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2021年5月12日 (水)

【世界限定444ペア!】ダリのスピーカーRUBICON6の特別モデルが登場です!


みな様、こんにちは!
凄くご無沙汰となっております、とうふです。

さて、今回ご案内はダリのスピーカーRUBICON6の特別モデルです。

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ダリ
フロア型スピーカー(サテンブラック)【1本】
RUBICON6SE



フラッグシップモデル「EPICON」の技術を贅沢に採用し、ミドルクラスながらリッチで深みのある表現が魅力のスピーカーRUBICON。
※RUBICONシリーズへの"あさやん"の試聴感想はこちら

そのラインナップの中からトールボーイタイプのRUBICON6をベースに特別モデルならではのチューニングを施したのが今回ご案内の【RUBICON6SE】です。
モデルナンバーである"SE"はスペシャルエディションの意味と思われますが、本機に冠された名は"ブラックエディション"。
その名のとおり、
・落ち着いたサテンブラックの仕上げ ※通常のRUBICONのブラックカラーは艶のあるブラック
・特徴的なウッドファイバー・コーンのウーファーもブラック仕上げ
と全身がブラック仕様となっています。
外見はさらに「ゴールドのDALIロゴ」、「ゴールドのシリアルプレート」とポイントで黒に映える仕上げが施されているのもうれしいですね!

また、内面的には
・内部配線はDALI特別の銀線
・ネットワークコンデンサにドイツのムンドルフ社製コンデンサを採用
外見だけでなく内面的なチューニングを施しています
緻密さや艶感、音のレスポンスなどの違いが楽しめそうですね。

この特別な【RUBICON6SE】は世界限定444ペアで、そのうち50ペアが日本に輸入されます。
完全限定生産品ですので、ご検討の場合はお急ぎくださいませ!
それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

2021年1月12日 (火)

デノン創業110周年記念モデル「専用ヘッドシェル付きMC型カートリッジ:DL-A110」をご紹介

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

今回は、デノン創業110周年記念の専用ヘッドシェル付きMC型カートリッジ「DL-A110」を取り上げます。

この「DL-A110」は、DENONのMC型カートリッジ「DL-103」の性能を100%引き出すことを目指して開発された専用設計のヘッドシェルを組み合わせた特別仕様として発売されています。


「○○○○」を聴かずしてカートリッジを語るべからず。

と言われるカートリッジは、DENON「DL-103」、ortofon「SPU」、SHURE「TYPE3」あたりで、カートリッジ界のBIG3と言ったところでしょうか。また、全て持っていた(持っている)方も多いのではないでしょうか。

ご存知のように、SHUREはヘッドホン屋さんに、ortofonの「SPU」は原器にこだわった設計ですが、何度もマイナーチェンジされています。

そんな中でも「DL-103」は1963年の発売以来、何と56年間一切モデルチェンジをしていないオリジナルモデルなんです。


■ DENONとは

デノンの源流は日本電気音響株式会社で、その後、日本電気音響(電音機に由来=デンオン)になりました。

デンオンは放送機器を製造、歴史的にNHKとは関係が深く、1963年にNHKがFMステレオ放送を開始するにあたり、そのレコード再生のためにNHKからオーダーされて「DL-103」が生まれました。その時点では会社は日本コロムビア(株)に。

海外では元々デノンと発音されていたそうですが、日本でデノンになったのは2001年株式会社デノン設立の頃でしょうか。

ちなみにレコードのクラシックレーベル部門では現在もDENON=デンオンとして販売されています。


■ DL-103とは

まず放送局用のレコードプレーヤーのMCカートリッジとしてNHKからのオーダーで1963年に開発されました。



忠実な再生を行うための音響的性能と安定度・信頼性など、放送機器として要求される厳しい仕様を満たすカートリッジとして、NHKの協力を得て開発したもの。

以降、国内のほとんどの放送局でDL-103が使用され、放送局用のスタンダードとなっています。

当時としてはかなりハードルの高い仕様で開発が進められた結果、現在まで生き残るに至る性能を獲得しているんですね・・素晴らしいです・・。

ortofonの「SPU」に対抗する国産カートリッジとして開発されたと言う噂も聞いたことがありますが・・定かではありません。

金属製ケースは共振で鳴くことがあるため、音質研究を繰り返した結果、色付きのない音にするためにABS樹脂が採用されたそうです。

当初はプロ市場のみの取扱いでしたが、闇流通などで高値取引などが発生して問題となった事もあり、また、自宅の再生システムでも使用したいというオーディオファンの声に応えてコンシューマー市場での発売が開始されたのが1970年の事。

そして現在に至るまで56年にわたって同じ仕様で製造されています。



DENONのカートリッジは2001年から始動している福島県にあるDENONの自社工場「白河オーディオワークス」において厳格な品質管理の下で一つ一つ手作業で作られています。

製造された「DL-103」は業務レベルの全数特性チェックをしてから出荷しており、不良品は全くと言えるほど発生しません。

数名の女性熟練工のみで生産されているため、度々長期欠品なども発生しますが、品質重視の姿勢が守られています。



「DL-103」の派生モデルは1974年「DL-103S」、1977年「DL-103D」、1985年「DL-103LC」、1986年「DL-103LC2」、1994年「DL-103R」と5種類発売されました。

限定モデルも、1982年「DL-103GOLD」、1989年「DL-103SL」、1990年「DL-103GL」、1991年「DL-103C1」、1993年「DL-103FL」、2010年「DL-A100」と、これまで6種類の限定モデルが発売されましたが、この間にもオリジナルの「DL-103」が途絶えることは一度もありませんでした。



■ 110周年記念モデル「DL-A110」とは



「DL-103」と、その開発当時に作られたDL-103専用ヘッドシェルを完全復元したのが「DL-A110」です。

1960年代の設計ながら、現在のCADを使っても難しいほどの完成度を誇るDL-103。

DL-103のカートリッジ本体はそのままに、持てる性能を100%引き出すことを目指して開発された専用設計のヘッドシェルを組み合わせた特別仕様となっています。

DL-103の専用ヘッドシェルは業務用としてしか流通しておらず、今回初めて民生用として復刻発売されています。オリジナルシェルはベージュ色。

カートリッジ本体のDL-103は変更はありません。

DL-103の性能を100%引き出すことを目指して開発された専用設計のヘッドシェルを組み合わせた特別仕様として発売されています。

実際に放送局ではどんな音で鳴っていたのかについて焦点を当てたのが「DL-A110」の開発の狙いです。


■ 110周年記念モデル特別仕様

◆110周年記念ロゴプレート付き収納革ケース&針先清掃用ブラシ付属



◆110周年記念モデル専用シェル、ブラック&グラファイト・シルバー



◆5年間の無償保証サービス (※針の磨耗や、お取り扱い中の不注意による針の破損等は保証の対象にはなりません。)


■ 110周年記念ヘッドシェルとは

素材は特殊な素材ではなく普通のプラスティックで基本的にDL-103のボディーと同じ素材です。



この形状、この素材が最もDL-103がDL-103らしく音を再生出来るとの事で、あえての形状、素材となっているそうです。

DL-103に最適な寸法および形状であるため、カートリッジを理想的な位置に確実に固定することができます。

付属のユニバーサル・アダプターを接続すれば標準的なアームに取り付け可能です。







樹脂製のヘッドシェルはわずか6gと軽量ながら、不要な振動を抑え、深みのある低音と繊細で透明感の高いサウンドを両立します。
シェル本体重量:6.0g(リード線含)、ユニバーサルアダプター重量:4.0g、総重量:18.5g





■ 試聴しました

自前のDL-103に市販のシェルを取り付けた音質と、「DL-A110」の音質を較べてみました。これでこのシェルの音質が、DL-A110の開発意図が感じられるのでは。



日ごろから「DL-103」は使っている、最もスタンダードな聴きなれたサウンドです。

放送用製品と言うとモニター的なウンドと思われるかもしれませんが、「DL-103」は決して無気的なサウンドではありません。

音の表現の豊かさ、エネルギー感、コントラストやエモーションの表現力も一級品です。

一度は使ってみる価値があります、この「DL-103」を基準として好みのカートリッジバリエーションを増やすのが確実で正解となります。

「DL-103」をベースに傾向の異なるカートリッジを揃える事によってお使いのシステムの音が大きく広がって、ますます楽しく音楽を聴くことが出来ます。


■ 「DL-A110」は「DL-103」と較べてどうでしょうか?



