2021年5月 5日 (水)

中電の超ハイコストパフォーマンス・MM型カートリッジのすすめ!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

ここ最近、アナログ人気が再加熱しております。

最近のカートリッジの新製品を見てみると、何十万もする超高級MCか、割り切った安価MMしか発売されておらず、両極端となっており、手を出せない方も多いのではないでしょうか。

そんな中、一昨年発売されて話題となった中電のカートリッジ「MG-2805G」が、相変わらずの人気を誇っています。

材料・部品・組立・調整・検査・出荷まで、完全日本産の安心のMade in Japanレコードカートリッジです。

今回はその上位モデルで、注目の「MG-3605」「MG-3675」の2機種が発売されたので、ご紹介いたします。




■ 中電(CHUDEN)について

もちろん、某電力会社さんとは全く関係ありません。純粋に、群馬県のアナログレコードのカートリッジを専門に製造するメーカーです。

(株)中電の前身は、群馬県にあった「中央電子工業(株)」です。CDが台頭した1980年、レコード業界が一気に冷え切った頃に、アナログレコード用カートリッジ業務を買い取りして独立したのが(株)中電です。

当時主力製品だった「セラミックカートリッジ」「MMカートリッジ」が現在の(株)中電でも主力になっています。

これらは今でも、国内外の多くのレコードプレーヤーメーカーへOEM提供をしています。

中央電子工業から独立後にMMカートリッジを作り続けて約20年、レコードカートリッジの業界を見渡せば、高級・高額なMCカートリッジは新製品も出てきておりますが、手の届く価格のカートリッジを作り続けているメーカーは数えるほどとなってしまいました。

国産MMカートリッジを作り続けている会社が群馬県にあることを知っていただきたい!

そんな思いから、2018年に自社ブランド「CHUDEN」としてカートリッジ及びアナログ関連製品の生産を開始! OEM向けとデザインは同じでも、調整を追込んでワンランク上を目指して選別したものを自社ブランド商品として製品化されています。


■ 手の届く価格ながらも我慢する事無く音楽が楽しめる魔法のカートリッジなんです。

今回発売された「MG-3605」と「MG-3675」はスペックを見る限り普通の安価なカートリッジでしかありませんが、その実態は・・・。

両モデルのスペックをご紹介!

■ MG-3605

針形状:結合ダイヤ丸針(0.6ミル)
出力電圧:9.5mV/1KHz(5cm/s)
周波数特性:20~18KHz
チャンネルバランス:1.5dB以下
セパレーション:23dB以上
負荷抵抗:47KΩ
静電容量:200pF
推奨針圧:3.5g
重量:5.8g


△ カートリッジ本体「MG-3605」



△ 便利なシェル付「MG-3605+HC-001」



△ 交換針「CN-3605」



■ MG-3675

針形状:結合ダイヤ楕円針(0.3x0.7ミル)
出力電圧:7.5mV/1KHz(5cm/s)
周波数特性:20~20KHz
チャンネルバランス:1.5dB以下
セパレーション:25dB以上
負荷抵抗:47KΩ
静電容量:200pF
推奨針圧:2.5g
重量:5.8g


△ カートリッジ本体「MG-3675」



△ 便利なシェル付「MG-3675+HC-001」



△ 交換針「CN-3675」



どちらのモデルも針先形状は結合ダイヤが採用されています。一般的に結合ダイヤのモデルと言えば、高音質をイメージする方は少ないのではないでしょうか!

私も最初にご紹介いただいた時は、プレーヤー付属カートリッジの交換用のレベルかと思っていました。

が、実際はちょっと他では体験できない、目の覚めるパワフルなサウンドで、唯一無二の実力を誇っています!

また、この2モデルはそれぞれに個性が有り、別々の楽しみ方が出来るカートリッジだったのです!!


■ 音質をご紹介

MG-3605

針先は丸針で、出力は何と9.5mVと言う超高出力を誇り、圧倒的なパワフルサウンドが特徴です。

音質の傾向はMMらしく、明るく張りのあるサウンドで、音像は標準よりも確実に1歩前に出てくる感じです。

これだけ聴くと、シュアーの「M-44G」みたいな感じかと思われるかもしれませんが、遥かに高い音楽性を感じます。

このカートリッジの凄いところは楽器やボーカルの音像が高級カートリッジ並みにしっかりと表現できているところで、健康的な明るさとあいまって、聴いていて気持ちよさすら感じさせてくれます。

しっかりとチューニングされた安心感があり、安物を聴いている感じは全くありません。


MG-3675

針先は楕円針で、こちらの出力は7.5mV、針圧も2.5g「MG-3605は3.5g」と少し控えめとなっています。

基本的には明るくパワフルな傾向ですが、音質傾向は少し控えめで、帯域バランスが整ったチューニングが施されている感じです。

「3605」より音場は澄んでおり、落ち着いた質感で、より広い音楽に対応できる上級機種と言えます。

クラシックもそれなりに楽しめるし、JAZZやPOPSのバラード系にはこちらがお勧めです。


両モデルともボディーは共通との事なので、両方の交換針を揃えることで、2個の超コストパフォーマンスのカートリッジを所有しているのと同様の楽しみ方が出来ます。(重さは同じなので、針圧の差1.0g分のウエイト調整が必要です)

カートリッジの出力が高い大きなメリットは2つ!ハムノイズに強くなります。アンプの増幅率の負担が減って音に余裕が生まれます。

もちろん、高級MCカートリッジのような、超高S/N、しっとりと滑らかなシルキーサウンドとは異なります。
もっと気軽に音楽を楽しめる、明るく健康的なハイファイサウンドとなりますので、予めご了承願います。

通常のカートリッジと較べると約倍の出力となるのでアンプのボリュームには注意してくださいね!!

(ichinose)

2021年5月 3日 (月)

マッキントッシュの5代目となる復刻プリアンプ「C-22V」をご紹介

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。今回は、大切にされてきた「C22」の型番を受け継ぐ最新のマッキントッシュ真空管プリアンプ『 C22V 』をご紹介します。



『 C22V 』は、伝統の美しい鏡面仕上げステンレススチール製シャーシを採用し、グリーンに浮かび上がるマッキントッシュのイルミネーションロゴ、コントロールノブ、アルミニウム製エンドキャップを備えています。

レトロなブラックガラスとアルミニウム製のフロントパネルのデザインを持つ『 C22V 』は、1950年代から現在に至るまで、どの時代のマッキントッシュのホームオーディオシステムにもぴったりとフィットします。




■ McIntosh(マッキントッシュ)というメーカーについて

McIntoshは、Frank H.McIntosh「フランク・ホームズ・マッキントッシュ」によって、1949年(昭和24年)に米国ワシントンで創立されました。

その後、現在のニューヨーク州に本拠を移し、超有名なGordon J.Gow「ゴードン・ガウ」とSindney Corderman「シドニー・コーダーマン」がエンジニアとして加わったことで、今日まで72年にも及ぶ製品開発の基礎を作り上げました。

McIntoshの製品作りの考え方は、「音楽への愛情」を背景とし、その時々の最先端技術を実用的に精錬して、恒久的な信頼性と安全性を得ることにあります。そして、McIntoshのアンプは、その完全性と永続性を求めたオリジナリティ溢れたデザインが特徴となって、現在に至っています。

■ マッキントッシュの初代ステレオ・コントロールアンプ

マッキントッシュ初のステレオ・コントロールアンプが、管球式ステレオ・コントロールアンプ「C20」です。発売は1959年。位相切替、ラウドネス調整、低域トリム機能を装備しています。

前期型と後期型があり、音量ボリュームを絞ると電源がOFFになる点は共通していますが、前期型はフロントパネル及びトリムがアクリル仕様であり、後期型は、フロントパネルがガラス、トリムがアルミへと仕様変更されています。

1959年 / C20

■ C22の歴史

C22は度々復刻モデルとして復活しているマッキントッシュの人気モデルです。オリジナルは1962年に発売され、その後約10年間生産された真空管プリアンプで、マッキントッシュの地位を確立したモデルでもあります。

使用真空管は12AX7が6本。当時は真空管プリアンプにおいて、マランツモデル7と並んでトップモデルとして位置付けられ人気を二分しました。

1962年 / C22

■ オリジナルを踏襲しつつ、最新技術を投入

復刻版 真空管式プリアンプ「C22」こそ、McIntoshを代表するプリアンプであり、その無骨さとスタイリッシュさを兼ね備えたデザインは、非常に魅力的です。

ただ、今回の復刻版は単なる懐古趣味な製品ではなく、伝統的な設計思想は継承しつつも、最新技術や高品位パーツが随所に投入されており、ハイレゾを初めとした最新の高音質音源にも十分対応できます。それらに、McIntoshの魅力を加えて再現する、McIntoshならではの最新鋭機ともいえる製品です。

