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2021年1月10日 (日)

イーサネット対応「Ultra High Speed HDMIケーブル」登場!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。
今回は、ホームシアターの必需品「HDMIケーブル」をご紹介します。ハイエンドオーディオのお客様でも、映画や音楽ライブが好きでホームシアターを楽しまれている方も多いと思います。

最近ではプロジェクターを使ったシアターよりも、大画面液晶や有機ELをお使いの方のほうが多くなってきたのではないでしょうか。


50インチ以下では直ぐに大きさに慣れてしまうようですが、60インチ以上であれば何時までも大画面を感じて楽しめるそうですよ。液晶や有機ELであれば部屋を暗くする必要も無いのでいつでも直ぐに楽しめるのはありがたいです。

ブラウン管のように体積を取りませんし、防磁スピーカーである必要もありませんので手軽に始められますね。


■ HDMIケーブルの規格について

今回のテーマのHDMIケーブルですが、規格は8Kがらみで混乱している方も多いようなので、整理して分かり易く解説いたします。

HDMIケーブルは既に多くの方がお使いだと思いますが、見た目は同じでも伝送性能は何種類もあって、古い規格のケーブルでは上位(新しい)規格の機器には適応できずに映像も音も機器本来の性能が発揮することはできません。でも、実際にお使いのHDMIケーブルがどの規格(時期)の製品か分からないですよね。

型番が分からないと判断は出来ません(型番が記入されているケーブルもあります)ので、使ってみる以外方法はありませんが、何時頃ご購入されたかでおおよその目安は判断できます。

HDMIケーブルの年号です。High-Definition Multimedia Interface(高精細度マルチメディアインターフェース)の略号です。
  • 2002年12月【HDMI 1.0】 165MHz/4.95Gbps/3.96Gbps
  • 2004年5月【HDMI 1.1】 同上
  • 2005年8月【HDMI 1.2】 同上
  • 2005年12月【HDMI 1.2a】 同上
  • 2006年6月【HDMI 1.3】 340MHz/10.2Gbps/8.16Gbps
  • 2006年11月【HDMI 1.3a】 同上
  • 2009年5月【HDMI 1.4】 同上
  • 2010年3月【HDMI 1.4a】 同上
  • 2013年9月【HDMI 2.0】 600MHz/18Gbps/14.4Gbps
  • 2015年4月【HDMI 2.0a】 同上
  • 2016年3月【HDMI 2.0b】 同上
  • 2017年11月【HDMI 2.1】 1.2GHz/48Gbps/42.6Gbps
  • ※実際に製品として発売されるのは量産チップの開発などが必要なため規格発表の数年後となっています。

    HDMIケーブルが一般的に広く知れ渡ったのは、2006年にプレイステーション3で採用されてからです。
    テレビにHDMIが標準装備となったのは2007年以降なので、現在お使いのHDMIケーブルは古くても【HDMI1.2】と思われます。ご自分のテレビなどお使いの機器の購入時期を思い出せば大体はお分かりかと思います。

    2008年頃から高性能を売りとした高級HDMIケーブルも国内外のハイエンドブランドから多く発売されるようになりました、実際は発売当時【HDMI1.3】規格として発売されたケーブルでも【HDMI1.4】や【2.0】の機器にも使える製品もあります。

    ただし、新規格が発表されても対応試験が行われないため、適応表記はされておりません。メーカーや販売店に問い合わせしてもおそらく返答できないので、使ってみて判断するしかありませんのでご了承下さい。


    ※話はそれますが、4K/8K対応アンテナ機器について


    4Kデビューしたいと思っている方で、今使っている家のアンテナケーブルが使えるのか心配している方が多いと聞きます。4Kにも色々とありまして、「BS放送のNHK4K」や「無料配信の民放4K放送」であれば、よほど古かったり劣化しているケーブルでなければ、そのまま使える可能性があります。

    有料4Kテレビを観たい、CS放送を契約したい方、またはテレビを新しく購入したのでケーブル類も新しくしたい!と思われる方は、ぜひ交換してください。

    テレビにHDMI端子が装備されると、Panasonicのビエラリンクなど、各社から電源やリモコンの連動機能が発表されていましたが、当初は規格も曖昧な所があって「○○○リンク」と謳っている製品でも上手くリンクしないでイライラされた方も多かったのではないでしょうか。現在はHDMI-CEC規格により統一されたので、他ブランドの組み合わせでも、ほぼ連動してくれてストレス無く使うことが出来るようになっております。

    現在4Kテレビの出荷は620万台を超えています、全世帯の普及率はまだ約10%を超えたところですが、最近のお買い上げ状況を確認すると大画面テレビのほとんどは4Kテレビとなっており普及率も一気に上昇しているようです。

    4Kを楽しむには、HDMI2.0(プレミアムHDMI)以降(18Gbps)のHDMIケーブルが適応となっています。4KBS放送はもちろんですが、サブスク動画配信や、YouTube、ご自身で撮影したカメラやムービー画像の再生などでも活躍します。


    ※またまた話はそれますが、カメラ(スマホ含)の4Kテレビでの観覧について


    最近のカメラであれば、HDMI出力がHDMI-CECに対応しているモデルもありますので、テレビのリモコンで操作が出来てとても便利に観覧できます。現在のカメラの解像度は大変高く、普及モデルでも約1600万画素、高級モデルでは3000万画素超と、超高画質の撮影が出来ます。

    せっかく撮影した画像ですが、大画面で楽しんでいますか? 確かに2Kではイマイチでしたが、4Kであれば見違えるように超緻密詳細が堪能できます。カメラの有効画素数約1200万画素の場合、記録画像サイズは4000x3000(アスペクト比・4:3)あり、既に4Kの画像サイズ3840x2160(16:9)を超えており、プリントアウトとはまた違った大画面での楽しみがありますので、ぜひご家族で試してみてください。カメラのHDMI端子は(HDMIマイクロ/TYPE-D)

    ちなみに、iPhoneの場合、SE以降のカメラの解像度は1200万画素あります。(iPhone11以降は前面カメラも1200万)


    さて、HDMIケーブルでは、話題の8Kに対応した新規格の「HDMI-2.1」が国内外のケーブルブランドより、いよいよ販売され始めました。「2.0」から「2.1」なので、型番だけ見るとマイナーチェンジかと思われるかもしれませんが、この8K機器には今までのHDMIケーブルでは全く対応できません!伝送には「HDMI-2.0」のケーブルでも4本必要となります。

    2.0から2.1では情報量は4倍以上となっており、明らかに異なるスペックになっています(もっと番号を変えたほうが良かったように思いますが・・)

    HDMIの規格「HDMI-2.1」では「HDMI-2.0」から多くのスペックが大きく飛躍しております。
  • 解像度は4Kの4倍の画素数7680x4320ドットとなます。
  • データの送信速度の最大伝送レートは18Gbps→48Gbpsに。
  • 明るさの表現はHDR→ダイナミックHDRに対応。
  • カラースペース(色の表現できる範囲)約74.4%→99.9%に改善。
  • 色深度(グラデーション)16bitまで対応。
  • スレームレート(動きの早さ)8K/60fps(2倍速)、4K/120fps(4倍速)対応。



  • ご存知のように、8Kは既にNHKのBSで放送が始まっています、NHK紅白歌合戦の放送も決まっています。必ず観たいですよね。

    テレビ放送以外でも、5Gが普及すると動画配信で8Kが可能となりますし、次世代ゲーム機が8Kに対応してきますので、これから楽しみです。AVアンプにも既に8K対応(入出力端子)モデルが発売されておりますので注目です。(DENON「AVC-X6700H」「AVR-X4700H」)


    ■ 結論

    いよいよ本格普及が迫ってきた印象のあるHDMI 2.1ケーブル! 今後8Kのコンテンツが増えてきそうですので、これからHDMIケーブルをご購入される方は、8K対応の「HDMI-2.1」を購入される事をお勧めいたします。

    認定ケーブルとしては、国産ではエレコムが、海外ではオーディオクエスト、スープラ、インアクースティック、エイムなどから発売されています(2020年12月現在)
    (ichinose)

    2021年1月 3日 (日)

    エントレック「ENTREQ」仮想アースの世界をご紹介!