基本的には聴き馴染んだ良い音ですが、少し異なるのは、より色付けを感じさせないサウンドで、良い意味で何か部分的な誇張を感じさせないサウンドです。

軽量のシェルらしかぬ、スケールの大きさを感じさせるのは、この金属より固有の共振モードが少ない樹脂製の絶妙なバランスの効果かもしれません。

最新型のMCカートリッジとの共存は問題なく、聴く音楽によってまだまだ活躍できる実力を持っています(もちろんメインカートリッジとして使えます。)

樹脂製と言われてチープな感じと思われる方もいるかと思いますが、カートリッジに合わせて専用設計されており、しっかりと固定できる優れた構造で全く心配は要りません。

「DL-103」はどんなシェルをつけるかでやはり色付けを感じさせるので、純正として設計されている「DL-A110」はお勧めできますね。

もちろん、簡単に取り外せますので、針交換は通常の「DL-103」として申込できます。

※取り付けているネジは専用のものでネジ径が異なるためネジを交換することは出来ません。
※シェル内のスペースはミニマムなので太いリード線への交換は出来ませんのでご注意下さい。

(ichinose)

2021年1月 2日 (土)

YAMAHAの本格的なアナログプレーヤー「GT-5000」をご紹介!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。
前回に引き続き、YAMAHAの製品をピックアップ。今回は、本格的なアナログプレーヤー「GT-5000」をご紹介します。


YAMAHA「GT-2000」と言えば知る人ぞ知るプレーヤーで、今でもお使いの方は結構いると思います。買い換えたいと思っても現在のアナログ製品はハイエンドか普及品かの両極端でなかなか難しいですよね。

今回ご紹介する「GT-5000」はこだわりのハイエンドモデルで、もちろん価格は決して安くはないですが、かなり高いコストパフォーマンスを誇る製品なんです。


■ YAMAHA「GT-プレーヤー」の歴史

オリジナルの「GT-2000」樺化粧・黒色塗装 138,000円、「GT-2000L」ウォルナット板目化粧 158,000円、共に1982年の発売(38年前)。発売当初は374mm・5.8kgの大きなターンテーブルが話題となり、大人気を博しました。その後、グレイドアップオプションなども異例と言えるほど数多く発売されました。

  • 「アウターパワーサプライ YOP-1」グレイドアップ電源(¥32,000)
  • 「ディスクシート YDS-1」LP吸着ターンテーブルシート(¥60,000)
  • 「ディスクスタビライザー YDS-3」680g重量級スタビライザー(¥8,500)
  • 「トーンアーム YSA-1」ストレート型トーンアーム(¥40,000)
  • 「トーンアーム YSA-2限定生産品」ピュアストレートアーム(¥60,000)
  • 「ガンメタルターンテーブル YGT-1」砲金製ターンテーブル18kg(¥120,000)
  • 「アンカーブロック YAB-1」鋳鉄製ベース32kg(¥90,000)
  • 「ピンポイントブロック YPB-1」(4個1組、¥30,000)

  • フルオプションで武装した「GT-2000」は総額約50万円、総重量70kgに及ぶモンスタープレーヤーとなりました。


    GT-2000

    上位モデルとして1985年(35年前)に「GT-2000」の弱点だったシャフトとアームが強化された「GT-2000X」が発売されました。仕上げも美しく化粧されて、音質も外見もかなりグレイドアップして、価格は320,000円でした。

    1980年代はアナログ全盛の時代で「MICRO」や「Technics」などの銘機が数多く発売されたのが懐かしいです。かつての規模には遠く及ばないですが、アナログレコードの市場は少しずつ拡大しており、この数年アナログに復活の狼煙が上がっているんです。「MICRO」は「TechDAS」として、「Technics」ブランドのアナログも復活しています!


    ■ 話をYAMAHAに戻します

    「GT-5000」は結論から言うと素晴らしいプレーヤーで、良くぞここまでと嬉しくなる内容が盛り込まれていて、「GT-2000」「GT-2000X」を完全に凌駕したクオリティーを実現しています。良くぞこの時代にここまで出来たと関心してしまいます!!


    ■ キャビネットは寸法・重さ・素材とも「GT-2000」と事実上同じ

    これは、数々の検証の結果、もっとも理想に近い結果が得られたためだそうで、ディメンション、重量配分、素材特性が音質的に動かしがたい一点でバランスしており、かつて「GT-2000」を開発した先人が到達した「答えのひとつ」が継承されています。

    さらに、楽器やスピーカーなど、ヤマハが培った木材に対するノウハウを最大限生かしており、全て自社工場で削り、加工から仕上げまで行っています。




    ■ インシュレーターは「Wind Bell」社との共同開発《 三次元バネ構造 》を搭載

    大好評のWind Bell(特許機器)「スプリングコイル+特殊制振材+3次元特殊支持構造」によるフローティング方式のインシュレーターを採用しています。

    ハウリングマージンの確保はもとより、音質的に濁りの無い透明感、表現力あふれるサウンドを実現しています。

    仕上げは特注のヘアライン仕上げで、オリジナル「Wind Bell」の2倍の手間がかかる高級な仕上げを採用しています。




    ■ アームはシンプル&ストレートを極めた《 ピュアストレート・トーンアーム 》を採用

    少し前にフィデリクスより発売された話題の「0フォース」単品発売アームと同じ構造。0オフセットでカートリッジから一直線に配置され、インサイドフォースキャンセラーのないシンプルな構造のメリットを生かしています。

    素材は外側がテーパードカーボン、内側が銅メッキアルミパイプ、内部配線は新世代の銅導体「PC-Triple C」を採用。非常にストレートで剛性の高いサウンドを獲得しています。ヘッドシェルは通常の汎用製品が使用可能です。


    裏面の出力端子はRCAとXLRを装備していますが、実はアーム直出しが可能で、市販の5DINストレート型端子のケーブルでも接続できます。

    14gのヘッドシェルを含んだ状態で13.5~36gになるカートリッジの装着に対応! SPUも使用が可能です。




    ■ 「GT-2000」と最も違うのは、駆動方式が遂にベルトドライブに変更されている点

    ダイレクトドライブの弱点はシャフトの剛性とDD方式のモーターのコッキングによる音の揺れとサーボ電源による音の濁りでした。

    「GT-2000」はターンテーブルを指で下に押すとグラグラと揺れましたが「GT-5000」は微動だにしません。

    モーターは24極シンクロナスモーターで、内蔵のクオーツで生成された正確な正弦波で制御されており、高い精度と安定性を確保しています。

    ストロボセットが付属されていますが、ほとんど調整の必要が無いほど安定しています。

    ※注意:市販のストロボを使うと同期しませんので止まりませんよ~。

    プラッターは「GT-2000」の5.8kgに対し、直径143mm・質量 2.0kgの真鍮削り出しインナーターンテーブル、プラス直径350mm・質量5.2kgのアルミ削り出しメインターンテーブル 合計7.2kgのターンテーブルで固有共振点の異なる異種金属を重ね合わせることで、響きの美しさを犠牲にすることなく“鳴き”を抑え込んでいます。

    0.92t/cm²の巨大イナーシャと、超高精度、高剛性のシャフトとの組み合わせで、安定した回転を実現しています。




    ■ 抜群のコストパフォーマンス

    標準仕上げの樺化粧・黒色塗装「GT-5000B」の価格は600,000円(税別)。もちろん、簡単に手が出せる価格ではありませんが、現在アームの単品売り製品の価格が20万円が当たり前のご時勢で、これだけの物量と、様々な拘りと完成度を誇る製品であることを考えると、あえて抜群のコストパフォーマンスと言わせていただきたいと思います。

    発売1年前に価格も含めて製品発表してからも数々の改良が重ねられており、採算度外視の姿勢が貫かれて発売に至っているとの事です。

    ある意味、デジタルをも超越した《 超アナログ 》の最上級の世界を「GT-5000」は実現できます。グランドピアノと同じ工程で美しく仕上げられたピアノフィニッシュの「GT-5000-BP」が800,000円(税別)。


    ■ 今回はフェーズメーションのMCカートリッジ「PP-2000」を接続して試聴

    YAMAHAの5000シリーズ「GT-5000」「C-5000」「M-5000」「NS-3000」完全バランス伝送の組み合わせ。

    まずは女性ボーカルから試聴、美しく艶やかな女性ボーカルの音像が、広い音場の中にリアルに音楽性豊かに表現されて感動を覚えます。

    クラシックでは実に広いホール感の表現、ホールの隅々まで見通せるS/Nの良さ、透明感と情報量の多さには、これまた感動モノです。

    ジャズでは、演奏楽器を真近で聴いているように、立ち上がりがリアルでストレートな再現、そして伸び伸びとした自然な表現が素晴らしい。

    オンマイク、オフマイクの録音の違いや音場の広さや臨場感など、録音された意図を実によく表現してくれる、この格別の安定感は素晴らしく楽しい!