「C22」「MC75」、共に1960年代にリリースされた同社の歴史的銘機です。2012年には、日本でのみ100台限定モデルとして発売され、人気を博しました。

2012年 / C22

2014年 / C22


それが今回、レギュラーモデルとして再び登場したのは、誠に嬉しいことです。この最新バージョンの真空管プリアンプ『 C22V 』は、2019年にマッキントッシュ社70周年を記念して発売された、『 C70 』真空管プリアンプ直系の後継製品です。

2019年 / C70

新しい『 C22V 』は、大切にされてきた『 C22 』の型番と、その特徴であるガラスとアルミニウムのフロントパネルデザインを継承しています。フロントパネルのノブとロッカー・スイッチですべてのコントロール機能を操作し、ノブ周囲の赤く光るLEDドットが入力機器と音量レベルを表示します。

2021年 / C22V


『 C22V 』は、バランス入力を2系統、アンバランス入力を3系統、MCとMMフォノ入力を各1系統の合計7系統の入力を備えています。バランス出力とアンバランス出力をそれぞれ2ペアずつ装備しており、2台のパワーアンプに信号を送ることができます。

2021年 / C22V

『 C22V 』の『 V 』は、5代目の『 C22 』を意味し、レギュラーモデルとして製品化されました。『 C22V 』は、クラシカルな雰囲気をまとい真空管プリアンプとしてマッキントッシュのアイデンティティと言える時代を超越したスタイルを受け継いでいます。『 C22V 』は、12AT7真空管1本と12AX7A真空管5本を使用しており、プリアンプ上部のガラスパネルからその様子を見ることができます。

2021年 / C22V


バイパス可能なバスとトレブルのトーンコントロールはフロントパネルにあり、ロータリーノブで2dB単位で調整することができます。

また、フォノ入力のインピーダンスとキャパシタンスは、個別のロータリーノブで調整できます。音量設定に加えて、ボリュームノブを使って左右のオーディオチャンネルの相対的な音量バランスを調整することもできます(軽くノブを押すとバランス調整モードに切り替わります)。

1/4インチのヘッドフォンジャックは、High Driveヘッドフォンアンプを搭載しており、Headphone Crossfeed Director (HXDR)技術を採用しています。HXDは、通常はスピーカーからしか聞こえないサウンドステージの指向性成分を復元することで、ヘッドフォン出力にスピーカーリスニングのような前方定位のサウンドステージを実現していて中々面白いですよ。
(ichinose)

2021年5月 1日 (土)

ラックスマン製・デジタルプリメインアンプ・キット「LXA-OT4」を作ってみた

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。今回は、ONTOMO MOOKで有名な音楽之友社から発売されているラックスマン製キットシリーズから、デジタルプリメインアンプ・キット「LXA-OT4」をご紹介します。



以前に雑誌のSTEREO誌の付録として好評だった「LXA-OT3」の音質をグレイドアップしてシャーシもセットとして発売されました。キットとは言え、基本的にはネジとナットを止める作業のみなので、順を追って慎重に作れば、誰でも必ず作れます。

ただし、今回のキットは雑誌の付録ではなく、商品単品として発売されているので、段ポールの箱に梱包されています。






■ デジタルなのにアナログの音? デジタルアンプっぽくない!「LXA-OT4」20,900円(税込)

同梱されているキットの組み立て方冊子(カラー写真P4・図解入りで組立てを解説)

安全上の注意点や操作方法についても記載されていますので熟読の上、製作にかかりましょう。


■ では早速作っていきましょう。

まずは、KIT内容を確認。冊子に記載されている内容物が全て揃っているか確認しましょう。
あわせて「安全上のご注意」も熟読しておきましょう!

箱を開けると昔ながらのLUXKITのグレーの吹き付け塗装が・・「懐かしい~!」。ブルーの基盤が中々格好良いですね~。


■ 組立てに必要なものを揃えておきましょう。

用意するのは「プラスドライバー」「ペンチ・ラジオペンチ」。プラスドライバーはしっかりしたものが必要です。(サイズはNo#2)

※このキットのシャーシネジはタッピングネジが採用されています、ネジで溝(タップ)を切っていくタイプなので、しっかりと押さえつつ、90°程度回して少し戻すを2~3回繰り返す必要があります。

精度の悪いドライバーや、ネジ溝とかみ合わない寸法のドライバーを使うと、刃先やネジ山をつぶしてしまう可能性があります。

レンチはボリュームつまみを1箇所止めるだけです。モンキーレンチやラジオペンチでも問題なく作業できます。


■ まずは基盤を固定します。


シャーシの底からリベットを3箇所差し込みます。

基板をリベットに差込んで固定します。前面の左側はアースとなるので、向きに注意。

シャーシ底板と基板をアース用ワッシャーとアース用ネジで固定します。

リアパネルを底板に固定します。RCA端子、スピーカー端子、電源端子の位置を合わせます。
底の2箇所のネジはしっかりと固定、側面の2箇所のネジは最後に調整があるので仮締めにしておきます。

RCA端子で1箇所、スピーカー端子で2ヶ所のネジで固定します。


■ フロントパネルも取り付けます。


フロントパネルから出たボリュームのシャフトにワッシャーと固定ナットを締めます。

ボリュームつまみを角度を見ながらちょうど良い位置で押し込みます。使いやすい位置で良いと思いますが、一般的には時計の7時ぐらいが良いのではないでしょうか。


■ 最後に天板を被せてネジ止めしましょう。


シャーシ用のネジは全部で12箇所あります。全てタッピングネジですのでご注意下さい。穴の加工精度は高くズレルことなく組立てできます。ネジは一気に締めるのではなく、まずは軽く仮り止めして最後にシャーシ全体の歪を確認しながらしっかりと締めましょう。

底板に付属のゴム脚を貼り付ければ完成です。

スピーカーケーブル、RCAケーブルを接続しましょう。


■ では、早速電源を入れてみましょう。

ボリュームの音量が下がっているのを確認して、電源を入れてフロントパネルのLEDが点灯するか確認。暫く電源を入れたままにして、異常な発熱や、変な臭いが発生していないか確認して下さい。

今回は写真撮影しながら組み立てましたので1時間ほどかかりましたが、通常でしたら慎重に作業しても30分程度で出来ると思われます。

注意点:本製品はBTLアンプのため、スピーカーセレクターの接続はアンプの出力が短絡し過大電流が流れ、故障の原因となりますので接続できません。

基板内部のジャンパー設定で、入力段オペアンプのゲイン(利得)切り替えが出来ます。
ディフォルトは6dBに設定されています。

6dB(アンプ総合利得:26dB)
4dB(アンプ総合利得:24dB)
2dB(アンプ総合利得:22dB)
0dB(アンプ総合利得:20dB)に変更可能。


■ オペアンプは簡単に交換が出来ます。(オペアンプがプリアンプになっています)

オペアンプの端子はソケット式になっているのでラジオペンチなどで、簡単に交換が出来ます。市販のオペアンプはピンキリですが(数十円~数千円)。

付属のオペアンプは標準品として一世を風靡した「JRC-4558」で、高いコスパを誇る製品(数百円クラス)、グレイドアップにはオーディオ用として開発された製品(MUSEシリーズ「MUSES01D」など)がお勧めです。

チップには方向性があるので注意しましょう。(事前に写真撮影しておくと安心です、○マークを合わせる)

オペアンプをグレイドアップすると解像度、表現力、帯域幅、Nノイズ特性など劇的に改善されます。オペアンプの交換は自己責任となりますので予めご了承願います。


■ 総評

ラックスマンKITの「LXA-OT4」は慎重に扱えば誰にでも必ず完成させられる製品です。基板などの電気系統は全く加工する必要なく、シャーシのネジ止めもしっかりとしたドライバーを用意すれば問題ないでしょう。作りは結構精度が高くシャーシの継ぎ目のズレもなく、ガタツキもありませんでした。

音質評価:以前付録に発売していた「LXA-OT3」はPCのモニターに使っていましたが、それと較べると、「LXA-OT4」は電圧が15Vから24Vにアップ、出力も12W+12Wから20W+20Wに大幅に上がっています。歪率は0.5%から0.06%に改善されており、かなりのグレイドアップになっています。

一見するとシンプルな基板で、電源もACアダプターなのを考えると、驚くほどの音質を聴かせてくれます!

