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2020年9月15日 (火)

トライオード『 TRV-CD6SE 』は高信頼の”純国産”CDプレーヤー

~ シリーズ:メインソースとしての「CDプレーヤー」をもう一度見直しませんか。その2 ~


こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
前回のLUXMAN「D-03X」に続き、人気の中堅CDプレーヤー・トライオード『 TRV-CD6SE 』にスポットを当てます。本機は過去に一度レポートしていますが、音質を含め詳しくレポートしてまいります。




■ いまCDプレーヤーに再度注目する訳とは?
その前に、前回に続いて私が、いまCDプレーヤーに再度注目する訳をお話しておきたいと思います。

それは、私自身が今、過去に買い集めたCDライブラリーの聴き直しにハマってしまっているからです。私は最近でこそ月に数枚程度しかCDソフトを購入していませんが、1982年のCD黎明期から蒐集したCDソフトはかなりの数に上り、その置き場所にも困っているのが現状です。困ったあげく物置行きになったCDソフトも結構あります。

CDプレーヤーが発売された当初、CDソフトは1枚3,500~3,800円もしました。今の貨幣価値なら恐らく2倍位でしょう。それでも給料をもらう度に、待ってましたとばかりに購入したものです。しかし、当時のCDプレーヤーで聴くそのCDの音は、細身で甲高く、耳にきつく感じるものばかりでした。

結局、思っていた音と違うため、お蔵入りになってしまったソフトが何と多かったことか・・・。その後アナログディスクとCDソフトが共存する時代が90年頃まで続き、どうしてもアナログを聴くことが多くなってしまったのでした。今思えば、それはソフトだけの問題ではなく、ハードすなわちCDプレーヤーの技術的問題の方が大きかったのです。

さすがに今聞き直しても、CD発売当初のCDはデジタル録音技術がまだ未熟で、ソフトの完成度も今一で、ギスギスした冷たい乾いた音のソフトが多く存在します。しかし80年代も後半になると、録音が明らかに良くなり、技術が進歩し、不自然さが少なくなって来ています。でもまだCDプレーヤー自体、その辺りを十分出し切れていなかったのです。

その結果、CDは音が今一、「今からはもっと上のフォーマットであるSACDでなければならない」との風潮が支配的になってしまい、「当初のCDソフトをもう一度見直そう」などの流れが起きることなく、PCオーディオやネットワークオーディオ、果てはデジタルを捨て、再度アナログレコードを見直すアナログブームにまで至ったのでした。

ここで私からのご提案です。
「貴方のCDライブラリーをもう一度聴き直してみませんか。」
きっと、きっと、”新しいサウンド”の発見があり、”新しい感動”が生まれることでしょう。

その理由は、最新CDプレーヤーは、当時のCDプレーヤーと比べ「DACの高性能化」「デジタルノイズ対策の進歩」「クロックの高精度化」など大きく進み、デジタル回路はもちろん、アナログ回路にも新しいノウハウが活かされて、完成度が格段に高まったためです。

前述の80年代後半から90年代のCDソフトには、実は当時からかなりの情報量が収録されていました。でもその情報量は、当時の民生機器レベルでは出し切れなかっただけなのです。その結果、最新CDプレーヤーでは、想像以上にいい音で聴けるCDソフトがかなりあるのです。(※もちろん全てではありません。それを探すのが面白いのです。)

貴方が音が悪いからとCDライブラリーの隅に追いやっているソフトの中に、「実は意外といい音のCDが有ったりして・・・」。私自身、その再発見のワクワク感にはまってしまっている今日この頃です。

という訳で、お勧めの最新CDプレーヤーの第2弾として、トライオード『 TRV-CD6SE 』を取り上げます。

■ 『 TRV-CD6SE 』の特徴をチェック
『 TRV-CD6SE 』は、日本を代表する真空管アンプメーカー・トライオードが、2019年創業25周年を迎え”同社CDプレーヤーの集大成”として発売したモデルで、発売前から注目を集め、今もベストセラーが続いています。

『 TRV-CD6SE 』の最大の特徴は、何と言っても同社ならではの真空管出力と半導体出力の両方の音色が楽しめることでしょう。そしてアップサンプリング機能、MQA-CDのフルデコード対応。その上で”純国産”であると言うのが、中国製や東南アジア製のオーディオ機器が一般的となった今では大きなメリットでもあります。

本機は横幅345mmのミドルサイズです。このあたりは異存のある方もお有りでしょうが、最近の安価なCDプレーヤーによく見られるような筐体内の無駄な空間が無く、ギッシリ詰まって凝縮感があります。筐体の色は落ち着いた赤で、同社TRVシリーズの真空管アンプと共通です。

次に本機の先進性にも触れておきたいと思います。それは外部クロック入力(ワードクロックと10MHzクロックの2系統)を装備していることと、HDMIによるデジタル出力「I2S」までも装備していることです。将来の発展性やCDトランスポートとしての活用も十分可能です。一方、本機はあえてUSB入力を持たないことでCD再生に特化しています。このあたりは実に潔いとも感じました。

(1)出力段の素子に真空管と半導体を採用し、真空管出力と半導体出力を装備
真空管には”6922(6DJ8/E88CC)”が2本搭載されており、出力はRCAシングル1系統です。一方、半導体出力はRCAシングルとXLRバランスの2系統を装備しており、CDプレーヤー側で真空管/半導体出力を切替えるのではなく、アンプの入力側で切替える方式です。

(2)SRC(サンプリング・レート・コンバーター)によるアップサンプリング機能
音楽信号を内部でPCM:352.8kHz/32bit(DXD=業務用フォーマット)またはDSD:5.6MHzにアップコンバート処理してからD/A変換を行う再生モードを搭載。過去にも同種の機能を持った製品はありましたが、後述の最新DACチップ採用の効果もあって、そのサウンドの緻密さやサウンドステージの再現性には素晴らしいものがあります。

(3)MQA-CD対応
MQA-CDに対応(USB入力がなくMQAファイルには非対応)しており、勿論フルデコード対応で、MQA-CDによって「スタジオ」(MQA自身の手によってMQA化)と「オーセンティック」(ソフト側によってMQA化)のソフトの表示もされます。
※「スタジオ」時はディスプレイに「MQA.」、「オーセンティック」時は「MQA」とだけ表示されます。MQA-CDのパフォーマンスが手軽にかつ最大限発揮されます。後はMQA-CDソフトの充実を望むばかりです。

(4)最新の32bit型DACチップ/SABRE「ES9038Q2M」搭載
ESSテクノロジー社の最上位の「ES9038pro」の技術を踏襲し、「ES9038pro」の8chに対して2ch出力で、ダイナミックレンジ:129dB、全高調波歪率:-120dBと、ほぼ同等の高性能DACです。

(5)2系統(ワードと10MHz)のクロック入力を装備
これら2系統とも装備しているのはこのクラスでは珍しく、かなり設計者のこだわりを感じます。ワードクロックは44.1kHz/11.2MHz/22.6MHz/45.2MHzに対応、もう1系統は高精度10MHzクロック・ジェネレーター専用で、いずれもBNC端子です。クロックの強化により更に分解能が上がり、サウンドの密度感、中低域の厚みは格段に向上します。

■ 聴いてみました

最初はSRCオフでの半導体出力です。解像度が高く良い意味でデジタルらしい、脚色のないストレートで切れ味が良く、伸びやかな爽やかサウンドです。これでも価格相応の本格的な音質です。

SRCをPCM:352.8kにすると、更に細かな部分まで見通せるようになり、高域が伸びやかで余韻感、音場感がアップしました。DSD:5.6Mでは、更にきめが細かくしなやかで、繊細なSACDっぽい鳴り方になります。

真空管出力でのサウンドは、デジタルであることを忘れてしまいそうな程、湿度感や粘りけがあり、音の粒子の繋がった感のある、アナログっぽい滑らかさが魅力です。

真空管出力+SRC/PCM:352.8kでは中低域が厚くなり安定感が更に増します。DSD:5.6Mでは真空管の温かさとDSDの透明感が絶妙のバランスで、もっともアナログライクなサウンドです。

最後にMQA-CDでは、CDの限界を全く感じさせない、伸びやかでストレートなサウンドです。真空管出力では、更に安定感を増し、かつての良質なテープサウンドを思い起こさせる安定感のある音です。

サウンドはSRCやMQAによって明白な違いがありますが、それぞれが魅力的であり、その日の気分やソフトとのベストマッチングで選択するという、新たな楽しみが加わることでしょう。

とにかく『 TRV-CD6SE 』の先進性、拡張性には驚かされます。MQA-CD対応のみならず、DXDやDSD5.6MHzへのアップサンプリング機能、ワードと10MHzの外部クロック対応、同軸/光出力はもちろんHDMIデジタル出力によるCDトランスポートとしての活用、そして本機の最もトライオードらしい真空管と半導体出力の切替え機能と豊富です。

『 TRV-CD6SE 』は、オーディオ好きにとっては実に”いじり甲斐のあるCDプレーヤー”です。しかも純国産という信頼感も見逃せません。かつてのCDソフトが新たなサウンドで蘇ることでしょう。

(あさやん)

2020年8月21日 (金)

LUXMAN『 D-03X 』は”CDソフト愛好家”の救世主!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、数あるCDプレーヤーの中から、LUXMAN MQA-CD対応プレーヤー『 D-03X 』を取り上げます。本機は、発売当初に一度レポートしていますが、改めて音質を含め詳しくレポートしてまいります。




■ 今CDプレーヤーでの音楽再生をお勧めする理由
オーディオ市場でのCDプレーヤーの動きがあまり芳しくありません。理由として色々考えられますが、とにかくCDプレーヤーについての話題が少ないのが最大の原因だと思います。ESOTERICやAccuphaseなどのハイエンド機には底堅い需要はあるものの、20万円台~30万円台のいわゆる中級機に話題の製品が少ないのです。

