのかもしれないが。

 リゾートといえば世俗を忘れてのんびりすることかもしれないけど、この宿は結構世俗にまみれている。見ず知らずだった他人と気を遣いながら食事しなきゃいけないし、わけわかんないメルシー体操は踊らされる。かき氷はタダだけど、何とはなくの圧力で見返りを求められてたりする。都会の人が求めるリゾートとはほど遠い。

 というか、この映画で描かれるのは一般的な田舎の生活そのもののような気がする。この映画に癒しを感じるってのは、たぶん田舎への志向が強いってことじゃないのかな。最後までわからなかったのは「めがね」というタイトル。登場人物がみんなめがねをかけてるってこと以外に、意味がわからなかったぞ。

 目が覚めて、枕元にもたいまさこが座ってたらこあい…

荻上直子監督。2007年日本映画。

2010年3月21日 (日)

雨月物語 (1953)

雨月物語 戦国時代の近江の国、貧しい陶器職人の源十郎(森雅之)は、妻子(田中絹代、他)を置いて焼き物を売りに行く。そこで知り合った若狭の姫(京マチ子)の屋敷へ入り込み逢瀬を持つようになるのだったが、彼女の正体は死霊だった。同じ頃、源十郎の弟の藤兵衛(小沢栄太郎)も侍になるという野望を持って妻(水戸光子)を捨て町へ出ていたのだったが…

 溝口健二監督の最高傑作と言われている雨月物語を今更ながら観賞。原作はもちろん上田秋成で、短編集の2編を原作にしているだけに2つのストーリーが複雑にからみ合う後生である。ひとつの物語が佳境に入ると、もうひとつの物語に移る編集はちょっといらいらさせられるけどそこは計算の上なんでしょう。

 それにしても…男の野望と挫折って不変のテーマです。唯一違うのは、女性の扱いくらいか。この映画では、女性は男性に働きかけることで自分の夢をかなえようとしている。現代の映画だったら、野望を持って突き進むのは女の方かもしれない。

 この映画の京マチ子はメイクだけのせいではないと思うのだが、なかなか印象に残る。幽玄の世界である。シャキっとした水戸光子、おだやかな田中絹代と女性のキャラクターがはっきり描き分けられているのも印象的だ。

溝口健二監督。1953年日本映画。

2010年3月20日 (土)

終身犯 (1961)

終身犯 殺人を犯し投獄されたロバート・F・ストラウド(バート・ランカスター)は獄中でそりの合わない看守を刺殺して終身刑を言い渡される。ところが独房に舞い込んできたすずめを助けたことにより鳥に興味を持ち、やがて鳥の伝染病の研究を獄中ではじめるのだったが…

 獄中で鳥の権威になってしまった伝説の鳥男ロバート・F・ストラウドの実話を元にした伝記映画。時間をもてあましてしまうであろう独房でのことだけに、没頭できるものがあればありあまる時間を使って権威になってしまえるってのは、わかるわかるって感じ。逆に世俗を離れて独房で好きなことに打ち込んでみたい、なんて思うのは少々甘い考えなのかもしれませんが。

 ところで、気になったのは殺人犯に対する扱い。この映画ではほとんど触れられてなかったけど、殺された者の家族とかに関してはどうなんだろう。犯人の母親も、息子が殺人者になっちゃったという絶望感なんてまるでなし。このあたりが日本人との感覚の違いかな、なんて先日見た日本映画「手紙」を思い出しながら考えてしまいました。「ラストゲーム」でも同様だし、このあたりは国民性の違いって簡単に片付けちゃっていいんだろうか。

ジョン・フランケンハイマー監督。1961年アメリカ映画。

2010年3月19日 (金)

ソウ5 (2008)

ソウ5 5人の男女が目覚めると、密室で首輪をはめられていた。時間内に協力してそれぞれの鍵を取らないと、首を切り落とされるとビデオから流れる。同じ頃、前回のゲームで生き残ったストラム捜査官(スコット・パターソン)は、死んだ殺人鬼ジグソウ(トビン・ベル)の後継者はホフマン刑事(コスタス・マンディロア)ではないかと疑いを持つ…

 もういいかげん見るのをやめたいシリーズなんだけど、やっぱ見続けるのは映画好きとしては義務ではないかと思ってしまう(笑)。困ったもんだ。殺人鬼ジグソウが死んでも続く殺人ゲームはそのままで、見てるだけで痛いのなんのって。気分を滅入らせたい時にはおすすめの映画。こんな場所に閉じ込められて、しかも脱出のために血を流すことを強いられたら心の傷は一生もんだろうと思うと、やっぱり鬱になってしまう。人には絶対に勧めたくない映画です、これは。

 タイトルは「ソウ5」だけど、原題の「SAW V」の方がロゴがとんがっててコワイです。首切りマシーンがVの刃だったり、陥れられる男女が5人だったり、それなりにこだわりがあるようです。ストラム捜査官をめぐるストーリーは既にわけわかんなくなりました。ジグソウの妻ジル(ベッツィ・ラッセル)が受け取る遺品の中身は、結局ストレスをためるだけでした。でもこの謎を次回作を見るまで覚えていられるだろうか。

 やっぱこの手の映画は、ストーリーがシンプルなくせにパズル要素が際だっていた「CUBE」の方が好き(ただし第1作に限る)、と書いても今更か。

デヴィッド・ハックル監督。2008年アメリカ映画。

2010年3月17日 (水)

嵐が丘 (1992)

嵐が丘 通称「嵐が丘」と呼ばれる屋敷の主アーンショーにはヒンドリー(ジェレミー・ノーザム)とキャシー(ジュリエット・ビノシュ)という2人の娘がいたが、捨てられていた子供ヒースクリフ(レイフ・ファインズ)を連れ帰り養子とする。ところがアーンショーの死語、ヒンドリーは仲の悪かったヒースクリフを下男として扱い、ヒースクリフに好意を持っていたキャシーも裕福なエドガー(サイモン・シェパード)と結婚してしまう…

 エミリー・ブロンテの「嵐が丘」を、フランスの代表女優ジュリエット・ビノシュ主演で映画化。「嵐が丘」といえば、高校の頃にかなり苦労して読んだ(笑)のと、後半を切り落としてホラーっぽい結末で終わっていた映画化作品(たぶん70年版だと思うのだが)が印象に強いんだけど、本作は後半も切り離さずに2時間で映画化したのでもんのすごいジェットコースターのような展開となってしまった。この短時間でビノシュが娘と二役を演じてしまうのは、何だかなぁである。というか、ヒースクリフは変わんないわけだから、こりゃ戸惑うだろうし惑わされるだろう。わかるわかるって感じ。

 しかしそれ以前の問題ではあるが、ビノシュってキャシー役に向いてるんだろうか。何かちょっと違うのである。華がないといえば失礼なのかもしれないが、ビノシュの華は違う方向に向いているような気がして、この荒涼たる嵐が丘の中に彼女がいても意外とぱっとしないのである。逆に冷酷に見えて実は繊細なヒースクリフ像は、レイフ・ファインズにぴったりって感じである。坂本龍一の音楽も、大ヒットまではいかないけど印象に残って良かったです。

ピーター・コズミンスキー監督。1992年イギリス映画。

2010年3月15日 (月)

ノーカントリー (2007)

ノーカントリー テキサスの荒野でハンティングを行っていたモス(ジョシュ・ブローリン)は銃撃戦による死体の山と大金に出くわし、思わず金を持ち帰ってしまう。妻カーラ(ケリー・マクドナルド)をかくまい、カタをつけようと出て行くモスだったが追ってきたのは不気味な殺し屋シガー(ハビエル・バルデム)とカーソン(ウディ・ハレルソン)だった。さらにエド・ベル・トム保安官(トミー・リー・ジョーンズ)も独自の視点から事件を追うのだったが…

 コーマック・マッカーシーの原作をコーエン兄弟が映画化。実は米アカデミー作品賞受賞作ってことを見終わってから知った。最近の作品賞はどうにも理解しがたいものが多いのだが、これもそんな1本なのかもしれない。荒野を舞台にした追跡劇、しかも殺し屋シガーの不気味さってのはありゃしない。これが米アカデミー賞って考えると、何かが違う。こりゃアカデミー賞に関する先入観を、根底から変えなさいって言われてるような気がするのである。

 不気味な殺し屋の映画、ってのが一言で言えばそうなんだけど、それだけじゃすまないのはたぶんベトナム戦争がからんでいるあたりだろう。なぜ今湾岸でもアフガンでもなくベトナム戦争? いややっぱりアメリカ人にとっては心の傷はベトナム戦争なのか。特に逃げるモスに、妻カーラがものすごい信頼を寄せているあたりが心に残る。ベトナムに比べりゃ、やくざの殺し屋の追撃なんて何でもないってことなの? うーむ。

ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督。2007年アメリカ映画。

2010年3月13日 (土)

エネミー・ライン3 激戦コロンビア (2008)

エネミー・ライン3 激戦コロンビア 政情不安のコロンビアで、反政府ゲリラFARCの拠点を偵察するという密命を受けたアメリカ軍SEALSのショーン(ジョー・マンガニエロ)たち。パラシュートで落下して目的地までたどりついたのはいいが、目的の建物内では政府とゲリラの和平交渉に続いて、激しい戦闘が行われる。孤立した上に突然の奇襲を行った米軍という汚名を着せられた彼らは、証拠のビデオが入ったメモリーの奪還と脱出を目指して敵地をさまようのだったが…

 「エネミー・ライン」シリーズの第3作だが実はオリジナルビデオらしい。SEALSのメンバーが敵地で孤立する、というプロットだけを踏襲しているけどストーリーはまったく別物で関連性はない。つまりどこから見てもそれなりに楽しめるけど、それなりにってところがミソかも。というかこのタイプの戦争アクションは個人的にちょっと食傷気味で、よっぽど面白いストーリーや見せ場が用意されてないと「何だかなぁ」って感想になってしまうのである。

 それでも本作の見せ場を考えたら、赤外線スコープをはじめとする米軍のハイテク兵器が見られるってところなんだけど、いくらハイテクで守られていてもやっぱり戦闘は戦闘で、死ぬ時はばたばたと殺されてしまうってところが無情です。はめられた汚名を晴らすために追い求めるのが、証拠の動画が入ったフラッシュメモリーだってところが今風といえば今風の設定でしょうか。

ティム・マシスン監督。2008年アメリカ映画。

2010年3月12日 (金)

X-ファイル 真実を求めて (2008)

X-ファイル 真実を求めて FBIの女性捜査官が失踪する事件が発生して、引退して女医になっているスカリー捜査官(ジリアン・アンダーソン)に捜査協力が求められる。実は透視能力を持つという神父ジョー(ビリー・コノリー)が登場して、失踪した捜査官の手がかりがつかめるという。スカリーは同じく引退したモルダー捜査官(デヴィッド・ドゥカヴニー)に助けを求めるのだったが…

 ずいぶん久しぶりに登場のX-ファイル劇場版第2作。テレビ版を見てたわけじゃないんだけど、テーマ曲だけは有名で結構耳に残ってます。前作ではUFOが登場する、トンデモ話としてはなかなかのスケール感を誇っていたんだけど、本作は心理サスペンスが中心で超常現象は添え物的な内容。もっともその方が、大人の寓話というかいい感じに物語が進んでいったと思われます。

 おさえた演出といえども、サイキック神父(しかも性犯罪者)やら、首のすげかえ手術やらトンデモ要素はそれなりに用意されているのが見物。もっとも怪しげな手術ネタはもっと掘り下げて描いてもらっても良かったんじゃないかと思いましたが。

クリス・カーター監督。2008年アメリカ映画。

2010年3月11日 (木)

王になろうとした男 (1975)

王になろうとした男 植民地時代のインド。さらに奥地にある秘境カフィリスタンの伝説の財宝を求めて、ドレイポット(ショーン・コネリー)とカーニハン(マイケル・ケイン)はヒマラヤを越える。苦労の末に未開の地にたどり着いた一行は、ドレイポットの胸にかけられたフリーメイスンのメダルから神と間違えられ、王として迎えられたのだったが…

 ルドヤード・キプリングの原作をジョン・ヒューストンが映画化。ちょうど007のイメージを抜けだそうとカミングアウトしていたショーン・コネリー主演の歴史アクション大作で、長い間見たいなあと思っていた作品。最近は名バイプレイヤーとしていろんな作品に出まくっているマイケル・ケインもまだ若い若い。アクションだけど妙にのんびりとしたテンポで、ゆるーい感じが冒険談にもかかわらずいやし系の雰囲気。苦労もなくドレイポットが王として迎えられるシーンはちょっぴり拍子抜けした。

 しかし…世の中はそんなに甘くないってことでかなり辛口の顛末が用意されていたのはお約束…というか、オープニングからしてそのことを予想させるすべり出しはもっと注目しておくべきだったかも。結局いくら財宝を手に入れても、秘境から持ち出せなければただのガラクタってのは強烈な人生哲学ですね。持ち出せても換金できなければ、やっぱりがらくたってことでしょうか。

ジョン・ヒューストン監督。1975年アメリカ映画。

2010年3月10日 (水)

ワールド・オブ・ライズ (2008)

ワールド・オブ・ライズ CIAの工作員フェリス(レオナルド・ディカプリオ)は中東に身を置いて、重要な情報をCIA本部に送るエージェント。彼の上司のホフマン(ラッセル・クロウ)は本土で家族の相手をしながら、フェリスに指令を流している。ところが保護を求めてきた現地の情報提供者の扱いでフェリスとホフマンに対立が起こり…

 デイヴィッド・イグネイシアスの原作をリドリー・スコット監督で映画化。このところアクション映画の定番となった中東アラブ社会を舞台に、いわゆる自爆テロを相手に戦う工作員を描いた物語である。しかし…登場人物の豪華さとリドリー・スコットってことで期待したんだけど、イマイチ盛り上がりに欠けるこの展開は何なんだろう。おそらく実際の諜報活動ってこんな単調な感じなんだろうけど、映画として2時間見せられるのはちょっと辛いかも。

 この手の映画が出たら必ず比較してしまうのが傑作「エネミー・オブ・アメリカ」なんだけど、監視カメラやら衛星(この映画では無人偵察機)などの使い方は明らかに「エネミー~」の方が面白い。嘘で塗り固めるんだったら、もっとあっと驚く嘘を用意してほしかったかな。ディカプリオは最初こいつがテロリストかなと思ったほどひと皮むけた感じだけど、ただのおっさんになってしまったのがラッセル・クロウ。もっともこれが計算された役作りだというのであれば、「見事」ですが。

リドリー・スコット監督。2008年アメリカ映画。

2010年3月 9日 (火)

北京のふたり (1997)

北京のふたり 国際メディア企業に勤めるジャック・ムーア(リチャード・ギア)は、自社の放映権を中国で取得する直前だったが、目覚めると一夜を共にした女性がホテルで死んでいた。無罪を主張するも逮捕され、中国人の法廷弁護人であるシェン・ユーリン(バイ・リン)がつけられるのだったが…

 現代の中国を舞台にした法廷もの。異国で裁かれる恐怖ってのは「ミッドナイト・エクスプレス」の頃から全然変わってないってわけで、しかも舞台が中国だけにあってもおかしくないって気分にさせられるのが何とも言えない。北京のゲリラロケとカリフォルニアでのセットで撮影された映画ってことだが、なかなか見事な仕上がりで最後まで手に汗握って見てしまった。リチャード・ギアはともかく、弁護士を演じたバイ・リンのきりっとした感じがいいです。かなりの拾い者といった映画でした。

 難を言えば、中盤の脱走と町中のアクションシーンは娯楽映画として無理矢理入れたような感じで無用だったかも。中国の裁判シーンは100%うのみにはできませんが、どこまで現実なんだろうってことで一見の価値ありです。まず罪を認めること、という裁判手順はコワイです。

ジョン・アヴネット監督。1997年アメリカ映画。

2010年3月 6日 (土)

ラストゲーム (1998)

ラストゲーム バスケットボールの天才高校生プレイヤーのジーザス(レイ・アレン)は、強烈なスカウト合戦の中でどの大学へ入るか悩んでいた。そこへ妻を殺して服役中の父シェイク(デンゼル・ワシントン)が現れる。実は彼を地元大学へ入学するように説得して成功すれば刑を軽くするという市長との取引があった…

 バスケットボールをテーマにした父子のドラマ。とはいっても、母親を殺して(あくまでも事故であったかのような描き方だが)服役中の父親が目の前に現れたら…なんてあまりにも現実離れしていてレベル高すぎというのが正直な感想。日本だったら、何本か前に見た映画の「手紙」みたいに、スキャンダルの方がどんどん先行してスター選手どころじゃなくなるってとこじゃないだろうか。でもそうならないのは、アメリカでこういった事件は日常茶飯事ってことなんでしょう。

 高校生といえども、スター選手に対するオファーのすごさを疑似体験できるのもこの映画の凄いところ。確かにあんなふうにちやほやされるんだったら、普通の人間だったら身を持ち崩すのがわかる、わかるって感じで説得力あります。子役スターとかもよく成人してから薬物中毒とかなってるけど、大変なんだろうな。

 「フィフス・エレメント」や「バイオハザード」でおなじみのミラ・ジョヴォヴィッチが売春婦役で出てますが、これがデンゼルとからむのはどうにも理解しがたいポジション。仮出所中の男と売春婦ってことで、設定としてはリアリティがあるんだけど、このストーリーの中ではどうにも浮いていた印象でありました。

スパイク・リー監督。1998年アメリカ映画。

2010年3月 4日 (木)

花とアリス (2004)

花とアリス 女子高生の花(鈴木杏)とアリス(蒼井優)は親友同士。花は落語研究会の宮本(郭智博)に思いを寄せていて弟子入りまでするのだが、彼がシャッターに頭をぶつけて一時的に記憶喪失になってしまう。それをいいことに、実は花と宮本はつきあっていて、アリスは元カノだというふうにでっち上げてしまうのだったが…

 ずいぶん久しぶり…というか、たぶん10年以上ぶりに見た岩井俊二作品。「スワロウテイル」の頃はかなり好きな監督さんだったんだけど、今見ると何かが違う。思ったほど物語に入り込んで行けないのだ。たぶん岩井作品はそんなに変わってないんだけど、見る私の視点ががらっと変わっちゃったんだと思う。女子高生の視点(あるいは宮本くんの視点)で物語が楽しめなくなっちゃたんだろうね。

 ストーリーとしての敗因は、記憶喪失にまつわるエピソード。うーん、40男にとっちゃ物忘れってのは日常茶飯事のレベルなんだけど、高校生が頭ぶつけて、あなたとつきあってたと言い出す女の子にまんまとだまされてしまうのはかなり無理を感じる。高校生の視点だと、こう騙されるのもまんざらじゃないんかもしれないけど、宮本くんの好みが明らかに花ではなくアリスだって点がポイントなんかな。

 この映画の見るべきシーンはやっぱりバレエ。特にクライマックスで蒼井優が踊るシーンは一見の価値ありで、物語も何もそっちのけで蒼井が突っ走ってしまったとも思える。

岩井俊二監督。2004年日本映画。

2010年3月 1日 (月)

手紙 (2006)

手紙 工場で働く直貴(山田孝之)はコメディアン志望ながらも、無口で同僚とは打ち解けようとしない。食堂で働く由美子(沢尻エリカ)が唯一気にかけてくれるのだが、彼女にもぶっきらぼうな態度をとり続ける。実は彼には殺人で服役中の兄剛志がおり、手紙でやり取りをしているのだったが…

 東野圭吾の同名小説を映画化。服役囚の家族というかなり重いテーマをどちらかといえばテレビドラマのタッチでさらりと描いているのだが、後半の吹石一恵・風間杜夫の父娘とのからみからぐいぐいと面白くなり、最後は引き込まれるように見てしまった。ハッピーエンドに思えて、その後がずるずるっと続くのがこの映画のメッセージでありポイントでしょう。

 犯罪発生率の低い日本だけに、この家族が娘も含めて生きていくのは大変だろうと感じます。ところで沢尻の大阪弁ってどうなんだろう? 自分の経験では、関東に行ったらそれなりに関西弁をおさえようとしつつも、ついつい出てしまうって感じなんだけど、彼女のはまったくのこてこてだってのがちょっと違和感ありました。

生野慈朗監督。2006年日本映画。

2010年2月25日 (木)

オーシャンと十一人の仲間 (1960)

オーシャンと11人の仲間 空挺部隊出身のオーシャン(フランク・シナトラ)は、かつての戦友たち(ディーン・マーティン、ピーター・ローフォード、サミー・デイヴィスJr.、リチャード・コンテ、リチャード・ベネディクト他)を集めてラスベガスのカジノ襲撃の計画を立てる。送電線を爆破し、5つのカジノを同時に襲う奇想天外な計画は着々と進められていったが…

 あの「オーシャンズ11」の元ネタ。60年代の映画だけに、シナトラ・ファミリーが楽しんで演じているという雰囲気がぷんぷん。前半の人集めは少々まだるっこしさを感じるけど、カジノ襲撃の計画立案から実行にかけては用意周到というよりも、そんなんでカジノの金が強奪できるんかいな拍子抜けさせられるような雰囲気。しかし世の中そんなに簡単にはいかないもんで、「ちゃらちゃ~」の結末にオーシャンの仲間たちがぞろぞろ教会を出るラストにはもう笑って笑って笑わさせられました。

 映画ではあんまり歌わない…って思ってたシナトラが、サミーと歌うシーンが入ってるのが拾いものかな。アンジー・ディキソンも出てるけどほんのわずかなシーンだけでした。

ルイス・マイルストン監督。1960年アメリカ映画。

2010年2月24日 (水)

ファースト・ワイフ・クラブ (1996)

ファースト・ワイフ・クラブ 自殺した友人の葬儀で再会したかつての大学の友人アニー(ダイアン・キートン)、エリース(ゴールディ・ホーン)、ブレンダ(ベット・ミドラー)の3人。お互い、夫の浮気問題や別居問題で悩んでいることを知り、ファースト・ワイフ(最初の妻)の会を結成してふがいない夫たちへの復讐を決意するのだったが…

 オリヴィア・ゴールドスミスの原作を映画化。この頃いっぱい作られていた、元気の出る女性映画の1本で今見ると90年代のにおいがぷんぷんする。なんせ主演のおばさんたちがダイアン・キートン、ゴールディ・ホーン、ベット・ミドラーときたもんだから、こりゃ夫たちも逃げ出さない、あるいは踏みとどまるほうがどちらかといえば希少価値といえば言い過ぎか(笑)。踏んだり蹴ったりの彼女たちの反乱は単なるワルノリ映画ととれなくもないんだけど、すぐに若い女に走ってしまう男どもってのは案外アメリカでは現実なんかもしれないなぁ、なんて思わせてくれる。

 しかし夫の浮気相手のひとりが当時は若かったサラ・ジェシカ・パーカーだというのが、今見るとひとつのポイントかもしれない。サラといえば「セックス・アンド・ザ・シティ」の主演でおなじみで、今ならファースト・ワイフ・クラブに入会してもおかしくない女優さんに育っておられるというのが笑えます。

ヒュー・ウィルソン監督。1996年アメリカ映画。

2010年2月20日 (土)

ヒマラヤ杉に降る雪 (1999)

ヒマラヤ杉に降る雪 終戦間もない頃のワシントンにある孤島の村。漁師のカールが水死体で見つかり、その容疑者として日系人のミヤモト・カズオ(リック・ユーン)が逮捕される。小さな島では話題の事件となり、カズオの妻ハツエ(工藤夕貴)も裁判にかけつける。ところがそこで出会った新聞記者イシュマール(イーサン・ホーク)とハツエはかつて愛し合った仲であり、ハツエはイシュマールに夫の無実を訴えるのだったが…

 デヴィッド・グターソンの原作を映画化。第2次世界大戦をはさんでのアメリカでの日系人差別を描いた重い内容の映画で、冒頭から暗い画面、寒々しい海、降りしきる雪とよどんだ空気のつるべ落としで、ある程度は覚悟して見ないと気分がノックアウトされること必至である。

 もっともこれだけの暗い映画をあえて作るだけのことはあるテーマ性のある作品で、日系人差別という社会問題に加えてイシュマールとハツエの恋物語はなかなか胸にずしんと残ります。タイトルにあるヒマラヤ杉って、2人が逢瀬を重ねる洞穴がある木ってほんとにそのままのタイトルやんって突っ込みを入れたくなりましたが。

 工藤夕貴は本当に実力でこの映画に出てるってのが伝わってきて、絞り出すような演技も良かった。相変わらずアメリカ人がイメージするアジア系を連想させるようなメイクをされておりましたが。少女時代を演じた鈴木杏も可愛かった。しかし彼女は87年生まれなので、出演時は12才?? いろんな意味で凄い。

スコット・ヒックス監督。1999年アメリカ映画。

2010年2月19日 (金)

戦艦バウンティ号の叛乱 (1935)

戦艦バウンティ号の叛乱 1787年の大航海時代のイギリス。戦艦バウンティ号はパンノキの苗木を得るためにタヒチを目指して出航する。艦長は冷酷なブライ(チャールズ・ロートン)で、力で秩序をとばかりに、ことあるごとに船員をむち打ちの刑に処す。温厚な航海士のクリスチャン(クラーク・ゲーブル)は事をおさめながらも、士官候補生のバイラム(フランチョット・トーン)と共に徐々に不満をためていくのだったが…

 18世紀末の実際の反乱事件を背景にしたアメリカ映画で、1935年のアカデミー作品賞を受賞。2時間を超す大作で、イギリスからタヒチに至る航海の物語はなかなか見応えがある。何よりも憎々しげなブライ艦長をはじめ、珍しくひげのないクラーク・ゲーブルとか役者も見所いっぱい。しかもストーリーも練られていて、あっという間に2時間を超えて見終わってしまったという印象。

 単純な勧善懲悪の物語ではなく、ブライ艦長にもボートで大海を乗り切る見せ場を用意したり、南海の楽園タヒチのシーンとロマンスがしっくりと描かれていたり、なかなか愛のある作りである。ブライがどうなるわけでもなく、クリスチャンもちゃんと南海の孤島で生き残る(その後どうなるかは知らないが)といった部分は余韻をひいて良い。今見ても結構見応えがあるので、アカデミー作品賞というのは納得である。モノクロ・スタンダード作品。

フランク・ロイド監督。1935年アメリカ映画。

2010年2月13日 (土)

ヘルボーイ ゴールデン・アーミー (2008)

ヘルボーイ ゴールデン・アーミー 前作で魔界からやって来て人間の世界で育ち、今は超常現象捜査防衛局のエージェントを務めるレッドことヘルボーイ(ロン・パールマン)。オークション会場が魔物の襲撃を受けたとのことで、同僚のリズ(セルマ・ブレア)、エイブ(ダグ・ジョーンズ)、ヨハン・クラウス(ジョン・アレクサンダー)たちと現場にかけつけるが、事件の背後には人類と戦うためにロボット軍団「ゴールデンアーミー」の復活を目論むエルフ族のヌアダ王子(ルーク・ゴス)がいた…

 シリーズ第2作にして、今度は人類と敵対するエルフ族の末裔を登場させてスケールアップ…と言いたいところだが、「ハムナプトラ3」と同じく最強軍団の復活というストーリーの最強軍団はたいして活躍しないのがお約束なのである。と思いながら見ていたら、この作品もお約束どおりであった(笑)。でもゴールデンアーミー同志のバトルとか、見所はいっぱい用意されているのでB級のにおいがぷんぷんする超大作として成功している映画だと思います。

 ヘルボーイが、見た目そのまんまで乱暴者ってのが、ちょっとひねりが感じられなくて残念。コメディパートをいっぱい入れてただの乱暴者になってないところがミソ。ヒロインのセルマ・ブレアはなかなか魅力的だとは思うのだが、ちょっとお疲れ気味のご面相は微妙なところ? 見方によっては、それが魅力なのかもしれないが。半漁人エイブは意外と泣けるキャラクターだし、ガス人間のヨハンに至っては日本の特撮やアニメで見たことあるような気分になったぞ。

 敵役の王子は「デトロイト・メタル・シティ」そっくりでこれまた笑えた。その妹のアンナ・ウォルトンは、森下愛子を白塗りにしたようなイメージだぞ。可愛いんだけど…

ギレルモ・デル・トロ監督。2008年アメリカ映画。

2010年2月12日 (金)

フィラデルフィア物語 (1940)

フィラデルフィア物語 上流階級の女性トレイシー(キャサリーン・ヘップバーン)がジョージ(ジョン・ハワード)との結婚を決める。ところがその婚約パーティ(前夜祭?)には呼びもしない前夫のデクスター(ケイリー・グラント)をはじめ、ゴシップ誌「スパイ」の記者コナー(ジェームズ・スチュワート)、とカメラマンのインブリ(ルース・ハッセイ)もやって来たから事態はあらぬ方向に…

 フィリップ・バリー原作、後に「上流社会」としてリメイクされるブロードウェイ・コメディの映画化。いわゆるくっついたり離れたりの恋愛もので、私はこういうのを見ると「もういいかげんにしてくれ」と言いたくなるのである。苦労を知らないお嬢様のキャサリン・ヘップバーンが人間らしさを取り戻していく…というストーリーのようだが、結婚式前の一夜でそれは無理だろうって感じでかなりはしょった設定なのは否めない。でも転々と話は転がって転がり先があそこってことは、上流社会の方々にとってはなかなかセンセーショナルな内容なのだろうって想像されます。

 ヘプバーン、ケーリー・グラント、ジョン・ハワード、ジェームズ・スチュワート、それにルース・ハッセイまでをくわえると見事な恋愛相関図ができ上がるのがミソかな。豪華なキャスティングなんだけど、イマイチ共感できないってのは時代の違いかも。やっぱ上流社会ってものがわかってないと、楽しめない映画なのかもしれません。

モノクロ作品。 ジョージ・キューカー監督。1940年アメリカ映画。

2010年2月 8日 (月)

イントゥ・ザ・ワイルド (2007)

イントゥ・ザ・ワイルド 大学を優秀な成績で卒業したクリス・マッカンドレス(エミール・ハーシュ)だったが、現在の生活と両親(マーシャ・ゲイ・ハーデン、ウィリアム・ハート)に嫌気がさして、あり金をすべて処分して放浪の旅に出る。やがて乗っていた車も鉄砲水で動かなくなり、ヒッチハイクを重ねながらアラスカを目指すのだったが…

 自分探しのロードムービー。遅れてきたアメリカン・ニュー・シネマといったスタイルで、同じくヒッチハイカーやヒッピーの末裔たちとのふれあいを繰り返しながら、なぜかアラスカの荒野を目指すという映画。ジョン・クラカワーの「荒野へ」を原作に、名優ショーン・ペンが監督。しかも実話の映画化だそうだ。ふーん。予備知識なく見たのでラストはさすがにガツンと重かったけど、自分にもうすでに若さがないせいか主人公の行動にほとんど共感できずに取り残されてしまったような印象。どちらかというと、喪失感を徐々に深めていった両親の方が私に近いのかもしれない。

 それにしても…ヒッチハイクで旅をするってことは、映画で追体験するよりも自分で実践しないと絶対にわからないことなんでしょうね。自分が日本人であるせいか、屋久島を目指す「学校3」の方がずっとわかりやすくて共感できる感じがしました。アラスカで生きていくためにはライフルは必須かもしれないけど、網や釣り道具とかを持ってないのは片手落ちな感じ。毒草を食べて人里離れたマジック・バスの中で動けなくなってしまうってのは危機管理のなさを感じるけど、それが若さってことなのかもしれません。

 注目株のクリステン・スチュワートがヒッピーに混じって歌う歌手トレイシー役を好演。私なら彼女に出会った瞬間に旅が終わったかもしれない(笑)。主人公にからむキャサリン・キーナーやヴィンス・ヴォーンも渋くいい味を出してます。

ショーン・ペン監督。2007年アメリカ映画。

2010年2月 3日 (水)

グラスハウス (2001)

グラスハウス 友人と深夜遊び歩いていた女子高生ルビー(リーリー・ソビエスキー)が帰宅すると、突然の両親の交通事故死を知る。弟のレット(トレヴァー・モーガン)と2人で知人のグラス夫妻(ダイアン・レイン、ステラン・スカルスガルド)に引き取られるのだったが、実は彼女たちには両親から残された400万ドルの遺産があった…

 ビリー・ジョエルの「グラスハウス」などを思い出しながら見始めたのだが、冒頭からサイコキラーのシーンに、これはB級ホラー映画かと思ったら、それは場末の映画館の1シーン。実は遺産をめぐるサスペンスでありました。ストーリー的には2時間ドラマのノリであり、犯人もオチも早いうちにばれてしまっているんだけど、ストーリーがよく練られていて最後まで楽しむことができました。里親夫婦が徐々に正体を表していくところ、そして抜けだそうともがくルビーとレットの2人が小気味よく描かれるのが良い。しかしゲーム漬けにされてふぬけになっている弟がなんともそこらへんにいそうな子供って感じで、リアルでこわいです。

 ダイアン・レインが出てるあたりでかろうじて2時間ドラマではないって雰囲気に踏みとどまっている感じ。彼女の出演作を最近よく見かけますが、わかるわかるって感じの良い歳の取り方をされているような気がします。リーリーはこの頃はかなり若いはずですが(女子高生役)、サービスシーンも多く「これが高校生?」と思わされます。一見の価値あり…かな。

ダニエル・サックハイム監督。2001年アメリカ映画。

2010年2月 2日 (火)

ウォー・ゲーム2 デッド・コード (2008)

ウォー・ゲーム2 デッド・コード 高校生のウィル・ファーマー(マット・ランター)は、偶然手に入れた銀行口座のキーと賞金付きのオンラインゲームでひともうけしようと考える。ところがゲームは国防用のコンピューターリプリー上で行われていた罠であり、ファーマーはガールフレンドのアニー(アマンダ・ウォルシュ)と共にテロリストと間違えられて追い回されることになる。その上、世界滅亡も予感される軍事プログラムが起動して…

 あの「ウォー・ゲーム」の続編…というか、どうもオリジナルビデオのようである。とはいっても意外と見せてくれる内容で、主人公のカップルがテロリストとみなされるあたりの説得力のなさが気になるだけで、あとはリプリーと政府機関の攻防とか、リプリーと旧軍事コンピューターのジョシュアの対決とか、B級ならではの楽しさがぎゅっと詰め込まれていて個人的には結構楽しませてもらった。

 後半の展開が「エネミー・オブ・アメリカ」に似ているところがミソかな。進化したリプリーだけど、60年代に創造された2001年宇宙の旅のコンピューターHALに似ているってところが、逆に2001年って偉大なんだなと再認識させられた。

スチュアート・ジラード監督。2008年アメリカ映画。

2010年1月28日 (木)

リボルバー (2005)

リボルバー ギャンブラーのジェイク(ジェイソン・ステイサム)は、カジノ王マカ(レイ・リオッタ)にはめられ7年の刑務所暮らしを強いられる。そこで覚えたのは、チェスの転載と詐欺の達人の手ほどきによる必勝の方程式。かくして出所したジェイクはマカのカジノでボロ勝ちをするのだが、怒ったマカは凄腕の殺し屋ソーター(マーク・ストロング)を雇う…

 リュック・ベッソン製作、ガイ・リッチー監督によるアクション映画。といっても純粋なアクションではなk、勝利に関する賢人の言葉が繰り返され、話はぴょこぴょこと妙なところへすっとんで、哲学的とも象徴的とも取れる展開と内容に、気がつくとうとうと…というのが正直な感想。ちうか賢人の言葉の意味がよくわかんないのだ。「戦争を回避するには、敵を利するべき」とか、日めくりカレンダーよろしく出てくるんだけど本当にそれを実践してたのだかどうだが。

 とはいっても、殺し屋のソーターだけは妙に光っていた。どのくらいかというと、「ニキータ」に出てた掃除屋ジャン・レノくらいかな(笑)。彼のスピンアウト作品が見たい、などと思ったけど、死んじゃったら無理か。ジェイソン・ステイサムは本作では寡黙で立ってるだけというシーンも多いんだけど、存在感あります。レイ・リオッタが勝手に壊れていく様子は、面白いけど説得力なし。

ガイ・リッチー監督。2005年イギリス=フランス合作。

2010年1月27日 (水)

黙秘 (1995)

黙秘 富豪の未亡人(ジュディ・パーフィット)が階段から転落する事故が起こり、傍らには棍棒を持った家政婦ドロレス(キャシー・ベイツ)の姿が。一報を受けた新聞記者のセリーナ(ジェニファー・ジェイソン・リー)は故郷の島を訪れるのだが、2人には20年前の日蝕の日に起こった忘れられない事件があった…

 昨日に引き続いてスティーヴン・キング原作のサスペンス。といってもこちらはモンスターも亡霊も怪物も出てこない、正統派のサスペンスでコワイというよりも母と娘の深い関係を描いていて、ひたすら重い内容である。母親がかかわっている2件の殺人疑惑事件。果たして真相は…というのが主なストーリーなのだが、現代と過去をたくみに行き来して事件の真相へとじわり、じわりと迫っていく展開はかなり本格的で見せてくれる。

 キングとキャシー・ベイツといえば言わずとしれた「ミザリー」があるわけだけど、こちらもベイツがストーリーにぴたっとはまっていて見応え十分。公開10年を経て、一般的評価は圧倒的に「ミザリー」なのは何でだろう。たぶんあっちの方がシンプルで万人受けするストーリーだからだろうけど、この映画を10年間知らなかった自分も何だかなぁという気分にさせられた。  あんまり書くと物語の核心に触れるのでやめておくが、キーパーソンはやっぱりダメ親父(デヴィッド・ストラザーン)とねちこい警部(クリストファー・プラマー)でしょう。ジェニファー・ジェーソン・リーは地味な雰囲気がこの役柄にぴったり。

テイラー・ハックフォード監督。1995年アメリカ映画。

2010年1月26日 (火)

1408号室 (2007)

1408号室 オカルト作家のマイク・エンズリン(ジョン・キューザック)は、各地の幽霊スポット(ホテル)を渡り歩いてその評価記事を書いている。そんな彼のもとへ、「ニューヨークのドルフィン・ホテルの1408号室へは近づくな」という内容の葉書が届く。当然興味を持った彼はニューヨークへ向かうのだが、彼を迎えたのは支配人のオリン(サミュエル・L・ジャクソン)だった…

 スティーヴン・キングの短編ホラーを映画化。最近はキングの本も読んでないんだけど、この映画を見る限りはキング本来のテイストが生かされた映画のように思える。肉親(この場合は娘)の死を逆手にとったあざとさ、ある意味えげつなさが根底にあるのがキングらしい。まさに邪悪な部屋の物語である。それだけに、娘との再会シーン、そして一転してひからびた死体のシーンには底知れない戦慄を覚えた。この映画のハイライトだろう。

 サーフィンのシーンとこの部屋がつながっているのも面白い。まさに、逃れられない感がいっぱいである。これならいくら逃げても無駄だろう。死んだ娘のトラウマからは逃れられないってことかも。  オープニングシーンを見ながら、幽霊スポットのミシュランなんか縁起悪いからやめればいいのに、と思ったんだけど、あの仕事をやろうがやるまいが彼は既に1408号室に足を踏み入れた同然の状態だったってわけですね。主演のジョン・キューザックは目がコワいあたり、この映画にぴったりのキャスティング。妙にかっこいい支配人サミュエル・L・ジャクソンだったけど、思ったほど後半に活躍しなかったのは残念でした。録音テープは、やっぱりお祓いに出したほうがいいんでしょうか?

ミカエル・ハフストローム監督。2007年アメリカ映画。

2010年1月25日 (月)

恋するための3つのルール (1999)

恋するための3つのルール 絵画のオークション司会者のマイケル(ヒュー・グラント)は、恋人ジーナ(ジーン・トリプルホーン)にプロポーズ。しかし彼女は今の関係の方がいいと涙ながらに断る。ジーナを追いかけるために彼女の父の店を訪ねるのだが、実は彼女の父(ジェームズ・カーン)はマフィアの幹部だった。

 恋人の父親が極道だったら…という、邦画やドラマでも何かと定番となってるストーリーのアメリカ版。ラブコメの帝王とも言えるヒュー・グラントが、初老となったジェームズ・カーン(考えたら「ゴッドファーザー」の長男役だ)を相手になかなか茶目っ気たっぷりに見せてくれるブラックコメディ。

 そう言われて見ればコワモテのカーンを相手に映画は何やらいい雰囲気(?)だったのが、あのジーナの暴発事故から一気にシリアスな世界に引き戻された気がしたのは私だけかなぁ。マフィア相手でもできればほんわかとした世界で終わってほしかった、というのは虫の良すぎる話か…

 ヒュー・グラントとジェームズ・カーンが突っ走って行く中で、ジーン・トリプルホーンは2人を仕切って頑張っているのに置いてけぼりをくらってしまった印象。ところで邦題の「3つのルール」って何だったんだろう?

ケリー・メイキン監督。1999年アメリカ映画。

2010年1月24日 (日)

カンフー・ダンク (2008)

カンフー・ダンク 孤児で、カンフー学校に拾われて育ったファン(ジェイ・チョウ)だったが、バーで大暴れして学校を追い出される。浮浪者のような生活をするリー(エリック・ツァン)は彼の能力を見込み、バスケットの選手として大学チームへと売り込むのだったが…

 サッカーに続いてかどうかはわからないけど、カンフーをテーマにした異種球技格闘映画。確かに香港のカンフー+ワイヤーアクションの世界をバスケットに持ち込めば面白いだろうとは想像したけど、事態はどんどんあらぬ方向に転がって気がつけば超人格闘技になっちゃった。こんなんありかよぉと思ってたら、彼らは追い出され「何で俺たちが退場なんかよ」のセリフを…このあたりが個人的には大爆笑で、当たり前だろと突っ込みを入れまくってしまった。

 しかし、それ以外の部分はあまりの学園ドラマの軽さにかなり違和感を覚えてしまった。香港の谷啓ことエリック・ツァンの芸達者は相変わらず目立つんだけど、全体的にこじんまりとまとまった邦画風の雰囲気がかもし出されているのが、良いところでもあり悪いところでもある。ジェイ・チョウはこの映画でも頭文字Dの時も朴訥とした感じでうまいのか大根なのかわからないのがちょっとネック。役者もギャグもアクションも、もうちょっとはじけて「ありえねぇ」を連発させてくれたほうが良かったように思います。

チュー・イェンピン監督。2008年台湾=香港=中国合作。

2010年1月22日 (金)

HELP! 四人はアイドル (1965)

Help 生け贄が聖なる指輪をしていないことに気づいた邪教集団のメンバーが、ビートルズ(ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、ジョージ・ハリスン)のプロモフィルムから、リンゴが問題の指輪をしていることを発見する。というわけで、リンゴの指輪を奪うための数々の珍作戦が繰り広げられるのだったが…

 有名なビートルズ映画の1本。なんともシュールな世界で、レノンが床にあいた穴に住んでいたり(他の彼らの映画でもあったような気が)、指輪を奪うためにポストに化けたり床をくり抜いたり、あげくの果てに軍隊が出動したりとまるっきりコミック。でも何かデジャヴー感覚を感じるのは、私がドリフのコントなんかで育った世代だからでしょうねぇ。

 モンティパイソン風味と、007のパロディはイギリス映画からは外せないスパイスだというのがよくわかった。そうそう、悪人がスキンヘッドってのは、「サンダーバード」からの伝統かな。ストーリーに関係なく、4人がスタンダードナンバーを歌いまくるのはお約束です。

リチャード・レスター監督。1965年イギリス映画。

2010年1月21日 (木)

双葉十三郎さんと、「僕の採点表」

Boku_sai

 双葉十三郎さんが亡くなった。享年99才。大往生です。双葉さんといえば「ぼくの採点表」という映画評が有名。これは雑誌「スクリーン」で連載されていたんだけど、「ロードショー」を愛読していたoga.はほとんどリアルタイムで読んだことがない。今ではどちらの雑誌も休刊になってしまっていると思われるが。

 それでも「僕の採点表」が印象深いのは、単行本になっているのを読んでかなり衝撃を受けたから。これって辞書のようなかなりごっつい本に、映画の評がぎっしり。10年が1冊にまとめられているので、4~50年代、60年代、70年代、80年代、そして戦前編に分かれている。内容ぎっしりで、日本で公開された主な洋画はほぼ網羅。しかも「ぴあシネマクラブ」とは違い双葉さんの軽妙な文章での紹介は非常に面白く、読んでいて時間を忘れる。

 映画を見始めた70年代、見まくった80年代に加えて、ビデオやレンタルの普及でせっせと見まくった60年代、4~50年代の映画にとっても良いガイドブックでありました。おまけに、こういうふうにまとめていけば、自分が老人になった時に何かすごいものが残せるんじゃないかと、せっせと映画の感想を残し始めたのもこの本がきっかけ。最初はメモ帳だったけど、途中からパソコン(データベースソフト)、パソコン通信、インターネットと進化して現在はブログ。このブログのバックナンバーが70年代におよんでいるのは、その記録をコンバートしたからです。

 双葉さんの著作は80年代で終わり。寂しいです。現在も書き続けていたら、CG合成のあふれる最新作にどんなコメントを残していたことなんでしょうか。

Joshinブックストアからも「僕の採点表」は買えるようです、「双葉十」で検索してみて下さい。

2010年1月 6日 (水)

女優 ジェニファー・ジョーンズさんのこと

タワーリング・インフェルノ ジェニファー・ジョーンズさんが昨年暮れに亡くなった。老衰だったそうだ。享年90才。

 ジェニファー・ジョーンズといえば、「慕情」「終着駅」「武器よさらば」あたりが有名だが、oga.の世代だと最後の映画出演作となったあのパニック映画の傑作「タワーリング・インフェルノ」でのリゾレット役が強烈に印象に残る。真っ黒い髪に、真っ白いドレス。劇中でのフレッド・アステアとの淡いロマンス。飼い猫をめぐる、O.J.シンプソンとのからみ。そしてエレベーターの爆発事故で宙に舞う白いドレス。ラストのアステアの悲しい表情。と、ここまで一気に書けるほど、シーンが脳裏に残っている。子供好きで猫好きで、そして人柄の良さがスクリーンの中で強烈なオーラを放っていた。実は「タワーリング・インフェルノ」は私が中学生の時に初めて劇場で見た字幕の洋画であり、以降映画に傾倒するきっかけとなった作品でもある。

武器よさらば 彼女に次に再会したのが「武器よさらば」。テレビの名画劇場での鑑賞だったと思う。その名のとおりの反戦映画で、原作はもちろんヘミングウェイ。兵士と従軍看護婦の逃避行を描いた物語だが、この非条理な結末はストレートでシンプルなメッセージを放っており、清楚な看護婦のイメージのジェニファー・ジョーンズは完全に私の脳にすり込まれた。

 ジェニファーといえば白のドレス、というイメージも、これとタワーリングが重なってできたものなんだろうね。大プロデューサーデヴィッド・O・セルズニックの製作で、監督はチャールズ・ビダー。相手役はロック・ハドソンで、あの「ひまわり」の監督ヴィットリオ・デ・シーカが俳優として出ています。こちらも再見を希望したい名作。

慕情 次に印象的だったのが「終着駅」。こちらはNHK-BSにて観賞。ローマのテルミニ駅の中だけで完結するラブストーリーというのが斬新だった。スピルバーグの「ターミナル」の元ねたかも。ヴィットリオ・デ・シーカ監督。

 実は彼女の代表作となる「慕情」は私はテーマ曲以外はあまり印象に残っていない。香港が舞台のエキゾチックな物語だったが当時中学生か高校生だった私には理解しがたい大人のラブストーリーだったのだと思う。現在のところ再見する機会もないが、こちらもぜひハイビジョンで再開したい映画である。

 いずれの作品も、すでに古典と呼べるもの。映画館で見たくてもおいそれとは見られないのだが、「タワーリング・インフェルノ」はブルーレイ化されているし、「武器よさらば」「慕情」もDVDで見ることができる。ホームシアターでいずれは見たい映画である。

2009年12月27日 (日)

JUNO/ジュノ (2007)

JUNO/ジュノ 16才の普通の女の子のジュノ(エレン・ペイジ)が妊娠してしまう。お相手はボーイフレンドのポーリー(マイケル・セラ)で、たよりなくて的を得ない様子。仕方なく両親(J・K・シモンズ、アリソン・ジャネイ)に相談したあと、里親に出すことを決心するのだったが…

 予期せぬ妊娠を描いて予期せぬクリーンヒット作…なのだそうだが、わかる、わかるといった内容の面白さは絶品。ちゃきちゃきしているけど16才の普通の女の子でしかないジュノを筆頭に、たよりないポーリー、めちゃめちゃ良い父親、里親候補のヴァネッサ(ジェニファー・ガーナー)、それにジュノの話せる友人などなど、魅力的なキャラのオンパレードで一気に見せてくれた1時間半でありました。

 父親とのからみが特に秀逸で、娘がいるならかなり身につまされるものがあるかもしれません。子供が欲しくて悩んでいる様子がひしひしと伝わってくる主人公と対局の立場にいるヴァネッサも、見ていてじーんときた。妻が理解できないヴァネッサの夫も、自分なりの夢を持ってたりとキャラクターの作り込みが非常にていねい。こりゃ確かにアカデミー脚本賞ものです。

 内容の重さに反して非常に軽いタッチで描かれるのもいいです。結局、何も考えてなさげだったポーリーがちゃんと考えてて、ジュノは悩み抜いたあげくの決断をして、16才なりの最善の選択ができた…というあたりに爽やかな感動を覚えました。

ジェイソン・ライトマン監督。2007年アメリカ映画。

2009年12月14日 (月)

ダークナイト (2008)

ダークナイト ゴッサムシティに、ジョーカーと名乗る男(ヒース・レジャー)が暗躍し、マフィアの裏金をかすめ取ろうとする。同じ頃、新任検事のハービー・デント(アーロン・エッカート)は犯罪の一掃を公約し、バットマン(クリスチャン・ベイル)とも手を組もうとするのだったが…

 新生バットマンシリーズの第2作。タイトルは「暗い夜」かと思ったら「ダークな騎士」というわけでバットマンの意味でした。でもこれ、後生でシリーズだとわからずに埋もれてしまうんじゃないかと心配になるぞ。

 2時間半の長尺で、しかもいろんなストーリーがこれでもかと詰め込んであるのでかなり気合いを入れて見ないと迷子になることうけあい。しかも開始早々がクライマックスかのようなテンポの良い銀行強盗のシーンで、こんなに飛ばして大丈夫かと思ったら飛ばしっぱなしで最後まで行ってしまいました。かなり疲れる映画だと覚悟した方がいいかも。

 ストーリーは、ジョーカーが主役かと思ったら途中からトゥーフェースが悪役を交代。確かにバットマンシリーズってのは悪役が2人(2セット)登場するのが特長だったけど、そこに善悪の問題とかダースベイダーの誕生話みたいなのがからんで結構深みはある。でも深みがあるから面白いかといえば、そうと言い切れないところが複雑なのである。

 余談だけど、ヒロインのマギー・ギレンホールって日本人的には「?」なキャスティングかもしれません。もっともアメコミのヒロインにはこういうパターンが多くて(スパイダーマンとか、ロボコップとか、70年代のスーパーマンもそうかもしれない)、日米の女性観の違いみたいなものを感じてしまいました。

クリストファー・ノーラン監督。2008年アメリカ映画。

2009年12月 9日 (水)

ランボー 最後の戦場 (2008)

ランボー 最後の戦場 タイのジャングルで毒蛇狩りをして暮らしていた元グリーンベレーの精鋭ジョン・ランボー(シルヴェスタ・スタローン)だったが、アメリカからマイケル(ポール・シュルツ)、サラ(ジュリー・ベンツ)たちの率いる医師団が隣の内戦中のミャンマーに医療活動をするためにやって来る。気が乗らないランボーを説得して船を出させた彼らだったが、途中に海賊に襲撃され…

 20年ぶりに登場の「ランボー」シリーズ最新作。いきなりの残酷ニュース映像にこれはどういう映画なのかと不安になるも…うーむ、見終わる頃にはすっかりうならされる強烈なスプラッター戦争映画でありました。これだけの映像を見せられると、こんな場所で戦争反対や平和をとなえるなんて甘っちょろい、ガツンとやらなきゃ無理だ、なんて気分になるのはしょうがないけど、それを通り越してやっぱ戦争の残虐な本質を見た気分にさせてくれる90分間ではありました。こんな世界には近づかない方がいい、なんて消極的な気分になったのは私だけかなぁ。

 それにしても、ランボーも歳をとったのか、単なる肉弾戦ではなく重機関銃を奪ったあとはひたすら撃ちまくるのみ。カタルシスも何もかも肉片の彼方にぶっとばしてくれたんだけど、彼の姿と圧倒的な火力にアメリカの姿を見た気分になったのは何とも言えません。結局、彼のような存在は必要、なんて気分にさせられるのは映画の魔力なんでしょう。

 最後と言いながら、「ロッキー」の時のようにまだまだ続くんかな、このシリーズ。戦争や争いがこの世から消えても、映画はさらなる戦場を探して描いて行くんじゃないかと思うとちょっと恐ろしいです。

シルヴェスタ・スタローン監督。2008年アメリカ映画。

2009年12月 8日 (火)

渚にて (1959)

渚にて 核戦争が勃発し、北半球の人々は死滅。タワーズ艦長(グレゴリー・ペック)の率いるアメリカの原子力潜水艦がオーストラリアのメルボルンに入港する。そこではオーストラリア軍の大尉ホームズ(アンソニー・パーキンス)や学者ジュリアン(フレッド・アステア)、そしてタワーズに思いを寄せる女性モイラ(エヴァ・ガードナー)らの変わらぬ暮らしがあったが、徐々に汚染が南半球に迫るという情報が。事実を調査のためにタワーズ艦長以下は北極を目指して出航するのだったが…

 冷戦時代の空気を伝えてくれる、核戦争による世界の終末映画。この映画が異色なのは、原爆がぼんぼん破裂したり派手なSFXのシーンとかが一切なく、ひたすら迫り来る死の予感の中で暮らす普通の人々の日常を描いたところ。それでもサンフランシスコの調査シーンは名場面だと思うし、潜水艦のシーンは高揚感を感じる。

 あと6ヶ月の命だったらどうする…という命題をみんなが淡々とこなしているのが一番の見所かな。残ったワインを「飲みきれない」と嘆く年寄りの紳士グループがいたり(私はあの状況でウェイターをしているおじさんの方に男気を感じたが)。特にフレッド・アステアの科学者が、長年の夢だったレーシングカー(しかもフェラーリだ)を買ってレースに出るシーンなんてとっても説得力あり(しかし事故続出の危険なレースで、あれで命を縮めちゃった人は少々かわいそう)。アンソニー・パーキンスが演じる、赤ちゃんがいる若い夫婦(奥さんはドナ・アンダーソン)という存在が一番悲惨かな。

 何にせよ、2009年現在核戦争は起こらず、終末もやって来ていないのは素晴らしいことです。

スタンリー・クレイマー監督。1959年アメリカ映画。

2009年12月 7日 (月)

あの頃ペニー・レインと (2000)

あの頃ペニー・レインと ジャーナリスト志望の15才の少年ウィリアム(パトリック・フュジット)は書いた記事が目にとまり、ローリングストーンズ誌のライターとして雇われる。彼にまかされた仕事は、売り出し中のロックバンドの同行取材。ところがただの少年にしか見えない彼はバンドのメンバーもスタッフもまったく相手にされなかったのだが…

 15才の少年の、憧れのロックバンド同行、そして彼らのグルーピーである女性ペニー・レイン(ケイト・ハドソン)との微妙な関係を描いた青春音楽ロードムービー。ちょっと前に見た「ハイ・フィディリティ」と同じく、音楽大好きな方だと琴線に触れそうなストーリーだけど、ロックにそこまでのめりこんでいなかった私にとっては手放しで楽しめる、というところまではいかなかったみたい。

 とはいっても、主人公の少年がジャーナリスト志望でライターや編集者(フィリップ・シーモア・ホフマンも出てます)に認められるシーンや、原稿の催促シーンとかは昔ライターになることに憧れた自分としてはかなりの親近感を感じてしまいました。邦題にもなっている、ペニー・レインと少年のつかず離れずの微妙な関係もいいです。恥ずかしながら、ケイト・ハドソンがゴールディ・ホーンの娘だということを今回初めて知りました(笑)。

キャメロン・クロウ監督。2000年アメリカ映画。

2009年12月 5日 (土)

デス・レース (2008)

デス・レース 2012年の経済崩壊したアメリカ。民営化された刑務所ターミナル・アイランドでは、デス・レースと呼ばれるクローズドのテレビ中継が人気を集めていた。ここへ連行されて来たエイムズ(ジェイソン・ステイサム)は妻殺しの汚名を着せられ、自由になりたければ死亡したかつてのチャンピオン・フランクのマスクを付けてレースに出場せよと女所長のヘネシー(ジョーン・アレン)から強要される。かくして、マシンガンを積んだ車による死のレースが幕を開けた。

 あのロジャー・コーマンの「デス・レース2000」のリメークだそうだ。確かに「デス・レース2000」ってタイトルは強烈に頭に残っているんだけど、内容はさっぱり覚えてない(笑)。それに2000って、もう9年も前の話やん…って思ったら、こちらは2012年という設定になっている。2012年ぐらいに地上波放映する予定なんかな(笑)。

 ストーリーは、いかにもはめられましたって主人公が、いかにもはめましたっている女所長と対決して死のレースを争うもの。ところがこのレース、地面のボタンを踏んだら武器がオンになるってのはどう見てもヴィデオゲームです。でっかいトレーラー(ボスキャラ)が登場して殺しまくるってのも反則っぽいんだけど、ゲーム世代にとってはこのあたりは抵抗ないんでしょうね。「スピード・レーサー」のようなありえない車の動きってのがなかったというのだけは救いでした。

 かくして3ラウンドのレースはあれよあれよと進んで、生き残った2人がとった行動とは… ジェイソン・ステイサムって、コミックの主人公みたいなご面相がこの作品にぴったりですね。

ポール・W・S・アンダーソン監督。2008年アメリカ映画。

2009年12月 4日 (金)

ベガスの恋に勝つルール (2008)

ベガスの恋に勝つルール 仕切り屋の癖があるジョイ(キャメロン・ディアス)はフィアンセに愛想をつかされて失恋中。同じ頃、父親の工場(工房?)を首になった家具職人のジャック(アシュトン・カッチャー)は、旅先のラスベガスで部屋がダブルブッキング。酔った勢いで馬鹿騒ぎのあとに、なんと結婚してしまう。酔いが覚めて離婚手続きをしようとする2人だったが、たまたまコインを入れたスロットマシンがなんと300万ドルの大当たりで、事態は財産争いに発展してしまう…

 キャメロン・ディアス主演ってことで…まぁ内容は想像どおりのものでした。アシュトン・カッチャーは「守護神」ぐらいしか記憶にないんだけど、この映画でも意外に記憶に残らない。完全にキャメロンに振り回されるだけの添え物的存在におさまっております。でもこれが受けの演技だというのであれば、大したもんでしょう。

 しかし、若気の至りなんて言葉はあるけど、酔った勢い程度で結婚できてしまうあたりにベガスのすごさを感じてしまいます(笑)。しかも結婚は簡単だけど、離婚はそうはいかない、最後にはクイーン・ラティファのクリニックを受けなくちゃいけないってあたりもただものではありません。アメリカ社会の縮図を見た気分になりました(笑)。

トム・ヴォーン監督。2008年アメリカ映画。

2009年12月 3日 (木)

最後の初恋 (2008)

最後の初恋 浮気した夫と別居し、娘たちともうまくいっていない主婦エイドリアン(ダイアン・レイン)は、友人の小さなホテルを5日間だけ預かることになる。そこへ現れた宿泊客は、外科医のポール(リチャード・ギア)。共に問題をかかえた2人は、ディナーを共にしてお互いを語り始めるのだったが…

 ニコラス・スパークスの同名小説の映画化。ストーリー的にはいかにもありそうなラブストーリーで、べったべたの邦題が内容を言い得て妙ってところ。しかし、海辺に建てられた小さなホテル(バンガローというか、日本で言うと民宿ですね)のロケーションからはじまって主演の2人、彼らの息子、娘、エイドリアンの夫とかも含めて、無駄が一切ない、とびきりのおかずがてんこ盛りって部分がお見事。やっぱこれは、子育てを終えた人たちにおくるラブストーリー(だから最後の初恋?)かもしれません。

 かつてのアイドル女優、ダイアン・レインがいい味を出してます。彼女は最近ものすごく映画の出番が多いんだけど、わかるわかるって感じです。リチャード・ギアは意外と外科医に見えないのが不思議だった。ホテルで夕食を用意しますって言っても、あれじゃまるっきりの手料理じゃないですか。

ジョージ・C・ウルフ監督。2008年アメリカ=オーストラリア合作。

2009年12月 1日 (火)

88ミニッツ (2007)

88ミニッツ 若い女性を狙った連続猟奇殺人が起こり、フォースター(ニール・マクドノー)という男が逮捕されFBIの犯罪心理学者グラム博士(アル・パチーノ)の証言で死刑の判決が下る。それから9年後、フォースターの死刑執行を目前にして同様の手口の殺人事件が起こり、グラム博士には「おまえの命はあと88分だ」と脅迫電話がかかってくる。

 かなりチープな雰囲気のサスペンスで、アル・パチーノの登場で「おっ、映画だ、テレビドラマじゃないんだ」と引き戻された感じ。でも謎の犯罪者にぶんぶん振り回されるパチーノは、本当に犯罪心理学者なんかと突っ込みを入れたくなることしきり。さすがにフォースターが犯人だということには自信を持っているようなのだが、そう叫ぶだけでは説得力がないっちゅうもの。

 いい感じに老けたパチーノだけど、こういった小品ばっかりじゃなくて大作にも出てほしいなぁ、なんてまじ思ってしまいました。脇を固めるアリシア・ウィット、エイミー・ブレネマン、リーリー・ソビエスキーといったヒロインたちは、なかなか味があってポイント高いです。

ジョン・アヴネット監督。2007年アメリカ映画。

2009年11月29日 (日)

題名のない子守唄 (2006)

題名のない子守唄 北イタリアのトリエステという町に、ウクライナからひとりの女性イレーナ(クセニア・ラバポルト)がやって来る。イレーナはアダケル夫妻(クラウディア・ジェリーニ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)のメイドになり、その娘テア(クララ・ドッセーナ)の子守をするのだが、実は彼女には秘められた過去があった…

 と、ミステリー仕立てでスタートする物語なんだけど、トルナトーレ監督作品だけにただのサスペンスでは終わらない。彼女につきまどう「黒カビ」と呼ばれる男(ミケーレ・プラチド)の存在とか、時折挿入されるポルノ風の回想シーンとかがだんだんつながって行って、やがて感動のラストへ… かなり辛口の物語にもかかわらず、救いがあるのはトルナトーレの持ち味でしょうね。

 これって、ロシアの人身売買とか、売春組織なんかが社会問題化してる、なんて背景があったり告発映画になってたりとかいうことを連想させられたんだけど、ネットで調べる限りはそこらへんに触れたページは見あたりませんでした。

 主演のクセニア・ラバポルトは過去を持つ女性にぴったりの、ミステリアスな雰囲気が魅力的。髪の色を変えたりメイクで雰囲気ががらっと変わって、将来が楽しみな感じの女優さんですね。「黒カビ」ミケーレ・プラチドの不気味さも印象的。

ジュゼッペ・トルナトーレ監督。2006年イタリア映画。

2009年11月27日 (金)

幸せになるための27のドレス (2008)

幸せになるための27のドレス ジェーン(キャサリン・ハイグル)が凝っているのはブライド・メイドという花嫁付添人。過去に27回もこの役を務るが自分は上司のジョージ(エドワード・バーンズ)に片思いするだけで結婚とは無縁。ところが訪ねて来た妹のテス(マリン・アッカーマン)がジョージとあれよあれよという間に婚約してしまい、自身は結婚式専門のジャーナリストであるケビン(ジェームズ・マースデン)の取材を受けるのだったが…

 何でドレスが27着なんだろう…ってのが最初の疑問だったんだけど、なるほど、27回のブライドメイドをこなしたってわけね。こういう世話好きな女性というか、世話がとっても上手な女性って確かにいるなぁって納得。彼女が世話好きなだけに、妹がずぼらに育ってしまうってのもこれまた納得。結局は彼女の身から出たさびって言ってしまえばかわいそうなんだけど、ま、ラストはラブコメの定石どおりにおさまってくれたので良しとしましょう。

 キャサリン・ハイグルって可愛いんだけど美人かというとかなり微妙。対するマリン・アッカーマンはメイクのせいかもしれないけど悪魔系なところが印象に残る。ところで上司のジョージって、ヒロインがそんなに熱を上げるほど魅力的か?

アン・フレッチャー監督。2008年アメリカ映画。

2009年11月26日 (木)

マグノリア (1999)

マグノリア 余命いくばくもない大物プロデューサーのアール(ジェイソン・ロバーズ)には財産目当ての後妻リンダ(ジュリアン・ムーア)が付きそう。彼には、新興宗教まがいで儲ける疎遠の長男フランク(トム・クルーズ)がいた。一方で元少年クイズ王のドニー・スミス(ウィリアム・H・メイシー)は自堕落な生活を送り、実直な警官のジム・カーリングは、薬漬けの娘クローディア(メローラ・ウォルターズ)を職務質問していた。やがて彼らの人生は交差し…

 ロバート・アルドリッチ作品を思わせる群像劇なんだけど、彼らのかかわりが何ともシュールなのが印象に残る。イカレポンチのセックス教祖にトム・クルーズははまり役だし、彼と父親の関係はじわ~っときた。そういやジョン・C・ライリーのさえない警官とメローラ・ウォルターズの関係も泣けるし、クイズ少年のエピソードもいい。なぜタイトルがマグノリアなのかわかんないんだけど、この語り口は新鮮でとってもくせになる。

 それだけに…蛙ってオチは凄い。ラストはひたすらカエル、カエル、カエルである。何もかもぶっとばして降り続けるカエルの軍団。凄い、凄すぎるぞ。さすがに世紀末に作られた映画だけある(笑)。

ポール・トーマス・アンダーソン監督。1999年アメリカ映画。

2009年11月25日 (水)

モガンボ (1953)

モガンボ アフリカでハンターを営むビクター(クラーク・ゲイブル)の元へエロイズ(エヴァ・ガードナー)という美女がやって来る。実はインドの王子を訪ねて来たのだったが、すれ違いで出会えずビクターが1週間世話することになる。やがて船がやって来て、彼女と入れ替わりに動物学者のノードリー(ドナルド・シンデン)と妻リンダ(グレース・ケリー)がやって来るのだったが…

 サファリを舞台にしたロマンティック・アドベンチャー。つい先頃に「ハタリ!」を見たばっかりに、ひょっとしてシリーズか続編かと思ってしまったほど設定がそっくり。でもこちらの方が8年ばかり古くオリジナルのようである。ちなみにこちらの監督はジョン・フォードで主演はクラーク・ゲイブル。「ハタリ!」はハワード・ホークス監督でジョン・ウェイン主演である。ただしエヴァ・ガードナーとグレイス・ケリーという2大女優が出ているだけ、「モガンボ」の方が華があるかなってところ。

 ストーリーはというと、サファリを背景にはしているけど辛口の大人のメロドラマといった内容で、すれっからしのエヴァ・ガードナーと、温室育ちのグレイス・ケリーという2人の女性の対比が見事。特にグレース・ケリーが演じる「女」が見事だし、それを受ける夫役のドナルド・シンデンの見ていていらいら度もなかなかのもの。本来はエヴァ・ガードナーがヒロインのはずなんだけど、この2人の熱演にかっさらわれた感じである。

 クラーク・ゲイブルは久しぶりに見たけど…かなり油っこいおっちゃんである。

ジョン・フォード監督。1953年アメリカ映画。

2009年11月24日 (火)

ハプニング (2008)

ハプニング セントラルパークで突然人々が集団自殺するという事件が発生。同じ頃、近くのビル工事現場でも作業員が大量に落下事故を起こしていた… 高校教師のエリオット(マーク・ウォールバーグ)は妻アルマ(ゾーイ・デシャネル)と喧嘩の最中だったが、友人ジュリアン(ジョン・レグイザモ)とその娘ジェス(アシュリン・サンチェス)と共に列車で避難命令の出たニューヨークを後にするのだったが…

 M・ナイト・シャマラン監督の最新作を観賞。この人、全編タルいのに最後の5分ぐらいがどっか~ん、なんて作風が定着していたので、覚悟して見始めたんだけど、何と最初から飛ばしまくりのデザスター映画でありました。キングの「ミスト」によく似た内容だけど、事態の全貌が見えないというあたりでは「サイン」の延長線上かも。飛ばしまくるが故に、こりゃラストのどんでん返しも凄いに違いない…とわくわくしていると…

 完全に肩すかしを食らいました。やっぱりシャマランはただ者ではありません。赤潮という説明には納得させられたけど、衝撃のラストと呼ぶには全然足らない。まぁ普通のデザスター映画だと思って見たら当たりも外れもないかも。ヒロイン役のゾーイ・デシャネルは最初はぱっとしない女優さんだと思ってたけど、ラスト近くはぞくぞくするほど綺麗だったのが印象的。

M・ナイト・シャマラン監督。2008年アメリカ=インド合作。

2009年11月21日 (土)

ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛 (2008)

ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛 前作から1300年後のナルニア国は、テルマール人によって侵略され衰退していた。その王位継承者であるカスピアン王子(ベン・バーンズ)は命を狙われ、魔法の角笛を吹いたことにより伝説の四人の王ルーシー(ジョージ・ヘンリー)、エドマンド(スキャンダー・ケインズ)、ピーター(ウィリアム・モーズリー)、スーザン(アナ・ポップルウェル)が呼び寄せられたのだったが…

 現代(といっても大戦中ですが)からファンタジーの世界へ子供たちが旅をするという、C・J・ルイス原作のナルニア国物語の第2章。前作はまだファンタジー色が強かったんだけど、今回はテルマール人という人間が敵だけに、どうしても血なまぐさい戦争のイメージは払拭できず、何とも言えない居心地の悪さを感じてしまった。とはいっても、我々も子供の頃はチャンバラごっこをして時代劇の立ち回りを見て育ったわけだし、どうこういう問題ではないんかもしれないけど、どうにも子供たちが殺し合うという設定に違和感を覚えてしまいました。

 まぁその部分を除けば…かなり気合いの入ったファンタジー大作で、動物やら植物やらが入り乱れてのスペクタクルは一見の価値あり。最後は水親父(?)がとどめをするってのは、ちょっと反則っぽいけどなぁ(笑)。

アンドリュー・アダムソン監督。2008年アメリカ映画。

2009年11月20日 (金)

バーンヤード 牧場は大パニック! (2006)

バーンヤード 牧場は大パニック とある牧場の牛オーティス(声:ケヴィン・ジェームズ)は、牧場のリーダーである父ベン(サム・エリオット)とは正反対のトラブルメーカー。ところが父のベンがある日コヨーテの群れに襲われて… 2代目として牧場のリーダーとなったオーティスだったが…

 動物たちが主役のCGアニメ。実は2本足で歩けるし、人語もしゃべれるけど人間たちの前ではネコをかぶっているというすっとぼけた動物たちが主人公。いきなり主人公のオーティスが陸サーフィンをはじめるあたり、ほのぼの系の映画かと思いきや、コヨーテが襲来してからは急にシビアな内容に変貌。オーティスの成長物語を、おもしろおかしく語ってくれるなかなかの秀作です。  かなり楽しめる上にクオリティも高く、これが劇場未公開&ビデオ未発売ってのは不思議です。ちなみに日本ではスターチャンネルとWOWOWで見ることができます。

 声の出演は上記以外にダニー・グローヴァー、コートニー・コックス、アンディ・マクダウェルと豪華です。

スティーヴ・オーデカーク監督。2006年アメリカ映画。

2009年11月17日 (火)

スターシップ・トゥルーパーズ3 (2008)

スターシップ・トゥルーパーズ3 宇宙生物バグとの戦いを繰り広げる未来の地球。惑星ロク・サンを守るジョニー・リコ大佐(キャスパー・ヴァン・ディーン)のところへ総司令官でありロックスターのオマー・アノーキ(スティーヴン・ホーガン)をはじめ、旧友のハウザー将軍(ボリス・コジョー)とローラ(ジョリーン・ブラロック)たちが訪ねてくる。ところが突然のバグの攻撃にあい、基地は崩壊してしまう…

 あの…「スターシップ・トゥルーパーズ」に、ついに第3作が登場。といってもまったく話題にならなかった映画だけに、内容もそれなりのものでなかなかヒサンな仕上がり。見せ場はといえば、パワード・スーツの登場(ラストにほんのわずかだが)と、司令官がロックスターだというあたりか(笑)。何だか、日本のロボットアニメの影響をモロに受けてんのかな? こういうのを逆輸出というのかもしれない。

 元々スプラッタ色の強かった1作目だったけど、本作では画面が暗いせいかそのあたりは若干おさえ目。そのぶん、コミカルなシーンにふったような作りで、笑えるか笑えないかが評価の分かれ目かもしれない。個人的には…それなりに笑えたってところかな。

エド・ニューマイヤー監督。2008年アメリカ映画。

2009年11月16日 (月)

潜水服は蝶の夢を見る (2007)

潜水服は蝶の夢を見る 雑誌ELLEの編集長ジャン・ドー(マチュー・アマルリック)は脳梗塞で倒れ、気がつくと左目のまぶた以外は動かせない全身麻痺の状態になっていた。彼のリハビリのために言語療法士アンリエット(マリ・ジョゼ・クローズ)と理学療法士マリー(オラツ・ロペス・ヘルメンディア)がつきっきりで世話をし、やがて瞬きによるコミュニケーション方法を得る。彼が次にとった行動は、編集者クロード(アンヌ・コンシニ)の聞き取りによる自伝の執筆だった…

 「007慰めの報酬」での悪役が印象的だったマチュー・アマルリック主演の実話の映画化。脳梗塞で倒れた主人公の視線からはじまり、その重苦しさは相当のものであり、疑似体験によるフラストレーションはなかなか大変である。しかしELLEの編集長という大物だけあるのか、3人の美女(?)による必死の看病で細々としたコミュニケーション能力を取り戻し、ついには自伝まで書いてしまう物語である。

 最初の重苦しさを吹き飛ばしてくれたのは、瞬きによるコミュニケーションを取り戻した時でも家族の面会でもなく、彼が書く詩的な文章がクロードにより読み上げられたところかな。いくら文才があっても、それを外に伝える方法がなければどうしようもないってのを思い知らされました。

 「潜水服は蝶の夢を見る」というタイトルもいいです。重い潜水服を脱ぎ捨てて、蝶になったジョン・ドーはどこへ行ったんだろう…と考えるとちょっと悲しいものがありますが。

ジュリアン・シュナーベル監督。2007年フランス=アメリカ合作。

2009年11月11日 (水)

告発のとき (2007)

告発のとき 元軍人のハンク(トミー・リー・ジョーンズ)とジョアン(スーザン・サランドン)夫婦の息子マイクが、イラク戦争から帰還後行方不明になる。残された手がかりは、携帯に残された短い動画ファイル。息子の行方を追ってフォート・ラッドの基地へおもむき、刑事エミリー(シャーリーズ・セロン)に協力を求めるのだったが、やがて息子が焼死体で発見される…

 実話を元にした映画らしいが、あまりにもシリアスでひねりがなくて、正直拍子抜けした。それはたぶん、期待した反戦のストレートなメッセージや戦争で息子を失った夫婦の物語ではなく、かなり異質のものを見せられたせいもあるかもしれない。でもこの狂気の連鎖というか、帰国してからの普通の殺人事件に戦争の本質が込められているという部分に本質を見る気がした。平和な国に住む人間にとってはわからない感覚だろうなぁ。

 それにしても、トミー・リー・ジョーンズとスーザン・サランドンの夫婦ってのが良い。軍人一家なんだけど、息子2人を戦争(?)で失ってしまうんですよね。そして「あなたが入隊をすすめたから」という奥さんのセリフも心に残る。普通の生活と普通でない生活が当たり前のようにつながっているところに、強烈な違和感を感じる。

ポール・ハギス監督。2007年アメリカ映画。

2009年11月10日 (火)

イン・ディス・ワールド (2002)

イン・ディス・ワールド パキスタンの難民キャンプに住むジャマール(ジャマール・ウディン・トラビ)はいとこのエナヤット(エナヤトゥーラ・ジュマディン)はロンドンへと亡命することになる。かくしてトラックやコンテナ、バスなどを乗り継いで命がけの旅が始まったのだったが…

 ミニシアターの芸術映画…といった雰囲気の出だしだったけど、旅がはじまってからはひたすらドキュメンタリーのようなシリアスなタッチに、ぐいぐいと画面に引き込まれて見てしまった。どうして亡命の旅に出ることができたのかとか、なぜロンドンかといった説明は一切ないのでもやもやっとしたものが残るのだが、それでもこの少年の住む居心地の悪い世界ではなく、ロンドンには何かがあるという希望を感じさせるところが救いなのだが…

 でも先進国と呼ばれるヨーロッパ圏に入っても、フランスで対岸のイギリスを眺めながらでもこの居心地の悪さってのは全然払拭されないんですよね。たぶん難民たちが日本へやって来ても、同様の居心地の悪さを感じるんじゃないかと思ってしまった。結局彼らが救われるってのは、何なんだろう。安定した暮らし? 家族? そしてこの映画は、どこまでが映画でどこまでがドキュメントなんだろうね?

マイケル・ウィンターボトム監督。2002年イギリス映画。

2009年11月 9日 (月)

セックス・アンド・ザ・シティ (2008)

セックス・アンド・ザ・シティ エッセイストのキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)は仕事も順調な上に、恋人のミスター・ビッグ(クリス・ノース)と婚約するなど順風満帆な人生を送っている。友人のサマンサ(キム・キャトラル)は年下の恋人と同棲中。弁護士のミランダ(シンシア・ニクソン)は家族に恵まれて暮らしていたが、夫の浮気が発覚。子供ができずに悩んでいたシャーロット(クリスティン・デイヴィス)は、中国人の養女を得るのだったが…

 人気テレビシリーズの後日談…というわけで、たぶんドラマを見てないぶんだけ面白くないだろうなぁと構えて見たらこれが意外といけた。たぶんアメリカ女性の夢と思われるブランド漬け恋愛漬けの都会暮らしに、ぴりりと人生のスパイスをふりかけたかのような映画ってところが勝因かも。キャラクターがいいんだろうね。本来なら、くっついて離れてもういいかげんにせえと言いたくなるキャリーとミスター・ビッグの関係なんかも、ちょっと肩入れして見ることができました。

 個人的に笑ったのは、サマンサの女体盛り。ちょっと小腹がすいた時に見ていたので、あれを見ながらなぜか妙に寿司が食いてぇ~なんて思ってたら話はアメリカ映画ならではの食べ物の投げ合いに発展。げっ、冷蔵庫の扉にべちょっとくっついたスシを見てると、食欲がなよ~んと減退してしまった。

 というわけで、最後まで飽きずに見ることはできたのだが、残った感想は「勝手にやってくれ」。結局印象に残ったキャラクターはキャリーの私設秘書役だったジェニファー・ハドソン。最後に彼女がすべてをかっさらっていった感じでありました。

マイケル・パトリック・キング監督。2008年アメリカ映画。

2009年11月 7日 (土)

ザ・ワン (2001)

ザ・ワン 125あるという多次元宇宙を支配しようとする男ユーロウ(ジェット・リー)は、各世界にいる自分の分身をすべて殺して全能の神の存在(ザ・ワン)になろうとする。彼を追いかける宇宙捜査局の刑事(ジェイソン・ステイサム)だったが、ついにユーロウは最後の一人であるロウレス(ジェット・リーの二役)に迫るのだったが…

 多次元宇宙なんてめんどくさそうなナレーションではじまるあたりに、こんなん理解できるんかとちょっと危機を感じたが…中身はどうってことないパラレルワールドもののアクション映画でありました。世界は125あるらしいんだけど、すでに123人のジェット・リーたちは始末ずみ。残る二人のバトルに、宇宙局の刑事が加わるんだけど、同胞たちを殺せば殺すほど強くなるという設定だけに彼らはすでに超人バトルの域に達しているというわけである。うーん、ジェット・リーなんて何もしなくても超人の域に達していると思うんだけどなぁ。

 とか思いながら、このおもいっきりB級具合とパラレルワールド、そしてラストのオチのまとめかたは何かに似ている、と思ったらジャン・クロード・ヴァン・ダム主演の「タイムコップ」を思い出した。再見までしてみよう、というつもりはないけど…

ジェームズ・ウォン監督。2001年アメリカ映画。

2009年11月 5日 (木)

スター・トレック (2009)

Startrek ロミュラン人ネロ(エリック・バナ)との戦闘中に宇宙船USSケルヴィンの中で生を受けたカーク(クリス・パイン)だったが、父は皆を救って壮絶な戦死を遂げる。青年になったカークは無軌道な青春をおくっていたが、USSエンタープライズの初代艦長パイク(ブルース・グリーンウッド)に、父を越える男になってみろとスターフリート入りをすすめられる。そこにはバルカン人のスポック(ザカリー・クイント)を始め、若き日のスルー(ジョン・チョー)、ウフーラ(ゾーイ・サルダナ)らがいた。

 テレビ版スタートレックのいわば「ビギニング」篇。以前、映画版が登場して「ジェネレーションズ」でカーク船長の最期が描かれた時に「映画版が登場しなければ、このシーンは見ることがなかったのに…」という感想を書いたことがあったのだが、この映画に関してはまったく逆の感想。映画版が誕生したからこそ、カークの誕生からおなじみのメンバーたちのはじまりの物語を見ることができたってところ。

 しかし、ストーリーは若干パラレルワールドを描いているためかテレビ版とは味付けが微妙に異なっているところも面白い。バルカンが破滅したり、スポックとウフーラが恋愛関係にあったりという部分はかなり面白い設定である。タイムパラドックスから、カークの父は救われるのか…と期待させておいてそうはいかない辛口な点もあったりする。

 スポックよりも、スルーやチェコフの方がちょこまかとしたノリで大活躍するのが笑えた。スコットやマッコイもいい味を出している。しかし、彼らがみんな同期だったとは知らなかったぞ。

J・J・エイブラムス監督。2009年アメリカ映画。

2009年11月 3日 (火)

NOセックス、NOライフ! (2005)

NOセックス、NOライフ 専業主夫のトム(デヴィッド・ドゥカヴニー)と女優のレベッカ(ジュリアン・ムーア)は性のすれ違いの問題からカウンセリングに通っている。レベッカの弟トビー(ビリー・クラダッブ)はエレイン(マギー・ギレンホール)と何年も同棲しているが、そろそろ子供が欲しいという彼女との意見の相違から別れてしまう。新しい彼氏を作ったエレインだったが…

 微妙にすれ違う二組のカップルを描いた、大人のラブストーリー。何とも言えない邦題がついているのが微妙だけど、内容は原題のとおり「人を信じろ」ってことなんですよね。ちょっとなさけない感じのトムが、セラピーで徐々に心を開いていく様子は、ありきたりだけど感動的。同じく、うだうだと距離をはかっているトビーとエレインの物語も見せてくれる。子供を作るってのは男女ともに大問題だとは思うのだが、これから逃げる男ってのはそんなに一般的なんかな。ちょっと不思議。

 さらに、チョイ役でエヴァ・メンデスとかエレン・バーキンが出てるのは、豪華というよりももったいない感じがした。

バート・フレインドリッチ監督。2005年アメリカ映画。

2009年11月 2日 (月)

ゲーム・プラン (2007)

ゲーム・プラン アメフトのスター選手ジョー・キングマン(ザ・ロック/ドゥエイン・ジョンソン)のところへ娘を名乗る少女ベイトン(マディソン・ベティス)が転がり込んでくる。独身を謳歌する彼は激しく拒絶するのだが、やがて叔母が彼女を引取にやって来て…

 古くはシュワちゃん、スタローン、最近ではヴィン・ディーゼルなどなど、人気が出たアクションスターが必ず通る道…って決まってるかどうか知らないけど、ザ・ロックよおまえもかというわけで登場したキッズコメディ。そりゃ「私はあなたの娘よ」と言われたら普通の男だったら戸惑うだろうけど、思い当たるフシだらけの彼はそれなりに受け入れてしまう。ワガママなダメ男って設定なのかもしれないけど、なかなか度量の深さを感じてしまったぞ。

 とはいっても映画の深さはそこまでで、あとは一般的なキッズコメディの王道をズボーンと突っ走るかのようなストーリー。ザ・ロックへの愛情がないと少々きついかなぁという感想です。独身男性の憧れの部屋は…やっぱ子育てには向いてないんでしょうね。そうそう、マッチョな男はバレエがよく似合います。劇場未公開作品。

アンディ・フィックマン監督。2007年アメリカ映画。

2009年10月31日 (土)

ブラックサイト (2008)

ブラックサイト シングルマザーのFBI捜査官ジェニファー(ダイアン・レイン)はサイバー捜査が専門だが、ある日ネット上にアクセスが増えるほど薬物が投与されてネコが殺されるというライブ映像を発見する。彼女の心配どおりに、次にネットに登場したのは拘束された人間。予測どおりアクセスはうなぎ昇りに増えて…

 ネット殺人予告や自殺サイトなどがマスコミを賑わせる中、あってもおかしくないなと思わせてくれるアクセス数による殺人を描いたスリラー。シリアスな役も似合うダイアン・レイン主演に加えて、安全と思われたネットのこちら側にいる人間がどんどん巻き込まれていく展開、そして犯人の動機付けなどなど、なかなかしっかりとした描き混みがされているところがまたリアリティがあって良い。

 強いて言えばワールドワードなウェブの世界なんだから、犯人は手の届かない遠方にいても良かったんじゃないの、なんて思いはしたが。

グレゴリー・ホブリット監督。2008年アメリカ映画。

2009年10月21日 (水)

デッド・サイレンス (2007)

Dead_silence ジェイミー・アーシェン(ライアン・クワンテン)とリサ夫婦のところに、差出人不明の小包が届けられる。中から出てきたのは腹話術の人形で、ジェイミーが夕食を買いに行っていた間にリサは惨殺されてしまう。事件の謎を解くために、故郷の村へ帰るジェイミーだったが…

 「SAW」のスタッフが作ったというサスペンス・ホラーで、なるほど雰囲気はSAWに近く、モノクロタッチの映像が恐怖心を誘う。内容は腹話術の人形が過去の怨念を晴らすという「チャイルド・プレイ」もどきの物語なのだが、人形の扱いが妙にうまくて特にラストのオチなどはうならされてしまった。怖いというよりも、アイディア賞ものですね。

 腹話術の最中に「口が動いている」と叫ぶなんてのは、反則というよりも単に空気が読めないだけの話なのかも。それを根に持ってネチネチ祟る…ってのも、何だかなぁ。

ジェームズ・ワン監督。2007年アメリカ映画。

2009年10月19日 (月)

ハイ・フィデリティ (2000)

ハイ・フィデリティ ロック大好きのロブ・ゴードン(ジョン・キューザック)は、バリー(ジャック・ブラック)とディック(トッド・ルイーゾ)の二人と小さなレコードショップを営む。しかし女性関係はうまくいっておらず、同棲中のローラ(イーベン・ヤイレ)は家を出て行ってしまう…

 ロックオタクの30代男性が、過去の女性遍歴から音楽に関する思いまでを語りまくる映画。これは波長が合う、合わないがかっちり分かれる映画だと思う。ロックを語るってのはおやじの領域にはいってきてるってことかなぁ(しみじみ)。

 というわけで、最近音楽に対する思い入れがすっかり冷めてしまっている自分としては、意外と冷ややかな目でこの映画を見てしまった。ジョン・キューザックって人は、このように微妙になさけない役どころがぴったり。それにしても、彼女の女性遍歴がキャサリン・ゼタ・ジョーンズとかリサ・ボネットとか、妙にレベルが高いのが気になるぞ。

スティーブン・フリアーズ監督。2000年アメリカ映画。

2009年10月17日 (土)

ブラザーサンタ (2007)

ブラザーサンタ フレッド(ヴィンス・ボーン)は出来のいい弟ニック(ポール・ジアマッティ)のおかげで肩身の狭い子供時代をおくる。そして現代、フレッドはとある事件から留置場に入れられてしまう。サンタ・クロースとして働くニックに、釈放の引き受けたのむフレッドだったが、その条件は弟のサンタの仕事を手伝うことだった。かくしてフレッドは空飛ぶソリに乗り、北極へと旅立つのだったが…

 70年代に「サンタクローズ初めての映画化」なんてコピーが踊った映画があったけど、このところでは定番化された感じのあるサンタクロース映画。今回はサンタに兄弟の確執といったテーマをからめてコメディに仕立ててるんだけど、これって結構人類普遍のテーマというか、身につまされる方もおられるのではないかと観賞しながら思ってしまった。途中からサンタ工場に入ってくるコストカッターの存在も含めて。

 とはいってもファミリー映画の作りに代わりはなく、空飛ぶソリの爽快感、プレゼント配りの見せ場などなどスピーディーに展開する画面は一件の価値があります。一晩で世界中の子供たちにプレゼントを配る、という物理的に絶対無理なことを、いかにもできそうに思わせてくれるのは映画の魔力でしょう。

デヴィッド・ドブキン監督。2007年アメリカ映画。

2009年9月30日 (水)

噂のアゲメンに恋をした (2007)

噂のアゲメンに恋をした 小さいときに、女の子に呪いをかけられてしまった歯科医のチャーリー(デイン・クック)は、一夜を共にした女性が次に見つけた男と幸せな結婚をするという「アゲメン」になってしまう。噂を聞きつけた美女たちが彼の回りに群がり、ウハウハの生活をおくるチャーリーだったが、ペンギンの飼育員でドジな美女キャム(ジェシカ・アルバ)に一目惚れしてしまう。しかし彼女が他の男と結婚する運命になってしまうことに耐えられないチャーリーは、異常行動に出てしまい…

 いわゆる艶笑コメディものだけど、え~ジェシカ・アルバがこういうのに出ているの~って驚きがありました。下ネタもヌードシーンも満載なんだけど、彼女が最後まで脱がないってのは期待した方には肩すかしかもしれない。それにしても笑いのツボは外してないし、友達の外科医がいいキャラクターだったりとか見所はいっぱい。強いて言えば、注意しなければいけないのは下ネタがかなり強烈なので一緒に見る人を選ぶ映画だって部分ぐらいかな。

 冒頭のビンをくるくる回して、当たった男女がクローゼットにこもるって遊びが笑えた。やってるのが自分の娘だったら、笑えないだろうけど(笑)。

マーク・ヘルフリッチ監督。2007年アメリカ映画。

2009年9月29日 (火)

スピード・レーサー (2008)

スピード・レーサー スピード・レーサー(エミール・ハーシュ)は父(ジョン・グッドマン)の作ったマッハ号を操る新人レーサー。彼の才能を見抜いたロイヤルトン社のオーナーからスポンサーのオファーが来たが、ただならぬ雰囲気を感じたスピードはこれを断る。ロイヤルトンの裏工作で、次のレースでは他のドライバーがスピードに向かって襲いかかってくるのだったが…

 日本のアニメ「マッハGoGoGo」をウォシャウスキー兄弟がハリウッドで映画化。このマンガは小さい頃見ていたはずなんだけどストーリーが全然思い出せない。こんな雰囲気だったのかな? くるくるとスピンしながら戦う様子は、本物のレースと比べても違和感ありありだし、画面がどう見てもヴィデオゲームのようで好きになれない。レース映画というよりも、レースゲーム映画といった感じである。マリオカートとかの画面を見る感じで楽しまなければいけないんだろうか。

 とにかく不思議な映画なんだけど、登場人物が豪華なのが救いかな。ジョン・グッドマンとスーザン・サランドンの両親に、恋人がクリスティーナ・リッチとくればオールスターキャストではないですか。このメンバーがプライベート・ヘリに乗ってレースを追いかけ、これまたアニメキャラのようなレーサーX(マシュー・フォックス)が登場して主人公家族とからんだりと、かなり頭のねじを外してみなければいけない映画であります。そうそう、日本の真田広之も出てますけど、何の役かさっぱりわからなかったぞ(笑)。

アンディ・ウォシャウスキ-、テリー・ウォシャウスキー監督。2008年アメリカ映画。

2009年9月28日 (月)

ストレンジャー・コール (2006)

ストレンジャー・コール 女子高生のジル(カミーラ・ベル)はベビーシッターのバイトでジョンソン氏(クラーク・グレッグ)の屋敷へやって来る。二人の子供は寝ているから、起こさずに留守を過ごしておけばいいだけの楽なバイトのはずだったが、やがていたずら電話が執拗にかかってきて、しかも犯人はどこからか彼女を監視していることがわかり…

 かなりデジャヴー的な感覚を味わうことができるホラー・サスペンス。「スクリーム」とかにありがちなパターンだなぁと思ってたら、なんと「夕暮れにベルが鳴る」のリメイクらしい。「夕暮れ~」のストーリーなんて完全に忘れてしまったけど、ひとりの部屋で犯人の攻撃におびえる少女の姿はおぼろげに頭の中に残っている。これも同様に、20年ぐらい経ったらそういうシチュエーションだけが頭に残る映画だろうな。あ、タイトルを覚えていたらの話だけど。

 ストーリーは完全なびっくり箱ホラーで、ひねりがないのが特長。彼女をベビーシッターに雇った夫婦とか、電話に出た警官とか、登場しない大学生の息子とか、彼女をこの屋敷におくってきた父親とか、怪しげな人物がいっぱいいるのに結局誰も時間の犯人ではなかった…というのが一番のひねりなのかも(笑)。主演のカミーラ・ベルってのはなかなかの美少女です。

サイモン・ウェスト監督。2006年アメリカ映画。

2009年9月24日 (木)

NEXT ネクスト (2007)

NEXT マジシャンのクリス・ジョンソン(ニコラス・ケイジ)は実は自分にかかわる2分先が見える予知能力者。ところが彼の予知能力を目当てに、FBIのカリー(ジュリアン・ムーア)はテロリストの阻止への協力を求めてくる。いったんは断り、運命の人リズ(ジェシカ・ビール)と山荘に泊まったクリスはそこでテロリストの襲撃を受けて…

 フィリップ・K・ディックの「ゴールデンマン」を映画化。映画もコンパクトに小気味よくまとまった佳作で、アクションファンもSF好きもニコラス好きもそれなりに楽しめる内容。2分間先が見通せる…というよりも2分間しか見通せないという縛りがなんともいい効果を上げていて、そのくせ肝心なところでは妙に先まで見渡せたり首をかしげる部分はあるんだけど面白い物語になっている。

 運命の人、ジェシカ・ビールが普通っぽいくせに色っぽくていい雰囲気。ジュリアン・ムーアは相変わらず捜査官役がぴったりです。中途半端とも、いやこれでいいんだ的とも言えるところで終わっちゃったけど、続編はあるのかな?

リー・タマホリ監督。2007年アメリカ映画。

2009年9月21日 (月)

ラブ・ザ・ドッグ 犬依存症の女 (2007)

Year_of_the_dog 一人暮らしのペギー(モリー・シャイン)は愛犬のペンシルと楽しい日々を過ごしていたが、ある日ペンシルは急死してしまう。寂しさをまぎらすために、隣人のアル(ジョン・C・ライリー)とデートしたり、妹(ローラ・ダーン)の家に通ったりするのだったが、犬つながりで知り合ったニュート(ピーター・サースガード)から捨て犬を譲り受けて…

 愛犬を失った愛犬家の暴走を描いたブラック系コメディ。あまりに気の毒で笑うに笑えない、というのが正直なところで、このペギーさん後半はかなりはた迷惑な行為に及ぶのですがスクリーンのこちら側から一部始終を見ているだけに、つきあいきれないってばっさり切り捨ててしまえないのが辛いところ。まあそれがこの映画のテーマであり、しっかり考えさせられるところなんですが。

 ライトコメディに思えて、動物愛護、殺して食べること、ベジタリアンと、かなり重いテーマに踏み込んでいるのが考えさせられます。そのあたりが、スタッフ・キャストにブラッド・ピットやジャック・ブラックなどが名前を連ねている所以でしょうか。どうしてもベジタリアンになれない私は、しっかり残さず感謝して食べることだけは心がけます。この映画、日本では劇場未公開、DVD未発売、スター・チャンネルでだけ見られるという状態です。

マイク・ホワイト監督。2007年アメリカ映画。

2009年9月19日 (土)

叫 (2006)

叫 湾岸で海水を飲まされて溺死した女性の遺体が発見される。捜査を担当する吉岡刑事(役所広司)は、現場の遺留品と自分のつながりに引っかかるものを感じる。恋人の春江(小西真奈美)ともしっくりいかず、同僚の宮地(伊原剛志)ともぶつかり合っていたが、やがて第2の殺人事件が起こり吉岡は赤い服を着た幽霊(葉月里緒菜)に悩まされるようになる。

 黒沢清監督のジャパニーズホラー。建物を建てたり壊したり液状化したりという、得体の知れない湾岸地帯の雰囲気が満点でこういう地縛霊みたいなのもいても不思議じゃないなぁ、という気分にさせてくれるところは立派である。しかしストーリーが微妙に舌足らずで、1回見終わったところで謎が多くてフラストレーションがたまる。なぜ恨む、葉月? なぜああいう目にあう、伊原、なぜなぜ小西といったところか(ねたばれになるので伏せてます、すみません)。

 精神科医のオダギリジョーも、なぜ突然診察を投げてしまったかが謎。なんとなく想像はつくんだけど、想像の域を出てないんですよね。葉月は色白だけに、赤い服がこれまたよく似合って立ってるだけで怖いです。まさか飛ぶとは思いませんでしたが。

黒沢清監督。2006年日本映画。

2009年9月18日 (金)

奇跡のシンフォニー (2007)

奇跡のシンフォニー 孤児院で育ったエヴァン・テイラー(フレディ・ハイモア)は回りの音がすべて音楽に聞こえる音感の持ち主。会ったことのない両親にを求めて孤児院を脱走してニューヨークへ。同じ頃、彼の母であるチェリストのライラ(ケリー・ラッセル)は久しぶりの演奏の準備中。同じくミュージシャンだった父ルイス(ジョナサン・リス・マイヤーズ)は、バンドを再結成したところだったが…

 音楽が家族を結びつける…というテーマのドラマ。最初のお膳立てからして、ラストがどうなるのかがもう完全にわかってるんだけど物語はレールの上にのってずんずん進んで行く。途中で、ストリート・チルドレンたちを仕切るウィザード(ロビン・ウィリアムズ)によって物語は「オリバー・ツイスト」と化するんだけど、これも完全にお約束の展開かも。ハンス・ジマーの音楽で物語を盛り上げろうとがんがん演奏するあたりも良いが、若干から回り気味。

 定番ストーリーながら何で感動が薄いのだろうかと思ったら、キャラクターたちに魅力が少ないせいかな。特に主人公のフレディ・ハイモアくんは神童とあがめられて音楽を思うがままに操るんだけど…もちろんミュージシャンである両親のDNAなんだろうけど、これを見てたら自分は子供に何も残してあげられなかったなぁと、ちょっと自己嫌悪を感じてしまった。ふう。

 と酷評しながらも、ひとつだけ好きなシーンはエヴァンと父のルイスがお互いの素性を知らずにギターでセッションをするシーン。こういう親子関係には、ちょっぴり憧れます。

カーステン・シェリダン監督。2007年アメリカ映画。

2009年9月17日 (木)

最高の人生の見つけ方 (2007)

最高の人生の見つけ方 歴史マニアで自動車整備士のカーター(モーガン・フリーマン)が末期ガンで入院する。同室となったのは、この病院のオーナーで大金持ちのエドワード(ジャック・ニコルソン)。まったくタイプの違う二人だったが、共に余命いくばくもないことを知り意気投合して、人生にやり残したことをリストにしてそれを消化する旅に出ることになったのだったが…

 モーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンという、個性派老優(?)による人間ドラマ。ニコルソンは最近こういう枯れたストーリーの作品での名演が目立つけど、これもそんな1本。しかし欲を言えば、家庭に恵まれ奥さんに恵まれたよい人フリーマンと、大金持ちだけど毒気だらけ人間関係ズタボロのニコルソンって二人の雰囲気そのままやん。いっそのところ、役どころが逆だったら面白かったのでは、なんてうがった見方をしてしまいました。

 とはいっても、この二人の名優にロブ・ライナー監督とくれば、見せてくれないはずがありません。二人の旅がスカイダイビングやカーレースからはじまるあたり、こりゃアメリカらしい金持ちの道楽映画かと思わせておいて、話がだんだん家族や人間関係へと収束していく終盤、安心したと同時にうーんとうならせてくれました。世界一の美女とキスするなんて項目は、これは落としどころですね。最後を締めてくれたエドワードの秘書(ショーン・ヘイズ)と、泉ピン子似のカーターの奥さん(ビヴァリー・トッド)も良かった。奥さんは最後の日々をエドワードに取られてちょっとかわいそうだったけど。

 本来だったら一生かけて棺桶リストを実行すればいいのに、人間ってせっぱつまってみないと何もできないってことでしょうか。ちょっと身につまされるものがあったりします。

ロブ・ライナー監督。2007年アメリカ映画。

2009年9月13日 (日)

フールズ・ゴールド カリブ海に沈んだ恋の宝石 (2008)

フールズ・ゴールド トレジャー・ハンターのベンジャミン(マシュー・マコノヒー)は借金まみれの上に妻テス(ケイト・ハドソン)とは離婚寸前の危うい仲。ところがスペイン王の財宝の手がかりを手に入れた上に、大富豪ナイジェル(ドナルド・サザーランド)とその娘ジェマ(アレクシス・ジーナ)というスポンサーがつく。かくして金貸しのギャング(ケヴィン・ハート)に追われながらもクルーザーで金塊探しの旅に出るのだったが…

 またもや登場、トレジャー・ハンターの物語。ストーリーとしては「イントゥ・ザ・ブルー」寄りの海洋アドベンチャーなんだけど、緊迫感なんてまるでなしの、超コメディにふったライトな作りである。デートムービーとして見た方が向いているかな。離婚寸前の主人公夫婦に加えて、スポンサーのドナルド・サザーランドはど~んと締めているにもかかわらず、壊れた娘アレクシス・ジーナが強烈なキャラである。微妙なお色気もあって、ロリコン受けするかもしれない(笑)。対する敵キャラもギャングの借金取りが用意してあるのだが、たいした敵ではないので全然記憶に残っていない(笑)。

 かくして、敵味方の船が並んで、これまたのどかに宝探しをする映画である。水中で爆破作業とかするんだったら、もうちっとは緊張感持てよなぁ。まぁ、楽しくて海が美しいからいいか。

アンディ・テナント監督。2008年アメリカ映画。

2009年9月12日 (土)

フィクサー (2007)

フィクサー ニューヨークの法律事務所で、もみ消し屋(フィクサー)として働く弁護士のマイケル・クレイトン(ジョージ・クルーニー)。大手企業U・ノース社の集団訴訟事件を担当した弁護士アーサー(トム・ウィルキンソン)の突然のご乱心をもみ消す仕事が舞い込んできたが、実は彼は会社が隠している農薬中毒事件の決定的証拠をつかんでの行動だった。U・ノース社の顧問弁護士のカレン(ティルダ・スウィントン)は証拠をもみ消すための行動に出るのだったが…

 企業サスペンスなのだが、前半は渋すぎる…というか妙にタルくて睡魔に襲われたが、ティルダ・スウィントンが暗躍しはじめてからは話が急に面白くなりクライマックスまで一気に楽しめた。彼女がアカデミー助演女優賞というのは後で知ったんだけど、なるほどね~と納得。彼女のご面相といい雰囲気といい、そして演技は一度見たら忘れない。ヒールとしてはトップクラスで、殺人依頼をしながらも自分は日常の中にとどまっていたい…なんて思いが彼女の目を通して伝わってきたぞ。凄い凄い。

 ストーリーは強いて言えば、地味にしたエリン・ブロコビッチといったところかな。集団訴訟はいいけど、それでどれだけの被害が出てるのかがわからないのがちょっと本作の弱いところ。まぁそれは本筋ではないんでしょうけど。乗ってる自動車を爆破されたら、そりゃ気持ちも変わるかもしれない。そんなところから大金もらっても、落ち落ちと寝てられないでしょ。主人公の上司でシドニー・ポラックも出てます。

トニー・ギルロイ監督。2007年アメリカ映画。

2009年9月11日 (金)

ディセンバー・ボーイズ (2007)

ディセンバー・ボーイズ 全員12月生まれなので、ディセンバー・ボーイズと呼ばれる孤児院の少年マップス(ダニエル・ラドクリフ)、スパーク(クリスチャン・バイヤーズ)、スピッツ(ジェームズ・フレイザー)、ミスティ(リー・コーミー)の四人は、夏休みのプレゼントとして海辺の村で過ごすことになる。そこで年長のマップスは大人びた少女ルーシー(テリーサ・パーマー)に恋をする。他の3人も、海辺に住む夫婦(ジャック・トンプソン、ヴィクトリア・ヒル)が養子を求めていることを知るのだったが…

 マイケル・ヌーナンの原作を映画化した青春映画。ハリ・ポタのラドクリフ主演。雰囲気としては、オーストラリア版「おもいでの夏」といった感じだが、マップス以外はみんな子供で、ストーリーも養子縁組にはいりたい、といった部分に焦点がおかれていたあたりがちょっと違う。養子縁組で家族を作ることと、初めてのガールフレンドができるという2つのストーリーが平行して語られるのが面白かった。

 意外とたんたんとした内容は、美しい風景も手伝ってか癒し系。ただしストーリーに期待したらちょっと外されるかもしれない。ガールフレンド役のちょっとすれた感じのするテリーサ・パーマ-が良かった。それからラストの年寄りたちはいい余韻が残ったんだけど、それ以外には風景以外に印象的なシーンが少ないのがちょっと辛いところ。

ロッド・ハーディ監督。2007年アメリカ映画。

2009年9月10日 (木)

アイ・ラブ・トラブル (1994)

アイ・ラブ・トラブル 大きな列車事故が起こり、たまたま記者不在だったためにコラムニストのピーター・ブラケット(ニック・ノルティ)が取材することになる。かつての事件記者で誰が書いても同じと軽くこなしたピーターだったが、ライバル誌のサブリナ・ピーターソン(ジュリア・ロバーツ)にスクープをすっぱ抜かれて面目丸つぶれにされる。やがて二人は共同で事件を追うことになるのだが…

 ジュリア・ロバーツとニック・ノルティという2大スター競演の豪華なサスペンス劇場。こうなると、もう列車事故に関するミステリーなんてあってないようなもので、ひたすら二人のかけあいとぶつかりあい、そしていかに最後は仲良くなるかを見る映画。それはそれでいいのかもしれないけど、筆者としては若干見飽きてしまった、と感じるジャンルかな。

 二人が成り行きで結婚式のまねごとをしたり、といったシーンはなぜかデジャヴー感覚を覚えてしまった。かつて古き良きアメリカ映画で使われてたパターンなのかな。ところでジュリアとニックの年齢差ってどれだけあるんだろう。

チャールズ・シャイア監督。1994年アメリカ映画。

2009年9月 8日 (火)

笑う大天使(ミカエル) (2005)

笑う大天使 唯一の身内だった母を亡くした司城史緒(上野樹里)は、再会した大金持ちの兄・一臣(伊勢谷友介)の紹介で全寮制の超お嬢様学校・聖ミカエル学園へ転校する。お嬢様たちの中で息苦しさを覚える史緒だったが、クラスメートの斎木和音(関めぐみ)と更科柚子(平愛梨)が自分と同じ心境だったことを知り…

 川原泉の人気少女コミックの映画化。いかにもコミックといったぶっとんだ設定で、あまりの現実離れに冒頭から頭のネジを1本抜いて見る覚悟が必要。しかもストーリーはどんどんエスカレートして、ついに中盤は超能力戦争からヒロインの巨大化へと正に何でもありである。凄い…映画である。

 デジタル合成とかが一般化して、こういう映画がぽんぽんと飛び出すようになったんだろうね。しかもコミックという割り切りからか、妙にリアルに見せようと思わないゲームのような質感の画面はいいかもしれない。上野樹里って意外と可愛かったんだと再発見すると共に、手足のすらっと長い関めぐみもはまり役。ゲスト出演的に菊地凛子も出ています。

小田一生監督。2005年日本映画。

2009年9月 7日 (月)

アストロノーツ・ファーマー 庭から昇ったロケット雲 (2007)

アストロノーツ・ファーマー 庭から昇ったロケット雲 かつての宇宙飛行士でありながら実際に飛ぶことはなく、現在は農場を営むチャーリー(ビリー・ボブ・ソーントン)は、宇宙への夢があきらめきれず次作の宇宙ロケットを作っている。妻のオーディ(ヴァージニア・マドセン)と子供たち(マックス・シエリオット、ジャスパー・ポーリッシュ、ローガン・ポーリッシュ)はチャーリーを支えるのだが、借金で首が回らなくなった上にFBIの捜査官(マーク・ポーリッシュ、ジョン・グライス)にも目をつけられ…

 邦画で言えば「明日があるさ」のような、個人で宇宙ロケットを作って飛び立つ物語。「明日~」と同じく、宇宙船が妙に小型なのと完成システムがチャチく見えるのが気になるのだが、現代の技術と高性能パソコンをもってくればこのくらいのことはできてしまう、と理解すべきなのか?

 その割りには、1回目の発射でチャーリーが真横にすっ飛んで行ったのは、そのチャチなイメージを裏付けるかのような描写で、恐ろしいシーンながらも内心にんまりしてしまったわけなのだが…

 とは言いながらも、映画の出来不出来にかかわらずoga.はこの手の物語が大好きなのである。宇宙なんて個人では無理、なんて常識がばんとくつがえされていく当たりが、やっぱり映画の醍醐味なんだろうと思う。実際は借金を重ねるだけ重ねてロケットは飛ばず、自己破産するなんて人がアメリカにはいっぱいいそうな気がします。チョイ役でブルース・ウィリスも出てます。

マイケル・ポーリッシュ監督。2007年アメリカ映画。

2009年9月 1日 (火)

アメリカを売った男 (2007)

アメリカを売った男 FBIの捜査官エリック・オニール(ライアン・フィリップ)はベテラン捜査官ロバート・ハンセン(クリス・クーパー)の助手となり監視することを命じられる。重要な事件から退屈な任務への変更に不満を隠せないエリックだったが、実はハンセンは重要な国家機密を20年にわたりロシアに売り続けた史上最悪のスパイだった…

 邦題のとおり、アメリカの機密を売り続けて20年のとんでもない男の逮捕劇で、もちろん実話。物語を逮捕前の2ヶ月にしぼったことで、緊迫感あるいい映画になっている。クリス・クーパーの屈折ぶりはなかなかのもので、あの眼光で「嘘を見抜く訓練を」なんて言われたらちびってしまいそうである。監視はひよっこだと言われながら、賢明についていくけなげなエリックも立派で共感を呼ぶ。

 奥さんとの葛藤をからめた部分もリアルです。宗教と教会も重要なモチーフになっているのが印象的。結局、自分を止められなくなったハンセンは早く逮捕してほしかったというんだけど、その気持ちを理解するのはなかなか難しい。ハッカーがハッキング行為を行う動機にも似てますね。

ビリー・レイ監督。2007年アメリカ映画。

2009年8月31日 (月)

ディボース・ショウ (2003)

ディボース・ショウ 離婚専門の敏腕弁護士マイルズ・マッシー(ジョージ・クルーニー)は大富豪レックスロス(エドワード・ハーマン)とマリリン(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)の離婚訴訟を引き受ける。絶体絶命の状況から勝利を勝ち取ったマイルズだったが、実はマリリンに一目惚れ。ところが金持ちと結婚して慰謝料をふんだくることに生き甲斐を感じるマリリンは、今度は石油王ハワード(ビリー・ボブ・ソーントン)と結婚するのだったが…

 コーエン兄弟によるブラック・ラブコメ・離婚劇。まぁ男がすんなりと騙されそうということでは天下一品のキャサリン・ゼタ・ジョーンズが中心なだけに、物語の説得力は十分。余裕たっぷりのジョージ・クルーニーの目線で、たっぷりと騙されたり煙に巻かれたりと楽しめた1時間半でした。

 難を言えば、終盤の殺し屋のくだりがあまりに現実離れしていて(全体的に現実離れはしているのだが)、素直にラストを喜べない…というのが辛いところかも。でもブラックな笑いはたっぷりと用意されていて、ケレン味たっぷりだけど後半崩れていくジョージ・クルーニーは正にはまり役といった感じでありました。

ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督。2003年アメリカ映画。

2009年8月25日 (火)

アメリカン・ホーンティング (2006)

アメリカン・ホーンティング テネシーに住む少女ジェーン(レイチェル・ハード・ウッド)は、ひどい悪夢にうなされる。そのきっかけは、屋根裏で見つけた古い書簡だった。その書簡には、かつてこの家に住んでいたジョン(ドナルド・サザーランド)とルーシー(シシー・スペイセク)、娘(レイチェルの二役)が、魔女と呼ばれる女性に金を貸して逆恨みされ呪われたという事件が書かれていた…

 魔女に呪い殺される殺人事件として有名な「ベル・ウィッチ事件」の映画化。といったもoga.も含めて日本人にはぴんとこないかもしれないが、あちらでは結構有名な話なのだそうだ。ひとつ賢くなりました。

 話はエクソシストとポルターガイストが合体したような感じで、じわじわと恐怖を盛り上げていく演出はホラーの常套手段といった感じ。しかし実話(?)の映画化だけにおさえるときはびしっとおさえてあり、描かれる怪奇現象のわりにはストーリーが意外と単調である。やっぱ背景を理解してないと、楽しめない映画なのかもしれません。

 現代からスタートするんだけど、描かれるのはほとんどが書簡に残された1818年の怪奇現象。徐々におかしくなっていくドナルド・サザーランドは熱演である。シシー・スペイセクは、キャリーをリアルタイムに知る世代としては、ホラーの大御所といった位置づけかも。

コートニー・ソロモン監督。2006年イギリス=カナダ=ルーマニア=アメリカ合作。

2009年8月24日 (月)

スターダスト (2007)

スターダスト 壁に囲まれたウォール村に父と二人で住むトリスタン(チャーリー・コックス)は、片思いの美女ヴィクトリア(シエナ・ミラー)のために外の世界へ行って流れ星を取ってくることを決意する。ところが星が落ちた場所にはイヴェイン(クレア・デインズ)が倒れていて、彼女が流れ星だと知ったトリスタンは村へ連れ帰ろうとするのだったが…

 ニール・ゲイマンの原作を映画化。ストーリーはさらに、ストームホールド王(ピーター・オトゥール)の後継者争いやら永遠の命を求める魔女ラミア(ミシェル・ファイファー)やら、空賊のキャプテン・シェイクスピア(ロバート・デ・ニーロ)やらがからんで混沌とした様相。それでもストーリーが単純なおかげか、ぼーっと見ていても迷子になることはない。

 実は全然期待せずに見たら、意外と楽しめたというのが正直な感想。トリスタンの出生の秘密からはじまって、壁に囲まれた村、落ちてきた流れ星、空飛ぶ船などなど、イマジネーションを刺激する仕掛けはたっぷり。王族の兄弟が殺されるたびにゴーストになっていくくだりや、ミシェル・ファイファーの怪演などなどおかずがいっぱいでもうごちそうさま状態であった。クレア・デインズが実はヒロインだったというのは、ストーリーの流れからしてもお約束ごとかな。

 ちょっとだけ納得できないのが、彼がふってしまうヴィクトリアの扱いかな。王位継承についても、あまりにも軽すぎるんだけど映画全体が軽いんだからこれはこれでいいんでしょう。続編はなさそうな雰囲気です。

マシュー・ヴォーン監督。2007年アメリカ=イギリス合作。

2009年8月23日 (日)

ストップ・ロス 戦火の逃亡者 (2008)

ストップ・ロス 戦火の逃亡者 イラクで戦ったブランドン(ライアン・フィリップ)は徴兵期間が終わって除隊する予定だったが、ストップ・ロスという徴兵期間延長の制度を適用されて再び戦場へ行くことを命じられる。抵抗して脱走兵となったブランドンは、友人の恋人ミシェル(アビー・コーニッシュ)と共にロスに住む知り合いの議員を訪ねようとするのだったが…

 冒頭のイラクでの戦闘シーンが強烈である。こじんまりとした市街戦であるにもかかわらず、待ち伏せされまさに血の雨が降るといったシーンに強烈なメッセージが感じられる。ここにかり出されているのは普通の若者であり、しかも子供たちを含んだ人殺しを強制される理不尽さ。そして生きて帰ってももう一度行けと書類1枚で指示される理不尽さなど、この映画で感じたことは非常に多い。

 映画の出来はというと、決して及第点とは言いかねる。おそらくいくつかのイラク戦争映画にまぎれて、10年後には忘れてしまうような映画のような気がする。でもこの映画の持つメッセージ性と「ストップ・ロス」という言葉は、意外と長く脳裏に刻まれるのではないだろうか。

キンバリー・ピアース監督。2008年アメリカ映画。

2009年8月22日 (土)

タイタンズを忘れない (2000)

タイタンズを忘れない 70年代のバージニア州。人種差別撤廃により高校が統合し、白人と黒人混合のフットボールチーム、新生タイタンズが結成される。それまでコーチを務めていたビル(ウィル・パットン)は新任の黒人コーチのハーマン(デンゼル・ワシントン)にコーチの地位を明け渡す。しかしハーマンの方針でキャンプで打ち解けたタイタンズのメンバー(ウッド・ハリス、ライアン・ハースト、キップ・バルデュー他)は、州大会で快進撃を繰り広げるのだったが。

 正に「タイタンズを忘れない」を忘れない、ってなことになりそうな映画。ものすごくストレートなスポ根もので、絵に描いたようなスポーツを通じた世界平和物語なんだけど、理屈抜きに熱くなれることうけあい。強烈なリーダーシップとカリスマ性を持ったデンゼル・ワシントンがいい。ウィル・パットンの、頑張ってる姿もいい。ジュリアスとゲーリーの母親の抱き合うシーンの、なんと暖かいことか。

 うーん、ブラッカイマーもこんな映画を作るんだなぁとちょっと感心。タッチストーンでなくディズニーブランドで出しているのも納得。ひねりはなく、ハッピーエンドなのでとっても安心して見ていられる。これが実話だってのが希望を感じさせられていいですね。

ボアズ・イェーキン監督。2000年アメリカ映画。

2009年8月21日 (金)

ランド・オブ・ウーマン 優しい雨の降る街で (2007)

ランド・オブ・ウーマン ロスに住むポルノライターのカーター(アダム・ブロディ)は仕事に行き詰まり、恋人にもふられて、ほとんど会ったことのない祖母フィリス(オリンピア・デュカキス)を泊まり込みで世話するためにミシガンへ引っ越す。ところが隣に住む主婦サラ(メグ・ライアン)とその娘ルーシー(クリステン・スチュワート)と仲良くなり…

 人生の転機をテーマにした人間ドラマ。傷心のポルノライターと、母に反抗する高校生の娘、乳がんを宣告されるその母、そして半分ぼけかけながらも、たまにどきっとすることを口走る祖母などなど、舞台のお膳立てというか設定は非常にドラマチック。でもストーリーは映画にするにはあまりにも日常的すぎて、ある意味肩すかしをくらわされたかのような映画である。

 監督はあのローレンス・カスダンの息子のジョナサン・カスダン。主演のアダム・ブロディは何ともぱっとしない上に、ポルノライターに見えないのが難。悩める彼が母娘にふらふらするあたりが、心情的に納得できなくていらいらしてしまったのが敗因かも。逆にクリステン・スチュワートはあまり出演作を見ているわけではないのだが印象に残る。メグ・ライアンはお久しぶりなんだけど、やっぱり綺麗だなと再発見。なおタイトルにある「優しい雨」は、劇中1回しか降っておりません。

ジョナサン・カスダン監督。2007年アメリカ映画。

2009年8月20日 (木)

失踪 (1993)

失踪 恋人ダイアン(サンドラ・ブロック)と旅行中のジェフ(キーファー・サザーランド)だったが、あるパーキングで目を離した隙に彼女は失踪してしまう。3年間執念で探し続け、その間に新しい恋人リタ(ナンシー・トラヴィス)もできるのだったが、彼の前に犯人だと名乗る男(ジェフ・ブリッジス)が現れ…

 いかにもありそうな、アメリカを旅行中の失踪事件をテーマにしたスリラー。なさけない犯人(ジェフ・ブリッジス)は最初から登場してエーテルか何かをかがせる練習とかをしているのだが、こいつが本当に犯罪なんて起こせるのかと思ってたらとんでもないサイコ野郎に変貌していくあたりが強引なんだけど、妙にぐいぐいと引き込まれる説得力を持っているのがさすがである。

 サンドラ・ブロックは「スピード」でブレイクする前年なのでチョイ役ってことでしょうか。ものすごくもったいなく感じる。逆にラスト近くはナンシー・トラヴィスの独断場というか出ずっぱりで頑張ってくれます。そういやポーの小説に生きたまま墓に埋められるってのがなかったっけ。そのあたりをヒントにしてるのかもしれないけど、確かに生き埋めってのは想像しただけで怖いです。

ジョルジュ・シュルイツァー監督。1993年アメリカ映画。

2009年8月17日 (月)

アース (2007)

アース 北極点をスタートに、えさを求めて旅をするホッキョクグマの親子、ツンドラ地帯、ゴクラクチョウ、水を求めてさまようゾウの群れ、オキアミを求めて赤道から南極まで親子で泳ぐザトウクジラなど、様々な動物のエピソードを追ったドキュメンタリー映画。ナレーションはあのスタトレのピカード艦長ことパトリック・スチュワート。

 BBCのドキュメンタリー「プラネット・アース」の再編集版、ということで、動物の行動にストーリーを持たせたあたりはディズニーの「自然の驚異」シリーズを思わせる。しかし撮影技術が進んだせいか、時々挿入される宇宙からの映像や、四季の移り変わりを合成画像で見せるあたりなどはうならされる。しかも大画面で見ると効果満点で、プロジェクターなどを購入された方はまずはコレを見ることをおすすめしたい。昨今のアクション映画のように無駄にカメラを振り回すこともしていないので、ただただ映像の美しさを堪能することができると思います。

 弱肉強食を描いたシーンもありますがディズニー映画と同じく残酷シーンの手前で止めてあります。しかし、生きていくためとはいえ、狙われるのはいつも弱い子供というのは考えさせられます。ある意味、ラストで語られる地球温暖化よりも哲学的に重いテーマなんじゃないかと思ってしまいました。

アラステア・フォザーギル、マーク・リンフィールド監督。2007年ドイツ=イギリス合作。

2009年8月16日 (日)

ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 (2008)

ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 中国統一を成し遂げた皇帝(ジェット・リー)は不老不死を求めて呪術師ツィ・ユアン(ミシェル・ヨー)に依頼するが、騙された彼女は皇帝とその兵士たちに呪いをかけて兵馬俑に変えてしまう。それから2000年後の1946年、不老不死と関係があるブルー・ダイヤを中国に返還すべくリック・オコーネル(ブレンダン・フレイザー)と妻エヴリン(マリア・ベロ)は中国へ行くのだが、そこで息子のアレックス(ルーク・フォード)と彼が発掘した皇帝のミイラに出会うのだった…

 シリーズ第3作。エジプトのミイラ・イミホテップとは決着がついたというわけで、今回の舞台は中国である。あれ、中国の皇帝はミイラだったっけとか、兵馬俑がよみがえるといった苦しい設定ではあるけれども内容は盛りだくさんでサービス精神満点の娯楽大作である。ただし昨日見た新生007とはまったく作りが違い、主な登場人物は無敵であり、とんでもない危険の中へ命知らずに飛び込んでいくファミリーはいかにも現実離れした感じがする。

 中国が舞台だけに、ジェット・リー(リー・リン・チェイ)にミシェル・ヨー、それに香港の宇津井健ことアンソニー・ウォンとアジアン・スターがいっぱい出ているのが楽しめる。さらにイェティ(雪男)や3つ首のドラゴンなどなど、ケレン味たっぷりの怪獣キャラも多数出演。次回作はペルーが舞台というオチまでついておりました。インディ・ジョーンズが好きなら文句なく楽しめる映画でしょう。

ロブ・コーエン監督。2008年アメリカ映画。

2009年8月15日 (土)

007 慰めの報酬 (2008)

007 慰めの報酬 前作「カジノ・ロワイヤル」で愛した女ヴェスパーを失ったジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は捕らえたミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)を護送中に激しい襲撃にあう。しかも上司のM(ジュディ・デンチ)の目前で彼を取り逃したボンドは、背後に広がる組織の手がかりを追ってボリビアへ飛ぶ。そこではクーデターを画策するメラドーナ将軍(ホアキン・コシオ)と謎の男ドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)が暗躍し、密かに彼らの命を狙うカミーユ(オルガ・キュリレンコ)をボンドは助けるのだったが…

 今まで一話完結だったせいでどこから見ても大丈夫だった007シリーズだけど、本作は完全に「カジノ・ロワイヤル」の続編。しかもストーリーは複雑にからみ合っているので、前作をおさらいしてからかからないとちょっと手こずりそうな内容です。リアルな方向にふった演出は本作でも新鮮で、何よりも生傷だらけになりながら戦うボンドの姿が強烈。秘密兵器も、メインに使われるのが多機能携帯電話というのが面白い。

 とはいいながらも、ボートチェイスやビル伝いの追跡、飛行機での空中戦からラストのホテル爆破まで、えんえんと続くアクションの数々はリアルで興奮度も高い。誇大妄想狂の敵は姿をひそめ、クーデターを狙う将軍、水の利権で一儲けしようという実業家などなど、出てくる敵が妙にリアルなのも気に入ってしまった。あとは敵に体育会系の傭兵みたいな無敵キャラが登場してくれたら完璧かな。

マーク・フォースター監督。2008年イギリス=アメリカ合作。

2009年8月14日 (金)

GSワンダーランド (2008)

GSワンダーランド 60年代のグループサウンズブームが吹き荒れる日本。レコード会社に勤める佐々木(杉本哲太)は、社長松田(岸部一徳)の命令でGSに参入することに。そのバンド探しの網にひっかかったのが、三人組で日劇を夢見るマサオ(石田卓也)、シュン(水嶋ヒロ)、ケンタ(浅利陽介)で、試行錯誤の末に彼らに歌手志望の娘ミク(栗山千明)を男に仕立てて加えて「ザ・タイツメン」という名前で売り出したら大ヒットし…

 グループサウンズブームを背景にしたミュージカル・コメディ。CGをこういった時代ものに使うというのはなかなか効果的で、60年代のまさしくワンダーランドがスクリーンに広がるのが印象的。さらに社長の横暴で、音楽的方向を無視して翻弄されるメンバー、恥ずかしい「タイツメン」が大ヒットしてしまう成り行きなどなど、つくづく世の中ってわからないもんだなという気分にさせてくれる。

 しかしこの主題歌の「海岸線のホテル」、劇中で何回歌われているのか知らないけど不思議と耳に残る。栗山千明が意外と歌がうまいのもびっくりした。

本田隆一監督。2008年日本映画。

2009年8月 9日 (日)

スコーピオン・キング2 (2008)

スコーピオン・キング2 若きマサイアス(マイケル・コポン)は父のような戦士になるために精鋭部隊のブラック・スコーピオンに入隊して主席で卒業する。ところが国へ戻ってみると国王はサルゴン(ランディ・クートゥア)に謀殺され、自身も兄弟を殺せと命令される。復讐を誓ったマサイアスは、サルゴンを倒すために魔力を持った剣を求めて黄泉の国への旅に出るのだったが…

 あのスコーピオン・キングの続編と言うことで、いよいよマサイアスがダークな世界へ落ちていく映画…かと思いきや、時代は戻って彼の誕生秘話だった。いわゆる「バットマン・ビギンズ」と同じです。仇役にマッチョなプロレスラーを配して、復讐ものからダンジョンの魔物退治、そして最後はモンスター対決へとファンタジーものの王道を歩むかのような作りでなかなか楽しませてくれます。ヒロインのカレン・デヴィッドも見せてくれます。

 難点はというと、ハムナプトラはともかく、前作の「スコーピオン・キング」ともつながりが弱いといったところでしょうか。完全に別物として楽しむか、あるいは1と2の間にもうひとつぐらいエピソードがあると見た方が良いかもしれません。

ラッセル・マルケイ監督。2008年アメリカ映画。

2009年8月 8日 (土)

クローズZERO (2007)

クローズ ZERO 不良少年の巣窟である鈴蘭男子高校。この高校を制覇するために、やくざの息子である滝谷源治(小栗旬)は転入してくる。ところが高校は最大派閥である芹沢(山田孝之)を中心に群雄割拠の状態。源治は鈴校OBでやくざの片桐(やべきょうすけ)に出会い、鈴校制覇の夢を託されるのだったが…  

高橋ヒロシのコミックを映画化。コミック原作ならではの「ありえね~」世界で、間違いなく入学したくない高校(笑)のビジュアルが凄い。やっぱ中途半端はいかんってことで、荒廃した学舎はペンキの落書きでニューヨークの地下鉄のよう。そこにウォーリアーズを思わせる不良少年たちが凶暴な生物のようにたむろし、抗争を繰り広げる世界は凄い。

 しかし物語を見ていくと、これが単純なバイオレンス映画じゃないことがわかってくるあたりが面白い。結局、荒っぽい中に人間味のあふれるシーンとかが挿入されてたりして、いい効果を上げてるんですね。殴り合って血をだらだら流しながら、実は仲良しみたいな。これはラストのやくざの決着シーンに引き継がれているのが面白い。

 ヒロインとして黒木メイサが出てるんだけど、どうしてこの不良たちの中に飛び込んでいくのかが不思議。小栗旬にせよ山田孝之にせよ、キレまくりの演技は一見の価値あり。余談だけど、「鈴高」と呼ばれる高校に通っていた筆者としては、この映画の存在はちょっと微妙だぞ。

三池崇史監督。2007年日本映画。

2009年8月 7日 (金)

ウォーター・ホース (2007)

ウォーター・ホース 第2次大戦中のスコットランド。父親は出征し、母(エミリー・ワトソン)と姉(プリヤンカ・クシ)と三人で暮らす少年アンガス(アレックス・エテル)は湖で不思議な卵を拾う。そこから生まれた恐竜の子供に「クルーソー」と名前をつけて大切に育てるのだったが…

 ディック・キング・スミスの原作を映画化。いわゆるネス湖の恐竜映画なのだが、背景に戦争を置いて動物と少年の友情物語を感動的にそつなく作り上げたという感じ。雰囲気でいえば「フリー・ウィリー」の第一作目に似てるかも。こちらの少年はそれほど屈折しているわけではありませんが、父親が出征してたり、村にやってきた軍隊との微妙な関係があったりと、背景はかなり複雑です。

 それにしても、軍の隊長はいい人になっちゃうし、母親は最後は協力的だし、みんなでウィリー…じゃなかった、クルーソーの大ジャンプを喜んで大円陣。何だか気持ちがいいというか、ファミリー向けに安心して見られる映画になってますね。クルーソーがアンガスを連れて水中を泳ぎ回るシーンも、息もつんかいなと心配ながらもとっても楽しいです。

ジェイ・ラッセル監督。2007年アメリカ映画。

2009年8月 4日 (火)

Jの悲劇 (2004)

Jの悲劇 ピクニックを楽しんでいた大学教授のジョー(ダニエル・クレイグ)と恋人のクレア(サマンサ・モートン)のところへ真っ赤な気球が舞いおりてくる。かごに乗っている少年を助けようと、数人の大人がぶらさがるのだが突風で気球は再び舞い上がり、手を放し損ねた老人が墜落死する。事件で心に傷をおったジョーに、ジェッド(リス・エヴァンス)という男がしつこく付きまとってくるのだったが…

 イアン・マキューアンの「愛の続き」を映画化。ピクニック中の野原に熱気球が舞いおりてくるという、一見楽しそうなハプニングが恐怖の入り口になるという発想にはうならされた。安全そうな気球といえども航空機である。当然、転落の危険もつきまどう。そしてどきっとさせられる落下シーン。心の傷。壊れていく恋人との関係。謎の男の登場などなど、地味ながらもサスペンスとしては一級品である。

 007でおなじみになったダニエル・クレイグは本作ではさえないおっさんである。これが演技だというのであれば、器用な役者さんだ。サマンサ・モートンは妙にぽっちゃりしたせいかこちらも普通のおばさんになっちゃった感じ。でもその普通さが、このサスペンスの鍵だろうし、リス・エヴァンスの不気味さを引き立てる結果になっているのがいい。難点があるとすれば、ラストのオチがこれまたこじんまりとまとまってしまったことぐらいだろうか。怖いのは怖いんだけどね。

ロジャー・ミッシェル監督。2004年イギリス映画。

2009年8月 2日 (日)

クローバーフィールド HAKAISHA (2008)

クローバーフィールド HAKAISHA ニューヨークのアパートの一室で、日本へ栄転するロブ(マイケル・スタール・デヴィッド)のサプライズパーティが行われていた。ところが突然の地響きと共に事態は一転。何者かの襲撃と、爆発炎上するビルに路上へ飛び出した彼らだったが…

 家庭用ムービーで撮影されたという設定の、怪獣映画。アイディアとしては、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」に近いものがあるが、視点が登場人物に絞られていて事件の全体像が見えていない、というリアルな部分にはナイト・シャマラン監督の「サイン」にも通じるものがあるなと感じた。とにかくめまぐるしくぐるぐる動く、素人風ホームビデオの映像は大画面で見たら気分が悪くなることこの上ない。

 しかし、リアルさという点ではなかなかの効果を上げていたのも事実。普通の映画のように神の視点から事件を見ているのならともかく、現実に事件に巻き込まれた当事者からすればこんな風に感じるのは当然でしょう。交通事故で亡くなった方が、何が起こったかわからずに…ってのはこういう感覚ではなかったかと思わせてくれます。プロデューサーは最近は「ロスト」「MI:III」「スタートレック」などで気を吐くJ・J・エイブラムス。

マット・リーヴス監督。2008年アメリカ映画。

2009年8月 1日 (土)

十五才 学校IV (2000)

十五才 学校IV 不登校の中学三年生・川島大介(金井勇太)は、屋久島の縄文杉を見るためにふらりと家出してヒッチハイクを繰り返す。長距離トラックのドライバーの佐々木(赤井英和)、すみれ(麻実れい)らに助けられて、順調に鹿児島までやって来た大介だったが…

 シリーズ四作目にして現在のところ最終作。夜間中学、養護学校、職業訓練校ときて次は何が出るのかと思ったら普通の中学校。しかも不登校をテーマにしたがためにタイトルは学校なのに学校のシーンはほとんどなし。この外し方が何とも心地よい。家出少年の大介を助ける大人たちが、一癖二癖ありながらもいい人ばっかりなのが気になりつつも何とも心地よい。いわゆる人情劇なのに加えて、日本映画には珍しい本格的ロードムービーとして成功している。

 赤井英和、麻実れいをはじめ、高田聖子、丹波哲郎とどのエピソードも天下一品。侍のエピソードも良かった。こりゃ山で遭難しようとも、あのジグソーパズルは手放せないわな。特に丹波哲郎の息子役の前田吟に向かって大介がたんかをきるシーンでは、はからずもじーんときてしまった。

山田洋次監督。2000年日本映画。

2009年7月31日 (金)

学校III (1998)

 大企業をリストラされた高野(小林稔侍)は、職業訓練校を紹介されビル管理を習う。学校になじめない高野だったが、障害のある子供(黒田勇樹)を育てる同級生の紗和子(大竹しのぶ)に心をひかれ…

 学校シリーズ第3弾は、西田敏行がどんな学校の先生になるんだろうか…と思ってたら設定はすべてリセット。主役は先生ではなく生徒の、ちょっといい大人のラブストーリーといった内容でした。どう見てもイヤな親父である小林稔侍がどう変わっていくかがポイントで、そのあたりは思ったとおりの展開。映画というよりもテレビドラマに近い内容で、後半の2転3転はよりドラマチックな展開でありました。

 最近見ない黒田勇樹がいい仕事しています。同窓の脇役陣(寺田農、ケーシー高峰、田中邦衛、笹野高史ほか)がひとくせもふたくせもあるのが、山田作品っぽくて良いです。 山田洋次監督。1998年日本映画。

2009年7月28日 (火)

学校II (1996)

学校II 青山竜平(西田敏行)は北海道の全寮制の養護学校の教師だが、妻とは離婚していてミュージシャン志望の娘(浜崎あゆみ)ともうまくいっていない。ある日彼が教える高志(吉岡秀隆)と佑矢(神戸浩)が行方不明になり、新人教師の小林(永瀬正敏)と探しに出るのだったが…

 タイトルからわかるとおり「学校」シリーズの第2作だが、主演が西田敏行だということを除いてまったくの別物というかパラレルワールド。前作では夜間学校だったが、今回は養護学校が舞台。つまりこのシリーズは、いろんな学校の人間模様という部分だけでくくられた連作といった感じである。それにしてもテーマのとらえどころが見事というか、全寮制の養護学校でいかにも起こっていそうな出来事を実にたんねんに描いてある。邦画らしく音楽(富田勲)も含めて少々ウェットな部分が気になるが、なかなか感動的な映画である。

 新任教師の永瀬正敏が、いかにもといった弱音をはくところがいい。吉岡秀隆が、より障害の重い神戸浩を雪の中に置いていこうとするシーンも、なぜだかわからないけどじーんときた。この二人を気球に乗せてしまう通りがかりのカップルって、ひょっとしてめちゃめちゃいい人?

山田洋次監督。1996年日本映画。

2009年7月26日 (日)

学校 (1993)

学校 黒ちゃんこと、黒井(西田敏行)は、東京の下町にある夜間中学の教師。卒業を間近にひかえて、いろいろな問題をかかえた生徒たち(裕木奈江、萩原聖人、中江有里、田中邦衛、神戸浩、新屋英子、翁華栄)の卒業文集に思いをめぐらすのだったが、ある日入院していた生徒の訃報が届き…

 夜間学校を舞台にした人情ドラマ。良くも悪くも典型的な日本映画で、富田勲のもの悲しいテーマ曲もあわさって涙腺を直撃しそうな雰囲気をかもし出している。夜間学校だけに中年の生徒も多く、田中邦衛の生徒が教師の竹下景子にラブレターを出す話とか、登校拒否の中江有里、不良少女の裕木奈江などなど、ひとりひとりのエピソードが丁寧に作られている。しかしあまりに内容が優等生的で、ちょっと斜めに構えて見てしまったのが正直なところ。

 山田洋次の世界だけに、渥美清や坂上二郎などゲスト出演者が豊富なのも楽しいところ。頑張れ夜間中学生という強烈なメッセージはしっかり伝わってきました。

山田洋次監督。1993年日本映画。

2009年7月25日 (土)

フライ・ダディ (2006)

フライ・ダディ 平凡なサラリーマンのチャン・ガビル(イ・ムンシク)は、一人娘ダミ(キム・ソウン)が深夜のカラオケボックスで、同じく高校生のテウク(イ・ジュ)に乱暴されたことを知る。謝りに来ながらも無粋な態度をとるテウクにきれたチャンは彼の高校へ包丁を持って乗り込むのだったが、別の高校生スンソク(イ・ジュンギ)にノックアウトされてしまう。かくしてスンソクの弟子になったチャンは、打倒テウクを目指して会社を休みトレーニングを始めるのだったが…

 タイトルからわかるとおり、金城一紀原作の日本映画「フライ、ダディ、フライ」の韓国版リメイクである(ん、ダディがひとつ足りない?)。まったくと言っていいほどのそのまんまリメイクであり、カラオケボックスのくだりから高校ボクシング・チャンピオンのテウクの無粋な態度、そして訓練に至るまでほぼ原作に忠実(?)である。

 こうなるとなぜ韓国版が必要?と思わなくもないが、少なくとも娘のために加害者に鉄拳制裁するというテーマは韓国が舞台の方が何だか信憑性というか説得力があるような気がする。比較的二枚目だった日本版の父親役の堤真一に対して、韓国版のイ・ムンシクが完全なださださ親父だったのも勝因かもしれません。

チェ・ジョンテ監督。2006年韓国映画。

2009年7月24日 (金)

ダーウィンの悪夢 (2004)

ダーウィンの悪夢 アフリカのビクトリア湖に放たれた肉食魚「ナイルバーチ」は、生態系を壊してものすごい繁殖を見せている。これを捕って白身魚に加工、ヨーロッパやロシア、日本に輸出するという産業が芽生えたのだが… アフリカの現状を見せつけてくれるドキュメンタリー映画。

 唐突に始まるドキュメンタリーに、何がテーマなのかしばらく迷走状態になってしまった。異常繁殖した肉食魚、それを捕って加工する工場。外国へ輸出…普通やん、何が問題なのってのが正直な感想。同時に魚を加工したあとのアラ(うじがたかっている!!)を食べる貧しい人たちとか、ストリートチルドレンとか、彼らが魚の梱包材を燃やしてラリっている姿(げっ、ダイオキシン!)とかが描かれるんだけど、それと魚の産業との責任関係が希薄なので何を訴えたいのかわからなかったってところである。

 実はこのビクトリア湖、ダーウィンの箱庭とも呼ばれた生物の宝庫だったってことは映画が終わってから知った。ナイルバーチが誰によって放たれたかってのは結局不明らしい。日本のブラックバスみたいなものかな。映画が自然破壊を訴えているものなのか、資本主義の功罪を訴えているか、あるいは貧困がテーマなのがはっきりしないのが敗因かな。

フーベルト・ザウバー監督。2004年オーストリア、ベルギー、フランス合作。

2009年7月23日 (木)

ブラック・スネーク・モーン (2006)

Black_snake_moan  レイ(クリスティナ・リッチ)とロニー(ジャスティン・ティンバーレイク)は恋人だが、彼が兵役に出たあとはレイは男をとっかえひっかえの自堕落な生活を送り、やがて暴力を受けて道に捨てられる。それを拾ったのは元ミュージシャンのラザラス(サミュエル・L・ジャクソン)で、自らも離婚の傷を負ったことからレイを鎖で縛って更正をさせようとするのだったが…

 これぞ正に意外な拾い物。というか、映画を半分ぐらい見てからでないと拾い物であることがわからないという憎き作りである。レイのあばずれぶりが、生い立ちからくるものだとわかってくるあたりから心の琴線にぐいぐい響いてくるし、何よりも受けて立つサミュエル・L・ジャクソンがかっこ良すぎるぞ!! しかも彼が歌えるのはまったく知らなかったので、新鮮な驚きがありました。

 ずんずん自分の世界を作って突き進んでいくクリスティーナ・リッチ。彼女の居場所はハリウッドに完全に確保した、といった感じなんだけど、ヘンな方向に進んで行かないかちょっとだけ心配です。この映画や「モンスター」のように、作品はしっかり選んでほしいなあと思ってしまいます。

2009年7月20日 (月)

アメリカン・スウィートハート (2001)

アメリカン・スウィートハート エディ(ジョン・キューザック)とグウェン(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)は公私ともどもアメリカを代表するカップル。ところが9本のヒット映画を残して、グウェンの浮気でコンビは崩壊してしまう。起死回生を狙う広告マンのリー(ビリー・クリスタル)は、二人の復活をかけて大物監督ハル・ワイドマン(クリストファー・ウォーケン)に次回作を依頼。ところがグウェンの付き人で妹のキキ(ジュリア・ロバーツ)は…

 ストーリーを書いててわかるように、この映画ってジュリア・ロバーツが実は主役。でも予備知識なく見てたらそれが途中まで(最後まで?)わかんないのがこの映画の最大の問題かもしれない。これだけの大物俳優を集めながら、誰一人にも共感できないってのはある意味職人技かも。唯一面白かったのは、新作映画の発表会場をひとりでかっさらっていったワイドマンことクリストファー・ウォーケンかも。

 そうそう、どう見ても普通の男であるジョン・キューザックを、こんな美人姉妹いるのかって叫びたくなるようなグウェンとキキが三角関係になってしまうあたりがどうにも納得できない。世の中ってそんなものだろうとは思うのだが。

ジョー・ロス監督。2001年アメリカ映画。

2009年7月17日 (金)

バイオハザードIII (2007)

バイオハザードIII 前作から数年後、地上はゾンビだらけになり、難を逃れたアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は仲間を案じて一人で旅をしている。事件の原因となったアンブレラ社のアイザックス博士(イアン・グレン)は、ゾンビを飼い慣らすべくアリスのクローンを多数作って、その抗体を研究するがうまくいかない。そしてアリスは仲間のカルロス(オデッド・フェール)たちと再会するのだったが…

 人気ヴィデオゲームの映画化、というよりもすっかりシリーズとして独り立ちした第3作。密室でのゾンビ映画というよりも、マッドマックスを思わせる砂漠に舞台は広がり、ゾンビの恐怖というよりもアンブレラ社と抗体を持つアリスとの頭脳戦といった内容に変化してきている。一企業の陰謀が地球規模のデザスターに発展するってのは、「エイリアン」何かと同じ展開ですね。

 それにしてもアリス、理不尽に強すぎって感じ。ミラ・ジョヴォヴィッチは相変わらず魅力的な女優さんなんだけど、スーパーマンにしてしまうのはどうだかなって気がしなくもない。ゾンビはもう恐怖の対象からすっかりはずれてしまって、可愛そうな存在である。このストーリーでいくとさらに続編がありそうだけど、今度の舞台は日本なのかな? 監督はあの「レーザーバック」が強烈な印象だったラッセル・マルケイ。

ラッセル・マルケイ監督。2007年アメリカ映画。

2009年7月16日 (木)

紀元前1万年 (2008)

紀元前1万年

 年に1度、1頭のマンモスを捕って暮らす狩猟民族のデレー(スティーヴン・ストレイト)は、最後の刈りでマンモスを仕留めて青い目の少女エヴァレット(カミーラ・ベル)と結婚することになる。伝説では彼らが種族を救うはずだったが、マンモスを仕留めたのは偶然だというのが納得できないデレーに加えて、襲ってきた異民族にエヴァレットをはじめ多くの村人がさらわれてしまう。彼らの後を追うデレーたち戦士だったが…

 マンモス、サーベルタイガーの登場とくれば「アイス・エイジ」なんだけど、この妙なデジャーヴー感覚は何だ…としばし考えて、こりゃ「アポカリプト」とそっくりな物語だということに気がついた。しかしあちらはアメリカ大陸発見の頃の話で、ピラミッドの主はマヤ文明だということがはっきりしてたんだけど、こちらは紀元前1万年だぞ。あのピラミッドと帆船の文明は何なんだ…とまじめに考える必要もないか。何せ場所不定の紀元前1万年なんだから。

 それにしても、予言や巫女を中心に話がとんとんと進んでいって、ラストの強引な予定調和にはのけぞってしまったぞ。見るべきものは、ストーリーよりも、広大な砂漠や帆船、マンモスの群れ、サーベルタイガーや恐竜みたいな鳥との戦い、そしてピラミッドのモブシーンです。大風呂敷を広げたらこの上ない、エメリッヒらしい映画です。

ローランド・エメリッヒ監督。2008年アメリカ=ニュージーランド合作。

2009年7月15日 (水)

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー (2007)

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー アメリカの下院議員のチャーリー・ウィルソン(トム・ハンクス)は、いつものように美女をはべらしている時にテレビでソ連軍と戦うアフガンゲリラの現状を知る。これは一大事と、CIAのガスト(フィリップ・シーモア・ホフマン)、富豪のジョアン(ジュリア・ロバーツ)らと組んでアフガンを視察、政府をあげてのゲリラ支援に動き出すのだったが…

 タイトルは戦争なんだけど、戦闘シーンはほとんど出てこない戦争映画。何たって美女をはべらしてジャグジーしてる時に流れてたテレビでアフガン問題にかかわるようになった議員…ってわけで、お馬鹿議員に見えて実はうつけ者をよそおっていた信長タイプの議員だったのかな、なんて思ってしまった。

 ただしとっかかりとか、役者はなかなか面白いんだけど、物語自体は意外と平板で中だるみしたのが残念。ジュリア・ロバーツはケバい化粧がなかなかマッチしていてうさん臭さ抜群。フィリップ・シーモア・ホフマンやエイミー・アダムスもうまい。確かに弱きを助けるアメリカなのかもしれないけど、武器の供与なんてのは一歩間違えば火に油を注ぐ行為。ハッピーエンドに思えて、素直に安堵できる映画ではありません。

 美人秘書をはべらして、彼女らを「チャーリーズ・エンジェル」と呼んでたのには笑った。

マイク・ニコルズ監督。2007年アメリカ映画。

2009年7月14日 (火)

将軍の娘 エリザベス・キャンベル (1999)

Generals_daughter ジョージアの陸軍基地でCID(軍犯罪捜査部)の捜査官をするブレナー(ジョン・トラボルタ)は、魅力的な大尉エリザベス(レスリー・ステファンソン)にパンク修理をしてもらう。彼女は実は引退間近なキャンベル将軍(ジェームズ・クロムウェル)の娘で、翌日に全裸絞殺死体となって見つかる。ブレナーはサラ(マデリーン・ストー)と組んで捜査をはじめるのだったが…

 ネルソン・デミルのベストセラー小説の映画化。軍隊にどんどん女性が進出し、その中で起こったレイプ事件をテーマにした物語。まったく予備知識なく見たがゆえに、絞殺死体のくだりには驚かされたし、逆に意外と平静なキャンベル将軍に「まさかね」なんて思ってたら、まったくその「まさかね」に話が転がっていってしまった。う~む。

 本来はタイトルにもなっていて、主役とも言えるエリザベスがなかなか魅力的。というか、もったいない感じ。ジェームズ・クロムウェルといえばベイブの飼い主が頭にすり込まれているんだけど、将軍役もできるのかとちょっと驚き。マデリーン・ストーは完全に添え物状態でこれまたもったいない。そうそう、ジェームズ・ウッズも出てます。こちらもさえない役でしたが。

 結末を一言で言えば、「仕事と家族とどっちを取る」と言われて、家族を見殺しにして仕事を取っちまった男の悲劇とでもいいましょうか。最後に映し出される、娘の生い立ちの写真をとっても感情移入して見てしまいました。

サイモン・ウェスト監督。1999年アメリカ映画。

2009年7月10日 (金)

ミスト (2007)

ミスト デヴィッド(トーマス・ジェーン)は息子のビリー(ネイサン・ギャンブル)と共にスーパーに買い物に出かける。ところが店は激しい霧におおわれ、しかも外には触手を持つ怪物がいることで、身動きが取れなくなる。やがて狂信者のミセス・カーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)に人々は扇動されはじめる。脱出を考えるデヴィッドとその一団だったのだが…

 スティーヴン・キングの原作をフランク・ダラボン監督が映画化。といえば「ショーシャンク?」や「グリーンマイル」が思い出されるが、この作品はもっとぐっと小粒にまとまった正統派ホラー、いやパニック映画といったところで、いかにもキングといった触手の怪物やら巨大昆虫やら、はたまた狂信者などが人々をけむにまいていくあたりは懐かしさににんまりさせられた。(キングをよく読んでたのは、20年近く前だったもんで)

 しかも無駄に積み上げられていくエピソード、そして救いのないラストなどなど、さすがダラボンはキングのことがよくわかっている…と思ったんだえけど、この映画のラストは原作とは違うらしい。「え…」と思うと同時に、これってひょっとして原作以上にキングらしいラストじゃないの、と思うことしきり。

 しかしこの強烈にあと味の悪いラスト、しばらく糸をひきそうだ。怪物が出てきてびっくりさせるだけがホラーじゃない、というのを実感させてくれます。

フランク・ダラボン監督。2007年アメリカ映画。

2009年7月 8日 (水)

ザ・シーカー 光の六つのしるし (2007)

ザ・シーカー 光の六つのしるし イングランドへ引っ越してきたウィル・スタントン(アレクサンダー・ルドウィグ)は14歳の誕生日をむかえた少年。ところが彼は世界を救うために、6つのしるしを見つけなければいけない「ザ・シーカー」だということを告げられる…

 シーカーということで、ハリポタを想像したらまったく違う内容だった。類似点はイギリスが舞台のファンタジーだということだけ。スーザン・クーパーのファンタジー小説「闇の戦い1 光の六つのしるし」を映画化。ごく普通の少年少女がとつぜん世界を救う戦いに巻き込まれるというストーリーは児童文学の定番で、最近でも「ナルニア国物語」や「ライラの冒険」を思い出してしばしデジャヴ感覚にあってしまった。

 しかもこの映画、お手軽に感じるのは6つのしるしを見つける戦いが非常に短くて、短編というかゲームのステージを見ているかのようである。おまけに最後のしるしは「俺の魂だ」ってしめくくるあたりはのけぞってしまったぞ。

 とはいっても、ウィルを演じるアレクサンダー・ルドウィグはとんがった感じで、しかも英国が舞台だけあって雰囲気だけは満点である。原作がシリーズだけに、続編もあるのかな? 双子の兄とかは、今後どうからんでいくのだろうかとか、お楽しみも残してあるのがいいですね。

デヴィッド・L・カニンガム監督。2007年アメリカ映画。

2009年7月 6日 (月)

キサラギ (2007)

キサラギ アイドル如月ミキの一周忌に、ファンサイトのメンバーが出会って思い出を語り合うことになる。初対面の家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雅)、いちご娘(香川照之)だったが、やがて自殺と思われていたミキの死因の謎がひとつひとつ明かされていき…

 あの「12人の優しい日本人」を思い出させる、密室で繰り広げられる事件もの。パソコン通信世代のoga.としては、ハンドル名で呼び合うオフ会なんて懐かしいなあなんて思って見てたんだけど、事態はどんどんあらぬ方向に転んでいき、転がった先は…

 少々強引な展開(マネージャーの件や、ミキの父親のことなどなど)は鼻につくのだが、全体として密室とアイドルオタクたちの知識によって事件の糸がだんだんとほぐれていくのは面白い。アイディア賞ものの展開だと思う。

 しかしこれだけ彼らをひきつける如月ミキなる人物、どんなにいい女なのだろうかと思わせておいて…まぁ女性の好みは人それぞれなのかもしれないけど、こりゃ凄すぎます。あの如月ミキさんを演じていた女優さん(酒井香奈子)、地でやってるのかな???

佐藤祐市監督。2007年日本映画。

2009年7月 3日 (金)

ジャンパー (2008)

ジャンパー 高校生のデヴィッド(ヘイデン・クリステンセン)は凍った池に転落したことから自身のテレポート(瞬間移動)能力に気づく。折り合いの悪い父の家を出て、テレポート能力を使って銀行の金を盗み、かつてのガールフレンドのミリー(レイチェル・ビルソン)とのローマでのデートを楽しんだりするのだったが、謎の男ローランド(サミュエル・L・ジャクソン)とグリフィン(ジェイミー・ベル)につけ狙われる。

 スティーヴン・グールドのSF小説「ジャンパー 跳ぶ少年」の映画化。瞬間移動能力を手にした少年の、いかにもといった堕落(笑)が何とも微笑ましい。私だったらどうするだろう…衣装を作ってスーパーマンにでもなるかな、と思っていたらジャンパーをつけ狙う敵というか、組織が登場。どうやって世界の果てまで瞬間移動できる連中を生身の人間が追うのかと思いきや、ハイテク機器の登場。なるほどとは思ったけど、所詮道具ではジャンパーに勝てないという思ったとおりの展開に…

 しかし瞬間移動するっていっても、服とかも一緒に移動するってのがちょっと納得できないなとか、世界のどこでもジャンプできるようだけど地表に飛べなかったら転落死したり、地中に埋まってしまったりするんじゃない、なんて考え出したら映画に集中できなかった。困ったもんだ。

 ただしジャンプシーンというか、瞬間移動シーンは技術が進んでいるおかげかなかなかの迫力で一見の価値があります。主人公の母親役でダイアン・レインも出てます。

ダグ・リーマン監督。2008年アメリカ映画。

2009年7月 2日 (木)

つぐない (2007)

つぐない 1935年のイギリス。裕福な家庭の少女ブライオニー(シアーシャ・ローナン)は作家志望。ところが初恋の人ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)と姉セシーリア(キーラ・ナイトレイ)の大人の関係を見てしまったがために、後に起こるレイプ事件の犯人はロビーだと偽証してしまう…

 イアン・マキューアンの「贖罪」を映画化。一言で言えば少女の嫉妬の話なんだけど、なんせ時代が1935年なだけに後の世界大戦へとつながっていくあたりが悲惨である。かといってテーマはあくまでも少女の贖罪であり、反戦映画ではないわけで背景として大戦(ダンケルクの戦い?)が使われるあたりがうまいといえばうまいし、話がぶれるといえばぶれる。

 しかしブライオニー役のシアーシャ・ローナンの持つ雰囲気がいかにもイギリス娘って感じでいいです。一生かけても成せないつぐない、を語る晩年のブライオニーをバネッサ・レッドグレープが演じるあたりも見せ場。ただし彼女にはあまりにも貫禄がありすぎて、この人は結局どんな一生や恋をおくってきたんだろうかというのがよくわからないってのが難点ではありました。

 再会したロビーとセシーリアが彼女の想像の産物だったってのは、ちょっとびっくりさせられました。ふたりの身分の違いというのも、この時代背景にしては見逃せないポイントですね。キーラ・ナイトレイは相変わらず綺麗です。

ジョー・ライト監督。2007年イギリス映画。

2009年6月30日 (火)

魔法にかけられて (2007)

魔法にかけられて アニメの国アンダレーシアで王子との出会いを夢見るプリンセス・ジゼル(エイミー・アダムス)。ところが王子エドワード(ジェームズ・マースデン)と出会うもつかの間、魔女ナリッサ(スーザン・サランドン)の罠にかけられて現実のニューヨークへと追放されてしまう。幸い、親切な親子ロバート(パトリック・デンプシー)とモーガン(レイチェル・カヴィ)に拾われるのだったが、彼女を追って王子と魔女もニューヨークへやって来て…

 いわゆるディズニー・プリンセスが主役で、アニメと実写が融合した作品。メリー・ポピンズあたりを思わせる。とはいってもストーリーは今風にブラッシュアップされていて、ヒロインは単なる夢見るヒロインかと思いきや現実世界へ来たとたんに妙に考え方が現実っぽく変わっていく。逆に夢見るもう一組のカップルが夢の世界へとトリップしていくってのが面白い。

 それにしても、おとぎの動物たちはニューヨークではどぶねずみやゴキブリたちに変貌するってのがこれまたリアルですねぇ。ナレーションはジュリー・アンドリュースが担当しております。

ケヴィン・リマ監督。2007年アメリカ映画。

2009年6月29日 (月)

キューティー・ブロンド2 ハッピーMAX (2003)

キューティー・ブロンド2 ハッピーMAX 法律事務所に勤めるエル(リース・ウィザースプーン)は恋人エメット(ルーク・ウィルソン)と婚約中で、相変わらずきゃぴきゃぴと仕事を回す。ところが愛犬ブルーザーの母親が化粧品会社で実験動物にされていることを知り、これを禁止する法律を作ろうと思い立つのだったが…

 ブランド大好き娘のエルが活躍するシリーズ第2作。感想は第1作とまったく同じで、冒頭の10分間は激しい拒絶反応。だめだこりゃと思ったあたりでストーリーが動き出し、途中でエルがぎゃふんと言わされ意気消沈したあたりでは元気づけたくなり、ラストでは拍手しているといった具合。完全に計算されつくした映画だな、こりゃ。

 とどのつまり、すべてに勝るのは「コネ」なのか…? 仇役にサリー・フィールドも出てます。ハッピーMAXってサブタイトルが、すべてを象徴しているかも。

チャールズ・ハーマン・ワームフェルド監督。2003年アメリカ映画。

2009年6月28日 (日)

ライラの冒険 黄金の羅針盤 (2007)

ライラの冒険 黄金の羅針盤 イギリスのオックスフォード、人々はダイモンと呼ばれる、自分の分身の動物を引き連れて暮らしていた。親を知らず寮で暮らす12歳のライラ(ダコタ・ブルー・リチャーズ)は、学長から真実を知ることができる黄金の羅針盤をもらう。それを手に、さらわれた子供たちを取り戻すために叔父アスリエル卿(ダニエル・クレイグ)を追って、謎のコールター夫人(ニコール・キッドマン)と北極を目指す旅に出るのだったが…

 フィリップ・プルマンの有名な児童文学の映画化なのだそうだが、これって児童が理解できるの?と疑いたくなるような摩訶不思議な世界。まずはダイモンという背後霊みたいな動物を引き連れた世界ってのが異様だし、真実を写す羅針盤やら、ダストやら、教権やら、飲んだくれてしゃべる熊(笑)やらと、こりゃ混乱必至。いや、頭の柔らかい子供たちだからこそすんなりと入っていける世界なのかな?

 主演のダコタ・ブルー・リチャーズが気が強そうで可愛くないところが魅力かも。ニコール・キッドマンは怪しすぎです。飛行船で空を飛ぶシーンは気持ちよさそうでいいですね。

 3部作の第1作ということで、これからってところでスパっと終わっているのは「ロード・オブ?」や「ナルニア?」あたりと一緒です。しかし次作が出るころまでストーリーを覚えていられるのか不明。DVDが売れるわけですね。

クリス・ワイツ監督。2007年アメリカ映画。

2009年6月26日 (金)

トム・ホーン (1980)

トム・ホーン 開拓時代末期のアメリカ西部、騎兵隊などで名をあげたトム・ホーン(スティーヴ・マックィーン)は牛泥棒を退治する用心棒として牧場に雇われる。学校教師(リンダ・エヴァンス)とのロマンスなど平和な日々を暮らしているように思えたが、牛泥棒を容赦なく射殺してきたためついには殺人罪で捕らえられる…

 実在の人物トム・ホーンの晩年を描いた伝記映画。主演のスティーヴ・マックイーンもまさに死をむかえる前年の作品であり、淡々とした映画でありながらも何かただならぬ雰囲気がただよう。

 それにしても…である。彼は無実なのか、それともそうではないのか? 映画を見ていただけではわからないし、彼の冷静さも常人では理解しがたいものがある。いや、西部劇の登場人物ってのは本当に理解できない行動をするもんだと子供の頃に思ったのをまた思い出した。

 マックィーンの映画ってのはリアルタイムに見たのは晩年の作品だけなんだけど、テレビの名画劇場で見た「シンシナティ・キッド」や「砲艦サンパブロ」あたりがやはり思い出深い。

ウィリアム・ウィヤード監督。1980年アメリカ映画。

2009年6月25日 (木)

おくりびと (2008)

おくりびと 所属するオーケストラの解散によって職を失ったチェリストの小林大悟(本木雅弘)と妻の美香(広末涼子)は、東京から山形の田舎へ帰ることを決意する。ところが求人広告訪ねた佐々木(山崎努)から得た仕事は、葬式で遺体を清めて棺におさめる納棺師。高額な給料に、妻に仕事内容を伝えることもできずに仕事をはじめる大悟だったが…

 アカデミー外国語映画賞受賞で一気にブレイクした作品。とはいっても、滝田洋二郎監督だからばりばりの娯楽映画だろうなと思ってみたら…そのとおりでした(笑)。題材の見つけ方は良いし、ストーリーも気がきいているんだけど今一歩ふみこみ足りないというか、旧来の邦画のレベルでおさまってしまっているのが残念。例えば主人公と父親とのエピソードにしても、石のアイディアってのはいいんだけど握っていたというのが逆にありえないって思ってしまった。実は息子の元へ行きたかったという気持ちは伝わってくるんだけど…

 とはいっても、妻との和解のシーンもなければ、納棺師を続けていくかどうかもはっきりしない終わり方は良いと思う。この二人に、どんな子供が育つんだろうかという部分でも余韻が残る。

滝田洋二郎監督。2008年日本映画。

2009年6月22日 (月)

マーシャル・ロー (1998)

マーシャル・ロー ニューヨークでバスジャック事件が発生する。FBIのアンソニー(デンゼル・ワシントン)の機転で事なきを得たが、別のバスジャックが発生して今度は自爆テロへと発展する。事件を収束しようとするCIAのエリース(アネット・ベニング)、そして陸軍のデヴィロー将軍(ブルース・ウィリスが乗り込んでくるが、彼らの思惑は対立して、ニューヨークの戒厳令へと発展する。

 911事件の前に作られたテロ映画なんだけど、そうとは思えないほどリアルな映画でぐいぐいと引き込まれていくものがあった。結局は裏工作、裏取引の国アメリカってわけで、割を食っているのはアラブ諸国の住人たちってのは説得力がある。

 久しぶりにアネット・ベニングを見たと思ったんだけど、これは10年以上前の映画だったわけですね。今は彼女何をしているんだろう? 役柄とのアンバランスさが、本作ではいい味を出してたと思うんだけど。

エドワード・ズウィック監督。1998年アメリカ映画。

2009年6月20日 (土)

サボテン・ブラザース (1986)

サボテン・ブラザース 山賊に襲われるメキシコの村から助けを求めに町に出た娘カルメン(パトリス・マルティネス)。たまたま入った映画館で上映中のヒーロー、スリー・アミーゴス(スティーヴ・マーティン、チェヴィー・チェイス、マーティン・ショート)は実在すると思った彼女は、ハリウッドに電報をうつのだったが…

 あのブルース・ブラザースのジョン・ランディス監督作品で、なぜかコアなファンの多い本作を初めて観賞… うーん、なんてコメントしたらいいんだろ?

 基本的には「七人の侍」(荒野の七人かもしれないけど)のパロディっぽい、山賊から村人を救うストーリーなんだけど、黎明期のハリウッドから芸人たちがショーと勘違いして山賊退治にやって来るというのがポイント。現実だったらみんな殺されちゃっておしまい、なんてことになりかねないんだけど、敵も味方も残虐ではなく妙に余裕で生きているあたりがいい雰囲気を出してるのかな。相手を威嚇するも銃口は常に空を向いているあたりが、妙にほのぼのとした雰囲気なのが良い。

 80年代のスティーヴ・マーティン、チェヴィー・チェイス、マーティン・ショートといえば、本当に脂ののりきった時期でまさに全盛期といったところでしょうか。さすがに2000年代後半に見る(しかも初見!)にはギャグも厳しいものがあるけど、彼らの芸達者ぶりにもじわ?っとくる部分が多数あります。

ジョン・ランディス監督。1986年アメリカ映画。

2009年6月19日 (金)

フレディVSジェイソン (2003)

フレディVSジェイソン フレディ(ロバート・イングランド)とジェイソン(ケン・カージンガー)の惨劇から10年…すでに2人の殺人鬼のことなど忘れていたエルム街の住人だったが、恐怖を呼び戻したいフレディは殺人鬼ジェイソンを復活させてその恐怖で自分も復活しようと企むのだったが…

 何だこりゃ? エイリアンVSプレデターみたいな映画を想像して見たのだったが、実際に画面に登場したのはキングコング対ゴジラ…を連想させるような珍作。おなじみ「13日の金曜日」シリーズのジェイソンと「エルム街の悪夢」シリーズのフレディを対決させようという発想までは面白かったんだけど…

 悪夢を栄養にして強くなるというフレディが、ジェイソンを復活させてその恐怖で強くなろうというストーリーは面白い。ただしいけないのは、2人が同時にスクリーンに登場してからである。夢から引きづり出されたフレディが、怪獣映画さながらに戦うのはパロディ以外の何者でもない、という印象を残してくれた。それでも両シリーズのファンにとっては、けっこうにんまりさせられるシーンも用意されているのは楽しめるのであるが。

 さすがに…この映画の続編は作られないだろうなぁ。

ロニー・ユー監督。2003年アメリカ映画。

2009年6月16日 (火)

ジェシー・ジェームズの暗殺 (2007)

ジェシー・ジェームズの暗殺 西部史上初の銀行強盗とされるジェシー・ジェームズ(ブラッド・ピット)。アウトローながらも民衆に人気のある彼のもとへ、ジェシーを崇拝するロバート・フォード(ケイシー・アフレック)が仲間にしてくれとやって来る。最初は面白い男だと相手にしていたジェシーだったが…

 うーん、何なんだろう、この映画の空虚さは。ジェシーが意外と魅力的に見えなかったのが敗因かもしれないけど、それにも増してロバートの鼻をつくような気に障る部分。これは計算されたものだとは思うんだけど、とどのつまり2人のどちらにも魅力を感じないがゆえに、映画も空虚なものに感じてしまったのかも。

 ただしストーリーとしては面白いところも多い。特に暗殺を行って以降の、ロバートが劇場で自分自身を演じたりといったパートは意外と見所だったと思う。アウトローを殺したってことでヒーローなんだろうけど、もちろん劇中では額のガラスごしに殺されるのを予見したジェシー(こちらが一枚上手ってわけですね)は描かれるわけもなく… でも観客はそんな部分もこのロバートって男に感じ取ってしまったのだろうかってフシがあったりする。

 崇拝から殺人に至るってのは、やっぱりおきまりのコースのひとつなんかな。自分としてはよく理解できないけど。

アンドリュー・ドミニク監督。2007年アメリカ映画。

2009年6月14日 (日)

サーフズ・アップ (2007)

サーフズ・アップ 南極に住むイワトビペンギンのコディ(声:シャイア・ラブーフ)は伝説のサーファー・ビッグZ(ジェフ・ブリッジス)に憧れてペングー・アイランドのワールドカップへ出場する。そこで出会ったのは最強のチャンピオンであるタンク(ディードリック・ベーダー)。彼はプロサーファーのギークや、ライフガードのラニ(ズーイー・デシャネル)に支えられて大会に備えるのだったが…

 またまた登場のペンギンが主人公のCGアニメ。そう、「ハッピー・フィート」の続編か、あるいは姉妹編かと思ったんだけど関係はないみたい。でも10年ぐらい経ったらこの2本は私の記憶の中でごっちゃになるような気がする。

 ストーリーは、ハッピーフィートというよりは「カーズ」に近いような印象。がつがつと勝つだけが人生じゃないよ、と言ったら聞こえはいいんだけど、同じテーマの映画が続くと何だかなあって感じである。

 ドキュメンタリー風(というかテレビ中継風)の演出はなかなか面白かった。ビッグZと主人公のコディもいい関係。全体的に、そつなくまとめられているけどお話がかなり軽いといった印象。サーフィンのシーンは、なかなか迫力あります。

アッシュ・ブラノン、クリス・バック監督。2007年アメリカ映画。

2009年6月12日 (金)

シルク (2007)

シルク フランスの片田舎に住むエルヴェ(マイケル・ピット)は、戦争から帰り美しい娘エレーヌ(キーラ・ナイトレイ)と結婚する。ところが村の産業である製糸工場が、蚕の伝染病により打撃を受ける。健康な卵を求めてエルヴェはアフリカから日本まで旅をするのだったが…

 アレッサンドロ・バリッコのベストセラー小説を映画化。日本側からも役所広司、中谷美紀などが出演。ところが思ったほどにスケール感がなくこじんまりした映画になってしまったのは何でだろう。短時間にエルヴェがヨーロッパと日本の間を何回も行ったり来たりしたからかなぁ…

 それにヨーロッパの恋愛映画にしては、メッセージ性が希薄な感じ。日本人の美女にくらくらっときて、そして実はエレーヌの手紙だったなんて結末はいったい何を意味しているのか? 実は何も意味してないんじゃないか、なんて気分になってしまった。キーラ・ナイトレイは綺麗だったけど、中谷美紀にしても芦名星にしても、あんまりオーラ出てなかったしなあ…

フランソワ・ジラール監督。カナダ=フランス=イタリア=イギリス=日本合作。

2009年6月11日 (木)

Presents うに煎餅 (2007)

Presents うに煎餅 印刷会社に就職した羽月(戸田恵梨香)は、理想と現実のギャップに疲れ気味。おまけに大学で留年を繰り返す恋人の悟(平岡祐太)にも愛想をつかしている。そんなとき、合コンで良さげな男健介(黄川田将也)と知り合いデートを繰り返すのだったが…

 角田光代の短編小説を映画化した、中編映画の第2弾。理想だと思える、かっこいい男とつきあってはみたけど…というストーリー。いわゆる青い鳥的ないい話だとは思うのだが、悟がいい男かと言えばかなり微妙なのが敗因。確かに確かめもせずにピアスを贈る男なんてかなりひいてしまいそうだが…

 ポップな画風といい、これが今風な映像なんかな? 登場人物がおっそろしくビビッドな服を着ているのはかなりひいてしまったが。

石井貴英監督。2007年日本映画。

2009年6月 9日 (火)

Presents 合い鍵 (2006)

Presents 合い鍵 OLの由加里(広末涼子)は8年間つきあってこのところ疎遠ぎみの恋人の博明(玉山鉄二)に久しぶりに合う。彼から切り出されたのは、好きな人ができたから別れてほしいとのこと。今までの8年間は何だったのかと途方に暮れる彼女は気がつくと彼の部屋の合い鍵を持っていて…

 角田光代の短編集「Presents」を元にした中編映画。8年間つきあった彼との別れという、何やらありがちな光景をじっくり描いて見せてくれる秀作。女性監督の持つ感性もさることながら、倦怠期でたどたどしい2人と、8年前の生き生きした2人のやりとりのコントラストがこれまた秀逸である。何回も見たい映画ではないけど、ちょっと心に残る映画。こういう思い出って、誰でも心の中に一つか二つしまってるんじゃないかな。

日向朝子監督。2006年日本映画。

2009年6月 8日 (月)

ストーカー (2002)

ストーカー スーパーのDPEコーナーに勤める写真技師のサイ(ロビン・ウィリアムズ)は、お得意様のニーナ(コニー・ニールセン)、ウィル(ミシェル・ヴァルタン)、ジェイク(ディラン・スミス)一家に好意を持っている。ところがひょんなことから父親ジェイクの浮気を知り…

 タイトルどおりのストーカー映画なんだけど、主人公のサイが本当に普通のおじさんというのが、逆に哀れを誘う。こういう店員さんってたまにいるし、客側から見るととってもいい人なんですよね。それが一線を越えてしまうあたりが妙にリアルに描かれるのがポイント。本当に、善人と悪人の境界線は紙一重というのを感じさせてくれます。ロビン・ウィリアムズは相変わらずうまいです。

 こう考えると、写真屋さんって本当に個人のプライバシーに入り込んでくる職業のひとつですね。個人情報に敏感になった現代だからこそ、この映画の怖さがじわりと感じられるのではないでしょうか。もうひとつ、家族は大切にしましょう。

マーク・ロマネク監督。2002年アメリカ映画。

2009年6月 4日 (木)

大いなる陰謀 (2007)

大いなる陰謀 上院議員のアーヴィング(トム・クルーズ)は、軍のテロ対抗作戦を女性記者のジャニーン・ロス(メリル・ストリーブ)にリークする。その裏にただならぬものを感じて、記事にするのをためらうジャニーン。同じ頃、大学で政治を教えるマレー(ロバート・レッドフォード)は、教え子たちに持論を説くのだったが…

 上院議員を独占インタビューする記者、大学のゼミ、そして作戦遂行中の戦場(実は兵士は、マレーの教え子)と3元中継で話が進んでいくドラマ。大学や学生と、戦地がつながっているというアメリカの日常感覚にまずは驚かされる。次に隠密作戦のリークが、大統領になる布石だという大いなる陰謀。このくらいで陰謀って呼べるんだろうか(笑)ってのが正直な感想である。日常茶飯事に、転がってそうな事件のような気がする。

 そう考えると大いなる陰謀って何だったんだろうか。学生の選択肢として、戦場へ赴くことが含まれるというアメリカの実情と、それが教育システムに組み込まれているってこと? いや、「大いなる陰謀」とは邦題なので、あまり深く考えるのが馬鹿馬鹿しいことなのかもしれない。

 というわけで、豪華顔合わせの割にはちょっと肩すかしをくったかのような作品。テーマの割に、上映時間がコンパクトだったのも敗因かな。

ロバート・レッドフォード監督。2007年アメリカ映画。

2009年6月 2日 (火)

28週後... (2007)

28週後... 噛まれると凶暴になる新種ウィルスに襲われたイギリス。ドン(ロバート・カーライル)は絶体絶命の状況から、妻アリス(キャサリン・マコーマック)を見捨てて自分だけ助かる。やがてウィルスは沈静化し、スペインに旅行に行っていた娘タミー(イモージェン・ブーツ)と息子アンディ(マッキントッシュ・マグルトン)が帰ってきたのだったが…

 「28日後...」の続編だけど、背景の事件がつながっているだけで前作とのキャラクターのつながりはなし、というか微妙に何かがつながっているのかもしれないけど、1回の観賞では見つけることはできなかった。

 今回はとあるファミリーが主人公なんだけど、妻を見捨てて逃げるという父親のなさけなさが、妙に身につまされる。本来はばっさり切り捨ててしまいそうなキャラなんだけど、自分もいざという時にああなってしまうんじゃないだろうかという不安感があおられてしまう。

 その後のストーリーも情け容赦ないのがなんとも凄い。ああ良かったと思わせておいて…そりゃないだろうという展開。これはラストのエンドクレジット近くまで引き継がれる。聞けばこれは3部作の予定なのだそうだが、どんな完結編が用意されるのか楽しみである。ロメロのゾンビシリーズと同く、ばしっと話が収束することは期待できそうにないが。

フアン・カルロス・フレスナディージョ監督。2007年イギリス=スペイン合作。

2009年5月28日 (木)

28日後... (2002)

28日後... 動物実験の施設が愛護団体に襲われ、逆に新種のウィルスが流出する。噛まれて感染した人間は凶暴になり、別の人間を襲う。かくしてロンドンは廃墟となり、病院で目覚めた自転車メッセンジャーのジム(キリアン・マーフィ)は生存者のセリーナ(ナオミ・ハリス)、ハンナ(ミーガン・バーンズ)らとラジオ放送の流れる合流地点へと脱出を試みるのだったが…

 いわゆる新種のゾンビ映画なのだが、イギリスが舞台だけにハリウッドものとは何やら空気が違う。そう、70年代の「赤ちゃんよ永遠に」みたいな乾いた雰囲気がただよう。さすがに世界的なインフルエンザ騒ぎの中で見ただけに、肌で映画の世界を感じられるかのような臨場感がある。

 ちょっと気になったのは、1滴の血で感染するという恐ろしい病原体だったら、ゴーグル(できればシューティング用)ぐらいしろよな、と思ってしまった。目鼻口、粘膜はちょっと露出してるとやばいんじゃないの?

ダニー・ボイル監督。2002年イギリス=アメリカ=オランダ合作。

2009年5月26日 (火)

悪霊喰 (2003)

悪霊喰 司祭のアレックス(ヒース・レジャー)は恩師の謎の死を調べてローマへ。事件の鍵を握るイーデン(ベンノ・フユルマン)に行き着くのだが、彼は教会では異端とされる罪喰い(シン・イーター)だった…

 れいによってたまに出てくる難解なオカルト映画。聖書やキリスト教に精通してないと楽しめない内容なんじゃないかと想像する。だいたい罪食いの儀式が何を意味するのかがよくわからず、また暗いシーンが多いのも難解さに拍車をかける…

 今は亡きヒース・レジャー主演ってのが因縁めいたものを感じなくもない。「オーメン」あたりが好きな人だったら楽しめるのかな?

ブライアン・ヘルゲランド監督。2003年アメリカ=ドイツ合作。

2009年5月25日 (月)

何がジェーンに起ったか? (1962)

何がジェーンに起ったか 名子役でならしたジェーン(ベティ・デイヴィス)だったが性格は異様にわがままで、成長してからは鳴かず飛ばず。女優として成功した姉のブランチ(ジョーン・クロフォード)に食べさせてもらっている状態だった。ところが2人が年取ってから姉が事故で車いすの生活になり、過去の栄光よ再びと思うジェーンはブランチの財産をだまし取り…

 ヘンリー・ファレル原作。サイコ・サスペンスの古典…といったところでしょうか。実は初見で予備知識なく見たんだけど、ぐいぐい引き込まれるストーリーと2大女優の競演に2時間半がとても短かった。こりゃ、怖い映画です。本当にこんな姉妹の確執ってあるのかどうか知りませんが、とにかくぞくぞくさせられるえげつなさ。

 「裏窓」と同じく、車いすの使い方が秀逸です。軟禁状態の姉が妹にいたぶられる…というのが基本的なストーリーなんだけど、ただただ救いようもなく怖いだけではなく、時々姉が哀れな様子を見せたり、妹を思いやったりするのが一筋縄ではいかない。そのあたりが余韻として残るんでしょうね。やっぱこういう姉妹が育ってしまったのは、親の責任かも…なんてほとんど描かれることのない両親のことを考えてしまいました。

 ひたすら怖い印象のベティ・デイヴィスだけど、ラストの海岸シーンはとても綺麗に撮られていたのがまた印象的でありました。

ロバート・アルドリッチ監督。1962年アメリカ映画。

2009年5月22日 (金)

デッドフォール (1989)

デッドフォール ロス市警の名物刑事のタンゴ(シルベスター・スタローン)とキャッシュ(カート・ラッセル)はライバル心を持ち互いの活躍を競い合う。ところがこれを良く思わないギャングのボスのイヴ・ベレット(ジャック・バランス)の罠にはまり、刑務所送りになってしまう。復讐を誓い協力して脱獄した2人ではあったが…

 うーん、今見ると80年代の雰囲気がたっぷり楽しめる。スタローンもラッセルも若くて、しかもこんなゆる?い役をやってたんだと思うとにんまりさせられる。説得力ほとんどなしのアクションコメディだけど、突っ込みを入れまくるのは野暮ってものかも。とにかく2人のかけあいに始終楽しませられました。

 ロシアの監督がハリウッドのコメディを撮るってのも、いい話だと思います。コンチャロフスキーは最近ぱっとしないけど…

アンドレイ・コンチャロフスキー監督。1989年アメリカ映画。

2009年5月21日 (木)

ソウ4 (2007)

ソウ4 殺人鬼ジグソウ(トビン・ベル)の死体を解剖すると、胃の中から録音テープが出てくる。それはまたもやホフマン(コスタス・マンディロア)をはじめとする刑事たちに当てた死のゲームのはじまりだった。同じ頃SWATの隊員リッグ(リリク・ベント)はバスルームで目を覚ます。彼はジグソウのテープに90分以内に行方不明の2人の刑事を救えと言われるのだが…

 まだ続くのか…といいかげん食傷気味になってきたスプラッタ・シリーズの第四作。いきなり悪役のジグソウの解剖シーンから始まるあたりが何ともごちそうさまであるが、さらにスプラッタシーンもエスカレート。ただしシリーズ通じてあった密室のシチュエーションは薄まったので、逃げようと思えば逃げ出せるってのが何やら追い込まれ型のスリラーを薄めているって感じ。

 ジグソウの子供や、結婚時のエピソードが語られるのはちょっと切り口が変わって楽しめた。「ハンニバル・ライジング」でレクター博士の生い立ちをたどるのと同じ趣向かな。でもさすがに以降の残酷に関しては、とうてい理解も共感もできるもんじゃないけど。

 このシリーズ、いいかげん見るのをリタイアしたいところだけど、「ソウ5」がすでに作られているらしい…

ダーレン・リン・バウズマン監督。2007年アメリカ映画。

2009年5月19日 (火)

ハサミを持って突っ走る (2006)

ハサミを持って突っ走る 詩人を夢見る母ディアドラ(アネット・ベニング)と父ノーマン(アレック・ボールドウィン)のもとに育つ中学生オーカステン(ジョセフ・クロス)は、両親の不仲と母親の依存症のおかげで、精神科医フィンチ(ブライアン・コックス)のもとに預けられることになる。ところがここの家族(グウィネス・パルトロ?、エヴァン・レイチェル・ウッド、他)はひとくせもふたくせもあり…

 うーん、元の家庭も、預けられた精神科医の家庭も、こりゃ究極の選択。どちらかを選べと言われても、安住の地はない。中学生だったら自立するにはまだ早いし、でもこれはアメリカの中学生がよく置かれているありきたりな状況下もしれないな、などと考えてしまいました。

 これってオーガステン・バロウズの自伝…ってことだけど、必ずしも映画向けの物語ではないような気がした。日常生活ではウンコ崇拝(?)をするピンクの家の精神科医に預けられるってのは大事件だけど、映画にしたらどうよって感じ。少なくともハサミを持って突っ走っているようには見えませんでした。

ライアン・マーフィー監督。2006年アメリカ映画。

2009年5月18日 (月)

アメリカン・ギャングスター (2007)

アメリカン・ギャングスター 70年代のハーレム、黒人ギャングの運転手だったフランク(デンゼル・ワシントン)はボスが死んでシンジケートの一切を受け継ぐ。ファミリーを従え、ベトナム戦争の軍用機を使って麻薬を密輸して富を築くのだったが、そこに捜査の手を伸ばしたのは決して買収されない刑事リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)だった…

 リドリー・スコットが近年お得意とする裏社会の年代記ものの1本。とにかくモラルがぐちゃぐちゃで勧善懲悪とは無縁の世界が描かれる。警察側ですら押収した大金を正直に署に届ける(当たり前やん!)だけで「馬鹿かこいつは」と有名になるのである。見ているだけで感覚が麻痺してきて、麻薬でのし上がるなんて当たり前のことのように思えてくる。

 いきなりネタばれで恐縮だが、ラストにフランクが司法取引で短い刑期で出所してくるのも何とも言えない。ギャング映画にしては回数は少ないながらも、このフランクって劇中で殺人もやらかしてるのに…である。正義の警官リッチーも、家族ぼろぼろで幸せになってないってのがやるせないなぁ。麻薬取締官がぼろぼろ逮捕されるのは拍手ものではあったが。

リドリー・スコット監督。2007年アメリカ映画。

2009年5月16日 (土)

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 (2007)

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 19世紀のイギリスはロンドン、理髪師のベンジャミン・バーカー(ジョニー・デップ)はタービン判事(アラン・リックマン)に無実の罪をきせられて投獄。妻は自殺し娘ジョアナ(ジェーン・ワイズナー)は判事の養女となってしまう。ロンドンに帰ってきたベンジャミンはスウィーニー・トッドと名前を変え、ミセス・ラベット(ヘレナ・ボナム・カーター)のロンドン一まずいパイ屋の二階に店を開くのだったが、復讐鬼となった彼は客をどんどん惨殺し…

 何じゃ、こりゃあ… ティム・バートンの作品は結構好きなんだけど、最近はちょっと波長が合わないかもしれない。ジョニデが、ヘレナが、アラン・リックマンが歌うホラーミュージカルってのが斬新といえば斬新なんだけど、何というか心にぐっとくる部分が希薄。たぶん、復讐と言いながらも無差別殺人に走る主人公に感情移入ができないのが最大の理由だろうし、楽曲もタイトル曲以外は全然耳に残らないのが敗因だろうね。

 もうひとつ気に入らないのが、ヘレナ・ボナム・カーターの演じる毒婦。彼女は完全にティム・バートンワールドの住人になりきっているんだけど、どこか可愛さと哀れさが同居して心にひっかかる…という役どころのはずなのに、ここでは単なる毒婦に過ぎない。う?ん、期待したものが見られなかったという部分かな。

 ほとんどモノクロに近い画面は一見の価値があります。強いて言えば、血の赤が際だったパートカラー作品といったところか。予備知識なく見てどん引きした「リトル・ショップ・オブ・ホラー」をラスト近くになって思い出しました。

ティム・バートン監督。2007年アメリカ映画。

2009年5月11日 (月)

TATARI (1999)

TATARI テーマパークのプロデューサーのプライス(ジェフリー・ラッシュ)は妻エヴリン(ファムケ・ヤンセン)の誕生パーティーをかつて大虐殺が行われた病院跡で行おうとする。招待されたのは5人の男女(テイ・デイヴィス、アリ・ラーター、ブリジット・ウィルソン、ピーター・ギャラガー、クリス・カッテン)だったが、やがて館は自動的に閉鎖されてひとり、またひとりと惨殺されていく…

 続編から見てしまった「TATARI 呪いの館」の正編をついに発見。しかし続編とのつながりはあまりなく、結末よりといってもストーリー自体がホラー映画の定番(サバイバルもの)なのであまり続編とは関係なく見ることができた。

 実は私が一番面白かったのは、冒頭のジェットコースターのエレベーターのシーン。本物だったら絶対に騙されることはないんだろうけど、そこは映画のマジックというかまんまとトリックにはまった。同じギミックが後半もいっぱいあるのかな、と期待したらすっかり外されたというのが正直なところ。うーん、ホラーはちょっと食傷気味になってきたぞ。

 しかしこんなB級ホラーを、ロバート・ゼメキスとジョエル・シルヴァーという一流どころが大まじめにプロデュースしているのが懐の深さを感じさせてくれます。ホラーでは独特の地位を築きつつある「ダーク・キャッスル」の第1回作品だそうです。

ウィリアム・マーロン監督。1999年アメリカ映画。

2009年5月 9日 (土)

ニュールンベルグ裁判 (1961)

ニュールンベルク裁判 戦後間もないドイツ。ナチの本拠地であったニュールンベルグにアメリカの判事ヘイウッド(スペンサー・トレイシー)がやって来た。目的は、軍事裁判でドイツの司法長官ヤニング(バート・ランカスター)ら戦犯を裁くこと。やがて検事(リチャード・ウィドマーク)、弁護士(マクシミリアン・シェル)らによるニュールンベルグ裁判がはじまった…

 「東京裁判」と並ぶ2大軍事裁判を描いたドラマ。あくまでもドラマであり、裁かれるヤニングをはじめとする法務関係者はすべて架空の人物らしい。とはいってもモノクロの画面とドキュメントタッチの骨太な演出、上記出演者に加え、証人として登場するモンゴメリー・クリフトやジュディ・ガーランド、ヘイウッドの話し相手になるマレーネ・デートリッヒなどなど重厚なドラマで見応えがある。

 フィクションとはいっても、ナチが行ったとされる大量虐殺、断種法などは事実を基にしているのだろう。特にラストのヤニングとヘイウッドの刑務所内でのやり取りは名場面だと思う。

スタンリー・クレイマー監督。1961年アメリカ映画。

2009年5月 4日 (月)

スリー・キングス (1999)

スリー・キングス 湾岸戦争終結後のイラク。捕虜を整理していたアーチー(ジョージ・クルーニー)、トロイ(マーク・ウォールバーグ)、チーフ(アイス・キューブ)たちは、1人の兵士の尻の穴に突っ込まれた紙を発見する。それはフセインのお宝のありかが書かれた地図だった。手ぶらで国に帰るわけにはいかないと、軍紀違反も何のその、金塊強奪に乗り出す彼らだったが…

 湾岸戦争ものには違いないのだろうけど、その舞台で金塊強奪をたくらむというアウトロー映画。いかにもアメリカ的で、人情ものに振った戦争映画よりもこちらの方が説得力があるというのも困ったものだ。

 もっとも作品の出来はそんなに良いものではなく、アクションシーンは迫力あるんだけど(特にこちらに何か物が飛んでくるシーン)、他は中だるみしたり人命救助に焦点がぶれたり、何やら混沌とした内容。もっともこの混沌ぶりが湾岸戦争そのものなのかもしれない。金の延べ棒をビトンのカバンに入れて運んだり、フセインを語ってリムジンを走らせるシーンとかは面白かったぞ。

デヴィッド・O・ラッセル監督。1999年アメリカ映画。

2009年5月 2日 (土)

エリザベス ゴールデン・エイジ (2007)

エリザベス ゴールデン・エイジ ヨーロッパで唯一のプロテスタントの女王としてイギリスを治めていたエリザベス1世(ケイト・ブランシェット)。ところが周囲ではスペインのフェリペ2世(ジョルディ・モリャ)、イギリスの王位継承権を主張するスコットランド女王メアリー(サマンサ・モートン)の存在と謀略が渦巻く。そんな中でエリザベスは新世界から帰ってきた航海士のウォルター(クライヴ・オーウェン)に心ひかれるのだったが…

 混沌としたストーリーで混沌とした中で「私は国と結婚します」と言い放って終わった「エリザベス」の続編。またまたこの混沌につきあわなければいけないのか、と正直ごちそうさま状態で観賞に入ったんだけど、これは続編の方が面白い。たぶん今回の相手役となるクライヴ・オーウェンをはじめ、スコットランド女王のサマンサ・モートン、そして侍女のアビー・コーニッシュ(実はニコール・キッドマンが出演しているのかと思ったほどそっくり)たちの好演、そして後半のスペイン無敵艦隊との戦いとかが面白くて、内容が充実しているからだと思います。

 無敵艦隊を破ったのは、結局戦略が優れていたというよりも神風が吹いた…ってことなんでしょうか(元寇のように)。あの戦いで無敵艦隊全滅…ってのはちょっと納得いかないかも。

シェカール・カブール監督。2007年イギリス=フランス合作。

2009年4月30日 (木)

AVP2 エイリアンズVS.プレデター (2007)

AVP2 エイリアンズVS.プレデター 前作で南極から脱出した宇宙船が、コロラドの田舎町へ墜落する。中から出て来たのは、プレデターやエイリアンの生き残りと、プレデターに寄生して生まれた新種「プレデリアン」。やがて町はエイリアンに占領され、軍が投入されるのだったが…

 本当に作るの?と思ってたエイリアンVSプレデターの続編。こういうのは新味がないと面白くないんだけど、舞台が片田舎の町で登場するのは新種のプレデリアン。何か悪い冗談じゃないかと思ったけど、それ以上に悪い冗談だったのは画面の暗さ。これは暗に「映画館で見なさい」という作者のメッセージなのかもしれない(笑)。

 とにかくBSを録画したDVDでは何が行われているのかさっぱりわからないシーンが多数。落武者のようなプレデターなんだけど、プレデリアンはこれを踏襲。暗いところで戦うとどっちがどっちかわからなくなるおまけつき。映画館は無理としても、これはハイビジョン+プロジェクターで見直せ、という作者のメッセージなのかもしれない(苦笑)。

コリン・ストラウス、グレッグ・ストラウス共同監督。2007年アメリカ映画。

2009年4月28日 (火)

シッコ (2007)

シッコ アメリカの医療問題を描いたドキュメンタリー。医療保険制度が民営のため、高い保険料を払わないと医療保険に入れない事実。そして、医療保険に入っていても次々と何癖をつけては人々を医療から遠ざける保険会社。病院から捨てられる人々といった、先進国にはありえないような医療事情が次々と描かれる。

 もういいかげんアメリカ的資本主義はうんざり…なんて気分にさせられる映画。マイケル・ムーアって人は癖が強くてかなり斜めに構えて話三分ぐらいに聴かなきゃいけないなぁなんて気はするのだが、それでもぐいぐいと引き込まれていく作品力はさすがである。この映画で描かれるアメリカってのは、まさしくカネカネカネである。

 ぐっと盛り上がって、ラストはキューバに近い軍刑務所(で正しいのかな?)への突撃取材…に思わせて、あっさりと行き先はキューバに変更。でもキューバの医療制度、加えてフランスやカナダの医療制度。アメリカ人はどう感じるんだろうか。アメリカ至上主義のハリウッド映画の中で、やっぱりマイケル・ムーアの映画は光っている。

マイケル・ムーア監督。2007年アメリカ映画。

2009年4月27日 (月)

カジノ (1995)

カジノ 70年代、ラスベガスのカジノの支配人となった、プロの賭博士のサム・ロスティーン(ロバート・デ・ニーロ)。カジノの売り上げは右肩上がりで、美しいギャンブラーのジンジャー(シャロン・ストーン)を見初めて結婚する。ところが旧友のニッキー(ジョー・ペシ)が暴走をはじめ、ジンジャーが元カレのレスター(ジェームズ・ウッズ)と切れてないこともわかり…

 ニコラス・ビレッジ原作の、いわゆるやくざ実録映画ベガス版である。こういうのをやらせれば、デ・ニーロはもちろん、ペシもストーンもウッズもみんなはまり役。3時間もの長尺を一気に見せてくれる上に、カジノの金が親分衆に流れていくシステムを解説する以外は何も残らないというおまけつき。結局親分衆もまとめて逮捕されて、最後は誰がトクしたんでしょうね。

 いきなり吹き飛ばされるサムというオープニングもぶっとんでてて面白い。しかし最初に結末を見せる映画ってのは、ただでは転ばないってのはお約束である。サムとジンジャーの結婚も、観客目線で見ればうまくいかないのは明白。ペシもなるべくしてなった結末を迎える… 一番かわいそうなのは、修羅場を見て育ったサムとジンジャーの娘かも。どういうコに育ったんだろう。

マーティン・スコセッシ監督。1995年アメリカ映画。

2009年4月24日 (金)

テラビシアにかける橋 (2007)

テラビシアにかける橋 小学生のジェス(ジョシュ・ハッチャーソン)は絵が得意で空想好きな男の子だが、学校ではいじめられ、家でも女の子の兄弟(ベイリー・マディソン他)に囲まれて居場所がない。ところが転校生のレスリー(アンナソフィア・ロブ)と仲良くなり、二人で森の中の空想の国テラビシアを作って遊ぶようになるのだが…

 空想を映像を見せてくれる映画。でも映画の中でもそれは空想なわけで、二人の空想に付き合わされるのは正直しんどいな、なんて思いながら見ていたら…終盤にとんでもない展開が待っていた。正に突き放されたかのような映画で、こりゃある意味トラウマものかもしれない。

 というわけで、映画を見終わってからはこのジェスとレスリーという二人がとっても気になる存在になってしまった。決して出来はよくないしもう一度見ようとも思わない映画なんだけど、なぜか二人の姿だけが頭に残る。ジョシュ・ハッチャーソンもアンナソフィア・ロブも、そして妹約のベイリー・マディソンもうまい。ちょっと注目の3人かもしれない。

 原作はキャサリン・パターソンの児童文学。この内容だったら本で読んだ方が、想像が広がって面白いかも。

ガボア・クスボ監督。2007年アメリカ映画。

2009年4月23日 (木)

ロッキー・ザ・ファイナル (2006)

ロッキー・ザ・ファイナル 現役を引退した元ヘビー級ボクシング世界チャンピオンのロッキー(シルヴェスタ・スタローン)。妻エイドリアン(タリア・シャイア)を亡くし息子ロバート(マイロ・ヴィンティミリア)とは疎遠になり、イタリアン・レストランを経営して細々と暮らしていたが、テレビ番組のコンピューター・シミュレーションで現役チャンプのディクソン(アントニオ・ターヴァー)を負かすと予想されたことから一躍時の人となり…

 ロッキーシリーズ16年ぶりの新作にして最終作(予定?)、高校生の時にリアルタイムで見ながらここのところは忘れていたシリーズなんだけど、こうやって久々に続きを見ても(しかも予習もなしに)頭の中で話がちゃんとつながるってのが凄いと思う。それにしても、冒頭のエイドリアンにからむシーンは悲しい。この感覚を味わえるのはシリーズをリアルタイムで見ている特権だろうね。

 ただしシリーズのお約束である(と私が思っている)、ロッキーが一発奮起して試合に臨む部分の盛り上がりに欠けるのがちょっと悲しい。これは、第一作と同じテンションで作られてるのかもしれないけど、私が歳をとって逆にこの感覚がわからなくなったのかもしれない。歳とってわかんなくなる映画ってのもあるのかも。

 それにしても…スタローンも歳とった。ヘビー級チャンプと互角に勝負するってのは無理があるんじゃないか、なんて思うんだけど、気合い一発というこれまたシリーズを通してのメッセージに熱くなれるのは良いです。スタローンはロッキーといいランボーといい、2大ドル箱シリーズを完結させてくるってのは…現役引退でも考えてるんかなぁ。

シルヴェスタ・スタローン監督。2006年アメリカ映画。

2009年4月20日 (月)

ケータイ刑事 THE MOVIE2 石川五右衛門一族の陰謀 決闘!ゴルゴダの森 (2007)

ケータイ刑事2 多聞殺のため、何をやってもうまくいかない岡野刑事(国広富之)が赤坂のゴルゴダの森で消息を絶ち、彼を追ったケータイ刑事こと銭形雷(小出早織)も行方不明になる。警視庁は彼らを助けるために銭形零(夏帆)と同じく多聞殺の松山刑事(松崎しげる)を送り込むのだったが、事件は石川五右衛門の子孫(星野真里)の仕業だった…

 人気シリーズ(?)の劇場版第2弾。これって本当に劇場公開されたんだろうか??? まさしくアイドルの学芸会といった様相を呈しているんだけど、ファンにとってはたまらない内容なのであろう。

 往年の人気ドラマ「トミーとマツ」の復活も話題なんだろうけど(私は見てなかったけど)、二人の発するおやじギャグはとてつもなく寒い。

 と書いたけど、個人的に気に入ったのはゴルゴダの森にあるレンタルビデオショップ(すげ?設定だ)と、ゲスト出演の水野晴郎。宍戸錠は割り切っているのか、完全にポーカーフェイスだ。「シベリア超特急」を見るのと同じ心構えでかかったら、案外楽しめるかも。

田沢幸治監督。2007年日本映画。

2009年4月17日 (金)

プロヴァンスの贈りもの (2006)

プロヴァンスの贈りもの 株トレーダーのマックス(ラッセル・クロウ)はボロ儲けをしながらも当局の告発寸前になり、休業中。1ヶ月前に亡くなった叔父ヘンリー(アルバート・フィニー)の遺産の屋敷やぶどう畑を整理しに南フランスのプロヴァンスへ行くのだが、レンタカーで女性ファニー(マリオン・コティヤール)をひきかける…

 血も涙もない、激務のデイ・トレイダーが田舎生活に目覚める話…と一言で内容が書けるぞ。でも、この映画をあの「ブレードランナー」や「グラディエイター」を撮ったリドリー・スコットが監督し、同じく「グラディエイター」のラッセル・クロウが楽しく演じているのがいい。そういえばラッセル・クロウのくたびれ具合がリアルで何ともいい感じだし、「Taxi」シリーズのマリオン・コティヤールが相手役ってのも彼をプロヴァンスにひきとめる上で説得力あり。プールのエピソードなんて、何だかほろずっぱいですよね。

 最近よく見かけるアルバート・フィニーがここでも大活躍。とにかく役者だけでたっぷり見せてくれる映画なんだけど、結局ぶどう畑は一般的価値はないままだし、ワインはおいしくならないしってあたりの外し方もただものではない。ゆったり楽しめる癒し系の映画です。

リドリー・スコット監督。2006年アメリカ映画。

2009年4月16日 (木)

オープン・シーズン (2006)

オープン・シーズン グリズリー・ベアーのブーグ(声:マーティン・ローレンス)は、レンジャーのベス(デブラ・ミッシング)に飼われて舞台で芸もこなす人気者。ところがならず者ハンターにつかまった鹿のエリオット(アシュトン・カッチャー)を助けたことから運命が変わり…

 ソニー・ピクチャーズ初のCGアニメ。切り絵細工のような質感の町、そしてヴィデオゲーム風の大自然の中で繰り広げられる物語だけど、ディズニー以上に本流を外してないストーリーとはらはらどきどきの見せ場の連続で飽きさせない。いわゆるキッズムービーとしては安心して見せられる作品。

 グリズリー・ベアーが怖いというよりも可愛いところがポイント。鹿のエリオットがお調子者のトラブルメーカーだというのはお約束ですね。

ロジャー・アラーズ、ジル・カルトン、アンソニー・スタッチ監督。2006年アメリカ映画。

2009年4月14日 (火)

カッコーの巣の上で (1975)

カッコーの巣の上で 精神病院に転院してきたマクマーフィ(ジャック・ニコルソン)は始終反抗的な態度をとるが、病院の仲間たち(ウィリアム・レッドフィールド、クリストファー・ロイド、ダニー・デヴィート他)には人気を集める。ワールドシリーズのテレビ中継を見せろと騒いだり、仲間を連れ出して釣り船をジャックしたりするのだが、やがて看護婦長のラチェッド(ルイーズ・フレッチャー)の逆鱗に触れ…

 ケン・キージーの原作をミロス・フォアマンが映画化。アカデミー作品賞や主演男優&女優賞をとって有名な映画だったけど、実は未見だった1本。アメリカン・ニューシネマの流れをくむんだろうけど、何か雰囲気が違う。反骨精神やらアメリカ的自由を描いた映画なんだろうけど、またしてもそれは馬鹿騒ぎか…ってのにちょっとげんなりさせられる。でも印象に残る映画というのは間違いない。

 たぶんネイティブ・アメリカンのチーフ(ウィル・サンプソン)の存在が大きいんだろう。堅物の看護婦長のルイーズ・フレッチャーも印象には残るが、彼女は単に空気が読めない女なだけな気がする。空気を読んで規律を守らせようとすれば、それはそれでいい人だったかもしれない。殺されかけたから頭カチ割られた…ととれば、しゃ?ないなぁで終わってしまうストーリー。そう終わらせないのがチーフの功績だったかも。

 まさかとは思ったけど、患者の中に若き日のロイド・ブリッジスやダニー・デビートが混じっていたのには驚いた。この頃から芸達者だったんですね。

ミロス・フォアマン監督。1975年アメリカ映画。

2009年4月12日 (日)

レッドクリフ PartI (2008)

レッドクリフ 西暦208年の漢の時代の戦乱の中国。曹操(チャン・フォンイー)は80万の大群を率いて中国統一のために南下する。対する劉備(ユウ・ヨン)、孫権(チャン・チェン)は同盟してこれを迎え撃とうとするが、その数わずかに6万。ただし彼らには、知力・体力に長ける周瑜(トニー・レオン)、諸葛孔明(金城武)、趙雲(フー・ジュン)、尚香(ヴィッキー・チャオ)、甘興(中村獅童)らが着いていた…

 タイトルから洋画?「クリフハンガー」の続編?なんて思ったんだけど、中身はなんと三国志の映画化、有名な赤壁の戦いを2部作で描いたパート1である。スタッフ・キャスト共にアジアのメンバー中心で、100億の制作費を投入したとか。こういうふれこみの映画で大コケしたものはいっぱいあるのでちょっぴり心配したのだが、前評判そのままの見応えのある大作映画にと仕上がっておりました。

 スランプかと思われたジョン・ウー監督も完全復調かな。要所要所に鳩を飛ばして、あとは戦いの日々とCGとロマンスとドラマが適度にブレンド。少ない軍勢で多勢と戦うという戦争ものの基本とも言えるストーリーをケレン味たっぷりに描いております。こりゃ最近の映画だと「300」なんかと見比べてみるのも面白いかもしれません。やっぱ圧倒的に強い者をやっつけるってのは痛快ですね。

 肝心の「赤壁の戦い」に至る前に「つづく」になっちゃうんですが、これはかなり期待してしまいます。字幕が登場人物の解説つきで非常に親切なのもいいです。

ジョン・ウー監督。2008年アメリカ=中国=日本=台湾=韓国合作。

2009年4月 9日 (木)

キャッツ&ドッグス (2001)

キャッツ&ドッグス 犬アレルギーを研究するブロディ教授(ジェフ・ゴールドブラム)の愛犬が誘拐され、代わりにもらわれて来たのはビーグル犬のルー(声:トビー・マグワイア)。実は失踪した犬は犬の世界のシークレット・エージェントで、世界征服を狙う猫のティンクルズと激しく争っていたのだった…

 このところどうコメントしていいのかわからないようなバカ映画が続くのだが、これもその1本(笑)。犬と猫は古代からハイテク文明を持っていて、人間の知らないところでずっと争っていたというのがその設定なんだけど、その地下に広がるハイテクシステムとかもうとんでもなくおバかで絶句もの。大体ネコにリーダーはいるけど死にかけの婆さんに飼われていてメイドに頭が上がらないってのが…笑いどころなんだろうけどねぇ。

 とばっさりと切り捨てようと思ったら、声優陣が凄いのにエンドクレジットを見て気がついた。主役のトビー・マグワイアをはじめ、アレック・ボールドウィン、マイケル・クラーク・ダンカン、スーザン・サランドン、チャールトン・ヘストン… 誰の声をあててたんだ!?(笑)

ローレンス・ガターマン監督。2001年アメリカ映画。

2009年4月 8日 (水)

ぐるりのこと。 (2008)

ぐるりのこと。 できちゃった結婚の佐藤カナオ(リリー・フランキー)と翔子(木村多江)。先輩(木村祐一)の紹介で法廷画家の職を得て生活も安定してきた二人だったが、幼い子供は亡くなってしまい翔子は鬱状態になる…

 映画初主演だそうだけど、木村多江って凄い。リアルである。それを受けて立つリリー・フランキーも強烈に味がある。何もしないように見えて、雰囲気を読めない人のように見えて、実はしっかりまわりを見ているところが良い。

 普通の夫婦の普通の10年の物語であるんだけど、この二人の死んだ子供を廻る葛藤と夫婦の関係がすごくすごくリアルで考えさせられることも多い。かといって退屈な映画ではなく、脇をかためる親戚一同(寺島進、安藤玉恵、寺田農、倍賞美津子)のリアルさ、そして法廷で繰り広げられるエピソード(実際の90年代の事件をモデルにしています)で飽きさせない構成などなど、見事としか言いようのない映画です。

 個人的に好きなのは、ツボをめぐるエピソードかな。後半特に驚異的な長回しのシーンが多いんだけど、あのツボのシーンだけは子供たちもからんでいるだけに圧巻。鼻水ぐじゅぐじゅのシーンも泣けます。この映画で木村多江って名前が強烈に頭にインプットされました。

橋口亮輔監督。2008年日本映画。

2009年4月 7日 (火)

スコーピオン・キング (2002)

スコーピオン・キング 古代エジプトのゴモラの町。王メムノン(スティーヴン・ブランド)は周辺国を強引に統治して残虐の限りを尽くす。そのメムノンとおつきの予言者カサンドラ(ケリー・フー)の暗殺をたのまれた凄腕の刺客マサイアス(ザ・ロック)は、カサンドラが女性だったことを知り殺すのをためらい、彼女を連れて逃げるのだったが…

 あの「ハムナプトラ2 黄金のピラミッド」の悪役スコーピオン・キングが主役のスピンオフ作品。とはいってもこの作品でのスコーピオン・キングことマサイアスは最初から最後まで男気のあるものすげ?いい人で、彼がどうして悪役になっちゃったかは一切不明。なんかスターウォーズのエピソード1や2を見ているような気分である。

 マサイアスのザ・ロックに加えて、盟友にマイケル・クラーク・ダンカン。こういうマッスルアクションものにははまり役ですね。上映時間1時間半と短いこともあり、かなりのジェットコースター状態で楽しめるのは確か。予言者役のケリー・ヒューも、セクシー衣装が似合っていて魅力的である。この映画がどういうふうにハムナプトラにつながっていくのか、久々に再見したくなりました。できることならイムホテップの生前の物語も見てみたくなったぞ。

チャック・ラッセル監督。2002年アメリカ映画。

2009年4月 5日 (日)

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 銭形姉妹への挑戦状 (2006)

ケータイ刑事 警視総監の孫娘で警視正の中学生(!)、銭形泪(黒川芽以)・舞(堀北真希)・零(夏帆)に挑戦状が届けられる。マンガ家の殺人事件、占い師の事件などを次々と解決していく3姉妹だったが、ついに泪がバベルの塔にとらえられてしまう…

 BS-iで放映された連続ドラマの映画版第一作。長女はあの宮崎あおいだったそうだが本作には出演がなく、3姉妹ということになっている。しかし… なんじゃこりゃ!?

 映画以前の問題だろうと突っ込みたくなるような怪作珍作なんだけど、突っ込みを入れまくりながらも最後まで見ることができるのはこの映画の持ち味なのかもしれない。とにかく見ているこっちが恥ずかしくなるようなノリの映画だけど、主演の3人が可愛いから許す…ってなとこだろうね。彼女をサポートする草刈正雄と山下真司も、絵に描いたようなバカっぷりがほほえましくもある。

 ノリとしては、昨今の戦隊ものに近いかも。最初からそう身構えて見るべきだったかもしれない。続編もあるようだが(すでに録画ずみ)どうしようか思案中(笑)。

佐々木浩久監督。2005年日本映画。

2009年4月 3日 (金)

Mr.ビーン カンヌで大迷惑?! (2007)

Mr.ビーン カンヌで大迷惑 くじ引きの一等賞でカンヌへの旅とビデオカメラを当てたMr.ビーン(ローワン・アトキンソン)。ところがビーンのせいで父(カレル・ローデン)と離ればなれになってしまったステバン(マックス・ボルドリー)と旅をすることになる。やがてカーソン(ウィレム・デフォー)の率いる映画の撮影現場に巻き込まれたり、その出演女優サビーヌ(エマ・ドゥ・コーヌ)の車に拾われたりしながら一同は旅を続けるのだったが…

 今度はロードムービーだってわけで、なんと10年ぶりに作られたビーンシリーズの第二作。暑苦しいギャグはそのまんま。ギャグのキレもそのまんまなんだけど、今回は出演者が魅力的な上にラストの大円陣がちょっぴり爽快でいい感じに見終わることができた。ビーンが大好きな息子たち(小学生と幼稚園児)にはまだ見せてないんだけど、どんな反応を示すんだろうか。

 ヒロインが可愛くて良かったんだけど、さすがにビーンとくっつけてハッピーエンド…というわけにはいかなかったようだ(笑)。

スティーヴ・ベンデラック監督。2007年イギリス映画。

2009年4月 1日 (水)

ビッグ・フィッシュ (2003)

ビッグ・フィッシュ フランスに住むジャーナリストのウィル・ブルーム(ビリー・クラダップ)の妻ジョセフィーン(マリオン・コティヤール)は妊娠中。ところが父エドワード(アルバート・フィニー)の具合が悪いとの母サンドラ(ジェシカ・ラング)の知らせで、会いに戻る。空想癖のある父の話がもとでウィルとエドワードは喧嘩中にもかかわらず、性懲りもなくエドワードはジョセフィーンに空想話をしてきかせるのだったが…

 う?ん、傑作。物語の半分以上はエドワードのホラ話なのだが、そこに登場する若き日のエドワード(ユアン・マクレガー)、サンドラ(アリソン・ローマン)、魔女(ヘレナ・ボナム・カーター)、詩人ウィンズロー(スティーヴ・ブシェミ)、サーカスの団長エーモス(ダニー・デヴィート)、巨人(マシュー・マッグローリー)とみんなとっても魅力的。それぞれのキャラクターにまつわるエピソードがてんこ盛りで何から書いていいのかわからないのももどかしい。

 その中で苦しいながらも絞り出すなら、まずは主人公エドワードと巨人の関係かな。分かれ道でエドワードが巨人と別れながらもちゃんと再会できるあたりが最初の感動。靴がぶらさがった町は「シザーハンズ」を思わせるもこれまた圧巻。再会を約束する女の子(この時点で片思いだとわかるのだが)もいい。あとは何だろう。さらに印象深いのはブシェミの詩人が銀行強盗するシーンとか、車が水没するシーンとか、サーカスの双子とか、花畑でのプロポーズとか、傾いた家とか… これだけのホラ話を詰め込んで上映時間はほぼ2時間。凄すぎるぞ、ビッグフィッシュ。

 そしてラストシーン。実際のホラ話の登場人物たちが登場。そう、やっぱこのシーンが一番好きです。ちょうど映画を見たあとに、実際の登場人物の舞台挨拶を見ているかのよう。あるいはメイキングフィルムを見たり、撮影に使われたセットを見ているかのような感覚になりました。不思議な縁で結ばれた父子の関係。久々に、もう一度見たいと思わされた作品です。

ティム・バートン監督。2003年アメリカ映画。

2009年3月31日 (火)

沈黙の激突 (2006)

沈黙の激突 米軍から謎の物質の強奪未遂事件が起こる。それを防いだ将校のマーシャル・ローソン(スティーヴン・セガール)だったが、事件のあとで息抜きをしていた3人の部下を惨殺される。ローソンの恋人で科学者のティア(リサ・ラヴブランド)によると、強奪されかけたのはCTXという薬物で、これを注入すると瞳孔が開き超人になるというのだったが…

 こりゃ…ひどい(笑)。セガールの映画の中でも1・2を争う作品ではないだろうか。注入すると超人になる薬物…ということで、すげ?ファイトを期待したんだけどせいぜいブロック塀をばんばん破るくらいで、セガールは手先で戦っているだけという様子。突然はじまって突然終わるんだけど、フランス映画のようにかっこいいわけではない。あくまでも太く短くぶつ切り。ストーリーはあってないようなもので、上水道にこのCTXなる薬を投入しただのしなかっただの騒いでいたけど、結局何もせずに一件落着とはどういうことか。とどのつまり、投入されてなかったってこと?

 なんかまじめに書くのがバカらしくなってきた。間違いなく最低映画の1本だとは思うのだが、論じるのが時間の無駄に感じるのはなかなかのものである。ところでタイトルにある「激突」って、何が何と激突したんだろうか。

ミヒャエル・ケウシュ監督。2006年イギリス=アメリカ=ルーマニア合作。

2009年3月28日 (土)

恋する日曜日 私。恋した (2007)

恋する日曜日 私。恋した 女子高生のなぎさ(堀北真希)はがんで余命いくばくもないことを知らされる。初恋の人の石川聡(窪塚俊介)に会いたくなった彼女は、父に内緒で生まれ育った町を訪れる。ところが久しぶりに会った聡は、妻子ある人妻絵里子(高岡早紀)と不倫をしていることを知る…

 BSデジタルで放送のドラマシリーズの劇場版第2作。手持ちカメラの映像や長回しなど、雰囲気はよく言えばヌーヴェルバーグ、悪く言えば低予算映画って感じか。でも主演の堀北真希と窪塚俊介の存在感で画面がぐっと引き締まって見える。

 死ぬ前に会っておきたかった初恋の人が不倫してたなんて、とんでもなく悲しい話なんだけど意外と彼女はドライで悲壮感が感じられないのが逆にリアルである。絵里子の娘を連れ出して半日を過ごすところ、絵里子と対等に話し合うところなどなど、説得力満点。でも意外と映画に酔えないってのがこの作品のウィークポイントに思える。やっぱBSドラマ独特の雰囲気が鼻につくのかもしれない。

廣木隆一監督。2007年日本映画。

2009年3月27日 (金)

ターザン (1999)

ターザン 船が難破して無人島に流れ着いた親子だったが、両親は猛獣に襲われて残された赤ちゃんはゴリラ(声:グレン・クローズ)に育てられる。ターザン(トニー・ゴールドウィン)と名付けられ若者に育つが、ゴリラの探検にやって来たジェーン(ミニー・ドライヴァー)に出会い…

 あのエドガー・ライズ・バローズ原作の「ターザン」のディズニーによるアニメ化。アニメは無機質な感じがすると私は先入観を持っているのだが、この密林はいかにも何かいそうな鬱蒼とした雰囲気にうまく描かれているのにはちょっと驚いた。ムキムキのターザンも、うっすらと体臭まで感じられそうな雰囲気なのも不思議である。絵柄がいいのかな。

 ストーリーはおなじみのターザンそのままなので新味はないのだが、ゴリラや象などの動物たちとのからみが楽しいのはディズニーならではの味つけ。加えて密林を飛びまくる疾走感は秀逸です。ラストにジェーンの父がどうなったかだけが描かれてないのが気になってどうしようもない!?

ケヴィン・リマ、クリス・バック共同監督。1999年アメリカ映画。

2009年3月26日 (木)

デトロイト・メタル・シティ (2008)

デトロイト・メタル・シティ 九州から上京したミュージシャン志望の内気な青年根岸崇一(松山ケンイチ)。渋谷系のポップミュージックをやりたかったのに、気がついたら社長(松雪泰子)にスカウトされてやっていたのはデスメタルバンドの「デトロイト・メタル・シティ」。しかも音楽雑誌社に就職した憧れの相川由利(加藤ローサ)に再会し、彼女がメタル大嫌いだったから…

 若杉公徳の人気コミックを映画化。松山ケンイチが二重人格にも思える、素顔の根岸くんと変身したヨハネ・クラウザーII世(通称クラウザーさん、またはクラちゃん)を怪演。しかし二人のタイプといい、演奏する音楽といいまったくの両極端で、正直言ってどっちにも拒絶反応に近いものを感じる私としては音楽的には辛いものがありました。

 邦画のコミック原作ものにはありがちの突っ込みどころ満載。例えばクラウザーII世ってことはI世がいるのかとか、あの衣装を彼はいつも持ち歩いているのかとか、ラストのバトルステージ(なんと相手はKISSのジーン・シモンズ!!)は明らかに筋書きのあるステージじゃないかとか… 加えて、デスメタの取り巻きたちが妙におバカに描かれているのが気になったのだが。

 という穴だらけの映画にかかわらず、結構笑えました。いい感じにおばちゃんになった宮崎美子のおかげで、ほっこりした大分パートが特にいい感じ。ところで根岸くんが素顔で歌う甘々のラブソングって、そんなにおしゃれ?

李闘士男監督。2008年日本映画。

2009年3月24日 (火)

フライボーイズ (2008)

フライボーイズ 第一次大戦中、アメリカの参戦前に義勇兵としてフランス空軍に入隊したローリングス(ジェームズ・フランコ)、リード(マーティン・ヘンダーソン)らは、訓練の末にパイロットとなりセノール大佐(ジャン・レノ)のもとで複葉機に搭乗する。作戦に参加するローリングスは、地元の娘ルシエンヌ(ジェニファー・デッカー)が好きになるのだったが…

 「華麗なるヒコーキ野郎」と「メンフィス・ベル」を足して割ったような物語で、ストーリーはありきたりで新味はないんだけど、ヒコーキ好きが見たらもう涙が止まらないような映画。何よりものどかな(でも残酷な)空戦シーンは一見の価値があるし、ステージごとに爆撃任務だったりツェッペリンの飛行船が出て来たりといったあたりはよくできたヴィデオゲームのようでもある。

 しかしこの時代にさえ生まれなければ、空を飛ぶ夢というのは殺し合いじゃなかったはずなのになぁ、と思うと悲しくもなってくる映画。どうせ命がけだったら、平和に飛びたいもんです。

トニー・ビル監督。2006年フランス=アメリカ合作。

2009年3月23日 (月)

それいけ! アンパンマン 妖精リンリンのひみつ (2008)

それいけ!アンパンマン 妖精リンリンのひみつ アンパンマン(声:戸田恵子)の顔を焼く時に混ぜる勇気の花のジュース。アンパンマンの強さの秘密はこのジュースだと知ったばいきんまん(中尾隆聖)は、勇気の花を守っている妖精リンリン(土屋アンナ)をだまして、花をめちゃめちゃにしてしまう。これに怒ったアンパンマンは、勇気の花を求めて旅に出るのだったが…

 土屋アンナを声のゲストに迎えたシリーズ第20作目。しかし併映の「ヒヤ・ヒヤ・ヒヤリコ?」が小粒でギャグもぴりりときいて光っていたせいか、ちょっと中だるみしてしまった印象。がらっパチの妖精というキャラクターはなかなかいい感じだったんだけどなぁ。いずれにせよ映画版の「アンパンマン」のクオリティの高さは再認識。大人が見ても楽しめる作りになっているのはさすがです。

永丘昭典監督。2008年日本映画。

2009年3月20日 (金)

アポカリプト (2006)

アポカリプト 狩猟民族のジャガー・パウ(ルディ・ヤングブラッド)は仲間と平和に暮らしていた。ところが突然村が他の部族に襲われ、ジャガーは妊娠した妻と子を深い穴の中に隠すも捕虜となり街へ連れて行かれる。そこでは生け贄の儀式が行われていた…

 崩壊寸前のマヤ文明を舞台にしたアクションで、監督としてのメル・ギブソンの持つ作風というかこだわりというか、ある意味フェチとも思われるスプラッティーで痛いシーン満載である。こりゃ普通の神経をしていたら通してみるのはかなりきつそうだし、彼らは蛮族だったとの偏見を持ってしまうんじゃないかと心配になってくる。

 とはいっても、妻子を助けるというベタなテーマ、走って走って走りまくるスピーディな展開などなど、文明を離れたとっつきにくそうな世界を舞台にしながらもぐいぐいと見せてくれるあたりはさすがである。

 マヤ文明なんて教科書の中の世界なのに、体験した気分にさせられるのは映画の持つ魔力に違いない。新大陸発見も、反対側から見たらこういうふうに見えるんだと妙に納得してしまった。

メル・ギブソン監督。2006年アメリカ映画。

2009年3月19日 (木)

ウォンテッド (2008)

ウォンテッド 平凡な毎日に嫌気がさしている若者ウェスリー(ジェームズ・マカヴォイ)だったが、ある日壮絶な銃撃戦に巻き込まれる。言われるがままに美女フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)に連れられて暗殺者集団フラタニティのアジトへやってきたウェスリーは、そこのボスのスローン(モーガン・フリーマン)から彼の殺された父は凄腕の殺し屋だったことを知らされる…

 「マトリックス」の再来を思わせるぶっとんだアクション映画。登場人物たちはアドレナリンが放出されると特殊能力を発揮するらしく、物がゆがんで見えたりカーブする弾丸が撃てたりとはちゃめちゃに思えるのだが、視覚効果が素晴らしくてさもできそうな気分になってくるから不思議である。

 しかもダメージをくらっても、ロウのお風呂に入るとすぐに回復するというおまけつき。まさしくヴィデオゲームの世界ですね。違うのは、撃たれたり突かれたり斬られたり痛そうなことぐらいか。

 しかし…平凡な毎日から抜け出して、本当に行きたかったのはこの暗殺者の世界なの?ってのがどうにも引っかかる。確かに刺激的ではあるけど、こんな太くて短い刺激ならいらないってのが正直な感想かな。だから映画の中だけで楽しんで起きたい物語なのかもしれません。それだけにラスト近くの親父のセリフは、ちょっとだけ泣けたかも。

ティムール・ベクマンベトフ監督。2008年アメリカ映画。

2009年3月18日 (水)

ハンコック (2008)

ハンコック ジョン・ハンコック(ウィル・スミス)は不死身で空も飛べるスーパーヒーローだが、酒びたりで下品な言動とやたらと物を壊すことから市民に嫌われている。ところがいつものように悪人退治を行ったあと、踏切で立ち往生していた広告会社勤務のレイ(ジェイソン・ベイトマン)を救ったことから、彼がハンコックのイメージアップを引き受けることになるのだが…

 「スーパーマン」を思わせる特撮映画だが、その実態はコメディ。品行方正であるはずのヒーローが自堕落な男で、その更正物語かと思いきや物語は意外な方向へごろごろごろ… 伏線といえば、意外と地味な位置(レイの妻)にシャーリーズ・セロンがキャスティングされていることでしょうね。

 それにしても、アメリカってのはスーパーヒーローが好きなのは今も昔も変わらずで、よっぽど治安の悪さに悩まされてるんかなって気になります。悪人どもも、ハンコックみたいなのがいるのに強盗しようなんて考えるのはヘン。刑務所におとなしくはいっていると考えるのもヘン。

 本作では強い敵がいなかったので、続編では悪役登場ってのが自然な流れでしょうか。それとも本作で明かされたヒーロー(ヒロイン?)の弱点が逆手に取られるのかな? いずれにせよ、次作が作られそうな映画です。

ピーター・バーグ監督。2008年アメリカ映画。

2009年3月16日 (月)

プレステージ (2006)

プレステージ 19世紀のロンドン。マジシャンのグレート・ダントンことロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とザ・プロフェッサーことアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベイル)は互いに競い合うライバルだったが、アンジャーの妻が脱出マジックの最中に命を落としたことから二人の関係がおかしくなっていく。

 クリストファー・プリーストの「奇術師」を映画化。マジシャンを主人公にした映画を私が見るのは「恐怖の沼」以来でないかと思うのだが(笑)、ケレン味たっぷりのストーリーに伏線と騙しの数々、あっと驚くラストなどなどこりゃ力作だと思います。本当は数回見ないとわからないほどいろいろ張り巡らされている映画だそうで、1回見ただけでこの映画を語るってのがおこがましいような気もいたします。またそのうち、大画面で楽しむことにしましょうか。

 主演の二人に加えて、トリックを提供するカッターことマイケル・ケイン。またしてもいい仕事してます。反してスカーレット・ヨハンソンはもったいない。彼女が後半にもっとストーリーにからむ、という予測がはぐらかされた気分。デヴィッド・ボウイに関しては、それとわからない使い方がもったいないです。

 それにしても…マジシャンの映画を見ていたら、最後は「ザ・フライ」を見せられたってのが正直な感想かもしれません。

クリストファー・ノーラン監督。2006年アメリカ映画。

2009年3月13日 (金)

スウィート・ノベンバー (2001)

スウィート・ノベンバー 広告代理店のやり手社員ネルソン(キアヌ・リーヴス)は、運転免許試験場でサラ(シャーリーズ・セロン)という風変わりな女性に出会う。彼のおかげで試験に落ちたせいで、ネルソンにしつこくつきまどうサラだったが、やがてネルソンの仕事もうまくいかずに…

 ものすごく嫌みなエリートをキアヌが好演。奔放に生きるサラのおかげで自分を取り戻していくのだったけど、実は彼女は…ってのが主だったストーリー。つかり彼女は凄い「あげまん」だと思うんだけど、この11月だけの彼女って設定がどうにもしっくりこなくて、見終わったあとに違和感ありまくり。結局のところ、薬棚を見せたくなかったり、美しいまま自分を思い出にしてほしかったりと、自分の殻をやぶれなかったのは彼女自身ってことなんかな。そう考えると、何だか悲しい結末だな。

 シャーリーズ・セロンって、こういう庶民的な女を演じても、手足がすらっと長くてなんとも言えないオーラを出している。普通の男なら、眺めてるだけで癒されるかも…

パット・オコナー監督。2001年アメリカ映画。

2009年3月10日 (火)

シャンハイ・ヌーン (2000)

シャンハイ・ヌーン 19世紀の中国・紫禁城からペペ姫(ルーシー・リュウ)が誘拐され、犯人から金貨10万枚をアメリカのネバダ州カーソンシティへ持ってこいという要求がある。近衛兵のひとりだったチョン・ウェン(ジャッキー・チェン)はアメリカへ渡るが、仲間とはぐれた上にならず者のロイ・オバノン(オーウェン・ウィルソン)と成り行きで行動を共にすることになるのだったが…

 ジャッキー主演とタイトルからして上海が舞台のアクション映画かと思いきや、これが「レッド・サン」「イースト・ミーツ・ウェスト」顔負けの東西交流西部劇。要するにジャッキーを西部で暴れさせたかっただけの企画、と言えなくもないが(身代金を西部で、という設定が強引)、まぁ楽しいから許すといったところか。そうなると、タイトルは西部劇の名作「ハイ・ヌーン(真昼の決闘)」からのパクリってことですね。

 そういやジャッキーの役名(チョン・ウェン)も相棒のオバノンの正体もかなり人を食ったもの。このあたりはマカロニをパロった「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」と同じで、ある種の西部劇への愛を感じるぞ。

 ジャッキーとオーウェンのコンビは、往年の「西部二人組」を思わせる楽しさだけど、ルーシー・リュウはプリンセスと呼ぶにはどうかな?

トム・デイ監督。2000年アメリカ映画。

2009年3月 9日 (月)

百万円と苦虫女 (2008)

百万円と苦虫女 フリーターの初子(蒼井優)は実家を出て同僚と共同生活をはじめようとするが、トラブルに巻き込まれて刑務所に入れられてしまう。出所した初子は、100万円がたまると引っ越すという生活を繰り返すのだったが…

 映画というよりは、連続ドラマにしたほうが似合いそうなオムニバスドラマ。100万円がたまったら引っ越すというのがお約束のようだが、実は本当に100万円たまったのはそれほど多くない。ほとんどが人間関係から引っ越すというのがこの映画のポイントなのかもしれない。

 主人公はとにかく不器用で引っ込み思案な女の子である。でも結局演じているのが蒼井優だからか、ものすごくもてる(笑)。これって作者の本来の意図からは外れているんじゃないかと思ってしまった。考えてみれば、農家の青年(ピエール瀧)、海の家の少年、ガーデニングの大学生(森山未來)とみんな鈴子のことが好きなんですよね。でもみんな気持ちが微妙にすれ違っていく。何か昔解けなかった女の子の気持ちの謎を、神の視点になって見ているかのような気分。

 微妙な距離をおいてつきあう弟(齋藤隆成)との関係が、特に秀逸。両親の影がものすごく薄いのも、昨今の家族関係を反映してのことなのかな。

タナダユキ監督。2008年日本映画。

2009年3月 6日 (金)

純喫茶磯辺 (2008)

純喫茶磯辺 建設作業員の磯辺裕次郎(宮迫博之)は、妻(濱田マリ)と別れて高校生の娘咲子(仲里依紗)と二人暮らし。ところが死んだ父の遺産が転がり込んだおかげで、仕事をやめて喫茶店を開くと言い出す。その内装のダサさから閑古鳥がなく「純喫茶磯辺」だったが、アルバイト店員のモッコ(麻生久美子)がコスプレ衣装を着て店に立ったおかげでお客さんが増えて…

 素人が開業した喫茶店を舞台にしたコメディ。といっても職業How toものや、喫茶店が主役ではなくて、あくまでも妻と別れた父娘が主人公である。堕落したダメ親父をコメディアンの宮迫がいい感じで熱演。ふつ?の女子高生の仲里依紗も光る。父はアルバイト店員のモッコに、娘は小説家の客に思いを抱き、そして破れるのがポイント。

 この展開って、まさしく古き良き時代の日本映画を思い出します。そういや喫茶店の内装に流れるセンスも、同じく古き良き時代。古い邦画と唯一違うのは、見せかけだけのハッピーエンドに終わらないところ。でもこれって、どう考えてもハッピーエンドなんだけどな。

 ちなみに私はモッコは咲子の話に合わせただけで、そんな女ではなかったとふんだんだけどどうなんだろう。ラストの彼女の登場でそのあたりが思いっきり覆された気分になったんだけど。

吉田恵輔監督。2008年日本映画。

2009年3月 5日 (木)

フレンチ・コネクション2 (1975)

フレンチ・コネクション2 前作で取り逃がした麻薬王シャルニエ(フェルナンド・レイ)を追ってフランスのマルセイユへやって来たポパイことドイル刑事(ジーン・ハックマン)。ところが現地のバルテルミー警部(ベルナール・フレッソン)とはうまくいかず、いらいらしているところを組織に誘拐され麻薬づけにされてしまう…

 アメリカが舞台の前作に対して、こちらはフランスに舞台を移したパート2。何かもやもやっとした前作からしても、完全に続編を意識したというか2本で1本って感じの映画で見終わったあとの満足度が高い。確かに「フレンチ・コネクション」ってタイトルなんだから、半分はマルセイユを舞台にしてくれなきゃなぁとは思ってしまいます。

 これの監督って、1作目がフリードキンで2作目がフランケンハイマーだったんだというのは新たな発見。しかも2作目の常らしく、アクションがパワーアップしているように見えるのだがストーリーがいささか破綻気味。最も気になったのは、麻薬づけのポパイがなぜ警察に送り返されたのかと、その後のホテルにガソリンぶちまけておとがめなしって部分。

 ラストの疾走シーンは、確かに名場面です。走って走って走りまくって、もうだめかと思ったら、実は丸腰じゃなかったってのはかっこ良すぎるかも。突き放したようなラストはお約束かな。これ、テレビの洋画劇場だったら、突然コマーシャルになってそれっきりという何ともなさけない終わり方になるんじゃないだろうか。

ジョン・フランケンハイマー監督。1975年アメリカ映画。

2009年3月 3日 (火)

D-TOX (2002)

D-TOX 警官連続殺人を追うFBIのジェイク・マロイ(シルヴェスタ・スタローン)は、犯人に婚約者を惨殺されて心に傷を負う。友人の薦めで、ドック(クリス・クリストファーソン)が所長を務める人里離れた警官専用の療養センターに入ったマロイだったが、実は犯人はこのセンターに忍び込んでいた…

 スタローンといえば派手なアクションが定番なのだが、これは密室スリラー。途中で吹雪になったりして、舞台の閉塞感はなかなかのものなんだけど、何とも期待はずれの幕切れに感じるのは犯人に全然意外性がないことと、スタローンに期待するものが別ってことなのかも。閉鎖空間であってもゾンビやバイオハザードみたいなストーリーだったら楽しめるってことを考えると、ちょっと練り方が足りないんかな。あるいは羊たちの沈黙みたいに犯人に超人的カリスマ性を与えるって手もあったと思う。ICUのメッセージだけじゃ、そんなに怖くないぞ。

 D-TOXって何なんだろうって思ったら、デトックス(毒抜き?)のことらしい。個人的には、クリス・クリストファーソンが懐かしかったのでどんでん返しか何かでさらに活躍するのかと思ったら、それっきりだったのでがっかりしたぞ。他にチャールズ・ダットン、ポリー・ウォーカー、トム・ベレンジャー、ロバート・パトリックなんかが出ています。

ジム・ギレスビー監督。2002年アメリカ映画。

2009年2月27日 (金)

フレンチ・コネクション (1971)

フレンチ・コネクション フランスはマルセイユの麻薬シンジケートの大物アラン・シャルニエ(フェルナンド・レイ)がニューヨークでの取引を目論む。これをかぎつけた市警のポパイことジミー・ドイル刑事(ジーン・ハックマン)は、相棒のバディ・ルッソ(ロイ・シャイダー)と麻薬組織を追うのだったが…

 1971年度のアカデミー作品賞を受賞。見たか見てないかも記憶の彼方だった本作を再見。これって、良くも悪くも70年代アクション映画とニューシネマの流れをくむアクション映画。麻薬シンジケートとそれを追う刑事にストーリーを絞り込んで、それ以外のおかずは一切なし。地味な張り込みシーンを積み上げたかと思うと、突然疾走するチェイスシーン。ポパイがとにかく走る、走る、走る。アクションは走ることだと言わんばかりですね。

 シュッポーンと突き放したかのようなラストも印象的なんだけど、これがなぜアカデミー作品賞なのかと思うとちょっと不思議な感じ。たぶんこの時代としてはエポックメイキングな作品だったんかなぁ。

ウィリアム・フリードキン監督。1971年アメリカ映画。

2009年2月26日 (木)

THE 焼肉MOVIE プルコギ (2006)

プロコギ 北九州の人気焼肉屋「プルコギ」を営む韓老人(田村高廣)、ヨリ(山田優)、そしてタツジ(松田龍平)の3人。タツジには幼少時代、韓国で泣き別れになった兄がいるという過去を引きずっている。同じ頃、大手焼肉チェーン店のトラオ(ARATA)は、焼肉バトルという料理番組で連戦連勝を誇っていた…

 スキヤキウェスタンに対抗して作られたかのようなタイトルだが、内容はまったくの別物。しかしこの手のジャンク邦画(失礼!)の持つパワーや笑いのツボはしっかり押さえた作りとなっており、バラエティ番組のように楽しめる。料理対決ってのは若干見飽きてきた気がしなくてもないけど、不変のテーマなんかな?

 幼い頃に韓国で泣き別れになった兄弟、それを拾って育てる韓老人、同居の手足が長いおてんば美女のヨリとキャラクターの魅力は抜群。特にすっとぼけた韓老人は凄いぞ。ヤキニクバトルも、竹内力、前田愛、津川雅彦といったひとくせもふたくせもある出演者たちで、いかがわしさ満点。これは面白くなるのでは…とおもったのだが…

 落としどころはイマイチだったかな、というのが正直な感想。結局、本当の赤肉と白肉の対決は、どうだったんだろう? タツジとヨリがああなっちゃうのも、不自然だったような気が。

グ・スーヨン監督。2006年日本映画。

2009年2月23日 (月)

ベオウルフ 呪われし勇者 (2007)

ベオウルフ 呪われし勇者 デンマークの王フロースガール(アンソニー・ホプキンス)は、魔物グレンデル(クリスピン・グローヴァー)の度重なる襲撃に悩まされていた。そこへやって来た勇者ベオウルフ(レイ・ウィンストン)は王と契約して見事にこの魔物を倒すのだったが、次に現れたのは魔物の母(アンジェリーナ・ジョリー)だった…

 有名な古典文学をフルCGを使って映像化。仕掛けたのはまたもや、あのロバート・ゼメキスである。ファンタジーとしても完成度が高く、魔物やドラゴンとの戦いも迫力があり、見終わったあともそれなりに余韻が残る。いい映画だとは思うんだけど…何か食い足りないのはやっぱりそのCGの部分かもしれない。

 ここまで役者をフルCG化するんだったら、そこだけ生身の人間を合成すれば良かったのに…というのが個人的な感想。動きがやっぱりどことなくぎこちないので、素直に感情移入できないのが残念。最近は人間の動きも一部CG化されているのかもしれないけど、そこは見てわからないうちが華。ここまであからさまにCGを前面に出されると、ちょっと萎えてしまうんだよなぁ。

 太く長く(?)生きたベオウルフはともかく、このグレンデルの母ことアンジェリーナ・ジョリーは何考えてこういう呪わしい行動に及んだんだろう? 謎だ。蜜酒ってやっぱり甘いのかな?

ロバート・ゼメキス監督。2007年アメリカ映画。

2009年2月22日 (日)

デンジャラス・ビューティ (2001)

デンジャラス・ビューティ 男まさりのFBI捜査官グレイシー(サンドラ・ブロック)は、踏み込みに失敗して犯人に逃げられたために内勤にまわされてしまう。ところがミス・アメリカコンテストに爆破予告がされたことから、彼女に潜入捜査が命じられることとなる。かくして同僚(ベンジャミン・ブラット)、ミスコンのコーディネーター(マイケル・ケイン)と共にミス・アメリカに乗り込んでいくグレイシーだったが…

 サンドラ・ブロックが場違いなミスコンに乗り込んでいくカルチャー・ギャップが楽しめるアクション・コメディ。大作というよりも、2時間ドラマにありがちな場当たり的なロケをつなぎ合わせた推理ドラマといった雰囲気なんだけど、適度に散りばめられたギャグの数々と、キャラが立っているせいで最後までそれなりに楽しむことができた。

 ボーイッシュだけど元々綺麗なサンドラ・ブロックだけに、後半のミスコンでの変化は予想できたところ。邦画でいうところの古尾谷雅人的な役回りのベンジャミン・ブラットなどは予定調和(?)の世界。安心して見ていられるといえばそうなんだけど、やっぱ物足りない、食い足りないって感想はありました。

 本来なら男気のある役もできるマイケル・ケインが、こういうキャラも演じられるってのはさすがにうまい。ウィリアム・シャトナーとキャンディス・バーゲンは、70年代に映画をよく見ていた身にとっては「懐かしい」以外の何者でもないですね。

ドナルド・ペトリ監督。2001年アメリカ映画。

2009年2月20日 (金)

それいけ!アンパンマン ヒヤ・ヒヤ・ヒヤリコとばぶ・ばぶ・ばいきんまん (2008)

それいけ!アンパンマン ヒヤ・ヒヤ・ヒヤリコとばぶ・ばぶ・ばいきんまん<br />
 ドクター・ヒヤリの弟子のヒヤリコ(声:柳原可奈子)は、強くなる薬を作る。ところがそれを飲んだバイキンマン(中尾隆聖)は赤ちゃんになってしまい、ヒヤリコがこの薬を街にばらまいたおかげでアンパンマン(戸田恵子)をはじめとする主要メンバーもみんな赤ちゃんになってしまう…

 「妖精リンリンのひみつ」併映の20分の短編映画なんだけど、これが何とも面白い。いわゆるスラップスティック映画の王道を行くような作りで、ヒラリコのずっこけたキャラの面白さ、どんどん赤ちゃんにされていくメンバーとの騒動はなかなかの爆笑もの。さらに20分というテレビアニメのような短さも、面白さをぎゅっと凝縮したようないい効果を上げている。

 アンパンマンの劇場版ってのは、短編1本+中編1本で、全部見て普通の映画の長さになるって寸法。小さなお子様に配慮した、良い構成です。

矢野博之監督。2008年日本映画。

2009年2月19日 (木)

ナンバー23 (2007)

ナンバー23 野犬の駆除を仕事としているウォルター・スパロウ(ジム・キャリー)は犬に噛みつかれて取り逃がし、すべての予定が狂ってしまう。そんな彼に妻アガサ(ヴァージニア・マドセン)は「ナンバー23」という古本をプレゼントする。ところが本の内容と自分に類似点を見つけたウォルターは、すっかり23という数字のとりこになってしまい…

 数字をテーマにしたミステリーということで、グリーナウェイの「数に溺れて」あたりを期待したんだけど期待したものとはまったくの別物でありました。最大の期待はずれは、23という数字に思ったほど深みが感じられない。32でも2と3を逆にしたということでOKだし、回帰線の23.5度は23と2+3だと読み解くなど、どちらかというとこじつけに近い。画面にたまに23という数字が現れると、ハリウッド映画らしくちゃんと説明してくれる。数字を探してみようという楽しみもあんまり感じられない。

 退屈だなぁと思いつつ、1時間23分で映画は終わるんだろうかと思ったらその時間もつ?と過ぎていった(DVDで見ながら経過時間が気になるってのは、退屈している証拠かも)。オチは悪くないんだけど、物語を検証するためにもう1回見直してみたい…とは思わない。何だかなぁ。

 ジム・キャリーって強烈なキャラから抜け出そうと、頑張っているって感じが逆に抜けないような気がする。ヴァージニア・マドセンは、相変わらず綺麗です(笑)。

ジョエル・シューマカー監督。2007年アメリカ映画。

2009年2月18日 (水)

ミス・ポター (2006)

ミス・ポター 20世紀初頭のロンドン。上流階級に育つ32歳のビアトリクス・ポター(レニー・ゼルウィガー)はいくつもの縁談を断って独身。自身の書く童話「ピーター・ラビット」を出版しようと奔走中。そんな彼女のもとへ、編集者のウォーン(ユアン・マクレガー)がやって来る…

 陶器や洗面器(笑)がうちにあるのでなじみ深いピーター・ラビットなんだけど、本来は子供向けの絵本(実は知らなかった)。というわけで、その誕生秘話を描いた物語が本作である。例によってレニー・ゼルウィガーがアメリカ人ながらもイギリス女性を熱演。こじんまりとしたドラマながらも、なかなか胸に迫る物語となっている。こりゃこの映画を見たら新たなファンも生まれるんじゃないかな。

 ピーター・ラビットの作者がこんな悲しい恋をしていたなんて…とかなり新鮮な驚きがありました。レニー・ゼルウィガーはますますおばちゃんっぽくなってるんだけど、そこがまた魅力というのが凄い女優さんだと思います。ウォーンの姉を演じるエミリー・ワトソンもかなり印象に残ります。全然毒のない癒し系の映画が見たくなったら、おすすめ。

クリス・ヌーナン監督。2006年イギリス=アメリカ合作。

2009年2月14日 (土)

クリスティーナの好きなコト (2002)

クリスティーナの好きなコト 可愛いけど思わせぶりな態度で男性からの評判は最悪のクリスティーナ(キャメロン・ディアス)。今日も友人のコートニー(クリスティナ・アップルゲイト)とジェーン(セルマ・ブレア)を引き連れてクラブへ繰り出したが、そこで出会ったピーター(トーマス・ジェーン)に本気の一目惚れをしてしまう。というわけで、彼の兄の結婚式に隣町まで乗り込んでいったクリスティーナだったが…

 タイトルからも想像できるように、最初っから最後まで女の子の明るい下ネタ満載のコメディ。これを笑えるかどうかっていうと…悲しいけど結構面白いし笑えてしまった。クリスティーナとコートニーのコンビも最高だけど、我が道を突っ走るジェーンことセルマ・ブレアが個人的には気に入った。こりゃある意味、チャーリーズ・エンジェルの別バージョンなのかもしれない。

 結局なところ、タカビーな女は実は恋愛に臆病で…ってのが本音だってことなのかな。見てていらいらするシーンも多いけど、着せ替えシーンも含めてこの3人だったら何をやっても絵になってしまいます。つくづく美人(+スタイル良し)はお得だと思ってしまいます。

ロジャー・カンブル監督。2002年アメリカ映画。

2009年2月13日 (金)

ブレイブワン (2007)

ブレイブワン DJのエリカ(ジョディ・フォスター)は、結婚目前のフィアンセのデイヴィッド(ナヴィーン・アンドリュース)を暴漢に殺され、自らも重傷を負う。失意の底からはい上がった彼女は護身のために違法な拳銃を手にするが、ドラッグストアで偶然出会った殺人犯を射殺する。彼女に何かを感じたマーサー刑事(テレンス・ハワード)は、彼女のインタビューを受けるのだったが…

 女復讐ものってことで、ブロンソンの70年代のヒット作「狼よさらば」を思い出してしまった。あるいはグリッケンハウスの「エクスタミネーター」にも近いものがあるけど、ジョディ・フォスターが出てるだけあって本作のほうが丁寧でまじめな作りである。

 感受性豊かな普通のDJの女性が、いかにしてダークサイドへ墜ちていくかを描いたのはなかなか見応えがあり、「私みたいな女性はいくらでもいる」という彼女のセリフも心に響く。また違法拳銃が簡単に手に入り、その気になれば人を殺しまくれるというのも銃社会への批判? 事実はそんなに簡単ではないと思うんだけど、この映画はそのあたりを丁寧に描いているので彼女が殺人マシーンになっていく描写は説得力があります。

 未来がばさっと切り落とされたら、人ってこんなふうに変われるだろうなって思う。しかしどうしても納得できないのがそのラスト。結局ああ言われてああしてしまうってことは、彼女の決意の甘さ? そのラストだけで、見終わったあとにどうしても彼女に共感できないんだよなぁ。

 監督はあの「クラゲ(クライング・ゲームのこと)」のニール・ジョーダンです。

ニール・ジョーダン監督。2007年アメリカ=オーストラリア合作。

2009年2月12日 (木)

幸せの1ページ (2008)

幸せの1ページ 無人島に海洋学者である父ジャック(ジェラルド・バトラー)と二人で住む少女ニム(アビゲイル・ブレスリン)。ところが海洋調査に出た父が嵐で帰って来なくなり、インターネットで助けを求めた相手はアメリカに住む引きこもりのベストセラー作家アレクサンドラ(ジョディ・フォスター)だった。かくして家を一歩出ることもできない彼女の冒険がはじまった…

 ウェンディ・オルーの児童文学「秘密の島のニム」の映画化。「幸せのレシピ」のアビゲイル・ブレスリン主演。彼女の父にバトラー、助けに来る作家にジョディという蒼々たるキャストである。映画が始まったとたんの絵本のような画面も秀逸。なかなかの出だしではあったが…

 あれっ…と思うようなこじんまりとした物語で、とんとんとんと進んで終わってしまったなというのが第一印象。無人島は美しいし、ジョディは似合わない引きこもり役を思いっきり熱演しているし、動物は出てくるし、途中から「ホーム・アローン」みたいな展開になるし、思いっきり頑張っているのはわかる。でも何だかわからないけど物足りないのは、キャストとオープニングから期待しすぎたのかもしれません。

 雰囲気で言えば、「フリントストーン モダン石器時代」あたりに近いのかな。少女のいたずらで火山が噴火するあたりは特に。でもこれ、子供が見たら大受けなんじゃないかとふと思いました。DVDが出たら(明日だけど)試してみようっと。

マーク・レヴィン、ジェニファー・フラケット共同監督。2008年アメリカ映画。

2009年2月11日 (水)

臨死 (2007)

臨死 高校生のニック(ジャスティン・チャットウィン)は母ダイアン(マーシャ・ゲイ・ハーデン)と二人暮らしの優等生。ところが同じ暮らすの不良少女アニー(マルガリータ・レヴィエヴァ)の強盗を密告したと勘違いされて、森の中で半殺しにされてしまう。幽体離脱したニックは、死にかけた自分の体を発見してもらおうと奔走するのだったが…

 ホラーのようなタイトルだが、中身は意外と人間ドラマ。特に主人公の少年と幼なじみのアニーとの関係、そして母親との関係が思ったよりも深くて考えさせられる。昔は仲が良かったニックとアニー、これまた父の同僚の刑事に「お嫁さんになる」と言っていたアニーなど、彼女が素直さを取り戻していく後半につながって説得力がある。

 母ダイアンとの屈折した関係も妙に納得できる。惜しいのは、後半が妙にテレビムービー風になってしまい盛り上がりにイマイチ欠けるところ。それにこのラストは、余韻が残るというよりも後味がすごぶる悪い。更正したアニーには、ぜひとも幸せになってもらいたかったかな。

デヴィッド・S・ゴイヤー監督。2007年アメリカ映画。

2009年2月10日 (火)

インベージョン (2007)

インベージョン スペースシャトルが墜落して、付着していた結晶が人間に次々感染していく。分析医のキャロル(ニコール・キッドマン)は、夫がある朝別人になったという相談を受ける。ウィルスの存在を察知したキャロルは、同僚の医師ベン(ダニエル・クレイグ)と共に事態を収拾しようとするのだが、息子のオリバー(ジャクソン・ボンド)ともども感染してしまう…

 ジャック・フィニー原作の「盗まれた街」の映画化、といえば、懐かしくも「ボディ・スナッチャー」の再映画化ですね。個人的には桑田次郎の漫画の方が印象に強いのですが。

 というわけでわくわくしながらの再会だったんだけど、なんじゃあ、こりゃーって感じの小品。やっぱ最大の敗因は、感染した人間たちがあんまり頭良くないこと。せめてラストのヘリのパイロットが感染してたぐらいのどんでん返しは当たり前にあるんだろうかと思ったら…かなりがっかり。

 ボディ・スナッチャーの怖さってのは、じわじわとやってくる眠れない恐怖なんだろうけど、そのあたりはストーリーにほとんど生かされてないのがつらいところ。それにしてもニコール・キッドマンってのは相変わらず綺麗で、彼女を見てるだけでもこの映画の値打ちがあります。ダニエル・クレイグも、まるっきり007とは別の普通の人ができるのが凄いです。

オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督。2007年アメリカ映画。

2009年2月 9日 (月)

ワンダーボーイズ (2000)

ワンダーボーイズ 作家で文学部教授のグレイディ(マイケル・ダグラス)は書けないスランプの真っ最中。作家パーティに苦手な編集者のテリー(ロバート・ダウニー・Jr.)がやって来たり、不倫相手の学長夫人サラ(フランシス・マクドーマンド)が妊娠したりと身の回りのごたごたに振り回される。ところが彼は教え子のジェームズ(トビー・マグワイア)に作家の才能があることに気がついて…

 スランプの中年作家の身の回りを描いた、人間ドラマ、というかコメディの部類に入るのかな。妻に逃げられ、学長夫人とできている作家先生というのがポイントなんだけど、彼に共感できる部分がまったくなくて、物語の半分ぐらいは非常に退屈した。ちょっと自閉症気味のジェームズがからむパートはエピソードもてんこ盛りでそれなりに面白かったんだけど、映画全体を楽しめる、という部分まではいかなくて苦しいところ。

 ロバート・ダウニーJr.とケイティ・ホームズは完全に脇役に回っていて、主人公たちのまわりをちょこまかと走り回っているだけという感じ。面白くなりそうなストーリーなんだけど、最後の表彰式がまったく盛り上がらなかったのは何でだろう。「L.A.コンフィデンシャル」もそうだったんだけど、私はつくづくカーティス・ハンソンとは相性が悪いのかも。

カーティス・ハンソン監督。2000年アメリカ映画。

2009年2月 5日 (木)

夫以外の選択肢 (2004)

夫以外の選択肢 大学教授のハンク(ピーター・クラウス)と妻エディス(ナオミ・ワッツ)は、同僚のジャック(マーク・ラファロ)とその妻テリー(ローラ・ダーン)と家族ぐるみのつきあいをしている。ところがエディスとジャックは不倫関係にあり、ジャックの自分に対する何ともあいまいな態度に怒りをぶちまけたテリーは、やがて自身もハンクと関係を持つようになるのだったが…

 アンドレ・デュバスの原作を映画化。タイトルからしてフランス映画かと思って構えて見たんだけど、れっきとしたアメリカ映画でした。ナオミ・ワッツ目当てに見たってのもあるんだけど、場を完全にかっさらっていってたのはローラ・ダーンの方。浮気の後に帰ってきた夫のジャックに、愛に関して問い詰めるシーン、そして自身の浮気を独白しながらやり直そうというシーンは圧巻。完全にナオミ・ワッツがかすんでしまった。うーん。

 それにしてもこの映画、タイトルでだいぶん損している気がする。一体夫以外の選択肢って何だったんだろう。家を出ることだけ? やっぱ一番かわいそうなのは子供かな。

ジョン・カーラン監督。2004年アメリカ=カナダ合作。

2009年2月 3日 (火)

サイボーグ (1989)

サイボーグ 文明が崩壊し伝染病と暴力が蔓延する近未来。ペストを防ぐ方法がインプットされた女性サイボーグのパール(デイル・ハドン)がアトランタを目指す。兵士のギブソン(ジャン・クロード・ヴァン・ダム)は途中で助けた女性ナディ(デボラ・リクター)を引き連れて、家族を奪ったギャングのパイレーツ(ヴィンセント・クライン)を追うのだったが…

 とまあ「マッド・マックス」以降に量産された暗黒の近未来映画の1本なんだろうけど、ただただ廃墟が続く中でヴァン・ダムお得意のガチンコファイトが繰り返されるだけの映画。と、酷評したいところなんだけど、妙に悪役のヴィンセント・クラインに存在感があって意外と楽しむことができた。そういえば主人公にくっついていく女性ナディが妙に魅力的だったり、サイボーグというタイトルながらも別にサイボーグが戦う映画ではないという外し方など、低予算ながらも意外と面白いセンスで作られているのが好感度が高い。

 主人公よりも、パイレーツの首領の方が明らかに強いというあたりも物語を面白くさせてくれる要素かな。磔のシーンはなかなか壮絶でした。

アルバート・ピュン監督。1989年アメリカ映画。

2009年2月 2日 (月)

バルジ大作戦 (1965)

バルジ大作戦 第2次対戦末期のドイツ。連合軍の侵攻に総崩れのドイツ軍は、形勢逆転を狙って総力戦をかける。連戦連勝の独軍ヘスラー大佐(ロバート・ショウ)はタイガー戦車隊の指揮をとり、パラシュート部隊が米軍を攪乱するが、異変に最初に気づいたのは米軍偵察隊のカイリー中佐(ヘンリー・フォンダ)だった…

 ノルマンジー上陸以降のヨーロッパでの戦車戦を描いたスペクタクル映画。半端でない数の戦車がぞろぞろと現れてその攻防戦は見応えあり。この時期に量産された戦争娯楽映画の1本だけど、3時間近い長尺がストーリーの面白さ、役者の多彩さ、そして見せ場の多さで非常に短く感じられた。

 しかしこのストーリー、気合いの入ったロバート・ショウ率いるドイツ戦車部隊ばかりが印象に残って、米軍は何をやってたんだろうって気にさせられます。頑張ってるのはヘンリー・フォンダの偵察兵のみ。あとはチャールズ・ブロンソンやテリー・サヴァラスが気を吐いているぐらいか。それでも米軍が勝てたのは最後のヘンリー・フォンダの機転のせいって感じで、最初から最後まで独軍の手のひらの上でころころと頃がされていたかのような部分が目につく。史実もそうだったのかな。

ケン・アナキン監督。1965年アメリカ映画。

2009年1月30日 (金)

スクリーム3 (2000)

スクリーム3 かつての連続殺人事件をテーマにした映画「ネーヴ3」がクランクインする。事件のモデルとなったシドニー(ネーヴ・キャンベル)は心に傷を負って山奥に隠れ住んでいる。ところが撮影現場をめぐり再び殺人事件が起こり…

 いよいよ完結編、すべての謎が明かされる…ってわけで本来ならばすっきり映画のはずなんだけど… なんと、3だけ間隔をあけすぎたせいか、以前のストーリーを覚えていない(絶句)。まぁ映画の性格上、こういう場合は再度1からDVDで見直せばいいわけなんだけど、そこまでするほどの映画でもない…なんて書いたらファンに怒られるかな。

 主要な人物は覚えていたので、ネーヴ・キャンベルをはじめデヴィッド・アークエットやコートニー・コックス・アークエット(なんと名字が一緒になってるのは、結婚したらしい)あたりの掛け合いはそれなりに楽しめたんだけど、今回は映画ファンにひっかけたようなギャグもちょっとから回り気味でちょっと辛かったかな。

 ハリウッドに舞台を移してパワーアップってことも話題だったようだけど、家を1軒ふっとばすだけというスペクタクルシーンのチープさ加減も何とも言えないぞ。

 余談だけど、キャリー・フィッシャーがチョイ役で出てます。本人に劇中で自己申告されないとわからなかったけど。

ウェス・クレイヴン監督。2000年アメリカ映画。

2009年1月29日 (木)

沈黙のステルス (2007)

沈黙のステルス レーダーに映らないどころか、透明になるという新型ステルスがデモ飛行中に消息を絶つ。その飛び先がアフガニスタンのテロリストのアジトだということで、最強パイロットのジョン・サンズ(スティーヴン・セガール)が奪還作戦に乗り出すのだったが…

 世界滅亡をはかるテロリスト、精鋭パイロットとその教え子の対決といういかにもハリウッド超大作になりそうなプロットなんだけど…このチープさは一体何なんだろう? 最新鋭の透明ステルスのパイロットが透明になって逃げ出したのを予測もできずに、止めるすべも考えてなかった米軍のマヌ?さ加減、強奪されてからの緊迫感のなさ(個人の責任でおさめておく範囲か!?)、出撃するセガールのやる気のなさとかいろいろ原因はあるのではあろう。

 肝心のアクションシーンも、ミサイルが発射されて次は爆発シーンだったり(中間がない)、同様につなぎが悪くて何が行われているのかわからなかったりと散々であった。こりゃスペシャルドラマの方が頑張ってるんじゃないかと思えてくる。頑張れセガール!?

ミヒャエル・ケウシュ監督。2007年イギリス=アメリカ=ルーマニア合作。

2009年1月26日 (月)

真珠の耳飾りの少女 (2003)

真珠の耳飾りの少女 17世紀のオランダ。家計をささえるために、少女グリード(スカーレット・ヨハンソン)は画家フェルメール(コリン・ファース)の家へ住み込みの女中奉公へ行く。騒々しい家ではあったが、アトリエを掃除していた彼女はフェルメールの目に入り、やがて絵のモデルとなるのだったが…

 トレーシー・シュヴァリエの原作を映画化。まったく予備知識なくスカーレット・ヨハンソン目当てに見たのだったが、途中から絵がテーマであることに気づき、そして後半近くにそれが有名な「青いターバンの少女」であることに気づきびっくり。絵の少女とヨハンソンはそんなに似ているわけではないのだが、彼女の透き通るような白い肌と真珠の対比は印象に残る。そして映画の絵作りはまさに17世紀のヨーロッパの雰囲気である。

 あとで調べて知ったのだが、この作品が撮られたのは「ロスト・イン・トランスレーション」と同じく2003年。正にヨハンソンの飛躍の年であったわけですね。彼女の輝きが文字通りスクリーンに焼き付けられている印象。ただし映画自体は、名画の秘話ということで興味の尽きない物語なんだけど、思ったよりも淡泊で尻切れトンボな感じがしました。結局、画家と少女のプラトニックな関係は何だったんだろう。果たせぬ思いが肉屋の若者にぶつけられたってこと? それなら彼はちょっとかわいそうなんだけど…

ピーター・ウェーバー監督。2003年イギリス=ルクセンブルク合作。

2009年1月23日 (金)

グッド・シェパード (2006)

グッド・シェパード 1961年、アメリカ軍のビッグス湾侵攻作戦は失敗に終わる。内通者がいると知ったCIAの指揮官エドワード(マット・デイモン)は匿名で送られて来たテープとフィルムを分析に回すのだったが、そこに記録されていたものは…

 キューバ危機時代のアメリカで起こった情報漏れ事件と、第2次世界大戦の前後のエドワードがCIAに入るエピソードを交互に綴ったドラマ。エドワードと妻クローバー(アンジェリーナ・ジョリー)の出会い、サリヴァン将軍(ロバート・デ・ニーロ)からのCIAの前身であるOSSへのスカウト、そして開戦と淡々と続くのだが、交互に描かれるドラマが徐々につながっていくパズルのような構成はなかなか見応えがある。

 家族をほったらかして、情報戦に没頭するエドワードなんだけど…結局行き着く先は家族との葛藤と、究極の選択。結局のところ家族の前では仏頂面でほったらかしだったエドワードにとって、家族とは単にできちゃっただけの存在だったわけで、同乗の余地なし、なんて感想を持ってしまった。どちらかというと、息子の方が可愛そう。ラスト近く父親と抱き合って何を思ったんだろう?

ロバート・デ・ニーロ監督。2006年アメリカ映画。

2009年1月16日 (金)

逢びき (1945)

逢びき 子供のいる女性(シリア・ジョンスン)と、こちらも妻子のある医者(トレヴァー・ハワード)との不倫物語。ラフマニノフのコンチェルトがいい雰囲気を作っている。何よりも、女性の夫の愛情の懐の深さに感動しました。

 暗いイメージのつきまどう不倫を、無邪気な子供っぽい中年の二人という取り合せで見せてくれる。とりわけ彼女の夫が秀逸で、妻のこの恋物語までも包み込んでしまうラストは感動させられた。このシーンで、夫は「旅に出ていたんだね。でもよく帰って来てくれた」というセリフがあるけど、この女性にとってはこの短い逢いびきが「旅情」のベニスであり「戦場にかける橋」のビルマ奥地であり「アラビアのロレンス」の砂漠だったのかなあって、妙な事を思い込んでしまった。

 やっぱデビッド・リーンって監督は、こんなちっぽけな物語さえも酔わせてくれます。

デヴィッド・リーン監督。1945年イギリス映画。

2009年1月15日 (木)

デッドゾーン (1983)

デッドゾーン 交通事故で予知能力を持ってしまった男(クリストファー・ウォーケン)の悲劇を描く。事故で5年間昏睡している間に恋人(ブルック・アダムス)は別の男と結婚。傷心の男はその地を離れるのだが自分に予知能力があるのに気付く。そして恐ろしい未来を知るのだが。

 とにかく凄いの一言! 超能力を持ってしまった者がいかに社会からはみ出して行くかも説得力があるし、それにも増して主人公とヒロインの運命に押し流されて行くラブロマンスが悲しい。逆境に立ち上がる主人公の行動も凄いし。ラストを見て、ここまで人間がヒューマンになれるはずが無いと言う人もあるかもしれないけど、「誰もわかってくれなくてもいい」と言い切る彼に惜しみない拍手を送りたい気分にさせられました。

デヴィッド・クローネンバーグ監督。1983年アメリカ=カナダ合作。

2009年1月14日 (水)

ラ・パロマ (1974)

ラ・パロマ 富豪の息子イジドール(ペーター・カーン)が、余命いくばくとないキャバレーの歌姫ラ・パロマ(イングリット・カーフェン)に恋をする。彼女は彼を愛してないのだが二人は結婚。ところがイジドールの友人である美青年ラウル(ペーター・カテル)と歌姫は恋に落ちてしまう。ショッキングな映像美とショッキングなラストは見応えあり。

 美しいを通り越して不気味の領域まで入り込んだ世界。登場人物たちもみんな異常。尋常ではありません。でも毒が強いだけに、波長が合うと癖になりそうな不思議な味を持った作品。20年ぐらい前にも見たことがあるのだが、「退廃的」という言葉を初めて意識した映画だったかも。

ダニエル・シュミット監督。1974年スイス=フランス合作。

2009年1月13日 (火)

アニー (1982)

アニー 虐待的な孤児院に入れられたおてんばアニー(アイリーン・クイン)が、大金持ちの家へ招待されることになる。金の亡者だったそこの主人(アルバート・フィニー)の心はほぐれるのだが、孤児院の院長(キャロル・バーネット)たちの陰謀にあい… ファミリー向けミュージカル作品。

 孤児院の女院長がとにかくオバタリアン顔負けの熱演ですごかった。アニーちゃんが可愛かった。ラストは手に汗握った。感想はこんなとこかな。しかしアメリカ人の金持の浪費癖ってのは筋金入りだなあとも思いました。アニーちゃんには、やっぱ普通の家で普通の優しい両親に囲まれてハッピーエンドであってほしかったです。

ジョン・ヒューストン監督。1982年アメリカ映画。

2009年1月11日 (日)

眺めのいい部屋 (1986)

眺めのいい部屋 イギリスの厳格な家の娘ルーシー(ヘレナ・ボナム・カーター)がイタリアのフィレンツェに旅行へ。そこで知り合った青年ジョージ(ジュリアン・サンズ)と恋に落ちかけるのだが。美しい画面を背景に、保守的なイギリスと開放的なイタリアを対象的に描いたラブストーリー。

 しかしこんな映画を見てると、イギリスの名門の家庭ってのはいったい何を楽しみに生きているんだろうなあって気にさせられます。

 すっかりティム・バートン・ワールドの住人になってしまったヘレナ・ボナム・カーターが、文芸映画の主人公しているのが今となっては新鮮かもしれません。

ジェームズ・アイヴォリー監督。1986年イギリス映画。

2009年1月 9日 (金)

コブラ (1986)

コブラ 1匹狼の刑事、通称コブラをシルベスタ・スタローンが演じるヒーロー・アクション。連続殺人鬼集団の犯行を目撃したがために、追われる羽目になった女性(ブリジット・ニールセン)を守るスタローンの大活躍。

 ちょっとこれ、かっこいいを通り越していやらしい領域まで入ってるんじゃないですか? それに、ここまでコブラの八方破りをファッション的に見せてくれるのなら、サングラスは最後まで取らない方がよかったのではないでしょうか。なんたって、スタローンの目はたれ目ですから。

ジョージ・P・コスマトス監督。1986年アメリカ映画。

2009年1月 7日 (水)

パーフェクト・ストレンジャー (2007)

パーフェクト・ストレンジャー 新聞記者のロウィーナ(ハル・ベリー)の幼なじみのグレース()が失踪、死体で発見される。彼女がつきあっていたという広告代理店社長のハリソン・ヒル(ブルース・ウィリス)が怪しいとにらんだ彼女は、友人のハッカー・マイルズ(ジョヴァンニ・リビシ)と共に彼を調査するのだったが…

 「ラスト7分11秒まで、真犯人は絶対わからない…」なんてコピーが付いているおかげで、あらゆる登場人物が犯人である可能性を頭の中に思い描いて映画を見てしまった。そうしたら、思考回路が消去法になっていって、実際に真犯人がわかっても全然驚かなかったしすべて想定内という感じでぜ?んぜん面白くなかったぞ。こりゃコピーを考えた人の責任だと思う。何の予備知識もなく見たらそれなりに楽しめたと思うのだが。

 とはいっても、雰囲気はなかなか極上。何と言っても主役のハル・ベリーに華があるし、遊び人のおやじを楽しそうに演じるブルース・ウィリスもいい味を出している。凄腕のハッカーを演じたジョヴァンニ・リビシは消去法で最後まで残ったあたりは熱演賞ものかな。

ジェームズ・フォーリー監督。2007年アメリカ映画。

2009年1月 3日 (土)

アドレナリン (2006)

アドレナリン プロの殺し屋のチェリオス(ジェイソン・ステイサム)は、気を失っている間に宿敵リッキー(ホセ・パブロ・カンティージョ)から新型の中国製毒薬を盛られたことを知る。アドレナリンを出し続けないと死んでしまうチェリオスは、恋人のイヴ(エイミー・スマート)を含めた周囲を巻き込みながら解毒剤を追うのだったが…

 ノリ的には「スピード」あたりに似ていて、アドレナリンを出し続けないと死んでしまう主人公は手段を選ばず疾走。その様子を、テレビゲームやGoogleの画面などをあしらいながらゲーム感覚で見せてくれる映画。とはいってもさすがに1時間半もアドレナリンを出し続けるのは大変のようで、いささか中だるみのシーンがあったことは否定できない。もっと究極まで走ってくれても良かったんじゃないかな。

 ジェイソン・ステイサムって、本当に真面目な顔をしてバカをやるのが似合っているのがさすが。ちょっとくたびれた感じのエイミー・スマートも良かった。

マーク・ネヴェルダイン、ブライアン・テイラー共同監督。2006年アメリカ=イギリス合作。

2008年12月30日 (火)

ベビーシッター・アドベンチャー (1987)

ベビーシッター・アドベンチャー 恋人(ブラッドレー・ホワイトフォード)にデートをすっぽかされた17才の女の子(エリザベス・シュー)が、仕方がないからと引き受けたベビーシッターのバイト。しかし彼女の友人(ペネロープ・アン・ミラー)が家出したとの電話を受けて、ほっておけずに悪ガキ3人(キース・クーガン、マイア・ブリュートン、アンソニー・ラップ)を連れて車を出したクリスだったが・・・

 レッカー車のいかつい修理工にはじまり、車泥棒の一団やら黒人バンドたちやらにからまれての少年少女の一夜のアドベンチャー。わりとこじんまりとまとまったTVサイズの青春コメディ。怖いの大好きの小さな女の子がなかなか笑いを誘ってくれる。

クリス・コロンバス監督。1987年アメリカ映画。

2008年12月28日 (日)

悪名桜 (1966)

悪名桜 大阪でやきとり屋を営む元やくざの朝吉(勝新太郎)と、その子分清次(田宮二郎)が活躍する悪名シリーズの第12作。対立する暴力団と、その間に挟まれて潰されていくひとりの若者をメインに描く。

 どっしりと座った朝吉とぴょんぴょん飛びまわる清次の関係がとてもホットで、キャラの魅力抜群だなと見ていて感心することしきりだったんだけど、何だか朝吉の押掛け女房役の市原悦子さんが浮いている感じでがっかり。

 TVの時代劇なんかと同じ展開なので、このシリーズも何本も見ているとマンネリ化するんでしょうが、あまり知らない私はたっぷり楽しむことができました。

田中徳三監督。1966年日本映画。

2008年12月27日 (土)

足ながおじさん (1955)

足ながおじさん 富豪の3代目のベンドルトン(フレッド・アステア)は、仕事を秘書にまかせて自由気ままにやっているが、フランスの孤児院でみつけた少女(レスリー・キャロン)に一目惚れ。彼女をアメリカの大学へ匿名で入れてやる。有名な童話を、音楽を交えて楽しく描く。

 汗も涙も知らない富豪が、またまたその上に幸せを手に入れるなんてなんてアメリカ的なおおらかさなんだと思ってしまいました。まあ、この作品は少女の目で見るのが正しいんでしょうけど。

 しかし、数々のダンスシーンは理屈抜きに楽しめます。余談だけど、レスリー・キャロンとナスターシャ・キンスキーっておんなじ体形やなあ!?

ジーン・ネグレスコ監督。1955年アメリカ映画。

2008年12月26日 (金)

ザ・コップ (1987)

ザ・コップ ある女性の惨殺事件から、ジェームズ・ウッズ演じる刑事は過去の美女殺人事件を関連づけて連続殺人だと主張する。しかし孤立したウッズは、署内からもはじかれて単独捜査に。刑事ものの定石で特に目新しさはなかった。

 この映画で私は発見した。ジェームズ・ウッズには眉毛がない!! というのは置いといて、事件にひかれてのめりこんで行くウッズ君の姿に、そして時々美女をつまみ喰いする姿に、そしてラストで頭に血が昇ってああなってしまうところにも、ウッズくんにぴったりの役だなあと思わされたのでした。

ジェームズ・B・ハリス監督。1987年アメリカ映画。

2008年12月25日 (木)

ノーライフキング (1989)

ノーライフキング ファミコンソフト、「ライフキングの伝説」に呪いがかかっているという噂が流れる。根拠のない噂に翻弄される現代の子供たちの周辺を描いた作品。しかし、描こうとしたものがピント外れに思えてならない。

 週刊誌などによると、今の子供は噂によるものすごい伝達能力を持つという。そんな子供たちの風俗を描いた作品。しかし情報能力はあっても思考は相変らず幼稚で、「ライフキング」を解かないと死んでしまうなんて噂を信じてしまう始末。

 しかし、映画のラスト20分の締めくくり方はどうにもしっくりこなかった。子供ってああいった形での感性は持ち合せてないような気がするんだけど。それに「リアル」って言葉が後半のキーワードになっているけど、現代の子供にとってはファミコンや情報機器を含めた全てが「リアル」なんじゃないかなあ? 大人の目から見て理解できないものをリアルでないなんて考え方はおかしいなんて思いました。

 とは言っても納得した部分もいくつか。主人公の男の子が「ライフキング」を解かないと死ぬことになって(どうして死ぬかって疑問を持たないのが子供ならでは)、思い悩むシーンはとても説得力がありました。その悩みから脱却するってことが「リアル」だってことだったのでしょうか?

市川準監督。1989年日本映画。

2008年12月23日 (火)

バットマン (1989)

バットマン アメコミのヒーロー、バットマン(マイケル・キートン)がスクリーンデビュー。悪役のジョーカー(ジャック・ニコルソン)とデッドヒートを繰り広げる。アクションはともかく舞台のブレードランナーを思わせるゴッダム・シティーは雰囲気たっぷり。

 とにかくゴージャスな作品です。なんたって、この物語のために架空の街をひとつ作ってしまったわけですから。特に、あちこちの建物の室内装飾などは一見の価値があります。

 物語は、昔からあるヒーローものの定石そのもの。ラストの高所恐怖症の人はダメなシーンを除いて、安心して見ていられます。一部、バットマンは面白くないなんて噂が乱れ飛びましたが、私は結構楽しめましたけど。どうしてもだめな人は、画面が渋目に(暗めに)設定されているのとちょっと感傷的な部分が多いせいでしょうか。

 作品ごとに、貫禄というよりも怖さを増していくジャック・ニコルソンが不気味な一編でした。

ティム・バートン監督。1989年アメリカ映画。

2008年12月22日 (月)

ボルベール 帰郷 (2006)

ボルベール 帰郷 失業中の夫パコ(アントニオ・デ・ラ・トレ)と娘パウラ(ヨアンナ・コボ)を養うライムンダ(ペネロペ・クルス)だったが、夫はなんとパウラに関係を迫りパウラはなんと父を刺し殺してしまう。死体の処理に困って冷凍庫にほうりこんだライムンダだったが、今度は故郷のラ・マンチャから叔母(チョス・ランブリアベ)の訃報が届き…

 久しぶりのアルモドバル監督作品だけど、昔ほどのけばけばしさやてんこ盛りの毒は薄まって枯れてきたような印象。しかし本来は本筋になりそうな義父の刺殺事件はほったらかしにして、ライムンダと死んだはずの母イレーネ(カルメン・マウラ)の幽霊や、飲食店にまつわるエピソードがずんずん進んでいくあたりはただならぬ語り口を感じてしまう。で、結局埋められたパコは発見されずにめでたし、めでたしなのか? いや、それなら同居をはじめた母の方がやばやばでは? なんてひっかかる部分が山積み。

 実はスペイン映画に出ているペネロペ・クルスを初めて見たんだけど、確かにこの世界の方が生き生きとしていて、パワフルなラテンのお母さんがお似合いです。やっぱスペイン映画と極彩色の生と死は、切っても切れない関係のようです。

ペドロ・アルモドバル監督。2006年スペイン映画。

2008年12月19日 (金)

エル・シド (1961)

エル・シド 11世紀のスペインで宗教の壁を越えてスペインの軍隊を統一し、アフリカからの侵略を防いだ闘将エル・シド(チャールトン・ヘストン)の半生を描いたスペクタクル大作。とにかく画面に並ぶ人物の多さには圧倒される。

 考えたらアメリカのヘストンとイタリアのソフィア・ローレンが英語でスペインの史劇を演じるのは面白い取り合せだな、なんて思ったのですが…

 ドラマは「ベン・ハー」や「十戒」あたりを期待したのでいまいちでしたが、相変らずのハリウッド全盛期の物量映画には圧倒されっぱなしでした。美しいスペインの城や自然をバックに、登場する兵士の数の多いこと多い事。

アンソニー・マン監督。1961年アメリカ映画。

2008年12月18日 (木)

キングコング対ゴジラ (1962)

キングコング対ゴジラ 北極海での冬眠から覚めたゴジラと、南方の島からいかだで連れ来られたキングコングがともに日本に上陸する怪獣バトル映画。この頃のゴジラはまだまだ狂暴で、自衛隊との闘いも面白い。熱海城も出ます。

 アンギラスの登場した第2作に続くゴジラの出演第3作です。アメリカの怪獣スターであるキングコングの登場ということで、あちらの作品も随所にぱくってあって笑えます。たとえば走って来る列車をコングが体当りで止めて屋根を引き剥がすシーン。美女を右手につかんで、この映画ではなんと形が似ているからか国会議事堂によじ登ったりと。

 この作品を見ながら、私は元気だった頃の香港映画を思い出してしまいました。外国の作品は徹底的にぱくり、面白いとおもった映像は真似をして、おまけに登場人物の頭の構造はちょっと低めに設定してある。まるで一時期ブームを巻き起こした香港映画とまったく同じ姿勢で創られた作品なわけです。

 そしてちょっぴり文明批判をして、作品は終わります。キングコングは本当に泳げるんだろうかという不安を残して。

本多猪四郎監督。1962年日本映画。

2008年12月15日 (月)

鉄路の闘い (1945)

鉄路の斗い クレマン監督の長編処女作。第2次大戦のドイツ占領下のフランスで、レジスタンスとしてノルマンジー上陸作戦の後方支援をした鉄道員たちをセミ・ドキュメンタリータッチで描く。

 主役らしい主役はいないのですが、こまぎれのストーリーがそれぞれ面白く熱中して見入ってしまいました。前半はドイツに占領された鉄道員たちがどうやって連絡を取りながら軍事物資の輸送を送らせたかが。後半は、ノルマンジー上陸作戦を知った鉄道員たちが、戦車や大砲の鉄道輸送をいかにして妨害するかが描かれます。特に戦車を満載した列車が脱線転覆するシーンは、手に汗握るスペクタクルになっています。

 なんといっても、役者でなく実際に現場を体験した人達が演じているというのが重い作品です。

ルネ・クレマン監督。1945年フランス映画。

2008年12月14日 (日)

ヘンリー&ジューン 私の愛した男と女 (1990)

ヘンリー&ジューン 私が愛した男と女 30年代のパリ。銀行家ヒューゴ(リチャード・E・グラント)の妻アナイス・ニン(マリア・デ・メディロス)はロレンスなどのエロティックな文学に傾倒し、日記を書き続けている。ある日出会った無名時代の作家ヘンリー・ミラー(フレッド・ウォード)とその妻で映画女優のジューン(ユマ・サーマン)にただならぬ魅力を感じ、やがて深く付き合うようになるのだったが…

 マリア・デ・メディロスの演じるアナイス・ニンや、ユマ・サーマン演じるジューンなど確かに魅力的なんだけど、もやもやっとしたストーリーは正直よくわからない部分が多い。結局あとからネットでアナイス・ニンやヘンリー・ミラーに関して調べる羽目に。まぁ彼らに興味を持つきっかけとなった映画ってことでは良かったのかも。

 ただの中年おやじにしか見えないヘンリー・ミラーの魅力を瞬時に見抜くあたりにアナイス・ニンの鋭さってものがあったのかも。可愛い顔をしてるけど、彼女の日記に書かれたら、丸裸にされてしまいそうな恐ろしさを感じます。

フィリップ・カウフマン監督。1990年アメリカ映画。

2008年12月 9日 (火)

マザー・テレサ (2003)

マザー・テレサ インドのカルカッタで女子校の先生をしていたマザー・テレサ(オリヴィア・ハッセー)だったが、貧民街で貧しい人々のために何かしたいと思い立って修道院を出る。従来の組織の限界を感じて「神の愛の宣教者会」を設立しようとするのだったが…

 あのマザー・テレサを「ロミオとジュリエット」のオリビア・ハッセーが演じる伝記映画。見事に枯れた感じのあるオリビアは好演で、存在感抜群。収賄事件に巻き込まれてもまったく動ぜず、「神の思し召し」と言って切り抜けてしまうあたりは爽快感がある。ただし映画自体は彼女の一生をさらりと描いたという感じで、イマイチ踏み込んだものが感じられなかったのは自分が「神の愛」をはじめとするキリスト教的なものを理解していないところもあるんでしょう。

 実はこの映画を見る直前に、息子の国語の教科書で「マザー・テレサ」を読んだ(朗読を聞かされた)ところだったんだけど、教科書の方が彼女のエピソードに詳しく、映画が何となく舌足らずになっているところが面白かった。映画ってのはやっぱりビジュアルで見せる、感じさせるものだってことなのかもしれません。

ファブリツィオ・コスタ監督。2003年イタリア=イギリス合作。

2008年12月 8日 (月)

親密すぎるうちあけ話 (2004)

親密すぎるうちあけ話 ビルの一室に事務所を構える税理士のウィリアム(ファブリス・ルキーニ)のところへ、美しい人妻アンナ(サンドリーヌ・ボネール)が訪ねてくる。実は同じ階の精神科医(ミシェル・デュショーソワ)の部屋と間違えたのだが、勘違いのままアンナは夫との生活を話し始める…

 久しぶりに見るパトリス・ルコント監督の最新作。以前見た「髪結いの亭主」「仕立て屋の恋」もそうだったけど、本当にいかにもフランスの恋愛映画といった作りの作品群は見ていて懐かしささえ覚えるし、典型的フランス映画が見たいと思ったら手にしてみるのがおすすめ。

 内容は夫とうまくいっていない人妻が、精神科医と間違えて税理士を訪ねてしまう。ところが本家の精神科医よりもこっちの方が居心地がいいし、税理士も興味を持って話を聞き入ってしまう…というもの。本当はこういう関係が夫婦間で持てればベストなんだろうけど、なかなかそうも言っておられない。また税理士は税理士で一歩踏み込めば関係が壊れそうで、結局立ち位置を変えることができないんですよね。

 人妻アンナを演じるサンドリーヌ・ボネールはバレエ姿が美しくて印象に残ります。対するファブリス・ルキーニは演技としては固まってるだけ…って気がするんだけど、それも妙に味がある。

 こういう微妙な関係ものってのはやっぱハリウッドでも日本映画でもなくて、フランス映画だなって思わせてくれます。長いすから消えた二人は、どこへ行ってしまったんでしょう?