ICチップにもかなり高級なアナログ・モノラル・ICが採用されており、設計には全く手を抜いていないのが良く分かります。さすがは「ラックスマン」と言える音質で、デジタルなのにアナログの音? まさにその通りの魅力的なサウンドです。

長時間聴いていても、聴き疲れしない、心地よいサウンドを聴かせてくれます。この価格でこのような音楽性のある音質が得られる製品はなかなかお目にかかれないのではないでしょうか!!
(ichinose)

2021年4月25日 (日)

人気のADK・ハイエンドオーディオラック「SDシリーズ」がモデルチェンジ!

人気のハイエンドオーディオラック「SDシリーズ」がモデルチェンジ!
こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

朝日木材加工の人気のハイエンドオーディオラック「SDシリーズ」がモデルチェンジとなりました。最大の理由は原材料の「ラバーウッド」の安定入手が難しくなってきているためです。2013年の発売から8年目となり、原材料の見直しが行われて新製品の発売となりましたので、ご紹介いたします。



コンセプトである「フルボディ天然木、堅牢構造、ファニチャー的完成とオーディオ的性能が、美しく融合した純・音響家具」は変更されていません。見た目に高級感があり、放熱性能も高いため愛用されている方も大変多い人気の高級ラックです。シリーズの品揃えや各モデルの寸法に変わりはありません。



■ 旧モデルに使われていた木材は「ラバーウッド」材です。



学名:Hevea brasiliensis、英名:Para rubber tree
学名のヘベアブラジリエンシスが示すとおりブラジル原産、現在では主に東南アジア、南太平洋地域で造林されている。
気乾比重:0.55~0.65

あの天然ゴムの材料とされている樹液を採取するゴムの木です。南米・東南アジアなど暑い地域に生息する木材で、見た目の美しさ、手触りの良さで人気の家具材です。

ウォールナットやオーク材より成長が早くエコな素材といわれていますが、合成ゴムの圧倒的な普及により植林数が大幅に減ってきており入手が難しくなる木材です。


■ 新製品に使われている木材は「アカシア」材です。



学名:Robinina pseudoacacia、英名:Acacia mangium
アカシアの木は直径が1~1.5m程度に成長する樹種で、原産地の北米では木材としての評価が高く、開拓時代から重要な樹種として扱われてきました。
気乾比重:0.6~0.78

パルプのパッケージには「100% Planted Acacia」と印字され,天然林を破壊しない持続的林業から生み出された素材であることを意味しています。成長の早いマメ科の樹木で、成長まで何十年もかかる高級木材と較べると、植林して10年程度ですぐに伐採できるので、自然環境に優しい木材として注目されています。

強度が有り、耐久性が高く、固く衝撃や曲げに強い素材で建材にも使用されており、オーディオラックにも適した素材です。アカシアは重厚な木材で加工はやや困難ですが腐食や摩耗に非常に強く、乾燥後の収縮が少ないという木材として優良な特徴をもっています。接着剤との相性も良いので集合材の使用にも適しています。

有名な話では、大英博物館に保存されているファラオの椅子もアカシアで作られているそうです。日本の場合、アカシアを商業植林している地域の多い東南アジアから距離も近く、アメリカなど遠い国から輸入するより輸送費も安く済むのも選ばれたポイント。産地の環境が与える木材への影響も考えると、日本よりはるか寒い国の木材を使うよりも、高温や多湿に慣れた東南アジア産のアカシアは相性も良いとの事です。

木材は全般として地球上の二酸化炭素を吸収してくれる環境に優しい素材ですが、アカシアは特に二酸化炭素の吸収量が多く、環境保全目的で植林も行われている木材の一種です。


■ 新旧の比較は素材の違いにより色目と音に違いがあります。

新旧では寸法に関しては全く変わりは有りません。棚の耐荷重も100kgと同じです。

重量の違い:今回採用されたアカシアは旧モデルのラバーウッドより少し比重が軽い木材が使われています。と言っても、旧モデルの「SD-3066ROA」が30.0kgに対し、新製品の「SD-DX3066」が29.0kgと、ほとんど変わりません。

色の違い:新製品のアカシアのほうが、木目の濃淡のある僅かながら明るめの仕上げになっています。
画像にてご確認下さい。並べて設置しても大きな違和感は無いと思います。(右が新製品です)




■ 総評

音の違い:これが最も気になる所かも知れません。
その場で聴き比べないと分からない程度の差となっていますが、

あえて言うならば・・・
・比重が軽くなり、硬度も高くなっているため、多少重心が高くなっています。
・打楽器 管楽器のクリアな音が広がる。
といったところでしょうか。

(ichinose)

2021年4月23日 (金)

2021年、クリークオーディオの世界が大きく変わります。

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

二代目 Luke Creek氏が、オーディオラボでの研修を経て、新たに開発に参加し、ディスプレイと外観デザインと操作性を担当した、Voyageシリーズがスタート。

新製品のVoyageシリーズは、クリークオーディオの今までの方向性を大幅に変更した、新しい時代のオーディオを追求した、斬新な商品となっております。

新しいシリーズは英国で設計され、ヨーロッパで手作業で組み立てられています。


VOYAGE-CD





■ Creek Audioとは

Creekは、1981年に創設者 Mike Creek氏が英国ハンプシャー・ホーンディーン設立されたメーカーです。

Creek Audio Ltd.の製品第一弾は「4040 プリメインアンプ」でした。

その時、メーカーの理念(ポリシー)は、製品に対する位置付けを、"ローコスト・ハイパフォーマンス"としていました。

"最少のパーツで最大限の完成度を"というカンパニー・フィロソフィーのもと、低価格ながら高品質な商品をラインナップしていました。

Mike Creek氏の作る製品群には、何百万円もするような高価な製品はありません。

しかし、スリムで小さなボディーからは考えられないドライブ能力を発揮。

さらに、Creekでしか味わえない、Creekならではの、聴き疲れのないナチュラルサウンドを奏でてくれました。

スペックやデータを追い求めて作られる超弩級オーディオ機器とは一味違う、独自の世界を堪能出来る製品として、人気を博しています。

1991年にはMike Creek氏の引退とともに、タンノイ社のエレクトロニクス及びデジタル事業部のブランドとして、スコットランド・コートブリッジに工場を移転しましたが、Mike Creek氏の"ローコスト・ハイパフォーマンス"の考えは、現代まで見事に継承されています。

ケンブリッジオーディオやEMFといった多数のブランドの設計を手がけている、Mike Creek氏ならではの技が随所に見られる、魔法のコンポなのです。


■ Evolutionシリーズの後継となる「Voyage」シリーズが発売となります。

USB-DAC機能搭載のCDプレーヤー「Voyage CD」と、プリメインアンプ「Voyage i20」の2モデル。

「Voyage」は、2代目となるLuke Creek氏が新たに開発に参加し、ディスプレイと外観デザイン、操作性を担当。

新しい時代のオーディオを追求するシリーズとして、開発されたものだということです。


■ Voyage CD





8コアのXMOSとDACチップAK4493EQを搭載、CDプレーヤーとしてはもちろん、USB入力により最大384kHz/32bitのPCMと、22.4MHzのDSD再生に対応。

CDドライブには堅牢で信頼性の高いStream Unlimited社のものを採用。

DACには、VELVET SOUNDテクノロジーAK4493EQ:プレミアムAKM32bit/768KHz搭載。

標準カラー「シルバー」のほか、本国からの取り寄せとなる「ブラック」モデルも用意されている。

入力端子は「USBオーディオクラス2.0」に対応する「USB typeB」のほか、「同軸S/PDIF」×2、「光デジタル」×2を搭載。

デジタル出力として「S/PDIF」1系統、「光デジタル」1系統を搭載。

アナログ出力は「バランスXLR」と「アンバランスRCA」を各1系統搭載。

また、プリ機能も搭載しており、背面のディップスイッチで固定出力/可変出力の変更が可能。ボリューム操作はリモコンから行う。

アナログ部にはテキサス・インスツルメンツ製のOPA2134オペアンプを使用、WIMAコンデンサーとMELF抵抗のフィルタを通して出力されるとする。

オーディオ用に最適化されたスイッチング電源、電圧は85V~265V、周波数も50~60Hzに自動対応します。

サイズは430(W)×80(H)×350(D)mm、質量は6.8kg。S/Nは123dB、THD+Nは113dB。




■ Voyage i20





DAコンバーター搭載、Bluetooth入力も搭載するプリメインアンプ。

アナログ「RCA」入力を3系統、「XLR」入力を1系統搭載。

デジタル入力は「USB typeB」のほか、「同軸」S/PDIF×2、「光」TOSデジタル×2を搭載。

アナログ「RCA」出力を搭載し、プリアンプとしても利用できる。

また、フロントパネルに6.3mmの「ヘッドホン」出力を搭載。

USB入力は、「USBオーディオクラス2.0」に対応し、最大384kHz/32bitのPCMと22.4MHzDSDまでの再生に対応。

「Bluetooth」はaptX HDのコーデックに対応、スマートフォン、タブレット、または静的コンピューターデバイスからの便利なワイヤレスストリーミングが可能。