アナログブームが去り、PCオーディオにも最近目立った動きがなく、話題の中心はもっぱらネット配信やストリーミングばかりで、音楽がファイルという目に見えないものになるにつれ、音楽からの距離も離れていっているのではないかと危惧しています。そして音楽自体の価値まで下がってしまっているのではと感じてしまいます。

しかもファイル音源を聞くためのハードにしても、デジタルオーディオプレーヤー(DAP)+ヘッドフォンやスマートスピーカーなどが一般的になってしまい、日常的にはこれで十分との認識になってしまい、どうしても安易な方向に流れがちです。

音楽ソフトが有形なものから無形になったのと同時に、CDプレーヤーやカセットデッキに象徴される複雑なメカニズムが不要になったことで、音楽再生へのこだわり、特に再生機器へのこだわりが急速に薄れ、CDプレーヤーの需要減退に陥ったのだと思います。

一方で、PCオーディオやネットワークオーディオには、オーディオの知識以外に、グレードを追求すればする程、パソコンに関連するスキルが必要になってしまいます。結果、本来の音楽を楽しむと言う方向とは全く違う、未知のパソコン用語に追いつめられ、断念してしまったオーディオファンも多いのではないでしょうか。

確かにPCオーディオやネットワークオーディオの利便性は私も認めます。でもその便利さ故の感動は恐らく最初の一瞬だけだと思います。やはりいい音で聴いた時の感動の方が遙かに勝ります。自分の好きな音楽を、こだわり抜いたオーディオシステムで聴くのが一番だと考えるのは、私一人ではないと思います。

私が、今CDプレーヤーでの音楽再生を改めてお勧めする理由は・・・
(1)内蔵のD/Aコンバーターが、素子の進歩により従来製品に比べ格段に良くなっている。
(2)CDプレーヤーの設計に、デジタルノイズ対策の新しいノウハウが活かされている。
(3)過去のCDライブラリーを改めて聴き直すと、その音質の良さにビックリすることがある。
(4)MQA-CDの登場で、CDプレーヤーでもハイレゾ再生が可能になった。
(5)アクセサリーやケーブル等で音質を向上させる対策を施すことができる。
(6)何よりジャケットやケースを含めた形のあるソフトである。

■ 『 D-03X 』の充実度&完成度
前作に当たる「D-05u」がSACD対応メカを搭載していたのに対し、『 D-03X 』はCDのみに特化した新型高信頼性のCD専用メカを搭載しています。後述しますが、内蔵DACは、SACDを遙かに超えるDSD:11.2MHzに対応しているのにもかかわらすです。

LUXMANとしては、SACDソフトの現状を鑑み、CD再生に特化し、その上でMQA-CDを含むMQAデータの再生を可能とすることで、ディスクとデータ両方でのハイレゾソフトに対応することにしたのだと思います。この決断の結果、コストを大幅に抑えることができたのです。(個人的には、この英断に拍手を送りたいと思います。)


そのCD専用メカは、一般的なCDプレーヤーで見られる中央配置ではなく、向かって左側に有り、あえてシンメトリー構造を避けています。これは筐体内のデジタル信号やアナログ信号の理想的な流れから来ているそうで、ケーブルの余計な引き回しが無く最短で結ばれ、同時にノイズからも逃れられます。さらに振動の経路や重力バランスまでも考慮しているそうです。

CDメカは、定評のある8mm厚の無垢アルミ製のメカベースと、ループレス構造のシールド付きボックスシャーシで構成されており、上部には新しくスチール製のトッププレートを加えた最新仕様となっています。これらの対策の結果、安定した信号の読み取り精度と、動作音を下げることで静音性を実現できたのです。シャーシ全体もアースループやデジタルノイズを回避するため複合構造を採用しています。

ドライブメカの奥には電源トランスがあり、中央部では、デジタル/アナログ/コントロールそれぞれの回路に、大容量のブロックコンデンサーによる余裕のある電源供給を行っています。

DACチップには、同社では使い慣れた32bit対応のTI社製「PCM1795」を各チャンネルあたり2基使用し、モノラルモードで動作させています。高性能なDACを余裕を持たせて動作させることで、デジタル信号に刻まれた情報を高精度かつ高精細にD/A変換することで、音楽のもつ魅力を引き出せるのだとしています。

本機はCDプレーヤーであり、本格的なUSB-DACでもあります。USB入力では最大PCM:348kHz/32bit、DSD:11.2MHzにまで対応。さらに話題のMQAにも対応しており、MQAはファイル音源だけではなく、MQA-CDにも対応しています。また、USB入力は一般的なアイソクロナス転送方式以外に、PCに対する処理負荷を低減するBulk Pet転送モードにも対応しており万全です。

D/Aコンバーターに続くアナログ回路は、モノラルモードで動作させたDACの差動出力を、完全バランス構成のI/V変換回路へ入力しローインピーダンス化することで、終段のロー・パス・フィルターアンプを強力にドライブしています。

フロントパネルには、デジタル入力切替や出力の位相切替を装備。ディスプレイ内のMQAインジケーターは、MQA-CDとMQAファイル再生時に、青(スタジオ)、緑(オーセンティック)、赤紫(レンダラー)の3色で表示されます。

アナログ出力は、18mmピッチの金メッキRCA端子とノイトリック社製XLR端子を装備。デジタル入力は、DSD/PCM信号に対応したUSB、COAX/OPT各1系統(PCM:192kHz/24bitまで対応)を装備しており、デジタル出力はCOAX/OPT各1系統です。

付属リモコンは、フロントパネルの精緻なブラスターホワイトと同様の仕上げのズッシリと重いアルミ製で、リモコンを使うことで、ディスプレイの文字のズームアップやディマー機能なども行えます。

■ 試聴(日本橋1ばん館CDプレーヤーコーナーで実施)

試聴での第一印象は鮮度感と躍動感です。それに加え、LUXMANならではの品の良さや安定感のあるサウンドです。決して腰高ではなく、低域はレンジが広く解像度を落とすことなく深く沈み込みます。

S/Nは水準以上でとにかく静かで見通しがよく、音場は奥行き方向に拡がり空間表現が抜群です。楽器の倍音も十分に再現され、特に弦楽器がリアルに響きます。

ボーカルは温かく滑らかで、人肌を感じさせてくれます。突っ張り感やきつさの感じない穏やかな女声ボーカルが印象的です。特に、井筒香奈江のボーカルは自然でいつまでも聴いていたくなるほどでした。

MQA-CDではさすがにレンジが拡がり、サウンドに厚みも加わって中高域の伸びやかさは圧倒的です。CDとは違う高解像度サウンドが魅力的です。南佳孝のMQA-CD「Dear My Generation」の声と雨音の自然さは抜群でした。

■ 最後に…
LUXMAN『 D-03X 』は、あえてSACDに対応せず、DACも使い慣れたものにすることで、アンプ回路の強化やサウンドの熟成に注力できたことで、価格を超えたCDプレーヤーとなったのです。更に、MQAデコード回路にもコストをかけ、CDソフトのみならず、ファイル音源によるハイレゾ再生も強化できたのです。

CDはもちろん、USB-DAC、MQAファイル再生など、いずれも高度な使いこなしが可能な中級機であり、CDプレーヤーやUSB-DACとしての完成度はハイエンド機に迫るものがあります。CDを含むデジタルオーディオが存分に楽しめる”デジタル・メディアプレーヤー”とも言えるCDプレーヤー『 D-03X 』です。

(あさやん)

2020年4月30日 (木)

MQA-CD対応 SACD/CDプレーヤー ラックスマン『 D-10X 』の全貌に迫る!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、MQA-CD対応 SACD/CDプレーヤー ラックスマン『 D-10X 』を取り上げます。


『 D-10X 』は、昨年(2019) 11月8日開催の大阪ハイエンドショーで初お披露目され、注目を集めましたが、その後、諸事情で発売が遅れに遅れ、この度改めて、2020年 4月20日発売予定と発表されました。

それでは、MQA-CD対応 SACD/CDプレーヤー『 D-10X 』の特長を順に見てまいりましょう。

■ 新ドライブ・メカニズム「LxDTM-i」採用と新高剛性メカサポートシステム
「LxDTM-i」とは、Luxman original Disc Transport Mechanism-improveの略で、前作に当たる「D-08u」に採用されていたメカ「LxDTM」をimprove(改善)した新しいメカです。同社としては唯一のSACD対応機でもある『 D-10X 』は、最高精度の読取能力を誇る新たなSACD/CDメカを採用し、外来振動をリジットに遮断する堅牢なオリジナル・ドライブ・メカニズムを完成させたのです。

その改善点とは…

フロントパネルからリヤパネルにまで貫く、シャーシを兼務した8mm厚のアルミ製のサイドフレームで、メカ全体を挟み込んでいます。さらに5mm厚のスチール製パネルを天板に組み付ける頑丈なBOX構造をとっています。まさにシャーシとの一体構造の高剛性のメカニズムです。

そして、メカの取り付け方も、前作でのサイドフレームの内側にある金具に固定する方法から、シャーシを兼ねたサイドフレームに切り込みを入れることで、メカを強固に固定し、一体化を図っています。その結果、高精度で安定したディスクの読み取りを実現したのです。


本機は、あえてハイエンド機では一般的なセンターメカ構造を取らず、物量を投入した大規模なアナログ回路の容積を確保するためと、筐体内を流れる各種信号の流れ、さらには振動経路、重量バランスまでも考慮した結果、アシンメトリー(非対称)構成のレフトサイド・メカ・レイアウト(左側トレイ)を採用したのです。