パトリス・ルコント監督。2004年フランス映画。

2008年12月 5日 (金)

幸せのルールはママが教えてくれた (2007)

幸せのルールはママが教えてくれた 問題ばかり起こす17歳のレーチェル(リンジー・ローハン)は、母リリー(フェリシティ・ハフマン)に連れられて実家の祖母ジョージア(ジェーン・フォンダ)の世話になることに。嫌々ながらも獣医(ダーモット・マローニー)のところで働くことになったレーチェルだったが…

 母娘3代のホームドラマ。とはいってもアメリカ製らしく、男運が悪い3人は派手にぶつかりあいながらも結束が強い強い。おまけにラストでははからずもほろりとさせられる、強引ながらも良質の人情ドラマになっている。

 何よりも祖母ジョージアが暮らす田舎がいい。見るからにど田舎ってのではなくて、住んでいる人間が良い意味で田舎。都会が好きな人が「ダサい」「うざい」と考えそうな人間関係の田舎なんだけど、それがラストではじわ?っときいてくる。何よりもトラックに乗ってる登場人物の組み合わせがいい。

 女子高生のカリスマ的な立ち位置を感じさせるリンジー・ローハンは今回も色気いっぱいの不良娘役で頑張ってる。以前に「バーバー」でスカーレット・ヨハンソンが同じような役をやってたけど、あっちがまじめそうに見えて…に対してリンジーはいかにもって感じがしたのが面白かった。ジェーン・フォンダは久しぶりに見たけど、おばあちゃん役ができる歳になったんですねぇ。

ゲイリー・マーシャル監督。2007年アメリカ映画。

2008年12月 4日 (木)

ベイブ 都会へ行く (1998)

ベイブ 都会へ行く 前作で牧羊犬コンテストで優勝して時の人(ブタ?)となったベイブ(声:ダニー・マン)だったが、牧場の借金は増えるばかり。ホゲット叔父さん(ジェームズ・クロムウェル)が井戸で怪我をしたのをきっかけに、エズメ叔母さん(マグダ・ズバンスキー)と共にテレビに出て稼ぐために都会へと旅立つベイブだったが…

 あのスマッシュヒット映画「ベイブ」の続編。今回は借金で傾いた牧場を救うためにベイブが出稼ぎをする話なのだが、途中で足止めをくった二人は動物ホテルに泊まっるのだが、話はまっすぐ進まない。映画はこのホテルでのエピソードを中心に描かれるのだが、ストーリーの焦点が定まらないだけに、前作ほどの爽快感がないのが辛いところ。

 しかしベイブの人の良さってのは健在で、あの川に落ちた番犬を助けるシーンにはジーンときてしまいました。箱庭のような魔都として描かれれている大都会とか、ブラックな味付けとか、オーストラリア映画はやっぱりひと味違うって思ってたんだけど、あのシーンですべて帳消しになってしまいました。

 とどのつまり、田舎が一番ってこと? 確かに動物たちにとってはそうかもしれません。

ジョージ・ミラー監督。1998年オーストラリア映画。

2008年12月 2日 (火)

キングダム 見えざる敵 (2007)

キングダム 見えざる敵 サウジアラビアの外国人居住区で爆破テロがあり、300人以上の死者が出る。フルーリー(ジェイミー・フォックス)、ジャネット(ジェニファー・ガーナー)ら5人のFBI捜査官は、周囲の反対を押して現地で捜査をはじめるのだが…

 中東情勢・アルカイダ・自爆テロといった難しいテーマを、かみくだいて説明しようというのがタイトルで感じられたのだが…やっぱりややこしい。DVDだったら3回ぐらい巻き戻して見ないと理解できないかもしれない。とはいっても映画のストーリー自体は比較的シンプルなテロ捜査もので、国家間の反対を押して現地入りしたFBI捜査官たちはお約束のようにテロの嵐に見舞われるのである。

 しかし後半、なぜか雨あられと降ってくる自動小銃の銃弾やロケット弾をもろともせず、かすり傷を負ったのみで事件は無事収束に向かう。う?ん、不死身のヒーロー映画とは本質的に違うはずなんだけど。そのテロリストの巣窟での決戦も、妙な爽快感があるのはいかがなもんだろう。

 結局のところ、憎しみの連鎖を否定したいのかもしれないけど、これを見ている限り映画を見てさらなる憎悪とやっつける爽快感を感じる人の方が多いんじゃないかと思ってしまいます。見えざる敵って結局、映画の観客のことかもしれない。

ピーター・バーグ監督。2007年アメリカ映画。

2008年12月 1日 (月)

ザ・スナイパー (2006)

ザ・スナイパー 元軍人の工作員カーデン(モーガン・フリーマン)は暗殺任務の遂行中に事故にあい、警察に捕まってしまう。護送中に仲間の機転で脱出しようとするが、これまた車ごと川に転落。彼を救ったのはハイキングに来ていたレイ(ジョン・キューザック)とクリス(ジェイミー・アンダーソン)父子だった。元警官のレイはカーデンを連行しようとするが、逆に彼の仲間に追われる羽目になる。

 森を舞台にした山狩りアクション映画(笑)で、タイトルにある狙撃のシーンはほんのわずかである。実は良い人のイメージが強いモーガン・フリーマンだけに、殺し屋なんて似合わない。巻き込まれてしまった父子を葛藤しながらも助けて大活躍である。彼の登場で、意外と安心して見ることができる映画になってしまった。

 たよりなさげに見えるレイが中盤から大活躍するんだけど…この彼が元警官で体育教師って設定は、ひょっとして後からとってつけたんじゃないかと思ってしまった。まあそうでないと自動小銃の扱いからナイフを持った男の扱いまで知ってるわけないんだけどね。

ブルース・ベレスフォード監督。2006年アメリカ映画。

2008年11月30日 (日)

サマータイムマシン・ブルース (2005)

サマータイムマシン・ブルース 田舎のとある大学のSF研究会のメンバー5人(瑛太、与座嘉秋、川岡大次郎、ムロツヨシ、永野宗典)は、何をするとはなく野球をやって夏休みを過ごし、それを撮影している写真部の女性二人(上野樹里、真木よう子)。ところが突然彼らの前にタイムマシンらしき物体が現れ、その効果を試すために彼らは昨日壊れたエアコンのリモコンを壊れる前に回収しにいこうということになるのだが…

 本編と関係ない台詞だらけで、非常にタルいすべり出し。いわゆるただ集うだけの文化系の部活の無駄話をえんえんと聞かされるだけの映画かと思いきや、タイムマシンが登場してからお話が混沌としてがぜん面白くなってくる。要するにタイムパラドックスものだったわけね。そうなると前のシーンにタイムトラベルのシーンがかぶっているんじゃないかとか、再見して確認したくなってしまいます。面白い作りです。

 こういった物語はルール(タイムトラベルの制限)がひとつのポイントになるわけだけど、1日単位でしか行ったり来たりできないという部分と、最大99年までという制限が秀逸ですね。しかも99年前のこの町は沼だったので、行ってしまうと沈没する(笑)ってのも面白い。

 一番面白いのは、こんなものすごいマシンを目の前にしながらも、クーラーのリモコンを取りに行くことぐらいしか思いつかない彼らのバカさ加減。私なら、未来へ行って超ハイテクエアコンを1台調達してくるに違いない(むむ、こちらもセコいか)。待てよ、そんなことすると、タイムパラドックスにはまりこんで世界が消滅してしまうかもしれないかな。

本広克行監督。2005年日本映画。

2008年11月28日 (金)

ガーフィールド2 (2006)

ガーフィールド2 太っちょ猫のガーフィールド(声:ビル・マーレー)の飼い主のジョン(ブレッキン・メイヤー)はガールフレンドのリズ(ジェニファー・ラヴ・ヒューイット)にプロポーズしようとするがことごとくタイミングを逃し、出張の彼女を追ってイギリスへ行く羽目になる。ところがイギリスのある古城ではプリンスと呼ばれる猫が遺産を相続し、よりによってガーフィールドがこの猫と間違われてしまう…

 本来はアニメキャラのガーフィールドをCGで描いて実写と合成したシリーズの第2作。他愛もない話…といえばそうなんだけど、なぜかディズニーの「101」や「102」よりは面白いのはなぜだろう。ベタなギャグが意外に面白いのと、ガーフィールドをはじめとするキャラが立っているところもあるんだろうと思う。

 古城に住む動物たちが、「ベイブ」よろしく大活躍するのもほほえましい。ご家族でも、安心して楽しめる映画です。

ティム・ヒル監督。2006年アメリカ映画。

2008年11月27日 (木)

エネミー・ライン2 北朝鮮への潜入 (2006)

エネミーライン2 アメリカの軍事衛星が、北朝鮮のミサイル基地に配備された核弾頭らしきものをキャッチする。大統領(ピーター・コヨーテ)は秘密裏にその壊滅作戦を指示するのだが、4人の降下部隊(ニコラス・ゴンザレス他)を現地に残して作戦は失敗。激戦の末二人が死亡、二人が捕虜になる…

 あのミリタリー・アクション映画「エネミー・ライン」の続編…らしいんだけど、敵地(Behind Enemy Lines)に潜入しての物語だという以外はあまり共通点はない。劇場未公開だったことが納得できるような内容かな。

 とはいってもストーリーはなかなかタイムリーで、北朝鮮が部隊で沖縄からも米軍の爆撃機が飛び立つなど他人事ではない内容。将軍様はどんな気持ちでこの映画を見てるんだろうか。大風呂敷を広げた割には、拷問からの脱出劇も、ミサイル基地への潜入も妙にあっさりしていて、あれよあれよという間に物語は終わってしまった。昔テレビの洋画劇場でよくやっていた、戦争アクション映画の雰囲気にそっくりだった。懐かしいぞ。

ジェームズ・ドッドソン監督。2006年アメリカ映画。

2008年11月26日 (水)

ヒッチャー (2007)

ヒッチャー 長距離ドライブに出かけた大学生のグレース(ソフィア・ブッシュ)とジム(ザカリー・ナイトン)は、豪雨の中でハイウエイに立つ男をひきかける。ただならぬものを感じたジムは男をハイウェイに置き去りにしたのだが、次のドライブインでその男ジョン・ライダー(ショーン・ビーン)に遭遇し乗せてやることになる…

 カルト的人気を持つというサスペンススリラーのリメイク。前作のルトガー・ハウアー版は見てないので何とも言えないが、映画としては適度にはらはらさせられて適度に派手でサスペンス映画としてもアクション映画としても楽しめる内容。最初は普通のコワモテのヒッチハイカーだったのが途中から豹変、最後はターミネーターばりに警察署まで壊滅させてしまうという、いかにもマイケル・ベイがプロデュースしましたって映画になってるけど、前半の緊迫感と後半の緊迫感はあきらかに別物。まぁ好意的に取れば一粒で2度おいしいってことになるんでしょうけど。

 ヒロインのソフィア・ブッシュが、ふつーっぽいんだけど何とも魅力的で印象に残る。逆にボーイフレンドのザカリー・ナイトンがぱっとしないのは、計算の上でのキャスティングでしょう。それにしてもショーン・ビーン、切れた役がはまってて前半はとってもコワかったです。

デイヴ・マイヤーズ監督。2007年アメリカ映画。

2008年11月25日 (火)

ウィッカーマン (2006)

ウィッカーマン 警官のメイラス(ニコラス・ケイジ)のところへ、元婚約者で疾走したウィロー(ケイト・ビーハン)から娘が行方不明になったので助けて欲しいとの手紙が届く。彼女の住むサマーズアイル島へ向かうメイラスだったが、そこは奇妙な共同生活を営む人たちが住む、絶海の孤島だった…

 イギリスのカルト映画「ウィッカーマン」のリメイク…だそうだが、こちらは見たことないので思い入れなし。いわゆるカルト教団系の物語で、ものすごくストレートでひねりがないのがポイントかも。最後まで見て、あまりのひねりのなさにかえってショックを受けてしまった。まぁこういった役柄はニコラス・ケイジにとってははまり役ではあるのだが。

 気味の悪い島民キャラクターとか、蜂をモチーフにしたところとか、アンジェロ・バダラメンティの音楽とか、メイラスの見る幻覚とか思いっきり雰囲気勝負に出てすべってしまった映画という感じ。たぶんオリジナルの方はそこらへんが成功していたのではないかと想像する。

 ところで最近見るハリウッド映画って、カルトな村人ってテーマが多い。アメリカって広いから、町ぐるみでとんでもないことやってるケースが多いってことかな。なんか旅行をする気がしなくなる、罪な映画です。

ニール・ラビュート監督。2006年アメリカ映画。

2008年11月21日 (金)

プラネット・テラー・イン・グラインドハウス (2007)

プラネット・テラー・イン・グラインドハウス テキサスでゴーゴーダンサーをしていたチェリー(ローズ・マッゴーワン)は元カレのレイ(フレディ・ロドリゲス)に出会うが当然うまくいくはずはない。その頃、マルドゥーン(ブルース・ウィリス)の仕切る軍事施設に異変が起こり化学兵器をあびてゾンビ化した人間が町にあふれかえる。ゾンビに襲われたチェリーは片足を食いちぎられてしまうのだったが…

 タランティーノがプロデュースするグラインドハウス2本立てのうちの1本で、監督は彼のお友達(?)のロバート・ロドリゲス。「デス・プルーフ」が究極のバカ映画だとしたら、こちらは究極のゲロ映画。70?80年代に、ロメロやフルチ、アルジェントあたりが量産したぬめぬめ・ぐちょぐちょのスプラッターゾンビ映画をこれでもかとパロって再現したかのような映画。唯一の違いは、本家イタリア製ゾンビ映画は意外とドライで乾いていたんだけど、この映画はひたすらウェッティでじめ?っとしていて、駄目な人が見たらかなり気が滅入ることうけあい。見る人を選ぶと思う。

 ゲスト出演するタランティーノのワルノリ度も強烈です。タランティーノの××がタランティーノ…なんて凄すぎる!! ウィリスもよくこんな映画に出たもんだと思う。かっこいいのは、片足マシンガンのチェリーことローズ・マッゴーワン。後半は彼女がひとりで場をさらってくれました。ラストの亀とタランチュラとサソリも、サスペンス映画には欠かせない動物たちにもかかわらずなぜかほのぼのとした味が…

 そうそう、冒頭に入るパロディ版予告編「マチェーテ」も最高。あれ、絶対にグラインドハウスの第3弾として映画化してほしいぞ。

ロバート・ロドリゲス監督。2007年アメリカ映画。

2008年11月20日 (木)

デス・プルーフ・イン・グラインドハウス (2007)

デス・プルーフ 人気DJのジャングル・ジュリア(シドニー・タミーア・ポワチエ)は仲間を集めて酒場でヨタ話をしている。同じバーで飲んでいるスタントマン・マイク(カート・ラッセル)は彼女たちのひとりを車で送っていく約束をつけるが、やがて本性をむき出して…

 70年代のアメリカでB級映画の2本立て、3本立て興行をやっていた「グラインドハウス」の再来というわけで、タランティーノが企画した2本立て映画のうちの1本。オマージュを捧げるのは70年代のカーアクション映画…なんだけど、そこはタランティーノだけに一筋縄では終わらない。とんでもないバカ映画に仕上がっていて、中盤からはバカバカバカとスクリーンに向かって絶叫しながらも最後まで楽しんでしまった。

 残念ながら70年代のグラインドハウスってのは知らないんだけど、このあたりの映画はテレビで見たって記憶が大きいですね。わざと作られたフィルムの傷とかコマ飛びとかに思いっきり気分をくすぐられて、えんえんと続くセクシー美女の下品なヨタ話に「たる?」なんて思いながらひたすら耐えて、中盤の山場、そして疾走するラストなどびんびんに気分は高揚。カート・ラッセル、ぼこぼこのラストとTHE ENDのクレジットの間の取り方なんて本当に絶妙で凄い。こちらもノックアウトされてしまいました。

 70年型ダッジ・チャレンジャー(バニシング・ポイントに登場)が後半の主役となってたけど、個人的な思い入れではムスタング・マッハ1(バニシングin60ですね)が映画と同じイエローにブラックのラインが入った姿で、スタントウーマンのゾーイ(ゾーイ・ベル)たちの愛車として登場したあたりがもう嬉しかったです。

 そういやタル?い前半を必死で耐えるという構成も、昔のアクション映画観賞としては王道というか、懐かしい。うーん、とんでもないバカ映画にかかわらず、何もかもひいき目に見てしまうのがタランティーノマジック健在ってとこでしょう。

クエンティン・タランティーノ監督。2007年アメリカ映画。

2008年11月19日 (水)

下妻物語 (2004)

下妻物語 ロココ文化に傾倒するロリータファッションの女子高生・桃子(深田恭子)は、洋服代を稼ぐためにダメ親父(宮迫博之)の作ったパチものベル×ーチのシャツをネット通販に出す。すると反応してやって来たのは、地元ヤンキーで原チャリ暴走族のイチゴ(土屋アンナ)だった…

 嶽本野ばらの人気小説を映画化。ポップでビビッドな映像は強烈で、ロリータとヤンキーが疾走するストーリーと自虐的なギャグの数々のインパクトは絶大。「真夜中の弥次さん喜多さん」あたりが好きな人ならピタっとはまる映画ではないだろうか。

 しかし…下妻と同じく適度に田舎に住む身としては…ジャスコのギャグとか、おかしいけど笑えないぞ(!!) 同様にヤンキーをやってる方とか、ロリータやってる方とかだとやはり自虐的に見えるんじゃないだろうか、この映画。

 もひとつ気になったのが、桃子が過去に住んでいたという尼崎に近い都市。この安物ばっかり追い求めるパチもの天国の町って、一体どこのことなんだ!?

 下妻って町はよく知らないんだけど、ああいうふうに野っ原の向こうに大仏がそびえ立っているのだろうか。その前に仁王立ちする桃子とイチゴ、なかなかかっこよかったです。これってNaNaのヤンキー版?

中島哲也監督。2004年日本映画。

2008年11月17日 (月)

キンキーブーツ (2005)

キンキーブーツ 靴工場の跡取り息子のチャーリー・プライス(ジョエル・エドガートン)はロンドンに婚約者と引っ越そうとしていた矢先に父(ロバート・バフ)の訃報にあい、急遽呼び戻される。ところが工場は倒産寸前。八方ふさがりの彼はドラッグクイーンのローラ(キウェテル・イジョフォー)に出会い、起死回生のために男性向けのセクシーブーツをミラノに出品することを思い立つ。

 ドラッグクイーンとそのショーの楽しさに目が行ってしまう作品だけど、本来はビジネスもので、ニッチ市場を狙う伝統産業という図式である。その舵取りをするのがふにゃふにゃと頼りない若社長だというのがポイントで、ビジネスの成功とは思いつきとそれを実現する行動力だというのを語っているような気がする。

 いや、そんな真面目な部分よりも、いかついキウェテル・イジョフォーの女装とパワフルなショーは文句なく楽しい。そういう意味ではダブルで元気が出る映画です。なおこのストーリーはかなりが脚色だけど、工場は実在するらしい。

ジュリアン・ジャロルド監督。2005年アメリカ=イギリス合作。

2008年11月15日 (土)

幸せのレシピ (2007)

幸せのレシピ やり手だが堅物シェフのケイト(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)の姉が急死して、姪のゾーイ(アビゲイル・ブレスリン)を引き取ることになる。なかなか心を開かないゾーイに手を焼くケイトだったが、ある日店の副料理長として雇われたニック(アーロン・エッカート)の作ったパスタを食べ…

 ドイツ映画「マーシャの幸せレシピ」のリメイク…らしい。未見だけど。厨房ものといえば「レミーのおいしいレストラン」が記憶に新しいけど、それに負けず劣らずのほんわかとした持ち味を持った作品。

 「ターミナル」では、わからなかったと絶句してしまったキャサリン・ゼタ・ジョーンズだけど、本作では登場シーンから彼女のオーラがぷんぷん。シェフ姿がなんとも似合ってました。結局のところ、シェフってのは段取り仕事なんだってのが目からウロコ。アーロン・エッカートの陽気なイタリアンというのもぴったり。芸達者なアビゲイル・ブレスリンはどこかで見た記憶があるんだけどわからない…

 記憶があるといえばセラピストのボブ・バラバンも何だかわからないけど記憶に残っている顔。フィルモグラフィー見るとそうそうたる映画が並んでるんだけど、どこに出ていたかの記憶がない(!?)。こういうのを、名倍プレイヤーと言うんかな。

 本格的料理映画という触れ込みだけど、思ったほど料理のウンチクに走ってなかったのは肩すかしを喰った感じ。そのあたりをハリウッド映画に期待しちゃいけないのかも。

スコット・ヒックス監督。2007年アメリカ映画。

2008年11月14日 (金)

エンジェルス (1994)

エンジェルス 最下位の野球チーム・エンジェルスを応援する少年ロジャー(ジョセフ・ゴードン・レヴィット)は短期の里親マギー(ブレンダ・フリッカー)の元でJP(ミルトン・デイヴィス・Jr.)と暮らしている。父親の「エンジェルスが優勝したらまた一緒に暮らせる」という言葉を信じて、天使にお祈りするのだったが…

 ディズニーのファミリー向けスポーツ映画。天使が降りてきて野球選手を勝たせてしまうという大甘のシチュエーションは、同じくディズニーの「フラバー」あたりとそっくりの雰囲気である。このまま行けば映画としてはまったく成立しない、面白くないと思っていたら、後半にはしっかりと見せ場が用意されていてラストはほろりとさせられるのはさすがディズニー印です。

 エンジェルスの監督をダニー・グローヴァーが演じるのですが、子供嫌いの彼がどんどん変化していくのがいかにもディズニー的。天使として登場するクリストファー・ロイドも、出番は思いっきり少ないにもかかわらず場をしっかりとさらっていってくれる。

ウィリアム・ディア監督。1994年アメリカ映画。

2008年11月13日 (木)

ダイヤルM (1998)

ダイヤルM 実業家のスティーヴン(マイケル・ダグラス)には美しい妻のエミリー(グウィネス・パルトロー)がいるが、彼女は画家の卵のデヴィッド(ヴィゴ・モーテンセン)と不倫中。ところがこの事実を知ったスティーヴンは、デヴィッドに大金を払って妻の殺害を持ちかけるのだったが…

 タイトルからわかるとおり、ヒッチコックの「ダイヤルMを廻せ!」のリメイク。ダイヤルMってのが今となっては意味不明ではあるのだが… というのは置いておいても、かなり苦しい出来でテレビのサスペンス劇場以上でも以下でもないような印象。グウィネスは確かに美しい女優さんではっとさせられるシーンも多いんだけど、グレイス・ケリーのように「伝説」になってないってのがちょっと辛いかな。

 ストーリーはかなり前作に近いらしいんだけど、悲しいかな前作を見たのが何十年も前で「ケ・セラ・セラ」をヒロインが歌っていたこと以外は覚えていない!? マイケル・ダグラスは裏表のあるギラギラした役柄だし、グウィネスもアウトローっぽいヴィゴと不倫中ってことじゃ素直に感情移入できるキャラクターじゃない。このあたりも敗因のひとつ。ただしバブリーなシチュエーションと軽快なカメラワークはすばらしく、雰囲気を楽しむには面白い映画です。

アンドリュー・デイヴィス監督。1998年アメリカ映画。

2008年11月12日 (水)

呪い村436 (2006)

呪い村436 国勢調査員のスティーヴ(ジェレミー・シスト)はロックウェル・フォールスという小さな村を調査にやって来る。ところが村の入り口で乗っていた自動車がパンク。保安官のボビー(フレッド・ダースト)に連れられて村の集落へ入ったのだが、この村には奇妙な風習が残っていた…

 いわゆる集団カルトもののサスペンスホラー。タイトルに数字が入っていることからも連想できるように、タネを明かせばこの436人しか生きられない村での帳尻あわせの物語である。まぁこのストーリーで描かれるように一人二人増えた場合はいいんだけど、逆に天変地異か何かで大量に死んでしまったり、あるいは人が押しかけて来た場合はどうなるんだろう。それでも帳尻は合ってしまうのだろうか。

 しかし呪われた風習が残っていることを除いては、ロックウェル・フォールスってのはのどかで本当に良い村です。呪いさえなければ、こんなところにほけ?っと住んでみたいもんです。

マイケル・マックスウェル・マクラーレン監督。2006年カナダ=アメリカ合作。

2008年11月11日 (火)

神童 (2006)

神童 高校生の和音(松山ケンイチ)は、音大受験をひかえているが失敗すると家業の八百屋を継ぐことになっている。ボートで知り合った中学生のうた(成海璃子)は、神童と呼ばれたピアノの名手だが音楽には嫌気がさしてスランプになっている。ところが和音のピアノ受験の日に、うたが応援にやって来て…

 さそうあきらのコミックを映画化。日本初の本格的クラシック映画だそうだけど、本当かな? 最近旬の成海璃子と松山ケンイチ主演ということで、キャラクターのおもしろさだけでもぐいぐい引っ張って行ってくれるのはさすがである。音楽でつながった二人の関係は、ちょっと心くすぐるものがあります。

 うたが和音の手を握っただけで、乗り移ったかのような演奏… そんなバカな、なんてシーンだけど、音楽ってテクニックの先にあるのはそんなハートや気持ちなんだよな、そんな事を考えさせてくれます。でもそれ以降、和音は2度とそんな神がかりの演奏をしないってところもいいです。

 こういう映画を見ると、楽器が弾きたいな、なんて気持ちになります。

萩生田宏治監督。2006年日本映画。

2008年11月 7日 (金)

102 (2000)

102 前作から3年。逮捕された毛皮マニアのクルエラ(グレン・クローズ)は精神療法を受けて仮釈放される。捨て犬を保護するケヴィン(イオン・グラファド)とクルエラの保護観察官のクロエ(アリス・エバンス)の心配どおり、急に元の残酷な性格に戻ったクルエラは、毛皮デザイナーのピエール・ルペル(ジェラール・ドパルデュー)と組んで新しいダルメシアンの毛皮コートを作ろうとするのだったが…

 ディズニーの名作「101匹わんちゃん」を実写映画化した「101」の続編。前作はジョン・ヒューズのプロデュースってことで主人公と犬とクルエラの対決シーンは完全に「ホーム・アローン」化していたが… ストーリーが前作に比べてイマイチの本作は、ただうるさいだけのドタバタ映画に成り下がっていた。1時間半が長かったなぁ…

 とはいっても、ブチのないダルメシアンのオッドや、悪態をしゃべりまくるオウムとかキャラクターは面白い。グレン・クローズは相変わらず楽しそうにクルエラを怪演。それだけで楽しめるんなら良い映画なんかもしれないんだけど、この退屈さって一体…

ケヴィン・リマ監督。2000年アメリカ映画。

2008年11月 6日 (木)

大誘拐 RAINBOW KIDS (1991)

大誘拐 RAINBOW KIDS 刑務所を出所したばかりのスリの健次(風間トオル)、正義(内田勝康)、平太(西川弘志)の3人は、更正するためには金が必要だと和歌山の地主のおばあちゃん柳川とし子(北林谷栄)を誘拐して5,000万円を要求する計画を立てる。ところが「どうして私が5,000万円?」と激高したおばあちゃんにより、要求額は100億円にアップ。県警のやり手である井狩(緒形拳)と真っ向対決する羽目になる。

 これも見逃していた、天藤真原作の映画化で話題作。システマティックな世界とは対局にある田舎の山奥の物語で、とにかく登場人物のおもしろさ、スケールの大きさで見せてくれるところが良い。山林王で、警察署長とも顔なじみで、誘拐犯なんてほんの子供にしか見えない、そんなおばあちゃんが何とも頼もしく見える反面、ラストの化かし合いでは、修理したほこらをめぐってちょっとだけびくびくするあたりが可愛らしくて、とっても気に入ってしまった。

 龍神温泉に遊びに行くと、この映画のロケ記念としてスチル写真が貼ってあったりします。もう一度遊びに行きたくなりました。

岡本喜八監督。1991年日本映画。

2008年11月 4日 (火)

ピエロの赤い鼻 (2003)

ピエロの赤い鼻 ジャック(ジャック・ヴィルレ)は田舎の小学校の先生。日曜日にピエロになって人々を笑わせるのが習慣になっていたが、息子のリュシアン(ダミアン・ジュイユロ)はこれが気に入らない。ところが父の旧友アンドレ(アンドレ・デュソリエ)は、戦時下に二人でレジスタンスのまねごとをした過去を語り始める…

 ミシェル・カンのベストセラー小説を映画化。最近大味な映画ばっかり見つづけていたので、こういった繊細な味わいを持った作品を見るとなぜか新鮮でほっとさせられた。

 レジスタンスのまねごとをしたことから命のやり取りをする羽目になり、残ったのは死んだ敵兵のピエロの鼻…というのがおおまかなストーリー。そんなに簡単に爆破ができるのかとか、ピエロのまねなんかするドイツ兵がいるのかとかいう批判はありそうだけど、意外と戦争と末端の人々のかかわりっていうのはこういったものかもしれない、なんて気分にさせられます。

 かっちょ悪くて全然笑えないピエロなんだけど、映画をひととおり見てラストの同じシーンが違って見えるのがいい。とっても後をひく反戦映画です。

ジャン・ベッケル監督。2003年フランス映画。

2008年11月 3日 (月)

こわれゆく世界の中で (2006)

こわれゆく世界の中で ロンドンに住む建築家のウィル(ジュード・ロウ)は、リヴ(ロビン・ライト・ベン)とその娘で鬱病のビー(ボビー・ロジャース)と長く同棲している。ある日ウィルの建築事務所に立て続けに泥棒が入り、ウィル自ら見張りに付く。そして突き止めた犯人は、ボスニア難民のミロ(ラフィ・ガヴロン)だった。ミロの家を突き止めたウィルはその母のアミーラ(ジュリエット・ビノシュ)に近づくのだったが…

 とまぁあらすじを書いてみれば複雑なストーリーだが、波瀾万丈ながらも非常に面白い展開で最後まで飽きずに見ることができた。ロビン・ライト・ベンとビノシュの間で揺れるジュード・ロウというのが基本ストーリーなんだけど、そこに鬱の入ったビーや、盗難団に入ったミロがからんで事態が複雑になっている。一筋縄ではいかない、いわゆる八方ふさがりになっているわけである。

 このストーリーでウィルを非難するのはたやすいんだろうけど、まさしくこわれゆく世界の中で複雑な状況に置かれた二人の女性を相手にするウィルには、ある意味同情まで感じてしまうのは不思議です。久しぶりに見たビノシュはすっかりおばさんになってたけど、華のあるおばさんです。

 「わかってよ」と叫ぶロビンにもびっくりした。ボスニアへ帰るアミーラとミロも含めて、これはハッピーエンドなのかどうなのか私には判断できないぞ。

アンソニー・ミンゲラ監督。2006年イギリス=アメリカ合作。

2008年10月31日 (金)

タラデガ・ナイト オーバルの狼 (2006)

タラデガ・ナイト オーバルの狼 スピード狂のリッキー(ウィル・フェレル)はNASCARのレースで、ふがいないチームドライバーの代わりにアグレッシブな走りを見せ、一気に人気レーサーになる。ところがフランスからやって来たF1レーサー・ジャン・ジラール(サシャ・バロン・コーエン)に散々こけにされた上に、大クラッシュをして運転が怖くなってしまう…

 ウィル・フェレルがオーバルの狼?ってわけで冒頭は思いっきりミスキャストを思わせてくれたんだけど、大味な彼の持ち味がアメリカンレースとぴったりマッチして、さらにギャグのキレも良くて結構笑わせてくれました。内容的には同じNASCARを描いた「デイズ・オブ・サンダー」のコメディ版ってところで、アウトラインも何やらそっくりである。

 しかし仇役のジャン・ジラールがこれまた笑わせてくれます。ルパン三世みたいな風貌なんだけど、F1ドライバーをアメリカ人が見たらこういう風に見えるのかもって気がしてきます。たぶんフランス人が見たら、「洋画に出てくる間違った日本人」と同じような感想を持つんだろうけどね。

 ラストシーンは、どっちかというと「カーズ」を彷彿とさせてくれるようなオチなんだけど、「カーズ」の方が感動できるってのが…何だかなぁ。劇場未公開作品ですが、車好きなら一見の価値はあるかも。

アダム・マッケイ監督。2006年アメリカ映画。

2008年10月30日 (木)

コヨーテ・アグリー (2000)

コヨーテ・アグリー シンガー・ソングライターを夢見るヴァイオレット(パイパー・ペラーボ)は、二人暮らししていた父(ジョン・グッドマン)を故郷に残してニューヨークへ出る。ところが生活に困った彼女は派手なパフォーマンスバー「コヨーテ・アグリー」で働くことになり…

 いわゆるアメリカン・サクセス・ストーリー青春編で妙に雰囲気が「フラッシュダンス」に似てるなぁと思ったら、どっちもプロデューサーがジェリー・ブラッカイマーだった。なるほど。彼の映画は血の気の多いアクションの方が目立ってるので、こういう世界があるのを忘れてました。

 それにしても…凄いバーだな。あのバーで自分の娘が働いていると思えば、そりゃ父親は心配でしょう。それだけにラストはなかなか太っ腹でかっこいいぞ、グッドマン。

 主演のパイパーはあの雰囲気は似合わないのに頑張ってるって感じがGoodですね。応援したくなります。バーのマダムのちょっとすれた感じもいいし、「私にはバーしかない」って台詞のあたりはぞくぞくしました。男性目線と親目線で見てしまったので、上記のような部分とノリの良さばかりが印象に残ったんですが、女性にとっては元気の出る映画でしょう。

デヴィッド・マクナリー監督。2000年アメリカ映画。

2008年10月28日 (火)

GO! GO! ガジェット (1999)

GO! GO! ガジェット 警官になることが夢の警備員のブラウン(マシュー・ブロデリック)はブレンダ博士(ジョエリー・フィッシャー)の研究所を襲った賊と戦って重傷を負い、GO!GO!ガジェットという全身武器…というか小道具(ガジェット)の改造人間として生まれ変わる。ところが彼女の研究を狙うスコレックスことDr.クロウ(ルパート・エヴェレット)はガジェットをつけ狙い…

 人気アニメの映画化ということで、とんでもないほどノリが軽いヒーローもの。なんせ主人公が瀕死の重傷から改造人間としてよみがえるのだが、悲壮感は一切なし。黙っておもちゃ箱のようになった自分の肉体を受け入れてしまうのである。こりゃ仮面ライダーよりも数段軽いぞ。この役をひゅうひゅうと楽しそうに演じるマシュー・ブロデリックって凄い。

 とはいってもすっとぼけた味で繰り出されるギャグの数々は結構笑える。子供と一緒に見るにはおすすめかな。ガジェットの乗る生意気な車はどうでもいいが、タケコプターみたいな装置は、実際にあるならちょっと欲しいぞ。

デヴィッド・ケロッグ監督。1999年アメリカ映画。

2008年10月27日 (月)

勇気あるもの (1994)

勇気あるもの 広告代理店に勤めるビル(ダニー・デヴィート)は、大切な商談に渋滞で遅れて会社をクビになる。失意の中で手に入れた次の仕事は、陸軍の訓練学校で生徒たちに座学を教えることだった。落ちこぼれの生徒たち(クリフ・ロバートソン、ジェームズ・レマー他)を前に戸惑うビルだったが、彼らが「ハムレット」に興味を示したことから事態は好転し…

 90年代のにおいがぷんぷんする、ちょっと元気が出る小品。「勇気あるもの」というタイトルから連想させられるバリバリの軍隊映画ではなく、舞台が陸軍学校というだけで普通の教師と生徒ものである。こないだ見た「フリーダムライターズ」とかぶるといえばかぶるのだが、こちらの方が切羽詰まったものがないだけに安心して見ていられる。生徒たちの置かれた境遇は似たり寄ったりではあるが。

 何よりも生徒たちが「ハムレット」をラップにして歌い踊るシーンは名場面。デヴィートが「平和の塔」にチャレンジする場面は、本当に頑張ったのかな? グレゴリー・ハインズの無口な教官という役柄もいいです。

 ペニー・マーシャル監督。1994年アメリカ映画。

2008年10月24日 (金)

レストストップ デッドアヘッド (2006)

レストストップ デッドアヘッド ボーイフレンドのジェスと共に家出したニコール(ジェイミー・アレクサンダー)はハリウッドを目指す旅に出る。途中で立ち寄ったレストストップの汚いトイレを出たニコールは、ジェスが車ごと姿を消していることを知る。次の休憩所まで96キロあることを知ったニコールはトイレで彼が帰ってくるのを待つのだが、やがて黄色いピックアップに執拗に狙われる。

 「テキサス・チェーンソー」を連想させるホラーサスペンス。怖いというよりも、尋常ではないヒロインのいじめられ方に見ていて気分が悪くなるというのが正直な感想である。正に蛇の生殺しとはこのことで、目の前にかつての失踪者が現れてリンチされたり、助けに来た警官が目の前で殺されたり、これまた乗せてくれたキャンピングカーに異常者家族が乗っていたりとなんとも気が滅入る。

 結局のところ、アメリカの片田舎にはこういったサイコ野郎が蔓延しているので、近づかないほうがいいよ?というメッセージまで感じられる。何だか「エイリアン」を初めて見たあとで、宇宙って怖いところだなぁって思いっきり思わされたのを思い出します。それとも家出なんてするもんじゃない、という教訓的映画なんかな?

ジョン・シャイバン監督。2006年アメリカ映画。

2008年10月23日 (木)

ジョー・ブラックをよろしく (1998)

ジョー・ブラックをよろしく 会社社長のパリッシュ(アンソニー・ホプキンス)は、深夜に死神の声を聞く。パリッシュの娘で医者のスーザン(クレア・フォーラニ)はコーヒーショップで好青年(ブラッド・ピット)に出会い好意を抱くのだが、その直後に青年は事故死する。青年の姿で二人の前に姿を現したのは、パリッシュの枕元に立った声の主だった…

 いきなり大金持ちの大金流し込みのパーティ準備にびっくりさせられるのだが、そんな舞台に似合った生と死のドラマ。死神が青年の姿で現れるというシリアスなファンタジーものだが、無垢な感じのブラピと人生を黄昏を感じさせるホプキンスの競演でストーリーを無理なく見せてくれるのが凄い。

 ヒロインのクレア・フォーラニは知らない人だったが、医者の姿で出て来た時には妙に存在感があって印象に残った。不振に思いながらもブラピの死神と恋に落ちていくところは、これまた繊細な演技が光る。映画が3時間近い長尺で、ゆったりとじっくりと描き込まれるのもいい。

 結局、これって死を受け入れるための物語なんかな。死ぬ前にこうしてじっくりと身辺整理ができるのって、ある意味幸せなんかもしれない。

マーティン・ブレスト監督。1998年アメリカ映画。

2008年10月21日 (火)

リンガー! 替え玉選手権 (2005)

リンガー! 替え玉選手権 人のいいスティーヴ(スティーヴ・ノックスヴィル)は上司に昇進を願い出るが、その条件は管理人のスタヴィ(ルイス・アヴァロス)をリストラすること。スティーヴにそんなことができるわけがなく、結局自分の家の庭師として雇うことに。ところがスタヴィは芝刈り機で指を落とし、手術に大金が必要になる。仕方なく相談した叔父のゲイリー(ブライアン・コックス)のアドバイスは、知的障害者のふりをしてスペシャル・オリンピックに出場せよという罰当たりなものだったが…

 とことんいい人が、いい人ゆえにどんどん深みに落ち込んでいくという、一昔前だったらスティーヴ・マーティンあたりが得意としていた内容のコメディ。癖のあるスタヴィ、ゲイリーに加えて、なさけな系のスティーヴがいい味を出している。あの声で「指なんていらないんです」と言われたもんにゃ、やっぱスペシャルオリンピックに出てしまうかもしれない。ヒロインのリン(キャサリン・ハイグル)も爽やかで可愛い。

 障害者のふりをしてひともうけという毒のあるストーリーに果敢に挑んで、寸前のところでさらりとうまくまとめて最後は暖かい気持ちにさせてくれるのは製作のファレリー兄弟の成せる技か? 見事…です。

バリー・W・ブラウスタイン監督。2005年アメリカ映画。

2008年10月20日 (月)

恋とスフレと娘とわたし (2007)

恋とスフレと娘とわたし 洋菓子店を経営するダフネ(ダイアン・キートン)には、女手一つで育てた3人の娘(マンディ・ムーア、ガブリエル・マクト、パイパー・ペラーボ)がいた。男運が悪い末娘メイのために、ネットで花婿募集の公告を出すダフネだったが、母の差し金とは知らないメイはその男ジェイソン(トム・エヴェレット・スコット)と意気投合するのだったが…

 父と息子ものの映画は定番だけど、これは最近また増えてきた一卵性母娘の物語。女4人ということでここまであけすけに仲良くなれるのかと、ちょっと面食らったような内容。男の目としては、この彼女たちと恋愛関係に落ちたら何もかもばらされそうでちょっとコワいです。

 才女やキャリアウーマンのイメージが強かったダイアン・キートンはすっかりおばあちゃんになったなぁという印象。それでもばりばりとした仕切り屋+恋愛もちゃっかり現役という役柄はある意味凄いかも。それに比べて、娘たちの恋はイマイチ印象に残らなかったのは貫禄負け(笑)といったところか。やたらとおいしそうなスィーツの数々は、空腹で見るのはちょっと辛かったです。

マイケル・レーマン監督。2007年アメリカ映画。

2008年10月17日 (金)

ゴースト・ハウス (2007)

ゴースト・ハウス 娘のジェス(クリステン・スチュワート)が問題を起こしたことで、ノースダコタの田舎の一軒家に引っ越してきたソロモン一家。父のロイ(ディラン・マクダーモット)はここでひまわりの栽培をはじめようとする。ところが口のきけない弟のベン(エヴァン・ターナー)はこの家に何者かがいることを感じるのだったが…

 いわゆるお化け屋敷映画なんだけど、家はそんなに大きいわけでもなく昼間でも幽霊は出る。じわじわと恐怖を盛り上げる手法は、「呪怨」あたりとそっくりで、いわゆるハリウッド風のホラー映画とは違う。このあたりはアジア系のパン兄弟が監督していることや、日本通のサム・ライミがプロデュースしているあたりと深く関係してるんだと思う。意外と人が死ぬシーンがなく、後味は悪くないホラーになっている。

 主演のクリステン・スチュワートのきりっとした顔立ちが印象的。反対に、もっちゃりしたディラン・マクダーモットも特長のある顔で記憶に残る。母親役で懐かしいペネロープ・アン・ミラーも出てます。

オキサイド・パン、ダニー・パン共同監督。2007年アメリカ=カナダ合作。

2008年10月16日 (木)

僕たちのアナ・バナナ (2000)

僕たちのアナ・バナナ ユダヤ教のラビ・ジェイク(ベン・スティーラー)とカトリックの神父のブライアン(エドワード・ノートン)は大親友。ところが二人の幼なじみながらも小さい頃に引っ越していったアナ(ジェナ・エルフマン)と再会して、美しく育った彼女に思いを寄せる二人だったが、立場上彼女とは恋愛できない二人は微妙な三角関係に陥り…

 エドワード・ノートンの初監督作品。どろどろ恋愛映画になりそうなストーリーをこれだけさっぱりさわやかにまとめるあたりは、エドワードの成せる技なんかなぁ。もっとも劇中のブライアンはちょっといい人過ぎるような気もしたけど、彼のキャラクターに合っているつうたら合ってるんだよな。

 幼い頃の3人を演じた子役たちが、主演の3人にそっくりなのがいい。特にアナを演じた女の子。主演女優さんを知らなかったので、このおてんばがどんな風に育つのかなと思ったら、そのまんま大きくなってたのには笑えた。

 結局のところ、登場人物たちがみんな無理なくいい人なのが爽やかさと感動を呼ぶんだろうね。宗教がらみの紛争も、個人レベルではこんな風に片付けばいいという願望があるんかな。

エドワード・ノートン監督。2000年アメリカ映画。

2008年10月14日 (火)

鉄板英雄伝説 (2007)

鉄板英雄伝説 ルーブル美術館で育ったルーシー(ジャイマ・メイズ)、メキシコの孤児エドワード(カル・ベン)、ハイジャックから奇跡の生還をしたスーザン(フォーネ・チェンバース)、超能力コミュニティに通うピーター(アダム・キャンベル)の4人は、偶然に手に入れたチケットでチョコレート工場に招待される。ところがチョコレートの材料にされかかり、逃げた先はクローゼットの奥に広がるグナルニア国だった…

 EPIC MOVIEというタイトルからわかるとおり大作映画のパロディ編。「最終絶叫計画」や「最愛絶叫計画」のスタッフよ再び…ということらしいが、相変わらず脈絡なく有名映画をパッチワークしたストーリーやお色気+お下品なギャグの数々は健在で、まじめに見ていると疲れること疲れること。今回は大作映画ということで、元ネタをほとんど見ていたにもかかわらず、ほとんど笑えないってのがカルトとなりうる映画なんじゃないかと思われてくる。

 救いといえば、主演のジェイマ・メイズがなかなか可愛いのにかかわらずこの役に大まじめに取り組んでいることぐらいか。思わず頑張れ?と声援をかけたくなってくる。ところでこの邦題、何で鉄板英雄伝説なんだろう?

ジェイソン・フリードバーグ、アーロン・セルツァー共同監督。2007年アメリカ映画。

2008年10月10日 (金)

フーリガン (2005)

フーリガン ルームメイトの罪をかぶってハーバードを退学になったマット(イライジャ・ウッド)は、姉シャノン(クレア・フォーラニ)の住むロンドンを訪れる。そこで出会った義弟のピート(チャーリー・ハナム)はフットボールチームのウェストハム・ユナイテッドのサポーターのカリスマリーダーだった。やがてサポーター間の乱闘に巻き込まれたマットは、仲間たちに迎え入れられるのだったが…

 フーリガン…いわゆるファームと呼ばれる熱狂的ファンを描いた物語。本来は彼らにとって嫌われ者だったヤンク(アメリカ人)でありながらも、乱闘に参加したことで受け入れられて暴力に目覚めて(?)、ところがジャーナリズム専攻だったがためにスパイと疑われて…と、イギリス映画の雰囲気を持ちながらも2転、3転するストーリーのおもしろさはアメリカ映画譲りである。

 大乱闘をやらかすフーリガンだけど、戦う武器は拳かせいぜい棍棒ってのが、ある意味自制ができていて偉いんじゃないかと思ってしまった。それでも悲劇が起こるときには起こるわけなんですけど。くしゃっとつぶれたかと思ったら、勢いづいてアメリカへ帰ったマットの結末はハッピーエンドと見ていいのかな? イライジャ・ウッドって、すっかり性格俳優になっちゃったような気がします。

レクシー・アレクサンダー監督。2005年アメリカ=イギリス合作。

2008年10月 9日 (木)

主人公は僕だった (2006)

主人公は僕だった 国税庁に勤めるハロルド(ウィル・フェレル)は毎日を時計のように正確な行動で刻む男。ところがある日、自分の行動を語る声が頭の中に響きだした。しかも自分の死を予告するフレーズまで飛び出したので、文学者のヒルバート教授(ダスティン・ホフマン)に相談する。さらにパン屋を経営するアナ・パスカル(マギー・ギレンフォール)と仲良くなるのだったが…

 ザック・ヘルム脚本、自分がある小説の主人公だったら…というifをふくらませていった摩訶不思議なストーリー。でも小説と現実がなぜリンクしているかの理論的な説明は一切なしなので、いわゆるファンタジーとして見るのが正しいだろう。ちなみにこの小説を書いてる作家はエマ・トンプソン、その助手がクイーン・ラティファという陣容である。久しぶりに見たエマ・トンプソンってこういう病的なキャラだったかなぁってちょっと意外。いい味を出してましたが。

 ウィル・フェレルのうざったさ(失礼)はいつもどおりなんだけど、今回出色だったのがアナ・パスカルを演じるマギー・ギレンフォール。片腕にタトゥの入った姿はちょっとひくものがあったけど、この彼女がストーリーが進むに連れて魅力的になっていくんですよね。結局、この映画の登場人物ってのがみんな第一印象と実際が違う…ってわけで、人は見かけによらないものだと思わせてくれました。

マーク・フォースター監督。2006年アメリカ映画。

2008年10月 8日 (水)

フリーダム・ライターズ (2007)

フリーダム・ライターズ ロス暴動後、治安の悪化したウィルソン高校に赴任してきた国語教師のエリン・グルーウェル(ヒラリー・スワンク)。彼女は教育の現場から荒廃を救おうという理想を持っているが、人種対立による暴力や殺人がはびこる学校は想像を絶した状態。彼女は生徒たちにノートを渡し、日記を書くようにすすめるのだったが…

 実話を元にしたエリン・グルーウェルのベストセラーの映画化。洋画にしては珍しい泣ける学園もの。殺人とドラッグ、人種対立がはびこる学園ってテーマはさすがに重く、本当に日記を書くだけで心が開くんだろうかと斜めに構えてみてしまった。まさにペンは剣よりも強しを地でいったような物語である。

 冒頭、教室でずっとニコニコしているエリンは確かにかんに障る。新任教師の勘違いってことだろうけど、このあたりの描き方はさすがにうまい。その彼女のニコニコが消えてから物語が動き出すのである。アウシュビッツとこの学園の関連ってのはよくわからないと思ったんだけど、「教えてもらっていない」ってことが重要だったてことなんでしょうね。関係者を学校にまで呼ぶパワーは凄いと思った。

 国語教師役でイメルダ・スタントンが出てるけど、ハリポタで意識するようになってから彼女っていろんなところに出てるんだと感心した。他にパトリック・デンプシー、スコット・グレン、マリオ、エイプリル・リー・エルナンデスなどが出演。

リチャード・ラグラヴェネーズ監督。2007年アメリカ映画。

2008年10月 7日 (火)

恋におちたシェイクスピア (1998)

恋におちたシェイクスピア 16世紀のロンドンには2つの芝居小屋が競っていた。劇作家のシェイクスピア(ジョセフ・ファインズ)はスランプだったが、芝居のオーディションに来たトマス・ケント(グウィネス・パルトロー)と貴族の娘ヴァイオラにインスピレーションを得て新作を書き始める。ヴァイオラと恋に落ちるシェイクスピアだったが、彼女には婚約者(コリン・ファース)がおり…

 いわゆる「ロミオとジュリエットができるまで」の物語であり、市井の人々と役者、劇作家、貴族、そして女王(ジュディ・デンチ)たちが比較的こじんまりとした世界にまとまっているのが印象的。ジュディ・デンチの髪型は強烈で夢に出て来そうだが、さすがに名優だけあってその存在感はぴかいちである(アカデミー助演賞)。

 グウィネス・パルトローは綺麗で可愛くて清楚で激しくてこの作品では光り輝いている。逆にシェイクスピアは線が細くてかなりイメージと違うのだが、若かりし日ということでこういうのもありかなぁという気がする。ひとつだけ難点があるとすれば、グウィネス・パルトローの男装。誰が見てもすぐわかりそうなものを…

ジョン・マッデン監督。1998年アメリカ映画。

2008年10月 3日 (金)

愛と追憶の日々 (1983)

愛と追憶の日々 夫に先立たれたオーロラ(シャーリー・マクレーン)は女手一つで娘のエマ(デブラ・ウィンガー)を育て上げる。エマはフラップ(ジェフ・ダニエルズ)と結婚し、オーロラは隣家の宇宙飛行士ギャレット(ジャック・ニコルソン)に心ひかれるのだったが…

 母娘の関係を30年にもわたって描いたドラマ。こじんまりとまとまっていて大河ドラマという雰囲気ではなく、移り変わっていく家族のカタチにおもいっきり時の流れを感じさせてくれる秀作。母と娘の関係が軸になっているんだけど、個人的にはラストのギャレットと子供たちの会話にじんときた。ただの脂ぎったおやじだったギャレットが光り輝く瞬間を見たような気がした。

 デブラ・ウィンガーも昔はそれほど意識してなかったんだけど、魅力的な女優さんですね。普通なんだけど知的な雰囲気があって、いい味を出している。激情型のシャーリー・マクレーンはお家芸といったところか。孫が生まれたのに素直に喜ばないところなんて、屈折具合は絶妙。他にも出番は少ないながらもジョン・リスゴーやダニー・デヴィートも出てます。

ジェームズ・L・ブルックス監督。1983年アメリカ映画。

2008年10月 2日 (木)

大災難 P.T.A. (1987)

大災難 P.T.A. 広告代理店に勤めるニール(スティーヴ・マーティン)は、感謝祭の休暇で家族の待つシカゴへ帰ろうとする。ところが雪で飛行機は欠航して空港に足止め。ひょんなことから、セールスマンのニール(ジョン・キャンディ)とレンタカーを借りて旅をすることになるのだったが…

 スティーヴ・マーティン全盛期(といっても日本ではぱっとしなかったが)に作られたコメディ。在りし日の太っちょキャンディ競演というわけで、ぼけと突っ込み…というよりも、迷惑男キャンディにひたすら耐えるお人好しのマーティン、という組み合わせは絶妙である。oga.が日本人ゆえにオリジナル脚本に込められたギャグで笑えないのが、とってももったいない気がする。

 今更ながらに80年代のマーティンを再見したけど、本当にいらいらさせられるほどいい人。それだけにラストシーンにはほろりとさせられます。ほんのワンシーンだけだけど、ケヴィン・ベーコンも出ています。なおタイトルのP.T.A.とは、原題のPlanes, Trains and Automobilesの略。二人が旅に使った乗り物のことですね。

ジョン・ヒューズ監督。1987年アメリカ映画。

2008年10月 1日 (水)

追跡者 (1998)

追跡者 元CIAのシェリダン(ウェズリー・スナイプス)が殺人容疑で逮捕され、捜査官のジェラード(トミー・リー・ジョーンズ)は彼を護送する任務を負う。ところが専用機が墜落して、ジェラードはシェリダンを密林に追うことになるのだったが…

 あのハリソン・フォードの「逃亡者」の捜査官ジェラードを主役にしたドロップアウト作品、なのだそうだが、逃亡者から5年後に作られた映画を10年後に見たわけで15年間のブランク。「逃亡者」を裏返しにしたストーリーだってことはわかるんだけどそれ以上は「逃亡者」と比較しては楽しめなかったことが悔やまれる。

 ストーリーはいかにも大作って作りで面白い。量産されるセガールやヴァン・ダムのアクション映画とあきらかに空気が違うのはどんなものなんだろうか? 逃げるシェリダンが陰謀に巻き込まれているのに加えて、飛行機の墜落シーン、意外な黒幕などなど見せ場はいっぱい。

 ロバート・ダウニー・Jr.やイレーヌ・ジャコブも出てます。もう一人、ビリー・ボブ・ソーントンも出てるんだと思ったらクレジットに載ってなかった。あのそっくりさんは誰なんだ!?

スチュアート・ベアード監督。1998年アメリカ映画。

2008年9月30日 (火)

恋は突然に。 (2007)

恋は突然に。 結婚式を目前にして、婚約者に先立たれてしまったグレイ(ジェニファー・ガーナー)。ところが彼には元カノのモーリーン(ジュリエット・ルイス)との間に隠し子がいることがわかってしまう。失意のグレイは彼の友人のフリッツ(ティモシー・オリファント)たちを相談相手にするのだったが…

 主演の女優さんどっかで見たことが…と考えてたら、エレクトラのヒロインのジェニファー・ガーナーだったんですね。私の中ではアクション女優がすり込まれている人だったのでわからなかった。でも彼女ってこういう普通の役をやると…本当に普通の女の人だ(笑)。等身大って言葉がぴったりで、すごく親しみを感じてしまった。

 ストーリーとしては、冒頭でサイテーの出会いをするフリッツが、結局は一番の相談相手になっちゃうところが面白い。ジュリエット・ルイスも久しぶりに見たけど、変わってないというかこういうふてくされたような役がよく似合います。

スザンナ・グラント監督。2006年アメリカ映画。

2008年9月26日 (金)

スコア (2001)

スコア レストランを経営するニック(ロバート・デ・ニーロ)は実は凄腕の金庫破りのプロ。なじみのブローカーであるマックス(マーロン・ブランド)に持ちかけられた仕事は、保税倉庫に価値が理解されずに保管されているお宝の強奪。内部情報に詳しいジャック(エドワード・ノートン)と組むことになるのだが、「仕事はひとりで」「地元では仕事をしない」という信条に反するので気が乗らない。やがって決行の日がやって来るが…

 正統派のクライムサスペンス、というわけで、往年のフィルムノワールを思い出させてくれるいい意味での小品。「オーシャンズ13」のあとで見ただけに、似たようなテーマながらもこれだけ渋く撮れるってのは面白いなぁと感心した。

 見所はやっぱりマーロン・ブランド(遺作らしいです)、ロバート・デ・ニーロ(最近大作には出ないですね)、エドワード・ノートン(ちんぴらを演じたら絶品)の競演。もちろん後者二人の間には、どんでん返しが用意されていないはずがない…というわけで、金庫破りの華麗なテクニックからラストの展開までは思いっきり楽しませていただきました。気になったのはタイトルが音楽映画と間違えそうなことぐらいかな。

フランク・オズ監督。2001年アメリカ映画。

2008年9月25日 (木)

最愛絶叫計画 (2006)

最愛絶叫計画 もてないけど王子様がやって来ることを夢見る少女ジュリア(アリソン・ハニガン)は恋愛請負人のヒッチのところで肉体改造を行い、いい女に変身する。かつてから思いを寄せていたグラント(トニー・コックス)と付き合うようになるのだが、元カノ(ソフィー・モンク)が登場して…

 タイトルからわかるように、ホラーのパロディ映画「絶叫計画」シリーズの1本のようだが、実際のタイトルは「DATE MOVIE」。しかしこんなエロくてグロくて下品で苦笑いしかできない(失礼)映画をデートで見たら、すべてがぶちこわしになるんじゃない…って心配になってくる。あ、劇場未公開なので、ビデオで見たらってことか。

 パロられてるのは「ブリジット・ジョーンズの日記」「ロード・オブ・ザ・リング」「キル・ビル」「プリティ・ウーマン」…あと何かあったかな? 恋愛映画はあんまり見てる方じゃないので、元ねたがわからないものが多い。かといって知ってたからって笑えるもんじゃないんだけど。

アーロン・セルツァー監督。2006年アメリカ映画。

2008年9月24日 (水)

ドラえもん のび太と緑の巨人伝 (2008)

ドラえもん のび太と緑の巨人伝 植物自動化液をかけて歩き回るようになった苗木。キー坊と名付けて、のび太(声:大原めぐみ)、ドラえもん(水田わさび)、しずかちゃん(かかずゆみ)らはかわいがっていたのだが、ある日みんなは巨大な渦に巻き込まれて緑の惑星に飛ばされてしまう。そこでは植物の姿をした宇宙人たちが地球の環境破壊に怒り、制裁を加えようとしていた…

 声優陣が変わってから第3弾のドラえもん映画なのだそうだ。原作はもちろん藤子・F・不二雄だが、ストーリーはオリジナル。主要メンバーが宇宙に飛ばされていくあたりは、こないだ見た「リトル・スターウォーズ」にそっくりなディテール。でも内容はエコロジー寄りにふられている上に、後半はパラレルワールドになっていてシュールな展開である。子供たちはちゃんと理解しているんだろうかと心配になったが、結構楽しんで見ていたようである。

 ドラえもん依存症ということで一時期叩かれたのび太くんだけど、映画版ではどれもなかなかしっかりしていて今回も頑張ってた。後半になると、ドラえもんの小道具が使えなくなる状況下でなんとかしなければならなくなるのがポイントですね。ゲストスターとして堀北真希、三宅裕司も声の出演をしています。

渡辺歩監督。2008年日本映画。

2008年9月22日 (月)

ファンタスティック・フォー 銀河の危機 (2007)

ファンタスティック・フォー 銀河の危機 超能力を持ってしまったヒーロー4人組・ファンタスティック・フォーのリード(ヨアン・グリフィズ)とスー(ジェシカ・アルバ)が結婚するという話題で世間は持ちきり。ところが結婚式の当日に、ニューヨークに宇宙からUFOが飛来して式をめちゃめちゃにしてしまう。かくして仲間のジョニー(クリス・エヴァンス)とベン(マイケル・チクリス)と一緒に、宇宙からやって来たシルバーサーファー(ダグ・ジョーンズ)と戦う羽目になるのだったが…

 シリーズ第2作、というわけで、余計な説明は省いていきなり結婚式の準備からスタートである。あれ、この二人ってそんなとこまでいってたっけとか、ジェシカ・アルバってえらいケバくなったなぁなんて思いながら見ていたら途中から舞台は宇宙・地上とびゅんびゅん飛びまくって忙しいことこの上ない。

 正に荒唐無稽としか言いようのないストーリーなんだけど、お互いの能力が入れ替わったりスーのお色気パートが入ってたりと、笑いのツボもちゃんと心得てるのは偉いと思う。かくして宇宙規模の戦いに物語は発展。これを大まじめに大作映画にしちゃうところが、いい意味でアメコミパワー全開である。

 ところでシルバーサーファーって何者だったんだろう。きちんと説明されないところが、それっぽくて良いとも言えるけど。

ティム・ストーリー監督。2007年アメリカ映画。

2008年9月19日 (金)

沈黙の奪還 (2007)

沈黙の奪還 元CIAのエージェントのジャック・フォスター(スティーヴン・セガール)は娘アマンダ()と共に亡き妻の故郷ルーマニアを訪れる。ところが娘は何者かに誘拐され…

 沈黙シリーズの第12弾…だそうだ。もうどれがどれかはわからなくなっている、さながらアメリカのVシネマのようなシリーズである。娘の奪還物語ということでちょっとは期待したのだが、驚くほどの緊迫感と悲壮感のなさは驚異的でさえある。シュワちゃんの過去の映画「コマンドー」あたりと見比べてみるといいかもしれない。

 そういえばルーマニアロケって最近他の映画でも見たような気がするなぁ。流行ってるのかな?

ミヒャエル・クウシュ監督。2006年アメリカ映画。

2008年9月18日 (木)

ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記 (2007)

ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記 歴史学者のベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)は、講義中にウィルキンソン(エド・ハリス)という男からリンカーン暗殺者の日記を持っていると知らされる。それによると、彼の祖先のトーマス・ゲイツが暗殺に荷担していたというのだが。汚名を晴らすために、元恋人のアビゲイル(ダイアン・クルーガー)、父親のパトリック(ジョン・ヴォイト)、ハッカーのライリー(ジャスティン・バーサ)たちと黄金都市を探すのだったが…

 大統領に代々伝わる秘密の本とか、パリの自由の女神に隠された文書、ラシュモア山の謎など、いわゆる史実にぶらさがったトンデモ話をいっぱい散りばめたアドベンチャー宝探し映画の第2弾。とはいっても謎のほうはベン・ゲイツが恐ろしいスピードでぱらぱらと説いていくので、観客はふり落とされないように見ているしかないってところかも。各エピソードに関しての詳細は、興味があったら後からネットででも調べてみるのが面白いかもしれません。

 ディズニー印の映画だけあって、アドベンチャーものにしては比較的ソフトな作りで安心して見ていられます。驚きの47ページの内容って、一体何なんでしょうね。実はビデオを巻き戻してまで見てしまったけど、よくわかりませんでした。

ジョン・タートルトーブ監督。2007年アメリカ映画。

2008年9月17日 (水)

ハタリ! (1962)

ハタリ! アフリカで動物園へ送る動物を捕まえるハンターのショーン(ジョン・ウェイン)、ポケッツ(レッド・バトンズ)、チップス(ジェラール・ブラン)たち。そこへ、イタリアのカメラマン・ダラス(エルザ・マルティネリ)が取材にやって来て同行することになるのだが…

 サイやキリンやカバやバッファローなど、野生動物たちをトラックとジープ、そしてロープで捕まえるハンターの姿を、いろんなエピソードと笑いやロマンスを交えて描いた娯楽編。ちょっとだけ物足りなかったのは、ストーリーらしいストーリーがないことだけど、アフリカ旅行をしている気分で見るのが正しい鑑賞法かもしれません。

 さすがにCGがない時代だけに、体当たりで撮影されたと思われる動物の捕獲シーンは迫力満点。このあたりはぜひ大画面で見たいところ。ジョン・ウェインのハンターってのもはまり役で、コメディパートを務めるポケッツや魅力的なダラスなど、キャラクターは申し分ありません。やっぱ盛り上げてくれるようなストーリーがほしかったかな。

ハワード・ホークス監督。1962年アメリカ映画。

2008年9月16日 (火)

ボーン・アルティメイタム (2007)

ボーン・アルティメイタム 記憶を失ったCIAの暗殺者ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)は、自分を陥れたトレッドストーン計画とそのアップグレードであるブラックブライアー計画について知る新聞記者のサイモン・ロス(パディ・コンシダイン)と密かに接触する。ところがロスは殺され、謎を追ってやって来たスペインのCIA支局で出会ったニッキー(ジュリア・スタイルズ)と共に追跡を逃れるのだったが…

 ロバート・ラドラム原作、ボーンシリーズの第3作にして完結編。上映時間がコンパクトな上に、ストーリーも非常にコンパクト。にもかかわらず、ロンドン・マドリッド・モロッコ・アメリカと世界を飛び回る展開は小気味よく、最近見たアクション映画の中では別格のおもしろさである。原作がいいんでしょうね。

 死んだ恋人のマリーを引きずるボーンだけに、ニッキーとの関係が微妙なところがまた良いです。彼女の笑顔で物語りを締めるあたりは、アメリカ映画というよりもヨーロッパ風のエスプリを感じます。

ポール・グリーングラス監督。2007年アメリカ映画。

2008年9月15日 (月)

オーシャンズ13 (2007)

オーシャンズ13 オーシャン(ジョージ・クルーニー)の仲間のルーベン(エリオット・グールド)はホテルの共同経営者のバンク(アル・パチーノ)に裏切られて体調を崩し、一時は危篤状態になる。復讐を誓ったオーシャンと仲間たち(ブラッド・ピット、マット・デイモン、バーニー・マック他)はバンクの経営するホテル兼カジノを破産させる計画をたてるのだったが…

 シリーズ第3作にして、メンバー13人。しかし本当に13人もいたのかが疑問。ジュリア・ロバーツが登場しないのが決定的だったかな。

 ストーリーもやや薄味になっちゃった感じで、AIシステムに守られた難攻不落のカジノを落とす…というわくわくしてくる内容にもかかわらず、意外とあっけない。まぁ何にせよ口八丁・手八丁はハイテクに勝るというわけで、すべてはころりと騙されてしまうあたりが楽しめるかどうかが鍵になりますね。個人的には、オンラインの人相書きを改ざんするあたりやシステムを騙すあたりは大いに楽しめたんだけど、全体的に何かわからない物足りなさを感じた、といったところです。

 たぶん、肝心な13人もいる(はず)のキャラクターが立ってない、というか主要な数人しか生かされてないあたりが不満だったってとこかな。反面、芸達者なアル・パチーノとか、ちょっと登場するだけで笑わせてくれるアンディ・ガルシアとか(ゴッドファーザーのコンビやん!)が頑張ってくれてはいましたが。

 スティーヴン・ソダーバーグ監督。2007年アメリカ映画。

2008年9月12日 (金)

恐怖のメロディ (1971)

恐怖のメロディ 地方局の人気DJのデイブ(クリント・イーストウッド)は、いつも「ミスティ」をリクエストしてくるファンの女性イヴリン(ジェシカ・ウォルター)に出会い、誘われるがままに一夜を共にする。ところが昔の恋人(ドナ・ミルズ)とよりを戻そうとした彼の前にイヴリンが再び現れ、その行動は常軌を逸してくる…

 クリント・イーストウッドの初監督作品。実は中学生の頃にテレビで見たことがあったのだが、ラブシーンばかりが印象に残って妙にねちこい映画だったという感想。ところが今回再見してみると、こりゃぁ今で言うストーカーを扱ったかなりテーマ的には世相を先取りした作品だということがわかった。しかもじわじわとコワイ。

 70年代初期のアメリカ映画だけに、妙に乾いた雰囲気も時代を感じさせてくれる。ちりちりとサスペンスを盛り上げていく、たたみかけるような演出はイーストウッド監督のルーツを感じさせてくれます。その割にラストが妙にあっけないのが、この頃の映画のお約束かな。

 ラストシーンは、私の記憶では断崖の底の川に浮かぶイヴリン…だったんだけど、今回見直してみるとものすごい絶壁の海岸だということがわかりました。あのビジュアルは強烈です。どうやって撮ったんでしょう?

クリント・イーストウッド監督。1971年アメリカ映画。

2008年9月11日 (木)

映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトル・スター・ウォーズ) (1985)

映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトル・スター・ウォーズ) 宇宙戦争の特撮ビデオを撮っていたすね夫(声:肝付兼太)、ジャイアン(たてかべ和也)、のび太(小原乃梨子)の3人だったが、ドジなのび太はすぐに仲間はずれにされる。気を取り直してドラえもん(大山のぶ代)、しずかちゃん(野村道子)とメルヘンビデオを撮り始めたのび太だったが、そこに宇宙人のパピ(潘恵子)がやって来て一同は本物の宇宙戦争に巻き込まれる…

 藤子不二雄原作、劇場版ドラえもんの第6作。タイトルからもわかるとおりスター・ウォーズのパロディ版なのだが、ドラえもん一行が操る空飛ぶ戦車軍団がなかなかかっこよくて面白い。これは子供が見たら、結構ハートをぐわっとつかまれる内容なんじゃないかと思います。宇宙人たちのサイズを一段小さくして、それに合わせてのび太たちもスモールライトで小さくなって入っていくというのがアイディアですね。

 ひとつだけひっかかったのが、武田鉄矢の主題歌。ちょっともの悲し過ぎて映画に合ってないような気が…

芝山努監督。1985年日本映画。

2008年9月 9日 (火)

TATARI 呪いの館 (2007)

TATARI 呪いの館 姉の死の謎を解くために、廃墟となった精神病院にやって来たアリエル(アマンダ・リゲッティ)。ところが「パフォメットの像」という悪魔の彫刻を手に入れるために、冷酷なデズモンド一味もやって来る。中に入った彼らは閉じ込められ、亡霊たちに襲いかかられるのだったが…

 見終わってから「やられた?」と思ってしまったのは、これは続編でありひとつ前に「TATARI」という正編があるってのを知ったこと。単純なびっくり箱ホラーだからあまり前後関係は気にしなくてもいいのかもしれないけど、物語でちょびっとだけ語られる姉の死に関しては知っていた方がより楽しめたのかな。

 81分の映画だけど、事件が片付くのが1時間10分あたりと、意外と短くてあっけないなってのが正直な感想。ショックシーンとスプラッティなシーンはそれなりに用意されているので、ダメな人はダメだと思います。悪魔の像ってアイディアは小粒だけど良かったかな…

ヴィクター・ガルシア監督。2007年アメリカ映画。

2008年9月 8日 (月)

ザ・ディフェンダー (2006)

ザ・ディフェンダー 元ボクシングのチャンピオンのウェインは、敵対するギャングが釈放されたことを知る。ボディガードとして雇ったのは元特殊部隊のフィリップ(ジャン・クロード・ヴァン・ダム)だったが…

 ずいぶん久しぶりに見たジャン・クロード・ヴァン・ダム映画である。とはいっても劇場未公開であるだけあって、バリバリのB級アクション映画なのは予想したとおり。ヴァン・ダムといえば「タイムコップ」あたりでは面白い企画ものに出てたし、足がびゅっと開くアクションとか妙な特技が思い出されるんだけど、この作品ではひたすらサブマシンガンを撃ちまくる地味な役どころでした。

 しかし…敵対するギャングの怖?い雰囲気はよく出ていたと思うぞ。やっぱアクション映画は敵が強くなくっちゃね。

シェルドン・レティック監督。2006年アメリカ映画。

2008年9月 6日 (土)

ザ・シューター (2007)

ザ・シューター 元CIAのスナイパーのジェームズ(ウェズリー・スナイプス)は、イギリスでのテロリストの狙撃を依頼される。機転をきかせて狙撃に成功したジェームズだったが脱出に失敗。怪我をした上で心に傷を負った少女エミリー(イライザ・ベネット)にかくまわれるのだったが…

 タイトルは「シューター」だが、狙撃シーンはほんの一回限り。あとはカーアクションを交えながら、逃げろよ逃げろの脱出劇である。彼をかくまう少女エミリーがなかなか魅力的なんだけど、それ以上の見せ場に乏しいのが辛いところ。

 しかしスナイプスって、どう考えても一回見たら忘れられない顔しているだけに、隠れるとか潜伏するとかってストーリーには思いっきり無理があるような気がするのだが。変装してパスポート作ったとしても、誰が見てもスナイプスってわかるのが笑えるぞ。

ジョセフ・ラスナック監督。2007年アメリカ映画。

2008年9月 5日 (金)

シャフト (2000)

シャフト 型破りな刑事ジョン・シャフト(サミュエル・L・ジャクソン)はつまらない喧嘩で黒人を殺害したウォルター(クリスチャン・ベイル)を逮捕する。ところが富豪の父親のおかげで釈放されたあと、海外へ逃亡。本人は辞職を決意するのだったが…

 冒頭のテーマ曲から「おおっ」と思わされた。オリジナルの「黒いジャガー」とテーマ曲が同じやん、これは懐かしい。最近見た「犬神家の一族」でもそうだったけど、テーマ曲がそのままってのはリメイクの王道かもしれないですね。まったく出で立ちの違うサミュエルが、オリジナルのシャフトに見えてくるから不思議です。

 ダーティ・ハリーをはじめとする、はみだし刑事が幅をきかせていた時代のドラマだけに、シャフトの行動もなかなか八方破れ。それだけに、憎々しげなウォルターが生きており、冒頭からかなり気持ちよく見せてくれました。最近見た刑事ドラマの中では、かなり上位にランクされるかな。

ジョン・シングルトン監督。2000年アメリカ映画。

2008年9月 2日 (火)

ゾディアック (2006)

ゾディアック カリフォルニアでドライブデート中の男女が射殺される。通報者による犯行声明。そしてサンフランシスコ・クロニクル誌に「ゾディアック」と名乗る犯人から暗号文が届く。この暗号解読に取り憑かれたのが、同誌に勤めるコミック作家のグレイスミス(ジェイク・ギレンフォール)と記者エイブリー(ロバート・ダウニーJr)だった。

 実在の迷宮入り殺人事件をテーマに、事件に取りつかれた記者と漫画家を軸にした年代記。3時間近い上映時間の中で、事件発生から10年以上の年月が語られるのはさながら年代記といった趣きである。しかも事件の核心へは近づいては遠ざかりを繰り返し、いわゆる最初の劇場型犯罪をこうやって見る羽目になるってのはある意味犯人の思うつぼなんじゃないかなぁって中盤にふっと思わされた。

 暗号をテーマにしているのに、映画ではあまり暗号の核心へと入っていかないのが不満といえば不満かな。「セブン」のデヴィッド・フィンチャー監督なんだけど、あの「セブン」のような人の気分を逆なでするような居心地の悪さはなく、オーソドックスな演出でした。

デヴィッド・フィンチャー監督。2006年アメリカ映画。

2008年9月 1日 (月)

オール・ザ・キングスメン (2006)

オール・ザ・キングスメン 群の職員ウィリー・スターク(ショーン・ペン)は、小学校建設の汚職を摘発したことで逆に職を追われる羽目になる。ところが欠陥工事の事故で脚光をあびたウィリーは、知事選に出馬するのだったが…

 ロバート・ベン・ウォーレンのピューリッツァ賞をとった原作を映画化…というよりも、初期のアカデミー作品賞受賞作の再映画化といった方が映画ファンにはなじみが深いかもしれない。

 狂言回し役の新聞記者ジャック・バーテン(ジュード・ロウ)とウィリーが同じ車に乗ったシーンから映画は始まるのだが、これは彼が知事になった後。そして群の出納官だった過去にぴょーんと話が飛ぶ。つまり、使用前・使用後てなわけで、汚職にまみれる前後ってのがテーマなはずなんだけど、何だか映画にメリハリがなくてわかりにくいのが辛いところ。

 ただしさすがに芸達者なショーン・ペンを使っているだけあって、怒りの演説シーンなどは正に真骨頂である。このまんま突っ走っていたら良かったのにね…ってところだろう。

 アンソニー・ホプキンスやケイト・ウィンスレットなんかも出ているけど完全に脇にまわっちゃって印象が薄い。色をわざと抜いたかのようなざらついた画質は、昨今の流行か。

 最大の敗因は、政治家に汚職や収賄はつきものってわけで、ストーリーに昔ほど新鮮味を感じなくなったことかもしれません。

スティーヴン・ザイリアン監督。2006年アメリカ映画。

2008年8月29日 (金)

憑神 (2007)

憑神 幕末、下級武士の別所彦四郎(妻夫木聡)は養子先から追い出されて、今はひっそりと暮らしている。ところが友人の勧めで拝んだ三廻りの神を間違えたがために、貧乏神(西田敏行)、疫病神(赤井英和)、そして死神(森迫永依)に取り憑かれる羽目になり…

 浅田次郎の原作を、降旗康男監督で映画化。ストーリーをきいて、「鬼太郎」とか「陰陽師」みたいなSFXばりばりの映画を想像していたら、妙に人間くさい神たちがばらばらと登場する、ある意味人情喜劇みたいな作品であった。

 それにしても、西田敏行の貧乏神なんて雰囲気ぴったりで(笑)なかなかのもの。赤井英和の疫病神も、彼のぶっきらぼうな感じがよく合っていて絶妙なキャスティングだと感心した。可愛らしい森迫永依が死神ってのも、意外性があって良いです。やっぱ映画の主役はSFXではなくて人間なんだと思わされます。

 武士道とは死ぬこと…なのかもしれませんが、後半がこのテーマに流れ込んでいくのはどうなんでしょうね。ここだけが個人的にしっくりいかなかった部分かな。

降旗康男監督。2007年日本映画。

2008年8月28日 (木)

リーピング (2007)

リーピング 家族を失い、宣教師だった過去を捨てたキャサリン(ヒラリー・スワンク)は超常現象を解明する専門家として活動している。ところが彼女が呼ばれたヘブンという町では、川が真っ赤に染まる事件が起こっていた…

 「オーメン」や「エクソシスト」の再来、というわけではないが、聖書をからめたオカルトもの。こういった作品は予備知識がなくてもそこそこ楽しませてくれるものだが、この「リーピング」だけは違ったという感じ。川が真っ赤に染まる冒頭からはじまって、イナゴの大群もは虫類も不気味な少女も雰囲気満点なんだけど、旧約聖書の10の災いなるものがちんぷんかんぷんでそこがわからなくてストーリーに入っていけなかったというのが敗因だったかもしれない。

 ヒラリー・スワンク、なかなか頑張ってただけにとっても残念。オカルト映画として見てもアクションとして見ても、作りが少々地味だったかも。

スティーヴン・ホプキンス監督。2007年アメリカ映画。

2008年8月22日 (金)

ムーンライト・マイル (2002)

ムーンライトマイル 結婚式を目前にして、発砲事件で恋人を失ったジョー(ジェイク・ギレンホール)。共に事業をする予定だった義理の父ベン(ダスティン・ホフマン)と母ジョージョー(スーザン・サランドン)と暮らすジョーだったが、郵便局で出会ったパーティ(エレン・ポンピオ)にひかれ…

 死んだ恋人の両親と暮らすというシチュエーション自身が強烈な設定な上に、その両親がダスティン・ホフマンとスーザン・サランドンだったら… うーん、想像しただけで恐ろしくなってくるぞ。というわけでシチュエーションだけは強力なんだけど映画は至って静かで波風の少ないものでした。最近のホフマンってよく映画に出てるけど、こういう枯れきった役が多いような。逆にサランドンが後半の見せ場をかっさらっちゃてる印象もあります。

 なんか、ジョーの一見無責任に見える外し方が逆に新鮮。この頃のギレンフォールってまだ無名だったんかな。検事役で最近見なくなったホリー・ハンターも出ています。

ブラッド・シルバーリング監督。2002年アメリカ映画。

2008年8月21日 (木)

モンスター・ハウス (2006)

モンスター・ハウス 少年DJ(声:ミッチェル・ムッソ)の向かいにはネバークラッカー(スティーヴ・ブシェミ)という頑固親父が不気味な家に住んでいる。彼が心臓麻痺で倒れた夜、DJと友達のチャウダー(サム・ラーナー)、そして通りがかったジェニー(スペンサー・ロック)は家に食べられそうになる。大人に言っても信じてもらえず、3人で家を退治しようと奮戦するのだったが…

 スティーヴン・スピルバーグ、ロバート・ゼメキス製作総指揮のCGアニメーション。映像の質感から言うと、登場人物が実写かCGかの違いだけで、あとは本物そっくり。襲ってくる家の描写なんて、アニメでも実写でももう関係ないかなって気分にさせられます。

 ホラーというよりもアドベンチャー色の強い内容。いや、もの悲しい後半はかなり異彩を放っているという印象を受けました。子供たちはこの物語をどう見るんだろう? 憎らしげなネバークラッカーが、最後は可愛く思えてくるのはお約束ですね。

 大林監督の「HOUSE」をはじめ、「家」「ポルターガイスト」「ヘルハウス」なんかをごちゃまぜにしたような映画です。家が襲ってくるストーリー自体が、70年代テイストなんかな。

ギル・キーナン監督。2006年アメリカ映画。

2008年8月20日 (水)

パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド (2007)

パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド 東インド会社のベケット卿(トム・ホランダー)はタコ男デイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)の心臓を手に入れて手下にし、海賊どもの殲滅をはかる。ウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)やエリザベス(キーラ・ナイトレイ)らはこれに対抗するために、バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)やサオ・フェン(チョウ・ユンファ)をはじめとする9人の伝説の海賊を招集して戦おうとするのだったが、9人目が前作で大タコに飲み込まれたジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)だった…

 いよいよシリーズ完結編というわけで、どちらかというとストーリーのおもしろさというよりも今までのエピソードに決着をつけにかかったという感じの物語。よって1と2を見てないとほとんど楽しめないと思うけど、何回も見ている人にとってはかなりテンション上げて見られるんじゃないでしょうか。もちろん派手な海戦やアドベンチャーも用意されていて、この世の果て(ワールド・エンド)を思わせる映像の数々も見逃せない。

 しかし…ウィル・ターナーとエリザベスの恋の行方ってこんなふうになっちゃうわけですか。ハッピーエンドとは言い切れないところが何だかなぁ。余韻は残るけど。これをネタにもう1本続編が作れるかも。

ゴア・ヴァービンスキー監督。2007年アメリカ映画。

2008年8月19日 (火)

スパイダーマン3 (2007)

スパイダーマン3 恋人MJ(キルスティン・ダンスト)へのプロポーズを決めたスパイダーマンことピーター(トビー・マグワイア)だったが、舞台を降板させられた彼女とは心がすれ違う。父の復讐を誓うハリー(ジェームズ・フランコ)はスパイダーマンと激しくやり合うが、頭を打ち記憶を失ってしまう。やがて新たな敵サンドマン(トーマス・ヘイデン・チャーチ)の登場により、事件は意外な展開を…

 スタン・リー、スティーヴ・ディッコの人気コミックの映画化第3弾。上記以外にブラック・スパイダーマンやヴェノム(トファー・グレイス)の登場により事態はバトルロワイヤル状態に…

 アクションシーンはこれまたスピーディなんだけど、動体視力が悪いせいか(笑)何が起こっているかわからない部分も多々あった。というか、液晶テレビや液晶プロジェクターでは完全に表示しきれてないんじゃないかという疑問も生じてきた。物理的限界…かな。

 まぁスピードはさておき、これだけの敵と事件とエピソードを盛り込んで、ちゃんとストーリーがまとまっていくのは凄いといえば凄い。宇宙からの不明物体、人間の慢心を増幅するなんて言いながらも手でむしりとられてしまうのは意外となさけないやつだったのかも。サンドマンのエピソードはちょっといい話で泣ける。スパイダーマンって基本的に敵をやっつけても殺したことはなかったわけですね、なるほど。

サム・ライミ監督。2007年アメリカ映画。

2008年8月16日 (土)

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 (2007)

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 休暇中に突然ディメンダー(吸魂鬼)に襲われて、人間界で魔法を使ってしまったハリー(ダニエル・ラドクリフ)。その事が処罰の対象となった上に、魔法省からは魔王ヴォルデモート(レイフ・ファインズ)復活をでっち上げたとダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)と共に糾弾されてしまう。さらにホグワーツ魔法学校には魔法省から監視役の教師ドローレス(イメルダ・スタントン)が送り込まれる。これに抵抗するハリーは、仲間のロン(ルパート・グリント)、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)らとダンブルドア軍団を作って抵抗するのだったが…

 J・K・ローリングのベストセラーを映画化したシリーズ第5作。上にストーリーを書いていて思ったんだけど、どんどん複雑化していってもう1から順番に見ている人じゃないと内容を理解するのは到底無理かも。さらに主演の3人もずいぶんと成長して、当初のイメージとはかけ離れてしまった。しかし…ですね、シリーズが着々と作られ続けるのに加えて、メンバーが替わっていない、しかも原作とほぼ同じく年齢を重ねている(実際は彼らの方が2?3歳上だそうですが)ってのはとっても貴重です。できればメンバー変更などなく、このまま最終話まで続けてほしい、最後まで見せてほしい、と原作を読んでないひとりとしては切に願ってしまいます。

 ストーリーは今まで見た5作の中では一番暗い(笑)。それぞれの作品に「大蛇と戦った」「魔法学校の対抗戦」とかハイライトシーンが思い浮かぶんだけど、この作品だけはそれがないのが辛いところ。シリウス・ブラック(ゲイリー・オールドマン)の活躍や、ティム・バートンの世界から抜け出てきたかのようなヘレナ・ボナム・カーター、教育委員会ならぬ魔法省からやって来た風紀の先生(?)イメルダ・スタントン、それにいつものメンバーとキャラクター的にはものすごく豪華。

 何だかんだ言っても、続編が来たらまた見てしまうでしょう。これだけ広がったストーリー、ちゃんと完結するのかな?

デヴィッド・イェーツ監督。2007年イギリス=アメリカ合作。

2008年8月15日 (金)

激動の昭和史 沖縄決戦 (1971)

沖縄決戦 太平洋戦争末期の沖縄。硫黄島が敗れ、米軍の上陸は間近と思われたところ、牛島中将(小林桂樹)、八原高級参謀(仲代達矢)、長参謀長(丹波哲郎)らが沖縄守備の任務に就く。沖縄を天然の要塞として作戦を立てる彼らだったが…

 オールスターキャストで描く沖縄攻防戦。というかこの映画が印象深いのは、筆者が小学生の頃に恐らくゴジラか何かの映画を見に行った時の予告編として流れていたことだろう。予告編を一回見ただけで記憶にちゃんとすり込まれているだけあって、凄惨な沖縄戦を描いたショットは今見ても強烈で地獄そのものである。

 ただし惜しいなぁと思うのは、戦時中の言葉なのか軍人たちが話している内容が何言ってるのかわからないものが多いこと。エピソードを積み重ねるような演出スタイルをとっているんだけど、やはりそれぞれが細切れで、つながりが薄いのが残念。例えば吉村昭著の「殉国」を読むと、軍隊や住民たちが追い込まれていくのが実感されるんだけど、その感覚がこの映画では希薄である。惜しい!!

 日本の戦争映画なので、ミニチュア特撮満載かなと思ってたら、戦闘シーンはほとんどセット撮影なのには驚いた。相当量の火薬を使ったんじゃないだろうか。

岡本喜八監督。1971年日本映画。

2008年8月14日 (木)

ザ・シューター 極大射程 (2007)

ザ・シューター 極大射程 海兵隊のスナイパーのボブ・リー・スワガー(マーク・ウォールバーグ)はアフリカで特殊任務に就いている。ところが米軍と現地軍が交戦状態に入り、スポッターが命を落とした上にスワガーも戦場に取り残される。退役して隠居生活をしていたスワガーだったが、かつての上司のアイザック大佐(ダニー・グローヴァー)から大統領狙撃阻止の依頼を受けて…

 スティーヴン・ハンターの原作を元に、すご腕スナイパーの活躍を描いたアクション。日本にはゴルゴ13なんてのもいるけど、スナイパーの話に外れなしなのか、それとも元ガンマニアの琴線に触れるだけなのかは定かではないけど、とにかく最初から最後までわくわくするほど面白かった。

 ウォールバーグがそんなに強そうに見えないところがミソだろうね。これを見たあと、急に「ジャッカルの日」が見たくなって数十年ぶりに再見してしまった。

アントワーン・フークア監督。2007年アメリカ映画。

2008年8月13日 (水)

ターミネーター3 (2003)

ターミネーター3 前作から10年。審判の日は結局やって来ず、生き残ったジョン・コナー(ニック・スタール)は悪夢を見ながら放浪の旅をしている。ところが新たに2体のターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー、クリスタナ・ローケン)がやって来て、ジョンは居合わせた幼なじみのケイト(クレア・デインズ)と難を逃れるのだったが…

 実に12年ぶりの続編。前作がド派手なアクションシーンで大ヒットしたんだけど、本作は不発弾みたいに終わってしまった。でもあえて前作と見比べてみると、アクションの派手さでは3はまったく2にひけをとっていない印象。ストーリーも似たような展開だし、そう考えると不当な世間の評価の低さは映画全般のアクションのレベルがCGの発達もあってかアップしていること、そしてすべてにおいての新味のなさかもしれない。

 シュワルツェネッガーは初期の頃と比べるとずいぶん歳をとったんだけど、メイクでうまくごまかしてんのかな。ニック・スタールは前作のファーロングが成長したように見えないところが辛いところ。もうひとりのターミネーター、クリスタナ・ローケンはよく見ると意外と可愛い(笑)。

 このシリーズって10年くらいの間をあけて作られているようだけど、実際は5年おきくらいの方が評価は上がったかもしれません。何にせよ、最終戦争がついにビジュアル化されたのは良かったのではないかと思います。あとは今後、猿の惑星シリーズみたいにならないように祈るだけです。

ジョナサン・モストウ監督。2003年アメリカ映画。

2008年8月10日 (日)

サンシャイン2057 (2007)

サンシャイン2057 2057年の未来、太陽は終焉を迎えようとしていた。太陽を活性化させるために、カネダ(真田広之)を艦長とする宇宙船イカロス2号とクルー(キリアン・マーフィ、ミシェル・ヨー、クリス・エヴァンス他)はマンハッタン島と同サイズの核爆弾を積んで太陽を目指す。ところが行方不明のイカロス1号の信号を受信した彼らは、進路変更を試みるのだが…

 日本人俳優も参加しているしストーリーが酷似しているので、ひょっとして大コケした日本製SFのリメイク?なんて思って調べてみたら、あちらのタイトルは「クライシス2050」でした。作品としてはこちらの方が数段上なんだけど、全体像のわからない宇宙船と状況がよくわからない映像で2時間船内劇を引っ張るのはかなりしんどいものがありました。

 とはいっても真田が出ている前半はSFしていて面白い。これからストーリーがどう広がっていくんだろうかという期待感もあるんだろうけど、それだけにわけわからない世界へとなだれこんでいく後半にはかなりの戸惑いを感じてしまいます。そもそもあの前船長の存在って何だったんだろう?

 一番の敗因は、地球温暖化が叫ばれる今なのに地球は太陽を失って氷河期になっているとこでしょうね。猛暑の真夏に見たのも良くなかったかな。

ダニー・ボイル監督。2007年アメリカ映画。

2008年8月 8日 (金)

恋は五・七・五! (2004)

恋は五・七・五! 統廃合をひかえた静岡の松尾高校では、校名を残そうといろんな競技会へ選手を送り込もうとしている。白羽の矢が立ったのが松山で行われる俳句甲子園。かくして国語教師の高田マスオ(杉本哲太)の元に集まったのは、帰国子女の高山治子(関めぐみ)、チアガール部を追い出された内山マコ(小林きな子)、ウクレレが大好きなPちゃん(蓮沼茜)、野球部で万年補欠の山岸実(橋爪遼)、そしてひとりだけ写真部に在籍する土山義仁(細山田隆人)だった…

 独特のゆるゆるの雰囲気でファンの多い荻上直子監督作。今回のテーマは俳句というわけで、スポ根ものかと思わせぶりなオープニングからはじまって実は文化系バトルという面白いスタイルの映画である。似た映画といえば「ロボコン」あたりが近いかな。ヒロインが出場しないと単位がもらえないと追い込まれるのも同じだし。

 松山は俳句がさかん、というのは知っていたけどああいうイベントが開かれているというのは目からウロコ。しかも俳句って楽しむものかと思ったら、バトルってのがまたまたびっくり。「質疑」って結局相手のあげ足を取ることじゃないの、なんて思ってしまったけど、ないと確かに試合としては成り立たないって感じ。

 関めぐみって細い手足にきつい顔(失礼)で確かにインパクト大。彼女に惚れてしまう土山くんってのもわかるわかるって感じだし、最後に彼女が詠んだ句ってのも絶品。もうちょっとテンポが良かったら言うことなかったんだろうけど、このぎくしゃくとした話の流れもこの映画の魅力かもしれません。

荻上直子監督。2004年日本映画。

2008年8月 7日 (木)

Dear Friends ディア・フレンズ (2007)

Dear Friends ディア・フレンズ クラブの女王・リナ(北川景子)は容姿端麗な女子高生。友達は利用するものと突っ張り、人気DJの洋介(黄川田将也)を誘惑しながら袖であしらったりしていたのだが、ある日倒れて入院することになる。そこには彼女を友達と信じて疑わないマキ(本仮屋ユイカ)がいた。

 携帯小説でティーンに人気のYoshiの原作を映画化。役柄とはいえ、リナは劇中では相当に性格が悪く見ていていらいらしてくることうけあい。対するマキはいい子なんだけど、「友達友達」と言って迫ってくるのがちょっと鬱陶しくて斜めに構えて見てしまった。

 今時の不良けた女子高生ってこんな感じなのかな、とやっぱ親目線で見てしまうのは仕方ないところかな。感動的なストーリーであるはずなんだけど、意外と感動できないのは練り込み不足(?)かも。こういう分野は、映画よりもテレビドラマの方が最近はレベルが高かったりするんだよなぁ。

両沢和幸監督。2007年日本映画。

2008年8月 4日 (月)

鑓の権三 (1986)

鑓の権三 松江藩の笹野権三(郷ひろみ)は鑓の名手で女性にも人気が高い。すでにお雪(田中美佐子)という女性と婚約している身ではあったが、茶道の極意を伝授されるためにおさゐ(岩下志麻)に許嫁はいないと嘘を言う。ところが権三に気があるおさゐが言い争っているところを誤解したお雪の兄(火野正平)のおかげで、二人はしたくもない駆け落ちをする羽目になり…

 近松門左衛門の鑓の権三重帷子を映画化。いわゆる道行きものですね。郷ひろみが超美男子を売りにしていた頃に撮られた映画だけに、タカラヅカの男役のような出で立ちは一件の価値があります。田中美佐子もむちゃくちゃかわいかった。

 世話浄瑠璃が原作なだけに、様式美というか時代のしきたりにがんじがらめにとらわれた主人公たちの様子が、哀れでもありはかなげでもあります。一番不憫でかわいそうなのは、ととさまがかかさまを討ちにいくのを目の当たりにする子供たちかもしれませんね。

篠田正浩監督。1986年日本映画。

2008年8月 3日 (日)

ゴーストライダー (2007)

ゴーストライダー バイクスタントマンのジョニー・ブレイズ(マット・ロング)は癌の父を救うために、現れた悪魔(ピーター・フォンダ)に魂を売り渡す。ところが父はショーの最中に死に、傷心のジョニーは恋人ロクサーヌ(エヴァ・メンデス)を残して去っていく。やがて成人したジョニー(ニコラス・ケイジ)の前に、魔界からブラックハート(ウェス・ベントリー)が現れて…

 マーク・スティーヴン・ジョンソンのアメコミを映画化。燃えるドクロという出で立ちはさながらアメリカの黄金バットである。この奇想天外なストーリーを、ニコラス・ケイジとピーター・フォンダという2大スターでケレン味たっぷりに作ってしまうところにハリウッド映画の懐の深さ(笑)を感じることができる。

 しかし燃えるドクロに燃えるバイクというヒーロー、あまりにもとらえどころがなくて、地獄の番人と戦うも何をどう応援していいのかわからなくて困ったぞ。確かにラストのオチはパイレーツ・オブ・カリビアンの第1作みたいにひねりがきいていて悪くないのだが、「なるほど!」以上の感想がわいてこないのが辛いところ。

 ニコラス・ケイジ目当てに見ていただけに、変身したとたんにちょっとがっかり…というのはしょうがないかな。

マーク・スティーヴン・ジョンソン監督。2007年アメリカ映画。

2008年8月 1日 (金)

インサイダー (1999)

インサイダー ニュース番組のプロデューサー・バーグマン(アル・パチーノ)は、タバコメーカーのトップがニコチンの習慣性に関して偽証しているという情報を得る。内部事情に通じるワイガンド(ラッセル・クロウ)に証言を依頼したバーグマンだったが、その前に会社との守秘契約が立ちはだかる…

 実話を元にした、骨太の社会派ドラマ。タバコの害悪に関する偽証と、それを社会正義から内部告発する決心をするワイガンド、証言者の彼を体を張って守るアル・パチーノと、テーマとしてもこれは面白くならないわけはないといった感じ。最初はスロースタートな映画だけど、尻上がりに熱くなるのはアル・パチーノとラッセル・クロウという2大実力派スターのぶつかりあいだからでしょう。

 ちょっとだけひっかかったのは、タバコが健康に良くないってのは周知の事実。タバコ会社のトップがそろって「ニコチンに習慣性はない」と証言する映像にどれだけ説得力があるのかなぁってところ。冒頭でテロリストのインタビューシーンがあったけど、あっちの方が怖く感じてしまうのは、私の感覚がおかしいのかな。

 しかしこれだけ熱いアル・パチーノを見たのは「ゴッドファーザー」以来かもしれない。

マイケル・マン監督。1999年アメリカ映画。

2008年7月31日 (木)

HERO (2007)

HERO 東京地検の検事久利生公平(木村拓哉)は事務官の雨宮舞子(松たか子)と共に、ある傷害致死事件を担当する。ところが単純に思えた事件も突然容疑者が容疑を否認。その陰には、ある大物政治家(森田一義)の収賄事件のアリバイがからんでいた…

 人気テレビシリーズの映画化。この手の映画の中ではものすごく良くできている作品で、テレビをまったく見たことがなくても最後まで楽しむことができた。中盤、中井貴一がからむエピソードとかは意味不明であったが、それ以外はテレビを見ていればさらに楽しめる、といったレベルにとどめてあるのだろう。

 すっきりとまとまった勧善懲悪のドラマで、普通の青年っぽく見える木村拓哉にストーリーが進むに連れて感じるのはやっぱり映画的な華がある。特に後半の裁判所のシーンは秀逸で、なかなか感動させられた。ひねりの少ない、安心して見ていられる映画である。

鈴木雅之監督。2007年日本映画。

2008年7月30日 (水)

サンキュー・スモーキング (2005)

サンキュー・スモーキング タバコ研究団体の広報マンであるニック・ネイラー(アーロン・エッカート)はタバコの箱にどくろマークを義務づけようという議員のフィニスター(ウィリアム・H・メイシー)と交戦中。さらに煙草の地位を上げようと、映画でスターに煙草を吸わせようと息子のジョーイ(キャメロン・ブライト)を連れてハリウッドに乗り込むのだったが…

 クリストファー・バックリーの「ニコチンウォーズ」を映画化。物事には両面がある…というわけで、タバコの広報マンを主人公にしたドラマ。これを見ると、ビジネスチャンスなんて本当にいろんなところに転がっているわけで、みんな生きていってローンを返すために必死なんだとある意味共感まで覚えてしまいます。そんな父親に、ヒーロー像を見るってのもアメリカらしい。日本にも悪役、ヒール、嫌われ者の大物はいっぱいいるけど、その本質に迫ると妙に魅力的だったりするんですよね。この映画の主人公のニックも、そんなヒールの一人でしょう。

 話は違うけど、古い映画をデジタル処理して喫煙シーンを消去するなんて本当にやってるんだろうか。最近は映画の言葉狩りはなくなってきたけど(テロップ付きで放映したりする)、新手の歴史の改ざんとして、映画ファンとしては気になるぞ。

ジェイソン・ライトマン監督。2006年アメリカ映画。

2008年7月26日 (土)

少年時代 (1990)

少年時代 戦時中の富山に、東京から親戚を頼って疎開してきた小学5年生の風間進二(藤田哲也)。級長の大原武(堀岡裕二)と仲良くなり、たちまち副級長に指名されるのだったが、彼のことを良く思わない太(山崎勝久)たちとの争いに巻き込まれ…

 柏原兵三の原作を藤子不二雄Aが漫画化し、それを篠田正浩がメガホンをとって映画化、というよりは今となっては井上陽水の同盟主題歌のほうが有名になってしまった感じがある作品。芦田伸介の校長先生が妙に時代がかっていたり、担任の先生がけんかをした生徒を「おまえらの体はお国に仕えるためにある」とたしなめたり、戦時中の空気をうまく描いていると関心させられる。逆に大橋巨泉の写真屋が妙に気取った自由人しているのも本人とオーバーラップして面白い。

 子供たちの抗争と友情を描いた小さな村での物語なんだけど、こういったストーリーって誰でも心の中にいくつか持っているものじゃないだろうか。小学生の時の友人って、もう会うこともないし、おそらく今後もずっと会うことはないだろうなって思うとちょっと寂しい気分にさせられた。

篠田正浩監督。1990年日本映画。

2008年7月25日 (金)

メリーに首ったけ (1998)

メリーに首ったけ ハイスクールでみんなの憧れの女性メリー(キャメロン・ディアス)とプロムに行く約束をしながら、寸前でトイレで挟んでしまって(笑)大騒動になりいけなかったテッド(ベン・スティーラー)。それから13年後、彼女を忘れられないテッドはメリーがフロリダに住むことを知り、私立探偵のヒーリー(マット・ディロン)に彼女の消息を調べさせるのだが…

 これは…面白い!! みんなの憧れメリーをとりまく男たちと、さえないけど性格のいいテッドを軸に描いた下ネタ満載のコメディ。かなりきわどいネタを散りばめながらも、カラっとした映画に仕上がっているのはキャメロン・ディアスとベン・スティーラーのキャラが立っているおかげでしょう。逆に男前キャラのはずのマット・ディロンが話が進むとどんどんキモくなっていくのも面白い。

 結局、みんなメリーが好きだったってオチが最高。狂言回しのミュージシャン(ジョナサン・リッチマン)はちょっとかわいそうかな。

ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー共同監督、1998年アメリカ映画。

2008年7月24日 (木)

スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ (2007)

スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ 平家の埋蔵金が隠されていると噂の村に流れ着いた謎のガンマン(伊藤英明)。すでに村は平清盛(佐藤浩市)と源義経(伊勢谷友介)に仕切られ、激しい抗争を繰り返していたのだが…

 タイトルからわかるとおり、マカロニウェスタンの古典「皆殺しのジャンゴ」をはじめとする、西部劇のパロディ映画である。冒頭からクエンティン・タランティーノが血まみれの卵を割ってスキヤキを食すあたりからぶっとんでいたのだが(スキヤキの卵を割って血が混ざってたら結構気になりますよね)、テンション落ちないままに全編英語で黒澤の「用心棒」そっくりの舞台で繰り広げられる血みどろの物語には最初から最後までお口あんぐり。前述のメンバーに加えて、妖艶な木村佳乃、ひょうひょうとした石橋貴明、他にも桃井かおり、香川照之、安藤政信、石橋蓮司などなど癖のある俳優たちがスキヤキの具のごとく登場する。

 イタリア製西部劇が世界を席巻した(らしい)んだから、日本製西部劇(それをスキヤキ・ウエスタンと呼ぶってことだろう)があってもいいんかな…なんてそんな気分にさせられる。このストーリーが「皆殺しのジャンゴ」へつながっていくラスト(笑)、そして北島三郎のテーマ曲へつながるセンスの凄まじさには開いた口がふさがらなかった。意外と「キル・ビル」よりも凄い映画なのかもしれない。

三池崇史監督。2007年日本映画。

2008年7月22日 (火)

宇宙人の解剖 (2006)

宇宙人の解剖 ロンドンで海賊ビデオ屋を営むレイ(デクラン・ドネリー)は友人のゲイリー(アント・マクパートリン)と共に、プレスリーの未公開ビデオを買い付けてひともうけしようとする。ところが手に入ったのはロズウェル事件を撮影したという、宇宙人の解剖フィルム。さっそく上映しようとしたが劣化が激しく、借金を返すために同様のフィルムをねつ造しようとするのだが…

 タイトルからしてトンデモ映画かおバカ映画とふんでかかったんだけど、これが「実話を元に」宇宙人解剖フィルムをでっち上げて大もうけをしたコンビの物語。セミ・ドキュメントスタイルをとりながらも、アパートの一室での撮影シーンが妙に馬鹿馬鹿しくてたっぷり笑えるのがご愛敬。さらにフィルムは世界中で大騒ぎになり、マフィアを巻き込んだ騒動へと発展していく。

 一時期は空飛ぶ円盤とか幽霊とかネッシーとかの特番がゴールデンタイムに放映されて子供の頃にはどきどきして見ていたけど、その正体がこれだったんかなと、今更ながらサンタさんの正体を聞いたような気分にさせられました。

ジョニー・キャンベル監督。2006年ドイツ=イギリス合作。

2008年7月21日 (月)

はなれ瞽女おりん (1977)

はなれ瞽女おりん 大正時代、盲目に生まれたおりん(岩下志麻)は芸を覚え、瞽女(ごぜ)として旅をする。やがて瞽女の掟を破ってしまったおりんは仲間から見放され、はなれ瞽女となる。ところが下駄職人の平太郎(原田芳雄)がおりんと旅をすることとなり…

 水上勉の原作を篠田正浩監督で映画化。瞽女という今はない職業を叙情豊かに描いて印象に残る。劇中、最初から最後まで一度も目を開けることのない岩下志麻に何とも言えない存在感があるのが凄い。むさくるしい風貌の原田芳雄が妙にすがすがしく見えるのも面白い。

 一言で言うと、不幸な境遇で歯車の合わない男女が、つかの間の幸せを教授するってお話。湿っぽいストーリーながらも、見終わってそんなに落ち込んだ気分にならないのは二人の精一杯が伝わってくるからでしょう。

篠田正浩監督。1977年日本映画。

2008年7月18日 (金)

TAXi4 (2007)

TAXi(4) タクシー運転手のダニエル(サミー・ナセリ)と刑事のエミリアン(フレデリック・ディファンタール)はお互いの息子も成長して平和な日々をおくっていた。ところが凶悪犯護送という任務が舞い込んでから、ジベール署長(ベルナール・ファルシー)をはじめとする一同の雲行きが怪しくなってくる…

 人気シリーズの第4作。相変わらずコンパクトにまとまったコメディ編なんだけど、今回の最大の不満はカーチェイスがほとんどない!!! タクシーシリーズっちゅうたらカーチェイスに尽きると思うんだけど、それが割愛されちゃったら見るものは7割ぐらいなくなっちゃう。まぁ前作みたいにキャタピラ付けてスピード感なく雪山走るなんてのも見せつけられても困っちゃうわけなんだけど。

 もうひとつ、何か抜けてると思ったら奥さん役のマリオン・コティヤールがいない!! スケジュールか何かの都合だろうけど、こういう風にレギュラーが抜けちゃうのもいかにもプログラムピクチャーって感じで、その安っぽさがかえって新鮮かもしれません。

 署長のギャグはすべりまくるし、凶悪犯は登場が強烈だったくせに尻すぼみだし、あらをさがせばきりがない。あ、久々にTAXiの第1作が見たくなっちゃいました。

ジェラール・クラヴジック監督。2007年フランス映画。

2008年7月17日 (木)

夕陽のギャングたち (1971)

夕陽のギャングたち 家族を連れ、鮮やかな手口で馬車を襲う山賊のミランダ(ロッド・スタイガー)。ところが通りかかった爆弾男、実は革命の戦士のマロリー(ジェームズ・コバーン)と一戦交えたおかげで一緒に旅をすることになり…

 マカロニウェスタンの、たぶん隠れた傑作。実はこの映画のタイトルを覚えていたのは「ションション」という印象的なテーマ曲のおかげだったんだけど、それがエンニオ・モリコーネによるものであり、また作品はセルジオ・レオーネ印だったことも初めて知る。

 それにしても、何でこの映画を見逃していたのだろうかと不思議。マカロニウェスタンというよりも、アメリカン・ニューシネマの影響を強く受けているかのようでもあり、主演の二人の友情が不思議な音楽と共に歌い上げられる。こざっぱりとした男が本流となる中で、やっぱり男臭い=汗臭いなんだと感じさせる脂ぎったマカロニ風どアップの連続にかなりテンションを上げさせられました。

 ラストシーンは、どこか「真夜中のカーボーイ」を思わせますね。

セルジオ・レオーネ監督。1971年イタリア映画。

2008年7月15日 (火)

ハンニバル・ライジング (2007)

ハンニバル・ライジング 1944年戦禍のリトアニア。両親と妹ミーシャ(ヘレナ・リア・タゴウシュカ)を失い、さらに記憶までなくして孤児院に入ったハンニバル・レクター(ギャスパー・ウリエル)。パリの叔父を訪ねたハンニバルは、美しい未亡人レディ・ムラサキ(コン・リー)に出会うのだったが…

 「羊たちの沈黙」で大ブレイクしたレクター博士の若き日を描いたシリーズ第4作。あの強烈なキャラクターの誕生秘話というのに加えて、原作のトマス・ハリスが脚本にまで加わっているせいか説得力抜群の内容。恐ろしいことだが、すっかり殺人鬼レクター博士に感情移入して映画を見てしまった。

 簡単に言えば、猟奇趣味がはいった復讐ものなんだけど、レディ・ムラサキの登場(相変わらず不思議なジャポネスクの登場ではあるが)やゴシック・ホラー的演出で全編に重厚な雰囲気がただようのが良い。主演のギャスパー・ウリエルは一見優男なんだけど、目がコワいのがいいです。

ピーター・ウェーバー監督。2007年アメリカ=イギリス=フランス合作。

2008年7月14日 (月)

パッチ・アダムス (1998)

パッチ・アダムス 自殺癖により、精神科へ自主入院したハンター・アダムス(ロビン・ウィリアムズ)。入院先で自分のユーモアが人々を救うことを知ったアダムスは、自らパッチ・アダムスと名乗り退院後に医学の道を志す。ところが我が道をゆくアダムスを、医学部のメンバーは良く思わない…

 一言で言うと、もうちょっと患者の気持ちになって診てあげましょうという映画。確かにユーモアあるお医者さんがいれば場がなごむし、通常より早く治るんだろうとは思う。でもその事をテーマに1本の映画ができてしまうってのは、アメリカの医学界って病んでいるのかなぁなんて気分にさせられた。

 個人的にはロビン・ウィリアムズのギャグがいまいち笑えなかったのと(感動的だったラストを除く)、恋人カレン(モニカ・ポッター)のエピソードがひっかかってイマイチ映画にのりきれなかったなぁというところ。パスタのプールってのも、相変わらず食べ物を粗末にするなぁなんてちょっぴり気分が悪かった。

 でもやっぱり、自分が大病にかかった時はパッチみたいな医者を選ぶだろうと思う。診られる側もちょっと疲れるかもしれないが。

トム・シャドヤック監督。1998年アメリカ映画。

2008年7月12日 (土)

俺は、君のためにこそ死ににいく (2007)

俺は、君のためにこそ死ににいく 太平洋戦争末期、特効命令を受けて鹿児島の知閲から飛び立っていった若者たち(徳重聡、窪塚洋介、筒井道隆)と、それを見送った富屋食堂のおばちゃん鳥濱トメ(岸惠子)の目を通して描いた作品。

 内容的には、戦後に繰り返し作られた特攻映画焼き直しといった感じなんだけど、こういった映画が繰り返し忘れずに作られるというところに意味があるんだろうと思う。制作総指揮・脚本が石原慎太郎ってことで斜めに構えて見てしまったのも事実ではあるが。

 それにしても、一番手に特攻していった腕利きパイロットが、命令を受けて困惑する様子が頭に残った。生きていればかなりの戦果をあげるであろう彼を、1回の作戦で殺してしまうのは大きな損失だろうけど、最初の作戦が成功しないと後に続く者がいなくなってしまうという。しばらく考えて「わかりました」と彼が答えるあたり、息を飲んで見てしまった。

 さすがに最近の日本映画だけに、ラストの特攻シーンは迫力があります。

新城卓監督。2007年日本映画。

2008年7月11日 (金)

ソウ3 (2006)

ソウ3 外科医のリン(バハー・スーメク)が目を覚ますと、殺人鬼ジグソウ(トビン・ベル)と助手のアマンダ(ショウニー・スミス)に囚われていて瀕死のジグソウの脳手術を強要される。一方、事故で息子を失ったエリック(ドニー・ウォールバーグ)も気がつくと密室の囚われの身に。ゲームに参加すると、息子を事故で死なせた犯人に復讐させてやるというのだが…

 ソリッド・シチュエーション・スリラーでヒットした「ソウ」シリーズの第3作。背景説明はほとんどなく、密室と絶望的な状況しかなかった「ソウ」はなかなかのおもしろさだったんだけど、回を重ねるごとにずいぶんと厚化粧されてしまって肝心の謎解きのおもしろさはスポイルされてしまった感じである。

 その代わりに出てきたのが、一時のスプラッタブームの頃にあったような痛さの表現。この映画、だめな人はまったくだめだろうし、見る人をずいぶん選ぶと思う。これを楽しめというのは…ちょっと酷かなぁ。

 見るべきものといえば、第1作の終わりから登場した殺人鬼「ジグソウ」の扱いが出色。死にかけた殺人鬼というのが斬新で、しかも首斬られたりしてるんだけど「ソウ4」ではどんな姿で出てくるんだろう、という変な期待をさせられる。

ダーレン・リン・バウズマン監督。2006年アメリカ映画。

2008年7月10日 (木)

大日本人 (2007)

大日本人 大佐藤(松本人志)は、有事の時には電流を受けて巨大化する通称「大日本人」だった。映画のクルーたちは、そんな大佐藤に密着取材を試みるのだが…

 コメディアンの松本人志の初監督・主演によるナンセンスコメディ。ドキュメントスタイルをとっていることから「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」みたいなのを冒頭で期待したんだけど、ストーリーはあらぬ方向へころころと転がっていき気がついたら怪獣バトル映画になっていた。怪獣(正しくは「獣」というらしいの造形が相当にキモいところとか、挿入されるニュース映像が結構笑える点を除いてはどう笑っていいのかわからないシーンが多数あるのは辛い。さらにおもしろくなってきたなと思ったら、ラストのウルトラ家族のギャグには完全にずっこけてしまった。

 笑いってのはつくづく作り手と観客の「波長」なんだなと、実感させられる映画。私の場合は、微妙に波長がずれているのが何とも惜しい作品である。

松本人志監督。2007年日本映画。

2008年7月 7日 (月)

不都合な真実 (2006)

不都合な真実 前アメリカ副大統領アル・ゴア氏の講演をベースに、地球温暖化の仕組みと功罪、その阻止を訴えたドキュメンタリー。

 非常にわかりやすい、というのはいいんだけど、映画を見終わって新たに知ったという事柄がほとんどなかったというのも事実。世界最大のCO2産出国であるというアメリカ合衆国だけど、この程度の映画で衝撃が与えられるってのは意外とその温暖化に対する知識レベルは低いんじゃないかと思った。逆に言えば、このくらいの啓蒙映画でもかなりの効果があるってことだろうか。

 ただしドキュメントとしてはいい感じにまとまっていて、特にゴアという人のカリスマ性とかは精力的な講演活動と共にびしびしと伝わってくる。姉とたばこ農家に関するエピソードでは、見ながら思わずほろりときてしまった。

 地球温暖化を防ぐ方法について知りたかったら、エンディングというかラストのクレジット部分を見るだけで十分です。それでも我々が現在知っている以上の知識が用意されているかといえば疑問ですが。

2008年7月 4日 (金)

300 (2007)

300 紀元前480年のギリシャ。大国ペルシャの大王クセルクセス(ロドリゴ・サントロ)は、戦士の国スパルタに服従を要求。ところがスパルタの王レオニダス(ジェラルド・バトラー)は300人の精鋭と共にペルシャの大群と戦うことを決意するのだったが…

 フランク・ミラーのグラフィックノベルを映画化。史劇かと思って構えて見ると完全に外されるので注意。全編コミック調で、「シン・シティ」をイメージすれば雰囲気はかなり近いでしょう。

 100万人対300人の戦いを、アメコミ調の色を抜いた画面で再現。映像によってはヴィデオゲームのようにも見えるけど、スパルタの男たちがかなり熱くて男臭いので意外と感情移入して見ることができました。親子の愛情みたいなのが軸になっているのが勝因かな。

 かなり血なまぐさい映画にもかかわらず、画像処理で生々しさが抜かれているあたりもテレビゲーム風。これを見て戦いにあこがれる人って、少なからずいるんじゃないだろうか。面白いんだけど、好戦的な気分を植え付けてくれるのは怖い映画かもしれません。

ザック・スナイダー監督。2007年アメリカ映画。

2008年7月 3日 (木)

ラブソングができるまで (2007)

ラブソングができるまで 80年代の人気バンド「ポップ」のボーカルだったアレックス(ヒュー・グラント)は、今では忘れられた中年男。そんな彼が人気絶頂の歌姫コーラ(ヘイリー・ベネット)から作曲を依頼される。スランプだった彼にフレーズを提供したのは、鉢植えに水やりにやってきていたソフィー(ドリュー・バリモア)だったが…

 ものすごく定番のラブストーリーなんだけど、元アイドルの悲哀みたいなのが随所に散りばめられていて結構楽しんで見ることができました。何と言っても80年代をからめたギャグが秀逸で、その時代を生きたものはにやりとされられることうけあい。

 ラブコメといえばヒュー・グラントとドリュー・バリモアは手慣れたもので、安心して楽しむことができるんだけど、今回は怪しさ爆発のヘイリー・ベネットの歌姫も見物。さらに美人で可愛いとくるんだから今後が楽しみです。

マーク・ローレンス監督。2007年アメリカ映画。

2008年7月 2日 (水)

RENT レント (2005)

レント イースト・ビレッジのおんぼろアパートに家賃(レント)を滞納しながら住むルームメイトのロジャー(アダム・パスカル)とマーク(アンソニー・ラップ)。ロジャーの夢はミュージシャン、そしてマークは映像作家だったが、恋人の自殺などで心の傷をかかえて生きている。ある日ロジャーはダンサーのミミ(ロザリオ・ドーソン)にひかれ、マークはエンジェル(ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア)と恋に落ちるのだが、突然彼らはアパートから閉め出され…

 ブロードウェイ・ミュージカルの映画化ってことで、登場人物はとにかくよく歌いよく踊る。楽曲の良さが印象的で、テーマ曲の「52万5600分」をはじめ心に残るナンバーも多い。ただし多くの舞台版ミュージカルがそうであるように、ストーリーはシンプルであまりひねりはない。淡々とニューヨークの安アパートの人間模様を見せられるといった印象だ。

 若者たちの猥雑な雰囲気はよく出ており、ドラッグやエイズや同性愛といった世界がぐちゃぐちゃになって描かれているのは一見の価値がある。こんな雑多な世界であっても、確かに愛があります(笑)。

クリス・コロンバス監督。2005年アメリカ映画。

2008年6月30日 (月)

サイレントヒル (2006)

サイレントヒル ローズ(ラダ・ミッチェル)の娘シャロン(ジョデル・フェルランド)は奇怪な悪夢に悩まされて夢遊病となる。彼女の悪夢に出てくる町「サイレントヒル」が実在することを知ったローズは、彼女を救うために町へ向かうのだったが…

 コナミのホラーゲームを映画化。正に悪夢の映画化といった内容で、見ている方も迷宮に迷い込んでわけわからない体験を登場人物たちと一緒にするという感じ。さながら原作のビデオゲームもこんな感じなのだろう。

 子供の頃に見た、鉄球が飛んできて中からドリルが飛び出し、頭にぐりぐりと刺さる映画を思い出した。あの映画って、そのシーンしか覚えてないんですよね。この映画も30年ぐらいたったら、あの悪夢のような地下迷宮しか思い出せないような気がする。

クリストフ・ガンズ監督。2006年アメリカ=日本=カナダ=フランス合作。

2008年6月26日 (木)

ブラッド・ダイヤモンド (2006)

ブラッドダイヤモンド アフリカのシエラレオネでダイヤの密輸業者を営むダニー(レオナルド・ディカプリオ)は、反政府組織のRUFに強制連行され働かされていた男ソロモン(ジャイモン・フンスー)に投獄中に出会う。彼が巨大なピンク・ダイヤモンドを隠していることを知ったダニーは、組織に連れ去られたソロモンの家族を助けるためにダイヤが必要だと諭す。知り合ったジャーナリストのマディー(ジェニファー・コネリー)にも、ダイヤのシンジケートを明かすことをエサに密輸に手を貸すことを迫るのだったが…

 ゲリラや反政府組織の資金源になっているという、通称ブラッド・ダイヤモンドを背景にした社会派アクション。ディカプリオはすっかりアウトローの役が似合うようになって、雰囲気満点。ジェニファー・コネリーもいい感じに歳とってると思う。家族思いのソロモンが、長男を助け出すシーンなんかもじーんときた。遠く離れたアフリカの物語ながら、他人事とは思えないって気持ちにさせてくれるのが映画のマジックかも。

 こういう映画を見ていると、日本ってつくづく平和で恵まれてるんだなという気持ちにさせられます。ただしダイヤモンド業界にとっては、イメージ悪くマイナスの映画でしょうね。

エドワード・ズウィック監督。2006年アメリカ映画。

2008年6月24日 (火)

GOAL!2 (2007)

GOAL!2 前作でイギリスのチーム:ニューカッスルで華々しいデビューを飾ったサンティアゴ(クノ・ベッカー)にスペインリーグのレアル・マドリードへの移籍が舞い込んで来る。恋人を英国に残し、単身スペインへ乗り込んだサンティアゴだったが、実の母と弟が現れ…

 タイトルでわかるとおりシリーズ第2作。今回は舞台をスペインリーグへ移し、現役の選手(当時:デヴィッド・ベッカム、ジネディーヌ・ジダン他)も実名で登場するなど豪華な作り。とはいってもどん底からはい上がって行くサクセスストーリーだった「ゴール!」ほどは盛り上がらないってのはストーリー的にはいたしかたないことかも。

 とはいっても、突然お金持ちになっても恋人を大切にしたり家族に苦悩したりと、ドラマティックな展開は退屈せずに見ることができる。突っ走って、挫折して、返り咲いてというスポ根の王道を行く展開に少々苦笑させられる部分もあったけど、波瀾万丈の物語はこの後どうなるんだろうって気になります。3部作だそうなので、完結編が楽しみです。

ジャウム・コレット・セラ監督。2007年イギリス映画。

2008年6月23日 (月)

アルゼンチンババア (2007)

アルゼンチンババア 高校生のみつこ(堀北真希)は病気で母(手塚理美)を失い、おまけに父(役所広司)も行方不明になる。ところが半年後、町はずれの屋敷に住む風変わりなユリ(鈴木京香)通称アルゼンチンババアのところに父が身を寄せていることを知り…

 吉本ばななの小説を映画化。近所の石材店の窓にポスターが貼ってあって、ずっと気になっていた作品。現実離れした風変わりなストーリーで、家族の崩壊から再生が描かれているように見えて、実は一番のテーマになっているのは居心地の良さなんじゃないかと思えてくる。

 ユリの住む屋敷は汚くて臭くてどうしようもない場所らしいんだけど(残念ながら映画で臭いはわからないが)、結局はみんな、その居心地の良い空間にすっと入り込んでしまっている。見ているこちらも、あの屋敷に住んでみたいなんて気持ちにさせられてしまう。

 そういえば水中に母の墓標が沈んでいくのも、何とも気持ちの良いビジュアルである。母の死は悲しいが、こういう再生ってのはありなんじゃないかな、なんて気分になってきた。タンゴとフォルクローレのリズムも心地よいんだけど、何でアルゼンチンなのかは映画だけではちょっとわからなかったかな。

長尾直樹監督。2007年日本映画。

2008年6月20日 (金)

西遊記 (2007)

西遊記 天竺にお経を取りに行く旅をする三蔵法師(深津絵里)、孫悟空(香取慎吾)、沙悟浄(内村光良)、猪八戒(伊藤淳史)。一行は立ち寄った虎の国では、国王夫婦は亀に変えられ、国民はやる気を失っていた。王女玲美(多部未華子)との約束で、この国を襲った妖怪金閣(鹿賀丈史)と銀閣(岸谷五朗)を倒す旅に出る一行だったが…

 人気テレビドラマの映画版(らしい)。三蔵法師は女性が演じるってのは、夏目雅子の影響で定番になっちゃったのかな。とはいっても深津絵里は可愛らしくこの役がぴったり。香取慎吾は演技というよりも勢いがあり、元気のいいところが見ていて気持ちいい。「カンフー・ハッスル」や「少林サッカー」あたりが好きだったら文句なく楽しめるだろう。めちゃめちゃ強そうに思えた金閣・銀閣との対決も、適度に気が抜けたゆるさ、コミカルさがいい感じで、結構長い時間戦っているのに飽きずに見ていられるのが凄い。

 テレビから出た作品だけど、間違いなく元気のある邦画の1本でしょう。金閣・銀閣が、鹿賀と岸谷だってのは実は最後まで気がつかなかった。ちょっともったいないメイクだったかも。

澤田鎌作監督。2007年日本映画。

2008年6月19日 (木)

ゲゲゲの鬼太郎 (2007)

ゲゲゲの鬼太郎 テーマパーク建設に伴い、不気味な妖怪が出没する事件が発生して、健太少年(内田流果)は妖怪ポストから鬼太郎(ウエンツ瑛士)に助けを求める。同じ頃、ねずみ男(大泉洋)は封印された妖怪石を手に入れるが…

 あの誰でも知っている水木しげるの怪奇マンガを実写映画化。当然、スクリーンは一大コスプレ大会になるわけだが、それを誰も彼もが楽しそうに演じていて一見の価値がある作品。大泉洋のねずみ男にはじまって、田中麗奈の猫娘なんて違和感まったくなし。間寛平の子泣き爺や、西田敏行の輪入道もいいですねぇ。さながら、テーマパークを流しているかのような雰囲気。後半の輪入道の機関車なんて乗ってみたくなります。

 ハーフのウエンツが鬼太郎を演じるってのも、逆に彼の持っている日本人離れした雰囲気が良い方向へ作用したかのような感じで良かったです。人間の娘(井上真央)に恋をするってストーリーも、ラストはちょっとはかなげで印象に残ります。アニメの実写化はイメージを崩すから嫌だという意見は多いのですが、私はこういうのは結構好きですねぇ。

本木克英監督。2007年日本映画。

2008年6月17日 (火)

ラストラブ (2007)

ラストラブ かつてニューヨークで活躍したジャズプレイヤーの阿川(田村正和)は、妻(高島礼子)の死をきっかけに帰国して娘の佐和(森迫永依)とひっそり暮らしている。ところが若い女性・結(伊東美咲)とニューヨークで再会したことから、再びジャズへの思いがよみがえり…

 良くも悪くも、田村正和を主演にど?んと据えたラブストーリー。というわけで、彼が好きか嫌いかがその評価のすべてになっちゃてるような映画です。田村のジャズメンってのが… う?ん、何なんだろう。バブル期のトレンディドラマ再来って感じです。こんな映画を見てると、かっこいいだけが人生じゃない、なんて思っちゃうのですが。

 子役の森迫永依がとっても可愛いのが印象的。妙に達観したところがあるのが、違和感なく演じられてるのがいいですね。

藤田明二監督。2007年日本映画。

2008年6月13日 (金)

ナイトミュージアム (2006)

ナイトミュージアム バツイチのラリー(ベン・スティーラー)は、息子ニック(ジェイク・チェリー)の手前定職を持とうと決意して、博物館の夜警になる。ところがこの博物館、エジプトの秘宝の呪いで夜中に展示物たちが動き出すのだ。一晩で逃げだそうとしたラリーだったが、息子の励ましで逃げられなくなり…

 博物館の展示物が夜中に暴れるだけの映画…だと思ったら、意外とひねりがきいてて楽しむことができた。この手の映画では外せないロビン・ウィリアムズの登場と、単なるパニック映画ではなくて彼らを手名付けてしまう展開、そして本当の敵は人間だったなんて部分がとっても今風で良かったです。

 雰囲気的には「ジュマンジ」や「ザスーラ」に似てるんだけど、以前よりも物語に没入して見ることができたのは技術の進歩からか、あるいはキャラクターの良さかベン・スティーラーの芸達者さからなのか。もうちょっと上映時間が短かったら、博物館の大スクリーンで上映するアトラクション映画に向いているかもしれませんね。

ショーン・レヴィ監督。2006年アメリカ映画。

2008年6月12日 (木)

世界最速のインディアン (2005)

世界最速のインディアン 60年代のニュージーランドはインバカーギル。初老のバート・マンロー(アンソニー・ホプキンス)は伝説のバイク・インディアンを改造する日々。その目標はアメリカのソルトフラッツで行われるスピード競技会で、世界記録を更新すること。やがて借金をして渡航費を手に入れたバートは貨物船でコックをしながらアメリカ目指して出発するのだが…

 伝説の男バート・マンローを描いた実話の映画化。当時からもハイテクが横行するアメリカで、タイヤをキッチンナイフで削り足に電気毛布をばらした石綿を巻いて(大丈夫か?)出場するバートが記録を打ち立てた記録が未だ破られてないなんて、やっぱ職人って凄いって気分にさせられます。

 競技会場にたどりつくまでのロードムービーがいいですね。古き良きアメリカがじわ?っと感じられる。記録に挑戦しに来たと豪語する老人に対する税関職員の優しさからはじまって、道中いい人ばかりでとってもいい気分にさせられる。

 インディアンが世界記録を打ち立てる映画かと思ったら、インディアンってバイクの名前だったんですね。まさにフルカウルに包まれていて、さらに自立できないところ、曲がろうとすると必ずぶっとんでいく直線大王なところも魅力的です。

ロジャー・ドナルドソン監督。2005年ニュージーランド=アメリカ合作。

2008年6月10日 (火)

犬神家の一族 (2006)

犬神家の一族 戦後間もない信州の那須。薬屋で巨万の富を築いた犬神佐兵衛(仲代達矢)が亡くなり、遺言状を古館弁護士(中村敦夫)が預かる。同時に探偵の金田一耕助(石坂浩二)も呼ばれるのだが、彼らの前で連続殺人事件が起こる…

 70年代に大ヒットした邦画を、同じく市川崑監督がセルフリメイク。なぜ同じ映画を撮る…なんて疑問が見る前はなくもなかったけど、最新の俳優と1回撮った映画だけに勝手がわかっているのかツボを得た演出で安心して見ていられるといったところか。オリジナルのテーマ曲を使っていたり、金田一を前回と同じ石坂が演じるなどリメイクにありがちな妙な違和感が一切なかったのが良かった。

 俳優陣も、当時同じポジションにいた島田陽子にかわって松嶋菜々子を起用、さらに犬神の3人の娘に富司純子、松坂慶子、萬田久子。金田一にからむ宿屋の女中に深田恭子など、なかなかツボを得た配役である。

 それにしても、これが横溝ワールドなのかもしれないけど、巨額な遺産を前にした一族のあさましさといったらこちらも現実離れした感じで、今見ると全然リアリティが感じられないのはマイナスである。さらにラストの「天から来た人みたいだ」発言が妙に浮いているのも印象的。でもまぁ、2時間楽しめたし犬神家ってこんな映画だったんだぁと懐かしい時間を過ごすことができたのは大きなプラスである。

市川崑監督。2006年日本映画。

2008年6月 9日 (月)

スパイ・ゾルゲ (2003)

スパイ・ゾルゲ 第2次世界大戦直前の東京。朝日新聞の記者 尾崎秀実(本木雅弘)と、ドイツの特派員ゾルゲ(イアン・グレン)が特高警察の吉河(椎名桔平)に逮捕される。実は彼らは国家機密をソ連に送り続けていたスパイだった…

 有名な「ゾルゲ事件」を篠田正浩が引退作品として製作・監督。物語は逮捕の瞬間からはじまり、ゾルゲと尾崎の出会い、そして彼らにからむ政治家・軍人・そして女たち(葉月里緒菜、小雪、夏川結衣)を中心に語られる。3時間を超える作品ながらストーリーがなかなか面白く、一気に見終わることができた。最近流行のデジタル合成により、当時の風景などもそつなく盛り込まれているのはよく出来ている。

 とはいっても、なぜスパイ?という説得力にイマイチパンチがなくて、だらだらっとした中で終わってしまったという部分もなくはない。ましてやあの時代に命をかけたスパイである。「戦争と人間」と同じ時代背景を持っている作品なので、見比べてみると面白いだろう。

篠田正浩監督。2003年日本映画。

2008年6月 6日 (金)

御法度 (1999)

御法度 幕末の新撰組に加納惣三郎(松田龍平)と田代彪蔵(浅野忠信)という二人の剣士が入隊する。腕の立つ惣三郎だったが、その美少年ぶりから田代が衆道へと誘い込み、隊にも惣三郎に言い寄り心を惑わすものが続出。隊長の近藤勇(崔洋一)と土方歳三(ビートたけし)は頭を悩ませ、加納に女を教えようと山崎蒸(トミーズ雅)をつかわすのだったが…

 司馬遼太郎の「前髪の惣三郎」と「三条磧乱刃」を原作にした時代劇。大島渚監督だけに、ただの時代劇ではないと構えて見たんだけど、衆道ものだっただけにびっくり。とはいっても斎藤道三の衆道がごくごく一般的なものとして描かれた「国盗り物語」を昔読んだのを思い出して、こりゃ確かに司馬遼太郎の世界だと途中から妙に納得してしまった。

 現代でこそアブノーマルなものとしてとらえられがちな同性愛だけど、この映画の近藤や土方の反応を見ていると、この時代の方がずいぶんおおらかに受け入れられてたんだなぁとちょっと感心した。

松田龍平はこれがデビュー作だそうだけど、男を惑わす男として強烈な印象を残す。崔洋一の近藤隊長も、男ぶりが良くいい味を出してます。

大島渚監督。1999年日本映画。

2008年6月 5日 (木)

水の中のナイフ (1962)

水の中のナイフ アンドジェイ(レオン・ニェムチック)とクリスチナ(ヨランタ・ウメッカ)夫婦は、週末をヨットで過ごすためにドライブ。途中でヒッチハイクの青年(ズィグムント・マラノウィッチ)を乗せ、意気投合した彼らはヨットに乗り込むのだったが…

 ロマン・ポランスキー監督の長編第1作で、亡命前のポーランド映画。モノクロで登場人物はわずか3人、しかもヨットの上という閉鎖空間ながらも、真綿で絞めるかのような初期のポランスキー感覚が見て取れる面白い映画。何で夫婦はこの若者をヨットに乗せちまったんだろうってのが唯一納得できないところなんだけど、くたびれた夫婦にはこのくらいの刺激が必要だったってことなんでしょうか。

 何にしても、若者が落ちてからのアンドジェイのうろたえ方が象徴的。予想を反して本当に深刻な事件は何も起こらないんだけど、物語の前と後で夫婦は確実に変わっているというのが考えさせられます。

ロマン・ポランスキー監督。1962年ポーランド映画。

2008年6月 3日 (火)

MARCO 母をたずねて三千里 (1999)

MARCO 母をたずねて三千里 イタリアのジェノバに住むマルコ(声:樋口智恵子)の生活は苦しく、母アンナ(榊原るみ)はアルゼンチンへ出稼ぎに行く。ところが母からの手紙が途絶え、心配したマルコは南米への旅を決意する…

 エドモンド・デ・アミーチスの原作をアニメ映画化…というよりは、アニメ「世界名作劇場」でおなじみの「母をたずねて三千里」の再映画化。なつかしい…はずなんだけど、oga.としては船が出発するシーンしか記憶がない。しかも母との別れのシーンではなく、マルコが出発するシーンである。

 とはいってもこのストーリー、子供には理解できなかったのかもしれないけどよくできている。出発がイタリアのジェノバで旅をするのが南米だったというのが発見だし、ジェノバっ子の心意気というか、故郷を大事にする気持ちが何とも心地よい。マルコは家出するのかと思いきや、父親はしっかり「母さんのことはまかせた」と言ってるし、時に人を助け、助けられのエピソードも感動的である。マルコの家がなぜ貧乏かもちゃんとわかるし、わずか1時間半とはいえどもぎゅっと圧縮されたストーリーは見応えがある。

 間違いなく、大人が子供に見せたい映画でしょう。子供が理解するかどうかは定かではありませんが(笑)。

楠葉宏三監督。1999年日本映画。

2008年6月 2日 (月)

Gガール 破壊的な彼女 (2006)

Gガール 破壊的な彼女 もてないマット(ルーク・ウィルソン)が友人にそそのかされて地下鉄でジェニー(ユマ・サーマン)をナンパする。実は彼女は世間を騒がすスーパーウーマンのGガールだった。最初は楽しんでいたマットも、やがて彼女の嫉妬深い性格に嫌気がさしてきて、別れを切り出すのだったが…

 スーパーガールをユマ・サーマンが演じるってことである意味はまり役…なんだけど、事態はあらぬ方向へころころと転がっていき… 終わってみるとこれ、艶笑ものなんですね。ベッドでサンタナを流すセンスが、どうにもバカうけでありました。大女優の仲間入りしたはずのユマもこんなのに出てしかも思いっきり笑いをとってくれるんだから尊敬いたします。可愛いだけであんまり重要じゃない役柄かと思っていたハンナ(アンナ・ファリス)も後半大活躍。

 ところでうさん臭いベッドラム教授(エディ・イザード)って一体何だったんだろう。自称悪役なんだけど、どんな悪事をやったのかが全然わからないぞ。アイヴァン・ライトマンの映画ってちょっとした思いつきをぶわっと膨らませたような作品が多いですね。

アイヴァン・ライトマン監督。2006年アメリカ映画。

2008年5月29日 (木)

魔界転生 (2003)

魔界転生 島原の乱で非業の死を遂げた天草四郎(窪塚洋介)は10年後、妖術によってよみがえる。紀州藩主の徳川頼宣(杉本哲太)のもとへ現れた四郎は、江戸へ攻め込むことをけしかける。ところがその動きを察したのが柳生十兵衛(佐藤浩市)だった…

 山田風太郎原作の人気小説を映画化、というよりは、元気だった頃の角川映画版を思い出して懐かしくさせてくれた伝奇時代劇。しかし昨今多い70年代邦画のリメイクで成功しているものが見あたらないという惨状からもれることはなく、この作品もなんとも不気味な怪作となっている。

 深作版「魔界転生」といえばジュリーと千葉真一というタイプの違う役者の対決も話題だったけど、個人的には丹波哲郎がからんだ魔物を斬る妖刀製作のエピソードがものすごく印象に残っている。ところが本作ではそのあたりがばっさりと切り捨てられているのが不満といえば不満である。

 比べちゃいけないのかもしれないけど、佐藤浩市の柳生十兵衛ってのは八方破れのあんちゃんといった雰囲気で重厚さに欠ける。軽快さはあるんだけどなぁ。窪塚洋介はあのこてこてメイクのおかげで、逆に普通の兄ちゃんになり下がっているような気がした。深作版「魔界転生」ってそんなに傑作ではなかったという認識なんだけど、こうしてみるとなかなか頑張ってたんだと再発見いたしました。そうそう、本作のおどろおどろしげなテーマ曲は良かったです。

平山秀幸監督。2003年日本映画。

2008年5月26日 (月)

RED SHADOW 赤影 (2001)

RED SHADOW 赤影 戦国時代の日本、無敵の鋼を身にまとった最強の忍者集団「影一族」がいた。彼らの末裔は、白影(竹中直人)を頭に赤影(安藤政信)、青影(村上淳)、飛鳥(麻生久美子)がチームを組んで戦国大名の東郷秀信(津川雅彦)に仕えていたのだが…

 タイトルからもわかるとおりに、60年代の人気ドラマ「仮面の忍者赤影」のリメイク…のはずなんだけど、どこにも「仮面」と書いてないだけあって本作はみんな素顔。しかも内容は思いっきり笑えないおやじギャグにふってあって、さながら最近の戦隊ものを見ているようである。しかし戦隊ものでももうちょっと笑えるはずなんだけど、赤影ってこんなにおちゃらけな時代劇だったんだろうかって少々混乱してしまった。

 そうこうしてると、なんと飛鳥が… うーむ、こっから先は、影一族が陰を引きずったようになってしまい、うまく作ればもっと余韻のある面白い映画になったはずなんだけど、と残念に思ってしまった。

 ワイヤーアクション満載の、時代劇のニューウェーブであるとは思うんだけど、赤影といえばやっぱり巨大なガマとか金目教とかを期待してしまいます。凧で飛ぶシーンがちょびっとだけあったけど、ショボかったなぁ。

中野裕之監督。2001年日本映画。

2008年5月23日 (金)

記憶の棘 (2004)

記憶の棘 10年前に夫のショーンを失った未亡人アナ(ニコール・キッドマン)。友人ジョゼフ(ダニー・ヒューストン)との再婚を前にしたアナの前に、自分はショーンの生まれ変わりだという少年(キャメロン・ブライト)が現れる…

 生まれ変わりをテーマにしたサイコ・ミステリー。ショーン少年ことキャメロン・ブライトの顔立ちが妙に印象的で(失礼ながら「キモカワ」の部類かもしれない)どっかで見たと思って調べたら…「ウルトラヴァイオレット」の「シックス」くんだった。そういえばアタッシュケースの中に彼が入っているというビジュアルも強烈だった。

 しかしこの映画、生まれ変わりを特別なこととして扱っていることや、「自分はもうママの子供ではない」と言い切ってしまうあたりは日本や韓国で見られる「輪廻」ものとは違う。やっぱりこれはサイコサスペンスに分類される物語だと思ってしまった。結局彼は本当にショーンの生まれ変わりかって部分は見てる自分の中では固まっているんだけど、本当にそうかと言えば何か見落としているんじゃないかと不安になってくる。

 キャメロン少年もいいけど、ひと皮むけたニコール・キッドマンはショートカットで頑張ってます。劇場での長回しのシーンとかは、長さを感じさせないほど印象的。この映画、全体的に間のとり方が凝ってますね。これでラストに余韻が残れば、言うことなかったんだけど。

ジョナサン・グレイザー監督。2004年アメリカ映画。

2008年5月22日 (木)

甲虫王者ムシキング スーパーバトルムービー 闇の改造甲虫 (2007)

甲虫王者ムシキング 闇の改造甲虫 妖精ポポ(声:進藤尚美)やかぶとむしのムシキング(堀井真吾)が住む森に、外国の甲虫が殴り込んでくる。実は彼らはアダー(佐藤正治)が送り込んできた改造甲虫だった…

 人気ビデオゲーム「甲虫王者ムシキング」の劇場アニメ第2弾。約50分の中編映画で、テレビ版の「森の民の伝説」をスケールアップ(ダウン?)した内容。しかしこのシリーズ、一時期ムシキングに熱狂してた筆者の長男には意外と不評だったんだけど、この映画版を見てその理由がわかったような気がした。

 つまり…意外とストーリーの底が浅くてスケールの広がりがない。森の民と仲間たちが森を守って、孤独な老人アダー(笑)がそれをうらやんでか改造甲虫でちゃちゃを入れてくる。でもそれだけの物語。アダーが何で改造甲虫まで使って森を襲ってくるかがわからないんですよね。

 セガのビデオゲームは子供たちが熱狂するだけあって、名作でした。昆虫の目線になって楽しむことができる。でも映画化にあたっては、意外とこじんまりとまとまってしまって何だかなぁ…って内容でありました。少なくとも「ミクロキッズ」のようなわくわく感が欲しかったかな。

水崎淳平監督。2007年日本映画。

2008年5月20日 (火)

ママの遺したラヴソング (2004)

ママの遺したラヴソング 母の訃報を知ったパーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、同棲していた男と別れてニューオーリンズへ。ところが彼女の葬式に間に合わないばかりか、母の住んでいた家には見知らぬ二人の男ボビー・ロング(ジョン・トラボルタ)とローソン(ガブリエル・マクト)が住んでいて、家は彼女を含む3人へ相続されたという。というわけで、3人の奇妙な共同生活がはじまった…

 何で3人に相続されるんだ、パーシーとボビーの関係って何、ストーリーの肝心な部分を見落としたんじゃなかろうかと気になって気になってのうちに映画はどんどん進行していって、気がついたら終わってしまった。こんな見方をしていたら、ラストのどんでん返し(?)もぜ?んぜん衝撃はなく完全に気が抜けてしまった。

 「ママの遺した?」というタイトルにもかかわらず、ママがスクリーンに一切出てこないところがこの映画のポイントでしょう。同居人は大学教授と文学青年のはずだけど、妙にこきたないところも味がある。映画の雰囲気は嫌いではないんだけど、悲しいかなストーリーに魅力を感じなかったのが辛いところ。大好きなスカーレット・ヨハンソンだけに、完全に肩すかしをくってしまったような映画でした。

シェイニー・ゲイベル監督。2004年アメリカ映画。

2008年5月19日 (月)

必殺! 主水死す (1996)

必殺!主水死す 大奥で権力争いが起こり、世継ぎの家定(細川ふみえ)の双子の弟で行方不明の捨吉(細川ふみえの二役)を殺してくれという依頼が仕事人に入る。主水(藤田まこと)、勇次(中条きよし)、秀(三田村邦彦)の3人は本来の仕事ではないと断るのだが、別の仕事人が引き受ける。ところが主水が捨吉が昔の仕事人仲間だったお夢(名取裕子)と暮らしているのを見つけてしまい…

 中村主水の最後ってことで、ほぼシリーズの完結編と思われる作品。実際、これ以降に必殺シリーズは筆者の知る限り作られていない。未見だったのでずいぶん久しぶりに(20年ぶりぐらいかな?)仕事人を見たんだけど、音楽といいストーリーといいテンポといい、私ぐらいの年代になると黄門さまのように体にすり込まれているってことを実感して苦笑してしまった。

 それにしても…なんともあっけない幕引きである。結局のところ、主水ってのは女にだらしなくてそれが原因で命を落としてしまったってことなんだろうか。もうひとつ食い足りなかったのは、主水がいなくなってからのせん(菅井きん)とりつ(白木万里)がまったく描かれてなかったというところ。そのあたりは勝手に想像してくれということなんだろう。

 主水もそうだけど、怪演という言葉がぴったりの津川雅彦が印象に残る。他にも東ちづる、松井一代、野村祐人、宝田明、鈴木清順、美保純と、なかなか豪華なキャストである。

貞永方久監督。1996年日本映画。

2008年5月18日 (日)

スパングリッシュ (2004)

スパングリッシュ 夫と別れ、メキシコからヒスパニックの多いロスへ娘のクリスティーナ(シェルビー・ブルース)と共にやって来たフロール(バス・ベガ)。ハウスキーパーとして裕福なクラスキー(アダム・サンドラー)のところで働くことになったのだが、やがて妻のデボラ(ティア・レオーニ)や娘のバーニー(サラ・スティール)とトラブルが起こり…

 コメディの印象が強いアダム・サンドラー主演のシリアスなホームドラマ。タイトルからわかるように、ヒスパニック系のカルチャーギャップものなんだけど、なかなかストーリーは深く味わいがある。ハリウッド本格デビューというスペインの女優バス・ベガも光っている。

 それにしても、豪邸に別荘まであるクラスキー家の暮らしは豪華ですね。そんな中に難民同然の母娘が飛び込んでいって、この程度のトラブルしか起こらなかったというのはある意味凄いことなのかもしれない。フローラが凛としていて妥協がないところが良かったのかな。コメディアンのアダムが出演しているのにかかわらずほとんど笑えるところがなかったんだけど、唯一くすりとしてしまったのが彼がヒステリックなメキシコのおばさんに見えたというくだりです…

ジェームズ・L・ブルックス監督。2004年アメリカ映画。

2008年5月16日 (金)

バッテリー (2006)

バッテリー 天才的な速球を持つピッチャー巧(林遣都)が中学入学を目前にして家族(天海祐希、岸谷五朗、鎗田晟裕)で岡山の田舎町の祖父(菅原文太)のもとへ引っ越して来る。受けることが無理と思われた彼の速球を受けたのは、キャッチャーの豪(山田健太)。二人は中学の野球部に入部するのだが、そこには癖のあるコーチの戸村(萩原聖人)がいた。

 あさのあつこの児童文学のベストセラーを映画化。アニメが原作かと思ったんだけど、こういうストーリーが児童文学から飛び出してくるあたりはまだまだ活字の世界も捨てたもんじゃないなぁってちょっといい気分になってしまった。

 ストーリーは一言で言うと、野球バカの物語。明けても暮れても野球ばっかりしている野球バカの少年たちがなぜ野球バカなのか。そして映画を見終わった時には、自分の中にある野球バカな部分がふっと熱くなっている、そんな気分を味合わせてくれる佳作である。

 単なるスポ根ものではなくて、才能はあるけど周囲に受け入れられなくて屈折してすねているいる主人公や、いかにもキャッチャーといったムードメイカーの豪、そして突然レギュラーになった彼らが気に入らなくて暴走する先輩など、現代風でありながらよくこんなばっちりな配役を見つけたもんだと見ていて感心させられる。野球が好きであっても好きでなくてもおすすめ。最後はきっと劇中のお母さんのように、彼らを応援しているはずだ。

滝田洋二郎監督。2006年日本映画。

2008年5月13日 (火)

7セカンズ (2005)

7セカンズ 強盗のボスのジャック・タリバー(ウェズリー・スナイプス)はルーマニアで現金輸送車を襲うのだが、手に入れたのは開け方のわからないアタッシュケースひとつ。さらに恋人のスーザはロシアマフィアに誘拐され、居合わせた憲兵のアンダースと犯人を追う羽目になる。

 そういや昔60セカンズって車泥棒の映画があったが、こちらは7セカンズってことでたったの7秒。でもその7秒がストーリーに生かされているかというとぜ?んぜん生かされていない。何が7秒だったのか、実は未だにわかってなかったりする(笑)。

 迫力のカーアクションとか、手がぶるぶる震えるロシアマフィアのボスとか見せ場はぱらぱらとあるんだけどそれっだけ。正直言って何が面白いかわからないような映画。スナイプスの映画は要注意かもしれない。

サイモン・フェローズ監督。2005年ルーマニア=スイス=イギリス合作。

2008年5月12日 (月)

ダイ・ハード4.0 (2007)

ダイ・ハード4.0 独立記念日の前日、FBI本部に何者かがハッキングを仕掛ける。ハッカーの一斉検挙のために、非番で娘(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)に会おうとしていたマクレーン刑事(ブルース・ウィリス)は突然呼び出しを受け、マット・ファレル(ジャスティン・ロング)の拘束を命じられる。ところが彼のマンションが突然激しい銃撃を受け…

 サイバーテロの犯罪に巻き込まれる不運なマクレーン刑事を描いたシリーズ第4作。前作から12年というわけで、ウィリスもすっかりスキンヘッドの親父というか、爺さんに近い。それでもテロリスト相手に体を張ってヒーローになっちゃうところは立派である。

 1作目がハイテクビル、2作目が旅客機と、密室で孤軍奮闘するというのがこのシリーズの特長だけど、本作ではサイバーテロによりインフラが消滅して味方の援軍が呼べないというのがポイント。とはいっても無理矢理作った密室だけにわかりにくく、思ったほどのめりこんで見られなかったというのが残念なところ。さらにストーリーの盛り上げ方にもメリハリがないのは痛い。

 とはいってもたたみかけるような展開はさすがスーパーシリーズである。ハッカー少年のジャスティンくんもいい味を出してます。

レン・ワイズマン監督。2007年アメリカ映画。

2008年5月 9日 (金)

それいけ!アンパンマン 怪傑ナガネギマンとやきそばパンマン (2001)

怪傑ナガネギマンとやきそばパンマン やさい村のカーニバルにやさいを届けようとしていたピーマン3兄弟(声:西村ちなみ、原えりこ、高田由美)とやきそばかすちゃん(岩男潤子)がバイキンマン(中尾隆聖)とドキンちゃん(鶴ひろみ)に襲われる。それを助けたのが、やきそばパンマン(小杉十郎太)と怪傑ナガネギマン(大塚明夫)だった。ところが性懲りもなくバイキンマンはやさい村に闘牛ロボを送り込み…

 劇場版アンパンマンの併映作品の1本で、約30分の短編。ストーリーとしては「やきそばパンマンとブラックサボテンマン」の続編にあたるような内容で、西部劇スタイルをとる。怪傑ナガネギマンはどう見ても怪傑ゾロのパロディで、ムチでNを書くところなどは往年の映画ファンだったらニヤリとさせられるだろう。

 もうひとつ特筆すべきは、アンパンマンの出番がほとんどないこと。最後の最後にゲスト的に1カット登場するだけってのが、なかなか渋いぞ、アンパンマン。ナガネギマンの正体が見え見えの点も、小さな子供の目では楽しめるらしい。ピーピー泣いてるばっかりのピーマン3兄弟も可愛かったぞ。

大賀俊二監督。2001年日本映画。

2008年5月 8日 (木)

トリスタンとイゾルデ (2006)

トリスタンとイゾルデ 15世紀ごろのイングランド。幼い頃に父をアイルランド兵に殺されたトリスタン(ジェームズ・フランコ)は、領主マーク(ルーファス・シーウェル)に助けられ一人前の戦士に育つ。ところが最初の戦闘で死んだと思われ埋葬され船で流されるのだが、敵軍の娘イゾルデ(ソフィア・マイルズ)に助けられる。やがてイングランドへ帰ったトリスタンだったが…

 有名な歌劇の映画化。「ロミオとジュリエット」の元ネタなのだそうだが、設定が敵同士の恋愛という以外は思ったほど類似点はない。というかこの「トリスタンとイゾルデ」の方が正攻法で、ひねりのないラストに思えた。いっそのこと二人で駆け落ちすればと何回も思ったんだけど、乗り物は馬だけの時代だけにどこへ逃げてもどうしょうもなかったんでしょうね。

 イゾルデ役のソフィア・マイルズはなかなか美形で印象に残る。調べたらサンダーバードにペネロープ役で出てたり、「フロム・ヘル」でジョニー・デップの妻とかやってたみたいだ。あんまり記憶にないのだが。思いっきり場をかっさらってしまったのは領主マーク役のルーファス・シーウェル。ラストに余韻が残るのは彼の功績だろうね。

ケヴィン・レイノルズ監督。2006年アメリカ映画。

2008年5月 7日 (水)

DOA デッド・オア・アライブ (2006)

DOA デッド・オア・アライブ 兄を探して城を飛び出し抜け忍となった女王かすみ(デヴォン青木)。同じ頃、女子プロレスの格闘家ティナ(ジェイミー・プレスリー)、盗賊のクリスティー(ヒリー・ヴァランス)ら一同に格闘トーナメント DOA(デッド・オア・アライブ)の招待状が届けられる。彼女たちはドノヴァン(エリック・ロバーツ)の待つドアテク・アイランドへ集められるのだったが…

 人気ビデオゲームの映画化。冒頭の石狩山脈にそびえる城(笑)からドン引きさせてくれたとっても軽いノリは、映画版チャーリズ・エンジェルを思わせる。とにかく飛んだり跳ねたりの高所平気症キャラクターたちのオンパレードにお色気がからんで正に映画のビデオゲーム化進行中といったところか。あるいはPS3などの次世代ゲーム機を使えば、このくらいの映像は自分で操作できるんじゃないかと思えてくる。

 ほとんど主役級で活躍するデヴォン青木とケイン・コスギのコンビは一見の価値があるかも。「燃えよドラゴン」のオマージュともとれるストーリーだけど、あちらほどの悲壮感はなくただゲームを楽しんでいるといった雰囲気。こむつかしい映画ばっかり見たあとには、こういうので口直ししてみるのもいいかも…

コリー・ユン監督。2006年アメリカ=ドイツ=イギリス合作。

2008年5月 5日 (月)

アンダーワールド (2003)

アンダーワールド ヴァンパイヤのセリーン(ケイト・ベッキンセール)は、宿敵の狼男(ライカン)に襲われている人間マイケル(スコット・スピードマン)を助ける。実は彼はすでに狼男に噛まれており、吸血鬼と狼男の混血に関する鍵を握る血族であった…

 「ブレイド」を思わせる吸血鬼もので、暗?い雰囲気はそのまんま。しかもどこかで聞いたことがあるような吸血鬼と狼男の対決を描きながらも、両者は最新のサブマシンガンで武装していてガンガン撃ちまくるところが新味といえば新味。

 ストーリー的には、吸血鬼と狼男の混血が成功すれば争いもなくなっていいのに…と思っていたら、案の定セリーンとマイケルといった主人公たちは本来の一族とはスピンアウトしていく、という内容。この展開にはある意味ほっとさせられました。

 意外と血を吸うシーンや噛むシーンが少ないのは吸血鬼映画らしくないんだけど、これがいいんだろうね。ケイト・ベッキンセールはこんな役もできるんだとちょっと感心した。

レン・ワイズマン監督。2003年アメリカ映画。

2008年5月 2日 (金)

バンディッツ (2001)

バンディッツ スキを見て刑務所を飛び出したジョー(ブルース・ウィリス)とテリー(ビリー・ボブ・ソーントン)。生きていくためには強盗だとばかり、見事な手口で犯罪を重ねて「お泊まり強盗」という異名までもらうが、彼らの間に転がり込んできたケイト(ケイト・ブランシェット)のおかげで調子が狂ってくる…

 いきなり周囲を警官隊に囲まれたところからはじまり、回想で刑務所に引き戻され…と何とも心憎い演出の犯罪映画。しかし…恥ずかしながら、すっかり彼らにだまされてしまいました。伏線いっぱい張り巡らされているのになぁ。ライト感覚の泥棒映画ってのは、やっぱ面白い。人が死ぬシーンがまったくない(?)のも良い。

 しかし、ケイト・ブランシェットってやっぱ凄い。HEROを歌いながら登場した時には、彼女だとわからなかったぞ。まぁ彼女のはじけぶりからすれば、おじさん二人が翻弄されるのはわからないでもないが。

バリー・レヴィンソン監督。2001年アメリカ映画。

2008年5月 1日 (木)

ドリームガールズ (2006)

ドリームガールズ 60年代のデトロイト。ボーカルグループ ドリーメッツのエフィー(ジェニファー・ハドソン)、ローレル(アニカ・ノニ・ローズ)、ディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)の3人はメジャーデビューを夢見てオーディションを繰り返す。中古車ディーラーのカーティス(ジェイミー・フォックス)のバックアップを得て、人気歌手ジェームズ・アーリー(エディ・マーフィ)のバックコーラスに抜擢される彼女たちだったが、エフィーがレコード会社と衝突して…

 モータウンによるブラックミュージックの大流行を背景にしたミュージカルドラマ。大筋はショービズ界における彼女たちの浮き沈みをドラマチックに、歌と踊りで描いた作品。こういう映画はとにかく、歌って歌って歌いまくってくれたらもう満足するしかないですね。ストーリーは意外とひねりがなく、歌手とプロデューサーの葛藤も意外と平板…なんだけど、とにかく歌って踊ってをたっぷりと見せつけられるととってもいいドラマを見た気分になるから不思議です。

 それにしても…ルックスではじき飛ばされるエフィーってのは失礼な話ですが、世の中が彼女を受け入れるほど成熟してなかったってことでしょうかねぇ。昨今のアカデミー賞なんて、オスカーをとる女優は個性派ばっかりで美人はあんまりいないのになぁ、なんて映画を見ながらふと考えてしまいました(音楽界じゃないですが)。

 いやいや、この映画を真に受けると、ビヨンセ・ノウルズよりジェニファー・ハドソンの方が歌がうまい、なんてことにもとれてしまいますね。それはそれで失礼かもしれませんが。

 ところでエディ・マーフィって、あんなに歌えたっけ?

ビル・コンドン監督。2006年アメリカ映画。

2008年4月30日 (水)

バトルフィールド・アース (2000)

バトルフィールド・アース 1000年後の地球は、サイクロ星人の攻撃により人類は壊滅。わずかに生き残って原始人同然の暮らしをしていた。ところが生き残りの一人のジョニー(バリー・ペッパー)はそんな事は知らずに、安住の地を探して旅に出る。そして彼を捕らえたのが、冷酷なサイクロの司令官タール(ジョン・トラボルタ)と部下(フォレスト・ウィテカー)だった。

 新興教団「サイエントロジー」の教祖L・ロン・ハバードの原作をジョン・トラボルタのプロデュースで映画化。ラジー賞総なめなど、キワモノ的な評価が多い本作だが、B級SFとして見ればなかなか面白かった。

 冒頭のファンタジー風の出だしから、急にSFへとぐぐっと方向転換される展開はなかなか見事。予備知識なく見たので、唖然とさせられた。登場するサイクロ人たちも、スタートレックのクリンゴンの出来損ないみたいで、さらにお馬鹿でお茶目なところが結構笑える。トラボルタとウィテカーのやり取りなんて絶妙である。

 さらにラスト近くの空中戦なども大迫力。核爆弾を転送して…という荒唐無稽な作戦にまんまとはまって壊滅してしまうサイクロ人も、何だかなあ…である。サイクロ人は本当に数分で人類を壊滅させたのだろうか? それともその話はこの映画のラストに対する伏線?

ロジャー・クリスチャン監督。2000年アメリカ映画。

2008年4月28日 (月)

戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河 (1971)

戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河 昭和11年、成長した伍代家の次男俊介(北大路欣也)は以前兄(高橋悦史)と婚約していた人妻温子(佐久間良子)と恋に落ちる。さらに官憲に逮捕された俊介の友人耕平(山本圭)は伍代家の次女順子(吉永小百合)に思いを寄せるのだったが。その頃満州では不穏な動きが起こり…

 前作より8年ぐらい経過したという設定なので、子役の二人が成長して北大路欣也と吉永小百合になっちゃうというびっくりの配役である。こりゃちょっと違和感あるぞ。さらに北大路欣也は佐久間良子との道ならぬ恋に突っ走っちゃって、正に財閥のお坊ちゃま一直線である。あまりにもステレオタイプ過ぎて、この映画としてはあんまり好きになれない部分である。

 エピソードはいっぱい用意されているんだけど、今回スポットが当たっていて印象に残るのは地井武男演じる韓国のゲリラのエピソード。家族を殺され恋人も…というあたりが胸に残る。おそらくメインストーリーであろう高橋英樹と浅丘ルリ子の恋の行方はあまりしっくりこない。第1部で印象に残った三国連太郎の殺し屋も、あまり活躍シーンがない。とこのあたりのゆさぶり加減が大河ドラマたる所以なんだろうと妙に納得してしまった。

 こういったストーリーの刈り込み具合が良く、見せるべき話はじっくり見せてくれるのが良い。第三部に期待!!

山本薩夫監督。1971年日本映画。

2008年4月25日 (金)

戦争と人間 第1部 運命の序曲 (1970)

戦争と人間 第1部 運命の序曲 昭和初期の満州。由介(滝沢修)を当主とする新興財閥の伍代は弟の喬介(芦田伸介)、長男の英介(高橋悦史)、従業員の鴫田(三国連太郎)らを使って利権を探る。長女の由紀子は軍人の柘植(高橋英樹)と恋に落ち、次男の俊介(中村勘九郎)は一族のやり方に激しく反対するのだったが…

 五味川純平の原作を映画化。オールスターの大河ドラマで、3部作合わせた上映時間の長さでも有名。正に群像劇で、3つ4つの話がからみ合って進んで行くにもかかわらずストーリーはすっきりとまとめられているので混乱することはない。しかし言葉が難しいのが少々難点で、ある程度歴史に詳しくないと満州で何が起こっているのかをこの映画だけで理解するのは難しいかもしれない。

 戦争映画といえば軍人と庶民の悲惨な状況を描くのが定番だけど、軍部とつるんでのし上がっていった財閥を描くというのが面白い。その財閥の息子たちにも普通の暮らしがあるわけだし、いろんなドラマを持っているんだなぁというのがよくわかる。

 DVDに入っている出演者の略歴を見てみると、この時代だとまだ満州に住んだことがあったり時代を経験した人がいっぱいいるのに驚かされる。滝沢修の財閥当主というのは、穏やかに見えて凄みがある。ほとんど殺し屋といった役柄の三国連太郎も印象に残る。

山本薩夫監督。1970年日本映画。

2008年4月22日 (火)

それいけ!アンパンマン やきそばパンマンとブラックサボテンマン (2000)

それいけ!アンパンマン やきそばパンマンとブラックサボテンマン 機関車で食料を運ぶメロンパンナちゃんとやきそばかすちゃん。ばいきんまん(声:中尾隆聖)に襲われ危機一髪だったところを、兄のやきそばパンマン(小杉十郎太)に助けられる。ところが懲りないばいきんまんは、サボテンマン(内田直哉)をブラックサボテンマンに変身させて襲ってくるのだったが…

 「?人魚姫のなみだ」の併映アニメ作品で、約30分の短編。つまり1時間と30分の映画の2本立てで、小さなお子様の鑑賞に配慮した構成である。なるほどなるほど。そういえば昔は短編8本立てのチャンピオンまつりとかあったなぁなんて、思い出したりもした。

 ところでこの30分の作品、なかなかあなどれない。西部劇のスタイルを借りて、守るメロンパンナちゃんたちに対して強盗団はばいきんまん。一匹オオカミのヒーローがやきそばパンマンならば、最後に出てくるアンパンマンは騎兵隊である。作者(やなせたかし?)は西部劇に並々ならぬ思い入れがあるんじゃなかろうかと、子供たちの横でひとりにんまりしてしまったのであった。主人公たちは同じだけど活躍する世界が違うという構成も、昔のギャグマンガではよく使われた手法である。

大賀俊二監督。2000年日本映画。

2008年4月21日 (月)

それいけ!アンパンマン 人魚姫のなみだ (2000)

それいけ!アンパンマン 人魚姫のなみだ うずまき城に住む人魚姫のサニー(声:南果歩)は、浜辺に遊びに来ている子供たちを見て地上の世界にあこがれる。海の魔女が持っていた「紅色ひとでの髪飾り」で人間に変身したサニーはアンパンマン(戸田恵子)たちと楽しい時間を過ごすが、やがて海底では怪獣ゴロンゴラが目を覚まし…

 人気アニメーションであるアンパンマンの劇場版第12作。人魚姫を下敷きにした物語で、彼女が呪いのかかった髪飾りを持ち出したがゆえに怪獣が目を覚まし、さらにバイキンマンがその怪獣を操って悪巧みをするというストーリー。海をきれいにしているのがうずまき城だというのがさりげなくエコロジーな内容で、当然ながら海底の大冒険は美しくて夢がいっぱい。

 子供たちがずっと見ているアンパンマンを、腰を落ち着けてじっくり見たのは初めてなんだけど、なかなかストーリーが練られていて面白い。子供たちに安心して見せられる良作。

永丘昭典監督。2000年日本映画。

2008年4月18日 (金)

くまのプーさん 完全保存版II ピグレット・ムービー (2003)

ピグレット・ムービー はちみつをとろうとしていたプー(声:ジム・カミングス)、ティガー(ジム・カミングス)、イーヨー(ピーター・カレン)たちだったが、ピグレット(ジョン・フィードラー)のことはすっかり忘れていた。寂しくなったピグレットは家出してしまい、残されたプーたちはピグレットのスケッチブックを片手に彼を探しにいくのだったが…

 A.A.ミルンの名作童話のアニメ映画化…というよりは、ディズニーでは定番キャラクターであるプーとその仲間たちの映画。今回は人間の子供であるクリストファー・ロビン(トム・ホイートリー)の出番はほとんどなく、小さくてみんなから相手にされないピグレットにスポットを当てたストーリー。もちろんディズニー映画だけあって、後半にはピグレットが大活躍してスカっとさせてくれるのはお約束である。小さな子供にも安心して見せることができる。

 舞台も100エーカーの森にとどまらず、北極へ行ったり、大きな滝ではらはらどきどきさせられたりとなかなかのスケールの大きさである。残念ながら日本では劇場未公開。

フランシス・グレイバス監督。2003年アメリカ映画。

2008年4月17日 (木)

人間椅子 (2006)

人間椅子 編集社に勤める真里(宮地真緒)は、人気作家の今野佳子(小沢真珠)の担当となる。上司の小原(板尾創路)は彼女に1本何か書かせれば大成功だと言うのだが、実は彼女の部屋にはある秘密が…

 江戸川乱歩の短編小説の1本を映画化。女流作家には何かある、というのは冒頭のシーンから明白なんだけど、実はゴミマニアの真里だとか、常に甘い汁を吸っている小原などなど登場人物の奇妙な性癖が次々と明かされていく。いわゆるカルト映画のスタイルをとっているんだけど、異常な雰囲気意外は何も心に残らないのが辛いところ。

 人間椅子って発想は面白いんだけど、ビジュアルにするにはやっぱり無理があるみたいですね。あのスタミナジュースはどうやって飲んだんだろうかとか、排泄物はどうしてるんだろうって細かいことが気になって実はあんまり物語に集中できなかった。短編をここまで引っ張ったのが無理があるのかな。

佐藤圭作監督。2006年日本映画。

2008年4月15日 (火)

守護神 (2006)

守護神 伝説のレスキュー・スイマーのベン(ケヴィン・コスナー)は救難活動中に相棒を失い、静養をかねてレスキュー隊員の教官を命じられる。好きにやっていいという条件から実務中心の指導をするのだが、教え子のジェイク(アシュトン・カッチャー)と激しく衝突して…

 日本語タイトルにどうしても野球のストッパーを連想してあんまり期待もしてなかった映画だったんだけど、蓋をあけてびっくり。今時珍しい正統派のスポ根ものの作りに、珍しく熱くなって見てしまった。自己犠牲の海難救助というテーマは究極の体育会系ですね。さらに伝説の男が後継者を育てるという、映画としてはこれまた王道を行く内容。ワンパターンかもしれないけど、こういう映画はずっと作り続けてほしいなぁと思ったりいたします。

 嵐でも飛べるヘリというハイテク装備で救助に向かっても、結局救うのは荒れた海に飛び込んだ生身の人間…というのが象徴的です。

アンドリュー・デイヴィス監督。2006年アメリカ映画。

2008年4月14日 (月)

氷の微笑2 (2006)

氷の微笑2 小説家のキャサリン・トラメル(シャロン・ストーン)はサッカー選手とドライブ中に川に転落事故を起こす。ひとり助かったキャサリンは疑惑の渦中で、担当のウォッシュバーン刑事(デヴィッド・シューリス)に精神科医マイケル(デヴィッド・モリッシー)を紹介される。

 あのセクシーサスペンス「氷の微笑」の14年ぶりの続編。というか、今さらどうして…って思ったんだけど、ちゃんとシャロン・ストーン主演で役名も同じで正統派の続編を作っているあたりは評価できる。

 ただし時代が進んだせいか、彼女がいくらスクリーンから挑発してもそれほどのものを感じないのはつらいところ。14年を経て変わっていないシャロン・ストーンってのも凄いとは思うんだけどなぁ。前作では犯人をオブラートに包んだような部分があったんだけど、今回は冒頭から彼女ですってレッテル貼ってるようなもんだというのもやや減点。シャーロット・ランプリングが出ていたのはちょっとした収穫。彼女のセクシーシーン(笑)はありませんでしたが。

マイケル・ケイトン・ジョーンズ監督。2006年アメリカ映画。

2008年4月11日 (金)

ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ (2007)

ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ 沖縄美ら海水族館へ獣医としてやって来た植村一也(松山ケンイチ)。仕事は水槽掃除からイルカのエサ作りと単調な毎日に嫌気がさしている。ある日、ビッグマザーことイルカのフジの尾びれが壊死していることがわかる。手術で一命はとりとめたものの、尾びれを失って泳げなくなったフジのために、人工ヒレを作るプロジェクトが持ち上がる…

 実話を元にしたらしく、ストーリー的には単調なんだけど何だか心に残るいい映画。たぶんイルカと海と沖縄というのが、思いっきり癒しなんだろうね。主演の松山ケンイチも今時の若者ながらも等身大に頑張ってていい感じだし、脇を固める山崎努、永作博美、坂井真紀なんかもみんな存在が癒し系。

 フジのために尾びれをつくってあげるブリジストンって、めちゃめちゃいい会社やんと思ってしまった。次にタイヤを買う時はブリジストンにしよっと。

前田哲監督。2007年日本映画。

2008年4月10日 (木)

レミーのおいしいレストラン (2007)

レミーのおいしいレストラン 長年居候していた住み家を追い出されたねずみのレミー(声:パットン・オズワルト)は家族とはぐれてパリのレストランに流れ着く。元々味覚が鋭く、シェフ希望のレミーは下働きでドジなリングイニ(ルー・ロマノ)を助けてスープを作るのだったが…

 ネズミが人間と二人三脚で絶品の料理を作る、というディズニー=ピクサー製作のCGアニメ。厨房にねずみという取り合わせもさることながら、帽子に隠れて人間を操るというアイディアには脱帽もの。さらに「誰でも名シェフ」なんて哲学的テーマも持ってたりして、子供向けかと思ってあなどっていたら痛い目にあいそうな、なかなかしっかりした作品である。

 ふかふかしたレミーは可愛くて、途中でCGだということを忘れてしまったほど。くるくる展開する画面も美しく、パリの夜景シーンなんかは本物そっくりで雰囲気たっぷり。ふるさと料理(ソウルフード?)攻撃ってオチは、日本の料理コミックでは常套手段ですね。

ブラッド・バード監督。2007年アメリカ映画。

2008年4月 8日 (火)

ALWAYS 三丁目の夕日 (2005)

ALWAYS 三丁目の夕日 昭和33年の東京。集団就職で上京してきた六子(堀北真希)は小さな修理工場の鈴木オートに住み込みで勤める。大企業に勤めることを想像していただけに、そのギャップにあぜんとする六子だったが、就職先の家族(堤真一、薬師丸ひろ子)や向かいに住む小説家の茶川(吉岡秀隆)とやがてうち解けていくのだったが…

 西岸良平のコミックを映画化。日本アカデミー賞を総なめにした話題作を今さらながらに鑑賞。東宝スコープのタイトルからはじまり、作りかけの東京タワー、レトロチック満載の合成画面にこりゃ凄い…と思わされたけど、映画のストーリーもなかなかのレトロ仕立てで途中からは古い邦画を見ているような錯覚まで感じてきた。泣き笑いの落としどころまでそのまんま古い邦画。これなら古い名作を見てても一緒…なんて思いながらも、今を感じさせてくれるのは古い風景やアイテムの数々を思い入れたっぷりに見せてくれるあたりでしょう。

 行き場を失った子供をめぐる家族再生のエピソードは、映画では何回も何回も描かれたことだけど、それでも泣けてしまうしカレーライス食べてる絵を見てうるうるきてしまった自分が悔しいぞ。万年筆のエピソードなんかも、最近忘れてしまっているプレゼントの本質を突いていて考えさせられます。六子も大企業に就職するより、何倍も幸福だったんじゃないかと思わされる。さらに余韻を残すラストだけに、こりゃ続編が見たくなりますね。

山崎貴監督。2005年日本映画。

2008年4月 7日 (月)

小さき勇者たち ガメラ (2006)

小さき勇者たち ガメラ 母親を亡くした透(富岡涼)は志摩に住む少年。それでも父親の孝介(津田寛治)、隣に住む麻衣(夏帆)といつもどおりの夏を過ごしていたのだが、ある日離島で不思議なカメを拾う。カメはどんどん大きくなり、ついに空を飛ぶのだったが…

 浦島太郎…というか、ウルトラQにも似たようなエピソードがあったような記憶があるが、育てたカメがガメラに育ってしまった…というお話。大人向けのマニアックな平成ガメラシリーズから軌道修正したのか、子供が見て楽しめるガメラというわけでなかなか夢のあるストーリーである。特にラストの子供たちがいっぱい登場してのフィナーレは見ながらちょっとうるうるきてしまった。いい話である。

 コワモテだったガメラが、優しい顔つきになっているのが人によって好き嫌いはあるだろうけど個人的には良い感じ。逆に言うと、大人のマニアが見ても全然面白くないかも。あくまでも子供目線で楽しむ映画です。透と麻衣の関係も、初恋未満って感じでいいです。

田崎竜太監督。2006年日本映画。

2008年4月 6日 (日)

ハッピー フィート (2006)

ハッピーフィート 皇帝ペンギンのノーマ・ジーン(声:ニコール・キッドマン)とメンフィス(ヒュー・ジャックマン)の間に待望のベイビー(イライジャ・ウッド)が生まれる。マンブルと名付けられた彼は歌がとっても下手で、ついに仲間にも見放される羽目に。ところが彼の特技はタップダンスで、アデリー・ペンギンと組んで旅をすることになるのだが…

 ワーナー製のCGアニメで、監督はあのジョージ・ミラー。この手の映画というと動物たちが人間の町に住んでいたりとんでもなく世界が擬人化されたりしているものだが、この映画では風景はあくまでも南極であり記録映画を見ているかのような映像美。そこにしゃべり踊るペンギンたちがドラマを繰り広げるというのがとっても新鮮だった。ダイナミックなペンギンたちの群舞も、CGとは思えない大自然の光景もとっても大画面向け。珍しくプロジェクターで見たんだけど、すごくトクした気分にさせられた。

 歌は下手だけどタップがうまいペンギン。まさに「ありえね?」なんだけど、そこにドラマがあって親の葛藤と愛があってなかなか深い物語となっている。見てるととにかく「頑張れマンブル」と応援したくなっちゃいますね。

ジョージ・ミラー監督。2006年オーストラリア=アメリカ合作。

2008年4月 3日 (木)

スクリーム2 (1997)

スクリーム2 前作から2年、大学生となったシドニー(ネーヴ・キャンベル)だったが、あの凄惨な事件が映画化されると同時に再び連続殺人事件が起こる…

 元々3部作として用意されていたストーリーということで、取って付けたような続編でないところが売り。加えて、キャストがほぼ同じ俳優(私が覚えている限りですが)を使っているので違和感なく見ることができた。続編を作る時はこれは基本ですね(笑)。

 で、その内容は… 実は見終わってあんまり覚えてない。ただただ、登場人物たちの映画談義(続編がどうのこうの言うやつね)だけが頭に残っている。個人的にはどうでもいい映画の1本なんだけど、どうでもいいやって切り捨てることができないのはこのあたりのスパイスのきかせ方かもしれないです。

ウェス・クレイヴン監督。1997年アメリカ映画。

2008年4月 1日 (火)

007 カジノ・ロワイヤル (2006)

007 カジノ・ロワイヤル 2件の裏切り者の処刑を行い、00要員に昇格したジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)。彼の新しい任務は、テロリストの金庫番ル・シッフル(マッツ・ミケルセン)の資金を絶つこと。彼がモンテネグロのカジノ・ロワイヤルでポーカーの大勝負に出ることを知ったボンドは、対決を決意するのだが…

 ボンド映画21作目にして、原作では第1作にあたる「カジノ・ロワイヤル」を映画化。しかも映画のシリーズ自体をリセットしたかのように時は現代でありながらボンドは新任スパイである。

 この狙いは正解…というか、かなりマンネリ化して見るのがしんどかったボンド映画をすっかりリフレッシュしてくれた感じである。タイトルクレジットからエンディングまで、シリーズのお約束ごとを見事に踏襲しながらも、ひねりをきかせた演出は見る者をわくわくさせてくれる。

 何より嬉しかったのは、原作のプロットをかなり忠実になぞっているところ。カリブ海のナッソーやヨーロッパのカジノなど、原作によく登場するロケ地をたどりながら、メリハリのきいたアクション、今までだとおかずにしかすぎなかったカジノ勝負を中盤の見せ場にしたり、これまたお約束だったボンドの拷問などなど昔読みあさったイアン・フレミングの原作を思い出してものすごく懐かしい気分にさせられた。

 カジノ・ロワイヤルってデヴィッド・ニーヴンのパロディ版しか映画になってないので、ああいう原作だと思っている人も多いのではないだろうか。それをこれだけしっかりと映像化してくれたのはとっても嬉しいです。次回作の希望としては、「ムーンレイカー」か「私を愛したスパイ」あたりをこのノリで撮ってもらいたいもんです。

マーティン・キャンベル監督。2006年アメリカ=イギリス合作。

2008年3月31日 (月)

トランスフォーマー (2007)

トランスフォーマー カタールの米軍基地が、ヘリに変身した謎の敵に襲われて壊滅する。同じ頃、アメリカ国内に住む高校生のサム(シャイア・ラブーフ)は父親から初めての車をプレゼントされようとしていたが、彼が手に入れたスポーツカーはなんとロボットに変身する能力を持っていた…

 日米合作アニメをマイケル・ベイとスピルバーグが実写映画化。となると当然ジェットコースタームービーで、スピーディーな演出で中盤からは走る走る。でも走る距離がちょっと長すぎたのか、ほとんどラストでは見ていて食傷気味になってしまった。ジェットコースターは適度な長さが良いような気がする。

 話題と言えば車からロボットに変身するトランスフォーマーたちだけど、こちらも変身速度が目にもとまらぬほど速くて一体何が起こっているのやらわからなかった。動体視力をもっと鍛えなきゃいけないのかな、なんて気にさせられる。まあのんびり変身なんかしていたら、その間に敵にポコンとやられて一巻の終わりかもしれませんが。

 あれ、ストーリーに関して書くのを忘れていた。というか、あまり書くことがない。

マイケル・ベイ監督。2007年アメリカ映画。

2008年3月29日 (土)

ロスト・イン・スペース (1998)

ロスト・イン・スペース 2058年、環境破壊の進む地球から離れて人間の住めるアルファ・プライムにハイパースペースの基地を作るために、冷凍睡眠で50年の旅に出たロビンソン一家(ウィリアム・ハート、ミミ・ロジャース、ヘザー・グレアム、レイシー・シャベール他)。ところが宇宙船ジュピター2号に反乱軍のスパイであるドクター・スミス(ゲイリー・オールドマン)が乗り込んでいたがために、軌道を離れて宇宙の迷子になってしまう…

 往年のテレビドラマ「宇宙家族ロビンソン」の映画化。最新SFXを使った上に、ものすごくポップな映像をプラス。珍しく当時のテレビを見ていた世代としては、これは違うぞという違和感と懐かしさが同居する不思議な感覚に襲われた。とはいってもこのシリーズ、冒頭と最後のエピソードは見ていないので、ははぁこういうふうにお話は始まったのかとちょっと嬉しくなったりもしたのだが。

 テレビ版では強烈にアクの強い「ドクター・スミス」ってキャラが、ゲイリー・オールドマンが演じているのにもかかわらず普通に感じてしまったのはどういうものなんだろうか。逆に優等生的なペニー(テレビ版ではアンジェラ・カートライトですね)が現代風のヤンキー娘になってしまってるのも面白かった。ロボットのフライデー(本名はそのまんま「ロボット」らしい)はまたまた字幕では「フレンドリー」なんておかしな名前が付けられているのは笑った。途中からオリジナルに近い風貌に改造されるのはいいね。

 中盤以降のストーリーもクモ軍団の襲撃という、オリジナルっぽいエピソードがはさみこまれて楽しめる作り。ピンチになってハイパースペースへ飛び込んで切り抜けるというアイディアも良い。で、彼らはどこへ行ってしまったのか。自作が映画化できないようなところへ「迷子」になっちまったのかな。

スティーヴン・ホプキンス監督。1998年アメリカ映画。

2008年3月28日 (金)

スクリーム (1996)

スクリーム 女子高生キャシー(ドリュー・バリモア)のところにいたずら電話がかかってくるが、相手をしている間に恋人ともども惨殺される事件が起こる。同じ高校のシドニー(ネーヴ・キャンベル)は母親を亡くした心の傷をかかえていたのだが、彼女のところにも謎の電話がかかってきて…

 ヒットしたホラー映画を今さらながらに初見。これは幽霊とか化け物が登場するタイプの映画ではなくて、仮面をかぶった生身の人間が暴れるタイプのサスペンス映画。しかしスプラッター映画に分類されるだけあって、血のシーンはなかなか気合いが入っています。

 特筆すべきはコメディ的な要素が強いところで、登場する学生たちが過去のホラー映画を分析したり、生き残るための条件を物知り顔で語るシーンは爆笑もの。このあたりのさじ加減は絶妙で、B級映画ながらもにくめない作品といった印象が残ります。マスクの形相も、何となくなさけない顔だしねぇ。

 しかしこの結末は凄い。仮面をかぶった殺人鬼なわけだから当然犯人がいるわけだけど、お互いを自虐的にぶすぶすとやりあうシーンなんてかなり危ないものを感じてしまいました。間違いなく子供には見せたくない映画かな。

ウェス・クレイヴン監督。1996年アメリカ映画。

2008年3月27日 (木)

ホリデイ (2006)

ホリデイ ロンドンに住む新聞記者のアイリス(ケイト・ウィンスレット)はボーイフレンドの婚約でショックを受ける。一方、ロサンジェルスで映画予告編の編集を仕事とするアマンダ(キャメロン・ディアス)は同棲中の彼氏の浮気でけんか別れ。気分を変えたい二人は、ネットで家を交換(ホーム・エクスチェンジ)するサイトで知り合ってさっそく実行に移すことになったのだが…

 ちょっと前にはメールで恋を育むラブストーリーがあったけど、今回は一歩進んで掲示板からお互いの家を交換するという話。当然のことながら彼女たちのまわりには取り巻きの人々がいるわけで、アイリスは愉快なマイルズ(ジャック・ブラック)に、そしてアマンダはハンサムだけど理由ありのグラハム(ジュード・ロウ)と恋に落ちる。とはいってもロスとロンドンの郊外というお互いの旅先での話。しかもしっかりとした仕事を持っている彼女たちだけに、どういったオチが付くんだろうかと見守ってたんですが…う?ん、いい話ですね(笑)。クリスマスに見る映画にはぴったりです。

 キャメロン・ディアスとケイト・ウィンスレットってまったくタイプが違う女優さんなのに、どちらもものすごく庶民の女の子しているところが好感が持てます。最近では「ナチョ・リブレ」の印象が強いジャック・ブラックもちゃんと恋ができるんだって感心。ジュード・ロウは娘たちが可愛いです。

ナンシー・マイヤーズ監督。2006年アメリカ映画。

2008年3月22日 (土)

テキサス・チェーンソー・ビギニング (2006)

テキサス・チェーンソー・ビギニング 1969年のアメリカ。徴兵されたエリック(マット・ボーマー)と弟のディーン(テイラー・ハンドリー)は、それぞれ恋人のクリッシー(ジョーダナ・ブリュースター)とベイリー(ディオラ・ベアード)を連れてテキサスを車で旅する。ところが事故にあい、迷い込んだのは偽保安官のホイト(R・リー・アーメイ)やレザーフェイス(アンドリュー・ブリニアースキー)の住む家だった…

 ホラー好きの方だったら定番とも言える「悪魔のいけにえ」こと「テキサス・チェーンソー」の1本。実はこのシリーズ、oga.はまったく未見でジェイソンやフレディのようにひとりの殺人鬼が暴れまくるものかと思っていたので、家族でイカレポンチという設定にはいやはや面食らってしまった。しかもビギニングということで、冒頭からレザーフェイスの誕生秘話…これがまたエグイ、エグイ。このところスプラッター映画とはご無沙汰だったせいか免疫が低下(?)しており、いやはや気持ち悪くなってしまった。

 ストーリーは密室型のホラーであり、その閉塞感や絶望度というものは凄い。これ見てると、エリシャ・カスバートの「蝋人形の館」なんてのんびりした映画だったなぁと思えてくる。さらに危機管理として、こういう状況にならないようにするには…なんて考えてしまった。今なら携帯も発達しているので、圏外へ行かない限りは何とかなるかもしれませんが。

ジョナサン・リーベスマン監督。2006年アメリカ映画。

2008年3月20日 (木)

アンドリューNDR114 (1999)

アンドリューNDR114 近未来、リチャード(サム・ニール)はロボットのアンドリュー(ロビン・ウィリアムズ)を購入する。ぎくしゃくしながらもうち解ける娘のアマンダ(エンベス・デイヴィッツ)だったが、やがて成人して結婚することになり…

 クリス・コロンバス監督ってことで、ファミリー向けのロボット映画かと思っていたら思わぬ大河ドラマだったのでびっくらこいてしまった。よく見るとこれ、アイザック・アシモフの原作なわけで、ロボット三原則からはじまってロボットが人間になりたいと思ってやがて実行していく様子が丹念に描かれます。長尺なんだけど、なんせ描いている時間が200年だもんで駆け足に感じてしまうそんな映画。

 ロビン・ウィリアムズ演じるアンドリューってロボットが全然かっこよくなく、かといって可愛くもないのがミソ。それでも父親役のサム・ニールが気に入っているのに、奥さんが斜めに構えて見ているあたりは何やら自分の家を見ているようでひきつり笑いをしてしまいました。

 ロボットが人間に恋愛…気分的に素直に受け入れられないのは何でだろう。やっぱりロボットの感情=プログラムといった割り切りが自分の中にあるからでしょうね。馬の置物や看護婦ロボットのからむエンディングは十分に感動的だったんだけど、素直にのめりこめなかったのはそのあたりの先入観がからんでいるせいでしょう。いい映画だとは思うんだけどなぁ。

クリス・コロンバス監督。1999年アメリカ映画。

2008年3月19日 (水)

バベル (2006)

バベル モロッコを旅行する観光バスに銃弾が撃ち込まれる。アメリカ人女性スーザン(ケイト・ブランシェット)が被弾して、彼女は夫(ブラッド・ピット)と共に近くの村へ。同じ頃にアメリカでは彼らの子供たち(ネイサン・ギャンブル、エル・ファニング)が家政婦(アドリアナ・バザーラ)に連れられてメキシコの結婚式へ行く。日本では聾唖の女子高生チエコ(菊地凛子)が、友人たちと街へ繰り出していた…

 モロッコ、メキシコ、日本を舞台にした3つのストーリーが1発の銃弾を軸にして交差する、アカデミー賞ノミネートの話題作。それぞれのストーリーがものすごく面白い上に、どうなるんだって思った部分で別のストーリーに切り替わるというなんとも確信犯的な編集のおかげで、最後まで息をつく暇もなく見てしまった。それだけに突き放したかのようなラストは、急に目の前に崖が現れたかのような喪失感を感じてしまったぞ。裸で父(役所広司)と抱き合うチエコって一体何だったんだろう。

 思えばチエコの壊れ具合ってのは尋常でなく、日本の女子高生ってみんなこんなだと思われたらちょっと困るとか、あるいは都会(東京?)はこんなレベルまでいっちゃてるんだろうかっていう不安とかいろんなものを感じさせられてしまった。一昔前だったら「こんな女子高生いない」って切り捨ててたところだろうけど、今だと「いるかもしれない」という気分になってしまうんですよね。

 メキシコパートは一番メッセージ性が薄かったように思います。モロッコは、息子たちにライフルを渡す時にきちんと教育しなかった父親の責任でしょう。チエコの父ヤスジローはモロッコのガイドに猟銃をプレゼントしたと言ってたけど、猟銃の国外持ち出しだけでも大変そうなのに人にあげて帰ってくるなんて日本では不可能なんじゃない、なんて思ってしまった。

アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督。2006年アメリカ映画。

2008年3月17日 (月)

ブラック・ダリア (2006)

ブラック・ダリア 1940年代のアメリカ。警察所属の名物ボクサーとして、チャリティーの試合を行うバッキー(ジョシュ・ハートネット)とリー(アーロン・エッカート)。リーはケイ(スカーレット・ヨハンソン)という女性と同棲しており、3人は共同生活をするようになる。やがて彼らの管区で腰から体を切断された若い女性の死体が発見される…

 世界一有名な死体…というわけで、ブラック・ダリア事件をモチーフにしたジェームズ・エルロイの原作をブライアン・デ・パルマが映画化。何とも複雑なストーリーで乗り切れないなぁと思ったら、やっぱり駄目だった「L.A.コンフィデンシャル」と同じ原作者ではありませんか。こりゃ苦手な原作者として記憶にとどめてしまうかもしれない。

 とはいってもすべり出しは面白くなりそうな映画で、警官のボクシング試合から死体が発見されるまでは雰囲気も満点でちょっと期待させられた。でもヒラリー・スワンクがからんできたあたりから事件が私の頭の中で迷宮入り(笑)。悔しいけどちゃんとストーリーが読めなくなってしまった。頭悪くなったんかなぁ… 大好きなスカーレット・ヨハンソンとか出てるんだけど、40年代メイクだと何か雰囲気違うぞ。

 迷宮入り事件の内幕って、意外とこういう「わかっていて隠された」ってのは多いような気がいたします。もう60年以上前の話なので、機密文章が解禁されたりしないのかなぁなんてちょっと期待したりもいたします。

ブライアン・デ・パルマ監督。2006年アメリカ映画。

2008年3月15日 (土)

エラゴン 遺志を継ぐ者 (2006)

エラゴン 遺志を継ぐ者 農夫の叔父と暮らしていた若者エラゴン(エド・スペリーアス)は山の中で青い石を拾う。中から生まれて来たのはドラゴンのサフィラで、すぐに成長した彼女はガルバトリックス王(ジョン・マルコヴィッチ)に囚われた姫アーリア(シエンナ・ギロリー)の声を伝える。やがてドラゴンライダーになるべくエラゴンは謎の戦士ブロム(ジェレミー・アイアンズ)と旅に出るのだが…

 クリストファー・パオリーニのファンタジー小説を映画化。ストーリーはスターウォーズのエピソード4をそのまんま焼き直したような印象で新味はないんだけど、ドラゴンの飛行シーンがとってもスリリングで楽しめるのが良い。ぜひ大画面で楽しみたい映画でしょう。

 アーリア姫のシエンナ・ギロリーがなかなか魅力的ですね。ブロムはもっと秘密をいっぱい持ってるのかと思ったけど、意外とひねりがなかった。ドラゴンはあの顔で女性の声ってのが違和感あるぞ。

シュテフェン・ファンマイアー監督。2006年アメリカ映画。

2008年3月13日 (木)

シャーロットのおくりもの (2006)

シャーロットのおくりもの 少女ファーン(ダコタ・ファニング)の住む農場に11匹の子豚が生まれる。ところが一番小さなウィルバー(声:ドミニク・スコット・ケイ)をファーンが救ったことから、彼女が飼うことになるのだが…

 E・B・ホワイトの童話を映画化。というか有名な話なのか、蜘蛛のシャーロット(声:ジュリア・ロバーツ)と子豚が仲良くなる絵柄をどこかで見たような記憶がある。蜘蛛の運命はなんとなくわからないでもないけど、そういう話だったわけですね。言うならば蜘蛛版の葉っぱのフレディ(笑)。

 雰囲気としては「ベイブ」を彷彿とさせるモノがあって、ダコタ・ファニングが思ったほど活躍しないのが気になった。それもそのはず、ネズミの声がスティーヴ・ブシェミとか、馬がロバート・レッドフォードとか、牛がキャシー・ベイツなんてわからないところに大物スターを使っているところがさりげなく豪華でいいです。

 でも肝心のストーリーは、思ったほどは盛り上がらなかったのが残念。ウィルバーが心優しいだけで、頑張るシーンがあんまりなかったのが敗因かも。

ゲイリー・ウィニック監督。2006年アメリカ映画。

2008年3月10日 (月)

普通じゃない (1997)

普通じゃない 小説家を夢見ながらビルの掃除人をしている心優しいロバート(ユアン・マクレガー)だったが、突然解雇されたことをきっかけに社長の娘(キャメロン・ディアス)を誘拐する羽目になる。ところがそこへ二人をカップルにするためにやってきた天使(ホリー・ハンター、デルロイ・リンドー)がからんだために事件はおかしな方向へ…

 ハリウッド映画らしからぬすべり出しに、こりゃ絶対にイギリス映画だと思って見ていたら…なんと監督だけがイギリス人だったわけね。いきなり天使の真っ白い世界からはじまって、キャメロン・ディアスがプールで泳ぐシーンへつながるあたりには「この映画ダメかもしれない」という危機感を感じてしまったんだけど、主人公二人とホリー・ハンターがからむあたりからがぜん面白くなってきて最後まで一気に見てしまいました。

 ホリー・ハンターってやっぱこういう役がぴたっとはまる貴重な女優さんです。主演の二人が普通でないのは、二人の男女の役割が逆転してるから? いえいえ、それは最近では普通のことでしょう。

ダニー・ボイル監督。1997年アメリカ映画。

2008年3月 8日 (土)

ディパーテッド (2006)

ディパーテッド ボストンで警官を目指すビリー(レオナルド・ディカプリオ)は親類に犯罪組織の者がいることから、身分を隠した潜入捜査員にされてしまう。一方マフィアのボスのコステロ(ジャック・ニコルソン)に育てられたコリン(マット・デイモン)は警察官になるが実はマフィアのスパイである。そんな二人がやがて対決することに…

 ご存じ香港映画「インファナル・アフェア」にハリウッド版リメイクで、なんとアカデミー作品賞まで穫ってしまった映画。犯罪映画あるいはギャング映画としてそれなりに面白い作品ではるが、「なぜこれが?」という疑問はないわけではない。見るべきものといえば相変わらず怪演を繰り返すニコルソン、めちゃ貫禄が出てきたアレック・ボールドウィンをはじめとする豪華キャストかもしれないけど…意外と深みがない展開は悲しいところである。

 実は個人的には、「インファナル・アフェア」もあんまり評価していなかったりする。一番の敗因は、二人の立場を正確に理解するのが難しくて途中でこんがらがってくるストーリー(笑)にあるような気がする。だいたい二人とも同じ警察学校の出身で、気の持ちようによって好きな方向へ転がって行ける人生である。そのあたりの気持ちを正確にくみとるのは、なかなか骨の折れる作業である。

 それにしても… ふてぶてしくも生き抜いていく登場人物たちだけど、ラストのあのあまりのあっけなさが印象に残るといえばとっても残る。これは原作になかった部分かな。ディパーテッドは決して無間地獄では無いようである。

マーティン・スコセッシ監督。2006年アメリカ映画。

2008年3月 7日 (金)

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン (2007)

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン 1960年代の筑豊。乱暴者のオトン(小林薫)の元を出たオカン(内田也哉子・樹木希林)とボク(オダギリジョー・谷端奏人・田中祥平・冨浦智嗣)は二人暮らし。女手一つで育てられたボクは東京の美術大学に入り、怠惰な生活をおくる。どうにか卒業したボクはふくらんだ借金を返す決意をするのだったが…

 リリー・フランキーのベストセラー小説を映画化。日本アカデミー賞作品賞をはじめ、主要な賞をとった話題作。なるほど男なら郷愁を呼びそうなストーリーだけど、思ったほど感情移入できなかったのはすっかり固定イメージが出来上がってしまっている樹木希林が主演のあたりかもしれない。初共演というか、実娘の内田也哉子と二人一役を演じるのは雰囲気ばっちりだったし、内田也哉子も存在感抜群で良かったのだが。

 本当に時々出てくるオトンもいい味出してますね。突然キレる親父ってのも、ある意味懐かしい。この二人(三人)にとって、異国の地の東京、そして東京タワーってのは一体何だったんだろう?

松岡錠司監督。2007年日本映画。

2008年3月 6日 (木)

パッチギ! LOVE&PEACE (2007)

パッチギ! LOVE&PEACE 東京へ移り住んだアンソン(井坂俊哉)、妹のキョンジャ(中村ゆり)、息子のチャンス(今井悠貴)たち。ところがチャンスの病気が悪化して、キョンジャはスカウトされて芸能界入りを決意。アンソンも駅の乱闘で知り合った佐藤(藤井隆)とやばい商売に手を出そうとするのだが…

 あの「パッチギ!」の続編なんだけど、キャストががらっと入れ替わって別物のような作品になってしまった。もっとも前作を見てから時間があいているのに加えて復習もしなかったので不思議と違和感はなかったのだが。

 それにしても、笑いも乱闘も涙をツボを得たというか、はからずも後半ほろりとさせられてしまった。この映画の絶妙さは、在日韓国人の目線で、当時の日本人を悪者に描きながらも、佐藤という存在がスパイスになって日本人が見ても感動できる内容になっているところではないでしょうか。

 加えて、当時の文化が散りばめられていて懐かしい気分にさせられるのも良いです。スター水泳大会なんてすっかり忘れてたけど、子供の頃は確かにどきどきしながら見てました(笑)。

 キョンジャが舞台挨拶でカミングアウトした後に、お涙頂戴になって終わるのが従来の日本映画かもしれないけど、そこに大乱闘を入れるのが井筒流かな。このあたりのさじ加減にもうならさせられました。

井筒和幸監督。2007年日本映画。

2008年3月 4日 (火)

紙屋悦子の青春 (2006)

紙屋悦子の青春 太平洋戦争末期の鹿児島。両親を失い兄夫婦(小林薫、本上まなみ)と暮らす悦子(原田知世)に縁談がやって来る。相手は、悦子が密かに思う幼なじみ明石少尉(松岡俊介)の友人永与少尉(永瀬正敏)。やがてお見合いの日がやって来たのだったが…

 黒木和雄監督の遺作。何とも枯れた味わいがあっていい映画である。一見とんでもなく地味に思えるんだけど、これだけのゆったりと流れる時間はテレビドラマには似合わない。まさしく黄金期の日本映画を思わせるものがある。

 原田知世、松岡俊介、永瀬正敏といった登場人物たちの話の間の取り方が絶妙である。みんな口べたで、初対面に近い相手と何を話していいのかわからないとまどいがスクリーンの中からびしばしと伝わってくるのが良い。その裏で、戦争の影がひたひたと迫ってきて、たまらない気分にさせられる。戦場のシーンなんて一切ないのに、戦争を感じさせてくれる。凄い映画だと思う。

黒木和雄監督。2006年日本映画。

2008年3月 3日 (月)

日本以外全部沈没 (2006)

日本以外全部沈没 2011年の近未来。アメリカ大陸を皮切りに、日本以外の国がことごとく海中に没してしまう。当然、日本は外人でごった返し、日本人は次第に傲慢になっていくのだったが…

 小松左京の「日本沈没」を原典にパロディ化した筒井康隆の短編を、河崎実監督が映画化。ただしパニック映画を期待したら絶対に外されるゆるギャグが満載のブラックな作品。カルト作品の「電エース」が出てきたり、こりゃ内容的にはすっかり河崎ワールドになっていて、あの世界が好きでなければちょっとおすすめできないかも。ちなみに私は…ちょっとダメかもしれない。最後まで見るのがしんどかった。

 とはいっても、パロディとしてはなかなかの一級品で、各国元首脳が集まるバーの雰囲気なんてのは面白い。日本の面積じゃ、あれだけの外国人が詰めかければ食料の自給自足なんて絶対にできないでしょうね。

河崎実監督。2006年日本映画。

2008年2月26日 (火)

インビジブル2 (2006)

インビジブル2 とある殺人事件の捜査に当たるはずだったターナー刑事(ピーター・ファシネリ)だったが、現場から閉め出されてある女性科学者(ローラ・レーガン)の警護を命じられる。実は彼女はライズナー研究所で、透明人間の抑止薬の開発にかかわった人物だった…

 あのポール・ヴァーホーベンの透明人間映画「インビジブル」のずいぶん久々に登場した続編。とはいってもスケールダウンした「何じゃこりゃ」続編の1本で、ずいぶんと退屈な内容なので覚悟して見た方がいいかもしれない。

 軍がからんで透明人間の争奪戦になるといったあたりや、最後の透明人間同士の戦いとか面白くなりそうな要素を含みながら、見事に大コケ。しかも透明人間の正体はクリスチャン・スレーターだってのがこれまた泣かせてくれる。ほとんど出番がないので、ゲスト出演にはぴったりってところかも。

 こうして見ると、透明人間をスプラッティ映画に仕上げちゃったバーホーヴェンの功績ってのは意外と大きかったんじゃないかと思ってしまいます。

クラウディオ・ファエ監督。2006年アメリカ映画。

2008年2月25日 (月)

東京タワー (2004)

東京タワー 41歳の人妻詩史(黒木瞳)はCMプランナーを夫(岸谷五朗)に持ち、自身もショップ経営を行い不自由ない暮らしをしているが、学生の透(岡田准一)と恋愛中。一方、透の友人耕二(松本潤)も、人妻喜美子(寺島しのぶ)と危ない恋に落ちるのだったが…

 江國香織の原作を映画化。ダブル不倫を描いた物語で、雰囲気は一時期のトレンディドラマを思わせるんだけど内容はどろどろ、こってりと強烈である。黒木瞳はまぁイメージぴったりだなって思わされる内容なんだけど、凄いのはノーマークだった寺島しのぶ。フラストレーションためまくりの家庭の主婦がとってもリアルで、場面によってはぞくぞくさせられた。

 とはいっても、男目線ではどういうふうにこの映画を見たらいいのか困ってしまうのも正直なところ。岸谷五朗のCMプランナーは浮世離れしていてどうでもいいとしても、寺島しのぶの方は何か一歩間違えば…みたいな危うさを感じさせてくれる。

 ところで狂言回しみたいに使われる東京タワーって一体? ラストシーンはパリでエッフェル塔になっちゃうところは、どういう意味なんだろう。

源孝志監督。2004年日本映画。

2008年2月23日 (土)

マレーナ (2000)

マレーナ 第2次対戦初期のイタリア・シチリアの小さな村。少年レナート(ジョゼッペ・スルファーロ)は村中の男が憧れている人妻マレーナ(モニカ・ベルッチ)を見て一目惚れする。戦地へ行った夫を待つマレーナに、レナートは仲間たちと共につきまどうのだが…

 ジュゼッペ・トルナトーレ監督、エンニオ・モリコーネ音楽というシネパラのコンビ作なので、期待して…というよりはあれ以上のものではないだろうと斜めに構えて見たのが良かったのか、結構面白かった。イタリア版「おもいでの夏」かな、と思える冒頭だったけど、話は思わぬ方向へ転がっていって目が離せない1時間半。オブラートにくるんだかのようなシネパラ2時間版が好きなoga.としては、やっぱ本当のトルナトーレの世界ってのは妙な生々しさを伴ったシネパラ3時間版なんだと確信した。それはそれでいいんだけどね。

 それにしても…モニカ・ベルッチって凄い。イタリアの宝石なんて呼ばれてるそうだけど、綺麗なんて言葉が陳腐に思えるほど。加えてトルナトーレ監督はやっぱり女性を撮るのがうまい。根っからの女性好きなんじゃないかと思えてしまいます。

ジュゼッペ・トルナトーレ監督。2000年イタリア=アメリカ合作。

2008年2月21日 (木)

殯(もがり)の森 (2007)

殯(もがり)の森 奈良の老人ホームに住む、妻を亡くした老人しげき(うだしげき)。新任の介護士の真千子(尾野真千子)も息子を亡くした過去をかかえながらここに勤めているのだが、ある日しげきを妻の墓参りに連れて行った途中で車が脱輪。しげきの姿を見失ってしまう…

 カンヌ映画祭審査員特別グランプリを受賞した河瀬直美監督の話題作。この人の映画って、本当に時間がゆったりと流れていく感じで、難しいテーマを扱っているのにかかわらずあまり肩に力を入れずに見られるところがいい。というか、ゆったりとこの世界に身をゆだねるという鑑賞方法ができるのが好きだ。特に後半に登場する、もがりの森の風景には、内容は激しいドラマにもかかわらず気持ちが癒されるものがある。

 主演の二人(うだ、尾野)はほとんど演技経験がないらしいんだけど、まったく素人くさくなくこの世界の住人になりきっていることが凄い。妻を失った老人と、息子を失った母の気持ちが段々かぶっていくところが見事。

河瀬直美監督。2007年日本=フランス合作。

2008年2月18日 (月)

父親たちの星条旗 (2006)

父親たちの星条旗 太平洋戦争末期の硫黄島の戦いで、上陸した米兵6名(ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ他)が鉢伏山の頂上に星条旗を立てる。このニュース写真が米国本土でブームとなり、生き残って帰国した3名は熱狂的に受け入れられるのだが…

 写真に写る兵士のひとりの息子ジェームズ・ブラッドリーの原作を映画化。硫黄島2部作の第1作で、アメリカ側の視点から硫黄島の戦いを見た作品。とはいっても日本編の「硫黄島からの手紙」と違うのは、テーマが戦闘だけではなく帰国した彼らがヒーローとして祭り上げられ戦時国債を集めるためのキャンペーンにかり出されるところを描いているパートが半分以上を占めているところ。いい意味で予想を外されはしたのだが、このあたりのストーリーは意外と地味で思ったよりも退屈してしまった。イーストウッドの映画には最近こういう傾向が強いような気がする。

 とはいっても、あの物量の国アメリカでも戦争を継続する金に困ってこういうキャンペーンをやってた、なんてのは知らなかったし驚いた。ハリボテの鉢伏山を前に「これぞショービズだよ」なんていう台詞が飛ぶのは奇異ではあるが、やはりアメリカって凄いなんて感想を持たざるをえない。なお製作はスティーヴン・スピルバーグ。

クリント・イーストウッド監督。2006年アメリカ映画。

2008年2月16日 (土)

英雄の条件 (2000)

英雄の条件 中東のイエメンで大使館がデモ隊に包囲される事件が起こり、海兵隊のチルダース大佐(サミュエル・L・ジャクソン)は部下を率いてムーラン大使(ベン・キングズレー)の救助に向かう。ところが狙撃兵からの執拗なる射撃についに応戦、83人の市民が亡くなり、チルダースは軍事裁判の弁護士を旧友のホッジス大佐(トミー・リー・ジョーンズ)にたのむのだったが…

 一般市民を戦闘に巻き込み83人の犠牲者(米軍は3人)の責任を問う軍事裁判を描いたシリアスな戦争ドラマ。戦争の英雄と虐殺者は紙一重…というのがテーマのようで、発砲は正当だったのか?実際はどうだったのか?が繰り返し問われるストーリー。でもやっぱり戦争は戦争、人が人を殺す行為に変わりないというわけで、映画の上では事件の白黒はいちおう付けられてるんだけど、なんともすっきりしない幕切れはいろいろと尾を引きそうな内容となっている。原作はジェームズ・ウェッブの小説で、「エクソシスト」のウィリアム・フリードキン監督。

 映画はベトナム戦争からはじまり、問題の戦争シーンが冒頭に描かれるんだけど見ていて「なぜ狙撃兵をまず攻撃しなかったのか」というのは頭にずっとつきまどった。もうひとつ、狙撃兵があれだけばんばん撃ってきても意外と人には当たらなく、海兵隊が落ち着いて行動しているのも印象に残る。あの状況だったら威嚇射撃とかいろんな手段が残されてたはずだけど…映画のこちら側から見てても何かヘンである。深読みすべき映画なのかよくわからないけど、これって軍をよいしょしながらも暗に反戦映画なんじゃないかな、なんて思ってしまった。

ウィリアム・フリードキン監督。2000年アメリカ映画。

2008年2月 9日 (土)

クレオパトラ (1963)

クレオパトラ 紀元前48年、ローマの将軍シーザー(レックス・ハリソン)は、国交交渉のためにやってきたエジプトで王妃クレオパトラ(エリザベス・テーラー)を一目見て恋に落ちる。やがてローマへ凱旋帰国したシーザーとクレオパトラだったが…

 クレオパトラの半生を絢爛豪華に映画化した、ハリウッド全盛期の1本。しかし…「ベン・ハー」みたいな波瀾万丈な物語を期待してしまったがために、スカーンと肩すかしをくってしまった。これはあくまでも、荘厳な台詞回しをこれまた絢爛豪華なセットととんでもない数のエキストラで描いた、舞台劇みたいなものだと痛感した。肝心のセットも、豪華なんだけどいかにも作りましたといった雰囲気をただよわせていて(地面が真っ平らで書き割りが多用されているせいでしょうね)気になってしょうがなかった。

 映画を見ている限りは、前半はシーザーとの、後半はアントニー(リチャード・バートン)との恋物語が中心で生涯に2回結婚した人だったんだ…って思ったんだけど、調べてみると結婚相手は別にいて二人とも愛人だったらしい。映画ではそのあたりがばっさりと削られていて、2つの恋に揺れ動く女王というのがまことしやかに描かれている。確かにそうしないと、何時間かけてもこの物語は描き尽くせないだろうなと思われます。

 それにしても…4時間は長かった。6時間版ってのが本来の監督の意図したバージョンなんだそうですが。舞台劇風かと思いきや、アクティウムの海戦シーンはベン・ハー風のスペクタクルが楽しめます。

ジョゼフ・L・マンキウィッツ監督。1963年アメリカ映画。

2008年2月 5日 (火)

蒼き狼 地果て海尽きるまで (2006)

蒼き狼 地果て海尽きるまで 12世紀のモンゴル。隣国からさらってきたホエルン(若村麻由美)から生まれたテムジン(反町隆史)は、父が死んだ時に部下の裏切りにあう。やがて成人したテムジンは、婚約者ボルテ(菊川怜)を妻にむかえるのだったが…

 モンゴルを建国したジンギスカンを描いた森村誠一の原作を映画化。まさしく角川映画の再来といったところで、壮大なモンゴルの原野を舞台に大河ドラマが繰り広げられる。その雰囲気はNHKの大河ドラマにも似ているのはどうしてだろう。

 モンゴルの物語なのに、日本人俳優が演じてしかも全編日本語というのがどうにもなじめなくて、最後までひっかかった。ストーリーは敵国の母との間に生まれた主人公が、父を失い苦労をしながら徐々に頭角を現し、妻をめとって子供が生まれるのだが…と戦いを交えながらも刻一刻と状況がかわっていくのは主人公と共に人生を生きている気分になってくる。もうちょっとストーリーに深みがあったら、いい映画になったのになあと惜しまれる。

 モンゴルって本当に広いけど、大草原と人と馬とテントしかないってのが凄いぞ。

澤井信一郎監督。2006年日本=モンゴル合作。

2008年2月 4日 (月)

母の眠り (1998)

母の眠り ジャーナリストのエレン(レニー・ゼルウィガー)は、母ケイト(メリル・ストリープ)が余命いくばくもないことを知り介護のために長期帰省を決意する。ところが大学教授の父(ウィリアム・ハート)は自身は介護には乗り気でなく…

 ピューリッツァ賞作家アナ・クィンドレンの原作を映画化。主人公がジャーナリストということで、自伝とも言える内容なのでしょう。映画としては非常に地味な内容なんだけど、メリル・ストリープとレニー・ゼルウィガーが母娘を演じるというのはやっぱ半端なことではなく、中盤からは画面にぐいぐい引き込まれてしまいました。

 娘の回想という形式をとるんだけど…個人的には父親ウィリアム・ハートの態度がなんとも微妙。仕事に逃げてる、という姿勢があからさまに見てとれるんだけど、他人事じゃないよなぁと妙に感情移入してしまった。

 娘の視点ってのは、やっぱり鋭いなぁ。すべてを卓見している感じがする。

カール・フランクリン監督。1998年アメリカ映画。

2008年2月 2日 (土)

大奥 (2006)

大奥 若くして大奥総取締役となった絵島(仲間由紀恵)。彼女の後ろ盾は現在5歳の将軍家継の母月光院(井川遥)だった。ところがこれを良く思わない前将軍の正室天英院(高島礼子)は、歌舞伎役者の生島(西島秀俊)を使って彼女をスキャンダルに陥れようとする。

 大ヒットテレビドラマの映画化ということだが、有名(らしい)な絵島生島事件を背景にしているので特に予備知識なく楽しむことができた。要するに大奥の派閥争いで、色男の生島を利用してはめられた絵島の物語なんだけどどろどろとした背景があるだけに単に歌舞伎役者と恋に落ちただけでスキャンダルなの?と正直なところ拍子抜けした。

 こってりとした大奥の背景や、江戸をスクリーンに再現しているのはなかなかのもの。ストーリーも整理されていてわかりやすく、迷子になることはなかった。ラスト近くの高島礼子には、すごみを感じます。逆に倖田來未の主題歌は今風だけど映画の内容にしては軽すぎる感じがした。

林徹監督。2006年日本映画。

2008年2月 1日 (金)

着信アリ Final (2006)

着信アリ Final いじめから高校の修学旅行を欠席した明日香(堀北真希)。その一方でえみり(黒木メイサ)たち一行は船に乗り、韓国への修学旅行へ出かけるのだが、死の携帯電話の惨劇が再び広がる…

 第1作のメイキングで原作者の秋元康がパート50ぐらいまで作ると豪語していた着信アリシリーズだけど、あえなく第3作でファイナルとなったのが本作。もっともストーリーは趣向が凝らされており、いじめられっ子の復讐劇に加えて韓国ロケが盛り込まれている。しかし…話の展開が妙に軽く、あれだけ人が死んでるのに生徒たちは相変わらず韓国をうろうろしているのは何だかなぁ…

 究極は、ネットのメールを利用した悪霊退治。あれって一歩間違えばチェーンメールによるサイバー攻撃と変わらない。踊らされてメールを送りつけた人たちの方が何だかなぁと思ってしまった。

 ラストのもう一ひねり、ふたひねりある展開は悪くない。第1作の時のような、原作を読めなんて強引なものもなかったし。

麻生学監督。2006年日本映画。

2008年1月28日 (月)

トゥ・フォー・ザ・マネー (2005)

トゥ・フォー・ザ・マネー 膝の故障でフットボールをあきらめたブランドン(マシュー・マコノヒー)は、勤めていたスポーツ情報会社で抜群の試合予想の的中率を誇り、ウォルター(アル・パチーノ)にヘッドハンティングされる。やがて顧客を集めスポーツ賭博界を昇りつめていく二人だったが…

 冒頭からスポ根ものかと思いきや、実はスポーツ賭博映画だったというこの展開にはびっくり。驚異の的中率と言いながらも、やっぱりハイリスク・ハイリターンの世界だけに客層も尋常ではなく、かなりアブない目にあって彼らが得たものは…というのがメインストーリー。

 マシュー・マコノヒーを先頭に、社長をアル・パチーノ、その妻をレネ・ルッソと登場人物の濃さも尋常ではない。彼らがこってりと、成功やら家族やら恋愛やらを語るわけだからこれはねばっこい映画である。特にまくしたてるアル・パチーノはやっぱり彼のお家芸というか、見事としか言うほかはない。

 勝って負けてもめて落ちて…やっぱり最後の落としどころはそんなところになるんだろうなって、ちょっとほっとした。太く短く生きるのも大変です。

D・J・カルーソー監督。2005年アメリカ映画。

2008年1月24日 (木)

たそがれ清兵衛 (2002)

たそがれ清兵衛 幕末の東北は海坂藩。下級武士の井口清兵衛(真田広之)は病気で妻を失い、幼い二人の娘(伊藤未希、橋口恵莉奈)とボケの進む母を苦労して育てている。ある日友人の飯沼(吹越満)に、幼なじみの朋江(宮沢りえ)が酒乱の夫と離縁して実家へ帰っていることを聞く。その朋江の危機を、隠していた剣の腕前で救ったことが城内の噂になり…

 山田洋次監督初の時代劇とのことだが、制作年度を考えると昨今の心に残る元気な時代劇の走り、といった存在ではないだろうか。内容的には「武士の一分」なども含めて藤沢周平×山田洋次の3部作の第1作ということで、展開が非常に「武士?」と似ているのが面白い。下級武士が庶民と呼べるかどうかは難しいところだが、少なくとも苦労して生きていた人たちに焦点を当ててるのと、後半に妙にリアルな決闘シーンが用意されているのは共通項である。

 それにしても…宮沢りえがいい。息を吹き返したとはこのことかも。晩年の丹波哲郎のわけわからん説教も一見の価値があります。

山田洋次監督。2002年日本映画。

2008年1月23日 (水)

レッド・プラネット (2000)

レッド・プラネット 2050年、地球は汚染が進み、人類は火星に植物を繁殖させ人間が生きられる環境を作ろうとしていた。初の有人火星着陸を目指してボーマン船長(キャリー・アン・モス)以下6名のクルー(ヴァル・キルマー、トム・サイズモア、ベンジャミン・ブラット、サイモン・ベイカー、テレンス・スタンプ)が火星へ向かうのだが、もう少しのところで太陽フレアの影響で宇宙船は壊れてしまう…

 火星を舞台にしたサバイバルゲーム。宇宙船に残った船長と、着陸した5人のクルーに次から次へと危機が訪れて、一体誰が生き残るんだといった極限の物語。着陸船がエアバッグで着陸するあたりは当時の無人探査船と同じでなかなかリアルな描写。おまけに救助は絶対に来ないという火星という場所で、手近に転がっているものを足がかりに生き残ろうとする姿は説得力抜群。このところどうして有人宇宙探検が停滞しているのか、という理由がよくわかる映画だ。

 しかし考えたら、火星(地球とほぼ同じ大きさ)に藻を移植して酸素を作るよりも、地球環境を浄化するほうが難易度的にはまだ低いんじゃないか、なんて思ってしまった。仮にうまくいったとしても、片道半年の距離を人類がぽこぽこ移住して、大気がまたまた不安定になっちゃったらどうするつもりなんだろう。

 私事だけど、DVD発売時にデモDVDが手元にあり、試用レポートなどでオープニング部分を繰り返し見たけど、火星に着陸してから先はどうなるか知らずにずっと気になっていた映画。やっとのどの骨が取れた気分です。

アントニー・ホフマン監督。2000年アメリカ映画。

2008年1月22日 (火)

明日があるさ THE MOVIE (2002)

明日があるさ THE MOVIE 中堅商社に勤める浜田課長(浜田雅功)には妻貞代(相楽晴子)と二人の娘がいるが、彼の営業13課は社内ではぱっとしない。ある日浜田は町工場でロケットを作る老人野口(中村嘉葎雄)に出会い、彼の日本初の有人宇宙飛行計画に感化され仕事も家族もほったらかしで野口のもとへ通うようになってしまうのだが…

 吉本興業90周年記念作品ということで、吉本のお笑いタレントがこぞって出演する映画。元々は缶コーヒーのコマーシャルからテレビドラマ、映画と進んでいった企画もので、もちろん青島幸夫の往年の名曲が下敷きになっている。

 ぎくしゃくしたストーリーと無理矢理詰め込んだギャグの数々がかなり浮きまくってはいたんだけど、ロケットを作る話となると人力飛行機と同じく好きな人は絶対のめりこみ度大。エンジンやコックピットなどパーツ単位での制作エピソードはあるんだけど、いつの間にカタチになったの、なんて突っ込みながらも最後まで熱くなって見てしまった。

 こういうの見てると、弾道ロケットで飛ぶだけなら意外と簡単に実現できそうな気分になってきます。もちろん「死んでもいい」という条件付きだけど。

岩本仁志監督。2002年日本映画。

2008年1月19日 (土)

劇場版 どうぶつの森 (2006)

劇場版 どうぶつの森 親元を離れてどうぶつの森へ引っ越してきた少女あい(声:堀江由衣)。たぬき商店で強引に働かされることになり、ぞうのサリー(折笠富美子)という友だちもできた彼女は、ある日浜辺に流れ着いた謎のメッセージが入った瓶を拾う…

 任天堂のゲームソフト「どうぶつの森」を元にしたアニメーション。人間はあいとゆう(小林ゆう)の二人だけで、あとはみ?んな擬人化した動物。任天堂がやってるので「ポケモン」のキャラに近いが、全体的な雰囲気は「ドクター・スランプ」とか「ペンギンズメモリー 幸福物語」なんかを思い出しました。子供向けに見えて実はシリアスにふった部分が多いのは後者にコンセプトが近いかな。ほのぼの動物が愛や人生を語るのは、個人的には違和感を感じないわけではありませんが。

 ストーリーはぞうのサリーがデザイナーになる夢を追いかける物語がメインで、あい自身は自分の夢を探しながらもそれが何かわからないという「NaNa」の第1作を思わせるかのような展開です。宇宙人が出てきてもすんなりお話にとけ込んでるのは、動物が主人公という最初から非現実的な世界によるところでしょうね。

志村錠児監督。2006年日本映画。

2008年1月18日 (金)

海でのはなし。 (2006)

海でのはなし。 父(勝野洋)が浮気をしていると思いこんだ楓(宮崎あおい)は、知り合いの通称博士(西島秀俊)に相談に行くが冷たくあしらわれる。ところが、実は自分の母こそが愛人であったことを知り…

 最初はネット配信で公開されたというニュースタイルの中編映画。スピッツのプロモーションビデオ的な位置づけももっており、全編彼らのヒット曲が流れ続ける。この曲が好きかどうかもこの映画の評価の分かれ目って気がするんだけど、oga.は楽しめたけどのめりこむまではいかなかったてところです。

 傷ついた女性と、無感動な男のラブストーリーというある意味繊細な話なんだけど、宮崎あおいと西島秀俊という旬の俳優が演じているだけに絵になっている。宮崎をただの妹としか思えないってのが、なんか白々しい気もしたが(笑)。楓の相談相手として、アカデミー助演女優賞ノミネートで話題になった菊地凛子が出てます。

大宮エリー監督。2006年日本映画。

2008年1月17日 (木)

ナチョ・リブレ 覆面の神様 (2006)

ナチョ・リブレ 修道院で料理番をするイグナシオ(ジャック・ブラック)は財政難から孤児たちにロクな食事が作れない。ある日プロレスラーのラムセス(セザール・ゴンザレス)の優雅な暮らしを見たイグナシオは、自分も覆面レスラーになって賞金を稼ごうとヤセことスティーヴン(エクトル・ヒメネス)を相棒にトーナメントに出場するのだが…

 孤児のために覆面をかぶってプロレスで戦う主人公ってどっかで聞いた話だなぁと思ったら「タイガーマスク」「グラン・マスクの男」を思い出した。前者は謎の金持ち、後者は神父と素性は違うんだけど、似通った設定はすべて事実を元に脚色した結果なんかな?

 それにしても、この3本の中で一番泥臭いのが本作で、メキシコの片田舎と思われる映像には人によっちゃものすごい拒絶反応を示すかもしれません。べたべたのお下品ギャグの連続は、ちょっと構えて見たほうがいいかも。

 「スクール・オブ・ロック」は未見なんだけど、ジャック・ブラックってやっぱりコメディの人だったんだと再発見。彼はキング・コングのイメージが強いんだけど、これだけバカになりきれるところは凄いです。彼らがあこがれるシスター・エンカルナシオン(アナ・デ・ラ・レゲラ)もいかにもラテン系の美人って感じがいいです。お高く見えて気さくっていう、マドンナの鏡みたいな存在感です。

 ちょっとだけ残念なのが、負け続けた彼らが意外とあっさりと逆転優勝してしまうとこ。もっともこれにはエンカルナシオンの登場は見逃せないわけで、彼女の力強し、といったところでしょうか。

ジャレッド・ヘス監督。2006年アメリカ映画。

2008年1月15日 (火)

ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 (1999)

ガメラ3 イリス覚醒 世界各国で怪鳥ギャオスが大量発生。鳥類学者の長峰(中山忍)は調査に飛び回っていた。同じ頃の奈良の南明日香村。両親をガメラの戦闘で殺された綾奈(前田愛)は、祠の中で封印された怪鳥の像を見つける。これこそが人類を破滅に導くという邪神イリスだった。

 平成ガメラシリーズの3作目。第2作よりは面白かったが、ストーリー的にはやっぱり登場人物たちが現実離れしててのめりこめなかったのがつらいところ。例えばイリスと融合して復讐しようとする前田愛とか、巫女の山咲千里とか存在感あるんだけどキャラクターの行動としては違和感ありまくりで途中から気になって仕方がなかった。

 とはいっても特撮関係はよくできていて、冒頭の炎上する渋谷から最後の京都駅での戦い(実は私、ここ新しくなってから行ったことないんですね)まで見所が満載ですばらしい。ギャオスが大量発生のまま終わる世界の終末といった雰囲気もいいですね。

 余談だけど、明日香村の近所に住んでいるのでロケとかで出てくるのかと目をこらして見ていたんだけど、まったく見つけることはできなかった。ちなみに南明日香村という場所はありません。

金子修介監督。1999年日本映画。

2008年1月14日 (月)

ガメラ2 レギオン襲来 (1996)

ガメラ2 レギオン襲来 地球に大規模な流星雨が降り、その1つの巨大な隕石が北海道に落下する。青少年科学館学芸員の穂波(水野美紀)と自衛隊の渡良瀬(永島敏行)は事件を調査するのだが、やがて付近の光ファイバーが食い荒らされていることを知る。そして地下鉄が謎の怪獣の群に襲われ、札幌のデパートには巨大な花が咲くのだが…

 かなり評判の良かった新ガメラシリーズ3部作の第2弾をやっと見ることができた。実は第1作を劇場で見て結構面白かった記憶があり期待していたのだが、さすがに10年前のトクサツ映画だとミニチュア撮影が妙にレトロで懐かしい感じがした。まさに古い怪獣映画を楽しむ雰囲気だ。

 マンモスフラワーの出現、群体と草体、自衛隊の活躍などなどいろんなおかずをからませて具だくさんな作り。しかし、以前に見たほどリアリティを感じなかったのはどういうことだろう? たぶん怪獣出現に対する登場人物のリアクションが、どこか現実離れしていたような気がするのだ。あれだけの事件が起こっていれば、日本はもっとすごいパニックになってるんじゃないかなぁなんて思いが強いです。

 とはいっても、ミニチュアワークであれだけ迫力のある画面を作り出すのは凄い。たぶんCG合成が多用されてるんだろうけど、見ていてミニチュア特撮と妙になじんでいるのが面白かった。レギオンやガメラの設定に関しては、妙に凝りすぎって感じで映画を見ているだけではラストシーンなんて何のことだかわかりませんでした。惜しいかな…

金子修介監督。1996年日本映画。

2008年1月12日 (土)

幸せのちから (2006)

幸せのちから 1981年のサンフランシスコ。体組成計のセールスマンのクリス(ウィル・スミス)は思うように商品が売れず、妻に家出されアパートも追い出される。5歳の息子クリストファー(ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス)を育てるために証券会社の研修生になるのだが、半年の研修中は無給だということがわかり…

 いわゆるアメリカン・ドリームのサクセスストーリー映画で、実話だというところがポイント。極めて映画的な内容なんだけど、本人たちが遭遇したどん底物語もはたから映画として見ると思ったよりも面白くないかな、というのが正直な感想。

 とはいっても見るべき部分は多く、父子競演(あとから知った)ということでウィル・スミスの実子の自然な演技とか、タクシー代踏み倒したりとかトイレで寝たりとかかなり危ない部分が印象に残ってたりします。

 この映画の面白いところは、どん底から右肩上がりにはい上がるという展開ではなく、映画の90%にかけてはどんどん落ちていくという時間配分でしょう。面白いんだけど、ラストがあっけなく感じるのは仕方のないところかも。ところでこのお父さんはいいんだけど、息子がどんな大人に育ったのかがちょっと気になります。

ガブリエレ・ムッチーノ監督。2006年アメリカ映画。

2008年1月10日 (木)

さくらん (2007)

さくらん 吉原の遊郭に売られてきたきよ葉(土屋アンナ)は気が強く度々脱走をくわだてるが、店番の清次(安藤政信)に吉原の桜の木に花が咲いたら逃がしてやるとたしなめられる。やがて売れっ子の高尾(木村佳乃)にのせられたきよ葉は花魁を目指すのだが…

 かつての東映が文芸大作として好んで撮った題材を、土屋アンナ主演・蜷川実花監督でポップに映画化。原作は安野モヨコの人気コミック。とにかく最初から最後まで極彩色が目に痛い映画で、花街の雰囲気は存分に楽しむことができる。空中を金魚が舞ってるような水槽とか、ああいうのがあったら楽しいだろうなぁと本編と関係ないところに気をとられたりした。

 しかし土屋アンナの花魁って、見るからにヤンキーでミスマッチなんだけどたぶんあの世界で生きてた女性ってあんな感じだったんだろうなぁってこちらも説得力たっぷり。そんなヤンキーが妙にしおらしくなったりするシーンはぐっとくる。

蜷川実花監督。2007年日本映画。

2008年1月 7日 (月)

硫黄島からの手紙 (2006)

硫黄島からの手紙 太平洋戦争末期の硫黄島に指揮官としてアメリカ留学の経験のある栗林中将(渡辺謙)がやって来る。内地に妻花子(裕木奈江)を残してきた西郷(二宮和也)や、オリンピック馬術で金メダルまでとった西中佐(伊原剛志)たちは精神論に走らず合理的な栗林に希望を感じるのだが、やがてアメリカ軍の総攻撃がはじまる…

 激戦地であった硫黄島の攻防を日米双方から描いた二部作のひとつ。ハリウッド製作でありながら、日本人の目で見ても違和感がないって部分がまずは驚き。もちろん「ワイルド・スピード×3」のようなワンダー日本は最近のアメリカ映画には健在なんだけど、まじめに撮ればこんな映画も撮れるんだと驚いた。イーストウッドってただ者じゃない。

 ストーリーはパン屋から出征してきた西郷の目を通して描かれるんだけど、彼がとっても等身大で身近な存在なのが本作をわかりやすくしている。「墓穴掘ってんのかな」なんてぼやくあたりはいい味を出してます。戦中にこんな青年いたんだろうかと思わされるけど、やっぱいたような気になってくる。栗林も西も当時としてはかなり洗練された存在で、戦闘はぐちゃぐちゃっと描かれているにもかかわらず彼の指揮なら結構な時間持ちこたえたのはわかるなぁという説得力があります。何にしても、これだけの才能が消費された戦争の無駄・無駄・無駄が浮き彫りになってくる佳作だと思います。

クリント・イーストウッド監督。2006年アメリカ映画。

2008年1月 4日 (金)

アキハバラ@DEEP (2006)

アキハバラ@DEEP アキハバラに集まったページ(成宮寛貴)、アキラ(山田優)、ボックス(忍成修吾)、タイコ(荒川良々)、イズム(三浦春馬)の5人組は、古家を借りてベンチャー企業「アキハバラ@DEEP」を起業する。ところが彼らの作ったサーチエンジン「クルーク」に目をつけた巨大IT企業デジタル・キャピタル社のカリスマ中込(佐々木蔵之介)は、クルークを買収にかかるのだが…

 石田衣良の同名小説を映画化。いきなりメイド喫茶やら萌え系、潔癖症の若者やらが大挙して出てきて、この雰囲気だめだ?って強烈な拒絶反応を感じたのだが、彼らが起業してからは俄然面白くなってくる。これって結局、登場人物かっこよすぎで本当のおたくではない点がちょっとひっかかるんだえけど、ストーリーにパンチがあって面白く、ヘタなアクション映画なんかよりも楽しんで見ることができる佳作だと思います。

 格闘家を演じる山田優がいい。寺島しのぶとの格闘シーンも、なかなか熱い。唯一不自然だなあと思ったのは、戦いの場がネット上でなくほとんどリアルの世界だったこと。でもそれだから映画として面白かったのかもしれないけど。

源孝志監督。2006年日本映画。

2008年1月 1日 (火)

地獄の変異 (2005)

地獄の変異 ルーマニアのカルバチア山脈に、伝説の巨大洞窟が発見される。調査を依頼されたプロダイバーのチャーリー(パイパー・ペラーボ)、ジャック(コール・ハウザー)、キャサリン(レナ・ヘディ)ら一行はチームを組んで洞窟へ入るが、進入口が崩れて引き返せなくなる。やがて彼らは得体の知れない生物に遭遇し…

 年末から正月にかけて、DOOMに続いてB級っぽいホラー作品を鑑賞。そういえばこの時期って深夜放送でこういう映画を見るのが恒例だったなぁって懐かしい。密室ホラーってのと、ある意味ゾンビものってのが非常に酷似した2本だけど、面白さって点で考えるとDOOMの方が格上であった。

 この映画って、洞窟に入った目的ってのがイマイチなのが第一の乗り切れなかった原因。怪物もはっきり見せてくれなかったのが、70年代の映画のようだ。唯一面白かったのは、彼らがプロのケイブダイバーであり、救助を依頼するのも自力で脱出するのも一緒だと考えて行動するあたり。でもプロだったら、地上チームも設営して常に連絡を取りながら駒をすすめていくもんじゃないかなぁ、なんて突っ込みたくもなったのだが。

 怪物の見せ方からラストのオチまで、あらゆる意味で70年代を思わせてくれる。頑張ってつけた邦題(?)も含めて、年末年始にカウチポテトしながら見るにはぴったりの映画です。

ブルース・ハント監督。2005年アメリカ=ドイツ合作。

2007年12月31日 (月)

DOOM ドゥーム (2005)

DOOM 近未来、火星のユニオン宇宙社オルドゥヴァイ研究所に異変が発生し、事態を鎮圧するために海兵隊RRTSが出動する。実は地球と火星は新たに発生した回廊でつながっており、研究所を襲った謎の怪物を地球へ連れ込まないのが彼らの任務だったが…

 人気ヴィデオゲームの映画化。海兵隊はカール・アーバン、ザ・ロック、ロザムンド・パイク、ラズ・アドティといった屈強なメンバーでそれっぽく、しかも密室と怪物(ゾンビに近い)という古典的なテーマとストーリーにかかわらず贅肉がそぎ落とされた内容はなかなかスピーディーで面白い。最近この手のSFアクションは食傷気味かなぁなどと思ってたのだが、味付け次第ではまだまだ楽しめることがわかった。

 しかしこの映画、ラスト近くがそのまんまヴィデオゲームである。まるでプレステ3の画面を見ているかのようだ。こうなると操作できるプレステの方が上なのかと、ちょっと映画の敗北を感じて暗い気分になってしまった。

アンジェイ・バートコウィアク監督。2005年アメリカ=チェコ合作。

2007年12月29日 (土)

カポーティ (2005)

カポーティ 作家のトルーマン・カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、カンザスで起こった一家惨殺事件に興味を持ち、幼なじみのネル(キャサリン・キーナー)と共に取材に行く。やがて容疑者のペリー・スミス(クリフトン・コリンズ・Jr)が捕まり、面会に行くカポーティだったが…

 ノンフィクション小説の草分けとも言える「冷血」の誕生秘話を描いたジェラルド・クラークの原作を映画化。カポーティを演じるフィリップ・シーモア・ホフマンが熱演だか何だかわからないけど奇妙な裏声で始終しゃべり続けるのが何とも印象に残る。カポーティはテレビのバラエティなんかにも出てた人だそうなので、たぶん当時を知るアメリカ人なら誰でもわかるものまね状態、ということなのだろうか。

 一緒に取材を行うネル・ハーパー・リー(アラバマ物語の原作者らしい)とのつかず離れずの関係も印象に残る。死刑囚を取材に行って、どっぷりと深みにはまってしまい取材を終えることができなくなった男の悲劇、といった内容なのだが、妙に淡々と語られるあたりがリアリティがあって良い。でも想像したよりは内容も薄口だったような気がする。犯行に関する闇が、闇のまま終わってよくわからなかった部分が多かったせいもあるんだろうな。

ベネット・ミラー監督。2005年アメリカ映画。

2007年12月27日 (木)

沈黙の追撃 (2005)

沈黙の追撃 刑務所に入っていたアメリカ特殊部隊のクリス(スティーヴン・セガール)は7人の戦争エキスパートと共に呼び戻される。その任務は、南米ウルグアイで捕らえられた捕虜を救出することと、マインドコントロールで要人暗殺をはかるレイダー(ニック・ブリンブル)を倒すこと。かくして彼らは潜水艦に乗りウルグアイに乗り込むのだが…

 とまあこうやってあらすじを書いてみたら007もびっくりといったスーパーアクション大作を予感させるんだけど、実際に見せられた映像は刑事ドラマのようにこじんまりとまとまっているのは何なんだろう。たぶんダム破壊とか潜水艦とかヘリのからんだアクションの見せ方が地味なんだろう。

 もうひとつのテーマとして、マインドコントロールによる要人暗殺があるんだけど、毎度のごとくセガールが強すぎて全然はらはらどきどきさせられないのが考えもの。強すぎるのも問題なんかな…

アンソニー・ヒコックス監督。2005年アメリカ映画。

2007年12月25日 (火)

どろろ (2007)

どろろ 戦乱の世の中で、天下統一を夢見る醍醐景光(中井貴一)は魔物に生まれるわが子の体48箇所を差し出すことを条件に魔力を手に入れる。やがて20年が流れ、医者であり育ての親の寿海(原田芳雄)に育てられた百鬼丸(妻夫木聡)は、コソ泥のどろろ(柴咲コウ)と共に魔物から自分の体を取り戻す旅に出る…

 手塚治虫の人気漫画の映画化。テレビアニメにもなっていたそうだが見てなく、田舎にずっと残っていた1冊の月刊漫画に載っていた1話を繰り返し読んだのが印象に残っている。それだけに、映画を見て物語の背景とかがわかって目から鱗が落ちたような気分になった。

 百鬼丸の妻夫木は良しとしても、どろろに柴咲コウというかなり思い切ったキャスティングが面白い効果を上げている。がらっぱちの柴咲ってのもなかなか魅力的で楽しめる。でも原作では最後に明かされたという、どろろが女だったというのが一目でわかるのはどうなんだろうねぇ。こういう展開で言えば、「ヒノキオ」の多部未華子がはっと思わせてくれたので、惜しいなあと思ってしまうのである。

 ストーリー的にはかなりの荒唐無稽だけど、手塚作品だから許せてしまうかなって感じ。妖怪が着ぐるみで登場するのは、CG全盛の時代の中ではレトロで懐かしい感じがします。

塩田明彦監督。2007年日本映画。

2007年12月22日 (土)

スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ (2006)

スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ ニューヨークから強制送還されてきた野猿のような少女(松浦亜弥)は、アメリカで収監されている母(斉藤由貴)の司法取引による釈放を条件に、スケバン刑事として聖泉学園に潜入する。その目的は、謎のアングラサイト「エノラゲイ」と爆死した前任捜査官の謎をさぐること…

 20年ぶりのスケバン刑事復活ということで、いい年になった斉藤由貴を母に、じいさんになってしまった長門裕之を登場させるなど、前作とのつながりもしっかり確保した意欲作。さらに自殺サイトやネットワーカー、深作監督によるバイオレンス描写などをうまくミックスした不思議な雰囲気の作品になっている。

 単なるアイドルに収まらない松浦亜弥が、アクション映画の主演として頑張ってるのが見所かな。演技はちょっとかたいけど、たんかをきるところとかはかっこいいぞ。好きなシーンは、竹内力演じる吉良と親子丼を食べるところ。

深作健太監督。2006年日本映画。

2007年12月21日 (金)

マリー・アントワネット (2006)

マリー・アントワネット オーストリアから14歳で体ひとつでフランスに嫁いだマリー・アントワネット(キルスティン・ダンスト)。慣れない宮殿生活に加えて、夫ルイ15世(リップ・トーン)は狩りに夢中であまり相手をしてくれない。さらに「世継ぎは」とまわりが迫るストレスから、浪費に走ってしまうのだが…

 ソフィア・コッポラが描く新感覚マリー・アントワネット、というわけで、BGMは荘厳なクラッシックとロックの間を行ったり来たり。重厚な世界で生きるマリーが妙に等身大で、体ひとつで別の国にやって来たとまどいがよくわかる。画面はポップでありながら、妙に生々しい映画になっている。

 あまりにもまわりの食べ物、衣装、そしてベルサイユ宮殿の調度品がきらびやかなので、見ている方も感覚が麻痺してくるのが味わえる。こりゃこんな中にぽんと無知な女の子がほうりこまれたら、こうなっちまうのも無理はないと納得。さらに彼女は民衆のことを理解してなかったと評されることが多いけど、あんな宮殿に幽閉されてて夜中にパリに忍び出て遊び歩くだけじゃ、理解できないのも無理はないとこれまた納得させられた。

 不満といえばラストのあっけなさ…ぐらいかな。彼女の顛末を、ちゃんと描いてほしかったような気がする。

ソフィア・コッポラ監督。2006年アメリカ映画。

2007年12月20日 (木)

ママが泣いた日 (2005)

ママが泣いた日 突然夫に家出されたテリー(ジョーン・アレン)。4人の娘(エリカ・クリステンセン、エヴァン・レイチェル・ウッド、ケリー・ラッセル、アリシア・ウィット)をかかえて行き場のないストレスから怒りっぽくなるが、元大リーガーのデニー(ケヴィン・コスナー)が彼女に急接近してくる。

 冒頭いきなり葬式のシーンからはじまって、さらに3ヶ月前というテロップから物語がスタートするので「誰が3ヶ月後に死ぬ!?」というのがず?っと見ている間中頭に引っかかってたんですが…そうですか、そういう展開だったとはまったく想像できませんでした。登場人物たちと一緒に「ぽかん」といった感じです。

 ヒステリックな母親、余裕のなさがにじみ出ていて見ていて心が痛みます。と母親視線で見てしまうのはやっぱり自分が枯れてきたからかなぁとしみじみ思ってしまいました。子供たちの目線からだとどう見てもヤな母親です。でも、単に余裕がないからだけだってのがスクリーンのこっち側からだとわかってしまうので、余計に痛々しいです。

 ジョアン・アレンとケヴィン・コスナーを見てると、つくづく大人の映画だってのが感じられます。一番好きなシーンは、みんなそろってバレエの舞台を見るところかな。

マイク・バインダー監督。2005年アメリカ映画。

2007年12月18日 (火)

撃鉄2 クリティカル・リミット (2005)

撃鉄2 クリティカル・リミット チェチェン過激派のリーダー・ニコライは、指導者を殺されてアメリカに復讐を企てている。プルトニウムを手に入れてアメリカ国内での爆破を計画するが、一味には元CIAのジョナサン(スティーヴン・セガール)が潜入していた…

 彼の映画の「沈黙」がつく作品はストーリーもアクションも金太郎飴状態で、もうどれを見てどれを見てないかわからなくなっているんだけど(笑)、撃鉄2は見てないぞと思い手に取った。しかし…これもどこかで見たようなストーリーだ。冒頭でセガールの正体がわからないのが味なのかもしれないけど、彼が悪役だった試しはないのでやっぱり意外性がない。中盤以降はいつものパターンで、スーパーマンぶりを発揮して事件を解決していくというストーリー。強いて言えば、核爆弾の処理方法が何とも強引で印象に残ったくらいか。でも1年たったらその部分以外は全部忘れてしまってるような気がする。

アレクサンダー・グラジンスキー監督。2005年アメリカ映画。

2007年12月17日 (月)

クロコダイル・ダンディー (1986)

クロコダイル・ダンディー オーストラリアに出張中の新聞記者スー(リンダ・コズラウスキー)は、ワニに片足を食いちぎられながらも自力で脱出したというクロコダイル・ダンディ(ポール・ホーガン)を取材するために奥地へ向かう。彼が気に入ったスーは、恋人の待つニューヨークへ連れ帰るのだが…

 80年代の大ヒットコメディ。なぜか見る機会がなかった作品なんだけど、今見るとやっぱり80年代のこじんまりとまとまったコメディという雰囲気で時代が感じられる。単純にカルチャーギャップを楽しみたいなら、たまにテレビのスペシャルでやっている途上国の方と交換留学する番組の方が笑えるかな。

 総じてストーリーらしきものが希薄なのが盛り上がらなかった原因だけど、それでもラストの地下鉄のシーンなどは頑張ってると思います。リンダ・コズラウスキーはなかなか色気満点。後のポール・ホーガン夫人なのだそうですが、一発屋で終わらせておくには惜しい感じ。

ピーター・フェイマン監督。1986年オーストラリア映画。

2007年12月15日 (土)

ザ・センチネル 陰謀の星条旗 (2006)

ザ・センチネル 陰謀の星条旗 かつてレーガン大統領を救った伝説のシークレットサービス・ピート・ギャリソン(マイケル・ダグラス)。ところが彼の同僚が殺される事件は発生し、背景には大統領暗殺の陰謀があった…

 アメリカ大統領のシークレットサービスを主人公にしたサスペンスアクション。ちょうど「ホワイト・プリンセス」を見たあとだったので、同じテーマながらも切り口の違う作品を楽しむことができてラッキーだった。それにしても…あれだけの護衛体制の中で、大統領夫人(キム・ベイシンガー)と不倫するか?ギャリソン!! ある意味あのはめられ方は自業自得と言えなくもないが、さらに同僚のデヴィッド(キーファー・サザーランド)の妻を寝取った過去もあるというくだりも笑わせてくれます。さすがマイケル・ダグラスはまり役です。

 141年間裏切り者を出したことがないシークレットサービスに内通者がいる…ってのがポイントなんでしょうけど、その割りには意外性のない展開と軽さが鼻についてしまった。あれだけ警備が厳重でも、ロケット弾1発で落ちる専用ヘリって一体?? さらに内通者はもっと意外な人物であってほしかたような。

クラーク・ジョンソン監督。2006年アメリカ映画。

2007年12月14日 (金)

壬生義士伝 (2002)

壬生義士伝 幕末の京都は壬生。東北から脱藩して新撰組にやって来た吉村貫一郎(中井貴一)は剣の腕を見込まれいきなり師範として採用される。金に汚い彼を面白く思わない斎藤一(佐藤浩市)は意味もなく彼に斬りつけるのだが、相打ちに終わる。やがて彼らは幕末の動乱に巻き込まれていくのだが…

 浅田次郎の原作を映画化して、日本アカデミー賞を獲った作品。滝田洋二郎監督らしく、ドラマ的で非常にわかりやすい演出なので誰でも安心して見ていられる。物語は斉藤の回想として語られるのだが、幕末と明治後期という我々から見たらどちらも大昔って時代背景が面白い効果を上げている。

 かなりたくさんのエピソードを詰め込みながら、迷子にならないですんだのはストーリーを見事に絞り込んであるからでしょう。金に汚い吉村が実は家族を思ってというのはよく伝わって来るのだが、惜しいのは終盤にそれが義を重んじて破滅していくという心境の変化がよくわからないこと。しかも終盤の30分ぐらいが妙に冗長なのが、無意味に長いと感じるか雰囲気を楽しめるかが評価の分かれ目でしょう。oga.はちょっと長すぎるかな、と思ってしまいました。

 と、ぐだぐだ書いてみても、やっぱりここ数年の日本の時代劇は元気です。時代劇ファンじゃなくとも、見る価値はあります。中井貴一はさすがに起用でこんな役もこなせるのかと驚いた。佐藤浩市は無頼な感じがぴったり。夏川結衣と中谷美紀は文句なく綺麗です。

滝田洋二郎監督。2002年日本映画。

2007年12月13日 (木)

マークスの山 (1995)

マークスの山 元暴力団の畠山(井筒和幸)が殺される事件が発生し、捜査チームに山好きな合田警部補(中井貴一)、肥後(古尾谷雅人)らが加わる。数日後に法務省の松井(伊藤洋三郎)が殺され、両者には頭に錐で突いたような穴があいていた…

 高村薫の推理小説を映画化…なんだけど、典型的な説明不足の消化不良映画といった印象。というか、肝心なパートである萩原聖人と名取裕子カップルのエピソードが私の頭の中でうまく本筋の殺人事件に結びつかないのだ。このあたりは私の頭が悪くなったのか、それとも原作読んでないとダメなのかがよくわからない。

 映像的には冒頭の心中シーンからはじまって、ぐいぐい引き込まれるショットがいっぱいあったのに惜しいって感じ。で、結局山岳会ってのは何だったんだろうか。内ゲバの起こった真相も映画を1回通してみただけではわからない。なぜ死ぬ? なぜ殺す? マークスって何だ? う?ん!?

崔洋一監督。1995年日本映画。

2007年12月12日 (水)

アントブリー (2006)

アントブリー ルーカス(声:ザック・タイラー)は小柄でいじめられっ子の少年。両親ともうまくいってなく、庭のアリいじめが日課になっていたが、怒ったアリの魔法使いゾック(ニコラス・ケイジ)によりルーカスもアリのサイズに縮められてしまう。ルーカスを仲間にしようとアリたちの教育がはじまったのだったが…

 またまたアリアニメ!? って思ったんだけど、「ミクロキッズ」のように人間を縮小してアリとからませるってのが新味。しかもアリと同じサイズの荷物(エサ?)を持たせて、垂直な壁を登らせようというくだりには笑った。妙に哲学的だった「アンツ」というよりも、「バグズ・ライフ」のノリに近く子供と一緒でも安心して見ていることができる。

 それにしても、声優陣が豪華です。ニコラス・ケイジ、メリル・ストリープ、ジュリア・ロバーツ、ブルース・キャンベルにリカルド・モンタルバンなんて方も出てます。どこに出てたか…わからないってのがミソだったりして(笑)。

ジョン・A・デイヴィス監督。2006年アメリカ映画。

2007年12月11日 (火)

ホワイト・プリンセス (2004)

ホワイト・プリンセス アメリカ大統領ジョン(マイケル・キートン)のひとり娘サマンサ(ケイティ・ホームズ)が大学に入学することになる。ところが寮生活をはじめキャンパスは24時間ボディーガード付き。根をあげた彼女はボディーガイドをまいて羽目を外すのだったが…

 ファーストドーターなんて凄い…と思ったのは最初だけで、やっぱり自由のない生活ってのはとっても大変。あんなボディガードを引き連れていたら恋もできない…なんて考えてたら、あれよあれよの展開は面白かった。それにしてもアメリカの大学生活ってのは、毎日がお祭り騒ぎで多少の誇張はあるんだろうけど本当かなって驚かされた。

 ケイティ・ホームズはティーンエージャー代表って雰囲気の女優さんだけど、調べてみると結構のお歳だとは知らなかった。トム・クルーズの新しい奥さんだしね。マイケル・キートンが大統領ってのは、意外とはまり役です。

フォレスト・ウィテカー監督。2004年アメリカ映画。

2007年12月10日 (月)

NANA2 (2006)

NANA2 ミュージシャンを目指すナナ(中島美嘉)と、通称ハチ公こと奈々(市川由衣)はまったく違うタイプながらもルームメイト。奈々は憧れのバンドTRAPNESTのタクミ(玉山鉄二)を紹介され恋に落ちる。ところがナナと同じバンドの伸夫(成宮寛貴)も彼女に思いを寄せるのだが…

 矢沢あいの人気コミックを実写映画化した第2弾にして完結編。さっぱりとした語り口で見終わったあとに爽やかな感動を残した前作だったけど、こちらはどろどろとしたドラマを描いてどよ?んとしたラストはなかなかのもの。ある意味大人のドラマにひと皮むけた…と言えなくもないんだけど、彼女たちの今後を思うと手放しに喜べないのが辛いところ。

 キャストの変更も話題だったけど、実力派宮崎あおいの降板はやっぱり痛かった。彼女だったらこのどん底版奈々をどういうふうに演じたのだろうかとか考えると興味が尽きない。どう考えても第1作の主役はナナ、第2作の主役は奈々だもんな。もうひとり、レンの松田龍平の降板もあったけどこちらは出番も見せ場もそれほど多くなくあまり違和感はなかった。完結編とはいってももう1作くらいはあってもおかしくないんじゃないのって内容。その頃に奈々は子供を連れてるわけだけど…

大谷健太郎監督。2006年日本映画。

2007年12月 1日 (土)

サムサッカー (2005)

サムサッカー 17歳にして指しゃぶりがやめられないジャスティン(ルー・ブッチ)は自分に自信が持てずに投げやりな行動を繰り返している。良き話し相手の歯医者(キアヌ・リーヴス)は彼に催眠術をかけ、事態は好転したかのように思えたが、両親に連れられた医者でADHDだという診断を受けてしまう…

 親指サッカーって何だ?って思って見たら指しゃぶりの映画だった(笑)。何てことない高校生の日常を描いて何てことない映画…に思えたんだけど、妙に心に残るのは神経質そうなルー・ブッチとこれまた神経質そうなお母さん(ティルダ・スウィントン)の好演のおかげかも。特に薬(抗うつ剤)を飲んでからの彼の様変わりが快感もので、神経症の薬物治療を賛美するわけではないけどきっかけと流れが変わるってのは大切なんだと思いました。

 キアヌ・リーヴスってこういう映画のチョイ役に結構出ているけど、場をわきまえたというか主役を喰ってしまわないさりげなさ、それでいて適度に面白いところが心憎いです。

マイク・ミルズ監督。2005年アメリカ映画。

2007年11月30日 (金)

ただ、君を愛してる (2006)

ただ、君を愛してる 大学の英語学科に入学した誠人(玉木宏)は、フランス語学科に所属の個性的な女性・静流(宮崎あおい)に声をかけうち解ける。ところが彼女を恋愛の対象と見てない誠人は、クラスの美女みゆき(黒木メイサ)に恋をするのだったが…

 予告編で大塚愛の主題歌と二人のキスシーンが結構印象に残っていたのでそれだけの映画かと思っていたんだけど、そうではなかったみたい。昨今はやりの純愛ものに難病ものをミックスしたラブストーリーとしては最強パターンの映画。全体的な雰囲気の良さは主演の玉木宏と宮崎あおいの持ち味でしょう。

 美人でナイスバディのみゆきと、幼い感じのする静流ってのは絶妙なキャスティング。それでも静流が主役をはっておかしくないってのは宮崎あおいの底力ってもんでしょう。最初は粘着質で怖い感じもした静流がだんだん可愛く思えてくるのがミソ。どう見ても同棲になってる二人に何もなかったり、あるいはあれだけレベルの高い男女が仲間として集まってて4年間なにもどろどろした事件が起こらないってのは意味不自然。少女漫画あたりが原作かと思ったんだけど、そうではないのにさらにびっくり。

 いい話であるし、感動的でもあるんだけど、宮崎あおいがいなくなってからがちょっと長すぎるのが残念である。もっとスパっと終わった方が余韻が大きかったかも。

 実は一番かわいそうなのは、画面に出てこない静流のお父さんだったかも。

新城毅彦監督。2006年日本映画。

2007年11月29日 (木)

デトネーター (2006)

デトネーター国土安全保障省エージェント・グリフィス(ウェズリー・スナイプス)は、ルーマニアのブカレストで潜入捜査を行っていたが、間が悪く現地警察に逮捕されてしまう。彼を救ったCIAのシェパードは、組織の金を横領したナディアというロシア人女性の護送を依頼するのだが…

 ウェズリー・スナイプスが主演のアクション映画。失礼ながら彼ってあんまりアクションスターってイメージがないんだけど、それは単なる認識不足ってもんかな。この映画を見てる限りは動きも良いしアクションもいい線いっている。主人公がスーパーマンではなく、立場のしがらみに困っているというストーリーもそれなりに面白いが、やはりトータルとしてB級の枠を抜けてないなって感じ。ノリとしてはセガールの一連の映画を思わせる。好きな方は好きなんだろうけど。

 エキゾティックな雰囲気のナディアがいい感じ。彼女の服装は、ブカレストでもちょっと目立ちすぎるんじゃないのって思ったけど。それにしても、このラストは感慨深いというよりも「その組み合わせで、大丈夫?」って別の心配をしてしまった。

レオン・ポーチ監督。2006年アメリカ映画。

2007年11月27日 (火)

模倣犯 (2002)

模倣犯 下町の豆腐屋・有馬(山崎努)の孫娘が失踪して10ヶ月。近くの公園で女性の片腕とショルダーバッグが発見される。やがて犯人からの犯行声明がマスコミに届けられて…

 劇場型連続殺人事件を描いた宮部みゆきの原作を森田芳光監督が映画化。犯人のピースこと網川浩一を演じる中居正広がすっごいはまり役で驚いた。猟期犯独自の妙なオーラが出ているところは、彼のキャラクターがなせる技か? 加えてレポーターの木村佳乃や、犯人にからむ藤井隆や津田寛治の個性的な熱演が光る。久々に森田ワールドの復活か…と思いきや、衝撃の結末にはお口があんぐりとなってあっけにとられてしまった。あれはCGか?

 予期せぬ結末に転がり込んで…行くってことかもしれないんだけど、あまりにもぶっとび過ぎてわけがわからんかった。ラストの赤ん坊についても、想像はつかなくはないがあまりにも説明不足。原作を読んだらわかるのかな? 一番痛いのはあれだけ盛り上げておきながら何の余韻も残らなかったってことかもしれない。役者がみんな頑張ってるのに、残念だ。

森田義光監督。2002年日本映画。

2007年11月26日 (月)

口裂け女 (2006)

口裂け女 連続誘拐事件の発生で厳戒態勢のある町で、小学校教師の京子(佐藤江梨子)の目の前で教え子がハサミを持った女に連れ去られる事件が起こる。口裂け女の仕業だと噂が子供たちに広がり、京子は事件が起こるたびに変な声が聞こえるという同僚の松崎(加藤晴彦)と声を探りに行くのだが…

 都市伝説のスーパースター「口裂け女」を主人公にしたホラー映画。確かにこのテーマで作られた映画ってなかった…ような気がするが、目のつけどころは良かったんだけどすべてがから回りしてしまい超カルト映画になってしまった。

 まずはタイトルバックが凄い。まるで60年代制作のウルトラマンのパロディだ。しかも狙ってこの映像を作ったんならいいかもしれないけど、ウルトラマンと口裂け女はあんまり関連性ないぞ。かなりやつれてしまった佐藤江梨子ってのも、役作りだとしたら凄いんだけど… (実際彼女は別れた夫と娘がいる設定) 口裂け女って子供たちが大好きな話のはずだのに、児童虐待をテーマにしたら子供たち見られないんじゃないの、と企画の甘さも感じてしまった。「学校の怪談」みたいな映画にした方が良かったんじゃないかなあ?

白石晃士監督。2006年日本映画。

2007年11月24日 (土)

笑の大学 (2004)

笑の大学 1940年の太平洋戦争突入寸前の日本。喜劇作家の椿一(稲垣吾郎)は最新作「ジュリオとロミエット」を上演するために検閲官の向坂(役所広司)のところへ台本を持ってくる。ところがこのご時世に喜劇は不謹慎だと思っている向坂は、次から次へと椿に無理難題を押しつけるのだが…

 三谷幸喜の舞台とラジオドラマを原作にしてるだけあり、登場人物はほとんど二人だけという密室劇。それでも映画だけに美術に凝っている上に所々に劇場の風景を差し込んで面白い雰囲気を作り上げている。ストーリーが面白いので、中盤ちょっと中だるみはするが最後までぐいぐい楽しませてくれる。

 戦時下の座付き作家と検閲官という真っ向から対抗する人間が主人公なんだけど、二人がぶつかりながらうち解けていく様子がさすが。特にカタブツなのに、喜劇のアイディアを出したり台詞を読んだりして実は嬉しそうな役所さんが妙に可愛く思えてくるのがミソでしょう。oga.も個人的には喜劇は苦手…な方なんだけど、こういう立場に置かれるとひょっとしたらひょっとして、なんて気分にさせられました。何事も食わず嫌いはいけないです。

星護監督。2004年日本映画。

2007年11月23日 (金)

M:i:III (2006)

M:i:III スパイを引退して教官となったイーサン(トム・クルーズ)は婚約者ジュリア(ミシェル・モナハン)と平和な日々を送っていた。ところが教え子のリンジー(ケリー・ラッセル)が武器証人のオーウェン(フィリップ・シーモア・ホフマン)に拉致されたと知り、救出作戦に参加するのだが…

 劇場版「スパイ大作戦」の第3作。舞台はドイツ、イタリア、上海と広がりスケール感もばっちり。007と同じ「そんな馬鹿な」というアクションシーンもいっぱいあるんだけど、こっちの方がなぜか安心して見ていられないのが不思議である。

 しかし悪役フィリップ・シーモア・ホフマンのふてぶてしさはただ者ではないな。ワイヤーで降下して、地面ぎりぎりでぴたっと止まるというのはこのシリーズでは欠かせないシーケンスなのか? 結局ラビット・フットってのは何だったんだ? ストーリー上は何でも良かったんじゃないの(笑)。

J・J・エイブラムス監督。2006年アメリカ映画。

2007年11月22日 (木)

イルマーレ (2006)

イルマーレ 湖畔に建つガラス張りの家イルマーレ。ケイト(サンドラ・ブロック)はこの家を引っ越す前に次の住人のためにポストに手紙を入れるのだが、その手紙はなんと2年前の住人アレックス(キアヌ・リーヴス)のところに届く。やがて文通をはじめた二人だったが…

 韓国映画「イルマーレ」のハリウッド版リメイク。基本的なストーリーは韓国版と変わらなかったんだけど、ちょっと説明不足だなという語り口で例えば手紙が最初に時空を超えるくだりはストーリーを知らないとわからなかったかも。交通事故がからむタイム・パラドックスも冷静に考えると何かヘンなんだけど、まぁサンドラ・ブロックとキアヌのひさびさの競演なので許してあげようか、なんて気分になってしまった。

 ポストの存在を無条件に二人が受け入れてしまうのがこの映画のツボでしょう。下手に詮索してポストがなくなってしまったら困る、という気持ちがよく伝わってきます(笑)。

アレハンドロ・アグレスティ監督。2006年アメリカ映画。

2007年11月21日 (水)

16ブロック (2006)

16ブロック 非番のはずだったアル中刑事のモーズリー(ブルース・ウィリス)は証人を16ブロック先の裁判所まで届ける仕事をさせられる。ところが彼は悪徳警官を暴露する証人だったがゆえに、モーズリーは警察署長以下主要な警官を敵に回す羽目になり…

 わずか16ブロックを護送するのに、何でこんな目にあわなくちゃいけないんだ?って内容の映画のはずなんだえけど、そのあたりのもどかしさが伝わって来ないのはどれだけ進んだかがわからないからでしょう。せめて何ブロック進んで何ブロック戻されたかを都度表示してくれた方が(できればグラフの方が…てのはあまりにもヴィデオゲーム的か?)良かったかも。

 とはいっても久々にキャラクターが生きている秀作でして、モーズリーが連れて行く証人のエディ・バンカー(モス・デフ)がひたすらべらべらしゃべりまくっていい味を出してます。敵が元コンビのフランク(デヴィッド・モース)ってのも効果を上げてます。

リチャード・ドナー監督。2006年アメリカ映画。

2007年11月19日 (月)

ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer

ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer 迷宮入り事件を継続(ケイゾク)捜査するのが専門の警視庁捜査一課・弐係。そこに所属する柴田純(中谷美紀)は、沈没した客船の生存者たちと共に呪われた厄神島へ正体される。ところが密室となった島では連続殺人げ起こり…

 テレビドラマ「ケイゾク」の映画版らしいが、まさにカルト映画と呼ぶにふさわしいわけのわからない作り。基本的には刑事ドラマ、特にトリックを中心にした推理ものなんだけど、話がぽんぽんとふっとんで行く上にわけのわかんないギャグが散りばめられているのはどうにも解読不能。まさに迷宮入りと言いたくなるような珍作であった。テレビ見てないとわかんないってことかな。

 でも雰囲気的には、「名探偵登場」シリーズあたりを思わせて楽しめるトリックも多数。城にまつわるからくりは、その無機質な感じも手伝って結構楽しめました。でもって後半は理解不可能なワンダーワールドにぶっとんで行きます。

 中谷美紀は出る映画によって雰囲気がころころと変わるのがいいです。 渡部篤郎や鈴木紗理奈が(おそらく)レギュラーとして出てます。

堤幸彦監督。2000年日本映画。

2007年11月17日 (土)

カサノバ (2005)

カサノバ 希代のプレイボーイ・カサノバ(ヒース・レジャー)は罪を免れるために結婚を考える。両家の子女ヴィクトリア(ナタリー・ドーマー)と婚約にこぎつけるカサノバだったが、女性解放を叫ぶフランチェスカ(シエナ・ミラー)に一目惚れしてしまう…

 18世紀のヴェネチアを舞台にカサノバの色恋沙汰を面白可笑しく描いたラブコメディ。確かに荒唐無稽で面白いストーリーなんだけど、真実の愛に目覚める(?)なんてテーマがありきたりでちょっと萎えた。

 でもキャラクターのおもしろさで楽しませてくれる。男まさりのフランチェスカがなんとも魅力的。ヴェネチアの雰囲気も良い。小さな熱気球であんなに飛べるんだったら楽しいのになぁ…

ラッセ・ハルストレム監督。2005年アメリカ映画。

2007年11月13日 (火)

ゆれる (2006)

ゆれる 東京で写真家として成功した猛(オダギリジョー)は、母の一周忌に故郷へ帰ってくる。家業のガソリンスタンドを継ぐ兄の稔(香川照之)と、幼なじみの智恵子(真木よう子)の3人で幼い時によく行った吊り橋のある渓谷へ遊びに行くのだが…

 タイトルどおり「ゆれる」映画。何がゆれるかというと、吊り橋はもちろんだけど、人間の記憶。この事件のように現場には3人しかおらず、しかもひとりは死亡、ひとりは動転、ひとりはかなり遠くにいて見ているか見てないかわからないとなると真実は記憶の中にしかないわけだけど、記憶なんて人間の気持ちひとつで十分ねじまげられてしまうってのはよくわかる感覚です。

 男の兄弟を育てているだけに、決して他人事とは思えない内容に食い入って見てしまいました。良さそうな兄弟だけに、事件が起こってからのあと味の悪さも格別。力作なんだけど、手放しで絶賛…なんて気分になれないのはそんな部分にあるのでしょう。

西川美和監督。2006年日本映画。

2007年11月12日 (月)

ウルトラヴァイオレット (2006)

ウルトラヴァイオレット 21世紀末の近未来、ファージと呼ばれるウィルスが蔓延して、感染した人間は超人的能力を身につけるが12年の余命となる。感染したが故に夫とお腹の子供を政府に殺されたヴァイオレット(ミラ・ジョヴォヴィッチ)はレジスタンスの殺し屋。その日の任務はファージを絶滅する兵器の強奪だったが、ケースの中にはなんと人間の子供(キャメロン・ブライト)が入っていた…

 戦うハイパーウーマン、美女と子供、クローン人間、サイバーパンク、暗黒の政府と、最近流行のパターンをぎゅっと凝縮したかのようなSFアクション。もうこの手のやつは食傷気味かな…なんて思いながら見始めたんだけど、ヴァイオレットとシックス(子供)の関係がなかなか良くて、グロリアやレオンといった雰囲気で最後まで楽しむことができた。

 ミラ・ジョヴォヴィッチは最後までお腹だけ出しっぱなしってのがポイントですね。感染したのはお腹の冷やしすぎかも…

カート・ウィマー監督。2006年アメリカ映画。

2007年11月10日 (土)

南京の基督 (1995)

南京の基督 中国の南京に出かけていた作家の岡川(レオン・カーフェイ)は、幼い中国人娼婦の金花(富田靖子)に出会う。貧しさから体を売る彼女は、キリストを一心に信じていた。一方の岡川はスランプに陥っていたが、彼女に安らぎを覚えて…

 芥川龍之介の「南京の基督」を大胆にアレンジした香港映画。日本人の岡川をレオン・カーフェイが、中国人の金花を富田靖子が演じるという逆転のキャスティングが面白い。時々言葉などから違和感を感じる場面もあったが、物語が進むに連れて全然気にならなくなっていったところはさすが。

 それにしても富田靖子っていい女優さんだと思う。薄幸の少女を見事に演じきっているのはもちろん、とにかく美しい。この作品のあと意外とぱっとしないのは不思議である。

トニー・オウ監督。1995年香港=日本合作。

2007年11月 6日 (火)

ヒトラー 最期の12日間 (2004)

ヒトラー?最期の12日間? 1942年のドイツ、トラウドゥル・ユンゲ(アレクサンドラ・マリア・ラーラ)は数人の候補者から選ばれてアドルフ・ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)の個人秘書になる。時は流れて1945年の終戦直前のベルリン。追い詰められたヒトラーと親衛隊たちは爆音のこだまする地下塹壕にいた…

 ヒトラーの最期というよりは、第三帝国の滅亡、あるいはドイツ版「にっぽんの一番長い日」といった内容の映画。ひとりの秘書の目を通して、次第に手足をもぎ取られてあがくヒトラーの姿が淡々と描かれる。さすがに壮絶な映像は容赦がなく、ひとりまたひとりと頭を打ち抜いたり毒を飲んで果てていく姿は頭に残る。こんな時代に生まれなくて良かったという感謝と、平和のありがたさをひしひしと感じる。

 ラスト近く…子供たちを次々と殺した母(コリンナ・ハルフォール)が毛布を頭にかぶせるシーンは秀逸。すると足が出てしまうのだが、その足の小さいこと。ところが次の子はやや足が大きく、また次の子はさらに足が大きく… この映画はこのシーンが長く脳裏に焼き付いて離れないような気がする。

オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督。2004年ドイツ=イタリア合作

2007年11月 5日 (月)

リング2 (1999)

リング2 呪いのビデオテープ事件で死んだ高山(真田広之)の恋人高野舞(中谷美紀)は引き続き事件の謎を追う。同じ頃、ビデオテープを女子高生の香苗(深田恭子)から手に入れたレポーターの岡崎(柳ユーレイ)だったが、香苗は好奇心からテープを見てしまっていた…

 「リング」の続編は「らせん」なのだが、それが恐怖をおさえてSFになっていたのに対して、これはまったく別パートのあくまでもホラーとして作られた続編。原作のないこちらの方がすんなりと「リング」の世界を引き継いでいるのが面白い。ブームになった「貞子」も健在。井戸のイメージや、それがプールとつながっているというぶっとんだ発想も楽しめる。

 なおハリウッド版のリング2もオリジナル脚本なんだけど、未見のテレビドラマ版とかも含めてこのシリーズはいったいどれだけの別バージョンが存在するんだろう。ブームとなった作品の宿命…かな?

中田秀夫監督。1999年日本映画。

2007年11月 3日 (土)

大停電の夜に (2005)

大停電の夜に クリスマスイブの夜、関東地区に大規模な停電が起こる。店を今晩限りクローズしようと思っていたジャズバーのマスター(豊川悦司)は、向かいのローソク店ののぞみ(田畑智子)と初めて話をして、過去の恋を打ち明ける。父の死が近いことを知った遼太郎(田口トモロヲ)は、実の母(淡島千景)が生きていることを知り会いに行く。その妻(原田知世)は夫の不倫が原因で離婚を決意。不倫相手の美寿々(井川遥)は、ホテルのエレベーターにボーイ(阿部力)と共に閉じこめられる…

 とまあこれにやくざ(吉川晃司)と元カノ(寺島しのぶ)の出産話やら、それを助ける淡島千景の夫(宇津井健)といった具合に映画にして7?8本ぶんの内容をぎゅ?っと詰め込んだ群像劇。アルトマン監督あたりの洋画だと、見ていてわけがわからなくなったこともあったけど、そうならないのは邦画の魅力(顔と名前を覚えやすい)なのか、それとも演出やストーリーがよく練られているせいなのか。

 やっぱキャストとしては最初と最後に出てくる豊川悦司と宇津井健がいいところをほとんどかっさらっていってたような気がします。あのバーはこれから流行るような気がするけど、この夜がきっかけで関係者が夜な夜な酒を飲んでたら、いつか修羅場になるような気がするぞ(笑)。

源孝志監督。2005年日本映画。

2007年11月 1日 (木)

X-MEN ファイナル・ディシジョン (2006)

X-MEN ファイナル・デシジョン ミュータントを人間に「治癒」する薬キュアが開発される。これを好ましく思わないマグニート(イアン・マッケラン)たちは、X-MEN(ヒュー・ジャックマン、ハル・ベリー、パトリック・スチュワート)たちに最終戦争を仕掛けるのだが…

 超能力を持ったミュータントたちを描いたアメコミの映画化 X-MENの最終章…らしい。最終回と断るだけあって、クラス5だか何だか知らないがものすごい超能力の応戦に見ていてかなりど?っときた。橋を持ち上げたり、まわりのものを根こそぎふっとばしたり、車を火をつけながら投げたり、どう考えてもマンガである。

 とはいっても、ハル・ベリーが魅力的だったり、アンナ・パキンの近況が見られたり、イアン・マッケランの怪演が楽しめたりと見るべきところはいっぱいある。惜しむらくは派手すぎるアクションにルールが見いだせない(こいつら何でもできるんか!?)のでちょっと戦いの行方に冷めてくるあたりかも。

 ファイナルと言いつつも、このラストじゃ続編がまたあるんでしょうね。

ブレット・ラトナー監督。2006年アメリカ映画。

2007年10月30日 (火)

イノセンス (2004)

イノセンス 2032年の近未来。サイボーグ刑事のバトー(声:大塚明夫)とトグサ(山寺宏一)は、少女型ロボットが暴走して所有者を殺したあと自殺する事件を追う。ロボットが死ぬ間際に「助けて」という声をあげていたことを彼らは突き止めるのだが…

 アニメ「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」の続編ということだが、見たのがずいぶん昔でストーリーを全然覚えていない。とはいってもいきなり猟奇殺人がはじまるオープニングは前作とのつながりはあまりないと見た。単純にブレードランナー+マトリックスといった雰囲気のサイバーパンクの世界をこってりと見せられて、エンドロールを見る頃には「ごちそうさま」という気分になってきた。登場人物が詩や聖書の一節をことあるごとに引用するのが何とも耳ざわりですっきりしないというのが敗因か。せめて「スター・トレック」ぐらいおさえた引用にしてほしかったような気が(笑)。

 とはいっても映像の持つ魔力はなかなかのもので、実写かアニメか区別のつかないシーンの数々は見応えあり。ちょっとスプラッターなシーンが多いのが気になるが、好きな人だったら環境ビデオとしても楽しめるのではないだろうか。

押井守監督。2004年日本映画。

2007年10月29日 (月)

アンジェラ (2005)

アンジェラ パリに住むチンピラのアンドレ(ジャメル・ドゥブーズ)は多額の借金を返さないとやくざに殺される。行き詰まって橋から飛び降りようとした時に、もう一人の身投げの女アンジェラ(リー・ラスムッセン)をなぜか助けてしまう。ところがこのアンジェラと一緒にいると、借金はカタがつきすべてがトントン拍子に進んでいくのだが…

 ひさびさのリュック・ベッソン監督作。モノクロ画面の小品。チンピラと天使(タイトルは語呂あわせ?)の純愛ものなんだけど、このアンドレという男がなんともむさ苦しくてイヤなヤツで全然感情移入できないところがポイントなのかも。あるいはこれってチンピラから成り上がったベッソンの自伝とも願望ともとれる内容じゃないかな、なんて思いました。

 それにしても、身長180cmで超スリムなアンジェラ(実際、スーパーモデルらしい)とムサ男のアンドレってのがモノクロ画面で意外と絵になるのがおかしい。過去は自由に変えられるなんて言っていたけど、アンジェラが30歳の弁護士ってことになるんでしょうか?

 面白かったけど、「レオン」や「ニキータ」ほどのパワーはもはやないです。ベッソン相変わらずスランプか?

リュック・ベッソン監督。2005年フランス映画。

2007年10月27日 (土)

武士の一分 (2006)

武士の一分 毒味役の下級武士の三村新之丞(木村拓哉)は美しい妻加世(檀れい)と下男の徳平(笹野高史)の3人でつつましく暮らしている。ところがある日、毒味をしたつぶ貝にあたった新之丞は3日間寝込んだあとで失明してしまう。今後の生活すら危ぶまれた新之丞だったが…

 藤沢周平の原作を山田洋次が監督した時代劇3部作の3本目。前2作を見てないので何とも比較しようがないが、これまた最近は時代劇が頑張ってるなという気分にさせてくれる良作。夫婦愛を中心にして、昔の武士の生活をじわっと感じることができる。

 それにしても…キムタク主演だけに現代風にアレンジされてるように感じるけど、毒味役を軽んじるあたりからして逆に現代風でないように感じた。一家の大黒柱が傾いたらその家が崩壊しかけるってのは、保険のなかった昔の世界ですね。毒にあたったら料理が殿様のところへ行くのを止めようとしなければいけないし、逆に殿様を守ったということで名誉になるべきじゃないんかなぁ、などと見ながら漠然と思ってしまった。

 家を守るために妻が…というのはどこかで見たような展開だけど、決闘があっさりと決まってしまうあたりはリアルで現代風である。何にしても、見終わったあとの気持ちが良いので良しとしよう、となってしまうそんな映画。キムタクは時代劇では普通の人っぽくて逆に良かった。加世さんと徳平はうまい。印象に残る。余談だけどヘンなマークのような松竹のタイトルよりも、富士山の方がよっぽどいい。

山田洋次監督。2006年日本映画。

2007年10月26日 (金)

トンマッコルへようこそ (2005)

トンマッコルへようこそ 朝鮮戦争時の韓国。墜落したアメリカ軍のパイロット・スミス(スティーヴ・テシュラー)、韓国軍の兵士(シン・ハギュン、ソ・ジェギョン)、人民軍の兵士(チョン・ジェヨン、イム・ハリョン、リュ・ドックァン )は山奥の村トンマッコルで鉢合わせする。武器を向け合って威嚇しあう彼らだったが、やがて無垢な村人たちの前にうち解ける。ところが連合軍はスミスの救出と付近の爆撃を計画し…

 韓国でスマッシュヒットした戦争ファンタジー。突然イノシシが出てきたり、爆弾でポップコーンがはじけたり首をかしげたくなるようなシーンも多かったんだけど、そんなことは見ているうちにどうでもいいと思えてくるほど熱くさせられる展開はさすが。世界中がみんなトンマッコルみたいな村だったらいいのに、なんて気分にさせられる映画です。

 名前がわからないんだけど、少女の存在感がいいですね。顔をふいてあげる布は、靴下なの? 音楽は久石譲。

パク・クァンヒョン監督。2005年韓国映画。

2007年10月23日 (火)

レディ・イン・ザ・ウォーター (2006)

レディ・イン・ザ・ウォーター 平凡な日々をおくるアパートの管理人クリーブランド(ポール・ジアマッティ)だったが、ある日中庭のプールで謎の美少女ストーリー(ブライス・ダラス・ハワード)に出会う。両足が傷だらけの彼女を部屋で休ませるのだが、住人の韓国人親子によると彼女は水の精ナーフだということを知り…

 ナーフの出現により、自分たちの役割に気づき謎解きをはじめる住民たちを描いたファンタジー映画。冒頭の水の精たちが人類を救うみたいなアニメーションが妙に説得力たっぷりで期待させられたんだけど、本編よりもそちらの方がいい気分にさせられたのは何だかなぁって感じ。

 シャマランの映画にしては、どんでん返しもなくちょっと期待外れだったかなってのが正直なところ。「シックス・センス」というよりは、役割を重視しているロールプレイング的要素は「アンブレイカブル」に近い。あの世界が好きな方にはおすすめの映画。

 ナーフ役のブライス・ダラス・ハワードは雰囲気たっぷりではまり役。ちょっと病的な白さがまたナーフっぽくて不思議な魅力がある。傷だらけの足は痛々しかったな。ポール・ジアマッティの人柄がにじみ出ているといった感じの管理人も印象に残ります。

M・ナイト・シャマラン監督。2006年アメリカ映画。

2007年10月22日 (月)

ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT (2006)

ワイルド・スピードX3 車がらみで問題ばかり起こしている高校生ショーン(ルーカル・ブラック)は少年院送りをまぬがれるために父の住む東京へ。日本の高校になじめないショーンだったが、友達になったトゥインキー(バウ・ワウ)に誘われてアンダーグラウンドのストリート・ドリフトレースに出場。そこでDK(ブライアン・ティー)と対決することになるのだが…

 舞台を東京に移してのワイルド・スピード第3弾。登場人物が交代し、前作とのつながりは一切カット…かと思いきや、最後の最後であの方が登場(しかもノークレジット)したのにはちょっとにんまり。長い旅の果てに懐かしい人にあったかのような錯覚を覚えてしまった。

 物語は非常に単純でVシネマのストーリーとあんまり変わらないレベルなんだけど、ど派手なストリートレースと多彩なゲストたちは一見の価値あり。千葉真一もやくざ役でドスをきかせてます。面白かったのは車好きのショーンが「ドリフト」を知らないってくだり。確かにアメ車はドリフトなんかしそうなイメージがないし、洋画のカーチェイス場面ではアメ車はつるつる滑っているがひっくり返りそうに揺れている(笑)。

ジャスティン・リン監督。2006年アメリカ映画。

2007年10月20日 (土)

マイアミ・バイス (2006)

マイアミ・バイス マイアミ警察の潜入捜査官ソニー(コリン・ファレル)とリカルド(ジェイミー・フォックス)は、FBIやCIAなど各機関に顔が割れてないことからドラッグ密輸の潜入捜査を行うことになる。ところがソニーは敵の美女イザベラ(コン・リー)と愛し合うようになり…

 80年代の有名なテレビシリーズの映画化。とはいっても名前は有名でも見てなかったために、映画の冒頭からいきなり置いて行かれる羽目になってしまった。とにかくこの映画、状況説明少なくいきなりすっとばずので、主役のソニーとリカルドに感情移入できないまま物語がぽんぽん進んでいくのがきつかった。

 それでも中盤はそれなりに楽しめたのは、敵の美女イザベラとソニーが微妙な関係になったあたりからか。小型機を2機ランデブーさせたり、高速艇を使ったアクションは面白かったけど思ったほどは盛り上がりに欠けて残念。ところでこの二人、フェラーリが愛車ってのは危険手当はかなり莫大なんかな?

マイケル・マン監督。2006年アメリカ映画。

2007年10月18日 (木)

マッチポイント (2005)

マッチポイント 元テニスプレイヤーのクリス(ジョナサン・リース・マイヤーズ)は、金持ちの一族のトム(マシュー・グード)のコーチをすることになる。幸いトムの妹クロエ(エミリー・モーティマー)に見初められたクリスは一族の会社へ入り上流階級入りを果たすが、トムの婚約者のセクシーなノラ(スカーレット・ヨハンソン)に出会ったことから運命が狂い始める…

 ウディ・アレン監督の「陽のあたる場所」あるいは「太陽がいっぱい」? いきなりテニスボールがネットに引っかかるシーン、そして繰り返されるオペラが雰囲気満点。上流社会に入ったクリスがじわ?っと変貌していく様子。そして手に汗握る展開はなかなかスリリング。スカーレット・ヨハンソンのいかにも男好きしそうな雰囲気が説得力あります。彼女はやっぱりただ者じゃない。終盤の刑事のやりとりや、幽霊との会話もにやりとさせられる。

 とまぁ随所にアレンを連想させるシーンがちりばめられてはいるけど、全体としては彼らしくないとても楽しめる娯楽作になっているのが良い。アレンは苦手、という方には本作と「ギター弾きの恋」をおすすめしたいかな。

ウディ・アレン監督。2005年イギリス=アメリカ=ルクセンブルグ合作。

2007年10月17日 (水)

2番目のキス (2005)

2番目のキス 高校教師のベン(ジミー・ファロン)とキャリアウーマンのリンジー(ドリュー・バリモア)は社会見学の際に知り合いデートするようになる。ところが野球チーム ボストン・レッドソックスの年間指定席を持つほどの熱狂的なファンのベンはシーズンが始まると彼女をそっちのけで野球に没頭。次第に歯車がかみ合わなくなるのだったが…

 ニック・ホーンビィの原作(こちらはサッカーなのだそうだが)を脚色したラブコメディ。いわゆる野球オタクをカレシにしたらどうなるか…を克明に描いたかのような映画で、これは野球に限らず何かの趣味に没頭している人間に彼女ができてどちらを優先するか悩む…という人類不変のテーマ(笑)である。

 それにしても、レッドソックスのファンの明るいことには救われる。あのスタジアムなら行ってみたいもんだ。タイガースファンとはひと味違う雰囲気が楽しめるかも。ドリュー・バリモアと趣味とどっちを取るかと言われたら、最初は絶対バリモアだけど時間が経つと…確かにわかんないかもしれない(笑)。

 ところで始球式にスティーブン・キングが出てたけど、遠目で顔がはっきりわからなかった。あれ本物?

ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー共同監督。2005年アメリカ映画。

2007年10月16日 (火)

ピストルオペラ (2001)

ピストルオペラ 組織「ギルド」に所属する殺し屋「野良猫(江角マキコ)」は代理人の上京(山口小夜子)から、組織のナンバーワンである百目の殺しを依頼される。ところが誰も百目の正体を知らなく…

 なんじゃこりゃ?と叫びたくなるような珍作。鈴木清順らしい妙にポストモダンな雰囲気や、無国籍さ。そして毒々しい色使いやカット割りなどが楽しめるといえば楽しめるのだが、何か感覚的なズレを感じる。これだけの舞台を用意しながら、江角マキコに「ちゅ?ちゅ?たこかいなぁ」という台詞を言わせるあたりに首をかしげてしまうのである。やっぱ鈴木先生もかなりのお歳になられたということだろうか。

 最近訃報が流れた山口小夜子が出てるけど、この映画を見る限りかなり若かったのかなぁ。他に主人公につきまとう少女に韓英恵、殺し屋たちに永瀬正敏、沢田研二、平幹二朗らが出てます。

鈴木清順監督。2001年日本映画。

2007年10月13日 (土)

太陽の王子 ホルスの大冒険 (1968)

太陽の王子 ホルスの大冒険 オオカミの群れに襲われた少年ホルス(声:大方斐紗子)は岩でできた巨人モーグに助けられる。ホルスはモーグの肩に刺さったトゲを抜いてやるのだが、それは使いこなすと太陽の王子になれる「太陽の剣」だった…

 小学生の頃に学校の映画会で見てかなり印象に残っていた作品に再会。ホルスが草むらをすべり降りる場面とか、太陽の剣を抜く場面(エクスカリバーみたい)、そして敵をスパっと斬るシーン(相手が氷のマンモスだとは記憶してなかったのだが)などを断片的に覚えていたのだが、それらがすべて頭の中でつながった。まさにトゲが抜けたかのようなすっきり感である。

 子供の頃はあまり考えなかったんだけど、北欧のどこかといった無国籍感がいい雰囲気を作っている。屈折した悪魔も妹ヒルダ(市原悦子)ってのもいいね。少年の成長を描いた、文字どおり夢のある冒険談です。

高畑勲監督。1968年日本映画。

2007年10月12日 (金)

地上最強のカラテ Part2 (1976)

地上最強のカラテ Part2 実戦を重視してケンカ空手と呼ばれる極真会。大山倍達の肝いりで、アメリカの支部へ渡っていった三浦美幸。そして熊殺しのウィリー・ウィリアムズの日常を追ったドキュメンタリー。もちろん空手選手権大会の様子も伝えられる。

 あの「地上最強のカラテ」に続編があったのは知らなかったのでびっくり。というわけで約30年の時を経て続編を見てしまったわけだが、前回の感想と違って「意外と面白いやん、これ」と思ってしまった。

 さすがに70年代の映画だけに、三浦美幸の髪型がなんとも時代がかっていたり、大山倍達が若かったりといろいろあったけど、カラテの鍛錬が見せる本物の迫力には圧倒されっぱなし。それだけにラストのウィリー・ウィリアムズの熊殺しはちょっと残念だったな。熊に戦闘意欲がない(笑)。あれじゃ熊がかわいそうだ。それに決着が描かれてないくせに、ナレーションで「ついに極真は熊を仕留めた」はないんじゃないの。

後藤秀司監督。1976年日本映画。

2007年10月11日 (木)

修羅雪姫 (2001)

修羅雪姫 何百年も鎖国が続く某国で、刺客として育てられた雪(釈由美子)だったが、ある日彼女の母を殺したのはリーダーの白雷(嶋田久作)だったことを知る。組織を逃れた雪は瀕死のところを隆(伊藤英明)という青年に救われたのだったが…

 小池一夫・上村一夫による劇画の2度目の映画化。前作はなんと藤田敏八監督、梶芽衣子主演だったというから驚いた。こちらの方が見てみたくなったりして(笑)。

 内容は完全にVシネマしていて、架空の国と時代を背景にした無国籍アクション。ドニー・イェンによるアクションなのだそうだが、ストーリー自体に魅力が少なく思ったほどスケールが大きくならなかったところが辛い。それでも産業革命を思わせるような町並みは面白い造形で頑張ってはいるのだが。

 アイドルの釈由美子が主演ってことで、彼女の映画(ドラマ)は初めて見たのだが彼女って意外と美人じゃないところが魅力的なんじゃないかと思った。寡黙なヒロインがよく似合っている。相手役の伊藤英明は、私の中では陰陽師のイメージがちょっと強すぎて何か違うって感じ。

佐藤信介監督。2001年日本映画。

2007年10月 9日 (火)

バーバー吉野 (2003)

バーバー吉野 山間の小さな町では、小学生はみんな「吉野刈り」と呼ばれるおかっぱ頭にするのが慣わしだった。ところが東京からかっこいい転校生がやって来て、吉野刈りを嫌がったことから騒動が起こり…

 荻上直子監督の長編デビュー作品。吉野刈りを奨励する床屋のおばちゃんにもたいまさこが扮する。神戸で育って中学時代に市ぐるみで丸刈りを強要された過去を持つ(笑)oga.としては、ただ笑って見てられない複雑な感情を持ってしまった。さすがに今となっては親の目でこの映画を見るのだが、「子供を守る」という名目だけではなく妙に意地になってしまっている大人の姿がおかしいです。子供たちにとってはいい迷惑といったところか。

 とはいっても、憎たらしいはずの吉野のおばちゃんがふだんは良いおばちゃんしてたり、地域が子供を育てるという昔ながらの風習が残ってたりとこの町には何とも言えない良い環境が残ってます。小学生の描き方も、生き生きしていて良かったです。

荻上直子監督。2003年日本映画。

2007年10月 8日 (月)

ユナイテッド93 (2006)

ユナイテッド93 2001年9月11日、ユナイテッド93便はいつもと同じように乗客を乗せて飛行場を離陸する。数人のテロリストが乗っている以外は。同じ頃、1機の旅客機が音信不通になり、やがてマンハッタン上空でレーダーから姿を消す…

 あの同時多発テロで犠牲になった4機の旅客機のうち、目的を果たせずペンシルバニアに墜落したユナイテッド93便を描いたドラマ。綿密な取材の上に映画化されたそうだが、携帯電話や航空電話の発達から取材が可能だったのか、全員死亡した旅客機で何が起こったかを目の当たりにしてくれる緊迫感たっぷりの映画。

 同じテーマの映画では「ワールド・トレード・センター」があったが、あちらが警察官の当日の行動を軸に描いているのに対して、こちらはハイジャックされた93便と航空管制官たちの視線から事件を描いた映画。ニュース風のタッチで臨場感たっぷりで、まるでテレビにはりついてニュース速報を追いかけてるかのような錯覚を感じた。

 結末がわかっているだけに、飛行機の中の奮戦ぶりは見ててなんとも辛いものがあります。それでもガンバレと手に汗握って応援してしまうのは、映画の持つ魔力かも。逆にテロリストたちの焦りも丹念に描かれているのが凄い。

ポール・グリーングラス監督。2006年アメリカ映画。

2007年10月 5日 (金)

RIZE ライズ (2005)

RIZE ニューヨークのサウスセントラル地区。若者たちはギャング団に入るか、ピエロになるかを迫られている。トミー・ザ・クラウンというカリスマピエロを中心に、ピエロとクランプ・ダンスを選んだ若者たちの日常とダンス対決をおさめたドキュメンタリー。

 「早回しは使っていません」というテロップから始まるけど、クランプ・ダンスってのは踊りというよりはケイレンという感じでぴくぴく動き回る様子は一見の価値がある。なぜピエロ?という思いとは逆に、フェイスペイントをして踊る黒人の若者たちはなかなかかっこいい。

 出演のトミー・ザ・クラウンをはじめ、タイト・アイズ、ドラゴン、リル・C、ミス・プリッシーといった面々は存在感抜群で独特のオーラを放っている。この世界のカリスマなのだろう。

デヴィッド・ラシャペル監督。2005年アメリカ映画。

2007年10月 4日 (木)

森のリトル・ギャング (2006)

森のリトル・ギャング アライグマのRJ(声:ブルース・ウィリス)は冬眠しているクマから食料を奪おうとするが、最後の最後で起こしてしまい食料は紛失。怒ったクマは同じものを集めてこないとひどいめにあわせると脅して眠ってしまう。困ったRJは、亀のヴァーン(ギャリー・シャンドリング)、リスのハミー(スティーヴ・カレル)、フクロネズミのオジー(ウィリアム・シャトナー)とヘザー(アヴリル・ラヴィーン)、ハリネズミのペニー(キャサリン・オハラ)らを誘って人間の食べ物を横取りしようと企むのだが…

 ドリームワークス制作のCGアニメで、驚くほどリアルな風景と動物たちが楽しめる作品。動物たちの人間に対する考察がなかなか深いです。ジャンク・フードとその包み紙をたれ流す人間が、この映画を見てると何かヘンと思えてくるのは動物目線で作られてるかもしれません。

 適度に毒のあるギャグは完全にお子様向けとは言えないかもしれませんが、「トイ・ストーリー」あたりが好きな方は結構楽しめると思います。

ティム・ジョンソン、キャリー・カークパトリック共同監督。2006年アメリカ映画。

2007年10月 3日 (水)

夜のピクニック (2006)

夜のピクニック 北高の年に一度の恒例行事である歩行祭は、丸一日かけて80kmを歩ききること。これが最後の歩行祭になる貴子(多部未華子)は友人と話しながらスタートする。彼女の関心事は、一度も話したことがないクラスメートの融(石田卓也)で、実は二人の間にはある秘密があった…

 Hinokioの出演が印象的だった多部未華子が女の子を演じる(笑)ってことで気になっていた作品をやっと見ることができた。とっても普通なんだけど、何やら訳ありの秘密を持った少女、というのは彼女にぴったりの役柄で最後まで楽しんで見ることができた。

 それにしても80kmを一昼夜かけて歩くって体験、歩くのが好きなoga.は興味がる。2時間くらい仮眠して起こされるあたりがめちゃめちゃ辛そうですが、その部分を除けば結構楽しんでしまうかもしれない。それだけ歩けば体力的にはボロボロになって、本音で話しができるようになるって感覚はわかる、わかるといったところ。

長澤雅彦監督。2006年日本映画。

2007年10月 2日 (火)

ガラスの脳 (1999)

ガラスの脳 飛行機事故で死んだ母親から生まれてきた由美(後藤理沙)はずっと昏睡状態。小学生の雄一(小原裕貴)はぜんそくで同じ病院に入院していたが、眠り続ける由美を発見。おとぎ話と同じくキスすれば目覚めると信じて、毎日彼女の病室へ通い続けるのだが。退院して高校生になった雄一は、由美がまだ眠り続けていることをニュースで知り…

 手塚治虫の原作を「リング」の中田秀夫が映画化。昏睡状態の少女に少年がキスを続けるという、ちょっとこれいいんかいなというような内容なんだけど、まぎれもなく純愛映画してて最後まで同じトーンで突っ走ってしまうのはさすがというか立派。少女が目覚めてからはわずか5日間の物語なのに、ついには結婚までしてしまうのがほほえましくまで感じられる。

 やっぱこれは、漫画として語られる方がしっくりくる物語なんだろうと思う。脚本は小中千昭。

中田秀夫監督。1999年日本映画。

2007年9月29日 (土)

天皇・皇后と日清戦争 (1958)

天皇・皇后と日清戦争 19世紀後半、朝鮮半島の占有権を巡り日本は清国との開戦を決意する。明治天皇(嵐寛寿郎)と皇后(高倉みゆき)を主人公に、数々のエピソードを積み重ねる形で描かれた作品。

 史実によく知られたエピソードを加えたような形で日清戦争から三国干渉までを描いた作品。頭を真っ白にして見ると、名将と呼ばれていただけあって明治天皇とその皇后は凄かったんだ…というのがぴしぱしと伝わってくる映画。最近の反戦映画ともスタンスが違う。どう感じるかは人それぞれだろうけど、見ておいて損のない作品だと思う。

 ただし作品としては前作の「天皇陛下と日露大戦争」の方が上だったかもしれない。前作は明治天皇が戦争を避ける手段がないか画策する導入部から引き込まれたが、こちらはいきなり戦争が始まる。ラストの三国干渉を受け入れて国民には朕が説明すると言った部分にはぐっときたが。

 面白いのは、軍歌「戦友」がそのままミュージックビデオみたいになっていた部分(笑)。詩吟とかはよくわからないのだが、同様に詠まれた内容が挿入されたりしてるんじゃないだろうか。

並木鏡太郎監督。1958年日本映画。

2007年9月28日 (金)

僕の、世界の中心は、君だ。 (2005)

僕の、世界の中心は、君だ。 スホ(チャ・テヒョン)は平凡で目立たない高校生だったが、みんなの憧れるスウン(ソン・ヘギョ)に突然告白され運命が変わる。友達のはからいで無人島に1泊旅行に出かけるのだが、その途中で彼女が倒れて…

 あの「セカチュー」の韓国版リメイクなのだそうだが、実はoga.はセカチューを見てないんだよなぁ(笑)。それにしてもこっぱずかしい日本語タイトルから連想できるように、見ていて恥ずかしくなってくるような純愛物語であった。チャ・テヒョンは「猟奇的な彼女」の時と同じく人がいいだけのキャラなんだけど、棚ぼた式に可愛い彼女ができて青春するんだけど、実は彼女は白血病で…って内容。初恋を語るおじいさんとか、脇をかためる人たちがいい味を出してたのが印象的。でも全体的には薄味ってところ。

 なんかオリジナルの「セカチュー」を見ずにこれを見てしまったのは失敗か?と思ってしまったぞ。

チョン・ユンス監督。2005年韓国映画。

2007年9月27日 (木)

オーメン (2006)

オーメン アメリカの外交官ロバート・ソーン(リーヴ・シュレイバー)の妻キャサリン(ジュリア・スタイルズ)がイタリアの病院で6月6日に死産する。妻に言い出せないロバートは、勧められるがままに別の赤ん坊をもらいうけるのだが…

 悪魔の子を育ててしまった夫婦の悲劇を描いたホラーの古典「オーメン」のリメイク。ストーリーは細かい部分に違いはあるが、ショックシーンも含めてほぼ前作をなぞっていく内容。それだけに大きな落胆もなければ「面白い」と手を叩く場面もない平凡な出来。今考えたらエクソシストと並んで地味な作品だけに、リメイクしてもCG使ってもあんまり変わらなかったのかも。

 何かもうひとつスパイスが足りないと考えていたら、エンドクレジットで流れて来たので気がついた「アベ・サンターニ」の音楽ですね。オーメンといえば子役の子憎たらしさだけど、そのあたりは前作にはおよばないにしてもいい味を出してました。なおビデオのタイトルは「オーメン666」。

ジョン・ムーア監督。2006年アメリカ映画。

2007年9月26日 (水)

レイヤー・ケーキ (2004)

レイヤー・ケーキ ロンドンで麻薬の売人をする男(ダニエル・クレイグ)は足を洗おうと考えている。最後の仕事として選んだのは、大物エディ・テンプル(マイケル・ガンボン)の失踪した娘捜しと大量のエクスタシーを売りさばくこと。ところがエクスタシーは訳ありの品物で、殺し屋たちに狙われる羽目になり…

 次期007のダニエル・クレイグを初めて意識して見たけど、これは確かにただ者ではない。とにかくクセのある男で、男前ではないんだけどどこか心に残る不思議な雰囲気を持っている。何があっても落ち着いているところがぴたっとハマっているのはボンド向きかも。

 ストーリーがややこしい上に、雰囲気が暗いってのはイギリス映画っぽくて好きな人はたまらないんだろうな。個人的にはちょっとしんどかった。かなりクロウト向けの映画だと思う。なおレイヤー・ケーキとは階層社会のことらしい。

マシュー・ヴォーン監督。2004年イギリス映画。

2007年9月25日 (火)

GOAL! (2005)

GOAL! メキシコからアメリカへ不法入国したサンチャゴ(クノ・ベッカー)の一家だったが、徐々に彼はサッカーで頭角を現す。元選手のスカウトを受けた彼は、単身イングランドへ渡りニューカッスル・ユナイテッドに入団するのだが…

 ワールドカップとあわせて公開されたサッカー映画。何と言ってもベタベタのスポ根もので、見ていて熱くなったり気恥ずかしくなったりを何回も繰り返してしまった。さすがに草サッカーで頭角を現しても、プロの世界ではうまくいかない。その挫折具合が、いらいらさせられたりリアルさにうならされたりして良かった。

 サッカーってほんと、ラテンのスポーツだってことを感じさせてくれるのは主人公のクノ・ベッカーくん。なかなかの好青年である上に、苦労人で父や祖母との関係は泣かせてくれます。こういったベタベタ映画って、滅びずにいつの世も存在してほしいと思います。なお3部作の第1作ということで、次回作にも期待いたしましょう。

ダニー・キャノン監督。2005年アメリカ=イギリス合作。

2007年9月24日 (月)

ウインドトーカーズ (2002)

ウインドトーカーズ 第2次大戦中、全滅した部隊の唯一の生き残りとして心に傷を負ったジョン・エンダース(ニコラス・ケイジ)は、回復と共にさらなる出撃を志願する。今度の彼の任務は、日本軍の占領するガダルカナル島の奪還と、ナバホ族の暗号兵たち(アダム・ビーチ、クリスチャン・スレーター、ピーター・ストーメア他)の護衛。ところが予想を上回る激戦に…

 ジョン・ウー監督による戦争アクション映画。今時珍しいストレートなストーリーで、ナバホ族の暗号兵という新機軸はあるのだがアクションは南方の島の攻防戦であり、密林の中でひたすら銃撃戦と局地戦が繰り広げられる。ウー監督だけに火薬の量は半端じゃないんだけど、上映時間も長く見ていてちょっとダレ気味になってしまった。

 インディアンたちが戦争にこういう形で協力していたというのはまさに歴史の知られざる一面(自分が知らないだけ?)といった感じで感心させられた。映画の性格上、日本人が敵ってのが複雑な気持ち。でも映画が進むに従ってそれが違和感なくなってくるのは恐ろしい。正に映像のマジックかも。

 ニコラス・ケイジは相変わらずうまいです。彼がああなってしまう映画ってのは、近年では珍しいのではないでしょうか。

ジョン・ウー監督。2002年アメリカ映画。

2007年9月21日 (金)

ナイロビの蜂 (2005)

ナイロビの蜂 外交官のジャスティン(レイフ・ファインズ)は妻のテッサ(レイチェル・ワイズ)と共にナイロビに勤務していたが、突然の妻の訃報をきく。釈然としない彼はひとり真実を探るのだが、そこにはアフリカで薬物実験を行う先進国の姿があった…

 ジョン・ル・カレの原作を映画化した、ひたすら渋い社会派サスペンス。お腹の子供を失い、そして妻を失った主人公が彼女の軌跡をたどるのだが、そこには驚愕の事実が隠されていた。しみじみと妻を回想しながら旅を続ける主人公には泣ける。奥さん若いのに、二人の関係に枯れた味わいを感じさせるのは凄いと思う。

 こういう現実って、先進国の繁栄の陰にきっとあるんだろうなって思う。目をそらしちゃいけない現実が。

フェルナンド・メイレレス監督。2005年イギリス映画。

2007年9月20日 (木)

隣のヒットマン (2000)

隣のヒットマン 高級住宅地に住む歯科医のオズ(マシュー・ベリー)の隣に、伝説のヒットマン ジミー・チュデスキー(ブルース・ウィリス)が引っ越してくる。正体を知ってたじろぐオズだったが、実は彼の妻ソフィ(ロザンナ・アークエット)は夫を殺すためにヒットマンを雇っていた…

 ブルース・ウィリスが伝説の殺し屋を演じるゆるゆるコメディ。一時期ウィリスがスランプ?なんて時期があったみたいだけど、この作品はモロそれをかぶった感じでちょっと最後まで見るの大変だった。隣にヒットマンが来ておっかなびっくりのオズとか、殺し屋志望のシンシア(ナターシャ・ヘンストリッジ)とかキャラが立っててとっても魅力的。でも…ストーリーに魅力がなくて思ったほど笑えないのが何だかなぁ。

ジョナサン・リン監督。2000年アメリカ映画。

2007年9月19日 (水)

ハチミツとクローバー (2006)

ハチミツとクローバー 美大生の竹本(櫻井翔)は、同じ研究室に入ってきた天才的な絵の才能を持つはぐみ(蒼井優)に一目惚れ。ところが彼女は海外から帰ってきた芸術家の卵森田(伊勢谷友介)に興味を示してしまう。そんなはぐみがスランプに陥った…

 羽海野チカの大ヒットした少女コミックを映画化。美大が舞台だけに、絵を描いたり彫刻を作ったりろくろを回したりといった日常生活がとっても楽しそうでうらやましく思えた。実際は実力主義の厳しい世界なんだろうけどねぇ。

 それにしても恋愛とはうまくいかないもので、登場人物たちの思いがそれぞれあっちこっちを向いていて誰一人両思いにならないのが面白い。実際はこんなことありえないぞ、と思いながらも、ストーリーのおもしろさでぐいぐい最後まで見せられてしまった。

 原作は知らないが、短パンがトレードマークの竹本、芸術家の卵でどこかキレた森田、そして中学生のようなはぐとキャラが立っているのが良い。加瀬亮が西田尚美に片思いするエピソードも面白かったな。

高田雅博監督。2006年日本映画。

2007年9月18日 (火)

デジャヴ (2006)

デジャヴ ハドソン川でフェリーの爆破事件が起こり、500人以上の人が死ぬ。ATFの捜査官ダグ(デンゼル・ワシントン)は事件直後にフェリーの犠牲者にしては不自然な場所で発見された遺体クレア(ポーラ・パットン)に第六感が働く。ところが彼がFBIに連れ込まれた施設では、4日半前の過去を見ることができる装置が稼働していた…

 サスペンス+パニック風の出だしとブラッカイマーのプロデュースということでアクション大作かと思ってたら…なんとSFだった。あっちやこっちへコロコロ型のSFサスペンスである。しかもタイムマシン&タイムパラドックスもので、キャッチコピーの「過去は変えられるか?」というテーマにラスト近くが手に汗握った。限りなくB級に近いサスペンスだが楽しめることはうけあい。oga.はこのラストに「過去は変えられた」と理解したんだけどどんなものでしょうか?

 デンゼル・ワシントンはともかく、相手役のポーラ・パットンがいいです。しかも死体で登場!! この意外性はちょっとクセになりそう。彼女の部屋に残された「U CAN SAVE HER」って伝言も何となく彼女を救えるという希望を持たせてくれていい感じです。

トニー・スコット監督。2006年アメリカ映画。

2007年9月15日 (土)

プラダを着た悪魔 (2006)

プラダを着た悪魔 ジャーナリスト志望のアンディ(アン・ハサウエイ)は一流ファッション誌「RUNWAY」のカリスマ編集長ミランダ(メリル・ストリープ)のアシスタントとして採用される。しかしそれは多くの女性が憧れるのと同時に、朝から晩まで携帯で呼び出されて無理を強いられる地獄のポストだった。

 ローレン・ワイズバーガーのベストセラー小説の映画化。華やかなファッション業界の内幕やら、出版界とのかかわりとかが描かれていてなかなか楽しめる。特に繰り返されるパーティやファッションショー、グラビア撮影のシーンは華やかで一見の価値あり。

 主演のアン・ハサウェイが、最初は魅力的なのにこの世界にどっぷり浸かっていくに連れてケバくなっていくところがポイントですね。主人公が知らない世界へ飛び込んで、成長と挫折を描くというありきたりなストーリーなのかもしれないけど、メリル・ストリープがおさえた演技の中にもさらっとファッションの蘊蓄を語ったりして物語を引き締めてくれます。やっぱファッションってのもアートの世界なんだなぁって納得させられます。

 アン・ハサウェイもメリル・ストリープもいいけど、もっと印象に残ったのがアンディのファッションのコーディネイトをするナイジェル(スタンリー・トゥッチ)。この人、最近いろんな映画に出ていてどれも一癖ふた癖ある注目株です。

デヴィッド・フランケル監督。2006年アメリカ映画。

2007年9月10日 (月)

オデッサ・ファイル (1974)

オデッサ・ファイル ドイツのフリーライターのミラー(ジョン・ヴォイト)は、自殺した老人の日記に、ナチスの収容所長ロシュマンが逃走して生きていることを知る。名前を偽って彼らの組織オデッサに潜入するミラーだったが…

 「ジャッカルの日」の原作者フレデリック・フォーサイスの原作をロナルド・ニーム監督で映画化。映画がジャッカルの日ほど有名ではないのは作品の持つ地味な雰囲気のおかげか。でもその渋さ、主人公ミラーの普通っぽいけど芯の通ったキャラクター、オデッサという組織のさもありなんといった圧迫感などなど、社会派サスペンスとしての面白さはピカイチ。

 なお「オデッサ・ファイル」というナチス戦犯のリストは実在したそうですね。なぜ彼がそこまでしてオデッサを追う、という理由も、最後にちゃんと用意されています。

ロナルド・ニーム監督。1974年イギリス=西ドイツ合作。

2007年9月 8日 (土)

オトシモノ (2006)

オトシモノ 女子高生の木村奈々(沢尻エリカ)の知り合いの男の子が、定期券を拾ったあと行方不明になる。ところが奈々の妹も同じ定期券を拾って失踪。同じ頃、電車の運転士の久我(小栗旬)はトンネル内で何者かを見て急ブレーキをかけたことから、落とし物係に配置転換されていたが…

 定期を拾ったらとんでもない目にあうというホラー。しかし「着信アリ」みたいに拾うことの恐怖が前面に出ているわけではなく、主人公の奈々と妹との関係、病気の母(浅田美代子)、女子校でヤンキーだけど仲良くなる友達(若槻千夏)、そして息子と自身の片目を失った女(杉本彩)がからみ合って事件は思わぬ方向に転がっていく。

 いわゆるびっくり系の映画で、背景にゴーとBGMが流れていたり幽霊の映像が瞬間的に挿入されていたり、コワイ人はコワイかもしれないんだろうけどoga.にしてはス?と醒めていく系の映画でした。電車(ディーゼル?)で逃げられる幽霊の集団って一体?

古澤健監督。2006年日本映画。

2007年9月 7日 (金)

スーパーマン・リターンズ (2006)

スーパーマン・リターンズ 長く不在だったスーパーマン(ブランドン・ラウス)が地球に帰ってくる。同時に彼の扮するクラーク・ケントもデイリープラネット社に帰ってくるのだが、恋人だったロイス・レイン(ケイト・ボスワース)は結婚して子供までいた。同じ頃宿敵レックス・ルーサー(ケヴィン・スペイシー)は北極でスーパーマンのクリスタルを手に入れ、よからぬ事をたくらんでいた…

 あのスーパーマンがあのジョン・ウィリアムスのテーマ曲にのって帰ってきた…んだけど、元シリーズが20年以上前に作られているのでキャストは一新。でも意外と違和感なく楽しめたのは、前作に近い雰囲気の出演者が集められていることとテーマ曲を変えなかったことが大きいでしょう。

 墜落するジェット機を腕力で止めたり、あげくの果てに大陸を持ち上げて宇宙へ投げ飛ばしたりとやってることは前作と変わらずむちゃくちゃ。それでも見ていて熱くなるのはリアルな映像と登場人物たちの熱血ぶりによるのかも。特にこのシリーズでは、生身の人間だのに頭を使って常にスーパーマンを悩ませるレックス・ルーサーの存在が大きいです。

 しかしスーパーマンとロイス・レインは結局結ばれなかったのかと、前作から見ている者には複雑なものがあります。その子供の正体をロイスの夫は知ってるのだろうか?

ブライアン・シンガー監督。2006年アメリカ映画。

2007年9月 6日 (木)

40歳の童貞男 (2005)

40歳の童貞男 アンディ(スティーヴ・カレル)は部屋中フィギュアだらけの40歳独身男で女っ気はなし。ある日勤める家電販売店で、3人の仲間(ポール・ラッド、ロマニー・マルコ、セス・ローゲン)に童貞であることがバレてしまう。何とか彼に初体験をさせようと世話をする3人だったが、当の本人は向かいの店に勤めるトリシュ(キャサリン・キーナー)に一目惚れしてしまう。

 いわゆるティーンエージャーの初体験物語の主人公を40男にすりかえたような物語なのだが、友人たちの世話の焼き方や彼が思いを寄せるトリシュとの関係がなかなかハートウォーミングで、意外とじわ?っときたいい映画。マニアもひっくり返せば武器になるというわけで、部屋中に集めたフィギュアを売ってひともうけという描写にはにんまり。もっとも価値のわかる方には「もったいない」の連発なんだろうけど。

ジャド・アパトー監督。2005年アメリカ映画。

2007年9月 5日 (水)

つる 鶴 (1988)

つる 貧乏な小作人の大寿(野田秀樹)は寝たきりの母由良(樹木希林)と二人暮らし。ところが彼のところに嫁になりたいという美しい女性つる(吉永小百合)が転がり込んでくる。彼女が作った織物を長者(菅原文太)のところへ持って行くと、大金で引き取ってもらったのだが…

 あの日本人なら誰でも知っている昔話「つるの恩返し」を、和田夏十・日高真也・市川崑脚本、市川崑監督という豪華スタッフで映画化した作品、というか珍品(失礼)。さすがに吉永小百合100本記念というだけあって彼女はぴったりのはまり役。つるのように美しい。しかし相手の野田秀樹は、この作品では完全に志村けん状態でどん引きしてしまった。日本昔ばなしをそのまま実写映像化したらこんなふうになるのかもしれない。この頃の市川作品としては、「火の鳥」と同じく強烈なチャレンジ精神(笑)を感じることができる。

 さらに一見の価値があるのは、つるが機を織るVFX画像。野田の登場と同じく、ここで2度目のどん引きをした。ラストのつるが舞う映像は美しいぞ。

市川崑監督。1988年日本映画。

2007年9月 4日 (火)

マルホランド・ドライブ (2001)

マルホランド・ドライブ ハリウッドを見下ろすマルホランド・ドライブで事故があり、生き残った女(ローラ・エレナ・ハリング)はその場を逃れて女優の卵ベティ(ナオミ・ワッツ)が間借りをする部屋へ転がり込む。記憶を失ってリタと名乗った彼女の過去をベティは探るのだが…

 ひさびさに見たデビット・リンチの映画。ん、何か懐かしいぞ。そうそう、ヒットドラマ「ツインピークス」の雰囲気そのままで、謎が謎を呼ぶ展開。リタの持つ大金と青い鍵の秘密は? 謎の女ダイアン・セルウィンの正体は? と気になりだしたら気になって仕方ないのかもしれないのだが、oga.はなぜかそのあたりの謎解きに全然興味が持てなかった。というか見ながら思考が止まってしまってひたすら雰囲気を楽しむことに終始してしまった。何かリンチって謎をばらまくのが趣味みたいなんだけど、あまりに突飛でついて行く気がしないんだな。

 とはいってもこの雰囲気は好き。ツインピークスの空気を感じるのは、アンジェロ・バダラメンディの音楽のせいかもしれない。ナオミ・ワッツは、この作品が出世作だそうです。

デヴィッド・リンチ監督。2001年アメリカ映画。

2007年9月 3日 (月)

ウエディング・クラッシャーズ (2005)

ウエディング・クラッシャーズ ジョン(オーウェン・ウィルソン)とジェレミー(ヴィンス・ヴォーン)の趣味は結婚式荒らし。結婚式に名前を偽ってもぐりこみ、飲んで喰ったあげくに参列の美女をつまみ食いとやりたい放題。ところが財務長官クリアリー(クリストファー・ウォーケン)の娘クレア(レイチェル・マクアダムス)にジョンが一目惚れしてしまい、ジェレミーも手を出したグロリア(アイラ・フィッシャー)にしつこくつきまどわれたことから話がややこしくなり…

 クラッシャーというタイトルから結婚式をぶっこわすのかと思えば、単にもぐりこんで好き放題遊ぶだけの話。とはいっても笑いのツボを心得た内容に最後までかなり楽しんでしまった。結婚式なんて知らない者の寄り集まりだけに、もぐりこんでしまえば好き放題とは面白いことを考える者もいるもんだとひたすら感心させられました。これも何にでもビジネスチャンス(?)は潜んでいるというアメリカ的発想かも。

 個人的には、ボンド・ガールの清楚なイメージが強いジェーン・シーモアがあの役ってのがちょっとショックだったかな。

デヴィッド・ドブキン監督。2005年アメリカ映画。

2007年9月 1日 (土)

パッチギ! (2004)

パッチギ! 1968年の京都。東高校と朝鮮高校はいつも争いが絶えないが、そんな状況を打破するために布川先生(光石研)の使いで松山康介(塩谷瞬)は朝鮮高校へ親善サッカーを申し込みに行く。ところがあろうことか、松山は番長アンソン(高岡蒼佑)の妹キョンジャ(沢尻エリカ)の妹に一目惚れしてしまう。

 60年代末期を舞台に、当時は放送禁止だったイムジン河をテーマソングに、朝鮮高校とのケンカに明け暮れる高校生、そして日本人と韓国人の初恋を熱く描いた作品。当時としてはこんなタブーまみれのストーリーを普通に映画として描けるってのが、逆に現代の平和を感じさせてくれます。

 それにしても劇中のケンカ、なかなか強烈でそしてイタいです。さらに松山が普通ならあきらめるだろと言いたくなるような韓国女性との恋愛やフォーク勝ち抜き合戦に突き進んでいく様子は熱いです。彼らの世代はoga.よりはちょっと上なんですが、当時を振り返って熱くなる方も多いんじゃないかと想像させられます。

 イムジン河って名曲ですね。見終わってからしばらくメロディが頭から離れなかった。なぜこの曲が放送禁止なのか、理解に苦しみますが。

井筒和幸監督。2004年日本映画。

2007年8月31日 (金)

恐竜グワンジ (1969)

恐竜グワンジ サーカスを渡り歩くタック(ジェームズ・フランシスカス)は、元彼女のテレサ(ギラ・ゴラン)とよりを戻そうとする。ところが未知の生物が発見された禁断の谷に入った彼らは、有史以前の恐竜たちが闊歩しているのを発見。そのうちの1匹グワンジを捕まえたのだったが…

 「続・猿の惑星」のジェームズ・フランシスカスが主演した怪獣西部劇。なぜかタイトルや画面に見覚えがあるのは、当時雑誌なんかでしきりに取り上げられていたからだろう。人形アニメによる怪獣映画の巨匠レイ・ハリーハウゼンにとっては代表作の1本らしい。

 内容的には「キングコング」と「ガッパ」を西部劇の世界でブレンドしたような感じで、クラシカルな空気にもかかわらず格調高く懐かしい気分にさせられる。きっと子供の頃に繰り返しテレビ放映されていた外国製怪獣映画はこんな雰囲気だったからでしょう。

 前半分はサーカスを舞台に主人公の恋愛ドラマでいわゆるふつ?の映画。でもこのドラマパートを半分退屈して見ながら、怪獣が出てくるのをわくわくしながら待ってた子供時代を思い出した。怪獣が出てからはサービス精神満タンで、ラストの崩れ落ちる教会まで一気に見せてくれます。

ジェームズ・オコノリー監督。1969年アメリカ映画。

2007年8月30日 (木)

トゥモロー・ワールド (2006)

トゥモロー・ワールド 人類に子供が生まれなくなって18年目の2027年。イギリスは不法入国者を取り締まることでかろうじて治安を保っていた。エネルギー省に勤めるセオ(クライヴ・オーウェン)は、元妻ジュリアン(ジュリアン・ムーア)の率いるアンダーグラウンド組織に拉致される。その目的は、ある少女を安全に国外に連れ出すことだったが…

 かつての「赤ちゃんよ永遠に」「華氏451」「ソイレント・グリーン」あたりの伝統(?)を脈々と引き継ぐ暗黒の未来映画。出生率が下がっている今だけに、突然子供が生まれなくなったら…というifの世界は説得力たっぷり。ドキュメンタリーを思わせる手持ちカメラの長回しでえんえんと荒廃した未来を見せられるのはかなりきついが、それだけにこのラストシーンは生きてくる。心してかからなければいけない映画だと思う。

 出色はヒッピー崩れみたいな男を演じるマイケル・ケイン。この人って最近完全にノリノリ状態で、何を見ても外れがない。それにしても…ラストの長回しはスゴいね。見てる時は忍耐の映画だけど、見終わってからは頭から離れない。この文章を書きながら、もう1回見たくなってきた。

アルフォンソ・キュアロン監督。2006年イギリス映画。

2007年8月29日 (水)

明治天皇と日露大戦争 (1957)

明治天皇と日露大戦争 ロシアの極東侵略に対し、和平の道を模索していた明治天皇(嵐寛寿郎)と日本政府だったが、ついに開戦を決意する。有名な日露戦争の二百三高地の攻防、そしてバルチック艦隊を破った日本海海戦までを描いた歴史映画。

 古い映画だけにモノクロかと思いきや、カラーのシネマスコープでプリントも鮮明だったのには驚いた。さすがに海戦シーンはミニチュアを使ったものだけに古い戦争映画の雰囲気そのままだが、戦闘のモブシーンは多数のエキストラを使い迫力満点。

 明治天皇を役者が演じたというのがエポックメイキングだったらしいが、さすが名将と言われた明治天皇らしくエピソードの数々がことごとく琴線に触れる。とはいっても戦争賛美の映画ではなく、あくまでも明治天皇が開戦を避けようと努力した様子とか、戦争を続けるための金策とかも出てきてリアリティがあり興味が尽きない。とどめは、天皇に辞職はないというセリフでしょう。

 始終明治天皇と日本政府の視線で大衆までカメラが降りていくことはない映画。かなり時代がかった感じもするけど、日本人なら一見の価値があると思える内容だ。

渡辺邦男監督。1957年日本映画。

2007年8月28日 (火)

天使の卵 (2006)

天使の卵 浪人中の歩太(市原隼人)には女子大生の恋人夏姫(沢尻エリカ)がいるのだが、ある日電車の中で出会った春妃(小西真奈美)に一目惚れしてしまう。実は春妃は歩太の父の主治医であるばかりか、夏姫の姉であることも知り愕然とするのだが…

 村山由佳の同名小説を映画化。沢尻エリカを恋人に持ちながら、小西真奈美に一目惚れしてしまうなんてなんつぅヤツだ…ってのが第一印象(笑)なんだけど、まぁ自分に正直というかこういうはっきりしてるのってoga.は結構嫌いでなかったりします。実際はぐだぐだと二股かけたりするのが多いんだろうけどね。

 それにしても、電車の中の一目惚れが父の主治医でしかも恋人の姉なんて、ストーリー的にあまりにも無理がないかぃ? そういや舞台が京都だのに、登場人物がほとんど京都弁をしゃべってないのも違和感ありありだったなぁ。

 描く、ということをテーマにしているあたりはいい雰囲気を出していたと思います。絵が生命を持つってこういうことを言うのでしょう。

冨樫森監督。2006年日本映画。

2007年8月26日 (日)

ボウリング・フォー・コロンバイン (2002)

ボウリング・フォー・コロンバイン 悲惨な乱射事件が記憶に新しいコロンバイン高校をはじめ、その周辺地域に突撃取材を試みたマイケル・ムーアのドキュメンタリー。その取材の矛先は、銃弾を普通に売っているKマートから、全米ライフル協会(NRA)会長のチャールトン・ヘストンにまで向けられる。

 この映画で一番驚いたのは、諸悪の根源は「銃」である、といった日本人的な発想に終わってないところである。それはカナダを取材したパートを見ればわかるが、カナダの銃器保有率はアメリカのそれとあまり変わらない。にもかかわらず、治安がものすごく良い(住民が玄関に鍵をかけないのが当たり前)ってのは、やっぱりこれは人間の問題であり志の問題であることを如実に表しているような気がする。

 そういえばoga.が子供の頃は、今よりも貧しかったけどみんなおおらかだったように思う。玄関に鍵は、留守の時以外はかけていなかったし、個人情報も今ほどうるさくなかった、というかうるさく管理する必要もなかった。危機管理が薄いのではなく、危機自体が薄かったのである。それが今のような世の中になったのは、このドキュメンタリーのアニメで語られるのと同様に無用な危機意識をあおりたてたことにあるように思う。治安の悪さまで、西洋から輸入しちゃったってことなのかも。

 まぁ銃に関しては日本とアメリカは両極端の文化を持つ国だからどうこう言うつもりはないのだが、ラスト近くのチャールトン・ヘストンとの会見にはかなりびっくりした。玄関チャイムを押すと出てくるフランクな感じのヘストンはものすごく好感が持てる。でも実は、彼はいまだに西部劇の時代に生きていて何も考えてないってのが映像を見ていてよくわかる。彼に関しては親しみと反感を同時に持ってしまった。

 銃は存在が悪いのではなくて、ちゃんと管理されてないのが悪いんじゃないかな。

マイケル・ムーア監督。2002年カナダ=アメリカ合作。

2007年8月25日 (土)

グエムル 漢江の怪物 (2006)

グエムル 漢江の怪物 ソウルの漢江から突如うなぎの化け物のような怪物が現れて人々を襲い始め、河原で飲食店を営むカンドゥ(ソン・ガンホ)の一人娘ヒョンソ(コ・アソン)がさらわれる。家族は死んだと思ったが、ヒョンソの携帯から生きていることを知り、カンドゥの兄弟のナミル(バク・ヘイル)、ナムジュ(ペ・ドゥナ)たちは助けに向かう…

 一言で言うと韓流怪獣映画。「トレマーズ」を思わせる怪物に、「アウトブレイク」を思わせる細菌汚染とパニック映画のパッチワーク状態ではあるんだけど、なぜか面白い内容で最後まで目が離せない。B級映画が好きな方には結構オススメかもしれない。特に群衆の中をグエムルが走り抜ける映像とか、それを近くを走る電車の中から見る映像とかは妙なリアリティーがあって引きつけられる。予告編を見て妙に期待感があおられたのは、こういったカットのうまさからでしょう。

 それにしても…韓国映画のアクションものはけっこうきつい内容です。ブラックなギャグも織り交ぜて緊張が抜ける瞬間(脱力?)もあるんですが、総じて残酷描写はきつめ。特にラストに至ってはかなり気が滅入りました。ご都合主義じゃないといえばそれまでなんだけど。

 「リンダ・リンダ・リンダ」のペ・ドゥナがアーチェリー選手として出ていてなかなかかっこいい。コ・アソンはボーイッシュな可愛さで子役時代の薬師丸ひろ子を思わせます。

ポン・ジュノ監督。2006年韓国映画。

2007年8月24日 (金)

夢駆ける馬ドリーマー (2005)

夢駆ける馬 ドリーマー 将来を期待されていたサラブレッドのソーニャドールだったが、レースで骨折してしまう。あわや安楽死させられるところを、調教師のベン・クレーン(カート・ラッセル)は娘ケール(ダコタ・ファニング)のたのみもあってソーニャを引き取る。雌馬だったので子供を産ませようと考えたベンだったが、やがてソーニャは回復して…

 カート・ラッセルとダコタ・ファニング競演の馬モノ映画。勧善懲悪のものすごい予定調和の世界なんだけど、とにかく主人公のクレーン一家(母にエリザベス・シュー、おじいちゃんにクリス・クリストファーソンとそーそーたる顔ぶれ)の馬好きに支えられてとってもいい気持ちにさせられる映画。特に前歯の抜けたダコタ・ファニングが可愛いです。

 骨折したサラブレッド=安楽死といえば、競馬を知らないoga.でも頭の中にすり込まれている方程式なんだけど、こういうドラマも実際にあったんですね。希望を持とうと教えられる、いい映画だと思います。

ジョン・ゲイティンズ監督。2005年アメリカ映画。

2007年8月23日 (木)

エリザベス・ハーレイの明るい離婚計画 (2002)

明るい離婚計画 ジョー(マシュー・ベリー)はニューヨークにやって来たセレブのサラ(エリザベス・ハーレイ)に夫ゴードン(ブルース・キャンベル)からの離婚通知を渡す。突然の知らせに驚く彼女だったが、逆に離婚通知を先に夫に渡すことで財産分割がうまくすすむことを知り、ジョーと二人で夫に通知を渡しにテキサスへ飛ぶのだったが…

 タイトルからわかるように軽いノリのラブコメディなんだけど、通知を渡して証拠写真を撮った方が勝ちというゲームみたいな内容の法律があることにまずはびっくり。さらに通知を渡して写真を撮るという職業があるということにもう一度びっくり。何なんだ?と思っているうちに、ストーリーはとんとん拍子に進んでいって映画は終わってしまいました。

 ところでこのエリザベス・ハーレイという女優さん、確かにキュートで綺麗なんだけどサブタイトルとして付けられるほど有名な方だったとは知らなかった。どちらかというと「キャプテン・スーパーマーケット」のブルース・キャンベルが出ていることのほうがなつかしいな?って気分にさせられました。

レジナルド・ハドリン監督。アメリカ=ドイツ合作。

2007年8月17日 (金)

劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ミュウと波導の勇者ルカリオ (2005)

ポケットモンスター8 波導伝説が残るロータの町へサトシ(声:松本梨香)たち一行はやって来る。町のポケモンバトルに優勝したピカチュウ(大谷育江)だったが、何者かに連れ去られる。優勝の杖の中から現れた伝説のポケモン・ルカリオと共に、ピカチュウを取り戻すために「はじまりの樹」への旅を決意するサトシだちだったが…

 シリーズ8作目なのだそうだが、ポケモンの映画は初めて見る。子供たちだけが旅をするという夢のある物語に加えて、ロータの町の城の描写がきれいでオープニングから圧倒されてしまった。まるで「ハリポタ」の映画を見ているようである。

 波導伝説のストーリーからしてなかなかしっかりと作られていて、非常に楽しめた。アメリカ製のアニメがどれもこじんまりとまとまっているのに比べて、スケールが大きく感じられているのはやはり日本製アニメの方が進んでいるってことかも。

 ただしビデオゲームを元にしているだけに、ポケモンバトルが挿入される部分がストーリー的に浮いているように感じた。単にポケモンに戦わせるだけではなく、飼い主(?)のサトシもしっかり頑張っているところは好感が持てるが。

湯山邦彦監督。2005年日本映画。

2007年8月15日 (水)

ヒーローインタビュー (1994)

ヒーローインタビュー 経済部のやり手新聞記者の沢木霞(鈴木保奈美)は突然スポーツ部へ異動させられる。勝手がわからず右往左往する彼女を、ヤクルトの選手轟仁太(真田広之)は茶化した上にナンパするのだが、彼はバツイチで娘の球子(安達祐実)がいた…

 94年のフジテレビ制作ってことで、いわゆるトレンディドラマ終焉の頃の映画か。今見るとかなりこっぱずかしい部分も散見される内容なんだけど、なんせ絶頂期の鈴木保奈美(実はあまり好みではないのだが)が見られるほか、子役時代の安達祐実とか、アイドルから実力派に脱皮しかけの真田広之とか、何やら時代を振り返るかのような映画となっているのが面白い。当時人気絶頂だった野島伸司脚本だしねぇ。

 とはいっても、内容が薄っぺらなのは否めない。新聞社のスポーツ部に失礼なんじゃないかな、コレ? 経済部の記者がここまでスポーツ音痴だったり、スポーツに偏見を持ってたりするのもヘン。君たちも若い頃はスポーツで汗流したんじゃない?と言いたくなった。

光野道夫監督。1994年日本映画。

2007年8月13日 (月)

ダニー・ザ・ドッグ (2005)

ダニー・ザ・ドッグ 取り立て屋のバート(ボブ・ホスキンス)の番犬として育てられたダニー(ジェット・リー)。首輪を外すと手が付けられないほど強く、用心棒として重宝されている。ところがピアノの調律師サム(モーガン・フリーマン)に出会ったことから人生が変わる…

 リュック・ベッソンの脚本によるクライムアクション。犬として育てられた青年が自分を取り戻していく物語で、こういう育てるストーリーってのはベッソンのお家芸といったところか。ダニーの義理の娘ヴィクトリア(ケリー・コンドン)も普通っぽいところが魅力的。

 ジェット・リーのアクションは久しぶりに見たけどやっぱり凄い。底なしの優しさを秘めたサムも、モーガン・フリーマンの存在感が光るキャラクター。映画としては小品であるのだが、最近スランプ(と思える)のリュック・ベッソンにしては見応えのある作品だった。何よりも見終わったあとの気分が良い。

ルイ・レテリエ監督。2005年フランス=アメリカ合作。

2007年8月12日 (日)

マシニスト (2004)

マシニスト 機械工のトレバー(クリスチャン・ベイル)は極度の不眠症でもう1年間眠ってなくがりがりに痩せてしまった。彼の話し相手は娼婦のスティービー(ジェニファー・ジェイソン・リー)。ある日、アイバン(ジョン・シャリアン)という男が新入りで職場へやって来る。トレバーは彼に気が取られ、機械の操作ミスで同僚のミラー(マイケル・アイアンサイド)が腕を失う…

 これも分類すると記憶ものの映画に入るんだろうか。近いジャンルの映画を考えてみると、M・ナイト・シャマラン監督の一連の作品が思い出される。見ている最中は本当に謎だらけでものすごい忍耐を強いられるんだけど、ラスト近くになってぶわっと雲がなくなったかのように展望が開ける。なるほど、そうだったんかと思って映画は終わる。でもその爽快感にたどりつくまでがかなりの忍耐である。

 もちろんこの主人公のような経験があるわけではないが、普通の人間ならたぶんこうなってしまうだろうなぁという説得力がある。この映画のために30kgも体重を落としたというクリスチャン・スレーターも「わかる、わかる」って感じである。

 劇中に出てくる「ルート66」ってお化け屋敷は、普通の人が入ったらただの子供だましのお化け屋敷だろう。でも精神が病んだ彼が入ったら、ああいうふうに見えるだろうってのも納得できる。もっともあのシーンも現実かどうかはわからないわけだが。

ブラッド・アンダーソン監督。2004年スペイン=アメリカ合作。

2007年8月11日 (土)

ダブル・ジョパディー (1999)

ダブル・ジョパディー リビー(アシュレイ・ジャッド)は可愛い息子とハンサムな夫ニック(ブルース・グリーンウッド)と何不自由ない暮らしをしていたのだが、ある日クルーザーで目覚めると血の海の中で夫は行方不明。彼女は夫殺しで刑務所に入れられてしまう。8年後、出所したリビーは保護観察官(トミー・リー・ジョーンズ)の元で暮らすのだが、死んだはずの夫と息子を捜して…

 一度罰せられた罪は2度と問われない、つまり夫殺しで有罪の彼女は、再度夫を殺しても罪にならないというのがタイトルの意味。というと完全にネタバレ状態だな。本当に殺しちゃうかどうかが焦点になるとは思いますが。

 一言で言うと、テレビのサスペンス劇場から完全には脱していない雰囲気。それでも場を盛り上げてくれるのは、危機また危機の展開がいろいろ用意されているからで、アシュレイ・ジャッドって女優さんはこういったダーティになるすれすれのアクションものがうまい。トミー・リー・ジョーンズも余裕で演じているという感じ。

ブルース・ベレスフォード監督。1999年アメリカ映画。

2007年8月10日 (金)

禁断の惑星 (1956)

禁断の惑星 200年後の未来、人類は恒星間飛行が可能になり、地球からはるか離れた惑星アルテア4に探索機がやって来る。目的は20年前に行方不明になった宇宙船を探すこと。ところがアルテア4に生き残ったモービアス博士(ウォルター・ピジョン)は、なぜかやって来た宇宙船の着陸を拒否するのだったが…

 SF映画の古典といえば「2001年宇宙の旅」「ミクロの決死圏」と並んでまず頭に浮かぶ映画。oga.も小学生ぐらいの頃に1回、中高生の頃に1回、大人になってからも見た記憶があり、地下のエネルギー室とか飛びかかってくる虎とか、ウドの怪物とか結構頭にすり込まれている。今回見直してみて発見したのは、ヒロインのアン・フランシスの人形のような可愛らしさ。やっぱり映画ってのは年齢と共に見るところが変わってくるようです(笑)。

 有名なロボット・ロビーも登場するのですが、これは「宇宙家族ロビンソン」のフライデーとは似てるようでかなりデザインは違いますねぇ(デザイナーは同じ日系人らしい)。フライディは鍋みたいな頭なのに対して、ロビーはコーンヘッズみたいな頭してます。でも相手がしゃべるのを聞いて、しばらくがちゃがちゃしてから理解するあたりは今のパソコンの音声認識とそっくりでにやりとさせられます。

 マットペインティングをたくみに使った特撮はかなり時代がかっているけど、見応えがたっぷり。ロビーとミニスカートのアン・フランシスが並んだシーンは、なぜか手塚治虫のSF漫画を連想させられます。かなり影響を受けてるんでしょうね。コメディアンじゃなかった頃のレスリー・ニールセンも出ています。

フレッド・マクロード・ウィルコックス監督。1956年アメリカ映画。

2007年8月 6日 (月)

ニコラス・ケイジのウェザーマン (2005)

ウェザーマン シカゴの地方局で天気予報キャスターをするデイヴ(ニコラス・ケイジ)は妻(ホープ・デイヴィス)と離婚しながらも二人の子供の良き父親。ところが全国ネットの「ハロー・アメリカ」からオファーが来てオーディションを受けに父親(マイケル・ケイン)と息子を連れてニューヨークへ行く。

 何をやってもうまくいかないダメ男をニコラス・ケイジが熱演。こういった役はケイジの真骨頂で、待ってましたと声をかけたくなる。全国ネットのお天気キャスターという微妙な位置に近づきながらも、ふだんの生活は町ゆく人にパイやアイスクリームを投げつけられ、嫁さんには嫌われ子供たちとはうまくいかず… スターキャスターに選ばれるも、足下が定まらずがらがらと崩れていく感じだ、というセリフには妙に納得してしまう。人生の成功ってのは、明らかにはた目とは違うもんだろうなぁ。

 マイケル・ケインって着々と足場を固めているというか、最近出る映画出る映画外れがない。若い頃はあんまり注目してなかった人だけに、一皮むけたのにはちょっとびっくり。この映画の監督、「パイレーツ・オブ・カリビアン」の人でシリーズの合間にこんなシリアスな映画を撮ったとわかってもうひとつびっくり。

ゴア・ヴァーヴィンスキー監督。2005年アメリカ映画。

2007年8月 5日 (日)

涙そうそう (2006)

涙そうそう 沖縄でアルバイトをしながら暮らす洋太郎(妻夫木聡)の夢は自分の飲食店を持つこと。そんな彼の元へ、高校に合格した妹のカオル(長澤まさみ)がやって来る。洋太郎の恋人の恵子(麻生久美子)ともうち解けたカオルだったが、洋太郎の開店資金が友人に持ち逃げされ…

 ヒット曲「涙そうそう」をテーマに作られた、いわゆる歌謡映画(?) 血のつながらない兄弟の愛情を軸に、恋人との葛藤(いわゆる格差婚?)やら死んだ母(小泉今日子)の思い出やら突然現れたカオルの父やらいろんなエピソードを詰め込んで、何だかNHKの朝の連続テレビ小説って雰囲気。しかし途中までは引き込まれて見てたんだけど、洋太郎が病気になってからはあまりに強引な流れにずずずっと10歩ぐらいひいてしまった。感覚的に言ったら、たけしの「あの夏、いちばん静かな海。」を見た時の印象に近いかな。

 とはいっても、部分部分は見事で好きなシーンが結構ある。特に小泉今日子の出演シーンがいいね。おばあこと平良とみも沖縄映画には絶対欠かせない顔。エンドロールが終わってからのワンカットも効果的。テーマ曲となっている「涙そうそう」は、歌詞を聴くと意外とどんなストーリーにマッチするんだなと思った。

土井裕泰監督。2006年日本映画。

2007年8月 4日 (土)

インサイド・マン (2006)

インサイド・マン ニューヨークのマンハッタン信託銀行に、ダルトン(クライヴ・オーウェン)をリーダーとする4人組の強盗が押し入る。50人近い人質を取り、かけつけた市警のフレイジャー(デンゼル・ワシントン)とミッチェル(キウェテル・イジョフォー)、ダリウス(ウィレム・デフォー)たちは手が出せない。事件を知った銀行会長のアーサー(クリストファー・プラマー)はやり手弁護士のマデリーン(ジョディ・フォスター)に極秘の依頼をするのだが…

 IQ戦やら頭脳犯罪やらいろんな言葉が並ぶのでこれは頭を使う映画だなと身構えて見たのだが…何となく肩すかしを喰ってしまったような印象。そこそこ面白かったのだが、「スティング」的な爽快感があるわけではなくみんな平静をよそおってはいるけどどろどろとした人間模様が渦巻く。うーん、スパイク・リーの映画なんだと身構えて見るべきだったかな。

 というわけで、そーそーたる出演者の割りにはキャラがあまり立っていないのも面白い。みんな平然としていて、何が起こってもすべて手の中で転がしているってことか。実は見終わったあとでいくつかの謎が残ってしまったんだけど、もう1回見たいなと思わせてくれないところがこの映画の一番の恨みかもしれない。

スパイク・リー監督。2006年アメリカ映画。

2007年8月 3日 (金)

アイス・エイジ2 (2006)

アイス・エイジ2 地球温暖化(?)のためか氷河が溶け始めた。このままではおぼれ死んでしまうと危機感を持ったナマケモノのシド(声:ジョン・レグイザモ)、サーベルタイガーのディエゴ(デニス・リアリー)、マンモスのマニー(レイ・ロマノ)は谷から出る決意をするのだが、旅の途中でマンモスのエリー(クイーン・ラティファ)に出会う…

 タイトルからわかるとおり、あの「アイス・エイジ」の続編。CGアニメの常らしく画面もパワーアップ。ただし前作では人間の子供を助けるというのがキーだったのに、今回の洪水から逃げるというテーマはちょっぴりストーリー的に弱い感じがした。

 とはいっても前作のキャラクターに加えてマンモスのマニーにガールフレンドができるなど、見せ場はいろいろ用意されていて飽きさせない。マンモスってほんと、何で絶滅したんだろうねぇ。

カルロス・サルダーニャ監督。2006年アメリカ映画。

2007年8月 2日 (木)

アイス・エイジ (2002)

アイス・エイジ 氷河期の時代、サーベルタイガーのディエゴ(声:デニス・リアリー)の一団は人間の村を襲う。赤ん坊のロシャン(タラ・ストロング)を助けた母は、はぐれたナマケモノのシド(ジョン・レグイザモ)にロシャンを託して命を落とす。かくして通りがかりのマンモスのマニー(レイ・ロマノ)を加えたシドとディエゴは、赤ん坊を人間へ返す旅に出ることになるのだが…

 アメリカで大ヒットというCGアニメ。マンモス、サーベルタイガー、ナマケモノ、そして人間の赤ちゃんという、常識で考えたら絶対にチームを組むはずのない4匹(4人?)が困難を乗り越えて旅をするというロードムービー。今時のCG映画だけに、氷にバキバキとひびが入る描写はなかなかダイナミックで見せてくれる。コメディパートを受け持つお調子者のリスも面白いです。

 ストーリーはものすごくありきたりで、正直言ってそのあたりが食い足りないのがちょっと残念。とはいっても、マニーが一匹狼の理由とかちょっぴりほろりとさせられるシーンも用意されてます。子供とでも安心して見ていられるのがマル。

クリス・ウェッジ監督。2002年アメリカ映画。

2007年7月31日 (火)

プロデューサーズ (2005)

プロデューサーズ 50年代のニューヨーク・ブロードウェイ。最近の作品が大ゴケの人気プロデューサーのマックス・ビアリストック(ネイサン・レイン)は、出入りの会計士レオ(マシュー・ブロデリック)と話していて逆に作品をコケさせて出資金を全部奪ってしまう計画を思いつく。レオに共同プロデューサーになるように持ちかけたあと、最低最悪の脚本家フランツ(ウィル・フェレル)、演出家ロジャー(ゲイリー・ビーチ)、カルメン(ロジャー・バート)に声をかけるのだが…

 あのコメディアンの大御所メル・ブルックスの初監督作品を、自身のプロデュースで映画化。そんな予備知識はまったくなく見始めたがために、あまりに時代がかったミュージカルの場面とさらに時代がかったギャグの数々に思いっきりひいてしまった。そうですねぇ、強いて言えば50年代あたりのミュージカルコメディ大作を再見している気分…といえば、時代設定にぴったりだぞ。やっぱこの映画ってタダモノじゃないのかもしれない。

 プロット部分には書けなかったけど、お色気キャラとして登場するユマ・サーマンもぴたっとハマっていてびっくり。というか、登場した時には彼女だと気がつかなかったのはお見事。ウィル・フェレルはメチャメチャ濃いキャラクターのはずなんだけど、ゲイの演出家たちに埋没して普通に見えたってのも凄い。

 予備知識なくてもこれだけ楽しめてしまったんだから、本当はもっともっと凄い映画なんだろうな。最後の最後にメル・ブルックス自身が出てくるのでお見逃しなく。

スーザン・ストローマン監督。2005年アメリカ映画。

2007年7月29日 (日)

コレリ大尉のマンドリン (2001)

コレリ大尉のマンドリン ベラギア(ペネロペ・クルス)は医者である父イアンニス(ジョン・ハート)とギリシャのケファロニア島に住んでいる。彼女の婚約者マンドラス(クリスチャン・ベール)は戦争へ行って消息不明。第2次大戦中のある日、島はイタリア軍に占領され彼女の家にはイタリア軍のコレリ大尉(ニコラス・ケイジ)を泊めることになる…

 世の中の流れから取り残されてしまったかのような島を部隊に、占領にやって来たイタリア軍と一部のドイツ軍、そして毅然とした住民たちを描いた物語。ギリシャといえば「日曜はダメよ」が思い出されるけど、同様にマイペースながらも毅然と生きるギリシャ人たちの姿に感動を覚える。特に印象に残るのはベラギアの父イアンニスの娘に語る人生哲学。婚約者マンドラスの母のちょっと下品な言い回しもなぜか心に残ります。

 ほとんど戦意のなく、オペラを愛し島民たちと仲良くやっていくイタリア軍の駐留兵たちがいい味を出しています。世界中の軍隊が彼らみたいだったら、戦争の悲劇はちょっとは減るかもしれません。

ジョン・マッデン監督。2001年アメリカ映画。

2007年7月28日 (土)

最終兵器彼女 (2006)

最終兵器彼女 小樽に住むちせ(前田亜季)とシュウジ(窪塚俊介)は交換日記をする普通の高校生。ところがシュウジが友達と札幌へ行ったときに、多数の戦闘機が飛来して街を破壊。そして兵器に変身して戦うちせの姿を見てしまう…

 高橋しんのコミックを映画化。内容は相当に荒唐無稽で、一言で言えば仮面ライダーの女子高生版に青春純愛ものをからめたといった印象。しかし青春純愛パートが役者の演技力不足からかなかなか辛く、見ていてちょっと赤面もののシーンもちらほら。

 しかしまぁ、ただの女子高生を究極の兵器に改造するという発想をここまでふくらませてしまうのはやっぱ日本のジャンクカルチャーパワーといったところか。最後の最後まで「べつに女子高生でなくてもええやん」と突っ込みたくてしょうがなかったけど、彼女じゃなかったらこの映画は成立しなかったわけですね。

 ところで戦争の敵国っていったいどこだったんだぁぁ? ラストがどうしてああなるかも、まったくもって謎。原作読んでる人以外は拒否なんかな?

須賀大観監督。2006年日本映画。

2007年7月27日 (金)

昭和残侠伝 (1965)

昭和残侠伝 戦後間もない日本。浅草の闇市に復員兵として帰ってきた清次(高倉健)は、殺された親分の遺言で組を継ぐ。闇市をみんなが安心して働けるマーケットにしようと頑張る清次だったが、対抗する組に次々と仲間を殺されて…

 人気任侠映画シリーズの第1作。高倉健のドスがきいた主題歌も大ヒット。以前見た昭和残侠伝シリーズの中の1作のようにウンチクめいたものはなく、ただただ任侠映画のしきたり(?)に従って秘めた恋からやくざの抗争、がまんを続けた主人公がぷちっと切れてからの斬り込みまで、ストーリーは進んでいく。すごく保守的な世界なんだけど、今では珍しくなった義理と人情の世界に体が熱くなるのはなかなかのものである。

佐伯清監督。1965年日本映画。

2007年7月26日 (木)

ハイジ (2005)

ハイジ 両親を亡くしデーテ叔母さん(ポーリン・マクリン)に引き取られた少女ハイジ(エマ・ボルジャー)だが、持てあました叔母は彼女の祖父(マックス・フォン・シドー)に押しつける。アルプスの山小屋で世捨て人の暮らしをする祖父は最初は拒否するのだが、やがてハイジに心を開く。ところが叔母はハイジの引取先を見つけたと再び山にやって来て…

 日本ではアニメ「アルプスの少女ハイジ」でおなじみのヨハンナ・スピリの原作を実写映画化。アルプスの持つ自然の雄大さがスクリーンにしっかり活写されていて、気持ちのいい映画。しかし日本ではハイジ=アニメというぐらいにすり込まれている題材なので、拒絶反応を持つ方も多いんじゃないかなあと想像する。アニメ版を見たことがないoga.(!)はすんなりと楽しむことができたのだが…

 しかし、この物語って本当にキャラクターが等身大でいいです。ハイジは普通の女の子だし、陰気なピーター(サム・フレンド)とかおとなしくて上品なクララ(ジェシカ・クラリッジ)とか意地悪なロッテンマイヤー夫人(ジェラルディン・チャップリン)とかみんなみんな良いです。oga.が個人的に気に入ったのは、山小屋のボロけ具合が妙にリアルなところや草のにおいがぷぅんとしてきそうな自然の描写かな。

ポール・マーカス監督。2005年イギリス映画。

2007年7月24日 (火)

出口のない海 (2006)

出口のない海 太平洋戦争の末期、4本の特殊魚雷「回天」を積んだ潜水艦が出航する。彼らの任務は、特攻(体当たり攻撃)にて敵の駆逐艦を沈めること。特攻隊員のひとり並木(市川海老蔵)は、艦内で残してきた恋人(上野樹里)のこと、両親(三浦友和、古手川祐子)や妹(尾高杏奈)のことを思い巡らす…

 横山秀夫の同名小説を映画化。とにかくインパクトのあるタイトルである。ただでさえ息苦しさを感じる海中にもかかわらず、さらに「出口がない」のである。

 物語はほとんどが人間ドラマに絞って描かれるので、非常に感情移入がしやすい。敵の姿も見えず戦闘シーンもほとんどないが、実際に戦争のまっただ中にいるってのはこういった感じなんだろうと思わされる。淡々とした三浦友和と古手川祐子の両親が良い。特にすべてをまかせて突き放したかのような三浦の父親には、逆に愛を感じるぞ。

 面白いのは回天の操縦シーン。一旦バランスを崩すと立て直し不能でダッチロールを起こす、かなり操縦が難しいというのが画面から伝わってくる。これだけ熟練を要する操縦法を身につけて、結局待っているのは死だけ。さらに機器が故障して生き残ることを恥として許さない時代ってのには心底驚かされる。

佐々部清監督。2006年日本映画。

2007年7月23日 (月)

ワイルドシングス (1998)

ワイルドシングス 富豪の娘であるケリー(デニース・リチャーズ)は、通っている高校の教員サム(マット・ディロン)にレイプされたと訴える。事件を捜査するデュケ(ケヴィン・ベーコン)は訴えに疑問を持つが、ケリーの同級生のスージー(ネーブ・トーラー)の証言で判決は意外な方向へ…

 何の予備知識もなく見たので、最初は沼地のワニに「こいつがワイルドシングス?」とあらぬことを考えたのだが、展開はB級エロティックムービー風に。と思うとレイプ裁判がはじまり「これは90年代のリップスティック、あるいは告発の行方か」と思っていると、またまたストーリーはあらぬ方向へとごろごろっ…

 まぁこれだけのどんでん返しを用意した脚本には頭が下がる。でも目が回りすぎて、これでいいのかぁといっぱい疑問を持ったのも確か。ここでのキーマンは刑事のデュケ(いちおう、クレジットでは主役)でストーリーは確かに彼を中心に転がっていくのだ。彼は最初から結末のようなことを考えていたのかどうか、もう1度見直してチェックしてみたいとこなんだけど…

 それにしても、マット・ディロンとケヴィン・ベーコンのどろどろ対決ってのがB級すれすれの内容で楽しめる。弁護士を演じるビル・マーレイの怪しさ爆発ってのもキーだろうね。デニース・リチャーズとネーブ・トーラーはエロティックな中にも下品なところが作品にぴったりです。

ジョン・マクノートン監督。 1998年アメリカ映画。

2007年7月20日 (金)

サイダーハウス・ルール (1999)

サイダーハウス・ルール 1940年代のアメリカの田舎町の孤児院。産婦人科医であり院長のラーチ先生(マイケル・ケイン)は引き取り手のない子供ホーマー(トビー・マグワイヤ)に医術を教える。ある日堕胎のために町へやって来たキャンディ(シャーリーズ・セロン)と共に、孤児院以外の世界へ飛び出すことを決意するのだが…

 ジョン・アーヴィングの原作をラッセ・ハルストレム監督で映画化。音楽(レイチェル・ポートマン)が良く導入部の雰囲気作りに一気に物語に引き込まれる演出は見事。物語も山あり谷ありで、後半のリンゴ農家に舞台を変えてからもいろんなエピソードが語られて最後まで飽きさせない。

 とはいっても、どこかしっくりしないものを感じてしまったのはなぜだろう。ひとつはトビー・マグワイヤの押さえた演技…なのか大根なのかわからないけど、彼があまりに無表情で感情移入できないところにある。自ら孤児であるだけに堕胎が許せない気持ちはわかる。でもそういったストーリーの起伏に比べて、彼の無表情はどうなんだろうか。特にラストの笑顔もちょっと意味がわからなかった。恩師ラーチ先生の死に涙も流さなかったのに、ここでなぜ笑う?

 シャーリーズ・セロン、相変わらず美しい。孤児院の子供たちも可愛くて、涙をさそった。

ラッセ・ハルストレム監督。1999年アメリカ映画。

2007年7月19日 (木)

8人の女たち (2002)

8人の女たち クリスマスを祝うべくある家に集まってきた8人の女たち(ダニエル・ダリュー、カトリーヌ・ドヌーブ、イザベル・ユベール、エマニュエル・ベアール、ファニー、アルダン、ヴィルジニー・ルドワイヤン、リュディヴィーヌ・サニエ、フィルミーヌ・リシャール)。ところが部屋で寝ていたはずの主人は刺し殺されており、雪に閉ざされて電話線も切られた家で8人は犯人捜しを始める…

 舞台は最初から最後まで赤い絨毯の敷かれた豪華な屋敷、登場人物は8人の女性だけという、どちらかというと舞台にした方が面白そうな内容。途中で彼女たちの歌のシーンが挿入されたり、お茶目な推理ミュージカルという雰囲気。殺人があったというのにどろどろしたものがなく浮世離れしていて、ある意味ゴージャスな雰囲気が感じられるのはやっぱり往年の大女優に若手を加えての競演だからか。

 ちょっと古めのミステリー映画を思い出しました。これ、このキャストで舞台で見られたら最高だろうね。

フランソワ・オゾン監督。2002年フランス映画。

2007年7月18日 (水)

P.C.49の冒険 (1950)

P.C.49の冒険 警官のP.C.49(ヒュー・ラティマー)は、パトロール中に目の前で人が撃たれる事件に2日続けて遭遇。自ら担当を志願して、一味の仲間に化けておとり捜査を開始する。こじんまりとまとまったアクション映画。

 P.C.49と(イギリスではポリスは番号で呼ばれるらしい)その恋人、行きつけのカフェの面々がからんでギャング団を追いつめる物語なんだけど、全体的にほのぼのというかのんびりとした雰囲気で独特な世界。君たち、ギャングが怖くないんかと突っ込みたくなるぞ。

 筆者はかつてNHK-BSで録画したものを見たのだが、現在はDVD化はされていないようだ。ビデオ版は存在するらしい。

ゴッドフリー・グレイソン監督。1950年イギリス映画。

2007年7月17日 (火)

ステイ (2005)

ステイ 精神科医のサム(ユアン・マクレガー)は、死にとりつかれた若者ヘンリー(ライアン・ゴズリング)を担当する。実は彼のガールフレンドのライラ(ナオミ・ワッツ)もリストカットの経験があるのだった。ところがヘンリーが突然姿を消し、釈然としないサムは行方を追うのだが…

 いわゆる精神迷宮の世界を描いた作品。何が似ているかというと「エターナル・サンシャイン」って映画を思い出した。しかし「ステイ」は生と死をテーマにしているだけにかなりどろどろした内容で、気が滅入ってくる。決して楽しい内容ではなく、見ている時に感じるのは好奇心だけといったところだろうか。

 そう考えるとM・ナイト・シャマラン作品にも通じるものがあるんだけど、ラストに「そうだったのか?」と納得させられる爽快感がない。もう1回見たらすっきりするんだろうな。何かラストシーンのもやもやっとした霧の中にいるみたいだぞ。

マーク・フォースター監督。2005年アメリカ映画。

2007年7月16日 (月)

国際偽札団 (1952)

国際偽札団 悪天候を押して飛び立ったニックの飛行機が行方不明になり、友人のバンは不審を抱く。案の定、事件には密輸がからんだ航空会社の陰謀が隠されていて・・・ パイロットを主人公にした推理アクション。

 ニックの妹のアブリルとバンが恋仲だったり、女性が多くからむのも面白いストーリー。ただし意外などんでん返しはさほど用意されていなかったが。62分という上映時間からもわかるように、こじんまりとまとめられたハマーフィルム製作の中編映画。

テレンス・フィッシャー監督。1952年イギリス映画。

2007年7月13日 (金)

ロンゲスト・ヤード (2005)

ロンゲスト・ヤード 八百長疑惑で落ち目のクオーターバック、ポール・クルー(アダム・サンドラー)は酒を飲んで恋人の車で暴走。刑務所に入れられて3年の刑を受ける。ところがアメフト好きの所長(ジェームズ・クロムウェル)の差し金で、看守チームと対戦する当て馬チームを囚人たちで結成させられるのだが…

 タイトルからわかるとおり、70年代の知る人ぞ知るアメフト映画の傑作「ロンゲスト・ヤード」のリメイク。アダム・サンドラー主演っちゅうとちょっと線が細いんじゃない…って最初は思ったんだけど、彼って結構八方破れな役が似合ってます。さらにコーチ役で本家のバート・レイノルズが登場したのには驚いた上に、ただのゲスト出演かと思えば後半は出ずっぱり状態。こういうのを引き受けて楽しそうに演じるのがレイノルズらしい。

 それにしても、これほどオリジナルを忠実になぞったリメイクも珍しい。細かい相違はあるにしても、重要なセリフはほとんどそのままだしラストのオチまで一緒なのは気持ちよい。スポーツで決着をつける爽やかさが伝わってきてじーんときたぞ。

 くせ者揃いの囚人にも、クリス・ロックやボブ・サップなんかも出ていて楽しませてくれる。そういやオリジナルには、「ジョーズ」ことリチャード・キールも出てたなぁ。

ピーター・シーガル監督。2005年アメリカ映画。

2007年7月12日 (木)

子連れ狼 その小さき手に (1993)

子連れ狼 その小さき手に 公儀介錯人の拝一刀(田村正和)は剣の達人のため、柳生との御前試合を命じられる。勝った方が世継ぎの教育役となるはずだったが、柳生備前(橋爪功)の策略により妻あざみ(古手川祐子)を殺されるが一人息子の大五郎()はかろうじて生き残る。復讐の鬼となった一刀は、宿敵柳生烈堂(仲代達矢)と対決するのだが…

 あの「子連れ狼」をなんと田村正和主演で映画化。もちろん子供の頃に見た萬屋錦之介版や若山富三郎版とはまったくの別の雰囲気。とはいっても巻き舌の田村正和とギョロ目の仲代達矢の対決ってのがすげ?はまっていて、面白く見ることができた。乳母車が出てこないってのもポイントかな。

 わずか2時間の中に拝が陥れられてから烈堂との対決までが詰め込んであるので、必然的に拝家の家族のシーンが長く奥さんであるあざみの印象が強い。それがこの映画の面白いところであろう。母子のシーン、そして父子のシーンは泣けます。

 それにしてもこれだけ違うキャラクターで見せられると、テレビ版と映画版は役者が違うとはいえ雰囲気は統一されていたんだなぁと感心させられる。

 なおDVDは発売されていないようだ。

井上昭監督。1993年日本映画。

2007年7月11日 (水)

カンゾー先生 (1998)

カンゾー先生 終戦近い瀬戸内の田舎町。診る人診る人を「肝臓炎」と診断するのでカンゾー先生と呼ばれる町医者(柄本明)がいた。彼は淫売と呼ばれるソノ子(麻生久美子)を看護婦として雇う。ある日彼の元に、脱走兵(ジャック・ガンブラン)が転がり込んできて…

 終戦にもかかわらず、なんともほのぼのとした持ち味の映画。いくつものエピソードが積み重なったような作りで、ひとつひとつの話は小粒なんだけど面白い。特に赤城(カンゾー先生の本名)が顕微鏡を手に入れてからは、上へ下への騒ぎになって楽しめる。おまけにラストの船のシーンは意外と名場面なのではないだろうか。心に残る。

 決してうまいとはいえない麻生久美子なんだけど、印象に残るのはその存在感と絶妙な脱ぎっぷりだろうね。世良公則、唐十郎、田口トモロヲとカンゾー先生の取り巻きもくせ者ぞろいで、のびのびと好き勝手に生きている感じ。親父が戦時中は田舎はまだ食べるものがあったので、それほどせっぱ詰まったものはなかった…なんて言っていたのを思い出しました。

今村昌平監督。1998年日本映画。

2007年7月10日 (火)

白い巨塔 (1966)

白い巨塔 浪速大学の財前助教授(田宮二郎)は噴門ガンの権威。第一外科教授の東(東野英治郎)の引退に伴い、次期教授のポストを狙っている。ところがスタンドプレイの多い財前を快く思わない東は、学外からの次期教授の擁立を企てるのだが…

 山崎豊子の原作(第1部)を映画化。66年制作のモノクロ映画で、後に何回もドラマになってるけど劇場版はこれ1本のみ。3時間近くある長編にもかかわらず男たちの激突は見応えがあり、最後まで息をつかせぬ展開は凄い。

 しかしよくもまぁ、これだけ脂ぎった男たちを集めたものだと感心する。ギラギラ映画である。野望に燃える財前こと田宮二郎は、カリスマ性抜群。しかも後半の形相は、やってることと悪人顔が一致してわかりやすい。病人は医者をたよって命をあずけるのにと考えると、本当に見ていて胸くそが悪くなってくる。馬鹿なこと(教授選ほか)に手を出しさせしなければ、一生人を救って尊敬されてすばらしい人生をおくれたのに…と思ってしまう。まぁそういうのは価値観の違いか。

 作中では善人の象徴として描かれる里見(田村高廣)が結局貧乏くじをひくのも象徴的。他にも財前の上司の小沢栄太郎や義父の石山健二郎などが強烈な印象を残す。できることなら、このメンバーで続編の方も作ってほしかった。

山本薩夫監督。1966年日本映画。

2007年7月 9日 (月)

藏 (1995)

藏 大正末期から昭和にかけての新潟の造り酒屋・田乃内酒造に待望の女の子烈(一色紗英)が生まれる。ところが彼女は目が不自由で、治癒を願って巡礼に出た母(黒木瞳)は死んでしまう。酒造りを背景にした大河ドラマ。

 宮尾登美子の原作を降旗康男がメガホンをとって映画化。いかにも邦画大作って感じの、それなりに見応えのあるドラマ。物語の展開も波瀾万丈なんだけど妙に薄っぺらに見えてしまうのは邦画特有の泣きの入った演出のせいかも。とはいっても、ラスト近くの浅野ゆう子が烈のことで松方に許しを請うシーンなどはじーんとくるものがありました。

降旗康男監督。1995年日本映画。

2007年7月 7日 (土)

動乱 (1980)

動乱 昭和初期の日本。部下から信頼の厚い部隊長の宮城(高倉健)は、脱走兵(永島俊行)を追跡するが仲間を射殺される。その不始末から韓国へ転任させられた宮城は、上官の物資横流しと脱走兵の妹薫(吉永小百合)が身売りされて来ていることを知る…

 226事件の決起を背景に、決起に至った顛末を2部構成で克明に描いた歴史大作。文字どおり「耐える男」健さんとひたすら美しい吉永小百合が堪能できる作品で、昭和の日本映画として見る価値がある。

 それにしても…なんとも無念の映画である。これを見たらほとんどの人が決起した青年将校たちの気持ちとシンクロしてしまうんじゃないだろうか。多くの人間が死んだクーデターだけに実際はもっとどろどろした事件だっただろうが、映画として徹底的に美化して描いている印象。青年将校たち以外にも、米倉斉加年演じる憲兵が出色の出来。健さんの向かいの家でスパイしながら差し入れの弁当を食べ「俺は貧乏だった、憲兵隊に入るまでこんな白いご飯は食べられなかった」と言うシーンは印象に残る。

森谷司郎監督。1980年日本映画。

2007年7月 6日 (金)

バロウズの妻 (2000)

バロウズの妻 メキシコシティーに住むバロウズ夫妻(ノーマン・リーダス、コートニー・ラヴ)を、旧友のルシアンたちが訪ねて来る。それを避けるように、バロウズはゲイのパートナーのリーとグァテマラへ旅に出る。バロウズが創作に至るまでを描いた作品。

 「裸のランチ」などで有名なバロウズの、創作に至るまでのエピソードなんだけど、冒頭のドラッグ漬けの友人や殺人事件のエピソードからはじまって、本当に実話なんかないなといった内容。まぁクローネンバーグ監督の映画「裸のランチ」も、ちょっと常人ではうかがい知ることの難しい映画だったけどねぇ。

ゲイリー・ウォルコウ監督。2000年アメリカ映画。

2007年7月 5日 (木)

ホタル (2001)

ホタル 鹿児島で漁師をして暮らす山岡(高倉健)と知子(田中裕子)夫婦。昭和が終わったその日に、藤枝(水橋貴己)という男が雪山で亡くなったことを知る。実は彼らは特攻隊仲間だった…

 特攻隊の生き残りを描いた映画、というよりも、冒頭は健さんと田中裕子の枯れた夫婦ぶりが意外に心地よく、予備知識もなかったのでまさか話が特攻へ向かっていくとは思わなかった。

 映画としてはストーリー運びがぎこちなくまあまあかな、と思ったわけだけど、降旗監督の映画は見る年代によって非常に評価が変わってくるので難しいところ。個人的には20代の頃は降旗映画はどうにも波長が合わなくて苦手な部類だったけど、最近やっと楽しめるようになってきた。そんな中でもこの「ホタル」はさらに対象年齢層が上に感じられる。若い者に「特攻」を伝えようという映画ではなく、その世代に生きた方たちへのメッセージに思えるわけだ。あるいは自分がもうちょっと年齢が上がって枯れてきたころにわかる映画なのかもしれないが。

降旗康男監督。2001年日本映画。

2007年7月 3日 (火)

フラガール (2006)

フラガール 昭和40年代の常磐の炭坑町。相次ぐリストラで活気を失っている町で、温泉を利用した「常磐ハワイアンセンター」の建設が持ち上がる。その目玉として地元の娘でハワイアンダンサーが結成され、東京から元SKDの平山まどか先生(松雪泰子)が呼ばれたのだが…

 日本アカデミー賞も獲っちゃった元気の出るダンス映画。イギリス映画の「リトル・ダンサー」でもわかるように、炭坑とダンスってのは相性がいいのかも。ダンサー谷川紀美子に蒼井優(これがラストのフラダンスはなかなかうまい、華がある)をはじめ、南海キャンディーズの山崎静代、池津祥子など個性派ぞろい。さらに紀美子の母に富司純子、兄に豊川悦司と脇もがっちりと固められている。おっと、ダンサーをとりまとめる岸部一徳もほわんとした味があって良いぞ。

 ただしちょっと期待しすぎたせいか、ベタベタのお涙シーンの連続には思ったほど感動できなかったのは残念。ゲロゲロっと登場した松雪に期待させられたんだけど、彼女の去って行こうとするシーンで思ったほど盛り上がらなかったのが敗因かも。ボタ山や当時の建物や風景をCGで再現するってのはいい雰囲気に仕上がっている。最高に良かったのは、ジェイク・シマブクロの音楽。

李相日監督。2006年日本映画。

2007年7月 2日 (月)

A.I. (2001)

A.I. 近未来、昏睡中の息子を持つスウィントン夫妻は、寂しさをまぎらわすためにリアルな子供のロボット・デイビッド(ハーレイ・ジョエル・オスメント)を手に入れる。ところがある日息子は回復して、母モニカはデイビッドを山中に捨てる。

 スタンリー・キューブリックの原案をスピルバーグが脚色。「ピノキオ」をベースにした母子の物語。捨てられたデイビッドは、ジャンクショーという趣味の悪いロボットを壊す見せ物(あんなところに家族連れで来てる人の気が知れない)に連れられたり、ジゴロロボット(ジュード・ロウ)と仲良くなったりして未来世界をさまよう。しかしその願いは、母モニカに愛されたいということで、一途なその思いが胸をうつ。

 後半はちょっと想像もつかない方向にストーリーが走っていって、まさに目が離せない展開。時々、ロボット(A.I.)に感情なんてあるんかなぁとか、デイビッドは感情移入して見るべきものなんだろうかと考えたりもしたんだけど・・・ それって結局映画を見るスタンスに似てるなあと途中で気がついた。映画の中のキャラクターってのも、人が作った想像上の産物なんだけど、観客はしっかり感情移入して時には涙を流したりすることもある。デイビッドに感情はあるかないかよりも、それに心が動かされるかどうかが大事なんじゃないかなぁと思った。

スティーヴン・スピルバーグ監督。2001年アメリカ映画。

2007年6月29日 (金)

迷い婚 すべての迷える女性たちへ (2005)

迷い婚 弁護士のジェフ(マーク・ラファロ)と婚約中のサラ(ジェニファー・アニストン)はこのまま結婚してしまってもいいのかと迷う日々。ところが妹のアニー(ミーナ・スヴァーリ)の結婚式に故郷へ帰ったサラは、実は映画「卒業」は自分の家をモデルにした物語だったという噂を聞く…

 うぉ?とんでもない物語だ。「卒業」にモデルの家庭があったということなので、映画を見ながら記憶の彼方のストーリーを紐解いてみると… 誘惑するミセス・ロビンソンがサラの祖母のシャーリー・マクレーン、キャサリン・ロス(エレーンだったかな?)はサラの母で既に亡くなっている、そしてダスティン・ホフマンのベンがケヴィン・コスナー(書いててもややこしくなってくる)。実は家出したサラの母はほどなく帰ってきて父(リチャード・ジェンキンス)と結婚、サラが生まれたというわけだ。ボー(あ、ケヴィン・コスナーの役名ね…)が自分の実の父ではないかと疑ったサラは問い詰めに行くのだが相手はなかなかのプレイボーイで。

 親子2代ならまだしも、親子3代なんてとんでもね?物語なんだけど意外と内容は大まじめ。ラスト近くのリチャード・ジェンキンスの名演はほろりとさせられてここが最大の山場。でもそれがジェフに引き継がれるところが、ある意味因縁なんかな。続編はひょっとして二人の娘の物語!?

ロブ・ライナー監督。2005年アメリカ映画。

2007年6月28日 (木)

ピンクパンサー (2006)

ピンクパンサー サッカーのフランス代表チーム監督イヴ・グルアン(ジェイソン・ステイサム)が殺され、巨大ダイヤモンド「ピンクパンサー」が行方不明になる。事件を解決するために、ドレイフェス警視(ケヴィン・クライン)は田舎のドジな巡査クルーゾー(スティーヴ・マーティン)を担当にして、その隙に真犯人を逮捕するという作戦に出るのだが…

 あのピンクパンサーシリーズのクルーゾー警部誕生秘話…というよりも、ピーター・セラーズ亡きあとに初めて作られたシリーズ最新作。クルーゾー警部がなんとスティーヴ・マーティンというのが驚きだったけど、彼の泥臭いギャグとクルーゾーは不思議とマッチしているようで意外と安心して見ることができた。

 しかし…笑いの量が、もうちょっと欲しい。というか日本人には笑えない。ビヨンセやジャン・レノも出番は多いんだけどちょっともったいなく感じた。まぁ個人的にピンクパンサーシリーズはそれほど評価が高くないという敗因もあるんだけど。

 やっぱこのシリーズはヘンリー・マンシーニの音楽とあのピンクの豹のアニメがイメージの中で大きいです。テーマ曲はいちおう使っているにしても、ぎっしりと流れてないと気分が盛り上がらないって感じです。

ショーン・レヴィ監督。2006年アメリカ映画。

2007年6月26日 (火)

力道山 (2004)

力道山 韓国出身の力士である力道山(ソル・ギョング)は戦時中にひどい扱いを受けるが、終戦後に実力者の菅野(藤竜也)が後見人となり芸者の綾(中谷美紀)をもらい受ける。ところが相撲界に見切りを付けた力道山は、プロレス修行のためにアメリカへ旅立つのだったが…

 あの力道山の半生を描いた伝記映画。韓国=日本合作ということで主役は韓国のソル・ギョング。しかも体をきたえてプロレスをマスターした上に、日本語まで覚えての気合いの入り方には頭が下がる。その努力が見事にスクリーンに花開いているのは見事である。見応えのある映画であった。

 前半はぎすぎすした日韓問題が見え隠れしてちょっと疲れたのだが、中盤からはがぜん面白くなる。さすがに力道山の時代はリアルタイムでは知らないのだが、日本人の熱狂ぶりがスクリーンからびんびん伝わってくる。日本人としてスターになった力道山に、どういった感想を持つかがこの映画のポイントだろう。力道山自身が韓国人であることをひた隠しにしたという部分は複雑である。でも彼の生き様に、日韓友好につながる何かを感じずにはいられない。

 ハロルド坂田(ゴールドフィンガーですな)やシャープ兄弟、東浪関など知ってるぞとにやりとさせられるエピソードもいくつかちりばめられています。奥さん役の中谷美紀、後見人の藤竜也も渋くて印象に残ります。

ソン・ヘソン監督。2004年韓国=日本合作。

2007年6月25日 (月)

スペース・カウボーイ (2000)

スペース・カウボーイ 旧ソ連の通信衛星アイコンが制御不能になり、地球に落下してくるという。制御装置の設計者のフランク(クリント・イーストウッド)は事態の収拾を依頼される。彼が仕事を引き受けた条件とは、宇宙飛行士候補だったが夢を果たせず今や老人となった旧友3人(トミー・リー・ジョーンズ、ジェームズ・ガーナー、ドナルド・サザーランド)と共に宇宙へ行くことだった。

 寸前のところで宇宙飛行士になりそこねた老人たちが、夢よ再びと宇宙へ飛び立つ話。まぁ世の中そんなに甘い話はないわけで、通信衛星アイコンにはとんでもない秘密が隠されてるわけですが。

 「ラブリー・オールドメン」のSF版みたいな内容で、しわくちゃになっちゃったクリントやらサザーランドやらが頑張ってます。ラストはちょっぴり悲しい。内容が内容だけに、元気の出る映画に仕上げてほしかったなぁ…

クリント・イーストウッド監督。2000年アメリカ映画。

2007年6月24日 (日)

ストレイト・ストーリー (1999)

ストレイト・ストーリー アルヴィン・ストレイト(リチャード・ファーンズワース)はアイオワ州ローレンスに娘(シシー・スペイセク)と二人暮らしをする老人。ある日10年も会っていない兄(ハリー・ディーン・スタントン)が倒れたという知らせを受けて、トレーラーをつないだトラックで兄のもとへ行くことを思いつく。ところがそれは、何ヶ月もかかる旅だった…

 デヴィッド・リンチが実話を元にして作ったという、文字通り直球勝負の物語。子供の頃、田舎で死んだ祖父に同じようなトラクターによく乗せてもらったが、確かに歩くのと変わらないスピード。それで何百キロの旅をするというのを、映画は丁寧に描いていく。アルヴィンの口から語られる人生の物語は、これが結構胸に染みる。アメリカのとんでもない広さと、そこに雑草のように住んでいる人たちをじっくりと見せてくれる。まさにロードムービーの真骨頂といった映画。

 長らくリンチの映画はご無沙汰だったんだけど、アンジェロ・バダラメンティの印象的な音楽にだけ「ツインピークス」の世界を思い出した。しかしそれ以外には、クレジットを見なければリンチだと気づかないかもしれない。ラストの星空の美しさには癒されました。ところで彼は、どうやって家に帰ったんだろう…

デヴィッド・リンチ監督。1999年アメリカ映画。

2007年6月22日 (金)

偽りのスウィートホーム 暴かれた経歴(偽りのプロフィール) (1994)

偽りのプロフィール ジェーン(シェンナ・リード)はアル中のボナー(テリー・オクィン)と離婚。ひとり息子のエリック(キーガン・マッキントッシュ)を引き取る。やがて彼女は、ジムで知り合ったパトリック(ピアース・ブロスナン)と再婚。ボナーの暴力から逃れるために、州外へ引っ越すことを考えるのだが。

 意外な展開が楽しめる、小品サスペンス。ブロスナンって、こんな映画(実はテレフィーチャーだが)にも出てたんだなぁってちょっと感心。

ロバート・ルイス監督。1994年アメリカ映画。

2007年6月21日 (木)

タイヨウのうた (2006)

タイヨウのうた 学校に行かずにストリートミュージシャンとして過ごす雨音薫(Yui)は太陽にあたると死んでしまうという難病を持つ少女。彼女は高台の自宅から見えるバス停に早朝集まってサーフィンに出かける孝治(塚本高史)に思いを寄せる。ある日彼女が駅前で歌っていると孝治が通りかかり、思わず追いかけるのだが…

 シンガーソングライターのYuiが自ら主題歌も手がけて話題のラブストーリー。後にテレビドラマ化もされているらしい(未見ですが)。難病+純愛といえば繰り返し作られてきたラブストーリーの王道だけど、これはなかなか現代的な感覚で作られていてしかも泣ける。演技もイマイチでたいして美人でもない、どこにでもいそうだけど1本芯の通った不思議な魅力を持つYuiと、役者としてはなかなか魅力的な塚本高史という存在がうまく結びついてキラキラと輝いているのが成功の要因かも。「鳶がクルリと」のツミちゃんこと通山愛里も主人公の友人として出てますが、似合わないメガネをかけて場をさらわないように気をつかっているのはさすがです。

 本来は薫の敵であるはずのタイヨウをテーマにして、しかもひまわりをモチーフにするなどの映画全体に流れるセンスの良さは特筆モノ。何よりもこの映画が若者にいっぱい支持されていることも、日本って何だかだ言っても健全なんだなぁと安心させられます。

小泉徳宏監督。2006年日本映画。

2007年6月19日 (火)

ロボコン (2003)

ロボコン 高専に通う里見(長澤まさみ)はロボット制作の課題に手を抜いた上に授業もさぼりがちで落第しかける。担任の図師(鈴木一真)は彼女に単位を与える最後のチャンスとして、第2ロボット部に入ってロボコン(ロボットコンテスト)の全国大会への出場を勧めるのだが…

 3つある台の上に箱を積み上げた数を競うロボコンの全国大会を描いた映画。全国大会はテレビでもよく放映されているので(oga.はまともに見たことはないのだが)スポーツものと同じくそちらの方が本物のおもしろさはあると思うが、映画だと自然とドラマとキャラクターに重きをおくことになる。とはいっても後半の箱積みの緊迫感は手に汗握った。

 何よりも高専(高等専門学校)の理系の雰囲気がぷんぷんと伝わってくるのが面白い。空気感…ですね。4人組(長澤、小栗旬、伊藤淳史、塚本高史)の中で、こういった世界ではありがちな紅一点。しかも彼女は完全な同類で、まったく女として見られていないのもわかるわかる。もっとも長澤まさみみたいな可愛い子がいて、誰も意識しないってのは逆に不自然に感じたのだが。

 弱小第2ロボット部に対して、部員が記号のついたシャツを着てパーツになりきっている第1ロボット部が完全にコメディパートを受け持っているのもいい。こちらは怪優荒川良々の存在が大きいかも。

古厩智之監督。2003年日本映画。

2007年6月18日 (月)

ミュンヘン (2005)

ミュンヘン 1972年、ミュンヘンオリンピック中にイスラエルの選手村をパレスチナゲリラ「黒い九月」が襲い、結果として選手11名が殺害される事件が起こった。イスラエル政府は、諜報機関モサドに報復を指示する。かくして妻が妊娠中のアヴナー(エリック・バナ)をはじめ、暗殺部隊(ダニエル・クレイグ、キアラン・ハインズ、マチュー・カソヴィッツ、ハンス・ジシュラー)が組織されるのだが…

 ジョージ・ジョナスの実際の手記を元にスピルバーグが映画化。中東事情やらイスラエルとパレスチナの対立やら日本人にしたらなじみの薄い背景があるだけにまじめにストーリーを追おうと思えば少々しんどくなりそうな内容なのだが、あるのは報復に次ぐ報復と積み重なっていく死体の山。このあたりはビジュアルの力でわかりやすく見せるのがうまいスピルバーグだけに、報復の馬鹿らしさがストレートに伝わってくるのはさすがだと思う。特に主人公のアヴナーに娘がいるというのがストーリーに重みを加えている。

 見せ場はいろいろあるんだけど、やっぱり女殺し屋のプロットがビジュアル的には強烈。撃たれた女が猫を抱くシーンはあまりにリアルで夢に出そうである。ホテルの爆破シーンも同じ。

 個人的には、あんまり踏み込みたくない世界って印象。この文章をインターネットで発信したからゲリラたちに目をつけられる…なんてことはないとは思うが。スタッフたちはある意味命がけで作ってるのかな。

スティーブン・スピルバーグ監督。2005年アメリカ映画。

2007年6月16日 (土)

南極物語 (2006)

南極物語 ジェリー・シェパード(ポール・ウォーカー)は、南極基地に隕石を探しに来たマクラーレン博士(ブルース・グリーンウッド)のガイドとして犬ぞりを出す。隕石は発見できたが博士はクレバスに転落。犬たちに助けられ命からがら基地まで戻るが、博士の重傷と嵐が迫っていることで犬たちを残して全員基地から退去する。そのまま基地は閉鎖され、犬たちの生きる闘いがはじまる…

 長い間邦画の配給記録ベスト1にランキングされていた「南極物語」をディズニーがリメイク。登場人物は全員アメリカ人に変更され、タロとジロも出てこないけど間違いなく南極物語と同じストーリーである。

 迫力はあるけど意外とコンパクトにまとまっているな、というのが第一印象。考えたら高倉健とポール・ウォーカーだもんな。重厚さを求めるのはおかどちがいかも。でも犬たちの演技が何とも真に迫っていて、感動させられました。犬のマヤを助けるシーンなんて、「でかしたぞジロ」と叫んでしまいそうになった。あ、マックスだった。

 ヴァンゲリスの音楽がなかったのもちょっと寂しい。実はあんまり高く評価してなかった邦画の「南極物語」なんだけど、知らないうちにいろいろと潜在意識にすり込まれていたのかもしれないです。

フランク・マーシャル監督。2006年アメリカ映画。

2007年6月12日 (火)

切腹 (1962)

切腹 名家の玄関先で切腹を申出るというインパクトもさることながら、息をもつかせぬ展開には2時間が本当に短く感じられた。クロサワ以外に凄い日本映画が見たいと思った方には超オススメの時代劇。

 食い詰めた浪人が、最後は名家の玄関先で華々しく死にたいと切腹を申出る事件がおこり、申し出られた家は彼の行為をあっぱれと召し抱える。ところが世の中には美味しい話には真似をするやからが跡を断たず、庭先切腹を申出る浪人が跡を断たない。伊井家はそれでは実際に切腹させてしまえと、やって来た浪人を無理やり切腹させてしまう。これが前半で、見る側もこの男が要領を得ない馬鹿なやつだと感じさせられる。

 しかし後半、次に伊井家に切腹を申込んだ男の身の上話から、前半の男の裏の事情が徐々に明されていく。物事の表と裏がどれだけ違うかを痛感させられる作品だった。

小林正樹監督。1962年日本映画。

2007年6月11日 (月)

ある子供 (2005)

ある子供 20歳の青年ブリュノ(ジェレミー・レニエ)は盗みを繰り返しながらぶらぶら暮らす男だが、恋人ソニア(デボラ・フランソワ)との間に赤ちゃんが生まれる。彼女に言われるまま認知したまではよかったが、子守の途中で赤ちゃんを大金で他人に売り飛ばしてしまう。ソニアは倒れ、子供を取り戻したブリュノは契約者との違約金を払うためにさらにひったくりを企てるのだが…

 カンヌ映画祭パルムドールを受賞したダルデンヌ兄弟の話題作。ところがこむつかしい社会派映画かと思えば、あまりにストレートで単純な語り口にすっかり肩すかしをくってしまった。強いて言えば主人公ブリュノの理不尽な極悪非道ぶりに腹が立ち、ソニアになんでそんな男とつきあっているんだろうっていらいらさせられたり… あれ、子供の視線がまったくないぞ。だいたい新生児育てるってのは大変だ。その部分は一切そぎ落とされている。テーマと関係ないところにあるからかな。

 本来はベルギーの失業率やらの問題でこういう行き当たりばったりの若者が増えているという社会問題を扱った映画なんだろうけど、子供を切り口に見てしまったので煮え切らなかったというのがoga.の感想。ブリュは心根がそれほど悪くないのが最後の最後に伝わってきたためか、思ったほど見終わったあと味が悪くないのは良かった。

ジャン・ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ共同監督。2005年ベルギー、フランス合作。

2007年6月 9日 (土)

間宮兄弟 (2006)

間宮兄弟 東京のマンションで同居して暮らす間宮明信(佐々木蔵之介)と徹信(塚地武雅)は仲の良い兄弟。ふだんは布団を並べて寝て、一緒にテレビを見たり遊んだりしている。ある日二人は気になる女性を呼んでカレーパーティをすることになり、ビデオ屋の店員直美(沢尻エリカ)と妹の夕美(北川景子)、弟が用務員として勤める小学校の先生依子(常盤貴子)を誘うのだが…

 すげ?仲の良い兄弟の物語で、兄弟のいないoga.にしたらこんなのありえないのか、ひょっとしてありえるのか、まったく判断不能。視点を変えたら仲の良い夫婦のようでもある。何かあった夜に反省会をするのはアリだと思うが、布団を並べて寝るのはナシかな。彼らのマンションが本だらけで、模型や紙飛行機やらがいっぱい並んでいるのはマニア兄弟とひっかけてのことか。総じて大人になってもまわりの目を気にせずしたいことをしている兄弟、ということなんでしょう。

 それにしても…仲がよい以外はまったくもって平凡なこの兄弟のまわりに集まる美女たちのレベルの高さは一体何なんだろう。まぁ彼女たちもそれぞれに訳ありで、一筋縄ではいかないのはお約束なんだけどちょっとだけ希望を持たせるラストなどは絶妙だと思う。こんな兄弟欲しいかと問われれば…う?ん、いらないかな(笑)。

森田芳光監督。2006年日本映画。

2007年6月 8日 (金)

バルトの楽園 (2006)

バルトの楽園 第一次大戦、中国で降伏した4700人のドイツ人捕虜が日本の収容所へ入れられる。刑務所のような扱いしかしなかった中で、鳴門にある板東俘虜収容所の所長松江(松平健)は彼らに敬意を持って接する。ハインリッヒ少佐(ブルーノ・ガンツ)をはじめとする捕虜たちも、やがて彼らと心を開いて…

 日本で初めてベートーベンの第9が演奏された実話を元にフィクションを交えた映画。一言で言えば、捕虜が周辺住民と仲良くなって別れ際に第9を演奏していく…というだけの話なんだけど、小さいエピソードをいっぱい重ねて飽きさせない。何よりも、戦争をやってても個人レベルではみんながみんな憎しみ合っているわけじゃない、ってテーマは大好きである。

 松平健の松江所長はなかなか恰幅もよくて見所があった。ひげ(バルト?)が似合っている。奥さんに高島礼子ってのは、ちょっと若すぎるんじゃないって思ったが。好きなエピソードは大後寿々花の演じるしおのパート。目をブルーにしてがんばってるけど、彼女は何をやっても似合ってる。将来は宮崎あおいみたいになるんじゃないかとちょっと期待している。

 難点を言えば、最後の第9のシーンが思ったよりも盛り上がらなかった。すごくいいテーマなんだけど、どこか古い邦画的なものから抜けきれないのが惜しい。ガンバレ日本映画!!

出目昌伸監督。2006年日本映画。

2007年6月 7日 (木)

ファイナル・カット (2000)

ファイナル・カット 俳優のジュード・ロウが死亡。葬式の後で彼の友人が集まっているところで、妻は夫が生前撮りためていたビデオを供養として見せたいと言い出す。ジュードの友人たちが多数実名で登場する異色のドラマ。

 セミドキュメンタリーのスタイルをとりながら、実はしっかり劇映画しているというまったく人を喰ったドラマ。アート系の作品だとは思うが、他人のヒミツをのぞき見るような悪趣味な楽しみがあり画面にひきこまれてしまう。しかしジュードの友人たち、ドラマとはいえ、ロクな奴らがいない(笑)。

ドミニク・アンシアーノ監督。2000年イギリス映画。

2007年6月 6日 (水)

Vフォー・ヴェンデッタ (2005)

Vフォー・ヴェンデッタ アメリカ合衆国が崩壊し、アダム・サトラー議長(ジョン・ハート)のもとで独裁国家となっている近未来のイギリス。放送局に勤めるイヴィー(ナタリー・ポートマン)は国家警察に襲われているところを仮面の男V(ヒューゴ・ウィーヴィング)に助けられる。実は彼はサトラー転覆をたくらむテロリストで、その夜大規模な爆破事件を起こす…

 DCコミックをベースにウォシャウスキー兄弟が映画化。暗い独特の世界を作りながらも「マトリックス」ほど荒唐無稽ではなく、ひょっとしたら起こりうるかも…を感じさせてくれるところが面白い。

 ナタリー・ポートマンが狂言回しのような役なんだけど、本当の主役はもちろん仮面の男Vでしょう。最後までマスクを外さなかったので、誰が演じているのかと思えばマトリックスのエージェント・スミス役のヒューゴ・ウィーヴィングらしい。これじゃゴジラの着ぐるみの中に入ったというのとかわらない。すごくもったいない役者の使い方だ。反してナタリー・ポートマンは坊主頭になってがんばってる。美人は坊主になっても美人だということを再確認。

 言論まで支配する圧制者と、それに対抗するテロリストという図式は新味を感じないんだけど、この映画を魅力的にして印象に残しているのはダークな雰囲気とVのかぶる仮面の不気味さでしょう。能楽のお面なんて外人が見たら、同じように感じるのかもしれません。

ジェームズ・マクティーグ監督。2005年イギリス=ドイツ合作。

2007年6月 5日 (火)

ピーターパン (1924)

ピーターパン ダーリン家の3兄弟(メアリー・ブライアン、ジャック・マーフィ、フィリップ・デラシー)のところに妖精のティンカーベル(ヴァージニア・ブラウン・フェアー)とピータパン(ベティ・ブロンソン)がやって来て、子供たちを人魚やインディアンや凶悪なフック船長(アーネスト・トレンス)のいるネヴァーネヴァーランドへ連れ去ってしまう。有名な童話の実写映画化。

 ローテクのSFXを駆使して撮影されたピーターパン。とはいっても、アップになったティンカーベルの美しさなどには息を飲む。ピーターパンは女の子が演じているのだが、3兄弟の姉ウェンディより美しく感じてしまうのは不思議な感じ。飼い犬(ジョージ・アリ)やワニなど主要な動物たちが着ぐるみなのもご愛敬。

 今回はBSで見たんですが、ビデオ化・DVD化はされていないようです。

ハーバート・ブレノン監督。1924年アメリカ映画。

2007年6月 4日 (月)

神の左手、悪魔の右手 (2006)

神の左手、悪魔の右手 夢で姉イズミ(渋谷飛鳥)の惨殺を余地した弟のソウ(小林翼)は首から血を吹き出して病院へ運ばれる。弟を救えるのは自分だけという弟の声を聴いたイズミは、赤い携帯電話を持って知らない土地へ出かける。そこには足の不自由な少女モモ(清水萌々子)と、不気味な絵本を書く父光一郎(田口トモロヲ)が住んでいた…

 楳図かずおの同名ホラーマンガを映画化。予知能力とテレパシーを持つ姉弟を主人公に、サイコキラーの父を持つ少女を描いたスプラッタ映画。田口トモロヲの怪演と少女モモの可愛さが突出していて、B級ではあるんだけど何やら捨てがたい雰囲気を持った映画に仕上がっている感じ。それだけにイズミとソウという姉弟は少々影が薄いかも。

 原作を読んでないので、「神の左手、悪魔の右手」が何を意味しているかがわからないのがちょっぴり不満。ソウが毎回あの決め言葉を言って事件を解決していくシリーズものだっていうのなら、わからなくもないが。

金子修介監督。2006年日本映画。

2007年6月 1日 (金)

日本沈没 (2006)

日本沈没 静岡で大地震が発生し、小野寺(草薙剛)はレスキュー隊員の阿部玲子(柴咲コウ)と共に少女美咲(福田麻由子)を救う。同じ頃危機管理担当大臣に任命された鷹森(大地真央)は、地質学者であり元夫の田所博士(豊川悦司)に日本が近い将来に海底へ沈むことを知らされる…

 あの小松左京原作の「日本沈没」がリメイク…というわけで期待しないわけにはいかないんだけど…ものすごいアレンジでまったく原型をとどめていないのは「戦国自衛隊」と同じでした。とにかく、いきなり地震が起こってぼんぼん飛ばすのにドラマはぺら?んとしていてメリハリがないのはがっかり。豊悦の田所博士はカリスマがなさすぎ… 玲子はハイパーレスキュー隊員に見えない。日本は早く沈みすぎ。前作では潜水艦のシーケンスでじわじわと盛り上げていって、中盤の関東大震災でどか?んときて、あとは逃げや逃げろの一大パニック映画だったんだど、この作品はまったくメリハリがない。強いて言えば、後半は「アルマゲドン」のぱくりっぽい。

 とまぁこれだけつらつらと書けるってのは、結構この「日本沈没」って映画に思い入れがあったんだと思います。何しろ初めて映画館で見た「お子様向けでない」映画だしなぁ。できれば「キング・コング」のように、同じストーリーであの頃は技術的になし得なかった映像を作って見せてほしかったもんです。

樋口真嗣監督。2006年日本映画。

2007年5月31日 (木)

007/ワールド・イズ・ノット・イナフ (1999)

007/ワールド・イズ・ノット・イナフ ボンド(ピアース・ブロスナン)がスペインで奪回した札束が爆発して、石油王のキングが死ぬ。テロリストの攻撃に備えて、キングの娘エレクトラ(ソフィー・マルソー)の護衛につくボンドだったが。テロリストとの核弾頭の争奪戦を描いたシリーズ第19作。

 シリーズのお約束かもしれないけど、この作品ではとにかくよく爆発が起こる。ボンドひとりを殺すのに、なにもそこまでしなくてもと思ってしまうのは私が歳をとったせいか?

 今回はボンドガールのソフィー・マルソーが後半のキーを握る役であるのをはじめ、M役のジュディ・デンチまでのこのこと現場に出てくるサービスぶり。逆に頭に銃弾をくらって無痛男というすげ?設定のロバート・カーライルが思ったほど活躍しないのはちょっと肩すかし気味。ボンドの敵役はやっぱり気分が悪くなるぐらいボンドをいじめてくれないとねぇ。シリーズ皆勤賞のQ役デズモンド・ルーウィリンは残念ながらこれが遺作。

マイケル・アプテッド監督。1999年イギリス=アメリカ合作。

2007年5月30日 (水)

ギルバート・グレイプ (1993)

ギルバート・グレイプ アメリカの片田舎の町エンドーラを出たことがないギルバート(ジョニー・デップ)は、知恵遅れの弟アーニー(レオナルド・デュカプリオ)、過食症の母ボニー(ダーレーン・ケイツ)、そして姉と妹をひとりで支えて暮らしている。ある日トレーラーハウスが故障して立ち往生のベッキー(ジュリエット・ルイス)と祖母に出会う。

 ピーター・ヘッジズの原作を映画化。評判の良い映画なのになぜか見逃していたのだが、今回初めて見ることができて見てなかったことを後悔した。地味な映画には違いないのだが、見終わったあとにさわやかな感動を覚える良作である。家族について考えらされる上に、出会いと別れをこれだけ爽やかに感動的に描いた映画も珍しい。

 何よりもギルバートと弟のアーニーの関係が良い。お荷物状態なんだけど、しっかりと受け入れているギルバートに感動を覚える。過食症の母との関係も同じ。ディカプリオの動きが、4歳の息子にそっくりなのにも驚いた。

【以下ねたばれあり】
 唯一ひっかかったのが、母の死によってストーリーが好転するあたり。でも母のわがままをあれだけ受け入れてきた、ってことを考えると十分なのかもしれない。ギルバートとアーニーをベッキーと祖母が満面の笑顔で受け入れるラストシーンは名場面である。

ラッセ・ハルストレム監督。1993年アメリカ映画。

2007年5月29日 (火)

陽気なギャングが地球を回す (2006)

陽気なギャングが地球を回す 他人の嘘が見破れる成瀬(大沢たかお)、体内時計を持ちドライビングテクニック抜群の雪子(鈴木京香)、スリの達人久遠(松田翔太)、演説の名人響野(佐藤浩市)。そんな4人がある銀行強盗現場に居合わせたことから「自分たちならもっとうまくやれる」と犯罪ドリームチームを組むのだが、強奪した現金を何者かに持ち去られてしまう…

 伊坂幸太郎の同名ベストセラーを映画化。とにかく軽い、明るい、ハイテンションな犯罪ムービーで、オーシャンズ11とミニミニ大作戦あたりの楽しさを狙ったような出来。

 各人の特殊能力がストーリーに面白くからんでいてマル。さらに意外な展開やロマンスなんかも散りばめられていてドラマ感覚で楽しめる。こういうネアカ映画こそ、今の邦画には必要じゃないかなぁと思ってしまった。反道徳的で子供には見せたくない映画ですが。

前田哲監督。2006年日本映画。

2007年5月28日 (月)

ファイヤーウォール (2006)

ファイヤーウォール セキュリティの専門家で現在はランドロック・パシフィック銀行の重役のジャック(ハリソン・フォード)は銀行の合併話に揺れている。ところが彼の妻ベス(ヴァージニア・マドセン)と子供たち(カーリー・シュローダー、ジミー・ベネット)が自宅で監禁される。犯人(ポール・ベタニー)の要求はスイスの指定口座に1億ドルを振り込むこと。かくしてジャックは犯人を連れて銀行のコンピューター室へ入り込むのだが…

 コンピューター犯罪をテーマにした物語だけに息もつかせない駆け引きを期待したが、ストーリーは昔ながらのサスペンスで特に新味なし。コンピューター室に忍び込んだも、端末がなくて操作できないってあたりからしてアウトだな。それ以上に、オンラインの世界はどんな見えないトラップが仕組まれているかわからない、という独特の緊張感が表現されていないところがペケです。

 とはいっても、親父というよりも祖父に見えるハリソン・フォードが相変わらずの熱血漢で家族を守ってがんばっているところは元気を与えられます。犯人役のポール・ベタニーってのも、アブなさがにじみ出ていていいです。

リチャード・ロンクレイン監督。2006年アメリカ映画。

2007年5月25日 (金)

グリーンフィンガーズ (2000)

グリーンフィンガーズ 誤って弟を殺してしまい刑務所に入っているコリン(クライヴ・オーウェン)は、同室の老人から花の種をもらったことから園芸に目覚め、由緒あるフラワーショーに出品するまでになる。実話を元にしたドラマ。

 乱暴者というには繊細な感じがするコリンをはじめ、連続妻殺しの老人ファーガス(デビッド・ケリー)、見るからに乱暴者のロウ(アダム・フォーガティ)、囚人たちの理解者の刑務所長(ウォーレン・クラーク)などなど、キャラクターで思いっきり見せてくれる人情喜劇というべき内容の映画。イギリス製なので展開が地味なのが気になるけど。グリーンフィンガーとは園芸の天才のこと。

ジョエル・ハーシュマン監督。2000年イギリス映画。

2007年5月24日 (木)

陽はまた昇る (2002)

陽はまた昇る 1970年代のまだ家庭用ビデオが発売されていなかった時代。技術畑一筋で歩むビクターの加賀谷(西田敏行)は、業務ビデオ部門の横浜工場へ事業部長として転属を命じられる。その任務は従業員の大規模なリストラ。ひとりのリストラも望まない彼は、2時間録画が可能な家庭用ビデオの開発を決意するのだったが…

 有名なVHSビデオの開発秘話を登場人物の名前を変えて映画化。ビクターはもちろん、ソニーも松下も企業名は実名で登場。モノを作る話というのはドラマティックで面白くなる要素たっぷりなので、この映画もいろいろ納得できない部分はありながらも面白く見ることができたし、感動的なシーンもちらほらと用意されていて見応えがあった。

 開発者の加賀谷には木訥な西田敏行がぴったり。三枚目に徹している次長(渡辺謙)や、途中で倒れてしまう妻圭子(真野響子)、なぜか社長よりもコワい副社長の金沢(石橋蓮司)と役者はそろっている。仲代達矢の松下幸之助というのも、意外性(笑)で面白かったです。

 でもやっぱり納得できなかったのは、VHSの何が消費者のためになるのかがうまく描かれてなかったことかもしれません。2時間録画できるというのはベータも後に実現したしなぁ。結局は工場のリストラを救うのと引き替えに、規格戦争に巻き込まれた消費者は不利益を被っただけじゃないか、なんて考えが頭に浮かんでなりませんでした。2規格が市場で争ったから、どんどん良くなっていったというのは真実かもしれませんが。

佐々部清監督。2002年日本映画。

2007年5月22日 (火)

千年の恋 ひかる源氏物語 (2001)

千年の恋 ひかる源氏物語 平安時代の京都、主人を戦いで亡くした紫式部(吉永小百合)は、源氏物語を執筆している。ある日、時の権力者の藤原道長(渡辺謙)から娘の彰子の教育係をたのまれる。紫式部は彼女の教育に光源氏(天海祐希)の物語を語り始める…

 なんか…凄い映画。源氏物語自体が一歩間違えたらキワモノになってしまいそうなストーリーなのに、これは二歩も三歩も間違えてしまったかのような映画。光源氏がいくら美形だからって、タカラヅカスターにしてしまうってのはミスマッチ。というか、まったく感情移入できなくて困った。

 最大の戦犯は、劇中で意味もなく空を飛び水中にもぐりながら歌う松田聖子の存在かも。他にも風間杜夫、竹下景子、常盤貴子、細川ふみえ、岸田今日子、高島礼子、南野陽子、片岡鶴太郎、かたせ梨乃、中山忍といったそうそうたる面々が出ています。これぞオールスターキャストってやつかも。しかもこれだけのスターを集めてこの出来とは…東映50周年恐るべし。

堀川とんこう監督。2001年日本映画。

2007年5月21日 (月)

ミート・ザ・ペアレンツ2 (2004)

ミート・ザ・ペアレンツ2 前作で恋人パム(テリー・ポロ)の父親ジャック(ロバート・デ・ニーロ)と結婚の約束をとりつけたグレッグ(ベン・スティーラー)。ところが今度は、自分の変わり者の両親(ダスティン・ホフマン、バーブラ・ストライサンド)をジャックたちに引き合わせなければならなかった。かくして大型トレーラーに乗ったジャック一家はグレッグの実家へと向かうのだが…

 デ・ニーロにみんながびびりまくる映画…と評した前作だけど、今回はさらにダスティン・ホフマンとバーブラ・ストライサンドという化石のような2大スターが加わってヒートアップ。それが空回りではなく、ちゃんとそれぞれの見せ場を作って笑いをとっているのが凄いです。

 元CIAでカタブツでトレーラーの中に秘密基地を持っていて娘婿に自白剤まで使っちゃうジャックも凄いですが、超下品(笑)でいらんことばかりべらべらまくし立てて超怪しいバーニーことダスティン・ホフマンも凄い。この正反対の二人が、しっかりと激突してからんでいるサービス精神旺盛なところにはほとほと感心しました。お久しぶりのバーブラも高齢者向けカウンセラーで怪しさ全開。こんな両親だったら…確かに結婚に苦労するだろうなって思わされます。

 今回の勝因は、本来の主役であるグレッグことベン・スティーラーがおとなしくしていたことかもしれません。

ジェイ・ローチ監督。2004年アメリカ映画。

2007年5月19日 (土)

ブレイブ (1997)

ブレイブ ゴミ捨て場のスラムに住むラファエル(ジョニー・デップ)は、妻と二人の子供がいる。やっとありついた職は、自らの命とひきかえに50万ドルを受け取ること。彼と家族に残された最後の1週間を追ったドラマ。

 ジョニー・デップの初監督作品。でも、何か、違うんじゃないかと思ってしまった。家族を守るために命がけでならわかるんだけど、命を投げ出しちゃったら誰が家族を守るの? まぁ、マイノリティの現状を知らない甘い意見かもしれませんが。

 マーロン・ブランドってこういう静かにキレた役をやらせたら天下一品。大金を手にしても、ゴミだめの遊園地しか作れないラファエルもまた悲しすぎます…

ジョニー・デップ監督。1997年アメリカ映画。

2007年5月18日 (金)

陰陽師II (2003)

陰陽師2 平安時代、貴族ばかりを喰う鬼が暗躍して、安倍晴明(野村萬斎)が鬼退治にかり出される。彼の友人の源博雅(伊藤英明)は宮中で男勝りの姫・日美子(深田恭子)に夢中だったが、そんなある日博雅は琵琶がうまい青年須佐(市原隼人)に出会う。実は彼こそが出雲出身の幻角(中井貴一)に操られる鬼だった…

 人気シリーズ(?)の第2作。登場キャラクター的には見事なまでのプログラムピクチャーで、悪役に中井貴一、キーウーマンに深田恭子・古手川祐子といった面々。それに前作でおなじみの野村萬斎、伊藤英明、今井絵理子という3人組が挑む。これはもう登場人物に感情移入して安心して居心地よく楽しむことのできるシリーズものの王道を行くような展開である。

 背景にあるのは、出雲のヤマタノオロチ伝説で、その方面に詳しかったらにんまりできるような内容なんだろうと想像される。相変わらずデジタル合成にはチープなシーンも目立つけど、それはそれでゲーム感覚で楽しむのが良いのかも。

 しかしこの野村萬斎って人は、相変わらず強烈なキャラで印象に残る。都なんてひとときの夢と達観している部分からして、戦わずして幻角に勝ってるんじゃないかと思ってしまった。

滝田洋二郎監督。2003年日本映画。

2007年5月17日 (木)

インドへの道 (1984)

インドへの道 1920年代、フィアンセ(ナイジェル・ヘイワース)と会うために義母のモア婦人(ペギー・アシュクロフト)と共に航路でイギリスから植民地時代のインドへ向かったアデラ(ジュディ・デイビス)。現地の医師アジズ(ヴィクター・バナルジ)や哲学者ゴッドボール(アレック・ギネス)と仲良くなるのだが、洞窟の観光中に事件は起こった…

 oga.が独身の頃に大好きだったデビッド・リーン監督の最後の作品で、なぜか見てなかったものを今回初見。しかしこれ、最初の1時間半はイギリス人の目から見たインド観光みたいな内容で、話が動き出すのは最後の1時間といったところ。何ともバランスの悪い(笑)映画である。

 内容はインド人とイギリス人のカルチャーギャップと対立をやんわりと描いているんだけど、往年のデビッド・リーン監督の映画のようにドラマティックなわけではなく、さらにイギリス娘のアデラがなぜ洞窟のこだまにとち狂って(?)あんな行動をとったのかがよくわからない。たぶん植民地時代のインドとか、問題の洞窟について知らないと理解しにくい映画なんじゃないかと想像する。

 インド人医師を演じたヴィクター・バナルジが、前半おどおどして気が良さそうだったのに反して後半の顔つきががらりと変わったあたりは凄く説得力を感じた。

デヴィッド・リーン監督。1984年イギリス映画。

2007年5月15日 (火)

ナビィの恋 (1999)

ナビィの恋 沖縄の粟国島に里帰りしてきた奈々子(西田尚美)は、船の中で一人旅の青年福之助(村上淳)と、あか抜けした老人サンラー(平良進)に出会う。実はサンラーは奈々子の祖母ナビィ(平良とみ)の若い頃の恋人だったのだが…

 沖縄音楽界の重鎮たちが多数出演というミュージカル風ラブストーリー。とにかく三味線やバイオリン、民謡にオペラと入り乱れて南国ムードたっぷりの音楽でにぎやかなことこの上ない。音楽映画の常かもしれないけど、こうなるとストーリーなんてそっちのけで歌って踊って、とても心地よい世界が描かれる。

 それにしても…60年越しの恋を成就させようとするナビィのなんともいじらしいことか。それをじっと見守るおじいこと恵達(登川誠仁:三味線の名手らしい)も可愛らしい。ボーイッシュな西田尚美も魅力的。

 以前に見た「ホテル・ハイビスカス」と驚くほど雰囲気がそっくり。沖縄の空気って本当にこんな感じなのかなぁ。

中江裕司監督。1999年日本映画。

2007年5月14日 (月)

グース (1996)

グース 交通事故で母を亡くしたエイミー(アンナ・パキン)は長く会っていない芸術家の父(ジェフ・ダニエルズ)に引き取られてカナダの大自然の中で暮らすのだがなかなか周りに心を開かない。ある日伐採が進む森から拾ってきたグースの卵をかえした彼女は、母親代わりになって育てようとするのだが…

 天才子役アンナ・パキンの初期の1本。グースを野生に返すために、ウルトラライトプレーンに乗った少女がグースをひきつれてカナダからアメリカまで旅をするという設定が斬新かつダイナミックかつハートウォーミング。特に空撮部分が美しく、何度見ても気持ちいい映画である。

 グースの子供たち16羽を連れてきた娘をしっかりと受け入れた上に、一緒にウルトラライトで飛ぶというぶっとんだ父親ってのもいいです。未確認飛行物体としてスクランブル発進しかけながら、正体がわかったらちゃんとバックアップするアメリカ空軍もさすが懐が深い。とってつけたような、環境破壊おやじ(最後にギャフンと言わされる)はご愛敬かな?

 私事だけど、以前持っていたプロジェクターがこの映画を見ている途中(エイミーたちが飛行する直前)で故障。修理費が高くて手放してしまったという経緯があったりします。それだけに、この飛行シーンがスクリーンで見られなかったというストレスがず?っと心にひっかかっていたのですが、今回すっきりしました。この飛行シーンは本当に大画面での鑑賞をお勧めします。

キャロル・バラード監督。1996年アメリカ映画。

2007年5月12日 (土)

美味しんぼ (1996)

美味しんぼ 東西新聞社の文化部は記念企画として「究極のメニュー」という料理連載記事を立ち上げる。その担当を陶芸家であり食通の海原雄山(三國連太郎)に依頼するのだが、同じく文化部記者の山岡士郎(佐藤浩市)が台無しにする。やがて海原はライバルの新聞社と手を組み「至高のメニュー」を開始するのだが…

 今なお連載が続いているという雁屋哲、花咲アキラ原作のグルメ漫画を映画化。山岡と海原を、実の親子である三國と佐藤が演じたという話題作(劇中でも二人は親子)…なんだけど、原作の持つ雰囲気は影を潜めて森崎東監督色の松竹ドラマといった内容になっている。特に海原雄山はカリスマ感がなく、息子とうまくつきあっていけない気のいい親父といったところ。唯一栗田ゆう子役の羽田美智子だけが、コミックにそっくりである。

 とはいっても元々のストーリーが面白いだけに、食に関するウンチクも含めてなかなか楽しめる内容となっている。あの究極&至高のメニューを実写で見られる価値ってのは大きいと思う。

森崎東監督。1996年日本映画。

2007年5月11日 (金)

少林サッカー (2001)

少林サッカー 少林寺の凄さを広めようと思う貧乏な青年シン(チャウ・シンチー)は、黄金の右と呼ばれた脚を持ちながら20年前の八百長時代で引退して落ちぶれたファン(ン・マンタ)に出会う。シンの脚の凄さに気がついたファンは、彼を含めたサッカーチームを結成しようとするのだが…

 大ヒットした超バカ映画。少林寺の使い手たちがサッカーをするという超人スポ根ギャグ映画で「カンフー・ハッスル」の前哨戦とも言える映画。それだけにサッカーの試合までに一悶着、ふた悶着、そして怨念の試合が始まるとボールは火の玉になり人間は乱れ飛ぶ。超人マンガを実写化することができるのは、やっぱり香港=中国に違いないと思わせてくれる。恐るべし、香港=中国。このノリは子供が見たら大笑いするに違いないんだろうけど、妙に暴力的なシーンが多いので親としては見せる気がしない。損している映画だと思う。

 キャラクターたちが立っている点や、屈折したヒロイン(ヴィッキー・チャオ)を用意した点など、荒削りに見える映画にかかわらず実は見るべき点が多い。ベタなギャグの数々も結構笑える。

 ひとつだけ気になったのが、穴の空いたドタ靴を調理台の上にドンと置いて誰も「汚い」と言わないシーン。香港の屋台で何か食べる気がちょっと失せた(笑)。

チャウ・シンチー、リー・リクチー共同監督。2001年香港映画。

2007年5月10日 (木)

ギフト (2000)

ギフト 天から授かった超感覚(ギフト)を持つアニー(ケイト・ブランシェット)は、夫を失い年金と占いで3人の子供を養っている。ある日、失踪した女性の行方を占ったことから彼女の運命が変わっていく。サスペンス・サイコ・スリラー。

 「ホワット・ライズ・ビニース」を思わせる、サイキックをテーマにした作品。ケイト・ブランシェットの普通っぽいんだけどどこか芯の通った魅力が、この霊能力お母さんにぴったりハマった感じ。小さな町の出来事だけに、登場人物がこじんまりとまとまったのも良かった。木の枝に浮いてる死体なんて、地味そうに見えて結構コワいよ!

 余談だけどデジタルBS+ハイビジョン+プロジェクターを使って鑑賞。雰囲気は劇場で見るそのまんまで、暗いシーンではフィルムの粒子の荒れまで感じることができるのに感動。さらに浮いている死体の臨場感は、ハイビジョンプロジェクターの真骨頂を発揮…だと思う。機会があればぜひ試してみて下さい(気の弱い方ならうなされるかも)。またこの作品、oga.がケイト・ブランシェットを好きになるきっかけとなった映画です。

サム・ライミ監督。2000年アメリカ映画。

2007年5月 8日 (火)

デイジー (2006)

デイジー ヨーロッパに住む画家のヘヨン(チョン・ジヒョン)は会ったことはないがデイジーの花を送り続けてくれる男に思いを寄せる。ヨーロッパの街角で似顔絵を描いている彼女にジョンウ(イ・ソンジェ)という男が現れ同じ韓国人ということでお互いに意識するようになる。ところが彼の正体は…

 ヨーロッパ(アムステルダムらしい)を舞台にした韓国映画で、出だしから甘々のラブストーリーかと思ったら…このギャップがこの映画のすべてですね。でもアクションシーンとラブストーリーがうまくくっついていない感じがして、最後まで違和感をいっぱい感じてしまった。繊細なストーリーにしては荒削りなアクションがうまくくっつかず、またもや接着剤に問題がある映画になってしまったような気がいたします。

 それにしても、チョン・ジヒョンって何をやっても絵になる女優さんですね。三角関係となるイ・ソンジェとチョン・ウソンなんですが、個人的にはイ・ソンジェの方がいい雰囲気を出してたような気がいたします。しかしこのどうとでも取れるラストは中途半端で、余韻というよりも思いっきりもどかしさを感じてしまったぞ。

アンドリュー・ラウ監督。2006年韓国映画。

2007年5月 7日 (月)

明日の記憶 (2005)

明日の記憶 大手広告代理店の部長・佐伯雅行(渡辺謙)は最近大きなプロジェクトにかかわっていて激務の日々。ところが会議をすっぽかす、慣れた渋谷で道に迷うといった信じられないようなミスを犯す。妻の枝実子(樋口可南子)と共に病院へ行き、若年性のアルツハイマーだと宣告を受ける…

 またまた、またまた登場の記憶ものの1本。ところがこの映画、素直に鑑賞するには何とも居心地の悪いものを感じてしまった。というのも、最近物忘れの激しくなってきたoga.としては佐伯の初期症状が自分のポカと異常に似ているのだ。ひょっとして…なんて気分になってくる、妙にリアリティのある映画である。

 しかし渡辺謙と樋口可南子、いい熟年夫婦ですね。若い頃はまったく眼中になかった樋口ですが、このトシのとりかたはめちゃめちゃ良いです。癒し系なのに加えてそこはかとない色気がただようのもいいです。

 もうひとり印象に残ったのが、大滝秀治演じる陶芸じいさん。こんなじいさん、確かにいそうだし、幽霊のように忽然と消えてしまうのも良い(佐伯の夢?)。

 とりあえず、アルツハイマーになりにくい生活を心がけねばと思わされた映画でした。

堤幸彦監督。2005年日本映画。

2007年5月 6日 (日)

ワールド・トレード・センター (2006)

ワールド・トレード・センター 2001年9月11日の朝、港湾警察に勤めるジョン・マクローリン(ニコラス・ケイジ)はいつものように家族が寝静まる中、早朝出勤をしていた。パトロールを始めた矢先、ワールド・トレード・センターに航空機が激突したという緊急連絡が入る。救助のためにジョンは部下のウィル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)たちとチームを組んで、がれきの降るワールド・トレード・センターへ入って行くのだったが…

 同時多発テロを完全映画化。繰り返しニュース映像が流されていた事件だけに、どうやって映画化するんだろうかと思えばその場にいた人間しか感じることのできない臨場感をたっぷり味合わせてくれる作り。特に情報が錯綜する様子や、風穴が開いたビルの前に立った時の臨場感(プロジェクターで見たのだが、これは大迫力、ユーザーは必見)、あそこに助けにいくんだという恐怖感や、このまま野次馬的に見ていたいけど救出のためには準備をしなければいけないという焦りとか、スクリーンを見るこちら側にもマクローリンの気持ちが伝わってくる作りはさすがの映像マジックである。

 突入する航空機のドラマとか、事件の背後にある社会情勢とか、結局は何がどうなったのかとか、そういったものを一切描いていないのも良いです。最近見た「突入せよ!あさま山荘事件」にそっくり。

 彼らが埋まってからは、映画は単調になるのだがそれも計算されたものじゃないかと思わせてくれる。時折降り注ぐ炎や跳ね返る弾丸、そして押しつぶされる痛みで本当に息苦しくなってくる。あせる家族たちのドラマも良い。意識を失いかけるマクローリンが「台所に棚をまだ作ってない、カミさんに怒られる」なんてつまらないことを考えているあたりが、妙にリアルでひきつり笑いを誘われる。

 オリバー・ストーンは一時期の社会派メッセージたっぷりの映画をやめてこんな作風になったんか、なんて見終わって思ったんだけど、考えてみるとこういったスタイルの方が感じるものは多いような気がする。埋まった警官と絶望の中で帰りを待つ家族。それだけを描いた方が、伝わってくるものはより大きいのでは。

オリバー・ストーン監督。2006年アメリカ映画。

2007年5月 4日 (金)

プライドと偏見 (2005)

プライドと偏見 18世紀末のイギリスはベネット家には5人の娘がいた。遺産を相続できない彼女らのために、両親(ドナルド・サザーランド、ブレンダ・ブレシン)は資産家との結婚を勧めている。ある日近所に資産家ビングリー(サイモン・ウッズ)が引っ越してきて姉妹は色めき立つ。ところが次女のエリザベス(キーラ・ナイトレイ)はビングリーの友人ダーシー(マシュー・マクファディン)の高慢で無礼なふるまいに腹を立て…

 ジェーン・オースティンの古典的ラブストーリー「高慢と偏見」を映画化。元々がお嬢様のように美しいキーラ・ナイトレイ主演なだけに、格調高い雰囲気がただよう文芸大作に仕上がっている。高慢でヤな奴なんだけど、実は…というダーシー氏にマシュー・マクファディン、さらにヤなおばさんにジュディ・デンチとキャラクターの見所は多い。強いて難点を言えば、元々のストーリーが古典的ラブストーリーなだけに意外と単純な展開にはデジャヴー感覚に陥るかも。

ジョー・ライト監督。2005年イギリス映画。

2007年5月 1日 (火)

エリザベス (1998)

エリザベス 16世紀のイングランド。カトリックとプロテスタントの争いが激化する中で、王の妾の子であったエリザベス(ケイト・ブランシェット)が女王に即位する。政略結婚と恋人との間で揺れ動くエリザベスを描いた歴史大作。

 宗教戦争に巻き込まれた悲劇のヒロイン・・・という図式かと思いきや、意外な幕切れでありました。しかし宗教って、人間が幸せになるためにあるんじゃないの? 何か見てて気分が悪いわ。

シェカール・カブール監督。1998年イギリス映画。

2007年4月28日 (土)

陰陽師 (2001)

陰陽師 魔物と人間が共存していたという平安時代。都の平安を守る陰陽師という者たちがいた。ある日、帝の子供の敦平親王に鬼が乗り移り、右近衛府中将の源博雅(伊藤英明)は陰陽師の安倍晴明(野村萬斎)に助けを求めるのだが…

 結構話題になった映画なんだけど…いざ目にすると「帝都物語」を思い出してしまった。とにかく全編鬼と人間の戦いを描いたSFXのオンパレード。帝都の時は劇場で激怒してしまったんだけど、暖かい目で(笑)見ることができたのは自分が成長したせいか、あるいは主演の野村萬斎のぶっとんだキャラクターに圧倒されたからかもしれません。

 とにかく安倍晴明という人に持っていたイメージを徹底的に壊してくれたのは確か。なんと形容したらいいのかわからないんだけど、第一印象できっと友達にしたくないと思うキャラ。でも実はいい人なんですね。それだけに伊藤英明演じるヒロマサが世間知らずのボンボンぶりを見せつけても、ついつい納得して見てしまうのが面白い。

 キャラクター的にはずいぶん考えられている映画だと思う。悪役の道尊こと真田広之がものすごく正統派の悪役を演じているのに対して、野村がひょうひょうとかわしていくのはある意味快感がある。不老不死の小泉今日子なんてぴったり。ほとんど立ってるだけの今井絵理子も、可愛いから許すといった感じ。あとの課題は、SFXをなんとかしてほしかったことかも。

滝田洋二郎監督。2001年日本映画。

2007年4月27日 (金)

インビジブル (2000)

インビジブル 生物を透明にする技術を発明した科学者セバスチャン(ケヴィン・ベーコン)は、自らの体を実験台にする。ところが元に戻す技術が人間には通用せず、追い込まれた彼は次第に暴力的な行動を取るようになっていく。

 ウェルズの「透明人間」をベースに、スプラッタ色を散りばめたバイオレンスSF。透明になる課程を、理科室の人体模型みたいに見せるというアイディアは何とも脱帽もの。後半はお決まりの、密室パニックものになっていくというのもお約束か。「全世界が吐いた」というコピーも笑わせてくれる。

ポール・ヴァーホーヴェン監督。2000年アメリカ映画。

2007年4月26日 (木)

トランスポーター2 (2005)

トランスポーター2 高額報酬をもらって何でも運搬するスゴ腕の運び屋、フランク(ジェイソン・ステイサム)だったが、現在は少年ジャック(ハンター・クレアリー)の学校への送り迎えをしている。ところがジャックが突然武装集団に誘拐されたことから、必ず守ると約束したフランクは…

 こうなるともう「輸送」なんてどうでもよくなったんじゃない、と言いたくなるようなアクション中心の続編。主役のフランクはマンガ的に強くて、消火ホース振り回せば全部悪人に当たるし、ビルからダイビングして血清をキャッチしようとしても死なないし、飛行機が墜落しても機内で悪人と戦ってるし、パラシュートで飛行機から飛び降りてちゃんと走ってるトレーラーの上に着地する。これだけムチャしたら1回ぐらい失敗しろよと突っ込み入れたくなるんだけど、これはモロにアクションの定番というか、007の世界へと近づきつつあります。ランボルギーニをはじめカーチェイスのシーンも念が入っていて脚本のリュック・ベッソンの趣味が爆発。

 「最後の恋のはじめ方」で高嶺の花を演じたアンバー・ヴァレッタが、相変わらず金持ちの婦人としていい味を出してます。フランクはがんばったのにあのラストはほろ苦い。悪役のローラ(ケイト・ノタ)はほとんど意味のない半裸でアクション張ってるけど、全然色気がないのが笑える。

ルイ・レテリエ監督。2005年フランス=アメリカ合作。

2007年4月25日 (水)

トランスポーター (2002)

トランスポーター 依頼されれば何でも運ぶプロの「トランスポーター」のフランク(ジェイソン・ステイサム)。銀行強盗の犯人を逃がす次の仕事は、120cm・60kg以下のボストンバックを法定速度で運ぶこと。楽勝に思えた依頼だったが、ボストンバックがもぞもぞと動いて中から女(スー・チー)が出てきたことから運命が狂ってくる…

 何でも黙って運ぶプロの運び屋を主人公にした映画といえばライアン・オニールの「ザ・ドライバー」ですね。なんとも懐かしい素材を、リュック・ベッソンの製作・脚本で料理したノンストップ・アクション映画。寡黙で神経質そうだけど緻密に仕事をこなす主人公にはジェイソン・ステイサムがはまり役。彼が神経質そうにぴかぴかに磨き上げたBMWがこれまたかっこいいんですよね。でもあんだけ神経質に手入れしたBMWがパンクするのが???…

 事件に巻き込まれるきっかけとなるアジア系女性のスー・チーがなかなかキュート。悪役にマット・シュルツ、敵か味方かわからない警部にフランソワ・ベルレアンと、キャラクターの面白さで見せてくれるのはベッソン映画の定石かも。それだけに「レオン」の頃の面白さよ再びと期待してしまうんだけどなぁ。最近は完全にプログラム・ピクチャー化してしまっているのが悲しい。がんばれ、ベッソン!?

 「ザ・ドライバー」が実は丸腰ではないというのは最後のスパイスになっていたんだけど、このトランスポーターは退役軍人ということで、実に強いです。そこが逆にこの映画を凡庸なものにしているような気がします。

ルイ・レテリエ、コリー・ユン共同監督。2002年アメリカ=フランス合作。

2007年4月24日 (火)

SAYURI (2005)

SAYURI 貧乏から置屋に売られて姉とも離ればなれになってしまった少女千代(大後寿々花、成人後はチャン・ツィイー)。彼女が世話になったおかあさん(桃井かおり)の元には、売れっ子芸者の初桃(コン・リー)や彼女と同じ境遇のおカボ(工藤夕貴)がいた。ある日、町でかき氷とハンカチ、そしていくらかのお金をくれた会長(渡辺謙)に憧れた千代は、彼に再び会うために芸者になることを決意する…

 アーサー・ゴールデンの小説「Memories of a Geisha」を映画化。スピルバーグ製作のハリウッド製ゲイシャ映画だってことで話題になったけど、登場人物が全編英語でしゃべる以外は一時期量産された東映の文芸大作といった雰囲気。主役のSAYURIはかつて松坂慶子や名取裕子が繰り返し演じたような薄幸からはい上がっていくキャラクターで、たぶん吹き替えで見たらただの邦画大作と間違えるかのような雰囲気。それだけに日本のことをいろいろ調べ上げて、雰囲気もしっかり作り上げたんだろうと思う。日本人から見たら微妙な映画だけど、これだけのものを作り上げた熱意や情熱はすばらしい。日本人として嬉しいぞ、うん。

 キャスティングも面白い。チャン・ツィイーや、コン・リー、ミシェル・ヨーといった中国の大女優たちと日本の渡辺謙、桃井かおり、工藤夕貴といった中堅どころががっぷり組むという顔合わせも豪華。台詞を英語にすることによって、彼らが対等に日本でのドラマを演じられるってのはある意味コロンブスの卵なのかもしれない。

 というわけで、これが東映大作だったら平凡な仕上がりと評したかもしれないけど、そういった背景をふまえて大甘な点をつけてしまいます。

ロブ・マーシャル監督。2005年アメリカ映画。

2007年4月23日 (月)

レジェンド・オブ・ゾロ (2005)

レジェンド・オブ・ゾロ カルフォルニアがアメリカの州になろうとしていた1850年。アレハンドロ(アントニオ・バンデラス)は妻エレナ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)との間に一人息子ホアキン(アドリアン・アロンソ)に恵まれながらもゾロとして民衆の敵と戦っていた。ところが州投票が終わるまでゾロを続けると言ったことからエレナと大げんか、アレハンドロと別れた彼女は謎の伯爵アルマン(ルーファス・シーウェル)と付き合うようになるのだが…

 7年ぶりの「マスク・オブ・ゾロ」の続編。今回はアンソニー・ホプキンスのクラスの脇役もいなくて大丈夫かな…と思ったんだけど、序盤からばんばんアクションで飛ばして最後までノンストップで見せてくれました。ヒーローが家族を持ったら、ということでホームドラマ的な要素がスパイス的に生かされてます。とはいってもそんなに深刻なものではなく、アクションも含めて軽いノリはヒーローものの定石ですね。

 今回はニトロをアメリカに持ち込んで国家転覆を企む秘密結社が敵なんですが…ニトロぐらいで国が転覆するんかとつっこみたくてしょうがなくなったぞ。単なる武器商人に過ぎないやん!?

 バンデラスってよくよく見るとコメディ系の顔つきですね。これはハリソン・フォードに通じるものを感じる。キャサリン・ゼタ・ジョーンズは相変わらず華がある。ヒーローの息子はヒーローなのか、アドリアン・アロンソのゾロの真似も笑えます、楽しめます。

マーティン・キャンベル監督。2005年アメリカ映画。

2007年4月21日 (土)

マスク・オブ・ゾロ (1998)

マスク・オブ・ゾロ スペイン占領下から独立したメキシコ(現カリフォルニア)、かつて怪傑ゾロとして知事モンテロ(スチュアート・ウィルソン)と対決したディエゴ(アンソニー・ホプキンス)は、盗賊だが身の軽いアレハンドロ(アントニオ・バンデラス)を2代目ゾロとして鍛える。

 あのゾロが帰ってきた…というわけで、スペイン系ハリウッドスターとなったバンデラスがゾロを演じる活劇編。oga.の世代だと、ゾロといえばアラン・ドロンだと一部すり込まれているきらいがあるんだけど(もうちょっと年上だとガイ・ウィリアムズ)、どこかエスプリが感じられるこぎれいなドロン版よりも、こってりとして土のにおいがするバンデラス版は性に合ってます。原作もそうなのかは知らないけど、ゾロは2代目に引き継ぎ…というわけで、こちらもこってり系のアンソニー・ホプキンスが先代ゾロとして脇を締めるのも良い。キャサリン・ゼタ・ジョーンズは「エントラップメント」で一気に頭にすり込まれたんだけど、この映画はその1年前に撮られていたわけですね。

 とまあ、背景はいろいろあるんだけど内容は意外と軽めで、ギャグなんかも散りばめられていて誰でも楽しむことができます。フラメンコ風のBGMや、往年のアクション西部劇風の画面展開などはぴたっとツボにはまってしまった。製作にスティーブン・スピルバーグが入っている点がいい具合にプラスになってんのかな。

マーティン・キャンベル監督。1998年アメリカ映画。

2007年4月20日 (金)

かもめ食堂 (2005)

かもめ食堂 フィンランドに日本料理店「かもめ食堂」を開いたサチエ(小林聡美)だが、店はずっと閑古鳥で誰も来ない。そんなある日、日本好きの青年トンミ(ヤルッコ・ニエミ)が入ってきてガッチャマンの歌詞をきく。その歌詞を教えてくれたミドリ(片桐はいり)は店に住み着くのだったが…

 人気作家群ようこの書き下ろしを荻上直子がメガホンを取って映画化。ヘルシンキを舞台にした不思議な雰囲気の邦画で、見ている時は妙な居心地の良さを、そして見終わったあとは妙にこの映画について語りたくなる面白い作品である。店につどう日本人女性3人(小林、片桐、そしてもたいまさこ)、それにちょっとずつ追加される登場人物(マルック・ペルトラは有名らしい)が繰り広げるエピソードが何ともゆったりとしたテンポで語られて心地よい。

 焼き鮭やとんかつ、おにぎりなどなど日本食がとってもおいしそうに描かれるのも印象的。まさにソウルフードである。日本での生活にドロップアウトしたと思われる3人の女性を描きながら、しっかりと日本に回帰しているあたりが単なる北欧万歳の映画に終わってなくて良い。生活に疲れている人には、ほっとする瞬間を与えてくれるような映画である。できればこのストーリーの男性版も欲しいもんだ。

荻上直子監督。2005年日本映画。

2007年4月19日 (木)

トレジャー・プラネット (2002)

トレジャー・プラネット ジム(声:ジョセフ・ゴードン・レヴィット)は惑星モントレッサで母と二人暮らしの15歳の少年。宇宙へ旅立って帰ってこない父の影響から、やんちゃ三昧の日々。ある日墜落した宇宙船から瀕死の男を助けたことから、財宝が眠るというトレジャー・プラネットの地図を手に入れる。

 あのスティーヴンソンの「宝島」を舞台を宇宙に変えてアニメーション映画化。その名のとおり「宝星」なわけで、宇宙に船を浮かべての活劇はもろに松本零士の世界のパクリでしょうね。そういえば動物っぽい宇宙人とか、ロボットのぼけキャラなんてのもそっくり。

 ストーリーはほぼ「宝島」をなぞるので、今見ると定番中の定番の展開。でも飽きずに最後まで見られるのは脚色の良さと画面の面白さだと思います。宇宙ものアニメはディズニー初ってのは、ちょっとびっくりした。

ロン・クレメンツ=ジョン・マスカー共同監督。2002年アメリカ映画。

2007年4月18日 (水)

プルーフ・オブ・マイ・ライフ (2005)

プルーフ・オブ・マイ・ライフ 著名な数学者だが精神が不安定な父ロバート(アンソニー・ホプキンス)を介護する娘のキャサリン(グウィネス・パルトロー)だったが、その父も数日前に死んでしまう。失意の彼女の元にかけつけたのは、父のかつての教え子であったというハル(ジェイク・ギレンフォール)と姉クレア(ホープ・デイヴィス)だったが、情緒不安定なキャサリンと何かと衝突する。ところがロバートの残した膨大なメモから世界的な発見をハルが見つけ出し…

 原作はピューリッツァー賞をとったデヴィッド・オーバーンの戯曲だそうだが、映画にするとちょっと地味な展開になっているのが残念なところ。数学者の話で「ゲーム理論」なんかも出てくるところから「ビューティフル・マインド」の後日談みたいなものかと想像したんだけど、こちらはまったくのフィクションらしい。

 線の細そうなパルトロウが数学者だというと「なるほど」と納得できてしまう絶妙なキャスティングである。数学者の風格ただようアンソニー・ホプキンスや、微妙な立場にいるジェイク・ギレンフォールなどもはまり役だと思うんだけど、悲しいかなストーリーに面白さを感じることができなかったのが辛いところ。メモを誰が書いたかという部分も、親子の絆も姉妹の絆も、そしてハルとの同志とも恋人ともとれる関係も何やら踏み込めずに一歩手前で立ち止まっている感覚が歯がゆく感じた。

 でもこの映画、自分が読み切れてないんだろうなという気がしないでもない。10年後ぐらいに再見したら、印象は変わってるかも。

ジョン・マッデン監督。2005年アメリカ映画。

2007年4月16日 (月)

ファイブ・イージー・ピーセス (1970)

ファイブ・イージー・ピーセス 採掘の仕事をするボビー(ジャック・ニコルソン)はかつてはピアノ一家に育ったのだが、家出して現在の生活に落ち着いている。ところが恋人のレイ(カレン・ブラック)が妊娠したことをきっかけに、音信不通だった父の看病に行くことを決めるのだが…

 70年製作のアメリカン・ニュー・シネマの1本。かつてはピアニストとして慣らした男が地味な生活をおくっている。彼の行動がなんとも破滅的で、そのくせ渋滞のトラックに積まれたピアノを弾き出したり支離滅裂。お世辞にも面白いストーリーとは言えないんだけど、最後まで目が離せないのはこのボビーという男と彼を慕うレイという女の独特の持ち味なんだろうと思う。

 70年代のアメリカの世相っていうのを知らないので物語を読み解くのは難しいんだけど、現代の先行き不安な日本の現状と重ねて考えてもいいんかな。そう思うとピアノ一家を抜け出したボビーの心情、恋人を置いてけぼりにしてトラックに乗るボビーの心情もわからんでもないかなあといった感じ。

 しかしわずか37年前にして、男が傍若無人な上にこんな古風な女がアメリカにもいたんだなぁとも思った。ちょっと不思議な感じ。カレン・ブラックって個人的には「ファミリー・プロット」の印象がものすごく強いんだよなぁ。

ボブ・ラフェルソン監督。1970年アメリカ映画。

2007年4月14日 (土)

鳶がクルリと (2005)

鳶がクルリと 自分の商品が採用されずにショックを受けていた企画室担当のOL 中野貴奈子(観月ありさ)は、発表前の商品の写真を窓からとび職の少女ツミ(通山愛里)に撮られたことから、彼女の所属する「日本晴れ」に抗議に行く。ところがそこには頭領の高松(哀川翔)、ご隠居(宇津井健)をはじめ昔気質な職人たちがいて…

 突然、困難なビルのモニュメント取り付けを命じられて奮戦するOLを描いたコメディ。しかしオープニングからのスピーディー(と思われる)ショットがどうにも鼻について、なかなか物語の世界に入り込めなかったのが残念。とび職の方々も、最後は挽回するもこうも宇宙人のように描かれたんじゃちょっと失礼なんじゃないかと思ってしまった。

 観月ありさはなかなかコメディ的な才覚を見せてはまり役。ユーザーサービスか、ほとんどミニスカートで出ずっぱりのところが東映らしさを感じる。もうひとりのヒロインの通山愛里は、本作では野ザル状態だけどひょっとして綺麗に着飾ったらなかなかの美人なんじゃないかと思わせてくれる。本来かっこいい役回りのはずの哀川翔は、「東京ゾンビ」で柔術やってる姿がかぶってちょっと困ったぞ。

 しかし東映って、本当にあか抜けない映画を増産するもんだと感心する。これはこれで、貴重な映画会社なのかもしれない。

薗田賢次監督。2005年日本映画。

2007年4月13日 (金)

12人のパパ2 (2005)

12人のパパ2 トム(スティーブ・マーティン)は12人の子持ちだが、次第に親元から離れていく家族に寂しさを感じて全員集合の号令をかけ、思い出の湖畔へキャンプに行く。ところが対岸には彼の永遠のライバルであるジミーとそのエリートぞろいの子供たちがいた。ライバル心を燃やす二人だったが、子供たちは…

 タイトルからわかるように「12人のパパ」の続編なんだけど、とんでもなく他愛のない話でわざわざ映画にまでする必要があるの?なんて思ってたらやっぱり日本では劇場未公開だったようだ。

 要約すると、キャンプにやってきた家族が対岸の幼なじみの家族と出会い、父親同士は意地を張り合うけど子供たちは仲良くなる。そして土地の恒例のスポーツ大会(陸上競技からはじまり丸太乗りやらカヌーならが続き、アメリカの田舎を感じることができる)で家族で争っている途中で…とまぁ、書いてても本当に他愛がないと叫びたくなるぞ。あとは両家の娘たちの色気とスティーブ・マーティンのワルノリと子供たちの悪ふざけで強引に乗り切ったという感じ。ヒラリー・ダフも出てます。

アダム・シャンクマン監督。2005年アメリカ映画。

2007年4月12日 (木)

ガウディアフタヌーン (2001)

ガウディアフタヌーン バルセロナで中南米文学の翻訳をしているカサンドラ(ジュディ・デイビス)は、フランキー(マーシャ・ゲイ・ハーデン)という女性に夫のベン(リリ・テイラー)を探してほしいとの依頼を受ける。ところがベンには何人かの同居者がいて、夫婦の秘密を知らされる。

 ストレートのカサンドラにとっては刺激の多い、フランキー&ベン夫婦とその取り巻きに翻弄される物語。そんなから騒ぎの中で、フランキー夫婦の娘デライラ(コートニー・ジンズ)がけなげにしっかり者に育っているのは「わかる、わかる」ってところか。

 しかし舞台となるバルセロナの空気って、どんな映画でもアルモドゥーバル風にしてしまうんかなぁ。わからんでもないが。

スーザン・シーデルマン監督。2001年アメリカ=スペイン合作。

2007年4月11日 (水)

サウンド・オブ・サンダー (2004)

サウンド・オブ・サンダー 2055年の近未来、タイムマシンが実用化されて、金持ち目当ての恐竜狩りツアーが行われていた。過去を変えないためにツアーには厳格なルールが適用されていたのだが、トラヴィス(エドワード・バーンズ)の同行したツアーでちょっとしたトラブルがあり、帰ってきた世界は徐々に変化していた…

 あのブラッドベリ原作の、タイムマシンで過去へ旅した男が蝶を踏んづけたがために、帰ったら軍国主義の世界になっていた…という有名な短編の映画化ですね。元々原作が短編の上に、蝶を踏んだことが映画の中盤まで明かされないためにブラッドベリだとはその時まで気づきませんでした。しかしあれ、短編だったと思うんだけどよく1本の映画にふくらませたものだと感心。

 CGとトクサツ使いまくりのかなり派手な映画なんだけど、微妙なクオリティの低さがひびいてまるでアメリカのテレビドラマのスペシャル版、といった雰囲気になっているのが惜しい。B級だと割り切って見るのが正しい鑑賞法でしょう。

 時間の波がどっば?と襲ってきたり、タイムパラドックスの処理がやっぱり納得できなかったり(何かした後で帰ってみると世界が変わるってことは、通常の時間の上にもうひとつの時間が存在するの?)やっぱタイムマシンものは難しいですね。未来都市はシド・ミードがデザインしたようですが、逆に80年代といった雰囲気を感じてしまうのはなぜ? ベン・キングズレーも出てます。

ピーター・ハイアムズ監督。2004年アメリカ映画。

2007年4月10日 (火)

ギミー・ヘブン (2004)

ギミー・ヘブン 殺人事件が起こり、養女の麻里(宮崎あおい)が残された。実は彼女をひきとった義理の親はいずれも殺人事件に巻き込まれて殺されており、柴田警部(石田ゆり子)が捜査に乗り出す。同じ頃盗撮サイトを運営する葉山(江口洋介)と野原(安藤政信)は、カメラに細工をした女の部屋へ乗り込んだのだが、彼女は行方不明でシーツに不思議なマークが残されているのを発見する…

 「共感覚」という特殊な感覚を持った者をテーマにしたサイコサスペンス。数字に色を感じたり、雨粒を花と感じたりするような特殊能力だそうだが、その共感覚をキーにして謎の少女麻里をはじめ、サイト運営の葉山、柴田警部、謎の男ピカソ(松田龍平)が徐々に結びついていく。凝ったストーリーではあるが、いまいちパンチが足りなくて面白いというところまでは昇華しきれてなかった。何よりも殺人に結びつけてしまうのが、共感覚者にとって失礼なんじゃないか、というのが見終わっての印象。ラストシーンは綺麗だったんだけどなぁ。

 宮崎あおいは相変わらずうまい。こういったふてくされた少女ってのははまり役。アブない芸人、鳥肌実もヤクザ役で出てますが、映画の脚本家では彼の個性は生かし切れないみたい。

松浦徹監督。2004年日本映画。

2007年4月 9日 (月)

キューティ・ブロンド (2001)

キューティ・ブロンド カリフォルニアで女性社交クラブの会長を務めるエル(リース・ウィザースプーン)。ところが弁護士を目指す恋人ワーナー(マシュー・デイヴィス)に「弁護士の妻にブロンドはいらない」と棄てられたことから、彼を追ってハーバードの法学部を目指す。見事に難関の入学試験を突破した彼女だったが…

 冒頭の10分ぐらい、ピンクの画面にきゃぴきゃぴの女性社交クラブライフがこれでもかといった風に描かれるのを見て激しい拒絶反応を感じたのだが…一転してハーバードのロースクールに場面が変わってからはがぜん面白くなる。頭の中はファッションしかない…はずのエルが、持ち前の行動力を武器にロースクールでぐんぐんはい上がって行く。

 ちょっと出来過ぎじゃない、というきらいはあるんだけど、気がつくと彼女を応援してしまっている元気が出るムービーです。リース・ウィザースプーンは「メラニーは行く!」ではそれほど注目してなかったんだけど、「ウォーク・ザ・ライン」と本作を見てちょっとはまってしまいました(見た順番がめちゃめちゃですみません)。

 同類の映画として「エリン・ブロコビッチ」が浮かんだんだけど、キャピキャピの女子大生と、子持ちの女性(タイプは似ているのだが)では映画の雰囲気はがらっと違いますね。

ロバート・ルケティック監督。2001年アメリカ映画。

2007年4月 6日 (金)

追憶 (1973)

追憶 第2次大戦中のアメリカ。ケイティ(バーブラ・ストライサンド)は軍服を着た大学時代の友人ハベル(ロバート・レッドフォード)に出会い自分のアパートに誘う。学生運動家の彼女とノンポリのスポーツマンという全然違うタイプにかかわらず、やがて二人は恋に落ち… 第2次大戦からスペイン内戦、そしてアカ狩りの時代を背景に20年に渡る二人の軌跡を描いた辛口のラブストーリー。

 最初に見たのは20代の頃だったんだけど、とにかく気の強いケイティの行動が鼻について全然面白くなかった。描き方にもメリハリがなく、注意して見てないと二人はいつ結婚していつ離婚したのかもわからなくなりそう。でも40を過ぎて今見ると…これは結構深い映画です。すっかりはまってしまいました。

 鼻持ちならないケイティにもかかわらず、彼女が女性の支持を集めるのはやっぱりその妥協のない生き方でしょう。納得できないことには声を上げずにいられない、拳をあげずにいられない性格、不器用な生き方しかできないのに、結局彼女は最初から最後までハベルが好きだったという部分がぐっとくる。別れる前の最後の言葉も「せめて子供が生まれるまで一緒にいて」だもんなぁ。これは泣けるわ。

 しかしこんなケイティがなんでノンポリのハベルに惚れたんだろうかというと…これは当時はなかった言葉なんだけど、ハベルは間違いなく「癒し系」ですね。しかもごくごく普通の男。軍人から脚本家になっていくあたりは才能はあるんでしょうけど、どちらかというと世渡り上手で波風立てないタイプです。

 スタンダードになっている主題歌がやっぱりいいです。映画の雰囲気にぴったり。この頃は名画に名曲ありでした。THE WAY WE WEREという原題も内容を的確に現していていいです。

シドニー・ポラック監督。1973年アメリカ映画。

2007年4月 5日 (木)

ダーク・ウォーター (2004)

ダーク・ウォーター 離婚調停中のダリア(ジェニファー・コネリー)は娘のセシリア(アリエル・ゲイド)を連れてニューヨーク・ルーズベルト島の安アパートへ引っ越してくる。ところが天井にあった黒いシミがどんどん大きくなり、汚水がしたたり落ちてきた。実は彼女たちの住むひとつ上の10Fにはある秘密があり…

 鈴木光司原作で、中田秀夫監督が映画化した「仄暗い水の底から」のハリウッド版リメイク。「仄暗い?」は未見なんだけど、なんとなく日本版の雰囲気はこんな風かなと想像できるような内容。ハリウッド版でもじと?っとした古アパートの空気が秀逸で、その管理人の不気味さとも相まってなかなかの効果を上げている。同じニューヨークなのに、ロープウェイを使わなくちゃ行けない孤島という舞台設定も良い。

 でも…こじんまりとまとまったJホラーはやっぱりハリウッドで再現するのは難しいんじゃないかなぁと思った。ジェニファー・コネリーは頑張ってるし、子役のアリエル・ゲイドもうまい。脚本もどこかで聞いたことがあるようなストーリーではあるが、悪くない。でもハリウッド・リメイクと聞くと、どうしてももっと派手なものを期待してしまうのである。

 死んじゃうってのは本当に最善か? 娘のことを思えば…

ウォルター・サレス監督。2004年アメリカ映画。

2007年4月 3日 (火)

ビーン 劇場版 (1997)

ビーン 劇場版 イギリスが所蔵する名画「ホイッスラーの母」がロスに買い戻されることになり、付き添いの学芸員としてビーン(ローワン・アトキンソン)が指名される。実は彼はイギリスではやっかい者で、そうとは知らないアメリカの画商デビッド(ピーター・マクニコル)は彼を自宅へ泊めることにするのだが…

 イギリスの有名なテレビシリーズである「ミスター・ビーン」の劇場版。テレビはほぼサイレントのパントマイムみたいなものらしいが、この劇中のビーンはただの奇行が目立つイカレポンチって感じで、笑えるかどうかは運次第ってところ。oga.的には笑えるパートもそこそこあったんだけど、かなりきついシーンも多かったな。

 なお吹き替え版はオリジナルよりもしゃべりまくりで、実はoga.の息子は最初から最後まで笑いっぱなし。どうも彼(小学生です)には波長が合うようである。事あるごとに「ビーンが見たい」といってこのビデオを見ている始末。

 それにしても…大丈夫か、ホイッスラーの母。ポスター貼っただけで見破られないってのがある意味風刺なのかな。見つかった時のビーンの処遇を思うと、ちょっぴり心が痛むぞ。

 将軍役で、バート・レイノルズが出ています。ちょっともったいない感じだけど。あと、大げさな音楽が良いです。

メル・スミス監督。1997年アメリカ映画。

2007年4月 2日 (月)

サハラに舞う羽根 (2002)

サハラに舞う羽根 19世紀、イギリス軍は女王陛下の名のもとに、世界の1/4を支配していた。ハリー(ヒース・レジャー)は軍人である父の影響でイギリス軍の士官となり、エスネ(ケイト・ハドソン)という美しい女性と婚約して順風満帆の人生に思えたが、アフリカのスーダンへの出撃命令が出る。悩んだ彼は除隊するのだが、臆病者を表す4枚の羽根が送りつけられ…

 A.E.W.メイソンの古典「4枚の羽根」を映画化。邦題どおりの壮大な砂漠を舞台にしたある意味スペクタクル映画なんだけど、思ったほど話題にならなかったのはやはりドラマ部分の弱さかも。

 軸になるのはハリー、エスネ、ジャック(ウェス・ベントリー)の三角関係。出撃命令が出たとたんに除隊したハリーは、エスネとうまくいかなかったので今度は個人的にスーダンに乗り込み、現地の傭兵アブー(ジャイモン・フンスー)になぜか助けられて危機を乗り切るのだが、エスネはジャックと婚約してしまい…というのが主だったストーリー。なんか波瀾万丈でおもしろくなりそうなんだけど、イマイチ「なんで除隊」「なんで助ける」「なんでくっつく」と疑問符ばかりが頭に浮かんですっきりしない。このあたりはoga.の頭では1回見ただけでは読み解くことができなかった。頭悪くなったのかなぁと思ってしまった。

 とはいっても、砂漠のシーンは迫力満点で見応えがありました。特にイギリス軍が方陣を組んで反乱軍と戦うシーンは一見の価値があります。

シェカール・カブール監督。2002年アメリカ=イギリス合作。

2007年3月31日 (土)

アンブレイカブル (2000)

アンブレイカブル フィラデルフィアで大規模な列車事故が起こり、デヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)を除いた乗客131名がすべて死亡してしまう。生き残った彼の車に「リミテッド・エディション」という招待状がはさまれ、その店の店主イライジャ(サミュエル・L・ジャクソン)は自分が病気であることを告げる…

 あの「シックス・センス」のM・ナイト・シャマラン監督・脚本の映画。こりゃ一筋縄じゃいかないぞと構えて見たわけですが…確かに一筋縄じゃいかなかった。列車事故でなぜ生き残ったかというあたりからわくわくさせてくれる内容なんだけど、れいによって情報を小出しにする語り口なので見ている間はかなりフラストレーションがたまることしきり。でも、物語がどっちへ転がるか見届けたいという気持ちの方がだんだん大きくなってくるんですよね。そして…シャマランお得意のラストのオチへと転がっていく。今回もええっと思うようなラストが用意してあるので、これから見る方へは頑張って下さいとエールを送りたい気持ちです。

 ちなみに…キーワードは劇中に何回も繰り返されているように「アメコミ」です。すぐに骨が折れてしまう病気のサミュエル・L・ジャクソンの見せ方がうまいです、うならされます。

M・ナイト・シャマラン監督。2000年アメリカ映画。

2007年3月30日 (金)

ウォーク・ザ・ライン 君につづく道 (2005)

ウォーク・ザ・ライン 貧しい農家に生まれたジョニー・キャッシュ(ホアキン・フェニックス)は幼いときに最愛の兄を丸ノコの事故で亡くす。成人したジョニーはヴィヴィアン(ジニファー・グッドウィン)と結婚するがセールスの仕事がうまくいかない。ところが趣味のバンドをレコード会社へ売り込みに行ったことから歌手となり、ツアー生活でかつてファンだった歌手のジューン(リース・ウィザースプーン)と知り合うのだが…

 実在のカントリー&ロック歌手ジョニー・キャッシュの半生を描いた伝記ドラマ。ミュージシャンの定型パターン(?)なのか、先日見た「Ray レイ」とそっくりの展開で、幼児期のトラウマ、デビュー、こじれた女性問題、ドラッグ、そして再起というのはまったく同じ。そして音楽映画ではネックにもなりうるライブシーンだけど、これはホアキンとリースが実際に歌っているらしい。本家ジョニー・キャッシュの歌声を知らないという部分をさっ引いてもこりゃ凄いです。

 それにしても…オープニングは強烈ですね。刑務所の丸ノコをなでるジョニー、兄の思い出が浮かんでくる、父親の言葉… まさに頭をガツンとやられたかのような重さは印象に残ります。

 リース演じるジューンとの関係もちょっと前妻や子供たちのことを考えるとしっくりいかないんだけど、これだけじっくりと描かれたらしゃあないかなという感じ。ドラッグが描かれるあたりでは、このまま死んでしまうのかと思ったけどちゃんと再起します。人間って意外と丈夫にできてるんだと思います。

ジェームズ・マンゴールド監督。2005年アメリカ映画。

2007年3月29日 (木)

チャーリーズ・エンジェル・フルスロットル (2003)

チャーリーズ・エンジェル・フルスロットル チャーリーの探偵事務所に勤めるナタリー(キャメロン・ディアス)、ディラン(ドリュー・バリモア)、アレックス(ルーシー・リュウ)の今回の任務はテロリストによりモンゴルに拉致された政府要人を救出すること。持ち前の美貌と変装で潜入していった彼女たちだったが…

 70年代の人気テレビシリーズの映画化第2作。今回はゲストスターにデミ・ムーア(これまたチャーリーズと同じくちょっと懐かしい?)を迎えて豪華にバカ騒ぎ…というノリで、頭をからっぽにして見ないと置いていかれてしまうこと請け合い。70年代のチャーリーとはまったく異質なので、ファンが見たら面食らうかもしれない。

 個人的には冒頭の3人のダンスと、ムササビ飛びが最高に楽しかった。007でもそうだけど、高いところから落ちる=死ぬ、ってことにならないのが凄いです。この作品あたりから、CGは何でもできるってことで逆に価値を失っていったような気がする。

マックG監督。2003年アメリカ映画。

2007年3月27日 (火)

レプリカント (2001)

レプリカント 母親ばかりを狙う連続殺人事件が発生し、刑事ジェイク(マイケル・ルーカー)は引退したにもかかわらず犯人を追う。ところが国家安全保安局(NSA)に呼び出されたジェイクは現場に落ちた毛髪から再生された犯人のクローン(ジャン・クロード・ヴァン・ダムの二役)が存在することを知り、彼のお守りをまかされる。

 ヴァン・ダムが犯人とそのレプリカントという二役を演じるアクションSF。どちらかというとSFよりもアクション色が強い内容で、ヴァン・ダムのひとり対決が楽しめる。犯人は長髪にサングラス、レプリカントは短髪と見た目の違いがはっきりしているのでストーリーで混乱することはない。ぼ?っと見ていても、置いてけぼりを喰らうことなく楽しむことができる。

 久しぶりに見たヴァン・ダムなんだけどアクションスターとして微妙な立場にいますね。競演のマイケル・ルーカーの方が主役っぽくがんばっていたような印象が。ラストのオチは、殺されると思っていただけに意外とあと味が良くてよかったと思います。

リンゴ・ラム監督。2001年アメリカ映画。

2007年3月26日 (月)

空海 (1984)

空海 大学へ通うために奈良へやって来た真魚(北大路欣也)は、桓武天皇(丹波哲郎)から都が京都へ移されることを告げられる。大学は中退して乞食の姿で行脚をしていた真魚は、名前を空海と改めて遣唐船に乗ることを決意する。

 密教の奥義を日本へ持ち帰り、真言宗の教祖となった弘法大師こと空海の壮絶な一生を描いた伝記映画。3時間の長尺である上に、どちらかといえばエンタテインメント映画の監督である佐藤純彌がメガホンを取っただけにかなり怪しいカットも多い。特にぶっとぶのは曼荼羅のシーンで、映画好きなら一見の価値はあるかも。ツトム・ヤマシタの電子音を使ったピポパ音楽も、今となっては逆に新鮮さを感じる。

 北大路欣也の空海はいかにもエネルギッシュな感じながらも優しさがにじみ出ていて、弘法大師ってこんな雰囲気だったかもしれないと思わせてくれる。対する加藤剛の最澄はインテリ風と、タイプがまったく違ってそのぶつかり合いが面白い。

 実物大の遣唐使船の建造や、中国ロケなど、「天平の甍」ほどではなかったが当時はそれなりに話題になった作品なのだそうだ。

佐藤純彌監督。1984年日本映画。

2007年3月23日 (金)

チャーリーズ・エンジェル (2000)

チャーリーズ・エンジェル ナタリー(キャメロン・ディアス)、ディラン(ドリュー・バリモア)、アレックス(ルーシー、リュウ)の3人は姿を現さないチャーリーの経営する事務所で働く探偵。今回の依頼は、行方不明の会社経営者ノックス・ノックスを探し出すこと。かくして彼女たちの危険なアドベンチャーがはじまった…

 70年代の人気テレビシリーズを映画化。これはリアルタイムに見てました。ファラ・フォーセット・メジャーズ主演ですね。懐かしいです。なぜか大阪ガスのコマーシャルを思い出しました。

 しかし映画版は…チャーリーが声だけで登場するのと、主演が美女3人という部分以外はまったく別物と言えるぶっとんだバカ映画。このアメコミとも劇画とも言えそうなアクションの連続には、もうひたすらしがみついて楽しむしかありません。ある意味、香港映画をお手本にしてハリウッド風に仕上げたらこうなった、というところでしょうか。

 キャメロン、ドリュー、ルーシーというのも絶妙なトリオです。単なる小娘でなく、華があるのに一癖も二癖もあるところがいいです。カンフーで戦う3人の決めのポーズにも嫌みがなく、がんばれぇと応援したくなります。アジア系のルーシーを入れたところが今風かな。

マックG監督。2000年アメリカ映画。

2007年3月22日 (木)

クラッシュ (2004)

クラッシュ 12月のロサンゼルスで大きな追突事故が起きる。その1日前… 警官ライアン(マット・ディロン)は黒人と白人の夫婦(テレンス・ハワード、サンディ・ニュートン)の車を止め、セクハラ行為を行う。雑貨店主人のファハド(ショーン・トーブ)は娘(バハー・スーメク)の反対を押し切って護身用に銃を買う。黒人の2人組(リュダクリス、ラレンツ・テイト)は白人夫婦(ブレンダン・フレイザー、サンドラ・ブロック)の車を盗み、ダニエル(マイケル・ペニャ)は幼い娘に「透明のマント」を着せて寝かしつけていた… これらのエピソードがやがて交差して…

 2005年度のアカデミー作品賞、脚本賞、編集賞を受賞。確かに秀作ではあると思うし後半の何カ所かでは背中がぞくぞくっとくるような感動も覚えたけど、オスカーだと言われないと見過ごしてしまった映画かもしれないのは確か。普遍的なメッセージというよりも、アメリカがアメリカに向けたメッセージがこめられているととるべきなのかな。

 とはいってもロスという町の持つ空気や、住む人間の息づかいがスクリーンからしっかり伝わってくるのは確か。背景には今なお残る人種差別がべったりとくっついているのだが、単純なメッセージではなく例えばDVDジャケットにもなっているマット・ディロンのからむエピソードでは「なぜ」「どうして差別主義者になった」がしっかり描かれているのが特筆ものである。

 5?6のエピソードが同時進行する群像ものだけど、登場人物さえしっかり押さえておけば迷子になることはない。ところでサンドラ・ブロックの陰が薄いのはなぜ? この映画の主役は誰?

ポール・ハギス監督。2004年アメリカ映画。

2007年3月21日 (水)

ロード・オブ・ウォー (2005)

ロード・オブ・ウォー ウクライナからアメリカへ家族で移民したユーリー(ニコラス・ケイジ)は、ギャングの銃撃戦を目撃したことから武器商人になろうと決意する。弟のヴィタリー(ジャレッド・レトー)と共に中東や南米、旧ソビエトなどの紛争地帯を巡り武器の売買を繰り返して頭角を現し、モデルで夢の女だったエヴァ(ブリジッド・モイナハン)にもプロポーズする。ところがインターポールのバレンタイン(イーサン・ホーク)がユーリーをしつこくマークして…

 架空の武器商人の半生を描いた作品。まさにニコラス・ケイジにとってはぴったりのはまり役。彼がいかにして世界のダークサイドに手を染めていったかが克明に描かれる。本来は社会の敵、人間の敵として蔑まれるべき武器商人が生い立ちからはじまって彼自身の目線で描いてあるので、同情的な目線で見てしまうのが不思議。ニコラス・ケイジが演じているから、というわけではあるまいが。

 結局…中途半端な悪事は儲からないけど、突き抜けた悪事は儲かるってことを意味しているような。反面教師にするならいいけど、これを見習おうという人がいるのであれば非常にキケンな映画。すべてを失いながらも捕まりもせずにぴんぴんしているユーリーを、幸せと見るか不幸と見るかは人それぞれでしょう。しかし彼は間違いなく、最後はゴルゴ13みたいな刺客に暗殺されると思うぞ。

アンドリュー・ニコル監督。2005年アメリカ映画。

2007年3月20日 (火)

ルパン (2004)

ルパン 少年時代のアルセーヌ・ルパン(ロマン・デュリス)は父の手引きで、住んでいた公爵の屋敷からマリー・アントワネットの首飾りを盗み出す。ところがその父は翌日死体となって見つかり、ルパンは屋敷を追い出される。やがて成人したアルセーヌは再会した従兄弟のクラリス(エヴァ・グリーン)と恋に落ちるのだが、カリオストロ伯爵夫人(クリスティン・スコット・トーマス)を助けたことから王家の財宝を巡る騒動に巻き込まれ…

 モーリス・ルブラン原作のルパン生誕100周年記念映画。「カリオストロ伯爵夫人」が原作とのことだが、何やら「813の謎」や「奇巌城」も登場してそれぞれの作品がぐちゃっとミックスされている印象。ルパンを読んだのが子供時代なので、どこがどうくっついているのかさっぱり思い出せないぞ。

 物語は妖艶な悪女カリオストロ伯爵夫人とルパンの対決、そしてルパン自身の複雑な父子関係とそのトラウマを中心に(かなり、いや、相当に強引な展開だが)進んでいくんだけど、十字架をめぐる謎解きと宝探しがあったり、爆弾をめぐるアクションがあったりとフランス映画とは思えないほどのジェットコースターぶりで、ぼ?っと見てると観客はふり落とされるかもしれない。フランス映画だから何があっても許されるという、ゴージャスで重厚な雰囲気が全編にただよっているのも確か。

 ルパンを演じるロマン・デュリスはなかなかのはまり役。カリオストロ伯爵夫人のクリスティン・スコット・トーマスも、熟女の妖しさ爆発といった感じで雰囲気たっぷり。しかし成人したルパンが最初に登場した船のシーンに「何だ、ルパンってただのこそ泥やん」と思ってしまったのは私だけ?

ジャン・ポール・サロメ監督。2004年フランス=イタリア=スペイン=イギリス合作。

2007年3月19日 (月)

エニイ・ギブン・サンデー (1999)

エニイギブンサンデー スランプのプロフットボールチーム「マイアミ・シャークス」ではさらにクオーターバックのジャック(デニス・クエイド)が故障。コーチのトニー(アル・パチーノ)は、若い女性オーナー・クリスティーナ(キャメロン・ディアス)の口出しで無名選手のウィリー(ジェイミー・フォックス)を起用する。ところが思わぬ好調のウィリーはすっかり天狗になり、自分勝手なプレイを繰り返す羽目に…

 オリヴァー・ストーン監督の描く社会派骨太フットボール映画。冒頭は試合のシーンばかりで、これひょっとして100%試合だけの映画!?なんて思ったんだけど事実は違った。続けたら廃人になるぞと脅されつつも続けるジャック、彼の穴を埋めての思わぬ好調にチームの和を乱す新人ウィリー、ウィリーをなんとかコントロールしようとするベテランコーチとここまではスポ根映画のパターン的展開なんだけど、チームオーナーのクリスティーナがからんで来る事で内容ががぜん面白くなってくる。こりゃ「あしたのジョー」的パターンやな、と思ってたら、クリスティーナーは後半あんまり活躍なし。ゲスト的に出演のチャールトン・ヘストンや、医者のジェームズ・ウッズに場をさらわれて「ロンゲスト・ヤード」的フィナーレへもつれこんでいくといった展開。

 エキサイティングな試合シーンがふんだんに用意されていて、2時間半はとっても短く感じられた。難を言えばアル・パチーノが小柄すぎて元アメフト選手に見えなかったことかも。

オリヴァー・ストーン監督。1999年アメリカ映画。

2007年3月16日 (金)

マイノリティ・リポート (2002)

マイノリティ・リポート 2054年のワシントンDCは凶悪犯罪がまったくない安全な町になっていた。その方法は、3人の予知能力者プリコグを使って犯罪を起こすであろう人物をあらかじめ逮捕すること。その捜査官であるジョン・アンダートン(トム・クルーズ)は新しい予言により自分が犯罪を犯すと告げられる。隙を見て逃げ出したジョンは、追われながらもプリコグの秘密を探るのだが…

 フィリップ・K・ディックの短編をスピルバーグが映画化。主人公のジョンが息子を凶悪犯罪で失ったという過去がフラッシュバックされるのがなんとも重苦しく、作品のトーンを決定づけている。予知から犯人逮捕までのプロセスが小気味よく映像化されており、序盤からすんなり映像世界に入っていけるのはスピルバーグならでは。これは面白い。網膜を使ったマーケティングや、小型のクモのような探知機などSF的小物の使い方も冴えてます。個人情報保護が叫ばれなかったら、本当にこういった未来へ突き進んで行ったんじゃないかと思わされます。

 俳優として強烈に印象に残るのは、超能力者プルコグことアガサ(サマンサ・モートン)。彼女の他の出演作の「ギター弾きの恋」といい「イン・アメリカ」といい、ただ者ではない予感。最近ではスカーレット・ヨハンソンと同じくらい好きな女優さんです。ブレイクすることを望みます。他にもコリン・ファレルやマックス・フォン・シドーが出てます。

 やってないのに逮捕されちゃうというあたりの矛盾が、この作品のポイントかな。同じスピルバーグの近未来映画として、A.I.と見比べるのも面白いかも。

スティーブン・スピルバーグ監督。2002年アメリカ映画。

2007年3月15日 (木)

ふたりにクギづけ (2003)

ふたりにクギづけ ウォルト(グレッグ・キニア)とボブ(マッド・デイモン)は腰の部分がくっついた結合双生児の兄弟。2人のチームワークでハンバーガーショップを経営しているのだが、兄ウォルトは俳優になる夢を持っている。3年越しのメル友メイ(ウェン・ヤン・シー)のことを想うボブと意見が一致して、2人はハリウッドに向かって旅立つのだが…

 結合双生児をテーマにしたコメディ。といっても湿っぽいものではなく、ひたすら体がくっついていることをギャグにして笑わせてくれるいかにもハリウッドといったカラっとした作品。逆転の発想で、彼らにしたらくっついていて当たり前、離れてしまうと逆にバランスが悪くなってしまうんですね。

 それにしても…全然似ていないグレッグ・キニアとマッド・デイモンを合体させて強引に双生児にしちゃうところがアイディアものかも。このルーツはシュワちゃんの「ツインズ」あたりにあるのかもね。競演陣も豪華で、グラマーなエヴァ・メンデスをはじめゲスト出演的にシェールとメリル・ストリープも実名で出てます。

ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー共同監督。2003年アメリカ映画。

2007年3月14日 (水)

座頭市 (2003)

座頭市 とある宿場町にやって来たのは、盲目のあんまでありながら実は居合いの達人・市(ビートたけし)、用心棒を志望する浪人の服部源之助(浅野忠信)と妻おしの(夏川結衣)、美人の芸者姉妹だが実は殺し屋のおせい(橘大五郎)おきぬ(大家由祐子)の3組。彼らを利用しようとするヤクザと商人の間で、やがて壮絶な戦いがはじまる。

 座頭市といえば勝新太郎というイメージは、フランケンシュタインの怪物といえばボリス・カーロフというぐらいに日本人の頭にはすり込まれているんだけど、本来は子母沢寛の小説ってことでビジュアルにこだわる必然性はないんですね。というわけで登場したビートたけしの座頭市で、彼のいでたちは金髪・短髪のおやじ。でもなんかハマっているというか、当の市もボケをかましながらとても楽しませてくれた快作。

 時代劇ではあるんだけど、アクションやらギャグやらダンスやら血しぶきやら古さをなんとか払拭してあくまでも21世紀の時代劇を作ってるんだという気合いが感じられる。時代劇を食わず嫌いしている方におすすめってところだろうか。

北野武監督。2003年日本映画。

2007年3月13日 (火)

メリンダとメリンダ (2004)

メリンダとメリンダ 脚本家のサイ(ウォーレス・ショーン)とマックス(ラリー・バイン)はパーティの席上で人生は悲劇か喜劇か、で議論になり、同じ主人公メリンダ(ラダ・ミッチェル)を使いそれぞれのストーリーを語り始める。

 1本で2度おいしい、というわけではないけれど、メリンダという女性を軸にして悲劇と喜劇の2つのストーリーを描いた面白い構成の映画。ところが彼女はヘアースタイルが異なるだけであとはまったく同じなのでややこしい。見ていてかなり混乱した。

 基本的なプロットは、メリンダが友人夫婦(ウイル・ファレルとアマンダ・ビート、又はジョニー・リー・ミラーとクロエ・セヴィニー)のパーティーを訪ねる。やがてその夫婦と回りの人間関係の問題に巻き込まれていくというもの。ニューヨークのちょっとハイソな人たちの人間模様、というアレン独特の世界は健在。でも面白かったかときかれるとちょっと疑問符が残る。

 主人公のメリンダことラダ・ミッチェルが魅力的なこと、ウイル・ファレルのなさけな(く見える)演技が楽しめたのが救いかな。監督自身は今回は出演してないけど、その役割を担っているのはウィル・ファレルでしょう。ラスト近くの一連のどたばたはそれを強く感じさせてくれます。

ウディ・アレン監督。2004年アメリカ映画。

2007年3月12日 (月)

Ray レイ (2004)

Ray レイ 1930年代、ジョージアの片田舎に生まれたレイ・チャールズ・ロビンソン(ジェイミー・フォックス)は気丈な母アレサ(シャロン・ウォーレン)に育てられる。貧困、弟の溺死、自身の失明とどん底の生活を歩みながら、やがて音楽の才能を開花させシアトルのアトランティック・レコードと契約する。歌手のテラ・ビー(ケリー・ワシントン)と結婚して順風満帆の人生だったのだが…

 伝説のソウル歌手レイ・チャールズの伝記映画。2時間半という長尺にもかかわらず、名曲がぐわぁっと散りばめられていてとにかく音楽の魔力でぐいぐいと引っ張っていってくれる。そっくりさんに加えて、迫真の演技でアカデミー主演男優賞まで穫ってしまったジェイミー・フォックスだけど、一部の曲は実際に歌ってたり、ピアノも自身で演奏していたというのだから恐れ入る。ショウビジネスに関しては、ハリウッドはやっぱスゴいです。

 ドラッグ、女癖の悪さ、過去のトラウマとここまで描いちゃっていいのというところまでレイの人生に踏み込んだ内容も賞賛に値する。こんな人生を歩んでる人だから、あんな名曲の数々が作れたのか。それにも増して、彼を大成させた母アレサと妻ビーにも拍手を送りたい気持ちになる。一番偉かったのは、この2人の女性なんじゃないだろうかと思うのだ。

テイラー・ハックフォード監督。2004年アメリカ映画。

2007年3月10日 (土)

ザ・コア (2003)

ザ・コア ボストンでペースメーカーを付けていた人が大量死する。同じ頃、ロンドンでは鳩の大群が暴れ始め、成層圏ではスペース・シャトルがコントロールを失っていた。一連の事件は地球の核(コア)が停止したためであり、放っておくと地球は滅亡する…ってことで、選ばれた科学者や軍人たち(アーロン・エッカート、ヒラリー・スワンク、デルロイ・リンドー、スタンリー・トゥッチ、他)は地下にボーリングすべく核爆弾を積んだ新型艇で地球の中心を目指すことに…

 冒頭からして大作パニック映画的なケレン味たっぷりの演出に、こりゃ凄いぞ…と期待させられたんだけど、見事にずっこけてくれました。とはいってもB級SFが好きな方(oga.も含みますが)にとってはどきどき、わくわくの地球の中心を目指した冒険談。人がばたばたと死ぬところがちょっと軽さに水を差しているけど、ハイテク艇の建造からはじまって水晶の洞窟とかビジュアル的に楽しめる仕掛けがいっぱい。それだけに以降の単調な展開にはちょっぴりがっかりしました。マントルや核の中を映像化しようというチャレンジ精神には頭が下がるのですが。

 地底を描いたSF映画もいろいろありましたが、ほとんどが洞窟や裂け目をどんどん下っていくもの。こういう自力でどんどん掘っていく(途中からは潜っていく?)ものは初ではないでしょうか。

 なお核が止まっただの、地中に潜っていくプロセスだの、核爆発で再び核を動かすプランなどは素人目にも超強引。これがB級なんだと笑い飛ばして楽しむのが本作の正しい鑑賞法かも。後にアカデミー賞女優となったヒラリー・スワンクが軍人役でがんばってます。

ジョン・アミエル監督。2003年アメリカ映画。

2007年3月 9日 (金)

リトル・ロマンス (1979)

リトル・ロマンス パリに住む少年ダニエル(テロニアス・ベロナール)は、ベルサイユ宮殿で出会ったアメリカ人の少女ローレン(ダイアン・レイン)と意気投合しデートに誘う。ところが母が女優で父親が何回も変わっている複雑な家庭の彼女はアメリカへ帰ることになり、2人の共通の友人の老人ジュリアン(ローレンス・オリヴィエ)にベニスのため息橋の下で日没にキスした恋人は永遠に結ばれるということをきく。かくして家出した2人とジュリアンのイタリアへの旅がはじまった…

 タイトルどおりのリトル・ロマンスを描いた作品で、「小さな恋のメロディ」と並んでかつての少年少女に大人気だった映画。ただし微妙に世代がずれてるoga.は今回初めて見ることができた次第。ダイアン・レインといえば「ストリート・オブ・ファイア」の鮮烈な印象が強いんだけど、こんな可憐な時代もあったんですね。もっとも最近見た「トスカーナの休日」と基本的に顔が変わってないのは凄いと思ってしまった。対するテレニアス・ベルナールはぬいぐるみ系の顔立ち(笑)。華麗なる一発屋で終わってしまったみたいですが。

 もうひとつ驚いたのが、これってあのジョージ・ロイ・ヒル監督だったってこと。しかも自身の監督した「スティング」「明日に向かって撃て」を冒頭に使うといった念の入れよう。主人公の少年が映画ファンで、彼らのセリフや仕草をまねする、なんてシーンもあるんだけどこのあたりはちょっと無理があったみたい。今は亡きローレンス・オリヴィエは抜群の存在感で、老練なスリを演じて2人をバックアップしてます。

 どうしても大人の目線で見てしまうのが苦しいところだけど、無鉄砲な2人はいかにも少年少女って行動をしてほほえましい。それをきちんとフォローするローレンス・オリヴィエがこれまた良い雰囲気を作っている。イタリアのからっと晴れた青空が舞台としては最高。余韻を残すラストも逸品。このあとの2人の運命に思いを巡らす内容は、大人と子供ではまったく違うものなんでしょうね。

ジョージ・ロイ・ヒル監督。1979年アメリカ映画。

2007年3月 8日 (木)

バトル・ロワイアルII 鎮魂歌 レクイエム (2003)

バトル・ロワイアルII 前作で生き残った七原(藤原竜也)はゲリラ組織「ワイルドセブン」を結成し、首都を爆破して大人たちに宣戦布告する。ところが新BR法のもとで大人たちは不良が集まる中学の1クラスに武器を持たせ首輪をはめ、七原の潜伏する無人島への攻撃を命令する。

 大ヒットしたバトル・ロワイアルの続編であり、クランクイン直後にガンで逝去された深作欽二監督の遺作。しかし…大人たちに子供が宣戦布告する映画だけに、息子の深作健太監督にバトンタッチした時点で何かが終わっているような気がしないでもない。

 とはいっても、前作に感じたもやもやっとしたものが晴れたのは、最初は大人にあやつられての不良少年対七原の戦いだったのにもかかわらず、後半は子供(少年?)たちの連合軍対大人の軍隊の戦いというまともな状態に戻っているので安心して(?)見ていられること。でもそうなると不思議なもんで、予定調和してるだけに映画自体が終わってもあんまり印象に残らないんですよね。

 とにかく登場人物が多彩でそれぞれにがんばってるんだけど、ひとつの映画としてまとめきれていないという印象。一瞬しか出ない千葉真一のテロリストとか、キレまくりに竹内力とか、本当にテロリストに見える藤原竜也とか、妙にもの悲しくなっちゃったビートたけしとか… 本当の敵は津川雅彦演じる総理大臣かもしれないね。彼こそ、全大人(選挙権のある20歳以上)が間接的にではあるにせよ選んだ大人の代表だ。

 この映画の最大の問題点は、テロを仕方がないことと描いているわりにはテロに走る理由がはっきりしないこと。世界の子供たちの平和を願うのに、都庁爆破は必要? そりゃ竹内力も怒るわな。

深作健太、深作欽二共同監督。2003年日本映画。

2007年3月 6日 (火)

バトル・ロワイアル (2000)

バトル・ロワイアル 失業者があふれてモラルが極端に低下、不登校者も爆発的に増えた近未来の日本。修学旅行に向かう中3の七原(藤原竜也)、中川(前田亜季)、川田(山本太郎)、千草(栗山千明)、相馬(柴咲コウ)、桐山(安藤政信)ら42人が乗るバスは軍隊に孤島へと連れ去られる。そこへ現れたかつての担任キタノ(ビートたけし)は彼らに殺し合いを命じる。3日後に生きて島を出られるのはたったの一人…

 高見広春の小説を深作監督が映画化。国会をも巻き込んで社会問題にさえなった話題作をついに鑑賞することができた。こりゃスティーブン・キングの「死のロングウォーク」と映画版の「バトルランナー」を足して割ったような内容に思えたんだけど、ロングウォークの方は少年たちの自由意志で殺し合いに参加って部分だけまだ救いようがある。殺し合いを強要されるってのは本当に救いがなく、まさに地獄である。考えるだけで気分が悪い。

 それにしても映画を見てるだけでは説明が舌足らずで、なぜ大人が子供を殺し合わせるのかが納得できない。子供たちもなぜほとんどが大人に言われるがままに殺し合うのかがわからない。oga.的な発想では怒りの矛先はこのゲームを考えた者であり、島に送り込んだ連中、そして教師だろう。一致団結して戦えばいいのに、と最初は思ったのでいらいらしたのだが…

 でもこの映画の展開は本物だろう。生徒それぞれの生き方がその行動に反映されて、自殺するものから無差別殺人に走る者、そして殺人ゲームのシステムにハッキングしようという者までさまざまな生き方が描かれる。極限状態ってのは、やっぱりこんなものだろうなと思わせてくれる。甘えがない。

 この殺し合いが法律(通称BR法)になっているというのがキモだと思う。法律(ルール)を作って、その土俵で喰い合いをさせる。強い者が生き残る。アメリカ的民主主義に対する皮肉みたいなものを感じる。そこまで深い映画じゃないのかもしれないけど。

深作欽二監督。2000年日本映画。

2007年3月 5日 (月)

S.W.A.T. (2003)

S.W.A.T. 作戦の遂行失敗からスワットを追われたストリート(コリン・ファレル)だったが、ホンド隊長(サミュエル・L・ジャクソン)率いる新チームの隊員にと引き抜かれる。過酷な訓練に耐えた彼らに、麻薬王アレックス(オリヴィエ・マルティネス)の護送命令が出される。ところがアレックスは自分を脱獄させた者に1億ドルを支払うとマスコミに吹聴したために、ホンドの一団は町中を敵にまわすことになり…

 70年代の人気テレビシリーズ「特別狙撃隊S.W.A.T.」の映画化ということだが、見てなかった(笑)のでテーマ曲になんとなく聞き覚えがあるぐらいで他は思い入れはなし。というわけで、普通のアクション映画として見たんだけど、面白くなりそうなアイディアが盛り込まれながらも意外と平凡な出来でした。

 「自分を助けたら1億円」と言われて大混乱ってのは本当に無法地帯って印象だけど、それにしては混乱のスケールが小さく思ったほどはじけなかったのは残念。ラストの飛行機のアクションも面白くなりそうだったんだけど、「シシリアン」にはかなわなかったという感じです。

 本来はアクの強いコリン・ファレルだけど、ここでは正当派の主役のデキル好青年を演じていて、かえって影が薄いのが残念です。

クラーク・ジョンソン監督。2003年アメリカ映画。

2007年3月 3日 (土)

インソムニア (2002)

インソムニア アラスカの田舎町で、17歳の少女が殴り殺されるという事件が起こる。ロサンゼルスの刑事ウィル(アル・パチーノ)は相棒のハッブ(マーティン・ドノヴァン)と捜査の応援にやって来る。彼らを迎えたのは、ウィルを信奉している婦警のエリー(ヒラリー・スワンク)。やがて犯人を小屋におびき出したウィルは犯人に向かって発砲するのだが…

 1997年の同名ノルウェー映画を再映画化。サイコスリラーと思わせながらもなかなか上質のサスペンスで、ツボにぴたっとはまってしまった。特にウィルが相棒を撃ち殺してしまってからのじわじわっとくる焦燥感・不安感は見ていて胸にきしきしと迫ってくる。加えて白夜による不眠と、舞台はばっちりである。

 普通のヒーローに思われた殺人捜査のベテラン、ウィルが堕ちていく様子は説得力たっぷり。内務捜査が進行中、信奉する婦警エリーの存在、深い霧… さらに画面に何度となくフラッシュバックされる裏の理由もあるんですよね。見ているこちらにもすっかり、ウィルの不安感がシンクロしてしまいました。

 もう一人の大物出演者、ロビン・ウィリアムスですが…彼がなかなか登場しないだけに、犯人役だなと連想させてくれるのは大きなマイナスポイント。ロビンにはもうちょっと弾けてほしかったなという気もしました。

クリストファー・ノーラン監督。2002年アメリカ映画。

2007年3月 1日 (木)

輪廻 (2005)

輪廻 新進女優の杉浦渚(優香)は松村監督(椎名桔平)のホラー映画「記憶」のヒロインに抜擢される。実はこの映画、35年前にとあるホテルで大学教授が実際に起こした11人無差別殺人事件が下敷きになっていた。ところが渚の身の回りをはじめ、現存するホテルに足を踏み入れたスタッフたちにおかしな現象が起こり始め…

 「呪怨」でハリウッドでも一躍メジャーになった清水崇監督の最新作。彼の作品らしく、背景とかにはあまり立ち入らず怖さに焦点を絞った演出でシャープに見せてくれる。というわけで、輪廻転生がどうこうとか宗教的なことを持ち込むのはあんまり意味がない。ただただパズルを楽しむように見るのがこの映画の楽しみ方のような気がする。

 救いようのない運命に巻き込まれていく渚を優香が熱演。彼女ってホラーもいけるんだってちょっと見直した。彼女をサポートするマネージャーの杉本哲太、気難しい映画監督の椎名桔平あたりの演技はベテランらしく安心して見ていられる。

 中盤以降の、実際のホテルと映画のセットと8ミリの中の当時のホテルの映像がだんごになって進んでいく展開は面白い。一見の価値がある。ひねりのきいたラストもマル。人形が気味悪かったくらいで個人的にはたいして怖いとは思えなかったんだけど、楽しんで見ることができた映画ではありました。

 ところで私が子供の頃の8ミリフィルムって1巻3分半だったんだけど、あんなに長回しできる規格のフィルムもあったの??

清水崇監督。2005年日本映画。

2007年2月28日 (水)

子ぎつねヘレン (2005)

子ぎつねヘレン カメラマンの母(松雪泰子)の海外出張で、北海道の獣医矢島(大沢たかお)とその娘美鈴(小林涼子)のもとへ預けられた少年太一(深澤嵐)は、ある日道ばたでうずくまっている子ぎつねを見つける。放っておけずに連れ帰る太一だったが、キツネは目も見えず耳も聞こえないことがわかる。ヘレンと名付けて太一が世話をすることになるのだが…

 竹田津実のエッセイを元にドラマパートを加えて映画化。CGを多用した独特の絵づくりは映画というよりもテレビ的だけど悪くない。何よりもテーマが素晴らしく、生まれてきた命に精一杯尽くすという当たり前だけど当たり前でなくなっていることが描かれていて感動的。それだけに要所要所に、旧来の邦画にありがちな安っぽさが散見されるのが気になった。総じて不要なセリフが多すぎるような気がする。

 とはいっても登場人物みんな頑張ってて、独特の雰囲気を出している。特に主演の深澤くんは今時珍しい金太郎風の子で印象に残った。これがジャニーズ系美少年だったら、全然感情移入できなかったような気がする。獣医の大沢も、後半近くの結局はすべてを少年にまかせて逃げているというくだりは考えさせられるものあり。娘役の小林涼子もなかなか魅力的で良かった。この物語で一番成長できてないのは松雪の演じるお母さんかもしれませんね。

河野圭太監督。2005年日本映画。

2007年2月27日 (火)

最後の恋のはじめ方 (2005)

最後の恋のはじめ方 アレックス・ヒッチ(ウィル・スミス)はニューヨークでデートコンサルタントを営んでいる。現在のお客さんは会計士のアルバート(ケヴィン・ジェームズ)で、冴えない容姿の上にドジな彼はよりにもよってクライアントのセレブである美女アレグラ(アンバー・ヴァレッタ)に片思い。得意の手腕で彼らのデートのお膳立てをするヒッチだったが、自身もゴシップ記者のサラ(エヴァ・メンデス)に恋をしてしまい…

 冒頭は鮮やかな手腕でもてないクンたちのデートを取り持つヒッチが軽妙なタッチで描かれる。ところが彼自身が恋をしてしまってからは調子が狂ってしまい… 確かに恋愛なんて人間関係で一番微妙な部分だけに、独身者がデートコンサルタントなんてやるのは荷が重いのかもしれませんね。職業が彼女にばれても妙な気まずさが出てくるでしょうし、最初から知ってたら寄りついても来ないだろうし。

 というわけで、後半はヒッチとサラ、そしてアルバートとアレグラという二組の恋の行方が描かれるんですが、正直なところアルバート&アレグラ組に完全に場をさらわれてしまったという感じ。ヒッチによる巧妙な駆け引きもいろいろ用意されるんだけど、結局はアルバートとアレグラは駆け引きとは無縁な部分で結ばれてしまうのはさもありなん。アルバートはまじでいい男だと思う。彼の魅力がわかるアレグラは、幸せになる気がする。

 ヒッチに向かってアルバートが「おまえは恋愛がわかってない」と説くシーンはジーンときた。コンサルタントを単なる商売ではなく、夢を売る職業だと説くシーンも良かった。ラストシーンは最近見たラブコメでは最強のハッピーなデキで良かったんじゃないでしょうか。ただしひとつ苦言を言えばあまりにストレートな邦題。これじゃデートムービーとしては誘うのがビミョーなタイトルだと思います。

アンディ・テナント監督。2005年アメリカ映画。

2007年2月26日 (月)

ファインディング・ニモ (2003)

ファインディング・ニモ オーストラリアのサンゴの中で400個のカクレクマノミの卵がかえろうとしていた… ところがウツボに襲われて、生き残ったのは父マリーン(声:アルバート・ブルックス)と卵から生まれたニモ(アレクサンダー・グールド)だけ。というわけで過保護に育てられたニモは大きくなって魚の学校に入学するが、父親への反抗から人間につかまってしまう。かくしてマリーンと成り行きで知り合ったドリー(エレン・デジュネレス)のニモ探しの旅がはじまった。

 アニメーション映画としては驚異的なヒットを飛ばしたピクサーの代表作。魚を擬人化した物語なんだけど、すごくストレートな内容で安心して見ていられる。特にオープニングからウツボの襲撃、生き残ったひとつぶの卵にタイトルがかぶさるまでの展開は思わずストーリーに引き込まれるパワーを感じさせてくれる。さすが…である。

 最近増えてきた父子の物語で、笑ってばかりもいられない内容なんだけどキャラクターの描き込みの面白さにはかなり楽しませてもらった。秀逸なのは成り行きでマリーンと旅をすることになってしまうドリー。ニモと一緒に水槽に飼われている、正体不明のギル(ウィレム・デフォー)も強烈に印象に残る。ストイックに登場するサメのブルース(バリー・ハンフリーズ)も笑える。

 家に子供が買ったビデオソフト(しかもテープ!)があるので吹き替え版も見ているのだが、その中で出色なのが後半に港を飛びまくる鳥たち。吹き替えでは「ちょうだい」「ちょうだい」と合唱しながら飛来するのが爆笑ものであった。この味だけは字幕版では絶対に出ない。oga.は外国の映画は絶対に字幕派なんだけど、このシーンだけは字幕ではぜったいに雰囲気が出ないと感じた。悔しいけど、吹き替えの必要性を感じた。

 オーストラリア(グレートバリアリーフ)の海が舞台なだけに、環境ビデオとしても楽しめそうなCGのクオリティの高さは一見の価値がある。将来見直しても綺麗だと感じることができるだろうか。10年後にもう一度、見てみたい映画だ。

アンドリュー・スタントン監督。2003年アメリカ映画。

2007年2月24日 (土)

ギャング・オブ・ニューヨーク (2001)

ギャング・オブ・ニューヨーク 1846年のニューヨークのファイブ・ポインツ。アイルランド系移民の組織デッド・ラビッツのリーダーだったヴァロン神父(リーアム・ニーソン)は、アメリカ生まれの組織ネイティブズのリーダー・ビル(ダニエル・デイ・ルイス)に乱闘の末に惨殺される。それを目の前で見ていたヴァロンの息子アムステルダム(レオナルド・デュカプリオ)は復讐を誓う。15年後に少年施設から帰ってきたアムステルダムは、正体を隠して組織にもぐりこむのだが…

 およそ150年前の移民たちでごった返すニューヨークを舞台にした大河ドラマ。ハーバード・アズバリーの実録小説が原作ということで、ある程度史実に忠実なのだろう。ギャングといっても禁酒法時代を描いたようなスタイリッシュ系ではなく、大男たちが斧とナイフと気合いで戦うもっとどろどろした物語が繰り広げられる。

 しかし時代が時代だったとはいえ…教えを残しながらも息子の前で戦って殺される親父って…そりゃ息子は復讐マシーンに変貌するわなってスクリーン見てて思ってしまった。2時間半と長尺なわりには、アムステルダムとビルはくっついたり離れたりして、殺すチャンスはいっぱいあるのになぜ、と思ってたら彼らの間に敵味方の不思議な友情が芽生えてきた。こりゃ子連れ狼に通じるものがあるかっとヘンなことを考えていると、話に動きが。ビルの暗殺未遂である。アムステルダムは一巻の終わりか、と思っていたらなぜだか釈放されて… うーん、彼らの友情は深いぞ!?

 キャメロン・ディアスが二人の間を行ったり来たりする女スリ役で出てますが、意外と印象が薄いです。移民の抗争、徴兵の混乱、そして暴動と、ニューヨークってこんな血なまぐさい過去があったのは知りませんでした。しかも映像で見せられるチカラは凄いです。

マーティン・スコセッシ監督。2001年アメリカ映画。

2007年2月23日 (金)

007 ダイ・アナザー・デイ (2002)

007 ダイ・アナザー・デイ 朝鮮半島に任務遂行のために潜入したイギリスの諜報部員007ことジェームス・ボンド(ピアース・ブロスナン)は、正体を見破られて、14ヶ月間も北朝鮮で捕虜の生活を送る。しかし捕虜交換でやっと釈放されたボンドは、情報を漏らしたという疑いを晴らすためにムーン大佐(ウィル・ユン・リー)の部下のザオ(リック・ユーン)をキューバへ追う。

 イアン・フレミングの原作を離れてのシリーズ20作目、なおかつ映画化40周年記念という作品。いきなり拉致されて拷問されながらタイトルバックに流れ込んでしまうという展開は、完全にワンパターンのはずと安心している昔からの観客にとっては結構サプライズなんですよね。飽きられつつある007をなんとかリフレッシュしようという意欲が感じられるんだけど、思ったほど盛り上がらなくて空回りといった印象。そのあと、上司のM(ジュディ・デンチ)とかみ合わなかったりするのも新機軸なんだけど、今考えると映画版「スケバン刑事」と同じって気がしないでもない(笑)。

 なおボンド・ガールはハル・ベリーで、いわゆる可愛いチャーミング系の女性から完全に脱しているのは最近のこのシリーズの傾向かも。好みの問題ではありますが。歴代シリーズを製作していたアルバート・ブロッコリ(野菜のブロッコリを作った一族らしい)が亡くなったので、娘のバーバラ・ブロッコリがあとを継いでいたりとクレジットをじっくり見てるといろいろ発見がありました。ピアース・ブロスナン最後のボンド映画でもありますね。

リー・タマホリ監督。2002年アメリカ=イギリス合作。

2007年2月22日 (木)

刑務所の中 (2002)

刑務所の中 サバイバルゲームを楽しむハナワ(山崎努)は実は拳銃と実弾を隠し持っていた… やがて3年の刑を言い渡されたハナワは北海道の刑務所に収監され、同房の4人(香川照之、田口トモロヲ、松重豊、村松利史)との共同生活がはじまるのだが…

 漫画家の花輪和一が実際に刑務所に入った経験を元に書かれた原作を映画化。とにかく淡々と物語が進んでいくんだけど、物語的な起伏が少ないのに楽しめてしまうというのは刑務所という不思議な空間を仮想体験できるからだろう。

 しかし主人公に山崎努というキャスティングは、あまりにもハマりすぎで見る前から雰囲気が予測できてしまったのはイマイチ。刑務所というのに意外と極悪非道なメンバーはいなくて、みんな小悪人でイイヒトたちってのはイメージと違う。

 罪をつぐなうところなんだから、規律正しく消しゴムを拾うのまで挙手がいるほど自由が奪われている…んだけど、逆に人権上からか受刑者の安全・健康・食生活などは過剰なほどに守られているのは面白い。シャバへ出るよりも、こちらの方が暮らしやすいと考える者が出るのももっともかも。

 食べることの楽しさが異常に強調されていたのが印象的。これ見てると、おなかがすいてきますしふだん食べてるもののありがたさがじわ?っと身にしみてきます。

 ハナワさんを見ていると、この人って究極のマニア(オタク?)じゃないかと思えてくる。とにかく生活感が希薄で、自分の好きなことばっかりしながら生きてるって感じ。ところで彼はM29をどこで手に入れてなぜ逮捕されてしまったんだろう?

崔洋一監督。2002年日本映画。

2007年2月20日 (火)

銀河ヒッチハイクガイド (2005)

銀河ヒッチハイクガイド イギリス人のアーサー・デント(マーティン・フリーマン)は、自宅が立ち退き要求を受けていた。ところが同時に宇宙バイパスの建設のために地球も爆破される計画だと地球に住む宇宙人のフォード(モス・デフ)に聞かされて、間一髪脱出した彼らは銀河大統領のゼイフォード(サム・ロックウェル)とこれまた生き残りの地球人トリリアン(ズーイー・デシャネル)と宇宙ヒッチハイクの旅に出ることになる。

 ダグラス・アダムスのトンデモSFを壮大なスケール(?)で映画化。冒頭のアーサーの家が取り壊されるまではまったくSFXのたぐいはなしで、これは超低予算SFか…と思ってたら以降はビジュアルだけは豪華絢爛な映画であった。原作はパロディSFとしては結構有名らしく、ラジオドラマやテレビシリーズとかになっているらしい。全然知らなかった。道理でデントとヒロインのトリリアン、大統領のゼフォード、ヒッチハイカーのフォード、それから根暗なロボットのマーヴィン(声をアラン・リックマンがあてている!)、悪役のヴォゴン人とキャラが立っている。これならシリーズ化できそうな陣容だ。

 それにしても…地球の立ち退きを知っていたイルカがぴょんぴょん跳ねまくって人類に警告する(?)オープニングと歌は笑えました。物語のキーを握る動物はイルカだけかと思ったら、ラストには…

 他にもヘレン・ミレンが声の出演を、ジョン・マルコヴィッチも出ていたそうだがいったいどこに??

ガース・ジェニングス監督。2005年アメリカ=イギリス合作。

2007年2月19日 (月)

イン・ハー・シューズ (2005)

イン・ハー・シューズ 弁護士として成功している姉ローズ(トニ・コレット)とは対照的に、万事にだらしなく長続きしない妹マギー(キャメロン・ディアス)。アパートを追い出されたマギーはローズの部屋にお世話になっていたのだが、姉のボーイフレンドに手を出してしまい追い出される。行き場を失ったマギーは、何十年も合っていない祖母のエラ(シャーリー・マクレーン)を訪ねてカリフォルニアへ行くのだが…

 ジェニファー・ウェイの小説を映画化。成功しているけど地味な姉と、美人だけどだらしない妹の物語。いかにも女性映画って造りで、正直なところ男性には近づきがたい映画かもしれない。とはいっても、こういった映画のテーマの定番である「成長」というのがとってもわかりやすく描かれているのが好感が持てる。特に老人ホームへ居候(後にバイト)しはじめてからのマギーが生き生きしてくる様子が、見ているこちらもハッピーな気分になってくるってのが良い。水着でちょろちょろする彼女に対する老人たちのリアクションがなかなか笑えます。

 地味なカタブツに描かれているトニ・コレットだけど、彼女ってなかなかの美人ですよ。キャメロンよりもこっちの方が好みかもしれない。シャーリー・マクレーンは結構な年齢だと思うのですが、存在感ありますね。

カーティス・ハンソン監督。2005年アメリカ映画。

2007年2月16日 (金)

ハルク (2003)

ハルク 遺伝子を研究するブルース(エリック・バナ)は大量の放射線をあびる事故に遭い、怒りの感情を抱いた時に緑色の巨人ハルクに変身する体になってしまう。唯一の理解者はベティ(ジェニファー・コネリー)だったが、ついに制御不能になった彼は軍隊と対決する羽目に。実は事件の背後には彼の父親デヴィッド(ニック・ノルティ)がいた…

 ジャック・カービーとスタン・リー原作の有名なアメコミ「超人ハルク」を、アン・リー監督で映画化。このアン・リーって方、本当に何でも映画化するねぇ。凄い才能(?)ではないだろうか。ストーリーは単純な勧善懲悪ものではなく、制御不能になってしまう肉体、マッドな父親の存在などなどダークな面が強調されたひと癖もふた癖もあるもの。

 ただし…後半の画像には言葉を失った。あの岩石男みたいなハルクが、その力にまかせてぴょんぴょん飛びまくるのだ。まるで最初にゴジラが空を飛んだ時のような衝撃(笑撃?)を受けてしまった。こりゃ凄い、何でもありの世界だ。アン・リー恐るべし。

アン・リー監督。2003年アメリカ映画。

2007年2月15日 (木)

PROMISE 無極 (2005)

PROMISE 無極 まだ神と人間が一緒に暮らしていた太古の中国、戦場をさまよっていた幼い少女 傾城(セシリア・チャン)は、真実の愛と引き替えに、すべての男からの寵愛と不自由ない暮らし得ることを女神と約束する。やがて彼女は成人して王妃の座につく。将軍の光明(真田広之)は走る能力が超人的な奴隷の昆崙(チャン・ドンゴン)のおかげで勝利を得るが、王の暗殺計画を知り昆崙に自分の鎧を着せて城へ向かわせるのだが…

 将軍とその奴隷、王妃の三角関係を軸に描いた歴史スペクタクル・ロマン…のはずなんだけど、妙に軽いのはいかにもCGといった画面がえんえんと続くせいでさながら次世代ゲーム機の画面を眺めているような雰囲気である。あるいはNHKスペシャルや「その時歴史は動いた」のCG歴史再現画面のようだといったら言い過ぎか。う?ん、何でも映像化できる凄い時代なのはわかるけど、失ったものも大きいような。

 とはいっても、真田広之はアジアを舞台に頑張ってるなぁという印象。あのチャン・ドンゴンを奴隷に従え馬にしてしまうのである。彼が走り回るシーンも見ものであれば、セシリア・チャンを凧にして飛ばしてしまうというアイディアとかは凄いイマジネーションである。日本でも「忍術児雷也」の時代はこういったアイディアが満ちあふれていたなぁと思ってしまうのである(oga.は生まれてなかったけど)。

 「LOVERS」や「HERO」の監督がしくじったんかなと思ったら、なんと「さらば、わが愛 覇王別姫」のチェン・カイコーが監督であった。う?ん、納得いかないもやもやっとした気分なのはなぜだ?

チェン・カイコー監督。2005年中国=日本=韓国合作。

2007年2月14日 (水)

博士の愛した数式 (2005)

博士の愛した数式 シングルマザーで家政婦をしてひとり息子(齋藤隆成)を育てる杏子(深津絵里)は、事故で80分しか記憶がもたなくなってしまった数学博士(寺尾聰)の世話をすることになる。何でも数学をからめて考える博士とやがてうち解けた杏子は、博士に息子を連れてくるように言われる。ところが雇い主の義姉(浅丘ルリ子)は彼らの関係が疎ましく思えてきて…

 数学教師となった息子のルート(吉岡秀隆)が生徒に語りかける、というスタイルをとったドラマ。父親のいない彼にとって、父親がわりとなった博士のことがしみじみと語られてなかなかの感動作である。話し方からして甘甘の吉岡秀隆は苦手な役者だったんだけど、なんかもうここまで来ると凄い役者なんじゃないかという気分になってきた。まさしく吉岡ワールドである。昔の役者は強烈な個性を醸し出している方がたくさんおられたが、彼もこのままいけば間違いなくその部類に入っていくのかもしれない。

 ルートをはじめ、線分や素数や虚数やオイラーの定理や数学関係の言葉がいろいろ出てくるが、数学が苦手だったはずなのに意外と覚えているなぁって面白かった。やっぱり若い頃に頭に詰め込んだことは、時間が経っても忘れないもんだ。さらに数学者の思考や、数字の面白さがじわっと伝わってくる良作。「ビューティフル・マインド」もそうだったけど、こういった学問の楽しさを伝えてくれるような映画は作るのは難しそうだけどもっとあってもいいような気がする。

 ひとつだけわからなかったのが、終盤に登場する能の舞台。浅丘ルリ子の変化からして、あの能にキーがあったのだと思うのだが能を読み解く能力がoga.にはないのでよくわからない。でもそれ以外は、よくできたホームドラマだと思う。深津絵里の明るいシングルマザーが印象に残ります。

小泉堯史監督。2005年日本映画。

2007年2月13日 (火)

ラストサムライ (2003)

ラストサムライ 明治維新に揺れる日本。南北戦争の英雄オールグレン(トム・クルーズ)は、新政府の戦術顧問として来日する。ところが対立する武士の残党勝元盛次(渡辺謙)に拉致され、彼の住む村へ連れて行かれるのだが…

 大ヒットしたアメリカ人が主人公の時代劇。かなり日本と「サムライ」に好意的に作られているだけに、見ていて「あれ」と思うシーンが少なかったのが良い。「レッド・サン」の時代よりもかなり進歩している。唯一勝元の住む森が、日本というよりもジャングルって雰囲気だったのがひっかかったくらいで、逆にそれくらいの違和感ですむってのはハリウッド映画としては画期的だと思うぞ。

 さすがに話題になっただけあって、渡辺謙の存在感は抜群。ヒロインの小雪や、真田広之といった日本勢も頑張っている。線が細いイメージがあったトム・クルーズが、意外と無頼派の将校を演じているのが新鮮。彼はこのあと「コラテラル」へとつながっていくわけね。

エドワード・ズウィック監督。2003年アメリカ映画。

2007年2月12日 (月)

蝋人形の館 (2005)

蝋人形の館 フットボールの試合を見るために、ニック(チャド・マイケル・マーレイ)、カーリー(エリシャ・カスバート)、ペイジ(バリス・ヒルトン)ら田舎町の6人の若者が2台の車で出かける。ところがキャンプをしていた野原で1台の車が壊れ、仕方なしに近くの町のアンブローズへファンベルトを買いに行くのだが、町には巨大な蝋人形館がある他は人の気配がない…

 タイトルからして33年および53年版「肉の蝋人形」のリメイクかと思いきや…生きたまま蝋人形にしちゃうというアイディアだけがそのまんまで、ストーリーはまったくのオリジナル。雰囲気的に言うと、「13日の金曜日」あたりが近いかな…ってわけで、主人公の兄妹が逃げ回り、殺人鬼の兄弟が追いかけ回す、仲間たちはエロティックなシーンも交えながら惨殺される…というのが中盤以降えんえんと続くのだが、はらはらドキドキさせられる演出が良くて最後まで飽きさせない。当時はあんまり好きでなかった「13日の金曜日」シリーズだけど、ひょっとして今見たら面白いのかな、なんて気分になってきたぞ。

 ラスト近くの蝋がトロトロと溶ける演出はなかなかのスペクタクル。ただのホラーじゃないよって自己主張しているみたいだった。そういえばプロデューサーにロバート・ゼメキスなんかも名前を連ねている。B級に見せかけた大作だったのか。

 エリシャ・カスバート主演ってことだが、彼女の劇中での犯人からのいじめられ方が半端じゃない。うーん、今一歩メジャーになりきれないエリシャなのか。頑張ってください。

ジャウム・コレット・セラ監督。2005年アメリカ映画。

2007年2月 9日 (金)

ザ・セル (2000)

ザ・セル シカゴに住む心理学者のキャサリン(ジェニファー・ロペス)は、機械により人の心の中に入り込む研究をしている。ある日連続猟奇殺人事件が起こり、瀕死の状態の犯人(ヴィンセント・ドノフリオ)が研究所にかつぎこまれる。被害者の女性が水槽(セル)に監禁されている場所を聞き出さないと死んでしまうという。キャサリンは危険を承知で、犯人の心の中を覗く決心をするのだが…

 ケーブルをつないで人間の意識の中を覗いてみようというSFサスペンス。オープニングの砂漠のシーンが妙に荒涼とした雰囲気で、何だか70年代のSFを見るようなデジャーヴー感覚が… これは狙った映像なのかな。しかし物語が進むに連れて悪魔的な映像がこれでもかと飛び込み、なかなかスリリングで怖さを感じた。殺人鬼にも理由がある…というわけで、幼少時代の犯人に入れ込んでなんとか救おうとするキャサリンの行動にはある種の共感を覚えた。

 それにしても…鎖で体を吊すシーンは痛そうで生理的にきつかった。人間を漂白するという行為も。そして水に関するトラウマも。水って生きるのに必要だのに、数分あれば人間の命を奪ってしまう物質だというのも怖さを感じます。

 ジェニファー・ロペスは歌手ってイメージだったんだけど、この映画で女優なんだなあって見直した。サイコ犯のヴィンセント・ドノフリオは怪演ではあるけど思ったほど印象に残らない。FBIのヴィンス・ヴォーンはいかにも助演って感じなんだけど、要所要所を締めててマル。全体的には、派手に焼き直した「ブレインストーム」という印象を持ちました。設定としては「マトリックス」の方が近いのかもしれないけど。

ターセム・シン監督。2000年アメリカ映画。

2007年2月 8日 (木)

ソラリス (2002)

ソラリス 心理学者クリス・ケルヴィン(ジョージ・クルーニー)に、惑星ソラリスを周回中に非常事態が発生して交信が途絶えた宇宙ステーション「プロメテウス」の調査命令が出る。ステーションに到着したクリスは生き残った隊員スノー(ジェレミー・デイヴィス)とゴードン(ヴィオラ・デイヴィス)を発見するのだが、彼らの説明は要領を得ない。ところがそこへ、クリスの死んだ妻レイア(ナターシャ・マケルホーン)が現れた…

 あのレムの「ソラリスの陽のもとに」をジェームズ・キャメロン製作、ソダーバーグ監督で映画化…というよりも、映画好きなら比べるなと言われてもタルコフスキーの「惑星ソラリス」と比べてしまいます。で、どうかというと…だいたい原作とタルコフスキー版も形だけ借りた別作品に近い内容らしいので(oga.は原作を読んでません)この映画はこの映画でアリだと思います、というかとても面白かった。

 要約すると悔恨のラブストーリーですね。意識を実体化する惑星を回りながら蘇った妻とふれあうという、ゴーストものと解釈すれば古典的なテーマをじっくりと描いた作品となってます。これはレムの原作と近いんでしょうか。哲学的と言われたタルコフスキー版とは明らかに違う、ごく普通のアプローチです。あんなとんでもないカルト映画を背景にしながら気負わずに作っているのがいいです。

 あるいは「惑星ソラリス」を未体験の方は、こちらを見てからタルコフスキー版に行けば意外とすんなりと入っていけるかもしれません。あ、またタルコフスキー版を再見したくなってきた。

スティーヴン・ソダーバーグ監督。2002年アメリカ映画。

2007年2月 7日 (水)

スカイ・オブ・ラブ (2003)

スカイ・オブ・ラブ 1981年の上海。女子大生のシャオジャー(ジジ・リョン)は密かに先輩のウェンタオ(トン・ダーウェイ)に思いを寄せている。ある日ウェンタオから逃れるように入ったアマチュア無線クラブの部室から持ち帰った無線機を触っていると、偶然ジャーフェイ(ケン・チュウ)という男とつながる。同じ大学だと知った二人は会う約束をするのだが、実はジャーフェイが住むのは2002年の上海だった…

 時空を越えたラブストーリーということで「イルマーレ」を連想したのだが、実は韓国映画の「リメンバー・ミー」のリメイクらしい(こちらは未見)。20年を経て無線で話し合うシャオジャーとジャーフェイが恋愛関係にあるわけではなく、お互いがそれぞれの恋の良き相談相手になっているという設定が斬新で面白い。携帯電話やネット、メル友なんてなかった時代だけにアマチュア無線って流行ってたなぁって今考えると懐かしい。oga.はリアルタイムでシャオジャーと同じ世代だしね。

 ジジ・リョンが質素な雰囲気ながらも目が大きくてなかなか可愛い。彼女が憧れるトン・ダーウェイも至って普通の青年で、当時の中国の雰囲気にぴったり。今風のイケメンであるケン・チュウ(台湾のアイドルグループF4のメンバー)と好対照である。

 未来がわかるといっても、金もうけをしたり世界を変えようと試みるわけでもない。そのあたりが何とも奥ゆかしい。また自分たちの未来を変えようという気もシャオジャーにはまったく無いようだ。画面を見ながらこのあたりが少々もどかしかった。もっとも淡い恋に生きる彼女にそこまで求めるのもちょっと酷なのかもしれないが…

タン・ファータオ監督。2003年香港映画。

2007年2月 6日 (火)

キャプテン・ウルフ (2005)

キャプテン・ウルフ ネイビー・シールズの精鋭ウルフ(ヴィン・ディーゼル)は誘拐されたプラマー教授(テイト・ドノヴァン)の救出作戦に向かうが最後の最後で失敗し、教授は射殺されてしまう。意気消沈のウルフに伝えられた次の作戦は、教授の遺した5人の子供を守り秘密プログラム「ゴースト」を見つけ出すこと。ところが19歳のゾーイ(ブリタニー・スノウ)をはじめ赤ちゃんのタイラー(ボー・ヴィング)までくせ者ぞろいで、ウルフは最大の危機(?)に見舞われる…

 ヴィン・ディーゼルよ、おまえもか…というわけで、人気が出たアクションスターの必ず通るキッズコメディ。う?ん、どうなんだろうねぇ。面白い場面も結構あるんだけど、全体としては食い足りないってところ。やっぱヴィンはコメディを前面に出すよりも、スパイスぐらいにとどめておいた方が良いかも。彼の魅力である笑顔もこうも乱発されると、ありがたみが薄れてしまうかも。

 あのピーター・パンダ・ダンスを見てると、意外と不器用なところがヴィンの味なんじゃないかと思ってしまった。子供たちは長女ゾーイはあんまり印象に残らなかったんだけど、金髪の長男セス(マックス・シエリオット)、次女ルル(モーガン・ヨーク)がなかなかの好演。アクションは小粒でテレビドラマっぽいノリなんだけど、校長先生(ローレン・グレアム)と教頭(ブラッド・ギャレッド)がからんだギャグは笑えました。あ、久しぶりに「サウンド・オブ・ミュージック」が見たくなったなぁ。

アダム・シャンクマン監督。2005年カナダ=アメリカ合作。

2007年2月 5日 (月)

スター・ランナー (2003)

スター・ランナー 韓国語の補習で大学へやって来た講師キム(キム・ヒョンジュ)に一目惚れした大学生のボンド(ヴァネス・ウー)。実は彼はジムに通い、アジアの格闘技大会スター・ランナーに出場してオーストラリアのファイターでありチャンピオンのタンク(アンディ・オン)と戦うことが夢だった。ところがジムの代表枠から外れてしまったボンドは、かつてチャンピオンだったというビル(マックス・モク)と組んで参戦することになるのだが…

 台湾のアイドルグループF4のメンバーである、ヴァネス・ウーが主演してのアクション映画。さすが香港映画だけあってヴァネスが本格的にアクションをこなしているのが見応えがあり、怪しさ大爆発の詠春拳の爺さんや洪拳の神父(ジャッキー・チェンの時代を思い出しますね)が出てきても妙なリアリティがあるところがヨイです。

 過去を持つ女教師との恋と、これまた曰くありげなビルと組んでのスター・ランナー参戦などなど限りなく香港アクション映画のツボを押さえた作りに懐かしさを感じて、結構はまって見てしまいました。荒削りな感じがするヴァネスもいいけど、カリスマっぽさをぷんぷんただよわせるアンディ・オンが存在感たっぷり。キム・ヒョンジュはかなり個性的な美人です。

ダニエル・リー監督。2003年香港=韓国合作。

2007年2月 2日 (金)

トゥームレイダー2 (2003)

トゥームレイダー2 海底地震の影響で、地中海に埋没していた「月の神殿」が2300年ぶりに姿を現す。情報を得たトレジャーハンターのララ・クロフト(アンジェリーナ・ジョリー)は現場に潜り、アレクサンダー大王像に埋め込まれたメダリオンと珠を発見するのだが、謎の一味に襲われ奪われてしまう。実はこれは世界に災いをもたらす「パンドラの箱」の所在が隠されていた。

 第1作とほとんど同じプロットで進んでいくシリーズ第2作。ララの助手をジェラルド・バトラーが勤めるのも話題だけど、彼は完全に受けにまわった役どころ。地中海からはじまりアジア、アフリカへ派手なアクションを交えながらの展開は、なんか007を見てるような気分になってくる。ラスト近くにクリーチャーが登場するあたりが違うけど。

ヤン・デ・ボン監督。2003年アメリカ映画。

2007年2月 1日 (木)

いぬのえいが (2004)

いぬのえいが 広告代理店の山田(中村獅童)はタレントの白鳥美咲(伊東美咲)を使ったCMを企画するのだが、スポンサーとタレント事務所のわがままでCMは散々な出来に… すべてが嫌になった彼は、故郷に帰りおかしな別れ方をした野良犬のポチのことを思い出すのだが…

 上記のストーリーに加えて、ミュージカル仕立てだったりアニメだったりポエム風だったりとバリエーション豊かな11のストーリーをぎゅっと集めたまさしく「いぬのえいが」。7人の監督が競作しているのにもかかわらず、終盤に繰り広げられる山田くんとポチの結末、野球に夢中になって犬をほったらかしにした少年のアニメ、宮崎あおいの受け持つ愛犬マリモの一生のエピソード、そして「いぬのえいが」というタイトルが出るまでの編集は見事。これは最後にどどどどっときます、泣けます。

 犬を飼ったことのないoga.ですが「また、犬が飼いたい」って気分です。これこそ、映画のマジック?

犬童一心、黒田昌郎、祢津哲久、黒田秀樹、佐藤信介、永井聡、真田敦監督。2004年日本映画。

2007年1月31日 (水)

マジック・キッチン (2004)

マジック・キッチン シェフで私房菜館(隠れ家風のレストラン)を経営するヨウ(サミー・チェン)に、日本のシェフ対決番組への出演のオファーが来る。アシスタントのクーリー(ジェリー・イェン)と共に日本へ向かったヨウだったが、その途上で元カレのチョアンヨウ(アンディ・ラウ)と出会ってしまう。

 ヨウとその女友達たちが繰り広げる男性遍歴(?)の物語ってのが骨子っぽいんだけど、DVDのパッケージはなぜかF4(台湾のアイドルグループ)のジェリー・イェンが中心。彼って確かに、劇中ではとんびが油揚げというか、影の主演といえばそうなんだけど…なんか納得いかないぞ!!!

 物語は普通の若い女性がくっついたり離れたり、未練が残ったり…って普遍的なものであり新味は感じなかったんだけど、ただただ日本と香港を行ったり来たりする内容が楽しかった。最近アジア系の外人さん、町中でも中国語や韓国語を話しているのを多く見かけるようになったんだけど、ひょっとしてこんなドラマを繰り広げてるんかな、なんて気持ちで見てしまった。

 主演のサミー・チェンはある意味日本的な感じもする美人。近寄りがたい雰囲気だけど、つき合ってみると意外といい人って感じ。ジェリー・イェンは若い頃のキムタクを思わせる風貌。主人公にぴたっとくっついていて普段は空気みたいな存在だけど、決める時は決めるという役得な感じもする。アンディ・ラウは何をやってもソツなくこなす、というかオーラ出してますね。

リー・チーガイ監督。2004年香港映画。

2007年1月30日 (火)

シベリア超特急3 (2002)

シベリア超特急3 現代の瀬戸内海に浮かぶクルーズ船で、孫娘(真柄佳奈子)に伴われた宮城伝蔵(宇津井健)が誕生パーティを行っている。パーティを仕切るのは服飾デザイナーとして成功した森裕美(三田佳子)。ところが船内で殺人事件が発生し、伝蔵は周囲に諭されて60年前にシベリア特急内で起こった殺人事件について話し始める。

 シリーズ第3作は現代のクルーズ船が舞台…なんだけど、それじゃシベリア超特急3にならないってことで60年前にシベリア特急で起こった事件が平行して描かれる面白い作り。物語は映画作家を目指す子供時代の伝蔵(田中丈資)を軸に、初恋ありダンスありサスペンスあり人間ドラマありの豪華な作り。

 ところが山下陸軍大将役の水野晴郎が一歩引いちゃっただけで、何だかすごく普通の映画というかドラマに格下げされたような印象があるのはなぜ? やっぱり水野さんの存在そのものが、シベ超の顔だってことなんかな。

 今回も相変わらず冒頭の長回し(約10分、登場人物紹介?)がありますが、最後の方の登場人物がかなりだれている(というか失敗してもカットできずに取り繕っている)のがかえって面白い。その中でもさすがに三田佳子と宇津井健はベテランだけに、安心して見ていられる上に迫力があります。

水野晴郎(MIKE MIZUNO)監督。2002年日本映画。

2007年1月29日 (月)

シベリア超特急2 (2000)

シベリア超特急2 満州で謎の鉄道爆破事件が起こり、山下陸軍大将(水野晴郎)をはじめとする一行は菊富士ホテルに足止めを喰うことになってしまう。突然の来客に賑やかなホテルだったが、その夜に武器商人(長門裕之)が殺される事件が起こり…

 冒頭の10分に渡る長回しが見せ場…らしいのだが、言われないと気づかないかも。そのシーンはホテルに登場人物が次々に到着する顔見せで、さすがに往年の一流のスターをずらっと並べただけに一見の価値はある。水野さんを最後にもってきてるだけに、緊張したんではないだろうか。

 前作が学生映画の秀作、といった雰囲気だとすれば、本作は2時間ドラマの秀作といった感じ。その理由は水野さんが一歩引いて、演技派の方々( 淡島千景、草笛光子、寺島しのぶ、二宮さよ子、加茂さくら、長門裕之、光本幸子などなど)が前に出ているからでしょう。

 これ見てると水野さんって、つくづくヒッチコックが好きなんだなぁってのがわかります。なおシベリア超特急というタイトルがついているのにもかかわらず、列車のシーンはまったくと言っていいほどありません。当然、爆破シーンもありません。

水野晴郎(MIKE MIZUNO)監督、2000年日本映画。

2007年1月26日 (金)

トゥームレイダー (2001)

トゥームレイダー  トレジャーハンターのララ・クロフト(アンジェリーナ・ジョリー)は失踪した父クロフト卿(ジョン・ヴォイト)の部屋から星座盤を見つける。彼女は惑星直列の謎を追って、仲間のブライス(ノア・テイラー)やアレックス(ダニエル・クレイグ)と共にロンドンの地下迷宮やアンコール・ワットの遺跡などを飛び回るのだが…

 同名のビデオゲームを原作にした、アンジェリーナ・ジョリーの文字どおり当たり役。彼女の体を張ったアクションがメインだが、ダンジョンや遺跡などの観光名所めぐりや、惑星直列をめぐるSFX、そしてモンスターの出現などB級っぽい楽しさが散りばめられたA級映画。インディアナ・ジョーンズやハムナプトラが好きな方なら文句なく楽しめる内容でしょう。

 余談だけど、ジョン・ヴォイトとアンジェリーナ・ジョリーが親子だというのはこの映画で初めて知りました。後にジェームズ・ボンド役に抜擢されるダニエル・クレイグも出てます。

サイモン・ウェスト監督。2001年アメリカ映画。

2007年1月25日 (木)

シベリア超特急 (1996)

シベリア超特急 第2次世界大戦前のロシアから満州鉄道へつながるシベリア超特急。その1等客車には、ヒトラーと会談を終えた山下大将(水野晴郎)をはじめ、中国の李蘭(かたせ梨乃)、オランダのグレタ・ペーターセン(グレタ・ペーターセン)、ポーランドのポロノスキー(フランク・オコーナー)らをはじめ国際色豊かなメンバーが乗り合わせていたのだが、やがて密室とも言える客室で殺人事件が起こる…

 かねてからカルト映画として名高い「シベ超」シリーズの第1作をついに見ることができた。いや?噂どおりの凄い作品。突っ込みどころが多すぎて目が回りそう。何から書いていいのかわからない。

 役者とスタッフ(英語字幕には戸田奈津子を、衣装にはコシノジュンコを使っているらしい)には金がかかってそうだけど、撮影は列車のセットひとつだけ、おまけに背景の合成も行わずスモークをたくだけというメリハリ(?)の付け方はこれまたすごい。デジタル合成の時代…だのにである。

 これが学生映画だったら絶対に話題作になっただろうなあ、とは思う。同じノリで、水野さんは自分の趣味をフィルムにぐわっと焼き付けてしまったんでしょう。惜しむらくは彼の饒舌ぶりで、もうちょっと静かにしてりゃぁいいのにと思ったりもしましたが…

 水曜ロードショーを見てた頃に思ったんだけど、彼ってほとんど映画をけなしたことがない。どんなサイテー映画でも、必ず良い部分を見つけて解説していた。そんな彼だけに、どんな映画を作っても笑って許してしまう雰囲気が世間にあるのかもしれない。

 本来なら1作で終わったところを、カルトとして盛り上がって次々と続編が作られたのは彼の魔力、というか人徳なんだろうと思う。

水野晴郎監督。1996年日本映画。

2007年1月24日 (水)

アンダートウ 決死の逃亡 (2004)

アンダートウ クリス(ジェイミー・ベル)は母を亡くし、弟ティム(デボン・アラン)と父ジョン(ダーモット・マローニー)と農場で3人暮らしをしている。しょっちゅう問題を起こして警察の世話になっていたクリスだったが、ある日彼らの前にほとんど会ったことのない父の弟ディール(ジョシュ・ルーカス)が現れる。刑務所帰りのディールは、金貨のことで父と争いになり…

 あの「リトル・ダンサー」のジェイミー・ベル主演の…サスペンスかな。父とその弟(伯父ってことか)の壮絶な兄弟げんかに巻き込まれた、可愛そうな兄弟の物語。中盤からは、とにかく逃げる、逃げる、逃げるってわけで決死の逃亡というわけです。かなりおんぼろな農場に住んでいた二人ですが、そんな家でも家は家。途中でわが家に帰りたいという気分に襲われるところはとっても共感できます。

 大人の目からしたら、まず警察に駆け込め、というところなんでしょうけど、不良けていてしょっちゅう警察のお世話になっているお兄ちゃんにしたら、とても信じてもらえないというあきらめがあるんでしょうね。走ったり汽車に飛び乗ったりなんとも幼稚な逃避行なんですが、子供の目線からすればこれは大冒険。しかも演出が良いのかすっかり彼らの視線になって、迫り来る魔の手を感じたりできる秀作、拾いものでした。何より大きくなったジェイミー・ベルが見られたのが収穫かも。

デヴィッド・ゴードン・グリーン監督。2004年アメリカ映画。

2007年1月23日 (火)

愛してよ (2005)

愛してよ キッズモデルのケイジ(塩顕治)はブランドモデルの大きなオーディションを受けている。1,000人の中から選ばれるのはたった一人。躍起になるステージママの美由紀(西田尚美)だったが、二人の心はすれ違い気味。そんなある日、美由紀が新しい父親になる人を連れてきた…

 なかなか強烈なステージ・ママの物語なんだけど、追い込まれている彼女の心情もわかるなぁってのがこの映画のポイント。加えて一人息子のケイジの置かれている環境も尋常ではない。母親が危ういバランスに生きているのと同様に、彼もかなり難しい立場に置かれている。オーディションというおよそ子供っぽくない世界に加えて、先輩モデルからのいじめ(これがかなり執拗で見ていていらいらしてくる)、母親の恋人、本当の父親との関係、そして軽い自殺願望などなど… 「愛してよ」というタイトルは、この二人共通のものであることがうかがえます。

 ビルの遠景に雪山があったりして見ているうちはどこの町の物語かわからなかったのですが、エンドクレジットによると新潟のようです。子供たちの様子からしててっきり東京の話かと思っていたら「新しいお父さんと東京へ行く」という展開があったりして疑問だったんですが、こういう親子関係の悩みは地方の大都市でも共通ってことなんでしょうか。同じ年頃の子供を持つ身としてはかなり気が重くなってくる映画です。

 「人生はくじびきと同じ、当たりもあれば外れもある」「スケジュールに空きがあると、そこから幸せが逃げていく気がする」。名言というよりも、迷言ですね。

福岡芳穂監督。2005年日本映画。

2007年1月22日 (月)

突入せよ!「あさま山荘」事件 (2002)

突入せよ!「あさま山荘」事件 1972年の2月の軽井沢。逃走中の連合赤軍のメンバー5名が、浅間山荘の管理人の妻小雀真理子(篠原涼子)を人質に銃を乱射しながら籠城する事件が発生。警視庁の佐々(役所広司)は、後藤田警察庁長官から「人質の救出」「犯人の生け捕り」などの6項目の命令を受けて長野へ飛ぶのだが…

 あの「あさま山荘事件」を、当時の指揮官であった佐々淳行氏の原作をもとに映画化。警察の目から見たため、犯人側の動きは最後の最後まで闇の中。それに反して、大混乱の警察側の動きはこれでもかというほどリアルに描かれた面白い映画となった。

 しかし…日本では珍しいあれだけの乱射事件でありながら、警察や機動隊は最後の最後まで銃器の使用が許されてなかったなんて… そしてその状態で短銃使用可の命令が出ながらも、最前線にはほとんど伝わらずに怒濤のごとく犯人逮捕に至ったなんて… 考えれば考えるほど凄い事件だったと感心。日本の警察って凄い、凄すぎる。乱射犯を放水と盾と素手だけで取り押さえたなんて。大和魂(?)を感じるぞ。

 映画として不満なのは、現場の様子が最後まで闇の中だったこと。テレビの中継(oga.は小学生だった!!)で見るのでなく、わざわざ映画で見るってことは中継にプラスアルファが欲しいところ。警察側のごたごたは描かれても、連合赤軍側の動きはまったく描かないってのは映画として面白い省略のしかただと思う(原作があるしね)。でも突入時の隊員配置とか、どの部屋で戦っているかなどは画面でわかる工夫がしてほしかったな。さもなくば、現場で右往左往してる隊員とまったく同じレベルで映画見なきゃいけないのはちょっときつい。

 作品中で唯一泣けるのは、犯人の母(もたいまさこ)による説得かな… 犯人は逆上するだけだったそうだが。

原田眞人監督。2002年日本映画。

2007年1月20日 (土)

フォーン・ブース (2002)

フォーン・ブース 自称業界人のスチュ(コリン・ファレル)は口八丁手八丁でモデル業界を渡り歩く男。モデルのパメラ(ケイティ・ホームズ)に怪しげな電話をかけた彼は、その後電話ボックス(フォーン・ブース)にかかってきた電話を取ってしまう。相手は、電話を切ると狙撃して殺すと言ってきた…

 最初から最後まで電話ボックスの中で繰り広げられる、コリン・ファレルのひとり芝居。それでも最後までぐいぐい見せてくれるのは、ラリー・コーエンの脚本とファレルの芝居ががっしりとかみ合ったからかも。これを見るとコリン・ファレルってのは本物だと感じさせてくれる。加えて映画ってのはアイディアだとつくづく感心させられる。

 ラリー・コーエンがかんでいるだけにB級かと思いきや、フォレスト・ウィテカーやラダ・ミッチェル、キーファー・サザーランドと役者は意外と豪華である。その使い方も面白い。小気味のいいサスペンスを期待して見たら、ツボにはまるかも。

ジョエル・シュマッカー監督。2002年アメリカ映画。

2007年1月19日 (金)

デッドライン (2004)

デッドライン 通貨危機に見舞われたタイは、新内閣の政策としてIMFへの借金返済を決定する。それに反対するテロリストたちは、タイ銀行をはじめバンコクのいくつかのビルに爆弾を仕掛けるのだが…

 最近元気なタイのアクション映画(といっても「マッハ」シリーズだけか!?)の1本。一見、硬派なポリティカル・サスペンス風な出だしなんだけど、その実は山のような銃器を撃って撃って撃ちまくるガンマニアが見たら泣いて喜びそうな作品。しかもオートマチック拳銃から薬莢がはじけとぶ音と、カンカンカンという自動車への着弾音が妙にリアルで、この音だけが耳に残ったぞ。

 画面はドキュメンタリー風の色調で、かなり硬派な雰囲気。ただし刑事のチャッチャイ・ブレンパーニットとテロリストのアムポーン・ラムプーンのキャラが立っている他は、なじみのないタイ俳優だけに見ていて誰が誰だかわからなくなるのが難点。ストーリーは意外と平板で、爆弾の解除のために送電を切らせてタイ銀行の金塊を奪おうなんてプラン、気がついたらタイ銀行に警官隊集めたら終わりやんと思ったらどっちらけてしまった。

 総じて「西部警察」風の映画です。B級ガンアクションが好きなら、見ておいて損はないでしょう。

タニット・チッタヌクン監督。2004年タイ映画。

2007年1月18日 (木)

鉄道員 ぽっぽや (1999)

鉄道員 ぽっぽや 佐藤乙松(高倉健)は、北海道のほろまい駅の駅長。生まれて間もない娘を亡くし、また妻静枝(大竹しのぶ)にも先立たれひとりぼっちだ。定年が近づいた乙松を友人の杉浦(小林稔侍)は心配しているのだが、そんな彼の前にある少女(広末涼子)が忘れ物を取りにやってきた。

 浅田次郎の短編小説を映画化して、日本アカデミー賞をとった作品。う?ん、ものすごく枯れた映画である。一言で言えば「ノスタルジーの世界」とでも言おうか。若い頃に見たら良さがわからないというか、拒絶反応を起こしていたかなぁと思えるような内容なのだが、何とも言えない日本映画独特の味みたいなものがある。降旗作品は若い頃は苦手だったんだけど、最近は相性がよいのは自分が枯れてきたからだろう。

 物語は現在の乙松を中心にしながらも、過去の回想が半分ぐらいは挿入されているだろうか。すっごく不器用で応用がきかなくて、鉄道員(ぽっぽや)しかできない男が淡々と描かれている。娘が亡くなるときも仕事をしていて、妻が亡くなるときも仕事をしていた‥でも自分の親とかを考えると、これが当たり前なんですよね。自分が親父の背中に何を見てきたんだろうかってことを、ちょっと考えさせてくれます。

 ちょっとトーンが変わるのは後半。広末が出てきたあたりから物語がファンタジーに変わる。このトーンの違いに少々戸惑ってしまいまったけど、ラストがうまくまとまっていて良かった。素直に乙松の一生に思いをはせることができます。

 20世紀の最後に製作されていることからしても、前ばかり見てないで、たまには過去を振り返ってみようっていう映画かな。

降旗康男監督。1999年日本映画。

2007年1月17日 (水)

あらしのよるに (2005)

あらしのよるに 嵐の夜に、雨風を逃れて薄暗い山小屋で出会った狼のガブ(声:中村獅童)と山羊のメイ(成宮寛貴)。お互いの正体を知らずに再会を約束した二人だったが、いざ出会ってみると…

 きむらゆういちのベストセラー絵本をアニメ映画化。主演の二人の声に加えて、竹内力・KABA.ちゃん・板東英二・市原悦子・早見優らの豪華声優陣が話題の作品。興収的にもヒットした作品なのだそうだが…

 この映画、イマイチすっきりしなかったというのが正直な感想。先日見た「ブロークバック・マウンテン」と妙にかぶってしまったというのが敗因かも。何よりもヤギとオオカミの友情であるはずのストーリーが、種族の違う動物(草食獣と肉食獣)のアブノーマルな愛情にすりかわってしまってるのが痛い。それならそれで昇華してくれれば見どころもあろうものだけど、浮ついた二人の会話はまるで出来の悪い恋愛ドラマを見ているようでちょっと…

 そういえば山小屋での出会い、種族(家族?)との確執、迎えてくれるのは「山」だけというあたりも「ブロークバック・マウンテン」と共通点が多いのは偶然か? 原作の絵本は立ち読みしたことがあるんだけど、こちらの方がストレートに作者の思いが伝わってくるような気がする。

杉井ギサブロー監督。2005年日本映画。

2007年1月16日 (火)

フロム・ヘル (2001)

フロム・ヘル アバーライン警部(ジョニー・デップ)は妻を出産で亡くしてからはアヘン窟に入り浸りの生活だったが、娼婦が惨殺されたという事件で呼び出される。彼は被害者の仲間の娼婦メリー・ケリー(ヘザー・グレアム)に話をきくのだが…

 1888年に実際にロンドンで起こった切り裂きジャックをテーマにしたスリラー。事件自体は迷宮入りで、犯人は現在もわかってなく他の映画でも繰り返し使われているテーマなんだけど、きちんとこの事件を映画化した作品は初めて見た。

 事件に関する予備知識なく見たので、びっくりするくらい楽しめた。猟奇殺人の背後に介在する医者、王室、フリーメイソン(また登場か!?)に加えて、ストーリーに全然関係ないエレファントマンの登場などなど。ストレートな話なのに、多彩なおかずが用意されていて楽しめる。しかもそれらは意外と史実に忠実で、フィクションかと思った部分も切り裂きジャックに関する当時のゴシップの寄せ集めのようだ。というわけで、頭を真っ白にして見るといっぱしの切り裂きジャック通(笑)になれる映画。若干スプラッティーなシーンもあるので、苦手な方は要注意。

 ジョニー・デップは予知能力のある警部役で登場。この予知能力がまた悲しいラストとつながっているのには余韻が残る。ヘザー・グレアムはとってもキレイで、こんな場末で娼婦やってるのが似合わない感じ。

 トンカチ3発で廃人になるって設定も、考えてみたらコワいよな。

アルバート・ヒューズ、アレン・ヒューズ監督。2001年アメリカ映画。

2007年1月15日 (月)

ブレイキング・ニュース (2004)

ブレイキング・ニュース 香港で警察と強盗との銃撃戦が発生し、警官が銃を向けられて命乞いをするシーンがテレビ放映されてしまう。警察の信用回復のために、レベッカ警視(ケリー・チャン)は特殊部隊CIDにカメラを付けて、映像を検閲しながらメディアに流す作戦を立てるのだが…

 マンションのような市街地を舞台にしたガンファイト映画。西部警察の派手な回を思わせるような見せ場の連続で、さらに現代のメディア戦やインターネットを交えた情報戦が物語のキモになっているのが斬新。強盗団が二組いて、それが押し入った人質宅で仕方なしに協力し、腹が減っては戦はできぬと人質も交えて食事をするというのが何ともシュールである。警視役のレベッカは指令を出すだけの役回りかと思えば、ラストには肝の据わったところを見せてくれる。でも彼女が凶悪犯と一戦交えている姿は、やっぱり想像できない。美人美人と劇中で言われているけど、そんなに美人かな?

 ちょっとだけ不満があったのが、銃撃戦のスタイル。弾が飛び交っているのに、あんなにみんな身を乗り出していて大丈夫なんか? 死にたいんか? そのあたりを見ていると、ちょっと冷めてしまった。ガンファイトに関しては、香港映画もあんまりリアリティを感じないなぁ。

ジョニー・トー監督。2004年香港=中国合作。

2007年1月12日 (金)

ル・ディヴォース パリに恋して (2003)

ル・ディヴォース パリに恋して アメリカ人のイザベル(ケイト・ハドソン)は、フランス人と結婚した姉ロクサーヌ(ナオミ・ワッツ)に会いにパリにやって来る。ところがロクサーヌの夫シャルル(メルヴィル・プポー)は、身重の妻を残して愛人のところへ行ってしまう。滞在を決めたイザベルは、外交官のエドガル(ティエリー・レルミット)に愛人になってくれと求められるのだが…

 アメリカとフランスのカルチャーギャップを軸にしたコメディ。フランス人が愛人に対して寛容なところを皮肉った感じなんだけど、こりゃアメリカ人じゃなくても戸惑うぜっていうような内容。イザベルが愛人のエドガルからもらうケリーバッグが印象的に使われている。確かに希少価値のある逸品を普通は手に入れられない人が持ってたら、その出所は一目瞭然。日本とはブランドものに対する感覚が違うんだなってことが感じられる。

 いかにもラブコメって感じのDVDパッケージなんだけど、監督はあの「眺めのいい部屋」のジェームズ・アイヴォリー。どんな内容なんだろうって思ったらしっかりアイヴォリー色で、庶民の話のはずなのに料理や絵画ややたらと重厚な小道具が散りばめられているのがそれっぽい。アイヴォリーは何を撮ってもアイヴォリー色ってことかも。最近気に入っているナオミ・ワッツが出ているのも楽しみだったんだけど、彼女は何をやってもキレイです。主演のケイト・ハドソンは初めて見たが、ゴールディ・ホーンの娘らしい。髪型が変わると雰囲気もがらっと変わるのが面白い。レスリー・キャロンもクレジットされてるんだけど、どこに出てたっけ? もうかなりのお歳だと思うのだが。

ジェームズ・アイヴォリー監督。2003年アメリカ=フランス合作。

2007年1月11日 (木)

酔画仙 (2002)

酔画仙 19世紀末の、朝鮮時代末期の韓国。浮浪者同然の少年だったスンオプ(チェ・ミンシク)は、学者キム(アン・ソンギ)にその絵の才能を見いだされる。やがて下宿先に住む病弱な娘ソウン(ソン・イェジン)に恋をするのだったが…

 酔画仙と呼ばれた実在の天才画家を描いた伝記映画。酒と女が大好きで、酔っぱらって傑作を描いたと言われるだけに実に奔放な世界が描かれる。放浪して、ヒモのような生活を送ってみたり、宮廷にまで画家として呼ばれるのに傍若無人に振る舞ったりやりたい放題。天才っていうのは私生活ではこういう八方破れの人物が多いってのをよく聞きますが、それを地でいったような感じです。

 「オールド・ボーイ」での印象が強いチェ・ミンシクですが、このソンオプという役も彼のイメージにぴったり。実際の酔画仙は今回初めて知ったのですが、しっかり彼の人物像が頭にすり込まれてしまった。しかし映画としては起伏が少なく少々中だるみ気味。ラストなんか彼がどうしてああいう風に追い込まれてしまったかがよく伝わって来なかったです。こっちの観察力不足なんかなぁ。

イム・グォンテク監督。2002年韓国映画。

2007年1月10日 (水)

パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト (2006)

パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト 前作で結ばれ、結婚式を間近にひかえたウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)とエリザベス(キーラ・ナイトレイ)だったが、その前夜に逮捕されてしまう。その容疑は、海賊ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)を逃がしたこと。釈放の条件として言い渡されたのが、スパロウの持つ魔法のコンパスを手に入れることだった。

 前作でかちっと話が完結していただけに、物語が動き出すまでに少々もたついた印象もあるんだけど…動き出したら止まらない。今回のキーマンはタコ男のデイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)で、タコ頭に手はカニで海産物の寄せ集めのよう。魔法のコンパスと、その指し示す「デッドマンズ・チェスト(デイヴィの心臓が入っている)」を巡っての追いつ追われつのアドベンチャーが繰り広げられる。

 今回はどちらかというとウィル・ターナーの方が主役っぽくて、幽霊船での父親との確執があったりエリザベスとの微妙な関係の揺れがあったり盛りだくさん。アクションシーンも、檻に入ったメンバーが崖や草原を運動会のように走ったり、外れた水車の上でチャンバラしたりとはらはらというよりも楽しそう、やってみたいと思わせる内容ばかり。

 唯一の不満はラスト… こりゃ3部作映画の定石というか、1作目はキレイに完結して2作目は単なるつなぎ…というノリですね。oga.はなぜかスター・トレックの「ミスター・スポックを探せ」を思い出したりしてましたが。

ゴア・ヴァーヴィンスキー監督。2006年アメリカ映画。

2007年1月 9日 (火)

パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち (2003)

パイレーツ・オブ・カリビアン 総督の娘エリザベス(キーラ・ナイトレイ)は幼少時の航海中に漂流している少年ウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)を助け、さまよう海賊船を見る。やがて二人は成人してウィルは鍛冶屋になるのだが、町は海賊のバルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)に襲われてエリザベスはさらわれてしまう。彼女を助けるために、ウィルは一匹狼の海賊ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)と組んで後を追うのだが…

 ジョニー・デップの当たり役ジャック・スパロウシリーズの第1作。原作はディズニーランドのアトラクションということなんだけど、うまい具合に脚色されて一級のエンタテインメントになっている。特に呪われた海賊たちが、死なないけど喜びも楽しみも失われてしまったという設定、月の光にだけ浮かぶその正体、そして金貨の呪いに関する後半のやりとりが秀逸で、たっぷりと楽しませてもらった。

 このオカマのようななよっとしたジャック・スパロウが特に人気だそうで、どこが良いのかoga.などは首をかしげてしまうんだけどジョニー・デップの芸達者さはさすがです。本来は2枚目で主役の役回りであるはずのオーランド・ブルームを脇に置く配役も絶妙で面白い。「ドミノ」ではじけたキーラ・ナイトレイはこの頃はまだ正統派のお嬢様しています。

ゴア・ヴァービンスキー監督。2003年アメリカ映画。

2007年1月 8日 (月)

命 (2002)

命 柳美里(江角マキコ)は不倫相手との間に子供を身ごもり、また相手の優柔不断な態度に途方にくれている。彼女はかつての恋人で演出家の東由多加(豊川悦司)に助けを求める。奔放な性格の東は手を差し伸べるのだが、彼の体は末期ガンに侵されていた…

 柳美里の自伝的小説「命」「魂」「生」を篠原哲雄監督で映画化。こういう作品を見ていると、つくづく作家ってのは自分の人生を世の中にさらけ出して切り売りしているんだなって感心してしまう。それにしても映画やドラマ以上の壮絶な人生で、映画の出来不出来を云々する気がしなくなるような内容には圧倒される。出番は少ないながらも樹木希林の母も存在感があり、彼女がこういった生き方を選んでしまったことに説得力を与えている。

 コップ酒片手に、リハーサル中の劇団員を怒鳴り散らす姿に、東由多加の生き方が凝縮されているという感じ。江角マキコは自殺癖がある女性、というには強すぎるんじゃないかな。

篠原哲雄監督。2002年日本映画。

2007年1月 6日 (土)

シリアナ (2005)

シリアナ 引退を考えるCIAのベテラン工作員のボブ・バーンズ(ジョージ・クルーニー)は、アラブの王子ナシールの暗殺を命じられる。同じ頃、アナリストのブライアン・ウッドマン(マット・デイモン)は王子のパーティーに誘われる。凄腕弁護士のベネット・ホリディ(ジェフリー・ライト)は大手石油会社の合併に奔走している。やがて彼らの運命は交差していき…

 ロバート・ベアの「CIAは何をしていた?」を映画化。中東とアメリカを行き来しながら描かれる、石油利権をめぐるポリティカル・サスペンス。ジョージ・クルーニーは本作でアカデミー助演男優賞を取ったのだが、寡黙で不気味な諜報員は存在感抜群。演技というよりも存在感といったタイプで、そこが諜報員として評価されたんだろうか。拷問されようが何されようが最後まであわてず、騒がずそしてあっけなく… ジェフリー・ライトは凄腕凄腕と呼ばれてもっと活躍するのかと期待したのだが、こちらも…

 映画自体は非常に地味な上にストーリーがわかりにくく、社会派作品が好みのoga.としても正直なところ少々しんどかった。収穫はといえば、イスラム原理主義の自爆テロが、若者の日常とどういうふうにつながっているかが描かれていることかな。でもそれ意外は、ストーリーの起伏に乏しくエンタテインメントとしてはおすすめしにくい。

 マット・デイモン演じるウッドマンの家族崩壊をもっと詳細に描いたら、とも思ったんだけどそうなると本筋と外れて行くんだろうね。

スティーヴン・ギャガン監督。2005年アメリカ映画。

2007年1月 5日 (金)

わんわん物語 (1955)

わんわん物語 ジム(声:リー・ミラー)は最愛の妻(ペギー・リー)にコッカー・スパニエル犬のレディ(バーバラ・ルディ)をプレゼントする。その愛らしさから近所の犬たちの評判になるレディだったが、赤ちゃんができた夫婦に相手にされなくなり寂しい思いを… そして犬嫌いのお手伝いさんセーラ(ヴェルナ・フェルトン)の勘違いで追い出されたレディは、野良犬のトランプ(ラリー・ロバーツ)と仲良くなるのだが…

 ディズニーの動物アニメとしては定番中の定番と言える作品を初鑑賞。これってものすごく美しいプリントで残っている(デジタル修復?)のにはオドロキを覚える。とにかく色彩が美しい上に、セルアニメなのに画面にすごい立体感があって物語の世界に自然に引き込まれてしまう。

 物語は、何も知らない飼い犬のレディが風来坊のトランプに振り回されながらも救われる、というもので新味はないのだが、ディズニーものだけに安心して見ていられる。憎らしいシャム猫が出て好き放題をして、レディが疑いをかけられたりしても、まぁディズニーだから何とかなるかなってところかな。

 しかしラストでちょっとだけ不満なのは、トランプが結局あれだけ嫌っていた飼い犬の座におさまって鑑札なんか付けてしまうこと。それだけレディの事が好きなんだと取るべきだろうけど、ちょっとばかりひっかかる。

ハミルトン・ラスク、クライド・ジェロニミ、ウィルフレッド・ジャクソン共同監督。1955年アメリカ映画。

2007年1月 1日 (月)

ブロークバック・マウンテン (2005)

ブロークバック・マウンテン 60年代のワイオミングにあるブロークバック・マウンテン。羊飼いの仕事を得たイニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)は何日も野宿しながらの厳しい労働の中でやがて関係を持ってしまう。何事もなかったかのように山を降り、イニスは予定どおりアルマ(ミシェル・ウィリアムズ)という女性と結婚。ジャックも金持ちの娘ラリーン(アン・ハサウェイ)と知り合い結婚するのだが、お互いのことが忘れられず…

 アニー・ブルーの短編をアン・リーが監督して映画化。アカデミー監督賞を受賞した作品。ゲイのカウボーイというテーマがセンセーショナルな話題を呼んだけど、なかなか見応えのある人間ドラマ。

 とはいっても、oga.はなぜかアルマに結構同情的な視線で見てしまったので、何だか不倫映画を見ているような居心地の悪さを感じてしまった。それにしても、アルマ可愛そう。いい奥さんだと思うのに。人間だから抑えきれない感情ってあるだろうけど、それを抑えなきゃいけない社会とか風土とかが産んだ悲劇なんだろうね。というわけで、ラストのシャツのシーンよりも私は娘が結婚を決めたと伝えられたときのイニスの表情とかが強烈に印象に残りました。

 ヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールという注目の若手が共演。冒頭の山の中で羊飼いの二人が並ぶと不思議とご面相が似てるような気がしないでもないんだけど、堅実なヒースと遊び人ジェイクという対比が物語が進むに連れてくっきり浮かび上がってくる。拾い者はミシェル・ウィリアムズ。決して美人ではないが、妻としての存在感は抜群。逆にアン・ハサウェイはあんまり出番がなくてちょっともったいない感じがした。

アン・リー監督。2005年アメリカ映画。

2006年12月31日 (日)

ポカホンタス (1995)

ポカホンタス 17世紀、イギリスからアメリカ大陸で金を掘るためにスーザン・コンスタント号が出航する。先住民の娘ポカホンタス(声:アイリーン・ベダード)は不思議な夢に悩まされていたが、到着した船に乗るジョン・スミス(メル・ギブソン)に出会ってその意味を知る。ところが誤解から彼らの間に戦争が起ころうとしていた…

 アメリカでは結構有名なストーリーのアニメ映画化だそうで、そういえば「アダムス・ファミリー」の劇中劇でも使われてました。この頃のディズニーアニメといえば、デートムービーに活路を見つけて丁度元気を取り戻した頃で、CGも一部にしか使われていないので久しぶりに見るとちょっと新鮮なものを感じます。

 1時間半と非常にコンパクトにまとめられているので、言葉の通じないジョンとポカホンタスがあっという間にしゃべれるようになったり不自然なところも目立つんだけど、エコロジカルな内容で感動的にまとめられてます。特に中盤の主題歌が流れるシーンなんて良いですね。

マイク・ガブリエル、エリック・ゴールドバーグ監督。1995年アメリカ映画。

2006年12月29日 (金)

胡同のひまわり (2005)

胡同のひまわり 1976年の北京の胡同(フートン)と呼ばれる長屋。母親(ジョアン・チェン)と二人暮らしをする少年シャンヤン(チャン・ファン)のところへ強制労働に行っていた父(スン・ハイイン)が帰ってくる。かつては画家だった父は、息子に絵の才能を感じて強制的に教え込もうとするのだが、シャンヤンは激しく反発する。やがて大きくなったシャンヤン(ガオ・グー)はスケートのうまい少女(チャン・ユエ)に恋をするのだが…

 失われつつある中国の長屋を舞台に、画家の父と子の関係をじっくりと描き込んだ力作。中国というとどうしても保守的というイメージがあるんだけど、やはり若者の気質は万国共通。頑固者の父と息子の反目は、ものすごく共感できる。

 母親役のジョアン・チェンはどこかで見た顔だと思っていたら「ツイン・ピークス」のジョシー・パッカードだったわけね。まだ若いと思うんだけど老け役にも挑戦して熱演。アパートに対する執着が凄い。でもまじめな父は、どんな手を使ってでもアパートを手に入れたい妻について行けないわけです。このエピソードにも父親のキャラクターがにじみ出てます。父親役のスン・ハイインは初見だけど、寡黙で頑固な中にも優しさがにじみ出ているところが良い。チャン・ユエは元スケーターだそうで、まさに「初恋の女性」にはまり役。主演のシャンヤンは、上記にワン・ハイディを加えて年代ごとに3人が演じています。

チャン・ヤン監督。2005年中国映画。

2006年12月28日 (木)

Mr.インクレディブル (2004)

Mr.インクレディブル かつては人々を救ってきたスーパーヒーローのインクレディブル(声:クレイグ・T・ネルソン)だったが、その能力がキケンということからヒーローが禁止され、今は夫人で同じくヒロインだったイラスティガール(ホリー・ハンター)との間に3人の子供(サラ・ヴォーウェル、スペンサー・フォックス、エリザベス・ペーニャ)をもうけてひっそりと暮らしている。ところが平凡な生活に飽き足らないインクレディブルは、ある組織からのロボット破壊の依頼を引き受けてしまうのだが…

 ピクサー初の人間(超人ですが)を主人公にしたアニメーション映画。家族全員が超人というわけで、そのチームプレイが楽しめる。舞台の大半は要塞みたいな島なんだけど、随所に007のオマージュかと思わせるシーンが散りばめられているのが印象的。「ドクター・ノオ」や「007は2度死ぬ」あたりと見比べてみると面白いかも。そういや音楽もどことなく007を意識してるよなぁ。

 悪役も普通の人間が紆余曲折を経てダークヒーローになっちゃうってのは、アメコミ系作品のお約束ですね。こういった描き込みがちゃんとされているのが面白い。Mr.インクレディブルの家族の能力がばらばらってのも、物語が単調にならずに良いです。

 キャラクターで好きなのは、長女のヴァイオレット。ゲゲゲの鬼太郎とキャリーと貞子を足して割ったようなご面相で登場、どうなるんかと思ってたら見事に化けてくれます。ただただものすごいスピードで走りまくるダッシュも面白い。後からつけ足したようなサミュエル・L・ジャクソンが声を勤めるフロゾンってのは何なんだ? しかし努力せずにこういった能力を生まれつき持っているなんて、ちょっとうらやましいぞ。

ブラッド・バード監督。2004年アメリカ映画。

2006年12月26日 (火)

フォー・ブラザーズ 狼たちの誓い (2005)

フォー・ブラザーズ デトロイトのドラッグストアで、初老の女性エブリン(フィオヌラ・フラナガン)が強盗に射殺される。実は彼女は不良たちを更正させている人格者で、彼女の義理の息子のボビー(マーク・ウォールバーグ)、エンジェル(タイリース・ギブソン)、ジェリー(アンドレ・ベンジャミン)、ジャック(ギャレット・ヘドランド)たちは犯人に復讐を誓う。

 肌の色の違う義理の兄弟が、育ての親を殺した犯人を追い詰めていくというアクション映画。不良が大人になったかのような4人組はともかく、出番は少ないが母親エブリンが何ともいい味を出しているのが印象に残る。元ヒッピーという設定なのだそうだが、ヒッピーもお婆さんになってしまうほど時代は流れてるわけね。反面子供たちが、悪人を「制裁だ」と称してずどんとやってしまうあたりがひっかかる。この母親が望んでいるのは、もっと違う解決なんじゃないかと首をかしげていたら、物語をすんなりと楽しむことができなかった。

 とはいっても、レンガをパスパスと撃ち抜く銃撃戦などはアクション映画としては一見の価値あり。つるつる滑る氷の上のカーチェイスも見応えがある。

 なおオリジナルはヘンリー・ハサウェイ監督、ジョン・ウェイン、ディーン・マーティン共演の西部劇「エルダー兄弟」らしいが、こちらは未見である。

ジョン・シングルトン監督。2005年アメリカ映画。

2006年12月25日 (月)

魁!! クロマティ高校 THE MOVIE (2004)

魁!! クロマティ高校 校舎が何回も全壊したことさえある不良の巣窟クロマティ高校に、お人好しがゆえに入ってしまった真面目な神山(須賀貴匡)。彼はあまりの学園の惨状に、友人の林田(虎牙光揮)と前田(山本浩司)と共に学園を変えようとするのだが空回りばかり。そんなある日、宇宙猿人ゴリが地球征服のためにやって来た。

 少年マガジン連載・野中英次原作の人気ギャグマンガを、山口雄大監督が映画化。冒頭の古い白黒写真を交えてクロマティ高校の歴史が語られるあたりはなかなか重厚な雰囲気だったんだけど… 本編がはじまってからは最後まですべりこけっぱなし。これは、少年漫画誌を読む気構えで見ないとかなりきつい映画だぞ。

 何と言っても、ギャグがあまりにおバカすぎて笑えなかったのが苦しかった。世代の違いか。とは言いながらも、「宇宙猿人ゴリ」なんて今の若者たちが知っているのだろうか? とにかくジャンクなものをごちゃごちゃにかき混ぜてシェイクして出来たって感じな映画。笑えるか笑えないかが評価の分かれどころでしょう。oga.は中盤は、とんでもなくしんどかったぞ。同じような映画として「逆境甲子園」は笑えたんだけどなぁ。

 冒頭、お人好しの神山くんが入学したところからいじめ映画にならなきゃいいのにと心配したんだけど、まわりはみんなワルだと言いながらも彼をそれなりに受け入れてしまうところに安心した。意外といい映画なのかもしれない。

山口雄大監督。2004年日本映画。

2006年12月22日 (金)

東京ゾンビ (2005)

東京ゾンビ 東京の下町の消火器工場で働くフジオ(浅野忠信)とミツオ(哀川翔)は柔術では師弟の関係で、仕事そっちのけでミツオはフジオに柔術を教えている。ところがある日、裏山の通称「黒富士」からゾンビがあふれ出て、東京はゾンビに埋め尽くされてしまった。車に乗った2人は逃げるのだが、ミツオがゾンビに噛まれてしまう…

 花くまゆうさくのヘタウママンガを映画化。ゆる?いギャグの連発は最近見た映画では「真夜中の弥次さん喜多さん」に近い雰囲気。黒富士で、首がぷぉんと飛ぶシーンで悪い予感はしてたんだが、ゾンビが登場してから一気にストーリーが走り出し、気がついたら本家も真っ青なパロディ版ゾンビが繰り広げられる。セットも特撮もギャグもノリも学生が作った8mm映画って雰囲気なんだけど、こういうのが大好きなoga.は結構ツボにはまってしまった。なかなか、ゾンビへの愛を感じる。うん、いい映画だ(笑)。

 本来は2枚目のはずの浅野忠信と哀川翔が、アフロとスキンヘッドで楽しそうに柔術オタクを熱演。特に哀川翔のスキンヘッドはただのオヤジっぽくて、とってもいい。彼にコメディの才能を感じてしまった。常に怒っているけど足がキレイなのが印象的な奥田恵梨華、存在感だけで成り立っている楳図かずおなど、バラエティ番組のドラマパートといった感じ。さらに熱演を評価したいのは、ゾンビファイトを見守るおばさんたちかな。

佐藤佐吉監督。2005年日本映画。

2006年12月21日 (木)

スタスキー&ハッチ (2004)

スタスキー&ハッチ 70年代のカリフォルニアのベイ・エリア。相棒が何回もチェンジしている刑事スタスキー(ベン・スティーラー)の今回のお相手はハッチ(オーウェン・ウィルソン)。堅物のスタスキーに対して、いいかげんなハッチは事あるごとに対立するがそんなある日、港に水死体が流れ着くという事件が起こる…

 70年代の人気テレビドラマ「刑事スタスキー&ハッチ」(通称「スタハチ」)の映画化。当時ガンマニアだったoga.は結構気になっていたドラマだったんだけど、実は1回も見たことがない。というわけで映画版で初めて目にしたわけだけど、70年代どっぷりの雰囲気が再現されているのと、当時のアメリカ製テレビドラマを思い出して懐かしい気分にさせられた。

 oga.が見てたのは「チャーリーズ・エンジェル」とか「バイオニック・ジェミー」なんかの日曜10時半枠が多かったんだけど、当時のアメリカのドラマって本当に似ている…というか、独特の雰囲気がありますね。この映画版スタハチも、同じ雰囲気を思い入れたっぷりに再現してます。

 ベン・スティーラーとオーウェン・ウィルソン(最近では「カーズ」のマックインの声もやっている)はこういった凸凹コメディにぴったり。このままではoga.の頭の中では、スタスキー=ベン・スティーラーとすり込まれそうだ。なお本作は日本では劇場未公開だそうです。オリジナルの知名度にかなり乗っかった映画だから、しゃーないかな。

トッド・フィリップス監督。2004年アメリカ映画。

2006年12月20日 (水)

免許がない! (1994)

免許がない アクションスターの南条(舘ひろし)はロケ中に車が運転できないことが原因で女優に恥をかかせてしまう。一大決心をした南条は、映画の撮影を中断してまで合宿免許を取りに栃木に行くのだが…

 映画の題材の取り方はとっても良いと思う。車を運転する人なら誰でも味わったあの教習所の苦労の日々がよみがえってくる。でも、物語は通り一遍で面白くない。森田芳光が脚本を担当しているのに、何だかなぁって感じだ。これなら友人と教習所の思い出話でもしていた方が盛り上がって笑えると思う。

 一番の敗因は、映画のスタッフが総出で南条をバックアップすることでしょう。いくらスターだからって、これはしらける。南条が自力で免許を取るというプロセスがこちらに伝わってこないのもイマイチである。とはいっても、元々コミカルな演技が面白い舘ひろしは頑張っていると思う。墨田ユキみたいな女性教官はちょっと現実離れしているけど、片岡鶴太郎・西岡徳馬といった教官たちは「いるいる」って納得してしまった。

明石知幸監督。1994年日本映画。

2006年12月19日 (火)

ブラックキス (2004)

ブラックキス モデルを目指して上京してきた明日香(橋本麗香)は、元モデルのルーシー(川村カオリ)の歌舞伎町のアパートに同居することになる。ところが窓から隣のビルの殺人を目撃。通報を受けた警察が踏み込むと、そこには生きたまま解剖された死体が転がっていた。犯人を追う刑事祐介(松岡俊介)は、異常犯罪の専門家の鷹山(草刈正雄)にアドバイスを求めるのだが…

 猟奇殺人を扱ったサスペンス・ホラーで、「羊たちの沈黙」をかなり意識した内容。ストーリーよりも何よりも、主人公たちの病的なメイク、歌舞伎町の喧噪、モデルの世界の裏側などなど結構心理的に落ち着かない世界が描かれるので、猟奇殺人よりも何よりもその雰囲気に気分的に滅入ってしまった。ルーシーがビルの屋上で死と背中合わせになって精神のバランスを取っているのも、何だかわかるような気がする。

 それにしてもこの「ブラックキス」と呼ばれる犯人は何なんだろう。ラスト近くにはいちおうの見せ場が用意されてはいるのだが、まるでキャットウーマンのアクションシーンのようで思いっきり肩すかしをくらったような気分。

 娘はいないoga.ですが、この映画を見たら「娘を都会に出すのだけはやめよう」と思うかもしれない。

手塚眞監督。2004年日本映画。

2006年12月18日 (月)

スネーク・アイズ (1998)

スネーク・アイズ アトランティック・シティでヘビー級ボクシングのタイトルマッチが行われ、刑事ニック(ニコラス・ケイジ)はリングサイドで観戦している。国防長官の出席で警備を務めるのはダン中佐(ゲイリー・シニーズ)。ところが試合中に長官は狙撃されて重傷。逃げまどう群衆の中でダンは実行犯と思われる男を射殺するのだが… スタジアムに缶詰になった人たちを描いたサスペンス。

 劇中でニコラス・ケイジはチョイ悪警官の役で、そのべらべらとまくしたてるハイテンションな雰囲気はぴったり。彼の真骨頂を見た感じ…なんだけど、狙撃が起こってからはテンションがじわ?っと下がってきてそれと共に物語も退屈になっていくのはなぜ? こうなるとoga.などは最後は盛り上げてくれるだと期待しながら見るわけだけど、意外と短い時間であっけなく終わってしまいました。ゲイリー・シニーズにねばりが少なかった(演技じゃなくて役柄にね)のがちょっと期待はずれ。

 なおエンドクレジットの途中に、もうひとつの謎が隠されているんだけど、誰があの宝石を付けていたかなんて記憶なし!! こりゃもう1度見ろってことか? 映画館だったら席を立たずにもう1度見るところかもしれないけど、最近の入れ替え制のシネコンだったら間違いなくDVDで確認しよっかなってところだよな。うまいことできてます(笑)。

2006年12月15日 (金)

首 (1968)

首 戦時中の日本。警察の獄舎で、炭坑夫が変死するという事件が発生する。弁護士の正木(小林桂樹)は脳溢血だという死因に不審を持ち、死体の再解剖を求める。それだけの事件のはずだったのだが…

 弁護士正木ひろし原作の実話を橋本忍脚本、森谷司郎監督で映画化。私事だけど、母が見たことがあると聞かされていた映画でずっと見たいと思っていたものをついに鑑賞。証拠のために首を切り落として持ち帰るという猟奇的な部分ばかりが興味をそそるが、実はかなり硬派で骨太な映画。

 警察の犯罪とそれをもみ消そうとする官憲と戦った弁護士を描いた作品なんだけど、主人公の正木はそれほど肩に力は入っておらず気になる事件を調べていたらそこに警察権力の介入があった。彼は正義とかふりかざしたわけでなく、ただ真実を明かしたかったという何やら弁護士の鏡みたいな人である。いい話である。

 それにしても、完全に手詰まりになって仕方なく墓を掘り返して証拠の首を持ち出すというのは凄い。しかも東京へ向かう機関車の中で首が腐り出し、まわりの客が騒ぎ出す。見つかったら弁護士といえども刑務所行き、さあどうする…といった展開は一級のサスペンスだし、黒澤組の重鎮だった橋本忍の脚本の冴えが感じられる。

 残念なのはビデオ・DVD化されてないことかな。こういった隠れた名作っていっぱい埋もれているような気がする。

森谷司郎監督。1968年日本映画。

2006年12月14日 (木)

大いなる休暇 (2003)

大いなる休暇 カナダのケベック州の過疎の島サントマリ・ラモデルヌ。住民のほとんどが生活保護を受けている中、プラスチック工場誘致の話が持ち上がる。その条件は、島に定住する医者がいること。かくして元町長のはからいでこの島にやって来た医師クリストファー(デヴィッド・ブータン)を、ジェルマン(レイモン・ブシャール)を長とする島民一同はこの島に住んでもらおうと数々の作戦を立てるのだが…

 カナダ映画ながらセリフはフランス語で、なんか映画の雰囲気もヨーロッパっぽいぞ。ストーリーはお医者さんクリストファーを島にひきとめようと島民があれよこれよと作戦を立てるもので、意外と気軽に笑いとばして見られるもの。でも島民を素朴だ純情だ良い人だと言うには毒があり過ぎ。そのひとつは盗聴で、医師のプライベートは島民に筒抜け。なんか田舎に引っ越したよそ者の気持ちを体現できるような気がいたしました。でもまぁ、救われてるのは島民がみんなこの医者を好きなことでしょうね。

 見よう見まねのクリケット、道に落ちているお金、誰かがもぐってくっつけた釣りの魚、こんな小さな嘘の積み重ねがばれないのが笑わせてくれます。道ばたで出会う女性(ごめん、名前不明)もミステリアスでポイント高いですね。

ジャン・フランソワ・ブリオ監督。2003年カナダ映画。

2006年12月13日 (水)

コーヒー&シガレッツ (2003)

コーヒー&シガレッツ テーブルを囲んで、コーヒーと煙草を片手に会話する人たちのエピソードを11話集めたオムニバス映画。ストーリーらしきものはなく、ただただ会話を楽しむって行為を見ているのはまるで盗聴でもしているかのような気分。それだけにリアルではあるけど、物語の抑揚はなくそれなりの忍耐を強いられる。

 ロベルト・ベニーニ、スティーヴ・ブシェミ、ケイト・ブランシェット(二役!!)、ビル・マーレイといったくせ者俳優たちがぺらぺらとしゃべりまくる。共通なのはチェック柄のテーブルと煙草とコーヒー(紅茶の時もあった)。これがモノクロ映像で、しかも上から撮ったショットなんてとっちらかったテーブルの上にこぼれたコーヒーや煙草の灰が広がる。なんというリアリティ。こんな世界を創出できるジム・ジャームッシュってのはやっぱ天才なんだと思う。でも見続けるのには忍耐がいったなぁ(笑)。

 コーヒーは中毒気味、煙草は吸わないoga.にはわからないことなんだけど、両者は合うんでしょうね。アルコールでないところが、登場人物みんなしらふで崩れた雰囲気にならないのが微妙に良いのかもしれない。モノクロの映像ともマッチしてます。あ、コーヒー飲みたくなっちゃった。

ジム・ジャームッシュ監督。2003年アメリカ映画。

2006年12月12日 (火)

トム・ヤム・クン! (2005)

トム・ヤム・クン カーム(トニー・ジャー)はタイの片田舎で象を育てて平和に暮らしていたが、密輸組織によって大切な象を2頭盗まれ、父親も撃たれてしまう。怒ったカームは象を追ってオーストラリアへ渡航。現地の警官マーク(ペットターイ・ウォンカムラオ)の助けもあって組織を追うのだが、彼らには最強の格闘家やプロレスラーが用心棒として付いていた。

 あの「マッハ!!!!!!!」のトニー・ジャーが同スタッフを引き連れて作った新作。コンセプトは同じで、ワイヤーやCGは使わない、スタントも使わないという壮絶なもの。かくして中盤以降は戦って戦って戦いまくり。ボキボキと骨を折られる者は無数。動きのにぶくなったセガールなんて目じゃない、超絶アクションが繰り広げられる。「7人のマッハ」も含めるとタイのアクション映画を見るのは今年3本目だが、とにかく元気な頃の香港映画を彷彿とさせるはじけぶりは見事。

 ワンショットで何十人も倒す階段のシーンや、燃える神社の中での格闘家との対戦など見せ場は多数あるけど、今回は「象を助ける」という落としどころ、泣かせどころがあるのが見事。この象がとんでもなく可愛いのが、物語に説得力を持たせている。取り戻すモノが仏像の次は象とは、タイ映画恐るべし。

プラッチャヤー・ピンゲーオ監督。2005年タイ映画。

2006年12月11日 (月)

カーズ (2006)

カーズ ピストン・カップ優勝を狙うルーキーのレーサー・マックイーン(声:オーウェン・ウィルソン)はレースの移動中にトレーラーに間違えて置き去りにされてしまう。そして迷い込んだラジエター・スプリングスの町で道路を壊したかどで逮捕され、強制労働を命じられるのだが… 登場人物がすべて車というタイトルどおりのぶっとびアニメーション。

 とはいっても驚きのアイディア、とは言い切れない。小さい子供の世界では車に顔がついてしゃべるのは当たり前だし、実際に「ボブ&ブーブーズ」とか「ぼくブルン」なんてビデオもある。でもこの映画はさすがにピクサー作品だけにレベルが高く、生きている車に大人でも素直に感情移入できるのが良い。

 冒頭のオーバルのレースシーンから、レースファンなら画面に引き込まれることうけあい。凝りまくりのアングルから見せられるスピード感は迫力満点。はじけ飛ぶタイヤかすまで見せられると、本当にうなってしまう。一転してさびれたラジエター・スプリングの町のドラマという流れも良い。毎度ながら、車のキャラクターたちが魅力的。特にポンコツレッカー車のメーター(ラリー・ザ・ケーブル・ガイ)が良い。ポルシェのサリー(ボニー・ハント)も車だのに何だかセクシーだぞ。

 勝つことしか頭にない主人公が人間関係の大切さに気づくというテーマ自体はストレート過ぎてひねりも何もない内容なんだけど、かつてレーサーだったというドック・ハドソン(ポール・ニューマン)のエピソードや、ラストの顛末(実際にレースを見ていると、同じような事が起こって感動させられることってありますね)が映画を引き締めていていいものを見たという気分にさせられます。車好きなら一見の価値がある作品でしょう。

 ラジエター・スプリングみたいな町って日本でも至るところにあるような気がする。国道ができて、あるいは高速ができて人々が立ち止まらなくなって町がさびれていくってやつですね。マックイーンがやって来たことで、この町は救われる。でも救われない町もいっぱいある。考えさせられます。

ジョン・ラセター監督。2006年アメリカ映画。

2006年12月 9日 (土)

雨あがる (1999)

雨あがる 長雨で安宿に足止めされた浪人・三沢伊兵衛(寺尾聰)とその妻・たよ(宮崎美子)。やっと雨が上がり、近所を散策していた伊兵衛は侍の喧嘩の仲裁に入り、それを藩主の永井和泉守(三船史郎)に見初められる。実は伊兵衛は剣の達人で、藩の指南役にという話が持ち上がるのだが…

 山本周五郎原作、そして黒澤明の遺稿となった脚本を旧黒澤組のスタッフが映画化。冒頭に黒澤監督のスチルが何カットも入るほか、タイトルの文字も黒澤の手によるもの。こりゃかなりくどいすべり出しで、映画が始まる前にごちそうさまになってしまった。それにしても題字を見ているだけで「こりゃ黒澤映画だ」って思えるなんて凄い。もうちょっとさりげなくやってほしかったところだけど、そうすれば何十年か後に見た人が黒澤記念映画だってわからなかったら困るんだろうねぇ。

 映画の内容はとにかく丁寧に撮ってあるのが印象に残る。その奥ゆかしさ、そして風流(っていうんかな?)さがゆえに士官の仕事が続かない伊兵衛を中心に、日本の妻の鏡といったたよ、風情がわかる殿様、雑草のように生きる場末の人々などこれまた往年の古き良き時代劇を復活させている。アクション時代劇ばかりでなく、こういう静かな感覚は必要じゃないかと思う。

 個人的には西部警察のイメージが強い寺尾聰なんだけど、最近のお仕事を見ているといい具合に枯れてきたなぁと思う。旧石原軍団の中では、頭1つ飛び出ているかも。突き放したようなラストも、余韻があって好きです。

小泉堯史監督。1999年日本映画。

2006年12月 8日 (金)

ダウン・イン・ザ・バレー (2005)

ダウン・イン・ザ・バレー ロス郊外の町サンフェルナンド・バレーに、流れ者のハーレン(エドワード・ノートン)がやって来る。ガソリンスタンドで働いていたカウボーイ風の彼を女子高生のトーブ(エヴァン・レイチェル・ウッド)は逆ナンパし、海に遊びに行って愛し合うようになる。トーブの父で保安官のウェイド(デヴィッド・モース)はこの交際に大反対。ところが弟のロニー(ロリー・カルキン)もハーレンの不思議な魅力にひかれていくのだったが…

 流れ者のカウボーイと女子高生の純愛映画…かと思ったら、そう世の中は甘くない。ストーリーはなんとも言えない方向へ転んでいき、結局イカレポンチのカウボーイはただのイカレポンチ男だったってことだろうか。なんとなく父親の視線で見てしまったがために、妙な喪失感を味わってしまった。イカレポンチにはイカレポンチの意地を見せて欲しかったところだ。

 それにしてもエヴァン・レイチェル・ウッドもエドワード・ノートンも、美男美女のカップルでしかも善人顔。冒頭のトーブの不良少女っぽいふるまいからして、コワれ気味なのはトーブの方だと思ってたんだけど、結末から考えると完全にコワれてるのはハーレンの方。彼らがらしくないと感じるのは、ミスキャストなのかそれともoga.に見る目がないのかよくわかんないけどね。

 なお弟役のロリー・カルキンはカルキン兄弟の末弟だそうです。

デヴィッド・ジェイコブソン監督。2005年アメリカ映画。

2006年12月 7日 (木)

鉄拳高 同級生はケンカ王 (2001)

鉄拳高 秀才だがお坊ちゃま育ちのエドワード(スティーヴン・フォン)は元カノに陥れられて不良の集まるTBS高校へ転校する羽目になる。そこでは机を並べたリングで戦い、落ちたら負けという決闘がすべてを決定するという暗黙のルールがあった。クラスのワルに決闘を申し込まれ、こてんぱんにやられたエドワードは、元ボスのストーン(ニコラス・ツェー)と仲良くなり身の守り方を教えてもらうのだが…

 「火山高」を見ようと思い間違えて録画してしまった(笑)。でもコレ、結構拾いものというか面白かった。2001年製作ということで、こっちの方がオリジナルだと思うんだけど「フライ、ダディ、フライ」のお父さんを少年に変えたらストーリーがそっくり。さらに恋だの友情だのアクションだのをてんこ盛りにした、典型的な楽しめる香港映画の作りです。

 登場人物に関しては、黒社会(ヤクザ)とつるんだ学生はワル顔で、主人公たちは今時のイケメンという非常にわかりやすい構図。机の上での決闘はなかなかの迫力ですが、カンフーハッスルほどはバカになりきってはいないです。エドワードに思いを寄せるヒロインのフェニックスことジョイ・ヨンは若い頃の榊原郁恵に似ている。

バリー・ウォン監督。2001年香港映画。

2006年12月 6日 (水)

天使 (2005)

天使 ある日、東京に空からひとりの天使(深田恭子)が舞い降りてくる。その天使が見えるのは気の弱いコンビニ店員の加藤(内田朝陽)、いじめにあう中学生のみずほ(小出早織)、父(永瀬正敏)とその恋人(永作博美)の間で揺れ動く少女ちい(森迫永依)だけだった。

 桜沢エリカの同名コミックを映画化。ひとりの天使を中心に3つのストーリーが平行して進むオムニバス形式をとる。それぞれのエピソードはよくできたドラマの短編のようで心が和む。天使はただそこにただよっているだけで、大きな奇蹟を起こすわけではなくちょっとだけ力が必要な時にほんの小さな奇蹟を起こすという役どころ。でもそれがリアリティがあって良い。まったくしゃべらない癖に、妙に人なつっこいのも面白い。まるで人になついたペットのようだ。

 最近はニコラス・ケイジやデンゼル・ワシントン、あるいはブルーノ・ガンツといったおじさん天使ばっかりを見てきたせいで、こういった深田恭子の演じる可愛らしい少女の天使ってのは妙に新鮮で楽しめた。窓辺にジンライム置いておけば、やって来るんかな?

宮坂まゆみ監督。2005年日本映画。

2006年12月 5日 (火)

オリバー・ツイスト (2005)

オリバー・ツイスト 食事のおかわりを求めたことから孤児院を追い出されたオリバー(バーニー・クラーク)は、70マイル離れたロンドンへひとりで歩いてたどり着く。空腹で倒れていた彼を救ったのは、泥棒のフェイギン(ベン・キングズレー)。彼の率いるスリの少年たちは、オリバーを仲間に引き入れようとするのだが…

 有名なディケンスの原作を映画化。oga.ぐらいの年代になるとマーク・レスター版が思い出されるんだけど、なぜか新しい方がクラシカルな雰囲気がただよい文芸作品だという風格も感じられる。

 主人公のオリバー少年が数奇な運命をたどる、というか流されていく感覚はポランスキー監督の前作「戦場のピアニスト」に通じるものがあるかも。救いなのは、高価な本を返しに行ったまま悪い仲間にさらわれるも、ねこばばしたという疑いをかけられないことか。これがひねたストーリーの作品だと、えん罪を晴らすことが物語のテーマになるところなんだけど。

 ファミリー向けの殻をかぶりながらも、子供たちが生活の手段としてスリをしなければならない状況に追い込まれるのはなかなかショッキングで、見る人を選ぶと思う。幼い子供にはおすすめでない。ある程度分別がついてから見て、その意味を考える映画だろう。

 少年スリ団の元締めをするベン・キングズレーはさすがにうまい。したたかで狡猾、いちおう子供たちの味方なんだけど実は自分が一番可愛いという俗物フェイギンという男を存在感たっぷりに演じている。オリバーを引き取るブラウンロー氏ことエドワード・ハードウィック氏も、気品と存在感があって良い。

ロマン・ポランスキー監督。2005年イギリス=チェコ=フランス=イタリア合作。

2006年12月 4日 (月)

ノロイ (2005)

ノロイ 怪奇レポーターの小林雅文の家が全焼。焼け跡から妻の死体が発見された上に、小林本人は行方不明になる。実はこの事件の直前に彼の最新ビデオ「ノロイ」が完成されていて、その驚愕の内容は…

 一時期のテレビの怪奇スペシャルを彷彿とさせる、トンデモ内容が炸裂する映画。最近では「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が内容も近くまたよく引き合いに出されているんだけど、こういった作品ってのはoga.ぐらいの年代だと子供の頃によくテレビスペシャルで放映されていて、怖いのをガマンして見ていたのが懐かしく思い出されます。

 それにしても洋画なんかが得意とするショック映像とかスプラッティーな表現をまったく使わずにこれだけ楽しませてくれるのはさすがだと思う。カラスが窓にぶつかる映像とかは相当に不気味だし、カグタバの呪いなんて映画を見ている間は本当にあるんだろうかとわくわくさせてもらった。ところで怪奇作家の小林雅文って何者だ? 彼のうさん臭さがとっても良い雰囲気を醸し出している。

 レポーター役で出演した松本まりかやアンガールズたちは、撮影終了後にちゃんと御祓いしてもらっただろうかとちょっと心配になったぞ。

白石晃士監督。2005年日本映画。

2006年12月 1日 (金)

四月の雪 (2005)

四月の雪 照明技師のインス(ペ・ヨンジュン)は妻スジン(イム・サンヒョ)が交通事故との知らせを受けて病院に駆けつける。ところが妻は不倫相手のギョンホ(リョ・スンス)と一緒に危篤状態。ギョンホの妻ソヨン(ソン・イェジン)と共に交通事故の被害者に謝罪に行かなければならなくなる…

 不倫中に事故って昏睡状態に陥った夫婦の片割れ同士が、やがて心を通わせるというなんとも凄い設定のラブストーリー。でも思ったほどドロドロになるわけでなく、これなら二人が出来上がってしまっても仕方ないなという説得力があるのは主演の二人のキャラクターの成せる技か、それとも丁寧な状況の描き込みが功を奏したか。まさに四月の雪というタイトルがぴったりの映画。二人が有名人だったら間違いなく週刊誌の表紙を賑わす文字になるようなストーリーなんだけど、表面だけで判断しちゃいけないなって感じ。

 印象に残ったのは、交通事故の被害者に詫びを言いに行くシーン。まったく関係ない…はずなのに、こりゃ夫婦でも監督責任ってやつになるんかな。まったくもって辛いシーンです。映画を見ているだけでも、複雑な感情がこみ上げてきます。ケータイに不倫の二人が愛し合っている動画が残っているなんてのも、小道具の使い方が今風で効果を上げています。この二人、ほんとにラストシーンの後にはどっちに向かって歩いて行くんでしょうか。

 それにしてもアイディア不足でスランプのハリウッドを尻目に、韓国映画って本当に面白いストーリーを用意すると思います。相次いでハリウッドでリメイクされるのも、わかるわかるって感じ。

ホ・ジノ監督。2005年韓国映画。

2006年11月30日 (木)

ポセイドン (2006)

ポセイドン 豪華客船ポセイドン号では年越しのパーティの真っ最中。ところが新年が明けた直後に大津波に襲われて、またたく間に転覆する。パーティーホールに生き残った元市長のロバート(カート・ラッセル)、ギャンブラーのディラン(ジョシュ・ルーカス)、リチャード(リチャード・ドレイファス)らは、安全なホールにとどまれという船長(アンドレ・ブラウアー)を押し切り脱出を試みるのだが…

 あのパニック映画の古典「ポセイドン・アドベンチャー」を果敢にもリメイクした作品。とはいっても豪華客船が上下逆さまになるというプロットだけを借用して、登場人物もストーリーも大胆に変更した別物と言える。豪華客船はずいぶんと大きくなり描き込みも凄い…はずなんだけど、妙にこじんまりとしたクルーザーに見えるのは何でだろう? パーティーホールもいくぶん小ぶりな気がしてならない。

 とはいっても転覆してからの、水が追いかけてくる、逃げろや逃げろの展開は十分スリリング。1時間半と短い時間の中で、深みはないがジェットコースターが押し寄せてくるような展開。今風のポセイドン・アドベンチャーといったところか。ドラマとしては、リチャード・ドレイファスが案内人の男をエレベーターにけ落とすシーンが注目度大。普通のパニック映画だったら、こんな気分が悪くなるような描写はカットしちゃうもの。でも生き残った人たちもトラウマになるようなこの気分の悪いシーンがあるからこそ、きれい事で終われないサバイバルを考えさせてくれる。この部分だけが前作以上にとてつもなく深いぞ。

 潜ってるシーンは、息を止めて見ると登場人物たちに感情移入できます。

ウォルフガング・ペーターゼン監督。2006年アメリカ映画。

2006年11月29日 (水)

アバウト・シュミット (2002)

アバウト・シュミット 会社を定年退職したウォーレン・シュミット(ジャック・ニコルソン)は、目的を失って空虚な毎日。さらに妻ヘレン(ジューン・スキッブ)が急死したことから自分は何もできないことに気づく。そして結婚を控えたひとり娘ジーニー(ホープ・デイヴィス)に会うために妻と買った大型キャンピングカーに乗り込み旅に出るのだが…

 うぉ?凄いぞニコルソン。ここまで汚らしいダメオヤジを大まじめで演じることができるなんて。逆に考えると、ふだんのニコルソンを考えると誰でもその気になればキレイなオヤジ、あるいは素敵なおじさまになれるってことなのかも。

 映画はリタイア後の人生を大まじめに描いた秀作。正に人間ドラマといった作りで、旅の途中に仲良くなった男の妻に迫ってしまい追い出されて(あほか?)と思ったり、キャシー・ベイツ演じるおばちゃんに迫られて逃げ出したり、あるいは娘の婚約者(ダーモット・マローニー)のダメダメぶりにいらいらさせられたりと、主人公と一緒になって旅をしている気分にさせられるのは秀逸です。怒ったり笑ったりしながら、自分の老後についてもしんみりと考えさせてくれます。

 劇中でウォーレンはひょんなことからアフリカの孤児の里親になって手紙を書き始めるのですが、その手紙にスパイスがぴりりときいていてラストでは泣かせてくれます。彼は孫ができたら、いいおじいちゃんになるのではないでしょうか。

アレクサンダー・ペイン監督。2002年アメリカ映画。

2006年11月28日 (火)

亀は意外と速く泳ぐ (2005)

亀は意外と速く泳ぐ 夫が海外に単身赴任して亀にエサをやるだけの単調な暮らしをするスズメ(上野樹里)は、ワイルドな生き方をする友人クジャク(蒼井優)に翻弄される毎日。そんなある日電柱に小さく貼られたスパイの広告を見つけたスズメは応募するのだが、面接先には平凡な夫婦(岩松了、ふせえり)が待っていた…

 「イン・ザ・プール」の三木聡の第2作…というわけで、今回は某国のスパイをテーマにしたゆる?いコメディ。とはいっても目立たないのがスパイというわけで、スズメも活動資金として500万円の札束を手にして何をやってることやら?の日々。案外スパイの日常ってこういうもんなんだろうね。

 不条理なギャグは見る人を選ぶのかもしれないけど、oga.はずっと笑いっぱなし。スズメと対照的で派手なクジャクをはじめ、スパイの夫婦や豆腐屋、最中屋、実は旨いラーメン屋とキャラクターの魅力は満点。このメンバーがからみあって絶妙なハーモニーをかもし出しています。そうそう、始終体操しかしていなかった公安の伊武雅刀と嶋田久作もこのワールドの住民にぴったりはまっていて良かったです。

 賛否両論の突き放したようなラストも、きちんとした説明がされないままながらも(スパイがきちんと説明するわけないか)ちゃんと物語を締めくくっていてバランスは悪くない。彼らは階段を下りてどこへ行ってしまったんでしょうね?