また、オプションとしてMMフォノカード「SEQUEL-MK4」を追加可能。標準価格 35,000円(税抜)。

強力なSankenSTD03トランジスタは、複数のMOSFETによって拡張されるG級動作で駆動、必要に応じて驚異的な電力出力電流を供給します。

サーマルトラッキングSankenバイポーラパワートランジスタは、アイドル電流を即座に修正して、クロスオーバー歪みを正確に制御および最小化し、ウォームアップ時間を最小限に抑えます。

モジュラープラグイン電圧増幅器回路も開発、それらのディスクリートトランジスタ回路と低い負帰還により、プリアンプで追加のゲインを必要とせずに入力信号をパワーアンプに供給することができます。

エミッタ抵抗はバイポーラアンプ設計に必要な機能ですが、一般的に使用される高ワット数の巻線抵抗は、不要なインダクタンスと潜在的な非線形性の原因になります。

この問題に対処するために、Creekは、複数の表面実装抵抗器を使用して、代替の高ワット数、低インダクタンスの抵抗器モジュールを開発。

アンプの超低出力抵抗を維持することでスピーカーのダンピングを改善、ダンピングファクター400を実現。

また、このアンプの性能の鍵は、オーディオ用に最適化されたスイッチング電源にあります!!

その強大な1500Wの電源は電圧を安定に保ち、負荷インピーダンスが8Ω→4Ω、4Ω→2Ωと半分になるたびにリニアに出力が倍増する実力を誇ります。

ソフトウェアアップデートは、USB経由でインターネットからダウンロードが可能、オペレーティングシステムを常に最新の状態に保つことができます。

サイズはVoyage CDと同じ430(W)×80(H)×350(D)mmで、質量は9kg、S/Nは102dB以上、周波数特性は1Hz~100kHz。




■ 総評

Creekの新製品「Voyageシリーズ」は最高品質の素材のみを使用して構築されており、薄型でシンプルな製品ながら、大変高い品質を誇る製品です。

プリメインアンプの「Voyage i20」はデジタル入力に最新のDACを搭載しており、USB接続のできるDELAの「NA1」やPCなどのミュージックサーバーと接続して楽しむことが出来ます。

PCMで384KHz/32bit、DSDで22.4MHzに対応との事なので現実的に入手できるハイレゾには問題なく対応出来ています。

「Bluetooth」はaptX HDにも対応しているので、スマートフォン、タブレットからの便利なワイヤレスストリーミングが可能(48kHz/24bit対応)。

CDコレクションはリッピングして保存してしまえば、シンプルな構成でデジタル再生が可能になります。

ただし、フォノ入力のオプションボードも用意する予定との事で、アナログはまだまだ楽しみたい方が多いので対応は嬉しいです。

このアンプの重量は9.0Kgと軽量ですが、新開発されたスイッチング電源の実力が高く超重量級のアンプ並みの安定した駆動力を発揮してくれます。

ハーベスやスペンドールなどのヨーロッパ系のオーソドックスなスピーカーでしたら新旧、大小を問わず相性が良いと思いますし、少し上級な使いこなしですが、JBLなどのアメリカンなスピーカーをしなやかに聴きやすく、変身させる粋な使い方も面白いと思います。

今までのCreekなど、英国製のアンプでは鳴らすのが難しかった、駆動力を必要とするハイエンドスピーカーにも組合せできるのではないでしょうか。



(ichinose)

2021年2月28日 (日)

あらゆる環境で使えるDAC&ヘッドフォン&プリアンプ「iFi-audio NEO iDSD」のご紹介!!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。今回は、iFi-audioのUSB-DAC「NEO iDSD」をご紹介します。

iFi-audioはこれまで、最上級の「Proシリーズ(40万円クラス)」と、普及クラスの「ZENシリーズ(2万円クラス)」が展開されていましたが、ミドルクラスを担う新シリーズ「NEO」シリーズの第1弾として発売されたのが、今回取り上げた「NEO iDSD」となります。





■ iFi-audio NEO iDSD とは

すべてが新設計かつスマートに洗練され、しかも幅広い対応力を実現している注目の「スリー・イン・ワン」のDAC&アンプです。

現在考えられるハイレゾ再生において「ほぼ出来ないことは無い」と言える機能満載&最高性能を目指したデジタル・ヘッドホン・プリ・アンプとなっています。

バランス「PureWave」回路、DSD512/PCM768対応のUSBオーディオ、無敵のハイレゾBluetooth、そしてMQAフルデコード対応と、ハイレゾ再生の究極が「ぎゅぎゅ~!」と詰め込まれています。

既に多数のご注文を頂いております「iFi-audio NEO iDSD」は10万円台でこの性能。この冬の一押しの商品としてご紹介いたします。

■ あらゆる環境で使えるDAC&ヘッドフォンアンプ。

あらゆる環境で使えるDAC&ヘッドフォンアンプ。NEO iDSDは純粋なDACとしてもお楽しみいただけます。プリメインアンプやプリアンプにアナログ固定出力で接続します。

さらに、DAC&プリアンプとしても使用できます。パワーアンプやアクティブスピーカーに可変出力で接続します。ヘッドフォンユーザーの皆さまは優れたアンプステージを使って素晴らしい「ヘッドフォンハイファイ」システムを実現することが出来ます。




■ カスタムデザインのデジタルエンジンを搭載。

新しい16コアICを採用した新開発XMOSチップを組み合わせた「デジタルエンジン」を搭載。バーブラウン製のDACチップを基本とし、音質の最適化をしたプログラミングにより、完璧なマッチングを実現しています。

デジタルエンジンは同ブランドが幅広く使用しているバーブラウン製のDACチップを基本としつつ、模範的なDACステージを生み出すためにカスタムデザインが施されています。

バーブラウンの「トゥルーネイティブ」チップセットによって、ファイルのフォーマットを変えないこと、つまり「ビットパーフェクト」を保つことができます。録音時に使用されたフォーマットのままで、アーティストが意図した音楽をそのまま聞くことができるのです。

iFiの製品にはバーブラウンのチップセットを広く使用していますが、それは自然な音という「音楽性」と「トゥルー・ネイティブ」のアーキテクチュアが理由で選定されています。

XMOSチップは新世代の16コアICチップで、現世代の2倍のクロック・スピード(2000MIPS)と4倍のメモリー(512KB)を実現し、最新のスーパースピードUSB規格にも準拠。

デジタル開発チームがファームウェアをプログラミング・音質の最適化をしているため、バーブラウンDACとの完璧な組み合わせを確保できています。

ジッターの対策には、GMTフェムト秒制度のクロック、インテリジェント・メモリー・バッファ。

GTO(Gibbs Transient Optimised)デジタルフィルターも組み込まれています。もちろん、今後のアップデートにも対応しています。


■ 無敵の最先端ハイレゾBluetooth受信にも対応(Bluetooth 5.0)。

クアルコムのBluetooth SoC「QCC5100」と専用回路を組み合わせた「Bluetoothエンジン」を備え、コーデックはaptX AdaptiveやaptX HD、ソニーのLDAC、ファーウェイのHWA(LHDC)を含む「現行のすべてのハイレゾBluetoothオーディオ・コーデック」をサポート。

通常のaptXとaptX Low Latency、AAC、SBCはもちろん、24ビット処理が可能な、aptX AdaptiveとaptX HDは48kHzまでをサポート、LDACとLHDCは96kHzまでサポートしています。

Bluetooth機器とのペアリングは7件まで記憶することが可能。エンジンはワイヤレスでのアップデートが可能なため、アップデートによる将来的なコーデック追加も可能としています。


■ デジタルフォーマットは最大でPCM:32ビット/768kHz、DSD:512までの全レベル、シングルとダブルスピードのDXD:768kHzに対応、384kHzまでのMQAのフルデコードに対応。

DACチップの4チャンネル「トゥルー・ネイティブ」設計により、PCMとDSDが別の経路を通るため、どちらの信号もビットパーフェクトの状態で伝送されます。

S/PDIF経由でのMQAフルデコードに対応しているので、CDトランスポートと組み合わせてMQA-CDも楽しめる、まさにハイレゾ天国の製品です!