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。
    今回は、ENTREQ(エントレック)社の仮想アース、3アイテムがリニューアルされて新登場したのでご紹介します。


    2015年の発売以来高い人気を博していた「Minimus」と「Silver Minimus」に改良が加えられ「Minimus Inifinity」と「Silver Minimus Infinity」として新発売されました。

    更にフラッグシップとなるオリンパスシリーズの小型モデルとして注目される上位モデル「Olympus Ten」も新たに追加発売されています。


    ■ ENTREQ(エントレック)社とは?

    スウェーデン南端の緑豊かな都市アストープに設立されたオーディオアクセサリーメーカーです。同社代表のオロフ フライバーグ氏は、1980年代にミストスプレッダー型空気清浄機の開発で同社を設立。

    40年以上におよぶオーディオへの深い造詣によって2002年にオーディオ市場に進出。物理学に精通し、スウェーデンの自然に多くのインスピレーションを得た氏の見識は、自然法則に基づいたオーディオ再生を目指しています。

    特に、オーディオにおける振動と磁場の影響に着目し、長年の研究成果を製品開発に活かしています。製品の開発と製造は全て自社で行い、常により良い製品造りを目指して、日々の研究に勤しむ堅実な企業姿勢が、世界のオーディオファイルに広く受け入れられています。


    ■ 「Minimus Inifinity」と「Silver Minimus Infinity」



    従来モデルと較べて、ミネラルミックスの構成比を見直し、加工の際に3トンの圧縮加工を加えるなど、一部製造工程が改良されています。「Silver Minimus Infinity」は「Minimus Infinity」とくらべて銀を約30%多く含有しています(従来モデルと同様です)。

    ※「Minimus Infinity」は、中高域の分解能の改善はそのままに、低域のレスポンスの向上によって、音の躍動感が改善。高域の繊細感、滑らかさが改善され、音場はさらに静寂で、奥行きや上下左右が広く、見通しが良くなっています。
    ※「Silver Minimus Infinity」は、静かな音場から再現される音の立ち上がり、繊細な空間表現力が際立ち、さらに低域にまで効果が広がり力感を感じさせてくれる。
    銀素材の固有の響きも消えて、音の変化がより自然体となり、大変使いやすくなったこともご報告しておきます。


    ■ 「Olympus Ten (オリンパス テン)」


    フラッグシップのオリンパスシリーズを継承した小型モデルです。上位モデルとして発売された「Olympus Ten」は、オリンパスシリーズ専用に配合されている、金・銀・銅・亜鉛・マグネシウム等の金属に導電性鉱物を複合した”新ミネラルミックス”を配合。3トンの圧縮加工によりつくられた”ミネラルミックス”を、マグネシウムと銀製のメッシュワイヤーで完全にラッピング。

    グランドポスト端子も「Olympus Ten」専用の純銀製端子に変更されています。また、「Olympus Ten」は、プリアンプ/プリメインアンプの接続を主に想定して開発された点が新しい発想となっています。

    ※より効果的にチューニングされ、幅広い帯域の分解能を持たせつつミッドレンジを中心とした帯域レスポンスの向上に伴い、広く深い音場感と定位や音像の立体感がより明確となって音楽の本来持っている表現力を際立たせます。


    ■ 使い方は簡単

    使い方は3機種とも同様で、付属のアースケーブルを「ENTREQ」の接続ターミナルから、各機器のアース端子、接続機器の入出力の空き端子、機器の筐体のねじに接続するだけ。

    付属のY端子付のアースケーブル以外にも「RCA端子」「XLR-F端子」「XLR-M端子」「USB端子」が用意されています。



    ■ 試聴レポート

    接続したオーディオ機器のアース環境が整うと、アンプの回路動作が安定することにより、劇的にS/N比や音質が改善されます。音像定位は滲みやブレがなくなり「ビシッ!」と安定!! 立体感も改善され、極めて明確明瞭になります。

    音場は左右、奥行き、高さ共に広がり、ノイズが一掃されることにより、音場自体の見通しが改善されています。

    質感や音色も自然でリアルなものとなり、躍動感やエネルギー感、ダイナミックレンジも向上するなど、多くのポイントで大きな改善効果が期待できます。旧モデルに僅かに感じていた銀素材の響きも消えて、ニュアンス豊富でHi-Fi感の向上を感じさせてくれます。


    ■ 使いこなしのポイント

    どの機器に接続すると最も効果があるでしょうか。圧倒的に「プリアンプ」がお勧めです。


    プリアンプのアース端子に接続するのが一番簡単で一番効果があります、プリメインアンプの場合もアース端子があればそちらに接続してください。アース端子の無いプリアンプの場合はシャーシに。シャーシに接続できるネジなどが無い場合は、次にXLR端子>RCA端子となります。

    ただし、アナログのXLR(RCA)端子に接続する場合は片chだけに接続するとバランスが微妙に崩れる場合があるので、L/R両chへの接続する事も検討が必要です。基本的には1台の「ENTREQ」の端子に2本のケーブルを接続しますが、贅沢にch別に2台の「ENTREQ」を接続する方法もあります。


    「ENTREQ」の良いところは追加する事による副作用の心配が無いことで、段階的にグレイドアップすることが出来ます。複数台増設する事で、更なる音質が改善します。

    基本的に機器1台に「ENTREQ」が1台接続とります。プリに接続して、更に効果を上げたい場合は「ENTREQ」を追加でご購入していただいて他の機器に接続してください。

    複数個使用した場合、音質改善は間違いなく期待できますが、改善度合いは徐々に少なくなります。

    プリに接続場合と較べると、追加でパワーアンプに接続した場合の効果は聴感的には半分程度・・と投資効率は落ちます。もちろん、接地アースのようなアースループの発生は絶対に起こらないので安心して何台でも接続できるのは大きいです。

    既に本格的な接地アースを実現している環境下でも、仮想アースで音質改善が報告されていますのでお勧めいたします。

    ※シャーシのアースに接続する場合の注意点。
    天板などのネジを緩めて取り付ける場合の注意点があります。ネジを緩める事は特に危険ではありませんがメーカーの保証対象外となる場合がありますのでご自身の責任にて行ってください。
    筐体と接触していないネジでは効果がありませんので、ネジとRCA端子のグランドが導通しているかをテスターなどで確認して接続しましょう。


    ■ アースケーブルはもちろん、アース線の端子でも音が変わります


    まずは付属のアースケーブルでお使いいただいて全く問題はありませんが、更に違うブランドのケーブルに変更することで音質追及が出来ます。ご自身でアースケーブルを自作したり、端子を交換して音の変化を楽しむことも可能です。


    ■ ターミナルについて


    ターミナルのネジは本体と同じ木製を使用。もちろん音質的な検討の結果と思われるのでそのまま使っても問題はありません。ただし、純正の木製ネジ(ナット)は強く締める事が出来ないのが弱点で、6mmネジ用の蝶ナット等をお使いの方もいるようです(樹脂製、銅製など)。

    音質は特には問題ないようなのでお試ししてはいかがでしょうか。これらは改造となりますので、あくまで自己責任にてお願い致します。
    (ichinose)

    2020年11月15日 (日)

    AVALON『 Precision Monitor 1 』を聴いて《 アメリカ・ハイエンド 》の凄さを改めて実感!