三木聡監督。2005年日本映画。

2006年11月27日 (月)

ベティ・サイズモア (2000)

ベティ・サイズモア ウェイトレスのベティ(レニー・ゼルウィガー)は病院を舞台にしたドラマ「愛のすべて」に入れ込んで看護婦になろうとまで考えている。ところが夫のデルが押し入ってきた2人組(モーガン・フリーマン、クリス・ロック)に殺され、ショックでベティは自分がドラマの中の人物だと思いこみ…

 自分はドラマの中の看護婦だと思いこんで劇中の病院を目指すベティ、彼女の車のトランクに隠された麻薬を追う2人組、というコメディタッチのロードムービー。モーガン・フリーマンとクリス・ロックという、あんまり悪役と思えない二人の凸凹コンビは意外とマル。レニーはこういう役は言うまでもなくお得意ですね。

 プロットをちょっと読んだだけでは「絶対無理がある!!」と思えるストーリーを、脚本と登場人物の巧みさでぐいぐいと押し切っていくあたりは見事。当初は劇中劇の主人公にしか見えなかった外科医役のグレッグ・キニアが、後半では重要なキーマンとなるのも面白い。これでドラマに出演して人生が変わってしまうあたりは、アメリカン・ドリームってあるんかなぁと思わせてくれる。宝くじに当たるぐらい確率は低いんだろうけど。

ニール・ラビュート監督。2000年アメリカ映画。

2006年11月25日 (土)

チャイルド・プレイ チャッキーの種 (2004)

チャイルド・プレイ チャッキーの種 イギリスに住む腹話術のシットフェイスは意志を持つ人形。ある日自分の両親と思われるチャッキー&ティファニーをモデルとした映画がアメリカで作られることを知り、単身ハリウッドへ向かう。両親との再会を喜ぶシットフェイスだったが…

 あの超おバカホラーの傑作(?)チャイルド・プレイの最新作。過去に1・2を見たことはあったのだが、今回は3・4をすっとばして5作目を見る。前作が「チャッキーの花嫁」だっただけに、今回は息子(娘?)まで登場して3人家族に。それだけに完全にプログラム・ピクチャー化してチャッキーの印象が薄まり、良くも悪くも家族プレイになっちゃった感じ。まぁ怖さよりもスプラッティな笑いを求める作品だからこれはこれで良いのかも。

 例によっていろんな映画のパロディねたが満載…のようだ。oga.は「グレンとグレンダ」ぐらいしかわからなかったけど、見る人が見たらいろいろ発見があるんだろうね。それで笑えるかどうかはわからないけど。ジェニファー・ティリーとレッドマンがなぜか本名で出ています。チャッキーファミリーは何回見ても「可愛くねぇ!」

ドン・マンシーニ監督。2004年アメリカ映画。

2006年11月24日 (金)

イルマーレ (2001)

イルマーレ 失恋の影に苦しむウンジュ(チョン・ジヒョン)は、思い出の家「イルマーレ」のポストに投函した手紙が過去に届くことに気がつく。そして2年前にイルマーレに住む青年ソンヒョン(イ・ジョンジェ)との文通がはじまるのだが…

 ハリウッドでも今年キアヌ・リーヴスとソンドラ・ブロック主演でリメイクされた話題作のオリジナル版がこちら。2年の時差というのが微妙なところで、そのアイディアは秀逸だしストーリーのふくらませ方も良かったと思う。場を盛り上げるおしゃれな音楽や、美しいイルマーレの風景などはラブストーリーの王道でしょう。あまりごちゃごちゃ理屈を考えずに雰囲気で楽しめる作品。一時期のトレンディ・ドラマを思わせる。

 お互いの顔も知らない文通が盛り上がるのは「わかる」「わかる」って感じ。今で言うところのネットの付き合いと同じですね。ソンヒョンと同じく未来の女性との文通が始まったら…oga.なら競馬の結果とかをきいてボロもうけを考えるかもしれない。う?ん、困ったもんだ。

イ・ヒョンスン監督。2001年韓国映画。

2006年11月22日 (水)

セイブ・ザ・タイガー (1973)

セイブ・ザ・タイガー 服飾工場を経営するハリー(ジャック・レモン)は、資金繰りに苦しんだあげくに自分の工場に放火して保険金ですべてを帳消しにすることを思い立つ。人生に行き詰まった中年男を描いた人間ドラマ。

 「ロッキー」のジョン・G・アヴィルドセン監督がこんな地味で渋いドラマを撮っていたなんて驚きの作品。演技派ジャック・レモンがアカデミー主演男優賞を取りながら、長く劇場未公開・ビデオ類は未発売という幻の作品がDVD化されたといういことでその意義は大きいでしょう。でも実際に見てみると、この地味さ暗さでは確かに未公開だったってのはわからなくもない。

 73年の製作だけにベトナム戦争の影が色濃い中で、主人公のハリーは第2次対戦の影を背負っている。ヨーロッパの血に染まったビーチに、今は裸の女たちが寝転がっていると嘆くあたりに時代は繰り返すことを思い知らせてくれる。そして退役軍人で人生頑張ってきたのに、立ち上げた工場のピンチ。接待中の取引先の男が、SMプレイの最中に病院にかつぎこまれる。そして保険金詐欺の誘惑… 客観的に見るととんでもない話が、すんなりと理解できてしまうあたりがある意味怖い映画なのかも。

 なおタイトルの「セイブ・ザ・タイガー」とは劇中に一瞬出てくる、絶滅寸前のベンガル虎救済の募金活動のことを指してます。ハリー自身が絶滅種の人間ってことなのかな?

ジョン・G・アヴィルドセン監督。1973年アメリカ映画。

2006年11月21日 (火)

8mm (1999)

8mm 私立探偵のトム(ニコラス・ケイジ)の新しい依頼は、亡くなった大富豪の金庫の中から出てきた8mmフィルムの調査。それは若い女性が殺されるスナッフフィルムで、なぜ夫がこんなフィルムを持っていたのかを探って欲しいという妻の要望だった。フィルムがハリウッドで撮られたことを知ったトムは現地のポルノショップに勤める男(ホアキン・フェニックス)に協力を求めるのだが…

 アンダーグランドで作られた殺人フィルムを追う私立探偵をニコラス・ケイジが熱演。学歴はあるのにエリートの道を歩まず探偵の道に入ったトムのことが手短に語られ、物語にぐいぐい引き込まれていく導入部は見事。そしてスナッフ・フィルムの真偽は? なぜ富豪はこれを持っていたのか…と、人の心の闇をぐいぐい見せられる展開は目が離せなくなる。撮影が今時のビデオではなく、8mmフィルムというのもある種の重みがあって良いです。

 しかしちょっとだけ疑問なのは、これだけ殺人事件や強盗現場、そして事故などの映像が世の中にあふれ、人が死ぬ場面のフィルムも珍しくないのにわざわざ殺人まで犯してこんなフィルムを作ってしまう心理。でもそこは、どうしても自分がプロデュースしたものが欲しいという業の深さなのかもしれませんね。いずれにせよ、まともな神経でのめりこんで見たら胸くそ悪くなる映画なのは確か。世の中にはこんな世界もあるんだと、若干斜めに構えて見るぐらいが精神的ダメージも少なくて良いかも。

ジョエル・シュマッカー監督。1999年アメリカ映画。

2006年11月18日 (土)

自由戀愛 (2004)

自由戀愛 大正時代、女学校を卒業した明子(長谷川京子)は磐井財閥の御曹司の優一郎(豊川悦司)のところへ嫁入りする。慣れない上流階級の生活に戸惑いながらも、友人の清子(木村佳乃)が不遇な暮らしをしていることを知り夫に秘書として雇うように口入れする。ところがやがて清子は優一郎と不倫の末、子供を身ごもるのだが…

 岩井志麻子の小説を原田眞人監督が映画化。セットを組む予算がなくて明治村をはじめとするロケを多用したとのことだが、それがいい効果を上げていて当時の上流階級の暮らしが生き生きと描かれている。画面からはある意味映画っぽい空気が感じられる。

 しかしこの時代って、完全に保守的な空気が支配しているのかと思えばこんな巨大財閥でも跡取りのためなら愛人の子供だろうとなりふり構わず手に入れようとする様子には驚かされる。現代ならば週刊誌あたりでけちょんけちょんに書かれそうなネタ。でも主演の二人は立場が入れ替わりながらも、不思議な友情を保っているという面白さ。彼女たちと優一郎の関係の方が自由恋愛なんかなと思わされます。

 ラスト近くに平塚らいてうも登場してのエピソードは面白かった。現代の女性って本当に解放されてるんかな? ちょっぴり考えさせられます。

原田眞人監督。2004年日本映画。

2006年11月17日 (金)

ニュースの天才 (2003)

ニュースの天才 スティーブン・グラス(ヘイデン・クリステンセン)は若干25歳ながらも、「ニュー・リパブリック」という権威ある政治雑誌の売れっ子記者。彼の書く記事はどれも面白く人気を集めていた。ところが彼の書いた「ハッカー天国」に登場するハッカーや取り引き企業、そして集会などは実在しないという疑惑が持ち上がり…

 全米で大きなスキャンダルになったというねつ造記事事件を取り上げた実話の映画化。取材したハッカーが実在しない…ありうるかもしれない、彼と1億円で取り引きした企業も実在しない…ありうるかもしれない、グラスが取材したハッカーの集会もなかった…それもありうるかもしれない…ん? というわけで、映画は事実をドライになぞっていく構成。実話だけに何とも面白いストーリーなんだけど、何でねつ造に至ったかというのは映画を見ているだけではよくわかりません。

 それにしてもこれだけのスキャンダルを巻き起こした張本人が、社会的に抹殺されずに弁護士として暮らしているというのはやっぱアメリカって凄いなと思ってしまいます。モラルの感覚が違います。

 スターウォーズで有名なクリステンセンですが、ねつ造記者を淡々と演じて説得力があります。ばれそうになってショックを受けている様子が特に印象的。編集長役のピーター・サースガードはさすがにうまいですね。

ビリー・レイ監督。2003年アメリカ映画。

2006年11月16日 (木)

初恋 (2006)

初恋 60年代の関東のとある町。叔母の家で暮らす高校生のみすず(宮崎あおい)は、ふらりと現れた兄を追ってジャズ喫茶の「B」へ出入りするようになる。そこで知り合った仲間のひとり岸(小出恵介)に淡い恋心を抱くのだが、彼から仰天の犯罪計画を持ちかけられる。

 中原みすずの同名小説を映画化。あの府中3億円強奪事件の犯人は、実は女子高生だったという荒唐無稽な仮説を元に作られた青春クライムストーリー。変幻自在な少女宮崎あおいだけに、白バイ警官の格好をしたら本当に三億円犯人に見えてくるから不思議だ。

 とはいっても強奪事件はラストの見せ場ではあるけどメインではなく、当時のジャズ喫茶に集う若者たちの行き詰まった雰囲気を感じさせてくれるのがキモだろう。学園紛争や反権力の時代の空気を、うまく描いていると思う。正体不明の岸と、それに思いを寄せてしまうみすずを淡々と描いているのが良い。

 でも…それ以上のものがあるかというと疑問。雰囲気以上に踏み込んだものが感じられない。ただしラストの3億円事件の顛末は、なるほどそういうこともあったもしれないと妙に納得してしまった。歴史の闇ってのは本当に何が潜んでいるのかわかりません

 平凡過ぎるタイトルには、かなり損している映画かも。

塙幸成監督。2006年日本映画。

2006年11月15日 (水)

デビルマン (2004)

デビルマン 両親を失った不動明(伊崎央登)は牧村美樹(酒井彩名)の家に同居している。幼なじみの飛鳥了(伊崎右典)にコンプレックスを持つ明だったが、彼の父が南極の地下から発見したデーモンに乗り移られ、デビルマンに変身してしまう…

 70年代にテレビアニメとして人気があったデビルマンを実写映画化。といってもこちらはアニメではなく、永井豪のあの最終戦争を描いた劇画版の方のストーリーをなぞっているので一筋縄では終わらない内容になっている。あの劇画版は高校生ぐらいの頃にひととおり読んで、結構印象に残っていただけにこういう形で再会できるのは嬉しかった。

 とはいっても2時間弱に詰め込んだ上に、主演の二人の演技力不足も加わってかなりチープな出来になってしまったのは残念。でもまがいなりにもあのストーリーをなぞることができたのは、CG技術の発達によるところが大きいでしょうね。少なくとも「人類を守る」という大義名分でヒーローものが量産されていた時代に、この人類が自滅するといったテーマの原作が出てきたのは大きかったと思います。

 ニュースキャスターのボブ・サップに加えて、KONISHIKI、宇崎竜童&阿木燿子夫妻、トップモデルの冨永愛と登場人物は豪華。那須博之は残念ながらこれが遺作になってしまいました。

那須博之監督。2004年日本映画。

2006年11月14日 (火)

ウィンブルドン (2004)

ウィンブルドン 全英オープンテニスに出場のプロテニス選手のピーター・コルト(ポール・ベタニー)は世界ランキング119位。体力の限界を感じて、この試合限りで引退を考えている。ところがアメリカから来た女子の優勝候補リジー(キルスティン・ダンスト)と知り合い恋に落ちたことをきっかけに、勝つコツを思い出す。しかしリジーは逆にペースを乱して… 有名なウィンブルドンのセンターコートを舞台にしたスポーツラブコメ。

 キャスティングからキルスティン・ダンストが勝ち進んでいくスポコンものかと思ったのだが、実は彼女は単なる勝利の女神で主役はポール・ベタニーの方。すっかり外されたところが気に入りました。あまりにも調子の良いストーリーなんだけど、この映画を見ているとあげまんってのは本当にあるのかなと思わされます。

 ヒロインと呼ぶにはそんなに美人ではないので人によって好き嫌いの分かれるキルスティン・ダンストだけど、oga.は味のある彼女は結構好きだったりします。彼女のカメレオンぶりはなかなかのもの。この映画でもしっかりプロテニスプレイヤーしてます。しかもちょっと軽そうなところが、妙にはまっているのが良い。

 ウィンブルドンのセンターコートを舞台にした映画って、ありそうでなかったんじゃないかなぁ。

リチャード・ロンクレイン監督。2004年イギリス=フランス合作。

2006年11月13日 (月)

スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲 (1988)

スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲 首都圏の治安を守る青年治安局が結成され、スケバン刑事の風間唯(浅香唯)はメンバーとして活動するが、その残虐なやり方に疑問を抱く。この組織を作った若手高官の関根蔵人(京本政樹)の陰謀に気づいた唯は、結花(大西結花)、由真(中村由真)そして京介(豊原功補)率いる不良グループ番外連合のメンバーと組んで戦いを挑む。

 スケバン刑事第3シーズンを元にして作られた劇場版。シリーズ中では一番アイドルっぽかった、というかスケバンっぽくなかった浅香唯が主演。彼女はやっぱり戦っているより、九州の牧場で馬に乗ってるほうが似合っている。最近見ないけど、どうしているんだろうか?

 というわけで、番外連合のあんちゃんたちも押しのけて印象に残るのが京本政樹の演じる関根蔵人。こういう役をやらせれば、右に出る者のいない怪優です。最近で言うと「SHINOBI」のオダギリジョーに匹敵するものがあるかも。

 ヨーヨーでセスナと戦う発想がすごいです。シリーズ第2作。

田中秀夫監督。1988年日本映画。

2006年11月11日 (土)

スケバン刑事 (1987)

スケバン刑事 特命刑事の任務を終えた麻宮サキ(南野陽子)は普通の女の子として暮らしていたが、ひょんなことから無人島にある「地獄城」で少年たちが監禁されて兵隊として訓練されていることを知る。元上司の暗闇指令(長門裕之)にきいてもらちが開かず、昔の仲間のビー玉のお京(相楽ハル子)やお雪(吉沢秋絵)と組んで地獄城へ乗り込むことを決めるのだが…

 80年代に結構ヒットしたテレビシリーズの劇場版。原作は和田慎二の劇画。テレビも原作もまったく見たことがなかったんだけど、別にストーリーに置いてけぼりにならない作りは好感が持てる。

 絶海の孤島で、クーデターを企てる校長(伊武雅刀)という舞台はなかなかスケールも大きく、単なるトンデモ映画に終わっていないところが良い。ヨーヨーの中に菊のご紋が仕込まれていたり、使い方を間違えると自分の腕が砕ける超合金ヨーヨーがあったり小道具も面白い。スケバンだけに「何の因果かマッポの手先」なんて仁義もきるわけですね。強いて難点を言えば、いざ地獄城上陸の衣装がいかにも撃ってくださいと言わんばかりの真っ赤だったり、ゴムボートから降りての奇襲の動きがどう見ても女子高生の体操の時間…なのがどうしても気になったんだけど、まあいいでしょう(笑)。

 南野陽子の第2シーズンと浅香唯の第3シーズンの間に作られた劇場版らしく、浅香唯たちがゲスト出演しているのが微笑ましいです。時代を感じることができる映画です。

田中秀夫監督。1987年日本映画。

2006年11月10日 (金)

ソウ2 (2005)

ソウ2 刑事エリック(ドニー・ウォールバーグ)は女刑事ケリー(ディナ・メイヤー)と共に、ついに連続殺人犯ジグソウ(トビン・ベル)を逮捕する。ところが彼の部屋にはモニターがあり、映し出されたのは監禁されたエリックの息子ダニエル(エリック・ナドセン)たち数名だった。かくして血みどろの脱出ゲームがスタートする。

 あのスプラッター・サスペンスの話題作「ソウ」の続編。大ヒットしたにもかかわらず低予算でチープな雰囲気はそのままに、またしても密室に監禁された男女の血みどろの脱出劇が描かれる。よく前作と比べてどうだったって話題になる映画だけど、oga.は良くもなく悪くもなく、同じレベルをキープしたんじゃないかと思います。最もoga.はソウをそれほど高く評価しているわけではないんですが。

 そうれにしてもジグソウ役のトビン・ベルの気味悪さってのはただものではない。単なるイカレポンチでなく、歪んだ知性を感じさせてくれる上に目がコワいのも良い。確かにあんなろくでもないトラップを考えそうな男に見える。

 それに引き替え刑事役のドニー・ウォールバーグ、行き詰まったらジグソウをポコポコやりまくるってのがぴったり。このあたりですでに勝負は見えていたかも。彼をはじめとして、注射針やらバナーやらとにかく痛い映画なのでこういうのダメな方は覚悟して見た方が良いかも。

 最近は「ソウ3」が残酷すぎて映倫を通っただの通らなかっただのがニュースになりましたね。見事な宣伝だと思ってしまった。

ダーレン・リン・バウズマン監督。2005年アメリカ映画。

2006年11月 9日 (木)

天使の贈りもの (1996)

天使の贈りもの 経営不振に陥った教会を運営する牧師のヘンリー(コートニー・B・ヴァンス)は歌の上手な妻ジュリア(ホイットニー・ヒューストン)と5歳の息子に恵まれている。ある日彼の元にダドリー(デンゼル・ワシントン)という守護天使が舞い降りてくる。折しも実業家(グレゴリー・ハインズ)による教会買収が行われようとしていたのだが…

 「ベル天」以来もう恒例となった中年おじさんの天使ものの1本。とはいっても、デンゼル、ホイットニー、コートニーのちょっとほほえましいレベルの3角関係を軸に、ホイットニーの歌を散りばめたという構成で家族でも安心して見ていられるといった内容。天使ったって万能ではないし、結構ツラいのです。

 グレゴリー・ハインズの他にライオネル・リッチーとかも顔見せ的に出ている。どうせなら歌って踊ってほしかったところ。もったいない。

ペニー・マーシャル監督。1996年アメリカ映画。

2006年11月 8日 (水)

空中庭園 (2005)

空中庭園 京橋絵里子(小泉今日子)は、夫の貴史(板尾創路)、長女のマナ(鈴木杏)、長男のコウ(広田雅裕)と暮らす主婦。秘密を持たないという家族のルールがあり、マナを身ごもったラブホテルのことを子供たちに話す絵里子だったが…

 角田光代の原作を映画化。一見幸せに見える家族という設定だけど、「秘密を持たない」というルールが話されたあたりでoga.の中では家族の破綻が感じられてちょっぴり白けてしまった(秘密のない家庭なんてあるわけない)。案の定、ボロボロといろんなエピソードが続いて、絵里子が予想どおり壊れていくわけだけど予想外だったのは小泉今日子のアイドル時代を思わせる笑顔がこの物語とかぶってとっても良い効果を出していること。彼女の笑顔も、見方によってはコワいかも。

 もうひとり秀逸なのが小泉の母を演じる大楠道代のがらっぱちぶり。まぁこのストーリーだと彼女がキーマンだしね。

 ちなみに空中庭園とは、彼女の住む団地…というか高級マンションの大きなベランダのこと。ここで盛大に絵里子が楽しんでいるガーデニングが、空中庭園のように見えます。すぐに連想させられた梅田の空中庭園とは何のかかわりもありません。

 豊田利晃監督。2005年日本映画。

2006年11月 7日 (火)

ランド・オブ・ザ・デッド (2005)

ランド・オブ・ザ・デッド 至るところゾンビだらけになっている近未来世界。カウフマン(デニス・ホッパー)はゾンビの入れないタワーを建てて、特権階級を集めて優雅な暮らしをしている。彼に雇われたライリー(サイモン・ベイカー)をはじめとする傭兵部隊はゾンビが侵入しないように装甲車などを使って警護をしているのだが…

 ひさびさに登場の、ロメロ監督のゾンビ・シリーズ最新作。すでにメジャーになったゾンビものだけに、細かい説明は抜きでいきなりゾンビだらけの世界が描かれるが別に違和感も感じないのが凄い。ところでこれって、最近公開された「ドーン・オブ・ザ・デッド」の続編? それともロメロの旧ゾンビ3部作の続編? どうでもいいやって気もしないでもないが。

 すでにさんざん描かれたゾンビものだけに、金持ちと貧乏人とゾンビに別れてバトルを繰り広げるといった今までになかった趣向が斬新。もちろん非業の限りを尽くした金持ちは最後にゾンビに襲われて地獄を見るというのは、映画ならではのお約束かも。恐怖に襲われた時に、残虐な行為で発散するのは人間のサガなのかもしれないけど、こういうシーンを見るたびに明日は我が身とどうして考えられないんだろうって疑問に思うのは私だけだろうか。

 ラスト近く、どうやってゾンビたちは運河を渡るんかと思ったら…あの行動は爆笑でした。よくよく考えたら「パイレーツ・オブ・カリビアン」の二番煎じって感じもしなくはないのですが。

ジョージ・A・ロメロ監督。2005年アメリカ=カナダ=フランス合作。

2006年11月 4日 (土)

北京原人 Who are you? (1997)

北京原人 中国で発掘された北京原人の頭骨を戦時中に日本軍は押収する。時は現代に移り、スペースシャトル内でDNAから3体の北京原人(本田博太郎、小松みゆき、 小野賢章)が再生されるのだが、事故で不時着。北京原人の所有権をめぐって研究所の竜彦(緒形直人)、桃子(片岡礼子)と中国の女スパイ宗美々(ジョイ・ウォン)と小競り合いが繰り広げられる。

 事あることに取り上げられる珍作・怪作・カルト映画の帝王をついに鑑賞。とはいってもトンデモ映画を期待しすぎたせいか、ちょっとがっかりした。この手の転びSF映画は、50年代から70年代の邦画では当たり前、大量に生産されていたシロモノである。昭和ゴジラ映画を見る視線で楽しめば、腹も立たないってもんである。

 それにしてもこのストーリーのぶっとび方は、近年の邦画にはないはじけ方である。戦時中からスペースシャトルへ、そして孤島から日本、万里の長城へと舞台を移していくあたりのスケールの広がりは凄い。邦画とは思えない。

 しかも日本側の研究所のマッドな所長は丹波哲郎。最近残念にも没してしまったが、彼のキャスティングが光っている。唐突に出てくる引田天功なんてのも良い。突っ込みどころも満載なので、この映画について語ると半日ぐらい盛り上がりそうなのも良い。(あまりにも突っ込みどころが多すぎて、ここに書く気がしない) こういう映画は、邦画の必要悪である。佐藤純彌はよく「男たちの大和」で立ち直れたものだという声を耳にするが、計算してこの映画を作ったのであればさすが老練監督である。

佐藤純彌監督。1997年日本映画。

2006年11月 2日 (木)

リンダ リンダ リンダ (2005)

リンダ リンダ リンダ 学園祭の3日前、アクシデントから空中分解した女性バンドの生き残りの恵(香椎由宇)、響子(前田亜季)、望(関根史織)の3人は、ブルーハーツの「リンダ リンダ」を聴いて心機一転、最初に自分たちの前を通りかかった女の子をボーカルとして迎えようと決める。その女の子は、韓国からやって来た留学生のソン(ペ・ドゥナ)だった…

 最近はリバイバルヒットしている「リンダ リンダ」をテーマにした学園祭映画。3日で演奏を完成させようというわけで、根性ものになるのかと思えばそこはゆる?い雰囲気。このノリがガマンできないという向きにはダメダメな映画かもしれない。でも普通の高校生活ってのはみんなこんな感じだったんじゃないかなぁ。

 韓国の人気女優のペ・ドゥナが出てるところが話題。oga.は今回初めて見たんだけど、独特の存在感で日本の高校生活に絶妙にとけ込んでいるところが見もの。ストーリーに抑揚は少ないが、彼女の外し方(確かに留学生ってあんな雰囲気でした)とかメンバーのからみが面白くて、最後まで飽きずに見ることができた。ラストの熱唱シーンが、棚ぼた式に観客が増えていくエピソードは根性ものの映画とは対局にあるような気がした。でもバンドの空中分解といった地獄があれば、このシーンのような天国もある。高校生活ってそんな感じだったような気がするなぁ。

 見終わってしばらく、ブルーハーツのメロディが頭の中にぐるぐる渦巻いてちょっと困った。

山下敦弘監督。2005年日本映画。

2006年11月 1日 (水)

愛のコリーダ (1976)

愛のコリーダ 昭和初期の日本。「吉田屋」の住み込み女中の定(松田暎子)は、旅館の主人の吉蔵(藤竜也)に一目惚れして深い仲になる。一目もはばからず愛し合う二人はやがて芸者を前に仮初めの祝言をあげるのだが… 有名な阿部定事件をテーマにした70年代の話題作。

 日本初のメジャーなハードコア映画として結構話題になった作品をついに鑑賞。フランスで現像なんて手の込んだことをしてたそうだが、今見られるのは2000年の再編集版。うーん、この二人の人目をはばからないおおらかさは何なんだろう。まさに回りを顧みない突き抜けた世界は衝撃的。はかなげな日本女性といった感じの松田暎子は演技もしっかりして、何よりも可愛い。このあと一般映画にシフトできずに消えていったのは、日本映画界にとっては損失だったんじゃないだろうか。完全に受けに回った、藤竜也の底知れぬ優しさも心に残る。

 とはいっても、一番肝心な部分というか、なぜあの事件が起こったのかという部分がoga.にとっては納得できなかった。吉蔵のもうちょっとしっかり絞めてくれという気持ちがわからない。釈然としないのであとでネットで調べてみたのだが、実際は単に首絞めすぎて気がついたら死んでた…ってなもんであんまり深い意味はなかったんじゃないかと思ってしまったのだが。

 この映画の助演賞は、殿山泰司。彼の演じる乞食は、いろんな意味で頭に残ります。いい仕事してます(笑)。

大島渚監督。1976年日本=フランス合作。

2006年10月31日 (火)

四日間の奇蹟 (2005)

四日間の奇蹟 ピアニストの敬輔(吉岡秀隆)はロンドンで銃撃にあい、少女千織(尾高杏奈)をかばって手を撃たれピアニスト生命を絶たれる。両親を失った千織を引き取った敬輔は少女にピアノの才能を見いだして一流のピアニストに育て上げる。やがて慰問で訪れた島で、敬輔は高校の後輩だったという真理子(石田ゆり子)に出会うのだが…

 浅倉卓弥のベストセラー小説の映画化。映画の雰囲気が「いま、会いにゆきます」に似てたので同じ原作かスタッフかと思ったのだがまったく違ってたみたい。

 「いま、会いにゆきます」はストーリーに無理を感じながらも結構感情移入して見ることができたんだけど、こちらはちょっと苦しかった感じ。最初の違和感は銃撃シーン。こういった繊細な物語には、あまりにも唐突でイレギュラーな出来事なので映画の流れを悪くしている。それでも雷のシーンまでは気持ちよく見ることができたんだけど、あとはストーリーが強引でかなりしんどかった。

 石田ゆり子が綺麗なのと、新人の尾高杏奈の演技が印象に残る。西田敏行と松坂慶子の夫婦ってのもいい雰囲気。

 純愛と奇蹟が最近の邦画のキーワードみたいだけど、すべてが成功しているわけではないみたいです。

佐々部清監督。2005年日本映画。

2006年10月28日 (土)

私の頭の中の消しゴム (2004)

私の頭の中の消しゴム 妻子ある男性の恋に破れたスジン(ソン・イェジン)はコンビニでチョルス(チョン・ウソン)に出会う。実はチョルスはスジンの父が雇う現場監督で、二人はたちまち恋に落ちて結婚する。ところがスジンは記憶を徐々に失っていくアルツハイマー症にかかっており…

 数ある記憶ものの映画の中では最もヒットしたんじゃないかと思える作品。何よりアルツハイマー症に対して正攻法で描いており、キャラクターも丁寧に描かれているのが好感が持てる。記憶がなくなるってことが、生きながらに死んでいくのと同等だってことを感じさせてくれる。なかなかの秀作である。

 主演のチョン・ウソンがなかなか魅力的に描かれているのが印象に残る。ただの荒っぽい男かと思えばなかなかアツく優しさも持ち合わせていて、男から見てもいい男。対するソン・イェジンは難しい役を頑張っていると思うのだが、なぜか私的には印象が薄かった。これは私の頭の中の消しゴムのせいかもしれないが(笑)。

 しかしこの記憶ものの映画のブームって凄い。次々と映画を見てると、認知症やアルツハイマーに対する認識が変わってきた。映画や映像の力って凄いと思う。

イ・ジェハン監督。2004年韓国映画。

2006年10月27日 (金)

イン・ザ・プール (2005)

イン・ザ・プール ストレスからプール依存症になり、プールで泳ぐことにより精神のバランスを取っている大森和雄(田辺誠一)、何かのきっかけで勃起しっぱなしになった営業マンの田口哲也(オダギリジョー)、潔癖症で出かけたあとも家のことが気になってしょうがないライターの岩村涼美(市川実和子)。そんな彼らのエピソードを、精神科医伊良部一郎(松尾スズキ)をからめて見せる都会派コメディ。

 オムニバス映画なんだろうけど話がきっちり別れているわけではなく、トンデモ精神科医の伊良部を中心につながっている面白い構成の映画。原作は奥田英朗の短編連載小説らしい。とにかく松尾スズキの演じる精神科医が強烈なキャラ。あんな精神科医(と看護婦)には、何があってもかかりたくない(笑)。微妙な問題を扱う精神科だけに、過信しすぎるのはいけないのかな、なんて気分にさせられる。

 3つのエピソードそれぞれに思いっきり笑わせてくれるんだけど、好きなのは潔癖症の女性を演じる市川実和子。あのくらいの気になることはあるある、と思えるんだけど、見ているとどこまでが正常でどこからが異常なのか本当にわからなくなってくる。プール依存の男も、誰でも何かしらストレスのはけ口があることを考えれば依存の程度問題だと思う。でもその程度って何って考えると、う?んと考え込んでしまうんですね。異常と正常の垣根は、人によって違うってことでしょうか。

三木聡監督。2005年日本映画。

2006年10月26日 (木)

蝉しぐれ (2005)

蝉しぐれ 山形に住む下級武士の青年牧文四郎(市川染五郎)は学問と武道にあけくれる毎日。ところがある日、敬愛する義父助左衛門(緒形拳)が捕らえられ切腹を命じられる。理由もわからず父を葬った文四郎だったが、彼を助けたのは幼なじみのふく(佐津川愛美・成人後は木村佳乃)だけだった。そんなふくも江戸へ奉公に出て行くのだったが…

 藤沢周平の歴史小説を映画化。恋あり、友情あり、陰謀あり、アクションありで大河ドラマをぎゅっと圧縮したような内容。それでいて泣かせどころもしっかり用意されていて、時代劇は健在だと思わせてくれます。

 まずは父と子の関係が素晴らしい。父と別れたあとの文四郎の後悔も泣かせる。ひとりで引く大八車をそっと手伝うふくのシーンは名場面だと思う。文四郎とその友達(ふかわりょう、今田耕司)の関係も良い。印象に残ったシーンをつらつらと書こうと思ったんだけど、次から次へと出てきて困ってしまう。これって4時間ぐらいあってもいい映画なんじゃないだろうか。

 というわけで人間ドラマで終わってしまうのかと思ったら、ラスト近くに大立ち回りもしっかりと用意されていた。しかも戦う前に刀を山のように用意して畳に突き立てて準備するという、七人の侍もびっくりのリアルさ。初めて人を斬ったあとの戸惑いとかも、見ていて熱くなってくる。ただしラストのふくと文四郎のシーンだけが少々あざとくて冗長。もうちょっと静かに語ってくれたほうが、見終わったあとの余韻も大きかったと思うのだが。

 「娯楽時代劇」の新作なんてもう出てこないかと思ってたけど、時々こういう映画が登場するから面白い。クロサワをひととおり見た方におすすめ。

黒土三男監督。2005年日本映画。

2006年10月25日 (水)

頭文字D THE MOVIE (2005)

頭文字D 高校生の藤原拓海(ジェイ・チョウ)は豆腐屋の父文太(アンソニー・ウォン)と二人暮らしで、ガソリンスタンドでバイトをしている。元走り屋だった父に仕込まれた拓海のドラテクは素晴らしく、峠では他の走り屋たちに勝負を挑まれるのだが…

 しげの秀一の人気コミックを香港スタッフで映画化。ヒロインが鈴木杏の他はすべて台湾・香港・中国系のキャストで、舞台とおそらくロケは日本なんだけどしゃべる言葉は中国語という異色作。それでもヘンな日本を思わせるシーンはなく、おそらく言葉さえ吹き替えれば日本映画って納得しそうな出来。たぶん日本スタッフで作った水滸伝とかを香港や中国の人が見たらこんなふうに感じるんだろうなぁと思わされた。

 私の中では油っこくした宇津井健ことアンソニー・ウォンが父親役である。飲んだくれたり、恋愛指南したりある意味理想の父親像を熱演。これはうまい。唯一の日本人である鈴木杏も、なかなかお茶目なヒロイン…なんだけど、この高校生にしてはあまりにお茶目なあたりが落とし穴だったわけね。

 それにしても、豆腐運びで走り屋を育てたという設定がなんとも面白い。ストリートレースシーンはほぼ実写らしく大迫力。車好きならこの疾走シーンを見ているだけでも楽しめそう。非力な車が知恵とテクニック(そして改造)で格上の車を負かすというのは、レースものの永遠のテーマですね。

 ところで、頭文字Dって誰の頭文字?

アンドリュー・ラウ=アラン・マック共同監督。2005年香港=中国合作。

2006年10月24日 (火)

乱歩地獄 (2005)

乱歩地獄 荒野を歩き続ける男を描いた「火星の運河」、和鏡に取り付かれた男を描いた「鏡地獄」、戦争で両手両足を失った男を描いた「芋虫」、女優と運転手を描いた「蟲」の4話をオムニバスで描く。タイトルどおり、ミステリー作家・江戸川乱歩の世界を堪能できます。

 この手の猟奇もの映画には欠かせない実相寺昭雄が第2話の「鏡地獄」を監督。独自のひん曲がったような構図が繰り返されるシュールな世界が楽しめる。第3話の佐藤寿保監督は、一見どっちがじっそーじかと思うほど作風がそっくり…というか、模倣なのかわからないけど楽しむことができた。第1話の「火星の運河」はあっという間に終わってしまって「何だったんだ」と叫びたくなってしまった。映画の最後に続きがあるのかと思ったら、そうでもなかったし。

 全話に浅野忠信が手を変え役を変え出演してなかなかの熱演。他に印象に残ったのは、断然 成宮寛貴。彼は屈折した役がぴったりである。

 で、映画はどうだったかというと、おもちゃ箱をひっくり返したがごときのオムニバス映画の楽しみはいっぱいあったんだけど、悲しいかな見終わったあとの各ストーリーの印象が薄いのが残念。乱歩の世界に昭和初期と猟奇事件という雰囲気以上のものを求めるのは苦しいのかなぁ。

 できることなら、球体の鏡の中に入った地獄ってものを映像で見せてほしかったぞ。

竹内スグル・実相寺昭雄・佐藤寿保・カネコアツシ監督。2005年日本映画。

2006年10月23日 (月)

ハッカビーズ (2004)

ハッカビーズ 環境保護団体で自然保護活動をしているアルバート(ジェイソン・シュワルツマン)は同じアフリカ人に3回出会ったことをきっかけに、「哲学探偵」(ダスティン・ホフマン、リリー・トムリン)を雇い自らを探偵してもらうことにする。ところが彼が敵視するスーパーマーケット「ハッカビーズ」の社員ブラッド(ジュード・ロウ)も同じ探偵を雇い入れ… 豪華キャストを駆使した「哲学コメディ」なんだそうだが…

 ハッカビーズというスーパーの名前の面白さ、哲学探偵というぶっとんだ発想、そして水着でくねくねと踊るカバーガールのドーン(ナオミ・ワッツ)がすっごく印象に残ったんだけど、それ以外の部分は??? 哲学探偵って部分がこの映画のキーだろうと思うんだけど、雰囲気が楽しめる以上のものがなかったようだ。「マルコヴィッチの穴」が映画のジャンルとしては近いような気がするが、あちらほど拍手喝采したい部分がない。惜しい…のか、日本人には理解するのがきついのか。

 それにしてもダスティン・ホフマンとリリー・トムリン扮する哲学探偵のうさん臭さ加減はいい味を出してます。ジュード・ロウは嫌なヤツをやらせれば天下一品。ナオミ・ワッツは「キング・コング」を見て以来、「かわいい女」という先入観と共に見るようになってしまった。ところで主演は誰だったっけ? もうひとつ、ハッカビーズの売り場ってどんなんだったっけ?

デヴィッド・O・ラッセル監督。2004年アメリカ映画。

2006年10月21日 (土)

リプレイスメント (2000)

リプレイスメント 絶好調のアメフトチーム・ワシントン・センティネルズはプレーオフ出場直前になって賃上げ要求のストライキに入ってしまう。オーナーはかつての名監督マクギンティー(ジーン・ハックマン)に、選手を集めて何が何でもプレイオフにこぎ着けろと命令を出す。かくしてファルコ(キアヌ・リーヴス)をはじめとする落ちこぼれ選手をかき集めた代理センティネルズが誕生するのだが…

 「リプレイスメント」=置き換え…ってことでどんな映画か見るまでまったく想像できなかったんだけど(キアヌとハックマンが出ているというだけで録画予約)、代理選手&代理チームってことね。落ちこぼれの再生という、これまたスポ根映画の王道を行くテーマ。一度でも挫折したことがあるなら、このストレートすぎるほどストレートな映画を見たらきっとアツくなれるような気がする。

 ストーリーがわかってしまえば(笑)やっぱり楽しみたいのがキャラクターの数々。こういう映画はキャラクターが命。キアヌは一見優男なんだけど、実は骨があるって設定は「スピード」以降繰り返し使われているのであまり意外性を感じなくなった。コーチにぱちっとハマるのはジーン・ハックマン。見た目はどこにでもいるおっちゃんなんだけど、ぴしっとキメてくれます。あとの面々は記憶の彼方…だけど「なんですか?」と日本語で絶叫する力士(エース・ヨナミネ)だけは、日本人として応援してしまいます。スモウ・パワーはアメフトでも通用するはずだっ!!

ハワード・ドゥイッチ監督。2000年アメリカ映画。

2006年10月20日 (金)

死国 (1999)

no jacket image 高知の山村に久しぶりに帰省した比奈子(夏川結衣)は、幼なじみの莎代里(栗山千明)が事故死してしまったことを知る。彼女の実家で人影を見た気がした比奈子は、小学校時代に憧れた文也(筒井道隆)と再び実家を訪ねるのだが…

 四国といえばお遍路さんだけど、その四国88カ所を逆回り(逆打ちと言うらしい)すれば死者が蘇る…という伝説をふくらませていった和製ホラー映画。原作は最近独自のネコ殺し論でマスコミを賑わせた坂東眞砂子。

 意外…と短く感じた。面白かったというよりも、本当に短かったのかもしれないしストーリーもシンプルで思ったほど広がりがない。事故死した莎代里、東京から帰ってきた比奈子、そして二人が恋した文也との三角関係を軸に、「ペットセマタリー」を思わせる蘇りの術でこてこてっと味付けしたという感じ。栗山千明はこれが初劇場映画に加えて初ホラー出演らしく、この映画で人生が決まった(笑)のかもしれない。筒井はともかく、主演の夏川結衣は少々影が薄い。やっぱ栗山の個性は強烈。思ったほど怖い映画ではないけど、彼女のじとっとした雰囲気だけは光っている。

 しかし一族が四国出身で、自分の親や祖父母がお遍路参りをする(四国では当たり前)oga.としてはこのタイトルからしてあんまりいい気分じゃないことも事実。四国は死国じゃないです。劇場公開時の同時上映は「リング2」だったそうです。

長崎俊一監督。1999年日本映画。

2006年10月19日 (木)

トゥー・ウィークス・ノーティス (2002)

トゥー・ウィークス・ノーティス 活動家の弁護士ルーシー(サンドラ・ブロック)は、なんと敵対する企業の社長ジョージ(ヒュー・グラント)との駆け引きで彼のもとで顧問弁護士として働くことになる。ところがジョージの数々の理不尽なふるまいに、辞表(トゥー・ウィークス・ノーティス)の提出を決意するルーシーだったが…

 パッケージからわかるとおり、サンドラ・ブロックとヒュー・グラントという2大ビッグスターを使ったラブコメ。サンドラが活動家の弁護士ということで冒頭にやってることは「追憶」のバーブラ・ストライサンドとたいして変わらないんだろうけど、非常におまぬけで軽く描かれているのが面白い。主題はそこにないってことなんだけどね。

 というわけで、彼女が雇われてからあとはこの二人の化かし合いの勝負がえんえん続く。どっちが勝ちかというと、活動家で敵対する相手と知りながら駆け引きで彼女を雇った瞬間からヒュー・グラントの勝ちではないかと私は思う。色気のまったくない彼女から、一瞬で魅力を見いだしたというところも彼に一本あるのでは。

 しかしヒュー・グラントって似たようなテーマのラブコメに似たような役でいっぱい出ているくせに、ちゃんと楽しませてくれるってのは凄いと思う。サンドラ・ブロックはなかなか「スピード」で見せた輝きは取り戻せないかな。

マーク・ローレンス監督。2002年アメリカ映画。

2006年10月18日 (水)

プロポーズ (1999)

プロポーズ 独身を謳歌するジミー(クリス・オドネル)のもとへ、祖父が亡くなったという知らせが入る。その莫大な遺産相続の条件は、30歳の誕生日までの結婚。実は翌日に誕生日をひかえた彼は、恋人(レニー・ゼルウィガー)にプロポーズを失敗したところだった。かくしてジミーの牧師を連れての花嫁捜しの旅が始まる…

 結婚をテーマにしたコメディ。いきなり野生馬に投げ縄がかけられるビジュアルとか、なんかすげ?結婚観を持った映画だなぁと冒頭からドン引きしてしまったんだけど、ストーリーは遺産を得るために結婚相手探しをする羽目になるというまったく逆の展開。面白いんだけど、このストーリーってバスター・キートンの「セブン・チャンス」のパクり。繰り返しいろんな映画で使われているネタだとは思うのだが。

 ジミーの本命は恋人のレニー・ゼルウィガー。でもプロポーズに失敗している彼は元カノのブルック・シールズやマライア・キャリー(!!)に次々とアタックするわけですね。この男、何でこんなにレベルの高い女性遍歴を持ってるんだと絶句。そして最後は誰でも良くなって… 予期せぬ花嫁大行進のラストへともつれこむ。笑いがビジュアルにふられているだけに、日本人が見ても笑えるコメディになっていると思う。

 しかし最初に出てくる結婚をこれだけ恐れる感覚って、独身者にはちょっと理解しにくいんじゃないかと思ってしまった。アメリカだと離婚率高いのにいざ離婚とかなると本当に泥沼でボロボロになる(される)から、こういう世界も成立するんだろうか。誰でもいいからプロポーズしまくってきたカレが戻ってきて受け入れてしまうレニー・ゼルウィガーってのも、何だかなあ…

ゲイリー・シニョール監督。1999年アメリカ映画。

2006年10月17日 (火)

グロリア (1999)

no jacket image 刑務所から出所したグロリア(シャロン・ストーン)は元カレでギャングのボス ケヴィン(ジェレミー・ノーサム)ののところへ帰るが冷たくあしらわれる。ところが彼が誘拐してきた会計士の息子ニッキー(ジーン・ルーク・フィゲロア)を偶然助けて彼らと対決する羽目になる…

 あのジョン・カサヴェテスの名作をシャロン・ストーン主演、シドニー・ルメット監督でリメイク。そのやる気はなかなかのものだけど、映画の仕上がりは少々物足りない。なんでだろう… たぶんジーナ・ローランズとあの可愛くない少年のかもし出す雰囲気を、同じように模倣してもしっくりいかなかったんだろう。映画の出来不出来なんて偶然の産物って要素が多いものだから。シャロン・ストーンも頑張ってるんだろうけど、不思議と彼女のミニスカートやドレスに色気を感じないのが致命傷。きっと、綺麗すぎてこの映画の雰囲気に合ってないんじゃないかと思う。

 久しぶりにグロリアのストーリーをじっくり見たけど、意外とこじんまりとまとまったリアリティあふれる話だったわけね。グロリアが敵対するギャングのボスも、最近はやりのブチ切れたぷっつん野郎ではなくある程度節度を持ってギャングをやっている。一家惨殺なんてやりたくてやったんじゃなくて、部下が勝手にやっちまったこのバカヤロウってのがかえって新鮮。すべてを丸くおさめるためにグロリアがたよるルビー(ジョージ・C・スコット)渋いぞ(残念ながら99年没)。可愛くないケヴィン少年も配役は悪くない。でも全体のハーモニーが、80年版のグロリアみたいにうまくかみ合ってない感じなのだ。

シドニー・ルメット監督。1999年アメリカ映画。

2006年10月14日 (土)

グロリア (1980)

グロリア 横領がばれたギャングの会計士が家族ごと惨殺される。ひとり生き残った少年フィル(ジョン・アダムス)をかくまったのは、かつてのギャングのボスの情婦グロリア(ジーナ・ローランズ)だった。子供嫌いなグロリアだったが、くされ縁とも思える二人の関係からやがてギャングと対決することに…

 今考えると後の「レオン」を裏返しにしたようなストーリー、というか原案とも言える内容。しかしこちらは、熟女ジーナ・ローランズとどう見ても可愛くないプエルトリコ人の子供の組み合わせである。にもかかわらず、見ていてこんなにアツくなれるのは何でだろう。グロリアのハードボイルドぶ
りもなかなかのものだが、二人の関係がそれっぽくて良いのだ。境遇のまったく違う者の友情または愛情。これも面白くなる映画の王道でしょう。

 ちなみにジーナ・ローランズと監督のジョン・カサヴェテスは夫婦。監督と女優って組み合わせは、名作を生むらしい。54年に結婚してから89年にカサヴェテスが亡くなるまで添い遂げたってのも、ハリウッドにしてはちょっといい話。

ジョン・カサヴェテス監督。1980年アメリカ映画。

2006年10月13日 (金)

レディ・ジョーカー (2004)

レディ・ジョーカー 巨大企業である日之出ビールの社長・城山(長塚京三)がレディ・ジョーカーと名乗る犯人に誘拐される。レディ・ジョーカーの正体は競馬場で知り合った薬局の店主・物井(渡哲也)をはじめとする5人組。ところが城山はすぐに釈放されて…

 高村薫の原作を平山秀幸監督で映画化したサスペンス作品。タイトルからして「キャッツアイ」みたいなヒロインが大暴れする活劇を連想したんだけど、すっかり違っていた。突然、競馬場を舞台におじさんたちが集合するという渋めのプロローグ。グリコ・森永事件にヒントを得たという人質事件。入念に描かれる犯罪の動機。「砂の器」みたいな展開の面白さに心を打つ動機付けをくっつけたサスペンスの傑作を目指したんだけど、惜しいかな力がおよばなかったという印象。

 登場人物がとにかく豪華。徳重聡、吉川晃司、加藤晴彦、菅野美穂と主役級の人たちがごろごろいて、それぞれが火花を散らしている。岸部一徳なんかはこういう映画には欠かせない顔になってしまった感じ。でもやっぱり最後にぴしっと締めているのは渡哲也。うまい。ラスト近くのレディ(斎藤千晃)を連れて帰るところ、金に執着がないところなんかはちょっぴりじーんときた。説明不足なエピソード(唐突に自殺する登場人物とか)の部分を整理したら、もうちょっとすっきりわかりやすい映画になったと思うのだが。

平山秀幸監督。2004年日本映画。

2006年10月12日 (木)

50回目のファースト・キス (2004)

50回目のファースト・キス ハワイの水族館で獣医をするヘンリー(アダム・サンドラー)はカフェでひとりで朝食をとっているルーシー(ドリュー・バリモア)に一目惚れ。意気投合してその日は別れた二人だったが、翌日彼女に声をかけると今度は冷たく追い払われる。実は彼女は交通事故の後遺症で、1日しか記憶が持たないのだった。それでも諦めないヘンリーは、毎日彼女にアタックを繰り返すのだが…

 最近増えてきた記憶ものの1本。1日しか記憶が持たないってことで、彼女を傷つけないように毎日同じことを繰り返す父と兄。でもそれでは納得いかないヘンリーは、自分が恋人だというビデオを作って毎朝彼女に見せる。コメディタッチの展開なんだけど、当事者にとっては笑うに笑えないことなんだろうなと思う。それでもハワイという舞台とアメリカ映画独特のカラッとした雰囲気にくるまれて、見ているとがんばれがんばれと応援したくてしょうがない気分になってくる。いい映画です。

 アダム・サンドラーって日本では知名度低いけど、コメディにはよく出てますね。レパートリーの広い、面白い役者さんです。ドリュー・バリモアはこういうシリアスの入ったラブコメでも、持ち前の明るさでさらっと演じてしまうところが良いです。この逆境を押し切ってたどりつくラストはとっても爽やかな気分にさせてくれます。

ピーター・シーガル監督。2004年アメリカ映画。

2006年10月11日 (水)

蝶の舌 (1999)

no jacket image 1936年のスペインのガリシア地方の村。少年モンチョ(マヌエル・ロサノ)は、持病の喘息のために1年遅れて小学校に入学する。周囲になじめず当惑するモンチョを、担任のグレゴリオ先生(フェルナンド・フェルナン・ゴメス)は野外授業に連れ出して顕微鏡で「蝶の舌」を見せると約束する。だがこの村にも内戦の影が押し寄せてくる…

 マヌエル・リバスの原作をホセ・ルイス・クエルダがメガホンを取って映画化。片田舎に暮らす少年と、彼に勉強ばかりでなくいろいろなことを教える先生を淡々と描いた佳作…だと途中までは思っていたんだけど、やはり30年代という時代背景だけに一筋縄ではいかない。ここには詳しくは書かないが、押し寄せてくる内戦の影になんともやるせない結末がやって来る。

 「蝶の舌」なんてちょっと聞いてもぴんと来ないものをタイトルにしてしまうあたりがなんともスペインチックで面白い。ふだんはくるくると巻いていて、花の蜜を吸う時にぴ?んと伸ばすアレですね。虫好きのモンチョ少年に、顕微鏡で蝶の舌を見せることを約束する先生。でも注文している顕微鏡はなかなか学校にやって来ない…

 こういう映画は子役が命ですが、さすがに選ばれるだけあってマヌエル・ロサノ少年はうまい。かなり年配の先生であるグレゴリオ先生とのコンビも、まるで仲の良い老人と孫のよう。「ニュー・シネマ・パラダイス」にも通じるものがありますね。ラストシーンは、まだまだ少年にはこの先生が必要だということが強く感じられて辛い。心に残るエンディングです。

ホセ・ルイス・クエルダ監督。1999年スペイン映画。

2006年10月10日 (火)

シャーク・テイル (2004)

シャーク・テイル 魚のオスカー(声:ウィル・スミス)はホエール・ウォッシュで働きながらいつか一攫千金の夢を見ている。一方町を牛耳るホオジロザメのドン・リノ(ロバート・デ・ニーロ)の息子レニー(ジャック・ブラック)は乱暴なサメのやり方が肌に合わず悩んでいる。そんなある日、レニーの兄が事故で死に、近くにいたオスカーが「シャーク・スレイヤー」として町のスターになる…

 ドリームワークスによる、魚たちが主人公のアニメーション。大ヒットしたディズニーの「ファインディング・ニモ」と違い、どこかヒネた作風が単純にお子さま向けとは言えない映画となっている。基本的には一攫千金を夢見るオスカーが本当に大事なものに気がつく、という古来からのテーマから外れてはいなんだけど、そこに至るまでのギャグの数々がかなりマニアックで面白かったと言い切れないのが正直な感想。

 ウィル・スミスやデ・ニーロの他にも、アンジェリーナ・ジョリー、レニー・ゼルウィガー(これが役名がアンジーなのでややこしい)、マーティン・スコセッシ、ピーター・フォークなどが声優で登場。サメたちはいかにもサメって顔をしているんだけど、他の魚たちは見るからに人面魚でちょっとコワいかも。

ビボ・バージェロン、ヴィッキー・ジェンソン、ロブ・レターマン共同監督。2004年アメリカ映画。

2006年10月 9日 (月)

K-19 (2002)

NO JACKET IMAGE 冷戦時代のロシア。核兵器を搭載した原子力潜水艦K-19が出航する。艦長はポレーニン(リーアム・ニーソン)だったが、直前で経験豊かなボストリコフ(ハリソン・フォード)に変更される。副長として残ったボレーニンだったが、新艦長の強引な訓練の数々に衝突する。やがて原子炉が不調をきたし…

 面白い!! やっぱり潜水艦映画は不滅である。実際に1961年にあった事故を脚色したものだそうだが、ものすごいリアリティで迫ってくる傑作。何がリアルかというと、ロシアの原潜のポンコツ具合(笑)。「アルマゲドン」の宇宙ステーションにも同じような描写があったけど、とにかく実戦に挑む前に厳しい訓練を行っただけで崩壊してしまうというのは、ものすごいリアリティを感じてしまった。しかもそんな乗り物に、核兵器と原子炉が搭載されているという恐怖。現場の状況をわかっちゃいない本部の命令により、最悪の事態が引き起こされてあんな作業をやらされる恐怖。原子炉を切り回せる職人が酒飲んでぶっ倒れていて、本部が成績優秀だけど経験のない新卒技術者を送り込むというのも考えてみるとめちゃめちゃリアルでコワイです。

 ボストリコフ艦長とボレーニンの確執ってのは、考えてみればここにすべての事故の原因があるんだけどあんまりかっちり描かれていない感じ。というか、事故がぐわ?っと起きてからは危機また危機のつるべ落としで見ている側はどうでもよくなってしまった。このあたりは「スター・トレック」の劇場版第1作と似てるんだけど。ハリソン・フォードってロシア人って言われても違和感ないのが面白かった。全編英語しゃべってるけど(笑)。

キャスリン・ビグロー監督。2002年アメリカ=イギリス=ドイツ合作。

2006年10月 6日 (金)

金色の嘘 (2000)

金色の嘘 20世紀初頭のイギリス。イタリア人貴族のアメリーゴ(ジェレミー・ノーサム)はアメリカの富豪の娘マギー(ケイト・ベッキンセール)と婚約する。ところがアメリーゴのかつての恋人シャーロット(ユマ・サーマン)は事もあろうかマギーの父ヴァーヴァー(ニック・ノルティ)と結婚し… 嘘で塗り固められた奇妙な4人の関係を、水晶でできた金杯を軸にして描く重厚な雰囲気のメロドラマ。

 ヘンリー・ジェームズの「金色の杯」を、こういった貴族映画を得意とするジェームズ・アイヴォリーが映画化。すっかり忘れていたけど、アイヴォリーといえば「眺めの良い部屋」や「ハワーズ・エンド」といったミニシアターで珍重されそうな映画を量産していた時代がありましたね。oga.もひととおりは見たんですが、文芸作品の持つ重厚な雰囲気とはうらはらに、中身は平凡なメロドラマだなって感想を持ったのを思い出しました。

 とはいっても今回も絵づくりのうまさはなかなかのもので、古城を舞台にしたシーンはどれを取っても絵画のよう。すっかり「キル・ビル」で色がついてしまったユマ・サーマンをはじめ、登場人物はほとんどがハリウッドの人だろって突っ込みたくなるようなキャストが繰り広げる退廃貴族の物語は意外と見応えがありました。狂言回しに使われる金色の杯という設定もいいです。日本人の目からだと、ちょっと思いつかないような小道具だと思います。

ジェームズ・アイヴォリー監督。2000年イギリス=アメリカ=フランス合作。

2006年10月 5日 (木)

恋愛小説家 (1997)

恋愛小説家 小説家のメルビン(ジャック・ニコルソン)は、美しい恋愛小説を書くがその正体はヘンクツで潔癖性の嫌われ者おやじ。いつものようにレストランの席を陣取り、ウェイトレスのキャロル(ヘレン・ハント)に毒づくのだがその日は様子が違っていた…

 コムツカしい映画かと先入観を持っていたんだけど、かなり軽い感覚で見られるラブコメディ。”怪優”ジャック・ニコルソンがひさびさに芸達者な爆笑演技で、潔癖性の作家先生を楽しそうに演じている。まぁここまでやりながらも、登場人物のそれぞれが生い立ちに問題をかかえてたりするのをさらりと描いて納得&同情させてくれるのがウマいところ。ぱっとしなかったヘレン・ハントが次第にキュートになっていくのもお約束の展開かも。しかしこんなオッサンが恋愛してサマになるなんて、洋画の世界はやっぱりうらやましい。

 でも頭を冷やして考えたら、このオッサンはこのトシになるまでろくな恋愛もしないでヘンクツに暮らしてそれで済んできたというのが不思議である。小説家というカラに閉じこもって、生きて来られたってことなんだろうか。それで美しい恋愛小説が書けるってのも摩訶不思議である。案外我々が心動かされるロマンス小説の裏側ってのは、こんなものなのかもしれない。

ジェームズ・L・ブルックス監督。1997年アメリカ映画。

2006年10月 4日 (水)

ミュージック・オブ・ハート (1999)

no jacket image 音楽教師のロベルタ(メリル・ストリープ)は、夫と別れて二人の子供を連れて故郷のニュージャージーへ帰ってくる。ハーレムにある小学校の臨時教員として子供たちにバイオリンを教えることになるのだが…

 これまた面白くなる映画の王道というか、どん底から気合いではい上がっていく女の物語。こういう映画にはメリル・ストリープはぴったり。厳しいけど味のある女教師が、ハーレムの子供たちにバイオリンの楽しさを教える様子をいろんなドラマを交えて見せてくれる。

 oga.の大好きなグロリア・エステファンが役者として出てるのも興味があったけど、本当に顔を見せてくれるだけでちょっとがっかり。少ないセリフながらも演技も悪くないのに何で? あるいはちょっとぐらい歌ってほしかったかな。同じく校長先生役でアンジェラ・バセットも出てたけど、こちらは物語にかなりからんで見せ場もいっぱいだった。

 実話の映画化らしいんだけど、素人の子供たちを育ててカーネギーホールまで行ってしまうのは凄いですね。しかもアイザック・スターンと共演。このアイザックさん、スクリーンで見る限りめちゃめちゃ人柄が良さそうですっごい好人物。この映画の何年か後で亡くなってしまったのが、とっても残念です。監督は「エルム街の悪夢」からホラー路線を突っ走ってきたウェス・クレイヴン。こんなのも撮れるんだと、ちょっとした驚き。彼も「ロード・オブ・ザ・リング」で大化けしたピーター・ジャクソンみたいになっていくんだろうか。

ウェス・クレイヴン監督。1999年アメリカ映画。

2006年10月 3日 (火)

イン・カントリー (1989)

no jacket image ベトナム戦争で父を失った少女サム(エミリー・ロイド)は、叔父のエメット(ブルース・ウィリス)と暮らしている。戦争後遺症で苦しむエメットを前に、父の死に興味を持ったサムは彼や退役軍人たちに話を聞くのだがみんな口をつぐむ…

 「ダイ・ハード」の直後に、あのノーマン・ジュイソン監督で撮られたベトナム後遺症ものの映画。戦闘シーンはほとんどなく、舞台は最初から最後までタイトルどおりアメリカ国内。劇場未公開で見る機会もなかったんだけど、今回目にしてみて納得。あまりに地味な上に、サムの目を通して見たベトナム戦争がうまく伝わって来ないのが辛いところ。あるいはこの感覚は、あの時代にあの戦争を体験した人じゃないと伝わってこないのかもしれないけど、戦争を知らないサムが主人公なんだから観客にもちゃんとわかるように掘り下げてほしかったところ。

 ブルース・ウィリスはむさっ苦しい男がよく似合う。エミリー・ロイドは頑張ってるけど印象が薄い。60?70年代にヒット作を連発したジュイソン監督作品だけに、ちょっと期待しすぎたかな。

ノーマン・ジュイソン監督。1989年アメリカ映画。

2006年9月29日 (金)

姉のいた夏、いない夏 (2001)

姉のいた夏、いない夏 高校を卒業したフィービー(ジョルダナ・ブリュースター)は、ヨーロッパへ旅立ってそのまま死んでしまった姉フェイス(キャメロン・ディアス)について知りたくて、反対する母を振り切って旅に出る。そこで出会ったのは、フェイスのかつての恋人ウルフ(クリストファー・エクルストン)だった。

 オランダ・フランス・ポルトガルと美しい風景の中を自分探し(姉探し?)の旅に出る若い女の子の物語。舞台が70年代だけに、ヒッピーやらポリティカルなテーマがかぶって時代を感じさせてくれる。しかし理想を追い求めた姉の生き方を追いかけるのはいいんだけど、そのままウルフとくっついちゃうのは何なんだろう? そういうものなのか。

 自分の中ではどうしてもコメディのイメージが強いキャメロン・ディアスだけに、こういうシリアスな役を見るたびに「う?ん」と思ってしまう。でも彼女はシリアスができる人だと私の中にすり込まれないのは何でだろう?

 ポルトガルの風景が美しい。繰り返し出てくる姉妹のかくれんぼのシーンも印象に残る。でもテーマの割りに映画は薄味だったのが残念。

アダム・ブルックス監督。2001年アメリカ映画。

2006年9月28日 (木)

地上最大のショウ (1952)

no jacket image 巨大サーカスの団長ブラッド(チャールトン・ヘストン)は、年間興行を希望するがスポンサーと衝突する。定期的に観客を呼ぶために、空中ブランコのスター・大セバスチャン(コーネル・ワイルド)をメンバーに入れるのだが、団長の恋人で現在の空中ブランコの花形ホリー(ベティ・ハットン)は気に入らない。ブランコの技を競う二人だったが、やがて大きな事故が起こり…

 サーカスを舞台にしたスペクタクル巨編で、リング・リング・サーカスとバーナム・ベイリー・サーカスの協力を得たというサーカスシーンは大迫力。正にセシル・B・デミルの世界といった物量映画。テレビもろくに普及してなかった時代だけに、劇場の大画面に迫力のサーカスを再現したかのような作品。しかも舞台が3つもある巨大テントの設営から撤去までカメラが追うのは斬新で、映画ならではの面白さを見せつけてくれる。難を言えばこれだけの大作なのに画面が4:3なのはちょっともったいない気がするが。

 ドラマ部分はそれほど深いものはないのだが、空中ブランコ乗りのコーネル・ワイルドとベティ・ハットンが技を競うシーンはこれまた手に汗を握る。最後まで素顔を見せないジェームス・スチュワートのエピソード、列車衝突のスペクタクルシーン、ラストには壮大なパレードのシーンもあり、3時間ぎっしりアンコが詰まった映画。ぜひ大画面で見たい大作クラシックです。

セシル・B・デミル監督。1952年アメリカ映画。

2006年9月27日 (水)

ナニー・マクフィーの魔法のステッキ (2005)

ナニー・マクフィーの魔法のステッキ 葬儀社に勤めるブラウン(コリン・ファース)は妻に先立たれた上にわんぱくざかりの7人の子持ち。彼の悩みは、子供たちがやってくる乳母(ナニー)をことごとくいたずらで追い出してしまうこと。ところが今回やってきたナニー・マクフィー(エマ・トンプソン)はなかなかの強面。しかも持っているステッキを鳴らすだけで、次々と奇蹟が起こるのだった…

 童話が原作(クリスティアナ・ブランド「ふしぎなマチルダばあや」)ってことで、最近増えてきた大人も楽しめるファンタジーといった作り。でも思ったより映画から受け止めたメッセージは少なかったような気が。作品と波長が合わなかったんかな? 最大の疑問は、ナニー・マクフィーのものすごいご面相が、子供たちがひとつずつ良いことをするたびにキレイになっていく理由。そして最後は唐突に素顔のエマ・トンプソンが登場…ってのはストーリーの流れから容易に連想できるんだけど「なぜ」って疑問は最後までぬぐい去ってはくれませんでした。

 脚本まで担当して、エマ・トンプソンはこの映画に結構入れ込んでいる様子だけど、やっぱ原作を知らない者にはきつい内容かも。映像はすっごくファンタしててキレイなんだけど「チャーリーとチョコレート工場」の毒々しさからしたらちょっとひかえ目かなって感じ。

カーク・ジョーンズ監督。2005年アメリカ=イギリス=フランス合作。

2006年9月26日 (火)

パトリオット (2000)

パトリオット かつては名うての戦士だったベンジャミン(メル・ギブソン)は亡き妻の遺志どおりに、7人の子供たちと平穏な日々を送っている。ところがアメリカ独立戦争が勃発し、冷酷なイギリス兵に次男が殺されてしまう。これをきっかけに再び銃を取るベンジャミンだったが…

 3時間の長尺でアメリカ独立戦争を描いた大作。かつての名将ベンジャミンがゲリラ戦をもってしてイギリス軍をばったばったと倒していく痛快戦争映画…なんだけど、その痛快さが微妙にリアルで生々しく単純に活劇として楽しめない。違和感を感じてしまったというのが正直なところ。独立戦争だけに愛国心(映画のタイトルでもある)や家族とのやりとりが前面に出てくるのは当たり前といえば当たり前なんだけど、見ているとどんどん好戦的な気分が高まってくるのに戸惑ってしまった。これこそプロバガンダ映画かも。

 びっくりしたのは、当時の戦闘方法。両側で向かい合って立ったまま、ばんばん打ち合うなんて頭まったく使わずのチキンレース状態? こりゃ伏せて撃っただけでも圧勝するんじゃない?? そう考えると、あのシーンはまじめに見てられなかった。こういう時代だったら、ゲリラ戦は正解かも。

ローランド・エメリッヒ監督。2000年アメリカ映画。

2006年9月25日 (月)

キング・コング (2005)

キングコング 1930年代のニューヨーク。会社と衝突した映画監督のカール・デナム(ジャック・ブラック)は、撮影途中のフィルムと俳優やスタッフも含めた一切合切を船に積み込んで、逃げるように船出する。主演女優は町で拾った文無しのアン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)。脚本家のジャック(エイドリアン・ブロディ)も騙して船に乗せた行き先は髑髏島。その島には野蛮な原住民と巨大な昆虫、太古の恐竜、そしてキングコングが住んでいた…

 1933年制作のキング・コングをものすごく意識したリメイク… というか、この33年版への深?い深?い愛を感じてストーリーが進むにつれてじ?んときてしまった。最近はリメイクばやりで、どうしてこの映画をリメイクする必要があるんだろうって疑問に思う作品がいっぱいあったんだけど、このキング・コングに関しては33年版を作ったスタッフたちがイマジネーションしたけど当時の技術では果たせなかった映像を、忠実に再現したって気がします。76年版は石油採掘がからんで、当時一番高かったツインタワーに登ってジェット戦闘機と対決するという時代を反映した作品に仕上がってましたが、今それをやっても76年版とかわりばえしない映画になったはず。そこで舞台を再び30年代にしたのは大正解だったと思います。コングが複葉機に追いまくられるあのシーンを、最新の目を見張るような映像で描いたのは素晴らしい。恐竜とコングとの対決も同様です。

 主演のナオミ・ワッツもいいですね。この人はB級の女優さんぐらいにしか思ってなかったんだけど、本作で一皮むけた。実に可愛い。コングが惚れるのもわかると同時に、この体でよくぞ生き残ったというパワーを見せつけてくれます。相手役のエイドリアン・ブロディも、いい具合に引いていてうまい。さすが名優です。監督役のジャック・ブラック、黙々とカメラを回すところがヨイ。段々頭がおかしくなっていくところ、ラストに「美女がコングを殺した」と、どう考えても暴言としか思えない台詞を吐くところもヨイ(笑)。

 ピーター・ジャクソンは、「ロード・オブ・ザ・リング」の監督というよりもやっぱり究極のスプラッタ映画「ブレインデッド」の方が頭から離れないんだけど、本当に映画を愛している人なんだとひしひしと感じてしまいました。やる時はとことんやるって姿勢が大好きです。

ピーター・ジャクソン監督。2005年アメリカ=ニュージーランド合作。

2006年9月22日 (金)

キングコング2 (1986)

キングコング2 前作で貿易センタービルから落っこちて死んだコングが、人工心臓と新登場のレディコングの輸血で蘇るという限りなくB級に近い超大作。しかも彼らの間にはベイビーが誕生!?

 ストーリーは完全にマンガなんだけど、それに金かけてこれだけリアルな見せ物を作ってしまうのがやはりハリウッドの凄いとこ。当時は、プロットを聞いて大笑いしたんだけど、実際の映像を見てうならされた。このストーリーにこれだけのリアルな映像…ってのは、後のアメコミ・ヒーローの映画化にもつながっていくような気がする。

 もう完全に記憶の彼方だった作品だけど、リンダ・ハミルトンとか出てたんですね。ジョン・ギラーミン監督はこの作品で完全に失速してしまったんだろうか。

ジョン・ギラーミン監督。1986年アメリカ映画。

2006年9月21日 (木)

キングコング (1976)

no jacket image 33年に制作された元祖怪獣映画のリメイク。石油発掘船が南海の無人島を調査中に巨大なゴリラを発見。タンカーに積み込んでアメリカへ連れ帰り、見せ物にしようとするのだが・・・

 「タワーリング・インフェルノ」の大ヒット後のジョン・ギラーミン監督で企画、制作されたスペクタクル映画で、プロデューサーは大作映画には欠かせないディノ・デ・ラウレンティス。コンピュータ制御の実物大コングとか話題がどんどん先行したが、映画は期待に比べて平凡な仕上りでややがっかり。後に演技派に転向するジェシカ・ラングはこれがデビュー作だった。共演はジェフ・ブリッジスやチャールズ・グローディン。無名時代のジョン・ローンも出ているそうだが、こちらは未確認。

 ラストは当時世界一高かったツインタワーの上で、ジェット戦闘機とキングコングがバトルを繰り広げる。このあたりのジェシカ・ラングとのやり取りは、本作が一番わかりやすい。

ジョン・ギラーミン監督。1976年アメリカ映画。

2006年9月20日 (水)

コングの復讐 (1933)

no jacket image 大ヒットした「キング・コング(1933)」の続編。コングをニューヨークへ連れて来て破産したプロデューサーは海外へ脱出。再び髑髏島をさまよううちにコングには息子がいる事を知る。

 今も昔もヒット作には続編がつきものなんだなあと思わせられた作品。心優しきコングの息子をつかまえて、この日本題はあまりにも乱暴だよなあ。ラストシーンも強引だけど、何かコングというキャラクターに対する作者の愛情みたいなものは感じさせてくれます。同じ33年製作ってことで、前作がヒットしたからってものすごい勢いで作ったんでしょうねぇ。ちなみに出演はロバート・アームストロング、ヘレン・マック、フランク・レイカー。前作でコングが惚れる美女フェイ・レイは出ていません。

アーネスト・B・シュードサック監督。1933年アメリカ映画。

2006年9月19日 (火)

キング・コング (1933)

no jacket image 映画撮影に南海の孤島へ渡ったロケ隊が見たのは、原住民には神とあがめられる巨大なゴリラ、キングコングだった。ところがヒロインのアン・ダロウ(フェイ・レイ)は生け贄として原住民につかまってしまい… エドガー・ウォレス原作のあまりにも有名な怪獣スペクタクル映画の古典的作品。ちょこまか動く巨大生物に躍動感があり、今見ても充分新鮮。音楽はあの「風と共に去りぬ」のマックス・スタイナー。1933年製作なので、もちろんモノクロ映画。

 南海の孤島にロケ隊(76年のリメイクでは、石油の発掘隊だった)が上陸するのだが、巨大なゴリラと原住民が住んでいる。原住民はロケ隊の美女をコングにささげ、コングは美女に惚れる...とまあ、誰でも知っているこのストーリーはこの作品がルーツ。oga.の年代だとアニメのキングコングとか76年にジョン・ギラーミン監督がリメイクした作品がすぐ頭に浮ぶのだが、これはまぎれもなく本物の本物。

 見どころは、何と言っても当時としては驚異的なSFXの技術。ちょこまか動くストップモーションの画面は好き嫌いがあるだろうが、生きてるという躍動感が伝わって来る。逆に怪獣の重量感が伝わって来ないというのは、東宝映画に代表される着ぐるみによる特撮との大きな違いであろう。

 ストーリーを知ってるので先を読む楽しみはないのだが、この映画を元にしたパロディがのちにいっぱい作られているので、画面画面でずっとにやにやしっぱなしだった。パロディを見てから本物を見て笑えるなんてのも、この古典的作品がいかに人々に愛されてるかってことではないだろうか?

メリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シュードサック監督。1933年アメリカ映画。

2006年9月18日 (月)

ハリー・ポッターと炎のゴブレット (2005)

ハリー・ポッターと炎のゴブレット ホグワーツ魔法学校の4年生に進級したハリー(ダニエル・ラドクリフ)、ロン(ルパート・グリント)、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)。折しもホグワーツでは100年に一度という3大魔法学校対抗戦が行われ、各校の選手が集まって来る。代表選手3人を決めるのは炎のゴブレットなのだが、年齢の満たないハリーが第4の選手として選ばれてしまう。

 14歳だというのに登場人物がぐっと大人になって雰囲気も対象年齢もアップしたシリーズ第4作。でも基本的なファンタジーの流れに変わりはなく、今回のストーリーのメインは3大学校対抗戦。これがドラゴンと空中戦を行ったり水の中深くもぐったり、そんじょそこらの運動会とは違う。よく死人が出ないものだと感心するようなノリである。

 面白かったのは、ハリーがハーマイオニーの事を初めて女性として意識しはじめたことぐらいか。でもこの、近くにいるから同類としか見ていない感覚ってわかる…んだけど、ハーマイオニーぐらい美人だとどうなんだろう?

 ハリーの宿敵ヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ)が初めて実体化して顔を出すのも話題。同じようなエピソードを積み重ねていくパターンのシリーズだけに、彼の存在がシリーズが完結していくキーなんだろうね。

マイク・ニューウェル監督。2005年アメリカ映画。

2006年9月17日 (日)

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004)

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 ホグワーツ魔法学校の3年生になったハリー(ダニエル・ラドクリフ)、ロン(ルパート・グリント)、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)の3人組。ところがハリーの両親を殺したヴォルデモートの手下である凶悪犯シリウス・ブラック(ゲイリー・オールドマン)がアズカバン刑務所から脱走したというニュースが入り、ホグワーツは安全のためにディメンターと呼ばれる吸魂鬼に警備を依頼する…

 シリーズ第3作で、これまた役者たちの年齢ともリアルタイムにハリーたちの魔法学校3年目を描く。13歳といえども3人がかなりの青年になっているのにはびっくり。ハーマイオニーも最初の可愛さは消えて、意外と普通の少女っぽくなっている。

 彼らの年齢に合わせてかどうかは知らないけど、監督が交代してストーリーがより複雑になって映画の年齢層も上がってきている。画面もダークなシーンが増えてある意味おどろおどろしい。今回のゲスト・スターであるゲイリー・オールドマンも、ケレン味たっぷりでかなりアクが強い。これは観客が成長していることを意識してなのか? でも1から3までビデオで一気に見る人もいるだろうに、などと余計なことを考えてしまった。

アルフォンソ・キュアロン監督。2004年アメリカ映画。

2006年9月15日 (金)

ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2002)

ハリー・ポッターと秘密の部屋 夏休みを過ごしていたハリー(ダニエル・ラドクリフ)のところにしもべ妖精のドビーがやって来て、学校(ホグワーツ)へ戻ってはいけないと警告する。それを無視したハリーは友人ロン(ルパート・グリント)の空飛ぶ車でホグワーツへ戻るのだが、学校名物の柳の木に激突してしまう。その頃校内には、秘密の部屋が開かれたという血文字が描かれていた…

 キャストがそのままで1年後に作られた新作、というわけで、子役が中心なだけにその成長が楽しめる。もちろん彼らの学年も1年進んでいるわけで、これはとっても面白い企画なんじゃないかと思います。できることならこのままのメンバーで、最後まで作り続けてほしい。原作の最終巻で彼らが何歳なのかは知りませんが。

 1作目で自己紹介が終わっているので、今回はより登場人物が掘り下げて描かれており、笑えるシーンも多い。ハリーはヘビと話ができるとか、ロンはクモが嫌いだとか、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)はかなりの優等生タイプだとか、いろんな要素が詰まってます。原作を読んでたらもっと楽しめるのかもしれませんが。

 ちなみにゲスト・スターはロックハート先生役のケネス・ブラナー。なさけないキャラだけど、彼独特のいかがわしさがいい雰囲気。ダンブルドア校長役のリチャード・ハリス(名優!)は残念ながら、この映画の撮影終了直後に亡くなったそうです。

クリス・コロンバス監督。2002年アメリカ映画。

2006年9月14日 (木)

ハリー・ポッターと賢者の石 (2001)

ハリー・ポッターと賢者の石 両親を亡くして、叔父の家で不遇な扱いを受けながら少年時代を過ごすハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)の元へ魔法学校への入学案内が舞い込む。誘われるがままに列車に乗り込み、ロン(ルパート・グリント)とハーマイオニー(エマ・ワトソン)という友達もできるハリーはホグワーツ魔法学校に到着するのだが…

 ベストセラー小説のハリポタ・シリーズの映画化第1作で、日本でも大ヒット。ファンタジーや魔法使いの世界を予備知識がなくてもわかりやすく映像化していて、なかなか楽しめる作りになっている。主役の3人に加えて、リチャード・ハリスのダンブルドア校長やアラン・リックマンのスネイプ先生など、後のシリーズでもレギュラーとなるメンバーが楽しそうに演じているのがまた印象的です。

 シーンごとの作り込みの緻密さはなかなかのもの。個人的に好きなのは蒸気機関車のシーン。列車の空撮ってのは、本当に絵になります。あとはCGがらみのカットが多いんだけど、魔法学校のセットはゴージャスな上にどこかヘンなところが面白い。

 監督がクリス・コロンバスなだけに、子供たちが明るく生き生きと描かれているので安心して見ていられます。ただし純然たるお子さま向けかというと、クリーチャーのシーンはちょっとだけ刺激が強いので小さなお子さまが見るには要注意です。

クリス・コロンバス監督。2001年アメリカ映画。

2006年9月13日 (水)

蛇イチゴ (2003)

蛇イチゴ 小学校教師の倫子(つみきみほ)は同僚の蒲田(手塚とおる)との結婚をひかえており、両親と痴呆症の祖父(笑福亭松之助)に彼を紹介する。ところが祖父が突然亡くなり、葬式の時に借金取りが押しかけて父芳郎(平泉成)が実はリストラされており多額の借金をかかえていることが発覚する。その当面の危機を救ったのは、家出した不良息子の周治(宮迫博之)だった…

 ひとことで言うと、平凡な家族がガラガラと音を立てて崩壊していく物語。くそまじめで、母親(大谷直子)に最後には「あんたといるとずっと面白くなかった」とまで言われる倫子と、妹の下着まで売って小遣い稼ぎをしていた勘当息子の周治のやり取りが面白い。結局いざという時に頼りになるのはこういう雑草のように生きてきた人間かもしれないが、それだけでは終わらずにもうひとひねりしてあるのがこの映画のキモでしょう。毒のあるホームドラマだけど、コメディタッチの中に家族の絆を感じさせてくれる映画です。

 そうそう、忘れちゃいけないのが祖父役の笑福亭松之助の熱演。また今回の事件で尻尾を巻いて逃げていく婚約者の蒲田も、見るからに骨がなさそうで納得のキャスティングでした。

西川美和監督。2003年日本映画。

2006年9月12日 (火)

Mr.&Mrs.スミス (2005)

Mr.&Mrs.スミス ジョン・スミス(ブラッド・ピット)とジェーン(アンジェリーナ・ジョリー)は海外で知り合って恋に落ち、そして結婚する。豪邸を建てての結婚生活が何年か過ぎたが、実はお互いに違う組織の殺し屋だというのを隠していた二人は、仕事現場で鉢合わせしてしまう…

 以前に赤ちゃんを連れたスパイ夫婦が活躍するコメディ映画があったんだけど、同じようなノリを想像していたら意外とシリアスなすべり出しにびっくり。おちゃらけ映画かと思いきや、本気で夫婦関係を壮絶なアクション・バトルに置き換えた異色作なのでありました。

 個人的に笑えたのは、お互いが過去に殺した人の数を告白しあうところ。なんかこういう夫婦間の会話って、特に妻が自分の何倍も殺してたって平然と言うシーンなんて素直に笑えないもんがあります。

 派手なアクションがメインなんですが、かなり毒を持った映画なのは確か。タイトルの前のカウンセラーの質問に、ブラピがエンディング直前で答えるところも面白い。このセリフを言わせるためにこの映画はあったんかと思わされます。

 なお私の好きな映画にヒッチコックの初期のコメディ「スミス夫妻」というのがあるんですが、これのリメイクかと思ったら、どうやらまったく関係ないようです。

ダグ・リーマン監督。2005年アメリカ映画。

2006年9月11日 (月)

フライトプラン (2005)

フライトプラン 夫を事故で失い、傷心のうちに娘ジュリア(マーリーン・ローストン)と一緒に飛行機で故郷へ帰るカイル(ジョディ・フォスター)。実は彼女は飛行機の内装の設計士で、今回搭乗の超大型エアバスの内装も彼女の手によるもの。ところがフライト中に娘が忽然と姿を消し、しかも乗組員が調べたところによると娘は夫と共に事故で死んでいるというのだ…

 近頃流行の、記憶をテーマにしたドラマ…を逆手に取ったサスペンス。果たして娘は乗っていたのか、いなかったのか… 彼女が病気なのか、それとも何者かの陰謀なのか… と飛行機の中という巨大な密室で繰り広げられる物語は、意外な方向へ…というか、思ったほど意外な方向へ転がっていかなかったのであった。謎解きものなので多くを書くつもりはないが、このストーリーをどう感じるかは人それぞれだろうね。個人的には、かなり強引で無理があるんじゃないか?という感想を持ちましたが。

 それを差し引いても、久々に見るジョディの熱演は見応えありました。こんな女性がいたら、たぶんみんな頭がおかしいんだろうなと思うところを、ひたすらパワーで押し切ります。巨大旅客機という舞台も秀逸で、限られた空間の物語なんだけどなぜかスクリーンに映えるスケールの大きさを感じさせてくれます。時々聞こえる飛行中の機体のきしみ音とか、ゴン・ゴンという反響も妙に不安感をあおってくれて良かったです。

ロベルト・シュヴェンケ監督。2005年アメリカ映画。

2006年9月 8日 (金)

すべては愛のために (2003)

すべては愛のために イギリスの社交界に生きるサラ(アンジェリーナ・ジョリー)は、とある慈善団体のパーティに乱入してきた青年医師ニック(クライヴ・オーウェン)の訴えるエチオピアの子供たちの惨状に心を動かされ、夫や子供をほったらかして慈善活動に旅立つ。想像を絶する世界に翻弄される彼女だったが…

 きらびやかな慈善パーティーとその対象にある世界の対比、働き続けないと、動き続けないとどんどん人が死んでいく惨状。映像の持つパワーや説得力を思いっきり見せつけてくれる力作。あのパーティー会場にいれば、かなりの人がサラと同じ行動を取るんじゃないかという説得力があります。そしてほとんどの人は、現場のあまりの悲惨さに逃げていくんじゃないでしょうか。画面を見ていると、映画を見ている人がひとり1日だけでもいいから活動を手伝ってあげられたら、なんて気持ちにさせられます。

 ただ、この映画にどうしても乗り切れなかったのはサラが自分の夫や子供をほったらかしにして慈善活動にのめりこんでいくあたり。家族よりもっと大変な人たちを助けなければいけない、上流社会は放っておいても誰も死なない…かもしれないけど、家族をほっぽらかすってのは何だかなぁ。この終わり方だと、本当の悲劇の主人公はサラの家族ではって気になってしまいます。

マーティン・キャンベル監督。2003年アメリカ映画。

2006年9月 7日 (木)

七人のマッハ!!!!!!! (2004)

七人のマッハ!!!!!!! 派手な立ち回りの末に麻薬王ヤン将軍(ノッポン・ゴーマラチューン)を逮捕した刑事デュー(ヤン・チューポン)だったが彼の目の前で上司のリーダムロンが命を落とす。ショックを受けてるデューを、妹のニュイ(ゲーサリン・エータワッタクン)は片田舎の村のスポーツ慰問に誘う。ところが村はヤン将軍の解放を求めるゲリラたちに襲撃され、かくして集まった一流アスリートたちは持てる技を駆使してゲリラと戦うことになる。

 「マッハ!!!!!!!」のアクション監督が監督した作品だけど登場人物もストーリーもつながりはまったくなし。ただワイヤーやCGを使わないというコンセプトだけは同じで、後半はストーリーそっちのけでえんえんと壮絶な肉弾アクションシーンが続く。ものすごく好き嫌いが分かれる映画だと思う。oga.もこういうのは基本的に嫌いではないんだけど、あまりに続くので最後の方は飽きてしまった。

 最大の問題は、どの7人が主役かわからないことだろうね。強いて言えば村人みんなが主役。子供からおじいちゃんまで戦う、ある意味プロバガンダ映画ととれなくもない。血を流して自由を得た人たちの苦労は、平和ボケ日本人にはわかんないのかなぁという気分にさせられる。見た目の軽さに反して、実は意外と深い映画なのかもしれない。

バンナー・リットグライ監督。2004年タイ映画。

2006年9月 6日 (水)

クライシス・オブ・アメリカ (2004)

クライシス・オブ・アメリカ 湾岸戦争で戦ったベン・マルコ少佐(デンゼル・ワシントン)は戦争の後遺症か悪夢の記憶に悩まされている。彼の部下のレイモンド(リーヴ・シュレイバー)はベンが気を失っている間に部隊を救って戦争の英雄となり、今は大統領選挙にも立候補しているのだが、その戦闘の途中に不可解な記憶が見え隠れするのだ。独自に調査をはじめたベンは、やがて背後に国家的な陰謀があることに気がつく。

 62年のフランケンハイマー監督「影なき狙撃者」をジョナサン・デミがリメイク。不思議な日本語タイトルが付いているけど、原題はまったく同じ(THE MANCHURIAN CANDIDATE)。舞台は朝鮮戦争から湾岸戦争に移り、洗脳の手段もチップを埋め込むという今風のものに変えられているけどストーリー自体が今でもしっかり盛り上がって楽しめた。洗脳による陰謀ってのは、技術の進歩でさらに現実味を帯びてきた普遍的なテーマなのだろう。

 デンゼル・ワシントンってのはさすがにうまい役者で、不可解な記憶を納得できずに追うところは説得力がある。仇役のリーヴ・シュレイバーと、その母親のメリル・ストリープも見応えのある怪演ぶり。全体としてじわりと盛り上がっていく上質のサスペンスになっている。ドリルで頭に穴をあけて埋め込むチップとか、小道具の使い方もうまい。

ジョナサン・デミ監督。2004年アメリカ映画。

2006年9月 5日 (火)

阿修羅のごとく (2003)

阿修羅のごとく 昭和54年、ひさびさに集まった竹沢家の4姉妹(大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子)だったが、話題は父(仲代達也)の浮気のことに。とりあえず母(八千草薫)を案じてそっとしておこうということになったが、実は彼女たちも夫や男性関係でいろいろなトラブルをかかえていた。

 向田邦子の原作を森田芳光が映画化。タイトルからヤクザ映画かと思っていたのだが、実は浮気をテーマにしたホームドラマであった。テレビドラマ版が有名らしく、昭和54年という時代設定がうまく再現された懐かしいというよりも古めかしいドラマというイメージ。

 とにかくいろんなエピソードがぎゅ?っと詰め込まれていて、飽きさせないけど目が回った。でも総じて言えるのは、この姉妹たち本当に男運が悪い(笑)。というか、父を見て育ったせいかもしれないが。浮気がばれても堂々として、すっとぼけてるのだか何だかわかんない仲代達也の父も凄い。オーラを感じた。

 しかしこの映画、なぜ現代に昭和50年代の物語を撮るのかが説得力なかったぞ。レンタルDVDもあるんだし、50年代の邦画を見た方が時代の生の空気も感じられて面白いよって気がしたのは私だけ? 時代物でこういう感想を持たされるのは、ちょっと失敗なんじゃないかと感じてしまうのであった。

森田義光監督。2003年日本映画。

2006年9月 4日 (月)

キャロルの初恋 (2002)

キャロルの初恋 1938年の内戦中のスペイン。ニューヨーク生まれのキャロル(クララ・ラゴ)は、母に連れられて故郷の村へ帰ってくる。父は国際旅団のパイロットとしてフランコと戦っているので、長く会っていない。村の少年トミーチェ(フアン・ホセ・バジェスタ)とケンカばかりしながらも、やがてうち解けていくキャロルだったが、病気の母はあっけなく死んでしまう…

 アンヘル・ガルシア・ロルダンの原作を映画化。タイトルからもわかるとおり少女の初恋ものだが、スペイン内戦がからんでいるだけに甘々のラブストーリーというわけにはいかない。最近ブームの韓国映画でもわかるように、身内が殺し合う内戦ってものは傷も深く、スペインでもこのような物語が繰り返し映画化されている。

 主演のキャロルを演じるクララ・ラゴは一見ボーイッシュなんだけど、目線が強くとても魅力的である。対するトミーチェを演じるフアン・ホセ・バジェスタは幼さがただようガキンチョに見えるんだけど、この対比が良い雰囲気を出している。

 「禁じられた遊び」でもそうだったけど、スペインの片田舎ってのは風景が美しいだけに悲劇が際立つ。こういう物語が生まれる土壌があるんかなあ。アメリカに戻って暮らすであろう彼女の今後に思いを馳せずにはいられない、なんとも余韻の残るラストであった。

イマノル・ウリベ監督。2002年スペイン映画。

2006年9月 1日 (金)

エリン・ブロコビッチ (2000)

エリン・ブロコビッチ バツ2で子持ち、お金もなく学もなく、あるのは元ミスというプライドだけ。ツキに見放されたかのようなエリン(ジュリア・ロバーツ)は追い打ちをかけるかのように交通事故に遭って首にギブスを付ける羽目に。さらに事故の裁判で勝てそうなところを、裁判所で悪態をついたがために敗訴。弁護士(アルバート・フィニー)に逆ギレした彼女は、弁護士事務所で雇ってくれるように居座るのだが、やがて書類整理中に大企業の陰謀に気がつく…

 どん底に落ち込んだ主人公がはい上がっていくというサクセスストーリーは面白い映画の王道だけど、この映画もそれに漏れない面白さで最後まで楽しませてもらった。何よりも我が道を行くジュリア・ロバーツのかっこ良さはピカイチ。法律事務所には似合わないと怒られながらも胸の開いた服とミニスカートを脱がなかったところとか、学はないんだろうけど頭の良さそうなところとかなんか見ててスカっとするところがいっぱい。この映画でジュリアは息を吹き返したんだろうけど、「プリティ・ウーマン」の再来って感じで彼女は生き生きとこのエリン・ブロコビッチって役を演じてました。

 ちなみにこの映画は実話の映画化。ジュリア自身はアカデミー主演女優賞を取ってます。これは納得ですね。アルバート・フィニーがなかなか良い役。ひさびさに「いつも二人で」が見たくなった。

スティーブン・ソダーバーグ監督。2000年アメリカ映画。

2006年8月31日 (木)

D3 マイティダックス (1996)

no jacket image スポーツ奨学生として名門ハイスクールへ入学した、アイスホッケーチームのダックスのメンバーたち。ところが新チーム「ウォリアーズ」では彼らは2軍扱いで、ダックスは忘れろと新コーチのオライオン(ジェフリー・ノードリング)に檄をとばされる始末。当然気合いが入らない彼らは、練習試合で見事に敗退してしまう…

 「飛べないアヒル」シリーズの第3作。ダックスのメンバーもついに高校生ってわけで、コーチもホッケーをやる環境も激変。もちろん彼らもぐっと大人になったというわけで、ひねりを加えながらもスポコン映画の定石的な展開へとぐいぐい持ってくるあたりは、見事というか強引というか(笑)。

 もちろん突撃ブラザーズも、過去の人となってしまった弁護士コーチのゴードン(エミリオ・エステヴェス)もゲスト的な扱いながらもちゃんと脇をかためてくれてます。落としどころはちゃんと抑えた展開には好感が持てます。でもこのストーリー自身は同じメンバーで引っ張っていくのはちょっと苦しくなってきた感じ。さらに続編を作るなら、メンバー一新でしょうね。

 ちなみに本作は、ビデオは出てますがDVDは未発売です。oga.はBS-Hiで見ました、念のため。

ロバート・リーバーマン監督。1996年アメリカ映画。

2006年8月30日 (水)

D2 マイティ・ダック (1994)

no jacket image  少年アイスホッケーチームのダックスを奇跡の優勝に導いた弁護士ゴードン(エミリオ・エステヴェス)は、世界大会のチームUSAのコーチに迎えられる。ところが練習をほっぽらかしてCM撮影に忙しい彼は選手にも見放され、ダックスも元のダメチームに戻ってしまうのだが…

 タイトルからはわかりにくいけど、スマッシュヒットのボーイズ・コメディ「飛べないアヒル」の続編。前作とまったく同じパターンというか、ソツなく仕上がったワンパターン映画と酷評できなくもないんだけど・・・登場する少年少女のキャラクターたちが何とも言えずにヨイのと後半から終盤にかけて思いっきり笑わせてくれてしかも元気が出る映画してるのでそのあたりは最大限に評価したいと思う。

 でもわざわざ2を作る意義があるかと言えば、成長したダックスにもう一度会いたいというそれだけだったような。選手の中から日本ではビッグスターが登場しなかったのも辛いところ。

サム・ワイスマン監督。1994年アメリカ映画。

2006年8月29日 (火)

飛べないアヒル (1992)

no jacket image 弁護士のゴードン(エミリオ・エステヴェス)は不祥事を起こした罰として社会奉仕にアイス・ホッケーのコーチをさせられる。そのチーム「ダックス」は万年最下位のダメダメ軍団。最初は社会奉仕の期間だけのこととだらだらと過ごしていた彼だったが、奮起して助っ人プレイヤーを連れてくる…

 ストーリーはそのまんま「がんばれベアーズ」のアイスホッケー版。しかしまぁ、ベアーズ自身が少年少女スポーツものとしては定番と言えるほどよくできている上に、何十年も経ってるので未見の方にとっては新鮮だろうと思う。oga.も「まったく同じやん」と突っ込みながらも、尻上がりにすっかり熱くさせられてしまいました。さらに登場するキャラクターたちはなかなか練られていて面白かったです。特にフィギアスケート出身の少女がくるくる回るシーンと、メガトンシュートの少年にまつわるギャグは笑いました。突撃ブラザーズもいいね。

スティーヴン・ヘレク監督。1992年アメリカ映画。

2006年8月25日 (金)

アナトミー2 (2003)

no jacket image  とある教授のレセプションで、乱入してきた学生がメスで自分の体を切り刻んで死ぬ事件が起こる。筋無力症の弟を救うために医学を学ぶハウザー(バーナビー・メッチェラート)は、この教授にスカウトされ人工筋肉を扱うセミナーに入るのだが…

 タイトルどおり「アナトミー」の続編で、場所を変えてAAA(アンチ・ヒポクラテス同盟)の暗躍が描かれるのと、捜査員となってAAAを追うことになったフランカ・ポテンテが出演している部分が前作とつながっている。パッケージなどはF・ポテンテが主演になってるけど、ストーリーとしてはゲスト出演といった扱いに近い。

 実はこっち(2)を先に見てしまったのだが、ストーリー的には独立してるのでわからなくなることはない。いきなり自分をメスで切り刻むオープニングは不気味であったが、ショッキングシーンはそこまで。人工筋肉の移植を強要し、さらに人間のラジコン化(笑)まで企む組織なんだけど、意外と陳腐で苦笑しかできなかった感じ。移植した筋肉も痛そうながらもそんなに簡単に取り除けるってのが、何だかなぁ。

 ちなみにこの映画はソニー・ピクチャーズの現地製作をすすめるという方針で作られたけど、第1作の「アナトミー」のヒット以降はぱっとした作品が出せずに本作で廃止になったらしい。

ステファン・ルツォヴィツキー監督。2003年ドイツ映画。

2006年8月24日 (木)

アナトミー (2000)

no jacket image  医学生のパウラ(フランカ・ポテンテ)は、成績優秀なことからハイデルベルクの名門解剖学教室へ編入する。ところがある日、実習用に用意された遺体が来る途中で列車の中で知り合った青年だったことに驚き、その死因を調べているうちにある事実に気がついてしまう。

 タイトルからわかるように解剖学教室を舞台にしたホラーで、もちろん医者でない一般人が見たら卒倒しそうなスプラッティーなシーンが多数用意されている。それにも増してショッキングなのが、アンチヒポクラテス(AAA)という闇組織の存在とその研究のためなら生きたまま標本も作ってしまうという姿勢。スプラッタ好きなら一見の価値がある作品と言えるでしょう。

 後に「ボーン・アイデンティティ」のヒロインとして抜擢されるドイツの女優フランカ・ポテンテが主演。こんな役もやれるんだとちょっと感心した。それにしてもこの映画の解剖学教室のシーン、「壁に耳あり」のギャグを地でいくような不謹慎きわまる学生たちのノリに、死者をもっと敬えよぉと率直に笑えないもんがありました。夜中にふざけて解剖台の上でいちゃいちゃする男女にも絶句…

 一番不気味なのは、生きたままの解剖シーンに必ず流れている爽やかなメロディ。こりゃ見る人によってはトラウマになるんでは?

ステファン・ルツォヴィツキー監督。2000年ドイツ映画。

2006年8月22日 (火)

溺れる魚 (2000)

溺れる魚 証拠品を横領した刑事白州(椎名桔平)と同じく不祥事を起こした秋吉(窪塚洋介)は、特別捜査官の相川(仲間由紀恵)に罪を帳消しにするので潜入捜査に参加するように命じられる。同じ頃、フィルム会社のダイトーのDPEに薬品入りのフィルムが持ち込まれる脅迫事件が起こる…

 なんじゃこら?のお祭り映画。ストーリーは一般的な刑事ものをなぞるんだけど、キャラクターの面白さで楽しませてくれる。日活アクションに心酔し、エースのジョー(宍戸錠)を師とあがめる白州をはじめ、女装癖のある秋吉を中心に、仲間由紀恵、IZAM、渡辺謙、伊武雅刀、野際陽子とええっと思う人がええっと思う役で登場。犯人の要求で、ダイトーの役員たちがモーニング娘。を公衆の面前で歌うシーンもインパクト大。

 とまあ、スライスしたそれぞれのシーンは適度に遊んでて印象深いんだけど、全体として見れば「何だったんだろう」と見終わったあとに軽い疲労感に襲われてしまった。こういう映画もあってもいいと思うんだけど、なんだかなぁ。

 個人的に好きなのは、宍戸錠がからんでくるシーン。でもこれまた稼業シリーズとかを知らないと楽しめないと思うのだが。

堤幸彦監督。2000年日本映画。

2006年8月20日 (日)

スキャンダル (2003)

スキャンダル 18世紀の李王朝時代末期の韓国。政府高官ユの妻チョ夫人(イ・ミスク)に子供ができないために、側室としてソオク(イ・ソヨン)という少女がやって来ることになる。ところがそれが面白くないチョは、従兄弟のチョ・ウォン(ペ・ヨンジュン)に婚礼前に彼女を妊娠させてくれないかと持ちかける。ところが好色な彼は、今興味があるのは未亡人のチョン・ヒョン(チョン・ドヨン)だと打ち明けて…

 韓国のオリジナルストーリーかと思いきや、ピエール・コデルロス・ド・ラクロの「危険な関係」の翻訳ものらしい。危険な関係といえば、古くはロジェ・ヴァディムが映画化、最近(といってもだいぶ前だが)はミシェル・ファイファー、ジョン・マルコヴィッチ、グレン・クローズで映画化されているアレですね。でも危険な関係ってこんなストーリーだったっけってクビをひねることしきりでありました。

 そんなことよりも、「冬のソナタ」でブレイクしたペ・ヨンジュンのスクリーンデビュー作だって方が話題かも。しかもメガネをとって完全にイメチェンしている上に、かなりの好色自由人の役。冒頭なども、裸婦をスケッチしているかと思えばいきなり…である。

 でも面白かったかといえば、意外と印象に残るものがなかったのも事実。プレイボーイが本気になったといっても、だからどうしたって冷めた目で見てしまった。女優さんはみんなキレイだったんだけどなぁ。

イ・ジョヨン監督。2003年韓国映画。

2006年8月19日 (土)

つばさ (1927)

no jacket image ジャック(チャールズ・バディ・ロジャース)とデヴィッド(リチャード・アーレン)は近所に住む娘シルヴィアに熱をあげている。特にジャックは、自分に思いを寄せているメアリー(クララ・ボウ)の思いにも気がつかない。やがて第1次世界大戦勃発で航空隊に入った二人はパイロットになり、コンビを組んで無敵の活躍をするのだが…

 アカデミー作品賞リストではかならず一番上に出てくるので(第1回受賞作品)気になっていた作品をついに鑑賞。27年制作ってことで、当然モノクロ&サイレント。しかしこの映画の差し込み字幕は文字が異様に多いぞ。

 無声映画の常として、あんまり難しい話は無理があるのでストーリーは至ってシンプル。強いて言えば「パール・ハーバー」の第1次世界大戦版って感じの内容。まだまだ複葉機の時代で戦闘も比較的おだやか。戦争だというのに近代戦と比べるとゆるい感じで、時にはほのぼのとした感じまでする。

 空中戦のシーンは結構工夫して撮られていて、一見の価値あり。空撮なんて苦労したんだろうなあと思う。墜落シーンなんてミニチュアにしては迫力がある。

ウィリアム・A・ウェルマン監督。1927年アメリカ映画。

2006年8月18日 (金)

スチュアート・リトル (1999)

スチュアート・リトル リトル夫妻(ヒュー・ローリー、ジーナ・デイビス)は息子ジョージ(ジョナサン・リブニッキ)に弟を迎えるべく施設へ養子縁組を申込みに行く。ところが彼らが連れて帰ったのは、人間の言葉をしゃべるネズミの子供スチュアート(声:マイケル・J・フォックス)だった。ネズミの子を養子にした家族が巻き込まれる騒動を描いたファミリームービー。

 ぺらぺらしゃべりまくるネズミを前にして、顔色ひとつ変えずに普通に対処するリトル夫妻。でも彼を養子にして親戚に紹介したら、驚いて顔をしかめる親類たち… なんかこの映画、見かけのソフトさとは裏腹にものすごく深いんじゃないだろうか。できることならこのリトル夫妻のように、誰とでも平等に接することができるようになりたいもんだ、というのが一番の感想。

 スチュアートの声で参加しているマイケル・J・フォックスにせよ、ジーナ・デイビスにせよ、いい映画を選んでると思う。脱帽!! 脚本はあのM・ナイト・シャマランです。

ロブ・ミンコフ監督。1999年アメリカ映画。

2006年8月17日 (木)

アメリカン・フライヤーズ (1985)

no jacket image 自転車好きの若者デビッド(デヴィッド・マーシャル・グラント)のところへ、スポーツ医学の専門家の兄(ケヴィン・コスナー)が帰ってくる。彼は有名な自転車のロードレーサーで、弟にも「西部の地獄」レースへの参加を呼びかける。デビッドのパートナーのサラ(レイ・ドーン・チョン)とヒッチハイクで拾った女性ベッキー(アレクサンドラ・ポール)と共に、彼らはチームを組みレースに参加するのだが…

 まだ無名時代のケヴィン・コスナーが主演するスポーツ映画。兄弟が遺伝病をかかえているという事以外は特にストーリーにひねった部分はないんだけど、序盤の二人の疾走からはじまってレースシーンがなかなか臨場感たっぷりで楽しめる。特に崖を走るシーンなんて、見事な空撮で手に汗握らされる。これが劇場未公開&DVD未発売というのは何とも不思議である。

 監督は勢いがあった頃のジョン・バダム。最近は何してるんだろうね? ケヴィンのパートナーが、「コマンドー」でシュワちゃんの相手役をやっていたレイ・ドーン・チョンというのもこれまた懐かしい。

ジョン・バダム監督。1985年アメリカ映画。

2006年8月16日 (水)

二重スパイ (2003)

二重スパイ 1980年のドイツはベルリン、北朝鮮のイム・ビョンホ(ハン・ソッキュ)は銃弾をかいくぐって西側へ亡命してくる。脱北した彼は徐々に信用を得て、2年後には韓国の国家安全企画部にスパイとして採用される。ところが彼は北のスパイで、本国からの指令でアナウンサーの女性ユン・スミ(コ・ソヨン)と接触するのだが…

 タイトルどおり韓国の二重スパイを描いた物語。でもこの邦題、あまりにストレート過ぎて損をしてるような気がする。普通ではあまり「見よう」という気が起こらないような…

 「シュリ」のハン・ソッキュ主演だけに派手なアクション映画を期待したらすっかり外されてしまった。この雰囲気は…一言で言うのは難しいけど、ヨーロッパあたりのスパイ映画に似ている。現に最初と最後の舞台は、ヨーロッパと南米である。南北問題を背景にした社会派ドラマだけど、単純にラブストーリーとして見ることもできる。それにしてもこの突き放したかのようなラスト。痛切で余韻が残る。

キム・ヒョンジョン監督。2003年韓国映画。

2006年8月15日 (火)

ワイルド・タウン 英雄伝説 (2004)

ワイルド・タウン 英雄伝説 特殊部隊を除隊して故郷へ帰ってきたクリス・ヴォーン(ザ・ロック)。ところが町一番の産業であった製材工場は閉鎖され、かわって旧友ジェイ(ニール・マクドノー)のカジノが町の生活を牛耳っていた。古い仲間と楽しく過ごすクリスだったが、おいっ子が麻薬に手を出して倒れ、殴り込んだクリスは用心棒にひどい怪我を負わされる。警察も腐敗していることを知ったクリスは、自ら保安官選挙に立ち上がるのだが…

 どんな映画かなと思ったら、原題からあの70年代のヒット作「ウォーキング・トール」のリメイクだと知る。とはいっても、ストーリーも登場人物もずいぶんとアレンジされており映画の持つ雰囲気はまったく違う。主演のザ・ロックのキャラクターに合わせてアクション寄りにリファインされている感じだ。こん棒を持った保安官というキモの部分はそのままだが。

 しかしこの話を現代に蘇らせるにしてはずいぶん苦しいストーリーになってきたなあと感じる。田舎町とはいえ、今時カジノぐらいあってもいいんじゃないって正直なところ思ってしまった。イカサマと麻薬と暴力が横行する腐ったカジノならご免だが。

ケヴィン・ブレイ監督。2004年アメリカ映画。

2006年8月13日 (日)

アラモ (2004)

no jacket image 1835年のテキサス州サン・アントニオはメキシコの独裁者サンタアナ(エミリオ・エチェバリア)に占領されていた。その圧政に苦しむ住民はアラモ砦に立てこもりメキシコ軍を追い出すことに成功するのだが… 有名なアラモの戦いを描いたスペクタクル西部劇。

 いわゆるジョン・ウェイン主演の「アラモ」のリメイク…かな? ウェイン版は未見なのでその違いはわからないんだけど。こちらのアラモはヒューストン将軍にデニス・クエイド、伝説の男デイヴィ・クロケットに最近めきめきと頭角を現してきたビリー・ボブ・ソーントンといった陣容。ストーリーは義勇兵を認める認めないといったごたごたが前半は中心で、なんとも冗長だったんだけどアラモ軍がメキシコの大軍に囲まれてからはがぜん盛り上がり見せ場も多い。

 実に170年も前のお話だけに、戦い方がなんとものんびりとしているのが印象的。敵味方が至近距離に迫っているのに、普通ににらみ合ってるように見える。これって武器の性能が良くなかったから、あのくらいの距離を置けば殺傷能力がほとんどなかったってことなんでしょうね。戦いの進め方も同じような調子で、接近戦は気合いが入っているけど全体の流れとしては意外とスローペース。気がついたら山のような死体が積み重なっていたという感じ。

 あれだけの虐殺がありながらも、サンタアナ将軍は命とひきかえに領土を手放すだけで生き残るってのも歴史は面白いと思う。そういえばメキシコ軍の方がきらびやかな軍服を着てたのも印象的だ。

ジョン・リー・ハンコック監督。2004年アメリカ映画。

2006年8月12日 (土)

さらば冬のかもめ (1973)

さらば冬のかもめ 海兵隊のバダスキー(ジャック・ニコルソン)とマルホール(オーティス・ヤング)は8年の実刑が決まった水兵ラリー(ランディ・クエイド)を刑務所へ護送する任務を請け負う。収監期限までに余裕があることと、手当が出ること、ラリーに逃亡の気配がないことから3人は羽目を外そうということになるのだが…

 ダリル・ボニックサンの原作をハル・アシュビーがメガホンを取って映画化。アメリカン・ニューシネマ末期の作品で、個人的にもずっと気になっていた映画だがやっと見る機会があった。

 一言で言うと3人が羽目を外しながら旅をするだけの、映画としてはとっても地味な作品。それでもドラマにひきつけられるのは、さすがにうまいジャック・ニコルソンの面倒見の良い水兵。ある意味バート・レイノルズとかぶるキャラなんだけど、オーティス・ヤングとの見事な凸凹ぶりもあって愛すべきキャラになっている。対するランディ・クエイド演じるラリーの変化も見事で、恐らく世間知らずでまわりの空気を読むことが下手な彼が上官たちの気分を逆なでして、こそ泥で8年の禁固刑という最悪の状態に追い込まれたんだろうってのが容易に想像される。

 ヘンな仏教集会(?)への参加やラリーの筆おろしとかいろいろあって、彼に変化が現れ始めた(脱走しようとするのがその現れか)ところでタイムアップ。後日談があるのかと思ったら、映画はあっけなく終わってしまった。本来ならベトナム戦争に巻き込まれて3人の誰かが死んだりとかいろいろ記憶に残るドラマが用意されたりするところだろうけど、本当にあっけなく映画は終わってしまう。極めてニューシネマ的だ。それにこのあたりの突き放したような感覚が、かえって記憶に残るんだろうね。

ハル・アシュビー監督。1973年アメリカ映画。

2006年8月11日 (金)

キッチン・ストーリー (2003)

no jacket image  50年代のノルウェー、大がかりなキッチンの動線調査が行われ、主婦の行動パターンに引き続いて独身男性のそれも調査されることになる。スウェーデンからやって来た調査員のフォルケ(トーマス・ノールシュトローム)は、初老の独身男イザック(ヨアキム・カルメイヤー)の家の前にキャンピングカーを停めて、背の高いイスに座ってキッチンのイザックを見張るのだが…

 ヨーロッパ、特に北欧のお話だけに、こういった調査がされたというのには納得納得。とはいってもデジタル機器とかまったくなかった時代なので、調査方法が部屋に他人がじっと座って記録するというのがユニーク。調査対象に影響を与えないように、被験者とは一切交流を持ってはいけないというのがルールなんだけど、他人がひとりいる部屋でふだんと同じくふるまうなんて不可能。かくしてこの映画のようなドラマが繰り広げられたというわけですね。

 登場人物は初老のおっさんたちばかりの華のない映画。でもほわっとした気分にさせられるのは見事。題材の見つけ方も見事で、こりゃ機能的な欧州(家電?家具?)のイメージそのもので外国から見たほうが納得しやすいストーリーなのかも。

 なぜスウェーデンが調査対象としてノルウェーを選ぶのかがよくわからなかったんだけど、何か社会的なものが込められているのかな? 国境のシーンなんかもコミカルに撮ってあったし。

ベント・ハーメル監督。2003年ノルウェー、スウェーデン合作。

2006年8月10日 (木)

スズメバチ (2002)

スズメバチ アルバニア・マフィアの幹部アベディン(アンジェロ・インファンティ)が逮捕され、装甲車を使った護送計画が練られる。ところが護送車はパリ祭にまぎれたマフィアたちに襲撃され、ラボリ中尉(ナディア・ファレス)たちはアベディンを連れて護送車のまま深夜の倉庫街へ逃げ込む。そこでは窃盗団のナセール(サミー・ナセリ)たちが仕事中だった。かくしてラボリたちと窃盗団、そして倉庫の警備員たちは生き残るためにしぶしぶ手を組むのだったが…

 12,000発の弾丸が飛び交うのがウリの映画だそうだが、そう聞くとクリント・イーストウッドの「ガントレット」の47,000発の銃弾ってのを思い出してしまった。負けてるやん(笑)。

 弾丸が乱れ飛ぶってことで見せ場は何やら似ている。バスが両側からばんばん撃たれるシーンまで用意されているけど、これってオマージュ? どっちにしても、フランス映画らしからぬアクションが前面に出たどんぱち映画。難点は導入部がどうにもとっつきにくいこと。中盤ぐらいまで見ないと、誰が主人公なのかわからないし、ストーリーは単純なくせにこれまた導入部のみわかりにくい。

 たとえ深夜の倉庫街だとしても、これだけ派手にやり合って警察の援軍が来ないってのがどうしても納得できなくてちょっと冷めた目で見てしまいました。いくらパリ祭の花火がぼんぼん上がっているといってもねぇ… ところでこの映画、どうしてスズメバチなんでしょ?

フローラン・エミリオ・シリ監督。2002年フランス映画。

2006年8月 9日 (水)

マルコヴィッチの穴 (1999)

マルコヴィッチの穴 人形劇アーティストのシュワルツ(ジョン・キューザック)は喰っていけないことから妻ロッテ(キャメロン・ディアス)のすすめで就職することにする。ところがオフィスはビルの7.5階にあり異様に天井が低く、書類整理をしていた彼はキャビネットの後ろから不思議なトンネルを見つける。実はこれは俳優のジョン・マルコビッチ(本人)の脳に通じる穴だった…

 アメリカ映画は脚本不足であえいでいるなんてよく言われるけど、こんなにぶっとんだストーリーが考えられるってのはまだまだ捨てたもんじゃないなぁと感心させられた。奇想天外で、文句なく面白い。脳につながって、15分だけマルコビッチになれる穴っていうアイディアだけでこれだけのストーリーがふくらむってのは驚異的である。文句なく昨今のカルト映画のナンバーワンだろう。脚本のチャーリー・カウフマンってのはただものじゃない。

 個人的に気に入ったのは、マルコビッチとチャーリー・シーンの楽屋落ち的なやりとり。これは笑える。マルコビッチがマルコビッチの穴に入るシーンもぶっとんでておかしい。これって鏡を向かい合わせに置いたようなもんだろうね。穴の横にいたロッテの、どうなるんだろうって興味津々の顔も面白い。

 キャメロン・ディアスは最後にクレジットを見るまで本人と気づかなかった。この変身ぶりはすごいかも。彼女の男になりたい願望と、シュワルツのとまどい。そしてマルコビッチの穴を利用した女性との関係… ほんと、どっからこんな面白いストーリーを思いつくんだろう。脱帽。

スパイク・ジョーンズ監督。1999年アメリカ映画。

2006年8月 8日 (火)

ラブドガン (2004)

no jacket image 高校生の御幸(宮崎あおい)は、父親の浮気が原因で両親が無理心中しひとり取り残される。これからどうするかを学校の先生(伊佐山ひろ子)と相談した帰りに、ピストルを持った葉山田(永瀬正敏)に襲われ単車を盗られそうになる。ところが怪我をしていた葉山田はその場で気を失い、彼を助けた美幸だったのだが…

 逃げてきたやくざの殺し屋、両親を失って自暴自棄になっている高校生の少女、そして追ってくるやくざ(岸部一徳、新井浩文)を描いたアクション映画。ゆるーく外したコメディタッチで、特に追ってくるやくざのコンビが絶妙で笑える。岸部一徳が「弾には色があるんや、憎しみで撃てば真っ黒、おびえていたら黄色、おまえのはまっ黄っ黄のションベン弾やっ」と大まじめで言ったりするんだけど、それが絶妙に可笑しい。新井浩文の新米やくざも、一見怖そうに見えて岸部の手のひらの上でコロコロと転がされるさじ加減も良い。宮崎あおいはこの映画ではとんでもなく地味な屈折少女なんだけど、役柄によってころころと印象が変わるのはやっぱ大女優の素質十分かも。

 日本人の出演するアクション映画はとんでもなく軽くてイマイチなもんが多いんだけど、これはその軽さをうまくかわして独特の世界を作っている気がする。時にプラスチックに見える、永瀬の赤いピストルがその象徴かも。絶対コミックが原作だと思ってたら、オリジナル脚本だったのにはびっくり。

渡辺謙作監督。2004年日本映画。

2006年8月 6日 (日)

クローサー (2004)

クローサー 新聞に死亡記事を書くのが仕事のダン(ジュード・ロウ)は、若いストリッパーのアリス(ナタリー・ポートマン)に出会って恋に落ち、同棲をはじめる。1年半後、著作の出版が決まったダンはポートレイトを撮ってもらったアンナ(ジュリア・ロバーツ)にまたもや一目惚れしてしまうのだが… 上記の3人に加えて医者のラリー(クライヴ・オーウェン)の4角関係を描いたパトリック・マーバーの戯曲を映画化。

 マイク・ニコルズ監督だけに、「卒業」の再来かと思わせるようなぐっちゃら、ぐっちゃらとした4人の男女のくっついたり離れたりが描かれる粘着質なドラマ。ナタリー・ポートマンやジュリア・ロバーツといったお気に入りの女優さんが出ているだけに最後まで飽きずに見られたけど、個人的にはちょっと苦手なタイプの映画かも。4人のかけひきが、恋愛経験が未熟な(?)自分の頭の中で消化できないんですよね。

 しかしナタリー・ポートマンがストリッパーというのも思いきった配役だと思う。どっちかっつうと、ジュリア・ロバーツがストリッパーってのも見てみたい気がするが。

マイク・ニコルズ監督。2004年アメリカ映画。

2006年8月 5日 (土)

ザ・ビーチ (1999)

no jacket image 新たな刺激を求めてバンコクへやって来たリチャード(レオナルド・デュカプリオ)は、安ホテルの隣室の男に楽園の地図を渡される。やがて彼は部屋で手首を切って死に、リチャードは同じホテルに泊まるフランソワーズ(ヴィルジニー・ルドワイヤン)らを仲間に楽園探しの旅に出るのだが… アレックス・ガーランドの原作を映画化。

 異国の不衛生さがぷんぷん感じられる映像でつかみはOK。ところが苦労してたどり付いた楽園(ビーチ)は… なんかあの共同体ってのは、そこまでして守らなければいけないほど価値の高いものだったんかなぁ。そのあたりが私には感じられなかったのが敗因。ハッパがたくさん生えているらしいけど、そんな描写もほとんどなかった。それに、楽園のわりには食料の調達が大変そうだ。水が濁るとすぐに飢えてしまうし。

 「ナルニア国物語」で強烈な印象を残したティルダ・スィントンが、楽園のリーダー・サル役を好演。カリスマ的な割りに、たまにはっとした弱さを見せるところがまた良い。フランソワーズ役のヴィルジニー・ルドワイヤンも可愛いぞ。

ダニー・ボイル監督。1999年アメリカ映画。

2006年8月 4日 (金)

メラニーは行く! (2002)

メラニーは行く! デザイナーのメラニー(リース・ウィザースプーン)はファッションショーは成功させ、市長(キャンディス・バーゲン)の息子アンドリュー(パトリック・デンプシー)にプロポーズされ順風満帆の日々。ところがひとつだけフィアンセに言えなかった過去である、元の亭主ジェイク(ジョシュ・ルーカス)に離婚届を突きつけに故郷のアラバマへ帰るのだが…

 いわゆるあっちへころころ、こっちへころころと転がるお盆の上のビー玉のようなラブストーリー。この映画はメラニーが本当にどっちに転がるかわからないところで成功しているように思う。しかし元亭主のジェイクといい、市長のキャンディス・バーゲンといいくせ者ぞろいでこれは楽しめた。結局最後に男をあげたのは、市長の息子アンドリューだったみたいだけど。

 ニューヨークとアラバマの風土の違いがよく出ていてマル。やっぱ田舎っていいもんだね。

アンディ・テナント監督。2002年アメリカ映画。

2006年7月31日 (月)

ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女 (2005)

ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女 第2次世界大戦下のイギリス。ドイツの空爆を受け、田舎への疎開を余儀なくされた兄弟ピーター(ウィリアム・モーズリー)、スーザン(アナ・ポップルウェル)、エドモンド(スキャンダー・ケインズ)、ルーシー(ジョージー・ヘンリー)。ところが寄宿先のカーク教授(ジム・ブロードベンド)邸にあった箪笥が別の世界へつながっていることをルーシーが発見する。そこはナルニア国というファンタジーの世界だったが、今は白い魔女(ティルダ・スウィントン )が支配して雪に閉ざされている。伝説ではこの国の運命は4人の少年少女に託されているというのだが…

 C・S・ルイス原作で本国では「指輪物語」と同じく有名なファンタジーなのだそうだが、恥ずかしながら今回の映画化でそんな凄い作品だということを初めて知った。疎開中の4人兄弟が主人公ってことで、こっちの世界も命からがら、あっちの世界も命からがらということで均整がとれているのかと思いきや、やっぱり映画の雰囲気としてはずいぶん軽くて子供たちが剣や弓を取って敵をばっさりやるのには違和感がつきまとうのでありました。

 特に死んだと思った者が生き返ったり、秘薬を使えば致命傷がなおったりと本当にビデオゲームのよう。このあたりはニワトリが先か卵が先かわからないんだけど、命が軽すぎる。子供にはあんまり見せたくない映画だなという印象を持った。

 とはいっても、ストーリーは面白い。箱庭のようなナルニア国だけど没頭して見ることができる上に、アスラン(声:リーアム・ニーソン)が最初に登場した時にははっと驚かされたし、白い魔女の美人なんだけど冷たそうな雰囲気も良い。末娘のルーシーは決して美人ではないんだけどおいしいところをすっかりさらっていった感じ。彼女はきっと大きくなると、レニー・ゼルウィガーみたいな女優さんになるような気がする。

アンドリュー・アダムソン監督。2005年アメリカ映画。

2006年7月28日 (金)

アイアン・ジャイアント (1999)

アイアン・ジャイアント 50年代の冷戦時代のアメリカ。隕石が海中に落下して、漁師が嵐の中で山のような巨人に遭遇したという。村の誰も彼の話を信じないが、ホーガース少年(声:イーライ・マリエンタール)はそのロボット(ヴィン・ディーゼル)にアイアン・ジャイアントと名付けて仲良くなる。ところが謎の巨人を追う捜査官のマンズリー(クリストファー・マクドナルド)はホーガースをつけねらい… ワーナー製作のアメリカ製巨大ロボットアニメ。

 かなり評判の良かった映画なんだけど、期待どおりの内容でラストなどはちょっぴりほろりとさせられた。冷戦時代を背景に、ロボットと少年の友情物語という言葉でくくれないぐらいのいろんなエピソードを含んだ良作。なりたい自分になるんだと言って、スーパーマンになろうとする鉄人が良い。アメリカン・コミック好きなら特にぐっとくる内容だと思う。

 ちなみに製作総指揮はTHE WHOのピート・タウンゼント。アイアン・ジャイアントの声は無名時代のヴィン・ディーゼルです。ラストシーンは「ジャイアント・ロボ」の最終回を思い出した。

ブラッド・バード監督。1999年アメリカ映画。

2006年7月27日 (木)

ドラえもん のび太とアニマル惑星 (1990)

no jacket image ピンクの霧の中をさまよう夢を見たのび太(声:小原乃梨子)。実は霧は実在していて、地球と遠く離れたしゃべる動物たちが平和に暮らすアニマル惑星をつないでいた。ドラえもん(大山のぶ代)たちはアニマル惑星の子犬チッポ(田中真弓)と仲良くなるのだが、かつて彼らを別の惑星から追い出した悪魔「ニムゲ」が迫ってくるという。藤子・F・不二雄が原作も脚本も担当した、人気アニメ映画の第11作。

 製作された時代背景のせいか環境破壊やエコロジーが前面に出ていて、今となってはちょっと説教臭く感じてしまった。でも子供たちが見るのならこのくらいのさじ加減ががちょうどいいのかも。いわゆる動物アニメの世界とも言える、人間型で顔だけ動物が多数登場して繰り広げる夢のある物語である。そういう意味では、バンバンと弾が飛び交い宇宙船が墜落するラストの戦闘シーンはちょっと険しいかも。

 アニマル族(?)もニムゲも一族はほんのひと握りしかいなくて、まるで「最後の猿の惑星」を思わせるのは愛嬌かな? のび太は相変わらずドラえもんにたより過ぎ。ツキがもうちょっと早く切れて、独力で頑張ってほしかったのが不満。

芝山努監督。1990年日本映画。

2006年7月26日 (水)

イーオン・フラックス (2005)

イーオン・フラックス 新種のウィルスで人間の99%が死亡。生き残った人間はドームの中で守られて暮らしていた。人類を救ったワクチンを作ったグッドチャイルド博士の子孫は西暦2415年にこのブレーニャと呼ばれる都市を統治していたのだが、そんな政府に疑問を持つ組織モニカンの戦士イーオン(シャーリーズ・セロン)は、君主のトレバー・グッドチャイルド(マートン・ソーカス)の暗殺指令を受ける。

 ピーター・チョン原作のテレビアニメの実写映画化。需要があるのか(?)女戦士ものが量産される傾向がありますが、シャーリーズ・セロン主演となれば当然誰でも見てみたくなりますよね。企画立てた人うまいって感じ。

 ストーリーは思ったよりも複雑で、ぼけ?っと見てたら楽しめるってタイプの映画ではないです。舞台は400年後の未来で、生き残った人類、圧政、主人公の過去の秘密、遺伝子操作、敵の首領の兄弟それぞれの秘密と、気を張って見てないと置いていかれます。原作を知っていればすんなり楽しめるそうですが、一見さんにはなかなかハードルの高いような気がします。

 大作なのかもしれないけど、ワナになった芝生とか、トゲを飛ばす植物とか小道具に凝っているのが面白かった。スカーフぶらさげて空を飛んでいる要塞みたいなのは何だったんだろう。映画だけで全部を読み解くのは難しそうです。

カリン・クサマ監督。2005年アメリカ映画。

2006年7月22日 (土)

青春の殺人者 (1976)

no jacket image スナックを親にまかされ経営している斉木順(水谷豊)は、恋人のケイ子(原田美枝子)と別れるように親から説得されたことから口論になり、両親(内田良平、市原悦子)を刺し殺す。スナックに戻り、自殺しようと火を放つのだが… 中上健次の小説「蛇淫」を映画化した問題作。

 ちょうど映画を見始めた頃の話題作で、ずっと気になっていた映画をついに見た。そういえばこの頃のatgって会社は低予算なのに次から次へと問題作を出して元気だった。それにこの「青春の殺人者」も、今見ても十分通用する力作だ。特に父親を刺してからの水谷豊と市川悦子のふたり芝居は見ていてこちらも息苦しくなってきたし、ラスト近くに水谷が海岸で両親を回想して涙を流すシーンなどは、若い頃に見ていたらたぶん理解できなかったような気がする。子供にレールを敷いてきた親の悲劇って内容も、これまた学生の頃に見たらどんな感想を持っただろうか。

 それにしても、自分で決めた最初の大きな仕事が、両親の死体に鉄ちんホイールをくくりつけて海へ捨てることなんて、あまりにも悲しい映画。この頃の水谷豊は結構ぎらついていて、70年代を代表するキャラクターかも。原田美枝子は脱ぎっぷりは潔いんだけど、若干演技が硬い。

長谷川和彦監督。1976年日本映画。

2006年7月21日 (金)

クイール (2003)

クイール 東京のある家庭でラブラトル・レトリバーの子犬が5匹生まれ、飼い主の意向でそのうちの1匹を盲導犬にするべく訓練に出す。大阪で1年間、パピーウォーカーと呼ばれるボランティアの夫婦(香川照之、寺島しのぶ)に育てられクイールと名付けられた子犬は、すくすくと成長して今度は京都の訓練センターに預けられる。実在した盲導犬を写真と文で綴って大ヒットした石黒謙吾(文)秋元良平(写真)の原作を崔洋一監督で映画化。

 可愛いだけの映画かと思いきや、可愛いだけでないある盲導犬の一生を淡々と綴った感動作。誕生した時の最初の飼い主→パピーウォーカー→訓練センター→盲人のいる家庭→訓練センター→パピーウォーカーというわけで、人間の都合によるところなんだろうけど盲導犬には出会いと別れがあまりにも多いのにびっくり。必要に迫られてだろうけど犬にストレスはないんだろうかと心配になってくる。同時にこの出会いと別れの多さが、映画の泣かせどころともなるわけなのだが。

 盲導犬のセンターの所長の椎名桔平がいいです。犬畜生なんかに手をひかれてたまるかと、うそぶく盲人役の小林薫もいいです。通して見ると、何だか犬を飼って一生面倒みたような気分になってきます。

 通勤時の駅で、たまに一緒に電車に乗り込む盲導犬を見かけます。なんて利口そうでりりしくてかっこいい犬なんだと感動させられたのを思い出します。

崔洋一監督。2003年日本映画。

2006年7月20日 (木)

ウェディング・シンガー (1998)

no jacket image ロビー(アダム・サンドラー)はミュージシャン志望だったが、今は生活のために結婚式を盛り上げるウェディング・シンガーを職業にしている。ところが自分の結婚式では婚約者に逃げられ、こちらも婚約者とうまくいっていないウェイトレスのジュリア(ドリュー・バリモア)と意気投合するのだが…

 これまた忠臣蔵のように型にはまったラブストーリー。もう最初の10分を見ただけで、ラストまでの展開が容易に想像できる映画。でも心地よく見られてしまうのはなぜだろう。ほわんとしたドリュー・バリモアの持ち味かな。それとも80年代という時代設定の懐かしさか。デート・ムービーとしては当たり外れのない順当な作品だと思う。

 アダム・サンドラーってのはあまり意識したことなかったんだけど、意外と個性的で面白いコメディアン。もっとも場をかっさらっていったのは最初と最後にしか出番のないスティーヴ・ブシェミだったような気がするが。彼のご面相は映画スターとしてはすっごくトクしてるし、しかも歌えるってのは知らなかった。

フランク・コラチ監督。1998年アメリカ映画。

2006年7月19日 (水)

フライ、ダディ、フライ (2005)

フライ、ダディ、フライ どこにでもいそうな平凡なサラリーマン鈴木一(堤真一)。ところが娘(星井七瀬)がカラオケボックスで不良の石原(須藤元気)に殴られて大けが。病院にあやまりに来た石原は親が政界の大物で横柄な態度。付いてきた高校教師は、鈴木を突き飛ばして大金を投げつけて去っていく。怒った石原は包丁を持って石原の高校へ乗り込むが、高校を間違えておまけに出てきた生徒のパク(岡田准一)に取り押さえられてしまう。パクは夏休みを費やして鈴木にケンカの仕方を教えることになるのだが…

 いかにも、復讐モノの定石に沿った導入部分。特に石原とその付き人の横柄な態度には、フラストレーションがたまることこの上ない。これでラストは相手をやっつけてスカっと…のはずなんだけど、ここでいろんな事を考えてしまった。わざわざ相手の土俵(石原はインターハイのボクシングチャンピオン)に降りていって戦うべきかとか、相手が政界の大物だったら逆にスキャンダルに弱いはずだからそのあたりを突くべきだとか、マスコミを味方に付けろとか、インターネットを使えとか(諸刃の剣ですが)…

 でもね、後半ストーリーが進んでいくほど鈴木一と共にアツくなっていって、相手の土俵に降りていった本当の意味をど?んと感じることができる、そんな映画です。単なる復讐ものに終わらない、爽やかさが持ち味かも。突然羽ばたいて踊り出す(技のポーズではなかったんか)挙動不審の岡田准一が謎めいていて良いです。劇中でフィーチャーされる「燃えよドラゴン」のブルース・リーの挙動&奇声と相まって、ヘンに納得させられます。

 ひとつだけわからなかったのは、どうみてもキケンな決闘を応援する鈴木の家族。でもこれは女の子がいないoga.にとってはきっと一生わからないことなのかもしれない。彼女のトラウマを取り去るには、これしか手段がなかったということはわかるのだが。

成島出監督。2005年日本映画。

2006年7月18日 (火)

まだまだあぶない刑事 (2005)

まだまだあぶない刑事 韓国で潜入捜査を行っていたタカ(舘ひろし)とユージ(柴田恭兵)が日本に帰ってくる。港署へ出頭した二人は、後輩の透(仲村トオル)が課長に、少年課の課長が薫(浅野温子)になっていたのにびっくり。そんな時、彼らが以前に逮捕した凶悪犯尾藤が脱獄したことを知る。

 あぶデカシリーズはテレビや映画でぽつり、ぽつりと続編が作られていて、劇場用映画は実に6作目なのだそうだ。おそらく前作のラストで行方不明になった…ってことなんだろうけど、韓国に登場するというストーリー。しかし行方不明者が突然元の警察署に戻ってきて元通りに刑事になっちゃうあたりで常識派のoga.としてはどっちらけになって、あんまり真面目に見ていられなくなってしまった。この軽さが持ち味なんだろうけど、なんだかなぁ…

 主演の二人は完全におやじ化。うーん、柴田恭兵なんて「半落ち」で頑張ってただけに、何やってんだかと思ってしまった。核爆弾をただの花火みたいに扱ってるのも、この番組のノリならではなの??

鳥井邦男監督。2005年日本映画。

2006年7月17日 (月)

またまたあぶない刑事 (1988)

またまたあぶない刑事 人気TVシリーズの映画化第2弾。今回は表の顔は青年実業家、裏は犯罪組織のボスと、横浜港署の刑事タカ(舘ひろし)とユージ(柴田恭兵)が対決する。第1作と比べて、テンポやギャグもぐーんと歯切れがよくなってマル!

 このかる?いノリは、古くから日本の刑事ドラマにある伝統ですね。楽しい楽しい。以前に日本のシリアスな映画ではガンファイトのシーンが出ると安っぽくなるって書きましたが、こういう作品ではその軽さが作品をさらっとした味にしてくれるからいいのです。

 とは言いながらも、恭兵くんが追い詰められるシーンではちゃんと拳銃を6発撃つごとに弾の補充をしている。しかもスピードローダーは2個しか持ってなくて(合計18発の弾丸)、弾が切れてとっておきの1発をズボンのバックルから出すシーンなんてちょっぴりマニアックな笑いをさそわれてしまいました。

一倉治雄監督。1988年日本映画。

2006年7月14日 (金)

あぶない刑事 (1987)

あぶない刑事 横浜港署の刑事タカ(舘ひろし)とユージ(柴田恭兵)は、新薬開発の研究員の殺人事件を捜査するが犯人を取り逃がしてしまい事件から外される。独自に捜査する二人だったが、元庸兵の殺し屋ににマークされ… 人気刑事ドラマの映画化で、とてつもなく軽いノリとキャラクターの面白さが魅力。

 実は、私はTVの「あぶない刑事」って観たことがないんです。ですから、本当の[あぶない刑事]ってのが見えてない恐れがありますがお許し下さい。で、この映画で特に感じたのが脇役のうまさというか面白さです。浅野温子はあまりにも強烈なので書くまでもありませんが、あのビーバップでは[な?か?ま?!]と呼ばれけんかばかりしている仲村トオルくんがなんとも人工培養されたおっとり(私みたい?)青年刑事を好演していたり、強いのか弱いのかわかんないベンガル、それに刑事ドラマにはつきものの、中間管理職的課長などなど。このへんが人気の秘密ってとこでしょうか。

 ところで、あえて批判を書かせてもらうなら、映画にしたわりにTVドラマ的だなあ、なんて思いました。ネタがわれていて、新鮮さがないんです。スパイスだけはぴりりときいているんだけど、素材が同じというのはちょっと残念・・・です。

長谷部安春監督。1987年日本映画。

2006年7月13日 (木)

姑獲鳥の夏 (2005)

姑獲鳥の夏 昭和27年、産婦人科の久遠寺医院の院長の娘(原田知世)は20ヶ月も子供をみごもったままで、その夫(恵俊彰)は失踪して行方不明になったという噂が流れる。事件を取材していた作家で「稀譚月報」のレポーターの関口(永瀬正敏)は、友人の京極堂こと中禅寺秋彦(堤真一)に事件の調査を依頼するのだが…

 京極夏彦の人気小説「京極堂シリーズ」の第1作を、実相寺昭雄監督が映像化した意欲作。豪華配役が、昭和初期のどろどろとした猟奇事件をケレン味たっぷりに演じる楽しさ。実相寺監督だけに、アンバランスな構図やフラッシングする画面、そして猟奇風味たっぷりの音楽が独特の世界を作り出している。ストーリーが難解だったり、ウンチクの羅列にとっつきにくさがあるのは確かだけど、雰囲気はまさに昭和初期。個人的にはとっても楽しんで見ることができた。

 これを見ながら思ったんだけど、壮大な駄作とされる「帝都物語」ってoga.はとっても好きだってことに気がついた。どちらの作品も、ストーリーはさておきうさん臭さがたまらなく良いんじゃないだろうか。少年の頃に見た、江戸川乱歩原作の一連のテレビドラマなどを思い出す。ある意味、懐かしさやノスタルジーが入り交じっているんだと思う。

 映画が始まったとたんに出てくる「御祓済」のマークには爆笑。確かにお払いしてあると思うと、安心して見ることができる。

実相寺昭雄監督。2005年日本映画。

2006年7月12日 (水)

らせん (1998)

no jacket image  息子を事故で亡くした安藤(佐藤浩市)は抜け殻のような毎日をおくっている。ある日心臓麻痺で死亡した高山(真田広之)の死体を解剖するが、その体の中からメッセージを書いた紙が出てくる。暗号解きに熱中する安藤だったが… 「リング」の同時上映にして続編のホラー映画。

 いわゆる前作の死のビデオ騒動に伝染病と遺伝子の科学的解釈を加えた物語で、原作は小説としては楽しめる内容だったんだけど、映像化はなかなかハードルが高かったような感じ。最大の失敗は、「リング」のようなホラー色がほとんどなくなっちゃったこと。SF映画だと割り切ったらそれなりに楽しめるんだけど、リングの続編としてはちょっとかみ合わないかも。

 印象に残ってるのは、安藤と一緒に謎解きに走るおかっぱ頭の中谷美紀が可愛かったこと。解剖シーンがなかなかスプラッティだったこと。展開がだんだん「ペット・セマタリー」になっていくことにあれあれと思ったことだろうか。しかし監督が違うと、出演者を引き継いでいてもこれだけ作品のトーンが変わるんだなってのも感心した。

飯田譲治監督。1998年日本映画。

2006年7月11日 (火)

炎のメモリアル (2004)

炎のメモリアル ボルティモアのビル火災現場で逃げ遅れた男性を救出した消防士のジャック・モリソン(ホアキン・フェニックス)は、直後の爆発で退路をふさがれビル内に取り残される。無線で署長のマイク(ジョン・トラヴォルタ)と連絡を取りながら、消防士になってから妻リンダ(ジャシンダ・バレット)との出会い、子供の誕生などを回想する。やがて壁を破って隣のコントロールルームへと避難したジャックだったが…

 邦題からもわかるように、火災現場に取り残された消防士の回想物語。アメリカの消防士の日常、ヒーローとしての仕事ぶり、そして家族との葛藤などが淡々と綴られる、文字通り「熱い」物語。見るからに暑苦しいホアキン(笑)だけに、臨場感もたっぷりか…

 しかしコレ、最後まで見て思ったけどハリウッド映画には珍しい心ふさがる映画です。ある意味、消防士になろうと燃えている方が見たら思いっきり水をぶっかけるかもしれないし、子供が消防士になると言ったら「やめておけ」と言いたくなるかも。アメリカの一番の問題は高層ビルが多いことで、田舎町の消防士はもうちょっとましかもしれませんが。

 いずれにせよ消防士のみなさんを見る目が変わる映画であることには変わりないです。

ジェイ・ラッセル監督。2004年アメリカ映画。

2006年7月10日 (月)

ドッジボール (2004)

ドッジボール ホワイト(ベン・スティーラー)の経営するグロボ・ジムは絶好調だが、道をはさんだところにあるジム「アベレージ・ジョー」は倒産寸前。さらにオーナーのピーター(ヴィンス・ヴォーン)は借金5万ドルを払わないと差し押さえすると管財人ケイト(クリスティン・テイラー)に宣告される。事態を収拾するために、ピーターはジムのメンバーを集めて優勝賞金5万ドルのドッジボール大会に出ることになるが…

 最近アメリカで静かなブーム(らしい)ドッジボールをテーマにしたコメディ。主演のヴィンス・ヴォーンはあまり知らない顔だが、仇役のベン・スティーラーはなかなかキモいマッチョ男として登場。最後の最後まで強烈な印象を残してくれる。ゲストとしてチャック・ノリスの出演は名札入りでわかりやすかったけど、デビッド・ハッセルホフ(ナイトライダー)とかウィリアム・シャトナー(スタートレック)なんてどこに出てたんだろう??

 アメリカのドッジボールってのは、ボールを複数使うファイティングスタイルのルールらしく、格闘技色が強いってのは驚いた。わざと顔面を狙ったり複数のボールでひとりを集中攻撃したり、こりゃ好戦的だし見てるぶんには面白い。でもやりたくないルールだな。

 総じて素人が未知のスポーツにチャレンジして頭角を現し…というスポコンものの王道みたいな展開だけど、これの前に「逆境ナイン」なんてトンデモ映画を見てしまったので、イマイチぶっとび方が足りないって物足りなさが残ってしまった。最近のこういう分野では、アジア映画恐るべし…である。

ローソン・マーシャル・サーバー監督。2004年アメリカ映画。

2006年7月 8日 (土)

逆境ナイン (2005)

逆境ナイン 全力学園の野球部は一度も勝利したことのない弱小チーム。キャプテン不屈闘志(玉山鉄二)は、校長(藤岡弘)に呼び出され廃部を言い渡される。甲子園に行くことを条件に部の存続を約束した不屈だったが、部員たちは怖じ気づいて逃げだそうとする…

 島本和彦のコミックを映画化。っつうか、文句なくバカ映画のナンバーワンにあげられそうな珍品。30年ぐらいしたら箔が付いてカルト映画として祭り上げられるような映画。映画としては超バカ映画だけど、コメディとしては一級品。よくぞここまでバカをやってくれたと拍手を送りたい。

 類似の映画としては「カンフーハッスル」がすぐに思い浮かぶんだけど、あそこまではバカの極地に達していない。とはいっても、スポ根とか甲子園とか透明ランナー(笑)とか日本人の感性に訴えるものが散りばめられている上に、ギャグがやっぱり日本人受けするものなんだろうね。結構腹かかえて笑わせていただきました。

 藤岡弘って、妙に恰幅よくなってこういううさん臭い役が似合うようになったのが発見だった。キャプテンもマネージャー(堀北真希)も野球部の面々も、キャラが立ってていずれも好感が持てる。

 「自業自得」の石碑に触ったら、急に野球がうまくなる、なんて展開じゃなかったのね…

羽住英一郎監督。2005年日本映画。

2006年7月 7日 (金)

いま、会いにゆきます (2004)

いま、会いにゆきます 息子の佑司(武井証)と二人暮らしの巧(中村獅童)のもとへ、昨年死んだはずの妻澪(竹内結子)が現れる。記憶を失った妻を受け入れる二人だったが、彼女が残した絵本によると雨の季節が終わると彼女は去っていくという。やがて巧は、彼女に二人の馴れ初めを語り始める…

 小説→映画→ドラマという順番で大ヒットした純愛物語を今更ながらに見た。ぶっちゃけた話、死んだ妻が蘇るというファンタジーでその部分が唐突で、こりゃダメだ無理があるって思ったんだけど、後半はストーリーの魅力でぐいぐい押し切られた感じ。ネタばらししちゃうけど、これってタイムトラベルものだったわけね。分野としてはジュブナイルものにも近いと思う。

 原作がよくできているのか、すべてのストーリーがぴしっとつながる展開はお見事。珍しく見終わった後に、映画の冒頭を見直してしまったぞ。これが映画館だと、次回上映をちょびっと見てから帰るってパターンかも。もっとも最近は入れ替え制のシネコンが多いので、そんな事できないだろうけど。

 この映画を見てると、竹内結子ってほんと普通っぽさが魅力なんだろうなって思う。高校時代の澪を演じた大塚ちひろも、何かわかんないけど魅力的だ。巧の高校時代、というか中村獅童の高校時代を演じられる浅利陽介ってのもただもんじゃない!! 肝心の中村獅童だが、あの気の弱そうなセリフの棒読みは役作り?

 脇役がいい。とんでもなくいい。ベストは学校の先生のYOU。彼女の子供への対応を見ているだけで、感動してしまった。巧の相談相手の医師(小日向文世)、ケーキ屋(松尾スズキ)、寝てばかりの巧の上司(中村嘉葎雄)とよくぞまぁこれだけ芸達者を集めたもんだ。感心した。

土井裕泰監督。2004年日本映画。

2006年7月 6日 (木)

リング (1998)

no jacket image テレビレポーターの浅川玲子(松嶋菜々子)は、見ると1週間後に死ぬというビデオテープの存在を知り調査を開始する。偶然手に入れたテープを見てしまった玲子は、別れた夫の高山(真田広之)に相談を持ちかけるのだが、彼女の息子の陽一(大高力也)も自宅に置いてあったテープを見てしまう。

 邦画のホラーブームのきっかけともなった記念碑的な作品。実はoga.にしては珍しく鈴木光司の原作小説から入った物語で、原作は確かに読んだら誰かに勧めたくなるような感染性を持っているとも言える。映画は原作よりも若干淡泊な感じなんだけど、それでも呪いのビデオをちゃんと映像化しているのには拍手。ストーリーもコンパクトによくまとめていると思う。

 最近ハリウッド版リメイクも見たけど、やっぱり日本版の良さを再発見することになったような気がする。特にテレビから出てくるシーンとかは、邦画ホラーの中では屈指の名場面なんじゃないだろうか。

 なお劇場公開時の同時上映は、続編の「らせん」。時間間違えてらせんを先に見てしまったら悲劇かも(笑)。

中田秀夫監督。1998年日本映画。

2006年7月 5日 (水)

海猫 (2004)

海猫 突然婚約者に捨てられた野田美輝(ミムラ)は、その理由が自分の死んだ母にあると聞き祖母のタミ(三田佳子)に理由を問いただす。彼女の母薫(伊藤美咲)は函館から漁師の邦一(佐藤浩市)の元に嫁ぎ美輝が生まれたのだが、厳しい漁村の生活にやがて体を壊し…

 谷村志穂の小説を森田芳光が映画化。森田の恋愛ドラマといえばすっかり不倫ドロドロ物語が定番になっちゃたような感じで、いかにも東映ですといったクラシカルなメロドラマが繰り広げられる。

 薄幸の主人公を伊藤美咲が熱演。彼女の綺麗だけど線の細いところが薫という役にぴったり。でも最初で大泣きして最後も大泣きしてくれたミムラが印象的で、出番は少ないもののすっかり主役を喰ってしまった印象が。

 物語は邦一の弟広次(仲村トオル)や邦一の不倫相手の啓子(小島聖)がからんであらぬ方向へ転がっていく。しかし女の子を二人もかかえていて、突然海猫になれるなんて(笑)この世に未練はないのかって思いっきり疑問に思ってしまった。包丁持って追いかけてくるお父さんが「可愛そう」と思える娘が一番可愛そうだぞ。

 たまには農村や漁村の明るい物語が見てみたい…

森田芳光監督。2004年日本映画。

2006年7月 4日 (火)

インファナル・アフェアIII 終極無間 (2003)

インファナル・アフェア3 ヤン(トニー・レオン)の死後、庶務課を経て内務調査課へ帰ってきたラウ(アンディ・ラウ)。彼は警察に潜入したマフィアだったという過去を消すために、保安部のヨン(レオン・ライ)を調査する。一方でヤンがかかっていた精神科医のリー(ケリー・チャン)に近づき、ヤンの診察記録を盗みだそうとするのだが…

 3部作の完結編。すべての謎が解けるというわけで、ヤンが死んでからの後日談を描いているように見えて、突然過去のエピソードが断片的に登場するのでしっかり見ていないと混乱することこの上ない。個人的には前2作を見てからずいぶんたってからコレを見たので、細かいところは読み切れてないような気がしてちょっと不安な感じ。できれば3作通して見たほうが良いかも。いきなりこれから見るのは無謀。

 キーは死んだはずの宇津井健と谷啓(笑)が出てくるシーンは過去ということか。落ち着くべくところへ落ち着いたというところだけど、前作で印象的だったオーディオショップにつながったり、二人の接点となる精神科医のリーが魅力的だったりと雰囲気的には結構楽しめる。

 できれば「ゴッドファーザー」のように、時制をかちっと並べ直した別編集バージョンを見てみたいものだ。そうすると謎が消えて、逆に面白みがないドラマになっちゃうのかな。

アンドリュー・ラウ、アラン・マック共同監督。2003年香港映画。

2006年7月 3日 (月)

エターナル・サンシャイン (2004)

エターナル・サンシャイン 平凡な人生をおくるサラリーマンのジョエル(ジム・キャリー)は会社をさぼった電車の中で偶然出会ったクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)と恋に落ちる。ところが彼女との破局が訪れたあとで、ラクーナー社というところから彼女の記憶を消したという手紙が届く。その意味がわからずにラクーナ社を訪れるジョエルだったが…

 記憶をテーマにしたラブストーリー。ラクーナ社が恋人の記憶を消してくれる会社だと知って、結局自身もクレメンタインの記憶を消そうとラクーナ社に依頼するジョエルだけど、事態は思わぬ方向へ… ラクーナ社の受付にキルステン・ダンスト、その従業員にマーク・ラファロ、イライジャ・ウッドと実力派が脇をかためて混沌とした物語をさらに混乱させているおが面白い。ある意味ストーリーを追うのは大変かも。

 いわゆるリセット小僧の話なんだけど、1年間恋した二人の記憶だけに一筋縄でいかずに、ついに消されまいと彼らは記憶の中を逃げ回るという展開がシュール。まぁ恋人とうまくいかなくなったら、軽くリセットしたいもんだとか、もう一度最初からやり直したらうまくいくんじゃないかとか誰でも考えたりするもんだけど、実際に映像化したらこういう感じになるんかな。シリアスなジム・キャリーも味があっていいです。

ミシェル・ゴンドリー監督。2004年アメリカ映画。

2006年7月 1日 (土)

ステップフォード・ワイフ (2004)

ステップフォード・ワイフ 凄腕のテレビプロデューサーのジョアンナ(ニコール・キッドマン)はネタにした夫婦が番組が原因で殺人事件を起こしたため、会社をクビになる。生活を一変させようと夫のウォルター(マシュー・ブロデリック)の勧めでステップフォードという高級住宅地に引っ越した二人だったが、ここに住む夫婦たちは機械のように良妻賢母を演じていてどこかヘン。マイク(クリストファー・ウォーケン)とクレア(グレン・クローズ)の主催する紳士クラブに入ったウォルターだったが…

 アイラ・レヴィンのサスペンスをヨーダ様でおなじみのフランク・オズが再映画化。とはいっても前作はキャサリン・ロス(懐かしい!)主演の未公開作品らしく、当然未見だ。50年代を思わせるポップアート風のオープニングから、どんな映画だろうかと期待してたら…これってSFスリラーだったわけね。まぁクリストファー・ウォーケンやグレン・クローズ、ベッド・ミドラーなんて個性派を使っているあたりからして、普通の映画ではないのは容易に想像できるわけですが。

 映画の興味は、ほんとステップフォードの妻たちって何者って一点に絞られるわけですけど、そういう意味では突っ込みどころ満載で煮え切らない感じ。あの説明では、序盤のバストサイズの変化やコンロで手を焼いても平気の説明ができない。

 いちばん気に入った台詞は、妻の本当の姿を受け入れるってことに関して「それが本当の男よ」ってニコール・キッドマンが言うところ。従順なロボットを世の男性すべてが期待してると思ったらちょっと違うと思う。実際にステップフォードの妻たちは、生活してたらすぐに飽きそう。

フランク・オズ監督。2004年アメリカ映画。

2006年6月30日 (金)

ホステージ (2005)

ホステージ ロサンゼルス警察でやり手の交渉人だったジェフ・タリー(ブルース・ウィリス)だったが、ある人質事件で電話で助けることを約束した子供が死に、心に傷を負う。大きな事件とは無縁の田舎の警察署長におさまったジェフだったが、そんな町でも人質事件が発生して…

 「助ける命を選べるか?」というコピーで登場した人質アクションサスペンス映画。なんせ最初から最後までびしっと人質籠城事件ばっかり描いていて、見てて疲れることこの上ない。しかも後半は二組の人質事件が同時進行して、さらにFBIを装ったマフィアは登場するし、何ともこってりしたアクション映画である。

 結構見応えのある映画ではあるんだけど、面白かったかというとどこかで「?」が残ってしまうのは不思議。きっと主人公や人質となるその家族たちに思ったほど感情移入できなかったのが大きいかも。間違いなくキーマンのケヴィン・ポラックは見たことある顔だなぁと思ってたら、「夏休みのレモネード」の神父さんだった。味のある俳優さんだと思う。

フローラン・シリ監督。2005年アメリカ映画。

2006年6月29日 (木)

HINOKIO ヒノキオ (2004)

no jacket image 交通事故で母親(原田美枝子)を失ったサトル(本郷奏多)はショックで部屋に引きこもる。見かねたロボット博士の父親(中村雅俊)は、彼に遠隔操作のロボットを与えて代理に小学校へ行かせる。材料にヒノキが使われていることから「ヒノキオ」とあだ名を付けられたロボットだったが、ジュン(多部未華子)をリーダーとする悪ガキグループにいじめられ…

 ロボットにビデオゲームなどのバーチャルな世界、そして引きこもりといった問題をテーマにしてジュブナイル的に仕上げたSF映画。最初にストーリーを聞いた時にはあまり期待もしなかったんだけど、どうしてどうしてなかなかの出来。少なくとも「ノー・ライフ・キング」みたいな勘違い&空回り作品に終わっていないのは良い。

 小学校が舞台なんだけど、出てくる少年少女たちがみんなどこか屈折していて一筋縄でいかないのがミソ。こういう設定ってかなりリアルなんじゃないかと思う。遠隔操作ロボットのヒノキオも、あってもおかしくないなあという説得力がある。サトルの一家は、やっぱ父親に問題があるんだろうなと身につまされた。デジタル機器に囲まれて(振り回されて)暮らす父親ってのは、子供の目にこういうふうにうつるんだろうなあってちょっとショッキング。

 後半のオバケ煙突とゲームソフト(煉獄)のくだりは、物語があらぬ方向へ突っ走るのを心配したんだけど、かろうじてセーフ、というか納得できる感動的な展開だった。これってタイトルどおりのラブストーリーだったわけね。

秋山貴彦監督。2004年日本映画。

2006年6月28日 (水)

パニッシャー (2004)

no jacket image 麻薬取引の現場にFBIが突入し、マフィアのボスの息子ボビー(ジェームズ・カルピネロ)が射殺される。怒り狂った父親のセイント(ジョン・トラヴォルタ)は、その原因が潜入捜査官のフランク(トム・ジェーン)にあることを知り、リゾート中の彼の家族を襲い皆殺しにする。かろうじてひとり生き残ったフランクは、武器を買い集め復讐を誓う…

 「復讐ではない、戒め」だそうだが、誰がどう見ても復讐劇である。中盤までは典型的な復讐劇のストーリーをなぞるので退屈な映画かと思いきや、これが嬉しい誤算というか後半はとっても面白く見ることができた。まずは武器を買い集める主人公の戦いぶり。タフなんだけど、次々現れる強敵に苦労する様子はついつい応援したくなる絶妙な強さなのである。部屋の至るところに隠した武器をきっちり使い切るのはお約束の展開かな。

 主人公が転がり込んだアパートの住民がとってもいい人たちなのが良い。救いようのないストーリーだけに、彼らの存在がオアシスのようだ。

 しかし仇役のトラヴォルタ、頭良さそうに見えてこれだけコテンパンにパニッシャーにはめられるのは、何だかなあ。ダマして同士討ちさせられるなんてのは見ていて最低(主人公の行動としても)なんだけど、まぁ一族根絶やしなんてやらかす連中だけにこれくらいはされても仕方ないのかも。アメコミが主人公だってことを、途中まで忘れていた希有な映画ではありました。

ジョナサン・ヘンズリー監督。2004年アメリカ映画。

2006年6月27日 (火)

アナコンダ2 (2004)

アナコンダ2 7年に1度、2週間だけ咲くという幻の蘭「ブラッド・オーキッド」。その成分に不老の効果があることを知ったケイディー・ストリックランド(サム・ロジャース)をはじめとする製薬会社のチームは、採取するためにボルネオのジャングルへ向かう。彼らが現地で案内役に雇ったのは怪しげな船長ビル・ジョンソン(ジョニー・メスナー)。やがて船は蘭を求めて旅立って行くのだが、近道が災いして船は滝に落ち、一行は歩いての旅を余儀なくされる…

 巨大アナコンダが主人公(?)の動物パニック映画続編。前作とはまったく別のストーリー(と思う)なので、いきなり2から見ても大丈夫。今回は不老不死の薬を探すクルーをヘビが襲い、仲間割れが起こり…あれれれ、前作と同じパターンだぞ。安心して見ていられる(?)といえばそうだし、面白くないといえばそう。

 憎々しげなアナコンダなんだけど、穴に群れているところを人間たちに…こりゃ可愛そうに思えてしまうのは私だけ? 人間もあんなジャングルの奥地に行かなければよかったのに。

 あれだけヘビたちにいたぶられながらも、意外と大勢生き残るのもこの手の映画としては異例かも。

ドワイト・リトル監督。2004年アメリカ映画。

2006年6月26日 (月)

アナコンダ (1997)

no jacket image 伝説のインディオを求めてアマゾンの奥地を船で進む撮影隊(アイス・キューブ、ジェニファー・ロペス他)は途中で密猟者のサローン(ジョン・ヴォイト)を助ける。ジャングルに詳しいことから彼をガイドにする撮影隊だったが、実はサローンの目的は伝説の大蛇アナコンダの捕獲だった…

 70年代にいっぱい作られた動物パニック映画の再来、みたいな映画。ひさびさに見ると新鮮であるはずなんだけど、意外とドキドキもせず冷めた目で見てしまったのはなぜ? 舞台が現代社会ではなく、密林のジャングルだというのが思ったほどは感情移入できなかった原因かも。

 出色はやっぱり怪しい親父全開のジョン・ヴォイト。彼の怪演を見ているだけでコメディのように楽しめる。間違いなくマーロン・ブランドの後継者と言えるのでは。それに比べると、他の登場人物たちは弱い。アナコンダはCGで作られたんだろうけど、ぬるぬるした質感と動きがなかなか気味悪くて見せてくれる。

 それにしても、食べかけをぺっの場面は凄い。このシーンを見せるために、この映画は作られたんかと思った。恐怖というよりも、爆笑してしまったぞ。

ルイス・ロッサ監督。1997年アメリカ映画。

2006年6月23日 (金)

オペレッタ狸御殿 (2004)

オペレッタ狸御殿 がらさ城の城主安土桃山(平幹二朗)は、世界で一番美しいのは自分だということを予言者に確認しながら生きているという毎日。だが息子の雨千代(オダギリジョー)が自分の美しさをやがてしのぐことを知った安土桃山は、雨千代を霊峰・快羅須山へ追放しようと決心する。ところが雨千代を救ったのは狸御殿に住む狸姫(チャン・ツィイー)で、たちまち二人は恋に落ちる。

 邦画の人気シリーズ「狸御殿」を現代に蘇らせた鈴木清順監督のミュージカル。出演者は他に薬師丸ひろ子、由紀さおり、パパイヤ鈴木、そしてデジタル出演の美空ひばりが名前を連ねるが、往年のオールスター顔見せにはほど遠い内容。できれば角川映画ばりにいろいろ集めてほしかったところ。

 とはいってもデジタル処理で作られた、水墨画や屏風絵を背景に繰り広げられるミュージカルは一見の価値がある。オダギリジョーとチャン・ツィイーという美男美女カップルは、画面に出ているだけでも絵になる。舞台を見るような気持ちで見たら楽しめるだろう。

 惜しいのは、登場人物たちの動きに覇気がないことかも。鈴木清順監督は老いてなおさかん、といったところだろうけど、昨今の映画のダイナミックな動きのレベルにはちょっとついていけてないって感じ。まぁスター顔見せ映画として人気を誇った狸御殿を、当時をリアルタイムで知る貴重な現役監督の清順がもう一度スクリーンに蘇らせようとしたこと自体に価値があるのかもしれないが。

鈴木清順監督。2004年日本映画。

2006年6月22日 (木)

真夜中の弥次さん喜多さん (2005)

真夜中の弥次さん喜多さん 江戸に住む弥次さん(長瀬智也)と喜多さん(中村七之助)は、ディープに愛し合うゲイの恋人同士。ヤク中でリヤルがわからなくなったという喜多さんを救うために、二人はダイレクトメールに従ってお伊勢参りの旅に出ることにする。ところが「笑い関所」や「アーサー王のとろろ汁」など、彼らの前にはとんでもない難所が次々と現れる。

 しりあがり寿のギャグマンガを原作にしたなんともシュールなコメディ時代劇。アイドルというよりもどう見ても実力派役者でぴたっとはまっている長瀬智也、ゲイのヤク中にぴったりなキャラを演じる中村七之助をはじめとして、小池栄子、森下愛子、研ナオコ、竹内力、阿部サダヲ、寺島進、毒蝮三太夫、妻夫木聡、ARATA、荒川良々といったひとくせもふたくせもある連中が総出演。これがとんでもない世界を繰り広げる凄い映画。

 時代劇に現代の風景や文明の利器を取り入れるってのは古くからNHKあたりが好んで使ってた手法なんだけど、久しぶりに目にしてとっても新鮮。当然笑えるギャグ、笑えないギャグはあるんだけど、総じて映画全体の持つ底知れぬパワーに押し切られたって感じ。

 感心したのは冒頭部分で、障子やら浴衣やらになぐり書きされたイラスト。どこかで見た絵だなぁと思ってたら、これが原作漫画のタッチだったわけね。原作者のしりあがり寿さんが直接書いたんだったら、さらにポイント高し。

宮藤官九郎監督。2005年日本映画。

2006年6月21日 (水)

五線譜のラブレター (2004)

五線譜のラブレター 1920年代のパリの社交界。作曲を志す若き日のコール・ポーター(ケヴィン・クライン)は離婚したばかりの美しい女性リンダ(アシュレイ・ジャッド)に出会い一目惚れする。実は彼はバイセクシャルだったが、それを納得の上で二人の交際ははじまりやがて結婚する。そしてブロードウェイのミュージカルを担当するチャンスを得たコールは渡米するのだが…

 「ビギン・ザ・ビギン」「You'd be so nice to come home to」「夜も昼も」などのスタンダード曲で知られる作曲家コール・ポーターの半生を描いた伝記映画。年老いたコールが自分の人生を舞台になぞらえた、ファンタジックな回想というかたちで物語はスタートするんだけど、ドラマ自体は意外と起伏がない。でも最後まで飽きずに楽しめるのは山のように詰め込まれたミュージカル・ナンバーと豪華なダンスのおかげだろう。

 ほとんどコールの没年近くに生まれたoga.としても、そのナンバーは耳にしたことがあるものが非常に多い。後にハリウッドに移ったコールだけに、黄金期のミュージカル・ナンバーにも手がけたものが多い。知れば知るほどすごい人だ。

 今風の映画だなぁと思うのは、コール・ポーターがバイセクシャルだったことを強調している点。バイってのは、異性と結婚した場合は同性の浮気相手が欲しくなるんだろうかとかヘンなことを考えたりもしたんだけど… でもこの夫婦関係って興味深い。ある意味彼がバイだったからこそ、派手なショウビズ界で二人が添い遂げることができたのかも。映画は平板でさらっと描いていたけど、見終わってから彼の人生に感じるものは感慨深い。

アーウィン・ウィンクラー監督。2004年アメリカ映画。

2006年6月20日 (火)

あずみ2 Death or Love (2004)

あずみ2 前作で生き残ったあずみ(上戸彩)とながら(石垣佑磨)は再び南光坊天海(神山繁)の命を受け反徳川の真田昌幸(平幹二朗)の首を取る旅に出る。今回の旅の仲間はこずえ(栗山千明)、金角(遠藤憲一)、そして死んだなちにそっくりな銀角(小栗旬)だが、その行く手には強敵・土蜘蛛(坂口拓)をはじめ六波(謙吾)、空如(高島礼子)が立ちはだかる…

 小山ゆうのコミックの原作を、パート2では「ガメラ」の金子修介がメガホンを取って映画化。個性的な敵味方のキャラクターが入り乱れての対決が繰り広げられる。

 これまた面白い映画なんだけど…ここまで来るとあまりにも人が死にすぎ。ちょっと食傷気味になってきた。駆け出しくノ一のこずえをはじめ、巨大な殺人ブーメランを振り回す六波(ろっぱ)、ワイヤーを使った戦いが印象に残る土蜘蛛、真田昌幸とデキちゃってる空如などなど、よくぞここまでというほど魅力的な敵キャラをそろえたところはお見事。

 とはいっても、死んだ恋人なちのそっくりさんとして同じ役者が登場するくだりはどうなんだろう。最近の映画では見ないパターンなので、新鮮といえば新鮮なんだけどちょっとひっかかる。金角なんてめちゃいい人なんで、彼が亡くなるシーンがいちばんじーんときたぞ。

 ラストで単に敵を全滅させて終わり…という展開じゃないことは評価できる。かっこいいぞ、真田幸村(永澤俊矢)。そしてあずみには、これからは静かな日々を過ごして欲しいと祈りたい気持ちにさせられる。

金子修介監督。2004年日本映画。

2006年6月19日 (月)

あずみ (2003)

あずみ 関ヶ原の戦いの後の日本。母に死なれ孤児になったあずみ(上戸彩)は、爺(原田芳雄)に拾われ9人の仲間と共に最強の刺客として育てられる。彼らが山を下りる最初の試練として命じられたのは、幼なじみの仲間と殺し合うことだった。小山ゆうの人気劇画を映画化したアクション時代劇。

 往年の「サスケ」や「カムイ外伝」などを思わせる深みのあるストーリー。ただし映画化するにあたって、10人の仲間が今時のイケメンたちだったり、あずみの棒読み調のセリフ回しが耳についたり(これは原作のイメージに近いのだそうですが)劇画調の敵キャラたちがういていたりとちょっと空回り気味に感じた点が多いのが残念。でも面白い。2時間半の長い映画ながら、最後まで一気に楽しめた。

 美女丸役のオダギリジョーは怪演ですね。まるで少女漫画に出てくるキャラクターみたいで、ひと皮むけた感じ。あずみに女らしさを教えるやえ(岡本綾)もいいキャラ。あずみが「本当に悪人か?」と疑問を持つ浅野長政(伊武雅刀)も登場シーンは少ないながらも本領発揮というべく味わい深い。

 友達を殺せという命令にまであずみたちが従う「爺」という人物の存在がひとつのポイントだけど、これが冒頭のあずみが母の亡骸のもとから拾われるシーンからラストの爺との別れのシーンまでかけてじっくりうまく表現されているのが出色。最後にはじーんときた。

 想像するに、連載劇画の原作はかなりのキャラクターの描き込みがされているんじゃないかと思います。実写映画化としては、結構頑張っているレベルなんじゃないでしょうか。

北村龍平監督。2003年日本映画。

2006年6月16日 (金)

ザ・リング2 (2005)

ザ・リング1&2 前作でビデオテープの恐怖から逃れたレイチェル(ナオミ・ワッツ)とアイダン(デヴィッド・ドーフマン)の親子は海辺の田舎町へと引っ越して新生活をスタートする。ところがこの町でも恐怖に顔をゆがめた少年の変死体が見つかり、かつての恐怖が蘇るレイチェル。そんな時、息子のアイダンに小さな変化が起こる…

 日本版とはまったく離れたオリジナル脚本による「ザ・リング」の続編。さらに監督は日本版「リング」の中田秀夫という面白いフォーメーション。しかし日本の監督を使ったにもかかわらず、ストーリーは「乗り移り」「追いかけ」とさらにアメリカナイズされてあっちのホラー映画になっちゃった印象。地下室のシーンや井戸の描写などを切り取って考えると、スティーブン・キングの原作を映画化したかのような雰囲気だぞ。

 ビデオテープの呪いから離れてしまったのが個人的には不満だけど、割り切って見れば結構面白い映画であるのも事実。井戸の中から追いかけてくるシーンなんて手に汗握った。でも蓋閉めたぐらいで出て来られなくなるなんてサマラ弱すぎ。もう2転、3転ほしかったところ。

 短いながらも「キャリー」のシシー・スペイセクが出ていたのには驚いた。しかもサマラの実の母親とは、絶妙なキャスティングだ。

中田秀夫監督。2005年アメリカ映画。

2006年6月15日 (木)

ザ・リング (2002)

ザ・リング1&2 女子高生が心臓麻痺で死ぬ事件が起こり、調べていた親戚の新聞記者レイチェル(ナオミ・ワッツ)は見たら7日後に死ぬビデオテープの存在をつきとめる。ところが自分ばかりか息子のアイダン(デヴィッド・ドーフマン)までビデオを見てしまい… 日本で大ヒットした鈴木光司原作のホラー映画「リング」のハリウッド版リメイク。

 これまたストーリーはオリジナルに忠実ながら、丁寧に舞台をアメリカに移した正統派リメイク。とはいってもストーリーを覚えているだけに、日本版と頭の中で比べながら見てしまうのは仕方がないところか。呪いのテープはモダン・アートのようにスタイリッシュになり、ダリ=ブニュエルの無声映画「アンダルシアの犬」を思わせる。

 特殊メイクにリック・ベイカーが参加しているだけに、貞子は完全にクリーチャー化。そういえばレイチェルの息子アイダンが病んでいるあたりの描写は「ハイド・アンド・シーク」を思わせる。まさにハリウッドのテイストが植え込まれたリメイク作品。とっても納得させられました。

ゴア・ヴァービンスキー監督。2002年アメリカ映画。

2006年6月14日 (水)

THE JUON -呪怨- (2004)

THE JUON -呪怨- 東京に住む大学教授のピーター(ビル・プルマン)は突然妻の目の前で、マンションから飛び降りて死ぬ。それから何年かあと、東京へ留学してきたカレン(サラ・ミシェル・ゲラー)とダグ(ジェイソン・ベア)は慣れないながらも異国の生活を楽しんでいる。アメリカ人の女性エマ(グレイス・ザブリスキー)の介護を引き受けたカレンは彼女の住む一軒家に向かうのだが、そこにはただならない雰囲気が…

 ビデオで大ヒットして映画化された「呪怨」を、サム・ライミのプロデュースでハリウッドでリメイクされた作品。とはいっても、主要な人物をアメリカ人に変えただけで、呪う側のキャストはそのまんま、舞台は東京のまま、メガホンを取るのも清水監督のままという不思議なリメイク。外国人が日本に住む、というテーマがそれだけで映画が1本撮れてしまうほど深いものなので、こちらとしてもかなり鑑賞する視点がずれてしまったかな?と見ながら思った次第である。

 俊雄も伽椰子も役者が同じってのがポイントかな。呪われた家も、同じ家でロケされたように思える。ハリウッド版リメイクってことで仕掛けだけはパワーアップされる、という期待をくつがえされた点が逆に面白かった。怖さもほとんどパワーアップしておりません。布団の中に居た?という私がお気に入りのシーンは、日本の劇場版の方がコワいです。

 ところで清水監督、このストーリーで3回も映画撮ってるわけね。ぼちぼち飽きてきてるんじゃないの??

清水崇監督。2004年アメリカ=日本合作。

2006年6月13日 (火)

東京原発 (2002)

no jacket image 東京都知事の天馬(役所広司)は副知事(段田安則)をはじめ都の要職たち(平田満、岸部一徳、吉田日出子、田山涼成、ほか)を集めると「財政難の解消のために都に原発を誘致する」と言い始める。夜に記者発表をするという都知事を踏みとどまらせようと、侃々諤々の議論を繰り広げるメンバーだったが… その頃お台場に陸揚げされたプルトニウム燃料を積んだトレーラーが、ハッカーの少年にジャックされる。

 もしも東京に原子力発電所を作ったら、というシミュレーションからはじまるポリティカルサスペンス。こういうのが大好きなoga.としては、とても楽しく見ることができました。特に都に原発を作った場合の経済効果試算や、最も電力を消費しているとところが最もリスクを負うべきだという論点などは素晴らしい。絶対に安全なんだったら東京にどんどん原発を作るべきだと思わされた。のど元までリスクを突きつけられないと民衆は動かないってのも言えてますね。日本の利権社会の醜さもにじみ出ていて、秀作だと思います。

 反面、後半に描かれる核ジャックは映画のテーマを大きく逸脱していてマイナス要素。ショボいアクション展開はいらないと思う。意味深なラストシーンも、なんだかなぁ…

山川元監督。2002年日本映画。

2006年6月12日 (月)

シムソンズ (2006)

シムソンズ 北海道常呂町はホタテとカーリングがさかんな事以外は何もない町。高校生伊藤和子(加藤ローサ)は退屈な毎日を過ごしていたが、ある日憧れのカーリング選手加藤真人(田中圭)にチームを作らないかと誘われる。かくしてズブの素人女子高生3人(加藤、星井七瀬、高橋真唯)とベテランの尾中美希(藤井美菜)によるチーム「シムソンズ」が結成される。

 ズブの素人がめきめきと頭角を現すという、スポーツ青春映画では定番の物語。最近見た中では「がんばれ!ベアーズ」や「スゥイング・ガールズ」あたりと同じ展開である。それでもこの手の物語は楽しめてしまうのは、スポーツの持っている不思議な魔力によるところが大きいかも。

 トリノオリンピックでブレイクしたカーリングですが、元々はマイナースポーツだけにルールの解説とかから入ってくれるのがありがたい。見終わった時にはいっぱしの自称カーリング通になってるかも。主演の女子高生(役?)たちは今が旬の面々ですね。

佐藤祐市監督。2006年日本映画。

2006年6月 9日 (金)

ジャーヘッド (2005)

ジャーヘッド 軍人一家に生まれ、自らも海兵隊へ入隊したアンソニー・スオフォード(ジェイク・ギレンホール)。手荒な軍隊に最初は後悔したが、やがて数少ない狙撃兵に選ばれ湾岸戦争に出征していく。サウジアラビアの砂漠に降り立った彼らが見たものは…

 実在の人物であるアンソニー・スオフォードのベストセラー手記を映画化。湾岸戦争といえば空爆、特にピンポイント爆撃がメインで、地上軍は最後の最後に制圧に入っただけというわけだが、その地上軍として出征した青年が主人公。当然彼らの任務は砂漠の中で殺気立ちながら待って待って待ちまくること。当然、この映画のような戦争体験が残るというのはとても納得させられた。

 まぁ我々平和ボケ日本の感覚からすれば、ひとりも殺さずに、敵とも一戦交えずに帰国できたというのはある意味めでたしめでたしの結末なんですけど、殺人マシーンとして訓練(洗脳)された海兵隊員としては蓄えたパワーの行き場がなくこんなやるせないことになっちゃうのでしょう。

 兵士の安全を気遣って、空爆でほぼカタをつけたってことは、彼らを守ってやったことになるんじゃないかと私などは考えてしまうのですが…そういうもんでもないらしい。もうひとつ、日常生活と戦場との接点の部分がコワイ。ぞっとした。たとえば戦地へ行くのに普通の旅客機を使うってあたりとか、帰って来た兵隊が日常生活をしているギャップとか。軍人一家なんて言うけど、あちらでは一族あげて何人も殺してってことなんだろうか。

サム・メンデス監督。2005年アメリカ映画。

2006年6月 8日 (木)

SPIRIT (2006)

SPIRITS 20世紀初頭の中国は天津。体が弱いことを理由に武闘家の父から稽古をつけられなかった霍元甲(ジェット・リー)は独自に練習を重ねてやがて向かうところ敵なしの格闘家に成長する。たくさんの弟子を従えながらも、やがて誤解から試合相手を殺してしまい…

 1910年に上海で行われた、世界初の異種格闘技をクライマックスに描かれる実在の武闘家・霍元甲(フォ・ユァンジア)の物語。前半は無鉄砲だった時代の試合に次ぐ試合、中盤は寒村へ流れて行ってから悟りをひらくまで、そしてクライマックスの異種格闘技戦へとこの手の映画としては定石といったオーソドックスな作りながらも、めちゃくちゃ熱くさせられるのは霍元甲の生き様、ジェット・リーの妙技、仇役の田中安野(中村獅童)のかっこよさ、寒村の目の不自由な娘ユエツー(スン・リー)の可憐さなどすべてが渾然一体となった魅力かも。

 特にラストなんかいいですね。ポカリとやって終わるハリウッド映画や、仇をうって終わる古い香港映画などとは明らかに次元が違う。とにかく熱いです。ある意味格闘映画の最高峰じゃないかと思えます。

ロニー・ユー監督。2006年香港=アメリカ合作。

2006年6月 7日 (水)

イヌゴエ (2005)

イヌゴエ 臭気判定士の直喜(山本浩司)はニオイに敏感すぎる性質ゆえに恋人のはるか(馬渕英里何)にもそっぽを向かれ逃げられてしまう。そんなある日、旅行に行く父にフレンチブルドッグを預かることを押しつけられてしまう。ところが直喜はこの犬がおっさん風の関西弁でしゃべるのを耳にしてしまう…

 タイトルどおり「イヌゴエ」が聞こえる主人公の出来事を描いたコメディ。ドキュメント風の画面ですご?く地味な雰囲気が漂うんだけど、ストーリーが面白く最後まで飽きることなく楽しむことができた。おっさんのボヤキのような犬の声が秀逸。こういう声の生き物を飼うテレビゲームが昔話題になったのを思い出した。いらないところではボヤきまくり、必要なところではだんまりになる犬のもどかしさも絶妙である。

 主人公の直喜くんは、はた目に見てもかなりヘンなやつ。恋人が逃げていくのもわかる。でも犬を連れた女性ちぬ(宮下ともみ)とのエピソードは、不器用なりにも頑張ってるのが伝わってきてちょっとじーんときた。犬って人を結びつける不思議な力を持っているのかも。

横井健司監督。2005年日本映画。

2006年6月 6日 (火)

チキン・リトル (2005)

チキン・リトル 田舎町オーキー・オークスに住むチキン・リトル(声:ザック・ブラフ)はかつて頭にどんぐりが落ちてきたのを「空が落ちてきた」と鐘をつき大騒ぎ。町中にバカにされている。元野球選手の父との関係もどこかぎくしゃく。ところがそんな町に、再び空のカケラが落ちてきた…

 ディズニー単独で初製作というフルCGアニメ。体が小さいからチキン・リトルと言われているニワトリの子供が主人公。ドジなことから学校でも結構いじめられているチキンだけど、3人の仲の良い友達がいるところがいいですね。もちろんディズニーらしい、いじめられっ子が信頼を取り戻していく物語で安心して見ていられる内容。

 ただし短い上映時間(正味1時間10分ぐらいか)に野球のエピソードと宇宙人のエピソードが詰め込まれていて、短編映画のような雰囲気になっている。子供が見るにはこのくらいの長さが丁度いいのかもしれないけど、ちょっと欲張りすぎかなって感じ。

マーク・ディンダル監督。2005年アメリカ映画。

2006年6月 5日 (月)

ダイヤモンド・イン・パラダイス (2004)

ダイヤモンド・イン・パラダイス 世界に3つだけ存在するというナポレオン・ダイヤモンドを2つまで盗み出し引退したマックス(ピアース・ブロスナン)とローラ(サルマ・ハエック)の泥棒カップル。バハマで悠々自適の生活をおくっているが、何か物足りないマックスのところへ昔のFBI捜査官スタン(ウディ・ハレルソン)がやって来る。彼によると、3つめのダイヤモンドが停泊している豪華客船の中にあるぞとあおってくるのだが…

 いわゆるクライム・コメディで、泥棒とFBIの凸凹コンビによるかけひきが見物の映画。この二人の仲良しぶりにハマれるかどうかがこの映画の最初のポイント。でもダイヤモンドを盗む盗まないでグダグダしているところが妙にまどろっこしく、とんとんとんと進むラスト数十分にたどりつくまでにダレてしまったかなぁという感じ。

 すっかり007のイロがついちゃったブロスナンだけど、こういったコメディには向いていると思う。ところで世界に3つしかないダイヤを2つまで盗んで引退して、じっとしてられるわけないでしょってのは個人的な感想なのだが。これだけ富と財宝を築いて、いくら相手がむちむちのローラだとはいえ彼女ひと筋ってのはマックスってのは意外といいヤツなんじゃないかと思ったぞ。

ブレット・ラトナー監督。2004年アメリカ映画。

2006年6月 2日 (金)

吹けよ春風 (2003)

no jacket image  作家のソングク(キム・スンウ)は、ラジオでは常識人を装ってはいるが他人の家の前にゴミを不法投棄したり、寒くても床暖房のスイッチを入れないようなケチな男。そんな彼の家に、死んだ父が知らない間に契約したという間借り人ファジョン(キム・ジョンウン)が引っ越してくる。派手でバカっぽい彼女に拒絶反応を示すのだが、彼女が作った恋愛小説のストーリーが素晴らしいことに気づいたソングクはそれを盗もうとあらぬ嘘をつくのだが…

 映画というよりもテレビのちょっとした2時間ドラマといったノリのラブコメディ。韓国や香港映画の主人公たちは、どうして「おまえそれバレるやろっ!!」って嘘を平気でつくんだろう? どうってことないような軽いストーリーなんだけど、ソングクの母(キム・ヨンオク)や空にぽっかり現れる父(チャン・イナン)がなんとも良い味を出しているのが拾いもの。ソングクって結局気がつかないうちに、この二人の手のひらの上で転がされてたのかも。動物ドキュメントと人間の恋愛をかぶせるシーンも笑える。

 ラストにちょこっと登場した日本人観光客、とってもいい役どころでいい気持ちにさせられたぞ。

チャン・ハンジュン監督。2003年韓国映画。

2006年6月 1日 (木)

阿修羅城の瞳 (2005)

阿修羅城の瞳 江戸時代、世間には鬼があふれ、幕府は鬼御門(おにみかど)という組織を作って対抗していた。かつてはこのメンバーで鬼ごろしの異名を持つ病葉出門(市川染五郎)は現在は四世鶴屋南北(小日向文世)を師匠に歌舞伎役者をして暮らしている。そんな彼が、盗賊の女つばき(宮沢りえ)に恋をするのだが、実は彼女の正体は…

 恋をすると鬼になる女と、鬼ごろしの男の宿命の恋を描いたファンタジック・ロマン。いかにもCGを多用しましたといった江戸の町やら百鬼夜行やら、阿修羅城やらが楽しめてなかなか飽きさせない作り。雰囲気で言えば「帝都物語」あたりを思わせるが、映画初主演という市川染五郎と相手役の宮沢りえに華がありいい雰囲気を楽しむことができた。染五郎がスクリーンに向かって見得を切るのは最大の見せ場。宮沢りえも久しぶりに見たけど、いい女になったという印象。

 彼女が鬼になる手順(?)とかがややこしいのでこみ入った物語のように思えるけど、ストーリーを整理すると意外に単純な物語である。さながら歌舞伎のようだ。大きな画面で見たらまた印象も変わるんだろうなぁ。

滝田洋二郎監督。2005年日本映画。

2006年5月31日 (水)

ネバーランド (2004)

ネバーランド 劇作家のバリ(ジョニー・デップ)は新作が不評でスランプ気味。そんな時に公園で遊ぶピーター(フレディ・ハイモア)をはじめとする兄弟に出会って心を引かれる。実は彼らは父を亡くし、ピーターはまわりに心を閉じかけていたのだが… 「ピーターパン」の原作者を主人公に、作品が作られた背景を描いたドラマ。

 派手な内容の「ピーターパン」とはうらはらに「ネバーランド」は地味で落ち着いた作品。「ピーター?」の数々のエピソードの元とかがわかって、ファンには楽しめる内容なんだろうけど総じて今一歩食い足りなかったなあというのが正直なところ。

 とはいっても見せ場は結構用意してある。子供たちを世間に恥ずかしくない大人に育てようとするだけで、本当に理解していない祖母デュ・モーリエ夫人(ジュリー・クリスティ)や、社交界への足がかりばかり求めてバリとそりが合わない妻メアリー(ラダ・ミッチェル)とかはとてもわかりやすく描かれている。まわりの目を気にせず、信じた道を進むバリも象徴的。彼が一見無感動に見えるところがまた説得力があって良い。

 結局、ネバーランドへ行ける人間、行けない人間ってのに登場人物が色分けできるのがミソだろうね。ところで最近チョイ役が多いダスティン・ホフマンって今回も友情出演?

マーク・フォースター監督。2004年イギリス=アメリカ合作。

2006年5月30日 (火)

ピノッキオ (2002)

no jacket image 青い妖精(ニコレッタ・ブラッキ)が放った蝶がとまった丸太は生き物のように町の中を転がり回り悪戯をする。やがて丸太はジェペット爺さん(カルロ・ジュフレ)の家に転がり込み、ジェペットは丸太からあやつり人形ピノッキオ(ロベルト・ベニーニ)を作るのだが… 有名な童話を発祥の地イタリアで映画化。

 監督のロベルト・ベニーニ自身がピノッキオを演じるというわけで、いわゆる中年のおっさんのピノッキオである。演劇の世界ではこういうのもありだろうけど、元来が写実的でアップも多用される映画としては違和感がいっぱい。この雰囲気に慣れるのにちょっと時間がかかった。

 逆にすんなりと受け入れることができたのが、コオロギのパルランテ。これまたおっさんが頭にヒゲをつけてるだけなんだけど、いかにもコオロギである。「チャーリーとチョコレート工場」のウンパ・ルンパかと思ったけど、よく見ると別人でした。うさんくさいネコとキツネもいい味を出している。

 しかしこのピノッキオって人形、とんでもなくだらしない。まさに男の子そのもので、憎たらしいけど憎めない不思議な存在である。

ロベルト・ベニーニ監督。2002年イタリア映画。

2006年5月29日 (月)

初恋のきた道 (1999)

初恋のきた道 ルオ・ユーシェン(スン・ホンレイ)は突然の父の訃報に故郷の村へ帰る。年老いた母チャオ(チャオ・ディ)は、町から村まで父の棺をみんなでかついで帰ってほしいとか、棺を包む布を織るので壊れた機織り機をなおしてほしいとかガンコに言い放つ。舞台は40年前… 教師としてやってきた父(チョン・ハオ)に18歳だった母(チャン・ツィイー)は一目惚れ。差し入れの料理を使って彼の気をひこうとするのだが…

 こういう名作がたまに何の前ぶれもなく転がっているから、映画見るのはやめられないですね。現代をモノクロに、過去の思い出をカラーでというのはありがちな構成ですが、これだけ効果を上げているのも珍しい。今も昔も結構わがままな母チャオですが、ストーリーをひととおり見たあとだと許してしまえるのが面白いというか映画の魔力。

 だいたい冷たい存在として描かれることの多い保守的な村の人々ですが、この映画では妙に温かい。村で初めてという自由恋愛(笑)をせっせと応援するんですね。なんか中国ってええなぁという気分にさせられる。チャオがキノコ餃子を持って走るシーンはじーんときた。こっちも応援したくなる。文句なく名場面だと思う。目の不自由なおばあちゃんの存在も大きい。母と娘の理想の関係かな。

 うーむ、キノコ好きのoga.としてはどうしても食べてみたいぞ、チャオの作ったキノコ餃子。

チャン・イーモウ監督。1999年アメリカ=中国合作。

2006年5月26日 (金)

天空の草原のナンサ (2005)

no jacket image モンゴルの遊牧民の娘ナンサ(ナンサル・バットチュルーン)は学校から久しぶりに家に帰ってくる。母親(バヤンドラム・ダラムダッディ・バットチュルーン)に燃料になる牛のフンを拾ってくることをたのまれたナンサは、ふと立ち寄った洞窟の中で犬を拾う。連れて帰ってツォーホルと名付けて飼おうとするのだが父親(ウルジンドルジ・バットチュルーン)に反対される。こっそり犬を飼い始めるナンサだったが…

 ひねりも何もないストーリー。映像もすっごく古典的で、現代の映画とは思えない。でもほのぼのとした味のある映画。キャストの名前を見ているとみんな同じ名字なので、5人家族はたぶん本当の家族なんでしょうね。

 遊牧民の暮らしを疑似体験できるってのが大きいです。ラストに登場する選挙カーも象徴的。政治や西洋社会と一番遠いところに彼らが住んでいるのがよくわかる。英語のタイトルはTHE CAVE OF THE YELLOW DOGというそうですが、この邦題では途中に挿入される黄色い犬のエピソードが重要だってことがわかんないです。

ビャンバスレン・ダヴァー監督。2005年ドイツ映画。

2006年5月25日 (木)

トーク・トゥ・ハー (2002)

トーク・トゥ・ハー バレリーナのアリシア(レオノール・ワトリング)は事故で昏睡状態を4年続けている。彼女に話しかけながら献身的に看護するのは看護士のベニグノ(ハビエル・カマラ)だが、実は元気だった頃の彼女への片思いから看護を引き受けたという過去がある。そんなある日、女性闘牛士のリディア(ロサリオ・フローレス)が牛に突かれて昏睡状態になり、同じ病院へ運び込まれる。着いてきた恋人のマルコ(ダリオ・グランディネッティ)はベニグノとうち解けるのだが…

 ずいぶん久しぶりに見たアルモドバル監督の新作。導入部からして普通の映画やんって思ったんだけど、10分でその感想はひっくり返ってしまった。さすがアブノーマルを描いて天下一品のアルモドバル。

 昏睡状態の母親を介護していたからか、昏睡状態の女性しか愛せなくなってしまったベニグノの物語なんだけど、彼に対する眼差しが優しいのがこの映画の特長。アリシアの立場からすれば、知らない間に恋人のような立場にされて至って迷惑な話なんだけど(しかも後半は…)、ベニグノの気持ちがちゃんとこちらに伝わってくるのがこの映画のキモかも。彼の悲劇の物語のようでもあるけど、4年間アリシアと連れ添えたのとマルコに出会えたのがせめてもの救い。逆にどん底でこれからどうやって立ち直るんだろうかと心配させられるのはマルコの方だ。

 アリシアを演じるレオノール・ワトリングってのは本当に綺麗な女優さん。特に冒頭で裸の上にシーツをかけられるシーンとかは、彼女の体重のすべてが感じられて思わずはっとさせられた。寝ているシーンだけが美しいのかと思いきや、起きているシーンもとんでもなく美しい。笑顔もいい。別の作品が見たくなってきた。

 ところで劇中に登場する「縮みゆく恋人」ってサイレント映画は本当に実在するの? 実在するなら、これこそカルト映画の1本に数えられるかもしれない。通して見たいぞ。

ペドロ・アルモドバル監督。2002年スペイン映画。

2006年5月24日 (水)

老人と海 (1958)

no jacket image 年老いた漁師の老人(スペンサー・トレイシー)はもう80日以上も獲物が釣れない日々が続いている。彼の世話は老人を慕う少年(フェリッペ・パゾス)がしているが、一緒に船に乗ることは拒んでいる。やがて沖合に出た老人の釣り糸に、見たこともないような巨大なカジキマグロがかかる。

 有名なヘミングウェイの原作を男を描いたら抜群のジョン・スタージェスが映画化。ほとんどスペンサー・トレイシーのひとり舞台なんだけど、彼の独白がまるで詩を朗読しているかのような良い雰囲気。いかにも合成とわかるカジキマグロとの死闘シーンも、クラシカルな魅力がいっぱいで楽しむことができた。

 苦労して手に入れても自分の手元にはほとんど残らないってのは、人間社会の不変のテーマですね。カジキの骨を見てみんなが驚き噂するシーンに、老人の戦いはムダではなかったんだなぁとホっと胸をなで下ろしました。

ジョン・スタージェス監督。1958年アメリカ映画。

2006年5月23日 (火)

シン・シティ (2005)

シン・シティ 刑事ハーディガン(ブルース・ウィリス)は議員の息子の変質者から少女を救うが、同僚にはめられて刑務所へ。8年後に出所した彼は、助けた娘ナンシー(ジェシカ・アルバ)に危機が迫っていることを知る。他に殺された娼婦の復讐に立ち上がるマーヴ(ミッキー・ローク)や、娼婦と警官のトラブルに巻き込まれるドワイト(クライヴ・オーウェン)のエピソードをオムニバスで描いたバイオレンス映画。

 この映画を「面白い」と絶賛したらけしからんと批判されそうだけど、それでもやっぱり面白い。まさにタランティーノとフランク・ミラー、ロバート・ロドリゲスの世界。というわけで、ダメな方には徹底的に受け入れがたい映画だと思う。

 コントラストのきついモノクロにパートカラーをかぶせた画面はまさにアメコミ、あるいは新聞マンガそのもの。だから登場人物が切り刻まれようと、顔面スケートがあろうとマンガの中の世界と割り切って見られる趣向。よくできていると思います。

 登場キャラクターもみんな生き生きとアメコミキャラを演じていて良いです。出色はすごいメイクで大暴れのミッキー・ロークかな。クレジットが流れるまで誰かわからんかったぞ。しかもキャラは「ヘルボーイ」あたりとかぶる。

 もうひとりかっこいいのが「デヴォン青木」。殺人兵器ミホは別映画で主役をはってもいいと思う。クライヴ・オーウォンのドワイトは若い頃のウォーレン・ベイティを思わせます。ブルース・ウィリスは近年まれに見るかっこ良さ。イライジャ・ウッドのキモい変質者ぶりもハジけた。

フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス監督。クエンティン・タランティーノ・スペシャルゲスト監督。2005年アメリカ映画。

2006年5月22日 (月)

メッセージ・イン・ア・ボトル (1999)

no jacket image 新聞社でライターをしているテリーサ(ロバート・ライト・ペン)は海岸でメッセージの入ったビンを拾う。中には夫から亡き妻へあてたメッセージが。書いたのはギャレット(ケビン・コスナー)という男だということを突き止めた彼女は、取材のためにノースカロライナの田舎町へ行くのだが…

 海に流したボトルをきっかけに知り合った男女が恋愛感情を持ち…というドラマなんだけど、一番面白かったのはケビン・コスナーとポール・ニューマンが演じる凸凹親子。元不良で慣らしたニューマンが演じるガンコ親父(爺さん)だけに、ツボを得たおかしさとじんわりくる味が感じられる。それに比べると、ロバート・ライト・ペンの恋愛ドラマはなんか脇にまわってしまってるような気がする。

 アメリカの漁師町というシチュエーションも良いです。ただし惜しいのはラストのオチ。感慨も感動も何も残らずに、何かむなしさだけを感じてしまうのはなんでだろう。

ルイス・マンドーキ監督。1999年アメリカ映画。

2006年5月19日 (金)

エリザベスタウン (2005)

エリザベスタウン ドリュー(オーランド・ブルーム)は靴のデザイナーだが、新製品のスニーカーが大失敗して会社が傾くほどの損失を与えてしまう。当然社長(アレック・ボールドウィン)に呼び出されて会社はクビ。恋人にもふられて失意のどん底の中で自殺を考えていたところ、突然の父の訃報が届く。母ホリー(スーザン・サランドン)らの頼みにより葬式に出席するためにケンタッキーのエリザベスタウンへ向かうのだが、途中で彼はフライト・アテンダントのクレア(キルスティン・ダンスト)と出会う…

 とんでもない大失敗をして、お腹の中に重い石を飲み込んだ状態の主人公があまりなじみのない(両親は離婚している)父親とその友人たちを訪ねる物語。お腹にしょってる石のことを考えるとなんとも重苦しい気分になるんだけど、キルスティン・ダンストン扮するクレアと、その他エリザベスタウンの住人たちが彼を癒していく。なんでクレアがドリューにおせっかいをやくのかがイマイチよくわからんのだけど、彼女の行動って意外と的を外していない。まぁ傷ついた男にとって理想の女性を描いた映画ってことかも。

 後半はクレアと母親役のスーザン・サランドンが場をさらっちゃうんだけど、本当にドリューを救ったのは自殺寸前に死んじゃった父親かもしれないね。

キャメロン・クロウ監督。2005年アメリカ映画。

2006年5月18日 (木)

コール (2002)

コール ポートランドで少女アビー(ダコタ・ファニング)が誘拐される事件が起こり、間もなく母親のカレン(シャーリーズ・セロン)、麻酔医の夫ウィル(スチュアート・タウンゼント)も別々に監禁されてしまう。犯人のひとりジョー(ケヴィン・ベーコン)はカレンに30分ごとの連絡を怠ると娘の命はないと告げ、身代金の準備を迫る。ところがアビーは重度のぜんそくだった…

 周到に用意された誘拐計画を描いたグレッグ・アイルズの原作を映画化。犯罪サスペンスとしてなかなか面白いが、やっぱ一番の見どころはシャーリーズ・セロンとダコタ・ファニングが母娘役で共演していること。この二人をながめているだけでも2時間持ちそう。

 完璧と思われた犯罪計画が崩れていくスリルは面白いんだけど、医療ミスをからめたあたりはちょっと欲張りすぎというか焦点がずれてきた感じ。まぁ犯罪の裏には理由があるもんだから、単純な勧善懲悪物語になっていないのは良いのかもしれないが、あと味があんまり良くないのは確かです。

ルイス・マンドーキ監督。2002年アメリカ映画。

2006年5月17日 (水)

パーフェクト・カップル (1998)

no jacket image 南部の州知事のジャック・スタントン(ジョン・トラボルタ)は大統領予備選挙に立候補する。ところが対立候補のビッカーは切れ者で、スタントンの陣営もリビー(キャシー・ベイツ)、リチャード(ビリー・ボブ・ソーントン)といった精鋭のスタッフを用意するのだが…

 タイトルからしてラブストーリーかといえば、さにあらず。大統領予備選の物語で、どう考えてもパーフェクトでないカップル(奥さんはエマ・トンプソン)を茶化して付けたとしか思えない邦題。2時間半の長尺の中でえんえんと支持率を追いかける彼らの一挙一動が描かれるんだけど、数字ばかり追いかけて相手のスキャンダルの暴露合戦ははたから見ているとイライラすることこの上ない。

 欧米は進んでると言われるけど、選挙戦も進むと有権者をほったらかしてこういうことになっちゃうんでしょうね。なんか、有権者よもっと怒れという映画に思えたぞ。ちょっと前に見た「ワグ・ザ・ドッグ」をややソフトにしたような内容だ。

マイク・ニコルズ監督。1998年アメリカ映画。

2006年5月16日 (火)

茶の味 (2003)

茶の味 高校生春野一(佐藤貴広)の悩みは、好きな女の子が転校していったこと。そして妹の幸子(坂野真弥)の悩みは、巨大な自分がつきまとって離れないこと… どこにでもありそうな田舎町の春野家を舞台に、それぞれの悩み(?)をシュールに描いた脱力系コメディ。

 冒頭からして頭の中を機関車が突き抜けたり、巨大な女の子が妖怪百物語みたいに登場したりとぶっとんだ絵が続くのだがコレが違和感なく見られてしまうとっても不思議な映画。それぞれの悩みといったストーリーを束ねただけなんだけど、そのひとつひとつが良くできた短編映画のようで見どころがあってまた心地よい。

 主役は一クンだろうけど、転校生の女の子(土屋アンナ)がやってきたらぴょこっと鞍替えしてしまうのに笑った。でも雨降りのエピソードなんか、頑張ったという感じでいい味出してます。あとはやくざのウンコと、大きなひまわりが印象に残った。田舎町なのにどうしてアニメスタジオやスタジオなどのマスコミとつながっているのかなってのは少し不思議。

 おじいちゃんの我修院達也って何者? 歌に芸にすごいパワー。伯父の浅野忠信、母の手塚理美、父の三浦友和をはじめ、ほんのちょっとした役で有名人がずら?っと出ている(中嶋朋子、庵野秀明、草薙剛、野村佑香、田中星児、和久井映見、などなど)のも注目です。

石井克人監督。2003年日本映画。

2006年5月14日 (日)

JSA (2000)

JSA 朝鮮半島の南北を分断する38度線上にあるJSA(共同警備区域)で乱射事件が発生。南北の兵士2人が死亡するが、生き残った兵士たち(ソン・ガンホ、イ・ビョンエ)の証言は微妙に食い違う。事件を収拾するために、中立国スイスの女性将校(イ・ヨンエ)が捜査に当たるのだが…

 これまた大ヒットした韓国映画だが、「シュリ」のようなロマンスではなく男臭い前線でのサスペンス。唯一美人将校のイ・ヨンエが華を添えるのが今風だが、映画のトーンからするとやや浮いた印象。もうちょっとマッチョ系女優(?)の方が良かったかも。

 滑り出しからして「何だ!何だ?」とものものしい展開に状況がわからず戸惑ったが、中盤の4人の友情物語になっていくあたりから物語に没頭して見てしまった。敵対する兵士の友情ものってのは他でも見たような気がするが、これは双方にすり込まれた生活習慣や考え方の違いにまで迫っていて深い。それだけに悲しい結末は胸に迫ります。

 時間が前後して描かれるので、日付に注意して見るのがわからなくならないコツ。あと韓国映画全般に言えるのだけど、名前が覚えにくいのできっちりおさえていった方が良いです。誰が北で誰が南かも、注意しましょう。私は混乱して序盤を2回見てしまった。

パク・チャヌク監督。2000年韓国映画。

2006年5月12日 (金)

インストール (2005)

インストール 高校生の朝子(上戸彩)は平凡な毎日に嫌気が差して、突然部屋中の家具を捨て登校拒否に陥る。ゴミ捨て場に寝っ転がっているところで出会った小学生のかずよし(神木隆之介)は、捨てたパソコンを欲しいという。再インストールしたら使えることを知った朝子はかずよしの部屋へ行き、自分を変えるためにネットのエロチャットに手を染めるのだが…

 最年少で芥川賞を受賞した綿矢りさのデビュー作を映画化。こういった映画ってのは、神経質な主人公でこむつかしい内容になりがちなのを、主演の上戸と神木がなんともドライで面白い物語に仕上げているのが印象的。

 大人の視線から見ると、なんで学校さぼってエロチャットにはまることが人生変えるんだろうって気がしなくもないんだけど、本を読みあさっても人生が変わると昔から言われているんだから、こういうのもアリだと思う。

 上戸彩ってのは可愛いだけかと思ってたら、この映画を見てると意外と奥が深い。案外30代くらいになってから面白い女優さんじゃないかと思う。神木は「妖怪大戦争」で「うぉ?」と叫びまくってる姿しか知らなかったんだけど、これまたタダモノじゃない予感が…

 見終わってから、スキャットのような主題歌(?)が耳に残ります。

片岡K監督。2005年日本映画。

2006年5月11日 (木)

レ・ミゼラブル (1998)

レ・ミゼラブル 19世紀のフランス、パンを盗んだことから19年間牢獄に入っていたジャン・バルジャン(リーアム・ニーソン)は仮出獄を果たす。ところがさらに盗みをはたらいたところをかばってくれた司教に影響され改心を決意したジャンは、9年後には実業家とヴィゴーの市長として成功をおさめる。ところが警察署長ジャベール(ジェフリー・ラッシュ)に正体を見破られ、娼婦ファンティーヌ(ユマ・サーマン)に託された少女コゼット(クレア・デーンズ)と共にパリへ逃れるのだが…

 文豪ヴィクトル・ユーゴーの名作を映画化。何回も何回も映画になっているようだけど、見るのはこれが初めて。原作を読んでなくてもかなり長い物語を短縮したのがわかる。たぶんパンを盗むエピソードとかも原作にはあるんだろうな、と想像される。

 リーアム・ニーソンのジャン・バルジャンが悪人に見えないのがミソ。どう見ても彼は人徳者で、それだけに感情移入して安心して見ることができる。逆にジェフリー・ラッシュの底意地の悪さもなかなかのもので、すっごくわかりやすい勧善懲悪の物語になっているような気がする。ユマ・サーマンの汚れ役や、ほんの子役から後半のヒロインになっていくコゼットなど大河ドラマの見せ所はたっぷり。

 ただしひとつだけ納得いかなかったのは、ラストのどっぼんのシーン。超しつこいジャベールが、なんでああなるのかがわからんかったぞ。

ビレ・アウグスト監督。1998年アメリカ=デンマーク合作。

2006年5月10日 (水)

最終絶叫計画 (2000)

no jacket image ハロウィンの夜に女子学生が殺される。小さな町にはマスコミが押しかけて大騒ぎに。実はシンディ、パフィら6人の学生には、1年前に起こした人には絶対に言えない事件があった…

 とまあストーリーはあって無いがごときのパロディ映画。おかずにされるのは、パッケージからもわかるように「スクリーム」をはじめとする昨今のホラー映画なんだけど…ごめん、笑えなかった。一言で言うなら「最低」。

 とにかく最初から最後まで下ネタのオンパレードで、ひきつり笑いしかできない。それでも楽しめるなら評価も上がるんだろうけど、これまた全然笑えなかったのでかなりしんどい1時間半でありました。まぁ「スクリーム」も「ラストサマー」も見てないから、しゃーないと言えばしゃーないのかも。自分はホラー映画をほとんど見てないことを実感しました。

 子供と一緒に見るのだけはやめましょう。良識派の方は、3分見ただけで激怒するかも。この映画に引き続いて見た文芸映画が、妙に落ち着いて見られました。

キーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ監督。2000年アメリカ映画。

2006年5月 9日 (火)

仮面ライダー THE FIRST (2005)

仮面ライダー THE FIRST 大学院生で、雪の結晶の研究をする本郷猛(黄川田将也)はショッカーと名乗る賊に連れ去られ、改造人間にされてしまう。取材で知り合った緑川あすか(小嶺麗奈)は怪人に婚約者を殺され、本郷のせいだと思いこむのだが、そこに婚約者にうり二つの一文字隼人(高野八誠)が現れる…

 ヒーローもののロングセラーである「仮面ライダー」の第1作の原作を元にしたという映画。そういえば石ノ森章太郎の原作では変身シーンは仮面をかぶるだけだったなぁとか、妙に硬派だったのを思い出した。

 原作に完全に忠実…ではないらしいのだが、かなり年齢層高めに作られた仮面ライダー第1作・第2作のアナザー版。1号ライダーと2号ライダーが三角関係にあり、さらに若い悲恋カップルが改造人間にされる話が平行して進んだりとちょっと頭を冷やして見るととんでもない内容なんだけど、意外としっくりまとまっていて楽しめる映画になっている。必殺技を無言で決めるライダーってのもリアルでいい。アクションシーンも、香港映画のようで迫力がある。

 すでに故人である天本英世(デジタル出演)というのがいいですね。仮面ライダー THE SECONDはできるのかな?

長石多可男監督。2005年日本映画。

2006年5月 7日 (日)

映画ドラえもん のび太と雲の王国 (1992)

no jacket image 天国の存在を信じるのび太(声:小原乃梨子)は学校で笑いものになる。可愛そうに思ったドラえもん(大山のぶ代)は、ヒミツのポケットから雲がためガスや雲のロボットなどを出して本当に雲の上にお城を作り上げてしまう。しずかちゃん(野村道子)やスネ夫(肝付兼太)、ジャイアン(たてかべ和也)らと王国作りに熱中する彼らだったが、実は天上人は実在した…

 一番良く映画を見ていた頃に、映画館でしょっちゅう凝った予告編が流れていた「映画ドラえもん」の1本を初めて鑑賞。なるほど、これは面白いし最後までアンコがぎっしり詰まっていて楽しめる。エコロジー映画の一種だとは思うが、妙に説教臭くならずに見ることができる。王国づくりのわくわく感からはじまって、天上人につかまるスリル。ドラえもんが故障してのび太がひとりで頑張ったり、まぎれこんだ密猟者たちの暴走とか映画的な見せ場がいっぱい。

 劇場版第13作だそうだが、おそらく前作に登場したであろうキャラクターが重要な役割を持っているのも見逃せない。ずっと順番に見ていけば、もっと楽しめるんだろうな。

芝山努監督。1992年日本映画。

2006年5月 5日 (金)

猟奇的な彼女 (2001)

猟奇的な彼女 大学生のキョヌ(チャ・テヒョン)は電車の中で泥酔状態の彼女(チョン・ジヒョン)を介抱するが、成り行きでホテルへ連れて行ったことが誤解を生み留置所で一晩を過ごす羽目に。気の弱いキョヌは、翌日からも豪快な性格の彼女にふりまわされることになるのだが。大ヒットした韓国製ラブストーリー。

 この映画のチョン・ジヒョンって、プリティ・ウーマンのジュリア・ロバーツみたいなもんじゃないかなぁって最近になって思う。だってその後の彼女の映画って、どうしてもこの映画を越えられなくてちょっと苦しんでいるような気さえするのである。それだけに本当に彼女が魅力的に撮れてる映画だし、面白い。

 ところでドリームワークスのリメイク権ってどうなったんだろう? ハリウッドでこの役をやれる役者さんってのがちょっと想像つかない。

クァク・ジェヨン監督。2001年韓国映画。

2006年5月 3日 (水)

男たちの大和 YAMATO (2005)

男たちの大和 九州の枕崎の漁港。内田真貴子(鈴木京香)は戦艦大和の沈んでいる地点へ連れて行ってくれる漁船を探すが、ことごとく断られる。実は彼の育ての父(中村獅童)は大和の乗組員の生き残りで、最近亡くなったという。たのみを聞き入れたのは同じく元乗組員の神尾克己(仲代達矢)だった。彼は内田の名前を聞き、当時の思い出を語り始める…

 戦後60周年記念大作で、角川春樹プロデューサーの復帰作。出演者は他に反町隆史、松山ケンイチ、蒼井優、渡哲也、奥田瑛二、余貴美子、渡辺大といったそうそうたる顔ぶれで、実物大の大和のセット建設と大量宣伝など話題づくりは元気だった頃の角川映画を思わせる。

 佐藤純彌が監督・脚本をしてるだけあり、すべり出しの雰囲気は東映のセミドキュメンタリーに近い。実際の漁港や本物の墓を訪ねながらロケを拾っていったという感じで、いちいち字幕が入るのが親切なんだけどちょっと苦笑もの。

 現代と当時を交差させる作りはタイタニックを意識したんかな。でももう戦後60年も経つので、こういった作り方ができるのは時間的に苦しくなってきていると思う。ある意味最後のチャンスだったのかも。

 戦闘シーンは大迫力。すべてSFXかというと、当時のドキュメント映像を交えて重みをつけたり、「負けて勝つ」といった上官のコメントが感動的だったり、お涙頂戴のシーンがあったり、良くも悪くもごった煮状態。でもそれが悪くない。最後の田んぼのシーンなんて率直に感動できた。いい映画だと思う。

佐藤純彌監督。2005年日本映画。

2006年5月 2日 (火)

リトル・ヴォイス (1998)

no jacket image 派手好きな母マリー(ブレンダ・ブレシン)と暮らすLV(ジェーン・ホロックス)は屋根裏にこもって、亡き父がコレクションしたレコードばかりを聴いている内気な女の子。電話工事に来たビリー(ユアン・マクレガー)は彼女に声をかけるがこちらも伝書鳩が趣味の口べたな青年で、うまくいかない。ある日マリーは自称プロモーターのレイ・セイ(マイケル・ケイン)を家へ連れてくる。レイはLVが天性の歌声を持っていることに気がつくのだが…

 イギリス映画の持っている良いところをいっぱい集めたような人情喜劇、と言いたいところだけど、必ずしも完璧なハッピーエンドと言い切れないところがこれまたイギリス映画っぽい。

 大ヒットミュージカルの映画化らしく、ジェーン・ホロックスが歌うシーンがふんだんにあるがこれがなかなか見せてくれる、聴かせてくれる。彼女の前に幻となって現れる、優しそうな父親がこれまた良いのだ。対するユアン・マクレガーもスター・ウォーズでブレイクする前年の出演で、なんとも初々しい。彼女のことを「鳩のようにうまくいかないや」とぼやくあたりは爆笑させられた。

マーク・ハーマン監督。1998年イギリス映画。

2006年5月 1日 (月)

菊次郎の夏 (1999)

菊次郎の夏 正男(関口雄介)は祖母(吉行和子)と暮らす小学3年生。夏休みにどこへも行く予定がないことから、遠くに暮らす母に一人で会いに行くことを決意する。さすがにそれでは心配と近所に住むおじさん(ビートたけし)が旅に同行することになるのだが…

 どこにでもいそうな少年と、できの悪いおじさんとが旅をするというロードムービー。ストーリーそっちのけで、旅の途中に出会う人たち(細川ふみえ、麿赤兒、グレート義太夫、井手らっきょ)たちとのコントやエピソードを中心に描かれる。

 主人公の正男クンが、美少年でもイケメンでも何でもない、どちらかというと全然可愛くない少年ってのがポイント。それだからこそこの映画に味がある。見ていてジーンとくるものがある。おじさんの名前を最後まで「菊次郎」と明かさないところも面白い。たぶんこのおじさんが菊次郎だろうけど、ひょっとしたら違うのかな、なんて心にひっかかるのも計算のうちか?

 しかし登場するたけし軍団のメンバーたちは、たけしに行き当たりばったりにいろんなコトをさせられてるような気がしてならなかった。行き当たりばったりでちゃんと映画にまとめることができるってのも、案外すごいことかもしれない。

北野武監督。1999年日本映画。

2006年4月28日 (金)

ピンポン (2002)

ピンポン ペコ(窪塚洋介)とスマイル(ARATA)は片瀬高校卓球部に所属する幼なじみだが性格は正反対。喜怒哀楽が激しいペコと、感情の起伏がなく笑わないからそのあだ名がついたスマイルだが、二人に共通なのは卓球はうまいが練習にほとんど参加しないこと。ところがチャイナ(サム・リー)とドラゴン(中村獅童)という強烈なライバルの出現に、ペコはおばば(夏木マリ)の、スマイルは小泉(竹中直人)のコーチを受けることになる。

 導入部分がすっごくもたついて、コレはだめだぁと思ったのもつかの間、尻上がりに面白くなっていくある意味とっても映画的(テレビだとチャンネル回されてしまうかも)な映画。登場人物が、コミック(というか劇画)的なキャラクターばかり。なんだけど無味乾燥というわけではなく、なかなか愛すべく奴らなのがご愛敬。特にひょうひょうとした窪塚洋介なんて、完全にコミックの中の人になりきっている感じ。

 夏木マリのおばばが強烈です。最初に登場した時は、久本雅美かと思った。中村獅童のドラゴンは、ビジュアル的にもこんな高校生いたら絶対にこあい!!

曽利文彦監督。2002年日本映画。

2006年4月27日 (木)

13デイズ (2000)

no jacket image 1962年、カストロ政権下のキューバの写真撮影を行った米軍の偵察機は、核弾頭を積んだソビエトのミサイルが配備されつつあるのを発見する。分析によると、射程距離はアメリカの主要都市におよぶという。発射の態勢が整うまでに時間がない。ホワイトハウスはあらゆる外交手段を通じて最悪のシナリオ(全面核戦争)を阻止しようとするのだが…

 いわゆるキューバー危機の13日間を描いたポリティカル・サスペンス。おもな舞台はホワイトハウスとその周辺だけなんだけど、圧倒的なスケールで楽しませてくれる。最近日本で公開された「亡国のイージス」なんかと比べても、こっちの方が断然面白い。

 何と言ってもテーマが良い。ケネディをたたえるとか、ケヴィン・コスナーの大統領補佐官がどうのとか言うよりも、こういう状況では空爆したくなるという人間の本能的欲求をぐっとおさえて戦争回避を実現したという部分に感動を覚える。ゲンコツをふりおろさなかった人のほうが偉いのだ。

 真実はどうかは知らないけど、まったく姿を見せないクレムリンやフルシチョフにも戦争を避けたいという共通の意識が感じられたのも良い。ハイテクがなかった時代だけに、情報がうまく伝わらないもどかしさもひしひしと感じることができる。

 この映画がアメリカの宣伝映画というのは違うような気がする。現に最近のアメリカは、戦争を回避できていない。

ロジャー・ドナルドソン監督。2000年アメリカ映画。

2006年4月26日 (水)

夏至 (2000)

no jacket image ハイ(ゴー・クアン・ハイ)とリエン(トラン・ヌー・イェン・ケー)は、恋人同士にも見える仲の良い兄妹で、一緒に暮らしている。母の法事で、結婚した姉スオン(グエン・ニュー・クイン)とカイン(レ・カイン)も集まってくる。ところがカインの夫で写真家のキエン(チャン・マイン・クオン)が、母が愛したのは父ではなく初恋の人トアン(ホアン・ラム・トゥン)だったのではないかと言い出したことから一族に不協和音が起こり始める…

 日本では見ることが難しい貴重なベトナム映画の1本。登場する姉妹はみんな美人でスタイルが良く、いわゆる美男美女の物語である意味少女漫画のような雰囲気。にもかかわらず、全体的にエロティックな雰囲気を感じてしまうのが不思議である。

 いわゆるドミノを倒すかのように、調和が取れていた世界がひとつ崩れると連鎖していく様子を描いたメロドラマ。こういうテーマって世界中どこへ行っても不変なのかも。

 主人公は兄妹のハイとリエンなんだけど、この二人の雰囲気がどう見ても恋人同士。このあたりの危うさをオブラートで包んだかのように描くのも、ベトナム的な目で見ると結構ショッキングなことなのかも。突き放したかのようなラストにちょっと肩すかしをくらったような気にはなりましたが。

トラン・アン・ユン監督。2000年フランス=ベトナム合作。

2006年4月25日 (火)

ウワサの真相 ワグ・ザ・ドッグ (1997)

no jacket image アメリカ大統領がホワイトハウスを見学に来たガールスカウトの少女を別室に連れ込むというスキャンダルが発生。事件をもみ消すためにブリーン(ロバート・デ・ニーロ)が指名され、ブリーンはハリウッド・プロデューサーのモッツ(ダスティン・ホフマン)を雇い架空の戦争をでっち上げることになる。かくしてマスコミを巻き込んでの一大サル芝居が開始された…

 クリントン大統領のスキャンダルと前後して公開されて話題になった作品。そういえば湾岸戦争やアフガン攻撃ともかぶる、なんともタイムリーで面白い内容。

 くわせものを演じたら右に出る者のいない、ロバート・デ・ニーロとダスティン・ホフマンがひょうひょうと世間をけむに巻く情報ペテン師を演じているのが、けしからんと思いつつも楽しめる。アーティストに歌を作らせて世論を盛り上げたり、英雄兵士の救出をねつ造したりとやりたい放題なんだけど、案外世論の裏側ってこんなモノかもしれないな、なんて気分にさせられるからコワイ。

 でもこの映画自体が情報操作で、マスコミの報道は全部嘘っぱちだよ、なんて先入観を大衆に植え付けようとしている、とも取れるような気がしてきた。何が真実か判断するのは、難しいです。

バリー・レヴィンソン監督。1997年アメリカ映画。

2006年4月24日 (月)

サイン (2002)

no jacket image 不慮の事故で妻を亡くした元牧師のグラハム(メル・ギブソン)は神を信じられなくなり、農夫として二人の子供(ホアキン・フェニックス、ロリー・カルキン)と暮らしている。ところが農場に突然ミステリー・サークルが出現する。その意味を調べようとするグラハムだったが…

 ノリにのったM・ナイト・シャマラン監督の話題作。この映画に対する予備知識はミステリー・サークルが出現するということしかなく、どっちへ転ぶかわからない映画だったんだけど…まさか宇宙人出現ものだったとは。

 こじんまりとまとまっているのが物足りなさもなくもないのですが、宇宙人の襲来や世界の破滅なんてものは、情報が分断された片田舎で見たらこういったスケールの小さなものになるだろうなってことで、かえってリアリティを感じてしまいました。

 ラストの子供が襲われるエピソードは確かに印象的。宇宙人の顛末は…「宇宙戦争」よりも、「ウルトラQ」のナメゴンを連想して笑ってしまった。それよりも映画全体としては牧師と妻の最後の会話が胸に残ります。あんな死に方はしたくないし、させたくない。

M・ナイト・シャマラン監督。2002年アメリカ映画。

2006年4月23日 (日)

リプリー (1999)

no jacket image 造船王で大富豪のグリーンリーフ(ジェームズ・レブホーン)から、イタリアへ行った放蕩息子のディッキー(ジュード・ロウ)を連れ戻してくれと雇われたトム・リプリー(マット・デイモン)。うまくディッキーの心をつかみ、取り巻きのひとりとなったリプリーだったが、彼はアメリカへ帰るつもりなどさらさらなく、恋人のマージ(グウィネス・パルトロウ)と遊び歩く。やがてある計画を思いついたリプリーだったが…

 とストーリーからわかるように、「太陽がいっぱい」の原作(パトリシア・ハイスミス)を忠実に映画化したという作品。リメイクというよりもこちらの方が原作に近いらしく、「太陽がいっぱい」が映画的な面白さを前面に出して成功しているといえば、「リプリー」はより小説的な内容で人物の心理描写や細かいエピソードを丹念に描いているのが印象的。何せ2時間半もある長い映画だけはある。

 とはいってもこの「太陽がいっぱい」を最初に見たとき(中学生ぐらいだったかな?)に感じた、行き当たりばったりに犯罪を重ねる主人公を見るイライラ感はそのまんま。こんな、証拠を握ったヤツをばっさばっさ殺していたらいつかはつかまるぞ、とoga.は主人公をバカにした目で見てしまうのである。これは次は彼をディッキーだと思いこんでいるメレディス(ケイト・ブランシェット)を殺しちゃうとほのめかした終わり方なのか。リプリーがメレディスを愛している限り、「太陽が?」のラストよりもコチラの方が悲劇なんじゃないかと思ってしまいます。

 美少年(?)ジュード・ロウと、ふつーのお兄さんマット・デイモンの対比が見事。グウィネス・パルトロウがマージってのもマニアックなキャスティングだと思う。

アンソニー・ミンゲラ監督。1999年アメリカ映画。

2006年4月21日 (金)

始皇帝暗殺 (1998)

始皇帝暗殺 紀元前3世紀の戦国時代だった中国。とある暗殺を果たした刺客・荊軻(張豊毅)はその喪失感から、わらじを作って普通の生活をしている。同じ頃、後に秦の始皇帝となる政(李雪健)は中国の統一を目指し、恋人の趙姫(鞏利 コン・リー)は燕国へ攻める口実を作るために燕へ渡り、政に向かって刺客を送るようにけしかける。

 壮大なスケールで送る歴史ドラマ。ほとんどCGを使っていないらしく、巨大な城や合戦シーンが巨大なセットで構成されているとは驚かされる。ややくすんだ色調がレトロな雰囲気を感じさせるが、いかにも古代中国といった雰囲気でストーリーも面白く物語にのめりこんで見てしまった。

 中国の大女優コン・リーの主演で、最初から最後まで息を飲む美しさ。対する始皇帝や荊軻は、何やらレゲエのおじさんのよう(笑)だがこれが当時のいでたちだったのだろう。やたらと綺麗な画面でまとまっていた「HERO 英雄」とは好対照の映画だけど、始皇帝って本当にいろんなエピソードを持ってる人なんだなぁって感心させられます。

チェン・カイコー監督。1998年中国=フランス=アメリカ=日本合作。

2006年4月20日 (木)

海辺の家 (2001)

海辺の家 建築デザイナーのジョージ(ケヴィン・クライン)はロビン(クリスティン・スコット・トーマス)と離婚してひとり暮らし。16歳になる息子のサム(ヘイデン・クリステンセン)は顔中ピアスだらけで大麻にふけり、当然うまくいっていない。仕事をクビになった上に、医者から余命いくばくもないことを宣告されたジョージは、長年の夢だった自分の家を建て直すことを決意する。サムとの溝を埋めようと、彼に強制的に家造りを手伝わせるジョージだったが…

 一言で言うと「拾いもの」。スターウォーズに大抜擢される前のクリステンセンくんですが、屈折した不良少年をピアスいっぱいぶらさげて熱演。隣の母娘が彼をかどわかす(笑)あたりも面白かった。

 男の子がいる父親にとっては、見てるとじ?んと熱くなれることこの上ない良作。息子が年頃になって不良けてきた頃に、こんなにうまく振る舞うことができるんだろうかとちょっと不安にさせられる作品でもありましたが。

アーウィン・ウィンクラー監督。2001年アメリカ映画。

2006年4月19日 (水)

ドラゴンヘッド (2003)

ドラゴンヘッド 新幹線がトンネルの中で事故を起こした。ほとんどの乗客が死亡した中で、修学旅行帰りの青木テル(妻夫木聡)、瀬戸アコ(SAYAKA)、高橋ノブオ(山田孝之)の3人だけが生き残る。ところが暗闇に閉じこめられた中で、ノブオは次第に精神に異常をきたし、脱出したテルとアコの目の前に広がったのは真っ白い世界だった…

 世界の終末を描いた望月峯太郎の同名劇画の映画化。トンネルの中で被災して、何が起こったかわからない閉塞感や恐怖がうまく描かれていて、かなりのめりこんで見てしまった。トンネルを脱出したらこの閉塞感から逃れられると思っていたら、外へ出てさらに閉塞感が増幅するという演出は秀逸。この見ている者にも襲ってくる居心地の悪さからか結構評判の悪い映画なんだけど、個人的には成功していると思う。

 しかしラストシーンなんて、すごい絵柄ですね。続編が作られるとしたら、どんなストーリーになるんだろう。(劇画は何作も続いているらしいですが)

飯田譲治監督。2003年日本映画。

2006年4月16日 (日)

ブルドッグ (2003)

no jacket image ロスの麻薬捜査官ショーン(ヴィン・ディーゼル)は、長年追い求めていた麻薬王ルセロ(ジーノ・シルヴァ)を逮捕することに成功する。ところが喜びもつかの間、ショーンの家が襲撃されて彼は重傷、意識を取り戻すと妻のステイシー(ジャクリーン・オブラドース)は射殺されていた。復讐を誓ったショーンは、最近幅をきかせているという謎の人物ディアブロを追う。

 すっごく平凡なアクション映画。妻を殺された怒りや悲しみ…が、全然伝わってこないところで復讐劇としては終わっている。それになんで邦題が「ブルドッグ」なんだろう。ヴィン・ディーゼルがブルドッグに似てる? 噛みついたらはなさないなんてコピーもついているけど、劇中の彼はそんなスッポンみたいな男には見えない。

 何よりもヴィン・ディーゼルのキャラが全然立ってないところが痛い映画。

F・ゲイリー・グレイ監督。2003年アメリカ映画。

2006年4月14日 (金)

ハンニバル (2001)

ハンニバル あの「羊たちの沈黙」から10年。クラリス(ジュリアン・ムーア)はヴァージニアでFBIの捜査官をしていたが、そこへイタリアのフィレンツェへ逃亡したレクター博士(アンソニー・ホプキンス)から手紙が届く。レクターに恨みを持つ大富豪のメイスン(ゲイリー・オールドマン)は彼女を利用してレクターを捕まえようと企てるのだが。

 待望の続編で、リドリー・スコット監督とくれば期待しないわけにはいかないんだけど、思ったよりもこじんまりとまとまってしまって肩すかしをくってしまった感じ。なんせ印象に残っているのがレイ・リオッタの頭カポカポと内臓べっちょりと豚とくれば、ちょっと寒いぞ。それでもラストを見てたら、レクター博士って本当にクラリスが好きなんだなぁってちょっとだけじ?んときた。説得力薄いんだけど。

 さらにエピローグにあたる飛行機の中のシーンも好きだな。あの飛行機に乗り合わせた子供は、本当にレクター博士のおすそわけを食べたのだろうか?

 ジュリアン・ムーアは悪くはないんだけど、やっぱジョディ・フォスター以外の人がクラリス演じるのは抵抗あります。イメージが相当頭の中でできあがっているんだと思う。

リドリー・スコット監督。2001年アメリカ映画。

2006年4月13日 (木)

羊たちの沈黙 (1990)

羊たちの沈黙 皮をはがれた女性の死体が相次いで発見されるという猟奇連続殺人が発生。FBIの訓練生クラリス(ジョディ・フォスター)は、事件のヒント得るために投獄中の連続殺人犯で精神科医のレクター博士(アンソニー・ホプキンス)を訪ねてアドバイスを求めようとするが…

 トマス・ハリスの原作も含めて大ヒットの末にプロファイリング(犯罪心理分析)のブームまで起こし、あげくに米アカデミー作品賞をはじめ主要部門を総なめしたサイコ・サスペンスの傑作映画。檻の中に立っててもコワいレクター博士の独特の存在感をはじめ、後の映画にずいぶんと影響を与えた作品。

 美少女を殺して皮をはぐヘンタイ凶悪犯とFBIとの戦いというのがメインストーリーなんだけど、ポイントは捜査するのが研修中の美人捜査官であるのとそれに協力するのが凶悪殺人鬼であり投獄中のレクター博士だということ。当然映画はこの二人の協力とも対決とも言える微妙な関係のもとに描かれる。成功の要因はやはりレクターのアブなさ加減に重点を置いたのと、クラリスのインテリなんだけど心に傷を負っているというキャラクターの危うさ。結局、本来は準主役になるはずだった連続殺人の犯人っていったい何だったんだろう?

ジョナサン・デミ監督。1990年アメリカ映画。

2006年4月12日 (水)

ティム・バートンのコープス・ブライド (2005)

コープス・ブライド 没落貴族との政略結婚で、花嫁ビクトリア(声:エミリー・ワトソン)を迎えようとしているビクター(ジョニー・デップ)。式のリハーサルに失敗して落ち込んでいたビクターは、夜中に木の枝を相手に結婚式の練習していたおかげで死体の花嫁(ヘレナ・ボナム・カーター)を蘇らせてしまう。彼女はビクターと結婚したと思いこみ、彼を死者の世界へ連れて行くのだが…

 ティム・バートンの世界がたっぷりと楽しめる人形アニメ。秀逸なのは、半分骨になった不気味な死体の花嫁(コープス・ブライド)のなんとも可愛いこと。花婿を待ちながら死んでしまった思いが彼女をヘンな思いこみへ走らせているんだけど、それは間違ってると思いつつもついつい応援したくなってしまう。久しぶりに「ナイトメアー・ビフォー・クリスマス」のつぎはぎ人形サリーを思い出しました。

 反してビクターをはじめ生者たちは精彩を欠くキャラクターがそろうのが皮肉っぽい。そういや現世は古いロシア映画のようなくすんだ色調だけど、死者の世界はカラフルだ。ビクターがもうちょっと元気あるキャラだった方が感情移入できるかなと思ったけど、ピアノで気持ちを語ったりする繊細さのほうが重要なんでしょう。

ティム・バートン=マイク・ジョンソン共同監督。2005年イギリス映画。

2006年4月11日 (火)

がんばれ!ベアーズ ニューシーズン (2005)

がんばれ!ベアーズ 元メジャーリーガーで今はアル中でねずみ駆除の仕事をしているバターメイカー(ビリー・ボブ・ソーントン)は軽い気持ちで少年野球チーム「ベアーズ」の監督を引き受ける。ところがこれがとんでもない弱小チームで、初試合は大量得点を取られて棄権する羽目に。仕方なく彼は、剛速球を投げるが最近疎遠の娘アマンダ(サミー・ケイン・クラフト)をチームに引き入れるために声をかけるのだが…

 懐かしい「がんばれ!ベアーズ」のリメイク版。70年代の前作はウォルター・マッソー(すでに故人)とテイタム・オニールだったけど、本作では同じく強面のビリー・ボブ・ソーントンが監督というのがぴったりのキャスティング。アマンダは新人らしいけど、なかなかの芸達者でビリー・ボブとぴったりと息のあった親子ぶりを楽しませてくれる。

 ストーリーもほぼ原作どおりで、子供たちのキャラクターを立てた内容は好感が持てる。ただし今見るとかなりありきたりな話で、当時ほどは新鮮味が感じられないのが悲しいところ。トシとったんかな。続編ができるのなら、また日本へも来てほしいですね。

リチャード・リンクレイター監督。2005年アメリカ映画。

2006年4月10日 (月)

ホテル・ハイビスカス (2002)

ホテル・ハイビスカス 沖縄にある「ホテル・ハイビスカス」は客室が一部屋しかなく、とんでもないオンボロ。ここに住む小学生の女の子美恵子は(蔵下穂波)は、いつも寝ている父ちゃん(照屋政雄)、これまた元気のあふれた母ちゃん(余貴美子)、黒人とのハーフでボクサーを目指すケンジにぃにぃ(ネスミス)、白人とのハーフのサチコねぇねぇ(亀島奈津樹)、そしておばぁ(平良とみ)と暮らしている。ある日母ちゃんは、ねぇねぇを率いて彼女の父親にアメリカに会いに行くことになるのだが…

 なんじゃコリャーのびっくりムービー。ちょっと前に見た「ぼくんち」にそっくりなんで、またまたサイバラの原作かと思いきや作者は違うが(仲宗根みいこ)コミックが原作らしい。「ぼくんち」に影響を受けたのかどうかは知らないが、元気のいい女の子が最初から最後まで全開で駆け抜ける沖縄ムービーである。

 行き倒れの男(和田聡宏)がホテルへ転がり込むのと、母ちゃんがアメリカへ行く意外はとりたてて大きなストーリーがあるわけでもないんだけど、美恵子をとりまく小さなエピソードの積み重ねで最後まで飽きずに見られる映画。主演の蔵下穂波がぜ?んぜん可愛くないのがこの映画の魅力ですね。

中江裕司監督。2002年日本映画。

2006年4月 7日 (金)

宮廷料理人ヴァテール (2000)

宮廷料理人ヴァテール 1671年のルイ王朝時代のフランス。かつては王室の重職だったコンデ公の住むシャンティ城に、ルイ14世(ジュリアン・サンズ)が3日間宿泊することになる。かつての信頼を取り戻したいと考えたコンデは、やり手の料理長ヴァテール(ジェラール・ドパルデュー)に3日3晩の宴を取り仕切るように命じる。実在の料理人による伝説の3日間を描いたドラマ。

 他にユマ・サーマンやティム・ロス出演。音楽はエンニオ・モリコーネとそうそうたるスタッフなんだけど、見た感想は「中身ない?」。ストーリー的には3日の宴をえんえんと描いただけで、その中に小粒なエピソードをいっぱい散りばめたスタイル。こりゃたぶん、ルイ王朝時代のフランスに明るければ楽しめる内容なんだろうけど、その方面の知識がなければずいぶんと辛い映画って感じ。

 宮廷料理ってことでどんな凄いものが出てくるのかと思いきや、意外と素朴な料理が多いのにもびっくり。料理番組のようにいちいち料理の解説をしてくれるわけでもありません。このあたりはフランス映画ですね。でもなんでみんな英語でしゃべる??

ローランド・ジョフィ監督。2000年フランス=イギリス合作。

2006年4月 6日 (木)

ワン・ナイト・スタンド (1997)

ワン・ナイト・スタンド CMディレクターのマックス(ウェズリー・スナイプス)は、現在は絶交状態の友人チャーリー(ロバート・ダウニー・Jr)がエイズに感染し余命いくばくもないことを知り、見舞いに訪れる。ところが帰りの飛行機に乗り遅れ、親切にしてくれたカレン(ナスターシャ・キンスキー)と一夜を共にする。1年後、チャーリーの見舞いでカレンと再会するのだが、彼女はチャーリーの兄(カイル・マクラクラン)の妻だった…

 一歩間違えればどろどろした不倫話になるところを、なんともカラっと描いた面白いラブストーリー。ロバート・ダウニーJrはいかにもゲイですって身のこなしで相変わらずうまい。人生はオレンジだって意味不明のことを言いながら、ねじれた関係を修復(?)するってことかな。マックスの妻でアジア系のミミ(ミンナ・ウェン)の存在も外せない。そして衝撃の(笑撃?)ラスト、そんなアホなと思いながらも一本取られた感じ。

 ウェズリー・スナイプスって、アクション系よりもこっちの方が自分の中ではしっくりくる。ナスターシャ・キンスキーって久しぶりに見たけど、「テス」の頃と同じですごい綺麗なのにびっくりした。アメリカ時代の彼女はイマイチだったんだけど、この映画では輝いてますね。

マイク・フィギス監督。1997年アメリカ映画。

2006年4月 5日 (水)

レッド・ドラゴン (2002)

レッド・ドラゴン FBIの捜査官ウィル・グレアム(エドワード・ノートン)は、死闘の末に天才的殺人鬼ハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)を逮捕する。引退して家族との時間を過ごすウィルだったが、そこへ元上司のクロフォード(ハーヴェイ・カイテル)がやって来て連続殺人の捜査を依頼する。行き詰まった彼は獄中のレクターに相談に行くのだが… トマス・ハリス原作で「羊たちの沈黙」の前日談にあたるサイコ・サスペンス。

 後日談の「ハンニバル」を見てからだったんだけど、こちらの方がスプラッタ度は低いものの数段面白い。FBIの捜査と推理を前面に押し出しているストーリーなんだけど、それがよく練られていてラストに向かってどんどん盛り上がっていく感じ。順番的には3作の一番最初なんだけど、後に登場人物の口から語られる物語なんかが映像化されてるので前2作を見てるとより楽しめると思う。

 しかし「羊たちの沈黙」から10年以上経っているのに、前日談が演じられるアンソニー・ホプキンスって一体??

ブレット・ラトナー監督。2002年アメリカ映画。

2006年4月 4日 (火)

エレクトラ (2005)

エレクトラ スティック(テレンス・スタンプ)という盲目の武術の達人によって死から蘇ったエレクトラ(ジェニファー・ガーナー)は、殺し屋として生まれ変わる。休暇中の村でマーク(ゴラン・ヴィシュニック)とアビー(カーステン・プラウト)という父娘と知り合うのだが、次に受けた指令はこの父娘を殺すことだった。任務遂行をためらう彼女だったが…

 女戦士と忍者集団との戦いを描くアクションファンタジー。何の続編なんだろうって見ているうちはずっと疑問だったんだけど、「デア・デビル」で亡くなったヒロイン・エレクトラの後日談、ということでした。なーるほど。キャット・ウーマンに続くヒロイン飛び出しものですね。

 映画自身は香港ものか?と思いたくなるような肉体アクション中心。ジェニファー・ガーナーってヒロインは決して美人ではないと思うんだけど、この世界にぴたっとハマってます。全盛期の志保美悦子みたいです。準主役のアビーが後半化けるのも、ヒロインものを強調していて面白い。

 対する悪役の忍者軍団だけど、あまりにもなさけな過ぎ。キリギ(ウィル・ユン・リー)の背中に書かれた下手っくそな「空」って文字が、私は頭空っぽですって物語っているみたいだったぞ。唯一、ストーン(ボブ・サップ)がショットガンを受けてももろともせず、体からばらばらっと散弾が落ちるシーンだけが爆笑させられたが。

ロブ・ボウマン監督。2005年アメリカ映画。

2006年4月 2日 (日)

エネミー・ライン (2001)

エネミー・ライン 民族紛争が終結しようとしているボスニア。平和維持活動をしている米海軍のパイロット・クリス大尉(オーウェン・ウィルソン)は、偵察飛行中にセルビア人民軍の民間人殺害現場を撮影する。ミサイル攻撃を受け、敵地のど真ん中に不時着したクリスは、脱出をはかるのだったが…

 スカイアクション映画かと思ったらあっさりとハズされた。映画の前半であっけなくF-18は撃墜され、あとは逃げろや逃げろの戦争アクション映画に。単純なストーリーなんだけど、凍った池をはじめ仕掛けがいろいろあって楽しめる映画になっている。スタート地点とゴール地点がほぼ同じ(見えている)というのは、RPGなどにヒントを得た内容かも。

 司令官のレイガート役でジーン・ハックマンが出ています。主演のオーウェン・ウィルソンは知らない顔なんだけど、「アルマゲドン」や「アナコンダ」に脇役で出ているみたいです。

ジョン・ムーア監督。2001年アメリカ映画。

2006年3月31日 (金)

イントゥ・ザ・サン (2005)

イントゥ・ザ・サン 不法滞在の外国人一掃を公約にした都知事候補が何者かに射殺される。事件を重く見たFBIはCIAに協力を要請。ミャンマーのゴールデン・トライアングルで麻薬組織と戦っていた、日本に詳しいエージェントのトラビス(スティーブン・セガール)を東京へ呼び寄せる。

「こいつら、どっから斬っても、極太なり。」というわけわからんコピーと共に公開されたアメリカ製ヤクザ映画。日本というよりもアジアの中の東京という位置づけで、中国マフィアとかが幅をきかせていてセリフも英語と日本語と中国語が入り交じる。でも「スワロウテイル」のようにしっくりいかなく感じるのは、監督の感性がアメリカ人だからだろうね。

 日本側キャストは大沢たかお、豊原功補、寺尾聰、栗山千明、山口佳奈子、伊武雅刀といった気合いの入った顔ぶれ。ストーリーは任侠ものの王道をいく展開で、最後は刀(ドスではないのである)を手に斬り込みが用意されているという念の入れよう。ちょっと趣の違ったヤクザ映画といったところか。

 もちろんロマンスも用意されているのだが、セガールが彼女と指切りをするというのがラブシーンというのは何とも… やくざ映画にエロはつきものだが、この映画にはエロがまったくない。そして最後に怒ったセガールが、犯人をなます切りにするところもエグいぞ。セガールの日本語も、頑張ってて悪いんだけど笑える。「タタッキッテヤル」なんてたどたどしく言われてもなぁ、う?ん。

ミンク監督。2005年アメリカ映画。

2006年3月30日 (木)

ボーン・スプレマシー (2004)

ボーン・スプレマシー 前作で難を逃れたジェイソン・ボーン(マット・デイモン)は悪夢に悩まされながらもインドで恋人マリー(フランカ・ポテンテ)と静かに暮らしている。ところがCIAの殺し屋はついにインドにやって来て、ボーンを襲撃する。同じ頃、ベルリンで公金横領にからむ殺人事件が起こり、現場からボーンの指紋が採取される。捜査官のパメラ・ランディ(ジョーン・アレン)は過去のトレッド・ストーン計画との関係を追うのだが…

 ロバート・ラドラム原作のボーンシリーズ(?)3部作の2作目を映画化。主演の二人は変わらないんだけど、あんな悲しい展開が用意されていたとは予測もつかなかった。第1作でマリーとずっと逃げてきただけに、映画を見ているだけでもすっごい喪失感を感じました。

 ヨーロッパを舞台にしているだけに、アメリカ製のアクション映画とはひと味違うのは前作と同じ。地味め渋めに作っても雰囲気が良く見応えがあるのはヨーロッパの空気によるところが大きいかも。手持ちカメラらしき撮影は好き嫌いはあると思うけど、臨場感はたっぷり感じることができます。

 脇役だと思ってたニッキー(ジュリア・スタイルズ)に重要な役回りをさせたり、ラストのロシアのシーンで出てくる少女など結構女性がキーポイントになっているのも面白い。前作の謎はどんどんほぐれてきたので、第3作できちんとつながるのかな? 楽しみです。

ポール・グリーングラス監督。2004年アメリカ映画。

2006年3月29日 (水)

PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001)

no jacket image 宇宙探索を行っていたオベロン号は謎の磁気嵐に遭遇。偵察に向かった宇宙船がパイロットのチンパンジーと共に消息を絶つ。レオ(マーク・ウォールバーグ)は後を追って偵察ポッドに乗り込むが、たどり着いたのは猿が支配する惑星だった…

 あの60年代後半から70年代にかけて大ヒットしたチャールトン・ヘストン主演のSF大作「猿の惑星」5部作をティム・バートン監督がリメイクしたという話題作。とはいっても監督が監督だけに前作のストーリーを単純になぞるわけもなく、まったくの別作品となっている。

 60年版が登場した時の衝撃度、設定の面白さなどを比べるとどうしても見劣りしてしまう。前作を期待するよりも、ティム・バートンの映画だと割り切って見た方が楽しめる。彼の面白さは、チープな雰囲気とB級テイストの笑い。そう、ラストのオチなどは衝撃というよりもパロディっぽくて笑えます。かなりヘンな映画です。

 ヘレナ・ボナム・カーターを猿にしてしまうのが凄いもったいない。悪役セードのティム・ロスははまり役です。ゲスト出演で、チャールトン・ヘストンやクリス・クリストファーソンも出てます。言われるまで気がつかなかったけど。

ティム・バートン監督。2001年アメリカ映画。

2006年3月28日 (火)

ブレイド (1998)

ブレイド 母親が妊娠中に吸血鬼に噛まれたことから誕生した人間と吸血鬼ハーフのブレイド(ウェズリー・スナイプス)はヴァンパイヤハンター。宿敵のフロスト(スティーヴン・ドーフ)は、古代の予言書をもとに最強の力を手に入れようとしている。その儀式に必要なものは、デイウォーカー(太陽光が平気なヴァンパイヤ)であるブレイドの血だった。

 ヴァンパイヤアクションのヒット作で、スナイプスにしたら代表作。コミックが原作らしいが、名前のとおり剣ををぶんぶんふり回し、ハンドマシンガンをぶっぱなし、敵が素手で立ち向かってきたら武器を即座に捨ててカラテファイトになったり、なんか良きも悪しきもヒーローものの決まり事がぎゅっと凝縮されたかのような映画。かっこいいといえばかっこいいんだけど、個人的には主人公ちょっとかっこつけすぎかなあと鼻につくシーンも多かった。

 スプラッティーなシーンは筋金入りで、肉体がぷぉんとはじけたり黒こげになったり、脂肪のかたまりのような敵がいたりと、こういうのが苦手な方は心してかかった方がいいかもしれない。最近この手の映画でよく見かけるウド・キアもはまり役で出てます。

スティーヴン・ノリントン監督。1998年アメリカ映画。

2006年3月26日 (日)

リーグ・オブ・レジェンド 時空を越えた戦い (2003)

リーグ・オブ・レジェンド 1899年のロンドン、英国銀行が何者かに襲われ、海上都市の設計図面が盗まれる。事態を重くみた英国政府は、冒険家のアラン・クオーターメイン(ショーン・コネリー)に事態の収拾を依頼する。アランは巨大潜水艦のネモ艦長(ナセールディン・シャー)をはじめ諜報員のトム・ソーヤ(シェーン・ウェスト)、ドリアン・グレイ(スチュアート・タウンゼント)、吸血鬼のミナ・ハーカー(ペータ・ウィルソン)、透明人間ロドニー(トニー・カラン)、ジキル&ハイド(ジェイソン・フレミング)に声をかけてチームを結成する。

 冒険科学小説…というよりは、トンデモ小説の主人公たちを集めてドリームチームを結成、悪の軍団「ファントム」と戦うというファンタジー大作。もうかなりの年齢になろうかというショーン・コネリーが、ギャグもアクションも満載で楽しそうにやってるのが印象的。その姿を見ているだけで、少々アラがあろうがストーリーに難があろうが、へこへこと楽しんでしまえるのが良いです。

 前後して公開された「ヴァン・ヘルシング」とネタ的には似たり寄ったり。どうせなら双方の続編はクロスさせれば面白いかも。

スティーヴン・ノリントン監督。2003年アメリカ=ドイツ合作。

2006年3月24日 (金)

ドミノ (2005)

no jacket image 逮捕され捜査官タリン(ルーシー・リュウ)に取り調べを受ける女バウンティ・ハンターのドミノ(キーラ・ナイトレイ)。彼女はぽつぽつと、いかにしてエド(ミッキー・ローク)とチョコ(エドガー・ラミレス)と組んでバウンティ・ハンターへの道を歩み始めたかを語りだす。

 「マイ・ボディーガード」に続くトニー・スコット監督のバイオレンス映画で、そのラテンな雰囲気はどうしてもサム・ペキンパーの作風がかぶってしょうがない。凄く古くて懐かしいんだけど、今見ると新鮮ってところか。ほんと60年代後半から70年代にかけては、こういったバイオレンスものが量産されていたような気がする。ドミノの母親役で出ているジャクリーン・ビセットなんて当時を引きずる貴重な女優かも。

 と、雰囲気は満点なんだけどいかんせん物語がごちゃごちゃしていてわかりにくい。何がまずかったというと人間関係の複雑さで、無名(私が知らないだけ?)の役者が重要な役どころをやってるうえにライティングなんかがいつものトニー・スコット節なので何が誰だかわかんなくなるのだ。そんなに複雑なストーリーではないと思うんだけど、なんでそうなるのって動機づけなんかがまったく不明なシーン多し。

 熱演のキーラ・ナイトレイって若干20歳…ってのは驚いた。こんな汚れ役でも綺麗だし、華がある。見事に枯れたミッキー・ロークをはじめ、こういう映画では欠かせないクリストファー・ウォーケン、取り調べだけではもったいなルーシー・リューなど配役も豪華で楽しめる。

トニー・スコット監督。2005年アメリカ映画。

2006年3月23日 (木)

I Love ペッカー (1998)

I Love ぺッカー ボルチモアに住む少年ペッカー(エドワード・ファーロング)はもらったカメラにすっかりはまって近所の人を撮りまくっている。バイトをするバーガーショップで個展を開いたことから、ニューヨークの評論家の目にとまりメジャーデビューの誘いがかかる。ところが有名になるといつものノリの写真が撮れなくなり… カルトの帝王ジョン・ウォータズ監督の自伝的なストーリー…らしい。

 びりびり揺れて読みにくいタイトルからして人を不快にするオーラを放っているんだけど、エドワード・ファーロングとクリスティーナ・リッチというメジャーな二人が主演なだけに内容はひかえ目、お下品はスパイス程度にしか使われていないって感じ。ペッカーくんが近所のプライバシーをパチパチと写真にしていくあたりは、個人情報保護法でぴりぴりしている日本で見たら、なんとも大らかな世界だなぁと思えてしまう。

 登場するキャラクターたちの微妙なズレ具合が秀逸。オカマの兄貴(姉貴?)や万引き癖のある友人はともかく、過食症の妹、多重人格(?)の祖母、恋人も何かビミョーにヘンだぞ。こんな環境に育まれていたら、確かにウォーターズの作風は誕生するかもしれない。

ジョン・ウォータズ監督。1998年アメリカ映画。

2006年3月22日 (水)

紅の豚 (1992)

紅の豚 1920年代のイタリア。客船を狙う空賊が飛び回る中、紅の飛行艇に乗る賞金稼ぎのボルコ・ロッソ(声:森山周一郎)は名をはせていた。ところが空賊たちは、豚に仕返しをするためにアメリカの飛行機乗りカーチス(大塚明夫)を雇う。カーチスの不意打ちをくらって艇を大破させてしまったボルコは、ミラノのビッコロ(桂三枝)に修理を頼むのだが実際に設計を担当したのは17歳の少女フィオ(岡村明美)だった。古き良き飛行機乗りの世界を描いた宮崎アニメ。

 「華麗なるヒコーキ野郎」や「素晴らしきヒコーキ野郎」などと同じ時代設定で、飛ぶこと自体が冒険だった頃をほのぼのとした作風で描いた佳作。宮崎監督の趣味で作った映画だそうだけど、この時代のこの世界に共感できる人って多いはず。特にラストの一騎打ちなどは「華麗なる?」のレッドフォードと完全にかぶってしまった。今で言う「萌えキャラ」のフィオの存在がちょっと雰囲気を乱している気もしないではないが、歌姫ジーナ(加藤登紀子)の存在感がうまく物語を引き締めている。

 魔法で豚になった主人公、が浮いた存在にならないってのはアニメならではのマジック。この物語をわざわざアニメで作る価値だろうね。

宮崎駿監督。1992年日本映画。

2006年3月21日 (火)

パール・ハーバー (2001)

no jacket image  レイフ(ベン・アフレック)とダニー(ジョシュ・ハートネット)は幼なじみの若者で、共に戦闘機のパイロットへの道を歩む。やがて1941年に第2次世界大戦が勃発し、レイフは恋人で看護婦のイヴリン(ケイト・ベッキンセイル)を残して戦地へ向かう。残されたダニーとイヴリンはハワイへの転属命令を受けるのだが… 日本軍のパールハーバーへの奇襲を背景にしたラブストーリー。

 ジェリー・ブラッカイマー製作、マイケル・ベイ監督、ベン・アフレック主演とアルマゲドンのトリオによる作品。それだけに、なかなか大迫力で描かれる真珠湾の攻防戦は見応えあり。本筋は恋愛ドラマを前面に押し出して青春映画…ってノリで作られているが、まあ大きな時代の渦の中で、個人のこんな小さな物語(本人たちにとっては大問題なのだが)もあっただろうなってわけで納得できる。前半ののんびりとした雰囲気とはうらはらに、いざ奇襲がはじまってみると看護婦たちの修羅場もきっちりと描いているのは好感が持てた。

 それだけに終盤に盛り込まれる日本本土の空襲と、それをたたえるような展開は結構鼻につく。「トラ・トラ・トラ」がアメリカでヒットしなかったのは、米軍がやられっぱなしだったからだっていう話をきいたことがあるが、そのへんを考慮したってことなのだろうか。それでも日本ではそこそこヒットしたってことで、逆に日本人の懐の深さみたいなものを感じるぞ。

 この映画で、爆弾はお尻の風車が停止すると爆発することを知った。

マイケル・ベイ監督。2001年アメリカ映画。

2006年3月20日 (月)

ファンタスティック・フォー 超能力ユニット (2005)

ファンタスティック・フォー 宇宙ステーションでの実験中に、アクシデントで放射線をあびてしまった5人。その結果、科学者のリード(ヨアン・グリフィズ)は体がゴムのように伸びる、同じく科学者のスー(ジェシカ・アルバ)は透明人間に、ジョニー(クリス・エヴァンス)は体から火を放つ、ベンは岩石のような体とパワーといった超能力を手に入れる。元に戻る方法を研究する彼らだったが、5人目の超能力者で実業家のビクター(ジュリアン・マクマホン)は自身の破産からよからぬことを企てる。

 またアメコミの超能力ものか?と思ったら、原作はスパイダーマンとかよりも古いらしい。こんな世界がごろごろ転がっていて、しかも世間に認知されているなんてアメコミの世界はなかなか層が厚い(笑)。ゴム人間や岩石男などキャラが立っていて、しかもコメディにふっているのが好感が持てる。ファイアーボーイの飛行シーンは大迫力だし、透明になったスーが下着を脱ぐシーンなんてなかなかキュートである。

 とはいっても、こういった何でもできそうな超能力が前面に出た映画ってのはピンチになっても緊迫感が弱いのが困りもの。何が起こっても、超能力で乗り越えてくれるだろうってヘンな期待をしてしまう。子供の頃に見ていた魔法もののアメコミアニメと同じだな。

 続編が作りやすそうなエンディングだけど、これ以上似たような映画のシリーズが並ぶと混乱しそうでちょっと迷惑かもしれない。

ティム・ストーリー監督。2005年アメリカ映画。

2006年3月17日 (金)

シュリ (1999)

シュリ 韓国の諜報員ジュンウォン(ハン・ソッキュ)にはミョンヒョン(キム・ユンジン)という恋人がいて結婚まで考えている。国内で頻発する狙撃事件を追うジュンウォンだったが、そんなある日に液体爆弾CTXが何者かに盗まれる事件が発生する。折しもサッカーの南北親善試合をひかえて、テロの発生が警戒される韓国なのだが…

 まだ韓流なんて騒がれてなかった頃に公開されて大ヒットした韓国映画。南北に分かれた二人のラブストーリーにアクションをからめた作品…なんだけど、ずいぶんあとから見たので、うーむ期待しすぎたかなって感じ。

 諜報員の彼女が実は北のスパイだなんて、荒唐無稽だといえば荒唐無稽、深いといえば深いストーリーなんだけど、テーマの良さの割りに思ったほど自分の中では盛り上がらなかった感じ。それはえんえんと続くガンファイトのせいかもしれないし、ショボい爆破シーンのせいかもしれない。

 とはいっても、ラストのスタジアムのシーンだけは緊迫感があって見せてくれますね。向かい合った二人の行動が理解できないのが、自分が日本人だからかもしれません。

カン・ジェギュ監督。1999年韓国映画。

2006年3月16日 (木)

ボーン・アイデンティティ (2002)

ボーン・アイデンティティ フランス沖で漂流していたところを漁船に助けられた男(マット・デイモン)は背中を撃たれ、尻にはスイス銀行の貸金庫の番号が入ったカプセルが埋め込まれていた。自分が誰かを探るためにスイスへ向かった彼は、貸金庫から大金と拳銃と自分の写真が入った5冊のパスポートを見つける。そして暗殺者に狙われた彼は、車で通りかかったマリー(フランカ・ポテンテ)に乗せてもらいパリへ向かうのだが…

 記憶を失った暗殺者の自分探しの旅を描いたロバート・ラドラム原作のアクション映画。ヨーロッパを舞台にしているだけに、ハリウッド製とは思えないような渋い作りで、組織につきまどわれる男の戦いを盛り上げてくれる。

 しかしそれにしても、謎の多い映画だ。あれだけの能力を持った男が、どうしてわざわざ銀行口座番号を尻に埋め込むようなことをしたのか、というのが最初の疑問だが、ラストの「踏み石作戦終了」の意味までわからないことだらけ。大切な部分を見落としたかなぁとか、オレ頭悪くなったかなぁなんてちょっと悩まされるような展開なのである。

 なお原作は3部作だそうで、映画は続編の「ボーン・スプレマシー」へと続く。全部見たら謎はきれいに解けるってことかも。

ダグ・リーマン監督。2002年アメリカ映画。

2006年3月15日 (水)

マダガスカル (2005)

マダガスカル ニューヨークのセントラルパーク動物園に住むライオンのアレックス(声:ベン・スティーラー)、シマウマのマーティ(クリス・ロック)、キリンのメルマン(デヴィッド・シュワイマー)、カバのグロリア(ジェイダ・ピンケット・スミス)は大の仲良し。ある日脱走をくわだてるペンギンたちに着いて行ったことから動物愛護団体の目にとまり、4匹はアフリカに送り返されることとなった。ところがその船を再びペンギンたちがジャックして、彼らがたどりついたのはマダガスカルだった。

 ドリーム・ワークス製作の動物アニメで、表向きは子供向け映画なんだけど蓋を開けるとけっこう子供にはわかりにくいように(?)毒が盛られている作品。だいたい肉食獣と草食獣が仲良しで、野生に戻るとその友情が壊れていくというテーマ自体が深いぞ。

 本来は可愛いだけのペンギンが軍人みたいな動きでテキパキと脱走やシージャックを企てたり、めがねサルの軍団たちのうがった人(動物?)の見方なんかもただものじゃない。結局4匹は、あれほど憧れた野生の王国には安らぎを見いだせなかったわけね。

エリック・ダーネル=トム・マクグラス共同監督。2005年アメリカ映画。

2006年3月14日 (火)

妖怪大戦争 (2005)

no jacket image  両親が離婚して、母陽子(南果歩)と祖父俊太郎(菅原文太)と共に鳥取で暮らすタダシ(神木隆之介)は都会育ちのせいか、学校になじめない。ある日お祭りで麒麟送子に選ばれたことから、天狗の山に聖剣を取りに行くことになる。同じころ、突然現れた魔神加藤(豊川悦司)とアギ(栗山千明)が次々と人間や妖怪を襲い、かくしてお祭り騒ぎと勘違いした日本妖怪たちと大戦争になる。

 なんじゃこりゃ、と絶叫したくなるようなごった煮映画。加藤が来るぞ?というわけでアギという魔女をひきつれてガラクタの集まりのようなマシン(?)を作って東京を襲えば、全国から妖怪たちがわさわさと集まって祭りじゃ祭りじゃと大騒ぎして有名人たちが山のように妖怪になってカメオ出演してギャグをぶちかまして主演のタダシくんが「うぉ?」と叫びまくっていたら知らない間に加藤とアギは退散して映画は終わっていた。凄い、凄すぎる。本来の映画の文法を無視したかのような、寄せ鍋的な映画である。

 で、面白くなかったかといえば、意外と楽しめてしまった自分がコワい。こういうの、好きかもしれない。さすがプロデューサーの水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきに監督の三池崇史、ただもんじゃない。とんでもないバカ映画である。拍手!!

三池崇史監督。2005年日本映画。

2006年3月13日 (月)

サヨナラCOLOR (2004)

no jacket image 正平(竹中直人)は独身の中年医師。ある日彼の勤める病院に、高校の同級生でクラスのマドンナ的存在だった未知子(原田知世)が子宮ガンで入院してくる。彼女のことをずっと想い続けていた正平は、献身的に尽くすのだが未知子は正平がどうしても思い出せない。さえない中年男の恋を描いた馬場当脚本を竹中直人がメガホンを取って映画化。

 竹中直人と原田知世が同級生という違和感(原田さんはoga.と同世代)と、竹中直人は何を演じても竹中直人だという違和感がダブルでここぞというところで感情移入できなかったのが辛い映画。監督は竹中さんで主演は別の人の方がよかったかな、などとは思ったんだけだけど、代役を思いつかない。彼ほどキモかわいい中年が演じられる人は珍しい。キモいんだけど、あ、そんなことしちゃダメとか画面を見ていて応援したくなるんですよね。

 原田知世ってアイドル時代は淡泊すぎてあんまり好きじゃなかったんだけど、年取ってなんかいい雰囲気を身につけてきた感じ。他に中島みゆきをはじめ、ミュージシャンがちょい役で多数出演。私はわかんないんだけど、見るひとが見たら楽しめるって感じかな。なお「サヨナラCOLOR」ってのは始めに曲ありきで、竹中直人が曲に惚れ込んでフィーチャーしたらしい。

竹中直人監督。2004年日本映画。

2006年3月10日 (金)

CUBE ZERO (2004)

no jacket image 殺人トラップが仕掛けられた立体迷路のキューブをさまよう人々。実はキューブには管理人室があって、ウィン(ザカリー・ベネット)とドッド(デヴィッド・ヒューバンド)は内部の様子をモニターしていた。ある日彼らは、キューブの中にいる女性レインズ(ステファニー・ムーア)の潜在意識を調べろとの命令を受けるのだが…

 あの「CUBE」以前の物語ということで、一歩下がった視線から見るCUBEの世界。例によって、何もここまでCUBEの外の世界を映像化しなくてもいいんじゃないかと思ったんだけど、CUBEにつながるさまざまな伏線がいっぱい仕掛けられていてファンであればそれなりに楽しめる作りにはなっている。でもやっぱり第1作のCUBEは、脱出の謎解きにストーリーを絞って面白かった。あの面白さは、どうやっても越えられないのかもしれない。

 スプラッティーな場面も多いので、心して見た方がいいかも。誰にでもすすめられる映画ではないです。

アーニー・バーバラッシュ監督。2004年カナダ映画。

2006年3月 9日 (木)

チャーリーとチョコレート工場 (2005)

チャーリーとチョコレート工場 貧乏ながらも両親(ノア・テイラー、ヘレナ・ボナム・カーター)と二組の祖父母に囲まれて暮らすチャーリー(フレディ・ハイモア)。ある日町の巨大なチョコレート工場を経営するウォンカ氏(ジョニー・デップ)は全製品に5枚だけ金のチケットを入れたと発表する。チケットを手に入れると謎に包まれたチョコレート工場を見学させるという。チャーリーは誕生日に1枚だけしか買ってもらえないチョコレートに望みをたくすのだが…

 ロアルド・ダールの有名な児童小説の映画化。映画は71年版もあるけどこっちは未見です。遊園地のようなチョコレート工場を訪問する5組の親子とウォンカ氏、そして使用人のウンパ・ルンパたちを描いた、ファンタジーともコメディともとれるようなストーリー。ただし特別なひねりはありません。ひねくれた他の子供たちはひどい目にあうし、心優しいチャーリーはやっぱりいい思いをします。変人のウォンカ氏も心を開くというおまけ付きです。

 とかストーリーを追うよりも、ひたすらウンパ・ルンパたちが面白い。全部同じ顔をしているというアイディアもナイスです。女性はなんでいないんだろう? 細胞分裂で増えるんだろうか? 加えて個人的に好きなのが、お母さん役のヘレナ・ボナム・カーター。すっかりバートン・ワールドの住民になっていて、しかも可愛いです。彼女は他の作品ではあまり魅力を感じたことがないのですが、この世界では生き生きしてます。

 単純にひねくれた子供たちが悪い…というわけではなく、この親にしてこの子ありというわけで同伴の保護者をきちんと反映しているあたりに、子供は悪くない、親が悪いというメッセージを感じます。ラストの家族愛うんぬんよりも、このあたりが考えさせられました。

ティム・バートン監督。2005年アメリカ=イギリス合作。

2006年3月 8日 (水)

ハービー 機械じかけのキューピッド (2005)

ハービー 機械じかけのキューピッド 大学を卒業して実家に帰ってきたマギー(リンジー・ローハン)は父レイ(マイケル・キートン)に卒業祝いに中古車を買ってもらうことになる。レーサーの家計に育っただけに、ぼろぼろになったレースカーに興味を示すマギーだったが、スクラップ寸前の意志を持つワーゲン・ビートルのハービーは彼女について行き、かろうじて彼女の愛車におさまることができるのだが…

 実に25年ぶりに見た「ラブ・バッグ」シリーズの最新作。実は「モンテカルロ大爆走」以降にラブ・バッグは1?2本作られていたらしいのだがこちらは未見、というか知らなかった。とにかくあのハービーに会えるというので懐かしさもひとしおである。

 ハービー自身は何も変わってなく、53番のゼッケンまで付けたまま。さすがに40年近い車歴があるので最初はボロボロでスクラップ寸前だったけど、車って手をかければいくらでも動くってのを実感。最後はNASCAR仕様に完全改造されて、さっそうとサーキットを走るのだ。

 主役はアイドル出身のリンジー・ローハンで、ハービーとの息もぴったり。相手役ケヴィン(ジャスティン・ロング)がどことなく野暮ったいのもディズニーコメディらしくていい雰囲気。さすがにCG全盛の時代らしく、要所要所でハービーが表情を見せるのが楽しいです。

アンジェラ・ロビンソン監督。2005年アメリカ映画。

2006年3月 7日 (火)

ラブ・バッグ モンテカルロ大爆走 (1979)

no jacket image パリ=モンテカルロラリーに出場してレーサーへの返り咲きを狙うジム・ダグラス(ディーン・ジョーンズ)。愛車はもちろん、感情を持ったワーゲン・ハービーだ。しかし、ハービーのガソリンタンクへ強盗団に盗まれたダイヤが隠された事から騒動が・・

 スマートなスポーツカーたちにまぎれて爆走するずんぐりむっくりのハービーが大活躍のコメディ。しかも今回はランチャという恋人(恋車?)までできてしまう外しぶりが可笑しい。ラストはF1で有名なモンテカルロ市街地コースの激走が楽しめます。

 内容的には第1作とつながるレースもの。やっぱハービーにはレースがよく似合う。となると、あれだけハービーを大事にしていた第2作のお婆さんはどうしたんだろう… ちょっと心配だ。

ヴィンセント・マケヴィーティ監督。1979年アメリカ映画。

2006年3月 5日 (日)

続ラブ・バッグ (1973)

no jacket image 古い物を大切にして夫との思い出の消防署に住むお婆さん(ヘレン・ヘイズ)を、そこへ巨大なビルを建てようとする悪徳社長が立ち退かせようとする。ところが彼女を守るのが、彼女の愛車であり生きている車(ワーゲン)ハービーだった。

 いかにもディズニーといった家族向けコメディ。昔見た時にはワーゲンのハービーがめちゃめちゃ可愛かったんだけど、今回はそれほどでもなかったってのはやっぱトシのせい?

 ハービーとお婆さんがいいコンビで、ほのぼのとした味を出している。まるで名犬のようだ。ゴールデン・ゲート・ブリッジのワイヤーの上をハービーが走るのは名シーンだと思う。なおタイトルに「続」とありますが、前作とはほとんどつながりがありません。このシリーズはどこから見てもOKです。車ってどんどん売買されるものなので、命があったらこんな人生を送っているんでしょうねぇ。

 私事ですがoga.が生まれて初めて「試写会」なるもので見た映画という記念作でもあります。

ロバート・スティーブンソン監督。1973年アメリカ映画。

2006年3月 3日 (金)

ラブ・バッグ (1969)

no jacket image スランプに陥ったレーサーのジム(ディーン・ジョーンズ)が自動車ディーラーでいじめられていた1台のポンコツワーゲン・ハービーを助ける。するとその車は犬のように彼についてきて、恩返しのためにレースに復帰させようとする。意思を持った車ハービーが大活躍するシリーズ第1作。

 まったく他愛のない物語なんだけど、見ているうちにだんだんハービー君に感情移入してくることうけあい! 後半はレース・レースで、ころころしたワーゲン・ビートルがぺったんこのレーシングカーを出し抜いて行くシーンは快感。60年代の名車・珍車のオンパレードも楽しめる。ハービーをいじめる悪役社長トムリンソンも、ディズニーのキャラクターらしく全然憎めない。

 余談だけど、この映画を見てから持っていたワーゲン・ビートルのミニカーにマジックで青赤のラインを入れて、53番のゼッケンを貼ったりして遊びました。ワーゲン・ビートルをアメリカ人は「バグ」と呼ぶことも知った。

ロバート・スティーヴンソン監督。1969年アメリカ映画。

2006年3月 2日 (木)

シンデレラマン (2005)

シンデレラマン ボクサーのジム・ブラドック(ラッセル・クロウ)は妻メイ(レニー・ゼルウィガー)と3人の子供に囲まれて将来を有望視されている。ところが手の故障からライセンスを剥奪され、折しも1930年代のアメリカ大恐慌で失業者に混じって配給を受けるところまで落ちぶれる。そんなある日、一夜だけの復帰試合の話が舞い込んできた…

 実在の伝説のボクサー、ジム・ブラドックの半生を描いたドラマ。どん底からはい上がる男を描いた、めちゃめちゃストレートながらも熱い熱い物語は直球すぎるぞと思いながらもぐいぐい引き込まれる魅力がある。ヘンに屈折した「ミリオンダラー・ベイビー」よりは10倍楽しめたってのが正直な感想。

 最後の最後の最後まで、妻と子供たちのために戦ったってのも新鮮でいい。対戦相手のヘビー級チャンピオン、マックス・ベア(クレイグ・ビアーコ)が常に二人の女を引き連れて遊びまわっているというのも、ジムをうまく引き立てている。

ロン・ハワード監督。2005年アメリカ映画。

2006年3月 1日 (水)

ステルス (2005)

ステルス アメリカ海軍航空隊にテロ対策のために結成されたステルス隊。パイロットはベン(ジョシュ・ルーカス)、カーラ(ジェシカ・ビール)、ヘンリー(ジェイミー・フォックス)の3人だったが、4機目として編入されたのがなんとエディと呼ばれる人工知能を搭載した無人ステルス。中東でのテロ対策作戦に出撃する4人(?)だったが、エディが落雷に打たれてから変調をきたし…

 単純な暴走ステルス沈静映画かと思いきや、そこにはストーリーがひとひねりしてあって結構楽しめた。ずっとステルス機に守られているわけではなく、途中で機を失ったり肉弾戦があったりでアクション映画のツボをしっかりと心得ています。

 加えてスピード感ある画面作り、戦闘シーンは頭をからっぽにして見ていられる。「ワイルド・スピード」のロブ・コーエン監督だってのはエンドクレジットを見てから気がついたんだけど、メカが壊れるシーンとかのCGを使った独特な撮り方は彼のスタイルか? エディが雷に打たれた時には、DNAの画面が出てくるのにはちょっと苦笑ものではありましたが。

 エンド・クレジットの後で続編を臭わせるようなオチが用意されているので、見逃さないように…

ロブ・コーエン監督。2005年アメリカ映画。

2006年2月28日 (火)

電車男 (2005)

電車男 アニメとフィギュアが大好きな通称「電車男」(山田孝之)が、電車の中で酔っぱらいにからまれている女性(中谷美紀)を助ける。彼女はお礼にエルメスのカップを送ってくれたのだが、どうしていいかわからない彼はインターネットの掲示板に助けを求める。すると、たくさんのネットワーカーたちが彼にあれこれとアドバイスをして… 掲示板2ちゃんねるで繰り広げられてブームになり、本・ドラマ・そして映画化されたという話題作。

 このストーリーに心ひかれるのは、主人公のオタク少年の不器用だけどまじめなところがほのぼのと伝わってくるところかも。パソコンのカタログにぎっしり注釈を入れて、それを持ってどしゃ降りの中に立っている…なんて絵は見ていてひいてしまったけど、まあ若さゆえの暴走ってとこなんかな。

 こんなオタクに美女がくっつくんかと最初は思ったけど、中谷美紀の演技にも説得力あります。きっとまじめな彼女は過去にヘンな男に振り回されて疲れていて、不器用なオタクに安らぎを感じるんだろうなってのがちゃんと伝わってきます。

 インターネット・2ちゃんねる・オタクと話題になりそうな要素で飾り立ててるけど、極めてまともな初恋物語です。どこまで実話なんだろうね?

村上正典監督。2005年日本映画。

2006年2月27日 (月)

フォーガットン (2004)

フォーガットン テリー(ジュリアン・ムーア)は息子のサムを飛行機事故で亡くした悲しみから立ち直れず、カウンセラー(ゲイリー・シニーズ)にかかっている。ところがある日、持っていた写真から息子の姿がすべて消失。カウンセラーにきくと「あなたに子供はいなかった、病気の後遺症だ」と告げられる。あきらめきれない彼女はひとりで調査に乗り出すのだが、そこに驚きの事実が…

 最近ブームになりつつある、記憶をテーマにした1本。だと思いながら見始めたのだが、物語は意外な方向へごろごろごろっと転がっていって、満足できる説明がされないままに突き放されたように終わってしまった。なんじゃこりゃと叫ばされ、大量の「?」を押しつけられた後味の悪さは格別だ。しかしトンデモ映画だったとは思わなかったなぁ。

 やっぱ印象に残るのは、物語の中盤以降に不要になった(?)人物が物語からぴゅ?っとつまみ出される(笑)ところ。映画は箱庭? こりゃ神の手を感じさせるぞ。

ジョセフ・ルーベン監督。2004年アメリカ映画。

2006年2月26日 (日)

夏休みのレモネード (2002)

no jacket image シカゴに住むピート(アディール・スタイン)は8人の兄弟に囲まれて育つ8歳の普通の少年。腕白な彼は、夏休みに行いを改めないと地獄行きになると学校のシスターに脅される。異教徒をカトリックに改宗させれば良い行いになると聞きかじったピートは、ユダヤ教会でレモネードを配ることを思いつき教会のラビ(ケヴィン・ポラック)とその息子ダニー(マイク・ワインバーグ)と知り合う。実はダニーは重い白血病だった…

 悪い人はひとりも出てこない、いわゆる人情劇。アイルランド系でカトリックのピートの家と、ユダヤ教のダニーの家との交流がメインなんだけど、それぞれがぶつかりあいながらもお互いの宗教を尊重しあっているのが気持ちよい。探求と称して改宗をすすめるなんて喧嘩になりそうな事だなと思えば、それをラビが暖かく見守るのがさすが聖職者、といったところか。

 主役はもちろんピートとダニーの二人なんだけど、この交流も実に暖かい。ちなみに邦題のレモネードは、結局誰も飲まなかったしストーリー上さほど重要に思えないんですが…

ピート・ジョーンズ監督。2002年アメリカ映画。

2006年2月24日 (金)

二都物語 (1957)

二都物語 フランス革命当時のロンドン。酒びたりの弁護士シドニー・カートン(ダーク・ボガード)は美しい婦人ルシー・マネット(ドロシー・テューティン)を好きになるが、彼女はチャールズ・ダーネイ(ポール・ゲール)と結婚する。実はダーネイは亡命したフランス貴族で、本国では革命のさなか旧体制にかかわった貴族たちが次々と断頭台に送られていた。ディケンズの有名な小説のモノクロによる映画化。

 有名なストーリーだけど実はこの映画を見て二都とはロンドンとパリだということを始めて知りました(笑)。メロドラマなんだけどイギリス映画らしく、ストーリーが淡々と進んでいきます。それがなんとも渋い。

 神経質そうなダーク・ボガードがまさにはまり役。ラストのシドニーの行動にすんなりと違和感なく入っていけた。ドロシー・テューティンは初めて見たけど、アネット・ベニングに似た美人女優。あっさり風味なんだけど華があります。

 でも強いて言えば…本当にわからなかったんかな、フランス革命の方々は。こんなに簡単にダマされちゃっていいのか。首はねてんだぞ。

ラルフ・トーマス監督。1957年イギリス映画。

2006年2月22日 (水)

カスタムメイド 10.30 (2005)

no jacket image 小林マナモ(木村カエラ)は両親の離婚のために、今は広島で一人暮らしをする高校生。バンドを組み、夜はキャバクラでバイトをするという毎日なのだがある日彼女のアパートにロンドンに住む妹みなも(西門えりか)が転がり込んでくる。喧嘩ばかりしている二人の前に現れた見習天使のジェフ(加瀬亮)とエディ(小倉一郎)は、二人を10月30日に広島市民球場で行われる奥田民生(本人)のコンサートへ誘うのだが…

 奥田のライブに青春ドラマを重ねた、不思議ムービー。元々は単なる奥田のライブムービーとして企画されたものが、どんどん構想がふくらんでMTV風の普通の映画になっちゃったという感じ。本来なら駄作になりかねないような内容を、奥田と木村のある種とらえどころのないキャラクターを生かしてふみとどまったというイメージだ。見習い天使の二人も、これまたふわふわとした独特の雰囲気で面白い。

 「歌いたいんじゃ」と叫びながら、父の思い出の歌を歌いまくる木村カエラが印象的。奥田のライブのしゃべくりは、全然面白くないのに観客がうけまくるのもまた不思議だ。彼のキャラクターの成せる技か。実は一番好きなシーンは、エンドクレジットで奥田が巨大化して踊るシーンだったりする。

 まあ、わけわからんけど面白い映画。

ANIKI監督。2005年日本映画。

2006年2月21日 (火)

ぼくんち (2002)

no jacket image 水平島に住む一太(矢本悠馬)と二太(田中優貴)の兄弟のところへ、母親の今日子(鳳蘭)と姉のかの子(観月ありさ)が帰ってくる。挨拶もそこそこにいなくなった今日子だが、かの子は家に住み着き兄弟の面倒を見るようになる。一太はやくざのコウイチさん(真木蔵人)に弟子入りしてシンナー売りや金の取り立てをして独り立ちしようともくろんでいる。二太の師匠は鉄じい(志賀勝)で、こちらも漠然と新しい生活を求めているのだが… 西原理恵子のコミックを映画化したコメディ。

 あのサイバラ…なので一筋縄で行く物語ではない。子供たちは雑草そのもので、保護者もなくこの島でなぜ生きていたのか不思議…なんだけど、納得させられるほど強い、強い。子供が主役の映画なのに、大人が見てもうっとくるほど毒が強くてこれは手強い。間違いなく子供には見せたくない映画だ。

 冒頭、コウイチさんが頭から血をダラダラ流しながら風呂に来るのを見て「今日はええ顔色しとるな」と顔色ひとつ変えずに挨拶する銭湯の婆さんからして、ただものではない映画を感じさせてくれるのだが、同じノリが最後までテンション途切れることなく続く。単純に言うと一太・二太の成長物語なんだけど、そこまでやるかという彼らの雑草ぶり、暴走ぶりがだんだん快感に変わってくるのがコワイ。おまけにすべての風景が、潮風に吹かれてボロボロだ。どうしてこんなボロが集められたかと感心させられた。美術監督、見事だ(笑)。

 観月ありさがはじけた。しかも鳳蘭と二人、仁王立ちでラーメン喰うところなんて迫力満点だ。映画女優の貫禄あり。二太の可愛いけど可愛いだけじゃすまないキャラも魅力がある。

 ネットで調べると、原作を知ってる方からは糞味噌の評価の映画のようだけど、これはこれで楽しめた。型破りで面白い。たぶん原作は、この映画のはるか上をいっているということだろう。

阪本順治監督。2002年日本映画。

2006年2月20日 (月)

みんなわが子 (1963)

no jacket image 終戦間近の昭和20年の夏。沼田先生(桑山正一)、西野先生(中原ひとみ)に率いられた小学生たちが、郊外の梨本市に学童疎開している。やがて戦局は悪化し、一同はさらに山奥へ疎開することになるのだが…

 未来社版「学童疎開の記録」を脚色した全農映製作の独立系の映画。従来の邦画の色に染まっていない、リアルな雰囲気は当時の学童疎開の空気を感じさせてくれる。子供たちもいい子いい子していなくて、素のままの感じがよく出ているので安心して見ていられる。

 しかしわずか数ヶ月のドラマなのに、これだけのエピソードが詰め込まれていて違和感がないのは終戦を迎える時代のせいだろうか。食べ物がない苦しみ、米軍の航空機からまかれるビラに対するみんなの反応、心中した二人に対する「非国民」という声、そして生死を分けた2度目の疎開などなど、戦争を知らない者が見ても当時の厳しさがひしひしと伝わってくる。

 全編にモノクロがいい雰囲気を出していてDVDによる画質もキレイなんだけど、今見るにはちょっとハードルが高いかも。

家城巳代治監督。1963年日本映画。

2006年2月17日 (金)

オータム・イン・ニューヨーク (2000)

no jacket image ニューヨークでレストランを経営するウィル(リチャード・ギア)は、独身貴族のプレイボーイ。そんな彼が、娘ほども歳の離れたシャーロット(ウィノナ・ライダー)と出会い、帽子のデザインをきっかけにデートに誘う。実は彼女は重い心臓病を患い、余命いくばくもない体だった… セントラル・パークの秋の風景が美しいラブストーリー。

 歳の離れたカップル、難病ものというラブストーリーの王道をいく内容の映画。ギアもノニーも好きな俳優なんだけど、なんか地に足のつかないプレイボーイってのが鼻について映画の世界に乗り切れなかった感じ。白鳥を効果的に使ったりして、いい雰囲気を出していたんだけど。

 実は一番印象に残ったのは、終盤に出てくる外科医グランディ(J・K・シモンズ)。彼がすごくいい味出しているのは拾いもの。ウィルから手術の依頼を受けた時の「何でオレのところにはこんな難しい手術ばっかりやって来るんだ、たまには簡単な手術がしたい」とぼやくところに、名医の本音がかいま見えて納得させられる。考えればそうだ。恐ろしく難易度の高い手術に神経をすり減らし、患者の死と隣り合わせ。でもまわりの人は彼にすがるしかない。恐ろしい運命かもしれない。

 ラストに手術室から無言で出てくる彼の演技にも心を奪われる。

ジョアン・チェン監督。2000年アメリカ映画。

2006年2月16日 (木)

マン・オン・ザ・ムーン (1999)

no jacket image 幼い頃から人をハメて笑いをとるのが大好きだったアンディ・カウフマン(ジム・キャリー)は、バーでスタンダップ・コメディをするようになるのだが客のウケはよくない。ところがプレスリーの物まねをしたのが拍手喝采でプロモーター(ダニー・デビート)の目にとまりとんとん拍子にコトはすすみ、「サタデー・ナイト・ライブ」や人気番組「タクシー」に出るようになるのだが。35歳で亡くなった伝説のコメディアンの半生を描いたドラマ。他にコートニー・ラヴ共演。

 この映画を見て、なんでアンディ・カウフマンは人気が出たのかさっぱりわからんかった。確かに観客を煙に巻いてしまうフェイク技はうならせられるものがあるけど、それが面白いかと言われれば「???」って感じ。これまた英語の壁、スラングの壁があるんかなぁ。

 とはいっても、アンディが亡くなるシーンの見事さは目を見張るものがある。このシーンだけは秀逸。思わず胸がジーンと熱くなりました。この頃って確かにフィリピンの心霊手術ってブームになってましたね。その種明かしがこれほどあからさまに描かれているのを見たのは初めてでしたが。

 余談だけど、フュージョンの大御所ボブ・ジェームスのアルバムに「アンジェラ?タクシーのテーマ」ってのがあるんだけど、その元ネタがこれほどの国民的番組だったってことは知りませんでした。しかも舞台コメディをテレビ放映した番組だったとは…

ミロス・フォアマン監督。1999年アメリカ映画。

2006年2月15日 (水)

アンナ・カレーニナ (1997)

no jacket image 1880年のモスクワ、レヴィン(アルフレッド・モリーナ)は以前から思いを寄せていたキティ(ミア・カーシュナー)に思いきって求婚する。ところが彼女はヴロンスキー伯爵(ショーン・ビーン)に夢中で、彼の申し入れを断る。だがヴロンスキーはロシア高官カレーニン(ジェームズ・フォックス)の妻アンナ(ソフィー・マルソー)と許されない恋に落ちてしまう。

 文豪トルストイの名著を、ソフィー・マルソー主演で映画化。全編ロシアロケだそうで、かなり重厚に作り込まれた画面は一見の価値あり。とはいっても登場人物がみんな英語をしゃべっているのがちょっぴり減点か。これって吹き替え?