独自のジッター除去技術や、デジタルフィルターも組み込まれています。TIDAL「Masters」やMQA-CDなどで使用されているMQAフォーマットも、USBとS/PDIF(同軸、光)入力で対応。

メーカー曰く「洗練された回路が家庭環境のあらゆるオーディオ・フォーマットに煌めくような音をお届けします」としています。

■ アナログ回路は本機のために開発された独自のフルバランス回路設計「PureWave」を搭載。

この「PureWave」という名称は、並外れたリニアリティーと最少のノイズと歪みによって達成された純粋な音を表している言葉です。

新開発の「バランス・シンメトリカル・デュアルモノ・トポロジー」を採用し、短くダイレクトな信号経路で、「並外れたリニアリティーと最少のノイズと歪み」を追求。

全体にわたって高品質な部品が使用されていますが、その中には超低歪みのiFi特製オペアンプ、多層セラミックのTDK C0Gキャパシター(クラス1セラミック)、MELF薄膜抵抗器、そしてムラタと太陽誘電株式会社の低ESRハイQ多層キャパシター誘導子が含まれています。

低ESR(等価直列抵抗)、ハイ・リニアリティー、低歪みといった、クラスをリードする品質が音質に大きな効果を発揮。

オーディオファイル・グレードのコンポーネントを使用し、低レベルのノイズと歪みによって「高い純度」を実現しています。

最高度の解像度を保つために、ボリュームは精密なマイクロプロセッサーでコントロールされた抵抗ラダー経由で、アナログ領域で調節します。


■ 電源供給回路には優れたPSRR(電源電圧変動除去比)を示すというリニア・レギュレーションを採用。

同ブランドのアクティブノイズキャンセレーション搭載の高音質電源アダプター「iPower5V」が付属します。


■ ヘッドフォン・アンプ・ステージは、どんなタイプのヘッドフォンを駆動してもパワーと安定のバランスを見事に保ちます。

高感度なインイヤーモニターから莫大な電流を要求するプレーナー型ヘッドフォンに至るまで、冷静沈着に駆動します。

4.4mmバランスヘッドフォン出力からは1000mW/32Ω以上の強力な出力を継続して供給することができるので、迫力のある低音をあるがまま感じることができます。


■ 入力は光/同軸デジタル/USB端子、出力はXLRライン/RCAライン/4.4mmバランス/6.3mmバランスエンド端子を搭載。

ヘッドホン出力は4.4mmバランスと、6.3mmアンバランスを各1系統、本体前面に搭載。バランス出力では最大出力1,040mW以上(32Ω時)を継続して供給可能、アンバランス出力の最大出力は295mW以上(同)。

ボリュームは音の解像感を保つため、マイクロプロセッサーでコントロールされた抵抗ラダーを経由し、アナログ領域で調節する仕組みを採用しています。

ヘッドホン出力の他に、固定ライン出力、可変ライン出力を含めて3つの動作モードが利用可能で、固定ライン出力ではプリメインアンプやプリアンプに接続可能です。

可変ライン出力を備えたDAC&プリアンプとして使うこともでき、パワーアンプやアクティブスピーカーに接続する場合に適しています。

アナログ出力としてXLRバランスとRCAシングルエンドの各1系統を装備しています。


■ 筐体はアルミニウム製で、縦置き/横置きの両方が可能。

本体前面のOLEDディスプレイに再生中のフォーマットやボリュームレベルなどを表示できます。横置き/縦置きを自動認識、縦置きにすると液晶画面が自動的に回転します。


■ 動作モードは固定ライン出力/可変ライン出力/ヘッドフォン出力の3つを備えます。

・外形寸法は214×146×41mm
・質量は970g。


・付属品:カード型リモコン、標準ミニアダプター、Bluetoothアンテナ、RCAケーブル(30cm)、USBケーブル(30cm)、ACアダプター(iPower5V)、縦置きスタンド


■ では、試聴してみましょう。

高級ヘッドホンアンプの中心価格帯に真っ向から勝負した意欲作と言うのが第一印象です!

デザイン的にはZANシリーズのような奇抜さはありませんが、正統派のシステムに組み込みやすいデザインだと思います。接続端子や、ボリュームなどのつまみ類も使いやすく、広くお勧めできる製品となっています。

機能や音質はさすがiFi-audio製品だけあって入念に計算されており、全く隙が無く素晴らしい完成度を誇ります、まさに死角無し!

ZENシリーズでは物足りなく、Proシリーズは価格的に難しかった方に、この抜群のコストパフォーマンスは嬉しい限りですね。

ヘッドホンアンプとしての利用はもちろんですが、あらゆるデジタルフォーマットに対応しているので、システムのデジタル対応を一気に広げる事が出来ます。

パソコンのハイレゾ音源のUSB-DACとして、スマホに保存しているハイレゾ音源をBluetooth5.0で受信、テレビやゲーム機器から光デジタルで接続したり、CDプレーヤーと接続してMQAを再生したりと、様々な機器と接続して、より幅広く音楽を楽しむことが出来るようになります!!

もちろん対応するレートも現在使われている最高レートに対応しており、出来ない事が無いと思える充実した内容を誇ります!!

この製品は、マニアックなオーディオファイルの方でも満足できると思いますが、初心者の方でも使いやすいようにシンプルな設定メニューが採用されている点も高く評価できます。デジタル入力だけでよければプリアンプとしても十分使う事が出来ますよ。

音質は価格からの期待を大きく超えて抜群のコストパフォーマンスの高さに驚きます。深みのある低音域とクリアで自然な中高域が素晴らしく、音場の背景の静かさもとても印象的です。

アナログ回路はあの「ジョン・カール氏」が監修しただけあって、バランスも良く作りこまれた完成度の高さがあり、このクラスとしては不満を感じさせない見事なサウンドと言えます。

(ichinose)

2021年2月27日 (土)

~LUXキットの真空管フォノイコライザー「LXV-OT10」を作ってみた~

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。今回は、ONTOMO MOOKで有名な音楽之友社から発売されているLUXMAN製キットシリーズから、EQカーブ調整型真空管フォノイコライザー「LXV-OT10」をご紹介します。



連続可変イコライザーカーブ型、真空管フォノイコライザーでレコードをもっと楽しみましょう。キットとは言え、基本的にはネジとナットを止める作業のみなので、順を追って慎重に作れば、誰でも必ず作れます。


■ レコードが覚醒する!「LXV-OT10」19,800円(税込)

冊子は16P(カラー)となっています。
※P02~P04:真空管フォノイコライザー・キットを組み立てる(図解入りで組立てを解説)

※P05:LXV-OT10接続方法(接続方法、操作方法、MM/MCの切替方法、使用上の注意など)
※P06~P07:LUXMAN開発陣に聞く、真空管フォノイコライザー
(フォノイコライザーはレコード再生のキモとなる部分である、微小な信号を大きく増幅するため、とてもデリケートで作り手のセンスが問われる機器です)
※P08~P10:オペアンプ交換でグレードアップを狙う
※P11~P13:LUXMAN「E-250」で本格フォノイコライザーの世界を味わう
※P14:LXV-OT10音質アップのアイデア アースケーブル編
※P15:LXV-OT10音質アップのアイデア コンデンサー編・オペアンプ編


■ では早速作っていきましょう。

まずはキット内容を確認。冊子に記載されている内容物が全て揃っているか確認しましょう。「組み立てる前に必ずお読み下さい」を読んで、注意事項を熟読しておきましょう!箱を開けると昔ながらのLUXキットのグレーの吹き付け塗装が…「懐かしい~!」。



■ 組立てに必要なものを揃えておきましょう。「プラスドライバー」「10mmレンチ」

プラスドライバーはしっかりしたものが必要です(サイズはNo#2)。
このキットのシャーシネジはタッピングネジが採用されています、ネジで溝(タップ)を切っていくタイプなので、しっかりと押さえつつ、90°程度回して少し戻すを2~3回繰り返す必要があります。

精度の悪いドライバーや、ネジ溝とかみ合わない寸法のドライバーを使うと刃先やネジ山をつぶしてしまう可能性があります。※100均のドライバーは止めておきましょう

レンチはチューニングつまみを2箇所止めるだけです。モンキーレンチやラジオペンチでも問題なく作業できます。※写真のカッターは不要です



■ 基板をシャーシに取り付けます。

基板は既に完成しており半田付けなどは一切不要です。



■ 天板以外のシャーシを組み立てます。

シャーシ用のネジは全部で14箇所あります。全てタッピングネジですのでご注意下さい。穴の加工精度は高くズレることなく組立てできます。ネジは一気に締めるのではなく、まずは軽く仮り止めして最後にシャーシ全体の歪みを確認しながらしっかりと締めましょう。


底面の固定に4箇所、後のRCA端子側のネジには菊座がシャーシに食い込む様にしっかり締める。裏面のRCA端子固定に2箇所。



■ イコライザーチューニングのシャフトの固定のナットを締めます。

チューニング用つまみを差し込みます。(つまみはセンターにクリックがあるだけで向きに指定はありません。)