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
    このコーナーで初めて、AVALON(アヴァロン)を取り上げます。同社のカタログでは「Tesseract」約4,500万円(時価/税別)、「Saga」1,870万円(税別)など、我々庶民には到底手の届かない超々ハイエンドスピーカーがズラリとラインナップされています。


    そんな中で、決して安くはありませんが、そのサウンドに惚れ込んでどうしても欲しいとなれば、頑張って手を伸ばせば届くアヴァロンがあります。それが今回取り上げます『 Precision Monitor 1 』225万円(ペア/税別)です。

    9月某日、日本橋1ばん館で試聴の機会がありましたので、詳しくレポートしてまいります。


    ■ アヴァロンについて

    アヴァロンの正式名は「Avalon Acoustics」で、1986年米国コロラド州ボルダーに設立されました。スピーカーデザインを手掛けるニール・パテル氏は、「開発は感動から始まる」という哲学を持っており、開発スタッフによって具体化された試作品は、氏のブティックで試聴、改良が繰り返された上で製品化されると言います。

    そのサウンドは、演奏情景を透明かつ明晰に描き、ピシッと定まった焦点、音の立ち上がりや消えゆく様子を克明に描き、時間的に音の混濁を起こさないよう、過渡特性を高め、楽器の自然な音色、音楽の表情やニュアンス、そして演奏家の熱意などを聴き手に伝えるスピーカーを作り続けているとのことです。

    アヴァロン『 Precision Monitor 1 (以下PM-1) 』には、「PM1-STD-NAT(バーズアイメイプルナチュラル)」と「PM1-STD-GRP(バーズアイメイプルグラファイト)」の2色が日本に輸入されています。本国ではオプションとしてより高価格のハイグロス仕上げも展開しているようです。

    『 PM-1 』は《 PMシリーズ 》の末弟ではありますが、その仕上げの素晴らしさは勿論、緻密で豊潤なサウンドは、国産は勿論海外のスピーカーの中でも傑出したものがあります。それでは詳しく見てまいりましょう。

    《 PMシリーズ 》の設計目標は、心に奥深く浸みわたる音楽を、いまここに蘇らせ、爽やかな風となるような、深く、軽やかで、しかも重厚な演奏を聴きたい。それには、ローレベルの精密なディテール表現、高い解像度、トランジェント精度の高さ、そして今までにないような広大なダイナミックコントラストという要素を備えるスピーカーだと言います。そのためのテクノロジーとして・・・。


    【 エンクロージャー 】


    アヴァロンの魅力は、何と言ってもその美しいエンクロージャーでしょう。オブジェのような気品のある丁寧な仕上げには感動さえ覚えます。仕上げは伝統的な家具製造技術をそのまま応用し、時間を掛けてハンドメイドで作られます。ペアとなるスピーカーは同じ原木から切り出された板で仕上げられ、横からも正面からも一体感のあるものとなっています。

    面が接する部分の下地材は小刀とヤスリによって丁寧に仕上げられ、その上に専門職人が選別した木材を貼り、そして仕上げ加工されます。木材を張るのに、2000kgプレス機で各面2時間の行程を経て完成するそうです。このように手の込んだ非常に多くの行程を経て素晴らしい外装が完成するのです。

    エンクロージャー内部も非常に凝ったもので、密閉された個室のようなトゥイーターチェンバーと複数の音響迷路を組み合わせたユニークな構造を取ることで共振を除去しています。これにはアヴァロンの30年を超えるスピーカー造りの経験が生かされているのです。バスレフポートは底面にあり、デザインを壊すこともありません。

    一方で、音楽の核心に迫るために、共振を利用して余分な音を排除するという同社のノウハウを生かし、2枚の板の間に物性の異なる粘弾性シート(新しいポリマー素材)を挟むサンドイッチ構造をメインバッフルに採用しています。これによって制振ができ、理想的なエンクロージャーが完成したのです。

    例えば、1枚では、叩けばカンカンと鳴ってしまう板を、2枚重ねると鳴きはぐんと小さくなります。なぜなら、2枚の板が合わさることでその隙間によって、振動エネルギーを熱エネルギーに変えることで制御されるのです。結果、エンクロージャーは非常にうまく微調整されたバイオリンやギターのように機能し、音の伝播においては共振を許さず、同時に時間軸位相が整った倍音が加わるのだと言います。


    【 ユニット 】


    ウーファーは同社において実績のあるノーメックス/ケブラー(異なるアラミド繊維)を用いた18cm複合コーンウーファーが2基搭載されています。設計目的に適合させるため特別に開発、調整されたドライバーを使用することで、純粋なピストンモーションを達成。高い周波数でのコーンのたわみ、共振、共鳴などを起こさないのです。

    非常に堅いノーメックス/ケブラー製の複合ウーファーダイアフラムは、アヴァロン独自の二重マグネット構造の磁気回路で駆動されます。そのため、エネルギーの貯蔵やロスは最小限に抑えられ、入力信号のすべてを音響的に放出します。音楽情報は一切圧縮されずに、ダイナミックコントラストが明瞭に再現できるのです。

    トゥイーターは高エネルギー、位相整合タイプの2.5cmのリングラジエーター型を搭載しています。トゥイーターのネオジムマグネットは振動板に活力を与え、たわみやゆがみが一切なく、完全に位相整合された音楽信号が20kHzを超えてまで放射されます。トゥイーター周りとウーファーとの間にはフェルトが装着され、音の反射を抑えています。


    【 クロスオーバーネットワーク 】

    独自の低ノイズと時間軸位相整合を達成したクロスオーバーネットワーク技術を採用しています。これにより全てのドライバーが、立ち上がり、ブレーキングという音楽再生にとって大切な要素である高度な過渡特性、きめ細かい音の粒立ち、陰影の表現などを可能とし、音楽に生命感(ダイナミックス)を与えるのです。

    クロスオーバーネットワークにはプリント基板を使用せず、完全にマッチングした高精度の部品を立体配線しています。ドライバー間の絶対位相リニアリティーと、極めて低いノイズフロアを実現したことで、サウンドイメージが安定し、ステージがリスナーの眼前に浮かび上がるのだと言います。

    インピーダンス負荷に対しては、アンプに影響を及ぼさない設計で、低出力の真空管アンプやソリッドステートアンプを使用しても、しっかりとした音楽再生を行います。演奏会場のローレベルのディテールはオリジナルの録音に忠実かつ高い精度でリスナーに伝えることができるのです。


    ■ 日本橋1ばん館での試聴記


    寸法はW250 x H940 x D330mmとアヴァロンとしては比較的小振りで、重量は34kgです。一般家庭のリスニングルームでの使用も十分可能な、程良い大きさです。端子はシングルワイヤーのみ。カラーはナチュラルとグラファイトのスタンダード仕上げです。今回はアヴァロンらしい明るいナチュラル色の『 PM-1 』を試聴しました。

    とにかく、透明でクリーンな極めてスムーズな説得力のあるサウンド、広々として深々とした三次元的な音場、アーティストや楽器が浮かび上がる立体的な音像は絶品です。スピーカーが視界から消える程、音離れも抜群です。

    高解像度で情報量も凄いのですが、単なるハイファイ指向ではなく、音楽の特質を的確に描き分け、録音現場の空気をリスニングルームにそのまま届けてくれ、モニター的な精確さと同時に音楽の楽しさも届けてくれると感じました。

    しかも押し一辺倒の積極的なだけのサウンドとは違い、控えめで奥ゆかしい面も併せ持っており、自然な質感、潤いに満ちた響きなど、実に多彩に音楽を表現する飛び切りの能力を持っているのです。

    艶っぽい弦、立ち上がりの素晴らしいギター、フルオーケストラのスケール、伸びやかなボーカル・・・、これ程楽しいサウンドはあまり経験したことはありません。

    アヴァロン『 PM-1 』は、エンクロージャー、ユニット、ネットワーク、仕上げといったスピーカーの4大要素を非常に理詰めで、しかも丁寧に作り上げているスピーカーです。

    しかも、その彫りの深い、説得力のあるサウンドはまさに《 アメリカ・ハイエンド 》の世界です。改めてアメリカのオーディオ技術の底力と凄さを実感しました。
    (あさやん)

    2020年9月19日 (土)

    カートリッジの針交換をお考えなら、新たなカートリッジはいかがでしょうか?