 文豪の有名な作品というだけあって構えて見てしまいそうになるけど、さすがに1時間40分に凝縮しちゃうと単純なメロドラマ・不倫ドラマに思えなくもないのが辛いところ。原作は分厚い文庫で3冊もある長編だそうで、登場人物も凄い数なのだそうだがばっさりと切り捨ててまとめただけあって二組のカップルの対比というふうにうまい具合に絞り込まれている。それにしてもソフィ・マルソーって美しい。いい女優さんになったなあと思う。

バーナード・ローズ監督。1997年イギリス=アメリカ合作。

2006年2月14日 (火)

トリプルX ネクスト・レベル (2005)

トリプルX ネクスト・レベル NSAが謎の武装部隊に襲撃され、職員がほぼ全滅する。間一髪で助かったギボンズ(サミュエル・L・ジャクソン)は、事態を収拾するためにかつの部下で今は刑務所にいるダリアス(アイス・キューブ)を第2のトリプルXに任命する。やがて、国防長官(ウィレム・デフォー)が政府転覆の陰謀を企てていることが判明する。

 前作で大活躍だったザンダーことヴィン・ディーゼルはボラボラ島で死んだ、ということで登場した2代目トリプルXなんだけど、あまりにも二人のタイプが違いすぎるので同じシリーズとして認知できんぞ、こりゃ。だいたいザンダーがボラボラみたいな楽園で死ぬことすら怪しい。ギボンズすら死んだことになって後でのこのこと再登場したりするんだから、ザンダーの再登場はありえない話じゃないんじゃない?

 アイス・キューブはブルドーザータイプのトリプルXで、これはこれでいいのかもしれないけど頭を切り換えるのが大変でした。映画は見せ場やアクションが上手に散りばめられていて、ラストの大統領専用高速列車(そんなの存在するんだろうか?)のチェイスまで一気に見せてくれます。なぜ日本で劇場未公開だったんだろう?

リー・タマホリ監督。2005年アメリカ映画。

2006年2月12日 (日)

ザスーラ (2005)

ザスーラ ウォルター(ジョシュ・ハッチャーソン)とダニー(ジョナ・ボボ)は幼い兄弟だが、両親が離婚して父親の取り合いで喧嘩ばかりしている。ところが地下室でダニーが「ザスーラ」と書かれた古いゲーム盤を見つけ、プレイを始めたところ屋敷ごと宇宙へ飛び出してしまい…

 「ジュマンジ」の続編、というよりはアナザー版で、前作はジャングル探検だったけど今度は宇宙探検で隕石は降るわゾーガン星人という宇宙人は襲ってくるわ宇宙飛行士がやって来るわの大騒ぎ。書いてあることが現実になるというゲーム盤のルールだけを残しての単純なリメイクって感じなんだけど、兄弟と父親(ティム・ロビンス)の関係を主軸にして、意外なところからこわ?い姉ちゃんのリサ(クリスティン・スチュワート)が登場したりと笑いどころのツボも抑えた脚本と演出で結構楽しめました。

 特に姉の使いどころが絶妙で爆笑。凍ってしまって6回休みになってしまった姉ちゃんを「起きるところに居合わせたくない」とボヤきながら運ぶ兄弟はなんともハートウォーミング(?)です。

ジョン・ファヴロー監督。2005年アメリカ映画。

2006年2月11日 (土)

ジュマンジ (1995)

ジュマンジ ジョディとピーターは、引っ越してきた屋敷の屋根裏で古いゲーム盤「ジュマンジ」を見つける。好奇心のままプレイをはじめた姉弟だが、それがカードに書いてあることが現実になる魔法のスゴロクだった。やがてゲームから飛び出した動物たちにより、町中がパニックに…

 呪いのかかったゲーム盤を開いてしまったために、夢とも現実ともつかないアドベンチャーゲームを最後までやり遂げないといけなくなった一人の大人(かな?)と二人の子供の物語。動物を描いたリアルなCGが売りなんだそうだが、そこはかとなく動物たちをマンガちっくに味付けして現実には無い映像?って雰囲気を出してるのが憎い感じ。

 ゲームのルールを理解しないと楽しめないんかと思いきや、そこはまったく単純なすごろくに動物が襲ってくるライブアクションがくっつけられてるだけでぼけっと見てるだけで楽しめるように工夫されている。深みは無いけど、遊園地のアトラクションよろしく手放しで楽しめるってところ。

 ロビン・ウィリアムズの子供大人の役はお約束ながらもやっぱり安心して見ていられる。キルステン・ダンストが後にあんなにメジャーな存在になるとは思わなかったです。

 余談だけどこのジュマンジのボードゲームをやった事があるんだけど、こちらは大変ショボくてゲームバランスも悪く楽しめないシロモノでした。ボードゲームをやっても映画鑑賞のさまたげにはなりません。念のため。

ジョー・ジョンストン監督。1995年アメリカ映画。

2006年2月10日 (金)

ブラザーズ・グリム (2005)

ブラザーズ・グリム 19世紀のドイツ。グリム兄弟(マット・デイモン、ヒース・レジャー)の家では彼らの妹が重病に苦しんでいる。彼女を救うために弟ジェイコブが持ち帰ったのは、なんと魔法の豆!! やがて成人して詐欺師になった二人は、悪霊退治で名をあげるのだが…

 「赤ずきんちゃん」「ヘンゼルとグレーテル」「眠れる森の美女」などで知られる童話作家グリム兄弟の悪霊退治話を、テリー・ギリアムならではのこってりした語り口で綴るファンタジー大作…のはずなんだけど、なんか食い足りないぞ。「バロン」や「ブラジル」の頃のテリー・ギリアムは新鮮なものがあったんだけど、最近は「ロード・オブ・ザ・リング」や「スリーピー・ホロウ」「ヴァン・ヘルシング」といったおどろおどろ大作(笑)が量産されているので、すっかり影が薄くなってしまったという感じ。

 とはいっても、彼らの童話のパロディ(?)を散りばめたストーリーはなかなか楽しめる。魔女役で登場するモニカ・ベルッチは相変わらずの美しさで息を飲む。ドイツの深い森には、やっぱり魔物が棲んでいるんかなぁという気持ちにさせられます。

テリー・ギリアム監督。2005年アメリカ=チェコ合作。

2006年2月 9日 (木)

クレイドル・ウィル・ロック (1999)

no jacket image 1930年代の大恐慌下のニューヨーク。失業中の女性オリーブ(エミリー・ワトソン)は演劇を志している。舞台の清掃係の仕事を得た彼女は、オーソン・ウェルズの演出する「ゆりかごは揺れる」のオーディションを受けることができるのだが…

 スーザン・サランドン、ジョン・キューザック、ビル・マーレイ、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ジョン・タトゥーロ、ハンク・アザリアといったそうそうたるくせ者役者がいっぱい登場する群像劇。不況下での芸術論、政治論がぽんぽん飛び交い、ある意味インテリ層であれば楽しめる内容なんだろうけど、20年代恐慌下のアメリカの知識に乏しいoga.としてはただただ流れにまかせて彼らの言葉に耳を傾けるばかり。

 それでも後半はずんずんと盛り上がり、伝説の舞台は幕を開ける。共産主義と革命を背景に、政府に禁止された劇を自主的に、といったお約束といえばお約束の展開なんだけど、なぜか熱くなれる不思議な映画。

ティム・ロビンス監督。1999年アメリカ映画。

2006年2月 8日 (水)

戦国自衛隊1549 (2005)

no jacket image 富士の駐屯地で特殊実験をしていた的場1佐(鹿賀丈史)率いる自衛隊の一個中隊が消滅、現地に残った草むらから戦国時代にタイムスリップしたことが判明する。事態を収拾するために、元自衛官の鹿島(江口洋介)をはじめ実験の責任者の神崎(鈴木京香)らがロメオ隊を結成して、同じ状況を作り出し1549年へと向かう。半村良の原作を元に福井晴敏が書いた小説を映画化。

 リメイクというよりも、戦国時代に自衛隊が行くという部分のみを借用したまったく別物のストーリー。冒頭はプラズマ放射がどうだこうだとトンデモ理論をこねくり回して、何か平成ゴジラの雰囲気だなぁと思っていたらやっぱり監督はゴジラシリーズの手塚昌明だった。

 自衛隊が戦国時代に行ったとたんに面白くなるかと思えば、現地人とちょっと戦闘しただけで全員捕虜。あとは退屈なドラマがえんえんと続く。平和ボケした日本を憂うというあたりは「亡国のイージス」とまったく同じテーマで、福井さんってどんな作品もこのテーマでがんがん押してくるんかなぁと思ったら正直げんなりしてきた。平和ボケいいやん、平和な世の中何が悪い!!

 結局、先鋒隊と救出(収拾?)隊の戦いという図式で、そこに斎藤道三(伊武雅刀)や濃姫(綾瀬はるか)や織田信長がからむ。誰が信長か、というのが重要なテーマみたいだけど、荒唐無稽というよりも茶番? かつての角川映画は沖田総司を女にしたりかなりむちゃくちゃなことをやってたけど、その伝統は生きているのかも??

 壮大なスケールの邦画大作を期待したら、ずっこけます。

手塚昌明監督。2005年日本映画。

2006年2月 7日 (火)

イントゥ・ザ・ブルー(2005)

イントゥ・ザ・ブルー バハマに住むジャレッド(ポール・ウォーカー)とサム(ジェシカ・アルバ)は海中に眠る海賊のお宝を見つけるのが夢。友人の弁護士ブライス(スコット・カーン)とそのガールフレンド・アマンダ(アシュレイ・スコット)と共にダイビングしていた彼らは、ゼフィア号という沈没船の宝石を発見して色めき立つ。ところがその近くには、麻薬を満載した飛行機も不時着していた…

 お宝探しの海洋アクションアドベンチャー。とにかく水中撮影がキレイで、環境ビデオとしても楽しめそうな画面。ほとんど半裸で出ずっぱりのポール・ウォーカーだけど、こんなにマッチョだったんかとちょっと驚かされた。ジェシカ・アルバのナイスバディは言うことなし。それだけに二人のいちゃいちゃするシーンが多いのはちょっと鼻につくかも。

 かなりひねったストーリーで、悪役が2転3転するあたりも悪くはないんだけど、強いていえばアドベンチャー独特のわくわく感が足りないのが残念。もっとアクの強い敵を用意したほうが良かったんじゃないかと悔やまれます。

ジョン・ストックウェル監督。2005年アメリカ映画。

2006年2月 5日 (日)

戦国自衛隊(1979)

戦国自衛隊 伊庭三尉(千葉真一)が率いる演習中の自衛隊一個小隊が閃光に包まれ、戦国時代にタイムスリップする。現代へ帰るあてがない事を悟った彼らは、長尾景虎(夏木勲)と同盟を結びこの時代で天下を盗ることを決意する。近代兵器を戦国時代に持ち込んだらどうなるか、という面白いテーマで見せてくれる半村良原作のSF大作。

 最も元気だった頃に作られた角川映画大作で、中康治、江藤潤をはじめ、にしきのあきら、かまやつひろし、渡瀬恒彦、鈴木ヒロミツ、竜雷太、小野みゆき、成田三樹夫などなど早々たるメンバーが登場。さらに薬師丸ひろ子や草刈正雄、真田広之、宇崎竜童、岸田森などがほんのチョイ役でゲスト出演しているなど、顔ぶれを見ているだけでも楽しめる。ヘリや装甲車を使ったアクションも大迫力。ただしストーリーは…うーむ、苦しいぞ。

 帰るあてもない閉塞感から、殺戮に走るってのは深いテーマだと思うし、圧倒的に有利な兵器に守られて戦っていても、ガソリンと弾薬がなくなればただの鉄のカタマリになってしまう戦力ってのもなるほどと思わされる。単純に近代兵器で弱い者いじめする映画じゃないところは面白い。でもストーリーにそれ以上のひねりがない。

 もうちょっとじっくり脚本を練ってくれたら、それこそ歴史に残るような名作になったかもしれない。惜しい!!

斉藤光正監督。1979年日本映画。

2006年2月 3日 (金)

コーラス(2004)

コーラス 指揮者ピエール(ジャック・ペラン)は母の訃報を受けて故郷へ帰るが、そこで50年ぶりに会う友人ペピノから、音楽教師クレマン・マチュー(ジェラール・ジュニョ)の日記を渡される。それは不良少年が集まる寄宿舎「池の底」で結成した合唱団の思い出が綴られていた…

 サン・マルク少年少女合唱団を迎えて作られた、感動の学園ドラマ。おそらく天才ソリストのジャン・バティスト・モニエの天使の歌声も聴きもの。少年時代のペピノを演じるマクサンス・ペランがジャック・ペランの息子だってのは後で知った。サウンド・オブ・ミュージックあたりを思わせる、名作風ドラマ。

 とはいっても、ジャック・ペランが訃報を受け取って動き出す導入部はそのまんま「ニュー・シネマ・パラダイス」のノリ。二番煎じかと思ってたら、ストーリーはべたべたの学園ドラマとなっていく。ひねりのきいたフランス映画の中だけに、こんなベッタリしたストレートな映画が受けたのかもしれない。

 音楽教師クレマンを演じるジェラール・ジュニョって本当にいい味出してますね。人をシアワセにする役ってのにぴったり。この映画のラストを見ていると、ピエールの母親ってのはつくづく人を見る目がない。常に惜しいものを逃している。反面、ペピノは人を見る目があったってことかも。

クリストフ・バラティエ監督。2004年フランス映画。

2006年2月 1日 (水)

少女の髪どめ(2001)

no jacket image ラティフ(ホセイン・アベディニ)は工事現場で給仕や雑用をして働く少年。ある日アフガニスタン出身のナジャフ(ゴラムアリ・バクシ)が怪我をして、かわりに息子のラーマト(ザーラ・バーラミ)が働きにやって来る。ラーマトに給仕の仕事を取られたラティフは事あるごとに彼に辛く当たるのだが、ある日実はラーマトが少女であることを知る…

 イランに流れ込んだアフガン難民を背景にした、少年ラティフの初恋物語。この少年が何ともイヤなやつで、前半は見ていてイライラさせられることうけあいなんだけど、相手が少女だと知ってからの行動は… 気がつくと彼を嫌いじゃない自分がいた、というタイプの映画ですね。

 とっても珍しいイラン映画(oga.はキアロスタミ監督の何本かと「青いベール」しか見たことなし)なんだけど、すごく洗練されていてそれでいて繊細で、とっても気に入ってしまった。とにかく単純でわかりやすいラティフは愛すべきやつだし、何も語らないラーマト(バラン)がいじらしく思えてくる。彼女は女であることを隠すためにしゃべらないのかと思ったんだけど、結局最後まで声を聞くことがなかった。そこがまた印象に残る。

 最後は、金も身分証も何もかも失ったラティフ。イランとアフガニスタンは、どれくらい遠いんだろう。エンドクレジットをみながら、いろいろと思いを巡らすことができる作品でした。おすすめです。

マジッド・マジディ監督。2001年イラン映画。

2006年1月31日 (火)

レッド・バイオリン (1998)

no jacket image 17世紀のイタリア。バイオリン職人のブソッティ(カルロ・セッチ)の妻アンナ(イレーネ・グラツォーリ)は妊娠中。しかし使用人はタロット占いで彼女に不吉な運命を告げる。やがてアンナは子供と共に亡くなり、ブソッティが子供のために作った通称「レッド・バイオリン」はオーストリア、イギリス、中国を転々として、現代はカナダのオークション会場にあった…

 タイトルどおり「レッド・バイオリン」が主人公。生き物のように旅をしていろんな人々の元を渡り歩いていくバイオリンの300年以上に渡る大河ドラマ。このバイオリンを主人公にするというアイディアが秀逸で、見応えたっぷりの作品に仕上がっている。

 エピソードのひとつひとつは小粒なんだけど、組み合わせてみると深い。総じて言えるのは呪われたバイオリンだってこと。修道院のバイオリン弾きの少年(クリストフ・コンツェ)も、イギリスのバイオリニスト・ポープ(ジェイソン・フレミング)にも、総じて不幸な結末が待っている。その後バイオリンが文化大革命の中国に渡るのも、物語に厚みを加えている。

 現代のオークションパートには楽器の鑑定人としてサミュエル・L・ジャクソンを登場させて、物語を締めくくる。しかもなんともブラックな結末を用意して…

フランソワ・ジラール監督。1998年カナダ=イタリア合作。

2006年1月29日 (日)

陰謀のセオリー (1997)

陰謀のセオリー タクシー運転手のジェリー(メル・ギブソン)は世の中の事件をすべて陰謀に結びつけて考え、客にそのトンデモ話をべらべらとしゃべりまくって暮らしている。ところがある日、冬でもないのに水道管破裂の工事がおかしいという疑問を抱いていたところを、謎の男につけねらわれるようになる。彼はひょんな事から知り合った、司法省に勤めるアリス(ジュリア・ロバーツ)に相談をもちかけるのだが…

 嘘から出た誠のようなストーリー。「スペースシャトルが地震を起こす」だとか正にトンデモ話にどっぷり浸かったタクシードライバーが、本物の陰謀に巻き込まれてとんでもない目にあうストーリー。さすがに2大スターの共演+リチャード・ドナー監督だけに、これに派手なアクションやロマンスを加えて豪華に盛り上げる映画。スター・トレックのパトリック・スチュワートも怪しさ爆発の演技を見せてます。

 拷問に傾倒しているんじゃないかと思うメル・ギブソンですが、本作でもしっかりと拷問されてます。目にバンソウコウは嫌です。イタそうです。

リチャード・ドナー監督。1997年アメリカ映画。

2006年1月27日 (金)

ローラーボール(2001)

ローラーボール 近未来、世界が熱狂するスポーツ「ローラーボール」にジョナサン(クリス・クライン)はスカウトされ、アジアの国々を興行して転戦することになる。

 75年版は大作SFといった面構えだったけど、本作ではローラーボールは現実にありそうなスポーツに変貌。舞台が近未来のアジアだけにいかがわしさ大爆発で、低次元のプロレスといったノリ。ローラースケートはよりスピードの出そうなローラーブレードになっているけど、あんまり迫力ないぞ。

 悪役にジャン・レノが出てるのも話題だけど、あるのは彼独特の存在感だけで完全な消化不良を感じる。一流の監督と出演者をそろえても、必ずしも傑作ができるとは限らない見本かも。たぶん10年後には「ローラーボールのリメイク、あったっけ?」ってなことになると思うぞ。

ジョン・マクティアナン監督。2001年アメリカ映画。

2006年1月26日 (木)

ローラーボール(1975)

no jacket image  2018年の今となっては近未来。管理社会が戦争を克服して、人々はローラーボールという選手の死まで認められた都市対抗スポーツに闘争本能のはけ口を見いだしていた。ところがローラーボールのカリスマ選手であるジョナサン(ジェームズ・カーン)に危機感を抱いた組織は彼に引退を迫り…

 60年代から70年代にいっぱい作られた暗黒の未来映画の1本で、制作費や規模・スケールとしては最大級のものでは? ところがそのわりにはローラーボールの試合は思ったほど迫力なく、選手がどんどん死んでいく最後の試合では赤ランプが点くたびに映画館には苦笑まで起こっていた記憶があります。トゲトゲのついたグローブを前面に出したポスターは怖かったのに、スクリーンではゴムのイボになっていたような気が…

 今考えるとチープな大作映画だったような気がするんですが、多感な時期(?)に見たせいか結構印象に残っている作品。今でも未来SFというと本作が真っ先に思い出されます。未来の造形とか白を基調にしたシャープな画面とか、かっこよかったです。ボンドガールのモード・アダムスも出てました。

ノーマン・ジュイソン監督。1975年アメリカ映画。

2006年1月25日 (水)

いかレスラー (2004)

no jacket image 超日本プロレスのタイトルマッチに突然巨大なイカが乱入し、新チャンピオン田口浩二(AKIRA)からチャンピオンベルトを取り上げた上にノックアウトしてしまう。実はこのいかレスラーはかつて自分のライバルだった岩田貫一(西村修)が変身したものだと知った田口は、リターンマッチに燃えるのだが…

 カルト映画「えびボクサー」をパクって作られた映画。製作は「えび?」の配給関係者で、パクったことを公言している潔さがいいぞ。

 実は私、こういうバカ映画は大好きでして今回のバカさ加減はさらに超二重丸だと思う。監修にウルトラシリーズの実相寺昭雄を迎えて、出てくるいかレスラーもたこレスラーもウルトラマンの怪獣といった面構え。これはまた、一時期の怪獣映画が怪獣プロレス映画と揶揄されたことに対するアンチテーゼかも。

 映画がもっとヒットしてたら、プロレスにも「いかレスラー」「たこレスラー」が登場して人気を集めていたかもね。

河崎実監督。2004年日本映画。

2006年1月24日 (火)

季節の中で (1999)

no jacket image  ベトナムの旧サイゴンで、貧しい少女キエン・アン(グェン・ゴック・ヒエップ)は蓮の花を摘んで売る仕事に雇われる。雇い主のダオ先生(チャン・マイン・クオン)は不治の病で、人前には姿を現さない。やがて詩を通じて少女と先生は話し合うようになるのだが… 他にシクロという人力車をひくハイ(ドン・ズオン)と娼婦ラン(ゾーイ・ブイ)のラブストーリーや、現地に残して別れた娘をさがすアメリカ人のジェームズ(ハーヴェイ・カイテル)の話など4つのエピソードをからめた人間ドラマ。

 ベトナム出身のトニー・ブイ監督によるベトナムを舞台にしたアメリカ映画。とはいっても現地の人たちが生き生きと描かれていて、映画を見終わるまでベトナム映画だと思いこんでしまった。アメリカ人俳優としてハーヴェイ・カイテルも出ているけど出番はひかえ目で、いくつかあるエピソードのひとつといった扱いだ。

 現地にお金を落としていってはくれるけど、雲の上の存在という外国人ホテルが象徴的。こういうのを見ると、発展途上国への興味本位な旅行はある意味罪なんかなぁという気分になってくる。海外旅行をする前には目を通しておきたい映画だ。

 蓮の花いっぱいの池に船を浮かべる女たちのビジュアルが印象的。真っ赤なハイビスカスのような花もしかり。ベトナムって熱帯の一部なんだなぁと感じさせてくれる。

トニー・ブイ監督。1999年アメリカ映画。

2006年1月23日 (月)

ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ (2005)

ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ 母親(エイミー・アーヴィング)の自殺により心を閉ざしてしまったエミリー(ダコタ・ファニング)。彼女を立ち直らせるために心理学者でもある父親のデビッド(ロバート・デ・ニーロ)は郊外の屋敷へと引っ越す。ところがエミリーは想像上の人物チャーリーと遊ぶようになり… 天才子役ダコタ・ファニングが名優デ・ニーロと共演する、話題のスリラー。

 このところのダコタ・ファニングって共演者が凄すぎ。ついにデ・ニーロと組んでひけを取らないところはさすが。とはいっても、映画自体の面白さはほとんどこの二人の共演によるところに頼りすぎていて、地味で暗い映画という感想しか残らなかったのが残念なところ。

 いわゆる驚愕のラストってやつなんだろうけど、この手のスリラーが続いたせいであまり驚愕しなかったのが辛い。関係が180度ひっくり返る後半がキモなんだけど、とっても薄味なのはなんでだろう。二人の演技も悪くないと思うのだが。スリラーのわりに、意外とコワいシーンが少なかったせいかもしれない。

 なおDVDではエンディングの違う2つのバージョンに加えて、さらに3つの別エンディングも収録している。こんな5つのラストを見せられちゃ映画の余韻も何もあったもんじゃない。封印しといた方が良かったんじゃないの。ちなみにoga.は劇場公開版で見たけど、ぐるっと別バージョンのラストを見回した限りこの劇場公開版が一番コワいオチだと思った。

ジョン・ポルソン監督。2005年アメリカ映画。

2006年1月20日 (金)

奥さまは魔女 (2005)

奥さまは魔女 魔法を使わない生活と普通の恋を夢見て人間界に降りてきた魔女イザベル(ニコール・キッドマン)。同じ頃、テレビドラマ「奥さまは魔女」のリメイクで相手役を探していた落ち目の男優ジャック(ウィル・フェレル)はイザベルが鼻を動かすところに一目惚れして番組に出るように口説き落とすのだが… 往年の大ヒットテレビドラマ「奥さまは魔女」を劇中劇にして描くコメディ。

 期待して見たんだけど…う?ん、この退屈さは何なんだろ。トムと別れてから一作ごとにキレイになっていくニコール・キッドマンだけど、彼女の美しさ以外に見るものがないってのが正直なところ。まずは「奥さまは魔女」って面白い素材を、どうして劇中劇にして面白くなくしてしまったんだろう?

 「めぐり逢えたら」のノーラ・エフロンの監督・脚本だけに、典型的なくっついて別れて…ってタイプのメロドラマ。ラストが見えてるだけに、途中に見るべきものがなかったら目も当てられないような気がする。相手役のウィル・フェレルは人気コメディアンらしいが、ラブストーリーを演じるには濃いすぎる。脇をかためるマイケル・ケインとシャーリー・マクレーンはさすがの貫禄でいい仕事をしてます。特にM・ケインはいい爺さんになったと思う。これからが楽しみだ。

ノーラ・エフロン監督。2005年アメリカ映画。

2006年1月19日 (木)

SHINOBI (2005)

SHINOBI 徳川家康が天下をとり戦乱が終わろうとしていた時代。甲賀忍者の朧(仲間由紀恵)と伊賀忍者の弦之介(オダギリジョー)が出会い、恋に落ちる。ところが家康の命令で伊賀甲賀双方から5名ずつを戦わせてどちらが生き残るかによって次期将軍を決定することになり、そのリーダーに朧と弦之介が選ばれてしまう…

 山田風太郎の「甲賀忍法帳」を原作にしたアクション時代劇。「Lovers」や「英雄 HERO」あたりの香港映画の影響をモロに受けたような画面で、登場する忍者たちはみな超人。飛ぶ、跳ねるは当たり前で、体にミミズを飼っていたり(笑)触手みたいなのを持ったやつがいたり、主人公の朧に至ってはにらみつけるだけで人を殺してしまう。なんかこのにらみ殺すシーンは必殺シリーズを思い出してしまったぞ。

 ストーリーは意外と平板で、えんえんと続くサバイバルバトルは場所を変え趣向を懲らすもちょっぴり単調。盛り上がるのは駿府城に舞台が移ったラストかな。あんだけのパワーを持った人間兵器たちが、どうして将軍に忠誠を誓っているのかが不思議。あの力を使ったら天下を盗れるんじゃないのって思ってしまったけど、ただ強いだけじゃ国をおさめることはできないんだろうなぁ。

 オダギリジョーは言動も含めてサムライが似合わないんだけど、ファンにしたらそこがいいのかも。仲間由紀恵もこれまた忍者に見えない。優しそうなきれいなおねえさんって感じだ。

下山天監督。2005年日本映画。

2006年1月18日 (水)

クリクリのいた夏 (1999)

no jacket image 30年代のフランスの片田舎、通称「沼地」と呼ばれる場所で、若い独身のガリス(ジャック・ガンブラン)と家族持ちのリトン(ジャック・ヴィルレ)はほとんど自給自足に近い暮らしをしている。町に工場を開き成功した老人ぺぺ(ミシェル・セロー)は町の暮らしに飽き飽きして、出身地の沼地で自由に生きるこの二人と意気投合してたびたび沼地に通うようになる。ところがだらしないリトンは酒場でボクサー(エリック・カントナ)といざこざを起こす。

 リトンの幼い娘クリクリの目を通して描いた「沼地」の年代記で、スズランの花、食用ガエル、エスカルゴを集めて売ったり日雇いで耕作をしたりして暮らすガリスとリトンの生活を生き生きと描く。気ままに生きているように見えても、彼らなりのこだわりがあったりするのもフランス流である。

 映画はガリスの恋、リトンとボクサーとのいざこざ、家族に嫌がられながらも沼地に通うペペ、そしてペペの孫に一目惚れするクリクリなどなど、エピソードてんこ盛りで飽きさせない。そして余韻を残す結末…などなど、あらゆる意味で人に「よかったから見て」と勧めたくなる映画。見終わったらクリクリと同じ思い出を共有して、確かにあそこに「沼地」があった、という気持ちになります。

ジャン・ベッケル監督。1999年フランス映画。

2006年1月17日 (火)

北京好日 (1993)

no jacket image 京劇の劇場の住み込み管理人をする韓(ホワン・ツォンルオ)は定年退職を迎えて、亡くなった妻の写真とわずかな荷物をかかえて出て行く。何もすることがなくて元の職場に戻って新しい職員を指図してみたり、町をぶらぶらする毎日だったがある日公園で年寄りたちが思い思いに京劇を演奏しているのに出会う。公民館とかけあって彼らに練習場所を与え、老人京劇クラブとして取り仕切る韓さんだったが…

 「ラスト・エンペラー」の助監督も勤めたという女性監督ニン・インの作品。登場するのは年寄りばかり、しかも半分以上が素人なんだけど、なぜかみんな芸達者で生き生きしているという中国ネオ・リアリスモみたいな映画。最初から最後まで本当にじいさんばっかりで、女性もほとんど出てこないという華のない映画。でも捨てがたい魅力があるのも確か。

 老人クラブを舞台に、どこにでもありそうな日常のドラマを面白おかしく描いた佳作。映画の魅力は行ったことのない国・行ったことのない町の日常を感じられることってのがあるんだけど、正にそれに値する愛すべき作品。ホワン・ツォンルオ演じる韓さんのがんこさ、うざったさがいい味を出してます。

ニン・イン監督。1993年中国・香港合作

2006年1月16日 (月)

セレブリティ (1998)

no jacket image 新聞のライターのリー(ケネス・ブラナー)はソリの合わない妻(ジュディ・デイヴィス)と熟年離婚。映画の脚本家として一花咲かせよう、加えて本当に愛せる女性と巡り会おうと業界関係者(セレブ)たちと次々と接触する。ウディ・アレンの映画らしく、豪華な出演者が楽しめるモノクロ映画。レオナルド・ディカプリオをはじめメラニー・グリフィス、シャーリーズ・セロン、ウィノナ・ライダーなどが次々とゲスト出演風に登場する。

 アレン自身が出演しないアレン映画なんだけど、彼がいつもスクリーンで演じている頭でっかちのなさけないキャラクターが主演のケネス・ブラナーにかぶる。正にのりうつりである(笑)。自らの幸せを求めて、映画関係者やスター相手には脚本の売り込みを、そして美しい女性たちには次々と声をかけるんだけどすべてがから回り。同じく別れた妻が別の男と再婚を果たすエピソードも平行して描かれるけど、こちらもうまくいってるのだかいかないのかとっても危なっかしい。

 で、混乱は収拾せず何やらもやもやっとしている間に空に「HELP」と描かれて映画は終わる。これこそ煙に包まれた気分である。

ウディ・アレン監督。1998年アメリカ映画。

2006年1月15日 (日)

樹の海 (2004)

no jacket image 金融会社で取り立てをやっているタツヤ(池内博之)は借金をかかえて富士の樹海で自殺を図っている今日子(小嶺麗奈)から足をくじいたという電話を受け、なぜか彼女を助けに樹海に向かう。携帯電話で連絡を取りながら彼女を探すタツヤだったが… 同じ頃にヤクザに半殺しにされて樹海に捨てられた朝倉(萩原聖人)は首を吊ろうとしている中年男の田中(田村泰二郎)に出会う…

 自殺の名所と言われる富士の樹海を舞台に4つのエピソードを描いたオムニバス映画。上記の他にも、過去に恋人に裏切られストーカーとなったことのある女性のストーリーを井川遙主演で、そして自殺した女の子(小山田さゆり)の思い出を二人の男(津田寛治、塩見三省)が語り合うストーリーが用意されている。

 かなり演劇寄りの内容で、池内博之は携帯電話を片手にしたひとり芝居、萩原聖人を死体を相手にしたこれまたひとり芝居で頑張っているんだけど、脚本が良くないのか彼らに素直に感情移入できなかったところが辛い。逆に携帯の相手の小嶺麗奈や、思い出を語られる小山田さゆりがほんの瞬間しか登場していないのに印象に残るのが不思議。

 だだっ広い樹海に密度の濃い自殺のドラマを組み立てる方が無理があるのかなぁ。感涙のドラマと呼ぶにはちょっと苦しい。4つのエピソードのからみ方は面白かったのだが。

瀧本智行監督。2004年日本映画。

2006年1月13日 (金)

ロード・トゥ・パーディション (2002)

ロード・トゥ・パーディション 30年代の大恐慌時代のロックアイランド。マイケル(トム・ハンクス)はアイルランド系マフィアの幹部で、ボスのルーニー(ポール・ニューマン)には絶大なる信頼を得ている。仕事を子供たちに隠していたマイケルだったが、ある日不振に思った息子の一人ジュニア(タイラー・ホークリン)に外出時にあとをつけられて、人を殺すシーンを目撃されてしまう。

 決して仲が良くなかった父子が、極限状態に追い込まれて信頼を築いていく物語。家族を皆殺しにされて逃避行を続ける父子を哀愁たっぷりに描いた名作だと思う。息子を守る父の姿に熱くなった。オープニングシーンから結末は明かされているようなものなんだけど、さらに衝撃的なラストにも熱くなった。ジュード・ロウの殺し屋もうまい。何よりも子役のタイラー・ホークリンも今後が楽しみだ。

 トム・ハンクス演じるマイケルは冒頭はとってもイヤなヤツなんだけど、映画を見終わる頃には好きになっている自分がいた。ギャングしか生きるすべがなくて、それでも息子以外は守れなかったってのが辛すぎるぞ、この映画。

サム・メンデス監督。2002年アメリカ映画。

2006年1月12日 (木)

チーム・アメリカ ワールドポリス (2004)

チーム・アメリカ ワールドポリス パリに現れたテロリストを相手に重火器を使ってエッフェル塔やルーブル美術館ごと始末したチーム・アメリカ・ワールドポリスだったが、仲間もひとり失ってしまう。その穴を埋めるために隊長スポッツウッド(声:ダラン・ノリス)からスカウトされたのが、俳優のゲイリー(トレイ・パーカー)だった。北朝鮮の将軍様をはじめ、著名なハリウッドスターなど実在の人物を無許可で登場させて怪しいギャグを満載したスーパーパロディ人形劇。良識派の方であれば、まず楽しめない内容。

 この映画、好きか嫌いかといえば、う?ん好きかもしれない。「サウスパーク」のコンビ、トレイ・パーカーとマット・ストーンが作った映画で、とにかく最初から最後までアブないギャグのオンパレード。さすがにアメリカ人ではないので一から十まで楽しめるわけではないが、それでも笑えるところに底知れぬパワーを感じる。

 サンダーバードに影響されたというスーパーマリオネーションの世界で、CGを一切使ってないというのがウリらしい。それだけにセットやメカには相当に手をかけてる。ただしあやつり人形のぴょこぴょこした歩きや格闘シーンは相当にヘンだし、人形にきわどいラブシーンまでやらせてしまうのも絶句もの。ゲロのシーンなんか、酒飲みながら見てたらまず気持ち悪くなりそう。

 何よりも凄いのは、豪華出演者たち。将軍様をはじめ、アレック・ボールドウィン、スーザン・サランドン、まっと・でいもん(ひらがな)、サミュエル・L・ジャクソン… 1ダース以上のハリウッドスターを人形で実名で無許可でしかも悪役で登場させて、最後はスプラッティーな結末を用意。マイケル・ムーア監督なんか意味不明の爆死である。訴えられない方がおかしい…んだけど、実際に訴えた話を聞かないのはハリウッドの懐の深さかもしれない。

 エンドクレジットで知ったんだけど、主人公のゲイリーをはじめ将軍様やハリウッドスターたちを、トレイ・パーカーが一人で声をあてている。いわゆるものまね大会一人芸だったわけだ。

トレイ・パーカー監督。2004年アメリカ映画。

2006年1月11日 (水)

映画クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃 (2005)

映画クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃 野原家にやって来た小型のロボット・ミライマン(声:村井国夫)が、地球に危機がやって来ているので次々に登場する怪獣をヒーローに変身してやっつけて欲しいと頼む。その猶予は3分で、倒せないと怪獣は現実世界にやって来てしまうという。思い思いのヒーローに変身する術を得たしんのすけ(矢島晶子)をはじめとする一家は、怪獣退治に乗り出すのだが…

 劇場版ですでに12本もあるというクレヨンしんちゃんを今回初めて見た。映画はおろか、テレビも見てなく予備知識ゼロだったんだけど、これは我々の年代が子供だった頃の社会を活写していて結構大人でも楽しめる内容だと思う。特に冒頭お母さんのみさえ(ならはしみき)が赤ちゃんのひまわり(こおろぎさとみ)に振り回されるシーンなんていっぱい笑えた。一緒に見た息子は、ヒーロー登場のあたりからころころ笑っていた。人気絶頂の波田陽区が怪獣になって登場したりと、なかなかノリのいい映画である。

 しかし野原家ってのは、夫婦仲も良く2人の子供に恵まれて郊外に庭付きの大きな一戸建てを持っていてお父さんは部長職を狙ってたりと、結構裕福で成功しているんじゃないかって、ちょっとうらやましく思ってしまった。

ムトウユージ監督。2005年日本映画。

2006年1月10日 (火)

ベン・ハー(1959)

ベン・ハー ユダヤの王族の息子ジュダ・ベン・ハー(チャールトン・ヘストン)はローマ軍の武将になった旧友のメッサラ(スティーヴン・ボイド)と再会するが、強大なローマの力による支配に心酔するメッサラと対立する。自宅の塀の上でローマの将軍のパレードを見ていたベン・ハーと妹のティルザ(キャシー・オドネル)だったが、誤って将軍へ瓦を落としてしまい反逆罪で逮捕される。メッサラに助けを求めるが、彼の裏切りでベン・ハーは奴隷船送りに、ティルザと母ミリアム(マーサ・スコット)は投獄。必ず帰ってくると復讐を誓うベン・ハーだったが…

 中学生の時にテレビ放映で見て映画にハマるきっかけとなった作品。戦車競争で有名な本作だけど、その時はガレー船のスペクタクルが強烈に印象に残った。今見たら意外とこじんまりとまとまった感じがしなくもないが、それでも奴隷が何列にも並んでオールを漕ぐビジュアルは生々しい。

 もうひとつ好きなシーンは、ベン・ハーがキリストに水を与えるシーン。あれはめちゃめちゃ泣ける。宗教がどうこう言うよりも、あの助けてくれた人に水をあげなければという精神が好きだ。4時間近くある長尺の中で、最初にベン・ハーがキリストに助けられてからここに至るまでの時間が長いのも凄くいい効果を上げていると思う。

 何回も見ている作品だが、一番印象に残るのは大阪のOS劇場(シネラマ)がなくなる時にアンコール上映されたもの。あのシネラマのひん曲がった超巨大画面に映し出されるベン・ハーの迫力は常軌を逸したものであった。シネラマの復活を切に望みたい。

 今回見たのはDVDのコレクターズ・エディションでおそらくNTSCではこれが最高画質だろう。確かにコレクションしておいても損はない。でも本当は、ハイビジョン版を120インチぐらいのスクリーンで至近距離に座って鑑賞してみたいもんだと密かに考えていたりする。

ウィリアム・ワイラー監督。1959年アメリカ映画。

2006年1月 9日 (月)

ベン・ハー(1925)

no jacket image 紀元元年前後のユダヤはローマ帝国に占領されていたが、救世主が現れるという予言通りにキリストが誕生する。同じ頃、元ユダヤの王ベン・ハー(ラモン・ナヴァロ)は旧友でローマの武将となったメッサラ(フランシス・X・ブッシュマン)と再会する。ところがメッサラは完全な権力主義者に変貌していた。けんか別れした二人だったが、ローマの将軍の凱旋パレードに誤って瓦を落としたベン・ハーは投獄されガレー船送りになってしまう。

 おなじみのベン・ハーの2度目の映画化で、モノクロ(パートカラーは後の着色らしい)・サイレント版。今回調べて驚いたことのひとつは、この1925年版ベン・ハーの前に、1907年製作のベン・ハーがあったらしい。しかも上映時間15分の短編である。見てみたい!!

 次に驚いたのが今回見たサイレント版のベン・ハー。迫力の戦車競争はもちろん、ガレー船の戦闘シーンも臨場感たっぷりに用意されている。長さも2時間20分もあって見応え十分。しかも59年版と負けず劣らずのクオリティなのは凄い。ベン・ハーってテーマは、昔から超大作となるべくして生まれてきた作品だったのかも。

 ただし時代が時代だけに、宗教色が非常に強いのが面白い。例えば冒頭のキリストの誕生シーンがとっても長い。ある意味キリストが主人公の映画かと思わされる(まぁキリストの物語というサブタイトルがついてはいるが)。同様にラストの奇蹟を起こすシーンから磔刑にかけても入念に撮られているのが印象的である。

 主人公のラモン・ナヴァロはいわゆるサイレントによく見かけるまつげの長い(笑)お目目ぱっちりタイプの役者さんで、ヘストンとはあきらかに違う。ガレー船のシーンなんか、壊れそうである。対してメッサラはいかにもローマ兵といった強面で、夢に出そうな面構えである。

 なおDVDでは「ベン・ハー コレクターズ・エディション」で59年版と併録になっているものを見た。プリントの状態はたいへん良く、見るのにストレスはない。

フレッド・ニブロ監督。1925年アメリカ映画。

2006年1月 6日 (金)

Shall we Dance? (2004)

Shall we Dance? 遺言専門の弁護士ジョン(リチャード・ギア)は妻ビヴァリー(スーザン・サランドン)と2人の子供と裕福な暮らし
をおくっているが、通勤電車の途中で目にしたダンス教室にたたずむ女性(ジェニファー・ロペス)に目をとめて途中下車する。勇気を持って家族に内緒でダンスをはじめたジョンだが、不審に思った妻は探偵をやとって夫の素行調査を行う…

 96年に周防正行原作・監督でヒットした邦画をハリウッドでリメイクした作品。プロットはギャグも含めてほぼ原作に忠実なのには驚かされた。舞台をアメリカに移しても違和感なく見られるのは原作のテーマが普遍的だからかも。

 唯一違うのはラストの扱いで、ハリウッド版では妻ビヴァリーがとっても大切に扱われている。これはこれで非常に良心的な展開。カラっとしたあきらかなハッピーエンドは見ていて気持ちが良い。まぁあの展開が無理なく進むのはリチャード・ギアのいい人っぽい雰囲気によるところ大だろうけど。逆に彼が憧れるダンスの先生のジェニファー・ロペスは草刈民代に比べるとあきらかにトーンダウンした印象を受けた。単に個人の好みの問題かもしれないが、日本人も頑張ってる??

 不気味さ爆発の竹中直人と同じ役割をスタンリー・トゥッチが楽しそうに演じているのも印象的。ダンスのパートナー役の怪女リサ・アン・ウォルターといい、ハリウッドはさすがに役者に事欠かない。

ピーター・チェルソム監督。2004年アメリカ映画。

2006年1月 5日 (木)

Shall we ダンス? (1996)

Shall we ダンス? 平凡なサラリーマンの杉山(役所広司)は、いつも通勤電車から見えるダンス教室の窓にたたずむ女性・舞(草刈民代)が気になって途中下車、ついにダンス教室のドアを叩く。ところが初心者を教えてくれるのは初老の女性たま子(草村礼子)で、風変わりな青木(竹中直人)や三輪(柄本明)がダンスの相手。妻や子供にも隠しながらやがて腕を上げた杉山は、先輩の豊子(渡辺えり子)と組んでコンクールに出場することになるのだが…

 社交ダンスブームを呼んで社会現象にもなった96年の話題作(もうあれから10年にもなるんやなぁ)。草刈民代が、いわゆる「高嶺の花」の女性を好演。さすがにバレエをやっている人だけに、窓辺に立っただけでも絵になるし、杉山がふらふら?と舞い込んで来てしまうのにも説得力がある。彼は家族思いで優しそうでいい男なんだけど、まったく普通の人で平凡な日常の中に埋没してるって設定が等身大でいい、というか身につまされる。単純なサクセスストーリーとして熱くなるもよし、コメディとして見るも良し。いろんな楽しみ方ができる良作だと思う。

 最近、周防監督って沈黙しているけどどうしているんだろう? 日本映画を元気にする監督のひとりだと思うのだが。

周防正行監督。1996年日本映画。

2006年1月 4日 (水)

ロボッツ (2005)

ロボッツ 貧しい家庭に生まれながらもすくすく育ったロドニー(声:ユアン・マクレガー)はテレビでビッグウェルド博士(メル・ブルックス)の貧しくても輝くことができるというメッセージにあこがれて、両親の元を離れてロボット・シティへと旅立つ。自分の発明を認めてもらおうとビッグウェルドの会社へ行くが、そこはすでにラチェット(グレッグ・キニア)によって乗っ取られて利益第一主義の会社になっていた。登場人物すべてがロボットの世界で繰り広げられるファンタジーアニメ。

 あの「アイス・エイジ」のスタッフの最新作だそうで、なんともリアルなCGアニメにまず驚かされる。人間の生活がすべて機械に置き換えられていて、ロボットの成長は部品の交換ってことなのだが、貧乏なロドニーはすべてがお古の使い回し。このロドニーのデザインがなかなか秀逸で、ブルーとアイボリーのカラーリングはなんともレトロで雰囲気たっぷり。

 皿洗いをしてロドニーを育てる両親、ロボットシティで登場してからずっと怪しさ爆発のフェンダー(ロビン・ウィリアムズ)、ヒロインのキャピー(ハル・ベリー)など、キャラクターの魅力満点でロボット以上に人間らしい。ストーリーはすごくステレオタイプでワンパターンだと思うんだけど、キャラクターの魅力で1時間半たっぷりと楽しむことができた。

 アップグレードってソフトの入れ替えかと思ったら、ハードというか外観の入れ替えだったわけね。部品の製造がロボットの生命線って発想は深いぞ。

クリス・ウェッジ監督。2005年アメリカ映画。

2005年12月31日 (土)

亡国のイージス (2005)

亡国のイージス 訓練中の最新鋭イージス艦「いそかぜ」が洋上で乗っ取られる。犯人は副長の宮津(寺尾聰)と対日工作員のヨンファ(中井貴一)とその部下たちで、仙石先任伍長(真田広之)をはじめとする乗組員は下船させられる。犯人の要求は殺害された防衛大学生による論文「亡国のイージス」の新聞全文掲載と、過去の基地爆発事故の真相をマスコミ発表すること。10時間以内に果たされない場合は、特殊兵器グソーを積み込んだミサイルを東京へ撃ち込むという。圧倒的な戦闘力を持ついそかぜに自衛隊は手を出せずにいたが、艦を知り尽くした仙石はひっそりといそかぜに潜入していた…

 福井晴敏のベストセラー小説を「どついたるねん」の阪本順治監督で映画化。音楽にトレバー・ジョーンズ、編集にウィリアム・アンダーソンを起用した話題作。

 「日本人よ、これが戦争だ」というコピーでわかるように、社会派ドラマとアクションをミックスした娯楽作。イージスを巡る攻防はなかなか面白く手に汗握るシーンも多い。ただし舞台がイージス艦内部と首相官邸(?)に限られて意外とスケールが小さいのが難点。同じ舞台設定でも古いアメリカ映画の「未知への飛行」とかはもっともっとスケール感が感じられたんだけど。

 最大の敗因は、事件の発端となった論文「亡国のイージス」に全然共鳴できなかったことかなぁ。平和ボケした日本を悪いことのように言うなら、根拠をもっときちんと説明してほしい。60年間も戦争がなかった国にこそ、守るべき価値があるんじゃないんか、と見ながら熱くなってしまったぞ。

阪本順治監督。2005年日本映画。

2005年12月30日 (金)

ツインズ・エフェクトII 花都大戦 (2004)

no jacket image 花都は女帝(チュー・イン)が支配する女人国で、男は全員奴隷だった。ところが前王朝が復権して男女平等の世界が出現するという予言が成され、さらに前王朝の秘密を握る石板が何者かに盗まれる。ひょんな事から石板を手に入れた若者チャー(ジェイシー・チェン)は宝の地図だと思いこみ仲間のコール(チェン・ボーリン)と旅に出る。ところが奴隷商人スプリング(シャーリーン・チョイ)と女帝の刺客ブルー(ジリアン・チョン)が旅に同行することになり…

 タイトルはツインズ・エフェクトIIだけど、アイドルグループのツインズ(シャーリーン・チョイとジリアン・チョン)が出ていることとジャッキー・チェンがゲスト出演している事以外はまったく別物のファンタジー時代劇。よって前作をチェックしておく必要はまったくない。

 主役はツインズの2人というよりも、旅をするジェイシー・チェン(ジャッキー・チェンの息子)とチェン・ボーリンに重きが置かれている。このジェイシー、スクリーンで見る限りは何やら焦点のぼけたバカ息子のように見えるのだが、それはそれで面白い持ち味のキャラだと思う。意外と器用にいろんな役をこなすのであれば面白いが、期待するのは難しいかな。

 なお父子共演が話題ってことだけど、二人がスクリーン上で顔を合わせるシーンは残念ながらありません。

パトリック・レオン、コリー・ユン共同監督。2004年香港映画。

2005年12月29日 (木)

ツインズ・エフェクト (2003)

no jacket image ヴァンパイヤ・ハンターのリーヴ(イーキン・チェン)はデコテス公爵(ミッキー・ハート)との戦いでパートナーを殺される。新たにパートナーとしてジプシー(ジリアン・チョン)を迎えるのだが、彼女はなぜかリーヴの妹ヘレン(シャーリーン・チョイ)と仲が悪い。あげくにヘレンはヴァンパイヤのプリンスであるカザフ(エディソン・チャン)に恋をしてしまうのだったが…

 ヴァンパイヤハンターとヴァンパイヤの壮絶な戦いを香港ならではの華麗なワイヤーアクションと派手なCGで見せてくれる娯楽映画…なんだけど、これにラブコメの要素を加えた欲張りな作品。いかにも香港映画といった、軽い娯楽作品に仕上がっている。

 タイトルの「ツインズ・エフェクト」とは、香港で絶大なる人気を誇るアイドルグループ・ツインズ(ジリアン・チョンとシャーリーン・チョイ)が主演しているからだそうだ。つまり香港のアイドル映画…なんだけど、双方ともアクションをこなすあたりが香港アイドルは半端じゃない。

 なおジャッキー・チェンが救急車の運転手としてゲスト出演しております。

ダンテ・ラム監督。2003年香港映画。

2005年12月27日 (火)

バットマン・ビギンズ (2005)

バットマン・ビギンズ ゴッサム・シティの大富豪の息子として生まれ育ったブルース・ウェイン(クリスチャン・ベイル)は目の前で強盗に両親を殺されてから人がかわり世界を放浪。ヒマラヤで投獄されていたところをデュガード(リーアム・ニーソン)という男に拾われ、一緒に世の悪と闘わないかと誘われる。ゴッサム・シティに帰ったウェインは執事アルフレッド(マイケル・ケイン)と両親の会社の役員だったルシウス(モーガン・フリーマン)に製品化されなかった防護スーツや武器をもらい、バットマンとして闘うことを決意する。

 時代は89年版バットマンからさかのぼってウェインの少年時代から、ジョーカが登場する直前までを描いた作品。当然、ロビンもバットガールも登場せず、しかも悪を倒す軍団が悪に転じるというプロットにちょっぴり哲学的解釈も(空回りしてますが)加えてかなり硬派な作品に戻したという感じ。雰囲気は悪くないんだけど、ほんと哲学部分(?)が何か微妙にヘンでストーリーに乗り切れなかった。まったくもって惜しいってところかも。

 完全にキャラ祭りになって暴走しまくった「バットマン&ロビン」をうまくかわして路線修正したとは思うんだけど、さらに次回作を作るならもう逃げ場なく「バットマン&ロビン」の続きを作らなきゃいけないわけですよね。バットマンシリーズはこれからどこへ行くんでしょう??

クリストファー・ノーラン監督。2005年アメリカ映画。

2005年12月25日 (日)

皇帝ペンギン (2005)

皇帝ペンギン 南極大陸を舞台に、カップリングして卵を産む皇帝ペンギン、卵をひとりでかえす母親、交代して冬の間じゅう何も食べずに雛を抱き続ける父親、そして家族再会の喜びもつかの間、別々に旅立っていくというドラマチックな習性を追ったドキュメンタリー。過酷な環境の中で、命がけで生きている皇帝ペンギンの姿が心に残る。

 なぜかこのところ動物ドキュメンタリーづいているフランス映画ですが、「アトランティス」「WATARIDORI」「ディープ・ブルー」のような突き放したような構成でもなく、語りを入れてちゃんとドラマ仕立てで見せてくれてわかりやすい。とはいってもディズニーの「自然の驚異」シリーズのように、登場する動物の1匹に名前までつけて(笑)ストーリーに仕立て上げるわけではなく、そのさじ加減は悪くないと思う。好き嫌いの分かれる部分だろうが。

 大自然の中で子供を産んで育てるってことがいかに大変かを実感させてくれる映画。ペンギンの雛の映像などは可愛いので癒し系の映画かと思いきや、すぐ後に忍び寄る死をきちんととらえている実にハードな内容である。無表情なペンギンだけに、かえって映像に重みを感じる。

 内容自体はテレビのドキュメンタリーでも見られそうな作品で、なぜ映画?って思わなくもないが、それはやっぱりスクリーンの大画面で見ることに価値があるのだろう。DVDでもできたら大画面テレビやプロジェクターで見たい作品です。

リュック・ジャケ監督。2005年フランス映画。

2005年12月23日 (金)

バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲 (1997)

no jacket image 不治の病の妻を冷凍し、自らも冷凍液に転落する事故で特異体質に生まれ変わった元天才科学者のミスター・フリーズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)。自らのエネルギー源となるダイヤモンドを求めてゴッサム・シティの美術館を襲撃する。同じく事故で怪人になったポイズン・アイビー(ユマ・サーマン)は、手を組んでゴッサム・シティーを氷漬けにしようとする。バットマン(ジョージ・クルーニー)とロビン(クリス・オドネル)はその野望を阻止しようとするのだが。

 人気シリーズの第4作にして、ティム・バートンがスタッフから名を外したせいかどうかはわからないけど暴走しまくった珍品。今回初めて見たのだが、最初から最後までのけぞりっぱなし。正しくキャラ祭りの世界で、怪人変人たちの共演を楽しむトンデモ映画になっている。

 トップ・クレジットが悪役のシュワルツェネッガーだってことからして凄い。このシュワちゃんもなんともなさけないコスチュームを着て楽しそうにフリーズを演じているのが印象的。クルーニーがバットマンをやってたなんて今回初めて気がついたんだけど、なんかイメージが合わない。まぁこの頃はクルーニーもオドネルもユマ・サーマンもそれほど有名じゃなかったんかもしれない。今考えると凄いキャストで凄い映画なのだが。そうそう、バットガール(アリシア・シルヴァーストーン)の存在も忘れちゃいけないな。

 この映画の暴走が原因かどうかはわからないけど、このあと「バットマン・ビギンズ」までシリーズは8年間も休眠することとなる。しかもあまりの暴走ぶりに続編を作ることができずに(笑)第1作の前日談を作ることになるなんて…

ジョエル・シュマッカー監督。1997年アメリカ映画。

2005年12月22日 (木)

Dearフランキー (2004)

no jacket image 少年フランキー(ジャック・マケルホーン)は母リジー(エミリー・モーティマー)と祖母の3人暮らし。引っ越しを繰り返すフランキーの楽しみは、船員で3歳から会っていない父との手紙のやり取り。ある日その父の乗るアクラ号が彼らの住む街へ寄港することを知ったのだが、実は手紙には母と祖母だけが知る秘密があった…

 1日だけ(実際は2日だけど)の父親(ジェラルド・バトラー)を巡ってのハートウォーミング・ドラマ。イギリス映画でありミニシアター系の映画だけになかなか取っつきにくそうな導入部なんだけど、バトラーが登場してからは目を離せないような展開でラストまで一気に見せてくれる。ひさびさに見た秀作。女性向け映画みたいな宣伝がされてるみたいだけど、男の子を持つ父親が見てもじーんとくる内容。たくさんの人に見て欲しい映画だけど、この導入部の取っつきの悪さだけがハードルかな。ちょっと損してる。

 とにかく余韻の残る作品で、見終わってエンドクレジットを眺めながらその後のフランキーを、マギーを、そして父親(クレジットでは「ストレンジャー」)のその後に思いを巡らせた。映画のクレジットは最後まで見る方だが、そのクレジットが終わってほしくないなぁと思った映画は久しぶりです。

ショーナ・オーバック監督。2004年イギリス映画。

2005年12月21日 (水)

着信アリ2 (2005)

着信アリ2 前作の死の予告電話が携帯にかかってくるという騒動から約1年。保母をしながらセラピストの勉強をする杏子(ミムラ)は恋人の尚人(吉沢悠)がバイトをする中華料理店へ行くが、そこで携帯にかかってきた電話を受けた料理店の主人が急死する。やがて杏子自身にも予告電話がかかってくるのだが。

 登場人物をほぼ一掃しての続編。本来なら死の予告電話を説明する部分が省略できるだけにストレートに本筋に入っていけそうなものだが、システムが若干変更になった(?)ために導入部分からしてまどろっこしい。ストーリーには事件を追うジャーナリスト(瀬戸朝香)や彼女の台湾人の元夫がからみ、最終的に舞台は台湾へ。この台湾へ行く必然性がないために、昔の「○○ロケ」を前面に出したかのようなチープなドラマの雰囲気に成り下がってしまったぞ。

 ストーリー自身には、いちおうどこかの洋画であったかのようなオチがつくけどそれほどのひねりはなし。ミムラのどんぐり目ばかりが印象に残る映画でした。企画・原作は引き続き秋元康。

塚本連平監督。2005年日本映画。

2005年12月20日 (火)

鉄人28号 (2004)

鉄人28号 小学生の金田正太郎(池松壮亮)は母陽子(薬師丸ひろ子)と二人暮らし。転校続きで友達もなく、学校でもいじめられている。ある日東京に巨大なロボット・ブラックオックスが飛来してビルや東京タワーを破壊する。そんな時、正太郎の前に綾部(中村嘉葎雄)という老人がやって来て彼を無人島へ連れて行く。そこには正太郎の父が作ったという巨大ロボット・鉄人28号があった。

 60年代の大ヒットマンガの実写映画化。原作の舞台は60年代でその頃の下町のテイストも残しながら、コンピューターが発達した現代もミックスされた独特の雰囲気を出している。まぁ鉄人のカタチからして流線型で60年代テイストのわけなんですが。

 マンガが原作だけに内容は徹底的に荒唐無稽。まぁあら探しをはじめたらきりがないんだけど、そういうのは一切無視して楽しむ映画でしょう。鉄人の製作やメンテナンスが腕ききの職人たちというシチュエーションだけがちょっといい気分にさせてくれました。

 ロボットバトルは本当に巨大ハンマーをふりまわすボクシングのようで新鮮。東京タワーをアメのようにねじ曲げたり、CG丸出しなんだけど楽しめます。主役の金田少年の今にも泣きそうな顔の連続と、ヒロインの蒼井優の思わず「誰の趣味じゃ?」と言いたくなるような軍服美少女キャラに、ちょっと違和感感じたかな。

冨樫森監督。2004年日本映画。

2005年12月19日 (月)

ポーラー・エクスプレス (2004)

ポーラー・エクスプレス クリスマスイブの夜。もうサンタは信じないと思った少年のところへ、蒸気機関車ポーラー・エクスプレスがやって来る。ポケットになぜかチケットが入っていることを知った少年は車掌にすすめられるままに列車に乗り込む。行き先は、サンタが住む北極点だった。

 クリス・ヴァン・オールズバーグの絵本「急行北極号」を原作にCGアニメ化。原作のタッチを残しながら、トム・ハンクスをはじめとする役者をキャプチャーして3DCG化した映像なのだそうだ。原作を知らない者としては何もそんな手のこんだことをしなくっても…と思ったんだけど。あとから知ったんだけど、トム・ハンクスは少年・車掌・父親・ホーボー・サンタとひとり5役の吹き替えをやっているのだそうだ。言われないと気がつかないってのが凄いぞ。

 とまぁ蘊蓄には事欠かない作品なんだけど、ストーリーはものすごく単純。少年が北極点に行ってサンタさんに出会って帰ってくるだけの物語で、まるでなんとか博のパビリオンで上映されている映像の素晴らしさを見るだけの映画のよう。もっとも列車がジェットコースターになったり、氷の上を滑ったり、とっても美しいサンタさんのシーンがあったりとホームシアターなんかで楽しむにはもってこいの映画だと思います。

 以前ゼメキス監督はCGがあれば役者はいらんと言い放ったらしいけど、役者をキャプチャーしているのはちょっとだけ路線変更したんかな?

ロバート・ゼメキス監督。2004年アメリカ映画。

2005年12月16日 (金)

宇宙戦争 (2005)

宇宙戦争 クレーンの運転手レイ(トム・クルーズ)は別れた妻から息子ロビー(ジャスティン・チャットウィン)と娘レイチェル(ダコタ・ファニング)を預かる。ほんの一時を子供たちと過ごすだけのはずだったが、突然嵐がやって来て地面に無数の稲妻が落ちる。実はそれは宇宙人の侵攻であって、またたく間に地面から現れた3本足のロボットに街は占領され人々は次々に殺されていく。車を奪った3人は、元妻の住むボストンを目指して疾走するのだが…

 タイトルからもわかるとおり、H.G.ウェルズの有名なSFで1953年に制作されたバイロン・ハスキン監督版が有名。こちらはラスト近く教会にこもった人たちが「ハレルヤ・ハレルヤ」と歌ったら有名なオチが訪れたというまるでベン・ハーのような展開で「宗教映画か!?」と突っ込みを入れたんだけど、このスピルバーグ版に教会は一切登場せず。登場人物はただひたすら逃げまどうばかりの暗い映画ですが、圧倒的な映像の迫力に息を飲むばかりの2時間でした。

 トム・クルーズがクレーンの名手ということで、それが伏線かと思ったら結局何もなし。ダコタ・ファニングは結構大きくなったなぁ。相変わらず叫ぶ演技は板に付いているんだけど、もう可愛い可愛いだけではすまない年齢になってきたような。

 火星人(?)のヘビのような探査機がにゅっと忍び込んでくるあたりの描写は相変わらずのスピルバーグ節で手に汗握りました。あのヘビは1953年版のデザインをひきずっているので、思わずにやりとさせられました。

スティーブン・スピルバーグ監督。2005年アメリカ映画。

2005年12月15日 (木)

NANA -ナナ- (2005)

NANA -ナナ- 東京へ向かう列車の中で偶然知り合ったナナ(中島美嘉)と奈々(宮崎あおい)。同じ名前と二十歳だということで、見た目は正反対なのに意気投合した二人は偶然東京でも再会を果たし、マンションの同じ部屋で共同生活することになる。実はナナはプロのボーカリストに、そして奈々は東京で下宿する恋人章司(平岡祐太)と結婚することが夢だったのだが…

 おそらく2005年で今のところいちばんヒットした邦画であり、話題作。ミュージシャンを目指して、恋人レン(松田龍平)と別れた過去をひきずるナナと、恋人を追って上京する乙女チックなごくごく普通の女の子である奈々をとにかく丁寧に描いている。徐々にナナの過去が明かされていく構成といい、すごくドラマチックで映画的。挿入歌もいいです。見終わったあともとってもいい気分にさせられます。こりゃヒットするわ。

 中島美嘉は評判通りにいい女を好演。演技はかたいんだけど、体当たりで頑張っている感じです。映画ではすでにベテランの域に入る(?)の宮崎あおいですが、完全に受けに回っているのがまた良い。とっても可愛いけど疲れる女…確かに可愛い系の女の子ってこういうタイプが多いかも。

 まだ雪の残るひなびた駅での別れのシーンなんて、邦画とは思えないような名場面です。あんな本当に日本的な風景が、すごい名舞台に昇華するなんて凄い。邦画もまだまだ捨てたもんじゃありません。

大谷健太郎監督。2005年日本映画。

2005年12月14日 (水)

バットマン・フォーエヴァー (1995)

バットマン フォーエヴァー ゴッサム・シティーに登場した謎の怪人トゥー・フェイス(トミー・リー・ジョーンズ)とリドラー(ジム・キャリー)。彼らはバットマン(ヴァル・キルマー)を陥れるために手を組む。監督をジョエル・シュマッカーに、バットマンをヴァル・キルマーに変更してのシリーズ第3作。同時にバットマンの相棒ロビン(クリス・オドネル)も登場する。

 これまでずっと監督をしていたティム・バートンが制作側にまわっての第3作で、ティム・バートンが監督を降りたせいかどうかは知らないが屈折した登場人物たちが逆に派手なおバカさんたちに変わってしまったような印
象。それはそれで楽しめるんだけど、前作までのファンが見たらクレームつけそうな気がしないでもない。

 しかしジム・キャリーって、ゴッサムシティーで居心地が良さそう。もう水を得た魚のようなはまり役でした。ヒロインのニコール・キッドマンは、色が白いだけにゴッサム・シティーにハイコントラストで(?)似合っているのかも。

ジョエル・シュマッカー監督。1995年アメリカ映画。

2005年12月13日 (火)

バットマン・リターンズ (1992)

バットマン・リターンズ 魔都ゴッサム・シティーに突然現れた怪人ペンギン(ダニー・デビート)に、キャット・ウーマン(ミシェル・ファイファー)。彼らの陰謀に立ち向かうバットマンだったが、見事に罠にはめられてしまう。徹底的な渋さ(暗さ?)で見せるシリーズ第2弾。

 異形の怪人ペンギンをダニー・デビートが演じているが、デビート自身の面白さよりもメイクの奇抜さでもっているみたいで、前作のニコルソンにはちょっと負けている。醜さゆえに子供の頃に捨てられてペンギンに育てられたという設定は哀れを誘うのだが… これを補っているのがファイファー演じるキャットウーマンで、そのおビョ?きキャラクターはなかなかのもの。ウォーケンも元来存在がおビョ?きのみたいな人のはずだが、ここでは普通の人になりさがっているのがかえって新鮮。

 ストーリーは、このさいどうでもいいや。とにかく暗い映画で最初から最後まで真っ暗で青空は一切なし。覚悟して見ましょう。

ティム・バートン監督。1992年アメリカ映画。

2005年12月12日 (月)

バットマン (1989)

バットマン 悪がはびこるゴッサム・シティに突如現れた正義の味方バットマン(マイケル・キートン)。一度は悪人ジャック(ジャック・ニコルソン)を追いつめ廃液の中に転落させるのだが、彼は怪人ジョーカーとして蘇る。

 ボブ・ケイン原作の有名なアメコミであり、60年代のテレビシリーズにもなったバットマンをティム・バートンがスクリーンに蘇らせた大作。とにかくダークな雰囲気たっぷりのゴッサム・シティという架空の街をひとつ作り上げてしまった凄さに、今ほどCG慣れしていなかった当時は完全にあっけにとられてしまった。しかもアメコミ映画化の定石どおり、主役よりも悪役に大物をってわけでジョーカー役のジャック・ニコルソンがシャイニングばりの怪演。実はこの映画の役者については今となってはニコルソンのはじけぶりしか思い出せなかったりする。キム・ベイシンガーなんて出てたんだなぁ。

ティム・バートン監督。1989年アメリカ映画。

2005年12月 9日 (金)

マイ・ボディガード (2004)

マイ・ボディガード 元工作員のクリーシー(デンゼル・ワシントン)は旧友のレイバーン(クリストファー・ウォーケン)からメキシコ・シティに住む実業家の9歳の娘ビタ(ダコタ・ファニング)のボディーガードの仕事を依頼される。寡黙なクリーシーもやがて彼女に心を開くようになるが、そんな時に事件は発生する。

 A・J・クィネルの「燃える男」を映画化。冒頭からして画面はぐらぐら揺れるは意味不明なカットバックがされるわで見ていてイライラすることしきり。トニー・スコット監督、何か勘違いしてるんじゃない?と思いつつも、ハートウォーミングな前半からがらっと変わってペキンパーも真っ青かといったバイオレンス描写にかなりエキサイトさせられた。こりゃ、子供が準主役だけど子供には見せたくない映画だ。

 ふだんは優しいけど怒るとコワい主人公の登場するアクション映画はハリウッドの定番だけど、ひさびさに筋金入りでフラストレーションが発散できる映画に出会った気分。名子役ダコタ・ファニングも相変わらず可愛いです。

トニー・スコット監督。2004年アメリカ映画。

2005年12月 8日 (木)

アイランド (2005)

アイランド 近未来の管理社会、住人たちは抽選に当たってまだ見ぬユートピア「アイランド」へ行くことを夢見ている。リンカーン・6・エコー(ユアン・マクレガー)は画一化された生活に嫌気が差していたが、ある日外に通じるダクトに1匹の蛾が飛んできたのをつかまえて実は外界は汚染されていないんじゃないかと疑問を持つようになる。そんな時、友人のジョーダン・2・デルタ(スカーレット・ヨハンソン)がアイランド行きに当選するのだが…

 一見、ルーカスのデビュー作「THX-1138」を思わせる出だしなんだけど、マイケル・ベイが監督しているだけに後半は近未来のマンハッタンへ飛び出してあらゆるものを壊しまくるチェイス・クラッシャー・ムービーになっている。ストーリーも往年の暗黒の未来映画(「赤ちゃんよ永遠に」「ソイレント・グリーン」など)を思い出して懐かしい気分にさせられた。テーマはクローンを扱っているだけに「6デイズ」にそっくり。どうしてクローン人間に慎重にならないといけないかが、この映画を見るとよくわかります。

 ちょっと前だったらシュワルツェネッガーあたりが主演してそうな内容だけど、ここは旬のスター・マクレガーが好演。注目していたスカーレット・ヨハンソンがついに大作のヒロインを堂々と演じているのも嬉しかった。

 他に強烈に印象に残ったのが、主人公を助けるマッコードことスティーヴ・ブシェミ。彼って風貌が独特なだけに、何をやっても凄くトクをしてると思う。

マイケル・ベイ監督。2005年アメリカ映画。

2005年12月 7日 (水)

サハラ 死の砂漠を脱出せよ (2005)

サハラ 死の砂漠を脱出せよ NUMA(国立海中海洋機関)のエージェントでありトレージャーハンターのダーク・ピット(マシュー・マコノヒー)は、アフリカで発見された1枚の金貨から南北戦争を逃れて宝を積んだ装甲船がアフリカに流れ着いたとして調査を開始する。同じ頃、WHOの医師エヴァ(ペネロペ・クルス)は謎の伝染病を追ってダーク・ピットの一行に同乗させてもらうのだったが…

 クライブ・カッスラーのベストセラー冒険小説の映画化。いかにもアドベンチャー映画といった内容で、ネタ不足のハリウッドにしてどうして今まで映画化しなかったんだろうって不思議な素材ですね。ノリのいい音楽に乗せて、結局は最後までノリで突っ走る軽さ。最初はちょっと違和感を感じたけど、流れにのってしまえばとっても楽しめる作りです。いかにもラテンの入った顔立ちのマシュー・マコノヒーと、相棒のアル(スティーヴ・ザーン)の掛け合いが絶妙です。

 砂漠の中に廃棄工場が登場するくだりでは、これは007ばりの世界征服目的の誇大妄想狂野郎が出てくるのかと思えば、単に廃棄物処理するだけで廃液を川に垂れ流してそれで世界が危機に瀕するということらしく、とんでもない大馬鹿野郎だと大笑い。この馬鹿さ加減がいい雰囲気を出しております。興行的には苦しかったようなので、続編はムリかな。ちょっと残念。

 「セルラー」で大活躍だったウィリアム・H・メイシーが将軍役で出ていて、存在感あるボケっぷりを見せてくれます。ところで本作の砂漠って、本当に死の砂漠だったんだろうか??

ブレック・アイズナー監督。2005年アメリカ映画。

2005年12月 6日 (火)

鳩の翼 (1997)

鳩の翼 1910年のロンドン。没落貴族の娘ケイト(ヘレナ・ボナム・カーター)は叔母のモード(シャーロット・ランプリング)に引き取られるが、厳格な叔母はケイトが恋人で貧乏な新聞記者のマートン(ライナス・ローチ)とつき合うことを禁じて上流階級の男性と結婚させようとしている。そんなある日、ケイトはアメリカ女性のミリー(アリソン・エリオット)と知り合い意気投合するのだが、彼女はマートンに心ひかれるようになる。

 20世紀初頭のロンドンとベニスを舞台にした恋愛ドラマで、イギリス映画らしい格調高い落ち着いた雰囲気がなかなかはまる。特に舞台がベニスに移ってからはストーリーも急展開を見せ、目が離せない。恋愛至上主義で突っ走るアメリカ映画とは違い、遺産のことやそれぞれの立場などが複雑に交差する内容が深みがあって見せてくれる。ただしミリーの病気はそれらしく見えないのも手伝ってちょっと唐突な印象があったが。原作はヘンリー・ジェイムズ。

イアン・ソフトりー監督。1997年イギリス映画。

2005年12月 5日 (月)

オープン・ウォーター (2003)

オープン・ウォーター DINKS夫婦のダニエル(ダニエル・トラヴィス)とスーザン(ブランチャード・ライアン)はやっと取れた休暇でカリブにダイビングへ行く。ところがガイドのミスで彼らは陸地のまったく見えない海の中に取り残される。足元に見えるのは無数の鮫… 低予算ながら大ヒットとなったというホラー(?)映画。

 コワイと言えば非常にコワい映画なんだけど、見終わったあとの気分の悪さも相当なもの。これが本当のホラーなんだと言われればそうなのかもしれないけど、少なくとも楽しめる映画ではない。一言で言えば、人間がエサになって水中からサメに徐々にかじられていく映画。それでも人間が逆襲する展開があれば、少しは気分も晴れようものだが…

 こういう映画も有りだと思う。でも、いじめを見ているようで非常に気分が悪くなった。楽しめない、教訓もない(ダイビングをするなという事か、自然を甘く見るなということか?)というのでは、ちょっと個人的にはダメダメな映画である。

クリス・ケンティス監督。2003年アメリカ映画。

2005年12月 2日 (金)

バタフライ・エフェクト (2004)

バタフライ・エフェクト エヴァン(アシュトン・カッチャー)は興奮すると時々記憶を失ってしまうことがある少年。父親の病気の遺伝ではないかと心配する母は、彼を精神科医に診てもらい日記を書くことを勧められる。ところがその日記を読んでいると記憶が途切れた過去へ戻れることがわかったエヴァンは、恋人ケイリー(エイミー・スマート)を救うためにある決断をするのだが…

 バタフライ・エフェクト(蝶々効果?)とは、蝶々が羽ばたくと地球の裏側で竜巻が起こっているかもしれないというカオス理論(風が吹けば桶屋が儲かる?)を言う言葉だと冒頭に説明される。この映画では、過去に戻ったエヴァンが過去をわずかに変えただけで、現在ががらっと変わっているという意味合いで使われている。

 というわけで、映画は話が進んでは仕切り直し、進んでは仕切り直しを繰り返してまるでリセット小僧がプレイするアドベンチャーゲームを見るかのような展開である。面白いといえば面白いのかもしれないが、ピンチを見るとついついリセットボタンを押したくなる心境に個人的には何やら納得行かないものをふつふつと感じてしまった。

 まぁ辛口のラストには、やっぱりなって感じだったけど。優柔不断な主人公だったらもう1回リセットしようって考えるんじゃないの?

エリック・ブレス、J・マッキー・グルーバー共同監督。2004年アメリカ映画。

2005年12月 1日 (木)

スター・ウォーズ エピソードIII シスの復讐 (2005)

スター・ウォーズ エピソードIII シスの復讐 共和国と分離主義者の戦争が激化する中、分離主義者のグリーバス将軍がパルパティーン最高議長(イアン・マクディアミッド)を拉致する事件が発生し、アナキン(ヘイデン・クリステンセン)とオビワン(ユアン・マクレガー)が救出する。ジェダイの騎士としてめきめきと力をつけてきたアナキンだったが、妊娠した妻パドメ(ナタリー・ポートマン)が出産と同時に死ぬ夢と予感に悩まされる。

 いよいよスター・ウォーズ完結編ってことで、新3部作と旧3部作がこれでぴしっと繋がる…はずだったんだけど、何かしっくりこない。接着剤が悪かったかも。最大の疑問は、ユアン・マクレガー扮するオビワン・ケノービが、わずか20年でアレック・ギネス扮する爺さんになってしまうという怪(笑)。砂漠の惑星での生活はよっぽど大変だったらしい。そういや議長がウィンドウ(サミュエル・L・ジャクソン)と戦ってあの皇帝のご面相になるってのも、めちゃめちゃ無理があるような気が…面白いんだけど。

 というわけで、よくわかったのは皇帝とダース・ベイダーはいずれもジェダイにぼこぼこにされてあのご面相に落ち着いたということだ。こりゃジェダイを恨む気持ちもよくわかる。スター・ウォーズ恐るべし。

ジョージ・ルーカス監督。2005年アメリカ映画。

2005年11月30日 (水)

スター・ウォーズ エピソードII クローンの攻撃 (2002)

スター・ウォーズ エピソードII クローンの攻撃 エピソード1から10年後の世界が舞台。アナキン(ヘイデン・クリステンセン)はオビワン(ユワン・マクレガー)のもとでジェダイの騎士となるべく修行を積んでいる。ところが元老院では、多数の惑星が共和国からの脱退を宣言する。事態を収拾するためにはクローン軍の導入が必要とされたのだが…

 なんか急にストーリーが入り組んでわかりにくくなってきたシリーズ通算第5作。旧3部作の「帝国の逆襲」と同じく、前後のつなぎ的で完結していない映画なんだけどアナキンとアミダラ姫(ナタリー・ポートマン)の悲恋(?)が前面に出されてなかなかの盛り上がりを見せる。まぁ彼女がからんでアナキンがダークサイドに墜ちていくってのは、容易に連想できる展開なんだけど。

 相変わらず見せ場の連続なのは見事。中盤以降は、ぶっ通しでクライマックスかと思わされる飛ばしようで、もう映画は終わり?と思いながら1時間を過ごすという凄い状態を味わってしまった。DVDをYAMAHAのハイビジョン・プロジェクターで見たんだけど(YAMAHAさん、貸し出しありがとうございます)、コレ本当にDVDって思ったほどクオリティが高かったのも印象に残る。

ジョージ・ルーカス監督。2002年アメリカ映画。

2005年11月29日 (火)

スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス (1999)

スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス 前3部作から約30年前の、はるか彼方の銀河。砂の惑星タトゥイーンにやって来たジェダイの騎士オビワン(ユワン・マクレガー)とクワイ(リーアム・ニーソン)は、そこに住む少年アナキン(ジェイク・ロイド)に強いフォースを感じてジェダイの騎士への参加を呼びかける。

 実際に前3部作から約20年を経て作られたスターウォーズ新3部作の第1作で、時間軸から見てもシリーズの一番最初にあたる物語。技術の進歩は凄いというか、頭から尻尾までしっかりCGが詰まった(笑)内容でぼ?っと見ているのがもったいなくなるようなショットの連続である。

 可愛いアナキン少年が、後のダースベイダーに変貌するのは周知の事実であり、このコがどうして?っていうのはこの映画を目にしたみんなが感じる感想なんだろうな。同時に「レオン」のナタリー・ポートマンがアミダラ女王として物語に深くかかわってくるのもちょっとした衝撃のキャスティングでありました。

 迫力のポット・レースやダース・モールとの戦いなどなど見せ場はたっぷり。この映画1本で、話がほぼ完結しているのもスターウォーズ第1作(新たなる希望)の再来って感じで楽しめました。

ジョージ・ルーカス監督。1999年アメリカ映画。

2005年11月28日 (月)

スター・ウォーズ ジェダイの復讐 (1983)

スター・ウォーズ ジェダイの復讐 冷凍されたハンソロ(ハリソン・フォード)をジャバから救出したルーク(マーク・ハミル)一行は、スーパー・デス・スターを建造中の帝国軍に最後の戦いを挑む。レイア姫(キャリー・フィッシャー)の恋の行方やダース・ベイダー(声:ジェームズ・アール・ジョーンズ)との決戦などなど、ストーリーのほとんどに決着がつくシリーズ完結編。

 本来この後にさらに3部作(エピソード7?9?)が続く予定だったんだけど、ルーカスが「オレも歳だ、作らない」と言ったために事実上ストーリーの最終作となった作品。でもねぇ、新3部作を撮り終えた今となっては、気合いがもどってきて「やっぱり作るわ」と言って続きができちゃうんじゃないかとoga.は踏んでたりします。

 確かに解決してなかった問題は綺麗さっぱりと片づいて、しかも地上と空中の攻防戦などなどファイナルにふさわしい派手で楽しめる映画。ただし熊のぬいぐるみみたいなイウォークの登場で、見るのが気恥ずかしく感じるのは私だけか?

 なお邦題が知らない間に「スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還」に変わっておりました。「ロード・オブ・ザ・キング 王の帰還」の影響かいな?

リチャード・マーカンド監督。1983年アメリカ映画。

2005年11月25日 (金)

スター・ウォーズ 帝国の逆襲 (1980)

スターウォーズ 帝国の逆襲 前作での勝利もつかの間、帝国軍に追われて吹雪の惑星ホスへ逃げた反乱軍だったが、そこにも帝国軍の魔の手が忍び寄ってくる。ひとり修行を積むために惑星ベスビンを訪れたルーク(マーク・ハミル)は、ジェダイマスターのヨーダ(フランク・オズ)に出会うのだったが。シリーズ第2作で、現在のタイトルは「スター・ウォーズ・エピソード5 帝国の逆襲」。

 完全にエピソード6へのつなぎを意識した作品で、登場人物たちはひたすら耐えて逃げて逃げて逃げまくる映画。それでも森の中の戦闘シーンをはじめスピード感あふれる画面はなかなかの迫力で、絶対に大画面で楽しみたいジェットコースタームービーになっている。

 ストーリー的にはヨーダ様の登場と、ダーズ・ベイダー(声:ジェームズ・アール・ジョーンズ)が正体を明かすあたりがミソかな。後にCGを加えた特別版も登場したけど、コレがCGの無い時代に作られた映画ってのはやっぱ驚異的なコトだったのかもしれない。

アーヴィン・カーシュナー監督。1980年アメリカ映画。

2005年11月24日 (木)

スター・ウォーズ (1977)

スター・ウォーズ はるか彼方の銀河系。砂漠の惑星に住む少年ルーク(マーク・ハミル)のところへスクラップ寸前のロボット2体(C3-PO:アンソニー・ダニエルズ、R2-D2:ケニー・ベイカー)が転がり込んでくる。実は彼らは囚われの反乱軍のリーダー・レイア姫(キャリー・フィッシャー)のメッセージを携えているのだった。とまぁ、今更ストーリーを書くまでもないSFの定番映画。現在は「スター・ウォーズ・エピソード4・新たなる希望」と呼ばれている(原題直訳?)。

 初公開はoga.が高校生の時でしたが、確かにこの映画が公開されてからSF映画の流れが変わった。まずはこういった宇宙船+宇宙人+宇宙戦争の映画を大人が恥ずかしくなく見られるようになった。大人向けのSFが、妙に小難しいものばかりでなくなった。映画全般にスピード感あふれるショットが増えた。大人がアニメを見るようになった(直接の影響ではないかもしれませんが)。

 今見ると本当にシンプルなストーリーなんだけど、現在話題の「シスの復讐」も含めて巧妙な伏線が見てとれる。察するにストーリーは初めから全部用意されていたんだろうけど、このエピソード4の部分を切り取って第1作にするあたりに作者(ルーカス?)のセンスが感じ取れるんですね。

ジョージ・ルーカス監督。1977年アメリカ映画。

2005年11月23日 (水)

マスク2 (2005)

マスク2 アニメーターのティム(ジェイミー・ケネディ)は一流になる夢を持ちながらもさえない毎日を送っている。ところがある日飼い犬のオーティスが木のマスクを拾ってきて、それをかぶると緑の怪人に変身してパーティで一躍有名になり仕事ももらってくる。おまけに妻のトーニャ(トレイラー・ハワード)との間には赤ちゃんができるのだが、マスクの持ち主であるロキ(アラン・カミング)がマスクを取り戻しにやって来る。

 10年前にジム・キャリーとキャメロン・ディアス主演で大ヒットした「マスク」の続編…のはずだが、緑の怪人に変身するマスク以外に接点はない。とにかく主人公の動きがアメリカのギャグマンガそのもので、この動きを楽しめなかったらまったくダメダメの映画。

 ちなみに私は…ダメダメでした。ロキの父親としてボブ・ホスキンスが出ているのも話題だろうけど、なんだかなぁ。最後に無理矢理家族愛を埋め込んでいるあたりも、ちょっと見ていてしんどかったぞ。

 こんな赤ちゃんが大きくなって、ぐれたりしたら親は苦労するだろうなぁ。

ローレンス・ガターマン監督。2005年アメリカ映画。

2005年11月22日 (火)

害虫 (2002)

no jacket image 中学生のサチ子(宮崎あおい)には父がなく、母の稔子(りょう)は自殺未遂をはかり彼女自身も登校拒否で長く学校に行っていない。そんな彼女の心のよりどころは小学校時代の教師の緒方(田辺誠一)で、彼は学校をやめて秋田の原子力発電所で働いている。思春期の女の子の、ただならぬ日常を追った青春映画。

 「NANA」でブレイクの宮崎あおいの初期の主演作品。ごくごく普通の女の子が、家庭が崩壊して環境に翻弄されて、そして爆発して放浪する、一言で言うとそんな映画。子供たちの理解者が必ずしも大人の目から見た「いい人」ではないってのは「誰も知らない」と同じだな。

 ほんの3年前の映画なんだけど、宮崎あおいがえらく幼いのにびっくり。ラスト近く、彼女がトラックの運転手にもらった真っ赤なリンゴが、あざとい表現だなぁと思いつつもとっても印象に残った。彼女のこれからの人生を思うと心が痛む。

塩田明彦監督。2002年日本映画。

2005年11月21日 (月)

ミリオンダラー・ベイビー (2004)

ミリオンダラー・ベイビー ロスで小さなボクシングジムを経営するフランキー(クリント・イーストウッド)と老トレーナー・スクラップ(モーガン・フリーマン)のところへウェイトレスをしながらボクシングを学ぶマギー(ヒラリー・スワンク)が転がり込んでくる。女はお断り、30を過ぎてのプロは無理だと一度は彼女を断ったフランキーだったが、彼女の熱意に負けてトレーナーを引き受けることにする。めきめきと実力をつけて、向かうところ敵なしのマギーだったが。アカデミー作品賞・監督賞・主演女優賞・助演男優賞を獲得した、F・X・トゥール原作の話題作。

 単なる女子ボクシングの成功物語に見せかけて、この後半の展開、落としどころには何とも言葉を失った。文句無く印象に残る、というか心に残る作品で、映画を見終わってしばらくフランキー、マギー、そしてスクラップの関係を頭の中で反芻した。

 ただし…印象に残るには残るのだが、この結末はいくら考えても納得いかない。あそこで終われば確かに映画的にはすっきり、潔い人生なんかもしれないけど、何か逃げてるなぁという気がして納得できんのです。家族がたかってくる財産も残しているわけでしょ。介護人を雇えば、誰にも迷惑かけずに生きていけるはずとか、残りの人生に何かを見つけたらいいやんとか考えるとどんどん物語に覚めていってしまった。

 ほとんど語られなかったけど、フランキーの実の娘はなんで疎遠になっちゃったんだろう。そのあたり、マギーとの関係にヒントがあるんかな?

クリント・イーストウッド監督。2004年アメリカ映画。

2005年11月18日 (金)

バニラ・スカイ (2001)

バニラ・スカイ デヴィッド(トム・クルーズ)は出版社を経営する若き実業家。豪邸に住み高級車を乗り回し、綺麗な恋人ジュリー(キャメロン・ディアス)もいて何不自由ない暮らしに思えたが、友人の恋人ソフィア(ペネロペ・クルス)に一目惚れしたことから人生が一変する。嫉妬したジュリーの運転する車でドライブ中に大事故を起こしてしまうのだ。スペイン映画「オープン・ユア・アイズ」をリメイクしたサスペンス風(?)映画。

 サスペンスとも、ラブストーリーとも、SFとも、ホラーともとれる映画。とにかく見ていてどっちへごろごろ転がっていくのかわからないのが飽きさせず、最後まで一気に見てしまった。

 主人公の夢がテーマになっていて、どっちが本物、どこまでが本物って展開は映画にしては使い古されたネタなんだけど、おかずや設定がしっかりしているとまだまだ楽しめるってことがわかった。個人的には、ペネロペよりもキャメロン・ディアスの方が魅力的だった。

キャメロン・クロウ監督。2001年アメリカ映画。

2005年11月17日 (木)

g:mt グリニッジ・ミーン・タイム (1999)

no jacket image イギリスはグリニッジの高校を卒業したカメラマン志望のチャーリー(アレック・ニューマン)、バンドを組むリックス(キウェテル・イジョフォー)、ビーン(ベンジャミン・ウォーターズ)とスポンサーとなる金持ちの息子サム(スティーブ・ジョン・シェパード)は仲良し。ところが4年後、チャーリーがバイクで事故を起こしたことから彼らの運命は一変する。音楽業界やドラッグを背景にした青春群像映画。グリニッジ・ミーン・タイム(g:mt)は彼らのバンドの名称。

 タイトルから「グリニッジ・ビレッジの青春」という古い映画を思い出したが、同じタイプの青春群像映画。イギリスの作品らしく、かなりの辛口で落ち込んだ時に見るとさらにドーンと落ちて行きそうな内容。イギリスってまじめそうなイメージがあるけど、こう日常的にドラッグが描かれてるってのは汚染度は相当なものなんかな? 彼らのたまり場になっている金持ちの家に泊まって、4組のカップルが愛し合う(もちろん部屋は別だが(笑))って図もなんかイギリスのイメージと違う!?

 数あるズンドコなエピソードの中でも、彼らのサウンドがひとりの女性ボーカルが入ることによってがらがらっと崩れていくってのが心に残る。彼女の曲もいいんだけど、元のサウンドと全然違うんですよね。

ジョン・ストリックランド監督。1999年イギリス映画。

2005年11月16日 (水)

チョコレート (2001)

チョコレート ジョージア州の片田舎の町。刑務所の看守をするハンク(ビリー・ボブ・ソーントン)は筋金入りの黒人嫌いだが、息子のソニー(ヒース・レジャー)は心優しく育ち同じく看守をしている。やがて死刑囚ローレンス(ショーン・コムズ)の執行日がやって来て、彼は妻のレティシア(ハル・ベリー)や息子に別れを告げるのだが… 人種差別の根強い土地を舞台にした、大人のラブストーリー。ハル・ベリーはこの作品でアカデミー主演女優賞を獲得。

 ストーリーのぎっしり詰まった、なかなか密度の濃い作品。ごちゃごちゃとした人間関係なのだがスマートに説明されているのかすんなりと入っていける上に、気がつくと主演の二人ハンクとレティシアの関係にストーリーがすっきりと収束されていく。この土地でこの二人が生きていくってのは生半可じゃなかろうに、突っ走っていく後半は感動もの。

 ハル・ベリーはさすがにうまい。家族崩壊の黒人女性を熱演。しかしスタイル抜群の彼女にあのぽっちゃりした息子ってのは、一緒に歩いていてもミスマッチ。アメリカの黒人はそんなに太ってちゃいけないって説教するあたりは妙に説得力があったが。

 ハンクの視点で見ると、間違いなく成長物語(中年のおっさんですが)なんだけど、レティシアの視線だとこの物語は何なんだろうね。

マーク・フォースター監督。2001年アメリカ映画。

2005年11月15日 (火)

レインディア・ゲーム (2000)

no jacket image ルーディ(ベン・アフレック)は自動車泥棒で服役中。出所間近にして友人のニックが暴動で刺殺されたため、彼になりすまして顔も知らない文通相手の美女アシュリー(シャーリーズ・セロン)と会い深い仲になる。ところが彼女の兄ガブリエル(ゲイリー・シニーズ)が現れ、彼に無理矢理カジノ襲撃の手引きをさせようとする。

 まったく全然予備知識なくB級アクション映画だろうって思って見たもんで、「あれっベン・アフレック」「彼女はシャーリーズ・セロンじゃないの?」「ゲイリー・シニーズも出てるやん」「しかもストーリーもなかなか面白い」とあっさりと期待を裏切られて最後まで楽しめてしまった。しかも監督は晩年のジョン・フランケンハイマーやん。というわけで、よくできたクライムサスペンスで二転三転するストーリーも楽しめる。初期のシャーリーズ・セロンも可愛い上に思いきった脱ぎっぷりも潔いと思う。

 欲を言えば、ストーリーがぽんぽんぽんと来たわりにはラストの持って行き方が強引なのが気になった。詰めが甘い??

ジョン・フランケンハイマー監督。2000年アメリカ映画。

2005年11月13日 (日)

クリビアにおまかせ (2002)

クリビアにおまかせ 療養所「クリビア・ホーム」を営むクリビア(ルス・ルカ)宅には風変わりな人物がいっぱい住んでいる。ある日彼女の元に、こそ泥のヘリット(ワルデマル・トーレンストラ)が転がり込んでくる。仲の悪い大家ボーデフォル(パウル・R・コーイ)から彼を守ろうとするクリビアだったが… オランダで60年代に放映されていたテレビシリーズを映画化して、本国では大ヒットを記録したというミュージカルコメディ。

 画面のテイストはそのまんま50年代のハリウッド総天然色ミュージカルといった感じで、登場人物がみんな歌う、踊るの大騒ぎ。しかもクセの強い(ビジュアル的にも?)キャラクターたちのオンパレードで、あれは何だったんだろうって見終わったあとにしばし放心状態になりそうな映画であった。

 オランダ映画が全部こんな調子じゃないんだろうけど、これを見たらしばらく色眼鏡でオランダを見てしまいそうだ。女性の脚線美と男性の白いブリーフが妙に強調されているのも気になった。心理学的に何か意味でもあるんだろうか?

ピーター・クラマー監督。2002年オランダ映画。

2005年11月11日 (金)

戦場のピアニスト (2002)

戦場のピアニスト 1939年のポーランド。ナチス・ドイツの侵攻により、ピアニストのシュピルマン(エイドリアン・ブロディ)はユダヤ人居住区へ強制移動させられる。事態はどんどん悪化して、家族と分かれ、戦場を転々とさまよいながらも生き残った実在のピアニストを描いた重いドラマ。原作はシュピルマン本人の手記。

 このシュピルマンという男、ピアノを弾く以外にはあまり覇気がないタイプで、それが動乱をひょうひょうとさまよって生き残った原因かも。でも映画を見ながら、こういった惨状に巻き込まれて特に守る人もモノもないのであれば、自分だってじっと耐えながらコトが過ぎゆくのを待つんじゃないだろうかって思った。

 人を平気で撃ち殺すぐらいなら、ひょうひょうと逃げ回った方が人間っぽい?

ロマン・ポランスキー監督。2002年フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス合作。

2005年11月10日 (木)

世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す (1956)

no jacket image 世界各国にUFOが現れ、科学者のマーヴィン博士(ヒュー・マーロウ)と新婚の妻キャロル(ジョーン・テイラー)もドライブ中に空飛ぶ円盤を目撃する。実はマーヴィン博士の仕事は宇宙探査のためのロケットの打ち上げだったのだが、そのロケットがことごとく行方不明になり… 特撮の神様ハリー・ハウゼンの手による空飛ぶ円盤が見せ場のモノクロSFクラシック映画。

 とにかく空飛ぶ円盤がでかいのが印象的。こんなのが至近距離でびゅんびゅん飛んで来たら、絶対にびびる。これがラスト近くはワシントンの名所を壊すは突き刺さるはもうしっちゃかめっちゃかの大騒ぎ。そういえばこのノリは日本の怪獣映画にも通じるものがある。

 スピルバーグの「未知との遭遇」とか、東宝の一連のSF映画とか(メーサー砲そっくりな磁力砲も出てくる)かなりこの映画の影響を受けている模様。時代を感じさせるのは、宇宙人を見たらすぐ発砲して誰も反省すらしていないところ。友好的…かもしれない、という発想はこの時代にはなかったのか??

フレッド・F・シアーズ監督。1956年アメリカ映画。

2005年11月 9日 (水)

きみに読む物語 (2004)

きみに読む物語 とある老人ホームで、アルツハイマー症にかかって記憶を失いかけているアリー(ジーナ・ローランズ)に、デューク(ジェームズ・ガーナー)がある物語を読み聞かせている。その舞台は40年代のノース・カロライナ州シーブルックで、若きアリー(レイチェル・マクアダムス)とノア(ライアン・ゴズリング)の恋物語。「メッセージ・イン・ア・ボトル」のニコラス・スパークス原作によるラブストーリー。

 アメリカでも純愛映画ブーム? なんとも見ていて気恥ずかしくなりそうなオチ。前半は「フライド・グリーン・トマト」を思わせるかのような、現代と40年代の2元中継(笑)でどういう結末、というか過去と現代の接続があるのだろうかと期待を持って見たのだが、あまりにストレートなオチで正直あっけにとられてしまった。

 身分の違い、というよりも、生活環境の違う二人が燃え上がるって内容がいかにもアメリカっぽくて、それも克服できてしまうのがアメリカなんだなぁって久しぶりに感心した。

ニック・カサヴェテス監督。2004年アメリカ映画。

2005年11月 8日 (火)

WATARIDORI (2001)

no jacket image 春になると北極圏を目指して飛び、冬になると南へ向かって何千キロも戻ってくる渡り鳥たちをえんえんと描いたドキュメンタリー。とにかく語りも解説もほとんどなくて、飛んだり泳いだり歩いたりする鳥たちを90分間ずっと見せ続けてくれるある意味凄い映画。「沈黙の世界」から「アトランティス」最近では「皇帝ペンギン」と、フランスのドキュメンタリーって本当に筋金入り?

 日本製なら解説やナレーションが入って勉強になったなぁと思わされたり、アメリカ製だとインタビューがえんえんと続くのがドキュメンタリーのスタイルだけど、フランスは手間暇かけた映像をえんえんと編集でつないで見せてくれるだけ。シブいとも言えるし、あっけないとも言えるし。

 ある意味大画面で見ないと意味がない映画かも。スクリーンで、あるいはハイビジョンプロジェクターなんかで臨場感たっぷりに見れば、90分間鳥になった気分になれる映画だと思う。他の動物に喰われたり、ハンターに撃たれたりと散々な目にあう鳥も出てくるけど、決定的な残酷シーンは隠してあるので小さな子供にも見せられる作品だと思う。

ジャック・ペラン、ジャック・クルーゾ、ミシェル・デバ共同監督。2001年フランス映画。

2005年11月 7日 (月)

サルサ! (1999)

サルサ ピアニストとしてエリートコースを歩むレミ(ヴァンサン・ルクール)は突如すべての栄光を捨ててラテン音楽(サルサ)に傾倒。自分が白人だからカリビアン・バンドに入れないと知ると肌の色を褐色に塗って、カリビアンダンススクールをはじめる。やがてサルサを元に知り合ったナタリー(クリスティアンヌ・グー)と恋に落ちて… 典型的な音楽青春映画のストーリーだが、音楽が良いので二重丸です。

 結局は生粋のフランス白人と、キューバ・クオーターの女の子の恋物語でカレは最初から音楽の才能をいっぱい持っているのがミソ。というわけで、どういう手段でサルサに花開いていくかがストーリーの骨子なんですが、これが70年代から延々と続いている青春映画そのもので目新しいものはまったくなし。フランス映画でもこういう軽いノリのんがあるとは逆に目からウロコだぞ。

 それでも私がこの映画に甘甘の点数をあげてしまうのは、音楽がめちゃめちゃいいからですねぇ。久々にサントラが欲しくなったぞ。キューバ音楽ドキュメンタリーの「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」より気に入ってしまったのは何でだ?

ジョイス・シャルマン・ブニュエル監督。1999年フランス・スペイン合作。

2005年11月 4日 (金)

デアデビル (2003)

デアデビル マードック(ベン・アフレック)は少年時代の事故で廃液を全身にあびてしまい失明。それをきっかけに聴覚が異様に発達してレーダーのような特殊能力を持ってしまう。弁護士になったマードックは暴漢に襲われた父親を助けられなかった罪悪感からデアデビルになる事を決意。マスクをかぶり、悪漢ブルズアイ(コリン・ファレル)と対決する。

 またもやマーベル・コミック原作のヒーローもの。盲目の弁護士が悪を懲らしめるというストーリーだが、なんかおかずが変わっただけという感じで少々食傷気味に感じてきた。もっともブルズアイを演じるコリン・ファレルのはじけぶりが結構面白いので中盤からは飽きずに見ることができた。強いヒロイン・エレクトラ(ジェニファー・ガーナー)ってのも魅力的。

マーク・スティーヴン・ジョンソン監督。2003年アメリカ映画。

2005年11月 3日 (木)

キングダム・オブ・ヘブン (2005)

キングダム・オブ・ヘブン 12世紀のフランス。病気で死んだ子供の後追い自殺をした妻を埋葬した鍛冶屋のバリアン(オーランド・ブルーム)のもとへ、彼の父と名乗る騎士ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)が現れる。彼はクリスチャンとイスラム教徒が共存する聖地エルサレムを守るために十字軍として向かっている途中だったのだが、一緒に来ないかと誘う。動乱のエルサレムを舞台にしたスペクタクル巨編。

 あのリドリー・スコットの最新作なんだけど、凝ってるのか何だか知らないけど異様に画面が暗い。見ているだけで気分が重くなってくるんだけど、これは計算の上なのだろうか?

 ストーリーもすべり出しは面白くなりそうな要素を持ちながらも、主人公の志と目的の希薄な旅はなかなか感情移入できずに、エルサレムに着いてからは登場人物が入り乱れてわけわからなくなって退屈な時間を過ごす。しか?し、城の攻防戦が始まってからは俄然面白くなってくる。こういうのをメリハリというのだろうか。リドリー・スコット恐るべし。

リドリー・スコット監督。2005年アメリカ映画。

2005年11月 2日 (水)

マスク (1994)

マスク 内気で何もできないスタンリー(ジム・キャリー)は、ある日緑色のマスクを手に入れる。実はこれをかぶるともう一人の自分に変身できる、魔法のマスクだったのだ。さっそく彼はマスクをかぶって、憧れのクラブ歌手のティナ(キャメロン・ディアス)にアタックするのだが。

 元気だった頃のジム・キャリーの代表作とも言える映画。元々くどいような顔芸で売っていたジムだけど、CGを使ってその顔をこねくり回すとかえってあっさりした印象(?)になるから不思議。とはいってもギャグのノリは彼の持ちネタからほとんど逸脱しておらず、つくづくジムってのは顔芸の男だってことを思い知らされる。

チャールズ・ラッセル監督。1994年アメリカ映画。

2005年11月 1日 (火)

ザ・インタープリター (2005)

ザ・インタープリター アフリカのマトボ共和国に生まれたシルビア(ニコール・キッドマン)は、現在はニューヨークの国連本部で通訳として働いている。折しも母国マトバはズワーニ大統領(アール・キャメロン)による独裁・大量虐殺で揺れている。ある日本部に荷物を取りに帰ったシルビアはズワーニの暗殺計画を耳にし、シークレットサービスとしてトビン(ショーン・ペン)がやって来る。

 国連本部を舞台にした社会派サスペンスで、ドラマとアクションシーンをめりはりつけてまとめた構成は60年代のアクション映画を思わせてなかなかシブい。何よりも国際会議の舞台裏をかいま見る楽しみがいっぱいあった。

 ニコール・キッドマンって作品を重ねるごとにどんどん綺麗になっていくような気がする。反面、ショーン・ペンがなんとも野暮ったい感じでいい味を出している。

シドニー・ポラック監督。2005年アメリカ映画。

エブリバディ・フェイマス! (2000)

no jacket image 工場に勤めるジャン(ヨセ・デバウ)は妻シャンタル(ヘルト・ポルタール)と娘マルヴァ(エヴァ・ヴァンデルフフト)の3人暮らし。マルヴァが歌手になることを夢見ているのだが、歌唱力もルックスも良くないマルヴァはコンテストでも惨敗続き。そんなある日、ジャンの工場は倒産して困っているところで人気歌手のデビー(テクラ・ルーテン)に出会うのだが…

 事態はとんでもない方向へころころと転がっていくコメディ。ふだんはさえないマルヴァだけど、保育所のボランティアなどでいいところを見せるのを伏線として、ラストの大変身など見どころたっぷり。主題歌(?)のラッキー・マヌエロは結構耳に残ります。

ドミニク・デリュデレ監督。2000年ベルギー・フランス・オランダ合作。

CUBE2 (2002)

no jacket image 心療医のケイト(カリ・マチェット)が目覚めると見たことのない立方体の部屋にいた。別の部屋には、経営コンサルタントのサイモン(ジェラント・ウィン・デイヴィス)、目の見えない女学生サーシャ(グレース・リン・カン)、エンジニアのジェリー(ニール・クローン)らに出会う。迷路のようななったこの部屋をなんとか脱出しようとさまようのだが、至るところに死のトラップが仕掛けられていた。謎の空間から脱出するという簡単なプロットながら、とっても面白かったCUBEの続編。

 CUBE2はCUBEの二乗ってことでハイパーキューブというサブタイトルがついている。いわゆる4次元立方体なんだけど、次に何が起こるか想像がつかない展開だけにまったく面白くない。前作はある程度見るものに次の展開を予測させる面白さが用意されていたけど、本作にはそういうのはまったくなし。ただただ予想外の展開がたらたらと用意されているだけである。

 トラップに時間の概念とかも加わって、作り手は面白くしたつもりなんだろうけど全然伝わってこないのが辛いところ。CUBEは何であるかをラストに無理矢理説明したようだが、あんな陳腐なオチだったら必要なかったんじゃないの?

アンジェイ・セクラ監督。2002年アメリカ映画。

2005年10月27日 (木)

みんなのいえ (2001)

みんなのいえ テレビ脚本家の飯島直介(田中直樹)と妻の民子(八木亜希子)は、念願の新築の設計を民子の友人のインテリアデザイナー柳沢(唐沢寿明)に、そして実際の建築を民子の父で大工の長一郎(田中邦衛)にたのむことにする。ところが理想は高いが家を造ったことのない柳沢と昔堅気の長一郎は事あるごとに対立して… 家を建てることにまつわる数々のエピソードをまとめたコメディ。

 映画のテーマの取り方が、元気だったころの伊丹映画を思わせてとっても楽しませてくれた。設計からはじまって、地鎮祭、建築中の大雨などなど家を建てたことがあるなら大笑いさせられるシーンの連続。ただし伊丹映画のようにハウツーに走るわけではなく、あくまでも西洋かぶれのデザイナーと大工、間にはさまれる夫婦のぶつかりあいを中心に描いている。

 映画というよりもテレビドラマ的な面白さ。邦画ってやっぱりこういう身近に感じるテーマが楽しめる。

三谷幸喜監督。2001年日本映画。


2005年10月26日 (水)

サロメ (2002)

no jacket image 伝説のフラメンコダンサー、アイーダ・ゴメスが舞う舞台「サロメ」。その打ち合わせやダンサーたちのインタビューからはじまって、ウォーミングアップ、通しの舞台稽古までをとらえたセミドキュメンタリー。監督はあのスペインの巨匠カルロス・サウラ。

 バレエとフラメンコが合体したかのような舞台で、特に中盤からはじまる通しげいこ(映画では本番さながらに楽しめる)が圧巻。はっきり言ってストーリーはあってなき状態なんだけど、妖艶な踊りは一見の価値がある。1時間近くも説明のない踊りがえんえん続くのに、飽きずに見られるのはただただ凄い。

カルロス・サウラ監督。2002年スペイン映画。

2005年10月25日 (火)

刑事 (1959)

no jacket image ローマに近いイタリアの小都市。とあるアパートで強盗事件が起こり、捜査にやって来たイングラバーロ警部(ピエトロ・ジェルミ)は女中にやって来ていたアスンティナ(クラウディア・カルディナーレ)に事情聴取を行う。それから1週間、今度は隣の夫人リリアーナ(エレオノラ・ロッシ・ドラゴ)が死体で発見される。殺人事件を背景にイタリアの人間模様を描いた有名な作品。

 「鉄道員」のピエトロ・ジェルミ監督が自ら主演・監督したモノクロ映画。主題歌の「死ぬほど愛して」も有名で、他の映画にも使われてたりしますね。実は今まで見る機会がなくて気になっていた作品ですが、いざ見てみるとえんえんと捜査風景を追いかけたとっても地味な作品。バンドウチ(クローディオ・ゴーラ)がクローズアップされてからは結構盛り上がるが、名作と呼ぶにはちょっと弱い気が…

 刑事(警部)役でピエトロ・ジェルミ自ら主演。この人のサングラス姿はモノクロの画面に栄えてなかなかかっこいい。クラウディア・カルディナーレも、華やかというよりは庶民的な美人といったはまり役。やっぱイタリアの女優は激しい役回りがよく似合います。

ピエトロ・ジェルミ監督。1959年イタリア映画。

2005年10月24日 (月)

映画 犬夜叉 紅蓮の蓬莱島 (2004)

映画 犬夜叉 紅蓮の蓬莱島 戦国時代の日本。50年に1度姿を現すという蓬莱島から、半妖(人間と妖怪の合いの子)の子供が逃げてくる。実は島は謎の四闘神に支配されていて、彼らを助けようとする犬夜叉(山口勝平)、かごめ(雪野五月)たちが立ち上がる。高橋留美子原作の少年誌連載の人気コミックの、オリジナルストーリーによるアニメ映画化。

 こういうテレビシリーズがあるアニメ映画って、テレビ見てる人じゃないとわからない作りの作品が多くてあんまり好きじゃないんだけど、これは最初に主要な人物が登場した時に字幕(看板?)でキャラクター説明があって排他的な感じがしなくて好感を持った。その紹介を読んだだけで、だいたいこの世界の状況がわかるってのがとっても親切で良い。

 ストーリーは超人(半妖?)たちによるバトルがメインで、その中に古代妖術の要素が散りばめられたようなもの。加えて憎めないアニメキャラやセーラー服の少女など、好きな方が見ればとてつもなく好きなんだろうなぁって想像させられる世界が用意されている。うーむ。

 結構暴力的な場面もあるので、小さいお子さまには要注意かも。X?メンやファンタスティック4は同じ系統の映画かもしれない。

篠原俊哉監督。2004年日本映画。

2005年10月22日 (土)

誰も知らない (2004)

誰も知らない あるマンションへ引っ越してきたけい子(YOU)と4人の子供たち(柳楽優弥、北浦愛、木村飛影、清水萌々子)。実は彼らは学校へ通っておらず、長男以外はマンションを出ることも許されずひっそりと暮らしている。ある日けい子が大阪へ出張に行くと言いだし、大金を置いて出ていく。必死になって兄弟の面倒をみる長男の明だったが。実際に起こった事件を元にして作られた、置き去られた子供たちの生活ぶりを描いた物語。

 子供を育てるって本当にパワーがいる。ふらっと出て行ってしまうだらしな系の親ってのも、居てもおかしくないと思う。その置き去られた子供たちの奮闘を淡々と描く本作はなかなか深くて目が釘付けになった。文句なく傑作だと思う。

 登校拒否の女子学生(韓英恵)の使い方、雑草を育てる子供たちの描写など実にうまい。ゴンチチの音楽も耳に残る。この映画を可愛そうとは思わない。自分たちの力を合わせて生きていこうとする部分は感動的だ。不幸なのは、次女を救えなかった終盤の展開だろうか。

是枝裕和監督。2004年日本映画。

2005年10月21日 (金)

半落ち (2003)

no jacket image 元警部の梶聡一郎(寺尾聰)は「妻(原田美枝子)を殺しました」と警察に出頭する。嘱託殺人ながらも、身内の不祥事とばかりに色めき立つ警察。取り調べを引き受けたのはやり手の刑事志木(柴田恭兵)だったが、不完全なままに検察の佐瀬(伊原剛志)に身柄引き渡しを申しつけられる。実は妻はアルツハイマー病で、夫婦は白血病で息子を亡くしていた。横山秀夫のベストセラーを映画化した話題作。

 うーむ、白血病映画は泣ける、ってのも定説になるかも。しかもアルツハイマー病とダブルだもんなぁ。人望厚い人格者故に半落ち(完全に自白していない状態)になっちゃって、家族もみんな失ってというズンドコ状態を描いたいかにも邦画の典型のような泣ける映画。とっても好きな部分も多いんだけど、イマイチのりきれないのは妻を殺めてしまったあたりの説得力が伝わって来なかったことかも。

 寺尾も柴田もいい歳のとりかたをしてるなぁと思う。日本映画も頑張ってる。

佐々部清監督。2003年日本映画。

CUBE (1997)

no jacket image 6人の男女(モーリス・ディーン・ウィン、ニコール・デ・ボア、デヴィッド・ヒューレット他)はある日目が覚めると見たこともない立方体の部屋の集合体の中に閉じこめられていた。実は立方体の中にはトラップが仕掛けられていて、危険な部屋へ移動すると恐ろしい死が待っている。やがて彼らは、立方体をつなぐハッチの脇に書いてある数字から安全か危険かを知る規則を見つけるのだが…

 ソリッドスリラー、なんて言葉を流行らせた不条理なホラー。なぜ閉じこめられたか、誰がキューブを作ったかなんて部分は徹底的に排除して、ただただ安全に外へ出る彼らのパズルのような行動だけにスポットを当てて成功している。

 理詰めで最後まで行けるのかと思いきや、そうはいかないのが人間のはかないところって思わされる結末もマル。登場人物ひとりひとりに必ず役割があるってのは、何かゲームの世界みたいですね。

 立体迷路からパチンコ玉を出すパズルってありますが、正にあのパチンコ玉になった気分。

ヴィンチェンゾ・ナタリ監督。1997年カナダ映画。

アビエイター (2004)

アビエイター 1920年代のアメリカ。18歳で父の遺した莫大なオイルマネーを手にし、飛行機アクション映画「地獄の天使」を作りはじめたハワード・ヒューズ(レオナルド・デュカプリオ)。妥協を知らない彼は映画製作に3年の月日ととんでもない制作費をつぎこみながらも、映画は大ヒット。後に飛行機王として速度記録への挑戦、航空会社の買収、大女優キャサリン・ヘップバーン(ケイト・ブランシェット)やエヴァ・ガードナー(ケイト・ベッキンセール)との恋などとんでもないスケールの人生を駆け抜けた男の半生を描く。

 映画の面白さってのは自分が経験できない人生が見られるってのがあるけど、この映画はその言葉そのまんま。18歳にして湯水のような金を手にして、妥協を許さず使いまくり、そのスケールがいかにもアメリカだって感じさせてくれる。まぁこれだけの金をばんばん使いまくれるのも才能だと思う。途中で精神を病んでしまうのは、走りすぎて壊れてしまったてところなんだろうか。

 実在の女優としてキャサリン・ヘップバーンをケイト・ブランシェットが演じているが、男勝りのところがなんともツボにはまってぴったり。ケイトは別の作品ではもっと女っぽいんだけど、役作りのうまさか。逆にケイト・ベッキンセールのエヴァ・ガードナーってのは凡庸な感じがした。

 こんな人生をおくりたいとは思わないけど、映画も飛行機も、どっちも魅力的だよなぁ。

マーティン・スコセッシ監督。2004年アメリカ映画。

2005年10月17日 (月)

鞄を持った女 (1961)

no jacket image 17歳の少年ロレンツォ(ジャック・ペラン)の家を訪ねてきた美しい女性アイーダ(クラウディア・カルディナーレ)。実は彼女はロレンツォの兄にいいようにもて遊ばれたのだが、罪悪感を感じたロレンツォは彼女にかまうようになり、やがて恋に落ちる。年上の女性への純愛(?)を描いたモノクロが美しいイタリア映画の小品。

 クラウディア・カルディナーレって高校生ぐらいの時に結構好きな女優さんだったんだけど、彼女って見た目の可愛さから年下に慕われるタイプなのかも。でも今見るとずいぶんとしたたかな女って感じで、イメージが変わった。

 よくある初体験ものかと思えばそういう内容でもなく、ひたすらジャック・ペランの一途な思いを連ねたといった映画。何だかほろ苦い(?)気分にさせられる。そういや、この若いジャック・ペランで「ニュー・シネマ・パラダイス」のトトの青年時代なんて見てみたいもんだ。

ヴァレリオ・ズルニーニ監督。1961年イタリア映画。

2005年10月15日 (土)

アレキサンダー

アレキサンダー 紀元前336年のマケドニア。父の暗殺により、20歳で王になったアレキサンダー(コリン・ファレル)は母親オリンピアス(アンジェリーナ・ジョリー)との衝突もあり軍を率いてペルシア軍と対決。天下を手にした彼は、やがて東方遠征の旅に出る。アレキサンダー大王の半生を描いた歴史スペクタクル。

 語り部プトレマイオス(というかアレキサンダーの部下)にアンソニー・ホプキンス、父フィリッポスにヴァル・キルマーという、彼らの実年齢を考えるとめちゃくちゃとも言えるキャスティングが楽しめる。でもさっそうとしたアンジェリーナ・ジョリーはそれでもアレキサンダーの母に見えてしまうんだから役者って凄いというか、映画の魔力ってのは面白い。

 オリヴァー・ストーン監督だけにストーリーが整理されていて、登場人物さえおさえておけばわかりやすいのがマル。3時間近くにおよぶ長尺が良い具合に作用して、アレキサンダーの旅の長さが伝わってくる。

 大作に出ずっぱりのコリン・ファレルを最近見ないと思ってたら、この長尺映画を撮影するのに手間取っていたわけね(笑)。

オリヴァー・ストーン監督。2004年アメリカ映画。

2005年10月14日 (金)

セルラー

セルラー 主婦のジェシカ(キム・ベイシンガー)は突然自宅へ押し入ってきた強盗に連れ去られてわけもわからず拉致される。彼女が監禁された部屋には、犯人のひとりが目の前でたたき壊した電話が1台。配線をいじって、やっとつながった相手はビーチで遊ぶライアン(クリス・エヴァンス)という青年だったが… 携帯電話という今にも切れそうなラインでつながった二人が、次々とふりかかるピンチを切り抜けていくというサスペンス。

 そのまんま携帯電話を警察に渡してしまえばいいやん、あるいは公衆電話から110番(アメリカでは911か)通報してしまえばええやん、と最初は思ってたんだけど、警官の一部も事件にからんでいてそうはいかないってところがミソ。かなり強引に引っ張ったストーリーなんだけど、最後までたっぷり楽しめるってのは評価できる。

 キム・ベイシンガーがずいぶんお歳を召されているのにびっくり。でも彼女には主役を張る華がある。クリス・エヴァンスっていい人過ぎるけど、それなりに説得力がある役柄。もちろん一番役得だったのは、一見さえない警察官のウィリアム・H・メイシーの大活躍かな。

デヴィッド・R・エリス監督。2004年アメリカ映画。

2005年10月13日 (木)

X?メン2 (2003)

X-メン2 ミュータント(超能力者)による大統領暗殺未遂事件が発生。世論は一気にミュータント弾圧へと傾き、X-MENへの風当たりも冷たくなる。実は事件の影には、ミュータント抹殺をたくらむ元陸軍司令官のストラーカー(ブライアン・コックス)の陰謀があった。アメコミが原作の人気シリーズの第2弾。

 相変わらずケレン味たっぷりのプロフェッサーX(パトリック・スチュワート)、出生の秘密に迫るウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)などなどシリーズ化されてプログラムピクチャー的な楽しみが増えた感じ。でもストーリーが平板で、前作の自由の女神の上での戦いのようなここ一番という見せ場がないのはつらいところ。

ブライアン・シンガー監督。2003年アメリカ映画。

2005年10月12日 (水)

スターシップ・トゥルーパーズ2

スターシップ・トゥルーパーズ2 前作から数年後の「バグズ」の住む惑星。地球連邦軍の前線部隊はバグズに追われ、命からがらに廃墟となった前線基地に逃げ込む。そこには上官を殺したダックス大尉(リチャード・バージ)が幽閉されていた。やがて基地はバグズの攻撃を受け、シェパード将軍(エド・ローター)と数人の部下が逃げ込んで来たのだがそれから基地内の何かが変わる。SFXの第一人者フィル・ティペットが初めてメガホンを取った続編。

 存在を誰も知らなかった(笑)トゥルーパーズの続編。画面は暗くなんともタルいすべり出しに1時間半の我慢かという不安がよぎったんだけど、尻上がりに面白くなっていく展開。内容はエイリアン3に近く、閉鎖空間でのスリラー。寄生するバグってのはちょっと違うだろうって気がしないでもないけど、これはこれで楽しめる。

 サイキックを前面に出したり、物体Xを思わせるエイリアンなど見どころはいっぱい。ただし派手さはないので、前作と同じノリを期待したら外される。軍隊のCMもちゃっかり導入部とラストに入っていて、フィル・ティペットがかなり前作のテイストも大切にしているのがわかる。

 これの主人公ってダックス大尉なんだろうか? 彼は「ピッチ・ブラック」のリディックみたいな扱いだぞ。

フィル・ティペット監督。2004年アメリカ映画。

2005年10月11日 (火)

スターシップ・トゥルーパーズ (1997)

スターシップ・トゥルーパーズ 近未来のブエノスアイレス。高校生のリコ(キャスパー・ヴァン・ディーン)は、恋人のカルメン(デニース・リチャーズ)がパイロットになるべく宇宙海軍アカデミーに入ったのを追って、自らも志願する。折しも地球はバグスと呼ばれる昆虫型宇宙人により攻撃を受けており、機動歩兵となったリコはバグスの星の前線へと送り込まれるのだが。バグスと人間との戦いをスプラッター風味たっぷりに描いたSFアクション映画。

 原作はハインラインの「宇宙の戦士」ってことでガンダムの元ネタとも言われている作品だが、この映画はまったく違う世界に仕上がっている。とにかくおびただしい数のバグスが登場して人間との戦いは凄惨。かなり気合い入れて見ないと気分が滅入ってしまうような内容で、昆虫が苦手な方は間違いなくダメダメだと思う。ロボコップのヴァーホーヴェン監督らしく、血なまぐささは半端ではない。フィル・ティペットによる特撮も見どころたっぷり。

 ロボコップと同じく、時々登場するニュース映像風の部分が面白い。見方によって好戦映画にも反戦映画にもとれる内容なんだけど、このニュース映像部分のウソでかためたいかがわしさが、まがいもなく反戦映画だと私は感じたのだが。

ポール・ヴァーホーヴェン監督。1997年アメリカ映画。

2005年10月10日 (月)

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語

世にも不幸せな物語 発明家のヴァイオレット(エミリー・ブラウニング)、読書好きなクラウス(リーアム・エイケン)、噛みついたら離さない特技を持つ赤ちゃんのサニー(カラ・ホフマン)の3人は普通の兄弟だったが、ある日両親を火事で亡くしてから次々と不幸が訪れる。彼らを引き受けた後見人のオラフ伯爵(ジム・キャリー)こそが実は彼らの遺産を狙う大悪人だったのだ。

 世界的なベストセラー(らしい)「世にも不幸なできごと」を完全映画化したそうで、なんでもハリポタと張り合うほどの内容なのだそうだ。と伝聞調で書いてしまうのは、やっぱハリポタよりはワンランク落ちるからかなぁ。

 スランプだと伝えられていたジム・キャリーもなかなか楽しげに悪役を演じているし、主役の3兄弟もなかなか魅力的で肩の力を抜いて楽しめる内容。怪しげな叔母にメリル・ストリープ、本物かどうか不明なんだけど(ノークレジットのため)ダスティン・ホフマンがワンショットだけ出てたりと遊びもいっぱい。

 でもなぜかしっくりしないのは、不幸だ不幸だと連呼してるにもかかわらず主人公3人がしっかり団結していて幸せを感じさせるからだろうねぇ。この物語、不幸じゃないよ。

ブラッド・シルバーリング監督。2004年アメリカ映画。

2005年10月 7日 (金)

裸足の1500マイル

no jacket image 1931年のオーストラリアのジガロング。原住民のアボリジニの母と、白人の父のもとに生まれた14才の少女モリー(エヴァーリン・サンピ)、10才のグレーシー(ローラ・モナガン)、8才のデイジー(ティアナ・サンズベリー)は文化的な生活を身につけさせるという名目で、1500マイル離れた白人の収容施設に強制的に入れさせられる。そこでの生活に嫌気がさした3人は、母親のところへ歩いて帰るべく施設を脱走する。実話を元にした社会派ドラマ。

 非常に地味で淡々としたドラマながらも、オーストラリアの原住民であるアボリジニの問題を扱った骨太の背景があるだけに、実に考えさせられる重いドラマに仕上がっている。それ以上に、愛嬌はまったくなくほとんど笑顔も見せない3人の少女の旅がなんともやるせない気持ちにさせてくれる。

 アボリジニを救う、と言っても、子供たちの母親に対する思いがわからないほど白人たちはアホだったんだろうか。そんなわけないと信じたいんだけどなぁ。

フィリップ・ノイス監督。2002年オーストラリア映画。

どら平太

どら平太 或る(小)藩の奉行所に新任の町奉行・望月小平太(役所広司)が赴任する。ところが彼はどら平太とあだ名される崩落者で、奉行所へはまったく出所せずに独自に悪の巣窟である壕外の調査をはじめるのだが… 山本周五郎原作で四騎の会(黒澤明・木下恵介・市川崑・小林正樹)の初期の脚本を市川崑がメガホンを取った娯楽時代劇。

 いわゆる初期の黒澤映画のノリで、道楽者に見せかけた凄腕の奉行が悪人をばっさばっさとやっつける話。役所広司がどら平太をひょうひょうと演じていて、悪役には菅原文太、共演に浅野ゆう子、宇崎竜童、片岡鶴太郎、石橋蓮司といった豪華な顔ぶれ。「用心棒」や「椿三十郎」あたりが好きな方であれば、同じ雰囲気が楽しめる。

 しかし…いかにも時代がかった脚本が、ひしひしと古さを感じさせる。脇役たちがセリフとも説明ともとれる事を言いながら話が進んでいくあたりは、ある意味時代劇の様式美なのかも。

市川崑監督。2000年日本映画。

2005年10月 5日 (水)

オペラ座の怪人 (2004)

オペラ座の怪人 1919年のパリのオペラ座で、修復されたシャンデリアがオークションにかけられようとしていた。実は50年前に起こった惨劇を知るシャンデリアで、オークションを見ていたラウル(パトリック・ウィルソン)はかつてのファントム(ジェラール・バトラー)と歌姫クリスティーヌ(エミー・ロッサム)の物語を思い出す。ガストン・ルルー原作でアンドリュー・ロイド・ウェバー作曲の大ヒットミュージカルの完全映画化。

 豪華絢爛、重厚な画面で登場人物たちが歌い踊る、ずいぶんひさびさに見た感じがする本格的ミュージカル。楽曲に少々当たりはずれがあるのと、ストーリーが今見ると少々平板な感じがしたけどとにかく歌いまくり、踊りまくって飽きさせない2時間が繰り広げられる印象。

 ラストのバラと指輪の余韻など、落としどころはちゃんと落として泣かせてくれます。

ジョエル・シュマッカー監督。2004年アメリカ=イギリス合作。

X?メン

X-MEN 体内に刃物を持つ謎の男ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)は謎の敵に襲撃され、同じ能力を持つ者たちに救われる。実は彼らはプロフェッサーX(パトリック・スチュワート)率いるX?MENのメンバーで、特殊な能力を持つがゆえに迫害される者たちを集めているのだった。アメコミの映画化。

 いわゆるアメリカ版サイボーグ009といった内容で、出てくるミュータントたちの特殊能力がみんな違うのがお楽しみ。ポーランドの収容所からスタートするあたり、物語の深みを期待したけど意外とあっさりした内容に終始してしまった感じ。でもウルヴァリン(刃が出てくるの痛そう)をはじめとするキャラクターは魅力的で楽しめた。

 パトリック・スチュワートって、こういうSFもん専門の役者さんなんだろうか?

ブライアン・シンガー監督。2000年アメリカ映画。

2005年10月 2日 (日)

ミニミニ大作戦(2003)

ミニミニ大作戦 イタリアのベニスで、ジョン(ドナルド・サザーランド)をボスとする窃盗集団がマフィアの金庫を強奪する。ところが仲間のスティーブ(エドワード・ノートン)の裏切りによりジョンは射殺され、金塊は奪われる。復讐を誓うチャーリー(マーク・ウォールバーグ)はアメリカに住む金庫の専門家でジョンの娘ステラ(シャーリーズ・セロン)を仲間に加え奪還計画を立てるのだが…

 なかなか緻密なストーリーが楽しめるクライムアクション。この映画ってよくルパン三世が引き合いに出されるけど、確かに初期のルパン三世を思わせるかのような犯罪映画の楽しさが詰まっている。

 主役であるミニ(イギリス車?)もラストで大活躍していて、この映画に自動車メーカーはいくら広告料を払ったんだろうかと映画を見ながらつまらないことを考えてしまった。

F・ゲイリー・グレイ監督。2003年アメリカ映画。

2005年9月30日 (金)

ワイルド・スピード×2

ワイルド・スピード×2 前作で犯人を逃がしたがためにお尋ね者となった元警官ブライアン(ポール・ウォーカー)はフロリダのマイアミに流れ着く。こちらでも違法ドラッグ・レースの世界に身をおくブライアンだったが、突然警察に拘束される。釈放の条件は、贋札団のおとり捜査に協力すること。タイトルからもわかるようにパワーアップしたカーアクション映画。

 ヴィン・ディーゼルの抜けたすき間を圧倒的な物量のアクションとスピード感で埋めようとした続編。でも…埋まらなかったような。ポール・ウォーカーとタイリースだけではちょっと力不足かな。

ジョン・シングルトン監督。2003年アメリカ映画。

コックリさん

コックリさん 閉鎖的な村の女子校に転校してきたユジン(イ・セウン)はクラスメートのいじめに耐えられず、友人たちと教室の呪われた29番の席に座り呪いの儀式(コックリさん)を行う。それをきっかけに、彼女をいじめた友人は次々と謎の死を遂げる。世界共通(?)とも言えるコックリさんをテーマにしたホラー映画。

 古今東西のホラー映画を寄せ集めたかのような内容。強く影響を受けているのは「キャリー」と「呪怨」かなぁ。最初はいらんもん(笑)を呼び寄せてしまった少女の悲劇なんだけど、それがだんだん呪われた村の物語へと焦点が移っていくのが最近見た韓国ホラーとの共通点。

 主演のイ・セウンは、飛び出しそうな目玉がチャームポイントだ。どの子もどの子も、恐怖におののくところが梅図かずおのマンガに出てくるような顔をしているのが笑える。

 ディズニーマークのあとに出てくる「トイレ・ピクチャーズ」という会社名にも唖然。ジョン・ウォーターズにでもあやかっているのか!?

アン・ビョンギ監督。2004年韓国映画。

2005年9月28日 (水)

ナショナル・トレジャー

ナショナル・トレジャー 冒険家のベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)はゲイツ家に代々語り継がれているフリーメイソンの財宝探しに北極を訪れる。そこで宝の地図はアメリカの独立宣言書の裏に見えないインクで書かれているという手がかりを得るが、出資者のハウ(ショーン・ビーン)の裏切りで互いに宝を奪い合うことになる。

 ベンの父にジョン・ボイト、宝探しに協力するチェイス博士にダイアン・クルーガー、彼らを追うFBI捜査官にハーヴェイ・カイテルとなかなか豪華な顔ぶれ。フリーメイソンから独立宣言書、ドル紙幣の絵柄などなど使われている小道具も面白くて、予備知識がなくてもそれなりに楽しめる映画になっている。なんたってディズニーブランドで公開される一般映画。

 とはいっても、宝物がいよいよ姿を現すシーンは息をのむというよりもその色合いの地味さにちょっと足をすくわれた気分がしたのも事実。あまりにも映画的な、キンキラな宝物に慣らされすぎてたせいかも。宝を見たいなら、博物館へ行けば良いという気分になりました。

ジョン・タートルトーブ監督。2004年アメリカ映画。

ワイルド・スピード

no jacket image ロスで深夜に行われるドラッグレースの世界で、ドミニク(ヴィン・ディーゼル)はカリスマ的存在のドライバー。そんな彼に挑戦して周囲の注目を集めたのはブライアン(ポール・ウォーカー)という若者。実はブライアンは潜入捜査官で、改造自動車で強盗を働く一味を追っているのだった。チューンナップカーを山のように登場させて話題になったアクション映画。

 もちろんポール・ウォーカーが主役の映画なんだけど、完全に仇役のヴィン・ディーゼルに喰われちゃったといういわくつきの作品ですね。とにかく最初から最後まで改造自動車のオンパレードで、好きな人にとってはたまらないような内容。

 とはいっても個人的には、そこらじゅうで走っているような日本車が中心だったのがちょっと物足りなかった。チープな若者が安価で早い日本車に飛びついたってことでそれがリアルなんらしいけど。

 エンジンの中にニトロ噴射するところをCGで描いてしまうってのは、すげービジュアルだぞ。

ロブ・コーエン監督。2001年アメリカ映画。

2005年9月26日 (月)

コンスタンティン (2005)

コンスタンティン 神や悪魔を見る能力を持ち、悪魔払いを生業とするジョン・コンスタンティン(キアヌ・リーヴス)は刑事アンジェラ(レイチェル・ワイズ)の双子の妹イザベルの謎の自殺を調べるうちに、背後に悪魔の陰謀があることに気づく。この世は神と悪魔の微妙なバランスの上に成り立っているという設定のもとに、サイキックな世界を描いたアメコミが原作のオカルトアクション。

 この世に天国と地獄がつながった世界観や、その行き来をバーチャルな世界として描くところなど形を変えた「マトリックス」とも言える映画。こういうのばっかり続けば、キアヌが出る映画はどうしてもこういう世界を期待してしまうようになるかも。

 余命いくばくもない主人公という行き場のなさや、ヒーローとヒロインが恋に落ちない微妙な関係などなど個人的には結構楽しめたんだけど、いかんせんキリスト教の知識がないと謎解きにも参加できなくて、この手の映画は辛いものがあります。

 一番いいところをさらっているのは、ラストに出てくるルシファーを演じたピーター・ストーメアだったような。「エンド・オブ・デイズ」や「ディアボロス」あたりが好きな方なら楽しめる映画。

フランシス・ローレンス監督。2005年アメリカ映画。

2005年9月23日 (金)

HERO ?英雄?

HERO 紀元前200年の中国。後に始皇帝となる秦王(チェン・ダオミン)を倒すために3人の刺客が雇われたのだが、その3人を倒したという無名(ジェット・リー)が拝謁にやって来る。秦王は無名から、3人との死闘の様子をききはじめるのだが…

 華麗な対決シーンが話題となったアクション映画。いかにも中国といったど派手な色使いと、ワイヤーを使った舞いのようなアクションは見せ場いっぱい。さらに中盤の無数の弓矢が舞うスペクタクルシーンなどハリウッド映画もびっくりの史劇。ただし歴史大作の風貌を持ちつつもストーリーは意外と単純で、ぼーっと見ていてもわけがわからなくなることはないだろう。

 そこまでやるか、と言いたくなるようなワイヤーアクションは、ジャンルで言うと超人ものに入るかも。中国映画と言いつつも、元気だったころの香港映画のテイストをしっかりと受け継いでいる作品です。

チャン・イーモウ監督。2002年中国映画。

2005年9月22日 (木)

インファナル・アフェアII 無間序曲

no jacket image 1991年の香港。マフィアのボス・クワンが暗殺され、配下の幹部4人がにらみ合う。そのうちのひとりサム(エリック・ツァン)は子分のラウをスパイとして警察学校へ送り込む。同じ頃警察学校へ通うヤン(ショーン・ユー)は主席にもかかわらずクワンの私生児だったことがばれて退学処分になるのだが、ウォン警部(アンソニー・ウォン)に拾われスパイとしてマフィアに潜入捜査することを命じられる。前作より前の、二人がスパイになったエピソードを中心に描かれるパート2。

 前作ではアンディ・ラウとトニー・レオンだった二人が、別の俳優で描かれる前日談。ただでさえややこしいストーリーだのに、こうなると本当に気を入れて見てないとわかんなくなることもあって何回もDVDを巻き戻し(?)ながら見てしまった。

 とはいっても二人は脇役的に描かれていて、本当の主役はウォン警部とマフィアのボス・サム。ウォン警部は宇津井健と加山雄三を足して割ったような風貌で、サムはこれまた谷啓と川谷拓三を足して割ったような男である。濃ゆくて油ぎってることこの上なし(?)の重厚なドラマである。

 ファミリーのシーンが多いことや殺戮シーンのはさみこみ方、時代をさかのぼった続編などなど、名作「ゴッドファーザー」を思わせるのだが上映時間が短いのでジェットコースターのようであった。後日談を先に見ているにもかかわらず、楽しめてしまうのは脚本の良さだと思う。

アンドリュー・ラウ、アラン・マック共同監督。2003年香港映画。

2005年9月21日 (水)

ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月

ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月 前作で弁護士マーク(コリン・ファース)とのハッピーエンドを迎えたテレビレポーターのブリジット(レニー・ゼルウィガー)。ところがマークと美人弁護士レベッカ(ジャシンダ・バレット)との浮気が原因でケンカ別れする羽目に。そのうえ元上司のダニエル(ヒュー・グラント)もテレビレポーターに転職して成功したのでおかしな事になっていく。ヒットコメディーの続編。

 一目見て思ったのは…ブリジットめちゃ太った!! 前作はやや太めといった感じだったけど本作では完全におばさん体型。ここまで太るとレベッカと対抗するのは難しいんでは、とも思ったけど、誤解なら誤解でなぜマークもレベッカもすぐに弁解しなかったのかも不明。なんかすっきりしないストーリーだぞ。

 とはいっても、スカイダイビングからはじまってオーストリアのスキー旅行やタイのロケ、女刑務所とめまぐるしく走る展開はコメディとしては見どころいっぱいで楽しめる。マークとダニエルの、妙にリアルでなさけないケンカもシリーズの約束事になりつつあるのかな。

ビーバン・キドロン監督。2004年アメリカ映画。

2005年9月20日 (火)

ドリームキャッチャー

ドリームキャッチャー 幼なじみのヘンリー(トーマス・ジェーン)、ビート(ティモシー・オリファント)、ジョンジー(ダミアン・ルイス)は知恵遅れの少年ダディッツ(ドニー・ウォールバーグ)を助けて以来の仲。やがて成人して毎年の恒例行事としてハンティングに出かけるのだが、そこでとんでもないものに遭遇してしまう。

 幼なじみの男の子の友情、超能力、ぬめぬめぐちょぐちょのエイリアン、インディアンのまじない、下品な味付けなどなど、原作のスティーブン・キングならではのエッセンスがぎゅうぎゅうに詰め込まれ映像化されている。突如登場する宇宙ウナギとエイリアンがなんとも全体のテンポを崩している気がしないでもないけど、これもB級映画大好きな観客へのサービスと考えれば悪くない。

 いじめられてるジョンジーを少年たちが助けるあたりの描写が、結構好きです。モーガン・フリーマンも出てるけど、あんまり活躍してないのがもったいない。

ローレンス・カスダン監督。2003年アメリカ映画。

2005年9月19日 (月)

ブリジット・ジョーンズの日記

ブリジット・ジョーンズの日記 出版社に勤めるブリジット・ジョーンズ(レニー・ゼルウィガー)はやや太めの30代女性で現在のところ男っ気なし。その彼女が、日記をつけて酒とタバコをひかえて、そしてボーイフレンドを見つけるという決意をする。やがてハンサムな上司ダニエル(ヒュー・グラント)に言い寄られいい仲になるのだが…

 女性を中心に結構人気のある映画。いわゆるダメダメ女が一大決心をして素敵な恋を手に入れようという話なんだけど、私には彼女のドジ加減が不思議と魅力的でいい女に見えてダメ女に思えないんだなぁ。このあたりが私がこの映画の本意が理解できずに、微妙なズレを感じてしまう所以だと思う。

 ダニエルとマーク・ダーシー(コリン・ファース)の間をブリジットが揺れ動くってのがメインストーリーなんだけど、ブリジットの両親(ジム・ブロードベント、ジェマ・ジョーンズ)、特に母の不倫問題やブリジットのゲイの友人たちなど、彼女をとりまく人間関係が秀逸で面白いです。

シャロン・マグアイア監督。2001年イギリス=アメリカ合作。

2005年9月16日 (金)

男はつらいよ 純情篇

no jacket image 長崎の五島列島を旅する寅次郎(渥美清)は、子連れの女性絹代(宮本信子)を助けて父親千造(森繁久弥)のもとへ送り届ける。二人を見ていて望郷の念にかられた寅は、柴又の故郷へ帰るのだが彼の部屋には美人の間借り人夕子(若尾文子)がいた… シリーズ第6作。

 この頃の若尾文子って本当にキレイでまさに高値の花のマドンナって感じ。それに突撃していく寅のとんちんかんなおかしさは、今見るとどうしても時代がかったおかしさに見えてしまうのが残念。

 エピソードとしては五島編とも言える宮本信子と森繁のからむエピソードのほうが秀逸。この話と柴又のストーリーがうまくからんでいないのが悔やまれる。寅さんって柴又ではおっちょこちょいでボロボロなんだけど、地方へ行くとわりと普通だってことがよくわかります。

山田洋次監督。1971年日本映画。

2005年9月15日 (木)

ゴジラ FINAL WARS

no jacket image 近未来の地球。世界各国に怪獣が出現し、ミュータントで組織された地球防衛軍が出動する。ところが事態を収拾したのは突然UFOに乗って現れたX星人で、地球人と友好関係を結ぼうというのだが…

 タイトルからわかるようにゴジラの最終作とされる作品。古い東宝SF映画のストーリーを切り貼りしたまさに寄せ鍋的映画で、ゴジラの息子やらクモンガやらカマキラスやら40代以上の男性にしかわからないようなキャラクターのオンパレード。さらに轟天号(海底軍艦)や妖星ゴラスまで登場するサービスぶりである。

 しかも最新SFXで見せてくれるのかと思えば、古い着ぐるみバトルそのままのクオリティ。エンタテイメントというよりも、ひょっとしてやけくそか(?)と思える潔さはここまでくると快感でもある。

 まぁ、ほとぼりが覚めたらゴジラはまた復活すると思うけど。

北村龍平監督。2004年日本映画。

2005年9月14日 (水)

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 60年代のアメリカ。両親の離婚にショックを受けたフランク・W・アバグネイル(レオナルド・ディカプリオ)は家を飛び出し、何気なくはじめた偽造小切手作りやパイロットになりすます詐欺で次第に頭角をあらわしていく。ところが小切手の問題でFBIの捜査官カーン・ハンラティ(トム・ハンクス)が動き出す。実在した若き詐欺師を軽妙なタッチで描いたライト感覚な犯罪映画。

 ストーリーもテーマも面白いんだけど、見終わったあとで「いったい何だったんだろう」って思ってしまう映画。スピルバーグ監督の映画は、最近こういう軽めのやつが多い。詐欺師の手口も豪華な共演者も見どころたっぷりだけど、それ以上のものを感じることができなかった。

 子供の遊び感覚で詐欺がとんとん進んでいく様子はコミカルだ。トム・ハンクスはただ存在感を見せつけているだけのような役回りなんだけど、ハンラティの父親役をやっていたクリストファー・ウォーケンは芸達者で何をやってもコワくなるから不思議だ。

 こういう映画を見るたびに、アメリカってほんと日本とはモラル感覚が違うなぁと感心させられてしまう。詐欺師の過去を持った男が、冒頭のクイズ番組出演をしたりFBIでそれなりの仕事を持って受け入れられる社会ってある意味凄い。

スティーブン・スピルバーグ監督。2002年アメリカ映画。

2005年9月13日 (火)

続・男はつらいよ

no jacket image 前作から1年経たずに「とらや」に舞い戻ってきた寅次郎(渥美清)は恩師の散歩先生(東野英治郎)の娘夏子(佐藤オリエ)に一目惚れする。京都を旅するこの父娘と偶然再会した寅は、京都に住む実の母お菊(ミヤコ蝶々)に再会することをすすめられるのだが。人気シリーズの第2作。

 寅次郎が自分を捨てた母に会うという、ちょっとシビアでびっくりなストーリーを扱った作品。長いシリーズの立ち上げ時にはこういった後から見るとびっくりするような内容が多いかも。それだけ後になるほどネタが尽きてワンパターンに陥っちゃうわけだろう。その寅の母がミヤコ蝶々(彼女は関東出身らしいけど)ってのも面白いキャスティング。寅は遊び人の父が芸者に生ませた子供なので、さくら(倍賞千恵子)の母もミヤコ蝶々というわけではない、念のため。

 さらに芸達者な東野英治郎と渥美清のかけあいもあり、佐藤オリエとのエピソードに時間を割いているにもかかわらず上記のエピソードの方が印象に残る。ある意味、具だくさんで結構楽しめるドラマになっている。

山田洋次監督。1969年日本映画。

2005年9月10日 (土)

グラディエーター

グラディエーター 西暦180年の古代ローマ。戦士マキシマス(ラッセル・クロウ)は皇帝から絶大なる信頼を得ていたが、彼が毒殺され息子のコモデゥス(ホアキン・フェニックス)に陥れられ妻子を殺され自身も死刑を宣告される。復讐の鬼となった男の戦いを描いた古代ロマン。

 いわゆる「ベン・ハー」をリメイクしたような物語でスケールもそれなりに大きく楽しめる。CGの発達をうまく生かして、従来では撮れなかった(撮るのに大金がかかった)古代ローマを見事にスクリーンに再現している。でも結局5年を経て、この映画は「ベン・ハー」になれなかったような気がする。

 なぜかっつうと、やっぱドラマの問題だろうね。それなりに骨太の物語なんだけど、アカデミー作品賞ってきくとちょっと違和感を感じるのが問題だと思う。

リドリー・スコット監督。2000年アメリカ映画。

ローレライ

ローレライ 終戦直前の1945年、広島に原爆が投下され降伏が検討されていた日本に、敗戦したドイツから新型潜水艦が運ばれてくる。ローレライと呼ばれる新型兵器を積んで日本では<伊507>と名付けられた艦は、太平洋上の米軍基地へ日本への新たな原爆投下を阻止するために出撃するのだが… 大ヒットした潜水艦SF(?)映画。

 「潜水艦映画に外れなし」というわけでこの映画もそれなりに面白いのだが、思ったよりも高揚感がなかったのはなぜだろうか。ひとつは潜水艦と駆逐艦のバトルがなんとも大ざっぱで作戦もかけひきものかけらもなかったこと。それからローレライシステムの使い方もイマイチぱっとしなかったからのように思う。

 生体兵器をナチスは開発していた、という噂はよく聞くので面白い設定だとは思うんだけど、彼女の着ている衣装や雰囲気がどうにもアニメっぽくてしらじらしく違和感をいっぱい感じてしまった。大砲一発で航空機を仕留めるってのも説得力がないぞ。

 とはいっても、やっぱりこの映画を楽しめてしまったのは「潜水艦映画に外れなし」ではなく、私が潜水艦映画が好きなだけかもしれない。

樋口真嗣監督。2005年日本映画。

2005年9月 8日 (木)

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

no jacket image イブライム・フェレール、ルベーン・ゴンザレス、オマーラ・ポルトゥオンド、コンパイ・セグンドといった、キューバ音楽の重鎮たちをあのギターの名手ライ・クーダが発掘したバンド(?)が「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」だが、そのドキュメンタリー映画版がこれ。ライブ演奏の合間に主要なメンバーたちがぼそぼそと過去を語るだけの内容なんだけど、これがとんでもなく渋くかっこいい。ブエナ・ビスタっちゅうとディズニーの配給会社の名前といっしょなんだけど、それと混同しちゃってて実はこういう内容の映画だとは知らなかったぞ。惜しい物を逃していた、ソンした気分になった。

 ラテン系の音楽が好きな方なら、間違いなくぐぐっとくる映画だと思う。ほとんど朽ち果ててしまったようなじいさん(失礼!)やばあさん(さらに失礼!!)たちが繰り広げるセッションは、正にいぶし銀の輝きで心に残る。

 「ベル天」や「都会のアリス」なんかが印象に残っているヴィム・ヴェンダース監督なんだけど、最近はこんな映画を撮っていたわけだ。

ヴィム・ヴェンダース監督。1999年ドイツ=アメリカ=フランス=キューバ合作。

2005年9月 7日 (水)

男はつらいよ

no jacket image 東京は柴又・葛飾の団子屋に、家出したテキヤの車寅次郎(渥美清)がふらりと帰ってくる。残った家族は叔父夫婦に世話になるさくら(倍賞千恵子)だけだったが、その見合いに同席して話をぶちこわしてしまう。ふてくされてまた旅に出ようとする寅だったが、御前様(笠智衆)の娘冬子(光本幸子)に一目惚れして… 48作続いた映画史上最長と言われるシリーズの、記念すべき第1作。

 実ははじめてこの第1作を見たんだけど、こうなるともうテレビドラマの初回を見るような気分ですね。メインとなるストーリーは妹さくらの結婚なんだけど、夫の博(前田吟)の父が志村喬だったり、最初のマドンナは御前様の娘だったりと何やら目からウロコのエピソードがいっぱいでした。おまけにみんな若くて、倍賞千恵子なんて超キレイ。

 テレビで結構見てると思った「男はつらいよ」だけど、調べてみると10本ぐらいしか見てないことがわかった。つくづく恐ろしいシリーズだ。

山田洋次監督。1969年日本映画。

2005年9月 6日 (火)

ブラックホーク・ダウン (2001)

ブラックホーク・ダウン 1993年、アフリカはソマリアの内戦を終結させるために、首謀者のアディード政権への急襲をアメリカ軍は計画する。かくして米軍精鋭部隊(ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、トム・サイズモア、エリック・バナ他)はヘリ・ブラックホークで本拠地を急襲するのだが、そのうちの1機が撃墜され泥沼の戦いとなる。

 わずか1時間で終わるはずの戦い…のはずが、地獄を見るという戦争映画。あれだけの激戦でありながら、最新兵器を持つ米軍のためかアメリカ側の死者はわずか18名。ソマリア側は数百名が死亡したという。このあたりの不条理が、映画ではさらっと流されていて米軍の死者のみが表に出ているのが映画としては不満だ。

 とはいっても、リドリー・スコットの映画だけにやや俯瞰気味に描かれるリアルな市街戦は見応えがある。いくら強力な装備を持っていても、戦場から生きて帰って来られるのは人間の気力でしかないことを思い知らせてくれる。

リドリー・スコット監督。2001年アメリカ映画。

2005年9月 5日 (月)

拝啓天皇陛下様 (1963)

no jacket image 戦前の日本陸軍に、貧しくて学もない山田正助(渥美清)が入隊してきた。厳しいはずの軍隊だが、食事はうまいし給料もたっぷりもらえてすっかり居心地をよくした正助は、除隊後もしっくりせずに日華事変には志願して軍隊に戻る。軍隊が楽しいという、ちょっと我々の感覚では想像できない男を描いたコメディ。

 よくタイトルをきく映画なのだが実際に見てみると想像とまったく違う内容にびっくり。べつに反戦映画でもなく天皇批判の映画でもなく、この時代にたぶんいっぱいいたであろう山田という男の生き様が淡々と描かれる。この変化球ぶりが、現代でも時々テレビ放映される所以でしょうね。

 長門裕之や藤山寛美など、脇をかためる兵隊さんたちが人間的に魅力あふれていい感じ。時代を感じることができる映画です。

野村芳太郎監督。1963年日本映画。

2005年9月 4日 (日)

インファナル・アフェア

インファナル・アフェア 香港マフィアのスパイとして、警官になったラウ(アンディ・ラウ)と、警察学校で優秀さを認められ、香港マフィアに潜入捜査をすることになったヤン(トニー・レオン)。やがて10年の年月が流れ、ある麻薬取引をきっかけに二人は直接対決する羽目になる。対立しながらも実は立場が逆という二人を描いた、香港フィルムノワールの話題作。

 確かに面白い…ストーリーなんだけど、立場がまったく逆なので気合い入れて見ていても話がどんどんこんがらがってくるのが辛い。どっちの立場もそれぞれの世界のエリートで、スパイなんかしない方がお互いのためじゃないの、なんて思ってたら一方が裏切りかけるエピソードも。これって説得力あるねぇ。

 余談だけど、冒頭とんとんとストーリーが進んでいくのを見て、間違えて「?2」を借りてきてしまったかとあせったぞ。

アンドリュー・ラウ、アラン・マック共同監督。2002年香港映画。

2005年9月 2日 (金)

ドーン・オブ・ザ・デッド (2004)

ドーン・オブ・ザ・デッド エベレットの町で、突然住民たちがゾンビ化する事件が発生。看護婦のアナ(サラ・ポーリー)は、ゾンビ化した夫ルイス(ジャスティン・ルイス)を残してわけもわからず閉鎖されたショッピングセンターへ逃げ込むのだが、まわりはゾンビにぐるっと囲まれていた。80年代にヒットしたジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」のリメイク版。

 前作は強烈に印象に残っているんだけど、この映画はストーリーをそのまんまなぞった感じでこうも同じだとどうしてリメイクしたんだろうって首をひねってしまった。

 ゾンビに囲まれたショッピングセンターってのが面白い設定なので、もう一度映画にしたかったんだろうね。食べ物が山のようにあるので、籠城してたらなんとかなりそうなもんだけど、そうはいかないのが人間の欲深いところ。

ザック・スナイダー監督。2004年アメリカ映画。

月とキャベツ

no jacket image スランプでバンドを解散し、田舎でキャベツを作って過ごすミュージシャンのハナビ(山崎まさよし)は、東京へ出た帰りに草原で少女ヒバナ(真田麻垂美)に出会い帰りのバス代を貸す。ところがヒバナは彼の家まで押し掛けてきて、不思議な共同生活がはじまるのだが… 人気ミュージシャンの山崎まさよしを主演に撮られた、ミュージックビデオ風のファンタジック・ラブストーリー。

 なんかこのハナビってやつ、女にまったく感心ないんかと最初は斜めに構えて見てたんだけど、ファンタジックに昇華していく後半はなかなか没頭してしまった。バレエを踊る真田麻垂美の魅力によるところが大きいだろうね、この映画。主題歌がone more time, one more chanceなんだけど、個人的にはJitterin' Jinnの「夏祭り」が頭に浮かんできてそっちの方が映画の雰囲気に合ってるような気がしたぞ。

 ヒバナって、ハナビをミュージシャンとして復活させるためにプロダクションが送り込んだんじゃないのって最初はヒネた見方をしてしまった。見事に外れたけど。

篠原哲雄監督。1996年日本映画。

2005年9月 1日 (木)

ワイルド・ワイルド・ウエスト

no jacket image 南北戦争後のアメリカ西部。早撃ちウエスト(ウィル・スミス)と発明家ゴードン(ケヴィン・クライン)は大統領からラブレス博士(ケネス・ブラナー)の合衆国乗っ取りの陰謀をうち砕く密命を受ける。激しく反発しあう二人だったが、やがて彼らの前には巨大ロボットスパイダーが登場して… 西部劇とSFを融合させた新感覚アクション映画。

 一言で言えば、仮面の忍者赤影の西部劇版。もう一言添えれば、とんでもないバカ映画である。とはいっても、バカが好きな者にとってはなかなか楽しめるサービス精神たっぷりの映画でもある。

 なんでスパイダーなんかが最後までわかんなかったんだけど… ケネス・ブラナーがスパイダーになっちゃうあたりでは「そこまでやるか」って感じで楽しめました。

 ユニヴァーサル・スタジオ・ジャパンにはこの映画のアトラクションがあるぞ。こちらは未見だが。

バリー・ソネンフェルド監督。1999年アメリカ映画。

2005年8月30日 (火)

ロング・エンゲージメント

ロング・エンゲージメント 第1次世界大戦下のフランス。出征した恋人マネク(ギャスパー・ウリエル)の帰りを待ちわびる恋人マチルド(オドレイ・トトゥ)のもとに戦死の知らせが届く。ところが自分の直感しか信じないマチルドは、マネクが生きていると信じて私立探偵を雇う。ジャン・ピエール・ジュネ監督がアメリに続いてオドレイ・トトゥを主演に撮った不思議なラブストーリー。

 なんじゃこりゃ…といった映画。正直なところ、ストーリーに感情移入して入れ込めなかったのは情報量過多な画面と語り口に付いていけなかったというところか。最大の敗因は…話があんまり面白くない、に尽きる。

 オドレイ・トトウのコミカルな風貌って、ジュネ監督の作風にベストマッチだってことを本作で確認した。ジョディ・フォスターが突然出てきたのには驚いたな。

ジャン・ピエール・ジュネ監督。2004年フランス映画。

フライト・オブ・フェニックス

フライト・オブ・フェニックス モンゴルの石油採掘現場に中止命令が出され、現場の職員は貨物機で現場を撤退する。ところが飛行機は砂嵐に巻き込まれてゴビ砂漠の真ん中に不時着。フランク機長(デニス・クエイド)をはじめとする生き残った10人(ミランダ・オットー、ジョヴァンニ・リビシ、タイリース・ギブソン他)は、輸送機の残骸から別の飛行機を作る(これがフェニックス号)ことを思い立つのだが…

 サバイバルアクション映画で、タイトルからもわかるように60年代の名作「飛べ! フェニックス」のリメイク。2時間半の長尺でじっくり男のドラマが描かれていた前作に比べると、女性も加えてずいぶんとライト感覚になったなぁという感じ。もっともリメイクに際して、へんなひねりを加えることもなく同じように追い込まれた人たちの人間ドラマを楽しむことができた。墜落シーンなんかも大迫力。ラストが意外とあっけないのがちょっと残念。

 資料を見直してみると、旧作では機長がジェームス・スチュワートでリチャード・アッテンボローやアーネスト・ボーグナイン、ジョージ・ケネディなんかが乗ってたわけやね。こりゃパニック映画の常連さんばっかりやん!?

ジョン・ムーア監督。2004年アメリカ映画。

2005年8月24日 (水)

トリプルX

トリプルX 違法のエクストリーム・スポーツ Xゲームのカリスマであるザンダー(ヴィン・ディーゼル)はその驚異的な能力から、国家安全保障局(NSA)のギボンズ(サミュエル・L・ジャクソン)からスパイになれと強制的にスカウトされる。その任務は、犯罪組織アナーキー99への潜入捜査。人気のヴィン・ディーゼルがシークレット・エージェントに扮するスパイアクション映画。

 主人公がインターネットのストリーミング配信で人気が出た違法スポーツのヒーローって設定が新しい。雪山のアクションシーンとか楽しめる場面も多く、アクションとしては及第点。マッチョなヴィン・ディーゼルも初期のスタローンなんかを思わせてマル。

 ただし見た目アンチヒーローの主人公は今にはじまったことではないので、悪をもって悪を制するって設定はぼちぼちやめてくれ?。見ていてだんだんうざったくなってきた。なおヒロインのアーシア・アルジェントは、あのイタリアホラーの巨匠ダリオ・アルジェントの娘だそうです。

ロブ・コーエン監督。2002年アメリカ映画。

2005年8月23日 (火)

輪廻 リ・インカーネーション

no jacket image 女性の体に絵を描き性器を切り取るという猟奇連続殺人事件が発生する。犯人のミョング(チョン・ウンイン)がつかまり、検事を引き受けたヒョンジュ(カン・スヨン)は死刑を求刑するのだが、実はミョングは70年前の日本統治下の韓国で起こった殺人事件の容疑者として死んだ画家の生まれ変わりだということがわかる。ひたすら気味の悪い、輪廻転生をテーマにした韓国製猟奇ホラー。

 アメリカにも70年代に「リーインカーネーション」って映画があったけど、こちらの方が数段しっくりくる内容に描き込まれていて面白い。心中死体とかホルマリン漬けの性器や胎児とか、ちょっと気分が滅入ってくるような映像も散りばめられてはいるが、この世に未練を持って死んだカップルが生まれ変わるというストーリーが娯楽性たっぷりに描き込まれていて単なる猟奇趣味な映画にはおさまっていない。

 生まれ変わりをすんなりと受け入れられるってのは国民性もあるんかなぁ。裁判シーンで大まじめに「70年前のグァンニムの生まれ変わりなんです」なんて主張が飛び出して、これまた大まじめに「確証はあるのか」とやり取りするあたりは見ていて違和感ばりばりであった。

 韓国ホラーって、本当に手加減なしに描いてしまうところがコワイ。

バク・スンベ監督。2004年韓国映画。

2005年8月22日 (月)

ギター弾きの恋 (1999)

no jacket image 1930年代のアメリカ。ジャズギタリストのエメット・レイ(ショーン・ペン)はあふれる才能に、自らを世界ナンバーツーのギタリストだと名乗る。同時に娼婦の元締めもし、自由奔放に生きているのだがある日ナンパした口のきけない女性ハッティ(サマンサ・モートン)と同棲するようになる。ジャズのナンバーを散りばめ、関係者(研究者)の証言(?)を交えて描かれる物語。

 ウディ・アレン自らスクリーンに登場してエメットについて語るので、すっかり実在の人物かと思ってしまった。インターネットでエメット・レイを検索してこの映画に関するページしか出てこないことによってわかりました。すっかりダマされた。しかしこういうセミドキュメント風の人を喰ったような演出、うまいです。

 ハッティを演じたサマンサ・モートンがいいです。彼女の表情、文句なく心に残る。じーんとくるラストは、フェリーニの「道」にも通じるものがあるというと言い過ぎかな?

ウディ・アレン監督。1999年アメリカ映画。

2005年8月20日 (土)

バーバー

バーバー 1940年代のカリフォルニア・サンタローザ。義兄と床屋を営むエド・クレイン(ビリー・ボブーソントン)はふとしたことから妻ドリス(フランシス・マクドーマンド)の浮気を疑うようになる。ある日店にやって来た男の、ドライクリーニング店に出資しないかという持ちかけから浮気相手から金を脅し取ることを思いつくのだが… 全編モノクロが古いようで新しい不思議な効果を持ったコーエン兄弟監督のハードボイルド風犯罪映画。よくできたクラシック映画を見ている雰囲気。

 ちょっとしたきっかけで…転落人生を歩む男の物語。無口な床屋が主人公なんだけど、見た目はめちゃめちゃかっこいい。でも生き様は全然かっこよくないっていうギャップが面白い。人生ってたまに勝負をかける瞬間がやって来るものだけど、すべてに馬鹿を繰り返してしまう男の哀れさ。こういう人がいるから、勝負はやめて地道に生きろなんて言う人もいるんだろうな。

 無名時代のスカーレット・ヨハンソンがピアノがうまい女子高生役で出てるのにも注目。すっごい真面目そうな彼女なんだけど…この使い方がうまい。目からウロコ。

 わからなければ何をやってもいいのか…映画の中盤以降にはそんなモラルの薄さを感じた。エド、たばこ吸いすぎ。どう転んでも長生きできなさそう。

ジョエル・コーエン=イーサン・コーエン監督。2001年アメリカ映画。

2005年8月19日 (金)

マイ・プライベート・アイダホ (1991)

no jacket image ポートランドで男娼をして生きるマイク(リヴァー・フェニックス)は緊張すると発作を起こして気を失ってしまう持病を持っている。彼の友人スコット(キアヌ・リーヴス)は市長の息子でありながら親に反発して家を飛び出した過去を持つ。ある日二人は、マイクを捨てた母を捜す決心をしてアイダホを目指す旅に出る…

 ガス・ヴァン・サントの長編第2作で、スケッチ風にエピソードを積み重ねた作風が特徴的。決してストーリーが面白いという映画ではないんだけど、男娼をして生きる二人とそのゲイ仲間がリアルに描かれていて見応えがある。

 今は亡きリヴァー・フェニックスだけど、キアヌと共演して(しかも恋人役(?)で)こんな映画に出てたんだと目からウロコだった。その後のキアヌの活躍を考えると、つくづくもったいないと思ってしまう。ウド・キアもチョイ役で出てるんだけど、こういう世界だと違和感なくハマってしまいますね。

ガス・ヴァン・サント監督。1991年アメリカ映画。

2005年8月18日 (木)

スチームボーイ STEAM BOY (2004)

スチームボーイ 19世紀のイギリス。発明家の父エディ(津嘉山正種)と祖父ロイド(中村嘉葎雄)を持つ少年レイ(鈴木杏)のもとに、父のもとから小包が届く。中には謎の金属のボールと何枚かの図面が入っており、間もなくオハラ財団と名乗る者たちがボールを奪いにやって来る。自ら発明した一輪車に乗って逃げるレイだったが… スチームで動くレトロ調のメカが動きまくる独特の世界で繰り広げられる、アクションアニメーション。

 AKIRAでおなじみの大友克洋の作品。メカへのこだわりと、6?70年代にはよく映画や小説で描かれた科学の進歩への警鐘がテーマになっているんだけど、今見るとなんとも古くさい。まぁ画面もレトロでかためた労作なのでストーリーもレトロにしたんかもしれないけど。

 大友克洋の作るストーリーって深そうに見えて、実はものすごく底が浅いんじゃないかと思えてきた。テーマは要するに3代に渡る壮大な親子げんか。反戦映画なんだけど、戦争に関する描写もこれまた浅い浅い。かなりの労作だけに残念だ。

大友克洋監督。2004年日本映画。

2005年8月17日 (水)

シックス・センス

no jacket image 精神科医のマルコム(ブルース・ウィリス)は患者の凶弾に倒れて長いリハビリ生活をおくる。やがて彼は、霊感が強く死者を見ることができる少年コール(ハーレイ・ジョエル・オスメント)の治療をすることになるのだが… あっと驚かされるストーリー展開を秘めている、ホラー映画の傑作。

 何かと語りぐさになっている映画で、1度見たら必ずもう一度見たくなる作品。何を書いてもネタばらしになりそうなので、ストーリーについてはこれ以上は書かないけど本当に頭を真っ白にして見てほしい映画。まだ見てないのなら、「シックス・センス」という文字を見かけたら以下は読まないようにしましょう。

 これを見たら、幽霊の気持ちがわかるようになるかも…

M・ナイト・シャマラン監督。1999年アメリカ映画。

2005年8月16日 (火)

メン・イン・ブラック2

no jacket image 前作から5年。宇宙からやって来た凶暴なエイリアンが、美女サーリーナ(ララ・フリン・ボイル)に変身して、メン・イン・ブラックの本部を占領してしまう。すでに中堅捜査官になっていたJ(ウィル・スミス)は事件の鍵をにぎる相棒のK(トミー・リー・ジョーンズ)を訪ねていくのだが、彼は記憶を消されて民間人の郵便局員となっていた。前作と同じく、宇宙移民のクリーチャー満載・ギャグ満載のSFアクションコメディ。

 これまた懐かしい「ツインピークス」のララ・フリン・ボイルが、セクシー宇宙人として活躍。マイケル・ジャクソン(偽物かと思った)やピーター・グレイブスなどお遊びで出演しているメンバーも豪華な続編。

 90分ない短さとジェットコースターのようなストーリーの早さ、ブツ切りのギャグの応酬であっという間に終わってしまった。Jが恋をしたりスパイスはきかせてあるんだろうけど、なんとなく消化不良。わけわからず宇宙船に乗せられてどっか飛んでいく彼女ってかわいそうどころじゃないぞ。

バリー・ソネンフェルド監督。2002年アメリカ映画。

2005年8月14日 (日)

メン・イン・ブラック

メン・イン・ブラック ニューヨークの警官ジェームス(ウィル・スミス)は追跡中の犯人が実は宇宙人であることを知る。そこへ現れた黒服の男K(トミー・リー・ジョーンズ)は、地球にはすでにたくさんの宇宙人が移民していることをジェームスに知らせて、彼を地球防衛のエージェント「メン・イン・ブラック」の一員としてスカウトする。

 「彼らはノリで地球を守る」というコピーのもと、アメリカのタブロイド誌に載るUFO記事がすべて本物であるという仮定のもとに繰り広げられるSFコメディ。出てくるエイリアンたちの造形も面白いが、何よりも主演の二人のおとぼけぶりはかなり笑わせてくれた。

 いきなりトラックの窓で虫がぐちゃぐちゃツブれるオープニングはキモいが、エイリアンたちも同じノリで登場するところが何とも悪趣味で楽しませて(笑)くれる。

バリー・ソネンフェルド監督。1997年アメリカ映画。

2005年8月13日 (土)

北の零年 (2004)

北の零年 明治維新間もない淡路の国、香川藩とのいざこざから北海道の開拓を命じられた稲田家の546名は、船に乗り数ヶ月かけて静内へたどりつく。原野を開墾する小松原英明(渡辺健)と妻志乃(吉永小百合)だったが、作物は育たず北海道でも育つ稲を求めて小松原は札幌へ向かう。まだまだ未開の地であった北海道を舞台にした大河ドラマ。

 なんか、凄く古くて懐かしくて豪華絢爛なものを見せられた感じ。昭和40年代に作られた大作…と言われたら信じてしまいそうな、東映オールスターキャストの大河ドラマ。盛り上げ方、落としどころ、さらに子役の使い方までも妙に時代がかっているのが凄い。黒澤の時代からあんまり進歩ないぞ。

 アイヌのアシリカを演じた豊川悦司がおいしいところを全部さらっていってる。倉蔵の香川照之も人間のいやらしさ爆発でいい感じ。ストーリー的には、厳寒の北海道の厳しさがイマイチ出てなかったような気がする。最初に作る屋敷、あんなでかい屋根作ったら雪で崩壊するぞと思ったら何事も起こらなかった。雪下ろしのシーンもなし。

 古い邦画大作を見るぞ!と身構えて見れば楽しめることうけあい!!

行定勲監督。2004年日本映画。

2005年8月12日 (金)

誰にでも秘密がある

誰にでも秘密がある 恋愛経験豊富なクラブ歌手のミヨン(キム・ヒジョン)は店へやって来たハンサムな男スヒョン(イ・ビョンホン)に心を奪われみんなの前で結婚の約束をする。ところが彼女の姉で、大学院に通い恋愛未経験の次女ソニョン(チェ・ジウ)と既婚だけれども倦怠期の長女ジニョン(チュ・サンミ)も彼と恋に落ちてしまい、関係を持つようになる。

 普通に描けばドロドロのメロドラマになりそうな内容を、不思議とさらりとしたタッチで描いたラブコメディ。スヒョンの正体は?ってところが焦点で、ジゴロか結婚サギか??なんて思って見てたら、そりゃ?ないだろうっていうような結末にはしてやられたような印象。予測できないという意味では面白い映画ではあった。

 ビジュアルも含めて下ネタ満載なので、心して見た方が良いかも… 下品で面白くて結構笑える。

チャン・ヒョンス監督。2004年韓国映画。

2005年8月11日 (木)

カンフーハッスル

カンフー・ハッスル 警察さえも牛耳るヤクザの斧頭会は、今まで気にもしていなかった貧民街の「豚小屋砦」に住むカンフーの達人たちにこてんぱんにやられてしまう。町の落ちこぼれだったシン(チャウ・シンチー)は、この騒ぎにまぎれて憧れの斧頭会に入ることができたのだが… 「ありえねー」のキャッチコピーで、本当にありえない超人カンフーの戦いを描いた格闘アクションコメディ。

 ここまでやるか、というほどにぶっとんだ映画だけど、ここまでやらなきゃねってにんまりさせられてしまった。こういうネタは「スーパーマン」あたりでハリウッドでも映像化されているんだけど、アジアがやるとなんとも泥臭くてまた面白い。基本的にはジャッキー・チェンの初期のコメディに通じる雰囲気なんだけど、CGとワイヤーを使った特撮を縦横無尽に使ってやりたい放題といった感じ。ラストは仏様が出てくるあたりも、限りなくアジアである。棒付きキャンディーの少女のエピソードなど、泣かせどころも心得ているあたりがニクい。

 未見だった「少林サッカー」、見てみたくなってきた。

チャウ・シンチー監督。2004年中国=アメリカ合作。

2005年8月 9日 (火)

ガタカ (1997)

no jacket image そう遠くない未来。人類は遺伝子操作を完成させ、生まれた時から遺伝子を操作されたエリートとそうでない不適格者に分けられていた。何も操作されずに生まれたヴィンセント(イーサン・ホーク)は生まれた時から30年の命と烙印を押され、それを後悔した両親によりエリートとして生まれた弟にことごとく馬鹿にされ育った。やがて成人して宇宙飛行士要請書であるガタカにあこがれたヴィンセントは、挫折したエリート(ジュード・ロウ)になりすましてガタカに採用されるのだが…

 久々に見た絶望に包まれた未来。遺伝子工学が新たなる差別を生み、不適格者にとっては希望をまったく閉ざされた世界が展開されている。宇宙飛行士にあこがれるヴィンセント。繰り返されるロケットの打ち上げが象徴的でまたもの悲しい。

 SFとしてはずいぶん地味な部類に入るんだけど、ひとつひとつのシーンが印象的でこれはしばらく心に残りそうな作品。努力する、未来を切り開くといった当たり前のことが閉ざされた未来がなんとも重苦しいものか。遺伝子操作を行わずに子供を作ってみようという最初の両親の気持ちもよくわかる。でも失敗して、次の子は遺伝子操作を行ったことが悲劇につながるのが、なんとも痛切だ。

 イーサン・ホーク、ジュード・ロウ、ユマ・サーマンとみんな印象的だが、出番の少ないアーネスト・ボーグナインも心に残る。

アンドリュー・ニコル監督。1997年アメリカ映画。

2005年8月 8日 (月)

スリーピー・ホロウ

no jacket image 1799年のアメリカ。拷問による自白を中心としている警察の方針を批判した捜査官のイカポット(ジョニー・デップ)は、片田舎のスリーピー・ホローで起こっている首無し連続殺人事件の捜査を命じられる。ところが住民たちの話によると、犯人は首のない騎士の亡霊だというのだが… ティム・バートン監督でおくるゴシック・ホラー風推理サスペンス(?)

 推理劇のスタイルをとっているけど…やっぱこれはホラー映画です。ティム・バートンお得意の遊びが散りばめられていて、適度にスプラッターしていてとっても面白い。首がシュパシュパ飛んでいくので、生理的にダメな人はダメダメだろうけど。

 こういう映画には、クリスティーナ・リッチってのははまり役のヒロイン。首なし騎士にクリストファー・ウォーケン、ニューヨーク市長にクリストファー・リーなんてのも思わずにやりとさせられる配役です。個人的に好きなのは、風車が燃えるシーンかな。

ティム・バートン監督。1999年アメリカ映画。

2005年8月 6日 (土)

キープ・クール

no jacket image 北京の路上で本屋を営むシャオ(チアン・ウェン)は元恋人のアンホン(チュイ・イン)が忘れられず、ビルの谷間で人を雇って大声でメッセージを送るなどストーカーまがいのプロポーズを繰り返す。ところシャオは出くわしたアンホンの新しい恋人の一団に袋叩きにあい、苦し紛れに通行人チャン(リー・パオティエン)からカバンをもぎとる。中には高価なパソコンが入っていてしかもバラバラに壊してしまい、弁償を迫るチャンだったが…

 近代化はされたけどどこかあか抜けない北京を舞台に、短気なシャオ、すっとぼけたチャンなどユニークなキャラクターのやりとりをスピーディーに描いたコメディ。ストーリーが意外と練られており、最後まで飽きずに一気に見ることができた。

 最近は「HERO」や「Lovers」でひと皮むけたチャン・イーモウ監督だけど、こういうのも撮ってたんだと新鮮。しかも金をかけてないだけに、スピーディーな演出や登場人物たちの疾走感がうまく表現されていて拾い者である。

 古今東西、プロポーズってのはいろんな習慣があるんだろうけど、人を雇ってマンションの谷間の広場で大声でしゃべらせるってのはイタリアもびっくりじゃないかぃ? 中盤からは、ストーリーに邪魔になってきた彼女の存在をばっさり切ってしまうのも思い切りが良くてよろしい。

チャン・イーモウ監督。1997年中国映画。

2005年8月 5日 (金)

ルナ・パパ

no jacket image タジキスタンの小さな村に住む17歳の少女マムラカット(チュルパン・ハマートヴァ)は厳格な父と戦争で精神に障害を持った兄と暮らしている。ある夜暗闇で顔も知らない劇団の俳優と結ばれてしまい、赤ちゃんをみごもる。激怒した父だったがやがて3人は父親探しの旅に出ることになり… 寒村を舞台にしたなかなか味わい深いドラマ。

 これって日本も制作にかかわっているってのが不思議。どういうカタチで参加しているのだろうか。ひょっとして出資しただけ? 冒頭はいわゆる岩波ホールで上映って雰囲気で我慢の1時間半かと思わされたんだけど、マムラカットが妊娠してからはストーリーがどんどん面白くなっていく。特に登場人物のキャラクターは秀逸で、あらぬ方向に結末が転んでいくラストなんかはたぶんほとんどの方が開いた口がふさがらないんじゃないだろうか。

 マムラカット役のチュルパン・ハマートヴァは間違いなく要チェックだろうけど…たぶんもう一度会えるかどうかは難しいだろうなぁ。

バフティヤル・フドイナザーロフ監督。1999年ドイツ・オーストリア・日本合作。

2005年8月 2日 (火)

マトリックス レボリューションズ

マトリックス レボリューションズ 昏睡状態から覚めたネオ(キアヌ・リーブス)はトリニティ(キャリー・アン・モス)とプログラムを壊滅するための潜入を行う。迎えるのは、制御できないほどに増殖したエージェント・スミス(ヒューゴ・ウィーヴィング)。同じ頃、リアル世界ではセンティネルの大群が人類最後の地下都市ザイオンを攻撃しようとしていた。人気SFシリーズの第3作で完結編。

 始まりのあるものには終わりがあるってことで、すべてが終結へ向かう完結編。人類とコンピューターの戦争の終わりはあっけなかったけど、エージェント・スミスとの戦いはなかなかねちこくて見応えがあった。またリアル世界でのドラマがなぜかレボリューションズではメインで、敵のロボット部隊と人類のロボットに乗った人たち(笑)の戦いはマンガチックでこれまた楽しめる。

 これって何回も見ている人多いんだろうなぁ。枝のおかずがいっぱいありそうで、1回見ただけで感想書くのは難しいや。

アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー共同監督。2003年アメリカ映画。

2005年8月 1日 (月)

マトリックス リローデッド (2003)

マトリックス・リローデッド 前作のラストで覚醒して超能力を手にしたネオ(キアヌ・リーブス)は恋人のトリニティー(キャリー・アン・モス)が殺される悪夢に苛まれる。モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)を隊長とする仲間たちと人類最後の地下都市であるザイオンへ向かうのだが、ここも攻撃を受け、危機を救うためにマトリックス全体にアクセスできるキー・メイカー(ランダル・ダク・キム)を探す旅に出る。人気シリーズの第2作。

 チョイ悪役(?)かと思っていたエージェント・スミス(ヒューゴ・ウィーヴィング)がどんどん不気味な存在に成長していくのが見どころ。モニカ・ベルッチも出てるんだけど、面白い使われ方をしている。

 「リローデッド」というタイトルがいいセンスしていると思う。でもマトリックスはずっと実行されたままだと思うのだが…

アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー監督。2003年アメリカ映画。

2005年7月31日 (日)

マトリックス

Matrix プログラマーのトーマス・アンダーソン(キアヌ・リーブス)はネットワークの世界では「ネオ」というハンドルネームの凄腕ハッカーとして知られている。ある日、謎の女性トリニティ(キャリー・アン・モス)と伝説のハッカーであるモーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)に出会ったネオはこの世がすべてコンピューター上に作られたシミュレーションであり、本当の世界と体は別にあることを告げられる。かくして管理された世界から脱出する戦いが始まった。

 SF映画としてはもはや定番の地位を築いている作品。それまでわかりにくかったサイバーパンクというジャンルを、結構わかりやすく見せてくれているところが魅力。この映画を見るポイントは、現実世界とヴァーチャルな世界の境界をしっかり認識しながら見ること。そうすると、ストーリーで迷子になる確率は減ります。

 ひょっとしてこの世はヴァーチャルなんじゃない? 誰でも抱くことのあるそんな疑問を見事に映像化して成功している作品。ヴァーチャルな世界でも死ぬときは死ぬという設定が、物語を面白くしている。

アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー共同監督。1999年アメリカ映画。

2005年7月30日 (土)

独身貴族 別れてもダメな人

no jacket image さえない劇団員のソン(アンソニー・チェン)は妻に逃げられ、彼の前妻と結婚した広告代理店勤務のワーチャイ(ケニー・ビー)の家に転がり込む。折しも彼も妻に出て行かれたところで、争った二人は窓から転落して腕を負傷。仕方なく共同生活をはじめたところへ、共通の恋人(チェリー・チャン)ができてしまい…

 「夫婦前妻」と同じくサモ・ハン・キン・ポーのプロデュースのコメディで、監督は主演と同じアンソニー・チェン。コメディのタッチは「8時だよ、全員集合」とか「コント55号」なんかと同じスラップスティック系で私などは古くて懐かしい感じがした。筋肉マンのギャグも健在。どっちもあんまり笑えないけど…

 このアンソニー・チェンって人の作風、なんか香港のウディ・アレンって感じでエゴ丸出しでなさけない男の演じ方が妙にハマっている。さらにハ虫類系の顔がなんかコワイ者見たさ的な魅力がある。このアンソニー・チェンの映画って本国では意外と本数が出てるのかもしれない。

アンソニー・チェン監督。1995年香港映画。

2005年7月29日 (金)

完全犯罪

no jacket image 銀行の頭取ポール(ジョン・リスゴー)は、若い美女ローレン(メッチェン・エミック)に熱を上げ結婚する。ところが彼女にはならず者のリノ(エリック・ロバーツ)とつきあっていた過去があり、新聞で結婚を知ったリノは刑務所を脱走をして彼女の兄だと偽って二人の家に居候する。銀行を舞台にした完全犯罪を描いたクライム・サスペンス。

 そういやこの頃ってドラマ「ツインピークス」出身の俳優さんが幅をきかせてなぁって懐かしく思い出した。あの映画から飛び出したスターで、今生き残っている人って一体どれだけいるんだろう?

 当時人気だったメッチェン・エミックを前面に出した作りで、彼女に熱を上げて結婚してしまった「おやじ」のジョン・リスゴーははまり役。つくづく綺麗な花には何かあるってのが実感できる内容で、ジョン・リスゴーがただの世間知らず親父ではないところがこの映画の後半を面白くしているポイント。確かに銀行の頭取ともなると、百戦錬磨でただのチンピラなんてかなわないと見るほうが自然かも。

 完全犯罪と言うにはツメが甘い気がするぞ。二人はこれからどうやって生きていくんだろう。クルーザーで人間社会とはおさらばする? なら何のために大金を持って行くんだろう。

ウィリアム・カラン監督。1993年アメリカ映画。

2005年7月26日 (火)

奪還 DAKKAN アルカトラズ

no jacket image 泥棒コンビのサーシャ(スティーブン・セガール)とニック(ジャ・ルール)はFBIと銃撃戦になり、サーシャは銃弾を受けて昏睡状態になったあとに、アルカトラズ刑務所に収容される。実は刑務所では強奪した金塊の隠し場所を白状しないまま、レスターの死刑執行が迫っていたのだが… アルカトラズ刑務所が復活したという設定のもとで繰り広げられるアクション映画。

 「DENGEKI」は限りなくタルかったんだけど、これはなぜか面白かった。単純に私が刑事ドラマには飽きているけど刑務所ものは好きなだけなのかもしれない(笑)。スケールダウンした「ザ・ロック」といった感じで、ヘリコプターの使い方も印象的で面白かった。ただしセガールはどこまでいっても同じような役しかできないみたいでちょっと寒かった。

ドン・マイケル・ポール監督。2002年アメリカ映画。

2005年7月24日 (日)

DENGEKI 電撃

DENGEKI 電撃 デトロイト警察のボイド刑事(スティーブン・セガール)は、腕は立つが荒っぽく護衛中の副大統領を川へ投げ込んで助けたり(?)、潜入捜査中の刑事を逮捕したりと不祥事続き。交通整理に格下げされてご機嫌斜めで勤務していたのだが、警察の証拠保管庫からのヘロイン強奪事件に巻き込まれ… コミカルな味付けがされた、ポリスアクション映画。

 正直なところ…腐敗警官ものはもう完全に飽きちゃってるストーリーで30分ぐらい見たところでコレはだめだ?って思って見るのをやめたくなった。ちょっとコメディにふっているきらいもあるけど、セガールのノリもワンパターン。でも後半は面白くなるかもしれないと思い我慢してたら1時間半ぐらいの長さであっさりと終わってしまった。

 最近よくセガールの映画を見てるけど、完全にワンパターンに陥っているぞ。セガール主演の映画を作るんじゃなくて、何かの企画にセガールをはめこんだ方が面白いものができるような気がする。「エグゼクティブ・デシジョン」が良い例かな。

アンジェイ・バートコウィアク監督。2001年アメリカ映画。

2005年7月22日 (金)

アメリ

buffalo AirStation 幼い時に不慮の事故で母を失ったアメリ(オドレイ・トトゥ)は空想好きで内向的な女の子に育つ。カフェで働いていた彼女は、ある日自室の壁の中からおもちゃを詰めた缶をみつけたことから、他人を幸せにしようと思い立つ。いたずらともおせっかいとも思えないような人助けをしているうちに、証明写真の自動販売機の下から捨てられた写真を拾い集めているニノ(マシュー・カソヴィッツ)に出会い…

 J・P・ジュネ監督が「エイリアン4」の次に撮った映画で、久しぶりに古巣に帰ってのびのびと演出している感じ。「デリカテッセン」が好きな方には文句なくおすすめで、おそらくかなりの場面でCGが使われていると思われるがハリウッド映画とはまったく違った方向性にかなり新鮮な気分にさせられる。

 この映画のポイントは、アメリ(オドレイ・トトゥ)が可愛いと思えるかどうか、そして彼女の内向さ加減に共感できるかでしょう。私はけっこうはまって見てしまいました。思っていることが言えない、できない、そして思ったようにならないもどかしさがずんずん伝わってくる。

 見ているとたまにどこまでが空想でどこまでが現実かわからなくなるのですが、彼女の空想自体がキュートで面白い。最も一番面白かったのは、彼女の幼少時代をかけ足で描く冒頭部分かもしれないが。

 宣伝されたように見たから幸せになれる映画ではないような気がする。そういやオドレイ・トトゥは今どうしているんだろう?

ジャン・ピエール・ジュネ監督。2001年フランス映画。

2005年7月21日 (木)

ケロッグ博士

ケロッグ博士 1907年のミシガン、ケロッグ博士(アンソニー・ホプキンス)の療養法に魅せられたエレノア(ブリジット・フォンダ)は夫のウィル(マシュー・ブロデリック)を連れて博士の療養所を訪れる。そこは菜食と禁欲をモットーとする、実に奇妙な世界だった。あのコーンフレークの発明者の半生と、彼に取り付かれた人たちを描いたブラックコメディ。

 映画のほとんどは療養所の描写なんだけど、いずれも禁欲生活のカタマリで客観的に見るとまさにカルトとも言える。大声で歌わされたり、腸を掃除されたりはまだわかる(?)としても、その他の療養法の数々はもう奇行としか言いようがない。おまけに早死にしてしまうケロッグ博士って何だったんだろう? これってカルトを笑いとばす映画?

 ジョン・キューザックにダナ・カーヴィ、ララ・フリン・ボイルと脇役陣も豪華で楽しめます。何かこれから、コーンフレークを見る目が変わりそうだ。

アラン・パーカー監督。1994年アメリカ映画。

2005年7月20日 (水)

アウト・オブ・タイム

アウト・オブ・タイム 特殊部隊兵士のディーン・ケイジ(ウェズリー・スナイプス)はボスニア紛争での友人の死がトラウマになり退役して今はアメリカに住んでいる。その友人の妹で刑事のエイミー(ジャクリーン・オブラドース)と待ち合わせをしていたレストランでディーンはFBIの捜査官と間違われ、XEと呼ばれる麻薬を打たれてしまう。その強烈な覚醒作用で、8時間後に死に至ることを知り解毒剤を持つ組織のボス・サリバン(スチュアート・ウィルソン)を追うのだが。B級アクション映画の力作?

 子供の頃はこういうアクション映画が大好きだったんだけど、もうダメ、飽きたなぁって感じ。タンクローリーのチェイスや爆破、ラストはヘリコプターを使ったアクションなどそれなりに頑張ってるんだけど、頑張ってる週の西部警察といったノリ。何よりも強烈な麻薬XEの怖さが全然伝わってこなかったのが最大の敗因かも。

 スナイプスは元特殊部隊の凄腕って設定だそうだが、どうみてもエイミーの方が強そう。

デヴィッド・カーソン監督。2004年アメリカ映画。

2005年7月19日 (火)

オーシャンズ12

オーシャンズ12 前作から3年。まんまと1億6000万ドルを奪われたカジノのオーナー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)は復讐に燃えオーシャン(ジョージ・クルーニー)と仲間をひとりひとり探し出し、2週間以内に利子をつけて返さないと殺すぞと脅迫する。追いつめられたメンバーは、顔が売れているアメリカを去りヨーロッパで大泥棒をはたらき返済しようとするのだが… 前作のメンバーに加えて、ユーロポールの捜査官イザベル(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)、伝説の大泥棒ナイトフォックス(ヴァンサン・カッセル)を加えての豪華な続編。

 大泥棒はただの大泥棒であって、警察やFBIは怖くないけどマフィア(ベネディクト)はダメなんだなぁってのが新鮮な驚き。だってあれだけの鮮やかな手口を持ってるんなら、金の返済なんかせずに地球の果てまでも逃げたらいいんじゃない、ってのが最初の感想。まあでもそれじゃ映画は成立しないんだけどね。

 もうひとつ気になったのは、レーザー光線を使ったセキュリティ。「エントラップメント」でもそうだったけど、超音波や赤外線を使ったらねずみが走っても反応するというのに、ありゃどう見ても映画向けの見せるセキュリティだ。

 映画に関しては、テンポが良いというよりも説明不足の上に流れが早すぎて気合い入れてみてないとわけがわからなくなる。でもねぇ、後半で全員が逮捕されてからの展開は文句なく面白い。前半でビルを傾けるなんて大がかりな技を使っているだけに、この人を喰った展開は笑える。

 また続編作るらしいけど、今度はキャサリン・ゼタ・ジョーンズを加えてオーシャンズ13?

スティーブン・ソダーバーグ監督。2004年アメリカ映画。

2005年7月18日 (月)

オーシャンズ11

オーシャンズ11 大泥棒のダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)は、刑務所の中で練り上げたラスベガスのカジノの売上金1億6000万ドルの強奪計画のために泥棒仲間のラスティ(ブラッド・ピット)にスペシャリスト集めを呼びかける。かくして集まったライナス(マット・デイモン)をはじめとする11人の犯罪ドリームチームが誕生。カジノのオーナー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)との前代未聞の対決がはじまる。60年製作の「オーシャンと十一人の仲間」のリメイク。

 今どき珍しいオールスターキャストの映画で期待したんだけど、意外と淡泊にコトが進んでいき気がついたら終わってた。どうやって難攻不落の金庫に近づくかの部分があっさりしすぎで、どちらかというとキャラクターたちの遊びの部分が多かったんだけど…登場人物たちに思い入れがないと意外とつまらない映画かもしれない。

 添え物に近い扱いのジュリア・ロバーツに期待したのが敗因だったかな… ソダーバーグって娯楽映画は苦手なんじゃないの?

スティーブン・ソダーバーグ監督。2002年アメリカ映画。

2005年7月15日 (金)

ICHIGEKI/一撃

Ichigeki/一撃 元エージェントのウィリアム・ランシング(スティーブン・セガール)は今は引退してカナダの山奥で暮らしている。彼の楽しみはポーランドの孤児院に住む少女イレーナ(アイダ・ノヴァクスカ)との文通。ところが手紙が途絶えたことを不振に思いポーランドに飛んだウィリアムが知ったのは、大がかりな人身売買組織の存在だった。

 国際問題にもなっている人身売買をテーマにセガールが燃えて作った映画らしいが…なんか違うんじゃない? 「沈黙の要塞」での演説以来のああ勘違いを感じてしまった。それよりも私は、悪人といえども一撃をくらわせて少女の前で殺してしまった事の方が大問題だと思うぞ。

 敵は世界を股にかけた人身売買組織らしいが、その規模は個人商店みたいでチンケ過ぎ!!

レオン・ポーチ監督。2004年アメリカ映画。

2005年7月14日 (木)

スパイ・バウンド (2004)

no jacket image フランス情報機関は武器商人リボヴスキーがモロッコ発の貨物船アニタ・ハンス号で大量の武器を輸出しようとしていることを突き止める。アニタ号の爆破計画にかり出されたのは、秘密工作員のジョルジュ(ヴァンサン・カッセル)、リザ(モニカ・ベルッチ)をはじめとする精鋭チーム。爆破は成功したが、リザが税関で別件逮捕されてしまう。リアルなタッチで秘密工作員を描いた渋いアクション映画。

 アクションシーンも含めてすんごく地味。でもヨーロッパ映画特有の雰囲気の良さと、CGだらけのハリウッド映画を見飽きているせいかかえって新鮮に鑑賞できた。スパイは情報収集がメインで地味な仕事だって聞くけど、ここに描かれるのは秘密工作員の方でしょう。それでも黙々と命令を受けて、事態の真相に迫ろうとせずに黙々と任務をこなす様子にリアリティがある。

 結局スパイの世界ってのも、一般的な礼儀やなんかと通ずるバランス感覚が大切なようで、ひとり殺されたから報復に相手もひとり殺してチャラにしよう、なんて幼稚なもんだってことが見てるとよくわかります。

 モニカ・ベルッチとヴァンサン・カッセルの夫婦共演が話題だが、べたべたしてなくて適度に枯れてるところが良い。突き放したようなラストも好みです。

フレデリック・シェンデルフェール監督。2004年フランス=イタリア=スペイン合作。

2005年7月13日 (水)

夫婦前妻

no jacket image 売れない京劇役者の陳友(アンソニー・チェン)は梅艶芳(アニタ・ムイ)と再婚する。ところがそんな二人が新婚生活を送る家へ、前妻の夏文汐(バット・ハー)が無一文になって転がり込んでくる。かつては二人が住んでいた家の所有権を彼女が主張し、うやむやのうちに3人で暮らす羽目になるのだが… 煮え切らない男と二人の女の共同生活を描いた香港コメディ。

 いわゆるサモ・ハン・キン・ポーのプロデュースによるコメディで、ホームドラマ風の雰囲気。ビデオ発売時には「香港アーバンラブストーリー」なんて今考えたらかなり寒いサブタイトルもついていたそうだ。

 内容もかなり寒めで、香港コメディは笑えるか笑えないかがキモですね。残念ながら私はダメでした。この分野では光るアニタ・ムイが出てるのが懐かしかったんですが、これじゃあ本当にぱっとしない脇役扱いで非常にもったいない。

アンソニー・チェン監督。1987年香港映画。

2005年7月12日 (火)

幸せの向う側 (1991)

幸せの向う側 エイドリアン(ゴールディ・ホーン)はブラインドデートで偶然知り合った美術館の主事ジャック(ジョン・ハード)と結婚して、可愛い娘にも恵まれる。ところが贋作のネックレスをめぐる殺人事件が美術館で起こり、ジャックの行動にも不審な点が目立つようになってきて… ゴールディ・ホーンが珍しくシリアスな人妻を演じているサスペンス。

 ゴールディ=コメディってわけで、見たいものを見せてくれなかったようないら立ちを感じてしまった。映画の内容自体は、わりと平凡なサスペンス。久しぶりに見たんだけど、この奥さんと娘の心の傷ってのは相当なもんだろうなぁって前にはなかった視点で見れてしまったところが、映画ってのは面白い。

ダミアン・ハリス監督。1991年アメリカ映画。

2005年7月11日 (月)

モンスター (2003)

no jacket image すべてに疲れて自殺を考えていた娼婦のアイリーン・ウォーノス(シャーリーズ・セロン)は最後に飛び込んだバーでセルビー(クリスティーナ・リッチ)と意気投合する。アイリーンは自分はストレートだと言いながらも二人は結局恋に落ち、一緒に暮らすために再び客を取ろうとするのだが… 連続殺人犯(モンスター)のアイリーンを描いた実話の映画化。

 シャーリーズ・セロンが2003年のアカデミー主演女優賞を取った作品で、なるほど美人女優が体重も顔も性格も品格も何もかも崩していどんだといった感じの力作。相手役のクリスティーナ・リッチも久しぶりに見たけど、こちらも美人なんだけどより個性的になられた感じ。

 モンスターの影に幼児期の生い立ちありってことで、アイリーンの場合も父親の友人による度重なるレイプ、その父親の自殺などなど、ひとすじなわではない人生をおくってきたことがさらりと描かれる。セルビーもしかり。そんな二人がひかれあうのが、とっても自然に描かれているのが印象的。アイリーンが客を最初に射殺するシーンも、父親がからんでいるってことで(ダディと呼ばせられた)すんなりと入っていける。それだけに最後の殺人シーンは痛切だ。

 セルビーのわがままに手を焼くアイリーンってのは、本当に夫婦のよう。結局モンスターってのは、セルビーだったのかもしれない。

パティ・ジェンキンス監督。2003年アメリカ映画。

2005年7月 8日 (金)

ターミナル

ターミナル ニューヨークのJFK国際空港へ到着したクラコウジア人のナボルスキー(トム・ハンクス)。ところが祖国はクーデターにより消滅して、ビザは無効になり空港に足止めをくらうことに。言葉もわからず、保安署長代理のフランク(スタンリー・トゥッチ)にいじめられながらも空港職員たちと友達になりスチュワーデスのアメリア(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)と恋もするのだったが… 空港に何ヶ月も足止めをくらった男を描いた人情コメディ。

 結構…この映画好きです。悪人がひとりも出てこない(せいぜい意地悪な署長代理どまり)古き良き時代の人情コメディで、キャプラとかを引き合いにだすほどではないにせよ、最近は殺伐とした映画が多い中でほのぼのとした気分にさせられます。特にナボルスキーを取り巻く空港職員たちのキャラが秀逸。

 実はスチュワーデスの彼女、映画が終わるまでキャサリン・ゼタ・ジョーンズだと気が付かなかった。本当に20代の小娘みたいで可愛くて、この新人誰だろうって思いながら見ていた。途中、私は実は39才なんて言ってたので、じゃベテラン女優?と思ったら…女優さんって本当に化けるもんだと驚かされました。

 スピルバーグって最近小品が多いけど、この路線は結構好きです。昔「タワー」というパソコンゲームがあったけど、こういう雰囲気だったんだろうか?(やったことないもんで)

スティーブン・スピルバーグ監督。2004年アメリカ映画。

2005年7月 7日 (木)

ビートニク

no jacket image 1944年、ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズという3人の青年の出会いによって生じた若者文化「ビート」を追ったドキュメンタリー。その影響を受けたというデニス・ホッパー、ジョン・タトゥーロ、ジョニー・デップもスクリーンに登場し、詩の朗読を披露する。

 若者文化ってのははまっている人の姿カタチがはっきりしててわかりやすいもんって先入観があるんだけど、ビート族に関してはとりとめがなくて非常にわかりにくい。このドキュメントでも明快な答えを出しているわけではなく、キーワードとして「マリファナ」「詩」「社会への反抗」「カウボーイ」「ジャズ」が感じられるぐらいか。永遠の不良少年デニス・ホッパーが元ビート族だって言われれば納得できるのだが、ジェームス・ディーンもそうだって言われるとまたイメージがわからなくなる。

 ビートってヒッピーに似てるなって見ながら思ってたら、ビートの流れをくむのがヒッピーらしい。なるほど。

チャック・ワークマン監督。1999年アメリカ映画。

2005年7月 6日 (水)

ソルトン・シー

ソルトン・シー 麻薬のたれこみ屋ダニー(ヴァル・キルマー)は実はトランペッターで、過去に犯罪に巻き込まれて妻リズ(チャンドラ・ウェスト)を殺された過去を持つ。彼は麻薬組織のボス・プーベア(ヴィンセント・ドノフリオ)との大きな取り引きをきっかけに、妻殺しの真犯人をおびき出そうとしているのだが… 麻薬にどっぷりと浸かった独特のどろどろ世界を、ヴァル・キルマーをはじめとする出演者たちが熱演。正常な神経をしているならかなり気が滅入る映画かも。

 主人公がトランペッターで、オープニングとラストでペットを吹きながら語るなんてなんかかっこつけ過ぎ?って思うんだけど、全体的にハードボイルドしている雰囲気は悪くない。敵役のプーベアがワルなんだけどどこか憎めない面白いキャラクターで、それに喰われちゃって悪徳刑事モーガン(ダグ・ハッチソン)とガーゼッティ(アンソニー・ラパリア)が思ったほど憎々しく思えないのがつらいところ。

 妻役のチャンドラ・ウエストは文句なく美しい。それだけに、出番の少なさはもったいない気がする。

D・J・カルーソー監督。2002年アメリカ映画。

2005年7月 5日 (火)

モーターサイクル・ダイアリーズ

モーターサイクル・ダイアリーズ 1952年、アルゼンチンに住む23才の医学生エルネスト(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、世界を見たいという衝動に友人のアルベルト(ロドリゴ・デ・ラ・セルナ)と共にバイク(ポデローサ号)に乗って南米縦断の旅に出る。無計画な旅に二人は次々と困難に行き当たりながら、次第に南米の現実を見せつけられる。後に有名な革命家となるエルネスト・チェ・ゲバラの若い頃の旅を描いた青春ロードムービー。あのロバート・レッドフォードが製作で参加している。

 エルネストが本当に普通の人のいい青年で、後の革命家で最期はCIAに射殺されたというイメージとのギャップが大きい。これはぜひ、続編を作って後日談をしっかり見せてほしい気がした。

 運転するのがやっとで、よく転ぶバイクに乗っている感覚が秀逸。荒削りなエンジン音と不安定な車体に身をまかせる二人が、よくぞこんなのに乗って旅をする気になったと思わせてくれる。それ以上に道中に登場する人物が印象的で心に残る。特に鉱山で働く夫婦に関するエピソードは、エルネストが日記で「最も印象に残った」と書いたのがこちらにも伝わってくる。

 なおポデローサ号は映画が半分行かないうちに廃車になってしまい、二人はヒッチハイカーになってしまう。映画のタイトルに期待したむきには、ちょっと違うぞという気にさせられるぞ。

ウォルター・サレス監督。2003年イギリス=アメリカ合作。

2005年7月 4日 (月)

ディープ・ブルー

ディープ・ブルー イギリスBBCが4年半の歳月を費やして製作した海洋ドキュメンタリー。特にストーリーといったものはないが、珍しい海の生き物の生態から未知の深海生物までの映像を1時間半にぎゅっとまとめた労作。

 「アトランティス」みたいなのを想像して見たんだけど、ストーリー性は薄いしテンポは悪いしで正直途中で睡魔に襲われた。鯨の子供をシャチが追跡してなぶりものにするシーンや、アシカの子供が襲われるシーンには眠気も吹き飛んだがあとはどうにも…。

 まったく同じテーマで、あそこまでテンポ良く見せてくれた「アトランティス」は偉大だったと思う。そういや後でやらせだと批判をあびたディズニーの「自然の驚異」シリーズも誰でも楽しめる内容で面白かったなぁ。

アラステア・フォザーギル、アンディ・バイヤット監督。2003年イギリス=ドイツ合作。

2005年7月 2日 (土)

スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー

スカイキャプテン 1939年のニューヨーク。有名な科学者が相次いで失踪する事件が発生する。事件を追うNYクロニクルの記者ポーリー(グウィネス・パルトロウ)の前に巨大なロボット軍団が現れ、彼女は昔の恋人だったスカイキャプテン(ジュード・ロウ)に助けを求めるのだが。超レトロモダンな世界が繰り広げられるSFアドベンチャー。

 なんか邦画の「CASHEERN」をパクったような映像に思えたのは私だけか。他に似ているものを考えれば、鉄人28号とか… 出てくるメカのデザインとかがオタクっぽくて楽しめます。またもやアメコミの原作かと思いきや、監督のケリー・コンランが4年かけて自宅のパソコンで作った短い映像がプロデューサーの目にとまってメジャーデビューのきっかけになったらしい。これって正にアメリカン・ドリームやん。

 古風で可愛いグウィネス・パルトロウにこの役柄はぴったり。どこかアンドロイドっぽジュード・ロウもヒーローしてます。アンジェリーナ・ジョリーは敵役かと思ってたら、これまたなかなかかっこいい役です。出番はすげー少ないけど。

ケリー・コンラン監督。2004年アメリカ=イギリス合作。

2005年6月30日 (木)

エクソシスト ビギニング (2004)

エクソシスト:ビギニング エクソシスト第1作の悪魔払いから25年前の第2次世界大戦末期。戦争中の事件で信仰を失ったメリン神父(ステラン・スカルスガルド)はアフリカで遺跡の発掘の仕事を請け負う。まだキリスト教が伝わっていない時代にできた謎の教会に悪魔の像が埋まっているという。やがて作業を手伝う女医サラ(イザベラ・スコルプコ)や少年ジョゼフ(レミー・スウィーニー)のまわりに予測できないような事件が起こる。

 あのエクソシスト第1作で壮絶な最期を遂げたメリン神父のアフリカでの事件、そして戦時中の心の傷を描いた作品。あのエクソシストの神父は二人とも言いようのない過去を持っていたんだなぁとちょっとだけ感慨深かった。とはいっても監督がアクション派のレニー・ハーリンだけに、重厚なドラマの中に見せるべきものは見せるといった感じで結構ショッキングなシーンも用意されている。

 エクソシストって別格ホラーって気がしてたけど、とどのつまりドラマに凝ったクリーチャー映画だったんかなぁ?

レニー・ハーリン監督。2004年アメリカ映画。

2005年6月29日 (水)

エクソシスト3

no jacket image  ワシントンDCで首を切られ磔にされた死体が発見され、事件を捜査するキンダーマン警部(ジョージ・C・スコット)はやがて17年前に少女リーガンに悪魔が乗り移った事件にたどりつく。「エクソシスト2」の出来に不満を持った原作者ウイリアム・ピーター・ブラッティ自らが原作・脚本・監督・製作をこなした正統派の続編。

 うーむ、このブラッティという人は何者なのだろう。原作者自らメガホンってことだが、恐怖シーンの盛り上げかたが尋常じゃなく板についている。久しぶりに硬派のオカルト映画を見た気分だ。

 オカルトに造詣の深い作者が作っただけに、並べられるタロットや教会に置かれた小物、看護婦の真紅なガウンなどなど見る人が見ればわかるんじゃないかと思えるイメージを感じるものが散りばめられている。万人向けではないと思うが、面白かった。

 …というコメントを公開時に私は残しているのだが、実はエクソシストに3があったことも、さらにそれを見たことさえ忘れていた。その程度の作品だったのだろうか!?

ウィリアム・ピーター・ブラッティ監督。1990年アメリカ映画。

2005年6月28日 (火)

エクソシスト2 (1977)

no jacket image 前作から4年、メリン神父(マックス・フォン・シドー)の命がけの悪魔払いで平常に戻ったリーガン(リンダ・ブレアー)だったが、彼女のまわりにまたもや異変が起こりはじめ、前回の事件を調査していたラモント神父(リチャード・バートン)にも危険が迫る。アフリカの古代遺跡をモチーフにした続編で、ショックシーンはほとんどないが飛び交うイナゴが象徴的だったりブアマン監督らしい哲学的な作品。

 しかし第1作の原作のブラッティは否定してるように、すっかりブアマンワールドで前作とはまったく別物の印象がある。いなごの大群って何だったのか、未だによくわからん。

 エンニオ・モリコーネの音楽が印象的。ジェームズ・アール・ジョーンズとかも出てたのね。

ジョン・ブアマン監督。1977年アメリカ映画。

2005年6月24日 (金)

ヘルボーイ (2004)

ヘルボーイ 第2次大戦末期のアイルランド近海の孤島、ドイツ軍は魔界から悪魔を召還しようとするのだが、駆けつけた連合軍により計画は失敗し、同行したブルーム教授(ジョン・ハート)によって魔界から生まれた通称ヘルボーイ(ロン・パールマン)が取り上げられる。そして現代。超常現象調査防衛局に所属するヘルボーイは教授を父として、魔界からの使者と戦っていた。マイク・ミニョーラの人気アメコミを映画化したホラーアクション。

 頭にハムを突き刺したヘンなヒーロー、と最初にジャケットを見た時には思ったんだけどあれは折れた角だったわけね。確かに初対面ではあそこに目が釘付けになるでしょう。とにかく1回見たら忘れられないキャラなんだけど、それを堂々と60年以上隠し通したというストーリー自体に無理を感じたなぁ。

 ヘルボーイが思いを寄せるリズ(セルマ・ブレア)もサイキックでファイヤースターターだという設定が良い。最初にそれを知ったときから、お似合いのカップルだってネタが割れてしまったが。

ギレルモ・デル・トロ監督。2004年アメリカ映画。

2005年6月23日 (木)

救命士

no jacket image 夜勤の救命士フランク(ニコラス・ケイジ)は仕事をやめたいと思っているのだが上司は何だかんだと理由をつけて彼を仕事に送り出す。きつい救命士は人材不足なのだ。今日はひとりも救えなかった…そんな思いと共に、いつしか救えなかった者たちの亡霊を見るようになる。「タクシー・ドライバー」のスコセッシ監督が描くもうひとつの狂気の世界。

 救急医療に関するいろんなストーリーの積み重ねでスケッチみたいな内容なんだけど、見てるだけで気が滅入ってくる救急の現場ってのが疑似体験できる秀作。ニコラス演じるフランクの疲れ切ってイッちゃった顔はともかく、相棒たち(ジョン・グッドマン、トム・サイズモア、ヴィング・レームズ)のキレ方も半端じゃなくて凄い。堅気に見えて、実は心を病んでいるパトリシア・アークエットもそのギャップが魅力的。全体的に見れば、最後の狂気の行動がない「タクシー・ドライバー」っていう感じか。

 日本の救急車って通報があってから出動するけど、あっちではパトカーみたいに街を流しているってのを初めて知った。

マーティン・スコセッシ監督。1999年アメリカ映画。

2005年6月22日 (水)

4人の食卓 (2003)

no jacket image 室内インテリアを手がけるジョンウォン(バク・シニャン)は終電で見かけた二人の少女が実は毒殺されていたことをニュースで知る。その事件がきっかけで婚約者のヒウン(ユソン)ともしっくりいかず、過去が見える女ヨン(チョン・ジヒョン)に助けを求めるようになる。ふとしたきっかけで自分の過去と向き合うことになる男の苦悩を描いたサイコホラー。

 これもホラーと言い切っていいのかどうか判断に苦しむ人間ドラマ。導入部からして二人の女の子の幽霊に悩まされるホラーかと思いきや、物語は予期せぬ方向に転がって実は主人公の自分探しの旅だったんだけど…本当に救いようのない内容ですね。隠蔽された過去が作りものくさいのがちょっと難点ですが。

 猟奇的な彼女でブレイクしたチョン・ジヒョンが霊能力のある主婦役で出てますが、同じ彼女とは思えない暗い役。まぁ彼女がいろんな役ができることを知って安心しましたが。

 韓国映画って妙なところではっとさせられる事が多い。例えば裁判所から飛び降りた女性の頭が割れるゴトリという音とかは、遊びがなくてマジでコワい。

イ・スヨン監督。2003年韓国映画。

2005年6月21日 (火)

ヴィレッジ

ヴィレッジ 1897年のペンシルヴァニアに世間から隔離された村があった。村を囲む森には魔物が棲むので入ってはいけないという掟があったのだが、婚約者のルシアス(ホアキン・フェニックス)の大けがを救うために盲目のアイヴィー(ブライス・ダラス・ハワード)は森を横切って町へ薬を取りに行く決心をする。「シックス・センス」のM・ナイト・シャマランの最新作で、緻密なストーリーには毎度ながら驚かされる。

 ストーリーがどう転がるかわからないのがシャマラン作品だが、このヴィレッジも例外ではない。映画のジャンル分けを知ることすらもネタばらしになるってのがミソ。正直言って何を書いていいかわからない。

 そうそう、アイヴィーが森を出て初めて外の世界を見た時の、一見なにが起こったかわからない感覚がこの作品の醍醐味ですね。

M・ナイト・シャマラン監督。2004年アメリカ映画。

2005年6月20日 (月)

キャットウーマン

キャットウーマン 化粧品会社ヘデア社に勤めるデザイナーのペイシェント(ハル・ベリー)は、社長(ランベール・ウィルソン)にデザインのやり直しを命じられ深夜に完成した作品を持っていく。そこで見たのは、来週発売の化粧品「ビューリン」の恐ろしい秘密。廃液のパイプに追い込まれたペイシェントは命を落とすのだが、そこに猫の群が現れて… バットマンシリーズでおなじみのキャットウーマンを主役にしたアクション・アドベンチャー。

 面白い…んだけど、キャットウーマンに変身するあたりの設定に無理がある。悪役にシャロン・ストーンを迎えて彼女の美しさがビューリンのおかげってのも面白いんだけど…やっぱ無理があって、完全にはノリきれないかなぁ。ハル・ベリーはこの主演でラジー賞を取ったそうだけど、彼女自身は頑張ってたと思う(仕事を選べって?)。

 個人的には、ティム・バートンのバットマンでキャットウーマンやってたミシェル・ファイファーに思い入れがあるだけにちょっと複雑な気分です。猫という意味ではハル・ベリーの方が猫っぽいんだけどね。

ピトフ監督。2004年アメリカ映画。

2005年6月17日 (金)

黒猫白猫

黒猫白猫 マトゥコ(バイラム・セヴェルジャン)は金に困って石油を積んだ列車の強盗を計画する。その息子ザーレ(フロリアン・アイディーニ)は、ヤクザのダダン(スルジャン・トドロヴィッチ)に妹の婿になれと教養される。ところが彼には好きな女性イダ(ブランカ・カティチ)がいて… ドナウ川のほとりを舞台にした、ジプシーたちを主人公にしたコメディ。

 主要な3人を除いては全員本物のジプシーたちの採用だそうで、ハリウッド映画や邦画に見られるような妙にこぎれいな人物ではなく本物のにおいがぷんぷん。あまりに強烈な画面の濃さに最初はちょっと違和感を感じたんだけど、中盤の二組のカップルが巻き起こす騒動からはがぜんテンションが上がっていって「これは面白い、拾いモノだッ!」っていうのが見終わった時の感想であった。

 がらっぱち風のイダをはじめ、のほほんとして面白いザーレ、いかにもコメディの悪役といったノリのダダンや、すっとぼけたゴッドファーザーなどキャラクターの面白さはピカイチだ。

 ところで時々出てくる、黒猫・白猫って何だったんだろう?

エミール・クストリッツァ監督。1998年フランス=ドイツ=ユーゴスラビア合作。

2005年6月16日 (木)

エイリアンVS.プレデター

エイリアンVSプレデター 2004年の地球、探査衛星が南極の地底に謎の熱源がある事を伝える。調査を決定したウェイランド社の社長チャールズ(ランス・ヘンリクセン)は、女性冒険家のレックス(サナ・レイサン)をはじめ専門家をかき集めて南極の地底へと向かう。そこには巨大なピラミッドが埋まっていた… 地下の迷宮を舞台に、人間とプレデター・エイリアンの3つどもえの戦いを描いたSFアクション。

 エイリアン対プレデターってのはかつてアメコミで描かれていたらしいが、今回初めて映画化された。単に共演しているだけの映画かと思いきや、本当に2者がガチンコで勝負しているのが楽しめる。映画の雰囲気はエイリアンの第1作に近く、はらはら・どきどきといったツボは心得ていてホラーSFとしても十分に楽しめる。地下迷宮が舞台だけに、バイオハザードにも雰囲気は似ている。

 プレデターがピラミッドの電子マップを持っているあたり、完全にプレデターの手のひらの上でみんなコロがされているのかと思いきや…そうじゃないところがミソだった。

 時間的には「プレデター」が80年代の地球、「エイリアン」が未来なので、その中間に位置する。よって「どっちが勝っても、人類に未来はない」というコピーはウソであることに見ている途中で気づいてしまった。

ポール・W・S・アンダーソン監督。2004年アメリカ映画。

2005年6月15日 (水)

プレデター2

プレデター2 1997年のロスに狂暴な半透明の怪物プレデターが登場し、ギャング団どもを中心に血まつりに上げる。ハイテンポのSFアクション。ラストのたたみかけるような攻防は見応えがある。

 前作では森林を舞台にシュワルツェネッガー演じるコマンドーとのバトルを演じたプレデターだが、今回は近未来のロス。暴力都市となったロスで、麻薬団を相手にプレデターが大暴れする。

 最近のアクション映画に見られる傾向で全編に渡ってハイテンポのアクションが続き気を抜く場面がない。つまりメリハリのない印象なのだが、この映画は後半にさらにずんずんとボルテージが上がって行く感じ。悪くないが疲れる怪獣映画です。

 ありきたりの勧善懲悪映画でもなく、プレデターにもそれなりの人格を持たせ、ラストなどはなかなかきまってました。武器を持っている人間を中心に襲うってのが狩りを楽しみにわざわざ(笑)地球まで来ているプレデターのミソです。エイリアンのパロディなんかも入っていて緊張感の中にも笑えます。

 当時は無名の俳優ばっかり出演のB級続編かと思ったんだけど、主演は無名時代のダニー・グローヴァーです。

スティーヴン・ホプキンス監督。1990年アメリカ映画。

2005年6月14日 (火)

プレデター

プレデター 行方不明の要人捜索と落下した謎の宇宙生物を追って、シェイファー(アーノルド・シュワルツェネッガー)がひきいるレンジャー部隊が南米の森へ入る。そこにいたのは身体を半透明にして襲ってくる肉食宇宙人プレデターだった。シュワくんの肉体と怪物を対決させるアイディアは面白くわくわくして見てしまった。B級映画のノリには違いないのだが。

 ついにシュワルツェネッガーに対抗できるマッチョな奴が地球上にいなくなったので宇宙人との戦わせるようになったというウソみたいな企画。怪物が現れるまでは緊迫感があったんだけど、いざ登場したプレデターはまるで仮面ライダーのショッカーの怪人みたいで苦笑した。とは言ってもストーリー運びのテンポもよく、適度にスプラッタしててなかなか楽しめるアクション編です。

ジョン・マクティアナン監督。1987年アメリカ映画。

2005年6月13日 (月)

エイリアン4

エイリアン4 リプリー(シガニー・ウィーヴァー)と胎内に宿ったエイリアンが死亡した前作から200年が経過。残されたDNAからエイリアンを採取するために寄生されたリプリーが再生され、エイリアンは標本として採取され調教(?)されることになる…

 冒頭のタイトルバックからして、ああ「エイリアン」ってスプラッターだったんだなぁって実感させられる第4作。「デリカテッセン」のジャン・ピエール・ジュネという癖ありまくりの監督を採用したのも面白い方向に映画が転んだ感じ。結局死んでも、悪夢から逃れさせてくれないリプリーってのも、もう可愛そうとしか言いようのない存在です。

 そうそう、ウィノナ・ライダーも印象的な役で出てます。

ジャン・ピエール・ジュネ監督。1997年アメリカ映画。

2005年6月10日 (金)

エイリアン3

エイリアン3 前作でかろうじて脱出したリプリー(シガニー・ウイーヴァー)の乗った宇宙船が事故で刑務所惑星に不時着する。激突に生き残ったのはリプリーひとりだけだったが、宇宙船にはまたもやエイリアンが潜んでいて・・・

 2でわさわさ出てきたエイリアンをまたもや1匹にもどしたり、人間側が有効な武器を使わなかったりと硬派な作りで哲学的内容にまで迫ろうとした意欲作だが、思ったほど内容が伴わなかったような気がする。とは言っても1作目から順番に見てる人にはかなりショッキングなオープニング&ラストでしたが。

 あんまり評判が良くなかった3作目なんですが、この監督はただものじゃないって予測してた人がいました。そしたら案の定、後にあの不条理映画の傑作「セブン」を作ってしまった。

 シガニー・ウィーヴァーの坊主頭が魅力的で印象に残る。

デビッド・フィンチャー監督。1992年アメリカ映画。

2005年6月 9日 (木)

エイリアン2 (1986)

エイリアン2 前作で生き残って脱出ポッドで冬眠・漂流していたリプリー(シガニー・ウイーヴァー)は57年後に発見される。ところが悪夢の惑星はアチュロンと名付けられ、そこへ移民しようとした家族の連絡が途絶える。激しく嫌がるリプリーはガイドとして説得され、海兵隊と共に再びあの星へ降り立つのだが…

 監督が「ターミネーター」のキャメロンになり、ホラーから戦争アクションになり、前作より弱くなったエイリアン(?)が、数をたよりにわっせわっせと襲って来る映画。よその惑星へ移民して、連絡が途絶えたら圧倒的な兵器を持って助けに行く人類こそよっぽどエイリアンのような気がするが。

 とは言っても続編としては大成功している部類だと思う。エイリアンがそっと忍び寄ってくる緊迫感は減ったけど、圧倒的な物量で見せるスペクタクル・アクションは圧巻。原題が1作目が ALIEN で2作目が ALIENSというのはなかなかシャレている。

ジェームズ・キャメロン監督。1986年アメリカ映画。

2005年6月 8日 (水)

エイリアン

エイリアン SOS信号を受けた宇宙貨物船ノストロモ号は、発信地の惑星に着陸するが、そこで正体不明の繭を発見する。繭から飛び出した生物が顔に貼り付いた飛行士ケイン(ジョン・ハート)を宇宙船に連れ帰るのだが… 宇宙船内を舞台に正体不明の怪物が暴れまくるという密室ホラー。シガニー・ウイーバーが火事場の馬鹿力的魅力(?)を発散している。

 「宇宙船が正体不明の怪物に襲われる」という古典的とも思われるストーリーを味付け次第でこれだけ見せてくれるんだと感心した。怪物をあまり見せない演出は、ジョーズ以来多用されて新鮮味を感じなくなったが、それでも怪物の不気味な強さは一種の小気味よさを感じさせる。

 しかし「ジョーズ」でもこの作品でもそうなのだが、ラスト近く怪物が全身を現わした時の一種のなさけなさは何なのだろうか? 特にラストで小型宇宙船のダクトに叩き付けられるエイリアンがゴム人形みたいで、なんなんだと思ってしまった。

 物語は原作者(おそらくダン・オバノン)の悪夢だったというが、正に悪夢的な内容。それとH.R.ギーガーのクリーチャーデザインがマッチした。エイリアンのフェイスハガーから体内に卵を産んで…という変異もSF好きじゃ知らない人はいないんじゃないだろうか。ある意味最も有名な空想の生物かもしれない。

リドリー・スコット監督。1979年アメリカ映画。

2005年6月 7日 (火)

プリティ・イン・ニューヨーク (2002)

プリティ・イン・ニューヨーク オーウェン(デヴィッド・クラムホルツ)は恋人のクロエ(デニース・リチャーズ)とラブラブの日常生活をおくっていたが、彼女がテレビに出演することになり会いに行くと共演者と浮気中だった!! 失意のオーウェンは、友達からネイディーン(ミラ・ジョボビッチ)を紹介され意気投合するのだが。ニューヨークを舞台にしたラブコメディ。

 素顔のミラ・ジョボビッチが見られるなんてパッケージに書いてあったけど、彼女って確かにスクリーンで普通の人を演じていない。バイオハザードの女戦士はもちろん、ジャンヌ・ダルクとか宇宙人とか… でもこの人、宇宙人とか演じてた方がのびのびして魅力的かもしれない。冬のニューヨークでコート着てる姿はちょっと違和感が…

 ストーリーは古いラブコメディを思わせる展開で、女性映画の王道といった雰囲気。結局くっつくとわかっている二人が、すれ違いを繰り返すって内容。主演のデヴィッド・クラムホルツが三枚目でミラよりも背が低くてドジでおっちょこちょいという点がポイントかな。友達にしたいタイプなんだけど。デニース・リチャーズはまさしく魔性の女なんだけど、なぜか嫌みがない。

ブライアン・バーンズ監督。2002年アメリカ=ドイツ合作。

2005年6月 6日 (月)

12人のパパ (2003)

no jacket image トム・ベーカー(スティーヴ・マーティン)は12人の子持ちでマイホームはいつも戦場のよう。妻のケイト(ボニー・ハント)は念願の私小説が出版直前にあり、トム自身も夢だった大学の一流アメフトチームの監督を依頼される。ところが仕事を引き受ける条件は、大学の近くへの引っ越し。嫌がる子供たちを説得しながら、引っ越し計画がスタートするのだったが。子だくさんのファミリーをユーモアたっぷりに描いたコメディ。

 うーん、12人も子供がいる家庭なんて想像もつかなかったけど、こういうふうに戦場のようになっちゃうわけですね。でもがちゃがちゃとした騒動の中に、ほのぼのとした兄弟愛みたいなのが感じられて良かったです。

 両親の夢と子供の幸せは両立するか…しないか、というテーマはこの作品のノリとは似つかわしくないほど深いです。ちょっと納得しがたいエンディングではありましたが。

ショーン・レヴィ監督。2003年アメリカ映画。

2005年6月 3日 (金)

スウィングガールズ

スゥイングガールズ 夏休みの補習を受けていた13人の落ちこぼれ女子高生たちが、ブラスバンド部に弁当を届けることに… ところが食中毒が発生してブラスバンド部は全滅、彼女らは責任をとって彼らの代役を務めるために楽器を練習しはじめるのだが。「ジャズやるべ」というコピーどおりに、東北の片田舎の女子高生がジャズにはまりこんでいく物語。

 セーラー服でジャズって取り合わせがなかなか新鮮。彼女たちは実際に練習したらしく、後半では見事な演奏を披露してくれるところも楽しめる。ストーリーは誰でも予想できそうな当たり前の展開なんだけど、それでも枝のエピソードで楽しんでしまえるところが良い作りだと思う。

 ヒロインの上野樹里の自宅の、両親がいて婆さんがいてちょっとくたびれた雰囲気がまた良い。

矢口史靖監督。2004年日本映画。

2005年6月 2日 (木)

NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE

忍者ハットリくん 伊賀の山奥で修行するハットリ・カンゾー(香取慎吾)は、父の命により最後の修行として東京へ出て主に仕えることを命じられる。初めて見た人が主になるのだが、それはさえない小学生ケンイチ(知念侑李)だった。藤子不二雄Aの人気コミックを実写映画化した怪作。

 実はまったく期待せずにゆる?りと見たんだけど、コレはこの手のコミック原作の映画にしてはなかなかイケてる。現代社会に忍者がまぎれこんでいるあたりのギャグは面白いし、ラストは結構アツくなった。悪くない。

 ハットリくんといえば仮面をかぶった実写版の記憶しかないんだけど(しかもストーリーは全然覚えてない)まずは香取くんが自分の顔に渦巻きを書いて演技しているのがシュール。しかもハマっているのは凄い。

 しかしこれって忍者映画が好きな外人さんが見たら、やっぱり日本じゃ今でも忍者が山奥にいるんだと思ってしまうんじゃないだろうか。

鈴木雅之監督。2004年日本映画。

2005年6月 1日 (水)

リディック

リディック ヘリオン第1惑星へやって来たお尋ね者のリディック(ヴィン・ディーゼル)は、この地がネクロモンガー族のリーダー、ロード・マーシャル(コルム・フィオール)によって支配されようとしている事を知る。リディックを救世主と信じて助けをこうエレメンタル族のエアリアル(ジュディ・デンチ)に会ったのだが、彼は賞金稼ぎにつかまって惑星クリマトリアの刑務所に連れ去られてしまう。「ピッチ・ブラック」では脇役だったリディックのその後をスケールアップして描いた続編。

 続編なんだけど前作見てなくても楽しめる、見てたらもっと楽しめるという作りには好感が持てる。しかしヴィン・ディーゼル、悪をもって悪を倒すというパターンをどうしても作りたいみたいだけど、彼ってスキンヘッドで悪そうに見えるけど実はいい人ってわけで(目が優しい)もうぼちぼち無理を感じて飽きてきたぞ。本当の悪ってのは大藪晴彦の小説に出てくるような行動を見ているだけで胸くそが悪くなるようなヤツのことを言うんじゃないかなぁ。

 スケールアップしたように見えても、惑星クリマトリアでのサバイバルはピッチブラックっぽくて楽しめた。ラストのオチもちょっとびっくり。続編があるとしたら、どんな話になるんだろう?

デヴィッド・トゥーヒー監督。2004年アメリカ映画。

2005年5月31日 (火)

ピッチブラック

no jacket image 未知の惑星に不時着した宇宙船には、船長のフライ(ラダ・ミッチェル)、凶悪犯のリディック(ヴィン・ディーゼル)などひとくせもふたくせもある人物が乗っていた。実はこの惑星、夜行性で凶悪な肉食エイリアンの住む土地で、折しも惑星には22年ぶりの皆既日食がやって来ようとしていた。

 ヴィン・ディーゼルが無名時代に出演した映画で、のちの「リディック」の元ネタ。うようよと登場する肉食エイリアンが相当にブキミで、見応えのある怪獣映画といったおもむきである。リディックがエイリアンの頭蓋骨を見ながら「こいつには死角がある」と言って怪物とタメをはるシーンがなんともユニークで印象に残った。

 ヒロインのラダ・ミッチェルが魅力的。やっぱSFは強い女性が主役の時代かも。

デヴィッド・トゥーヒー監督。2000年アメリカ映画。

2005年5月30日 (月)

シークレット・ウインドウ

シークレット・ウインドウ 離婚してひとり暮らしをしている作家モート・レイニー(ジョニー・デップ)の元へジョン・シューター(ジョン・タトゥーロ)と名乗る男が現れる。実はレイニーの小説「秘密の窓」はシューターの作品の盗作なので、結末を修正して再発表しろと迫るのだが。じりじりと追いつめられていく男を描いたスティーブン・キング原作のサスペンス。

 キング原作の映画化は大成功するかずっこけるかの本当に二択なんだけど、これは後者に属する映画。とはいってもほとんどジョニー・デップのひとり舞台で、なかなかの怪演なんだけど「シャイニング」のジャック・ニコルソンにまでは行き着かなかったって感じ。

 映画見ただけでは謎がいっぱいで原作読みたくなるのは、角川映画よりもお上手?

デヴィッド・コープ監督。2004年アメリカ映画。

2005年5月27日 (金)

2046

2046 1967年の香港が舞台。小説家のチャウ(トニー・レオン)はホテルの2046号室に泊まって近未来小説を書いている。ホテルのオーナーの娘ジンウェン(フェイ・ウォン)は日本人(木村拓哉)と恋に落ちて家族に反対されているのが小説のモチーフ。彼自身も何人かの女と関係を持つのだが…

 何だこりゃ…の映画。一説によると、ウォン・カーウァイ監督の前作「欲望の翼」「花様年華」とつながっているらしいんだけど、見てない者にとってはわけわからん内容である。雰囲気も音楽もまるで、60年代の邦画のメロドラマ…というか、クラブの遊び人とママのドラマのようだ。そういう意味では時代をちゃんと活写しているのかもしれないけど、くっついたり離れたりの主人公の行動に共感できずに2時間とっても退屈してしまった。出てくる女優陣(チャン・ツィイー、コン・リー、マギー・チャンなどなど)だけはめったやたらに豪華なんだけどねぇ。

 キムタクパートの列車って、ひょっとしてウルトラQの「あけてくれ」のパクリ?

ウォン・カーウァイ監督。2004年香港映画。

2005年5月26日 (木)

僕の彼女を紹介します

僕の彼女を紹介します 高校教師のコ・ミョンウ(チャン・ヒョク)はひったくりと間違えられて婦警のヨ・ギョンジン(チョン・ジヒョン)に逮捕される。それがきっかけで二人はつきあうようになり… 「猟奇的な彼女」の主演女優と監督が再び組んだラブストーリー。

 チョン・ジヒョンの役柄が「猟奇的な彼女」とそっくりで、無鉄砲で一本気でおやじっぽくて強くて、それでいて可愛い。でも見るべきものはそこまでで、今回はストーリーが強引過ぎてノレない。一時期のトレンディ・ジェットコースター・ドラマみたいだ。最大の敗因は、みんな命を粗末にしすぎ!!

 ブームの韓国映画だけど、やっぱ当たりもあれば外れもある。

クァク・ジェヨン監督。2004年韓国映画。

2005年5月24日 (火)

テイキング・ライブス (2004)

テイキング・ライブス 工事現場から白骨死体が見つかり、FBIのプロファイラーであるイリアナ(アンジェリーナ・ジョリー)が応援にやって来る。実は犯人は連続殺人鬼で、殺した被害者になりすましては別の人生を送ること(テイキング・ライブス)を繰り返していた…

 アンジェリーナ・ジョリーに加えてイーサン・ホーク、キーファー・サザーランド、ジーナ・ローランズが共演する豪華なサスペンス。「羊たちの沈黙」っぽいテーマなんだけど、あちらほど盛り上がらなかったのは最初から登場する犯人(マーティン)がたいしたキャラクターじゃなかったからかも。

 ただ最大のすかしをくらったのは、イリアナのプロファイリングがことごとく外れちゃってたことかなぁ。すご腕のプロファイラーって肩書きだと、どうしても彼女の言うことは信じてしまうじゃないですか。これってちょっと反則っぽいぞ。

D・J・カルーソー監督。2004年アメリカ映画。

2005年5月23日 (月)

ガーフィールド・ザ・ムービー

ガーフィールド・ザ・ムービー デブ猫のガーフィールドは飼い主のジョン(ブレッキン・メイヤー)のもとでぐうたらと平和な生活をおくっていた。ところがある日ジョンがガールフレンドのリズ(ジェニファー・ラヴ・ヒューイット)から子犬のオーディをもらいうけたことから、彼の生活は一変する。ジム・デイビス作のアメリカの新聞マンガで有名なガーフィールドをCGアニメとして実写と合成した作品。

 20年前なら…すげ?映像ってことになったんかもしれないけど、この手の合成ものに関してはすっかり目が肥えてしまってもう何を見てもほとんど驚かなくなってしまった。確かに実写の犬のオーディとCGのガーフィールドのからみなんかは凄いと思うが… それにストーリーもありがちなパターンにこじんまりとまとまっている。こういうの好きな人にはおすすめかもしれないけど。

 ガーフィールドの声をビル・マーレイがあてていて、べらべら英語をしゃべりまくるのがご愛敬。最初は動物と話ができる世界なのかと思いきや、どうもガーフィールドの話をジョンはわかっちゃないみたいなのが途中でわかって笑えた。オーディが一言もしゃべらないのも妙におかしい。

 結局はガーフィールドが好きになれるかどうかが、評価の分かれるところでしょう。私は子犬のオーディの方が好きだな。

ピーター・ヒューイット監督。2004年アメリカ映画。

2005年5月20日 (金)

TAXI NY

TAXI NY 自転車でメッセンジャーをやっているスピード狂のベル(クイーン・ラティファ)は念願の個人タクシーの免許を取る。さっそく街を流していたところを、強盗追跡中のドジな刑事アンディ(ジミー・ファーロン)が乗り込んでくる。騒ぎが元でベルのタクシーは警察に没収され、しぶしぶアンディの捜査につきあうことになるのだが… フランス映画「TAXi」のハリウッド版リメイクで、プロデューサーはリュック・ベッソン。

 導入部のタイムトライアル(スクーターがマウンテンバイクに変わったが)からラストの犯人逮捕に関するオチ、そしてレース(今回はNASCAR)に出場するところまでまったくフランス版TAXiと一緒。変化を出してるのは主人公を女性(しかも迫力ある姉ちゃん)に変えたのと強盗団がすげーセクシー美女4人組だってこと。あとはおかずを全部ニューヨークにすげかえて、うまいこと作ってあるなぁと感心した。ストーリーはわかってるのだが、どうアレンジしてあるんだろうかという忠臣蔵を見るかのような楽しみがあった。

 DVDのパッケージに主演のクイーン・ラティファがほとんど出てなくて、悪役のセクシー美女がフィーチャーされているのはちょっと失礼ではないかい。

ティム・ストーリー監督。2004年アメリカ=フランス合作。

2005年5月19日 (木)

TAXi 3

no jacket image スピード狂のタクシードライバー・ダニエル(サミー・ナセリ)が主人公のシリーズ第3作。車いじりばっかりで相手にされないことに愛想をつかした恋人のリリー(マリオン・コティヤール)は家出をしてしまう。刑事エミリアン(フレデリック・ディフェンタール)も恋人のペトラ(エマ・シェーベルイ)とうまくいっていない。そんな時に追っていた銀行強盗団の手がかりが見つかって…

 クライマックスではアルプスの雪山でのチェイスを用意。雪上車に改造されたプジョーのタクシーが爆走するんだけど、なんか走るのがやっとという感じで迫力はイマイチ。映画全体的に、ロケ地での思いつきで撮られたかのような軽さが散見されて、ノリきれなかったという感じ。リュック・ベッソン(脚本・製作)にとってコレはやっつけ仕事だったんだろうか。

 唯一笑えたのは、キウ(バイ・リン)に振り回されるおとぼけ局長(ベルナール・ファルシー)かな。スタローンがちょっとだけゲスト出演してます。

ジェラール・クラヴジック監督。2003年フランス映画。

2005年5月18日 (水)

TAXi 2 (2000)

no jacket image スピード狂のタクシー運転手ダニエル(サミー・ナセリ)はくされ縁の刑事エミリアン(フレデリック・ディフェンタール)のおかげで日本の防衛庁長官の護衛車を運転する羽目になる。ところが長官は黒づくめのニンジャ軍団に誘拐されてしまい、彼らは救出作戦を開始するのだが… 今度はパリを舞台にした続編。

 なぜだか日本がいっぱいからんでくるバカ映画である。しかも日本がらみのギャグが、さっぱり笑えない。連続ドラマとして見るには面白い展開になってきたが、プログラムピクチャーと呼ぶにはちょっと力不足では。本作では脚本とプロデューサーのリュック・ベッソン、レオンを頂点とする一連の作品はまぐれで、実はとんでもないおバカだったんじゃなかろうかと思えてきた。

 タクシーが変形するシーンは長男(小2)には大受けだったんだけどなぁ…

ジェラール・クラヴジック監督。2000年フランス映画。

2005年5月17日 (火)

TAXi (1997)

no jacket image スピード狂のダニエル(サミー・ナセリ)はピザ配達のバイトから、念願の個人タクシー運転手へとステップアップする。ところがプジョーを改造したタクシーでお客のリクエストにこたえて爆走していたところを、ドジな刑事エミリアン(フレデリック・ディフェンタール)に逮捕される。釈放の条件は、彼らの捜査に協力すること…

 リュック・ベッソン脚本による、カーアクションコメディ。ゆるーい雰囲気なんだけど、改造車のオタクっぽいノリとか外したギャグとか、大まじめなんだかバカやってんのかわかんないアクションとかやっぱアメリカ映画とは違うな?って感じ。

 サミー・ナセリはこの映画でブレイク(というか他の映画に出てるとこ見たことないんだけど)したんだけど、いかにも車好きの普通のあんちゃんって感じが良い。まじめな顔をしてすっとぼけるのも笑える。ヒロインのマリオン・コティヤールもかわいい。ベルナール・ファルシーの警察署長や女刑事のエマ・シェーベルイなど、キャラクターもなかなかのくせ者ぞろいで最初からシリーズ化を意識してたんかな?

ジェラール・ピレス監督。1997年フランス映画。

2005年5月16日 (月)

トゥー・ブラザーズ

トゥー・ブラザーズ  カンボジアで生まれた2匹の虎クマルとサンガ。ところが彼らの親は冒険家エイダン・マクロリー(ガイ・ピアース)に撃ち殺され、クマルは連れ去られてしまう。サンガも人間に連れ去られ、行政官の息子ラウール(フレディ・ハイモア)のペットとなるのだが…

 ひっさびさに見た動物映画大作。小学校で特別授業と称して講堂で見せられたタイプのやつですね。なんか妙にこういうスタイルの映画って懐かしくて、画面に見入ってしまいました。適度な毒も盛り込んであって、親に言わせるところの「子供に見せたい映画」って感じです。

 白人がアンコール・ワットから仏像を持ち出す理屈(ここで朽ち果てるより、世界で見てもらったほうが幸せ)が、あまりに身勝手なので苦笑。でもこれが当時のモラルだったんだしょうね。動物シーンが多く、撮影大変だったんだろうなって気もしました。

ジャン・ジャック・アノー監督。2004年イギリス=フランス合作。

2005年5月14日 (土)

ミート・ザ・ペアレンツ

no jacket image 看護士のグレッグ(ベン・スティーラー)は恋人のパム(テリー・ポロ)と結婚寸前。ところがプロポーズ寸前に彼女の妹の婚約を知り、結婚パーティでパムの父(ロバート・デ・ニーロ)の許しをこう作戦に出るのだが、手強い相手にグレッグの運命は…

 うーむ、恋人の父がロバート・デ・ニーロだったらってところで映画のネタとおかしさはほとんど割れているようなものだが。しかしこの看護士のグレッグ、大うそつきで個人的にはまったく好きになれないキャラクター。途中でもうこいつどうなってもいいと思った。それでも「彼女のためを思ってやった」ですべておさまってしまうなんて… うーむ。納得できんぞ。

 グレッグがパムの親父にびくつく映画というよりも、実は他の役者がデ・ニーロにびびりまくってる映画なのかも。

ジェイ・ローチ監督。2000年アメリカ映画。

2005年5月12日 (木)

ソウ SAW (2004)

ソウ ある日ゴードン(ケイリー・エルヴィス)とアダム(リー・ワネル)目が覚ますと、汚いバスルームに鎖でつながれていた。部屋の真ん中には死体が。あるのはテープレコーダー、銃弾、ノコギリなどなど。誰が、何のために… 密室を舞台にしたサスペンス・ホラー。

 とはいっても「CUBE」みたいに状況説明がまったくされないわけではなく、彼らを追う刑事(ダニー・グローヴァー)やら家族やらも登場して状況はにぎやかだ。それが成功しているかと言えば…惜しいとしか言いようがないような気がする。題材が面白いだけに本当に惜しい。

 いくら錯乱したとしても、足を切るのは無理があるんじゃない?

ジェームズ・ワン監督。2004年アメリカ映画。

2005年5月 7日 (土)

I am Sam

I am Sam サム(ショーン・ペン)は7歳の知能しか持たないが、6歳の娘ルーシー(ダコタ・ファニング)を育てている。彼はある日児童相談所の女性により父親不的確としてルーシーから引き離されてしまう。サムはルーシーを取り戻すために、敏腕弁護士のリタ(ミシェル・ファイファー)を雇おうとするのだが…

 娘が父親の知能を追い越す…というのが映画のひとつのポイントで、そういったシーンが端々に描かれている。そういう時期はどんな親子でもいずれ来るのだろうけど(成人してからか親が老いてからかはわからないが)、それが7歳でやってくるってのはやっぱり複雑だ。考えさせられる。しかし難しいことは抜きにしても、この二人の関係は見ていて心地よい。二人で暮らすことが難しくても、ついつい応援してしまった。

 以前にも書いたがショーン・ペンの役ごとにかわるカメレオンのような演技は凄みを帯びてきた。若い頃のロバート・デ・ニーロのようだ。天才子役ダコタ・ファニングも今後が楽しみ。今が一番旬ではないかという気もするが。ミシェル・ファイファーは好きな女優のひとりなんだけど、意外と出番が少なくて残念。

 しかし出演者のことを書くと、名前がわかんないんだけどサムの友達3人組が一番印象に残った。友達に恵まれているのが彼らの最高の幸福なのかも。

ジェシー・ネルソン監督。2001年アメリカ映画。

2005年5月 6日 (金)

オールド・ボーイ (2003)

オールドボーイ 妻と娘と3人暮らしのサラリーマン オ・デス(チェ・ミンシク)は理由もわからずとある部屋に監禁され、妻殺しの汚名をきせられる。15年後に突然解放された彼は寿司屋で知り合った若い女性ミド(カン・ヘジョン)に助けられ監禁した犯人を追うのだが、彼らの前に謎の男ウジン(ユ・ジテ)が現れる。土屋ガロン作・嶺岸信明画の日本の劇画の映画化で、カンヌ映画祭で絶賛されグランプリをとった怪作。

 衝撃の展開というか、まったく予想てきない流れにお口あんぐりの2時間。ストーリーに関してはまったく言及したくないので書かないけど、とにかく役者がうまい。超イヤなイカレポンチ親父のチェ・ミンシクをはじめ、ころころと表情が変わって魅力的なカン・ヘジョン、見るからにサイコ野郎のユ・ジテの3人が2時間かけてねっとりとからむ芝居は刺激的だ。こんな復讐劇初めて見た。

 韓国へ行ったら監禁商売って本当にあるんかなぁと思わされるところもコワい。

バク・チャヌク監督。2003年韓国映画。

2005年5月 3日 (火)

シックス・デイ

シックス・デイ 2010年の近未来、クローン技術は発達するがシックスデイ法により人間のクローンを作ることは禁止されていた。ところがパイロットのアダム(アーノルド・シュワルツェネッガー)の前に自分のクローンが現れ、家族が乗っ取られたうえに何者かに襲撃される。かくてアダムの自分探しの旅が始まった…

 シュワちゃん主演のSFアクションで、クローン人間がテーマ。ハッピーエンドに見えてなんとももの悲しくなる結末に、なんで人間のクローンが禁止されるのかがわかる。こういうややこしいテーマもビジュアルで見せられるととってもわかりやすい。ちなみにシックス・デイ法の由来は神が6日目に人間を作ったという旧約聖書からきているそうだ。

 作りもストーリーも大作なんだろうけど、チープな香りがぷんぷんするところが個人的には好き。こういううさん臭さがシュワちゃんの持ち味かも。

ロジャー・スポティスウッド監督。2000年アメリカ映画。

2005年5月 2日 (月)

裸足で散歩

no jacket image  新婚カップルのポール(ロバート・レッドフォード)とコリー(ジェーン・フォンダ)の新居は、なんとエレベーターのないビルの最上階。ビルの住民たちも変人ぞろいで、楽天家のコリーとカタブツのポールは何かとぶつかり合うのだが。新婚夫婦をめぐる人間模様を描いたコメディで、原作はニール・サイモンの舞台劇。

 当時流行っていたスターでポール・ニューマンやマックイーンっていえば無鉄砲な不良ってイメージなんだけど、レッドフォードは逆にハンサムな好青年。というわけで、こういったカタブツな役はぴったりで笑わせてくれます。ジェーン・フォンダもこういうぴちぴちした時代が(笑)あったんだ。笑いの中心は家賃をケチったためにビルの最上階のボロ部屋に新居を構えることになったあたりで、穴のあいた天窓から雪が吹き込んできたあたりではもう笑うに笑えないブラックなものを感じてしまいました。

 とはいっても夫婦って似たもの同士よりも、こういった全然違うタイプの方がうまくいくもんじゃないだろうか。

ジーン・サックス監督。1967年アメリカ映画。

2005年4月29日 (金)

テッセラクト (2003)

no jacket image タイのバンコクにある安ホテルに泊まったイギリス人運び屋のショーン(ジョナサン・リス・マイヤーズ)。手持ちの麻薬をめぐって、ホテルボーイのウィット(アレクサンダー・レンデル)、女殺し屋のリタ(レナ・クリステンセン)、心理学者のローザ(サスキア・リーヴス)、やくざのロイ(カルロ・ナンニ)の運命が交錯する。国際色豊かなサスペンス映画。

 宣伝の仕方が悪い。「2次元の展開図が1次元、3次元の展開図が2次元、そして4次元の展開図がテッセラクト」なんて言われれば、「マトリックス」みたいなSFとかCUBEみたいな不条理サスペンスを期待してしまったので思いっきり外されてしまった。

 それに4人の運命をばらばらに描いて交差させる…のがテッサラクト的4次元表現ってのなら、そんなの過去の映画でもいっぱいあったんじゃない? 単純にタイを舞台にしたサスペンスとして見た方が数倍楽しめる。雰囲気もたっぷりだし、弾丸がひゅんひゅん飛んでくるシーンなんてエキサイティング。こういう映画では毎度のことながら子役(アレクサンダー・レンデル)がうまい!!

 トルクに続いて、またまたタイがらみ麻薬映画だった。タイの人たち、迷惑に思ってるんじゃないだろうか??

 オキサイド・パン監督。2003年イギリス=タイ=日本合作。

2005年4月28日 (木)

トルク

トルク 麻薬がらみの抗争に巻き込まれてタイに半年間身を隠していたバイク乗りのフォード(マーティン・ヘンダーソン)がアメリカに帰ってくる。目的はぬれぎぬに決着を付けることと、恋人のシェーン(モネット・メイザー)に会うため。当然バイクに乗ったストリートギャングたちは彼らをつけ狙い、血みどろの戦いがはじまる。 「ワイルド・スピード」をそのままバイクに変えたかのようなハイスピードアクション。

 まさに「ありえない」が連続する爆走アクションで、突っ走って突っ走って突っ走るバカ映画。バカもここまでやるとお見事ってわけで、ラストのスローモーションで見てもほとんど何が起こっているかわからないチェイスシーンも含めて「ご立派」と拍手を送りたい映画。スピード感に関しては「マッドマックス」以来の衝撃かもしれぬ。

 西海岸のバイク乗りたちの、超こてこてでいかにもアメリカンという下品さもいいです。こういう突き抜けたバカは大好きです。

ジョセフ・カーン監督。2003年アメリカ映画。

2005年4月27日 (水)

シェルタリング・スカイ

no jacket image 1947年のニューヨークから、長期の旅行に北アフリカにやって来たキット(デブラ・ウィンガー)とポート(ジョン・マルコヴィッチ)の夫婦。旅を共にするターナー(キャンベル・スコット)との奇妙な三角関係を軸に、異文化の中を行く二人だったが… 坂本龍一の音楽、ヴィットリオ・ストラーロの撮影も印象的な大人のラブストーリー。

 ベルトルッチ監督が「ラスト・エンペラー」の次に撮った映画で、前作の壮大なスケールから比べると妙にこじんまりしちゃった印象で世間の評価もあんまり良くないような気がするけど、これって見逃すと後悔してしまいそうな拾いものです。(現に私も今頃見ているわけで)

 基本的には倦怠期にさしかかった夫婦の自分探しの旅物語。異文化の中を行く白人夫婦には過酷な生活と運命が待ち受けています。現地の人にとっては異質であろう「ホテル」にすがりついてしか生きられない彼らに、知らない国を旅するってのははた目にはこういう事なんだろうなあって妙に納得させられます。

 ポートを失ってからの、キットの迷走が特に印象的。この部分はセリフも一切ない。サハラ砂漠の撮影も美しい。ただしアート系のフランス映画によく見られるような突き放した終わり方ではなく、ちゃんと老人のセリフで締めくくっているあたりは親切でわかりやすい。

ベルナルド・ベルトルッチ監督。1990年イギリス映画。

2005年4月26日 (火)

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 世界を破滅させる魔力を持つ指輪を処分するために滅びの山を目指すフロド(イライジャ・ウッド)とサム(ショーン・アスティン)。その頃ゴンドールでは、盟王サウロンと旅の仲間たちとの最後の戦いが始まろうとしていた。ファンタジー3部作の完結編で、アカデミー作品賞をはじめとした主要11部門を受賞した映画。

 全部足したら10時間ぐらいあるんじゃないかと思われる長(?)大作なんだけど、まったく飽きずに見られるところが凄かった。山に登ってからのラスト近くは、主人公のフロドじゃなくてサムが一般的な映画で言われるいいところを全部かっさらっていったのが、この映画の見どころといえば見どころ。深いと言えば深い。逆説的にフロドのがんばりが伝わってくる。

 ところで3部作の映画(しかも独立しては成り立たない)の第3部がアカデミー賞をごっそり取っちゃったというのが不思議。じゃ、前2作は何なんだったんだろう??

ピーター・ジャクソン監督。2003年アメリカ映画。

2005年4月25日 (月)

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 邪悪な力を持つ指輪を火の山へ返す旅に出た仲間を描いたシリーズ第2作。前作の最後で離ればなれになった登場人物たちのその後を負う。

 登場人物たちは3方に分かれてしまい、それぞれの目的を持って旅を繰り広げるというストーリー。枝のエピソードが多くてなかなかボリュームたっぷり見応えたっぷりなんだけど、本編にそれほど深くかかわってないのでさらっと見てても混乱することはない。ただし何回も繰り返し見たら、登場人物のキャラクターをもっと深く楽しめるんだろうなぁとは思う。

 前作で死んだはずのガンダルフ(イアン・マッケラン)が「白のガンダルフ」になって復活するのはなんか反則っぽいぞ。

ピーター・ジャクソン監督。2002年アメリカ=ニュージーランド合作。

2005年4月22日 (金)

ロード・オブ・ザ・リング

ロード・オブ・ザ・リング 世界を支配する力を持つ指輪を手に入れたホビット族のフロド(イライジャ・ウッド)は、それが闇の王サウロンに渡るのを防ぐために、9人の仲間と共に「滅びの亀裂」と呼ばれる火口に指輪を捨てる旅に出る。3部作の第1弾。

 ファンタジーの世界では有名な「指輪物語」の第1作。3部作として同時撮影されているそうで、いかにも物語は続きますといった終わり方をしている。複雑なストーリーの大河ドラマを想像したんだけど、意外とシンプルで素直に楽しめる作り。ホビット族のフロドをはじめ、魔法使いやら剣士やら、ビデオゲームを楽しんでいればもっとのめりこめそうなキャラクターが勢揃い。そのあたりがビデオゲーム世代に圧倒的に支持される映画なんだろうと思う。

 最近注目しているケイト・ブランシェットがエルフ族のガラドリエルを好演。北欧系の顔立ちの彼女って、こういう役柄はぴったり。

 ところでコレ、あの究極のスプラッタ映画「ブレインデッド」のピーター・ジャクソン監督なんですねぇ。エンドクレジット見るまで気がつかなかった。

ピーター・ジャクソン監督。2001年アメリカ映画。

2005年4月21日 (木)

エボリューション

エボリューション アリゾナの砂漠に隕石が落下して、中から出てきた単細胞生物は昆虫・類人猿へと猛烈な勢いで進化する。発見した地質学者アイラ(デヴィッド・デゥカヴニー)とアリソン(ジュリアン・ムーア)、ハリー(オーランド・ジョーンズ)の3人は事態を収拾しようとするのだが。進化するエイリアンが大挙出現して混乱するアリゾナの小さな町を舞台にしたコメディ。

 まったく「ゴースト・バスターズ」と同じノリ。笑いのツボまで似てる。CGだけが進化したせいか、出てくるエイリアンがメン・イン・ブラックにそっくりのおどろおどろしさ。好きな人は好きだろうなぁ、このノリは。

 全体的に「トレマーズ」を思わせるのんびりした雰囲気で、エイリアンが出てきてもほとんどの人は死なないし世界の滅亡を目の前にしながらも悲壮感もなし。なんとかなるだろうというゆる?いノリも、なんか心地よい。

 ところでジャケットやポスターにフィーチャーされている、3つ目のスマイルマークって一体何だったんだろうか…

アイヴァン・ライトマン監督。2001年アメリカ映画。

2005年4月20日 (水)

ドリヴン (2001)

no jacket image CARTレースの新人でチャンピオンを狙うジミー・ブライ(キップ・パルデュー)はスランプ気味。彼をサポートするために、チーム監督のカール(バート・レイノルズ)は事故で現役を去った伝説のレーサージョー・タント(シルヴェスタ・スタローン)を雇う。カーレースに三角関係のもつれを重ねた迫力のアクション大作。

 とってもステレオタイプなレース映画で、ストーリーそのものには見るものはないんだけど、ふだんのレース中継ではお目にかかれないような迫力シーンが満載されていて楽しめる。見物なのはレース中のドライバーの視界(周辺がブラックアウトしていく)が超リアルなのと、雨のレースシーンの画面を見ているだけで感じる何とも言えないストレス、そしてクラッシュで宙を舞ったレースカーの「落ちる」という感覚かなぁ。そうそう、シカゴの街を疾走するフォーミュラーカーってのも、映画ならではで楽しめます。

 ラストよりも熱くなったのは、最後から2戦目の救出シーンです。

レニー・ハーリン監督。2001年アメリカ映画。

2005年4月19日 (火)

マスター・アンド・コマンダー (2003)

no jacket image  1805年の南太平洋。ナポレオン軍の戦艦アーケロン号を捕捉せよという命令で、イギリスの軍艦サプライズ号は伝説の艦長ジャック・オーブリー(ラッセル・クロウ)の指揮のもと出航する。広い大海原を舞台に、帆船対帆船の一対一の戦いをスケール感たっぷりに描いた作品。パトリック・オブライアンの人気小説の映画化。

 潜水艦映画に外れなし、なんて日頃から思ってるんですけど、海洋映画もけっこういけます。しかも1隻の戦艦が100隻ぐらいやっつけるような映画的な荒唐無稽さではなく、しぶとく1対1の戦いを頭を使いながら繰り広げるところがヨイです。ガラパゴス島のエピソードなども、スパイスがぴりりときいてます。

 壊れた艦船を黙々と次の戦いのために海上で修理するところがいいですね。劣る戦力を敵をだまくらかして切り抜けるあたりは、初期のスタートレックに通じる面白さです。

ピーター・ウィアー監督。2003年アメリカ映画。

2005年4月16日 (土)

ヘヴン

no jacket image 教師のフィリッパ(ケイト・ブランシェット)は高層ビルに爆弾をしかけ、何も知らない4人(うち2人は少女)が爆死する。逮捕され憲兵隊に取り調べを受けるフィリッパに、通訳のフィリッポ(ジョヴァンニ・リビシ)は一目惚れして脱走の手引きをする。極限状態の男女の逃避行を描いた、強烈なラブストーリー。

 なんか…凄い映画。冒頭の15分ぐらいで、ビル爆破の理由も語られて観客もおもいっきりフィリッパに感情移入したところで、その場にいたフィリッポはこの女に命をささげようって思っちゃうんですよね。濃い割りにわかりやすく説得力があるところが良い。「ニキータ」とは別の意味で凶暴な純愛映画って感じ。

 後半の舞台がトスカーナに移ってからは、緊張がふっと切れてのんびりムードになっちゃうんですが、フィリッポの父(レモ・ジローネ)がびしっと引き締めてくれるんですね。フィリッパをひっぱたいた友人と、何もせずにフィリッポ(ややこしいな)を理解する父の対比が面白い。oga.は逃亡の手引きに加えて罪がどうしたら軽くなるかとかどうやって彼を社会復帰させようかとかが頭に浮かんだのですが、この父親はどうやってこの二人の恋愛を成就させようかと考えているとは… さすが、恋愛大国のイタリアの父(笑)。

 大好きなケイト・ブランシェットの写真をこのブログに載せたいのに、どうして彼女の映画はどれもJoshin webにジャケ写がないの(怒)!

トム・ティクヴァ監督。2003年ドイツ=イギリス=アメリカ=フランス合作。

2005年4月15日 (金)

タイムライン

タイムライン 14世紀のものと思われるフランスの修道院の遺跡で、クリス(ジョン・ウォーカー)は現代のメガネと「Help me」と書かれたメモを発見する。実は発信者はクリスの父ジョンストン教授(ビリー・コノリー)で、スポンサー企業のITCによるタイムマシンによって過去へ行き消息を絶ったのだった。教授の行方を追って中世フランスへと時間の旅をするクリスをはじめとする6人の捜索隊を描いたSFアクション。原作はあのマイクル・クライトン。

 タイムマシンものといえばタイムパラドックスをどう処理するかが面白いんだけど、コレはタイムトンネルをびしっと「○年前の過去」と固定して矛盾の発生をおさえこむことに成功している。

 はらはらどきどきさせられて、気が付いたら終わってました。B級風の面白さですが、けっこう何も考えずに楽しめます。中世フランスという舞台が、雰囲気があって良かった。ジョン・ウォーカーはどこかで見た顔だと思ったら、ワイルド・スピードの主演だったのかぁ。

リチャード・ドナー監督。2003年アメリカ映画。

2005年4月14日 (木)

ビューティフル・マインド

ビューティフル・マインド ジョン・ナッシュ(ラッセル・クロウ)は1947年9月にプリンストン大学の数学科に入る。社交性がない上に授業に興味がなく、日々研究にいそしむ彼をクラスメートは好奇の目で見る。やがて卒業したナッシュは同じく数学者のアリシア(ジェニファー・コネリー)と結婚し、軍に雇われバーチャー(エド・ハリス)から暗号解読の極秘任務を受けるのだが… 実在のノーベル経済学賞受賞の数学者を描いた伝記映画。

 思ってた内容と違う!!ってのはまさにこの事で、暗号解読の専門家をサスペンスフルに描いたドラマかと思いきや…まったく違う展開になっていくところが凄い。しかし中盤以降はストーリーにこれといった動きも見るべきものも少なく、正直言って退屈した。実話の映画化ってのは難しいもんです。

 机上だけで学問をしていると思われがちの数学者が社会や経済、そして国際情勢や戦争にまで深くかかわっていく様子がよくわかるのは大きな収穫。一番印象に残ったのは、幻覚としてジョンにつきまとう女の子のコワ可愛いところだったような気が…

ロン・ハワード監督。2001年アメリカ映画。

2005年4月13日 (水)

リクルート (2003)

リクルート MITを主席で卒業するクレイトン(コリン・ファレル)はアルバイト先のバーでCIAの教官ウォルター・バーク(アル・パチーノ)にスカウトされる。いわゆるCIAのスパイのリクルート活動を描いたサスペンスで、ファーム(新人養成所)での訓練風景やひねりのきいた展開は上質のサスペンスとして楽しめる。

 あるのは国家への忠誠と情報への執念だけで、作戦に成功しても栄誉も何も与えられず、失敗すると見捨てられて隠蔽される。優秀な学生がどうしてそんな職業につくのか不思議だが、映画を見てるとわかった気になってくるから不思議。映画で描かれる世界はどこまで真実に近いのだろうかとか、今でもこういったリクルート活動が行われているのだろうかと興味は尽きないが、映画の中で綿密に組み立てられた世界はとってもリアルで光っている。

 最近話題作に出ずっぱりのコリン・ファレルと名優アル・パチーノの共演も見どころ。こういった怪しいおっさんはアルははまり役で、後半の展開も含めてたっぷり楽しめた。しかしこの二人、あらためて並んでいる絵を見ると「濃ゆい!!」

 一番良かったのは、中身がまったく想像できない映画のタイトルかも。

ロジャー・ドナルドソン監督。2003年アメリカ映画。

2005年4月11日 (月)

ウディ・アレンの影と霧 (1992)

no jacket image 1920年代のヨーロッパ。霧の夜ごとに連続殺人が起こり、気が弱いマックス(ウディ・アレン)はわけがわからない間に自警団に参加させられ気が付くと犯人の汚名がきせられている。彼と一緒にさまようサーカスを抜け出したアーミー(ミア・ファロー)をはじめ、一夜の騒動を描いたコメディ。出演陣が豪華(マドンナ、ジョディ・フォスター、キャシー・ベイツ、ジョン・マルコヴィッチ、ジョン・キューザック、リリー・トムリン、ドナルド・プレザンス、ケイト・ネリガン)なのも印象的。

 このどうみても小品のコメディに、これだけの役者が集まってくるってのがウディ・アレンの魔術というか求心力なんだろうか。アレンの映画ってのはそれなりに面白いんだけど、どうしてそこまで評価が高いかってのは私はよくわからないです。この映画も主役級のスターをチョイ役に使って遊んでいる映画…ってぐらいにしか、私の頭では理解不可能。

 しかしこのメンバーが登場するサーカスや娼館があるのなら、行ってみたいもんです(笑)。

ウディ・アレン監督。1992年アメリカ映画。

2005年4月 8日 (金)

アトランティス ?失われた帝国

no jacket image 1914年のアメリカ、言語学者のマイロ(声:マイケル・J・フォックス)は大昔に一夜にして海底に沈んだと伝えられるアトランティス大陸の研究をしている。ある日祖父の知り合いだという大富豪ウィットモア(ジョン・マホーニー)から依頼を受けてアトランティス探検隊に加わることになる。ディズニー生誕100周年記念というアニメーション。

 スケールの大きな大作…かと思いきや、この手のアドベンチャーものはアメリカ製アニメではどれもこれも小さくこじんまりとまとまってしまうのが不思議。上映時間が1時間半と短いから…だけではないと思うのだが。例えば苦労してたどりついたアトランティスは大陸ではなくめちゃめちゃ小さな小島だし、帝国といいながら何人の住民が住んでいるのだろうか?

 しかしそれはそれで、子供の目で見たら巨大なアトランティスと壮大な冒険物語に見えるのかもしれない。大きくなって再見したら「あれれっ」ってなっちゃう映画って多いもんなあ。

 ディズニー映画にしては人がよく死ぬので、小さいお子様に見せるには要注意。

ゲイリー・トルースデール、カーク・ワイズ監督。2001年アメリカ映画。

2005年4月 7日 (木)

ブレア・ウィッチ2

NO JACKET IMAGE 前作で3人の学生が消息を絶ったバーキッツビル。映画を見たファンが押し掛け、町は観光地となっていた。そんな中、第1回目のブレアウイッチ・ハント(ツアー)が実施され、参加した4人の若者はかつて惨劇があったラスティン・パー邸の廃墟にキャンプを張るのだが…

 ドキュメンタリー・フィルム風の前作から一転して、監督が替わって普通のホラー映画になっちゃった続編。まったく普通の劇映画なのでストレスなく見ることができるんだけど、こうなると没個性のB級ホラーになっちゃったところがつらい。美女の裸踊りとかもあって、なんかあのカルトホラーの傑作(笑)「死霊の盆踊り」を思い出してしまった。

 DVDには相変わらず本編に迫る時間の特典映像満載で、でっち上げのニュース映像とか特典の方が楽しんで作ってる感じで面白かったのは皮肉かも。川に子供が引き込まれるエピソードや捜索隊の惨殺事件など繰り返し見てるうちにすっかり覚えてしまった。こうなると、ひとかどのブレア・ウィッチ通になったような気になってくるのがコワイ。

 さらに続編の話もあったようだが、2005年現在ではBW3は存在しないようだ。

ジョー・バーリンジャー監督。2000年アメリカ映画。

2005年4月 6日 (水)

ブレア・ウィッチ・プロジェクト

no jacket image  モンゴメリー大学の映画学科の学生3人(ヘザー・ドナヒュー、マイケル・C・ウィリアムズ、ジョシュア・レナード)がドキュメンタリー制作のために16mmカメラとビデオカメラを持って、魔女「ブレア・ウィッチ」がいるというメリーランド州ブラック・ヒルズの森に入って行く。やがて3人は遭難して行方不明になり、後にフィルムだけが発見される。そのフィルムに写っていたものは… 低予算で製作されてカルト的な人気を集めたというフェイク・ドキュメンタリー・ホラー。

 プロットを聞いて、昔NHKで放映していた宇宙人を捜すフェイク・ドキュメンタリーが面白かったことを思い出した。30年くらい前の放映で、もうタイトルもわからないのだが(知ってるかたおられたらコメント下さい!)、いざ宇宙人に遭遇というあたりでフィルムが切れて、スチルに変わって、めちゃ面白かったなぁ。同じレベルを期待したら、完全に外されてしまった。まさに素人が撮ったビデオという感じで、リアリティはあるんだけど面白いかと言われれば疑問。映画学科の学生の撮影だったら、もうちょっと上手に撮ろうと努力するはずだよなぁと考えたら白けてしまったのが一番の敗因かも。

 本編が1時間そこそこしかないのに、DVDには特典映像が同じぐらいのボリュームで入っているのも怪しさ爆発。インターネットの口コミで噂が広がったみたいだけど、この特典映像を見たぐらいの予備知識がないと楽しめないのは確かかも。

ダニエル・マイリック、エドゥアルド・サンチェス監督。1999年アメリカ映画。

2005年4月 5日 (火)

コラテラル

コラテラル ロサンゼルスを流すタクシードライバーのマックス(ジェイミー・フォックス)は、ヴィンセントと名乗る客(トム・クルーズ)の一晩貸し切りで5カ所をまわってほしいという依頼を受ける。実は男はプロの殺し屋で、殺人現場を目撃したマックスも腕をかわれて巻き込まれて(コラテラル)いく。渋いカメラワークが光るサスペンス・アクション。

 「あなたの知っているトム・クルーズは死んだ」というコピーに期待したのだが、キレまくった悪役ではなくちゃんと理性を備えてるし邪魔者は殺しまくるが気に入ったマックスはちゃんと守っている。マックスがスキをみて逃亡しようとしても、やっぱりおまえが必要だってわけか二人の関係は変わらない。巻き込まれというよりも、腐れ縁のようにも感じる。別に私の知っている(つもりの)トム・クルーズは死んでない。

 ヴィンセントがジャズに傾倒しているあたりがかっこいい。最初のタクシーの客であったアニー(ジェイダ・ピンケット・スミス)があんなカタチでクライマックスに出てくるのは意外であった。彼女の机上のリゾートの写真がちょっといい気分にしてくれる。

マイケル・マン監督。2004年アメリカ映画。

2005年4月 2日 (土)

ツイステッド

ツイステッド 婦警のジェシカ(アシュレイ・ジャッド)は殺人課の刑事に昇進する。ところが着任早々に2件の殺人事件がおこり、被害者はいずれもジェシカがかつて酔って行きずりの関係を持った男たちだった。サンフランシスコを舞台にしたサスペンス。共演はジェシカと組む刑事にアンディ・ガルシア、ジェシカをバックアップする本部長にサミュエル・L・ジャクソン。

 サスペンスの犯人探しは苦手な私でも、早々と先が読めてしまった。「ツイステッド」というタイトルの割りにはひねりがない。あるいはひねってあった話を、もうひとひねりしたら元に戻ってしまったのかも。

 アシュレイ・ジャッドが結構はまり役。とびきり美人ではないが、芯が強そうで実は内面は病んでいるという難しい役をこなして説得力がある。アンディ・ガルシアは久しぶりに見たけど、太った??

 突然ジェシカが本部長に「後の壁に貼ってあるものを言え」と言われてさらさらと言ってしまうくだりが凄い。ある意味、人間が意識のある間 常にこれだけ張り詰めてたら壊れるよなぁと思ってしまった。

フィリップ・カウフマン監督。2004年アメリカ=ドイツ合作。

2005年4月 1日 (金)

ファイナルファンタジー

no jacket image  西暦2065年、世界は未知の生命体ファントムの襲来で絶滅の危機に瀕していた。そんな時、科学者のアキは見知らぬ惑星に立っている夢に悩まされていた。人気ビデオゲームの映画化で、人物も含めてフルCGで作られた上にアレック・ボールドウィンやジェームズ・ウッズ、スティーヴ・ブシェミ、ドナルド・サザーランドといった豪華な声優陣の出演が話題になった作品。

 ガイア理論とかが取り入れられていて、単純に侵略者から地球を守る映画として描いてないところは好感が持てるんだけど、ストーリーの進め方がどうにも舌足らずで理解に苦しむ。例えばアキたちはどうして生命体に番号を付けて順番に集めているのかとか、ラストはどうしてああなっちゃうのかとか疑問はいっぱい。ゲームやってたらみんな知ってることなんだろうか?

 CGによる登場人物は、シミまで描かれていてリアルなんだけど感情移入の対象としてはちょっとキツい感じ。個人的にはセルアニメも同様の理由(描き込まれた人間が演技している)で苦手なんだけど、アニメよりもキツく感じたのはシミや毛穴がこれみよがしに目立ってしまったからかも。

 というわけで、やっぱ生身の人間が一番好きだな。

坂口博信監督。2001年アメリカ=日本合作。

2005年3月31日 (木)

バーチュオシティ (1995)

no jacket image 近未来のロサンゼルス。バーチャル・リアリティを使って100人以上の猟奇犯罪者の人格をプログラムしたシド6.7(ラッセル・クロウ)が完成。シミュレーターとして警官の訓練に利用される。ところがシドはある化学物質を使って実体化。現実世界に逃亡する。かつてシミュレーターで最高成績をあげたパーカー(デンゼル・ワシントン)が彼を追う。

 バーチャル・リアリティが全盛だったころに作られた映画で、グローブやメガネをかけてCGの写るマルチスクリーンの前に立って操作するってスタイルが、妙に懐かしかった。しかし「トロン」にせよ「JM」にせよ、バーチャルな世界をいかにして実体化するかってのは結構無理があってそこからストーリーも破綻してくるもんだなぁと思った。

 ラッセル・クロウってけっこうお茶目な顔をしていることを発見。

ブレット・レナード監督。1995年アメリカ映画。

2005年3月30日 (水)

フィフス・エレメント (1997)

フィフス・エレメント 2214年の地球は異星からやって来た悪のエネルギーにより絶滅の危機に瀕していた。それを退けるためには宇宙人の残した火・水・土・風と5つ目の要素(フィフス・エレメント)が必要だった。そのカギを握る少女(ミラ・ジョボビッチ)が宇宙人の細胞から復元されたが脱走。彼女を救ったのはニューヨークのタクシー運転手(ブルース・ウィリス)だった。ベッソン監督がウィリス、ジョボビッチ、ゲイリー・オールドマン、イアン・ホルムなどの豪華キャストを使って作ったSF。ゴルチエの衣装も話題に。

 SFというよりも、おもちゃ箱ひっくり返したような映画でダメな人はダメダメだろうなぁといったぐっちゃぐちゃのノリ。強いて言えば同じヨーロッパつながりで「007/カジノ・ロワイヤル」や「ピンクの豹」の雰囲気に近いかなぁ。個人的にはクリス・タッカー扮するオカマのDJのくだりがダメダメで中盤がちょっとしんどかったんだけど、終わってみるとなかなか楽しめた感じ。

 ミラ・ジョボビッチ扮するヒロイン・リールーは今のバイオ・ハザードのアリスとかの原点ですね。当時はPanasonicのCMに出てたりして、摩天楼にダイブしたあとどうなるんかと気になってたんだけど、あのあとウィリスの空飛ぶタクシーの客室へ突っ込むということがわかって謎が解けました。

 またもや「愛」が地球を救うのか…(ため息)

リュック・ベッソン監督。1997年フランス=アメリカ合作。

2005年3月29日 (火)

スパイダーマン2

スパイダーマン2 ニューヨークの平和を守りながら大学生活をおくるスパイダーマンことピーター(トビー・マグワイア)の悩みは金欠とガールフレンドのメリー(キルステン・ダンスト)とのすれ違い生活。メリーの他人との婚約ですべてが嫌になったピーターはスパイダーマンをやめる決心をするが、そんな時に事故で4本のロボットアームが付いてしまった怪人ドック・オクが現れる。

 2作目だけど相変わらずテンションが高い。ヒーローの苦悩を軸に、メリー・ジェーンとの恋の行方とかドック・オクとの戦いとか内容は盛りだくさんなんだけど、ちゃんと交通整理できているのが良い。

 今回はスパイダーマンがマスクを脱いじゃうシーンが多い。ラストもああなっちまうとは思わなかった。地下鉄のシーンなんか、これで正体モロバレかぁと思ったらみんなで守っちゃうんですよね。これってプロレスの覆面レスラーに対する愛に似てるぞ。

サム・ライミ監督。2004年アメリカ映画。

2005年3月28日 (月)

スパイダーマン

スパイダーマン 勉強はできるがさえない高校生ピーター(トビー・マグワイヤ)は隣家のメリー・ジェーン(キルステン・ダンスト)に子供の頃から片思いだがずっとうち明けられない。そんなある日、大学の研究室で毒グモに刺されたピーターは体に変調をきたして、身軽に壁をのぼったり糸を出す能力を得る。有名なアメコミの実写映画化。

 スパイダーマンが糸を出しながらびゅんびゅんビルの間を飛びまくるショットを見ているだけで楽しめる映画。70年代にスーパーマンが映画化されてその飛行シーンにも同じような感想を持ったけど、今度の動きは放物線(笑)である。さらに刺激が増した気がする。スパイダーマンの動きが嫌悪感を感じるほどクモっぽいのも良い。

 アメコミ・ヒーローものといえば悪役がお楽しみなんだけど、本作ではウィレム・デフォーが天才科学者&グリーン・ゴブリンという怪人役で頑張っている。かぶりものが絶妙な味を出していて、彼のキャリアを考えるとちょっと複雑な思いがなくもないが。

 なんでこの映画をサム・ライミがって最初思ったけど、ヒーローものが好きだからって理由が彼らしくて良い。

サム・ライミ監督。2002年アメリカ映画。

2005年3月25日 (金)

ジャンヌ・ダルク

no jacket image 100年戦争でなかばイギリスに占領されたフランス。イギリス軍に家族を、そして目の前で姉を殺されたジャンヌ(ミラ・ジョボビッチ)はフランスを救えという神の声を聞き、王太子シャルル7世(ジョン・マルコビッチ)に取り入ってフランス軍を指揮する。「聖女」「凶人」「魔女」といろいろ評価されるジャンヌ・ダルクの半生を描いた作品。

 力の入った歴史スペクタクル映画なんだけど、神の声が「人々を救え」「人類を救え(笑)」でなく「フランスを救え」だってことが最後までノリきれなかった。とはいってもフランスでは珍しい娯楽映画の巨匠リュック・ベッソン監督だけに、主人公に納得できなくても最後まで映像の力とストーリーの面白さで一気に見せてくれる。

 髪をショートカットにして、戦場でふりしぼるように叫ぶミラ・ジョボビッチは魅力的で絵になる。聖人というより小娘という感じが、リアルに感じられて良い。ほとんどタコ坊主のフェイ・ダナウェイは一見の価値あり!?

リュック・ベッソン監督。1999年アメリカ映画。

2005年3月24日 (木)

タイムリミット

タイムリミット フロリダの田舎町の警察署長のマット(デンゼル・ワシントン)は妻と別居中の上、幼なじみで夫の暴力に苦しむアン(サナ・レイサン)と不倫中。彼女が末期ガンであることを知らされたマットは、高額な治療費にあてるために証拠品の札束を横領する。ところが彼女の家が焼けて焼死体が発見されたことから、マットは殺人の容疑者として追い込まれていく…

 善人でまじめで堅物ってイメージしかないデンゼル・ワシントンが、不倫はするわ押収した札束を持ち出すわやばくなったらファックスは書き換えるわ証拠隠滅ははかるわと支離滅裂な警察署長を大熱演。でも犯人ってつかまえてみると「あの人が、信じられない」ってケースが多いわけで、これはこれで面白いキャスティングなのかもしれない。

 見所は中盤に入ってからのマットの絶体絶命をきりぬけていくくだりで、別居中の妻アレックス(エヴァ・メンデス)が殺人課の刑事で横からにらみをきかせているというシチュエーションも面白く、ひさびさに映画を見ながら手に汗を握った。小品のサスペンスなんだけど、脚本も演出も優れていて結構楽しめる。

 別居してて離婚寸前でも、妻ってのはコワいものらしい…。

カール・フランクリン監督。2003年アメリカ映画。

2005年3月23日 (水)

キューティーハニー (2003)

キューティーハニー 交通事故で亡くなったのに、Iシステムでアンドロイドとして生まれ変わった如月ハニーことキューティーハニー(佐藤江梨子)の活躍を描いた70年代アニメの実写映画化。

 冒頭から脱力感ばりばりの雰囲気。強いて言えば、戦隊ヒーローもの(子供につきあって、忍風戦隊ハリケンジャーしか見てないのだが)のノリに近いだろうか。といっても佐藤江梨子のお色気を前面に出しているところもあるので、まったくの子供向けというわけでもない。強いて言えばマニア向け映画。

 突っ込みどころは満載なんだけど、海ほたるをふっとばしたり東京タワーの下からタワーが突き出てきたりといったスペクタクルシーンをチープな特撮とデジタル合成で見せて、ちょっぴり懐かしい気分で楽しませてくれた。

 細かいことだけど、作者は会社に勤めたことがないなと思わせるほど、ハニーの勤めるオフィスが仕事してるように見えないのが苦笑もの。ラストを「愛が大事」「愛がすべて」「愛が大切」と「愛」づくしで締めくくるのも鼻についた。でもこういう生活感のない雰囲気って、好きな人にとっては大好きなんだろうなぁ。

 佐藤江梨子は演技はかたいがサービス精神旺盛なところが買い。終盤の変身格闘シーンのしかめっつらはなかなかチャーミングです。

庵野秀明監督。2003年日本映画。

2005年3月22日 (火)

バイオハザード2 アポカリプス (2004)

バイオハザード2 アンブレラ社の地下実験室「ハイブ」から脱出したアリス(ミラ・ジョボビッチ)が長い昏睡から目を覚ますと、ラクーンシティ自身がTウィルスに汚染され隔離されていた。共に逃げることになったジル(シエンナ・ギロリー)たち一行は、Tウィルスを発明したアシュフォード博士(ジャレッド・ハリス)の依頼でシティからの脱出方法を手引きしてもらうかわりに、博士の娘を救出することになる。

 舞台を地下(ハイブ)から街全体に変えてパワーアップするはずだったんだけど、閉塞されていないぶんだけパワーダウンした続編。しかも前作のような切り刻まれる恐怖はすっかり影をひそめて、飛んだり跳ねたりするアクション映画になっちゃった。何か違う気がせんでもない。

 流行のヒロイン主導映画で、アリスとジル、そんなに強くなってどうするんだって感じ。不可解な終わり方からして、続編への完全なつなぎ映画のようでもある。

アレクサンダー・ウィット監督。2004年カナダ=イギリス映画。

2005年3月21日 (月)

バイオハザード

no image 近未来、巨大企業アンブレラ社の地下実験場がウィルスに感染し、隔離されたスタッフ全員が死亡する。事態を収拾するために、特殊部隊が送り込まれたのだが。カプコンの大ヒットゲームの映画化。

 いわゆるゾンビ映画なんだけど、びっくり箱のような構成で怖がらせ方が半端じゃない。舞台が迷路のような地下基地ってのも、閉塞度があってポイントが高い。原作のテレビゲームは知らないけど、まぁこんな世界へは絶対に行きたくないもんだ。

 ヒロインのミラ・ジョボビッチが、スタイルがいいんだけどむちむちしていて(笑)なかなか魅力的。70年代にはやったのと同じパターンのラストシーンも、ちょっと懐かしい気分にさせてくれた。

ポール・アンダーソン監督。2002年アメリカ=ドイツ=イギリス合作。

2005年3月18日 (金)

着信アリ

着信アリ 女子大生の中村由美(柴咲コウ)の友人陽子(永田杏奈)の携帯電話に3日後の時刻で自分からの着信がある。その時間、友人は由美と電話で話しながら、電車に飛び込んで死んだ。同じような未来からの不可解な着信があって死ぬ事件が彼女の身の回りに次々と起こり… もはや生活とは切り離せなくなった携帯電話をテーマにしたホラー。

 ストーリーの発想は面白く怖がらせようという意図はわかるんだけど、虐待やらトラウマやらのテーマを入れるには物語に深みがなくて失敗している感じ。中盤に呪いの電話を受けたなつみ(吹石一恵)がテレビ局に救いを求めるシーンがあるんだけど、あんな事件が生放送で全国中継されちゃったらもう日本中が上へ下への大騒ぎになっちゃうんじゃないの、と思ったらあとは真面目に見てられなくなっちゃった。

 ラストの展開もなかなかシュールで面白いんだけど、真剣に謎解きを考える気になれないのがつらいところ。DVDの特典映像で原作者の秋元康さんの話が収録されているんだけど、「ラストの謎は角川ホラー文庫を読んだらわかります」と言ってるのを聞いてどっちらけ!!! おいおい、角川商法はいまだに健在なのか!? さらに「着信アリ」は年に1本ずつ50年間作り続けるなんて言ってるけど、このおやじは本編よりも怪しい!!

三池崇史監督。2004年日本映画。

2005年3月17日 (木)

シルミド (2003)

シルミド 1968年に北朝鮮の工作部隊による韓国の大統領府襲撃事件が発生。報復のために、時の韓国情報局は死刑囚をシルミド(シルミ島)に集めて過酷な訓練の元精鋭部隊に育て上げる。目的は金日成の首を取ること。3年の歳月が流れ、彼らに出撃命令が下る。

 韓国では長く隠蔽されていた実話の映画化で話題になった作品。登場人物みんな男のとっても男臭い映画。物語の大半を占める訓練シーンとがなかなかハードで見応えがある。特に鬼隊長を演じるアン・ソンギがいい味を出している。

 彼らは死刑囚だから…と見過ごしてしまいそうな事件なんだけど、一寸の虫にも五分の魂ってわけで彼らの怒りや苦しみが見る側に伝わってきて感動的。ただしなぜ彼らが死刑囚になったかがほとんど省略されているので、その部分がきちんと描かれていれば感想は変わったかもしれない。わずかなシーンだが、暴力団の組長らしき男が「組をしょってる時の事を思えば、このくらいの苦しみは耐えられる」と言ってるセリフを聞いて、何か義理を通して死刑囚になっちまったのかなぁと想像させられるくらいか。

 終盤の疾走感(スピード感ではないです)と喪失感は、結構心に残ります。

カン・ウソク監督。2003年韓国映画。

2005年3月16日 (水)

レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード

レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード クーデターに揺れるメキシコ。CIAのサンズ(ジョニー・デップ)は、事態を沈静化するためにマリアッチ(アントニオ・バンデラス)にクーデターの首謀者であるバリーリョ(ウィレム・デフォー)とマルケス将軍の暗殺を依頼する。マリアッチシリーズの3作目にして完結編(らしい)。

 回数を重ねるに連れて、出演する俳優陣がパワーアップ。上記以外にミッキー・ロークも登場して火花を散らすという趣向はなかなか楽しめた。ストーリーを詰め込みすぎて消化不良になっているきらいがないでもないが。

 余談だけどキル・ビルのDVDの特典映像を見てたら、ロバート・ロドリゲスがキル・ビルの音楽を演奏しているライブ映像が入っていた。これがなかなか決まっていて、プロのミュージシャンもびっくりという感じ。まぁロドリゲスはこの映画でも製作・脚本・撮影・編集・音楽とひとり何役もこなす壮大なる自主映画系監督なんだけど、あらためてロドリゲスの原点は音楽なんだなぁと思った次第。

 メキシコって…雰囲気は大好きなんだけど、本当にこんなんならあんまり行きたくない場所だな。

ロバート・ロドリゲス監督。2003年アメリカ=メキシコ合作。

2005年3月15日 (火)

デスペラード

デスペラード 恋人を殺され、手をつぶされた伝説のマリアッチ(アントニオ・バンデラス)の復讐劇を描いた超ラテンこてこて系アクション。香港映画も真っ青の治安の悪いラテンアメリカを舞台にした殺しまくり映画。こりゃ、好き嫌いがきっぱり分れそうな映画だ。ちなみに私は・・・ずいぶんと楽しんでしまった。

 話題の低予算カルト映画「エル・マリアッチ」の続編だってのに先に見てしまったのが大いなる失敗かも。前半のぽこぽこ進むストーリーがわけわかめで、がぜん面白くなるのは後半過ぎてからである。クエンティン・タランティーノがゲスト出演して相変わらず怪しくしゃべりまくってるのもおかしい。前作の主演であるカルロス・ガラルドーはバンデラスの仲間として、ギターケースに武器をつめこんで頑張っている。

ロバート・ロドリゲス監督。1995年アメリカ映画。

2005年3月14日 (月)

エル・マリアッチ

エル・マリアッチ メキシコの小さな町にやって来た歌手(カルロス・ガラルドー)が、脱獄した殺し屋と間違えられ命を狙われることに…24歳の監督が撮影日数14日間、7千ドルの低予算で撮りあげた作品。

 続編の「デスペラード」を見てしまったのでこれを見ることになったんだけど…うひょ?、これって70万円の製作費+14日の撮影期間なのぉ!? とてもそうは見えないぜぇ。なんか、古いペキンパーの映画を見てるかのような雰囲気はなかなかのもの。ただしデスペラードとつながっているかといえばさにあらず、これはこれで完結してしまってるストーリーです。連れてった犬とかオートバイなんかはどこへ行ってしまったんでしょうねぇ。

ロバート・ロドリゲス監督。1992年アメリカ=メキシコ合作。

2005年3月11日 (金)

ゴシカ (2003)

ゴシカ ミランダ(ハル・ベリー)は女性刑務所でカウンセリングを行う犯罪心理学者。ある雨の夜の帰宅途中に道路に立つ少女をよけようとして運転を誤り、そのまま記憶を失ってしまう。気が付くと自分が刑務所に監禁され、助けを求めようとした夫の刑務所長は自分が殺害したことになっていた。猟奇ミステリーをミックスした新感覚ホラー映画。

 アカデミー賞女優のハル・ベリーをはじめ、彼女の主治医にロバート・ダウニー・Jr.、囚人のひとりにペネロペ・クルスと豪華な顔合わせが話題。ハルもペネロペもホラー・クイーンと呼ぶに十分の熱演で、特に二人の恐怖にわななく(笑)顔を見ているだけで結構コワい。

 面白い展開とオチなんだけど、ちょっと残念だったのがダグラスとミランダが夫婦っぽく感じられなかったこと。まぁ二人が心を許しあってなかったからこんな事態になったと言えばそれまでなんだけど。

マシュー・カソヴィッツ監督。2003年アメリカ映画。

2005年3月10日 (木)

コールドマウンテン

no jacket image 南北戦争を舞台に、父を失って天涯孤独の身で牧場を守るエイダ(ニコール・キッドマン)と徴兵されながらついに脱走、故郷コールドマウンテンを目指して旅をするインマン(ジュード・ロウ)を描いた大河ロマン。エイダの父にドナルド・サザーランド、ゲスト出演のナタリー・ポートマン、そして本作でアカデミー助演女優賞を受賞した、エイダの同居人レニー・ゼルウィガーとキャスティングも豪華。

 脱走兵が恋人の元へ帰るために旅をするだけの映画だと思ってたんだけど、いざ蓋を開けると山あり谷あり一筋縄でいかない内容に見応え十分。意味もなく脱走兵を追いかけるこ憎たらしい義勇軍に怒り、女手だけで赤ちゃんを守るセーラ(ナタリー・ポートマン)の絞り出すような演技に感動し、必死で自分たちの農場を守るエイダとルビー(レニー・ゼルウィガー)の凸凹コンビに拍手して、そしてラストは… 大河ドラマっぽいといえばそうなんだけど、何とも余韻が残る展開に。

 大怪我をしたインマンを助ける老婆とかルビーの父親など、名前わかんない俳優さんの中に印象に残る人が多かった。ひとつひとつのエピソードが深い、見応えある作品です。

アンソニー・ミンゲラ監督。2003年アメリカ映画。

2005年3月 9日 (水)

ホーンテッドマンション

no jacket 不動産屋のジム(エディ・マーフィ)は、週末は家族サービスの予定だったのに突然入った古い屋敷の取り引きにレジャーと偽って家族を連れて行く。ところがこの家は不気味な執事(テレンス・スタンプ)が牛耳るお化け屋敷で、彼らは足止めされてここに泊まらなければならない羽目になる。ディスニーランドのアトラクションが原作のホラーコメディ。

 ディズニーマークの作品だけに無難な展開とハッピーエンドはお約束。それでもまぁ、ゾンビをいっぱい出して意外と頑張ってた。本家ディズニーランドのホーンテッド・マンションは行ったときに子供が小さかったので入らなかったんだけど、登場キャラクターが相当かぶっているので両方見たらかなり楽しめるらしい。確かに水晶玉の中に住むジェニファー・テイリーや、歌う胸像などキャラクターは楽しい。ストーリーとギャグは三角ってとこかな。エディ・マーフィーのしゃべくりは相変わらず面白いんだけどちょっと飽きてきた感じ。子供がもうちょっと大きくなったら喜びそうな映画。

ロブ・ミンコフ監督。2003年アメリカ映画。

2005年3月 8日 (火)

スイミング・プール

スイミング・プール スランプ気味のベストセラー推理作家のサラ・モートン(シャーロット・ランプリング)は編集者ジョン(チャールズ・ダンス)の勧めでフランスのジョンの別荘で新作の執筆を始める。ところがジョンの娘を名乗るジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)が現れ、夜ごとに別荘に男を連れ込んでサラを翻弄し、やがて殺人事件が… エロティック・サスペンス映画。

【以下ワンブロックはねたばらしあり】
 別荘、南フランスの陽光、ベストセラー作家、自由奔放な若い娘と、舞台と役者はそろった。さて何が起こる…ってわけで最後まで飽きさせない「?」の連続の映画。そのまんま「?」が並んで終わっちゃったわけだけど、この映画ってジュリーも含めてすべてがサラの妄想というか創作の中の世界だったって解釈しちゃってもいんだろうか。ラストに現れる本当のジュリーはどう見ても自由奔放とはほど遠いあか抜けしない少女だし、ジョンもイギリスの堅物男で女たらしなんかには見えない。なんかこういう答えがはっきりしない映画って、見てて自信をなくすんだよなぁ。

 久しぶりに見た(かなりのお年になった)シャーロット・ランプリングが懐かしかった。oga.は「愛の嵐」で退廃的って言葉を学んだ世代です。

フランソワ・オゾン監督。2003年フランス=イギリス合作。

2005年3月 4日 (金)

キング・アーサー

キング・アーサー アーサー王伝説の元になったストーリーは中世ではなくローマ帝国時代の末期にあったという設定で、ローマ支配下のブリテンを守っていたアーサー(クライヴ・オーウェン)と円卓の騎士たちの物語。

 故郷の村で暮らしていたのに12年の兵役を義務づけられるランスロット(ヨアン・グリフィズ)からはじまってブリテンの城壁を守る円卓の騎士たち、そしてローマ帝国の理不尽な密命を帯びた救出劇まで面白くなるはずのストーリーなんだけどアクションシーンが思ったより単調で意外と盛り上がらないのがつらいところ。このところ「ロード・オブ・ザ・リング」「トロイ」と立て続けに古代の戦いを見せつけられて、剣と弓矢と岩を飛ばすパチンコ(笑)の戦いはちょっと食傷気味なんかもしれないが。(まだ「アレキサンダー」が残ってる、どうしよう!?)