    カートリッジへの対応能力も高く、最近の超高級カートリッジもその性能を発揮してくれます(今回試聴に使ったのは「PP-2000」44万円)。汎用のヘッドシェルが使えるので、是非何種類かのカートリッジを所有する事で、再現できる音楽の幅が大きく広がり楽しめますのでお勧めです。


    ※近々「私のお勧めカートリッジたち」でご紹介する予定です。


    ■ オプションのダストカバーも只者ではありません。

    高品質アクリルの張り合わせでオール5mm厚の重量級で、もちろん途中で「バタン!」と落ちることもなく、お好きな場所でキープしてくれる特注のヒンジが装備されています。なんと、カバーをつけたままでも音質が悪くなることがほとんどないと言うスグレモノとなっています。


    (ichinose)


    2020年12月31日 (木)

    DENON 110周年記念モデル『 PMA-A110 』『 DCD-A110 』『 DL-A110 』誕生!

    【 後編 】Ultra AL32 Pricessing 搭載 SACDプレーヤー『 DCD-A110 』と、シェル付きMCカートリッジ『 DL-A110 』

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

    今回は、前回に引き続き、日本最古のオーディオメーカー「デノン」から発売された、110周年記念モデルのSACDプレーヤー『 DCD-A110 』と、専用ヘッドシェル付きMCカートリッジ『 DL-A110 』のご紹介です。


    創業は1910年「日本蓄音機商会」、1963年「日本コロムビア」、同年 NHKと共同開発したMCカートリッジ「DL-103」が誕生。オーディオファンの要望に応えてコンシューマ市場に登場したのが1970年です。その「DL-103」の性能を100%引き出すべく開発された専用ヘッドシェルと組み合わせた特別仕様モデルが『 DL-A110 』です。

    そして1982年10月1日、SONY、HITACHIそしてDENONが、世界に先駆けてCDプレーヤーを同時発売したのです。その後は、プロの世界でのデジタル録音の先駆者として、現在に至るまで進化を遂げ続ける《 ALFAプロセッサー 》に代表されるデジタルの新技術を開発。そのデジタルプレーヤーの最新型として登場したSACDプレーヤーが『 DCD-A110 』です。


    ■ SACDプレーヤー『 DCD-A110 』

    それでは、まずは110周年記念モデルに相応しい完成度の高さを誇るSACDプレーヤー『 DCD-A110 』から見てまいりましょう。

    パネルカラーはアンプと同じく110周年記念モデル専用カラーの精悍なガンメタリック(グラファイト・シルバー)です。アルミ製トップパネルやフットは「SX1 LIMITED」の流れを汲んでおり、本機に高級感を与えています。そしてフロントパネル右下に110周年のロゴが施された特別仕様です。


    オリジナル・ドライブ・メカ「Advanced S.V.H Mechanism」


    ディスクドライブ・メカは「DCD-SX11」などの上位モデルを受け継いでおり、メカカバーには剛性を強化するため銅板を、ディスクトレイはアルミダイキャストを、メカニズムブラケットには 2mm厚のスチールを採用するなど、異種の素材を組み合わせることで、高質量と共振点の分散化を図り高い耐震性を得ています。

    さらにメカ全体を低重心化することで、ディスクの回転に伴う内部振動を抑えると共に、外部振動も効果的に抑制しています。その結果、サーボ系の動作が最小限に抑えられ、サーボ電流が最小限となったことで、デジタル信号を正確に読み取ることができるのです。信号経路も最短化し回路を小型化して、余分な電流やノイズの発生を抑えています。

    本機のメカは自社開発しているため、コスト的にはかなり有利なようです。他社では超高級機に供給しているメカを同社では使えることから、かなりハイグレードのメカであることは確かです。


    最新にして最高のアナログ波形再現技術「Ultra AL32 Processing」


    伝統のALFAプロセッサーの最新版「Ultra AL32 Processing」を搭載しています。上位機の「DCD-SX11」や「DCD-SX1 LIMITED」に搭載されている前世代のプロセッサー「Advanced AL32 Processing」の2倍に当たる、44.1kHz/16bitのデータを1.536MHzへのアップサンプリングと32bitへのビット拡張処理を行っています。(※「Advanced AL32 Processing」では、705.6kHz/32bit)

    デノン独自のビット拡張とデータ補間アルゴリズムによって前後のデータを比較することで、本来あるべき点を導き出し、デジタル録音時に失われたデータを高精度で復元することで、本来のなめらかなアナログ波形を再現できるのです。このあたりの技術こそ、プロの世界でのPCMデジタル録音の先駆者DENONの面目躍如と言った所です。


    DACを4基(8ch)使用したQuad-DAC構成

    デノンは、従来から一貫してマルチビット方式にこだわっていますが、本機では新たに差動電流出力型DAC 4基によるQuad-DAC構成を採用しています。

    上位機に搭載されている2chDAC「PCM1795」を左右チャンネルに2基(4ch)ずつ使用し、「Ultra AL32 Processing」でアップサンプリングされた1.536 MHzの信号を768 kHzに分割し、2基の差動電流出力型DACに入力することで、片chあたり4ch分のDACを用いて4倍の電流出力を得ることができ、6dBもS/N比を改善できたのです。


    DACマスタークロックデザイン

    本機ではD/Aコンバーターに供給するクロックの精度を最優先するために、D/Aコンバーターの近傍にクロック発振器を配置してD/A変換の精度を高めています。2つの超低ジッタークロック発振器(44.1kHz系/48kHz系)を搭載することで、ソースのサンプリング周波数に応じて切り替えてジッターを徹底的に抑制しています。


    その他の特長と主な機能


    (1)「DCD-SX1 LIMITED」の開発過程においてデノン専用にチューニングされたカスタムコンデンサーや、信頼性が高く電流のイズの極めて少ないメルフ抵抗(円筒形チップ固定抵抗器)を多数使用しています。

    (2)デジタルとアナログ回路はそれぞれ独立した2トランス構成とし、相互干渉とノイズの回り込みを回避しています。「DCD-2500NE」の約5倍の出力を誇る高出力EIコアトランスを搭載しています。

    (3)ディスクの回転や電源トランスによる内部振動やスピーカーからの音圧による影響を防止するため、振動源のトランスをフットの近くに配置することで不要振動を外部に逃がし、ドライブメカを中央配置し低重心化することで内部振動を吸収しています。さらに1.2mm厚のメインシャーシに1.6mm厚の綱板を2枚重ねて補強することで、外部振動をシャットアウトする高剛性シャーシとし、すべての基板をそれに固定しています。

    (4)「DCD-SX1 LIMITED」の流れを汲むT4アルミニウム製トップカバーとフットには剛性の高いアルミ(A6061)を採用しています。

    (5)DVD-R/-RWやDVD+R/+RWなどのデータディスク再生(最大DSD:5.6MHz、PCM:192kHz/24bit)に対応。同軸:1/光:1のデジタル出力(PCM:44.1~192kHz)を装備。


    ■ 日本橋1ばん館(現・日本橋店)で聴きました


    『 DCD-A110 』のサウンドは、前回同様『 PMA-A110 』と組み合わせて「ピュアダイレクトモード」で試聴しました。

    サウンドは上位機「DCD-SX1 LIMITED」に近いと感じました。音が重なり合った際の解像度や立ち上がりの素晴らしさは明らかに「DCD-2500NE」を上回っています。

    非常に透明感の高いクリーンなサウンドが印象的です。S/Nが非常に高く左右への拡がりや奥行き感が格別です。特に間接音が豊かで音楽のソノリティが十分伝わってきます。

    弦は張りがあり実に艶っぽく、ボーカルは伸びやかで表情豊かに朗々と歌います。空間に楽器や人間が立体的にクッキリと浮かび上がるライブ感は格別です。

    『 DCD-A110 』は、そのデザインから受ける印象がそのまま音に出た、上級機「SX1 LIMITED」に迫る音質を獲得したのです。110周年を飾るに相応しいSACDプレーヤーの完成です。

    ■ 専用ヘッドシェル付きMCカートリッジ『 DL-A110

    最後に、専用ヘッドシェル付きMCカートリッジ『 DL-A110 』も少しご紹介しておきます。

    1963年に誕生した「DL-103」は、現在でも福島県のデノンの工場で厳格な品質管理の下、手作業で製造されています。その「DL-103」の能力を100%引き出すことを目標に開発された専用設計のヘッドシェルを組み合わせた特別仕様モデルです。

    記念ロゴプレート付きの収納ケースと針先ブラシが付属している魅力の逸品です。
    (あさやん)

    2020年11月 1日 (日)

    ティアックが、MCカートリッジのバランス伝送可能な本格的アナログプレーヤー『 TN-5BB 』を投入!