また、防塵と静穏性を高めるため、ディスクトレイ部を専用設計のシーリングカバー付きダストプルーフ・シャッター機構としており、前作を継承しています。

■ 世界初搭載となる最新のROHM社製高音質オーディオ用DACを採用したデジタル回路
前作「D-08u」にはTI(テキサス・インスツルメンツ)社製PCM1792Aをデュアル構成(モノラルモード)で搭載していました。そして近年、多くのハイエンドデジタル機器には、カナダのESSテクノロジー社や日本の旭化成エレクトロニクス(AKM)のDACチップが多く使われており、中にはエソテリックやマランツのように自社でDACをディスクリートで組み上げるメーカーも登場してきました。


そんな中、ラックスマンは世界有数の半導体メーカーである、京都のROHM(ローム株式会社)のDAC「MUS-IC BD34301EKV」に白羽の矢を立てたのです。これは世界に先駆けての快挙です。そのスペックは、現時点での業界最高クラスを誇る低歪率(THD+N:-115dB)、低ノイズ(S/N比:130dB)というものです。

このDACを2個 L/R独立のモノラルモードで使用することで、S/N感がさらに向上し、音楽データに含まれる微細な空気感やニュアンスまでも克明に再現できたとしています。

USB入力では、i-Fiなどの一部を除けば最高のスペックであるPCMでは768kHz/32bit(「D-08u」は384kHz/32bit)、DSDでは22.4MHz(同 5.64MHz)を実現しており、将来にわたっても安心です。光:2系統、同軸:1系統のS/PDIFデジタル入力は、最大192kHz/24bitのPCMに対応しています。

そして何より、本機の最大の注目点は「MQA(MQA-CD/MQAファイル)」へのフルデコード対応です。MQAソフトの3種類のステイタス(スタジオ/オーセンティック/レンダラー)の全てに対応しており、それぞれ青/緑/赤紫の3色のLEDで明示してくれます。

デジタル機器で最重要なクロックには、発振周波数付近のノイズを低減する、高精度・低ジッターの新しい超低位相雑音のクロックモジュールを搭載。SACDやDSDファイルの再生時には、2モードのアナログFIRフィルターにより、好みの音質調整も可能です。

■ 増幅回路も第4世代の「ODNF-u」にバージョンアップ
ラックスマン独自の増幅回路である「ODNF」は1999年にカーオーディオ用のアンプ「CM-2100」に初搭載されて以来、常に改良を重ねてきた同社アンプの中核技術です。音楽成分はそのままに歪成分のみを検出しフィードバックすることで、S/Nに優れ躍動感にあふれる、みずみずしい音質を実現しています。これは同社アンプ群で実証済みです。

今回採用した第4世代となる「ODNF-u」は、パラレル駆動する歪検出アンプのインピーダンスをより低く抑えることで、歪検出の精度を極限まで向上させ、広帯域まで澄み渡り、純度が高くエネルギー感に満ちた新次元の音質を達成できたとしています。

通常使われる独立した急峻な出力フィルターではなく、ODNF回路内部での緩やかな(1次フィルターx3)帯域処理により、自然なアナログ波形が再現できたのです。

また、電源部には、ラックスマン伝統の大型の新電源トランス(約25%アップ)と各回路独立のレギュレーター+大容量ブロックコンデンサーで構成されたハイイナーシャ(高慣性)電源を搭載しています。


基板には、インダクタンス成分を持つレジスト(被膜)を排除することで高域のノイズ成分を減少させるピールコート基板を採用。基板の配線もゆるやかな曲線で構成する、こだわりのラウンド配線パターンとするなど、細部にも徹底的にメスを入れています。

■ その他の特長
アナログ出力には、硬度と銅の導電率を併せ持つ「高品質カッパーアロイRCA端子」と「ノイトリック社製XLR端子」を装備しています。

ディスプレイは、「ズームモード(ホールド可)」があり、視認性が高く老眼には有り難い機能です。

筐体は、磁界やアースインピーダンス、デジタルノイズ対策を施した「ループレス&シールドシャーシ」の複合構造とすることで、理想的な信号経路(読取⇒変換⇒出力)でのノイズと電源トランス(振動源)との最大乖離を実現しています。

USB入力では、通常のアイソクロナス転送に加え、話題の処理負荷の低減により高音質を実現する「4モードのBulk Pet転送」にも対応しており万全です。

微小レベルのデリケートな音楽信号を不要な振動から守る「グラデーション鋳鉄製レッグ」を装着しています。

独自のノンツイスト構造による3.5スクエアの高純度無酸素銅(OFC)芯線と金メッキプラグを採用した、フラグシップ専用リファレンス電源ケーブル「JPA-15000」を標準装備しています。

ブラスターホワイトとヘアラインが織りなす上品なコントラストが特徴的な外観は、フロントパネルとトップ及びサイドパネルとの間にくびれをつけることで、立体的でダイナミックな新しいデザインとなっています。

また本機は、ラックスマン オリジナルのシンプルで使い易い高音質音楽再生ソフト「LUXMAN Audio Player(HPよりダウンロード可能)」を使うことで、様々なフォーマットのファイル音源を再生でき、PCオーディオにも万全の対応です。勿論MQAエンコードされた音源にも対応しています。

■ ラックスマン『 D-10X 』を総括
確かに120万円(税別)は超ハイエンドデジタルプレーヤーです。しかしそこには、ラックスマンが誇るアナログ技術の粋を集めた、こだわりの回路設計があり、本機だけのために練り上げたSACD対応の最新のドライブ・メカニズムを搭載し、さらに今オーディオ界で最大の話題でもある「MQA-CD/MQAファイル」へのフル対応と、最高スペックを実現しています。

アナログオーディオを知り尽くしたラックスマンが、同社の持つあらゆるノウハウを投入して、ひたすらアナログを超えるサウンドのために本機を開発したのです。

MQA-CDから最高の音質を引き出せるラックスマン『 D-10X 』は、今後のハイエンドのデジタルオーディオ・シーンにおいて、ターニングポイントになるのは間違いと思います。
(あさやん)

2020年4月 2日 (木)

エソテリック 最新鋭デジタルプレーヤー『 K-01XD 』『 K-03XD 』誕生!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、エソテリックのフラッグシップ「Grandioso(グランディオーソ)」のエッセンスを注入した、最新鋭デジタルプレーヤー『 K-01XD 』『 K-03XD 』をご紹介します。




エソテリック『 K-01XD 』『 K-03XD 』は、いずれも、2010年発売の「K-01」「K-03」、2014年の「K-01X」「K-03X」、そして、2018年の「K-01XS」「K-03XS」に続く、第4世代機です。

それでは、前作からのグレードアップの内容と『 K-01XD 』と『 K-03XD 』の違いについて、エソテリックの担当者に詳しくお聞きしましたので、レポートしてまいります。

■ まずは「エソテリック」のVRDSのメカの歴史から
1987年、CDトランスポート ESOTERIC「P-1」に初めてVRDSが搭載されました。一体型CDプレーヤーでは、1991年のESOTERIC「X-1」が最初です。普及機としては、1992年のTEACのCDプレーヤー「VEDS-10」、CDトランスポート「P-700」が最初でした。1997年、当時CDトランスポートの最終型と言われたVRDSメカを搭載した伝説の「P-0」を発売しました。

2003年、SACDに対応した新VRDS搭載の「X-01」、2004年には、さらに進化したVRDS-NEO搭載の「P-01」、そして、フラッグシップ”グランディオーソ”にも、2013年に登場した「Grandioso P1」、2016年「Grandioso K1」に改良型のVRDS-NEOが搭載され、エソテリックのCD/SACDプレーヤーはVRDSメカと共に進化してきました。

SACD対応トランスポートメカ「VRDS-NEO」が、基本設計は変えて来なかったものの、登場して16年目の昨春(2019年)遂に、SACD/CD トランスポート「Grandioso P1X」に新開発の『 VRDS-ATLAS 』が搭載され、登場したのです。業界最高のメカと謳われた「NEO」のレベルを更に向上させるということは至難の技であり、エソテリックにとっては、社運を掛けた挑戦だったともいえます。

「NEO」のメカ設計を根幹から見直し、類まれなる機構の構築と高音質を誇る新規設計の究極のメカとして『 VRDS-ATLAS 』が完成したのです。VRDSメカ史上最高の剛性と重量を誇り、「NEO」との比較で重さが+27%(メカ単体6.6kg、ベース部含め13.5kg)もの重量級コンストラクションとしたことで、音質に悪影響を及ぼす、あらゆる振動を極限まで減衰させたのです。

その「Grandioso P1X」の発売から僅か半年で、『 VRDS-ATLAS 』を搭載した一体型SACD/CDプレーヤー「Grandioso K1X」を完成させたのでした。ただ約300万円という超ハイエンドプレーヤーであり、その恩恵にあずかるのは、ほんの一部のハイエンド層に限られていました。

そこで、今回ご紹介します『 K-01XD 』と『 K-03XD 』の登場と相成るのですが、『 VRDS-ATLAS 』を使う限り、やはりコストを下げるのには限界があり、下位の『 K-03XD 』でさえ、100万円強という高額なプレーヤーとなってしまいました。しかし、CD/SACDの可能性を極限の極限まで追求するのであれば、『 K-01XD 』『 K-03XD 』のご購入も検討されてみてはいかがでしょうか。

■ 究極のトランスポートメカ「VRDS-ATLAS」
VRDSメカニズムは、ディスクを同径のターンテーブルに確実にクランプして回転させ、ディスク自身の回転振動や、メカニズムの不要振動を徹底して排除し、ターンテーブルでディスクの反りを矯正します。これにより、光学ピックアップとディスクピット面の相対光軸精度を大幅に向上させ、サーボ電流を極小化できたことで、ディスク読み取りエラーの大幅な減少と優れた音質を実現したのです。