 さらに役者が地味なので、名前を覚えるのに苦労した。みんなひげ面だし。まぁグウィネビア役のキーラ・ナイトレイは自ら戦ったりしてなかなか華があってよかったが。アーサーのクライヴ・オーウェンは、役所広司とかぶって困ったぞ。

アントワーン・フークワ監督。2004年アメリカ映画。

2005年3月 3日 (木)

LOVERS (2004)

Lovers 唐の時代の中国、政治は腐敗して飛刀門という反乱勢力が暗躍していた。遊郭で人気の踊り子 小妹(チャン・ツィイー)が飛刀門のメンバーだとにらんだ役人のジン(金城武)とリウ(アンディ・ラウ)は彼女を投獄。さらに脱獄の手助けをして飛刀門のアジトを探し出そうとするのだが…

 あの「英雄?HERO?」のスタッフが再度集結した話題の作品。ワダ・エミが担当した衣装をはじめとする派手な絵づくり、人間技とは思えない殺陣の数々、2転3転するストーリーなどこれでもかといったほど見所があり楽しめる。中国の歴史の知識がなくても、ストーリーにはあんまり関係ないので尻込みする必要はない。

 HEROでは脇役だったチャン・ツィイーが主役に抜擢。それもずいぶんと頑張ってる。いかにも魔性の女という感じだ。アイドルっぽいノリの金城武、脇をかためながら、ちょっと同情を誘うアンディ・ラウなどキャスティングは見事。ただし気になるのは、タイトルから内容が想像できないことかも。

チャン・イーモウ監督。2004年中国映画。

2005年3月 2日 (水)

デイ・アフター・トゥモロー

デイ・アフター・トゥモロー 地球温暖化のあとにすべてのものを凍らせるスーパー・ストームと氷河期がやって来る… 古代気象学者のジャック(デニス・クエイド)の警告は現実となり、やがて地球規模の大寒波がやって来る。

 このところ定期的に(笑)作られている地球破滅型パニック映画で、今回は地球温暖化がテーマ。あまり面白くないという前評判だったんだけど、すべり出しが少々もたつくだけでロスの図書館に主人公の息子(ジェイク・ギレンホール)が閉じこめられてからはがぜん面白くなる。やっぱスケールは大きすぎるより、ある程度の範囲に絞って描いた方が感情移入しやすいってことか。

 人類の遺産である貴重な蔵書を「生きるために」燃やし続けるというシチュエーションが好きだな。

ローランド・エメリッヒ監督。2004年アメリカ映画。

2005年3月 1日 (火)

ワイルド・レンジ 最後の銃撃

ワイルド・レンジ 最後の銃撃 開拓時代末期の西部。牛の放牧をする4人のカウボーイ(ロバート・デュバル、ケヴィン・コスナー、ディエゴ・ルナ、エイブラハム・ベンルービ)は昔ながらの放牧を良く思わない牧場主のバクスター(マイケル・ガンボン)とブール保安官(ジェームズ・ルッソ)に睨まれ、対決する羽目になる。

 古き良き時代の西部劇をじっくりと再現したかのような作品。冒頭の放牧シーンからして、情感たっぷりで画面をながめているだけで気持ちの高ぶりを感じる。コスナーがすっと一歩下がって、老カウボーイのデュバルに敬意を払って立てているのが秀逸。また元々癒し系だったアネット・ベニングが、いい感じに枯れて登場人物たちの心のよりどころになっているところも良い。

 西部劇自体が下火であまり話題にもならなかった映画だけど、見逃すと後悔しそうな作品だ。西部劇は苦手…なんて思ってる方にこそ、ぜひおすすめ。

ケヴィン・コスナー監督。2003年アメリカ映画。

2005年2月28日 (月)

呪怨2

呪怨2 ホラークイーンと呼ばれた女優・京子(酒井法子)は恋人と車で帰宅中に猫を轢いてしまう。これをきっかけに、彼女のまわりには不条理なでき事が次々と起こる。ヒットした和製ホラーの続編で、今回も呪われた家がテーマ。ただし登場人物は幽霊一家(?)以外は一新。

 冒頭からしてまったくつながりのない続編かな、と思ったらしっかりのろいの家は健在だし、恐怖のパターンもパワーアップしながらもまったく同じ。ただし今回は時間の構成がばらばらに外してあり、このストーリーがここにつながるんかぁという面白さがあった。特に朋香(新山千春)が壁をどんどん叩くエピソードや、女子高生(市川由衣)が繰り返し悲鳴を上げるエピソードは見事な作りでにやりとさせられる。後半は「らせん」にも似てるけど「ザ・フライ2」も思わせる。妊婦は見てはいけない。

 ただしいっぱい人が死んでるのに、何事もなかったかのように進んでいくストーリーはちょっとだけ納得がいかない。ホラーではお約束なのかな?

清水崇監督。2003年日本映画。

2005年2月25日 (金)

ペイチェック 消された記憶 (2003)

ペイチェック 消された記憶 マイケル(ベン・アフレック)の仕事は、他社の製品を解析(リバース・エンジニアリング)してそれを上回る改良品を作ること。その最大2ヶ月の契約期間の記憶を消す(契約先にすべての取得技術を提供する)ことを条件に、巨額の報酬を受け取っている。ある日彼のところに9200万ドルという前代未聞のプロジェクトが舞い込んでくる。期間は3年間で彼は引き受けることにするのだが… ディックの短編を原作に、ジョン・ウーが監督した近未来SFアクション。

 それなりに面白い…んだけど、ジョン・ウーがハリウッドに移ったころの映画と比べると物足りなさを感じるのは何でだろう? 単に見る方が飽きちゃったのか、それともワンパターンに陥っているのか。封筒に入った20個のアイテムの謎解きや、中盤から入るバイクチェイスをはじめとするアクションシーン、謎のマシン(笑)をめぐる攻防など見せ場は満載なんだけど、思ったほど盛り上がらないのは不思議だ。このマシン、うさん臭さは「フェイス・オフ」の顔面取り替え手術とどっこいどっこのレベルかも。

 ただのエンジニアと生物学者(ユマ・サーマン)が突然巻き込まれた銃撃戦で大活躍するのは、アクション映画のお約束かな。ユマ・サーマンは「キル・ビル」2作の谷間で撮った作品らしいので、余裕で演じてますが。

ジョン・ウー監督。2003年アメリカ映画。

2005年2月24日 (木)

キル・ビル Vol.2 (2004)

キル・ビル Vol.2 死闘の末にオーレン・イシイ(ルーシー・リュウ)を倒したザ・ブライド(ユマ・サーマン)は、次なる敵であるバド(マイケル・マドセン)が住むトレーラーハウスを襲撃する。話題を集めたバイオレンスムービー、キル・ビルの完結編。今回はマカロニウェスタンとカンフー映画をパロディに。

 荒唐無稽だった前作に比べて、意外と渋くまとまっちゃった完結編。ある意味物足りなさを感じるのは、前作のはちゃめちゃを期待した観客にまじめな人間ドラマを突きつけられたギャップからか? それがタランティーノの外しの美学だって言われたらしゃ?ないんだけど、やっぱ納得いかんぞ。

 キャラクターとしては、新登場のゴードン・リュウ演じるパイ・メイが怪しさ爆発で良い。仙人みたいな外観にかかわらず、ひねくりいがんだ性格がラブリーです。

クエンティン・タランティーノ監督。2004年アメリカ映画。

2005年2月23日 (水)

トスカーナの休日

トスカーナの休日 作家のフランシス(ダイアン・レイン)は突然夫と離婚。すっかり落ち込んでいるところを、友人にイタリア・トスカーナ地方へのツアー旅行のチケットを譲られる。ところが彼女、現地で気に入った古い屋敷を購入することになり…

 フランシス・メイズの同名ベストセラー小説を映画化。監督も女性(オードリー・ウェルズ)で、正に女性の感性で作られた映画。ひさびさの拾いもので、正に元気が出る内容。イタリア・トスカーナ地方の描写が素晴らしく、からっとした気候の中に開放的な空気がみなぎっているのが画面を通じて伝わってくる。ヒロインのフランシスの自分探しの旅なんだけど、からんでくるゲイの友人パティ(サンドラ・オー)や不思議な雰囲気を持つ女性キャサリン(リンゼイ・ダンカン)、枯れた演技が素晴らしいマルチェロ(ラウル・ボヴァ)など脇がしっかり固められていて、一人として無駄なキャラクターがいない。悪人がひとりも出てこない人情ドラマでもある。久しぶりに見たダイアン・レインはとっても魅力的なおばさまになってました。

 フェリーニの古い名作「甘い生活」「カビリアの夜」へのオマージュが入っているのも良いです。

オードリー・ウェルズ監督。2003年アメリカ=イタリア合作。

2005年2月22日 (火)

呪怨

no image 介護ボランティアの理佳(奥菜恵)は、寝たきりの老婆幸枝(磯村千花子)の世話をするために彼女の家を訪れる。ところが家は荒れ果てていて、2階で不気味な少年俊雄(尾関優哉)と出会う。かかわった人間がみんな呪い殺されていく家を描いた和製ホラー。サム・ライミがリメイクしたことでも話題に。

 「劇場版」とパッケージに断ってあるので元はテレビドラマかと思いきや、Vシネマでブレイクした作品らしい。とにかく延々と怖がらせることに徹した作りは潔くホラーの王道をいく感じ。もっともホラー不感症(?)の筆者にとっては、特にどうってわけない作品ではあったのだが、一緒に見てた家内はめちゃ怖がってた。中でもまわり階段のブラインド部分に何かがいるって感覚は相当に怖いらしく、彼女はひとりで自宅の階段をのぼれなくなってしまった。困ったもんだ。

 oga.としては、ふとんの中に逃げ込んだらふとんの中に居た(笑)ってのが怖かった、というか気色悪かった。それ以外はまぁまぁですな。

清水崇監督。2002年日本映画。

2005年2月21日 (月)

ヴェロニカ・ゲリン

no image 90年代のアイルランド・ダブリンは麻薬が蔓延していて子供たちまで蝕んでいた。サンデー・インデペンデント誌の記者ヴェロニカ・ゲリン(ケイト・ブランシェット)は誰もが手をこまねいていたこの問題を次々に記事にする。当然、麻薬組織は彼女を放っておくわけもなく…

 アイルランドでは伝説的なジャーナリストとなっているというヴェロニカ・ゲリンを描いた伝記映画。大好きなケイト・ブランシェットが出てるってことだけでパッケージを手にする。ヴェロニカのことも何の予備知識もなく見たため、中盤は彼女の甘さ(麻薬組織相手なんだからもっと危機管理しろよとか、家族を守れよとか)にいらいらしたりしてある意味駄作かと思ったんだけど、ラストで評価が一変した。やっぱこれは、一般知識として彼女が射殺されるってことを知ってから見る映画だと思う。(導入部でちょっぴりそれを思わせるシーンが挿入されるが)

 戦い大好きで少々きな臭いヤツだと思っているジェリー・ブラッカイマー製作なのでいかにも彼が好きそうなテーマと思ったんだけど、貴重な成功している例かもしれない。

ジョエル・シュマッカー監督。2003年アメリカ映画。

2005年2月17日 (木)

キル・ビル Vol.1 (2003)

キル・ビルVol.1 結婚式を元カレ(?)のビル(デビッド・キャラダイン)に襲撃されてリンチにあい、何年も昏睡状態になっていた元殺し屋のブラック・マンバ(ユマ・サーマン)が目覚めた。となると復讐しかないってことで、服部半蔵(千葉真一)に沖縄で刀を作ってもらいリンチした殺し屋仲間と片っ端から対決していく。4人の殺し屋とビルとの対決を日本を描いた復讐劇の前編。舞台は日本だ。

 何と形容していいのか言葉に苦しむんだけど、好きか嫌いかときかれたら間違いなく好きな映画。日活アクション映画をパロったとしか思えないタイトルクレジットからはじまって、極端にゆがめられた日本。えんえんと続くスプラッティーな戦いなどどれを取っても好き放題に作られたって感じ。

 殺し屋連中も豪華で、ルーシー・リュウ、ダリル・ハンナ、マイケル・マドセン、ヴィヴィカ・A・フォックス、栗山千明といった陣容。栗山なんかこの映画で完全にイロがついちゃったんじゃないかと心配になってくる。さらに途中にアニメパート(しかもジャパニメーション風)があったり、いろいろと楽しませてくれる。完全に2部構成で、4人の殺し屋のうち2人と戦ったところで終わってしまった。

 自分の子供には、絶対に見せたくない映画だな。

クエンティン・タランティーノ監督。2003年アメリカ映画。

2005年2月16日 (水)

肉の蝋人形(1953)

no image 偉人たちの姿を集めた蝋人形館を経営するジャロッド教授(ヴィンセント・プライス)はお化け屋敷に改装しようという共同経営者のバーク(ロイ・ロバーツ)と対立。バークは保険金目当てに屋敷に火をつけ、ジャロッドは大やけどを負い復讐の鬼になる。チャールズ・ベルデンの原作の2度目の映画化。

 ストーリーは33年版とほとんど同じ。ただしこの映画が有名なのは3D(立体)であることで、確かにボールがこっちに向かってぼんぼん飛んで来たり火事の現場で溶けた蝋人形がこっち向かって倒れてきたりと、立体で怖がらせる演出が随所に見られる。またDVD版はカラーなのだが公開情報ではモノクロとなっている。着色か? でもクラシカルな色のノリは雰囲気があって楽しめる。チョイ役(イゴール)で無名時代のチャールズ・ブロンソンが出てるのも話題。

 つくば万博で見た3D映画で、槍や刀や尖ったものが眉間に向かってぽんぽん飛んできたのを思い出した。本作も3Dで見てみたいもんだ。

アンドレ・ド・トス監督。1953年アメリカ映画。

2005年2月15日 (火)

ガール・ネクスト・ドア (2004)

NO IMAGE 生徒会長で優等生・高校卒業間近のマシューは、卒業アルバムに書く思い出がまったくない事にがくぜんとする。綺麗な彼女を作って羽目を外したい…と思っていたところへ、隣の家にブロンドの凄い美人が引っ越してくる。彼女の着替えを見てしまったことから仲良くなる二人だったが、実は彼女はAV女優だった… いわゆる性春映画の1本だが、爽やかな作りに好感が持てる。

 24シリーズのエリシャ・カスバード主演ということでDVD化された作品のようだが、24は見てないので私にとっては無名の人たちの映画。ということでまったく期待しないで見たんだけど、主演のエミール・ハーシュ(デュカプリオみたいなタイプ)のハンサムなんだけどどこかあか抜けないキャラや、魅力たっぷりのエリシャ、そして後に大活躍するマシューの友達二人など、青春映画のツボを押さえた作りで楽しめた。トム・クルーズの出世作「卒業白書」ともどこかかぶったなぁ。エミール・ハーシュとエリシャ・カスバードはこの後大化けするのか楽しみだ。

 マシューのさえない学生生活って、彼女が登場しなかったら私の学生時代と似てたかもしれない。奨学金もらうほど頭良くはなかったけど。

ルーク・グリーンフィールド監督。2004年アメリカ映画。

2005年2月14日 (月)

ロスト・イン・トランスレーション

ロスト・イン・トランスレーション 日本へサントリーのCMに出るためにやってきたハリウッドスターのボブ・ハリス(ビル・マーレイ)。言葉もわからずホテルでほとんど囚われの身にいるところで、フォトグラファーの夫に連れられて滞在中のシャーロットに出会う。東京を舞台に中年男と人妻のひとときのふれあいを描いて、アカデミー脚本賞を受賞した作品。

 いきなり主演女優スカーレット・ヨハンソンの尻のアップではじまってびっくりしたけど、全体的に彼女の魅力が際立ってた感じ。ホテルのシーンでは必ず綺麗な足をスクリーンにさらして、彼女のための映画か、と思いきや、監督が女性(ソフィア・コッポラ)だったのでこれまた意外であった。

 異国の寂しさの中で知り合った男女がプラトニックにひかれ合うという内容でほとんど起伏もないストーリーなんだけど、最後まで一気に楽しめたのは主演の二人の魅力によるところ大きいと思う。「テンション上げろ」「パッションだ」とわけわからない指示を出すCM監督に苦笑いし、ヘンなバラエティ番組に出ながらも街角の自分の看板にちょっと良い気分になるボブ・ハリス。思わず来日したハリウッドスターの気分になって「わかる、わかる」と言ってしまいそうな雰囲気だ。日本人が多数からんでくるのに、どいつもこいつもヘンなのは日本蔑視かとも思ったけど、これはこれで滞在した者にとっての正直な日本の感想なんだと思う。まぁ海外旅行するとまわりがこんな感じだから、誰でも人恋しくなるもんだ。

 ところで町中でビル・マーレイを見かけると名前は知らなくてもほとんどの日本人は「ゴースト・バスターズ」と叫ぶんでは?

ソフィア・コッポラ監督。2003年アメリカ映画。

2005年2月12日 (土)

肉の蝋人形(1933)

no image 芸術家ジャロッドは世界の偉人を蝋人形にした博物館を運営しているが、客が入らず借金をかかえている。ここをお化け屋敷にしたい共同経営者のバークと意見が対立、バークは保険金目当てで博物館に火を放ちジャロッドは大やけどを負う。1933年製作の猟奇犯罪映画の先がけ的作品。後に2回リメイクされている。

 ストーリーは53年版とほぼ同じで、当時の映画のレベルから考えるとかなりショッキングな内容だっただろうと推測される。お化け屋敷に改装された蝋人形館もモノクロがいい効果を生んで雰囲気たっぷりで、今見ても面白い内容だ。ちなみにヒロインは、キング・コングに握りしめられてエンパイア・ステートビルを登る(笑)ことでおなじみのフェイ・レイである。先ごろ訃報が流れていたのは残念だ。

 ラスト近くにとある重要人物の顔が割れて別の顔が出てくるというオチがあるんだけど、蝋で作った顔なんて見れば誰でもわかるだろうって突っ込みを入れたくなったぞ。

マイケル・カーティス監督。1933年アメリカ映画。

2005年2月11日 (金)

レディ・キラーズ

no image 古い音楽や歴史の専門家G.H. Dorr教授はミシシッピーにあるマンソン夫人の屋敷に間借りすることになる。実は教授は大泥棒のペテン師で、屋敷の地下室からトンネルを掘って近くに停泊するカジノ船の売上を強奪する計画だった。かくして屋敷にはうさん臭い泥棒仲間が音楽家だと偽って集まってくるが、マンソン夫人にすっかりやりこめられて… イギリス映画「マダムと泥棒」をコーエン兄弟がトム・ハンクスを使ってリメイク。

 トム・ハンクスのうさん臭い教授、かくしゃくとしたマンソン夫人、そして黒人コメディ風の下品な笑いが奇妙なアンサンブル。ゴスペルやらポーの詩やらいろんな文化がごった煮になって、結局はゴミ収集船に落ちていく(笑)映画。と書いてもわけわかんなければ、とにかく見て下さい。オープニングはイマイチのりが悪いのですが、エンジンがかかってくるとがぜん面白くなっていく感じで、すべてのパズルが最後でぴたっとハマるのは気持ちいい。原作は未見なんですが、いかにもイギリスの笑いって感じのストーリーに興味を持ちました。

 余談だけどDVDのメニュー画面、何かと思ったら橋の上から見たゴミ収集船でした。ゴミの山には何が埋まってるかわからない…

ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督。2004年アメリカ映画。

2005年2月 9日 (水)

つめたく冷えた月 (1991)

no jacket image  中年のおっさんでありながら職も持たず勝手気ままに生きるデデと、なぜか彼と気が合うシモンの二人組。毎日好き放題にぐうたらと過ごす彼らだったが、実は人に言えない秘密があった。チャールズ・ブコウスキーの短編小説「人魚との交尾」他1編を元に撮られたモノクロ映画。プロデューサーはリュック・ベッソン。

 病院から盗み出した死体と関係してしまうというブラックな内容をコミカルなタッチで描いた映画。こういった内容に関しては進んでいるというイメージのあるフランスだが、社会のタブーに触れたということでセンセーショナルな話題になったというのは意外でもある。

 もっとも真性の死姦(?)を描いたわけではなく、ふざけて盗み出した死体がめちゃめちゃ美人でグラマーで見てたらそうなってしまったというのがひょっとして起こりうる話なんかなぁと思ってしまった。すれた売春婦ぐらいにしか相手にされないくたびれた二人の「こんないい女は、死んででもなきゃ俺たちには手が届かない」というセリフが心に残る。海に死体を捨てにいくところは、少年が気に入ったポルノ写真を親にばれそうだからと泣く泣く捨てるような雰囲気だったなぁ。

 リュック・ベッソン、この頃はまともな映画を作っていた。

パトリック・ブシテー監督・主演。1991年フランス映画。

2005年2月 8日 (火)

リトル・ダンサー (2000)

リトル・ダンサー 80年代のイギリスの炭坑町を舞台に、11歳の少年ビリーがバレエに目覚め、バレエ教師のウィルキンソン先生の薦めでバレエ学校を受験するまでを描いたホームドラマ。バレエにはまった男の子を、炭坑閉鎖による父親や兄の失業などを背景に描いた社会派作品でもある。

 荒っぽい炭坑夫の父に育てられ(母はいない)ボクシングを習っていた男の子が、同じ体育館で練習していたバレエの方にはまってしまうというシチュエーションがいかにもありそうで面白い。父や同じく炭坑夫の兄に、男の子がバレエを習うことが理解できるわけもなく当然ながら衝突するのだが、先生の助力もあり次第に事態を切り開いていくのがおおまかなストーリー。

 ジミーを演じるダンスのうまいジェイミー・ベルくん、父親役のいかついゲイリー・ルイス、バレエを教えるジュリー・ウォルターズとみんな存在感があって良い。おかまの友達も笑わせてくれる。父親がビリーに折れてスト破りをするシーンはけっこうぐっときました。父親が息子のために自分の高い高いプライドを捨てる瞬間の、何と感動的なことか。

 ひとつだけ違和感があったのは、筋肉ムキムキの白鳥!!(大阪にもあのバレエ、公演に来るそうだが)

スティーヴン・ダルドリー監督。2000年イギリス映画。

2005年2月 7日 (月)

特別な一日

特別な一日 第2次大戦前のドイツ・ナチスと同盟を結んだ頃のムッソリーニ政権下のイタリアが舞台。7人の子持ちの主婦ガブリエラが夫と子供たちがナチスのパレードに行ったあとの散らかった部屋を片づけていると、飼っていた小鳥が窓から逃げてしまう。鳥は向かいのアパートの窓にとまり、それをきっかけにレジスタンスの男ガブリエルの部屋に入るのだが…

 ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニという、名作「ひまわり」のコンビで撮られた小品。今回はソフィアのひとり舞台といった内容で、前半は子育てで本当に疲れた主婦…というかやつれたおばちゃんが次第にきらきらと輝いていく演技は凄い。さすが大女優である。反面マストロヤンニは一本調子な感じではあるが、意識して受けに回っているのであればこれまた見事と言えるだろう。ナチスに熱狂した時代の空気が伝わってくる秀作でもある。

 ソフィア・ローレンって70年代はキャンペーンで日本にも来てたなぁ…

エットレ・スコーラ監督。1977年イタリア=フランス合作。

2005年2月 4日 (金)

アイ、ロボット

アイ、ロボット 2035年のシカゴ、ヒト型ロボットは当たり前になり、生活の中にどっぷりとけ込んでいる。ところがロボット開発の第一人者ラニング博士が謎の死を遂げ、ロボット嫌いの刑事スプーナーが捜査を担当することになる。アシモフの有名な「ロボット三原則」を下敷きにしたSFアクション映画。

 未来SFの王道って感じの作りで、アクション満載でぼ?っと見ていても楽しい内容。登場するロボット「サニー」は顔だけが有機質っぽい感じで、CGのない時代では絶対にできない造形ではないだろうか。ロボットが意志を持つという意味では成功してると思う。

 このストーリー、考えようによっては結構深いんじゃないかなあ。無料で全家庭にロボット配ってオート・アップデートで世界を牛耳ろうなんて、なんか某パソコンソフトの世界の戦略にそっくりのような。某社が血迷うととんでもない未来が待ってるっていう警鐘かも。

 タダほど高いものはない… ウィル・スミスって人間以外との共演が多いなぁ。

 アレックス・プロヤス監督。2004年アメリカ映画。

2005年2月 3日 (木)

ランボー 地獄の季節

no jacket 放浪の天才詩人アルチュール・ランボーが、アフリカに渡り武器商人をやっていた頃を描いた伝記映画。いわゆるミニシアター系の作品で、傍若無人なランボーの生き様、同性愛に関するエピソード、そして武器商人としての姿などが淡々と描かれる。

 oga.はランボーの詩を読んだこともないし予備知識もゼロなのでどうこう書くのも何かもしれないが、彼の生き方に共感できるわけでもなくこんな気むずかしくて情緒不安定なヤツが近くにいたらヤだなぁなんて思いながら1時間半を過ごしてしまった。伝記映画なら、その人の事をもっと知りたくなるように作ってもらいたいもんだ。

 ランボー役は名優テレンス・スタンプ。音楽はモーリス・ジャールです。

ネロ・リージ監督。1971年イタリア=フランス合作。

2005年2月 2日 (水)

ミスティック・リバー

ミスティック・リバー 路上で遊んでいたジミー、デイブ、ショーンの3人だったが、変質者に誘われてデイブだけが誘拐・監禁されてしまう。数日後に帰ってきたデイブだったが、それ以降彼らは遊ぶことがなかった。25年後、ジミーの娘が死体で発見されるという事件が発生。最後の目撃者のひとりがデイブだったことと、ショーンが警察官になっていたことから3人は再開するのだが… ミステリー仕立ての人間ドラマ。

 やっぱ子供を持つ親の身としては冒頭の誘拐シーンがとても心にひっかかった。あの事件が登場人物すべての人生に影響して、少しずつ狂わせていく。それが元になってあの結末か?と思うと、本当に救いようのない映画ですね。ジミー自身にはどこかアブない雰囲気が最初から最後までただよっていて(ショーン・ペンやっぱりうまい)、なるべくしてなった結末という感じなんですが。デイブはただひたすらお気の毒。成長してからのぱっとしない雰囲気は、ティム・ロビンスうまい。「激流」以降は悪役のイメージが強いケヴィン・ベーコンを刑事にするってのもうまいキャスティングですね。

 クリント・イーストウッド監督の映画は地味好みで渋い(ある意味暗い)というイメージがあるのですが、これはそれがいい具合に作用して見応えがありました。本当に救いようのない話なんだけどね。

 クリント・イーストウッド監督。2003年アメリカ映画。

2005年2月 1日 (火)

イン・ザ・カット

イン・ザ・カット 大学教師のフラニーは、猟奇殺人の犯人と思われる男にバーで遭遇したことをきっかけに刑事マロイと知り合う。マロイに誘われるまま、心も体も開いていく彼女だったが… メグ・ライアンがひと皮むけた(?)エロティック・サスペンス。

 「素顔のままで」をきっかけに、おもいっきり下品にむけちゃったデミ・ムーアを連想して心配したんだけど、こういう役を演じても彼女はキュートで可愛いですね。彼女にしてはかなりきわどい役をやりながら、見たあとに彼女のイメージがあんまり変わらないのは凄いと思う。

 なぜエロティック+猟奇殺人なんだろうっていうのも心配だったんだけど、そのへんも見終わってみて納得。女性の妄想みたいなのがひとつのテーマになってるんだけど、「ピアノ・レッスン」の女性監督が撮ってるだけにこれは男の勝手な妄想で作られた映画ではないという安心感がありました。

 マーク・ラファロのエロい親父はハマり役。ケヴィン・ベーコンは何だったの? そしてメグ・ライアンは次回作が楽しみだ。

ジェーン・カンピオン監督。2003年アメリカ映画。

2005年1月31日 (月)

トーマス・クラウン・アフェアー (1999)

トーマス・クラウン・アフェアー 成功した実業家トーマス・クラウンは、自分の絵画を盗むという奇想天外な犯罪を成し遂げる。ところが派遣されて来た凄腕の保険調査員のキャサリンと恋に落ち… スティーブ・マックイーンとフェイ・ダナウェイ主演の「華麗なる賭け」のリメイクで、ダナウェイ自身もセラピスト役で出演する話題作。

 「華麗なる賭け」はどうってことない映画だと思ってたんだけど、こうやっていざリメイクされていると心の中に刻み込まれているというか、やっぱ影響力大の映画だったんだなぁって思ってしまう。前作のマックイーンはどう見てもワイルドな体育会系で、頭の良い実業家で大富豪ってイメージが合わない点がかっこ良かった。今回のピアース・ブロスナンは、はまり役だけにかえって面白くない。有名なグライダーのシーンはリメイクでは無いだろうなって思ってたら、あった。あっさりと流した感じだけど。主題歌はやっぱり「風のささやき」だよなあって思ってたら、これも最後の最後で演奏された。しかもスティングの歌で!!!

 なんか…すべてがしっくり来ない。

ジョン・マクティアナン監督。1999年アメリカ映画。

2005年1月28日 (金)

ミシェル・ヴァイヨン

ミシェル・ヴァイヨン レース一家のヴァイヨン家の母エリザベスは、息子ミシェルがル・マン24時間レースで大クラッシュする夢を見てうなされる。その頃ミシェルはラリーで転戦していたのだが、ヴァイヨンチームのかつてのライバル・リーダーがル・マン24時間に復帰することを知る… ヨーロッパを舞台にしたレースアクション。原作はフランスの人気コミックで、脚本はリュック・ベッソンが担当。

 リアルなレースシーンは車好きには結構見せてくれる内容なんだけど、いかんせんドラマがステレオタイプで面白くない。まるでB級のアメリカ映画って感じのストーリーで、最近リュック・ベッソンってスランプなんかなぁと思わされてしまう。ル・マンの途中でドライバーが相手チームと入れ替わって分からないわけないでしょ?? とはいってもレースの本場ヨーロッパで撮られた映画だけに、その雰囲気だけは本物が感じられる。細かいことだが、ヴァイヨン・ファミリーの末娘が豪邸の庭でペダルに足も届かないのにスーパーカーを運転するエピソードなんかは、ヨーロッパのレース文化の奥深さを感じさせてくれる。

ルイ・パスカル・クーヴレイル監督。2003年フランス映画。

2005年1月27日 (木)

シービスケット

シービスケット 1930年代の恐慌に苦しむアメリカ。息子を交通事故で亡くし妻とも別れた大富豪のハワードは、再婚して競馬の世界を知る。やがて調教師のスミス、騎手のレッド、そしてシービスケットという小柄の馬と出会い、奇跡の連勝劇が幕を開ける…

 原作はローラ・ヒレンブランドのベストセラー小説で、実話だという。スミスが怪我をした競走馬の射殺を止めるエピソードや、落ちこぼれ馬のシービスケットが才能を見いだされるくだり、それに騎手レッドの生い立ちなど数々のエピソードが積み重ねられる前半はドラマチックで魅力的。しかし馬が爆走しはじめてからの後半がイマイチ乗り切れなかったのはなんでだろう? 「全米が泣いた」そうだが、私は泣けなかった。音楽ばっかり盛り上がってた邦画の「優駿」なんかよりは数段面白かったが。

ゲイリー・ロス監督。2003年アメリカ映画。

2005年1月26日 (水)

イン・アメリカ 三つの小さな願いごと (2003)

イン・アメリカ 三つの小さな願いごと 売れない舞台俳優のジョニーとその妻サラ、幼い姉妹クリスティとアリエル。アイルランド出身の四人家族が、父親の失業をきっかけにカナダから国境を越えてニューヨークへと無一文で移り住んで来る。安アパートをみつけてジョニーはタクシー運転手を、サラはアイスクリーム屋でバイトをして何とか暮らしていくのだが、家族には失った男の子の暗い影がいつもつきまどう。監督ジム・シェリダンの自伝的ストーリーらしく、脚本も彼の二人の娘ナオミ・シェリダンとカースティン・シェリダンが担当。

 家族のストーリーを等身大の視点で描いて、何とも心に残る物語。無一文で移民してきて、いかにも治安の悪そうなアパートでの不安感が見る者にもひしひしと感じられる。ちょっとたよりなげだけど、家族のために必死のジョニー、自然な演技が素晴らしいクリスティとアリエル姉妹、近所に住む「叫ぶ男」ことマテオ、そして短髪が似合う強い母サラと、登場人物みんなみんな素晴らしい!!

 ニューヨークの下町の慣れない空気、重苦しい空気が、映画が進むにつれてすっと晴れていくのが感じられます。「願い事は三つだけかなう」と言ってなくなった弟ですが、その三つの願い事をアリエルがささやかに使うあたりがいいですね。

ジム・シェリダン監督。2003年アイルランド=イギリス合作。

2005年1月25日 (火)

トロイ

トロイ 紀元前12世紀のギリシャを舞台に、スパルタとトロイの戦いを描いた歴史スペクタクル映画。最強の戦士アキレスをブラピが、トロイ王子をエリック・バナが演じて話題の映画。

 戦争の勃発する原因はスパルタ王妃とトロイ王子(弟)の不倫なんだけど、それをきっかけにスパルタがトロイに攻め込んでいくだけのストーリーなので予備知識なく見ても混乱することはない。しかも2時間半が一気に終わってしまうほど面白い。ブラピの演じるアキレスって意外性を感じなくもないが、体のでかいヤツだけが強いわけではない。意外と火矢とかびゅんびゅん飛んでくる戦場では、小柄な方が矢に当たらなくて良いのかもしれない。

 有名なトロイの木馬のエピソードも登場するが、えらくあっさりと描かれるところに拍子抜けした。なぜ木馬なのか、誰が考えたのか、などは一切省略。つまり史実としてはわかっていないということなのか。潔いといえば潔いんだけど、観客の半分ぐらいはこの木馬が見たくてこの映画を見始めたのでは。

 スペクタクル部分はなるほどの迫力で、モブシーンや船が大挙して攻めてくる部分も凄い。ひと昔前だと「構想10年・撮影2年・もうこんな撮影は不可能」なんてコピーが付きそうなところだけど…… CGだと「コピペで増量したんだろうなぁ」と冷めたことを考えながら見てしまった。

ウォルフガング・ペーターゼン監督。2004年アメリカ映画。

2005年1月24日 (月)

ブラザーフッド

ブラザーフッド 1950年のソウル。仲の良い兄弟ジンテとジンソクは、勃発した朝鮮戦争に巻き込まれて二人とも出征する羽目になる。自分が手柄を立てて、弟だけでもソウルへ送り返そうと考える兄だったが…

 「シュリ」のカン・ジェギュ監督で、主演は人気絶頂のチャン・ドンゴンとウォンビン。韓国では大ヒットを記録した映画らしい。なるほど、全体的には「プライベート・ライアン」をパクったかのような乾いたフィルム処理と残酷な戦場の描写が目に付くが、朝鮮戦争にうまく昇華させたという感じ。少々ウェットなドラマ部分は一時期の邦画戦争大作を思わせるようなノリで、やっぱ韓国って近くて遠い国なんだなぁと感心させられる。いずれにしても身内が分断して殺し合うという内戦は恐ろしいものだ。

 カン・ジェギュ監督。2004年韓国映画。

2005年1月21日 (金)

マッハ!!!!!!!!

マッハ!!!!!! タイの田舎の村ノンプラドゥで村の守り神(?)である仏像の首が盗まれる。悲観に暮れる村人たちの期待を集めたのは、ムエタイを極めた若者ティン。かくして彼は村の期待を背負って、犯人のドンを追って大都会バンコクへと乗り込んで行く。

 CG、ワイヤー、スタントマンは使いません、早回しはしません、というコピーで注目された映画…だけど、ちょっと前まではアクションってこういう映画の方が多かったよなぁ。主演のトニー・ジャーは田舎から出てきた若者という役柄が似合っている好青年で、確か来日(来阪)してイベントとかもやってたような記憶が。

 ストーリーはストレートで単純なアクション映画なんだけど、とっても楽しめてしまった快作です。私が高校生の時に公開されて大好きだった香港映画「スカイハイ」を思い出してしまった(ブルース・リーが死ななければ、次回主演作に予定されていたという映画)。単にムエタイのファイトだけにとどまらず、3輪タクシーのチェイスとか楽しめるシーン満載です。タイ映画って珍しいんだけど(「悲恋の橋」ぐらいしか見た記憶がない)、これを機会にもっと公開されると良いと思います。

プラッチャヤー・ピンゲーオ監督。2003年タイ映画。

2005年1月20日 (木)

シュレック2

シュレック2 前作で結ばれたフィオナ姫とシュレックのところへ、フィオナ姫の両親から「遠い遠い国」へ花婿を連れて帰って来いとの招待状が届く。ところが呪いを解かれるどころか、怪物の花婿を連れて帰ってきた姫を見て国民たちは騒然。フィオナの父であるハロルド国王は、怪物退治の専門家まで雇う始末に。声優陣にアントニオ・バンデラス(長靴をはいた猫)を加えて豪華キャストで送るヒットCGアニメの続編。

 とまあ結構評判も良い続編なんだけど、個人的には今一歩食い足りない感じ。敗因を考えると、細かいギャグは面白かったにせよストーリーが「遠い遠い国」にこじんまりとまとまっちゃって、前作にあったロードムービー的なわくわく感がなかったような。

 れいによって名作映画のワンシーンなどが満載されていて確かに探す楽しみはあるんだけど、見つけたからって別に笑えなかった(私だけかも)ってのが辛いところ。どっちかっつうとエディーとバンデラスのかけあいとか、猫に関するギャグとかが好き。王妃の声がジュリー・アンドリュースだったってのは最後のスタッフロールまで気づかなかったなぁ。なお今回は日本語版はノーチェックです。

 アンドリュー・アダムソン、ケリー・アズベリー、コンラッド・ヴァーノン監督、2004年アメリカ映画。

2005年1月19日 (水)

シュレック

シュレック 人々に恐れられる怪物シュレックがひょんな事から囚われのフィオナ姫を助ける旅に出ることになる。声優にマイク・マイヤーズ、キャメロン・ディアス、エディー・マーフィ、そして悪役にジョン・リスゴーを迎えての大ヒットCGアニメーション。

 おとぎ話の主人公を大挙出演させて、かなり毒のあるギャグをちりばめた大人でも結構笑える映画。子供の目にははどうかな、と思ったけど、6歳の息子も吹替版を見て大笑いしてました。下品なシュレックが最高だし、しゃべりまくるドンキーもいかにもエディですって感じで良いキャラ。何よりも美男・美女のストーリーでまとめあげてない点が好感が持てます。

 日本語版はハマちゃんと藤原紀香の関西弁バージョンという趣向なんだけど、かなり作品の空気が変わってしまっている。健闘してるんだけどね。

アンドリュー・アダムソン、ヴィッキー・ジェンソン監督。2001年アメリカ映画。

2005年1月17日 (月)

パッション

パッション キリストが捕らえられてから処刑されるまでの最後の12時間を描いた映画。メル・ギブソンが私財をなげうって作った映画らしいが、メル様って拷問に傾倒してない?

 予備知識は不要で、最後の12時間に何が起こったかを黙々と描いていく映画。この最後の12時間だけという割り切りの良さが成功していて、ごちゃごちゃ周囲を描写するよりもキリストの受難を見ろ!というストレートな映画にまとまっている。キリストを拷問しはじめてから磔にするまでの残酷描写はなかなかのもので、これからキリスト像を見る目が変わりそうだ。

メル・ギブソン監督。2004年アメリカ・イタリア合作

2005年1月15日 (土)

アイズ・ワイド・シャット

no jacket image 「フルメタル・ジャケット」から実に12年ぶりにメガホンをとったスタンリー・キュブリック監督の最新作であり、遺作。主演のトム・クルーズとニコール・キッドマン夫妻も直後に離婚と何やらいわくつきの作品である。

 医者のウィリアムと妻のアリスは友人のパーティーに出席する。お互い、浮気するチャンスに出会いながら、まじめな二人はそれなりにやり過ごす。ところがその後の二人の会話のいさかいから、ウィリアムは妻が浮気をする妄想にとらわれて夜の街をさまようことになる・・・

 毎度ながらキューブリックの語りの加減が妙に舌足らずで、そこが見る者の妄想もさそって実にヨイ。特に中盤の秘密の館(?)に入ってからラストまでのくだりはストーリーも面白く、最後まで一気に見せられた。いろんなテーマが盛り込まれているだろうけど、ポイントはウィリアムが妻に何気なく言った「美しい女を見たら誰だって誘いたくなるに決まってるだろ」という一言に集約されているような。アリスが「じゃ、あなたもそうなの?」と切り返したところからストーリーは一気にこじれて、気が付いたらウィリアムは秘密の館にいるのである(笑)。特に夫婦間の、何気ない一言には気をつけよう。

 スタンリー・キューブリック監督。1999年アメリカ映画。

2005年1月14日 (金)

サンダーバード


サンダーバード
 60年代にヒットした有名な特撮人形劇「サンダーバード」のリメイク。登場人物は人形ではなく役者が演じている。元々人形劇なので今回のを実写版というのはヘン・・・何て言うんだろうね?

 登場メカは大幅にリファインして重量感たっぷりなんだけど、まだ高校生のアラン・トレイシーを主人公にして全体としてはキッズムービーに仕上げた感じ。当然ストーリーもアクションのノリも軽めで、子供向きだと構えて見た方が良いかも。まぁ元々が子供向け番組なので、視聴者が大人になったからって大人向けの内容を期待してもしゃあないかなあって感じ。

 今回のトレーシーパパは活動的で、基地で指揮をとるのではなく現場にホイホイと行ってしまう現場主義者(?)。そのせいか悪役フッドに基地を乗っ取られてしまうのだが、フッドも基地を捨ててホイホイとロンドンへ銀行強盗に出向く始末。どっちもどっちか。ピンクづくめのペネロープも、オトナコドモしてて何か不気味です。

ジョナサン・フレイクス監督。2004年アメリカ映画。

2005年1月12日 (水)

21グラム


21g

 余命1ヶ月で心臓移植の提供者を待つポール、チンピラだが改心して信心深く子育てにいそしむジャック、二人の娘を育てるクリスティーナ。そんな3人の男女がひとつの事故をきっかけに結びつき、運命に翻弄されるという人間ドラマ。タイトルの21gってのは魂の重さで、人が死ぬ時それだけ軽くなるという(確かに子供の頃、トンデモ本で読んだ記憶がある)。

 クセのある役者を使って命の重さや人生の重さを一気に見せてくれる秀作。さすがにショーン・ペンはうまい。若い頃のデ・ニーロやアル・パチーノを思わせると書いてしまえば言い過ぎか? 美人だけど乾いた雰囲気を持つナオミ・ワッツもいい。ひたすらムサいベニチオ・デル・トロも最高。

 難を言えば、編集がくちゃくちゃで時間が前後しながら束になって通り過ぎていく感じなのでぼ?っと見てたらわけわかんなくなる。でもちょっとだけ未来予測できるつなぎ方はツボにはまるとかえって楽しめる。タイトルバックに写るポールとクリスティーナなんて、ほとんどラストシーンなのにここに入れてしまうところがニクい。

アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督。2003年アメリカ映画。

2005年1月11日 (火)

箪笥


箪笥

 療養生活終えたスミとスヨンの姉妹は、父と継母の住む家へ帰ってくる。美人だけど冷たい継母のウンジュと姉妹はやがて対立を深め、4人のまわりには不思議な出来事が次々に起こる・・・

 韓国製ホラー映画で、スプラッタ風パッケージなんだけど怖がらせる手法や雰囲気は日本の怪談ものに近い。「怖い」以前に「暗さ」がただよっているのもこの映画の持ち味かも。きゃーきゃー言うよりも、ラスト近くにスミが出ていくときにウンジュが行ったセリフが意味深でじわ?っとコワい。

 タイトルの「箪笥」は、花柄模様が入ったようなデザインで日本のものとは若干雰囲気は違う。とはいっても「モンスター・イン・ザ・クローゼット」という映画があったように、洋服入れの中に何かあるというのは世界共通のホラー認識かも。次回作は「布団」かな?(中になにがくるんであるかわからない感覚も怖いかも)

キム・ジウン監督。2003年韓国映画。

2005年1月10日 (月)

ヴァン・ヘルシング


ヴァン・ヘルシング
 ドラキュラの宿敵ヘルシング教授を主人公にしたアクションホラー映画。彼はヴァチカンの密命を帯びた妖怪ハンターって設定で、宿敵ドラキュラとその配下の狼男、フランケンシュタインの怪物と戦うという「リーグ・オブ・レジェンド」に近い企画の作品。

 れいによってCGてんこ盛りで、最近のハリウッド映画的雰囲気は見せ場を作れば作るほど全体のテイストが薄まっていく感じ。ラストの空中アクションなんて緊迫感ゼロだけど笑える。ヒロインのケイト・ベッキンセイルってどっかで見た顔だと思ったら「パール・ハーバー」のヒロインだったのかぁ。何かこっちの方がハマってる感じがするぞ。一番トクしてるキャラはフランケンシュタインの怪物かな。

スティーヴン・ソマーズ監督。'04年米作品。

2005年1月 8日 (土)

エアポート'04

 「大空港(70米)」からスタートしたエアポートシリーズだが、有名な75,77,80以降になんと98,99,2000,2001,'02,'03と続いているようである。そして今回手にした'04は大都市に旅客機が急接近というパッケージにパニック超大作を思わせられたんだけど… すっかり騙されました。

 原題は「Junior Pilot」ということで、中身はいわゆるキッズコメディ。乱気流でパイロットが気絶した機内で、ハイスクールの少年がビデオゲームで覚えた操縦で機を救うという内容(一気に書けてしまった)。乱気流の描写がいかにもチープでご愛敬。テレビムービーかと思ったけど、画面がワイドなんで一応劇場版みたい。同じような内容でも、ジョン・ヒューズあたりが作るといかにも映画って雰囲気になるから不思議である。

ジェームズ・ベケット監督。2004年アメリカ映画。

2003年5月 8日 (木)

クルージング (1980)

クルージング ハードゲイの世界を世に知らしめた話題作。なんと言っても、ゲイの雰囲気にアル・パチーノがぴたっとハマってるのがご立派。あんな潜入捜査、ストレートな彼が受けてどうなるんかとハラハラしながら見てたんだけど、いずれも寸前でかわしていたのを見て納得。それだけに、ラストは衝撃的と言うよりもわけわかんないというか説得力がないような気がいたしました。

CRUISING
出演 アル・パチーノ、カレン・アレン、ポール・ソルヴィーノ、リチャード・コックス、ドン・スカルディーノ、ジョー・スピネル、ジョー・アコボーネ、バートン・ヘイマン
ウィリアム・フリードキン監督。1980年アメリカ映画。

2002年3月 6日 (水)

バイオレント・サタデー (1983)

バイオレント・サタデー しょっぱなから乾いたタッチで始まるペキンパー風スパイアクション。しかし事件の背景がいきなりコマギレ状態で語られるので、見てるほうもしんどい上にストーリーが追えないのがイマイチ。まぁ中盤からは、意外と単純な流れのサバイバル戦へと突入していくのだが。主人公がテレビキャスターで、メディアと描いたあたりが今風のストーリーかも。

THE OSTERMAN WEEKEND
出演 ルトガー・ハウアー、ジョン・ハート、デニス・ホッパー、クレイグ・T・ネルソン、クリス・サランドン、メグ・フォスター、ヘレン・シェーヴァー、キャシー・イェーツ、バート・ランカンスター
サム・ペキンパー監督。1983年アメリカ映画。

1998年2月13日 (金)

赤いハンカチ (1964)

赤いハンカチ 麻薬組織を追う二人の刑事。しかしそのうちの一人は逃げようとした重要参考人を射殺してしまう。射殺した男の娘とのしがらみもからみ、世捨て人となり季節労働者や流しとなるのだが、仕組まれた事件の罠にやがて気づいていく。2転3転するストーリーがなんとも意外性たっぷりで、加えてテンポも良いのでぐいぐい引き込まれて見てしまう佳作。渋いハードボイルドなのだが、日本でやるとひたすら暗くも感じてしまうのはちょっと惜しい感じ。

出演 石原裕次郎、浅丘ルリ子、二谷英明、金子信雄、芦田伸介舛田利雄監督。1964年日本映画。

1998年2月 1日 (日)

幕末太陽傳 (1957)

幕末太陽傳 幕末の品川遊郭を舞台に、そこに繰り広げられる人間模様を描いたコメディ。フランキー堺が俗物丸だしのお調子モノを好演し、しぶい役者(石原裕次郎、南田洋子、左幸子、小林旭、小沢昭一、二谷英明、金子信雄…)が脇を固めているという構図なんだけどこのひょうひょうと生きるという江戸っ子気質がどうにも感情移入できない。しかも何かと話題になる名作と構えて見たからか、正直言って途中で見るのがしんどくなってくるほど退屈であった。落語やら何やら、予備知識というか教養がないとこりゃちょっと楽しめないんだろな。

川島雄三監督。1957年日本映画。

1998年1月 3日 (土)

桜の森の満開の下 (1975)

桜の森の満開の下 平安時代の奈良の山奥。山賊(若山富三郎)が京の男を殺しその妻(岩下志麻)をさらって自分の妻にしてしまう。ところが彼女は男にいろんな物を要求し、しまいには二人で京へ移り住んで彼女の命ずるままに人間の首を狩るようになってしまう。桜の木の下には髑髏が抱かれているなんて話があるけど、そういった伝説を背景にした猟奇ロマン。若き岩下志麻の魔性っぽい魅力やら舞い散る桜の花びらやらが独特な雰囲気をあげていて意味不明ながらも面白い。ロケ地はたぶん吉野だろうなあ。

篠田正浩監督。1975年日本映画。

仁義なき戦い 広島死闘篇 (1973)

仁義なき戦い 広島死闘篇 東映やくざ路線の大ヒットシリーズ第2作。広能(菅原文太)は山守組を出てスクラップ工場で小さな組を開いている。その彼が刑務所で出会った山中(北大路欣也)は、広島の村岡組と盃を交わして宿敵大友連合との抗争に巻き込まれていく。今回は広能は脇役にまわり、やくざの抗争の中で翻弄される新米やくざを北大路が熱演している。ラストがハイコントラストでCGみたいな画面になるのも、なかなか効果をあげている。

 悲劇の山中とは対象的に相変わらずふんぞり返って好き勝手している山守(小池朝雄)の憎々しさはなかなかのもの。彼が生きている限り、このシリーズは見続けないといけないな、なんて気分にさせられる。このシリーズで注目された川谷拓三が主役たちの背後でメンチ切ってる姿なども必見かもしれない。

深作欣二監督。1973年日本映画。

1997年6月27日 (金)

哀愁 (1940)

哀愁 メロドラマの古典。背景に戦争があったり、家柄の違いによる葛藤があったり、はたまた悲しいすれ違いなどなど今日のメロドラマの要素をぎゅっと詰め込んだような造りで、気の強そうなヴィヴィアン・リー(相手役はロバート・テイラー)がまさにはまり役。主人公カップルの間を行ったり来たりするお守りがビリケンさんなのには思わずにんまりさせられた。

マーヴィン・ルロイ監督。1940年アメリカ映画。

1997年1月 3日 (金)

仁義なき戦い (1973)

仁義なき戦い 敗戦後の呉の闇市で復員兵の広能(菅原文太)はけんかで人を殺し刑務所に入る。出所すると彼を待っていたのは山守組の組長(金子信雄)で、広能は盃を交わす。広島やくざ戦争を実録風に描いた東映のヒットシリーズの第1作。とにかく冒頭からテンションは上がりっぱなしで、登場人物は怒鳴りっぱなし。これって本当に実話なのってちょっと背筋が寒くなるような内容。

深作欣二監督。1973年日本映画。

1996年12月14日 (土)

アメリカン・ジゴロ (1980)

アメリカン・ジゴロ 金持ちの女だけを相手にする高級ジゴロをギアが演じるかつての話題作。内容はこれだけでは弱いからか殺人事件がからむサスペンスに味付けされてるんだけど、思ったほどジゴロライフに関する描写は面白くないしサスペンスに関してははしょった部分が目立つしでちょっとがっかり。例えば殺人事件にしても、殺人現場を省略なんてことをこの当時の映画では平気でやっちゃうんだよなあ。リアリティがあっていいなんて意見もあるかと思うけど、私としては省略以外の何者でもないと感じてしまうのですが。映画のラストがちょっぴり盛り上がったのが救い。

出演 リチャード・ギア、ローレン・ハットン、ヘクター・エリゾンド、ビル・デューク

ポール・シュレイダー監督。1980年アメリカ映画。

1995年12月 8日 (金)

女帝 春日局 (1990)

女帝 春日局 NHKの時代劇で春日局が放映されていたころに公開された東映時代劇。内容的には「柳生一族の陰謀」の流れをくむもので、史実を離れて大胆にアレンジされた娯楽編。もっと下品な内容かと思ってたんだけど、かなり豪華絢爛な大作でありました。いかにもエロジジイとして描かれていた徳川家康が笑える。春日局役の十朱幸代は、きりりと芯の強いところを見せてはいたけど女帝というイメージには遠い感じ。

出演 十朱幸代、若山富三郎、名取裕子、鳥越マリ、長門裕之、草笛光子、金田賢一、吉川十和子、長谷直美、浅利香津代、淡路恵子

中島貞夫監督。1990年日本映画。

1995年9月23日 (土)

男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日 (1988)

男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日 旅の途中である田舎のお婆さん宅に泊めてもらった寅次郎(渥美清)。彼女を入院させに来た女医さん(三田佳子)に一目惚れして、柴又に帰っても東京に下宿する彼女の姪(三田寛子)に声をかけるのだったが。

 当時流行っていた俵万智の現代風俳句をモチーフにしたシリーズ第40作。久しぶりに見た寅さん映画だったけど、マドンナとの恋の行方がもやもやっとした終わりかただったのでちょっとすっきりしなかったかな。俵万智はスクリーンに登場しないので、あと10年もたったらあの短歌の挿入は一体何なんだろうって思うんじゃないだろうか?

山田洋次監督。1988年日本映画。

1995年9月 6日 (水)

恋人たちの予感 (1989)

恋人たちの予感 男女の間に友情は存在するか?という古典的テーマをベースにしたラブストーリー。ビリー・クリスタルがなんともサエない男を熱演(?) キュートだけど食べ物とかに神経質なメグと好対照で楽しめるんだけど、どうにもだらだらっとした展開に中盤だれた。ラストだけがいいなぁって思わせてくれるのは、再見した「卒業」以来かな?

WHEN HARRY MET SALLY
出演 ビリー・クリスタル、メグ・ライアン、ブルーノ・カービー、キャリー・フィッシャー、スティーヴン・フォード、リサ・ジェーン・パースキー、ミシェル・ミカストロ、エステル・ライナー
ロブ・ライナー監督。1989年アメリカ映画。

1995年1月26日 (木)

張り込み (1988)

張り込み シアトルの刑事クリスとビルは、脱獄犯を逮捕するために犯人の元恋人の家を張り込む。しかし、彼女はすっげぇ美人でクリスは一目惚れ。電話工事をよそおって彼女のお近づきになるのだが、そこに犯人が現れて・・・といった内容のアクションコメディ。ラテン系美女のマデリーンにマイアミ・サウンド・マシーンのBGMとなかなか美味しいノリ。ドレイファス(クリス)がおぢさんで、逆に若くてハンサムなエミリオ・エステベス(ビル)が若いのに妻子持ちってのが面白いキャスティング。笑いのレベルは・・・悪くないけど、まあまあってところかな。

STAKEOUT
出演 リチャード・ドレイファス、エミリオ・エステヴェス、マデリーン・ストウ、アイダン・クイン、フォレスト・ウィテカー、ダン・ローリア、イアン・トレイシー、ジャクソン・デイヴィス
ジョン・バダム監督。1988年アメリカ映画。

1994年12月26日 (月)

姿三四郎 (1943)

姿三四郎 黒澤明監督の劇場映画第1作。八方破れの姿三四郎が矢野正五郎の門下に入り柔道を志すという内容だが、柔道の対決シーンが決闘じみておりアクション映画としても見れる。しかし以後の黒澤の娯楽大作なんかと比べると、白黒の荒れた画面や聞き取りにくいセリフも加わって見るのに結構リキがいるなぁってのは否めないところ。

出演 藤田進、大河内伝次郎、月形龍之介、轟夕起子、志村喬、中村彰、河野秋武、高堂国典、清河荘司、三田国夫、小杉春男、花井蘭子

黒澤明監督。1943年日本映画。

1994年11月10日 (木)

シルバラード (1985)

シルバラード 西部劇の復活と言われた話題作に期待したんだけど、蓋を開けるとなんともお寒いのでがっかりしてしまった。子供の頃見た西部劇はどれも面白くて「西部劇に外れはない」とわくわくさせられたもんだけど、これは単に感性が変ったせいかも。でも冒頭のガンファイトのシーンからなんともしらけてしまい、中盤はなかなか動かないストーリーに退屈することしきり。ぽろぽろと人が死ぬシーンが多いのも最近のエコロジカル西部劇(?)を見慣れた目には違和感ばりばりで、一体何だったんだなんて思ってしまう2時間であった。

出演:ケヴィン・クライン、スコット・グレン、ブライアン・デネヒー、ケヴィン・コスナー、リンダ・ハント、ダニー・グローヴァー、ジョン・クリース、ロザンナ・アークエット、ジェフ・ゴールドブラム、ジェフ・フェイヒー

ローレンス・カスダン監督。1985年アメリカ映画。

1994年7月21日 (木)

彼女が水着にきがえたら (1989)

彼女が水着にきがえたら どうしても「私をスキーに〜」と較べてしまうけど、こちらのほうが金持ちのボンボンの遊びって感じでちょっと鼻につくものがありました。ストーリーも前作ほど練られてなく、後半のボートチェイスは浮いてたし宝探しの結末に関してはチャチ。1作でやめておけばいいのに〜といった感じの姉妹編でした。

出演:原田知世、織田裕二、伊藤かずえ、竹内力、田中美佐子、谷啓、伊武雅刀

馬場康夫監督。1989年日本映画。

1994年6月28日 (火)

眠れぬ夜のために (1985)

眠れぬ夜のために 不眠症のエドが深夜のドライブに出て、ピストルを持った男たちから美女を助けるのだがとある犯罪に巻き込まれて・・・というラブ・サスペンス。有名監督とかその筋の方々の多数登場というマニアックな楽しみはあるんだけど、ややこしいストーリーのわりに盛り上がりが少なくだんだんどこが面白いのって気になってきた。ファイファーはこの作品ではなんかケバいだけで魅力的でない。主演の爬虫類コンビとは言いえて妙だな。

INTO THE NIGHT
出演 ジェフ・ゴールドブラム、ミシェル・ファイファー、リチャード・フォーンズワース、デヴィッド・ボウイ、ダン・エイクロイド、ポール・マザースキー、ドン・シーゲル、ロジェ・ヴァディム、コリン・ヒギンズ、ジャック・アーノルド、ローレンス・カスダン、デヴィッド・クローネンバーグ、ダニエル・ペトリ、キャスリン・ハロルド
ジョン・ランディス監督。1985年アメリカ映画。

1994年5月17日 (火)

赤い河 (1948)

赤い河 ひさびさに見た大作西部劇で見応え十分。恋人をインディアンに殺された過去を持つダンスン(ジョン・ウェイン)が、2人の仲間(モンゴメリー・クリフト、ウォルター・ブレナン)を連れて牛を連れ南部の牧草地を目指す。夢はアメリカ中の人々に旨いステーキを喰わせること。そして10年の年月が流れ、いっぱいに増えた牛をミズーリへ運ぶ旅に出る。バッファローの疾走のスペクタクルに加え、3人の男たちの友情も含めてかなり欲張りな大河ドラマ。ラストシーンの爽やかさは、古き良き時代の西部劇のもの。

ハワード・ホークス監督。1948年アメリカ映画。

1994年5月12日 (木)

私をスキーに連れてって (1987)

私をスキーに連れてって トレンディ系の映画なんだけど、6年を経た今見ても風化してないってのは凄いなぁと思う。原田知世だけにとどまらず、出演している女優さんたちがひとりひとりみんな魅力的。それにキャラクターたちのノリの良さが快感。

馬場康夫監督。1987年日本映画。

1994年4月29日 (金)

帝都大戦 (1989)

帝都大戦 前作が出来はともかく大作にしようと終始してたのに比べて、この続編はB級小編に徹しているのがかえって好意的に感じた。サイキックを前面に押し出して、なんか「AKIRA」の姉妹編みたいなノリ。

出演 加藤昌也、南果歩、嶋田久作、丹波哲郎、日下武史、高橋長英、草薙幸二郎、高橋長英、土屋嘉男、中丸忠雄、野沢直子、桂木文

一瀬隆重監督。1989年日本映画。

1994年4月28日 (木)

黒い雨 (1989)

黒い雨 広島の原爆投下時に船の上にいた娘は、降って来た黒い雨に打たれる。彼女自身もまわりの人も彼女は大丈夫だと信じるのだが、やがて原爆後遺症は彼女の体を蝕んでいく。

 この映画で感動させられたのは、エンジンの音を聞くと狂い出す青年と田中好子との交流。ストーリーの中心は田中の結婚問題なんだけど、この彼女の縁談とは一番遠そうな男がラスト近く病魔に倒れた彼女につきそって、エンジンのかかった車に乗込むシーンを見た時には、うーんすばらしいストーリーだなあと感動しました。

出演 田中好子、北村和夫、市原悦子、沢たまき、三木のり平、山田昌、小沢昭一、大滝秀治、白川和子、殿山泰司、常田富士男、三谷昇

今村昌平監督。1989年日本映画。

1994年4月 9日 (土)

行き止まりの挽歌 ブレイクアウト (1988)

行き止まりの挽歌 ブレイクアウト 藤竜也がはみ出し刑事を、それを受けるヒロインが石野陽子というアクション映画。さすがに藤のはみ出し刑事ってのははまり役なんだけど、もうこの手の無軌道デカってのは飽きちゃってなんだかなぁ・・・

村川透監督。1988年日本映画。

1994年2月21日 (月)

イージーライダー (1970)

イージーライダー チョッパーバイク(?)に乗って旅をする2人組の軌跡を追うロードムービー。見るからにならず者の2人がけっこういい奴で、真面目そうに見える住人たちの方が腐っているという構図がこの映画の主張でしょう。自由な空気が次第に失われていったという感覚がこの時代?

EASY RIDER
出演 ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン、カレン・ブラック
デニス・ホッパー監督。1970年アメリカ映画。

1994年2月 9日 (水)

病院へ行こう (1990)

病院へ行こう へっぽこ研修女医のもとへ担ぎ込まれたモーレツ社員(死語)とその間男が病院を舞台に繰り広げるコメディ。テレビのりだけど(フジテレビ?)かなりシリアスな物語をライト感覚で楽しめる。薬師丸=整形外科ってのは「ナースコール」でも使い回されてるのかな? しかし脇役の斎藤慶子と並べると薬師丸って全然色気なくなったなあなんて思ふ。

出演 真田広之、薬師丸ひろ子、大地康雄、斉藤慶子、尾美としのり、井原剛志、平栗あつみ、加藤善博、嶋田久作、レオナルド熊、豊川悦司、荒井注

滝田洋二郎監督。1990年日本映画。

1993年12月30日 (木)

リボルバー (1988)

リボルバー競輪やバイトで気ままに生きる二人組(尾美としのり、柄本明)、警官(沢田研二)に、彼にからむ二人の美女、若い女と不倫をする中年男(小林勝也)、受験をひかえた高校生とそのガールフレンドといった具合に、鹿児島に住むばらばらの人間たちが、警官がピストルを盗まれていくことによって徐々にひとつにまとまっていくというストーリー。あまりにも登場人物が多くまたとっちらかり過ぎているので最初はいらいらさせられたが、そのいらいらはラストまで解消されなかった。

藤田敏八監督。1988年日本映画。

1993年12月29日 (水)

武士道残酷物語 (1963)

武士道残酷物語 あるサラリーマン(中村錦之助)が、自殺未遂の恋人(渡辺美佐子)を前に昔読んだ先祖の日記を思い出すという形で語られる滅私奉公物語。実に7話以上の物語を錦之助ひとりで演じてるという超オムニバス。しかしどれもテンションは高く面白い。上役の失敗を切腹して救うエピソードからはじまり、男色の殿様に我が身をささげたり、娘ばかりか妻までも献上する男の物語とか、ひどい誇張も感じるのだが。当時のモーレツ社員とかいった風潮を批判した作品なのだろう。現代の目で見るとやりすぎじゃないのっていった可笑しさを感じる。でも、映画は面白い。

今井正監督。1963年日本映画。

1993年12月25日 (土)

陽炎座 (1981)

陽炎座 夢を映画にしたらまさにこんなものができるだろうなぁという作品。夢独特の理不尽なイメージのつながりとか展開にうーんとうならされる。「ツィゴイネルワイゼン」に似てるけど、あちらよりはストーリー性に乏しい気がしたな。

出演 松田優作、大楠道代、加賀まりこ、楠田枝里子、大友柳太朗、中村嘉葎雄、麿赤児、原田芳雄、沖山秀子、玉川伊佐男、佐野浅夫、東美恵子、伊藤弘子、佐藤B作、内藤剛志

鈴木清順監督。1981年日本映画。

1993年12月14日 (火)

新幹線大爆破 (1975)

新幹線大爆破 この映画は日本公開版と、回想部分などをカットしたインターナショナル版の2種類あるそうで、地上波で繰り返し放送されてきたのはインター版の短いほう。で、今回BSで劇場版を見る機会があったわけですが・・・正直言ってそれほど違うって印象は持ちませんでした。長くなったぶんだけ緊迫感が薄れるかな、という心配もなし。元々ぐちゃーと詰め込んだジェットコースターですから。音楽がずいぶんなさけなかったり、東映の臭いぷんぷんのチープな作りが目立ったり、また警官がやたら発砲したりと目につくあらも多いのですが、娯楽映画としての面白さは天下一品で黒澤の「天国と地獄」にも迫るんじゃないかと思ってしまいます。

 出演=高倉健、山本圭、織田あきら、宇津井健、渡辺文雄、千葉真一、北大路欣也、宇都宮雅代、丹波哲郎、竜雷太、田中邦衛、志村喬、小林稔侍、永井智雄、千葉治郎、志穂美悦子。鈴木瑞穂、山内明、多岐川裕美、青木義朗、黒部進、川地民夫、林ゆたか、岩城滉一。

佐藤純彌監督。1975年日本映画。

1993年11月29日 (月)

ナイトホークス (1981)

ナイトホークス イギリスからやって来たテロリストと、元おとり捜査官の対決を描いた刑事ドラマ。スタローンvsルトガーの対決に加え、テロリスト仲間にスタートレックの丸坊主美女カンバッタ、スタローンの妻にバイオニック・ジェミーのリンゼイ・ワグナーとなんとも懐かしい顔ぶれ。後者二人は十分に生かされてないのがちょっち不満を残すが。後半のロープウェイでのアクションをクライマックスと見せかけて、ちょっと地味めに締めるあたりは「ブリッド」あたりの展開を思わせた。

NIGHTHAWKS
出演 シルヴェスター・スタローン、ルトガー・ハウアー、リンゼイ・ワグナー、パーシス・カンバータ、ビリー・ディー・ウィリアムズ、ナイジェル・ダヴェンポート
ブルース・マルムース監督。1981年アメリカ映画。

1993年11月25日 (木)

ブラック・サンデー (1977)

ブラック・サンデー アメリカでの大量虐殺を計画したアラブのテロ組織と、それを阻止しようとするイスラエル特殊部隊の活躍を描いたアクション映画。前半は「ジャッカルの日」的なノリでぐいぐい見せてくれ、クライマックスはスーパーボウルの行われるスタジアムを舞台に当時流行っていたパニック映画になるという贅沢なつくり。しかしサスペンスが硬派なだけに、007を思わせるかのようなクライマックスは少々の違和感を感じたしボルテージが上がり切ったところでのあっけない幕切れはちょっとした欲求不満を感じさせてくれました。「羊たちの沈黙」で今をときめくトマス・ハリスの初期の小説の映画化ですが、どちらかというとウォルター・ウェイジャーあたりの小説を感じさせる展開でした。

出演:ロバート・ショウ、マルト・ケラー、ブルース・ダーン、フリッツ・ウィーヴァー、ウィリアム・ダニエルズ、スティーヴン・キーツ、ベキム・フェミュー、マイケル・V・ガッゾ

ジョン・フランケンハイマー監督。1977年アメリカ映画。

1993年11月18日 (木)

ジャズ大名 (1986)

ジャズ大名 アメリカから流れついた黒人バンドを囲った大名(古谷一行)が、自らもジャズの魅力にとりつかれて城内大セッションになってしまうという筒井康隆の短
編の映画化。オープニングの黒人たちのかけあいが面白く期待させられたが、舞台を江戸末期の日本へ移してからがどうにもテンポをそこねてまどろっこしく退屈になってしまったのが惜しい。漂流してるのに船内ばかりといったチープな作りも、映画にしてはと気になって仕方なかった。

岡本喜八監督。1986年日本映画。

1993年11月17日 (水)

生まれてはみたけれど (1932)

生まれてはみたけれど 小津監督の初期のサイレント映画。後期の小津のスタイルは感じさせられないけど、子供たちの世界を生き生きと描いた作品。引っ越してきた兄弟が近所のガキ大将になるけど、その子分の中に父親の上司の息子が含まれていたことからおこる騒動をコミカルに、また社会風刺たっぷりに見せてくれる。レトロな味わいが心地好く、サイレントながら全然古さを感じさせない。

小津安二郎監督。1932年日本映画。

1993年11月16日 (火)

ジャスティス (1979)

ジャスティス アル様が弁護士を演じる法廷もので、いわば「セルピコ」の弁護士版と思わせる内容。しかしなんとも言えない爽快感のある作品で、辛口ゆえに「やっぱ長いものには巻かれよなんだよなぁ」と私の友人に言わせた「セルピコ」とは反対に本来の映画のメッセージを伝えてくれる映画と言える。「法廷は真実を追及するところである」なんて、いちいち映画に教えられなくても当たり前のハズなんですよね。

...AND JUSTICE FOR ALL
出演 アル・パチーノ、ジャック・ウォーデン、ジョン・フォーサイス、リー・ストラスバーグ、ジェフリー・タンバー、クリスティン・ラーティ、サム・リヴィーン、クレイグ・T・ネルソン、ロバート・クリスチャン、ヴィクター・アーノルド、F・マーレイ・エイブラハムズ、ジョー・モートン
ノーマン・ジュイスン監督。1979年アメリカ映画。

1993年11月 8日 (月)

白鯨 (1956)

白鯨 海洋スペクタクルの古典なんだけど、今見たらミニチュア特撮見え見え。でも水上撮影のわりには水しぶきが安っぽくなく頑張ってる感じ。かなり大きなミニチュアを作ったんだろうと想像します。白鯨にとりつかれた男の執念のドラマなんだけど、思ったほど深いテーマはなく詩的お伽話的なものを感じる。

出演:グレゴリー・ペック、リチャード・ベースハート、オーソン・ウェルズ、ハリー・アンドリュース

ジョン・ヒューストン監督。1956年アメリカ映画。

1993年10月 7日 (木)

本場ぢょしこうマニュアル 初恋微熱篇 (1987)

本場ぢょしこうマニュアル 初恋微熱篇 ちょっぴりエッチな味つけの女子高青春恋愛物語。メインストーリーは主人公の女子高生が友人の恋人を好きになってしまうという三角関係なんだけど、女子高の先輩を好きになってしまう友人のエピソードとか、主人公の家族とかのいろんなエピソードを盛り込んでたっぷり笑わせてくれる。女子高生同士ってすっごく自然にキスしちゃうのかなと、ヘンなことが気になってしまったぞ。

出演 工藤夕貴、白島靖代、佐藤恵美、伊藤かずえ、杉本哲太、蜷川有紀、宮川一朗太、上杉祥三、伊武雅刀、藤岡琢也、原田大二郎、岡本信人、もたいまさこ、しのざき美知、渡辺千秋

中田新一監督。1987年日本映画。

1993年10月 4日 (月)

上海バンスキング (1988)

上海バンスキング メジャー邦画の雰囲気はかけらもなく、また密度の濃さは評価されるべきなんだろうけど、どうにも普通の映画の先入観で見ちゃうので限られた範囲でのセット撮影ってのは物足りないものがあったなあ。舞台ならこれでいいんだけど、映画だと時々挿入されるはずの上海の遠景なんかが見たいなあと思ってしまった。

串田和美監督。1988年日本映画。

1993年9月 8日 (水)

東京上空いらっしゃいませ (1990)

東京上空いらっしゃいませ いかにも邦画といったとってもチープな雰囲気のファンタジーなんだけど、牧瀬が天真爛漫ななんとも言えない魅力をふりまいて頑張っている。鶴瓶はTVバラエティなんかで見る彼とおんなじで、かえって彼の存在が映画だということを感じさせてくれない。

出演 中井貴一、牧瀬里穂、笑福亭鶴瓶、鞠谷友子、出門英、竹田高利、藤村俊二、工藤正貴、谷啓、三浦友和
相米慎二監督。1990年日本映画。

1993年7月14日 (水)

網走番外地 (1965)

網走番外地 網走刑務所を舞台に、服役してきた元ヤクザの橘(高倉健)を主人公にした娯楽アクション。前半は彼がやって来てからのムショ仲間とのごたごたを、そして後半は手錠で二人一組につながれているせいで、したくもない脱獄に巻き込まれていく様子を描く。手錠につながれた二人の凸凹道中記ってのはこのあたりがルーツなんでしょうねぇ。スピーディな展開から、人情ものになるラストまでなかなか面白い。私はやっぱりTVドラマの「キーハンター」を思い出す。

石井輝男監督。1965年日本映画。

1993年7月 8日 (木)

鉄拳 (1990)

鉄拳 かねがねからヘンな映画だと噂はきいていたんだけど、やっぱヘンな映画でした。劇画調ワルノリ・ボクシング物語です。おなじみのスポコンものと思わせて、急に映画は終わるのかという展開からなんとサイボーグ風・ボクサーへ(!?) しかもワルノリはこれで終わらないという念の入れよう。何よりボクシング狂のおぢさんを演じる文太さんがかあいいし、暴れ者の大和に対してスクリーンで初めて見た桐島かれんというキャスティングが絶妙。

出演 菅原文太、桐島かれん、大和武士、藤田敏八、大楠道代、ハナ肇、原田芳雄、萩原聖人、シーザー武志、大和田正春、南伸坊

阪本順治監督。1990年日本映画。

1993年5月 9日 (日)

わが心のボルチモア (1990)

わが心のボルチモア ヨーロッパから移民してきた大家族の歴史をセピアがかった色調の美しいカメラワークで追った大河ドラマ。壁紙貼りで身をたて、やがてデパートの経営まではじめる一族の浮いたり沈んだりの年代記で、淡々とした流れながら酔わせてくれます。

AVALON
出演 アーミン・ミューラー・スタール、エリザベス・パーキンス、ケヴィン・ポラック、アイダン・クイン、レオ・フォックス、イライジャ・ウッド、ジョーン・プロウライト
バリー・レヴィンソン監督。1990年アメリカ映画。

1993年3月25日 (木)

どついたるねん (1989)

どついたるねん リングで倒されて重傷を負った男の復帰を描いた物語。大阪が舞台だが、そのねちっこさはまるで別世界のよう。悪いとは思わないけど。赤井はすっとぼけた雰囲気が面白いし、何より色気のない大阪娘を熱演する相楽晴子も可愛い。

出演 赤井英和、相楽晴子、原田芳雄、磨赤児、大和武士、芦屋小雁、笑福亭松之助、正司照枝、輪島功一、渡辺二郎、美川憲一

阪本順治監督。1989年日本映画。

1993年3月24日 (水)

あなただけ今晩は (1963)

あなただけ今晩は 純情で世間知らずのカタブツ警官(ジャック・レモン)が娼婦(シャーリー・マクレーン)に恋をする。彼女を思っての行動でドジをふみ、警察もクビになるのだが・・・というすれっからし女と純情男の定番恋物語。目新しさはまったくなく、レモンが彼女を働かせないために富豪に化けるなんてなんともばかばかしいストーリーだけど、ほのぼのとした味があって好きだな、コレ。

ビリー・ワイルダー監督。1963年アメリカ映画。

1993年2月25日 (木)

翼よ!あれが巴里の灯だ (1957)

翼よ!あれが巴里の灯だ リンドバーグが大西洋を愛機「セントルイス精神号」(?)で初横断するまでをセミドキュメント的に描いた伝記映画。飛行機が好きなもんで、こういう映画は率直に「いいなぁ」と楽しんでしまいます。

出演 ジェームズ・スチュアート、パトリシア・スミス、マーレイ・ハミルトン、デヴィッド・オーリック

ビリー・ワイルダー監督。1957年アメリカ映画。

1993年2月22日 (月)

1999年の夏休み (1988)

1999年の夏休み 登場人物は少年4人のみで、これを4人の少女に演じさせたという実験的作品なんだけど私は生理的に全然受け付けなかった。文化祭の演劇なんかで男子部員がいなくて全員女性でよく劇やってたな、なんて関係ない事を思い出したりしてました。

出演 宮島依里、大寶智子、中野みゆき、水原里絵(深津絵里)

金子修介監督。1988年日本映画。

1993年2月20日 (土)

夢みるように眠りたい (1986)

夢みるように眠りたい サイレントのスタイルをとりながら、役者のセリフだけ字幕であとの効果音はしっかり入っているというアイディア賞もののレトロ調映画。探偵もので江戸川乱歩調ってのは雰囲気満点。しかもわけわからん時代考証がこれまたいろんな想像をかきたててくれるおもちゃ箱のような映画。

林海象監督。1986年日本映画。

1993年2月18日 (木)

光る女 (1987)

光る女 北海道から恋人を探して出てきた熊のような男(武藤敬司)と、彼をレスラーとして雇った秘密クラブのオーナー、同クラブの歌姫(秋吉満ちる)の物語。どこか異次元の世界の物語ながら、純朴な熊男武藤とぶっきらぼうに喋る歌姫秋吉が妙に心に残る不思議な一編。

相米慎二監督。1987年日本映画。

1993年1月16日 (土)

砂の女 (1964)

砂の女 旅先で砂丘の穴の中へ軟禁され、現地の女と住まされることになった男の不思議な物語。独特な緊迫感がラストまで続き、息つく暇もないほど面白い。女をあてがわれた砂地獄ってのは当時の生活感なんだろうか。また「人間蒸発」ってのも当時の社会問題だったような記憶が・・・

出演 岡田英次、岸田今日子、三井弘次、伊藤弘子、矢野宣、関口銀三
勅使河原宏監督。1964年日本映画。

1992年12月28日 (月)

雨に唄えば (1952)

雨に唄えば サイレントからトーキーへの移行期のハリウッド。性格の悪い人気女優にふりまわされる人気スターをコミカルに描いたミュージカル・コメディ。声の悪い彼女をギャフンと言わせるラストは痛快なんだけど、同様に声の悪さに泣いた俳優も当時はけっこういたんだろうな。雨の中をジーン・ケリーが唄い踊るシーンはあまりにも有名。

ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン共同監督。1952年アメリカ映画。

1992年12月15日 (火)

ボクが病気になった理由 (1990)

ボクが病気になった理由 笑いで言えば第1話の「マイ・スイート・リトル・キャンサー」、ちょっといい気分になれるのが第3話の「ハイパー・テンション・ロード」ってとこです。敦煌のお姫さまだった中川安奈がフツーのお嬢さんしてるのがいい。(最近では「ゴジラvsキングギドラ」なんて怪作もあったが)

出演 鷲尾いさ子、勝村政信、地井武男、名取裕子、ラサール石井、中川安奈、大竹まこと

鴻上尚史、大森一樹、渡邊孝好監督。1990年日本映画。

1992年12月 5日 (土)

素晴らしき哉、人生! (1946)

素晴らしき哉、人生! すっかり自信を失った男(ジェームズ・スチュアート)のところへ天使(ヘンリー・トラヴァース)が降りて来て、「君がいなかったら世の中はこんなに悪くなってたんだよ」と見せてくれる映画。うーむ、これはマジで元気が出る映画だゾ。

フランク・キャプラ監督。1946年アメリカ映画。

1992年12月 1日 (火)

ガープの世界 (1982)

ガープの世界 思ったほどショッキングな映画ではなかったというのが第一印象。女性の独立を叫び、私生児を産んだ女性。その子供の奇妙な半生を描いた物語。ロビンの大学生は無理があるが(とっちゃんボーイ?)ジョン・リスゴー演じる性転換した大女はなかなか決っててすげ〜の一言。

出演:ロビン・ウィリアムズ、グレン・クローズ、ジョン・リスゴー、メアリー・ベス・ハート、ヒューム・クローニン、ジェシカ・タンディ、スージー・カーツ、アマンダ・プラマー

ジョージ・ロイ・ヒル監督。1982年アメリカ映画。

1992年11月21日 (土)

マリアの胃袋 (1990)

マリアの胃袋 ヘンな映画。ニューウェーブの1本には違いないが、マリアや柄本のキャラクターなどとってもマヌ〜。でも拒食症や日本女性の外国でのアバンチュール、それに行方不明などなどタイムリーな話題をパロっている。「バカヤロー」でもそうだったけど、相楽ちゃんはなかなかかあいい。

出演 相楽晴子、柄本明、大竹まこと、范文雀、余貴美子、加藤善博
平山秀幸監督。1990年日本映画。

1992年11月17日 (火)

眼の壁 (1958)

眼の壁 詐欺にあい会社の大金を奪われ自殺した男の部下が、新聞記者の友人と組んで事件の真相を追う。松本清張原作の社会派ミステリー。新婚旅行を途中ですっぽかす新聞記者が容認されてしまうのも、なんか時代を感じるなあ。

出演 佐田啓二、高野真二、朝丘雪路、渡辺文雄、鳳八千代、多々良純

大庭秀雄監督。1958年日本映画。

1992年11月12日 (木)

良いおっぱい悪いおっぱい (1990)

良いおっぱい悪いおっぱい ある若い夫婦の妊娠、出産、そして子育てを軽いコメディタッチで綴った作品。主人公以外にも、同じように子供にからむ夫婦のいくつかのエピソードが語られ、いずれも笑いを誘う。夫婦の性教育からラマーズ法、未婚の母、そして母乳か粉ミルクかの問題などなど、90年での育児をめぐる風俗がてんこ盛り。これは何十年もたってから再見したらまた面白い映画ではないかと思う。

出演 嵯山ゆり、中村ゆうじ、伊佐山ひろ子、白川和子、小林昭二、角替和枝、石丸謙二郎、水島かおり、広田玲央名、飛田ゆき乃、松田洋治、加藤善博、沼田元気、蛭子能収、鈴木慶一、りりィ、田島令子、小林完吾、柄本明、小栗香織
本田昌宏監督。1990年日本映画。

1992年10月19日 (月)

鴛鴦歌合戦 (1939)

鴛鴦歌合戦 静かなるブームの時代劇ミュージカル。登場人物たち(片岡千恵蔵、市川春代、志村喬、ディック・ミネ、他)のノリのよさは天下一品で、見ているほうもウキウキしてきてしまう。ストーリーはたいしたことないんだけど、歌に踊りにあきてきて退屈になってくる寸前で終ってしまうという頃合の良さもなかなか。

マキノ雅弘監督。1939年日本映画。

1992年10月 5日 (月)

悪い奴ほどよく眠る (1960)

悪い奴ほどよく眠る 政治家の汚職の告発という現代でも通用するテーマの作品。ひさびさに登場?!の超ズンドコ映画。悪い奴がのさばって終るのはこのテの映画の定石的展開ながら、トカゲのしっぽ切り&壁をドンドン叩きたくなるようなあと味の悪さはそーとーなものですよ。

黒澤明監督。1960年日本映画。

1992年8月14日 (金)

ヘアー (1978)

ヘアー オクラホマから徴兵で出て来た好青年とヒッピーたちのふれあいを描いた反戦ミュージカル。当時自由のシンボルだった長髪を、彼への友情のためにばっさり切り落としてしまう映画。どうにも理にかなわないラストながら、ただのドロップアウトとしか見えなかったヒッピーたちの深い思いに泣かされる。

HAIR
出演 ジョン・サヴェージ、トリート・ウィリアムズ、ビヴァリー・ダンジェロ、アニー・ゴールデン、ドーシー・ライト、ドン・ダカス、シェリル・バーンズ、リチャード・ブライト、ニコラス・レイ
ミロシュ・フォアマン監督。1979年アメリカ映画。

1992年8月 6日 (木)

天国の半分 (1986)

天国の半分 主演女優のアンヘラ・モリーナがいい。運命に流されながらもじっと耐えているその表情が魅力的で、また心に残る。陶製の靴など小道具の使い方も心憎く、最近見たスペイン映画の中ではベストの大河ドラマ。

LA MITAD DEL CIELO
出演 アンヘラ・モリーナ、マルガリータ・ロサーノ、フェルナンド・フェルナン・ゴメス、サンティアゴ・ラモス、アントニオ・ヴィンセンテ・ヴァレロ、ナチョ・マルティネス、フランシスコ・メリノ、カロリーナ・シルヴァ
マヌエル・グティエレス・アラゴン監督。1986年スペイン映画。

1992年6月 5日 (金)

スケアクロウ (1973)

スケアクロウ ヒッチハイクしてる時にたまたま意気投合したマックスとライオンという二人の男の珍道中記。マックスの妹のところへ転がり込んでひともんちゃく起こしたり、再び刑務所へぶちこまれたり波乱万丈のロードムービー。しかし個人的に思ったよりも感じるものは少なかった。期待しすぎたかな??

SCARECROW
出演 ジーン・ハックマン、アル・パチーノ、ドロシー・トリスタン、アン・ウェッジワース、ペニー・アレン、リチャード・リンチ、アイリーン・ブレナン、リチャード・ハックマン、アル・シンゴレーニ
ジェリー・シャッツバーグ監督。1973年アメリカ映画。

1992年5月28日 (木)

鉄男 TETSUO (1989)

鉄男 TETSUO 鉄になりたかった男を車でひいた男の身体がだんだん鉄の塊に変身していく。ひかれた男とひいた男のサイバーバトルをえんえんと見せるだけの映画だが、これがキレててビョ〜キでめちゃめちゃ面白い。アマチュアが8ミリなどで撮る超マイナーアクションをパワーアップして、しかも1時間ぶっつづけの大パワーで見せてくれるスゴい映画。見終わったあと、どっと疲れました。

出演 田口トモロヲ、藤原京、塚本晋也、石橋蓮司

塚本晋也監督。1989年日本映画。

1992年5月26日 (火)

書を捨てよ町へ出よう (1971)

書を捨てよ町へ出よう 開幕にいきなり「そんな暗いじめじめした映画館で何してんだよ」ってスクリーンと客席の境界ってものを感じさせてくれるぶっとんだ映画。内容も相当にヘンで、家出癖のある主人公の少年にどこかアブない雰囲気のあるサッカー部の連中、ウサギを愛する妹とかをからめたイメージフィルム。わけわかんないんだけど、心ひかれる映画の典型。

寺山修司監督。1971年日本映画。

1992年5月 4日 (月)

丹下左膳余話 百万両の壺 (1935)

丹下左膳余話 百万両の壺 百万両の隠し場所がぬりこめられた汚い壷。これをもらった伊賀城主の弟源三郎は、兄が財産をすべて相続して自分にくれたのはこの壷だけだと怒って壷をクズ屋に売ってしまう。巡り巡って壷はチョビ安という男の子の金魚鉢になり、彼をひきとったのが丹下左膳(大河内伝次郎)が居候をする射的屋!

 ストーリーもさることながら、登場人物全員になんとも言えない魅力のある一編。私が一番好きなのは誰かと言えばコミカルなクズ屋。源三郎役の沢村国太郎は、息子の津川雅彦にそっくりでしかも同じような女の尻に敷かれる役回りで笑ってしまった。ラストの百万両の壷をかたわらに転がして、それとひきかえに自由を得るってのも粋でいいですね。

山中貞雄監督。1935年日本映画。

1992年4月29日 (水)

ロザリンとライオン (1989)

ロザリンとライオン 猛獣の調教師になるのが夢の少女ロザリンと、彼女にひと目惚れして同じ道を志す少年ティエリーの物語。ラストのショーの場面は確かに見せ場だが、個人的には前半の方が好き。イザベル・パスコ演じるロザリンは、きついメイクにお尻丸だしでキンキラステージに上がるよりも、Gパンにすっぴんでライオンを調教してるほうが魅力的だなあと思うのは私だけ?

ROSELYNE ET LES LIONS
出演 イザベル・パスコ、ジェラール・サンドス、フィリップ・クレグノ、ギュンター・マイズナー
ジャン・ジャック・ベネックス監督。1989年フランス映画。

1992年4月12日 (日)

ディーバ (1981)

ディーバ オペラ好きな郵便配達の青年が、レコードを出さない伝説の歌姫ディーバのコンサートを録音する。ところがこのテープがある殺人事件にからむ証拠テープと入れ替わってしまったから大変! という巻き込まれ型サスペンス。

 準主役のディーバや、小悪魔といった感じのチュイとか魅力的な人物がいっぱい。映画自体は期待してたところまではいかなかったけど、オペラをはじめ折りあるごとに思い出しそうなシーンがいっぱい。

DIVA
出演 フレデリック・アンドレイ、ウィルヘルメニア・ウィギンス・フェルナンデス、リシャール・ボーランジェ、チュイ・アン・リュー、ジャック・ファブリ、シャンタル・ドリュアズ、ドミニク・ピノン
ジャン・ジャック・ベネックス監督。1981年フランス映画。

1992年4月 2日 (木)

月の輝く夜に (1987)

月の輝く夜に 夫に死に別れてからずっと独身の30代後半の女性があまり好きではない男にプロポーズされOKしてしまうが、結局別に本当に愛せる人をみつける・・・という内容のラブコメディ。とすると最初にプロポーズした男性はどうなるの? って部分を映画ならではのご都合主義で処理しているのが気になった点だが、それを除けばなかなかしゃれたラブロマンスです。

 出演者はほとんどイタリア系って設定ですが、そのやりとりがなかなか笑わせます。ラテン系情熱映画です。

MOONSTRUCK
出演 シェール、ニコラス・ケイジ、オリンピア・デュカキス、ヴィンセント・ガーディニア、ダニー・アイエロ、ジョン・マホニー、ルイス・ガス、フェオドール・シャリアピン、アニタ・ジレット
ノーマン・ジュイスン監督。1987年アメリカ映画。

1992年3月23日 (月)

眠狂四郎女妖剣 (1964)

眠狂四郎女妖剣 大奥でアヘンに溺れ殺人を生きがいとする菊姫。アヘンの密売人。加えて隠れキリシタンたちに、彼らにあがめられる謎の女びるぜん志摩がからむ娯楽時代劇。パターン化された時代劇でなく、勧善懲悪でもないのがこのシリーズの面白さか。それに転びバテレンの黒ミサとか、エロチックな場面にもカルトの風格十分といった作品。今見ても十分楽しめる。

池広一夫監督。1964年日本映画。

1992年2月28日 (金)

インターナル・アフェア 背徳の囁き (1990)

インターナル・アフェア 背徳の囁き アンディ・ガルシアとリチャード・ギアがそれぞれ、悪の警官、善の警官に別れて熱い戦いを繰り広げる人間ドラマ。ふたりの人間臭さがじっくり描き込まれており、見応えがあったがストーリーがちょっと退屈で後半だれた。ガルシアの妻を演じるナンシー・トラビスがいい!!

INTERNAL AFFAIRS
出演 リチャード・ギア、アンディ・ガルシア、ナンシー・トラヴィス、ウィリアム・ボールドウィン、ローリー・メトカーフ、リチャード・ブラッドフォード、アナベラ・シオラ、イライジャ・ウッド
マイク・フィッギス監督。1990年アメリカ映画。

1992年2月16日 (日)

ワンダとダイヤと優しい奴ら (1988)

ワンダとダイヤと優しい奴ら 4人組銀行強盗がダイヤを強奪、しかしお決りの仲間割れの騒動を描いたコメディ。筋金入りの悪女ワンダをはじめ、動物愛護家で人は殺すが動物は殺さない男などキャラクタで見せる映画なんだけどイマイチ映画的なパンチがなかったような印象。モンティ・パイソンファン向けのややマニアックな映画って気がする。

出演 ジョン・クリース、ジェミー・リー・カーティス、ケヴィン・クライン、マイケル・ペリン

チャールズ・クライトン監督。1988年アメリカ映画。

1992年2月15日 (土)

8 1/2 (1963)

8 1/2 スランプに落ち苦悩する映画監督の生活、意識、夢と幻想、新作制作にかかわる騒動などなどをごちゃまぜに映像化した不思議なフェリーニワールド。この映画のテンポは本当に心地好く、車の雑踏の息苦しさからぱーっと開放されて空に舞上がる冒頭から映画の世界に引き込まれてしまった。エピソードとしては墓から這い出て来た親との会話と、太ったジプシーの話が印象に残っている。

OTTO E MEZZO
出演 マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ、クラウディア・カルディナーレ、サンドラ・ミーロ
フェデリコ・フェリーニ監督。1963年イタリア映画。

1991年12月29日 (日)

夢 (1990)

夢 [こんな夢を見た]ではじまるオムニバス短編集。夏目漱石の[夢十夜]を思い出した。狐の嫁入りにはじまって、雛祭り、雪女と日本的なものが語られるあたりは海外での公開を意識したのかと思いきや、そのあとゴッホのエピソードや原発へのメッセージ(赤富士が使われる)も。とても絵柄の美しい絵画のような映画なんだけど、なんか込められたメッセージが70年代ぐらいの映画を思わせ、ちょっと古いんじゃないって気が。

出演 寺尾聰、倍賞美津子、原田美枝子、いかりや長介、笠智衆、根岸季衣、井川比佐志、頭師佳孝、伊崎充則、マーティン・スコセッシ
黒澤明監督。1990年日本映画。

1991年12月21日 (土)

どですかでん (1970)

どですかでん ちょっと頭が弱くて[電車バカ]と呼ばれる少年を軸に、バラックに住む貧乏な庶民たちの生活をスケッチ風につづった黒澤監督初のカラー作品。

 作品の系列としては[どん底]などに近い、ストーリー性よりも演技や風景に重点を置いた作品。ひとりで電車ごっこばかりする少年を中心に浮浪者の親子や、井戸にあつまるオバタリアンたちなどの生活が綴られる。さすがに初のカラー作品だけあって、色彩に対する思い入れもなかなかのもので、目を覆うような極彩色の場面もしばしば。中盤やや退屈したが、生活の汚れみたいなものが表現された画面にはうならされる。今の邦画は、貧乏人を描いてもどこかこぎれいで、この映画の持つ雰囲気みたいなものがまるでない。

出演 頭師佳孝、伴淳三郎、井川比佐志、田中邦衛、三波伸介、渡辺篤、菅井きん、芥川比呂志、沖山秀子、吉村実子、松村達雄、楠侑子
黒澤明監督。1970年日本映画。

1991年12月11日 (水)

泪橋 (1983)

泪橋 村松友規の同名小説の映画化。文庫では[時代屋の女房]と併録になっていたのだが、時代屋が好きな作品でこちらはちょっとついて行けないってところ。映画と原作の雰囲気がそっくりなのにはびっくりしたけど。

 しかし娘をなめまわす老人二人は、実際に映像化してみると不気味なもんだなあ。

黒木和雄監督。1983年日本映画。

1991年12月 1日 (日)

ヤングガン (1988)

ヤングガン 新感覚の西部劇などと騒がれた作品なのである種の期待があったけど、蓋を開ければごくオーソドックスな作りの西部劇という印象を受けた。ただ登場人物だけはやたら豪華で、演ずるのも西部史に残る有名人ばかり。予備知識なしに見たので途中で一体誰が誰を演じてるんだって大混乱を起こすおまけつき。  なんか批判めいたことばかり書いたけど、ラストの余韻はなかなかぐっとくるものがあるし、発射される銃弾の数も半端じゃないのでアクション派でもたっぷり楽しめる。

YOUNG GUNS
出演 エミリオ・エステヴェス、キーファー・サザーランド、ルー・ダイヤモンド・フィリップス、チャーリー・シーン、ダーモット・マロニー、テレンス・スタンプ、ジャック・パランス、ケイシー・シマズコ、テリー・オクィン、ブライアン・キース、パトリック・ウェイン
クリストファー・ケイン監督。1988年アメリカ映画。

1991年11月27日 (水)

どん底 (1957)

どん底 貧乏長屋に住む貧乏のどん底にあえぐ人たちを描いたドラマ。黒澤作品にしては珍しく場面は長屋の中と外だけで、どこか舞台劇を思わせる。ストーリーはあってないようなもので、実験映画かはてまた役者の演技を対決させる映画のように思えたんだけどいかんせん役者のセリフが聞き取りにくく(爺さん言葉のせいもあるが)困ってる間に終わってしまった。主役は誰だったかと考えると、ちょっと考えたあとに左卜全の名前をあげてしまいそう。

出演 三船敏郎、山田五十鈴、香川京子、中村鴈治郎、千秋実、左卜全、上田吉二郎、東野英治郎、根岸明美、清川虹子、藤原釜足黒澤明監督。1957年日本映画。

1991年11月25日 (月)

赤い殺意 (1964)

赤い殺意 東北の仙台あたりを舞台にした人間ドラマ。姑にいじめられ夫にも冷たくされている主婦がある夜強盗に襲われ犯される。誰にも言えずに自殺まで考えた女のところへ強盗は通うようになり・・・ ただのおばさんと見えた春川ますみが時々凄い女の色気をただよわせたり、ほとんど彼女のひとり舞台の映画。古い家族制度への批判みたいなシーンもあるが、これは春川を見るための映画でしょう。

出演 春川ますみ、西村晃、露口茂、楠侑子、赤木蘭子、北林谷栄、加藤嘉、北村和夫、橘田良江、宮口精二
今村昌平監督。1964年日本映画。

1991年11月24日 (日)

仇討 (1964)

仇討 播州の武士新八(中村錦之助)は武器に関するいざござから上司を殺害、家にも藩にも追われて寺住まいを余儀なくされる。しかしそこへ剣の達人が追ってきて・・・
 非条理な武士の世界を描いた今井監督の力作。映画全体の持つ雰囲気が重々しく慣れるまで時間がかかったが、慣れるとぐいぐい引き込まれて一気に見せてくれる。特にラストの決闘シーンの狂気は圧巻。好きなのは対決以外で刀が登場するシーンで、その刀の重さを見事に表現していると感じた。

今井正監督。1964年日本映画。

1991年11月18日 (月)

ひとごろし (1976)

ひとごろし 松田優作の[ひとごろし]、めちゃ面白かった。好きだよ〜この映画。やっぱ普段二枚目の人が演じる三枚目はすっげー親近感を覚えるなあ。それに、この映画にはなかなか深い哲学がある。[負ける喧嘩はするな]とは昔からよく言うけど、[土俵を変えて喧嘩しろ]ってのも意味がある。[肝が座っているのはほんの一握りの人たちだけで、世の中のほとんどの人は臆病者なんだ]ってセリフにはうんうんとうなずいてしまいました。どっちにしても、時代劇の殻を破った時代劇だ、これは。

出演 丹波哲郎、松田優作、高橋洋子、五十嵐淳子、岸田森、桑山正一
大洲斎監督。1976年日本映画。

1991年11月16日 (土)

ブラインド・フューリー (1989)

ブラインド・フューリー アメリカ版座頭市は、主演のルトガーがあんまりかっこ良くないところが勝因のように思えます。日ごろ外国のパクリの邦画ばかり見せられていると、こういった作品を見るとクロサワ以来の快感です。

BLIND FURY
出演 ルトガー・ハウアー、テレンス・オクィン、ショー・コスギ、ブランドン・コール、リサ・ブロント、メグ・フォスター、ノーブル・ウィリンガム、カースティ・アレイ
フィリップ・ノイス監督。1989年アメリカ映画。

1991年11月11日 (月)

天国と地獄 (1963)

天国と地獄 身代金誘拐をテーマにしたサスペンス。冒頭は重役が並ぶ会社ドラマからはじまって、誘拐事件発生、親子と隣人の人間ドラマ、身代金引き渡しのサスペンス、刑事ドラマ、犯人の心理描写、そして謎説きにアクションといろんな映画の要素をぎ〜っしり詰め込んでしかも飽きさせないすご〜い娯楽作品。

出演 三船敏郎、香川京子、仲代達矢、木村功、山崎努、三橋達也、江木俊夫、加藤武、伊藤雄之助、志村喬、藤田進、中村伸郎、田崎潤、土屋嘉男、千秋実、北村和夫、東野英治郎、藤原釜足、佐田豊、石上健二郎、西村晃、菅井きん、名古屋章、浜村純
黒澤明監督。1963年日本映画。

1991年11月 6日 (水)

張込み (1957)

張込み 殺人犯の元恋人の家を向かいの旅館から監視する二人の刑事を描いた人間ドラマ。本編よりも何よりも冒頭の東京から佐賀への列車旅行シーンが圧巻で、この距離を逃げて来る犯人への同情もあいまってすばらしい効果を上げている。

野村芳太郎監督。1957年日本映画。

1991年10月28日 (月)

御誂次郎吉格子(おあつらえじろきちこうし) (1931)

御誂次郎吉格子(おあつらえじろきちこうし) 江戸を逃れ上方へ向かう鼠小僧次郎吉。彼は美しい娘お仙と恋に落ちるのだが、その兄の極悪非道な仁吉と対決する羽目になる。移動撮影を多用したアクティブなサイレント映画。

 ストーリーが思ったより複雑な上、画面の悪さから役者の顔が覚えられず(知らない顔ばっかり)ちょっと苦しかったんだけど、ちょこまかと暴れるアクションシーンはなかなか楽しく見せてくれます。

出演 大河内伝次郎、伏見直江、伏見信子、高瀬実乗、山本礼三郎
伊藤大輔監督。1931年日本映画。

1991年10月27日 (日)

7月4日に生まれて (1989)

7月4日に生まれて どうも映画ファンには人気下降気味のオリバー・ストーン監督だが、どうしてどうして、ずっしりと見せてくれる2時間半の大作。

 いろいろショッキングなシーンが続くが、一番印象に残ったのは誤射した戦友の家族にわびを入れに行くシーン。この場面は長く頭の中に残りそうだ。

出演 トム・クルーズ、ウィレム・デフォー、キーラ・セジウィック、レイモンド・J・バリー、キャロライン・カヴァ、フランク・ホエーリー、ジョシュ・エヴァンス、トム・ベレンジャー。

オリバー・ストーン監督。1989年アメリカ映画。

1991年10月14日 (月)

ゴジラ対ヘドラ (1971)

ゴジラ対ヘドラ このゴジラは子供の時に見た中でも特に気にかかっていて、再見したいと思っていたものです。最初に見た時はそうも思わなかったのですが、時間が経つにつれ「あれは凄い作品じゃなかったのか」と。実際目にすると、当時の高度成長時代の臭いやサイケな画面展開など本筋以外に独特な空気を持った映画です。

出演 山内明、木村俊恵、柴本俊夫、麻里圭子、川瀬裕之、吉田義夫

坂野善光監督。1971年日本映画。

1991年9月27日 (金)

E.T. (1982)

E.T. 山の中にUFOが不時着し、人間に追われて離陸するが宇宙人が独りとり残される。彼は近くに住む少年にみつけられ、その兄弟とも仲よくなるのだが・・・

 スピルバーグらしい子供の視点や考え方を大切にした映画。空飛ぶ自転車も魅力的だけど、私は前半のカエルのエピソードにこの映画の姿勢が集約されてるような気がしました。

E.T. -THE EXTRA TERRESTRIAL-
出演 ヘンリー・トーマス、ディー・ウォーレス、ドリュー・バリモア、ピーター・コヨーテ、K・C・マーテル、C・トーマス・ハウエル、ロバート・マクノートン、ショーン・フェイ、エリカ・エレニアック
スティーヴン・スピルバーグ監督。1982年アメリカ映画。

1991年9月26日 (木)

ブレードランナー (1981)

ブレードランナー 近未来のニューヨーク、人間に反乱を起こしたレプリカントと呼ばれるロボットが地球に4体帰還し、それを追うバウンティ・ハンターとの攻防を描く。

 ここで描かれる暗い未来は確かに強烈なインパクトがある。ストーリーは原作と比べるとかなり単純で、どちらかというとイメージ重視の映画ってことでストーリーがイメージで説明されてるような印象を受けた。

 レプリカントを使って生命の根元を描こうというテーマなんだけど、私は機械はどこまで進歩しても生命を持てないと思っているので、かなり疑問に思う。それよりもこの映画はやはりイメージに酔いたい。

BLADE RUNNER
出演 ハリソン・フォード、ショーン・ヤング、ルトガー・ハウアー、エドワード・ジェームズ・オルモス、ダリル・ハンナ、M・エメット・ウォルシュ、ウィリアム・サンダーソン、ジョアンナ・キャシディ、ブライオン・ジョーンズ、ジョー・ターケル、ジェームズ・ホン、モーガン・ポール
リドリー・スコット監督。1981年アメリカ映画。

1991年9月24日 (火)

蔵の中 (1981)

蔵の中 昭和初期、結核で蔵の中で暮らしている姉と彼女を慕って一緒に寝泊まりする弟の物語。姉にニューハーフの松原を起用したのがポイントで、二人の近親相姦シーンなどはかなりアブないものを感じる。しかし近親相姦と同性愛のアブなさってまったく別物だろうなって首をかしげたりもしたが。

高林陽一監督。1981年日本映画。

1991年9月20日 (金)

ゴーストバスターズ2 (1989)

ゴーストバスターズ2 前作から5年、落ちぶれたゴーストバスターズたちのメンバー(ビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、ハロルド・レイミス)の前に現れたのは、スライムパワーを吸ってパワーアップした魔王ビーゴ。ほとんど前作と同じパターンながらイケイケのりで楽しませてくれる。しかしあんな連中があんな強力なゴーストに勝てるなんて、いくら考えても謎だ!?

アイヴァン・ライトマン監督。1989年アメリカ映画。

1991年8月28日 (水)

嵐を呼ぶ男 (1957)

嵐を呼ぶ男 裕次郎がドラマーに扮するあまりにも有名なアクション映画。私はこれをカラオケでやりたいんだよー、でもセリフの部分の自信がない!? ところで、れいのドラム合戦のシーンは映画のクライマックだと思ってんだけどこれは映画の中盤のヤマだったんですね。ラストのオーケストラには、なんとドラムやサックスが入っていて笑ってしまいました。

出演 石原裕次郎、北原三枝、金子信雄、芦川いづみ、白木マリ
井上梅次監督。1957年日本映画。

1991年8月18日 (日)

稲村ジェーン (1990)

稲村ジェーン 導入部からぎくしゃくした展開で、これはやっぱ失敗作かなーなんて思ったんだけど、その奥で作者のこの物語に対する思いみたいなものががんがん伝わってきました。まあ私が音楽に弱い(感傷的な音楽を流されるとまるめこまれる)事を差し引いても十分酔えた映画だった。  

しかしこの映画、私の視点などは一番中途半端なのではないかとも思う。現役のサーファーの視点でも、この映画で描かれる時代のサーファーの視点(今だと40代ぐらいか)でもないのだから。

出演 加勢大周、清水美砂、伊武雅刀、金山一彦、草刈正雄、的場浩司、尾美としのり、泉谷しげる、伊佐山ひろ子、小泉今日子、原由子、古本新之輔、設楽りさ子、PANTA、伊東四朗、下元史朗

桑田佳祐監督。1990年日本映画。

1991年8月14日 (水)

ウンタマギルー (1989)

ウンタマギルー わかりにくい沖縄方言が使われているため字幕スーパーが入った異色の邦画。パルコの前作[ビリイ・ザ・キッドの新しい夜明け]に負けず劣らずのぶっとんだファンタジーだが、雰囲気を楽しむ以上に私のところへ伝わって来るものがなかったように思う。しかし豚の精を演じる青山知可子の妖艶なベビーフェイスにはくらくらっときた。

出演 小林薫、戸川純、ジョン・セイルズ、青山知可子、エディ

高嶺剛監督。1989年日本映画。

1991年8月 9日 (金)

バタアシ金魚 (1990)

バタアシ金魚 水泳部のソノコに一目惚れして入部、彼女を追い掛けまわす高校生カオルの物語。ほんと私に言わせれば出てくるやつみんなくわせものでとんでもない映画なんだけど、なぜか見てて笑いが止まらなかった怪作。コメディ映画だと思って見たら面白い。

出演 筒井道隆、高岡早紀、土屋久美子、東幹久、大寶智子、白川和子、いしかわじゅん、桜金造、山村美智子、伊武雅刀、佐藤オリエ、浅野忠信
松岡錠司監督。1990年日本映画。

1991年7月25日 (木)

天国にいちばん近い島 (1985)

天国にいちばん近い島 亡くなった父のおとぎ話に出てくる天国にいちばん近い島を求めてニューカレドニア島を旅する少女の物語。原田知世の父を我々の年代ではカリスマ的存在である高橋ユキヒロがやってるのはなるほどと思ったけど、何か浮いてたなあ。どうもこの映画はスタッフ一同がストーリーに酔って作ったんだけど、その酔いがうまく伝わって来なかった気がする。

 後半は美しい景色も加えてぐいぐいと見せてくれたんだけど、乙羽信子が[これが愛なのよ]と言ってからすべりこけてしまった。うーん。

大林宣彦監督。1985年日本映画。

1991年7月24日 (水)

早春物語 (1987)

早春物語 高校生と中年男性の恋を描いた青春ラブストーリー。とても現代的な内容でよくできてるストーリーだと思ったんだけど、率直に物語に入り込めなかったのは高校生と中年男性って組み合わせに違和感を感じたからかなあ。知世ちゃんは失礼ながら一生懸命になればなるほど、コミカルな面が出てきて笑ってしまう・・・ でもそれが彼女の味だと思う。

澤井信一郎監督。1987年日本映画。

1991年7月23日 (火)

黒いドレスの女 (1987)

黒いドレスの女 原田知世初のハードボイルド映画。オープニングなどは[おおっ]と思わせるものがあったけど、やっぱドスのきいた連中のペースに乗れずに前半は[知世ちゃん大丈夫かな]なんてはらはらさせられるような出来でありました。しかしこの映画、コミカルな部分がよくできていてかなり笑えます。やっぱり高速道路を歩いてやって来て、また高速道路を去って行く彼女は大人の喜劇を演じていたように思えます。

崔洋一監督。1987年日本映画。

1991年7月21日 (日)

シャイニング (1980)

シャイニング 鬼才キューブリックの監督したホラー映画。思ったより平凡なストーリーだったが、移動撮影を徹底的に駆使したアクティブな画面はなかなか迫力がある。劇中登場する双子の女の子は、コマーシャルのお仏壇なむ〜の女の子(知らないだろうなあ)に勝るとも劣らない不気味さで印象に残る。意志の疎通ができなくなった人間というのが一番こあいという教訓的映画でありました。「こうなるんじゃないか」という暗示のこあさもよく出ていたし。

出演 ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース、フィリップ・ストーン、ジョー・ターケル、バリー・ネルソン、アン・ジャクソン

スタンリー・キューブリック監督。1980年イギリス映画。

1991年6月 4日 (火)

醜聞 スキャンダル (1950)

醜聞(スキャンダル) 低俗ジャーナリズムを告発した作品。画家の青江(三船敏郎)はバイクで旅行中にヒッチハイクをしていた歌手美也子(山口淑子)を宿まで乗せてやる。ところがこれを目撃した低俗週刊誌の記者が二人のスキャンダルをでっち上げる。ありもしない事を書かれた青江は激怒し、裁判に持ち込もうとするのだが。

 本来なら社会的な告発劇になりそうなストーリーだけど、後半が気の弱い老弁護士の蛭田(志村喬)とその天使のような娘(桂木洋子)に向けられているのが意外でまた味がある。この作品でも主人公と喜怒哀楽を共にする千石規子が光る。

黒澤明監督。1950年日本映画。

1991年6月 3日 (月)

白痴 (1951)

白痴 ドストエフスキーの原作を舞台を北海道へ移しての映画化。4時間半の大作であったが、松竹が難色を示し上映時には2時間半にカットされた。黒澤監督はこの件で激怒し、映画の前半はストーリーを解説する字幕ばかりが流れるおかしな作品になってしまった。

 軍隊帰りで頭が少しおかしくなった亀田青年。そして彼を違った角度から愛する二人の女性と、亀田を憎みながらもひかれていくごろつきの伝吉の4人の関係を描いた人間ドラマ。しかし上記のような理由で、字幕がストーリーのテンポを乱してのめりこめなかった。

黒澤明監督。1951年日本映画。

1991年6月 2日 (日)

静かなる決闘 (1949)

静かなる決闘 戦争中に野戦病院で手術中に、当時不治の病だった梅毒を移された医師藤崎(三船敏郎)は、帰国後に恋人と別れてひとりで病気と戦っていこうと決心する。今見ると少し古いタイプのキャラクターになってしまったのかもしれないが、藤崎の苦悩が痛いほど伝わって来る秀作。彼の苦悩を受け止める看護婦役の千石規子がとても魅力的で、どうしようもなく暗いこの映画の救いになっている。

黒澤明監督。1949年日本映画。

1991年5月28日 (火)

愛と栄光への日々 ライト・オブ・デイ (1986)

愛と栄光への日々 ライト・オブ・デイ 工場で働きながら、ちょっと不良の子連れの姉と共に、ロック歌手になる夢を見る若者を描いた青春映画。母と姉弟のぶつかりながらの生活が時にダイナミックに、時にほろ苦く描かれるけど、ちょっとワンパターンな物語に思えてしまった。

出演 マイケル・J・フォックス、ジョーン・ジェット、ジーナ・ローランズ、ジェイソン・ミラー、マイケル・マッキーン、トーマス・G・ウェイツ、マイケル・ルーカー、マイケル・ドーラン

ポール・シュレイダー監督。1986年アメリカ映画。

1991年5月26日 (日)

ザ・デッド ダブリン市民より (1987)

ザ・デッド ダブリン市民より アイルランドのダブリンが舞台。中年のガブリエル夫妻は親戚のパーティに出席して楽しい一時を過ごす。しかしその帰途、長年連れ添った妻からの告白とは。ヒューストン監督の遺作。  出演のアンジェリカは監督の娘であり、脚本のトニーは息子。大変落ち着いた地味な作品だが、家族というものを考えさせる不思議な魅力を持っている。

出演 アンジェリカ・ヒューストン、ドナルド・マッキャン、キャスリーン・デラニー、ヘレナ・キャロル、レイチェル・ダウリング、ダン・オハーリー、フランク・パターソン、コルム・ミーニー

ジョン・ヒューストン監督。1987年アメリカ映画。

1991年5月21日 (火)

死霊の盆踊り (1965)

死霊の盆踊り 墓場へ迷い込んだカップルが亡者どもにみつかり、えんえんと牛のような体格の死霊ねえちゃんの裸踊りを見せられるというだけの映画。なさけない狼男とミイラ男の登場が愛敬。劇場公開された中では史上最低の映画とカルトになった。しかし世の中ひどい映画はゴマンとあるので、これだけが特にとりざたされるのはやっぱ何とも言えない魅力があるからでしょうねえ。

 なお原作・脚本は後日ティム・バートンに発掘されたエド・ウッド。

A・C・ステファン監督。1965年アメリカ映画。

1991年4月29日 (月)

麦秋 (1951)

麦秋 28才の娘(原節子)の結婚問題を中心にしたホームドラマ。幼い頃から成績優秀で将来が期待されていた娘が結婚適齢期を過ぎてしまう。周囲が勧める男性は、蓋を開ければ・・・というようなストーリー。しかし私にとってショッキングだったのは、娘の結婚問題でありながら本人同士が会うシーンが皆無である点です。それがこの時代だったのでしょうか。

小津安二郎監督。1951年日本映画。

1991年4月13日 (土)

ペット・セメタリー (1989)

ペット・セメタリー スティーブン・キング原作の作品は、どれもどうしようもない結末で気がめいってしまいそう。これもそんな映画の1本。特に夜中に部屋でひとりでサラウンドかけて見たので、なかなかこあかった! 気持ち悪かった。

 こあいばかりで救いようのない物語だけど、ちょっぴり感心したのは守護霊の存在をしっかりと描いていたところ。その守護霊の力も遠くおよばないのがキング作品の辛口なところですが。

マリー・ランバート監督。1989年アメリカ映画。

1991年4月 7日 (日)

あげまん (1990)

あげまん あんまり評判のよくなかった[あげまん]ですが、私はけっこうけたけたと笑って楽しみましたよ。伊丹映画のワルノリって私好きですねぇ。

出演 宮本信子、津川雅彦、島田正吾、橋爪功、金田竜之介、大滝秀治、一の宮あつ子、菅井きん、三田和代、洞口依子、黒田福美、橋爪功、高瀬春奈、杉山とく子、横山道代、関弘子、加藤善博、内田あかり、押坂忍、不破万作、東野英治郎、北村和夫、宝田明
伊丹十三監督。1990年日本映画。

1991年4月 3日 (水)

狂った果実 (1956)

狂った果実 湘南で遊びまわる金持ちの少年たち、[太陽族]を主人公にした強烈な青春映画。遊び人の兄と純情な弟が、ひとりの女性に熱をあげる。しかし彼女は米兵のワイフで、ふたりの運命は狂っていく。

 ラストの印象は強烈です。しかも、私の感覚では前半がまともではなく後半特にラストが正気の世界に戻るように感じられたってのもまたこあい。

出演:石原裕次郎、津川雅彦、北原三枝、岡田真澄、芦田伸介、藤代鮎子、車谷暎子、野沢葉子、石原慎太郎、ハロルド・コンウェイ

中平康監督。1956年日本映画。

1991年3月28日 (木)

スティング ブルー・タートルの夢 (1985)

スティング ブルー・タートルの夢 ロックバンド[ポリス]の元ギタリスト、スティングが新しいバンドを組んで音楽活動をスタートする様子を描いたセミドキュメンタリー。特に後半では彼らのライブがたっぷりと楽しめる。

 セミ・ドキュメンタリーと書いたのは、記録にしては練習風景でのカメラワークやスティングの動きがきまりすぎていて、どうも演出がかっていると思ったから。とはいっても、やっぱスティングはかっこいいねぇ。婦人の出産場面で、スティング自身が臍の緒を切るシーンなんて感動しちゃった。後半はパリでのライブ。[ロクサーヌ]や[ラシアンヌ]などのバラードが特に感動的。曲の途中にインタビューなどが挿入されたりしてたけど、できたらフルコーラス聴かせてほしかったなあ。

BRING ON THE NIGHT - A BAND IS BORN
出演 スティング、オマー・ハーキム、ダリル・ジョーンズ、ケニー・カークランド、ブランフォード・マルサリス
マイケル・アプテッド監督。1985年アメリカ映画。

1991年3月27日 (水)

我が輩はカモである (1933)

我輩はカモである マルクス4兄弟主演の喜劇。財政難のフリードニア国は、債権者の機嫌を取るために新しい総裁を迎える。ところがそれがとんでもないマッドな男で、やがて隣国と戦争をする羽目になる。

 ずいぶん古い映画だけど、それでもギャグの40%くらいは笑わされるのはさすが。特に後半15分の戦争シーンはなかなかスラップスティックでテンポもよくたっぷり笑いました。エンディングがあっけなくてイマイチかな。

DUCK SOUP
出演 グルーチョ・マルクス、チコ・マルクス、ハーポ・マルクス、ゼッポ・マルクス、マーガレット・デュモント
レオ・マッケリー監督。1933年アメリカ映画。

1991年3月26日 (火)

陸軍中野学校 (1966)

陸軍中野学校 満州事変頃の日本。エリートコースを歩む青年椎名次郎は陸軍から呼ばれ、スパイ養成機関である中野学校へ極秘に入学させられる。ところが彼の婚約者が行方不明になった彼を探して陸軍を探りはじめる。

 これは面白い! この映画のミソは、地位も名誉もなく一生を中野学校に捧げろという最初の言葉が、映画が進むにつれてだんだん納得できるところ。それに、ラストの常識では考えられないような主人公の行動がたっぷり説得力を持っているところ。それだけに映画の興奮からさめてくるとじわじわと恐ろしくなってくる作品です。

出演 市川雷蔵、小川真由美、加東大介、待田京介、E・H・エリック
増村保造監督。1966年日本映画。

1991年3月25日 (月)

続・忍びの者 (1963)

続・忍びの者 戦国時代、織田信長の忍者狩りに多くの仲間を殺された一向宗の忍者、石川五右衛門は明智光秀に近づき彼を利用して信長の暗殺に成功するが… 歴史の裏側に暗躍する忍者を描いたシリーズ第2作。

 有名な戦国時代の武将の物語に、歴史の影に隠れてしまった忍者の活躍を脚色した映画。視点が一向宗の人々にあるので、信長も秀吉も家康も徹底的に残虐に描かれている。そのあたりが、テレビの大河ドラマあたりで描かれる彼らと違ったリアリティを感じます。

出演 市川雷蔵、藤村志保、城健三朗、坪内ミキ子、山村聰、天地茂
山本薩夫監督。1963年日本映画。

1991年3月24日 (日)

ブルーウォーターで乾杯 (1988)

ブルーウォーターで乾杯 テキサスの海岸のバー[ブルーウォーター]の主人は行方不明の妻の8ミリを見てばかりいるので店の経営はうまくいかない。そんな彼の新しい恋人との出会いや、店乗取りを企てる連中との事件を描く。  主人公のハックマンが妻の8ミリを見ているシーンからこの映画は始まるのですが、ほとんど初老のハックマンだから娘を見ているんだと思ってしまった。と思ううちに今度はまた若くて美しいテリー・ガーとメイク・ラブ。うーん、2枚目はやっぱり得やねぇ。

FULL MOON IN BLUE WATER
出演 ジーン・ハックマン、テリー・ガー、バージェス・メレディス、デヴィッド・ドティ
ピーター・マスターソン監督。1988年アメリカ映画。

1991年3月23日 (土)

安珍と清姫 (1960)

安珍と清姫 修業僧安珍は山の中で間違って清姫の放った矢を受けて怪我をし、彼女の屋敷で養生する。しかし女人に近づくことを禁じられている彼は清姫を避けるのだが、それが逆に二人の恋心に火をつけることになる。

 これって有名な物語じゃなかったかな? 雷蔵さんの生真面目でウブな僧侶が良くも悪くも印象的。しかしここでの若尾文子みたいなめちゃんこ美しいお姫様に迫られたら、もうすべて棄ててしまうかもね。

出演 市川雷蔵、若尾文子、浦路洋子、片山明彦
島耕二監督。1960年日本映画。

1991年3月22日 (金)

濡れ髪牡丹 (1961)

濡れ髪牡丹 喧嘩の強いやくざの女親分が主人公のコミカル時代劇。彼女が自分を打ち負かした者と結婚して、組をすべてまかせると言ったものだから腕の立つ者が押しかける。最終試験まで行った男はただ一人だったが。

 雷蔵が、学問武術から医術まで何でもできるスーパーマンだが女とばくちだけは弱いという変な浪人を熱演(?)してます。これは楽しい、笑える作品です。

出演 市川雷蔵、京マチ子、小林勝彦、小桜純子
田中徳三監督。1961年日本映画。

1991年3月21日 (木)

歌行燈 (1960)

歌行燈 謡曲の世界を描いた泉鏡花の小説の2度目の映画化。高慢な謡曲の師範を自殺に追込んだ主人公が、自らの罪をつぐなうために師範の娘に自分の芸を仕込む。

 2つの発見がありました。その1、鼓は折畳み式で小さくしてカバンにつめる事ができる。その2、昔は結構景気がよさそうな家でも、主人が死ぬと娘が芸者に売り飛ばされるくらいどん底に落ちてしまう。

 映画の開始あたりでは謡曲ってのにちょっと抵抗があったんだけど、だんだん引き込まれて見てしまいました。

出演 市川雷蔵、山本富士子、柳永二郎、信欣二、中条静夫、荒木忍
衣笠貞之助監督。1960年日本映画。

1991年3月20日 (水)

喜びも悲しみも幾歳月 (1957)

喜びも悲しみも幾歳月 灯台守夫婦の半生を描いた有名な映画。中学の時に見た時はあんまり面白くなかったんだけど、今目にするとなかなか感動ものの見ごたえのある作品。しかし灯台守りなんて仕事今でもあるのかなあ。今で言ういわゆる3K(きつい、汚い、暗い)の仕事。しかしたとえ厳しい仕事でもこんな夫婦を見てるとかえって幸せだったんじゃないかと思ってしまい
ますね。

木下恵介監督。1957年日本映画。

1991年3月19日 (火)

処女の泉 (1960)

処女の泉 中世のスウェーデンの農村が舞台。豪農のひとり娘カリンは馬で教会へ向かう。しかし森の中で3人の浮浪者に襲われ命を失う。浮浪者たちは村へ入り、そうとは知らず彼女の家へ一夜の宿を斯うのだが。

 ベルイマン監督の古典的名作。後半は娘を殺された父親の復讐劇なのだが、ひと味ちがうのは復讐を終えた父親の無情感ががつんと見る者にのしかかってくるところです。

JUNGFRUKALLAN (THE VIRGIN SPRING)
出演 マックス・フォン・シドー、ビルギッタ・ペテルソン、グンネル・リンドブロム、オーヴェ・ポーラット、ビルギッタ・ヴァールベルイ、アクセル・デュールベルイ、トール・イーセダル、アラン・エドヴァル
イングマール・ベルイマン監督。1960年スウェーデン映画。

1991年3月18日 (月)

失われた週末 (1945)

失われた週末 すばらしい兄と恋人がいるのにアル中で酒がやめられなくて苦悩する小説家を描いた作品。幻覚に襲われながらも酒瓶を求めるアル中患者の生態を息がつまるほどリアルに描いている。

 これは原作者の自伝的小説なんじゃないかと思いましたね。しかしこの映画を見るかぎり酒飲みはこあい。私のそばにこーゆー酒飲みがいたら、とっくの昔にえんがちょ(?)してるでしょう。

THE LOST WEEKEND
出演 レイ・ミランド、ジェーン・ワイマン、フィリップ・テリー、ドリス・ダウリング
ビリー・ワイルダー監督。1945年アメリカ映画。

1991年3月17日 (日)

歌え!ロレッタ 愛のために (1980)

歌え!ロレッタ 愛のために カントリー歌手ロレッタ・リンの半生を描いた物語。山奥の鉱夫の娘として生れたロレッタは、13歳の時にワイルドな若者に見染められて結婚、彼と衝突しながら立派な家庭を築き、歌手へと目覚めて行く。

 どことなくクサい邦題よりも、原題の「炭坑夫の娘」ってのが好きだなあ。田舎に生れ13歳で結婚して現実に狼狽する少女、それに家族、特に父との愛情を交えた前半。歌手として目覚め、夫をマネージャーにアメリカ中をとびまわる彼女の姿が魅力いっぱいに描かれます。久しぶりに「人生を描いた映画」を見たなあって感想です。

COAL MINER'S DAUGHTER
出演 シシー・スペイセク、トミー・リー・ジョーンズ、ビヴァリー・ダンジェロ、レヴォン・ヘルム
マイケル・アプテッド監督。1980年アメリカ映画。

1991年3月14日 (木)

呼子星 (1952)

 東北の浪曲師の女性が同業の男性と駆け落ちし、東京へ移り住み可愛い娘ができる。ところが夫は事故死、自分はつまらない事件で刑務所へ入れらる。母子の絆を浪曲にのせて描いた涙・涙の物語。

 当時有名だった3人の浪曲師(伊丹秀子、広沢寅造、寿々木米若)が特別出演するメロドラマ。ストーリーはいわゆる不幸のズンドコもの。浪曲部分はすんなり聴けたが、これだけ作意的に湿っぽい話はちょっとしんど過ぎるなあ。

 と言ってもラストの雪の中の嫁入りシーンのガラス越しの母娘はなかなかの名場面。松島トモ子の子役も一見の価値がありますね。

出演 三益愛子、松島トモ子、三橋達也、星美智子、小林桂樹、伊丹秀子、広沢寅造、寿々木米若
吉村兼監督。1952年日本映画。

1991年3月13日 (水)

フラットライナーズ (1990)

フラットライナーズ 死後の世界に興味を持った5人の医学生が、自らの体を仮死状態にして数分後に蘇生するという実験を秘密に行う。実験は無事成功して、彼らは死の世界を覗き見たように思えたのだが…

 死後の世界をテーマにしたスリラー。セピアの色調が独特の雰囲気を生んでいる。

 私の個人的意見なんですが、死というのはとてもメンタルな問題で、生還する事を目的とした心臓停止は幽体離脱などのいわゆる「死」は発生しないと思うんですが。この映画はそのあたりをきちんと押えているというか、死後の世界の描写は彼らの[妄想]や[夢]であると解釈できるように押えられ、映画の後半はその妄想をどうやって断ち切るかという方向にふられていてとても妥当な展開だと思います。

 ところがエンタテイメントとしてこの映画を見ると、リアリティはあるんだけど娯楽がいまひとつ少ないなあって感じですね。娯楽を追及すれば矛盾を指摘し、リアルにふれば娯楽性がないとわめく。観客とは理不尽なものなのです。

FLAT LINERS
出演 キーファー・サザーランド、ジュリア・ロバーツ、ケヴィン・ベーコン、ウィリアム・ボールドウィン、オリヴァー・プラット、キンバリー・スコット、ヨシュア・ルドイ、ベンジャミン・モートン
ジョエル・シュマッカー監督。1990年アメリカ映画。

1991年3月12日 (火)

山猫令嬢 (1948)

 田舎で育てられた女子高生が満州から退き上げて来た母と再会する。しかし母は水商売で暮す下品なおばさんで、京都へ引っ越してからも彼女は自分の母を友人から隠すのだったが。  母もののメロドラマの1本。しかし冒頭、少女が夢描いて帰りを待ちわびていた母親はとんでもないオバタリアンで、彼女に連れられて京都のゲイシャハウス(?)に引っ越さなければならなくなったってのは本当、ホラーですねえ。怖かった。後半は涙、涙で見ててしんどかったので、特にこの冒頭シーンが印象に残りました。

出演 高田稔、三条美紀、三益愛子、小林桂樹
森一生監督。1948年日本映画。

1991年3月11日 (月)

ピロスマニ (1969)

ピロスマニ 自由を愛するグルジアの画家ピロスマニの半生を描いた伝記映画。彼は片田舎で酒場の壁に飾る絵を描いて暮していたが、有名な美術家に発見されメジャーな画家への道を歩もうとするのだが。

 画家の映画らしく、グルジアの美しい色彩と風景の中で繰り広げられる物語。失意のどん底にいる彼を励ます人々などの暖かさが印象的。しかしピロスマニの苦悩が何であったのかが、貧困な私の思考力ではよくわからなかった。映画が後半へ行くほどストーリー性がなくなってイメージの映画となっています。

ЛИРОСМАНИ
出演 アフタンジル・ワラジ、ボリス・ツィプリヤ、ワッラ・ミンチン、ニノ・セトゥリーゼ、マリア・グワラマーゼ、ダヴィド・アバシーゼ
ゲオルギー・シェンゲラーヤ監督。1969年グルジア映画。

1991年3月10日 (日)

テープヘッズ (1988)

テープヘッズ 警備員をクビになった2人組が、自分たちの腕を生かそうとビデオ制作 会社を作る。彼らの独特のノリは好評だったのだが、やがて大統領選挙の陰謀に巻き込まれるというナンセンス・コメディ。

 劇中に出て来る彼らの作るプロモーション・ビデオがとてもいい。それが低予算で作ってるうちはいいんだけど、メジャーになるほどレベルが落ちて行くのは面白かった。この映画自身も低予算ならではの自由な環境の中でノリノリで作られたんでしょうねえ。

TAPEHEADS
出演 ジョン・キューザック、ティム・ロビンス、ダグ・マクルーア、コニー・スティーヴンス、クルー・ギャラガー、サム・ムーア、メアリー・クロスビー、スーザン・ティレル
ビル・フィッシュマン監督。1988年アメリカ映画。

1991年3月 9日 (土)

群れ (1978)

群れ トルコの遊牧民族の物語。いがみあう2組の家族がいて、互に子供同志が結婚しているのだが嫁が何回も流産していてうまくいっていない。そして彼らは大量の羊を首都まで輸送するという大仕事にかかるのだが。

 反体制の罪で投獄されたギュネイ監督が獄中から制作を指揮したと伝えられる作品。トルコ社会の理不尽な部分について鋭い告発が含まれる。

 遊牧民族のベイシカン家とハリラン家は昔から憎み合っている。だがその関係を改善しようと、ベイシカンの息子シバンとハリランの娘ベリバンが結婚している。ところがベリバンは3回も子供を流産していて、しかもそのショックで口がきけなくなっている。シバンの父ハモも彼女を呪われた嫁として嫌っている。シバはベリバンをまともな病院に入院させようと思っているのだが、彼らには金がない。そして、羊の移送という大仕事が彼らに入って来るのだが。

 ラストは首都に入ってからの彼らの行動が描かれるのだが、一部の特権階級のために貧困へと追いやられた人々の叫びが強烈に代弁されている。

SURU
出演 メリケ・デミルアー、タールク・アカン、トゥンジェル・クルティズ
ゼキ・ウクテン監督。1978年トルコ映画。

1991年3月 8日 (金)

チェド (1976)

チェド 17世紀のアフリカが舞台。白人によるイスラム教の布教で原住民は改宗する者と自分たちの宗教を守る者に別れる。やがて改宗に反対する者がディオル姫を誘拐した事により、血の争いが始まる。

 昔のアフリカの原住民たちを描いた映画ってのは初めて見た。部族間の抗争を描いた結構血なまぐさい映画なんだけど、役者のアクションや風景がほのぼの、のんびりしてて緊迫感がない。何か違う世界の出来事のように思える。余談だけど、ディオル姫がなかなか魅力的。

CEDDO
出演 タバラ・ンディアイユ、ママドゥ・ンディアイユ・ディアニュ、マホレディア・ゲイ、アウリンヌ・ファル、ママデゥ・ナール・セン、ウスマン・カマラ、ピエール・オルマ、ムスタファ・ヤッド
ウスマン・センベーヌ監督。1976年セネガル映画。

1991年3月 7日 (木)

愛の狩人 (1971)

愛の狩人 女性に対して純情で保守的な青年と、女たらしの青年という正反対の性格をした二人の大学生が中年になるまでの女性関係を描いた青春映画。ストーリーがすべて二人の性に関する事件という異色作。

 ニコルズ監督では「卒業」もラストの掠奪結婚シーンを除いてはねちっこいセックスに関する映画だったけど、これもその流れをくむ作品。男ふたりが互いの女性関係を告白しながら友情を深めていくってのはよくある話なのかもしれないけど、私は個人的にあんまり好きじゃない。原題はストレートに「肉体関係」という意味らしい。

 ニコルソンとバーゲンは歳よりもすごく老けて見える。アン・マーグレットは大きな胸ばかりに目が行ってしまった。ガーファンクルはあのフォーク歌手のガーファンクルです。劇映画に出てるとは知らなかった。

CARNAL KNOWLEDGE
出演 ジャック・ニコルソン、アート・ガーファンクル、キャンディス・バーゲン、アン・マーグレット、リタ・モレノ、シンシア・オニール、キャロル・ケイン
マイク・ニコルズ監督。1971年アメリカ映画。

1991年3月 6日 (水)

終着駅 (1953)

終着駅 1ヵ月の不倫の関係を清算して帰国しようとするアメリカ人夫人と彼女を追いかける男のやりとりを描いたメロドラマ。題名のとおり駅が舞台で、カメラが駅から最後まで一歩も出ないというのが面白い。

 不倫を断って家族の元へ帰ろうとする女性と、彼を追いかけて来る男性に、彼女の甥っ子の3人の駅でのやりとりが中心となる異色のラブストーリー。印象に残ったのはこの二人の別れきれないしつこさだけかなあ。まあ、それがあるから不倫になったんだろうけど。

STAZIONE TERMINI
出演 ジェニファー・ジョーンズ、モンゴメリー・クリフト、リチャード・ベイマー、ディック・デイマー
ヴィットリオ・デ・シーカ監督。1953年イタリア=アメリカ合作。

1991年3月 5日 (火)

狂熱の孤独 (1953)

狂熱の孤独 メキシコに旅行に来たフランス人夫婦の夫が伝染病になり急死する。残された夫人は言葉も不自由なまま帰国のチャンスを待つが、やがて妻を失ってアル中になった男に心を引かれて行く。

 ストーリーの基本はメロドラマなんだけど、貧困のメキシコを舞台にしているのと途中から伝染病を扱ったパニック映画になっているので、かなりハードな印象を受けました。

LES ORGUEILLEUX
出演 ジェラール・フィリップ、ミシェル・モルガン、ヴィクトル・マヌエル・メンドーサ
イヴ・アレグレ監督。1953年フランス=メキシコ合作。

1991年3月 4日 (月)

ミザリー (1990)

ミザリー 人気作家が山奥で交通事故を起こし、彼の熱狂的なファンの女性に助けられ看病される。しかし彼の人気作「ミザリーシリーズ」の最新作でミザリーが死ぬ事がわかると、彼女の態度は一変する。

 ディテールは一般的な密室スリラーだけど、作家と狂信的なファンの関係を題材にするとは面白い発想。しかも後半はヒッチコックタッチでずんずん押されて怖い怖い! 普通のおばさんをあれだけ恐怖映画の主人公に仕立上げるところがまた、面白可笑しくそしてきょわい。

MISERY
出演 ジェームズ・カーン、キャシー・ベイツ、リチャード・ファーンズワース、ローレン・バコール、J・T・ウォルシュ、フランシス・スターンハーゲン、グラハム・ジェイヴィス
ロブ・ライナー監督。1990年アメリカ映画。

1991年3月 3日 (日)

ダイブ 深海からの帰還 (1988)

ダイブ 深海からの帰還 海底送油パイプに網がひっかかる事故が発生し、オイル漏れを止めるためにダイバーが潜る。しかしゴンドラも網にひっかかり、彼らの生命も危険にさらされる。

 「宇宙からの脱出」の海底版。閉鎖空間からの脱出というパニック映画は題材としては見飽きてしまってるが、この映画は特撮っぽいところが全然ないリアルさと緊迫感で結構見せてくれる。

DIVE
出演 ビュルン・スンクェスト、エンドリーデ・エイドスボルド、マイケル・キッチン
トリスタン・デ・ベーレ・コーレ監督。1988年イギリス=ノルウェー合作。

1991年3月 2日 (土)

制服の処女 (1931)

制服の処女 ドイツの厳格な寄宿学校へひとりの両親を失った少女が送られて来る。やがて彼女は、厳しいが優しさのあるベルンブルク先生にひかれていくのだが。登場人物が全部女性の異色作品。

MADCHEN IN UNIFORM
出演 ヘルタ・ティーレ、ドロテア・ヴィーグ、エミリア・ウンダ、エレン・シュヴァネッケ
レオンティーネ・ザガン監督。1931年ドイツ映画。

1991年3月 1日 (金)

高校大パニック (1978)

高校大パニック 九州の進学校で、数学ができない生徒がそれを苦に自殺。彼の友人はライフルを盗み自殺の原因となった教師を射殺し、人質をとって学校にたてこもる。粗削りだけどパワフルな佳作。浅野温子がいい。

 「数学できんで、何がわるい」と叫びながら教師を射殺するあたりは大変共感が持てるんだけど、それ以外の部分はかなり粗削りです。警察や銃器の描きかたも2時間ドラマの域を出ていない。山本茂クンは目の玉ひん向いて狂気の高校生を熱演していたけど、やっぱ圧倒的な存在感があったのは浅野温子演じる無口な女子高生。「スローなブギにしてくれ」もそうだけど、私は昔の浅野温子の方が好きだなあ。

 石井聰亙監督が8ミリで制作した映画のリメイクだそうだけど、このストーリーはやっぱり8ミリ向きだと思う。学生が8ミリやビデオを手にしたらまずこの題材に走るのでは。

出演 山本茂、浅野温子、内田稔、江角英明、河原崎長一郎、宮下順子
澤田幸弘、石井聰亙監督。1978年日本映画。

1991年2月28日 (木)

愛と死の記録 (1966)

愛と死の記録 広島で知り合った若い男女。しかし彼女のプロポーズを避け続ける彼は被曝者だった。難病ものの1本だが、社会問題を扱ったやや重い作品。若い渡哲也は現在のイメージとはだいぶ違う。

 被曝者の問題を背景にした社会派のラブストーリー。「彼は愛されてはいけない人だったの」という彼女の叫びには十分共感できる。利害関係で動く大人の考え方への批判もよくわかる。しかしこの頃の映画の風潮か、何でも自殺で片付けてしまうあたりはちょっと安易に思うのだが。

出演 吉永小百合、渡哲也、芦川いづみ、中尾彬、佐野浅夫、滝沢修
蔵原惟繕監督。1966年日本映画。

1991年2月26日 (火)

メンフィス・ベル (1990)

メンフィス・ベル 第2次大戦でイギリスからドイツを目指して出撃して行った爆撃機B17、通称メンフィス・ベルに乗り込んだ若者たちを描く。乗組員たちと共に爆撃の恐怖を体験する映画でもある。

 ドイツ映画で「Uボート」という話題作がありましたが、これはその飛行機版とも言うべき傑作。もっと話題になってもいいと思う作品なんだけどなあ。

 ストーリーは、最後の任務であるドイツの武器工場の爆撃の任務を受けたB17を最初から最後まで緊張感いっぱいに描く。よーするにドイツの本土を爆撃するわけですから、緊張感は今までの爆撃とはわけが違うってわけなんですよね。これはぜひとも、クルーたちと一緒にB17に乗った気分になって、戦争を体験してもらいたい映画です。

 私、個人的にこの映画を見る前日に「我等の生涯の最良の日」という映画を見たのですが、できたら「メンフィス−」の後に「我等−」を見ていただきたい。「我等−」は「メンフィス−」の後日談に近い内容です。

MENPHIS BELLE
出演 マシュー・モディン、D・B・スウィーニー、エリック・ストルツ、ハリー・コニック・Jr.、ジョン・リスゴー、テイト・ドノヴァン、ビリー・ゼイン、ショーン・アスティン、ニール・ガントリ、リード・E・ダイアモンド、コートニー・ゲインズ、デヴィッド・ストラザーン
マイケル・ケイトン・ジョーンズ監督。1990年アメリカ=イギリス合作。

1991年2月25日 (月)

我等の生涯の最良の年 (1946)

我等の生涯の最良の年 第2次大戦が終了後の復員兵たちの物語。飛行機の中で偶然乗り合わせた3人の兵隊は意気投合する。やがて彼らは自分たちの家へ戻るのだが、酒場でまた偶然出会いお互いの境遇を確認しあう。

 戦争帰りの3人の物語をオムニバス風に描いた作品。それぞれの物語は絡み合っているのだが、均等に描かれて誰が主役というわけでもない。しかし戦争に勝ったアメリカでも、これだけ熱い物語があったんだと唸らされます。特に両手を失った若者が家族や恋人と出会うシーンでは涙が出ましたが、その後に続く彼の戦いの方がずっと重い。1946年というのは太平洋戦争終結の翌年ですが、みんなどんな気持ちでこの映画を見ていたのでしょうか。

THE BEST YEARS OF OUR LIVES
出演 フレデリック・マーチ、マーナ・ロイ、テレサ・ライト、ダナ・アンドリュース、ハロルド・ラッセル
ウィリアム・ワイラー監督。1946年アメリカ映画。

1991年2月24日 (日)

アラビアのロレンス (1962)

アラビアのロレンス 第一次大戦中のアラブ、トルコの侵略に対抗するためにアラブの各民族をまとめたイギリス軍ロレンス大佐の半生を描いたスペクタクルドラマ。特に砂漠の描写が美しい。

 もう10年ぶりぐらいにこの作品を見ました。リーンの作品ではナンバーワンにあげる人が多いのですが、私はスケールの大きさと砂漠の美しさ以外はあまりぴんと来ないのです。鈍感なんでしょうかねぇ?

LAWRENCE OF ARABIA
出演 ピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、アレック・ギネス、アンソニー・クイン、ホセ・フェラー、ジャック・ホーキンス、クロード・レインズ、アンソニー・クェイル、アーサー・ケネディ
デヴィッド・リーン監督。1962年イギリス映画。

1991年2月22日 (金)

雨の中に消えて (1963)

雨の中に消えて 雪国の高校卒業後上京してきて共同生活するあや子、きみえ、たか子という3人の若い女性を描いた青春ドラマ。3人の若い恋愛がオムニバス風に時にユーモアを交えながら綴られる。

 気の強い女子大生あや子(吉永)は男子学生との普通の恋愛、家庭的なきみえ(十朱)の、高校の先生へのほのかな思い、そして大人びたたか子(笹森)の中年の作家先生との不倫っぽい恋が交互に描かれるドラマ。けっこう思わせぶりなセリフが続くのですが、中身は意外とライトです。

出演 吉永小百合、笹森礼子、十朱幸代、高橋英樹、下元勉、菅井きん
西河克巳監督。1963年日本映画。

ニューヨークの王様 (1957)

ニューヨークの王様 テロにあった小さな国の王様がニューヨークにやって来る。国を再建しようとアメリカで計画を練るのだが、彼にとってコマーシャリズムの進んだアメリカはどうにも肌に馴染めない。

 発展中のコマーシャリズムや暗いアカ狩りの時代などを経験してきたチャップリンのメッセージ映画です。この映画の中の笑いは私大好きです。

A KING IN NEW YORK
出演 チャールズ・チャップリン、ドン・アダムス、マイケル・チャップリン、オリヴァー・ジョンストン、マキシー・オードリー、ハリー・グリーン
チャールズ・チャップリン監督。1957年イギリス映画。

1991年2月20日 (水)

チャップリンの殺人狂時代 (1947)

チャップリンの殺人狂時代 保険金殺人を繰り返す男を主人公に、戦争による殺人の正当性を暗に皮肉る社会派映画。ここではサイレント時代のチャップリンの面影はありません。  チャップリンらしい毒の盛り上げられた作品ですが、個人的にはあんまり好きな映画ではありません。(チャップリンさん、ごめんなさい!)何か保険金殺人をユーモラスに綴った部分と、法廷で主張する彼とがちぐはぐでイメージの中で一致しないのです。

MONSIEUR VERDOUX
出演 チャールズ・チャップリン、マーサ・レイ、イゾベル・エルソム、マディ・コーレル
チャールズ・チャップリン監督。1947年アメリカ映画。

チャップリンの独裁者 (1940)

チャップリンの独裁者 架空の国トメニアを舞台に、世界征服をたくらむ独裁者ヒンケルと彼にそっくりの床屋の繰り広げるブラック・ユーモアの世界。ヒトラーとムッソリーニへの強烈な批判でもある。

 チャップリン初のトーキーなんですが、やっぱり彼はサイレントの役者なんだなあと思わせる芸が至る所に散りばめられています。しかし制作された1940年ってのは第二次大戦が勃発する前の年なんですね。こんな年によくこんな映画が制作できたものだとびっくりものです。

THE GREAT DICTATOR
出演 チャールズ・チャップリン、ジャック・オーキー、ポーレット・ゴダード、ヘンリー・ダニエル、レジナルド・ガーディナー、モーリス・モスコヴィッチ、ビリー・ギルバート
チャールズ・チャップリン監督。1940年アメリカ映画。

1991年2月19日 (火)

さよなら子供たち (1988)

さよなら子供たち 第2次大戦のドイツ占領下のフランス。主人公の少年たちは、集団疎開で寄宿学校に入れられる。学校での生活を描きながら、戦争の周辺に生きる人々の姿を描いた秀作。

 戦時下の子供たちの姿を描いた作品。平板な展開だけど、各エピソードが面白く楽しめる。しかし平板なだけに、ゲシュタポの秘密警察がやって来るラストシーンは印象的ですね。

AU REVOIR LES ENFANTS
出演 ガスパール・マネス、ラファエル・フェジョー、フィリップ・モリエ・ジュヌー、フランソワ・ベルレアン、スラニスラフ・キャレ・ド・マルベール、フランソワ・ネグレ、ペーター・フィツ、パスカル・リヴェ、イレーヌ・ジャコブ
ルイ・マル監督。1988年フランス映画。

1991年2月18日 (月)

バベットの晩餐会 (1987)

バベットの晩餐会 パリで家族を殺された女性バベットが、デンマークの方田舎で伝道師を営む初老の姉妹を頼って身を寄せる。年月が流れたある日、宝くじが当った彼女は皆にフランス料理を御馳走すると言うことになる。

 「食」をテーマにしたドラマ。伝道師として年老いた姉妹の恋を中心に美しいデンマークの自然と色彩の中で物語が描かれる。特に後半の晩餐会のシーンは、たっぷり笑いました。グロテスクな物ほど美味しいと言いますが、この映画にもその言葉はぴったり。うーん、これ以上はストーリーに関しては書きたくない映画だな。とにかく期待に外れぬ面白い作品です。

BABETTES GOESTEBUD
出演 ステファーヌ・オードラン、ジャン・フィリップ・ラフォン、ボディル・キェア
ガブリエル・アクセル監督。1987年デンマーク映画。

1991年2月17日 (日)

ルードウィヒ 神々の黄昏 (1972)

ルードウィヒ 神々の黄昏 バイエルン王国にわずか19歳で即位したルードヴィヒ2世の半生を描いた大作。彼の芸術へのこだわりとワーグナーへの傾倒、そして彼に裏切られ暴走する様子が絢爛たる画面の中で描かれていく。

 劇場公開時は3時間の編集ですが、これは89年に発表された4時間の再編集版。とにかく豪華絢爛と言う言葉がぴったりのヨーロッパ調の室内装飾の中でドラマは進行します。

 ワーグナーの音楽に魅せられ、彼を自国へ呼びオペラを上演し劇場まで建設しようとするルードヴィヒ。しかしワーグナーは心配事があると音楽が書けないと言い、すべてに最高を求める浪費家。当然国民は納得できず、大臣たちにも反対者が出る始末。やがてたのみのワーグナーともしっくりいかなくなった彼は、政治に感心を示さなくなり坂を転げ落ちて行きます。

 ストーリーはなかなか面白く、また舞台装置の凄さなども手伝って4時間一気に楽しめた作品なのですが、どうも時代背景を知らないせいかこれと感じるものがなかったのは残念。

出演 ヘルムート・バーガー、ロミー・シュナイダー、トレヴァー・ハワード、シルヴァーナ・マンガーノ、ゲルト・フレーベ、ヘルムート・グリム、イザベラ・テレジンスカ、ジョン・モルダー・ブラウン
ルキノ・ヴィスコンティ監督。1972年イタリア=西ドイツ=フランス合作。

1991年2月16日 (土)

陽炎 (1990)

陽炎 明治時代、女賭博師のおりんは大阪で別れた義弟に偶然会う。彼によると彼女らの育ての両親の死後、その料亭はやくざどもに乗っ取られたという。話を聞いて彼女は九州行きを決意する。

 最近のトレンドである、女ヒーローが大活躍する任侠映画です。とにかく樋口可南子のひとり舞台でした。五社監督という事で「鬼龍院花子の生涯」とよく比較されるけど、こちらはアクションと娯楽にふってます。荻野目慶子ちゃんが胸を出して頑張ってます(!?)

出演 樋口可南子、仲代達矢、荻野目慶子、本木雅弘、かたせ梨乃、竹中直人、白竜、うじきつよし、芦屋小雁、高品格、神山繁、緒形拳、岩下志麻、北村和夫、丹波哲郎、岡田英次、川地民夫
五社英雄監督。1990年日本映画。

1991年2月15日 (金)

戦火のかなた (1946)

戦火のかなた 第2次大戦のイタリアを舞台に、連合軍の進撃に沿って6つのエピソードが綴られたオムニバス映画。制作が1946年だけに生々しく戦争の残虐性を訴えている。

 イタリア・ネオリアリズム(イタリア語ではネオリアリズモ)の中心的存在であるロッセリーニ監督の代表作。連合軍進行に伴う民衆の姿をオムニバス形式に切り取る事によりリアルに描写していて感動的。だいたいのストーリーは以下のとおりである。

第1話 連合軍がノルマンジーに上陸。イタリア人住民たちと接触するのだが、彼らはなかなかアメリカ兵を信じようとしない。
第2話 ナポリが舞台。靴を盗まれた米兵が盗んだ少年をつかまえ、彼の家族のところへ突き出そうとするのだが。
第3話 娼婦につれこまれた米兵。彼は昔花束をもらった少女の事を考えるとそんな気にはなれないと言うのだが。
第4話 フィレンツェが舞台。パルチザンの恋人に会おうとする女性は味方の忠告も無視して敵軍の占領地へ乗り込んで行く。
第5話 修道院へ連合軍の従軍牧師が泊めてもらう。しかし彼らの二人が宗教が違う事がわかり、やがてトラブルに。
第6話 ドイツ軍とパルチザンの激しい攻防。川を流れる味方の死体を拾い上げるパルチザンの兵士。しかしそこをドイツ軍に襲われ激しい戦闘になる。

PAISA
出演 カルメラ・サチオ、アル・フォンシーノ、ドッツ・M・ジョンソン、マリア・ミキ、ガール・ムア
ロベルト・ロッセリーニ監督。1946年イタリア映画。

1991年2月14日 (木)

地下水道 (1956)

地下水道 第2次大戦末期にドイツ軍の進行を受けたワルシャワ。逃げ場を失ったレジスタンスが下水道(地下水道)に逃れ、逃げ回る様子をリアルに描いたな戦争映画の傑作。

 傑作だとは思うが、この映画はどうもブラウン管には向かない。私が見たのは衛星放送なのだが、後半の地下水道のシーンが本当に真っ暗でブラウン管では何が起こっているのかわからない。仕方ないのでテレビの輝度を上げたら、字幕が光って読みづらい。まいったまいった。

 ストーリーはどちらかと言えば退屈したが、この映画は本当の戦争の臭いがする。地下水道で汚物にまみれて逃げまどう人々の姿は強烈だ。

KANAL
出演 タデウシュ・ヤンツァー、テレサ・イジェフスカ、エミール・カレヴィッチ、ブラデク・シェイバル
アンジェイ・ワイダ監督。1956年ポーランド映画。

1991年2月13日 (水)

アメリカの伯父さん (1980)

アメリカの伯父さん 放送局に勤めるジャンとその妻、それにアングラ女優のジャニーヌの3人の愛憎のドラマに、生物学心理学的な解釈を加えた異色の作品。フランス映画的な冷めた視点や奇妙な理屈っぽさを感じる。

 アラン・レネの作品は「24時間の情事」に続いて2本目だが、やはり難解で苦手。とは言っても「24時間−」よりはこちらの方がわかりやすい。特に愛憎のドラマにモルモットの行動パターンを重ね合わせたあたりはその発想の面白さに笑いました。

MON ONCLE D'AMERIQUE
出演 ジェラール・ドパルデュー、ニコール・ガルシア、ロジェ・ピエール、マリー・デュボア
アラン・レネ監督。1980年フランス映画。

1991年2月 8日 (金)

恐怖の報酬 (1952)

恐怖の報酬 中米の油田で火災が発生する。消火には大量のニトログリセリンが必要だ。巨額な報酬をもらいパリへ帰る事を夢見る4人の男が、この危険なニトロの輸送を請負う事になるのだが。サスペンスの古典的傑作。

 サスペンスの傑作と言われるこの作品を初めて見た。最初の1時間ほど続く中米の町での人物描写は正直言って退屈したが、ニトロを満載した2台のトラックが発車してからラストまでの1時間半は本当に一気に見せてくれる。退屈に思えた前半も、トラックが走り出すといろんな伏線が吹き出して面白い。何よりも彼らがどうしてここまで危険な任務をしなければいけないかをたっぷり説明している。最近のサスペンスやアクション映画では、このあたりの説明が欠けていて感情移入ができないものが多い。

 ちょっと思い出したんだけど、60年代に放映されていた「キーハンター」などのアクションドラマで、ニトロを使ったアクションは結構ぱくられてるんですね。子供の頃あの番組はよく見ていたので、そちらの方を思い出しました。それから主人公がマリオとルイージなのは、ファミコンと何か関係あるのかな?

LE SALAIRE DE LA PEUR
出演 イヴ・モンタン、シャルル・バネル、ペーター・ファン・アイク、フォルコ・ルッリ、ヴェラ・クルーゾー
アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督。1952年フランス映画。

1991年2月 7日 (木)

裸の町 (1948)

裸の町 ニューヨークの片隅で美女が殺される。さっそく殺人課の刑事たちが動きはじめるが、事件は暗礁に乗り上げる。犯罪捜査を巨大なNYのちっぽけだが大きなドラマのひとつとして描いた秀作。

 ドキュメンタリー・スタイルのドスのきいたナレーションが制作者のマーク・ヘリンジャー本人。これが味があっていい。私はこないだ見たウッディ・アレンの「泥棒野郎」を思い出したりもしたのだが。

 殺人事件の捜査というありふれたストーリーながら、ニューヨークの町という雰囲気がよく伝わって来て最後まで息もつかせず見せてくれました。

THE NAKED CITY
出演 バリー・フィッツジェラルド、ドン・テイラー、ハワード・ダフ、ドロシー・ハート、テッド・デ・コルシア
ジュールス・ダッシン監督。1948年アメリカ映画。

1991年1月27日 (日)

ソルジャー・ブルー (1970)

ソルジャー・ブルー 幌馬車がインディアンに襲われ、若い2等兵とインディアンに囚われていた事がある女性が生き残る。二人の砦を目指してのサバイバル生活が始まるのだが。騎兵隊のインディアン大虐殺を告発した作品。

 アメリカ大陸は元々インディアンの土地で、白人が侵略者だというのは今では常識だが、それを告発したのがこの作品。しかし古いジョン・フォード作品の西部劇でもインディアンにはかなり敬意を払って描いている部分があり、特に目新しさを感じる部分はなかった。

 とはいっても、ラストシーンで命令違反で逮捕され鎖で繋がれて去っていく主人公の誇らしげな姿には感動させられました。世間一般に言われる評価と、その人間が持っている誇りとは違うものだと感じさせてくれます。またこの[実話]を、スクリーンのこちら側から体験できるというのも意義ある事でしょう。

SOLDIER BLUE
出演 キャンディス・バーゲン、ピーター・ストラウス、ドナルド・プレザンス、ボブ・キャラウェイ、ジョン・アンダーソン、モート・ミルズ、ジョージ・リヴェロ、ダナ・エルカー
ラルフ・ネルソン監督。1970年アメリカ映画。

1991年1月26日 (土)

夕照街 (1983)

夕照街 北京の下町の夕照街。仕事にあぶれて食堂をはじめる若者たちをはじめ、金持の男の玉の輿に乗ろうとする少女、鳩が大好きな若者などのエピソードを綴った物語。中国の山田洋次の世界といった雰囲気。

 中国の下町に生きる人々をかなり密着して描いた作品です。ふだんニュースやドキュメントなどで見る中国よりもはるかに親近感を感じます。物語は夕照街という古い町に住む人々の生活を綴ったものですが、ラストでこの町は区画整理される事になり住民たちはマンションへと移って行きます。画一的で冷たい感じがするマンションから、同じ登場人物たちが出て来るラストはほっとさせられます。

出演 沢老強、漲国民、宋暁英、季郷兼、季丁、対岩、江水、陳立中

王好為監督。1983年中国映画。

1991年1月24日 (木)

マルチニックの少年 (1983)

マルチニックの少年 中米のフランス領マルチニック島で感性豊かに成長する黒人少年と彼を育てる祖母を描いた物語。原作者であり作家のゾベルの自伝的物語でもある。

 貧乏な村で祖母と二人で暮す黒人少年の物語。開放されたとはいえ金銭的な問題で白人に支配され、ほったて小屋のようなところに暮している黒人たちの数々のエピソードが綴られる。祖母を演じるダーリン・レジティムの厳しいけど愛情あふれる姿が印象に残る。

RUE CASES NEGRES
出演 ギャリー・ガドナ、ダーリン・レジティム、ドゥタ・セック、ヘンリー・メロン、ローラン・サン・シール
ユーザン・パルシー監督。1983年フランス映画。

1991年1月23日 (水)

南太平洋 (1958)

南太平洋 第2次大戦中の南太平洋の小島。従軍看護婦ネリーと、殺人を犯して逃げて来たフランス人、それに米兵と島の娘という2組のカップルの運命を描く。ブロードウェイの大ヒットミュージカルの映画化。

 以前TVで短縮版(?)を見たのだが、今回は衛星放送でノーカット字幕のステレオ放送。「風と共に去りぬ」みたいに前奏曲に間奏曲までつく超大作とは知りませんでした。やっぱ前奏曲からやられるといやが上にも「映画を見る!」という気分を盛り上げられます。

 さて問題の内容ですが、器が大きいわりに中身は大ざっぱな印象を受けました。基本的に戦時中のラブストーリーなんですが、緊迫した後半のストーリーのわりにはゆったりした雰囲気。といっても、大ヒット曲の「バリ・ハリ」やスケールの大きな音楽や画面にすっかり言いくるめられてしまった2時間半でした。

SOUTH PACIFIC
出演 ミッツィー・ゲイナー、ロッサノ・ブラッツィ、ジョン・カー、フランス・ニュイエン
ジョシュア・ローガン監督。1958年アメリカ映画。

1991年1月22日 (火)

ゴースト ニューヨークの幻 (1990)

ゴースト ニューヨークの幻 銀行員の青年サムと陶芸家モリーは同棲を始めるが彼はちんぴらに襲われて殺されてしまう。ゴーストとなったサムはモリーに危険が迫っている事を知り、何とか彼女に伝えようと努力するのだが。

 90年最大のヒット映画でしょう。秋に公開が始まったのですが、年が明けて1月の現在でもロングランが続きしかも劇場も大入りでした。

 基本的にサムとモリーのラブストーリー。サムが死んでしまってもゴーストとなってこの世に残り、自分を殺した男とその陰謀から彼女を守るというのがストーリーですが、上品なユーモアと感動的なラストが話題を呼んだのでしょう。SFXも今のトレンドらしく、裏方にまわって違和感がありません。あと主要人物ではニセ霊媒士オダ・メイを演じた黒人オバタリアンのウーピー・ゴールドバーグが最高でした。地下鉄の地縛霊くんも味があっていい。

GHOST
出演 パトリック・スウェイジ、デミ・ムーア、ウーピー・ゴールドバーグ、ヴィンセント・スキャヴェリ、トニー・ゴールドウィン、スーザン・ブレスロウ、マルティーナ・テグナン、リック・アピルス
ジェリー・ザッカー監督。1990年アメリカ映画。

1991年1月21日 (月)

オーケストラの少女 (1937)

オーケストラの少女 当時人気の少女歌手ダービンと、フィラデルフィア交響楽団、指揮者ストコフスキの出演が話題を呼んだ音楽映画。主人公のダービンが、失業した金管奏者の父を助けて新しいオーケストラを結成する物語。

 失業楽士を父に持つ少女が、持ち前の明るさと強心臓、歌のうまさを武器に有名指揮者、交響楽団、資本家たちの間をとびまわり、失業者を集めた新しいオーケストラを作ってしまう物語。この映画を見ながら、どうもこれは植木等のスーダラ映画と同じノリなんじゃないかと思ってしまった。

 クラッシックの映画らしく、古い映画のわりには録音がきれいで数々のナンバーが楽しめます。実名で登場する指揮者ストコフスキが、俺は指揮はしないと言いながらも体がケイレンして指揮をはじめてしまうあたりは「うーん、音楽オタク」と笑えました。

ONE HUNDRED MEN AND A GIRL
出演 ディアナ・ダービン、アドルフ・マンジュー、レオポルド・ストコフスキー、アリス・ブレイディ
ヘンリー・コスター監督。1937年アメリカ映画。

1991年1月20日 (日)

野郎どもと女たち (1955)

野郎どもと女たち ふた組のカップルを描いたミュージカル。ちんぴらのスカイは、賭博師のネイサンと伝道所の女を食事に誘う賭けをする。ところが彼女は筋金入りの堅物で、伝道所に悪人を1ダース連れて来る条件付きになる。

 ニューヨークの下町のちんぴらどもが主人公。おもな登場人物は、ちんぴらのスカイ(M・ブランド)、伝道所の堅物女セーラ(J・シモンズ)賭博師のネイサン(F・シナトラ)、ネイサンの婚約者で踊り子のアデレード(V・ブレイン)。ネイサンとスカイの賭けで、スカイは美人だけど堅物のセーラを口説く事になる。セーラの条件が伝道所に1ダースの悪人を連れて来ること。もちろん悪人どもが伝道所なんて来るはずもない。

 そうこうしているうちに、ネイサンとその婚約者の仲もおかしくなってくる。アデレードはネイサンが賭博をやめたと信じていたが、またサイコロ賭博を開くと知ってご機嫌斜め。

 この2組のカップルの格闘(?)を中心に、憎めないギャングどもも交えて歌と踊りが繰り広げられる。2時間半と長編だが、テンポがよくて最後まで飽きずに楽しめた。

GUYS AND DOLLS
出演 マーロン・ブランド、フランク・シナトラ、ジーン・シモンズ、ヴィヴィアン・ブレイン
ジョゼフ・L・マンキーウィッツ監督。1955年アメリカ映画。

1991年1月19日 (土)

赤い靴 (1948)

赤い靴 アンデルセンの童話「赤い靴」をモチーフにしたバレエ映画。ロンドンの有名なバレエ団に才能ある少女が入団する。彼女はめきめきと人気を上げるのだが、同時に入団した作曲家と恋に落ち、運命が変る。

 48年制作とは思えないほど美しい色彩の映画。前半は平板でやや退屈したが、後半はなかなか見せてくれる。

THE RED SHOES
出演 モイラ・シアラー、アントン・ウォルブルック、マリウス・ゴーリング、ロバート・ヘルプマン
エメリック・ブレスバーガー、マイケル・パウエル監督。1948年イギリス映画。

1991年1月18日 (金)

バンド・ワゴン (1953)

バンド・ワゴン 落ち目のダンサー、トニーが再起をかけて、友人夫婦の書いたミュージカル「バンド・ワゴン」に挑戦する。ところが演出者がとんだくわせもので劇は大失敗。落ち込む出演者たちを彼は歌で勇気づけるのだが。

 アステア主演のミュージカル。後のMGMミュージカルオムニバス映画「ザッツ・エンタテイメント」のテーマ曲がこの映画の主題歌です。

 ミュージカルの舞台裏を描いた物語で、今でいうメイキング・ビデオみたいな前半は興味津々。ストーリーは特にどうという部分はないけど、後半の舞台場面はれいのごとく歌い踊る出演者たちの極彩色の場面の連続でとってもゴージャスな気分です。

THE BAND WAGON
出演 フレッド・アステア、シド・チャリース、ジャック・ブキャナン、オスカー・リーヴァン
ヴィンセント・ミネリ監督。1953年アメリカ映画。

1991年1月17日 (木)

ニキータ (1990)

ニキータ 麻薬中毒で警官を殺し無期懲役になった少女ニキータ。しかしその才能を買った政府の暗殺組織は、彼女を殺し屋に育て上げる。3年後開放された彼女は恋人もでき幸せな日々をおくるのだが。

 アンヌ・パリローの魅力が爆発した大傑作アクション映画。「狂暴な純愛映画」「泣き虫の殺し屋、ニキータ」というコピーがぴったり。フランス映画の繊細さとアメリカ映画のエンタテイメント性がほどよくブレンドされたフランス映画。リュック・ベッソン監督はやっぱりただ者ではない!

 粗暴でやせぎすのニキータが殺人マシンとして仕込まれ、ジャンヌ・モローに女である事を教えられ、本当にぞくぞくするようないい女に変身していきます。特にこの映画で好きなのは、アクションシーンになっても映画の緊迫感が落ちない点です。普通女性が主人公のアクションは、彼女が銃を取ったとたんにずっこけるのが多いのですが、この映画はでっかい357マグナムや軍用ライフルを体の一部のように使いこなす彼女がまたすごぶる魅力的です。かと思えばラスト近く、夜明けのパリの空を背景にうずくまり恋人との別れを惜しむニキータの姿は本当にやるせないものを感じさせてくれます。

NIKITA
出演 アンヌ・パリロー、ジャン・ユーグ・アングラード、チェッキー・カリョ、ジャンヌ・モロー、ジャン・レノ、ジャン・ブイーズ、フィリップ・ドゥ・ジャネラン、ローラン・ブランシェ
リュック・ベッソン監督。1990年フランス映画。

1991年1月16日 (水)

狂恋 (1946)

狂恋 ボクシング場で偶然出会った建築技師と小鳥屋の娘が恋に落ちる。しかし女は伯爵の後妻になるべく作戦を立てている最中で、それを知った男は逆上する。ラストの2転3転に味のある恋愛劇。

 ギャバンとデートリッヒが恋に落ちる。ところがひどく評判の悪い女である事がわかり、男は心を痛める。やがて問題の事件が起こるのだが。

 小鳥屋、ボクシング、パリの風景、建築屋の作る別荘など、小道具や背景に凝ったドラマです。デートリッヒは今の感覚ではあまり美人とは思えません。グレタ・ガルボもそうでしたが、細くて湾曲した眉などは当時流行のメイクだったのでしょうか。

MARTIN ROUMAGNAC
出演 ジャン・ギャバン、マレーネ・ディートリッヒ、マルゴ・リオン、マルセル・エラン
ジョルジュ・ラコンブ監督。1946年フランス映画。

1991年1月15日 (火)

ジャンヌ・モローの思春期 (1979)

ジャンヌ・モローの思春期 第2次大戦前のフランス。パリに住む年頃の少女が田舎へ帰り、年上の男性に初恋をして破れ、大人になっていく様子を描いた青春映画。シャンソン風のテーマ曲も印象的だった。

 少女といってもほとんど子供の女の子の年上の異性への憧れ、初潮、そして失恋などがさらりとしたタッチで描かれる青春映画。憧れと本当の恋の違いを考えさせられる物語だった。

L'ADOLESCENTE
出演 シモーヌ・シニョレ、レティシア・ショヴォー、フランシス・ユステール、ジャック・ヴェベール
ジャンヌ・モロー監督。1979年フランス=西ドイツ合作。

1991年1月14日 (月)

ハスラー (1961)

ハスラー ビリヤードの勝負師たちを描いた物語。若いエディは名人ミネソタ・ファッツに挑戦する。しかし前半勝ってたが、引際を知らない彼は惨敗する。人間ができていないのが敗因だと諭されるのだが。

 映画の半分以上がビリヤードシーンだが、それ以上に主人公の青年エディの若さあふれる八方破れの性格と、それがだんだん成長していく様子をハードボイルドタッチで描いた物語でもある。

 ところでポケットのあるビリヤードを「プール」と言って、ポケットがない(俗に4つ玉ですね)やつが「ビリヤード」なんですね。映画を見るまで知りませんでした。

THE HUSTLER
出演 ポール・ニューマン、ジャッキー・グリースン、パイパー・ローリー、ジョージ・C・スコット、マイロン・マコーミック、マーレイ・ハミルトン、ジェイク・ラモッタ、ヴィンセント・ガーディニア
ロバート・ロッセン監督。1961年アメリカ映画。

1991年1月13日 (日)

獲物の分け前 (1966)

獲物の分け前 ある実業家が20歳年下の女性と再婚する。ところが彼の息子が彼女に夢中になり、深い関係になる。こうなると彼女も息子の方にお熱となり、二人で旅に出るのだが。

 なめるようにカメラがジェーン・フォンダを追うところは、やっぱりバディム監督だなあって思わされました。しかもほとんどがセミ・ヌードで、見えそうで見えないぎりぎりのところで止めているテクニックが凄い!? うーん、それ以外の映画の筋では、ラストシーンの呆然としたフォンダの顔以外は印象に残りませんでした。

LA CUREE
出演 ジェーン・フォンダ、ミシェル・ピコリ、ピーター・マッケナリー、Tジョナ・マルカン
ロジェ・ヴァディム監督。1966年フランス映画。

1991年1月12日 (土)

5時から7時までのクレオ (1961)

5時から7時までのクレオ ある女性歌手が、おびえながらガンの検査結果を待っている。結果が出る7時までの約2時間の彼女の行動と友人たちとのやりとりを、ほぼ映画の進行時間と合わせて描いた実験的作品。

 映画の上映時間と現実の時間を合わせるっていう手法は、アイディアとしてはあっても実際にはなかなか難しい。いろんな事件が凝縮された2時間なんて、現実にはなかなか起こりえないからだ。この映画でも2時間とは思えないほどいろいろな人間が現れては消えて行く。しかし決して無理はなく、また最後まで興味は続いて飽きる事もない。

 映画はガンの疑いをかけられた女性の恐怖と、それをいかにして沈めようとするかがおおまかなストーリーだが、その心情がよく伝わって来る。人の人生の一部を切り取ったような、興味深い一編だ。

CLEO DE 5 A 7
出演 コリンヌ・マルシャン、アントワーヌ・ブール・セリエ、アンナ・カリーナ、ジャン・クロード・ブリアリ、ジャン・リュック・ゴダール、エディ・コンスタンティーヌ、ミシェル・ルグラン
アニエス・ヴァルダ監督。1961年フランス映画。

1991年1月11日 (金)

太陽が知っている (1968)

太陽が知っている 南フランスの別荘で休暇を過ごすカップル。彼らの元に、友人が娘を連れてやって来る。4人は共に過ごすのだが、やがて彼らの過去の恋愛関係がぶり返して、互いの歯車がかみ合わなくなってくる。

 一種のミステリー映画。前半はドロンとシュナイダー演じる恋人の避暑地の休暇が綴られ、ラブシーンばかりで少々うんざりしてきたところへ友人のモーリス・ロネとその娘ジェーン・バーキンがやって来る。かつてはロネとシュナイダーが恋愛関係にあったらしく、ドロンは少々面白くない。やがてドロンの興味は18歳の少女バーキンへと移り、それにからんで殺人事件まで起こる。

 アラン・ドロンが殺人事件の疑惑に巻き込まれていた頃の作品で大ヒットしたそうだ。そういえば殺人シーンは何か「再現シーン」みたいな緊迫感があった。南仏の別荘地の美しさと、バーキン/シュナイダーの肢体も目にしみる作品である。

LA PISCINE
出演 アラン・ドロン、ロミー・シュナイダー、ジェーン・バーキン、モーリス・ロネ
ジャック・ドレー監督。1968年フランス=イタリア合作。

1991年1月10日 (木)

打撃王 (1942)

打撃王 アメリカはヤンキースの首位打者で2130試合の連続出場記録を持つルー・ゲーリックの半生を描いた伝記映画。彼が子供の頃野球に憧れた様子から、家族や友人、妻に支えられて生きる姿を感動的に描く。

 野球映画だけど野球のシーンが少ないのがいい。野球の心得のない俳優の野球シーンをながながと見せられるのは苦痛だもんなあ。

 ドラマはルーの少年時代からはじまって、彼をエンジニアにしようと思う母とのからみ、そして恋人ができて、少々マザコン気味だった彼の結婚問題、いろいろなエピソードへと進む。日本風の汗と涙とは無縁の作品だが、そのぶん家族を含めていろいろな人とのかかわり合いにふっているところがさわやかで好感が持てた。

 やくざな野球選手なんてやだ、エンジニアになれってごねまくっていた母親が、最後には野球に没頭して「エンジニアはいくらでもいる、ルーという野球選手は世界にひとりだ!」と叫ぶシーンは感動的でした。

THE PRIDE OF THE YANKEES
出演 ゲイリー・クーパー、ウォルター・ブレナン、テレサ・ライト、ベーブ・ルース
サム・ウッド監督。1942年アメリカ映画。

1991年1月 9日 (水)

或る夜の出来事 (1934)

或る夜の出来事 富豪の娘が、親に逆らって勝手に結婚して家出する。主人に会うために長距離バスに乗った彼女を助けたのは、クビになった新聞記者だった。反発しながらもひかれあう二人をコミカルに描いたラブコメディ。

 設定が面白い! 富豪の娘がひと目惚れした男と、親に内諸で結婚してしまう。怒った親父は彼女を船に閉じ込めてしまうのだが、スキを見て彼女はダイブ! かくして亭主のもとを目指す彼女とそれを助ける新聞記者、探偵・マスコミ・警察を総動員して追う富豪の父親との一大ロードムービーが展開されるのである。

 もちろん彼女をサポートするのがゲーブルである。二人の間に何も起こらないわけはない。ゲーブルはわがまま娘を容赦なくひっぱたき、娘は泣き叫びながら彼の男らしさにひかれていくのである。今の男がこれをやればただの暴力になってしまうのに、やっぱゲーブルってすごいなぁとため息をつくのであった。

IT HAPPENED ONE NIGHT
出演 クラーク・ゲーブル、クローデット・コルベール、ウォルター・コノリー、ウォード・ボンド
フランク・キャプラ監督。1934年アメリカ映画。

1991年1月 8日 (火)

辺境の掠奪者 (1955)

辺境の掠奪者 私財をすべて投じて牛を買い、ブラジルへそれを売りに行こうとする男。彼の夢はその売った金で兄と牧場を開く事だったが、取引先の男は謎の死を遂げていた。ブラジルを舞台にしたちょっと異色の西部劇。

 なかなか練り上げられたストーリーは素晴らしい。ブラジルへ男がひとりで牛を売りに行く、しかもその牛は彼の全財産をはたいて買ったものだというあたりから、何か起こりそうだとはらはらさせてくれる。牛は3頭いるんだけど、1頭死ぬと全財産の1/3がパーなのだ。全部死ぬと彼はおけらになってしまう。それでもブラジルへ行くのである。

 案の定、ブラジルへ着くと彼の取引相手はお亡くなりになっている。彼の牧場の共同経営者と称する男のところへ案内されるのだが、彼も案内した男も途中で出会った女もみんなひとくせもふたくせもありそうなのである。もちろんストーリーは2転3転する。誰を信じていいやらわからない。中立を決め込んでいた彼も、やがて牧場の利権争いの陰謀に怒りを爆発させてガンを抜く!

 本当にブラジルでロケされたのかは知らないが、サンバっぽい踊りなんかも出て来てそれっぽい雰囲気はマル。なかなか楽しめる西部(?)劇でした。

THE AMERICANO
出演 グレン・フォード、フランク・ラブジョイ、シーザー・ロメロ、ウルスラ・シーズ
ウィリアム・キャッスル監督。1955年アメリカ映画。

1991年1月 7日 (月)

ディック・トレイシー (1990)

ディック・トレイシー アメリカの人気新聞マンガの映画化。独特の色使いで原作に近い画面を出そうとした異色作。刑事ディックとちょっとコミカルなギャングのボス、キャプリスの戦いに二人の女性をからめたギャング映画。

 ロジャー・ラビットの登場する巻頭アニメにはぶっとんだが、本編が始まってからはテンポが悪くてちょっと退屈したなあ。独特の色使いや特殊メイクで実写を原作に近づけようとした意欲作なんだけど、原作を知ってないと楽しめない映画なんじゃないかと思う。

DICK TRACY
出演 ウォーレン・ベイティ、アル・パチーノ、マドンナ、ダスティン・ホフマン、ジェームズ・カーン、チャーリー・コースモ、ウィリアム・フォーサイス、グレン・ヘドリー、ディック・ヴァン・ダイク、シーモア・カッセル、チャールズ・ダーニング、ポール・ソルヴィーノ、エステル・パーソンズ
ウォーレン・ベイティ監督。1990年アメリカ映画。

1991年1月 5日 (土)

ネバーエンディング・ストーリー 第2章 (1990)

ネバーエンディング・ストーリー 第2章 水泳教室で高跳込ができなかった少年は、勇気を身につける本を探して古本屋へ。そこで再び「ネバーエンディング−」という本を手にした事から、彼は物語の中の国「ファンタジアン」の旅を始める。

 原作がとても良い作品だったらしく、原作のファンからは不評をかった前作ですが、今回はなんと第1作のファンからも不評をかっているそうな。逆に言うとこの物語がいかに多くの人に愛されているかって事だと思う。

 私は個人的にはこの第2章は大好きです。原作は読んでないし、前作を見たのももう5年前なので忘れてしまっているためほとんど先入観なしに楽しめました。高跳込のシーンがこあかった。怪物と戦ったりファンタジアンの国を飛回るよりも、ああいう身近なシーンの方が感情移入してしまいます。

 クリーチャーたちの種類も増えて、こちらも楽しめます。ロックバイターの子供は、ちょっと不気味でしたが。

THE NEVERENDING STORY II : THE NEXT CHAPTER
出演 ジョナサン・ブランディス、ケニー・モリソン、クラリッサ・バート
ジョージ・ミラー監督。1990年アメリカ映画。

1991年1月 4日 (金)

突然炎のごとく ジュールとジム (1961)

突然炎のごとく ジュールとジム 第一次大戦前のフランス。文学青年のジュールとジム、そして二人がひかれた自由に生きる女カトリーヌとの微妙な三角関係を繊細な映像で描いたヌーベルバーグの名作。

 不思議なテンポを持った作品。冒頭の3分で、主人公のジュールとジムが知り合った経緯がどどどどどっと語られるのであっけにとられるが、やがてテンポがゆるやかになってからも、どこかスキップしているような語りまわしが心地好い。

 物語はオーストリア出身のジュールとフランス人のジムが主人公。互に文学を志す事から親交を深めるが、カトリーヌという女性に二人ともひかれ、ジュールが結婚する。戦争が始まり祖国が違う二人は敵同士として徴兵される。戦争が終わって、ジュールと彼女に女の子が産れる。ジムは会いに行くのだが、二人の仲はすでに冷え切っており、カトリーヌを自分のそばにつなぎとめるために彼女と結婚してくれとたのむ。

 私の常識では理解できないようなこのストーリーを、なんとなく納得させてくれる雰囲気がいい。酔える映画です。

JULES ET JIM
出演 ジャンヌ・モロー、オスカー・ヴェルナー、アンリ・セール、マリー・デュボア
フランソワ・トリュフォー監督。1961年フランス映画。

1991年1月 3日 (木)

ストーミー・マンデイ (1988)

ストーミー・マンデイ イギリスのある町にやって来て、バーの清掃係になった若者とウェイトレスが恋に落ちる。しかし彼女は組織にかかわりのある女で、やがて二人は抗争に巻き込まれていく。

 イギリス風ストリート・オブ・ファイアって雰囲気の作品ですが、派手なアクションはなくぐっと渋目の通好み。私は上映中に何回かあくびをしてしまいました。(ごめんなちゃい!)

STORMY MONDAY
出演 メラニー・グリフィス、トミー・リー・ジョーンズ、スティング、シーン・ビーン
マイク・フィッギス監督。1988年イギリス映画。

1991年1月 2日 (水)

ひと月の夏 (1987)

ひと月の夏 イギリスの小さな村へある芸術家がやって来る。彼の仕事は古い教会の壁画を修復する事。戦争後遺症の彼は、同じ病気に悩む発掘の仕事をする男と知り合い、交流を深める。

 村人と宗教とのかかわり合いを中心に、戦争後遺症なども綴った人間ドラマです。

A MONTH IN THE COUNTRY
出演 コリン・ファース、ケネス・ブラナー、ナターシャ・リチャードソン、パトリック・マラハイド
パット・オコーナー監督。1987年イギリス映画。

1991年1月 1日 (火)

コーリング・ザ・ショッツ 女性映画人は語る (1988)

コーリング・ザ・ショッツ 女性映画人は語る 女性映画監督のインタビューをまとめたドキュメント映画。男だけの世界だった映画監督で彼女たちがいかに成功していったか、またいろいろな差別に悩んできた姿が語られる。

 人物が入れ替わり登場して語るというのは、むこうのドキュメントの一種のスタイルなんでしょうね。映画としては全体の流れがやや単調ですが、すべて当人の語りなので「肌で感じる」といったフィーリングを得るのがこのスタイルの正しい観賞法でしょう。「女なんかに映画が作れるのか?」みたいな風潮と戦って来た女性監督たちの息づかいが感じられます。

 登場監督はだいたい以下のとおり (映画を見ながらのメモなので、ミスやもれがあるかもしれません)

リジー・ボーデン、マーサ・クーリッジ、カレン・アーサー、アン・ホイ、ランダ・ヘインズ、ユーザン・パルシー、ドナ・ディッチ、ジャンヌ・モロー、レア・プール、ジョーン・ミックリン・シルバー、マリサ・シルバー、アイダ・ルピノ、アニエス・バルダ、マルガレーテ・フォン・トロッタ、マイ・ゼッターリング、アン・ウィーラー、サンディ・ウィルソン、エイミー・ジョーンズ、クローディア・ワイル、ジル・ゴッドミロー、スーザン・シードルマン、シャンタル・アケルマン、リー・グラント、ペネロープ・スフィーリズ

CALLING THE SHOTS
ジャニス・コール、ホール・デイル監督。1988年カナダ映画。

1990年12月31日 (月)

大砂塵 (1953)

大砂塵 さびれた町の酒場に、流れ者のジョニーが雇われて来る。彼を雇ったのはビエンナという女主人で、鉄道が開通して店が繁盛するのを夢見ていた。しかし彼女に逆恨みする町の者たちが店に押し掛けてくる。

 ペギー・リーの歌う主題歌が大ヒットした古典的西部劇。原題をまったく無視した「大砂塵」という邦題も、なかなか雰囲気があって悪くない。

JOHNNY GUITAR
出演 スターリング・ヘイドン、ジョーン・クロフォード、スコット・ブラディ、アーネスト・ボーグナイン
ニコラス・レイ監督。1953年アメリカ映画。

1990年12月30日 (日)

ゴー!ゴー!若大将 (1967)

ゴー!ゴー!若大将 京南大学陸上部の田沼は、不良にからまれていたガソリンスタンドに勤める澄子を助けて恋に落ちる。やがて連敗の続く自動車部から声をかけられて、学生ラリーに出場する事になるのだが。

 中盤は30分以上もラリーのシーンが続きます。ここの展開が、前に見た「サラリーマン出世大閤記」とそっくりなのです。東宝さんもネタがつきてるのかなあ?

 アラさがしネタですが、田沼の乗る車はカットによって汚れたりきれいになったりを繰り返します。

出演 加山雄三、星由里子、田中邦衛、有島一郎、飯田蝶子、浜木綿子
岩内克巳監督。1967年日本映画。

1990年12月29日 (土)

エレキの若大将 (1965)

エレキの若大将 今回の田沼は京南大学アメフト部のキャプテン。ところがとある事情で金が必要になり、友人とロックバンドを組んで勝ち抜きエレキ合戦に出て資金稼ぎをする事になる。挿入歌「君といつまでも」が大ヒット。

 劇中のロックバンドがなかなかの顔ぶれ。ギターに加山雄三と寺内タケシにたぶん無名時代の黒沢年男、ベースが田中邦衛にドラムが名前忘れたけどウルトラマンのイデ隊員。勝ち抜きエレキ合戦の司会が内田裕也というおまけつきです。

出演 加山雄三、星由里子、田中邦衛、有島一郎、寺内タケシ
岩内克巳監督。1965年日本映画。

1990年12月28日 (金)

海の若大将 (1965)

海の若大将 船乗りになるのが夢の田沼は京南大学水泳部のキャプテン。しかし彼にすき焼屋を継がせたい父親と衝突して、八丈島行きの船に乗る事になる。ところがこの小さな船の乗組員は彼の知り合いばかりで...

 加山が吹き替えなしの水泳シーンを頑張ってます。

出演 加山雄三、星由里子、田中邦衛、有島一郎、重山規子、藤山陽子
吉沢憲吾監督。1965年日本映画。

1990年12月27日 (木)

銀座の若大将 (1962)

銀座の若大将 京南大学音楽部の田沼は、とあるレストランで喧嘩をした事からそこへ住み込みで働かなければならなくなる。そして隣の洋服屋の娘との恋、腕をかわれて入ったボクシング部での活躍が描かれる青春映画。

 シリーズを続けて見ていると、田沼くんのたのまれると嫌と言えない性格がとても可愛く思えてきます。今も昔も、こういう人は皆のカモにされて損ばかりする風潮がありますが、長い目で見るとプラスになるって事を信じたいですね。

出演 加山雄三、星由里子、団令子、有島一郎、飯田蝶子、中丸忠雄
福田純監督。1962年日本映画。

1990年12月26日 (水)

ハワイの若大将 (1963)

日本一の若大将 京南大学ヨット部キャプテンの田沼は、友人青大将がハワイで遊びほうけているので連れ戻してほしいという彼の父の頼みでハワイへ飛ぶ。しかし彼自信も財布とパスポートを失くしてしまい、珍道中がはじまる。

 若大将シリーズを見るのは「日本一の若大将」に続いて2本目なのだが、この2本の作品は細部の味付けがかわっているだけで、ディテールはまったく同じだった。もしくは、パラレルワールドのような感じ。澄子と田沼の恋愛が一から始まるあたりは続編ではないし、若大将の所属する部も違う。うーん、日本映画のシリーズってのは、こういう先が読める展開の方がうけたのだろうか?

 今でこそシーズンによっては10万円ツアーがあるハワイですが、当時は庶民の夢だったそうです。

出演 加山雄三、星由里子、田中邦衛、有島一郎、飯田蝶子、中丸忠雄
福田純監督。1963年日本映画。

1990年12月25日 (火)

日本一の若大将 (1962)

日本一の若大将 京南大学マラソン部のキャプテン田沼は、カミナリ族に襲われた娘を助け、彼女と仲よくなる。やがてマラソン大会の日が来るのだが、社長令嬢とのスクープで彼女の機嫌をそこねた彼は調子が出ない。

 若き日の加山雄三主演で作られた人気シリーズの第3作。いわゆる「馬鹿正直」な青年田沼が、結局は正直なところを認められて成功するというたいへんストレートな物語。またストーリーもいろんな事件がバラエティに詰め込まれていて飽きない。この作品でも、京南大学マラソン部のキャプテンとして戦う姿、OL(星)との恋愛、使いこんだ部費の穴埋め、中盤の水上スキー大会と見せ場のてんこ盛り。TVドラマ的な感覚で見るとなかなか楽しめます。

出演 加山雄三、星由里子、田中邦衛、有島一郎、飯田蝶子、中丸忠雄
福田純監督。1962年日本映画。

1990年12月24日 (月)

遥かなる国から来た男 (1956)

遥かなる国から来た男 クリスマスの夜にある町へ流れついた謎の男。彼がピアノ弾きのバレールと瓜ふたつだったがために、町に騒ぎが巻き起こる。シャンソン歌手のベコーが主演したミュージカル・コメディ。

 隠された傑作クリスマス映画って感じの作品で、イブの夜にぴったり。基本的にはピアノ弾きとレストランのウエイトレスのロマンスに、彼そっくりの謎の男がキューピットをつとめるという作品なのですが、彼女の幼い弟と妹が映画全体をなかなかほのぼのした雰囲気にしてて楽しかった。

LE PAYS D'OU JE VIENS
出演 ジルベール・ベコー、フランソワーズ・アルヌール、マドレーヌ・ルボー、クロード・ブラッスール、アンドレ・ガブリエロ、ジャン・トゥールー
マルセル・カルネ監督。1956年フランス映画。

1990年12月23日 (日)

誘惑されて棄てられて (1963)

誘惑されて棄てられて シシリー島を舞台にしたラブコメディ。ペピーノとマチルデは婚約中だったが、ある日妹のアネーゼをレイプ。最初は隠していた妹だが、やがて事件が双方の家族にばれて大騒ぎになる。

 イタリアの男性は女好きなんてよく言われますが、逆にそういう土地に育った女性は身持ちがかたくなるんでしょう。この映画の中心事件はペピーノがアネーゼをレイプしたという事実なのですが、その事件のみんなのとらえ方が物語が進むにつれて変わっていくところがこの映画の面白さです。

SEDOTTA E ABBANDONATA
出演 ステファニア・サンドレリ、サーロー・ウルツィ、アルド・プリージ、アルド・プッツァンカ
ピエトロ・ジェルミ監督。1963年イタリア映画。

1990年12月22日 (土)

キャット・バルー (1965)

キャット・バルー 土地を奪われ父親を殺された若い女教師が、行き場所を失って無法者になり、敵の殺し屋や町を相手に大暴れする痛快西部劇。ナット・キング・コールが狂言回し的に登場して歌いまくるのもゴキゲン。

 アカデミー賞まで取ったのは知らなかったけど、リー・マービンの殺し屋と用心棒のふた役はなかなかの怪演です。特に、ぼろ雑巾のようなよた者の用心棒が最高! ジェーン・フォンダのガンマン姿も綺麗です。

CAT BALLOU
出演 ジェーン・フォンダ、リー・マーヴィン、マイケル・カラン、ドゥエイン・ヒックマン、ジョン・マーレイ、レジナルド・デニー、ジョン・C・フリッペン
エリオット・シルヴァースタイン監督。1965年アメリカ映画。

1990年12月21日 (金)

雨の朝巴里に死す (1954)

雨の朝巴里に死す 第2次大戦でドイツが降伏し、凱旋門をパレードしていた米記者とアメリカ女性が恋に落ちる。二人はパリに住む約束で結婚し、夫は記者をしながら小説を書く。やがて二人には可愛い女の子が産れるのだが。

 パリを舞台にしたアメリカ製メロドラマ。前半はふたりの恋愛と、夫が作家になろうとしての奮戦、後半は娘ができ、やがてひょんな事から金が入り二人の仲がおかしくなっていく様子が描かれる。しかし前半の絵に描いたような良き妻であった彼女が、ここまでおかしくなっていくというのが信じられなかった。男女の仲と金というのは、わからないもんです。

THE LAST TIME I SAW PARIS
出演 エリザベス・テイラー、ヴァン・ジョンソン、ドナ・リード、ウォルター・ピジョン、エヴァ・ゲイバー、ジョージ・ドレンツ、ロジャー・ムーア
リチャード・ブルックス監督。1954年アメリカ映画。

1990年12月20日 (木)

戦士の休息 (1962)

戦士の休息 遺産相続のために土地を見に行った若い娘が、旅先のホテルで自殺未遂の男を助ける。行場のない彼は彼女について行き、やがて彼女は身をまかせる。不思議な男女の仲を描いたエロチック・ラブストーリー。

 バディム監督とバルドーの恋愛中(結婚中?)の映画ですね。とにかくバルドーの魅力をフィルムにとどめようという熱気がむんむん感じられる作品です。気持ちはよくわかるのですが、それを商業映画にしてしまうのはすごい。

 行きずりの男との情事に、婚約者までも捨ててのめりこんでしまう女。しかしその男の本質に気付いた女は、一旦別れようとするのだが… とってもフランス映画的な、斜めに構えたラブストーリーです。

LE REPOS DU GUERRIER
出演 ブリジッド・バルドー、ロベール・オッセン、マーシャ・メリル、ジャン・マルク・ボリー、ジェームス・ロバートソン・ジャスティス
ロジェ・ヴァディム監督。1962年フランス映画。

1990年12月19日 (水)

朝な夕なに (1957)

朝な夕なに ドイツの男子校を舞台に、自分の理想主義を貫き通そうとする女教師と彼女に反抗する生徒たち、事なかれ主義の学長たちを描く学園ドラマ。どちらかというと生徒の方に感情移入できた。

 私の学生時代にも、ずいぶんと風変りな先生がいたなあと思い出しました。この映画で言えば、放課後に勉強会をしましょうと言って自主参加を待つ先生よりも、ジャズに明け暮れている生徒の方に好感が持てます。

IMMER WENN DER TAG BEGINNT
出演 ルート・ロイヴェリク、ハンス・ゼーンカー、クリスチャン・ヴォルフ、ハンス・ライザー
ウォルフガング・リーベンアイナー監督。1957年西ドイツ映画。

1990年12月18日 (火)

明日は明日の風が吹く (1958)

明日は明日の風が吹く やくざの組長が刺し殺され、妻と3人の息子が残った。やがて長男は跡取りに次男はサラリーマンに三男は音楽評論家を目指すのだが、次男はふとした喧嘩から会社をクビになり、やくざの世界へ足を踏み入れる  裕次郎が活きのいい次男坊を演じる青春アクション映画。任侠映画を思わせるオープニングも意外だし、ストーリーも面白い元気の出る作品です。

出演 石原裕次郎、北原三枝、朝丘ルリ子、浜村美智子、青山恭二
井上梅次監督。1958年日本映画。

1990年12月17日 (月)

ピクニック (1955)

ピクニック 友人を訪ねて無一文で小さな村へやって来た青年。彼が朝食のお礼に力仕事をした家の隣は女ばかりの家族で、彼女らに誘われて村の年一度のお祭りのピクニックへ出かける。男と女の関係を丁寧に描いた名編。

 ピクニックと聞くと子供の遠足を連想するが、ここでは年に一度の村祭の意味で使われている。浮浪者同様の青年がある村へ流れつく。どうもそこの住人はみんな人情家らしくて、この汚い男に朝食をただで食べさせてくれたりする。お礼にと庭仕事をする青年を、隣の家に住む母と娘ふたりがみつける。

 彼はお金を盗まれたと言い、この村に住む旧友の父が実業家なので雇ってもらおうと来たのだった。実は彼の友人はこの隣の家の美しい娘の婚約者で、彼はその妹のパートナーをピクニックで勤めることになる。しかしピクニックではひと騒動が持ち上がり...

 このダンスシーンがとにかく効果満点で酔わせてくれます。祭のあとにはとかくほろ苦い思い出だけが残るものですが、ラストの「自分の人生なんだから、一生に1回ぐらいは好きに生きてみなさいよ!」というセリフはいいですねぇ。

PICNIC
出演 ウィリアム・ホールデン、キム・ノヴァク、スーザン・ストラスバーグ、ロザリンド・ラッセル、ベティ・フィールド、クリフ・ロバートソン、アーサー・オコンネル、ヴァーナ・フェルトン
ジョシュア・ローガン監督。1955年アメリカ映画。

1990年12月16日 (日)

銀座の恋の物語 (1962)

銀座の恋の物語 画家になるのを夢見る青年、その恋人、彼と同居するミュージシャン志望の青年を中心とした青春ドラマ。しかしストーリーの流れがどんどん変わって行くのは、飽きさせないがちょっと落ち着かなく感じた。

 画家を夢見る青年が、アルバイトの室内装飾をやりながら生計をたてている。それにからむ恋人との結婚問題、不良相手のアクション、彼の就職問題とストーリーが流れると思えば、突然恋人が失踪してしまうととにかく落ち着かないストーリー展開。確かに飽きずに最後まで楽しめたんだけど、これはいったい何の映画だったんだろうかと映画が終わって考えてしまいました。

出演 石原裕次郎、朝丘ルリ子、ジェリー藤尾、江利チエミ、和泉雅子
蔵原惟繕監督。1962年日本映画。

1990年12月13日 (木)

赤い蕾と白い花 (1962)

赤い蕾と白い花 片親に育てられた高校生カップルが、お互いの親同士を交際させようと企てる。しかし、親同士が仲よくなった時に女校生は嫉妬してしまう。笑いがたっぷり盛り込まれた青春ドラマ。主題歌(寒い朝)もヒット。

 父親だけに育てられた男子高校生と、母親だけに育てられた女子高校生が主人公。ふたりは「教科書的明るい男女交際」をしていて、双方の親もカップルにしてしまおうと考える。しかし、頭で考えるのと実際になってみるのとでは違っていた。

 ユーモアがたっぷりでかなり笑えた作品なのだが、この主役ふたりの付き合いかたは本当なんでしょうか? 何か高校生が父兄同伴で映画館へ来て、何も問題なく最後まで見れてしまう映画って感じがしてなりません。ま、さわやか青春コンビだからかな?

出演 吉永小百合、浜田光夫、高峰三枝子、北林谷栄、武智豊子
西河克己監督。1962年日本映画。

1990年12月12日 (水)

ガラスの中の少女 (1960)

ガラスの中の少女 中学生の時に同級生だった陽一と靖代は駅でばったりと再会し、お互いに好意を持ち合う。しかし高校へ通う靖代と小さな工場で働く陽一とでは家庭環境も含めて境遇が違い過ぎる事に苦しむのだが。

 ティーンの恋愛を描いた青春映画。といっても内容はことのほか暗く、上映時間の短さからか二人の恋愛が風のように流れて行った印象を受けた。

 陽一の家は、両親と弟の4人家族。しかし父親は病気がちで酒を飲んでは寝てばかり。母親はこんな貧乏家族を呪っているように見え、当然彼もこの家に帰るのが面白くない。一方の靖代は大学教授のひとり娘で、はた目には何不自由ない普通の家庭。実は父親は本当の父ではなく、彼女を一人前にするのが彼の勤めだと考えている。親から見て良い人と生娘で結婚させるのが彼女の幸せであると思い込んでおり、当然陽一との仲を知って激怒する。この家庭環境が、後半のストーリーにつながってゆく。

 貧乏のどん底の家はほとんどなくなったけど、靖代のようなゆがんだ家庭ってのはまだまだ存在してるんじゃないかなあ。

出演 吉永小百合、浜田光夫、信欣三、轟夕起子、大森義夫、小夜福子
若杉光夫監督。1960年日本映画。

1990年12月11日 (火)

椿姫 (1937)

椿姫 椿を好んだので椿姫と呼ばれたパリ社交界の高級娼婦マルグリット。彼女に純情な青年アルマンが恋をするのだが、当然彼女の周囲は猛反対をする。当時の大スターが共演したメロドラマ。

 伝説の大女優グレタ・ガルボを初めて見ました。最初はかなりきつい感じに思えたのですが、かなわぬ恋に苦しむ後半は何か気丈なところがすごくいじらしく感じられました。

THE SWAN
出演 グレタ・ガルボ、ロバート・テイラー、ライオネル・バリモア、エリザベス・アラン
ジョージ・キューカー監督。1937年アメリカ映画。

1990年12月10日 (月)

白鳥 (1955)

白鳥 20世紀初頭、某国の皇太子がお妃選びのためにビアトリクス王妃の城を訪れる。おちぶれた家を建て直すために彼女の両親は二人が結ばれるように奮戦するが、皇太子は疲れて寝てばかり…

 旧皇族を描いた宮廷コメディ。某国の皇太子がやって来ると聞いたビクトリアスの城の人々は大騒ぎ。今はおちぶれて山奥に城を構えているが、王妃と皇太子を結婚させて自分たちも都へ返り咲こうというのだ。しかし到着した皇太子はなかなかのわがまま者で、初日は寝てばかり。次の日は家畜小屋を見に行ったりと、彼女とはろくに口もきかない。仕方なく彼女は家庭教師をダシに彼に近づこうとするのだが、ダシにされた彼は当然のごとく深く傷ついてしまう。

 しかしこの映画の前半の笑わないグレース・ケリーってのは、いくら役作りのためでもすごくもったいない気がしました。皇太子のアレック・ギネスも後半で突然性格が変わってシリアスになるってのも無理があるみたいだし。

THE SWAN
出演 グレース・ケリー、アレック・ギネス、ルイ・ジュールダン、アグネス・ムーアヘッド
チャールズ・ヴィダー監督。1955年アメリカ映画。

1990年12月 9日 (日)

去年の夏突然に (1959)

去年の夏突然に 州立精神病院の若い医師が、病院への寄付と引き換えにある女性のロボトミー手術を依頼される。しかし彼女の精神錯乱の原因となった去年の夏の事件の記憶が戻るにつれて、意外な事実が浮び上がる。

 病院を舞台にした心理サスペンス。といっても私はこの手の分野の作品には疎いので、どうしてこれが公開当時センセーショナルな話題を呼んだかまではわからなかったのだが。

SUDDENLY, LAST SUMMER
出演 エリザベス・テイラー、モンゴメリー・クリフト、キャサリン・ヘプバーン、マーセデス・マッケンブリッジ、アルバート・ディッカー
ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督。1959年アメリカ映画。

1990年12月 8日 (土)

帰郷 (1950)

帰郷 大戦中に軍の金を持逃げした罪をかぶって逃亡生活を続ける男が主人公。戦争が終わって彼は帰郷するが、妻はすでに再婚しており3歳の時に別れた娘は立派な少女に育っている。

 大佛次郎の新聞小説の映画化。戦争が終わっても帰る場所を失ってさまよう男を佐分利信が、彼を慕うマダムを木暮実千代が好演している。特にラストの二人のやりとりは、日本映画らしからぬしっかりハードボイルドしている。

出演 木暮実千代、佐分利信、津島恵子、山村聰、徳大寺伸、柳永二郎
大庭秀雄監督。1950年日本映画。

1990年12月 7日 (金)

素晴らしきヒコーキ野郎 (1965)

素晴らしきヒコーキ野郎 まだ飛行機が危険な乗物だった頃、飛行機の発展を願ってロンドンからパリへの飛行機レースが行われる。各国から集った冒険野郎たちの挑戦をコミカルに綴ったスラップスティック・コメディ映画。

 これはいやがおうでも空へのロマンをかきたてられる素晴らしき映画です。まだまだ危険なおもちゃのような飛行機を操る男たちが、墜落もものともせずに飛立って行きます。飛びたくて飛びたくて仕方ないんだけど父親が許してくれなくてうずうずしているコケティッシュなサラ・マイルズの役どころもいいですね。

 石原裕次郎の出演で、毎度のごとく歪められた日本が徹底的に茶化されますが、この映画はすべての国がパロディの対象にされてるのが爽快です。子だくさんのメキシコ・チーム。格式を重んじて女性を乗せないイギリス・チーム。何でもマニュアルを読んですませようとするドイツ・チーム。レースそっちのけで女を口説いているイタリア・チームなど、ここまでやってしまうと逆に「本当にこんなやつなんていないよ」って思わせる効果があっていいですね。

 それから私この映画の主題歌がめちゃ好きなんです。もう、この映画の雰囲気にぴったりです。

参考までに原題を全部書いておきます。
THOSE MAGNIFICENT MEN IN THEIR FLYING MACHINE, OR HOW I FLEW FROM LONDON TO PARIS IN 25 HOURS AND 11 MINUTES
(空飛ぶ機械に乗った素晴らしき男たち、いかにしてロンドンからパリまで25時間11分で飛んだか)
現在ではロンドン:パリ間は超音速ジェット機で7分だそうです。

出演 スチュアート・ホイットマン、ジェームズ・フォックス、サラ・マイルズ、石原裕次郎
ケン・アナキン監督。1965年アメリカ映画。

1990年12月 5日 (水)

夜を楽しく (1959)

夜を楽しく まだ共同電話が普及していた頃、プレイボーイと共同電話にされた室内装飾家のドリスは、毎晩彼のラブコールを聴かされてうんざり。ところがドリスがすごい美女だと知った彼は、名前を偽って彼女に近づく。

 共同電話なんてもう死語になりつつあるので説明すると、電話がまだ普及してなかった頃に回線を節約するために2〜3本の電話をくっつけて配線してしまう方法。今で言う親子電話を、まったくの他人が共有しているものと考えていいだろう。しかも始末が悪い事に、誰かが電話をしている時に他の人が受話器を取るとその会話が聞こえてしまう。この映画はこの共同電話というものを知らないと話がなかなか見えてこない。

 さて、プレイボーイと同じ回線にされてしまったドリス・デイなのだが夜中に受話器を取るといつも彼が女をくどく会話が聞こえてきてうんざり。そんなある日、レストランで彼女が名前を呼ばれそれを聞いたプレイボーイ(この時点で彼らはお互いの顔を知らない)は彼女がものすごい美人だという事を知り、名前を偽ってアタックにかかる。

 プレイボーイが本当の恋に落ちるという、この頃の映画ではよくあるパターンのラブコメディなんだけど、日本人の私でもたっぷり笑えたのはまだまだ当時の喜劇はグローバルだったって事でしょう。最近の喜劇はほんと笑えないのが多いのです。

PILLOW TALK
出演 ロック・ハドソン、ドリス・ディ、トニー・ランドール、セルマ・リッター、アレン・ジェンキンス
マイケル・ゴードン監督。1959年アメリカ映画。

1990年12月 4日 (火)

続・青い山脈 (1949)

続・青い山脈 田舎町の女子高で起こった他愛のない偽ラブレター事件だったが、やがて議員や町の有力者まで巻き込んだ大事件に。有名な石坂洋次郎の小説の映画化の完結編。

 前編では偽ラブレターの被害にあう女校生が中心でしたが、続編では彼女はなかなか登場せず、事態をどう終結するかという自治会に話が絞られます。有名な「変しい変しい」のラブレターの読み上げシーンもあります。もっとも私の世代では、「変しい」がこの映画からきているギャグだった事を知らなかったわけですが。

 そして再び視点が生徒たちに戻って映画は終わります。このラストはなかなか青春映画していて背中がかゆくなりました。

 この作品ってたぶん私の親の世代くらいの映画じゃないかと思うのですが、こんな先進的な映画がありながら今だにうちの親の頭の中が封建的なのはどうしてなんでしょうね?

出演 原節子、池部良、伊豆肇、木暮実千代、龍崎一郎、若山セツ子
今井正監督。1949年日本映画。

1990年12月 3日 (月)

トータル・リコール (1990)

トータル・リコール 近未来、火星の悪夢にうなされる建設労働者が、実は自分は記憶を書き換えられたエージェントだった事を知り、殺し屋に追われながら失われた自分の記憶の謎を解くために火星へと飛ぶ。

 ディックの短編「追憶売ります」をベースにしたSF超大作。リコールとは未来に登場する記憶を書き換える機械の名前で、トータル・リコールとは人生のすべての記憶の書き換えを意味する。

 ある日、自分の記憶がすべて書き換えられたものである事に気付いた主人公は、残された手がかりを元に過去の自分とコンタクトを取る。そして自分の脳の中には重要な情報が残っており、火星へ行けばその謎が解けるというのだが、それを妨害しようとする者たちに命を狙われる。ストーリーはあまり詳しくは書けないが、バーホーベンらしい血の気の多いアクションやテンポの良さ、ショッキングなスプラッタシーンやスペクタクルが散りばめられていて、飽きることなくラストまで見せてくれる。

 面白いのは小道具の使い方のうまさ。予告編などでおなじみの変装用マスクや、色の変るマニキュア、タクシーロボットなどすみずみまで楽しい。ただ残念なのは自分探しという「エンゼル・ハート」っぽい題材ながら、思ったほどのどんでん返しがなかった点だろう。

TOTAL RECALL
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー、レイチェル・ティコティン、シャロン・ストーン、ロニー・コックス、マイケル・アイアンサイド、マーシャル・ベル、メル・ジョンソン・Jr.・マイケルーラガーディア
ポール・ヴァーホーヴェン監督。1990年アメリカ映画。

1990年12月 2日 (日)

青い山脈 (1949)

青い山脈 ある田舎町が舞台。女子高で起こった男女交際をからかったニセラブレター事件をきっかけに、学校や町の封建的な考え方と戦うことになる新任女教師や校医を描いた青春映画。続編と合わせて完結する。

 まだ女子高が良妻賢母の育成を称えていた頃の物語。女子学生が大学生と歩いていただけで、学校は上へ下への大騒ぎ。かくしてそれをからかう偽のラブレター事件までおこり、新任の女教師がこれを追及する。しかし彼女の持論である自由恋愛に反対する町の有力者たちは、彼女をつぶそうとする。

 書いてて思うんだけど、ほんと今では信じられないようなストーリーですね。もちろん女教師を応援してしまうわけですが。ストーリーは盛り上がったところで終わり、続編へ続きます。

出演 原節子、池部良、伊豆肇、木暮実千代、龍崎一郎、若山セツ子
今井正監督。1949年日本映画。

1990年12月 1日 (土)

泥棒野郎 (1969)

泥棒野郎 子供の時からいじめられひねくれて育った主人公がやがて泥棒になる。しかしやる事なす事ドジな男は金は取れずに刑務所を行ったり来たり。そんな彼に美しい恋人ができ、結婚するのだが。

 ドキュメント風の味つけがされたアレンの自作自演喜劇。ギャグがぴりりと面白くなかなか笑わせてもらいました。しかしこれだけドジでどうしようもない男とどうしてこんなに綺麗な彼女が結婚する気になったのか不思議です。

TAKE THE MONEY AND RUN
出演 ウディ・アレン、ジャネット・マーゴリン、マーセル・ヒライアー、ジャクリーン・ハイド
ウディ・アレン監督。1969年アメリカ映画。

1990年11月29日 (木)

刺青一代 (1965)

刺青一代 やくざの鉄太郎は鉄砲弾として人を刺すが、たまたま居合せた弟も兄を助けて人を殺してしまう。二人は満州へ逃げようとある港町へ流れ、人夫として渡航費をかせぐのだがやがて追っ手がやって来る。

 昭和初期を舞台にしたやくざ映画。タイトルバックの刺青のオンパレードには驚かされる。ストーリーはありきたりだが、ラストの斬り込みシーンでのけばけばしい色使いは楽しませてくれる。

出演 高橋英樹、花ノ本寿、山内明、和泉雅子、高品格、伊藤弘子
鈴木清順監督。1965年日本映画。

1990年11月28日 (水)

東京流れ者 (1966)

東京流れ者 やくざから足を洗い、かつての組長とクラブ経営をする哲。しかし対抗組織の乗っ取りに会い、彼は東京を離れて新潟へ、そして九州へと流れる。鈴木監督の不思議なアート感覚いっぱいの異色のやくざ映画。

 モノトーンで始まる異色のオープニングからラストのクラブでのアクションシーンまで、一貫したアート感覚の不思議な作品です。特にモノクロからカラーへとさっと切り換わるシーンが印象に残る。

出演 渡哲也、松原智恵子、吉田毅、二谷英明、川地民夫、江角英明
鈴木清順監督。1966年日本映画。

1990年11月27日 (火)

渡り鳥故郷へ帰る (1962)

渡り鳥故郷へ帰る 瀬戸内の地方都市が舞台。実業家の息子とやくざの娘が結婚するのだがこれをきっかけにやくざの抗争が激化。そこへ帰って来た元やくざの幹部である渡り鳥こと滝浩が事件に巻き込まれる。シリーズ最終作。

 敵の仕打に耐えて、耐えて、耐えて、最後に爆発するというアクションドラマお決りのパターンです。シリーズ第9作(番外編)

出演 小林旭、和田浩治、南田洋子、笹森礼子、葉山良二、桂小金治
牛原陽一監督。1962年日本映画。

1990年11月26日 (月)

海峡、血に染めて (1961)

no jacket image 実習生として巡洋艦に乗るために故郷の対馬へ戻って来た青年が主人公。しかし彼は自分の兄が密輸の手助けをしている事を知り、やがて兄と対決する事になる。洋上シーンが迫力の海洋アクション映画。

 老いた母親と、密輸会社で働く兄、海上保安庁の弟という家族を中心にしたちょっぴりシリアスなアクションドラマ。ロケシーンはそれほど無かったのだが、対馬という日本で唯一の国境(?)を舞台とした特殊な雰囲気が伝わって来る。また洋上シーンはほとんどロケらしく、船の持つ迫力みたいなものが感じられた。

 和田浩治って人は全然知らなかったのですが、ガッツはあるが世間知らずといった好青年を熱演しています。

出演 和田浩治、葉山良二、英百合子、久松洪介、清水まゆみ、滝恵一
鈴木清順監督。1961年日本映画。

1990年11月25日 (日)

拳銃無頼帖 抜き射ちの竜 (1960)

拳銃無頼帖 抜き射ちの竜 竜は有名な拳銃使いだが、決して相手を殺さず肩を撃ち抜く事をモットーにしている。そんな彼が麻薬中毒で入院し、世話をしてくれた中国人の用心棒になるのだが。赤木の唯一のシリーズ作品の第1作。

 最近のTVアクション刑事ドラマと似たような内容だが、抜き射ちの竜と冷酷だがどこか憎めないコルトの銀(宍戸錠)のちょっぴりコミカルな対決が見せてくれます。

出演 赤木圭一郎、宍戸錠、朝丘ルリ子、香川美奈子
野口博志監督。1960年日本映画。

1990年11月24日 (土)

殿さま弥次喜多 (1960)

殿さま弥次喜多 尾州と紀州の若殿が八代将軍の候補になるのだが、自由のない生活を嫌って脱走。身分を隠して瓦版屋に住み込み働く。しかし彼らの暗殺を狙う者どもが襲って来る。コメディタッチの時代劇。

 うーん、これは面白い! 錦之助と賀津雄の兄弟のかけ合いはテンポもよく、たっぷりと笑わせてくれます。

出演 中村錦之助、中村賀津雄、美空ひばり、大河内伝次郎、丘さとみ
沢島忠監督。1960年日本映画。

1990年11月23日 (金)

右門捕物帖 卍蜘蛛 (1962)

右門捕物帖 卍蜘蛛 長考で必要以外はしゃべらない事から「むっつり右門」とあだ名された与力が主人公の時代劇シリーズ。歌舞伎役者が殺され、彼の胸には卍に蜘蛛の刺青があった。手がかりを求めて右門は下田へ向う。  むっつり右門なんて言うからどれだけ愛想の無い男かと思いきや、なかなか親しみの持てる好青年ではないですか。

出演 大友柳太郎、堺駿二、進藤英太郎、南道郎、黒川弥太郎
河野寿一監督。1962年日本映画。

1990年11月22日 (木)

ひばり捕物帖 ふり袖小判 (1959)

ひばり捕物帖 ふり袖小判 実はとある武家の姫であるが、身分を隠して女目あかしをやっているお七の活躍を描いた捕物時代劇。芝居小屋で役者が矢で殺される。ある浪人が容疑者になるのだが、彼の無実を信じたお七は独自に調べ始める。

 美空ひばりのお姫さまはとっても庶民的な顔立ちで、親しみ易さを感じた。女目あかしなんて、本当にいたんでしょうか?

出演 美空ひばり、東千代之介、花房錦一、若山富三郎、里見浩太朗
内出好吉監督。1959年日本映画。

1990年11月21日 (水)

水戸黄門 (1960)

水戸黄門 「水戸黄門漫遊記」を筆頭にシリーズ化された東映の黄門シリーズの中の1本。江戸でつけ火が大流行りし、世情不安を引き起こすのだが、その背後の陰謀を倒すために黄門一族が大活躍する。

 当時の東映のオールスターを配した豪華版水戸黄門。錦之助のイキのいい江戸っ子が特に面白い。身分を隠した副将軍・水戸黄門を巡り前半は人情喜劇なのだが、後半の善人が結束して悪と戦う勧善懲悪のストーリー運びが小気味よい。なお、TVなどでおなじみになった印瀧シーンはなぜかこの作品にはなく、最後までみんな黄門様の身分を知らずに終わるラストはある意味では快挙。黄門様は印瀧の世話にならなくても、事件を解決する事ができるのです。

出演 月形龍之介、片岡千恵蔵、市川右太衛門、中村錦之助、大川橋蔵
松田定次監督。1960年日本映画。

1990年11月20日 (火)

遠山の金さん 御存じいれずみ判官 (1960)

遠山の金さん 御存じいれずみ判官 桜吹雪の刺青を武器に悪を裁く、東映制作の遠山の金さんシリーズの中の一編。金さんの父が抜け荷をしているとの疑いがかかり、金四郎は独自に捜査を始める。

 あれだけ悪人相手に大暴れして、どうして悪人どもは金さんの刺青を見るまで彼の顔を思い出さないのだろうっていう疑問はTV版と同じなんですが... しかし映画だけあって、能を取り入れた凝った作りであったり、お裁きのシーンの重々しさといい見応えがあります。

出演 片岡千恵蔵、丘さとみ、木暮実千代、千秋実、山形勲
佐々木康監督。1960年日本映画。

1990年11月19日 (月)

旗本退屈男 謎の南蛮太鼓 (1959)

旗本退屈男 謎の南蛮太鼓 清(中国)からやって来た芸人一座から放たれた吹き矢で、老中が殺害される。しかし犯人は切支丹一味だという噂が流れるのだが。事件は旗本退屈男こと早乙女主水之助が捜査する事になるのだが。

 東映時代劇の人気シリーズの中の1本。額に三日月傷のある退屈男が、謎の殺人事件を捜査する。しかし退屈男のセリフが、なかなか爆烈もの。「三日月傷がうずいてきたぜ」とか、「やっと退屈しなくてすむぜ」とか、ほとんどギャグと紙一重に聞こえる。しかし映画館ではみんな「待ってました」と掛け声をかけながら見てたんだろうなあ。

 中国からやって来る大道芸人たちが後半の重要な部分を演じているのですが、この中国人の描きかたはめちゃめちゃ。日本人が洋画に描かれる日本を見て激怒したりしますが、古い日本映画もかなり罪作りな外人を描いていたもんだと思います。

出演 市川右太衛門、北大路欣也、山東昭子
佐々木康監督。1959年日本映画。

1990年11月18日 (日)

社長道中記 (1961)

社長道中記 缶詰会社の社長が、業績の悪い関西支社の陣頭指揮を取るために出張にでる。ところが彼の女好きを心配した妻が、カタブツ社員をお共につけるのだが。60年代にヒットした社長シリーズの第15作。

 全部で40本。「男はつらいよ」が40本を突破するまで、世界最長の連作映画として伝説化までしていた社長シリーズを初めて見たのだが、思ったよりもTVドラマ的であった。調べてみるとこれらの作品、ビデオ化もまだなされていないようである。

 シリーズ化される映画の常として、登場人物のキャラクターの面白さに依るところが大きいのでしょう。やはり最初から順番に見た方が楽しめると思います。女好きの社長、カタブツの部下、社長を取り巻く女たちのキャラクターはなかなかクセが強く面白いのだが。

出演 森繁久彌、久慈あさみ、小林桂樹、加東大介、三木のり平
松林宗恵監督。1961年日本映画。

1990年11月17日 (土)

ウェスタン・ロック ザカライヤ (1971)

 ウェスタン・ロック ザカライヤ 通信販売で手に入れた拳銃を持った若者が、酒場で決闘に巻き込まれ人を撃ち殺してしまう。そこで二人はロックバンド強盗団に入り奇妙な旅を始めるのだが。ロック音楽と西部劇を見事に結合させた異色作。

 オープニングからして、荒野のど真中でロックバンドの演奏というぶっとんだ趣向の西部劇。当時はアウトロー的な臭いの強かったロックと、無法者たちをだぶらせたという趣向なのだろうか。しかし不思議とこのミスマッチが映画が進むにつれて快感になっていく。

 通信販売でコルトを手に入れたザカライヤという若者と、その友人の鍛治屋の若者がはしゃいで早撃ちの練習をする。うまくなれば当然試してみたくなるもので、酒場へ行ってからんで来た無法者の決闘を受けて立ち見事仕留める。自信を得た二人は、無法者兼ロックバンド(な、なんちゅう奴らじゃ)に入って詐欺まがいの強盗を繰り返すのだが、やがて二人はそれぞれの行く道が違うことを悟って一端は別れて行く。

 伏線が多い映画で、2回ぐらい見るとなかなか楽しめます。また、ロックバンドを西部に登場させる映画だけあって、後半の展開やラストの締めくくり方も従来の西部劇とは一味違います。これもニューシネマの流れなのでしょうか。

ZACHARIAH
出演 ジョン・ルービンスタイン、パット・ケイン、ドン・ジョンソン、エルヴィン・ジョーンズ
ジョージ・イングランド監督。1971年アメリカ映画。

1990年11月16日 (金)

サラリーマン出世大閤記 課長一番槍 (1959)

no jacket image 猪突猛進のモーレツサラリーマン、木下秀吉の出世物語を描いた大閤記シリーズの4作目。宣伝係長になった木下が、ビルの屋上に日本一の広告塔を立てる仕事を引き受けたのだが、思わぬアクシデントが起こる。

 植木等の無責任男とは正反対のくそ真面目サラリーマンを主人公にした喜劇。植木の頭の回転の良さもいいけど、この小林演じる木下のまじめとファイトのかたまりのような生きかたも魅力がある。

 シリーズは彼が自動車会社に入社するあたりから始まっているらしく、彼の恋人やら大学の応援団の後輩やら個性的な連中がいっぱい出て来る。そのかけ合いがストーリーの半分ぐらいを占めている。かと云って途中から見てもわりと楽しめた。

 しかし彼らが宣伝するアトラス号なんだけど、ボンネットのトヨペットの文字ぐらい消しとけよなって思った。

出演 小林桂樹、団令子、沢村いき雄、加東大介、東郷晴子、有島一郎
筧正典監督。1959年日本映画。

1990年11月15日 (木)

日本一の色男 (1963)

日本一の色男 女学校の教師、光等は卒業式で踊り出して学校をクビに。次に彼は化粧品のセールスマンになり、持ち前の調子の良さであれよあれよと出世して行く。題名だけあって女優陣がなかなか豪華なコメディ。  女学校の卒業式で突然踊り出すオープニングにあっけにとられるのだが(どうして彼は卒業式まで問題を起こさなかったんだろう?)、化粧品会社に入社してからも、テンポの良いギャグがいっぱい盛り込まれていて楽しめる。それにしてもこの植木さんのどんな失敗してもくよくよせずにすぐに次の作戦を練るバイタリティは、おおいに学ぶべきものがあるでしょう。

出演 植木等、ハナ肇、谷啓、犬塚弘、団令子、白川由美、浜美枝、草笛光子、淡路恵子、桜井センリ、安田伸、石橋エータロー
古沢憲吾監督。1963年日本映画。

1990年11月14日 (水)

ニッポン無責任時代 (1962)

ニッポン無責任時代 洋酒会社に入社した平均(たいら・ひとし)が、持ち前の行動力と無責任さでとんとん拍子に出世していく様子を描いたコメディ。しかし今の感覚で見ると、彼の行動はあまり無責任に見えないのだが。

 無責任シリーズなんて言われているので、本当にタナボタ式に偶然が重なって出世していくのかなあって思ってたら、主人公の平均はけっこう自分のセンスの良さを武器に、努力してのし上がって行くのです。61年生れの私の目にはそういうふうに見えました。

出演 植木等、ハナ肇、重山規子、久慈あさみ、田崎潤、谷啓、団令子
古沢憲吾監督。1962年日本映画。

1990年11月13日 (火)

命美わし (1951)

命美わし 城の壕の近くに家を構える伊村家。その壕では自殺者が絶えず、主人の日課は自殺者を助ける事になっている。ところがある日助けた自殺者は市会議員の息子に捨てられたと言い、一家は波紋に巻き込まれる。

 一晩に二人も自殺者を助けた夜が事件の発端。ひとりは市議会議員の息子にもて遊ばれ妊娠したと言い、もうひとりは生きる望みだった赤ちゃんに死なれた女。新聞記者であるこの家の長男は、これは社会悪であると議員を非難する記事を書くがこれが原因でスキャンダルに。ところが次男はこの娘を愛しはじめており、ふたりで家出する。

 なにか要約すると暗くてじめじめとしたストーリーだが、笠智衆のひょうひょうとした理想的父親のおかげで、わりとほのぼのとした物語になっている。映画が古いためかやや台詞が聞き取りにくいところがあった。

出演 笠智衆、杉村春子、三國連太郎、佐田啓二、小園蓉子、淡島千景、坂本武、小沢栄、宮口精二、桂木洋子、北竜二、磯野秋雄
大庭秀雄監督。1951年日本映画。

1990年11月12日 (月)

二十四の瞳 (1954)

二十四の瞳 戦前の小豆島の分校で12人の小学生を受持つことになった新任女教師の物語。前半のほのぼのとした雰囲気から、後半の貧困や戦争への怒りがびしびし伝わって来る。やや涙のシーンが多いのが難点か。

 小豆島の岬の分校へ新任のおなご先生がやって来る。ハイカラな洋服を来て自転車に乗ってやって来た先生に、村人や生徒はびっくりするのだがやがて打ち解ける。しかし生徒のいたずらから先生は足を痛め分校へ通えなくなるのだが。

 20年もの時の流れを描いた大河ドラマ。一緒に遊んでいた子供たちがやがて貧困から学校へ通えなくなったり、戦争に召集されたりと様々な時代のうねりに巻き込まれていく様子が痛々しい。しかし後半にあまりに登場人物が泣くシーンが多いのが、見ていてしんどかったなあ。悲しみの表現ってのは涙だけではないと思うのだが。

出演 高峰秀子、月丘夢路、小林トシ子、井川邦子、田村高廣、笠智衆、浦辺粂子、夏川静江、清川虹子、浪花千枝子
木下恵介監督。1954年日本映画。

1990年11月10日 (土)

秋日和 (1960)

秋日和 主人に早く死なれた妻とその娘。娘はそろそろ年頃で結婚話がもちあがるのだが、娘は母が心配で結婚する気はない。それならばと死んだ父の友人3人が母親を再婚させようとするのだが、話がこじれて…

 死んだ父の友人3人組がとにかく笑わせてくれる作品です。女優陣では岡田茉莉子が一番好き。しかし小津作品はどれを見ても本当に日本を感じさせてくれますね。

出演 原節子、司葉子。岡田茉莉子、佐田啓二、笠智衆、佐分利信
小津安二郎監督。1960年日本映画。

1990年11月 9日 (金)

女の園 (1954)

女の園 良妻賢母を育成するをモットーにした全寮制の女子大が舞台。しかし実情は生徒をがんじがらめに縛り上げて、見栄と体裁だけに縛られた監獄のような世界だった。後の学園紛争を予感したと称される作品。

 全寮制の女子大学。大学生の恋人がいて、彼と結婚できるだけの教養をつけようと入学した、やや気の弱い女子大生(高峰秀子)が主人公。しかし寮は男女交際は全面禁止。寮に送られて来たラブレターまで検閲される始末で、まるで監獄である。

 消灯時間まで定められている寮で、何年か働いていて学校から離れていた彼女は勉強も思うようについて行けない。仕方なくこっそり起きて勉強しているのだが、そんなところも恐ろしい寮母(高峰三枝子)にみつかって怒られ、学校へ報告されて怒られ、もうめちゃめちゃ。後にこの学校の教育方針とかも暴露されるのだが、もう見ている方もめちゃめちゃエキサイトしてしまった。こんな学校が本当に存在したのだろうか。

 高峰三枝子の悪役ぶりがすごかった作品です。

出演 高峰三枝子、高峰秀子、岸恵子、久我美子、田村高廣
木下恵介監督。1954年日本映画。

1990年11月 8日 (木)

シュガーベイビー (1984)

シュガーベイビー 葬儀社に勤めるハイミスのおばさん。彼女が若くてハンサムな地下鉄の運転手にひと目惚れし、彼について調べ上げると共に自分も美しくなろうと日夜努力を。不思議な味のあるラブストーリー。

 どう見てももてそうもないハイミスのおばさんが主人公。彼女が単調な生活の中で、地下鉄の運転手にひと目惚れし、彼の勤務時間について調べあげる。複雑な勤務表をもらって解読。やがて彼が何時のどの列車に乗るのかをマスターする。同時にドレスから下着まで派手なものを買いそろえるシーンは抱腹絶倒ながらなぜか憎めない。

 彼には妻もいたのだが、意を決した彼女はアタック。なんと彼とおばさんはできてしまい、情事を繰り返すのだが…  原色を多用した毒々しい色彩の中で、なぜか憎めないおばさんパワーを最後にはいじらしさまで感じさせる不思議な一編でした。

ZUCKERBABY
出演 マリアンネ・ゼーゲブレヒト、アイシ・グルプ、トニー・ベルガー、ハンス・シュタードルバウアー
パーシー・アドロン監督。1984年西ドイツ映画。

1990年11月 7日 (水)

太陽の年 (1984)

太陽の年 第2次大戦後のポーランドを舞台に、母と二人で貧困の中に生きるポーランドの中年女性と、駐留中のアメリカ兵士のかなわぬ恋を綴ったラブストーリー。

 戦争で傷ついたポーランドが舞台。壊れた車の中で絵を描く中年女性。そこへジープで通りかかった米兵は彼女に一目惚れし、彼女の家へ通うようになる。彼女は年老いた母と二人でひっそりと暮している。やがて二人は愛し合うようになり結婚まで考えるのだが、彼女は国を出る事ができずまた彼がポーランドへ残る事も許されないというどん詰りの状況。そして彼にワルシャワへの召集がかかって…

 どうってことのない中年の男女の普通のラブストーリーなんだけど、その国家背景の重さに耐える一途な二人が心に残る名編です。

A YEAR OF THE QUIET SUN (ROK SPOKOJNEGO STONCA)
出演 マヤ・コモロフスカ、スコット・ウィルソン、ダニエル・ウェブ、ハンナ・スカザンカ
クシシュトフ・ザヌーシ監督。1984年ポーランド=西ドイツ=アメリカ合作。

1990年11月 6日 (火)

未来忍者 慶雲機忍外伝 (1988)

未来忍者 慶雲機忍外伝 SF大好き少年には見逃せない、SFX+時代劇のB級(?)大作! 姫救出というありふれたストーリーながら、徹底したエンタテイメントとアイディアは観客を飽きさせない。

 もう、完全にTVゲームのノリです。考えればTVゲームの世界というのは、あの大ヒットした[ゼビウス]の影響からストーリー性というのが重視されるようになり、ゲームの数だけ物語が作られるようになりました。もちろんすぐれたストーリーを考えることができるのが一流メーカーということになるのですが、あまりにもゲームの数が乱立しすぎてちょっと食傷気味に感じるのは私だけでしょうか? そんなこんなでゲームを作る連中が寄ってたかって制作したのがこの作品なんだそうです。

 ストーリー自体は単純です。たいていのゲームが宝探しかモンスター退治を目的としてますけど、この作品でも例にもれません。でも、この映画の真髄はあくまでも小道具の数々ではないかと思うわけです。ゲームでいうところの[アイテム]が、実に巧みに配置されていて飽きさせません。

 和風ロボットに漢数字のコンピューターと、ちょっと考えたら首をかしげてしまうようなアイテムがふんだんに散りばめられてるのは楽しいですね。ゲーム好きの人なら文句なしに楽しめます。

出演 横山誠、森下恵理、牧冬吉、山本昌平、河井半兵衛、井田弘樹

雨宮恵太監督。1988年日本映画。

ビリー・ギャルビン (1986)

ビリー・ギャルビン 建築作業員の父は息子に設計技師になってほしいと思っている。しかし息子は父の思いとはうらはらに、父と同じ現場の仕事を希望していがみ合う。意地を張り合いながらも、どこか憎めない二人の関係を描く。

 ビル建設現場作業員の父親は、息子には設計技師になって自分のかなえられなかった夢をかなえてほしいと思っている。ところが息子にとって自分の人生まで親父に干渉されるのは迷惑とばかりに、学校をやめて父と同じ現場作業をしようとしている。当然二人の間はぎくしゃくして、争いが絶えない。

 がんこ者の父子が、一歩も引かずにぶつかり合いながら、ところどころで相手に深い愛情を見せる、そんなどこにでもありそうな光景を綴ったホームドラマです。建築場面のシーンで、高所恐怖症の人ならくらくらっとくるようなショットがあります。

出演 レニー・フォン・ドーレン、カール・マルデン、ジョイス・ヴァン・パタン、トニ・カレン

ジョン・グレイ監督。1986年アメリカ映画。

1990年11月 5日 (月)

スクエアダンス (1987)

スクエアダンス 農場で祖父と二人暮しの13歳の少女。そこへ家を飛び出した彼女の母親が現れ、都会で暮さないかと誘う。拒絶した彼女だが、祖父との喧嘩がきっかけでバスにのり町へ出る。家族の絆を熱く描いた秀作。

 がんこな祖父と鶏を飼って二人で暮している13歳の少女。彼女のところへ、突然現れた母親は都会で一緒に住もうと言う。一度は拒絶した彼女だが、祖父が彼女の友人の黒人をぞんざいに扱った事から喧嘩になり家を飛び出す。初めて暮す都会で、彼女は髪型を変え友人を作り、やがて知恵遅れの少年と恋に落ちる。しかし刺激に満ち溢れた都会の空気は素朴な彼女を押し流そうとする。

 アメリカの片田舎と都会の対比が興味深い一編です。少女の成長物語はよくあるストーリーなのですが、この作品は正攻法ながら面白く見終わった後も余韻が残ります。

出演 ロブ・ロウ、ウィノナ・ライダー、ジェイソン・ロバーズ、ジェーン・アレクサンダー、デボラ・リッター

ダニエル・ペトリ監督。1987年アメリカ映画。

1990年11月 4日 (日)

偽りの晩餐 (1987)

偽りの晩餐 格式高いホテルの晩餐会。新入りのホテルマンたちの目を通して、そこで行われる怪しげな儀式(?)を皮肉った風刺ドラマ。

 邦画でいうところの「お葬式」のような映画。ストーリーの7割以上は晩餐会の場面で、巧妙にその非日常性を皮肉っている。主催者の老女が絶対であり、彼女を喜ばすために他のみんながぐちをこぼしながらも奮戦する様子は何か日本の会社のピラミッド社会や、ショーアップされた結婚式の風景も思わせる。

 またどういう意図で挿入されていたのかは不明だが、新人ホテルマンの少年が晩餐会に出ているひとりの少女が気にかかって仕方なくなるあたりは、すごく親近感を覚えた。

出演 マルコ・エスポジト、マリーザ・アベテ、ルイジ・カッンチッェラーラ

エルマンノ・オルミ監督。1987年イタリア映画。

1990年11月 3日 (土)

エノケンの孫悟空 (1940)

エノケンの孫悟空 喜劇役者エノケンの主演による、SFX(?)たっぷりの孫悟空物語。ありがたいお経を取りに天竺へ向うさんぞう法師を、猿/豚/河童の化け者の3匹がお供をして危機から救うという有名な物語。

 ミュージカル仕掛けになったおなじみの孫悟空です。孫悟空一行と妖怪変化の戦いがオムニバス形式で描かれます。ギャグも音楽も今となってはイマイチですが、ストーリーの面白さで最後まで楽しめました。

出演 榎本健一、花井蘭子、岸井明、金井俊夫、柳田貞一、北村武夫

山本嘉次郎監督。1940年日本映画。

1990年11月 2日 (金)

ミッシング (1982)

ミッシング 73年のチリの軍事クーデター。現地に住むアメリカ人夫婦は、身の危険を感じながら本国へ帰る準備をする。しかし妻が家をあけている間に夫は行方不明になる。政治的陰謀を告発した実話の映画化。

 怖い映画。オープニングから戒厳令下緊迫感あふれる町を描いているが、主人公が「ちょっと前までは静かでいい町だったのに」と言うあたりに重みがある。我々が何げなく海外旅行をする町でも、ちょっとした事からこういう危険にさらされる可能性もあるという警告である。

出演 ジャック・レモン、シシー・スペイセク、ジョン・シェア、メラニー・メイロン、ジャニス・ルール

コスタ・ガヴラス監督。1990年アメリカ映画。

1990年11月 1日 (木)

ハヌッセン (1988)

ハヌッセン 戦場で頭を怪我した男が予知能力に目覚め、終戦後千里眼の魔術師として興行し人気を博す。しかし興行先のベルリンで新首相はヒトラーだと予言したことから、当時の混乱した政治の世界に巻き込まれて行く。

 実在の魔術師ハヌッセンを描いたドラマ。サボー監督の作品は、芸術映画のスタイルであるのにストーリー展開も面白く、眠くならないので好きです。

 戦場の恐怖の中で、自分の予知能力に気付いた男が終戦を予言して見事当ててみせます。彼は未来を予言する魔術師として地方を転々として公演を行います。やがて公演中に予言した船の沈没が的中した事が新聞に取り上げられ、爆発的ブームを生みます。ところが時代は第二次大戦の直前。政治問題には関与しないと言っていた彼が詰め寄られて行った予言は、「ヒトラーが首相になる」

 予言者ものの映画として、クローネンバーグ監督の「デッドゾーン」などと見比べてみたら案外面白いと思います。どちらも根本に流れるテーマは、予知能力を持ってしまった者の悲しみと、未来の真実を受け入れる事の難しさです。

出演 クラウス・マリア・ブランダウアー、エルランド・ヨセフソン、イイディコ・バンサジ、カロリー・エペルホス

イシュトヴァーン・サボー監督。1988年ハンガリー=西ドイツ合作。

1990年10月31日 (水)

48時間PART2 帰って来たふたり (1990)

48時間PART2 帰って来たふたり 麻薬組織の黒幕の顔を知っているがために追われる刑務所帰りのエディと、犯人を逮捕寸前で焼死させてしまった刑事ニックが再びコンビを組んで悪と戦うコメディ・アクション。なんと8年ぶりの続編。

 もうひとつノリきれてないというか、ノッてるんだけどこちらまでそのノリが伝わって来ないというもどかしい48時間でした。エディってそういう作品が多い気がする。

 私が見落しただけかもしれないけど、なぜ「48時間」なのかってのがわからなかった。タイムリミットを扱った映画は面白いのが多いので残念です。

出演 エディ・マーフィ、ニック・ノルティ、ブライオン・ジェームズ、ティシャ・キャンベル、ケヴィン・タイ、エド・オーロス、デヴィッド・アンソニー・マーシャル、アンドリュー・ディボフ

ウォルター・ヒル監督。1990年アメリカ映画。

1990年10月30日 (火)

押忍!! 空手部 (1990)

押忍!! 空手部 ワルで有名な関五高校の空手部主将で化け物のように強い高木くんが、高校征服をたくらむ連中と激突する人気コミックの映画化。坂上香織の出演で原作よりもアイドル映画っぽいノリになっている。

 私この原作のマンガ大好きなんです。いじめられていじめられた主人公が最後で一発大逆転どっかーんと敵をやっつけるといった定番時代劇的なノリなんですが、なんとも読んでて心地良い。

 さて映画版なんですが、まあだいたい思っていたようなできで原作とは切り離して考えた方がいいですね。「ビーバップ」シリーズと「花の応援団」をたして割って、お下品な部分をとっぱらったような感じです。高校生の大阪征服なんて、コミックの中の話でしかありえない、と思ってしまいました。

出演 松田勝、坂上香織、網浜直子、彦麿呂、新兵衛、尚舞、我王銀次

村川透監督。1990年日本映画。

1990年10月27日 (土)

レベッカ (1940)

レベッカ イギリスの貴族と結婚したアメリカ娘。しかし慣れない豪邸で召し使い達に囲まれて暮すうちに、死んだ彼の前妻の影に悩まされるようになる。サスペンスの盛り上げ方、ラストのどんでん返しと見応え十分。

 ヒッチコックのアメリカ第一作の作品で、さすがにリキが入っている。半世紀前にこんな面白い映画が作られていたのかとうならされたほど。

 金持の「嫌味な」おばさんの付き人としてリゾート地に来ている美しい女性が、妻を失ってふさぎこんでいるイギリス貴族と恋に落ちる。二人は電撃的な結婚をし、マンダレーの豪邸で新婚生活をはじめる。しかし多くの召し使いをかかえたマンダレーでの生活に彼女はなかなか馴染めない。やがて亡くなった前妻レベッカの秘密が少しづつ解き明かされ、彼女を恐怖へと陥れて行く。

 前半のメロドラマっぽい展開から、ぐいぐいとスリラーへと引張って行く展開は、ヒッチコックならではで目が離せません。特に彼女をじわじわと攻撃するダンヴァース夫人の怖さは特筆もの。

出演 ローレンス・オリヴィエ、ジョーン・フォンティーン、ジョージ・サンダース、ジュディス・アンダーソン

アルフレッド・ヒッチコック監督。1940年アメリカ映画。

1990年10月26日 (金)

第3逃亡者 (1937)

第3逃亡者 有名女優の他殺死体が浜辺に打ち上げられる。第一発見者の少年が容疑をかけられ、身の危険を感じた彼は逃亡し警察署長の娘と共に真犯人を追う。

 無実の逃亡者が真犯人を追うというヒッチコックものの十八番映画。映画ならではのストーリーです。ラストの犯人を追い詰めるあたりの、犯人の特長のくだりが面白い。登場人物では犯人探しに協力する気のいい浮浪者が好きですね。ジョセフィン・ティー原作。

出演 ノヴァ・ピルビーム、デリック・ドマーニー、パーシー・マーモント、エドワード・リグビー

アルフレッド・ヒッチコック監督。1937年イギリス映画。

1990年10月25日 (木)

間諜最後の日 (1936)

間諜最後の日 スイスに潜入したスパイが、敵の要人が中東へ行くのを阻止する命令を受ける。彼は愛称「将軍」と美しい女スパイと共に名前もわからない敵を探すのだが、情報提供をする予定の男が教会で謎の死を遂げる。

 スイスを舞台にしたスパイ映画なのだが、内容は推理劇でとても人間臭さを感じる。

 新聞に死亡記事を載せて名前を隠し、スイスへ潜入させられた軍人が主人公。彼はコードネーム”R”という上司の命令で、女好きの通称「将軍」と美しい女スパイを味方に、名前すらわからない敵の要人を探す。情報を握っていた味方の潜む教会へ行くのだが、彼はすでに殺されたあとで右手にボタンを握りしめていた。やがて、彼らのごく身近な人物が同じボタンをつけた上着を着ていて、しかもその1個が取れているのを見つける...

 わくわくさせられる展開で楽しめる。キーポイントは、美しい女スパイとのロマンスと、ラストの列車シーンのサスペンスかな。サマセット・モーム原作。

出演 ジョン・ギールグッド、パーシー・アーモンド、ピーター・ローレ、ロバート・ヤング

アルフレッド・ヒッチコック監督。1936年イギリス映画。

1990年10月24日 (水)

サボタージュ (1936)

サボタージュ 映画館を経営する夫婦が主人公。実は夫はアナーキストで、駅の爆破計画を立てるのだが妻は彼の正体を知らない。やがて妻の弟が事件に巻き込まれて行く。小気味よいサスペンスが楽しめる小品。

 この作品のストーリー、どっかで見たような気がする。TVのヒッチコック劇場か何かになったのかもしれない。

 夫婦として暮していて、自分の夫の正体もわかんないのかなあという疑問は感じたのですが、それ意外はなかなかのめりこんで楽しみました。

出演 シルヴィア・シドニー、オスカー・ホモルカ、ジョン・ローダー、デズモンド・テスター

アルフレッド・ヒッチコック監督。1936年イギリス映画。

1990年10月23日 (火)

暗殺者の家 (1934)

暗殺者の家 スイス旅行で殺人事件に巻き込まれた家族。カーネギーホールでの要人暗殺計画を知ってしまったがために娘が誘拐され、父は警察に頼らず自分で決着をつけようとする。のちに「知りすぎていた男」でリメイク。

 ヒッチコックがイギリス時代に監督したサスペンスで、「知りすぎていた男」として後にリメイクされています。となるとどうしても「知りすぎて−」と比べてしまうのですが、こちらの方がストーリーもすっきりとしてこじんまりとまとまっています。特に「知りすぎて−」では後半は別のサスペンスが展開されるのですが、これでは撃ち合いのガンアクションになってしまうところが意外でした。

出演 レスリー・バンクス、エドナ・ベスト、ピーター・ローレ、フランク・ヴォスパー、ピエール・フレネ

アルフレッド・ヒッチコック監督。1934年イギリス映画。

1990年10月22日 (月)

リッチ・アンド・ストレンジ(おかしな成金夫婦) (1931)

リッチ・アンド・ストレンジ 結婚8年目で倦怠期をむかえた夫婦が叔父からのプレゼントで豪華客船による世界旅行へ。ところが二人の仲は元にもどるどころか、別々のパートナーをみつける始末。サイレントっぽい味つけがされた作品。

 笑いも恋愛も観光もアクションもパニックも詰め込んだ、ヒッチコック初期のバラエティな内容の珍品。

出演 ヘンリー・ケンドール、ジョーン・バリー、ベティ・アーマン、パーシー・マーモント、エルジー・ランドルフ

アルフレッド・ヒッチコック監督。1931年イギリス映画。

1990年10月19日 (金)

歌っているのはだれ? (1980)

歌っているのはだれ? セルビアからベオグラードへ向うおんぼろ乗り合いバスに乗り合わせたひとくせもふたくせもある連中と、彼らの道中を描いた喜劇。狂言まわし役(?)のコンビの歌も楽しい。笑えます。

 共産圏にはブラックな喜劇がはやっているのだろうか? これも結構笑える作品です。石炭バスで車掌をする親父と運転する息子の凸凹コンビも楽しいが、それにいちゃもんをつける客もバラエティに富んでいて飽きません。

出演 パヴレ・ヴイシチ、ドラガン・ニコリッチ、アレクサンダル・ベルチェク、ミオドラグ・スコティッチ、ネナド・コスティッチ、ダニーロウ・ストイコヴィチ

スロボダン・シャン監督。1980年ユーゴスラビア映画。

1990年10月18日 (木)

ハンガリアン (1967)

ハンガリアン 第2次大戦末期、同盟国であるドイツへ農作業の手伝いに行った数人のハンガリー人たちを描いたドラマ。彼らがドイツ人たちに差別されながら、戦争の一端をかいま見るところが克明に描かれる。

出演 コンツ・ガーボル、ハップ・ハップ、モリナール・ティボル

ファーブリ・ゾルタン監督。1977年ハンガリー映画。

1990年10月17日 (水)

消防士の舞踏会(火事だよ!カワイコちゃん) (1967)

消防士の舞踏会 とある小さな町で消防士が主催するダンスパーティ。ところが世間にうとい彼らはへまばっかり。そうこうしているうちに、近所の家が家事になり全焼! それでも舞踏会は続くのであった。

 これは笑えます。世間知らずの消防士たちが舞踏会を主催するのですが、全くもってドジばかり。美人コンテストを開くのですが、シャイな女性たちはなかなか舞台へ立とうとせずにひともんちゃく。福引の商品はどんどん盗まれるし、そうこうしているうちに近所の家は火事になるしでなんともブラックな笑いが詰め込まれたチェコスロバキア製喜劇です。

出演 バクラフ・ストケル、ジャン・ボストゥルシル

ミロシュ・フォアマン監督。1967年チェコスロバキア映画。

1990年10月16日 (火)

モスクワは涙を信じない (1979)

モスクワは涙を信じない 労働者寮に住む3人の女性が、恋に傷つき家庭を作り、力強く生きた20年間を描いた大河ドラマ。ソビエトの一般階級の人々の姿が生き生きと感動的に描かれ、見応え十分。

 現代ソビエトの庶民を描いた大河ドラマ決定版といった趣の作品です。特権階級に憧れ、寮に住む事をひた隠して恋人の心をひき、妊娠して捨てられ私生児を産みそれでも力強く生きていく女性の姿は、我々が普段見慣れた西側の青春映画と何も変るところはありません。

 たいへん長い映画ですが一気に見て、ラストシーンでは拍手を送ってしまいました。

出演 ヴェラ・アントーワ、アレクセイ・バターロフ、イリーナ・ムラヴィヨワ、ライサ・リャサーノワ、アレクサンドル・ファチューシン、ボリス・スモルチコフ、ユーリー・ワシーリョフ、ナターリャ・ワヴィローワ

ウラジミール・メンショフ監督。1979年ソビエト映画。

1990年10月15日 (月)

尼僧ヨアンナ (1960)

尼僧ヨアンナ ある僧院の尼僧に悪魔がついたという事で、悪魔払いの儀式をするために牧師が呼ばれて来る。ところが彼は尼僧たちの苦悩を知るうちに次第に影響を受け、狂気の行動へと移る。

 印象に残ったのは、牧師の持つ世界の価値観の揺らぎと、尼僧を演じた女優さんの底知れぬ魅力です。

出演 ルチーナ・ヴィンニエツカ、ミエチスワフ・ウォイト、アンナ・チェピエレフスカ、マリア・ウファリブク

イエジー・カワレロウィッチ監督。1960年ポーランド映画。

1990年10月14日 (日)

千利休 本覚坊遺文 (1989)

千利休 本覚坊遺文 前半やや退屈しましたが、後半は面白かった。要するに武将が戦争で死にに行く前の儀式として茶道が利用された事への反省。そして戦国時代の終わりと共にこのような意味での茶道も終わりにしようと、平和への願いをこめて腹を切ったというふうに取れたのですがいかがでしょうか?

出演 奥田瑛二、萬屋錦之介、三船敏郎、芦田伸介、上条恒彦、加藤剛、内藤武敏、東野英治郎、川野太郎、牟田悌三、歌澤寅右衛門

熊井啓監督。1989年日本映画。

1990年10月13日 (土)

バード・オン・ワイヤー (1990)

バード・オン・ワイヤー 麻薬組織に追われる男が、昔の恋人であるおきゃんな女弁護士と一緒に逃亡生活をする羽目に。ありふれたストーリーだが、主役の二人の魅力でなかなかのコメディ・アクションになっている。

 若い時にある麻薬事件に巻き込まれて、証人となることで罪をまぬがれた男がいる。彼はFBIの証人保護プログラムに基づいて、死んだことになって組織から逃れていたのだが、そのプログラムを管理していたFBIの職員が退職し、その後任が組織の息のかかった人間だったがために追われる羽目になる、といった書いている私も混乱してしまうようなややこしいストーリーですがなんてことはない。ただある男が組織に追われてるとだけ考えていただければいいでしょう。その彼が、昔の恋人に偶然会ってしまう。彼女は彼が死んだと思っていたので、再びめらめらと恋の炎が燃え上がるといったストーリーです。

 ただただ、ゴールディ・ホーンがきれいです。彼女を楽しむためにこの映画を見に行っても、損はないでしょう。もちろん派手なアクションシーンもいっぱい用意されてはいるのですが、きゃーきゃー叫ぶ彼女の魅力を引き出すためのアクションシーンのようでした。

出演 メル・ギブソン、ゴールディ・ホーン、デヴィッド・キャラダイン、ブル・デューク、スティーヴン・トボロウスキー、ジョーン・サヴァーランス、ジェフ・コーリー

ジョン・バダム監督。1990年アメリカ映画。

1990年10月11日 (木)

恋や恋なすな恋 (1962)

恋や恋なすな恋 平安時代の天文学者の弟子で、恋人に死なれ無実の罪をきせられた男が都落ちする。ところが彼の前には恋人にそっくりな双子の妹が現れて…部分的に歌舞伎やアニメーションを取り入れた斬新な時代劇。

 途中から場面が舞台になったり、部分的にアニメーションが使われたりとなかなか新鮮な感覚の時代劇です。きつねが人間に化けて恩返しをするというのが後半のストーリーなのですが、そのきつねも表情のないきつねの面をつけただけだのに表情豊かに見えるから不思議です。

出演 大川橋蔵/嵯峨三智子/宇佐美淳也/日高澄子/天野新二

内田吐夢監督。1962年日本映画。

1990年10月10日 (水)

緑園の天使 (1945)

緑園の天使 イギリスの方田舎で、馬が大好きな少女が競走馬を手に入れて伝統のグランド・ナショナルに出場するまでを描いたスポーツドラマ。GNへ参加するまでの展開が安易な気もするが、ラストは手に汗握る。

 両親を失って旅をする少年が、少女ベルベットの家へ居候することになる。ベルベットは馬が大好きな少女で、いつか自分の馬をグランド・ナショナルへ出場させる事を夢見ている。そんな彼女が近所で評判のあばれ馬を手に入れ、昔騎手だった少年は馬を訓練する。やがて彼女の夢はどんどんふくらみ、本当にグランド・ナショナルへ出場させることになるのだが…

 映画らしい偶然、偶然の積み重ねがちょっと気になったけど、ラストのグランド・ナショナルのレースシーンは手に汗握りました。夢は念じ続ければ現実になること、そして放浪少年の旅立ちなど、テーマも爽やかで見せてくれます。

出演 エリザベス・テイラー、ミッキー・ルーニー、ドナルド・クリスプ、アン・リヴェア、アンジェラ・ランズベリー、レイナルド・オーウェン、ノーマ・ヴァーデン

クラレンス・ブラウン監督。1945年アメリカ映画。

1990年10月 9日 (火)

わが命つきるとも (1966)

わが命つきるとも 16世紀、ヘンリー8世が法律を自分に都合よく曲げて権力を維持しようとした事にただひとり反発したトーマス・モアの半生を描いた宮廷劇。今も昔も信念に生きる事は難しいと感じさせてくれる。

 断頭台に消えたトーマス・モアの物語は有名ですが、彼が命をかけて訴えた信念が今でも語り伝えられているのはすばらしい事だと思います。

出演 ポール・スコフィールド、ロバート・ショウ、ウェンディ・ヒラー、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、レオ・マッカーン、オーソン・ウェルズ、スザンナ・ヨーク、ジョン・ハート、ナイジェル・ダヴェンポート

フレッド・ジンネマン監督。1966年アメリカ=イギリス合作。

1990年10月 5日 (金)

土曜の夜と日曜の朝 (1960)

土曜の夜と日曜の朝 旋盤工の若者が、自分の人生に嫌気が差し友人の妻を寝取ったり自由気ままに生きる。しかし彼もやがて世の中のしがらみに縛られて行く。当時の職人の心情が伝わって来る一編。

 旋盤工といっても当時は繰り返しの単純作業が主な仕事。人生の大半をその単純作業に費やす事に嫌気が差した主人公は自由気ままに生きる。確かにこの映画の世界は彼に共感してしまいそうな世界である。しかもそんな彼のちっぽけな抵抗がいかにはかないものかを示すラストシーンはうならされた。

出演 アルバート・フィニー、レイチェル・ロバーツ、シャーリー・アン・フィールド、ノーマン・ロシントン

カレル・ライス監督。1960年イギリス映画。

1990年10月 4日 (木)

文化果つるところ (1951)

文化果つるところ 詐欺で破産した男がある船長に助けられて孤島に身を隠す。彼はそこの原住民との暮しにすぐ飽きて、美しい娘に横恋慕する。原住民と商人たちのかけひきを軸にした海洋アクション映画。

 住民たちが水とたわむれ、自然と共に生きて行く姿が印象に残ります。それにひきかえ、文明人と称する連中のふがいなさといったらありません。

出演 トレヴァー・ハワード、ラルフ・リチャードソン、ロバート・モーレイ、ウェンディ・ヒラー、ケリマ、ジョージ・クロリス、ウィルフリッド・ハイド・ホワイト、ベティ・デイヴィス

キャロル・リード監督。1951年イギリス映画。

1990年10月 3日 (水)

ふたりだけの窓 (1966)

ふたりだけの窓 イギリスの田舎町に住む若い新婚夫婦。新婚初夜に妻が夫を笑った事から夫婦関係を持つきっかけを失い、二人は気まずい仲に。誰にも言えず悩み苦しむ二人をとりまく親戚や隣人を描いた微笑ましい作品。

 人もうらやむ美男美女のカップルが主人公なのだが、彼らの新婚初夜に友人がベッドに悪戯をした事から事件が起こる。ムードが盛り上がったところでなんとベッドが崩壊。新婦は笑い転げ、新郎は怒って結局二人は結ばれないまま。ところがこれで気まずくなった二人は2週間経っても4週間経っても結ばれず、夫は結婚相談所へ、妻は母親に相談する。ところがその噂が広まってさらに二人の仲はおかしくなっていく...

 と書くとすごい悲劇のようだが、なんともほんわかムードの憎めない作品。特に彼ら夫婦とその双方の両親の会話は笑わせてくれる。ちょっと大人の青春喜劇です。  花婿の父親役で、あの「ライアンの娘」で浮浪者を熱演したジョン・ミルズが頑張っています。

出演 ヘイリー・ミルズ、ハイウェル・ベネット、ジョン・ミルズ、マージョリー・ローズ

ロイ・ブールディング、ジョン・ブールディング監督。1966年イギリス映画。

1990年10月 2日 (火)

ホフマン物語 (1951)

ホフマン物語 詩人ホフマンの3つの恋物語をセリフに全部メロディをつけたオペラ・スタイルにまとめたミュージカル映画。独特のカラーに色づけされた世界は強烈なインパクトが残る。

 人によってものすごい好き嫌いが出る映画だと思いました。3話のオムニバスで詩人ホフマンの奇妙な恋が語られるのですが、ストーリーの奇妙さと面白さはさることながら、その奇妙さに負けないだけの舞台装置には本当に圧倒されてしまいます。

出演 モイラ・シアラー、ロバート・ランスヴィル、パメラ・ブラウン、ドロシー・ボンド、リュドミラ・チュリーナ、マルゲリータ・グランディ、アン・エヤアズ、モーゲンスウィート

マイケル・パウエル、エリック・ブレスバーガー監督。1951年イギリス映画。

1990年10月 1日 (月)

超音ジェット機 (1952)

超音ジェット機 大戦後のイギリス。飛行機のパイロットと航空会社社長の娘が恋に落ち結婚する。男は義父の航空会社でテストパイロットとなり、ジェット機で音速の壁を越えるプロジェクトに挑戦する。熱い冒険ドラマ。

 いかにして飛行機は音速の壁を越えたかをセミドキュメントタッチで描いた作品。しかももうひとつのテーマである家族の愛情もじっくり描かれていて見応えがある。

 軍隊で名うての飛行機乗りと航空会社の社長が恋に落ち、彼女の航空会社へ住みこみテストパイロットとして働くことになる。この彼を駆り立てたのが開発中の超音速ジェット機。しかし当時の技術では音速を越える事は不可能と言われており、犠牲者も出る中で命がけの挑戦が繰り広げられる。

出演 ラルフ・リチャードソン、アン・トッド、ナイジェル・パトリック、ジョン・ジャスティン

デヴィッド・リーン監督。1952年イギリス映画。

1990年9月30日 (日)

紳士は金髪がお好き (1979)

紳士は金髪がお好き 踊り子が金持の客に見染められ結婚することに。ところがちょっとした擦れ違いで彼女は同僚の踊り子と船でヨーロッパへ行って彼を待つことになる。その船上でのドタバタを描いたミュージカル・コメディ。

 ショーガールが金持の息子に見染められ、結婚する事になる。しかし男の親の反対などいろいろあり、先に新婚旅行先のヨーロッパに行って待つ事に。しかし彼女がなかなかのくわせもので、宝石に目がくらんで別の男を追いかけまわす始末。しかも彼女の友人の踊り子も船で一緒になったオリンピック選手や金持の男たちに声をかけまくる。

 冷静に見るととんでもないストーリーなんだけど、これだけネアカでぶっとんでるともう笑うっきゃないねって感じの映画でした。特に法廷でモンローが半裸に近いドレスで歌い踊るシーンは痛快です。

出演 マリリン・モンロー、ジェーン・ラッセル、チャールズ・コバーン、トミー・ヌーナン、エリオット・リード

ハワード・ホークス監督。1953年アメリカ映画。

1990年9月29日 (土)

オーロラ殺人事件 (1979)

オーロラ殺人事件 北極を舞台にしたサスペンス・アクション。国連の北極気象隊はベア島にキャンプを張るが、謎の殺人事件が起こる。推理よりも氷上のアクションにウエイトを置いた作品。

 なんとなく「遊星からの物体X」を思わせるイギリス製の推理アクション。殺人事件の犯人や設定に特に目新しいものはあまりありませんが、シベリアでロケされた美しい雪原とそこで行われるホバークラフトやエンジン付きそりによるチェイスなどは、なかなか見応えがあります。

出演 ドナルド・サザーランド、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、リチャード・ウィドマーク、クリストファー・リー、バーバラ・パーキンス、ロイド・ブリッジス、ローレンス・ダーン

ドン・シャープ監督。アリステア・マクリーン原作。1979年イギリス=カナダ合作。

1990年9月27日 (木)

アビス (1989)

アビス 未知の物体に接触した原子力潜水艦が沈没。生存者救出のために特殊部隊と、協力を依頼された海底油田の探査クルーが現場へ向う。しかし気圧の関係で特殊部隊の隊長が狂い、核弾頭を海底へ落下させる...

 SFアクション映画のスタイルを借りた、ちょっと粋なラブストーリーって感じの映画です。

 巻頭でアメリカの原子力潜水艦が正体不明の物体に接触して沈没します。近くで石油を掘っていた探査クルーと海軍の特殊部隊が救助を依頼され現場へ急行します。潜水艦は海底の岩場へ引っ掛かっており、核ミサイルを積んでいる危険な状態。しかも現場にはハリケーンがやって来て、海底は誰も脱出できない密室状態になる。気圧の変化で頭がおかしくなった特殊部隊の隊長が、核爆弾を海底へ落下させる。あたり一帯に危機が迫るというのが、おおまかなあらすじです。

 うーん、ところでですねえ、宇宙人が出て来るのですが、これがこのアクションストーリーとうまくくっついていないってのがこの映画の残念なところです。クルーのカップルが壊れた潜水艦から脱出するシーンや海底深くもぐって行くシーンはなかなか感動的であるだけに、宇宙人の存在がちょっぴり浮いててがっかりしました。

出演 エド・ハリス、メアリー・エリザベス・マストラントニオ、マイケル・ビーン、レオ・バーメスター

ジェームズ・キャメロン監督。1989年アメリカ映画。

1990年9月26日 (水)

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 (1990)

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 自動車型タイムマシンに乗った高校生とマッド・サイエンティストが演じるパラレルワールド・アドベンチャーの第3弾。雷に打たれたタイムマシンは西部開拓時代へ。彼らは当時の無法者と決闘する羽目になる。

 ついに完結編となったこの作品の舞台は100年前の西部劇の世界へ。落雷にやられたデロリアンに乗っていた博士は100年前へタイムスリップ。彼が無法者に殺される事を知ったマイケルが再びデロリアンに乗って(このあたりの設定がややこしいのだが)100年さかのぼる。ところがデロリアンはインディアンの襲撃でガソリンが漏れ、120kmを越さないとタイムトラベルできないので現代に帰る事ができなくなってしまう。

 このどうやって現代に帰るかが物語のひとつのポイントだが、もうひとつは博士を殺すことになっている無法者との対決となんと博士のロマンス。実は私も、この博士をずっと見てきてどの時代にもパートナーがいないのは何か寂しそうだなあと思っていたところ。どうも私の考えと映画の作者の考えは一致したらしい。

 エキサイティングなシーンの連続でこの映画は終わるのだが、ラストの締めくくりが第1作に似ていてまたまた続編を匂わせる。もしかしたらと考えずにいられないスーパーシリーズなのでした。

出演 マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、メアリー・スティーンバーゲン、、リー・トンプソン、トーマス・F・ウィルソン、マーク・マックルーア、エリザベス・シュー、ジェームズ・トルカン、マット・クラーク、リチャード・ダイサート、ウエンディ・ジョー・スピーバー

ロバート・ゼメキス監督。1990年アメリカ映画。

1990年9月25日 (火)

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 (1989)

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 自動車型のタイムマシンで旅をするSFアドベンチャーの第2作。今回は、前作と同じ1955年に悪人に未来を知られたために暗黒時代に。それを阻止するために、同時代へまた戻るはめになる。

 続編を作る予定はなかったというバック・トゥ・ザ・フューチャーだが、いざこの作品を見てみるとタイム・パラドックスの連続で面白い。前半の未来の場面も面白いが、後半の再び1955年に戻ってからは第1作のストーリーと複雑にからみ合いなかなか面白い展開を見せる。この調子で続編を作り続ければ、1955年では10人も20人ものマイケルが活躍するのではないかと思えるほどだ。

 また、タイムマシンものでは未来や過去に起こる事件は決っていて、絶対に起こらないと思える事件がどんどん起こって「決ったとおりの事件」が起こって終わるというものが多いが、これは過去へ戻って起こした事件がどんどん未来に影響を与えて、未来を変えてしまうという設定になっている。過去に影響を与えたら大変なことになるとか銀河系がふっとぶとか大騒ぎしながらどんどん過去をいじりたおして行くのである。映画としてはどちらの設定も面白くなる要素を持っているのだが、このどんどん未来を変えられるという設定は冒険大好きのスピルバーグらしくて納得してしまう。つまり彼らは未来へ行っているように見えて、本当は自分の未来へ行っていないのです。(意味わかりますか?)

出演 マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、リー・トンプソン、トーマス・F・ウィルソン、マーク・マックルーア、ケイシー・シマズコ、ビリー・ゼイン、エリザベス・シュー、ジェームズ・トルカン、イライジャ・ウッド、ジェイソン・スコット・リー

ロバート・ゼメキス監督。1989年アメリカ映画。

1990年9月24日 (月)

バック・トゥ・ザ・フューチャー (1985)

バック・トゥ・ザ・フューチャー タイム・マシンを完成した科学者とその友人の高校生。しかし彼らはゲリラに襲われ、高校生は20年前にタイムスリップ。自分の両親を結婚させなければ、自分が消滅することになる。

 なかなか愉快なSFコメディ。タイムマシンが自動車の形をしているという発想からしてユニークだし、主人公がどこにでもいる高校生でしかも行きたくもない過去へ行かされ、当時高校生だった自分の両親を結婚させなければ自分が消滅してしまうという窮地に追い込まれてしまう。

 タイムマシンものらしく、伏線の引き方が巧妙でよくできている。3回見ても、何か新しい発見があるそんな映画です。

出演 マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、リー・トンプソン、クリスピン・グローヴァー、トーマス・F・ウィルソン、クローディア・ウェルズ、ジェームズ・トルカン、マーク・マックルーア、ケイシー・シマズコ、ビリー・ゼイン、ハリー・ウォーターズ・Jr.

ロバート・ゼメキス監督。1985年アメリカ映画。

1990年9月23日 (日)

セシルの歓び (1967)

セシルの歓び 恋人との生活に憤りを感じたパリのモデルが、イギリスへの撮影旅行まで彼女を追って来た不思議な魅力を持つ男性のとりこになる。男女の心理の微妙な揺れを描いた、ブールギニョンらしい傑作。

 セシルはごく普通のモデル。恋人と暮しているが、倦怠期を迎えていて彼に以前ほどの情熱を感じなくなってきている。彼も彼女の事を思ってはいるのだが、以前ほど情熱的につきあえずにいる。そんな時彼女はモデルの仕事でイギリスへ行くことになり、心配する恋人をよそに家を出る。

 そこで彼女は不思議な魅力を持つ男性に出会い、誘われるままにイギリスの古城へ行き一夜を共にする。この城の描写がすばらしく、まるで夢物語のように思わせてくれる。「シベールの日曜日」で見せてくれた森の描写が思い出され、さすがブールギニョンといった感じだ。

 ロンドンのホテルへ戻った彼女へ、パリの恋人からの電話。彼を愛しているからと、事実をありのままに話す彼女。やや混乱しながらも、すぐにロンドンへ行くと言う彼。ここでこの夢物語は、彼の犠牲の上に成り立っている事に気付く。よくよく考えてみると、とんでもない不倫物語なのだが...

出演 ブリジッド・バルドー、ローラン・テルジェフ、ジャン・ロシュフォール

セルジュ・ブールギニョン監督。1967年フランス映画。

1990年9月22日 (土)

アパッチ (1990)

アパッチ 中米に大規模な麻薬の密売組織の基地があるのを発見したアメリカ空軍は、それを壊滅すべく攻撃ヘリコプター「アパッチ」を使ったエリート攻撃部隊を組織する。ヘリコプター版「トップガン」。

 流行りのライト感覚の好戦青春映画である。ただし今回の敵は麻薬密売組織の基地ということで、イデオロギー的なことはあまり考えずに楽しむ事ができる。

 ストーリーは例によって例のごとく、まずアメリカ軍が悪者に叩かれてパイロット強化の課題が与えられる。そして選ばれたパイロットがエリート教育を受けるのだが、主人公がえらい目にあい一度落ち込む。しかし持ち直した彼を交えて、ラストは派手にどんぱちと本当にワンパターンである。

 しかし興味が持てるのは戦闘ヘリ「アパッチ」のかっこよさであろう。夕陽をバックに飛ぶアパッチはなかなかかっこよい! (多少、しつこい感じはするが) ヘリコプター同士の空中戦も手に汗握る。でもそれ以外は、何も見るべきものはないと考えてもいいだろう。

出演 ニコラス・ケイジ、ショーン・ヤング、ブライアン・ケスナー、デイル・ダイ、メアリー・エレン・トレイナー、J・A・プレストン、ピーター・オノラティ

デヴィッド・グリーン監督。1990年アメリカ映画。

1990年9月21日 (金)

墨東綺潭 (1960)

墨東綺潭 結婚10年目で、家庭のいざこざの気ばらしに隅田川の遊廓を散歩していた教師が、遊女と仲よくなり入れあげる。彼女も彼が独身だと信じ、ふたりでおでん屋を持つ事を夢見るのだが。

 昭和5年頃の東京の下町が舞台。勤めていた家の主人に犯されみごもった女性が同じ家の書生と結婚し、自分たちの子供として育てている。元の家からは養育費をもらって、金銭的には不自由なく暮している。しかし10年目の倦怠期をむかえて、男は妻が今だに養育費をくれる家を頼っているのがはがゆくて仕方がない。妻は妻で、元の家を足掛に出世しようとしない夫にいらいらして、宗教に走る始末。そんな時気晴しにふらついた遊廓で出会った女性に心引かれ、入れ揚げるようになる。

 ふたりの女の間を揺れ動く男が芥川比呂志、遊女が山本富士子、妻が新珠三千代でそれぞれの気持ち、立場みたいなものを熱演していて見応えがある。特に若い頃の山本富士子が美しい。特に誰が良い、誰が悪いと限定するわけでなく、それぞれの立場で精一杯生きていこうとする3人の姿に共感を覚えた。

 原作の永井荷風の没後1周年の作品だそうだ。

出演 山本富士子、芥川比呂志、新珠三千代、乙羽信子、淡路恵子

豊田四郎監督。1960年日本映画。

1990年9月20日 (木)

偽れる盛装 (1951)

偽れる盛装 京都のお座敷が舞台。男を次々に渡り歩いて喰い物にする芸者と、その妹で堅気に生きる娘、彼女らの母のそれぞれの生き方を描いた女性映画。京マチ子のバイタリティあふれる芸者ぶりが圧漢でもある。

 姉は男を次々に変えて金をしぼりとる芸者。しかし妹にだけは人並の生活をしてもらいたいと思い、役所へ勤めさせているという一面がある。で、その妹が結婚を誓い合った男性がいたのだが、彼は同業者の養子で彼の義理の母が「家の格式が違うのでこの結婚は認められません」と断りに来る始末。うーん、腹の立つ映画やねぇ。

 そんな妹を励ましながらも、自分はせっせと男を渡り歩いては金を巻き上げる始末。なんでこんな女に、なんて思いながら、男って本当にばかなんだなあって思わされる映画です。

 余談だけど、ところどころ挿入されている音楽、伊福部昭作曲だけあってゴジラの音楽のアレンジです。同じ音楽でもアレンジ次第でこういう映画のテーマになってしまうところが面白い。マニア必聴です。

出演 京マチ子、菅井一郎、藤田泰子、小林桂樹、新藤英太郎

吉村公三郎監督。1951年日本映画。

1990年9月19日 (水)

お父さんはお人好し (1956)

お父さんはお人好し 13人の子だくさんの果物屋の家族が主人公。次男の結婚、長女の再婚と大急がしの一家だったが、お父さんがバナナ貿易の詐欺にひっかかったことから家庭は火の車。NHKラジオドラマの映画化の人情喜劇。

 13人の子持のアチャ太郎夫婦の次男の結婚式からはじまるこの映画。長男の結婚問題、長女の再婚問題と一見節操なくストーリーが始まるのだが、あとでうまくまとまっていく様子が面白い。アチャコというのは話し家だと思うんだけど(ごめん、知らないのです)、独特の話し方はドラマにするとちょっと浮いてるなって感じがする。

 当時の結婚習慣に興味を持ちました。親から根まわしして結婚するのはわかるとしても、益田キートンの医者が本人とはろくに口もきかずに親から再婚話しを持ちかける場面ではびっくり。あんな結婚がまかりとおっていた時代があったわけですね。

出演 花菱アチャコ、浪花千栄子、堺駿二、益田キートン、阿井美千子

斎藤寅次郎監督。1956年日本映画。

1990年9月18日 (火)

底抜け便利屋小僧 (1962)

底抜け便利屋小僧 映画に憧れてハリウッドで雑用をやっていたドジ男が、ひょんな事から大映画会社の便利屋として雇われる。彼の役目はさぼっている社員の監視なのだが、彼自信のドジから撮影所は大騒動になる。

 映画への憧れを綴ったような喜劇。ジェリーのドジな部分がほとんどだが、後半にちょっとだけ人形を相手にしたシリアスな部分が含まれる。ここがストーリーから浮いていてもうひとつだったような気がする。ラストはいかにもアメリカ映画的なエンディング。

 大量に作られたジェリー・ルイスの喜劇「底抜け」シリーズの中の1本です。

出演 ジェリー・ルイス、ブライアン・ドンレヴィ、ハワード・マクニアー、シグ・ルーマン

ジェリー・ルイス監督。1962年アメリカ映画。

1990年9月17日 (月)

凸凹宝島騒動 (1942)

凸凹宝島騒動 どこかおかしな2人組がそそのかされてバスを乗っ取り、あげくにヨットに乗って秘境の島へ漂着、原住民とギャング団の宝石の奪い合いに加わる羽目になる。ダンスシーンが楽しめるコメディ。

 「笑い」はやはりギャグが風化していてイマイチだったが、序盤に織り込まれたタップダンスのシーンが楽しかった。

出演 バッド・アボット、ルー・コステロ、ヴァージニア・ブルース、ライオネル・アトウィル

アール・C・ケントン監督。1990年アメリカ映画。

1990年9月16日 (日)

腰抜け巌流島 (1952)

No jacket image 森繁が宮本武蔵に扮したパロディ喜劇。どうしようもない若者、武蔵がタクワン和尚に拾われて3年修業、剣豪に変身し、諸国を旅する。ナンセンスなパロディが、今見ると意味不明。

 本物の宮本武蔵のストーリーを知ってたらもっと笑えたんでしょうが、もう10年以上も前に見たもんで覚えていない。それから当時のお笑いタレントらしき人が何人か出ていたようですが、私はぜーんぜんわからなかった。

出演 森繁久彌、大泉滉、三条美紀、伴淳三郎

森一生監督。1952年日本映画。

1990年9月15日 (土)

ゴリラ (1986)

ゴリラ 元FBIの腕きき刑事が、密命を受けて麻薬組織に潜入、たったひとりの闘いを挑むスーパーアクション。後半の銃撃シーンは大迫力だが、この手の映画にしては新味がない。  これもシュワさんのキャラクターを生かした流行りの「死なない男」シリーズ(笑)の1作だと思うのだが、あまりに同じような映画が乱立し過ぎたのでもう飽きてしまっていて退屈した。

出演 アーノルド・シュワルツェネッガー、キャサリン・ハロルド、ダレン・マクギャヴィン、サム・ワナメイカー

ジョン・アーヴィン監督。1986年アメリカ映画。

1990年9月13日 (木)

ミニヴァー夫人 (1942)

ミニヴァー夫人 イギリスの片田舎で3人の子供に恵まれて幸福に暮すミニヴァー夫人。息子の婚約に喜んでいたのもつかの間、第2次世界大戦が始まり夫も息子も戦場へ駆り出され、彼女も自身の闘いを強いられる。

 幸福な家庭が一転して戦争の恐怖にさらされ、息子は飛行機乗りに。夫は船の操縦に駆り出され、残った妻も突如押掛けてきた脱走ドイツ兵に拳銃を突き付けられる。前半の日常ドラマがあまりにも日常ドラマであったがために、後半の平和を奪われた村の描写が痛々しい。

 しかも、ドイツ軍の爆撃によって村人の中のほんの一部分の人が、あたかも死神に選ばれたかのごとくに死んで行くというのが重い。一見反戦映画のようだが、戦時中に作られただけに戦意高揚映画としてしめくくられているのはちょっぴりがっかりした。これが現在のリメイクだったら、悪の塊で人格のなかったドイツ兵たちにもうちょっと人間らしい味付けがされてもっと厚みのあるドラマになったと思うのだが。

出演 グリア・ガースン、ウォルター・ピジョン、テレサ・ライト、デイム・メイ・ホイットニー

ウィリアム・ワイラー監督。1942年アメリカ映画。

1990年9月10日 (月)

鯨とり・コレサニャン (1984)

鯨とり・コレサニャン 気の弱い大学生が女の子にふられて家出する。拘置所で知り合った物ごいの男と、逃げ出した売春婦を連れて彼女を故郷へ帰す旅に出る。テンポといいストーリーといい、胸にせまる韓国製ロードムービー。

 題名からしてもまったく期待せずに見た作品だけど、これはなかなかの拾い物。ソウルの大学生の主人公は、まったく目立たないもてない男の子。その彼が失恋を機会に家出して、強姦の疑いを持たれて連れ込まれた拘置所でなぜか魅力的な中年の浮浪者に出会う。意気投合したふたりは、浮浪者の社会勉強をさせてやろうという言葉に売春宿へ。そこで会った口のきけない売春婦の少女に少年は恋心を抱いて、彼女を連れ出してしまう。

 中盤からは、追って来る暴力団を追払いながら3人の逃避行へと移る。近代ビルの建並ぶソウルの風景から、舞台は一転して韓国の農村風景に。ヒッチハイクや列車のタダ乗りを繰り返しながら、3人は自分たちの存在価値を見つめながら彼女の故郷へと向う。このあたりのテンポといい人生哲学といい、韓国映画のめちゃめちゃフレッシュな一面を見せられて感動させられた。お勧めの一編です。

 ところで鯨というのは少年の追いかける大きな夢を象徴しているようだったが、なぜ鯨であって象ではだめなのかが最後までわからなかったなあ。

出演 キム・スチョル、アン・ソンギ、イー・ミスク、イー・テグン

裴昶浩(ペ・チャンホ)監督。1984年韓国映画。

1990年9月 9日 (日)

私が棄てた女 (1969)

私が棄てた女 自動車工場に勤めるサラリーマンである主人公は、会社の専務の娘と結婚しようとしている。ところが彼が学生時代に遊んで捨てた女が、不幸な人生を歩んでいる事を知り心が揺れる。

この映画ってやっぱり見る人によって捨てたサラリーマン側についてみる人と、捨てられた女の子の側について見る人とに別れるだろうなあ。私の場合は、女の子にとても感情移入してしまって、純情な女の子泣かすなよなあ、バカヤロー、おまえはそれでも人間かって怒りながら見てました。人間をおもちゃにするなんて、本当に許せない行為です。今ではすっかり男女の立場が逆転して「アッシーくん」「ミツグくん」「キープくん」の時代になってしまったわけですけど。

 捨てられた田舎娘を演じた小林トシエだけど、あの徹底的な田舎娘加減がすっごく魅力的に感じました。とても貴重な女優さんではなかったかと思います。

出演 河原崎長一郎、小林トシエ、朝丘ルリ子、加藤治子、加藤武

浦山桐郎監督。1969年日本映画。

1990年9月 8日 (土)

グレムリン2 新種誕生 (1990)

グレムリン2 新種誕生 前作から6年。奇妙な生き物グレムリンは飼い主の老人が死に生物研究所へ入れられる羽目に。ところがグレムリンはまたまた大増殖してハイテク・ビルをパニックのどん底に陥れる。漫画的なノリのホラー喜劇。

 正直なところ、こんな映画がうけるのかなあって気がした。つまり、この悪ノリについて行けない。グレムリンの3つのきまりは、夜中に食べ物を与えるな、水をかけるな、光にあてるなってことなのだけど、ビルの守衛さんは何も知らずにグレムリンに水をぶっかけてしまう。かくして水をかけられたグレムリンはハイテク・ビルの中で異常増殖をして、ビルをパニックに陥れるというのがおおまかなストーリー。

 このグレムリン・パニックがはじまってからの映画なんだけど、きちんとしたストーリーがなくエピソードばっかり見せられるのでいいかげん途中で眠くなってしまった。最後の事件の収拾のつけかたも納得いかないし、前作からは2ランクぐらい落ちたグレムリンでした。これまた次回作に期待することにしましょう。

出演 ザック・ギャリガン、フィービー・ケイツ、ジョン・グローヴァー、クリストファー・リー、ロバート・プロスキー、ロバート・ピカード、ディック・ミラー、キイ・ルーク

ジョー・ダンテ監督。1990年アメリカ映画。

1990年9月 7日 (金)

荒鷲の翼 (1956)

荒鷲の翼 実在の軍人フランク・ウィードの半生をジョン・ウエインが明るくからっと描いたドラマ。彼の映画らしく好戦的な部分が多いが、さらっと描いていて嫌味がない。

 ジョン・ウエインの戦記ものかと思って見たのだが、わりと静かな一人の男の人生を描いた作品。トップシーンで派手な復葉機のアクションシーン(これがまた豪快で笑える)なんか見せてくれるサービスもあるにはあるのだが。

 どっちかというと、好戦映画の部類に入るので、否定したいなあと思うんだけど、ジョン・ウエインのキャラクターが憎めなくて否定しきれないなあと思うヘンな作品。だって新造戦艦が入ったりして喜ぶ男たちの姿はまるで子供なのだ。

出演 ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ、ダン・デイリー、ウォード・ボンド、ケン・カーティス

ジョン・フォード監督。1956年アメリカ映画。

1990年8月29日 (水)

イカリエーXB1 (1963)

イカリエーXB1 21世紀、地球に一番近い恒星ケンタウルスへ向かって冒険旅行に旅立った宇宙船イカリアーを描いた物語。「ミステリーゾーン」の画面に「スタートレック」のストーリーと円谷プロの特撮をミックスしたよう。

 チェコスロバキアのSFってことなので、ソビエトSFみたいなのかと思いきやどちらかというとメイド・イン・USAに近い親しみ易い作品。映画の背景は知らないんだけど、TVドラマの総集編みたいな作りで、あまり相互関係のないストーリーが4つぐらい詰め込まれている。しかもそれぞれのストーリーは、TV版のスタートレックなんかと比べても遜色ないくらい面白く仕上がっている。

 それから舞台となる宇宙船のセットなんですが、これがまた白黒画面とマッチして美しい。SFファンにはお勧めの1本です。

出演 ズデネク・ステパネク、バルドミーッル・アバジェフ、ラドバン・ラカフスイ

ユインドリッヒ・ポラック監督。1963年チェコスロバキア映画。

1990年8月27日 (月)

越前竹人形 (1963)

越前竹人形 越前の山奥で竹細工を営む喜助は、死んだ父が愛した遊女をもらい受け所帯を持つ。しかし彼女を母としか感じられない彼は竹細工に打ち込み欲求不満の彼女は昔の客と関係を持ってしまう。

 遊女をもらい受けにいく前半は、主人公の青年の女を知らない部分が微笑ましく見ていたが、二人が結婚してからはなかなかすさまじいドラマになって行く。「あなたは私のお母さんだから..」と言った時は本当に衝撃を感じた。

 若尾文子ってのは、なかなか美しかったんだなあ。

出演 若尾文子、山下洵一郎、中村雁治郎、中村玉緒、西村晃

吉村公三郎監督。1963年日本映画。

1990年8月26日 (日)

挽歌 (1957)

挽歌 北海道に住む中年の建築技師は、妻の浮気に悩む。そんな時、彼の前に現われた若い女性は、彼ばかりでなく彼の妻のとりこにもなっていく。不思議な女性心理を描いたドラマ。

 理解できない物語だなあってのが私の第1印象。久我美子が他人のプライバシーを覗くことに魅せられて、ひっかきまわすだけひっかきまわしてあとで自分のやったことに愕然とするというだけの筋のように思えてしまった。こんな事書くとこのストーリーを支持する人に怒られそうだけど。

出演 久我美子、斎藤達雄、高崎敦生、浦辺粂子、高峰三枝子、森雅之

五所平之助監督。1957年日本映画。

1990年8月25日 (土)

舞台女優 人・鬼・情 (1987)

no jacket image 幼い頃に母親が家出し、父親と二人で旅芸人として育った女の子がやがてその才能を伸し立派な京劇女優になる様子を描いた中国映画。緻密な画面構成は美しく、また少女の生き方に大きな共感を感じさせてくれる

 「中国映画が世界に誇る」というコピーがつきそうな作品。京劇というのは見たこともなくよく分からないのだが、父親が演じていた鍾鬼という役柄に魅せられてそれに挑むという場面には共感を覚えました。

 国営の劇団に入るために、父親と別れるシーンなどは感動しました。こんなふうに生きてみたい、また生きることは美しいなあと感じさせてくれる作品です。

出演 ペイ・ヤンリン、李保田(リー・パオティエン)、徐守莉(シュウ・ショウソー)

黄濁芹(ホワン・ショーチン)監督。1987年中国映画。

1990年8月24日 (金)

昼下りの情事 (1957)

昼下がの情事 パリに住む私立探偵の娘ヘップバーンはいつも父の資料室を覗き見している。その書類の中で興味を持ったプレイボーイの男に近付いた彼女は彼をとりこにしてしまう。

 オープニングシーン、パリは恋愛の都だって言ってめったやたらのキスシーンの連続には腹をかかえて笑ってしまった。このオープニングのせいで、ヘップバーンお得意のラブコメかなあって思ってたらちょっぴり様子が違った。質のいい笑いに加えて、いろいろと恋愛について考えさせてくれる上質のラブコメディです。

 しかし、この時代の映画のトレンドが「大衆に夢を与える」ってことだったのでしょうか。この類のアメリカ映画のラストは、ほとんどがハッピーエンド。ヘップバーンもあんな中年のプレイボーイのおっさんについて行ってどうするんだろうとはらはらさせながら、やっぱりハッピーエンドなのでした。

出演 ゲイリー・クーパー、オードリー・ヘプバーン、モーリス・シュヴァリエ、ジョン・マッギヴァー

ビリー・ワイルダー監督。1957年アメリカ映画。

1990年7月14日 (土)

巴里のアメリカ人 (1951)

巴里のアメリカ人 除隊後、絵に憧れてパリに残った絵かきの卵とその友人のピアニストを主人公にしたミュージカル。彼らに二人の女性がからみ、ほろ苦いラブストーリーと数々の歌と踊りで楽しませてくれる。

 その日暮しの脳天気な絵かきが主人公。ある日街頭で絵を並べて売っていると、金持の婦人(未亡人?)が彼に目をつけ、個展を開かないかと持ちかける。もちろん婦人の目的は絵なんかじゃなくて、彼自身。そこへ登場したレスリー・キャロンの若い娘に男は一目惚れしてひと騒動起こるというミュージカルである。しかしこのノリといい結末といい、ミュージカルってのは夢以外の何者でもないなあって感じたわけです。

出演 ジーン・ケリー、レスリー・キャロン、オスカー・レバント、ニナ・フィオッシュ

ヴィンセント・ミネリ監督。1951年アメリカ映画。

1990年7月13日 (金)

ピクニック at ハンギング・ロック (1975)

ピクニック at ハンギング・ロック 1900年ごろの厳格な寄宿女学校。通称ハンギングロックという岩山へピクニックへ行くことになる。ところが何かにとりつかれたかのように4人の女生徒が山頂を目指し、行方不明になる。  実話の映画化だそうで、この女生徒に何が起こったかは現在でも謎だそうだ。美しい映像の中にこの題材を後半は心理劇っぽく処理しようとしているが、私にはどうもこの映画が発するメッセージは受け止めることができなかった。

出演 レイチェル・ロバーツ、ドミニク・ガード、ヘレン・モース、ジャッキー・ウェーヴァー、ヴィヴィアン・クレイ、クリスティ・チャイルド、アン・ランバート、カレン・ロブソン

ピーター・ウィアー監督。1975年オーストラリア映画。

1990年7月12日 (木)

クライシス2050 (1990)

クライシス2050 西暦2050年、太陽の異常膨張によって地球滅亡の危機が訪れる。これを防ぐためには太陽に反物質爆弾を打ち込んで圧力を抜かなければいけない。制作費70億のSF超大作だが、ドラマ部分が空回りしている

 超大作は超大作なんだけど、見るべきものがSFXだけってのはちょっといただけない。リチャード・エドランドやシド・ミードが創造する世界はもうすっかり定番になってしまった感じもする。来日したエドランドが「我々は人間を描く手助けをしているだけだ」なんて語っていたけど、まさにそのとおり。はっきり言って飽きてしまったエドランドの世界は映画の主役にはなり得ない。かといって無いとまたSF映画は成り立たないわけで、自分の立場がわかっておられるエドランドさんはエライ!