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
    今回は、自宅にいる機会が増え、久しぶりにアナログレコードを聴いてみようとお考えの方に、針交換程度の価格で買える『 カートリッジ 』をご提案します。



    ■ まずは、カートリッジの確認から。
    いざレコードを聴こうと思っても、あまりにも長期間聴いていなかったため、お持ちのカートリッジの過去の使用時間や摩耗の程度が分からなくなってしまって、そのコンディション状態が心配で、「この際交換しよう」ということになってしまっているのではないでしょうか。

    でもその前に、ちょっとお待ち下さい。
    以下は、カートリッジのコンディション確認項目です。


    (1)カートリッジの保存状態はどうでしたか。
    レコードプレーヤーに付けたままだったでしょうか。カートリッジキーパーなどに収納されていたのでしょうか。それとも、引き出しなどに入れたままになっていたのでしょうか。針先カバーをして乾燥した場所に置いていたなら、恐らく問題はないと思います。

    保存状態が良ければカートリッジは意外に長持ちするものです。一番の強敵は湿気です。オーディオ再生の中で最も微小な信号を扱っているカートリッジ。ちょっとした目に見えない錆(酸化被膜)でも音を歪ませてしまいます。内部は勿論、4ピン端子やリード線、ヘッドシェルとアームの接点など、いずれも錆は大敵です。

    (2)使用時間はのべ何時間位ですか。
    カートリッジの使用時間はダイヤモンド針でおよそ500時間と言われます。しかしこれはかなり控えめな数字で、私の経験では、使用状態によってはその数倍は十分使えると思います。中々漠然と何時間と言われても、毎日○時間で年間○○時間という計算は、ジャズ喫茶などの業務用として使った場合にしか当てはまらないのではないでしょうか。

    実際私は、今は市場に存在しないオルトフォンの昇圧トランス内蔵MCカートリッジ「SPU-GTE (※)」をかれこれ20年以上使っています(勿論、他のカートリッジもいろいろ使っていますが)。正直針交換は一度もしたことがありませんし、現在ではしたくてもできません。でも、時々使う程度なら歪むことなく現役で十分使えています。


    「SPU-GTE」

    ※私は「SPU-GTE」の音に惚れ込んで、ここぞという時には今でもこれを使っています。ある時、オルトフォンの担当者の方に、昇圧トランス内蔵のSPUを再発売して欲しいと懇願した所、残念ながらトランスを巻ける人が本国にはいないから無理ですと、ハッキリ断られてしまいました。大事に使わなければ・・・。MCトランス内蔵のため、最短距離で昇圧できる所が最大のメリットと考えます。

    過去にはカートリッジの使用時間を計測するアクセサリーなどもありました。しかし、使用時間が分かったからと言って即針交換をするのは実にもったいないことですし、その時点では問題のないケースの方が圧倒的に多いと思います。なお私の経験では、針先より先にダンパーに使われているゴムの方が硬化してダメになるのではないかと思っています。

    (3)針先のクリーニングはされていますか。
    針先は意外と汚れているものです。ルーペや顕微鏡で針先チップを見てみると、本来透明であるはずの針先が黒ずんでいたり、針先が見えない程ゴミがこびり付いていたりしている場合が多いのです。

    黒ずみは、レコード盤自体が針によってトレースされる(擦られる)ことで摩耗して、レコード素材の塩化ビニールがタール状になってこびり付いているのです。レコードスプレー等の液体レコードクリーナーを多用されて来た場合は、特に酷いと思います。そして綿埃などがこびり付いた場合は白っぽく見えます。

    さらに、過去にスタイラスクリーナー液をタップリ使われた方は、最悪の場合、カンチレバーからボディ内部に毛細管現象で染み込んでしまい、ダンパーなどをダメにしてしまっていることも考えられます。その場合は、残念ですが再起不能です。

    針先クリーナーは市販の安価なものでも結構ですが、液体タイプなら刷毛についたクリーナー液を指で絞ってからお使い下さい。無ければ無水アルコールでも結構ですが、綿棒に付けて力を入れず軽く撫でるように拭きます。これで恐らく綺麗に透明に見えるはずです。


    ※究極の針先再生術は、何と言っても針先クリーナーのレイカ「ドクター・スタイラス」をお使いになることでしょう。高価ではありますが、実際に真っ黒になった針先をクリーニングしてみると、何と針先チップが見えない位に綺麗になってしまいます。これこそダイヤモンドの屈折率の高さ故の現象なのです。


    上記(1)(2)(3)からも分かる様に、カートリッジは条件さえ良ければ、案外長持ちするものなのです。

    ■ そこで、ご提案です。
    今お使いのMCカートリッジがお気に入りで「これしかない」とお考えの方で、保存状態や使用時間が心配な方は、針交換(本体交換)をお勧めします。なお、MMカートリッジは保存状態が良くなければボディ内部が劣化している可能性もありますので、交換針のご購入は、クリーニング等をされた上で、ご自身でのご判断をお願いします。

    しかし前述のように、お持ちのカートリッジがまだまだ使えそうだと判断された方には、新たなカートリッジのご購入をお勧めします。勿論それは針交換の価格と同程度の出費という想定です。その理由は、カートリッジ交換の楽しさ・その魅力を多くの方に知っていただきたいと思うからです。今お持ちのカートリッジでは出ないサウンドが、新しいカートリッジから得られるかも知れません。

    ぜひ、カートリッジによるサウンドの違いを楽しむという、オーディオという趣味にとって最も手軽で、魅力的で、心ときめく変化が楽しめる体験をもっと多くの方にしていただきたいのです。音の出口(電気→振動※)であるスピーカーと同程度の音の変化が楽しめる音の入口(振動→電気※)がカートリッジです。
    ※エネルギー(物理量)を変換する「トランスジューサー」は音質を大きく左右します。

    以下、サウンドの違いをお楽しみいただくためのお勧めカートリッジを、サウンドとともに6機種ご紹介します。

    ★針交換価格程度で買えるカートリッジの中から

    【おすすめMMカートリッジBEST3】

    ①オーディオテクニカ「VM530EN
    シリーズ共通のアルミボディに無垢楕円針。粒立ちの良い若々しいサウンドが魅力。

    ②オルトフォン「2M BLUE
    シリーズ下から2番目。中域の充実した明るく滑らかなサウンドはボーカルが抜群。

    ③グラド「Prestige Gold3
    シリーズの最上位モデル。エネルギッシュで晴れやか。音楽の楽しさが味わえる。


    【おすすめMCカートリッジBEST3】

    ①オーディオテクニカ「AT-OC9XEN
    シリーズの下から2番目。解像度が高く繊細な表現も。自然でリアルなサウンドが魅力。

    ②デノン「DL-103
    言わずと知れた超ロングセラーの日本の標準機。オーソドックスで音楽を選ばない。

    ③オルトフォン「MC Q10
    シリーズの中核。コイルに銀線を採用し、パワフルかつ高解像度という贅沢さを実現。



    (あさやん)

    2018年12月 4日 (火)

    オーディオネセサリーBEST 11~ 手放せなくなってしまったオーディオアクセサリー 《ベストイレブン》~

    ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
    今回ご紹介するオーディオアクセサリー達は、既に我が家に導入してかなりの日数が経過している製品ばかりです。いずれのアクセサリーも、今となっては使っているのを殆ど意識しなくなってしまっています。しかし、一旦外しますと「あれれ・・・。これ程効いていたの?」と感じてしまう、筆者にとってのまさにネセサリー(必需品)なのです。


    ■ オーディオネセサリーBEST 11

    【1】ACOUSTIC REVIVE 超低周波発生装置『 RR-777 』

    このコーナーで過去に何度も取り上げたナンバーワンネセサリーで、我が家では2001年発売のオリジナルモデルの「RR-7」以来、20年近く使い続けている、最も歴史あるネセサリーです。ある日、我が家のオーディオシステムが、いつになくザワついて、奥行きがなく平面的でヌケの悪い音に感じたのでした。ふと見上げると、天井近くに設置している『 RR-777 』のパイロットランプが消えています。よくよく調べてみますと、何かが当たったのかACアダプターがコンセントから外れてしまっていたのでした。