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

    ティアックから、今話題のMCカートリッジの理想の再生方式であるバランス出力可能な本格的アナログプレーヤー『 TN-5BB 』が発売されました。

    今回は、MCカートリッジのバランス再生のメリットを探りながら、こだわり抜いた『 TN-5BB 』をレポートいたします。




    ■ ティアックとは・・・

    ティアックは、1953年 東京テレビ音響株式会社として創立、紆余曲折を経て、1964年 ティアック株式会社となった歴史ある会社です。 1960年代後半、「TN-80C」「TN-202」など独自のマグネフロート方式ベルトドライブ・ターンテーブルを、1973年にはマグネフロート方式のダイレクトドライブ・ターンテーブル「TN-400」を発売し、一世を風靡したのでした。

    また1960年代、当時アカイと並んで世界市場を席巻したオープンリール式テープデッキに続き、70年代には据置型コンパクトカセットデッキが大ヒット、1990年前後からはCDプレーヤーが主力となり、アナログプレーヤーは同社のラインナップからは消えていました。

    そのティアックがアナログプレーヤーに再参入したのが、2014年発売の「TN-350」からで、2016年「TN-570」、2017年「TN-550(限定生産:国内100台)」、「TN-100」「TN-400BT」、2019年「TN-4D」「TN-3B」、2020年「TN-280BT」とバリエーションは増えましたが、「TN-550(生産完了)」「TN-570(同)」を除くと、フォノイコライザー内蔵・USB出力付きやBluetooth機能付きと、決して本格的とは言えない、アナログブームにのったビギナー向けのプレーヤーという色合いが濃い製品ばかりでした。

    そんなティアックから本格的アナログプレーヤー『 TN-5BB 』の登場です。

    ティアックの『 TN-5BB 』への並々ならぬこだわりを感じさせる大きな特長は以下の5つです。
    • 1.異種素材を組み合わせたハイブリッドシャーシで不要な共振を遮断
    • 2.20mm厚のアクリル製プラッターとPRS3ベルトドライブ機構
    • 3.安定した読み取りを実現する SAEC × TEAC コラボナイフエッジトーンアーム
    • 4.MM型カートリッジ Ortofon 2M REDを標準搭載
    • 5.MCバランス伝送に最適なXLRバランス出力端子搭載


    それでは順に詳しく見てまいりましょう。


    【1】異種素材を組み合わせたハイブリッドシャーシで不要な共振を遮断


    本機のベースプレート(シャーシ)は、内部損失が大きく重量級の36mm厚のMDFと、高剛性の12mm人造大理石を積層構造としており、キャビネットのみの重量が約8.8kgにも達しています。本機の前身とも言える「TN-570」以上の制振性とハウリングマージンを実現しています。

    そして、トーンアームとプラッターは人工大理石のトッププレートに、振動源となるモーターはMDFのベースプレートに別々にマウントされています。それぞれの素材をダンパーによって遮断することで、モーター振動のトーンアームへの伝搬を低減し、S/Nを確保しています。

    さらに、人工大理石とMDFの間には、同社の和紙ターンテーブルシートで得たノウハウにより、最適な響きのバランスを持つ厚みと素材の和紙をワッシャーとして採用しています。ゴムでも金属でもない、和紙を使用することで、レコードならではの自然な響きを引き出すことができたとしています。


    【2】20mm厚のアクリル製プラッターと《 PRS3 》ベルトドライブ機構


    プラッターには、本機を特長付ける20mm厚、1.7kgもの高い平面性と内部損失を持ち、固有音の少ないアクリルを採用。「TN-570」より3mm厚く、300g増しており、高い慣性モーメントを得て、安定した回転に寄与しています。

    またアクリルは、レコード盤素材の塩化ビニルと同じくマイナスの電荷を帯びやすい素材ですが、比較的近い物質のため、直接こすれ合っても帯電し難い利点があるそうです。ターンテーブルシートを使用せずに直接レコードを載せて再生することで、クリアな響きが期待できます。

    さらにプラッター下部の光センサーによってプラッターの回転数を検知し、モーターにプラッターの回転に応じたサーボを掛ける《 PRS3(回転数自動調整) 》機構により、慣性とモーターだけでは難しい高い回転精度を実現したのです。これによりベルトドライブとしては優秀なワウ・フラッター:0.1%以下、回転数偏差:±0.05%を実現できたのです。

    回転数は、33、45に加え、78回転にも対応しており、SPレコードや高音質78回転レコードの再生も可能です。


    【3】安定した読み取りを実現する SAEC × TEAC コラボナイフエッジトーンアーム


    トーンアームには「TN-4D」「TN-3B」に引き続き、SAEC(サエク)とのコラボによるナイフエッジトーンアームを採用。垂直方向にはステンレス製ナイフエッジを採用して高感度かつ安定した読み取りを実現。水平方向には従来の1点ではなく、日本製の高精度ボールベアリングを使用。2点で支持する構造に変更して、ナイフエッジの動きを妨げることがなくなりました。アームの内部配線にはPC-Triple C 導体を使用。また6mmの範囲で高さ調整も可能です。

    SAECはトーンアーム設計に40年の歴史を持ち、かつては「WE-308」や「WE-407/23」などの名アームを輩出。ジンバルサポート、ワンポイントサポート、オイルダンプ式ではない独自の無抵抗の軸受方式であるダブルナイフエッジ方式で、当時その反応の速さや軽快なサウンドで大ヒットしました。

    この本格的なトーンアームにもかかわらず電動式のアームリフターを採用しており、ワンボタンでアームの上げ下げが可能です。また演奏終了後は、光センサー方式のオートリフトアップ機能が搭載されており、非常に使い勝手の良いプレーヤーで、ながら聴きには安心の機能です。


    【4】MM型カートリッジ Ortofon 2M REDを標準搭載


    カートリッジは、定評のある老舗オルトフォンのMM型カートリッジ「2M RED」を標準装備。付属品としては贅沢なカートリッジです。ヘッドシェルは調整して装着されており、組み立ててすぐお聴きいただけます。ユニバーサルタイプのトーンアームですので、お好みのヘッドシェルやMCカートリッジへの取り替えも可能です。


    【5】MCバランス伝送に最適なXLRバランス出力端子搭載


    最後に、本機の最大の売りである XLR端子によるアナログ出力が搭載されており、MCカートリッジを最大限生かせるバランス伝送が可能で、XLRバランス入力に対応するフォノイコライザーや昇圧トランスとの接続が可能です。

    バランス伝送が有利な理由を簡単に申しますと、MCカートリッジはコイルにより発電されるのですが、コイルの両端はプッシュプルの信号が発生するバランス信号なのです。その微弱なバランス信号は、本来バランス伝送すべきなのですが、通常のフォノ入力はRCA端子のアンバランス受けとなっており、アンバランス信号にすることで、出力やS/Nの面で損することになるのです。

    MCカートリッジのフルバランス伝送によりカートリッジ本来のサウンドが得られ、ワイドレンジかつ濃密な音に加え、繊細さやS/Nの良さが楽しめます。


    ■ まとめ

    このように『 TN-5BB 』は、価格的にはミドルクラスながら、こだわり抜いた本格的な仕様に加え、MCカートリッジによるレコード再生時のフルバランス伝送を可能にした画期的プレーヤーです。フルバランスでのレコード再生は、“デジタル VS. アナログ論争”を超越した最高峰のクォリティでのオーディオ再生と言っても過言ではないと思います。

    ただ、今のところ、バランス入力端子を備えた機器は限定的で、今後の採用に大いに期待したいところです。

    ※現時点(2020年9月)でバランス入力を備えた主なフォノイコライザーや昇圧トランス、プリアンプは以下の通りです。
    TEAC「PE-505」、Accuphase「C-47」「C-3900」、Phasemation「EA-350」「EA-550」「EA-1000」「T-500」「T-1000」「T-2000」、SOULNOTE「E-1」「E-2」、ESOTERIC「E-02」などです。

    (あさやん)

    2020年9月19日 (土)

    カートリッジの針交換をお考えなら、新たなカートリッジはいかがでしょうか?