 しかし、描くべきドラマがはっきり定まっていないこの作品はペケでしょう。地上のドラマと宇宙のドラマが同時進行するんだけど、この2つの関連性がほとんどないのも問題。まあ、エドランドさんには次回作に期待するとしましょう。

出演 ティム・マシスン、チャールトン・ヘストン、ピーター・ボイル、ジャック・パランス、別所哲也

リチャード・C・サラフィアン監督。1990年日本=アメリカ合作。

1990年7月11日 (水)

アップヒル・オール・ザ・ウェイ (1985)

アップヒル・オール・ザ・ウェイ 詐欺やぺてんで喰いつないできた二人組が金に困って銀行強盗未遂をやらかす。彼らと因縁のある売春宿のマダムが保安官をたきつけて彼らを追う。さらに山賊や騎兵隊が加わってのどたばた西部劇。  主役の二人の中年のおっさんが、最初は存在感は薄いので「なんだこの映画は」なんて思ってたんだけど、だんだん可愛く思えてくる。内容は半ロードムービーで、途中からは変な中国人やどじな騎兵隊員など登場人物の面白さで見せてくれます。ラストはちょっとできすぎかな??

出演 ロイ・クラーク、メル・ティリス、バール・アイヴス、グレン・キャンベル、バート・レイノルズ

フランク・Q・ドブス監督。1985年アメリカ映画。

1990年7月10日 (火)

デフ・コン4 (1985)

デフ・コン4 地球を周回する軍事衛星に勤務する3人の男女。突然地上に核戦争が勃発し、彼らはアクシデントで地上へ不時着する。しかしそこは放射能から生き残った者が作る弱肉強食の世界だった。

 ニューヨーク1997と猿の惑星をたして割ったような雰囲気の映画。オープニングの宇宙のシーンからして、宇宙船を舞台にしたSF映画かと思ったが、核戦争が勃発後、宇宙船が不時着して様子はがらりと変る。放射能に汚染された地上で生き残った者は、さらに弱肉強食の闘いを繰り広げており、あたりを仕切るボスのところへ彼らは連れて行かれる羽目になる。

 ストーリーの大半は、軍事衛星のコンピューターに残った汚染が少ない地域の情報の奪い合いになる。これが二流のアクション映画そのものであくびがいっぱい出た。期待を持たされたオープニングからして、えらいギャップである。

出演 ルノー・ザン、モーリー・チェイキン、ケイト・リンチ、ティム・コート

ポール・ドノヴァン監督。1985年アメリカ映画。

1990年7月 9日 (月)

復讐 UTU (1983)

復讐 UTU 1800年代、ニュージーランドを植民地とするイギリス軍が住民を大量虐殺する。生き残った顔に刺青をした男は復讐を誓い、イギリス人を惨殺する。復讐は復讐を呼び、殺人は果てしなく行われる。

 ニュージーランド映画の珍しさが最初にあったが、次にそこがイギリスの植民地であった事を知り、そして両国にこういう苦い歴史があったというのも初めて知った。どうもニュージーランドでも暴力描写に関する規制はゆるいのか、アメリカ映画も顔負けのバイオレンス・アクションシーンが繰り広げられる。特に銃弾の着弾シーンはすごい迫力。

 しかし珍しさだけが先行して、それ以外の部分は意外と心に残らなかった。もっといろいろなニュージーランド映画を見比べてみたいものだと思いました。

出演 アンザック・ウォーレス、ブルーノ・ローレンス、ウィ・クキ・カー、ティム・エリオット、ケリー・ジョソン

ジェフ・マーフィ監督。1983年ニュージーランド映画。

1990年7月 8日 (日)

スパルタカス (1960)

スパルタカス 親子三代の奴隷で、剣闘士になったスパルタカスがやがて反乱を起こし、奴隷開放を訴えてローマ帝国に反乱を起こす。本当の奴隷開放にはこれから2000年を要したというオープニングメッセージが重い。

 現在ではあまり作られなくなったアメリカ製スペクタクル巨編。鬼才の異名を持つキューブリックの監督作品だが、この作品ではキューブリックらしさってのはあまり感じられず、ごく普通のスペクタクル映画って印象がある。

 それよりも、「ジョニーは戦場へ行った」のダルトン・トランボが脚本を書いている点の方が重いだろう。この奴隷を率いて反乱を起こし、ローマ軍をふるえ上がらせたというストーリーに時代を越えた人種差別への怒りをふつふつと感じさせられた。

出演 カーク・ダグラス、ローレンス・オリヴィエ、ピーター・ユスチノフ、チャールズ・ロートン、トニー・カーティス、ジョン・ギャヴィン、ハーバート・ロム、チャールズ・マッグロウ

スタンリー・キューブリック監督。1960年アメリカ映画。

1990年7月 7日 (土)

怒りの葡萄 (1940)

怒りの葡萄 刑務所帰りの青年が久しぶりに故郷へ帰ると、凶作で家は荒れ果て土地は人出に渡っている。新天地を求めてトラックで西部を目指して旅に出る家族だったが.. 農民の苦しみと社会の矛盾を描いた名作。

 米の自由化が議論される現代でも十分共感を持って通用すると思われる古いアメリカ映画。正統防衛で人を殺してしまった青年が、故郷の農村へ帰って来る。しかし砂嵐による凶作で土地も失い、家族は丁度この地を離れて新天地カリフォルニアを目指そうとしているところだった。しかし長くその土地と共に生きた農民にとって故郷を捨てるというのは、並大抵のことではない。出発日に祖父は亡くなり、おんぼろトラックの上で家族は望郷の念に襲われ、新天地がいい場所であるようにと祈る。しかし凶作に苦しんだのは彼らだけではない。おびただしい数の農民がカリフォルニアへ向っているというのだ。

 最初は普通の農民だったが、やがて金もなくなりぼろをまとった浮浪者同然の姿になっていく。「あんなふうにはなりたくないわね」と陰口をたたかれるようにまでなる家族。一部の金持はすぐに死に絶えるけど、農民は土地にへばりついてしぶとく生きていくんだとみんなを励ます強い母親。今の我々は裕福で忘れてしまっているけど、生きていくってことは本当に大変な事なんだなあと考えさせてくれる名作です。

出演 ヘンリー・フォンダ、ジェーン・ダーウェル、ジョン・キャラダイン、ラッセル・シンプソン、ドリス・ボーデン、ジョン・クァレン、O・Z・ホワイトヘッド、ウォード・ボンド

ジョン・フォード監督。1940年アメリカ映画。

1990年7月 6日 (金)

てんやわんや (1950)

てんやわんや 社長の命令で四国へ行かされた気の弱い社員、それを追いかけて行った社長秘書、四国独立を密かに企てる四国の人々を主人公にしたどたばた喜劇。しかし今見てもギャグがいまひとつ空回りしている。

 会社がストライキをする中で、ひとり社長にくっついている腰巾着社員が社長の荷物を持って四国へ出張させられる。しかし彼の宿では、四国独立運動なるものが企てられていて彼もそのメンバーに無理やりならされる。この独立運動をする連中の井の中の蛙的ばかさ加減はおかしいが、それ以外のギャグやストーリーはあんまり面白くない。

ラストの締めくくりは好きなんだけどなあ...途中でだれた。

出演 佐野周二、淡島千景、桂木洋子、志村喬、薄田研二、藤原釜足

渋谷実監督。1950年日本映画。

ロボコップ2 (1990)

ロボコップ2 近未来のデトロイト。荒廃した未来都市の治安を守るために、殉死した警官を改造したサイボーグ、ロボコップの活躍を描く第2弾。今回は麻薬王との対決と、新ロボコップとの死闘が描かれる。

 うーん、前作は越えられなかった。どうにもストーリーが平板で、しかもロボコップがいないところでどんどん進んで行くので誰が主役だかわからなくなる。それにラストがどうみても尻切れになって終わっているので、単なるロボコップ3へのつなぎと見た。

 あと、音楽がちょっと落ちた。前作のバジル・ポールドゥリスのテーマ曲でずいぶん得していたと思うのだが、あのテーマがなくなったのは大きなマイナス。

 ロボコップってますますスプラッタ色が強くなってきたみたいです。なかなかの残虐シーンが多いので時々びっくりさせられる。放射能が含まれる新型麻薬、ヌークも存在感が大きい。

 来るべきロボコップ3に期待するとしましょう。

出演 ピーター・ウェラー、ナンシー・アレン、ダニエル・オハーリー、トム・ヌーナン、ベリンダ・バウアー、ガブリエル・デーモン

アーヴィン・カーシュナー監督。1990年アメリカ映画。

1990年7月 5日 (木)

レッド・オクトーバーを追え! (1990)

レッド・オクトーバーを追え! ソビエトの最新鋭原子力潜水艦の艦長が、亡命を求めてアメリカを目指す。「艦長が狂った」というソビエトの依頼から、米ソ双方の艦隊がこの潜水艦を沈めに出撃する。海洋サスペンスの傑作。

 あの娯楽映画の傑作、ダイ・ハードを作ったマクティアナン監督の作品。ソビエト艦隊の中心的存在であるラミウス艦長が、通常のソナーでは補則できないという最新鋭潜水艦、レッド・オクトーバーを操ってアメリカへの亡命を企てる。亡命に気がついたソビエト海軍は、アメリカ海軍に最新鋭艦の秘密が漏れることを恐れて、艦長が発狂したのでこれを撃沈するように依頼する。かくてラミウスは、米ソ両国の追撃をかわしながらアメリカを目指す事になる。

 なかなかダイナミックで見応えがある作品。巻頭の潜水艦登場シーンからも迫力に圧倒される。ILMが担当したという海戦シーンも、手に汗握る。「ナバロンの要塞」とか「ジャッカルの日」あたりの映画が面白いと感じる人なら誰でも楽しめるだろう。唯一のラミウス艦長の理解者でアメリカのボールドウイン、オクトーバーを追うマッドなツボレフ艦長などなど、役者も揃っている。

 唯一難点はといえば、女性がほとんど登場しない男くさい映画だという点だろう。事実私のまわりでこれを見た女性は、あんまり面白くなかったと言っている。

出演 ショーン・コネリー、アレック・ボールドウィン、スコット・グレン、ジェームズ・アール・ジョーンズ、サム・ニール、ティム・カリー、ジョス・アックランド、ジェフリー・ジョーンズ、リチャード・ジョーダン、ステラン・スカルスゲールド

ジョン・マクティアナン監督。1990年アメリカ映画。

1990年7月 4日 (水)

天と地と (1990)

天と地と 歴史に残る武田信玄と上杉謙信の川中島の戦いを描いたスペクタクル時代劇。はっとするような色使いの美しい画面が楽しめるが、内容はあってないような薄味。合戦場面は、迫力はないが趣向が楽しめる。  カナダロケのスペクタクルな合戦場面など、相変らず話題には事欠かない角川映画だけど、ストーリーはあってないようなもの。しかしそんな事をごちゃごちゃ言うよりも、美しい画面と合戦場面を楽しむための映画。  長槍部隊が突き合う場面で、長槍がゴムのようにびよ〜ん、びよ〜んとしなっていたり、鉄砲部隊は交代で撃っているんだけど弾をこめているやつがひとりもいなかったりとあらさがしも楽しい。

出演 榎木孝明、津川雅彦、浅野温子、財前直見、夏八木勲、渡瀬恒彦、室田日出男、野村宏伸、伊武雅刀、風間杜夫、大滝秀治、貞永敏、岸田今日子、浜田晃、伊藤敏八、風祭ゆき、沖田浩之

角川春樹監督。1990年日本映画。

1990年7月 3日 (火)

君の名は 第2部 (1953)

君の名は 第2部 戦火の中で誓い合った男女の運命を描く大ヒットメロドラマの第2弾。北海道に旅立った後宮と、彼を追う真知子により舞台は北海道へ。そこでの二人のすれちがいが描かれる。

 舞台は北海道へ移るのだけど、北原三枝の演じるアイヌの娘ってのがあまりにも軽く扱われていてちょっとばかり無理があるように感じた。

出演 佐田啓二、岸恵子、川喜多雄二、淡島千景、北原三枝

大庭秀夫監督。1953年日本映画。

1990年7月 2日 (月)

君の名は (1953)

君の名は 第2次大戦中、空襲の中で半年後の再会を誓い合い、名前も知らずに別れた男女の運命をたどった大ヒットメロドラマ。無理の多いドラマだが、戦争の傷跡を見せられてはっとする場面も多い。

 女風呂ががらがらになったという伝説のある大ヒット映画。なるほど、ストーリーもちょっと無理はあるけど面白く楽しめる。しっかしちょっと会っただけの名前も知らない男女が激しくひかれ合うってストーリーは、信じられないようなメルヘンやなあ。

出演 佐田啓二、岸恵子、川喜多雄二、淡島千景

大庭秀夫監督。1953年日本映画。

1990年7月 1日 (日)

波止場 (1954)

波止場 波止場のちんぴらが所属する組織にだまされて殺人事件の手引きをする。被害者の妹に同情し、彼女とつきあうようになるが、事件の真相を打ち明けるかどうかで心は揺れ動く。

 住民対組織暴力を描いた古典的作品。

出演 マーロン・ブランド、エヴァー・マリー・セイント、カール・マルデン、ロッド・スタイガー、リー・J・コップ、パット・ヘニング、リーフ・エリックソン、ジョン・ハミルトン、パット・ヒングル

エリア・カザン監督。1954年アメリカ映画。

1990年6月30日 (土)

群衆 (1941)

群衆 人員整理で解雇されそうになった女性新聞記者が最後のコラムででっち上げた架空の人物、ジョン・ドーがブームになる。新聞社は彼の身代りを用意してスターにするのだが、やがて嘘がばれて..

 真実を報道する義務がある新聞社がでっちあげた反社会思想のヒーロージョン・ドーがスターになっていく。当然彼はマスコミに顔を出さなければいけないので、身代りの人物を用意することになる。この身代り男と、彼女を(最初は軽い気持ちで)でっち上げた女性新聞記者を軸にした社会派ドラマです。このジョン・ドーは結構いいかげんな性格の持主で元野球選手で、本当は野球にカムバックしたがっているところが笑わせます。しかし彼がラストで突然社会に目覚めるあたりは無理があります。

 とはいっても、新聞が利潤を追及する企業である矛盾をうまくとらえていて、なかなか楽しめる作品です。

出演 ゲイリー・クーパー、バーバラ・スタンウィック、ウォルター・ブレナン、エドワード・アーノルド、ジェームズ・グリースン、スプリング・ビングトン、ジーン・ロックハート

フランク・キャプラ監督。1941年アメリカ映画。

1990年6月29日 (金)

デイズ・オブ・サンダー (1990)

デイズ・オブ・サンダー デイトナのストックカーレースに挑む若者の挫折と再起を描いた青春映画。ストーリーはやや薄味だが、大迫力のレースシーンはぜひ劇場で楽しみたい。

 車が好きな人にはこたえられない映画でしょう。ただ、私はストックカーレースを見た事がないので、本当にわざとぶつけながら抜いていくんだろうかと疑問でした。いかにも迫力重視の大味なアメリカらしいレースです。音響も迫力があるので、機会があればぜひ劇場の大スクリーンで楽しんで下さい。

 ストーリーは噂どおり「トップガン」とまったく同じ流れです。

出演 トム・クルーズ、ロバート・デュヴァル、ニコール・キッドマン、ランディ・クエイド、ケイリー・エルウィズ、マイケル・ルーカー、フレッド・ダルトン・トンプソン

トニー・スコット監督。1990年アメリカ映画。

1990年6月28日 (木)

氷点 (1966)

氷点 娘を殺された男が、殺されたのは妻が浮気していたからだと思い込み殺人犯の娘を養子にして妻に育てさせ復讐しようとする。やがて娘は成長するのだが、事件の影が家族に襲いかかる。

 よくもまあこれだけぎすぎすした家族が描かれたものだと感心させられた。

 殺人犯の血が流れている人に幸せはあるかってのがテーマだと思うんだけど、本当にどうしてそんな事にこだわらなくちゃいけないのか不思議に思ってしまう。劇中少女が「誰だって祖先をたどればひとりぐらい犯罪者もいるのに」みたいな手紙を書くが、まさにそのとおり。

 個人的意見ですが、もっと「血」というこの観点の持つ無意味さを訴えてほしかった。親戚が人殺しでも、本人に罪はないのです。その点ではこのラストのどんでん返しは、私納得いきません。

出演 若尾文子、安田道代、船越英二、山本圭、津川雅彦、成田三樹彦

山本薩夫監督。1966年日本映画。

1990年6月26日 (火)

人間の運命 (1959)

人間の運命 ある平凡な大工が、戦争にかりだされてたどった運命を描いた反戦映画。反戦なのだが、彼がこの試練に耐えたことを誉め讃えるところがソビエト映画らしい。戦闘シーンはなかなかの迫力。

 ソビエト映画にしては珍しく、ストーリーが面白く最後まで一気に見れた。物語は子供を連れた男が川のそばのベンチで休憩しているところでとなりの男にタバコを一緒に吸わないかと言われる。そして身の上話をするという形で展開する。

 男の妻との出会いから始まり、召集、家族との別れ、戦場。そしてドイツ軍の捕虜になり、死の強制労働をさせられる事などがテンポよく語られて引き込まれる。家族の運命、連れている子供の事が語られ、最後に話し相手に「頑張れよ」と言われて別れるところでこの映画は終わるのだが、2時間の映画とは思えないほどの重圧感を感じた。反戦映画は数あれど、戦争にふりまわされてぼろぼろになっている人間に「頑張れよ」と声をかける映画は少ないような気がする。いい映画です。

出演 セルゲイ・ボンダルチュク、ジナイダ・キリエンコ、パヴェル・ポリスキン

セルゲイ・ボンダルチュク監督。1959年ソビエト映画。

1990年6月25日 (月)

クラス・オブ・1999 処刑教室2 (1990)

クラス・オブ・1999 処刑教室2 1999年、アメリカには暴力があふれ、無法地帯と化したハイスクールには鎮圧のためにロボット教師が送り込まれる。非情の殺人マシンと高校生の対決を描いたSFアクション。

 登場するロボットは「ターミネーター」のぱくり。まるで大学か何かの映画研究会が、「ターミネーター」を見て面白かったので、16ミリ使って同じ様な映画を作ったという印象でした。当然ストーリーは面白くない。

 前作の「処刑教室」 CLASS OF 1984 が面白かったので期待して見に行ったんだけどなあ…

出演 ブラッドレー・グレッグ、トレイシー・リン、パム・グリアー、パトリック・キルパトリック

マーク・レスター監督。1990年アメリカ映画。

1990年6月22日 (金)

猫と庄造と二人のをんな (1956)

NO JACKET IMAGE 母親のいいなりに妻を追い出したダメ男が、今度は持参金目当てに金持の女を嫁に取る。おさまらない前妻は復讐をしようとするのだが。ダメ男と彼の猫と二人の女を描いたちょっとブラックな喜劇。  「夫婦善哉」と同じくよくわからない映画だった。古風な前妻と、今風の現在の妻(なんせビキニ姿で登場するんだもんなあ)の対決には笑わされたが、庄造とその母のぽんぽん女房を変える感覚にはついていけない。いちばん大きいのは、あまりにライト感覚の庄造に私が感情移入できなかったからだろう。私は自称カタブツなので、ああいうタイプを見ているといらいらしてくるのです。

出演 森繁久彌、浪花千栄子、山田五十鈴、香川京子、南悠子

豊田四郎監督。1956年日本映画。

1990年6月21日 (木)

四十八歳の抵抗 (1956)

四十八歳の抵抗 48歳の誕生日を迎えた男が、おまえはこのまま一生を終わるのかという周囲の誘惑から遊びを覚える。そんな時自分の娘に恋人がいる事を知り、猛反対するのだが。

 山村おじさんが覚えた遊びってのが、キャバレーや呑み屋通いだってのがちょっとした寂しさを覚えるのだが。しかしこのおじさん、何やかやと言ってもきめるべきところはぴしっときめておしゃれです。

 娘に恋人ができて猛反対、しかも妊娠していることも知って言葉を失うというのはよくあるパターンですが、そのあと遊びで誘惑した娘を旅館でものにしようとした時に「やめて!お嫁に行けなくなる」と泣き叫ばれて、自分も泣き出してしまうシーン。ちょっぴりじーんときました。おじさんに対する愛情たっぷりに描かれた、なかなか味のある作品です。

出演 山村聰、若尾文子、雪村いづみ、小野道子、船越英二、川口浩

吉村公三郎監督。1956年日本映画。

1990年6月19日 (火)

トレマーズ (1989)

トレマーズ アメリカの片田舎の通称「理想郷」でアルバイトをしている二人の男。彼らが村を出ようとした時に、なんと地中怪物が出没し村はパニックに。怪獣映画と思えないなんとものどかで明るい作品。

 もう完全に飽きてしまった感のある怪物パニック映画です。ストーリーは「やっぱり」「またか」のワンパターンでとても退屈させられたのですが、面白かったのは怪物の出現シーンがぜんぶ日中の太陽ギラギラの砂漠であること。村に孤立した住人たちが、あの手この手で怪物と戦いながら逃げて行く様子はコミカルで笑いもたっぷり用意させています。

出演 ケヴィン・ベーコン、フレッド・ウォード、フィン・カーター、マイケル・グロス、アリアナ・リチャーズ、ボビー・ジャコビー、シャーロット・スチュアート、アリアナ・リチャーズ

ロン・アンダーウッド監督。1989年アメリカ映画。

1990年6月18日 (月)

ジプシーは空にきえる (1978)

ジプシーは空にきえる モルダビア共和国が舞台。馬泥棒で生計をたてているジプシーが軍に発砲され怪我をする。助けた娘に惚れた男だったが、彼女は求愛をはねつける。ソビエト映画と思えない色彩とジプシーの存在感がすごい。

 ソビエト映画とは思えないような感傷的な音楽で幕開けするこの映画は、ソビエト映画とは思えないような原色の色彩を放ち、ソビエト映画とは思えないようなストーリーが展開します。しかし唯一ソビエト映画だなあと思わせたのは展開のまだるっこさで、またしてもちょっぴり眠気をもよおしてしまった事を白状しておきます。

出演 グリゴリー・ゴリゴナウ、スヴェトラーナ・トマ、セルゲイ・フイニチ、ボリスラフ・ヴロンドゥコフ

エミール・ロチャヌー監督。1978年ソビエト映画。

1990年6月17日 (日)

アラバマ物語 (1962)

アラバマ物語アラバマの小さな村でおこったレイプ事件。犯人が黒人だというだけで有罪へ傾く法廷で、彼の無実を信じる弁護士(グレゴリー・ペック)の姿を弁護士の息子の目を通じて描いたドラマ。子供から見た理想的父親像を歌い上げている。

 ペックが理想の父親像を熱演。いささかできすぎの感じがしないでもないが、子供の目から見れば父親の存在というのはこれくらい威厳があったように思います。子供たちの日常生活から始まるこの映画。やがて裁判が始まり子供たちは裁判所にもぐりこみ父親の姿を盗み見します。黒人差別が激しい中で、常に公平な裁判をしようとする父親を見て一緒に拳を振り上げ一緒に涙を流す子供たちが感動的に描かれます。

ロバート・マリガン監督。1962年アメリカ映画。

1990年6月12日 (火)

台所太平記 (1963)

no jacket image 作家先生の家に雇われた女中たちの生き方をユーモアたっぷりに描いた作品。入れ替わりたちかわり登場する女中の数も尋常ではなく、それを演じる女優陣と森繁のすっとぼけたキャラクターの掛合いが楽しめる。

 「下女」から「女中」、「お手伝いさん」へと呼称が変化して社会的地位も向上して、やがて社会の繁栄と共に消え去ってしまった「住み込み家政婦さん」をオムニバスっぽく描いたアンソロジー的作品。

 登場する女優陣の多彩さに加えて、そのひとりひとりの個性の面白さ、それに森繁久彌演じる作家先生のすっとぼけた会話などになんともいえない笑いを誘われた。

 しかし常に3人前後の女中をおいていたこの先生の生活は、昭和36年生れの私にとってはある種の驚きです。しかもこの女中たちはみんな家が貧しくて、住み込みで働かせてもらってしかも縁談まで世話してもらって幸せになっていく、なんて文化があったというのもまたまたびっくり。私の父が「女中さんを雇おうか」とたまに冗談で言う背景を覗いたような気分になりました。

出演 森繁久彌、淡島千景、森光子、乙羽信子、京塚昌子、淡路恵子

豊田四郎監督。1963年日本映画。

1990年6月 9日 (土)

機械じかけのピアノのための未完成の戯曲 (1976)

機械じかけのピアノのための未完成の戯曲 ロシア革命前のソビエトのとある田舎町の邸宅に集う貴族階級の人々を描いた作品。我々は貴族だ平民とは違うと叫びながら、中身のない彼らの生き方を強烈に皮肉っている。

 休日(なのかなあ?)で田舎町の実家(?)に帰って来た貴族の一族が主人公。彼らは馬鹿騒ぎを繰り返し、一日中飲めや騒げやで過ごすのだが、そのうちひとりの女性がぷっつん! 「こんなことしてて楽しいの!?」 うーん、共感のセリフだなあ。そんなこんなしているうちに、遅れて到着した男は「貴族の血は守らなければいけない」「平民にピアノが弾けるはずがない!芸術は貴族の特権だ」などなど言い放題。この映画を見て貴族制度に怒りを感じない人はいないんじゃないかと思われる貴族批判映画なのでした。

出演 アレクサンドル・カリャーギ、エレーナ・ソロベイ、ユーリー・ボガトゥイリョフ、フゲーニャ・グルシェンコ

ニキーター・ミハルコフ監督。1976年ソビエト映画。

1990年6月 5日 (火)

フロム・ザ・ダークサイド (1990)

フロム・ザ・ダークサイド さえない学生がミイラを蘇らせて級友に復讐する「運命249」、製薬会社の社長を襲う黒猫を描いた「黒猫」などホラーのショートショートを4作つなげたオムニバス。小品ながらなかなか楽しめる。

 ホラー・オムニバスは好きなので期待して行ったらなかなか楽しめた。ストーリーが古典的なのでどうかなあって部分はいっぱいあったけど、次に何が起こるのだろうかっていうわくわく、どきどきの部分が多いので楽しめる。

ちなみに内容は、

オープニング「ラップアラウンド」
 どこにでもいる女性がパーティの準備をしている。ドアを開くと、そこには監禁された男の子がいる。彼は今夜のパーティのメインディッシュで、今にも料理されようとするのだが…
第1話「運命249」
 さえない学生が、いつもいじめる級友たちに復讐するためにミイラを蘇らせる。
第2話「黒猫」
 一軒家に住む老人が殺し屋を雇う。殺すのは1匹の猫だが、この猫は3人の人間を殺しているという。
第3話「恋人たちの誓い」
 売れない芸術家の目の前に悪魔が舞おりて来て、友人の首をはねる。絶対に他言しないことを悪魔と取り引きした男だったが、やがて恋人ができて…

出演 デボラ・ハリー、マシュー・ローレンス、クリスチャン・スレーター、スティーヴ・ブシェミ、ジュリアン・ムーア、デヴィッド・ヨハンセン、ウィリアム・ヒッキー、ポール・グリーン、レイ・ドーン・チョン、ジェームズ・レマー、ロバート・クライン

ジョン・ハリソン監督。1990年アメリカ映画。

1990年6月 4日 (月)

罪と罰 (1970)

罪と罰 金に困った大学生が、正しい目的のためなら人を殺してもよいという超人思想に取りつかれて高利貸しの老婆を殺す。有名な原作を忠実に格調高く映画化したソビエトの大作。

 主人公が高利貸しを殺すシーンの描写がなかなかの迫力で息をのんだ。殺してからの主人公の苦悩の日々もこちらにばんばん伝わってくる。しかし、3時間半はあまりに長く感じられた。

出演 ゲオルギー・タラートリキン、タチャーナ・ベードワ、イワン・スモクトゥノフスキー

レフ・クリジャーノフ監督。1970年ソビエト映画。

1990年5月30日 (水)

貴族の巣 (1970)

貴族の巣 帝政ロシアの末期、ヨーロッパに留学していた中年貴族が愛の冷めた妻と離婚してロシアに帰って来るのだが、そこで若い娘と恋に落ちる。ツルゲーネフの映画化だが、どうにも高尚過ぎて瞼が重くなった。

哀愁を帯びた音楽。荒れ果てた貴族の館を鳩が飛び、光と影が交差するショットなどを見て、「お、これはただものではない!」と思ったが後が続かず、睡魔に襲われてしまった。ひとつひとつのカットは美しくて見応えがあるのだけど、どうもロシア映画ってのはストーリーや展開の結びつけに問題があるらしく時間が進むにつれて苦痛になってしまいます。

出演 レオニード・クラーギン、イリーナ・クープチェンコ、ベアタ・トゥイケシケヴィッチ

アンドレイ・ミハルコフ・コンチャロフスキー監督。1970年ソビエト映画。

1990年5月27日 (日)

愛と死をみつめて (1964)

愛と死をみつめて 軟骨肉腫という不治の病で21才で亡くなった女性と恋人の書簡集を映画化。国民的大ヒットした作品。彼女が顔を半分切り取る手術に臨む苦悩、それを支える恋人が描かれる。助演男優たちがすごい。

 「難病もの」と言うと「またか」と思ってしまうこの頃だけど、やはりこの作品だけは別格。自殺を考えたりする彼女にちょっとうそうそしさを感じたりもしたが、やはり病気と戦おうとするスピリットみたいなものを感じる。

 しかし現代との意識の違いかもしれないけど、今なら恋人が不治の病に倒れたら学校を休学してでもそばについていてあげるのではないかと思う。恋人を見舞うためにアルバイトをするというのも、今と比べると隔世の感がある。

 笠智衆のお父さん、宇野重吉の病院のお隣さんはとにかく熱演でした。特に重吉さんは、ラストのあのキメのセリフで相当たくさんの人を泣かしたんだろうなあ。

出演 吉永小百合、浜田光夫、笠智衆、宇野重吉、北林谷栄、内藤武敏

斎藤武市監督。1964年日本映画。

1990年5月15日 (火)

脱獄十二時間 (1958)

脱獄十二時間 女に会いたいがために監主を殴り倒して脱獄した男と、彼に便乗脱獄した二人の男が密航船出発を待つ間に起こる出来事を描いたドラマ。アクションを連想させる題名だが、男女の関係や男たちの友情が中心。

出演 リノ・ヴァンチュラ、ゲルト・フレーベ、エヴァ・バトルーク、ハンネス・メッセマー

ゲッツァ・ラドバニ監督。1958年フランス映画。

1990年5月12日 (土)

夫婦善哉 (1955)

夫婦善哉 昭和初期、大阪は船場の商売人の若旦那が芸者と駆け落ちをして勘当される。どうしようもないダメ男の若旦那と、それでも尽くしてしまう女のカップルを大阪風情たっぷりに描く。

 私はこの映画に登場する自由軒のカレーが食べてみたいものだと思いながら5年が過ぎてしまいました。難波のプランタンの横にある店なんですが、なぜか前を通っても入る機会がないのです。

出演 森繁久彌、淡島千景、司葉子、田中春男、浪速千栄子、山茶花究

豊田四郎監督。1955年日本映画。

1990年5月11日 (金)

人間の絆 (1964)

眠狂四郎殺法帖 カフェテリアのウエイトレスに恋をした医学生だが、女はとんでもない浮気者で突然結婚すると言って出て行ってしまう。しかし子供を連れて帰って来た女を迎え入れた学生は… 切っても切れない男女の仲を描く

 これもまた究極の純愛のひとつなんだろうなあ。どうしてこんな浮気女をここまで愛することができるのだろうかと疑問でどうしようもなかったのだが、自分にもこんな時代があったような気がする。

出演 キム・ノヴァク、ローレンス・ハーヴェイ、シオバン・マッケンナ、ナネット・ニューマン

ケン・ヒューズ監督。1964年アメリカ=イギリス合作。

1990年5月10日 (木)

眠狂四郎殺法帖 (1963)

眠狂四郎殺法帖 加賀藩に利用される女と密貿易商人の争いに巻き込まれる眠狂四郎の活躍を描く。大ヒット時代劇のシリーズ第1作。ストーリーは面白いが、少林寺拳法のシーンなどが今となっては迫力不足だった。

 シリーズ第1作ながら、眠狂四郎の素性の説明的な部分が無く、いきなり事件から始まる。そんな点が逆に謎の人物としての眠狂四郎を浮き上がらせていて興味をそそられた。

 狂四郎の強烈なライバルとして、少林寺拳法を使う中国の僧(の子孫)が登場する。とうぜんラスト近くにこの二人の対決シーンがあるのだが、昨今の小林寺映画ブームで超人的な技を見慣れてしまっているので、ちょっぴり拍子抜けしてしまった。

出演 市川雷蔵、中村玉緒、城健三郎、小林勝彦、高見国一、扇町景子

田中徳三監督。1963年日本映画。

1990年5月 9日 (水)

ハーヴェイ・ミルク (1984)

ハーヴェイ・ミルク 自分はゲイである事を公言しながら当選した初の市議会議員であり、同僚議員の凶弾に倒れてこの世を去ったハーヴェイ・ミルク氏の半生を描いたドキュメンタリー。

 ゲイの議員を描いたドキュメンタリーとは、ついつい好奇心で見てしまいそうだがこれは小数民族や社会的弱者の問題を取り上げたシリアスなドキュメンタリー。ゲイである事を公言したがゆえに職を追われたりするのは自由の精神に反するというのはもっともな主張である。アメリカではことのほかゲイが多く、この社会問題は深刻なのだそうだ。それに同じ社会問題として、小数民族問題もミルクは取り上げている。

 日本ではゲイというのはほとんど認知されていないし、相手を蔑む言葉だと思っていた私はちょっぴりびっくりしたドキュメンタリーです。

出演 ハーヴェイ・ミルク、アン・クローネンバーグ

リチャード・シュミーゼン、ロバート・エプスタイン監督。1984年アメリカ映画。

1990年5月 8日 (火)

ラブ IN ニューヨーク (1982)

ラブ IN ニューヨーク 死体置場に勤めるさえない青年とぷっつんアイディアマンの二人が、ふと知り合った売春婦を使って商売をする事を思いつく。二人の商売は大成功なのだが、それが面白くないギャングが来て大騒動。  あの怪優マイケル・キートンの映画デビュー作だそうだ。前半はリズミカルなテンポで、そして後半はちょっぴりほろっとさせる演出で、ありふれた日本題名のわりには楽しませてくれる。しかし、落ちこぼれサラリーマンと売春婦の恋ってテーマはちょっと抵抗を感じますね。

出演 ヘンリー・ウィンクラー、マイケル・キートン、シェリー・ロング、ジーナ・ハケット、ケヴィン・コスナー、ボビー・ディチッコ、パット・コーリー、チャールズ・フライシャー、ヴィンセント・スキャヴェリ

ロン・ハワード監督。1982年アメリカ映画。

1990年5月 7日 (月)

華麗なる対決 (1971)

華麗なる対決 アメリカ西部のフランス人開拓地で、原油が埋蔵された牧場を巡る女盗族団一味とじゃじゃ馬娘一家、それに悪党医師の3つどもえの対決を描いたフレンチ・ウエスタン。  フランス語の西部劇ってのは、どうもなよっとした感じですっきりしなかった。音楽のフランシス・レイがまた特筆もので、必死になって西部劇っぽいメロディラインを書いているんだけど、これも繊細過ぎて浮いている。ましてや、トリコロールが乱舞するラストの対決シーンなんて一体何だったんだろうか?  ブリジッド・バルドーとクラウディア・カルディナーレというフランスとイタリアを代表する女優の共演も見ものだが、個人的趣味ではC・カルディナーレに軍配を上げておこう。ふたり並べるとバルドー=きつい、カルディナーレ=かわいい、という図式が成立するようです。

出演 ブリジッド・バルドー、クラウディア・カルディナーレ、マイケル・J・ポラード、ミシュリーヌ・プレール、パティ・シェパード、テレサ・ジンペラ、エマ・コーエン

クリスチャン・ジャック監督。1971年フランス=イタリア=スペイン合作。

1990年5月 6日 (日)

雁 (1953)

 貧乏のどん底で育った娘が、親の勧めもあり高利貸しの妾になるのだが、やがてある学生に想いを寄せることになる。しかし嫉妬した高利貸しとやっと楽をしている親の間に立った娘は…

 「東京にまだ雁が渡っていた頃の物語」という字幕ではじまるこの作品は、金が無いがために高利貸しの妾になり好きな人を思い続ける不幸な女の生き方を描いている。しかし悪役だった東野英治郎の高利貸しが自分の身の上を語り出した時に、この人も時代の被害者なんだなあと同情を感じてしまった。果たして誰一人として幸福を感じる事ができなかったこの時代というのは何だったんだろうか?

出演 高峰秀子、芥川比呂志、宇野重吉、東野英治郎、飯田蝶子

豊田四郎監督。1953年日本映画。

1990年5月 4日 (金)

エスピオナージ (1973)

エスピオナージ 米ソの静かな戦争であるスパイ戦をシリアスなタッチで描いた作品。ソビエトからスパイ情報を握った博士がフランスへ亡命を求める。彼はアメリカへ移送され情報提供を始めるのだが…

 スパイ映画といえば派手なアクションシーンを連想しがちだが、これはアクションはまったく無く本来のスパイ戦が持つ「推理」の面白さを前面に出した作品。物語はパリの空港で、ソビエトの重要人物が空港警察へ駆け込み亡命を求めるところから始まる。彼はヨーロッパ各国の首脳部に潜り込んだスパイのリストを持っていると言い、安全確保のためにアメリカへ連れて行ってくれなければそのリストも公表しないと言う。さて、彼はアメリカのペンタゴンへ移送されリストが公表されると、今度はリストの人物が次々と変死を遂げる…

 ペレストロイカと東西協調の今だからこそ、また違った視点で楽しめる物語なのかもしれない。

出演 ユル・ブリンナー、ヘンリー・フォンダ、ダーク・ボガード、フィリップ・ノワレ、ミシェル・ブーケ、ヴェルナ・リージ、マリー・デュボア、ヘルガ・アンデルセン、ファーリー・グレンジャー

アンリ・ヴェルヌイユ監督。1973年フランス映画。

1990年5月 3日 (木)

史上最大の作戦 (1962)

史上最大の作戦 第2次世界大戦、ドイツ軍に占領されたフランスへの連合軍の史上最大の上陸作戦、いわゆるノルマンディー作戦をオールスターキャストで描いた戦争スペクタクル巨編。

 ノルマンディー上陸作戦に至るまでの連合軍とドイツ軍のたぬきの化かしあいを描いた作品だが、ドラマの突っ込み方やストーリーの見せ方などなど、日本の最近の戦争映画(8月頃に公開されるやつです)はみーんなこの映画をお手本にしているのではないかと思いました。

 しかしスペクタクル場面にこんなにお金を使っているのに、どうしてカラーフィルムに使うお金はなかったのでしょうか?

出演 ジョン・ウェイン、ロバート・ミッチャム、ヘンリー・フォンダ、ロッド・スタイガー、ショーン・コネリー、ロバート・ライアン、ロバート・ワグナー、メル・フェラー、リチャード・バートン、レッド・バトンズ

アンドリュー・マートン、ケン・アナキン、ベルンハルト・ヴィッキ監督。1962年アメリカ映画。

1990年5月 2日 (水)

昭和残侠伝 吼えろ唐獅子 (1971)

昭和残侠伝 吼えろ唐獅子 健さんの唐獅子シリーズ第8作。一宿一飯の恩義から、旅に出た子分とそれを追った親分の娘を連れ戻す事になる健さんだが、やがて自分の昔の恋人に再会することになる。

 やくざ映画は数本しか見たことはないのですが、そのどれにも感じるのは強い「ウンチク性」です。つまり、やくざの世界のしきたりや習慣がある度にナレーションなどでこと細かに説明してくれるわけですが、これを聞いていると何だか自分が賢くなったような気がするのが不思議なものです。特に他の映画で知ったやくざの知識がまた別の映画で紹介されたりすると、「これは俺も知ってるんだぞ」というような変な優越感を感じてしまい、これがやくざ映画ヒットの理由のひとつなのかな、などと考えたりしました。

 やくざの世界はしきたりが多い、すなわち日本人はしきたりや決り事が好きだとずっと思ってましたが、最近テーブルマナーの本を読む機会があり、西欧人も負けず劣らずしきたりが大好きなんだなあって思いました。

出演 高倉健、池部良、鶴田浩二、松原智恵子、松方弘樹、玉川良一

佐伯清監督。1971年日本映画。

1990年5月 1日 (火)

にごりえ (1953)

にごりえ 樋口一葉の短編、「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」を映画化。ともに明治時代の女性の、ただ男に仕え耐える事を強いられた不幸な人生を描いている。

 男女差別が公然と行われていた時代の物語。「十三夜」結婚相手が冷たく、浮気ばかりして耐えられなくなったと逃げ出して来た娘に、男に仕えて一生耐えるのは女の勤めだと諭して送り返すだけのストーリーなのだが、腹の中にふつふつと煮えたぎる怒りを感じた。同じく親の為に奉公先に金を無心する娘を描く「大つごもり」、芸者の恋愛を描いた「にごりえ」などなど、貧富の差や男女差別からくる悲劇が浮彫りにされ、「泣かせよう」という日本映画独自のクサい演出がないだけに重みを感じる。

 貧富の差をなくすことが資本主義社会の目標であり、日本はそれが最も実現されている国であるというコメントをどこかで読んだことがあるが、そうだとすればこの映画に描かれる世界はまだまだ世界のどこかの国に存在するって事なんだろうなあ。

出演 田村秋子、丹阿弥谷津子、久我美子、中村伸郎、淡島千景、杉村春子、芥川比呂志、仲谷昇、長岡輝子、宮口精二

今井正監督。1953年日本映画。

1990年4月30日 (月)

フレンチ・カンカン (1955)

フレンチ・カンカン ムーランルージュの創始者であるダンクルールの半生と、フレンチカンカンの誕生を描いたミュージカル映画。画面の色調が、まるで絵画を見ているように美しいのはルノワール作品という先入観だけでは絶対無い

 すべての画面がまるで描いたかのような色調なのにはびっくり。まるで動く絵画とも言える作品でした。

 ところで、フランス人は英語が嫌いとよく言いますが、この劇中で新しい踊りを「フレンチ・カンカン」と命名するにあたって、「英語でフレンチにした方が今風で客の受けがいい」とギャバンが言ってるのを聞いて、ふうん、そんなものだったのかと感心しました。

出演 ジャン・ギャバン、フランソワーズ・アルヌール、マリア・フェリックス、アンドレ・クラヴィオ、パタシュー、ジャン・レイモン、エディット・ピアフ、ジャンニ・エスポジト

ジャン・ルノワール監督。1955年フランス映画。

1990年4月29日 (日)

アイス・キャッスル (1978)

アイス・キャッスル 片田舎の町で独学でスケートを勉強した女の子が、自分の実力を試そうとスケート大会に出場する。歳を取りすぎているハンディも乗り越え優勝する彼女だったが、思わぬアクシデントに見舞われ…

 マービン・ハムリッシュ/キャロル・ベイヤー・セイガーの音楽に彩られ、一面銀世界の氷の池の中で、主人公が滑るトップシーンではおおっと思わされました。ストーリーはスタンダードなスポーツ映画ですが、リン・ホリー・ジョンソンの華麗な舞いを見ているだけで2時間過ぎてしまう作品です。

出演 リン・ホリー・ジョンソン、ロビー・ベンスン、トム・スケリット、コリーン・デューハースト

ドナルド・ライ監督。1978年アメリカ映画。

1990年4月27日 (金)

白銀は招くよ (1959)

白銀は招くよ まったく事件の起こったことのない山奥のスキー場で、クビになりかけた警官が泥棒が出たという狂言を。その調査に来た森林警備員のザイラーだが、女性12人組のスキー客を見るとプレイボーイに変身…

 テーマ曲があまりに有名な作品なのですが、こういうライトタッチのラブコメディだったとは知りませんでした。スキーといえばアクロバティックな見せ場を連想しがちなのですが、この作品でもザイラーの1本足スキーが見れるほか、すべりながらのダンスシーンなどは大いに楽しませてくれます。

出演 トニー・ザイラー、マルギット・ニュンケ、エルンスト・ウォルトブルン、ギュンター・フィリップ、ガーリンデ・ロッカー、ヘルガ・シュラック、ヴェロニカ・バイヤー

ハンス・クエスト監督。1959年西ドイツ映画。

1990年4月26日 (木)

黒い稲妻 (1958)

黒い稲妻 オリンピック選手のトニー・ザイラーが主演のラブアクション・スキー映画。回転競技への出場を予定するザイラーの恋愛を軽いタッチで描いた作品。もちろん彼のスキーシーンもたっぷり見れる。

 黒い稲妻とは、主演のザイラーくんがいつも黒いセーターを着て競技に挑むことからついたニックネームであります。

出演 トニー・ザイラー、マリア・ペルシー、D・シェーンハー、ヴァルトラウト・ハース

ハンス・グリム監督。1958年西ドイツ映画。

1990年4月25日 (水)

男の敵 (1935)

男の敵 アイルランド独立運動の渦巻くイギリス、運動家のジポーは金に困り賞金のかかった運動仲間を警察に売る。しかしそのいいかげんな性格から、やがてすべての人を敵にまわす。

 この男の思慮のなさや、つじつまのあわない行き当りばったりの行動は本当に見ていていらいらさせられました。もうちょっとまじめな男が追い込まれて行くドラマならば、金がなくては生きていけなかった当時の状況なんかも想像して同情もできたのかもしれませんが。

 しかし、さすがジョン・フォードと思わせるような重厚なモノクロの世界は、映画を見たなあって気分にさせられます。

出演 ヴィクター・マクラグレン、ヘザー・エンジェル、プレストン・フォスター、マーゴット・グラハム

ジョン・フォード監督。1935年アメリカ映画。

1990年4月24日 (火)

悪魔の毒々モンスター (1984)

悪魔の毒々モンスター 有害廃液をかぶったいじめられっ子が、汚らしいモンスターに変身して町の悪人たちを退治する。怪物がヒーローだというのがこの映画のミソ。しかしエロもグロもねちっこく独特の雰囲気がある。

 いわゆるB級映画ブームおよびスプラッタ映画ブームの波に乗ってカルト的評価を与えられた作品。オープニングシーンからして、どこかエロチックでちょっと汚らしい感じがするスポーツクラブで、この映画に肌が合わない人はここで見るのをやめてしまうでしょう。

 しかし怪物の恋人というのが、視力を失った少女という設定に、社会問題の風刺もこめられているみたいでちょっとした悲しさを感じてしまいました。この二人(一匹とひとり?)にはぜひとも幸せになってもらいたいと思いました。以前の「バタリアン」には煮ても焼いても分解できない工場廃棄物の恐怖を感じたのですが、この映画にしてもB級のとんでもない(と思われた)映画の中に、一般映画以上のエッセンスが詰っていてはっとさせられる事ってあるみたいです。

出演 アンドリュー・マランダ、ミッチェル・コーエン、マーク・トーグル

ロイド・カウフマン、マイケル・ハーツ、サミュエル・ウェイル監督。1984年アメリカ映画。

1990年4月23日 (月)

不安 (1954)

不安 何不自由ない暮しをしている夫人が若い作曲家と不倫の関係に落ちる。ところが彼の元恋人と称する女が現われて、金を出さないと不倫をばらすと嚇す。追い詰められて不安におびえる女をバーグマンが演じる。

 ちょっと歳をとっているがやさしい主人を得て、どうして不倫に走ったのだろうかというのが最初の感想ですが、そんな事はこの映画のテーマからはあんまり関係ないんでしょうね。(「ライアンの娘」なんて映画を見てたら歳ってかなり重要なファクターなんだなあって思いましたが)

 これ以上書くと結末を書いてしまいそうなのでやめますが、サスペンスとしても心理ドラマとしてもなかなか楽しめる一編です。

出演 イングリッド・バーグマン、マティアス・ビーマン、レナーテ・マンハルト、カート・クリューガー

ロベルト・ロッセリーニ監督。1954年イタリア=西ドイツ合作。

1990年4月22日 (日)

東シナ海 (1968)

 まぐろ漁船に乗込んだアルバイト学生だったが、船のエンジントラブルで沖縄へ臨時停泊。まだアメリカ領の沖縄で、地元のやくざの殺人事件に巻き込まれた彼らは、死体をかかえて珍同中を繰り広げる。

 まだ沖縄がアメリカ領だった頃に作られた作品です。警察が信用できない土地なので、船の中に転がってた死体を警察へ届けるわけにもいかず隠しながら地元のやくざ(真犯人?)と追っかけっこをする。米軍の練習場にほうり出されて戦闘機の標的にされたり、地元の娘とのロマンスがあったりと、かなり娯楽色強くてB級っぽいストーリーなんですが、背景にある沖縄問題が映画を引締めています。

 また田村正和扮するアルバイト学生と地元の娘とのあっけない幕切れも、ちょっと男女の仲について考える材料を与えてくれました。

出演 田村正和、内田良平、大前均、穂積隆信、加藤治子、山野俊也、久万里由香、桑山正一、殿山泰司、嵐寛寿郎、渡哲也

磯貝忠彦監督。1968年日本映画。

1990年4月21日 (土)

六月の夜 (1940)

六月の夜  一夜を共にした男に銃で撃たれた女は、退院後事件から逃れるために名前を変えてある町に移り住む。しかし彼女の事をかぎつけた男と新聞記者が現われて… 過去を忘れようとする女をバーグマンが熱演。  女は遊びで、男は本気だったってトラブルは何かよくわかるような気がするなあ。わからないのは、その後に逆上した男が銃でずどんとやってしまうこと。バーグマンがあんなにまじめで理性的な外観とはうらはらに、男との遊びに走ってしまう事。  そしてバーグマンは名前を変えて、過去を消し去ろうと努力をします。その姿の方が我々のイメージの中にあるバーグマンに近いですね。  題名の6月の夜というのは、スウェーデンの習慣か何かで、6月の夜だから〜になってしまった、みたいなニュアンスで劇中で使われていました。ちょうど、「春だから〜」みたいなものですね。

出演 イングリッド・バーグマン、マリアンヌ・ローフグレーン、リル・トリー・セルマン

ベル・リンドベルイ監督。1940年スウェーデン映画。

1990年4月20日 (金)

ドル (1938)

Dollar スキー場にやって来た3組の夫婦。彼らの夫婦仲は傾きかけて、それぞれ好意を持った相手がシフトしている。そこへ金持のアメリカ女性がやって来た事で起こるトラブルを描いた喜劇。

スウェーデンの人もこの頃はアメリカのパワーとお金に憧れてたのかな、なんて思いました。

出演 イングリッド・バーグマン、ヨールイ・リイデベルイ、コッティ・シャーヴェ、エルザ・バーネット

グスタフ・モランデル監督。1938年スウェーデン映画。

1990年4月19日 (木)

スウェーデンイエルム家 (1935)

スウェーデンイエルム家 S家は父親に子供3人、それにメイドのばあさんがいる。一見裕福そうだが、実は金は全然なくみんなで父親のノーベル賞授賞を願うばかり。そんな中で息子の借金が発覚したことで騒動になる喜劇。

 初めて国際的に評価を受けたスウェーデン映画だそうです。バーグマンも出てはいますが、息子の婚約者という脇役なので出番が少なくちょっぴり残念でした。

 これだけ金がない金がないとわめきながら、あれだけのぜいたくをしてるってのがなかなか面白かったですね。たぶん家柄がいいせいでぜいたくをするのが癖になって貧乏になってしまったって事じゃないかと思うのですが、昔のスウェーデンという背景がはっきり見えないのでそんなものかと勝手に納得しました。

出演 イエスタ・エクスマン、イングリッド・バーグマン、ビヨルン・ベリルンド

グスタフ・モランデル監督。1935年スウェーデン映画。

1990年4月18日 (水)

ムンクブローの伯爵 (1934)

ムンクブローの伯爵 ストックホルムのムンクブローにある安宿に集う人々を描いたコメディ。貧乏で飾らない人々が繰り広げる世界は、さながらスウェーデンの寅さんか? 19才のバーグマンが宿のメイド役を好演。

 有名な宝石泥棒がムンクブローにやって来る。同時に金まわりのいい好青年がこの安宿にやって来たので、宿の住人たちは彼が怪盗団の一味だと勘違いするのを軸にした喜劇です。登場するキャラクターたちがひとくせもふたくせもあって楽しめました。変人ばかりの中にいるバーグマンがとにかく初々しくて可愛かった。

 しかしこの映画で描かれる、定職を持たないと身分証明書がもらえなくて酒も飲むことができないって世界はちょっとしたカルチャーショックでしたね。

出演 イングリッド・バーグマン、ヴァルデマール・ダールクビスト、シーグルド・バレン

エドヴィン・アドルフソン、シーグルド・ヴァーレーン監督。1934年スウェーデン映画。

1990年4月10日 (火)

太平洋の地獄 (1968)

太平洋の地獄 第2次世界大戦の真っ只中、太平洋の島に日本軍と米軍の兵士(リー・マーヴィン、三船敏郎)が流れつく。激しくぶつかり合ったふたりがやがて生きるために力を合わせるが、心の中のわだかまりはだんだん高ぶっていく。

 最近公開された「第5惑星」というSF映画があったが、その原作ではないかと思わせるような作品。「第5惑星」は宇宙人と地球人が無人惑星に漂着、いがみ合いながらも力を合わせるというものでファンタジックなイメージが強かったけど、こちらは言葉や文化の違いを乗り越えられないまま中途半端な終わり方をしている。そのあたりに強いリアリティを感じるわけだが。  しかし戦争相手同士が、中途半端ないがみ合いしかできないって感覚が好きです。

ジョン・ブアマン監督。1968年日本=アメリカ合作。

1990年4月 9日 (月)

鬼戦車T−34 (1964)

鬼戦車T−34 ナチスの捕虜収容所でドイツ軍の兵器試験につきあわされ、標的にされていたソビエトの戦車兵たち。そのうちの1台の戦車がすきをついて脱走、ドイツの奥深く走りまわる。なんとも痛快な実話の映画化。

 ちょっと前にソビエト版「戦争と平和」を見たんだけど、映画が始まるとすぐにナレーションで映画のテーマが語られるんですね。この映画もまったく同じで、これはもしかしてソビエト映画のひとつのスタイルなのかと思ってしまいました。

 それにソビエト映画ってのはたいくつで睡魔に襲われるもんだという先入観もあったのですが、この作品は戦車をかっぱらって逃げる逃亡のテンポが良くまた痛快でしっかり娯楽映画してました。無名戦士もこれだけたたえられれば本望でしょう。

出演:ヴヤチェスラフ・グレンコフ、ゲンナジー・ユフチン、ワレリー・ボゴレリツェフ

ニキータ・クリヒン、レオニード・メナケル監督。1964年ソビエト映画。

1990年4月 8日 (日)

フレンチ・コップス (1984)

フレンチ・コップス 地方出身の新米刑事とベテラン刑事がパリでコンビを組むことに。ところがベテラン刑事はわいろは取るわ競馬に狂うわやり放題。最初は怒っていた新米刑事も、やがてどっぷりとこの世界にはまっていき…

 けしからん映画。刑事がスリの味方なんだもんなあ。だいたいこの映画にはすられた人の視点ってものがない。まあ財布をすられる方が悪いんだって国民性の表現なんだったら何も言わないですけど。

 それにまじめな生き方をする者は田舎者? この感覚にはほとほと腹が立った。まさか本当にパリにはこんな風潮が蔓延しているわけじゃないでしょう? ラストはそれなりに感傷的に作ってあったけど、ふん、それがどうしたのって気分でした。

出演:フィリップ・ノワレ、ティエリー・レルミット、レジーヌ、グラース・ド・キャピターニ、クロード・ブラッセ

クロード・ジディ監督。1984年フランス映画。

1990年4月 7日 (土)

燃える戦場 (1970)

燃える戦場 太平洋戦争。アジアの小さな島を占領した日本軍を攻撃させ、無線を混乱させるために、日本語を修得した主人公に特別任務が下る。健さんが日本軍大佐を熱演するが、その他の日本軍兵士がおかしい!?

 日本人兵士が時々出て来てどうでもいいような会話をするんだけど、その内容がとりとめもなくて笑ってしまいました。肝心の映画の本筋はというと...うーん、あんまり面白くなかったなあ。

出演:マイケル・ケイン、ヘンリー・フォンダ、クリフ・ロバートソン、デンホルム・エリオット、高倉健、イアン・バネン、ハリー・アンドリュース、ロナルド・フレイザー

ロバート・アルドリッチ監督。1970年アメリカ映画。

1990年4月 4日 (水)

おとうと (1960)

おとうと 作家の父と宗教に傾倒する継母を持ち、ぐれた弟と共に生きていく気の強い姉。その弟が結核になり、家庭に明るいきざしが見えはじめたのだが… 姉役の岸恵子が印象的な作品。

もう憎たらしくて殺してやりたかった田中絹代さんがだんだん可愛く見えてくるのが愛敬ですね。

出演:岸恵子、川口浩、田中絹代、森雅之、岸田今日子、仲谷昇、江波杏子、浜村純、伊東光一、星ひかる

市川崑監督。1960年日本映画。

1990年4月 3日 (火)

少林寺 怒りの大地 (1986)

少林寺 怒りの大地 中国が明の時代、すべての権力を手にしようとした政府の権力者が、少林寺を手にするがために刺客を送り込む。なんとか逃れた主人公は、苦難を乗り越え少林寺の再建を目指す。本物の武術シーンが大迫力。

 主人公の若者があんまり男前でないのに、ヒロインがめちゃ可愛い女の子だってところが気に入りました。男は顔じゃないよ、うん! (じゃ女は何なんだって袋叩きにされそうだな、こりゃ) ビデオ発売時のタイトルは「少林寺 激怒の大地」。

出演:ユー・ヤンクァン、フー・ファンドン

ツィー・シャオミン監督。1986年中国=香港合作。

1990年4月 2日 (月)

追想のオリアナ (1984)

追想のオリアナ ベネズエラの叔母、オリアナが死んだという知らせを受けた女性が、遺産整理のために彼女の屋敷へ向う。そこで彼女と過したひと夏が思い出される。

 ちょっと前にガルシア・マルケスを筆頭にラテンアメリカ文学のブームがあったんだけど、そんな小説群の乾いたイメージぴったりの世界が繰り広げられ納得させられました。

出演:ドリス・ウェルス、ダニエラ・シルヴェリオ、ラファエル・ブルセノ、マーサ・ボーゲス

フィナ・トレス監督。1984年フランス=ベネズエラ合作。

1990年4月 1日 (日)

汚れなき悪戯 (1955)

汚れなき悪戯 スペインの片田舎の修道院に捨てられていた赤ん坊、マルセリーノ。彼は僧たちに育てられてわんぱく放題の子供に育つのだが、納屋のキリスト像をあわれんでパンを運んだ時に奇跡が起こる。

 正直言ってあんまり好きな映画じゃないですね。マルセリーノがキリスト像を見て可愛そうに思いパンとワインを運ぶ。するとキリスト像が動き出し少年の願いをかなえてやると言う。少年の願いは天国の母親に会う事だったので、キリストはマルセリーノを連れて天に帰って行くというストーリーです。

 とどのつまり少年は死んでしまうってことですけど、こんな形の結末ってやっぱ理解できません。少年にはやっぱ人間としての一生を送ってほしかったなあって思うんだけどなあ。

出演:パブリート・カルヴォ、ラファエル・リヴェリュス、ファン・カルヴォ、アントニオ・ヴィコ

ラディスラオ・ヴァホダ監督。1955年スペイン映画。

1990年3月31日 (土)

奇跡の人 (1979)

奇跡の人  目が見えず耳が聞こえず話もできないヘレン・ケラーが幼い頃、いかにして外の世界とコンタクトを持ったかを描いた伝記映画。2度目の映画化だが前回ケラーを演じたデュークがサリバン先生役というのが話題。

人間は何でも思いどおりになると堕落するんだなって思いました。

出演:パティー・デューク・アスティン、メリッサ・ギルバート、ダイアナ・マドウ、スタンリー・ウェルズ

ポール・アーロン監督。1979年アメリカ映画。

1990年3月30日 (金)

わが青春のフロレンス (1970)

わが青春のフロレンス 今世紀初頭のイタリア・フローレンス。社会運動家の父に生れた若者が成人し、自分も社会運動に目覚める。年上の女性への慕情、別れ、兵役などを経て、当時の庶民の生活を生き生きと描いている。

出演:マッシモ・ラニエリ、オッタヴィア・ピッコロ、ルチア・ボゼー、フランク・ウォルフ、ティナ・オーモン

マウロ・ボロニーニ監督。1970年イタリア映画。

1990年3月29日 (木)

愛の調べ (1947)

愛の調べ シューマンとピアニストであるその妻の半生を描いた伝記物語。特にシューマン亡きあと再婚もせず、夫の音楽を演奏してまわる妻の姿には心をうたれる。

出演:キャサリン・ヘプバーン、ロバート・ウォーカー、ポール・ヘンリード、ヘンリー・ダニエル

クラレンス・ブラウン監督。1947年アメリカ映画。

1990年3月28日 (水)

殺したい女 (1986)

殺したい女 久しぶりにたっぷりと笑えた喜劇。ギャグが言葉よりストーリーに依存していたからでしょうねえ。しかしベット・ミドラーのオバタリアンぶりときたら日本のオバサンたちも真っ青。そのミドラーの憎めない部分がこの映画の魅力です。

 しかしこの映画ほど、役者ひとりひとりの個性が生き生きしてるなって思った作品は珍しい。誘拐されるミドラーから、俗悪のかたまりのような亭主(ダニー・デヴィート)、彼をだます情婦(アニタ・モリース)にそのヒモ(ビル・プルマン)。ミドラーを誘拐する夫婦(ジャッジ・ラインホールド、ヘレン・スレイター)にそしてスケベな警察署長(ウィリアム・G・シリング)まで、それぞれが楽しいキャラクターを持っていてたいへん楽しませていただきました。

ジェリー・ザッカー、デヴィッド・ザッカー、ジム・エイブラハムズ共同監督、1986年アメリカ映画。

1990年3月27日 (火)

姉妹坂 (1985)

姉妹坂 親に早く死なれた4人姉妹が主人公。ある時、自分たちが本当の姉妹ではないことを知った彼女たちは、激しくぶつかり合う。劇画の原作だがちょっとストーリーを詰め込み過ぎて落着かない感じでした。

 素朴な疑問。実の姉妹でないってことはそんなに大変な事なんでしょうか? 私は一緒に暮した兄弟の方が、別々に暮した兄弟よりも結びつきは深いのではないかと思うのですが。(ただし、私はひとりっ子です)

出演:沢口靖子、紺野美沙子、浅野温子、富田靖子、尾美としのり、宮川一朗太、峰岸徹、藤田弓子、入江若葉、宇野重吉、竹脇無我

大林宣彦監督。1985年日本映画。

1990年3月25日 (日)

星空のむこうの国 (1986)

星空のむこうの国 パラレル・ワールドに迷い込んだ少年が、その世界では自分が死んでいる事を死ぬ。そして悲しみにくれる恋人を連れて流星を見に行くのだが。どこか心にひっかかる小品。有森也実ちゃんがめちゃかわいい。

 70年代に大ヒットしたNHK少年ドラマシリーズをスクリーンにというコンセプトで作られた16ミリ作品だそうだが、確かにその狙いは的中している。我々の世代だと懐かしい気分にさせられた。

 たとえば、恋人が死んでしまう夢をみて、目が覚めた時に「ああ、あれは夢だったんだ、よかった」と胸をなでおろすような感覚。この映画はそういった気分にさせてくれる作品です。しかし有森さんはめちゃ可愛いんだけど、相手役の男の子がちょっとたよりない感じですね。等身大の主人公と言えばそうなんですけど。

出演:有森也実、神田裕司、木村善孝、泉大助、関顕嗣、岡部美鈴

小中和哉監督。1986年日本映画。

1990年3月24日 (土)

グリーン・レクイエム (1985)

グリーン・レクイエム 光合成をしないと生きられない異星人の女の子と、少年の淡い初恋物語。ピアノのテーマ音楽が印象的で独特の雰囲気を作っているが、それ以上はあまり感じるものはなかった。

 素朴な疑問...日本のSFって、どうして新しい登場人物が出て来ると訪ねられもしないのにフルネームを名乗るんでしょうねぇ?

 主人公の男の子がいかにも少女マンガ風のタイプで、見ていてちょっといらいらしました。

出演:鳥居かほり、坂上忍、小林聡美、岡田英次、佐藤慶、蜷川有紀、北村和夫、谷木重美、塩野谷正幸、深水三章、天本英世

今関あきよし監督。1985年日本映画。

1990年3月22日 (木)

戦慄の絆 (1988)

戦慄の絆

 共同生活をする双子の産婦人科医が、ひとりの女をめぐってバランスを崩していく様子を描いた心理サスペンス。小道具の使い方が小気味よく期待を持たされたのだが…

 いかにもクローネンバーグって感じのおどろおどろしいタイトル。しかもオープニングの展開もそれっぽくて期待を持たされたのだけど、見ているうちに双子の医者がどっちがどっちかわかんなくなってストーリーが追えなくなって、気がついたら映画は終わってました。いったい何だったんだろう?

 しかし私の友人などは、自分がふたりいるという恐怖がよく出ていた、なんておっしゃってました。私にはよーわーらん。

出演:ジェレミー・アイアンズ、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、バーバラ・ゴードン

デヴィッド・クローネンバーグ監督。1988年カナダ映画。

1990年3月19日 (月)

馬上の二人 (1961)

馬上の二人 金が大好きな保安官と堅物騎兵隊長が、インディアンにさらわれた男の子と女の子を救出に向う。まったく性格の異なる二人は喧嘩しながらも友情を深め二人を救出するのだが。

 ものの本によるとこの映画は二人の男の友情がテーマだと書いてあったのですが、実際に映画を見ると友情などはほとんど表に出ず、ただただインディアンに育てられて性格までも変ってしまった人の悲劇、それに彼らを差別する人間のなさけなさばかりが目について、怒って怒ってスクリーンに向ってました。

 それにしてもこの映画のラスト、私は大好きです。ブラボー!

出演:ジェームズ・スチュアート、リチャード・ウィドマーク、リンダ・クリスタル、シャーリー・ジョーンズ

ジョン・フォード監督。1961年アメリカ映画。

1990年3月17日 (土)

爆裂都市 BURST CITY (1982)

爆裂都市 BURST CITY パンクの連中が集り、夜ごとにロックの演奏やドラッグレースが開かれる近未来の町。ここに原発を建ててアウトローたちを働かせようという権力者の考えから、やがて町は大暴動になり出演者たちは爆烈する。

 なんだい、こりゃあって感じの映画ですね。爆発的な疾走感というコピーに期待したんだけど、何やらパンクの兄ちゃんたちががやがやがなり立ててるうちに気がついたら映画は終わっちゃった。私にはこの作品はわからん。

出演:陣内孝則、大江慎也、上田馬之助、泉谷しげる、町田町蔵、麿赤児、戸井十月、伊勢田勇人、鶴川仁美、池畑潤二、スターリン

石井聰亙監督。1982年日本映画。

1990年3月16日 (金)

ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦 (1972)

ジュニア・ボナー ロデオに生きる男(スティーヴ・マックイン)が故郷に帰って来る。しかし家族はすっかり変ってしまい、彼は孤独を感じながらもロデオ大会に出場する。去りゆく西部の時代をノスタルジックに描いた作品。

 ペキンパー=バイオレンス・スプラッタ・アクションなんて勝手に思い込んでいたので、あまりにのどかなストーリーにちょっとびっくりしました。マックインのロデオシーンが楽しめたのがよかったですが、それ以外にはちょっと私の肌には合わない作品かな、なんて思いました。(制作者のみなさん、ごめんなさい)

出演:スティーヴ・マックィーン、ロバート・プレストン、ベン・ジョンソン、アイダ・ルピノ、ジョー・ドン・ベイカー、バーバラ・リー、メアリー・マーフィ

サム・ペキンパー監督。1972年アメリカ映画。

1990年3月14日 (水)

大いなる決闘 (1976)

大いなる決闘 脱獄した凶悪犯(ジェームズ・コバーン)が昔のうらみをはらすために引退した保安官(チャールトン・ヘストン)のところへやって来る。待伏せする保安官の裏をかいてコバーンは彼の娘を誘拐する。二人の頭脳戦が楽しめる本格派西部劇。  引退した保安官と札付きの悪党の対決なのだが、この二人がどっちもキレモノってことで楽しめる。ヘストンの娘役のバーバラ・ハーシーも美しいが、その恋人のクリストファー・ミッチャム演じるやさ男が、コバーンを追跡しながらだんだん強くなって行く様子も見せてくれます。

アンドリュー・V・マクラグレン監督。1976年アメリカ映画。

1990年3月11日 (日)

大魔神逆襲 (1966)

大魔神逆襲 戦国時代、村の働き手をさらった隣国の領主は彼らをこき使って火薬工場を作ろうとする。父や兄を助けるために、4人の子供が魔神の山を越えようとする。雪景色が美しい大魔神シリーズ第3作。

 第2作で海が割れて魔神の登場、今回雪景色の中で初めて魔神が剣を抜くというように、話題性もたっぷり。2作目がスカだったのであんまり期待はしなかったのだが、シリーズ最終話の今回は第1作のスタイルにもどってなかなか楽しめた。

 子供が主人公になってちょっぴりファミリーな味つけになってはいるが、荒々しい魔神の描き方は好感がもてる。子供の演技は、特に日常生活を描いたあたりではすっごく生き生きしていて良い。さながら「スタンド・バイ・ミー」大魔神篇ってところだが、魔神が登場してからはなんともうそうそしくなってがっかりした。魔神にくわれてしまったんでしょうかねぇ?

出演 二宮秀樹、堀井晋次、飯塚真英、長友宗之、安部徹、名和宏、北林谷栄、早川雄二、堀北幸男、玉置一恵、浜田雄史、南部彰三。

森一生監督。1966年日本映画。

1990年3月 9日 (金)

沙耶のいる透視図 (1986)

沙耶のいる透視図 ビニ本のカメラマンがディレクターに紹介された女性、沙耶。彼女とディレクターとカメラマンの三角関係を通して不思議な男女の営みを描く。土屋昌巳がなんともブキミで味のあるキャラクターを演じている。

 何か安部貞に近い物語です。男女の恋愛スタイルのひとつを描いた作品なんだと思うんだけど、沙耶という女の描き方がなかなか入念で監督もこの女のキャラクターにとっても入れ込んでるんじゃないかと思いました。

 土屋昌巳のなんともキモいキャラクターは印象的です。

出演 高樹沙耶、名高達郎、土屋昌巳、加賀まりこ

和泉聖治監督。1986年日本映画。

1990年3月 8日 (木)

ダントン (1982)

ダントン フランス革命の数年後のパリ。革命の英雄、ロベスピエールは公安委員会で恐怖政治の中心人物になり、共に戦ったダントンはこれを改めさせるためにパリへやって来る。最高にエキサイティングな歴史映画。

 人々を絶望のどん底へ追い込んだ恐怖政治を排除するためにパリへやって来たダントンと、今や恐怖政治の主役となったロベスピエールの対決をサスペンスたっぷりに描いた作品。人民の味方であり雄弁家で、ざっくばらんで飾らないダントン。対して国家の繁栄こそが人民の幸福だと信じて、不穏分子を次々とギロチンへ送るロベスピエールの見かけにこだわる仕草と、二人の描き分けが鮮やかで楽しめる。

 後半は人民裁判にもつれ込み、ダントンをギロチン送りにしようとするピエールと、逆に公安委員会を訴え証人をよこせと叫ぶダントン。そして体制側の国家繁栄と人民の幸福を目指すという理想が見る見る崩れていく様子を映画はエキサイティングに描いている。

 ラストのフランス人権宣言を高々とうたい上げるシーンでは、なかなか感動させられました。久しぶりにエキサイトした歴史、お勧めです。

出演 ジェラール・ドパルデュー、ヴォイチェク・プショニャック、パトリス・シェロー、ロジェ・プランション

アンジェイ・ワイダ監督。1982年フランス=ポーランド合作。

1990年3月 5日 (月)

白樺の林 (1970)

白樺の林 スイスへ留学していた弟が、重い結核にかかってポーランドの兄の元へ帰って来る。兄は昨年妻が死んだせいで重く沈んでいる。そんな時隣家の娘に心を奪われた弟は…

 主演の男優の結核にかかって蒼白な顔がなんとも不気味で、白樺の景色とあいまって不思議な雰囲気を出していました。しかしポーランドってとこは本当に娯楽も何もないところでびっくりしてしまいました。そんな中でピアノだけがみんなの心のよりどころになっていて、彼らの心理まで反映しているのにはびっくりしました。この頃の共産圏の映画ってのは重く沈んだものばかりですね。

出演 ダニエル・オルブリフスキー、オルギエルト・ウカシェヴィッチ、エミリア・クラスコフスカ、エリジビエタ・ゾレク、マレック・ペレペチコ、ジャン・ドマンスキー

アンジェイ・ワイダ監督。1970年ポーランド映画。

1990年3月 4日 (日)

ジョーズ'87 復讐篇 (1987)

ジョーズ'87 復讐篇 アミティ島の警察署長も心臓マヒで倒れ、長男はバハマへ、弟は警察官になっていた。そこへまた巨大鮫が登場し… 回を重ねるごとにつまらなくなってたが、久しぶりに第1作と同じ緊迫感が味わえた。

 すっかりB級作品に成り下がっていたジョーズシリーズだが、この作品は久々に息を吹きかえしてサスペンスフルで面白い。鮫が復讐のために特定の人間ばっかり狙うなんておかしいと思ってしまうが、考えてみれば海のロマン、だいたい10メートル以上の鮫がシリーズを通せばワサワサいるってのが珍事だから、復讐する鮫がいてもいいんじゃないかって気になってしまう。

 しかしあんな目にあわされたら、俺だったら絶対に海には近付かないだろうな。海にさえ近付かなければそこは安全地帯なんだから。そんな中を「今ここで潜らなければ、俺は一生潜れなくなる」と言って勇敢にダイビングして行く主人公に拍手を送りたかった。

 それにしても、あのあっけないラストはなんとかしてほしかったなぁ! ジョーズの1作と2作であれだけ勇敢に戦ったロイ・シャイダー署長が心臓マヒであっけなく死んでしまってるという設定も納得できなかったし。

出演 ロレイン・ゲイリー、マイケル・ケイン、ランス・ゲスト、マリオ・ヴァン・ピーブルズ、カレン・ヤング、ジュディス・バルジ。

ジョセフ・サージェント監督。1987年アメリカ映画。

1990年3月 3日 (土)

キャバレー (1972)

キャバレー 第2次大戦前のドイツを舞台に、キャバレーに集う人々をひとりの歌姫の目を通して描いた異色のミュージカル。ショーのシーンも楽しいが、米映画にしては繊細なタッチでひとつの恋愛を追っているのが新鮮。

 キャバレーというとすぐ日本風の風俗産業を思い浮べてしまうが、こちらは本家本元のちょっぴりエッチな笑いのステージ。そんな歌姫に恋をしてしまう彼女の間借人なんだけど、二人の生活スタイル、考え方、人生もろもろの違いに気がつき、次第に離れて行く。しかしそんなストーリーよりも、キャバレー見物の人生勉強って気分でした。

出演 ライザ・ミネリ、マイケル・ヨーク、ジョエル・グレイ、ヘルムート・グリーム、マリサ・ベレンソン

ボブ・フォッシー監督。1972年アメリカ映画。

1990年3月 1日 (木)

理由なき反抗 (1955)

理由なき反抗 反抗期の少年の行動と、大人の無理解を描いた傑作。だらしない両親にあいそが尽きた少年は、引っ越し先の町でも不良グループと問題を起こし、崖へ向って車を疾走させるチキンレースをする羽目になる。

 これは反抗期の少年の心理を的確についたすばらしい作品だと、何十年ぶりかに見て(?)そう思わさせられた。しかし一部の現代の子供たちは、もっとすざまじい野獣になり果てているから、この古きよき時代の映画をうのみにして、大人たちに「親子の対話が必要だ」なんてわかり顔をしてほしくないなあって気がする。対話より何より、親は子供に一目おかれる存在じゃないとだめだってことですね。

 ところで私はこれを中学生の頃に見たのですが、その時はジミーがハイスクール生だなんてまったく思えなくて(あまりにも大人びているから)どうしていい年した大人が親に反抗する姿が映画になるんだろうかって不思議に思いました。うーん、やっぱりジミーは凄い。

出演 ジェームス・ディーン、ナタリー・ウッド、サル・ミネオ、デニス・ホッパー

ニコラス・レイ監督。1955年アメリカ映画。

1990年2月28日 (水)

ルパン三世 バビロンの黄金伝説 (1985)

ルパン三世 バビロンの黄金伝説 古代バビロン王国伝説の黄金てんこ盛りを求めて、おなじみアルセーヌ・ルパンの孫(声:山田康雄)が駆けめぐる人気アニメ。1970年頃から続いているシリーズだが、SF色が強くなったのがちょっとミスマッチな感じ。

 私が小学生の時に始まったTVマンガなので、なんとも息の長いシリーズ。その頃はおなじみのメンバーもなんともこじんまりとまとまって、その殺しても死なない不死身のキャラたちはすっごく魅力的だった。

 しかし最近登場する劇場アニメになったこのシリーズは、私ぐらいの年齢になるとちょっと違うなあって気がしてならなかった。かろうじて昔の面白さを残しているのは、「カリオストロの城」ぐらいで、SF色の強い第1作とこの作品は仕掛けが大きすぎてちょっぴりがっかりした。まあ、過去を懐かしがるってのはおじさんになった証拠かもしれないけどね。

鈴木清順、吉田しげつぐ監督。1985年日本映画。

1990年2月27日 (火)

大魔神怒る (1966)

大魔神怒る 戦国時代、湖のほとりにある平和な村、名越と千草に臨国が攻め込む。彼らは村の守り神の魔神像を壊して悪政の限りを尽くすが、旧領主を処刑しようとした時に海が割れて魔神像が動き出す。

 前作より魔神がマイルドになって、正義の味方になって、無条件に村人を守ってくれるところがつまらなかった。やっぱり怒った大魔神には、見境のないところがよかったのに。

 ストーリーも魔神像が破壊されてから以降の魔神のちびりちびりした復讐がみみっちくて興醒め。耐えて耐えてばーんと登場した前作はどうしても越せませんでした。しかし大映特撮の迫力は相変らず素晴らしい。きっと魔神の身長が4?5メートルって設定なので、スケールから言ってもかなり大きなミニチュアを作ったからでしょうね。

出演 本郷功次郎、藤村志保、内田朝雄、丸井太郎、上野山功一、神田隆、橋本力、平泉征、北城寿太郎、藤山浩二、水原浩一。

三隈研次監督。1966年日本映画。

1990年2月24日 (土)

処刑遊技 (1979)

処刑遊技 優作が殺し屋、鳴海昌平に扮するシリーズ第3作。突然誘拐され、無理やり殺しの依頼を受けた鳴海が要人狙撃に走る。その背後には、行きずりだったはずの女の影が見えかくれする。

 鳴海が殺しの依頼を受けるが、依頼した組織の秘密まで知りそのボスまで殺してしまうというのはシリーズに共通のストーリーだが、今回は突然始まるアクションシーンから女の事が忘れられずに依頼を引き受けるあたりまで、なかなかハードボイルドしていて日本映画離れしている。

 しかし私はりりィとまったく反対のタイプの女性として描かれた時計屋の森下愛子の方が心に残りました。

出演 松田優作、りりィ、青木義朗、森下愛子、佐藤慶、山西道広、草薙幸二郎、トビー門口、片桐竜次、山本麟一

村川透監督。1979年日本映画。

1990年2月23日 (金)

十階のモスキート (1983)

十階のモスキート デビューしたての初々しい小泉今日子を見てると、内田裕也の父親にどうしてこんな可愛い娘ができてしまうんだろうかと、つまらない事ばかり考えてました。オープニングのパソコンショップに並んでいるマシンはPC?8001とかMZ?80とかで、古くからのパソコンマニアが見たら懐かしくなってしまいます。

 この映画を見ていて思ったのは、人間って失うもの(家族、社会的地位、他)がなくなった時にどっちに転ぶかわかんないなあって事です。

崔洋一監督。1983年日本映画。

1990年2月22日 (木)

スカーフェイス (1983)

スカーフェイス キューバから流れて来たチンピラ、通称スカーフェイスが麻薬を武器に暗黒街をのし上がって行く様子を描いた大作。パルマ監督流の派手なスプラッタアクションも楽しめる。「暗黒街の顔役」のリメイク。

 ずいぶん久しぶりに、アル・パチーノを見た気がしますが、こんなに小柄でドスのきいたおっさんだったかなと思ってしまうほどの熱演でした。「アンタッチャブル(87)」で作品の流れが変ったと話題になったパルマ監督ですが、この頃からアンタッチャブルの流れを見ることができます。

 ところでこの作品、私はTVの深夜放送で見たのですが、コマーシャルを除いた正味の放映時間が約120分。50分のカットはどう考えても痛い作品です。

出演 アル・パチーノ、スティーヴン・バウアー、ミシェル・ファイファー、ポール・シェナー、メアリー・エリザベス・マストラントニオ、ロバート・ロッジア、F・マーレイ・エイブラハム。

ブライアン・デ・パルマ監督。1983年アメリカ映画。

1990年2月21日 (水)

パラダイス・アーミー (1982)

パラダイス・アーミー 1日のうちに職とガールフレンドと車と住むところを失ったぷっつんタクシー運転手が軍隊に入りひと騒動を起こす。「フルメタル・ジャケット」を裏返して笑いとばしたような快作。

 アメリカってのはこんなふうに利己主義でぷっつんしたやつがゴロゴロしてるのかなあって気にさせられます。軍隊の訓練がエスカレートして狂気が起こる「フルメタル・ジャケット」という映画がありましたが、これは逆に生徒が教官をやりこめてしまうという喜劇。おまけにラストでは007ばりの特装車が出たりして、飽きることなく笑わせてくれます。

アイヴァン・ライトマン監督。1982年アメリカ映画。

1990年2月20日 (火)

大魔神 (1966)

大魔神 戦国時代、家臣の反乱にあい魔神の住む山へ逃れた世継ぎとその妹。十年後ふたりは成人するのだが、悪政を行う城主にとらえられた時、山の魔神が動き出す。魔神の暴れるラストの特撮の迫力がすばらしい。

 あまりにも有名なシリーズで、私の世代(1961生れ)でも知らない人はいないといった作品。魔神の変身シーンなどは、よく宴会芸にもなったけど、あのシーンの合成はチャチですね。しかし15年ぶりくらいでこの作品を見て、ラストの魔神が暴れるシーンの迫力にはびっくりしました。崩れ去る建物の屋根瓦が落ちるところなど、すごい臨場感です。

 おまけに伊福部先生の音楽まで楽しめて(この作品が伊福部音楽だったとは知りませんでした)これもよかった。魔神は変身する前の素朴な顔がとってもいい。

出演 高田美和、藤巻潤、青山良彦、五味龍太郎、島田竜三、二宮秀樹。

永田雅一監督。1966年日本映画。

1990年2月19日 (月)

胸さわぎの放課後 (1982)

胸騒ぎの放課後 人気漫画の映画化。高校生の初恋物語に、バスケットボール部と暴力事件をからめた定番ものの青春映画。坂上とし恵がたどたどしくも大変爽やかに高校生を演じていて好感を持った。

 どうってことない作品ですが、坂上の両親を演じていた朝丘と小林亜星が可笑しくて可笑しくて笑いころげました。しかし、もう一度こんな恋がしてみたいですね。

出演 坂上とし恵、ひかる一平、山下美樹、朝丘雪路、中尾ミエ、小林亜星、美加里、芦川誠、荒井注、深水真紀子、中原ひとみ。

石山昭信監督。1982年日本映画。

1990年2月18日 (日)

伊賀忍法帖 (1982)

伊賀忍法帳 戦国時代、ある姫を手に入れた者が天下を取るという魔術師の言葉に狂った領主が、惚れ薬を作る為にくのいちの女を誘拐する。それを追う恋人の忍者だったが。首をすげかえたりと魔術的発想が楽しめる。

 呪術師をメインにして、おどろおどろしい戦いが繰り広げられる時代劇。同じ山田風太郎原作の「魔界転生」などと同じノリで楽しめる作品。しかしこの頃の角川映画は、主演の二人のキスシーンを必ずラストにもったいぶって用意するというのが気に入らない。(この作品ではエンドタイトルのバックにまでなっている)

出演 真田広之、渡辺典子、ストロング金剛、佐藤蛾次郎、成田三樹夫、千葉真一、中尾彬、美保純、風祭ゆき、浜田晃、田中浩、松橋登。

斎藤光正監督。1982年日本映画。

1990年2月17日 (土)

同棲時代 今日子と次郎 (1973)

同棲時代 デザイン学校を卒業した二人(由美かおる、仲雅美)が偶然町で知り合い、その日のうちにホテルへ行きそして同棲する。ブームにもなった人気劇画の映画化。由美かおるのヌードが話題になったが、内容は消化不良気味だった。

 同棲生活を始める二人をメインに、花粉症の女性や病気の隣人などのエピソードがオムニバス的に綴られる。前に高校生の時に見た時は、これがどうして愛なんだろうって疑問に思ったけど、今だとすんなりと理解できる。

 この主題歌、久しぶりに聴きましたけど、大信田礼子さんってすっごくいい声してたんですね。(私はこういう歌い方に弱いのです)

山根成之監督。1973年日本映画。

1990年2月15日 (木)

ハーレム・ナイト (1989)

ハーレム・ナイト 禁酒法時代のアメリカ、不法バーに転がり込んだ黒人少年(エディ・マーフィ)がそこで育てられ成人する。しかしバーを狙ったギャングのボスは、あの手この手で攻撃をしかけてくる。思ったよりたいくつなエディ喜劇。

 これは喜劇って呼べるんだろうかって、ちょっと悩みました。笑いもあんまりないしとても地味。もちろん黒人喜劇の定番であるラストの大逆転もしっかり用意してあるのですが、敵のギャングのボスもそこそこ可愛くて憎めない。それをびしばしとやっつけても、総快感もなんにも無いんだよなぁ!

エディ・マーフィ監督。1989年アメリカ映画。

下町の太陽 (1963)

下町の太陽オープニングで若い二人(倍賞千恵子、勝呂誉)が100万円(当時の)のアクセサリーを見て「こんなの誰が買うんだろうねぇ」と言うシーンを見て、今も昔もみんな同じ事を考えてるんだなあという親近感を持ち、映画にすんなりと入り込む事ができました。山田洋次の世界のライフスタイルは取り入れたくないけど、スピリッツだけはすごく共感できるなあという気がします。

山田洋次監督。1963年日本映画。

1990年2月12日 (月)

がんばれ!! タブチくん!! (1979)

がんばれ!! タブチくん!! 人気マンガのアニメ映画化。当時阪神から西武へトレードしたばかりの田淵選手(声:西田敏行)を主人公にギャグが繰り広げられる。10分の短編が9本のオムニバスという面白いスタイルだが、ギャグが不発であまり笑えない。

 ギャグがあまりに古い。タブチくんが乗った飛行機が重すぎて上昇できずに、パラシュート付きで落とされるとか、これでどうやって笑えってんのなんて気分にもさせられました。

芝山努監督。1979年日本映画。

1990年2月11日 (日)

ロボハンター 霊幻暗黒団大戦争 (1988)

ロボハンター 麻薬の黄金の三角地帯の孤島。麻薬密造組織とレンジャー隊の死闘。麻薬組織はキョンシー使いを雇ってガードマンにすれば、レンジャーは死んだ仲間を改造人間にして戦わせるはちゃめちゃなB級作品。

 ストーリーもさることながら、主役のロボハンターのコスチュームのなさけないのなんの! まるで昔の東宝SF映画の銀色の宇宙服に銀色のぼろきれを貼りつけたようなシロモノ。これを見るだけでもこの作品は十分な話題性があります。しかし死んだ友人をすぐに改造人間にしてしまう軽さ。キョンシーとロボットを対決させる発想。それを大真面目で演じる出演者たちのパワーはなかなかのものです。

出演 ハリー・マイルズ、ジョー・ブラウン、ダイアナ・バーン、ニック・ノーマン

ジョー・リビングストン監督。1988年アメリカ=香港合作。

1990年2月10日 (土)

ヒッチハイク (1976)

ヒッチハイク アメリカをキャンピングカーで旅するイタリア人夫婦(フランコ・ネロ、コリンヌ・クレリー)。彼らがヒッチハイクで乗せた男(デヴィッド・ヘス)は、銀行強盗のひとりだった。追い詰められた夫婦は、次第に心の亀裂を深めていく。アクションタッチのホラー映画。

夫婦が旅行中の車に銃を持った悪人が乗り込んで来て、国境への旅を強要されるというたったこれだけの物語ですが、ストーリーが2転3転しするたびに状況が変って飽きさせません。

主演女優は「O嬢の物語」のコリンヌ・クレリーなんですが、予想どおりというか期待どおり(?)というか、脱がされいじめられ可愛そうでした。とっても綺麗な女優さんなんだけどなあ。

パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ監督。1976年イタリア=アメリカ合作。

1990年2月 9日 (金)

男たちの挽歌 (1986)

男たちの挽歌 麻薬組織の幹部である兄と、警察官である弟。兄の正体を知った弟は彼を激しく憎み組織の壊滅をはかるのだが。古い日活アクション映画を思わせる面白い作品。射ち合いのバイオレンスシーンが見せてくれます。

 ストーリーもよく練られていて面白い。その上香港映画独自の、派手なアクションシーン(今回はガンファイト)も楽しめてマル。難点はと言えばやっぱ東洋人の悲しさか、西洋人と同じようにかっこをつけてもサマにならない点が少なからずありました。あと、音楽があか抜けしなくて三角です。

出演 周潤發(チョウ・ユンファ)、張國栄(レスリー・チェン)ティ・ロン、エミリー・チュウ、リーチェー・ハン

呉宇森(ジョン・ウー)監督。1986年香港映画。

1990年2月 8日 (木)

白蛇抄 (1983)

白蛇抄 山寺の寝たきりの和尚とその美しい妻。親を亡くしてその寺に引取られた少女は、夫婦の過去とその息子の異常な行動に翻弄されるのだが。小柳ルミ子のヌードが美しい。

 この映画の登場人物たちは、みんな恋(肉欲?)の爆発的な(一時的な?)とりこになって道を踏み外して行きます。その踏み外しかたがあまりに激しいので、本当にこんな事が起こるのだろうかとちょっと斜になって見てしまいました。

 小柳ルミ子の色気に狂わされる高校生がすごい。熱演を通り越して行き着くところまで行っている感じです。

出演 小柳ルミ子、若山富三郎、杉本哲太、夏八木勲、仙道敦子

伊藤俊也監督。1983年日本映画。

1990年2月 4日 (日)

ステート・フェア (1945)

ステート・フェア オレゴンの農場で働く一家が、年に1回のお祭り(ステート・フェア)に出かける。父の夢は豚のコンテストでの優勝、母は料理コンテスト。そして息子と娘は恋に落ちるのだが。

 なんともほんわかとしたムードのホームドラマ。祭の楽しみかたがアメリカ人していてめちゃめちゃネアカでいいなあって思いました。息子と娘が祭で恋に落ちるのもほろ苦くていい味を出してます。

 出演 チャールズ・ウィングナー、ダナ・アンドリュース、ジーン・クレイン、ディック・ヘイムズ。

ウォルター・ラング監督。1945年アメリカ映画。

1990年2月 3日 (土)

わんぱく戦争 (1961)

わんぱく戦争 フランスの片田舎の村の子どもは、2つのグループに別れて戦争(けんか)を繰り返していた。そんな子ども達の姿を生き生きととらえた傑作。忘れていた子供時代を思い出させてくれる。

 これはなかなかの傑作。戦争(ごっこ)を繰り返す子供たちが、生き生きと描かれている。ちょっと考えると、最近の暴力事件なんかからも陰険な映画じゃないかと思うけど、この戦争の目的は相手の靴紐を取ったりボタンを取ったりと他愛もないこと。しかも山の中に小屋を作ったり親の馬やトラクターをかっぱらって敵をけちらしたりと、我々が子供の頃もこんな事をやりたかったなあと思わせるエピソードばかりでとても楽しい気分にさせられる。

 ちょっと考えさせられたのは、この映画ではなかなか好感の持てるガキ大将が、大人の世界ではただの不良少年だってこと。でも優等生なんかよりもこのガキ大将の方が立派な大人に成長するだろうなって思わせるところが、心憎かったです。

出演 アンドレ・トレトン、ミシェル・イセラ、アントワーヌ・ラルチーグ、ジャン・リシャール

イヴ・ロベール監督。1961年フランス映画。

1990年2月 2日 (金)

ベニイ・グッドマン物語 (1955)

ベニイ・グッドマン物語 ジャズ・クラリネット奏者のベニー・グッドマン(スティーヴ・アレン)の半生を描いた伝記映画。音楽はクラッシックでポピュラー音楽は邪道だと言われていた時代にあくまでも音楽全体を愛した彼の姿勢には大きな共感を覚える。

 ベニー・グッドマンが3人兄弟の末っ子で、子供の頃体の大きさに合わせて楽器をあてがわれ、一番体が小さかったのでクラリネットになったというエピソードには笑いました。

ヴァレンタイン・デイヴィス監督。1955年アメリカ映画。

1990年2月 1日 (木)

ろくでなし稼業 (1961)

ろくでなし稼業 うーん、宍戸錠さんと二谷英明さんは仲よしこよしだったのかあ。これはなかなか笑わせてくれる快作喜劇。現在(90年)の二谷さんしか知らない我々の世代にしては意外な掘り出し物でした。しかし彼らは決して「ろくでなし」ってニュアンスではないと感じました。強いて言えば無責任シリーズと同じく「お調子者」かな?

斎藤武市監督。1961年日本映画。

いつも2人で (1967)

いつも二人で あるカップル(オードリー・ヘプバーン、アルバート・フィニー)の、結婚前、新婚旅行、結婚後を同時進行で描いた面白い作品。二人の変化していく様子がとてもよく出ているし、ちょっと胸にきゅんと来るような感動がありました。

 同じカップルの年代別の3つか4つのストーリーが同時進行するのでたいへんなようですが、それぞれ夫婦の演じ分けがはっきりしているのと乗っている車が違うので慣れれば迷うことなくなります。どのストーリーも車を舞台としたロードムービーなんですが、時間を越えて二人の乗った車がすれちがうカットでつないであるのが憎いですねえ。

 個人的にはオープンカーで走る新婚旅行のふたりに憧れました。目的も何もなくさまようふたりの旅はものすごく魅力的だったし、これらの時間を全部いっしょくたのだんごにして描かれると、この二人にこれらの時間がある限り別れることはできないんだろうなあ、などと思わされました。

スタンリー・ドーネン監督。1967年アメリカ映画。

1990年1月31日 (水)

パリで一緒に (1963)

パリで一緒に パリで創作活動をする人気劇作家(ウィリアム・ホールデン)と、そこへ手伝いに来たタイピスト(オードリー・ヘプバーン)が恋に落ちるというラブストーリー。作家が頭のなかで練り上げるストーリーが画面に繰り広げられるのだが、全体的に当たり障りのない作品。

 どうやって映画ができるかなんてぜんぜん知らないんだけど、この映画を見る限り映画の決定権は脚本家が持っているみたい。(私は監督だとばっかり思っていたが)これからは脚本家にも注目しなければいけないなあと啓蒙してくれた1本でした。

リチャード・クワイン監督。1963年アメリカ映画。

1990年1月30日 (火)

許されざる者 (1959)

許されざる者 荒野のど真ん中に建つ1件の家。そこには母親(リリアン・ギッシュ)と息子(バート・ランカスター)と娘(オードリー・ヘプバーン)の3人が暮らしていたのだが、娘の出生の秘密が明らかになるところから彼らはインディアンたちを敵に戦わなければならなくなる。

 ありきたりな感想だけど、白人とインディアンはどうしてここまでいがみ合うのでしょうか?

ジョン・ヒューストン監督。1959年アメリカ映画。

1990年1月29日 (月)

ボーイフレンド (1971)

ボーイフレンド イギリスで上演されるパリ風ミュージカルの舞台裏を描いた作品。ストーリーはひょんな事から主役を演じることになった女の子(ツィッギー)が、劇の筋に合わせて恋に目覚めるといったもの。

 ううん、パリ風だか何だか知らないけど、登場する女の子たちの舞台メイクにはひどい拒絶反応を感じてしまいました。(なんとも...きしょく悪い)

ケン・ラッセル監督。1971年イギリス映画。

1990年1月28日 (日)

ギャング忠臣蔵 (1963)

ギャング忠臣蔵 有名な忠臣蔵のストーリーを現代のやくざたちに置き換えた面白い発想の作品。登場人物のネーミングも笑えるし、内容も思ったよりもどっしりとしている。しかしこれ、第1部で途中で終わるなら続編はどこ?

 まったく忠臣蔵そのものを現代劇にアレンジしてやるのかなあと思ったのだが、かなりストーリー自体が変えられていて忠臣蔵を知らなくても楽しめるようになっている。最初の方のシーンからしても、パリが舞台になってたりしてひと味違う忠臣蔵である。(もちろん、かなりゆがんだパリのようであったが)

 しかし、しかしである。せっかくいい方向に盛り上がったところでどうしてこの映画は「第1部完」で終わってしまうの!?続編はどこにあるんだよぉぉぉぉぉん!特にパリで恩を受けた鶴田浩二さんが、どんな形で恩を返すのかが気になってならない。(もう彼は死んでしまったのに)誰かこの作品の完結編情報があったら教えて下さい!

出演:片岡千恵蔵、鶴田浩二、高倉健、月形龍之介、山村聰、三田佳子

小沢茂弘監督。1963年日本映画。

1990年1月26日 (金)

ローン・レンジャーの伝説 (1981)

ローン・レンジャーの伝説 子どもの頃に両親を無法者に殺され、成人してからも兄を殺され自らも瀕死の重症を負った主人公(クリントン・スピルスベリー)が、仮面のガンマン、ローン・レンジャーとしてさっそうと登場。確かアメコミが原作のヒーロー。

 きちんと調べたわけではないが、私の友人の自称ヒーロー評論家がこれはアメコミの映画化だと言っていた。だからたぶんそうだろう。仮面のガンマンがインディアンの仲間を連れて悪をばっさばっさとやっつけるというのは、なかなか痛快で楽しい。

ウィリアム・A・フレイカー監督。1981年アメリカ映画。

1990年1月23日 (火)

孔雀王 (1988)

孔雀王 世界を闇に変える地獄門を開く鍵となる少女、阿修羅(グロリア・イップ)が復活する。それを阻止しようとする裏高野の孔雀(三上博史)と、チベットのコンツェ(ユン・ピョウ)が戦いを挑む。人気劇画の映画化によるサイキック・アクション。

 原作を読んでいたがゆえにこの原形をとどめないアレンジにはたじたじとしてしまいました。まったく別のストーリーだと考えた方が腹が立たなくていいでしょう。でも香港のクンフーアクションを使って撮影したというのはちょっとしたアイディアですね。

 ただ、敵があんまり強くなかったこと(人数も少ないし)、みんながあれだけ怖がった地獄門が開いても出てきたのがちんけな敵だったあたりにがっかりしました。SFXの質感は、思ってたよりもとってもよくて画面の色も奇麗です。

ラン・ナイチョイ監督。1988年日本=香港合作。

1990年1月22日 (月)

天下の御意見番 (1962)

天下の御意見番 三代将軍家光の時代、参勤交代を巡る諸藩のごたごたと、それを片付けて家光の心までも動かした大久保彦左エ門とその一族をコミカルに描いた時代劇。

 当時の参勤交代に関する習慣などを面白おかしく見せてくれて歴史の勉強にもなります。将軍さまが庶民(大名)の声を聞いて悔い改めるというのはたいへんストレートなテーマですが、いいですね。

 出演は月形龍之介、丘さとみ、松方弘樹、北大路欣也、木村功。

松田定次監督。1962年日本映画。

1990年1月21日 (日)

少林寺への道 (1981)

少林寺への道 明朝末期の中国。清の一族に一家を惨殺され、少林寺に預けられた少年(テン・ポン)が成人して修業に励む。全編の2/3を占める修業シーンがスリリングで面白く、手に汗握らされた。

 訓練シーンでは、持ち上げる石がはりぼてだと一目でわかったり興ざめな部分も多いのだが、それをさし引いても十分面白い。特に修行の卒業試験ともいえる武者房のシーンは手に汗握り、本当にあんなことやってたのだろうかとか、ここで本当に死んでしまった人もいるのではないだろうかとか、現代でも行われているんだろうかとか思いを巡らせてしまう。

 しかし、生まれた時から少林寺マシーンとして育てられて、あっけなく死んでしまう無念というのもひとしおだなあ、などとも思ってしまいます。

ジョセフ・クオ監督。1981年香港映画。

1990年1月19日 (金)

アパッチ砦 (1948)

アパッチ砦 西部の開拓者を守る騎兵隊のアパッチ砦に、初老の新任隊長(ジョン・ウェイン)がやって来る。だが彼は頭が堅く、前隊長の和平交渉にも逆らいアパッチの待ち構える谷へと突撃していく。それでも彼をたたえるわからん西部劇。

 前半はおもしろかったんですよ。美しい娘(シャーリー・テンプル)を連れた新任隊長が来て、いろいろな事件がおきて。隊長の娘と隊員のひとりが恋に落ちて、お父さんに内緒で馬の遠乗りに出るところもわかる、わかるだし、それを知った父が怒って「2度と娘に近づくな」とあらぬ癇癪を起こすあたりもまるで小津映画の世界のようでいいのである。

 そしてアパッチが保護区から逃げたというあたりから、本編のアクションがはじまる。彼らとコンタクトを取ると、「白人の扱いが悪いから逃げた。その点を改めてほしい。戦争はしたくたない」と、アパッチの長が言う。ジョン・ウエインの前隊長は納得して事態を丸く納めようとするのだが、白人優先主義の新任隊長は「思い上がったアパッチはけしからん」と無理やり騎兵隊を率いてアパッチの待ち伏せる谷へと突撃して逆に自分たちが全滅してしまう。

 結末まで書いてしまった。西部劇では有名な物語りらしいのだが、問題はこの映画のラストである。ここまで書いたのは、このラストにとても腹が立ったからである。こんなとんでもない隊長を、「騎兵隊の誇り」なんて褒め上げるなんていったいどんな神経しているのだろうか?

ジョン・フォード監督。1948年アメリカ映画。

1990年1月18日 (木)

わらの犬 (1971)

わらの犬 都会の喧噪を避け仕事に没頭するために夫婦でイギリスの片田舎に引っ越してきた数学者(ダスティン・ホフマン)とその妻(スーザン・ジョージ)。しかし村のならず者はおとなしい彼らを襲い妻を犯してしまう。人間が暴力に目覚める様子が心地好い(?)

 「ランボー」とか「ダイ・ハード」なんかのルーツじゃないでしょうか?この作品は。おとなしい学者がどうしてこんなに強かったのだろうかという疑問はありますが、少なくとも気持ちはずんずん伝わってきますね。

 ちなみに私はこういうバイオレンス映画を見るとかなりエキサイトする方ですし、それでいろいろとフラストレーションが発散されるのか、ふだんはおとなしい人間だと言われています。

サム・ペキンパー監督。1971年アメリカ=イギリス合作。

1990年1月17日 (水)

忍びの者 新・霧隠才蔵 (1966)

忍びの者 新・霧隠才蔵 江戸時代初期、豊臣方の残党の伊賀忍者たち(市川雷蔵、他)が徳川家康に恨みをはらそうと駆け巡るアクション映画。伊賀者たちがひとり、またひとりと死んでいく場面は哀れを感じる。

 徳川家康も震えあがった伊賀忍者たちが、実は地下のほら穴の中にかたまったひと握りの人達であったというシーンが印象に残りました。

出演:市川雷蔵、藤村志保、楠侑子、田村高廣、千波丈太郎、内田朝雄

森一生監督。1966年日本映画。

1990年1月16日 (火)

座頭市 (1989)

座頭市 盲目だが居合いの達人という特異なキャラクター、座頭市(勝新太郎)のひさびさのスクリーンへの復活作。ある宿場街でやくざ(緒形拳、陣内孝則、内田裕也、他)の抗争に巻き込まれた市が自慢の居合いで対決する。

 実は恥ずかしながら座頭市の映画を見るのはこれが初めてである。市ってのはもっとニヒルで常人離れしていて、ゴルゴ13みたいなやつなのかなあと思っていたらどっこい、樋口可南子とラブシーンはあるわ、博打でけっこう汚い手は使うわでびっくり。

 目が見えないのに敵をばったばったと切り倒していくシーンには壮快感たっぷりで楽しめました。敵役も日本映画界で癖の強い連中をたっぷり揃えて、続編を作るときはどうするんだろうかと心配までさせられました。

勝新太郎監督。1989年日本映画。

1990年1月15日 (月)

雪国 (1965)

雪国 落着いて仕事をするために北陸の温泉宿へ行った翻訳家(木村功)が、そこで出会った不思議な魅力を持った芸者、駒子(岩下志麻)に惚れる。この映画で思ったのは、原作を知らなかったので有名な雪国ってのはいわゆる不倫物語だったって事と、岩下志麻って今も昔もぜんぜん変らないんだなあって事。

大庭秀雄監督。1965年日本映画。

サクリファイス (1986)

サクリファイス 緑の大地で1本の木を植える男(エルランド・ヨセフソン)。この木がどっしりと根付くようにと息子と祈るのだが、核戦争が勃発して家族は世界に孤立する。美しい画面と長いショットは印象的なのだが、相変らず退屈を感じる。

 木を植えるシーンとラストの長回しの火災シーンはすごぶる印象的なんだけど、中盤がどうも退屈して睡魔と戦ってしまった。木に象徴されるこつこつとした行為が世界を変えるって意見はすごく納得できるんだけど、「私が、家族がどうなってもいい。元の世界が戻るのであれば」という叫びがどうも理解できない。ただ、こんなこと書くと「それはおまえがわかってないだけなんだよ」って言われそうな気分になるのがタルコフスキー作品のすごいところか(?)

 この映画を見たあと雨が降って、ごみの浮いた水たまりを歩きながら「タルコフスキー!」と叫んでしまった。

アンドレス・タルコフスキー監督。1986年スウェーデン=フランス合作。

1990年1月14日 (日)

タイクーン (1947)

タイクーン トンネル工事を請負う技術者のジョン・ウエインだが、地盤が悪く難航する。しかもウエインが手を出した女が工事の株主の娘だったがために、二人は対決する羽目になる。

 この映画で見るべきものは、ウエインの女の口説きかたです。ぐいぐいと猪突猛進するのだが、まったくいやみのないところなどは十分研究の余地があるでしょう(!?)

リチャード・ウォーレス監督。1947年アメリカ映画。

1990年1月13日 (土)

タンポポ (1985)

タンポポ 売れないラーメン屋に立ち寄ったタンクローリーの運転手(山崎努)が、そこの未亡人(宮本信子)に一目惚れ。ラーメン屋を建て直すストーリーを軸に、いろんな食べ物に関するエピソードが盛り込まれるオムニバス映画。

 ラーメン屋にまつわる話が軸になっているのだが、その他に散りばめられたストーリーの方が面白い変な映画。サブストーリーみたいな形で役所広司とその恋人(黒田福美)の食べ物を交えたラブシーン(?)が繰り広げられるのだが、男としてそちらもミョーに心に引っ掛かりました。

伊丹十三監督。1985年日本映画。

1990年1月12日 (金)

ゴジラ対メカゴジラ (1974)

ゴジラ対メカゴジラ ブラックホールからやって来た宇宙人がゴジラを研究し、究極のロボット・メカゴジラを作り日本を攻撃する。迎え射つのはゴジラ・アンギラスと沖縄の伝説怪獣。まったくのお子様向け作品。

 この頃の作品でどうしても許せないのは、ゴジラやのメカゴジラやのごっつい連中が登場してもみ?んなちっとも動揺もせず、自衛隊も登場しないってとこです。それにゴジラの着ぐるみが今回はどうもおかしい。異常に目がでっかくて、背びれはぶよぶよしてて発泡スチロールみたい。これはゴジラに化けたメカゴジラを観客にわからせるためにわざとそうなってるのかと思いきや、あとから登場する本物のゴジラもでか目ぶよぶよ! まいったなぁ。沖縄の伝説怪獣キングシーサーってのはまるで獅子舞みたいな顔してるし。

 出演は大門正明、青山一也、田島令子、平田昭彦、小泉博、岸田森。

福田純監督。1974年日本映画。

1990年1月11日 (木)

夜の牝 花のいのち (1969)

no jacket image 新人のバーのホステス(野川由美子)がある客(南原宏治)に見染められ、彼の経営する店の雇われママをすることになる。ところが彼には裏の生活があり、彼女との対決が始まる。森進一が流しの歌手で登場するのだがちょっと浮いていた。

 はっきり言って肌に合わない映画。夜の酒場族(?)の生態が飲み込めない。世代の違いでしょうねぇ。当時流行っていたと思われる演歌歌手の方々が何人か出演されています。

森永健次郎監督。1969年日本映画。

1990年1月10日 (水)

リーサル・ウェポン (1987)

リーサル・ウェポン 自殺志願のバイオレンス刑事(メル・ギブソン)と中年の黒人刑事(ダニー・グローヴァー)がコンビを組んで、ヘロイン流通組織に挑む。敵の用心棒(ゲイリー・ビジー)が庸兵部隊という設定がよくアクションもど派手。黒人刑事の娘(トレーシー・ウルフ)が美人なのでこちらも楽しめてしまう。

 最強の男シリーズ(ランボー、ダイ・ハード、コマンドーなどなど)が続いているがこれもその流れのなかの一編。ただし主人公が軽い精神錯乱状態で時々自殺の発作を起こすところが面白い。

 カーチェイスや爆破シーン、砂漠でのチェイスなどもど派手だが、細かい所では武器に凝っている点も見逃せない。メル・ギブソンの持つ18連発のベレッタ拳銃の連射シーンなどは背中にぞんぞ(?)が走る快感があった。

 また、ギブソンとコンビを組む中年の黒人刑事の娘がめちゃ可愛い。前半で刑事が「色っぽくなりやがって!」と言うシーンとか、ラストでギブソンに向って「あいつはおまえに気があるらしい。手え出したらぶっ殺してやるからな」と言うシーンなどは笑えました。

リチャード・ドナー監督。1987年アメリカ映画。

1990年1月 9日 (火)

円卓の騎士 (1953)

円卓の騎士 おなじみのアーサー王物語。5世紀のイギリス、国内は戦国時代ですぐれた統治者を待っていた。そこへ登場したアーサー(ロバート・テイラー)は伝説の剣エクスカリバーを岩から引き抜き、王の座につく。

 「エクスカリバー」「キャメロット」など映画で何回もお目にかかったストーリー。さながらイギリスの忠臣蔵ってところか。今回の作品は「エル・シド」とか「クレオパトラ」あたりのスペクタクル超大作の匂いがぷんぷんして、クラシカルな魅力を感じた。(エヴァ・ガードナーが出てるせいかなあ)

リチャード・ソープ監督。1953年アメリカ映画。

1990年1月 7日 (日)

わが町 (1956)

わが町 マレーシアの工事で名を上げた男(辰巳柳太郎)が帰って来ると、最後の日に一夜を共にした女性(南田洋子)が子供を連れて待っていた。親子三代にわたる運命の流れとワンマンで向う行きの強い主人公の半生を描いた大河ドラマ。

 オープニングの「人間はなあ、体をこき使って働かないと、骨がばらばらになっちまうんだぞぉ」という叫びが印象に残りました。マレーシアに道路を作る物語かと思いきや、物語は彼が日本へ帰って来るところからはじまります。明治時代で日露戦争の頃。ところが話はマレーシア道路工事に負けないほどの広がりを見せ、圧倒されてしまいました。

 何か昔のわがままながんこ親父を弁護するようなところは嫌いなのですが、そんな親父がどんなふうに生きてきたのかは見応えがありました。

川島雄三監督。1956年日本映画。

1990年1月 6日 (土)

あにいもうと (1953)

あにいもうと 荒っぽい兄(森雅之)のところへ、年下の男の子供を宿した妹(京マチ子)が帰って来る。怒り狂った兄は妹を追い出すのだが。ぶつかり合いながらも兄弟の愛情が見え隠れする秀作。母親役の浦辺粂子も味があっていい。

 ひなびた駄菓子屋でかき氷を作ったりラムネを売ったりしている光景にちょっぴりノスタルジーをかきたてられました。(私もああいう店があった頃に子供時代を過したもので) ここでの家族は兄ひとりに妹ふたりなんですが、下の妹(久我美子)のかけおちのエピソードが説得力があって良かった。

成瀬巳喜男監督。1953年日本映画。

1990年1月 5日 (金)

君が青春のとき (1967)

No jacket image 放送局の新人女性ディレクター(吉永小百合)の企画で青山族の実体をあばくドキュメンタリー番組を作ることになる。張切る彼女はひとりのちんぴら青年(山本圭)に近付き隠しカメラで撮影を続けるのだが、多くの人を傷つけそして…

 ここでの吉永さんはめちゃめちゃです。人権意識の薄い時代だったのでしょうけど、隠し撮りしたフィルムを放映しようなんていったいどういう神経しているのやら。若者の堕落を告発するために、ひとりのちんぴらの実体をあばくなんて企画を大真面目でやるなんて…

 まあ思ったとおりのラストへなだれ込んだんですけど、この無鉄砲に突っ走るところが青春なんだなんてのあまりにも乱暴じゃないですか?

 余談だけど、青山族か何かで突っ張ってたにいちゃんが家へ帰ってねえちゃんねえちゃんと言いながらお茶づけをすするところが面白かった。

斎藤武市監督。1967年日本映画。

1990年1月 3日 (水)

忍者の復讐(ニンジャII 修羅の章) (1983)

忍者の復讐 忍者の末裔の家族(ショー・コスギ、ケイン・コスギ)を襲う、正体不明の忍者軍団。生き残った男とその子供、母親の3人はアメリカへ逃れるが… 歪んだ日本描写は毎度のとおりだが、忍者をランボーのような最強の男として描いているのは爽快。

 冒頭、金閣寺の画面が出て「TOKYO,JAPAN」という字幕がかぶさった時はぶっとんだぜぇ! おまけにあれじゃあ、主人公の一家は金閣寺に住んでるみたいじゃねえかぁ! まあ、ごちゃごちゃ言うよりこの手の映画のこういう部分は笑い飛ばすのが一番なんでしょうけど。

 とは言っても、中盤からはがぜん面白くなってくる。まず、悪者の忍者に殺された被害者の検視をした医師が、「さ骨は粉々で肋骨は**本折れ、こんなことを素手でできる人間がいるのか」ということから、空手の選手が出て来て「これができるのは日本に300年前にいたNINJAという暗殺者集団ですよ」と言うあたりからわくわくさせられる。そして終盤の二人の忍者の一騎打。忍者独自の手裏剣や煙幕などなどおなじみのアクションもアメリカの高層ビルの屋上で繰り広げられるとなると、また別の感慨があるのでした。

 どんなゆがめられた形であれ、MADE IN JAPANが海外で大活躍するのを見るのは気持ちのいいものですね。

サム・ファーステンバーグ監督。1983年アメリカ映画。

1990年1月 2日 (火)

グッバイ・ヒーロー (1987)

グッバイ・ヒーロー 70年代から80年代へかけてのF1グランプリの軌跡を追ったドキュメンタリー。タイトルにあるとおり、事故でこの世を去ったヒーローたちへのレクイエムでもある。

 89年のF1グランプリってたぶん亡くなった人はいなかったと思う。私は昔のF1は知らないので、こんなに多くのヒーローたちが亡くなっていたとは思わずにちょっとびっくりした。同時に、技術の進歩と共に悲劇も減ったF1に感謝させられた。

 特に事故が起こるとレースを投げ出して救出に向ったレーサーたち、自分の衣服が燃えるのをもろともせずに炎上する車の中のライバルを助け出そうとするレーサーの姿には、事実のみが持つ重さを感じさせられました。

マリオ・モッラ他監督。1987年日本=アメリカ=イタリア合作。

1990年1月 1日 (月)

黒い絨毯 (1954)

黒い絨毯 南米の密林の奥の広大な土地で農業を営む男(チャールトン・ヘストン)のところへ花嫁(エレノア・パーカー)がやって来た。だが、一度も会ったこともない二人はうまくいかない。そこへ蟻の大群マラグンタが襲って来るとの知らせが。元祖パニック映画。

 相手の顔も見ないで結婚するなんてのは日本の専売特許かと思いきや、アメリカでもあったんですね。パニックよりもそんな二人の心が開いて行く様子が中心になっているところに、好感を持ちました。

バイロン・ハスキン監督。1954年アメリカ映画。

1989年12月26日 (火)

ゴジラVSビオランテ (1989)

ゴジラVSビオランテ ゴジラに襲われた東京で、ゴジラの細胞を求めての争奪戦が繰り広げられる。それから5年、三原山に落下したゴジラが活動を開始し、一方ゴジラ細胞からは恐怖の巨大植物が合成される。

 ゴジラ映画としては、最高傑作の部類に入るのではないかと思いました。画面の質感は、007のレベルに近いものがあったし、ストーリーもなかなか面白い。海上シーンでの特撮が、波頭ちゃぷちゃぷでどうしようもないものがあったけど、それ以外はずんずんと見せてくれました。

 関西に住む人間としては、大阪ビジネスパークのミニチュアのよくできていることにびっくり! ふだん散歩している場所がそっくりミニチュアになってるのを見るってのは気分のいいものです。私の会社は中ノ島に近いので、たぶん火の海になってたのでしょう。もしかして書類のダンボール箱を血相をかえて運び出していたのは、うちの社員だったのかもしれません。

 ビオランテがフラワー・ロックに似てるって!? そんなことどうでもいいじゃないですか。自衛隊の秘密兵器、スーパーX2がういていたって。それもどうでもいいじゃないですか。気に入らなければ、笑って見ればいいのです。音楽も古い伊福部先生のテーマ曲が使われててうるうるものでした。ラストシーンの沢口靖子ちゃんがオズの魔法使いになってしまうシーン・・・これはちょっと許し難いな。

 とにかくオールドファンの心を掴む憎い演出だったと思います。ゴジラファンだった子供の頃を思い出しました。

大森一樹監督。1989年日本映画。

1989年12月18日 (月)

男はつらいよ 寅次郎純情詩集 (1976)

男はつらいよ 寅次郎純情詩集 あんまりたくさんこのシリーズを見ているわけではないんだけど、寅さん(渥美清)の難病ものってのは今までの軽い人情喜劇からしたらちょっと異質だったので、あれっと思ってしまいました。特にラスト近く、芋のたっぷり入った袋をかかえた寅さんが知らせを聞いて目が点になるあたりは、同情することしきり…

 寅さんの人格が内と外で違い過ぎるので「調子良すぎる」なんて意見もありますが、何か私はそれだけ気が抜ける場所があるってのはいいなあなんて羨んだりしたんですけど。しかししっかり者のさくらってのはこの作品ではとっても魅力的に描かれてますね。まだとっても若いし。シリーズ第18作。京マチ子、檀ふみ共演。

山田洋次監督。1976年日本映画。

1989年12月13日 (水)

征服されざる人々 (1948)

征服されざる人々 アメリカの独立前、インディアンと戦いながら開拓を行った人々と、インディアンに武器を横流しする悪党、奴隷として流れて来た女が繰り広げるスペクタクル・アクション・ラブロマンス西部劇。

 開拓者の方が侵略者であるというのは現代の常識なので、この開拓者をよいしょした作品がピント外れな部分があるのは目をつぶろう。そうするととってもストレートな恋愛アクション西部劇が見えてくる。

 死刑囚の恩赦で開拓地へ奴隷として流れて来た女(ポーレット・ゴダード)と、それを悪党から助ける男(ゲイリー・クーパー)。このクーパーくんのかっこ良さといえば格別で、これなら助けられた女もころっとまいってしまうなあと感心するのだが二人は離れ離れに。この二人が再会して仲よくなるのがこの作品のひとつのテーマなのだが、なかなかやきもきさせることしきり。

 そのうちこの悪党がインディアンに武器を横流しして反乱を企てていることがわかる。ところが法律ではどうしようもなく、かくしてクーパーのひとり舞台が始まるのである。

 インディアンを蛮族として描いている部分が目につくが、これさえ目をつぶればなかなかの冒険娯楽大作だったのに。さすがのデミル監督もこの時代ではインディアンへの心配りは怠ったみたいです。

セシル・B・デミル監督。1948年アメリカ映画。

1989年12月12日 (火)

怪盗ルビイ (1988)

怪盗ルビイ 気の弱いマザコン青年(真田広之)のマンションの2階に可愛い女の子(小泉今日子)が引っ越して来た。彼女は自分が犯罪者だと言い、青年を泥棒の相棒にしようとするのだが。軽いタッチながら、はらはらどきどきを感じさせてくれた。

 ある種の映画には、悪の道へおいでおいでをするような危険な魅力があるものですが、この映画はまったく逆。つまりあまりにも主演の二人の行動がどんくさいので、見ていてはらはらどきどきばっかりでちっとも爽快感もなく、あんなことなら犯罪なんてやらなきゃいいのになんて気分になるわけです。

 真田広之のマザコン青年は怪演過ぎて見ていて本当にいらいらします。どうしてあんなのに小泉は惚れてしまうのかと、ちょっと変なあと味でした。

 オープニングの東宝マークが目玉焼きになるところは笑えました。

和田誠監督。1988年日本映画。

会社物語 MEMORIES OF YOU (1988)

会社物語 定年を迎えるハナ肇演じるサラリーマンは沈みがち。そんな彼をデートに誘うOLや、若い頃を思い出して会社でジャズ演奏をやろうともちかける仲間たちを描く。

 「BU・SU」の市川準監督作品です。「BU・SU」ではあまりにも散文すぎて正直言って見ててしんどかったのですが、この作品は作り手が慣れてきたのか見る私がコツをつかんだのか率直に楽しむことができました。

 人生に成功、失敗はつきものですが、ほとんどのサラリーマンがこの作品の主人公のような形で定年を迎えるのではないでしょうか? この映画はそんな方たちへの、「御苦労様でした」っていうメッセージです。

 でも私はハナ肇とOLのプラトニックでちょっといいラブストーリーの方に感動してしまいました。

市川準監督。1988年日本映画。

1989年12月10日 (日)

カクテル (1988)

カクテル 兵役あがりの若者(トム・クルーズ)が学歴の問題から就職できず、たまたまみつけたバーの広告からバーテンになる。たちまち人気者になった彼は、大学で学びながら成功を夢見るのだが。落ち込んだ時お勧めのご機嫌ムービー。

 カクテルというと、厳格なルールに従った静かに酒を楽しむヨーロッパスタイルのバーを連想するのだが、これは歌って踊ってのノリノリのアメリカンスタイル。どっちがいいかって論ずるよりも、私はその日の気分によってどっちでも楽しむことができる日本人に生れてきたことを感謝したい。

 で、ストーリーなのだが例によって例のごとく平凡なアメリカンサクセスストーリーかと思いきや、金がだんだん裏目に出るストーリーは最近少なかったのでなんだか新鮮な気分にさせられました。とにかく理屈なしに元気が出るストーリーですので、落ち込んでいる人にはぜひ勧めたいと思います。

ロジャー・ドナルドソン監督。1988年アメリカ映画。

1989年12月 9日 (土)

豚小屋 (1969)

豚小屋 中世らしき世界で若者が動物を食らいながらだんだん人肉を食べるようになるストーリーと、現代の金持の息子が婚約者でなく豚と関係を持つようになり破滅していくまでを交互に描いたすごい映画。

 パゾリーニ監督っていえば、私が高校生の時に恋人(しかも男性の)に惨殺されたってことで話題になった。しかもその頃上映されていたのがサド・マゾ映画で賛否両論だった「ソドムの市」だったってことで、興味だけはものすごくあった。

 そんなこんなで10年以上経って、初めて見たパゾリーニ作品がこの豚小屋。劇中にはカルバニズムとか獣姦とかがごく日常的な流れの中に描かれていて面食らってしまった。

 現代劇の方の、なぜ青年が獣姦に走ったのかってのは見ていてもよくわからなかったが、中世の青年が最初に蝶を食べ(しかもとても美しいあげは蝶を)、それが蛇から人間にエスカレートしていく様子は何かブラックユーモアを見ているような気分にさせられた。

 この映画のメッセージやら何やらは私にはまったくわからなかったのだが、思ったよりさらっとした印象だったことを書いておきたい。

ピエル・パオロ・パゾリーニ監督。1969年イタリア=フランス合作。

1989年12月 7日 (木)

ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎音頭 (1988)

ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎音頭 不良高校生のはちゃめちゃな生きかたとアクションを描いたシリーズ第5作。今回はレギュラーのヒロシ(清水宏次朗)が警察にぱくられたという設定の異色作。各校の下っぱを集めたグループと対決する。

 たぶんスケジュールの都合か何かだろうけど、清水くんが登場しないビーバップです。いなくてもいないなりの作品を作ってしまうところがすごいなと思いました。特になかま(仲村トオル)くんがピンチになった時など、ここでヒロシが登場するのかななどと思ってしまうのが、私の心の弱い部分でしょう。

 アイドルの立花理佐が鬼姫(!?) ちょっと考えられない配役です。

那須博之監督。1988年日本映画。

1989年12月 6日 (水)

悪の決算 (1955)

悪の決算 除隊後する事がなくなった男(イヴ・モンタン)が、ひょんな事から手に入れたダイヤモンドの原石を手にアフリカのとある独立国に流れつく。そこのホテルの娘(マリア・フェリックス)と恋仲になるのだが… 男の友情を軸にしたハードボイルド。

 この映画で最初から最後まで感じたのは、舞台となるアフリカのホテルの居心地の悪さ。これは主人公の置かれた境遇と同じなのかなあと思ってしまった。そんな中で恋におちる二人と、ダイヤを取り戻しに来た元ドイツ兵の熱いやりとりが描かれる。この3人の運命はまだ見てない人のために書かないが、十分に余韻となって心に残った。

 そうそう、ゲルト・フレーベとクルト・ユルゲンスが劇中顔を合わせてドイツを懐かしがったりするシーンがあるけど、それ見てどっちも007の悪役じゃないかと笑ってしまいました。参考までにゲルト・フレーベは007ゴールドフィンガーのゴールドフィンガー役。クルト・ユルゲンスは007私を愛したスパイで世界を破滅させようとする海運王の役で出ています。

 もひとつウンチクしますと、監督のイヴ・シアンピは岸恵子の元だんな様で、ふたりの間に生れたのがちょっと前に富士通FMRの宣伝に出て「ニホンゴ・トクイ」と言っていたデルフィーヌ・マイコ・シアンピさんです。

イヴ・シャンピ監督。1955年フランス映画。

1989年12月 5日 (火)

最後のアドレス (1969)

最後のアドレス 過去を持つベテラン刑事(リノ・ヴァンチュラ)が、ギャングのボスを有罪にするための証人を探す仕事につく。危険を恐れて身を隠してる証人を救う任務だったのだが。前半は推理サスペンス、後半はヒューマンな香りがする力作。

 ちょっと見には中堅やくざのヴァンチュラがすっごいヒューマンな刑事で登場してて面白かった。どうも映画に出て来る刑事ってのは荒っぽいってのが相場だのに、少年の鳩を探してあげたり、コンビを組まされた女性保護司(?)(マルレーヌ・ジョベール)をいやな顔ひとつせずに迎え入れたり。あげくに中盤でギャングの一味に袋だたきにされながらもほとんど抵抗などせず、スーパーマン的な活躍がまったくなかったのに映画が終わって「ああ、いい刑事だな」なんて気分にさせられた。

 もちろん証人を探していく手順はあたかもゲームのように描かれて、娯楽作品としてもたっぷり楽しめます。

ジョゼ・ジョヴァンニ監督。1969年フランス映画。

1989年12月 4日 (月)

嫉妬 (1971)

嫉妬 夫が突然、見ず知らずの女性(浅丘ルリ子湖)と心中事件を起こし、夫は死ぬが相手の女は生き残る。激しい憎悪を感じた妻(岩下志麻)は、生き残った女がママをするスナックへ身分を偽って勤める。女の対決が恐ろしい問題作。

 志麻さんもルリ子さんも、目がこわかった。男の嫉妬は女へ、女の嫉妬もまた女へ向けられるというくだりは面白かったが、全般的に11PMあたりに出ている藤本義一さんが解説してるような気分になって没頭できなかった。時々、ばーんと画面が変ってびっくりさせられたんだけど。

貞永方久監督。1971年日本映画。

1989年12月 3日 (日)

狼の賭け (1969)

狼の賭け デリンジャーと名乗るギャング男のボス(ロベール・オッセン)と、それを追うパリ警察の警部(シャルル・アズナヴール)。実は二人は幼なじみだった。この二人の感傷とアクションをたっぷりてんこ盛りにした作品。

 幼なじみが警察と泥棒になって追いかけあうってのは、最近見た香港映画の「九龍の狼」ってのを思い出しました。

 アクションシーンも多く、フランス映画にしてはタッチも軽く楽しめます。難を言えば、どうしてデリンジャーはギャングになってしまったのかってのがよくわからなかった。例えば「九龍の狼」では二人はボートピープルで、生活苦から泥棒に拾われた子供が成人して怪盗になるってのはよくわかるんだけど、この映画の二人は不自由なく暮してたように思えるんだけどなあ。

セルジオ・ゴッビ監督。1969年フランス映画。

1989年12月 2日 (土)

ラストタンゴ・イン・パリ (1972)

ラストタンゴ・イン・パリ アメリカ人の中年男(マーロン・ブランド)と若い女性(マリア・シュナイダー)が、借りようとしたアパートの下見ではち合わせになり、何かにとりつかれたようにお互いの体を求める。芸術かわいせつかで話題になった問題作。

 世の中のしがらみにまったく流されない愛ってのは永遠のテーマだと思うけど、この作品がちょっと違うのは愛情がお互いの肉体を中心に動いている点です。当時はこの内容で十分にセンセーショナルだったそうですが、今見ても特に感じるものはなく、時代は進んだのかなあ、などと思ってしまいました。

ベルナルド・ベルトルッチ監督。1972年イタリア=フランス合作。

1989年12月 1日 (金)

掘った奪った逃げた (1979)

掘った奪った逃げた フランスはニースで地下にトンネルを堀り銀行の金庫から40億の金塊を盗んだという怪盗スパジャリ(フランシス・ユステール)の手記を元にした実話の映画化。ちょっと見る人のモラルを刺激する危険な臭いがあった。

 角川映画が大薮晴彦をプッシュした時に、「現代を挑発する危険な作家」というコピーがあったけど、この映画はまさにそれ。平和をたいくつとする人達が、自分たちの生きる場所をみつけるためにトンネルをほる姿には共感を覚えてしまった。

 しかも彼らには既製のモラルなんてものはかけらもなく、財産を失った者たちを尻目に「武器も憎しみもなく」なんて金庫室に落書きをして出て行く始末。それに金庫室でのかれらのはしゃぎ方も、ちょっと挑発を感じました。私も頑張って犯罪に走らないように努力したいと思います。

 ラストで「貧乏人には貸し金庫は持てないよ」なんて通行人が話すシーンがあったけど、そんなの金庫泥棒の言い分けにはならんぞ!

ジョゼ・ジョヴァンニ監督。1979年フランス映画。

1989年11月27日 (月)

嵐が丘 (1939)

嵐が丘 嵐が丘は70年にも映画化されているが、これは原作にかなり忠実な正統派作品。高校生の頃、複雑な登場人物を理解するために家系図を書きながら、前後2冊の原作を読んだのが思い出されるが、これはその長編のエッセンスを見事に1時間半に凝縮している。ワイルドな魅力のヒースクリフにローレンス・オリビエ、青白い貴族にデビッド・ニーブンってキャスティングもイメージぴったり。難を言えばラストがあまりにあっけなかったような気がする。

ウィリアム・ワイラー監督。1939年アメリカ映画。

アイアン・イーグル (1986)

アイアン・イーグル アメリカのジェット戦闘機が撃墜され、乗っていたパイロットが捕虜になった。軍隊は何もせず、パイロットの高校生の息子(ジェイソン・ゲドリック)と退役軍人(ルイス・ゴセット・Jr)の二人が救出に向うのだが。ほとんどTVゲーム感覚のノリの戦争映画。

 捕虜になって三日後に処刑が決ったパパを救うために、高校生と退役軍人のふたりがF16をかっぱらって1戦交えるというとんでもないストーリー。でも考えて見ると、昔我々が見ていたマンガってのもこういう内容が多かったなあ。

 しかし、しかしだぜ、主人公の高校生がヘッドホンでロックを聴きながら戦闘し、音楽がないとリズムが狂って弾があたらないなんてどーゆー設定だ。しかも彼は暇さえあれば基地のシミュレーターばっかり乗ってて実戦経験はまるでないというのに強いのなんの!

 ルイス・ゴセット・Jrの「戦争でばらばらに砕け散ったやつらのことを考えたことがあるのか!」という叫びも、この後半では砕け散ってしまった。

シドニー・J・フューリー監督。1986年アメリカ映画。

1989年11月26日 (日)

狼どもの報酬 (1972)

狼どもの報酬 宝石泥棒(ミシェル・コンスタンタン)が刑務所を出所する。隠した宝石のありかを求めて、警察や他のギャングや泥棒の妻(ミレイユ・ダルク)やらが暗躍するが… どこか抜けた連中ばかり登場するフランス喜劇。ラストの二転三転も楽しめた。

 学生が作った8ミリ映画のノリです。特にフランス人の演じる「ヘンなヤツ」というのは、ミョーに説得力があってこあい。

ジョルジュ・ロートネル監督。1972年フランス映画。

1989年11月25日 (土)

告発の行方 (1988)

告発の行方 酒場で少女(ジョディ・フォスター)がレイプされる。少女は私生活に問題があり裁判にも勝てそうにない。しかし彼女と気持ちを通わせた女性検事(ケリー・マクギリス)が事件を追及する。セクシャル・ハラスメントという言葉を世に知らしめた問題作。

 レイプ事件に関しては、同意か暴行かを証明するのは難しいと言われます。暴行を受けたりしながら快感を得る人もいるのでと言えば当然ですが、この映画を見て証明よりも何よりも画面を見て心にこみあげて来た感情がやっぱ一番大切だな、なんて考えてました。

 この映画の後半ではまわりでレイプをはやしたてた男たちを有罪とするかどうかが描かれます。ちょっとはたで聞くと、はやしたてただけで有罪なんて絶対におかしいと言う人もいるでしょうが、そんな人はこの映画を見てどう感じるのでしょうか? ちょっと極端な描きかたをされてるきらいもありますが、劇中ジョディが車をぶつけるおっさんは十分に罪を感じさせてくれます。

 自分の彼女がこんな目にあわされたら… こういう想像が一番怖いですね。

ジョナサン・カプラン監督。1988年アメリカ映画。

1989年11月22日 (水)

ブーベの恋人 (1963)

ブーベの恋人 戦時中のイタリアの片田舎。農村の娘(クラウディア・カルディナーレ)が、パルチザンの青年(ジョージ・チャキリス)に惚れるが彼は冷たいふり。しかし突然プロポーズに来た彼は事業のために去り、殺人を犯してしまう。ラストが胸しめつけられるラブストーリー。

 なんてったってクラウディア・カルディナーレの農村の娘がめちゃめちゃいい。あんな女の子にあれだけ思われながら無骨に無愛想にふるまうジョージ・チャキリスに、めちゃめちゃ腹が立った。

 それに音楽も憎い。どこかで聴いたようなあの音楽は郷愁を誘うし、余計に映画をセンチメンタルなものに見せてしまうみたいだ。

 純愛、純愛ってブームで騒いでるけど、この作品の純愛には足元にもおよばないだろうなあ。

ルイジ・コメンチーニ監督。1963年イタリア=フランス合作。

1989年11月21日 (火)

ゴールデン・チャイルド (1986)

ゴールデン・チャイルド 1000年に1度生れてこの世を救うというゴールデン・チャイルドが邪教集団に誘拐された。彼を救えるのは、選ばれし者(エディ・マフィー)だけだった。マフィーと怪物がタメをはるファンタジックアクション喜劇。

 「伝説によると…」で始まる映画はあんまり好きくないのだ。なぜなら、その伝説のとうりになっちまっておしまいだから。やっぱマーフィは型にはめられるよりも、もっと偶然の成行きでゴールデン・チャイルドを救って欲しかったなって思った。

 しかしマーフィとクリーチャー。この取り合せはマッチしてるのかミスマッチなのかしばし悩んでしまった。特に二人が対決中の英語のスラングが聞き取れたら面白さは倍増したのではないかと悔まれてならない。

マイケル・リッチー監督。1986年アメリカ映画。

1989年11月20日 (月)

異母兄弟 (1957)

異母兄弟 恐ろしい映画でした。どう考えてもわがままで非人道的な父親(三國連太郎)がとりしきるこの家庭の雰囲気は地獄そのもので、息がつまりそうです。しかも、その家族の救済処置というのがなく、家を出れば非国民というレッテルが待っている。長男と次男が父親の性格をそのまま次いでいるのがまた不気味でした。悲劇はこうやって世の中に広まって行くのでしょうか。

家城巳代治監督。1957年日本映画。

1989年11月19日 (日)

浜辺の女 (1947)

浜辺の女 浜辺でたたずむ女(ジョーン・ベネット)に声をかけたことから、その軍人(ロバート・ライアン)は彼女と夫の盲目の画家と親しくなる。しかし彼女は画家との過去に縛られ、画家は過去に描いた絵に縛られていた。人間関係の複雑さを描いた問題作。

 ナチに追われてフランスからアメリカへ亡命したルノワールがアメリカで撮った1本。しかし夫婦の関係をかなり掘り下げて描いたためアメリカの社会情勢に合わず、ほとんどの部分を取り直した作品とのことである。

 私はこういったラブストーリーを見ると、必ずヒーロー・ヒロインの影に埋もれていってしまった人たちのことを考えてしまう。たとえば主人公の軍人の結婚を誓い合った恋人。主人公の心が離れてしまったのに、無理に結婚するのは確かにかわいそう。でも、この女性のことをあまり考えていない主人公の行動が腹立たしい。それに画家も、目が見えなくなってしまってから心のよりどころとしていた妻を失ってどうなってしまうのだろうか? もちろん、この妻と絵の束縛から彼が開放されるのがこの映画のテーマなのだが、どうも私の頭の中ではしっくりこなかった。一度失ってしまった愛情を再び取り戻すのは不可能なのだろうか?

ジャン・ルノワール監督。1947年アメリカ映画。

1989年11月16日 (木)

デッドラインUSA (大都会の牙) (1952)

デッドラインUSA 名門の新聞社、ザ・デイ誌がオーナーの世代交代から売却されようとする。編集長のハンフリー・ボガードは犯罪組織のボスを追うことで、売却を防ごうとするのだが。新聞の社会に果たす役割を描いた傑作。

 新聞社が舞台のサスペンスタッチの人間ドラマである。ザ・デイ誌の創業者が死んでしまい、できの悪い(らしい)娘たちは新聞なんかよりももうかる事業があるとそそのかされて会社を売払ってしまおうとする。ところが売却先で「ザ・デイ」誌は消滅してしまうことがわかり、ボガードの編集長以下は犯罪組織を告発することで世論を味方につけ売却を防ごうと動きまわる。

 仕事オンリーで家族を省みないため離婚してしまった妻とボガードのからみも盛り込まれるが、それよりも感心したのは死んだ創業者の妻であるおばあちゃんとボガードの関係。最初は会社の売却に賛成していたけど、創業した夫の気持ちを思い出しだんだんボガードの味方へとなっていく。もちろん創業者も仕事一筋で彼女とは離婚寸前まで行った仲なので、ボガードの気持ちはよくわかっている。

 ボガードがジョークで「俺と結婚してくれ」と言い、彼女が「あんた若すぎるよ」と言うシーンがあったけど、そこでじーんと感動してしまった。

リチャード・ブルックス監督。1952年アメリカ映画。

1989年11月13日 (月)

ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 (1966)

ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 兄を探す弟と不良学生、金庫破りたち(宝田明、水野久美、平田昭彦、他)がひょんなことからヨットで漂流し、流れついたのは怪獣「エビラ」に守られた秘密組織「紅い竹」の基地だった。孤島が舞台のゴジラシリーズ中異色の怪獣映画。

 モスラをあやつる小人がザ・ピーナッツでない(ペア・バンビ)とか、監督が本多猪四郎じゃないとか、音楽が伊福部昭じゃないとかいろんな意味でいつものゴジラじゃないなあって思わせる作品。でも、佐藤勝の音楽は適度に軽くて南国っぽくて伊福部さんのステーキのような音楽を聞き慣れている耳には新鮮でいいみたいです。

 子供の時に映画館でこの作品を見て、エビラの巨大なハサミ(こいつはオマールエビラか?)が画面いっぱいにざんぶらこと水中から出て来るシーンが印象的だったんだけど、その迫力はTVで見てもなかなかのものでした。

福田純監督。1966年日本映画。

1989年11月12日 (日)

ブロードキャスト・ニュース (1987)

ブロードキャスト・ニュース ニュースキャスターとディレクターの男二人(ウィリアム・ハート、アルバート・ブルックス)と女ひとり(ホリー・ハンター)が主人公の物語。キャスターになりたてのハートは先輩の女性ディレクターの迫力ある仕事っぷりにひかれるのだが..ニュースを見る目が変りました。

 ニュース番組の舞台裏を描いたドラマです。頭がいいんだけど、頭の回転が早すぎてまわりに当り散らす女性ディレクターが主人公。それをとりまく二人の男がほのぼのといい味を出してます。しかし、本当に頭のいい人ってのか要領のいい人ってのは他人に自分を合わせる能力ってのも持ってるはずなんですけど...

ジェームズ・L・ブルックス監督。1987年アメリカ映画。

バトルヒーター (1989)

バトルヒーター 貧乏アパートに住む若者(パッパラー河合)が拾った「こたつ」を部屋へ持ち込みやっとこれで冬が越せると安心するのだが… 「こたつ」は巨大化して人間を喰べはじめる。すばらしいコメディになる要素があるんだけどなあ。

 ギャグもきいているんだけど、いまひとつテンポというのか間の取りかたが悪くて笑えない。コメディって難しいのです。

 ただ電気をいただいたこたつが元気になって全身をどっくんどっくんさせて喜ぶシーンなどは、クローネンバーグ監督の「ヴィデオドローム」を思い出してくすりと笑ってしまいました。

 ヒロインの奥貫薫ちゃんは、KDDのコマーシャルで空港で泣きじゃくる女の子です。個性的な顔だちなので、最初の登場シーンでは「なんだ、こいつ!?」なんて思ったけど、映画が進むにつれてなかなか可愛くて気になる女の子になってしまいました。

飯田譲治、川島透共同監督。1989年日本映画。

1989年11月11日 (土)

不思議惑星 キン・ザ・ザ (1986)

不思議惑星 キン・ザ・ザ モスクワに住む30代後半ぐらいの男(エブゲーニ・レオノフ)と学生(スタニスラフ・リュプシン)が、街角で宇宙人と称する男の機械を触ったために砂の惑星キン・ザ・ザへワープしてしまう。地球へ戻ろうとふたりは苦闘するのだが。すごいセンスのSFコメディ!

 最近、「ぼのぼの」とか「流行るんです」とかニュータイプのギャグが流行ってますが、この作品も見る人を選ぶというか・・・とにかく言葉では表現できない、わき出て来るようなおかしさを持った作品です。

 主人公の男性と学生らしき男は、ひょんなことから砂の惑星に流れついてしまう。そしてその星の住人とのやりとりがこの映画のメインです。学生は知ったかぶりをしていろんな国の言葉で話しかけるのだが結局ロシア語が通じたというくだりが楽しい。登場人物はみ?んなロシア語を話すのだが、学生が先にロシア語以外の言葉ばっかで話しかけるから混乱してしまうわけです。

 人種差別問題をほのめかしたり、広大な砂漠にほとんど文明の施設がなかったり、ただのマッチが異常な価値を持っていたりとちょっぴりソビエトの現状を皮肉ったりしながらも笑わせてくれます。

 吊り鐘のような飛行機(?)の飛ぶSFXもリアルでいいですね。あの今にも壊れそうなきしみ音をあげながら飛ぶところも楽しい。

ゲオルギー・ダネリア監督。1986年ソビエト映画。

1989年11月 9日 (木)

女たちの庭 (1967)

no jacket image 東京の呉服屋が舞台。前半は両親が勧めるひとりの男をめぐっての姉妹(生田悦子、倍賞千恵子)のかけひき。後半は母親の秘密を知った妹が佐賀へ行き、自分の出生の秘密を知る。「わかっていることは口にしない」という言葉が印象的。

 男に理想が高くぶっきらぼうな姉と、情熱家の妹が主人公。両親はもちろん姉に先に嫁に行ってもらいたいんだけど、本人はその気はまったくなし。親の友人がつれてきた男性(山口崇)と姉をくっつけようと家族ぐるみで努力するのだが、結局彼を気に入っているのは妹のほうで、なんとか姉もまるめこもうとする妹がコミカルで前半の見せ場。

 ところが親戚の死からある事件が持ち上がり、妹は佐賀へ旅をすることになる。そこで妹は自分の出生の秘密を知り、叔母(岡田茉莉子)をといつめるのだが、「わかっていることは口に出すべきではない」と言われる。

 いろんな人物が出て来ますが、小沢さんの演じるがんこ親父がいっちゃん面白かったですね。常に家族にがみがみばかり言って、わがままで...父親は弱くなったなんて言われますが、こんな父親ならいらない。でも何かおかしな魅力があります。小津監督の「彼岸花」のわがまま親父を思い出しました。

野村芳太郎監督。1967年日本映画。

1989年11月 8日 (水)

河内カルメン (1966)

河内カルメン 生駒の山奥で育った少女(野川由美子)が、ある事件をきっかけに大阪市内へ出て持ち前の美貌で男性遍歴を繰り返しながら力強く生きていく。映像も面白くまたギターの名曲が散りばめられて不思議な雰囲気に仕上がっている。

 オープニングから、自転車に乗る野川さんのお尻のアップで笑わされました。鈴木監督の作品ってのは、ツィゴイネルワイゼンもそうだったんだけどさりげないいやらしさ(?)みたいなのが多いですね。

 今では生駒と大阪なんて目と鼻の先の距離なんだけど、この時代では大阪に出ていくってのがずいぶん大変な事みたいに描かれているのが面白かった。生駒があまりに田舎なのでびっくりもしました。

 で、大阪に出た野川さんが変なおっさんと同棲したり、初恋の男性と再会したりで大忙し。モデルにしてやると言われて住み込んだ家の女主人がレズで迫られる場面などは大笑いでしたけど。そして数々の男性経験を生活の肥(?)として強く生きていく野川さんがなかなか魅力的でした。とは言っても、この人を彼女にしたいかときかれたら「ノー」と答えてしまうのが男の身勝手なところですけどね。

鈴木清順監督。1966年日本映画。

1989年11月 7日 (火)

結婚しない女 (1977)

no jacket image 突然の夫の浮気と家庭の崩壊に、自分を失ってしまう妻(ジル・クレイバーグ)。しかしひとりの女性として目覚めた彼女は、手をさしのべてくれた画家と手を取って生きていこうとする。社会現象にもなったコンセプト・ムービー。

 原題の意味からしても「結婚していない女」というのが本当でしょう。この映画の女性の生きかたですけど、結構共感を感じながら見ました。最愛の夫に逃げられた気持ちってのもよく出てますし、新しい恋人の芸術家せんせいとも一筋縄でいかないところがよろしい。

 しかもこの主人公の住むアパートがホールのように広く夜景キラキラの絶景だったり、ラストで大きなキャンバスを「プレゼントだよ」ってぽーんと渡されて、タクシーにも乗せることができずにとほうに暮れながらも幸せいっぱいのシーンなんて、なかなかおっしゃれでした。

ポール・マザースキー監督。1977年アメリカ映画。

1989年11月 5日 (日)

キング・オブ・デストロイヤー コナンPART2 (1984)

キング・オブ・デストロイヤー 太古の地球。愛する者を失ったコナン(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、彼女が生き返るという条件で神の牙を探す危険な旅へと出発する。シュワさんはまり役のファンタジー巨編。ラストはちょっとした感銘を受けました。

 シュワさんの肉体が違和感なく溶け込むのはやっぱファンタジーの世界だなあ、なんて思いました。魔法使いの城から巨大なクリーチャーまでSFXもたっぷりと楽しませてくれますし、コナンと一緒に旅をする女王もちょっとロリコンっぽくてめちゃ可愛い。

 しかしこの映画のラスト、一緒にパーティ?を組んだ連中がみんな女王の家来になって、コナンも王になってこの国に残るのかと思いきや.. この条件を振り切ってまた旅に出るコナンの死んだ恋人に寄せる思いの強さにはめちゃめちゃ心を打たれました。

リチャード・フライシャー監督。1984年アメリカ映画。

1989年11月 4日 (土)

マネキン (1987)

マネキン 何をやってもドジばかりの芸術家志望の青年(アンドリュー・マッカーシー)が作った美しい女性のマネキン(キム・キャトラル)が、命を持って動き出した。そして二人は恋に落ち、デパートのディスプレイ作りに大成功する。ちょっとあぶない雰囲気のラブコメディ

 この作品、ちょっと、いやかなりアブナイですよ。芸術家が芸術作品に惚れるのと、それにもっと別の愛情まで抱くのは紙一重なんだなあって思いました。自分が好きな形に作ったマネキンの女性が人間になって深夜のデパートで一緒に遊ぶなんてのはちょっとした男のあこがれなのかもしれないけど、あんまり映画にして人前に披露するあこがれでもないんじゃないだろうかとも思った。何だかセル画にしか愛情を感じないオタクみたいな雰囲気もあって。

 そうそう、このマネキンが人間に化けた時の女優さん、マネキンの方が綺麗だったなんて書くと怒られるかな?

マイケル・ゴットリーブ監督。1987年アメリカ映画。

1989年11月 3日 (金)

怪獣総進撃 (1968)

怪獣総進撃 東宝映画に出演のゴジラ以下11大怪獣が総出演のファンタジー巨編。人類の脅威であった怪獣どもは小笠原の怪獣ランドに集められていたのだが、そこが宇宙人にジャックされ世界を舞台にした攻防戦が始まる。

 怪獣が11種類もいて、各1匹ずつしかいないってのはもう特別天然記念物もんだなあ..なんてつまらない事を考えてしまった。子供の時は夢中になって見た作品なんだけど。

 昔はたくさん怪獣が出て来る作品の方が得した気分になって好きだったけど、今の観賞に耐えるのは怪獣が1匹だけ出て来るリアルな作品だと思いました。

本多猪四郎監督。1968年日本映画。

1989年11月 2日 (木)

友よ静かに死ね (1976)

友よ静かに死ね シトロエンに乗って強盗をするのでシトロエン・ギャングと呼ばれた連中が主人公のアクション。アラン・ドロンが頭にちりちりのパーマをかけて、変った役柄にいどんでいる。

 ドロンのパーマが話題になった映画。最初はちょっと???だったんだけど、見慣れるにつけドロンが若い悪ガキみたいに見えてきて面白かった。何よりもよかったのは、引退した老ギャングの味のある演技と、ドロンのちょっとした気のゆるみからくる悲劇の結末かな... ラストでドロンが恋人に宝石をわたすシーンなど、けしからんと思いつつもちょっと可愛そうだなって思ってしまう不思議な魅力があります。

ジャック・ドレー監督。1976年フランス映画。

1989年11月 1日 (水)

こんにちわ20才 (1964)

こんにちわ20才 2階に下宿させた医学生と娘が結婚するというジンクスを持った家が舞台の青春喜劇。実は母親が目をつけた男性(高橋英樹)を2階に住まわせて結婚へと仕向けているのだが、そうはならないと頑張る吉永小百合さんがコミカル。

 この映画を見ていて、年配の女性が「見合い結婚の愛情は結婚した後からわいてくるものだよ」と言ってたのを思い出しました。

森永健次郎監督。1964年日本映画。

1989年10月31日 (火)

日本任侠道 激突篇 (1975)

no jacket image 昭和初期を舞台に、渡世人の社会と抗争を見応え十分に見せてくれる大作。これだけの顔ぶれ(高倉健、渡辺文雄、大谷直子、北大路欣也、竹下景子、藤山寛美)をそろえながら、ひとりひとりのキャラクターが楽しめるのはすごい。所々入る渡世人の社会の解説も面白い。

 時代劇と同じく任侠映画ってのはワンパターンの作りなんだと思うけど、この作品はオールスターキャストの上、すべての人の演技が楽しめるなかなかの仕上り。

 ストーリーは渡世人の社会の紹介みたいなことから始まって、賭博にからむ人間模様、隣の組との抗争、悲劇と和解と二転、三転してラストの斬り込みへと突入する。筋立てよりも楽しめたのがナレーション入りの解説で、違った世界をかいま見る気分だった。

山下耕作監督。1975年日本映画。

1989年10月30日 (月)

田舎の日曜日 (1984)

田舎の日曜日 パリ郊外の田舎で一人暮らしをする老画家(ルイ・デュクルー)のところへ、息子夫婦と娘が帰って来る。絵画を見るような美しい風景の中で、家族の愛情がふつふつと感じられる傑作。

 まるで動き出したルノワールの名画といった作品です。田舎の風景とかダンスシーン、遊びまくる子供たちのショットなどなど、もうルノアールのパロディ(?)じゃないかと思いたくなるようなシーンの連続でした。

 ストーリーも子供の里帰りとそれを精一杯迎え入れようとする老人との愛情がふつふつと感じられて見応え十分でした。まったく反対のテーマなのですが、ベルイマン監督の一連の作品などと見比べてみるのも面白いかもしれません。

ベルトラン・タヴェルニエ監督。1984年フランス映画。

1989年10月27日 (金)

ブロブ 宇宙からの不明物体 (1988)

ブロブ 宇宙からの不明物体 マックィーン主演の「人喰いアメーバの恐怖」のリメイク。アメリカの片隅にある平和な小さな町に隕石が落下し、中からアメーバ状の生物が現われて人間を襲い始めるスプラッタ怪獣映画。メイクだけは楽しめます。

 前作のマックィーンの人喰いアメーバは実は未見なのですが、今この作品を見るとストーリーは怪物映画の定石で面白くないですね。ただ、スペシャルメイクだけはたっぷりと見せてくれますし、適度にどきどきもさせてくれます。

チャック・ラッセル監督。1988年アメリカ映画。

1989年10月26日 (木)

if もしも… (1969)

if もしも… イギリスの寄宿舎学校。まるで監獄のような厳しさにはみ出したアウトロー3人組(マルコム・マクダウェル他)が、偶然みつけた銃器を乱射する。前半の息苦しさから、起こっても不思議でない事件と感じた。

 学校ってとこは、教師も怖いけど先輩も怖い。学校べっとりの自治会に入って後輩をあごで使ったり、一見厳格な教育の場だが中身は腐り果てている様子を前半はこれでもかと描いている。その寄宿舎学校(カレッジハウス)だが、授業料が高く一部の上流階級の子息しか入れないというのも心にひっかかった。大金払ってこんな監獄に入って、いったいどうなるというのだ?

 後半、革命を叫びながら乱射する3人+1の若者を見て、人ごととは思えなかった。愛のない力は暴力だという。この学校には暴力しかなかったのではないだろうか?

リンゼイ・アンダーソン監督。1969年イギリス映画。

1989年10月23日 (月)

遺書・白い少女

no jacket image 学校にも行かず、ぶらぶら過す少女(桜田淳子)。そんな彼女に手を差し伸べたイラストライターの青年。しかし青年は白血病に冒されていて、必死の看病が始まった。桜田淳子の人気絶頂の頃に作られたメロドラマ。

中村登監督。1976年日本映画。

1989年10月22日 (日)

Let's 豪徳寺! (1987)

Let's 豪徳寺 大富豪、豪徳寺家に住み込みで働くことになった女子大生(三田寛子)の、大学の先生への恋愛を描く。他にも豪徳寺家の奇妙なキャラクターのいろんなエピソードがはさまれるが、かなり散漫。

 ストーリーの軸は三田寛子と離婚した大学教授の恋愛なんだけど、肝心のタイトルにもなった豪徳寺家の大富豪ぶりとか浮世離れした部分がが全然前に出て来なくてつまらなかったなあ。三田寛子はほとんど地に近い役柄でぴったりって感じでした。コミックが原作だと思うんだけど、たぶんかなり長い原作をつめこんで消化不良を起こしたんだと思う。

前田陽一監督。1987年日本映画。

1989年10月16日 (月)

ブラジルから来た少年 (1979)

ブラジルから来た少年 ゲシュタポの生き残り(グレゴリー・ペック)が、150人の人間を密かに抹殺する計画をたてる。計画を知った老刑事(ローレンス・オリヴィエ)が事件を追うのだが、その影には恐ろしい計画が隠されていた。サスペンスタッチのSF映画。

 面白い!映画です。前半のスパイアクションが、だんだんとSF、しかも奇想天外な計画の全貌があきらかになっていく様子が楽しめる。

フランクリン・J・シャフナー監督。1979年イギリス映画。

1989年10月15日 (日)

南へ走れ、海の道を! (1986)

南へ走れ、海の道を! 沖縄でヤクザのけんかに巻き込まれ、殺された弟の敵を討つために行方不明の兄が帰って来た。岩城滉一のキャラクターが光るハードボイルドアクション。

 敵のボスを絶体絶命に追込みながら、そいつの家族団欒の写真をちらっと横目で見て思いとどまり去って行く岩城滉一がよかった。日本でハードボイルドというと、やはり舞台はオキナワかヨコハマになっちまうのかな?

和泉聖治監督。1986年日本映画。

1989年10月14日 (土)

星の王子ニューヨークへ行く (1988)

星の王子ニューヨークへ行く アフリカの某国の王子(エディ・マーフィ)が、結婚相手を親におしつけられた事に反発してニューヨークへ花嫁探しの旅に出る。純粋培養に近い暮しをしていた王子のニューヨークでの行動が笑わせる軽いタッチのラブコメディ。

 トイレさえ一人で入った事のない王子が、どうしてニューヨークまで花嫁を探しに行こうと思い立ったんだろう? そのあたりがいかにもアメリカ的でおかしいのだが、笑えるので許してあげましょう。

ジョン・ランディス監督。1988年アメリカ映画。

1989年10月13日 (金)

サチコの幸 (1976)

サチコの幸 戦後の動乱期、娼婦として生きたサチコ(三浦リカ)の姿を軽いタッチで描く。映画としての仕上りは散々だが、このストーリーはなかなか味がある。このまま埋れてしまうのは惜しい作品である。

 劇画調のカットが時々挿入されていたので、たぶん劇画が原作だと思うのだが資料がなくてよくわからない。しかしよくできた心動かされるストーリーである。主人公のサチコは娼婦と言うにはすれてなく、魅力たっぷりの人物だ。初恋の人との思い出に悩んだり、寺尾聰の求婚を受け入れるが自分がまっとうな暮しができるのだろうかと寺尾の家の軒下からなかなか中へ入れなかったりと、時々はっとさせられるようなシーンが繰り返される。

 しかし、役者の演技力不足からか学芸会的雰囲気になってしまってるのはすごく残念。個人的意見だが主題歌がキライ! (幸子の幸がどこにある?というヒット曲ではありません、念の為) 再映画化してほしい作品です。

武田一成監督。1976年日本映画。

1989年10月12日 (木)

新シャーロック・ホームズ おかしな弟の大冒険 (1975)

新シャーロック・ホームズ おかしな弟の大冒険 ホームズの弟(ジーン・ワイルダー)が登場して大活躍するパロディもの。国家の保安にかかわる機密文書が盗まれてホームズにその調査の依頼が来るのだが、ひょんなことから事件は弟の手に。しかしこいつ、何の苦労も無く事件を…

 正直言って、あんまり面白くなかったです。半分、寝てました。たぶん、吹き替えで見たので微妙なギャグのニュアンスがわからなかったのでしょう。字幕でも一緒ですが。

ジーン・ワイルダー監督。1975年アメリカ映画。

1989年10月11日 (水)

ベスト・キッド (1984)

ベスト・キッド 砂浜で不良に叩きのめされ、カラテで強くなりたいと願う少年(ラルフ・マッチオ)に本当のカラテを教える日系老人(ノリユキ・パット・モリタ)。単なる復讐劇になりそうな題材をうまくまとめて晴れやかな気分にさせてくれる。親日的な雰囲気もいい。

 武道ってのは、力を磨くよりもそれをコントロールする心を磨くのがメインなんですよね。そのあたりをきっちり押えて作ってあるのに好感を持ちました。復讐の場所(?)はカラテ大会というきちんとした場所だし、「なにくそ!」という気持が向上へとつながるというのを再確認した気分です。

 主人公が修業をさせられる日本庭園の雰囲気には「あれぇ」と思いましたが、それでも精一杯こもった作者たちの日本への好意は感じ取る事ができました。

ジョン・G・アヴィルドセン監督。1984年アメリカ映画。

1989年10月 9日 (月)

若い人 (1962)

若い人 高校教師(石原裕次郎)と彼に思いを寄せる女教師(朝丘ルリ子)、不遇な家族環境から逃れるために教師に思いを寄せる女学生(吉永小百合)の三角関係を軸にした青春ドラマ。生徒に教えることはできても、救うことができない教師のあせりが感じられる。

 生徒に勉強を教えることはできても、その生活環境から救ってやることはできない教師のいらだちみたいな事がテーマです。

 調べたらこの作品は3回ほど映画化されているみたいですが、原作には後日談みたいなのもつくみたいで、読んでみたくなりました。

西河克巳監督。1962年日本映画。

1989年10月 7日 (土)

恋人たちの時刻 (1987)

恋人たちの時刻予備校生の男の子(野村宏伸)が、海岸で助けた女の子(河合美智子)を好きになる。しかし、彼女には逃れようともがく過去があった。女の素顔を知っても、盲目的に突っ走る男の心情が胸にせまるものがあった。

 この男の子、とにかくひたすら可愛そうで。気持ち、すっごくわかるんです。好きになってしまったら、一応はまわりは見えなくなるんですけど、何かの拍子に気持ちが吹き出して来るわけです。

 ラストは、本当に胸のつまるものがありました。

澤井信一郎監督。1987年日本映画。

1989年10月 6日 (金)

ロードハウス 孤独の街 (1989)

ロードハウス 孤独の街 荒れ果てた街の荒れ果てた酒場の治安を守るためにやとわれた男(パトリック・スウェイジ)。しかし、その前に立ちふさがったのは街の有力者だった。アメリカ特有の独立組織としての街の犯罪を描いた現代の西部劇。

 アメリカってそれぞれの町(州)が独立しているから、ひとつの町を征服すると好きな事できるみたいな映画が多いですね。これもそんな中の1本。とりたてて新鮮さはなかったのですが、強いて言えば悪役キャラ。これが老人で金の亡者でと言えばぬるま湯につかったやつと相場は決ってるわけですが、いまだにハングリー精神を持ち続けていて、主人公と格闘しながら「君とのバトルは楽しい」なんて言ったりするところが面白かったですね。

ローディ・ヘリントン監督。1989年アメリカ映画。

1989年10月 3日 (火)

怪談かさねが渕 (1957)

怪談かさねが渕 借金を返してもらいに行った盲目のあんまを、侍がちょっとした言葉の行き違いから斬り殺してしまう。ところがあんまの怨みは侍だけでなく親子二代にまでのしかかる。おどろおどろしい怪談時代劇。

 子供の頃、夏になると昼間に怪談ドラマが放映されてましたが、そんな番組を思い出しました。いわゆる四谷怪談のような幽霊復讐物語なのですが、ラストでみんな死んでしまって老人が「あの世ではみんな怨みも何も忘れて仲よく暮せよ」なんていうセリフにじーんときてしまいました。

中川信夫監督。1957年日本映画。

1989年10月 1日 (日)

勝手にしやがれ (1959)

勝手にしやがれ ジャン・ポール・ベルモンド扮するちんぴらの自動車泥棒の、明日をも知れない無軌道な生き方を描く。追われたベルモンドは、警官を射殺してパリへ。ガールフレンド(ジーン・セバーグ)とひと時を過すが、やがて指名手配され...

 ゴダールおよびヌーベルバーグの代表傑作、それにベルモンドの出世作ということで期待したんだけど、映画が観客を選ぶのかどうもしっくりこなかった。理解できたのは、ベルモンドが車を運転している時の前へ前へと出ようとする習性かなあ? でも、それ以外のこの男の無軌道な生き方は私にとっては違った世界の出来事のようだった。

ジャン・リュック・ゴダール監督。1959年フランス映画。

1989年9月29日 (金)

その男、凶暴につき (1989)

その男、凶暴につき コメディアンのビートたけしがバイオレンス刑事役にいどんだ意欲作。麻薬シンジケートを追うたけしがつきとめたのは、旧友の裏切だった。予想もできないラストは面白いが、ちょっとつじつま合わないんじゃない?

 本格的なバイオレンス映画だと思います。さすがフライデー暴力事件を起こしたたけしが監督/主演をつとめるだけあって、暴力とか怒りが何であるかを知っているなあとうならせられました。拳銃を使えば画面が安っぽくなるという日本映画の欠点も、かなり克服されてたと思います。

 ラストのどんでん返しも意外といえばめちゃめちゃ意外なのですが、これ絶対に前半とつじつま合ってないですよ!?

北野武監督。1989年日本映画。

1989年9月28日 (木)

ぼくらの七日間戦争 (1988)

ぼくらの七日間戦争 あまりの校則の厳しさにたまりかねた中学生(宮沢りえ、他)が廃工場にたてこもり、いいかげんな大人たちに戦線布告する。殺伐としたテーマだが、ほのぼのとしたいい味に仕上がっている。

 おかしな校則が一時話題になりましたが、この映画を見てまた自分の学生時代を思い出し、怒りを新たにしました。中学の校則ってのは今思い出しても怒り以外に何も感じません。

 倉田保昭の体育教師がいい。体育教師って怖かったもんなあ。カンフー映画に出ている倉田さんよりも、ここでの倉田さんのほうが私はよっぽど怖かったゾ!

 とまあ殺伐とした事ばかり書いたけど、あと味の悪そうなこのテーマにこのラストは絶妙な取り合せで、明るいおとぎ話になってました。

菅原比呂志監督。1988年日本映画。

1989年9月26日 (火)

薄化粧 (1985)

薄化粧 四国で妻と息子、あと二人を殺して逃げた男(緒形拳)を描いた、実話の映画化。殺人犯が求めていたのは本当にいい女だったというのはちょっと理解しがたかったが、憎い奴はすきを見て殺せというセリフが耳に残った。

 冒頭はストーリーの中盤から始まる。それから過去と未来を交互に見せていく流れだが、これがなかなか効果を上げていて面白く二時間半の放映時間がものすごく短く感じられた。

 というわけで、しょっぱなの殺人シーンや緒形が蛇のような目をして警察と睨み合っている場面などはどうも説明不足でついて行けないなあと思っていたのだが、彼が脱走して中部地方の建設現場でたんかを切るシーンに、何かものすごい共感を覚えて以降の緒方の行動が「うん、わかる、わかる」になった。同僚の男は、いつも仲間にいじめられてばかりだ。その男がまたも賭博でいかさまをしたといんねんをつけられ、殴り倒される。泣きながら緒形の前に転がった男に、彼は「泣くな、じっと辛抱して待てば、いつかきっと殺れる」と説くのだ。

 ラストはこの流れが「やつはまだいい女に会った事がない。やつが求めているのは本当にいい女なんだ」というふうに変って行くが、私はこの「殺れる」というセリフ以上には感じるものがなかった。私も本当にいい女ってのは出会ったことがないのかなあ?

五社英雄監督。1985年日本映画。

1989年9月21日 (木)

インディ・ジョーンズ 最後の聖戦 (1989)

インディ・ジョーンズ 最後の聖戦 行方不明になった父(ショーン・コネリー)とその研究対象だった聖杯を求めて、ジョーンズ教授(ハリソン・フォード)はベニスからドイツへ。コミカルな父とジョーンズの珍道中を、アクションたっぷりに描く。

 今回のインディ・ジョーンズはショーン・コネリーを意識したのかまったく007のノリです。迫り来る危機また危機を、ウィットにとんだギャグで切り抜ける点とか、思わぬ現地人の協力、アクションの流れなどなど作品全体が007のパロディなのかなあ、なんて思ってしまった。

 ただ、私は個人的にちょっと退屈でした。アクションが無いシーンは見ていてもあんまり面白くなく、アクションが始まっても何かだらだらと続いてちょっとだれる。もっと、メリハリが欲しいななんて考えてしまいました。

 コネリーのどんくさいパパ役はかあいくてマルです。ジョーンズの少年時代(リヴァー・フェニックス)、家庭環境、あごに傷がある理由、蛇が嫌いな理由などなど、シリーズをずっと見ている人にはニヤリとさせられるシーンもいっぱいあります。

 ところで、このシリーズってかなり残酷だったんですね。この作品を見て、今更ながらに気付きました。

スティーヴン・スピルバーグ監督。1989年アメリカ映画。

1989年9月20日 (水)

吼えろ鉄拳 (1981)

吼えろ鉄拳 ある運命でアメリカで育てられていた男(真田広之)が、実の家族の存在と兄の失踪を知って日本へ帰って来る。そこには、盲目の姉と麻薬とダイヤで私腹を肥そうとする叔父が待っていた。劇画タッチのアクション映画。

 すべてが劇画タッチであり、またTV的でもある。ストーリーはいわゆる復讐ものとカラテ映画の定石で新鮮さはないが、ゲストのプロレスのアブドラ・ザ・ブッチャーくんの登場とかなんともふざけたギャグの数々、それに現実味をカットしたマンガチックなセットなど、B級映画の要素がなかなかつまっていて楽しい。

 ところで、これもゲストで登場していた千葉真一さんはこれからいったいどこへ行くんだろう? 外見の貫禄はついてきたんだけど、「俺は国際警察の麻薬捜査官だ!」というセリフがどうにも子供がごっこ遊びをしているように見えて仕方なかったんだけど。

鈴木則文監督。1981年日本映画。

1989年9月19日 (火)

個人教授 (1968)

個人教授 ハイスクールの学生(ルノー・ヴェルレー)が、美しい25才の女性(ナタリー・ドロン)と知り合い、恋に落ちる。彼女にはレーサーで同棲中の男がいた。若い日の年上の女性への恋を感傷的に描いた一編。音楽もすばらしい。

 これ、映画を感じさせてくれる映画ですね。ペダル式バイクに乗った主人公が憧れるのはカウンタックに乗ったレーサー。ある日いつものようにそのカウンタックをみつけると、中に乗っていたのは美しい女性。こんなオープニングから、ペダルバイクの二人乗り。スキー場でのアバンチュール。そして女性とレーサーの言葉の一致にショックを受け、夢から醒めるように去って行く彼。濡れた窓からじっと見つめる女性。

 子供の頃あこがれた、中性的な魅力を持った年上の女性。そんなのをふと思い出したりしました。音楽も美しく、酔える映画です。

ミシェル・ボワロン監督。1968年フランス映画。

1989年9月18日 (月)

最後の戦い (1983)

最後の戦い 最終戦争を思わせる廃虚。数少ない女をめぐっての男どもの最後の戦いをモノクロ、無声スタイルで描く。実験映画風だがストーリーがわかりやすく面白い。

 なぜみんなしゃべらないのかという疑問には最後まで誰も答えてくれなかったが、ストーリーもわかりやすくこの手の映画を見慣れない私でも楽しむことができた。

 廃虚の中の、ぽかんとした空間でひとりの男(ピエール・ジョリヴェ)が住んでいる。部屋のすみにはモーターグライダー。ダッチワイフが壊れる。カメラが引くと、外は一面の砂漠。生き残ったのは彼だけかと思いきや、他の集団がいる。前半は男ばかりで、ひとりの女も登場しない。おかしな映画だと思っていると、後半にひとりの女が牢屋のようなところにとじ込められている。なぜとじ込められているかは説明されない。そのうち、その女をめぐっての戦いが始まる。

 一見女性賛美に見えるが、裏返すとこの状況下では女なら誰でもよくなるという恐ろしさを秘めている。SF映画でもフランスが作るとひと味違うなと感心した。

リュック・ベッソン監督。1983年フランス映画。

1989年9月14日 (木)

夜汽車 (1987)

夜汽車 親に死別して別れ別れになった兄弟(十朱幸代、秋吉久美子)が、15年ぶりに再会する。昭和初期の高知を舞台に、ある男をめぐる姉妹の愛と憎しみを描いた大河ドラマ。

 不幸のつるべ落とし的暗い作品ですが、どっしりとした見ごたえがありました。幼い時に両親と死に別れ、父親の借金のせいで姉は芸者に、妹は里子に出されるのだが、15年ぶりに再会する。姉は妹がまともな結婚ができるように仕事をがんばるのだが、その姉が愛した男のために姉妹の歯車が狂ってしまうというストーリーです。

 男ってのはこの手の映画ではとかく飲む打つ買うのワンパターンで描かれがちですが、ここでの萩原健一はそんな中にもある種の筋をとおす優しさがみえ隠れして好きです。

山下耕作監督。1987年日本映画。

1989年9月12日 (火)

ダーティ・ダンシング (1987)

ダーティ・ダンシング リゾートホテルに休暇にやって来た両親と姉妹。妹はホテルのダンサーたちとつきあうのだが、子供だと相手にしてくれない。そして体ごとダンスの世界へ飛び込んで行く。ドラマも骨太で最高のミュージカル。

 久しぶりに3重丸をつけたくなるミュージカルでした。世間知らずの少女(ジェニファー・グレイ)が、ホテルのダンサーの大人の世界に触れながら成長していくというストーリーです。

 妊娠したダンサーの女性を中絶させるために、父親から金を借りて来るベイビー(少女の愛称)。しかし親にもらって来た金など彼らが受け取るはずもありません。どうしたらみんなの力になれるのかと訴える彼女に、そのダンサーの穴埋めに舞台に立ってくれと言われます。それから彼女の特訓の日々が始まります。

 この後、ダンサーの男性(パトリック・スウェイジ)と彼女は恋愛関係におちるのですが、父親がこの事を知ってからががぜん面白くなります。口では人格者ぶりながら、やはり自分の娘は弁護士や医者と結婚してほしいと願う父。この二人の葛藤ぶりがすばらしい。でもこんないい親父、ちょっといないよなぁ!

エミール・アルドリー監督。1987年アメリカ映画。

1989年9月11日 (月)

デルタ・フォース (1986)

デルタ・フォース 中東で旅客機がゲリラにハイジャックされた。それを追うアメリカの特殊部隊デルタ・フォース(隊長はチャック・ノリス)を描いたアクション巨編。ロケット砲をつけたバイクなどの秘密兵器も活躍する。

 どうもアメリカ軍のエンテベ急襲をヒントにした作品のようだ。場所はベイルートに変えられているが、人質が不良国家に拉致されたり、アメリカ側で帰りの飛行機の中で1名の死者が出たりと先頃見た「サンダーボルト作戦」そっくり。しかしロケットランチャー付きのバイクなど007ばりの秘密兵器の登場、ド派手なアクションシーンで娯楽大作に仕上げられている。

 この場合の軍隊ってのは、完全に警察組織として動いています。目的はただただジャックされて拉致されている人質を救出することのみ。また世情不安で国家ぐるみで犯罪を起こす様子を見ていると、自衛隊廃止をとなえている日本がいかに平和で素晴らしい国なのかと感謝してしまいます。

メナハム・ゴーラン監督。1986年アメリカ映画。

1989年9月10日 (日)

波も涙も暖かい (1959)

波も涙も暖かい 子連れやもめのホテル経営者(フランク・シナトラ)が借金返済のためにカタブツの兄(エドワード・G・ロビンソン)に資金交渉するホームコメディ。人生をエンジョイするシナトラと勤労と節約こそが人間の勤めと信じる兄の対比が面白い。

 主要人物は人生をエンジョイするシナトラ、働き蜂の兄、父を慕ってやまないシナトラの息子、そして兄の勧めでシナトラとの結婚を持ちかけられる美しい未亡人(エレノア・パーカー)。この4人が、争いながらも次第にまとまっていくという典型的ホームコメディです。

 我々の年代になると、このシナトラをだんぜん応援してしまいますね。兄を見ていると、本当に何を楽しみに生きているんだろうと疑問に思わざるをえません。

 そうそう、アメリカにも見合い結婚ってあるんだなあって思いました。

フランク・キャプラ監督。1959年アメリカ映画。

1989年9月 9日 (土)

リトル・ドラマー・ガール (1984)

リトル・ドラマー・ガール ひょんなことからイスラエル情報部の女スパイとして使われることになる女性にダイアン・キートン。女スパイをスーパーガールではなく正常な神経を持った人間として描いた作品。

 この作品、最初でつまづくのは中東事情。このあたりの位置関係がわかってないと、私のようにあれがこうなってと悩んでしまうことになります。このダイアン演じる主人公は演劇学校の生徒。それがスパイらしくないってことで、イスラエル情報部の手先にされてしまします。

 爆弾の取り引きからはじまってゲリラとの交渉などなど、正常な神経では考えられないような出来事が、ダイアンのまわりに小さなラブロマンスを添えながら繰り広げられます。

ジョージ・ロイ・ヒル監督。1984年アメリカ映画。

1989年9月 8日 (金)

世界を賭ける恋 (1959)

世界を賭ける恋 著名な建築家(石原裕次郎)が、快活な娘(朝丘ルリ子)に恋をする。家族に結婚の了承も取り、本人は建築の仕事で3ヵ月のヨーロッパ出張をすることになるのだが.. 前半がたいくつなだけ、ラストが際立つ。

 ストーリーについてはあまり書きたくない作品。というのも、全然知らずに見たがゆえに、感じたものも大きかったように思うからだ。前半はあまりに幸福な日常生活が延々と描かれ、見ているほうには退屈だったのだが。

 この時代の海外ってのは、本当に遠かったのだろうなあって感じました。なんたって国際線がプロペラ機なんですから。中盤は観光映画してますので、30年前のヨーロッパ風景が楽しめます。

滝沢英輔監督。1959年日本映画。

1989年9月 4日 (月)

ツインズ (1988)

ツインズバイオ科学実験で生れた双子の兄弟。弟(アーノルド・シュワルツェネッガー)は筋骨隆々で孤島で学者に育てられるがだが兄(ダニー・デビート)はカス扱いで孤児院へ。兄の存在を知った弟は、兄をさがす旅に出る。シュワさん初のコメディ。

 外見がいかつい男ってのは、案外つきあってみると人あたりがよくて好印象を持ったりする。そんなイメージをこのシュワさんからいっぱい受けました。ちょっと前の彼の作品だったら、バイオ実験で生れて兄は孤児院、弟は南の島で科学者のモルモットになんて設定なら、血まみれの復讐劇になったとこですが、これはせいぜい胸倉をつかみ上げるくらいでおしまい。そのごほうびか、人並以上のしあわせを手に入れるというなかなかしっとりした快作に仕上がっています。

 あれだけ暴れまくって、自動車泥棒の前科もあるのに英雄になってしまうなんて、アメリカってやっぱ脳天気な国だ!

アイヴァン・ライトマン監督。1988年アメリカ映画。

1989年8月24日 (木)

吉原炎上 (1987)

吉原炎上 父親の船が転覆し、遺族の保証金を払うために吉原へ売られた少女(名取裕子)の目を通した人間模様。エロティックな映像と言いたいところだけど、ただただ原色のバックに女性の白い肌が気色悪いだけに感じました。

五社英雄監督。1987年日本映画。

1989年8月23日 (水)

水のないプール (1981)

水のないプール この映画はもしかして、まったく新しいスタイルのラブストーリーなんじゃないだろうか、などと思ってしまいました。もちろん「いけない行為」を中心に話は進んでいるし、女性の方が見られたら嫌悪感を持たれる方も多いとは思いますが、ごくごくノーマルな恋愛のいけない部分を増幅したらこれに近い話にもなるんじゃないだろうかと。

 クロロホルムを使おうと無断で忍び込もうと、結局女性が受け入れてしまったらこれはラブストーリーですよ。

若松孝二監督。1981年日本映画。

1989年8月19日 (土)

火垂るの墓 (1988)

火垂るの墓 戦争中に焼け出された兄弟がいかにして生き、いかにして死んで行ったかを描く反戦アニメーション映画。物質文明から後退する気はないが、たまにはこうして死んでいった人達がいた事を心にとめていたい。

 地味な作品なのであまり話題にならなかったのですが、この映画のメッセージだけはしっかり受け止めておきたいものです。人間がひとりっきりでは生きれない無力な存在であるか。また、現在の物質文明を否定したりする気はまったくありませんが、ぜいたくを楽しんでいる時などに「こういう人たちもいたんだ」ってことをどこか頭の隅にでも残しておきたいものです。

高畑勲監督。1988年日本映画。

1989年8月18日 (金)

来るべき世界 (1936)

来るべき世界 ロンドンの架空の街、エブリタウンが世界戦争を経ていかにして未来都市になっていくかを描くスペクタクルSF。当時の人々が、科学の発展に期待をしていた様子がよくわかる。

 ごく普通の1930年代の風景からスタートするこの映画は、なんと21世紀の科学文明の発達した未来社会までを描き切る。ある意味ではこっけいなシーンも多いが、ウエルズらしい視点の鋭さを感じてどきっとする場面も多かった。

 で、この作品によると第2次世界大戦らしきものがスタートするのはいいんだけど、これがなんと30年以上も続く!!! 60年代、70年代のヨーロッパは荒れ放題で、それを統治して近代社会を築くのが中盤の見せ場になっている。そして未来へ向けての躍動から、ラストの宇宙開発へとつながるのだが、とにかくすべての時代を引張っていくのが科学だというのが興味深い。月ロケットの発射を止めようとする連中が批判的に描かれているが、精神主義への批判に感じられた。

 本当に科学って万能なんだろうかって疑問を持つ私にとっては、何だか複雑な気分にさせられる作品であった。

ウィリアム・キャメロン・メンジーズ監督。1936年イギリス映画。

1989年8月15日 (火)

透明人間 (1933)

透明人間 ウエルズの[透明人間]を原作に忠実に映画化。古い作品だがプリントも美しく、SFXもふんだんで素晴らしい。透明人間の矛盾点をたくみに突いたストーリーが楽しめる。

 考えたらウエルズ原作の正統派透明人間というのは見たことがなかったので、これは掘り出し物の一品であった。原作は子供の頃に読んだのだが、かなり忠実になぞっていたように思う。SFXも透明人間だけではなく、車が崖から落ちたり、列車の脱線転覆シーンがあったりと、当時としてはすごいレベルだったように思う。

 ペンキをぶっかければいいとか、寒くなると息が白くなる、あるいは食事後一時間は食べた物が見える(うっぷ!)から出歩いてはいけないなどなど、超能力に制限があるからストーリーが面白いんだというのをたっぷり楽しませてもらった。

ジェームズ・ホエール監督。1933年アメリカ映画。

1989年8月14日 (月)

遊星よりの物体X (1951)

遊星よりの物体X アラスカの雪原に不時着したUFOの調査団を襲う物体Xとは.. 密室ホラーの要素を持ったSF映画。宇宙人に対する考察が科学的で楽しめた。カーペンター監督によって後におどろおどろしくリメイクされる

 どうしてもカーペンター作品、[遊星からの物体X]と比較してしまうのをお許し下さい。まず、この古い作品の方が恐怖感は少ないが、硬派な作品に仕上がっています。宇宙人は驚異的な繁殖力とすざまじい体力を持っているが、こいつらが世界を征服するという緊迫感がいまひとつ希薄です。

 ただ、科学に対する姿勢みたいなものは、こちらの作品の方がしっかりと感じさせてくれます。宇宙人の正体に対する考察は、私が素人のせいだから楽しめたのかもしれませんが、人命よりも科学優先という一連のSF映画のマッドサイエンチスト像は51年にもう生きていたのかとにやりとしてしまいました。

クリスチャン・ナイビー監督。1951年アメリカ映画。

1989年8月 9日 (水)

TOMORROW 明日 (1988)

TOMORROW 明日 第2次大戦末期、原爆投下前日の長崎の一日を描くドラマ。ごくありふれた日常生活が一瞬にして崩壊するというアイディアは目新しくないが、変に感情に走っていない点がいい。

 死ぬ事の意味を考えさせられる作品です。常に死と背中合せの状態で、人々が何を考えてどういうふうに生きたか。また、死を意識しながらも赤ん坊の誕生を率直に喜び合う姿など、平和な世界から見ると理解しがたい部分があります。

 ただあえて批判を述べると、こういうドラマには必ず赤ん坊の誕生というのがワンパターンで面白くないなあと思います。ドラマとラストの原爆が、率直に結びつかない部分もあります。あの後、何人が生き残り何人が死んだのでしょうか? どういう運命が待っていたのでしょうか?

黒木和雄監督。1988年日本映画。

1989年8月 8日 (火)

男装 (1935)

男装 母が死に、父の賭博の借金のためパリを逃げ出した父娘。娘(キャサリン・ヘプバーン)はまわりをごまかすために男装するのだが、ひょんなことから旅芸人になる。娘の生活環境が変っていく様子がほろ苦い。

 素朴な疑問なんだけど、確かにキャサリンの男装はなかなかの美少年なんだけど、いくらなんでも女と見抜けないはずがないんだけどなあ。

 キャサリンのキャラクターは、だめ親父ゆずりでおてんばでモラルのかけらもないのだが、バイタリティーだけは人一倍。そんな彼女が女性に戻ってからの仕草は、なかなか可愛い。この女の子、両親と別れながら、次第に男性との愛に目覚めていく。その変化がこのちょっとへんてこりんなストーリーを引締めている。

ジョージ・キューカー監督。1935年アメリカ映画。

1989年8月 7日 (月)

ゾンビコップ (1988)

ゾンビコップ 銀行強盗を追ううちに窒息させられ、ゾンビマシンで蘇らされた刑事(トリート・ウィリアムズ)が自分を殺した犯人を追う。タイムリミットは、体が腐ってしまう12時間! しかし死を控えた刑事のこの明るさは何なんだ?!

 タイムリミットのついた刑事ものは数あれど、これは異色。なんたって刑事がゾンビなんだから。こうなると観客は、「もう死んでしまうんだから」ってことで刑事の法にとらわれない型破りなアクションを期待してしまうんだけど、そのへんはちょっと地味だなあって気がしました。(ラストはそこそこ暴れまくりますが)

 それよりも異常なのは、死を12時間後にひかえた刑事のあの底抜けの明るさ。「おまえ、死ぬんだろ!きゃははは!!」「地獄で待っててやるぜ」「今度生れる時は、好きなものになれるんだろ?」 なんて世界なんだもんなあ。これだけの余裕を持って、生きてみたいものです。

マーク・ゴールドブラット監督。1988年アメリカ映画。

1989年8月 6日 (日)

赤ちゃん教育 (1938)

赤ちゃん教育 ケイリー・グラント扮する考古学者は、寄付をもらうために資産家の接待に。そこで偶然会った令嬢キャサリン・ヘップバーンのために、逃げた虎を追いかけなければならないはめになるコメディ。タイトルの赤ちゃんは虎の赤ちゃんのこと。

 この作品の最大の面白さは、キャサリン・ヘップバーン演じるところの女性のキャラクターでしょう。最初は主人公のじゃまばっかりしているどこか足りない女という役で、見ていて腹が立つことしきりなんだけど、この女性とグラントが共通目的(虎の子を追いかける)を持つようになってからがぜん面白くなる。しかしこのラストからして、苦労するだろうなあ、グラントくん。

ハワード・ホークス監督。1938年アメリカ映画。

1989年8月 5日 (土)

メイフィールドの怪人たち (1989)

メイフィールドの怪人たち 郊外の住宅地、メイフィールドに引っ越して来た隣人は全然顔を見せず毎晩その家から雷鳴が聞こえてくる。不思議に思った隣人(トム・ハンクス)は調査をはじめるのだが...面白くなる一歩手前のパロディ喜劇。惜しい!!

 ホラー映画かと思って見に行ったのだが、ちょっとあてが外れて空振りって感じ。でもパンフレットに書いてあった、ちょっと先がどうなるか読めない映画ってのは当ってるので、ここには多くは書きません。ただ、先が読めないってことと映画が面白いってことは別物であると辛口に書いておきましょう。

 パロディはかなり入っていたような気がしましたが(意味のないシーンやセリフが多かったので)、ほとんどわからなかった。トム・ハンクスら3人(ブルース・ダーン、キャリー・フィッシャー)が最初に怪人の家に乗り込むシーンは、マカロニウエスタンしてて笑ったのだが...

ジョー・ダンテ監督。1989年アメリカ映画。

1989年8月 4日 (金)

秋のソナタ (1978)

秋のソナタ 8年ぶりに再会した、ピアニストの母(イングリッド・バーグマン)と娘(リヴ・ウルマン)の心のすれ違いを描く秀作。久しぶりの再会に形ばかりの挨拶をして喜びあうのだが、次第に過去のわだかまりが爆発する。本音と建前...とにかく恐ろしい作品。

 ベルイマン監督の「ある結婚の風景」があまりに素晴らしかった(この言葉には語弊もあるが)ので、期待していたのだが、その期待どおりのすごい作品だった。「ある結婚?」というのは表面上は仲むつまじい夫婦が内面的に崩壊していくという内容だったが、これは母と娘の関係の崩壊を描く。一見幸福に見える家庭がどれだけの我慢と妥協の上に成り立ってるかを、あからさまに描いている。

 人間には本来、本音と建前があるものだ。映画の前半はみんな建前で動いているので、ごく日常の生活風景が描かれている。娘夫婦と障害を持つ妹が一緒に暮している。母のボーイフレンドが死んだという知らせを受けた娘は、しばらく一緒に暮そうと手紙を書く。再会を喜び合う母と娘。しかし、形どおりの挨拶を交わす時間は長くは続かず...

 人間関係は、双方が分り合おうと努力しなければ成り立たない。この場合は、母にその努力が欠けていたようだ。しかも、この二人は2度と会わないだろうことをにおわせて映画は終る。なんと妥協を許さない辛口の作りなんだろう。日本映画なら、おそらく最後に理解しあって母娘ともども涙を流し、力を合わせて生きて行こうねって終るだろうところを。もちろんその涙も妥協の涙なのだけど。

 考えてみれば、二人が本音をぶちまけてぶつかり合ったシーンも、どこかに建て前が残っていると言えないわけじゃない。人間の本当の本音、それは道徳からも常識からも一番遠いところにあるんじゃないだろうかと、そんなメッセージが聞こえてきたような気がする。

 劇中、障害者の問題で、これをタブー視する日本では理解できないようなセリフなども登場した。ここまで表現できるのが、福祉国家スエーデンのすごさなのだろうか?

イングマール・ベルイマン監督。1978年スウェーデン=西ドイツ合作。

1989年8月 3日 (木)

サボテンの花 (1969)

サボテンの花 プレイボーイの嘘つき歯科医(ウォルター・マッソー)とその看護婦(イングリッド・バーグマン)。それに歯科医の恋人(ゴールディ・ホーン)が入り乱れての都会派喜劇。ホーンの切れた子娘ぶりもすごいが、花の咲いたサボテンバーグマンの変身がめちゃ楽しい!

 最初の10分映画を見ただけで、こうなったらいいなあって結末を考えたわけです。すると、曲折しながらも最後はそういうふうにまとまってしまいました。普通、先が読めるストーリーというのは嫌われるものなんだけど、これなどは「こうなれ、こうなれ」と祈りながら楽しむストーリーとでもいうんでしょうか?

 バーグマン、これを撮影時に54才だったそうですが、スクリーンではとてもそんな風に見えません。最初は「白い恐怖」を思わせるカタブツの看護婦役なのですが、彼女が可愛がっていたサボテンに花が咲いてからの変貌ぶりがすごい。ほんと、ドレス着たら若い男でもころっといってしまうほど魅力的!

ジーン・サックス監督。1969年アメリカ映画。

1989年8月 2日 (水)

イタリア旅行 (1953)

イタリア旅行 結婚10年、冷めきった夫婦が遺産の整理のためにイタリアへ。そこで大喧嘩して離婚を決意するのだが、発散したあとはすっきりと二人は仲直り...なんか、どこにでもありそうな話しだなあ。

 舞台はイタリアのポンペイ。古い彫刻とか、火山に埋れた死体の発掘とか、観光映画してて楽しめました。ただ、二人の冷め切った夫婦がわっと元に戻る様子は見ていてもわけがわからず、ぽかんとしてしまいました。確かにこういう経験したことはあるのですが、それでどうしたのって気持になってしまった。

ロベルト・ロッセリーニ監督。1953年イタリア映画。

1989年7月27日 (木)

タップ (1989)

タップ 時代に取り残され、悪の道へと走ってしまった黒人タップダンサー(グレゴリー・ハインズ)が、刑務所から帰って来た。彼の元妻、子供、そして老ダンサーが繰り広げる熱いミュージカルドラマ。タップが時代を越えて新鮮。

 とにかくノリのいい映画です。見るとタップを習いたくなるっていうのは当ってます。あんなステップが踏めたら世の中どれだけ楽しくなるかとか、夜のニューヨークでみんなでおもいっきり踊ってみたいもんだとか、あげくの果ては楽器がまた弾きたくなったりといろいろ楽しい映画でした。

 古い映画のタップはほとんど知らないのですが、往年の名ダンサーたちが多数出演、すばらしき芸を披露してくれると思えばロックに喰われて仕事がなくなったとぼやいてみたり、そんな姿がものすごく新鮮に感じられました。

 タップトロニクスといっていわゆる靴にピックアップをつけてシンセサイザーをかけるというシーンがラストに用意されてますが、これだけがちょっと不満が残りました。ブロードウエイの形式化されたタップにけんかを売り、本物のタップを見せてやると言いながらラストがシンセではちょっと物足りない。ロックと融合するために、タップの電子化は必要だとは思いますが、あれだけ本物のタップと大見栄を切ったからにはラストはスタンダードなタップで締めくくってもらいたかったですね。

ニック・キャッスル監督。1989年アメリカ映画。

男が爆発する (1959)

男が爆発する 牧場の主人の息子の裕次郎、そして彼をめぐる二人の女(朝丘ルリ子、北原三枝)の三角関係、東京からやって来て自殺しかけた謎の女(南田洋子)。それに、牧場の乗っ取りをたくらむ悪徳観光業者(二谷英明)とバラエティにつめこんだ青春映画。

 なんたって主役クラスの登場人物がいっぱい登場して、びっくりしてしまいました。これだけの人間が出ながら、ストーリーにまったくひねたところがないのでわかりやすいところがいい。

 ところでこの映画、テーマはなんと「地上げ」なんです。裕次郎の親父の代から開墾して必死で守って来た牧場を、大金を払うから立ち退けと言う観光業者。しかし、主人公は受け付けない。今度は牧場の従業員達に、観光業者のホテルで働かないかと持ちかける。動揺する従業員たち。こんな中で、業者が最後にはやくざまがいの脅迫をしてくるところから、俺たちに必要なのは安心して働ける場所なんだと悟っていく場面など、果たして金が万能なのかと疑問を持ち始めた時代の流れみたいなものを感じて面白かったです。

 東京へ乗り込んで言った裕次郎は、見事男になって帰ってきます。ここらへんは、ほとんどの観客の期待したところでしょうけど、ところで彼はいつ爆発したんでしょうか?

舛田利雄監督。1959年日本映画。

エンゼル・ハート (1987)

エンゼル・ハート 行方不明の元歌手を探してほしいという依頼をうけた私立探偵(ミッキー・ローク)は、彼の足取りを追って南部へ。そして巻き込まれる連続殺人と、邪教集団の影?ラストのおどろおどろしい本格的オカルトサスペンス。

 実は...この映画、見る前にある評論家さんがぽろっとこぼしたこの映画の感想がものすごく頭にひっかかっていた。そして作品をちょっと見ただけで、すぐにラストが読めてしまったわけです。うーん、悲しい。知らなければまた別の感想を持てたかもしれないのに。というわけで、ここではストーリーに関しては多くを語らないようにしたいと思います。

 しかし、なかなか本格的なオカルト映画です。ロバート・デ・ニーロのラストの演技が、すごみがあったとだけ書いておきましょう。

アラン・パーカー監督。1987年アメリカ映画。

イルカの日 (1973)

イルカの日 イルカとの会話を研究する学者(ジョージ・C・スコット)と、それを悪用して大統領暗殺を企てる組織。小品ながら、動物と人間のかかわりあいなどを考えさせてくれる名作。イルカが可愛いがゆえに感動的。

 公開時はかなり話題になった、イルカが主役のSF映画(になるんだろうなあ)。人語をしゃべるのはたぶん吹き替えだと思うけど、TVの吹き替えで見ると妙に気になって、英語でも聞いてしまった。原語ではさらに可愛い声なので、いったいどうやって作ったのだろうかと気になって仕方がない。どなたかパンフレット等をお持ちで御存知の方はおられないだろうか?

 博士は孤島で一部のスタッフと共に、アルファという名前のイルカを子供の頃から育てている。このイルカは、教育したため人の言葉を少ししゃべるのだが、見せ物にされるのを恐れて研究の成果はひた隠しにしている。だが、これをかぎつけた研究所の後援者たちがイルカを大統領暗殺の道具に使おうとする...

 なぜ暗殺の道具がイルカなのかとか(もっと確実な方法がありそうだのに)ストーリーへの疑問点はいっぱいあったのですが、けなげなイルカが可愛くてぜーんぶ許してしまいそうです。人間と動物は、どういうふうにすれば互いを尊重して共存できるのかを考えさせられる幕切れでした。

マイク・ニコルズ監督。1973年アメリカ映画。

夜の豹 (1957)

夜の豹 酒場の歌手のシナトラは女にだらしないために職場を転々としている。そんな彼の転がりこんだ職場の美女(ノヴァク)、過去のある婦人(リタ・ヘイワーズ)の三角関係ラブコメディミュージカル。

 この作品で筋をうだうだ言うのは当ってないでしょう。ただただ、シナトラの歌を、キム・ノヴァクとリタ・ヘイワーズの妖艶な踊りを、酒場にでも行った気分にでもなって楽しんで下さい。

 しっかしこの作品の視点は、どうして女にだらしない男に対してこんなに優しいのでしょうか? キムに手を出そうとして犬に吠えられ諦めた場面は笑えますし、主人公のなんとも可愛い性格を見て微笑ましく思いました。ラストの、結局両方にふられて店を出ていく主人公にも納得しました。しかし、後をついてきたキムは一体何だったんでしょうか? そんなに、男と女の関係は複雑?

ジョージ・シドニー監督。1957年アメリカ映画。

1989年7月24日 (月)

ストロンボリ 神の土地 (1949)

ストロンボリ 神の土地難民カリン(イングリッド・バーグマン)はイタリア兵(マリオ・ビターレ)の求婚に応じ、孤島に住むことになるのだが、文明と縁遠い生活に嫌気が差し次第に夫婦にも亀裂が生じる。鋭い切り口で考えさせられたが、中途半端なラストが気になった。

 バーグマンがロッセリーニ監督と不倫の末イタリアへ移住、そこでの第1作がこの作品である。結婚の失敗がテーマであり、孤島での生活への抵抗など、現代の日本では特に興味深い内容だと思う。愛情に妥協せず、自らの生活を取り戻そうと苦しむバーグマンと、そのわがまま(他人から見るとわがまま以外の何者でもない)を許して愛情をそそぐ夫。そしてあくまでも都会的に生きようとするバーグマンを、「節度がない」と冷やかな目で見る島の女たちと、ずいぶんとあざやかな切り口で孤島に住む問題を浮彫りにしている。

 しかし、この新婚生活への抵抗がこの夫婦の離婚の妥当性へ導かれている点など、ロッセリーニとバーグマンの逃避行の自己弁護も込められているのだろうか? ラストがぷっつりと切れている点からも、余計そのあたりが気になった。アメリカでは上映禁止運動が起こり、アメリカバージョンが制作されたというのも興味が尽きない話しである。

ロベルト・ロッセリーニ監督。1949年イタリア映画。

1989年7月23日 (日)

白い恐怖 (1945)

白い恐怖 心理学をテーマにしたミステリー。やり手でカタブツの心理学医であるコンスタンス(イングリッド・バーグマン)は新任の院長(グレゴリー・ペック)に初恋するのだが、彼は院長本人ではなく、背後に殺人の影が…謎解きも楽しくバーグマンも美しい。

 白い恐怖と聞いて麻薬を連想したのだが、これは新任の院長が白い色を怖がる点からついた日本タイトル。当時はフロイトの夢判断が大流行したらしく、この映画もそれがミステリーの主役になっている。

 話題は、夢のシーンがスペインの画家であるダリによって構成されている点。柔らかい時計や、引き出しのあるビーナスなどと言えばご存知の方も多いだろう。ほんの数分のカットで物足りないなあと思ったが、目玉の布を切るシーンなど思わず「アンダルシアの犬」のパロディっぽくてにやりとさせられた。

 謎解き、バーグマンの美しさ、ダリの参加などなど、話題性も多く楽しめる映画です。難を言えばカタブツのバーグマン。これだけ美しくてこれだけカタブツな人が本当にいるのだろうかと思ったけど、映画の面白さに免じて許してあげましょう!

アルフレッド・ヒッチコック監督。1945年アメリカ映画。

1989年7月15日 (土)

逆襲大蛇丸 (1955)

逆襲大蛇丸 忍術児雷也の続編。前作で逃げ延びた大蛇丸(おろちまる:若山富三郎)が復讐に帰って来る、変身異色時代劇。今回はなめくじ姫(瑳峨三智子)が気色悪いなめくじに変身する前にうれしそうに笑うシーンが印象的!(ごめん!)

 前作でどこかへ逃げて行った大蛇丸くんが帰って来る。2本目になると、さすがに大酒のみで女好きの大蛇丸くんのキャラクターが生きてきて面白かった。

 後半戦は、3人の主人公が がま(大谷友右衛門)、なめくじ、大蛇に変身して、バトルの連続。それも吊っている糸が見える大蛇とか、なさけないシーンも多かったが、なめくじがよくできているのには感心した。特に姫がなめくじに[うれしそうな顔をして]変身するのだが、あんな巨大なめくじに化けるのがそんなにうれしいのだろうか? 昔の人の考える事はつくづくわからん! 他には、がまの無表情な顔が最高にかわいかった。

 しかしクライマックスのバトル、向き合って口から煙を吐きあうだけで片方がころっといくなんてのは、怪獣映画としてもあまりにもなさけないのではないだろうか?

 しっかし、久しぶりにすごいもの見たなあ...ため息!

加藤泰監督。1955年日本映画。

1989年7月14日 (金)

忍術児雷也 (1955)

忍術児雷也 君主と落武者の争いに、がま、蛇、なめくじと3種類の妖術使いがからんでのファンタスティック忍術時代劇。蛇(おろち)は悪役らしく気色悪いが、がまがかあいくて最高! でも映画はちょっと退屈。

 巻物を口にくわえた忍者が、呪文をとなえると大ガマにどろん、なんてシーンをTVの映画特集などで見たことがないだろうか? これは、まさしくその世界。主人公がガマに、悪者が大蛇に、お姫さまがなめくじ(!!!)にどろんと化けてバトルするという、世紀末的なファンタスティック時代劇なのである。

 録音が悪いのか言葉が聞き取りにくく、ストーリーがうまく追えなかったのが残念だが、雰囲気だけは充分に楽しめるだろう。(激しい拒絶反応を示す人もいると思うが)

萩原遼=加藤泰共同監督。1955年日本映画。

1989年7月13日 (木)

脱走特急 (1965)

脱走特急 ドイツ軍捕虜収容所のイギリス兵数百人とアメリカ兵数人が、力を合わせて捕虜収容列車を乗っ取り、スイスへと脱走を企てる。見どころいっぱい、サービス精神旺盛の楽しめる娯楽大作。

 不勉強で申し訳ないのですが、シナトラさんって映画俳優だったんですね。それもなかなかの突っ張り2枚目を演じているのに感心したなんて書いたら、オールドファンに怒られそうだけど。

 偵察機の墜落で、ドイツの捕虜収容所へ入れられたシナトラ。そこには多数のイギリス軍捕虜たちが。この連中、連合軍進行のどさくさにまぎれて脱走するのだがあえなくドイツ軍につかまってしまい、捕虜収容列車に乗せられてドイツの奥へ奥へと連れて行かれます。ところが列車の床を破った彼らは、見張りを仕留めて列車を乗っ取り、駅にいるドイツ兵をうまくごまかしながらスイスへ向うというのがおおまかなストーリーです。

 全編はらはら・どきどきの連続であり、クライマックスではなかなかのスペクタクルもあり、そのくせちょっとじーんとくるイキなラストといい、文句なく楽しめる娯楽戦争巨編です。

マーク・ロブスン監督。1965年アメリカ映画。

1989年7月 2日 (日)

真紅な海が呼んでるぜ (1965)

Sorry, no jacket image 船長の兄(二谷英明)と、そのおかげで商船大学を卒業した船乗りの弟(渡哲也)。この二人がひとりの密航女性(中原早苗)をめぐって葛藤しながらも、海へ帰って行くすがすがしい作品。渡さんって、昔から笑わなかったんだなあ。

 まず、私が住んでいる神戸が舞台だったのがうれしかった。でも、見覚えのある建物ってのは、ポートタワーだけだった。町並みって変わるものだなあ。

 そんな神戸へやって来た貨物船。船長が二谷さんで、船員の一人が渡さん。船長が密航させた女性が、中原さんなのだと思う。兄に再婚を勧める渡。船乗りに女はいらないと逃げる二谷。しかし、渡はついに女に本心を打明け、一緒に暮すことになるのだが... 喧嘩し、葛藤し、それでも船の上では仲直りしている二人を見ながら、海ってそんなにいいのかなあとか、いや、本人にしかわかんない事なんだろうなあと思いながら、さわやかな感動を覚えました。

松尾昭典監督。1965年日本映画。

1989年6月26日 (月)

日曜はダメよ (1960)

日曜はダメよ ギリシャへ研究のためにアメリカからやって来た大学教授。その前に現れたのは自由に生きる売れっ子の売春婦と、荒くれ水夫たちだった。欧米の白人優先思想を皮肉った傑作。音楽も大ヒット。

 日本も含めて、上流社会思想ってのは欧米の物まねってところが多いのです。テーブルマナーにはじまって、レディの心得、紳士の心得。そして欧米人は世界各国へ行ってそれを押しつけ、できなければ文化の後進国なんてレッテルを張ってまわってました。この作品はそんな欧米の横暴ぶりを皮肉ったものです。

 主人公の教授は、ギリシャの船乗りたちに欧米式のマナーを押しつけ、売春婦に廃業を説きます。そんな彼がだんだんと孤立して、最後にギリシャの本当の良さを納得して帰って行くまでをこの映画はたんたんと語ってくれます。しかしそんなストーリーよりも、大ヒットした音楽だけを知っている人の方が多いんじゃないでしょうか。

ジュールス・ダッシン監督。1960年アメリカ=ギリシャ合作

1989年6月25日 (日)

ポパイ (1980)

ポパイ マンガのポパイとおんなじノリのギャグが、人間を使った超人的な画面で語られます。原作を知っている者には、爆笑苦笑の連続です。特にポパイくんのシリコンで作った腕と、マンガそっくりの体格ってのは一見の価値があります。

 数あるギャグの中でも、ポパイがほうれん草を食べるのはラストの1回だけ。このシーンには、TVでこの映画を見たのを悔いてしまいました。これ、アメリカの劇場辺りではみんな立ち上がって拍手して熱狂したんだろうなあ。

ロバート・アルトマン監督。1980年アメリカ映画。

1989年6月24日 (土)

ハイティーン・ブギ (1982)

ハイティーン・ブギ 近藤真彦演じる暴走族のリーダーが、ある女子高生に惚れたがために、暴走族から足を洗う。しかし、これに我慢ができない族は.. 舛田監督得意のストレート過ぎるほどストレートな辛口ラブストーリー。

 しっかし舛田利雄って監督はすごいねえ。彼の作品に出て来る男女は、好きになってしまったら最後、好き好き好き好き好き好き好き好きで最後まで猪突猛進に突っ走って終ってしまう。おまけにちょっと渋目の助演陣たちが、「ああ、若さなのね」「俺たちには忘れていた何かがあったんだ」なんて納得してしまう。うーん、私はこの作品をテレビで見ながら部屋で30回以上はえびぞってしまったぞ!

 しっかししっかししっかし、この作品はなかなかスピリッツを持ってて、何かにじみ出てくる魅力がありました。のけぞって背中をかきながらこんな時代もあったなんてノスタルジー(?)に浸りました。

 個人的に武田久美子ちゃんは好きなのですが、テロップに(新人)って出てたところをみるとこれがデビュー作なのでしょうか? 映画には脇役でよく出ているみたいですが、いまひとつぱっとしないのが気になります。石田えりちゃんみたいにぱーっといかないものでしょうか? 石田えりちゃんは私が発掘したと思っているoga.でした。

舛田利雄監督。1982年日本映画。

1989年6月23日 (金)

スターマン 愛・宇宙はるかに (1984)

スターマン ボイジャーのメッセージに招かれた宇宙人が、地球の防空システムに触れ墜落、未亡人の夫の姿となって蘇生する。来る者はまず疑ってかかるしかない、人間の悲しい性を描いた佳作。

 宇宙人ものってのは、侵略ものか友好ものかに分れるわけだけど、これはあきらかな後者の作品。招待されたからやって来た者を、正体不明というだけでミサイルを打ち込んでしまうところに、人間の悲しさがにじみ出てました。結局相手がどんな意志を持って来ているかを知るすべもないってのは、あきらかに人間の能力不足ですから。同じ事を、作者は世界の軍事情勢にもあてはめて訴えているのではないでしょうか。

 しかし、救いはありました。ごく一部の人間だけですが、この宇宙人への協力。そしてジェフ・ブリッジス演じるスターマンが最後まで人間っぽくならず、無骨なまま別れの涙を流すところがいい。欲を言えば、緊迫感のある場面がなかったのが残念ですが。

ジョン・カーペンター監督。1984年アメリカ映画。

1989年6月22日 (木)

スター・トレック5 新たなる未知へ (1989)

スター・トレック5 スポック(レナード・ニモイ)の兄弟が反乱を起こし、エンタープライズを乗っ取って神の住む惑星へ向うという筋のシリーズファイナル作品。ファイナルにしては地味で、テレビシリーズの一編みたい。まだ続編は作られそう。

 この映画で好き嫌いが分れるのは、オープニングシーンでしょう。巻頭の15分ぐらいは、SFXがまーったく無いのです。そしておもいっきり地味さを感じたのもこのへんに起因すると思いました。映画シリーズの幕開け、スタートレック・ザ・モーション・ピクチャーのトッピングがクリンゴンとエイリアンのど派手な戦闘シーンだったってことを考えれば、これがとうていシリーズのファイナル作品とは思えないってのは私だけの意見ではないでしょ?

 さてこの作品、反乱を起こしたスポックの兄弟が、エンタープライズを乗っ取って伝説の惑星、シャカリへと向います。シャカリとは神の住む惑星で、地球ではエデンと呼ばれています。と書くと、なんやら劇場第1作のようなすごいラストを想像してしまいますが、これが完璧なテレビシリーズのノリであっけなく終ってしまいます。やはりスタートレックはこれではTVシリーズの方が本当の舞台なのではないでしょうか?

ウィリアム・シャトナー監督。1989年アメリカ映画。

1989年6月20日 (火)

メジャーリーグ (1989)

メジャーリーグ 実在の球団、インディアンズを描いたコメディ。どこかの国の熱狂ファンではないが、球団への愛情がふつふつと感じられる。まったく定番どおりの筋が物足りなかったけど、たっぷり笑わせてくれました。

 まず驚きなのは、インディアンズってのが実在のチームだってこと。つまりこの作品は、例えば最近低迷している阪神タイガースをスクリーンの中で勝手に優勝させてしまおうというだだっ子のような話しなのです。日本の球団ならまだしも、見ず知らずのメジャーリーグのチームを我々が応援するようになるのかと言えば、これが映画の魔術。個性豊かなキャラクターたちがいやがおうでも観客をインディアンズ・ファンにしてくれるって寸法。まあ、どこにも目新しいところがないこの作品ですが、ところどころに散りばめられた良質のギャグがマルってとこでしょうか。

デヴィッド・ワード監督。1989年アメリカ映画。

1989年6月19日 (月)

マニアック・コップ (1988)

マニアック・コップ 私怨により地獄からゾンビのように蘇った元警官と、それを追う刑事を描いたアクション・ホラー。この手のノリの作品にしては面白さが少なかった。

 何か食い足りないなあ。B級作品にしては、徹底したおちゃらけでもなく、どきどきさせるような演出もなく、はっとさせるようなSFXもなく、納得させられる設定もない。頭に弾丸がぶちこまれても死なない主人公は、ただの蘇生した人間みたいだし。それに、一番大きいのは、「市長への怨み」が犯行の動機となっているのに、それが全然伝わって来なかったってとこでしょうか。

 劇場未公開。WOWOW放映時の題名は「地獄のマッドコップ」。

ウィリアム・ルスティーグ監督。1988年アメリカ映画。

1989年6月16日 (金)

羅生門 (1950)

羅生門 かなり昔に見ましたが、黒沢作品を見慣れてない頃でしたので、そのオーバーアクションにびっくりしてしまいました。でもここまでのオーバーアクションというのは見ていてくせになるみたいで、次第に黒沢作品と聞くと気の強い登場人物たちの、全身を使った演技に快感を覚えるようになりました。

 最後に赤ん坊を抱いて行く翁の表情、もう裏も表も何もなく、思ったままが顔に出ているみたいで、いいですねぇ。

黒澤明監督。1950年日本映画。

1989年6月15日 (木)

エイリアン・ネイション (1988)

エイリアン・ネイション 地球に不時着した宇宙船に乗っていたエイリアン30万人が、アメリカに移民として住み込んだ。そして起こる強盗事件の裏の陰謀。SF色が少ないところが好感が持てたれっきとしたSF刑事ドラマ。

 こういうSF色を前面に押出さないSFって、私大好きなんです。以前に「首都消失」を見た時に、なんであんなしょうもない三流SFに仕上がってるんだ、首都が消失した国家を描いた人間ドラマが見たかったのにって激怒したんだけど、同じ思いをこの映画は果たしてくれてました。

 30万人のエイリアンは、まったく等身大の存在としてアメリカ社会の中で描かれてます。いいやつもいる、犯罪者もいる。どんくさいやつもいると、今までのどのSF映画の中に出て来るエイリアンよりもバラエティで楽しいんです。もちろん、過剰にへんてこな状況設定(エイリアンがどこから来たか、とか)もなく、すんなりとしかも情報量たっぷりに見せてくれて大満足。

 中盤まではハードな刑事ドラマのくせして、それが一段落するとラスト近くは徹底的なファンタスティック映画してるんです。青いライティングにスモークがもくもく、そしてエイリアンが襲って来ると書けば雰囲気わかってくれますか?

 とにかくめちゃめちゃ面白かったのですが、一緒に行った友人はあんまり面白くなかったと言っていたことを付け加えておきます。あくまでも映画には好き嫌いがありますから。

グラハム・ベイカー監督。1988年アメリカ映画。

1989年6月12日 (月)

シカゴ・コネクション 夢みて走れ (1986)

シカゴ・コネクション 夢見て走れ シカゴの刑事凸凹コンビがあばれまくるコメディ。「ビバリーヒルズ・コップ」と「フリービーとビーン大乱戦」と「あぶない刑事」を足して割ったような面白さ。アクションもスピーディでマル。

 ずばり、グレゴリー・ハインズってかあいい! ホワイトナイツの黒人さん、と言えばぴんとくる人も多いのではないですか? かなり癖のある顔だちなんだけど、なかなか愛敬がある。最新作は「タップ」なんてのが来るんだけど、ぜひ見てみたいですね。

ピーター・ハイアムズ監督。1986年アメリカ映画。

1989年6月11日 (日)

タイトロープ (1984)

タイトロープ イーストウッドが子持ちのヒューマニック刑事という、ダーティハリーとはまた別の役に取り組んだ刑事ドラマ。しかし私にはこの刑事さんは年を取って丸くなったハリーさんのように思えるのだが。

 イーストウッドが刑事さんすると、いくら役が違うと言ったってハリーさんに見えてしまうのです。たとえ子供がいても、女にだらしない等身大のキャラクターになっていても。(事実この映画では、わりと身近な存在として描かれてました)

リチャード・タッグル監督。1984年アメリカ映画。

1989年6月10日 (土)

開心楽園 (1985)

開心楽園 飛行機の墜落で無人島に流れついたガールスカウトの隊員とサギ師の男が繰り広げるはちゃめちゃ・コメディ。香港の女性アイドル達が大集合これが日本人そっくりなので、なかなか親しめました。

 開心シリーズってのは、香港で大人気なのだそうだ。いわゆる開心少女隊(だったかな?)なんて香港のおにゃんこみたいなグループがいて、アイドル街道をひた走っているのだそうだ。そういえばロレッタ・リーさんも何かの雑誌のグラビアなんかに出ていて、見てみたいなあなんて思ってたのでこの映画の放映はラッキーでした。(なんでも香港の薬師丸ひろ子と呼ばれているそうだ)

 話しの筋とか映画の出来をごちゃごちゃ書くのはやめときましょう。とにかくゆったりのんびりと楽しめる映画です。ひとりで見るよりも数人でぺちゃぺちゃしゃべりながら見る事をお勧めします。

マイケル・マック監督。1985年香港映画。

1989年6月 8日 (木)

ワーキング・ガール (1988)

ワーキング・ガール 学歴がないだけで出世の道を閉ざされたOLが、上司の入院をいいことに会社合併事業に大奮戦。おまけに上司の恋人まで寝取ってしまうという、成り上がり型コメディ。シガニー・ウイーバーの悪役が見もの。

 面白かったんだけど、ちょっと期待しすぎたかなあという気がしないでもないですね。ただ「9時から5時まで」よりははるかに好きな作品。仕事を見つめる確かな視線が、映画の中に感じられるからです。

マイク・ニコルズ監督。1988年アメリカ映画。

1989年6月 6日 (火)

特攻サンダーボルト作戦 (1977)

特攻サンダーボルト作戦 旅客機がハイジャックされ、乗客は人質としてエンテベに拉致された。犯人はPLOのゲリラで、政治犯の釈放を要求する。すばらしいテンポでスリリングに見せてくれる実話の映画化。

 エンテベ空港の人質救出作戦はなかなかの快挙で興奮させてくれましたが、これはその実話の映画化。以前も「エンテベ急襲」なんて映画が公開寸前でテロによる映画館の爆破を恐れて、急遽公開中止になるなんて事件があったのも記憶に新しい。

 ハイジャック対策に関しては、いろいろ議論の絶えないところです。日本などでは人命最優先。要求はほとんどのんでしまう傾向がありますが、ここでは過激にも軍隊の出動、そして数十パーセントの乗客が死ぬかもしれないというリスクももろともせず、出動して行きます。実際、最後の戦闘での被害者も出るのですが、ハッピーエンドというスタイルで終っています。小数の乗客をとるか、今後のハイジャック防止をとるか、明確な答えはないのですが、この映画では軍隊の勇気をたたえています。この映画を見る限り、ヒューマニズムをとなえる前に、まず自分の命を守るすべを、そしていざという時にどういった行動をすべきかを考えておけと言われているような気がします。日常の平和に慣らされてしまっている日本では、受入れ難い点も多い映画でしょう。

アーヴィン・カーシュナー監督。1977年アメリカ映画。

1989年6月 5日 (月)

火龍 ザ・ラスト・エンペラー (1987)

火龍 ザ・ラスト・エンペラー 中国/香港合作で作られた、ラストエンペラーの後日談(?)。皇帝・傅儀が強制収容所を出て、普通の人間として生きる様子が再婚した夫人の目から語られる。傅儀に対する目が暖かいところに感動した。

 この作品、地味なドラマ風ってとこが気に入りました。ちょっとだけ紫禁城のスペクタクルシーンみたいなのもあるのですが、メインは傅儀が一般人になってからの葛藤みたいなものです。これを見ている限りでは傅儀ってまったく普通の人なんですけど、その置かれた立場によってどんなふうに転がるかわからないという恐怖を伝えてくれました。

 中国は現在紛争中ですが、すべての価値観が変る時、人間の本質が問われるのではないかとこの映画は問い掛けてくれます。傅儀の家が襲われ、かつそれが正当な革命軍の行為であることがなかなかショッキングでした。

 それにしても、死ぬまでこのわがままな大人である傅儀を愛しつづけた夫人に対しても、不思議な感動があります。過去のあやまちを許すというこの映画の姿勢に好感を持ちました。

リー・ハン・シャン監督。1987年中国=香港合作

1989年6月 1日 (木)

銀河伝説クルール (1983)

銀河伝説クルール 惑星クルールを侵略者の手から守るために立ち上がった王子と王女の物語。主人公が王子と王女って取り合せは、正直言ってキライ! ただ画面は美しく、SFXやクリーチャーが楽しめます。

 ファンタジーって結局どれ見ても一緒なんですね。ウイローなんかもほとんど変らないストーリーだったけど。

 正統の王子と王女が主人公で、その二人が悪をけちらして、なんてストーリーはラストエンペラーなんかが幅をきかせている今ではぴんとこないんですね。生れが良くなかったらヒーローになれないの? なんて思ってしまう。

ピーター・イェーツ監督。1983年アメリカ映画。

1989年5月31日 (水)

狂った果実 (1981)

狂った果実 上京してきたごく普通の青年が、無気力女や不良学生たちにもまれ、道を踏み外していく様子をポルノタッチで描く。このけだるい雰囲気にはちょっと耐えられない嫌悪感を覚えた。

 なんたって主演の二人が気持悪いのなんのって。けだるい顔をして、男どもが殺し合いをする様子を眺める女も異常なら、むさくるしい風貌で学生どものコケにされる男も充分異常だ。共感を覚えたのはラストの男が学生をぶっすりやるシーンだけ。それも二人でやめるなよ! やるんだったらみんな刺して女も刺して身をもって人の痛みをわからせてやればよかったのに、なんて興奮してしまった。

根岸吉太郎監督。1981年日本映画。

1989年5月29日 (月)

鷲と鷹 (1957)

鷲と鷹 石原裕次郎扮する流れ者の船員、それを追いかけて来た女、彼に好意を抱く船長の娘。そして、その船長の娘に好意を持つ船員の四角関係(?)を中心にしたハードボイルドタッチの恋愛ドラマ。

 ちょっとやり過ぎ...だよな。あまりにも裕次郎がかっこ良すぎて、これではイヤミにしか思えなかったシーンもいっぱいあった。むさくるしい甲板でかっこはつけるわ、理不尽にけんかが強いわ、惚れた女が追いかけてきたかと思えば、船長の娘に手を出す。ラストは自首して元の女のところへ戻りハッピーエンド。うーん、不良だからこれでいいのかな? こんなの見て、不良に憧れたお父さんたちがいっぱいいたんだろうか?

井上梅次監督。1957年日本映画。

1989年5月28日 (日)

二人の世界 (1966)

二人の世界 無実の殺人罪をきせられた男が、時効直前真犯人を追うために日本へ帰って来た。彼の存在にいちはやく気付いた新聞記者と、彼に心を寄せることになってしまう女性。和製ハードボイルドの傑作。

 無実の罪を解明し、頭と足で犯人を追い詰めるまではいいんだけど、あとがいけない。大切な部分を朝丘ルリ子にまかせたがゆえに、失敗してしまうなんてストーリーは、なんとなく女性蔑視まで感じてしまわないだろうか? しかもそれから石原裕次郎が怒りを爆発させ、犯人の家へなぐりこみ皆殺し。無罪放免なんておまけがつくなんて。そういえばよく似たストーリーが最近の日本映画にあったような気がするけど、この作品のパロディ?

松尾昭典監督。1966年日本映画。

1989年5月26日 (金)

九龍の狼 (1986)

九龍の狼 ベトナム戦争で別れ別れになった幼い兄弟が、成人してなんと泥棒と警察として再会。お互の超能力を駆使して対決する。かつての香港映画のように荒唐無稽でなく、押えた演出に好感を持った。

アラン・ファン監督。1986年香港映画。

1989年5月25日 (木)

瀬戸内少年野球団 青春編 最後の楽園 (1987)

瀬戸内3部作 ヒットした瀬戸内?の後日談。後日談だけに野球シーンはほとんど出てこないが、前作の子供が青年になったかと思うとなんとなくほろ苦さを感じる。しかしこんなにギラギラみんな生きていたのだろうか?

 舞台は夏。暑苦しさの雰囲気はよく出ている。見ている者まで暑苦しく感じるほどだが。そんな中で、主人公の頭の中にはセックスしかないなんて、なんて暑苦しいんだろうか? やっと登場したヒロインのいさ子ちゃんの頭の中にもセックスしかないなんて、またまたなんて暑苦しいんだろう?

三村晴彦監督。1987年日本映画。

1989年5月22日 (月)

ザ・デプス (1988)

ザ・デプス 深海1万メートルにミサイル基地を建設中の隊員のもとへ迫り来る海の怪物。傑作とは言いがたいが、ものすごい[痛み]を感じされるヘンタイ作品。ホラーは痛いぜ!

 すばり批判を書けば、[画面がきちゃない]のです。リアリティから言えば深海1万メートルなんかで色までわかるなんてのはおかしいのですが、やっぱエンタテイメントの映画としては、もっとそこに何があるのかわかるぐらいの画面はほしいなあっていらいらしてしまった。(ちなみに本作は映画館で鑑賞)

 それはともかく、キャラクターが面白かった。特に、ぱにくってミサイルはふっとばすわ人は殺すわのお兄さんが最高! 最後に血管切れてしまうシーンもすごいですねえ。ホラー映画としてはB級なのかもしれませんが、かなり感情移入して見てしまいました。

ショーン・S・カニンガム監督。1988年アメリカ映画。

1989年5月14日 (日)

モンスター・イン・ザ・クローゼット 暗闇の悪魔 (1986)

モンスター・イン・ザ・クローゼット クローゼットを巣とする怪獣が人間を襲う、はちゃめちゃパニック映画。まじめに観ると腹が立ちます。あらさがしはやめましょう。ただただ笑って下さい。

 こーゆう作品って、レンタルビデオのブームにのっかって浮上してきたんだろうね。恋人同志なんかがソファに寝そべって、ぺちゃぺちゃしゃべりながらビデオ観る映画ってのは人間ドラマでは重すぎる。青春映画でももうちょっと...なんて感じでなーんにも考えずに観られるこの手のB級映画ってことなんでしょうね。私も、女の子とぺちゃぺちゃしゃべりながら観る映画ってのはここらへんにしときます。でも、ホラーが嫌いな方相手なら嫌われます。

 そうそう、この映画って、よくよく観ると着ぐるみ一体とロケだけで撮られてるんですねえ。SFXもばしばしと光る光線のアニメーションだけ。それでも、気が付かない人は[すごいSFXだった]なんて言ったりするんじゃないかな?

ボブ・ダーリン監督。1986年アメリカ映画。

1989年5月13日 (土)

スミス夫妻 (1941)

スミス夫妻 ヒッチコック監督の珍しいラブコメディ。気の強い妻と振り回される夫の「別れる、別れない」のすったもんだの騒ぎをコミカルに描く。結婚を考えてる人、必見。

 ヒッチコックさんってこんな面白い映画を撮ってたんかと思って感動してしまった。簡単に言うと、ちょっとした事でこじれて追い出されてしまった夫が妻を追いかけ回すというストーリーなんだけど、なんだか見覚えがあるような光景が繰り返されてうーんってうなってしまった。

 特に笑ったのは、夫婦が思い出を求めて結婚式の日に行ったレストランを訪ねるシーン。店は経営者が変わり品位がガタガタに落ち、上品なチェックのテーブルクロスは汚れだらけのクロスになっている始末。品の悪いボーイ(?)に、食事中に窓の外から物欲しそうに覗く子供たち。おまけに猫も飲まないスープ!! これが原因で二人は大げんかするわけなんだけど、こういうどうしようもない図式って身の回りにいっぱい転がってると思いませんか?

 女性の気の強さと、それを夫は実はきっちり理解していたというオチはほっとさせられますけど、やっぱこの映画、かなり毒が含まれているみたいでこあい!

アルフレッド・ヒッチコック監督。1941年アメリカ映画。

1989年5月12日 (金)

裸足の伯爵夫人 (1954)

裸足の伯爵夫人 スペインでスカウトされたある女優の物語。のちに彼女は伯爵と結婚するが、悲劇を迎える。冒頭からラストまで、その雰囲気に酔わされて、ぼーっとなってしまった。

 なんと冒頭、主人公の葬式のシーンから始まるこの映画、私はその雰囲気にため息をついてしまいました。ストーリーは葬式に参列した映画監督の回想なんですけど、最初にエヴァ・ガードナーが登場するまでの間のもたせかたがうまい! 期待と共に一気に物語の世界へ引き込まれてしまいました。

 この映画を一言で言うと、ひとりの女性の生きかたの物語でしょうか。そこには、現代よく言われる女の自立が見え隠れします。組織の一部になるよりも、個人の意識を尊重するというアメリカ的発想です。でも、この映画女優の場合プロデューサーがいいかげんなやつなので、妙な説得力があるんです。

 映画の世界に失望した彼女は、その時手を差し伸べてくれた伯爵といっしょになります。しかし、彼女の気持と伯爵の気持が大きくすれ違っていて、悲劇を迎えることになります。

 ハンフリー・ボガートって、この映画じゃどうってことない監督(の役)を演じているのに、なぜか魅力がつまってますね。エヴァ・ガードナー演じるマリアをじっと見守っていて、かと云って手は出さないという役がたまらなく渋く見えました。

ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督。1954年アメリカ映画。

1989年5月11日 (木)

ガンダーラ (1987)

ガンダーラ 未来の理想郷、ガンダーラの攻防を描くフランスのアニメーション。ガンダーラの都で捨てられた実験生命が未来から時を越えて侵略してくる。見慣れたSFなどの常識を逸脱した画面は、美しくて魅力的。

 フランスのアニメって初めて観たんだけど、なんだか異質って感じが強かった。ガンダーラの都で捨てられた実験生命体が、未来から時の壁を越えて侵略してくるってのはありそうなストーリーだけど、それを見せる画面がこれでもかって感じで美しく好感が持てました。

ルネ・ラルー監督。1987年フランス映画。

1989年5月 9日 (火)

マックQ (1973)

マックQ 西部劇のジョン・ウェインがウインチェスターをサブマシンガンに持ち変えた刑事アクション。ダーティ・ハリーやブラニガンのノリだが、ちょっぴり地味な仕上りなのが残念。

 昔、ガンマニアだったことがあるので、マックQってのは名前だけ知っていて観たいなあとずっと思ってた映画でした。今回目にして思ったのは、やっぱり時間が経つとちょっと...という感じです。ラストの海辺でのチェイスや、イングラムのサブマシンガンの描写などは当時としてはラストにもってくるほど斬新なものだったのかもしれませんが、今ではTVの刑事ドラマでも観られるありふれたものになってしまったように思えます。

 ジョン・ウェインって何やってもサマになりますね! ちょっと時代錯誤っぽいかもしれませんけど、こういう強いキャラクターってのは不滅なんじゃないでしょうか?

ジョン・スタージェス監督。1973年アメリカ映画。

1989年5月 8日 (月)

恐怖の48時間 (1966)

恐怖の48時間 ある山奥の村で、狂犬病の犬に噛まれた医者が、48時間以内に血清を手に入れるため町へ向うというサスペンス。古い映画ながら、つぎつぎに襲いかかる困難は現在のパニック映画も思わせる。

 これは面白い! なぜ未公開作品なのか疑問に思ってしまいます。しかも23年前に作られたとは思えないほど、現代サスペンスしてます。

 狂犬病の映画と言えば、クローネンバーグ監督の[ラビッド]やスティーブン・キング原作の[クジョー]を思い出しますが、SFX技術は劣るものの描き出す世界はこちらのほうがすばらしい。冒頭、狂犬病の男が狂うシーンはなかなかの迫力で、以後の主人公の気持ちなどを充分感情移入させてくれます。途中、ジープが橋を渡るシーンの転落の恐怖、手術シーンのなまなましさ、友人との葛藤、ラストのエンジンのこわれたバスの疾走シーンと、本当に見せ場はいっぱい!久しぶりの拾い物でした。

ジルベスト・ガズコン監督。1966年アメリカ映画。

1989年5月 7日 (日)

ウィンターローズ (1983)

ウィンターローズ 母を失った4人家族の葛藤を描く。ジーン・ハックマンがなんと父親役を熱演するのだが、生活習慣の違いからか疑問ばかりが頭について映画に熱中できなかった。

 冒頭、葬式が始まります。妻を失ったハックマンが、どうやって小さな子供に母の死を伝えようかと悩むシーンなのですが、この時からどうもしっくりこなくて考えこんでしまいました。どうしてここまで過保護になってしまうのでしょうか? 子供も葬式に参列させてやるのが、当然ではないかと私などは思ってしまうのです。肉親の死を隠してしまうという神経がわかりません。死をのりこえてこそ、人間は成長し、大きくなれると思うのですがどうでしょう?

 しかし、あくまでも洋画ですので生活習慣とか宗教の違いなどもあります。いちがいには言えないのかな、などと考えている間に映画は終ってしまいました。なんか、すっきりしない気分です。

ジェリー・シャッツバーグ監督。1983年アメリカ=フランス合作。

1989年5月 6日 (土)

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 (1981)

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 京都を舞台に、人間国宝で茶碗作りの老人の家にころがりこんだ寅次郎と、そこの女中の交流を描く。今回はマドンナよりも片岡仁左衛門演じる老人の方が魅力的な不思議な一編。

 寅さんって、最初はただ[おしゃれじゃないなあ]とか、[本当にぜんぜん飾らない人達]とか、[こんな人ばっかり描いてどこがいいの]なんてばかり思ってたんだけど、どうも本数を観るにつれて、その世界の魅力にどんどん引き込まれていくみたいです。好きになりはじめたのは、伊藤蘭ちゃんが出てた作品あたりからなんだけど、これも放し難い作品。

 普通の人だったらいしゅくしてしまう[人間国宝]なんて存在を、あくまでも普通の人間としてつきあう寅さんに拍手! それに答える仁左衛門さんも、絵になるなあ! あれ、マドンナはどこへ行ってしまったんだろう?

山田洋次監督。1981年日本映画。

1989年5月 5日 (金)

ぼくの叔父さん (1958)

ぼくの叔父さん 見栄っぱりで頭の硬い両親より、定職もなく家庭もなくぶらぶらしている叔父さんになつく少年。当時のフランスの風俗を皮肉ったコメディだが、この世界は案外現在の日本なのかもしれない。

 たぶん1958年って電化製品がいちばんのトレンドだった時代なのかもしれない。この映画に描かれる会社社長の家には、各種電化製品を含め興味がつきない。なんとこの時代に食器洗い機まであるのだ。使い勝手は極端に悪いらしく、巨大な音を発したりしてトラブルを発生する。みてくれはおしゃれだけど、座れたものじゃない椅子。来客を確認した時しかスイッチを入れない噴水。中にとじ込められてしまうと、犬に助けを求めなければ開かない車庫のオートシャッター。この中途半端さが、今の金余り日本にちょっぴり似てて、くすりと笑ってしまう。

 本当にこういったトレンドってのは、いったい誰のためにみんな苦労して追い求めているんだろうね?

ジャック・タチ監督。1958年フランス=イタリア合作。

1989年5月 4日 (木)

ジーザス・クライスト・スーパースター (1973)

ジーザス・クライスト・スーパースター キリストの最後をまったく斬新な手法で描いたロック・ミュージカル。キリスト教文化というのは、あらゆる形で西洋人の中に根付いているのだと実感させてくれる。

 多かれ少なかれ、映画を見始めるときにはその映画の世界に心のチャンネルをあわせるのに時間と努力が必要なのだが、この作品ではトップシーンからパニックしてしまった。荒涼とした砂漠地帯に入って来る1台のバス! キリストの物語だと身構えている聴衆をよそに、舞台はそのままキリストの時代へとさかのぼりしていく。そして、ロックの熱唱また熱唱で、見る者は一気にその世界へ。戦車が走りジェット戦闘機が飛び交うエルサレムへとトリップする。

 キリスト教文化にもロック音楽にも当時の風俗にもなーんにも詳しくない私ですが、とにかくロックのリズムが心地好い一編でした。時代を越え、現代の風俗にとけこんで人々の心の中に生きていく。それが宗教文化ではないかと感じさせてくれました。

 しかし[最後の誘惑]でもそうでしたが、キリストはやはり[神の教示]を受けて[はりつけにされた]存在なのでしょうか? あの人間として葛藤する姿がどうにもひっかかって仕方ないのです。自主的に覚醒して架刑になったのだというイメージがずっとあったもので。

ノーマン・ジュイスン監督。1973年アメリカ映画。

1989年5月 1日 (月)

極道の妻たち 三代目姐 (1989)

極道の妻たち 三代目姐 広域暴力団、坂西組の組長が死んだ...この異常事態の中で、組長代行としてまたひとりの女として生き抜く未亡人を描いた、シリーズ第3作。

 なんせ、こっちは極道の世界などまったく知らないのである。この映画の最初は、極道という我々しゃばの人間(?)にとってはまったく異質な世界を理解することから始まりました。加えて、これはシリーズ第3作らしいのですが、いきなり3から見始めたのでわからないところが多く、あらためてシリーズものは順を追って見なければいけないなあと思った次第です。

 さて、この映画に感じた面白さというのは、通常の我々の生活と極道の世界とのギャップです。もちろん三田佳子が来ていた豪華な着物、アクセサリー、室内装飾のすごさ(ちょっと誇張っぽさも感じましたが)などなどもありますが、それに加えて三田佳子が以前は女優であり、宝塚の出身であるという設定が妙に心にひっかかって印象的でした。愛した男がたまたま極道だった、というキャッチフレーズは前作ですが、ラストシーンに彼女が記者に[警視庁はますます取り締まりを強化する予定です]と言われるシーンにはそのコピー以上のものを感じてうーんとうなってしまいました。

 ところであれだけ緊張の張詰めた画面を作れたのはすばらしいのですが、その緊張の糸がぷっつりと切れてしまうシーンも何箇所かありました。そうです、打ち合いのシーンです。日本映画は、どうしてあんなにドンパチが下手なんでしょうか? まるで、安物の刑事ドラマみたいな場面にがっくりきてしまいました。

降旗康男監督。1989年日本映画。

1989年4月30日 (日)

9時から5時まで (1980)

9時から5時まで 女性を差別するにくたらしい上司と、その下で働く3人の女性の攻防をブラックユーモアたっぷりに描いたコメディ。げらげら笑いではなく、くすくす笑いのできる映画です。特に上司にいじめられているあなたにお勧めの映画。ただ気になったのは、どこかの職場という設定なのですが、仕事の内容に関しては一切触れられてないんです。テーマと外れるからぼかしたのだとは思うのですが、職場を語るからには仕事への思い入れみたいなのは不可欠では? このあたり、作者は仕事とは労働でありつまらないことであり、できれば避けたいことであるという姿勢がうかがえます。何だかそういうのを見ると、違うんじゃないかなあと思うのは私だけでしょうか? 出演はジェーン・フォンダとリリー・トムリン。

コリン・ヒギンズ監督。1980年アメリカ映画。

1989年4月29日 (土)

チェーンヒート (1983)

チェーンヒート 女性刑務所に交通事故を起こしたひとりの女が送られた。腐敗しきった刑務所の実体と、抗争。そして脱出をスリリングに描いた作品。暴力シーンは神経を逆なでするほど強烈。

 とんでもない作品です。正常な神経をしている人なら、かなりの不快感を伴う映画です。私も初めて大薮春彦さんの小説を読んだ時のような気分になって前半はめいってしまいました。腐敗した刑務所というのが、ものすごくリアルなんです。とにかくたよれる人はほとんどいないし、寝首をかかれる恐れもある。刑務所内での殺人すら黙認されている。そんな中で所長にすらレイプされた主人公が、怒りの炎を燃やします。この主人公が、エクソシストで悪魔にとりつかれる少女を演じたリンダ・ブレアである点が面白い。成長した彼女が楽しめます。

 かなりエロチックであり暴力も氾濫する作品ですが、ラストの復讐シーンのおかげであと味があんまり悪くないのが救いです。熱くなる性格の人は、身の回りのこわれものを整理してから観賞しましょう。

ポール・ニコラス監督。1983年アメリカ=西ドイツ合作。

1989年4月28日 (金)

ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎狂想曲 (1987)

ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎狂想曲 人気劇画の映画化シリーズ第4作。二人の不良高校生とその周辺をコミカルに描く。今回も他校を退学になったちんぴらと大乱戦。この映画のギャグは笑えます!

 実は、私は隠れビーバップファンだったのです。何しろそんじょそこらのつまらないギャグ映画やギャグ番組なんかよりも確実に笑えますから。ちょっぴり痛そうなシーンも多くて毒も多くて、誰にでも勧められる作品ではないと思うのですが、影響を受けない人なら絶対にいいと思います。何もかも忘れて笑いとばして下さい。

 ところで主演の仲村トオルくんですが、この劇中でも途中でちょっとだけ[カタギ]の学生のスタイルをするんですが、そこがとても笑えます。もう絶対にどこかのおぼっちゃんになってしまうからです。人はメーキャップで変わるもんだと感心してしまいます。ラストに馬に乗ってけんかしに来るシーンも楽しくてマル!

那須博之監督。1987年日本映画。

1989年4月27日 (木)

ガルシアの首 (1974)

ガルシアの首 ガルシアの首に1千万ドルの賞金がかかった! すでに死んでいたガルシアの首に群がり奪い合う男たちとその死。超辛口ハードボイルドの傑作!

 なんせキャラクターが強烈な映画である。酒場のピアノ弾きの主人公のウォーレン・オーツ。その恋人のかすれた声の歌手。ガルシアの首に賞金をかける南米のギャングのボス。首を追う殺し屋ども。そして何よりもすごいのは、[切り落とされたガルシアの首]なのである。なんたって落ちた首に演技をさせるというペキンパー監督の発想にはぶっとんでしまった。といってもこれはSF映画ではない。主人公の車の助手席であたかも生き物のようにごろごろと転がっているだけなのだ。

 孤独に主人公は首に話しかける。首はごろごろと転がって答える。次第に首にははえがわき、悪臭を放ちはじめる。もちろんスクリーンをとおして臭いなんてわかるはずもないのだが、徹底した[汚れ]の映像に気分の悪さまで伝わって来る。ある意味では[汚さを楽しんでる]んじゃないかと思えてくる。この描写が、次第に恋人を失った主人公の怒りへと転化されていく。目指すは首に賞金をかけたギャングのボス。最後に彼は腐敗したガルシアの首にさえ好意を抱くようになる。

 世の中には安全なところなどありゃしない。何かをする(させる)には、それなりのリスクを背負わなければならないとこの映画は語っている。

サム・ペキンパー監督。1974年アメリカ映画。

1989年4月24日 (月)

レインマン (1988)

レインマン 自閉症の兄と、父の死をきき遺産目当てにその兄の世話をすることになった無鉄砲な弟の旅を通して、家族のあり方について考えさせられる秀作。88年度アカデミー賞を受賞の話題作。

 この映画に感動したポイントは3つありました。ひとつは、車です。冒頭から車のシーンでスタート。ぺたんこのカウンタックから主人公の乗るスポーツカー、そして父から相続したクラッシックカーと、目まぐるしく見せてくれます。その中でクラッシックカー(ごめん、車に詳しくないのです)が特筆物。前から見ると、なぜか顔に見える。その顔に表情があるわけです。これ、やっぱり天国の親父さんの顔なんでしょうねえ。特にモーテルでもめる兄弟をドアの外からやさしく見守る車の顔にはちょっぴりほろりときてしまいました。

 次に、記憶。トム・クルーズの幼い時の記憶をたどるシーンと、兄の記憶力のよさなんてのは皮肉さを感じます。最後に日常的、機械的な生活習慣を破る事の大切さ。このホフマン演じるところの兄が病院生活を続けるならば、いったい彼は何のために生きているんだろうかとずっと考えてしまいました。

 この静かなドラマのすばらしさは日本映画にはぜひ見習ってほしいなと感じました。

バリー・レヴィンソン監督。1988年アメリカ映画。

1989年4月22日 (土)

最後の誘惑 (1988)

最後の誘惑 キリストとその生涯を、生身の人間のドラマとして描(こうとした)作品。ただ史実に忠実に描くでもなく、完全な人間ドラマでもなく、中途半端な印象は否定できない。

 確かに感動もしたしある種の感銘も受けたが、この作品中のキリストを見たいと思う人がどれほどいるのか疑問だった。人間ドラマに徹するなら、キリストが自分の腹から心臓をつかみ出すシーンは不用(イメージの問題?)であろうし、かといって[十戒]や[ベン・ハー]みたいに徹底的にSFXで描き切るのでもないので中途半端な印象を受けた。

 キリストのスキャンダルなんて宣伝文句もあったが、普通の人間の普通の恋愛をスキャンダルなんて書かれたらたまらない。お守り袋の中身は見ない方が霊権あらたか、世の中には知らない方がいいこともある。キリストは多くの人のイメージの中に存在するのである。

マーティン・スコセッシ監督。1988年アメリカ映画。

1989年4月12日 (水)

敦煌 (1988)

敦煌 宋の時代の中国が舞台。役人の登用試験に落ちた若者(佐藤浩市)が、次の試験までの3年間を無益に過ごす事に疑問を持ち、新興国であり宋に脅威をもたらしている西夏に興味を持ち旅立つ。そして西夏軍に入り、生き残った敵国の姫(中川安奈)を助け恋に落ちるのだが...

 賛否両論あった大河ドラマですが、私はかなり楽しめました。後半のシルクロードの要地である敦煌をめぐっての攻防は見応えがあります。それからタイトルバックも含めて撮影の美しさも特筆ものでしょう。

佐藤純彌監督。1988年日本映画。

1989年3月21日 (火)

異人たちとの夏 (1988)

異人たちとの夏 浅草のすし職人であった親(片岡鶴太郎)が息子(風間杜夫)の前に現実的な幽霊になって現われるのだが、何だかこのタイプの親だと一緒にいて疲れないかなあ、なんて思った。子供時代の環境という過去への郷愁はものすごく感じたが、名取裕子の恋人だけがストーリーとしてすごく浮いているように感じた。大林監督の作品はどれもすごく懐かしい気持ちにさせてくれるのだが、必ずどこかストーリーの一部で肌に合わない部分があるみたい。

大林宣彦監督。1988年日本映画。

1989年3月 8日 (水)

ダイ・ハード (1988)

ダイ・ハード これは観客の心理を計算しつくした展開に拍手喝采してしまいます。いくら派手なアクションシーンを用意したところで「それでどうしたの?」となる映画は多いのですが、この作品では「くるぞくるぞ」「いけいけ」と観客をあおって(?)くるのです。

ジョン・マクティアナン監督。1988年アメリカ映画。

1988年11月24日 (木)

ヤング・シャーロック ピラミッドの謎 (1985)

ヤング・シャーロック ピラミッドの謎 スピルバーグ製作による若き日のホームズ。ホームズとワトソンの出会い、さらに宿敵モリアティ教授との出会いがSFXを交えて派手に描かれている。ホームズの初恋物語も泣かせてくれます。

 どっちかっちゅうと、アメコミのヒーローが悪の帝王と対決するというノリです。巻頭の幻覚を画面に派手に描き出し、チキンが襲って来たりするSFXからラストの人力飛行機まであの手この手の大サービスで楽しませてくれます。

 しかし、かなり続編が意識されたラストでした。これってシリーズ化される予定だったんだろうか?

バリー・レヴィンソン監督。1985年アメリカ映画。

1988年10月24日 (月)

バカヤロー! 私怒ってます (1988)

バカヤロー! 私怒ってます いろいろな社会の不条理に陥った主人公が「バカヤロー」と爆発することによって事態が一変するというパターンで作られた4話オムニバス。ストーリーとは反対に無機質で乾いた感覚だが、そこがニューウェーブっぽくて面白い。タイトルからわかるとおり、これは実写で作られたマンガだ。

第1話?食べてどこがいけないの? 第2話?遠くてフラれるなんて 第3話?運転する身になれ! 第4話?英語がなんだ

出演:相楽晴子、伊原剛志、石橋蓮司、森下愛子、豊川悦司、安田成美、磯部弘、相田寿美緒、小坂一也、大地康雄、斉藤慶子、布施博、イッセー尾形、小林稔侍、小林薫、室井滋

渡辺えり子、中島哲也、原隆仁、堤幸彦監督。1988年日本映画。

1988年9月 8日 (木)

新桃太郎 (1987)

新桃太郎 日本のアドバイスで台湾で作られたカンフー桃太郎。桃が流れて来るあたりのギャグは、大人が見ても大笑いできる。霊幻道士などのノリで楽しめる。

趙中興、陳俊良共同監督。1987年台湾映画。

1988年8月 2日 (火)

優駿 ORACION

優駿 ORACION 一頭のサラブレッドとそれをとりまく人の生き方を描いたドラマ。しっかし、日本映画の悪いところを結集したような仕上がりで、必然性の無いお涙シーンの連続にはへきえきした。音楽もやかまし過ぎる。

杉田成道監督。1988年日本映画。

1988年6月 1日 (水)

股旅 (1973)

股旅 自由を求め渡世人に憧れて故郷を飛び出した若者(萩原健一、小倉一郎、尾藤イサオ)の前にあったのは、掟にがんじがらめにしばられた渡世人の世界だった。逃げることのできない、生きることへの苦労を見せてくれる傑作。

市川崑監督。1973年日本映画。

1988年4月22日 (金)

ラビリンス 魔王の迷宮 (1986)

ラビリンス 魔王の迷宮 魔王に弟をさらわれた少女が、彼を救おうと迷宮へ足を踏み入れて行く。いっぱい出て来るクリーチャーたちが楽しい一編。ファミコンゲームをそのまま映画にしたみたい。

LABYRINTH
出演 ジェニファー・コネリー、デヴィッド・ボウイ
ジム・ヘンソン監督。1986年アメリカ映画。

1988年4月14日 (木)

ビバリーヒルズ・コップ2 (1987)

ビバリーヒルズ・コップ2 宝石強盗団を追ってロスにやって来た刑事のアクションとギャグ。ぺらぺらとまくしたてるエディ・マーフィのギャグは字幕ではどうしても追従は苦しいみたい。

トニー・スコット監督。1987年アメリカ映画。

1988年2月28日 (日)

細雪 (1983)

細雪 大阪船場の4姉妹(佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子、岸恵子)の生き方を描く。古手川さんの現代女性ぶりが、家の習慣に閉鎖された世界の中でのギャップを生み楽しい。

市川崑監督。1983年日本映画。

1988年2月26日 (金)

人間の約束 (1986)

人間の約束 老人とその安楽死の問題を扱った作品。「花いちもんめ」よりもさらに強烈な内容で、見応え十分。「長生き」というのが本当に人間にとって幸せなのかを考えさせられる。

出演 三國連太郎、村瀬幸子、伊藤オリエ、河原崎長一郎、武田久美子、若山富三郎、佐藤浩市、杉本哲太、米倉斉加年、高橋長英

吉田喜重監督。1986年日本映画。

1988年2月 5日 (金)

HOUSE ハウス (1977)

HOUSE ハウス 家が人間を食べるというホラー映画なんだけど、自主制作っぽくて遊んで作っているって感じでとっても楽しい。自主制作から映画界へ入った人も多いだろうに、どうして35mmになるとこんなの作らないの?

大林宣彦監督。1977年日本映画。

1988年2月 3日 (水)

帝都物語 (1988)

帝都物語 ややこしい原作を消化不良の映画にして、観客にしてはえらい迷惑。SFXも着想も子供だましの域を出ないし、何より地脈を光らせたり羅針盤を爆発させたりする日本映画お得意の発想の貧困さが目についた。

実相寺昭雄監督。1988年日本映画。

1987年12月 6日 (日)

インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 (1984)

インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 伝説の石を求めてジョーンズ博士(ハリソン・フォード)はインドの秘境へ...そこには邪教集団が待ち構えていた。ゲテモノ料理、昆虫の大群と、私がだーいきらいなものが大集合。きつかった!

 シリーズ3本の中ではこれが一番面白いのではないだろうか? 冒頭は香港でいかがわしい組織とジョーンズ教授が取り引きをしようとしている。しかし失敗、組織に追われて舞台はインドの山奥へ。文明社会とまったく切り離されたところで走り回るジョーンズがいい。有名なゴンドラのローラーコースターシーンがあるのもこの作品。ラストの吊り橋のシーンは、最近十津川の吊り橋に行った時に「ただ渡るだけでもこあいのになあ」と思い出してしまった。

スティーヴン・スピルバーグ監督。1984年アメリカ映画。

1987年10月18日 (日)

おはん (1984)

おはん ふたりの女の間を行ったり来たりするいいかげんな男の物語。しかしこんなに聡明そうで美しい二人が、どうしてこんなやつにと疑問は晴れなかった。

出演 吉永小百合、大原麗子、石坂浩二、ミヤコ蝶々、香川三千、常田富士男、横山道代、浜村純、桂小米朝、上原由美佳理

市川崑監督。1984年日本映画。

1987年8月13日 (木)

さよなら夏のリセ (1983)

さよなら夏のリセ ヴァディム親子(ロジェ・ヴァディム、クリスチャン・ヴァディム)が監督/主演で共演が話題の青春映画。前半はユーモアを交えたハイスクール生のアバンチュールを、後半は性と妊娠、その時の登場人物の揺れる気持を描く。

 特に目新しさは感じなかったけど、強いて言えばもてない男の子のキャラクターに後半スポットが当った部分かなあ。この手の映画はたいてい美男美女のラブストーリーに終始するわけだけど、この作品ではそれを横目で見ながら羨ましがってる男の子を準主役まで持ち上げたのがよい。好きな女の子が別の男の子とつきあって妊娠して捨てられるまで愛を打ち明けられないというちょっと可愛そうなキャラクターだったけど、この二人の「その後」に興味がつきなかった。

 前半、ハイスクールの女学生がすごいスタイルで自転車に乗ったりカンカンを踊ったりするシーンが、みょーなナマナマしさがあって笑えます。

ロジェ・ヴァディム監督。1983年フランス映画。

1987年7月24日 (金)

謀殺・下山事件 (1981)

謀殺・下山事件 国鉄総裁が轢死体で発見されたいわゆる「下山事件」は謀殺であったという推理をもとにした社会派ドラマ。当時の社会背景なども描かれていて興味深い。

出演 仲代達矢、山本圭、隆大介、井川比佐志、平幹二朗、浅茅陽子、岩崎加根子、神山繁、仲谷昇、小沢栄太郎、大滝秀治、橋本功、江幡高志、稲葉義男、新田昌玄、滝田祐介、梅野泰晴、近藤洋介、菅井きん、浜田寅彦、伊藤孝雄、草薙幸二郎、岩下宏、織本順吉

熊井啓監督。1981年日本映画。

1987年7月10日 (金)

コミック雑誌なんかいらない (1985)

コミック雑誌なんかいらない 本物の三浦和義が内田裕也に水をぶっかけるシーンなどもあり、どこまでがドラマでどこまでが本物かわからないというのも面白い。

出演は、内田裕也、麻生祐未、桑名正博、安岡力也、嶋大輔、片岡鶴太郎、原田芳雄、ビートたけし、郷ひろみ、殿山泰司、三浦和義、渡辺えり子、村上里佳子、桃井かおり、小松方正、常田富士男、篠原勝之、趙方豪、小田かおる、志水季里子、逸見政孝。

滝田洋二郎監督。1985年日本映画。

1987年6月 3日 (水)

それから (1985)

それから 「トレンドをいくら追いかけても古くなるから、時代に逆らって明治時代を撮る」って森田監督が言って作った映画だったと思う。しかしその明治時代も「不倫」というテーマもブームとして過ぎ去ってしまった気がするのだが。

出演 松田優作、藤谷美和子、小林薫、中村嘉葎雄、草笛光子、笠智衆、風間杜夫、美保純、森尾由美、イッセー、羽賀健二、川上麻衣子、遠藤京子、泉じゅん、一の宮あつ子
森田芳光監督。1985年日本映画。

1987年6月 2日 (火)

七人の侍 (1954)

七人の侍 毎年野武士に襲われる貧村が、7人の侍(志村喬、三船敏郎、木村功、加東大介、宮口精二、稲葉義男、千秋実)を雇って生死をかけて戦う時代劇。7人の侍それぞれの個性が際立っていて、すごぶる魅力的。モノクロ画面の美しさ、ストーリーの面白さなど、映画の面白さそのもの。

 かつどんの上に、エビ天をのせて、ハンバーグのせて、スパゲッティのせて、さらにカレーをぶっかけたような映画だとは黒澤監督本人の談。まさにそんな、おいしさてんこ盛りの映画。(上記の食べ物はちょっと気持ち悪い気もするが)

黒澤明監督。1954年日本映画。

1987年1月22日 (木)

オズの魔法使 (1939)

オズの魔法使 極彩色という言葉がぴったりのフィルム。子供向けのファンタジーのはずなんだけど、なんとも言えない毒を持ってる内容なんですよね。後半に登場する魔法使いのキャラクターなんか、子供が見たらうなされそう。ライオン(バート・ラー)は今考えたら、ミュージカルの「キャッツ」っぽい!?

ヴィクター・フレミング監督。1939年アメリカ映画。

1987年1月 7日 (水)

なつかしい風来坊 (1966)

なつかしい風来坊 サラリーマン(有島一郎)の家へ転がり込んでくる風来坊というよりは単なる汚い浮浪者(ハナ肇)。嫌がっていた一家も、だんだん彼の飾らない性格やにじみ出る人柄にひかれていくという人情喜劇。山田監督のテーマとも言える(?)「いいかっこをしない人」が徹底的に賛美される。これは現代でも通用するのだろうか?

山田洋次監督。1966年日本映画。

1986年12月28日 (日)

カルメン (1983)

カルメン パコ・デ・ルシアの実名による出演が、ギターファンの私としては楽しかった。だってみんなが「やあパコ、元気か?」なんて言ってるんだもんね。

出演:アントニオ・ガデス、ラウラ・デル・ソル、パコ・デ・ルシア、セバスチャン・モレノ

カルロス・サウラ監督。1983年スペイン映画。

1986年11月 6日 (木)

ロマンシング・ストーン 秘宝の谷 (1984)

ロマンシング・ストーン 秘宝の谷 題名がいいので、内容以上の期待を抱いてしまった。

出演:キャスリーン・ターナー、マイケル・ダグラス、ダニー・デヴィート、ザック・ノーマン、アルフォンソ・アラウ、マヌエル・オヘイダ、メアリー・エレン・トレイナー、イーヴ・スミス、ロン・シルヴァー、ホランド・テイラー

ロバート・ゼメキス監督。1984年アメリカ映画。

1986年5月 4日 (日)

愛情物語 (1984)

愛情物語 原田知世の両親探しの旅+ミュージカル・スターを夢見て実現してしまうという、ちょっち強引な展開の典型的なアイドル映画。彼女が好きな人か、2時間ドラマが好きな人でないと少々きつい・・・

角川春樹監督。1984年日本映画。

1986年4月22日 (火)

Wの悲劇 (1984)

Wの悲劇 元々推理ものはあんまり好きでないのだが、この作品はそんな先入観をふきとばしてくれるほど面白かった。スキャンダルになるってのも愛情表現のひとつなんですね。

澤井信一郎監督。1984年日本映画。

1986年3月 5日 (水)

生きる (1952)

生きる 毎日が同じ事の繰り返しになったら、または新しい事にチャレンジするのがおっくうになったら、それは歳をとったことなんだと反省しました。

黒澤明監督。1952年日本映画。

1985年12月 5日 (木)

探偵物語 (1983)

探偵物語 薬師丸と松田優作というちょっと考えるとミスマッチな二人が、見事な凸凹コンビぶりをみせてくれる。ショートカットにしてちょっぴり色っぽくなったひろ子ちゃんが印象に残ってます。

出演 薬師丸ひろ子、松田優作、岸田今日子、財津一郎、秋川リサ、北詰友樹、坂上味和、藤田進、中村晃子、山西道広、鹿内孝、ストロング金剛、清水宏、三谷昇、榎木兵衛、林家木久蔵、蟹江敬三
根岸吉太郎監督。1983年日本映画。

1985年11月20日 (水)

キューポラのある街 (1962)

キューポラのある街 キューポラってのが何であるのか、初めて知った。

浦山桐郎監督。1962年日本映画。

1985年10月 6日 (日)

レイダース 失われたアーク(聖棺) (1981)

レイダース 失われたアーク 考古学者で冒険好きのジョーンズ博士(ハリソン・フォード)が大活躍するアクション映画第1弾。巻頭の洞掘の宝探しからしてエキサイティング。黄金のアーク(聖櫃)を求めて舞台はピラミッドから孤島へと..

 映画に対するアンテナがまだまだ弱いのか、この作品がこんなに面白くこんなにスーパーシリーズになるとは思いませんでした。宣伝を見ると西部劇みたいなのですが、中身はなんと宝物を探す冒険映画。しかも冒頭の洞掘のシーンから、ぐぐっと引き込まれる演出が憎いです。

スティーヴン・スピルバーグ監督。1981年アメリカ映画。

1985年9月29日 (日)

家族ゲーム (1983)

家族ゲーム 横一列に並んで食事をする食卓。半熟卵焼きの黄身を、じゅるじゅると音を立てて吸い出す親父と、キワモノ的な部分ばかりが印象に残っている不思議な映画。ラストはどこかこじつけっぽくて意味不明だった。

出演 松田優作、伊丹十三、宮川一朗太、由紀さおり、辻田順一、阿木耀子、戸川純、伊藤克信、加藤善博、清水健太郎、白川和子、岡本かおり、松金よね子、鶴田忍
森田芳光監督。1983年日本映画。

1985年9月22日 (日)

ネバーエンディング・ストーリー (1984)

ネバーエンディング・ストーリー 豪華なクリーチャーたちの競演に、ふんだんなSFXと文句ないおとぎの世界。すべてが主人公の少年が本を読む頭の中の世界ならではの後半の展開も面白かった。

ウォルフガング・ペーターゼン監督。1984年西ドイツ映画。


1985年9月21日 (土)

戦場のメリークリスマス (1983)

戦場のメリークリスマス 登場人物がほとんどすべて男の映画。たけしがシリアスなドラマを演じれるというのも意外だった。

MERRY CHRISTMAS Mr.LAWRENCE
出演 デヴィッド・ボウイ、トム・コンティ、坂本龍一、ビートたけし、ジャック・トンプソン、内田裕也、三上寛、ジョニー大倉、室田日出男、戸浦六宏、内藤剛志
大島渚監督。1983年日本=イギリス合作。

1985年9月15日 (日)

鬼龍院花子の生涯 (1982)

鬼龍院花子の生涯 夏目雅子さんって、何でも演じられる本当にいい女優さんだったなぁ…(しみじみ)

出演:仲代達矢、夏目雅子、高杉かほり、岩下志麻、山本圭、丹波哲郎、仙道敦子、夏木マリ、佳那晃子、中村晃子、新藤恵美、夏八木勲、成田三樹夫、内田良平、室田日出男、梅宮辰夫、綿引洪、誠直也、小沢栄太郎、益岡徹、浜田寅彦、佐藤金造(桜金造)、アゴいさむ

五社英雄監督。1982年日本映画。

1985年8月29日 (木)

パンツの穴 (1984)

パンツの穴 九州からやって来た思春期の少年の巻き起こす珍騒動を描いた青春コメディ。「エロガキ」という言葉がぴったりな連中が途中からは暴走して汚物かけ合戦になるという東映B級喜劇のノリです。

出演 菊池桃子、山本陽一、笠原潔、岩本宗規、矢野有美、田中浩二、高沢順子、マリアン、ハナ肇
鈴木則文監督。1984年日本映画。

パンツの穴 (1984)

パンツの穴 九州からやって来た思春期の少年の巻き起こす珍騒動を描いた青春コメディ。「エロガキ」という言葉がぴったりな連中が途中からは暴走して汚物かけ合戦になるという東映B級喜劇のノリです。

出演 菊池桃子、山本陽一、笠原潔、岩本宗規、矢野有美、田中浩二、高沢順子、マリアン、ハナ肇
鈴木則文監督。1984年日本映画。

パンツの穴 (1984)

パンツの穴 九州からやって来た思春期の少年の巻き起こす珍騒動を描いた青春コメディ。「エロガキ」という言葉がぴったりな連中が途中からは暴走して汚物かけ合戦になるという東映B級喜劇のノリです。

出演 菊池桃子、山本陽一、笠原潔、岩本宗規、矢野有美、田中浩二、高沢順子、マリアン、ハナ肇
鈴木則文監督。1984年日本映画。

パンツの穴 (1984)

パンツの穴 九州からやって来た思春期の少年の巻き起こす珍騒動を描いた青春コメディ。「エロガキ」という言葉がぴったりな連中が途中からは暴走して汚物かけ合戦になるという東映B級喜劇のノリです。

出演 菊池桃子、山本陽一、笠原潔、岩本宗規、矢野有美、田中浩二、高沢順子、マリアン、ハナ肇
鈴木則文監督。1984年日本映画。

1985年8月25日 (日)

迷走地図 (1983)

迷走地図 ある代議士を主人公に、政権交代に関する政界の裏側のどろどろした世界を描いたサスペンス。腹黒い代議士夫婦を勝、岩下が熱演している。渡瀬の演じる秘書もなかなか味がある。

出演 勝新太郎、岩下志麻、渡瀬恒彦、芦田伸介、松坂慶子、津川雅彦、伊丹十三、いしだあゆみ、寺尾聰、早乙女愛、朝丘雪路、平田満、片桐夕子、中島ゆたか、内田朝雄、加藤武、大滝秀治、宇野重吉
野村芳太郎監督。1983年日本映画。

1985年8月24日 (土)

魔性の夏 四谷怪談より (1981)

魔性の夏 四谷怪談より 有名な四谷怪談のストーリーを演劇の蜷川幸雄の手により斬新なタッチで映画化。浪人の伊右衛門は金持の娘の婿になるために、現在の妻を殺すのだがその亡霊にとりつかれる。

出演 萩原健一、関根恵子、夏目雅子、石橋蓮司、勝野洋、小倉一郎、赤座美代子、鈴木瑞穂、森下愛子、内藤武敏、石丸謙二郎
蜷川幸雄監督。1981年日本映画。

1985年8月21日 (水)

荒野のストレンジャー (1972)

荒野のストレンジャー 新型コンピュータ・チップをめぐってのスパイ争奪戦。舞台はパリからシリコンバレーへと展開する。ラストの金門橋での攻防は、高所恐怖症の人にはきつい(??)

 ダーティなアウトローを描いたイーストウッドのアクション西部劇。さびれた町へやって来た流れ者は、からむならず者を撃ち殺し恐れられる。そこへ凶悪犯がやって来るという知らせが入り…

HIGH PLAINS DRIFTER
出演 クリント・イーストウッド、ヴェルナ・ブルーム、マリアンナ・ヒル、ミッチェル・ライアン、ジャック・キング、ジェフリー・ルイス、ジョン・ミッチャム、バディ・ヴァン・ホーン
クリント・イーストウッド監督。1972年アメリカ映画。

1985年8月16日 (金)

007 美しき獲物たち (1985)

007 美しき獲物たち 新型コンピュータ・チップをめぐってのスパイ争奪戦。舞台はパリからシリコンバレーへと展開する。ラストの金門橋での攻防は、高所恐怖症の人にはきつい(??)

 悪役がクリストファー・ウォーケンなんですよね〜。でも見た頃は彼にぜんぜん注目してなくて、異質な悪役というぐらいの記憶しかない。残念! グレース・ジョーンズが出てたのはこれだったっけ? 彼女がよかった。それから、ラストの金門橋の上でのはらはら、どきどきのアクションも。

A VIEW TO A KILL
出演 ロジャー・ムーア、クリストファー・ウォーケン、タニア・ロバーツ、グレース・ジョーンズ、バーナード・リー、ロイス・マックスウェル、デズモンド・リューウェリン、パトリック・マクニー
ジョン・グレン監督。1985年イギリス映画。

1985年8月15日 (木)

はだしのゲン (1984)

はだしのゲン 原爆投下の広島を舞台に、家族を失った少年ゲンを描いた自伝的劇画のアニメーション化。崩壊した家の下敷になった家族を置いて逃げるシーンは本当に痛々しい。

声の出演 宮崎一成、甲田将樹
真崎守監督。1984年日本映画。

1985年8月14日 (水)

G.I.ブルース (1960)

G.I.ブルース 休暇中の若い軍人が、ある女性を口説き落とせるかという賭けにのる。しかしその女性と本当に恋に落ちてしまう、というプレスリーのミュージカル。ストーリーよりも歌を楽しむ作品です。

G.I.BLUES
出演 エルヴィス・プレスリー、ジュリエット・プラウズ、ジェームズ・ダグラス、ジェームズ・アイバー
ノーマン・タウログ監督。1960年アメリカ映画。

1985年8月12日 (月)

掠奪された7人の花嫁 (1954)

掠奪された7人の花嫁 山奥に住む木こりの7人の兄弟が、町から花嫁をさらってくる。最初はいやがっていた女たちも次第に彼らを愛するようになるとんでもないストーリー。しかし、ダイナミックなダンスシーンは最高!

 私がダンス映画って面白いなあと感じるようになった作品。しかし今こんなストーリーの映画を作ったら、人権団体が怒るだろうなぁ。

SEVEN BRIDE FOR SEVEN BROTHERS
出演 ハワード・キール、ジェーン・パウエル、ラス・タンブリン、ジェフ・リチャーズ、トミー・ラール、ヴァージニア・ギブソン、ジュリー・ニューマ、ルタ・キルモニス、マット・マトックス
スタンリー・ドーネン監督。1954年アメリカ映画。

1985年8月 9日 (金)

キッド (1921)

キッド 浮浪者のチャーリーは、捨て子を拾って育て自分の詐欺の相棒にしている。ところが彼の本当の母親が現れて… チャップリン以上に子役のクーガンが光る喜劇。

THE KID
出演 チャールズ・チャップリン、ジャッキー・クーガン、エドナ・パーヴィアンス、チャック・リーズナー
チャールズ・チャップリン監督。1921年アメリカ映画。

1985年8月 8日 (木)

この子を残して (1983)

「この子を残して」収録 木下恵介DVD-BOX 大量のレントゲンをあびて死を決意した医者が、自分のふたりの子供あてに書いた書簡集の映画化。長崎の原爆投下が象徴的に描かれている。

出演 加藤剛、十朱幸代、山口崇、淡島千景、大竹しのぶ、浜田寅彦、神崎愛、麻丘めぐみ、福田豊士、山本亘、中林正智、西嶋真朱
木下恵介監督。1983年日本映画。

1985年8月 7日 (水)

夜明けのランナー (1983)

夜明けのランナー 故郷の兄がガンで倒れたため東京を離れなければならなくなった青年が、別れた恋人に会うために夜明けの公園をひた走る。渡辺徹のデビュー作で、この頃はとてもスリムで二枚目(!?)

出演 渡辺徹、広岡瞬、美池真理子、勝野洋、北村和夫、加賀まりこ、桂木文、三東ルシア、朝香光代、石丸謙二郎、高橋悦史、岡本喜八
中岡京平監督。1983年日本映画。

1985年8月 6日 (火)

担え銃(チャップリンの兵隊さん) (1918)

担え銃(チャップリンの兵隊さん) 兵隊に出たひとりの男の巻き起こす珍騒動を描いたチャップリン初期の短編喜劇。爆弾がどんどん降って来る暫壕を舞台に皮肉たっぷりのコントが演じられる。

SHOULDER ARMS
出演 チャールズ・チャップリン、シドニー・チャップリン
チャールズ・チャップリン監督。1918年アメリカ映画。

1985年8月 5日 (月)

チャップリンのゴルフ狂時代(のらくら) (1921)

チャップリンのゴルフ狂時代 浮浪者と紳士のひとりふた役をチャップリンが演じ、ゴルフというゲームを皮肉った初期の短編映画。この頃から彼の作品には毒がたっぷり盛られています。

THE IDLE CLASS
出演 チャールズ・チャップリン、エドナ・パーヴィアンス、マック・スウェイン
チャールズ・チャップリン監督。1921年アメリカ映画。

1985年8月 4日 (日)

ボールズ・ボールズ (1980)

ボールズ・ボールズ ゴルフ場を舞台にしたスラップスティック・コメディ。フロリダのゴルフ場を訪れるのは変人ばかりで… ゴルフ場の地下に巣喰うネズミのゴーファが狂言回し役で大活躍。

CADDYSHACK
出演 チェヴィー・チェイス、ビル・マーレイ、ロドニー・デンジャーフィールド、マイケル・オキーフ、テッド・ナイト、シンディ・モーガン、サラ・ホルコーム、ブライアン・ドイル・マーレイ
ハロルド・レイミス監督。1980年アメリカ映画。

1985年7月28日 (日)

男はつらいよ 柴又慕情 (1972)

男はつらいよ 柴又慕情 北陸を旅行中に出会った美しい娘(吉永)に恋心を寄せる寅さん。しかし彼女は、小説家の父と恋人との間で悩んでいるのだった。吉永小百合が熱演のシリーズ第9作。

出演 渥美清、松村達雄、吉永小百合、宮口精二、倍賞千恵子、前田吟、三崎千恵子、太宰久雄、笠智衆、佐藤蛾次郎
山田洋次監督。1972年日本映画。

1985年7月20日 (土)

幸福 (1981)

幸福 マクベインの「87分署」シリーズの翻訳もの。拳銃乱射事件を追う刑事たちの姿を描く。

出演 水谷豊、永島敏行、谷啓、中原理恵、浜村純、草笛光子、加藤武、市原悦子、常田富士男、佐々木すみ江、三條美紀、川上麻衣子
市川崑監督。1981年日本映画。

1985年7月18日 (木)

アイコ十六歳 (1983)

アイコ十六歳 屋根の上に昇るのが好きな少女アイコの日常を描いた青春映画。原作者は高校生でコンクール優勝、今関監督は初の劇場用映画。富田靖子も初主演の映画。

出演 富田靖子、藤田弓子、河合美佐、紺野美沙子、犬塚弘、松下由樹
今関あきよし監督。1983年日本映画。

1985年7月11日 (木)

マッドマックス サンダードーム (1985)

マッドマックス サンダードーム 近未来、過去を持つ流れ者マックスは、無法者の街バータータウンに流れつく。この街は黒人の女王が支配しており、やがてマックスはサンダードームで行われるデスマッチに無理やり参加させられる。

MAD MAX : BEYOND THUNDERDOME
出演 メル・ギブソン、ティナ・ターナー、アングリー・アンダーソン、フランク・スリング、ヘレン・バディ、アンジェロ・ロシット、ブルース・スペンス、テッド・ホッジマン、ロバート・グラブ、ジャスティン・クラーク、マーク・スペイン、ロッド・ツァニック
ジョージ・ミラー、ジョージ・オギルヴィ監督。1985年オーストラリア映画。

1985年7月 7日 (日)

バトルトラック (1982)

バトルトラック 世界大戦が終結し石油の掠奪戦がいたる所で行われている近未来が舞台。悪の限りを尽くすトラック軍団にバイクでひとり立ち向かうヒーローを描いたバイオレンス・アクション。

 オーストラリアに「マッドマックス」あれば、ニュージーランドに「バトルトラック」ありとばかりに立ち上がった作品ですが、思ったほどヒットしませんでした。

BATTLETRUCK
出演 マイケル・ベック、アニー・マッケンロー、ジェームズ・ウェインライト
ハーレー・コクリス監督。1982年ニュージーランド映画。

1985年6月26日 (水)

夏服のイヴ (1984)

夏服のイヴ 住み込み家庭教師の女性と主人、それに彼女の恋人との三角関係を描いたメロドラマ。後半のニュージーランドロケが話題に。夏服のイヴとは南半球のため暑い中で行われるクリスマスイブの事。

出演 松田聖子、羽賀健二、近藤正臣、風見章子
西村潔監督。1984年日本映画。

1985年6月25日 (火)

白い家の少女 (1976)

白い家の少女 J・フォスターがアイドルだった頃の美少女サスペンス(?) 白い家にひとりで住む少女のもとへ見知らぬ男が訪ねて、なんてストーリーを聞いたときは繊細な物語と思ったのだが、後半はホラーしてました。

THE LITTLE GIRL WHO LIVES DOWN THE LANE
出演 ジョディ・フォスター、マーティン・シーン、アレクシス・スミス、スコット・ジャコビー
ニコラス・ジェスネル監督。1976年カナダ=フランス合作。

1985年6月23日 (日)

華氏451 (1966)

華氏451 本が禁止された未来世界を描いた近未来SF。高度にメディアが発達して、思想統一を謀る管理者が本をすべて焼き捨てるように命令。かくして消防士たちは本を焼却すべく走りまわる。

 壁かけの大型テレビや、各部屋にある電話など当時としてはリアリティいっぱいに描かれた未来世界が今現実のものとなっている。本の焼却令は極端にしても、メディアを握れば人々の思想を統一できるって予言もまた現実だろう。

FAHRENHEIT 451
出演 ジュリー・クリスティ、オスカー・ヴェルナー、シリル・キューザック、アレックス・スコット、アントン・ディフリング、ジェレミー・スペンサー、マーク・レスター
フランソワ・トリュフォー監督。1966年フランス=イギリス合作。

1985年6月21日 (金)

バーニング (1983)

バーニング 全身大やけどを負った殺人鬼バンボロが、巨大な植木はさみをふり回して人間たちを血まつりにあげるスプラッタ映画。アメリカで映写中にショック死者が出たとか話題になったが、それほどでもなかった。

THE BURNING
出演 ブライアン・マシューズ、ルー・デイヴィス、リア・エアーズ、ラリー・ジョシュア、ホリー・ハンター
トニー・メイラム監督監督。1983年アメリカ映画。

1985年6月19日 (水)

里見八犬伝 (1983)

里見八犬伝 呪われた城を救うために登場した8人の剣士を描いたファンタジー時代劇。かなり原作を曲げた内容で、とくにラストの真田と薬師丸のねちっこいラブシーンには閉口してしまった。

出演 薬師丸ひろ子、真田広之、千葉真一、目黒祐樹、志穂美悦子、夏木マリ、萩原流行、夏八木勲、寺田農、京本政樹、成田三樹夫、岡田奈々、高柳良一、鈴木瑞穂、ヨネヤマ・ママコ、声−松坂慶子
深作欣二監督。1983年日本映画。

1985年6月18日 (火)

陽のあたる場所 (1951)

陽のあたる場所 富豪の娘と結婚するために、若者は古い恋人をボートに誘った..そこに殺意はあったのか? 殺人という異常事態を身近に感じさせてくれる問題作。

THE PLACE IN SUN
出演 モンゴメリー・クリフト、エリザベス・テイラー、シェリー・ウィンタース、アン・リビア
ジョージ・スティーヴンス監督。1951年アメリカ映画。

1985年6月17日 (月)

キャット・ピープル (1981)

キャット・ピープル 愛し合ったなら豹に変身し、相手を喰い殺さなければ人間に戻れないという猫族の女を描いたスリラー。スプラッタなのだがナスターシャの妖しい魅力のためか一風変ったホラー映画に仕上がっている。

CAT PEOPLE
出演 ナスターシャ・キンスキー、マルコム・マクダウェル、ジョン・ハード、アネット・オトゥール、ルディ・ディー、エド・ベグリー・Jr.、スコット・ポーリン、ジョン・ラロケット
ポール・シュレイダー監督。1981年アメリカ映画。

1985年6月16日 (日)

シャレード (1963)

シャレード 夫との離婚を決意した妻だったが、家へ戻ると夫は殺されていた。やがて彼女には謎の男がつきまどい、事件へと巻き込まれて行く。切手を題材にしたミステリー映画。

CHARADE
出演 オードリー・ヘプバーン、ケイリー・グラント、ウォルター・マッソー、ジェームズ・コバーン、ジョージ・ケネディ、ネッド・グラス、ジャック・マリン
スタンリー・ドーネン監督。1963年アメリカ映画。

1985年6月14日 (金)

さよならジュピター (1984)

さよならジュピター 未来、木星を爆破、第2の太陽として人類の生活圏を広げる計画が進行する。しかしこれに反対する新興宗教ジュピター教団と当局の間に壮絶な戦いがはじまる。話題を呼んだSF大作。

 確かに話題は呼んだのですが、ストーリーのスケールの大きさに比べて映画の仕掛けはちゃちでずっこけてしまいました。

出演 三浦友和、森繁久彌、小野みゆき、ディアンヌ・ダンジェリー、岡田真澄、平田昭彦、ポール・太河、ロン・アーウィン、マーク・パンソナ、キム・バス
小松左京、橋本幸治監督。1984年日本映画。

1985年6月 8日 (土)

レイザーバック (1984)

レイザーバック オーストラリアの大平原を舞台に、人間を襲う巨大な猪に孫を殺され復讐を誓う老ハンターの物語。MTV出身のマルケイ監督の画面はブルーのライトと大量のスモークを利用して幻想的。

RAZORBACK
出演 グレゴリー・ハリソン、ジュディ・モリス、ビル・カー、アーキー・ホイットリー、クリス・ヘイウッド
ラッセル・マルケイ監督。1984年オーストラリア映画。

1985年6月 3日 (月)

椿三十郎 (1962)

椿三十郎 流れ者のスゴ腕浪人(三船敏郎)が持ち前の頭脳で相手の裏を読み、ギャフンと言わせるという「用心棒」の続編。実は私、こちらを先に見たのですが、予備知識がなかったせいなのか続編のこちらの方が好きなのです。

黒澤明監督。1962年日本映画。

1985年5月29日 (水)

13日の金曜日PART2 (1981)

13日の金曜日PART2 前作で死んだはずだった殺人鬼ジェイソンが復活。前作で唯一人生き残った少女を手始めに、ストーリーそっちのけで殺しまくるスプラッタ映画。殺しの手口もより残虐に。  前作と同じキャンプ場が舞台で、ストーリー展開もほぼ同じ。確かに続編なのによくもまあうまくこじつけたもんだと感心させられました。

FRIDAY THE 13TH PART 2
出演 エイミー・スティール、ジョン・フューリー、ベッツィ・パルマー、クリスティーン・ベイカー
スティーヴ・マイナー監督。1981年アメリカ映画。

1985年5月28日 (火)

ふるさと (1983)

ふるさと やがてダム建設で湖底に沈む運命にある岐阜県徳山村が舞台。ややぼけかかった老人と、彼をしたう孫とのふれあいを綴った名作。美しい日本の自然が見事なカメラワークで撮影されている。

出演 加藤嘉、長門裕之、樫山文枝、浅井晋、前田吟、樹木希林、花沢徳衛、草薙幸二郎、樋浦勉、岡田奈々、篠田三郎、市原悦子
神山征二郎監督。1983年日本映画。

1985年5月26日 (日)

ターミネーター (1984)

ターミネーター 未来に影響をおよぼす重要人物を暗殺するために、タイムマシンで無敵のサイボーグ戦士が現代へ送られて来る。抜群のアイディアで描かれたSFバイオレンス・アクション映画。

THE TERMINATOR
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、マイケル・ビーン、ランス・ヘンリクセン、ポール・ウィンフィールド、リック・ロソヴィッチ、アール・ボーエン、ビル・パクストン
ジェームズ・キャメロン監督。1984年アメリカ映画。

1985年5月23日 (木)

荒野の決闘(いとしのクレメンタイン) (1946)

荒野の決闘 OK牧場の決闘を描いた西部劇。牛を連れて移動中のワイアット・アープの一行が何者かに襲われて牛は奪われ、弟が殺される。アープは犯人をとらえるべく保安官になるのだが、流れ者ドクと激しくぶつかる。

 のちに「OK牧場の決闘」としてリメイクされる西部劇の有名な物語。コントラストのきついモノクロ画面が、独特の雰囲気を持っている。ストーリーは保安官ワイアット・アープ、それに流れ者ドク・ホリディがタイトルにもある美しい女性クレメンタインをめぐって激しくぶつかり合う。しかしやがて二人は男の友情に目覚め、アープの弟とドクの恋人の命を奪ったクランプトン一家に決闘をいどむ。

MY DARLING CLEMENTINE
出演 ヘンリー・フォンダ、リンダ・ダーネル、ヴィクター・マチュア、ウォルター・ブレナン、ティム・ホルト、キャシー・ダウンズ、ウォード・ボンド、アラン・モーブリー、ジョン・アイアランド
ジョン・フォード監督。1946年アメリカ映画。

1985年5月22日 (水)

ワーロック (1959)

ワーロック 無法者が暴れ回る西部の街ワーロックでは、たまりかねて保安官クライを呼ぶ。しかし、クライを夫の仇として追うリリーも街へやって来て。3大スター共演の西部劇大作。

WARLOCK
出演 ヘンリー・フォンダ、リチャード・ウィドマーク、アンソニー・クイン、ドロシー・マローン
エドワード・ドミトリク監督。1959年アメリカ映画。

1985年5月19日 (日)

プルメリアの伝説 天国のキッス (1983)

プルメリアの伝説 天国のキッス サーファーの少年と少女のラブストーリーを綴った松田聖子劇場映画第2作。中井と松田のラブシーンが話題になったが、それ以外は特に見るべきところのない作品。

出演 松田聖子、中井貴一、小野みゆき、山下真司、宝田明、朝丘雪路
河崎義祐監督。1983年日本映画。

1985年5月 9日 (木)

クレイマー、クレイマー (1979)

クレイマー、クレイマー 妻に家出され7歳の息子とふたりとり残された父親の奮戦を描いた作品。子供の目から見た家族崩壊がいかに大事件であるかを考えさせてくれる映画。

 この母親の行動って理解できないものがある。父親の目で映画を見たんだけど、どうして妻が出て行ったのかほんとに理解できないし、映画で見る限りでは妻の異変に気付く余地なんてないんでは?