    【2】Elesta 静電気除電アクセサリー『 Standard Carbon Vol.5 』

    オーディオ機器は常に静電気の影響を受け続けていると言います。オーディオ機器は電気を動力にしているので、電流が流れると機器は必ず帯電してしまい、機器の性能は通電時間とともに劣化し、それは特にUSB-DACなどのデジタル機器で顕著だと言います。『 Standard Carbon Vol.5 』は筐体にドライカーボンを使っており、制振効果が加わった結果、音質改善度はさらに大きいのです。筆者はUSB-DACに載せていますが、外すと音が曇ってしまい、音場が狭くなり、つまらない音になってしまいます。

    【3】Elesta 静電気除電アクセサリー『 Standard V(5)EX Vol.10 』

    消費電力の大きいアンプは、他のオーディオ機器よりさらにトランスや回路基板、各種パーツが帯電しやすい環境に置かれています。我が家では『 Standard V/EX Vol.10 』をパワーアンプのトップパネルの電源トランスの真上に置いています。本製品からの大量のマイナスイオンにより、アンプ全体がイオン化され常時除電されると言います。明らかに中低域に安定感が出て、音楽の芯がしっかりしてきます。そしてサウンド、特に打楽器やブラスの立ち上がりのスピード感が増し、ダイナミックレンジが拡大したようにも感じます。

    【4】AiTEC 絶縁インシュレーター『 Λ8.24 for Digital 』

    こちらは、我が家のノートパソコンの下に常駐しています。今となっては『 Λ8.24 for Digital 』の無いPCオーディオは考えられなくなっています。確かにナイロン樹脂でできており、金属製の振動対策のインシュレーターと比較して全く高級感はありません。しかしその効果は抜群で、パソコンから外した瞬間、音楽全体がべとっとした感じになり、ボーカルにもまとわりつきが感じられ、声の抜けが悪くなってしまいます。そして演奏途中にパソコンに挟み込んだ途端、元のサウンドに戻ります。まさに縁(パソコン)の下の力持ちなのです。

    【5】AiTEC 絶縁インシュレーター『 Λ8.24 The Professional 』

    耐荷重が「for Digital」の1個当たり7kgから15kgと2倍以上に強化され、重量のあるアンプなどにも使えるようになりました。しかしそれだけではありません。同社のルームチューニングアクセサリー「Λ3.16」のノウハウを投入したことで、さらに魅力的な究極のインシュレーターとなっています。筆者は従来の「for Digital」に替えて『 Λ8.24 The Professional 』をUSB-DACに使っていますが、さらにサウンドの透明度が上がり見通しが良くなりました。音楽のベースは安定しており、そこにしなやかさや潤いが加わり、実に生き生きしたサウンドが展開します。PCオーディオでの必需品となりました。

    【6】ORTHO SPECTRUM デジタルアキュライザー『 DACU-500 』

    CDプレーヤーからの同軸出力とD/Aコンバーター(USB-DAC)のデジタル入力の間に『 DACU-500 』を挟みます。10cm弱の長さがあるためラック収納では苦労しそうですが、我が家のUSB-DACはラックの上に置いているため問題はありません。ただ不安定なため何か支えがある方がベストです。その効果は抜群で、それまでのCDプレーヤーのアナログ出力とはもちろんのこと、本機なしのUSB-DACでのサウンドともかなり大きな差で、解像度が明らかに向上し、音楽が生々しく感じられ、CDソフトのダイレクト再生の音がこんなに素晴らしかったのかと、改めて見直す切っ掛けになったのでした。

    【7】ORTHO SPECTRUMUSB アキュライザー『 UACU-700 』

    PCオーディオで使っているパソコンからのUBSケーブルとUSB-DACの間に『 UACU-700 』を挟みました。途端に今まで何かざわついていた音楽がクリアになり、PCオーディオでは、どうしても不満になることの多かった低域にも力強さが出て来たのです。これはかつてクロックの精度を上げた時に感じた改善と似ているとも感じました。USB規格自体、音楽の録音再生が全く考慮されておらず、ノイズに無防備だったのが実感できます。本機によってPCのノイズ環境を制することで、PCオーディオでもアナログに迫るサウンドが実現できるのだと確信したのです。

    【8】ACOUSTIC REVIVE マグネットフローティングインシュレーター『 RMF-1 』

    CDプレーヤーはそれ自体回転体を内蔵した振動体であり、ピックアップも常時細かく動いています。これに外部からの振動が加わるのですから、ディスクに刻まれた信号を読みとるのは至難の技であろうことは想像に難くありません。『 RMF-1 』でCDプレーヤーを3点支持することで、その反発力で完全に浮揚させ、航空レベルのアルミ合金や複数のマテリアルを組み合わせたことで、インシュレーターの癖の発生を抑えたとのことです。結果、CDプレーヤー本来のサウンドが引き出され、CDの魅力を再発見してとうとう外せなくなってしまったのです。

    【9】KRYNA ケーブルインシュレーター『 Helca1 』

    螺旋状の樹脂製のチューブにダンピング用として特殊溶液を封入して、ケーブルの周囲を360度囲む(合体させる)という、かつてなかった方法を編み出した『 Helca1 』です。電源ケーブルに使えば低域の安定感が増し、スケール感もアップします。ラインケーブルでは透明度が上がり、ダイナミックレンジも上がったように感じました。圧巻はUSBケーブルに使った時で、S/Nが明らかに向上し、硬さがほぐれ、低音楽器の輪郭がはっきりし、深く沈み込む感じが出て来たのです。PCオーディオの弱点の低域再現力が改善されます。

    【10】iFi-Audio AC電源用アクティブ・ノイズクリーナー 『 iPurifier AC 』

    我が家の電源タップの一角を占有している『 iPurifier AC 』です。上面のアースのLEDがどうしてもグリーンにならず当初苦労しましたが、庭にアース棒を打ち込み解決できました。サウンドは輪郭がはっきりし、音離れが良くクッキリし、音像がコリッとして明らかに分離が良くなります。立体感や奥行き感もたっぷりで、響きが豊かになります。電源ラインを伝わるノイズが取り除かれ、S/Nが向上した結果だと思います。

    【11】中村製作所(NS)ノイズ吸収リングコア『 NS-285 』

    我が家では径の違うアモルメット・コアを数カ所に使っています。何処に使っても効果は大きいのですが、何より副作用が全くないのが最大のメリットです。ただ必ずケーブルを通す必要がありますし、プラグの大きさには十分注意が必要です。平面的で少し硬いと感じていたサウンドが一変。立体感が出て来たのと同時に低域の厚みが増し、明らかに下に伸びます。いやなまとわりつきも払拭され、メリハリが出てきてエネルギー感が確実にアップします。明らかにS/Nが良くなり、音場空間の見通しが良くなり、遠近感がしっかり感じられます。



    ■ 最後に
    これらはいずれも、我が家のオーディオシステムにとって最早無くてはならない存在となった『 オーディオネセサリー 』ばかりですが、それぞれの相乗効果が大きく、今となってはどれを外しても違和感を感じてしまうくらいです。

    『 オーディオネセサリー 』は、デジタル信号も最終的にはアナログ信号にしてスピーカーを駆動する現在のオーディオシステムにとって、有害な「電磁波」「静電気」「振動」「高周波」「アース」を対策すれば、必ず音質が向上することを証明しているとも言えます。

    『 オーディオネセサリー 』の1アイテムからでも結構です。ご自身のオーディオシステムに加えていただければ、間違いなくサウンドが改善され、オーディオシステムのグレードがアップします。ぜひお試しいただきたいと思います。オーディオがもっともっと愉しくなってきます。

    2017年1月14日 (土)

    PCオーディオに再チャレンジ!!『音質改善アイテム』で見違える様なサウンドに!

    ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
    今回は、英国iFIオーディオ製品の『PCオーディオ音質改善アイテム』を中心にご紹介し、“PCオーディオ”への再チャレンジをご提案させていただきます。また、以前取り上げた製品で筆者がすでに手放せなくなっている『音質改善アイテム』も同時にご紹介します。


    初心に返って、“PCオーディオ”に!