『 K-01XD 』に搭載された専用メカ「ATLAS 01」は、上位モデルと同一の20mm厚ブリッジを採用。極めて高い剛性と重量であらゆる振動を減衰します。ターンテーブルはジュラルミン製、SS400スティール製ブリッジはVRDS-NEOよりも大型化。スピンドルは、点接触で受けることで摩擦や回転ノイズを極限まで抑えています。

更にメカ全体の幅を広く、背が低い設計とすることで低重心化。ターンテーブル駆動用モーターを従来のブリッジ最上部からターンテーブルの下側に移動することで、振動をより効率的に減衰させています。トレーは最小限のくり抜きで高剛性化。特殊な振動吸収エラストマー樹脂製ストッパーでトレー収納時の共振も防止しています。


「Grandioso P1X/K1X」のATLASとの違いは、ローディングレールエンド(K-01XDでは金色の部分)の材質が変更されている点です。

また、『 K-03XD 』に搭載されている「ATLAS 03」は、「ATLAS 01」の20mmブリッジに対して、加工箇所を減らした18mmのブリッジとなっています。その他は全く同じで高剛性+重量級には変わりはありません。

■ DACチップではない「Master Sound Discrete DAC」
前作まで、DACには旭化成の最上位のチップが使われていました。しかし上位機「Grandioso D1X/K1X」にはエソテリックの完全自社設計のディスクリートD/Aコンバーター「Master Sound Discrete DAC」が搭載され注目を集めました。

従来の集積チップでは実現することのできない、吟味を重ねたディスクリート部品で回路を組み上げることで、音楽の「躍動感」や「エネルギー感」の完全なる再現を目指したとのことです。


『 K-01XD 』には、「K1X」版のエッセンスを凝縮しつつ、シンプルな回路構成としてコストダウンを図ったとのことです。DACは、1チャンネル当たり32のエレメントから構成され、主要部品は32エレメント分を全て独立させた贅沢な物量投入型です。プレミアム・グレードの高音質パーツを贅沢に採用しています。

また、『 K-03XD 』では設計自体は『 K-01XD 』のDACと同じで、見た目も全く同じですが、コンデンサー等に通常の高音質パーツを使用しているとのことです。しかし、これによる音質差はほぼ無いとのことです。

部品の公差が演算精度に直結するため、基板製造は病院のオペ室と同レベルのクリーンルームで、無酸素炉でハンダ付けを行うエソテリックの自社ファクトリーで行っており、これこそ同社の世界有数の基板マウント技術の成せる技だと言えます。

■ 音質の要となる強力な電源回路
『 K-01XD 』は合計4つの大容量トロイダルトランスを搭載。D/Aコンバーター部のL/R、メカニズム、デジタル回路をそれぞれ専用の電源トランスから給電する贅沢な仕様となっています。

一定電圧を供給するための電源レギュレーターは、集積回路を使わないディスクリート構成で、フィードバック量を最小限としています。コンデンサーには合計71本(合計容量1,850,000μF)のスーパーキャパシターを搭載。電源の大容量化は間違いなく低域の解像度を大きく改善します。

一方『 K-03XD 』は、合計2つの大容量トロイダルトランスを搭載し、デジタルとアナログの電源部を独立させています。また、合計26本(合計容量650,000μF)のスーパーキャパシターを搭載しており、ここが最もコストを抑えられた要因でもあります。やはり若干の余裕度に違いが出そうですが、それはあくまでニュアンスレベルだとエソテリックはしています。

■ その他「前作」との違い
1)クロック
「Grandioso P1X/D1X」用に開発された高音質クロックデバイス「Grandioso Custom VCXO II」を搭載。位相雑音が極めて少なく、優れた中心精度(±0.5ppm)を誇ります。

2)セミフローティングトップパネル
Grandiosoと同様、トップパネルをネジで締め付けない構造にすることで、伸びやかで開放感のあるサウンドを目指しています。

3)MQAにフル対応
MQA-CDのデコード再生やUSB入力をはじめとする各デジタル入力再生時のMQAコーデックにも対応。

4)シャッタートレイメカを廃止
メカ音を少しも漏らさないため、前作「K-01XS」に採用されていたシャッタートレイを『 K-01XD 』では廃止しています。これは、ATLASの静粛性と不要なメカの削減により音質が向上したためとしています。

■ まとめ
「Grandioso(グランディオーソ)」のエッセンスを注入した、最新鋭デジタルディスクプレーヤー『 K-01XD 』『 K-03XD 』。正直筆者を含め、それでもまだまだ”高嶺(高値)の花”ではありますが、”今こそ!”ハイエンドオーディオの王道である光ディスク(CD/SACD)から最高のパフォーマンスを引き出すことが可能であり、しかも、話題の「MQA-CD」にも対応している、ハイレゾディスク&ハイレゾファイル・フル対応機として大注目のデジタルディスクプレーヤーです。

(あさやん)

2020年3月 6日 (金)

ラックスマン待望のMQA-CD対応プレーヤー『 D-03X 』

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、最初の発表から実に5ヶ月以上費やしたものの、ついに発売となった ラックスマン MQA-CD対応プレーヤー『 D-03X 』をご紹介します。




詳細は伏せますが、『 D-03X 』の開発段階、そして生産段階で、かなり予想外の高いハードルがあったようです。恐らく他のオーディオメーカーも苦労している、ハイエンド製品の構成部品の小規模生産に応えてくれる部品メーカーの減少が影響しているのだと想像します。私はかつての日本の高品質なものづくりが難しくなっている現状を危惧します。

そんな発売が遅れた原因はさておき、ラックスマンならではの、同社としてはミドルクラスに位置づけられる画期的な最新鋭CDプレーヤーがついに完成したのです。その『 D-03X 』の全容を見てまいりましょう。

■ ドライブメカ
『 D-03X 』は、2015年発売のSACD/CDプレーヤー「D-05u」の基本構成を受け継いでいます。ただ前作は同社フラッグシップ機である「D-08u」と同一の高剛性オリジナルメカ「LxDTM」を搭載し、SACDに対応していました。しかし本機では、実際のソフトの使用状況などを加味して、高信頼CD専用メカによるCD専用機として価格面での訴求力を上げています。

そのメカは、これまでも採用実績のある極厚アルミ製のメカベースと、アースループが発生しないループレス構造のシールド付きボックスシャーシで構成されています。メカニズム全体を強固なシャーシによって囲うことで、外来振動をリジッドに遮断できたのです。また新たにスチール製トッププレートを加えた最新仕様とすることで、読み取り精度と静音性もさらに高めています。

また、CDプレーヤーでは一般的なセンターメカ構造はとらず、物量投入型のアナログ回路のスペース確保や各種信号が筐体内をスムーズに流れること、さらには振動の伝わる経路にも配慮し、優れた重量バランスを得るため、非対称(アシンメトリー)構成の「レフトサイド・メカ・レイアウト」をとっています。

■ デジタル回路
USB入力によるPCM/DSDのハイレゾファイルの再生は、PCMでは最大384kHz/32bit、DSDは最大11.2MHz/1bit(最初の発表時点では5.64MHz)に対応しており、現状では万全のスペックです。S/PDIF入力は、最大192kHz/24bitのPCMに対応しています。

D/Aコンバーターには使い慣れた「D-05u」と同じ32bit対応TI社製「PCM1795」をデュアル構成(モノラルモード)で搭載しています。高性能DACを余裕を持たせた環境で動作させることで、高精度で精密な変換を可能にし、デジタル信号に刻まれた音楽信号を余すことなく引き出します。

特にUSB信号では、通常のアイソクロナス転送(リアルタイムに転送されるが、エラーが発生しても再送が行われない)に加え、バルクペット(Bulk Pet)転送(大量のデータを正確に伝えるのに適し、エラーがあれば再送される)にも対応しており、デジタル信号の送受信間の負荷が軽減でき、高品位で安定したファイル再生が可能で音質の向上が図れます。

クロックには、発振周波数(22.5792MHz/24.5760MHz)付近のノイズを低減する高精度かつ低ジッターの低位相雑音クロックモジュールを搭載しており、デジタル再生の要であるクロックにも万全を期しています。




■ アナログ回路
正確に読み取られたデジタル信号を、L/R独立のモノラルモードのD/Aコンバーターの差動出力を、フルバランス構成(同一構成のアンプ×4基)のI/V(電流/電圧)変換回路へ入力。次段のL.P.F(ロー・パス・フィルター)アンプを強力にドライブすることで、理想的なアナログ出力を得ているとしてます。



電源もラックスマンらしくこだわっており、大型の電源トランスを搭載。そのトランスから各回路独立のレギュレーターと大容量ブロックコンデンサーを経由することで、高慣性(ハイイナーシャ)の電源環境を構成しています。

■ 構造・機能
同社「L-509X」などの高級アンプにも採用されている「ループレスシャーシ」とすることで、シャーシ電流によるアースインピーダンスの上昇や発生磁界の影響を回避し、デジタルノイズを遮断するシールドシャーシとの複合構造とすることでノイズ対策も万全です。

電源ケーブルには、同社リファレンスモデルの「JPA-10000」を採用し、ACインレットもケーブルを強固に支える高剛性パーツを採用しています。またアナログ出力端子も高級機仕様の大型のRCAプラグにも対応する18mmピッチの金メッキ仕上げのRCA端子と、ノイトリック社製の高級XLR端子を採用し、手抜きはありません。

FLディスプレイは、ブラスターホワイト仕上げのフロントパネルに映える視認性の優れたもので、離れた場所からも見易い「ズームモード」が搭載された親切設計です。専用リモコンもブラスターホワイト仕上げのテンキー付きのアルミ製のしっかりしたものです。多彩な操作やディスプレイのディマー調整も可能です。