 余談だけど、この映画見て初めてフレンチ・トーストなるものの存在を知って、試してみました。うまかった。

KRAMER VS. KARAMER
出演 ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ジャスティン・ヘンリー、ジェーン・アレクサンダー、ジョージ・コー、ジョベス・ウィリアムズ、ハワード・ダフ、エレン・パーカー、ジョン・オニール
ロバート・ベントン監督。1979年アメリカ映画。

1985年5月 6日 (月)

ときめきに死す (1984)

ときめきに死す ある組織に雇われた暗殺者と、彼の身のまわりの世話をする男が屋敷で奇妙な共同生活をしている。そこへ組織の本部から美しい女が派遣されてくる。何とも不思議なムードを漂わせた異色映画。

出演 沢田研二、杉浦直樹、樋口可南子、日下武史、岡本真、矢崎滋、岸部一徳、宮本信子、加藤治子、中村亜湖、林亜里沙、加藤善博
森田芳光監督。1984年日本映画。

1985年5月 5日 (日)

アウトランド (1981)

アウトランド 近未来、木星の第3惑星イオにやって来た保安官オニールは、謎の殺人事件を解決すべく捜査を開始する。西部劇のエッセンスを宇宙へ持って来た異色のSFアクション。

OUTLAND
出演 ショーン・コネリー、ピーター・ボイル、フランシス・スターンハーゲン、クリーク・ピータース
ピーター・ハイアムズ監督。1981年アメリカ映画。

1985年5月 2日 (木)

楢山節考 (1983)

楢山節考 長男以外は嫁をもらうこともできないぐらい貧乏な山奥の寒村の物語。生きていくために母をうば捨て山へ連れていく息子と、神のもとへ召されようとする母親の姿がショッキング。

 事件ばかり起こす一家を地面に穴を掘ってうめてしまう「根だやし」のシーンと、捨てられるのをいやがる母親をがんじがらめに縛って谷底へ落とすシーンが強烈。映画のメッセージよりもそんなショック・シーンが頭に残ってます。

出演 緒形拳、坂本スミ子、あき竹城、清川虹子、倉崎青児、左とん平、辰巳柳太郎、小沢昭一、常田富士男、小林稔侍、倍賞美津子、三木のり平、ケーシー高峰、殿山泰司、樋浦勉、深水三章、高田順子
今村昌平監督。1983年日本映画。

1985年4月29日 (月)

海燕ジョーの奇跡 (1984)

海燕ジョーの奇跡 弟分を殺された沖縄のちんぴら、ジョーが相手方のやくざの親分を殺し、恋人とフィリピンへ逃亡する。彼は実の父を探すのだが、やがて追手がやって来る。時任が破滅型のやくざを演じる青春アクション。

出演 時任三郎、藤谷美和子、田中邦衛、原田芳雄、三船敏郎、加藤嘉、清水健太郎、五月みどり、正司歌江、内藤武敏、鈴木瑞穂、原泉
藤田敏八監督。1984年日本映画。

1985年4月28日 (日)

タイタンの戦い (1981)

タイタンの戦い ギリシャ神話を舞台にしたファンタジー・アドベンチャー。勇者ペルセウスが王女アンドロメダと結ばれるまでの怪物どもとの戦いを、ふんだんなSFXで描く。

CLASH OF THE TITANS
出演 ハリー・ハムリン、ジュディ・バウカー、ローレンス・オリヴィエ、バージェス・メレディス、マギー・スミス、アーシュラ・アンドレス、クレア・ブルーム、ショーン・フィリップス
デズモンド・デイヴィス監督。1981年イギリス映画。

1985年4月24日 (水)

48時間 (1983)

48時間 エディの初出演映画。脱獄した凶悪犯逮捕のために、刑事が犯人の仲間である黒人ちんぴらを仮釈放して犯人を追う。仮釈放の期限は48時間…スピーディーで歯切れのよい展開とアクションは楽しめる。

48 HRS.
出演 ニック・ノルティ、エディ・マーフィ、アネット・オトゥール、フランク・マクレー、ジェームズ・レマー、デヴィッド・パトリック・ケリー、ソニー・ランダム、ブライオン・ジェームズ、ジョナサン・バンクス
ウォルター・ヒル監督。1983年アメリカ映画。

1985年4月22日 (月)

海峡 (1982)

海峡 青函トンネル開通までの工事の苦闘の記録をセミドキュメント・スタイルで描いた大作。東宝50周年記念作品。しかし物語がやや単調で退屈した。

出演 高倉健、吉永小百合、大谷直子、森繁久彌、三浦友和、笠智衆、大滝秀治、北村和夫、小沢栄太郎、小林稔侍、伊佐山ひろ子、山谷初男、阿藤海、絵沢萠子、東野英心、小林昭二、桑山正一、新田昌玄、中川勝彦、永井智雄、藤田進、稲葉義男、浜田寅彦
森谷司郎監督。1982年日本映画。

1985年4月14日 (日)

ファイヤーフォックス (1982)

ファイヤーフォックス アメリカ空軍の特殊部隊に所属するミッチェルは特殊訓練を受ける。彼の任務はソビエトの開発した地上最強の戦闘機、ファイヤーフォックスを盗み出す事。ラストの空中線が大迫力の戦争アクション映画。

 ファイヤーフォックスのコックピットがまるでブルーサンダーのように空気抵抗を無視した真四角なものでがっかりしたが、大迫力の空中戦が気分爽快にしてくれました。プラス・マイナス合わせてとんとんってとこです。

FIREFOX
出演 クリント・イーストウッド、デヴィッド・ハフマン、フレディ・ジョーンズ、ウォーレン・クラーク
クリント・イーストウッド監督。1982年アメリカ映画。

1985年4月13日 (土)

ポルターガイスト (1982)

ポルターガイスト 幽霊が暴れて物音をたてるポルターガイスト現象に悩まされる家族が、霊能力者にたのんで現象を沈めようとする。少女と放送が終わったテレビとの会話が印象に残った、SFXたっぷりのオカルト映画。

POLTERGEIST
出演 クレイグ・T・ネルソン、ヘザー・オルーク、ジョベス・ウィリアムズ、ベアトリス・ストレイト、ドミニク・ダン、オリヴァー・ロビンス、マイケル・マクマナス、リチャード・ローソン
トビー・フーパー監督。1982年アメリカ映画。

1985年4月12日 (金)

必殺! (1984)

必殺! 池波正太郎原作の必殺仕掛人から派生して大ブームになったTVの必殺シリーズの劇場版第1作。庶民の依頼で悪をさばく仕事人たちが、別の殺し屋につけ狙われる。

 TVの展開ってのは1時間でおさまるようなパターンを持っているんだけど、映画版ではそのパターンをそのまま2時間に引き伸ばしたのでかなり中だるみを起こしている。特にえんえんと続く殺しのシーンはしんどい。

出演 藤田まこと、山田五十鈴、中条きよし、三田村邦彦、鮎川いずみ、片岡孝夫、中井貴恵、研ナオコ、朝丘雪路、芦屋雁之助、火野正平
定永方久監督。1984年日本映画。

1985年4月10日 (水)

2010年 (1985)

2010年 2001年宇宙の旅の続編。木星調査の責任者フロイト博士は事件の責任を負って辞任、大学教授をやっている。しかしモスクワが木星調査船を出す事になり、博士自身もその宇宙船に同乗する。

 前作で謎のまま残されたコンピューターHALの反乱の理由、モノリスの正体などが半ば明らかにされる。しかし前作のように後半は観客のイマジネーションにゆだねられるわけではないので好き嫌いがあるかもしれない。前作とは切り離して考えた方がいい続編だろう。

 シド・ミードの宇宙船デザインやリチャード・エドランドの特撮はちょっとこってりした感じだけど相変らず冴えている。

2010
出演 ロイ・シャイダー、ジョン・リスゴー、ヘレン・ミレン、キア・デュリア、ボブ・バラバン、ダグラス・レイン、マドリン・スミス、ダナ・エルカー、タリージン・ジョフィ
ピーター・ハイアムズ監督。1985年アメリカ映画。

1985年4月 7日 (日)

北ホテル (1938)

北ホテル あまり裕福でない者たちが住む「北ホテル」で心中事件が起こる。男は女を射つのだが、怖くて自分に銃口を向けられない。そんな彼を、ホテルの隣人は逃してやる。ホテルを舞台にした人情劇でカルネの代表作。

HOTEL DU NORD
出演 アナベラ、ジャン・ピエール・オーモン、ルイ・ジューヴェ、アルレッティ
マルセル・カルネ監督。1938年フランス映画。

1985年4月 6日 (土)

ネバーセイ・ネバーアゲイン (1983)

ネバーセイ・ネバーアゲイン 12年ぶりにコネリーが演じる007の番外編で、ストーリーはサンダーボール作戦のリメイク。バハマ沖で盗まれた原爆をめぐって、イギリス情報部のボンドが海へ空への大活躍をする。

 ユナイトの007じゃないので、おなじみのテーマ音楽が使われてないとかちょっと不満もありますが、ますます重厚になったコネリーのボンドが楽しめます。

NEVER SAY NEVER AGAIN
出演 ショーン・コネリー、クラウス・マリア・ブランダウアー、マックス・フォン・シドー、バーバラ・カレラ、キム・ベイシンガー、エドワード・フォックス、アレック・マッコーウェン、ローワン・アトキンソン
アーヴィン・カーシュナー監督。1983年アメリカ映画。

1985年3月31日 (日)

ソイレント・グリーン (1973)

ソイレント・グリーン 人工増加と食料不足が深刻な近未来が舞台。ソイレント・グリーンと呼ばれる食料を食べて人々は生きながらえている。ある殺人事件を追う刑事は、このソイレントに関する秘密を探るのだが。

SOYLENT GREEN
出演 チャールトン・ヘストン、エドワード・G・ロビンソン、チャック・コナーズ、リー・テイラー・ヤング
リチャード・フライシャー監督。1973年アメリカ映画。

1985年3月24日 (日)

出逢い (1979)

出逢い 元ロデオチャンピオンのサニーは、今はCMタレントをやっている。しかしなさけない役ばかりやらされるのに嫌気感じた彼は、馬にまたがって文明社会を飛び出してしまう。

THE ELECTRIC HORSEMAN
出演 ロバート・レッドフォード、ジェーン・フォンダ、ウィリー・ネルソン、ヴァレリー・ペリン
シドニー・ポラック監督。1979年アメリカ映画。

1985年3月19日 (火)

配達されない三通の手紙 (1979)

配達されない三通の手紙 クイーンのミステリーを山口県の荻を舞台に脚色した作品。5人の女性の愛憎が渦巻き、やがて殺人事件へと発展する。ラストのどんでん返しは見応え十分。

出演 栗原小巻、小川真由美、松坂慶子、神崎愛、片岡孝夫、佐分利信、竹下景子、渡瀬恒彦、米倉斉加年、北林谷栄、小沢栄太郎、滝田裕介、稲葉義男、蟹江敬三
野村芳太郎監督。1979年日本映画。

1985年3月11日 (月)

007 ムーンレイカー (1979)

007 ムーンレイカー 毒ガスを使って人類滅亡させ、自分の息のかかった人間だけを宇宙ステーションで生き残らせようという誇大妄想狂の野望を打砕くためにイギリス情報部のボンドはシャトルに乗って宇宙へ。SF映画のパロディ。

 当時大流行していたSF映画のパロディでしょう。しかし007だけあって、SFXはしっかりしてました。

MOONLAKER
出演 ロジャー・ムーア、リチャード・キール、ロイス・チャイルズ、マイケル・ロンズデール、コリンヌ・クレリー、バーナード・リー、デズモンド・リューウェリン、ロイス・マックスウェル、ジェフリー・キーン
ルイス・ギルバート監督。1979年イギリス映画。

1985年2月28日 (木)

グレムリン (1984)

グレムリン 父がクリスマスに買って来たプレゼントは、謎の小動物グレムリン。前半は可愛い動物だったが、飼い方を間違ったために大増殖して大暴れ、町中をパニックに陥れる。ちょっと不思議なホラーファンタジー。

GREMLINS
出演 フィービー・ケイツ、ザック・ギャリガン、コリー・フェルドマン、ホイト・エクストン、ジョン・ルイ、フランシス・リー・マッケーン、ジャッジ・ラインホールド、キイ・ルーク、ポリー・ホリディ
ジョー・ダンテ監督。1984年アメリカ映画。

1985年2月25日 (月)

遙かなる山の叫び声 (1980)

遙かなる山の叫び声 北海道を舞台に、人を殺して逃げて来た男と、夫を失ってひとりで子供を育てる母親の心のふれあいを描いた人情劇。北海道の雄大な自然が美しい。

出演 高倉健、倍償千恵子、ハナ肇、吉岡秀隆、武田鉄矢、神母英郎、鈴木瑞穂、木ノ葉のこ、杉山とく子、大竹恵、畑正憲、渥美清
山田洋次監督。1980年日本映画。

1985年2月24日 (日)

あきれたあきれた大作戦 (1979)

あきれたあきれた大作戦 どこか間の抜けたスパイが、歯科医と組んで国際的陰謀団と戦うというアクション・コメディ。ピーター・フォークのすっとぼけた味が面白い。

THE IN-LAWS
出演 ピーター・フォーク、アラン・アーキン、リカルド・リベルティーニ、エド・ベグリー・Jr、ペニー・ペイサー、マイケル・レンベック、デヴィッド・ペイマー
アーサー・ヒラー監督。1979年アメリカ映画。

1985年2月20日 (水)

チャイナ・シンドローム (1979)

チャイナ・シンドローム 原子力発電所をめぐるサスペンス。TV取材中に原子炉が異常を起こす。当局は何でもなかったと言うが、VTRを再生してみると事態は重大だった事がわかる。チェルノブイリ事故を予言したと言われる作品。

 タイトルの意味は、アメリカで溶解した炉心が地球を突き抜けて中国にまで被害をおよぼすという事。そのスケールの大きさにびっくりしたが、映画はわりとこじんまりとまとまっていた。

THE CHINA SYNDOROME
出演 ジェーン・フォンダ、ジャック・レモン、マイケル・ダグラス、ウィルフォード・ブリムリー
ジェームズ・ブリッジス監督。1979年アメリカ映画。

1985年2月18日 (月)

人生劇場 (1983)

人生劇場 明治時代を舞台に、大きな夢を抱いて早稲田大学へ入学した青成瓢吉の挫折と、彼をめぐるやくざや女たちの生きざまを描いた大河ドラマ。何回も映画化されている作品だが、これはアクション色が強い。

出演 永島敏行、松坂慶子、松方弘樹、若山富三郎、中井貴恵、西村晃、三船敏郎、森下愛子、叶和貴子、奥田暎二、風間杜夫、蟹江敬三、成田三樹夫、室田日出男、小林稔侍、萩原流行、岡本麗、平田満、片桐竜次、三條美紀、藤岡重慶、高橋かおり、石丸謙二郎
深作欣二、佐藤純彌、中島貞夫監督。1983年日本映画。

1985年2月17日 (日)

メーン・イベント (1979)

メーン・イベント 化粧品会社の女社長が、ひょんな事から引退したボクサーをカムバックさせる事になるというラブコメディ。ぶつかりながらもひかれあっていく二人をライアンとバーブラが好演。

THE MAIN EVENT
出演 バーブラ・ストライサンド、ライアン・オニール、ポール・サンド、ホイットマン・メイヨ、リチャード・ローソン、ジェームズ・グレゴリー、アーニー・ハドソン
ハワード・ジーフ監督。1979年アメリカ映画。

1985年2月14日 (木)

風の谷のナウシカ (1984)

風の谷のナウシカ 時代不明の荒廃した地球を舞台にした少女ナウシカの冒険物語。自然と人間との共存のありかたなど、従来のアニメにない視点が話題を呼んだ。

声−島本須美、松田洋治、納谷伍朗、榊原良子、家弓家正
宮崎駿監督。1984年日本映画。

1985年2月 3日 (日)

化石の荒野 (1982)

化石の荒野 行方不明になった5000キロの金塊を求めて暗躍する男たちを描いたハードボイルド・アクション。それまでの角川大作映画を見慣れていたせいか、やや地味な小品に感じた。

出演 渡瀬恒彦、夏八木勲、佐分利信、田中明夫、浅野温子、青木義朗、川津祐介、大木実、加藤武、竹井みどり、阿藤海、宍戸錠
長谷部安春監督。1982年日本映画。

1985年1月27日 (日)

スペース・サタン (1980)

スペース・サタン 土星の衛星を舞台に、宇宙人から送り込まれたサイボーグ・ロボットと研究所員の壮絶な戦いを描いたSF密室サスペンス。土星の特撮が美しい。

SATURN 3
出演 ファラ・フォーセット、カーク・ダグラス、ハーヴェイ・カイテル、ダグラス・ランバート
スタンリー・ドーネン監督。1980年アメリカ映画。

1985年1月21日 (月)

ゴーストバスターズ (1984)

ゴーストバスターズ 研究所を追い出されたマッドな心霊研究家たちが、ゴーストを追払うという珍商売を始めて大ヒット。しかし、破壊神ゴーザが復活して彼らはピンチに追込まれる。SFXいっぱいのオカルトコメディ。

GHOSTBUSTERS
出演 ビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、シガニー・ウィーヴァー、ハロルド・レイミス、リック・モラニス、アニー・ポッツ、アーニー・ハドソン、ウィリアム・アザートン、デヴィッド・マギュリース
アイヴァン・ライトマン監督。1984年アメリカ映画。

1985年1月13日 (日)

ブロンコ・ビリー (1980)

ブロンコ・ビリー 西部劇の見せ物でどさ回りをする男たちの物語。現代にマッチしない男たちが、古き良き西部への郷愁を込めてガンマンを演じている姿には胸をうつものがある。

BRONCO BILLY
出演 クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、サム・ボトムズ、ジェフリー・ルイス、スキャットマン・クローザース、ビル・マッキニー、ダン・ヴァディス
クリント・イーストウッド監督。1980年アメリカ映画。

1985年1月 8日 (火)

ラストショー (1971)

ラストショー テキサスの小さな町を舞台に、朝鮮戦争に出征して行く若者とさびれていく町への郷愁を描いた青春映画。ラストの「彼は町をきれいにしようとしてただけなのに」の叫びは心に残る。

THE LAST PICTURE SHOW
出演 ティモシー・ボトムズ、シビル・シェパード、ジェフ・ブリッジス、ベン・ジョンソン、エレン・バースティン、サム・ボトムズ、ランディ・クエイド、クルー・ギャラガー
ピーター・ボグダノビッチ監督。1971年アメリカ映画。

1985年1月 1日 (火)

さよならコロンバス (1969)

さよならコロンバス 図書館に勤める青年が、金持の娘と知り合って恋に落ちる。しかし貞操を説くユダヤ人の両親のもとに育った彼女と、ナイーブな彼の間にはどこかずれがありしっくりいかない。

GOODBYE, COLUMBUS
出演 アリ・マッグロウ、リチャード・ベンジャミン、ケイ・カミングス
ラリー・ピアース監督。1969年アメリカ映画。

1984年12月31日 (月)

グリニッチ・ビレッジの青春 (1975)

グリニッチ・ビレッジの青春 50年代のニューヨークを舞台に、アルバイトをしながら演劇の修業をする青年の目をとおした青春群像。監督ポール・マザースキーの自伝的映画でもある。

NEXT STOP GREENWICH VILLAGE
出演 レニー・ベイカー、エレン・グリーン、シェリー・ウィンタース、クリストファー・ウォーケン、ルイ・スミス、ルー・ジャコビー、アントニオ・ファーガス、ジェフ・ゴールドブラム、ヴィンセント・スキャヴェリ
ポール・マザースキー監督。1975年アメリカ映画。

1984年12月28日 (金)

暴力脱獄 (1967)

暴力脱獄 つまらない罪で投獄された男ルークが、看守の理由なき暴力に業を煮やしついに脱走に至る。何度つかまっても脱走する執念の男をニューマンが熱演。アクションシーンも迫力があり手に汗握る。

COOL HAND LUKE
出演 ポール・ニューマン、ジョージ・ケネディ、J・D・キャノン、ジョー・ヴァン・フリート、デニス・ホッパー、ルー・アントニオ、ハリー・ディーン・スタントン、ジョー・ドン・ベイカー
スチュアート・ローゼンバーグ監督。1967年アメリカ映画。

1984年12月27日 (木)

サムライ (1967)

サムライ 一匹狼の殺し屋、通称サムライはある仕事を片付ける。しかし仕事中に顔を見られてしまった事から、依頼人と警察の両方から狙われる羽目になる。そんな時に彼のところへ新しい仕事の依頼が来るのだが。

LE SAMOURAI
出演 アラン・ドロン、ナタリー・ドロン、フランソワ・ペリエ、カティ・ロジェ、ミシェル・ポワロン
ジャン・ピエール・メルヴィル監督。1967年フランス映画。

1984年12月24日 (月)

ゴジラ (1984)

ゴジラ 子供のアイドルとなっていたゴジラを、本来のスペクタクル映画に戻そうと9年ぶりに作られた作品。第1作の内容に近く東京へのゴジラの上陸とそれを防ぐ自衛隊の攻防を中心に描かれる。

ゴジラ第1作の続編の形をとっているが、いくら30年前でもあんな怪物が東京に上陸してたら、みんなもっと早い段階から大パニックになってるハズ! 脚本がタコ。

出演 小林桂樹、田中健、沢口靖子、夏木陽介、小沢栄太郎、宅麻伸、内藤武敏、武田鉄矢、鈴木瑞穂、金子信雄、加藤武、小泉博、村井国夫、森本毅郎、江本孟紀、佐藤慶、江幡高志、橋本功、石坂浩二、かまやつひろし、織本順吉、御木本伸介、森幹太
橋本幸治監督。1984年日本映画。

1984年12月 8日 (土)

古都 (1980)

古都 京都を舞台に、双子の姉妹ながら捨て子だった娘と呉服問屋の娘として育てられた二人が再会する。川端康成の有名な小説を山口百恵の引退記念として映画化。彼女の二役が楽しめる。

出演 山口百恵、三浦友和、岸恵子、北詰友樹、沖雅也、石田信之、加藤武、浜村純、常田富士男、小林昭二、泉じゅん、三條美紀
市川崑監督。1980年日本映画。

1984年12月 3日 (月)

ピラニア (1978)

ピラニア マッド・サイエンティストが作った「スーパーピラニア」が上水道へまぎれ込んだ事によって起こるパニックを描いたホラー映画。ジョー・ダンテのデビュー作だけあり、アクションシーンはパンチがきいている。

PIRANHA
出演 ブラッドフォード・ディルマン、ケヴィン・マッカーシー、ヘザー・メンジース、キーナン・ウィン
ジョー・ダンテ監督。1978年アメリカ映画。

1984年11月24日 (土)

黄昏 (1981)

黄昏 ニューイングランドの避暑地を舞台に、ここへ毎年訪れる老夫婦と、久しぶりに現れた娘夫婦との心の交流を描いた秀作。実の親子であるのフォンダ父娘の共演も話題だが、ヘンリーとその孫の交流も素晴らしい。

ON GOLDEN POND
出演 ヘンリー・フォンダ、キャサリン・ヘプバーン、ジェーン・フォンダ、ダグ・マッキオン、ダブニー・コールマン、ウィリアム・ラントゥー
マーク・ライデル監督。1981年アメリカ映画。

1984年11月21日 (水)

逃れの街 (1983)

逃れの街 偶然殺人事件に巻き込まれた男がやくざの男を殺してしまい、警察からもやくざからも追い回される羽目になる。水谷/甲斐のコンビが、追い詰められ絶望の中を逃げる男とその恋人を熱演。

出演 水谷豊、甲斐智恵美、平田満、財津一郎、坂本浩之、夏八木勲、草笛光子、田中邦衛、島田紳助、阿藤海、財津一郎、小林稔侍、平田満、山西道広、秋川リサ、鹿沼えり、小池朝雄、絵沢萠子

工藤栄一監督。1983年日本映画。

1984年11月14日 (水)

マンハッタン無宿 (1968)

マンハッタン無宿 殺人犯を引き取るためにはじめてニューヨークへ出て来た田舎者の刑事。しかし犯人を奪われた彼は、都会者のややこしいやり方にぷっつんきて単独捜査にはいる。ラストの単車でのチェイスが見せてくれる。

COOGAN'S BLUFF
出演 クリント・イーストウッド、リー・J・コップ、スーザン・クラーク、ドン・ストロード、ティシャ・スターリング、シーモア・カッセル
ドン・シーゲル監督。1968年アメリカ映画。

1984年11月11日 (日)

フリービーとビーン 大乱戦 (1974)

フリービーとビーン 大乱戦 サンフランシスコ警察の悪ノリ警官フリービーとビーンのコンビが、ギャングの親玉を追いかけて大乱戦。メチャノリのいいスラップスティック・アクション映画。

FREEBIE AND THE BEAN
出演 アラン・アーキン、ジェームズ・カーン、ジャック・クラスチェン・ロレッタ・スウィット
リチャード・ラッシュ監督。1974年アメリカ映画。

1984年11月10日 (土)

竜二 (1983)

竜二 金子正次33歳の遺作。やくざが家族のためにカタギになろうとするのだが、そのあまりの生活のギャップに押し潰されて...自分とは正反対の性格の竜二を見て、いろんな生き方があるんだと感心しました。

出演 金子正次、永島暎子、北公次、佐藤金造(桜金造)、金子桃、泉アキ

川島透監督。1983年日本映画。

1984年11月 7日 (水)

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ (1984)

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ ニューヨークへ渡って来たユダヤ系の移民の少年が、やがて禁酒法時代を経て大きな権力を築き上げ、ギャングとして君臨して行く様子を描いた大河ドラマ。デ・ニーロが彼の半生を熱演。

出演 ロバート・デ・ニーロ、ジェームズ・ウッズ、エリザベス・マクガヴァン、ジェニファー・コネリー、ジョー・ペシ、トリート・ウィリアムズ、チューズディ・ウェルド、バート・ヤング、スコット・タイラー、ダニー・アイエロ、ジェームズ・ルッソ

ONCE UPON A TIME IN AMERICA
セルジオ・レオーネ監督。1984年アメリカ映画。

1984年11月 5日 (月)

激突! (1972)

激突! ただ追い越しただけで、どこまでもどこまでも追って来る大型トラックの恐怖を描いたサスペンス。余分な解説をはぶいて、ただ恐怖だけをメインにした演出が斬新。スピルバーグの監督デビュー作。

 綿密な状況設定をたてた上でドラマが進行するというのが最近流行りましたが、この作品はまったく逆。とにかく理由はなく追いかけて来るトラックと逃げる車のサスペンスを描いて成功している。これは元々B級映画の手法だと思うのだが(B級ホラーはこのスタイルを大抵とっている)、これをB級と思わせないのがスピルバーグの魔術だと思う。「ジョーズ」などでも、原作の鮫と人間の対決に関係ない部分はばっさりと切り捨てたということだ。

 元々アメリカのTVムービーだったが、日本では劇場公開されて大ヒットした。さすがに面白い。

DUEL
出演 デニス・ウィーヴァー、ティム・ハーバート、チャールズ・ピール、エディ・ファイアーストーン
スティーヴン・スピルバーグ監督。1972年アメリカ映画。

1984年10月29日 (月)

5人のテーブル (1983)

5人のテーブル 両親が離婚したあとの父親と子供たちを描いたホームドラマ。別れた妻に子供たちを奪われそうになりながら、彼が本当の意味での父親になっていく様子を描いた秀作。

出演 ジョン・ヴォイト、リチャード・クレンナ、ミリー・パーキンス、マリー・クリスティーヌ・バロウ

TABLE FOR FIVE
ロバート・リーバーマン監督。1983年アメリカ映画。

1984年10月28日 (日)

ドミノ・ターゲット (1976)

ドミノ・ターゲット 元狙撃兵で服役中のロイは、要人暗殺を条件に刑務所を出される。しかし命令に背いたために、殺し屋につけ狙われやがて恋人と隠れ家に逃れるのだが。哀愁ただようロマンス・アクション。

出演 ジーン・ハックマン、キャンディス・バーゲン、リチャード・ウィドマーク、ミッキー・ルーニー、エドワード・アルバート、イーライ・ウォーラック、ネヴァ・パターソン、ジェイ・ノッベロ

THE DOMINO PRINCIPLE
スタンリー・クレイマー監督。1976年アメリカ映画。

1984年10月21日 (日)

ザ・デイ・アフター (1983)

ザ・デイ・アフター カンザス・シティに中規模の核爆弾が落ちたらどうなるかを描いたTV映画。アメリカ放映時には大反響を巻き起こし、日本では劇場公開されたという話題作。核の恐怖がシリアスに描かれる。

出演 ジェイソン・ロバーズ、ジョン・カルム、ジョベス・ウィリアムズ、スティーヴ・グッデンバーグ、ジョン・リスゴー、エイミー・マディガン、ジェフ・イースト、ビビ・ベック

THE DAY AFTER
ニコラス・メイヤー監督。1983年アメリカ映画。

1984年10月14日 (日)

カリフォルニア・ドールズ (1981)

カリフォルニア・ドールズ 駆け出しの女子プロレスラー、カリフォルニア・ドールスと、彼女をトレーニングするトレーナーとの珍道中を描いたスポーツコメディ。フォークの味のある迷トレーナーが笑わせてくれます。

出演 ピーター・フォーク、ヴィッキー・フレデリック、トレーシー・リード、バート・ヤング、ローレンス・ロンドン、リチャード・ジャッケル、ジョン・ハンコック、ミミ萩原、ジャンボ堀

…ALL THE MARBLES (THE CALIFORNIA DOLLS)
ロバート・アルドリッチ監督。1981年アメリカ映画。

1984年10月10日 (水)

時をかける少女 (1983)

時をかける少女 映画公開時に流れていたTVスポットがとっても新鮮で好きでした。映画では、知世ちゃんが崖からジャンプしてタイムトラベルするショットがめちゃめちゃ好きで、ビデオを巻き戻して何回も何回も見ました。大林監督の作品ってのは内容もさることながら、時々ものすごく美しい絵が挿入されているから好きです。

大林宣彦監督。1983年日本映画。

1984年10月 8日 (月)

マッドマックス2 (1981)

マッドマックス2 近未来、中東が消滅して、石油の価値が急騰する。砂漠の真ん中に油田とそれを暴走族から守る人々に会ったマックスは、彼らに手を貸す。前作ほどメンタルな内容ではないが、爆走感抜群のアクション巨編。

出演 メル・ギブソン、ブルース・スペンス、ヴァーノン・ウェルズ、エミール・ミンティ

MAD MAX 2 (THE ROAD WARRIOR)
ジョージ・ミラー監督。1981年オーストラリア映画。

ロッキー2 (1978)

ロッキー2 しがないボクサーがチャンピオンと戦ってスターになるロッキーの続編。前作では勝ったが、納得のいかないチャンピオンがロッキーを再び挑戦者に迎える。しかしすっかり人気者の味を占めてしまったロッキーは

出演 シルヴェスター・スタローン、バージェス・メレディス、タリア・シャイア、バート・ヤング、カール・ウェザース、トニー・バートン、ジョー・スピネル、レナード・ゲインズ

シルヴェスター・スタローン監督。1978年アメリカ映画。

1984年10月 7日 (日)

スーパーマン2 冒険編 (1981)

スーパーマン2 冒険編 スーパーマン(クリストファー・リーヴ)の故郷、クリプトン星を追放されて生残った3悪人(テレンス・スタンプ、サラ・ダグラス、ジャック・オハローラン)を相手にスーパーマンが活躍する。3悪人の超能力がコミカルに描かれ、けっこう笑えます。

 いやあ、アメリカ人は強いものが好きだ。スーパーマンと同じ能力を持つ三悪人との対決シーンは、超人マンガのモロ実写化でスゴい。

リチャード・レスター監督。1981年アメリカ映画。

1984年10月 3日 (水)

ライト・スタッフ (1983)

ライト・スタッフ 音速を初めて突破したチャック・イエガーから始まり、ソビエトのガガーリンを追って宇宙へ飛び出したマーキュリー計画までのアメリカ宇宙航空史を絵巻物のように描いた大河ドラマ。

 大好きな1本。空へのあこがれや思いみたいなものが、この1本のフィルムに集約されている。しかしアカデミー編集賞をとった名編集と言われているのに、国内公開版はそれが無残に切り刻まれてたとあとできいた時にはむしょうに腹が立った。

出演 サム・シェパード、スコット・グレン、エド・ハリス、デニス・クエイド、スコット・ポーリン、ランス・ヘンリクセン、フレッド・ウォード、バーバラ・ハーシー、ヴェロニカ・カートライト、ドナルド・モファット、キム・スタンリー、レヴォン・ヘルム、パメラ・リード

フィリップ・カウフマン監督。1983年アメリカ映画。

1984年10月 1日 (月)

積木くずし (1983)

積木くずし 病気で赤毛のためにいじめられ、非行にはしった少女と親との格闘を描いたベストセラー小説の映画化。バイオレンスシーンは迫力があるが、ストーリーの締めくくり方がやや物足りない。

出演 渡辺典子、藤田まこと、いしだあゆみ、風見章子、林隆三、二宮さよ子、有元瑞枝、荒川亮、河原崎長一郎、弓恵子

斎藤光正監督。1983年日本映画。

1984年9月26日 (水)

あしたのジョー2 (1981)

あしたのジョー2 人気劇画のアニメ映画化。少年院あがりの不良少年、矢吹はボクシングに自分の生き方を見出し打ち込む。彼の世界チャンピオンの挑戦への道のりに、プロモーターの令嬢との恋がからむ。

声 あおい輝彦、藤岡重慶、檀ふみ、岡田真澄、細川俊之

出崎統監督。1981年日本映画。

1984年9月23日 (日)

プリティ・ベビー (1978)

プリティ・ベビー ニューオリンズの娼家に生れた少女が12歳で客を取らされる。やがて彼女に恋人ができるのだが。12歳の娼婦を演じた妖艶なブルックが光る一編。ルイ・マル監督初のアメリカ映画でもある。

出演 ブルック・シールズ、キース・キャラダイン、スーザン・サランドン、アントニオ・ファーガス、フランス・フェイ、マシュー・アントン、ダイアナ・スカーウィッド、バーバラ・スティール

ルイ・マル監督。1978年アメリカ映画。

1984年9月22日 (土)

プロムナイト (1980)

プロムナイト 学年末パーティ(プロムナイト)を楽しむ学生たち。しかし正体不明の殺人鬼が現れ、学園はパニックに。13日の金曜日の流れをくむ殺人鬼追いかけホラーの一編。

出演 ジェミー・リー・カーティス、レスリー・ニールセン、ケイシー・スティーヴンス、ロバート・シルヴァーマン

ポール・リンチ監督。1980年カナダ映画。

1984年9月 5日 (水)

道頓堀川 (1982)

道頓堀川 道頓堀川に面した町に住む学生と小料理屋のママのラブストーリーを中心に描かれる青春群像。後半はビリヤードの勝負がメインになるのだが、その後に来る結末がなぜそうなるのか理解できない。

出演 松坂慶子、真田広之、山崎努、佐藤浩市、渡瀬恒彦、加賀まりこ、カルーセル麻紀、古館ゆき、柄本明、名古屋章、浜村純、大滝秀治

深作欣二監督。1984年日本映画。

1984年8月31日 (金)

惑星ソラリス (1972)

惑星ソラリス 理性を持つ海がある惑星ソラリスのステーション探索に出かけた主人公の前に現れたのは、別れた妻だった。圧倒的なイマジネーションで描くソビエトSF映画の大作。やや哲学的で難解。

出演 ナターリア・ボンダルチュク、ドナータス・バニオニス、ユーリー・ヤルベット、アナトリー・ソロニーツィン

アンドレイ・タルコフスキー監督。1972年ソビエト映画。

1984年8月29日 (水)

トワイライトゾーン 超次元の体験 (1983)

トワイライトゾーン 超次元の体験 人気TVシリーズの映画版。人種差別をする男がパラレルワールドに落ちたり、缶蹴りをして若返る老人、わがままな超能力少年、飛行機を襲う怪物と4話オムニバスのSFホラー。

出演 ダン・エイクロイド、アルバート・ブルックス、ヴィック・モロー、スキャットマン・クローザース、キャスリーン・クィンラン、ジェレミー・ライト、ジョン・リスゴー、ドナ・ディクソン

ジョン・ランディス、スティーヴン・スピルバーグ、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラー監督。1982年アメリカ映画。

1984年8月27日 (月)

幻魔大戦 (1983)

幻魔大戦 地球を襲う「幻魔」と戦うために集められたサイボーグ戦士たちの戦いを描いたアニメーション。画面は美しいがストーリーがぶっとんでいて、着いて行けなかった。

声−古谷徹、小山茉美、池田昌子、藩恵子、塩沢兼人、内海賢二、原田知世、美輪明宏、穂積隆信、白石加代子、江守徹

りんたろう監督。1983年日本映画。

1984年8月26日 (日)

ひめゆりの塔 (1982)

ひめゆりの塔 沖縄で従軍看護婦として働いて戦渦に消えた悲劇のひめゆり部隊を描いた物語。同監督、同脚本によるリメイク。爆撃シーンは迫力があり印象的だが、ドラマ部分はやや弱い。

出演 栗原小巻、古手川祐子、大場久美子、斉藤とも子、蜷川有紀、田中好子、高部知子、神崎愛、下條アトム、井川比佐志、田村高廣、牛原千恵、谷川みゆき、音無真喜子、志方亜紀子、篠田三郎、地井武男、五十嵐知子、桐原五月

今井正監督。1982年日本映画。

1984年8月25日 (土)

子どものころ戦争があった (1981)

子どものころ戦争があった 第2次大戦中の日本。アメリカとの混血であるがために土蔵に隠されかくまわれている少女と、彼女をみつけて友達になる少年との初恋を描いた物語。

出演 樫山文枝、斉藤優一、キャサリン、梶芽衣子、三益愛子

斎藤貞郎監督。1981年日本映画。

1984年8月18日 (土)

星空の用心棒 (1967)

星空の用心棒 ジェンマ主演のマカロニウエスタンの1本。無実の罪で服役した男が脱獄し、自分を投獄した悪徳保安官一味に復讐する。悪徳保安官の持つ、手裏剣になったバッジが面白い。

出演 ジュリアーノ・ジェンマ、フランススコ・ラバル、コンラッド・サンマルティン

スタン・バンス監督。1967年イタリア映画。

1984年8月11日 (土)

ロアーズ (1981)

ロアーズ 猛獣たちが人間を襲うパニック映画に見せかけて、実は動物と人間の共存をうたったファミリー映画。主演の二人は夫婦で、実際に自宅で150頭の猛獣を飼っているそうです。

出演 ノエル・マーシャル、ティッピー・ヘドレン、メラニー・グリフィス、ジョン・マーシャル、ジェリー・マーシャル

ノエル・マーシャル監督。1981年アメリカ映画。

1984年7月29日 (日)

卒業白書 (1983)

卒業白書 ハイスクール卒業を控えた少年が、両親の留守をいいことに卒業記念にと娼婦を呼ぶ。その娼婦と少年は意気投合し、ある商売をはじめて一儲けしようと企むのだが。トムが無名の頃に作られた青春映画。

出演 トム・クルーズ、レベッカ・デモーネイ、カーティス・アームストロング、リチャード・メイジャー、ブロンソン・ピンショット、ジョー・パントリアーノ、ジェイソン・ゲドリック

ポール・ブリックマン監督。1983年アメリカ映画。

1984年7月11日 (水)

ロサンゼルス (1982)

ロサンゼルス 「狼よさらば」の続編。娘を強姦され殺された設計技師が復讐を誓い、夜の闇にまぎれて犯罪者を片っ端から処刑する。マスコミはあの男が帰って来たと報道し、民衆のヒーローに。しかし彼はまだ納得できない。

出演 チャールズ・ブロンソン、ジル・アイアランド、ヴィンセント・ガーディニア、J・D・キャノン

マイケル・ウィナー監督。1982年アメリカ映画。

1984年7月 9日 (月)

エクソシスト (1973)

エクソシスト ある日普通の少女リーガン(リンダ・ブレア)に悪魔が取りついた。獣のように変貌する彼女に、母クリス(エレン・バースティン)は最後の手段として悪魔払いの儀式を行うメリン神父(マックス・フォン・シドー)とカラス神父(ジェイソン・ミラー)を呼ぶのだが、カラス神父は重い過去を背負っている。70年代のオカルトブームを巻き起こした話題の作品。

 私が中学生ぐらいの時に流行ってたんだけど、怖がらせてくれるホラーパートと、カラス神父を描いたドラマのパートが絶妙なブレンドでとても面白かったのを記憶している。実はこの第1作は学生の頃に数回見ただけで以降はまったく再見してないんだけど、カラス神父の葛藤って何だったんだろうって凄く気になっている。近い内に見直してみようと思う。

 このあと「オーメン」とか「悪魔のシスター」とかヒットホラーはいろいろあったけど、やっぱ「エクソシスト」は格調高くて別格って気がするな。マイク・オールドフィールドの音楽も印象的だったし。

ウィリアム・フリードキン監督。1973年アメリカ映画。

1984年6月21日 (木)

ラスト・レター (1980)

ラスト・レター 不治の病に犯された少女が、ある看護婦との心のふれあいで力強く生きていく様子を描いた実話の映画化。「ダブ」のデボラが久しぶりに登場、可憐な看護婦を熱演しています。

出演 デボラ・ラフィン、ダイアン・レイン、マイケル・ラーンド、クリスティーナ・レインズ、ジョン・エイモス、クル・グレイジャー

ガス・トリコニス監督。1980年アメリカ映画。

1984年6月20日 (水)

スタートレック3 ミスタースポックを探せ (1984)

スタートレック3 ミスタースポックを探せ 大人気未来SFテレビシリーズの映画化第3弾。前作で亡くなったミスター・スポックの生命反応を追って、クルーたちがエンタープライズをジャック、禁断の惑星へと足を踏み入れる。

 とってつけたようなスポックの復活劇にはがっかり。ジェネシス惑星の岩がぼこぼこ盛り上がってくるミョーな地殻変動は、ヘタウマ的効果を狙っているんでせうか???

出演 ウィリアム・シャトナー、デフォレスト・ケリー、ジェームズ・ドゥーハン、ジョージ・タケイ、ウォルター・コーニング、クリストファー・ロイド、ロビン・カーティス、レナード・ニモイ

レナード・ニモイ監督。1984年アメリカ映画。

1984年6月 9日 (土)

オレゴン魂 (1975)

オレゴン魂 爆弾を奪って逃げた無法者一味を追う保安官と、彼のお供をする羽目になった老女宣教師を描いたアクション西部劇。ウエインもヘップバーンも歳をぶっとばすような掛合いを見せてくれて笑えます。

出演 ジョン・ウェイン、キャサリン・ヘプバーン、リチャード・ジョーダン、ジョン・マッキンタイヤ

スチュアート・ミラー監督。1975年アメリカ映画。

1984年6月 2日 (土)

突破口! (1973)

突破口! 田舎の銀行で強盗に成功したある男。しかしそれはマフィアの隠し金でとんでもない男に追い回される羽目になる。「ウォーキング・トール」のジョー・ドン・ベイカーがマフィアの殺し屋を怪演。

出演 ウォルター・マッソー、アンディ・ロビンソン、ジョー・ドン・ベイカー、ジャクリーン・スコット

ドン・シーゲル監督。1973年アメリカ映画。

1984年5月30日 (水)

栄光のル・マン (1971)

栄光のル・マン レース好きのマックインが私財を投げ打って作った本格的モータースポーツ映画。大事故で半死半生になりながらも復帰、ル・マン24時間耐久レースに再挑戦する男をマックイーンが演じる。

出演 スティーヴ・マックィーン、エルガ・アンデルセン、ジークフリード・ラウヒ

リー・H・カツィン監督。1971年アメリカ映画。

1984年5月28日 (月)

モンスター・パニック (1980)

モンスター・パニック 養殖用にばらまいた薬によって魚がモンスターに変身、襲って来るというB級パニック。女流監督によるスプラッタだけに、主役の女海洋学者の登場からラストのオチに至るまで、独特な残酷さがある。

出演 アン・ターケル、ヴィック・モロー、ドン・マクルーア、シンディ・ウェイントローブ

バーバラ・ピーターズ監督。1980年アメリカ映画。

1984年5月19日 (土)

リオ・ブラボー (1959)

リオ・ブラボー テキサスのリオ・ブラボーを舞台に、保安官のウエインが足の不自由な老人とアル中の早打ち男、2丁拳銃の名手を味方に、悪の一味と対決する。西部劇の面白さをいっぱい詰め込んだ傑作。

出演 ジョン・ウェイン、ディーン・マーティン、アンジー・ディキンスン、ジョン・ラッセル、リッキー・ネルソン

ハワード・ホークス監督。1959年アメリカ映画。

1984年5月14日 (月)

メカニック (1972)

メカニック プロの殺し屋とその相棒が見せるスーパーアクション。巻頭のビル爆破からオートバイによるチェイス、クルーザーの爆破と派手なアクションのつるべ落としで最初から最後まで楽しませてくれる。

出演 チャールズ・ブロンソン、ジャン・マイケル・ヴィンセント、キーナン・ウィン、ジル・アイアランド

マイケル・ウィナー監督。1972年アメリカ映画。

1984年5月 7日 (月)

破壊! (1973)

破壊! 風俗取り締まり係の警官2人組が、麻薬組織を追い詰め壊滅するまでを描いたアクション映画。派手な撃ち合いやチェイスが楽しめるが、よくある内容で特に印象には残らなかった。

出演 エリオット・グールド、ロバート・ブレイク、シド・ヘイグ、アレン・ガーフィールド

ピーター・ハイアムズ監督。1973年アメリカ映画。

1984年5月 2日 (水)

エンドレス・ラブ (1981)

エンドレス・ラブ 親から交際を禁じられたティーンエージャーの恋の悩みを描いた青春ラブロマンス。ブルック・シールズが美しい。ライオネル・リッチーとダイアナ・ロスの主題歌も大ヒットした。

出演 ブルック・シールズ、マーティン・ヒューイット、シャーリー・ナイト、ドン・マーレイ、ベアトリス・ストレイト、リチャード・キーリー、ジェームズ・スペイダー、トム・クルーズ、ジャミー・ガーツ

フランコ・ゼフィレッリ監督。1981年アメリカ映画。

1984年4月23日 (月)

ザ・ソルジャー (1982)

ザ・ソルジャー 世界壊滅を狙うテロリスト・グループを相手に戦う特殊部隊「ザ・ソルジャー」の活躍を描くバイオレンスアクション。「エクスタミネーター」のグリッケンハウスらしくバイオレンスシーンは強烈。

出演 ケン・ウォール、アルバータ・ワトソン、クラウス・キンスキー、ウィリアム・プリンス

ジェームズ・グリッケンハウス監督。1982年アメリカ映画。

1984年4月19日 (木)

シーウルフ (1981)

シーウルフ 第2次世界大戦末期、インド洋で猛威をふるうドイツ軍潜水艦を壊滅させるために結成された18人の特殊部隊「シーウルフ」を描いたアクション戦争映画。

出演 ロジャー・ムーア、グレゴリー・ペック、デヴィッド・ニーヴン、トレヴァー・ハワード

アンドリュー・V・マクラグレン監督。1981年イギリス=アメリカ=スイス合作。

1984年4月11日 (水)

誘拐報道 (1982)

誘拐報道 宝塚で実際に起こった誘拐事件のルポを原作に、伊藤監督が犯人側の視点から描いた実録犯罪映画。自主規制されている誘拐報道のあり方も考えさせられる社会派ドラマになっている。

出演 萩原健一、小柳ルミ子、秋吉久美子、藤谷美和子、高橋かおり、丹波哲郎、平幹二朗、高沢順子、池波志乃、三波伸介、菅原文太、松尾嘉代、伊東四朗、宅麻伸、和田求由、岡本富士太、永井智雄、大和田伸也、湯原昌幸、小倉一郎、藤巻潤、中尾彬、なべおさみ

伊藤俊也監督。1982年日本映画。

1984年4月 5日 (木)

連合艦隊 (1981)

連合艦隊 戦艦大和の出撃、そして連合艦隊の最期をオールスターキャストとふんだんな特撮で描いた大河ドラマ。巨大な戦艦大和のミニチュアが話題になったが、海戦シーンは思ったより物足りない。

出演 永島敏行、金田賢一、中井貴一、古手川祐子、財津一郎、佐藤慶、小林桂樹、丹波哲郎、長門裕之、鶴田浩二、里見奈保、森繁久彌、藤田進、田崎潤、平田昭彦、佐藤允、丹波義隆、なべおさみ、高橋幸治、金子信雄、三橋達也、小沢栄太郎、藤岡琢也、橋本功、中谷一郎、安部徹、奈良岡朋子、友里千賀子、松尾嘉代

松林宗恵監督。1981年日本映画。

1984年3月12日 (月)

弾丸特急ジェットバス (1976)

弾丸特急ジェットバス 近未来を舞台に、全長150メートルの原子力で動く大陸横断ジェットバスと、その中で起こる数々の事件をパロディ・タッチで描いたSF喜劇。

出演 ジョセフ・ボローニャ、ストッカード・チャニング、ジョン・ベック、ネッド・ビーティ、ホセ・フェラー、リン・レッドグレイヴ、ルース・ゴードン、サリー・ケラーマン、スチュアート・マーゴリン

ジェームズ・フローリー監督。1976年アメリカ映画。

1984年3月11日 (日)

バッジ373 (1973)

バッジ373 麻薬の売人を追い詰めて殺してしまった警官。彼が停職中に相棒を殺され、個人的に事件を調べていると今度は目の前で妻が殺され復讐を決意する。ハードボイルド・アクション映画。

出演 ロバート・デュヴァル、ルイス・コンセンティノ、ヴェルナ・ブルーム、ティナ・クリスティーナ

ハワード・W・コッチ監督。1973年アメリカ映画。

1984年3月 9日 (金)

ツィゴイネルワイゼン (1984)

ツィゴイネルワイゼン 明治時代を舞台に死に取りつかれた男と彼の回りをとりまく不思議な男女の姿を非現実的な映像で描いた鈴木監督の代表作。特に大楠道代が気味悪いを通り越してこの世のものと思えない妖艶な女を演じている。

出演 原田芳雄、大谷直子、藤田敏八、樹木希林、大楠道代、麿赤児、真喜志きさ子、佐々木すみ江、木村有希、山谷初男、玉川伊佐男

鈴木清順監督。1980年日本映画。

1984年3月 8日 (木)

キャノンボール2 (1983)

キャノンボール2 アメリカ横断を何時間で行えるかを競う非合法レース「キャノンボール」で、前回負けたアラブの石油王が屈辱を晴らす為にまたまたレースを主催する。ところが集った連中がまたひとくせもふたくせもあり…

出演 バート・レイノルズ、ジャッキー・チェン、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィス・Jr.、リチャード・キール、ドム・デルイーズ、シャーリー・マクレーン、フランク・シナトラ、スーザン・アントン、シド・シーザー、リカルド・モンタルバン、テリー・サヴァラス、ジャミー・ファー、メリル・ヘナー

ハル・ニーダム監督。1983年アメリカ映画。

1984年3月 5日 (月)

あゝ野麦峠 新緑編 (1982)

あゝ野麦峠 新緑編 産業復興に燃える日本で、貧困から岡谷の製糸工場に身売りされ女工として働いていた女性たちの暮しを描いたあゝ野麦峠の続編。今回も門番に襲われる女工など、彼女たちの悲惨な生活をオムニバス風に綴る。

出演 石田えり、三原順子、中井貴恵、岡田奈々、江藤潤、なべおさみ、宮崎達也、神山繁、樋浦勉、浅利香津代、下條正巳、風間杜夫

山本薩夫監督。1982年日本映画。

1984年2月22日 (水)

新・猿の惑星 (1971)

新・猿の惑星 惑星爆発の直前に宇宙へ脱出、現代へタイムスリップして来た2匹の猿(ロディ・マクドウォール、キム・ハンター)が主人公。第1作と逆の設定で、猿と人間のカルチャーギャップを扱った喜劇風の味付けが楽しいが、やはりラストはショッキング。

 前半は、なかなか楽しめる喜劇である。現代のニューヨークへ舞い戻って来た3匹の猿(コーネリアスとジーラ、1匹はすぐ死亡)がまだ見ぬ人間文化に目を輝かせるシーンがえんえんと描かれる。これだけならほのぼのとした作品に終ったところだが、後半がすごい。猿が地球を支配するようになるとわかると、人類はこの二人の間に生れる子供を抹殺しようとする。

 なんとも人間の2面性を見せつけられる、やりきれない作品である。後半にこの二人を助けようとするサーカスの一座が登場するのであるが、あなたはこの座長(リカルド・モンタルバン)を見てどう思いましたか? シリーズをずっと見ていると猿に同情して助けたくなるものですが、それが人類の脅威となる行為だとしたら...

ドン・テイラー監督。1971年アメリカ映画。

1984年2月19日 (日)

サハラクロス (1977)

サハラクロス サハラ砂漠を舞台に、一攫千金を考える石油パイプラインの技術者とゲリラが入り乱れてのロードムービー。ハイジャックなどのアクションシーンも含めて見せ場が多く楽しめる作品。

出演 フランコ・ネロ、パメラ・ヴィロレージ、ミシェル・コンスタンタン、マウロ・バラバーニ

トニー・バレリ監督。1977年イタリア映画。

1984年2月 8日 (水)

ジャンクマン (1982)

ジャンクマン 命知らずのスタントマン、通称「ジャンクマン」が、撮影後に何者かに命を狙われる羽目に。バニシングin60に続くハリッキー自作自演のスーパーカーアクション。壊した車が200台!?

出演 H・B・ハリッキー、スーザン・ショウ、クリストファー・ストーン、ラング・ジェフリーズ

H・B・ハリッキー監督。1982年アメリカ映画。

1984年2月 6日 (月)

遠野物語 (1982)

遠野物語 岩手県遠野地方の伝承を集めた柳田國男の原作を、ある男女のドラマに脚色した作品。象徴的に登場する白い木が印象に残る。岩手放送30周年記念作品。

出演 仲代達矢、江波杏子、原陽子、隆大介、滝田裕介、藤村志保、川口敦子、役所広司

村野鐵太郎監督。1982年日本映画。

1984年2月 5日 (日)

青春の門 自立編 (1982)

青春の門 自立編 早稲田大学へ入学し、東京へ下宿した信介のドラマ。信介のボクシング部での活躍、幼なじみの織江の上京、新宿2丁目の魅力的な娼婦との出会いなどが描かれる。原作はさらに続くが映画化されないのが惜しい

出演 佐藤浩市、杉田かおる、渡瀬恒彦、桃井かおり、萬屋錦之介、火野正平、風間杜夫、緑魔子、中島ゆたか、小林稔侍、加賀まりこ

蔵原惟繕監督。1982年日本映画。

1984年1月 8日 (日)

類猿人ターザン (1981)

類猿人ターザン 父を訪ねてアフリカへやって来た女性。しかし彼女は密林で出会った野性児ターザンにひと目惚れしてしまう。おなじみのターザン映画の新作だが、ボー・デレクを主役にややセクシーなターザンに仕上がっている。

出演 ボー・デレク、リチャード・ハリス、マイルズ・オキーフ、ジョン・フィリップ・ロウ

ジョン・デレク監督。1981年アメリカ映画。

1984年1月 6日 (金)

Dr.SLUMP ドクタースランプ (ほよよ!宇宙大冒険) (1982)

Dr.SLUMP ドクタースランプ (ほよよ!宇宙大冒険) TVで「Dr.スランプ」が人気絶頂だった頃に作られたアニメ映画。マッドサイエンティストの博士が作った宇宙船で、ペンギン村の一同は宇宙旅行をすることに。コミカルなキャラクターたちが笑わせてくれる。

声−小山茉美/内海賢二

永丘昭典監督。1982年日本映画。

1983年12月24日 (土)

アルカトラズからの脱出 (1979)

アルカトラズからの脱出 絶対脱出不可能と言われたアルカトラズ刑務所から脱走を試みた男たちの姿を描いたサスペンス映画。派手なアクションはないが手に汗握る面白い作品に仕上がっている。

出演 クリント・イーストウッド、パトリック・マッグーハン、ロバーツ・ブロッサム、フレッド・ウォード、ポール・ベンジャミン、ダニー・グローヴァー

ドン・シーゲル監督。1979年アメリカ映画。

1983年12月21日 (水)

宇宙空母ギャラクティカ サイロン・アタック (1979)

宇宙空母ギャラクティカ サイロン・アタック 悪に支配された植民地惑星から脱出して、宇宙船団を組んで伝説の惑星「地球」に戻ろうとする空母ギャラクティカを描いたSFX映画の第2作。しかしSFX場面の使い回しが多く、ストーリーもありきたり。

出演 リチャード・ハッチ、ロイド・ブリッジス、ダーク・ベネディクト

ヴィンセント・エドワーズ、クリスチャン・I・ナイビー2世監督。1979年アメリカ映画。

1983年12月19日 (月)

人間狩り (1971)

人間狩り 銀行強盗犯に息子を殺された男が、旧友のハンターに警察より先に犯人を捕まえることを依頼する。ホラー映画のような題名だが、地味なB級アクション映画である。

出演 サンドラ・ディ、ロイ・シネス、デヴィッド・ブライアン、ウィリアム・スミス、アル・ヒート

ドン・テイラー監督。1971年アメリカ映画。

1983年12月17日 (土)

震える舌 (1980)

震える舌 破傷風にかかった少女と、その想像を絶する症状と看護に追われる家族の戦いと苦悩を描いた作品。平凡な家庭が、どん底に落ちてあがき、這い上がって行く様子は見る物に感動を与える。

 ごく普通の少女が、ちょっと指を怪我して破傷風にかかり、光やちょっとした物音でさえも反応して狂ったように泣き叫ぶようになる。日常生活と本当に背中合せの恐怖を見事に描いた作品です。

出演 渡瀬恒彦、十朱幸代、中野良子、若命真裕子、北林谷栄

野村芳太郎監督。1980年日本映画。

1983年12月16日 (金)

風と共に去りぬ (1939)

風と共に去りぬ 南北戦争のアメリカを舞台に、激しく生き抜いた女性スカーレットと彼女をとりまく男性、女性たちを壮大なスケールで描いた大河ドラマ。スカーレットとメラニーという相反する女性の対比が面白い。

出演 ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル、ハティ・マクダニエル、オリヴィア・デ・ハヴィランド、レスリー・ハワード、トーマス・ミッチェル、バーバラ・オニール、ヴィクター・ジョリー、ローラ・ホープ

ヴィクター・フレミング監督。1939年アメリカ映画。

1983年12月13日 (火)

脱走山脈 (1968)

脱走山脈 第2次大戦中ドイツ軍の捕虜になったイギリス兵が動物園の象の世話をさせられる。ところが彼は象をいじめるドイツ兵を殺したがために象と一緒に脱走する羽目に。奇抜な発想が面白い戦争アクション映画。

出演 オリヴァー・リード、マイケル・J・ポラード、カレン・バール、ウォルフガング・プレイス

マイケル・ウィナー監督。1968年イギリス映画。

1983年12月12日 (月)

TATOO 刺青あり (1982)

TATOO 刺青あり 30歳になるまでにどでかいことをやると言う妄想に取りつかれた男が銀行強盗を行うまでを描いた作品。彼の八方破れな生活や恋人とのからみが描かれるが、個人的にはあまり共感できる部分はなかった。

出演 宇崎竜童、関根恵子(高橋恵子)、原田芳雄、泉谷しげる、渡辺美佐子、太田あや子、戸井十月、趙方豪、植木等、荻島真一

高橋伴明監督。1982年日本映画。

1983年12月 7日 (水)

アイランド (1980)

アイランド 次々と行方不明になる船の謎を追って新聞記者はカリブの海へ。なんとそこには、海賊たちの生き残りが暗躍していた。ハードな内容の海洋アドベンチャー。ラストがなかなか意外な展開。

 出演はマイケル・ケイン、デヴィッド・ワーナー、アンジェラ・パンチ・マクレガー、ジェフリー・フランク。

マイケル・リッチー監督。1980年アメリカ映画。

1983年12月 4日 (日)

華麗なる相続人 (1979)

華麗なる相続人 製薬会社の社長が死に、彼の娘が周囲の予想を裏切って新社長に就任する。彼女のまわりでうごめく連中を、豪華キャストで描いた社会派サスペンス。

出演 オードリー・ヘプバーン、ジェームズ・メイスン、ロミー・シュナイダー、ベン・ギャザラ、ミシェル・フィリップス、オマー・シャリフ、イレーネ・パパス、ゲルト・フレーベ、モーリス・ロネ

テレンス・ヤング監督。1979年アメリカ映画。

1983年11月27日 (日)

インターナショナル・ベルベット 緑園の天使 (1978)

インターナショナル・ベルベット 緑園の天使 「緑園の天使(44)」の続編。今回は前作のヴェルヴェットの姪が主人公で、反抗的だった彼女が叔母のように乗馬によって心を開き人間的成長を遂げる。彼女の周囲の人間の暖かさが伝わって来る名編。

出演 テイタム・オニール、クリストファー・プラマー、アンソニー・ホプキンス、ナネット・ニューマン、ジェフリー・バイロン、ジョン・ファーネス

ブライアン・フォーブス監督。1978年アメリカ映画。

1983年11月26日 (土)

ザ・レイプ (1982)

ザ・レイプ 車のセールスマンに強姦された女性が、やがて恋人の助けで告訴、裁判へ。しかし強姦の証明は難しく、裁判で屈辱的な目に合わされる。レイプ事件は事件後が恐ろしいことを訴えた社会派ドラマ。

出演 田中裕子、風間杜夫、伊藤敏八、津川雅彦、後藤孝典、伊藤まゆ、加賀まりこ、渚まゆみ、長谷川初範、市川夏江、木村元、林美雄

東陽一監督。1982年日本映画。

1983年11月21日 (月)

乱れからくり (1979)

乱れからくり からくり人形で富を築いた一族が、正体不明の殺人鬼につけ狙われる。それを受けて立つ私立探偵だったが。松田優作がTV「探偵物語」の延長のような主人公をコミカルに演じている。

しかし今(90年)見ると、わずか10年前の作品だのに故人が多いってのは(松田、沖、岸田)本当に呪われた映画だったのではないかと思ってしまいます。

出演 松田優作、篠ひろ子、野際陽子、峰岸徹、沖雅也、結城しのぶ、岸田森、田中邦衛、山西道広、北見治一

児玉進監督。1979年日本映画。

1983年11月19日 (土)

この子の七つのお祝いに (1982)

この子の七つのお祝いに 大臣秘書のお手伝いが殺されたことから、徐々に浮び上がって来る殺人事件。ある母子を中心に、信じられないような人間の生き方が展開される推理サスペンス。とめどもなく暗い。

出演 岩下志麻、根津甚八、芦田伸介、岸田今日子、杉浦直樹、神山繁、辺見マリ、畑中葉子、中原ひとみ、室田日出男、小林稔侍

増村保造監督。1982年日本映画。

1983年11月16日 (水)

Uボート (1981)

Uボート 第2次世界大戦、ドイツのUボートの中での乗組員たちの闘いをリアルなタッチで描いた戦争映画。閉鎖空間での闘いの恐ろしさが伝わって来る。

出演 ユルゲン・プロホノフ、ヘルベルト・グレーネマイヤー、クラウス・ヴェンネマン、ベルント・タウバー

ヴォルフガンブ・ペーターゼン監督。1981年西ドイツ映画。

1983年11月14日 (月)

ミッドナイトクロス (1981)

ミッドナイトクロス 映画の効果音担当の男がある日録音中に自動車事故が起こる。ところがそのテープを再生すると、事故の直前に銃声が入っていた。この件で事件に深く首を突っ込んでしまう男を描いた、ホラータッチのサスペンス

出演 ジョン・トラヴォルタ、ナンシー・アレン、ジョン・リスゴー、デニス・フランツ、ピーター・ボイデン

ブライアン・デ・パルマ監督。1981年アメリカ映画。

1983年11月13日 (日)

オール・ザット・ジャズ (1979)

オール・ザット・ジャズ 死の踊りの不気味さ、そしてラストのチャックを閉めるきゅっという音は頭にこびりつく。

出演 ロイ・シャイダー、ジェシカ・ラング、アン・ラインキング、リーランド・パーマー、ジョン・リスゴー、クリフ・ゴーマン、キース・ゴードン、ニコール・フォッシー、ダイアン・ベノーラ

ボブ・フォッシー監督。1979年アメリカ映画。

1983年11月 4日 (金)

ディア・ハンター (1978)

ディア・ハンター ベトナムに駆り出されたごく平凡な3人の若者のたどる悲劇を綴った戦争映画。命を張ったロシアンルーレットなど人の心まで病んでしまった悲惨なベトナム戦争を訴えるシーンが心に残る。

 ジョン・ウイリアムスのギターによるテーマ曲「カヴァティーナ」が美しく、また物悲しくて逸品です。

出演 ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、メリル・ストリープ、ジョン・カザール、ジョン・サヴェージ、ジョージ・ズンザ、チャック・アスペグレン、ピエール・セグイ

マイケル・チミノ監督。1978年アメリカ映画。

1983年11月 2日 (水)

狼男アメリカン (1981)

狼男アメリカン イギリスを旅するアメリカ青年二人が、狼に襲われる。なんとか助かった二人だが、やがて満月の夜が来て… ちょっぴり笑わされて、そして主人公に同情してしまうというニュー・ホラー。メーキャップは逸品。

出演 デヴィッド・ノートン、グリフィン・ダン、ジェニー・アガター、ジョン・グッドウィン

ジョン・ランディス監督。1981年アメリカ映画。

1983年10月29日 (土)

ザ・カンニング IQ=0 (1980)

ザ・カンニング IQ=0 バカロレア(大学入試資格)合格を目指す若者たちと、彼らの奇想天外なカンニング手段を描いた学園コメディ。確かにあの手この手のカンニング手段は笑えるが、それだけで面白い映画が作れるほど甘くない。

出演 ダニエル・オートゥイユ、フィリップ・タッシーニ、ミッシェル・ガラブリュ、マリア・パコム、カトリーヌ・エラルディ、フランソワーズ・ミショー、パトリック・ローラン、ユベール・デシャン

クロード・ジディ監督。1980年フランス映画。

1983年10月24日 (月)

未完の対局 (1982)

未完の対局 太平洋戦争のためについに開かれる事がなかった囲碁の名人戦を通して、日本と中国の関係を描いた歴史スペクタクル映画。避けられない国際間の大きな波をかぶっても前向きに進もうとする人々に共感させられる

出演 三國連太郎、伊藤つかさ、孫道臨、紺野美沙子、沈冠初、劉新

佐藤純彌、段吉順監督。1982年日本=中国合作。

1983年10月23日 (日)

Mr.レディ Mr.マダム (1978)

刑事物語 オカマバーを経営するオカマの中年夫夫(?)を主人公にしたコメディ。彼らの息子が、お固い役人の娘を結婚相手に連れて来たので店は大騒動。エグい中年オカマが笑わせてくれます。

出演 ミシェル・セロー、ウーゴ・トニャッツィ、ミシェル・ガラブル、レミ・ローラン、クレール・モーリエ、ベニー・ルーク、カルメン・スカルピッタ

エドゥアール・モリナロ監督。1978年フランス=イタリア合作。

1983年10月22日 (土)

刑事物語 (1982)

刑事物語 博多のソープランドのガサ入れで保護された口のきけない女性を引き取った刑事。彼は暴力団の捜査を担当するのだが、組織は彼女を連れ去ってしまう。ソープランド嬢役の有賀久代の名演が光る一編。

出演 武田鉄矢、有賀久代、仲谷昇、小林昭二、樹木希林、草薙幸二郎、岡本富士太、初井言栄、花沢徳衛、田中邦衛、西田敏行、高倉健

渡辺祐介監督。1982年日本映画。

1983年10月17日 (月)

不毛地帯 (1976)

不毛地帯 自衛隊へ次期戦闘機を売込む商社の手段を選ばぬ非道な行為を、商社マンの娘の目をとおして描く。当時話題になったロッキード事件と前後して公開されたため、ヒットした。

 ラッキード社とグラント社が争うという設定からして笑えます。密約、裏金、灰色高官とぜーんぶ登場して、なかなか楽しめました。これ、本当にロッキード事件があかるみに出る前に企画された映画なんでしょうねえ?

出演 仲代達矢、小沢栄太郎、大滝秀治、山形勲、丹波哲郎

山本薩夫監督。1976年日本映画。

1983年10月15日 (土)

バトルクリーク・ブロー (1980)

バトルクリーク・ブロー ジャッキーのアメリカ進出第1弾の作品。アメリカへ移民したクンフーの達人の中国人ジャッキーの活躍編。

出演 ジャッキー・チェン、ホセ・フェラー、ロン・マックス、マコ、クリスティーヌ・ド・ベル

ロバート・クローズ監督。1980年アメリカ映画。

1983年10月 9日 (日)

スーパーマン (1978)

スーパーマン 劇画のヒーロー、スーパーマンの映画化。爆発寸前のクリプトン星から脱出したスーパーマン(クリストファー・リーヴ)が人間の老夫婦に助けられ、成長してニューヨークへ出て行くいわゆる「誕生編」。のちにシリーズ化される。

 今更スーパーマンと、出た時は馬鹿にしたんだけど空を飛ぶシーンの爽快感やらSFXの見事さには拍手喝采。スーパーマンの育ての親の扱いも泣けるし・・・ 地震を起こした断層を持ち上げるシーンだけは、お口あんぐりでしたが。

リチャード・ドナー監督。1978年アメリカ=イギリス合作

1983年10月 6日 (木)

太陽を盗んだ男 (1979)

太陽を盗んだ男 沢田と文太の二人が、高層ビルから落っこちるシーンが凄かったんだけど、それで助かってしまうところがもひとつ凄いです。原爆を作った沢田の要求が、ナイターの最後までの中継やストーンズの日本公演を実現しろなんてのも笑ったしなあ。沢田の毛が抜けるシーンとか、何かとシーンをコマ切れに思い出す映画です。

長谷川和彦監督。1979年日本映画。

1983年10月 2日 (日)

宇宙の7人 (1980)

宇宙の7人 黒澤明の傑作時代劇「七人の侍」の舞台を宇宙に移したリメイク。毎年宇宙海賊の襲撃を受ける貧乏惑星が、七人の戦士を雇って防衛しようとする。SFXたっぷりの冒険編で楽しませてくれる。

出演 リチャード・トーマス、ジョン・サクソン、ジョージ・ペパード、ロバート・ヴォーン、ダーレン・フリューゲル、シビル・ダーニング、サム・ジャッフェ、モーガン・ウッドワード、ジェフ・コーリー、ジュリア・ダフィ

ジェームズ・T・ムラカミ監督。1980年アメリカ映画。

1983年9月24日 (土)

トランザム7000 (1977)

トランザム7000 28時間以内に400箱のビールをテクサカナからアトランタへ運べば8万ドルという賭けにのった二人の男が、大型トレーラーとトランザムに乗って大暴れ。レイノルズお得意のカーアクション喜劇。

出演 バート・レイノルズ、サリー・フィールド、ジャッキー・グリースン、シェリー・リード

ハル・ニーダム監督。1977年アメリカ映画。

1983年9月18日 (日)

ボルサリーノ (1970)

ボルサリーノ 30年代のマルセイユを舞台に、ひょうきんもののベルモンドとニヒルなドロンの二人のちんぴらが、友情を深めながら暗黒街をのし上がって行く物語。2大スターの共演が話題を呼んだ。

出演 ジャン・ポール・ベルモンド、アラン・ドロン、ミシェル・ブーケ、カトリーヌ・ルヴェール、コリンヌ・マルシャン、フランソワーズ・クリストフ

ジャック・ドレー監督。1970年フランス=イタリア合作。

1983年9月 5日 (月)

龍の忍者 (1982)

龍の忍者 父を殺された日本の忍者(!?)が、敵を求めて中国で大暴れする。香港と日本合作のアクション映画。ストーリーはともかく、真田とコナンの壮絶なアクションを楽しむ映画です。

出演 真田広之、田中浩、津島要、コナン・リー

元奎(ユアン・ケイ)監督。1982年香港映画。

1983年9月 4日 (日)

アニマル・ハウス (1978)

アニマル・ハウス 落ちこぼれたちが集る寮、通称「アニマル・ハウス」を舞台に繰り広げられるらんちき騒ぎを笑いいっぱいに描いたパロディ喜劇。「オメガ・ハウス」という優等生寮と貼り合うストーリーがまた楽しい。

出演 ジョン・ベルーシ、ティム・マシスン、ジョン・ヴァーノン、トム・ハルス、カレン・アレン、ドナルド・サザーランド、スティーヴン・ファースト、マーク・メトカーフ、ブルース・マクギル、ケヴィン・ベーコン、ピーター・リガート、ジェームズ・ウィドゥーズ

ジョン・ランディス監督。1978年アメリカ映画。

1983年8月31日 (水)

ビッグ・ウェンズデー (1979)

ビッグ・ウェンズデー カリフォルニアに年に1度やって来るという伝説の大波(ビッグ・ウエンズデー)を求めてやって来るサーファーたちの青春群像。背景にベトナム戦争も描かれていて、ちょっぴりほろ苦い映画でもある。

出演 ジャン・マイケル・ヴィンセント、ウィリアム・カット、ゲイリー・ビュジー、リー・パーセル、パティ・ダーバンヴィル、サム・メルヴィル、ロバート・イングランド、マイケル・タルボット

ジョン・ミリアス監督。1979年アメリカ映画。

1983年8月28日 (日)

コーマ (1978)

コーマ 密売用臓器を用意する病院を舞台にした医学サスペンス。主人公の女医はある脳死事件に疑問を抱き、追跡調査するうちに臓器密売の事実を掴むのだが、命を狙われる羽目になる。コーマとは昏睡の意味。

出演 ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、マイケル・ダグラス、リチャード・ウィドマーク、リップ・トーン、トム・セレック、エリザベス・アシュレイ、ロイス・チャイルズ、エド・ハリス

マイクル・クライトン監督。1978年アメリカ映画。

1983年8月22日 (月)

青い珊瑚礁 (1980)

青い珊瑚礁 無人島に流れ着いた男と女の子供が、やがて成長して自然に愛し合うことを知り、子供を産む。人気絶頂だった頃のブルックがまぶしい青春映画。もちろんタイトルにあるように風景描写も美しい。

出演 ブルック・シールズ、クリストファー・アトキンズ、レオ・マッカーン、ウィリアム・ダニエルズ

ランドル・クライサー監督。1980年アメリカ映画。

1983年8月21日 (日)

13日の金曜日 (1980)

13日の金曜日 キャンプ場に若者たちが集る。殺人鬼がやって来て、片っ端から惨殺する。ただこれだけのストーリーをおどろおどろしいメーキャップで描いただけの作品なのだが、新ホラーブームに乗って大ヒットした。

出演 ベッツィ・パルマー、エイドリアン・キング、ケヴィン・ベーコン、ハリー・クロスビー

ショーン・S・カニンガム監督。1980年アメリカ映画。

1983年8月10日 (水)

ヒポクラテスたち (1980)

ヒポクラテスたち 医学生たち(古尾谷雅人、伊藤蘭ほか)の青春群像。何事も初心者のうちというのは大変な苦労がありまして、ここでの彼らは一人前の医者とカン違いされるのが笑えるしまた人間としてもどこか中途半端な部分を面白可笑しく見せてくれます。

大森一樹監督。1980年日本映画。

1983年8月 9日 (火)

火の鳥2772 愛のコスモゾーン (1980)

火の鳥2772 愛のコスモゾーン その血を飲むと不老不死になるという火の鳥を求めて、宇宙探検に出かけるクルーたち。しかし火の鳥は想像を絶するほど巨大な存在だった。ベストセラー劇画の映画化第2弾で、映画用のオリジナルストーリー。

声の出演 塩沢兼人、池田秀一、熊倉一雄

手塚治虫監督。1980年日本映画。

1983年8月 8日 (月)

人類創世 (1981)

人類創世 紀元前8万年に人類の祖先が火を求めて旅に出る。セリフがまったくない実験的な作品。アカデミー賞を受けた、猿っぽい人間のメーキャップも楽しめる。

出演 エヴェレット・マクギル、レイ・ドーン・チョン、ロン・パールマン、ナミール・エル・カディ

ジャン・ジャック・アノー監督。1981年カナダ=フランス合作。

1983年8月 4日 (木)

翔んだカップル (1980)

翔んだカップル ひょんなことから同じ家に住むことになった高校生の男女。ひかれあっているのに喧嘩ばかりしている二人に、さらにクラスメート二人がからんでの四角関係。相米監督のデビュー作。薬師丸はまだ演技が固かった

出演 鶴見辰吾、薬師丸ひろ子、尾美としのり、石原真理子、円広志、原田美枝子、真田広之、三谷昇、岡竜也、西田浩、吉見秀幸

相米慎二監督。1980年日本映画。

1983年8月 1日 (月)

漂流 (1981)

漂流 江戸時代、船の遭難で無人島に流れ着いた男が信じられないような生命力で13年後に故郷へ帰るまでを描いた実話の映画化。原作を読んでいたので、ちょっと映画は視覚イメージがついて来ないかなあと思った。

出演 北大路欣也、渡瀬恒彦、坂上二郎、三田佳子、鷹巣豊子、岸田森、高橋長英、水島涼太、樋浦勉、草野大悟、桐原史雄、小川隆一

森谷司郎監督。1981年日本映画。

1983年7月26日 (火)

モーニングムーンは粗雑に (1981)

モーニングムーンは粗雑に 横浜で知り合ったミュージシャンと学生歌手の24時間を追いかけた青春映画。当時の若者文化がいっぱいつまっていて面白い。ただ、主人公の青年がやろうとしていた事が何なのか最後まで見えてこなかった。

出演 高樹澪、斎藤淳之介、渡瀬恒彦、范文雀、古谷一行

渡辺正憲監督。1981年日本映画。

1983年7月25日 (月)

ブルージーンズメモリー (1981)

ブルージーンズメモリー 赤字経営のホテルを再建するために立ち上がった3人の若者を描く青春映画。当時人気絶頂の3人が、それぞれの夢を追いかける。なぜかこの作品は主演アイドルよりも助演陣の方がクサい(!?)

出演 近藤真彦、田原俊彦、野村義夫、司葉子、宍戸錠、ミヤコ蝶々

河崎義祐監督。1981年日本映画。

1983年7月23日 (土)

続・夕陽のガンマン (1967)

続・夕陽のガンマン 南北戦争末期。盗まれた20万ドルをめぐって、3人のガンマンたちが血みどろの争いを繰り広げるマカロニウエスタン。邦題に続とつくが前作とは何の関係もない作品。

出演 クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、ジャン・マリア・ボロンテ、イーライ・ウォーラック

セルジオ・レオーネ監督。1967年イタリア=スペイン合作。

1983年7月22日 (金)

サイコ (1960)

サイコ 横領をした女が逃げ込んだモーテルには、世にも恐ろしい殺人鬼が住んでいた。心理ホラーの古典ともなったヒッチコックの最高傑作。シャワーのシーンは特に有名で、多くのパロディ作品にも使われている。

出演 ジャネット・リー、アンソニー・パーキンス、ヴェラ・マイルズ、マーティン・バルサム、ジョン・ギャヴィン、ジョン・マッキンタイヤ、ジョン・アンダーソン、パトリシア・ヒッチコック

アルフレッド・ヒッチコック監督。1960年アメリカ映画。

1983年7月21日 (木)

野性の証明 (1978)

野性の証明 自衛隊特殊工作員の主人公が、巨大な陰謀に巻き込まれる。娘が殺された時に、彼の野性の部分が目覚めて戦車部隊に突進して行くのだが。原作にないラストのスペクタクルシーンが話題になった。

出演 高倉健、薬師丸ひろ子、中野良子、三國連太郎、夏八木勲、ハナ肇、松方弘樹、舘ひろし、成田三樹夫、梅宮辰夫、田村高廣、辻万長、丹波哲郎、北林谷栄、北村和夫、大滝秀治、金子信雄、寺田農、渡辺文雄、可知靖之、三上真一郎、倉石功、近藤洋介、芦田伸介、鈴木瑞穂、原田大二郎、阿藤海、榎木兵衛、ジョー山中、佐藤オリエ、絵沢萠子、田中邦衛、殿山泰司、山本圭

佐藤純彌監督。1978年日本映画。

1983年7月20日 (水)

続・猿の惑星

続・猿の惑星 猿の惑星シリーズの第2作。猿の居住区を離れた船長テイラー(チャールトン・ヘストン)は禁漁区へ向かうが、そこには他の生命体が...前作と同じくショッキングなラストには驚かされたが、今考えるとあのスイッチを押した行為は許せない。

 前作の宇宙船を追って来た別の宇宙船の船長(ジェームズ・フランシスカス)が、今回は主人公。前作とは違った視点で猿の惑星を旅するというプロットは楽しめるのだが、地底人の登場で何か「あれっ!」ていうずれを感じてきた。時代を反映した最終兵器を神とあがめる宗教色など、科学一辺倒に走ってない点は充分に評価したいのだが、SFとその宗教がうまくくっついてなくていらいらした。ラストはまたまたショッキングなものが用意されていたのだが、主人公はどうしてあのボタンを押したのだろうか? いまだに理解できない。

テッド・ポスト監督。1970年アメリカ映画。

1983年7月17日 (日)

灰とダイヤモンド (1958)

灰とダイヤモンド ソビエトの新体制に反発するポーランドのテロリストたちの行動を描いた名作。特にラストのごみだめの中で死んで行く主人公のシーンは、あまりにも有名。

出演 ズビグニエフ・チブルスキー、エヴァ・クルジェフスカ、アダム・パウリコフスキー

アンジェイ・ワイダ監督。1958年ポーランド映画。

1983年7月16日 (土)

ブリキの勲章 (1981)

ブリキの勲章 中学教師の実話の手記を映画化。非行に走ったひとりの中学生を立ち直らせようとする教師だったが、その道は険しい。クサいお涙ちょうだいではなく、リアリティのある二人のぶつかり合いが見せてくれる。

出演 中村嘉葎雄、鈴木秀一、市原悦子、木村理恵、堀内正美

中山節夫監督。1981年日本映画。

1983年7月11日 (月)

戦場 (1978)

戦場 初期のベトナム戦争、基地建設の命令を受けた部隊だったが失敗。現地兵に同情したがために脱出に失敗した米兵の激戦を描く。悲惨なベトナム戦争を描いた作品はブームとなったが、これはその先駆け的作品。

 ラストシーンだけが強烈に印象に残っています。

出演 バート・ランカスター、クレイグ・ウェッソン、マーク・シンガー、ジョナサン・ゴールドスミス

テッド・ポスト監督。1978年アメリカ映画。

1983年7月10日 (日)

アトランティス 7つの海底都市 (1978)

アトランティス 7つの海底都市 19世紀、バミューダー探検に来た潜水艦の遭難で一行がたどり着いたのは、海底都市アトランティスだった。各種怪獣、大だこ、エラ人間などなど古典的な怪物がたっぷり楽しめる冒険SF映画。

出演 ダグ・マクルーア、ピーター・ギルモア、シェーン・ライマー、マイケル・ゴザード

ケヴィン・コナー監督。1978年イギリス映画。

1983年7月 9日 (土)

ホワイト・ラブ (1979)

ホワイト・ラブ 一般公募によってストーリーが決められた、百恵/友和主演映画10作目の記念作品。影のある男と女のラブストーリーが、スペインを舞台に繰り広げられる。

出演 山口百恵、三浦友和、小林桂樹、范文雀、北村和夫、岩城滉一

小谷承靖監督。1979年日本映画。

1983年7月 4日 (月)

クリスタル殺人事件 (1980)

クリスタル殺人事件 ロンドン郊外で起こる連続殺人事件に挑む名探偵ミス・マープルの活躍を描いたクリスティ原作のミステリー。このシリーズ名物のオールスターキャストも楽しめる。

出演 アンジェラ・ランズベリー、エリザベス・テイラー、ロック・ハドソン、キム・ノヴァク、トニー・カーティス、エドワード・フォックス、ジェラルディン・チャップリン、チャールズ・グレイ

ガイ・ハミルトン監督。1980年アメリカ=イギリス合作。

1983年7月 3日 (日)

俺とあいつの物語 (1981)

俺とあいつの物語 ある日、妻が突然牧場で住み込みボランティアとして働くと言い出す。猛反対する夫だったが妻に押し切られやがて別居生活に。というおかしな夫婦を描いた喜劇だが、いまいちテーマがわからない作品だった。

出演 武田鉄矢、伊藤蘭、山本圭、乙羽信子、樫山文枝、武田かほり、犬塚弘、吉田次昭、影山仁美、亜湖、たこ八郎、あき竹城

朝間義隆監督。1981年日本映画。

1983年7月 2日 (土)

アマゾネスの黄金 (アマゾンズ黄金伝説) (1978)

アマゾネスの黄金 ニューヨークに登場した伝説の女戦士アマゾネス。それをスクープとして追いかける新聞記者はやがて大きな事件に巻き込まれていく。奇想天外なストーリーが楽しめるB級アクションの怪作。

出演 アニタ・エクバーグ、ボー・スヴェンソン、ドナルド・プレゼンス、リチャード・ロマナス

マーク・L・レスター監督。1978年アメリカ映画。

1983年6月26日 (日)

燃える昆虫軍団 (1975)

燃える昆虫軍団 地震でできた地割れの中からゴキブリのお化けのような怪虫が現われ火を吹きながら人間を襲う。しかもマッドサイエンティストが彼らをゴキブリと交配させ… 後半は笑いの要素もある新種パニック映画。

出演 ブラッドフォード・ディルマン、ジョアンナ・ミルズ、ジェイミー・スミス、パトリシア・マコーマック

ヤノット・シュワルツ監督。1983年アメリカ映画。

1983年6月20日 (月)

マイ・ロード (1980)

マイ・ロード 自由を求めてサンフランシスコからネバダへ向う二人の日本人青年だったが、途中で金髪の女性が旅に加わった事で二人の歯車が狂う。日米合作による青春映画。

出演 武田鉄矢、名高達郎、レズリー・ウィンストン、ローラ・ファニング

キクオ・カワサキ監督。1980年アメリカ=日本合作。

1983年6月17日 (金)

南極物語 (1983)

南極物語 事故で南極基地に置去りにされることになった15匹の犬のうち、タロとジロという2匹の犬が生き残った実話を元に作られたドラマ。南極に長期ロケした画面が美しく、また動物映画ブームのきっかけともなった

出演 高倉健、渡瀬恒彦、佳村萌、荻野目慶子、夏目雅子、岡田英次、日下武史、神山繁、山村聰、江藤潤、佐藤浩市、長谷川初範、岸田森、スーザン・ネピア、チャールズ・アダムス、野口貴史、市丸和代

蔵原惟繕監督。1983年日本映画。

1983年6月14日 (火)

フライング・ハイ (1980)

フライング・ハイ パイロットが食中毒で迷走するジェット旅客機を舞台にしたコメディ。いたるところにヒットした映画のパロディが散りばめられていて、映画好きな人ならなかなか笑える快作になっている。

出演 ロバート・ヘイズ、ジュリー・ハガティ、カリーム・アブダル・ジャバール、ロイド・ブリッジス、ピーター・グレイヴス、レスリー・ニールセン、ローナ・パターソン、スティーヴン・スタッカー

ジム・エイブラハムズ、デヴィッド・ザッカー、ジェリー・ザッカー監督。1980年アメリカ映画。

1983年6月 6日 (月)

エスパイ (1974)

エスパイ 超能力を持ったスパイ軍団が、これまた悪の超能力軍団と戦うサイキック・アクション。特撮も荒く決して完成度が高いとは言えないが、古い特撮ドラマの持つ雰囲気が楽しめてマル。

出演 藤岡弘、草刈正雄、由美かおる、加山雄三、若山富三郎、睦五郎

福田純、大森健次郎監督。1974年日本映画。

1983年6月 5日 (日)

マイ・フェア・レディ (1963)

マイ・フェア・レディ ロンドンの田舎娘を見染めた言語学者が、彼女の品の悪い言葉をクイーンズイングリッシュになおして社交界へデビューさせようとする。あまりに有名なヘップバーンの代表作。音楽とファッションが素晴らしい。

出演 オードリー・ヘプバーン、レックス・ハリスン、スタンリー・ハロウェイ、シオドア・バイケル

ジョージ・キューカー監督。1963年アメリカ映画。

1983年6月 4日 (土)

アメリカン・バイオレンス (1981)

アメリカン・バイオレンス アメリカの暴力事件のフィルムをつなげたドキュメンタリー。実録バイオレンス映画がこの後ぽこぽこと登場するはしりとなった作品。TVニュースで見たフィルムが多く、思ったほど面白くはなかった。

シェルドン・レナン監督。1981年アメリカ映画。

1983年6月 1日 (水)

獣たちの熱い眠り (1981)

獣たちの熱い眠り ホテルでのスキャンダル写真で恐喝されたプロテニスプレイヤーが、自らの手で組織に立ち向かうハードボイルド・アクション映画。友和のハードなラブシーンが話題になった。

出演:三浦友和、なつきれい、風吹ジュン、石橋蓮司、成田三樹夫、吉行和子、池波志乃、安岡力也、草薙幸二郎、中尾彬、伊吹吾郎

村川透監督。1981年日本映画。

1983年5月30日 (月)

コンクリート・ジャングル (1982)

no jacket image 女刑務所が舞台のアクション。無実の罪で投獄された主人公が、署内の麻薬汚染とその裏を引く女性所長と戦う。女ばかりのアクションが大迫力の異色作。

出演:トレイシー・ブレグマン、ジル・セント・ジョン、バーバラ・ルナ、ピーター・ブラウン

トム・デ・シモーネ監督。1982年アメリカ映画。

1983年5月29日 (日)

けんかえれじい (1966)

けんかえれじい NHKでドラマ化されたのを見た覚えがあるんだけど、そっちの方がラストが泣かされて印象に残っている。この映画版の場合は絶対続編がある終わり方だと思ったんだけど・・・納得できない!!!

鈴木清順監督。1966年日本映画。

1983年5月28日 (土)

荒馬と女 (1961)

荒馬と女 離婚したての女が、二人の男を従えてピクニックに出かけるのだが、彼らは野性の馬の群をみつけて荒馬狩りに出かける。ゲーブルとモンローの遺作となった西部劇。

出演:クラーク・ゲーブル、マリリン・モンロー、モンゴメリー・クリフト、イーライ・ウォーラック

ジョン・ヒューストン監督。1961年アメリカ映画。

1983年5月22日 (日)

ドクトル・ジバゴ (1965)

ドクトル・ジバゴ ロシア革命の時代を生きた医者であり詩人のジバゴと彼をめぐる二人の女を壮大なスケールで描いた物語。二人の女を愛してしまう男の弱さがメインだが、民族の血の濃さを感じさせるラストは見事。

 スペクタクルと言えば反射的にデビッド・リーンの名前が浮んでくるのですが、一番のお気に入りが「アラビアのロレンス」でないところが私のこだわり。ラストのバラライカのシーン。血筋に対するこだわりに胸が熱くなる。

出演:ジュリー・クリスティ、オマー・シャリフ、ジェラルディン・チャップリン、ロッド・スタイガー、アレック・ギネス、ラルフ・リチャードソン、トム・コートネイ、リタ・チュージンガム

デヴィッド・リーン監督。1965年アメリカ=イタリア合作。

1983年5月15日 (日)

ロミオとジュリエット (1968)

ロミオとジュリエット シェークスピアの有名な悲劇を、現代的感覚でアレンジした作品。敵同士の家に生れたロミオとジュリエットが愛し合うのだが、ロミオはひょんな事から殺人を犯してしまう。

 TVの日本語版はお勧めできません。クサいセリフの連続に歯が浮いてしまいます。

出演:オリヴィア・ハッセー、レナード・ホワイティング、マイケル・ヨーク、ミロ・オーシア、ナターシャ・バリー、パット・ヘイウッド、ロバート・スティーヴンス

フランコ・ゼフィレッリ監督。1968年イタリア=イギリス合作。

1983年5月14日 (土)

ブルース・ブラザース (1980)

ブルース・ブラザース 黒いソフトハットにサングラスの極道二人組が、昔世話になった孤児院を救うためにミュージシャンになって大暴れするスラップスティックコメディ。

出演:ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、ジェームズ・ブラウン、キャブ・キャロウェイ、レイ・チャールズ、キャリー・フィッシャー、アレサ・フランクリン、ヘンリー・ギブソン、マーフィ・ダン、スティーヴ・クロッパー、マット・マーフィ、ウィリー・ホール、トム・マローン、アラン・ルビン、ルー・マリーニ、ドナルド・ダック・ダン、スティーヴ・ローレンス、ジェフ・モリス、ツィッギー、ジョン・キャンディ、チャールズ・ネピア、フランク・オズ、スティーヴン・スピルバーグ

ジョン・ランディス監督。1980年アメリカ映画。

1983年5月 9日 (月)

転校生 (1982)

転校生 ガキ大将の男の子とおてんば転校生が神社の階段をもつれるように転げ落ちたことにより、お互いの体と心が入れ替わってしまう。抜群の着想による青春喜劇。特に心が男になる小林聡美の熱演が最高。

出演:小林聡美、尾美としのり、佐藤允、樹木希林、宍戸錠、入江若葉、志穂美悦子、中川勝彦、山中康仁、鶴田忍、人見きよし、林優枝

大林宣彦監督。1982年日本映画。

1983年5月 8日 (日)

パラダイス・アレイ (1978)

パラダイス・アレイ イタリア移民の3兄弟が、貧乏のどん底からナイトクラブのプロレスに挑戦することになり、ひと旗上げる人情喜劇。プロレスラーを演じるのがスタローンでないところが愛敬ですね。

出演:シルヴェスター・スタローン、リー・カナリート、アーマンド・アサンテ、アン・アーチャー、フランク・マクラエ、ケヴィン・コンウェイ、ジョイス・インガルス、トム・ウェイツ

シルヴェスター・スタローン監督。1978年アメリカ映画。

1983年5月 7日 (土)

飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ (1982)

飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ ガンで若くして亡くなった医師が、家族やまだ顔も見ていない妊娠中の子供へ向けて書いた手記の映画化。実話ならではの重さが伝わって来る感動作。

出演:竹下景子、名高達郎、ミヤコ蝶々、吉行和子、大和田伸也、神山繁、文野朋子、井上純一、寺田農、北村和夫、宮下順子

木下亮監督。1982年日本映画。

1983年5月 5日 (木)

時代屋の女房 (1983)

時代屋の女房 時代屋という古道具屋にひとりで住む男のところへ、ふらりと日傘をさした女が女房気取りで居つく。しかし彼女がある日家出をして… ちょっぴり男心をくすぐる恋愛映画の傑作。脇役たちのキャラクターもマル

大好きな映画の1本です。この映画に描かれる夏目雅子の演じる女性は男心をうまく突いていて、好きです。

出演:渡瀬恒彦、夏目雅子、沖田浩之、平田満、大坂志郎、初井言栄、津川雅彦、中山貴美子、趙方豪、藤田弓子、村瀬幸子、朝丘雪路

森崎東監督。1983年日本映画。

蒲田行進曲 (1982)

蒲田行進曲 花形スターとその取り巻きの大部屋俳優たち、それにスターの愛人との奇妙な関係を中心に笑いと涙で描く傑作映画。バタ臭くテンポがよく、とびっきり笑える作品。

出演:松坂慶子、風間杜夫、平田満、高見知佳、清川虹子、蟹江敬三、萩原流行、原田大二郎、千葉真一、志穂美悦子、真田広之、石丸謙二郎、酒井敏也、高野嗣郎、榎木兵衛、岡本麗、汐路章

深作欣二監督。1982年日本映画。

1983年5月 1日 (日)

がんばれ!ベアーズ 特訓中 (1977)

がんばれ!ベアーズ 特訓中 少年野球チームベアーズの活躍を描いたシリーズ第2作。今回はヒューストン名物のアストロドームでのベアーズの活躍編。しかし前作のウオルター・マッソーやテイタムが抜けたのはやや寂しい。

出演:ウィリアム・ディヴェイン、ジャッキー・アール・ヘイリー、ジミー・ベイオ、クリス・バーンズ

マイケル・ブレスマン監督。1977年アメリカ映画。

1983年4月30日 (土)

新Mr.BOO! アヒルの警備保障 (1981)

新Mr.BOO! アヒルの警備保障 警備会社を舞台にしたドタバタ喜劇。強盗団の手先になってしまった気の弱い警備員を助けるために、あの手この手を尽くすブーたちだったが… 相変らずの泥臭いギャグが連発されて、なかなか笑える。

出演:マイケル・ホイ、サミュエル・ホイ、リッキー・ホイ

マイケル・ホイ監督。1981年香港映画。

1983年4月29日 (金)

男と女 (1966)

男と女 妻に自殺されたレーサーと、夫に死なれた女性との心のふれあいを美しい映像で綴ったラブストーリーの古典的傑作。音楽も大ヒット。

出演:アヌーク・エーメ、ジャン・ルイ・トランティニヤン、ピエール・バルー、ヴァレリー・ラグランジュ、シモーヌ・パリ、ヤーヌ・バリー

クロード・ルルーシュ監督。1966年フランス映画。

1983年4月25日 (月)

ガントレット (1977)

ガントレットアリゾナまで囚人護送を命じられた刑事イーストウッドだったが、次々と何者かに狙われる。3万5千発の銃弾が使われたと話題の映画。映画としての出来はともかく、バスや家を蜂の巣にするシーンは迫力満点。

出演:クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、パット・ヒングル、ウィリアム・プリンス

クリント・イーストウッド監督。1977年アメリカ映画。

1983年4月24日 (日)

青春の門 (1981)

青春の門  五木寛之のベストセラー大河小説の再映画化。筑豊の町に生れた少年信介と幼なじみの織江の波瀾の幼少年時代を描く。アクション監督を深作欣二が担当したためか、前作の東宝版よりも躍動感がある。

出演:佐藤浩市、杉田かおる、松坂慶子、菅原文太、若山富三郎、鶴田浩二、渡瀬恒彦、小林稔侍、時任三郎、影山仁美、石田純一

蔵原惟繕/深作欣二監督。1981年日本映画。

1983年4月17日 (日)

グレート・スタントマン (1978)

グレート・スタントマン 荒っぽくて人間味豊かなスタントマンをレイノルズが好演。若い者には負けられないと、ロケットエンジンを詰んだ車での川飛越しに挑む。ラストでレイノルズが本番前にちょっとためらうところが好き。

しかしやっぱり彼の作品はワンパターンやなあ。

出演:バート・レイノルズ、ジャン・マイケル・ヴィンセント、サリー・フィールド、ブライアン・キース

ハル・ニーダム監督。1978年アメリカ映画。

1983年4月16日 (土)

スネーキー・モンキー 蛇拳 (1976)

蛇拳 カンフーの蛇形派と鷹爪派の争いに巻き込まれた若者が、蛇形派の老人の教えを受けて鷹爪派と対決する。枝に卵を置いて蛇の真似をしてつまんでいく修業などなかなかユニークで笑える。

出演:ジャッキー・チェン、ユアン・シャオ・チェン、ワン・チェン

ユアン・ウーピン監督。1976年香港映画。

1983年4月15日 (金)

ジャイアンツ (1956)

ジャイアンツ テキサスの牧場に嫁いで来た令嬢、彼女に恋心を寄せる若者を中心に、やがて牧場から石油が発掘されて人の心が歪んでいく様子を描く3時間の大河ドラマ。

出演:ロック・ハドソン、ジェームス・ディーン、エリザベス・テイラー、マーセデス・マッケンブリッジ、デニス・ホッパー、キャロル・ベイカー、サル・ミネオ、ロッド・テイラー、ジェーン・ウィザース

ジョージ・スティーヴンス監督。1956年アメリカ映画。

1983年4月13日 (水)

ダーティファイター (1978)

Akuryoto イーストウッドがトラック運転手に扮し、げんこつを武器に大暴れする痛快アクションコメディ。イーストウッドって大男に囲まれるとそんなに強そうに見えないんだけどなあ。共演のオランウータンも熱演!

出演:クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、ルース・ゴードン、ビヴァリー・ダンジェロ

ジェームズ・ファーゴ監督。1978年アメリカ映画。

1983年4月11日 (月)

悪霊島 (1981)

Akuryoto 瀬戸内海の小島を舞台に起こる連続殺人事件に挑む名探偵金田一の活躍。横溝独自のおどろおどろしい世界に、ビートルズのレット・イット・ビーを主題歌にしたミスマッチが話題になった。

出演:鹿賀丈史、岩下志麻、岸本加世子、古尾谷雅人、室田日出男、伊丹十三、中島ゆたか、根岸季衣、石橋蓮司、佐分利信、中尾彬

篠田正浩監督。1981年日本映画。

1983年4月10日 (日)

ダーティハリー3 (1976)

ダーティハリー3 過激派グループが市長を誘拐する。ハリーは相棒の女刑事と二人で、市長が監禁されている島へ乗り込んで行くのだが。バズーカまで登場して大迫力だが、ハリーのマグナム砲の影が薄いのが面白くない。

出演:クリント・イーストウッド、タイン・デイリー、アルバート・ポップウェル、ハリー・ガルディーノ

ジェームズ・ファーゴ監督。1976年アメリカ映画。

1983年4月 9日 (土)

魔界転生 (1981)

魔界転生 天草四郎が魔界から蘇って、死人を使って江戸を征服しようと企む。それを阻止する柳生十兵衛との対決を描いたファンタスティック時代劇。沢田研二の天草四郎はなかなかブキミではまり役。

出演:沢田研二、緒形拳、室田日出男、真田広之、千葉真一、丹波哲郎、佳那晃子、成田三樹夫、若山富三郎、神崎愛、菊池優子、松橋登

深作欣二監督。1981年日本映画。

1983年4月 6日 (水)

オーメン 最後の闘争 (1981)

オーメン 最後の闘争 世界征服をたくらむ悪魔の子ダミアンは30才になりイギリス大使になる。これを阻止しようと7人の修道僧が立上がるのだが。突然難解になって意味不明なシリーズ最終作。

出演:サム・ニール、ロッサノ・ブラッツィ、リサ・ハーロウ、ドン・ゴードン、メイソン・アダムス

グラハム・ベイカー監督。1981年アメリカ映画。

1983年4月 5日 (火)

ミラクル・ワールド ブッシュマン(コイサンマン) (1981)

ブッシュマン アフリカのブッシュマンの村に、一本のコーラ瓶が捨てられた。拾ったブッシュマンは、これは神の持ち物で神に返さなければいけないと思い込み旅に出る。ブッシュマンのキャラクターが笑わせる喜劇。

出演:ニカウ、カボ、タニ、トマ

ジャミー・ユイス監督。1981年南アフリカ映画。

1983年3月29日 (火)

若草物語 (1949)

若草物語 南北戦争下のアメリカを舞台に、4人姉妹の成長をさわやかに描く青春映画。鼻を高くするために洗濯ばさみで挟んで寝たり、自慢の長い髪を売って山嵐のような頭になったりと、印象的なシーンが多い。

出演:ジューン・アリスン、エリザベス・テイラー、マーガレット・オブライエン、ジャネット・リー、ピーター・ローフォード、エリザベス・パターソン、ロッサノ・ブラッツィ、メアリー・アスター

マーヴィン・ルロイ監督。1949年アメリカ映画。

1983年3月23日 (水)

サウンド・オブ・ミュージック (1965)

サウンド・オブ・ミュージック 家族合唱団のフォン・トラップ大佐一家の実話をもとにした大ヒットミュージカル。音楽を愛する家族が、ナチに追われてアルプスを山越えし亡命する。ドレミの歌やエーデルワイスなどほとんどの曲がヒット。

出演:ジュリー・アンドリュース、クリストファー・プラマー、リチャード・ヘイドン、エレノア・パーカー、リチャード・ヘイドン、アンナ・リー、パトリシア・ネルソン、ノーマ・ヴァーデン、アンジェラ・カートライト

ロバート・ワイズ監督。1965年アメリカ映画。

スタートレック2 カーンの逆襲 (1982)

スター・トレック2 TVシリーズ「宇宙大作戦」の映画化第2作。カーク船長によって、不毛の惑星に追放された旧人類カーンが、通りかかった宇宙船を占領して船長に復讐を果たそうとする。前作よりもTV色が強い。

いかにも強そうに見えて、実は頭が足りなかったカーンくんは限りなくマヌ〜! ジェネシス・プロジェクトのCGは当時としては凄いインパクトがあった。

出演:ウィリアム・シャトナー、リカルド・モンタルバン、レナード・ニモイ、デフォレスト・ケリー、ジェームズ・ダーハン、ジョージ・タケイ、カーティス・アレイ・ポール・インフィールド

ニコラス・メイヤー監督。1982年アメリカ映画。

1983年3月22日 (火)

プロフェッショナル (1966)

プロフェッショナル 爆弾のランカスター、銃のマーヴィン、馬のライアン、弓のストロード と各プロフェッショナルたちが組んで悪者にあやつられるメキシコ軍をやっつける痛快西部劇。ヒロインのC・カルディナーレが美しい。

出演:バート・ランカスター、リー・マーヴィン、ロバート・ライアン、ジャック・パランス、クラウディア・カルディナーレ、ウッチ・ストロード、ラルフ・ベラミー

リチャード・ブルックス監督。1966年アメリカ映画。

1983年3月21日 (月)

パニック・イン・スタジアム (1976)

パニック・イン・スタジアム アメフトの試合に沸くスタジアムに、ひとりのライフル男が侵入、警官隊との攻防が始まる。群集心理の恐ろしさを描いたサスペンス・アクション。

出演:チャールトン・ヘストン、ジョン・カサヴェテス、ボー・ブリッジス、マーティン・バルサム、デヴィッド・ジャンセン、ジーナ・ローランズ、ジャック・クラッグマン

ラリー・ピアース監督。1976年アメリカ映画。

1983年3月20日 (日)

アメリカン・グラフィティ (1973)

アメリカン・グラフィティ カスタムカーに乗ってドラッグレースとガールハントに繰り出す60年代のアメリカの若者たちの一晩の青春模様を描いた作品。高校生たちが車を乗り回すのにびっくりし、どこか違う世界だと感じた覚えがある。

 というわけで、眼鏡でスクーターの彼に共感したりしました。彼の嘘がばれた時に、「あたしスクーターの方が好きよ!」と言った彼女のセリフに泣いた泣いた!!

出演:リチャード・ドレイファス、ロン・ハワード、チャールズ・マーティン・スミス、ポール・ルマット、シンディ・ウィリアムズ、キャンディ・クラーク、マッケンジー・フィリップス、ウルフマン・ジャック、ボー・ホプキンス、ハリソン・フォード、キャスリーン・クィンラン、ジョニー・ワイズミュラー・Jr.

ジョージ・ルーカス監督。1973年アメリカ映画。

1983年3月12日 (土)

生きる歓び (1960)

生きる歓び 20年代のフランス。何も知らずにファシストに入党した若者が、次第に人間愛に目覚めていく様子を描く。ストーリーもテーマもたいへんストレートで、気軽に見れる。

出演:アラン・ドロン、バルバラ・ラス、ジーノ・チェルヴィ、リナ・モレリ、パオロ・スロッパ

ルネ・クレマン監督。1960年フランス映画。

1983年3月 7日 (月)

仕掛人梅安 (1981)

仕掛人梅安 おなじみ「必殺」シリーズの原作を東映が映画化。江戸時代の闇の組織の殺し屋で、鍼医者の梅安が主人公。彼らの組織を壊滅しようとする連中が登場し、梅安が逆襲に転じる。

出演:萬屋錦之介、中村嘉葎雄、伊丹十三、小川真由美、真行寺君枝、藤田進、宮下順子、五代高之、中尾彬、中村勘五郎、島英津夫

降旗康男監督。1981年日本映画。

1983年3月 6日 (日)

宇宙清掃株式会社 (1980)

no jacket image 月面に残されたアポロ月着陸船の足の部分を回収すれば、莫大な金になる事に気付いた若者たちが、スクラップのロケットエンジンを拾って来て宇宙へ旅立つというとんでもないノリのSFアドベンチャー映画。

出演:A・グリフィス

L・フィリップス監督。1978年アメリカ映画。

1983年3月 5日 (土)

アリゲーター (1980)

アリゲーター 巨大なワニが都市の地下下水道に住み着き、人間を喰いまくるというパニックホラー。ストーリーは定番どおりで面白いところはないんだけど、ペットの子ワニが下水にぽとんと落ちるシーンは印象的です。

出演:ロバート・フォースター、ロビン・ライカー、ディーン・ジャガー、ヘンリー・シルヴァ

ルイス・ティーグ監督。1980年アメリカ映画。

1983年3月 4日 (金)

ベンジーの愛 (1977)

ベンジーの愛 大ヒットした「ベンジー」の続編。犬のベンジーとチャップマン一家はギリシャへ旅行に行こうとするが、ベンジーの足の裏に暗号が書かれた事から悪者に追い回される羽目になる。ファミリー向け映画。

出演:ベンジー、アレン・フューザット、シンシア・スミス、パッツィ・ギャレット、エド・ネルソン

ジョー・キャンプ監督。1977年アメリカ映画。

1983年3月 2日 (水)

死亡の塔 (1980)

死亡の塔 兄の怨みを晴らすために組織に乗込む弟。ブルース・リー死亡前の撮りかけのフィルムをつなぎあわせて作ったらしいが、彼の出演シーンが少ないためか「死亡遊戯」ほど話題にはならなかった作品。

出演:T・ロン、ブルース・リー、ウォン・チェン・リー

ウン・シー・ユエン監督。1980年香港映画。

1983年2月28日 (月)

大列車強盗 (1979)

大列車強盗  19世紀のイギリス、軍用列車の襲撃を計画した3人組の強盗団が、まずは列車の金庫の鍵を開けるための4つの鍵を盗みはじめる。今考えるとほとんどファミコン・ゲーム世界のノリのアクション活劇。

出演:ショーン・コネリー、ドナルド・サザーランド、レスリー・アン・ダウン、アラン・ウェッブ

マイクル・クライトン監督。1979年アメリカ映画。

1983年2月27日 (日)

北極の基地 潜航大作戦 (1968)

北極の基地 潜航大作戦 ソビエトの人工衛星が北極に落下。軍事機密がつまったカプセルを巡って、ソビエトとアメリカがスパイ戦を繰り広げる。ミニチュア丸出しの極地セットに親しみを覚えた。

出演:ロック・ハドソン、アーネスト・ボーグナイン、ジム・ブラウン、トニー・ビル、ロイド・ノーラン

ジョン・スタージェス監督。1968年アメリカ映画。

1983年2月26日 (土)

白い肌の異常な夜 (1971)

白い肌の異常な夜 ある修道院へ運び込まれた負傷兵を描いた、心理サスペンス。女の内に秘められた怖さをえぐりだしたような内容だったが、「映画の中だけの話」だと思った。今でもそう思い続けているわけだが。

出演:クリント・イーストウッド、エリザベス・ハートマン、ジェラルディン・ペイジ、ジョー・アン・ハリス

ドン・シーゲル監督。1971年アメリカ映画。

1983年2月25日 (金)

オリエント急行殺人事件 (1974)

オリエント急行殺人事件 オリエント急行の中で乗客のひとりがめった突きにされて殺された。犯人を追及する名探偵ポワロの活躍を描いたサスペンス。ショーン・コネリーやジャクリーン・ビセットなど、登場人物の豪華さも見もの。

出演:アルバート・フィニー、イングリッド・バーグマン、ショーン・コネリー、ローレン・バコール、マーティン・バルサム、ジャクリーン・ビセット、ジョン・ギールグッド、アンソニー・パーキンス、ジャン・ピエール・カッセル、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、レイチェル・ロバーツ、マイケル・ヨーク、リチャード・ウィドマーク、ウェンディ・ヒラー、コリーン・ブレイクリー、ジョージ・クロリス

シドニー・ルメット監督。1974年イギリス映画。

1983年2月23日 (水)

激動の昭和史 軍閥 (1970)

激動の昭和史 軍閥 226事件以降、軍部への政治参入、そして太平洋戦争へとなだれ込んで行く様子をドキュメントタッチで描いた作品。私のように歴史を不勉強な者にとっては実に面白い作品だった。

出演:小林桂樹、三船敏郎、三橋達也、加山雄三、山村聰

堀川通弘監督。1970年日本映画。

1983年2月22日 (火)

ピラミッド (1980)

ピラミッド エジプトのピラミッドを発掘する考古学者のヘストンのまわりに起こる怪奇現象。大作ではないが、ラストのヘストンの扱いがヘストンらしくないところが面白かった。

出演:チャールトン・ヘストン、ステファニー・ジンバリスト、スザンナ・ヨーク、ジル・タウンゼント、パトリック・ドルーリー、ブルース・マイヤーズ

マイク・ニューウェル監督。1980年アメリカ=イギリス合作。

1983年2月21日 (月)

アドベンチャートレイン (1979)

アドベンチャートレイン 孤児たちを乗せて、育て親を探して西部を走る列車。いささか誇張は感じるが、子供たちがそれぞれに合った家族へ引き取られる様子は感動的。足の不自由な少女と彼女を引き取る夫婦の熱演は必見。劇場未公開。

出演:ケヴィン・ドブソン、ジル・アイケンベリー、リンダ・マンズ、グレアム・フレッチャー・クック、グレン・クローズ

ウイリアム・A・グラハム監督。1979年アメリカ映画。

1983年2月20日 (日)

ブレイクアウト (1974)

ブレイクアウト 無実の罪で刑務所送りになった男の妻が、彼を脱獄させるためになんでも屋のブロンソンを雇う。ところが刑務所は断崖の上で難攻不落。ヘリコプターを使ったアクションが痛快な作品。

出演:チャールズ・ブロンソン、ジル・アイアランド、ロバート・デュヴァル、ジョン・ヒューストン、ランディ・クエイド、シェリー・ノース、エミリオ・フェルナンデス

トム・グライス監督。1974年アメリカ映画。

1983年2月19日 (土)

華麗なるヒコーキ野郎 (1975)

華麗なるヒコーキ野郎 1920年代のアメリカ。飛行機の曲乗りパイロットであるレッドフォードが、伝説のパイロットと出会って勝負を挑む。クラシカルな飛行機いっぱいで、ラストはちょっぴりじーんとさせられるなかなか粋な作品。

出演:ロバート・レッドフォード、ボー・スヴェンソン、スーザン・サランドン、ボー・ブルンデン、ジェフリー・ルイス、エドワード・ハーマン、マーゴット・キダー、スコット・ニューマン

ジョージ・ロイ・ヒル監督。1975年アメリカ映画。

1983年2月18日 (金)

殺しのドレス (1980)

殺しのドレス 浮気中の人妻がホテルのエレベーターの中で惨殺される。居合せた娼婦が、彼女の息子と共に犯人追跡を始める。映画の途中で主役が交代するのが印象に残った。カミソリの惨殺シーンは話題になった。

出演:マイケル・ケイン、アンジー・ディキンスン、ナンシー・アレン、キース・ゴードン、デニス・フランツ、デヴィッド・マーグリーズ、ケン・ベイカー、フレッド・ウェバー

ブライアン・デ・パルマ監督。1980年アメリカ映画。

1983年2月17日 (木)

絶唱 (1975)

絶唱 戦前の山陰地方を舞台に、山番の娘と地主の息子のラブストーリー。家柄の違いから周囲の反対を押し切ってふたりは駆け落ちするのだが、男に召集令状がかかって… メロドラマの定番的作品。

出演:山口百恵、三浦友和、辰巳柳太郎、吉田義夫

西河克己監督。1975年日本映画。

1983年2月16日 (水)

冒険野郎 (1976)

冒険野郎 アフリカの密猟者とイギリスの冒険家、そして密猟者の娘が第1次世界大戦のドイツ軍を相手に繰り広げるアドベンチャーアクション。見せ場もふんだんに盛り込んであって楽しめる。

出演:ロジャー・ムーア、リー・マーヴィン、イアン・ホルム、バーバラ・パーキンス

ピーター・ハント監督。1976年イギリス映画。

1983年2月14日 (月)

ピンクパンサー3 (1976)

ピンクパンサー3 おなじみドジなクルーゾー警部の活躍を描いたシリーズ第3作。今回は彼の元上司で気の狂った警察署長を敵にどたばたアクションが繰り広げられる。

出演 ピーター・セラーズ、ハーバート・ロム、レスリー・アン・ダウン、コリーン・ブレイクリー

ブレイク・エドワーズ監督。1976年イギリス映画。

1983年2月12日 (土)

リトル・チャンピオン (1981)

リトル・チャンピオン ボストン・マラソンで優勝したゴーマン美智子を描いた伝記映画。彼女が健康のためランニングをはじめたり、恋愛結婚したりのストーリーがアメリカを舞台に描かれる。しかしTVドラマ的で面白くない。

出演 島田陽子、クリス・ミッチャム、杉葉子、アンディ・ロマーノ

グーエン・アーナー監督。1981年日本映画。

1983年2月11日 (金)

処刑教室 (1982)

処刑教室 暴力学校へ赴任した教師。生徒に妻をレイプされた時に、彼の良心の糸が切れる。電動ノコギリで生徒の腕を切り落としたり、ガソリンをぶっかけて火をつけたり最高にエキサイティング。

思わず「やれー、やれー」と教師を応援してしまう自分がこあいです。

出演 ペリー・キング、ティモシー・ヴァン・パタン、ロディ・マクドウォール、マイケル・J・フォックス、メリー・リン・ロス、ステファン・アーングリム、キース・ナイト、リサ・ラングロワ、ニール・クリフォード

マーク・L・レスター監督。1982年カナダ映画。

1983年2月10日 (木)

サイレント・パートナー (1978)

サイレント・パートナー  銀行強盗をゆすって私腹を肥した銀行員が、複雑な事件に巻き込まれていくサスペンス映画。クリスマスのデパート風景が印象的で、ストーリーも面白くたっぷり楽しめる。

出演 エリオット・グールド、クリストファー・プラマー、スザンナ・ヨーク、セリン・メロズ、ジョン・キャンディ、マイケル・カービー

ダリル・デューク監督。1978年カナダ=アメリカ合作。

1983年2月 7日 (月)

007は二度死ぬ (1966)

007は二度死ぬ 米ソの有人衛星が消滅する。謎の電波が日本から出ていたことを知ったイギリス情報部は、007を日本へ派遣する。日本ロケで話題を呼んだ作品だが、ストーリーはめちゃめちゃのB級だった。

出演 ショーン・コネリー、若林映子、丹波哲郎、浜美枝、ドナルド・プレゼンス、バーナード・リー、ロイス・マックスウェル、デズモンド・リューウェリン、カリン・ドール

ルイス・ギルバート監督。1966年イギリス映画。

1983年2月 6日 (日)

聖職の碑 (1978)

聖職の碑 大正2年、駒ケ岳で遭難した小学校の登山隊を描いた実話の映画化。八甲田山のヒットのあとに作られたので遭難シリーズなどと言われた。鶴田の校長の死を予感して喪服を用意する岩下が印象的だった。

出演 鶴田浩二、三浦友和、北大路欣也、岩下志麻、地井武男、田中健、中井貴恵、大竹しのぶ、北村和夫、佐藤慶、大滝秀治、笠智衆

森谷司郎監督。1978年日本映画。

1983年2月 5日 (土)

スラップ・ショット (1977)

メイディ40,000フィート  落ち目のプロ・アイスホッケーチームがラフプレイを武器に人気を取り戻すまでを描いたスポーツドラマ。アメリカらしい猥雑さやおおらかさがよく出ている作品。

出演 ポール・ニューマン、ストローザ・マーティン、マイケル・オントキーン、ジェニファー・ウォーレン、リンゼイ・クローズ、メリンダ・ディロン、ジェリー・ハウザー、スージー・カーツ

ジョージ・ロイ・ヒル監督。1977年アメリカ映画。

1983年1月25日 (火)

メイディ40,000フィート (1976)

メイディ40,000フィート  FBIが護送中の凶悪犯が、飛行中の旅客機の中で暴れ出す。機長はすぐに遭難信号(メイディ)を出したのだが。旅客機を舞台としたパニックアクション。テンポがよく楽しめる。

出演 デヴィッド・ジャンセン、ブロデリック・クロフォード、クリストファー・ジョージ

ロバート・バトラー監督。1976年アメリカ映画。

1983年1月16日 (日)

新アドベンチャー・ファミリー ロッキーを越えて (1978)

新アドベンチャー・ファミリー ロッキーを越えて 大ヒットした「アドベンチャー・ファミリー」の姉妹篇。幼い兄弟が協力して自然に立ち向かい、ふたりだけでロッキーを越えるというストーリー。

出演 ロバート・フォーガン、ヘザー・ラトレー、マーク・エドワード・ホール

スチュアート・ラフィル監督。1978年アメリカ映画。

1983年1月15日 (土)

師弟出馬 ヤング・マスター (1980)

ヤング・マスター  ジャッキーおなじみの肉体アクション映画。裏切った兄弟子とのからみから悪のボスと対決するというストーリー。獅子舞合戦のシーンが大迫力で大きな見せ場となっている。

出演 ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、ウォン・インミク、ウェイ・ペイ

ジャッキー・チェン監督。1980年香港映画。

1983年1月 9日 (日)

大火災 (1977)

大火災 山火事を題材にしたパニック映画。強制労働の囚人が落としたタバコから発生した火災を追うのだが、火に追われて逃げ惑う人々の人間模様があまりにワンパターンで面白くなかった。

出演 アーネスト・ボーグナイン、ヴェラ・マイルズ、ネヴィル・ブランド、パティ・デューク・アスティン

アール・ベラミー監督。1977年アメリカ映画。

1983年1月 8日 (土)

北斎漫画 (1981)

北斎漫画 滝沢馬琴と葛飾北斎の半生を見応えたっぷりに描いた作品。田中裕子はあまり好きでなかったのだが、この作品で好きになってしまった。もっとすごいのは樋口で、蛸とやってしまうところでは絶句した。

出演 緒形拳、田中裕子、樋口可南子、西田敏行、乙羽信子、宍戸錠、大村崑、殿山泰司、愛川欽也、戸浦六宏、観世栄夫、フランキー堺

新藤兼人監督。1981年日本映画。

1983年1月 7日 (金)

バッファロー大隊 (1960)

バッファロー大隊 暴行殺人の容疑者である騎兵隊員をめぐる裁判を描いた法廷劇。西部劇で法廷劇というのも珍しい設定だが、真実をめぐって事態が二転三転し娯楽作品としてもたっぷりと楽しませてくれる。

出演 ジェフリー・ハンター、コンスタンス・タワーズ、ビリー・バーク、ウッディ・ストロード

ジョン・フォード監督。1960年アメリカ映画。

1983年1月 6日 (木)

美女と液体人間 (1958)

美女と液体人間 原爆実験で近くを航行中の船が被曝。乗組員が液体人間になって、元の恋人のところへ復讐に帰って来る。ラストの地下道ごと液体人間を焼き払おうとするシーンが大きな見せ場となっている。

子供の頃に、親がTVで見てるのを横からのぞきこんで見てた時は怖かったなあ・・・

出演 佐原健二、白川由美、平田昭彦、土屋嘉男、千田是也、田島義文、夏木陽介、佐藤允、小沢栄太郎、中丸忠雄、白石奈緒美

本多猪四郎監督。1958年日本映画。

1982年12月28日 (火)

電送人間 (1960)

電送人間 物質を電気に変えて移送する機械を発明した男が、自らが電送人間となって戦時中のうらみをはらすために連続殺人を起こす。警察は彼を追い詰めるのだがアリバイが崩せない。なかなか硬派のSF映画。

出演 鶴田浩二、白川由美、土屋嘉男、中丸忠雄、平田昭彦、田島義文、天本英世、堺左千夫、沢村いき雄、松村達雄、佐々木孝丸

福田純監督。1960年日本映画。

1982年12月27日 (月)

スティング (1973)

スティング ギャングをカモった詐欺師が殺される。復讐を誓った仲間の詐欺師二人が、再びギャングに挑む。二転三転するラストシーンが楽しめる娯楽映画の傑作。

出演 ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショウ、チャールズ・ダーニング、レイ・ウォルストン、アイリーン・ブレナン、ハロルド・グールド、ダナ・エルカー、ジャク・キーホー、サリー・カークランド

ジョージ・ロイ・ヒル監督。1973年アメリカ映画。

1982年12月26日 (日)

地球は壊滅する (1965)

地球は壊滅する 地殻へミサイルを縦に打ち込み、マントルを取り出しエネルギー源とする実験が行われるのだが、地殻にめちゃめちゃに割れ目が入りマグマが吹き出し人類滅亡の危機になる。「妖星ゴラス」を思わせるラスト。

出演 棚・アンドリュース、ジャネット・スコット、キーロン・ムーア、アレクサンダー・ノックス

アンドリュー・マートン監督。1965年アメリカ映画。

1982年12月24日 (金)

ガメラ対大魔獣ジャイガー (1970)

ガメラ対大魔獣ジャイガー 大阪の万博会場へ輸送された南の島の石像から伝説の怪獣ジャイガーが出現、大阪を舞台に大暴れする。それに対抗するのは正義の味方のガメラ。万博会場を舞台にしたのが今見ても興味深い作品。

出演 高桑勉、八代順子、炎三四郎、大村崑、ケリー・バリス、キャサリン・マーフィ

湯浅憲明監督。1970年日本映画。

1982年12月23日 (木)

ガメラ対大悪獣ギロン (1969)

ガメラ対大悪獣ギロン 空飛ぶ円盤に連れ去られた少年二人。彼らは謎の星で宇宙人につかまり食べられそうになるのだが、そこへ子供の味方ガメラが追って来る。頭にマサカリをつけた大悪獣(?)ギロンの存在感が強烈。

出演 船越英二、加島信博、秋山みゆき、笠原令子、浜田ゆう子、イーデス・ハンソン、クリストファー・マーフィ、大村崑、甲斐弘子

湯浅憲明監督。1969年日本映画。

1982年12月22日 (水)

ガメラ対宇宙怪獣バイラス (1968)

ガメラ対宇宙怪獣バイラス 宇宙人バイラスの円盤が地球に飛来。二人の子供を人質に、人類の降伏を求める。ところが子供が好きなガメラは怒り円盤を破壊、子供たちを救出するのだが、バイラスは巨大化して…

イカとタコのあいのこみたいなバイラスはヘンなやつである。人類に挑戦するストーリーながら、舞台はほとんどがひとつの海岸だけってのが笑える。

出演 本郷功次郎、渥美マリ、八代順子、藤山浩二、北原義郎

湯浅憲明監督。1968年日本映画。

1982年12月21日 (火)

大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス (1967)

怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス 口から超音波を発する怪獣ギャオスが登場、名古屋を火の海にする。ところが火が大好きな怪獣ガメラも現われ、壮絶なタッグマッチが始まる。血をエサにギャオスをワナにかける作戦などが見せてくれる。

出演 本郷功次郎、上田吉二郎、丸井太郎、北原義郎、笠原令子

湯浅憲明監督。1967年日本映画。

1982年12月20日 (月)

世界大戦争 (1961)

世界大戦争 第3次世界大戦の勃発と核戦争の恐怖。そして破壊される世界の主要都市を平凡な一家族の目をとおして描いたスペクタクル大作。円谷プロの特撮で描かれる世界大戦は今見てもなかなか迫力がある。

出演 フランキー堺、乙羽信子、星由美子、宝田明、白川由美、笠智衆、ジェリー伊藤、中北千枝子、東野英治郎、山村聰、上原謙、中村伸郎。

松林宗恵監督。1961年日本映画。

1982年12月19日 (日)

アガサ 愛の失踪事件 (1979)

アガサ 愛の失踪事件 推理作家アガサ・クリスティが実際に失踪した謎の11日間にある事件まきこまれたという大胆な推理で描いたフィクション映画。長身のバネッサと背の低いホフマンのラブシーンが楽しい。

出演 ダスティン・ホフマン、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ティモシー・ダルトン、ヘレン・モース

マイケル・アプテッド監督。1979年アメリカ映画。

1982年12月18日 (土)

暗闇にベルが鳴る (1974)

暗闇にベルが鳴る 女学生(オリヴィア・ハッセー、マーゴット・キダー他)の寄宿舎に変質者からの電話がかかる。みんなは気にもとめないのだが、そんな中で殺人事件が起こる。電話をキーワードにした密室スリラーだが、サスペンスが盛り上がらず見せ場にも乏しく退屈した。

ボブ・クラーク監督。1974年カナダ映画。

1982年12月17日 (金)

失われた航海 (1979)

失われた航海 豪華客船タイタニック号が、その処女航海で氷山に激突という史上最大の海難事故を描いたパニックサスペンス。出演はデヴィッド・ジャンセン、ハリー・アンドルーズ、イアン・ホルム、ヘレン・ミレン他。

ビリー・ベイル監督。1979年アメリカ映画。

1982年12月16日 (木)

ねらわれた学園 (1981)

ねらわれた学園 世界征服を狙う「栄光塾」が学園へ送り込んだ超能力少女と、それに対抗する少女(薬師丸ひろ子)を描いた学園SF。しかし世界征服の舞台がどうしてちんけな学園なのか理解に苦しむ。

大林宣彦監督。1981年日本映画。

1982年12月15日 (水)

ジョーイ (1977)

ジョーイ 白血病にかかった幼い弟(ジェフリー・ライナス)に生きる勇気を与えようと、フットボールの試合に情熱を傾ける兄(マーク・シンガー)。暗いテーマを感傷に流されることなく描かれてさわやかな印象を得た作品。

ルー・アントニオ監督。1977年アメリカ映画。

1982年12月14日 (火)

エレファント・マン (1980)

エレファント・マン 19世紀にロンドンに実在した人物(ジョン・ハート)を描いた物語。彼は生れつき顔が変形していて「象人間」と呼ばれていたが、その豊かな人間性に感銘を受ける者も多かった。しかし彼の素顔をあんなふうに描くのはよくない。競演アンソニー・ホプキンス、アン・バンクロフト。

デヴィッド・リンチ監督。1980年イギリス=アメリカ合作。

1982年12月13日 (月)

アパッチ砦ブロンクス (1981)

アパッチ砦ブロンクス 犯罪多発地帯のニューヨークのブロンクス。ここの警察署は、アパッチ砦と呼ばれていた。ここに勤める警察官(ポール・ニューマン、ケン・ウォール他)の行動を描いた警察アクション映画。

ダニエル・ペトリ監督。1981年アメリカ映画。

1982年12月12日 (日)

少林寺木人拳 (1977)

少林寺木人拳 ジャッキー・チェンにしては珍しいシリアスタッチのクンフーアクション。殺された父のかたきをとるために(ワ、ワンパターン!)聾亜者の真似をして小林寺で修業を積むジャッキーが描かれる。

チェン・チー・ホワ監督。1977年香港映画。

1982年12月 5日 (日)

遠雷 (1981)

遠雷 東京近郊の農家でトマト栽培に夢を持つ若者を描いた青春映画。永島敏行の演じる女にだらしない青年がなんとも笑いを誘う。しかし石田えりちゃん初のヌードのラブシーンはショックだったなあ。

根岸吉太郎監督。1981年日本映画。

1982年12月 4日 (土)

テレフォン (1978)

テレフォン チャールズ・ブロンソンがロシアのエージェントに扮して活躍するスパイアクション。電話による指令によって無意識に動くロシアの人間兵器たちの秘密を盗んだ男が、国際紛争を起こそうと動き出す。アイディアが面白い。

ドン・シーゲル監督。1978年アメリカ映画。

1982年11月28日 (日)

草原の輝き (1961)

草原の輝き ハイスクール生同志の恋愛。つとめてセックスを避けていた二人(ナタリー・ウッド、ウォーレン・ベイティ)だが、彼が他の女性と関係を持ったことから、彼女は自殺をはかる。そして時が流れて… プラトニックな恋愛関係をみずみずしい感覚で描いた作品。

エリア・カザン監督。1961年アメリカ映画。

1982年11月27日 (土)

ワイルド・ギース (1978)

ワイルド・ギース戦争のプロフェッショナルたち(リチャード・バートン、リチャード・ハリス、ロジャー・ムーア他)が、大金と引き換えに誘拐された某国の大統領救出作戦を実行する。イギリス映画得意の、あとに残らないすかっとした戦争アクション娯楽映画。

アンドリュー・V・マクラグレン監督。1978年イギリス映画。

1982年11月24日 (水)

ニューヨーク1997 (1981)

ニューヨーク1997 近未来のニューヨークは巨大な監獄になっていたというとんでもない発想のSFアクション。この無法地帯に大統領専用機が墜落、アウトローの主人公(カート・ラッセル)が、当局から薬により嚇されて救出に向う。他の出演は、ドナルド・プレゼンス、アーネスト・ボーグナイン、アイザック・ヘイズ、リー・ヴァン・クリーフ。

ジョン・カーペンター監督。1981年アメリカ映画。

1982年11月23日 (火)

いそしぎ (1965)

いそしぎ かたぶつの女流画家(エリザベス・テイラー)と私立校の校長(リチャード・バートン)の恋を美しい海の風景のなかで描いた作品。本筋には関係ないが、めちゃ若いチャールズ・ブロンソンの顔はファン必見。音楽は大ヒットしてスタンダードになっている。

ヴィンセント・ミネリ監督。1965年アメリカ映画。

1982年11月22日 (月)

泥の河 (1981)

泥の河 中盤は正直言ってあんまり好きじゃないんですが、ラストの蟹を燃やすカット、そして船が離れていくシーンだけは強烈な印象で覚えています。

小栗康平監督。1981年日本映画。

1982年11月14日 (日)

ダーティハンター (1974)

ダーティハンターベトナム帰りの3人の男(ピーター・フォンダ、ジョン・フィリップ・ロー、リチャード・リンチ)が年に1回山の中で人間狩りを楽しむが、ころされた人間の家族(ウィリアム・ホールデン)に逆に追い回される羽目になるというとんでもないバイオレンス映画。普通の神経では考えられないストーリー。

ピーター・コリンソン監督。1974年アメリカ=スペイン=スイス合作。

1982年11月13日 (土)

未来世界 (1976)

未来世界 ロボットたちを相手に未知の世界を体験できる未来の遊園地、「デロスランド」が再開した。しかしそこには、世界の要人たちをロボットですりかえてしまおうという陰謀が隠されていた。出演はピーター・フォンダ、ブライス・ダナー、アーサー・ヒル、ユル・ブリンナー。「ウェストワールド」の続編。

リチャード・T・ヘフロン監督。1976年アメリカ映画。

1982年11月 6日 (土)

ハンター (1980)

ハンター現代の賞金稼ぎ、通称ハンター(スティーヴ・マックィーン)が逃亡中の容疑者を追って縦横無尽に架け巡る。マックィーンのスタントマンなしのアクションが迫力ものだがラストの子供ができたから引退するってとこがいい味出してました。

バズ・キューリック監督。1980年アメリカ映画。

1982年11月 1日 (月)

地震列島 (1980)

地震列島 東京に直下型の地震が起きたらの仮定を元に作られたパニック映画。地震を機会に不仲な夫婦(勝野洋、多岐川裕美)が仲直りするというストーリーはありきたりだが、ふんだんに盛り込まれたミニチュア特撮は楽しめる。

大森健次郎監督。1980年日本映画。

1982年10月24日 (日)

チャンス (1979)

チャンス 生涯、庭いじりとTVだけに生きてきた庭師(ピーター・セラーズ)が、主人の死を機会に外の世界へ飛び出して行く。彼はあっという間に時の人になり、大統領と会見するまでになる。ほのぼのとした中に人生を考えさせてくれる秀作。

ハル・アシュビー監督。1979年アメリカ映画。

1982年10月23日 (土)

ドランクモンキー 酔拳 (1978)

ドランクモンキー 酔拳 飲めば飲むほど強くなるという奥技、酔八拳をめぐってのコメディ・アクション映画。ばかばかしくもなかなか笑える。特にジャッキー・チェンにからむ美しい娘の母親の拳法が絶品。

ユエン・ウーピン監督。1978年香港映画。

1982年10月20日 (水)

フラッシュ・ゴードン (1980)

フラッシュ・ゴードン 1930年代に流行ったアメコミ映画のリメイク。地球に起こる怪現象がミン帝王(マックス・フォン・シドー)のものだと知って、元アメフトの選手のフラッシュ・ゴードン(サム・ジョーンズ)が事件に挑むというヒーローSFファンタジー。

マイク・ホッジス監督。1980年アメリカ映画。

1982年10月17日 (日)

ゲッタウェイ (1972)

ゲッタウェイ 誤ってボスを殺してしまった銀行強盗のカップル(スティーヴ・マックィーン、アリ・マッグロウ)のメキシコへ向けての逃亡生活を描いたバイオレンスアクション。圧倒的な破壊力を持つショットガンの連射シーンが大迫力で心地好い。

サム・ペキンパー監督。1972年アメリカ映画。

1982年10月16日 (土)

レイズ・ザ・タイタニック (1980)

レイズ・ザ・タイタニック この引き揚げシーン、そんなにたいしたものじゃないよ。出演:ジェイソン・ロバーズ、リチャード・ジョーダン、アレック・ギネス、アン・アーチャー。

ジェリー・ジェームソン監督。1980年アメリカ=イギリス合作。

1982年10月10日 (日)

未知との遭遇 (1977)

未知との遭遇 宇宙人と人類との遭遇を壮大なスケールで描いたヒット作品。特にラストに登場する宇宙船が巨大なシャンデリアのように美しいと話題を呼んだ。宇宙人がにこっと笑う1カットが感動的。リチャード・ドレイファス、フランソワ・トリュフォー、テリー・ガー出演。

スティーヴン・スピルバーグ監督。1977年アメリカ映画。

1982年10月 9日 (土)

勝利への脱出 (1981)

勝利への脱出 ドイツ占領下のフランスで、捕虜になった連合軍兵士たち(シルヴェスター・スタローン、ペレ、マイケル・ケイン他)とドイツ軍(マックス・フォン・シドー他)がお互いサッカーの選手だったことを知り、試合を計画する。しかも試合の勝利に加えて脱走計画まで実行してしまうという欲張り爽快映画。

ジョン・ヒューストン監督。1981年アメリカ映画。

1982年10月 3日 (日)

ガス燈 (1944)

ガス燈 叔母の遺産を相続して、その屋敷で新婚生活をはじめる美しい女性(イングリッド・バーグマン)。ところが彼女のまわりにいろんな事件が発生し、追い詰められて行く。題名のガス燈が効果的に使われているのには感心した。シャルル・ボワイエ、ジョセフ・コットン、アンジェラ・ランズベリー競演。

ジョージ・キューカー監督。1944年アメリカ映画。

1982年10月 1日 (金)

ザ・ディープ (1977)

ザ・ディープ バカンスの若い夫婦(ニック・ノルティ、ジャクリーン・ビセット)が、麻薬を積んだ沈没船にまつわるギャング(ロバート・ショウ、ルイス・ゴセット・Jr.他)の争奪戦に巻き込まれるという海洋サスペンス。バミューダ・トライアングルの美しい水中撮影が、ロマンを感じさせていい。

ピーター・イェーツ監督。1977年アメリカ映画。

1982年9月29日 (水)

ジョーズ2 (1978)

ジョーズ2 前作から3年後のアミティ島に再び巨大な人喰い鮫が現われる動物パニックアクション。ストーリーはほとんど前作と同じで、ロイ・シャイダーは同じ役回りだがリチャード・ドレイファスとロバート・ショウがいないぶんだけ物足りなかった。水上スキーのシーンがマル。

ヤノット・シュワルツ監督。1978年アメリカ映画。

1982年9月23日 (木)

上流社会 (1956)

上流社会 隣の家に住む前夫人(グレース・ケリー)に未練を残す男(フランク・シナトラ)の行動を描いた、ミュージカル・コメディ。ありきたりのストーリーよりも有名ミュージシャン(ビング・クロスビー、ルイ・アームストロング他)の多数出演の方が楽しめる作品。

チャールズ・ウォルターズ監督。1956年アメリカ映画。

1982年9月19日 (日)

泥棒成金 (1955)

泥棒成金 引退した宝石泥棒、通称「猫」(グレース・ケリー)が、自分の名前を語る別の泥棒を追うというロマンティック・アドベンチャー。花火の中でのラブシーンが美しくて印象的。

アルフレッド・ヒッチコック監督。1955年アメリカ映画。

1982年9月15日 (水)

鬼畜 (1978)

鬼畜 印刷屋の主人(緒形拳)がよその女(小川真由美)に生ませた3人の子を引き取り、妻(岩下志麻)と対立する。一番末の赤ん坊が死んだことから、男は次女を東京タワーに置去りにし、長男を崖から突落とす。親子の関係を考えさせる問題作。

野村芳太郎監督。1978年日本映画。

1982年9月12日 (日)

愛の嵐 (1973)

愛の嵐 ナチスの元親衛隊員(ダーク・ボガード)と、捕虜の女(シャーロット・ランプリング)が再会。二人の過去は恐ろしいものだったが、なぜか離れられなくなりホテルの1室にこもる。しかしナチ狩りの一派に発見されて.. ランプリングの退廃的雰囲気が凄い!

リリアーナ・カヴァーニ監督。1973年イタリア=アメリカ合作。

1982年9月 5日 (日)

ネットワーク (1976)

ネットワーク テレビ局を舞台に、視聴率のためなら何でもするという恐ろしい体質を告白した作品。視聴率のために殺人が行われるのは誇張だろうが、人の死ぬシーンを興味半分で放送する最近のTVには通じるものがある。

 出演=フェイ・ダナウェイ、ピーター・フィンチ、ウィリアム・ホールデン、ベアトリス・ストレイト、ロバート・デュヴァル、ネッド・ビーティ、ウェズリー・アディ、ウィリアム・プリンス

シドニー・ルメット監督。1976年アメリカ映画。

1982年8月26日 (木)

21エモン 宇宙へいらっしゃい (1981)

21エモン 宇宙へいらっしゃい 21世紀の日本。何をやってもだめな主人公と空間移動のできる珍獣、できそこないのロボットたちがひょんなことから憧れの宇宙旅行のチケットを手に入れ、宇宙へ飛出して行く。人気漫画のアニメ映画化。

芝山努監督。1981年日本映画。

1982年8月22日 (日)

アニマル大戦争 (1977)

アニマル大戦争 森林にピクニックに来た家族が、狂暴化した動物たちに襲われるというパニック映画。ラストにちらっと文明批判が覗かれたが、全体的に使い古されたストーリーでいささか退屈だった。

ウィリアム・ガードラー監督。1977年アメリカ映画。

1982年8月21日 (土)

アトランチスの謎 (1978)

アトランチスの謎遭難してネモ船長(ホセ・フェラー)のひきいる潜水艦に助けられた軍人たちが協力して、海底に沈んだ謎のアトランティス大陸を探す旅に出る。ノリの軽さとふんだんな特撮が楽しいSFアドベンチャー。

アレックス・マーチ監督。1978年アメリカ映画。

1982年8月20日 (金)

名探偵再登場 (1978)

名探偵再登場 ピーター・フォークが私立探偵に扮する「名探偵登場」の続編。大量殺人事件を前にフォークが大活躍する。殺された人間が、殺されたままのスタイルで硬直しているというギャグには笑わされた。

ロバート・ムーア監督。1978年アメリカ映画。

1982年8月19日 (木)

ザ・ドライバー (1978)

ザ・ドライバー 強盗専門に車で警察から逃してやる走り屋、通称ドライバー(ライアン・オニール)を主人公にしたアクション編。登場人物たちのあだ名が面白く、また夜の街を失踪する車が縁石とこすれて火花をあげるのがめちゃ綺麗。

 ちょっとやさ男ふうのドライバー、ライアン・オニールが車に乗るときりっとするところがなかなかかっこよかった。ラスト近く、拳銃を向けられたオニール。やっぱ車に乗る以外は能のない人間なんだなあと思ったんだが...

ウォルター・ヒル監督。1978年アメリカ映画。

1982年8月18日 (水)

十二人の怒れる男 (1956)

十二人の怒れる男 殺人事件の被告として裁判を受ける少年をめぐって、12人の陪審員たち(ヘンリー・フォンダ、リー・J・コッブ、エド・ベグリー、ジャック・ウォーデン、マーティン・バルサム、他)が繰り広げる推理と人間ドラマ。陪審員制度というのを知ったのと、その遂行がいかに難しくまた責任深いかを考えさせられた。

シドニー・ルメット監督。1956年アメリカ映画。

1982年8月17日 (火)

底抜け大学教授 (1963)

底抜け大学教授 さえない大学教授(ジェリー・ルイス)がある薬を発明して、夜だけプレイボーイに変身するという喜劇。当時人気絶頂だったジェリー・ルイスの喜劇「底抜けシリーズ」の中の1本でもある。

ジェリー・ルイス監督。1963年アメリカ映画。

1982年8月16日 (月)

日本のいちばん長い日 (1967)

日本のいちばん長い日 太平洋戦争終結の玉音放送に至る丸一日を描いたオールスターキャストの実録映画。敗戦を受け止めるにあたっての各界の要人たち(三船敏郎、山村聰、志村喬、笠智衆、黒沢年男、加山雄三他)の動きが克明に描かれて、たいへん興味深くまた面白い作品。

岡本喜八監督。1967年日本映画。

1982年8月14日 (土)

海軍特別年少兵 (1972)

海軍特別年少兵 太平洋戦争を舞台に、まだあどけなさの残る年少兵たちが祖国のためと死んで行った様子を描いた戦争映画。三國連太郎、小川真由美、地井武男、佐々木勝出演。

今井正監督。1972年日本映画。

1982年8月13日 (金)

地下組織 (1970)

地下組織 第2次世界大戦を舞台にしたアクション映画。主人公の少佐(ロバート・グーレ)は命令を無視してドイツ占領下のフランスへ潜入、レジスタンスに協力するのだがそれには理由があった。アクションシーンがたっぷり楽しめる作品。

アーサー・ネーデル監督。1970年アメリカ=イギリス合作。

1982年8月12日 (木)

潮騒 (1975)

潮騒 伊勢を舞台に、漁師の息子(三浦友和)と網元の娘(山口百恵)が繰り広げるラブストーリー。山口百恵の海女姿も話題になった。男は気合いだと言って、娘の親が二人の仲を認めるシーンがなんとも心地好かった。

西河克巳監督。1975年日本映画。

1982年8月11日 (水)

危険な道 (1965)

危険な道 真珠湾攻撃から太平洋戦争終了にかけてのある軍人の家庭(ジョン・ウェイン、カーク・ダグラス、ヘンリー・フォンダ、パトリシア・ニール他)を描いたドラマ。ストーリーよりも何よりも、登場するオールスターの多彩さに圧倒されてしまいました。

オットー・プレミンジャー監督。1965年アメリカ映画。

1982年8月10日 (火)

霧笛が俺を呼んでいる (1960)

霧笛が俺を呼んでいる イギリス映画の名作、「第三の男」の日本版リメイク。古い友人(葉山良二)の死に疑問を持った船員(赤木圭一郎)が、事件を追ううちに意外な事実に突き当る。港のイメージが強烈で美しい作品。

山崎徳次郎監督。1960年日本映画。

1982年8月 9日 (月)

太平洋奇跡の作戦 キスカ (1965)

太平洋奇跡の作戦 キスカ 太平洋戦線でキスカ島で孤立し、玉砕の危機にひんした部隊(三船敏郎、山村聰、佐藤允、藤田進、志村喬他)の救出を描いた戦争映画。ストーリーが面白く、脱出の話だのに爽快感がある。負けた太平洋戦争だが部分的にはこんな面白い話があったのかと感心。

丸山誠治監督。1965年日本映画。

1982年8月 8日 (日)

鷲は舞いおりた (1976)

鷲は舞いおりた ドイツ精鋭部隊(マイケル・ケイン、ドナルド・サザーランド他)のチャーチル暗殺計画を描いたベストセラー小説の映画化。女がまったく登場しない男だけの世界が心地好い。

ジョン・スタージェス監督。1976年イギリス=アメリカ合作。

1982年8月 7日 (土)

がんばれ!ベアーズ大旋風 日本遠征 (1978)

がんばれ!ベアーズ大旋風 少年野球チーム、ベアーズ(トニー・カーティス、ジャッキー・アール・ヘイリー他)が日本遠征の権利を得て乗り込んで来る。ベアーズが日本へ来るってことで期待したんだけど、球場が草野球っぽくてがっかり。ストーリーも日本紹介が笑える程度で面白くなかった。

ジョン・ベリー監督。1978年アメリカ映画。

1982年8月 6日 (金)

晴れた日に永遠が見える (1970)

晴れた日に永遠が見える ブロードウエイミュージカルの映画化。タバコの量を減らそうと精神分析医(イヴ・モンタン)のところへ来た女性(バーブラ・ストライサンド)だが、彼女に超能力があることがわかり過去や未来が見えてしまう。後半の生まれ変りのテーマはなかなか面白い。

ヴィンセント・ミネリ監督。1970年アメリカ映画。

1982年8月 5日 (木)

ファニー (1961)

ファニー 港町マルセイユが舞台。海にあこがれる男(ホルスト・ブッフホルツ)が出て行ってしまい、残された女(レスリー・キャロン)は妊娠に気付き、仕方なく手を差し伸べてくれた初老の男(モーリス・シュヴァリエ)と結婚するのだが。悪人がひとりも出て来ないのがすごく暖かくいい味。

 文句なく泣ける映画。登場人物ひとりひとりの優しさが、胸に突き刺さる。

ジョシュア・ローガン監督。1961年アメリカ映画。

1982年8月 4日 (水)

そして誰もいなくなった (1974)

そして誰もいなくなった 有名なアガサ・クリスティの推理小説を舞台を孤島から砂漠の中に移した作品。限られたメンバー(オリヴァー・リード、リチャード・アッテンボロー、エルケ・ソマー、シャルル・アズナヴール、ゲルト・フレーベ他)がひとり、またひとりと死んでいくのだが、犯人は最後に残った者ではなかった。

ピーター・コリンソン監督。1974年イタリア=フランス=スペイン=西ドイツ合作。

1982年7月29日 (木)

獄門島 (1977)

獄門島 終戦後、引き上げ船の中で死んだ男の遺書を手に入れた金田一探偵(石坂浩二)が獄門島と呼ばれる島を訪れることになるのだが、そこで連続殺人事件が起こる。おなじみの横溝正史原作のおどろおどろしい連続殺人シリーズ。

市川崑監督。1977年日本映画。

1982年7月25日 (日)

リラの門 (1957)

リラの門 人のいいだけがとりえの中年男(ピエール・ブラッスール)と若い女性歌手が住むアパートに殺人犯(アンリ・ヴィダル)が転がり込んで来る。中年男は持ち前の人の良さで彼をかくまってやるのだが。

ルネ・クレール監督。1957年フランス映画。

1982年7月18日 (日)

地上より永遠に (1953)

地上より永遠に 日本軍の真珠湾攻撃前のハワイが舞台。軍隊でボクシングへの参加を断ったがために陰湿ないやがらせにあう青年(モンゴメリー・クリフト)を主人公に、軍隊の本質を考えさせる秀作。

フレッド・ジンネマン監督。1953年アメリカ映画。

1982年7月13日 (火)

ロンメル軍団を叩け (1970)

ロンメル軍団を叩け 第2次世界大戦、北アフリカで無敵のドイツのロンメル軍団に挑んだイギリス軍(リチャード・バートン他)を描いた戦争アクション巨編。

ヘンリー・ハサウェイ監督。1970年アメリカ映画。

1982年7月 9日 (金)

第三の男 (1949)

第三の男 第2次大戦後、アメリカの作家(ジョセフ・コットン)がウイーンに友人(オーソン・ウェルズ)を訪ねて来るのだが、彼の死を聞かされて愕然とする。しかしふに落ちない彼は事件を調べるうちに隠された事実を知る。モノクロ撮影が美しい名作。

キャロル・リード監督。1949年イギリス映画。

1982年7月 8日 (木)

エデンの園 (1980)

エデンの園 金持の娘(レオノーラ・ファリ)と貧乏なスリの息子(ロニー・ヴァレンテ)のラブストーリー。二人が世間を逃れて自然の中で暮しはじめるのだが、やがて大人たちの誤解を受ける。ラストシーンがものすごく印象に残る作品。

増村保造監督。1980年日本=イタリア合作。

1982年7月 7日 (水)

ヒンデンブルグ (1975)

ヒンデンブルグ ドイツの飛行船ヒンデンブルグ号の爆発事故を描いたセミドキュメントスタイルのサスペンス。爆発シーンはモノクロのニュースフィルムだが、その繋ぎ方が素晴らしく緊迫感を盛り上げている。

ロバート・ワイズ監督。1975年アメリカ映画。

1982年7月 6日 (火)

大竜巻 (1978)

大竜巻 なんとメキシコのパニック映画。アメリカのパニック映画ってのはほとんどワンパターン化しているんだけど、この作品のラストの辛口さを見ても、ラテン民族ってのはただものじゃないって気がしてしまう。

ルネ・カルドーナ・Jr.監督。1978年メキシコ映画。

1982年7月 5日 (月)

なんとなくクリスタル (1981)

なんとなくクリスタル 身の回りをすべてブランド品でかためる「クリスタル族」の生活を追った同名小説の映画化。生活すべてをファッションとする彼女たち(かとうかずこ、前橋汀子、横山エミー他)の生活は、映画の中では絵になるのだが… 雲の絵のついた壁は印象に残った。

松原信吾監督。1981年日本映画。

1982年7月 4日 (日)

ゴールド (1974)

ゴールド 南アフリカの金鉱山を舞台にしたアクション・アドベンチャー。鉱脈をまかされた技術者(ロジャー・ムーア)は、黒い陰謀に巻き込まれて行く。ラストの濁流パニックシーンは手に汗握る。

ピーター・ハント監督。1974年イギリス映画。

1982年6月26日 (土)

夕陽のガンマン (1966)

夕陽のガンマン 二人の賞金稼ぎ(クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ)が、一人のギャング団のボスをめぐって激突するマカロニ・ウエスタンの傑作。音楽も大ヒットした。

セルジオ・レオーネ監督。1966年イタリア=スペイン=西ドイツ合作。

1982年6月20日 (日)

ポセイドン・アドベンチャー2 (1979)

ポセイドン・アドベンチャー2 転覆した豪華客船から脱出する「ポセイドン・アドベンチャー」の続編。客船にプルトニウムが積み込んであったことから、それを求めて沈没寸前の船に乗り込む人々(マイケル・ケイン、サリー・フィールド、テリー・サヴァラス他)のアクション編。続編にしては、アイディアが面白く楽しめる。

アーウィン・アレン監督。1979年アメリカ映画。

1982年6月19日 (土)

エーゲ海に棒ぐ (1979)

エーゲ海に棒ぐ ギリシャでのアバンチュールを描いた同名小説を、池田満寿夫自身がメガホンを取って映画化。青と白の美しい風景にエーゲ海がブームに。主演のイロナ・スターラは現イタリア議員のチチョリーナ。

池田満寿夫監督。1979年日本=イタリア合作。

1982年6月13日 (日)

ジェフ (1969)

ジェフ ギャングのジェフ(フレデリック・ド・パスカル)の子分をアラン・ドロンが演じる、不思議な味のある作品。ジェフは銀行を襲った金を持って消えてしまう。他の子分たちとちがってドロンはジェフを弁護、仲間と対立しながらジェフを探すのだが。

ジャン・エルマン監督。1969年フランス映画。

1982年6月12日 (土)

ラスト・シューティスト (1976)

ラスト・シューティストガンと知った老ガンマン(ジョン・ウェイン)が、医者の紹介である未亡人(ローレン・バコール)の家へ下宿する。しかし彼女の息子に昔30人を殺した名ガンマンだと見抜かれ、怨みをもった悪党ども(ジェームズ・スチュアート他)が集って来る。ジョン・ウエインの遺作。

ドン・シーゲル監督。1976年アメリカ映画。

1982年6月 5日 (土)

セント・アイブス (1976)

セント・アイブス 元新聞記者の小説家(チャールズ・ブロンソン)が主人公のアクション映画。彼がある富豪から、書類を盗んだ男へ身代金を渡す役をたのまれるのだが、殺人事件に巻き込まれる。とにかく見せ場がいっぱいで飽きさせない。

J・リー・トンプソン監督。1976年アメリカ映画。

1982年5月30日 (日)

ダブ (1974)

ダブ ヨットで世界一周にチャレンジする高校生(ジョセフ・ボトムズ)を描いたさわやか青春映画。途中で彼に恋人(デボラ・ラフィン)ができるのだが、その役のデボラちゃんがまだ若くて初々しくてめちゃめちゃよかった。

チャールズ・ジャロット監督。1974年アメリカ映画。

1982年5月29日 (土)

夜の訪問者 (1970)

夜の訪問者 フランスで釣り船を営む男(チャールズ・ブロンソン)のところへ、過去の仲間が来て男の家族を誘拐し麻薬の輸送を強要する。ブロンソンお得意のアクション巨編。フランスの漁港風景が美しい。

テレンス・ヤング監督。1970年フランス=イタリア合作。

1982年5月23日 (日)

吾輩は猫である (1975)

吾輩は猫である漱石の有名な小説の映画化。作家(仲代達矢)の家に飼われた1匹の猫の目をとおして、明治に生きる人々の様子が綴られる。しかし、物語に起伏がなくどちらかというと退屈してしまった。

市川崑監督。1975年日本映画。

1982年5月16日 (日)

ウォリアーズ (1979)

ウォリアーズ NYのストリートギャング、ウォリアーズは集会で陥れられて他のすべてのSGたちに狙われるはめになるというバイオレンス・アクション。敵キャラ(?)たちの扮装が楽しめる。

 いわゆるストリートギャングたちが主人公のアクション映画なのですが、このストリートギャングって存在がもうひとつしっくりこないのを感じました。知らないからだろうけど。

 しかし、これに出て来る敵キャラたちはまるでアメコミかファミコンの世界で笑えます。(おっと、笑ってたら殺されそうだ) 今なら絶対にRPGにされてたでしょう。

ウォルター・ヒル監督。1979年アメリカ映画。

1982年5月15日 (土)

2300年未来への旅 (1976)

2300年未来への旅紀元2300年の未来世界。人口増加の抑制のため、人間は30才までしか生きられない徹底した管理社会だった。疑問を持った主人公(マイケル・ヨーク)は、この都市からの脱出を企てる。内容に反して未来都市の風景が美しい。

マイケル・アンダーソン監督。1976年アメリカ映画。

1982年5月 9日 (日)

ペーパームーン (1973)

ペーパームーン 聖書売りの詐欺師のモーゼ(ライアン・オニール)と、彼につきまどう親のない少女(テイタム・オニール)の交流をノスタルジックなモノクロ・スタンダードの映像の中に描いた作品。ペーパー・ムーンとは、遊園地の記念写真用の飾り椅子のこと。

ピーター・ボグダノヴィッチ監督。1973年アメリカ映画。

1982年5月 3日 (月)

ゴルゴ13 (1973)

ゴルゴ13 人気劇画の映画化。狙った獲物は絶対に逃さない殺し屋、デューク東郷を高倉健が演じる。場所は中近東で、シンジケートのボスを殺すのが今回の彼の仕事。砂漠でのカーチェイスなど、見どころも多い。

佐藤純彌監督。1973年日本映画。

1982年5月 2日 (日)

がんばれ!ベアーズ (1976)

がんばれ!ベアーズ だめ男バターメーカー(ウォルター・マッソー)が、これまた万年最下位の少年野球チーム、ベアーズの監督をすることになる。そこで投手として抜てきしたのが、女の子の投手(テイタム・オニール)だったのだが。ちょっとヒットしたスポーツコメディ。

マイケル・リッチー監督。1976年アメリカ映画。

1982年5月 1日 (土)

Mr.BOO! ギャンブル大将 (1976)

Mr.BOO! ギャンブル大将 失敗ばかりを繰り返すイカサマギャンブラーたち(マイケル・ホイ、サミュエル・ホイ、リッキー・ホイ)を描いた喜劇。日本には第3作が先に入ってそちらがパワフルだったので、この作品はいささか物足りなく感じた。

マイケル・ホイ監督。1976年香港映画。

1982年4月29日 (木)

青春の門 自立篇 (1977)

青春の門 自立篇 九州を出て早稲田大学へ入った信介(田中健)を描いたシリーズ第2作。心中事件を起こした友人(高橋悦史)と娼婦(いしだあゆみ)、信介を追って東京へ出て来た織江(大竹しのぶ)を中心に、信介の成長が描かれる。

浦山桐郎監督。1977年日本映画。

1982年4月28日 (水)

スローなブギにしてくれ (1981)

スローなブギにしてくれ 中年男(山崎努)と若い男(古尾谷雅人)の間を揺れ動く不思議な魅力を持つネコ科少女(浅野温子)を描いた作品。ストーリーうんぬんよりも、この作品の持つ独特の雰囲気が私は大好きです。

藤田敏八監督。1981年日本映画。

1982年4月25日 (日)

ファール・プレイ (1978)

ファール・プレイ ヒッチコックの「知りすぎていた男」をベースにしたパロディ喜劇。ある女性(ゴールディ・ホーン)が暗殺事件に巻き込まれていく様子をコミカルに描く。顔の半分ぐらいが目のゴールディがなかなか魅力的。

コリン・ヒギンズ監督。1978年アメリカ映画。

1982年4月24日 (土)

ナバロンの嵐 (1978)

ナバロンの嵐 「ナバロンの要塞」の続編。第2次大戦下、彼ら(ロバート・ショウ、ハリソン・フォード、エドワード・フォックス他)の次の任務は孤立したパルチザンの若者たちを救出すること。ダム爆破などのスペクタクルシーンを交えて、前作よりも軽いノリの軽快に笑える作品だった。

ガイ・ハミルトン監督。1978年アメリカ=イギリス合作。

1982年4月18日 (日)

二百三高地 (1980)

二百三高地日露戦争、有名な203高地での攻防戦を描いた戦争巨編。中盤の家族の別れのシーン、生きて帰れる方がおかしいと感じさせる戦闘シーンはすざまじい。

舛田利雄監督。1980年日本映画。

1982年4月14日 (水)

マッドマックス (1979)

マッドマックス 近未来。希少価値の石油を求める人々が暴走族に。マックス(メル・ギブソン)は追跡専門の警官だったが、暴走族に妻子を殺されたことから殺人機械に豹変する。圧倒的な疾走感とバイオレンスが魅力のニューアクション。

ジョージ・ミラー監督。1979年オーストラリア映画。

1982年4月12日 (月)

青春の門 (1975)

青春の門 ベストセラー小説の映画化。九州の炭坑で義理の母(吉永小百合)に育てられた少年(田中健)が、母の死を見取って故郷を後にするまでを描く。特に少年の幼なじみの織江役の大竹しのぶが初々しく、少年を助ける小林旭もどっしり見応えがある

浦山桐郎監督。1975年日本映画。

1982年4月11日 (日)

炎の舞 (1978)

炎の舞 太平洋戦争に出征して負傷して帰って来た男(三浦友和)とその妻(山口百恵)。元の体に戻るのは不可能だと言われながらも、献身的な妻の看病で奇跡の回復を。その夫には再び召集がかかるのだった。女性の目を感じるラブロマンス。

河崎義祐監督。1978年日本映画。

1982年4月 7日 (水)

あゝ野麦峠 (1979)

あゝ野麦峠 明治時代、日本の産業発展のために長野の山奥の製糸工場に勤めた女工たち(大竹しのぶ、原田美枝子、友里千賀子、古手川祐子)の姿を描いたドラマ。しかし実体は、生活苦から身売り同然に勤めた者ばかりであったことを訴えている。

山本薩夫監督。1979年日本映画。

1982年4月 5日 (月)

007 黄金銃を持つ男 (1974)

007 黄金銃を持つ男 黄金銃を持つ殺し屋スカラマンガ(クリストファー・リー)を追ってボンド(ロジャー・ムーア)が南アジアへ。原作ではカリスマ性を秘めていた黄金銃が、映画ではちまちました武器に感じられたのが残念。ストーリーもいまひとつ盛り上がりに欠けた。

ガイ・ハミルトン監督。1974年イギリス映画。

1982年4月 4日 (日)

エアポート'80 (1979)

エアポート'80 飛行機に乗った乗客をこれでもかと必然性なくいじめまくるストーリーは趣味の悪さを感じる。コンコルドが舞台なのでアラン・ドロンとシルビア・クリステルがパイロットとスチュワーデスというキャストはなるほどと思った。

デヴィッド・ローウェルリッチ監督。1979年アメリカ映画。

1982年3月20日 (土)

チャタレイ夫人の恋人 (1982)

チャタレイ夫人の恋人 戦争で不能になった夫(シェーン・ブライアント)を持つ妻(シルヴィア・クリステル)が、庭師(ニコラス・クレイ)と不倫をする。有名なロレンスの原作をエマニエル夫人のコンビが描いた話題作。画面の特に緑の美しさは印象に残ったが、ラストがよくわからなかった。

ジャスト・ジャカン監督。1982年イギリス=フランス合作。

1982年3月11日 (木)

機動戦士ガンダム (1981)

機動戦士ガンダム 人気TVアニメの再編集劇場版。人類がスペースコロニーに移り住む未来、そのコロニーのひとつが反乱を起こす。TVの編集ものに多いどたどた感はないが、ストーリーのわりに人物関係が複雑過ぎる。

富野喜幸、藤原良二共同監督。1981年日本映画。

1982年3月 7日 (日)

風とライオン (1975)

風とライオン モロッコの首長ライズリ(ショーン・コネリー)と、海を隔てたアメリカのルーズベルト大統領(ブライアン・キース)の対立を、アクションシーンたっぷりに描く大作。悪人と思われたライズリが、だんだん善人に見えてくるのは面白い。

ジョン・ミリアス監督。1975年アメリカ映画。

1982年3月 3日 (水)

ライアンの娘 (1970)

ライアンの娘 アイルランドの美しい漁村の風景の中に繰り広げられる教師(ロバート・ミッチャム)と生徒(サラ・マイルズ)の恋愛、結婚、そして… 第2次世界大戦が舞台なので深刻な社会情勢などもちらっと見せてくれる。浮浪者のマイケル(ジョン・ミルズ)の演技が秀逸。

デヴィッド・リーン監督。1970年イギリス映画。

1982年3月 1日 (月)

激走! 5000キロ (1976)

激走!5000キロ アメリカ大陸横断5000キロを、警察もぶっちぎって走りぬくおなじみガンボール・ラリーを描いたアクション喜劇。バート・レイノルズの「キャノンボール」の方が有名だが、私はどちらも同じ映画に見える。

チャック・ベイル監督。1976年アメリカ映画。

1982年2月27日 (土)

料理長殿、ご用心 (1978)

料理長殿、ご用心 ヨーロッパの美食家が招いた4人の超一流シェフたちが、次々と自慢の料理にちなんで殺されていく。シェフのひとりであるジャクリーン・ビセットは危険を感じ、前夫(ジョージ・シーガル)に助けを求めるのだが。料理をながめるだけでも楽しい。

テッド・コッチェフ監督。1978年アメリカ映画。

1982年2月26日 (金)

1941 (1979)

1941 真珠湾攻撃の直後、ハリウッドに迷い込んだ日本軍(三船敏郎、他)の潜水艦と、それを見てパニックになる人々(ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、ネッド・ビーティ、クリストファー・リー、ウォーレン・オーツ、ジョン・キャンディ他)を描いたコメディ。夜間撮影が美しく観覧車が転がったりと大掛かりなギャグには笑ったが、ノリがいまいちだった。

スティーヴン・スピルバーグ監督。1979年アメリカ映画。

1982年2月25日 (木)

聖衣 (1953)

聖衣 キリストの処刑を行った男(リチャード・バートン)が、彼の着衣に触れたことから神の愛に目覚める様子を描いたスペクタクル。しかしドラマがちょっとした復讐ものに近いスタイルをとっているのが気になったのだが。

ヘンリー・コスター監督。1953年アメリカ映画。

1982年2月24日 (水)

グッバイガール (1977)

グッバイガール 子連れの女性(マーシャ・メイスン)とちょっとおかしな役者の卵(リチャード・ドレイファス)が、いがみあいながらも結ばれる様子を描いた都会派ラブコメディ。子役の女の子(クイン・カミングス)が面白い。ラストはなかなかおしゃれですし、音楽も暖かくほろりとさせられます。

ハーバート・ロス監督。1977年アメリカ映画。

1982年2月22日 (月)

トラック野郎 故郷特急便 (1979)

トラック野郎 故郷特急便 トラック運転手、桃次郎(菅原文太)とやもめのジョナサン(愛川欽也)が大活躍する人気シリーズの最終回。高知を舞台にどさまわりの演歌歌手(石川さゆり)に惚れた桃さんは、彼女をレコードデビューさせようと奮闘するのだが。

鈴木則文監督。1979年日本映画。

1982年2月21日 (日)

ウエスタン (1969)

ウエスタン マカロニ・ウエスタンのレオーネがアメリカで撮影した西部劇。夫を殺された女(クラウディア・カルディナーレ)とその罪をなすりつけられた男(チャールズ・ブロンソン)を中心にしたアクション。大写しの顔のシーンが多く、リアルだけど不気味に感じた。

セルジオ・レオーネ監督。1969年イタリア=アメリカ合作。

1982年2月20日 (土)

東京湾炎上 (1975)

東京湾炎上 巨大タンカーが某国にシージャックされる。犯人の要求は日本の油田の爆破。さもないとタンカーは東京湾上で爆破されることになる。「日本沈没」でブームになったパニック映画の流れをくむサスペンス巨編。

石田勝心監督。1975年日本映画。

1982年2月19日 (金)

宇宙からのメッセージ (1978)

宇宙からのメッセージ 「スター・ウォーズ」に影響されて作られたスペース・ファンタジー。ストーリーは里見八犬伝の宇宙版で、侵略されつつある惑星を救うために不思議な玉をもった8人の戦士(ビック・モロー、千葉真一、志穂美悦子、真田広之、他)が集合する。

深作欣二監督。1978年日本映画。

1982年2月18日 (木)

ウィークエンド (1976)

ウィークエンド 週末を別荘ですごそうとする男女(ブレンダ・バッカロ、チャック・シャマタ)。彼らをあおる車があったので、チェイスの末川底へたたき落とす。ところが乗っていた4人組(ドン・ストロード、ドン・グランベリー他)は怒り狂って彼らの別荘を襲う。ウーマン・パワーが心地好いバイオレンス・ホラー。

ウィリアム・フュリエ監督。1976年カナダ映画。

1982年2月16日 (火)

冬の華 (1978)

冬の華やくざの争いで刺し殺した男の娘(池上季実子)に、刑務所から匿名で学費を送り続ける男を高倉健さんが熱演。出所した彼は世の中が変っていくのを体で感じるのだが。テーマはよくわかるのだが、映画にはちょっと退屈した。

降旗康男監督。1978年日本映画。

1982年2月15日 (月)

俺達に墓はない (1979)

俺たちに墓はない3人の男たち(松田優作、岩城滉一、志賀勝)がいがみ合いながらも、暴力団の資金強奪という目標へ向って突っ走って行く様子を軽いタッチで描いたアクション映画。ラストのどんでん返しも楽しめた。

澤田幸弘監督。1979年日本映画。

1982年2月13日 (土)

狼たちの午後 (1975)

狼たちの午後 二人組の銀行強盗(アル・パチーノ、ジョン・カザール)が警官隊に包囲される。ところが型破りな二人はまたたく間に時の人になってしまう。たっぷり笑わせながらも、アメリカのいろんな面を見せてくれる話題作。

シドニー・ルメット監督。1975年アメリカ映画。

1982年1月 7日 (木)

ルパン三世 (1978)

ルパン3世 怪盗ルパンの孫(声:山田康雄)が大活躍する大ヒットTVアニメのオリジナル劇場版第1作。TVと同じくキャラクターの面白さで見せてくれる。クローン人間(西村晃)の野望を暴くストーリーは、かなりSFチック。

吉川惣司監督。1978年日本映画。

さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち (1978)

さらば宇宙戦艦ヤマト 大ヒットした宇宙戦艦ヤマトの続編。白色彗星帝国に狙われた地球を救うため、ヤマトが再び出撃する。感動したという声が多かったが、私はどうしてあんな結末になるのって首をかしげることしきりだった。

舛田利雄、松本零士共同監督。1978年日本映画。

1982年1月 6日 (水)

怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ (1965)

怪獣大戦争 地球侵略を企てるX星人が、宇宙怪獣キングギドラを従えて地球へ攻め込んで来る。これを地球の科学兵器とゴジラが迎え撃つというおなじみ東宝怪獣映画。キングギドラの破壊シーンが大迫力。

本多猪四郎監督。1965年日本映画。

1982年1月 5日 (火)

アウトローブルース (1977)

アウトローブルース ピーター・フォンダくんの自作の歌がプロのカントリー歌手に盗作される。怒った彼は歌手のところへ殴り込むのだが、逆に傷害で警察に追われる羽目に。逃げながらも歌手以上に歌をヒットさせてしまうスッキリ痛快映画。

リチャード・T・ヘフロン監督。1977年アメリカ映画。

1982年1月 2日 (土)

Mr.BOO! インベーダー作戦 (1978)

Mr.BOO! インベーダー作戦 TV局を舞台にしたどたばた喜劇。視聴率を上げろという至上命令に、ホイ3兄弟(マイケル・ホイ、サミュエル・ホイ、リッキー・ホイ)が降り回される。この映画のギャグはとにかく常軌を逸してあまりあるほどパワフルだった。

マイケル・ホイ監督。1978年香港映画。

1982年1月 1日 (金)

英霊たちの応援歌 最後の早慶戦 (1979)

英霊たちの応援歌 最後の早慶戦 第2次世界大戦、学徒出陣で最後になってしまった6大学野球の早慶戦と、そのメンバーたち(永島敏行、勝野洋、本田博太郎、他)の運命を描いた戦争映画。特攻隊のシーンは感動したが、全体的に単調でちょっと退屈した。

岡本喜八監督。1979年日本映画。

1981年12月31日 (木)

ネバダ・スミス (1966)

ネバダ・スミス 家族を無法者に皆殺しにされたガンマン(スティーヴ・マックィーン)が、復讐の旅に出る。どこまでもとことん追いかける執念は見ていて爽快感があるが、最後の一人を殺さずに残し、それがもっと強烈な復讐になる点などは渋い。

ヘンリー・ハサウェイ監督。1966年アメリカ映画。

1981年12月29日 (火)

ガス人間第1号 (1960)

ガス人間第1号 東宝の変身人間シリーズの中の一編。人間(土屋嘉男)がガス状になり、惚れた踊りの家元(八千草薫)のために犯罪を重ねる。ガスなのでどんなところへでも入って行く犯罪シーンが面白い。ラストはちょっとしたスペクタクル。

本多猪四郎監督。1960年日本映画。

1981年12月28日 (月)

キャリー (1976)

キャリー キャリー(シシー・スペイセク)はやせぎすでいじめられっ子の女子学生。そんな彼女に恋人ができ、ダンスパーティーでクイーンに選ばれるのだが、級友たちのいじめにあい… 超能力をテーマにしたホラー。パニックシーンはすごい。

ブライアン・デ・パルマ監督。1976年アメリカ映画。

1981年12月26日 (土)

大巨獣ガッパ (1967)

大巨獣ガッパ 南海の孤島から連れ返ったガッパの子供を追って、親ガッパ2匹が日本へ上陸する。特撮はイマイチだったが、大広間をガッパが踏みぬくシーンなどが印象に残る。ラストはちょっぴり感動的。

 たぶん生まれてはじめて映画館で見た映画。映画が始ってから、ガッパが登場するまでが異常に長くて退屈だったのを覚えている。

野口晴康監督。1967年日本映画。

1981年12月23日 (水)

シャレード'79 (1978)

シャレード’79 若妻(ファラ・フォーセット・メジャーズ)の夫が殺される。事件を調べるファラと、おもちゃ売場のジェフ・ブリッジスの前に意外な事実が浮び上がり、殺し屋に追いまくられる羽目になる。名前だけ「シャレード」を借りたロマンティック・ミステリー。

ラモント・ジョンソン監督。1978年アメリカ映画。

1981年12月22日 (火)

名探偵登場 (1976)

名探偵登場 各地の名探偵たち(ピーター・フォーク、ピーター・セラーズ、デヴィッド・ニーヴン、アレック・ギネス他)が大豪邸に招かれる。彼らには主催者の挑戦状が渡され、その挑戦どおりひとり、またひとりの探偵たちが消えていくのだが。ミステリーのパロディ編。しかしあのラストは理不尽やで!?

 「ラッキョの皮じゃあるまいし」というのは、亡くなった荻昌宏氏談。

ロバート・ムーア監督。1976年アメリカ映画。

1981年12月20日 (日)

リーインカーネーション (1975)

リーインカーネーション 生まれ変りをテーマにしたオカルト映画。悪夢にうなされる男(マイケル・サラザン)が、自分の夢が自分の前生であることに気付く。しかし輪廻転生を扱ったにしては内容がちゃちで勉強不足。

J・リー・トンプソン監督。1975年アメリカ映画。

1981年12月19日 (土)

ブラボー砦の脱出 (1953)

ブラボー砦の脱出 南北戦争下のアメリカ。北軍に包囲された南軍(ウィリアム・ホールデン他)のブラボー砦からの脱出を描いた西部劇。ストーリーはこれに主人公の恋愛問題がからみ飽きさせない。

ジョン・スタージェス監督。1953年アメリカ映画。

1981年12月16日 (水)

レッド・サン (1971)

レッド・サン 日本の侍(三船敏郎)がアメリカへ友好の宝刀を届けに行くが、西部の列車で無法者(アラン・ドロン)に強奪される。日米仏の3大スター(+チャールズ・ブロンソン)が共演した不思議な西部劇。サムライとガンマンの対決というミスマッチ感覚が楽しい。

 ボクシングよりジュードーのほうが強かったんですねぇ。

テレンス・ヤング監督。1971年フランス=イタリア=スペイン合作。

1981年12月15日 (火)

サスペリア PART2 (1975)

サスペリア2 殺人事件を題材にした推理ホラー映画。「サスペリア」とはまったく関係がない作品だのに、なぜか続編扱いされている。スペシャルメイクではっとさせられるシーンがあるが、あとはあまり見るものがなかった。

ダリオ・アルジェント監督。1975年イタリア映画。

1981年12月12日 (土)

ナッシュビル (1975)

ナッシュビル ナッシュビルという街の音楽祭に集って来る人々の人間模様を描いたドラマ。数々のドラマが多くの登場人物(カレン・ブラック、ジェラルディン・チャップリン、デヴィッド・アーキン、キース・キャラダイン、リリー・トムリン、スコット・グレン他)と共に語られるので、ちょっとストーリーがつかみづらかった。

ロバート・アルトマン監督。1975年アメリカ映画。

1981年12月 6日 (日)

サスペリア (1977)

サスペリア 女子寮を舞台にしたホラー。主人公のスージー(ジェシカ・ハーパー)が入ったドイツの女学校は、実は悪魔崇拝者たちの住み家だった。無数の芋虫などかなり生理的にこたえるホラー映画。公開時はサーカム・サウンドという立体音響。

ダリオ・アルジェント監督。1977年イタリア映画。

1981年11月29日 (日)

大地震 (1974)

大地震 地震で大都市が崩壊していく様子を描いたパニック・スペクタクル。ドラマは会社社長役のチャールトン・ヘストンとその愛人(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド)、妻(エヴァ・ガードナー)の三角関係を軸に描かれる。重低音のセンサラウンド方式で上映され、迫力満点だった。

 神戸の阪急会館という映画館で見たのですが、待合室の窓枠が音響システムのせいでびびっていたのが印象的でした。この他にも「ミッドウエイ」「テンタクルズ」なんて映画がこの方式で上映されたのですが、映画館の近所では「遠雷のように響く」と苦情が殺到したという新聞記事を覚えています。

マーク・ロブスン監督。1974年アメリカ映画。

1981年11月22日 (日)

ファンタズム (1979)

ファンタズム 殺人鬼のいる不思議な館を舞台にしたファンタジック・ホラー。夢と現実とがほとんど区別のつかない映像が面白い。飛んで来る謎の鋼鉄球の質感に強烈なインパクトがある。

ドン・コスカレリ監督。1979年アメリカ映画。

1981年11月18日 (水)

慕情 (1955)

慕情 香港を舞台にしたラブストーリー。中国系の女医(ジェニファー・ジョーンズ)がアメリカの新聞記者(ウィリアム・ホールデン)と知り合い恋に落ちる。しかし朝鮮戦争勃発の中で二人の運命が狂いはじめる。主題歌が大ヒットした。

ヘンリー・キング監督。1955年アメリカ映画。

1981年11月15日 (日)

ジェット・ローラー・コースター (1977)

ジェット・ローラー・コースター 宙返りコースターに爆弾が仕掛けられたという脅迫電話がかかる。刑事たち(ジョージ・シーガル他)はガセネタだろうと相手にしないのだが。当時新登場した宙返りコースターの紹介映画かと間違えた変った作品。

 ジェットコースターの爆破シーンはありますが、残念ながら宙返りコースターのそれはありません。参考までに。

ジェームズ・ゴールドストーン監督。1977年アメリカ映画。

1981年11月14日 (土)

野獣死すべし (1980)

野獣死すべし 完全犯罪に異常な興味を示す元カメラマン(松田優作)が、銀行強盗を犯し恋人(小林麻美)まで射殺して悪の世界へどっぷりとつかっていく。後半の芸術色あふれる展開は犯罪映画としては斬新だったが、何を意味してるのかわからない。

村川透監督。1980年日本映画。

1981年11月 8日 (日)

四季・奈津子 (1980)

四季・奈津子 春夏秋冬の名前がついた4人姉妹のそれぞれの生きかたを描いた五木寛之原作のベストセラー4部作のうちの1作の映画化。ヒロイン(烏丸せつ子)が何かに目覚めて生きかたを変えるのだが、私にはさっぱりわからなかった。

東陽一監督。1980年日本映画。

1981年11月 7日 (土)

ダーティハリー2 (1973)

ダーティハリー2 サンフランシスコで、法で裁けない悪人たちを闇に葬る謎の警官軍団(デヴィッド・ソウル他)が現われる。世論は彼らを支持するのだが、きな臭いものを感じたハリー刑事(クリント・イーストウッド)は捜査を開始する。ラストにマグナムアクションがほしかった。

 中盤の、警察の射撃訓練のシーンがガンマニア必見。

テッド・ポスト監督。1973年アメリカ映画。

1981年11月 3日 (火)

女王蜂 (1978)

女王蜂 「くちびるにミステリー」のキャッチで口紅のTVスポットがいっぱい入ったあれですね。でもコマーシャルは覚えてても映画を覚えてないってのはいったい・・・?

出演 石坂浩二、中井貴恵、高峰三枝子、司葉子、岸恵子、仲代達矢、沖雅也、萩尾みどり、加藤武、大滝秀治、伴淳三郎、草笛光子

市川崑監督。1978年日本映画。

1981年10月25日 (日)

2001年宇宙の旅 (1968)

2001年宇宙の旅 太古の人類に知恵をもたらしたモノリス(黒石板)が、今度は月面で発見される。そのモノリスの発信した電波を追った宇宙船が遭遇したものは… すでに伝説化されつつあるSF映画の超大作。

 いちおう原作が種明かしのようになっているのだが、原作が映画のスケールを狭めてしまう特異な例。私は映画を見て感じたもののほうが本当の2001年だと思う。

スタンリー・キューブリック監督。1968年アメリカ映画。

1981年10月18日 (日)

ナイル殺人事件 (1978)

ナイル殺人事件 ナイル川を走る観光客船の中で殺人事件が発生する。たまたま乗り合わせた名探偵ポワロ(ピーター・ユスチノフ)が捜査を開始する。豪華スター(ジェーン・バーキン、ベティ・デイヴィス、ニア・ファロー、デヴィッド・ニーヴン、ジョージ・ケネディ他)を並べたゴージャスな作品。しかしいくら金に目がくらんでも、あんな事できるのだろうか?

ジョン・ギラーミン監督。1978年アメリカ=イギリス合作。

1981年10月14日 (水)

マイ・ライフ (1978)

マイ・ライフ 離婚して二人の子持の中年女性(ジョアン・ウッドワード)が、ひょんなことからマラソンを始めて走る喜びを覚える。そして目標はボストンマラソンの完走ということになるのだが。アメリカにもスポ根ドラマがあるんだと感心した。

リチャード・T・ヘフロン監督。1978年アメリカ映画。

1981年10月11日 (日)

ファイナル・カウントダウン (1980)

ファイナル・カウントダウン アメリカの原子力空母ニミッツが突然タイムスリップして、真珠海海戦前のパールハーバーへ。日本軍の攻撃を防いで、歴史を変えるべきか悩む艦長(カーク・ダグラス)。タイム・パラドックスやゼロ戦対最新戦闘機が楽しめる一編。

 つまり、角川映画の「戦国自衛隊」ぱくりですね。

ドン・テイラー監督。1980年アメリカ映画。

1981年10月 3日 (土)

復活の日 (1980)

復活の日 スパイ戦で洩れた細菌兵器が世界に蔓延、南極を残してすべての人類が死滅してしまう。生き残った人々(草刈正雄、緒形拳、渡瀬恒彦、オリビア・ハッセー、ジョージ・ケネディ、他)の人類存続のための生活がスタートするのだが。壮大なスケールで描くSF超大作。見応えあり。

深作欣二監督。1980年日本映画。

1981年10月 1日 (木)

荒野の大活劇 (1969)

荒野の大活劇 「荒野の用心棒」のパロディ映画。父親が残した遺産をめぐって、兄弟(ジュリアーノ・ジェンマ、ニーノ・ヴェンヴェヌーチ)がギャグを交えながらどたばたと対決する。スピーディな展開で、なんにも考えずに楽しめます。

ドゥッチオ・テッサリ監督。1969年イタリア映画。

1981年9月30日 (水)

ダイナマイト諜報機関 クレオパトラ カジノ征服 (1975)

クレオパトラ カジノ征服 秘密警察のクレオパトラ(タマラ・ドブソン)が自慢の長身を生かしたアクションで、香港で行方不明になった同僚(ステラ・スティーヴンス)を探し出すアクション映画。黒人モデルのドブソンの魅力を軸にした作品なので、彼女が好きになれない人はペケ。

チャック・ベール監督。1975年アメリカ=香港合作。

1981年9月29日 (火)

天平の甍 (1980)

天平の甍 中国の仏教を学ぶため、遣唐船に乗った留学僧たち(田村高廣、中村嘉葎雄、大門正明他)の運命を描いた大河ドラマ。中国との本格的な協力で話題になった。成功してお経を持ち帰った者、途中で息絶えた者の明暗の差が痛ましい。

熊井啓監督。1980年日本=中国合作。

1981年9月28日 (月)

一発大逆転 (1975)

一発大逆転 ボクシングを舞台にしたコメディ。シドニー・ポワチエが仲間のホールの建設資金のために、インチキまじない師をつかって弱いボクサーを強くしてもらい、賭博でがっぽり儲けようとする。どんでん返しの続くラストが爽快。

シドニー・ポワチエ監督。1975年アメリカ映画。

1981年9月23日 (水)

幸福の黄色いハンカチ (1977)

幸福の黄色いハンカチ 北海道を舞台に、新車を買ってドライブに出た武田鉄矢、彼にナンパされた桃井かおり、その車に乗せてもらった刑務所あがりの高倉健さんが折りなすロードムービー。健さんが家へ帰るラストは感動的です。

山田洋次監督。1977年日本映画。

1981年9月20日 (日)

北京の55日 (1963)

北京の55日 北京の義和団事件を描いたスペクタクル巨編。スペインでロケしたという城壁をめぐる戦闘シーンが迫力満点。音楽も大ヒットした。

ニコラス・レイ監督。1963年アメリカ=スペイン合作。

1981年9月15日 (火)

もう頬づえはつかない (1979)

もう頬づえはつかない 複数の男の間をふらふらと渡り歩く女子大生(桃井かおり)の姿を描いた、ベストセラーの映画化。しかしストーリーも平坦でそのくせねちっこく、かなり退屈してる間に終わってしまった。

東陽一監督。1979年日本映画。

1981年9月 7日 (月)

サンダカン八番娼館 望郷 (1974)

サンダカン八番娼館 望郷 女性史研究家(栗原小巻)が年老いた女性(田中絹代、高橋洋子)をインタビューするスタイルで描いた「からゆきさん」(東南アジアへ出張した売春婦)の悲劇。年老いたからゆきさんが、ほとんど会う事もない息子の幸福を祈るシーンが感動的。

熊井啓監督。1974年日本映画。

1981年8月26日 (水)

坊っちゃん (1977)

坊ちゃん 有名な夏目漱石の原作を映画化。松山に赴任した新人教師(中村雅俊)が、ひとくせもふたくせもある先輩教師や生徒(地井武男、米倉斉加年、大滝秀治、他)と対決する八方破りな活躍を描く。明治が舞台だが、現代的でさわやかな作品に仕上がっている。

前田陽一監督。1977年日本映画。

1981年8月24日 (月)

悪魔の赤ちゃん (1974)

悪魔の赤ちゃん生まれた子供がモンスターだった、というホラー映画。最後は母親が母性愛に目覚めるなど、B級ながらなかなか見せてくれる。白い牛乳が真赤に染まっていくシーンは強烈。妊婦には絶対に見せたくない映画。

ラリー・コーエン監督。1974年アメリカ映画。

1981年8月23日 (日)

戦う幌馬車 (1967)

戦う幌馬車 ジョン・ウエインが自分を無実の罪に陥れた悪党に復讐するために悪党の砂金輸送馬車を襲おうとする。ところがこれが装甲板を張りめぐらせた戦車で、周到な作戦をたてることになる。ウエインのご機嫌西部劇。

バート・ケネディ監督。1967年アメリカ映画。

1981年8月18日 (火)

ガラスのうさぎ (1979)

ガラスのうさぎ 戦災で孤児になったひとりの少女(蝦名由紀子)の生きかたを描く名作。とにかく蝦名由紀子ちゃんの好演が光ってて、「頑張れよっ!」って思いっきり声援したくなります。回想シーンの母親(長山藍子)もすっごくいい。

橘祐典監督。1979年日本映画。

1981年8月13日 (木)

宇宙戦艦ヤマト (1977)

宇宙戦艦ヤマト 宇宙人からの侵略で地球は放射能の恐怖に。放射能除去装置を求めて、戦艦大和を改造した宇宙船で人類は旅に出る。大ヒットしたTVアニメの編集映画版。しかしストーリーが早すぎて、見ていて目がまわった。

舛田利雄監督。1977年日本映画。

1981年8月12日 (水)

屋根の上のバイオリン弾き (1971)

屋根の上のバイオリン弾き ロシアの一農村を舞台に、親の思いどおりにならない子供と争いながらも家族愛を深めていくがんこ親父(トポル)を主人公にしたミュージカル。原作はブロードウエイで大ヒットしたミュージカル。

ノーマン・ジュイスン監督。1971年アメリカ映画。

1981年8月 8日 (土)

ふたりのイーダ (1976)

ふたりのイーダ 広島へ両親(倍賞千恵子、山口崇)と共にやって来た小さな女の子(原口祐子)の前に、しゃべり動きまわる不思議な椅子が現われる。椅子は女の子をずっと待っていたというのだが。原爆の悲劇を訴えた児童文学の映画化。椅子がなんともユーモラス。

松山善三監督。1976年日本映画。

1981年8月 6日 (木)

ドリトル先生不思議な旅 (1967)

ドリトル先生の不思議な旅動物と話ができる学者のドリトル先生(レックス・ハリソン)が、巨大なピンクのかたつむりを探しに行くミュージカル。原作は有名な児童文学。これはTVで見ることはお勧めできません。吹き替えがなさけない歌になってますから。

リチャード・フライシャー監督。1967年アメリカ映画。

1981年8月 4日 (火)

地球の頂上の島 (1973)

地球の頂上の島 北極で行方不明になった息子を探すために気球でやって来た探検隊の冒険を描くSFXアクション。特にラストの火山の爆発が手に汗握るシーンの連続で、頭の中をからっぽにして楽しめる。

ロバート・スチーヴンソン監督。1973年アメリカ映画。

1981年8月 2日 (日)

銀河鉄道999 (1979)

銀河鉄道999 母親を機械人間に殺された子供(声:野沢雅子)が、機械の体を手に入れて復讐するために銀河鉄道に乗り込む。SFというよりファンタジーに近い内容でブームを起こした。

りん・たろう監督。1979年日本映画。

1981年7月29日 (水)

モダン・タイムス (1936)

モダン・タイムス 労働をテーマにしたチャップリンの長編。工場に勤めるチャップリンだったが、ベルトコンベアによる非人間的な仕事にノイローゼ気味に。恋人(ポーレット・ゴダード)と長い道を歩いて行くラストは感動的。

チャールズ・チャップリン監督。1936年アメリカ映画。

1981年7月28日 (火)

ローヤルフラッシュ (1975)

ローヤルフラッシュ中世イギリスを舞台にしたアクション喜劇。ぐうたら軍人(マルコム・マクダウェル)が危機を切り抜けながら火事場の馬鹿力で大活躍する。特にマルコムの結婚と奥さんのキャラクターには笑わされました。

リチャード・レスター監督。1975年イギリス映画。

1981年7月27日 (月)

少年と鮫 (1980)

少年と鮫 「チコと鮫」の再映画化。幼い頃に育てた小さな鮫が、大きくなって帰って来て少年(デイトン・ケイン)になつく。少年・少女(オッルベリオ・マシェル・ディアス)・鮫と、3者が成長しての再会がちょっと感動的。海洋ものにつきものの美しい画面も楽しめる。

フランク・C・クラーク監督。1980年アメリカ映画。

1981年7月25日 (土)

太陽がいっぱい (1960)

太陽がいっぱい 完全犯罪を目指す若者(アラン・ドロン)の野望と挫折..でもあの程度の犯罪で完全犯罪になるんだったら、あっちの警察はほんとーに程度が低いんだなあ、なんて感じた。

ルネ・クレマン監督。1960年フランス=イタリア合作。

1981年7月24日 (金)

血に飢えた白い砂浜 (1981)

血に飢えた白い砂浜 シーズンの浜辺の砂の中にモンスターが隠れているというパニック映画。おきまりどおりの展開で特筆することもないが、この邦題だとポルノと間違う人もけっこういるんじゃないの?

ビデオタイトル「ブラッドビーチ 謎の巨大生物 美女まるかじり」

ジェフリー・ブルーム監督。1981年アメリカ映画。

1981年7月23日 (木)

象物語 (1980)

象物語 アフリカ象の生態を長期ロケしたドキュメンタリー映画。親を失った子像を救おうとして、スタッフが別の象の群へ子像を連れて行ってやるシーンが感動的。

蔵原惟繕、蔵原惟二、日野成道共同監督。1980年日本映画。

1981年7月21日 (火)

戒厳令の夜 (1980)

戒厳令の夜 あるバーで発見された、南米の画家の1枚の絵から国家的陰謀が浮び上がるという冒険ロマン。主演の若いカップル(伊藤孝雄、樋口可南子)がたどる道に余韻があり、見応えがある。

山下耕作監督。1980年日本映画。

1981年7月20日 (月)

明日なき追撃 (1976)

明日なき追撃 議員になる宣伝のため無法者を追い回し情け容赦なく撃ち殺す保安官(カーク・ダグラス)と、彼に追い回されるアウトロー(ブルース・ダーン)との対決を描いた西部劇。善も悪もない対決が、普通の西部劇と比べて異質である。

カーク・ダグラス監督。1976年アメリカ映画。

1981年7月19日 (日)

カサブランカ (1943)

カサブランカ モロッコで再会した昔の彼女(イングリッド・バーグマン)は、すでに人妻に。その夫婦の逃亡を手伝うハンフリー・ボガート。ボガートの優しさとダンディズムが、バーグマンの美しさが頂点を究めたあまりのも有名な作品。

マイケル・カーティス監督。1943年アメリカ映画。

1981年7月10日 (金)

フェラーリの鷹 (1976)

フェラーリの鷹 スポーツカーに乗った犯人に逃げられたポリス(マウリッツィオ・メルリ)が、パトカーをフェラーリに乗り換えて犯人追跡するというアクション映画。このイタリア的血の気の多さがたまらなく楽しい(!?)

 当時は何も考えずに、カーチェイスが楽しいなあなんて見てたんだけど、車に興味を持った今となっては「バニシングin60」に続く「キョエ!」ものの車破壊映画なのである。主人公の上司と犯人が元レーサーという状況設定がイタリアらしくてどっかーんだし、そのドラテクを主人公が伝授されて、昔のライバルとの代理戦争になるなんて、泣かせるじゃん!?

 ただ、ラストが郊外へ出て「西部警察」みたいに空き地でバトルってのはちょっと物足りなかったかな?

ステルヴィオ・マッシ監督。1976年イタリア映画。

1981年7月 9日 (木)

オードリー・ローズ (1977)

オードリー・ローズ 輪廻転生を扱ったオカルト映画。娘(スーザン・スウィフト)が他人の生まれ変わりと知った両親(アンソニー・ホプキンス、マーシャ・メイスン)は天国に帰そうとするのだが、どうしてこんな貧困な発想しかできないのかと腹が立った。もっと仏教思想を勉強してから作ってほしかった。

ロバート・ワイズ監督。1977年アメリカ映画。

1981年7月 8日 (水)

007 ユア・アイズ・オンリー (1981)

007 ユア・アイズ・オンリー ミサイルの誘導装置をめぐっての東西のスパイ戦を描く。ラストにロッククライミングのシーンを持って来たりと、小道具を使わない正統派アクションに転向。東西の歩み寄りも印象的な一編だった。

ジョン・グレン監督。1981年イギリス=アメリカ合作。

1981年7月 6日 (月)

原子力潜水艦浮上せず (1978)

原子力潜水艦浮上せず 事故で沈没した原子力潜水艦。生き残った人々(チャールトン・ヘストン、デヴィッド・キャラダイン他)が脱出を試みるパニック・サスペンス。当時は潜水艦でも沈没するのかと感心したが、最近問題になった原子炉の沈没問題を予見したようで興味がある。

デヴィッド・グリーン監督。1978年アメリカ映画。

1981年6月28日 (日)

続・荒野の1ドル銀貨 (1966)

続・荒野の1ドル銀貨 南北戦争帰りのガンマン(ジュリアーノ・ジェンマ/モンゴメリー・ウッド)が、動かない右手にかわって左手でのガンプレイを訓練してさらわれた妻子を救出しようとするマカロニウエスタン。続がついているが前作とはまったく関係ないストーリーだった。

ドゥッチオ・テッサリ監督。1966年イタリア映画。

1981年6月21日 (日)

荒野の1ドル銀貨 (1966)

荒野の1ドル銀貨 胸のポケットに入れていた1ドル銀貨のおかげで命をとりとめたガンマン(モンゴメリー・クリフト/ジュリアーノ・ジェンマ)が復讐の旅をする。マカロニウエスタンの大ヒット作で主演のジェンマはスターに。この1ドル銀貨ネタはアクション映画でよく使われた。

カルビン・ジャクソン・バジェット監督。1966年イタリア=フランス合作。

1981年6月14日 (日)

カサンドラ・クロス (1976)

カサンドラ・クロス スイスで細菌兵器を盗もうとしてその細菌に汚染されたテロリストが列車に乗り込んだ。国家は細菌の秘密を列車ごと抹殺しようと、今は使われていないカサンドラ鉄橋へ列車を走らせる。面白い!

ジョージ・P・コスマトス監督。1976年イギリス=イタリア=西ドイツ合作。

1981年6月 7日 (日)

危険なめぐり逢い (1975)

危険なめぐり逢い 自動車事故で胸に傷を負い、女優への道を断たれたシドニー・ロームが子供の誘拐を企てる。たまたまベビー・シッターをやっていたマリア・シュナイダーは事件に巻き込まれる。音楽がしゃれたロマンティック・ミステリー。

ルネ・クレマン監督。1975年フランス=イタリア合作。

1981年5月30日 (土)

ハウリング (1981)

ハウリングTV局の女性レポーター(ディー・ウォーレス)がレポート中に記憶を喪失。田舎へ療養に行くのだが。狼男の変身シーンが売り物で確かにすごかったが、変身してからの狼男がぬいぐるみぬいぐるみしててなんともなさけなかった。

ジョー・ダンテ監督。1981年アメリカ映画。

1981年5月19日 (火)

ザ・カー (1977)

ザ・カー 無人の車が意志を持って走り出し、人間を襲うホラー映画。最後までなぜ車が殺人を犯すのか説明されないのは「激突」にそっくりだが、こちらはサスペンスが一段落ちる。ただ、車の不気味さはよく出ていた。

エリオット・シルヴァースタイン監督。1977年アメリカ映画。

1981年5月17日 (日)

メテオ (1979)

メテオ 巨大な隕石が地球に激突するという近未来を描いたパニック映画。核弾頭の使用で隕石をぶっとばそうとするのだが、軍事協定違反がらみの米ソのかけひきなど、面白くなりそうな要素が満載なのに… 惜しい!

 ストーリーにまったくひねりがないのと、SFXの仕上りがイマイチなせいで大量減点。もうちょっと頑張れば、当時流行のパニック大作の仲間入りできたのに、ただのB級に成り下がっている。

ロナルド・ニーム監督。1979年アメリカ映画。

1981年5月 5日 (火)

ドクター・モリスの島 フィッシュマン (1979)

ドクター・モリスの島 フィッシュマン 改造人間(フッシュマン)が出て来るスプラッタ・ホラーSF映画。もう観る前から筋が割れてるようなものだけど、バーバラ・バックの美しさを見るだけでも値打ちのある作品。

セルジオ・マルティーノ監督。1979年イタリア映画。

1981年5月 4日 (月)

Mr.BOO! ミスター・ブー (1976)

Mr.BOO 冴えない探偵事務所を開いた3兄弟(マイケル・ホイ、サミュエル・ホイ、リッキー・ホイ)、の珍騒動を描くスラップスティック喜劇。日本公開されたのはこれが初めてだが、実はシリーズ第3作。あか抜けしないギャグをずんずんパワーで押しまくるところが笑える。

マイケル・ホイ監督。1976年香港映画。

1981年5月 3日 (日)

エアポート'77 バミューダからの脱出 (1977)

エアポート'77 バミューダからの脱出 バミューダ・トライアングルの海底にジャンボ機が沈没するパニック映画。海中の飛行機のSFXに迫力があった。飛行機は海に落ちても雨漏りしないことを知った。

ジェリー・ジェイムソン監督。1977年アメリカ映画。

1981年4月29日 (水)

レガシー (1978)

レガシー ある屋敷に呼ばれた女性(キャサリン・ロス)が恐怖の体験をする。遺産相続をめぐるオカルト映画。何を相続するかというのがひとつのテーマになっている。ラストのどんでん返しはちょっと印象に残っている。

リチャード・マーカンド監督。1978年イギリス=アメリカ合作。

1981年4月25日 (土)

八つ墓村 (1977)

八つ墓村 戦国時代の落武者惨殺のたたりにからめた連続殺人に挑む探偵金田一(渥美清)を描いたサスペンス。この映画のおかげで頭に懐中電燈を2本くくりつけて「たたりじゃ?」って言って走り回るのがはやりました。

野村芳太郎監督。1977年日本映画。

1981年4月19日 (日)

男はつらいよ 寅次郎恋やつれ (1974)

男はつらいよ 寅次郎恋やつれ フーテンの寅さん(渥美清)が昔好きだった女性(吉永小百合)に再会。彼女の夫が亡くなったとのことなので、下心もあってか力になろうとするのだが。ロケ先は津和野。

山田洋次監督。1974年日本映画。

1981年4月15日 (水)

復讐するは我にあり (1979)

復讐するは我にあり 5人を殺した殺人鬼の軌跡を追う実話の映画化。緒形拳が恐ろしかったという印象が強烈に残ったが、それ以上の部分はよくわからなかった。

今村昌平監督。1979年日本映画。

1981年4月13日 (月)

007 ダイヤモンドは永遠に (1971)

007 ダイヤモンドは永遠に ダイアモンドの密売組織を追ってボンド(ショーン・コネリー)はラスベガスに潜入する。原作と違ってダイアモンドがレーザー光線発射装置というのはこじつけがすぎると感じたのは私だけだろうか? ストーリーがなかなか複雑。

ガイ・ハミルトン監督。1971年イギリス映画。

1981年4月11日 (土)

人間の証明 (1977)

人間の証明 ホテルのエレベータで黒人男性(ジョー山中)が殺される。これを捜査するにつれて、ある女性(岡田茉莉子)の終戦直後の秘められた過去が浮び上がってきた。角川映画のブームと共に、数々の流行語を生んだ話題作。

佐藤純彌監督。1977年日本映画。

1981年4月 8日 (水)

あしたのジョー (1980)

あしたのジョー 60年代に少年マガジンに連載され大ヒットした劇画のTV版をアレンジした作品。不良少年の矢吹(声:あおい輝彦)がおやじさん(藤岡重慶)と出会いボクシングに目覚め宿敵力石(仲村秀生)と対決するまでを描く。編集ものだが落ち着いて見れる。

福田陽一郎監督。1980年日本映画。

1981年4月 6日 (月)

007 死ぬのは奴らだ (1973)

007 死ぬのは奴らだ 麻薬組織を追ってボンド(ロジャー・ムーア)がニューヨークへ。ジェット・ボートの追撃戦が楽しいスパイアクション。ポール・マッカートニーの主題歌も話題を呼んだ。

ガイ・ハミルトン監督。1973年イギリス映画。

1981年4月 5日 (日)

女必殺拳 (1974)

女必殺拳 志穂美悦子のデビュー当時の主演アクション映画。最近演技派に転向した彼女から、この姿が想像できなくなった人は少なくないんじゃないだろうか?

山口和彦監督。1974年日本映画。

1981年4月 4日 (土)

隠し砦の三悪人 (1958)

隠し砦の三悪人 世継ぎの姫(上原美佐)を連れた武将(三船敏郎)が隠し砦から同盟国まで脱出するまでを描いた娯楽アクション時代劇。策略につぐ策略が面白く飽きさせない。「スターウォーズ」に影響を与えたのは有名。

黒澤明監督。1958年日本映画。

1981年4月 1日 (水)

死亡遊戯 (1978)

死亡遊技 ブルース・リーの死後、撮りかけのフィルムを編集して作られた作品。タイトル以下かなり豪華になっている。ストーリーよりも、「これはあの時のフィルムだ」なんて探す楽しみの方が先行した。

ロバート・クローズ監督。1978年香港映画。

1981年3月27日 (金)

ビューティフル・ピープル ゆかいな仲間 (1974)

ビューティフル・ピープル ゆかいな仲間 アフリカの自然と動物たちを描いた記録映画。猿が酒を作って酔っ払うシーンがユニークで話題になった。また、地図がアップになる場面の切り替わりなども楽しめます。

ジャミー・ユイス監督。1974年南アフリカ映画。

1981年3月25日 (水)

翼は心につけて (1978)

翼は心につけて 骨肉腫の少女(石田えり)が、残された時間を高校入試のために使う。両親(フランキー堺、香川京子)は、もっと別の生き方があったのではないかと悔やむのだが...今は大女優の仲間入りした石田えりちゃんのデビュー作。とにかく光ってました。

堀川弘通監督。1978年日本映画。

1981年3月23日 (月)

家 (1976)

家 悪霊のとりついた家が人間を食べるホラー映画。古びた家へある家族(カレン・ブラック、オリヴァー・リード、バージェス・メレディス他)が引っ越して来るのだが、家族がひとりひとり消えていく。消えるたびに家が新しくなっていくのが不気味。タイトルバックの写真にも注目!

ダン・カーティス監督。1976年アメリカ映画。

1981年3月21日 (土)

明日に向って撃て! (1969)

明日に向って撃て! ニューシネマの主人公って、みんないいヤツだのにどうしてギャングなんだろう?? 素朴な疑問。

ジョージ・ロイ・ヒル監督。1969年アメリカ映画。

1981年3月16日 (月)

フューリー (1978)

フューリー 中近東で子供が誘拐される。ところが、その子供のテレパシーを受けた少女がいた。超能力を描いたサイキック・アクション。ラストのショットは当時としてはかなりショッキングだった。

ブライアン・デ・パルマ監督。1978年アメリカ映画。

1981年3月13日 (金)

ドラブル (1974)

ドラブルアイルランドの武器密輸を調査中のイギリス情報部員(マイケル・ケイン)の息子が組織に誘拐される。彼は独自に救出活動を開始するのだが… ヨーロッパロケが美しいアクション映画。

ドン・シーゲル監督。1974年イギリス映画。

1981年3月11日 (水)

世界が燃えつきる日 (1977)

世界が燃えつきる日 核戦争勃発後の荒廃した地球。軍隊で生き残った人々(ジャン・マイケル・ヴィンセント、ジョージ・ペパード、ドミニク・サンダ)が、装甲車に乗って大陸横断の旅に出る。核爆弾がぼんぼん爆発するオープニングや巨大さそりの襲撃など見せ場も多く飽きさせない。

ジャック・スマイト監督。1977年アメリカ映画。

1981年3月 9日 (月)

新サイコ (1978)

新サイコ サイコとは名前だけの高所恐怖症の男(メル・ブルックス)が主人公のパロディ映画。もちろんサイコをはじめヒッチコック映画やその他のサスペンス作品の名場面が散りばめられている。

メル・ブルックス監督。1978年アメリカ映画。

1981年3月 6日 (金)

レッド・ムーン (1968)

レッド・ムーン 騎兵隊員(グレゴリー・ペック)が10年前にアパッチにさらわれた白人女性(エヴァ・マリー・セイント)を救出するが、彼女と子供を作ったアパッチの首領が追って来る。二人の壮絶な頭脳戦は見応えがある。

ロバート・マリガン監督。1968年アメリカ映画。

1981年3月 2日 (月)

正午から3時まで (1976)

正午から3時まで チャールズ・ブロンソンがちょっとなさけない役の変った西部劇。町の銀行強盗騒ぎで刑務所に入れられたブロンソン。ところが彼は死んだことになり、名前だけがひょんな事から英雄になる。とにかく可愛そうな役でした。

フランク・D・ギルロイ監督。1976年アメリカ映画。

1981年3月 1日 (日)

大空港 (1970)

大空港 乗客を満載したボーイング707に爆弾を持った変質者が発見される。折りしも到着予定の空港は猛吹雪で、離着陸は不可能に。オールスターキャスト(バート・ランカスター、ディーン・マーティン、ジーン・セバーグ、ジャクリーン・ビセット、ジョージ・ケネディ、ヘレン・ヘイズ他)のパニック映画。押えた演出は好感が持てる。

 やっぱりしっかりとした原作があると、空港シリーズもリアルで面白い。のちの空港シリーズのあの手この手のパニックてんこ盛りの節操のなさといったら…

ジョージ・シートン監督。1970年アメリカ映画。

1981年2月27日 (金)

ウォーキング・トール (1973)

ウォーキング・トール 元プロレスラー(ジョー・ドン・ベイカー)が引退して故郷へ帰って来ると、そこは腐敗した町になりさがっていた。悪党を棍棒で粉砕したあと、自ら保安官に立候補する。すざまじいバイオレンスアクション編だが家族愛も描かれて感動的。

フィル・カールソン監督。1973年アメリカ映画。

1981年2月22日 (日)

ダーティハリー (1971)

ダーティハリーシスコの連続射殺犯を追うハリー刑事(クリント・イーストウッド)のアクション活劇。ルールを無視して悪を追う、「はみだし刑事」もののルーツ。加えて犯人の変質者(アンディ・ロビンソン)もすごいキャラクターだった。大型拳銃マグナム44もブームに。

ドン・シーゲル監督。1971年アメリカ映画。

1981年2月20日 (金)

ロイ・ビーン (1972)

ロイ・ビーン 無法の町で判事となったロイ・ビーン(ポール・ニューマン)の爽快な半生を描いた西部劇。勧善懲悪に徹し、「俺が法律だ!」と言い切って悪をばっさばっさやるところが心地好い。

 複雑になりすぎて、何が善悪か分からなくなった現代に対するちょっとした皮肉かな?

ジョン・ヒューストン監督。1972年アメリカ映画。

1981年2月18日 (水)

アバランチエクスプレス (1979)

アバランチエクスプレス ソビエトの重要人物が亡命。彼をミラノからアムステルダムまで護送するのだが… 敵側のあの手この手の妨害工作を描いた列車ノンストップアクション映画。クライマックスの雪崩シーンは迫力もの。

マーク・ロブスン監督。1979年アメリカ映画。

1981年2月16日 (月)

ドラゴンへの道 (1972)

ドラゴンへの道 ローマを舞台にしたアクション・カンフー映画。料理店に勤めるブルース・リーのもとへ悪徳イタリア人がしつこく攻めて来るが、カンフーの達人リーは… ストーリーはあってないようなものだが、アクションは一流品。

 しかしこれ見てると、中国系はみんなカンフーやってるんかと誤解を生んでしまいそう。

ブルース・リー監督。1972年香港映画。

1981年2月13日 (金)

戦争プロフェッショナル (1968)

戦争プロフェッショナル アフリカのコンゴ内乱が舞台。政府軍に雇われた庸兵部隊(ロッド・テイラー他)が、反乱軍から村人を救出する戦争アクション映画。

ジャック・カーディフ監督。1968年イギリス映画。

1981年2月 9日 (月)

オーメン2 ダミアン (1978)

オーメン2 ダミアンオーメンの続編。13才になった悪魔の子供、ダミアン(ジョナサン・スコット・テイラー)のまわりに再び不穏な動きが。彼をひきとった叔父夫妻(ウィリアム・ホールデン、リー・グラント)に危険が迫る。ダミアン本人には自分が悪魔の子供であると気付いてない点がなんとなく哀れだった。

ドン・テイラー監督。1978年アメリカ映画。

1981年2月 5日 (木)

エクスタミネーター (1980)

エクスタミネーター ベトナム帰りの男(ロバート・ギンティ)が、友人をストリートギャングどもに植物人間にされたために復讐に立上がる。見さかいなく悪人を仕留めるバイオレンスシーンはエキサイティングで手に汗握った。

 首の大根斬りからはじまって、人間ミンチにダムダム弾と、およそバイオレンスの思いつくままを描いた超サディスティック編。ウィンナーの両側にフォークを刺してコンセントの電気を流すホットドックの作り方はワイルドだったが、まだ試してない。

ジェームズ・グリッケンハウス監督。1980年アメリカ映画。

1981年2月 4日 (水)

夜の大捜査線 (1967)

夜の大捜査線 南部の田舎町で殺人事件が発生する。容疑者として逮捕されたのは、じつはベテラン黒人刑事(シドニー・ポワチエ)だった。彼はここの署長(ロッド・スタイガー)といがみあいながらも事件を解決する。人種問題とふたりの友情が暖かい。

ノーマン・ジュイスン監督。1967年アメリカ映画。

1981年2月 2日 (月)

オーメン (1976)

オーメン 6月6日6時に死産したわが子のかわりにもらいうけた子供は、実は悪魔の落とし子だった。オカルト映画ブームの絶頂期に作られた黙示録ホラー。聖書の新解釈がおどろおどろしい。

 この頃ってけっこうTVのスペシャル番組なんかで、映画のハイライト流してました。オーメンもよく登場したので、映画を見た頃には見せ場は全部知っていてちょっと拍子抜けしました。TVの映画特番は見ないようにしようと決心した。

リチャード・ドナー監督。1976年アメリカ映画。

1981年1月30日 (金)

アンドロメダ… (1971)

アンドロメダ… 宇宙から落下した病原体で、ある村が壊滅状態に。しかし、たった二人生き残った赤ん坊と老人の調査から、意外な事実が。病原体の解明にストーリーを絞った硬派な演出が、抜群の緊迫感を生み出している。

ロバート・ワイズ監督。1971年アメリカ映画。

1981年1月11日 (日)

カプリコン・1 (1977)

カプリコン・1 人類初の有人火星探査船から、宇宙飛行士(エリオット・グールド)が消えた。国家ぐるみの陰謀に巻き込まれ生命の危機にさらされた彼らが繰り広げるミステリーアクション。SFを期待すればずっこけるが、すごく面白い活劇です。

ピーター・ハイアムズ監督。1977年アメリカ=イギリス合作。

1981年1月 4日 (日)

燃えよドラゴン (1973)

燃えよドラゴン 麻薬の密売組織を追って、エージェントであるリーが悪の島の武道大会へ単身乗り込んで行く。一大カラテ映画ブームを起こしたブルース・リーの出世作。

ロバート・クローズ監督。1973年香港=アメリカ合作。

1980年12月31日 (水)

最も危険な遊戯 (1978)

最も危険な遊戯 松田優作が殺し屋に扮する遊戯シリーズの中の一作。政財界の幹部を殺すために優作がやとわれる。優作の性格がとにかくとりとめもなくてヘンなやつで快作だった。

村川透監督。1978年日本映画。

1980年12月30日 (火)

黒いオルフェ (1959)

黒いオルフェ ギリシャ神話の、死んだ妻を霊界へ連れ戻しに行くオルフェの話を現代のリオに移して脚色したミュージカル。サンバの強烈なリズムが、抜群の雰囲気を呼んでいる。

マルセル・カミュ監督。1959年フランス=ブラジル合作。

1980年12月29日 (月)

ダイナマイトどんどん (1978)

ダイナマイトどんどん 抗争激しいやくざに決着をつけさせるために、警察署長が双方の組に野球大会を提案する。菅原文太さんの野球シーンが見れるという異色スポーツ映画。ストリップ劇場の応援団がもう爆笑ものでした。

 文太さんが牙を折られたみたいでいやだという意見もあったのですが、私はこういう雰囲気は好きです。でも、何だか刑務所の野球大会みたいな感じもしたけど。

岡本喜八監督。1978年日本映画。

1980年12月28日 (日)

恐竜・怪鳥の伝説 (1977)

恐竜・怪鳥の伝説 海外をターゲットに作製されたB級怪獣映画。当時はスターウオーズなどのヒットで大人向けのSF映画が大流行だったけど、これもその1本。富士の樹海に生き残っていた恐竜なんてロマンチックなんだけど。

倉田準二監督。1977年日本映画。

1980年12月26日 (金)

皆殺しのジャンゴ (1969)

皆殺しのジャンゴ 復讐もののマカロニウエスタン。妻を殺され、自分も重傷を負ったガンマン(テレンス・ヒル)が弱い者を助け復讐を開始する。手をつぶすなど徹底した残酷描写もすごいが、棺桶から出て来るマシンガンもインパクトあったなあ。

フェルディナンド・バルディ監督。1969年イタリア映画。

1980年12月22日 (月)

天地創造 (1966)

天地創造 旧約聖書の映画化。ノアの箱船、バベルの搭、ソドムとゴモラなどのエピソードがオムニバス形式で雄大なスケールで描かれる。息子をいけにえにささげるエピソードだけは、ちょっぴり疑問を感じたが。

ジョン・ヒューストン監督。1966年アメリカ映画。

1980年12月17日 (水)

ルパン三世 カリオストロの城 (1979)

ルパン三世 カリオストロの城 ニセ札作りのカリオストロ国へ潜入したルパン(声:山田康雄)と次元(小林清志)が女王(増山江威子)を救出するまでを描いた冒険アクションアニメ。城の屋根の上を走りまわるシーンが最高におかしかった。こいつら、高いところ怖くないの!?

宮崎駿監督。1979年日本映画。

1980年12月14日 (日)

戦争と平和 (1956)

戦争と平和 前半はロシア貴族の繁栄を、そしてナポレオンの侵略と敗走を描いたトルストイの小説をオールスターキャストで描いた大作。絶頂期のオードリー・ヘップバーンの演じるナターシャがまぶしい。

キング・ヴィダー監督。1956年イタリア=アメリカ合作。

1980年12月13日 (土)

赤穂城断絶 (1978)

赤穂城断絶 あまりにも有名な忠臣蔵の映画化。「柳生一族の陰謀」のような荒唐無稽な作品になる予定だったそうだが、萬屋錦之助の要請で正統派作品に仕上げられた。

 「柳生?」のヒットで東映に時代劇復興の機運が盛り上がり作られた映画の1本。荒唐無稽な新感覚時代劇を期待したのに、少々がっかり。そういえば映画館にはお年寄りが多かったとか・・・

深作欣二監督。1978年日本映画。

1980年12月12日 (金)

大脱走 (1963)

大脱走 第2次世界大戦、ドイツの捕虜収容所から脱走する連合軍兵士たち(スティーヴ・マックィーン、ジェームズ・ガーナー、リチャード・アッテンボロー、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、デヴィッド・マッカラム他)をオールスターキャストで描いた戦争アクション大作。登場人物が多すぎてわかりにくかったが、それぞれの人生を感じさせる。

 個人的には盲目の偽造パスポート作りのドナルド・プレゼンスが好きでした。この作品の中でいっちゃん可愛そうな役だったのではないだろうか。

ジョン・スタージェス監督。1963年アメリカ映画。

1980年12月10日 (水)

リップスティック (1976)

リップスティック 妹(マリエル・ヘミングウェイ)の音楽教師(クリス・サランドン)に犯されたトップモデル(マーゴ・ヘミングウェイ)。事件は裁判に持ち込まれ、彼女は徹底的な尋問で恥かしめを受ける。「レイプ」という言葉を一般化させた問題作。ラストは小気味よいんだけどねえ…

ラモント・ジョンソン監督。1976年アメリカ映画。

1980年12月 8日 (月)

シャーロック・ホームズの素敵な挑戦 (1976)

シャーロック・ホームズの素敵な挑戦コカイン中毒のホームズ(ニコール・ウィリアムソン)がフロイトの心理分析を受けるというパロディ映画。いわゆる新解釈ものだが、徹底的にひねってある上にラストには列車のチェイスなど見せ場も多く楽しめる作品。

 映画でもフロイトものは一時大流行したらしいのですが、これはそのフロイトをホームズと対決させようというキングコング対ゴジラみたいな珍品。モリアティ教授の存在さえもパロディにしてしまう発想の面白さにはマイッタしました。

ハーバート・ロス監督。1976年アメリカ映画。

1980年12月 7日 (日)

暗くなるまで待って (1967)

暗くなるまで待って オードリー・ヘップバーンが盲目の人妻役。夫の留守中に麻薬組織の抗争に巻き込まれいぢめられる(?)。ヒッチコック調のはらはらどきどきで、ラストの冷蔵庫のシーンでは本当に手に汗にぎりました。

テレンス・ヤング監督。1967年アメリカ映画。

1980年11月24日 (月)

ジャガーノート (1974)

ジャガーノート豪華客船に爆弾が仕掛けられた。爆弾処理班(リチャード・ハリス他)は嵐の中を船に乗り移り、必死の爆弾撤去作業を始める。処理班と犯人の対決をスリリングに描いた傑作。最後の解体シーンでは手に汗にぎりました。

リチャード・レスター監督。1974年イギリス映画。

1980年11月17日 (月)

殺しの許可証 (1975)

殺しの許可証 英国の諜報部員ボガードが、反体制運動の主導者がオーストリアへ入国するのを阻止しようとするスパイ映画。しかし、見せ場も少なく地味な作品でちょっぴり退屈しました。

シリル・フランケル監督。1975年イギリス=オーストリア合作。

1980年11月16日 (日)

マッキントッシュの男 (1973)

マッキントッシュの男 獄中のスパイを殺害するために、わざと投獄されるエージェント(ポール・ニューマン)。ロケ風景がとても美しく、ニューマンとドミニク・サンダのラブシーンなどが印象的だった。

ジョン・ヒューストン監督。1973年アメリカ映画。

1980年11月 5日 (水)

ビリティス (1977)

ビリティス元カメラマンのハミルトンが初めて撮った映画で、ソフトな色調のエロチック作品。高校生のビリティス(パティ・ダルバンヴィル)が愛に目覚め、男性に体をささげるかどうか悩むのがストーリー。しかし画面を楽しむ以外にはちょっと。

デヴィット・ハミルトン監督。1977年フランス映画。

1980年11月 2日 (日)

ノストラダムスの大予言 (1974)

ノストラダムスの大予言 地球の滅亡をとなえたノストラダムスの予言を脚色、ドラマ化した作品。放射能汚染で怪物化した人間の映像などで物議をかもし出したが、滅亡シーンは予測でこれを防ごうというラストの締めくくりはよい。

舛田利雄監督。1974年日本映画。

1980年10月31日 (金)

ブーメランのように (1976)

ブーメランのように 今は引退して子供もいるギャングの男(アラン・ドロン)。しかし息子が警官を殺してしまったため、国外へ彼を逃亡させるために再び元の暗黒街へ戻って行く。

ジョゼ・ジョヴァンニ監督。1976年フランス映画。

1980年10月26日 (日)

サンシャイン (1973)

サンシャイン歌手の男(クリフ・デ・ヤング)と女(クリスティナ・レインズ)が知り合うのだが、彼女は別れた男の子供を身篭っていた。男は愛の告白として子供の父親欄に名前を書くのだが、女には病魔が。血のつながらない子供を連れてバイクで疾走するラストが泣かせる。

 テレビ映画ながら、日本では劇場公開された秀作。

ジョセフ・サージェント監督。1973年アメリカ映画。

1980年10月25日 (土)

ウイラード (1971)

ウィラード ねずみの大群が主人公のパニック映画。体の弱い青年(ブルース・デイヴィスン)がねずみのベンと友達になる。ベンは子供を産み大群となり、彼の命令で人間を襲う。恋人できて平和が訪れたように思えたのだが。うん、面白い映画です!

ダニエル・マン監督。1971年アメリカ映画。

1980年10月19日 (日)

スウォーム (1978)

スウォーム ミツバチの大群が襲って来るパニック映画。町がひとつ壊滅したり、原子力発電所がふっとんだりとアレンならでわのスケールの大きさだが、どこかストーリーがから回りしてあまり面白くなかった。

アーウィン・アレン監督。1978年アメリカ映画。

1980年10月12日 (日)

マラソンマン (1976)

マラソンマン町をランニングしている途中で、ある交通事故を目撃したおかげで陰謀に巻き込まれる青年(ダスティン・ホフマン)。ホフマンが熱演だが、なんたって話題なのはローレンス・オリヴィエが歯を削る拷問シーン。このせいでサスペンスがホラー映画になっている。

ジョン・シュレンジャー監督。1976年アメリカ映画。

1980年10月 7日 (火)

青春 第50回全国高校野球大会 (1968)

青春 第50回全国高校野球大会 東京オリンピックで高い評価を得た市川監督がその直後に作った高校野球の記録映画。地方大会へ向けての練習風景から、舞台裏を中心に綴られる。雪国で雪をどけながらの練習が印象に残った。

市川崑監督。1968年日本映画。

1980年10月 5日 (日)

コンボイ (1978)

コンボイ 大型トラックの軍団(コンボイ)が、団結して悪徳パトカー軍団をぶっつぶす! アメリカン・トラックの存在を日本に知らしめた記念大作。ペキンパーで人が死ぬシーンがない作品というのも珍しい。

サム・ペキンパー監督。1978年アメリカ映画。

1980年10月 3日 (金)

荒野の七人 (1960)

荒野の七人黒澤明の「7人の侍」の西部劇版リメイク。野盗に毎年襲われる村が、7人のガンマン(ユル・ブリンナー、スティーヴ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ロバート・ヴォーン、他)を雇って対抗する。7人の侍に負けず劣らず面白く、西部劇の古典的名作となっている。なんたって出演者の顔ぶれもすごい!

ジョン・スタージェス監督。1960年アメリカ映画。

1980年10月 1日 (水)

蘇える金狼 (1979)

蘇る金狼 昼間はエリートサラリーマンの主人公(松田優作)が、夜は獣と化して企業を喰い物にする実業家たちをターゲットにする。原作も読んだが、原作よりもき
れいにでき過ぎてる気がした。この程度じゃまだ現代は挑発できない!

村川透監督。1979年日本映画。

1980年9月29日 (月)

事件 (1978)

事件 山の中で一人の青年が女性を刺した。この公判を通じて、事件にからむ人間たちを浮彫りにする法廷劇。大竹しのぶのふりしぼるような演技がすさまじかった。法廷とは、なんて残酷な場所なのかとも思った。

野村芳太郎監督。1978年日本映画。

1980年9月28日 (日)

ザ・セブン・アップス (1973)

ザ・セブン・アップス 狙った敵は必ず刑務所に送り込み、7年以上の刑になることからザ・セブン・アップスという異名をとっている特捜班の活躍を描いたアクション映画。カーチェイスシーンが迫力もの。

フィリップ・D・アントニー監督。1973年アメリカ映画。

1980年9月26日 (金)

ザ・ヤクザ (1974)

ザ・ヤクザ 日本のやくざに誘拐された娘を助ける依頼を受けた探偵(ロバート・ミッチャム)が来日。昔の恋人(岸恵子)とその兄(高倉健)の協力で救出を開始する。外人とやくざの世界というミスマッチ感覚が面白い。

シドニー・ポラック監督。1974年アメリカ映画。

1980年9月24日 (水)

007 ゴールドフィンガー (1964)

007 ゴールドフィンガー 金(きん)にとりつかれた男(ゲルト・フレーベ)が、アメリカのポートノックスの金塊を核でぶっとばそうという野望を007(ショーン・コネリー)が阻止する。敵の手下のハロルド坂田や、アストンマーチン(車)などシリーズがコミック風に走った記念作(?)

ガイ・ハミルトン監督。1964年イギリス映画。

1980年9月14日 (日)

ハリーとトント (1975)

ハリーとトント アパートを追い出された老人(アート・カーニー)が、猫を連れて放浪の旅に出る。今どんなに苦しいことがあっても、年をとると全部笑い話になってしまうんだなあって勇気づけられた。実際はもっとハードな老人問題映画ですが。

ポール・マザースキー監督。1975年アメリカ映画。

1980年9月 7日 (日)

子連れ狼 子貸し腕貸しつかまつる (1972)

no jacket image 一大ブームとなった劇画時代劇の映画化。柳生一族の陰謀にかかり、家族を滅ぼされた公儀介錯人拝一刀(若山富三郎)が、生き残った息子を乳母車に乗せて放浪の旅に出る。映画ではすさまじいスプラッタシーンが見もの。

 とにかく血がすごいのである。TVの時代劇を見慣れた目には、ここまでする?!?の世界だった。

三隈研次監督。1972年日本映画。

眼下の敵 (1947)

眼下の敵 アメリカの駆逐艦とドイツのUボートが1体1で対決。両者の駆け引きをサスペンスいっぱいに描いた娯楽大作。一見好戦的な感じもするが、時計工の悲劇などをさらりと描いている点に好感を持った。

 駆逐艦の艦長(ロバート・ミッチャム)とUボートの艦長(クルト・ユルゲンス)。この二人が戦場以外のところで出会っていたらと考えると、胸がいっぱいになります。

ディック・パウエル監督。1947年アメリカ=西ドイツ合作。

1980年8月25日 (月)

マッカーサー (1977)

マッカーサー マッカーサー(グレゴリー・ペック)の日本占領時代から朝鮮戦争、そして退役までを描いたセミ・ドキュメンタリータッチの伝記映画。やっぱ日本占領政策などの描写に期待したんだけど、さらっと流されて肩透かしをくってしまった。

ジョセフ・サージェント監督。1977年アメリカ映画。

1980年8月24日 (日)

死の追跡 (1973)

死の追跡西部のおとなしい善良者の保安官(リチャード・ハリス)が、無法者の一味に家族を殺されて豹変し、復讐の鬼と化す。カンフー映画や時代劇などでもおなじみのストーリーだが、なかなか熱くなれた。

サミュエル・フラー原作。バリー・シャー監督。1973年アメリカ映画。

1980年8月22日 (金)

遊び (1971)

遊び工場に勤める少女(関根恵子)と、チンピラ(大門正明)のつかの間の恋を描く。二人とも社会の片隅から脱出を願い、ボロ船で川にこぎ出すのだが、いつまで漕いでも岸にたどりつかないラストが頭にこびりついている。

増村保造監督。1971年日本映画。

1980年8月17日 (日)

デモン・シード (1977)

デモン・シードコンピューターが女性(ジュリー・クリスティ)に子供を産ませるという内容がショッキングで話題になったSF映画。知能を持ったコンピューターが、機械の外へ出たくなり、端末が接続された家で反乱を起こす。ラストがショッキング。

ドナルド・キャメル監督。1977年アメリカ映画。

1980年8月10日 (日)

宮本武蔵 般若坂の決斗 (1962)

宮本武蔵 般若坂の決斗 武蔵(中村錦之助)が道場破りを繰り返して精神鍛練を続けるというストーリーの、シリーズ第2作。かなり天狗になってしまった武蔵を、修業僧がとっちめるシーンがなかなか迫力もあって面白かった。

内田吐夢監督。1962年日本映画。

宮本武蔵 (1961)

宮本武蔵 関ケ原の戦いで雑兵として破れ、敗走する武蔵(中村錦之介)が僧に助けられ学問に目覚める。吉川英治のあまりにも有名な小説を5部作内田吐夢/中村錦之
助で映画化した第1作。

内田吐夢監督。1961年日本映画。

1980年8月 4日 (月)

ゲイター (1976)

ゲイター バート・レイノルズ演じるゲイターと悪徳政治家の対決を描いたアクション映画。モーターボートのチェイスシーンがなかなかスピーディで迫力があった。レイノルズのキャラクターはいつもと同じである。

バート・レイノルズ監督。1976年アメリカ映画。

1980年7月14日 (月)

スター・トレック (1979)

スター・トレック TVシリーズに刺激されて制作された劇場版トレック第1作。地球へ向う謎の雲を解明するために、エンタープライズが大活躍する。特に船の内装がすばらしく、ファンとしては最高の気分を味あわせてもらった。

ロバート・ワイズ監督。1979年アメリカ映画。

1980年7月 7日 (月)

女王陛下の007 (1969)

女王陛下の007 スペクター(テリー・サヴァラス)の細菌兵器を追って007(ジョージ・レーゼンビー)はスイスへと。2代目ボンドとボブスレーのチェイスシーン、それに007の結婚など、なかなか楽しめるが全体的にシリーズとしては地味な仕上り。

ピーター・ハント監督。1969年イギリス映画。

1980年6月29日 (日)

太陽にかける橋 ペーパー・タイガー (1975)

太陽にかける橋 東南アジアの日本大使(三船敏郎)の子供(安藤一人)とその家庭教師(デヴィッド・ニーヴン)が誘拐される。家庭教師は退役軍人で英雄だったとのことだが、実はただの臆病者。その彼が教え子の前で、本当の男になっていく様子を描く佳作。

 まるで西部劇のような話ですね。なかなか感動的でした。

ケン・アナキン監督。1975年イギリス映画。

1980年6月22日 (日)

ミクロの決死圏 (1966)

ミクロの決死圏東側から亡命して来た博士が妨害工作で脳に致命傷を受ける。彼を助ける方法は、ミクロ化した人間(スティーヴン・ボイド、ラクエル・ウェルチ、ドナルド・プレゼンス他)が潜航艇に乗り博士の体の内側から患部を切り取るしかない。体内シーンが美しいSF映画の傑作。

リチャード・フライシャー監督。1966年アメリカ映画。

1978年1月 2日 (月)

エマニエル夫人 (1974)

エマニエル夫人 外交官の夫を追ってバンコクにやって来たエマニエル(シルヴィア・クリステル)が繰り広げる華やかな性の世界。大ヒットしてソフト・ポルノブームが起こった。でも、このエマニエルの頭の構造はいまだにわからない。

ジャスト・ジャカン監督。1974年フランス映画。

1977年12月28日 (水)

ブラザー・サン シスター・ムーン (1972)

ブラザー・サン シスター・ムーン 聖フランチェスコ(グレアム・フォークナー)の布教活動を描いた秀作。TVで見たのだが、吹き替えが悪かったのだろうか? 妙にセリフが耳について、「神経質な人やなあ」という印象しか感じなかった。(ごめんなさい!)

フランコ・ゼフィレッリ監督。1972年イタリア=イギリス合作。

1977年12月18日 (日)

愛のほほえみ (1974)

no jacket image 小学生のルーカ(アレッサンドロ・コッコ)くんは、母(センタ・ベルガー)がいつまでも父(ジョン・リチャードソン)のところへ連れて行ってくれないので自分で旅に出る。そして、尊敬する父親の死を知るのだが… どうして外人さんは親の死を子供に隠すのだろうか?

セルジオ・マルティーノ監督。1974年イタリア映画。

007 私を愛したスパイ (1977)

007 私を愛したスパイ 消えた原爆を積んだ米ソの原子力潜水艦を追って、007(ロジャー・ムーア)とロシアの女スパイ(バーバラ・バック)が活躍する。シリーズ中、最も秘密兵器が多い作品? 潜水艦になる車から、ウエットバイク、海底基地などなど。まるでおもちゃ箱。

 こ?れは面白かった。おちゃらけ系007(?)の最高傑作。タンカーは潜水艦を飲み込むわ、潜水艦に改造されたスーパーカーが出てくるわ、ほんと劇画タッチの楽しさをぎっしり詰め込んだ感じ。悪役のジョーズ(リチャード・キール)はシリーズ唯一笑いのとれる悪役じゃないだろうか。

ルイス・ギルバート監督。1977年イギリス映画。

1977年12月16日 (金)

点と線 (1958)

点と線 殺人事件を追う刑事(南広)が主人公のミステリー。点とは駅、線とは線路のことで、列車を使ったアリバイ工作がテーマである。しかし刑事がなかなか飛行機の存在に気がつかないなど、時代を感じさせるものがあった。

小林恒夫監督。1958年日本映画。

1977年12月 4日 (日)

小さな恋のメロディ (1971)

小さな恋のメロディ イギリスの小学生の男の子(マーク・レスター)と女の子(トレーシー・ハイド)が結婚宣言をしてあわてる大人たちを尻目に結婚式を挙げる。ラストのどこまでも続く線路を走る二人のトロッコを見て憧れるのが若者、どこへ行くのって心配するのが大人。

ワリス・フセイン監督。1971年イギリス映画。

1977年11月30日 (水)

華麗なるギャツビー (1974)

華麗なるギャツビー 金持ちの実業家、ギャツビー(ロバート・レッドフォード)とその恋人(ミア・ファロー)の富と名声、そしてその崩壊を描いた物語。この作者は女性というものに、相当な不信を抱いてるんじゃないかというすごい幕切れには驚く。

ジャック・クレイトン監督。1974年アメリカ映画。

1977年11月25日 (金)

ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 (1973)

ビリー・ザ・キッドガンに生きる無法者のビリー(クリス・クリストファーソン)と、それと対決する保安官パット・ギャレット(ジェームズ・コバーン)を描いた西部劇。ビリーが思っていたより良識派の人間として描かれていたのが面白かった。

サム・ペキンパー監督。1973年アメリカ映画。

1977年11月20日 (日)

旅の重さ (1972)

旅の重さ 16歳の少女(高橋洋子)が家庭(岸田今日子)も学校も投げ出して四国巡礼の旅に出る、日本のニューシネマっぽい作品。しかしこの少女にのしかかった旅の重さが何だったのか今でもわからない。実家の近くでロケしてたので親しみがある

斎藤耕一監督。1972年日本映画。

1977年11月16日 (水)

雨の訪問者 (1970)

雨の訪問者 雨の日に何者かに襲われる人妻(ジル・アイアランド)と、それを助ける謎の男(チャールズ・ブロンソン)。謎ばっかりが先行してすっごく期待させられたのだが、あまりに定番の結末にちょっぴりがっかり。しっかしサスペンスは一級品です。

 ここでのブロンソンは、もっと謎の人でいてほしかった。

ルネ・クレマン監督。1970年フランス映画。

1977年11月13日 (日)

うたかたの恋 (1969)

うたかたの恋 オーストリアの皇太子ルドルフ(オマー・シャリフ)が、悲恋の末心中するまでを描いた実話の映画化。宮廷シーンなど見せ場も多くどっしりとした見応えがある。

テレンス・ヤング監督。1969年フランス=イギリス合作。

1977年11月 9日 (水)

エル・ドラド (1966)

エルドラド ガンの名人(ジョン・ウェイン)と、元保安官(ロバート・ミッチャム)、ナイフ投げの若者(ジェームズ・カーン)が悪の牧場主一味と戦うアクション西部劇。ガンが下手なカーンが散弾ピストルを持たされ、それでも敵に当らないくだりが笑わせる。

ハワード・ホークス監督。1966年アメリカ映画。

1977年11月 6日 (日)

セルピコ (1973)

セルピコ 警察の腐敗、ヤクザとの密着を告発した作品。信念を貫き通す者(主人公の刑事)がどれだけ苦労するかを見せつけられ、このセルピコ刑事(アル・パチーノ)のような生き方に憧れていたのでかなりショックでした。

シドニー・ルメット監督。1973年アメリカ映画。

1977年11月 4日 (金)

ヘルハウス (1973)

ヘルハウス 怪奇現象が起こる家を調査する科学者グループが主人公のセミドキュメント風のオカルト映画。エクソシストほどヒットはしなかったが、かなりシリアスな内容で一見の価値はある。パメラ・フランクリンがめちゃ奇麗!!

ジョン・ホッフ監督。1973年アメリカ=イギリス合作。

1977年11月 2日 (水)

OK牧場の決斗 (1957)

OK牧場の決斗 保安官ワイアット・アープ(バート・ランカスター)と宿敵クラントン一家(リー・ヴァン・クリーフ他)の決闘と描く、定番西部劇の中でも最も有名な作品。主題歌も魅力的で大ヒットした。

ジョン・スタージェス監督。1957年アメリカ映画。

1977年10月30日 (日)

フレンジー (1972)

フレンジー 「ネクタイ連続殺人事件」の犯人に間違われた男(ジョン・フォンチ)が、真犯人を追う。トップの「この町には殺人がなくなった」と演説するシーンで死体がどんぶらこどんぶらこと流れるシーン、おしゃれです。

アルフレッド・ヒッチコック監督。1972年イギリス=アメリカ合作。

1977年10月28日 (金)

ハイジャック (1972)

ハイジャック ロサンゼルス発の707がハイジャックされる。犯人はソビエトへの亡命を目的とするのだが・・・ ラストがなかなか良心的でよかった。チャールトン・ヘストンの名パイロットぶりは、後のエアポート75を思わせる。

ジョン・ギラーミン監督。1972年アメリカ映画。

1977年10月21日 (金)

エアポート'75 (1974)

エアポート'75 ジャンボ機にセスナがクラッシュ、パイロットが死んで飛行機が迷走するというパニック映画。これでもか、これでもかと飛行機の乗客をいじめるサービス精神を楽しんでしまう自分がこあい。

ジャック・スマイト監督。1974年アメリカ映画。

1977年10月16日 (日)

パピヨン (1973)

パピヨン 無罪の囚人(スティーヴ・マックィーン)の脱獄というテーマだけど、無罪の主張があまりにもたんたんとしていて物足りないなあと感じました。ただ、ダスティン・ホフマンが凄い! これが卒業のホフマンと同一人物だと信じられますか?

フランクリン・J・シャフナー監督。1973年フランス=アメリカ合作。

1977年10月 5日 (水)

ドーベルマンギャング (1973)

ドーベルマンギャング だいたいドーベルマン犬にギャングをさせて、犯人は安全なところでぬくぬくしているなんて発想は許せない。これでハッピーエンドな映画だったら絶対に許せないところだったけど、これならまあいいか!?

バイロン・ロス・チャドナウ監督。1973年アメリカ映画。

1977年10月 3日 (月)

卒業 (1968)

卒業 学校は卒業したがどうにも煮え切らないベンジャミン(ダスティン・ホフマン)くんが主人公。恋人(キャサリン・ロス)の母親(アン・バンクロフト)と関係を持ったりとストーリーはねっとりとしているのだが、ラストの掠奪結婚のおかげで特上の青春映画になっている。

マイク・ニコルズ監督。1968年アメリカ映画。

1977年9月26日 (月)

戒厳令 (1973)

戒厳令 南米の某国で、情報部員(イヴ・モンタン)と領事が革命派ゲリラに誘拐される。戒厳令が敷かれるが、彼は死体で発見される。映画は彼とゲリラのやりとりを中心に描かれるが、実話がヒントというのが重かった。

コスタ・ガヴラス監督。1973年フランス=イタリア合作。

1977年9月21日 (水)

シシリアン (1970)

シシリアン 暗黒街の大物(ジャン・ギャバン)が裁判中の男(アラン・ドロン)を脱獄させ、旅客機をハイジャックして宝石を強奪する。追う刑事にリノ・ヴァンチュラとオールスターに加え旅客機のスペクタクルシーンも盛り込んだ娯楽大作。

アンリ・ヴェルヌイユ監督。1970年フランス=アメリカ合作。

1977年9月19日 (月)

国境のかなたに明日はない (1969)

国境のかなたに明日はない 血気さかんな若いガンマン(ロバート・ウオーカー)と、彼を見守り指導するロバート・ミッチャムを描いたアクション西部劇。殺伐とした画面の中に二人の友情がさえる。

バート・ケネディ監督。1969年アメリカ映画。

1977年9月18日 (日)

コニャックの男 (1971)

コニャックの男 フランス革命頃を舞台にお調子もの(ジャン・ポール・ベルモンド)が主人公のコメディ。さながらフランス無責任男。妻と離婚するためにフランスに帰って来た男が、革命派反革命派を相手に大暴れ。ギャグもきいててなかなか楽しい。

ジャン・ポール・ラプノー監督。1971年フランス=イタリア=ユーゴスラヴィア映画。

1977年9月14日 (水)

バニシング in 60 (1974)

バニシングin60 表向きは保険外交員だが、実は車泥棒の主人公(H・B・ハリッキー)が、契約でかなりの台数を盗みまくることになる。ラストのカーチェイスはパワフルでクレイジー。しかし、カーオーナーが見たら激怒する内容だろう。

H・B・ハリッキー監督。1974年アメリカ映画。

1977年9月12日 (月)

人類SOS! (1963)

人類SOS! 地球に大流星群がやって来るが、それを見た人は目が見えなくなる。目の手術をしていて無事だった主人公(ハワード・キール)だが、今度は木のおばけみたいな怪物が異常増殖するというバラエティSF。B級映画のノリで楽しめる。

 スピルバーグやヒッチコックさえ思わせるはらはらドキドキB級映画。しかしスケールのわりにナレーションがおおげさ過ぎるのが笑えた。

スティーヴ・セークリー監督。1963年イギリス映画。

1977年8月28日 (日)

結婚専科 (1965)

結婚専科 仕事一筋のまじめ夫(フランク・シナトラ)と仕事未亡人しているその妻(デボラ・カー)が離婚、遊び人のその友人宅と夫婦が入れ替わるというホームコメディ。しかしいくらコメディにしても、結婚離婚に対するこの軽さは何なんだとびっくりした。

ジャック・ドノヒュー監督。1965年アメリカ映画。

1977年8月24日 (水)

イタリア式恋人アタック作戦 (1972)

イタリア式恋人アタック作戦 ジュリアーノ・ジェンマくんが女の子を追い掛けまわすラブコメディ。さすがタイトルにイタリア式とつくだけあって、その気迫はすさまじい。しかし、ギャグがイマイチで笑えず、なさけないという印象しか残らなかった。

 こりゃーなんじゃい。ジェンマくんとボンドガールのバーバラ・バックが出るってのでTVの前で我慢しておっちんして見ていたが、ひどいのなんの。この映画で学ぶべき点はジェンマくんの女性に対する積極性だけでしょう。

アントニオ・ラチョッピ監督。1972年イタリア映画。

1977年8月18日 (木)

太陽の恋人 アグネス・ラム (1976)

no jacket image 当時人気絶頂だったモデルのアグネス・ラムのハワイでの日常生活をクリッピングしたイメージ映画。アイドルに下手な演技をさせるよりも、こういう映画の方が楽しめるんじゃないだろうか?

三堀篤監督。1976年日本映画。

1977年8月14日 (日)

ブルー・ハワイ (1961)

ブルー・ハワイ ハワイを舞台にしたエルヴィス・プレスリーのミュージカル。プレスリーが歌って、老夫婦が「私たちには分からない若者の音楽よ」と言うシーンがあるが、そのプレスリーの時代も去りつつあるのが印象的だった。

ノーマン・タウログ監督。1961年アメリカ映画。

1977年8月10日 (水)

ドラゴン世界を往く (1974)

no jacket image 一連のブルースリーブームの頃に公開されたカンフー映画。ブルース・リャンもポスト・リーを狙った一人だが、リーとは全然違うタイプのジャッキー・チェンが後継者の本命になったのは面白い。

 主人公が強すぎる。(運も含めて) それから、香港映画ってのも演歌
の心なんやなあと思わされました。

ウー・スーユエン監督。1974年香港映画。

1977年8月 7日 (日)

外人部隊 (1933)

外人部隊別れた女(マリー・ベル)を忘れるために外人部隊に入る男(ピエール・リシャール・ウィルム)と、それを見つめる酒場の女(フランソワーズ・ロゼ)。ラストで酒場の女がタロットを手に泣き崩れるのを見て、ああいうのが本当の愛情っていうんだろうなあと思った。

ジャック・フェデー監督。1933年フランス映画。

1977年7月29日 (金)

おかしなおかしな大冒険 (1973)

おかしなおかしな大冒険 ジャン・ポール・ベルモンドが売れない作家に扮して、パロディスパイ活劇を書き、それがスクリーン上で再現されるという喜劇。気にくわない人間を悪者に仕立てたり好きな女の子を登場させたり笑わせるが、今考えると暗い!

フィリップ・ド・ブロカ監督。1973年フランス=イタリア合作。

1977年7月24日 (日)

ワイルド・アパッチ (1972)

ワイルド・アパッチ 騎兵隊とアパッチの攻防を、リアルなタッチで描いた西部劇。バート・ランカスターと反乱を起こしたアパッチ族の知恵比べが見せ場。アパッチを蛮族ではなくすぐれた武将として描いている点が新味である。

ロバート・アルドリッチ監督。1972年アメリカ映画。

1977年7月17日 (日)

続・激突!カージャック (1973)

続・激突!カージャック パトカーをジャックした夫婦(ゴールディ・ホーン、ベン・ジョンソン)が、警官隊から脱出するという喜劇。「激突!」とは何の関係もないのに、この日本タイトルがついているのは不思議。スピルバーグの記念すべき劇場映画第1作。

スティーヴン・スピルバーグ監督。1973年アメリカ映画。

1977年7月14日 (木)

八甲田山 (1977)

八甲田山 明治時代、雪の八甲田山の雪中訓練で遭難した陸軍を描いたドラマ。TVドラマにもなり、当時大ヒットした。ただストーリーは単調で、思ったより退屈した。

 雪の進軍、氷を踏んで...雪の中で苦労して撮った作品だそうだが、暑い映画館の中で見たので全然寒さが伝わって来なかった。実話というのは重いが、映画としてはあまりに単調でラストも盛り上がらなかったような気がする。雪の場面と、春の場面の対比は感動的だった。ただし、現実の場面と回想場面とは何等かの処理をしてもらわないと、区別できなくて困るんだけどねえ。

森谷司郎監督。1977年日本映画。

1977年7月13日 (水)

世にも怪奇な物語 (1969)

世にも怪奇な物語 ポーの短編で各監督が怖いと思ったものをそれぞれ映画化した3話オムニバス。3話の麻薬中毒の男の前に表れた女が「私はあなたが求めていた女よ」と言うシーンがめちゃ印象的

簡単に内容解説します

第1話 黒馬の哭く館
 3話の中でいちばん御粗末に見えた。描こうとする内容はもうひとひねりすれば面白くなりそうなところを、うわべだけ滑っていったという感じ。ジェーン・フォンダ主演。ロジェ・ヴァディム監督。

第2話 影を殺した男
 第1話よりは面白い。人間の良心と邪心の対決は、ありきたりながら面白い。ルイ・マル監督。アラン・ドロンとブリジット・バルドー主演。

第3話 悪魔の首飾り
 目を蔽いたくなるような色調は、主人公の心と見る者の心を同調させるから不思議だ。安らぎへの憧れ、死への憧れ、それらを象徴する悪魔の少女などが、すごい説得力で登場する。この第3話があまりにすごいので、前の2話がかすんでしまっている。フェデリコ・フェリーニ監督。

1969年フランス映画。

1977年6月29日 (水)

吸血の群れ (1972)

吸血の群れ は虫類に人間が襲われるというパニック映画。蛙が主人公で、へび、昆虫といろいろ出て来るが、物語が動物パニック映画の定番で面白くない。エンドクレジットが終ったワンカットが、一番笑える。

ジョージ・マッコーワン監督。1972年アメリカ映画。

1977年6月12日 (日)

地獄に堕ちた勇者ども (1969)

地獄に堕ちた勇者ども ある貴族財閥の腐敗しきった内情とナチによる崩壊を描く。私は、わけがわからなかった。ただただ、近親相姦の場面のきしょく悪さが印象に残っている。

ルキノ・ヴィスコンティ監督。1969年イタリア=スイス=西ドイツ合作。

1977年5月29日 (日)

ロッキー (1976)

ロッキー しがない3回戦ボクサーのロッキー(シルヴェスタ・スタローン)が、ひょんなことから世界チャンピオン(カール・ウェザース)と対決するはめになる。ロッキーは15回戦戦い抜いて立っている事に、自分の存在価値を求める。無理な筋だが熱くなった。

 最近の映画には珍しい、ストレートでひねっていない映画。そのくせ面白く好感が持てる。この映画を見て思った事は、最近の映画は必要ないところでひねり過ぎてかえって面白くなくしてるなあってこと。

ジョン・G・アヴィルドセン監督。1976年アメリカ映画。

1977年5月 9日 (月)

街の灯 (1930)

街の灯 盲目の少女に恋をし、彼女を助けるために奮戦する浮浪者チャップリン。ラストの是非が物議をかもし、2種類のエンディングが作られたというが、今のバージョンの方が大人のお伽噺になってて好き!

 よかったーの一言に尽きる。欲を言えば刑務所の期間が省略されていたのが気になったぐらい。

 あのラストのチャップリンの表情、あの顔でこの映画は素晴らしく締めくくられていると思うのです。この映画にはラストが2種類撮られ、チャップリンが報われずに去って行くのが元々のラストだったそうですが、それではただ人を悲しませるだけのストーリーになっていたと思うのです。1本の薔薇を大切にしていたチャップリンに乾杯!

チャールズ・チャップリン監督。1930年アメリカ映画。

1977年5月 4日 (水)

深海征服 (1973)

深海征服 海底探査中の潜航艇が偶然巨大な魚の群をみつけるというストーリー。しかしこの巨大魚のシーン、どう見ても普通の魚の間にミニチュアの潜航艇を走らせただけで、征服してないのに征服という題名も顰蹙もの。

 なんかもうひとつだなあ。前半のシリアスなシーンから、いったいどうなるんだろうって手に汗握ってはらはら、どきどき見てたんだけど、でっかい魚たちのシーンが子供じみたあがりで...つまり、チャチないかにも金魚鉢の中ですっていった色調にだんだん腹が立って来た。そんな深い海の底で人間が泳げるんだろうかとも思ったし。

ダニエル・ペトリ監督。1973年カナダ=アメリカ合作。

1977年5月 3日 (火)

ジョニーは戦場へ行った (1971)

ジョニーは戦場へ行った 第1次大戦に出征、砲弾で両手両足と顔の半分を失ったジョニー(ティモシー・ボトムズ)の、現在と過去を回想した物語。人間が人間として生きられることの素晴らしさをしみじみと感じさせる。

 何回見ても文字で表現できないような憤りを感じる作品。とても暗い映画だが、太陽の温り、人間の会話、感情といったものの大切さを語ってやまない。

ダルトン・トランボ監督。1971年アメリカ映画。

1977年4月27日 (水)

ジャワの東 (1968)

ジャワの東 シネラマの大画面を意識して作られたスペクタクル大作。ストーリーは貨物船が主人公の単純な宝探しだが、主役はやはり後半の火山の爆発やハリケーンのシーン。それ以外はやや退屈だった。

 ものすごくシネラマを意識して撮ってあるので、TVの画面には合わない。一場面、一場面がシネラマの大画面を連想させるスペクタクルシーンの楽しさにひかれたが、内容はもうひとつだな。あの母と子、船長さんにまつわるエピソードはまあまあ見せてくれるが、薬中毒の男のエピソードはどうもスッキリしなかった。

バーナード・L・コワルスキー監督。1968年アメリカ映画。

1977年4月25日 (月)

おしゃれ泥棒 (1966)

おしゃれ泥棒 父の悪事をやめさせるために、泥棒のまねごとをはじめるオードリー・ヘップバーン。タイトルどおりのおしゃれな雰囲気に包まれた小粋な一編。

 できすぎたストーリーといえばそれまでになるが、これが喜劇映画の面白いところなんだろう。ヘプバーン調とでもいうのか、何もかも最後にはきれいに片付いてしまう。

ウィリアム・ワイラー監督。1966年アメリカ映画。

1977年4月23日 (土)

片腕ドラゴン (1972)

片腕ドラゴン 香港映画ワンパターンの復讐もの。道場破りにあい、師匠を殺され片腕をもぎとられたジミー・ウォングが、修業して復讐する。その修業シーンが、残った腕を炭火で真赤に焼きハンマーでたたいたりと笑えるのである!

 少年マンガ誌に載ってるストーリーを映画化すると、こういうものができるんとちゃうか?

ジミー・ウォング監督。1972年香港=台湾合作。

1977年4月17日 (日)

暗黒街のふたり (1973)

暗黒街の二人 刑務所から出て来たアラン・ドロンは、まじめな生活をしようと決心するのだが、陰険な刑事に追い回されるはめになり... 人間ってつくづくわかりあえないものだと感じされる一編。日本題が内容に合ってない。

ジョゼ・ジョバンニ監督。1973年フランス=イタリア合作。

1977年4月13日 (水)

ジャッカルの日 (1970)

ジャッカルの日 ドゴール大統領の暗殺を狙う殺し屋ジャッカル(エドワード・フォックス)の綿密な行動を追うサスペンス大作。これは面白い! 岐れ道でジャッカルが行こうかやめようか一瞬ためらうシーンが好き。

 なかなかずっしりと見応えのあるサスペンス・アクション。殺し屋が暗殺を請負ってドゴール大統領に近付いて行く手順が実に面白い。映画の視点からして、最初はジャッカルを応援してしまうのだが、次第に彼の残酷な手口を見せつけられて、そんなに甘い映画ではないってことが明らかになっていく。その辛さ加減はクライマックスで絶頂になるのだ。

フレッド・ジンネマン監督。1970年イギリス=フランス=アメリカ合作。

1977年4月10日 (日)

ブリット (1968)

ブリット ギャングのボスを追ってスティーヴ・マックイン演じる刑事が坂の街サンフランシスコでデッドヒート。中盤のカーチェイスは、アクション映画の古典的名場面となっている。

 中盤が派手なカーチェイスで、ラストが空港での地味な追っかけっこ。この構成がう?ん、渋い!と思った。

ピーター・イェーツ監督。1968年アメリカ映画。

1977年4月 4日 (月)

007 サンダーボール作戦 (1965)

007 サンダーボール作戦 盗まれた原爆を捜してボンド(ショーン・コネリー)がバハマの海へ。秘密兵器珍兵器のオンパレードとなったシリーズ第4作。見せ場も多く娯楽と割り切って根性が入っているので安心して楽しめる。

 痛快!奇怪!奇々怪!無茶苦茶!爆発!炎上!粉々!漫画!という感じ。感動も何もなかったが、アクションの連続でただひたすらにカタルシスが発散できる。TVでこんなおもろい映画やってくれるのなら、当分高い金出して劇場なんて行くまいと思ったぐらいだ。マンガ調の面白さというので、どこまでマンガなのかと思っていたらそうTVの怪獣シリーズのようにチャチでもないし、発想がぶっとんでいるだけで画面にはなかなかリアリティがあった。

テレンス・ヤング監督。1965年イギリス映画。

1977年4月 1日 (金)

マッシュ MASH (1970)

マッシュ 朝鮮戦争の移動野戦病院を皮肉ったコメディ映画。先進的傑作とよく言われるが、あまりにも先進過ぎてわけがわからないうちに終わってしまった。

 ちょっとかわった映画とか、カンヌのグランプリを取った映画だからと期待していた。まあ、期待ほどではなかったけれども、軍隊経験のある人が見たらホウーと思うのかな?

 軍隊の中であれだけめちゃめちゃをしたら規律どころではなくなるだろう。ひとり保守的な軍隊を守ろうとする女士官は散々な目にあわされる。軍隊にいじめられた人が見たら痛快だろう。至るところに人間味があふれたシーンが散りばめられていたのには好感を持った。

ロバート・アルトマン監督。1970年アメリカ映画。

1977年3月30日 (水)

禁じられた遊び (1952)

禁じられた遊び 戦争で両親を殺された少女(ブリジット・フォッセー)が、スペインの片田舎に転がり込み、そこの少年(ジョルジュ・プージュリー)と仲良くなるのだが...戦争の悲劇を静かな語り口で描いた名作。機銃掃射の場面が強烈な印象で突き刺さって来た。

 天才ギタリストのナルシソ・イエペスが、たった1本のギターですべての音楽を担当。これがとんでもない効果をあげている。

ルネ・クレマン監督。1952年フランス映画。

1977年3月21日 (月)

さらば荒野 (1971)

さらば荒野 リードがバーゲンを誘拐、それを追うハックマンという西部劇。面白いのは誘拐したリードが善人でバーゲンと心が通い、ハックマンの方が残虐というところ。遠射用ライフルなどの小道具も小気味よい。

 オリバー・リード、ジーン・ハックマン、キャンディス・バーゲンという、ちょっと変った取り合せの西部劇。一人の女をめぐる三角関係ものだが、ジーン・ハックマンのあの役が意外。あの温厚そうなハックマンがあんな冷たい人間の役をやるとは思わなかった。最初は妻を取り返そうとして動いていたのはわかるが、妻がさらった無法者に恋心を抱いたのを知ると、諦めるのではなく妻をさらった男を殺すことだけに執念を燃やすようになる。そしてラスト、あまりにも可愛そうな幕切れだと思うのは私だけではないでしょう。

ドン・メドフォード監督。1971年アメリカ映画。

1977年3月17日 (木)

あの空に太陽が (1975)

あの空に太陽が 事故で下半身が不自由になった女性スキープレイヤー(マリリン・ハセット)のその後を描いたラブストーリー。実話の映画化という重みがあるが、ここまで残酷な運命をたどると、この映画は何を語りたいんだろうって疑問に思う。

 最初の字幕に出た「ある女の人の実話」というのが、ドラマに重みを加えているのだろう。子供たちに囲まれて教師をしている時に、ふと思い出す過去の出来事、というパターンはありきたりだけど、あのスキー場面に重なって出て来る "A WINDOW TO THE SKY"というタイトル画面がとても好きです。

ラリー・ピアース監督。1975年アメリカ映画。

ベンジー (1974)

ベンジー 子犬ベンジーが主人公のファミリー向け映画。誘拐された兄弟を助けるために、ベンジーが大活躍。同年、ジョーズやタワーリングに混じって大ヒットしたすごーい映画。

 見ていて楽しかった。犬や動物が好きな人だったらもっと楽しいだろうなと思った。最初の単調ながらも、ところどころ笑わせてくれる場面、そして後半のテンポの良いスリリングな場面。ただ悪役が弱すぎて面白くないなあって部分もあるのだが。あのラストに近いシーンでベンジーが走り、倒れているティファニー(ベンジーの恋人の犬)、兄弟の顔などが浮び上がる場面のカッティングがとてもよかった。そして誰が見ても面白い映画だと思った。

ジョー・キャンプ監督。1974年アメリカ映画。

ある愛の詩 (1970)

ある愛の詩 両親の反対を押して結婚した時、彼女は白血病だったというストーリーは今では新鮮さはないが、この映画の場面場面は恋愛のバイブル。私が好きなのは、冒頭のセリフでビートルズとバッハが並んでるとこ。

 アリ・マッグロウの父親役だった人にひじょうに好感が持てました。

アーサー・ヒラー監督。1970年アメリカ映画。

1977年3月 8日 (火)

難破船 (1963)

難破船 瓶で流れ着いた手紙から難破した船のSOSを知り、救出に向かう一行を描いたファミリー向けアドベンチャー映画。ディズニーらしいすっとぼけたキャラクターが笑わせてくれます。

ロバート・スティーブンソン監督。1963年アメリカ映画。

1977年1月29日 (土)

残酷の沼 恐怖の館 ディアポ博士の大予言 (1967)

残酷の沼 サーカスの見世物小屋で、数人の客が自分の未来を見せられるというオムニバス・ホラー。悪魔の黒猫やら生きたピアノ、最後はポーを蘇らせる話と、ファンにはわくわくするB級趣向がこらされている。

 どちらかというとハマー・プロあたりの匂いのする原色ホラー。

フレディ・フランシス監督。1967年イギリス映画。

1977年1月22日 (土)

クイーン・メリー号襲撃 (1966)

クイーン・メリー号襲撃 海底に沈んでいた旧ドイツ軍の潜水艦を引き上げた連中(フランク・シナトラ、他)が、その艦を使って豪華客船から強奪をやらかそうという奇想天外なストーリー。綿密な犯罪計画もさすがと思ったが、計画が崩れていくラストもさすが!

 まあ、面白い映画だった。客船があんなに簡単に乗っ取れるとは思えない。20年前に沈んだ船が動くのも信じられない。また、アメリカの警察は体当たりして船を沈めてしまうほど残酷なものなのかとも思った。

 作者の主張が「悪い者は必ず滅びる」だそうだけど、成功しなかった4人が漂流しはじめるラスト、何とも言えない哀愁がありました。あらはともかく、文句なく楽しめる”面白い”映画。

ジャック・ドノヒュー監督。1966年アメリカ映画。

1977年1月19日 (水)

栗色のマッドレー (1970)

栗色のマッドレー アラン・ドロンとミレーユ・ダルクが恋愛中に作られた映画。古い城に住むドロンには美しい妻がいるのだが、美しい黒人女性も一緒に住むようになってのごたごたが描かれる。何がいいたいのかわけがわからなかった!

フランシス・レイの美しい音楽がよかった。しかしあとは…

ロジェ・カーヌ監督。1970年フランス映画。

1977年1月15日 (土)

姿なき殺人 (1967)

姿なき殺人 サーカスを舞台にした、連続殺人ミステリー。綱渡りでおっこちたり、美女ノコギリ切断で本当にまっぷたつになってしまったりと、悪趣味な趣向がいっぱい。それでもサーカスが続くところがおかしかった。

 昔の映画のせいなのか、ひじょうにありふれた面白味のない映画。殺人者や団長(母親)の心の中もがらんどうに見えてよくわからないし、動機が不自然でもあり、それならなぜ最後につかまるような殺人方法をしたかも不明。奥行が全然ない。また、最後のシーンももうひとつ迫力が出ない。いい役者なし、ストーリーの面白さなし、ショッキングなシーンもとくになし、感動するシーンもない。ないないづくしでがっかり。

ジム・オコノリー監督。1967年イギリス映画。

1977年1月 9日 (日)

奇跡のインディアン (1960)

奇跡のインディアン 混血インディアンの子供(スチュワート・アーウィン)が、栗毛の馬を手に入れ、レースに優勝するまでを描いた心暖まるホームドラマ。この日本タイトルからこの内容が想像出来る人がいるのだろうか?

 誰だ!こんな変な題名をつけたのは!! 内容と題名のイメージが全然あっていない。アクション大作かと思ったら、学校の映画会にでももってゆきたいような内容だった。やっぱり「マイクの愛」ぐらいの題名をつけるべきだ。

 ストーリーは、インディアンの少年マイクが手に入れた馬を競馬大会で勝たせできた金で教会を建てようとする。しかし馬が他人のものであることがわかり、馬と一緒に街へいこうとして途中で行きだおれになり助けられるというもの。

ジョージ・シャーマン監督。1960年アメリカ映画。

1976年12月31日 (金)

凱旋門 (1948)

凱旋門 戦争を背景にしたラブストーリー。亡命した医者(シャルル・ボワイエ)と失恋して自殺未遂をした女(イングリッド・バーグマン)のふれあいを描く。時代を反映してかの映画全体の暗さにちょっと拒絶反応を持ってしまった。

リュイス・マイルストン監督。1948年アメリカ映画。

1976年11月21日 (日)

タクシー・ドライバー (1976)

タクシー・ドライバー ベトナム帰りのニューヨークのタクシーの運転手トラビス(ロバート・デ・ニーロ)が、自分を取り戻すために狂気へと走る。見ている時は単調で退屈なのだが、見終わって不思議と熱いものがこみあげる。

マーティン・スコセッシ監督。1976年アメリカ映画。

大統領の陰謀 (1976)

大統領の陰謀 ウオーターゲート事件を暴いた二人の新聞記者(ダスティン・ホフマン、ロバート・レッドフォード)の活躍を描いたセミドキュメンタリータッチのドラマ。大変地味な構成だが、今考えると新聞記者の華やかさの裏の影武者的苦労がにじみ出ていて渋かった。

アラン・J・パクラ監督。1976年アメリカ映画。

1976年11月15日 (月)

ひまわり (1970)

ひまわり 結婚後すぐにロシアへ出征し、行方不明になった夫(マルチェロ・マストロヤンニ)を捜してロシアへ行く女(ソフィア・ローレン)。運命のはかなさ、男の弱さ、いろいろな人間模様を美しいメロディにのせて綴る感動作。

 一面のひまわり畑に哀しいメロディ。オープニングとエンディングに流れるこのシーンが本編に加えて涙をさそう。

ヴィットリオ・デ・シーカ監督。1970年イタリア映画。

1976年10月13日 (水)

ゴッドファーザー (1972)

ゴッドファーザー アメリカで強大な勢力を誇ったマフィア、ドン・ビトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)からその息子たち(アル・パチーノ、ジェームズ・カーン他)への世代交替を軸に、ファミリーの愛や葛藤を描いた人間ドラマ。音楽も大ヒットした。

フランシス・フォード・コッポラ監督。1972年アメリカ映画。

1976年10月11日 (月)

ポセイドン・アドベンチャー (1972)

ポセイドン・アドベンチャー 豪華客船が津波を受けて転覆。その船底から脱出する人々を描いたスペクタクル・アドベンチャー。大作映画の面白さをすべて詰め込んだようで十分満足させられる。

 悲しいかな、これはリアルタイムで見ていない。豪華客船が転覆して、そこから逃げる映画ときいただけでわくわくさせられた。当時はビデオなど当然なく、名画座上映かTV放映をひたすら待ち続けた。それだけに期待を裏切らないスケールの大きさには大満足。

ロナルド・ニーム監督。1972年アメリカ映画。

1976年10月 3日 (日)

チャップリンの黄金狂時代 (1925)

黄金狂時代 ゴールドラッシュで民衆は一攫千金を求めてアラスカへ。チャップリンもアラスカへ行くのだが、食料も尽き雪の中に閉じ込められ散々な目にあう。有名なパンの芸も含まれるコメディ。パフォーマンスの原点。

チャールズ・チャップリン監督。1925年アメリカ映画。

1976年9月24日 (金)

鳥 (1963)

鳥 突然、鳥が人間を襲いだすという、ヒッチコック異色のパニックサスペンス。登場人物の後ろのジャングルジムがだんだんカラスで真黒になったり、ユーモアがきいてて面白い。監督自信も演技してます。

アルフレッド・ヒッチコック監督。1963年アメリカ映画。

1976年9月23日 (木)

アンデスの聖餐 (1975)

アンデスの聖餐 アンデスに墜落した飛行機の中で、人肉を食べ生き延びた人たちのドキュメンタリー。ショックドキュメントと騒がれたが、たいしたことない。ただ自分がこの状況におかれたらとの想像がいちばんショッキング。

アルヴァロ・コヴァチェカヴィッチ監督。1975年ブラジル映画。

悪魔の墓場 (1976)

悪魔の墓場 超音波で死人が生き返り襲って来るというホラー映画。当時、スプラッタ映画という呼び方はなく、かなり強烈な印象がありました。でも映画を観て恐怖とぬめぬめぐちょぐちょは別ものだと知りました。

ジョージ・グロウ監督。1976年スペイン=イタリア合作。

1976年9月12日 (日)

俺たちに明日はない (1967)

俺たちに明日はない30年代のアメリカ、ボニー(フェイ・ダナウェイ)とクライド(ウォーレン・ベイティ)というアベックギャングの壮絶な生き方と死。最初は二人は(4人組だが)普通の銀行強盗だったが、殺人を犯してからの疾走感がすごい!

アーサー・ペン監督。1967年アメリカ映画。

1976年8月17日 (火)

スカイハイ (1975)

スカイハイ オーストラリアを舞台に、主人公の秘密警察の男(ジミー・ウォング)が大暴れ。生きていればブルース・リーが主演する予定だったというアクション映画。私が香港映画って面白いなあって初めて思った作品でもある。

 テーマ曲が後にプロレスのミル・マスカラスのテーマとして再ヒットしたけど、オリジナルはこちら。

ブライアン・トレンチャード・スミス監督。1975年香港=オーストラリア合作。

地上最強のカラテ (1976)

地上最強のカラテ 大山のけんか空手と、初めて行われた極真流空手の世界大会を追ったドキュメンタリー。空手の爆発的な破壊力が、TVのスペシャル番組風に見せられる。しかし、編集が悪いのか単調でたいくつ。

 三協映画ってこのあと何本か作ってるけど、どれも話題を作りながら面白みに欠ける。

野村孝、後藤秀司共同監督。1976年日本映画。

1976年7月21日 (水)

ベン (1972)

ベン 前作(ウイラード)で生き延びたネズミのボス(ベン)と少年の交流を中心にした、動物パニック映画。救いようのなかった前作のラストに比べ、この作品にはほっとさせられるものがある。

フィル・カールソン監督。1972年アメリカ映画。

1976年7月 4日 (日)

ミッドウェイ (1976)

ミッドウェイ 太平洋戦争の中期、日米の優劣を決定したミッドウエイ島の戦いを描いたスペクタクルドラマ。地図を多用して、戦略をゲームのように見せる構成が面白い。劇場が地響きを上げるセンサラウンド上映も迫力。

 「トラ・トラ・トラ」と比較される映画だけど、日本側の俳優が何ランクか落ちてる(チャールトン・ヘストン、ヘンリー・フォンダ、ジェームズ・コバーン、グレン・フォード、ロバート・ミッチャム、ロバート・ワグナーといった蒼々たる顔ぶれに対して、日本側の大物は三船敏郎のみ)のが痛いところ。戦闘シーンはいろんなフィルムの寄せ集めで、どこかで見たようなシーンもちらほら。センサラウンドはなかなかの迫力で、どうしてメジャーにならなかったのか不思議。(映画館の近所迷惑だったという話も後できいたが)

ジャック・スマイト監督。1976年日本=アメリカ合作。

1976年6月11日 (金)

最後の猿の惑星 (1973)

最後の猿の惑星 猿の惑星シリーズの完結編。舞台は猿が革命を起こした後の荒廃した近未来で、好戦派のゴリラ、平和派のチンパンジー、そして生残った人類との攻防を描く。完結編にしてはあっさりし過ぎて面白くない。

 「猿の惑星・征服」からさらに何年後かが舞台。革命は成功したが、猿の世界も派閥争いができて、混沌としている。その中で、どうやって人間と猿が共存の道を開いたか、というのがテーマだが、いかんせんこの続きが「猿の惑星」第1作であるとわかっているものだから、どんなストーリーが進行しても納得できない。

 とくにTVドラマか何かみたいに、作品が小さく完結しているのが気に入らなかった。

J・リー・トンプソン監督。1973年アメリカ映画。

1976年4月29日 (木)

ゴッドファーザーPART2 (1974)

ゴッドファーザー Part2 アメリカで絶大な権力を誇ったイタリア・マフィアを描いた大河ドラマ。ファミリーの初代ファーザーの少年時代と2代目の時代を交互に描き、時代の荒廃を訴えるシリーズ第2作。

 2作目を先に見ても楽しめるという宣伝文句は嘘です。第1作の前後の時代を交互に描くというスタイルをとっているので、ストーリーがわかんなくなります。でも第1作を見てからこれを見直した時はほんと面白かったなぁ。

フランシス・フォード・コッポラ監督。1974年アメリカ映画。

チャップリンの犬の生活 (1918)

犬の生活 チャップリン初のストーリーのある作品。浮浪者(チャールズ・チャップリン)が拾った子犬を苦労しながらも育てるというストーリー。チャップリンの小犬に対する愛情があふれている。

チャールズ・チャップリン監督。1918年アメリカ映画。

フリックストーリー (1975)

フリックストーリー ジャン・ルイ・トランティニアンが連続殺人犯、それを追う刑事がアラン・ドロンで、ふたりのかけひきがパリで繰り広げられる渋目の刑事ドラマ。実在の刑事による原作の実話の映画化。フリックとは刑事のこと。

 見た時は高校生で、あまりに地味で拍子抜け。これがフランス映画のタッチだと納得するようになったのはずいぶん後のこと。

ジャック・ドレー監督。1975年フランス=イタリア合作。

1976年4月19日 (月)

バニシング・ポイント (1971)

バニシング・ポイント 大陸横断の速度記録を賭けた主人公(バリー・ニューマン)の、荒野の爆走と遊牧民のふれあい。アメリカン・ニューシネマの傑作。篭の蛇を、「自由になれ!」と言って逃がすシーンが印象的だった。

 爆走する主人公の思いが伝わってくるんだけど、結局この時代の自由って何だったんだろう?

リチャード・C・サラフィアン監督。1971年アメリカ映画。

1976年4月16日 (金)

戦場にかける橋 (1957)

戦場にかける橋 日本軍にとらわれの連合軍兵士たちが、戦争が終わった時の文化の発展のためにとアジアの山奥の橋の建設を手伝うストーリー。何よりD・リーンの世界のスケールの大きさに圧倒される。

 男ばかりの映画。そのあらゆる男たちの思いが、ひとつの鉄橋に向かって渦巻く。強烈なメッセージをこめた反戦映画。

デヴィッド・リーン監督。1957年イギリス映画。

1976年4月14日 (水)

狼の挽歌 (1970)

狼の挽歌 一匹狼の殺し屋(チャールズ・ブロンソン)の生き方を鮮烈に描く。カーレース場に小型TVを持ち込むブロンソン。展望エレベーターにぴしっ、ぴしっと開く弾痕。どれも強烈な印象が残っている。

セルジオ・ソリーマ監督。1970年イタリア映画。

1976年4月10日 (土)

大いなる西部 (1958)

大いなる西部 東部からやって来た紳士(グレゴリー・ペック)と、西部の荒くれ男たちがみせるギャップと友情のドラマ。これこそ西部劇! ひとつの時代の終わりを一気に力強く見せてくれる。3時間がものすごく短かった。音楽も秀逸。

 オープニングがいいぞ?っ! TVで見ながら、劇場でこれを見たらと想像して背中にぞんぞが走った。

ウィリアム・ワイラー監督。1958年アメリカ映画。

1976年4月 7日 (水)

アマゾネス (1973)

アマゾネス 伝説の古代美女国家と、その滅亡を描く。シリアスなドラマかと思いきや、完全なコメディ。こんな巨大美女軍団が好きだというヨーロッパ感覚がわからない。おまけに音楽がなさけない。

 とは言っても、日本でも何回かリバイバルされてヒットしてるんだそうです。日本人の好みもわからない!?

テレンス・ヤング監督。1973年フランス映画。

1976年4月 5日 (月)

007 ドクター・ノオ (007は殺しの番号) (1962)

007 ドクター・ノオ シリーズ第1作。宇宙ロケット妨害電波を追って007(ショーン・コネリー)はジャマイカへ。後半はドクター・ノオ(ジョセフ・ワイズマン)ひきいる犯罪組織スペクターとの要塞島での戦い。古い007はスマートさよりも男くささが吹き出している。

 まだまだ秘密兵器なんてなかった頃の007で、比較的原作に忠実に作られています。

テレンス・ヤング監督。1962年イギリス映画。

1976年4月 3日 (土)

シンジケート (1973)

シンジケート チャールズ・ブロンソンが刑事に扮してシンジケートを叩きつぶす。「バラキ」のような硬派の犯罪映画と思いきや、ランボーの一歩手前のめちゃめちゃアクション映画。いらいらした時に肩をはらずにどうぞ。

 ブロンソンつうと渋好みの抑えたアクションも多いんだけど、これは正真正銘のイケイケドンドン系です。中盤のカーチェイスなんて、ここまでやる?って思った。

マイケル・ウィナー監督。1973年アメリカ映画。

1976年3月31日 (水)

上級生 (1972)

上級生 エマニエル夫人に刺激されて当時大流行した未成年OKのソフトポルノ(?) 寄宿舎の年ごろの学生の性行動を描く。だけど、どうにもついていけなかった内容だった。

パスカル・トマ監督。1972年フランス映画。

1976年3月29日 (月)

007 ロシアより愛をこめて (007 危機一発)

007 ロシアより愛をこめて 暗号解読機を求めてオリエント急行での007(ショーン・コネリー)とスペクター(ロバート・ショウ、ロッテ・レーニャ、他)の攻防戦。今考えるとこのあたりのボンドが最高にシリアスでおっしゃれーだったのではなかったろうか。

 シリーズの最高傑作と言われている作品なんだけど、あまりに子供の頃に見たので筋がうまく追えなくてあんまりいい印象がない。その後何回か見てるんだけど、みんなが騒ぐほどのめりこめないんですよね。残念!

テレンス・ヤング監督。1963年イギリス。

1976年3月28日 (日)

愛すれど心さびしく (1968)

愛すれど心さびしく 障害者のアラン・アーキンの唯一の友人が精神病院に送り込まれてしまう。そんな彼と恋に落ちるソンドラ・ロックだが、二人の心はいやされないまま悲劇の結末を迎える。辛口のラブストーリー。

ロバート・エリス・ミラー監督。1968年アメリカ映画。

1976年3月27日 (土)

恐竜100万年 (1966)

恐竜100万年 もしも人類と恐竜が共存した時代があったら・・・という仮定で作られた原始人と恐竜たちの物語。特に両者が戦うショットなどは息をのむほど見事。

 ピョコピョコした人形アニメーションの恐竜の動きが嫌いだったのだが、最近はぬいぐるみよりもこっちの方が好きになった。恐竜と原始人が同居している時代があったんだと信じてしまった。

ドン・チャフィ監督。1966年イギリス映画。

1976年3月19日 (金)

武器よさらば (1957)

武器よさらば 第1次世界大戦に巻き込まれる兵士(ロック・ハドソン)と看護婦(ジェニファー・ジョーンズ)のラブストーリー。山を越え命からがらスイスに逃げ込んだのに幸福になれなかったふたりを見ていると、今の時代のありがたさをつくづく感じます。

チャールズ・ヴィダー監督。1957年アメリカ映画。

1976年3月17日 (水)

マッドボンバー (1973)

マッドボンバー 潔癖症の変質者(チャック・コナーズ)が娘が麻薬で死んだのをきっかけに連続爆弾魔になる。彼の犯行を見たと思われるのが、地下室でレイプを働いていた男(ネヴィル・ブランド)で警察は彼を追う。

 チャック・コナーズが本当に狂人のように見えたサイコ・スリラー。

バート・I・ゴードン監督。1973年アメリカ映画。

1976年3月15日 (月)

怒りを胸にふり返れ! (1970)

怒りを胸にふり返れ! 黒人と白人の対立をテーマにした、学園映画。あるハイスクールが白人黒人共学になるのだが、例のごとくのトラブルが発生する。黒人が圧倒的に多いという状況設定が興味ある。

ポール・ボガード監督。1970年アメリカ映画。

1976年3月11日 (木)

雪だるま超特急 (1972)

雪だるま超特急 突然ホテルの相続人になった男(ディーン・ジョーンズ)が脱サラ、家族を連れて現地へ行く。荒れ果てたホテルの改造とスキー場作りに燃える家族に、土地を横取りしようとする銀行家がからむ。ファミリー向けコメディ。

 今考えると、グーニーズよりも面白いアドベンチャー映画だったような気がする。雪の上をすべるジェットコースターシーンも逸品。

ノーマン・トーカー監督。1972年アメリカ映画。

1976年3月 6日 (土)

633爆撃隊 (1964)

633爆撃隊 イギリス空軍の爆撃隊が、ノルウエイの断崖絶壁の中にある難行不落のドイツ軍基地を攻撃する物語。外国映画でも戦争シーンはミニチュアなんだなあと思いました。

ウォルター・E・グローマン監督。1964年イギリス映画。

1976年2月18日 (水)

旅情 (1955)

旅情 婚期をのがしたハイミス(キャサリン・ヘップバーン)が新しい出逢いを求めてベニスを旅行する。恋愛映画って恋愛していない人(子供)には面白くないって先入観を捨てた作品。観たのは13歳だったけど、子供ながらに憧れました。

 駅で花を差し出すシーンは映画の中の映画。「ガラスの動物園」とあわせて、成就しなくても何かが残る恋愛があるってのを知った。

デヴィッド・リーン監督。1955年イギリス映画。

1976年2月11日 (水)

コント55号 人類の大弱点 (1969)

コント55号 人類の大弱点 コント55号(萩本欽一、坂上二郎)の人気絶頂期に作られた喜劇。昔はこういうタレント中心の喜劇と、ヒット曲の映画化が多かったんですね。今の感覚では、こういう分野はすべてTVに奪われてしまったと思うのですが。

福田純監督。1969年日本映画。

砲艦サンパブロ (1966)

砲艦サンパブロ 上海の動乱の中に巻き込まれるアメリカの戦艦、サンパブロ号を描くスペクタクル大作。今は亡きスティーヴ・マックインがポパイみたいに見えて、アメリカ映画の雰囲気を堪能したのを覚えています。

 エマニエル夫人の原作者がちょい役で出てるのも話題。

ロバート・ワイズ監督。1966年アメリカ映画。

1976年2月 1日 (日)

戦闘機対戦車 砂漠の対決 (1973)

no jacket image 戦場に不時着した飛行機(飛ばないが走る)とそれを狂ったように追う戦車。B級のタイトルながらしっかり映画してて好きな作品。どろっとした後味は一見の価値があります。

 私の地元(神戸)のサンテレビでは、再放映回数ナンバーワンを誇る映画ではないだろうか???

デヴィッド・ローウェル・リッチ監督。1973年アメリカ映画。

1976年1月25日 (日)

ロンゲスト・ヤード (1974)

ロンゲスト・ヤード 最近は無鉄砲男のアクションと相場が決っているバート・レイノルズだけど、同じシリーズでもいちばんすがすがしくて好きなのがこの作品。監主と囚人が男の意地をかけてアメフトをするというストーリーです。

 アメフトのかけひきと男の友情には熱くさせられるが、オープニングに本編とあまり関係ないカーチェイスなんかもあってサービス満点。

ロバート・アルドリッチ監督。1974年アメリカ映画。

恐怖に襲われた街 (1974)

恐怖に襲われた街 パリの刑事(ジャン・ポール・ベルモンド)が美女連続殺人犯を追う。ベルモンドの命がけのアクションって宣伝を期待して行ったが、いまひとつ伝わってこなかった。もう一度観たいのだがなぜかTVで放映されていない。

 すべりやすい革靴で屋根の上を追いかけっこしたり、ヘリコプターからロープ1本でぶらさがったりと、ベルモンドさんも頑張ってました。

アンリ・ヴェルヌイユ監督。1974年フランス映画。

1976年1月21日 (水)

ピンクの豹 (1963)

ピンクの豹 ピンクの豹という愛称のダイヤをめぐっての間抜け刑事(ピーター・セラーズ)と犯罪組織のどたばた喜劇。中学の時に観たのでセンスもいまひとつわからなかった。クラウディア・カルディナーレはめちゃ可愛かったのだが。

 TV放映時は劇場で「ピンク・パンサー3」を封切り中。てなわけで、この映画のTV放映タイトルは「ピンク・パンサー1」だったんだけど「ピンクの豹」と呼ぶのが私の身内でマニアックとされてたのです。

ブレイク・エドワーズ監督。1963年アメリカ映画。

1976年1月17日 (土)

西部開拓史 (1962)

西部開拓史 西部開拓をオムニバス形式で描くスペクタクル西部劇。インディアンとの攻防、南北戦争、無法地帯の統治などがすばらしいスケールで描かれる。見応え十分!!

ヘンリー・ハサウェイ、ジョン・フォード、ジョージ・マーシャル監督。1962年アメリカ映画。

1976年1月14日 (水)

電撃フリント アタック作戦 (1967)

電撃フリント アタック作戦 ジェームズ・コバーン扮する秘密情報部員が美女軍団と対決する007っぽいノリのパロディ映画(?) 作りが乱暴な上、TVで観たので吹き替えがなさけなかった。

 荒唐無稽で加えてリアリティをまったく感じさせない作りが007との根本的な違い。(007は、もしかしたらできるかもしれないというリアリティがある) コバーンもこの役ではあまり魅力なし。

ゴードン・ダグラス監督。1967年アメリカ映画。

1976年1月10日 (土)

冒険者たち (1967)

冒険者たち 夢を抱いた二人の男(アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ)と一人の女(ジョアンナ・シムカス)が、海底に沈む宝さがしをはじめたことから悲劇がはじまる。こんな話、ありっこないと思いながら3人の会話に、男の友情に熱くなってしまった。

 うーむ、ジョアンナ演じるレティシアは永遠の青春のシンボルだ。

ロベール・アンリコ監督。1967年フランス映画。

1976年1月 5日 (月)

JAWS ジョーズ (1975)

ジョーズ パニック映画ブームの最高潮の時に公開され大ヒットした人食い鮫が人間を襲う映画。避暑地アミティ島に巨大な鮫が現れ、3人の男(ロバート・ショウ、ロイ・シャイダー、リチャード・ドレイファス)が鮫退治に出発する。音楽が不気味で好きだった。

 「激突」から評価が高かったスピルバーグだが、彼が一気にメジャーになったのがこの作品。ピーター・ベンチュリーの原作を鮫にかかわる部分以外をきれいにそぎ落として、一級の娯楽映画になっている。

 前宣伝が異様に長かっただけに、どんどん期待が盛り上がった映画。なんせ予告編が見られただけで「おっ、ジョーズの画面だ」と興奮したのを覚えている。何回も見たい映画ではないが。

スティーヴン・スピルバーグ監督。1975年アメリカ映画。

1976年1月 3日 (土)

ローズマリーの赤ちゃん (1968)

ローズマリーの赤ちゃん 悪魔の赤ちゃんをみごもってしまうある平凡な主婦(ミア・ファロー)を描いたホラー。怖いというよりも、ヒステリックなおばさんだなあという印象が残っています。問題の赤ちゃんを見せなかった演出が、今考えると斬新。

 サイコ・ホラーの古典。ポランスキーものではこれが一番有名ですが、後で見た「テナント」も面白かったヨ。

ロマン・ポランスキー監督。1968年アメリカ映画。

1976年1月 2日 (金)

猿の惑星・征服 (1972)

猿の惑星・征服 (特殊メイクの発達で)ついにバナナまで食べだした猿には驚きだったが、たったこれだけの事件で猿が世界を征服できるのだろうかとちょっぴり疑問だった。このシリーズにしてはラストもあっさりしすぎか? 

 「新猿の惑星」のさらに何十年か後が舞台。人間は猿を奴隷のように飼い慣らし、いろいろな強制労働をさせている。その中で、シーザーと名乗る猿(ロディ・マクドウォール)が英雄となり、猿どもをひきいて革命を起こす。

 人間に両親を殺された事を知ったシーザーが、次第に狂暴になっていくプロセスは面白く、またラストでしゃべれなかったはずのメスの猿に「あなたは間違っている」と英語を喋らせるくだりはちょっとじーんときたが、話の内容にしてはスケールが小さいのが怨み。たったあれだけの暴動で人類が猿に支配されるのだろうか? まさか世界中の国が猿を奴隷に使っていたわけじゃあるまいし。

J・リー・トンプソン監督。1972年アメリカ映画。

1973年12月24日 (月)

猿の惑星 (1968)

猿の惑星 宇宙船が不時着した惑星には、猿が人間を支配する世界が広がっていた。奴隷として捉えられた唯一の生残りの船長テイラー(チャールトン・ヘストン)は、猿の世界からの脱出を企てる。大ブームを巻き起こしたSF大作。

 あまりにも有名な作品なので多くを書く気はないが、この映画のラストをみなさんはどうお考えだろうか? 私は、映画の題名を聞いたとたんに、このラストを連想してしまったので(SFマンガの影響?)そんなにショックは感じなかったのだが、これが公開された当時は充分にショッキングな幕切れだったのだろうか?

 まあそれは置いといても、なかなかサスペンスフルなストーリーが楽しめます。私はオープニングの宇宙船のコックピットのシーンが、めちゃめちゃ好きです。

フランクリン・J・シャフナー監督。1968年アメリカ映画。

2012年5月

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