    最近のオーディオの話題は、何と言っても“ブラックディスク”いわゆるアナログレコード再生であり、デジタル音源再生、特に“PCオーディオ”が、話題に上りにくくなっている気がするのは筆者だけではないと思います。

    確かにアナログの音は素晴らしいのですが、本当に良い音を出すには、プレーヤーのグレードはもちろん、プレーヤー操作に関するノウハウや経験が必要なのも事実です。

    また、プレーヤーなら何でもいいかと言うと決してそんなことはありませんし、現時点で一からアナログ環境を構築するのは、費用の面でも、メンテナンス用のアクセサリー類を含め、選択する製品数の面からも、昔に比べかなりハードルが高いと言わざるを得ません。

    一方、CDプレーヤーも次第に選択肢が狭まってきており、ハイエンド・クラスのSACD/CDプレーヤーか、ローコストなCD再生のみの入門機に完全に二極分化してしまっています。

    それが証拠にパイオニアは10万円を切ったSACD/CDプレーヤーの生産をついに止めてしまい、ティアックも2万円前後のビギナー層に人気であったCDプレーヤーの生産を中止してしまいました。

    さらに、鳴り物入りで今年(2016年)に入って続々と新製品が発売された「ネットワークプレーヤー」も、一部のマニアックには受け入れられているとはいえ、なかなか市場の流れを変える程には至っていません。

    それはやはりNASの導入やWiFi環境の構築が必要で、アナログで育ってきた純粋なオーディオファンには、ちょっと荷が重いのではないかとも思います。

    筆者を含め、「オーディオを純粋に楽しみたいだけなのに、何で・・・」と言う疑問がついつい湧いてきてしまうのでしょう。

    そこでもう一度初心に返って、“PCオーディオ”に再チャレンジしてみてはいかがでしょうか。すでにUSB-DACをお持ちなら、僅かな出費、あるいはそれ相応の出費で、見違える様なサウンドを手にすることができます。

    恐らく今まで何を聴いていたのか?と疑問になることと思います。今回は、そんな“PCオーディオ”に絞った『音質改善アイテム』をご紹介して参ります。

    もちろん“PCオーディオ”の黎明期に購入され、スペック的には決して最先端とは言えないUSB-DACをお持ちでも十分に効果が発揮できます。ご安心下さい。

    それは初期の製品ほど、デジタルノイズを盛大に出しっ放しであったり、ノイズ対策がほとんど行われたなかったり、そもそもオーディオ経験の乏しいパソコン関連メーカーの製品などは、デジタルノイズという認識(※)さえ持っていなかったと思います。(※パソコンの世界では、‘できる/できない’、‘早い/遅い’だけが問題で、‘良い音で’という認識は当時ほとんど存在しなかったのではないかと、筆者には思えてなりません。)

    そんな今なら笑い話にもなりそうな“PCオーディオ”の世界ですが、スペック競争が一段落した最近になって、デジタルノイズ対策に関するノウハウを注入したオーディオアクセサリーが、『音質改善アイテム』として次々登場してきています。

    今回は、英国iFIオーディオの製品を中心に、“PCオーディオ”への再チャレンジをご提案させていただきます。

    “PCオーディオ”『音質改善アイテム』をご紹介!

    “PCオーディオ”で使われるパソコンから出るノイズは、我々の常識を遙かに超えるレベルであり、それがUSBケーブルを経由してUSB-DACに入力されますが、そのUSB-DACもほとんどがバスパワーであったり、ACアダプターを電源としています。

    特にACアダプターには効率優先のスイッチング電源が採用され、そこから出てくるデジタルノイズに常に曝されているのが実情です。今回の『音質改善アイテム』は、これらデジタルノイズの対策アイテムのご紹介です。

    まずはUSBケーブル対策です。前述のようにパソコンが発する盛大なノイズがUSBケーブルを通じてUSB-DACに流れ込んでしまうのですが、この問題にiFIオーディオは早くから着目し、数々の対策アイテムを開発しています。

    iFIオーディオの基本的な考え方は、ノイズ信号と同一の信号を正反対の位相で発生させることで、あらゆるノイズを積極的に打ち消す「アクティブ・ノイズ・キャンセレーション」、USB信号の再クロック(REclock)と再生成(REgenerate)、そしてDCオフセット(周囲の影響で直流成分が加わり、電気的な中心が0Vからずれてしまう現象)の除去による再バランス化(REbalance)を行うと言うもので、同社の全製品に共通で採用されています。

    ①iFIオーディオ『iPurifier2TYPEB 』『iPurifier2TYPEA 』(Purifier=清浄装置)
    USB-DACの入力に直接接続し、PCから流れ込むノイズを除去する製品で、一般的な入力はB Typeですが、A Typeも用意されています。USB-DACとUSBケーブルの間に使うことで、非常に効果は大きく、デジタル特有のザワザワ感が払拭され、広々とした空間感が再現されます。

    ②iFIオーディオ『nano iUSB 3.0 』『micro iUSB 3.0
    USB経由のノイズ除去に加え、バスパワー(USBから電源供給)方式のUSB-DACに有効な電源の改善も目指した製品で、音声信号とバスパワーのデュアル出力が可能です。上級機の『micro iUSB 3.0』は、2系統のデュアル出力ポートをもち、USB-DAC以外にも音源を保存している外部ハードディスクなどにも使用できます。ノイズの混入が大幅に改善されます。デュアル出力ポートを生かすには同社のUSBケーブル『GEMINI』やアコースティックリバイブの『USB-1.0SP-TripleC』などの信号ラインと電源ラインを分離したUSBケーブルと組み合わせることで、さらなる高品位伝送が可能です。

    ③iFIオーディオ 『iPurifier DC 』『iPower
    多くのUSB-DACに使われているACアダプターは、そのほとんどにスイッチング電源が使われていますが、それらは元来オーディオ機器に使用されることを前提としていないため、ノイズ対策は全く行われていません。『iPurifier DC』は、スイッチング電源が使われているACアダプターに接続することで劇的にノイズを減らします。さらに5V/9V/12V/15Vの4種類のDC電圧にそれぞれ対応する4つのバリーエーションがあるACアダプター『iPower』もあります。これらは、「アクティブ・ノイズ・キャンセレーション」を採用することで、同社比で従来のACアダプターより10倍静かになったと言います。各種の端子交換アダプターを同梱し、径の違う端子にも対応しています。

    これらiFIオーディオのアクセサリー群は、どれもがその技術に対する裏づけが明確で、確実に音質向上が可能です。しかも比較的リーズナブルで、手軽に導入できるアイテムです。そして、最後に筆者二押しの“PCオーディオ”『音質改善アイテム』2アイテムもご紹介します。試聴した結果、手放せなくなってしまい購入に至ったアイテムです。

    ④アコースティックリバイブ/ファインメット・マルチノイズサプレッサー『 FNS-RCA』『 FNS-XLR

    機器とケーブル間に挿入して高周波のノイズを除去する信号浄化器です。
    オス・メス同士をPC-TripleCの楕円単線のジャンパー線で連結し、そのジャンパー線が信号浄化器であるハイテク磁性材料の「ファインメット」内を通過する構造になっています。USB-DACの出力とラインケーブル(RCA or XLR)の間に挿入します。従来のオーディオアクセサリーの概念を打ち破るような、インパクトのある音質改善を実現します。
    参照ブログ: https://blog.joshinweb.jp/hiend/2015/05/post-7ec4.html

    ⑤ アイテック『 Λ(ラムダ)8.24 for Digital
    オーディオリスニングにとって最も重要な“静電気や磁界”からの「絶縁対策」を目指した製品で、熟練工が一個一個削り出して製品化しています。ノートパソコンの下が最も効果的で、パソコン内で発生しサウンドを汚していた静電気や電磁波が取り除かれることによってS/Nが良くなり、劇的に静かになり、透明度が向上し、従来ノイズに埋もれていた余韻が再現されます。装着した瞬間、透明度が格段にアップし、低音は弾み出しグッと超低音が伸びます。混濁感が全くなく分解能は大幅にアップして再現されます。
    参照ブログ: https://blog.joshinweb.jp/hiend/2016/09/aitec824-for-di-a29d.html

    最後に
    ご紹介しました“PCオーディオ”『音質改善アイテム』は、いずれか1アイテムでも必ず効果を発揮しますが、さらにアイテム加えて行くことで確実に音質は改善していきます。

    これらの“PCオーディオ”『音質改善アイテム』を導入して、PCオーディオのさらなる可能性を目指し、“PCオーディオ”に再チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

    ※ご注意:ご紹介したオーディオアクセサリーをお使いになることで、音質が悪化することはありませんが、改善度合いには、ご使用機器や環境、お聴きになる方の感覚や要求度によって差がありますので、予めご了承下さい。

    今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

    2015年10月24日 (土)

    明日から使いたくなるオーディオ用語 3語!