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
    今回は、自宅にいる機会が増え、久しぶりにアナログレコードを聴いてみようとお考えの方に、針交換程度の価格で買える『 カートリッジ 』をご提案します。



    ■ まずは、カートリッジの確認から。
    いざレコードを聴こうと思っても、あまりにも長期間聴いていなかったため、お持ちのカートリッジの過去の使用時間や摩耗の程度が分からなくなってしまって、そのコンディション状態が心配で、「この際交換しよう」ということになってしまっているのではないでしょうか。

    でもその前に、ちょっとお待ち下さい。
    以下は、カートリッジのコンディション確認項目です。


    (1)カートリッジの保存状態はどうでしたか。
    レコードプレーヤーに付けたままだったでしょうか。カートリッジキーパーなどに収納されていたのでしょうか。それとも、引き出しなどに入れたままになっていたのでしょうか。針先カバーをして乾燥した場所に置いていたなら、恐らく問題はないと思います。

    保存状態が良ければカートリッジは意外に長持ちするものです。一番の強敵は湿気です。オーディオ再生の中で最も微小な信号を扱っているカートリッジ。ちょっとした目に見えない錆(酸化被膜)でも音を歪ませてしまいます。内部は勿論、4ピン端子やリード線、ヘッドシェルとアームの接点など、いずれも錆は大敵です。

    (2)使用時間はのべ何時間位ですか。
    カートリッジの使用時間はダイヤモンド針でおよそ500時間と言われます。しかしこれはかなり控えめな数字で、私の経験では、使用状態によってはその数倍は十分使えると思います。中々漠然と何時間と言われても、毎日○時間で年間○○時間という計算は、ジャズ喫茶などの業務用として使った場合にしか当てはまらないのではないでしょうか。

    実際私は、今は市場に存在しないオルトフォンの昇圧トランス内蔵MCカートリッジ「SPU-GTE (※)」をかれこれ20年以上使っています(勿論、他のカートリッジもいろいろ使っていますが)。正直針交換は一度もしたことがありませんし、現在ではしたくてもできません。でも、時々使う程度なら歪むことなく現役で十分使えています。


    「SPU-GTE」

    ※私は「SPU-GTE」の音に惚れ込んで、ここぞという時には今でもこれを使っています。ある時、オルトフォンの担当者の方に、昇圧トランス内蔵のSPUを再発売して欲しいと懇願した所、残念ながらトランスを巻ける人が本国にはいないから無理ですと、ハッキリ断られてしまいました。大事に使わなければ・・・。MCトランス内蔵のため、最短距離で昇圧できる所が最大のメリットと考えます。

    過去にはカートリッジの使用時間を計測するアクセサリーなどもありました。しかし、使用時間が分かったからと言って即針交換をするのは実にもったいないことですし、その時点では問題のないケースの方が圧倒的に多いと思います。なお私の経験では、針先より先にダンパーに使われているゴムの方が硬化してダメになるのではないかと思っています。

    (3)針先のクリーニングはされていますか。
    針先は意外と汚れているものです。ルーペや顕微鏡で針先チップを見てみると、本来透明であるはずの針先が黒ずんでいたり、針先が見えない程ゴミがこびり付いていたりしている場合が多いのです。

    黒ずみは、レコード盤自体が針によってトレースされる(擦られる)ことで摩耗して、レコード素材の塩化ビニールがタール状になってこびり付いているのです。レコードスプレー等の液体レコードクリーナーを多用されて来た場合は、特に酷いと思います。そして綿埃などがこびり付いた場合は白っぽく見えます。

    さらに、過去にスタイラスクリーナー液をタップリ使われた方は、最悪の場合、カンチレバーからボディ内部に毛細管現象で染み込んでしまい、ダンパーなどをダメにしてしまっていることも考えられます。その場合は、残念ですが再起不能です。

    針先クリーナーは市販の安価なものでも結構ですが、液体タイプなら刷毛についたクリーナー液を指で絞ってからお使い下さい。無ければ無水アルコールでも結構ですが、綿棒に付けて力を入れず軽く撫でるように拭きます。これで恐らく綺麗に透明に見えるはずです。


    ※究極の針先再生術は、何と言っても針先クリーナーのレイカ「ドクター・スタイラス」をお使いになることでしょう。高価ではありますが、実際に真っ黒になった針先をクリーニングしてみると、何と針先チップが見えない位に綺麗になってしまいます。これこそダイヤモンドの屈折率の高さ故の現象なのです。


    上記(1)(2)(3)からも分かる様に、カートリッジは条件さえ良ければ、案外長持ちするものなのです。

    ■ そこで、ご提案です。
    今お使いのMCカートリッジがお気に入りで「これしかない」とお考えの方で、保存状態や使用時間が心配な方は、針交換(本体交換)をお勧めします。なお、MMカートリッジは保存状態が良くなければボディ内部が劣化している可能性もありますので、交換針のご購入は、クリーニング等をされた上で、ご自身でのご判断をお願いします。

    しかし前述のように、お持ちのカートリッジがまだまだ使えそうだと判断された方には、新たなカートリッジのご購入をお勧めします。勿論それは針交換の価格と同程度の出費という想定です。その理由は、カートリッジ交換の楽しさ・その魅力を多くの方に知っていただきたいと思うからです。今お持ちのカートリッジでは出ないサウンドが、新しいカートリッジから得られるかも知れません。

    ぜひ、カートリッジによるサウンドの違いを楽しむという、オーディオという趣味にとって最も手軽で、魅力的で、心ときめく変化が楽しめる体験をもっと多くの方にしていただきたいのです。音の出口(電気→振動※)であるスピーカーと同程度の音の変化が楽しめる音の入口(振動→電気※)がカートリッジです。
    ※エネルギー(物理量)を変換する「トランスジューサー」は音質を大きく左右します。

    以下、サウンドの違いをお楽しみいただくためのお勧めカートリッジを、サウンドとともに6機種ご紹介します。

    ★針交換価格程度で買えるカートリッジの中から

    【おすすめMMカートリッジBEST3】

    ①オーディオテクニカ「VM530EN
    シリーズ共通のアルミボディに無垢楕円針。粒立ちの良い若々しいサウンドが魅力。

    ②オルトフォン「2M BLUE
    シリーズ下から2番目。中域の充実した明るく滑らかなサウンドはボーカルが抜群。

    ③グラド「Prestige Gold3
    シリーズの最上位モデル。エネルギッシュで晴れやか。音楽の楽しさが味わえる。


    【おすすめMCカートリッジBEST3】

    ①オーディオテクニカ「AT-OC9XEN
    シリーズの下から2番目。解像度が高く繊細な表現も。自然でリアルなサウンドが魅力。

    ②デノン「DL-103
    言わずと知れた超ロングセラーの日本の標準機。オーソドックスで音楽を選ばない。

    ③オルトフォン「MC Q10
    シリーズの中核。コイルに銀線を採用し、パワフルかつ高解像度という贅沢さを実現。



    (あさやん)

    2020年4月28日 (火)

    さらに進化を遂げた、フルバランス構成のフォノイコライザー アキュフェーズ『 C-47 』

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
    今回ご紹介します、アキュフェーズのフォノイコライザー『 C-47 』は、同社としては、2007年発売の「C-27」、2014年の「C-37」に続く、第3世代機です。


    「C-27」は、アキュフェーズが創業以来プリアンプのメイン機能として内蔵していたフォノイコライザーや増設オプションのフォノイコライザーを別筐体とすることで、当時はまだ少なかったハイエンドのフォノイコとして発売されたのでした。今思えば、この「C-27」こそ、本格的なアナログブームの火付け役となったのでした。