■ アース端子を取り付けます。

シャーシ外側が端子+ワッシャー、内側が菊座、卵型ラグ、ナットの順。菊座でシャーシに食い込ませてシャーシアースが取れるようにしっかりと止める。


真空管をソケットに差し込みます。真空管には向きがありますので注意してください。真空管を初めて扱う方は想像以上に固いかもしれませんが、左右に少しずつ振りながら慎重に最後まで差し込みましょう。



■ 最後に天板をネジ止めして、そこに付属のゴム脚を貼り付ければ完成です。

今回は写真撮影しながら組み立てましたので1時間ほどかかりましたが、通常でしたら慎重に作業しても30分程度で出来ると思われます。



■ では、早速電源を入れてみましょう。

電源を入れて真空管が点灯するか確認。やはり少し緊張しましたがあっさりとクリア。暫く電源を入れたままにして、異常な発熱や、変な臭いが発生していないか確認して下さい。



■ アース線をグレードアップしてみました。

冊子のP14に紹介されているアースケーブルの増設にチャレンジしてみました。
・長さ18cmの線材(手持ちのスピーカーケーブル「ZONOTONE:6NSP-5500A」の端切れを利用)
・Oラグ端子(小型Yラグ「FURUTECH:FP209-10(G)」を2個利用、圧着ペンチで取付けました)
写真のようににしっかりとネジ止めして固定しました。



■ デフォルトはMMポジションなのでMCカートリッジに切り替えします。

基板上のジャンパーを付け替える必要があります(L/R2ヶ所あります)。低出力のMCカートリッジ(0.2mV以下)は想定していないのでSNが苦しくなります、その場合はMC昇圧トランスが必要となります。

DL-103R(出力0.25mV)では実用範囲でしたが、トランスを兼用したほうが音に俄然余裕がありました。AT-OC9XSL(出力0.4mV)では何ら問題なく楽しめました。



■ オペアンプは簡単に交換が出来ます。

オペアンプの端子はソケット式になっているのでラジオペンチなどで、簡単に交換が出来ます。市販のオペアンプはピンキリですが(数十円~数千円)。

後段の付属のオペアンプは標準品として一世を風靡した「JRC-4558」で、高いコスパを誇る製品(数百円クラス)、グレードアップにはオーディオ用として開発された製品(MUSEシリーズ「MUSES01D」など)がお勧めです。

チップには方向性があるので注意しましょう。(事前に写真撮影しておくと安心です、○マークを合わせます)。オペアンプをグレードアップすると解像度、表現力、帯域幅、Nノイズ特性など劇的に改善されます。

真空管を交換する以上の改善が期待できます。※前段のオペアンプはFET入力構造タイプのみ交換可能(バイポーラ入力構造は不可)。



■ 総称:LUXMANキットの「LXV-OT10」は慎重に扱えば誰にでも必ず完成させられる製品です。

基板などの電気系統は全く加工する必要なく、シャーシのネジ止めもしっかりとしたドライバ-を用意すれば問題ないでしょう。作りは結構精度が高くシャーシの継ぎ目のズレもなく、ガタツキもありませんでした。


■ イコライザーカーブに関しまして

今回ご紹介した「LXV-OT10」は連続可変式カーブ切り替え機能(VARIABLE EQUALIZER)が付いています。
★LOW:-5dB~+5dB ★HIGH:-5dB~+5dB
これはイコライザーカーブが何種類も存在しており、正確なイコライザーカーブで再生する事により違和感の無い再生が可能なためです。最も代表的なイコライザーカーブは「RIAAカーブ」と言われるもので、一般的なフォノイコライザーアンプには全てこのカーブが採用されています。

「LXV-OT10」の場合は「LOW」「HIGH」のつまみのセンターにクリックがあり、センター位置が標準のRIAAカーブとなります。一般的には1954年以降は全てRIAAカーブに統一されていると言われていますが、実態はかならずしも…。※厳密に言えば「RIAA」カーブも数回は改訂が行われており、微妙に異なるカーブが存在します。

レコード盤を見てみると「RIAAカーブ」以外は稀かと言えば決してそうでもなく、様々なカーブのレコードが現在でも流通しています。「RIAA」以外で比較的多く流通しているものは「Columbia」や「DECCA」が多くあります、現在お持ちのレコード盤でも混在しているかもしれません。しかも残念な事に、どの「レーベル」の「どこの国」の「何年のカッティング」はこのカーブと言った統計が無く、恐らく誰も正解が分からないのが実情となっています。

そんな正解の分からない調整をする自信が無い!と思われる方も多いかと思いますが、実際に聞いてみると何となく分かるものです。誤ったカーブで再生すると、音場がゆがんでいたり、定位感が曖昧で、なんかピントがあってない感じがします。

各楽器がバラバラに主張された感じとなり、音色に違和感が感じられたりしますので愛聴盤で試してみてください。MONO盤でも前後位置がきっちり再生できるかなどで結構分かります。

イコライザーカーブには1kHzを基準として低域のレベルを下げて、逆に高域を持ち上げるという基本があり、この「LXV-OT10」は1KHzを基準に「LOW」と「HIGH」の-5dB~+5dBのレベル調整が出来るようになっています。

簡単に調整基準を記載しておきます(同じレーベルでも年代等々により異なるのであくまで参考として)。
「RIAA」=LOW:センター、HIGH:センター(センター部分にクリック感があります。)

「COLUMBIA」=LOW:マイナス(大)、HIGH:マイナス(小)
「DECCA」=LOW:マイナス(大)、HIGH:プラス(小)
「AES」=LOW:マイナス(中)、HIGH:プラス(小)
この辺を分かった上で操作してみると結構分かって嬉しいものです、確認できたら盤ごとにメモを入れて保存しておきましょう~。

※こちらの製品はキット商品のため完成品としてのメーカー保証はございません。
※部品や基板の不良に関しましては購入から1年対応しております。なるべく早く組立てて確認下さい。


(ichinose)

2021年2月25日 (木)

フィデリックス パッシブプリアンプ『 TruPhase (トゥルフェイズ) 』をご紹介!!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

今回は、最近矢継ぎ早に話題の新製品を送り出しているフィデリックス社より、今回はパッシブプリアンプ『 TruPhase (トゥルフェイズ) 』をご紹介いたします。


音の良さでは定評のあるブランドなので、早速詳細の確認と試聴レポートをしてみましょう。



■ パッシブプリアンプは増幅回路を持たないためアンプでありません、入力切替機能付のアッテネーターとなります。

パッシブプリアンプに関しては以前から賛否両論があり、様々な議論がされてきました。

80年代後半頃なので30年以上前となりますが、私自身も当時、話題に乗ってシステムに組み込んだ経験があります。

ゼネラル通商が発売していた「Penny&Giles社」のスライドボリュームを搭載した「PAF-3022W」でした。

その後、より高級なモデルで、銀接点のモノラルフェーダー仕様の「PAF-1120W(II)」なども発売されて話題となったのを思い出します。

その他にも代表的なパッシブとしては、フィデリティリサーチ「AS-2」、カウンターポイント「SA-121st」、ラックスマン「AT-3000」(順不同)などがありました。

ハイエンドオーディオではチェロの「Etude」(1980年後半)が存在感ありましたが、当時でも40万円近くして全く手が届きませんでした。

当時私は、プリメインアンプのパワーアンプ入力にダイレクトに接続して使っていました。

確かに使うことによって、ロスレスのピュアでストレートなサウンドが魅力的でしばらく使っていましたが、本格的なプリアンプと比べると、中低域のエネルギー感や、立体的な音場感に違和感を感じて、次第に使わなくなりました。

当時は、音の純度はパッシブで、音楽の完成度はアクティブでと言う議論でしたが、いつしかパッシブ方式は製品としてはほとんど無くなってしまいましたね。

アクティブ方式の優位性としては、インピーダンスの変動が無いこと、また高インピーダンスで受けて低インピーダンスで出力するため、信号が安定してパワーアンプの動作が楽になる、CDからの出力と較べて電圧の規格は同じでも電流が大きくW(仕事量)で比較すると差があるなどが言われています(もちろん機種によります)。