    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
    ウォーミングアップ、エージング、バーンインなど、ハイエンドオーディオ系の雑誌やオーディオファンの間でごく普通に使われている専門用語。これらは、オーディオ機器の使いこなしや、メンテナンスとしては基本中の基本ではありますが、解っているようで解らないのが現実ではないでしょうか。

    そこで本日は、よく使われている専門用語について、私の40数年に及ぶオーディオ歴から得られたノウハウとともに解説いたします。

    ウォーミングアップ

    まずは、最も基本的な「ウォーミングアップ」から。

    これは、新車の慣らし運転や日々の暖機運転と同じ考え方です。いきなりエンジンを高速回転にするのではなく、ある程度の距離までほどよく走ってやることで、新車時や始動直後のギクシャクした動きが解消され、加速や吹き上がりが向上します。

    新品のオーディオ機器も同様で、別段難しい作業が必要な訳ではなく、ご自分のお好きな音楽ソフト(CD・デジタルファイルなど)を再生してやればいいだけです。

    しかし、出来れば静かな曲だけではなく、ダイナミックレンジの広いメリハリのあるソフトの方が、機器に時折負荷がかかるため、効果的とも言えます。

    このような慣らし運転をすることで、例えばスピーカーではコーンの動きがスムーズになったり、エンクロージャーに使われている木材が馴染んで、振動が滑らかになるなどの効果もあります。

    アンプやCDプレーヤー、アナログプレーヤーにも同様に、ある程度(普通に使用して数ヶ月)のウォーミングアップを行うことで、本来それらが持っているパフォーマンス(性能)が発揮できるのです。

    私は通常、音楽を聴く場合も極力ウォーミングアップしてから聴くようにしています。基本的には時間とともに天板が暖まる機器では、再生を開始する30分前には電源を入れておきます。これにより、聴いている間の音質変化はかなり抑えられます。

    エージング

    続いて「エージング」について、ご説明いたします。

    エージングとは、経年変化のことです。先ほどのウォーミングアップと混同される場合が多いのですが、もう少し長期にわたっての鳴らし込みのことです。

    前述のスピーカーでは、コーンやドームのエッジ部分やダンパーなどの駆動部分は、新品のうちは硬いのですが、ある程度鳴らし込むことで、設計上の本来の性能が発揮できるようになるのです。

    以前、ある中級スピーカーをご購入いただいたお客様から「高音がキツくて耳が痛い」との連絡が入りました。

    そのスピーカーのツイーターは金属ドームで、それまで長期にわたってお使いの小型スピーカーがソフトドームだとのことで、私は「さもありなん」と思いました。

    それは、中級スピーカーといえども、鳴らし込んでから出荷しているわけではなく、どうしても使用者側で、ある程度の鳴らし込みが必要だからです。

    その製品を弊社にお送りいただいて試聴しましたが、その結果は全く問題のないものでした。お客様には「エージング不足は感じますが、全く異常はありません。通常音量で結構ですので、ご自分のお好きなジャンルの曲を、リピート再生してください。音量が気になる場合は、スピーカーに布団などを掛けてみてはいかがでしょうか。」とのお伝えさせていただきました。

    スピーカー以外のオーディオ機器のエージング効果を疑われている方もいらっしゃいますが、私の経験では、アンプでも「馴染む」というイメージは感じますし、真空管アンプでは特に顕著です。電気が流れることで、回路部品や基板、増幅素子などが馴染んで行くのは、ある意味当然なのではないでしょうか。

    また、原子・分子レベルで考えれば、ケーブルにおいても十分エージング効果が考えられますし、実際に次第に音が良くなっていくのを経験しています。

    また、エージングとは老化という意味もあります。ある程度エージングが進んでいれば、お聴きになる前の「ウォーミングアップ」で十分かと思います。

    バーンイン

    最後は「バーンイン(burn-in)」です。本来の意味は、半導体チップなどの電子素子の品質試験の一つで、温度と電圧の負荷をかけることで、初期不良を検出することだそうです。

    エージングとバーンインも良く混同されますが、エージングは、状況さえ良ければ経年によって良くなり続ける意味に使われますが、バーンインは「本来設計した状態に近づける」ことの意味のことのようです。

    ということで、バーンインにはエージング効果以外に、磁化してしまった使用機器の消磁(デマグネタイジング=電気機器は電気を流すことで帯びる磁気を取り除くこと)も含まれるようです。

    バーンイン信号を用いることにより、より少ない時間でバーンインな状態になることを助けるのです。

    超ハイスピードでの周波数のスイープ信号(連続的に周波数を変化させた信号)と、高いエネルギーのランダムノイズにより、スピーカーのドライバーに、ダメージを与えることなく、最適の動作状態に導くといいます。

    特に、この分野では先駆的なPAD(Purist Audio Design)の『システム・エンハンサー』は、今年新製品として改良版のバーンインCD『 ルミニスト・システム・エンハンサー 』を発表しました。

    スーパーコンピュータで演算した結果に基づくPAD社の革新的コンピューター・アルゴリズム信号によって、プレーヤーからスピーカーまでのオーディオシステム全体を音質改善(エージングを促進)するCDです。

    動作原理を説明されても、私が理解するのにかなりの時間を要しますが、CDに収録されている電気信号により、配線に使用されている導体の原子が再配列されるというものです。

    その動作原理はさておき、効果は抜群で、実際に試用しましたが、サウンドの透明度が上がり、見通しが抜群に良くなります。

    ノイズフロアが下がり、音のにじみがなくなることで、音像定位がしっかりしてきて、奥行き感も向上します。

    特に、低域の解像度がアップし、その立ち上がりが改善されたことで、中高域とのスピードが一致し、サウンドが活き活きとしたものとなります。一度使用すると、その効果に手放せなくなってしまいます。

    このソフトの内容は、演奏すると「単なる雑音」に聞こえますが、オーディオシステムにとっては非常に有効なトレーニングプログラムになります。

    様々な周波数、振幅信号は電気回路の個々のパーツを活性化し、スピーカーの駆動状況を改善するとのことです。

    上記以外にも、個人的には従来から、ノードスト/システムチューニング&セットアップ用ディスク「 TD1 」や、XLO/テスト&バーンインCD「 RX-1000 」は常備し使用しており、最低1ヶ月に一度はエージング&バーンインを行っていますことを付け加えておきます。

    今回取り上げた専門用語は、ハイエンドオーディオでなくても使える単語です。「最近購入したヘッドホンの実力を発揮するために、今エージングしてるんだ」など、明日から使ってみてはいかがでしょうか。

    今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

    2014年9月19日 (金)

    ハイレゾ音源(PCM・DSD)を楽しむための基礎知識


    こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
    ついにここまで来たか!と思わせる、モンスター級のスペックを持つヘッドホンアンプが登場しました。それは、英国アイファイオーディオの「micro iDSD」です。USB入力での最大サンプリング周波数は、PCMで768kHz/32bit、DSDは22.4MHz/1bitというとんでもない数値で、度肝を抜かれました。