    ■ 音質を重視した「フォノイコライザー」が各社から続々発売
    数年前の異常な程のアナログブームは沈静化し、本当のアナログディスクの素晴らしさを理解したオーディオファイルやレコード愛好家だけが残って、正常な姿に戻ったと感じる今日この頃です。

    その本物のアナログファンに向けて、音質を重視したフォノイコライザーが各社から続々と発売され、このコーナーでも何度か取り上げています。それらはいずれも底堅い需要があり、数千円から100万円を超えるハイエンドまで、ダイナミックレンジが広く、まさしく百花繚乱です。

    ちなみに、当サイトのフォノイコライザーの掲載数は実に58機種にも上ります。本来プリメインアンプやプリアンプに付いているはずのフォノイコを、あえて別にすることのメリットは、恐らく実際にお使いになられた方しか分からないのかも知れません。中級以上のフォノイコなら確実なグレードアップは間違いのない所です。

    その理由は、アナログプレーヤーの出力信号が微弱なため、フォノイコの増幅率が非常に高く設定されているため、極めて低い雑音性能が要求される上、低域から高域までの正確なイコライジング特性(RIAA等)が要求されます。そのため、プリメインアンプなどに同居させた場合、S/Nの確保が難しくなり、何らかのノイズ対策を講じなければなりません。また音量の大小により安定した電力供給も難しくなってしまいます。

    その対策には余計なコストが必要となり、どうしても、ある程度妥協せざるを得なくなってしまっています。しかし、フォノイコを別筐体にすることで、これらの呪縛から解放され、とことん性能向上にのみ、コストが掛けられるのです。アキュフェーズは基本的に、プリもプリメインもフォノイコは別売としているのはそのためでもあります。(※1990年代半ばまではフォノイコを内蔵していました。)

    ■ 6年ぶりの新製品となる『 C-47 』
    『 C-47 』は、同社の近年のアンプ技術を融合し、入力から出力までフルバランス伝送を実現したフォノイコライザーです。プリアンプ「C-3850」や同社の現行パワーアンプ、そしてプリメイン「E-800」と組み合わせることで、アナログレコード再生でのフルバランスのシステムを構築できます。

    また『 C-47 』は、MC、MMカートリッジそれぞれに最適なヘッドアンプを用意しており、その出力は共通のイコライザーアンプに入力されます。

    MCヘッドアンプは、MCカートリッジの低い内部インピーダンスと低い出力電圧に対応するため、9素子の低雑音バイポーラ・トランジスターを採用。

    一方のMMヘッドアンプは、MMカートリッジのハイインピーダンスに適した3素子の低雑音JFET(接合型電界効果トランジスター)を、どちらも素子を並列駆動する差動入力回路とカレント・フィードバック増幅回路を搭載することで、低い残留ノイズを実現しています。

    それぞれのヘッドアンプから入力される共通のイコライザーアンプは、各ヘッドアンプからのバランス出力をバランス信号のまま増幅します。正確なRIAA特性を得るためのアンプは、高精度のイコライザー素子を搭載しており、RIAA偏差は±0.3dB(10Hz~20kHz)を実現しています。

    そしてこれが本機の最も注目すべきポイントなのですが、通常フォノイコライザーアンプは、低雑音性能と正確なイコライジングを1つのアンプで行っています。しかし本機はヘッドアンプに低雑音性能を、イコライザーアンプには正確なイコライジング特性をそれぞれ分担させる「2段構成のゲイン配分」としたのです。

    これはヘッドアンプに大きなゲインを割り当て、増幅率を可能な限り高くすることで、イコライザーアンプの雑音が、ほぼ無視できるレベルとなり、入力換算雑音はヘッドアンプの雑音性能次第になるのだと言います。

    結果、イコライザーアンプはあえて雑音性能を追求せず、RIAAの反転型の理想的なイコライジング特性が実現できたとしています。

    また、低出力カートリッジ対応のゲイン切り替え機能(GAINボタンを押すことで、MM/MCの各ゲインを6dBアップ可能)もイコライザーアンプ側に割り当てることで、入力換算雑音がゲインに依存しなくなったのです。

    具体的には、MCカートリッジ接続時のゲイン配分(ヘッドアンプ+イコライザーアンプ)は、前作「C-37」の(30dB+30/40dB)に対し『 C-47 』では(50dB+14/20dB)、MMでは(0dB+30/40dB)が(20dB+14/20dB)とヘッドアンプの増幅率が20dBも上がっています。


    さらに、MM/MC両ヘッドアンプとイコライザーアンプは、信号経路が最短となるよう、同じ基板上に配置されており、左右ch別々の基板としています。基板には誘電率が低い(高伝播速度)、漏れ電流が少ない(低損失)などの高周波特性に優れ、耐熱性にも優れたガラス布フッ素樹脂基板を採用しています。

    その基板上には、科学的に安定していて、経年変化が殆ど無いゴールドプレート処理を施しており、長期にわたる安定性を確保しています。特に入出力端子は約10倍の厚みを持たせた産業機器用の処理が施されています。

    電源回路にもこだわっており、直流変換のための平滑コンデンサーと、15,000μFのアルミ電界コンデンサーを各chに4個ずつ搭載し、リップル電圧等の影響を限界まで排除したとしています。

    さらに雑音電圧が低く負荷変動にも強い安定化電源を新開発し、電源回路からのノイズ混入も防止しています。トロイダルトランスも2台搭載し、ch間の相互干渉を防いだフル・モノ・コンストラクションとしています。


    機能としては、MCの負荷インピーダンスは10/30/100/200/300/1kΩ、MMは1k/47k/100kΩと選択可能、サブソニックフィルターは10Hzで-12dB/oct.、前述のようにヘッドアンプのゲインを6dBアップ可能です。

    入力はMC専用のフォノバランスXLR端子1系統と、通常のアンバランスRCA端子が3系統、出力はXLRとRCAがそれぞれ1系統装備されています。

    仕上げは、厚手のアルミ材にアルマイト染色とヘアライン仕上げを施したトッププレート(天板)、自然木の本木目仕上げのサイドパネル、そしてアキュフェーズ伝統のシャンパンゴールドのフロントパネルと高級感抜群です。大いに所有感を満たしてくれそうです。

    ■ 試聴しました
    『 C-47 』のサウンドについては、時間が取れず、短時間の試聴のため、第一印象のみとさせていただきます。

    やはり前作「C-37」とは静寂感が違いました。S/Nが良くなっているため、見通しが良くなり、空間が拡がり、臨場感が確実に向上していました。

    特に低域の重心が下がり、高域は倍音の成分が増え、超ワイドレンジかつ高解像度で、非常にナチュラルなサウンドでした。

    全帯域にわたってダイナミックで、詰まった所を一切感じさせない、のびのびとしたサウンドは、デジタル・アナログを含めた、他のいかなるソースより魅力的なサウンドでした。

    本当のアナログの凄さをお望みのオーディオファイルやレコード愛好家に、『 C-47 』をぜひお使いいただきたいと思います。まさに究極とも言えるアナログサウンドを実現できます。

    (あさやん)

    2020年3月31日 (火)

    Pro-Ject「The Classic」を大幅にグレードアップした『 The Classic EVO 』誕生!