最近ではフェーズメーションが超弩級のパッシブプリアンプ「CM-1000」「CM-2000」などを発売して話題となっており、健在でもあります。

私個人的には、先日ご紹介したソウルノートの「P-3」などのプリを使ってみて、やはり「プリアンプを制するものは、オーディオを制す!」と感じておりました。


さて、フィデリックス社から新発売されるのはバランス仕様のパッシブ型プリ『 TruPhase (トゥルフェイズ) 』です。

内部のコンストラクションは多くのパッシブプリと同様に、入力のセレクターと音量調整用のアッテネーターのみの簡単なものです。

フロントパネルには左にセレクター、右にアッテネーター、そしてこのプリの名前にもなった位相を反転させるスイッチが中央にあります。


◆ 主な特徴をご紹介 ◆

(1) バランス接続で位相を180°回転させる事ができます。


型番の由来は「True Phase」からのもので、絶対位相(両方の位相が反転)を瞬時に合わせられると言う意味を含みます。

アンプのバランス端子のHOT番号が異なる機器を接続できるのはもちろんですが、主な目的は録音時の逆相を是正するために設けられています。

基本的には録音の絶対位相はほとんど合っていますが、録音時期やレコード会社や録音エンジニアによっては逆相となっているものもあるようです。

古い時代の録音ソースは特にあまり神経質に言われてなかったこともあり、位相(特に絶対位相)管理についてあまり指摘が無かったようです。

詳しい方が、ある年代のレコードを調べてみると、約60%は位相が合っていて、30%は逆に、10%は不明だったそうです。

この位相に関してはかなり個人差があり、分かる人と、分からない人(違和感を感じる人と感じない人)がいると思われますが、近年のワイドレンジでS/N比の高い、最新機器では明らかに違いが分かるようになってきているのではないでしょうか。

特に人の声や打楽器などでは分かり易く、位相反転機能がプリアンプの必須項目としている方もいらっしゃいます。オルガンなど全く分からない楽器も存在しているそうです…。

開発者の中川氏曰く「必ず合わせてくださいという強い意味ではありません、自由で良いと思います」との事です。

フィデリックス社には超ローノイズ設計を誇るフォノイコライザー「LEGGIERO」があるのでXLR接続で組合せると面白いのではないでしょうか。

※反転できるのはXLR入力端子のみとなります、RCA端子入力では機能しませんのでご注意下さい。


(2) 21接点のロータリースイッチを用いたアッテネーターを採用。


通常パッシブ方式はボリュームを絞る(小音量時)ほどに音が悪くなることは承知の事実です。

音量調整の一般的な設計ではツマミの位置が9時~10時付近に良く使われる音量をセットされますが、この「TruPhase」ではPRO仕様の、2時付近に標準音量が来るように設計されています。

実際に使ってみると初めはなかなか音量が上がらず最初は「あれれ?」と思いましたが、この設計の方が小音量時の音量調整は圧倒的に使い易いので直ぐに慣れると思います。

更にこの仕様により、高能率スピーカーや大出力パワーアンプを接続した時に問題となる、音量を絞ったときのサーノイズを抑えることに成功しています。

この効果は大きく一般家庭の音量では圧倒的に有利となっていると思われます。


(3) フローティング接続の、2連ボリュームを採用。


ロータリースイッチ方式の場合、バランス接続には通常4連ボリュームを使いますが、ボリュームを2連にしてシンプルにすることによって音質向上ができないかと考え、同社の「STACCATO」に搭載されていたフローティング接続を採用し、2連ボリュームでも音質的に全く問題なく使える事が確認され搭載されています。

一般家庭ではバランス接続(4連)による外来ノイズをキャンセルするメリットは実質的にはほとんど無いとの事です。



抵抗には20式のアメリカPRP社製高音質抵抗を使用するなど高音質に拘った仕様となっています。


(4) セレクタースイッチは8回路5接点を採用しアースを完全に分離


一般のセレクターはアースが共通で信号のみをセレクトしておりますが、アースも切り替えるべく8回路5接点のスイッチで完全な切り離しをしています。

内部はバランス接続対応になっている為にセレクターは四連の物を使用しています。

電源は極性によって音が変わる事はすでによく知られております、これはアースに電流が流れる弊害からですが、これをなくすには、アースを繋がないことが正解です。



※ 注 意 ※
このセレクター設計により、入力の切り替え時には結構な音量のノイズが出ますのでご注意下さい!!
パワーアンプのボリュームを絞るか、ボリュームの無いパワーアンプでは電源を落とす必要があります。
大出力でボリュームの無いパワーアンプで、フルパワー状態で切り替えるとスピーカーを破損させる可能性があります。
頻繁に入力を切り替える方にはちょっと使いにくいと思いますので予めご了承下さい。


■ その他



入力端子:XLRx2系統、RCAx3系統
出力端子:XLRx1系統、RCAx1系統

さらに、これ以上の機器を接続したい場合は、別なパッシブの入力セレクターか「TruPhase」の追加購入をお勧めいたします。

XLR出力は位相が反転でき、XLR入力とRCA入力の双方を出力します。一方、RCA出力は、位相反転ができず、XLR入力の出力をしません。

回路ループの最小化、振動モード対策、電磁波の吸収効果など細部におけるノウハウを投入。

モガミ電線の無酸素銅でポリエチレン被覆線を採用。



■ 試聴しました


驚くほどの豊富な情報量と、高い解像度を誇る音質です。

音源から全く劣化を感じさせないストレートな再生音は、今までのパッシブフェーダーの常識からは信じられないほどで、音の厚みや力感が痩せる事は一切無く、広い音場、音の純度はもちろんの事、音源の陰影すらも再現できる表現力はハイエンドのアクティブプリアンプと対等に渡り合える、最高純度の音の表現力を聴かせてくれました。

これだけの高音質を備えていて、この価格は非常に高いコストパフォーマンスと言って良い製品です。


■ ご使用環境により評価の分かれる商品と思われます、こんな方に特にお勧めです。

とにかくコストパフォーマンスの高い高品質なプリアンプが希望である。

低能率のスピーカーを使っている(最近のあまり大きくないスピーカー、音圧レベル90dB以下)。

高品質で低出力のパワーアンプを使っている(シンプルなシングル増幅やプッシュプルなど)。

パワーアンプにボリューム(ミュート)が付いている。

入力ソースをあまり切り替えない。

ソースの逆位相が気になっている、位相に敏感である。

(ichinose)

2021年2月23日 (火)

ラックスマン製・真空管グラフィックイコライザー・キット「LXV-OT9」を作ってみた

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

今回は「ONTOMO MOOK」で有名な音楽之友社から発売されている、ラックスマン製・真空管グラフィックイコライザー・キット「LXV-OT9」をご紹介します。


直感的に使いやすい「5バンド グラフィックイコライザーキット」ながら、基本的にはネジを締める作業のみなので、順を追って慎重に作れば、誰でも簡単に作れます。



■ 冊子は16P(カラー)となっています



※P02~P04:真空管グラフィック・イコライザーを組み立てる(図解入りで組立てを解説)

では早速組み立ててみましたので、その模様をご紹介します。

まずは、キット内容を確認。冊子に記載されているの内容物が全て揃っているか確認しましょう。「組み立てる前に必ずお読み下さい」を読んで、注意事項を熟読しておきましょう!

箱を開けると昔ながらのLUXKITのグレーの吹き付け塗装が・・やはり「懐かしい~です」。


■ 組立てに必要なものを用意




組立てに必要なものを揃えておきましょう。「プラスドライバー」「精密ドライバー」プラスドライバーはしっかりしたものが必要です。(サイズはNo#2)

※このキットのシャーシネジはタッピングネジが採用されています、ネジで溝(タップ)を切っていくタイプなので、しっかりと押さえつつ、90°程度回して少し戻すを2~3回繰り返す必要があります。

精度の悪いドライバーや、ネジ溝とかみ合わない寸法のドライバーを使うと刃先やネジ山をつぶしてしまう可能性があります。100均のドライバーは止めておきましょう。

精密ドライバーは前面のイコライザーパネルを固定するのに使います(小ネジ:6箇所)。



■ キットの組み立て






基板をシャーシに取り付けます。
基板は既に完成しており半田付けなどは一切不要です。





天板以外のシャーシを組み立てます。
シャーシ用のネジは全部で12箇所あります。全てタッピングネジですのでご注意下さい。穴の加工精度は高く、継ぎ目がズレることなく組立てできます。

ネジは一気に締めるのではなく、まずは軽く仮止めして最後にシャーシ全体の歪みを確認しながらしっかりと締めましょう。

+RCA入出力端子固定に2箇所のナットを締めます。



真空管をソケットに差し込みます。真空管には向きがありますのでご注意ください。

真空管を初めて扱う方は想像以上に固いかもしれませんが、左右に少しずつ振りながら慎重に最後まで隙間無く差し込みましょう。



最後に天板をネジ止めして完成です。今回は写真撮影しながら組み立てましたので1時間ほどかかりましたが、通常でしたら慎重に作業しても30分程度でできると思われます。



■ いよいよ、電源を入れてみましょう



電源を入れて真空管が点灯するか確認。やはり少し緊張しましたが、あっさりとクリア。半田もしていないので当然ですね。
※ケーブル類は付属していませんので予め別途用意しておいてください。