そしてUSB入力は、WAV/FLAC/MP3/DSF/DSDIFF/ALAC/AIFFのフォーマットに対応し、ラックスマンオリジナルの高音質音楽再生ソフト「LUXMAN Audio Player」(Windows/Mac共ダウンロード可能)によるシンプルかつ快適な操作が可能です。

ラックスマンの”MQA-CD”対応CDプレーヤー『 D-03X 』は、オーディオファイルが今現在望んでいるであろう、あらゆるフィーチャーに加え、ひたすら高音質を目指して開発された“最新鋭デジタルプレーヤー”と言える注目機です。

(あさやん)

2020年2月24日 (月)

トライオードから、真空管バッファ搭載 MQA-CD対応プレーヤー『 TRV-CD6SE 』がついに登場!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、当初の予定より、かなり遅れての発売となりましたが、ついに登場したトライオードの”MQA-CD”対応CDプレーヤー『 TRV-CD6SE 』を取り上げます。




■ 『 トライオード 』CDプレーヤーの集大成
デザインはお馴染みの前作「TRV-CD5SE」をほぼ踏襲しています。また真空管とソリッドステートの両方のサウンドが楽しめるのも前作と同じです。しかし『 TRV-CD6SE 』は、同社が”トライオードCDプレーヤーの集大成”を目指したと言うだけあって、最先端の技術とノウハウを結集して開発されており、しかも国内生産にこだわった戦略モデルです。

トライオードは1994年、トライオードサプライジャパンとして現社長:山﨑 順一氏によって設立されました。その後、2001年に株式会社トライオードに組織変更されています。トライオードは真空管アンプのイメージが強いのですが、同社のCDプレーヤーの歴史は意外に古く、創業僅か5年後の1999年にまで遡ります。

その第1号機が「TR-CD1」でフィリップス・メカに、DACはバーブラウン(BB)PMC1702、そして真空管非搭載で標準サイズの一般的なソリッドステートのCDプレーヤーでした。

その後、2002年「TRV-CD2」と型番に"V"が付き真空管バッファが搭載され、真空管とトランジスターの2系統の出力が搭載され、トライオードならではのCDプレーヤーとなりました。DACはBB:PMC1732でした。そして2005年「TRV-CD3」、DACはBB:1792と標準サイズのプレーヤーが続きました。

2007年発売の「TRV-4SE」になってサイズが横幅34cmと小振りになり、真空管はミニチュア双三極管:6DJ8が搭載されていました。そして2012年、DACがBB:1798になり、メカも変更され、更にUSB-DAC機能も加わった「TRV-CD5SE」となり人気を博しました。そして、今年2020年『 TRV-CD6SE 』の登場となったのです。

『 TRV-CD6SE 』は国産初の”MQA-CD”対応プレーヤーです。製品発表はラックスマンの「D-03X」の方が僅かに早かったのですが、結局トライオードが先鞭をつけた格好です。

本機はCDソフト再生に特化しており、前作にあったUSB-DAC機能は省略されています。トライオードの技術者によると、アンケート等では前作では殆どUSB-DAC機能は利用されておらず、その分のコストをCD再生に振り向けて欲しいとの要望が多かったということで、本機は思い切って非搭載にしたとのことです。また同軸/光のデジタル入力も省略しており、CD再生に徹しています。

実際にUSBによるPCオーディオを楽しまれている方の多くは、単体のUSB-DACをお使いのことが多く、トライオードの選択は正しいと思います。限られたコストの中で、最高のCDサウンドを目指したということはユーザーにとっても有り難いことです。

■ 『 TRV-CD6SE 』の注目すべきフィーチャー
①真空管バッファ回路搭載

真空管には6DJ8の上位バージョンの「6922(E88CC)」が採用されています。これによって従来機以上の真空管サウンドが楽しめます。また勿論ソリッドステート出力も備えおり、真空管とソリッドステートの2種類の音が楽しめるトライオードならではの仕様となっています。お好みやお聴きになる音楽で選択可能という、これこそ他にない『 TRV-CD6SE 』の最大の”売り”です。

②DACチップにESS「ES9038Q2M」搭載

DACチップに採用されているESS Technology社のSABRE「ES9038Q2M」は、ハイエンドCDプレーヤーにも採用されている高性能、高音質で定評のあるデバイスです。ESSの32ビット SABRE 2M DACシリーズのフラッグシップでもあり、D/A変換には独自技術の HyperstreamⅡを採用。過渡応答特性やTHDのリニアリティに優れ、正確でクリアなサウンドが得られます。

③アップコンバート機能

CDの44kHz/16bitの音楽信号を内部で352.8kHz/32bitまたはDSD5.6MHzにアップコンバート処理してから、D/A変換を行う再生モードを搭載しています。D/Aコンバーターでは過去にもありましたが、CDプレーヤーでは珍しい機能です。PCMでの情報量の多いハイサンプリング/ハイビットのサウンドや、DSDでは繊細なアナログライクなサウンドが楽しめます。

④MQA-CD対応


本機で最も注目されているのが、MQA-CDへの対応です。勿論フルデコード対応であり、MQA-CDは「スタジオ」(MQA自身の手によってMQA化)と「オーセンティック」(ソフト側によってMQA化)のソフトの表示もされます。CDソフトで最大352.8kHz/24bitの高音質サウンドがお楽しみいただけます。


そして『 TRV-CD6SE 』のCDメカはティアック製(アルメディオ)でここにも国産へのこだわりがあります。また、従来機にはなかった外部クロック入力も装備しています。WORD CLOCK(BNC:75Ω)で44.1kHz/11.2MHz/22.6MZ/45.2MHzで同期可能で、プロ仕様の10MHzの基準信号(BNC:50Ω)入力も装備されており、本格的です。クロックの重要性を熟知されているオーディオファイルには朗報です。

アナログ出力は、RCAが真空管バファー出力とトランジスタ出力の2系統。XLRバランス(2番HOT)はトランジスタ出力のみとなっています。デジタル出力は、同軸/光各1系統の他に、一部のハイエンドD/Aコンバーターに採用され始めている、I2S HDMIジャック(44.1kHz/16bit、352.8kHz/32bit、DSD5.6MHz)まで搭載するというこだわりようです。

フロントパネルには、ボリューム付きの6.3mmステレオ標準ジャックのヘッドホン端子が装備されており、何とその出力は真空管出力(280mW+280mW/40Ω)となっています。これはヘッドホンユーザーには楽しみな機能です。

このようにトライオード『 TRV-CD6SE 』は、SACDは勿論、USB-DACやネットワーク機能などを一切排除し、ただ「MQA-CD」を含むCDソフト再生だけに、とことんこだわったCDプレーヤーです。

近年のSACD/CDプレーヤーの超ハイエンド化に立ち向かうように、トライオードが究極のミドルクラスのCDプレーヤーを目指した画期的プレーヤーです。ここに”トライオードCDプレーヤーの集大成”が完成しました。
(あさやん)

2020年2月23日 (日)

『 MQA-CD 』対応プレーヤー続々発売!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、TRIODE、LUXMANなど、対応プレーヤーが続々登場している『 MQA-CD 』の魅力に迫ってみました。また、筆者おすすめの「MQA-CD」ソフトもあわせてご紹介いたします。




■ 2020年「MQA-CD」元年となるか?

タイトルの "元年" に違和感を感じる方は多いと思います。私自身もすでに「MQA-CD」や「MQAファイル」にどっぷり浸かってしまっており、メインソフトの座を占めているのが現状です。しかし、その素晴らしさを享受できていないオーディオファンが如何に多いことか・・・。全く興味がないという方は少ないと思うものの、さてどうやって、どのようにMQA再生機器を導入しようか・・・という時点で、恐らくストップしてしまっている方が多いことと思います。

しかし、昨年(2019年)秋の製品発表から、様々な事情で数ヶ月遅れたものの、やっとのことで「TRIODE」1機種と「LUXMAN」1機種のMQA-CD対応CDプレーヤーが遂に正式発売に漕ぎ着けたのです。(今春にはLUXMAN「D-10X」が発売予定)

そこでこれを機に、選択肢が従来のMQAデコーダー搭載の「Mytek(マイテック)」のD/Aコンバーターや、「Cocktail Audio(カクテルオーディオ)」のマルチメディアプレーヤーなどに加え、純国産のMQA-CD対応プレーヤーにも広がってきたことで、今年(2020年)が本当の意味での「"MQA-CD元年"になれば良いなぁ」との希望的観測から、今回 "元年" を使わせていただいた次第です。

「MQA(Master Quality Authenticated)」が正式に発表されたのは2015年ですから、既に4年以上経過していることになります。しかしハードは、「SONY」や「Cayin」などのポータブルプレーヤーや「AudioQuest」「iFi-Audio」のポータブルDAC(レンダラー)が中心で、本格的なオーディオファンのための対応機器はかなり限定されており、殊にMQA-CD対応機ともなると選択肢が殆ど無かったのが現状です。

■ ソフト面も充実
ソフト面では、かなり早い段階から「e-onkyo」や「2L」のダウンロードサイトや、「TIDAL」のストリーミングサイトがMQA音源を供給してくれています。また「MQA-CD」は、2018年ユニバーサル・ミュージック、2019年ワーナー・ミュージックの大手レコード会社が参入し、マイナーレーベルや輸入盤を含めると、かなりのタイトル数が揃って来ています。

・参考:MQA-CDソフト情報 (MERIDIAN AUDIO) ※外部サイト

「MQA-CD」ソフトはMQA未対応のCDプレーヤーで再生しても、同じタイトルの通常CDより「良い音」で聴けるため、将来、対応ハードの購入をご検討の方は、お好みのアーティストの「MQA-CD」を先に入手しておかれることをおすすめします。その「良い音」で聴ける理由を、次項以降で、分かりやすくご説明させていただきます。