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
    本日は、Pro-Jectの創業25周年記念モデル「The Classic」を大幅にグレードアップした、アナログレコードプレーヤー『 The Classic EVO 』を取り上げます。



    ジョーシン日本橋1ばん館で『 The Classic EVO 』の構造及び、改良点をD&Mの担当者に詳しくお聞きし、試聴も行いましたので、早速レポートしてまいります。

    ■ Pro-Ject(プロジェクト)の歩み
    オーストリア・Pro-Ject(プロジェクト)の輸入代理店が、それまでのナスペックからD&M(ディーアンドエム)ホールディングスに替わったのが、約3年前の2017年6月でした。

    その第一弾が、ビートルズの『 サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 』50周年記念盤とコラボレーションした特別仕様のプレーヤーで、「Essential-3」をベースモデルにした特別仕様の「ESSENTIAL-3SGT」でした。しかし残念ながらヒットには至りませんでした。

    続いて同月中頃、本命と言われた同社創業25周年を記念したモデル「The Classic」が発表され、一気に注目を集めました。名前の通り、1960~70年代に多く見られた、伝統的なフレームデザインを採用しており、10万円台前半という衝撃的な価格ということや当時のアナログブームにも乗って大ヒットし、同社のスタンダード・モデルとなりました。

    この度、その「The Classic」が、大きく進化(Evolution)して『 The Classic EVO 』として登場しました。定評のあるオリジナルのサブシャーシー構造と往年のクラシカルな外観はそのままに、プレーヤーの要であるトーンアームやサブプラッター等に大きな改良が施されています。

    さらには、前作では別売であったカートリッジをプリマウント(取付済みと)するなど、オーディオファイルのみならず、音楽ファンにも使いやすいプレーヤーとなって登場したのです。


    ■ プラッター(通称:ターンテーブル)
    過去のアナログ・プレーヤーの最大の欠点はプラッターにありました。主にアルミの押し出し成形によって作られたプラッターは、重量さえあれば安定した回転やワウフラッターを数字上抑えることは可能でした。しかし一方で共振が発生(叩くと金属音がする)し、振動にはとても脆弱でした。

    今回の『 EVO 』としての進化で最も大きいのは、そのプラッターの内側にあるサブプラッターです。これにモーターからベルトを介してトルクを伝えることで、上に乗る形のプラッター本体を回転させるのです。このため、ベルトは外からは見えない構造となっています。トーレンスやリン/LP-12などの高級機に採用されている方式です。直接モーターの振動がプラッター本体に伝わらないのがメリットです。


    そのサブプラッターを『 EVO 』では、前作のABS樹脂(精度は高いが軽い)からアルミ削り出しで精密に成型された重量級のモノに大きく進化したのです。この超精密加工されたサブプラッターにより、ベアリングノイズとランブル(ゴロ音)を大幅に低減できたとしています。この変更が本機のサウンドクオリティの向上に最も大きく貢献したのです。

    また、プラッター本体は、前作同様、大きなダンピング効果のあるTPE(サーモ・プラスティック・エラストマー)をプラッター裏側の溝に埋め込む処理が施されています。特殊なアルミニウム合金を正確に機械加工して製造されたプラッターは、安定性を維持しながら、共振にも強くなっているのです。

    ※サーモ・プラスティック・エラストマー:熱可塑性エラストマー、ゴムのように柔らかいプラスチック

    ■ シャーシ(筐体)構造

    メインシャーシ-は前作同様、天然木の突板仕上げのMDFのウッドフレーム(ウォルナット色から濃いユーカリ色のマット仕上げに変更)で、上面には6個のTPEダンピングボールが埋め込まれ、駆動モーターはここにマウントされています。

    そして、メインシャーシーの上にダンピングボールを介して載せられるサブシャーシーは、前作から更に固く重量のある素材に変更されています。アームベースとセンタースピンドルの軸受けは、このサブシャーシーにマウントされており、メインシャーシとは完全に分離されています。

    この結果、外部からの振動やモーターからの余計な振動で生じるプラッターやアームの共振を防止しています。過去のプレーヤーで見られたバネによるフローティング構造のようなフラツキが無いにも関わらず、TPEを使うことで振動に強い構造となったのです。

    ■ トーンアーム「Classic EVO 9inch」
    前作「The Classic」に搭載されていたトーンアーム(当時は新設計だった)は大きく改良が加えられました。Pro-Jectには25年以上のトーンアーム製造のノウハウがあり、同社のハイエンドモデルで開発された技術が注入されています。

    トーンアームのチューブ(パイプ部分)は、前作同様カーボンとアルニミウムの2重構造で、カーボンはアームの剛性とハイスピードなサウンドに、アルミはカーボンの弱点であるダンピング(振動の減衰)特性の改善に貢献しています。


    そして、今回の最大の改善点は、メイン・ベアリングを大型のジンバルハウジングに収めた、上位機種に採用されているトーンアーム「9cc Evolution」と同じタイプにグレードアップされたことです。これにより垂直・水平方向の摩擦が極めて少ない動きが可能となり、レコードを正確かつスムーズにトレースできるのです。

    アームのカウンターウェイトにも前述のTPEが組み込まれており、トーンアームやカートリッジの共振を50%も低減できたとしています。

    また、様々なカートリッジを使用できるよう、アジマス(カートリッジの盤面に対する水平度)の調整や高さ調整(VTA=Vertical Tracking Angle:カンチレバーの盤面に対する角度調整)も可能です。

    ■ カートリッジ「Ortofon Quintet RED」

    前作「The Classic」では別売であったカートリッジが本機には付属しており、しかも工場出荷時に完全に取付けやオーバーハング調整などが完了しています。

    しかも、そのカートリッジが定評のあるオルトフォン製のMCカートリッジというのですから、調整等が苦手な方には間違いなく朗報です。

    この付属のカートリッジは、日本国内では流通していませんが、国内型番「MC-Q5」(税込33,000円)相当の人気カートリッジです。また、トーンアームが元々中質量のカートリッジに最適なこともあり、抜群のマッチングと言うことで選ばれたのです。もちろん、他のお気に入りのカートリッジとの交換も可能です。

    ただし、ヘッドジェルは外れませんので、多少技術は必要です。


    ■ 試聴しました
    試聴は、『 The Classic EVO 』→「DENON/PMA-SX1LTD」→「B&W/805D3」で行いました。「PMA-SX1LTD」のMCフォノ入力のインピーダンスは50Ω(Low)に設定しました。

    音出し直後、まず「PMA-SX1LTD」のレコード再生能力の高さに驚きました。アナログレコードは比較的録音の新しい「ジェニファー・ウォーンズ/ハンター」など数枚で行いました。ハンターは私のリファレンスCDでもあり、聴き慣れているのですが、やはり密度の濃さや伸びやかさ、ゆったり感はデジタルには到底表現できないレベルでした。

    こと情報量だけとれば、やはりCD/SACDなどのデジタルに一日の長は感じますが、この血の通ったホットなサウンドはアナログでしか味わえないものです。

    また、ローコストのアナログプレーヤーでは絶対に不可能な上質で品位のあるサウンドは、オルトフォンMCとのコラボが大きく貢献していると感じました。

    ■ Pro-Ject『 The Classic EVO 』は以下のような方々にお勧めします
    1)アナログブームに乗って10万円以下のプレーヤーを購入はしてみたものの、デジタルとの音の違いこそ分かるが、納得レベルには達しなかった方。

    2)過去に使っていたアナログプレーヤー、特にダイレクトドライブのプレーヤーを引っ張り出して来て、レコードを聴いてはみたが、満足できるレベルには達しなかった方。

    3)デジタルを極めようとすると大きなコストが掛かることが分かったオーディオファイル。

    4)過去のレコードコレクションをじっくり楽しみたい音楽ファン。

    本物のアナログの素晴らしさを今こそ手に入れたい方に『 The Classic EVO 』を自信を持ってお勧めします。

    なお、前作に比べ定価が大幅にUP(税込み13万円台→21万円台)していますが、これはMCカートリッジが標準装備されたことに加え、サブプラッターやトーンアームなどが大幅にグレードUPされていることに起因しています。

    C/Pは前作を遙かに凌ぐ製品になっています。もちろん、それらはサウンドに大きく貢献していました。


    (あさやん)

    2020年2月25日 (火)

    ウエスギの新世代ハイパワー真空管アンプ『U・BROS-120R』

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
    本日は、上杉研究所が2014年末に発売した真空管式モノラル・パワーアンプ「U-BROS-120」の後継機種『 U-BROS-120R 』をご紹介。その完成度の程を順に見てまいりましょう。




    ■ 上杉がこだわる「サークロトロン」とは?
    2014年末に発売の真空管式モノラル・パワーアンプ「U-BROS-120」は、上杉研究所の目指す『 真空管パワーアンプの音質的メリットを失わず、スピーカー対応範囲を広げるために、スピーカー駆動能力の高いハイパワーとシングル出力段アンプの持つ優れた低レベル再生能力との両立 』したアンプとして開発されました。そのため、1950年代前半に開発された「サークロトロン(Circlotron)」回路を現代によみがえらせることで、この目標に挑戦したパワーアンプでした。

    今回、前作「U-BROS-120」で得た好評価を踏まえた上で、さらに主要部品や回路の見直しを行い、「サークロトロン」回路の完成度をより高めることで、型番末尾に「R」が付いた『 U-BROS-120R 』が開発されました。