今回は先に製作したFMチューナー「LXV-OT8」の出力を「LVX-OT9」のINPUTS端子に、OUTPUTS端子からアンプのライン入力に接続しました。

接続方法は冊子のP05に写真入解説で詳しく記載されています。



■ 総評

ラックスマンKITの「LXV-OT9」は慎重に扱えば誰にでも必ず完成させられる製品です。基板などの電気系統は全く加工する必要なく、シャーシのネジ止めもしっかりとしたドライバーを用意すれば問題ないでしょう。

作りは結構精度が高くシャーシの継ぎ目のズレもなく、全体のガタツキもありませんでした。

グライコなどは接点や回路が追加されるので音質が悪くなると思われている方も多いと思います。実際にこのグライコを追加すると極僅かですが音の鮮度が悪くなったように感じますが、グライコを接続したことによって様々な発見がある場合も多いのです。

グライコはアンプのトーンコントロールとは異なり各帯域別に個別の調整が出来ます、そのため様々な楽器やボーカルの音を変化させる事ができるので、自分の好みが発見できます。

また、リスニングに使っている部屋の特性の補正が行えます。どこの周波数を上げ下げすると自然な感じになる・・など実験してみると面白い発見ができます。上手く使えば、音質を向上させる事ができる可能性がありますし、今後の機器選択の参考にもなります。

何より遊び感覚で自分のオーディオをいじれるのは本当に楽しい体験です。

※スマホのマイクで周波数測定が可能なスペクトラムアナライザー無料アプリの「FFT Wave」「Sound Analyzer」などを使ってチェックしても面白いですよ!!

※真空管ハーモナイザーとしても機能します!! 真空管を通すことで、柔らかく自然な音色で長時間、聴いていられる音になります。

「LVX-OT9」はグライコ回路の前段に真空管が入っていますので「グライコOFF」でもハーモナイザー効果により倍音を付加し、真空管を通った音になります! 付属している真空管は高級オーディオでも採用されているスロバキア製のJJ製ECC82の高性能モデルで、抵抗にも精密級1%抵抗が採用されており、価格を遥かに超えた実力があります。

MONITOR端子付のプリ(プリメイン)アンプの場合はRECOUTのON/OFFで切り替えができます。

5バンドイコライザーのそれぞれの音の変化の特徴(最大変化量+-8dB)
55Hz:音にふくらみを与える(レベルを上げると、ベース、パイプオルガンなどの低音域の楽器が安定感ある音に聴こえる
220Hz:低音に豊かさを与える
880Hz:臨場感や奥行きに関係する帯域
3.5Hz:明るさや硬さに関係する帯域
14KHz:冷たさや繊細感を与える帯域(レベルを上げ過ぎると刺激的で金属的な音になる)




(ichinose)


2021年2月20日 (土)

クリプトン ブックシェルフ型スピーカー『 KX-1.5 』のこだわりとは?

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

今回は、KRIPTON(クリプトン)から新発売された会心作スピーカー「KX-1.5」をご紹介します。前作の「KX-1」から約7年ぶりのモデルチェンジとなります。この7年間に培われた技術を取り入れて開発されています。

特に昨年発売された「KX-0.5」(2019年7月発売)で素晴らしい成果を上げた新技術を使った渾身のシステムとなっています。


KRIPTONのコンセプトでもある【 手の届く価格でありながら、Made in Japanの高品質/高音質を提供 】を見事に具現化した製品に仕上がっていてお勧めいたします。

細部にまで行き届いた入念な調整、チューニングにより完成度の高いスピーカーとなっていますので、その細部のこだわりを、順を追って解説いたします。


■ こだわり[1](ウーファー)


ご存知のようにKRIPTONのスピーカーは長年継承されてきた密閉型が採用されています。密閉型で最も重要なアイテムであるウーファーの開発には特に入念に行われたと思われます。

新設計の振動板は「KX-0.5」で採用されたカーボンポリプロピレン(CPP)を一回り大きく17cmとしています。ポリプロピレンはケミカル系の素材の中では最も紙に近い特性を持つもので、それにカーボンを加えて剛性をアップ。

紙の優れた内部損失の性質と、カーボンの高剛性特性の良いところを合わせ持った絶妙のバランスを実現した振動板との事です。

また、マグネットにもこだわりがあり、「KX-1.5」の磁気回路にはフェライトマグネットが使われていますが、上位モデルに採用しているアルニコマグネットに近い(B-H曲線)特性を実現した磁気回路が使われています。


■ こだわり[2](ツィーター)


ツィーターは「KX-1」から採用されている定評のある砲弾型イコライザー付ピュアシルク 35mmリングダイアフラム・ツィーターを改良して採用。

透明感を高め、更に高域周波数レンジ拡大を図り、50kHzまでの高域をカバー、ハイレゾ音源にも余裕で対応。


■ こだわり[3](エンクロージャー)


エンクロージャーの表面には音色の良さと自然材の美しさを兼ね備えたスモークユーカリ(自然材)の突板を貼り、仕上げに美しいポリウレタン塗装が施されています。少し濃い木目の美しい高級感溢れる仕上げで、格調と品位を高めています。

キャビネット主材には針葉樹系で高密度な18mm厚パーチクルボードを採用、裏板の高密度MDFを組み合わされた高剛性の密閉型とし、不要な振動を抑えながら、振動減衰特性に優れた、ぬけが良く、響きの美しい、まさに高級楽器のようなエンクロージャーとなっています。


■ こだわり[4](吸音材)


驚異の吸音材として話題になったあの「ミスティックホワイト」を混入した特殊な吸音材を採用。密閉型スピーカーにはキャビネット内部の空気の抜け道が無いためウーファーの動き(低域制動:Qo)を助けるために吸音材がギッシリと詰め込まれています。

「ミスティックホワイト」は通常の吸音材を遥かに上回る吸音特性を誇る素材のため、今回は「純毛低密度フェルト」と組み合わす事により、ウーハーの優れた低域特性との相乗効果が生まれ、密閉型の優れた低域特性、トランジェントの良い、奥深い低音を実現しています。


■ こだわり[5](内部配線材)


内部配線には、高域用と低域用に異なる専用「PC-Triple C」導体ケーブルを使用。ツィーター用にはケーブルの振動を吸収する効果があるというマグネシウム芯線の外周に「PC-Triple C」導体を6本よりした構造。ウーファー用には極太の「PC-Triple C」導体に、ケーブル絹の介在を使用しています。

付属するジャンパーケーブルも「PC-Triple C」導体となっており、内部配線から接続ケーブルまで全て統一した線材が採用されています。


■ こだわり[6](ネットワーク回路)


2ウェイのデバイディングネットワークは歪を極小まで抑えるため、抵抗値の低い空芯コイル(直径1.2mm)、ケース入りのピッチ材で振動を抑えた低損失メタライズドフィルムコンデンサーなどのネットワーク素子を採用。

これらにより優れたスピーカーユニットの音を極限まで引き出し、音楽のピアニシモからフォルテシモまで、さらにハイレゾの音場感までピュアな再現を実現しています。


■ 試聴してみました

サウンドはクリプトンらしい情報量が豊かで充実したサウンドです! JAZZのドラム再生では、密閉型らしい引き締まって、深く沈みこんだ低域表現に優れ、明瞭なアタック感により、リアリティーに溢れたサウンドを聴かせてくれる。

難しい低域の再生も見事、絶対的な量感ではなく、優れた階調表現力で演奏の本質を再現してくれます。また、感心するのは密閉型ながら小音量時にも全体のバランスが崩れる事が無かった事もご報告しておきます。

女性ボーカルの艶やかな表情も見事に歌い上げてくれる。ナチュラルで癖のないサウンドは楽曲を選ぶ事も無いでしょう。非常に美しく仕上げられた外観同様にサウンドも美しく優れたもので、所有感を満たしてくれるスピーカーになっていると思います。

コストパフォーマンスも最高で、アンプなどの周りの機器のグレイドアップなどしながら長く付き合えるのではないでしょうか!!

この15年間で17モデルものスピーカーをを商品化してきた《 メイド・イン・ジャパン 》の匠・渡邉氏の会心作は、さすがに改良に改良を重ねたモデルだけあって完成度の高い見事なサウンドを達成しています。

本体サイズは幅224×奥行き319×高さ380mm、重量は9㎏。
インピーダンスは6Ω。出力音圧レベルは88dB/W・m、再生周波数帯域は40Hz~50kHz。
(ichinose)


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