■ MQAが「良い音」で聴ける理由
それは「MQA」が音の時間軸解像度を飛躍的に高めたことによるものです。最新の神経工学では、人間の耳は周波数より「時間軸の音の解像度」に対して、遙かに敏感であることが解ってきたのです。

その「時間軸の音の解像度」とは、その音がいつ始まって、いつ終わったか、あるいは音の方向や奥行き、スピード、残響や反射などを感知するために重要な要素です。実際のPCM音源やCDソフトでは、どうしても本来のマスターに比べると人間の感知能力を遙かに上回る大量のプリエコーやポストエコー(ノイズ)が存在してしまっています。これが「音のボケ」とも言われるリンギング(時間軸のエコーノイズ)なのです。



実際に人間が検知できるとされる「時間軸情報の解像度」は3μ秒(マイクロ秒=100万分の1秒)といわれています。既存のPCM 192kHz/24bitの音源では約250μ秒のプリエコーが生じるのに対して、MQAでは5μ~8μ秒を達成しており、トータル(インパルスの前と後)では実に500μ秒から約10μ秒未満まで減少させているのです。これが通常CDにおいても滲みのないクリアで響きの美しいサウンドを実現できる理由です。

もう一つのMQAの画期的な所は、膨大な情報量のスタジオクオリティの音源を、CD並のコンパクトなサイズにロスレスで圧縮する『 オーディオ折り紙 』と呼ばれる独自技術を採用したことです。前述の音楽の時間軸解像度を重視し、スタジオマスターの時間軸情報にダメージを与えず、効率良く符号化する技術です。

具体的には、MQAでは帯域の中のハイレゾ音声信号の領域を、「折り畳んで」CD相当のデータ領域の検知閾下(いきか=ノイズレベル以下の知覚されないレベル)の領域に格納するのです。この圧縮方法を「オーディオ折り紙」とMQAでは呼称しています。再生する際にはその格納された領域から折りたたんだ部分を展開し、元のデータに戻すのです。

例えば、192kHzの音源では、CD品質(48kHz)のデータの閾下に48kHzから96kHzまでを、更にその下に96kHz以上で192kHzまでのハイレゾ成分を格納し、再生時にはそれを元に戻すのです。ただ折り方は、畳む時に二回折り返されており、元に戻すときには二回折り直さねばならないのです。はじめの一回目の展開のことを「コアデコード(これをデコードするのがレンダラー)」、二回に展開することを「フルデコード」と呼びます。

これらの結果、192kHz/24bitのハイレゾFLAC音源では150MBのサイズが必要なのに対して、MQAでは音質を維持した上で、それが30MBで済むのです。圧倒的な軽量化を達成していると言えます。また、現時点でMQAの音源データには2種類が存在します。一つがMQA自身の手によってMQA化された「MQA Studio」(MytekやLUXMANでは青のLED表示)、もう一つが配信側やソフト側によってMQA化された「MQA」(同・緑)です。

■ 筆者おすすめの「MQA-CD」ソフト
私はすでに30タイトル以上のMQA-CDやダウンロードしたMQA音源を所有していますが、その中でも特に気に入っているソフトを少しご紹介しておきます。
※音楽・映像ソフトは、他の商品とは別精算となります。

日本のミュージシャンとして初めての新譜MQA-CDです。南佳孝の声の質感はリアルで、特に2曲目は圧巻です。

1979年発表した彼女の初のスタジオ・アルバムですが、古さを感じされないリアルな声が魅力です。

1964年録音の名盤中名盤です。まさにアナログレコードの感動が蘇ります。

オムニバスのためすべてが高音質という訳ではありませんが、1980年代以降録音の曲は抜群のスケール感です。

【5】ボブ・ジェイムス・トリオ 「Espresso 」EVSA572M(※Joshin webショップでの取り扱いなし)
最新録音のMQA-CDです。とにかく高解像度サウンド、リアル感、グルーブ感はMQAの実力が遺憾なく発揮されています。

【 番外 】松任谷由美「45周年記念ベストアルバム ユーミンからの、恋のうた」MQA 96kHz/24bit(ハイレゾ音源配信サイト e-onkyo music
比較的新しい楽曲が中心で新たにリマスターされた録音は抜群です。CDでは絶対聴けないサウンドです。

2019年7月18日 (木)

MQA-CD特集『 MQA対応機器の可及的速やかな発売を! 』

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

2018年9月以来、久々のMQA-CD特集です。その間、我が家ではMQA-CDを約30タイトル揃え、存分に楽しんで参りましたが、遅々としてハードの普及が進まないことに、歯がゆさを感じておりました。

そんな折も折、音元出版のオーディオアクセサリー誌173号(2019 Summer)に、MQAを聴き比べるための「サンプラーCD」が付録として、付いてきました。そのCDを自宅のMytek「Brooklyn DAC+」で聴いたところ、その歴然とした差に驚くとともに、ぜひこのパフォーマンスを、一人でも多くのオーディオファイルに体験いただきたいと、心から願うようになったのでした。


■ サンプラーCDに収録のMQAについて
この「MQAサンプラーCD」の内容は、福岡出身のジャズボーカリスト 山口葵さんが歌う「祈りの伝統楽曲集」というタイトルで、4曲がそれぞれ3パターンの音源で合計12トラック収録されています。

MQAとは、従来CDと同じデータ容量の中に、ハイレゾ音源情報を折り畳んで入れ込む(エンコード)手法のことですが、これをCDにしたのがMQA-CDで、MQA対応機器で再生することで、折り畳まれたデータを正確に展開し、元のハイレゾデータとして再生することができるというものです。MQA対応機器を持っていなくても、通常の44.1kHz/16bitのデータとして再生は可能です。

さらにMQAの素晴らしいところは、通常の44.1kHz/16bitのCDデータでもMQA化することで、時間軸が正確に再現できることです。単にデータの容量を小さく詰め込むだけではなく、音源データそのものを本来あるべき音にする効果もあるのです。

その時間軸とは、どの位の短時間で音の変化を認識できるかの尺度のことですが、人間は一説には50マイクロ秒(2万分の1秒)とも10マイクロ秒(10万分の1秒)の変化を認識できるとも言われます。それに対し、CDの時間軸解像度は4000マイクロ秒、ハイレゾ96kHz/24bitリニアPCMでさえ400マイクロ秒程度だそうで、これは人間より400倍も40倍も悪いことになります。そのため、CDは音が硬く、平板で奥行きがなく、不自然なのだと言われています。

MQAでは、既存のリニアPCM音源の時間軸解像度をより細かく再設定できる特別なフィルター(De-Blur:デブラー)を開発し、音源をエンコードすることで高音質化を果たしたのです。その解像度は何と10マイクロ秒を実現したと言います。そもそも人間の耳は、周波数より時間軸解像度に対して、5倍から50倍も敏感なのだそうで、時間軸の精度を改善することで音質が向上するのです。

この時間軸解像度の改善を体感できるのが、今回のCDのトラック02、05、08、11の「44.1kHz/16bit MQA」の音源です。このトラックは従来のMQA非対応のCDプレーヤーで、その効果を確認することができるという画期的な、おそらく史上初の試みだと思います。ぜひ一度ご体験いただければと思います。

■ 聴いてみました
今回の試聴は、我が家のCDプレーヤーの同軸デジタルアウトをMytek Digital「Brooklyn DAC+」のS/PDIF1に入力し行いました。


「Brooklyn DAC+」にはMQAのインジケーターがあり、「44.1kHz/16bit PCM」は点灯せず、「44.1kHz/16bit MQA」はグリーンに、「88.2kHz/24bit MQA Studio」はブルーに点灯するため確実に確認できます。


▲ 44.1kHz/16bit PCM


▲ 44.1kHz/16bit MQA


▲ 88.2kHz/24bit MQA Studio

以下は3パターンのサウンドの第一印象のメモです。

◆ゴンドラの唄 ~ 1915年に発表された歌謡曲。黒澤明監督映画『生きる』の劇中歌。
・トラック01:44.1kHz/16bit PCM
44.1kHz/PCMでよく感じるように、ピアノの音が滲んでしまう。ボーカルの口が大きく膨らんでしまう。ヌケが悪く声を張り上げた時にきつく感じる。

・トラック02:44.1kHz/16bit MQA
ピアノがスッキリし、滲みがなくなる。ボーカルの口が見えてくる。ただ、声を張り上げた場合、まだ少しきつさが残る。

・トラック03:88.2kHz/24bit MQA Studio
ピアノがコロコロと小気味良くなり、滲みが全く感じられない。ボーカルの顔や姿が見える程にリアルになる。張り上げてもヒステリックにならず、声が落ち着いて自然になる。全体的にはダイナミックレンジが広くなったように感じる。


◆鳥の歌 ~ 作曲者不詳のスペイン・カタルーニャ民謡
・トラック04:44.1kHz/16bit PCM
弦がギコギコして不自然。ボーカルの位置が不明瞭で、詰まった感じに聞こえる。音場が平面的で、奥行き感に欠ける。

・トラック05:44.1kHz/16bit MQA
弦の振動が自然に感じる。ボーカルは立体的になるが、奥行きは余り出ない。

・トラック06:88.2kHz/24bit MQA Studio
弦が繊細でしなやかになる。声に響きが加わり立体感が出る。音場も奥行き方向に深くなる。


◆The Last Rose Of Summmer(録り下ろし) ~「庭の千草」として知られる名曲
・トラック07:44.1kHz/16bit PCM
ボーカルのサシスセソのヌケが悪い。弦がややきつく感じる。サウンドが左右スピーカーの間のみで、前後が出て来ない。

