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2020年9月19日 (土)

カートリッジの針交換をお考えなら、新たなカートリッジはいかがでしょうか?

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、自宅にいる機会が増え、久しぶりにアナログレコードを聴いてみようとお考えの方に、針交換程度の価格で買える『 カートリッジ 』をご提案します。



■ まずは、カートリッジの確認から。
いざレコードを聴こうと思っても、あまりにも長期間聴いていなかったため、お持ちのカートリッジの過去の使用時間や摩耗の程度が分からなくなってしまって、そのコンディション状態が心配で、「この際交換しよう」ということになってしまっているのではないでしょうか。

でもその前に、ちょっとお待ち下さい。
以下は、カートリッジのコンディション確認項目です。


(1)カートリッジの保存状態はどうでしたか。
レコードプレーヤーに付けたままだったでしょうか。カートリッジキーパーなどに収納されていたのでしょうか。それとも、引き出しなどに入れたままになっていたのでしょうか。針先カバーをして乾燥した場所に置いていたなら、恐らく問題はないと思います。

保存状態が良ければカートリッジは意外に長持ちするものです。一番の強敵は湿気です。オーディオ再生の中で最も微小な信号を扱っているカートリッジ。ちょっとした目に見えない錆(酸化被膜)でも音を歪ませてしまいます。内部は勿論、4ピン端子やリード線、ヘッドシェルとアームの接点など、いずれも錆は大敵です。

(2)使用時間はのべ何時間位ですか。
カートリッジの使用時間はダイヤモンド針でおよそ500時間と言われます。しかしこれはかなり控えめな数字で、私の経験では、使用状態によってはその数倍は十分使えると思います。中々漠然と何時間と言われても、毎日○時間で年間○○時間という計算は、ジャズ喫茶などの業務用として使った場合にしか当てはまらないのではないでしょうか。

実際私は、今は市場に存在しないオルトフォンの昇圧トランス内蔵MCカートリッジ「SPU-GTE (※)」をかれこれ20年以上使っています(勿論、他のカートリッジもいろいろ使っていますが)。正直針交換は一度もしたことがありませんし、現在ではしたくてもできません。でも、時々使う程度なら歪むことなく現役で十分使えています。


「SPU-GTE」

※私は「SPU-GTE」の音に惚れ込んで、ここぞという時には今でもこれを使っています。ある時、オルトフォンの担当者の方に、昇圧トランス内蔵のSPUを再発売して欲しいと懇願した所、残念ながらトランスを巻ける人が本国にはいないから無理ですと、ハッキリ断られてしまいました。大事に使わなければ・・・。MCトランス内蔵のため、最短距離で昇圧できる所が最大のメリットと考えます。

過去にはカートリッジの使用時間を計測するアクセサリーなどもありました。しかし、使用時間が分かったからと言って即針交換をするのは実にもったいないことですし、その時点では問題のないケースの方が圧倒的に多いと思います。なお私の経験では、針先より先にダンパーに使われているゴムの方が硬化してダメになるのではないかと思っています。

(3)針先のクリーニングはされていますか。
針先は意外と汚れているものです。ルーペや顕微鏡で針先チップを見てみると、本来透明であるはずの針先が黒ずんでいたり、針先が見えない程ゴミがこびり付いていたりしている場合が多いのです。

黒ずみは、レコード盤自体が針によってトレースされる(擦られる)ことで摩耗して、レコード素材の塩化ビニールがタール状になってこびり付いているのです。レコードスプレー等の液体レコードクリーナーを多用されて来た場合は、特に酷いと思います。そして綿埃などがこびり付いた場合は白っぽく見えます。

さらに、過去にスタイラスクリーナー液をタップリ使われた方は、最悪の場合、カンチレバーからボディ内部に毛細管現象で染み込んでしまい、ダンパーなどをダメにしてしまっていることも考えられます。その場合は、残念ですが再起不能です。

針先クリーナーは市販の安価なものでも結構ですが、液体タイプなら刷毛についたクリーナー液を指で絞ってからお使い下さい。無ければ無水アルコールでも結構ですが、綿棒に付けて力を入れず軽く撫でるように拭きます。これで恐らく綺麗に透明に見えるはずです。


※究極の針先再生術は、何と言っても針先クリーナーのレイカ「ドクター・スタイラス」をお使いになることでしょう。高価ではありますが、実際に真っ黒になった針先をクリーニングしてみると、何と針先チップが見えない位に綺麗になってしまいます。これこそダイヤモンドの屈折率の高さ故の現象なのです。


上記(1)(2)(3)からも分かる様に、カートリッジは条件さえ良ければ、案外長持ちするものなのです。

■ そこで、ご提案です。
今お使いのMCカートリッジがお気に入りで「これしかない」とお考えの方で、保存状態や使用時間が心配な方は、針交換(本体交換)をお勧めします。なお、MMカートリッジは保存状態が良くなければボディ内部が劣化している可能性もありますので、交換針のご購入は、クリーニング等をされた上で、ご自身でのご判断をお願いします。

しかし前述のように、お持ちのカートリッジがまだまだ使えそうだと判断された方には、新たなカートリッジのご購入をお勧めします。勿論それは針交換の価格と同程度の出費という想定です。その理由は、カートリッジ交換の楽しさ・その魅力を多くの方に知っていただきたいと思うからです。今お持ちのカートリッジでは出ないサウンドが、新しいカートリッジから得られるかも知れません。

ぜひ、カートリッジによるサウンドの違いを楽しむという、オーディオという趣味にとって最も手軽で、魅力的で、心ときめく変化が楽しめる体験をもっと多くの方にしていただきたいのです。音の出口(電気→振動※)であるスピーカーと同程度の音の変化が楽しめる音の入口(振動→電気※)がカートリッジです。
※エネルギー(物理量)を変換する「トランスジューサー」は音質を大きく左右します。

以下、サウンドの違いをお楽しみいただくためのお勧めカートリッジを、サウンドとともに6機種ご紹介します。

★針交換価格程度で買えるカートリッジの中から

【おすすめMMカートリッジBEST3】

①オーディオテクニカ「VM530EN
シリーズ共通のアルミボディに無垢楕円針。粒立ちの良い若々しいサウンドが魅力。

②オルトフォン「2M BLUE
シリーズ下から2番目。中域の充実した明るく滑らかなサウンドはボーカルが抜群。

③グラド「Prestige Gold3
シリーズの最上位モデル。エネルギッシュで晴れやか。音楽の楽しさが味わえる。


【おすすめMCカートリッジBEST3】

①オーディオテクニカ「AT-OC9XEN
シリーズの下から2番目。解像度が高く繊細な表現も。自然でリアルなサウンドが魅力。

②デノン「DL-103
言わずと知れた超ロングセラーの日本の標準機。オーソドックスで音楽を選ばない。

③オルトフォン「MC Q10
シリーズの中核。コイルに銀線を採用し、パワフルかつ高解像度という贅沢さを実現。



(あさやん)

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