    これはこれで素晴らしいスペックですが、果たしてそこまでの数値が本当に必要なのでしょうか?本日は、ハイレゾ音源(PCM・DSD)について、お話していきます。

    現在のハイレゾブームについて

    サンプリング周波数が96kHz/24bit以上のPCM音源とDSD音源が、ハイレゾ(ハイレゾリューション)音源であると日本オーディオ協会によって定義されたのは、今年6月のことです。製品開発の方が先に進んでしまったため、後追いのような格好での決定と見えてしまったのは否めません。

    ところで、ハイレゾがここまで急速に盛り上がったのは何故なのでしょう。当初はパソコンとの親和性から、パソコン関連や楽器関連のメーカーの製品が登場しました。その後、長らく不況にあえいでいたオーディオ業界が海外製品を含め、ここぞとばかり次々と新製品を投入した結果、一大ブームとなったのです。

    しかし、それだけではここまで盛り上がることはなかったと思います。やはり、ハイレゾ音源の素晴らしさが大きいのではないかと考えます。

    高いサンプリング周波数によって、アナログレコードや生の音に近い豊かな倍音(高調波)成分が再現されるからに他なりません。特に、高域が多く含まれた楽器の再現性は、CDでは味わうことのできなかった高密度の生々しいサウンドで、いわゆる録音現場の音に限りなく近いものに感じられるからだと思います。

    PCM・DSDフォーマットの特徴

    ハイレゾブームのはるか前から、デジタルで音を扱うということは、ほぼ全てPCMを意味していました。CDから始まって、MD、DAT、MP3やAACなどの圧縮音源、携帯電話、デジタルテレビの音声など…、デジタル=PCMだったのです。

    PCMはサンプリング周波数で扱える上限の周波数が決まり、そのビット数で音の大小、ダイナミックレンジが決まります。それに対し、今注目のDSDは考え方が全く違うのです。

    サンプリング周波数が2.8MHzと、そもそも単位(PCMのkHzと、DSDのMHz)が違う上に、PCMのようにある時点での音量を捉えるのではなく、音の波動があるかないかを0と1で表現し、1bitの枠の中での音量の変化を濃淡で記録するのです。

    例えば、理論的にPCM 192kHzでの再生周波数限界は、サンプリング周波数の半分である96,000Hz(96kHz)、ダイナミックレンジは量子化ビット数が24bitなら144dBになります。

    一方のDSDでは、再生周波数は100kHz(理論的には1.4MHz)を超え、ダイナミックレンジも20Hz~20kHzの間ではPCMを上回る150dB以上となります。明かに、DSDの方がワイドレンジで倍音の再現性が高いことは数字が表しています。しかし、これと音が良いとは全く別の話であるということを後で説明いたします。

    ただ、フォーマットの違いによる音質の違いは厳然と存在しており、一般的には以下のようになります。
    • PCMは、明瞭で鮮やかな音、音像の輪郭がクリア、音が前に張り出してくる感じ、低音が充実、躍動感あるサウンドといった特徴があり、音楽ジャンルはジャズやポップス系がピッタリ。
    • DSDは、透明度が高く繊細、音場には奥行き感や立体感があり、アナログレコードに近い柔らかく滑らかなサウンドが特徴。ジャンルではクラシックやボーカルが得意といわれています。
    PCMはCDの延長線上にあり、CDと同質で情報量が大幅に増え、弱音部の再現性も高いことから、PCMの方が優位とも思えますが、最近急速に普及してきたDSDは、そのサウンドが生音やアナログに近いということから多くの音楽ファンに受け入れられているのです。

    しかし、これらはあくまで個人の好みの問題ともいえます。また、比較的完成度の高いPCMに対して、DSDはまだまだ発展途上であることも事実で、今後まだまだ音質的には良くなる可能性を秘めているのです。

    USB-DACにおける、PCM・DSDフォーマット

    最近のDSD対応USB-DACに採用されているDACチップは、現在主流となっている1bitΔΣ変調を使った構成(マルチビットDACチップが高価なためハイエンド機にしか使用できない)となっているため、その再生はDSDの方が有利だともいわれています。

    その理由はPCM再生時にもΔΣ変調をして一旦1bit化した後、データを補間をする形をとっているためで、1bitのDACチップにDSDフォーマット信号を入力した場合、余計な変換がない分DSDの方が純度が高いといわれています。

    しかし、DSD対応のUSB-DACなどにも、メーカーによってはPCM系のハイレゾサウンドを重視し、DSDのメリットである空間表現が少し後退しているケースもあるとのことで、これらはメーカーによる違いというより、開発エンジニアの好みにも大いに左右されているようです。1bitDACチップを使う限り、PCMとDSDの両方を均等に高音質化するのは至難の業でもあるようです。

    また、KORGのAudio Gateなどの再生ソフトではPCM信号をDSDに変換したり、逆にDSD信号をPCMに変換して、それぞれの音質の差を楽しむことはできるのですが、この変換には可逆性がないということも知っておいていただきたいと思います。

    具体的には、192kHz/24bitのデータを2.8MHzのDSDに変換した後に、元の192kHz/24bitに変換しても同じデータにはならず音が変わってしまうのです。また、PCMをDSDに変換してもDSDらしい繊細さや滑らかさは楽しめても、それは音が良くなったとは決していえません。期待しすぎは禁物です。

    録音現場では、まだまだPCMが優位に!

    録音側でもまだまだ問題は山積しています。
    PCM方式はCDで用いられていることからもデジタルオーディオの世界標準であり、30年以上の歴史の中で、編集をはじめとした多くのノウハウが蓄積されており、PCMの優位さは揺るぎないものです。ほとんどのスタジオがPCMベースの環境下にあり、別のスタジオに変わったとしても、そこで編集などの作業が十分可能なのです。

    一方DSDは、編集作業やマルチチャンネル録音が事実上不可能であり、PCMのような編集をするには一旦アナログやPCMに変換して処理するしか、現時点では無理なようです。

    DSDのレコーダーも基本的にはステレオレコーダーで、それらを同期運転してマルチ録音する研究もされているとのことです。従って、DSDのメリットを最高に生かすソースは、超一流ミュージシャンの演奏の一発録りしかないことに現状ではなります。

    PCMにおいても問題がないわけではありません。
    よくある質問に、WAVとFLACではどちらが高音質かということがありますが、これはいくら可逆圧縮とはいえ、やはり音の純度ではWAVが有利といわざるを得ません。

    しかし、WAVは曲名やアーティスト名などのタグ情報を結びつけるには限界があります。また、FLACで行われるデコード処理が負荷となって音質に影響しているとはいわれつつも、配信サイトでは標準となっていることや、192kHz/24bitのハイレゾ音源の再生はPCやDACへの負担が大きく、不安定化や保存のために容量が必要になることから、実用上は96kHz/24bitで十分との話も専門家の間ではあります。

    ハイレゾ音源(PCM・DSD)を存分に楽しむには?

    このようにDSDはPCMと比較して、まだまだ発展途上のフォーマットであり、今後は大いに期待できますが、それを待っていてはPCオーディオやネットワークオーディオの素晴らしさを享受できないのです。とにかく、デジタルは最先端の機器をお選びになるのが大原則ですが、前述のようにいろいろな問題点のあることは一応ご承知おき下さい。

    そして、ハイレゾを存分に楽しんでいただくためには、今お使いのアンプのグレードアップをぜひご提案いたします。

    それは、今から15~30年位前(具体的には1980年代~90年代)に発売されていたアンプは、CDのスペックの上限である20,000Hz以上の高周波再生を想定していなかったためで、高域のフィルターが不完全でシュワシュワやジュルジュルという感じのノイズが発生して、スピーカーを危険にさらす可能性があります。これは当時、高域特性が素晴らしいと謳っていたハイエンド機の方が起こりやすい現象ともいわれています。

    ぜひ、最新のデジタル機器を入手された方は、最新のプリメインアンプへのグレードアップも一度お考えいただければと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

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    • 下記店舗では、ハイレゾからアナログまで、Accuphase・B&Wなどのハイエンド オーディオ製品やオーディオアクセサリーが充実。試聴室完備で比較試聴も できます。

      日本橋店 4F
      (大阪 日本橋)

      三宮1ばん館 3F
      (神戸 三宮)