・トラック08:44.1kHz/16bit MQA
弦が滑らかでスッキリする。低音弦は深く沈む。ボーカルの顔は実物大になる。音場も奥に拡がり立体的になる。

・トラック09:88.2kHz/24bit MQA Studio
弦がまろやかで気持ちよく響く。ボーカルは生々しくなり、伸びやかで弾んでくる。中央少し後ろにボーカルの姿まで見えてくる。


◆The Water Is Wide(録り下ろし) ~ 山口葵さん作詞、作曲者不詳のスコットランド民謡
・トラック10:44.1kHz/16bit PCM
ピアノの抜けが悪く滲む。ボーカルがかなり膨らむ。シンバルは詰まって感じる。

・トラック11:44.1kHz/16bit MQA
ピアノがクリアで軽快にはずむ。声が自然でボーカルは中央に立体的に見える。シンバルがスッキリ分離する。ベースが沈み込み音程もしっかりしている。

・トラック12:88.2kHz/24bit MQA Studio ※本CDの最優秀録音トラック
ピアノが非常に生々しくなり、低音の響きが豊かになり沈む込む。ボーカルが中央に小さく実物大になる。それぞれの楽器が一つ一つ見えるように定位する。ベースは堂々として、シンバルはクリアに散りばめられる。

■ 最後に
この「MQAサンプラーCD」を聴いての印象は、44.1kHz/16bit MQAでの改善度合いが予想以上に大きいことで、さらに88.2kHz/24bit MQA Studioでここまで再現されるとは想像を絶するものがあります。この3パターンの差は目をつむっていても十分判別できました。

私自身、これまでユニバーサルのMQA-CDのサンプリング周波数が352.8kHzだからMQA-CDが素晴らしいのだと思っていました。しかし88.2kHzでここまで改善されるなら、これで十分とも感じました。CD制作時、88.2kHzのマスター録音が多いことから、もっともっと新録音のMQA-CDソフトの供給を望みたいと思います。

そして、現状(2019年6月)ではMQA-CDを聴けるハードが非常に少なく、多くのオーディオファイルにお聴きいただけないのが実に残念でなりません。可及的速やかな対応ハードの発売を望みたいと思います。

最新情報では、パイオニアが「PD-50AE」(発売未定)をはじめ、トライオード、マークレビンソンがMQA-CD再生機を発売予定とのアナウンスがされています。ソフトもワーナージャパンが参入予定です。ゆっくりですが、MQA-CDファミリーが増えてきています。期待しましょう!。
(あさやん)

2018年9月18日 (火)

MQA-CD特集 第5弾!! デジタルオーディオの最先端をひた走るカクテルオーディオ『 X45pro 』 ~ カクテルオーディオのミュージックサーバーがさらに大きく進化! ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、MQA-CD特集 第5弾!!と題しまして、"MQA-CD"にも早々と対応した最新鋭のミュージックサーバー カクテルオーディオ『 X45Pro 』に迫ります!




■ ミュージックサーバーとは!?

韓国NOVATRON社はユニークなマルチメディア・オーディオシステム(ミュージックサーバー)の開発・製造を目的に2003年に創設され、Cocktail Audio(カクテルオーディオ)は、そのハイファイオーディオ製品専用のブランドです。

ミュージックサーバーという単語は、様々な解釈の仕方があるため、日本ではあまり浸透していませんが、厳密に定義すれば、「音源の管理(サーバー)から再生機能(プレーヤー)までを備えるオーディオ機器」と言うことができます。すなわち「ストレージ(データを保管しておくための補助記憶装置)内蔵ネットワークオーディオプレーヤー」と言い換えることもできます。

このミュージックサーバーのメリットは、「1台でデジタルオーディオ再生に必要なことが全て賄える」ということにあります。

アナログレコードやCDがメインソースだった時代は、ごくシンプルだったオーディオシステムが、PCオーディオやネットワークオーディオの時代になって複雑になってしまいました。

PCオーディオならパソコンやUSB-DACが必要で、加えて複雑な設定も必要になりました。一方ネットワークオーディオでは、ネットワークプレーヤーに加えて、サーバーの働きをするNASや、CDをリッピングしたりメタデータを整理するためのパソコンも必要になりました。

オーディオ機器ではないパソコンや、NASを含めた複数の機器を、USBケーブルやLAN接続しなければ、音が再生できないという状況になってしまったのです。これでは従来からのオーディオファンがPCオーディオやネットワークオーディオを「難しい」と感じるのは当然のことだと思います。

そんな中、カクテルオーディオのミュージックサーバーは、こうした複雑さを排除して、1台でデジタルオーディオの魅力を存分に手軽に味わえる製品として登場したのです。

CDのリッピング、メタデータの管理、そしてファイル音源やネットワークでのストリーミング再生はもちろん、CDソフトの直接再生まで1台で行えます。本体大型ディスプレイと付属のリモコンで快適な操作が行えるように設計されているため、別途タブレットやスマホを用意する必要もありません。

そんなカクテルオーディオのミュージックサーバーの現行全機種がファームウェアのバージョンアップによって、今話題の"MQA-CD"のダイレクト再生が可能となったのです。もちろんリッピングしての再生も可能です。

そこで今回は、最新鋭の『cocktailAudio X45Pro(以下X45Pro)』を中心に、カクテルオーディオのミュージックサーバーの魅力に迫ります。


■ カクテルオーディオ『 X45Pro 』に迫る!

現在、カクテルオーディオのミュージックサーバーは4機種(それぞれブラック・シルバーの2色合計8機種)あり、100W+100Wの大出力アンプまで内蔵した、まさにオールインワンの「X35」、機能的にも価格的にも中心的な存在の「X45」、D/Aコンバーター非搭載で筐体を大幅に強化してトランスポートに徹した「X50D」、そして高性能D/Aコンバーターを搭載した同社のフラッグシップとも言える『 X45Pro 』です。

同社メイン機種「X45」の上位モデルという位置づけですが、その外観にはかなりの違いが見られ、大型ディスプレイを中央に置き、CDスロットがそのディスプレイの上に来て、左右対称のスッキリしたデザインになっています。

また、13mmの極厚のフロントパネルを含め、全ての筐体が厚手のアルミプレートに精密な切削加工と、綺麗なブラスト処理(艶消し加工)を施した総アルミ仕上げとなり、上面パネルにはブランド名まで刻印されています。まさにハイエンド仕様と言えます。

機能面は「X45」と同じで、本体背面にストレージ(HDD/SSDドライブ)用のスロットを装備しており、2.5インチHDDやSSDは2TBまで、3.5インチHDDは8TBまで対応しており、それらを使い分けることもできます。

名前が示す通り、ネットワークに接続することで、プレーヤー機能、サーバー機能、さらにインターネットラジオ、TIDAL、Deezerなどのストリーミングサービスにも対応しています。

デジタル入力は、RCA同軸、TOSLINK、AES/EB、USBの4系統、デジタル出力は、RCA同軸、TOSLINK、AES/EBU、USB、HDMIの5系統を装備しています。さらにEthernet、USBメモリや外付けHDD用のUSB3.0×2、USB2.0を装備し、多彩なインターフェースが可能です。

アナログでは、RCA入力とPHONO(MMフォノイコライザー)入力が1系統ずつ、出力はXLRバランスとRCAアンバランスが1系統ずつ装備されています。さらにFMチューナーまで内蔵されており録音も可能です。

電源回路も「X45」より強化されており、アナログ系とデジタル系を分離し、アナログ系には大型のトロイダルトランスを採用。デジタル系のスイッチング電源も大型化されたようです。さらにトロイダルトランスとデジタル系の電源部はそれぞれアルミのシールドケースで覆うという徹底ぶりで、ノイズ干渉を抑えることで高音質を目指しています。

さて本機の最大のトピックであるデジタル系の内部構成を見てみましょう。

DACチップには言わずと知れた最新&最上位のESSの32bitタイプの「ES9038Pro」を1個、ステレオモードで搭載し、140dBものダイナミックレンジと低歪み、低ノイズを実現しています。因みに「X45」は同じESSの「ES9018K2M」です。

「ES9038Pro」には放熱器が付けられ、100MHzというマスタークロックが注入されています。元々発熱量が多い「ES9038Pro」ですが、あえて高い周波数のクロック信号を注入することで、更に発熱は増えるのですが、確実にジッターの低減とDA変換特性の向上が図れるとのことです。

この結果、現時点での再生フォーマットはほぼ網羅しており、PCM:32bit/768kHz、DSD:512(22.4MHz)、DXD:24bit/352.8kHz、HD FLAC:24bit/192kHz、HD WAV:24bit/192kHz、そして"MQA"などハイレゾフォーマットを含む様々なフォーマットに対応できたのです。

その他、同社の他機種との共通点は、
1) 内蔵CDドライブによる簡単CDリッピング。CD情報はFreeDBやGracenoteなどのサイトから取り込み可能。
2) 取り込んだ音楽データは、カバーアート表示、文字表示、使い易い検索機能などが可能な独自のミュージックデータベースに蓄積・管理。
3) PHONO入力(X50は非搭載) からアナログレコードを24bit/192kHzのハイレゾで録音可能。
4) フロントパネルには見やすい7インチの大型ディスプレイを搭載。操作画面、ファイル情報、カバーアートなどが表示可能。
5) 専用のリモートコントロールアプリNOVATRON「MusicX」をiOS/Androidなどのスマホやタブレットにダウンロードすることで、ネットワーク経由で操作可能。

■ 最後に
このように『 X45Pro 』は従来通りの使い易さに加え、内部構成の充実や筐体の強化により、他社製品を圧倒するハイエンド機器としてのパフォーマンスを獲得したのです。