    1950年代に登場したこの回路は、同時代に開発されたマッキントシュの「ユニティカップルド出力回路(Unity Coupled Circuit)」とならんで、真空管のプレートとカソード両方から出力を取り出す基本構成(CSPP回路)で、それは当時プッシュプル出力の理想的な回路と言われました。

    「サークロトロン」は、その構成・動作のシンプルさから「最も美しいプッシュプル回路」とも言われましたが、電源が複雑になることで、当時の技術ではなかなか実用化は難しかったようです。「サークロトロン」の名称はアンプ出力ステージの回路図に由来すると言います。


    その難題でもあった電源は、モノラルパワーアンプでは動作原理上、プラスサイクル用出力回路とマイナスサイクル用出力回路それぞれに、アースから浮いた状態の独立した2組のフローティング電源が必要であると言います。これが「サークロトロン」方式の普及を妨げる要因となったそうです。

    『 U-BROS-120R 』では、フローティング電源に侵入する同相ノイズを阻止する構造の電源トランスを新たに開発したことで、プラスとマイナスの独立した電源を形成し、これによって相互干渉が低減でき、ハイエンド真空管アンプに要求される音質面で、大きなメリットとなったとのことです。

    また、サークロトロンの出力トランスは、1次巻線に直流の高電圧が発生しないため、高音質化のためのワニスの含浸や樹脂の充填が可能となったことで、真空管アンプの音質面での新たな可能性を広げることができたのだとしています。

    出力トランスを新開発したことで、パワーバンドウイズス(出力帯域幅)が前作の30Hz(75W/8Ω)から20Hz(90W/8Ω)に拡張され、低域の再現能力が大幅に向上しています。一方で高域の位相特性も大幅に改善されたことで、真空管式パワーアンプとしての可能性を大きく引き出したとも言えます。

    また、ドライバー回路は、前作では高耐圧トランジスターを併用したハイブリッド回路でしたが、本機では真空管のみで構成する回路に変更されています。使用真空管は、初段と位相反転段にゼネラルエレクトリック社(米国)製 12AX7A(真空管全盛時代に生産された貴重な高品質真空管)、ドライバー段にはエレクトロハーモニクス製 6CG7 を使用し、出力管のKT120(固定バイアス動作)を駆動しています。

    電源が強化されたことで、動的レギュレーション(変動)特性が改善され、インラッシュ電流(突入電流)抑制回路を追加したことで、電源投入時の安定性の向上が図られています。更に、ハイパワーアンプに相応しいスピーカーや出力管に対する保護回路が装備され、信頼性を高めているとのことです。

    入力は3系統あり、端子は全てRCA(アンバランス)で、内 2系統がボリュームを経由する「ノーマル」、1系統がボリュームをパスする「ダイレクト」となっています。

    ■ 『 U-BROS-120R 』の内部設計をチェック
    筐体は1.6mm厚亜鉛メッキ鋼板による高剛性シャーシーとサブシャーシーによる構造とすることで、外部からの妨害を受けない無共振・無振動・無干渉構造がとられています。



    電気回路や基幹部品には信頼性の高い実績のある国内メーカー品を採用して、余裕度の高い動作設定とすることで長寿命、高信頼設計となっています。

    電源回路やバイアス調整、保護回路にはプリント基板が使用されていますが、重要な音声信号の伝達回路には、40余年のキャリアのある職人による芸術的ともいえる手配線が継承されており安心です。

    サウンドは、前作同様に真空管アンプとしてはハイパワー(前作:75W、本機:90W)だけあって、特に低音は、真空管アンプからイメージするそれではなく、最近の鳴らしにくい低能率のスピーカーも力強く難なくドライブしました。

    中高音に関しては、前作に比較して明らかに透明感が向上していると感じました。音場の見通しがさらに良くなり、しなやかで滑らかな、さすが真空管アンプといったサウンドです。

    しかしよく聴くと、真空管アンプではあり得ないS/Nの良さが感じられるのです。細かな部分まで再現しつつ、決してトランジスタアンプのようにさらけ出す感じではない、そこはやはり優しく温かいのです。

    『 U-BROS-120R 』は、真空管アンプ独自の血の通ったサウンドでありながら、駆動能力の高いアンプならではの全帯域にわたる安定感のあるサウンドと、シングル出力段アンプに匹敵する優れた低レベルの再生能力の両立を果たした、希有なパワーアンプと言えます。

    上杉研究所は、オーディ界の永遠の課題でもある”大は小を兼ねる(ハイパワーかつ小音量時の再現性)”に、本機によってさらに一歩近づけることができたのです。

    従来の真空管アンプの枠を大きく超えた、”新世代のハイパワー真空管アンプ”の登場です。

    (あさやん)

    ■ 『 U-BROS-120R 』の設計者から以下のコメントをいただきました
    本機が採用している「サークロトロン」出力回路は1950年代に開発され、現在に至るマッキントッシュのユニティカップルド出力回路とならび、プッシュプル出力回路の理想を求めたものです。特に、トランス外部でプッシュプルの波形合成がおこなわれる独自の動作原理は今日の真空管プッシュプルアンプの音質限界を打破する可能性があります。

    2014年に登場した先行機「U-BROS-120」に対して本機は「サークロトロン」回路に最適な構造の出力トランスを新規開発したこと、ならびに回路の全面見直しにより、低域のパワーバンドウィズの拡大、高域の位相特性も大幅に改善されました。

    本機の音質は高S/Nを基調とした密度の高いワイドレンジ再生が特徴で、その音はパワフルな真空管OTLアンプに近いと評されております。オーディオ界の永遠の課題である「ハイパワーとローレベルの両立」を高い次元で達成したと自負しております。

    上杉研究所創業者の故 上杉佳郎氏が確立した、信頼性重視のアンプ設計製造理念は微塵もぶれることなく継承しております。

    (設計者:藤原伸夫氏)

    2020年1月19日 (日)

    究極のハイレゾ&生演奏!オルゴール”Primotone”

    Mbx100hsr_3   Primotoneサクラモデル MBX-100HSRMbx100h528 Primotoneブラウンモデル MBX-100H528

    一見、高級ラジオのような外観ですが、そこから奏でられる音を聴くと、まぎれも無いオルゴールの豊かな音が広がります。それは確かにラジオやオーディオセットのようにスピーカーから聞こえる音とは少し違って聞こえます。CDではデジタル記録のために20kHz以上の高域がカットされていますが、プリモトーンでは櫛歯で弾かれる微妙な音が出ています。

    オルゴールの心臓部ともいえる櫛歯は、熟練の職人によって1本ずつ丁寧に調律され、電子制御による巧みなメカニズムによって、CDやスピーカーの音では味わえない、箱が共鳴する生のオルゴールの音色を、ゼンマイを巻かずに何時間でもお楽しみいただけます。

    本体のディスプレイと操作つまみにより、従来のオルゴールでは不可能だった選曲や音量・テンポを簡単調整
    でき、お好みに合わせジャンル再生やランダム再生などが選択できるほか、あらゆるシーンに対応すべくオフタイマー機能・アラーム機能・時報機能なども搭載しています。

    サクラモデルは、日本を象徴する「サクラ」と縁起の良い幸せの木と謂われている「槐(えんじゅ)」を使用した、伝統工法の木組みで仕立てた筐体。一方のブラウンモデルは、高級マホガニー(本体)とナラ(共鳴台)による高級感のある仕上げです。

    そしてPrimotoneの最大の売りは、高い”ド”の音を癒しの音色528Hzで奏でるように調律した特別な櫛歯を使用することで、心身を安静モードに導き、ストレス軽減にも役立つと言われています。心と体を整え、癒しの音色に包まれる、贅沢なひとときをお届けします。

    信頼の日本製。熟練の技と最先端のテクノロジーの融合が、オルゴールの新たな扉を開きました。

    オルゴール”Primotone”こそ究極のハイレゾであり、電気を使わない生演奏が自宅で体感できるのです。  

    (あさやん)

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    • 下記店舗では、ハイレゾからアナログまで、Accuphase・B&Wなどのハイエンド オーディオ製品やオーディオアクセサリーが充実。試聴室完備で比較試聴も できます。

      日本橋店 4F
      (大阪 日本橋)

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      (神戸 三宮)