さらに"MQA-CD"にも早々と対応した『 X45Pro 』こそ、デジタルオーディオの最先端をひた走る進化したミュージックサーバーです。これ一台で、いとも簡単にデジタルオーディオを極めることができます。

PC&ネットワークオーディオなどデジタルオーディオのパフォーマンスは認めつつも、その煩雑さにグレードアップを躊躇されていたオーディオファンにこそ、『 X45Pro 』をお勧めします。

カクテルオーディオのミュージックサーバーは、"MQA-CD"の魅力が最も手軽に高音質で味わえる最先端オーディオ機器なのです。(あさやん)

※カクテルオーディオの"MQA-CD"への対応内容は以下の通りです。DACを内蔵したX35/X45/X45Proでは、MQA-CDをフルデコード再生して、最大352.8kHz/24bitの信号をD/A変換してアナログ出力します。デジタル出力時は、MQAの規定に準拠したデジタル信号を出力します。DAC非搭載のX50Dについては、デジタル出力から、MQA規定に準拠したデジタル信号が出力されます。(新ファームウェアのバージョンはR1298です。)

2018年8月11日 (土)

"MQA-CD"特集 第4弾 ~ "MQA-CD"の凄さ! 対応機が続々登場! ~

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
過去3回にわたって"MQA-CD"についてレポートしてまいりましたが、今回はリニアPCM、DSDに続く第3のオーディオコーデック(※)としての"MQA"の凄さを解き明かします。
※コーデックとは、データのエンコード(符号化)と、デコード(復号)を双方向にできるソフトウェアのこと


■ 全く新しいオーディオコーデック

"MQA"は2016年頃から音楽ファイルのダウンロードや、ストリーミング配信に使用され始め、ハイレゾ音源をCD並のコンパクトなサイズに限りなくロスレスで圧縮する「オーディオ折り紙」とも言われる技術を使った、全く新しいオーディオコーデックです。

これを開発したのは英国のメリディアン社で、創業者のボブ・スチュアート氏の「デジタルでもアナログのように柔らかく、広がりのある高音質を再現したい。」との思いから生み出されたのです。

スチュアート氏は「20世紀の英国におけるオーディオの巨人」とも評され、FLACの原型とも呼ばれるロスレスコーデック「MPL(Merideian Lossless Packing)」を1990年代に発表した、デジタルの最先端技術をもつエンジニアです。

氏は、「アナログ時代は凄くいい音を聞けていたのに、デジタルになって音が不自然で硬くなってしまった。」これを何とかしたいと考え、開発に着手、その集大成が"MQA"だとしています。


■ これまでの高音質CDとの違い

従来、音楽ファイルは帯域を拡張して情報量を増やすことで高音質を追求してきましたが、情報量が増えれば音は良くなるものの、必要な容量が大きくなってしまい、ダウンロードに時間が掛かったり、ストリーミング配信で聞ける環境が制限されたりしていました。

またスチュアート氏は、帯域を拡張することで《ありがたみカーブ》が寝てくることにも危惧していました。それはサンプリング周波数をCDの44.1kHzから96kHzにした場合、音の変化には非常に大きいものがあるものの、384kHz、768kHz当たりまで来ると音質の変化が少なく、《ありがたみカーブ》(=サンプリングを上げることによる御利益)が少なくなってしまうと言います。

そこで着目したのが「音の時間軸解像度」という考え方です。時間軸とは、どの位の短時間で音の変化を認識できるかの尺度で、人間は一説には50マイクロ秒(※)とも10マイクロ秒とも言われます。
※マイクロ秒=100万分の1秒、10マイクロ秒は10万分の1秒

それに対し、CDの時間軸解像度は4000マイクロ秒、ハイレゾ96kHz/24bitリニアPCMでさえ400マイクロ秒程度だそうで、これは人間より400倍も40倍も悪いことになります。その結果、音が硬く、不自然に感じるのだとの結論に至ったのです。

スチュアート氏は、既存のリニアPCM音源の時間軸解像度を細かく再設定できる特別なフィルターを開発し、これを使って音楽ファイルをエンコードすることで、高音質化を果たしたのが"MQA"で、解像度は何と10マイクロ秒を実現したと言います。

そもそも人間の耳は、周波数より時間軸解像度に対して5倍から50倍も敏感なのだそうです。特にハイレゾソースでは時間軸の精度を改善することで音質が向上するのですが、その悪化する一因はデジタル信号に含まれるリンギング(音のボケ)で、その対策として"MQA"ではリンギングを除去する処理をし、音のヌケ、透明度が向上するとのことです。

さらに"MQA"は、「オーディオ折り紙」効果により容量を抑えることができ、折りたたむことでCDと同等のデータ容量になり、通常のCDプレーヤーで音楽を聴くことができる上に、専用のデコーダーを通すことで「折り紙」が広がり、元の広帯域での再生できるのです。

しかし、氏は当初"MQA"はストリーミングに使うことが主眼で、CD化については全く考えていなかったのだそうです。日本のレコードレーベル:UNAMASの沢口氏とシンタックスジャパンの村井氏が"MQA"がCDと同等の容量になることに着目し"MQA-CD"を発想したのだそうです。実際に作ってみたら、通常CDプレーヤーで再生でき、MQAデコーダーを通すと、見事ハイレゾサウンドが再生できたのです。これは快挙という他ありません。

そして"MQA-CD"が日本から登場したのは、欧米ではすでにストリーミングがメインソース(ダウロードは減少に転じた)になる中、日本は未だにCD大国としてパッケージメディアが根強く人気を保っており、実際レコード各社はCDの高音質化を続け「SHM-CD」や「HQCD」などを投入して来ています。

しかし"MQA-CD"がこれまでの高音質CDと違うのは、従来の改良はCDの材料や製造方法であったのに対し、"MQA-CD"は信号処理方法にメスを入れたと言うことです。さらにMQAデコーダーを使わず通常のCDプレーヤーで再生した場合でも、MQAでエンコードされることで、CD帯域でも時間軸解像度が細かくなっていることで高音質化が図れるのです。これによって今後すべてのCDが"MQA-CD"になる可能性も出て来ました。

さらに朗報として、これまで取り上げてきた対応機種以外に、新たにトライオードが輸入元となっているオーディオブランド「cocktailAudio(カクテルオーディオ)」のマルチメディアプレーヤーが、ファームウェアのバージョンアップ(R1298)を行い、アップデートすることで"MQA-CD"に対応できるようになったとのことです。

X45prococktail Audio X45Pro

カクテルオーディオのアナログ出力を装備した「X35」「X45」「X45Pro」については、"MQA-CD"に記録された信号を352.8kHz/24bitなどのハイレゾ仕様にデコードし、アナログ出力ができます。これらにはフロントローディングのCDドライブが装備されているため"MQA-CD"のダイレクト再生が可能です。自己完結できる優れものです。また「X35」「X45」「X45Pro」及び「X50D」のデジタル出力からは、MQAの規定に準拠したデジタル信号が出力され、MQA対応の外部D/Aコンバーターでもハイレゾ再生できます。今後こういう形での製品化が増えてくる可能性が高くなって来ました。


■ 最後に


最後に、筆者が一部入手したユニバーサル・ミュージックの『 ハイレゾCD名盤シリーズ(生産限定版) 』の"MQA-CD"のサウンドについて少し触れておきたいと思います。いずれも「Brooklyn DAC+」を使用し352.8kHz/24bitで再生しています。

【1】カーペンターズ「シングルス1969~1973」
筆者自身学生時代、カーペンターズを聴きまくった人間で、LPはほとんど所有していますが、CDになって前述のスチュアート氏同様「音が違う」と感じ、その印象はSACD盤でもそれ程変わりませんでした。カレンの声が冷たく、リチャードのピアノが硬かったのです。しかし、"MQA-CD"では何と瑞々しいボーカルでしょう。滲みのピアノでしょう。アナログ時代のサウンドが蘇って来ました。

【2】オスカー・ピーターソン・トリオ「プリーズ・リクエスト」
お馴染みのJAZZのスタンダードで、アナログ時代はリファレンスにしていました。しかしCDになってからは薄っぺらく軽いサウンドになり、ピアノも甲高く、やはり1964年の録音はこの程度のものだと感じていました。しかし"MQA-CD"では魂を吹き込まれたようにホットで、臨場感たっぷりのサウンドに変身したのです。

【3】キャノンボール・アダレイ&マイルス・デイビス「サムシン・エルス」
音楽史上に輝く不滅の一枚。マイルスのトランペットの生々しさ、キャノンボールのアルトの伸びやかさ。これが1957年の録音とはにわかには信じられないリアルさです。ステレオ初期の単純な定位ながら立体感が素晴らしく、あの時代にこの録音ができたのは、現在の様にいじくり回さない単純な録音方式の賜だと改めて感じました。

【4】アントニオ・カルロス・ジョビン「イパネマの娘」
筆者が好きなボサノバナンバー。ジョビンのピアノが滲まずクリアに、ギターも小気味良く軽く流れ、心地よいサウンドです。CDジャケットには、米国でオリジナル・アナログ・テープから2004年に44.1kHz/24bitにリマスターされたものをDSD化し、さらにMQAエンコードしたとありますが、これは紛れもないハイレゾです。やはり時間軸解像度が効いているとしか考えられません。

これら"MQA-CD"のサウンドは、いずれも通常CDとは全く違う世界です。SACDの線の細さもありません。低音の音程がしっかりし、安定感があり、風圧さえも感じさせてくれます。中高域の張り出し感、突き抜け感は、アナログ時代を思い起こさせてくれます。

この凄い"MQA-CD"の世界を、一刻も早く多くのオーディオファンの皆様に体感していただきたいのです。(あさやん)

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